つかまり立ちを始めたのは生後10ヶ月ごろ生まれてからずっと発育が順調だった息子。しかし、生後10ヶ月ごろになっても、なかなかつかまり立ちをしはじめません。今まで順調に育っていたのに、どうしてつかまり立ちをしないのだろう?そう思った私は部屋の中の家具を見渡しました。すると、背の低い家具がないことに気づいたのです。ローテーブルはあるものの、ハイハイ状態の赤ちゃんからすると手を伸ばしても届かない高さ…。そこでダンボールに本や雑誌を詰め込み、上部にタオルを貼りつけたお手製の台を作ってみました。物珍しいものに興味津々の息子はハイハイで近づき、そのまま一発でつかまり立ち成功!Upload By ネコ山「やったー!」とうれしい気持ちと同時に、はじめてのつかまり立ちをした息子の足はつま先立ちで、まるで小鹿のように小刻みに震えていたのを覚えています。その後、息子は楽しそうにこの台でつかまり立ちをするようになりました。それから数日後、低い台での練習を経てついにローテーブルでのつかまり立ちに挑戦!立ち方のコツをつかんだのか、まずはお座りをしてからテーブルに手を掛け、一気に立ち上がったのです。「やったー!すごいよ頑張ったね!」と私もはしゃぎ、息子の一つひとつの成長がうれしかったです。つま先立ち…!?つかまり立ちができるようになってから数日、息子がいつ転んでも助けられるように近くで構えていて気づいたことがあります。それはずっとつま先立ちをしていること。初めは「足の裏の感触が慣れないのかな?」と、思っていましたが、伝い歩きを少しだけしはじめてもつま先立ちのまま。たまにかかとを地面につけて足全体に重心を置くことはありますが、伝い歩きするときはつま先立ち。いや普通に疲れると思うんですが!?つま先立ちが気になったのでインターネットで検索してみると『発達障害』の文字がたくさん浮かび上がってきました。その文字にドキリとしたことを覚えています。これが私が初めて発達障害という言葉を意識した出来事でした。Upload By ネコ山発達障害について調べていくと、10ヶ月くらいの乳児にみられる発達障害かもしれない特徴がいくつか紹介されていました。しかし息子は、つま先立ち以外の特徴には当てはまりません…どういうこと?保健師さんに相談してみた私たちの住む自治体では、3歳までの乳幼児と保護者向けに予約なしで参加できる親子健康相談というのがあります。保健師さん・栄養士さんが常駐で、身長体重などの測定・発達や離乳食などの相談ができる行政サービスで、私たちはこちらをよく利用していました。主な目的は身体測定だったのですが、保健師さんにちょっとした悩みや疑問を話したり、アドバイスや知らなかった行政サービスを紹介してもらったり、初めての育児に奮闘する私にとって、心の支えのような存在でした。この日も身体測定を目的に親子健康相談を訪れました。身長体重ともに成長曲線上振れの息子、「ほかに何か聞いておきたいことなどありますか?」と保健師さんに聞かれたので、最近気になっているつま先立ちについて話すことにしました。つかまり立ちをし始めた月齢や、つま先立ちの様子などを話すと、保健師さんは「つかまり立ちしはじめたばかりだから、どんなもんかな〜こんな感じかな〜って模索してるんじゃないかな」とのことでした。Upload By ネコ山その言葉に「確かに!つかまり立ちをはじめたばかりだから、きっとそうかも!立つことに慣れてきたり、歩きはじめたりしたらかかとをつけて歩くんじゃないかな」と、私も納得しました。その日から息子がつま先立ちをしていても気にならなくなりました。しっかり歩くようになっても…1歳ちょうどで1人歩きをはじめた息子は、靴を履いて外を散歩するようになりました。歩くときは足裏全体を地面につけてドテドテと歩く、いかにも幼児らしい歩き方でしたが、ふと見ると、つま先立ちをしていることがありました。本当に不意につま先立ちで歩くのです。Upload By ネコ山相談した保健師さんは「つかまり立ちをしはじめたばかりだから…」と、仰っていましたが、歩きはじめても息子はつま先立ちをしています。あれ?とは思いましたが、基本的に足裏をつけて歩いているし、たまにつま先立ちで歩いていても何も不都合なことがないので「よく分からないなぁ、個性的だなぁ」と思うに留まっていました。発達検査で指摘された4歳ちょうどで発達検査をしました。このころには、つま先立ちのことは私もすっかり忘れていたので、検査のときに指摘されたことが衝撃でした。発達支援センターで心理士さんに検査をしていただいたのですが、検査以外の息子の様子も注視する心理士さん。「つま先立ちが気になります」とのことでした。どうやら息子のつま先立ちは、歩きはじめで模索中なのではなく、心理士さんにとって発達上、気になるポイントだったようです。Upload By ネコ山生後10ヶ月のころ、インターネットで検索したときに「つま先立ち」「発達障害」と出てきたのに、そのときは「発達障害かもしれない」とは疑いませんでした。それは当時の息子には、「つま先立ち」とともに記載されていた、逆さバイバイやくるくる回る、目が合わないといった様子はまったくなかったからです。その後、5歳になった息子はADHD+ASDの傾向があり、児童精神科医からグレーゾーンの診断を受けることになるのですが…そのお話はまた次回以降に書きたいと思います。執筆/ネコ山(監修:新美先生より)つま先立ち歩きについて聞かせていただきありがとうございます。確かに、「つま先立ち」で検索すると、「自閉症」「発達障害」のキーワードはけっこう出てくるので、心配になって受診したということはよく聞きます。また自閉スペクトラム症などの発達障害と診断されたお子さんの幼児期早期を振り返ると、つま先立ちで歩いていたという記録が残っていることはあります。ですが逆に、つま先立ち歩きをしているお子さんの大半は、特別何かの診断につながることはなくただの歩き方の個性だったということも多いのです。特に、歩き始め数ヶ月程度は、歩き方を模索する過程で、一時的につま先立ち歩きをするお子さんは少なくありません。歩き始めの数ヶ月は何も気にしなくてよいでしょう。歩き始めて1年以上経ってつま先立ち歩きが目立ち、足を床につくことができないぐらいかかとの関節やふくらはぎが固くなっている場合や、歩き始めよりも1年以上たってからの方がだんだん転びやすくなってきた場合、片足だけ明らかにつま先立ちでアンバランスな場合などは、まれに神経などの病気が隠れていることがあるので、一度受診をおすすめします。かかとの関節が固いわけじゃなく足をついて歩くこともできるけど、ときどきつま先立ち歩きもするという場合の多くは、特別何かの診断につながるものではない、歩き方の個性の範囲のことが多いので、つま先立ち歩きだけで何かを疑って心配する必要はないでしょう。自閉スペクトラム症のお子さんがつま先立ち歩きをすることがある理由として、足底の感覚が過敏で足底をべったりつきたくないという場合や、足底の感覚が鈍感でつま先に集中して感覚を入力したいという場合、体の使い方が不器用な場合などがあります。つま先立ち歩きは確かに自閉スペクトラム症のお子さんにときどき見られる特徴ではあるのですが、つま先立ち歩きだけで自閉スペクトラム症だといえるものではないので、「こういう歩き方をする子なんだな、もしかしたら足の裏が敏感なのかもしれないな、だから靴下履くの嫌がるのかな?」などなど、お子さんの特徴の一つとしてただ観察していればいいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年07月11日発達に遅れがあるとは思ってもいなかった0~3歳までの長男Upload By プクティ長男は生後1ヶ月で首が座ったり、5ヶ月でハイハイを始めたりと、体重も大きめ成長も早めな健康児でした。言葉も1歳になってから単語が次々と出てきて、気づけば2語文を話すようになり、2歳になると3語文をすらすらとしゃべっていたので、このときは特に発達に遅れがあるとは夫も私も全く思いませんでした。それに1歳半健診や3歳児健診のときも、何か発達について指摘されることもありませんでした。Upload By プクティ3歳で幼稚園入園、初めての集団生活。ところが…生まれてからずっと自宅保育で育てていた長男も3歳になり、いよいよ幼稚園へ通うことになりました。このままスムーズに幼稚園生活が送れる、そう思っていたのですが…。Upload By プクティ入園当初は登園を渋ったり、制服を嫌がったりしていた長男でしたが、徐々に慣れてくれて問題なく登園できるようになりました。幼稚園ではどのように生活しているのか気になっていましたが、入園から1ヶ月たったころに保育参観があり、幼稚園での長男の様子を見られることになりました。当日はとても楽しみに園へ向かったのですが、そこには目を疑う光景がありました。入園して最初の保育参観で目にした光景は…Upload By プクティそこには椅子に座らず、上履きも履かず、床に寝そべる長男の姿がありました。ほかの子どもはきちんと先生の言うことを聞いて歌ったり踊ったり、製作したり。長男はどれにも参加することはなく、ときには教室を出て行ってしまう場面もありました。その姿を見てショックではありましたが、このときはまだ入園してすぐでしたし、保育園へ行っていない長男には初めての集団行動、さらには早生まれということもあるので、これから徐々に慣れていってくれるだろうとあまり重く考えてはいませんでした。保護者面談で告げられた、予想外の言葉そして、1年目の園生活も後半にさしかかったころ、保護者面談の機会がありました。長男がどのくらい園で成長しているのか先生に聞くのを楽しみにしていたのですが、先生から伝えられたのは思いもよらない言葉でした。それは…入園当初から長男の様子は変わっていないということ、そして発達支援センターに連絡をして療育に通ってほしいということでした。Upload By プクティこのとき初めて長男に発達の遅れがある可能性を知り、その後発達支援センターや療育医療センターへ通った結果、長男に知的発達症があることが発覚したのでした。知的発達症と分かってからもいろんな問題や出来事がありましたが、徐々に成長もしている長男。そんなわが家のエピソードをお届けできたらと思います!執筆/プクティ(監修:室伏先生より)知的発達症と診断されるまでの長男さんのご様子とプクティさんのお気持ちを共有してくださり、ありがとうございました。予想していない検査結果、診断で、受け止められるまでの葛藤やご不安があったことと思います。お母さま、お父さまというのはさすがで、お子さんの伝えたいこと、想いを汲み取るのがお上手ですし、お子さんも言葉で伝えられないことをジェスチャーなども駆使して上手に伝えてくれることもあるので、ご家族との間ではコミュニケーションに困っていないことも多く、ご家庭で気がつくことは難しい場合もあるかと思います。言語の発達については、1歳~1歳半ごろまでに単語の発語がみられ、2歳ごろには2語文が出てきます。このころまでに、簡単な指示に従う、「〇〇どれ?」の問いに指差しで答える、身体のパーツの名称を理解する、などができるようになります。3歳では、3語文が出てくる、自分の名前が言える、大小や長短などの形容詞や色の理解ができる、などが可能となってきます。4歳では、同じ年代のお子さんと言葉でのやりとりができるようになってきたり、数概念(3こちょうだい、などの指示に応じられる)の理解も進んできます。5歳になると、じゃんけんなどの簡単なルールが理解できるようになったり、左右の理解、ひらがなの読みなどが進んできます。個人差もありますし、年齢が進むにつれて遅れが目立ってくることもあり、健診では指摘されないこともあります。ご不安や違和感を感じられたら、まずは園の先生にお話を聞いてみるでもよいでしょうし、発達相談の窓口へも気負わずにご相談いただけるとよいかと思います。今後もプクティさんからのエピソード、楽しみにしております。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月06日株式会社voice and peaceが運営するギフテッド・発達障害の支援者向け動画メディア《インクルボックス》は、日本中の発達障害に関するオススメ情報(専門家、支援施設、支援グッズ、イベントなど)を集め動画にして広く伝えるため、2023年7月1日からクラウドファンディングを活用してアンバサダー(同志)を募集します。(詳細はこちら )発達障害動画メディア《インクルボックス》アンバサダー募集■クラウドファンディング概要期間 : 2023年7月1日(土)~2023年8月15日(火)目的 : 発達障害支援のアンバサダー(同志)を募集し、実体験やクチコミなど良質な支援情報を動画にしてインクルボックスで配信するため支援金額 : 1,500円~30,000円クラファンURL: 【アンバサダーへのお願い】(1) 発達障害支援のオススメ情報(専門家、支援施設、支援グッズ、イベントなど)を教えてください(2) インクルボックスの動画の感想を教えてください(3) ギフテッドや発達障害を周りの人に教えてください※どれか一つでも構いませんアンバサダーへのお願い【リターン品】・インクルボックス視聴権・発達障害者の声に応えたノート「mahoraノート」(大栗紙工)・療育現場の声に応えた下敷きとリーディングトラッカー(オフィスサニー)・工藤 勇一校長(横浜創英)と村中 直人さん(『ニューロダイバーシティの教科書』著者)のオンラインイベント参加券などリターン1,500円リターン5,000円Aリターン5,000円Bリターン10,000円■インクルボックスとは?インクルボックスは、ギフテッドや発達障害の支援方法や支援情報などをワンストップで視聴できる動画メディアです。「専門家の最新知見」「発達障害のニュース番組」「発達障害の基本知識」「関連書籍の要約動画」「支援企業やイベント団体情報」「支援グッズ紹介」など10分程度の動画と、「1分で分かる支援動画」など計450本以上(2023年6月時点)の動画を視聴できます。インクルボックスはマルチデバイスで視聴可能工藤 勇一校長、入山 章栄教授、飯田 覚士さん、村中 直人さんなど支援イベント、取り組み、グッズアニメーションでわかりやすく豊富な動画カテゴリー■インクルボックスが解決する課題は?インクルボックスは発達障害を巡る以下2点の課題を解決します。(1) 発達障害の対面型研修は効果が出ない2010年代、発達障害に関する学術論文で「教育者は発達障害の対応が不十分」「対面型研修の効果が出ていない」という内容が頻出します。文科省も「対面型研修の効果が低いことは喫緊の課題」と回答しています。(2) 日本は発達障害人材の未活用で損失2兆3,000億円ニューロダイバーシティの概念が進む海外で、発達障害は周辺社員の知見を高めることでイノベーション人材として活躍しています。日本では一般社員の発達障害の知見が向上しておらず発達障害人材の有効活用が出来ていません。企業内で知見を高めることで、イノベーションが促進され業績が向上します。参考: また改正差別解消法による2024年の「合理的配慮の義務化」にも対応可能です。インクルボックスはテレビクオリティの動画をスキマ時間で視聴し効率的に発達障害のリテラシーを向上させます。■インクルボックスの対象は?インクルボックスは動画を週に2本配信しています。(2023年6月段階で動画は450本以上配信済)保護者や教育者、人材活用や合理的配慮でお悩みのビジネスパーソンが、スキマ時間に「時短・ながら聴き・ながら見」でご利用いただいています。■インクルボックスの運営は?インクルボックスは現役アナウンサー(元テレビ東京)でギフテッドと発達障害の子供を持つ代表の赤平と、現役テレビスタッフ、発達障害支援有識者たちが運営しています。会員登録後は全ての動画を見放題。無料サンプル動画あり、登録後1カ月間は全動画視聴無料、いつでも解約可能。初期手数料や解約手数料は0円です。代表 赤平の略歴■代表:赤平 大 (あかひら まさる)略歴元テレビ東京アナウンサー。現在はフリーアナとしてWOWOW「エキサイトマッチ」「ラグビーシックスネーションズ」ジェイ・スポーツ「フィギュアスケート」など実況、ナレーターとしてテレビ東京「モーニングサテライト」、NHK BS「晴れ、ときどきファーム!」「ザ少年倶楽部プレミアム」など担当。2015年から工藤 勇一校長(当時)のもと千代田区立麹町中学校でアドバイザー。2022年から工藤 勇一校長の横浜創英中学・高等学校でサイエンスコース講師を担当。2E(発達障害とギフテッドを併せ持つ)の子供の親。■メディア出演と講演実績(2023年6月まで)メディア取材と講演●インタビュー記事リンク(一部)・IDEAS FOR GOOD( )・小学館「HugKum」( )・読売新聞「ヨミドクター」( )・幻冬舎「堀江貴文のChatGPT大全」( )■受賞歴Baby Tech(R) Awards 2022「保育・ICT部門」大賞受賞歴■《インクルボックス》サービス概要《価格》 : 月額770円(税込)※初期費用0円、いつでも解約可能、契約後1ヶ月無料※法人契約は割引料金でご利用いただけます《販売方法》: インクルボックスサイトで「新規登録」 ※法人契約の際はお問い合わせください 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年07月04日3歳児の発達の目安は?わが子の多動の原因は?ADHDの可能性がある?3歳ごろの子どもは、基本的な運動動作が一通りできるようになり、生活習慣の自立も進みます。ことばによるやり取りもできるようになり、社会性も育ってきて、徐々にお友達と関わりながら遊ぶことも増えてきます。3歳になって、幼稚園に入園するなど初めての集団生活を経験することになり、わが子とほかの子どもの様子を比べて「わが子は多動かもしれない…」「もしかして、ADHDの可能性がある?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。このコラムでは、・3歳児の多動の原因・多動と発達障害の関連性・困ったときの相談先などをご紹介し、多動にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生にアドバイスいただきます。【小児科医に聞く】3歳児の「多動」に関する悩みーー落ち着きがない、集団行動が苦手、発達障害との関係は?医師が回答(質問)3歳の子どもがじっとしていられず、外でもすぐ走り出してしまいます。落ち着きがなく、幼稚園に入れるのか不安です。多動は、もう少ししたら落ち着くのでしょうか?(回答)3歳だと、自宅など家族がいる場面では落ち着きがないように見えても、幼稚園や保育園などでは落ち着いて過ごせているお子さんもいます。しかし、家でも外でも落ち着きがない場合には、心配かと思います。多動が落ち着く時期は、お子さんによってもさまざまです。多動の原因は、さまざまな要因が組み合わさっていることがあります。注意欠如・多動症(ADHD)などの脳の発達・機能の異常が関与していることがあります。ADHDに自閉スペクトラム症や知的障害が併存していることによる場合もあります。また、家庭環境の不安定さ、過度のストレスがかかったなどの環境要因が関連することもあります。言葉の遅れがあり、落ち着きがない場合には、言葉の発達に伴って落ち着いてくることもあります。言葉が遅れていないが、落ち着きがない場合には、いろいろな物事に興味が移り変わりやすく、多動が長く続くこともありますが、小学校の中学年以降には多動は落ち着いてくると言われています。幼稚園や保育園での集団生活で、お集まりのときにじっとしていられないなどがある場合には、発達支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)幼稚園の年少(3歳児)の子どもが、落ち着きがなく、指示も通らず、集団行動ができません。どのくらいの程度の多動の場合、発達障害の可能性が考えられるのでしょうか?医師に診てもらったほうがいいのでしょうか。(回答)まだ3歳ですとADHDなどの発達障害の可能性があるかどうかは、判断がつけられません。じっとしていられない、静かにすべきところで静かにすることができない、気持ちのコントロールがつきにくく癇癪が激しい、物の扱いが乱暴、動きが多く目が離すことができないなどの様子から、ADHDの疑いがあるということで、専門機関に相談されることがあります。入学前でも、家や園でも落ち着きがなく、日常生活や園生活に支障がある場合には、専門機関に相談することをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもがじっとしていないので、買い物や外食にも行けません。子どもの発達のことを相談できる人もおらず、不安です。(回答)じっとしていないと、買い物も外食にも行きにくいですね。多動が激しい場合、外出先で注意ばかりで疲れてしまうというお声を聞くこともよくあります。外出先でお子さんがじっとして待つのが難しく、負担がかかる場合には、お子さんが園などに行っている時間内に用事を済ませるのも良いでしょう。一緒に行かざるをえない時には、○分買い物をします、など見通しを立ててから出かけ、少しでも待てたら、待てたねと、できていることに注目して声をかけましょう。しかし、まだ3歳ですと、待つのも難しいときも多々あるかと思います。買い物や外食が、親子一緒に必ず行かなければならないものなのか、お子さん・親御さんに負担がかかるものではないかを振り返ってみましょう。声かけなど工夫しても、お子さんが落ち着かず、対応について困る場合には、幼稚園・保育園の先生、保健センター、かかりつけ医、地域の発達支援センターなどに相談すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン多動にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月03日努力をするのが発達障害当事者だけというのは、アンフェアでは?そこからスタートしたオールマイノリティ・プロジェクトUpload By 発達ナビ編集部All Minorities Project(オールマイノリティ・プロジェクト)は、発達障害の当事者が社会的孤立・孤独に陥らないフェアな社会の実現を目指すプロジェクトです。本プロジェクトの代表である千葉大学の子どものこころの発達教育研究センター大島郁葉先生にお話を伺いました。LITALICO発達ナビ編集部(以下――)オールマイノリティ・プロジェクトとはどういうものか教えていただけますか?大島郁葉先生(以下大島先生):オールマイノリティ・プロジェクトは、「社会的孤立、孤独の予防」をテーマにした五ヶ年計画のプロジェクトです。マイノリティの中でも、発達障害のある方に着目しています。私の専門は自閉スペクトラム症(ASD)で、支援者の1人として発達障害のある方と関わることが多いのですが、努力をするのが当事者だけというのはアンフェアではないかとずっと考えていました。なぜなら、 発達障害のある方たちが感じるつらさの一部は、マイノリティの人たちへの無配慮であったりとか、偏見、差別といった非常に心理社会的な問題であったりします。ですが、マジョリティ※1はそれに気づかず、ただ当事者の方たちが一生懸命適応しようと頑張っている状況だからです。例えば、通常学級に在籍している場合、当事者は通常学級に合わせようとかなり過剰適応していたりします。その上、かなりのコストをかけて、心理療法やさまざまなトレーニングを積ませるのは、アンフェアです。ですので、このプロジェクトを機に、当事者の方たちを努力させるのではなく、周りのマジョリティがマイノリティとの非対称性を認知し、悪意なくおこなってしまう差別的な言動に気づく仕組みづくりをしたいと考えています。われわれが生きる社会は、片方に権力が偏ることなく、それぞれみんな等しい人権を持つべきです。みんながマイノリティであるという社会にしていった方がいいという想いを込めて、「オールマイノリティ」という言葉を使いました。※1 マジョリティとは、「多数者」や「多数派」を意味する言葉ですが、単純な人数の多さだけではなく、「強い発信力がある」、「優位な立場にある」といった、より多くのパワー(権力)持つグループを指す場合もあります。オールマイノリティ・プロジェクトでは、後者の「強い発信力がある」、「優位な立場にある」という意味でマジョリティという言葉を使用しています。