資産運用を行うことのできる金融機関は無数にあるので、その中から1つ選ぶのは大変だと感じられる方もいらっしゃるかと思います。そのときは複数の金融機関で証券口座を保有し、使い分けていく方法も検討の余地があります。そこで今回は、証券口座を複数開設するメリット・デメリットおよび使い分ける場合の運用方法について解説いたします。そもそも同時に何個まで口座開設できるか?まず、そもそも証券口座はいくつまで持つことができるかという点ですが、この点について制限はありません。たくさん保有することが税法上などで問題があるということはありません。また、証券口座を保有するだけなら費用もかかりません。複数保有すること自体に問題はないので、メリットとデメリットの双方を勘案して複数口座を保有するかどうかを各自で決めていくとよいでしょう。NISA口座は同一年度に複数持てるわけではない証券口座の中には運用益が非課税のNISA口座も存在します。このNISA口座に関しては同一年度に複数保有できません。通常の課税口座の口座開設に制限はありませんが、NISA口座では制限がありますので、この2つを混同しないように注意が必要です。複数の証券口座を保有するメリット複数の証券口座を保有するメリットは主に以下の3点です。複数の証券会社の特徴などを研究し、積極的に使いこなす意欲のある方にはメリットが大きいといえます。商品別に最適な証券会社を選べる商品の品ぞろえに関しては当然ながら証券会社次第であり、投資する側で調整することはできません。そこで、投資したい金融商品が複数ある場合は、商品別に証券会社を使い分けることで、より効果的な資産運用を実践していく方法を取ることができます。それぞれの証券会社の投資情報を利用できる証券会社の提供するサービスはどの会社にも共通したものが多いですが、提供する投資情報等は各社によって異なります。今後の経済の見通しに関して複数の証券会社のレポートを読み比べるなど、複数の投資情報を比較検討しながら資産運用を行いたい方にとっても、複数の証券会社の口座を保有することはメリットになり得ます。リスク管理になる金融機関、特にインターネット系の金融機関であれば、システム障害が発生すると取引ができなくなるタイミングがあります。そのリスクを減らすために、複数の証券会社の口座を保有することも可能です。株式など短時間でも大きく価格変動する商品に投資をする場合には、特にリスク管理の観点で有効です。複数の証券口座を保有するデメリット複数の証券口座を保有するデメリットは主に以下の3点です。複数の証券口座を保有すればさまざまな手間がかかるため、そこを煩わしく感じる方にとってはデメリットが大きいといえます。同一商品をどこで購入するか悩み、複数保有する意味がなくなる場合も金融機関同士の競争は激化しており、同じ商品を同じくらいの手数料で購入できる場合も今や少なくなくありません。一方で各社細かいサービスでは違いがあります。使い分けをしようと思っていても、それぞれの証券会社の特徴を理解していない場合は、複数口座を保有してもうまく使い分けができない可能性があります。資産の管理が複雑になる複数の証券会社を使って売買すること自体に問題がなくても、資産の管理が複雑になる点は否めません。自分が今資産運用でどれくらい利益が出ているか、損失を出しているかという観点も投資判断に影響を及ぼす点の1つですので、シンプルに資産管理したい方にとってはデメリットのほうが大きいでしょう。確定申告が必要な場合もある1つの証券会社で利益が出ていてほかの証券会社で損失が出ている場合、確定申告をしないと2つの損益を通算できません。確定申告をすると、その分課税所得が上がってしまい結果的に税金額が上がる可能性もあります。確定申告の要否の検討も含め、税金の手続きが煩雑になり得ます。[adsense_middle]おすすめの複数の証券口座の保有方法以上の証券口座を複数保有するメリットとデメリットを比較し、メリットが大きいと判断した場合は、実際にどんな組み合わせで複数の金融機関を選べばいいのでしょうか。この点は、その方の投資スタンスによります。そこで、金融機関の中でもリスク性のある金融商品を専門に取り扱う証券会社のうち、主要な会社の特徴を簡潔に紹介いたします。そしてその後に、タイプ別に複数の証券口座を保有するおすすめのパターンを解説いたします。主要な証券会社の特徴証券会社は一般的にはネット証券がおすすめで、対面型の証券会社はあまりおすすめしません。そこで、ネット証券を中心におすすめの会社を紹介いたします。SBI証券取扱商品の豊富さ、手数料の安さ、投資家向けの情報量と質いずれをとっても死角がありません。最近は法人ビジネスにも力を入れており、新規公開株式の取扱いもネット証券の中では豊富です。ですので、投資初心者からベテランの方までおすすめできる会社です。楽天証券SBI証券と同様に取扱商品の豊富さ、手数料の安さ、投資家向けの情報量と質、いずれもほとんどそん色はありません。SBI証券にないところでいうと、投資信託の積立をする場合に楽天カードから決済するとポイントが貯まりやすい点、楽天銀行と口座を紐づけすると預金金利が上がる点など、ほかの楽天サービスとの連携でよりお得に利用ができる点です。松井証券取扱商品の豊富さでは上記2社には劣っており、外国株式の取扱いがない点はデメリットです。しかし国内株式であれば、1日の約定代金が50万円以下なら手数料無料と一番低コストで利用できます。また、サイトの作りがシンプルで見やすい点も特徴的です。マネックス証券マネックス証券は米国株式の取扱い総数が他社と比べてとても多く、コスト面でも最安水準です。ですので、米国株を中心に取引を行いたい方には、特に利用する価値が高い証券会社です。また、日本株に関しては銘柄スカウターという各企業の財務データを分析するツールがあります。細かいデータを参照しながら日本株の取引を行いたい方にとっても、おすすめできる証券会社です。SMBC日興証券対面型証券会社ではありますが、ネット取引も充実しているため掲載しています。三井住友グループの会社であると同時に老舗の証券会社であることから、新規公開株式の主幹事となっている銘柄を数多く取扱っています。この点がほかのネット証券との大きな違いであり、特徴的なところです。おすすめの組み合わせ方法以上の証券会社のおすすめの組み合わせを、タイプ別に分けて考えてみました。ほかにもいろんな組み合わせがあるでしょうが、主な組み合わせについて書いてみました。検討する際の参考材料にしていただけると幸いです。外国株式への投資をしたいマネックス証券とSBI証券との組み合わせがおすすめです。マネックス証券は米国株式の取扱い総数が他社と比べてとても多く、コスト面でも最安水準です。また、SBI証券は米国株式以外の幅広い国の外国株式への投資が可能です。これら2つの証券会社を組み合わせれば、幅広いバリエーションで外国株式のポートフォリオを組むこともできます。IPO当選確率を上げたいSBI証券とSMBC日興証券との組み合わせがおすすめです。SBI証券の場合、ネット証券として死角がなく、比較的IPO銘柄の取扱いが豊富です。ただし、大手の対面型証券会社には劣ります。そこで、インターネット取引も対面型証券会社の中では充実しているSMBC日興証券を組み合わせるとよいでしょう。この2社を組み合わせれば幅広いIPO銘柄への投資を狙うことができます。とにかくコスト安くしたい株式投資でコストを抑えたい場合は、松井証券とマネックス証券との組み合わせがおすすめです。松井証券は、国内株式であれば1日の約定代金が50万円以下なら手数料無料です。また、マネックス証券は米国株式の取引コストが最安水準です。株式以外に投資信託の取引も行いたい場合は、楽天カードで投信積立するとポイントが貯まりやすい楽天証券も利用するとよいでしょう。リスク分散したいネット証券を利用していて怖いのがシステム障害です。このリスクを分散するためには、利用したいネット証券に加えて対面型証券会社のSMBC日興証券も併用するとよいでしょう。対面型証券会社の場合、システム障害があってもコールセンターや対面などで取引が可能な場合もあり得ます。証券口座の複数開設に関するまとめ複数の証券会社の口座を保有することに制限はありませんが、複数を使いこなすには、それぞれの証券会社の特徴を知ることが必要ですし、管理の手間もかかります。まず1つの口座を使ってみて、慣れてきたら複数口座の利用を検討するのもよいでしょう。その際にはぜひ今回の記事の内容も参考にしてみてください。
2020年08月03日住宅ローン減税は、マイナス金利の導入により非常に低い金利を維持している住宅ローン金利に対し、さらに税金の還付を受けられるというもので、住宅取得を考えている方にとっては非常にうれしい制度です。制度の適用要件自体はそこまで難しいものではないのですが、ちょっとしたことで適用を受けられなくなる場合がある点に注意が必要です。本記事では住宅ローン減税について、その仕組みや適用条件、手続き方法などをわかりやすく解説していきます。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の仕組みまずは、そもそも住宅ローン減税とはどのようなものなのか、その仕組みや意味について解説していきたいと思います。住宅ローン減税制度とは住宅ローン減税とは、一定の条件を満たしたうえで、住宅ローンを組んで住宅を購入した場合に利用できる制度で、「最大13年間、住宅ローン年末残高の1%、所得税と住民税から控除を受けられる」というものです。住宅ローン年末残高の1%ですから、例えば住宅ローン年末残高が3,000万円あった場合には、3,000万円×1%=30万円分となり、30万円×13年間=360万円相当の税額控除を受けられます(ただし、4,000万円が上限)。冒頭でお伝えしたように、日本ではアベノミクスにより異次元の金融緩和政策が取られており、金利はずっと低い水準を維持したままです。特に、住宅ローンの中でも金利の低い変動金利では、金利が1%を切るものも多く、場合によっては利息を払うどころか、還付のほうが多い状況を生み出すこともできるようになっています。住宅ローン減税は効果の高い税額控除所得税の計算において、住宅ローン控除以外にも医療費控除などいくつかの制度が用意されています。これら控除は所得控除と税額控除に分類されます。税金の計算についてざっくりお伝えすると、収入から経費を差し引いた所得から各種控除を差し引いたものに税率をかけて、納税額を算出します。所得控除の場合、収入から経費を差し引いた所得から控除しますが、税額控除の場合、税率をかけた後の課税所得金額から直接控除できるため、非常に納税額の軽減効果の高いものとなっています。簡単に表すと、100万円の所得がある方に10%の税率で税金が課される場合、10万円の所得控除だと100万円ー10万円×10%=9万円が納税額となりますが、10万円の税額控除であれば100万円×10%ー10万円=0円と計算できるのです。そもそも所得税や住民税を納めている必要がある住宅ローン減税は所得税と住民税に対する減税のため、そもそも所得税や住民税を納めていなければ還付を受けることはできません。なお、住宅ローン減税はここ数年拡充がなされていますが、これは消費税の増税に対する、住宅取得者の負担緩和という側面があります。住宅取得時には、住宅ローン減税以外にすまい給付金を受けることができますが、こちらは所得が高いほど給付額が小さくなっています。つまり、すまい給付金の規定より所得が少ない方は、すまい給付金で消費税の増税分のカバーを受けることができ、一方で所得の高い方はすまい給付金を満額受けられない代わりに住宅ローン控除の恩恵を受けやすくなっているのです。住民税からの控除限度額は13.65万円なお、住宅ローン減税では減税対象額について、最初に所得税から差し引いた後、なお残額がある場合には住民税から差し引かれますが、住民税からの控除額については13.65万円という限度額が設けられています。例えば、3,000万円の住宅ローン年末残高がある方が、所得税10万円、住民税20万円納めている場合、減税を受けられるのは所得税10万円、住民税13.65万円となり、合計23.65万円しか減税を受けられない計算となる点に注意が必要です。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の対象や適用要件住宅ローン減税の適用を受けるには、適用要件を満たす必要があります。ここでは、住宅ローン減税の対象や適用要件を見ていきましょう。[adsense_middle]住宅ローン減税の主な適用要件住宅ローン減税の基本的な適用要件としては、以下のようなものが挙げられます。マイホームであること床面積が50㎡以上であること住宅ローンの借入期間が10年以上であることいずれもそこまで難しい要件ではないといえるでしょう。しかし、注意しなければならないこともあります。自ら居住する必要がある住宅ローン減税の適用を受けるには、取得した住宅に取得の日から6カ月以内に自ら居住し、引き続き年末まで住み続ける必要があります。このため、別荘やセカンドハウスの場合には住宅ローン減税を利用することはできません。ただし、単身赴任の場合など、やむを得ない場合には申請すれば適用を受けられるという制度が設けられています。この場合、取得の日から6カ月以内に親族が住まなければならないことになっています。面積要件は壁芯面積と内法面積の違いに注意床面積については壁芯面積と内法面積の違いについて理解しておく必要があります。壁芯面積とは、壁の中心線を結んだ部分の面積のことで、内法面積とは壁の内側を結んだ面積のことを指します。このため、壁芯面積は内法面積より広い面積で表されることになります。注意しなければならないのは、登記簿謄本などでは内法面積で面積が記載されるのにも関わらず、マンションのパンフレットなどでは壁芯面積で記載されていることがあるということです。住宅ローン控除の適用要件は内法面積で判断されるため、マンションのパンフレットに記載の壁芯面積では適用要件を満たしていたのに、実際には内法面積では50㎡を満たしていなかったということがないようにしなければなりません。繰上返済で総借入期間が10年を切ると適用要件を満たさなくなる住宅ローンの借入期間については、控除を受けている間、ずっと借入期間が10年以上なければならない点に注意が必要です。住宅ローンは借入の途中で繰上返済することができますが、繰上返済の結果、すでに返済した期間と残りの期間が合計で10年を満たさなくなると、その年以降の住宅ローン控除は受けられなくなってしまいます。新築・中古双方で利用できる住宅ローン減税は新築だけでなく中古住宅も適用対象となります。ただし、中古住宅については「耐震性能を有している」必要があります。耐震性能を満たしているかについては、築年数が規定の年数以下となっているか、一定の証明書を取得している必要があります。住宅ローン減税の築年数に関する要件中古住宅で住宅ローン減税の適用を受ける場合、以下の条件を満たしておく必要があります。耐火建築物以外の建物(主に木造住宅)の場合、築20年以内であること耐火建築物(主にRC造のマンション等)の場合、築25年以内であること上記を満たしていない場合、次の証明書を取得しなければなりません。耐震性能を有していることを証する証明書耐震性能を有していることを証する証明書には以下のようなものがあります。耐震基準適合証明書既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)既存住宅売買瑕疵保険に加入するいずれの場合も、証明書の取得には費用がかかることがあるため、事前にどの証明書を取得するとよいのか、また証明書を取得するための費用はいくらかを確認しておくことが大切です。マイホームを売却したときの特例と重複適用できない住宅ローン減税について注意しなければならないこととして、マイホームを売却したときの特例と重複適用できないということが挙げられます。不動産を売却すると、その利益額に応じて税金を納める必要がありますが、マイホームを売却したときには3,000万円特別控除など、税額を安く抑えるための特例がいくつか用意されています。こうした特例と、住宅ローン減税は重複適用できないことになっています。つまり、マイホームを売却して新しく住宅を購入するようなケースで、マイホームを売却したときの特例の適用を受けていた場合、新しく購入する住宅では住宅ローン減税の適用を受けられないのです。マイホームを売却したときの特例の内、3,000万円特別控除は所得から3,000万円を差し引ける効果の高い特例となっているため、この特例の適用を受けるのと、住宅ローン減税の適用を受けるのとどちらを選べばよいかを慎重に判断する必要があるといえるでしょう。住宅ローン減税(住宅ローン控除)の手続き住宅ローン減税の適用を受けるにはどのような手続きを取る必要があるのでしょうか?ここでは、住宅ローン減税の適用を受けるための手続きについて解説していきます。取得した年の翌年に確定申告する住宅ローン減税の適用を受けるためには、住宅を取得した年の翌年2月16日~3月15日までの間に、税務署で所得税の確定申告の手続きをする必要があります。特にサラリーマンの方の場合、毎年会社が源泉徴収されていることから、確定申告の手続きをどのようにすればよいか分からないと不安に思う方も多いようです。とはいえ、会社から交付される源泉徴収票と、住宅ローンを組んだ金融機関から送付される住宅借入金等特別控除証明書を持って、税務署で手続きするだけなのでそこまで難しいものでもありません。あらかじめ税務署でIDとパスワードを交付してもらえば、自宅でインターネットを使って確定申告することもできるようになりました。なお、自営業の方の場合、いつもの確定申告の金額から、住宅ローン減税の控除額を差し引くだけなので特に身構える必要もないでしょう。ちなみに、所得税の確定申告をすれば、住民税の控除については自動で計算してくれます。2年目以降は会社で源泉徴収してもらえるサラリーマンの方の場合、住宅ローンを組んだ翌年に確定申告してしまえば、後は毎年会社にお願いして源泉徴収で済ませてしまうことができます。ただし、源泉徴収を実施していない会社や自営業の方の場合、2年目以降も確定申告する必要があります。住宅ローン減税の条件に関するまとめ住宅ローン減税の適用を受けるための条件や適用対象、注意点などをお伝えしました。住宅ローン減税は非常にお得な制度であるだけに、うっかり条件を満たさない住宅を購入してしまったといったことのないよう、本記事の内容を事前によく確認しておくようにしましょう。
