質問:最近女性の方が脳動脈にコブができやすいと知りました。生活習慣でなる病気なのでしょうか?産後、睡眠不足や運動不足が否めません。もともと不摂生だったこともあり、血管や骨の老化が心配でした。遺伝的なものもあると聞いたことがありますが、最近女性の方が脳動脈にコブができやすいと知りました。子どもが生まれたばかりでまだ何年も手がかかるため、今後の自分の健康状態が不安です。家族に脳動脈瘤があると聞いたことはないのですが、生活習慣でなる病気なのでしょうか?今から気をつけられることがあれば伺いたいです。東京都:たまきさん(32)回答:「脳動脈瘤」についてお答えします。―――「脳動脈瘤」とは「脳動脈瘤」自体はかなりの頻度で見られるもので、健康な人の3~6%に見られるというデータがあります。脳動脈瘤が怖いのは、破裂した場合です。破裂する頻度は年間2%(100人の脳動脈瘤患者さんのうち、年に2人)と考えられていますが、大きな脳動脈瘤、複数の瘤を有する方、すでにくも膜下出血を起こしている方、喫煙者、女性などが破裂しやすいといわれています。<これからの生活で気を付けること>脳動脈瘤ができる原因ですが、他の病気と同様、「遺伝的な要因と環境要因」があります。家族や家系内に脳動脈瘤の患者さんがいる場合、脳動脈瘤の発症リスクは高くなります。また、環境要因としては、喫煙と高血圧、大量飲酒があります。なかには遺伝的要因もなく、喫煙もせず、高血圧がない方にも脳動脈瘤ができる場合もあります。これからの生活で気を付けることは、他の生活習慣病と同様、喫煙や過度の飲酒は控える、血圧は高くならないようにすることです。ご相談者さまのように、脳動脈瘤があるかどうかも分からない現時点では、特に心配することはないと思われますよ。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:一般的に何歳ぐらいから脳血管疾患の危険性が増すのでしょうか?30代半ばの主婦です。父方、母方両方の祖母が、脳卒中が原因で、認知症になったり、亡くなったりしました。私自身はお酒もたばこもたしなみませんが、一般的に何歳ぐらいから脳血管疾患の危険性が増すのでしょうか?また、早期発見できた場合とできなかった場合、どれだけの医療費の負担差が予想されるでしょうか?滋賀県:atuさん(35)回答:年齢と「脳血管疾患」の関係についてお答えします。――「脳血管疾患」の危険因子一般的には、脳梗塞などの脳血管疾患は、中高年や高齢者に発症することが多いです。一方、脳血管疾患の一つであるくも膜下出血は、40代、50代の働き盛りにも起きますので、特定の年代に限ったものではありません。では、脳血管疾患の危険因子を見てみましょう。■高血圧最も危険な原因は「高血圧」です。軽度の高血圧者(上の血圧が140~159mmHgほど)が脳卒中で死亡する危険度は、至適血圧者(してきけつあつ:理想的な血圧の値のこと)(110~119mmHg)と比べ、約3倍になります。重度の高血圧者(上の血圧が180mmHg以上)の場合、リスクは7倍以上に高まります。その他の要因は下記が挙げられます。 ■不整脈 「心房細動」という不整脈は、心臓が原因で起こる脳梗塞の最大の原因になります。きちんと脈を刻めない心臓は、流れが滞り、血液の塊ができてしまいます。その塊が脳へと飛び、脳梗塞になるのです。主な原因は高血圧、心筋症、心臓に酸素を送る冠動脈の動脈硬化です。しかし、過度な喫煙、飲酒、過労なども発作を誘発する場合があります。■脂質異常症動脈硬化を引き起こすLDLが高いと危険です。■高血糖状態糖尿病により高血糖状態が継続し、脂質が高い状態も加わると、動脈硬化を促します。脳の毛細血管まで硬化すると、脳梗塞のリスクが高まります。■喫煙たばこを吸わない人に比べて2.0~2.5倍も危険性が高いといわれています。喫煙をすると、血圧が上昇し脳の虚血が進行します。一酸化炭素やニコチン、タールなどが身体に入り、全身の血管が収縮するためです。 ■過度な飲酒お酒は、ほどよく飲む分には身体のリラックスや食欲の増進、血の巡りをよくするといった、プラスの効果があります。ですが、過度な飲酒は、肥満・動脈硬化・高血圧・糖尿病を引き起こし、また脳卒中のリスクを高めます。上記以外にも、家族に脳血管疾患になった人がいる場合は、脳卒中になる危険性が高くなります。遺伝の問題のため予防は難しいですが、発症のリスクが高いことを知っておいてください。<早期発見できた場合とできなかった場合の治療費>また、早期発見できた場合とできなかった場合の治療費の差、ということですが、脳血管疾患の一つである脳梗塞の場合を見てみましょう。この場合は早期の対応が重要になります。発病から3時間以内であれば、t-PAという薬を使用し、原因となった血栓を溶かすことが可能だからです。この条件に当てはまった50代の男性の場合、入院10日、治療費負担額30万円ほどで済んだのですが、t-PAを使用した治療を行うことができなかった70代の男性は、脳の血管が狭くなった部分を広げるためにステントという器具を入れる手術を行い、25日入院しました。結果、80万円ほど負担することになったのです。早期発見で、しかも血栓溶解療法が適応できた場合には、そうでない場合と比べ、治療費に大きな差が見られます。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:不整脈は脳血管疾患の原因になると聞いたことがありますが、気をつけることはありますか不整脈と言われたことはありませんが、健康診断の血圧、脈拍の項で再検査や要観察となることがあります。不整脈は脳血管疾患の原因になると聞いたことがありますが、気をつけることはありますか?また、3カ月前に歩行中に車に接触し、転倒してアスファルトに後頭部を強打する事故に合いました。しばらくめまいが続きましたが今は回復しています。事故の後で脳出血の原因となることはありますか?埼玉県:みのりさん(44)回答:「不整脈」と「脳血管疾患」の関連性についてお答えします。―――「不整脈」と「脳血管疾患」の関係まず、一つ目は、不整脈と脳血管疾患の関連性に関するご質問ですね。不整脈は脳梗塞の原因として非常に重要なものと考えられていますが、すべての不整脈が脳梗塞を起こすわけではありません。健康な人にも不整脈は起こることがありますが、危険な不整脈が起こると脳梗塞を起こしたり、倒れたりすることがあります。脳梗塞と特に関連が深いと考えられている不整脈は「心房細動」と呼ばれる不整脈です。この心房細動について、少しご説明しましょう。心臓は身体の各部に血液を送り出すポンプの働きをする臓器で、左右二つずつの心室と心房とからなります。心臓の筋肉が拡張と収縮を繰り返している時、微弱な電流が発生します。心電図検査はこの電流の活動を読み取ることで、心臓の各部の働きを調べる検査になります。正常な心臓であれば、心房の収縮→心室の収縮→心室の収縮の終了、と規則的に波が出現しますが、心房細動の状態になると心房の筋肉が不規則に収縮し、小刻みに震えたような状態になります。このため、心房の中の血液の流れが滞り、主に左心房の壁の一部に血の塊(血栓)ができてこれが血流に乗って脳などに運ばれ、脳梗塞を起こすことが知られています。このメカニズムにより、心房細動のある人は、ない人に比べて脳梗塞の発症率は5倍も高いといわれています。心房細動は女性より男性に多い傾向があり、加齢とともに増えてくる傾向があります。また、高血圧や糖尿病、強いストレスなどがあると心房細動が発症しやすく、遺伝性もあることが知られています。食生活や運動習慣、適切なストレスの解消といった予防を心がけることが、脳梗塞を避けるための第一歩といえるでしょう。もちろん、もし心房細動を発症してしまったら、薬物療法はじめ適切な治療を続けることは非常に重要です。<脳の出血について>また、二つ目の、頭を強く打った数カ月後に脳に出血が起こる可能性に関するご質問ですが、頭部を強く打った後しばらくしてから、脳と脳を覆っている硬膜との間に徐々に血腫ができ、さまざまな症状が出る「慢性硬膜下血腫」という病気が知られています。高齢者に多い傾向がありますが、若い方に発生することもあり、頭痛や歩行障害、片麻痺や物忘れなどで気づかれることがあります。頭を打ったあとにある程度時間が経過していても、「おかしいな」と思われたらぜひ脳神経外科を受診してください。どうぞお大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日オレンジページはこのほど、エクササイズ本『元気な脳と体をつくる! ボール1つでジャグササイズ』(1,200円・税別)を刊行した。ジャグササイズとは、ものを自由自在に操るパフォーマンス「ジャグリング」に、エクササイズ(運動)を組み合わせた運動。ジャグリングの第一人者であるダンディGOさんが考案した。ボール1つで行えるため、子どもから高齢者まで、スポーツが苦手な人でも楽しく続けることができるという。ジャグササイズは、ボールを繰りながら体を動かすという2つの動作を同時に行うことで、脳が活性化する。記憶力・集中力・判断力のUPなどが期待できるという。また、全身を使うので、ダイエットや猫背・肩こり・むくみの改善が期待できるほか、代謝がアップする効果もあるとのこと。認知症治療のスペシャリストである高瀬義昌医師は、「ジャグササイズをすることで、メタボリックシンドロームや認知症の予防ができます」とコメントしている。同書は、ジャグササイズの考案者であるダンディGOさんが監修。「脚を一緒に動かして脳トレ」「肩こり解消」「二人で一緒に脳トレ」といったジャグササイズを紹介している。詳しい動きやポイントを動画でわかりやすく解説したDVD付きなので、気軽に始められるとのこと。なお同書には、ジャグササイズに使用するボールはついていない。ボールは、テニスボールや軟式野球のボールくらいの大きさの握りやすいもので、落として足に当たっても痛くないものがよいという。ビニールコーティングの専用ボールもネットで購入可能。また、くつ下と米などでも簡単に作ることができるとのこと。
2016年11月02日「どれだけ眠っても疲れがとれない」「集中力が続かない」……。そんなことを感じる人は脳が疲労している証拠。『世界のエリートがやっている 最高の休息法』(久賀谷亮著、ダイヤモンド社)によると、睡眠をとったり、ゆったりと過ごすなどしたりしても脳の疲れは回復することはないといいます。脳は体重の2%ほどの大きさでありながら、身体が消費するエネルギーの20%をも消費しています。しかも、脳の消費エネルギーの60~80%はデフォルト・モード・ネットワークという、脳が意識的な活動をしてきないときにも動き続ける脳回路に使われているのです。そのため、ただ何もせずぼんやりしていても脳はどんどん疲れていくそう。そんな脳を休息させることができるのが「マインドフルネス」。これは、瞑想などを通じた脳の休息法の総称。Googleをはじめ、有名企業でも多く採用されているこの方法の効果は科学的な裏付けが進みつつあります。今回は本書の中から、その一部をご紹介します。■1:脳が疲れたら「現在」を意識する注意散漫になったり、無気力になったりするのは脳が疲れているサイン。このような状態のときは「こうすればよかった」や「こうなったらどうしよう」などと知らず知らずのうちに意識が過去や未来にばかり向かっています。このように意識が「いまここ」にない状態が続くと、心はどんどん疲弊していくのです。そんなときは、「マインドフルネス呼吸法」が有効。椅子に座って背筋を軽く伸ばし、お腹はゆったりとリラックスします。次に自分の身体の感覚に意識を向けていきます。足の裏が床に触れている感覚や、手が太ももに触れている感覚を感じてみます。そして、次は呼吸に意識を向けます。深呼吸ではなく自然な呼吸で、空気が鼻を通る感覚や胸が膨らむ感覚、吸う息と吐く息で温度が違うことなど細かく注意を向けていきます。その間に、他の考えが浮かんでしまうこともありますが、それに気づいたらまた静かに呼吸に注意を戻せばOKです。なぜこんなに呼吸を意識するかというと、「いまここ」に注意を向けるため。それにより脳を休息させることができるのです。脳は習慣を好むため、これを1日5分でも毎日、同じ場所、同じ時間に行うことが大切です。■2:マルチタスクが多いときは自分の動きに注意を向ける何かをしながら、別のことをするようなマルチタスクの状態が続くと注意力や集中力が低下することがあります。莫大な仕事量を効率よくこなせる人ほど、実は集中力を1箇所に固定することができなくなっています。そういう人には「歩行瞑想」がおすすめ。歩いているときに自分の手や足の動き、地面と接触する感覚などに注意を向けていくのです。そして自分の動き一つ一つに「右」「左」や「上げる」「下げる」などラベルを貼るように意識するとさらに効果的です。このように自分の動きに注意を向けて「いまここ」を意識する方法は、Googleの社員研修プログラムでも取り入れられているそうです。歩行だけでなく、歯を磨くときや服を着るときなどにも応用することができます。毎日決めたタイミングで行いましょう。■3:自分の心は「プラットホーム」だとイメージする頭の中が様々な雑念でいっぱいの状態を「モンキーマインド」といいます。脳は莫大なエネルギーを消費するため、モンキーマインドの状態だと疲れやすくなります。反対に、この状態を脱することができれば、集中力や判断力、創造性などを高めることができるのです。そのためには、考えに対して「傍観者」であることが大切。自分の心は電車が行き交うプラットホームであり、様々な考えは電車のように一時的に駅に停車してもまたすぐに去っていくもの。そのようにイメージして「考えている自分」と「考えていること」を同一視しないようにしましょう。そうすることで心の中にスペースを持つことができるでしょう。■4:怒りが湧いてきたら4つのステップで処理する怒りは、脳が自分を守るために発動させる「緊急モード」のようなもの。アドレナリンが分泌されて脳の思考活動が抑制されるため、前後の見境がなくなることもあります。怒りや衝動を抑えられないときは、以下の4つのステップが有効。英語の頭文字をとって「RAIN」といわれています。(1)認識する[Recognize]自分の中に怒りが起きていることを認識しましょう。その際、「怒り」と「怒っている」自分は同一視しないことが大切。(2)受け入れる[Accept]怒りが起きていることをそのまま受け入れます。(3)検証する[Investigate]自分の身体にどのような変化が起きているか検証します。心拍はどうなっているか、どこが緊張しているかなど観察してみましょう。(4)距離をとる[Non-Identification]自分の感情を個人的なものとして捉えず、「他人事」のように考えてみます。この4つのステップは怒りだけでなく、甘いものを食べたいというような衝動にも有効。禁煙にも効果があるといわれています。*本書はストーリー仕立てで構成されているので、実際にレクチャーを受けているような気分になれるはず。マインドフルネスを継続すると、一時的な疲労解消ではなく、疲れづらい脳が手に入るといいます。少しの時間でも毎日の習慣に取り入れてみてください。(文/平野鞠) 【参考】※久賀谷亮(2016)『世界のエリートがやっている 最高の休息法』ダイヤモンド社