――仕組みづくりとは具体的にどのようなものになるのでしょうか?大島先生:マジョリティ、例えば支援者たちがマイクロアグレッション、つまり見えない差別に陥らないような、心理教育のためのツールを作りたいと思っています。具体的に言うと、何回か研修会を実施した上で、自分のマジョリティ性や、マイクロアグレッションの癖みたいなものを確認できたり、あのときの発言はどうだったとか自分で振り返れるようなセルフモニタリングできるアプリです。われわれ支援者は、支援するスキルはある程度持っていますが、実は当事者に対する偏見とか見えない差別に対しては、全くといっていいほど教育を受けていません。ある意味本人次第で対応しているところがあると思います。そんな中、このアプリを使うことで、自分で気づいて発言や行動をコントロールできるようになれば、当事者の方たちが不当な扱いを受けることを減らすことができます。また、支援者だけでなく保護者の方やそのほか多くの方にご利用いただき、自分の行動がマイクロアグレッションになっていないかご確認いただきたいです。これを本プロジェクトの5年後のゴールとしています。Upload By 発達ナビ編集部――とても興味深いアプリですね。このアプリはマジョリティ向けとのことですが、発達障害当事者の方も使えますか?大島先生:そうですね。当事者の方も使うことはできるとは思います。「私はやっぱり嫌なことを言われていたんだ」と気づけることがあるかもしれません。そこで「仕方ないって思わなくてもいいんだ」と知って、役立てていただきたいです。「なんでできないの?」「普通に見えるね」。当事者が日常的に受けているマイクロアグレッションに多くの人は気づいていない――先生が実際に見たマイクロアグレッションには、どのようなものがありましたか?大島先生:まず多いのは、「なんでできないの?」でしょうか。私は成人や思春期以降の方にお会いすることが多いんですけれども、みなさん口を揃えておっしゃるのが「みんなと一緒にできない」ということです。ほかの人ができないことができてしまう場合もありますが、自閉スペクトラム症のある方で、みんなが当然のようにできることができなかったりすると、「なんでできないの」と悪気がなくても言われることが多いです。そう言われた当事者は「自分は劣った人間なんだ」と、自分の中で結論づけてしまいます。また、変に解釈されてしまうこともありますよね。みんなと一律にできないことを、先生が「わがまま」と決めつけたりすることなどです。以前、大人の当事者の方が話してくださったのですが、小学校のとき(過敏などの特性があって)給食をほとんど食べられなかったら、先生から「そんなんじゃ小さいまま成長が止まって、大人に一生なれないよ」と言われたそうなんです。他にも「親のしつけが悪い」と親のせいにされたりとか…。人を傷つける、許してはいけない言葉です。大人の場合は、「あなたは自閉スペクトラム症の中でも優秀な方だよね」とか、 「発達障害でもきっと幸せになれるよ」といったことを言われる場面もあります。これらには『発達障害は幸せじゃない』というメッセージが隠れています。ほかにも「普通に見えるね」、「全然バレないから大丈夫」、「第一印象いいから大丈夫だよ」。こうした言葉も、一見褒めているように思われがちですが、『発達障害があると嫌われるけど、バレてないから平気だよ』というメッセージがその背後にあります。言われた本人は非常に気持ち良くないですし、傷つく言葉です。ほかにも、実際に言われた言葉だけではなく、例えば本のタイトルなどでよくある「発達障害を克服する」とかは、克服しなければいけないものだと考えているということですし、カサンドラという言葉は「人に迷惑かけるんだ」というメッセージになります。あと、ドラマなどで、”発達障害のある方の役柄が天才”ということもよく目にするのではないでしょうか。そうした、ステレオタイプのキャラクターが実は多いですよね。それをみて「自分は天才じゃないから意味はない」と思わされるということもよくありますね。こういったマイクロアグレッションはあらゆるところに転がっていて、それを毎日毎日当事者たちは受けているのが現状です。Upload By 発達ナビ編集部――発言した当人も、相手を傷つけてしまうことに気づいていないものもありそうです。もし、このようなマイクロアグレッションを受けた場合、当事者はどのように反応するべきなんでしょうか。大島先生:とても健康的で自信がある人ならば「それは違うんじゃない」、「それはこういう意味に捉えられて嫌なんですけど」と言い返せればいいのですが、そういうことができる人はほんの一部だと思います。あとは、「違うよね」とディスカッションできる理解者、仲間が近くにいると、認知的変容ができるかもしれません。ですが、いない場合は難しいでしょう。セクハラやパワハラと一緒で、マイクロアグレッションを受けた側はメンタルヘルスが阻害されて、落ち込んだり傷ついてしまいます。また、権力を持っている学校の先生や支援者といったマジョリティの方を、発達障害の人は上に見てしまいます。そうすると、パワーがある人たちが言っていることは正しいし逆らえないと思ってしまい、彼らから言われた言葉を「私はそうなんだ」と信じてしまいます。ですので、やはりマイクロアグレッションがないことが1番ですね。――オールマイノリティ・プロジェクトのホームページにある”COMIC”というコンテンツの中にマイクロアグレッションをテーマにしたマンガがありますよね。この中で、発達障害があることを告白した方が、悪意のないマイクロアグレッションを受けていますが、先生だったら、発達障害だと告白された場合、どのように答えるのが適切だと思われますか。大島先生:そうですね。「そうだったんだ、知らなかった」とか「言ってくれて ありがとうね。なにか気をつけることあったら教えてね」という感じがいいでしょうか。相手との関係性によってかける言葉も違いますので、あまり親しくない人か言われたらちょっと慌ててしまう人が多いと思います。 どう答えるかは難しいですね。このマンガにあるように、悪気のない行動でも、マイクロアグレッションとして成立してしまいます。このように起こりうるものだと自覚すること、悪気はなくても当事者にはすごくダメージがあることを知識として社会が意識していけるようにしたいですね。――ありがとうございます。障害は当事者ではなく、周りの方にあるというお話につながっていくと思いました。相手に合わせる「社会的カモフラージュ」で、発達障害のある方たちは疲弊している――2023年4月23日(日)に開催された本プロジェクトのシンポジウム「マイノリティに対して、社会の認知や行動は変容するか?」では、発達障害のある方たちが取る社会的カモフラージュに触れていらっしゃいました。こちらについても教えていただけますか?Upload By 発達ナビ編集部大島先生:社会的カモフラージュとは、自閉スペクトラム症の方たちが定型の社会に馴染むために取るような、 普通の人のような振る舞いのことを指します。例えば 、大して興味はない流行りのものをみんながいいねと言っていたら「そうだね」と合わせる、といったことです。仲間づくりをしたいとか、嫌われたくない、印象良くしたいという思いは誰でもあります。普通でないもの、つまり異質なものは世間から排除されてしまいがちですので、その異質さを消すように印象を管理し、周りに合わせて振る舞う。自分に対する批判や攻撃を避けるための行動ですね。――定型発達と言われる人も、そのような行動をとることはもちろんあると思います。ですが、やはり発達障害のある方たちの場合は、心身への負担感が違うのでしょうか。大島先生:そうですね。調査の結果、発達障害のある方の社会的カモフラージュは定型発達の方より非常に多く、長時間行っていることが分かっています。また、特性的にも、やりたくないことをやることに苦痛に感じる方たちです。このカモフラージュ行動自体非常にストレスです。よくも悪くも柔軟な定型発達の人であったら、まあいいやと本心では違うと思っていても、周りに合わせたりできますが、自閉スペクトラム症のある人が無理をしてそのような行動をとると、嫌だったという感じがずっと残ったり、過剰な負荷によってメンタルヘルスに非常に悪影響を与えてしまいます。つくり笑い一つとっても、意識して顔の筋肉を動かし、一生懸命笑顔をつくることはとても疲れると教えてもらったこともあります。マイクロアグレッションの概念が出てきたのは、10年ぐらい前です。社会的カモフラージュはここ5、6年ですね。海外のコンテンツですとマイクロアグレッションの動画や解説は結構ありますが、日本にはほとんどありません。日本では当事者の人権をどう守るかという視点が遅れていますので、このプロジェクトで多くの人にこれらのことを知っていただきたいと思っています。――日本もこういう知識をきちんと得て、マイノリティを含むすべての人々が生きやすい社会をつくっていくっていくことがとても大切だと思います。最後に、LITALICO発達ナビの読者へ、メッセージをお願いします。大島先生:現在の日本の一般的な公教育は、定型発達、マジョリティの人にとっても画一的で非常に厳しい面があると思います。私は、発達障害のある方たちがこの公教育に適応しなければいけないとは到底思いません。たとえ頑張って適応できたとしても、ストレスが溜まってしまい、幸せで楽しく、自発的に好きなことに取り込むという日々から遠ざかってしまうからです。お子さんが学校生活に適応しづらいと思い詰めている方がいらっしゃったら、どうか思い詰めずにお過ごしいただきたいです。また、診断があるお子さん、ないお子さんともに、個性的な面が多分におありになると思います。「もっとこうできれば」と思うとそこに目がいきがちですし、親御さんはさまざまなことが気にかかりでしょうし心配してしまいますよね。それがお子さんの長所だとしてもです。私の専門は自閉スペクトラム症ですが、自閉スペクトラム症のあるお子さんから大人まで一貫して言えるのが、みなさん本当に素直で誠実で、裏表なく、人間として素晴らしい素質がいっぱいあるということです。そういったところを見てあげるといいと感じています。――ありがとうございました。※クリックすると発達ナビのサイトから『オールマイノリティ・プロジェクト』のページに遷移します。Upload By 発達ナビ編集部開催日時<リアルタイム:当日参加>2023年7月23日(日)13:00〜16:30※12:50開場予定。前後することがあります<見逃し配信>2023年7月23日以降設定完了次第~8月23日(水)23:55開催方法ウェビナー形式(Web会議システムZoom)参加費無料内容第1部:基調講演「発達障害のある人の社会的孤立・孤独とマイクロアグレッション」大島 郁葉 さん(千葉大学子どものこころの発達教育研究センター 教授)第2部:パネルディスカッション「青年期・成人期において、発達障害の"障害"は社会のどこにあるのか?」<パネリスト4名>堀口 里奈 さん(筑波大学大学院生)村田 淳 さん(京都大学学生総合支援機構 准教授)大島 郁葉 さん(千葉大学子どものこころの発達教育研究センター 教授)佐々木 銀河 さん(筑波大学人間系 准教授)※モデレーター※クリックすると発達ナビのサイトから『一般公開WEBイベント「発達障害の"障害"は、社会のどこにあるのか?」』の申し込みページに遷移します。
2023年07月02日中学生になったウッシーヤは問題続出いまからおよそ13年前の、次男ウッシーヤが中学生のときのエピソードです。わが家は家系的に第二次成長期がゆっくりおとずれるようで、だいたい高校以降です。現在は大柄なウッシーヤも、中学1年生のころは小柄なほうでした。中学生になったウッシーヤは、まだ指しゃぶりもあり、学力は小学3年生レベルのまま足ぶみが続いており、周囲との差が開いていく一方でした。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイウッシーヤは中学1年生の秋に、学校を揺るがす大事件を起こしてしまいました。私は、子育てが悪いのでは、もっと厳しくしつけるべきだったのでは、と思い悩み自分を責めていました。担任と校長先生を交えて相談した結果、専門家の力を借りるのがいいだろうということに決まりました。学校から紹介された教育センターの専門家と面談したところ、「アスペルガー症候群(※今でいう自閉スペクトラム症)かもしれない」と告げられました。驚きつつも、いただいた資料を読むと心あたりのある症状が90パーセント以上ありました。さらに資料を取り寄せて読みこむと、ウッシーヤにはほかにも発達凸凹の特性があることが分かってきました。さらに、わが家のほかの子どもたちにも発達凸凹の特性があることに気がつきました。ずいぶん気づくのが遅れましたが、当時は情報や支援が現在ほど充実していませんでした。特に夫ラクマはかなりショックを受け、発達障害の可能性があると知ってから3日間、一睡もせず資料を読んでいました。しかも、その間中泣いているのです。資料にある内容があまりにもわが家の子どもたちに当てはまる上に、子どもたちを追い込んで学校や職場でトラブルが絶えないのは父親である自分の責任だと強く感じていたのでした。周囲の友人たちからは「ラクマ家で誰か不幸があったのか?」と心配されたほどでした。でも私はこれまでの問題の原因がはっきりと分かり、しかもこれが子育てが悪いためではないと知ってホッとしました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ専門家からの告知で子育ての方向転換教育センターでの面談から3ヶ月ほど待って、ようやく発達外来を受診することができました。なにごとにもマメな性格のラクマは、これまでのいきさつをパソコンでまとめて病院に提出しました。すると担当医から「ウッシーヤ君は本当に発達障害なのかは分からない」と言われ、ものすごく驚きました。しかし、担当医は続けて「診断は出せると思うが、(検査などで)時間はかかる。(診断が出れば)お子さんの状況によっては薬の処方も可能になる」と説明しました。いま思えば、当時の担当医もまだ発達障害に関する知識が乏しかったのだと思います。のちに調べてみると、たしかに発達障害はその原因やメカニズムが医学的にまだ不明な部分も多いこと、診断が難しいこと、さまざまな要因があり、必ずしも遺伝するものではないことなどが分かってきました。病院での診察を終え、自宅に戻って夫婦でこれからのことを話し合いました。結果として医療のみではなく、何か別の方法も探してみようということになりました。というのは、ほぼ同じころ、仕事上の悩みを抱えていた長女ニャーイを心療内科に連れていったところ、「うつ病」と診断されました。薬を処方され、その後半年間、休職して自宅療養しましたが、処方された薬が合わなかったのか、何度か命の危険すら感じることもありました。すでに成人したニャーイにこれほど薬が合わないなら、まだ中学生のウッシーヤはどうなるのかという不安があったのです。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイウッシーヤには資料で見つけた工夫を重ねました。その中で一番うまくいっていまも使っているのが、わが家で「ボード」と呼んでいる工夫です。マグネット式のボードとカードを用意して、やるべきことを書いて並べて、やり終えるとひっくり返します。すると「できた!」という文字が現れます。勉強で使うファイルは教科ごとに色分けしたり、学習机は引き出しにプレートを貼ったりして、中身がすぐに分かるように工夫しました。また書店をまわってグレーゾーン向けの参考書を購入して、ウッシーヤに使わせてみました。すると、少しずつ理解が進むようになりました。グレーゾーン向けの参考書は例えば、一番つまずいていた繰り上がりの計算の考え方が視覚的に分かりやすく説明されていたりしました。また、私の同僚のアメリカ人教師から「文章を読むときはモノサシを当てて読むといい」と教わりました。実際やってみると、とてもうまくいきました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイそのうち家庭内での工夫だけではなく、専門家からの支援が必要だと感じるようになりました。同じ市内に発達障害のある人の支援に関して実績のある療育施設を見つけ、ウッシーヤの発達相談で通っていたのですが、そのうちに夫婦でペアレント・トレーニング(ペアトレ)を受講することになりました。そのころ、子育ての一番の悩みは、ウッシーヤの動きが極端に遅いことでした。お風呂やトイレに入ると何時間でも出てこないし、アニメを見たり、生き物の観察をやり始めると何時間もやめませんでした。ペアトレでは、アニメ視聴をやめさせて次の動きを促すことをテーマにしてトレーニングを行いました。具体的な声かけの仕方から、注目の集め方、相手との距離、そのくり返し方など、かんたんな台本を作って、実際にやってみるのです。とくに重要なのが「まるで外国人になったみたいに、なるべくオーバーにほめましょう」ということでした。わが家の子どもたちはみな中学生以上で、すでに成人している子どもや大人なみの体格になっている子どもがほとんどなのに、オーバーにほめるなんて恥ずかしいと思いました。でもトレーナーさんは「お子さんをほめるんじゃないですよ。行動をほめるんですよ」とアドバイスしてくれました。私はそれならできるかもと思い、自宅にもどってやってみました。すると末っ子のウッシーヤは効果がすぐ現れました。すでに成人したほかの子どもたちにもやってみましたが、やはり効果があり、とても驚きました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイこの工夫は、一番動きのにぶい次男に向けて行うことが多かったので、問題のあまりないほかの子どもたちが怒りだしました。「できない子をほめるのはおかしい。子育てが間違っている。弟をダメにしたのは親の教育が悪いせいだ」という主張です。そこで私と夫はペアトレの資料を引っ張り出してきて、なるべく丁寧に説明しました。ペアトレは結果が出るのに時間はかかるかもしれないが国際的に実績のあるトレーニングであることを伝えていきました。発達凸凹の子育ては、当事者に対する工夫だけでなく、周囲の人々の理解を得るための説明も同じくらい大切なのだと実感しました。ペアトレが少しずつ結果を出してきたので、続いてストレス・マネジメント講座を受講しました。これで発達凸凹の子育てと家庭生活と仕事のバランスをうまくとる工夫ができました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ家庭内で工夫を重ねるうちに、学校でも同じ工夫を行えば効果はもっとあがるだろうということに気がつきました。ちょうどそのとき、子どもたちの通うインターナショナル系のフリースクールで教師を募集したので応募し、採用されました。学校の職員研修でペアトレを提案すると採用されたので、わが家が受けたトレーニングを全スタッフで受講することができました。そのため家庭内で行なっている工夫を学校に紹介しやすくなりました。家庭と学校で連動して行なった工夫のくわしい内容は、別の話題のときにご紹介します。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ小学校高学年から親子で行っていたボランティア活動などの社会体験を、もっと就労を意識したものに変えていきました。ウッシーヤが野菜を育てたいと言うと、知人の農家に頼んで、収穫体験をさせてもらいました。将来は動物園で働きたいと聞くと豆記者として動物園を取材しました。本人がアルバイトをしたがると、知人に頼んで草刈りや洗車のアルバイトを一緒にしました。これらの社会体験は主に夫が同行してくれました。その後、私の母のすすめで母が勤務する保育園で、夏休みに次女リスミーとウッシーヤの2人がボランティア体験をしました。初回は次女リスミーとウッシーヤの2人で参加しました。ところが、ウッシーヤはよほど楽しかったようで、残りの休み期間の間中、ボランティアに通いつめました。しかも、ウッシーヤは通うほどにますます保育園での活動にはまりました。その後は長期休暇のたびに10年間も同じ保育園に通いつめるようになりました。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:井上先生より)発達障害に気づかれたあと、ご夫婦でそのことについて学ばれ、子どもさんと一緒にさまざまな工夫や活動をされてきたことは、親御さんにとっても子どもさんにとってもとても得難い体験となっているのではないでしょうか。特に、ボランティア体験をお父さんと一緒に何種類も行われたことはすごいことだと思います。将来の就労に向かって実際に体験したことはお子さんにとって大きな財産になると思います。またきょうだいに対して納得できるような丁寧な説明も、大切だと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月01日産院ではスヤスヤとよく寝ていた息子、退院したら豹変!?想像以上に大変だった新生児期。予定日より5日ほど早く産まれてきた息子。入院中、病室では全く泣くことなく良く眠る赤ちゃんでした。寝息も聞こえないくらい静かだったので、息をしてるか何度も確認していたのをよく覚えています。そして完全母子別室の産院だったので、授乳時以外は助産師さんがほとんどお世話してくれて、夜もぐっすり眠ることができました。ベッドに寝ているだけで、高級レストランのような食事が運ばれ、赤ちゃんはスヤスヤとよく眠り、母親としてやることは授乳だけ…。まるで天国のような入院生活でした(笑)。そんな入院中、唯一の不安は授乳でした。今思えば息子の吸啜(きゅうてつ)力も少し弱かったのと、私も初めての育児だったこともあり、30分以上かけて授乳しても体重を計り比べてみると1グラムも増えていないことがほとんどでした。しかしここでも、母乳が足りない分はミルクを足してくれる産院だったので、入院中に息子のお世話に大変さを感じることはあまりありませんでした(フラグ)。Upload By 海乃けだまいざ退院してくると、息子は入院中とは別人のように豹変しました(早すぎるフラグ回収)。産院では授乳の終わりと共に、抱っこだけでスヤスヤと寝ていたのに(むしろ授乳中に寝ていた。笑)、退院した途端に抱っこで歩きながらでないと寝なくなりました。しかも背中スイッチも装備され、産後ボロボロの身体でなんとか抱っこして寝かしつけても、布団に下ろすと目を開ける…(恐怖)。あの手この手でやっと布団に寝かせても、膝がパキッとなるだけで簡単に目を開ける敏感過ぎる息子。この終わりのないループを幾度となく繰り返し…気づくと次の授乳時間が迫っていました(白目)。Upload By 海乃けだま息子が寝ない間、気晴らしに見ていたのがスマホでした。当時の私の脳内は息子のお世話で育児一色だったので、自然と育児関連の記事を見るようになりました。少しでも気になることがあれば、スマホですぐに検索するようになっていました。そしてその習慣がいつしか産後のホルモンバランスと睡眠不足も相まって、思考をだんだんとネガティブにしていき…スマホの息抜き時間はいつの間にか“検索魔”となっていったのでした。真夜中の薄暗い部屋で調べれば調べるほどだんだんと怖くなり、さらに眠れなくなる…という悪循環でした(検索魔、本当良くないですよね。汗)。運動面の発達がゆっくりなのは少し気になっていたけれど、特性に気づかずに見逃していた日々…。1ヶ月健診を終え、保健センターの親子イベントにも参加するようになりました。そこで出会った息子と同学年の親子と仲良くなり、よく遊ぶようになりました。とはいいつつも、まだまだ家の中での生活が長かったので、あいかわらず膝が「パキッ」となるだけで起きる敏感な息子を起こさないよう忍びのような生活を続けていました。3~4ヶ月になるころにはだんだんと起きている時間も増えてきて、“検索魔”になる時間もとれなくなっていました。母子手帳の3~4ヶ月ごろの記録ページに「あやすと良く笑いますか?」という項目があるのに、息子が“あまり笑わない赤ちゃん”ということが少し気になってはいましたが、全く笑わないということはなかったため「こんなもんかな…」とスルーしていました(いや今検索してー)。そしてこれは下の子が産まれてから気づいたのですが、息子は赤ちゃんのころから物音に敏感なところがある反面、音のする方を気にして見ようとしたり、追視することがほとんどありませんでした。