2020年07月23日事業を始めようと決めたら、個人事業主としてやっていくのか、会社を設立するのか、どちらでやっていくほうがいいのでしょうか。個人事業主か会社設立かどちらにもメリット・デメリットがあります。それぞれのメリット・デメリットをしっかり把握することは重要です。状況に応じて適切な事業形態を選択しなければ、事業の継続が危ぶまれることになりかねません。今回は、会社を設立するメリット・デメリットについて、個人事業主として事業を行った場合と比較することにより、詳しく解説したいと思います。会社の設立を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。会社設立のメリット社会的な信用が得られる法人のほうが節税対策をしやすい(1)社会的な信用が得られる会社が取引相手を選ぶ際、相手先の信用力はとても重要視されます。取引相手が会社でないとそもそも取引を行わない企業や、取引量の規模に制限を設けている企業もあるほどです。設立手続きが厳格決算書や確定申告書の情報が豊富信用があると融資や資金調達を行いやすい人材の確保がしやすい有限責任である理由①設立手続きが厳格日本においては、個人より会社形態で事業を行うほうが信用されます。会社を設立するにはまとまった資本金が必要であり、設立手続きにおいても設立登記など法律に基づく手続きを実施しなければなりません。その結果、登記事項証明書によって公的に存在することが容易に確認でき、個人の場合より信用力が高まります。この登記事項証明書には「商号」「本店所在地」「設立年月日」「目的」「役員の情報」などが記載されており、会社の重要な情報がひと目で確認できます。理由②決算書や確定申告書の情報が豊富会社形態であれば、決算書や確定申告書を信用力の判断材料とされます。個人事業の場合は決算書や確定申告書を提出することができますが、個人の確定申告書は法人のものと比べると情報量が少ないため、信用力の有無について判断が難しくなります。一方、法人税の確定申告書は添付資料も多く、会社の財政状態や経営状況を把握するのに十分な情報が得られます。理由③信用があると融資や資金調達を行いやすい金融機関からの融資は個人と法人では大きく異なります。金融機関から個人で融資を受けようとすると、保証人や担保を要求されるなど、非常に条件が厳しくなります。一方、法人の場合は上で述べたように社会的な信用力が高く、融資の可能性も格段に高くなります。また、融資以外にも投資家からの出資による資金調達もあります。理由④人材の確保がしやすい個人として事業を行うより、法人として事業を行ったほうが、人材確保(従業員の雇用維持)が有利になるといえます。これは単なるイメージという理由もあるかもしれません。たとえば、会社名に「株式会社」とか「合同会社」のような名称が付いているのと付いていないのとでは、やはり印象は違ってくるのではないでしょうか。求職者から見ると、会社と名の付くところだから、従業員がいて、しっかり事業を運営しているという“イメージ” を持つ人も少なからずいるでしょう。個人事業よりも法人が好印象を持たれる理由なぜ、個人事業よりも法人に好印象を持つのでしょうか。それは、以下の理由によるものと思われます。法人の場合、個人事業と違って給与体系、有給休暇、残業手当などの基準が明確である場合が多いこと法人の場合、従業員の社会保険料を半額負担してくれること福利厚生面も(個人事業よりは)充実しているイメージがあること仕事を探している人も、そこで働いている人も、安心して働ける環境というのは一番の条件になります。人材の確保が個人よりも法人のほうが有利といえるのも、結局は法人のほうが信用できるということで説明できます。理由⑤有限責任である個人事業の場合、万が一事業を廃業しても、税金や給料の支払い、借入金の返済、仕入先への支払いなど、倒産後も自分の財産を処分してでも払わなければなりません。これに対して、法人の場合は、倒産したとしても出資の範囲で有限責任となります。つまり、出資した範囲でのみ支払義務を負うことになり、事業が失敗したときのリスクを抑えることができます。信用性とは直接関連がないように思えますが、会社の社長が法律上有限の責任しか負わないという制度も、法人格に対して信用を与えた結果ともいえます。(2)法人のほうが節税対策をしやすい法人税率と所得税率の比較給与所得控除が使える認められる経費の範囲が増える赤字の場合の損失を10年間繰越できる消費税の免税による節税対策家族・親族への給与決算月を自由に決められる理由①法人税率と所得税率の比較個人事業主には所得税がかかります。所得税では、所得が増えれば増えるほど税率が高くなる仕組みとなっています。一方、会社の場合、法人税は利益が増えても原則として税率は一定となります。そのため、一定の利益を超えると、法人税のほうが税率は低くなります。したがって、大きい利益が期待される場合は、会社を設立することで支払う税金を抑えることができます。理由②給与所得控除が使える個人事業主の場合、給与所得者ではなく、事業所得という扱いになり、給与所得者に認められる給与所得控除(給与収入に応じて一定金額が所得から控除できる制度)が認められません。しかし、会社から役員報酬として給与をもらえば給与所得者となり、この給与所得控除により、課税される所得を抑えることが可能です。理由③認められる経費の範囲が増える自営業の場合、事業に必要な費用として経費に含めるか、あるいは単なる日常の生活費かという判断が難しく、自営業としての事業に直接必要な費用と認められるかどうかは判断の分かれるところです。たとえば、仕事をしながらの夜食代や、スポーツクラブの会費などの福利厚生費用は、事業に直接必要な費用とは認められないケースが多いといえます。一方、会社であれば、上記のような福利厚生費は経費として事業活動のために支出されたものとすることができます。それ以外にも、自宅兼事務所や自動車、生命保険料、退職金など、会社にしたほうが経費として認められる範囲は広くなります。理由④赤字の場合の損失を10年間繰越できる個人であっても法人であっても、ある年度で赤字となった場合、その損失を翌年度以降の利益と相殺することができます。これを欠損金の繰越控除といいます。これにより、利益が出た年の税金を抑えることができます。個人事業主の場合、損失の繰越は3年間しかできませんが、法人の場合は青色事業者であることを条件に、損失を10年間繰り越すことができます。理由⑤消費税の免税による節税対策個人事業主であっても法人であっても、創業からの2年間は原則として消費税の納税義務がありません(資本金が1,000万円以上の場合や、1期目の上半期の売上高および給与支払額がいずれも1,000万円を超える場合は翌年から消費税課税事業者となります)。また、消費税の課税事業者となるのは、売上高が1,000万円以上となった2年後からになります。したがって、個人で事業を始めて最初に売上が1,000万円以上となった2年後に個人事業主を廃業し、そのタイミングで法人を設立すれば、さらに2年間は消費税免税事業者となることができます。結果として、最長4年間の消費税納税義務を合法的に回避することができます。理由⑥家族・親族への給与個人事業主では原則として家族に給与を支払うことはできません。青色事業専従者給与として税務署へ届出をした場合にのみ認められていますが、それでも一定の制限があります。法人の場合は、特に届出も必要なく、個人事業主の場合のような制限もないため、実際に家族や親族が事業に従事していれば、問題なく給料を支払うことができます。これによって、家族全体で所得を分散することにより、経営者個人の所得税、住民税を節税することが可能になります。理由⑦決算月を自由に決められる個人事業の場合は1月~12月が事業年度と決められていますが、法人の場合は決算月を自由に決めることができます。たとえば、売上が季節により変動が大きい事業の場合は、その月が事業年度の最初にくるように決算月を決めることで、計画的に経営でき、同時に節税対策も行いやすくなります。会社設立のデメリット事務負担の増加会社のお金は自由に使えない赤字でも税金がかかる社会保険へ加入しなければならない設立・運営・解散に費用がかかる[adsense_middle](1)事務負担の増加会社を設立することで事務負担は明らかに増加します。法人税の確定申告書は添付書類が多く、複雑になります。また、社会保険の加入手続きや税務署への届出など、各種官公庁への手続きを漏れなく行う必要があります。(2)会社のお金は自由に使えない会社の資産と社長個人の資産は明確に区別しなければなりません。たとえば、今月は個人的な支出でお金がかかってしまった場合、個人なら事業で受け取ったお金を自分の生活に充てることもできますが、法人のお金は個人用として使うことは認められません。法人の資産と個人の資産が区別され、自由に使うことができなくなるのは会社を設立するデメリットといえます。(3)赤字でも税金がかかる会社を運営していくと、赤字になることもあるかと思います。しかし、たとえ赤字であっても支払わなければならない税金があります。それが法人住民税の均等割です。これが毎年7万円かかるということは覚えておきましょう。(4)社会保険へ加入しなければならない会社を設立すると、健康保険と厚生年金保険への加入が義務づけられます。この保険料は、従業員の給料が増えれば増えるほど高くなっていきます。しかも、保険料の納付は会社と本人が折半する形になります。したがって、従業員が増えれば増えるほど、給料を高く設定すればするほど、会社の負担も大きくなっていきます。(5)設立・運営・解散に費用がかかる①会社設立時にかかる費用会社設立時に設立費用がかかるという点はデメリットといえるでしょう。登録免許税として株式会社の場合は最低15万円、合同会社の場合は6万円を支払うことになります。また、会社設立時にはほかにも定款の作成費用や認証手数料、印鑑の作成や登録などさまざまな費用と手間がかかることになります。②会社設立後の費用会社設立後のランニングコストも決して低いとはいえません。会社の場合には社会保険への加入義務が生じるため、社会保険料の負担があります。従業員を雇うにも費用はかかるでしょう。また、事務所の家賃や自動車費用、税理士費用など、仮に売上が上がらなくても、かかる固定費があることに注意しましょう。③事業の廃止・解散にかかる費用会社設立前から解散を考えることはないと思いますが、会社の解散にも費用がかかります。借金の返済や税金の支払いはもちろんですが、会社の清算手続きに解散登記費用が数万円かかることになります。株式会社と合同会社の比較ここでは、会社を設立する際の会社の種類について、特に株式会社と合同会社について紹介します。同じ会社であっても株式会社を設立するか、あるいは合同会社とするか、それぞれメリット・デメリットがありますので、これについてもしっかり理解しておきましょう。[adsense_middle]①株式会社のメリット・デメリットもっとも一般的な会社形態です。誰もが知っている会社形態であり、社会的信用も高いといえます。資金調達もしやすく、会社が大きくなれば、将来的に証券取引所に上場することも可能です。一方、デメリットとしては設立に手間と費用がかかることが挙げられます。また、役員変更するたびに登記費用がかかります。②合同会社のメリット・デメリット比較的新しい会社形態で、認知度もまだ低く信用も低いといえます。しかし、株式会社に比べて設立費用が安く、スピーディに会社設立手続きを行えることから、徐々にその数は増えていっているのは確かです。合同会社では利益の配分など、社員(出資者)の間で自由に決めることができます。また、会社の重要な決定をする際、株主総会や取締役会での決議を要しないため、スピーディに経営上の意思決定が行えます。株式という概念がないため、証券会社に上場ということはできませんが、小規模事業には適しているといえる会社形態です。会社設立のメリット・デメリットに関するまとめこのように会社設立のときにはメリット、デメリットの両面があります。どちらがよいかはその事業内容によるため、一概にいえませんが、事業をどんどん拡大していく意思があるなら、社会的に信用がある会社設立がよいでしょう。税金に関する事項や設立に必要な費用に関しては、税理士や会計士などの専門家に相談し、検討してみるのがおすすめです。また、最初に個人事業としてスタートし、軌道に乗ってきたタイミングで法人化するといった方法もあります。それぞれの実情にあわせて、もっとも適切な方法を選択してください。
2020年07月11日こんにちは、婚活FP山本です。医療費控除というのは、文字どおりの医療費だけでなく、そのための交通費も含めることができます。ただし、医療費控除の対象になるかどうかはさまざまなので、多くの方が含めていいのか悩んでいるのが実情です。勝手に判断するのは危険ですから、ぜひ正しい知識を身につけておきましょう。今回は、医療費控除の交通費について、さまざまな角度で対象か否かと申請方法をお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。医療費控除の対象は電車やバスでの通院が基本まずは早速、医療費控除の交通費についての基本をお伝えします。結論からいえば、医療費控除の対象になる交通費というのは、「電車やバスでの通院」が基本です。電車やバスを使って病院に行った場合は、基本的にその交通費は医療費控除の対象にできます。このような一般的な公共交通機関を使って病院に行くのは、普通に医療費控除の対象です。けして難しい話ではありませんから、しっかり覚えておきましょう。なお、PASMOなど電子マネーを使っても大丈夫ですが、あくまで対象は病院に行くための運賃分だけですので注意が必要です。そして、一般的な公共交通機関では「領収書」が貰えないことがあります。そのような場合には、利用者や目的(地)・日付・金額などをメモしておくことが必要です。後述する「明細書の内容」に沿った形で、正しくメモしておきましょう。領収書は不要だが、なるべく貰って5年保管を2018年1月以降、法改正によって確定申告での医療費の領収書添付は不要になりました。しかし、代わりに現在は「明細書」が必要です。この明細書を作るためにも交通費については、最低限メモくらいは必要になります。少なくとも、適当な金額を書いてはいけません。また領収書も、添付の必要はなくなったものの「5年間」保管する必要があります。いつ税務署から問い合わせが入るか分かりませんから、このあたりは正しく行動しましょう。「必要なら」タクシーや新幹線・飛行機なども例外的に使える次に、医療費控除の対象になる例外についてお伝えします。すでにお伝えしたとおり、医療費控除の対象になる交通費というのは「電車やバス」が基本です。ただし、どうしても必要な場合に限って、例外的にタクシーや新幹線・飛行機などの料金も控除対象になります。どうしても必要な場合とは、例えば深夜帯で電車やバスが使えない、重病で電車やバスに乗れないなどの場合です。新幹線や飛行機は、これらを使って遠方の病院に行かなければならないような場合に限って、医療費控除の対象になるという意味合いになります。あくまで例外ですし、必要性を認めてもらえないこともありますが、本当に必要ならちゃんと対象になりますから大丈夫です。むしろ控除を気にして使わないというほうが稀ですが、ともかくしっかり覚えておきましょう。宿泊費は控除対象にならない点に注意しよう特に、新幹線や飛行機を使う場合に気をつけたいのが「宿泊費」です。これらを使うほどの遠方の病院に行く場合は、ホテルなどを合わせて使うことも多いといえます。しかしこのホテル代などは、残念ながら医療費控除の対象にはならない点に注意が必要です。一般的な感覚とは少しズレているように感じるかもしれませんが、このようなルールになっているのですから仕方ありません。あくまで控除にならないだけで、使うかどうかは自由ですから、必要なときにはしっかりホテルも活用しましょう。「必要なら」付き添いの人の交通費も控除対象今度は、さらに医療費控除の対象になる例外についてお伝えします。医療費控除の対象になる交通費とは、元になる医療費も含めて基本的に「医療を受ける本人」限定です。しかしどうしても必要な場合に限って、付き添い人の交通費も医療費控除の対象にすることができます。どうしても付き添い人が必要というのは、例えば小さな子供や高齢者、あるいは重病人などが当てはまりがちです。このような「1人で病院に行くことが困難な人」に付き添った場合は、その人の交通費も医療費控除の対象にすることができます。ただし、その後に当人が入院して世話やお見舞いのために1人で病院へ行くような場合は、その交通費は医療費控除の対象になりません。