2016年09月08日徹夜をしたときの頭のボーッとした感じは、明らかに脳が働いていないなと実感できるものですよね。実際に、脳と睡眠には深い関係があるので、今回はそれにまつわる研究を紹介します。最近、仕事でミスが多いなと思う人は、もしかしたら睡眠が足りていないのかもしれません。睡眠が脳に与える影響睡眠と脳には切っても切れない密接な関係があります。私たちは、仕事や勉強中の活動を始め、人の表情、駅のアナウンス、味や匂い、騒音など、五感をフル活用して、さまざまな情報感じ取っています。それらがずっと蓄積されていくと、とんでもない情報量になるので脳はパンクしてしまいます。そうならないために人間は、睡眠中に「脳にたまった情報の整理や掃除」を行うのです。脳にはそのための循環系があり、睡眠中に脳脊髄液によって老廃物を排出していると考えられています。朝起きたらスッキリしているのは気のせいではなく、実際に脳もスッキリしているからなのかもしれません。この脳内の整理や掃除は快適な生活を送るためには必要なことです。脳に余計な情報がパンパンに詰まったままだと脳がフル稼働できません。睡眠と脳の関係を調べる研究あれこれ睡眠と脳に関する研究というものがあります。どのようなものがあるのか見てみましょう。眠気を誘発するのはカルシウムイオン今年3月に東京大学の研究チームが発表した研究結果によると、脳内のカルシウムイオンが眠気を誘発していることを突き止めたそうです。これまで眠気の正体は明確にわかっておらず、睡眠物質なるものが存在すると考えられてきました。それを特定するために東京大学の研究チームはマウスを使った実験などを行った結果、脳へのカルシウムイオンの流入が睡眠に関係あるとわかったそうですこの研究結果が睡眠と関係があるとされるアルツハイマーなどの神経変性疾患の治療に役立つ可能性があると言われています。睡眠時間によって脳の効率が変わる睡眠時間と脳の働きの関係を調べた研究では、1日6時間の睡眠を続けた人は飲酒したときと同等のパフォーマンスしか発揮できないということがわかったそうです。被験者をグループ分けし、4時間・6時間・8時間と睡眠時間を違えて、2週間調査を続けたところ、8時間では問題なく脳が働くことが判明したと言われています。ちなみに4時間睡眠では、飲酒時と同等の6時間よりも脳の働きが悪く、検査を受けられないレベルの人もいたそうです。脳は本当に働き者睡眠には深い睡眠のノンレム睡眠と浅い睡眠のレム睡眠があります。これも脳と関係があり、レム睡眠時の脳の酸素消費量は起きているときよりも高い数値になると言われています。なぜかと言えば、冒頭でも紹介した、脳にたまった情報の整理や掃除をレム睡眠のときに行っているからです。私たちが寝ている間も、脳は日中より多くの酸素を使って一生懸命、整理整頓をしてくれるというわけです。瞬間睡眠を知ってる?ところでみなさんは瞬間睡眠という言葉をご存知ですか? 脳をクールダウンさせ、若返らせることができると言われているすごい睡眠法なんです。実はこの瞬間睡眠、みなさんも知らないうちに実践しているかもしれないのです。ランチ後、強烈な眠気が襲ってきた仕事中などに、一瞬だけ眠ってしまうことがありますよね。「いけない、いけない」と慌てて起きて仕事をすると、一瞬寝た前よりも頭がスッキリしていることがあると思います。それは気のせいではなく、一瞬でも脳は整理や掃除をしてくれているからです。もちろん、もう少し長く(数分~30分未満)睡眠をとれたら、もっとパフォーマンスが向上することは言うまでもありません。でも、仕事中はどうしても長く仮眠がとれないものですよね。そんなときは一瞬でも意図的にウトウトする瞬間睡眠を活用してみてはいかがでしょうか。photo by acworks
2016年04月20日『聞くだけで脳が目覚めるCDブック』(山岡尚樹著、あさ出版)の著者は、「超脳トレ」全脳活性プロデューサー。そう聞いただけで活動内容をイメージすることは難しいかもしれませんが、つまりは脳をより活性化させるためのオーソリティ。具体的にいえば、人の脳に秘められた潜在能力を、音、イメージ、気の力を通じた実践ワークによって引き出しているのだそうです。つまり本書においては、これまで10万人以上に実践してきたという脳トレのノウハウを凝縮しているということ。CDも付属しているので、聴くだけで無理なく効果が望めるのだといいます。■脳は3%しか使われていない!ところで著者は脳のことを、あえて「道具」だと位置づけています。いってみれば、それはスマートフォンのようなもの。いろいろなアプリが入っていて、さまざまな使い方ができるという意味です。だとすれば、一般的に「頭がいい」「デキる」「効率がいい」といわれるような人は、総じて「道具としての脳の使い方がうまい」ということになるでしょう。ところが多くの人は現実的に、「電話をかける」「メールをする」といった程度の使い方しかできていないのだといいます。せっかくの多機能を、まったく使いこなせていないというわけです。しかも一説によると、ほとんどの人が脳をわずか3%しか使えていないというのですから驚き。だとすれば必要なのは、残り97%の「脳力」をどう引き出すかということになるはずです。■右脳・左脳・間脳・脳幹の役割そこで、まずは脳の役割をおさらいしてみましょう。ご存知のとおり、脳には大きく分けると「右脳」「左脳」「間脳」「脳幹」という部位があり、それぞれ次のような役割があります。[右脳]ひらめきやイメージ力、調和などをつかさどる脳。「芸術家肌の人は右脳優位」といわれるのは、このような理由があるからです。[左脳]計算や分析が得意な脳。言語、計算、論理、理屈といった理性的で論理的なところをつかさどるわけです。[間脳]脳内ホルモンの分泌を調整し、感情の操作をつかさどる役割。[脳幹]呼吸、体温調整といった、生きるための調整を担当。本書のトレーニングにおいては、まず「右脳」を活性化させ、多くの人のなかに眠っている未使用の脳力を引き出すのだそうです。■新しい「脳力」を目ざめさせる日常生活においてほとんどの人は、左脳が優位に働いているもの。著者によれば7~8割以上の日本人が左脳優位だというデータもあるそうですから、日本人は左脳民族であるともいえるのかもしれません。左脳優位である以上は、計算、論理、理屈など、現実的に判断・実行する力をしっかり持っているということになります。では、そんな実行力ある左脳に加え、右脳を活性化するとどうなるのでしょうか?答えは次のとおり。・与えられたことだけではなく、斬新な発想、ひらめき、イマジネーションを現実的に判断・実行できる。・ひとつのことだけでなく、同時に複数のことを実行できる(効率がよくなる)。・直感力や判断力が上がり、課題・問題に対して「検討→解決」の時間が短くなる(問題解決が格段に速くなる)・ものごとを俯瞰的に見ることができ、マネジメント脳力が上がる。つまり、一般的な「デキる人」「頭がいい人」のイメージと重なっていくということです。現代人は、もともと左脳が鍛えられているもの。だからこそ、右脳や間脳、脳幹などで眠っている“新しい脳力”を目ざめさせることにより、また異なった脳力を生かすことができるということです。■聴くだけで脳が活性化する理由よくある計算ドリルなどの脳トレは、左脳中心の訓練しかできないことが難点。一方、右脳を刺激できるのが、本書に採用されている「音」のトレーニング。なぜなら脳は「音」「イメージ」「気」という3種類のアプローチで活性化できるからだそうです。「イメージ」することは、人によってうまい・下手の差があるでしょう。「気」にしても、感じられる人と、そうでない人がいるはずです。しかし「音」は、誰にとっても、耳に届く内容は同じ。また、そもそも脳に伝わるエネルギーの約90%は、耳から入ってくるといわれているのだそうです。こうしたことから、「音」は脳を活性化させるための、もっともベーシックで優れた刺激だといえるのです。*しかも、脳は何歳からでも鍛えることができるのだとか。「脳を鍛える」という発想自体があまりなじみのあるものではありませんが、音を聴いているだけで鍛えられるならば、ぜひ試してみたいところではあります。CDに収録されている音源は、クラシック、オペラ、落語までバラエティ豊か。著者のノウハウが凝縮されているだけでなく、リラックスして聴くこともできるというわけです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※山岡尚樹(2016)『聞くだけで脳が目覚めるCDブック』あさ出版
2016年04月11日小学3年生~4年生というと、年齢にすれば9歳~10歳になりますね。実はこの頃の子どもたちの脳は、あるポイント地点に到達しています。この時期を境として、その前と後とでは、脳が少し違ってくるのです。いったいどう違ってくるというのでしょうか。それを知ると、わが子への働きかけをどうしていったらよいのかが、よくわかるのです。■9歳~10歳で大人の脳へと切り替わる!生まれてから3歳くらいまでは、脳の発達の度合いはとても急激です。そして3歳過ぎになるとややゆっくりとした速度で脳は発達していきます。そのまま行くのかというとそうではなく、子どもの脳は9~10歳ころにもう一度変化をみせるのです。学校での実例から見ても、9~10歳ころ、つまり小学3~4年生の頃というのは、子どもの学習という視点から見ても変化の兆しが表れる時期です。また、発達心理学の立場からは、このころを「9歳半の節」と名付けています。つまり、この頃の子どもたちはそれまでとはどこか違った様子を見せるようになるというのです。この時期の子どもたちの脳は、大人の脳に移行していく時期を迎えているのです。■子どもの脳と大人の脳の違いでは、大人の脳と子どもの脳というのは、どう違うのでしょうか。そもそも脳にとってのエネルギーは、血液から来ています。脳を使うと血液循環のスピードが速まり、それに伴ってエネルギーもたくさん脳に取り込めるのです。エネルギーを脳に取り込むには、酸素が必要です。大人の場合、血液循環のスピードが上がったとき、それに準じて酸素もたくさん取り入れられるようになるかというと、実はそうではないのです。ですから、エネルギーが脳に取り入れられる量が一定に決まっているということになります。なぜこんな仕組みになっているのかは定かではありませんが、突然血液量が増えてしまうことによって血管に圧力がかかり、詰まりを生じたり切れたりしないようになっているとも考えられています。しかし、この仕組みは、子どもの脳には当てはまりません。子どもの場合は、血液循環のスピードが上がるに従って、取り入れられる酸素の量も増えていきます。ということはつまり、脳を使えば使うほど、脳に必要なエネルギーをどれだけでも得ることができるということになります。子どもの脳はこのような素晴らしい仕組みになっています。ですから、子どもの脳である時は、どんどんと脳を鍛える学習(漢字の書き取り、音読、計算問題など)をするのにもっともふさわしい時期と言えるのです。では、いつまでが子どもの脳と言えるのか。それがズバリ、9歳~10歳ころ、学年で言えば小学校3~4年生の頃なのです。移行の時期には男女差があり、女子は男子より6ヶ月ほど遅れてやってきます。■9歳~10歳くらいの子どもの変化に対して心の余裕を持つ方法小学校3年生~4年生のころになると、脳はもう子どもではありません。大人の脳へと移行していくのです。まだまだ子どもに思える小学校3年生~4年生ですが、脳は確実に大人へと切り替わっていくのですね。さて、この時期の子どもたちを見ていると、それまでとはちょっと違うように見えることがあります。「何だか最近、生意気な口を利くようになってきた」「どうも落ち着きがないのよね」などと、どことなく漂う不安定感に気づかれる方もいるでしょう。それはもしかしたら、大人の脳へと移行していくことから来るのかもしれません。反抗期を迎えた子どもも、今までとはちょっと違った様子を見せますが、それとこの時期の変化とは、少し異なっています。いつも一番近くで子どものことをよく見ている親であれば、きっとその違いがわかることでしょう。さあ、ここまで読んでいただければ、あなたの子どもが小学校3年生~4年生になり、今までとはちょっと違った雰囲気を見せ始めた時、「大人の脳へと変化しているのだ、確実に成長しているんだな」と、少し余裕を持って受け止めてあげられるでしょう。大人の脳へと順調に移行していけば、脳の働きはより潤滑なものとなり、ついに思春期へと向かっていくのです。
