あなたは予防接種を受けているだろうか。または子供に受けさせているだろうか。ワクチンには病原体の感染を防いだり和らげたりする効果があるが、一般的にはあまり知られていない危険性もある。私たちはその危険性と、必要性を踏まえ、ワクチンというものをもう一度考えてみてもいいかもしれない。学校、病院、メディアなどで繰り返し宣伝される「ワクチン神話」(Photo by jacco de boer)日本は予防接種を推奨しているため、学校、病院、メディアでは大々的に予防接種の広告が打ち出されている。私たちは予防接種のメリットについて理解するチャンスは多いが、副作用などのデメリット、必要性などについての情報は自分で調べない限りなかなか手に入らない。予防接種が義務接種だった時代には、反対の市民運動が日本各地で起っていた。その結果、1994年に予防接種法が改定され、義務接種ではなく、全ての予防接種が任意となった。にもかかわらず、現在の分類の仕方は「定期接種」と「任意接種」とに別けられており、あたかも「定期接種」が「任意接種」ではないように見せられている。今もこのように、予防接種は半強制的に行われているのだ。全ての予防接種が任意接種である今の時代の私たちは、どれだけ予防接種の知識があるだろうか。ただ「打つのが当たり前」と思っているなら、一度予防接種について考え直してみた方がいいかもしれない。現代の日本はそんなに病気が蔓延している国?(Photo by David Shackelford)戦後の日本は衛生環境が現代に比べると悪かったため、たくさんの乳幼児が伝染病で命を落としていた。しかし、衛生環境の改善とワクチンの導入で、伝染病は激減。にもかかわらず、今ではほとんど存在しない病気のワクチンが推奨されているのをご存知だろうか。そんな中で私たちは、接種するワクチンが本当に必要なのか見極めなくてはならない。「新・予防接種へ行く前に(ジャパンマシニスト社)」は、予防接種についての本だ。モットーは、広告をとらない、スポンサーをおかない、専門家には平易な言葉と高みにたたない、つねに「弱い」もの・「少数」のものの視点を忘れない。この本には実に詳しく予防接種についての情報があらゆる視点から書かれている。下記は本書の一部。BCG・・・生後半年を過ぎたら必要なしポリオ・・・病気そのものがありません麻疹風疹混合(MR)・・・単独ワクチンという選択もDPT/DT・・・D、DTを選べないのが大問題日本脳炎・・・接種見合わせの間も患者は増えていませんインフルエンザ・・・厚生労働省も乳幼児にすすめていませんおたふくかぜ・・・自然感染の機会を待って水ぼうそう・・・重い病気を持つ子供だけ子宮頸がん・・・ワクチンで防げるのは16型と18型だけこの本を読めば、ポリオの国内の自然感染は30年前に終わっていることや、日本脳炎も現代では感染者は年間一桁程度でそのほとんどが高齢者であり、20歳未満であると0〜2人まで激減していることがわかる。このように、衰退、またはすでに国内ではなくなっている病気もある。それらの病気のための予防接種は本当に必要があるのだろうか。なぜそんなにワクチンの副作用を疑わなければならないのか?(Photo by Carlos Reusser Monsalvez)ワクチンはウイルスや細菌、また菌が作り出す毒素の病原性を弱めて作っている。病原菌を体に接種するのだから、抵抗力が弱っている時などに接種をすることは絶対に避けたい。しかもワクチンはウサギやニワトリやサルなどの動物の内臓の細胞などを使っているため、薬事法上「生物由来製品」であり「劇薬」扱いである。もしワクチンの中にアレルゲンとされるものが入っていた場合は、呼吸困難や失神を起こし、ひどい場合は死亡してしまう可能性もある。また製造される過程でアルミニウムやホルムアルデヒド、水銀などの添加物が使用されていることも副作用をもたらす原因だと考えられる。通常インフルエンザのワクチンでは卵を使い6ヶ月かけて培養するところを、最近は、蛾の幼虫の遺伝子を組み換える方法により、2ヶ月で培養できるようになった。(参照元:Wonderful World)日本ではまだ申請中であるが、アメリカではすでに実用化されている。効率を重視し遺伝子組み換えが行われた製品が、私たちの体にどのような問題を起こすかは分かっていない。それは接種する人の健康を本当に考えて作られているのだろうか。欧米で行われる「水ぼうそうパーティー」(Photo by Brooke Lark)なんと欧米では水ぼうそうになった子供の家に水ぼうそうになってない子供たちを集めて「水ぼうそうパーティ」を行うという。水ぼうそうは小さい頃にかかれば大した病気ではなく、実際にかかってしまえば強い免疫を得られることから、こういったパーティを開くのだとか。環境の向上した日本では、子供に多かった麻疹やおたふくかぜといった感染症の流行が少なく、体内で一度作られた免疫機能が、再度抗原に接触することによって、さらに高まる「ブースター効果」が得にくい。それに加えてワクチンで流行を抑えているため、自然感染の機会は減り、強い免疫を持った母親が少なくなってきているのだ。これでは赤ん坊にしっかりとした免疫を譲ることはできない。私たちはウイルスや細菌を恐れ、遠ざけすぎたために、小さな病気にも抵抗力を十分に発揮できなくなっているのだ。私たちは呼吸をしながら生きている。空気中には細菌やウイルスが常にいるため、病気にかからずに生きていくことはできない。しかし病気になることで、免疫がつき、強くなっているということも忘れてはいけない。メリット、デメリット両方を見比べる冒頭でも述べたように、予防注射のメリットの情報というのは私たちのまわりに溢れている。しかしデメリットの情報を踏まえてしっかりと考えることが大切だ。全ての予防接種を「打つ、打たない」と判断するのは私たち国民一人ひとりである。それには「予防接種を受けることが当たり前」「ワクチンは安全」といったワクチンに対しての姿勢を変える必要がある。しかし予防接種の副作用の訴訟問題は全国で起きているのが現状である。ワクチンに副作用の可能性がある以上、予防接種は決して安全なものだとは断言できない。そのリスクを念頭に入れ、たくさんある中のどの予防接種が自分や自分の子供に本当に必要なのかを判断することが大切と言えるだろう。—————Text by バンベニ 桃ーBe inspired!
2017年01月25日日本人が昔から食べてきた「大麦」には、からだの調子をととのえる栄養素がたっぷり。近年ではそのヘルシー効果が注目され、グラノーラやお菓子など、さまざまな食品に活用されています。そんな大麦がパワーアップし、より健康的なからだづくりに役立つ食材として進化したのが「スーパー大麦」です。スーパー大麦はいったいどんなところが「スーパー」で、からだにどんなプラスをもたらしてくれるのか、農学博士で大麦研究の第一人者でもある青江誠一郎先生に教えていただきました。お話をうかがったのは…青江誠一郎(あおえ・せいいちろう)先生農学博士。大妻女子大学家政学部教授、家政学部長。「腸の奥からの健康を考える研究会」委員。穀類をはじめとする食品研究の第一人者。機能性食品の検証などの研究もおこなう。■オーストラリアが健康のためにつくりあげた「スーパー大麦」―最近、女性を中心に大麦を使った食品が人気のようです。そもそも、大麦にはどんな健康効果があるのですか?(青江先生)大麦には、腸内にすむ細菌のエサになったり、余計な油の吸収を抑えたりする「水溶性食物繊維」が豊富に含まれています。私たちが主食としているお米や小麦にもわずかに含まれていますが、主に粒の外層にあるため、精米や精麦するときに削られて減少してしまうのです。同じ穀物でも、大麦は粒の中央部分にまで「β‐グルカン」と呼ばれる水溶性食物繊維がぎっしりとつまっているのが大きな特長です。食べるところにまんべんなく水溶性食物繊維がたっぷり含まれた穀物は、他にはありません。β‐グルカンには糖や脂肪の吸収を抑えて血糖値を上がりにくくしたり、内臓脂肪を減らす働きがあります。さらに、大腸までいくと腸内にすむ細菌のエサになります。また、大腸でも血糖値の急上昇を抑えたり、食べすぎを抑えたりするホルモンを増やす働きをします。―従来の大麦でも、からだにさまざまなメリットをもたらしてくれるのですね。その上を行くという「スーパー大麦」は、従来の大麦とどう違うのですか?(青江先生)スーパー大麦には、大麦の大きな特長であるβ‐グルカンに加え、「フルクタン」、「レジスタントスターチ」と呼ばれる2種の食物繊維が豊富に含まれています。フルクタンはごぼうやチコリなどにも含まれるさらっとした水溶性食物繊維の一種です。レジスタントスターチは「第3の食物繊維」とも呼ばれ、水に溶けにくくゆっくり発酵するため、大腸の奥のほうまで届いて腸内細菌のエサになる成分です。ご飯を冷やすことでもできる成分ですが、ほとんどの人がご飯は炊き立てのほうがおいしく感じるでしょうし、冷えたご飯を食べても多くは摂取できませんから、普段の食事でレジスタントスターチを意識して摂ることは、なかなか難しいのです。そんなレジスタントスターチに早くから着目し、研究を進めているのがオーストラリアです。