自分の思う道順や場所でないと癇癪を起こすので気をつけていた日々Pは散歩でも、車に乗っているときでも、自分の思う通りの道順で、必ずここへ寄ってこれをしないと…という強いこだわりがありました。こちらの都合で寄り道したり、もと来た道を引きかえしたりするのにも強い抵抗があります。私はそのこだわりに付き合ったり、遠回りしてでもあえて違う道順にしたりしながら、なるべく癇癪が起きないように気をつけていました。そんなPは、療育園の施設内での移動でも場所へのこだわりがあり、移動した先が自分の思う場所ではなかったときには混乱、癇癪を起こすこともありました。療育園では同じ施設内に、自分のクラスの部屋、言語療法の部屋、作業療法の部屋、医務室や発達検査の為の部屋などがあり、そのときの目的に合わせて部屋の移動をします。移動する前に言葉で「次は〇〇の部屋にいくよ」と予告していても、Pは今から何処へ行くのかをちゃんと理解しておらず、自分の行きたい場所を勝手に予測、期待してしまい、目的地が自分の思っていた場所ではなかったときにはパニックを起こしてしまうのです。Upload By みん困り果てた私は、先生に相談してみることに…例えば本当は言語療法の部屋へ行かないといけないのに、そこへ向かっている途中で作業療法のときに使っているトランポリンやブランコが目に入ってしまうと、「作業療法の部屋のほうへ行きたい!」となってしまい、施設内の移動は毎回スムーズにいかず、困り果てていました。その困りごとをクラスの先生、担当の療法士の先生に相談し、どうすればスムーズに移動ができるようになるのか?を一緒に考えていただきました。言葉で説明するだけでは理解するのが難しいのなら、写真や絵カードを使って視覚支援をしてみましょうということになりました。そして、全員で連携して目的の場所へ行く前に必ずその場所の写真や、担当の先生の顔写真をPに見せながら移動する場所の説明をすることにしました。Upload By みん言葉だけではなく視覚支援をしながら予告をすることが有効私も各部屋の写真、先生の写真を撮らせてもらって写真を印刷して携帯したり、手元に写真を持っていないときなどは、スマホで撮影した画像の画面を見せたりしながら視覚支援を続けました。すると、最初は写真や絵カードに混乱していたPも、「次はこの写真の先生に会うのか」「この絵カードの部屋にいくのか」と徐々に理解してきたのか、移動がスムーズにできるようになってきました。移動の前には言葉だけで予告するのではなく、写真や絵カードなどで視覚支援も合わせて予告する。そうすることで理解が進み、本人も納得してから安心して移動できることを学びました。Upload By みん今では、療育園内なら言葉だけの予告でも移動ができるようになりましたが、ほかの場所だとまだ視覚支援が必要な場合もあります。必要ならば撮影の許可をいただいた上でカメラでその場所の写真を撮り、出かける前には写真を見せ、行き先を予告し、Pが安心して出かけることができるように心がけています。Upload By みん執筆/みん(監修:井上先生より)自閉症スペクトラムのあるお子さんの特性として、耳から入る情報よりも、目から入る視覚的な情報の受け止めやすさがあります。耳から入る情報は一瞬で消えてしまいますが、視覚的な情報はそこに残り続けるので理解しやすいです。みんさんのように初めて行く場所や初めて会う人の場合も、あらかじめ子どもに写真や絵を見せておくとその後の流れがスムーズに行く場合があります。場所の写真の撮り方のコツとしては、単に建物の全体像を撮るだけではなく、子どもが注目しそうな特定のアイテムを画面にいれることです。例えば、公園に行く場合、全景だけでなく、その子どもが好きな遊具などを入れ込んでおくとより理解しやすくなると思います。
2021年08月27日北海道児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報アートチャイルドケアSEDスクール札幌桑園では、感覚統合のための運動遊び、指先活動や工作、絵本・玩具・アナログゲームを使った脳活、社会性を身に着けるためのSSTや設定遊びなどを行っています。こちらの施設では、完全個別のマンツーマンの療育のほかにも、子ども同士で関わる機会を設け、コミュニケーション能力の向上にも対応しています。また保護者の同意のもと、保育園・幼稚園・医療機関など関係機関と連携して支援を行います。作業療法士・保育士・幼稚園教諭・特別支援学校教諭・公認心理師などの国家資格等と経験を持つスタッフが、より良いサポートするために日々学びながら支援をしている施設です。北海道の児童発達支援事業所をもっとみる神奈川県 放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報きっずあいらんど川崎渡田教室は、令和3年5月3日にオープンした広くて明るい施設で、児童発達支援と放課後等デイサービスを行っています。この施設では、お子さん一人ひとりの成長を観察して療育方針を決定し、遊びを通した運動プログラムを実施。「できたっ!」という達成感を感じるための基本の力を身につけ、集団の中での約束事や他者と関わることの大切さ、楽しさを学べるよう、さまざまな専門分野をもつ指導員が保護者と相談し、お子さん一人ひとりに合った療育プログラムを立案して、支援を行う施設です。神奈川県の放課後等デイサービスをもっとみる神奈川県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報きっずあいらんど川崎渡田教室は、児童発達支援と放課後等デイサービスを行う施設です。運動プログラムでは「36の動作」を基本とした運動サーキットに挑戦することができ、楽しみながら身体を動かしていくことができます。こちらの施設では、子どもの興味や関心を引き出し、子ども自身が自主的に身体を動かすことで、「できた!」の達成感が大きな自信につながり、お友達との関わりも増え、身体の発達と共に心の成長にもつながると考えています。待つこと、信じること、認めることを、教室理念とし、お子さんそれぞれの無理のないスピードで、一人ひとりに合った療育を行う施設です。Upload By 発達ナビ施設情報こぱんはうすさくら 白旗教室は、さまざまな経験を通して子どもの自信につなげたり、社会性を育んだりしながら、一人ひとりが社会を生きていく力を身につけられるよう支援を行う施設です。療育スタッフは全員有資格者で、スタッフのレベルアップのため外部講師を迎えた研修もしています。療育の面では、ABA(応用行動分析)の行動を増やしたり減らしたりする原理に基づき、一人ひとりに合わせた支援を行っています。本人が抱える”困ったを”減らすことで、社会性や言語能力を伸ばし、集団の中で過ごしやすく、お子さんが円滑なコミュニケーション能力を獲得を目指し、支援を行う施設です。神奈川県の児童発達支援事業所をもっとみる埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報すまいるサムアップは「子どもたちが笑顔で楽しい時間を過ごす、たくさん発散する」をモットーする施設。こちらの施設には運動療育経験者のスタッフが在籍しており、遊びの中にお子さんの成長に合わせた運動を取り入れています。遊びの中で、お子さんが『集団生活に必要な技能』『できるという達成感』『気持ちの発散』などを味わい、感じ、楽しみながら成長することを大切にしています。休みの日には近くの体育館でフットサル、バスケットなどボールを使った遊びや、音楽に合わせて自由に楽しく踊るダンス教室、フラッグフットボールといった腰に付けた紐を取り合う遊びも行っています。楽しみながら身体を動かすことをコンセプトにしている施設です。埼玉県の放課後等デイサービスをもっとみる三重県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報アートチャイルドケアSEDスクール四日市は、近鉄川原町駅から徒歩3分のところにある施設です。感覚調整遊具による運動遊びをメインに感覚・運動リズムの調整を行い、発達の土台作りをしています。指導員がが、日々のお子さんの悩みを生活リズムを整えることから考え、睡眠を中心とした生活リズムを調整し、発達の基礎となる脳の成長を促すようサポートしています。また、お子さんと指導員が一対一で関われるからこそできる遊びなど、一人ひとりのお子さんに合わせて今必要な遊びを見極め、少しずつ変化を加えながらプログラムを構成したりしています。また個別の支援だけでなく、お子さんに合わせた小集団プログラムも行う施設です。三重県の児童発達支援事業所をもっとみる大阪府放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報トレインキッズは、放課後等デイサービスの部屋の中に電車を再現しています。「電車好きの子どもたちが仲良くなれる電車のある放課後デイサービス」「お洒落なカフェのような環境でPCが学べる放課後等デイサービス」をコンセプトに障害のある子どもたちが学校から帰ってきてホッと息抜きできる「第二のマイホーム」になれるような施設です。この施設では、PCに興味がないお子さんもYouTubeや電車の画像、ゲーム等をきっかけにPCを使いはじめ、「できること」「やりたいこと」を増やしていき、将来の就労の為のITスキルを身につけられるように支援を行っています。Upload By 発達ナビ施設情報令和3年10月にオープン予定のここっと城東では、9月からの見学会の予約の受付中です。スタッフには実績のある専門職員、保育士、教員資格者が多数在籍。お子さん一人ひとりの個性、特性に合わせて専門スタッフがサポートすることができます。例えば、コミュニケーションが苦手、言葉の遅れが気になる場合は『言語聴覚士』がサポート、ずっと座っていられない、同じ姿勢を維持できない場合は『理学療法士』がサポート、集団生活が不安、人との接し方がわからないという場合は『臨床心理士』がSSTを実施するなど、それぞれの困りごとに合わせたサポートを行います。また運動療育、創作活動、クッキング、外出支援などの活動を通して集団生活や社会性を学ぶプログラムなども行う施設です。大阪府の放課後等デイサービスをもっとみる大阪府児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報アートチャイルドケアSEDスクール JR吹田駅前は、お子さんの発達の土台作りとして睡眠と生活リズムの確立・調整と、感覚・運動リズムの調整を大切にしている施設です。また「人との関わり方を学ぶ」「物事の理解の仕方を学ぶ」「集中力をつける」などの応用力を身につける個別・グループのプログラムも実施しています。この施設には、児童関係、福祉関係、医療関係といったさまざまな資格・経験を持ったスタッフが在籍。一人ひとりが専門性を活かし、お子さんの課題を見つけ解決するために、一人ひとりに合わせたプログラムを作成し、スタッフ同士が丁寧に相談しながら支援を行う施設です。Upload By 発達ナビ施設情報令和3年10月オープン予定のここっと城東では、9月からの見学会の予約受付中です。この施設のスタッフには実績のある専門職員、保育士、教員資格者が多数在籍。お子さん一人ひとりの個性、特性に合わせて専門スタッフがサポートすることができます。例えば、コミュニケーションが苦手、言葉の遅れが気になる場合は『言語聴覚士』がサポート、ずっと座っていられない、同じ姿勢を維持できない場合は『理学療法士』がサポート、集団生活が不安、人との接し方がわからないという場合は『臨床心理士』がSSTを実施するなど、それぞれの困りごとに合わせた支援を行います。また運動療育、創作活動、クッキング、外出支援などの活動を通して集団生活や社会性を学ぶプログラムなども行う施設です。大阪府の児童発達支援事業所をもっとみる兵庫県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス ウィズ・ユー魚崎南は、2021年5月にオープンした施設。広い指導訓練スペースがあり、狭い空間が苦手というお子さんも安心して過ごすことができます。ここでは、運動・学習はだけでなく将来自立した日常生活を過ごすことができるよう「遊び」を通じてさまざまな感覚を学び、社会見学や公園、動物園などへの公共交通機関を使ったお出かけ、買物レクリエーションなどさまざまな「体験」をすることで感受性を育むことができます。日常生活や社会に出たときに必要な言語・コミュニケーションスキル、社会のルールを楽しみながら自然に身につけていけるように支援を行う施設です。Upload By 発達ナビ施設情報らいふ久寿川では、元プログラマーや塾講師経験者による、アニメーション動画教材による学習支援を行っています。こちらの施設では、小学生も簡単にできるプログラミングアプリで、遊びながら学ぶことで問題解決能力や論理的思考を養うことができます。また、プログラミング的思考が養われるパズルやブロック、ボードゲームなどを使用し、細かい指先の運動や空間認知能力などを身に付けていく支援も行っています。運動が大好きなスタッフによる運動療育も行っており、運動も器械運動やサッカー・野球など団体運動ととおして協調性やルールを覚えることができます。心身ともに子どもが健やかに育つ療育を提供する施設です。兵庫県の放課後等デイサービスをもっとみる兵庫県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報SMASPO川西校は「Listen・Action・Sports」を軸に子どもたちが考えて行動する経験と、スモールステップを増やし自信につなげる支援を行う施設です。年齢や発達に応じてゲーム内容やグループの少人数化などを変化させながら、運動系の基礎スキルを身につけ、遊びの中で学べる環境を作っています。また、ドイツ生まれの子ども向けボールゲームプログラムの「バルシューレ」を軸としたボール遊びや音楽、ゲームを使った運動療育も行い、子どもたちが楽しく身体を使いながら遊ぶ中で、「考える力」や「判断して対応する力」「コミュニケーション力」を育むことができる施設です。Upload By 発達ナビ施設情報アートチャイルドケアSEDスクール神戸王子は、阪急王子公園駅東出口より徒歩1分のところにあります。この施設では、遊具などを用いた感覚・運動の発達を促す遊び、コミュニケーションなど、お子さんに合わせた個別のプログラム、グループのプログラムを行っています。また、室内の遊具を取り入れた粗大運動や、道具を使った微細運動など、様々な経験が積めるようサポートしています。毎セッションスタッフと話せる時間があるので、保護者が気になることを相談しやすい環境です。保護者同士の交流もあり、保護者もほっと一息つける環境であることを大切にしている施設です。兵庫県の児童発達支援事業所をもっとみる奈良県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報障がい児通所支援わらくえんは、何かを「教える」のではなく、遊びの中で発達を促すため、お子さん一人ひとりの状況や適性にあわせた支援を組み立て支援しています。こちらでは、応用行動分析やTEACCHの手法を取り入れ、適応的な行動や様々な生活習慣・スキルを身につけられるよう、療育を行っています。また、集団保育の経験豊富な保育士、言語聴覚士等が在籍していて、新しい知識を取り入れるため、定期的に研修も行っています。職員すべて子育て経験があるため、保護者が職員に子育ての相談なども気軽にできる環境の施設です。奈良県の児童発達支援事業所をもっとみる岡山県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報アートチャイルドケアSEDスクール岡山豊成では、『生活リズムの調整(眠育)』と『感覚・運動リズムの調整(感覚調整)』を土台作りとして、お子さん一人ひとりに合ったプログラムを実施しています。この施設は、親子で通える環境で、療育後に保護者との15分の『振り返り』の時間があります。また応用力を育むための支援として『個別の関わり』では、子ども一人ひとりの個性を把握し、それぞれのお子さんに応じた自信を育み意欲を育てるプログラムを提供、『グループの関わり』では、年齢・発達に応じて、最大6名のグループを組み、子ども同士の関わりをもつ場を提供することを大切にしている施設です。岡山県の児童発達支援事業所をもっとみる福岡県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービスエイドケアカレッジ姪浜校は、中高生〜高校生を対象とした「就労準備型放課後等デイサービス」です。学校では補いきれない就労の現場を意識した「実践的トレーニング」を実施。例えば他者とのコミュニケーションやビジネスマナー、PC スキル、軽作業など「働くため」に必要なスキルや知識を総合的に身に付けることができるようなプログラムや、高校卒業資格取得のために通信高校と連携したプログラムも行っています。全国的にもまだ数少ない「将来の進学・就職に向けたサポート」をする施設です。Upload By 発達ナビ施設情報放課後等デイサービス ツバサプラスは主に中学生・高校生を対象とし、早くから就労に意識を向けていくことでスムーズな社会生活への移行を実現することを目的とした就労準備型の放課後等デイサービスです。こちらの施設では、小学校教諭・保育士・幼稚園教諭など社会経験豊富なスタッフが揃っており、さまざまな分野での就労の夢が広がるような支援を行っています。VRを使ったSSTやパソコン操作、プログラミング、マナートレーニング、お金の管理の仕方、就労体験など、社会で必要なスキルを実践型で習得出来るように支援を行う施設です。福岡県の放課後等デイサービスをもっとみる大分県児童発達支援事業所Upload By 発達ナビ施設情報ウォルトは令和3年10月に開設予定の運動学習特化型の施設です。「明るく未来への希望あふれるデイにしていきたい!」という想いを持ったスタッフが、10月の開設に向けて準備を始めています。学習プログラムを多めに組み入れることで右脳と左脳をバランスよく使い、運動を取り入れることで脳と運動による身体への刺激を促す支援を行います。現在内装工事中のため完成後から見学がスタート。見学を希望する方は、施設に直接お問い合わせください。大分県の児童発達支援事業所をもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、WEBからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2021年08月26日うちのADHDとASDがある息子リュウ太は医者が大の苦手!Upload By かなしろにゃんこ。うちのADHDとASDがある息子リュウ太は、病院が大の苦手!予防接種のときは暴れてしまい、大人が2人で押さえていないと注射ができません。押さえると「ヤダーーーー!ヤダーーー」と診察室でも大きな声で叫び出してしまいます。