このあたりは少しややこしいですが、しっかり分けて覚えましょう。無料診察の交通費や医師の交通費も控除対象ほかに、何らかの助成制度で医療費が無料の場合であっても、交通費だけを医療費控除として申請することもできます。さらに、医師を自宅などに呼ぶ場合は医師の交通費も医療費として請求されますが、この交通費(医療費)も医療費控除の対象です。思った以上に、医療費控除の対象になる交通費の範囲は広いといえるかもしれません。そして簡単にいえば、ここまでお伝えした交通費以外は医療費控除の対象外となります。病院に行く場合は、なるべく対象の範囲となる手段を用いましょう。ガソリン代や駐車場代・高速料金などは対象外ここからは、医療費控除の対象外になる交通費についてお伝えします。医療費控除の対象外になる交通費の代表格は、「自家用車のガソリン代や駐車場代」です。電車やバスより自家用車を普段使いする地方などは不利といえますが、ともかくこのようなルールになっています。またそこから、高速料金も対象外です。ちなみに一応の理屈では、医療費控除の対象とは「人的役務の提供の対価」限定になっているためといえます。ガソリン代や駐車場代・高速料金はモノの購入代金や利用料ですから対象外、という理由です。もっとも、電車やバスなら利用ごとの料金も明確ですが、「病院に行くためだけに」ガソリンを入れる方はまずいません。多少強引にでも納得して、受け入れていきましょう。「高額な代金だったから通してほしい」は通らない医療費控除の対象になる交通費とは、文字どおり「医療を受けるために必要と認められる範囲」に限られています。そして、それを客観的に示せることが必要です。「必要だった」と強引にいっても通りませんし、「高額な代金だったから通してほしい」も通りません。車社会の地方には厳しいルールですが、少なくとも本体の医療費については車で行っても対象です。通る部分だけでもしっかり申請して、ルールに合わせた行動を取っていきましょう。[adsense_middle]定期代や一時退院時の交通費も対象外今度は、さらなる医療費控除の対象外になる交通費についてお伝えします。都心部では通勤定期を利用する方も多いですが、この定期を使って医療を受けた場合の「定期代」は対象外です。あくまで通勤定期は「通勤するため」が主ですから、医療費控除の対象にはなりません。あと注意が必要なのは「一時退院」でしょうか。長期の入院患者が年末年始などで一時的に退院することがありますが、その場合の自宅まで帰る交通費は医療費控除の対象外です。自宅に帰る行動は「医療を受けるため」ではありません。少し注意しておきましょう。病院や治療が絡む交通費なら何でも医療費控除の対象になるというわけではありません。医療費控除の対象になるものに限って、正しく医療費控除として申請しましょう。通勤途中で立ち寄った場合も対象にならないまれに定期を使わず通勤するような人もいますが、通勤途中で病院などに立ち寄った場合も基本的に医療費控除の交通費には当てはまりません。その病院に行く明確な理由を示せないような交通費まで、強引に医療費控除として申請するようなことは控えましょう。先ほどお伝えしたとおり、今は5年間の領収書などの保管義務がありますし、いつトラブルになるか分かりません。あくまで税法ルールに沿った正しい節税を心掛けましょう。確定申告での申請方法は「人ごとにまとめて入力」最後に、確定申告における医療費控除の交通費の申請方法をお伝えします。現在の確定申告では、医療費については専用の明細書を添付しますが、その内訳は以下のとおりです。医療を受けた方の氏名病院・薬局などの支払先の名称医療費の区分「診察・治療」「医薬品購入」「介護保険サービス」「その他の医療費」支払った医療費の額4のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額そして交通費については、2を「JR・〇〇バス」などとして、3を「その他の医療費」を選択し、4に交通費の額を入力します。ちなみに国税庁は、1人あたりの年間交通費をまとめて入力・記載するよう促していますが、1件ごとに入力しても問題ありません。少なくとも、医療費控除の交通費の申請は難しいものではないといえます。申請できるのにしないのは損なだけですから、できる場合はちゃんと確定申告で医療費控除の交通費についても申請しましょう。書き方などが分からないときは税務署や国税庁へ相談を「これは医療費控除の交通費になるのか?」「明細書の書き方が分からない」など、初めて遭遇・経験する場合は何かと不安になるのが一般的です。そのような場合は自分で勝手に判断せず、事前に近くの税務署や国税庁に相談するのがおすすめといえます。少なくとも、税理士などと違って税務署や国税庁なら相談するのにお金はかかりません。それに、医療費控除の交通費は本当にケースバイケースなので、相談してみないと分からない部分も大きいといえます。今回お伝えした内容は、あくまで「基本」です。事情によっては話が通ることもありますから、申請を諦める前にまずは税務署などに相談してみましょう。医療費控除は交通費も含めて正しく申請しよう!医療費控除は、本体となる医療費だけでなく関連する交通費についても対象になります。久しぶりに病院に行ったような方ならともかく、定期的に通院しているような方なら交通費も相応な額になるはずです。ただし、医療費控除の対象外になる交通費も意外と多いですから、事前にしっかり知っておき、対象になる場合に限ってしっかり申請しましょう。
2020年06月24日こんにちは、婚活FP山本です。確定申告を聞きかじったことがあるような方なら、「医療費控除の申請には領収書が必要」と認識されているのではないでしょうか。そして確定申告の難しそうなイメージも手伝って、医療費控除を使えるのに使わない方も一定数おられるようです。少なくとも、その認識のままでは少し損かもしれません。そこで今回は、医療費控除の現在の申請や確定申告上の基礎についてお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。現在の確定申告の出し方で領収書添付は必要ではない!まずは早速、現在の確定申告における医療費控除についてお伝えします。実は現在の確定申告の出し方では、医療費控除を受けるのに領収書添付は必要ではありません。これは平成29年分の確定申告から新しく始まったルールになります。これまでに医療費控除を受けたことがある方なら、大量の領収書を添付してパンパンに膨れ上がった確定申告書を提出していたことでしょう。実はこれ、簡単にいえば税務署サイドから見ても不評だったわけです。そのような声を受けての簡略化の措置になります。なお、平成29年分から令和元年分までの確定申告においては、経過措置として従来の領収書添付の形式でも提出可能です。とはいえ、わずか3年分の話ですから、早めに慣れる意味でも領収書添付は控えるよう努めましょう。税務署の請求に応じるため5年間は保管すること注意が必要なのですが、領収書は添付の必要はなくなったものの、5年間は自宅などで保管しておく必要があります。これは必要に応じて、税務署が確認(のための電話など)をするときのためです。税務署の請求に応じるため、5年間はしっかり保管しておきましょう。この保管義務を考えると、確かに確定申告書への添付義務はなくなったものの、しっかり領収書をもらっておく必要性は変わっていません。領収書を保管しておくことさえ面倒に感じる方もいるでしょうが、随分と確定申告がラクになったのは事実ですから、しっかり対応しましょう。現在の提出方法は領収書の代わりに明細書を添付する次は、領収書ではない現在の確定申告方法についてお伝えします。現在の確定申告における医療費控除の提出方法は、領収書の代わりに「明細書」の添付が必要です。この明細書というのは、領収書などを元にして自分で作成することになります。ちなみにこの明細書で書くべきことというのは、以下のとおりです。医療を受けた方の氏名病院・薬局などの支払先の名称医療費の区分「診察・治療」「医薬品購入」「介護保険サービス」「その他の医療費」支払った医療費の額4のうち生命保険や社会保険などで補てんされる金額なお、この明細書は領収書1枚ごとではなく、医療を受けた方や病院ごとにまとめて記入することができます。本人が同じ病院に頻繁に通院しているようなケースなら、かなりまとめて書けるでしょうから、随分と労力は少なくなるのではないでしょうか。しっかり覚えておきましょう。明細書項目・内訳を確認し、領収書がないときはメモしておく病院で領収書がもらえないケースは稀ですが、なくしてしまうと(無料で)再発行してもらえないことがあります。医療費控除に関係する「交通費」なら、領収書そのものがもらえないことも多いです。そのような領収書がないときは、メモしておけば問題ありません。明細書に記入すべき項目・内訳は先ほどのとおりですから、特に領収書がないときは即座にメモしておく必要があります。ちなみに病院の領収書をメモする前になくした場合は、代わりになるものがもらえることもありますから、まずは病院に相談してみましょう。「医療費のお知らせ」を使えば明細書も領収書の保管も不要今度は、さらに別の確定申告提出方法についてお伝えします。これは医療費控除の領収書が明細書に置き換えられたことに合わせての処置ですが、健康保険組合などが発行する「医療費のお知らせ」を明細書に代えることが可能になりました。簡単にいえば、「医療費のお知らせ」を確定申告書に添付すれば、明細書を新たに作る必要もありませんし、領収書の保管も不要になります。使いたいと思っている医療費控除の内容がすべて載っていれば、「医療費のお知らせ」をそのまま添付するだけでよいわけです。今まで膨大な量の領収書を確定申告書に添付していたような方なら、大幅に手間を省けることになります。何ともうれしい変更ですから、ぜひ一度早めに試してみましょう。年度途中で区切られ、全部は載っていないことも多い少し注意が必要なのが、「医療費のお知らせ」は中途半端な年度途中で区切られていることが多いという点です。つまり、あなたが使いたいと思っている医療費の全部は載っていないことも多々あります。特に、医療費控除に関係する「交通費」は載っていないのが普通です。このような医療費のお知らせに載っていない部分については、別に明細書を作って添付する必要があります。とはいえ、大幅な労力カットには違いないでしょうから、大きく喜びましょう。そもそも医療費控除に該当するか注意しようここからは、医療費控除を確定申告する際の注意点についてお伝えします。まずそもそも、その支払いが医療費控除に該当するのかどうかには注意が必要です。一般的な「医療費控除に該当しそうで該当しない支払い」には、以下のようなものがあります。健康診断の費用美容のための費用病気予防や健康増進のための費用医療費ではない謝礼金医療費控除に該当しない交通手段勝手に医療費控除に該当すると考えて確定申告をして、あとに税務署とトラブルになるような話は意外と多いです。まずは自分で調べて、分からないときは事前に税務署などに相談し、ちゃんと医療費控除に該当するときに限って、正しく確定申告をしましょう。要件を満たさないなら額に関係なく対象外医療費控除の要件を満たさない支払いなら、額に関係なく医療費控除の対象外です。たとえば美容整形など、高額な支払いをしたときには、つい少しでも取り戻したい心理が働くものですが、不正はダメといえます。あとで税務署から連絡が来たりすると大ごとになります。もちろんこれは、「知りませんでした」は通りません。特に後述する交通費については、不正の温床といわれることもありますから、少なくとも納税者側も十分に注意しておきましょう。医療費控除の「交通費」は対象か否かが細かめ今度は、医療費控除に関係する交通費についてお伝えします。医療費控除というのは、元になる医療費だけが対象ではなく、関係する交通費についても対象です。ただしこの交通費は、対象になるか否かが細かめに決められており、基本的に以下のようになっています。ガソリン代や駐車場代がNGというのは、車社会が一般的な地方には厳しいルールかもしれません。またタクシーや新幹線などは、どうしても必要なら対象になりますが、こじつけのような理由では通りませんから注意が必要です。当てはまるのは、深夜帯で電車やバスがなかった、どうしても遠方の病院でしか治療を受けられない、などといったケースになります。あとでしっかり説明できるよう、利用の経緯についてもちゃんとメモしておきましょう。病院に行くときは「電車かバス」を使うのが一番確実先ほどの一覧を見ると分かるとおり、病院に行くときは「電車かバス」を使うのが一番確実です。そうでなければ、医療費控除に交通費を含めるのは諦めたほうが無難かもしれません。もちろん、あくまで医療費控除の対象にならないだけで、自家用車で病院に行くのは問題ありません。とはいえ、頻繁に病院に通院しているような方なら、年間の交通費も相応の額になりがちです。なるべく交通費も医療費控除に含められるよう、通院の手段についても考えて動きましょう。[adsense_middle]どうするか分からないときは税務署に相談しよう最後に、大切な補足情報についてお伝えします。医療費控除というのは、確定申告をする際に使う控除の1つです。そして確定申告とは税金に関することですから、基本的には税法というものが定められている一方、税務署や国税庁が管轄している内容になります。そもそも医療費控除どころか、確定申告さえよく分からないという方も多いです。確定申告は相応に知っていても、「例外的な事柄」についてはネットなどでは調べきれないこともあります。そういうときには、そのまま税務署などに相談してみるのがおすすめです。税務署は確定申告を管轄しているのですから、確定申告の方法や例外的な事柄についても丁寧に教えてくれます。どうするか分からないというときには、ぜひ税務署を有効活用していきましょう。確定申告は一度でも経験すれば次からは意外と簡単?確定申告の作業については、一度でも経験すれば慣れますから、次からは意外と簡単にできるようになります。一度では無理でも、何回か経験すれば大丈夫でしょう。ただし、それこそ今回の医療費控除のように、「途中で制度が変わる」という点には注意が必要です。税法というのは、本当に毎年のように何かが変更されています。これからは、そのような「変更情報」についても敏感に収集するとともに、不安なときには税務署に相談するよう心掛けていきましょう。医療費控除に使った領収書はまとめて保管しておこう現在では制度が変更され、確定申告に医療費控除のための領収書を添付する必要はありません。ただ5年間の保管義務がありますから、医療費控除に使った領収書はまとめて保管しておくことが必要です。大幅に手続きが簡略化されたのですから、これからは積極的に医療費控除を活用していきましょう。
2020年06月23日気になる男性とデートを繰り返しても、脈があるのかイマイチ判断が付かない…そんな悩みを抱えている女性は必見です。デート中の彼の仕草から「100%脈あり」だと断定できる男性の行動を紹介します。デート中にスマホを見ないデート中に男性が楽しそうにしていたら、それは脈ありのサインかもしれません。でもその男性が明るい性格なら、誰とデートをしていても楽しそうにするかもしれませんよね。もっと確実に脈ありだと判別できる男性の行動は「スマホを見ない」ことです。本当にその時間が楽しいときや充実しているとき、人はスマホを見ることを忘れてスマホに興味が向かなくなります。例えLINEが入っていても、とりあえずは後回しに。しかし逆に少しでも退屈だと思えば、ついスマホを見てしまうんですよね。「ごめん、LINE返していい?」とそこまで即レスを求めていない友達のLINEを返した経験が、誰でもあるはずです。そのため、デート中に男性のスマホを見る時間がゼロだったとしたら、それは100%脈ありの行動なのです。デートの「次」を誘ってくる彼の脈あり度が知りたければ、デート後にも注目してみましょう。デートが終わるときは、男性が脈ありかどうかがわかる瞬間です。デートが終わりに近づいてきたときに「次」というワードが登場したら、それは脈ありのサインになるからです。例えば「次のお店、どうしようか」「次のデートいつにする」「次も会ってくれますか?」などの「次」です。この言葉には「まだ離れたくない」「また会いたい」という彼の裏メッセージがこめられています。相手のことが好きだから、まだ離れたくないし、また会いたいのです。つまりあなたに対して彼から「次」という言葉が出れば、100%脈ありだと判断できてしまうんです。デート中にお金を払いたがるデート中は、何かとお金を使いますよね。テーマパークの入園料、レストランの飲食代、記念の品を購入する場合もあるでしょう。この二人のお金を男性が払いたがったら、脈ありのサイン。なぜなら男性も女性も、たとえデート中だとしても「コスパ」は意識して行動しているからです。何かにお金を使うときは、それに見合う見返りがあると感じられるとき。もしデート中に彼がお金を払いたがったら、男性はお金を払う以上の見返りを受けたという証拠になります。逆に「デートに誘って失敗した」と男性が途中で気づいたら、できるだけお金を払うことを嫌がるでしょう。だからこそお金を支払う場面には注目ですよ。デート中に彼氏がお金を払いたがり、しかも嬉しそうにお金を払っていたら100%脈ありと思って大丈夫です。デート中は彼をよく観察して!彼とのデート中は思いきり楽しむ一方で、冷静な目を持つことも大切。男性の様子をよく観察していると、脈ありのサインを見つけられるかもしれません。彼はデート中にスマホを何分間見た?お金を払うときの表情は?別れ際に「次」というワードが出た?…もし脈ありサインが3つ揃ったら「200%脈あり」です!