オーストラリアでは、大腸がんの罹患率(りかんりつ)の増加が社会問題となっていました。この問題を解消するには食物繊維が豊富な食材を見つけることが大切と考え、もともと水溶性食物繊維が豊富な大麦の改良を重ね、10年以上もの年月をかけてレジスタントスターチが従来の大麦の4倍、フルクタンやβ‐グルカンといった水溶性食物繊維を2倍含むスーパー大麦を開発しました。 ■大腸の奥までケアする、3つの食物繊維の「3段ロケット」―国民の健康のために、国がおすすめしている食材と聞くと、説得力があります。では、スーパー大麦を食べると、大腸のなかではどんなことが起こるのですか?(青江先生)図を見ていただくと、わかりやすいと思います。食物繊維は種類によって、腸内細菌に食べられる速度が違います。まずフルクタンは、大腸の入り口付近にすむ細菌のエサになります。すると、エサを食べた細菌は専門的な言葉ですが「短鎖脂肪酸」(たんさしぼうさん)という酸を産生します。この酸は、大腸の細胞自体を強くしたり、からだによい働きをする菌(善玉菌)がすみやすい環境をととのえたりすることが、近年の研究で分かっています。大腸の中間まで届いたβ‐グルカンが腸内細菌のエサになり、ここでもフルクタンと同じように短鎖脂肪酸が産生されます。また、先にお伝えしたように、ここでも食べすぎや血糖値の急上昇を抑えるホルモンの分泌を促します。そして、水に溶けにくく発酵が遅いため大腸の遠位部まで届き、そこに多くすむ腸内細菌のエサになるのが、レジスタントスターチです。大腸の入り口、中間、奥とすみずみまで、3段ロケットのようにケアできるのが、スーパー大麦ならではの特長です。これまでは、3段階目にあたる「大腸の奥までエサを届かせる」ことが難しかったため、大腸の奥はからだにとってよくない菌(悪玉菌)が優位なケースがありました。そこに善玉菌のエサとなるレジスタントスターチが届き、短鎖脂肪酸が産生されると、善玉菌は過ごしやすく、悪玉菌は居心地が悪くなります。その結果、腸内細菌の勢力図が変化し、からだにとって好ましいバランスにととのうのです。■肌トラブルは悪玉菌がつくりだす腸内毒素が原因?―なるほど、3種の食物繊維が3段ロケットとなって大腸をケアしてくれるのですね。ちなみに、悪玉菌が優位な状態が続くと、からだにはどんなことが起こるのでしょう。(青江先生)悪玉菌は腸内毒素をつくります。その毒素が肌荒れや各器官に炎症を引き起こしたり、近年ではメタボリックシンドロームの原因にもなることがわかっています。便秘の方は、排出されるべき毒素が大腸にとどまっているわけですから、毒素がどんどんたまり、肌トラブルも起こりやすくなってしまうのです。また、腸内細菌がエサを食べると産生する短鎖脂肪酸のひとつ「酪酸」には、大腸自体を丈夫にする役割もあります。酪酸がつくられていないと大腸の壁がゆるんで隙間があき、そこから毒素が漏れてからだのあちこちに回ったり、外からよくないものが入ってきやすくなったりします。つまり、腸内毒素の発生自体を減らす意味でも、大腸を丈夫にしてからだに回るのを抑える意味でも、大腸でよい働きをする腸内細菌にきちんとエサを届かせて、短鎖脂肪酸をつくってもらうことがとても大切なのです。レジスタントスターチが大腸の奥に届き、悪玉菌がおとなしくなると、便秘はもちろん肌トラブルやさまざまな大腸疾患の予防、メタボ対策にもつながることが期待されます。 ■ダイエット効果も期待! 糖、脂質の吸収をセーブするサインとは?―大腸の壁がゆるくなる、というのは大変衝撃的です…。ところで、女性としては大麦に含まれるβ‐グルカンの作用でお話くださった、糖や脂質へのアプローチについても気になっています。(青江先生)β‐グルカンはネバネバとした水溶性食物繊維で、余計な糖や脂質をつつんで吸収しにくくする特性があります。これは、大麦やスーパー大麦を食べて、小腸に達しているときの働きです。さらに、食べてしばらく経ち、大腸に達すると腸内細菌のエサになることもお話しました。このとき産生される短鎖脂肪酸が、「次の食事も食べすぎないようにしよう」、「糖や脂質の吸収を抑えよう」といったからだのサインにもなるホルモンの分泌に影響を与えています。たとえば、朝スーパー大麦を食べれば、その直後には小腸で糖や脂質の吸収を抑え、さらに大腸では菌のエサになり、その後も昼食を食べる量や、糖、脂質の吸収をセーブすることが可能で、ほぼ1日中効果が持続します。腸のケアと同時に、自然と体重や脂肪も落ちやすくなるわけです。年齢が若い人の多くはすぐに体重の減少がみられますし、高齢の方でも2~3ヶ月スーパー大麦を摂取することで変化があらわれましたよ。―大腸をととのえれば、からだの内側の健やかさはもちろん、体型の変化など目に見えるビューティまで叶えられそうですね。貴重なお話を、ありがとうございました!■スーパー大麦を実際に試してみて大麦が本来持つβ‐グルカンに加え、フルクタンや日常の食事では摂りづらかったレジスタントスターチが豊富に含まれていて、大腸の奥まできちんとエサとして届くことが、スーパー大麦が「スーパー」たるゆえんです。そして、大腸がととのえばおなかやお肌のコンディションの向上はもちろん、病気の予防や、自然と脂肪がつきにくいからだにととのったりと、うれしいことがたくさんです。わたくしごとではありますが、長年便秘に悩まされていた筆者も、スーパー大麦を試している期間はうそのようにすっきり! を実感できたひとりです。次はあなたのからだで、スーパー大麦の実力をリアルに体感してみてください。 [PR]腸の奥からの健康を考える研究会
2016年10月18日出産を終えたママを悩ませるのが、乳首のトラブル。授乳開始の頃にトラブルになるママが多いと思いますが、私の乳首トラブルがやってきたのは娘が1歳2ヶ月の頃…。しっかりとした歯が生え揃ってきた頃に、強く吸ったり噛まれてしまって乳首トラブルに発展するママも多いのだとか。我が家の娘は、今でもおっぱい大好き!しかし、なんと前歯がすきっ歯で…。歯の隙間におっぱいが挟まれ、強い力で吸われるため見事に乳首に亀裂が…(泣)。あまりの痛みに、急いでリサーチして乳頭ケアをはじめました。今回は、乳首トラブルに悩むママおすすめの乳頭ケアお伝えします。乳首トラブルの原因になるのは…乳首トラブルに繋がる原因は、おっぱいの含ませ方、抱っこのポジション、おっぱいから赤ちゃんの口の離し方などが間違っていることが多いよう。あとは、添い乳で長時間咥えさせっぱなしにしていること、固く張ったままの状態での授乳も、乳首トラブルを招くと言われています。食事内容やママの体調などからも影響することがあるそうです。私の場合は添い乳で寝かしつけているため、長時間吸わせることが多いことが乳首トラブルの原因だったと思います。トラブルにならないために乳首トラブルが起こらないためにできること。①乳首マッサージ出産前に乳首をマッサージして柔らかくしておくこと。私も少しマッサージをしていましたが、効果はいまいち。あまり柔らかくなりませんでした。やるなら本気のマッサージをおすすめします…!②ラッチオンまた、深く乳首を吸わせること。中々難しいラッチオン。ひたすら赤ちゃんと練習です!③優しく離す赤ちゃんが授乳を終えても、赤ちゃんの口を無理におっぱいから引き剥がさないことも大事。指を赤ちゃんの口元から入れてからだと簡単に離れます。④乳頭保護器を使う痛みを感じはじめたら無理をせず、乳頭保護器を使うこと。わたしは使わなかったのですが、使ったら楽になったというママもたくさんいました。⑤吸わせる向きを変える抱っこのポジションを変え、吸わせる方向を変える。いつも切れる場所が決まっていたので、少しポジションを変えるだけで、痛みが軽減されました!⑥乳首を柔らかくしておく吸わせる前に先に少し絞り乳首を柔らかくしておく。溜まったお乳も出して、新鮮なおっぱいをあげられます!トラブルになってしまったときの…ケア方法羊のオイルでできたピュアレーンやランシノーは有名な乳頭ケア用品!私もピュアレーンを使ったことがありますが、割りと早くに回復し、拭き取りも不要なのでオススメ◎馬油を使用する人も多く、ピアバーユやソンバーユ、ベビーバーユマドンナなどがあります。こちらも拭き取り不要です。キズパワーパットも傷の治りが早いみたいですが、張り替えなくてはいけないし衛生面も気になります。それでも治らない…というママは、デスパコーワやケナログといった口内炎を治す薬を塗るそうです。こちらはやはり薬なので、オイルよりも効果があったという声も。ただ授乳前には拭き取る必要があります。何も塗らずに自然に治したい!というママは、自分の母乳を塗っておくと、殺菌作用があって傷の治りも早まり、母乳なので赤ちゃんにとっても安心…だとか。あとはユキノシタとゆう葉っぱの薄皮を張る方法もありますが、ユキノシタの葉っぱを手にいれるのは難しそう…。少し痛くても我慢をしてあげてしまうママが多いそうですが、そうするとトラブルも長期化し、ママにも赤ちゃんにもよくありません。予防と早めケアで、楽しい授乳ライフを送りましょう◎乳首トラブルは、授乳にはつきもの。一度良くなっても繰り返すことが多いので、油断をせず、日頃のケアと準備を怠らないようにしましょう!