ママ友とは定期的に会っていて、子どもたちの成長・そのときの困りごとなど話し合っていました。離乳食が進まないことや、スプーンの持たせ方など話していましたが、息子はスプーン以前に手がベタベタするのを極度に嫌がり、手づかみ食べすらしていませんでした。このころから少しずつママ友との悩みがズレ始めていたように思います。8~9ヶ月あたりを過ぎたころ、少しずつ周りの子どもたちよりも息子の運動面の発達が遅れていることが目立つようになってきました。ハイハイやつかまり立ちする子どもが出てくる中、息子はお座りの一点張りでした。正確には、お座りの姿勢から動けない…の表現が正しいかもしれません。息子はそれまで寝返りをすることが一度もなく、自分でお座りの姿勢までもっていくことができなかったのです。私がお座りの状態にさせて、後ろに倒れてしまったときは起き上がれないので(寝返りをしないので)、泣いて私を呼ぶという状態でした。運動面の遅れを感じながらも、個人差だろうと安易に考え息子のペースでハイハイしてくれるのを待っていました。Upload By 海乃けだま集団健診で声をかけられるものの、様子見にしてしまった私…ちょうど息子が1歳になろうとするころは、バタバタしていてママ友と遊ぶ機会も減っていました。そんなとき、集団健診の時期がやってきました。相変わらずハイハイはできないものの、このころには息子も寝返りを習得していたため、お座りの姿勢まで自分で持っていくことができるようになっていました。健診の時間がちょうどお昼寝時間とかぶっていたこともあり、健診にきていたほかの子どもたちも泣いていたり、歩き回っていたりと、割といろんなお母さんたちが大変そうにしていました。そんな中、まだ歩けない息子は私が抱っこすると大人しく抱っこされていたため、特段大変とは思いませんでした(このときそう思ってしまったことが後々に響くとは知らずに…)。ほかの子どもたちが健診を終えて帰って行き、息子が呼ばれたのは最後の方でした。案の定お昼寝できずに不機嫌な息子は、発達検査のテストはほぼできませんでした。健診のころには今思えば分かりやすく特性が出ていた息子。手先の感覚が過敏で手づかみ食べをせず、一粒でもご飯粒が手につこうものなら、全力で手をブンブン振って払おうとするので、食後はそこらじゅうに米粒が飛び散っていました。また、机に置かれた「おしぼり」もすごく嫌がり、一切触ろうとしませんでした(“おしぼりの防波堤”を作っておけば、それ以上手を出してくることもなかったので、外食の際には重宝していました。笑)。そしてあまり笑わない・目が合いにくい、名前を呼んでも振り向かない・運動面もゆっくりでハイハイをしようとしない…指差しもしない。とにかく反応が少なかった息子なので、保健師さんも言葉を濁しつつ「育てにくいと思ったことはないですか?」と聞いてきましたが、私は初めての息子の育児で「こんなもんやろ」と思い込んでしまっていたのと、呼ばれるまでの間に私よりもっと大変そうな親御さんがたくさんいると感じていたので、こんな私が大変だなんて言えないと気持ちに蓋をしてしまったのです。そして…保健師さんの様子観察の提案に対する私の言葉は「大丈夫です」でした(あぁーーー…←心の叫び)。Upload By 海乃けだま今まで可愛いと思っていた行動が特性だった⁉︎メンタルはどん底に…1歳1ヶ月を過ぎたころ、息子はついにハイハイを習得し徐々に表情も豊かになっていました。このころに気に入っていた遊びは、表裏柄の違う薄っぺらい布や、葉っぱなどを目のすぐ横でヒラヒラとさせることでした。ある程度勉強した今ならすぐに、「同じ行動を繰り返す」という、ASDの特性の一つ「常同行動」では?とピンときますが、当時はただただ「ニコニコしながら布などを振る」その謎の行動が可愛くて仕方ありませんでした(親バカ炸裂)。Upload By 海乃けだまようやく新居への引っ越しも落ち着いたころ、ママ友と久々に会うことになりました。たった2~3ヶ月会わないだけでママ友の子どもは喃語から単語を少し話すようになっており、母親のお話に対して“はい/いいえ”の意思をしっかり示していました。このころの息子はと言うと、名前を呼んでも10回に1回振り向くかどうか、単語はおろか母親である私でも解読不可能な喃語パラダイスでした。未だに指差しもなく、欲しいものがあるときは「あー!!」とぐずるスタイルでした。それでも産まれてから片時も離れず、1日中一緒に過ごしていたので、指差しや発語がなくてもだいたいの息子の要求は汲み取れていました。…が、さすがに無知な私もこのころから「…あれ…なんか息子、ちょっと様子が違うかも…?」と思うようになりました。そう感じてからは児童館へ行っても、スーパーへ行っても、公園に行っても、同じ月齢の子どもを無意識に見ては、息子との差を比べてしまっていました。ただただ「息子と同じくらいの発達の子どもはいないか」と、自分を安心させたい気持ちだけでした。しかし…どこへ行っても息子ほど反応が少ない子どもはいませんでした。私の疑問の気持ちは確信に変わっていきました。それでも息子の時間は過ぎてゆく…1歳半健診を待てずに発達相談したあの日。次のステップへ進むために。真っ暗闇の出口の見えないトンネルに息子と2人きりでとり残されている心境でした。「妊娠中の食べ物がよくなかった?」「産むときに何かあったんじゃ…」「私の育て方が下手なせいで…」答えなんてないのに、自問自答を繰り返していました。発達障害は母体の環境や親の育て方は関係ないと言われていますが、自分を責めずにはいられませんでした。食事も喉を通らなくなり、1週間で3キロ痩せました。少しでも暇があれば発達障害について調べるようになり、“特性があったけど発達障害ではなかった”という記事を見つけては、ほんのひととき安堵するも、また目の前の息子を見ているとやっぱり発達障害があるんじゃないか…と育児が楽しめなくなっていた自分がいました。モヤモヤした気持ちのまま息子と過ごしていましたが、発達障害のことを調べていくうちに“早期療育”の文字が目に入りました。息子の貴重な幼少期、「少しでも早く環境を整えてあげたい!!」と1週間後に迫っていた1歳半健診を待てず、気づくと発達相談の予約窓口へ連絡をしていました。発達相談の日、保健センターの発達相談員さんに新版K式発達検査を実施してもらった結果、息子の発達年齢は「10ヶ月程度」と言われました。息子はそのとき1歳10ヶ月でした。頭によぎるのは、夜寝なかった乳児時代の息子、ヒラヒラと布を揺らして喜んでいた1歳のころ…あのときから行動に移していれば、息子にもっと早く療育を受けさせてあげられたのに…後悔ばかりが募っていました。Upload By 海乃けだま後ろばかり見ていた私でしたが、「とにかく息子のために今できることをできる限りやるしかない!」と夫と共に病院へ行き、療育先を探しに行きました。正直なところ今でも「息子にASDがなかったら、どんな子どもになったんだろう」と思わない日はありません。でもそんなとき、超楽天家な夫は「息子は息子やん!おもろいやん!」と私のネガティブな気持ちを軽く吹き飛ばしてくれます(吹き飛ばない日も多々あります(笑))。Upload By 海乃けだま私自身、息子が発達障害かもしれないと落ち込んでいたとき、藁にもすがる思いで見ていた発達障害に関する記事に背中を押してもらいました。この私の体験談が、誰かのお役に立てれば幸いです。執筆/海乃けだま(監修:室伏先生より)けだまさん、発達障害かもと思われたきっかけや、療育へ繋がるまでのエピソードを具体的に共有していただき、ありがとうございました。もっと早く療育を受けさせてあげられれば、と後悔があると書いてくださっていますが、1歳半健診よりも前に発達相談窓口にご連絡されたとのことで、とても早い段階で発達相談や療育につながれたのではないかと思います。もちろんお子様、ご家族が直面しているお困りの内容にもよりますが、3歳児健診で指摘されたり、就学前の段階で園の先生からご相談があったり、ということを契機に医療や療育につながる方が多いように思います。就学後や、成人になってから診断を受けられる方も少なくありません。自閉スペクトラム症の場合、1歳のお誕生日を迎える前の段階では、夜泣きや癇癪が強い、逆にとてもおとなしい、人見知りをしない、あまり笑わない・目が合いにくい、名前を呼んでも振り向かないなどの徴候が見られることもありますが、受診をしていただいてもその時点での診断は難しく、コミュニケーションの発達(言語発達だけでなく非言語的なコミュニケーションも含みます)、遊び方の発達、情緒の発達、感覚の偏りなどを見て、総合的に判断していくことが多いです。発達障害であるかどうかについて判断がつきにくい時期であっても、発達に関して不安な点があれば、ぜひ発達相談や受診を考えてみていただきたいと思います。けだまさんは、発達相談につながるまで、ママ友とも悩みごとを共有できないままに、お一人で悩まれたり、自分を責めてしまったりと、おつらかったですね。時間のかかる寝かしつけや、手の感覚過敏などもあり、育児も本当に大変だったことと思います。発達に関して相談することは、勇気のいることかもしれませんが、早期に療育機関につながりやすくなったり、関わり方のアドバイスをお伝えできたり、睡眠の困難さに対しては必要に応じて薬物治療を検討できたり(成人で使用される睡眠薬とは異なり、眠るためのホルモンを調整するようなお薬があります)と、いろいろメリットがあると思います。自閉スペクトラム症は関わり方が原因で発症するものでは決してありませんが、家庭でできる療育的な関わりにより、言語や社会性の発達を促すことも期待できます。1歳半健診では、言葉が出ているか、アイコンタクトや模倣、表情などの非言語的なコミュニケーションが育っているか、などを確認していますが、短時間の診察になりますし、個人差もあるため、多少のおくれがあっても指摘されないこともあります(3歳児健診も同様です)。健診で指摘がなくても、不安や違和感を感じた時点で相談を検討していただければと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月30日「仕事しないで家にずっといればいい」そう言われても…。親なきあと、私はどうなるの?私は、幼いころから衝動性が強い子どもでした。ですが当時は発達障害についての社会の理解が低かったこと、また両親も私のそんな特性に気づかなかったこともあり、ADHDの診断を受けることはありませんでした。短大を卒業し就職しましたが、仕事自体はできても環境になじめずにすぐに辞めて…を繰り返すようになりました。「なんでうまくいかないんだろう」「私ってダメなのかな」と感じる場面は日に日に増えていき、そんな中私は「こんなにうまくいかないのには、何か理由があるのかもしれない」と感じるようになりました。そんな私に同居している両親は、「仕事なんてしないで家にずっといればいい。体調が悪ければ家で寝ていればいい」と言います。ですが、そんなことを言われても、親がいなくなったら私はどうなるの?という焦り、不安、心配に押しつぶされそうな毎日でした。私は、自立をするためには働かなければならないと決意しました。「病院で診断を受け、精神障害者保健福祉手帳を取得、その後就労移行支援を受けて就業する」という目標を立て、行動を始めたのです。Upload By ユーザー体験談自分の人生を生きたい!でも、手帳取得、就労移行支援に大反対する両親私は精神科を受診し、ついにADHDの診断を受けました。そして、精神障害者保健福祉手帳を申請する段階となったときに、そのことを両親に伝えました。ところが、両親は手帳取得も就労移行支援事業所に通うことにも大反対!しかもADHDの診断も認めない!と言うのです。「おまえは障害者じゃない。精神科に通うのはやめてくれ」「手帳を取るのも自分たちがなくなってからにしてくれ。おまえくらい養うから」その言葉は、到底受け入れられるものではありませんでした。私は仕事をしたい!何より自分の人生を生きたい!人生で初めて、親に対して抵抗をしました。Upload By ユーザー体験談私に障害があると認めたくない両親に、私は手帳を取るために必死にプレゼンをしました。発達障害、特性、生きづらさについて、そしてこれらにどのような支援があるか、資料を広げて詳しく説明をしました。すると、資料を見ていた父が突然、父自身に自閉スペクトラム症の特性があるかもしれないと、つぶやいたのです。そして後日、私の精神科の受診に父も同行することになりました。話を聞いてくれた主治医は、「お父さんには自閉スペクトラム症の特性がありますね」と言いました。昔から父は、ほかの人に何か言われても全く気にしないタイプでした。私は、父にもやっぱり特性があるんだと、改めて感じました。私の手帳取得に反対するのも、この特性がかかわっているのかもしれないとも…。その後、双極性感情障害の診断も受け精神障害者保健福祉手帳を取得した私は、グループホームを検討したいと思うようになりました。そこで、主治医に意見書を書いてもらう機会があったのですが、そこには『父親に自閉スペクトラム症の特性あり。父親による決めつけなどの精神的負荷が大きく、早く別居してグループホームに入居した方がよい』と書かれていました。父はこの意見書を読み、さすがに思うところがあったようで、その後は私の障害ややることについて過度に干渉することはなくなりました。Upload By ユーザー体験談自分の人生を大切にしていきたい。いつかグループホームを検討しています昨年、家のルールについて父と対立し、「出ていけ!」と言われたためウィークリーマンションを借りて一時別居した時期がありました。その生活のなんて快適なこと!ストレスの原因は、過干渉な両親だったんだな…とつくづく感じる結果になりました。その後、高齢の両親が心配になり実家に戻ったのですが、同じ敷地内でも住む建物を別にしたので、両親との距離を取りながらなんとか暮らしています。私は、企業に勤めています。就労移行支援事業所に2年通い、就職することができました。リモートワークができる会社なので、在宅で仕事をしているのですが、その仕事時間中にも両親が私の部屋へ来ることがあり困っていました。「◎◎を買ってきて」など、業務中にできないお願いをしてくるので、やめて欲しいと何回も注意したら、最近ようやく来なくなりました。一度、ウィークリーマンションを借りて別居したことも、よいきっかけになったのかもしれません。今後は両親とよい距離感をたもちつつ、将来はグループホームを検討して、自分の人生を大切にして暮らしていきたいと思っています。Upload By ユーザー体験談イラスト/吉田いらこエピソード参考/はっちゃん(監修:鈴木先生)神経発達症(発達障がい)に対する社会の無理解やSNSによる情報が広まったことで「診断を受けないまま大人になってしまった神経発達症」の方の受診が増えています。障がいを認めたくない親御さんの元で育ったため、まだ診断のついていない方が藁をもつかむ心境で相談に来られています。たとえ母親と受診したとしても、特性の強い父親などは外来へは一緒に来ない場合も多いです。子どもの障がいを認めたくないのと、自分の特性についてとやかく言われたくないからだと思います。お子さんに対する投薬や部活などに関しても反対するケースが多くみられます。精神障害者保健福祉手帳は取得することで、さまざまな補助が得られます。私のクリニックでは、主にマル福(医療福祉費支給制度)(※)が過ぎた18歳以上の方に書いています。診断名はASD+ADHDで書くことが多いです。手帳は「障害」ですが、ご本人には「ASDは特性、ADHDは慢性疾患」だとお伝えしています。(※)茨城県において、小児・妊産婦・ひとり親家庭・重度心身障害者などの医療福祉受給対 象者の方が、医療保険で病院などにかかった場合の一部負担金相当額を公費で助成し、医療費の負担を軽減 する制度コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月22日片づけ問題、忘れる問題をお助け!4つの商品化候補グッズについてアンケート実施中3月に実施したアンケート、「【発達ナビ×フェリシモ】発達障害フレンドリーなグッズづくり 第5弾あなたの「欲しいもの」はどれ?」にご協力いただき、ありがとうございました。気になるアイテム案へたくさんの投票をいただき、投票結果を興味深く拝見しました。2月には、発達が気になるお子さんと関わる先生方にオンラインでお集まりいただき、座談会を実施。「こんな商品があったらいいな」というアイデアをみんなで話し合うことができました。投票や座談会を経て、いただいたお声などから検討を繰り返し…候補を次の4つに絞り、2つの商品化を目指します!1.プリントやお手紙を色別で仕分けできる「カラフルトレータイプの収納BOX」2.あちこち置くのをストップ!「いったん置き場収納ラック」3.玄関先や鞄など、いろんな所に貼って忘れ物防止!「貼ってはがせるタスク管理シール」4.いつでもどこでもタスク管理!「文字が書けて簡単に取れないリストバンド(紙製)」具体的な商品化に向けて、さらに詳しくみなさんのご意見を教えていただくために、追加アンケートを実施いたします。それぞれのお悩み解決のための、さまざまなコメントをお待ちしております。発達ナビユーザーのみなさんと一緒に、より便利で使いやすいアイテムをつくっていきたいと考えていますので、ぜひご回答をお願いいたします!※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します所要時間:約5~10分回答期限:2023年7月2日(日)【発達ナビ×フェリシモC.C.P】発達障害フレンドリーなグッズをチェック!これまでも【発達ナビ×フェリシモC.C.P】では、発達が気になるお子さんや保護者のみなさん、当事者の方が便利に快適に過ごせることを願ってさまざまな商品を開発してきました。その中から人気商品をピックアップしましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。Upload By 発達ナビ編集部※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますUpload By 発達ナビ編集部※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します
2023年06月19日23歳娘はグループホームに入居中Upload By 荒木まち子発達障害がある娘は高等特別支援学校を卒業後、特例子会社に就職、勤めて4年目にグループホームに入居しました。発達障害がある娘の特性娘は計算が大の苦手です。でもいろいろな経験を重ねつつ日常の買い物やATMの使い方などを身につけてきました。なので私は娘がグループホームに入居するとき、それまで彼女が働いて貯めていた貯蓄(含む障害年金)を通帳ごと娘に渡し、グループホームの使用料の振り込みや生活費(食費、保険代、携帯料金、余暇のお金など)の支払いをすべて本人に任せることにしました。収入激減なのに…原因はさまざまですが、メンタル面が崩れると娘は不眠や吐き気を催し会社を休むことがよくあります。グループホームに入居してしばらくして娘はネットトラブルなどいろいろな要因が重なり、再び会社を休みがちになりました。収入は格段に減り、娘は貯蓄を切り崩して生活するようになりました。障害年金だけではグループホームの使用料(家賃)は足りません。それでも娘に節約をする様子はなく、フルタイムで勤務していたときと同じような生活をしていました。むしろ会社を休んでいる間の時間を持て余し、習い事を始めたり、ゲーミングチェアを購入したり、外食が増えたりと、以前にも増してお金を使っているように見受けられました。グループホームの世話人さんから「娘さんがネットで注文した商品がグループホームに毎日のように届く」と言われ、私は娘に貯蓄の残高は大丈夫なのかと何度も確認しました。娘はそのたびに「まだあるから大丈夫」と言っていました。決定的な出来事グループホームに入居後も娘のケース会議は定期的に開かれていて、今後のことを見据えた選択肢や方向性についての話し合いが行われていました。本人を交えた支援者会議で大まかな見通しが立ってしばらくしたころ、私のところにグループホームの世話人さんから「娘さんが“お金がない”と言っている」と連絡がありました。支援者会議ではあと数ヶ月の生活費は残っているという前提で話を進めていたので私は急いでグループホームに向かいました。Upload By 荒木まち子何にお金を使ったか調べてみると、携帯電話会社の決済サービス(課金やネットでの買い物)などが主な原因でした。娘は学生時代、フィルタリングサービスを利用していたのでゲームなどで課金をしたことはほとんどありませんでした。でも娘は今や成人の社会人。携帯電話の契約も本人名義に変更していて、機種や料金プラン、決済サービスも自分で選べるようになっていました。またATMで頻繁に現金を引き出していて、何に使った覚えていない“使途不明な支出”も多くありました。本人に聞くと「あのときの自分はどうかしていた」と言っていました。確かにそのころは娘のメンタルがとても不安定な時期でした。それでもまさか娘が1ヶ月で数十万円も使うとは…。成年後見人制度私はそれまでも「成年後見人」という言葉を耳にはしていましたが「親も健在だし、娘にはまだ必要ないかな」と思っていました。でもこの一件で娘には保佐人、または補助人が必要なのだとあらためて思いました。現行の成年後見人制度は、費用がかかる、一度選定されると一生涯変更ができないなど不便な点があります。また、周りから見たら「それって無駄使いじゃない?」も思えることでも、本人にとっては「すごく重要で、生きていくうえでとても大切なこと。唯一の楽しみ」という場合もあるので、なんでもかんでも管理・制限するのはどうなんだろう?という気持ちもあります。現在、成年後見人制度はいろいろな観点から見直しが論じられているので、これからも注視していこうと思っています。経験して身につく貯蓄が底をついてはじめて自分の置かれている立場を理解したようで、娘は生活の見直しをしました。・習い事を減らし、ポケットWi-Fiは解約・外食は控える・通帳は“貴重品”としてグループホームの世話人さんに預け、お金は本当に必要なときだけ引き出し、何に使ったか記録する・携帯には再度フィルターをかける娘は何事も経験しないと分からないタイプです。働かなければ収入が減り、それまでと同じ生活を送るのは難しくなるということは、当然娘も『知識』として分かっていたと思います。でも実際経験して初めて『実感』したのでしょう。また、計算が苦手な自分が、お金の管理を自分一人でする難しさにも改めて気づいたようです。休職中も娘は「働きたくない」と思っていたわけではありません。娘はコミュニケーションは得意ではありませんが、一人でいるよりも誰かといる方が好きなので「吐き気やだるさがなければ働きたい」と、ずっと言っていました。今回の出来事は、娘が次の新たなステップに進む一つのきっかけにもなったと私は思っています。彼女はさらなる自己理解を経て、オトナへの階段をまた一段登りました。随分と高い授業料となってしまいましたが(笑)(執筆/荒木まち子)(監修:渡部先生より)確かに授業料は高くついてしまいましたが、娘さんが生活の見直しをできたという成果も大きかったですね。成年後見制度は一度始めたら原則やめられないものですが、相続や契約など必要なときのみ利用して、その手続きが終了したらほかの制度に移行して後見人は辞任する、といった見直しが現在検討されています。また、成年後見制度以外にも、日常生活自立支援事業など、障害のある方を支える制度もありますので、今後の制度の動きを見ながら、娘さんがより安心して生活できる仕組みを選んでください。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月19日5歳発達障害グレーゾーンの息子の特性Upload By ネコ山現在5歳5ヶ月の息子はADHD+ASDの傾向があり、児童精神科医による診断ではグレーゾーンとの結果でした。からだの多動は小さいころと比べてだいぶ落ち着きましたが、5歳の現在は脳内が多動なようで、思いついたり目についたことを片っ端からやりはじめてしまうところがあります。時間感覚がうとく切り替えも苦手なので、周りの大人は「早くしなさい!」「いつまでやってんの!」を、ついつい連呼してしまいます…。Upload By ネコ山私も怒りたくないし、息子もきっと毎日怒られたくはないでしょうから、何かうまい対応策がないものかと日々、模索しています。