2020年06月22日新型コロナウイルス感染症の影響軽減のため、1年間の納税猶予制度が設けられましたが、節税に悩む個人事業主の方は多いのではないでしょうか。今回の記事では、節税を考える個人事業主や起業したばかりで税金対策について知識がない方に対し、節税のポイントと効果的な具体策をご紹介します。個人事業主の節税のポイントは課税所得を抑えること個人事業主の節税のポイントは課税所得を抑えることです。税金は売上ではなく課税所得に税率をかけて計算するため、課税所得を抑えられれば税金も安くできます。1.個人事業主にかかる税金と課税所得個人事業主にかかる税金は次の4つです。消費税以外は確定申告した課税所得に対する税金であるため、課税所得を抑えることができれば所得税や住民税、個人事業税が下がり節税できます。2.課税所得を抑える3つの要素個人事業主の税金を左右する課税所得は次のようにして求められます。(課税所得)=(売上)-(必要経費)-(各種控除)計算式より、課税所得を抑える3つの要素は次のとおりです。売上(収入)を抑える必要経費を増やす各種控除を増やすこの3つの要素を満たすことが、個人事業主の節税対策となります。3.課税所得を抑えるための3つのポイント3つの要素を満たし課税所得を抑えるためのポイントは次のとおりです。3つの要素のうち節税効果の大きい必要経費、各種控除をメインに節税対策を行う。必要経費、各種控除に対する優遇制度などを活用する。まめに、漏れなく必要経費を計上し、各種控除を利用する。以上の3つのポイントをふまえて、必要経費・各種控除の優遇制度や、経費計上(以下、「必要経費として計上すること」)を忘れがちな費用などを具体的に紹介します。個人事業主の節税に必要経費を活かす方法最初に、必要経費を活かして個人事業主が節税する方法・テクニックを解説します。事業に関係するものは必要経費、まめに漏れなく計上事業の関係する費用はすべて必要経費です。1件1件の額は小さくても、1年間の必要経費を合計すると思った以上に高額になることもあります。必要経費として計上できるものを理解し、可能なものはまめに漏れなく経費計上することが節税の基本です。経費計上できるもの個人事業主が必要経費として計上できる主な費用は次のとおりです。売上原価(原材料費・仕入費用など)従業員への給与、・賃金事務所などの地代、家賃固定資産の減価償却費(費用を所定の法定耐用年数に分割して計上)上記以外にも、消耗品費(文具・備品など)や交通費・出張費、光熱費、通信費、接待費など仕事に関係するさまざまな費用が対象となります。税金も必要経費に必要経費で落とせる税金や公的な負担金のことを「租税公課」といい、下記の税金などが該当します。国税(登録免許税、印紙税、収入印紙など)地方税(固定資産税、不動産所得税、償却資産税、自動車税、軽自動車税、自動車取得税、自動車重量税、個人事業税など)公課(印鑑証明書、住民票の発行手数料、公共サービスに対する手数料など)所得税や住民税は必要経費にはなりませんので注意しましょう。家事按分による必要経費の計上個人の私的な支出と、事業用の支出の両方を兼ねる費用について、事業用分を経費計上することを家事按分といいます。起業したばかりで自宅を事務所として使用している場合の家賃、水道光熱費、通信費などが対象です。たとえば、自宅の1/3を事業用として使用している場合、家賃の1/3を必要経費として計上できます。自動車を個人用と事業用で兼用している場合も、レンタル料やガソリン代を家事按分することができますので、漏れなく必要経費にしましょう。短期前払費用の特例の活用短期前払費用の特例を活用すれば、本来は資産計上すべき費用を、支払った事業年度の必要経費として計上可能です。短期前払費用は、「前払費用」として支払った金額のうち、支払日から1年以内に継続的にサービスの提供を受けるものが対象で、下記のものが該当します。地代・家賃工業所有権の使用料保険料システムのリース料ただし、1年以上先の費用や製造物の原材料費(サービスではない、収益に直接かかわる費用)は対象外です。少額減価償却資産の特例の活用少額減価償却資産の特例を活用すれば、本来は数年に分けて減価償却すべき費用を、支払った事業年度に一括して必要経費として計上できます。通常は、文具・パソコン・自動車などの物品を購入した場合、10万円未満なら「消耗品」として一括経費計上し、10万円以上の場合は法定耐用年数に分割して経費処理します。少額減価償却資産の特例では、青色申告者限定で10万円~30万円の物品購入費についても一括して必要経費として計上できるため、特例を有効に活用しましょう。ただし、必要経費にできるのは1年間の合計が300万円までなので注意が必要です。経営セーフティ共済の活用経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)に加入すると掛け金は必要経費として計上できます。経営セーフティ共済は、取引先事業者が倒産した場合に無担保・無保証人で借入れできる制度です。掛け金は月額5,000円~20万円、融資額は掛け金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れることができます。個人事業主の節税に所得控除を活かす方法次に、所得控除を活かして個人事業主が節税する方法・テクニックを解説します。[adsense_middle]青色申告特別控除の活用青色申告によって確定申告を行うことにより最大65万円の所得控除が受けられる青色申告特別控除を活用すれば、課税所得を大きく削減できます。青色申告するためには、税務署への「所得税の青色申告承認申請書」提出や複式簿記による記帳、決算書(損益計算書・賃借対照表)作成などの手間がかかりますが、節税効果が大きいためチャレンジすることをおすすめします。青色申告特別控除を受けるための条件青色申告特別控除を受けるための条件は令和2年分より変更されました。特別控除額は、確定申告方法により10万円、55万円、65万円と異なります。白色申告にはない青色申告だけのメリット青色申告には、白色申告にはない税制上のメリットがあります。下記の税制上のメリットを活かせば、「青色申告特別控除」や前述の「少額減価償却資産の特例」以外により大きな節税効果が期待できます。法人化していれば、家族だけでなく自分の給与まで必要経費にできたり、純損失の繰越し可能期間が9年になるなど、税金を安くする方法が増えます。しかし、法人設立時の費用や時間、手間のかかる法人税の申告、従業員の労働・社会保険料の会社負担分など、さまざまな負担が増えることになります。iDeCo(イデコ)の活用iDeCo(イデコ)を活用すれば、掛け金全額が課税所得から控除されます。また厚生年金未加入の個人事業主にとっては、老後生活資金準備にも有効な一石二鳥の制度とも言えます。iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」とも呼ばれ、自分で掛け金を拠出し資産運用を行う年金制度です。掛け金は全額が所得控除されるうえに、運用益は非課税、受け取る年金は公的年金等控除の対象となるため税制上の大きなメリットがあります。ただし、掛け金には上限があり就業形態によって上限が異なります。個人事業主の場合は、掛け金の上限が月6.8万円(年間81.6万円)です。資産運用はリスクがあって嫌だという人についても、安全性の高い預金商品で運用を行えば、利回りは低いですが節税効果が大きいため魅力ある制度といえるでしょう。その他の各種控除個人事業主は、事業に関する所得控除以外に個人に対する各種控除を受けることができます。基礎控除(※令和2年度より基礎控除額が38万円→48万円に変更(所得2,400万円以下の場合))医療費控除(※セルフメディケーション税制と選択)配偶者控除・配偶者特別控除生命保険料控除・個人年金保険料控除・地震保険料控除など社会保険料控除※国民健康保険料・国民年金保険料など小規模企業共済等掛金控除※iDeCo(イデコ)など寄附金控除会社員なども同様ですが、毎年使える控除なので、まめに漏れなく申告する習慣をつけましょう。最初はわからないところがあったり面倒ですが、習慣化することや、前年度の確定申告資料を残しておくことで早めに慣れることをおすすめします。個人事業主の節税対策に関するまとめご紹介したとおり、節税対策として必要経費に計上したり所得控除できたりする費用や優遇制度は数多くあり、必要経費と各種控除を漏れなく確定申告するかどうかで税金は大きく異なります。節税のためにわざわざ車を買ったり保険に入ったりしなくても、最初は面倒かもしれませんが、青色申告という手続きを踏んできっちりと申告するだけで税額を下げることが可能です。節税だけでなく老後生活資金の準備もできるiDeCo(イデコ)も、一度は検討してみることをおすすめします。
2020年06月22日現在公務員として働いていて、「副業をしてみたい」と思っている人はいるでしょうか?何となく別の仕事をしてはいけないような雰囲気があって、なかなか実行に踏み切れませんよね。実は、うまくやれば公務員であっても副業をする方法はあるんです!この記事では、公務員の副業の可否、人気の仕事、および注意点について述べていきます。お読みいただければ、副業をすることに前向きになれると思います。ぜひ最後までご覧ください。公務員が副収入を得るために副業するのは可能か?そもそも、公務員が副収入を得てはいけないのでしょうか?巷では、何となく「公務員は副業禁止」という雰囲気が漂っています。しかし、個人の自由が守られているわが国において、このような一見人権の侵害とも思えることが許されるのでしょうか?本当に副収入を得てはいけないのでしょうか?ということで、まずはそのあたりが具体的にどうなっているのかについて見ていくことにしましょう。国家公務員の場合まずは、国家公務員の場合についてはどのようになっているでしょうか?国家公務員法第103条では、国家公務員は会社の職を兼ねたり、営利企業を営むことが禁じられています。さらに国家公務員法第104条では、営利企業以外で職を兼ねる場合には、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可が必要と定められています。つまり、国家公務員は企業で副業をすることはできないし、企業以外で副業をする際には申請の上許可が必要となります。そのほかにも、第99条~101条では信用を失ったり、業務に支障をきたすようなことをしたりしてはならないと書かれています。地方公務員の場合では次に、地方公務員の場合を見てみましょう。地方公務員法第38条では、任命権者の許可なしに私企業に勤めたり私企業を経営してはならない、と定められています。つまり、許可なしに会社で働いたり会社を立ち上げたりしてはならない、ということになります。もし公務員が、年収のために儲かる副業をするとどうなる?では、もしも公務員がこうした法律に違反して、お金を儲けるために会社に勤めたり会社を作ったりするとどうなるのでしょうか?それは当然、「法律違反」となります。なので、発覚すると懲戒処分が下されることになります。実際に過去そうした事例もありました。公務員は絶対に副業をしてはいけないのかさて、先ほどの法律をよく眺めて下さい。もうお気づきでしょう、ほかの会社に勤めたり、会社を作ったりしなければ副業は禁じられていないのです!ただしもちろん、信用を失うようなことはしてはいけません。つまり、決して個人の自由を奪っているのではなく、公務員としての信用を確保しているわけです。これは、「営利をむさぼる」のがいけないと読み替えることができるでしょう。そして、最近では公共的な活動であれば本業以外で行っても可、とされています。要は公務員としての信用を失わなければ、別の仕事をしてもとがめられることはないわけです。ここにさえ気をつければ、大手を振って副収入を得られるというわけですね。年収を増やすために公務員でもできる人気の副業についてそれでは、どのような副業をすべきでしょうか?「公務員であるからには公共の福祉の増大になるようなボランティアの活動をして、お金は一銭ももらってはならない」といった清廉潔白な意見は、理想論としてはありなのかもしれません。ただし、公務員だって人間であり生活があるわけで、副収入を得ることを目指しても悪いわけではないでしょう。ということで、ここでは公務員をめぐる副業の状況と、公務員でもできる人気の仕事について紹介していきます。副業容認の動きと認められる副業最近では、副業を積極的に解禁している自治体が見られるようになってきました。あくまでも公共性や市の活性化を重視した活動が中心ではありますが、奈良県生駒市では2017年8月より副業が認められています。また、同様な取り組みは兵庫県神戸市にも見られます。今後は公共的な活動を中心に副収入を認める自治体も増えていくのではないでしょうか。信用を失わない活動で、かつ副収入を増やすには下記の3つがおすすめです。不動産投資株式投資投資信託これらはいずれも投資ですが、個人が問題ない範囲で自らの資産を増やし、かつ投資で得た知見を間接的に本業に生かすということであれば、ある程度公共性も認められるでしょう。そもそも、自らのお金を出して企業を応援するのは、本来は社会に貢献する活動なのですから。ということで、以下ではそれぞれの副業について説明していきます。1.不動産投資こちらは物件の取得に多額の金額が必要なことから、あまり多くの公務員の人に勧められるわけではありませんが、不動産を購入し良心的な運用をするのであれば住民の福祉の向上につながるでしょう。もちろん、転売を繰り返して利益を得る、いわゆるキャピタルゲインなどは営利をむさぼるとして許されないでしょうが、家賃収入というインカムゲインであれば、適切な家賃設定であるかぎり許容されると考えられます。ただし、年収500万円以上になってくると許可を得なければならなくなりますので注意しましょう。また、大規模に行ってしまうと事業とみなされて営利目的と判断されかねません。営利とみなされない範囲で投資を行いましょう。2.株式投資株式投資も、公務員にできる投資の1つです。デイトレーダーのように短期的な売買を繰り返すのであれば営利目的と判断されるかもしれませんが、応援したい企業の株を買って長期間持ち続けるのであれば一種の社会奉仕と考えられるでしょう。その見返りに配当や株主優待を得たところで、それはささやかな報酬といったところで咎められることもありません。ただし、もしも何らかの理由で株式を売却したら、確定申告をして相応する税金を払うようにしましょう。3.投資信託そして、公務員にもっともおすすめできる副業は投資信託といえるでしょう。こちらは特定の企業に投資するのではなく、いろいろな企業に投資することになりますので、まさに社会奉仕であり、公共性も高いといえるでしょう。また、公務員自身にとっても、長期的な資産形成という意味で自分自身にも営利ではないと納得できますし、周りにも認められやすいと思われます。さらに、運用については投資のプロに任せる形になるので、投資の初心者でも始めやすいです。ただし、銘柄選びは慎重に行いましょう。よほど確信がない限り、市場のトレンドに従うパッシブ運用の投資信託を選ぶようにして、信託報酬などの手数料がなるべく少ない商品を選んでおけばまず間違いはありません。こちらについても、もしも投資信託を売却したら確定申告をするようにしましょう。公務員が副業をする際の注意点と上手に副業をする方法公務員は先に述べたような法律での縛りがあるため、副業には人並み以上に慎重でありたいものです。派手な副収入を得たりして「営利目的では?」と疑われてしまってはよくありません。下手をすれば営利ビジネスをしているとみなされて、法律違反で懲戒ということにもなりかねません。ということで、ここでは問題なく副業をするにはどうすればいいのかについて解説していきます。[adsense_middle]ダブルワークのしすぎで本業に支障が出ないように副業のほうにあまりにも力を入れすぎて、ほとんどダブルワークのようになって土日でも働くといったことをしてしまうと、疲れが残って本業にも支障が出てしまいます。そうなってしまっては本末転倒ですね。副収入を得るために無理をして働くようなことは避けて、余裕を持ってほどほどに活動するようにしましょう。そういう意味では、投資は自分が働くのではなくお金に働いてもらうわけですから、こうした疲れとは比較的縁遠いといえるでしょう。FXなどリスクの高い投資には慎重にとはいえ、FXなどのリスクの高い投資をする際には十分に注意が必要です。FXについては、利益を得るためには常時レートを見ておく必要があり、公務員の仕事を持ちながらではあまり時間を取ることができず不利になります。上手く損切をしていかないと大損をする可能性もあります。また、あまりにも細かく売買をして利益を稼ぐと「営利目的では?」と見なされる危険もあります。ハイリスクハイリターンの投資は十分慎重に行うようにしましょう。公共性の有無を判断する公共性の高い仕事を副業に選んでいるのであれば、特に問題はありません。ただし、公共の仕事と思って継続していると、いつのまにか営利が入っていることがあるので気をつけましょう。例えば、公共性の高いテーマを選んで、情報提供のためにブログを書いていたとします。そのとき、サイト運営をする中でブログに広告を付けるようにしていると、いつの間にかアフィリエイトサイトになってしまい、広告収入が目当てになっていることがあります。こうなってしまうと営利そのものですよね。一般に、公務員はアフィリエイト禁止になっています。十分に注意しましょう。判断に迷った場合には上司に相談自分のしようとしている副業が事前の届け出が必要なものかどうか、あるいは営利活動なのかどうかについては、なかなか判断がつきにくいものです。そのように迷いが生じた場合には、思い切って上司に相談してみましょう。上司にしてみると、部下に黙って副業をされて後で問題になるよりも、事前に相談をしてくれたほうが安心できるでしょう。それによって、あなたの評価が下がることはありません。また、自分がどうしてもやりたいと思っている副業について相談をする際には、なぜやりたいのかについて事前に考えをまとめて上司を説得するシナリオを作っておくことをおすすめします。まとめ:公務員と副業について公務員が副業をすることについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?公務員が企業に勤めたり会社を経営したりすることは、法律によって禁止されています。ただしそれ以外の公共性の高い仕事であれば、本業に支障をきたさず信用を失わない限り副業は可能です。特に、投資信託などの投資については公務員にも取り組みやすい人気の副業になっています。また、公務員が副業をする際にはさまざまな注意事項があります。公務員が副収入を得たいと考えることは、少しも道に外れたことではありません。さらに、公共性の高い仕事であれば解禁している自治体も出てきました。この流れは加速していくと考えられるため、勇気をもって副業にチャレンジしましょう!