2016年04月05日こんにちは。医療カウンセラーのyoshiです。みなさんは脳についてどの程度知っているでしょうか。脳というと、生き物の中心、重要な器官、体の司令塔のようなイメージがあると思います。しかし、脳というのはまだまだ解明できていない部分が多く、 非常に複雑な臓器、器官となっています。これまでも多くの研究がされてきていますが、その中でも結論というのは二転三転してしまっているのです。それくらい解釈が難しく、正確な結論に至ることができていません。逆に言ってしまうと、脳が持つ可能性というのはとても大きなものであると考えることができます。脳細胞は減り始めたら増えることはないと言われていますが、1998年の段階でスウェーデンのエリクソン博士によって、高齢になっても脳細胞は増えていく ということがわかっています。脳の持っている大きな可能性というのは日常生活でも重要になりますが、障害を負ってしまった場合、非常に大きな意味を持ってくることがあります。●大脳の半分がなくなってしまう可能性がある脳の半分がなくなってしまう、大脳の半分がなくなってしまうとなると、それは生命の維持に大きな支障をきたすのではと思ってしまいますが、大脳の半分がなくなっても人は生きていける場合が多くあります。難治性のてんかんの手術では、大脳の半分を切除する方法が効果的と言われています。小児に限定しますが、大脳を半分切除してしまっても残りの半分が適応をしていき、障害というのを非常に小さくしてしまえるのです。大人であっても、脳に関する病気によって能力を一時的に消失してしまったとしても、リハビリによって回復をしていくこともあります。なくなった分を残された脳が補うことで、苦手が得意になる ということもあるようです。まだまだ研究段階ではありますが、脳の可能性というのはとてつもなく大きいことがわかり、その可能性こそが脳の病気に対する大きな将来性につながっているとも言えます。【参考リンク】・大人でも脳細胞は新生する | 日経サイエンス()●ライター/yoshi
2016年03月15日フロリダ州政府柑橘(かんきつ)局はこのほど、「グレープフルーツの脳機能に与える影響」についての研究結果を発表した。ホットグレープフルーツジュースを摂取すると、脳が活性化し集中力がアップすることがわかったという。同研究は、杏林大学 医学部 精神神経科学教室の古賀良彦教授に協力を依頼して行った。被験者は、22~23歳の健康な男女6名(男性4名、女性2名)。被験者には、「水(常温10℃以下)」「グレープフルーツジュース(常温10℃以下)」「ホットグレープフルーツジュース(約60℃)」の3種類を3分間かけて摂取してもらい、その後クレペリン検査用紙を用いて1桁の数字の足し算を実施した。実験の結果、計算問題達成数は、ホットグレープフルーツジュースを摂取した時が一番多くなることがわかった。常温の水と常温のグレープフルーツジュースの間には、大きな差は見られなかった。計算中は、光トポグラフィー検査装置を用いて、脳の血流量も測定。グレープフルーツジュース摂取の場合は、常温、ホットどちらでも、前頭葉の脳血流量が増え、脳が活性化する様子が観察できた。常温では、立ち上がりが速く(効果がやや弱い)、ホットではじわじわと立ち上がり効果が持続するという違いも明らかとなった。古賀教授は、常温で摂取したときの立ち上がりが早いのは「(常温ゆえに)素早く覚醒度が上がりサッパリ感を感じさせるためと考えられる」と見解を述べた。実験の終わりに、被験者に体感アンケートを実施。その結果、ホットグレープフルーツジュースは、「落ち着き」「気分」の2項目で、水や常温グレープフルーツジュースより高い評価が得られた。古賀教授はこれらの結果から、「ホットグレープフルーツジュースには、落ち着いて気持ち良く勉強できる雰囲気や状況を作るはたらきがあるのでは」と推測している。また、受験生が勉強前や勉強の合間にホットグレープフルーツジュースを飲むことは、集中力を高めて勉強の効率を上げるという点からおすすめであるという。また、「コーヒー・紅茶の場合はカフェインによる覚醒効果が期待できますが、摂(と)りすぎると眠りにくくなるなど、生活リズムが乱れる可能性もある。ビタミンCが豊富で低GI食品でもあるグレープフルーツを使ったホットジュースは、受験生の健康をサポートするという面からも有効といえるでしょう」ともコメントしている。
2015年12月17日ぴあはこのほど、脳ヨガのやり方を本とDVDで紹介した新刊『白澤卓二と間々田佳子の脳活顔ヨガで活性脳&若顔・小顔』(1,058円・税込)を発売した。同書では、ベストセラーとなった『100歳までボケない101の方法』の著者・白澤卓二氏と、顔のたるみとシワを防ぐ「顔ヨガ」シリーズの著者・間々田佳子氏が開発した「脳活顔ヨガ」を紹介している。脳活顔ヨガは、手指を使った体操に顔ヨガを組み合わせたもの。1日3分、1日1ポーズでも、顔のアンチエイジングや脳の活性化が見込める一石二鳥の健康体操であるという。同時に2つの動きをすると脳は活性化し、その効果は脳の活動を「見える化」する光トポグラフィでも実証されているとのこと。「脳活顔ヨガ・基本編」では、「ムンクでダイヤモンド体操」「舌だしやぐらの体操」「でか目のオニ体操」「ひょっとこあやつり人形体操」などを紹介している。そのほか、「脳活顔ヨガ・応用編」、身体全体を使い、だれでも楽しくできる「顔脳活ヨガぱんぱん体操」も収録した。同書は全国書店、ネットショップのほか、「BOOKぴあ」でも販売している。
2015年12月08日アメリカの国立神経疾患・脳卒中研究所によると、世の中には400以上もの神経疾患が存在するそうです。脳にまつわる病気は珍しいものではないのです。でも、私たちは自分の脳についてどれだけのことを知っているでしょうか?『BUSTLE』では、最新の研究から明らかになった、脳にまつわる意外な事実を紹介しています。テレパシーの実現から、胃腸と脳の意外な関係まで、脳に関する知識をアップデートしておきましょう。■1:脳は感情によって記憶力を増すニューヨーク大学の研究によれば、記憶力は感情によって高まるのだといいます。とても嫌なことがあったとき、恐怖を感じたとき、またはうれしいことがあったとき、脳が刺激され、記憶力が高まるのです。たとえば震災のとき、どこでなにをしていたかよくおぼえていたり、初恋のことを忘れなかったりするのはこのためです。これはマウスを使った実験でも実証されていますこうした効果は、カウンセリングなどの技法の研究に役立てられているのだそうです。■2:胃腸の働きは脳に影響するカリフォルニア大学のエメラン・メイヤー博士により、人間の脳と内臓の間には深い関係があることがわかりました。内臓、特に胃腸の働きが鈍くなっているときは、うつなどの精神的な病気になりやすいという研究が発表されたのです。また、胃腸に善玉菌が増え、消化がスムーズに行われているときには脳の働きもよくなるのだそう。4週間善玉菌のサプリメントを摂取した人は、落ち込んだ気持ちややる気が出ないといった精神的な症状を感じることがなかったといいます。「最近なんだか調子が出ない……」という人は、胃腸の調子を整えてみるのもひとつの手です。■3:妊娠中は脳に変化が現れる妊娠中には、体だけではなく脳にも変化が現れます。妊娠中は、脳の記憶や感情をつかさどる部分が物理的に大きくなるのです。子どもが生まれてからもしばらくその状態は続きます。これは、妊娠によるホルモンバランスの変化によるもの。こうした働きにより、妊娠すると、赤ちゃんや周りにいる人と強いつながりを感じることができるようになるのだと考えられています。■4:脳が成長しきるのは25歳脳は、法的に大人になる20歳では、まだ成長しきっていないことが最新の研究から判明しました。特に、感情や行動をコントロールする部分の成長が未熟なままなのだといいます。25歳くらいまでは感情的になりやすく、プレッシャーなどにも弱い期間が続きます。脳の成長には意外と時間がかかるようです。■5:顔を認識できない病気は実在する「人の顔と名前がおぼえられない」といった記憶力の問題ではなく、人の顔を「顔」として認識できない、記憶できない、という病気があります。「相貌失認(そうぼうしつにん)」と呼ばれる脳障害の一種で、人口の2.5%ほどが苦しんでいると考えられています。自分の顔も認識できないため、日常生活に支障をきたす病気です。これは、脳の紡錘状回(ぼうすいじょうかい)と呼ばれる部分の機能に問題があった場合に起こると考えられています。相貌失認の人は相手の顔を認識できないため、相手の体格、におい、話し方や声などで誰と話しているかを推測するのだそうです。■6:テレパシーは実現可能?テレパシーは実現不可能なものではなさそうです。2013年にワシントン大学で、テレパシーを現実に近づける装置の実験が行われました。その装置は、脳波を他の人に送信し、受信した人の手がその考えに呼応するジェスチャーをするというものでした。単純な思考ならば伝わったといいます。研究者はコンピューターの通信技術に応用しようと考えているようですが、人の脳とコンピューターをつなぐ技術はまだ研究途中のようです。*まだまだわからないことも多い脳。科学の発展にともなって、どんどん仕組みが明らかになっていきます。今後の研究からも目が離せません。(文/スケルトンワークス)【参考】※Surprising Facts About The Human Brain-BUSTLE
2015年11月24日「ココナッツオイルが脳に働く」と話題になっていますが、実はもっと脳にいいオイルがあるのをご存知ですか?それは、オリーブオイルにニンニクを漬け込んだ「アホエンオイル」。毎日の料理にかけるだけで、脳がすっきりすると話題を呼んでいます。■ニンニクに含まれる成分「アホエン」って?温めた植物油にニンニクを漬け込んだときにだけ抽出できる成分を「アホエン」といい、生のニンニクにはほとんど含まれていません。アホエンは活性酸素を減らすほか、脳の活性化、記憶力アップに効果があるといわれています。さらに、免疫力を高め、ガン細胞の分裂を抑える効果、白血病や皮膚ガンなどのガン細胞の増殖を抑制する効果などを含め、以下のような科学的効果の報告があるとされています。・脳年齢の若返り・動脈硬化の予防・活性酸素の抑制・美肌効果・肝臓保護作用・抗菌作用・ぜんそく予防・コレステロール値の正常化・尿酸値を下げる・中性脂肪が下がる・γ-GTPが正常になる■簡単で続けやすいアホエンオイルのパワー「アホエン」は生のままのニンニクを食べたり、高温で煮たり焼いたりする料理では摂取できません。ニンニクの匂い物質であり、アホエンの素「アリシン」は約50℃の油に溶かすことで、抽出できる成分だからです。また、無臭ニンニクにはアホエンの素となるアリシンが含まれないので、臭いがある通常のニンニクを選びましょう。(1)ニンニク3かけを細かく刻む(2)オリーブオイル(エキストラバージンタイプがおすすめ)150mlを耐熱容器に注ぎ、水を張った鍋に入れて湯煎で温める(3)オリーブオイルが50℃になったら耐熱容器を鍋から出して、(1)を加える(4)そのまま24時間置き、こし器でニンニクを濾す。(5)密閉容器に入れて冷暗所で保存し、1ヶ月以内に使い切るオリーブオイルを使う理由は、オリーブオイルの脂肪酸が悪玉コレステロールを減らす効果やビタミンEなどの栄養素が高いためです。気になるニンニクの匂いは控えめですが、しっかりした風味やコクがあるので、幅広い料理に合うのも特徴です。加熱はせず、料理の仕上げにサッと一振りして、料理にかけて1日1杯のアホエンオイルを摂取しましょう。*身近な食材で簡単につくれて、どんな料理とも相性が良い万能オイルなので、無理なく、毎日摂取できるのがうれしいですね。(文/Marico Taguchi)【参考】※篠浦伸禎(2012)『脳神経外科医が実践するボケない生き方』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年10月19日明日香出版社はこのほど、書籍『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』を発売した。同書の著者は、早稲田大学研究戦略センター教授で、脳の神経ネットワーク解析や行動解析を研究している枝川義邦氏。人間は年を取るとともに肉体が老いていくが、毎日運動を欠かさない人は、筋肉が落ちづらい傾向にある。それと同じように、「脳」にも衰えさせない行動があるという。書籍内では、「脳が若い人」になるために脳の働きをよくする習慣や、「脳が老ける人」にならないように脳を守るための習慣、うまくストレスをコントロールする習慣など、さまざまなメソッドを紹介。若い脳を保つため、生活の中で「やったほうがいい習慣」と「やらない方がいい習慣」を対比し45項目でまとめている。それぞれの項目は、仕事の現場や日常生活の中で取り組みやすいものになっているとのこと。価格は1,404円(税込)。