2016年10月02日【ママからのご相談】生後6か月になる娘がいます。先日小児科で、「日本脳炎の予防接種も打っていいよ」と先生に言われました。しかし予防接種の目安としてはいろいろな資料に3歳と書かれています。どういうことなのでしょうか?●A. 日本脳炎を確実に予防するためには生後6か月からのワクチンを。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。時代の変化により、予防接種の数や種類はどんどん変化しています。そして最近気になるのが『日本脳炎』の予防接種。今回は日本脳炎の予防接種について、小児科の先生に最新の情報を聞いてきましたのでご紹介します。●推奨年齢が変わったワケ『日本小児科学会』は2016年2月、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住んでいる小児に対し、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種をはじめる ことを推奨しました。「東京などはブタの抗体保有率が高くないのでは?」と先生に質問したところ、『以前都内の学童に日本脳炎抗体の有無を調べたところ、ワクチンを接種していなくても抗体が検出される場合が多くあったのです。つまり感染した人が運良く脳炎を発症しなかっただけ。東京でも日本脳炎にかかる可能性は十分ある のです』と回答されました。また、『近年日本脳炎を発症した子どもの年齢が3歳未満でも数例あることから、生後6か月から接種したほうがいいのでは、ということになりました』ということです。実際に2009年と2011年に1歳児、2015年に0歳児が発症しています。予防接種を受ける前の3歳未満でも注意が必要ということがわかりますね。●生後6か月で接種しても大丈夫なのかいままで3歳で接種していたものをそんなに早めて大丈夫なのかが心配ですよね。先生によると、『日本脳炎ワクチンを3歳未満で接種する場合、半量の0.25mL を接種します。3歳以上で接種するのと効果、副反応に差がないことは確認されています。余計な追加接種(2期接種の9〜13歳以外)も必要ありません。同時接種もできますのでワクチンスケジュールに影響を与えることもないでしょう』とのことです。ここまで確認されているなら安心ですね。早めに接種するほうがメリットは大きいのでしょう。●3歳未満で接種したい人はどうしたらいいのか現段階では、区や市などの自治体から日本脳炎の予診票が送られてくるのは3歳の誕生日前です。もし早めに接種したい、という人は自治体に電話をして早めに送ってもらう 必要があります。待っているだけでは送られてきませんので、こちらから要望を伝えてくださいね。予防接種を待っている3歳までのあいだに日本脳炎にかかってしまうかもしれないと思うと、恐ろしいですよね。ウイルスを媒介するのは蚊なので、夏は特に注意したい季節。小児科の先生や家族と相談し、接種時期を決めてみてはいかがでしょうか。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年07月17日こんにちは、栗生です。日頃、病院に行くのはもっぱら子どもの通院です。子どもの病院といえば、まず1ヶ月検診。その次に生後2ヶ月で初めて予防接種を受けに行ったという人も多いのではないでしょうか。この0歳児の予防接種、経験してみると、けっこう大変なんですよね。わが家は早めに集団生活(保育園入園)をさせる予定だったこともあり、定期接種・任意接種すべてをコンプリートすることにしました。でも、調べてみてびっくり。予防接種って種類が多い上に、同じ種類を「しばらく経ってから、もう一度追加接種してね〜」というのもあるじゃないですか。自分の仕事のスケジュール管理だって苦手なのに、それより多忙な赤子の予防接種スケジュールが私にコントロールできるのか?…と当初はあきらめ気味だったのですが、ありがたいことにかかりつけ医のほうでスケジュールを組んでくれることが判明。赤子の体調によっては予防接種ができない日もあり、スケジュール通りにいかないこともありましたが、なんとか無事に0歳のワクチンマラソンを終えることができました。これで少しは赤子のマネージャー業に自信がついたかな?…と息をつく間もなく、赤子は幼児へとステップアップし、また新たな業務がたっぷり発生するのでありました…。今日のカルタ「予防接種はもはや競技」
2016年06月29日アトピー・ニキビ・かゆみ・皮膚炎など一般社団法人国際統合治療協会が、皮膚トラブルに対する保険適用の漢方治療を案内するサイトを新しく開設した。サイトでは、アトピーやニキビ、皮膚炎、湿疹などをステロイド剤無しに改善する漢方を用いた治療について紹介している。紹介している漢方治療は同協会が提携している大門メディカルクリニックの治療方法。それぞれの皮膚トラブルの悩み、治療、効果、費用について解説する。クリニックに行く前に電話で相談!同協会では、クリニックに行くか判断を迷う際などに、電話での無料相談を期間限定で受け付け中。自分の症状に漢方薬が有効なのか、不安な人は直接質問できるチャンスだ。大門メディカルクリニック大門メディカルクリニックはJR浜松町駅より徒歩2分。月曜~金曜の診療で、午前(11:00~13:00)、午後(15:00~19:00)となっている。院長はベア典子氏。「漢方薬は皮膚疾患に強いといわれている。肌の乱れの原因は内臓の乱れのことも多い。気になる人は気軽に受診して欲しい」と述べている。漢方外来は、完全予約制だ。(画像はプレスリリースより)【参考】・新規開設のお知らせ!「アトピーでお悩みの方へ」~皮膚の病気に特化した保険適用の漢方治療に関するご案内サイトを開設いたしました~
2016年05月11日【ママからのご相談】妊娠3か月のプレママです。最近つわりがひどくて、きちんと歯磨きができていません。虫歯以外にも、きちんと歯を磨かないと何かトラブルが起きますか?●A. 虫歯以外にも口臭や口内炎、歯周病のリスクも高まりますし、早産の危険性もあります。ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。つわりでつらい時期は食べたくても食べられませんし、歯ブラシを口に入れただけでも吐き気がしてしまう場合もありますからおつらいですよね。しかし、妊娠中でつわりのつらい時期とはいえ、やはりきちんと歯を磨かないとさまざまなトラブルが起こります。特に妊婦さんは、お腹の赤ちゃんに影響する場合もある のです。そこで今回は、妊娠中に起こる口腔内のトラブルについてご紹介します。●どんなものがある? 妊娠中に起こる口腔トラブルとは?妊娠中に起こる代表的な口腔トラブルには次のようなものがあります。・歯周病・虫歯・ドライマウス・口臭・歯肉炎・口内炎●なぜ? 妊娠中に口腔トラブルが増える理由妊婦さんは出産までに一度は歯科検診を受けるように推奨されており、各自治体から妊婦歯科検診が無料で受けられる受診券が配布されます。これは、妊娠中には口腔トラブルが起こりやすいと言われているためです。では、妊娠中に口腔トラブルが起こりやすいのはどうしてなのでしょうか。日本口腔保健協会によると、妊娠により増加する女性ホルモンにより、女性ホルモンを好む歯周病菌が繁殖しやすい状態 になるためとのことです。また、つわりで何度も吐くと、歯磨きをするタイミングを逃してしまいますし、食事が思うように取れないと唾液の分泌が低下し虫歯や口臭などの口腔トラブルが増えてしまうのです。ご紹介した虫歯や口臭といったトラブルは、妊婦さんでなくても歯磨きをきちんとしていない方にはよく起こるトラブルですが、特に妊婦さんが注意したいのが歯周病です。妊娠中に歯周病にかかっていると、早産や低出生体重児を出産する可能性が高くなる ことがすでに明らかにされています。日本の疫学調査では、歯周病でない妊婦と比べると約5倍も早産のリスクが高かったというデータもあります。●妊娠中の口腔トラブルを予防するには?妊娠中の口腔トラブルを予防するためのポイントは次の通りです。●(1)一日一回でもいいので時間をかけて丁寧に歯磨きをするつわりがひどく毎食後に歯磨きができない場合には、一日一回でいいので、体調のいいときにゆっくり丁寧に歯磨きしましょう。大きなヘッドの歯ブラシは避け、なるべく小さめのものを選ぶと吐き気を防ぐことができます 。●(2)一日三回歯磨きできないときは洗口液を利用する一日一回は歯ブラシでの歯磨きをしたら、他の二回は洗口液(マウスウォッシュ)を使ってうがいをするだけでも口の中の汚れを落としたり、細菌の繁殖をある程度抑えたりすることができます。●(3)妊娠中に一度は妊婦歯科検診を受ける歯科医師や歯科衛生士が、虫歯や歯の磨き残しのチェック・アドバイスをしてくれますので、つわりがつらい場合は、少し落ち着いた妊娠中期ごろ に妊婦歯科検診を受診ましょう。----------いかがでしたか。今回は、妊娠中に起こるさまざまな口腔トラブルについてご紹介しました。ママに虫歯があるとお子さんも虫歯になる確率が高くなるというデータもありますので、妊娠中も出産後も適切な口腔ケアを毎日行うことが大切です。【参考リンク】・女性のお口の健康 | 一般財団法人日本口腔保健協会()●ライター/MAKI(健康・美容ライター)