2020年06月20日こんにちは、婚活FP山本です。退職金といえば、サラリーマンにとっては数少ない大金を得られる機会といえます。しかしだからこそ、退職金にも税金がかかるのかどうかが気になる方も実に多いです。「退職金があるから老後も大丈夫」と考えている方も多いですから、ぜひ事前に実際のところを知っておきましょう。そこで今回は、退職金と税金の関係や計算方法、受け取り時の注意点についてお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。退職金は税制上、税金の課税対象になる収入!まずは早速、退職金と税金の関係についてお伝えします。結論からいえば、残念ながら退職金も税制上、税金の課税対象になる収入です。税金がかかると知るだけで残念に思う方も多いかもしれませんが、そういうルールですから、しっかり税金が必要なら納めましょう。ただ、退職金というのは国から見ても「長年の勤労に対する報償的給与」と捉えているため、多額の税金を課すのは不適当とみなしています。だからこそ、多額の税金がかからないように複数の対策が講じられているのが実情です。とはいえ、税金が発生するのは変わりません。可能であれば、少しでも事前に何らかの対策を取っておいたほうが安心です。まずは、このような基本について、しっかり知っておきましょう。税率表をもとに、事前にシミュレーションしておこう退職金にかかる税金とは、所得税と住民税です。そして、令和元年分の所得税の税率表は以下のようになっています。一度この税率表をもとに、事前に税金額や退職金の受取額などをシミュレーション計算しておくと、心の準備に繋がるのでおすすめです。※計算方法はA×B-Cちなみに退職所得はほかの所得と分離して課税されますから、それだけ税額も割安になり、税金計算も簡単といえます。計算が苦手な方も、ちょっとだけ励んでみましょう。退職金の税金計算の方法は少し特殊!次は、具体的な退職金の税金計算の方法についてお伝えします。退職金の税金計算においては、最初に以下の公式で「退職所得控除額」を計算することが必要です。なお、1年未満の勤続年数の端数は、たとえ1日でも1年に切り上げて計算します。また障害者になったことで退職した場合は、上記の計算結果に100万円を加えた金額が退職所得控除額です。そして、控除しきれなかった残額の「半分」が、課税退職所得金額になります。ほかの所得とは分離して計算でき、大きな所得控除が使え、しかも課税する場合も半分だけ……これが退職金の税制です。実際には、税金がかからないというケースも多いといえます。あとは先ほどの税率表をもとに、実際の税額と受取額を計算してみましょう。勤続年数が長いほどに所得控除が増えて課税対象額は小さくなる先ほどの表を見ると分かるとおり、退職金は勤続年数が長いほどに所得控除が増えて課税対象額は小さくなります。また勤続年数が20年を超えると、さらに所得控除額が増額される設計です。これは、定年までの終身雇用が当然の、一昔前の常識がもとになっています。だからこそ、今後この退職金に関する税制は見直される可能性が高いです。とはいえ、見直されるまではこのようなルールのままですから、しっかり覚えておきましょう。退職金を「年金形式」で受け取ると損になりがちここからは、退職金の受け取りに関する注意点をお伝えします。まずは、退職金を「年金形式で」受け取る場合です。最近では大手企業を中心に、退職金を年金形式で受け取れる会社が増えています。そして年金形式のほうが、総額が増えることが多いので一見するとお得です。しかし年金形式で受け取る場合は、先ほどお伝えした「退職所得控除」が使えなくなります。代わりに「公的年金等控除」が使えるものの、退職年金の金額によっては控除しきれないのが実情です。厚生年金と重なるころには、税金が増えてしまうこともあります。このため、退職金を年金形式で受け取ると損になりがちです。選べる場合は、できれば退職金は一時金で受け取り、その後は自分で何らかの運用をしていきましょう。所得税や住民税だけでなく、社会保険料も……退職年金と厚生年金が重なってしまうと、所得税や住民税などの税金だけでなく、社会保険料も上がってしまう可能性があります。「総額が増える」というのは確かに魅力的に映る人もいるでしょうが、税金なども含めて考えれば損になる可能性がある点には注意が必要です。一方で、急に大金が入ってきたことで気が大きくなり、「使ってしまうリスク」が上がる点には注意が必要といえます。自己管理には気を付けて、退職金を有効活用していきましょう。退職金を受け取る前に特別な申告書を提出しよう今度は、退職金に関係する書類についてお伝えします。これは必ず必要というものではありませんが、できれば事前に提出しておきたいのが「退職所得の受給に関する申告書」です。これを会社に提出しておけば、税金のことは源泉徴収で終了し、確定申告が不要になります。この申告書を提出していない場合は、退職金の額面金額から一律に20.42%もの所得税(と復興特別所得税)が源泉徴収されますから、後が大変です。正確な税金額で清算するために確定申告が必要になりますから、できれば退職金を受け取る前に申告書を提出しましょう。なお、良識のある会社なら事前に指導や指示があるでしょうが、そのような会社ばかりではありません。自分の身を守るためにも、自分でもしっかり知っておきましょう。最終的な税率は同じだが源泉徴収のほうがラク!退職所得の受給に関する申告書を提出してもしなくても、最終的な税率や税額は変わりません。しかし一般的な会社員は、税金や確定申告に不慣れな方も多いといえます。そういう方なら、会社が代わりに税金額の計算や手続きをしてくれるほうが断然ラクなはずです。退職金を受け取るということは、文字どおり会社を退職することになります。ということは、ほかにもさまざまな手続きが必要です。できれば少しでも労力を減らせるよう対処していきましょう。死亡時に遺族が受け取る退職金は非課税?今度は、当人の死亡にともなって受け取る退職金についてです。勤め先によっては、本人が亡くなったときには残される遺族に死亡退職金が支払われることがあります。そしてこの死亡退職金には、通常の退職金で必要だった所得税などはかかりません。ただ、代わりに「相続税の課税対象」になります。ただし、「500万円×法定相続人の数」までは非課税となる扱いです。なお、生命保険も同様の非課税扱いがありますが、あくまで別枠となります。それぞれで、「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。当人が亡くなったということは、以後の収入が不安定になる可能性が高いです。最大限に死亡退職金を活用して、その後の生活を安定させていきましょう。生命保険と合わせて死亡時対策をしておこう保険料や想像への抵抗感などから、「死亡時対策」をしていない方も意外に多いといえます。幸運にも死亡退職金がもらえたとしても、その後の生活には全然足りないということも多いです。独身者ならともかく既婚者、特に子供がいる夫婦は要注意といえます。死亡時対策の代表格は、先ほど触れた「生命保険(死亡保険)」です。亡くなってから焦っても手遅れですから、万が一のことが起こる前になるべく備えておきましょう。[adsense_middle]退職金だけでは「老後資金2000万円問題」を対処できない最後に、退職金に関係する大切な補足情報をお伝えします。結論からいえば、退職金だけでは「老後資金2000万円問題」を対処できないという点です。勤め先によっては2000万円程度の退職金がもらえることもありますが、それでも足りないことが多いといえます。というのも、この問題の2000万円というのは「最初の目標数字」であることが多く、実際には倍の4000万円程度が必要ということが多いです。2000万円もの退職金がもらえないことも多く、仮に定年後に再雇用されても収入は半減することも多いといえます。つまり、この老後資金問題は老後の直前になってから焦っても手遅れで、もっと前の段階から備えを続けることが必要です。理想としては「結婚直後の生活水準や子供の数を選べるころ」、もっといえば「結婚相手を選べる婚活中」から、未来を見据えて動きましょう。そもそも時代は終身雇用が崩壊中……そもそも時代は終身雇用が崩壊中です。「長年勤めあげる」ということが難しく、最近では大手企業でも40代でリストラされることもあります。このため、多くの場合で退職金をアテにした老後対策というのは、そもそも無理があるのが実情です。一方で、最近では年収の低い非正規労働の方も多く、新型コロナによって正社員でも雇用を失いやすくなっています。このため、老後対策がしにくいというのも確かな現実です。しかし、しなくてもよいとはなりません。できる限り、将来や老後に対して備えていきましょう。税金計算も大切だが、退職金の増額や別の対処法も考えよう退職金に対する税金計算は大切です。しかし一方で、退職金の増額や別の老後対策も重要になってきています。今は、ただ真面目に働いていれば生涯安泰が当たり前という時代ではありません。働くことさえ新型コロナで難しい方もいるでしょうが、ぜひこんなときこそ、未来を見据えた行動を取るよう心掛けていきましょう。
2020年06月18日現在サラリーマンで会社に勤めているけれども、「副業してみたいな」と考えている人は多いでしょう。「でも、副業したら所得税も取られるかも。損したらどうしよう」と心配になっているかもしれません。実は、サラリーマンの方なら一定範囲では所得税はかかりませんし、もしその範囲を超えても、できるだけ所得税を抑える方法があるんです!この記事では副業の所得税、所得の仕組みと副業をした場合の所得税の計算方法について解説していきます。サラリーマンが本業以外で副業したら所得税がかかる?サラリーマンなら、本業のほうで自動的に所得税が天引きされています。この上でさらに副業をしたとして、税務署はどうやってそこから所得税を徴収するのでしょうか?黙っていればわからないのではないでしょうか?結論をいえば、副業の所得が一定以上になれば所得税の支払いをしなければいけなくなります。そしてそれは、自分から「副業と本業を合わせてこれだけ所得がありました」と税務署に確定申告をすることによって、所得税を支払うということを意味します。いったいどういうことなのか、以下で説明いたします。副業で確定申告が必要になる理由通常、サラリーマンであれば年間の収入が2,000万円を超えない限り確定申告は不要です。年収2,000万円なんて、よほどのトップか外資系のエリートサラリーマンでもない限り手が届きませんよね?ところが、普通のサラリーマンでも副業を始めた途端に、その所得が一定以上になれば確定申告が必要になります。その理由は、副業をして20万円の所得があれば、本業の収入にかかわらず確定申告が必要と決められているからです。そうしないと税務署が副業分の税金を徴収することが難しいからでしょう。では、具体的にはどのような状態であれば申告が必要になるのでしょうか?おおよそ下記の2つのケースで目安が異なります。副業が給与になる場合副業が給与以外の場合以下でそれぞれについて説明いたします。副業が給与の場合の目安こちらは、本業で働く以外にパートやアルバイトという形で別の会社で働き、そこからも給料をもらうという場合になります。派遣会社に登録して、派遣先で働いて派遣元から給料をもらう場合もこのパターンになります。この場合には、年間収入が20万円を超えれば確定申告が必要になると判断しましょう。月あたりですと1万6千円強ですね。すぐに超えてしまうような金額です。なぜかというと、給与で副業収入をもらっている場合には「収入=所得」ですので、収入が20万円を超えれば確定申告の対象になってしまうからです。副業が給与以外の場合の目安これが、副業が個人事業といった給与以外での収入ということになると話が変わってきます。なぜなら、確定申告が必要なのはあくまでも所得が20万円以下だからです。そして、給与以外であれば「収入ー経費=所得」という考え方が効いてきます。つまり、収入が20万円を超えたとしても、経費が多ければ所得を20万円以下に収めることができます。すると、確定申告が不要になるというわけです。これはお得ですね。だからといって、経費にならないものまで経費にしてしまうことはNGです。あくまでも常識の範囲内で経費を計上しましょう。ただし、逆に経費になるべき費用なのに、確証がないために経費にできなかったというのでは非常にもったいないです。経費にできそうな領収書やレシートは普段から集めておくようにしましょう。不要と思っても確定申告をするメリットでは、確定申告はできればしないほうがいいのかというと、そうとも言い切れないのが悩ましいところです。実は、確定申告が不要と思われる場合であっても、場合によっては申告をしたほうがよいケースも存在します。それはどんなときなのかというと、給与や法人からもらう報酬などの場合で、源泉徴収された報酬を受け取るケースです。例えば、サラリーマンをやりながらクラウドソーシングサイトに登録して、そこで法人からの案件を請け負うと、受け取る報酬は源泉徴収がされています。このケースでは、確定申告をしなければ源泉徴収されたままです。確定申告をすると、場合によっては源泉徴収された額が引かれすぎていると判明して、いくらか戻ってくることがあります。なので、確定申告は避けるべきとは必ずしも言い切れません。給与以外の副業での所得の仕組み一口で副業といっても、その中には色々な種類の仕事があります。そして、副業の種類によって所得を計算する方法はさまざまです。ここでは、主な副業について所得の計上方法を見てみましょう。下記の4つの所得について取り上げます。パート・アルバイトなどの給与所得原稿料・アフィリエイトなどの雑所得不動産賃貸の不動産所得事業を行っている事業所得[adsense_middle]1.パート・アルバイトなどの給与所得まずは、先ほども出てきたパート・アルバイトなどです。この場合には、本業・副業ともに給与所得に分類されます。ということで、本業と副業の1年間の収入を合算して、そこから給与所得控除を差し引いたものが給与所得金額となります。つまり、「給与所得金額=年間の給与合計額ー給与所得控除」となります。給与所得控除とは何かというと、サラリーマンには経費をいちいち計上するのではなく、一定分を経費とみなして差し引くという控除の仕方がなされます。それを給与所得控除といい、サラリーマンはいちいち経費のことを考える必要がないわけです。なので、会社から源泉徴収票をもらうときには、給与所得控除された給与所得金額が掲載されています。確定申告の際には、その額を足し合わせて転記するだけでOKです。2.ライターやブログなどの雑所得次に、サラリーマンをしながらライターの仕事をして原稿料を得たり、ブログを運営してアフィリエイトの収入を得たりしたケースです。この場合には、本業は給与所得で副業は雑所得になります。この雑所得は、「雑所得金額=売上ー経費」で計算されます。この売上金額や経費の金額については、自分で計算する必要があります。雑所得の売上を立てるのにかかった費用を適切に計上するようにしましょう。ただし、雑所得の場合には一点注意すべきことがあります。ほかの所得と違い、雑所得は損になった場合、ほかの所得と合算ができないという点です。その場合には雑所得の税金が0となり、給与所得はそのまま計算されます。3.不動産賃貸は不動産所得かなりの資産を有しているサラリーマンの場合になりますが、マンションやアパートを所有していて、その物件を賃貸に出している場合には不動産所得の対象となります。やはり「売上ー経費」で所得を出しますが、先ほどの雑所得よりもお得な特典があります。青色申告特別控除確定申告に青色申告を適用した場合には、青色申告特別控除を使うことができます。複式簿記を記帳して貸借対照表・損益計算書を確定申告の際に添付すると65万円の、それ以外の場合には10万円の控除を受けることができます。せっかくですから、ここは65万円の控除を受けたいですね。しっかり条件を満たしましょう。ということで、この場合には本業の給与所得の金額と合算するのは、「不動産所得金額=売上ー経費ー青色申告特別控除」ということになります。4.継続して事業を行っている場合は事業所得クラウドソーシングや内職などの個人事業を毎年継続して行っている場合には、事業所得と判断されることとなります。ただし、サラリーマンの場合は継続した仕事であると税務署に認められる必要があります。認められない場合には「雑所得」になりますので、どうしても事業所得として認めてもらいたい場合には事前に税理士に相談してみましょう。事業所得と認められた場合、不動産所得と同じく青色申告特別控除を使うことができます。なので、総所得は給与所得に「事業所得=売上ー経費ー青色申告特別控除」を合算した金額になります。副業を合わせた税金の計算方法所得の算出の仕方はこれまで述べた通りですが、最終的にはそこから所得税を計算する必要があります。数字に弱い人であれば「もうついていけない」と逃げ出したくなるかもしれません。しかし、心配は無用です。所得を算出すれば、あとはWebサイトに必要項目を入力するだけで計算は自動で行ってくれます。電卓をたたく必要はほとんどありません。ただし、どのような方法で所得税が算出されるのかを把握しておくと、支払う税金にも納得感が出るというものです。ということで、ここではサラリーマンが副業をした場合の税金の計算について述べていきます。[adsense_middle]それぞれの収入から所得を計算して合算まずは、本業と副業それぞれの所得を合算していきます。そして、税金を算出するもとになる総所得の金額を決定します。ここで、もしも副業のほうで所得がマイナスになっていたら、その分の通算をすることができます。ただし、先ほども言ったように雑所得はマイナスの通算ができません。この点には気をつけましょう。所得合計金額から所得控除を除く次に、総所得金額から所得控除を引いていきます。まずは、全ての人に与えられる基礎控除38万円を差し引くことができます。あとは人それぞれですが、代表的なものでは医療費控除や生命保険料、地震保険料、社会保険料の控除などがあります。ただ、こういった控除は病院へ行ったり保険に入っていたりするだけでは自動的に控除されません。確定申告の際に自分で申告し、場合によっては税務署に確証を提出する必要があります。また、提出しなくても確証は一定期間保存しておかなければなりませんので注意しましょう。税率を掛けて所得税を計算ここまでで算出された課税対象所得に、所得税率を掛けて所得税額を計算することになります。「課税総所得金額×税率-控除額」で計算されますが、この計算は自動で行われます。最後に、住宅ローン控除といった税額控除を差し引き、復興特別所得税を加えた金額が納付する所得税となります。ただし、実際には源泉徴収されている所得については差額を納付し、払いすぎていたら還付を受けることになります。所得税を納税する納付する必要がある場合には、その金額を税務署へ支払いに行くだけになります。まずは確定申告で申告して、実際に税務署から通知が来て納付を行います。納付する方法には、実際に現金を支払う現金納付と、引き落としをする振替納付があります。副業と所得税に関するまとめ副業と所得税について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?一般に、サラリーマンが副業をしても、年間所得20万円までは確定申告が不要で所得税はかかりません。また、副業の種類によって所得の計算方法は異なります。「副業をしてみたい、でも税金は取られたくない」という人は、まずは年間所得20万円以下の枠内でトライしてみましょう!
