本当の敵は、誘拐犯か、この国か。政治家一族を襲った孫娘誘拐事件を描く、真保裕一の同名小説を水田伸生が実写化した映画『おまえの罪を自白しろ』が、2023年10月20日(金) より全国公開される。主人公は、中島健人演じる政治家一族の宇田家の次男・宇田晄司。晄司が秘書を務める国会議員の父・清治郎役を堤真一、宇田家の長女・麻由美役を池田エライザ、埼玉県警の刑事・平尾宣樹役を山崎育三郎が演じている。麻由美の幼い娘が誘拐され、「明日午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という清治郎への脅迫から始まるストーリーは、息をのむ展開の連続で実にスリリング。家族の命を救うため奮闘する晄司、そして罪を自白せざるを得ない清治郎。中島健人と堤真一による初タッグとなったタイムリミットサスペンスである本作に、どのように挑んだのか?主演の中島健人に、話を聞いた。国会議事堂に行って秘書の役作りをした(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会――宇田晄司役を演じるにあたって、役へのアプローチはどのように形作っていかれましたか。まず、国会議事堂に行きましたね。衆議院予算委員会を傍聴させていただいて、実際の空気を肌で感じてきました。議員の方はみなさん、疲れている様子も見えて、一般の会社で働く人たちと変わらず、やっぱり同じ人間なんだなと。ただ、国の責任を負っているわけですから、そのプレッシャーと日々戦い続けてくれているということも感じました。今回、僕は秘書としての役作りをしないといけないので、議員の方に対して、ポジティブな見方で見ていましたね。あとは、議員会館の食堂で食べたカレーが、おいしかったです(笑)。――いいですね。そもそも政治にご興味はあったのですか。そして中島さんがアイドルとして多くの人を幸せにしている感覚と、政治家がみんなを守る感覚というのは、意外と近しいところもあるのでしょうか。一時期、アメリカの大統領についてすごく勉強していた時期があるんですよね。そのときにロナルド・ウィルソン・レーガンを好きになりました。アイドルはもちろん政治家ではないですが、マニフェストを掲げているという点は同じ。一番政治の勉強をしていた頃に、「Luv Manifesto(ラブマニフェスト)」という曲も作っています。そして同年代の議員の友達もいるので、今回、彼の話を聞きました。「これから日本を微力ながら、でも微力を大きな力にすべく頑張っていきたいんです」というような話をしていて、頑張ってほしいなと。ちなみに、「映画『おまえの罪を自白しろ』が10月20日に公開されるから観てね!」と、ちゃんと告知もしておきました(笑)。堤真一とは一緒に仕事ができると思っていなかった(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会――スリリングな展開ですが、晄司役を演じていて、やりきれたと爽快さを感じたような点や、逆に難しかった点はありましたか?国交省のある人物に突っ込んでいくシーンでは、とても楽しかったです。このシーンでは、自分の感情をこの映画の中で一番自由に使えたんですよね。まるで相手を言葉で殴るようなイメージで、それぐらい晄司は危機感があった、今ここで自分がなんとかしなければいけないと。窮地に立たされた人間の行動力、迅速なアクションの取り方というものが、晄司を演じながらも、すごく刺激になりました。そのシーンの地続きで、幹事長の木美塚壮助役をされた角野卓造さんとのシーンも楽しかったです。普段は、駅弁の話しかしないおじさんなんですけど(笑)、いざ芝居となるとものすごく怖いんですよ。怖すぎて、実は1、2回NGを出したんですが、「すみません!」と角野さんを見ると、とても優しい顔をしていて……。――そういったなかで、一番印象的だったセリフはありますか?その角野さんとのシーンで、「黙っていれば、いずれ黒も白になります」というセリフがあるんですが、すごい言葉ですよね。いろいろなことを背景に、今回、強烈に響いたセリフでした。(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会――堤真一さんとは初共演となりますが、初めてお会いした際はどう感じられましたか?本読みの段階で初めてお会いしたのですが、やっぱり緊張しましたね。まさか一緒にお仕事ができると思っていなかったんです。