そんな息子の様子を見たお医者さんに「この子は根性がない、お母さんが甘やかすからだ」と叱られたこともあります。私は心の中で(甘やかしてないっつーーーーの!! 恐怖心が人一倍強いだけだっつーーーーーの!!)と思いつつも、息子のパニックで困ってしまうことがたびたびありました。だから予防接種は、毎回気合いを入れて行きます。しかし息子のメンタルが崩れているときは、泣き叫んで暴れまくって受けられないこともあるので、いつも『受けられなくてもまた次に挑戦すればいいんだ』と言う寛容な心を持つことも大切にしています。Upload By かなしろにゃんこ。治療に対して何をされるのかわからない恐怖は誰にでもありますが、息子のリュウ太の場合は、治療の恐怖に立ち向かおうとするとお腹が痛くなったり、ガチガチに固まってしまうほど。(こんな子が虫歯になったら歯科の治療を嫌がって大変なことになりそうだわ…)と未来予測をしていた私は、息子の歯を毎晩きちんと磨くことにしていたのです。どの家庭にもある光景かもしれませんが、歯磨きを嫌がる息子の四肢の動きを母の足で封じて歯磨きの仕上げを行ったり、歯磨きせずに寝てしまわないように声をかけて促したりと、いろいろと注意をしてきました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。それなのに…歯医者に引っ張って行かなければならないときが来るなんて…。それは、リュウ太が小学校6年生のとき。学校で行われる歯科検査で奥歯に虫歯判定が出てしまいました。そのころPTA活動をしていた私は、同じくPTA活動をしているママ友からリュウ太との関係をたびたび心配されていました。Upload By かなしろにゃんこ。発達障害のあるリュウ太は、座って授業が受けられない子として有名でした。リュウ太の特性をよく理解していなかった同学年の保護者からは『ほったらかしで育てられているから落ち着きがなく授業を受けられない子』なんだと思われていたようで、PTAで知り合ったママ友には「リュウ太くんって虫歯大丈夫?ちゃんと治療してるの?歯磨ききちんとしてる?」とか「仕事ばかりしていないできちんと子どもの話聞いてあげないとダメだよ」と質問のような、変な心配をされました。そのママ友とはそんなに仲良くないので子育ての相談をしたことはなく、わが家のことは何も知らないはずなのですが、なぜかわが家が子どもをほったらかしにしている前提で話をされました。Upload By かなしろにゃんこ。このような質問をされると一番困ります。「心配しているのよ!」という形はとっているものの、わが家の実態を聞き出そうとしていることが分かるからです。『うちの子、虫歯はないですよ』『仕事ばかりしてないですよ』と私が答えると、そのママ友が期待していた返答ではなかったのか質問攻めから引き下がってくれましたが、私はそのママ友が人の家庭の不幸ネタを探しをしているように感じてしまい、とてもイヤな気分になりました。うちが子どもをほったらかしにしている家庭だと思われていたのも悲しいものがありました。そんなとき、歯科検査で虫歯判定が…。「虫歯ないです!」とそのママ友に言った手前、「1本だけ奥歯にありました!」と言うのも悔しいので、意を決して虫歯の治療することにしました。まずは、初めての歯科診療をモーレツに嫌がる息子の説得するところからスタートです。息子が「歯医者に行くくらいなら虫歯になってもいい」と主張してくるので大変です。説得は数分では終わらず、なんと3日間もかかりました。普段の会話では、息子のほうがしつこいのですが、このことはあと回しにしないほうが良いと考えて、私はしつこさ覚悟で短期間で連続で説得を行いました。(母の本音は『あーめんどーい、はぁ~しんどーい』)Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太には虫歯が小さいうちなら治療は痛くないことを伝えて安心させ、小学校6年生が歯科で暴れたら恥ずかしいことも伝えました。説得の末、イヤイヤですが歯科に行くことができて、治療台に乗ることもできました。ガチガチに緊張してお腹が痛くなっていましたが、小学校6年生ともなると理屈が通じるため、わりとすんなり医師の指示にも従ってくれました。そして、歯を削ることもなく治療はすぐに終了。なんと虫歯ゼロで学校の歯科検診は誤診だったことが分かりました。息子が暴れることなく診察できたことで、私はホッと胸をなでおろしました。(喜)リュウ太本人も歯にドリルをあてられなくてホッとしたようでしたが、初めての歯科診察に緊張したのか帰宅後は腹痛でトイレに直行。(弱っ)とは言え、今まで病院の治療のとき大暴れだった息子がわりと落ち着いて診察できました。さすが小学校6年生のオニイサンです。そのあと息子は初めて行った歯科の治療ベッド周辺を「なんかアニメに出てくる操縦する場所みたいでかっこよかった」と述べておりまして、(そんなこと言えるなんて余裕じゃん!?)と母は思いました。Upload By かなしろにゃんこ。それからもリュウ太は朝と夜の歯磨きをきちんと続けていたのですが、10代後半になり、夜に外出するようになってからは就寝前の歯磨きができていないこともあるようで…今後が心配です。しかし息子も大人になったので、そこはもう自己責任です。大事に磨いてきた歯、何物にも代えがたい価値があると思います。「これから先も一生歯を大事にしていって欲しい」と母は願うのでした。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)周囲の先輩ママからのプレッシャーとお子さんのお医者さん嫌いでとても苦労された時期だったと思います。医療受診に不安の高いお子さんの場合、『心理的プレパレーション』と言ってこれから行う治療の目的や手順を絵カードや写真カードや人形を使って事前に説明したり、実際の治療の場でもカードや人形を見せながら行ってもらうなどの支援があります。実施している現場は限られていますが、親御さんと医者が協力して自作することもできますので、相談してみても良いかもしれません。
2021年08月26日お手伝いカードで、お金を稼ぐことを学んだ娘。わが家では、2年前からお手伝いカードというものを導入しています。一回のお手伝いで、スタンプを一つ押し、20マス(一枚)で500円と交換というシステムです。小学5年生になる広汎性発達障害の娘は、このお手伝いカードを長い間続けていて、もう何度も欲しいものをお手伝いカードで貯めたお金で買っています。Upload By SAKURAお手伝いはたくさんしてくれるようになり、お金を稼ぐ大変さもわかったおかげか簡単に物をねだらなくもなったし、いいことだらけです。欲しいものがあるときは、頑張ってくれるけど…しかし・・・ずっと続けてはいるものの、お手伝いに対する意欲は、不安定。欲しいものがあるときは、自分からお手伝いを見つけて自主的に動いてくれますが、特に欲しいものがないときは言われたら仕方なくやってくれる・・・という感じです。Upload By SAKURA最初のうちは、これでも満足だったのですが、正直・・・もう5年生。中学生も近づいてきたこともあって、常に自主的に動くというお手伝いもしてほしいのが、本音です。察してほしい!でも…しかし、娘は特性上、察するというのが苦手で「状況を見る」「気を利かす」ということができません。Upload By SAKURA家庭内では、場合によって状況を伝えて「こんなときは、こうしてくれたら助かるんだよ」と、繰り返し教えるようにしていますが、なかなか自分から動くことはありません。Upload By SAKURA将来的にも、いつかは自分で気がついて、動くことが必要になってきます。その力を身につけるためにも、「察する」「自分から動く」という練習もしてほしいと思っていました。「察する」より先に「自分から動く」習慣づけ。夫に相談すると…Upload By SAKURA「察する」より、「自分から動く」の部分を習慣化したほうがいいと言われました。そこで、時間帯によって必要なお手伝いを理解してもらうため、「毎日やるお手伝い」を決めることにしました。いきなり複数のことを頼むと持続できないため、まず決めたのは、朝と夜、食事の前の支度のお手伝いでした。Upload By SAKURA朝ごはんのときは、「私が準備をしている間、マーガリンやジャムを出す」夕ごはんのときは、「私が準備をしている間、箸を並べる」この2つを、固定のお手伝いにすることにしました。これだけは、求めてしてもらうことではなく、自分から動いてほしい。そのことを娘に説明し、さっそく実行してもらうことにしました。朝は勝手にやってくれるけど、夕方は難しい。朝のお手伝いに関しては、起きたらやる・・・という習慣が身につきやすかったようで、何も言われずに、すぐに自分から動けるようになりました。Upload By SAKURAしかし、夕飯のときは…Upload By SAKURA時間が不規則なことや娘の自由時間なこともあって、ゲームをしていたり本を読んでいたり、テレビを見ていて、娘は忘れてしまうことがほとんどでした。声かけを繰り返し、パターンを覚えてもらう。何か…娘が思い出したり、気がついたり、習慣づける絵カードなどの工夫が必要かな~と考えたのですが、Upload By SAKURA夫からのアドバイスで、このお手伝いに関しては、補助アイテムを使うことはやめました。その代わり、気がつくようヒントは与えることにし、「あーさん?ママごはんの用意してるけど、何するんだっけ?」「あれ?何かない・・・」と言った声かけや、咳払いをして気がついてもらう・・・ということを繰り返しています。しかし、やはり察することが苦手な娘。なかなか気がつかず「え?なに?呼んだ?」と言ったり、こちらが何を言いたいかがわからず、硬直したりすることも多々あります。Upload By SAKURAただ、今は練習。この時間帯に私が何に困るか、何を手伝ってもらったら楽になるかを時間をかけて覚えてもらい、ここからパターンを増やして教えていければ将来的にきっと役立つと信じ、同じことを毎日繰り返しています。執筆/SAKURA(監修:井上先生より)お手伝いを自主的にお母さんや家族の状態を見て、察して行うことはとても困難な課題だと思います。SAKURAさんの実践のように、状況に寄らず具体的にするべきことを固定化するのも1つの方法です。さらにもう一歩踏み出すためには、お父さんの言われているようにカードなど視覚的な刺激ではなく、あえて言葉を使う方法があります。同じ言葉による指示でもいくつかのステップがあります。「箸を並べましょう」という直接的な指示⇒「お母さんが準備しているよ」などの間接的な指示⇒咳払いのような状況に注目させる非言語的・間接的な指示です。もちろん、お手伝いができたあとはたくさん褒めてあげることが大事になってきます。一生懸命なお母さんと、状況を客観的に見ながらアドバイスをされるお父さんの役割分担はとても素晴らしいと思います。
2021年08月25日周囲がヒヤヒヤしっぱなしだった小学校低学年時代Upload By スガカズわが家の次男はADHDがあり、衝動性が抑えきれずにヒヤヒヤする行動にはしることが頻繁にありました。高いところによじ登ったり、危険な遊びをしたり…。私は「自然豊かな地域のほうがのびのびと育つのだろうな」「一度大きな失敗をしないと自制心が育まれないかもしれないな」と何度も思いました。Upload By スガカズ次男は、衝動性と探究心から、「やりたい!」と思ったことは親がいくら「危ないからダメ」「お母さんは次男の体が心配だよ」と言ってもなかなか聞く耳を持ちませんでした。小3になって転機が…。きっかけは、親の言うことを無視したために起こった大失敗Upload By スガカズ小3はギャングエイジと呼ばれる時期ということもあり、学校では授業を受けたがらなくなったり、家庭ではきょうだいゲンカも多く、次男の情緒は不安定なことが多かったです。また、小学校に隣接している学童も「つまらない…」と言って、行きたがらなくなりました。次年度には小6の長男も中学校にあがるため、一緒に留守番する機会がかなり減ります。次男一人にして親が働きに行くことは危険だと思い、放課後等デイサービスの利用に向けて動き出した矢先に事件は起こりました。Upload By スガカズその日、私はリモートワークではなく会社に出社していました。すると昼3時ごろ隣に住むママから着信がありました。どうやら次男がケガをして家の前で大泣きで座り込んでいたようです。私はケガの状態と経緯を聞き、急いで帰宅しました。私が帰るまでの間に隣に住むママは次男のケガの応急処置をしてくれていました。帰宅してすぐ病院へ行き、診察をしてもらいました。幸い2週間ほどで塞がる傷だったのですが、傷口は目をそむけたくなるほど…。私は本人や周囲の人から、ケガをした経緯をさらに詳しく聞き、「まさかこんな目に合うとは思わなかっただろうな…かわいそうに」「とはいえ、一歩間違えば重大事故になっていた…」と、複雑な気もちになりました。やってはいけないとあれほど言っていたのに…Upload By スガカズ数年前から子どもや大人の間で人気の、前後2箇所にキャスターを一つずつ備えた、二輪構成のスケートボード「キャスターボード」という乗り物があります。キャスターボードはわが家にもあり、パパの所有物で、借りたいときに子どもたちが「貸してほしい」と頼むルールです。キャスターボードは遊びながら楽しくバランス感覚を養え、安全な場所で使えば子どもの外遊びにもぴったりです。ですが、次男はまだうまく乗りこなせないこと、わが家の周辺は坂道が多いこと、キャスターボードはパパの所有物であることから、「お父さんが大事にしているものだし、危ないから勝手に使ってはいけないよ」と口酸っぱく伝えていました。ケガをした日、友達と遊ぶ約束をした次男はパパのキャスターボードをどうしても使いたくなり、内緒で使うことにしたようです。しかも遊んだ場所は、坂道…。下った先には交通量の比較的多い道路です。案の定、操縦ができなくなり、歩道の段差で転倒。道路の端まで飛ばされてしまったようでした。さらには本人にとって追い打ちが…。ケガをして取り乱してしまった次男は、内緒で借りたキャスターボードを現場に置いたまま自宅に帰ってしまいました。放置されたキャスターボードは誰かに持ち去られたようです。私はこの時点で、次男が後悔している様子が見られたし、命あっての物種なので、どうしても叱る気にはなれませんでした。しかし、お父さんは次男に対して激怒しました。Upload By スガカズ当時は「反省しているのだから、そこまで強く叱らなくても…」と次男の精神面を心配しましたが、のちに当事者同士だからこそ叱ったほうがよかったのだろうと理解しました。いつもは強く叱られると反抗しがちな次男でしたが、このときばかりは落ち込んでいました。一週間ほどして、キャスターボードは近所で乗り捨てられているところを次男の友達が見つけて知らせてくれました。本人にとって恐い経験になってしまいましたが、それ以降、人がダメだと言っているものを勝手に使ったり、危険な遊びをすることはかなり減りました。あれから2年経ちましたが、本人も当時の傷痕を見ては、「あれは本当に恐かった。もう同じことは絶対にしない」と、振り返っています。執筆/スガカズ(監修:井上先生より)これをすれば完璧!というような子どもに絶対失敗させない支援はありません。小さな失敗から学んでいくことは自然なことなのですが、スガカズさんの体験のように、一歩間違えば大事故になると言う学びは避けたいものです。失敗してしまったときの対応のコツは本人が深く反省していればそれに対してさらに追い打ちをかけるようなことはぜず、反省に共感しながらもどうすればよかったかを一緒に考えていくことです。とは言え親も感情的になってしまうので、スガカズさんのようにお母さんとお父さんでうまく役割分担することも大事だと思います。
2021年08月24日束の間の平和。これから楽しい時間をつくりたかったのに…自閉症と中度知的障害のある、ほぺろうは現在保育園の年長さん。発語はいまだにありません。人見知りや場所見知りが強く変化が苦手なほぺろうは、2歳ごろから癇癪が激しくなり、一日に10回くらい地雷を踏んでは一回につき1時間は泣き暴れ続ける…ということを繰り返していました。3歳で障害の診断がついたそのあとも「神様…ほかのことは諦めますので、どうか情緒だけは何とかしてください」と思わず祈ってしまうほど、ほぺろうも私も心身摩耗する日々を送っていました。Upload By ぼさ子保育園の年少時代いっぱいまで癇癪は続き、ただ保育園に居るだけで精一杯!クラス活動やコミュニケーションを楽しむのもむずかしそうなほぺろう。ところが、年中さんに進級するとだんだんと癇癪が減り、ようやく泣かずに登園できるように。落ち着いてきたおかげで周りが見えてきたのか、お友達の真似をしながら保育園活動を楽しめるようになってきました。2年以上毎日癇癪だったほぺろう。その分ほぺろうは楽しい時間を持てずに過ごしてきました。だからこそ私は癇癪が落ち着いてきたことが嬉しくて、「今までの時間を取り戻すくらい、楽しい思い出をたくさんつくっていこうね!」と張り切っていました。Upload By ぼさ子そして年長さんに進級。間もなくしてほぺろうの気分が崩れがちになり、雲行き怪しい雰囲気に…。癇癪の理由を探すも見極められず…最近のほぺろうは、保育園の登園時・降園時に決まって癇癪を起こします。保育園の先生たちも「保育園活動の練習で疲れてるのかも」「暑いからかも」「イヤイヤ期かも」と一緒に考えてくれますが、それでも原因は特定できないし、全部が原因なのかもしれません。Upload By ぼさ子理由を探って解消してあげたいと思っても、発語のないほぺろうは、ただただ大泣きするだけで原因が読めず…。または発語できないからこそ、余計イライラしているのでしょう。「これって『折れ線発達』というヤツなのかな?」「定型発達だったら右肩上がりなのかな?」疲れのせいか、考えても仕方のないことでグルグル悩みます。『ほぺろう本人が理由を持って泣き暴れているのか』もしくは『ワケも分からず泣き暴れているのか』…。同じ泣き暴れでも その二つの違いは天と地の差。だけどそれすらも見極められず、私は自分で「親として情けないなぁ…」と落ち込んでしまいます。『逆戻り』ではない可能性。それは年中時代の先生の予言現在 再び癇癪続きのほぺろうですが、2~4歳ごろの癇癪とは違う点も見られる気がします。それは『癇癪時間が短くなった』こと。私がそう思いたいだけかもしれませんが、ほぺろうも自分自身で癇癪を抑えたいと頑張っているように見えるのです。泣きながらも自分で精神安定剤(大好きな絵本)を持ってきたり、おやつを要求したり…。ほぺろうなりに気分を切り替えようと努力してるのかな?と思うといじらしくてたまりません。Upload By ぼさ子もしかしたら、決して『逆戻り』ではないのかも…と思ったとき、あることを思い出しました。保育園年中さん時代の個人面談のとき、クラス担任の先生の予言…。「年中になってからのほぺろう君は、いろいろなことが分かってきましたし、新しいことにチャレンジする姿勢も見られるようになってきました。だからこそ、今後は苦労しますよ!!おそらく年長あたりで『2歳のイヤイヤ期』を迎えます。『わかる・やりたい』と思うのに『できない』ことにイライラするはず。お母さんは覚悟してください(笑)」Upload By ぼさ子確かに、ほぺろうの発達年齢は現在2歳。そして実年齢2歳のときは癇癪が激し過ぎてイヤイヤ期だったのかどうだか分からずだったので、今が『2歳のイヤイヤ期』だとしても不思議はありません。正直 今の私は、『逆戻り』なのかそうじゃないのか確証のある理由を見つけられていませんが、やっぱり成長を感じさせてくれる『イヤイヤ期説』を信じたいです。私自身の子ども時代だって右肩上がりじゃなかったほぺろうが3歳のとき ほんの少しだけ言葉が出たのにすっかり消失してしまったことから「ほぺろうは『折れ線発達』なのかな?」という意識になってしまい、今回の癇癪もそんな風に思ってしまいました。でも、私自身の子ども時代を振り返ると、「分かってるけどやりたくない」とか「わざと反抗したい」とか「わかるけどできない」とか、成長するごとにさまざまなジレンマがつきものだったな…と思い出しました。親の私はほぺろうの表面を見ているだけ。ほぺろうの内面ではきっといろんな成長があるのだと思います。発達障害のあるほぺろうの育児は教科書通りには行かないけど、ほぺろうも私も「3歩進んで2歩下がる~」を繰り返しながら親子で成長していきたいです。Upload By ぼさ子(監修:井上先生より)コミュニケーション能力は発語だけではありません。ほぺろうくんは発語以外の自分の行動で、周りの人に自分の意思を伝えようとしているのかもしれません。同じ癇癪でも、「おやつがほしいとき(~ほしい)」「苦手なことをさせられそうになったとき(~するのはイヤ)」「好きなことをやめさせられそうになったとき(~をやめたくない)」「苦手な刺激があったとき(~はイヤ、逃れたい)」など、コミュニケーションのかわりに行っている場合も増えてきたのではないでしょうか。上のようなケースの癇癪では、わかりやすい予測や環境調整に加えて、発語にかわるコミュニケーションとして視覚的に分かりやすいカードを使っての意思決定やサインの活用など、癇癪にかわるコミュニケーションや、「~したら~(良いことが起こる)」というセルフコントロールを教えるチャンスであるとも言えます。