2015年08月04日脳を育てることと、心を育てることは、なんとなく別のことに思えるかもしれませんが、「心=脳」ということが最近の研究の結果、明らかになっています。以前は、児童虐待の残す傷あとは、「心の問題」であると考えられていましたが、最近の脳科学の研究では子どものときに虐待を受けると、脳の一部に発達障害を起こす出典:日経サイエンス2006年12月号臨時増刊「インタビュー 熊本大学大学院医学薬学研究部小児発達社会学助教授 友田明美 子どもは親を選べない 脳科学は子どもの心を救えるか」ということがわかっているのです。近年話題になっている、突然感情を爆発させて暴力的になる「キレる子ども」になるかどうかも、脳の発達に関係があるそうです。脳の発達の基礎は、幼児期の親子関係の中で作られていきます。そこで今回は、脳科学で明らかにされてきた子どもの脳について紹介します。「キレない」ために大切なのは、脳の前頭前野言葉を覚え、計算し、人の気持ちを感じ取るときに重要な働きをしたり、「キレる」ことのブレーキ役となったりするのは、大脳の前頭前野です。前頭前野は脳の部位の中でも、もっともゆっくりと成長していきます。脳のおおよそは8~10歳くらいでほぼ完成を迎えますが、前頭前野だけは24~25歳くらいまで成長を続けるそうです。つまり、脳の構成がかたまる8~10歳までに脳の基礎を育てておく必要はありますが、大脳の発達は絶えず続き、足りないものがあれば補おうと変容したり、新たな刺激や発想があればいくらでも変わることができたりする柔軟性を持っています。つまり、8~10歳の時期を逃したら手遅れ、ということではありません。このことはしっかり覚えておいてください。「遊ぶことは学ぶこと」なのは、前頭前野の連携を鍛えるため前頭前野は知性を司る領域体を司る領域情動(感情)を司る領域の3つの領域に分かれています。そのうち、知性を司る領域は、体や情動を司る領域とうまく連携できて初めて、十分な発達をとげるのだそうです。脳科学者の篠原菊紀教授によると、ひと昔前は、子ども同士の遊びの中でこの結びつきが鍛えられていた出典:AERA with kids 2006年12月15日 「脳科学 発達行動学から見た早咲き脳 後のび脳」ということです。さらに、「今、ADHD(注意欠陥・多動性症候群)傾向や自閉傾向、LD(学習障害)といった子どもの増加が問題になっていますが、以前は子ども同士の遊びが、そうした障害の出現を抑制していたのではないか」と指摘しています。「子どもにとって、遊ぶことは学ぶこと」と、よく言われますが、先の指摘によるとこの言葉は理にかなっており、外で大騒ぎしながら遊ぶことは、子どもの脳が健やかに発達するために大切なことといえるでしょう。キレにくい子に育てるには、扁桃体の暴走をコントロールさせること前頭前野のある大脳の活動を支えるのは、脳全体の中心辺りに位置する大脳辺縁系です。記憶を司る海馬のほか、扁桃体(へんとうたい)があります。扁桃体は、生き物として「近づくべきか」「これは食べられるか」といった、危険性の判断や恐怖にかかわる部分です。幼児期に虐待されたり、愛情を与えられなかったりすると、この部分が育ち損なう可能性があるといわれています。扁桃体では、「好き」「嫌い」という感情も決めています。ここで判断された「嫌い」という感情が攻撃欲と結びつくと、扁桃体が暴走し、いじめや衝動的な攻撃が生じるのです。扁桃体を暴走させないためには、そのボリュームを増やしてしっかり攻撃欲をコントロールさせることが必要です。そして結果としてこれが、キレない脳、社会性を育てることにつながります。扁桃体は、幼児期に身近な人の笑顔、愛情表現を与えることで成長が促されることもわかっています。自分を育ててくれる親を見て「好き」になり、その好きな親が笑顔で自分を見ている、という経験は、お互いに「好き」という気持ちを共感することです。この体験が他人との信頼関係を築いていく原点となるのです。幼児期のやりたい気持ちを尊重することが脳の健やかな発達につながる子どものうちは、前頭前野が大人のようには完成していないので、大人よりも一時的な「好き嫌い」で物事を判断します。物事の重要性や優先順位を判断したり、本能的な欲望に理性的にブレーキをかけたりするのは前頭前野の活動です。子どもが「やってみたい」と思うことには、危なかったり汚かったり、眉をひそめたくなることもあるかもしれません。ですが、「やってみたい」気持ちをくじけさせてしまうと、せっかく芽生えた意欲をつぶしてしまいます。ルールに従い、我慢する、他人の意図や感情を理解するのは、ゆっくり時間がかかるもの。幼児期に大切なのは、しつけの前に、「やってみたい」意欲を出来る限り尊重し、挑戦させてあげることではないでしょうか。
2015年07月28日長さ16センチ、幅13センチ、高さ13センチ。重さは1.3キロでやわらかく、豆腐のような質感。これがなんだかわかりますか?答えは、私たちの脳。今回は、意外と知らない脳についての知識を『Live Science』より紹介します。■1:人類の脳はだんだん縮んでいる人類の脳はこの5000年ほどで、なんと150立方センチメートルも縮んでいるのだそうです。これは10%ほど縮んでいる計算になるのだと、ウィスコンシン大学マディソン校の古人類学者ジョン・ホークス氏はいいます。脳が縮んでいる詳しい原因はわかっておらず、研究者の間でも諸説あるのだとか。■2:脳は人体の中で最も大食い脳の重さは体重の2%にすぎませんが、血液中の酸素の20%と、糖分の25%を消費するといわれています。猿からヒトへ進化した際、この大食いの脳がなにを食べていたのかは専門家の間で議論になっていますが、最近は地中に埋まっていたじゃがいもなどの根菜を摂取していたのではないかという説が有力です。■3:脳のシワが多い人ほど賢い私たちの脳の表面はシワで覆われています。脳は表面に神経細胞(ニューロン)があるので、表面積が大きいほど、神経細胞の数が多く、賢くなるといわれています。しかし頭蓋骨内の限られた容積のなかで表面積を増やすためには、シワを増やすしかないわけです。ちなみにイルカの脳は、ヒトの脳よりもシワが多いのだそうです。■4:ニューロンは脳の10%しかない脳細胞と聞くとなんとなくニューロンをイメージしますが、実はニューロンは脳細胞全体のたった10%しかありません。では90%はなにでできているのかというと、神経膠(しんけいこう)と呼ばれる細胞。これはニューロン同士をつなぎとめる働きをしています。■5:脳腫瘍から救うナノテクノロジー脳内の毛細血管は、栄養素など特定の物質しか通しませんが、脳腫瘍の治療の際にはこの仕組みが仇となります。有効な成分が脳まで届かないため、薬を使って強制的に脳のガードを緩めなければならないのです。これを解決するのが、2009年に発表されたナノテクノロジー。治療に必要な成分をごく小さい分子にすることによって、薬を使わなくても脳まで届けることができる技術です。近い将来には、脳腫瘍も簡単に治療できるようになるかもしれません。■6:受胎後3週間から脳がつくられ始める胎児の脳は意外に早い段階で形成されます。なにしろ、受胎からたったの3週間で脳幹が形成されはじめるのです。脳幹は妊娠3か月で大きく成長していきます。4か月を過ぎたころにニューロンや神経膠が形成されますが、まだシワはありません。6か月を過ぎると、わずかにシワができはじめ、7カ月くらいでようやく脳らしい見た目になってきます。脳は意外と長い時間をかけてつくられるんですね。■7:10代独特の思考は脳のせい2006年に発表された研究では、10代の若者は、脳の仕組みが自己中心的になるようにできているといわれています。共感や罪の意識を感じる前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)が、大人にくらべてあまり使われないのです。思春期の複雑な気持ちが、脳の影響だったとは驚きです。■8:大人になっても脳細胞はつくられる大人になってある年齢に達すると、もう新しい脳細胞はつくられないという話を聞いたことはありませんか?しかし、これは事実ではありません。2007年に発表された研究では、脳卒中になった女性の脳が、脳の似た部分の細胞を使ってダメージを受けた部分をカバーしはじめたとされています。また、大人のマウスの脳に新たな脳細胞がつくられたことも確認されています。脳は一生変化を続けているのです。■9:男女の脳はほとんど変わらない男性と女性とでは脳の仕組みが違うという話をよく聞きますが、必ずしもそうではないようです。2010年に、69か国のおよそ50万人の男女の計算能力を調査したところ、その能力の差はほとんどなかったというのです。まだまだわからないこともたくさんある脳。興味がわいた人は、さらに詳しく調べてみては?おもしろい発見がたくさんありますよ!(文/和州太郎)【参考】※10 Things You Didn’t Know About the Brain―Live Science
2015年07月25日「私たちの脳は、『楽をする』ことを忘れてしまったのです」『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』(長沼毅著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、冒頭部分でそう主張しています。他の動物は、眠くなったら寝て、疲れたら休む。腹が減れば食べるし、からだの欲求に忠実に生きている。しかし人間は、先天的にからだの欲求に背いてしまう脳のトラブルを抱えているのだというのです。無理をする。疲れる。見栄を張る。ストレスがたまる。我慢する……。そんな困りごとが生まれるのは、あまりに高度に発達した脳があるから。だから本書では、「脳に振り回されずに生きる方法」を、生物学的な視点から考えているということ。■6,000年前よりも劣化した脳スタンフォード大学のある研究者によると、脳という臓器がもっともいいコンディションだったのは、いまから6,000年前。つまり文明ができたころだったのだとか。それどころか、実は文明の発達とともに、人間の脳は劣化しているというのです。これは文明の進化が、人間を自然から切り離し、城壁のなかへ閉じ込めてしまったから。私たちは脳を自然に対して使うのをやめた結果、その能力を人間関係に対して使うようになったという考えです。■脳の「どうしようもない部分」人間の脳の特徴な点は、抽象的なことを考えることができる能力。「メタ組織」といって、いろんなことを脳内宇宙で組み居合わせ、いままでになかったことをつくり上げられるということ。たとえば弓矢の発明がそうであるように、自然に対してこの能力は有効に発揮されていたといいます。そのように、建設的な方向へと広がるぶんにはいいのですが、「悩み」や「不安」など負の要素が脳のなかで堂々巡りしてしまう状態になると、一転して人を苦しめることに……。しかし現状では、脳の構造は遺伝子で決まってしまっているもの。だから、どうしようもない部分がある。いわれてみれば、たしかにそのとおりです。■少しでも楽しましょう人間の脳は進化の過程で、さまざまな遺伝子が誤用され、転用され、流用されるなかで偶然生まれたもの。だから、不都合がいっぱいあるわけです。いわば、「いろんな遺伝子の寄せ集め」でつくられたものだとも著者はいいます。ポイントはここ。「もともとからだの作りからしておかしいのだから、少しでも楽しみませんか」という考え方。それこそが、読者に訴えかけたいことの趣旨だということです。この点を踏まえて読み進めると、本書のメッセージをストレートに受け止めることができるでしょう。■楽になれるように生きよう私たち生物は、普通の状態がいちばん楽。健康も普通の状態をさすわけで、無理に働いたりしてからだを壊すなど異常なことだというわけです。からだが普通の状態でいたいと願っているのに、そうでないことをしたがるのが人間。しかし、そんな無理をせず、楽になれるように生きよう。著者は本書を通じ、そんなメッセージを投げかけているのです。*以後も、自分の個性を知る方法、群れのなかでの働き方など、知っておくと便利な脳の情報が満載。ぜひ一度、手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※長沼毅(2015)『考えすぎる脳、楽をしたい遺伝子』クロスメディア・パブリッシング
2015年07月22日脳トレがもてはやされたのは、かれこれ十年ほど前のこと。しかしここ最近、再び脳トレの効果に注目が集まっています。年齢を重ねるごとに物忘れがひどくなり「脳が退化しているのかも?」と悩むアラサー女子も多いのではないでしょうか?そこで今回は、医学博士であり脳研究者の加藤俊徳先生のお話を参考に、脳を鍛えるトレーニング法をご紹介します!心が踊るような妄想をする!お給料が大幅にアップしたり、好意を寄せている男性から告白されたりなど、何でもいいのでハッピーになれる妄想をしてみましょう。好きな芸能人とデートするなんて妄想は、かなり幸せな気分に浸れそうですよね。妄想することで魅力的な表情になったり、豊かな感情を育てられるようです。モノの見方を変えて、色々な考え方を!「A=A」と決めつけるのでなく「A=B」にも「A=C」にもなるのでは?とモノの見方を変えるだけで、脳を柔らかくすることができます。一つに固執した考え方しかできないと、脳はどんどん劣化していきます。常に柔軟な考え方をするように意識しましょう。相手のいいところを見つけて、褒める!人に褒められると、誰でも嬉しくなりますよね。褒めることは他人を喜ばせる以上に、自分を幸せにしてくれる行為なんだそうです。自分の言葉や行為で相手が喜ぶと、それだけで嬉しくなりますよね。常に相手のいいところを探すように努めれば、脳がフルに働き、いい感情が生まれます。脳が若返れば、見た目も若返る?お酒やたばこに走ったり、ネガティブな考えをするのは脳にとって良くないこと。嫌なことがあった日こそポジティブな考えをするように心がければ、おのずとポジティブ脳になっていくそうです。たとえば、自分は28歳だと思い込んで暮らすだけでも効果があるのだとか。脳の若返りは見た目の若返りにも効果的なのです!単純なようで奥が深い脳トレ。あなたも今日から始めてみてはいかがでしょうか?