なぜかというと、堤さんはドラマ『GOOD LUCK!!』では木村拓哉さんのバディでしたし、『SP 警視庁警備部警護課第四係』では岡田准一くんのバディでもありましたし、その次が僕かと思うとすごく緊張して。でも、お話してみたら、本当に普通のおじさんで話しやすかったです(笑)。堤さんは映画スターだから、一緒に写真を撮りたいなと、「写真撮りましょうよ!」と言うと「全然いいよ」と。自撮りで5枚ぐらい撮ったんですが、写真を見てみたら全部、変顔だったんですよ。もうちょっとかっこいい写真が撮りたかったのに、本当にふざけている方です(笑)。――意外にもお茶目な面が……(笑)。お茶目ですね!だけど、芝居になるとても怖いので、僕もそういう役者さんになりたいなと思いました。――堤さんは父親役でもありましたが、親子関係を演じるにあたって、中島さんのお父様のことを思い出すようなこともありましたか?清治郎は堅物ですが、うちの父はどちらかといえば、フランクに接してくれるタイプですね。とはいえ、本当に怒らせたら一番怖いのは父ですが、普段は友達のような存在でもあります。それこそ僕が学生時代に受験するときも、ずっと車で送り迎えしてくれて、受験が終わってから一緒に焼肉を食べに行った思い出もあって。何校か受けて落ちている高校もあったんですが、その合否を見たあとに、父は「落ちたけど焼肉行くか?」とか、「受かったから焼肉行くか?」とか。合格でも不合格でも、寛容に受け入れてくれる人です。父は頭が良くて数学ができるので、よく父に勉強を教えてもらっていました。チャンスをいただけたことが本当に光栄(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会――ちなみに、今回、中島健人の新境地というのがひとつのキャッチとなっていますが、ご自身ではどのように解釈されていますか。映画を観てみて、気づいたら、そうだなという感覚でした。映画『ラーゲリより愛を込めて』のときからそうなんですが、今回も撮影当時は、自分の新しい境地に取り組むというよりも役の幅が広がって、今まで華やかな世界に特化した自分が徐々に華やかさを薄めて人間らしく、骨太になっていったような感じです。普段の生活から地続きの作品に出演させていただけるようになったんだな、という感覚だったんですよ。――状況がそういう流れになっているという受け止め方ですか。年齢的にもそうなのだろうと。とはいえ、華やかな世界観の映画やドラマも楽しいので、今後もやらせていただきたいですね。そういった華やかな作品が脳に刺激を与えるとするなら、生活と地続きの映画やドラマは脳と連動するようにも感じていて、今回そんな作品に参加させていただけることに感謝しています。今の日本映画は、配信会社にしても、海外に飛び出すには日本ではアニメ作品が最有力ということから、実写の本数を減らしているという話もあって。そんななかで数少ない日本映画で中島健人にチャンスをいただけたことが本当に僕は光栄ですし、独自の道を突き進みながら、こういう万人性がある日本映画に飛び込ませていただけたことは、誇りです。――地に足がついた役がまわってきたということにもなりますか。そんな気がします。理想か現実かといえば、どちらかというと理想族といいますか。世間の見られ方としても理想の人間として見られることが多いようなのですが、それはアーティストとして、表現者として音楽を作るうえではいいと思うんです。でも映画に関しては、理想も現実も見せられるように、やっぱり両方できないといけない。そろそろ「お待たせしました、現実の中島健人です」というところを見せていいんじゃないかなと、年齢のフェーズとして、思っています。映画俳優として通らないといけない作品は通れつつある(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会――俳優の中島健人からすると、満たされているとするなら、少し足りていなかったと感じていたものがあったのでしょうか。今も満たされてはいないですが、Netflix映画『桜のような僕の恋人』に主演させていただいて、これがエピソード0だとすれば、今作はエピソード1なのかなと。そして0.5が『ラーゲリ」です。ただ、『ラーゲリ」は中心にいる立ち位置ではなかったので、貴重な経験をさせていただきました。こうして映画俳優として行きたい道に行くには、通らないといけない作品は通れつつあるなと思っています。