息子も含めて、発達障害のグレーゾーンと言われる人たちは、「普通」と言われる社会で生きている方も多いと思います。「変わっている」と思われがちな、発達特性のある人たちも生きやすく、多様性を認め合えるような社会になってほしいと、当事者の母として願っています。3歳は多動と癇癪、4歳は聴覚過敏とこだわり…グレーゾーン息子の困りごと3歳ごろまでは多動と癇癪がいちばんの悩みごとでした。すぐにどこかに走って行ってしまうので、事故にならないか常に神経を尖らせながら息子に向き合っていました。また、思い通りにいかないときや思いが伝わらないときに激しい癇癪が起き、私も息子も大泣き…なんてことも。Upload By ネコ山4歳ごろからは聴覚過敏やこだわりがとても激しかったです。特に聴覚過敏には悩みました。息子は幼稚園の園内放送で流れる音楽や大きな声、それに園児が一斉にワー!となる音がつらくて、一時期は通園もできなくなるほどでした。このころ息子は、物事の順序やタイミングなど自分なりのこだわりが強い時期で、先生に注意されることが多かったのだと思います。幼稚園は集団生活なので、注意されたり自分だけのやりたいことができないのは仕方がないことです。息子も自分の気持ちと折り合いをつけて集団生活をやっていかなくてはいけませんが、このころはまだうまくできませんでした。そんなストレスによって聴覚過敏が強く出ていた時期なので、療育に通いはじめ自分の気持ちに折り合いをつけられるようになったり、幼稚園では登園時間を遅くずらすなどの配慮をしてもらいストレスが緩和された今は、音の悩みも少なくなっています。また自分のルールを乱されると大変怒り、幼稚園での友達づき合いも苦労しているようでした。伝えたい思いが言葉に出てこず、手が出ることも…。息子の特技・好きなこと特技はお絵描きです。3歳まではクレヨンを渡しても食べてしまったり、電車ごっこに使ってろくに描画らしいことはしませんでしたが、3歳半から目で見た自分の好きな物や風景を描くようになりました。物の形を正確にとらえる力があるなと感じています。Upload By ネコ山好きなことはブロックと工作です。おもちゃを与えてもすぐにバラバラに分解してしまう(つまり壊す)息子。しっかりとした作りのおもちゃでなければ、息子の手にかかれば3日以内に分解完了です。そんなに分解したいのなら、ブロックを組み立ててあげて渡せば永遠に分解できるし、親的にもダメージがないのでは⁉ということで、3歳過ぎに大きめのブロックをプレゼントしました。どハマりした息子でしたが、そのうち「踏切のバッテンが作れない」と怒りはじめました。大きめのブロックだと大雑把なデザインしか作れないので、もっと本物の踏切に近いものを求めていたようです。完璧主義の片鱗が見えます。ちょっと早いかなと思いつつ、4歳で某有名ブロックをプレゼントしました。その日から大好きなブロックをいじらない日はありません。家族紹介Upload By ネコ山わが家は4人+猫の家族です。妹は3歳で幼稚園の年少さんです。泣き虫で甘えん坊ですが、かなりのしっかり者で気が利く子です。あまりにもしっかりしているので、兄である息子はプライドを傷つけられることもしばしば…。夫は子育てには協力的で子煩悩です。夫も子どものころは息子と似た傾向があったそうで、学生時代は苦労した経験もあるのだとか。キジトラの猫を飼っています。娘のことは大好きですが息子のことは苦手なようです。私ネコ山は忘れ物が多くいつも時間ギリギリ、ゴミの日にゴミ出しできる人を尊敬しています。良いところと特技だけを伸ばして生きてきました!孤独だったグレーゾーン息子の育児。同じ境遇の人に寄り添うコラムを届けたいUpload By ネコ山息子の育児は孤独でした。まわりに「うちもよ~」とか「男の子だからね~」と言われても「なんかそういうレベルと違うんだよな…」とモヤモヤした日々のこと、息子の特性と向き合いつつグレーゾーンだからこそ 迷う支援のあり方など、答えを出したりアドバイスしたりはできませんが、同じ境遇の保護者の方に寄り添うコラムをお届けできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします!執筆/ネコ山(監修:新美先生)ネコ山さん、はじめまして。多動でお絵かきが得意、工作とブロックが好きな息子さん、とっても魅力的ですね。多動=好奇心とエネルギーに満ちているということなので、親としては危なっかしくて目が離せない一方で、想像を超えてくるエピソード満載で毎日飽きないですよね。周りのママ友とはレベルが違って話が合わないけど、息子さんの大変ながら魅力的な日常を誰かと共有したいというネコ山さんのポジティブな思いが伝わってきて、これからの記事がとっても楽しみです。よろしくお願いいたします。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月14日しのくんと外食に行くのが怖かった時期しのくんは現在5歳、発達障害グレーゾーンの男の子です。4歳を過ぎるまで、しのくんと外食へ行くのはいつもドキドキしていました。2歳を過ぎたころからだったと思うのですが…しのくんと外食へ行くと、しのくんはすぐお店の中で立ち歩いてしまうようになりました。Upload By keikoベルトがついた椅子が置いてあるお店は大丈夫なのですが、そんな椅子がないお店は大変でした。しのくんが席から脱走しないように、私と夫でしのくんの両脇を挟み込んで座ったりして対策しましたが…次は机の下へ潜り込んで脱走します。いつもしのくんの肩や腰に手をおいて、脱走しないよう注意していました。本当に外食に行きづらかった時期なので、友達が子どもと二人でカフェに行った話を聞いたり、家族で外食を楽しんでいる写真をSNSで見たりすると、すごく羨ましかったのを覚えています。対策がみつかる!?そんなある日、外食中にまた席を離れそうになっていたしのくんに、ふと思いついてスマートフォンで動画を見せました。すると、動画に夢中になり立ち歩きをしなかったのです!食事中、子どもに動画を見せることには賛否両論あるかと思いますが、当時、立ち歩きに悩まれていた私はやった!と思い、その日から外食時にはスマートフォンで動画を見せるようになりました。しのくんが逃げ出さないように体を抑える必要がなくなり、ついに落ち着いてお店で食事ができるようになったのです!Upload By keikoしかし…しのくんが食事中に脱走する心配がなくなって安心していたころ、ようやく私はハッとするのです。当時しのくんは4歳。周りにいる子どもたちで、動画を見ながら食事しているのはしのくんだけだということに…。Upload By keikoUpload By keiko「動画見ながらごはん食べてるの…、しのくんだけじゃない⁉︎」と気がついた私は焦り、早速しのくんからスマートフォンを取り上げようとしました。「ごはんのときはスマホやめようね」と声をかけると、「えー?」と言いつつも動画を見るのをやめてくれました。Upload By keikoしかし、次第にしのくんはソワソワしはじめ、卓上のものを触ろうとします。そして、ごはんがくるのが遅かったらそれも待てなくて騒ぎ出してしまいます。Upload By keiko最後にそもそも席から脱走しないように動画を見せていたはずでしたが、いざ動画を見せるのをやめてみたら、立ち歩きはしなくなったものの、今度はいろんなものを触ったり、騒いでしまうことが分かりました。結局5歳を過ぎた今でも、静かに過ごせるように、外食時には動画を見せてしまっています。やめさせたいけど、動画を見せないと騒いでしまうので…どうしたらいいか悩んでいる今日このごろです。執筆/keiko(監修:初川先生より)外食時の困りごとについてのエピソードをありがとうございます。これは同じように悩ましく感じている読者の方多いのではないでしょうか。外食時にオーダーをしてから、料理が出てくるまで「待つ」。この「待つ」がなかなか難しいお子さんはたくさんいます。おそらく外食時のみならず、行列に並ぶ、電車やバスに乗る等も同じでしょう。待つ際に、保護者と話をするなどして静かに待てるお子さんもいます。ただ、そうではないお子さんもいるということ。「ただただ(何もせず)待つ」のは苦しいので、別のことをして、結果として「待っていられた」とするのが、待つのが苦手な時期は工夫の1つにはなると思います。その1つが「動画を見せる」なのでしょう。お子さんによっては、「絵を描く」「本を読む」などでも可能かもしれません。動画を見せる、あるいはゲームをさせるといったことは、多くの子どもの注意集中をぐっと集めやすいものにはなるので、その場をしのぐ意味では総合的に判断すると悪くはないと思います。ただ、食事が運ばれてきて、食べているときにも見せるかどうかはまた一つ悩みどころではありますね。動画がなくても食べられる場合は(食べることに集中できる場合は)いったん切った方がいいと思います。ただ、食べることに集中できないお子さんもいると思いますので(食事中でも立ち歩くお子さんなど)、その場合はやむなしということもあると思います。また、子どもの食べるスピードは大人よりも速かったりするので、大人が楽しくおいしく食べているのに子どもがもう飽き飽きしているということもあるでしょう。その場合も何らかの力を借りることもあるかもしれません。行儀やマナーとしてどうなのか、という迷いもあると思います。ただ、ここで考えてほしいと思うのは、その外食の目的やお子さんの特性といったあたりになってくると思います。家族で楽しくおいしく外食をしたい、親が疲れたので外食で食事は済ませたいなど目的があると思います。お子さんに苦手な「待つ」を強いてまで、そして保護者もひやひやイライラしながら食べても楽しくはないでしょう。毎日のことではないと思いますので、たまにはそういう特別も親子それぞれにあったらいいかもしれません。また、特性に関して言えば、非日常やイレギュラーが通用するかどうかにもよります。一度ルールを崩してしまうと、家でも動画がないと食べられなくなるといった場合には、もしかしたらそこは慎重にした方がいいかもしれません。子育ての中では、何のために何を選択するか、その判断が問われることが多いですね。保護者ご自身が納得いく選択であれば、それはそのときにはよい判断と言えると感じます。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月13日公立中学の特別支援学級に進学。新生活、意外と大丈夫だったかも?ゆいが進学したのは地元の公立中学校です。小学校時代と顔ぶれはあまり変わらないのですが、それでも環境は大きく変わります。ゆいがストレスを強く感じて疲れてしまうのではないかと私は少し心配でした。入学前には通学路を確認したり、少しでもゆいの不安が軽減される工夫もしたりしました。ところが、意外なことに新生活が楽しかったようなのです。入学式の後、興奮気味に新しいクラスのことや先生のことなどを話してくれました。今のところ人間関係については特に困りごとはなく、毎朝元気に登校しています。多分、同じクラスに仲の良い子がいたことが安心材料になったのだと思います。その後も仲良しの友達経由でまた新しく友達ができているらしく、ひと安心しました。ときどき自宅にも友達を呼んで楽しくおしゃべりしているのを見ると、友達関係は今のところ上手くいっているのかなと思っています。でも、心配になることは、実はほかのところにありました。Upload By 吉田いらこ入学早々クラスのSNSグループチャットができ上がる中学の入学式でクラス発表がされた日、クラスのSNSグループが立ち上がりました。ゆいが通う中学校の生徒のスマートフォン所持率は9割を超えているそうです。ゆいも持っているので友達経由で招待してもらい、クラスのSNSグループに入りました。(私が中学生のころはまだ子どもが携帯電話をもつ時代ではなかったのでいろいろと衝撃ですが、親も時代に慣れていかないとと思っています…。)Upload By 吉田いらこクラスのSNSグループチャットは参加人数が多いのでタイムラインがものすごい速度で流れていて、朝起きるとトークの通知の数が大変なことになっています。タイムラインでは誰かが勉強の分からないことを相談したり、他愛もないことで笑いあったりしていて、ゆいもたまにスタンプを押したりしているようです。中学生がチャットツールを使うことに賛否はあると思います。けれど、場面寡黙の診断があるゆいは他人と対面して会話をすることが苦手なので、このような顔を見ずにできるコミュニケーションの方が話しやすいのでは、と思っています。Upload By 吉田いらここのまま楽しく便利に利用できていればよいのですが、今後なにかトラブルが起きるのでは…と保護者としては心配しています。ただ、こういった通信モノは大人になると必ず使うことになる可能性が高いので、今のうちにトラブルを「少しだけ」経験して勉強することも必要かも…と思うところもあり、これから慎重に様子を見ていきたいと考えています。執筆/吉田いらこ(監修:鈴木先生より)クラスでのSNSグループチャットは、まだ中学生のお子さんだとちょっとした言葉でも傷つくことも出てきやすいので、仲のいいお子さん同士ならいいにしても、クラス全員でとなると保護者の方の不安もあることでしょう。個人的にはクラスのSNSグループチャットは保護者同士に限るようにした方がいいのではないかと思ってはいますが、子ども同士が使う場合には、個人攻撃をしない、担任の先生がチェックするなど一定のルールをつくってから始められるといいですね。ほかにも、クラス全員という大きなグループではなく、クラス内の班ごとなど少人数に分けてやる方法もあるかと思います。スマートフォンをお子さんに渡すときに使い方や時間のルールを各ご家庭で決めることと同様に、クラスのSNSグループチャットにもルールづくりが大切なのではないでしょうか。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月09日おっとりキャラの末っ子、次男ウッシーヤの幼少期わが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。たとえば、末っ子の次男ウッシーヤは、牛のキャラクターです。これは彼がなにをしても動作がゆったりしているところを表現しています。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(※)わが家の当事者キャラクターは、外出のときは透明なヘルメットを身につけています。このヘルメットは「パニック対策の工夫」を表現しています。パニックになると呼吸困難のような状態になるので、ヘルメット=工夫で身を守っているという設定です。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ赤ちゃんのころのウッシーヤは、よく寝る子でした。あまりにも長い間、身動きひとつせずに寝ていることに、ふと気がつきました。私は急に不安になって、ティッシュペーパーを1枚つかむとベビーベッドに走りました。呼吸が止まっているのではないかと怖くなったのです。ウッシーヤの顔の前にティッシュをかざすと、小さく揺れるのが分かり、安心しました。私は安心のあまり、その場にへたりこみました。思わず「生きてて、よかったぁ」とひとりごとを言うと、夫がすぐ後ろに立っていることに気がつきました。ふと見あげると彼は恐怖で凍りついています。「頼むから、そんな心臓に悪い確認のしかたはやめてくれないかな」夫の真剣な顔を見て、つい苦笑してしまいました。発育がゆっくりすぎて不安がどんどん積み重なるその後、ウッシーヤはハイハイをして立ちあがり、よちよち歩きだし、少しずつ言葉が出るようになりました。でも1歳ごろになると、上の3人の子どもたちと比べて発育がゆっくりすぎるということが気になっていました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイウッシーヤは誰にでも抱っこをされるので、てっきり人見知りをしないタイプの子どもだと思いこんでいました。いまにして思えば、彼は緊張で固まっていたのです。私はウッシーヤの微妙な表情の変化に気づいていませんでした。また、ウッシーヤは喘息でした。でもゼーゼーと苦しそうにしながら、笑っているのです。小児科のお医者さんから「お母さん、気をつけてね。この子は、かなり苦しいはずなのに顔に出ないから」と言われました。でも忘れっぽい私は、気をつけることができませんでした。家族で食事をしているときは、子どもたちがそれぞれその日の出来事やテレビのことなどをおしゃべりして、にぎやかに過ごします。でもウッシーヤだけは会話に加わりません。様子を見ていると、幼いから会話に加われないというよりも、人と話すこと自体に関心がないように見えました。食事をしているとき以外は、ずっと指しゃぶりをしていました。指しゃぶりの間はずっと誰とも目が合わず、なにを考えているのか分かりませんでした。指しゃぶりをやめさせるために、ウッシーヤの指にカラシをぬったり、彼の好きな植物図鑑などで気を引いても効果がありませんでした。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ日がたつにつれ不安になってきた私は、保育園でウッシーヤを担当してくれていた保育士さんに「ウッシーヤは発達障害なのでは?」と質問してみました。なにしろ今から20年以上前のことなので情報もあまりなかったのです。すると保育士さんは少し考えてから「お母さん、きっと大丈夫ですよ」となだめるように答えました。その表情から、とにかく安心させてあげたいという気持がくみとれました。保育士さんの気配りには感謝でしたが、不安は消えませんでした。夫ラクマは広告マンとして独立開業したばかりで忙しくて、ほとんど子育てに関われませんでした。私も夫の仕事の手伝いをしなければならないはめになって、ますます忙しくなりました。ウッシーヤの発達のことは、すごく気になりながらも日々の生活に流されていました。いまにして思えば、子育てのSOSの出し方がまるで分かっていませんでした。もしいまの私が当時の自分にアドバイスをするとしたら、知人や友人に手あたりしだい相談するようにと言ってあげたいです。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ私と夫ラクマは、子どもの個性を尊重してくれる少人数制の学校を探し続けていました。というのも私は不登校になった経験があり、きっと子どもたちも人の多い学校は苦手ではないかと考えたからです。そんななか、保育園から高校までオールイングリッシュで教えてくれる、少人数制クラスの小さなミッションスクールを見つけ、4人の子ども全員を転校させました。長年思い描いてきた理想的な学校でした。ウッシーヤは当時3歳でした。いろいろな国からやってきた先生や生徒の中で、最初は肌の色の違う大人を見るだけで怖がって泣いていました。でも、きょうだいが全員一緒の学校なので、ウッシーヤが困っているときなどは、すぐにきょうだいが手助けできていました。たとえばウッシーヤが不安がって泣いているときは、すでに高校生になっていた長女ニャーイが助けに行くことができましたので、何とか過ごすことができていました。その後ウッシーヤが小学生になり、さらに困ったことが次々に起きるとは、このときは知る由もなかったのでした…。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:初川先生より)ご家族皆さんを動物のキャラクター化して語られていて、とても面白く拝読しました。それぞれの特性を客観視できているからこそのキャラクター化なのかなと感じます。さて、次男ウッシーヤくんの20年以上前の幼少期について、今の話であればそれが発達のつまずきのどんな状態か分かることは多くあるかもしれないですね。この20年の間で、発達障害や発達のつまずきについての認知度は飛躍的に伸びました。ただ、「子育てのSOSの出し方を知らない」のは、もしかしたら20年経ってもあまり変わっていない面はあるかもしれません。相談先が増えた、相談された側の知識が増えたのはあるにしても、どう相談したらいいのか、どうSOSを出していいのかは、忙しい子育てや仕事、家事の中で後回しになっていくこともあり、どうしたらいいか分からないと同じように感じている読者の方もいらっしゃるかもしれないですね。ワッシーナさんの助言は「手あたり次第に相談する」。これも1つのいい方法ですね。ウッシーヤくんが小学生になった後のお話も楽しみにしています。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月01日学習障害・限局性学習症(LD・SLD)とは?学習障害・限局性学習症(LD・SLD)は、学習において困難さがみられる発達障害の一つです。学校教育が始まる就学期になって診断されることがほとんどですが、就学前の段階で言語の遅れや数えることの困難、書くことに必要である微細運動の困難などがあることでその兆候に気づかれることもあります。主な特徴・症状として・読むことやその内容を理解することの困難さ(読字障害/ディスレクシア)・書くことの困難さ(書字表出障害/ディスグラフィア)・数の理解や計算をすることの困難さなど(算数障害/ディスカリキュリア)の3つに分けることができます。医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、名称が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))」と定義されています。限局性学習障害の症状は医学的には「読み」「書き」「計算」の3つの困難さと定義されていますが、文部科学省では知的発達に遅れがないものの「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力の習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことと定義されています。参考:学習障害(限局性学習症)|e-ヘルスネット参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について|文部科学省学習障害・限局性学習症(LD・SLD)の原因は中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されています。しかし、全般的な知的発達に問題はなく、その他視覚障害、聴覚障害、情緒障害などや環境的な要因が直接的な原因ではありません。保護者の育て方や勉強の教え方などで子どもが学習障害・限局性学習症(LD・SLD)になることなどもありません。読むことやその内容を理解することの困難さ、書くことの困難さ、数の理解や計算をすることの困難さなどの、学習における困難さが、知的障害(知的発達症)によるものでないこと、経済的・環境的な要因によるものでないこと、神経疾患や視覚・聴覚の障害によるものではないこと、学習における面のみでの困難であること、という場合に限り診断されます。現在、学習障害・限局性学習症(LD・SLD)の根本的な治療法はありませんが、環境調整や療育などにより困難さが軽減されることがありますので、一人ひとりの症状や特性に応じた対処法が必要です。また、併存症としてADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症(ASD)を伴う場合も多く見られます。それらの要因を考慮した学習支援が必要となり、家庭・学校・医療関係者の連携が重要となります。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)タイプ別特徴チェックリスト、支援方法、接し方など学習障害・限局性学習症(LD・SLD)は読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)の3つに分けられます。それぞれの症状には個人差があります。読字障害(ディスレクシア)とは、文字を「読む」ことに困難がある状態のことを指します。読字障害、識字障害、読み書き障害、難読症などと呼ばれることもあります。文章を正確に読むことが難しい、すらすら読むことが難しい、読むことができても内容を理解することが難しいなどの困難を抱えることがあります。