2015年07月13日「痩せたいけど、ダイエットは苦痛」「いつもダイエットに失敗する」・・・そんなあなたは、脳を「ダイエット脳」に切り替えてみませんか?ダイエット脳で、楽しくダイエットを乗り切りましょう!■なぜ太ったのでしょうか?まず、自分の行動習慣・思考習慣を書き出してみましょう。自分の生活全体を振り返ることが「ダイエットの秘訣」です。現在の自分は、今までの生活習慣が作ったのですから、生活習慣を変えない限り痩せることはありえません。■なぜダイエットは失敗するのでしょうか?生活習慣を書き出すことで、太った原因がわかってくると思います。わかっちゃいるけど、やめられないお菓子。わかっちゃいるけど、運動なんてめんどくさい・・・。わかっちゃいるけど、ダイエットは続けられない・・・。どうしてでしょうか?それは、ダイエットが楽しくないから。好きでダイエットしているわけではないから、続けるのが難しいのです。では、どうしたら楽しくダイエットできるでしょうか?■なりたい自分を書き出す脳は現実と仮想の区別がつきません。そんな脳の特性をダイエットにも活用しましょう。なりたい自分の姿を書き出します。それも「なったらいいな~」ではなく、完成形・過去形で書きます。例えば、私の体重は45kg。7号サイズの赤いワンピースをきて、7月30日友人の結婚式に参加した。今年の夏はビキニで泳いだ・・・等。すべて、「なったらいいな~」ではなく、過去形で書くことがポイントです。そうすることによって、すべて現実化したこととして脳に暗示をかけることができます。■ビジョンマップを作る理想体型の芸能人の写真と自分の写真を並べて、「必ずこうなります。」と書き、芸能人の写真から自分の写真に向かって、矢印マーク(→)で結びます。さらに、痩せた後に自分がおこなう出来事をその周りに書き込んで、一枚のマップを作ります。「こんなことをして何になるんだろう、ばかばかしい」と思うかもしれません。しかし、これも重要なことなのです。脳は目から入る情報を現実化しようとします。いつも見えるところへマップを貼ったり、携帯の待ち受け画面にするなどして常に目に付くようにしていると、脳は現実化に向けて動いていくようになります。■具体的な予定をたてるいつまで、なんの為に、誰のために痩せたいのか?そのためには何をすべきなのか?等を書き出します。例えば、お腹を引っ込めたいなら、どんなエクササイズが有効か?グッズは?ダイエットサプリメントは?・・・などを本・ネットなどで調べます。ここを深掘りすると、「そもそも何故痩せる必要があるのか」が明確になります。調べない段階で、本当は痩せる気がないことに気づくからです。そして集めた情報を一枚の紙にまとめます。スマホにアプリを入れておき、いつでも開けるようにしておきましょう。■まとめダイエット情報は溢れていますから、ノウハウは無料でいくらでも手に入ります。でも継続ができず、ダイエット難民よろしく次々と新しいダイエット法に飛びつくのです。そして、結局痩せないというループ・・・。まずは、楽しいダイエット脳に変えては如何でしょうか?痩せた自分をニヤニヤ想像しながらダイエットできたら、幸せですよ。(林田玲子/ハウコレ)
2015年06月07日「糖質制限」系ダイエットでも、群を抜いてメディアに取り上げられることが多い「ケトジェニックダイエット」。何かとセンセーショナルなイメージで紹介されることが多いのは、一見ダイエットとは関係ないようなメリットが数多く報告されているからに他なりません。ちょっと舌を噛みそうで名前も覚えにくいですが、どんなダイエットなのか、一度きちんと知っておきましょう。明日からでも、すぐに実践してみたくなること請け合いです!「ケトジェニックダイエット」のメリットとは?■肉や魚もおなかいっぱい食べられる■食後、眠くならない■肌にハリが出て若々しく見える■むくみが取れる■運動をしなくても脂肪が燃える■極力筋肉量を減らさずにダイエットが可能■面倒なカロリー計算をしなくてよい■イライラしなくなる■頭がはっきりして集中力がアップする■長寿遺伝子がスイッチオンする■メタボリックシンドロームが改善されるこれらが、よく挙げられるケトジェニックダイエットの特長です。なんだかいいこと尽くめだと思いませんか? 一体どんなダイエット? 他の糖質制限とは何が違うのでしょう?「ケトジェニックダイエットは、ズバリ “食べて痩せて健康になる” 食事法です。ダイエットという言葉は、日本では『減量』さらには『痩身』の意味でも使われていますが、本来は『健康になるための食事法』という意味。ケトジェニックダイエットも、まさにこれです。別名『ケトン体ダイエット』とも呼びますが、ケトン体という耳慣れない言葉のせいか、間違った理解や、誤解を招くような紹介のされ方も少なくありません。もともとこの食事法は、薬では治らない小児てんかんの治療として、1世紀も前から使われてきたもの。近年それが、ダイエット効果があることがわかってきた。しかも、アンチエイジングやその他の効果もあるというデータが続々出てきたんです。それを健康増進を目的としたダイエット法に結びつけたのが我々の協会です」そう語るのは、アンチエイジング・機能性医学のドクターで「一般社団法人 日本ファンクショナルダイエット協会」副理事長の斎藤糧三先生。ケトジェニックダイエットを体系立てて提案し、実践ノウハウを確立、教える側の人間(アドバイザー)を育成しています。単純な糖質制限には、異議を唱える方もいます。それは、お菓子やご飯などの糖質だけでなく、野菜などあらゆる食材に含まれる糖質を控えることは、当然栄養不足を招いてしまうからです。その点、ケトジェニックダイエットは病気を治療する目的から始まった食事法であり、機能性医学に基づく栄養指導で成り立っています。正しく実践すれば、健康にこそなれ、栄養不足に陥ることはなく、筋肉の減少も最小限にとどめることができます。「ケトン体」って何? その驚きの正体が明らかに!昔から、「脳のエネルギーは、糖質(炭水化物)だけ」と言われてきました。仕事や勉強中に集中力が欠けてくると「甘いものを食べれば頭が冴える」ともよく言います。ところが、これ、間違いであることがわかってきたのです! まずこのことをしっかりと理解しましょう。小学校でも習うように、体のエネルギー源となるのは、「糖質・脂質・タンパク質」の三大栄養素です。脳には、血液脳関門(ブラッド・ブレイン・バリア)という関所のような場所があり、異物が侵入できない仕組みになっていますが、ここを通れるのはブドウ糖だけ。脂肪やタンパク質は分子量が大きすぎて通過できません。そのため、「脳は糖しか使えない、糖質は必ず摂取しなければならない」という俗説が生まれたのです。通常、私たちは食物から摂った糖質を分解して使う「解糖系」の回路でエネルギーを得ています(第1の回路)。糖質を毎食欠かさず食べていると、体内には糖質がたっぷり蓄えられるので、体は優先的に糖質を使います。使い切れない分は中性脂肪として蓄えられるため、運動もせずに糖質をとり続けていると太るのは当然のこと。でも実は、私たちの体には糖質が入って来ないとき(いざというとき)、自力でエネルギーを生み出す回路も備わっています。その1つが「糖新生」。これは筋肉を分解し、アミノ酸の一部など 糖以外の物質から糖エネルギーを作り出す回路(第2の回路)のことです。さらに糖新生と同じく、糖質がないときに働く回路もあります。これが中性脂肪を分解して使う第3の回路、まさに「痩せる」回路です。この回路では、分解された脂肪酸は肝臓へ運ばれ、そのままでもエネルギーになりますが、一部の脂肪酸は「ケトン体」という物質をつくり出します。これをケトン体回路(ケトジェニック回路)と呼び、この回路が活発になることをケトジェニック状態と名付けています。糖に変わるエネルギー、それが「ケトン体」さあ、ここからが注目すべき「ケトン体」のお話です!近年の研究で、このケトン体は前述の “脳の関所” を通過できることがわかってきました。脳の神経細胞のエネルギー源として利用されるほか、ケトン体はあらゆる細胞のエネルギー源としても使われます。特に24時間フル稼働している脳、心臓、腎臓は、休みなくケトン体を使うため、ケトジェニック回路が活発になり、中性脂肪はどんどん燃えていく。それがケトン体を出して痩せるというしくみです。脳も体も、糖質がなくてもエネルギー不足にはならないこと、わかりましたよね? そこで「あえて体内に糖が足りない状態をつくり、脂肪をメラメラ燃焼させ、ケトジェニック回路を回す食べ方をしよう!」これがケトジェニックダイエットの考え方なのです。「ケトン体は長い間、悪者だと誤解されていました。糖尿病の検査項目のひとつになっているからです。医学部では、血液中や尿中にケトン体が出ているときは、糖尿病が悪化した“ケトアシドーシス”と教えられる。でもそれは糖質が細胞に取り込めなくなったために、代替物質としてつくられたケトン体が過剰になってしまう症状であり、ケトン体が健康に悪影響を及ぼしているわけではありません。さらに、ケトン体についての研究が進むにつれ、ケトン体は悪者どころか、抗酸化物質であることもわかってきました。体のサビとも言われる活性酸素を無害にしてくれる酵素を活性化する働きがあるのです。さらには、アルツハイマー病や認知症の予防・改善にも効果が期待できるとのデータも。最近になって、がんの再発予防に効果が認められたとの報告も増え始めているんです。今後ますますケトン体は、いろいろな分野で注目されることは間違いありませんよ」(斎藤先生)脱・糖質中毒!「ケトジェニック回路」をスイッチON!歩いているときに、どこからか漂ってくるパンやスイーツの焼けるいい匂い、無視できない人も多いのでは? おなかが減っているいないに関わらず、糖質が食べたくてたまらない人がたくさんいます。糖質を控えれば痩せる、ケトン体をつくろうと頭でわかってはいても、糖質がやめられずに、なかなかケトジェニック回路にスイッチできない人が多いのも事実。糖質とは砂糖などの甘い物だけではありません。主食にしているご飯、麺類、パンなどの炭水化物を日常的に大量に摂取しているために、「糖質依存」状態になっているのだと斎藤先生は言います。「まさに『糖質中毒』です。煙草がなかなかやめられない、というのとまったく同じ症状。だから、食べないでいるとイライラする。ヒトが米などの穀類を食べるようになったのは、人類史600万年のうちわずか1万年前。250万年間に渡り、ヒトは肉食でした。約1万年前に農耕が始まり穀類を食べるようになりました。さらに、精製された炭水化物や砂糖などが広がったのはたった200年前です。日本が米食になったのなんて150年前ですよね。日本人はお米を食べてきたと言われますが、私達は日本人である前に人間。消化器官の構造からして、草食ではなく肉食動物に近いんですよ」まさに、目からウロコの事実。甘い物だけでなく、炭水化物を摂らずにいられないのは、日本人が150年間摂り続けてきたことによる習慣によるものだったとは?!肥満ホルモン「インスリン」を刺激しないのもポイントところで、血液中にはブドウ糖が含まれていますが、その量がどのくらいなのか知っていますか? それが血液検査でわかる「血糖値」です。糖質の多い食事を摂ると、血液中のブドウ糖濃度=血糖値が急激に上がり、バランスを取ろうとしてすい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは血管の外に糖を出して血糖値を下げてくれますが、外に出た糖の多くは脂肪細胞に取り込まれ、中性脂肪に変わってしまいます。これこそ、インスリンが「肥満ホルモン」と呼ばれ、ダイエットには大敵だと言われるゆえんです。また、大盛りのごはんを食べたはずなのに、すぐにおなかが空いてしまうこともあります。空腹を感じるのは、インスリンによって血糖値が急激に下がるとき。血糖値を急上昇させなければ、急に下がることもないので、よけいに食欲が湧くことがなくなります。実は、糖質は「必須栄養素」ではありません。意外だと思われた方も多いかもしれませんが、国の指針である厚生労働省の「日本人の食事摂取基準 2015年版」にも書かれている事実です。まずは、「人は必ず食事から糖質を摂取しなければならない」という思いこみをやめましょう。糖を摂らなくても糖新生によってブドウ糖がつくられること、脳はブドウ糖の代わりにケトン体を使えること、これを覚えておくことが大切なのです。「なかなか糖質がやめられない」と嘆く人も、そこから抜け出す第一歩になります。何を食べたらよい?「ケトジェニックピラミッド」の考え方ケトジェニックダイエットは、21世紀の新しい栄養学「ファンクショナル栄養学」に基づいた、健康を実現するための食事の摂り方です。糖質を制限すると言っても、食べないダイエットとは根本的に違い、モリモリ食べられるのが特徴。ベースとなるのは、栄養素を7つのグループにわけた、ピラミッド。これを守って食べることで、インスリンを刺激しない低糖質、脂肪を燃焼させるケトジェニック状態をつくっていきます。底辺のグループほど、しっかり摂るべき重要な栄養であることを表しています。とはいえ、細かい計算をするわけではなく、見たままを目安に食材を選んでOK。特に重要なのは「毎日必ず摂るべき食材」となる1~3のグループです。【毎日必ず摂るべき食材】▼グループ1 肉、魚、卵、大豆 タンパク質の確保▼グループ2 野菜(葉野菜)、きのこ、果物 食物繊維とミネラルの確保▼グループ3 オメガ3系脂肪酸、中鎖脂肪酸グループ1のタンパク質は、ケトジェニックダイエットでは最も欠かせない栄養素。