『桜のような」をやっているときは本当に楽しくて、人間の解放のような表現ができたあの作品から『ラーゲリ」ときて、昨年、外国でHuluオリジナルの海外ドラマ「Concordia(コンコルディア)」(2024年世界同時放送・配信)の撮影をしたんですよ。そして今回、『“おま罪”(おまえの罪を自白しろの略称)」の公開を控えて、とてもいい自分のフィルモグラフィーを作れているなと。ただ、自分だけが気持ちよくなってもしょうがないので、観ている方々にちゃんと成長を感じていただけるような作品になってくれたらと今回の作品に対しても思っています。――今回、座長ということで引っ張っていく立場だと思いますが、年上の方がいる中で座長だという意識を持って臨まれたのでしょうか。これまでたくさんの年上の方と共演する映画に出演したことがなかったんです。今作はレジェンド・キャリア・アクターズとでもいうような方々が集まっているので、もう座長だからどうということはなかったですね。今までの現場は「よっしゃ、行こう!」というような感じで同世代が多かったんですが、今回は僕から「これやりましょう」という感じではなかったです。それぞれ独立している方々がいるなかで、僕は主演としてしっかりそこに立っていれば、もう成り立つ映画だろうという感覚でした。――ではスタッフの方への気配りというものはありましたか。それはありましたね。話しいて楽しいメンバーが集まっていたんです。ただ、差し入れが出せなかったんですよ。いつもは現場にオムライスの差し入れを出すんですが、今回は撮影が夏場だったので控えて、差し入れできなかったのが心残りでした。でも、カフェカーが来て、ラテが出たんですよね。あれは堤さんからの差し入れで、先を越されましたね(笑)。取材・文:かわむら あみり<作品情報>『おまえの罪を自白しろ』10月20日(金) 全国公開(C)2023『おまえの罪を自白しろ』製作委員会出演:中島健人 堤真一池田エライザ 山崎育三郎 中島歩 美波浅利陽介 三浦誠己 矢柴俊博 柏原収史 中村歌昇 佐藤恋和 アキラ100% 山崎一尾美としのり 池田成志 橋本じゅん 春海四方 小林勝也 菅原大吉 升毅 平泉成尾野真千子 金田明夫 角野卓造監督:水田伸生脚本:久松真一原作:真保裕一『おまえの罪を自白しろ』(文春文庫刊)主題歌:B’z「Dark Rainbow」(VERMILLION RECORDS)配給:松竹『おまえの罪を自白しろ』本予告公式サイト:
2023年10月12日中島健人と堤真一が初共演した『おまえの罪を自白しろ』より、場面写真が解禁された。真保裕一の同名小説を原作に、中島健人演じる議員秘書・宇田晄司が、家族の誘拐事件を解決するため奔走する姿を描く本作。この度解禁された場面写真は、主演の中島健人とその脇を固める豪華俳優陣演じるキャラクターを切り取った11枚。大切な孫娘を誘拐され、“罪を自白しろ”と脅迫される宇田家の父・清治郎(堤真一)が会見しているカットをはじめ、誘拐された少女の母で宇田家の長女・麻由美(池田エライザ)、その夫で市議会議員の緒形恒之(浅利陽介)が到着。そして恒之の選挙活動を支援するボランティアの寺中初美(尾野真千子)に加え、誘拐事件を捜査する刑事の平尾宣樹(山崎育三郎)と、清治郎の政治疑惑を追及する報道記者の神谷美咲(美波)のカットも解禁。さらに、政界を動かす内閣総理大臣の夏川泰平(金田明夫)、日本新民党の幹事長・木美塚壮助(角野卓造)、清治郎の後援会長草川庄一(平泉成)の姿も切り取られている。また、晄司、清治郎とともに事件解決に向けて動く清治郎の私設秘書・大島昇(アキラ100%)の真剣すぎる表情にも注目だ。誘拐事件の犯人は誰なのか、そして事件をきっかけに明かされる“罪”の真相とは一体?各々の怪しさが滲み出る場面写真となっている。『おまえの罪を自白しろ』は10月20日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:おまえの罪を自白しろ 2023年10月20日より公開(C)2023「おまえの罪を自白しろ」製作委員会