2016年04月08日理化学研究所(理研)、オーガンテクノロジーズ、北里大学は4月2日、マウスiPS細胞から、毛包や皮脂腺などの皮膚付属器を持つ「皮膚器官系」を再生する技術を開発したと発表した。同成果は、理研 多細胞システム形成研究センター 器官誘導研究チーム 辻孝チームリーダー、オーガンテクノロジーズ 杉村泰宏社長、北里大学 医学部 武田啓主任教授、佐藤明男特任教授、東北大学大学院 歯学研究科 江草宏教授らの研究グループによるもので、4月1日付けの米科学誌「Science Advances」に掲載された。皮膚には、皮膚付属器として毛包や皮脂腺、汗腺などの複数の器官が一定の規則性を持って配置されており、体の中で最も大きく複雑な器官系である。皮膚に関わる疾患は、外傷や熱傷、先天性乏毛症、脱毛症、分泌腺異常など数多く知られているが、皮膚器官系が複雑なために皮膚の完全な再生はいまだ実現していない。同研究グループは今回、皮膚疾患に対する新たな再生治療法の確立に向け「Clustering-Dependent embryoid Body:CDB法」を開発した。CDB法は、マウス歯肉の細胞から樹立したiPS細胞株を、1週間低接着培養することにより胚葉体(EB)と呼ばれる凝集塊を形成。コラーゲンゲル内に30個以上のEBを立体的に配置したものを免疫不全マウスの腎皮膜下に移植するというもの。移植されたEBは、移植30日後にはテラトーマ様の組織を形成していた。この移植物を組織学的に解析したところ、移植物は外胚葉や内胚葉性の上皮組織からなる空洞構造(嚢胞)を多数持っており、これは、iPS細胞単独移植や単一のEBを移植した場合と比較して、約4倍の上皮組織からなっていたという。同上皮組織をより詳しく解析すると、移植物の上皮組織の一部に、天然の皮膚と同等の組織構造が形成され、毛包や皮脂腺などの皮膚付属器を持つ皮膚器官系が再生されていることがわかった。この皮膚器官系には、毛穴を介して毛幹が萌出している様子も観察されたという。これら再生皮膚器官系に含まれる付属器官の組織構造を詳しく解析したところ、毛包器官内に毛包上皮性幹細胞や毛乳頭細胞が正常に再生され、毛包に付随する立毛筋も適切な位置に配置されていることがわかった。また再生皮膚器官系が正常な機能を持つかどうかを解析するため、再生皮膚器官系から毛包を10~20本含む全層組織をひとつの再生皮膚器官系ユニットとして外科的に分離し、ヌードマウスの皮下へ移植した結果、移植した再生皮膚器官系は、移植されたヌードマウス(レシピエント)に生着し、少なくとも3カ月にわたりがん化することはなかったという。移植14日後には、再生毛がレシピエントの皮膚表面より萌出し、その後、天然毛と同様に成長していく様子が観察された。この再生毛は、iPS細胞に由来することが実験で確認されている。なお、マウスの体毛はおよそ20日間という一定の毛周期で生え替わるが、再生毛包の毛周期を解析したところ、マウスの天然の体毛と同様に約20日間の毛周期で生え替わることが明らかとなり、機能的な毛包再生が可能であることも示されている。同研究グループは今回の研究について、将来、皮膚の重度の外傷や熱傷などの完全な再生を可能にするとともに、先天性乏毛症などの深刻な脱毛症や皮膚付属器に関する疾患の再生治癒につながることが期待できるとしている。
2016年04月04日妊娠線ってなに?妊娠線は皮膚の表面にひびが入ったようになったり、赤や赤紫の筋ができたりすることを指し、正式には線状皮膚萎縮症と言い、肉割れやストレッチマークと呼ばれることもあります。お腹の中の赤ちゃんが大きくなるにつれて、皮膚が急激に引き延ばされることが原因で起こります。一度できると産後に白くなることがありますが、完全には消えることはありません。皮膚は、表皮、真皮、皮下組織から成り立っています。表皮には弾力性があり、ある程度伸びることができますが、真皮や皮下組織には弾力性がないため、表皮が引き伸ばされると柔軟に対応することができません。お腹が大きくなり皮膚の表面と真皮、皮下組織が伸びることで裂けた状態となり、亀裂が入る仕組みです。また妊娠期間中には、表皮の増殖と再生をおさえるはたらきを持つ種類のステロイドホルモンの分泌量が増えるため、肌の再生能力(ターンオーバー)が低下します。スムーズな新陳代謝がしにくくなるため、妊娠線として断裂しやすくなるとも言われています。妊娠線発生時には痛みなどは起こりませんが、跡になりやすいため、妊娠線ができる前からの予防が大切です。妊娠線が現れる時期とは妊娠線は、妊娠中期にあたる妊娠16週~27週目にかけてできやすいと言われています。お腹の赤ちゃんの成長に伴い子宮が大きくなり、それにつられて皮膚が伸びることで起こります。妊娠線の種類と見分け方妊娠線はお腹全体や下腹部を中心に、脂肪がつきやすい二の腕や太もも、おしりにできやすい傾向があります。また妊娠期間中は胸の乳腺が発達するためバストが急激に大きくなりやすく、胸に妊娠線ができやすくなります。見た目は、波打つ線状のものが多く、同じ方向を向いた状態を基本として現れますが、お腹やおしりに出現する場合は放射状である場合もあります。1本だけできる場合もあれば、数十本単位でできる場合もあります。そのほか、お腹の真ん中にまっすぐな妊娠線が現れることもあり、これを正中線と言います。妊娠線の予防と対策妊娠線予防には、お腹が大きくなり始める前からの保湿ケアが大切です。妊娠線が現れる可能性がある部分やカサつきがある部分に対し、保湿効果のあるクリームやオイルでマッサージを行って表皮の乾燥を防ぎ、肌に柔軟性を与えます。とは言え妊娠初期にはホルモンの影響で肌荒れを起こしやすくなっている可能性もあるため、保湿製品によるかぶれやかゆみ、湿疹などの異常を感じた場合は使用を控え、様子をみながらケアを行いましょう。季節によって乾燥しやすい場合は、ボディ用の化粧水で表皮に水分保湿を行ってから、オイルやクリームの油分で蓋をして保湿性を高める工夫を行いましょう。また、急激な体重増加があった場合にもお腹が大きくなり、皮膚の表面と真皮、皮下組織が伸びて裂け、妊娠線が現れやすくなります。適切な体重コントロールを行い、妊娠線の予防につなげましょう。
2016年04月04日皮膚科というと、皮膚炎やヤケドなどの皮膚トラブルに見舞われたときに行く場所というイメージがあるかもしれません。じつは、シミやシワ対策としても活用できることをご存知ですか? 化粧品や医薬部外品よりも効果のある医薬品を処方してくれることもあり、そのなかには保険が適用されるものもあるのです。肌の悩みは皮膚科医へ相談しようシワは老化だけでなく、乾燥によっても生じます。この乾燥が進むと肌のバリア機能が低下し、さまざまな皮膚トラブルに見舞われることも少なくありません。どこまでを「病気」ととらえるかは各人の症状や医師の判断によりますが、皮膚病を招くおそれがあれば、保険適用の治療や医薬品を処方してもらえるものです。また、レーザーなどによるシミ取りにも対応しています。ヤケドなどのシミのできた原因によっては保険が適用されるので、診察を受けてみるのもいいでしょう。たとえ病気とは診断されなくても、皮膚科医はスキンケアのスペシャリスト。肌の状態によって適切なケアの方法を指導してくれるので、悩みがあるときには相談してみては。また、肌に合わない成分を調べるパッチテストを受けておくと、自分に合った化粧品探しの役に立ちます。調べる項目にもよりますが、保険適用の診療になるケースが多いので、一度受診しておくと安心です。ただし、診療方針はクリニックによって異なるので、事前に問い合わせをしておきましょう。ホームページに美容関係の項目が掲載されていたり、女医がいたりすると、美容関係の相談に応じてくれることが多いように感じます。シミやシワを撃退する医薬品も肌の悩みが治療目的と認められれば、保険適用の医薬品を処方してくれます。化粧品はあくまで肌を健やかに保つものなので、美白やシワに効果があるということはできません。医薬部外品には美白効果をうたうものもありますが、改善を目的としている医薬品の効果が上回ることはいうまでもないでしょう。美容マニアのあいだでも知られているのが「ヒルドイド」という医薬品。しもやけなどの症状に処方されますが、非常に優れた保湿効果があることで知られています。美白には「トランサミン」や「シナール」という飲み薬があり、服用し続けることでシミやそばかすを改善できるのだとか。たとえ保険が使えないとしても、確実にシワやシミとサヨナラしたいなら、医薬品に頼る方法もあることを覚えておくと、いざというときに役立ちます。ただし、医薬品には副作用が生じることもあるので、必ず服用する前に皮膚科医へ確認を。ほかにも、大人も悩まされるニキビの治療などに対応しているので、なかなか治らないときには相談してみましょう。もしかしたら、間違ったケアをしていたり、ニキビではなかったりするかもしれません。皮膚科を上手に活用できれば、美肌づくりの選択肢が広がるということを覚えておきましょう。
2016年03月25日妊娠中、お腹が大きくなると気になってくるのが「妊娠線」の予防です。妊娠線は急に大きくなったお腹に皮膚の伸びがついていかず、跡になってしまうもの。ストレッチマークとも呼ばれていて、お腹の真ん中に1本跡がつく正中線ができる人や、お腹全体がひび割れたように線ができてしまう人もいます。そんな妊娠線を手軽に予防する方法をご紹介しましょう。コップ1杯の日本酒風呂で全身保湿!妊娠線は、できてしまうとある程度は自然に消えていきますが、完全に元通りにはならない場合もあります。「ちゃんとケアしておけば…」と後悔しないためには保湿ケアが重要です。でも、新たに専用の保湿アイテムを用意する必要はありません。身近な商品で手軽にケアができます。そのひとつが日本酒風呂です。日本酒には優れた保湿効果があり、スキンケア商品にもよく活用されています。入浴剤代わりに、日本酒をコップ1杯~2杯浴槽に入れると体全体を簡単に保湿することができます。実際に私も試してみましたがお酒の匂いはいっさいせず、湯質も普段と変わりません。でもお風呂から上がってパジャマを着たときに服と肌がふれる感覚がいつもと違い、肌がしっとりしているように感じました。家族に日本酒を嗜む人がいれば、たまに失敬して日本酒風呂を楽しむのもおすすめです。(編集部注:肌が敏感な人やアレルギーがある人は、パッチテストを行うなど、十分ご注意の上、行ってください)フェイスパックの後は「お腹パック」!週に数回、定期的なフェイスパックで顔の保湿をしている人も多いでしょう。そんな人は使い終わったパックを捨てる前に、ついでにお腹もパックしてみませんか? おへそを中心に広げ、パックが乾かない程度の時間、保湿します。余った保湿液も有効利用することができますよ。ラップパックで潤いをとじこめ、肌をやわらかくおなか全体の皮膚をさらにやわらかくするなら、ラップパックがおすすめです。使い終わったフェイスパックや手持ちのハンドクリームなどをお腹に広げた後、お腹全体を家庭にあるラップフィルムで覆いましょう。5分~10分おいたらラップをとりはずします。密封効果で保湿は完ぺき! しっとりとしたやわらかい肌が持続しますよ。妊娠線の予防はとにかく保湿が重要です。妊娠線向けのアイテムを新たに購入するのもよいですが、手持ちのアイテムをうまく使ったり、家族が楽しめる日本酒などの飲料と併用したりして、妊娠線予防に役立ててくださいね。