2021年08月24日2歳ごろから物を並べるようにUpload By かさはらあやこ知的障害を伴う自閉症の息子は2歳前後から、物を並べるようになりました。ミニカー、ブロック、フィギュア、ペットボトル、その他…。自閉症児はどうやら物を並べるらしい、ということを調べて既に知っていた私。最初に息子がミニカーを並べ始めたときは、かなり動揺しました。そしてそのことを周囲に話すと「うちも並べてたよ、みんなやるよ!」なんて言われて、あぁ…そうなのか…みんなやるのか。と無理矢理 自分を納得させ、モヤモヤをごまかしていました。ある日、お絵描きをさせようと真っ白い紙にクレヨンを用意しました。私が幼いころは落書きは基本的にチラシの裏だったので、真っ白い紙に絵が描けるなんてとても嬉しいことなのに、息子は白い紙には見向きもせず、ただクレヨンを並べるだけでした。いま思い返すと、本当に酷い親なのですが、当時はその姿を見ることがつらくて「ねぇ!どうして描かないの⁉︎描かないならもうだめ!ないないだよ!!」と無駄に怒り、クレヨンを取り上げて泣かせる。そんなことを何回繰り返したかわかりません。2歳半で初めて受けた発達検査Upload By かさはらあやこ〝もしかして…〟と思ってから約2年。黙々と検索をして調べたり、そんなはずはないと自分に言い聞かせたり、なぜこんなに指示が通らないのかと叱りすぎて自己嫌悪に陥ったり。本当に苦しい時間でしたが、児童発達支援の先生に、環境を整えてあげる必要があると言われて初めて、息子は知的障害を伴う自閉症なのかもしれないと気づき、知的障害の有無とその程度はどうなのか、状態を把握するために、2歳半で初めて、発達検査をすることになりました。検査では指示の通りには何もすることができず、結果は全領域 1歳3ヶ月(言語は0歳8ヶ月)DQ50の軽度〜中度知的障害でした。「発達検査で知ることができるのは、子どものほんの一側面にしかすぎません。10歳のお子さんの発達年齢が仮に5歳だったとして、じゃあ5歳児のように接しましょうとか、そういうことにはなりません。発達年齢が低かったとしても、いっちゃんが今まで生活してきただけの生きる知恵や、哲学や想いが必ずあるはずです」心理士の先生がかけてくれたその言葉を、私はきっと一生忘れません。驚きの事実Upload By かさはらあやこ発達検査から数ヶ月経ったある日、いつものようにフィギュアを並べて遊んでいた息子を眺めていました。なぜかこの日は、並べたあとに離れたところから確認し、また戻って微調整をしてまた離れて…そんなことを繰り返していました。あまりにも長いことやっているので、何がそんなに楽しいのかと息子が確認をしていた位置に立ち、視点を低く目線を合わせてみたところ、驚愕の事実が発覚しました。なんと息子は、アニメのワンシーンを再現し、夕日がフィギュアに当たるように向きを整え、それが夕映に包まれる様子を離れたところから俯瞰していたのです。自分の中にある情景を納得がいくまで作業をし、見事につくり上げたその様子を目の当たりにし、鳥肌が立ちました。並べ方に現れる成長Upload By かさはらあやこそれからは、彼のつくり出す世界がとても好きになりました。散らかった部屋の一部に、きちんと並べられた何かがあったり、錦糸卵を手でちぎって並べたり、お菓子を並べたり。同じ色で並べたんだな、同じ形で揃えたんだな、凄いなぁ、楽しいなぁ。そんな風に思えるようになりました。並べ方にも成長が現れます。最初は、同じ色、同じ形を揃えるだけでした。一方向を向いて並んでいたフィギュアは、幼稚園に入園したころには、向かい合わせに並んでいたり、円になったり。なんの規則性もないと思っていたお皿に並べたおままごとの食べ物が、全部オレンジ色の食べ物だったり、自分が食べたことのある物だったり。おままごとのポテトが人のかたちになったときには感動しました。いまは好きな番組の再現で、数字や文字を並べています。同じ視点に立って、目線を変えてみることで何がしたいのかわかるようになったり、意味がないと思っていたことに意味があったり。息子のつくる世界を通して見える気持ちの変化や成長にいつでも気づける母でいたいと思います。執筆/かさはらあやこ(監修:初川先生より)いっちゃんの思いや意図をお母さんが理解した、その瞬間からまさにお母さんにとっては世界が広がり、色が鮮やかになったように感じられたのかもしれませんね。子どもには子どもの思いや意図があって、さまざまな言動をしています。大人の世界にはそれを狭く切り取ってしまう言葉(例えば「こだわり」「症状」「自閉症の特徴」など)があり、その枠組みで目の前のお子さんの様子を見てしまうと、その枠に合うことしか見えなくなってしまいます。子どもの目線で子どもの見ている世界を見る。それがどれほど大切なことか改めて伝わるエピソードだと感じました。
2021年08月23日Q.発達障害がある子どものソーシャルスキルトレーニングとは?A.ソーシャルスキルとは「対人関係や社会生活を営むために必要な技術・能力」のこと。このスキルを身につけるために行うのが、ソーシャルスキルトレーニングです。発達障害がある子どものソーシャルスキルというときは、具体的には「挨拶ができる、友達と仲良く遊べる、人の話が聞ける、自分の気持ちを伝えられる、気持をコントロールできる、トラブルが起きた時にどうすればいいかわかる」などを指すことが多いです。Upload By 発達障害のキホン発達障害がある子どもの中には、ソーシャルスキルを自然に身につけていくことが難しい子どもがいます。このスキルが不足していると、人間関係をスムーズに構築したり維持することが難しくなったり、社会生活の中でトラブルが起きやすくなります。そのために、人との接触が減ったり、失敗体験を積むことが増え、孤独感を感じたり、うつなど二次障害につながってしまうこともあります。ですが、ソーシャルスキルはトレーニングによって一定レベルは身につけていくことができます。トレーニングは次のような方法で行うことが多いです(※コーチング法の場合)。1.教示スキルが必要な理由や、身につけるとどのようなメリットがあるかについて言葉や絵カードなどを使って伝えます。2.モデリングお手本を示したり、不適切な例を見せてどうすればいいか考えてもらいます。3.リハーサル先生や保護者などを相手にロールプレイします。4.フィードバック子どもが適切な行動ができたらほめ、不適切な場合はどうすればよかったのかを分かりやすく伝えます。5.般化学んだスキルを、実際の場面でも発揮できるようにしていきます。社会生活の中でスキルを発揮できるよう、園や学校などとの連携、協力も大切です。発達障害がある子どもは、まわりの様子を観察しながら社会性を身につけていくことが苦手な傾向があります。例えば、「クラスメートとの会話が苦手」という課題の背景には・相手が話しかけてきていることにうまく気づけない・相手の意図していることが汲み取れない・自分の気持ちをどのように伝えたらいいかわからないなどさまざまな要素が含まれている可能性があります。指導する側は、どこに課題があるのかを見極め、スモールステップで目標を設定し、トレーニングをすすめることが大切です。
2021年08月22日小学校時代のいじめのときに感じた違和感私はいじめられっ子で、小学校のときは卒業までずっといじめられていました。授業や集団下校などで作る班に入れてもらえずたらい回しにされる、運動が苦手で「クラスの足を引っ張る」ことを責められ罵倒され、ときには暴力を振るわれる。目の前でヒソヒソと噂話をしながら嘲笑される。バイキン扱いされ、私の触ったものに対していちいちエンガチョが始まる。給食を配ってもらえない、教室に入っただけで「きもい、臭い、空気が腐る」などと騒ぎ立てられる…。思い返すに、そんななか母は私にとって「精神的な意味で保護者として機能してくれない」人だったように思います。たとえば、私は小学校に上がる前、セロハンテープのことをセロタンテープと言い間違えていました。小さな子どもがよくするような可愛い言い間違いですが、母は私のその言い間違いに気づいていながら指摘してくれませんでした。このため私は小学校に上がってから「小学生にもなって赤ちゃんみたい」と笑われ、いじめられることに。なぜ指摘してくれなかったのだと問うと、母はテヘッと笑いながら「だって可愛かったからそのままにしておきたかったんだもの♪」と言いました。当時はモヤッとしただけでしたが、今となっては「母は保護者として子どものためを思うことよりも自分の欲求を優先していたし、そうすることに疑問も感じなかったのではないか」と思います。また、小学校5年のある日、私は耐えかねて両親に「いじめられるから学校に行きたくない」と打ち明けました。母はみるみるうちに目に涙をため、泣き出してしまいました。「悔しい! 自慢の娘なのに!」と叫びます。彼女は私を慰めるとかいった行動に出ることもなく、そのまま泣きながら寝室に駆け込んで、数日寝込んでしまいました。父は父で、私の両肩を掴んで「いいか、よく聞け。1日休んだら二度と行けなくなる。小学校を卒業できなくなる。そうしたらお前は将来路頭に迷うぞ。だから学校には行きなさい」と言います。その当時は自分が感じた絶望の詳細を言語化はできませんでしたが、「お父さんには怖いことを言われる、お母さんのことは泣かせてしまう、だからもう彼らには悩みを打ち明けられない。私はたったひとりで生きていかなきゃならないんだ」と思ったのを覚えています。ASD特性もあいまって、父の「1日でも休む→ 将来路頭に迷う」の言葉を鵜呑みにした私は、それこそ命がけで登校しつづけ、皆勤賞で小学校を卒業しました。クラスメートが遊びに来ないわが家よく思い出してみると、私にはクラスメートがわいわいと家に遊びに来た記憶がありません。クラスメートが私の家を訪れなかったのは、私がスクールカースト最底辺のいじめられっ子だったという理由だけではないかもしれません。大人になってからだんだんに知ったところによると、私の家はいわゆる「近所で有名な、ちょっと変な家」だったのです。まだ周囲のほとんどの母親世代が専業主婦かパートタイマーだった1980年代後半に、母は都内の職場で正職員として働いていて、いつも華やかに化粧して通勤していました。家は父の収入だけでも十分に食っていけるほど裕福で、私が小学校に入るころには、周囲から見上げるような大きな輸入住宅が建ちました。こうしたことだけでも周囲から浮いていたと思うのですが、わが家には父方の祖母という困り者がいました。祖母は退屈すると周囲に加害して楽しむ悪い癖がありました。訴え出られれば刑事事件になりかねないこともやっていたようですし、加害の対象は私たち孫にも及んだのです。たとえば、ご近所さんが大切に育てている菊の花を見ごろになると大量に刈って盗んでくる。毎年です。この事実は、祖母が老人保健施設に入所したあと、被害者の方が震えながら話してくれたことで何十年越しに発覚しました。確かに幼い頃からの記憶をたどれば、祖母は秋になるとどこかから大量に菊の花を抱えて帰ってきていました、楽しそうな顔をして… 被害者の方が耐え忍んできた怒り苦しみや、それは立派な器物損壊や窃盗ではないかということを思うに、こちらも震えました。たとえば、悪くなった食べ物や害になるものをわざと家族に食べさせ、食べた家族が苦しむ顛末を見届けて楽しむ。母は梅酒を梅ジュースと偽って飲まされ、急性アルコール中毒。兄は悪くなったハムを食べさせられて下痢、私はわざと不潔に管理した牡蠣を食べさせられて嘔吐下痢。父だけは何度やられても丈夫さで跳ね返していますが…。伯父に来た見合い話がせっかくまとまりそうになったのを、「こんなドン百姓に息子をやれるか、オラは家族だ!」と叫んで破談にする。近所のスーパーの店員に難癖をつけて騒ぐ。古いほうの家をきちんと管理せず、草はぼうぼう、壁や屋根は剥げ放題、庭にはいろいろなガラクタが散乱しているので、同じ敷地内にゴミ屋敷と立派なお屋敷が混在したようになり、ちょっと異様な雰囲気を醸し出していました。私がいじめを受けたことは周囲から浮きがちな自分自身の言動にも原因があると思います。でも、家族の言動が「あの家は変な家」「あの子と仲良くすると危ない」と周りの保護者に思わせ、それがその子どもたちに伝わっていじめ的な空気の醸成にもつながったのではないかと今は思います。悪いことに、私の家族の誰一人として、私の受けるいじめを悪化させる方向には作用しても、軽減させる方向には動くことがなかった。それが、私がいじめに苦しみ続けた理由の大きな一つなのではと思います。今、夫と「機能不全ではない家庭」を築いて孤独な中でいじめに耐え続けた私がギリギリ壊れないでいられたのは、祖父の存在があったからです。祖父は、家族の中で唯一、私を無条件に愛してくれる存在でした。おとなしい人で、彼がいじめ自体をどうこうすることはできませんでしたが、私が泣いていればよしよしと抱きしめてくれ、いつまでも遊びにつきあってくれ、好きなお菓子をいくらでも与えてくれ、私を膝に乗せて一緒にテレビの時代劇を見てくれた彼は、私のかけがえのない安全基地だったのです。ただ、その祖父も私が小6のときに亡くなってしまいます。家族内に頼れる存在がなくなってしまった私は、次第にはっきりした二次障害に苦しむようになっていきました。ティーンから20代を重い心身症状に苦しんだ挙句、母との生活に限界を感じて31歳でいまの夫のところに身を寄せた私は、いま初めて「安心できる家庭」を味わいながら暮らしています。夫はつらいときもそうでないときも、どんなときも笑顔で抱きしめてくれます。私が参っているときは、彼は照れながらも、私が大切な存在であり、信頼し合える家族であること、生涯一緒に暮らしていこうねということを伝えてくれます。私の好きなお菓子を買ってきてくれたり、優しい味の汁物を作ってくれたりもして、私はそれで心から安堵するのです。夫は私にとって、祖父がくれたような無条件で精一杯の愛をくれる人。その愛に支えられて、私は今日も生きていこうと思えるのです。執筆/宇樹義子(監修:井上先生より)子どもの成長や適応にとって家族の果たす役割は大きいものです。しかし子どもにとってよりどころとなる親や家族もさまざまな困難を抱えておられる場合があります。宇樹さんの回想のように、子どもは抗おうにも困難な場合があります。親以外の方にもヘルプを出せる環境をぜひ作ってあげてほしいと思います。また、大人の方で親と心理的・物理的にどのような距離感で接していけばよいのか、トラウマが生じている場合の対応などについては専門機関での相談を受けられることをお勧めします。
2021年08月22日ADHDの子どもには適切なサポートが不可欠!Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンADHDの特性は、日常のさまざまな場面で「困った」「うまくいかない」という経験につながることがあります。「変な子」「問題児」とレッテルを貼られてしまったり、「もっとがんばりなさい!」と叱責されてばかりでは、子どもはだんだんと自信を失ってしまいます。また、保護者も同様に、子育てに難しさや疲労感を感じて悩んでしまうこともあるでしょう。ADHDのある子どもも適切なサポートや治療を受けることができれば、悪循環から抜け出して能力を伸ばしていくことができます。本人や周囲の人がADHDの特性を理解すれば、困りごとを回避し、対策していくことも十分に可能です。そのためにも、ADHDを疑ったら早めに専門機関に相談すると共に、早い時期に専門医の診断を受けましょう。専門家からのアドバイスを受けることで、保護者もわが子にもっと向き合いやすくなり、適切なサポートができるようになるはずです。「ADHDかも」と思ったら、まずは身近な専門機関へただ、いきなり専門医を探して受診するのはハードルが高い、と感じる人も多いでしょう。そこでおすすめなのが、身近な専門機関の無料相談窓口を利用することです。相談できる専門機関をチェック!□保健センター□子育て支援センター□児童相談所□発達障害者支援センター□児童発達支援センター□児童発達支援事業所地域の保健センターや子育て支援センターなどは、これまでも健診などで利用したことがあるという方も多いでしょう。自宅近くの専門機関なら、気軽に訪れることができますね。また、かかりつけの小児科や、乳幼児健診の際に相談することもできます。専門機関ではどんな相談ができる?児童相談所、発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所は、初めて利用するという方も多いでしょう。簡単にそれぞれの施設の特徴を見ていきましょう。0〜17歳の児童を対象として、保健相談・発達障害などの心身障害相談を行う施設です。必要に応じて発達検査を受けることもできます。また、医師や児童福祉司、保健師、児童心理司、言語聴覚士などの支援や療育を受けたり、アドバイスをもらうこともできます。療育手帳の申請受付、判定、発行を行うのも児童相談所の役割です。発達障害者支援センターは、発達障害児への支援を行う専門的機関です。ADHDをはじめとした発達障害のある子どもとその家族に対して、日常生活や家庭でのサポートなど、さまざまな相談に応じてくれます。直接相談を行っていない場合も、お住まいの地域の保健、医療、福祉、教育などの関係機関への紹介、福祉制度やその利用方法も教えてくれます。児童発達支援センター、児童発達支援事業所は、どちらも主に小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが通い、支援を受けるための施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりと、障害児の支援を専門に行っています。発達や子育てに関する相談にも乗ってもらえます。発達障害についてはもちろん、子育てについても相談できる専門家は、ADHDのある子どもを育てる親にとって頼りになる存在。困ったことや不安なことがあれば、親子で抱え込まずに相談しましょう。