2023年09月29日真保裕一の同名小説を映画化した『おまえの罪を自白しろ』より場面写真が解禁された。この度解禁された場面写真は、自身も怪我を負いながらも、誘拐されてしまった娘を心配する母親の麻由美(池田エライザ)、幼い命を救うため、父・宇田清治郎(堤真一)に罪を自白させようと奔走する晄司(中島健人)の姿など、限られたタイムリミットの中で奮闘する宇田家が映し出されている。さらに、“政治家の孫娘の誘拐”という常に緊張が走る事件を必死に捜査する刑事の平尾宣樹(山崎育三郎)、清治郎の犯した罪、その裏に隠された真実を追及し続けるマスコミの神谷美咲(美波)のカットからは、この事件が宇田家の中だけでなく、国を大きく揺るがす壮大な事件へと繋がっていくことを予感させる。そして、国会議員の父・清治郎が、罪の自白を迫られ机に向かって葛藤する緊張感あふれる場面も…。果たして晄司は、24時間というタイムリミットの中で、家族の命を救うことができるのか?壮大なスケールで描かれる前代未聞のタイムリミットサスペンスをうかがわせる、臨場感漂う場面写真となっている。『おまえの罪を自白しろ』は10月20日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:おまえの罪を自白しろ 2023年10月20日より公開(C)2023「おまえの罪を自白しろ」製作委員会
2023年09月14日中島健人と堤真一共演の『おまえの罪を自白しろ』より場面写真が解禁された。真保裕一の同名小説を映画化した本作は、疑惑を抱える国会議員・宇田清治郎(堤真一)の幼い孫娘が誘拐され、宇田晄司(中島健人)が、家族の命を救うため、前代未聞の大事件に挑むことになる社会派サスペンス。この度解禁された場面写真には、穏やかな日常が一変、前代未聞の誘拐事件に巻き込まれる宇田家の姿が映し出されている。いつもと変わらない朝の風景を映し出したカットには、晄司が父・清治郎、妹の麻由美、姪の柚葉と何気ない日常の朝を過ごす穏やかなシーンが映し出されている。しかしそんな平穏な一日は、柚葉が何者かに連れ去られる誘拐事件の発生により一変。さらに、事件の渦中に置かれた清治郎が大勢のマスコミに囲まれる緊張感溢れるカットや、大切な家族の命を守るため、全ての罪を自白するよう父に迫る晄司の鬼気迫る怒りの表情を映したカットも。本格サスペンス映画初主演にして、政界というがんじがらめの世界の中で奔走する若き議員秘書という難しい役柄を見事に演じる中島さんの“新境地”を期待させる。また、家族のため、そして事件解決のため犯人からの脅迫に真っ向から対峙する晄司が、父の手を取り走り出すカットは、スピード感と緊張感に満ちたスリリングなドラマを予感させる。「おまえの罪を自白しろ」という清治郎への脅迫に対し、果たして晄司は罪に隠された真相を暴き、誘拐された家族の命を救うことができるのか?壮大なスケールで描かれる前代未聞のタイムリミットサスペンスに期待が高まる場面写真となっている。『おまえの罪を自白しろ』は10月20日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:おまえの罪を自白しろ 2023年10月20日より公開(C)2023「おまえの罪を自白しろ」製作委員会
2023年08月29日社会派ミステリーのヒットメーカー・真保裕一の小説を映画化した、中島健人(Sexy Zone)と堤真一が共演する前代未聞のタイムリミットサスペンス『おまえの罪を自白しろ』の主題歌を、「B’z」が担当することが決定。特報映像とポスタービジュアルも公開された。今回の主題歌は、「B’z」の書き下ろし楽曲「Dark Rainbow」。何が本当の敵なのか、先が見えない暗雲を爽快に晴らすような、本作の世界観とリンクした疾走感あふれるロックチューンだ。「B’z」楽曲について「B’z」は、「“隠された真実”を見つけ出そうとする主人公が、それまで気づかなかった、人の本心や、自分自身が矛盾の中で生きているという事実と向き合うことになっていく。そんな“闇を相手に暴れる感情”のようなものをイメージして作ったのがこのDark Rainbowです」とコメントしている。特報映像は、犯人からの前代未聞の脅迫に対して奔走する晄司(中島さん)と、罪の自白を拒む清治郎(堤さん)の姿が描かれ、息子VS父親の関係性が際立つ仕上がりに。今回、音源はイントロのみにもかかわらず、松本孝弘のかき鳴らすシャープで鮮烈なインパクトを放つギターソロから、本楽曲の全容への期待感も高まる。この発表に中島さんは「本編の映像と、主題歌『Dark Rainbow』のビリビリ痺れるイントロが重なり合うことで、いよいよこの物語が始動していく期待感を感じていただけると思います。映画も、楽曲も、果たしてどんな結末が待っているのか。劇場で皆さんと一緒に体感できたら嬉しいです」とメッセージを寄せている。さらにポスターは、数々の疑惑を持つ大物政治家・清治郎が不穏な表情を浮かべ、その前を、清治郎の議員秘書を務める息子・晄司がマスコミのフラッシュを浴びながら緊迫した表情で駆け抜けている。『おまえの罪を自白しろ』は10月20日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:おまえの罪を自白しろ 2023年10月20日より公開(C)2023「おまえの罪を自白しろ」製作委員会