書字障害(ディスグラフィア)とは、文字を「書く」ことに困難がある状態のことを指します。文字をマスや行から大きくはみ出して書いたり、鏡文字になってしまうなどの症状が見られることがあります。算数障害(ディスカリキュリア)とは、算数や数式など「数字に関する能力」に困難がある状態のことを指します。数字や数式の扱いや、考えて答えにたどり着く推論が苦手などの症状が見られることがあります。数字に関する能力にのみ障害がある人が多いため、算数の学習を始めてから発見される場合が多いと言われています。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)のある子ども一人ひとりの特性に応じて、UDフォント(Universal Design Font:ユニバーサルデザインフォント )や音声ツールの使用、使いやすい文房具の工夫、ICTの活用など、さまざまな支援方法があります。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)のある子どもは知的発達に遅れがないため、自分自身に障害があると認識するのに時間がかかることがあります。また、本人の「できるようになりたいのにできない」という気持ちはとてもデリケートです。何気なくかけた言葉や行動が本人を傷つけてしまう場合もあるので、接し方には注意が必要です。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)と併存しやすい症状学習障害・限局性学習症(LD・SLD)に多い併存症としてADHD(注意欠如・多動症)や自閉スペクトラム症(ASD)が挙げられます。ADHD(注意欠如・多動症)は、話を集中して聞けない、作業が不正確、なくしものが多いといった「不注意」、体を絶えず動かす、離席する、おしゃべり、順番を待てないなどの「多動性」「衝動性」の特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。学習障害・限局性学習症(LD・SLD)のある子どもとの生活の様子は?特選連載コラム学習障害・限局性学習症のあるお子さんをもつ発達ナビの連載ライターさんのコラムを厳選してご紹介。「あるある」と共感したり、今の悩みを解決するヒントが見つかるかも…?大人の学習障害・限局性学習症(LD・SLD)関連コラム発達障害に関する情報が広く知られるようになったことで、大人になってから学習障害・限局性学習症(LD・SLD)と診断される方も増えてきました。症状には個人差も大きいので、その人の特性に合った仕事を探すことが重要になってきます。そのほかの学習障害・限局性学習症(LD・SLD)関連コラム。マンガで学習障害を解説/ビジョントレーニングとの関係/関わり方ポイントなどコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月31日障がい福祉サービス事業を行う株式会社ひいらぎ(本社:埼玉県草加市、代表取締役:茂呂 史生)代表・茂呂 史生初の書籍「世界を変える子どもたち 発達障害という才能を最高に輝かせる方法」出版1周年を記念して、書籍を抽選で30名様にプレゼントいたします。世界を変える子どもたち 茂呂 史生著■発達障害は才能である。本書は、代表・茂呂が、信念である「発達障害は才能である」という言葉の真意を「書籍」というかたちで発信し届けることで、世の中の1人でも多くの人が発達障害に対する意識を変えてくれることを目的に執筆し出版に至りました。発達障がいを持つ子どもと関わる機会があるものの、接し方に迷ってしまう、ご自身の子どもの将来が不安だけれど誰に相談したら良いかわからない等のお悩みを抱えている方は、ぜひ本書をお手に取ってみてください。2006年より16年以上にわたり、児童福祉施設を運営してきた代表・茂呂が実体験を織り交ぜながら、独自のノウハウを語り尽くします。発達障害には大きな可能性があります。現代では、発達障害は、この新しい時代を生き抜く武器にもなり得ます。本書を読み終える頃には、発達障害に対するとらえ方がガラッとポジティブに変わっているはずです。■書籍をお読みいただいたお客様の声〇ASD児(小2)母・40代とても勉強になる内容で、何度も読み返し、付箋をつけました笑日々の生活の中から子供の好きを探して、計画→実行→承認を心がけていきたいと思います。これは発達障害の子供だけでなく、全ての子供に有効的だと思いました。世界中の子供を持つ親に、学校の先生にも、この本を読んでもらえたらいいなと思いました。〇放課後等デイサービス運営者寄贈先の校長先生からも「支援級だけでなく、すべての教員に読んで欲しい!改めて学びを深めたいと思う一冊」とのお言葉をいただきました。学校、家庭、放課後過ごす場所、地域etc.子どもたちに関わるすべての方々の共通理解があった上で同じように接していけると、より子どもたちが伸び伸びと楽しい!好き!を伸ばしていけるのではないかと感じます。ひとりでも多くの方が発達障害について知り、受け止めてくださることが、当事者たちが生きやすくなる近道なのでは?と考えています。■著書 茂呂 史生からのメッセージおかげさまで初の書籍を出版してから1周年を迎えることができました。当初、自分の考えを書籍にして発信することに不安しかありませんでした。信念をもって、「障害は才能だ」と言い続けてきていますが、それでもやはり、自分の周りだけではなく世の中に発信していくのには勇気が必要でした。でも、出版してみてこうして多くの方に書籍を手に取っていただき、たくさんの嬉しい感想をいただく中で、僕自身もさらに信念を強くすることができたと思っています。僕は、世界を変えることは出来ないかもしれませんが、すこしでも選択できる環境、社会に貢献ができたのなら本望です。これからも、自信をもって発信していくとともに、1人でも多くの方に書籍を手に取っていただき、選択できるという事を知っていただきたいと思います。ますます、頑張って活動していきたいと思います!本当にありがとうございます!■プレゼント概要・応募方法:応募フォームよりお申込みください。応募フォーム: ・応募締切:2023年6月30日(金)必着・商品 :世界を変える子どもたち 発達障害という才能を最高に輝かせる方法・概要 :著者 :茂呂 史生(もろ ふみお)単行本:200ページ出版社:サンクチュアリ出版発売日:2022年5月18日寸法 :12.8×1.4×18.8cm定価 :1,540円・当選数 :30冊 ※当選は発送をもってかえさせていただきます。■書籍の紹介児童福祉業界16年の経験から得た子育て教育プログラムを大公開!第1章 発達障害は「才能」だ第2章 障害への無知であふれる日本第3章 「接し方」を変えればすべてうまくいく第4章 子どものやる気を引き出す、たった2つの方法第5章 専門的施設の選び方〇なぜ著者は、発達障害は才能であると説くのか?〇どうやって接すると本当に子どものためになるのか?・発達障害には大きな可能性がある・なぜ「早めに専門的施設を頼る」のがよいのか・自分の経験則で子どもを見ない・子どもの「好き」を探す・どのような「専門施設」を選ぶべきか〇子どもの才能が見つけやすくなるとらえ方から、誰にでもできる子どものやる気の引き出し方まで大紹介!・Amazonでのご購入はこちらから 『世界を変える子どもたち』茂呂 史生著■書著プロフィール株式会社ひいらぎ 代表取締役 茂呂 史生(もろ ふみお)1978年生まれ、埼玉県草加市出身。介護を受けられない障がい者をなくそうと26歳で独立。2006年、株式会社ひいらぎを設立。訪問介護事業からスタートし、第18期目を迎えた2023年現在は、放課後等デイサービス、児童発達支援事業所、相談支援事業所、就労継続支援B型事業所、生活介護事業所、ペット共生型グループホームまで事業を拡大。年齢に関わらず、障がい児・障がい者・高齢者すべての方が利用できるサービスを提供している。「日本のフクシを世界へ」を合言葉に2019年にはベトナムTVC Human(人材開発貿易サービス株式会社)と業務提携を締結、2020年には福祉業界のDX化を推進すべく連絡帳アプリ「みらいダイアリー」をリリースするなど、新たな事業領域に挑戦する取組を行う。さらなる事業拡大を計画しながら、福祉事業開所希望法人へのコンサルティングや、これからの子どもたちがAI時代を生き抜くための講演活動にも日々、精力的に取り組んでいる。■株式会社ひいらぎについて所在地:埼玉県草加市瀬崎7-11-22代表者:代表取締役 茂呂 史生設立 :2006年5月1日事業内容:地域を一つに「障がいがあってもなくても当たり前に夢を持てる街づくり」をミッションに、幼児期から大人まで見守る障がい福祉施設・サービス事業を展開。◎放課後等デイサービス・児童発達支援事業所向け連絡帳アプリ「みらいダイアリー」の開発・提供。株式会社ひいらぎHP: 【この件に関するお問い合わせ先】株式会社ひいらぎ広報担当: 千種 眞季TEL : 048-927-2723(平日9:00-18:00)FAX : 048-940-1316Mail : info@manten-egao.com お問い合わせフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年05月18日障がい福祉サービス事業を行う株式会社ひいらぎ(本社:埼玉県草加市)の代表取締役 茂呂 史生初の書籍「世界を変える子どもたち 発達障害という才能を最高に輝かせる方法」出版1周年を記念して、交通費のみで日本全国どこへでも講演に伺うキャンペーンを実施します。茂呂 史生講演会(横浜市)■出版・講演活動への想い本書は、代表・茂呂が、信念である「発達障害は才能である」という言葉の真意を「書籍」というかたちで発信し届けることで、世の中の1人でも多くの人が発達障害に対する意識を変えてくれることを目的に執筆し出版に至りました。出版をきっかけに講演活動もより精力的に行うようになりました。講演を行う目的もただ一つ「発達障害への理解を広めること」「発達障害に対する意識が変わることで、世界を変える子どもたちが世に羽ばたける世の中を創っていくこと」にあります。「僕が無報酬で講演会を受ける理由。答えは簡単です。『世の中の理解が少しでもあると、世の中が変わるから』です。たった1人でも理解していただける人が増えると、子どもの未来は変わります。偉人、著名人で発達障害だった人々について、僕はこう考えています。偉人、著名人が発達障害をカミングアウト、もしくはそうだったと考えられる、のではなく、発達障害の特性を伸ばし、才能としたから偉人、著名人になったのだと。講演の中でもお話しするのですが、なぜ、才能を伸ばせた人とそうでない人がいるのでしょうか。それは、「理解」する大人がそばにいたかいないかというだけなんです。であれば、理解ある大人が1人でも増えれば、世界は変わるんじゃないかと思うんです。1年前に著書「世界を変える子どもたち」を出版させていただき、とても嬉しい感想をたくさんいただくようになりました。実は、本では書ききれなかったこともたくさんあり、お話をしたいなと思っていたところ、昨年8月に横浜市教育委員会が後援していただける講演会を企画していただくことになりました。あまりの嬉しさに「講演料はいりません!」と言ってしまったのが、交通費のみで講演会を受けるきっかけとなりました。「そろそろ有料にしてください」と社内から言われているのですが、出版1周年を記念して、もう少し、この講演料なしでの活動を続けることにしました。僕にできること、呼んでいただいた場でお話をさせていただき、そこで1人でも理解していただける方が増えていただいて、そしてまたどこかの講演会でお話しをさせていただき、そこでまた1人でも理解していただける方がいて、またそこで次の企画をいただいて、そこでまた…、そういったバタフライエフェクトを起こすことができたら本望です。子どもたちの未来に、何が必要か。今、子育て、支援者にどういった考え方が必要なのか。著書では書ききれなかった話を沢山させて頂きたいと思っています。」■講演会に参加いただいたお客様の声〇2歳ダウン症母3番目の末っ子の息子がダウン症なので、茂呂さんのお話しをお聞きし、今抱えている療育や障害に対するモヤモヤ、この先の将来への希望や不安が、絡まっていた糸の解し方が見えていくような、そんなすっきりした感覚になりました。〇作業療法士(40代)講演会に参加できとても有意義な時間で、なんだかとてもポジティブな気持ちにさせてもらうことができました!!茂呂さんのお話しは、デジタル化が進む現在~未来を見据えた視点までわかりやすくて、そしてなにより、そこにはこどもたちを想う「愛」を感じて、障害を「まもる」時代から「個性を活かす」時代へと前向きになれるお話しに共鳴しました。■キャンペーン期間2023年5月18日~6月30日■申し込み方法株式会社ひいらぎホームページお問い合わせフォームから、「出版1周年記念講演依頼」を選択し、お申込みください。お問い合せフォーム: ■講演概要・講演タイトル:世界を変える子どもたち~新時代を切り開く才能と、発達障害の特性~・講演時間 :60~90分が基本茂呂 史生講演会(奄美市)■講演実績2023年3月21日 東京都国分寺(主催:岡部 素子様)2023年3月18日 福岡県福岡市(主催:株式会社SMILE PRESENTS)2023年3月10日 京都府京都市(主催:望月 まり子様)2023年3月4日 群馬県太田市(主催:山崎 英里子様)2023年2月23日 埼玉県坂戸市(主催:心と体の癒し処 ぴゅあまむ グループホ―ム設立準備会)2023年2月12日 鹿児島県大島郡瀬戸内町(主催:ピンチはチャンス・子育て応援会事務局協賛:瀬戸内町、療育を考える親の会、株式会社ハジキ後援:瀬戸内町教育委員会、児童発達支援事業所ここ、瀬戸内町社会福祉協議会)2023年2月5日 埼玉県川口市(主催:株式会社ストーリー)2022年12月3日 神奈川県厚木市(主催:おひさまっこ保育園)2022年11月5日 東京都杉並区(主催:アトリエカノン)2022年10月30日 鹿児島県奄美市(主催:株式会社ハジキ)2022年8月28日 大阪市平野区(主催:ドリームファクトリー株式会社 後援:大阪市平野区)2022年8月27日 横浜市青葉区(主催:放課後等デイサービスてらこや 後援:横浜市教育委員会)2022年7月25日 オンライン(主催:sora)■書籍概要・書名 :世界を変える子どもたち 発達障害という才能を最高に輝かせる方法・著者 :茂呂 史生・出版社:サンクチュアリ出版・Amazon.co.jpでのご購入はこちら: <内容紹介>児童福祉業界16年の経験から得た子育て教育プログラムを大公開!■書著プロフィール株式会社ひいらぎ 代表取締役 茂呂 史生(もろ ふみお)1978年生まれ、埼玉県草加市出身。介護を受けられない障がい者をなくそうと26歳で独立。2006年、株式会社ひいらぎを設立。訪問介護事業からスタートし、第18期目を迎えた2023年現在は、放課後等デイサービス、児童発達支援事業所、相談支援事業所、就労継続支援B型事業所、生活介護事業所、ペット共生型グループホームまで事業を拡大。年齢に関わらず、障がい児・障がい者・高齢者すべての方が利用できるサービスを提供している。「日本のフクシを世界へ」を合言葉に2019年にはベトナムTVC(人材開発会社)と業務提携を締結、2020年には福祉業界のDX化を推進すべく連絡帳アプリ「みらいダイアリー」をリリースするなど、新たな事業領域に挑戦する取組を行う。さらなる事業拡大を計画しながら、福祉事業開所希望者へのコンサルティングや、これからの子どもたちがAI時代を生き抜くための講演活動にも日々、精力的に取り組んでいる。■株式会社ひいらぎについて所在地 :埼玉県草加市瀬崎7-11-22代表者 :代表取締役 茂呂 史生設立 :2006年5月1日事業内容:地域を一つに「障がいがあってもなくても当たり前に夢を持てる街づくり」をミッションに、幼児期から大人まで見守る障がい福祉施設・サービス事業を展開。◎放課後等デイサービス・児童発達支援事業所向け連絡帳アプリ「みらいダイアリー」の開発・提供。株式会社ひいらぎHP : 連絡帳アプリみらいダイアリーHP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年05月18日「男の子だからこんなものか」が「何かあるかも」に変わった親子遠足1歳から保育園に入った息子は、保育園も問題なく過ごし、1歳半健診、3歳児健診で指摘をうけることもなく、親である私自身も息子にADHD(注意欠如・多動症)があるとは気づきもしませんでした。落ち着きのなさはありましたが、「男の子だからこんなものか」と思っていました。ですが、年少で行われた初めての親子遠足で私は「息子には何か特性があるかも」と違和感を抱いたのです。出発前に子どもたちが園庭に並んで先生の話を聞いていたとき、息子だけが列から脱走して園庭にある遊具で遊び始めたのです。乳児時代の保育園は大きな行事や団体行動がなかったため、周りのお友達と息子を比較できるような機会はありません。それまで私は、「3歳の子どもなんて、並んで話を聞けないのが普通」だと思っていたのですが、このとき初めて周りのお友達の成長を知り、明らかに違う息子の様子に衝撃を受けました。Upload By ユーザー体験談私は、すぐに保健センターに連絡しましたが、発達相談は約半年待ち。結局、年少の秋から地域の療育センターへ通えるようになったのですが、息子の問題行動は増え、私はどんどん追い詰められていきました。保育園でトラブル多発!どん底まで落ち込んだ年中時代団体行動が増えた保育園で、息子はよくトラブルを起こすようになりました。まず、息子は団体行動ができないので、いつも途中で脱走してしまいます。当然、運動会の練習にも参加できませんでした(ただ、練習には参加していなくてもどこかで理解しているようで、本番ではうまくできているのが不思議でした)。また、遊んでいたら途中で切り上げることができず、やめさせようとすると、泣いて暴れてしまいます。園では、みんなが席についたら給食を食べ始めるという決まりがあったのですが、給食の時間になって周りのお友達は席について準備をしていても、息子は前の活動をやめることができないため席につくことができませんでした。Upload By ユーザー体験談自分のペースを崩されると暴れたり、叩いたりしてしまうので、友達に手が出てしまうこともしょっちゅう。また、暑さ寒さに弱いので、屋外の活動がスムーズにできませんし、体幹を保つのが難しいのか、どこでも寝転んでしまいます。特に年中になってから、これらのトラブルはひどくなっていきました。私は、療育に通ってもなにも改善しないと焦ったり、保育園からなにか指摘されれば怒りを覚えたり、その一方で、息子が友達に手を出したという報告を受ければ、私たち親子は価値がないと思い込み、すべてを捨ててどこかに行ってしまいたいとまで追い詰められていきました。同級生や同級生の親御さんたちに会うのがつらくて、保育園の送迎を夫に頼んだ時期もありました。葛藤しながら通い続けた療育に救われた私ただ、そんな中でも療育には通い続けました。トラブル続きの中、藁にもすがりたい気持ちがあったからでした。実は、息子に「何かあるかも」と感じた親子遠足のころ、私の会社に自閉スペクトラム症のある方が障害者採用で入社してきました。その方は大学に入るまで自分の障害を知らず、療育なども受けず、生きづらさを感じながら人生を過ごしてきたと教えてくれました。そして、自分ももっと早く気づけて支援につながれていたら、ここまで生きづらさを抱えることはなかっただろうとも話してくれたのです。それを聞いた私は、息子の特性に早く気づくことができたのだから、療育を受けさせなければと強く思ったのです。息子は年少の秋から地域の療育センターに通い始め、年中までの間は月に1回作業療法(OT)と理学療法(PT)を受けました。コミュニケーションの改善より、体幹が弱くゴロゴロしてしまうことを課題とされていたので、トランポリンや平均台を使った体幹を鍛えるトレーニングが中心でした。私は、公的な支援を受けられて良かったという思いと、本当にこれで良くなるのだろうかという不安の間で揺れ動き、複雑な気持ちを抱えていました。当時はきちんと息子の障害を受容できていなかったということもあり、通所受給者証の書類にある「障害児」という言葉を見ると、改めて「息子は障害児なのか」と落ち込んだこともありました。Upload By ユーザー体験談そんな中、年長になった息子は、それまで通っていた地域の療育センターから、民間の児童発達支援の教室に移り、週1~2回の頻度で通所するようになりました。ここで、私たち親子に転機が訪れました。この児童発達支援では、母である私も先生に悩みを聞いてもらうことができたのです。障害を受容できないこと、息子の他害…悩む私の気持ちに共感をしてもらうと、それまで一人で抱えていた不安や焦燥感が消えていき、とても心が楽になりました。また、親子参加型の療育もあったので、初めて同じ境遇のお母さんたちと友達になることができました。保育園のお母さんとは違い、同じ悩みを持つ方とつながることができたことで、本音で語り合うことができました。本当に救われました。そのお母さんたちとは今でも仲良くしています。暗いトンネルのようだった障害児育児に、光が差し始めたときでした。Upload By ユーザー体験談小学校は通常学級へ入学。中学でも療育を継続しています年長の夏、特別支援学級と通常学級の授業を見学しにいき、息子にとっては通常学級がいいだろうとの判定を受け通常学級への入学、同時に通級を利用することになりました。そして、小学校入学から卒業までの間、息子は放課後等デイサービスで支援を受け、中学に入った現在も1ヶ所継続しています。保育園時代はとても大変でしたが、幸いにも息子は児童発達支援の教室や、放課後等デイサービスが大好きでした。とくに年長のときに通っていた児童発達支援では褒められることも多く、自信もついて、行動も良い方向へと変わっていきました。療育に行っていなければ母である私も悩みを打ち明ける場所がなく、毎日途方にくれるばかりで、息子との関係ももっと良くない状況に陥っていたと思います。勇気を出して相談して、息子にとっても私にとっても居場所となる教室や放課後等デイサービスと出合え、通い続けることができて良かったと心から感謝しています。イラスト/keikoエピソード提供/カプゴジラ(監修:鈴木先生より)保健センターの発達相談で半年待ちなど時間がかかる場合は、気軽にかかりつけ医に相談することをお勧めします。行けばすぐにでも話を聞いてくれる医者がそこにはいます。かかりつけ医が専門でなくてもどこかにパイプがあるはずです。それが医療連携です。特に地域の医師会に入っている先生であれば必ずどこの先生がそういう問題に強いかをご存じのはずです。ただ、専門の先生の外来も半年以上待つかもしれません。しかし、かかりつけ医からの紹介状があれば比較的早く診てくれる可能性はあります。これも医療連携なのです。各地域にはADHDや発達障がいの親の会があります。そういう場で同じ悩みを持った親同士の触れ合いができるのでこの機会に参加してみてはいかがでしょうか。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月13日TBS系日曜劇場 「ラストマン ―全盲の捜査官―」とコラボイベント!”目を使わないからこそ、できる”を体感する『ラストマン・イン・ザ・ダーク』ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」にて6月30日(金)まで開催Upload By 発達ナビニュース福山雅治さんが全盲のFBI捜査官を演じ、刑事役の大泉洋さんと共に難事件を解決していく話題のドラマ「ラストマン―全盲の捜査官―」(TBS系:日曜21時~)と、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティのコラボイベント『ラストマン・イン・ザ・ダーク』が、東京・竹芝のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」にて4月23日(日)~6月30日(金)まで開催されています。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、純度100%の暗闇の中を視覚障害者のアテンドの案内のもと、音、匂い、温度、手触りなど視覚以外の感覚をフルに研ぎ澄ませながら、人と人との関わりや対話(ダイアログ)を楽しむ体験型のソーシャルエンターテイメントです。