2021年08月21日伝わるように伝えるということウチノコ(以下、――)むっくんと暮らしていると、私の言いたいことが思うように伝わらない結果、本人が怒られたと感じて癇癪を起すことがあるんです。そこで生活する中でむっくんの琴線に触れにくい言い回しを意識しています。例えば夕飯前の「お菓子ちょうだい」に対して「今はダメ」と言うと【怒られた】と受け止めて癇癪を起しやすくなってしまうのですが「明日の3時ならいいよ」って返すと、癇癪起こさないんです。これって特殊なのでしょうか?Upload By ウチノコ三木先生:へぇ!それで納得してくれるんですね。「そんな先は嫌だ!」とはならないのですか?そんなに見通しが立つのだろうか…?――見通し…どうだろう、ひょっとしたら見通しよりも「ワード」縛りかもしれません。「ダメ」って言葉や「あとで」なんかが大嫌いなんです。それでそこを避けて、「明日の3時」と時間を具体的に伝えて「いいよ」っていう許可の言葉で伝えることで怒られていないと思うのかもしれません。三木先生:ああ~!なるほど、それはありえますね。Upload By ウチノコ――ありえますか!でも大変なんです、同義語を探す国語問題みたいで。私に余裕がないとできないし、言いながら「私、屁理屈を言ってるなぁ」って思うんですけど、なぜかむっくんは納得するという。三木先生:あ!屁理屈!!屁理屈であるという認識は良いです。要は相手の論のどこを押さえれば落ち着くかを、とにかく考え続けるってことになるんですよね。僕はあるタイプのお子さんの親御さんに「性格悪くなってください」っていう話をすることがあるんです。要求に対しての答えを「ダメ」だけではなく、『何が』『どうなって』『こうだから』『ダメ』と、理屈でねちっこく順を追って説明することで理解させてあげてくださいって。そのほうが入りやすい子や、そういう関係性もあるんですよ。――なるほど…友達にこの言い回ししちゃうと嫌われちゃうな~って思っていましたが(笑)私と息子はそういう関係性だと思えばいいのか。三木先生:いろいろ試して論を繋いだ結果、「これが一番本人が落ち着ける」に達したのならアリだと思います。仮に、子どもがおやつを食事前に食べたがったとして、親の発する「今はダメ」という言葉の奥には、「今は食事前、夕飯食べてほしいから許可できないけど、明日にはまたおやつを食べることができるよ」という意味が含まれている。そう言った曖昧な背景や状況などの隠れた情報をその子と共有できていなかったり、その子にとって意味の分かりにくい言葉を使うくらいなら、誰がどう読んでも伝わる形で、見えない部分も理解できるように細かく本人に伝えていく必要があるんじゃないかと思いますよ。Upload By ウチノコ――確かに丁寧に理屈で伝えるほうが伝わる子なんですよね。でもあんまり頑張るとお母さんの話は長い!うるさい!って言われちゃうけど(苦笑)三木先生:(笑)様子見ながら、ときに短くしたり、伝わらなければ長くしたり、それを何度も繰り返すうちに、本人も全体の構造が分かってくるとこもありますからね。――確かに以前よりは分かってきているかも。でも先は長いなぁとも思います…三木先生:繰り返すことで理解できていくこともありますからね。ただ、繰り返してる間に年齢が上がっていくから、あれこれやったのが良かったのか、単純に本人が成長したのかどっちなのか分からないという。――あ~!それあります。なんかむっくんに起こる変化って、私がどうこうじゃなくて、結局全部本人の成長のような気がするんですよね~。三木先生:お!そこのまなざしは持っていてもらうとすごくいいと思います。私がこれを頑張ったからこの子はこれができるようになった!と思う親御さんは危ういというか、つまずきやすいんです。私は果たしてどれくらいできただろうか、全部この子が頑張ったからだって思えるほうがいいんじゃないかな。――そっか……そっか!よかった~(笑)なんだか自信つきました!ありがとうございます。Upload By ウチノコいつもなら深刻になってしまう癇癪の話が、笑いながらできたこと。それがなにより嬉しい時間でした。癇癪は困るからしないように子どもを変えなくては!という思考ではなく、私はこの子が理解しやすいように、落ち着けるように、言葉を選んで発信しただろうか?という視点を忘れずにこれからもむっくんに関わっていきたいと思います。執筆/ウチノコ
2021年08月20日止まらなかった指摘Upload By taekoミミが1年生のころにも、Aくんに「○○が違うよ」などの指摘をすることが多く、Aくんのお母さんから「班を変えてもらいたい」と要望がありました。スクールカウンセラーさんの助言もあり、そのときは、ミミに伝えて登校班の並び順を変えようと提案しました。ミミは「相手の嫌がることは言わない」と言ったので、様子を見ることにして登校班は変えませんでした。でもミミの指摘は止まらなかったのです…。2年生の5月の朝、登校班の待ち合わせ場所でミミが「Aくんの隣はイヤだ」と小さな声で言いました。小さな声で言えたことを褒めたのですが、私の見えないところでミミがAくんに聞こえるように「Aくんの隣はイヤだ」と言っていたようで、子どもたちを見送った後にAくんのお母さんから呼ばれて「登校班を変えましょう」と言われました。そしてとうとう登校班を変えることになりました。Upload By taekoミミのAくんへの指摘グセは一度や二度じゃなく、何度もAくんの嫌がる言葉を言っていました。それはイジメに当たるかもしれない。少なくとも相手はそう感じていたと思います。Aくんのお母さんは、学校の先生にもミミの指摘グセのことを相談していました。それでも改善されなかったのだから、ミミの登校班を変えてほしいとAくんのお母さんが要望するのは、自分の子どもを守るために当然かも?しれません。担任の先生には1ヶ月前に、登校班を変えることができるのか確認したことがありました。先生の早い対応のおかげで、その日のうちに登校班の変更をすることができました。Upload By taeko登校班が変わることをミミに伝えると…帰宅したミミに、来週から登校班が変わること、好きじゃない子がそばにいたら少し距離を置くこと、「キライ」と思っても直接言わず私に教えて欲しい、といつも以上に真剣に伝えました。ちょっと落ち込んだ様子だったけど、少し時間が経つといつも通りになりました。新しい登校班のメンバーを確認していたら、同じクラスのCくんがいました。それをミミに話すと、「Cくん、イヤなことを言ってくるからイヤだ」そう。ミミが今度は言われる立場になるのかも。もしかしたら良い経験になるかもしれないなと思いました。Cくんのほかにも、年上のDくんと学童で関わりがあったらしく「Dくんがいるのか…」とミミ。Upload By taeko新しい登校班からの登校が始まると…「Dくんめ!!」とミミは、すごい敵対心。Dくんは年上の余裕?なのか、ミミを相手にしません。登校班で歩き出すとミミはかかとを踏まれて「何で踏むんだよ!」とピリピリ。わざとじゃないよ、と私が伝えてもミミは「わざとだよ!!」とイライラモードです。何が足りないんだろう?分かりやすい愛情表現が必要なのかな?私はミミを抱きしめました。私が無意識に発する言葉がミミをキズ付けているかな…。Upload By taeko新しい登校班の連絡網にミミの特性(ASDであること、通級に通っていること)を伝えて、何かあったら知らせて欲しいと送りました。前の登校班ではミミが同じ登校班の子にイヤな思いをさせてしまっていたけど、今度はイヤなことをされる側になるのかも。ミミはイヤかも知れないけど、逆の立場になり、いろいろ経験になるチャンスだと思いました。何かあったらそのときにまた考えよう。登校班を変えたことで私は心のうちで少しだけホッとしています。いろいろな立場を経験することは親子共に経験になるはず。ミミは私のために登校班を変えてくれたのかも〜と都合良く考えようと思っています。Upload By taeko執筆/taeko(監修:初川先生より)これはとても難しいテーマだなと思います。ミミくんにとっては、苦手な子と隣になることは嫌なことで、不安や落ち着かない気持ちになるのでしょう。それを「イヤだ」ということはある意味とても大切なサインを出していることです。しかし言われる側もまた子どもなので、それによって嫌な気持ちがうまれてしまいます。対応の一つとして、「イヤ」に代わる表現をたくさん準備しておくことはできるかもしれません。「心配だ」と不快な気持ちを表現してもよいですし、「○○さんと隣になりたい」という代替案を言えてもいいかもしれませんね。もう一つとしては、環境調整もあり得ます。登校する時点でミミくんはストレスフルな状態になっていますが、登校後に影響はあるのでしょうか。お母さんが既に見守りながら一緒に登下校しているのであれば、まずは班から半分離れてお母さんと一緒に行くか、あるいはお母さんも一緒に登校班に入ってしまうかして、心穏やかに登校することを検討してもいいかもしれませんね。心にゆとりがないと、苦手な子の嫌な部分だけが目につきやすいものです。安心して過ごす中で苦手な子の別の側面(優しいところなど)にも気づけるとよいのではないかなと思います。
2021年08月19日先生からの”さり気ない支援方法”は予想外のもので…!?Upload By 丸山さとこ学校に通っていると、ノートやプリントなど”子どもから学校への提出物”がたくさんあります。息子のコウは、小学校入学以来それらの提出物を出さないことがしばしば問題になっています。宿題の方は、朝一斉に集めることもあり年々出し忘れが減ってきているそうですが、授業中に配布と回収を行うプリント類は未提出が目立つようです。そんなコウに対して先生は声掛けをしてくださるのですが、回収し終わってから声をかけるとクラス内で目立ちますし、提出物が一斉に集まるときはコウが出しそびれていても気づきにくくなってしまいます。そこで、担任の先生は提出物を集めるにあたって『名簿順に提出するルール』を作ってくださいました。『丸山』は名簿順で一番最後。これによってコウが提出物を出していないことに先生が気づきやすくなりました。Upload By 丸山さとここれもまた『その子一人ひとりに合わせた支援』なのかも?定番の支援方法として紹介される支援には、普遍性が高く汎用性に優れたものが多くあります。それにより、支援を必要とする当人や周りの支援者たちは優れた支援方法を共有でき、本当に素晴らしいものだと感じます。しかしその一方で、実際に学校内での支援を望む際には、それら定番の支援方法を活かすのが難しいこともしばしばあります。先生のポリシーとかみ合わなかったり人手が足りなかったりすることもありますし、支援を受ける子ども本人が「みんなと違うと嫌だな」「目立ちたくないな」と思う場合もあります。Upload By 丸山さとこそんな中、「集団への指示が通りにくい児童に対して個別に声をかけて促す」という定番の支援を、集団への支援と合わせてさり気なく行うために作られた「名簿順に提出する」ルール。たまたま今年はクラス名簿の最後尾だったことで行えたその支援方法は、来年以降は使えないものかもしれません。けれども、その「今年限定で行える支援」は、現在のコウに合わせて考えられたピッタリの支援と言えるのだろうと思いました。担任の先生が考えて下さった工夫と細やかな配慮を、とてもありがたいなと感じました。Upload By 丸山さとこ余裕をもって支援を行えるだけのマンパワーがあったり、子どもたち一人ひとりがそれぞれの違いを認めて支援を受け入れられるのであれば、それはとてもよいことだと思います。それを念頭において目指しつつ、「実際に今できそうなこと」や「支援を受ける子ども当人の気持ち、その子の周りにいる子どもたちの気持ち」も大切にして、”そのときのその子に合った支援”を実現していけたらいいな…と思うこのごろです。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)クラス全体に有効なユニバーサルな支援のほかに、個別の支援としての合理的配慮があります。このような合理的配慮を選択する際に、コウくんの体験のように本人にとっての受け入れやすさという視点も必要になります。例え最初は考えた支援がフィットしなくても、先生とコミュニケーションしていくことで、よりよい支援に調整していけると良いと思います。
2021年08月18日私には現在小学3年生の長男がいるのですが、発達障害であるADHD(注意欠陥・多動性障害)の診断が下りたのは小学校2年生のときでした。さらに3年生になった今年、自閉症スペクトラムの診断が下りたのです。私は、小学生になるまで長男の障害を見つけてあげられなかったことを後悔。乳幼児健診のとき、こうしておけばよかった! と思ったことをお話しします。 1歳半健診では育てにくさを伝えられずハイハイをし始めたころから活発な長男でしたが、1歳になるころには多動が目立ち始めていました。他の子とちょっと違うなと感じつつも、気にするほどでもないと思う中で、1歳半健診の日を迎えました。 1歳半健診の質問項目に「育てにくさを感じますか?」とあったのを見て、一瞬戸惑う私……。買い物先や支援センターでよく脱走し、かんしゃくがひどいことに悩んでいたからです。 しかし育てにくいレベルに入るのかわからず、悩みながらも「いいえ」にマルをしたのです。このとき「はい」または「わからない」にマルをしていれば、支援に繋がったのかなと思います。 3歳児健診でも育てにくさを伝えられず!その後長女が生まれ、育児に奮闘しているうちに年月が経ち、長男の3歳児健診の日を迎えました。3歳になるころにはお喋りもじょうずになり、手先も器用になってきていた長男。一方で相変わらずかんしゃくが酷く、2歳下の妹を叩いてしまうこともしばしば……。 しかし私は3歳児健診での問診票でも、「育てにくいですか」の質問に悩み、「いいえ」にマルを付けてしまったのです。さらにあらかじめ相談内容を固めていなかったため、悩みをどう伝えたらいいのかわからず健診は終了。私はまたもや悩みを伝えられないまま、健診をスルーしてしまったのです。 次男のおかげで保健師さんに相談でき…3歳児健診を過ぎると、市の乳幼児健診の場はありません。仕事が忙しくなったこともあり、日々の家事、育児をこなすだけで精一杯の私……。そして長男が小学校に入るころ、転機が訪れました。わが家に次男が生まれたのです。 育てやすい次男ですが体が小さく、4カ月健診で経過観察となってしまいました。おかげで市の保健センターから、よく電話がかかってくるようになりました。長男のかんしゃくに悩んでいた私は、すがるように保健師さんに相談することに! すぐに専門的な相談施設を紹介され、小学2年生になったころにADHDの診断が、さらに1年後に自閉症スペクトラムの診断が下りました。 長男の幼児期を振り返ると、後悔するのはやはり乳幼児健診で悩みを伝えられなかったことです。伝えるべきか迷う程度の悩みでも、困っているなら相談するべきだと思いました。今では主治医や臨床心理士さんに相談しています。次男が3歳児健診を迎えるときには事前に悩みをリストアップし、細かく相談したいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/みいの著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2021年08月17日生活習慣をつけるのは難しい!睡眠障害がひどい娘(ASDあり)は、起きる時間がまちまちなので、何時に何をやるという生活習慣のつけ方ができません。起きてすぐ顔を洗って歯磨き、朝ごはんという流れのあるものはまだよいのですが、次に寝るまでの間にどこかでやらなければいけないものについては、どうしても「ふんわり」してしまうよう…。本人も「何かやり残したことがあるんじゃないか」と寝る前に不安になり、眠れなかったりするんです。「睡眠時間を整えれば、すべて解決するよね?」という話なのですが、それが一番難しいのです。ママお手製「毎日やることカード」登場!Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ中学1年(12歳)の冬休みから使い始めた「毎日やることカード」。中学3年(14歳)のGW終わりまで、1年半ぐらい活躍しました。最初はやったりやらなかったり、またひっくり返すのを忘れたりしていましたが、半年ぐらい続けたら習慣化してきました。わからなくなったら見る、そのためだけのカードだから…やってみて意外と大事なポイントだったなと思うのが、このカードの内容が「やらないといけない」ことではないということ。カードがペラペラの紙に手描きでぱっぱと描いたものだったことも、よかったのではという気がします。これらが、適度な緩さを生んで、いっちゃんも構えずに「書かれていることをやったらひっくり返す」という作業に気軽に取り組めたようです。Upload By 寺島ヒロ嬉しい誤算?自分でタスクをやりくりできるように!目的は親の決めたタスクをこなすことではなく、いっちゃんが「まだやらないといけないことがあるんじゃないか?」と思って、不安にならないようにしたいということだったので、やってないことを叱ったり、急いでやらせたりはしませんでした。そのうち、いっちゃんはカードを見ながら「今日はほかにやりたいことがあるのでこれはやらない」「今日はこれとこれを端折って、明日のために早く寝る」などと、自分で決めて、カードを伏せて置くようになりました。もちろん何もない日はちゃんとタスクをこなします。意図してやったことではありませんでしたが、カードをいっちゃんが自分でやりくりすることで、少しずつスケジュールを管理する力も身についてきたようです。執筆/寺島ヒロ(監修:初川先生より)やることを視覚化しておくと、本人も周囲も確認できるのでとてもいいですね。本人にとって周囲からの余分な声掛けも減るので、自分で自分の行動をコントロールできている感覚も育つと思います。ASDのあるお子さんに限らず、ADHD傾向のお子さんにも有効です。そして、「絶対にすべての項目をやらねばらない」という設定ではなく、あくまでも確認用として導入したことも思春期以降のお子さんであったり、こだわりに転化しそうなお子さんにはよかったのだと思います。カードを自分で運用できるまでに育っているのは何よりです。