2023年04月24日大阪生まれで同志社大学文学部に在学中、9月に20歳になったばかりの観世流能楽師・大槻裕一。文字を書くより先に謡(うたい)を謡っていて、初舞台は2歳。中学3年生の時にシテ方観世流能楽師で人間国宝の大槻文蔵の芸養子となり、グングン成長して、今や若手の注目株だ。師父・文蔵と「大槻文蔵裕一の会」を主催し、2014年には移動式能舞台を大阪城の本丸に設置、天守閣をバックに薪能も企画した。15年に続き、今年も10月7日(土)~9日(月・祝)に二十六世観世宗家の当代・観世清和や狂言師・野村萬斎らを迎えて開催。能の未来を切り拓き、広く一般に親しんでもらえるよう果敢に挑戦する若き能楽師が、大槻能楽堂でまた新たなイベントをスタートさせる。それが『能×アート奇跡のセッションシリーズVOL.1BORDERLESS』。第1回目のゲストには、元宝塚歌劇団宙組初代トップスター・姿月あさとを迎える。ふたりの思いを聞いた。「BORDERLESS」チケット情報「2歳からずっと能だけをやってきて、ほかの分野の方や自分とは違う一芸を極めている方とセッションしてみたいと思っていたんです。能楽堂のステキな空間を生かしながら、芸の世界で生きる辛いことや楽しいことのお話ができればと。お客様にも知っていただき、またこの企画によって、自分が新たに能を再確認することの意味も大きいと思っています」と裕一。彼は、母親がファンだった姿月の宝塚現役時代のDVD『ミーアンドマイガール』を見て「その時のかっこ良かった姿月さんの姿が忘れられなくて。ダメもとでオファーしました。1回目から大きな挑戦です」。その姿月は今年、宝塚で初舞台を踏んでから30周年。様々なコンサートやイベントを自らプロデュースし、開催している。「その一環としても、こういう形のイベントが出来るのはうれしいですね。これまで、お三味線の方とのコラボはありますけれど、お能や狂言、歌舞伎の方たちといった古典芸能の方とは初めて。退団してから17年。誰と出会うか、どんな仕事と出会うかは運だと思うので、すごく楽しみです」。今回、姿月はソロで歌も歌い、裕一は能のダイジェスト版ともいえる舞囃子を舞う予定。さらにふたりのセッションやトークショーも企画されている。「日本人として、知らないことがいっぱいある」という姿月は、お能はまったくの初心者だ。「自分も含めて、これまでお能を知らなかった方に知っていただくきっかけになれば」。裕一は「“極める”という思いを持って進んでいる人は、全然違う分野でも一緒、きっと繋がる部分があると思います。今後も続けていきたいですね」。能楽堂から発信する、若き能楽師の挑戦を応援したい。公演は、11月26日(日)大阪・大槻能楽堂にて開催。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年11月08日特別展「世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」が広島市現代美術館で開催される。会期は、2016年10月28日(金)から2017年1月22日(日)まで。立石大河亞のコマ割り絵画を含む油彩、60年代から80年代に制作した漫画原画、そして、横山裕一が初期に手がけた絵画、新作漫画『アイスランド』、本展のために描き下ろした漫画原画を紹介する「世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画」。我々の世界を参照しながらも、現実を引きずることなく、もうひとつの世界を大胆に提示する。不条理に満ちた、妙な世界の住人が繰り広げる意味不明な会話、 ナンセンスな行為など、一見“なんでもあり”の状況がもたらすユーモア。現実と距離のある世界観に触れることで、自分たちが今いる世界を見つめ直す良い機会をあたえてくれる。立石大河亞立石大河亞(タイガー立石/立石紘一)は、1963年、第15回読売アンデパンダン展に出品し、美術家としてのキャリアをスタートさせた。