自己流の糖質制限などでは、例外なく筋肉量が減ってしまうもの。筋トレのような運動なしではなおさら、ダイエット中は筋肉量が保てません。ケトジェニックダイエットでは、驚くほどのタンパク質量(1日あたり1.2~1.6g/kg)を摂ることを推奨しています。そのため、ケトジェニックダイエットは、別名「肉食ダイエット」などと呼ばれたりするのです。 野菜の中でも「葉野菜」は必ず摂るべきグループ2ですが、「イモ類・根菜類」は「摂ってもよい」として別のグループに分類。これらは糖質が高いためです。残念ながら、糖質は「避けるべき食材」として最初から例外チーム。「グループ8」に分けられています。ここで、もう一度、糖質や炭水化物の定義をおさらいしてみましょう。「糖質」と「炭水化物」の違いとは?まず、炭水化物とは、小学校でも習ったように三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)のひとつ。炭水化物と糖質は同義語のように扱われることが多く、それも間違いではありませんが、わかりやすいのは・・・炭水化物 = 糖質 + 食物繊維糖質 = 炭水化物 ー 食物繊維こう覚えておくと、食品表示などを見る際にも理解しやすくなります。食物繊維は、体に吸収できない炭水化物のことで、カロリーはゼロ。体から排出されるので便秘解消のお話によく出てきます。ここで“糖類ゼロ”や“糖質オフ”などの表示があるものなら安心だと思う人もいるでしょう。でも、糖質と糖類は意味が違うことに気をつけて。「糖質 > 糖類」と覚えておきましょう。“糖質ゼロ” なら確かに糖質は入っていないかもしれませんが、 “糖類ゼロ” には、糖類以外の糖質が含まれている可能性大。たとえ “無糖” と書かれていても、でんぷんなどの多糖類が山盛り入っているかもしれないのです。「人工甘味料にもだまされないで。合成甘味料や糖アルコールは、確かに血糖値を上げにくくインスリンの追加分泌を促さないので、摂ってもよいイメージがあります。ただ、人工甘味料を口にして、あなたの脳が『あ~甘い♪』と感じた瞬間に、体内ではインスリンの追加分泌が始まってしまいます。実際には血糖値が上がらなくても、パブロフの犬のように、条件反射が起こることも考えられるんですから」(斎藤先生)また、表現自体にも注意が必要。厚労省の栄養成分表示では、以下のようにちょっとゆるい決まりしかありません。◆含まないという表示 [無、ゼロ、ノン、レス、0]食品100g当たり0.5g未満、または飲料100mL当たり0.5g未満の場合に表示してよい。◆低いという表示 [低、ひかえめ、小、ライト、ダイエット、オフ]食品100g当たり5g以下、または飲料の100mL当たり2.5g以下の場合に表示してよい。「無糖」と表示されていても、決して糖質ゼロではないのがわかります。食べ物を口に入れる前に、そんな目線で見てみると、いろいろ発見があって新鮮。楽しみながら糖質コントロールができそうです。「ココナッツオイル」と「ケトジェニックダイエット」のイイ関係今年、テレビ番組でケトジェニックダイエット中に、ココナッツオイルを取り入れている様子が放送されました。番組を見た人の中には「ココナッツオイルはケトン体を出すから、脂肪を燃やす効果がある」と理解した人が少なくなかったようです。実際はどうなのでしょうか? 答えは、YESでもありNOでもあります。バージン・ココナッツオイルは約60%が「中鎖脂肪酸」でできています。これは飽和脂肪酸のひとつで、MCTオイルとも呼ばれるもの。体に蓄積しない特徴を持っています。一般的な植物油の多くは分子をつなぐ鎖が長い「長鎖脂肪酸」ですが、「中鎖脂肪酸」は鎖の長さがその半分程度で、何倍ものスピードで消化吸収されると言われます。ココナッツオイルを摂ると、腸で吸収された後すぐに肝臓へ運ばれ、なんと「ケトン体」をつくることがわかってきました。前述のように、ケトジェニックダイエットで言うケトン体は、糖質をあえて枯渇させ、体脂肪を燃やしたときにその証として出る物質。でも、口から摂った脂肪、中でも中鎖脂肪酸からもケトン体はつくられるのです。「ブドウ糖が体内にあるときでも、ココナッツオイルを食べればケトン体をつくれるわけです。その意味では、残念ながらココナッツオイルが直接的に体脂肪を燃やすわけではありません。でも、ケトン体をつくるケトジェニック回路が活性化し、体脂肪を燃やしやすくすることは十分考えられます。ちょうどいま、我々の協会でも、その検証を進めているところです」と斎藤先生。「しかも、中鎖脂肪酸は他の油脂よりはるかに体内に留まらないので、他の油やバターなどの代用として日常的に使えば、体脂肪が貯まりにくく、ダイエット効果は期待できるでしょう。もちろん、置き換えなければだめですよ。ココナッツオイルも、普通のオイルと同じカロリーはありますから、今使っている油類はそのままに、追加でココナッツオイルをたくさん摂ったのでは、ダイエットどころか太ってしまう人もいます。ココナッツオイルはブームのように扱われていますが、アルツハイマー病の予防・改善に効果があるデータは数多く上がってきています。1日大さじ2杯で、みるみる改善される例も見られるほど。ブームだから使うのではなく、効果を上手く実感できるように、正しい方法で取り入れてほしいと思います」(斎藤先生)これが真実。ココナッツオイルは熱に強く、酸化しにくい性質を持っているため、炒め物はもちろん揚げ物に使うなど、どんなオイルの代用にもなります。冬場や冷蔵庫内では固体に変わるため、バターのような使い方もOKです。エネルギーを糖質から脂肪に切り替え、ケトジェニック回路にシフトするべく、ココナッツオイルを一度試してみるのも手です。いまの食生活をあらためて見直して、美と健康のためにも「ケトジェニックダイエット」の考え方を取り入れてみてはいかがでしょう。斎藤糧三先生 プロフィール日本機能性医学研究所CMO、ナグモクリニック アンチエイジング・機能性医学 外来医長、「一般社団法人 日本ファンクショナルダイエット協会」副理事長。1998年日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、「機能性医学」の普及と研究推進のため「日本機能性医学研究所」を設立。著書に『サーファーに花粉症はいない』『腹いっぱい肉を食べて1週間5kg滅! ケトジェニックダイエット』。
2015年03月23日■左? 右? 子どもの個性を観察するライフオーガナイズでは「利き脳」を元にした収納方法を提案しています。利き脳とは、いわゆる「右脳派か、それとも左脳派か?」というもの。右脳=感覚的なタイプか、左脳=論理的なタイプかで、適切な片付けの方法に違いがあるのです。今回は、利き脳と収納方法についてお話ししましょう。■左脳派はきっちり収納、右脳派はざっくり収納利き脳の違いによる収納の違いの例として、本棚を挙げて説明しましょう。利き脳が左脳、つまり論理的なタイプの場合、大きさや種類、色などを揃え、きっちり収まっているのを好むことが多いです。一方、利き脳が右脳の感覚的なタイプの場合は、種類や色や大きさがバラバラでも全然気にならず、本棚に入って入ればオッケーというケースが多く見られます。子どもさんのお片付けの様子をご覧になって、どうでしょうか? おもちゃをしまうのに、1つ1つを引出しにしまえるタイプですか? それとも、大きな箱にぽんぽん投げ込むタイプでしょうか。子どものタイプを観察して収納に活かせば、お互いにストレスの少ない仕組みを作ることができます。■利き脳別、ベストな収納方法右脳派か左脳派か、利き脳のタイプ別、おすすめの収納方法の一例をご紹介しましょう。・左脳タイプ種類ごとに細かく管理、ラベリングし、物の住所設定を明確にするのがおすすめ。論理思考の左脳派は、ラベルの文字を読んだり、箱を開け閉めしたり、定位置管理をするのが苦ではなく、むしろそのほうがやりやすいことが多いので、きちんと分けられるようにしておきましょう。・右脳タイプファイルボックス1つに1教科分まとめて入れればOK、といったように、収納の際、細かく分け過ぎないことがポイントです。ラベリングする場合には、色や絵、写真などを活用し、イメージがパッと伝わるようにしましょう。使ったものを戻すまでのアクション数を減らすことも重要です。大人であれば、右脳派か左脳派か、チェックリストでわかるのですが、子どもはそれがなかなか難しいところ。ママが子どもの様子を見ながら、左脳派と右脳派、どちらの収納方法が合いそうか、見極めてあげてください。最後に付け加えておきたいことが1つ、収納は上手な人が苦手な人に合わせたほうがうまくいきます。上手な人(大人)に比べると、苦手な人(子ども)は、まだできないことや難しいことも多くあります。子どものお片付けに関しては、「この辺に戻せたらOK」くらいに考えておくと、ママも気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。
2015年03月15日みなさんは、普段見ている夢の意味を考えたことがありますか?なんと、睡眠中の脳の画像から夢の解読ができるというのです。自分が寝ている間に、脳の中で何が起こっているのか、どんな動きをしているのか、知りたくありませんか?今回は、夢の研究についてご紹介します。睡眠中の夢を言い当てられる!?夢の研究睡眠時に夢を見ることはだれにでもあるでしょう。自分でもどんな夢を見たか忘れてしまうことも多いですが、最近の脳の研究では、脳を見ることで夢に何が出てきたか言い当てられるそうです。では、実際にはどのように解読しているのでしょうか?まず、夢でどんなものをよく見るのか調べ、カテゴリごとにグループ分けします。その後、カテゴリごとにその物体の写真を見た時の脳の動きをデータとして集めます。これらのデータを使うことで、夢を見ている最中に何が出てきているか言い当てることができるというのです。たとえば、「車」の写真を見ている時の脳の動きをデータとして蓄積していきます。夢解析のためには、データの蓄積が必要夢を解析するときに重要なカギとなるのはデータの蓄積と分析です。多くのカテゴリの脳波を集め、さらに異なるカテゴリを見た際の、脳画像のわずかな差異を分析する技術も重要となります。さらに細かい解析を要する場合は、より細かいデータを集めていく必要があります。また、「顔」であっても、動物を見るときと、人間を見るときで反応する部分が違うというデータもあり、完璧に判断するにはまだまだ時間がかかりそうです。脳と機械による最先端技術近年、脳と機械をつなぐことで、思い通りに機械を動かすことができるまで技術は発達しているそうです。思いどおりにロボットを動かすことができれば、医療分野での実用化が実現するかもしれません。アメリカでは、サルの脳に電極を刺して考えていることを読み取り、食べ物を口に運ばせることに成功しています。日本では、電極を刺さずにこういったことを可能にする研究が進められているのです。睡眠時の夢の研究が、こういった形で医療分野で活かされていくのです。睡眠時の夢から、現実の夢を叶えていくような、非常に希望有る研究が日本で行われているのです。
2015年01月27日私たちが眠っている間、脳はどのように動いているのでしょうか。脳と睡眠の関係は、なかなか見ることができないので興味深いテーマのひとつかと思います。今回は、その関係についてご紹介します。脳と睡眠の関係脳と睡眠--この2つには深い関係があると言われています。たとえば、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなどの睡眠障害、うつ病などの精神疾患、認知症などの脳の病気は、睡眠との関わりが深いそうです。具体的にどのようなことなのか一緒に見ていきましょう。脳内には「オレキシン」という物質があります。これは、依然は食欲を増進する物質だと考えられていましたが、突然、強烈な眠気に襲われるナルコレプシーとも関係があるということが判明しました。オレキシンをつくる遺伝子を破壊したマウスを使った実験で、突然眠り込む睡眠発作を繰り返しているところが観察できたそうで、このことからナルコレプシーとの関係が突き止められました。マウスを使った実験他にも興味深い実験があります。マウスを2つのグループに分けて、1つは睡眠を妨害し、ずっと起きている状態にします。もう1つは飼育用の箱をときどき替えて、マウスが自発的に起きている状態にします。これは環境変化が起きると周囲をチェックするというマウスの修正を利用しているそうです。しばらく経ってから、両方のグループを眠らせました(妨害などをストップ)。すると、早く眠りについたのは睡眠を妨害されたグループで、後者の自発的に起きていたグループはなかなか眠りにつけなかったそうです。オレキシンの働きを模倣した薬の開発もこの実験から「眠気」と「睡眠を必要とする量」はそれぞれ独立して制御されているということが判明しました。つまり、この2つに関連性はなく、別々にコントロールされているということがわかったそうです。2つめのグループのマウスは脳内で何かしらの効果が働いたため、起きている必要がなくなっても眠りにつけなかったと考えられています。このように、脳と眠りの間にはとても深い関係があるのです。冒頭で紹介したナルコレプシーと関係があると言われている脳内物質「オレキシン」の働きを模倣した薬の開発が現在進められているそうです。さらなる睡眠の謎の解明が進むことを期待したいですね。photo by Moyan Brenn