2020年06月15日税金を納めることは国民の義務ですが、場合によってはお金がなくてどうしても払えないという状況に陥ることがあります。中でも甘く見ている方が多い税金が住民税です。そこで本記事では、住民税が払えない場合にどうなるのか、そして払えない場合の対処法について詳しく解説します。住民税と所得税の違いそもそも住民税と所得税の違いについて、よくわからないという方もいるのではないでしょうか。住民税とは各地域の行政が行っているサービスなどを維持していくために負担する税金で、自分が居住している都道府県に支払う都道府県民税と、市町村に支払う市町村民税、特別区民税のことをいいます。支払った税金は地域の公園の整備や、学校や図書館の運営など生活インフラとして必要不可欠な部分に使われるので、住みやすい街づくりのためにも絶対に納めなければなりません。対して所得税は所得に対して課税される国税で、所得金額が高くなるにつれて税率も上がります。社会全体のために使われる貴重な財源であり、国全体のために使われるという点で住民税とは異なります。住民税の納税方法住民税はその人の住んでいる住所地の自治体から課税される税金です。住民税はその人の所得に応じて課税される所得割と、定額が課税される均等割で構成されているので、収入が多い人ほど住民税の金額も高くなります。所得税とは所得に対して課税される税金なので、そういう意味では同じです。住民税は普通徴収住民税の納税方法は本人が個人事業主か、それとも会社員かによって変わってきます。個人事業主など会社勤めではない方の場合は、自分自身で納税する普通徴収という方法で納税することになり、流れとしては次のとおりです。ステップ1:確定申告をする2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う際に、住民税について書く部分に必要事項を書いて申告をする。ステップ2:税務署から市町村へ情報がいく確定申告をするとその人の所得などの情報が、おおむね4月から5月くらいにかけて市町村にいきます。市町村はその情報をもとに住民税を計算します。ステップ3:自分で納税をする毎年6月頃になると市町村から住民税の納付書が届きますので、郵便局などに持ち込んで納税をします。住民税の納付書を紛失した場合は、直接役所に問い合わせることで再発行することも可能です。また、自治体によっては役場のサービスセンター窓口などで直接支払うこともできます。会社員の場合は特別徴収このように住民税は基本的に自分自身で納税する必要がありますが、会社員の場合は給与から天引きされる特別徴収という方法がとられます。よって、給与の支払いを受けているということは住民税も自動的に納税されていることになるので、滞納の心配はありません。アルバイトが普通徴収になる条件正社員ではなくパートやアルバイトで勤務している場合、住民税はどのように支払えばよいのでしょうか。パートやアルバイトであっても、前年に給与を受け取っていて当年の4月1日の段階で給与を受け取っている場合は、特別徴収によって納税することになるので、勤務先が住民税を差し引いて給与を支払います。つまり、非正規雇用者でも継続して働いている方については、正社員と同様に住民税は特別徴収されているというわけです。ただし、次のケースについては例外的に給与から差し引かれずに、普通徴収によって自分で住民税を納税しなければなりません。給料が年俸制で、月額で支払われていない人仕事をかけもちして2箇所以上から給与をもらっている人給与が少なく、住民税を差し引くことができない人これらに該当する方は、給与から住民税が自動的に差し引かれて支払われていない可能性がありますので注意が必要です。最近はアルバイトを掛け持ちしていて、住民税を天引きで支払っていると勘違いしているフリーターの方がときどきいますが、そのケースでは普通徴収になるので自分自身で納税する必要があります。収入がない場合、住民税は減免されるのか前述したとおり住民税は所得に対して課税される税金なので、仕事をしていなければ減免されると思うかもしれませんが、実はそうとは限りません。住民税を滞納する方の中には、金銭的な事情で払えなくなる人のほか、本来納税義務があるにもかかわらず納税を忘れて滞納してしまうケースもあるのです。転職中に督促状が届くケース仕事を辞めて転職活動をしている人は、その間収入はなくなりますが住民税は課税されます。なぜなら住民税は前年の所得に基づいて計算をされているからです。例えば、2019年に仕事を退職して求職活動中の場合、2020年の住民税は2019年の所得をベースにして課税されます。就職している間については勤務先が特別徴収して納税しているので、住民税を滞納する心配はありませんが、退職している場合は特別徴収から普通徴収に切り替わっているため、納付書で納税しなければなりません。結婚退職してもすぐには減免されない結婚を機に会社を退職して専業主婦になる人もいると思いますが、この場合にも注意が必要です。結婚すると夫の扶養に入ることになるので、それによって住民税がかからなくなると思っている人が多いのですが、実はそうとは限りません。先ほどの転職中のケースと同じように、住民税は前年の所得に対して課税される税金なので、専業主婦で無収入だとしても翌年については住民税が課税されます。住民税を滞納するとどうなる?このように住民税は現在収入がある人はもちろんですが、無収入だとしても課税されることがあるので、中には支払いが難しく滞納してしまう人もいるようです。では、住民税を滞納すると具体的にどうなってしまうのでしょうか。[adsense_middle]住民税の支払い期限特別徴収の場合は、勤務先が勝手に差し引いて支払っているのであまり気にすることもないかもしれませんが、普通徴収の場合は自分で支払うので支払い期限について予め知っておく必要があります。住民税は年4回に分けて次のタイミングで支払います。6月末8月末10月末1月末納付期限を過ぎた場合住民税の納付期限を過ぎた場合は、自治体から督促状が送られてきます。支払いが期限を過ぎてしまうと、遅れた日数分延滞税が課税されるのでより負担が重くなってしまうのです。平成30年から令和2年の場合、納期限の翌日から1ヶ月までは年2.6%、納期限の翌日から1ヶ月を経過した日から納付日までは年8.9%の延滞税が加算されます。督促状を無視するとどうなる?役所からの督促状を無視し続けると、最終的には財産を差押さえられることになります。通常、損害賠償請求などで財産を差押さえる場合は、裁判を起こした上で勝訴した後でなければ差押さえができませんが、税金の支払いは国民にとって最優先事項であり、支払うことは義務なので、裁判を経ることなくいきなり差押さえになるのです。では差押さえされると、具体的にどうなるのでしょうか。住民税のケースでは、支払期限が過ぎてからおよそ20日以内に督促状が届くことになります。この督促状が差押さえのシグナルです。国税や地方税は督促状が送られてから10日以内に支払いがされないと、いつ差押さえされてもおかしくない状況になります。ただ実際は、差押さえすると本人にかかる負担が大きいので、10日が過ぎたとしてもいきなり差押さえがされるケースは少なく、まずは役所から電話などで督促されることが一般的です。場合によっては、役所の人が自宅まで来るケースもあります。最終催告再三の督促も無視し続けると、最終的には役所から最終催告書といった書面が届きます。この書面は簡単にいうと「もう差押さえしますよ」という意味です。役所も鬼ではないので、きちんと対応していればすぐに差押さえはしませんが、支払う見込みがないと判断した場合は差押さえの手続きに移行します。差押さえが行われると、どの財産を差押さえるかによって変わってきますが、住民税の滞納で少額であれば銀行口座の差押さえになることがあります。銀行口座が差押さえられると、強制的に税金が差し引かれてしまうので注意が必要です。差押さえを防ぐための対処法差押さえとなると、納税者にとっては不意打ちのようになるので、役所としてもできるだけほかの手段で解決することを望んでいます。では、差押さえを逃れるためには具体的にどうすればよいのでしょうか。直接相談に行く一番よい方法は、督促状が来る前に一度役所に出向いて相談することが得策です。この際、突然アポなしで行くと迷惑がかかるので、事前に役所に電話をした上で指定された持ち物を持って行くとスムーズに対応してもらえます。役所側は相手に支払う意思があるかどうかをよく見ていますので、自ら相談に出向くことでいきなり差押さえされる状況を回避できるのです。いくらでも待ってもらえるわけではありませんが、相談をすることで何らかの解決策が見えてくるでしょう。弁護士に相談をする住民税を払えない原因が借金にあるならば、弁護士に相談して債務整理を検討することも必要になってきます。場合によっては、自己破産も検討して生活の再建を考えましょう。自己破産というとネガティブなイメージがありますが、税金以外の債務がチャラになる最終手段なので、税金の滞納がたまってしまう前に手続きを考えることをおすすめします。また、住宅ローンの返済もある方は任意売却という手続きを利用できれば、自己破産を回避できる可能性もあるので、諦めずにまずは相談してみましょう。住民税が払えない場合に関するまとめ住民税を甘く見ていると、いきなり銀行口座が差押さえられて強制的に徴収されてしまう可能性があります。また延滞税の額も大きな負担になるので、支払えない状況でも放置するべきではありません。できる限り早い段階で、役所に相談することで分納に応じてもらえたり早期の差押さえを避けることができます。それでも厳しい場合は、弁護士に相談して任意整理や自己破産などの債務整理を検討しましょう。
2020年06月14日現在会社に勤めていてこれから副業をしてみようと考えている人や、最近複数の仕事を始めた人は、「副業をしたら税金はどうしたらいいのかな?」と、今後の税金の支払いについて心配をしているかもしれません。働き方のパターンは人それぞれですが、いずれの場合でも税金はすべて確定申告をして支払うことになります。ポイントを押さえてしまえば確定申告は決して難しくはありませんが、思わぬところでつまずいてしまうこともあります。この記事では、個人事業主の働き方ごとの所得の計算方法、確定申告の仕方および注意点について解説していきます。個人事業主の副業のパターンとは?収入別の所得計算方法について副業をした際の税金の計算の仕方・確定申告のやり方について本やネットで調べていても、なんだかモヤモヤして、いまいち腑に落ちないような気がする人がいるかもしれません。その理由は、先ほど申し上げた「働き方のパターンは人それぞれ」だからです。本当に自分はここで述べられているケースに当てはまるのかな、と感じてしまうわけです。収入の内訳はいろいろなパターンに分かれているため、まずパターン別の所得の計算方法をきちんと理解することで、「ああ自分はこのパターンに当てはまるな」と納得していただけると思います。ということで、まずはパターン別の所得の計算のやり方について述べていきます。ちなみに、収入とは勤務先やクライアントからもらう金額そのもののことで、そこから控除や経費を差し引いた金額を所得といいます。そして、税金は所得をもとに算出されます。収入を得るパターンはいろいろでも、副業をしていれば基本的には全員が確定申告をすることになります。1.給与所得者が副業を始めて個人事業主を兼業する場合などまずは、普通にサラリーマンをしている人が副業をする場合です。この副業にも2種類あって、別の会社でダブルワークをする場合と、個人事業者としてクラウドソーシングなどで事業をする場合があります。ダブルワークをしている場合、本業の会社と副業の会社それぞれから源泉徴収票を毎年受け取りますので、それぞれの「給与収入ー給与所得控除額」で給与所得を算出します。そして、確定申告時にそれぞれを合算することになります。ちなみに、いちいち「給与収入ー給与所得控除額」を計算しなくても、国税庁のWebサイトに収入額その他を入力すれば自動的に給与所得を計算してくれますので、「給与所得控除額って?」と悩む必要はありません。副業で個人事業をする場合また、副業で個人事業をする場合には、副業は事業所得となり「収入金額ー必要経費」で所得を計算します。こちらは、源泉徴収票のようにまとまった書類がない場合も多いので、自分で計算して算出する必要があります。そして、本業の給与所得と副業の事業所得を合算して確定申告する、という手順になります。給与所得者は確定申告をしなくてもよい場合もあるただし、このケースでは唯一「確定申告をしなくてもいい」という例外があります。実は給与所得者の場合、「副業の所得が年間20万円以下の場合には確定申告をしなくてもよい」というルールが存在しています。収入ではなく所得が20万円以下ですので、副業で30万円収入があっても経費が11万円かかったら確定申告は不要となります。2.個人事業主・フリーランスが副業として給与収入を得る場合こちらは、会社を脱サラした人などが個人事業主として活動しているが、副業としてパートやアルバイトのような形で会社で仕事をする、という場合です。この場合、所得の計算としては、先ほどの会社勤めをしている人が個人事業者として事業をしているケースと同じになります。何が違うのかというと、単に給与所得と事業所得の金額の大小だけです。ただし、この場合には源泉徴収に注意が必要です。ここでわざわざフリーランスと書いたのは、フリーランスでこの問題が発生しやすいからです。フリーランスの方は、自分では個人事業主として営業していると思っているかもしれません。しかし、たとえばクラウドソーシングサイトで仕事を獲得するウェブライターなどの場合、クライアントは個人の場合と法人の場合があります。実は法人の仕事を請け負っている場合、事業所得であるにもかかわらず収入から給与所得のように源泉徴収されているんです。したがって、確定申告で事業所得を計算する場合、法人から受け取っている報酬に源泉徴収額を加えたものが収入となります。ここは間違いやすいので注意しましょう。なお、ここで源泉徴収として加えた金額は、税金計算の際には差し引いて計算されますので決して損にはなりません。3.個人事業主が本業以外の事業を副業として行う場合最後に、個人事業主が副業として別の事業を始めた、という場合もあります。ただ、この場合にはあまり本業・副業の区別に意味はありません。それぞれの収入から経費を差し引いて事業所得を出し、それらを合算して確定申告するだけとなります。副業をした場合の税金を確定申告で申告する方法それでは、副業をした場合にはどのように確定申告を進めていけばいいのでしょうか?実は、副業をしていれば合算の手間がかかるだけで、あとは通常の確定申告と何も変わりません。そして合算で一番わかりにくいのは収入の部分ですが、それはこれまで説明した通りです。ただ、副業をして初めての確定申告を迎える場合、税務署から「確定申告をしてください」といった案内はきませんので注意しましょう。申告をして初めて、「この人は確定申告の対象」と税務署が認識することになります。なので、2回目からは案内をもらえる場合があります。ちなみに、確定申告は所得税に関する申告で、住民税とは別です。ただし、確定申告すればその情報が住民税の方にも送られるので、失業中で申告する所得がないなどの場合を除き、住民税の申告をする必要はありません。確定申告は、下記の手順で進めていきます。事前に白色申告か青色申告かを決めておく確定申告書を入手する収支内訳書を作成する確定申告書の作成・提出以下で、それぞれについて見ていきましょう。[adsense_middle]白色申告と青色申告のどちらで納税するかを決定経理について詳しい人なら最初から青色申告してもいいでしょうが、副業を始めたばかりの人には帳簿作成などのハードルが高いので、最初は白色申告をするのをお勧めします。ということで、ここでは白色申告の仕方について述べていきます。確定申告書を入手まずは申告する書類がないと始まりませんので、確定申告書を入手しましょう。入手方法には以下の3つの方法があります。税務署などに行って、直接入手税務署に連絡して郵送してもらう国税庁のWebサイトからダウンロードただし、おすすめは何といってもサイト経由です。作業はWeb上で完結し、他帳簿の転記も自動で行ってくれます。このあとの説明もWebベースとなります。収支内訳書を作成次に、確定申告書の中の収支内訳表を作成します。副業をしている場合には、所得を受け取った会社やクライアントごとに収入や経費などを記入していきます。相手先の住所までいちいち記入しなければならないので、数十社と仕事をしている人などは相当面倒な作業になります。さらに個人事業の場合、相手先が源泉徴収票などのきっちりとした書類をくれないケースもあるため、自分で資料を作成して金額を算出する必要があります。初めて確定申告をする場合にはあまりの煩雑さに心が折れそうになるかもしれませんが、実はここがヤマですので、ここさえ乗り越えればあとは楽です。また、申告の時に大変にならないように毎月管理をしておくことがおすすめです。確定申告書の作成・提出収支内訳表さえ作成してしまえば、所得の金額などは確定申告書の必要な部分に自動的に転記されていきます。あとは医療費、生命保険、社会保険費といった控除項目に金額を入力していきます。そして、人によっては雑所得・雑損などに金額を入力して完成させます。そのあと、データを保存して印刷し、税務署に提出します。どの税務署に持っていくかは、Web上に自動表示されます。マイナンバーカードを持っていれば、e-TAXで電子的に送付することもできます。確定申告する際の注意事項確定申告の大まかなやり方はこれまで述べてきたことに尽きるのですが、そうはいっても初めて申告をする場合にはいろいろと注意しておいた方がいい点もあります。そこで、以下では確定申告に関する注意事項について解説いたします。[adsense_middle]会社を退職した人はサラリーマン時代の所得や退職金も申告する年の途中で会社を退職して個人事業主になった人は、サラリーマン時代の所得も含めて確定申告をする必要があります。退職した際に受け取る源泉徴収票は大事に取っておきましょう。また、退職金については退職所得として申告する必要があるので覚えておきましょう。申告期限に注意!申告開始日と申告期限は忘れないようにメモなどしておくことをおすすめします。税金を支払うのではなく、支払い過ぎていて還付を受けられる場合には、申告開始日を待たずに年明けすぐから申告ができます。万が一申告期限に遅れてしまった場合、税金に延滞金などが加算されてしまいます。遅れに気づいたら、税務署から通告される前に支払いに行くと、少し加算金が安くなる場合もあります。医療費控除できるのは10万円以上?また、確定申告で医療費控除ができるのは医療費が10万円以上のときと思っている人が多いですが、実は所得が200万円以下の場合、所得の5%を超える部分を控除できます。退職して個人事業主になったばかりのときは、副業しても所得が200万円を超えない場合もありますので、間違えないようにしましょう。いずれは青色申告者として登録しようここでは白色申告の話をしましたが、経験を積んで収入が増えてきたら青色申告にチャレンジしましょう。帳簿作りは大変ですが、白色申告にはない控除などの特典があります。何も届けなければ白色申告になりますが、青色申告の登録をするには期限までに申請書を税務署に提出する必要があります。まとめ:個人事業主の副業について個人事業主と副業について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?個人事業主が副業をするといっても、サラリーマンが副業で個人事業主をやることから、個人事業主が副業する場合までさまざまなケースがあり、それぞれの働き方に応じて所得の計算方法があります。ただし、いずれの場合にも最終的には確定申告をすることになり、そのやり方もほぼ同じです。ただし、特に初めて申告する場合には注意すべき点もあります。「確定申告することになるのか」と思うと、サラリーマンの方はなかなか副業に踏み切れないかもしれません。でも、ポイントさえ押さえれば確定申告は決して難しくはありません。自分にやりたいことがあれば、ぜひ副業にチャレンジしましょう!
2020年06月07日仕事を辞めて転職するとなると、心機一転ステップアップというタイミングかと思いますが、手続き面において複雑なものもあるので注意しなければなりません。特に住民税については、転職のタイミングで徴収方法を選択して処理しなければならないので、取り扱いについて理解しておくことが大切です。そこで本記事では、転職した際の住民税の取り扱いについて詳しく解説します。住民税の徴収方法企業で働いているサラリーマンについては、住民税を自分で払っているという自覚は少ないのではないでしょうか。なぜなら、住民税は勤めている会社が給与からじかに差し引いて支払っているからです。私も会社員として働いていたことがありましたが、自分の住民税のことは全く無頓着で計算したことなんてありませんでした。ただ、会社を辞めたり転職をしたりするとなると、改めて住民税について考える必要性を感じたことを覚えています。ここでは、住民税の徴収方法や納付方法について詳しく見ていきましょう。会社員は特別徴収による天引き個人事業主であれば、自分で納税通知書を使って納税するので自分自身の住民税についてよく把握されていると思いますが、会社員の方については控除の計算や手続きについてすべて会社がやってくれるので、深く理解することが難しいかもしれません。このような会社が行う徴収方法を特別徴収といい、本人は基本的に何もしなくても自動的に納税されます。ただ、勤めている会社を何らかの理由で辞めて次の仕事を探すとなると、そのタイミングで住民税の処理について手続きをしなければならないので注意が必要です。個人事業主は普通徴収で控除手続きする個人事業主の場合は、確定申告によって自分自身で所得を申告すると、税務署から住民税の納税通知書が届き、それによって納税をする普通徴収という方法がとられます。支払いは一括で支払う方法と、4分割で支払う方法があります。特別徴収の場合は毎月天引きされているので、期間としては12回の分割払いのような感じになりますが、個人事業主の場合は最大で4分割です。副業をしている場合の住民税の納付方法最近では会社員でも副業をする人がいますが、この場合の住民税はどうなるのでしょうか。住民税は、その人の総所得から控除などを差し引いた課税所得に応じて課税されるので、副業の確定申告による所得も含めて計算されます。市町村は前年のその人の所得をもとに、所得割と均等割を計算して住民税の決定通知を勤務先に郵送するのです。そして勤務先は、その決まった住民税の金額を給与から天引きするので、基本的に副業の分の住民税も含めて天引きされます。よって、副業分の住民税だけを普通徴収で納税する必要はありません。ちなみに、住民税の増加によってその人の収入がアップしたことが会社に知られるため、内緒で副業をやっている場合はこの時点でバレることになります。転職において、会社とのやりとりで注意することこのように会社員の場合は通常特別徴収をされているので、住民税について何か手続きをすることはありませんが、退職して再就職するとなると、その間の住民税の納付方法が問題となります。特に気をつけなければならないのが、正社員で再就職した初年度の住民税です。転職した場合の住民税の額ヘッドハンティングされて転職した場合、収入が大幅にアップする可能性もあるでしょう。住民税の所得割部分は収入金額に応じて増額するため、年収が上がれば住民税も上がります。ただし、転職したタイミングでいきなり住民税が値上がりするわけではありません。住民税はあくまで前年の所得をベースにして決まっているので、当年の年収が増額したとしても、直ちに住民税に反映されることはないのです。