65年からは漫画を描き始め、ほどなく新聞や雑誌に連載をもつまでになり、漫画家としての地位を確立する。ミラノへと拠点を移した69年には、漫画の手法である「コマ割り」を絵画にもちこみ、ストーリー性や時間的要素を取り入れた絵画を手がけた。横山裕一横山裕一は、漫画家、イラストレーターとして活躍。ベニヤ板にペンキで風景や人物を描きながら、自身の絵画のスタイルを模索する日々の中、イラストの仕事を通じて、2004年に『ニュー土木』で単行本デビューを果たす。「ネオ漫画」 と称される横山の漫画に明確なストーリー展開はなく、複数の登場人物による非友好的かつ目的不明な行為、謎の物体が移動、変形する様子を描写することにより、純粋な時間の流れが表される。【概要】世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画会期:2016年10月28日(金)〜2017年1月22日(日)会場:広島市現代美術館住所:広島県広島市南区比治山公園1-1開館時間:10:00〜17:00 ※入場は閉館30分前まで。休館日:月曜日(ただし1月2日、1月9日は開館)、年末年始(12月27日〜1月1日)、1月4日(水)、1月10日(火)観覧料:一般 1,030(820)円、大学生 720(620)円、高校生・65 歳以上 510(410)円※中学生以下無料※11月3日全館無料※ ( )内は前売り及び30人以上の団体料金
2016年10月03日東京都・恵比寿のNADiff Galleryと清澄白河のARATANIURANOにて、漫画家/アーティストとして国内外から高い評価を集める横山裕一の個展「ファッションと密室」が開催されている。開催期間はNADiff Galleryが7月3日まで(12:00~20:00、月休)、ARATANIURANOは7月4日まで(11:00~19:00、日祝月休)。いずれも入場は無料。同展は、横山裕一の最新作品集「ファッションと密室」の出版を記念して開催されている個展。国内外での大規模な個展や展覧会への参加が続いた2014年に制作された作品を中心に、ミニマムな存在描写の強靭さ、大胆に配される迫力のオノマトペ、そしてコマごとに綿密に描き出される時の流れなど、独自の表現手法で知られる横山裕一の"ネオ漫画"の世界が2つの会場で展開されている。また、渋谷のNADiff modern(Bunkamura内)では、横山の推薦本を集めたブックフェア「横山の本棚」を開催しており(7月3日まで)、小説や詩集、写真集など、作家のアイデアの源泉や思考に触れることができる。なお、ふたつの展覧会場と選書フェア会場でスタンプラリーを実施しており、3つすべて集めた人には、プレゼントが用意されている。
2015年06月30日伊勢丹新宿店のエルメス(HERMES)ブティックリニューアルに際し、作品を提供したことが記憶に新しい、現代美術家で漫画家の横山裕一作品展「横山裕一<これをネオ壁面と呼ぶ>集合する名士とけもの」が、3月6日より京都国際マンガミュージアムで開催される。世界的なアーティストが集まるアートの祭典「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」の後援事業として開催される同イベント。期間中は横山が今回のために書き下ろした漫画を、建物の壁にプロジェクションマッピングで投影。更に、作品世界を再現した会場に原画も展示され、本で読むのとは一味違った横山ワールドを体験出来る。また、3月8日には横山の作業風景が見られるライブドローイングイベント「これがネオ漫画である」を開催。展覧会場に設置されたアトリエで、独特の技法を用いて漫画に取り組む横山の姿が見られる。横山は“ネオ漫画”と称される独創的な作風で有名。奇妙な格好をした人物たちが、目的不明の土木工事を黙々と遂行したり、意味不明の会話を交わしたりするなど、異色の漫画で国内外の漫画界やアート界から注目されている。これまでに、漫画作品集として『ニュー土木』『トラベル』『世界地図の間』、画集では、『横山裕一カラー画集』などを発売してきた。【イベント情報】横山裕一<これをネオ壁面と呼ぶ>集合する名士とけもの会場:京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー6住所:京都府京都市中京区烏丸通御池上ル会期:3月7日から5月31日まで(プロジェクションマッピングは3月6日から)時間:10:00から18:00まで(入場は閉館の30分前まで、プロジェクションマッピングは18:00から21:00まで)休館日:水曜日(4月1日、29日、5月6日は閉館)、4月30日、5月7日(プロジェクションマッピングは無休)