2015年01月22日あなたの脳、疲れていませんか?脳の疲れをとるには、質の高い睡眠が必要です。質の高い睡眠の条件は、眠っている間に睡眠ホルモンといわれる「メラトニン」がしっかりと分泌されることです。今回は、この眠っている間のメラトニン分泌を増やすための方法を紹介します。疲れているのは体ではなく脳!現代で問題になっているのは、肉体的な疲れよりも、ストレスによる脳の疲れだといわれています。現在のワークスタイルで多いのはデスクワークなので、肉体的な疲れはさほど気にならないはず。もしかすると神経が疲れるという方もいるかもしれません。それも脳の疲れを示しているのです。脳が疲れると、まず寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりと、不眠を引き起こすといわれています。脳の疲れをしっかりとる睡眠とは?では、脳の疲れをとるためにはどうすればいいのでしょうか?ただ単に睡眠時間を長くとればいいというわけではありません。大事なのは睡眠の中身。つまり、「質の高い睡眠」をとればいいわけです。質の高い睡眠をとるためには、睡眠の質を高める「メラトニン」というホルモンを十分に分泌させる必要があります。このメラトニン分泌に欠かせないのが、昼間、セロトニン神経を活性化することです。セロトニン神経とは、脳を目覚めさせる作用や、心を安定させる作用などがある神経のことで、一言でいえば活性化されると元気になるもの。このセロトニンをしっかりと活性化させることが、脳の疲れをとってくれるメラトニンを活発に分泌させることにつながるといわれているのです。メラトニンを増やすために昼間行っておくべきこと脳の疲れをとる眠りのためには、昼間にセロトニン神経を活性化させることが大事。具体的には、まず朝一番で太陽の光を浴びること、そして「リズム運動」がいいといわれています。リズム運動とは、規則的に体を動かす運動のことで、ダンスや体操、ウォーキングがあります。軽快な音楽を聴きながらウォーキングをすると、歩行だけでなく呼吸までリズミカルになってきて、セロトニン神経の活性化にいいといわれています。セロトニン神経を活性化させてメラトニンをたっぷり分泌させて、ぐっすりと心地いい眠りを手に入れれば、脳の疲れはすっかりとれることでしょう。Photo by Avenue G
2014年11月23日脳科学は今、もの凄い勢いで進んでいる。アメリカの著名な脳科学者が約20年前に「脳科学は物理学で言えば15~16世紀。まだまだ初歩的な段階」と言っていたのに、「これまで科学で答えられなかった領域に今、どんどん突っ込んでいる。非常に面白い段階」とジャーナリストの立花隆氏は興奮を隠さない。脳科学の中で今もっともホットな分野である「記憶」について、第一線の科学者らが最新の研究成果を一般向けに話す第17回自然科学研究機構シンポジウム「記憶の脳科学~私たちはどのようにして覚え忘れていくのか」が9月23日、東京で開催された。その内容を数回に分けて紹介しよう。○行動しながら記憶する - ワーキングメモリの容量は3つ!?多くの人が日常生活で不便を感じ、役立てられることがあるのでは? と感じたのが大阪大学・苧阪(おさか)満里子教授の「ワーキングメモリ:脳のメモ帳」の講演だ。記憶というと「暗記能力」を思い浮かべがちだが、日常生活で暗記に集中する場面はそれほど多くない。それよりもスーパーに買い物に向かいながら夕飯の材料を覚えておく、など何かをしながら短時間だけ記憶することのほうがずっと多い、と苧阪教授はいう。このように行動しながら記憶することを「ワーキングメモリ」と呼ぶ。たとえば普段の会話でもワーキングメモリを使っている。相手に聞かれた質問を覚えておくことで質問に答えられる。読書でも登場人物や、前の頁の場面を覚えていることで、文脈が理解できるのだ。ワーキングメモリがうまく働かない例には、「2階に本を取りに行ったのにベランダの洗濯物に気づいて取り込むうちに、何をしに来たか忘れる」、「買い物に行ったのにセール品に気をとられて目的の物を買い忘れる」などがあげられるが、誰でも似たような経験があるのではないだろうか?では、なぜ私たちは頻繁に目的を忘れるのか。苧阪教授によれば「ワーキングメモリには制約がある。一度に使える情報処理の量は3つぐらい」とのこと。人は同時に多くの物事を処理することはできないのだ。だが、ワーキングメモリを働かせるのが得意な人とそうでない人がいるらしい。いったいどこが違うのか?講演ではここで、来場者にワーキングメモリの容量をはかるテストが行われた。複数の文章を読みながら、文章中の1つの単語だけを覚えていくテスト(リーティングスパンテスト:RST)だ。以下の文章が1枚ずつスライドで投影され、来場者は声を出して読みながら、強調された単語(ターゲット語)だけを覚えるよう促された(実際のテスト場面では、ターゲット語には赤線でアンダーラインがついている)水泳をしているためか、母は最近とても元気である。その花は熱帯の植物なので、北国の寒さには弱い。雷のため、電車の切符の販売機が故障した読み終えた後、文章を見ずに記憶しているターゲット語(上の文章では元気、北国、電車)だけを列挙する。つまり、単に単語を覚えるだけでなく、文章を読みながら単語を覚えるという二重課題が課されているわけだ。3つの文章では正解できる人が多いようだが、5つの文章中の5単語まで増やすと難しくなる。苧阪教授の研究室では大学生50名を対象にRSTを行い、高得点者と低得点者を比べたところ、興味深いことがわかったという。○高得点者は「読解力」に長け、「注意」を正しく向け、「方略」をもつ大学生にはRSTの他に読解力テスト(大学入試センター試験に準じる長さ)も行っており、相関を調べたところ、高得点者は「高い読解力」があることがわかった。文中にこのような単語や文章が出ていたという記憶力よりも、文章全体で何が書いてあったかという「文脈をとらえる能力」に長けていることがわかったそうだ。またRSTを実施中の眼球運動を測定したところ、高得点者はターゲット語に視線が集中していたが、低得点の人は文の中の色々なところに目がいく。つまり何を覚えるべきか、何をおぼえなくていいか、注意が向けられるべき言葉に向けられていない。さらに文が4つ、5つと増え、覚える単語が増えると、何らかの「方略」を使わないと覚えられなくなるという。たとえばターゲット語を意味的につなげたり、イメージ化したりして覚えるのが方略の例だ。高得点者は、方略を何種類かもっていて1つの方略がうまくいかないと判断したら、途中で他の方略に変えることができる。つまり自分で自分のやり方が正しいかどうか「自己モニタリング」できるのだという。○ワーキングメモリで働くのは、脳のどの部分?ワーキングメモリを支えるのは、脳のどの部分のどんな働きによるのだろうか。RSTを実施中の実験参加者の脳をfMRI(機能的磁気共鳴画像)などで調べると、脳のどの領域が活発に働いているかがわかる。苧阪教授が2003年の実験で「意外だった」というのは「ACC(前部帯状回)」が高得点群の人に顕著な活動が見られたことだ。その後の研究で、「DLPFC(背外側前頭前野)」、「SPL(上部頭頂小葉)」の3カ所がワーキングメモリの要となる中央実行形系のネットワークを作っていると考えられている。SPLは注意の焦点を特定の対象に向ける「注意の切り替え」を担い、DLPFCは「注意を保持」する。そしてACCは注意を向けるべき対象をうまくキャッチしてそうでない対象を「抑制する」働きをする。苧坂教授が強調するのは「注意の向け方」だ。ワーキングメモリの点数が低い人は決して覚えるのが苦手なのではない。「注意の移動」が苦手だということ。覚えなくていい対象に注意が向けられていたりして、覚えるべき対象に正しく注意が向けられていないようだ。○高齢者の特長 - ワーキングメモリを鍛える方法ワーキングメモリは20~30代がピークで年齢が上がるに従って機能が衰えていくという。高齢者にRSTを行うと、ターゲット語と違う単語を覚えてしまったり、ターゲット語だけ覚えればいいのに文章全部を覚えようとしたりする傾向が見られる。「つまり焦点化、覚えなくていいことに対する抑制制御がうまく働かないのです」と苧阪教授は指摘する。脳の働きを調べるとACCがほとんど活動を見せない。では、低下したワーキングメモリの機能は鍛えることができるのか?苧阪教授は「通常の日常生活を送っていれば、十分にワーキングメモリは鍛えられるので、むやみに鍛える必要はありません」という。会話したり、料理をしたり、買い物に出かけたりする行動のすべてでワーキングメモリを使っているのだと。しかし、加齢に伴って著しく低下しているときには「イメージング」が効果があるそうだ。覚えるべき単語をイメージして下さいと伝え、絵に描いてもらった。その後では脳内でACCの活動しているのが見られるようになった。イメージングするということは、「頭の中に表象を形成する訓練をする」ということ。その意味では本を読むのも効果的だ。またワーキングメモリで一度に情報処理できるのは3つと書いたが、その「3つ」はイメージ化によって充実させることが可能だ。たとえばカレーの材料をじゃがいも、にんじん、玉ねぎと1つずつ覚えて「3つ」でなく、カレーをイメージ化することですべての材料を「1つ」にまとめて思い出せるようにする。そして楽しい目的を持つときも、ドーパミンが出てDSPFCが活性化するという。日常生活を楽しく送り、時々は好きな本を読み、余計なことに気を向けず、注意をやるべきことに集中する。これがワーキングメモリを鍛える方法の1つかもしれない。写真出典苧阪満里子著 「もの忘れの脳科学」講談社ブルーバックス、2014.苧阪満里子著 「読書における文の理解とワーキングメモリー」苧阪直行編『小説を愉しむ脳』新曜社、2014
2014年10月08日日中、頭がぼーっとして仕事にならないということはありませんか?異常な眠気を伴うときは、脳疲労の可能性があります。この脳疲労の原因やメカニズムを知れば、自らの対策に役立てることができます。異常な眠気、頭がぼーっとする原因は?仕事中に襲われる異常な眠気。どう対処していますか?眠気がそれほど強くないときも、頭がぼーっとしてしまうことってありますよね。そんなとき、脳はある状態に陥っている可能性があります。それは、脳疲労。過剰なストレスが長時間続くと、脳の働きが低下するといわれているのです。この脳疲労の原因といわれているのがアンモニアです。脳は酷使し続けると、アンモニアが大量に発生し、脳にどんどんたまってしまうのだそうです。アンモニアは、脳を酷使するだけでなく、イライラすることによってもたまってしまうそう。アンモニアは体にとって毒です。それがどんどんたまっていくなんて、想像しただけで恐ろしいものですね。アンモニアでやる気が下がる!?脳にアンモニアがたまるとどうなるのでしょうか。本来、アンモニアは有毒なので、肝臓で無毒化されてから最終的には尿素として体外へ排出されます。しかし、大量発生した毒であるアンモニアに対して危険を察知した脳は、アンモニアをこれ以上増やさないために、脳を疲れさせることでやる気を低下させるのだそうです。なんだかぼーっとする、やる気が起きないというときはアンモニアがたまっているのかもしれないですね。また、血糖値が下がり、脳にエネルギーが足りないときにも脳疲労は起こります。その他、眠気や生あくびが多くなる場合は、酸欠状態が疑われます。脳疲労の対策は?脳疲労には色々な原因がありますが、中でもアンモニアがたまっていることが疑われる場合、どのような対策があるのでしょうか。アンモニアをグルタミンというものに変換して解毒してくれるのは、アミノ酸のグルタミン酸だといわれています。このグルタミン酸を供給するのが、BCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸。肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれているそうです。また、アンモニアが無毒化されて体外へ排出されるのを助けるアルギニンというアミノ酸も大事です。肉や魚、大豆製品などに多く含まれているので、意識的に摂取してみてください。また脳の機能を復活させるために必要な、エネルギーの源であるビタミンB群を補給するのも忘れずに。脳疲労が疑われる人は、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。Photo by UGL_UIUC