2021年08月17日少しでもハラハラ要素を減らしたい!Upload By koto娘の癇癪や多動、危険行為が激しかった1~4歳前ごろ。例えば、ガラスを割ろうとしたり、玄関から外に出ようとしたり、家具に登ったり、テレビを叩いたり…。動き回り、次から次へと手を出すので、たとえ家の中でも気を抜くことは許されませんでした。それに加えて、謎のこだわりや強い要求など、感情を爆発させ続ける娘。あまりに泣き声や絶叫する声が大きくて長いので、通報されるのではないかとハラハラしながら過ごしていました。そんな中で、少しでも心が乱れる機会を減らすためにした、対策の数々。まず、食器はすべてプラスチックやメラミン、木製の物など割れにくい素材に替えました。大人が使う物もすべて割れない食器に。娘のコップは、マグを卒業してもずっとフタつきの物を使い、娘が不注意でコップを倒してもこぼれず、落としても割れる心配がない物にしました。パンクするかもしれないと思ってUpload By kotoまた、断捨離を行い、触って欲しくない物や危険な物を極力なくし、安全な玩具以外は置いていない、ガランとした家にしました。テレビ付近には人工芝を裏返したもの(踏むと痛いので近づかなくなる)を置き、ベビーゲートもあちこちに置いて、自分がトイレへ行くときなどは少し目を離しても大丈夫なように、できる限りの工夫をしていました。それでも、「最低限のことをするために少し目を離せるようになった」だけ。少しの休憩やリラックスするほどの時間は取れません。娘が寝ているときに、SNSで同じような思いをしている人の投稿を見つけたり、療育で知り合った人と励まし合ったりすることで少し気が紛れるようになったのですが、今思えば、当時は娘の感情にまっすぐに向き合い、すべて受け止めようとしていたように思います。それでは、母親といえどもキャパオーバーして当然です。夫は帰宅が夜になることも多く、私1人ではパンクしてしまう、そう思ったころから、理解ある友人に声を掛けて会ってもらったり、安全対策万全の療育園の園庭で遊ばせたりして、積極的に少し気を抜く時間をつくるようになりました。”耳でつながる”外の世界Upload By koto私が唯一、子どもの様子を見ながらできた気晴らしは、ワイヤレスイヤホンでラジオや音声配信を聴いたり、音楽を聴くことでした。子どもと2人きりの家の中でも、他人の声を聞いたり、好きな曲を聴きながら寝かしつけ等をすることで、少しリラックスした気分を味わうことができたのです。有線のイヤホンは、娘が気づくので使えませんでしたが、無線で片耳だけで聴けるイヤホンは、つけていることに気づかれにくく、もう片方の耳は娘の声や動きの音を拾えるので、安全かつ快適に気晴らしをすることができました。私が現在、ライブ配信や音声配信をさせてもらっているのも、自分自身がそういったことでかなり救われた部分があるからです。目を離せない、息抜きできない、手を離せない…。そんなときでも、耳は外の世界と繋がっている。コロナ禍で密室育児になりがちな方たちにも、オススメのリラックス方法です。執筆/koto(監修:井上先生より)kotoさんのお子さんのように、家の中で物を壊すなどの危険な行動をしてしまい、親御さんが1日中片づけてまわらなければいけないという悩みはよく聞きます。kotoさんが工夫されたように、被害を最小限にしたり、暴れていい場所を限定したりといった環境調整をすることが有効なのですが、インテリアを変えるなどの部屋の整理や断捨離は思い切りが必要になります。インターネットを通じて同じ立場の親御さんと支え合う、旦那さんなど周囲の応援を求める、自分自身の余暇を工夫してリラックスすることも大切です。この記事を参考に、できるところから始めてはいかがでしょうか。
2021年08月16日Q.「早期療育」とはなにをすることですか?A.発達障害がある子どもに対して早期からその子に必要な支援を開始することです。早期から支援をおこなうことで、発達を促進し適応状態を改善することで、不登校、抑うつなど二次的な問題を予防することができると言われています。Upload By 発達障害のキホン発達障害は脳の機能障害と考えられていますが、その原因は詳しくは分かっていません。障害特性自体を治療することは難しいものの、その子にあった環境を整え、必要なスキルを早期に獲得することで、社会生活における困難さが起こりにくくなります。早期療育には、自閉症スペクトラムに関しては、ABAと言われる応用行動分析の手法を用いたもののほか、自然な文脈の中でコミュニケーションスキルを発展させるDSP、当事者とその家族を対象とした障害支援プログラムである包括的介入とも言われるTEACCHなどさまざまな手法がありますが、子どもに関わる際に共通のポイントがあります。・スモールステップでスキルを学習すること・見通しを持つなど、安心して過ごせる生活環境をつくること・日常生活の中で学んだスキルを使用する機会をつくること・保護者も共に関わること早期療育には家族参加が欠かせません。保護者がどのように関わればいいのかは、子どもの療育を担う発達支援施設の専門家や、療育施設などで行われるペアレントトレーニングなどで学ぶことができます。
2021年08月15日怖がりのADHD息子。今夜も心霊番組で眠れない!Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は怖い話が大好きです。夏になると放送される心霊番組は必ず食い入るように見ています。心霊番組が好きなのかと思いきや…実際はノミの心臓か!というくらい臆病で、視聴中には私に寄り添ってきて「お母さん側にいて」と腕を組み、ドキドキしながら見ているんです。毛布を持ってきて、それにくるまりながら見ることもあります。Upload By かなしろにゃんこ。怖がっていても目は画面にくぎ付けで…私はと言うと、息子がくっついているからかすごく暑い!案の定、そのあとは物音にいちいち怯えて震えたり、もちろんトイレは一人で行けません。「お母さん、ぼくがトイレから出るまで見ていてね」と言う息子。「一緒にいればいいんでしょ?」と言うと「そうじゃないんだ、僕がトイレでお化けに襲われないように僕を見てて!」と言うんです。(お化けなんて現れないから大丈夫だっつーの!)と思うのですが、息子は心霊番組に影響されてしまって想像してしまうんでしょうか?「壁からお化け出てくるかもしれないから」と訴えかけてきます。(出てこないから心配すんな!)と思いますけど、本人は怖い気持ちの中で必死にトイレに入っているようです。Upload By かなしろにゃんこ。そうなると、もうお風呂も一人で入れなくなります。「ぼくがお風呂に入るのを見ていて」と先ほどと同じことを言ってドア開けて入ります。風呂場の湿気がガンガン居間に入ってくるので、とても困ります。大迷惑です(笑)最終的に怖くて眠れなくなるので電気を点けたまま寝ます。(TVに出てきた恐ろしい話が自分にも起こったらどうしよう…)と考えてしまって、なかなか眠れないと言います。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。成長した息子の当時の心境を聞いてみたら…?そこまで生活に困り感が出るくらいならば見なければいいのに?と思うのですが、イヤだと思いながらも興味が勝ってしまいやめられないのだそうです。発達障害のある子は感覚の過敏や思考の偏りから「お化けや幽霊を怖がる子が多い」と聞きますが、これも特性からくるものなのでしょうか?大きくなった息子にその心境を聞いてみたところ「スゴイ刺激が欲しいときもあるんだよ。不安になる気持ちとワクワクするような好奇心が混ざった複雑な…ザワザワした感じを楽しむというか。本物の幽霊を見てしまうような霊感が全くないから余計に『見ちゃったらどうしよう…』と想像して不安定な気持ちになるけれど、完全な恐怖感という訳でもない。不安定になりたいときが自分の中にあるっていうことかな?」と言っていました。Upload By かなしろにゃんこ。ほどほどでやめておけばいいのだろうけれど、ついついのめり込んでしまって夢中になってしまう。番組が終わっても自分のリアル現実世界で怖いことが起こるような気がしてしまう。心霊系だけはフィクションとして処理できない自分がいるようです。Upload By かなしろにゃんこ。母は心霊系が怖くないのでよく分かりませんが、要はドキドキする自分のアクションごと楽しんでいるということでしょうか?夏休み期間中は学校もないので嫌なことも少なく、精神的な調子が良いからそう思うのかしら?「でも怖い番組の影響で今も寝るときに真っ暗だと眠れないから、常夜灯を点けて寝ることにしている。怖い番組を見たあとのトイレは心を無にして素早く済ませ、スマホで楽しい動画を見ながら寝落ちすることにしている」と自分で恐怖心を克服して眠る工夫ができるようになったのは良いとして、大人になったのだからいい加減心霊系に慣れなさいよ!と思っています(笑)執筆/かなしろにゃんこ。(監修:初川先生より)怖くてドキドキするのも度を越えなければ楽しいことですね。ただ、年齢が幼いうちは、事実と作り物の区別がつかなかったり、発達的な特性がある場合は一度そういった番組にフォーカスしてしまうと途中で興味関心を自分でそらすことが得意ではなかったり、怖い状況に合致する情報(例 何気ない物音をお化けの音ととらえる)を多く取り込みがちであったりします。結果として自分でも想像以上に怖い思いをしてしまうことがあるのでしょう。見終わったときの気持ちや行動の変化を一緒に振り返って、それでも見たいか、それとも今はやめておく(もっと大きくなってからにする)など、親子で話し合ってみてもいいかもしれませんね。
2021年08月14日「汚い」という概念は、どうやってできあがる?「手洗い」・「うがい」は、何のためにするのでしょうか。健康を維持するために、ウイルスやばい菌を落とす、つまり「汚いものを体から取り除く」という目標があります。これが理解できないと、「手洗い」も「うがい」も自ら取り組んでできるようにはなりません。この「汚い」という目に見えない概念がどう育っていくのか考えてみます。0歳のころは、おしっこやうんちが出る感覚を少しずつわかるようになる時期です。しかし、まだおしりに何か「汚い」ものがついている、という認識はないでしょう。大人がおむつ替えをしたあと、「きれいになったね」や「さっぱりしたね」と声かけすることが大切な時期です。1歳から1歳半くらいになると、うんちが出たあとそのままにしておくとおしりに何かがついていて気持ち悪い、と「自分と異物」の認識ができるようになってきます。1歳半~2歳ごろになると、過去の記憶を思い出せるようになり、「このモゾモゾする感じはうんちやおしっこが出るんだな」と予測したり、出たときに「おむつかえて」と伝えたりするようになります。この違和感のある何かが自分の体についていることが「汚い」という状態だと理解し、「汚い」の概念を覚えていきます。「ごっこ遊び」がもたらす生活動作の練習機会などが大切その次は「目に見えないものをきれいにする」という「手洗い」「うがい」の動作のステップに進みます。この「汚い」を認識する過程がないと「だって何もついていないからきれいだもん」ということになってしまうからです。2~3歳というのは、遊びのバリエーションが根本的に変わる時期で、「ごっこ遊び」ができるようになります。目に見えないものを空想し、演じ、ものに役割を託すといったことができるようになります。「ほら、手にばい菌がついてるよ」と言われて、「ここにばい菌がいるんだ、ばい菌は汚いんだ」ということをイメージして、手を洗うという行動につながります。やがて、「洗いなさい」と言われたら洗う段階を経て、言われなくても手洗いする習慣化が徐々にできていきます。子ども自身が「さっき泥んこ遊びしたから、手が汚れている」と考え、手洗いしようと考えられるようになってはじめて、「自分で手洗いできる」状態となるのです。「手洗い」という動作をスモールステップで考えてみるどのような日常生活動作でも、実際のやり方を教えるときには、動作を分解してスモールステップで教えます。「手洗い」という工程は以下のような手順になっています。①蛇口から出る水に手をつける②石けんをつけて手をこすり合わせる③手についた石けんを水で流すこれらをどのような成長過程を通して学んでいくのかを見ていきましょう。①の『手を水につける』というのは、赤ちゃんのころに水に触れて遊ぶことがスタートとなるでしょう。次の段階として、水遊びをしてもいい場面とそうでない場面を親子のコミュニケーションを通して学んでいきます。②の『手をこすり合わせる』は、さまざまな歌に合わせた動画などもあると思うので、好きなものを参考にしてください。「お父さん指から~♪」と手遊び歌を取り入れると、歌で指の名前を覚えたりしながら、楽しく洗うことを覚えられます。さらに手洗い歌などを通して動作の模倣、風景を想像することで、③の工程で手についた泡を水で流す動作や石けんのヌルヌルがなくなっていく感覚を見通し持って取り組んでいくことができます。最初のうちはしっかりとした洗い方は求めず、「できた」という経験を糧に徐々に動作がうまくなっていくように見守ることが大切です。ごはんやおやつの前、外から帰ったときに「手を洗おうね」と伝え、手を洗う、それがだんだんにルーティン化して、2歳ごろから言われなくても手を洗おうとするようになります。ある日突然、「手洗い」を自発的にするわけではなく、少しずつステップを踏んで、できるようになっていきます。それでも「手が汚れている」ということがうまく伝わらない場合もあります。例えば自閉症などの特性のある子どもの場合、目に見えない汚れを『きちんと落としてね』など曖昧な指示の理解が難しいことがあります。子どもの特性をふまえて手洗いの様子を視覚化して『この手順で手を洗えば良いんだな!』と伝えてあげることが大切です。Upload By 発達障害のキホン感覚の特性が強い場合、例えば水が冷たくて嫌な子、濡れるのが嫌いという子や、手洗いが水あそびになってしまい「終わり」にできない子など、スモールステップに分けても①の『水に手をつける』段階でうまくいかない子もいます。そのときは、消毒用アルコールティッシュなどで拭いてあげる「置き換えルール」を一緒に取り組んでいけると良いでしょう。嫌がることを強要しないことが大切です。そのときはできなくても、成長とともに次第にできるようになることもあります。■目に見えない口の中、苦しい姿勢、難易度が高い「うがい」次に「うがい」ですが、「手洗い」よりもハードルは高いです。口の中、見えないところの動きを想像することや、頭を後ろに倒すという姿勢は認知面、運動面の発達が裏付けられています。まず必要な運動機能について。2~3歳の子どもに、「ガラガラ」や、「おくちぐちゅぐちゅ」をしてみましょうと言っても、体の機能が育っていない子にはとても難しいです。これらを練習してできるようになっていても、口を閉じて水を口に含み、しっかり体を立てて上を向き、口を開けたまま息を吐くことができなければ、うがいはできません。それでは、「手洗い」と同じように、「うがい」の動作を分解してみましょう。「うがい」という工程は以下のような手順になっています。①口に水を溜めること②喉頭で水をガラガラする③水を口から吐き出す①は、コップから水を口に入れ、飲まずに口に溜めておくこと。口の中に水を留めていられない子は、飲んでしまうか、口の端から漏れてしまうか、すぐにピュッと外に吐き出してしまいます。②は、上を向いてのどをガラガラさせるのは、水がのどから奥へ侵入しないように、息を吐き続けながら鼻呼吸ができないとできない難易度が高い動作です。最後に③は、①で口の中にためた水を、自分の意志で吐き出します。口の中の汚れを出すという行動です。「うがい」の場合も大事なことは、「汚い」という概念の形成ができていることです。目に見えない口からノドの汚れを、きれいにするのです。口頭での指示が難しい場合に関しては手洗いと同様に視覚化してあげると良いと思います。うまくできないとき、つまずくときは『置き換えルール』で対応しよう「うがい」は呼吸のリズムを乱すので難易度が高い動作です。立って頭を後ろに倒すという姿勢自体も窮屈なので、そもそもしたがらない子が多いです。ガラガラとのどを水でゆすぐときのコツは、声を出すこと。あ~~と低い音、ア~~と高い音を出して遊んだり、お話したり歌ったり。「手洗い」のときに歌うのと同様に、楽しくするのがいいですね。口に水をためたまま上を向くことができなければ、お口ぐちゅぐちゅだけでもOKです。誘ってもうがいをしたがらない、そもそも運動機能の面で一連の動作が難しい場合には、顔を拭くだけでもOKです。ウイルスは粘膜から感染するので、目をさわったり鼻をほじったりするとウイルスを体内に侵入させてしまいます。顔を拭くことで、うがいができない子どもを守ることができます。これは、赤ちゃんにもやってあげるとよい「置き換えルール」です。顔を拭くことも嫌がるときには、タオルの温度を調整してみてください。冷たいのが嫌いならタオルを温める、暑いときなら冷やして、その子が気持ちいいと感じる状態をつくってあげます。そして拭くまえに、具体的な冷たさを教えてあげます。「これは氷のように冷たいよ」なのか「肉まんみたいに温かいよ」なのか、予測できるように教えます。過敏な子どもは、予測と違ったことに強く反応しますが、予測ができると落ち着くことがあります。予測してみて、どういう結果が返ってくるかで受け取り方が変わるので、過敏の子にはなるべく実際に起こる情報を具体的に伝えてあげましょう。「できた」ときの褒め方、「できない」ときの対処法「手洗い」・「うがい」の動作ができたとき・できなかったときに、大人が気をつけておきたいことがあります。褒めるときには、本人が求めていたことに対応していることが大切。「手がきれいになる」ということを本人が求めていれば、「きれいになったね」が褒め言葉になりますが、洗いたくもないのにいやいや手を水につけたのなら、『洗面所まで来たこと』を褒めてあげます。子ども自身が目標としたことを達成したかどうか、が大事であって、親が子どもに「手を洗ってほしい」と思っていて、それができたから「うまく洗えたね」と褒めるのではありません。本人が、帰宅して手洗い場に行くと決めていたら、手を洗うこと自体はうまくできなくても『手洗い場に行った』という行動を褒めてあげてください。やらない・できないときには、まずは前述の「置き換えルール」での対応が有効だと思います。そのときに、「なぜいやなの?」「代わりに何なら大丈夫なの?」ということを、子どもによく聞いてみましょう。親の気持ちと子どもの気持ちを歩み寄らせることが親子の「コミュニケーション」です。上手にお話できない場合でも、前後の文脈を読み取ると、なぜいやなのかは徐々にわかるようになります。対話は大切です。今の関わりが、5年後10年後に活きてきます。子どもの人格形成に早期から保護者は関わり、小学校入学ごろから親離れしていくときに、それまでに培ったことが生きてきます。苦手なことにチャレンジするとき、得意をもっと高めるときに、「なぜできない?どうしたらできる?」を対話しながら考えることが必要なのです。まとめ・共感を大切にして、日常動作を教えてほしい生活動作を教えるときに、子どもが「できるようになる」ことよりも、「隣でやっているあなたのことを気に掛ける」ことを大切にしてほしいです。人は、隣の人と同じ行動をしているときに共感し、社会性を育んでいきます。全てに共感しなくても、少なくても子ども自身が楽しかったり、隣にいる人が楽しんでいたり、そして相手を意識するということが、日常生活の中で行われていくことが良いと思います。「手洗い」や「うがい」を通して、そんな瞬間を感じ取れたらより良い親子の関係をつくっていけるのではないでしょうか。取材・文/関川香織