2015年02月16日劇場版第30作『映画ドラえもんのび太の人魚大海戦』の初日舞台挨拶が3月6日(土)、TOHOシネマズ日劇2で行われ、ドラえもんの声を務める水田わさびら声優陣と楠葉宏三監督らがシリーズ30周年をバズーカ砲で祝った。水田さんは「今日は嬉しいのでどら焼きを30個食べてきました」とテンション高くリップサービスして挨拶。特別ゲストで来場した、テレビ朝日系で放送中のテレビアニメ版の主題歌「夢をかなえてドラえもん」を歌う女性歌手maoが同曲を歌唱中、水田さんらはドラえもんらの着ぐるみとともに体でリズムをとりながらノリノリで合唱。合わせて手拍子しながら歌う観客も数多く見られ、場内は一体感に包まれてお祝いムード。だが、サビが過ぎたあたりで舞台の左右脇に2台ずつ備えてあったミニバズーカ砲が「ドォーーン!」と轟音をあげると、声優陣は一様にのけぞり、観客もビックリした様子だった。歌が終わったところで、水田さんは「平静を装うのに精いっぱいでした」と驚きを隠せない様子。スネ夫役の関智一は「(ミニバズーカ砲の)一番そばに立っていたので、超ビックリしました。打ち合わせで聞いてはいたんですけど、こんな風になってしまって」と体を再度のけぞらせ、「カッコ悪いので止めました」と言いながらも笑顔をひきつらせていた。同作は、人魚が暮らす深海を舞台に、ドラえもんとのび太と仲間たちが、人魚族を助けて怪魚族に立ち向かうオリジナルストーリーで、脚本は作家の真保裕一。水田さんは「ずっと冒険していきたい」。楠葉監督も「大冒険はこれが終わりではありません、スタッフ、キャストで40周年、50周年に向けて面白いドラえもんを作り続けていきたい」と創作意欲をますます燃やしていた。『映画ドラえもんのび太の人魚大海戦』は全国公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:映画ドラえもん のび太の人魚大海戦 2010年3月6日より全国東宝系にて公開© 藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK2010
2010年03月06日全編イタリアロケ──文字にしてしまうとなんだか容易いことのようにも受け取れるが、世界的観光名所が集約したローマと街全体が世界遺産のアマルフィを舞台にしている日本映画というのは、やはりどう考えても普通じゃない。そんな無謀とも言えるロケを敢行して出来上がったのが『アマルフィ 女神の報酬』だ。主人公は外交官・黒田康作。演じるのは、これまで数々のヒーロー像を演じてきた織田裕二。『躍る大捜査線』シリーズの青島刑事とは一味違う、大人の色気を放つ外交官役に挑み、新しい一面を披露している。また、脇を固めるキャストも豪華。旅行先のローマで娘を誘拐されてしまう母親役に天海祐希、彼女を支える商社マン役に佐藤浩市、そして黒田が赴任する日本大使館で働く外交官役は戸田恵梨香、佐野史郎、伊藤淳史という顔ぶれ。黒田の友人・フリーライターの佐伯役で福山雅治も登場する。主役を張れるキャストたちがこれだけ揃っているというのも見どころだが、驚くべきは世界の歌姫サラ・ブライトマンが本人役でキャスティングされていることだろう。クライマックスに用意されたコンサート・シーンは圧巻だ。ただ、美しい名所、豪華キャストという超大作の要素がどれだけ詰まっていても、ストーリーが面白くなくては映画ファンの心をつかむことはできない。だが、悔しいことにこの『アマルフィ 女神の報酬』の原作は「ホワイトアウト」で知られる真保裕一が、この企画のために書き下ろしたサスペンス。面白くないわけがないのだ。洋画慣れしている人でも満足のいく日本映画と言っても決して大袈裟ではない本作は、期待を裏切らない久々の超大作と言えるのではないだろうか。(text:Rie Shintani)■関連作品:アマルフィ 女神の報酬 2009年7月18日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン■関連記事:織田裕二、スペイン広場で車にひかれた?佐藤浩市は作品の重大な秘密を暴露!“青”から“黒”の織田裕ニへフジが総力上げる『アマルフィ』、シリーズ化なるか?
2009年07月17日