1988年にドイツの哲学博士 アンドレアス・ハイネッケ氏によって考案され、世界47か国以上900万人を超える人が体験。日本では1999年に初開催し、これまで24万人以上が体験しています。今回のスペシャルコラボイベントは、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」がドラマの全盲所作指導として全面協力したことにより実現しました。「ラストマン―全盲の捜査官―」の世界を暗闇の中に一部再現。福山さん演じる皆実捜査官の過ごしている世界を実際に体験することができます。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、真っ暗闇の中で見ること以外の感覚を使い、驚きに満ちた発見をしていくと共に、対話を通してほかの参加者と協力し合うことで生まれる楽しさを感じられることも魅力。ドラマの撮影が始まる前、役づくりのために福山さんも同施設を訪れ体験したそうです。皆実捜査官の「目を使わない世界」を体感することで、ドラマがより一層楽しめることはもちろん、日々の生活のなかでも視覚障害がある人への理解を深めるきっかけになるのではないでしょうか。<詳細>期間: 2023年4月23日(日)~6月30日(金)場所: ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」東京都港区海岸1丁目10番45号アトレ竹芝シアター棟1F料金:大人3,850円(税込)/小学生1,650円(税込)※事前予約制(公式HPより予約)※体験は小学生以上が対象(保護者同伴が必須)※未就学の方は体験できませんチケット発売中所要時間・定員など:60分程度/1グループ8名様まで/1日最大24回開催(※日によって異なります)※クリックすると発達ナビのサイトから<ラストマン・イン・ザ・ダーク>のページに遷移します。宮沢氷魚さんが発達障害のある画家を演じる映画『はざまに生きる、春』5月26日(金)よりロードショーUpload By 発達ナビニュース宮沢氷魚さん主演、発達障害がある画家と女性編集者の恋の行方を描いた恋愛映画『はざまに生きる、春』が2023年5月26日(金)より全国の各劇場で順次公開されます。この映画は、出版社で編集者として働きながら自主映画を制作し高い評価を受けてきた葛里華 (かつ りか)監督による初のオリジナル長編作品。監督自身も過去に発達障害のある人に恋をした経験があったことが、この映画を撮るきっかけとなったそうです。宮沢氷魚さん演じる画家の透は、発達障害の特性から、自分の思ったことはそのまま言葉にし、感情を隠すことなく嘘をつけない。そんな真っすぐな透に惹かれていく小西桜子さん演じる編集者の女性・春。しかし、「誰かの気持ちを汲み取る」ということができない徹の言動に春は思い悩みます。「相手をもっと知りたい」と思う春の想いや、すれ違いを描くことで、人と人とのコミュニケーションの本質を問いかけてくる作品となっています。<劇場公開>2023年5月26日 (金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー※クリックすると発達ナビのサイトから<はざまに生きる、春>のページに遷移します。100個の質問で会話が弾む、おしゃべりOKの展覧会!『tupera tupera + 遠藤幹子 しつもんパーク in 彫刻の森美術館』2024年3月31日まで開催Upload By 発達ナビニュース箱根にある彫刻の森美術館では、絵本を中心に多彩な活動を続けるユニットtupera tupera(ツペラ ツペラ)さんと、NHK Eテレ『いないいないばあっ!』の空間デザインも担当する建築家の遠藤幹子さんが手掛ける『しつもんパーク』を2023年4月28日(金)から 2024年3月31日(日)まで開催しています。箱根の自然を活かし、国内で初めての野外美術館として1969年に開館した彫刻の森美術館。屋外展示には、近・現代を代表する彫刻家の名作約120 点が常設展⽰されています。また、ピカソ館をはじめとする室内展⽰場や、⼦どもたちが体験できる作品のほか、天然温泉の足湯もあり、年代を問わず憩いのひとときを過ごすことができる美術館です。この企画は、家族や友人、初めて会った人、みんなに聞いてみたい100の質問が書かれているワークブック『しつもんブック 100(tupera tupera著:青山出版)』をベースに、館内のさまざまな場所に設置されている“しつもん”に答えながら、彫刻の森美術館のアート鑑賞を楽しむことができる参加型展覧会です。メイン会場には、子どもたちが遊びを通して、色彩の美しさや造形の面白さを発見することを目的として遠藤幹子さんが設計した体験型アート作品を展示。また、tupera tupera(ツペラ ツペラ)さんの絵本の原画展示や、国内で出版した絵本を手に取り閲覧できるコーナーもあります。さらに、絵本やグッズが充実したショップのほか、カフェではオリジナルドリンクの販売も予定されています。たくさんのおしゃべりを通じて「人と人」、「人と場所」がつながることを目的とした楽しい展覧会。緑豊かなこの季節、箱根へこの機会にお出かけしてみてはいかがでしょうか。<詳細>日時:2023年4月28日(金) 〜 2024年3月31日(日)会場:彫刻の森美術館 (アートホール / ポケっと。 / 丸太広場キトキ / カフェ / 屋外展示場)開館時間:9:00 〜 17:00 (入館は閉館の30分前まで)休館日:なし (年中無休)料金:美術館入館料※美術館入館料についてはホームページをご覧ください※クリックすると発達ナビのサイトから<しつもんパーク>のページに遷移します。彫刻の森美術館ホームページベルリン国際映画祭金熊賞受賞!日仏共同製作のドキュメンタリー『アダマン号に乗って』4月28日より公開Upload By 発達ナビニュースドキュメンタリー映画の巨匠ニコラ・フィリベール監督最新作、第73回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金熊賞を受賞した日仏共同製作『ON THE ADAMANT(英題)』が、『アダマン号に乗って』の邦題で4月28日より全国上映されています。「アダマン号」は、パリの中心地・セーヌ川に浮かぶ木造建築の船で、精神疾患がある人たちを無料で受け入れるユニークなデイケアセンター。そこには毎日、桟橋を渡っていろいろな人がやってきます。本作は、そんな「アダマン号」での日々をそっと見つめ、優しい眼差しでとらえたドキュメンタリー映画です。「アダマン号」では、絵画や音楽、ダンスなど数多くのワークショップが行われ、創造的な活動を通じて、患者同士の結びつきや社会と再びつながることをサポートしています。そして、そこで働く看護師や職員らは患者の自主性を尊重し寄り添い続け、患者もスタッフも区別なく、誰もがいきいきと表現豊かに過ごすことができる場所なのです。フィリベール監督は、2021年から22年の数ヶ月間、このアダマン号に足を運び、この施設に通う人々をカメラ越しに見つめてきました。『アダマン号に乗って』の日本公開は当初、2024年春を予定していましたが、フィリベール監督の「日本の観客にいち早く届けたい」という強い思いと、金熊賞受賞後の国内外のメディアや映画ファンから大きな反響を受け、2023年4月のフランス公開から日を開けず、4月28日(金)から公開されることになりました。この機会にぜひ、ご覧になってはいかがでしょうか。<劇場公開>2023年4月28日 (金)より上映中ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開中※クリックすると発達ナビのサイトから<アダマン号に乗って>のページに遷移します。当事者としての経験をいかしてーー立命館大学の学生が発達障害児者支援アプリを開発Upload By 発達ナビニュース発達障害がある子どもが自分の特性を深く理解し、必要な支援を求められる力や、自らの力で自分自身を支援するスキルを身につけられるアプリ『Focus on』を、立命館大学産業社会学部3回生(休学中)の森本陽加里さんが開発しました。森本さんが『Focus on』の開発を始めたのは高校在学中から。背景には、森本さん自身も発達障害の当事者であり、その特性から学校生活に悩み、小学2年生から2年間、再び中学2年生で2度の不登校に。その苦しんだ経験から「発達障害の子どもたちが救われる環境をつくりたい」と、支援アプリ『Focus on』を立案しました。大学進学後もアプリ開発を継続し、学生起業家の登竜門と呼ばれる「キャンパスベンチャーグランプリ」大阪大会で最優秀賞、全国大会で日刊工業新聞社賞を受賞。立命館・社会起業家支援の仕組みを活用し、2022年末に一般社団法人の設立を果たしました。森本さんが開発した『Focus on』は、発達障害の子どもと「疲れ」について着目したアプリです。アラート機能付きの疲労度測定機能と自己支援記録機能が搭載され、子どもたちが「頑張りすぎて、ポキっと折れてしまう」状態を防ぐことができます。本人が記入した疲れや困りごとを安心できる人のもとへ伝え、また、本人が頑張りすぎないように伴走してくれる、まるでバディのようなアプリとなっています。※クリックすると発達ナビのサイトから<Focus on>のページに遷移します。【子どもたちのアール・ブリュット2023】おかざき世界子ども美術博覧館にて2023年9月24日まで開催Upload By 発達ナビニュース愛知県のほぼ中央に位置し、徳川家康の出生地としても有名な岡崎市にある「おかざき世界子ども美術博物館」にて、『子どもたちのアール・ブリュット2023』が2023年4月1日(土)~9月24日(日)まで開催しています。アール・ブリュットとは「生(い)きの芸術」という意味のフランス語で、芸術の教育を受けていない人たちによって制作された独自の概念を指す言葉として1947年ごろから用いられています。伝統や流行、教育などに左右されず、自身の内側から湧き上がる衝動のままに表現した芸術を示し、おもに障がいのある人たちによる造形活動が活発に展開されています。おかざき世界子ども美術博物館では、2021年度から障がいのある子どもたちの作品の常設展「子どもたちのアール・ブリュット」を開催。現在開催中の2023年度前期展示では、岡崎市内の特別支援学級、愛知県立岡崎聾学校、愛知県立岡崎特別支援学校、愛知県立岡崎盲学校、愛知教育大学付属特別支援学校に通う子どもたちが制作した作品を紹介します。どこまでも自由で、あふれる創造力で表現された作品の数々。障がいのある子どもたちのひたむきな表現活動に触れることで、アールブリュットを身近に感じる機会になるのではないでしょうか。<詳細>日時:2023年4月1日(土)~9月24日(日)休館日:毎週 月曜(5月1日、7月17日、8月14日など※9月18日は開館)※祝日は開館し翌平日休館(詳しくはホームページをご確認ください )開館時間:9時00分 ~17時00分(入館は16時30分まで)料金:無料会場:おかざき世界子ども美術博物館2F第4展示室※クリックすると発達ナビのサイトから<おかざき世界子ども美術館>のページに遷移します。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月12日障害のあるわが子と一緒にアウトドアを楽しみたいけれど…わが家はキャンプやバーベキューなどアウトドアで活動する機会が多いです。そんな私たち家族を見て、友人から「障害のある子どもを連れてのキャンプって大変じゃない?」と聞かれることもたまにあります。普通に生活するだけでも大変なので、それはもちろん「大変」なのですが、そんな中でも楽しく過ごせるようにさまざまな工夫をしています。Upload By みんまず、Pを連れてのキャンプでは、何よりも安全を重視しないといけません。キャンプ場によっては川や海が近くにあったり、急な段差など足場が悪いところがあったりと、自然の中では100%安全な場所は存在しません。Pは水が好きだし高いところも好きなので、キャンプへ行くとPから目を離す余裕は全くなく、私は常に周りを見ながら危険を予測、予防しながら過ごしています。Upload By みん自然の中は危険がいっぱい!何をどう注意すれば良い?それでも疲れたときやトイレに行きたいときなど目を離さざるを得ない場面があります。そんなときは必ず夫にPを見てもらうよう声をかけ、Pには安全のために車の中やテント、ハンモックの中で少しの間待ってもらうこともあります。小さいときにはハーネスも役に立ちました。また私たちの近くで過ごしているほかのキャンパーに迷惑がかからないように注意することも必要です。そのようなストレスを少しでも減らすために、キャンプ場を選ぶときはできるだけハイシーズンを避け、人が多く混雑しそうな人気のあるキャンプ場は、最初から選ばないようにしています。たとえ施設の設備があまり整っていなくても、人が少なくて安全な場所を選ぶようにしています。それでもどうしても大変そうな場合は、テント泊ではなくロッジやコテージ泊などを選択するのも良いと思います。偏食のわが子の食べものはどうする?持って行くおもちゃは?次にアウトドアでの食事ですが、偏食のPはキャンプで食べられるものが限られてしまうので、Pが食べられるパンやお菓子はもちろん、バナナやコーンフレーク、パウチゼリーなど常温で置けて食事の代わりになりそうな物をたくさん持って行っています。アウトドアに持って行くおもちゃも、いつの間にか落としたり無くしたりする可能性があるので、1番のお気に入りではない物を少しだけ持たせています。もし落としても探しやすいよう目立つ色や大きさの物、そして最悪無くしたとしても、またすぐに買える物を選んで持って行くようにしています。Upload By みんアウトドアで過ごすのは大変だけど経験を積み重ねると…キャンプに興味はあっても障害児を連れてはなかなかハードルが高く踏み出せないこともあるかもしれません。想像するだけでも大変なことのほうが多いですし、実際、楽しさより疲れが勝ってしまうかもしれません。でもわが家の場合、確かにかなり大変ではありましたが、幼いうちからキャンプに慣れさせて、外で過ごす経験やどんな場所でも寝る経験を積み重ねてきたからこそ、Pが7歳になった今では、キャンプへ連れて行っても幼いときほどのこまり感は減りました。Pの行動も大体予測できるようになったので、不安やストレスはかなり減り、私もキャンプをゆっくり楽しめる時間がつくれるようになりました。良い意味で親子共に年々アウトドアでの活動に慣れることができています。これからもPと一緒にアウトドアを楽しみたいと思います。Upload By みん執筆/みん(監修:新美先生より)キャンプなどアウトドア活動での工夫について、具体的な工夫を詳しく教えてくださりありがとうございます。キャンプ自体に慣れない人から見れば、危険も多そうなアウトドアにわざわざ連れて行かなくてもいいのではないかと一瞬思ってしまいがちですが、とてもしっかり対策をしたうえで家族で楽しまれているのは素敵だなと読ませていただきました。親やきょうだいのもともとの趣味や家族で楽しんでいた活動に、特性の強いお子さんを参加させるのには苦労もありますが、スモールステップで少しずつ慣れていき、さまざまな工夫をして一緒に参加できるようになれるのはとてもいいですね。特性の強い子どもがいるからと、あきらめずに、準備して工夫して安全を確保して、いろんな活動を広げていけるのは、親子ともどもに生活の充実になり大事なことだと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月12日発達が気になる子どもの悩み、ギモンに専門家が回答!発達が気になるお子さんを育てる中で、悩みやギモンがわいてくることもあるのではないでしょうか。発達ナビでは、保護者の方々のさまざまなギモンに専門家の先生が回答する企画を行ってきました!これまでのテーマは「癇癪」「睡眠障害」「就学」「二次障害」「不登校」「療育手帳」。専門家の先生に事例ごとに具体的にご回答いただいています。ぜひ参考にしてみてください!発達が気になるお子さんの悩みでも多い「癇癪」。日々の対応に困っていながらも、「病院にいっていいもの?」「薬を服用させるのが心配」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.発達障害のある子どもの癇癪(かんしゃく)にはどう対応したらよいでしょうか?事前にできる対策はありますか?Q.子どもが毎日ちょっとしたことで癇癪(かんしゃく)を起こし、親もヘトヘトです。どの程度から病院を受診してよいのでしょうか?Q. 癇癪(かんしゃく)がひどく、薬が処方されました。服用にあたって気をつけることはありますか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生の回答はこちらから!赤ちゃんの夜泣きがつらい、幼児期になっても寝つきが悪くて毎日寝かしつけが大変、小学生・中学生の昼夜逆転が心配…など睡眠に関してさまざまなお悩みがあると思います。また、起立性調節障害、ナルコレプシーなど睡眠障害に関わる診断名を耳にすることがあっても実際どういうものなの?とギモンに思う方もいらっしゃるかもしれません。睡眠の問題は生活習慣の問題だと思われることもあるかもしれませんが、発達障害と睡眠障害は併存していることが多く、眠れない原因の背景に睡眠障害が隠れていることもあります。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q:子どもが寝ないという理由で、病院にかかるとしたら小児科でいいのでしょうか。どんな小児科でも相談できるのでしょうか。Q:発達障害があり、睡眠障害を併存している場合、どのような治療法がありますか。必ず薬が処方されるのでしょうか。Q:中学生の子どもは、昼夜が逆転してしまっているような状態です。睡眠のリズムを取り戻すには、家庭でどのようなサポートができるでしょうか。さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!保護者も子どもも選択を迫られる就学先の問題。地域によっても通える学級・学校の種類や制度などが違ってくるため、就学先の基準や相談の仕方などに悩む方も多いかもしれません。発達ナビQ&Aコーナーでも全国からお悩みの声が寄せられています。発達ナビQ&Aコーナーに寄せられたギモンQ:情緒学級がある小学校が、住んでいる地域にありません。通常学級+通級、知的障害の特別支援学級、情緒学級のある小学校などで迷っています。何を基準に選んだらよいでしょうか。こちらの質問に対する発達ナビ会員の方の実体験をもとにした回答と、発達障害のあるお子さんの支援、臨床心理学の専門家である井上雅彦先生が解説する就学先を選ぶポイントはこちらから!発達障害の特性を理解されない、失敗して叱責される、不安な経験を繰り返すなどの経験を重ねることで、次第に自己肯定感が下がり、うつ病、不安障害などの精神疾患の合併や、不登校やひきこもりなどにつながることがあり、これを二次障害と呼ぶことがあります。子どもが二次障害の状態であるとき、保護者はどのように理解し対応していったらよいのでしょうか。例えばこんなギモンを児童精神科医の先生に質問!Q.落ち着いていられない・気が散ってしまう子への関わり方を教えて下さい(小学2年生・ASD、ADHD)Q.小5の男子(ASD、ADHD)です。登校の行き渋りがあります。同級生とのコミュニケーションが上手くいかない、勉強が楽しくないなどの理由があるようです。無理にでも学校に行かせるのか、休ませるのか、どちらが良いのでしょうか?Q.専門医に助言を求めたいのですが、本人が病院に行ける状況にない(行きたがらない)場合どうしたら良いでしょうか?(高校生、未診断。対人恐怖、睡眠障害あり)代官山やまびこクリニックの千村浩先生の回答はこちらから!「学校に行きたくない」子どもがこう口にしたとき、保護者はどう対応したらよいのでしょうか。また、不登校になったときの学校や社会とのつながりや、学習について、ゲーム依存への心配など悩みは尽きないと思います。例えばこんなギモンを臨床心理士・公認心理師の先生に質問!Q.子どもが不登校になった場合、学校とはどのように連携したらいい?Q.不登校が長期間にわたっている。保護者側もサポートに疲弊、このまま学校に行かなくていいのか、ひきこもりになるのではと将来が不安ですQ.不登校になり家でゲームをずっとやっているわが子。依存症にならないか心配臨床心理士・公認心理師であり東京都内のスクールカウンセラーでもある初川久美子先生の回答はこちらから!みなさんは療育手帳を取得していますか?発達ナビ会員のみなさんに療育手帳の取得の実態についてアンケートを実施しました!療育手帳を取得するとよいと聞いたけど、分からないことだらけ…という方もいらっしゃるかもしれません。例えばこんなギモンを行政書士・社会保険労務士の先生に質問!Q.発達障害がある場合は「精神障害者保健福祉手帳」しか申請できないのでしょうか?療育手帳は取得できますか?Q.療育手帳の対象は?取得に年齢やIQは関係ありますか?Q.療育手帳を取得するメリットってなんですか?親なきあと相談室主宰であり、行政書士・社会保険労務士の渡部伸先生のご回答はこちらから!医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類「診断書」。発達ナビ会員のみなさんにも診断書についてアンケートを実施しました!診断書は、どんなときに必要になるのでしょうか。例えばこんなギモンを小児科医の先生に質問!Q.子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?Q.診断書の費用は大体どのくらいですか?Q.診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?さくらキッズくりにっくの藤井明子先生のご回答はこちらから!みなさんのギモンをお待ちしていますこんなときどうしたらいいの?どこに相談したらいいの?ほかの人はどうしてる?など、これからも発達が気になるお子さんを育てるみなさんのギモンに具体的にお答えしていきたいと思っています。発達ナビ会員同士が質問・回答ができる発達ナビQ&Aコーナーでの話題の投稿に対して専門家の先生からコメントをいただくこともあるかもしれません。気になるギモン、お悩みなどぜひ発達ナビQ&Aコーナーへの投稿や、こちらの記事へのコメントでお待ちしております!コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年05月03日長男くんの発達障害について義母に知らせていなかったはちみつこさん夫婦。義実家へ遊びに行った際、義母からはなはな園(療育施設)について聞かれ、「習い事みたいなもんだよ」と機転を利かせて答えたパパ。しかし、「習い事なんて初耳!どんなことするの!?」と、義母の追求が止まりません。パパが「今度きいくんがいないときに改めて」と断るも、「きいくんとパパでドライブへ行って! ばあちゃんたちはおしゃべりしたいからお留守番してるね〜!」と、きいくんとパパを家から追い出し、はちみつこさんは義母と2人きりになって……!? 細心の注意を払いながら会話をするも、義母は……!? ドライブという名目できいくんとパパは締め出され、義実家にははちみつこさんと義母の2人だけ。義母が席に着くなり、「それで? きいくんがいろいろあったっていうのは?」と、いきなり核心を突いてきました。 物事が1〜10まであるとしたら、50まで知りたいのが義母。そのため、“自閉症スペクトラム”“療育”“発達障害”、これらのワードは絶対に出さないほうがいいと感じていたはちみつこさん。「実は……きいが保育園のお友だちに対して少し引っ込み思案というか、あまり言葉で言えないタイプみたいで……」「夫くんと話し合って、週2のペースで同年代のお友だちと触れ合う場所に行ってるんです」と、療育通いについて直接的な表現を避け、遠回しに説明しました。「あらぁ…そうだったの? それっていうのはね?」と、気になることを矢継ぎ早に聞いてきました。義母の質問にはちみつこさんが一つずつ答えて、約30分が経過。 「……そんなわけで、まだ心配な面はあるんですけど、夫くんと一緒にきいを見守っているのが現状です」と伝えました。 気になったことをすべて聞いた義母は「そうだったのねー! 最初は一体何事かと思ったけど、はちちゃんから話を聞けてよかったわぁ」と満足した様子。 しかし、余計な心配させずに済んだ感じかな……とはちみつこさんがホッとしたのも束の間。 「発達障害とかではないでしょ?」まさかのツッコミが入ってしまいました……。 ピンポイントで突かれた! こんなに気を付けながら会話していたのに、核心をつかれて焦ってしまいますね。 著者:マンガ家・イラストレーター はちみつこ