2021年08月13日お役立ち情報がたくさん!オンラインサマーフェスタのアーカイブ配信は8/15(日)まで!「オンラインサマーフェスタ2021」では、発達が気になるお子さまの成長を応援する企業のみなさまに協賛をいただき、セミナーやワークショップをお届けいたしました。合計4,000名を超える方にご登録をいただき、育児や療育についての情報提供、普段の暮らしをより豊かにする商品・サービスのご紹介を行いました。当日は、参加者のみなさまにもチャットにご質問をご投稿いただくなど、非常に盛り上がりました。「当日予定があり、見ることができない」「見逃してしまったセミナーを見たい」との声をいただきましたので、アーカイブ配信は8月15日まで実施しております。アーカイブ配信視聴ページでは、お得なクーポンやプレゼント企画など、サマーフェスタだけの限定特典もご案内しておりますのでお見逃しなく!ご興味がある方はぜひ下記のボタンから視聴登録を行い、アーカイブ配信をお楽しみください。Upload By 発達ナビ編集部アーカイブ配信中のセミナーを一挙ご紹介!1つでもご興味があるものがございましたら、ぜひお申し込みください。Upload By 発達ナビ編集部星みつる式家庭療育DVDは、視覚優位の特性を研究し、「見て覚える」をコンセプトに、お子さんに取り組みやすく、ご家族の負担が少なくなるよう開発された教材です。本セミナーでは、約7,000人の臨床経験をもつ、星みつる式の顧問の発達障害専門カウンセラー水沢ありさが、このようなお悩みを取り上げながら、お子さまの行動の背景・意味を解説。独り遊びが目立つ、他害がある、HSPの傾向がある、目を合わせない…どうして?どうしたらいい?そのようなお悩みにお答えしながら、家庭でのSST・言語訓練の取り組み方、療育教材の効果的な使い方、星みつる式でお子さまにどのような成果が表れたのかをご紹介していきます。自身が発達障害・HSP・学習障害の当事者でもある、水沢ありさの目線からのさまざまな体験談や子どもたちの行動の解説は、『子どものことがよくわかった』と親御さんから大評判です。みなさまの家庭療育にきっと役立つお話があると思いますので、ぜひアーカイブ動画にてご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部「すらら」は家庭学習サービスとして2017年頃から本格的に活動を始め、延べ8,000人以上の発達障害のある児童が受講、2021年現在、受講者の6割以上が発達障害のあるお子さまや不登校のお子さまです。3月に開催された「オンラインまなびフェスタ2021」では、学習サポーター「すららコーチ」の先生をお招きして、ご家庭での向き合い方についてお話しました。内容については好評を博したものの、事後アンケートでは「すらら」そのものの説明をもっと聞きたいというお声を頂戴いたしました。今回はその声にお応えすべく「すらら」が他の教材と何が違い、なぜ発達障害のあるお子さまの利用者が多いのか、上手くいった事例、上手くいかなかった事例も交え、お話いたします。「すらら」の内容を深く知りたい方はぜひアーカイブ動画をご覧ください!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部本セミナーは「子どもに合った学習支援策を見つけられていない方」におすすめです。家庭学習教材「すらら」では発達障害のあるお子さまの特性を正確に把握するため、認知検査「KABC-Ⅱ」も手掛けています。WISC-Ⅳは認知能力を検査しますが、「KABC-Ⅱ」は、学力も検査します。また、学習課題ランキングの常連「読み・書き」において注目したい「眼球運動」。前半はKABC-Ⅱの説明を、後半は検眼士の北出勝也先生をお招きし、視覚機能検査やビジョントレーニングの世界観をご紹介しました。北出先生に向けたご質問もアーカイブ動画では配信されています。夏休みを利用して、お子さまの得意/不得意を見つけてみませんか?Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部アネビーは、「発達障害」を「感覚の障害」ととらえ、遊具の力で発達支援に取り組む遊具メーカーです。人間には、よく知られた「五感」の他にも20種類以上の感覚があります。アネビーは、その中でも将来の学習や社会性の基盤になる大切な5つの感覚を「新五感」と呼んでいます。「危険なところに登る」「遊具を上手に使えない」「こだわりが強い」などの「あるある」行動は、お子さまの感覚の発達が関係しているのかも…?本セミナーでは、新五感に働きかける身近な遊具の力やおすすめの遊び方を紹介しました。当日の質疑応答の様子も含めてアーカイブに配信されておりますので、ぜひご覧ください!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部コンセプトは『つくって、あそんで、ひらめいて。』「toio™(トイオ)」は、身近なブロックや工作などさまざまなものを取り付けて自由にあそんだり、ご⾃宅で楽しめるプログラミング教材としてもご利用いただけます。まずは見よう見まねからはじめ、次第に自分で手を動かして夢中になるうちに、創意工夫が自然に生まれる。そんな体験が詰まっています。本セミナーでは製品紹介に加え、発達が気になるお子さまや発達障害のある児童向けに実際に「toio」をご活用頂いている「くらしのまなび舎 Olea」や「放課後等デイサービス ウィズ・ユー」の方にもご登場いただき、「toio」ご利用のきっかけやその効果などを、実例をもとにご紹介しました。【こんな方におすすめです】✔お子さまがブロックやゲームで遊ぶのが大好きな方✔お子さまがプログラミングに親しむきっかけをお探しの方✔お子さまの創造力を育みたい方当日は使い方などについての質疑応答の様子もアーカイブ配信されていますので、ぜひご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部家庭学習教材「月刊ポピー」は創刊以来50年近く、全国のご家庭の家庭教育・家庭学習をサポートしてきました。ポピーにて、会員さまの家庭教育・家庭学習に関するお悩みにお答えされている、元小学校の校長先生がセミナーに登壇。例えば以下のようなご質問にお応えします。夏休みの宿題(自由研究・読書感想文・ドリル編):自由研究や読書感想文ってなかなかはかどらないですよね。子どもに「やりなさい」といっても、「どうしたらいいかわからない」となかなかやりません。 また、ドリルもなかなか取り組む気配がありません。親が手伝ってもいいのですか?夏休みの生活編:子どもが夜遅くまで起きていて朝はなかなかおきません。親としてイライラします。どうしたらいいですか?夏休みの学習編:ドリルの宿題がたまってしまいます 。宿題だけでなく、普段の家庭学習も、なかなか習慣化できません。2学期に苦手を持ち越さないために1学期の復習もさせたいです。どうしたら効率的に取り組めますか?当日は、その場で質疑応答も実施。ご興味ある方は、ぜひアーカイブ配信をご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部ぜんち共済は、知的障害・発達障害・ダウン症・てんかんなど障害のある方向けの保険を取り扱う専門保険会社で、前身の全国知的障害者共済会から20年の歴史があります。ぜんちのあんしん保険は、障害のある方特有のパニック事故、トラブルに巻き込まれたときの弁護士費用、ご病気での入院、おケガでの入通院等を保障する総合保険で、5万人以上の方にご契約いただいております。今回は、「誰に聞けばいいのか?」「何から始めればいいんだろうか?」と悩みがちな「性教育」について、みなさまから事前にお寄せ頂いた具体的な「性に関するお悩み」を元にして、斎藤先生より、さまざまな角度から必要な情報提供をしたいと考えております。正解を求めるのではなく、まずは情報を共有して、みなさん個人個人があるべき姿を見つけられるように、より添っていきたいと思います。【講師】斎藤利之(一般社団法人全日本知的障がい者スポーツ協会 会長/公益社団法人日本発達障害連盟 理事 保護司)Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部机に向かうのが苦手なお子様や、教科書やトレーニングブックが苦手なお子様でも、Nintendo Switchなら楽しく「読み」のトレーニングができる!『読むトレGO!』は、ディスレクシア、読み書き障害、学習障害などの「読むこと」に困難を抱える子どもたちに向け、発達障害分野でご活躍の、医学博士の平岩幹男先生の監修のもとで開発したNintendo Switch用のトレーニングゲームです。当セミナーでは、『読むトレGO!』のご説明とともに、実際にご利用されたお子様の事例をご紹介いたします。「うちの子でも使えるの?」と心配されている方のご参考になると思います。また、監修の平岩幹男先生にもご登壇いただき、当日みなさまからのご質問にお答えいたしました。「読むこと」へのお困りについての質疑応答の内容も含まれておりますので、ご興味ある方はぜひアーカイブ配信をご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部専門家セミナーも配信中!井上先生・三木先生・田中先生のお話をぜひご覧ください!Upload By 発達ナビ編集部鳥取大学大学院教授で臨床心理士の井上先生と、児童精神科医の三木先生によるトークライブが配信されました!夏休みの宿題やゲームとの付き合い方、新学期明けの登校渋りなど、夏休み前に知っておきたいトピックを中心に、「発達が気になる子の子育て」にまつわるお悩みや不安などをQ&A形式で井上先生と三木先生にお話しいただきました。臨床心理士の井上先生、児童精神科医の三木先生、保護者のみなさまそれぞれの視点でさまざまな子育てのお悩みについて一緒に考えた1時間。ぜひご覧ください!井上雅彦先生鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授 / 公認心理師 / 臨床心理士/専門行動療法士 / 自閉症支援士エキスパート / LITALICO研究所 客員研究員応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。三木崇弘先生フリーランス児童精神科医/スクールカウンセラー兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程在学中。 愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。 2019年4月よりフリーランス。“問題のある子”に関わる各機関(クリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所など)での現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動をしている。Upload By 発達ナビ編集部もう一つの特別講演は精神科医 田中康雄先生に、夏休み前に知っておきたい内容をセミナー形式でお話しいただきました!夏休みは、1学期の学校生活での疲れが出たり、生活リズムが乱れやすくなったり、家の中のきょうだいトラブルも多くなったりと、お子さまの困りごとも増えがちな時期。保護者側も、家事や育児、宿題のサポートが増え、疲れがピークに…。そうしたスパイラルにおちいりがちな夏休みのおうち時間の過ごし方のポイントや、ご家族のレスパイトのためにも活用したい社会資源についてなど、コロナ禍の現状も踏まえて、精神科医の田中康雄先生からお話しいただきます。当日は視聴者のみなさまからの質疑応答も実施いたしました。ぜひご覧ください!田中康雄先生北海道大学名誉教授/医療法人社団倭会 こころとそだちのクリニック むすびめ 院長発達障害の特性を持つ子どもとその家族、関係者と、つながり合い、支え合い、認め合うことを大切にした治療・支援で多くの人から支持されている。アーカイブ視聴は8/15(日)まで!ここまで、多岐にわたるセミナーをご紹介させていただきました。これらのセミナー動画のアーカイブ視聴の期限は8/15(日)までとなっております。一度登録いただくと、全ての動画が無料でご覧いただけますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。まだまだ折り返し地点の夏休み。オンラインサマーフェスタを通して、多くのご家族にとって、夏休みの過ごし方のヒントになるような情報をお伝えできましたらとても嬉しいです。それでは、充実した夏休みをお過ごしください。
2021年08月13日食事に強いこだわりがある息子Pはいつもと同じ決まったものしか食べません。たとえ種類や見た目は同じものだとしても、特定のメーカーのものでないと食べない、この店のものでないと食べないなど、強いこだわりがあります。例えばフライドポテトも、切り形や揚げ方、塩加減が違うだけで食べなかったりするので「いつも食べている同じもの」「見た目が同じもの」「味や食感が均一でイメージしやすいもの」でないと安心して食べられないのだと思います。Upload By みん偏食に悩み、いろいろ工夫はしてみたけれど…偏食に悩んでいたころは、何とか食べられるものを少しでも増やしたいと考え、材料を細かく切る、好きなものに混ぜる、見えないようにこっそり入れておくなどいろんな工夫をしていましたが、Pは味や食感にはかなり敏感で、ほんの少し食べ慣れないものが混ざっていたら、まず口には入れないし、もし口に入れることができたとしても、かむ前にすぐに吐き出してしまいました。その上今まで食べられていたものですら警戒して食べなくなってしまっていたので、もう料理に混ぜ込むなどの工夫をするのは一旦諦め、とにかく食べられるものが苦手にならないよう、飽きないようにと心がけています。Upload By みんそしてこんな風に考えるようにもなりました。もし私が異国へ行った時に食べ慣れない食材が、食べ慣れない味つけで出てきたとき、それをすすめられてもすんなり食べることはできるのかな?きっと初めてのものだから警戒するだろうし、食べ慣れるようになるまで時間もかかるかもしれない。そして帰国したら「やっぱり食べ慣れた日本食が一番安心だし美味しい!」と感じるんじゃないかな?と…そう考えるとPもきっとそれと同じような気持ちで、食べたくないものを無理矢理すすめられても余計に警戒するだろうし、本人がちゃんと見て触って嗅いで、納得してから口に入れないと安心して食べられないんじゃないかと思うようになりました。食べ慣れないものをすすめめられる気持ちを考えてみるUpload By みん食べることに対して出来るだけ良いイメージが持てるよう今は全体的な発達も心がけるそれからは無理に本人にすすめたりはせず、食事がテーマの絵本を見せたり、おままごとをして遊んだりしながら食事場面以外での関わりも大切にしています。また食事中も私が美味しそうに食べている様子を見せ、タイミングを見て「食べてみる?」と促したり、たとえ口には入れなくても食べ物の匂いを嗅がせたりしています。いつか自分から食事に興味を持ち、「食べたい!」と思って口にできるものが1つでも増えることを願いながら見守っています。Upload By みん執筆/みん(監修:三木先生より)ご本人の『食べられない気持ち』を想像してみるアプローチは素敵ですね。大人側の基準だけで判断せず、何事も『この子なりの理由があるんじゃないか』と想像してみるのはとても大事なことですし、理解のきっかけになることもあります。また、最後の例のように周辺領域からアプローチする方法も有効です。
2021年08月13日3・4・5歳児の異年齢混合クラスへ次女が通っていたのが小さい小さい保育園で、3・4・5歳児は、異年齢混合のクラス。クラス全体の人数が少なく、同級生は2歳児クラスから一緒のお友達で、2歳上の長女も年長さんとして同じクラスにいたので、安心して進級できました!Upload By まりまりさすがに最初は緊張していましたが、同じクラスの長女や年上の子にいろいろお世話もしてもらい、進級後も比較的早めに新しいクラスに慣れることができていました。初めての外部講師に固まる次女…異年齢混合クラスに進級し、週1回で英語の時間が始まりました。それまで次女は習い事もしておらず、初めての保育園以外の外部の先生。そして、この英語の先生がとても明るく元気な方で声が大きく、次女が苦手意識をもってしまう先生でした…(明るくてステキな先生です)。Upload By まりまりUpload By まりまり英語のあった日、担任の先生から「緊張してしまって、何も言えず、石のように固まっていました…」とのお話が…。毎週、英語の時間の日の連絡ノートには、先生の顔が見られなかったり、何も言えなかったり、固まってしまったりという報告がありました。ただ、次女の敏感さや引っ込み思案さを分かってくれていた先生だったので、ありがたいことに温かく見守ってくれていました。そして、英語の時間が始まって約7ヶ月後、やっと「次女ちゃん、おののきながらも声が出せるようになってきました!」と先生から報告がありました…!(おののきながら…!)Upload By まりまり英語の時間以外でも、リトミックなど外部の先生が来て定期的に実施されるクラスでは、同じような緊張状態が続いていたようです。それでも、外部の先生の時間以外は、行事にもしっかり参加でき、お友達とも楽しく遊べていました。異年齢混合クラスで4歳に進級その後、異年齢混合クラスで4歳に進級。一緒のクラスで過ごしてきた長女が卒園でいなくなり心配でしたが、なじみの先生やお友達と共に、大きな問題なく保育園に通うことができていました。英語の時間は、5歳への進級が近づいてきたころに、先生から「英語の時間には表情が固まっていた次女ちゃんですが、笑顔で参加することが増えてきました」とのお話が!2年近くかけてやっと慣れたのでした…!3・4歳のこの頃の次女は、「ものすごく恥ずかしがりやで引っ込み思案な子」という感じではありながらも、楽しく保育園生活を過ごせていました。私としては、次女の消極的な性格について心配していましたが、特に大きな問題となる事件もなく過ごせていたので「まあ、そういう性格の子なんだな~」と思っている程度でした。次女にとって、保育園は第二の家だった進級など環境の変化もありながら、次女はなぜ保育園で問題なく過ごせていたのか?と、今考えると、図らずとも保育園の環境が次女にとても合っていたんだなと思います。Upload By まりまり小さくてとても家庭的な保育園で、1歳から通っているなじみの場所で、異年齢混合クラスで長女もいて、先生たちの入れ替わりもほとんどなく(何なら今も同じ先生がいらっしゃるほど!)、とにかく次女にとって安心して過ごせる居場所になっていたようです。次女の中では、もはや保育園が第2の家くらいの位置にあったんじゃないかなと…。認可保育園に入れなくて、たまたま入れた小さな保育園でしたが、結果的に次女にとっては一番良い環境になっていたのでした。もっと違う大きな園だったら…?と考えると、また違った保育園時代になっていたのではないかなと思います。執筆/まりまり(監修:井上先生より)キーワードは『安心』場面緘黙のあるお子さんの場合、環境の中での大きな変化やイベントなどが、より不安を強めてしまうことがあります。安心・安全な場所であると本人が感じられるように、発話に限らず、本人が活躍できる場面をつくりながら、安心し自信をもって活動できる環境にしてあげることが重要です。特に小さなお子さんの場合には、どんな場面が苦手なのかがわかりづらいので、保護者と園が共通理解し、連携して、情報を交換できる体制があるといいでしょう。