2016年03月18日資生堂はこのほど、「敏感肌と花粉に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2015年12月18日~21日、全国の20~50代女性を対象にインターネットで実施し、2,351名から有効回答を得た。自身の肌についてどの程度敏感だと感じるかを尋ねたところ、「常に敏感である」(19.8%)、「ときどき敏感である」(62.9%)をあわせ、82.7%が敏感肌意識を持っていることがわかった。「敏感ではない」と回答した人は17.3%にとどまっている。敏感肌意識を世代別で見ると、20代は86.5%、30代は86.0%で、40代の80.2%、50代の77.9%と比べて、20~30代ほど「自分の肌は敏感である」と認識していることがわかった。同社によると、化粧品に敏感な肌の女性はごく一部とのこと。一方で、睡眠不足やストレス、食事など生活環境の変化に敏感に反応し、肌トラブルが繰り返し起こり、なかなかいい肌が続かないと実感する「生活敏感肌」が増加傾向にあるという。続いて、肌あれになりやすい時期と症状について尋ねたところ、最も多くあがったのは「春のかゆみ」(39.2%)で、次いで「冬の粉ふき」(33.8%)となっている。春の肌あれ症状として多くあげられたのは、「かゆみ」に次いで「ヒリつき」(15.5%)、「赤くなる」(11.3%)で、いわゆる「皮膚炎」の状態であることがわかった。また、春に「かゆみ」を感じている人のうち、「花粉症である」と回答した人は41.5%だった。半数以上の人は花粉症を発症していないにもかかわらず、花粉の季節には肌あれ症状を感じているということが明らかとなった。季節ごとの肌あれはどの部位に現れるか尋ねると、一年を通して「ほお」に回答が集まった。春先の肌あれでは「目まわり」(41.1%)、「鼻」(31.2%)も多くなっており、花粉が多い時期にこすってしまいがちなこれらの部位は、他の時期よりも特に敏感な状態になっていることがわかる。同調査を受けて東松原皮フ科の水野惇子院長は、「近年、春になると肌あれで皮膚科の受診患者数が増加し、混み合う傾向があります。その要因の1つが『花粉皮膚炎』です」と指摘。花粉皮膚炎とは、スギ花粉が飛ぶ春先やブタクサなどが飛ぶ秋口に肌が乾燥したり、ほのかな赤みやチリチリとくすぐったいようなかゆみが出たりする症状のこと。あまり重い症状はなく、上まぶた、ほお骨、あご、首など露出が多い部分に発症するという。原因は、肌のバリア機能が低下すること。春先の肌は、バリア機能が低下して外からの刺激を受けるため、安定した肌に比べて角層の水分量、油分のバランスが乱れた状態になるという。また、バリア機能が低下する要因として「生活環境」をあげる。具体的には、睡眠不足、体調の不調、不規則な食事、便秘、ストレスのほか、生理周期や外界環境(気温・湿度の低下など)も肌ダメージの原因になりうるとしている。水野院長は、花粉皮膚炎の予防策の1つ目に「肌のバリア機能をくずさないこと」をあげ、「そのためにも、日頃からスキンケアは保湿を重点的に行いましょう」とアドバイス。2つ目は「花粉に肌が触れないこと」とし、「外出から帰宅したら肌に付いた花粉を洗い流したり、外出中でも花粉が肌に触れないようにメガネやマスクで肌を覆うと効果があります」と解説している。
2016年02月24日韓国を拠点にアジア各国で展開するオラクル美容皮膚科はこのほど、「オラクル美容皮膚科 東京新宿院」を東京都新宿区にオープンした。「オラクル美容皮膚科」は、アジア最大級のクリニック数を誇る韓国の美容皮膚科。これまで韓国のほか、中国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナムとアジア各国で多くのクリニックを展開してきた。このほど、東京都新宿区に日本で初となる「東京新宿院」を開設。これまでアジア各国で実施してきた何万もの治療データをもとに、患者一人ひとりの症状・希望に合わせた治療法を提案するとしている。同院は、美容外科よりも気軽に通えてエステにはない高い効果を得られる、肌のトータル治療を目指す。医師やスタッフの教育プログラムも確立しており、本国と同じクオリティの医療サービスを日本でも受けることができるという。施術メニューの一例としては、しみ・そばかす・あざ・肝斑のブルートーニングは1万5,000円(1回+美白管理)、美肌・くすみ・クマのプラセンタ注射が1アンプル1,000円、レーザー脱毛は背中全体脱毛で1回3万3,000円、エラのボトックス注射は8,000円。なお、イメージキャラクターを務める歌手のGACKTさんがプロデュースした「プレミアムビューティーコース」も提供。皮膚の治療効果をより実感することができるように、複数の治療プログラムを組み合わせて行う10回コースとなっている。価格は50万円。ホームページでは、GACKTさんによるメッセージ動画(YouTube)も公開中。診療科目は、皮膚科・美容皮膚科・美容外科。診療は完全予約制。※価格はすべて税別
2016年02月01日毎年冬になると流行し、学校や職場などで感染拡大が叫ばれる「インフルエンザ」。重症化すると死にいたることもあり、予防が欠かせない病気だ。ワクチンの予防接種が有効とされているが、接種しても感染することがあると聞く。では、どのような対策が適切なのだろうか。そこで今回は、インフルエンザウイルスの特徴とワクチンの有効性、適切な予防法などについて、順天堂大学大学院 医学研究科感染制御科学講座 山本典生准教授にお聞きした。○インフルエンザと風邪の違いインフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる急性感染症の一種で、通常の風邪とは異なる病気のこと。ここで、風邪とインフルエンザの違いからおさらいしてみよう。主な違いは次のとおり。■風邪(普通感冒)病原体: ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスC主な症状: 鼻水、くしゃみ、咳(せき)悪寒: 軽度、極めて短期熱: 37.5度前後合併症: まれ■インフルエンザ病原体: インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB主な症状: 発熱、筋肉痛、関節痛悪寒: 高度熱: 38~40度合併症: 気管支炎、肺炎、脳症高熱などの症状のつらさに加え、合併症リスクが高いこともインフルエンザの怖いところだ。厚生労働省の発表(「平成27年我が国の人口動態」)によると、日本人の死因は、1位「悪性新生物(がん)」、2位「心疾患」に次いで、3位に「肺炎」が入る。高齢者の肺炎は特に深刻な問題とされているが、肺炎には細菌感染(肺炎球菌など)やウイルス感染(インフルエンザウイルスなど)が関与するといわれている。肺炎による死を防ぐという点においても、インフルエンザの予防は重要だ。一般に、"インフルエンザのワクチンを接種すれば大丈夫"と思う人も多いだろう。しかし、ワクチンを打ってもインフルエンザに感染する場合がある。「残念ながら、ワクチンを打っても感染してしまうことはあります。というのも、予防接種は注射によるものなので血液中には抗体が上がってくるのですが、鼻の粘膜などには上がってきません。その点から、感染を防ぐものというよりは、重症化を防ぐものと捉えられています。ただ感染はしたとしても、血液中の抗体によって全身に広がらずに重症化を抑えることができるので、大きな意味があることだと思いますね」。○潜伏期間は検査で「陰性」と出ることもインフルエンザは「学校保健安全施行規則」に定められている伝染病であり、感染が確定すると5日間の出席停止になる。会社の場合は対応がさまざまだが、医師の許可が下りるまでは出勤停止としているところが多いようだ。「例えば高感度の検査キッドを使って検査をすれば、感染後5日を過ぎた場合でもウイルスが検出される可能性はありますし、周りに感染させてしまうリスクはゼロとは言えません。一方で休みが長引くと支障が出ますので、ウイルスの量が少なければ現実的に感染の広がりは防げるだろう、という考えに基づいて5日間と設定されているのでしょう」。なお、インフルエンザをはじめとするウイルス感染症には潜伏期間があるため、その段階で病院に行くと「陰性」で出る可能性も否定はできないという。「潜伏期間はウイルスの増殖が十分でなく、"感染はしつつあっても症状は出ていない"という期間。そのときに検査をすれば、感染していても陰性で出る可能性はあるでしょう。そもそも検査キッドには検出限界値があり、限界値に達していないと検出はできません。ただ通常は、ウイルスの増殖と比例して症状が出ますし、症状が出てから"何かが起きている"と感じて病院に行くと思いますので、感染の場合は陽性で出ることのほうが多いとは思います」。最後に、今年の傾向をお聞きした。「まだ検出報告数が少ないので傾向はつかめませんが、何が起きてもおかしくない状況でしょう。例年にならうと、年明けから注意が必要です。学校の新学期が始まるとともに集団感染が起きて、感染数が伸びてくるのではないかと個人的には思います」。お話を聞いて、インフルエンザはワクチンの予防接種をしていても油断ならないものだと痛感した。厚生労働省では、ワクチン接種のほか、咳エチケット、外出後の手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取などを推奨している。少しでも感染リスクを減らすために、ワクチンの予防接種と日常でできる対策との"合わせワザ"でこの冬を元気に乗り切りたいものだ。
2015年11月27日熊本大学は11月2日、皮膚がんの一種である血管肉腫のがん細胞では、本来は別々であるはずの遺伝子が融合していて、その融合遺伝子ががんの発生に関わっていることを発見したと発表した。同成果は熊本大学生命科学研究部・皮膚病態治療再建学分野の神人正寿 准教授らの研究グループと、北里大学の共同研究によるもので、11月1日に科学誌「Cancer Research」に掲載された。血管肉腫は血管やリンパ管の細胞から発生し、皮膚上では年配の人の頭部にできることが多い。発見されづらく、リンパ節や内蔵に転移していってしまうが、放射線療法や化学療法などの治療が効きづらいため、新しい診断法と治療法の開発が必要とされている。がんの主な原因としてがん遺伝子の変異があるが、今回の研究では、血管肉腫のがん細胞では通常の遺伝子変異とは異なり、NUP160とSLC43A3という本来とは別々の遺伝子が異常に融合してしまっていることを発見。この「NUP160-SLC43A3融合遺伝子」は染色体の一部が切り取られ、別の染色体にくっついた結果2つの遺伝子が融合して作られると考えられており、融合遺伝子が陰性の患者と比べて、がんの進行が早い可能性があるという。また、NUP160-SLC43A3融合遺伝子をマウスに注射したところ、がん化したため、がんの発生との確認が確認されたほか、NUP160-SLC43A3融合遺伝子を血管肉腫の細胞から除去すると血管肉腫の細胞の数が減少したため、治療につながる可能性も確認された。融合遺伝子はこれまで白血病や悪性リンパ腫などのがんでも発見されており、融合遺伝子を検出することで高精度・高感度の診断が可能となる。肺がんの一部ではすでに遺伝子検査が保険適応となっており、融合遺伝子の働きを阻害する薬剤が高い治療効果を発揮していることから、今回の血管肉腫における融合遺伝子の発見は、皮膚がんの原因の解明だけでなく、簡単な診断や特効薬の開発にもつながることが期待される。