2014年09月21日「歴史は繰り返す」という言葉があるけれど、これは脳科学的にも証明されていること。「ヒトの脳には一定の刺激に対し、7年で飽きる」というクセがある。一方で、大衆と呼ばれる単位=「同時期に、同じような事象を見聞きし、味わい、触れる集団」がある。この7年の周期と同時期に同じ事象に触れる大衆連動(ブレインサイクル)を研究し、トレンドをドンピシャに予測し続けているのが脳科学者の黒川伊保子さん。今年からの流行予測をズバリ聞いてみました。(c)yo- - Fotolia.com人の脳は7年経つと飽きて気分を変え、それを8回繰り返すと元の感性に戻ります。つまり、56年軸で歴史が繰り返されるので、56年前に起こった社会現象をみながら、政治やビジネス、ファッションが来年、再来年どうなるかという予想を立てることもできます。政治で言えば、1953年、吉田茂首相がバカヤロー解散をし、翌年、民主党の鳩山一郎首相が「友愛政権」を掲げて総理に就任。その後短命政権が続いて、1955年に政界大編成が行なわれて自由民主党が誕生、ようやく1957年に岸信介首相が就任して、政治が安定しました。1953年のちょうど56年後、吉田茂首相の孫の麻生太郎首相がバカみたい解散をし、ほどなく鳩山一郎首相の孫の鳩山由紀夫氏が「友愛政権」を掲げて、民主党が第一党に。その後短命政権が続いて、1955年の56年後=2011年には東日本断震災後の失態によって民主党が自滅、結局自民党の安定政権に戻りました。1957年の56年後の2013年には、岸信介首相の孫の安倍晋三首相が就任、政治経済が安定傾向に入りました。56年前と、非常によく似ていますね。そして、1956年に東京タワーが出来て、人々は空を見上げました。1958年6月には、岩戸景気と言われた長い好景気期に入りました。55年後、東京スカイツリーが誕生、今年は大阪にはあべのハルカスが、東京には虎門ヒルズがオープン。人々は空を見上げました。岩戸景気開始のちょうど56年目に当たる2014年6月は、消費税で一度落ち込んだ消費が再び活性化し、長い好景気に入ったことが予感されます。また、1957年は長嶋茂雄監督が巨人軍にデビューした年。そして今年は、人が伝説になりやすい周期にあります。112年前もシャネルが孤高で世の中に登場し、毅然と逆風を受け伝説になりました。ちょっと前までは「人を癒したい」という社会起業家が多かったのですが、これからはもっともっと上をめざし、「本物」に踏み込んで行った企業が勝ちます。値段が安く、インターネットで広くではなく、高くても本当にいいものが売れるようになるのです。ファッションは、1959年にスッキリとしたシルエットのシャネルスーツをケネディ夫人や世界中のセレブが着て大流行。今年は、長いこと続いてきたセクシーグラマラス系の息の根が止まり、エレガントで上質なファッションへ移行していきます。モノトーン系も流行りそうな予感がしますね。ユニクロやZARA、H&Mなどファストファッションの人気はそのままに、値段が高くても質のいいもの選ぶ消費者が増えるでしょう。メイクはつけまつ毛で盛って目を大きく見せるよりも、アイラインでもともとの目元を引き締めて、美しく見せる傾向にきています。また、世の中は弱いものを守り、頼りがいのあるヒーローがもてはやされる時代に入ります。覚悟と凛々しさ、そして使命感があるということに、人々は心踊らされるのです。モテる男子の傾向も、小柄でカワイイ、ジャニーズ系の草食男子よりも、しっかりとした男らしいタイプが人気に。1957年は石原裕次郎さんがデビューした年。56年後の去年NHKの朝の連ドラ「ごちそうさん」のヒロインの夫役で話題をさらった東出昌弘さんは、190センチの長身。骨格のしっかりした顔は、石原裕次郎のデビュー当時の顔にそっくりです。ちなみに、今期のNHKの朝の連ドラ「花子とアン」で、ヒロインの夫役として人気急上昇中の鈴木亮平さんも、187センチの長身に、しっかりしたお顔。ここ1~2年で、モテ男子傾向は大きく変わってきているのです。56年前の周期には、「小さな恋の物語」という長身男子と小柄な女性の恋物語がベストセラーになりました。ごつい男子、よかったね!「孤高である」ことがテーマになるので、24時間SNSで自分のランチの情報なんか垂れ流してたらだめ! それは女子も一緒で、仲間でたまって女子会をするよりも、ひとりで行動できる「おひとりさま」になりましょう。孤高になり、高嶺の花になり、周りに敵をつくり、バッシングに耐えるほうが周りの好感度は上がります。ひとり旅をして、自分を孤独な環境に置いてみることもおすすめです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月18日「思考のくせなどから、脳には大きく分けてそれぞれ7つのタイプがあります」というのは、脳科学者の塩田久嗣先生。先生の考案した診断方法では、すぐにそれが分かるのだとか。今回は、そんな脳タイプ診断テストをご紹介しましょう。■無意識に選んだものがあなたの姿を物語るイラストの景色の中で、あなたは、どの場所にいたいと思いますか?次の中から、最も近いものを選んでください。(1)ヘリコプターで、上空から地上を眺めている(2)自転車で一生懸命山を登っている(3)車の助手席に乗り山を登っている(4)自転車に乗り猛スピードで山を下っている(5)車を運転して山を下っている(6)モーターボートに乗り湖を横切っている(7)カップルで景色を眺めながらベンチに座っているこうした診断を行う時には深層心理が働き、自分の普段の習慣や、本当の姿に近いものが表れるそうです。では、続いて先生に解説をお願いします!●「ヘリコプターで上空から地上を眺めている」を選んだ人は『サバサバ脳』「ヘリコプターから地上を見下ろすように、物事を客観的にとらえようとする人。論理的思考や言語中枢をつかさどる、左脳の働きが優位です。夢中で何かを好きになったり、われを失ったりすることは少ないでしょう。理系の技術者などに多いタイプです」●「自転車で一生懸命山を登っている」を選んだ人は『コツコツ脳』「自転車でゆっくりと山を登っていくように、何事も一歩一歩確実に成し遂げていくのを好むタイプです。興味のあることなら、一定の集中力を長い期間持続させることができるのが特長です」●「車の助手席に乗り山を登っている」を選んだ人は『ニコニコ脳』「精神を安定させる脳内物質セロトニンが脳を支配するタイプで、温厚な平和主義者。また、助手席を選んだということは、人への依存心の表れでもあります。恋愛や仕事などでも、受け身の態度が多いでしょう」●「自転車に乗り猛スピードで山を下っている」を選んだ人は『キョロキョロ脳』「ドーパミンが脳内で多く分泌されてやる気に満ちあふれ、好奇心旺盛な人。自転車で猛スピードを出すところからも分かるように、スリルを求める傾向もあります。アメリカなど、移民の子孫や移民が多い国にはこのタイプが多いようです」●「車を運転して山を下っている」を選んだ人は『イケイケ脳』「ノルアドレナリンが分泌されやすい興奮型で、感情の起伏が激しい人が多い人。自分で運転したいというのは、自己主張の表れでもあります。何事にも積極的で、相手を自分色に染めようとします。経営者、特に、自ら起業して社長になった人はこのタイプが多いようです」●「モーターボートに乗り湖を横切っている」を選んだ人は『スイスイ脳』「大脳新皮質と扁桃(へんとう)体の作用で、応用力や適応能力が発達したタイプ。モーターボートでスイスイと進むように、世渡り上手な一面もあります。どんな人・環境でもうまくやっていけますが、八方美人なところも」●「カップルで景色を眺めながらベンチに座っている」を選んだ人は『ウルウル脳』「最もロマンチックなシチュエーションを選んだこのタイプは、繊細で感受性の強い人と言えます。感情を支配する大脳辺縁系の働きが活発です。恋に恋をしたりするような、妄想型でもあります」――私は2つで悩んだのですが、こういう場合は?「そういう人は、最終的に選んだものがメインの傾向で、迷った選択肢も傾向としてあると考えてください。より細かい診断では、ニコニコ脳×コツコツ脳など、2つ以上の傾向が出る人もいます。例えば、アスリートでは負けん気の強いイケイケ脳が多いですが、コツコツ脳の要素も持っている人は多いです」――お国柄が出るのも面白いですね。「日本人に最も多いのはニコニコ脳ですが、近年は主体的な人も増えてきたのか、このタイプはやや減少傾向です。次に多いのはコツコツ脳で、この2つが日本人のツートップ。そのほかはほぼ同じくらいですが、多少、イケイケ脳が増加傾向です」――ちなみに、タイプごとの相性ってありますか?「基本的には、お互いに無い部分を補うということで、正反対のタイプ同士だと相性がいいですね。イケイケ脳ならニコニコ脳、キョロキョロ脳ならコツコツ脳、ウルウル脳はサバサバ脳と相性がいいです。スイスイ脳は、どのタイプとも特に問題なくやっていけるでしょう」――私は『スイスイ脳』でしたが、八方美人なんですかね……。「八方美人というと言葉が悪いですが、環境に溶け込みやすい人ということです。一人旅が好きではありませんか?」――たしかに、海外でも一人で平気ですし、引っ越しで旅先でも、どこでもすぐに気に入って、ここで一生暮らしたい!なんて言ってます(笑)「それは、典型的なスイスイ脳ですよ。意外な結果が出ても、やっぱりそれを選んだということはそういう傾向があるのだと思います」――先生、ありがとうございました。皆さんも、ぜひ試してみてください!(取材・文/島田彩子)塩田久嗣(しおた・ひさし)1962年生まれ、脳科学者。ブレインサイエンス・ラボラトリー所長。京都大学卒業後、脳や心の研究に従事し、それまでの脳科学の常識を覆す「感情量」という独自の概念を提唱している。人気携帯サイト『男子脳×女子脳』の企画・監修をはじめ、執筆活動やテレビ、ラジオ出演も多数。おもな著書に、『99.9%成功する脳の使い方』(中経出版)、『"成功脳"の秘密がわかった!「扁桃(へんとう)体パワー」が幸せを引き寄せる』(徳間書店)など。
2012年08月05日別に食べ過ぎているわけでもないのにやせられない…そんな時って考え事が多いときだったりしませんか?実は脳の疲労とダイエットが関係しているらしいのです。脳疲労というのは、自分の中にある理性や感情、本能がバラバラの方向を向いてしまって統率がとれず、バランスを崩してしまっている状態。例えば、「明日までにこの仕事をしなければならない」という司令が、脳に伝わってきたとしましょう。理性をつかさどる左脳では、「遊びをやめて、休まないで仕事をする」という判断を下します。左脳は、その情報を食欲中枢や自律神経中枢のある間脳にも伝えます。一方、同じ情報は本能や情動をつかさどる大脳旧皮質にも伝わっていきます。もしかしたら本能は疲れきっているので休みたい、あるいは眠りたいと感じているかもしれない。すると、大脳旧皮質からの情報も同じく間脳に伝わっていくので、間脳にはまったく異なる情報がバラバラに届いてしまうのです。仕事をするという意志の強さ、眠ろうとする本能の強さ、どちらもが過剰に間脳を刺激すると、間脳は統制がとれなくなり、食欲中枢や自律神経中枢に混乱したままの情報を送ることになり、心身のバランスを崩してしまいます。脳のなかで起こるこうした混乱の状態を脳疲労と言います。脳疲労が起こると、脳のプログラミングが乱れ、五感に狂いが生じやすくなると言われています。五感とは視覚、聴覚、嗅覚(きゅうかく)、味覚、触覚。今まで10の甘さで十分に甘いと感じていたものが、20の甘さを摂(と)らないと同じように感じないという具合。感覚が鈍くなると、体を動かすこともおっくうになりはじめてしまうものなのです。脳疲労を解消していくには、少しずつでも自分への抑圧から解放してあげること。ダメとか禁止というフレーズを一時的に引っ込め、好き、やってみたいというフレーズを大切にしてあげるようにしましょう。脳疲労を起こしやすいのは、至ってまじめな人。他人に言われたことを忠実に守るような人。一日3食食べなくちゃいけないと思い込み、欲しくなくても無理して食べる人も、脳疲労を起こしやすい傾向にあります。脳疲労を癒やすには、本当におなかがすくまで何も食べない。おなかがすいたら何時だろうと食べる。自分の味覚がおいしいと感じるものを満足するまで食べる。こんな、一見不健康に思える食習慣も、脳疲労を回復させるには必要なステップであることがあるのです。脳疲労が解消に向かえば、ひとは心身のバランスを取り戻し、偏った食事や食べ過ぎなど体が本来求めないことは自然と減ってくるものです。ただし、肥満の原因がすべて脳疲労だと思い込むのは危険です。食べ過ぎてもないし、運動不足というわけでもないなら、何らかの病気や精神的障害の場合もあります。気になる人は専門医に相談を仰ぎましょう。(ビューティ&ダイエット編集部)
2012年08月04日2012年、今年は「彼氏いない歴に終止符を打つ!」または「もっとすてきな男性と付き合いたい!」を目標に掲げている、女子のみなさん、モテに必須の女子力は、脳科学的に高めることができるんです。その方法を、医師で作家の米山公啓先生に解説してもらいました。(以下、米山公啓先生)女子力と関係しているのは、脳の視床下部で分泌されるオキシトシンです。オキシトシンは、他人を助けたいという女の子らしい気持ちを導きだしたり、好きになった相手と一緒にいたいと思わせたりするホルモンです。また、ストレスを抑える効果もあることから、癒やしのホルモンとも言われています。このオキシトシンが活性化するためには、受容体であるエストロゲンも活性化している必要があります。エストロゲンは、オキシトシンの受容体となると同時に、オキシトシンの分泌を促す物質でもあります。ある色を見るだけで、エストロゲンを分泌させ、オキシトシンの働きを高めてくれます。それが、ピンク色です。子供のころから、ピンク色は女の子の色とされています。本能的に、女性はピンク色を好むのかもしれませんね。また、犬や猫などのペットと遊んだり、毛をなでたりしている際に、飼い主のオキシトシン濃度が上がったという実験結果もあります。かわいい動物と接したり、ファーなど、ふわふわした手触りのものをなでたりするだけでも効果があるかもしれません。ピンク色のものや、ファーグッズなどを身につけるのは、見た目が女性らしくなるだけではなく、脳科学的にも女子力を高める、ベストな方法と言えるかもしれませんね。(ラブクリニック編集部)【関連リンク】オンナの恋と本音【ラブクリニック】恋愛と脳の関係や、体への影響を医学的に解説!【コラム】脳の仕組みを利用して、恋愛スイッチを入れる方法
2012年01月05日