2021年08月12日娘が望む、放課後の過ごし方。前回の続きです。習い事(琉舞)前に、体調不良を訴えていた娘。娘には合っていなかったと感じ、やめることになりました。それから現在(小学5年生)まで、一つも習い事はしていません。今、習い事をまたやりたいか聞いてみたところ…Upload By SAKURA娘は、自宅でのリラックスタイムを大切にしたいようでした。私は、好きなことを習い事にすればそれ自体がリラックスタイムになると考えていたのですが、自宅で過ごす時間と、通う時間は違うようでした。好きな習い事=好きな時間になるわけではない?自分のときのことを思い出してみると…Upload By SAKURA私は、習い事の中に好きなこともあって楽しい時間として過ごせましたが、どういう時間が心地いいか、癒されるかは、人それぞれ。娘には、自分の好きなことを思う存分できる『自宅での時間』がリラックスタイムで、急かされずにゆっくりと過ごす生活リズムが、合っているのだと思いました。経験はさせてあげたい!しかし、娘の好きな時間を過ごして欲しいと思う反面、いろいろな習い事でいろんな経験をして、その中から自分の興味のあることを見つけて将来につなげて欲しいという気持ちがありました。Upload By SAKURA習い事をしないままだと、もしかしたら出合えないことがあるかもしれない…。親として、いろんなことを経験させてあげる役割を、どうやって果たせばいいのかという不安もありました。しかし、そのために、娘の望まない日々を過ごすのは、違う…。そこで私は、娘にこんな話をしました。Upload By SAKURAいつか興味のあることが出てきたら…発育の成長段階では、刺激も必要だし、いろんな人と関わることや経験を積むことはとても大事だと思います。しかし、成長するに従って、本人が心地よい時間の確保も大切。本人が嫌だと感じたり、自分の望む時間の過ごし方が出てきた場合は、その通りにしてあげることも必要だと感じました。リラックスした時間を過ごしていくうちに、本人が少しでも興味を持ったことは「楽しそう」という思いだけでは終わらせず、負担にならない程度に経験させてあげたい。親として、その中から将来につながるものを見つける手助けをしたいと思っています。
2021年08月11日グループホーム入居に否定的だった娘親亡きあとを見据え、将来娘にはグループホームに入居して欲しいと考えていた私。でも当の娘はグループホーム入居にはずっと否定的で「もし家を出るならグループホームではなくアパートなどで一人暮らしをしたい」と言っていました。グループホームに入居した会社の先輩から「グループホームは自由がきかない」「音がうるさい」などの話を聞いたせいもあったのか、娘はグループホームにあまり良いイメージを持っていなかったようです。一人暮らしをすることを想像してみる高等特別支援学校のカリキュラムで学んでいたとはいえ、実家暮らしの娘には、仕事から帰宅した後、自分で食事や洗濯、掃除などをすることがどれだけ大変なのかや、『家賃』『食費』『光熱費』『交際費』『交通費』など実際一人暮らしをするのにはどれくらいお金がかかるのかなどが、リアルに想像できないようでした。お気楽親子⁉社会人になってから娘は給与の一部を食費として家に入れていました。携帯電話の料金と任意保険も自分の給与口座から支払っていました。残った給与は自分の趣味やおやつ代などに充てていて、娘の部屋は大好きなキャラクターグッズや漫画で溢れていました。私は「自分で働いたお金で買ったものだし他人に迷惑をかけているわけではないので問題はない」「趣味は大切」「仕事を続けるための活力になるのだったらむしろ良い!」と思っていました。このころは私も娘と同様『いつかは』家を出て自立できたら良いなぁ、程度に考えていたのです。同志でもあるAちゃんのお母さん娘が社会人2年目のとき、私は娘の同級生のAちゃんのお母さんと会う機会がありました。Aちゃん一家は高等特別支援学校入学時に学区外から引っ越してきました。引っ越し前の入学説明会には学校の近隣に住むおじいさまが来ていました。娘の同級生の中には途中で学校を辞めた生徒が何人かいました。辞めた理由はさまざまですが、自分でアルバイト先を探すような自立心が旺盛な生徒さんたちは比較的早い時期に学校を辞めていきました。退学した生徒と仲が良かったAちゃんは、いろいろと悩んでいた時期がありました。私の娘も学校を辞めたいと言っていた時期があったので、私とAちゃんのお母さんは在学中、親としての悩みをお互いに話したりしていました。当時私たちは主治医やカウンセラー選び、子どものメンタルの安定のための趣味の充実の工夫、セラピーなどを模索していました。私たちは、特性を持つ思春期女子の子育てに奮闘する『同志』のような関係でした。娘から「Aちゃんが一人暮らしをしている」と聞いていた私は、そのことをお母さんに尋ねました。Aちゃんは高校卒業後入社した特例子会社を一年ほどで辞め、別の仕事をしながら親元を離れて暮らしているとのことでした。一般的には「親元を離れて暮らしている」と聞くと「すごい!」「自立してる!」「良かったね!」と感じることでしょう。でもそこに至るまでのお母さんの並々ならぬ苦労を私は知っています。また、障害のある子どもの転職や引越しにはさまざまな段取り取りが必要です。特例子会社を退職するときの手続き。就労先を斡旋してくれた学校との連携。就労支援事業所の利用や、生活保護をうけるかどうか。グループホームの見学や体験。転出・転入の手続き。福祉関係の引き継ぎ。引っ越し作業。etc…それらには時間と労力を要します。高校入学時からのお母さんのさまざまな苦悩を見てきた私は、彼女の複雑な心境も痛いほどよく分かりました。そして成人しているとはいえ20才そこそこの障害のある女の子が親元を離れて暮らすことへの心配もーー。モヤモヤする母ゴコロ彼女はご主人やきょうだい児たちから「お母さんは過保護だ」と言われたそうです。私たち母親は、子どもが小さいころからわが子の苦労やつまずきを減らそうと試行錯誤を繰り返してきました。トラブルの際には矢面にも立ってきました。さまざまな困難に直面し、ときには傷つき、子どものかんしゃくや自傷を目の当たりにしたりにしながらも必死に毎日を過ごしてきました。確かに私たちには“心配癖”が付いてしまっているのかもしれません。でも長い間、人並み以上に手のかかる子どもの世話をし続けてきた私たちは、『過保護』や『過干渉』と言われることに何だか納得できませんでした。もしかしたらこの気持ちは父親やきょうだい児には理解してもらえないのかもしれません。ずっと先のことだと思っていた「わかる、わかる、その気持ち!!」と深く共感しつつ話を終えた私たち。でもこのとき私は、「うちの娘はまだ家を出ていく気は無いようだし。初期費用(※)も貯まってないし。まずは仕事を続けることが目標かな」と考えていました。私も娘自身も、その後一年足らずでグループホーム入居に向けた動きが始まり、親子ともども悩むことになるとは露ほども思っていなかったのです。※グループホーム入居に向けては引っ越し費用などを含めて100万円程お金を貯めてからの入居が好ましいと言われている(諸説あり)執筆/荒木まち子Upload By 荒木まち子(監修:三木先生より)いろんな時間を共にしてきたお母さんの方がどうしても心配しすぎてしまうんじゃないかと不安になることはありますよね。ただ荒木さんの場合は、ご自身の心配を振り返りながらお子さんの問題ときちんと分離して悩まれているようですので、安心していっぱい悩んでもらって大丈夫だと思います。
2021年08月10日私には発達障害を持つ長男をはじめ、3人の子どもがいます。以前はフルタイム勤務の会社員をしていましたが、長男の小学校入学と3人目の出産が重なったことを機に退職。3人目が1歳になるころ、在宅フリーランスに転身しました。発達障害の長男を持つ私が在宅勤務になってよかったことと、大変だったことをお話しします。 長男が小学生になると毎日が事件の連続!私が在宅フリーランスに転身したきっかけは、発達障害を持つ長男の小学校生活が気がかりだったからです。 長男が小学校に入学すると、毎日のように事件が勃発。持ち物を帰り道に捨ててきて探しに行ったり、宿題を始めるとかんしゃくを起こしたりと大変でした。先生からの電話や呼び出しもしばしば……。入学したころは専業主婦だったのですぐに対応できましたが、毎日ヘトヘトでした。 3人目の子どもが1歳になったら仕事をしたいと思っていたものの、外勤は無理だと思い、在宅の仕事を開始したのです。在宅の仕事だからこそ、突然の呼び出しや長男の持ち物探しにすぐ対応することができました。また、仕事をお休みするときは、フリーランスなので誰にも気をつかわなくて済み精神的にもラクでした。 有給がないため睡眠時間を削ることも…一方で、在宅勤務をして大変だったこともあります。長男を療育に連れて行ったり持ち物を壊されて買いに行ったりと、仕事の時間が削られる日が続くときがあります。 一般企業に勤めていたときは有給休暇を使うことができ、代わりに仕事を頼める仲間がいました。それがフリーランスだとひとりで仕事をこなすしかなく、終わらないときは夜中に起きて仕事をするしかありませんでした。 仕事のスケジュールを長男に合わせて対応在宅勤務をして大変だったことが、もう1つあります。普段は学校に行っている間に仕事を済ませるのですが、長期休みは長男を学童保育に預けています。発達障害を持つ長男はスケジュールの変更が苦手なので、長期休みの入りたてには学童に行きたくないとかんしゃくを起こします。 学童保育のスケジュールに慣れるまでは時々お休みすることもあり、そのたびに仕事を中断せざるをえませんでした。しかし在宅勤務だからこそ、仕事のスケジュールを長男に合わせることができたと思っています。 以前は在宅の仕事にゆとりのあるイメージを抱いていましたが、実際は思った以上に大変なことも多いのだなと感じました。私には発達障害の長男がいるため、時間調整のしやすい在宅の仕事をこれからも続けていくでしょう。スケジュール変更の多い発達障害の長男がいるからこそ、在宅勤務という働き方がぴったりだと思っています。 監修/助産師REIKO作画/やましたともこ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2021年08月09日東京2020パラリンピック、2021年8月24日(火)~9月5日(日)開催Upload By 発達ナビニュースいよいよ2021年8月24日(火)から9月5日(日)までの13日間にわたり、障害のあるトップアスリートたちの国際競技大会、東京2020パラリンピックが開催されます。今回の東京2020パラリンピックでは、新競技としてバドミントンとテコンドーが加わり、22競技539種目が実施されます。日本代表選手は、過去最多の252人。(2021年7月21日現在)アスリートたちの活躍が楽しみですね!日程・代表選手については東京2020パラリンピック競技大会特設サイトをご覧ください。感覚過敏の子どもが安心してスポーツ観戦ができる空間をつくるプロジェクトの展示も。「SDGs×ARTs」展、東京藝術大学の大学美術館にて開催。8月31日(火)までUpload By 発達ナビニュース東京藝術大学の学生・卒業生・教職員たちによる「SDGs×ARTs」展が2021年8月31日(火)まで東京藝術大学の大学美術館で開催されています。「SDGs* (Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)」をテーマに、社会課題と芸術を掛け合わせた、さまざまなプロジェクトが展示されています。展示の一つにあるのは、発達障害や感覚過敏の特性がある子どもが安心してスポーツ観戦ができる空間をつくるプロジェクト。発達障害のある子どもにとって、大きな音や、明るい照明などのスポーツの試合会場は「苦手」と感じることも多く、観戦の機会を持てない子どもや家族がたくさんいます。この展示では、観戦が難しい人の困りごとにアートの視点から向き合い、安心してスポーツ観戦できる空間を提案します。障害者の困難な体験環境をアートで解決する センサリールームプロジェクト〈詳細〉【日時】:2021年7月22日(木)~2021年8月31日(火)10:00〜17:00*休館:月曜日、8月10日(火) ただし、8月9日(月・祝)は開館【会場】:東京藝術大学大学美術館本館展示室3・4(東京都台東区上野公園12-8)【観覧料】無料【予約】不要※今後の状況により、変更、入場制限を実施する可能性があります。入場に関する詳細は以下の東京藝術大学大学美術館ホームページからご確認ください。〈主催者より〉*新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、作品にはお手を触れぬようお願いいたします。小さいお子さまは保護者の方と一緒にご鑑賞ください。障害のある方のための特別鑑賞会「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」東京都美術館で10月11日(月)に開催。事前申込は8月9日(月・休)からUpload By 発達ナビニュース東京都美術館では、「障害のある方のための特別鑑賞会」を開催しています。この特別鑑賞会は、特別展の休室日に事前申込制で行われるため、普段、美術館は行きづらいと感じている人もゆったり過ごせるので安心です。また当日は、とびらプロジェクトで活動するアート・コミュニケータ(とびラー)が受付や移動のサポートをします。※とびらプロジェクトとは、美術館を拠点にアートを介してコミュニティを育むソー シャルデザインプロジェクトです。2021年10月11日(月)の特別鑑賞会は、「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」。オランダのクレラー=ミュラー美術館が所蔵する、ゴッホの世界最大の個人収集家ヘレーネのコレクションを中心に、ゴッホ作品 52点をはじめ72点が展示されます。事前申込の期間は、2021年8月9日(月・休)から2021年8月30日(月)まで。〈詳細〉【日時】2021年10月11日(月) 10:00~16:00【対象】【対象】療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・身体障害者手帳・愛の手帳・被爆者健康手帳などをお持ちの方 400 名とその介助者(1 名まで)※対象人数を超過した場合は抽選【会場】東京都美術館(東京都台東区上野公園8−36)【観覧料】無料(介助者を含む)【申込期間】2021年8月9日(月・休)~2021年8月30日(月)【申込方法】申込フォーム、メールまたは郵送企画展「やわらかくなってみる」福島県のはじまりの美術館で開催中Upload By 発達ナビニュース福島県にあるはじまりの美術館では、2021年7月31日(土)から企画展「やわらかくなってみる」を開催しています。障害のある作家を含む7組の作家による「やわらかな強さ」をテーマにした展示会です。この1 年半ほどで、少しずつ変化していった私たちの日常。新しいルールや生活様式が生まれる中で、自分以外の人の考え方や違いを知る機会もあったかもしれません。そんな今、少しだけ必要なのは「やわらかくなってみる」ことではないか、という思いから今回の企画展がうまれました。既存の枠にはめず発想を転換したり、知らないものに出合うことで気持ちがはずんだり、体を動かすことで心がほぐれたり…。「やわらかくなってみる」をテーマにした絵画、立体作品、映像作品など、五感を刺激するさまざまな表現の作品が並び、ヨガやアートのワークショップイベントも開催されます。(イベントによっては予約が必要な場合があります)〈詳細〉【期間】:2021年7月31日(土)~2021年10月24日(日)※火曜休館【会場】:はじまりの美術館(福島県耶麻郡猪苗代町新町4873)【観覧料】:一般500 円、65 歳以上250 円、高校生以下・障害者手帳などを持っている人および付き添いの人 (1名まで ) 無料【予約】不要(イベントによっては事前予約が必要な場合があります)※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今後実施内容等が変更になる可能性があります。障害者就労支援事業所「ケアフィットファーム」がつくる山梨県勝沼産のナチュラルワイン10種、新発売Upload By 発達ナビニュース山梨県にある障害者就労支援事業所ケアフィットファームが運営する「ケアフィットファームワイナリー」でつくられた天然酵母を活用した10種のワインが2021年7月に発売されました。障害のあるスタッフたちが、山梨県勝沼で50年間葡萄づくりをしている農家夫婦の指導を受け、ワインに使用する葡萄の土づくりから収穫までを手作業で行い、自然派にこだわりをもった醸造家と共に1本1本丹精込めて醸造しています。ケアフィットファームの取り組む、さまざまな人が働きがいの持てる環境づくりと地域の農産品を育て消費していく生産プロセスは、地域創生につながるモデルとしても注目されています。「ケアフィットファームワイナリー」のワインは、山梨県甲州市にある「勝沼ぶどうの丘」の店頭か、ケアフィットファームのオンラインショップから購入することができます。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年08月09日Upload By スガカズ私、スガカズは、現在4人の子どもを育てているママです。・長男(中2 ASD、ADHD)・次男(小5 ADHD)・長女(年長 定型発達)・三男(年中、定型発達)医療と教育の連携問題。