2015年11月02日いよいよ夏本番。連日うだるような暑さが続く暑い夏は肌の露出も必然的に増えるが、それだけ「かぶれ」や「汗も」などの肌トラブルに見舞われる危険も増す。そういった肌トラブルを抱えてしまっては、バーベキューや海水浴などの楽しい機会も心から楽しむことは難しくなってしまうだろう。そこで本稿では、南青山皮膚科 スキンナビクリニックの服部英子医師の解説を基に、初夏に起こりやすい肌トラブルとその症状、対策法などを紹介する。○水虫ができるメカニズムまず、初夏の肌トラブルの代表例としては水虫が挙げられると服部医師は話す。水虫は白癬(はくせん)菌というカビが皮膚の角質層につくことによって発症する。白癬菌はヒトの髪や爪、皮膚などに含まれるケラチンというたんぱく質を栄養素とするが、ケラチンは体の至るところにあるため、水虫は体や手にもできる場合がある。ただ、白癬菌は高温多湿な場所で繁殖しやすいため、靴を履いて蒸れやすい足に水虫が形成されやすい。水虫=かゆいというイメージを抱いている人もいるだろう。だが、実はかゆみを訴える人はそこまで多くないため、自分が水虫だと気づいていない「隠れ水虫」の人も多いのではないかと服部医師は指摘する。「個人の症状にもよるのですが、水膨れみたいなものができている方はかゆがってきます。ただ、私たちのクリニックに来る患者さんで『水虫がかゆい』という方は、実はそこまで多くはありません。皮がむけているからとか、角質がちょっと厚くなっているということで水虫を疑って来られる方が多いです。あとは足指の間がふやけてきたり、切れてきたりすると、『何かまずいのではないか』と思ってくる方もいらっしゃいます」。白癬菌は、水虫の人からはがれ落ちた角質の中でもまだ生きている。その角質を素足で踏むなどして菌が付着すると感染する。菌が付着しても生育環境などの条件がそろわなければ水虫にはならないし、付着してから24時間以内に洗い流してしまえばほとんど問題はない。ただ、「隠れ水虫」が家族にいるとバスマットで感染する恐れもあるし、多数の人が利用する大衆浴場やスポーツ施設などでも感染の危険はある。注意するにこしたことはないだろう。○水虫になりやすい人の特徴水虫は日ごろからのケアをしっかりしていれば、ある程度は予防できる疾病だ。■足のケアをあまりしてない■毎日長時間にわたり靴を履く■足の指が太く、くっつきやすい■汗をかきやすい体質これらの項目が当てはまる人は、日ごろから体や足を清潔に保つなどして、白癬菌が住みづらい環境を作るように心がけよう。ただ、どれだけ予防に努めていても、水虫になってしまうケースもある。そのときは、きちんと水虫と診断してもらったうえで根気よく治療するのがよいと服部医師は解説する。「足の皮がむけたとかで心配して、市販の水虫の塗り薬を買う方もいらっしゃるのですが、水虫でなかった場合はかぶれるケースもあります。きちんと皮膚科などでチェックして、水虫であれば使って治療するようにしましょう。薬をぬるときは、周辺すべてが栄養素で高温多湿な状態ですから、患部だけではなくかかとから足の裏全体、足の指、指の間にぬってください。ぬる期間は、自身で『きれいになったな』という時点から、さらに1カ月くらいぬるとよいでしょう」。○汗もの予防と対策夏場は汗をかきやすいため、汗もも初夏に起きがちな肌トラブルといえる。汗もにも複数の種類があるが、直径1~3ミリ程度の水泡が出る「水晶様汗疹」(白い汗も)と、赤い丘疹(きゅうしん: 皮膚から隆起する発疹)が出て、軽いかゆみなどを伴う「紅色汗疹」(赤い汗も)がほとんどのケースだ。前者は特別なケアをしなくても数日以内に治り、後者は皮膚科を受診してステロイドクリームなどをぬるとよい。予防法としては汗をかいたらシャワーを浴びたり、通気性の良い衣類を普段から着用したりするといったことなどが挙げられる。○20~30代は金属アレルギーにも注意また、初夏頃からはかぶれが多くなってくるのも特徴だと服部医師は話す。かぶれの原因の一つは植物だ。初夏はハイキングやガーデニングなど、植物に接触する機会も増える。ウルシ科の植物やサクラソウ、キク、ヨモギ、アロエなどもかぶれやすいとのことなので、肌を露出した状態で近づく際は注意しよう。そして、意外かもしれないが金属によるかぶれも夏に多くなるという。汗によってアクセサリーなどから溶け出した金属イオンが体内に侵入し、アレルギーを引き起こすアレルゲンとなってかゆみやかぶれなどの症状につながってしまう。「金属アレルギーの原因は免疫反応ですので、大人でも突然なる可能性はあります。最初は問題なくても、汗などで溶け出した金属がイオン化してたんぱく質と結合し、何度か体内に蓄積されるとアレルゲンとして発症します。アレルギーになりやすいものはコバルト、ニッケル、クロムなどの金属です。アクセサリーを着けだすようになってから一定の年月がたつ20~30代は、アレルギー反応に気づきだす人が多いかもしれません」。夏場は汗をかきやすいということもあり、今回紹介した症例も汗にまつわるものが多い。毎日必ずシャワーを浴びるなどして、肌をできるだけ清潔に保つことが初夏の肌トラブルを避けるための第一歩になりうると言えそうだ。写真と本文は関係ありません○記事監修: 服部英子(はっとり ひでこ)東京女子医科大学卒業。皮膚科専門医。日本皮膚科学会、日本レーザー学会、日本臨床皮膚科学会、日本アレルギー学会に所属。大学卒業後に東京女子医科大学病院やJR東京総合病院の皮膚科に勤務した後、2005年より南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長を務める。
2015年07月29日風邪の予防や対策のために、マスクをして寝るという方は少なくありません。しかし「マスクをしたまま寝るのって本当に大丈夫なのかな?」と体への負担が気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。寝るときのマスクって睡眠にはOK?風邪の主な感染経路は、鼻や口を通してウイルスが体内に入リ込むことです。そのため、それらの部分をガードしてくれるマスクは、風邪予防に効果的な方法として考えられています。そして、問題の「寝るときにマスクをしていてもよいか」という点ですが、結論からいうと、就寝時は鼻やのどが乾燥しやすいので、それを防ぐうえでとても効果的だそうです。鼻やのどが乾燥してしまうと、免疫力が低下し、ウイルスの繁殖が増長されてしまうからです。ただし、息苦しさを感じるのであれば、睡眠が妨げられてしまうので、注意が必要です。もし、寝ている最中にマスクが原因で目が覚めるようでしたら、マスクのサイズを変えるか使用をやめるようにしてください。夏風邪と冬の風邪は違うので要注意!風邪の予防にマスクは効果的ですが、「夏風邪」については注意が必要です。夏風邪とは、単に夏にひく風邪ではなく、夏風邪特有のエンテロ(腸)ウイルスや、アデノ(のど)ウイルスによる感染症のことを指します。これら夏風邪の原因となるウイルスは、湿気が多く、不潔な環境を好むと言われており、就寝時のマスクがかえって逆効果になってしまうケースもあるのです。だからといってマスクをはずしなさいというわけではありません。大事なのは、定期的にマスクを交換し、きちんと清潔な状態に保つこと。ウイルスが好む環境を作らないことです。夏風邪にかかっているときは普段よりもマスクの管理をきちんと行うようにしましょう。より予防効果を上げるには?寝るときにマスクをして、保湿効果を高めることは風邪予防の第一歩です。さらに効果を高めるためにマスクと並行した風邪対策もご紹介します。風邪予防で大切なのは、乾燥をさせないこと。そのためにも加湿器の使用は有効です。もし、加湿器がない場合は水を入れたコップなどを枕元に置くだけでも違うと言われています。加湿による結露が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は結露が起きるくらいのほうが風邪の予防には適しているのだそうです。このように、適切なマスクの使用は風邪予防に有効であり、他の対処法と組み合わせることでさらなる効果が期待できます。自身の症状に合わせた方法で取り入れてみてはいかがでしょうか。photo by pixabay
2015年06月15日慶應義塾大学(慶大)は4月21日、マウスを用いた実験で、アトピー性皮膚炎は黄色ブドウ球菌などの異常細菌巣によって引き起こされることを解明したと発表した。同成果は慶大医学部皮膚科学教室と米国National Institutes of Healthの永尾圭介 博士(元慶應義塾大学医学部専任講師)との研究グループによるもので、4月21日(現地時間)に米科学誌「Immunity」電子版に掲載された。アトピー性皮膚炎は気管支喘息、食べ物アレルギー、花粉症などのアレルギー疾患を合併することがあるため、アトピー性皮膚炎そのものもアレルギー性の疾患だと考えられている。しかし、生体が何に反応して皮膚炎を発症しているかはわかっておらず、原因となるアレルゲンは特定されていない。血液検査で強い抗体が検出されることからダニやホコリが原因と考えられているが、それを裏付ける臨床的な証拠は存在していない。一方、アトピー性皮膚炎がひどくなると皮膚表面の細菌の種類が減少し、過半数が黄色ブドウ球菌によって占められることは知られていたが、黄色ブドウ球菌がどのようにアトピー性皮膚炎に関係しているかはわかっていなかった。同研究では、アトピー性皮膚炎を発症するマウスに皮膚細菌巣を培養したところ、生後4周からC. mastitidisという菌の出現に続いて黄色ブドウ球菌が出現し、最終的にはC. bovisという菌と黄色ブドウ球菌が皮膚細菌巣を支配することがわかった。このモデルマウスに対し離乳直後から、異常細菌巣に効果を発揮する抗生物質2種類で持続的な抗菌治療を行ったところ、正常な皮膚細菌巣を保ち、皮膚炎を発症しなかった。さらに、離乳後無治療で10週目に抗菌治療を開始したマウスと、離乳直後から抗菌治療を実施し10週目で抗菌治療を中止したマウスの症状の推移を観察したところ、前者は皮膚炎がほぼ治癒したのに対し、後者は正常だった細菌巣が一気に黄色ブドウ球菌とC. bovisに置き換わり、激しい皮膚炎を発症した。そこで、治療を止めて皮膚炎を発症したマウスの細菌を、治療により一時的に炎症が寛解していたマウスに接種した結果、黄色ブドウ球菌が最も強い皮膚の炎症を誘導した。また、C. bovisはIgEという抗体の上昇をもたらす免疫反応を誘導し、それぞれの細菌が異なった役割を果たしていることがわかった。今回の成果は、偏った異常細菌巣を正常化することでアトピー性皮膚炎を治療する新しい治療法の開発につながる可能性がある。研究では抗生物質を使用したものの、腸内細菌への悪影響もあるため、今後、抗生物質に頼らずに正常な細菌巣を誘導する方法の検討が期待される。