住民税の金額自体は変わらないのですが、徴収方法については次の点に注意が必要です。転職直後は普通徴収になることも仕事を転職すると、前職の会社が住民税を天引きできるのは最後に支払う給与までです。それ以降は支払うものがない以上、前職の会社で住民税を天引きすることはできません。となると、今度は転職先の会社が支払う給与から住民税を天引きしてもらうことになるのですが、ここの引き継ぎがポイントになります。通常、転職先の会社で住民税の天引きを開始するには、転職してから2ヶ月程度かかることがあるため、その間の住民税が未納になってしまうことがあるのです。また、退職してから再就職するまでの期間が空いている方については、特別徴収自体ができなくなるので、放置していると住民税が納税できない状態のままになってしまいます。この場合、特に何も手続きをしなければ住民税は普通徴収に切り替わります。前職の会社に特段指示をしていなければ、前職の会社は普通徴収に切り替えてしまうので、以降の住民税については役所から住民税の納税通知書が送られてくることになるのです。その後、転職して転職先の会社の特別徴収が可能になった時点で、普通徴収から切り替わることになります。ただ、このやり方では、すでに再就職先が決まっている人からすると、普通徴収で支払うことが面倒に感じるかもしれません。前職の会社に協力してもらうすでに再就職先が決まっている場合は、新たにその会社で特別徴収を開始できる期日がわかるはずです。その期日を前職の会社に伝えて、最後に支払う給与からまとめて住民税を天引きしてもらうのです。例えば、1月に退職して4月から再就職先で住民税の特別徴収が開始できるとします。この場合、前職の会社に頼み、1月分の給与から1・2・3月分の住民税をまとめて控除してもらうのです。そうすれば、4月分からは再就職先で特別徴収が開始されるので、結果として普通徴収に切り替えることなく引き継ぎができることになります。おすすめのやり方ではありますが、このやり方には重大な問題点があります。それは、再就職先が決まっていることを前職の会社に知られるということです。退職する人の中には、再就職することを告げずに別の理由を作って退職する人もいるでしょう。このやり方をお願いすると、再就職先が決まっていることばバレバレなので、退職理由を隠したい場合にはあまりおすすめできません。再就職先が未定の場合に必要な手続きこのように、退職する際に再就職先が決まっている人については特別徴収をつなげることができるので、住民税の手続きをスムーズに行うことができます。ですが、再就職先が決まらないまま退職するという方もいるでしょう。その場合、退職時の住民税については、退職したタイミングに応じて次のやり方で納付しなければなりません。[adsense_middle]6月1日~12月31日の期間に退職した場合退職した月の住民税については、最後の給与から天引きして納付をします。再就職先が決まっていないので、それ以降の住民税については特別徴収から普通徴収に切り替え、納税通知書を使って納税をしなければなりません。退職する際に会社の人に申し出れば切り替えは簡単に可能です。ただ、このやり方が面倒で収入面に余裕がある方は、事前に会社に申し出ることで、最後の給与から来年の5月までに発生する住民税をまとめて計算して天引きしてもらうこともできます。最後の給与の手取りが大幅に減ることになりますが、普通徴収に切り替えて納税する必要がなくなるので楽です。来年5月までの間に再就職先が決まって特別徴収が開始できれば、普通徴収期間は生じなくなります。退職金によって住民税の負担が増えることも仮に再就職先が決まらないまま翌年6月を迎えた場合、それ以降に課税される住民税は前年の退職したところまでの収入をベースに計算されるため、住民税の金額自体は下がります。ただ、ここで注意しなければならないのが退職金です。退職金も所得になるので、住民税の課税対象所得となります。まとまった退職金が出ると、それに課税される住民税は翌年の負担として重くのしかかるのです。そのため、退職金が出たからといっていきなり高級車を買うと、翌年の納税資金に苦労することになります。退職金が支払われる人で再就職先が決まっていない人は、住民税の請求がくるまでの間はできるだけ退職金を残しておくことをおすすめします。1月1日~5月31日の期間に退職した場合この期間に退職した場合は、普通徴収に切り替えるのではなく、最後の給与から5月分までの住民税についてまとめて天引きされることになります。6月から前年の所得をもとに計算した住民税に切り替わるため、それまでの期間についてはまとめて精算したほうが楽なのです。ただし、まとめて住民税を天引きしようとしても、給与や退職金の金額のほうが低くて天引きすることができない場合は、特別徴収から普通徴収に切り替えてもらって納税通知書で支払うことになります。入社後すぐに退職するような場合は、この状況になる可能性がありますので注意しましょう。思わぬ出費に注意今回転職に伴う住民税について詳しく解説した一番の理由、それは退職後の資金繰りに注意してほしいからです。おそらくほとんどの方が住民税について何も手続きをしないまま、会社任せで退職することと思います。そうすると、特別徴収から普通徴収に切り替わってしまうため、突然自治体から納税通知書が届いて焦ることになるのです。退職するケースでは、そもそも給与が途切れる可能性が高いので、ただでさえ生活費に余裕がない時期だと思います。そんなときに予期せず住民税の納税通知書が届いたら、かなりの痛手となります。退職をするときは自分の住民税がいくらであり、退職することでいつ・いくらの納税通知書が届くのかを必ず確認した上でやりくりしましょう。また、次の就職先が決まっている方については、前職の会社に申し出ることで、普通徴収に切り替えることなく特別徴収のまま引き継ぐ方法も検討しましょう。転職時の住民税に関するまとめ退職する際に住民税の精算を退職する会社任せにしていると、再就職先の総務や経理に迷惑がかかることもあります。サラリーマンの方は住民税を他人事のように思っているケースがよくありますが、本来は自分で計算することも大切です。退職、転職、再就職する際には、その間の住民税についてどうやって納税すればよいのか、まずは興味を持って確認する意識を持つことがとても大切です。
2020年06月04日税金にはさまざまな種類がありますが、中でも住民税については、サラリーマンの場合は給与から天引きされて納税していることもあり、いまいち金額が理解できていないという方が多いようです。そこで本記事では、住民税の特徴や計算方法について詳しく解説します。住民税の金額と所得の関係とは住民税は所得割と均等割の2つに区分されているそもそも住民税とは、厳密にいうと都道府県民税と市町村民税を合わせたもので、地方税法に基づいて各市町村が一括で徴収します。ただ、自分自身がいくら課税されているのか、どういう計算で税額が決定されているのかについては、いまいち理解できていないまま納税している人が多いのではないでしょうか。実は住民税は所得割と均等割という2つに区分されており、それぞれ計算をしたうえで合算した金額がその人の納税すべき住民税となるのです。所得割の計算方法所得割の計算方法と課税対象所得所得割とは住民税のうち、その人の所得に応じて税額が変動する部分のことをいいます。所得とは、その人が1月1日から12月31日までの間に得た収入から必要経費や所得控除を差し引いたあとの金額のことです。例えばサラリーマンの場合は、社会保険料控除、基礎控除、住宅ローン控除、医療費控除、生命保険料控除などがありますので、それらを差し引いたあとの金額に対して住民税が課税されます。税率は地域によって若干の違いはありますが、東京都の場合は都民税4%、区市町村民税6%で、概算では区や市によって大きな違いはありません。市によって基準となる税率は違うのか住民税の税率については全国統一の基準ではないので、都道府県や市町村によって若干のずれがあります。ただ、違ったとしても小数点以下の小さな変動だけなので、概ねどの地域でも合計で10%程度と認識していれば大きくずれることはありません。むしろ、地域によって差が出ることがあるのはもう一つの均等割の方です。以下で詳しく解説します。均等割(定額で課税される割合)による住民税の地域差均等割とは、収入に左右される所得割とは違い、定額で課税される割合のことをいいます。つまり、その地域に住んでいる人の住民税のうち、均等割部分については同じ金額が課税されているということです。例えば東京都の場合、個人都民税は1,500円、個人区市町村民税の税額は3,500円となっています。ちなみに、令和5年までの間は自治体の防災対策に充てるために、均等割が500円加算されています。均等割は自治体ごとに金額を変えることが可能で、住民税の安い自治体が出てくるのはこの均等割を抑えているからです。住民税の課税関係について住民税の計算についてはなんとなくイメージができたと思いますが、そもそもどの地域の住民税が課税されるのでしょうか。実は、同じ住民税でも所得割と均等割で課税されるかどうかが変わってきます。基本的には1月1日時点において住所を置いている自治体については、所得割も均等割も課税されますが、事務所や家屋敷を持っていても、その自治体内に住所がない人について所得割は課税されず、均等割のみ課税されます。このように1月1日時点を基準に、どこに住所があるかが目安となってきます。住民税に関する注意点[adsense_middle]住民税が年によって変わる理由サラリーマンの方の中には、突然住民税の引かれる金額が大きくなって驚いた経験がある方は多いのではないでしょうか。住民税の金額は、上記の計算を前年の所得に用いて算出されます。順調に出世をしていて給料が上がっている人については所得割部分がどんどん増えていくので、納める住民税額も住民税から逆算すればわかる通り、上昇していくのです。よくプロ野球選手の年収が下がると、翌年の税金が大変ということをテレビなどで口にすることがありますが、これは住民税の負担が翌年にくることを意味しています。プロ野球選手に限らず、サラリーマンであっても営業職でインセンティブの占める割合が大きい人については、今年たくさん契約をとって年収が上がった場合は翌年の住民税が上がるので、上がった収入をある程度維持できるよう頑張らなければなりません。住民税が変動すると副業がバレることがある住民税の金額が年によって変化することで、実はある重大なことが会社にバレることがあります。それは副業です。就業規則の原則が変わってきていることもあり、以前は会社員が副業をするなんてことは本業の妨げになるため禁止が当たり前でした。ですが、最近では副業禁止の文言が就業規則から削除されたケースや、企業によってはむしろ副業を推奨して社員のスキルアップにつなげようとするケースなどが出てきています。ただ、中には副業を禁止している会社も未だに多くあることから、隠れてこっそり副業をしている人も増えているんです。そんな方からよく「副業すると会社にバレますか?」と聞かれることがあるのですが、残念ながら副業をすると住民税によって会社にバレます。住民税決定通知が会社に届く先ほど解説したとおり、住民税の所得割部分については本人の所得によって変動することから、副業を始めて所得が増えると住民税も増えてしまいます。住民税決定通知が会社に届いた時点で、「あれ、給与は上がっていないのに、なぜ住民税が上がっているんだろう」という状態になり、詳しく問い詰められるという結末が待っているのです。副業をしている会社員の中には、自分で確定申告しているから会社にはバレないと思っている人がたくさんいるようですが、住民税については会社に通知がいってしまうため、変動によって知られてしまうことになります。賃貸経営をしている場合も注意本格的な副業をしていなくても、いわゆる不動産投資で賃貸経営をしている人は不動産所得が発生することから、住民税が増えて会社に不審に思われる可能性があります。会社によっては不動産投資は一定規模まで容認しているケースもありますが、禁止しているケースもありえますし、そもそも副業の疑いをかけられると厄介なので、給与以外の所得が発生する場合については、事前に勤務先に伝えておく方がおすすめです。独身者の住民税はなぜ高い?独身の方の住民税は割高というイメージがありますが、なぜ独身の場合は住民税が値上がりするのでしょうか。独身だからといって住民税の税率が割高になっているわけではなく、住民税の課税対象となる所得に大きな違いがあるからです。所得控除による違い例えば独身者の場合、所得から差し引くことができる所得控除で利用できるものとしては次のようなものがあります。給与所得控除基礎控除各種保険料控除対して結婚している人については、次の控除が利用できます。配偶者控除扶養控除扶養控除は子供の人数1人当たり38万円が控除されるので、子供が多い家庭については住民税が結果的に割安になるのです。ちなみに、今の日本は少子高齢化であるとともに晩婚化が進んでいることから、独身者に対する課税を強化する動きがありますので、今後独身者に対する税負担は拡大するかもしれません。住民税を節税する方法[adsense_middle]住民税を節税できる住宅ローン控除住民税は、所得に応じて変動する所得割部分については、所得税と同じように必要経費を使ってある程度は節税できますが、均等割部分については定額のため節税はできません。また、サラリーマンの方についてはそもそも必要経費の計上ができないので、節税自体が難しいところです。そんな中、住民税を効果的に節税できるのが住宅ローン控除になります。住宅ローン控除とは住宅ローン控除とは、一定の要件を満たす物件をマイホームとして住宅ローンで購入した場合に、年末のローン残高の1%相当額の税額控除が受けられるという非常に節税効果の高い制度です。サラリーマンの場合、マイホームを購入した翌年だけ自分で確定申告をすれば、それ以降は勤務先の年末調整で対応できます。基本的には年末調整で所得税から税額控除されるのですが、人によっては全額控除しきれずに金額が余ることがあります。この場合に、残りを住民税から差し引くことができるのです。人によってはかなりの節税効果があるので、非常に魅力的といえます。住民税は還付されるのか会社員には住民税の還付が発生することも住民税の納税方法は、大きく分けて2パターンあります。会社員の場合は特別徴収といって、会社が本人の給与から住民税を天引きして納税をします。自営業者の場合は普通徴収といって、自治体から送付される納税通知書を使って納税をするのです。自営業者の場合は、自身の確定申告をベースにして税額が決まっているので還付という状況は起きにくいのですが、会社員の場合は住民税の還付が発生することがあります。先ほどの副業の部分でもお話ししましたが、副業の影響で所得が変動すると所得割部分が変動します。このとき、副業が赤字の場合は給与所得と損益通算して所得を引き下げられます。となると、本来納めるべき税額よりも多く納めていることになるので、住民税の還付が受けられるのです。住民税がかからないケースとは新型コロナウイルス感染症に関連して支給される給付金の受給要件に、住民税非課税世帯を対象としていることが時々ありますが、具体的にどのようなケースなのでしょうか。具体的には主に次に該当する人は、住民税がかかりません。1月1日時点において、生活保護を受けている人障害者、未成年者、寡婦で、前年の所得が125万円以下(給与収入なら204万4千円未満)の人前年の所得が一定の所得以下の人前年の収入が一定額以下これらいずれかに該当すると、住民税は課税されません。住民税と年収の関係に関するまとめ住民税の計算をする機会はあまりないので、どのような根拠で金額が決まっているのか知らなかった人は多いと思います。住民税は所得割と均等割があり、所得割については所得の金額によって変動することになるので、自分の年収が上がった際には翌年の住民税が上がるということを念頭に、収入を維持する努力をしましょう。今回解説した内容を覚えておけば、今後ご自分の収入が変動した際に、住民税にどの程度影響が出るのか自分で試算することも可能です。ぜひ活用してください。
2020年06月03日死亡保険に加入するとき、必ず死亡保険金の受取人を設定しなければいけません。一般的には配偶者や子が多いですが、実は「受取人」が誰であるかによって、納めなければいけない税金の種類や金額が違います。死亡保険とは、被保険者(保険の対象となる方)の死亡時に、あらかじめ指定した死亡保険金受取人に保険金が支払われるものです。通常、数約万円~数千万円という大きなお金が支払われますので、多少の税金がかかることはイメージできても、どの場合にどの税金が適用されるかなかなかわからない方がほとんどではないでしょうか。今回は、保険金受取のパターンごとに、死亡保険金にかかる税金についてまとめていきます。生命保険の税務生命保険とは「万が一の際に備える」目的で加入します。では、万が一が発生し給付金(保険金)を受け取った場合、すべてに税金がかかるのかというと、そうではありません。生命保険の給付金(保険金)を受け取った場合で、税金がかかるのは【死亡保険金】や【養老保険などの満期金】【中途解約における解約返戻金】です。一方、入院給付金や通院給付金、就業不能給付金などを受け取っても、税金はかかりません。非課税の対象は、保険会社問わず業界一律です。各保険会社で特約名やペットネームなどの多少の違いはあっても、事故や病気で発生した給付金には課税されないことになっています。税金のかからない給付金の主なものは、以下の通りです。入院給付金手術給付金通院給付金特定疾病保険金がん診断一時金先進医療特約に関する給付金契約者・被保険者・受取人の関係性がポイントでは早速、死亡保険金にかかる税金についてまとめていきます。概要を表にまとめ、その後にそれぞれ詳しく解説します。契約者とは掛け金の負担者生命保険の契約の中で、さまざまな名称が使われて混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。今回のテーマである死亡保険金の受け取りに際しては、どの立場の人が、どのような役割を担っているかを把握しておくことが、大切なカギとなります。ここで改めて確認しておきましょう。契約者…保険契約をする人(した人):「毎月の掛け金を負担している人」という認識でよい。解約金は契約者に支払われる。被保険者…保険契約の対象となる人:加入時に健康状態を告知する必要があり、被保険者に万が一のことがあれば保険金が出る。保険金受取人…被保険者が死亡した際に保険金を受け取ることができる人:基本的には被保険者の配偶者または所定の範囲内の親族。指定する受取人がいない場合は?生命保険に加入する際は、必ず死亡保険金の受取人を決めなければいけません。事情があり、どうしても加入時に受取人を決定できない場合は、受取人欄に「法定相続人」と記載することで保険に加入できる場合もあります。法定相続人とは、民法で定められた遺産を相続する権利のある人のことです。指定する受取人がいない場合や、判断に悩む場合の取り扱いについては、取り扱いの保険会社にお尋ねください。①相続税の対象これまでに解説した内容をふまえ、ここから実際の税の話に入ります。まずは、死亡保険を受け取って「相続税」の対象となる場合についてです。相続税が課税されるパターンは【契約者と被保険者が同一で、保険金の受け取りがそれ以外である場合】です。つまり「自分のために、自分で加入した生命保険で、自分に万が一のことがあったら誰かに保険金を遺す」という場合は、相続税に当てはまるということです。相続税とは相続税とは、対象の方が亡くなることで発生する税金です。死亡保険金の受け取りをして、相続税の対象となるという人は、対象者が亡くなったことで少なからず生活に影響がある場合がほとんどです。このことから、死亡保険金の受取の際にかかる税金の中で、税の負担が少なく抑えられるのは相続税です。遺族となり、せっかく受け取った保険金ですので、なるべく多く遺族補償として使ってもらえるように配慮されています。受取人は配偶者・子供が望ましい保険金受取人は、できれば「被保険者の配偶者または子供」が望ましいと言えます。配偶者や子供がいない場合は「被保険者の法定相続人」を受取人として指定しましょう。主に配偶者や子などの法定相続人が保険金受取人となった場合、相続税の非課税枠が適用され、法定相続人の数と保険金額によっては、相続税の課税対象とはならない場合もあります。【相続税の非課税金額・計算式】500万円」×法定相続人の数保険金の非課税適用たとえば、父親が自分を被保険者として、保険金額3000万円の死亡保険に加入していたとします。妻と、子供が2人いた場合、この3人が法定相続人となります。したがって、相続税の非課税金額は【500万円×3人(妻・子供2人)=1,500万円】となります。