次男のときどうすれば良かった?Upload By スガカズわが家のADHDのある次男は小学1年生のとき、親と学校側との連携がうまくいかなかった経験があります。通常学級に在籍していたのですが、次男自身も、先生と意思の疎通がうまくいかずにもどかしい思いをしたことが、たびたびありました。また、クラスには次男のほかにも発達凸凹があるお子さんが複数いたこともあり、ケンカなどのトラブルが絶えませんでした。特性も少しずつ落ち着いてきた現在、改めて当時を振り返ると「医師と担任と私とで直接情報共有やアドバイスができる場を作れたらよかったのかも…?」「でも、そもそもどうアプローチすればよかったの?」そんな疑問が出てきたので、今回三木先生に「医療と教育の連携」について質問をしました。スガカズ(以下、――)次男が小学校1年生の頃、学校でのトラブルが多く悩んでいました。もう少し学校との連携がうまくいっていたらよかったのではないかと思うのですが、医師と教育者(担任、スクールカウンセラー、特別支援コーディネーターなど)が直接話をする場を設けることは可能なのでしょうか?発達障害のある子を育てるにあたって、医療と教育での直接連携ができれば学校側により正しい理解を得られるのではないか…と。私は当時の雰囲気から「連携は難しいだろうな…」と勝手に判断していたのですが、三木先生が監修されているコミック『リエゾン~こころの診療所〜』の1巻で、医療と教育が連携しているシーンが登場したのに驚いて…。三木先生:私の働くクリニックでは、学校に出向いてケース会議を行うことはしていませんが、患者さんの在籍する学校関係者が、患者さんとご家族と一緒に診療の際に同席されることがありますよ。主に自傷、他害、脱走など、重要度の高いお子さんです。――なるほど…。現在小5(ADHD)の次男が小学校に入学したときはお友だち関係でのトラブルも多く、クラスにも迷惑をかけていると感じていたので…どのあたりまでが「重要度が高い」とされるのでしょうか。三木先生:どんな状況だったのしょうか?なかなか発達障害についての理解が得られにくく…Upload By スガカズ――次男については、もともと就学前健診の際に「ADHDの可能性が高い」と学校側に特性を伝えていました。実際入学してみると次男と同じクラスに、あるクラスメートが2人いました。1人は境界領域知能のお子さん、もう1人はわが家と同様に、就学前健診で発達障害があると伝えていた家庭のお子さんで、結果的に発達障害のある子が通常学級に3人いるという環境でした。次男を含めたこの3人はいつも一緒に行動をしていたようです。一緒なのはいいのですが、ケンカも頻繁に起こるため、授業が中断したり、集団行動がとれなくて3人で授業を抜け出したりと、日常的に困ってしまう状況が起きていました。校長先生や担任の先生を交えて話し合いなどもし、「健診で次男の発達の凸凹について伝えていたと思っていたのですが、クラス分けに配慮などはなかったのでしょうか」と質問をしました。担任の先生は初耳だったようで、私は『クラス配置は障害について考慮されていなかった』ようだと感じました。三木先生:それは確かに学校も大変かもしれませんね。――はい、先生方も大変だったと思います。当時の担任の先生は子どもとの関わりなど並々ならぬ努力をされたと感じてはいるのですが…。先生も困っていた様子は伺えましたし、私たち親へ提案をしたり、投薬などを勧めてくれたり、いろいろとできることを模索しているのはわかりました。それでも私たち親との知識の差を感じてしまい…。三木先生:通常学級の先生の障害への知識は、ほか(特別支援学校など)と比べると不足しているのは仕方のないことです。投薬ですべてが解決するわけでもないですしね。もちろん投薬することで特性が穏やかになり問題が解決することもありますが、現場の根本的解決には環境調整が重要ですからね。――そうなんです。なので、「あのとき医療と教育の連携をできていたのなら、先生方も正しい知識や理解を得られたのかもな」「私を含む三人の子どもの保護者も、あそこまで気に病まずに済んだのかもな」と感じています。学校と先生に相談したい場合、どうアプローチすればよい?Upload By スガカズ三木先生:保護者側の目的を明確にした上での提案はしていっても全然OK!先ほど話しましたが、連携するパターンとしては、診療時間に担任の先生が同席をして話をすることが多いです。プレーヤーの種類は、担任、スクールカウンセラー、養護教諭、学年主任、特別支援コーディネーターがあり得ます。気合いの入ったところだと、副校長なんかも来院されることがありましたよ。「学校がどれくらい困っているか」によって人数も種類も違ってきます。――なるほど。次男のようなケースだと、かなり関わっていただいた担任、特別支援コーディネーターあたりかな…。三木先生:学校は基本的に「医療とつながりたい」と思っています。その中で「直接つながりたい!」というニーズがどれくらいあるか見極めて、ニーズを引き出す声かけが重要なのかなと。情報共有をしたいのか?アドバイスがほしいのか?など、クリアにしてから医師に提案してみるといいと思います。提案される側が気まずい状況にならないために、提案する側は明るくふるまってみてはいかがでしょうか。もし事情があって提案が断られても、受け流すくらいの軽い気持ちでいましょう。そうすると別の支援が必要になった際にも提案がしやすいですし、断った側も身構えない状況がつくれますよ。――確かに軽い気持ちでいた方が今後のためにもよさそうですね。それと、うちの次男の場合だとクラスに発達障害のある子が3人いたし、わが家が断られたとしてもAくんBくんの主治医にも相談することで、さらっと提案してはいるけど熱い気持ちが伝わったのかもしれません。4年前の私にアドバイスしてあげたいです…!感想担任の先生とは1年限りの付き合いですが、子どもは小中学校に在籍しているので、保護者と学校の関係は続きますね。できれば学校とは足並みを揃えていきたいものです。「とは言っても、先生も忙しいから時間をとってもらうことは迷惑になるかも…」と遠慮してしまいましたが、学校の先生ももしかすると同じ気持ちを抱いている場合もあるのかも…。よりよい支援のためと理解してもらうためなら、結果がどうであれ、勇気を出すことでこの先の関わりに活きていくかもしれません。次男が中学校にあがった際の参考になりました。執筆/スガカズ
2021年08月09日Q.ポジティブ行動支援(PBS)について教えてくださいA.日常の中で「子どもができていること」「がんばっていること」に着目して支援する方法です。不適切な行動を叱ったり罰をあたえるのではなく、適切な行動や不適切な行動をしていないことをほめたり認めることで、望ましい行動を増やしていきます。また、一人ひとりの行動だけでなく、その周囲の人々や環境もアプローチの対象とし、持続的な効果を生み出すための仕組みを考えていきます。Upload By 発達障害のキホン近年の研究で推奨されている関わり方である、PBS(Positive Behavior Support, ポジティブ行動支援)。ポジティブ行動支援(PBS)では、「適切な行動ができていることや、不適切な行動をしていないこと」をほめたり認めたりすることに加え、保護者も含めた子どもに関わる周囲の人々にアプローチし、子どもが力を発揮しやすい環境を整えます。PBSを用いて子どもと関わることにより、子どもの問題行動が減ったり、保護者のストレスが減るといった研究結果も報告されています。療育施設や園・学校などのみでなく、家庭でもこの方法を取り入れることで、子どもが力を育みやすい環境をととのえることができます。具体的にどのように関わったら良いのかがわからない保護者に対して、ペアレントトレーニングなどで関わり方を伝える取り組みもされています。参考:日本ポジティブ行動支援ネットワーク
2021年08月08日ADHDの症状は2歳ごろからUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンADHDは先天性の発達障害です。学習や対人関係、社会生活に困難を抱えることが多いため、ある程度成長するまではなかなか障害に気づきにくいのも特徴のひとつです。ADHDと診断された人たちの中には、乳児期にも「なかなか寝付かない」「寝返りが多く、落ち着きがない」「抱っこされることを嫌がる」などの傾向があった、と振り返る声も。ただ、このような行動は定型発達の赤ちゃんにも見られるもので、一概にADHDと結びつけることはできません。ADHDの特性がはっきりしてくるのは、早くても2歳ごろからです。「じっとしていられない」「かんしゃくを起こすことが多い」「ものを壊したり、乱暴な遊びを好む」などの様子から、専門機関に相談したり、医療機関を受診して気づくケースが多いようです。また、3歳児健診のときにADHDの疑いがあるということで、フォロー対象になることもあります。2~3歳の時期に多く見られる特徴は、多動性や衝動性であると報告されています。落ち着いて座っているのが苦手、電車やバス、公共の場など、静かにするべき場所でも騒いでしまうなど、多動性の特徴は親にとってもヒヤヒヤするもの。周囲の視線が突き刺さり、肩身の狭い思いに苦しんだ経験を持つ方も少なくないでしょう。ADHDと診断されるのは7歳ごろからが多いADHDの特性がよりはっきりとあらわれるのは、幼稚園〜小学校に入学する7歳ごろです。ADHDの診断を受けた時期も、就学前の7歳ごろからが多いと言われています。低年齢のころは「ADHDの疑い」として確定診断をせずに、慎重に診断・検査を行う医療機関もあります。また、大人になってからADHDと診断される人もいます。ちょっと変わった子、問題児として扱われ、本人の性格の問題として見過ごされてきたものの、社会に出てから仕事や対人関係で困難を抱え、受診に至ることも多いようです。最近ではADHD(注意欠如・多動性障害)という名称が広がり、発達障害への認識が広まってきたことから、子ども時代に診断を受ける方も増えているといえるでしょう。ADHDの主な症状は?チェックリストで確認!ADHDのある人によく見られる困りごとの一部を紹介します。ADHDの症状は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つですが、これらの症状は関係しあったり、重なったりしている場合も少なくありません。Upload By 発達障害のキホン年齢や環境によっても現れる特性や困りごとは異なります。また、ADHDの特性があるからといって、必ずしも生きづらさや困難を抱えるとも限りません。ただ、もし上記のリストの特性や困りごとに当てはまるものが多く、長期にわたって日常生活や学校生活に支障が出ている場合は、相談機関に相談をしてみるのがよいでしょう。思春期になるとADHDの特性による多動は減少傾向思春期になると、授業中にふらふらと立ち歩いたり、会話の流れを無視して突然周りの人に話しかけたりといった、幼児期や小学生時代に目立っていた行動は落ち着いてくることが多いようです。その一方で、発達障害のある子どもは、思春期に入ると劣等感を抱きやすい、という傾向も報告されています。中学、高校では校則や定期テスト、部活動、さまざまな行事など、規律を守って集団行動をする場面が増えていきます。また、第二次性徴をきっかけに、他者との違いも意識し始める時期です。思春期特有の悩みに寄り添いながら、自分自身の得意なところにも目を向けることができるように、サポートしていくことが大切です。
2021年08月07日個別の教育支援計画ってなに?個別の教育支援計画とは、障害のある子どもに対して関係機関と連携し、切れ目のない教育支援を継続して実施するために学校が中心となり作成される個別の計画です。個別の教育支援計画では、子ども本人や保護者の現在の困りごとや願い、将来に向けた希望、教育上必要な合理的配慮などについて、学校のみでなく、家庭、 医療、福祉などが共通理解を図り、それぞれの場における支援目標や内容と関連づけながら計画に記載をします。「平成15年度から実施された障害者基本計画 においては、教育、医療、福祉、労働等の関係機関が連携・協力を図り、障害のある児童の生涯にわたる継続的な支援体制を整え,それぞれの年代における児童の望ましい成長を促すため、個別の支援計画を作成することが示された。この個別の支援計画のうち、幼児児童生徒に対して、教育機関が中心となって作成するものを、個別の教育支援計画という」(小学校学習指導要領(平成29年告示)開設総則編より引用)個別の教育支援計画の対象者は誰?現在、通級による指導を受けている子ども、特別支援学級や特別支援学校に在籍している子どもについては作成が義務付けられています。通常の学級に在籍している子どもについても、作成することが推奨されています。このことについて、平成29年及び平成30年に改訂された小中学校や高等学校の学習指導要領では、次のように示されています。「今回の改訂では、特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童に対する二つの計画の作成と活用について、これまでの実績を踏まえ、全員について作成することとした。また、通常の学級においては障害のある児童などが在籍している。このため、通級による指導を受けていない障害のある児童などの指導に当たっては、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し、活用に努めることとした」(小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編より引用)参考:小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編 | 文部科学省なぜ個別の教育支援計画が必要なの?障害のある子どもの生活の場は学校のみでなく、家庭や地域があります。例えば放課後等デイサービスなどの福祉施設、さらに、医療による支援を受けている場合もあります。個別の教育支援計画を作成することで、それぞれがバラバラの支援をするのではなく、生活場面全体を視野にいれた包括的かつ一貫した教育支援を実施することが必要です。作成の際には、現在の困りごとや制約のみに焦点を当てるのではなく、例えば3年後どうありたいか、何ができるようになっていたいか、など長期的な視点を持つことで、 子ども本人、ご家庭、 学校、各種関係機関で目指す方向性を共通理解することができます。また、個別の教育支援計画を進学時・進級時に引き継ぐことで、切れ目のない教育支援を実施するために活用していくことが大切です。なお、個別の教育支援計画の作成にあたっては、多くの関係者が関与することから、保護者の同意を事前に得るなど個人情報の適切な取扱いに十分留意した上で、情報共有をすることが必要とされています。個別の指導計画との違いは?通級による指導を受けている子どもや特別支援学級に在籍している子どもについては、個別の教育支援計画と共に、個別の指導計画の作成も義務付けられています。個別の指導計画とは、子ども一人ひとりの実態に応じて、きめ細やかに各教科等でどのような目標に基づきどのような指導をするか、またどのように教えるか、などを記載している計画です。個別の教育支援計画は関係機関と連携を図り、長期的な視点を持ちながら作成しますが、個別の指導計画は、子どもが在籍している学級の教育課程に基づいて、1年ごと、1学期ごとの学校における学びを具体的に記述する計画です。個別の教育支援計画の項目令和3年に文部科学省から「個別の教育支援計画の参考様式について」各自治体に通知が出されました。本通知においては、統合型校務支援システムなどのICTを活用して、学校内外で必要に応じて個別の教育支援計画のデータを蓄積や共有ができる仕組みの必要性を踏まえ、個別の教育支援計画の参考様式を示しました。Upload By 野口あきな参考:参考資料(「障害のある子供の教育支援の手引」関係) p.422 p.424-425個別の教育支援計画作成のポイント1.本人、保護者と共に本人を中心とした計画を作る計画は学校が中心となり作成するものの、計画の主体者は子ども本人と保護者です。そのため、子どもや保護者の願いや困りなどを置いてきぼりにした計画にならないことが大切です。子どものわかる方法でご本人のニーズを聞き、計画に反映しましょう。例えば言葉でのやりとりが難しい場合は、絵や写真、選択肢などを活用することで、子ども本人の希望を聞くことができます。2.関係機関と連携し作成・共有する平成30年に、家庭・教育・福祉の連携を推進する「トライアングルプロジェクト」の報告がなされました。このプロジェクトにおいて、学校と放課後等デイサービスが連携する方法の一つとして、個別の教育支援計画を通して連携をすることが明記されました。Upload By 野口あきな放課後等デイサービスなどの関係機関における支援内容を確認し、学校での支援内容についても共有をすることで、連携や役割分担をしながら、一貫した教育支援をすることができます。前述の通り、情報共有の際はご本人・保護者に希望を尋ねた上で連携をする必要があります。3.合理的配慮について記載する2016年に施行された障害者差別解消法において、合理的配慮を提供することが義務付けられました。教育における合理的配慮とは、学校で過ごしたり学んだりする上での困難さがある場合に必要な個別の配慮や調整することを指します。子ども本人が学校生活を送る上でどのような配慮や調整があったらより過ごしやすく、学びやすくなるかについて子ども及び保護者と話し合い、合意した合理的配慮の内容を個別の教育支援計画に記載しておきましょう。合理的配慮は障害のある人の権利として、学校のみでなく、受験時や就労時にも使える制度です。特に受験の際などは、これまでにどのような配慮を学校で受けてきたか?が根拠となり、そのような根拠がない場合は配慮を受けることが難しい場合もあります。そのため、個別の教育支援計画において、どのような合理的配慮を現在受けているか、を記載し引継ぎをすることが大切です。4.定期的に見直して更新する個別の教育支援計画は1回作って終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。1年に1回は変更点がないか見直すことをお勧めします。例えば子どもの状況が変わったり、支援機関が変わったりすることがあります。その場合は修正を加えることで更新をしましょう。5.進学先に引き継ぐ障害のある子どもや保護者は、学級や学校が変わるとまた0から情報共有をしなければならないことが負担になっていることがあります。過去の支援内容に関する記録がないために、これまで受けてきた支援が継続して受けられない場合もあります。切れ目のない支援のためにも、本人及び保護者の意向を尋ねた上で、進級先・進学先に計画を引き継ぐことが望ましいとされています。おわりに本記事では個別の教育支援計画の定義やどのような内容が含まれていることが望ましいかについて書きました。子どもを中心とした一貫した支援のために、個別の教育支援計画を活用してみてください。執筆/野口あきな
2021年08月06日