2015年04月22日富士フイルムは4月14日、マウスに経口で摂取させた抗酸化成分「アスタキサンチン」が皮膚まで到達していることを確認したと発表した。同成果は、同社ならびに京都大学 大学院農学研究科 海洋生物生産利用学分野の菅原達也 教授らによるもの。詳細は5月14日からパシフィコ横浜で開催される「第12回アジア栄養学会議(ACN2015)」にて発表される予定だという。これまでの研究にて研究グループは、アスタキサンチンをマウスが経口摂取すると、紫外線による肌のシワ形成と表皮からの水分蒸散が抑制されるという研究結果を報告していたが、この仕組みとして、経口摂取したアスタキサンチンが消化吸収され、皮膚まで到達。紫外線(UVA)により皮膚の真皮に発生した活性酸素を除去したことで、シワ形成抑制効果が生じたと推察したほか、経皮水分蒸散量の抑制効果も同様に、皮膚に到達したアスタキサンチンが、表皮のバリア機能を維持するのに必要なセラミドの産生や維持に影響を与えていると考え、今回、研究を行ったという。その結果、経口摂取したアスタキサンチンが皮膚まで届いていること、ならびにナノ乳化した場合はさらにその量が増加することを確認したという。なお同社では、美容ドリンクやサプリメントでアスタキサンチンを摂取することで、肌のシワ形成や経皮水分蒸散量が抑制されることが期待できるとしており、今後もアスタキサンチンの美容・健康における効能効果やメカニズムについての研究を進めていくとしている。
2015年04月15日森永乳業が日本農芸化学会で発表森永乳業はアロエステロール(R)を含むアロエベラ葉肉粉末(AVGP)を経口摂取することにより、紫外線による皮膚弾力性の低下が予防されることをマウスで確認したと発表した。研究成果は、日本農芸化学会2015年度大会(2015年3月26日~29日:岡山)で発表。背景アロエベラの食用として認められている葉肉部分であるアロエベラゲルの成分がアロエステロール(R)。森永乳業は既にヒト臨床試験および皮膚光老化モデルにて、アロエステロール(R)経口摂取による、皮膚水分量の低下予防ならびにシワ形成予防・シワ深度の改善効果を報告している。研究成果アロエステロール(R)経口摂取による皮膚弾力性低下に対する予防効果と、そのメカニズムについて検討。皮膚光老化モデルマウスにアロエステロール(R)を経口摂取させると皮膚弾力性の低下は有意に予防されることが明らかとなった。そのメカニズムに関しては紫外線によって真皮のコラーゲンやエラスチンあるいは表皮と真皮の間に存在する基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンを分解する酵素が増加するのを抑制することが判明した。皮膚組織中のヒアルロン酸は紫外線によって減少するが、アロエステロール(R)経口摂取によってその減少が予防されることも明らかとなった。(画像はプレスリリースより)【参考】・森永乳業プレスリリース
2015年03月28日皮膚保護剤のアンケート調査輸入日用品等を扱っているKura Kenは、花粉による皮膚の不快感に対する皮膚保護剤(ファムズベビー:製品名)のアンケート調査を行った。花粉症で目や鼻に不快感がでる人が多くなってきたが、花粉症が重要化していると肌が露出している部分に不快感を覚える。調査内容実施時期は2014年2月~4月、実施方法は実際に目の周り、鼻の周り、唇、首筋、耳、腕・足に製品を使用して、とても良い・良い・あまり良くない・良くないの4段階のアンケート調査。サンプル数は50名で、対象者は花粉症を有する20~50代の男女。花粉症は軽度が18人、中度が17人、重度が14人。(判断は自己申告)総合評価は50例中28人が「とても良い」と答え、残り22人も「良い」と回答。「かゆみが軽減した、和らいだ」というコメントが多かった。なかには、「香りがよくない」、「香りが良いともっと嬉しい」とのコメントもあった。ファムズベビーファムズベビーは、角質層の中に保護層を形成することに初めて成功した皮膚保護剤。肌を傷める様々な原因(水、お湯、洗剤、 汗、分泌物、乾燥、摩擦、雑菌)から皮膚を遮断し、保護するという新しいタイプのスキンケア製品。保護層は肌の水分蒸発を防ぐことから、保湿作用にも優れている。赤ちゃんの乳児性脂漏湿疹、あせも予防、保湿によるアトピー性皮膚炎の予防に一定の効果が得られている。また、老人の乾燥肌対策にもよく使われている。看護師の手荒れ、くつずれ、院内感染予防、介護の分野でも乾燥肌対策、おむつかぶれ予防などで評価されている。保護層の力を最大限高めるために品質の安定性を重視し、香料を省いている。販売価格は2,400円(35g)、米国からの輸入品。(画像はプレスリリースより)【参考】・Kura Kenプレスリリース(PDF)・Kure Kenホームページ
2015年03月04日冬は風邪や感染症が気になるシーズン。皆さん、どんな対策をしていますか?実は、普段からやっている「あること」を見直すだけでも予防効果が期待できるとか。ウィルス性の病気にかかってしまう理由が分かると、予防もしやすくなると思います。ウィルスが活発な冬は感染対策が必要冬は乾燥する季節。さらに、空気は温めると乾燥するので、暖房をつけている部屋のなかは特に湿度が低くなっています。また、冬はインフルエンザやノロウィルス、ロタウィルスなど、感染症が流行しやすいです。これは、ウィルスが飛散しやすいことや、乾燥していることからノドが炎症を起こしやすく、ウィルスに対する抵抗力がなくなってしまうからです。感染症はマスクや予防接種で対策するのもひとつの手です。でも、人間が持っている免疫力を高めて対策する方法もあります。そのためには、どんなことをすればいいのでしょうか?免疫力を強化するのは睡眠!睡眠は免疫機能を高めて、ウィルスから身体を守るために役立つと言われています。また、ストレスを軽減する作用もあるのだとか。「病は気から」という言葉がありますが、ストレスや不安を抱えていると免疫力が低下してしまうと考えられています。そのため、睡眠を取ればインフルエンザやノロウィルス等の病気にかかりにくくなると言えるでしょう。ただし、睡眠の質が悪いと効果が薄くなってしまいます。J-STAGE(科学技術振興機構)によると、深いノンレム睡眠は免疫力の強化に役立つと言われています。ぐっすり眠ることが感染症対策の予防につながるでしょう。ぐっすり眠って元気な身体をキープしよう誰しもインフルエンザやノロウィルスにはなりたくないもの。乾燥する冬場は感染症の予防が欠かせません。でも、どんな対策をすればいいのかと考えていた方もいると思います。人間の免疫力はさまざまなウィルスをやっつけることができます。その力を最大限に発揮するには睡眠がポイント。免疫力の強化とストレス解消ができるからです。ウィルスに感染しないためには、万全の対策を立てる必要があります。そのなかでも、よい睡眠は効果的な予防のひとつになるはず。できるだけぐっすり眠れるサイクルを作って元気な身体をキープしましょう。Photo by Drew Leavy
2014年12月19日ロート製薬の研究2014年12月8日、ロート製薬はアーティチョークエキスに加齢に伴うシミを予防する効果があると発表した。加齢によるシミの原因メラニンを産生し、分解しているメラノサイトは、加齢に伴いメラニンを産生するチロシナーゼ活性が上昇することから、色素異常が発生するとの報告がある。このチロシナーゼの活性はグルタチオンによって抑制されているのが、加齢によりグルタチオン産生量が減ることがその原因と想定されている。研究結果ロート製薬は、メラノサイトのグルタチオン産生量を増やすエキスを探索した結果、アーティチョークエキスにその効果があることを発見。アーティチョークはキク科チョウセンアザミ属の多年草。欧州では蕾を野菜として食用としている。葉や花にはおしっこを出やすくする効果、強壮効果、コレステロール低下などの効果があることが知られている。正常ヒト表皮メラノサイト培養する際にアーティチョークエキス培地に加えると、細胞内のグルタチオン量が約2倍に増え、チロシナーゼ活性を抑制することが判明。ロート製薬では、加齢に伴うシミに着目した美白化粧品を検討しており、アーティチョークエキスを応用していくことも検討しているとのこと。(画像はプレスリリースより)【参考】・ロート製薬プレスリリース
2014年12月13日(画像はイメージです)冬季のアトピー性皮膚炎(湿疹型)に対するビタミンDの効果マサチューセッツ総合病院(米国)は2009年2月から3月に、モンゴルの国立皮膚センターと協力してウランバートル(モンゴル)在住の107人の子どもを対象に冬季のアトピー性皮膚炎に対するビタミンDの効果を調べる臨床試験を行いました。この研究は、ボストンで行われた小規模試験の結果を二重盲検比較試験で確認することが目的です。この研究成果は、Journal of Allergy and Clinical Immunologyの2014年10月号に掲載されています。試験内容登録条件は年齢が2歳から17歳、湿疹の範囲と重症を使ったアトピー性皮膚炎のスコアが10から72で冬場に悪化するアトピー性皮膚炎であることでした。経口でcholecalciferol(1,000 IU/日)飲む群とプラセボを飲む群に無作為に症例を割り付けました。投与期間は1か月です。皮膚のクリームを子どもとその両親に渡し、アトピー性皮膚炎と基本的なスキンケアについて教育を行いました。試験に登録した人数は107人で平均年齢は9歳、59%が男性でした。投与開始時の湿疹の範囲と重症を使ったアトピー性皮膚炎の平均スコアは21でした。試験を完結したのは104人でした。プラセボに比較してビタミンDを飲む群では有意に湿疹の範囲と重症を使ったアトピー性皮膚炎のスコアが改善しました。副作用はありませんでした。紫外線がビタミンDの合成を促進することから、重度のアトピー性皮膚炎に治療に紫外線が使われています。しかし、経口的にビタミンDを与えて、アトピー性皮膚炎の改善を二重盲検比較試験で実証したのは今回が初めてとのことです。今後は成人におけるビタミンDの効果や通年性のアトピー性皮膚炎の子どもに対するビタミンDの効果を検討する必要があります。【参考】・マサチューセッツ総合病院プレスリリース・Randomized trial of vitamin D supplementation for winter-related atopic dermatitis in childrenVolume 134, Issue 4, Pages 831–835.e1, October 2014