2023年05月03日自閉スペクトラム症(ASD)とは?自閉スペクトラム症(ASD)は発達障害の1つで、これまで自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などの名称で呼ばれていましたが、2013年にアメリカ精神医学会による、精神疾患の診断基準・診断分類「DSM-5」が出版されて以降、自閉スペクトラム症(ASD)/自閉症スペクトラム障害と呼ばれるようになりました。※この記事内では以下「自閉スペクトラム症」と記述します。自閉スペクトラム症(ASD)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の1つです。知的発達症(知的障害)を伴うこともあります。幼少期に気づかれることが多いと言われていますが、症状のあらわれ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。参考:(7)自閉症・情緒障害|文部科学省自閉スペクトラム症は生まれつきの脳機能障害です。乳幼児期の育て方によって発症するものではありません。自閉スペクトラム症の根本的な原因を治療することはまだ不可能と言われています。また、ひとことで「自閉スペクトラム症」と言ってもその症状は人によってさまざまなので、それぞれの特性や発達のペースに合った療育や支援、教育的な対応、合理的配慮、環境調整や本人の工夫などが必要になってきます。癇癪、衝動性、こだわりなど個別の症状に対しては、まずは環境の調整を行います。自閉スペクトラム症そのものを治す薬はありませんが、ある一定年齢以上であれば特定の症状に対して薬が処方される場合もあります。自閉スペクトラム症(ASD)と広汎性発達障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症との違いは?広汎性発達障害とは、アスペルガー症候群や自閉症などを含む障害の概念として使われていました。 DSM-5で広汎性発達障害の名称は「自閉スペクトラム症」の診断名に統合されました。アスペルガー症候群は広汎性発達障害の1つとして定義されてきました。知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものがアスペルガー症候群に分類されていました。DSM-5でアスペルガー症候群の名称も「自閉スペクトラム症」の診断名に統合されました。参考:参考3定義と判断基準(試案)等|文部科学省高機能自閉症は自閉症の中で「知的発達の遅れを伴わないもの」を指す概念として使われていました。高機能自閉症と アスペルガー症候群の違いは、発達の初期の言葉の遅れの有無であり、遅れが見られたものを「高機能自閉症」と分類していましたが、明確な違いはないという指摘もありました。DSM-5で高機能自閉症の名称も「自閉スペクトラム症」の診断名に統合されました。参考:参考3定義と判断基準(試案)等|文部科学省Upload By 発達障害のキホン自閉スペクトラム症(ASD)と併存しやすい症状自閉スペクトラム症はさまざまな併存症があると言われています。約70%以上の人に1つの精神疾患が、40%以上の人に2つ以上の精神疾患があると言われています。知的発達症(知的障害)、ADHD(注意欠如・多動症)、発達性協調運動症(DCD)、不安症、抑うつ障害、限局性学習症(学習障害、LD)、場面緘黙症(選択性緘黙)などが併存することがあります。参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について|e-ヘルスネットADHDとは、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状が見られる発達障害のことです。限局性学習症(学習障害)は知的発達に遅れがないものの「読む」「書く」「計算する」などの能力に著しい困難を示す発達障害のことです。医学的な定義では限局性学習症は上記3点の困難を指しますが、文部科学省での定義は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」の5点を指し、定義に若干の違いがあります。参考:学習障害(限局性学習症)|e-ヘルスネット参考:学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について|文部科学省発達性協調運動症とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。別名、不器用症候群とも呼ばれていました。知的発達症(知的障害)とは、発達期までに生じた知的機能障害により、認知能力の発達が全般的に遅れた水準にとどまっている状態を指します(発達期とはおおむね18歳までを指し、それ以降に事故や病気などで知的機能が低下しても、知的発達症とは言いません)。場面緘黙症(選択性緘黙)とは、たとえば家庭では問題なくおしゃべりができるのに、幼稚園や学校、公共の場など特定の場面で「話せない」状態をいいます。自閉スペクトラム症のある子どもとの生活の様子は?特選連載コラム自閉スペクトラム症のあるお子さんをもつ発達ナビの連載ライターさんの厳選コラムをご紹介。「あるある」と共感したり、今の悩みを解決するヒントが見つかるかも…?大人の自閉スペクトラム症の仕事での困りごとなど、関連コラム自閉スペクトラム症のある人が大人になると、仕事面で困ることが多くなってきます。自閉スペクトラム症のある人は得意、不得意がハッキリしていることが多いので、自身の得意分野をきちんと理解して自分に合った職や対処法を探すことが重要になってきます。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月28日発達障害のある子どもの「見通し不安」は日常や学校生活でも発達障害があるお子さんやそのご家族の中には「急な予定変更が苦手で、癇癪を起こしてしまう」「見通しが立たないと強い不安を覚え、パニックになってしまう」など「見通し不安」でお悩みの方も多いのではないでしょうか。発達ナビのQ&Aコーナーでも「見通し不安」に関する相談や疑問が数多く寄せられています。「見通し通りにいかないとパニックになります。これはASDの特性?」「『〇〇されたらどうしよう。××と言われたらどうしよう』などと何かを始める前から不安が強い子どもにどう接したらいいのでしょうか」「行事があるごとに『見通し不安』になる息子、学校にどう相談したらいい?」「見通しが立たなくなると、衝動的に廊下に飛び出してしまうことがあります。学業に支障をきたすので、困っています」このコラムでは、見通し不安にまつわるギモンから、見通しが立たないことによるお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【Q&A】「見通し不安」はどう対応したらいい?学校にサポートを求めるべき?発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。見通し不安に関する質問とその回答をご紹介します。(質問)ADHDとASDがあります。自分がある程度立てた見通し通りにいかないとパニクるのですが、これはASDの特性ですか?それとも誰にもある事ですか?こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(回答)ADHD、発達障害当事者です。わかりますよ~パニックになりますよね。私の場合は、実際にパニック発作が起きてしまったり(脂汗だらだら、体が熱くなって呼吸もしづらく、頭がぐわんぐわんして吐きそうになる…など)、頭が真っ白になってフリーズしたり、誰かと一緒にいるときにそのような状況になると口汚く当たり散らしたり(完全に八つ当たり)してしまいます。(略)主治医によると、上記のようなパニックを起こさないよう予防するのはとても難しく、パニックを起こしてしまったことへの後悔に気を取られたり、変なこだわりが出てきてしまって対処がしづらくなってしまうので、「起こしてしまったものはしょうがない。その後のフォローをしっかりすれば周りも理解してくれるし、対処に集中できる。」とのアドバイスをいただきました。(略)質問)私の息子は4月から保育園と発達教室が進級した関係で変わりました。4月からの環境もガラリと変わったせいか、いまだに保育園と教室へ行くのを拒否します。朝起きたら、行かない嫌い行きたくないの一点張りで支度も満足にできません。(略)本人を背負って車にとりあえず乗ってもらっても脱走する恐れがありロックはもちろんかけているのですが後部座席からボンボンフロントガラス目掛けて物を手当たり次第投げ散らかしてきたりもします。(略)無理やり行きたくない場所へ連れて行かれる、と意地になっているのかもしれません。環境に適応するのは時間がかかると覚悟はしていますが、「あとどれくらい」とかの見通しが立たない中で若干、焦ってもいます。何か成功例などありましたら、是非お聞きしたいです。宜しくお願いします。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。(回答)4月からとなると、そろそろ慣れて欲しいという気持ちになりますよねなお、お子さんおいくつですか?イヤイヤ期も関係しないかなというのが気になった点です。もし、知的の要素もあるならば、イヤイヤ期が2歳ではなく、4-5歳ででる場合もあります。その場合は、ひとまず寄り添いそうつつ、毎日のルーチンに慣れて行くように生活の型を作っていくと少しずつ収まっていくのかなと思います。(略)ウチの長男は、不安感が強くて保育所時代は本当に大変でした。。見通しを立てることと、毎日出来るだけ生活を崩さないようにしても、保育所のちょっとした出来事や行事などで気持ちが崩れやすかったりしました。お子さんが癇癪を起こすのにも、年齢がいくにつれて収まる可能性があるかと思いますが、お子さんなりの理由があると思います。もし、日常的な生活で判りにくいならば、ペアレントトレーニングなどを受けることで、ご自身のお子さんの観察の仕方、接し方なとを知るのも1つの方法かと思います。私自身は、ペアレントトレーニングや自分自身のアンガーマネジメントをすることで、かなり対処がしやすくなりました。(略)見通し不安に関するギモンと体験談をもとにした回答をご紹介いたしました。聞いてみたい質問があればぜひQ&Aコーナーに投稿してみてください!【小児科医に聞く】どうして「見通し不安」になるの?対応のコツや学校への配慮の求め方ここまで発達ナビのQ&Aコーナーに寄せられたギモンを中心にご紹介しました。ここでは、小児科医の藤井明子先生に見通し不安になる原因や、家庭や学校での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)発達障害のあるわが子は、見通しが立たない状況に不安になり固まってしまったり、癇癪を起こすことがよくあります。どうして「見通し不安」になるのでしょうか。成長していけばなくなるのでしょうか。(回答)A.発達障害の特性の一つに、先を見通して、その状況に応じて臨機応変に対応するのが苦手ということがあります。また、特定の感覚の過敏さのために、特定の行動パターンや環境へこだわりを認めることもあります。行動パターンや環境の変化に、対応するのが難しいことで、不安を生じます。感覚の過敏さへの対策をすることで、こだわりが和らぎ、パターンの変化にも、柔軟な対応ができるようになっていくこともあります。そのためには、事前に見通しを立てた声かけと、生じうる変化について、前もって知らせておくのも大切です。Upload By 発達障害のキホン(質問)息子は「予定通り」にこだわりがあります。普段生活しているうえで少しでも予定通りからはずれてしまうとパニックを起こしてしまいます。ルーティンはどこまで許容していいものなのでしょうか。(回答)A.どこまで許容していいかの線引きはお子さんの特性や、状況によって違ってきます。日々のルーティンも、環境の変化によって変えざるをえないときもあります。年度替りで、園の先生やクラスの場所が変わったり、引越しで登園時間が変わったりなどで、ルーティンを変えざるをえないこともあります。その場合には、ルーティンの10分の1ずつというスモールステップで、少しずつ変化させてならしていくことをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)来年度、入学式を控えています。不安になりがちな娘が初めての場所で、慣れない行事に参加することが今から不安です。事前に準備しておけることなどはありますか。(回答)A.入学式だけでなく、運動会、お遊戯会など、普段と違うイベントで、不安を感じられるお子さん、親御さんの相談はよくあります。入学式の場合には、学校の先生に事前に相談し、入学式の会場や、座る場所、式の長さなどを聞き、工夫できることはないか、先生と一緒に考えられると良いと思います。事前に会場を見るだけで、本番の参加は全く問題なくできるというお子さんもいました。お子さんの特性に合わせて、座る場所も隅の落ち着きやすい場所、式の全てに参加が難しければ、途中で退出するなどの工夫ができないかなど、相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)運動会や遠足、宿泊学習など、楽しみにするお子さんもいると思うのですが、うちの子はそういった学校行事がある度にとても不安になってしまいます。たびたびなので対応にも悩んでいます。学校にはどのように相談したらよいでしょうか。(回答)A.まずは、不安な気持ちを言葉で表せるお子さんは、不安な気持ちを言葉で出したことを、否定せずに受け止めましょう。親御さんに、気持ちを受け止めてもらったことで、不安な気持ちがありながらも、参加してみようと意欲がでるお子さんもいます。そして、参加ができたら、不安があったけれど、参加できたことに注目して、声をかけましょう。学校へは、お子さんにどのような工夫をしたら、不安が軽減できるのかを相談すると良いでしょう。行事のプログラムを、視覚的に見える形にしておき、プログラムが進むごとにシールを貼って、進捗状況を分かるようにする。参加時間を短くしてもらう。不安が強すぎる場合には、補助の先生や、親御さんが一緒にいることができるようにする。お子さんによってできる工夫はさまざまかと思います。Upload By 発達障害のキホン見通し不安にまつわるコラム発達ナビに掲載されている見通し不安にまつわるコラムをご紹介します。不安が強いお子さんの対応で大切なのは「事前の声かけ」「気持ちを受け止めること」発達障害のあるお子さんでお悩みの方も多い「見通し不安」。特性により臨機応変が苦手であったり、感覚の過敏さなどからこだわりを生じ、変化に対応するのが苦手であるなどから不安につながることがあります。「見通し不安」が強いお子さんには、事前に見通しを立てた声かけと、生じうる変化について、前もって知らせておくことが大切です。園や学校の行事など普段と違う状況で不安になるお子さんも少なくはありません。お子さんが不安な気持ちを言葉で表した場合、まずは不安な気持ちを言葉で出したことを、否定せずに受け止めましょう。受け止めてもらえたことで、「やってみよう」と思えることもあります。お子さんの特性や状況によって、できること、対応したほうがよいことはさまざまではありますが、事前に園や学校に相談することで対応ができることがあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月27日『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』の商品開発モニターを担当しました。今回、発達ナビ×フェリシモコラボの、発達が気になるお子さんや保護者さまが便利で快適に過ごせるためのグッズづくりに参加させていただきました!私は『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』の商品開発モニターを担当しました。財布やカギ、スマホやハンカチなどをひとまとめにし、バッグの中で迷子になることを防ぐバッグインウォレットです。「かばんを変えると財布を忘れてしまう」「ハンカチがかばんの底でぐちゃぐちゃになってしまう」などのお悩みを元に考えられた商品です。メッシュ素材で中身が見やすいのはもちろん、かばんの持ち手に取りつけられるので、取り出しやすく、忘れる心配がありません。指を掛けやすい金具のファスナーを引くと、がばっと開いて中が一目で見渡せるじゃばら型になっています。普段から大切なものをまとめて入れておけば、バッグを変えても忘れ物を防ぐことができます。Upload By 丸山さとこ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します財布やカギなど「外出に必要な持ち物」を忘れがちな私と息子が使ってみたら…!私と息子のコウはASDとADHDがあります。財布やカギなど外出に必要な持ち物を忘れがちで、バッグを入れ変えたときなど「あっ!財布忘れてる?」「スマホ…充電したままだ!」と出先で冷や汗をかくこともしばしばです。Upload By 丸山さとこそんな私とコウが忘れがちな「財布・カギ・スマホ」の3点をひとまとめにできるアイテムが『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』です!名前の通りメッシュ素材で中が見やすいため、カギやスマホを持っているかどうか一目瞭然でとても便利です。特に、財布とカギが一体化できるところが素晴らしいと思いました。Upload By 丸山さとこ考えてみれば、自宅の中でも持ち歩いて使うスマホと違い、カギと財布は基本的に外出中しか使わないものなので、一緒にしておくことは理にかなっているわけで…。「私はなぜ、今まで鍵と財布を分けていたのだろう?」と思いました。また、しっかりしたメッシュ素材でガバっと大きく開くのも、中が見やすくて使いやすいです。開けるときも大き目リングで指をかけやすく、微細運動が少し苦手な息子は「使いやすいね~」と喜んでいました。Upload By 丸山さとこ財布やカギは家に忘れてくると大変困るものなので、私にとって「忘れ物」は自覚しやすい困り感の一つです。一方、「大事なものがかばんの中で迷子になること」は探せば見つかるからか、「よく迷子になるんだよね~」と思いつつ今まであまり気にしていませんでした。ところが、今回モニターとして『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』を試させていただいた結果、「持ってるはずなのに?」と慌てずにいられることで減るストレスは大きいのだな…と感じるようになりました。日常にある小さな不便やそれに伴うストレスは自覚しにくいことがありますが、それをさりげなく解消してくれる便利なアイテムを使うことで、楽になることはたくさんあるのだろうなと思いました。Upload By 丸山さとこ『中が見えて取り出しやすいメッシュバッグインウォレット』は、その名の通り「中が見えてかばんから取り出しやすい」とても便利なウォレットでした。しっかりしたメッシュ素材でポーチのように大きくつくられたウォレットは、お財布もカギもスマホもパスケースも全てまとめてくれます。大事なものをオールインワンで持ち運べる安心感は、一度体験してみると「あっ、ストレスが違う!」と分かるかもしれません。かばんの中で大事なものを迷子にしやすい方、財布やカギを忘れてしまうことがある方におすすめのアイテムだと感じました。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月26日診断書とは?発達障害のある子どもの保育園、幼稚園、学校や受験での合理的配慮に必要?療育を受けるのに必要?診断書とは医師が患者の病名、症状、診断した内容などを記した書類です。発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)がある子どもの場合、診断書を提出することによって手帳の取得ができたり、幼稚園、学校、受験での合理的配慮を受けやすくなったりなどさまざまなメリットがあります。18歳未満の子どもの場合、発達障害の診断書が必要になるのは「精神保健福祉手帳」の取得や「特別児童扶養手当」の受給の際になります。児童福祉法に基づくサービス(療育など)の利用や、通級指導教室、特別支援学級の入級、特別支援学校への入学の際にも診断書が必要になる場合があります。合理的配慮を受けるために必ずしも診断書が必要な訳ではありませんが、学校などで合理的配慮を受ける際に診断書や病状の詳細が記載された診療情報提供書があると、どのような支援が必要になってくるのか学校側で連携しやすくなるというメリットもあります。また、「障害者差別解消法」の施行により、障害がある人が受験をする場合、個別面接、個別受験、問題文の読み上げなど負担が重すぎない範囲で配慮することが国公立の学校には義務づけられました。このような配慮を受ける場合にも、医師の診断書や診療情報提供書などを連携することがあります。参考:日本の特別支援教育の状況について|文部科学省障害者総合支援法によるさまざまな福祉サービスを受けるためには、診断書とは少し違いますが、「医師意見書」が必要になります。参考:医師意見書記載の手引き|厚生労働省発達ナビユーザーに診断書についてアンケートを取りました!学校や受験での合理的配慮、児童発達支援の利用、保育園の加配…「診断書をとったきっかけ」「診断書で変わったこと」ほか、発達障害がある子どもの保護者のリアルな声発達ナビでは2023年3月27日から4月9日の期間、で『「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!』として診断書についてのアンケートを実施しました。結果は「子どもが未就学時代に診断書を作成したことがある(36%)」「診断書を作成したことがない(34%)」と僅差で未就学時代に診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。それに続き「子どもが小学校時代に診断書を作成したことがある(21%)」という結果になり、お子さん比較的小さいころに診断書を作成したことがある方が多い結果となりました。「診断書」どのタイミングで取得した?診断書について知りたいことなどエピソードを大募集!Upload By 発達障害のキホン1歳7カ月(確定診断と同時)で作成しました。公立療育に通うために、受給者証が必要だったためです。現在は診断書がなくても通えるのですが、当時(約20年前)は診断書が必要でした。(あまだれさん)療育を受けるための受給者証を取得するため作成してもらいました。(夜子さん)最初は保育園で加配の先生をつけたいから取得してほしいと言われ。今は療育に通うために使ってる会社の介護支援制度申請のため年1回取得してる。(はまこ茶さん)入学時に支援級希望しており、診断書が必要だったので。(あきっちさん)療育手帳取得のため診断書を書いてもらいました。(まろさん)未就学児時代の診断書は「療育の利用」「保育園での加配」「特別支援学級入学」などで診断書を取得される方が多いようでした。学校への対応を親だけでは学校が固くて無理だったのでぶつかるよりはとドクターの知恵をお借りしました。(梛丹さん)小2の時にいよいよ特性が目立つようになってきて、服薬治療の必要を感じたのと、次年度(小3)を支援級にするか通常級のままで行くか決めるための判断材料も欲しくて、診断を受けました。(sacchanさん)読み書きに困難さがあり、授業でのデジタル教科書の使用を学校に相談するため、診断書を書いてもらいました。