2014年10月13日(画像はイメージです)保湿剤のアトピー性皮膚炎の予防効果2014年10月1日、国立成育医療研究センターは、生後に1日1回保湿剤を塗布することによって、アトピー性皮膚炎の発生率を下げることができることを、比較試験によって確認したことを明らかにしました。この研究成果は、Journal of Allergy & Clinical Immunology誌に掲載され、オンライン版で公開されています。研究背景と内容アトピー性皮膚炎を予防するために様々な試みが行われてきました。妊婦のアレルゲンとなる食物の制限や空気中のアレルゲンの除去あるいはその両方の研究が行われましたが、芳しい結果ではありませんでした。今回の研究には、アトピー性皮膚炎のリスクが高い118人の新生児が登録されました。両親あるいは兄か姉がアトピー性皮膚炎を持っていることをリスクとしています。出生後1週間後にコントロール群と保湿剤塗布群に無作為に割り付けて、4週間ごとに観察を行いました。試験期間は塗布開始から32週間です。コントロール群59例、塗布群59例が割り付けられました。32週間の試験を終了した例数はコントロール群49例、保湿剤塗布群50例でした。アトピー性皮膚炎を発症していない割合を乳児の週齢ごとに計算して、アトピー性皮膚炎の発症率をコントロール群と保湿剤塗布群の差をlog-rank testという解析法で比較しました。(画像はプレスリリースより)その結果、保湿剤塗布群はコントロール群に対して有意に(P=0.012)アトピー性皮膚炎の発症を抑えました。卵に対するアレルギーがあるかどうかをIgE抗体の血中濃度を調べましたが、保湿剤塗布群とコントロール群ではどちらもIgE抗体が高値になっていました。しかし、塗布の有無にかかわらず、アトピー性皮膚炎の有無でIgEを検討したところ、アトピー性皮膚炎を発症した群ではIgEが高くなっていました。今後の展開アトピー性皮膚炎の皮膚では免疫細胞が表皮を貫いて突起を伸ばしていることが報告されています。保湿剤により、アトピー性皮膚炎の発症の可能性は示されましたが、アトピー性皮膚炎が発生してからのIgE抗体の発生に保湿剤は効果がありませんでした。今後は、保湿剤で発生を予防するとともに、免疫細胞の突起に対する処置が必要になるとのことです。また、保湿剤による効果が例えば3歳児になったときにはどうなっているかなどは興味のあることです。【参考】・国立成育医療研究センター
2014年10月06日(画像はプレスリリースより)ストレスが皮膚を衰えに関与する機序を発見ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業は、ストレス関連物質「サブスタンスP」が、肌の弾力性やくすみに影響を与える真皮線維芽細胞のコラーゲンの発現を低下させることを発見。サブスタンスPは、刺激によって神経線維から放出される神経物質の一つ。真皮の細胞にはサブスタンスPの受容体があり、サブスタンスPはその受容体と結合して初めて真皮に影響を与えます。サブスタンスPは受容体と結びつくとコラーゲンの生産が低下します。皮膚の透明度、光透過性を支えるIII型コラーゲンに強い影響があることが判明しました。ロータスエキスがサブスタンスPの作用を抑制ポーラ化成工業は上記事実に基づき、III型コラーゲンの産生抑制を防ぐ素材を色々探した結果、ハスの胚芽から抽出した「ロータスエキス」が効果を示すことを発見。その機序はサブスタンスPの受容体の発現を抑制することでした。ロータスエキスは保湿成分として、すでに使われています。フラボノイド類などの成分が含まれています。【参考】・ポーラ・オルビスグループプレスリリース・ポーラプレスリリース(ブルームスパ)
2014年07月08日(画像はプレスリリースより)森下仁丹第14回日本抗加齢医学会総会で発表森下仁丹は九州大学と共同で「ザクロエキス」が皮膚で長寿遺伝子が活性化することを確認した。「ザクロエキス」由来のポリフェノール成分の皮膚細胞(HaCaT細胞)のSIRT1活性化作用を検討。その結果、エラグ酸、ブニカリン、ブニカラジン、ウロリチンAの4つのポリフェノールがベータアクチン中のSIRT1を活性化することを確認した。この実験は皮膚細胞を用いた実験。今後皮膚老化作用に関しては動物皮膚にこのポリフェノールあるいはザクロエキスを塗布した実験や経口投与したときの皮膚の変化を検討することが必要となる。人での経口投与あるいは肌に塗布による皮膚の老化の予防あるいはシミ・シワの改善等の検討が必要となる。ザクロ1968年にザクロに含まれるエストロンが発見された。エストロンにはエストロゲン様作用ががあることからザクロには女性の更年期障害を緩和するといわれたことがある。国民生活センターは市販のザクロジュースにはエストロゲンは含まれていないことを発表。成分としてアルカロイドとタンニンを含むため過剰摂取は危険。カロリー制限と寿命延長効果カロリー制限や低温環境下にある動物は代謝速度が低下し、それに伴い加齢速度も落ち、寿命が著しく延長する。加齢速度を制御していると想定されているのが、SIRT1遺伝子。周囲の環境ストレスに適合するために発現し、様々な作用を有することが確認されている。【参考】・森下仁丹プレスリリース
2014年06月18日(画像はイメージです)アロエステロール(R)の光老化モデルマウスに対する効果森永乳業は、第68回日本栄養・食糧学会でアロエステロール(R)の皮膚の光老化に対する予防効果を発表した。紫外線照射で誘導される皮膚水分量とシワの深さの変化を予防することを明らかにした。(画像はプレスリリースより)アロエステロール(R)森永乳業はアロエベラゲルから抗肥満効果および抗糖尿病効果を示す有効成分としてアロエステロール(R)を同定。昨年は乾燥肌に女性56名がアロエステロール(R)を含む食品を8週間摂取したところ、無摂取群に比べて腕の皮膚水分変化量の増加傾向が見られ、シワ平均深度が有意に低下することを報告。この水分保持作用はアロエステロール(R)が繊維芽細胞のコラーゲンやヒアルロン産再生能を高めることによると推定。アロエのは古くから傷薬として使われてきたが、その有効成分は主にアロエに含まれる多糖類と考えられていた。今回の実験に用いられたアロエステロール(R)は多糖類ではなく、植物の細胞膜を構成する脂質の一種である植物ステロールであることから、アロエの効果に新しい切り口を発見。アロエステロール(R)が経口サプリメントとして乾燥肌にうるおいを与えたり、日焼けによる皮膚の老化に対するアンチエイジング作用を示したりすることが期待される。【参考】・森永乳業プレスリリース
2014年06月10日今回のテーマは、食事とうつ病、地中海料理で発症を予防!?ヨーロッパ全体の中でも年齢調整自殺率が低いといわれる地中海沿岸地域。うつ病の予防には、食生活も関係があると言われるけれど…今回は食事とうつ病の関係について、精神科医の徳増先生から教えてもらいました。こんにちは。精神科の徳増です。今回は、食事とうつ病についてお話しさせていただこうかと思います。うつ病は病院に通い正しい治療を受ければ、治る可能性が高い病気であることが広く知られています。しかし、その予防法についてはあまり論じられていません。地中海沿岸諸国では、ヨーロッパ全体と比べて年齢調整自殺率が低いことをご存じでしょうか?地中海料理は、豊富なオリーブオイル、魚介類、ナッツ類、野菜、果物を使うことが特徴的ですが、ヨーロッパ15の国の自殺率を比較すると、ギリシャやスペインなど、オリーブオイルを多く摂取する国ほど自殺率が低いことがわかっているのです。気候条件、民族性、失業率など、自殺率にはさまざまな要因が関与していますが、食事とうつ病のリスクの関連を調べる大きな研究スペインで行われました。するとその結果は、「典型的な地中海料理を食べている人ほどうつ病になりにくい」というものでした。さまざまな考察が可能ですが、一つには、うつ病とメタボリックシンドロームは関係があることが知られていますので、地中海料理はヘルシーで良いということが言えるかもしれません。食材別でみると、オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)を豊富に含んでおり、抗酸化作用を有します。魚はω-3系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)に富んでおり、これが中枢神経系の神経細胞膜の流動性を高め、セロトニンの輸送を促進するとされています。木の実や穀類に含まれる葉酸・ビタミンBは、s-アデノシルメチオニンという物質を作り、神経伝達物質の代謝に必要とされています。これら、不飽和脂肪酸、抗酸化物質、葉酸、ビタミンBなどの作用が組み合わさることでうつ病のリスクを減らすと考えられるでしょう。最近、日本でうつ病が多いのは、食生活が欧米式に変わったことが影響しているのではないかと考える学者もいます。食生活は、体だけではなく心の病気にも影響するということでしょうか。地中海料理、近いうちに日本でもブームがくるかもしれませんね。【PROFILE】お名前(ふりがな):徳増卓宏(とくますたかひろ)先生専門科:精神科年齢:27歳勤務先:都内某病院好きな女性のタイプ:母性的な人初デートに連れていく場所は?:お台場とか…海の見える街なぜドクターを志したのですか?:大学受験の時に、ふと医者を目指そうかなと思いました女性たちからイケメンドクターといわれることにどう思いますか?:純粋にうれしいですね<2013年7月17日現在>
2013年11月29日私たちはよく「美肌になりたい」「肌が綺麗な人に憧れる」と思うことが多いですが、身近にある皮膚はどのように役割があるのでしょうか? 今回は、基本的なことですが、私たちの皮膚の役割についてご紹介いたします。皮膚の役割1:保護膜私たちは体は皮膚で覆われています。皮膚の大きな役割の一つに保護膜があります。太陽から降り注ぐ紫外線をブロックしたり、細菌や化学物質などの生体外からの侵入をブロックし、未然にトラブルなどを防ぎます。また、体内に蓄えてある水分を外に逃がさない働きもしています。皮膚の役割2:環境の変化を捉える熱い、冷たい、痛い、寒いなどの様々な感覚を司る役割もあります。各感覚受容器の働きにより体への安全を確認し、また、気持ちよさや痛さなどの感覚を伝える大切な役割もあります。皮膚の役割3:熱交換器人間の体は37度近くになると、体温調整の為に毛穴が開き体外へ熱を発していきます。それでも体温調整が間に合わない場合は、発汗を行いその際の気化熱で効果的に体温調整を行います。逆に、寒くなると、皮膚の毛細血管が収縮して毛穴が締まり、熱が体外に逃げない様にします。皮膚の役割4:体の変化を表す健康状態が悪い場合に、肌の色も悪くなることがあります。みなさんも風邪をひいた時に顔色が悪くなったり、寝不足で目の下にクマができてしまったりと、肌から感じる健康状態はあるとおもいます。肌は、体のコンディションを移す鏡でもあります。このように、皮膚には4つの大きな役割があります。私たちに皮膚がなければ生命維持をすることができません。肌が綺麗である前に健康でなければ美しさは無いということです。毎日規則正しい生活を送りながら、体をいたわりながら美肌作りを目指すことはとても大切なことなのです。
2013年11月14日