(kazehimeさん)小学校時代の診断書は「通う学級の判断」や「小学校での合理的配慮」などで診断書を取得される方が多いようでした。診断書が必要になる機会がなかったので1度もないです。病院とのつながりはあるので、必要になれば書いてもらえる環境ではあります。(夢野途中さん)診断名としては聞いていますが、今のところ提出が必要なことがなかったので未作成です。4月から小学生ですが、就学支援シートに幼稚園の先生、療育の先生から対応の詳細を書いてもらい提出しました。(AAAさん)診断書を作成したことがない方の多くは「必要な機会がない」とのことでしたが、取得の環境を整えたり、診断書でなくてもお子さんの詳細を学校に提出したりなど、できる準備をしていると安心してお子さんも過ごせそうです。ここまで診断書についてのアンケート結果を発表してきましたが、ここからは気になる「診断書」についての疑問を小児科医の藤井明子先生に回答していただきます。Q:子どもの診断書はどこでもらえるのでしょうか?発達障害などに関する診断書でしたら、診断した病院へ依頼が良いでしょう。直近に受診したことがなければ、かかりつけの小児科や児童精神科、小児神経科に依頼をしてみましょう。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書の費用は大体どのくらいですか?同じ病名の診断書でも、費用は各病院によって違います。また、医療保険対象外になりますので、費用は全額自己負担となりますのでご注意ください。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書にはどのような情報が記載されていますか?どこに使う診断書かによって必要な情報が追加されたり、逆に不要な情報は省略されることもあります。診断書作成依頼の際に医師と相談しながら必要な情報をすり合わせられると良いですね。・園へ加配申請をする場合の記載例診断名に続き、集団生活において個別的な声掛けなどの支援を要するため、加配職員の配置が望まれる、などの所見を記載します。(ただし、診断書を出しても、加配職員が手配できない園もあるので、提出の前に園や主治医と相談しましょう)・学校へ現在通院中であることを伝える場合の記載例診断名に続き、現在の薬などの治療内容、通院頻度を記載します。Upload By 発達障害のキホンQ:子どもに発達障害があり合理的配慮を受けるために詳しく書いてほしい部分があります。医師に希望を伝えても大丈夫でしょうか?診断書は医師が問診内容や検査の結果を元にして書きます。問診外や検査外のことは書くことができないので、保護者の希望に沿えない場合もあります。発達障害の併存疾患には知的障害・てんかん・睡眠障害などがありますが、これらの合併症についての対処法などは、診断書ではなく、診療情報提供書などで情報提供を行うことが多いです。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書の作成期間は大体どのくらいですか?一部の書類は即日で作成できることもありますが、診断書の内容によっては時間がかかる場合もあります。提出期限などがある場合は余裕をもって依頼をすると安心ですね。Upload By 発達障害のキホンQ:診断書を作成してもらえない場合もあるのでしょうか?また、特別児童扶養手当、精神保健福祉手帳の診断書を、該当機関に提出しても、申請が通らない場合があることも理解しておく必要があります。診断書は「現在の症状の様子」で作成をします。過去に診断や症状があった場合でも、現在症状がない場合には診断書が作れないこともありますのでご注意ください。Upload By 発達障害のキホン診断書についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月26日娘が通っていた『高等特別支援学校』2015年、娘は高等特別支援学校に入学しました。そこは卒業後、進学ではなく就労を目指す学校だったので、国語、数学、英語、理科、社会などの授業はありましたが、定期テストの内容は大学や専門学校の受験に向けたものではなく“社会に出たときに必要なこと”が出題されていました。入学希望者対象の学校説明会でも「この学校が『就労を目指す学校』ということを、本人が理解していることがとても重要です」と説明がありました。たとえ学力が高くても、本人が就労を希望していなければ学生生活はつらいものになってしまうからです。実際、娘の同級生の中には入学してほどなく学校を辞めた生徒もいました。逆に本人に“卒業後は就労したい”という確たる気持ちがあれば、多少苦手な教科があっても高等特別支援学校の入試にはそれほど影響はないように感じました。入学後コースを選ぶ娘の学校では、2年生になると生徒が1.オフィス系2.清掃系3.食品生産系の中から希望のコースを選びます。そして2年生の間は自分の適性を知るための実習を受け、3年生になると企業での就労体験実習や就労試験実習を受けます。娘はオフィスコースを選択したので、事務系の職場実習をいくつか受けました。本人の適性や求人の兼ね合いもあり、オフィスコースを選んだ生徒の全員が事務系の職種に就いたわけではありませんが、卒業式までには全員の就職先が決まりました。卒業して4年後、クラスメイトはどうしているのか卒業後、娘は同じコースの同級生たちと定期的に集まり、近況報告を兼ねた食事会をしていました。食事会はコロナ禍でしばらく中止になっていましたが、感染状況が落ち着きはじめた2022年後半に再開されました。そのとき、同じ会社で働き続けていた同級生は1/3ほどになっていたそうです。Upload By 荒木まち子仕事を続けている人の中には契約社員から正社員になった人もいたそうです。一方で退職後、新たな職場を自ら探して再就職した人、退職して学び直しをした人、作業所に通っている人、家で過ごしている人などなど、皆それぞれの道を歩んでいるとのことでした。ほかのコースの生徒さんのことは分からないので一概には言えませんが、それでも娘から話を聞いて、私は職場の定着率は決して高くはないと感じました。娘の学校の卒業生の就職率はほぼ100%に近いです。でも就職率と継続率(定着率)は別物です。娘の通っていた学校の場合、卒業後に学校から支援を受けられるのが「3年間」となっていることも、この結果に影響しているのかもしれません。障害のある人が安心・安定して働いていくための課題退職の理由はそれぞれですし、娘世代は少なからず新型コロナの影響も受けているかと思います。発達障害の特性は千差万別です。社会人になり、トラブルや困りごとの内容がさらに多様化しているように感じます。娘は在学中にレジリエンス(ストレスを受けても折れない心)についても学びました。でもその力が身につくまでの時間には個人差があります。経験値の少なさもネックになっているのでしょう。高校卒業時に“こんな職に就きたい”という明確なビジョンを持っている子どもの割合は定型発達でも多くはありません。『高校卒業→即就職』は、成長がゆっくりな発達障害のある子どもたちにとってはなおさら難しいのかもしれません。実際、娘も休職中で今後のことに不安もあります。障害のある人が安心・安定して働くにはどうしたら良いのか、何が必要なのかを、余暇支援も含めて長いスパンで多角的に考えていかなくてはならないと実感しています。執筆/荒木まち子(監修:渡部伸先生より)働く障害者は年々増加していますが、離職率の高さは大きな課題ですね。特別支援学校では、卒業生の就労先企業への訪問など、職場定着のための支援を行っていますが、どうしても支援の期間は限られます。なるべくスムーズに地域の障害者就業・生活支援センター(通称なかぽつ)などに引き継いで、継続的に支援を受けられる体制を整えてもらうことが大切です。ただ、必ずしも同じ職場で働き続けることが良いとは限りません。仕事内容や同僚との相性が悪く、本人がつらい状況に置かれている場合は、いったん退職して、ハローワークや就労移行支援事業所などを利用して再就職を目指してもいいと思います。この就労移行支援事業所は、特別支援学校卒業後に利用して、就労に必要な知識や能力を高める訓練を受けることもできます。また、必ずしも企業就労にこだわらず、就労継続支援A型やB型といった福祉的就労も選択肢になるかもしれません。大切なのは、本人が安心できる居場所であることだと思います。いろいろと考えさせられるエピソードでした。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月20日遊び感覚で楽しく取り組めるーー『ワーキングメモリがぐんぐんのびるワークシート学習の基礎をつくる記憶機能トレーニング』「ワーキングメモリ」とは、目や耳から入ってくる情報を脳に一時的に留めておきながら、同時に考えるなどの働きをする機能のことです。ワーキングメモリに弱さがあると、「忘れ物が多い」「授業で先生の指示をすぐに忘れてしまう」「読み書きや計算が苦手」など、正式に学習が始まる小学校入学後にさまざまな問題が生じてきます。本書は、小学校入学前からワーキングメモリを楽しく鍛えることを目的とし、ワーキングメモリ理論に基づいた教育支援の第一人者である湯澤正道さんが、実際にこれまでの子どもの支援で使用してきた教材を一般の家庭や支援現場で幅広く使用できるようにしたものです。言葉や数などの音声情報を扱う「言語編」、ものの位置や形など視覚情報を扱う「視空間編」の2種類で構成された本書は、子どものつまずきに合わせて519枚のワークシートがあり、添付のCD‐ROMからプリントアウトし繰り返し使用できます。さらに、ワークシートごとにねらいや詳しい解説がついており、保護者や先生など支援者が活用しやすい工夫がされています。就学準備で学習に不安がある、小学校入学後に学習や生活でつまずきを感じている子ども、子どもが楽しんで取り組む教材を探している保護者や先生におすすめのワークブックです。イライラ・不安・パニックを減らす100のスキルを厳選ーー『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全』本書は、元小学校教諭である著者の小嶋 悠紀先生が20年近い教育現場での実践から、あるいは海外での視察などを通じて磨きあげた特別支援教育のスキルのなかから、基本的な100の技術を厳選し、文章とイラストで解説した作品です。落着きなくすぐ動く、暴言で反抗する、私語が多すぎるなど、大人が適切なサポートを知らないばかりに「わがまま」「乱暴」だとみなされ、孤立し傷ついている子どもたち。本書では、発達障害のある子どもが見ている世界・感じていることの共有から、上手に支援するための目のつけどころと原則を紹介。「ほめるときのポイント」「こだわりとの向き合い方」など、子どもたちへの「声のかけ方」や「接し方」、アセスメントの方法がケースごとに具体的に記されています。さらに、発達ナビでもコラムを執筆されている漫画家かなしろにゃんこ。さんのイラストや漫画によって、誰にでもわかりやすく描かれています。発達障害やグレーゾーンなど、これまで2000人を超える人の支援に関わってきた特別支援教育のエキスパートが送る「支援スキルの大全集」。学校や家庭で、困りごとを抱えたお子さんをサポートする方々にとって、手元に置いておきたい一冊となるのではないでしょうか。当事者の生きづらさを告白ーー『家族から放置されて発達障害に気づかないまま大人になりました』発達障害は病気ではありませんが、その特性に本人とその家族が気づかないまま育った場合、精神的なストレスが重なり、精神障害を発症してしまうことがあり、それを「発達障害の二次障害」や二次的な問題と呼ぶことがあります。本書は、生きづらさを抱えたまま30歳を過ぎてから発達障害と診断された主人公ネコゼさんの自伝を原作に、『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』の著者モンズースーさんが漫画化した実録コミックエッセイです。「渋る母をどうにか説得して精神科受診を許してもらえた嬉しさは、高校に合格したときよりも大きかった」。物心ついたころから両親の関心は常に障害がある兄たちへと向けられていました。定型発達であると思われていたネコゼさんは「普通の子」と両親から呼ばれ、兄たちの世話を任されることも多く、常に我慢を強いられ育ちました。しかし、彼女自身も小学3年生のころから「繰り返し手を洗う」「男性とすれ違うことができない」といった、発達障害の二次障害である「強迫性障害」の症状に悩み苦しみ続けていましたが、もちろん両親は知る由もなく…。学校生活、高校受験、初めてのアルバイト、仕事など、自身の特性に気づかぬまま生活する当事者の生きづらさがリアルにつづられた本書は、医師の解説も記され発達障害の理解を深めてくれ、自分らしく生きようとするネコゼさんにエールを送りたくなる内容です。もし周りにネコゼさんのような人がとしたら、親や祖父母、友人、職場の人など、それぞれの立場で「私に何ができるのか」と、考えるきっかけを与えてくれるのかもしれません。特別支援教育の視点を取り入れた学校全体の変化ーー『私学流 多様性をインクルージョンする「個別最適な学び」につながる取り組み』文科省の最新調査では、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒は、小中学校では8.8%、高校では2.2%ということが明らかになりました。支援を必要とする児童生徒の増加とともに、個々の生徒に丁寧にかかわり育てる私学に、特別な教育的ニーズをもつ生徒や保護者から期待が集まっています。本書では、特別支援教育の視点を取り入れ注力する私立中高5校を取り上げ、一人ひとりの生徒の多様な特性に応じた指導の具体例、学校全体で実際に起こった変化を紹介し、私学における特別支援教育の新たな可能性を示しています。私学における特別支援教育の現状と課題の共有から始まる本書は、対人関係面・行動面へのサポートを受けられる仕組み作りや、ITCを活用した学習面の支援、学校全体での支援体制構築と教員の意識変化など、生徒一人ひとりに「個別最適な学び」を提供するための指導の工夫や学校運営の取り組みがまとめられています。今まで通りの指導では難しいと感じている学校現場の先生にとって、合理的配慮の提供の道筋が見えるのではないでしょうか。また、私立中高への進学を検討している生徒や保護者にも進路選択の参考になる一冊です。小学校6年間で書くことの力を育もうーー『「まったく書けない」子の苦手を克服!教室で使えるカクトレ』学年区分別シリーズ令和3年度に実施された全国学力・学習状況調査の記述問題(意見文)の正答率は56.7%、無回答率は9.7%という結果に。これは、10人に1人の児童が「全く書けない」という状況であることを表しているともいえるでしょう。「書けない」子どもたちの共通点は、そもそも「書き方が分からない」ことが多いと考えられます。本書は、低学年・中学年・高学年と3区分で構成され、学年に応じた「子どものつまずき」を分析し、「書けるようになる」ための指導ポイントをまとめたワークブックです。低学年では「観察分と日記」を、中学年では「報告分と手紙」を、高学年では「意見書や随筆など」が書けるようになることを目指し、小さなステップアップを繰り返しながら小学校6年間で書くことの力を育めるようにまとめられています。学習指導要領との対応も明記されているので、宿題や朝学、通級などの課外教室でも取り入れやすく、ワークはコピーやダウンロードできるので繰り返し使用できます。また、本書には全学年が一覧となった「書くことのロードマップ」も記載。子どもの理解度やつまずきに合わせて、学年をまたぎ使用することが可能です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2023年04月15日『中が透けて見える収納メッシュボックス』とは?中が透けて見える収納メッシュボックスは、何が入っているかが一目瞭然!全面メッシュ素材の”隠さない”収納ボックス。「見えなくなると(隠れると)中身を忘れてしまう」という声から生まれたアイテムです。位置調整できる仕切りや、クリアポケットがついているので、中身の内容・名前などを書き込んだカードを入れると家族で使い分けもできます。持ち運びしやすい持ち手つきです。Upload By 寺島ヒロ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します見えなくなると忘れちゃう!フタつきのものが苦手私は、自閉スペクトラム症(ASD)からくる特性のためか、「見えていないものをすぐ忘れる」という特性があります。すぐ忘れるというのがどれだけすぐかというと、「鍋にふたをすると何を煮込んでいたか忘れる」レベル。自覚は薄いのですが、おそらくワーキングメモリに問題があるのでしょう。冷蔵庫のドアも開けるのを忘れて、食材を無駄にしてしまうので、引っ越しを機に家に置かなくなりました。『中が透けて見える収納メッシュボックス』をわが家で使ってみたら…!そんな私の困りごとに、この『中が透けて見える収納メッシュボックス』はぴったり!どこと置き場所の決まっていない物をぽんぽんと放り込んでおいても、常に見えているので存在を忘れることもありません。実際に使ってみると、収納力の高さに驚かされました。持ち運ぶにも丁度いい絶妙な大きさで、取っ手もついているので持ち運びもラクラクです。机の上においても、床置きでも違和感なく、色味もかわいく目を引きます。家族分の薬袋を立てておけば、お互いに「もう飲んだ?」などの声かけができて、飲み忘れも防げるかもしれないなと思いました。Upload By 寺島ヒロわが家の長女いっちゃん(自閉スペクトラム症・高校生)は、VRゴーグルとリモコンをひとまとめにして机の上に...。仕切りの位置を調整できるので、丁度いい感じに収めることができました。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロお兄ちゃんのタケル(自閉スペクトラム症・大学院生)は、テーブルトークゲームに使うルールブックや筆記用具をひとまとめにして使っていました。側面のポケットも中身が見えるので便利です。持ち歩くのに丁度いい大きさで、しかも机の上に置いても邪魔にならないので、「ゲームをする一人ひとりが一個ずつ持っておくと、机を移動するゲームコンベンションのときなんかに良いかもしれないね」と言っていました。Upload By 寺島ヒロ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します『中が透けて見える収納メッシュボックス』、わが家のお片づけの強い味方になりそうです!Upload By 寺島ヒロ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年04月14日20代で「うつ病」の診断私が発達障害を自覚したのは30歳。それまでずっと生きづらさはあり、いろいろな精神症状を経験しました。20代前半、第二新卒で働いていたとき、気分の落ち込みと気力の低下、希死念慮がひどく、ほとんど寝たきりのようになってしまいました。それまで精神科にかかったことはなく、インターネットで調べた、うつ病の診断もできるというクリニック(内科だったと思います)に行ったところ、うつ病との診断が。抗うつ剤を処方されて1錠飲んだところ、興奮状態になり、頭痛、下痢、幻聴という副作用が出て、パニックを起こして救急車を呼んでしまいました。※発達障害の診断が下りたあとになってわかったのですが、発達障害者への抗うつ薬の投与は慎重にすべきという意見もあるようです。このときの医師は精神科医でなかったので、私の症状には適さない処方だったのかもしれません。10年以上前のことなので、詳細はあまり覚えていないのですが、そこから大学病院の精神科にかかるようになり、31歳で実家を出て関東を離れるまで、そこの精神科の先生を主治医としてずっと面談を続けていました。32歳で発達障害と二次障害の診断31歳で実家を離れて今の夫のもとで暮らし始めた私。しばらくは夫に世話してもらいながら静かに暮らしていたのですが、翌年の夏、改めて気分の落ち込みや神経過敏に悩まされるように。やはり再び精神科に通いたいと、近所の精神科医院(標榜は心療内科でした)に行って発達障害の自覚についても話したところ、高機能自閉症(現在の分類ではASDに該当します)の診断が降りるとともに、それによる二次障害としてのうつ傾向が指摘されました。手帳取得への動き先に精神障害者保健福祉手帳と障害年金を取得していた友人に上記の診断の話をすると「福祉ともつながれるし、メリットも多いからぜひ精神の手帳を取得するといい」と勧められて、まずは手帳を取得するために動くことになりました。主治医とソーシャルワーカーさんの意見を総合すると、まだ発達障害単体で精神障害者保健福祉手帳の申請は通りづらいとの判断でした。※これは2012年当時の宮崎県での状況です。地方によっても違うとのことでしたし、現在では発達障害単体でも通ることもあると思います。地域のソーシャルワーカーさんに相談してみるとよいと思います。そこで、二次障害としてずっとうつ傾向が続いているし、手帳申請時の書類上の「初診」にあたる診療(上記の20代でかかった内科医の診療)で「うつ病」の診断が出ているのにも矛盾しないということで、「うつ病」の診断で申請してくれることになりました。診断書の内容への工夫診断書の病名自体は「うつ病」なのですが、主治医は、二次障害のうつ傾向がよくなっても矛盾が起こらないように、症状のところに「易刺激性の亢進(感覚過敏傾向の表現)」「感情コントロールの困難(コミュニケーション障害の表現)」などといった表現を入れるなど、できる限りの工夫をしてくれたようです。主治医やソーシャルワーカーさんのおかげもあり、無事、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得することができました。手帳を取得して変わったこと何よりも経済的に助かるというのが、障害者手帳の最大のメリットです。自立支援医療制度を使って医療費が1割負担になるとか、交通機関によって運賃が割引になったりするのはとてもありがたいです。美術館などの施設も割引がある場合があります。同じく「うつ病」で同時に申請して取得した障害年金には本当に助かっています。人に自分の障害を説明するときに「私は実は障害者で、障害者手帳を持っているんです」と言えるので、説明がしやすくなりました。デメリットとしては、一つぐらいしか経験がありません。一度、タクシーで手帳での割引を使おうとしたときに差別的なことを言われて不快な思いをしたのです。私の住む自治体ではタクシーの割引金額はごくわずかだったので、その後は割引を利用しないことに決めました。障害者手帳は、自分にとって開示するメリットが大きいときに開示すればいいだけで、開示することにデメリットがあったりして隠しておきたいときには隠しておけるので、そこがありがたいなと思っています。発達障害があると症状のコントロールのために人より医療費がかかったり、特性のためになかなか思うような収入が得られなかったりと、経済的に苦労する人も多くいます。手帳はそこの負担を軽減してくれます。また、手帳を持っていると障害者雇用枠で就職・就労することもでき、働く場の選択肢も広がると思います。取得していない人は一度検討してみるのをお勧めしたいです。文/宇樹義子(監修・渡部先生より)精神保健福祉手帳の取得に際しては、心理面での抵抗もあったのではと想像しますが、決断されて本当に良かったと思います。今回のエピソードで紹介されている自立支援医療制度は、精神通院医療や薬にかかる費用の自己負担が、通常の3割から1割に軽減されるという大きなメリットがあります。その他の経済的なメリットとして、所得税や住民税、相続税の控除が受けられる、携帯電話料金の基本料金の割引きなどがあります。一方、タクシーで不快な経験をされたという、残念なお話もありました。福祉に携わる者として、障害理解、共生社会という考え方をもっと広めていかなくてはいけないのだなと、改めて考えさせられました。手帳の具体的なメリットをお話しいただき、取得を迷われている方にとっては、背中を押してくれるようなエピソードだったと思います。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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