保険金額は3000万円ですので、非課税金額を差し引いた1,500万円が相続税の課税対象となります。この1500万円は、その他の遺産(預貯金など)と合算され、相続財産とみなされます。遺産総額の基礎控除保険金も含めたすべての相続財産に対して、さらに基礎控除額が設定されています。【相続税の基礎控除額】=3000万円+(600万円×法定相続人の数)上記の例に当てはめてみると、法定相続人は3人です。したがって【3000万円+(600万円×3人)=4800万円】が、相続税の基礎控除額となります。死亡保険金の非課税枠を差し引いた残りの1500万円を含めて、全ての遺産総額が4800万円以内であれば、相続税の対象にはなりません。超えた場合は、超えた金額に対してのみ課税されます。相続財産が基礎控除額以下の場合は、基本的には確定申告は不要です。ほかの控除(配偶者控除など)を利用する場合など、個別の相続状況はさまざまですので、確定申告の有無については自己判断せず、税務署に相談しましょう。②所得税の対象所得税とは、個人の所得に対して課税されます。保険金の受け取りに際しては、契約者と受取人が同一の場合に対象となります。契約者とは「保険料を負担している人」のことです。受取人は、保険金を受け取る人のことです。つまり「保険料を払った人が、保険金をもらう」ことになるので、所得税の対象となるということです。保険金が「所得税」の対象となるのは【契約者・受取人が同一人物で、被保険者は別である場合】です。[adsense_middle]所得税の課税対象とは注意したいのは、受け取った保険金の全額に対して課税されるわけではないという点です。所定の計算式に当てはめ、算出された額に対してのみ課税されます。以下の計算手順で、所得税の課税対象となる金額が算出されます。実際に受け取った保険金から【既払込保険料】を引きます。「1」で出た金額から、さらに【一時所得・特別控除「50万円」】を引きます。「2」で算出された金額が【一時所得】額となります。一時所得額の1/2の額が、実際の課税対象となります。既払込保険料とは、保険料受け取り時までに支払った保険料の総額のことです。計算例既払込保険料500万円に対して、保険金3000万円を受け取った場合の所得税の課税対象の額は以下のようになります。3000万円-500万円=2500万円2500万円ー特別控除額(50万円)=2450万円(一時所得の額)2450万円×1/2=1225万円1225万円が課税対象となる。③贈与税の対象贈与税とは、死亡保険金の受取に際してかかる税金の中で、もっとも金額的な負担の大きい税金です。契約者、被保険者、受取人がすべて別人である場合に、贈与税の対象となります。贈与税の課税対象とは贈与税は、法定相続人などの関係性は必要なく、どのような条件であっても、一律「110万円」のみが控除額として差し引かれます。単純に、受け取った保険金額から110万円を差し引いた額が、課税対象ということです。計算例3000万円の死亡保険金に対して、贈与税が発生する場合【3000万円ー110万円=2890万円】が課税対象となります。受取人の変更はお早めに死亡保険金を受け取る際には、なんらかの税金がかかることはご理解いただけたのではないでしょうか。いずれも、受取人がどなたであるかは非常に重要なポイントです。たとえば、独身の頃加入した保険で、受取人が既にお亡くなりになった親族であったりする場合もあります。定期的に保険証券や、保険の内容のわかるものを確認し、受取人や指定代理請求人が、ご自身の希望通りの方になっているかは確認しておくと良いでしょう。特に、結婚などで家族が増えた際は受取人を再検討するタイミングです。ちなみに、受取人の変更は無料ですぐに完結します。詳しくは加入している保険会社にお尋ねください。死亡保険金にかかる税金に関するまとめ死亡保険金の税務については、生命保険加入時に必ず保険の担当者から説明が行われているはずです。しかし、そもそも加入した時期がかなり以前である場合などや、聞いたかもしれないが制度自体がわかりにくいなどの理由から、税務についてご存じない方が多いのではないでしょうか。なかなかこのような細かい点まで把握するのは、通常は困難です。ご安心ください。本記事で解説したように、契約者などの関係性によって、どの税金の対象となるか全く異なり、場合によっては契約者変更を行う方が税務上スムーズとなる場合もあるでしょう。特に理由がなく契約者と被保険者を別にしている場合などは、今一度ご家族とご相談の上、変更しても良いかもしれません。生命保険は、人生の中でもかなり大きな買い物であると言われます。大きな買い物をするからには、しっかりと「受取時」についても考えておき、遺された方の役に立つ形で保険金を遺すことが安心であるといええます。契約者や受取人の変更については、ご加入の生命保険会社へお尋ねください。
2020年05月30日会社でサラリーマンとして働きながら、副業をしてみたいとお考えでしょうか?今の状況に留まらず、ステップアップしたいと思っている方は多いでしょう。しかし、安易によそで働きだすと思わぬところで会社にバレて立場が危うくなる場合もあります。しっかりと対策をした上で踏み出したいものですね。この記事では、副業が会社にバレる理由とその対処法について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。会社員は副業をしてはいけないのか?最近、企業にも副業解禁の動きなどと報じられることが多くなりました。ということは、どうやらこれまではしないことが当たり前だったようです。「そもそも、なぜ会社員は同時に2つ以上の仕事をしてはいけないんですか?」という疑問が湧いてきますよね。まずは、会社と副業をめぐる状況を見ていくことにしましょう。従来は副業禁止の会社が多数派これまで長い間、多くの会社では就業規則などで副業を禁じていました。その理由は、「本業に支障が出る恐れがある」「企業秘密の漏洩防止」といったものです。これまでは、正社員としていったん企業に就職すれば、長時間労働が当たり前でした。したがって、際限のない残業、それに加えて休日出勤ともなれば従業員はその体力のほとんどを会社に使っています。筆者の経験談かくいう私も、昔はとある電機メーカーに勤務していましたが、朝八時半から深夜十一時まで連日働き、家に帰り着くのはたいてい午前様でした。それに加えて、しばしば休日出勤もしていました。たまにある休日は一日中布団の中という有様です。ほかに仕事をするなどという余裕はとてもありません。また、昔は新卒で入社した会社に定年まで勤めあげるのが当たり前でしたので、転職するとなると「自社の情報を持ち出すのではないか」という疑いを掛けられかねませんでした。そういう雰囲気の中では、とうてい別の仕事などできません。現在ではとても信じられないかもしれませんが、昔はそれが当たり前で特に問題にもなりませんでした。裏を返せば、企業が福利厚生などで従業員の生活を丸抱えして保証していたので、ほかに仕事をする必要などなかったともいえます。なので、社会も副業禁止を当然のこととして容認していました。最近では副業容認の動きもところが、バブル崩壊後は会社も社員の面倒を見きれなくなり、十分な生活ができるだけの給料を出すのが苦しくなってきます。そうした流れの中で、2018年1月に厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で「モデル就業規則」から副業禁止の規定が削除されました。政府としても、解禁の方向へ政策の舵を切ったと考えてもよさそうです。副業容認の企業も現れ始めました。実は、副業は法律で禁止されているわけではないので、いくら就業規則に書かれていたとしても罰則を受けるわけではありません。面の皮の厚い人であれば「ほかに仕事をしているけどそれが何か?」と堂々としていることもできるわけです。だからといって胡坐をかいていると、本業に支障が出た場合にはやはり禁止や制限の対象になってしまいます。何事もかねあいが重要です。公務員の副業は?ただし、副業が法律で禁止されている職業も存在します。それは、公務員です。公務員は、国家公務員法によって副業が禁止されています。このため、役人の方はどんなに時間があったとしてもほかの仕事はできません。とはいえ、最近は一部の自治体では解禁の動きもあります。いずれにしても、法律によって禁止されているうちは控えたほうがいいでしょう。ダブルワークなどで本業に支障をきたすのは本末転倒最近になってようやく解禁の動きが見られる副業ですが、実は正社員ではない派遣の人が同時に2つ以上の仕事を持つダブルワークは昔からよく見られています。実際、私が昔勤めていた施設管理会社には夜間のシフトに入る派遣の方々がいたのですが、やはり別の仕事を持っていて、私はシフトを組むのに毎月苦労した経験があります。今後は、正社員の人でもこうしたダブルワークを行うのも当たり前の時代になるのかもしれません。収入を増やす、独立の準備、収入を複線化してリスクを分散するなどダブルワークにはメリットもたくさんあります。ただし、副業のほうに力を入れすぎて本業がおろそかになってしまうという本末転倒なデメリットには気を付ける必要があります。そんな風になってしまうと「最近仕事に身が入ってないな。ほかに仕事をしてるんじゃないか」とバレる可能性も高くなってしまいます。あくまでも本業をメインに考えるようにして、それが厳しくなったら副業を抑えるか、本業のほうは退職して副業をメインにすることを検討すべきでしょう。副業がバレる原因と理由たとえ本業を一生懸命こなしていても、まったく予想もしなかったことから会社に副業がバレてしまうこともあります。いったいどうしてそんなことになってしまうのでしょうか?それには、おおよそ下記の要因が考えられます。同僚の告げ口住民税の支払い確定申告の申告漏れ以下で、それぞれについて述べていきます。同僚の告げ口副業が波に乗り、成功してくるとどうしてもほかの人にそれを吹聴したくなります。そんなとき、最も身近にいるのは会社の同僚ですから、休み時間の雑談や酒の席で、つい話してしまうこともあるでしょう。ただ、同僚とはいえ仕事の上ではライバルにもなりえますから、人間関係のもつれによっては同僚から会社に告げ口されることもあります。また、同僚に直接いわなくてもSNSに匂わせる投稿をしていた場合、同僚がそれを見ている場合もあります。特に実名のSNSであればそうしたリスクは高いですね。このような形でバレてしまうと、「本業がおろそかになるのでは」と上司に疑われて、本業がうまくいかなくなることがあります。住民税の支払い自分からバラすようなことをしなくても、住民税の額が不自然に多いと会社の経理に副業を知られてしまうことがあります。なぜそんなことになってしまうのかというと、例えば2つの会社に勤めていた場合、税務署からの住民税決定通知書は、給与額の最も多い会社に送付されてしまうからです。「給与額の最も多い会社」は、当然本業の会社です。そして、本業の会社の経理はそこでの収入から各社員の住民税額を計算していますので、その額よりも多ければ「副業をしている」ことが一発でわかってしまうことになります。確定申告の申告漏れ「副業がバレないように、確定申告をしないでおこう」と確定申告をしないでいるのは問題です。なぜなら、後日税務署から調査が入る可能性があるからです。もしも申告漏れが発覚した場合には、延滞税などの追加の支払いがあるだけではなく本業の勤務先にも連絡が入るため、本業の会社にも副業が知られるという最悪の結果になります。マイナンバーで副業はバレる?ここで、「最近マイナンバーを会社に提出しました。会社はマイナンバーを使って副業の有無を調べられるんじゃないですか?」という疑問を持つ人もいるかも知れません。しかし、結論からいうとそれはできません。個人の副業の有無を調べるためにマイナンバーを使うようなことは法律によって禁じられているためです。ただし、マイナンバーによって先に述べたような税金の申告漏れが発見される可能性は高くなります。本業を続けながら副業をするための対処法でも、バレるからといってしたい副業を我慢するなんて、自分の可能性を閉ざしてしまうようで嫌という方もいるでしょう。以下では、どうしても副業をしたい場合にはどうしたらいいかについて解説していきます。[adsense_middle]他人には副業を伏せるまず、自分から副業について話すなどということは絶対にやめることにしましょう。これで発覚してしまったら、自業自得というべきです。いくら親しい同僚でも、今後の人間関係はどう変化するかわかりません。また、SNSに副業のことを書くこともやめましょう。宣伝になるからとついふれてしまいたく気持ちはわかりますが、一定程度の確率であなたのことを知る人に見られているものです。できれば、家族にも伏せておくのがいいでしょう。住民税は普通徴収を選ぶ住民税の納め方には、特別徴収と普通徴収があります。会社員の場合は給料から天引きされる特別徴収が一般的ですが、確定申告や住民税の申告時に自分で住民税を収める普通徴収を選択することもできます。副業分については、会社に自分の納税額がバレてしまうことがない普通徴収を選びましょう。ただし、パートやアルバイトなど給与所得の副業の場合には普通徴収が選べない場合もあるので注意しましょう。税金は正直に納めるどんなにうまく所得を隠していたとしても、最終的には税務署に見つかることが多いです。また、「いつか見つかるかも」とビクビクしていては精神的にもよくありません。申告漏れが見つかると副業もバレて大変ですので、税金はキチンと申告しておきましょう。会社への届け出と交渉会社によっては、副業を届けることになっている場合もあるようです。その際は、正直に届けたほうが後々問題にならないでしょう。また、届け出て問題になった場合や別の仕事をしていることが発覚した場合には、すぐにあきらめるのではなく、一度仕事の内容やその仕事をしている理由を会社側に説明して交渉してみましょう。その上で、どうしても認められなければ副業OKの会社へ転職することなどを検討しましょう。まとめ:副業が会社にバレる理由と対処法について副業が会社にバレることについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?従来は副業禁止の会社がほとんどでしたが、現在は解禁される傾向にあります。また、同僚の告げ口・住民税の支払い・確定申告の申告漏れによって副業がバレることがあります。ただ、それぞれについて対処法があり、会社に届けることになっている場合には従うようにしましょう。収入を増やしたい、自分の夢を叶えたいなど副業をする理由はさまざまです。時代も解禁の方向に向かっていますので、しっかりと対策をした上で副業に取り組みましょう!
2020年05月30日個人事業主として、事業を運営しながら、いつか自分の会社を持ちたいと考えている方も多いでしょう。実際に、いつ法人化するのがベストなタイミングかという相談は非常に多いです。法人の設立は、事業継続はもちろん、その人の人生においてもターニングポイントとなる大きなイベントです。メリットやデメリットをしっかり理解しておかなければなりません。今回は個人事業主が法人化する方法やそのメリット・デメリット、さらにその手続きなどについて詳しく解説していきます。法人化の方法・手続き法人化とは?法人化(法人なり)とは、個人事業主として事業を運営していた者が、事業の拡大や節税などを理由に法人(一般的に株式会社)を設立し、その法人に事業を引き継ぐことをいいます。(1)会社を設立する個人事業主が法人化する場合、新会社を設立しなければなりません。会社の形態には、株式会社や合同会社などがあります。どの会社形態にするかは、設立費用や必要な社会的信用力に応じて決めましょう。実際には、取引拡大を目指して株式会社を設立するケースが多いのではないでしょうか。そして、個人事業主自身が発起人となって、新会社設立の手続きを行います。個人事業主は、株主となって新会社に資本金を出資し、そのまま新会社の代表取締役に就任することになります。会社の定款や発起人の実印、印鑑証明書など必要な書類を揃えたうえで、法務局で設立登記を行い、新会社が誕生します。(2)事業用の資産・負債の引継ぎ、名義変更法人化するときには事業にかかわるすべての資産・負債を新会社に移さなければなりません。法人化することによって、主体が“個人”から“会社”になるわけですから、取引先との契約も個人名義から会社名義への変更が必要になります。では、名義変更などが必要になる契約を見ていきましょう。預金通帳得意先や仕入先などに対するあいさつ、契約内容の変更など店舗、事務所などの賃貸借契約車両水道光熱費、通信、リース契約などの事業経費借入金関係官庁への届出①預金通帳会社名義の預金口座を開設し、新会社での入出金や振込処理などは会社名義の預金口座で行うようにしましょう。②得意先や仕入先などに対するあいさつ、契約内容の変更など取引先に対して、会社を設立した旨を直接お伺いして伝えるか、あるいは、あいさつ状などを送付してお知らせしておいた方がよいでしょう。また、取引先と取引上の契約を交わしている場合には、契約主体を個人名義から会社名義に変更するようにしてください。③店舗、事務所などの賃貸借契約事業用の店舗や事務所、駐車場などについて賃貸借契約がある場合には、個人名義から会社名義への変更手続きをしましょう。④車両個人名義の事業用車を新会社が引き継いで利用する場合には、車の名義変更をしましょう。あわせて、車両保険の名義変更も必要になります。⑤水道光熱費、通信、リース契約などの事業経費事業用の電気やガス、水道、さらにインターネットや各種リース契約、そのほかの支払経費などについては、会社名義に契約変更する必要があります。⑥借入金個人事業主として金融機関から事業用資金の借入をしていた場合、金融機関に対して、個人から会社への名義変更を申し入れましょう。⑦関係官庁への届出新会社の設立手続きが完了したら、税務署および都道府県税事務所に「法人設立届出書」などの届出が必要になります。あわせて、「個人事業の廃業届出書」を税務署に提出します。また、許認可が必要な事業を行っている場合には、監督官庁に所定の届出書を提出します。法人化の条件・タイミングでは、どのような条件・タイミングで法人化をするのが有利といえるのでしょうか。個人事業主として所得(利益)が800万円を超えると法人化が有利個人事業主の場合、所得税の税率は5%~45%で、所得が増えれば増えるほど税率が高くなり、これに住民税10%も課されます。一方、法人税の税率は、利益が800万円以下なら15%、それ以上なら23.2%です。これに地方税まで含めると法人の税率は36%くらいになります。このことから、個人事業主として利益を伸ばしていき、ある一定の利益を超えると法人化したほうが税金を安くすることができるといえます。具体的には、所得税の税率は所得が900万円を超えると33%となるので、個人事業主としての利益が800万円~900万円くらいになれば、そのタイミングで法人化をしたほうが有利といえるでしょう。会社設立後に注意すべきポイント上で述べた名義変更や関係官庁への届出等の手続きを完了したら、いよいよ会社として事業を行っていくことになります。会社として事業を行っていく上で、お金に関しては特に取扱いに注意しなければなりません。生活費は給与からまかなわければならない個人事業主では、事業用の現金や預金はすべて個人のものなので、自由にお金を使うことができました。その使いみちが仕事に関する経費であろうとプライベートでの買い物であろうと、特に問題にはならないでしょう。しかし、会社の現金や預金残高はあくまで会社のものであり、個人のものではないのです。したがって、会社のお金を勝手に引き出して、そのお金で個人の生活費に充てるということは認められません。つまり、会社のお金と個人のお金をきちんと分けて管理するようにしなければなりません。新会社の代表取締役に就任した事業主は、会社から”役員報酬”という形で毎月の給料を受け取ります。個人の生活費その他プライベートな支出に関しては、受け取った給料の中からまかなっていくことになります。法人化のメリット[adsense_middle](1)税金を抑えることができる個人事業主の場合は、事業が軌道に乗り、所得(利益)が上がってくると、その所得に対して所得税・住民税が発生します。所得税は、所得に応じて税率が5%から45%まで段階的に増えていき、さらに住民税が10%加わります。最高税率は所得税・住民税を合わせて55%になり、所得の半分以上を税金として納めなければなりません。一方、法人の場合は、利益に対しては法人税がかかります。この法人税の税率は個人の所得税と違い、ほぼ一定率となっています。それぞれの税率の違いから、個人事業主の場合にかかる所得税率が法人税率よりも高くなれば、法人化したほうが税金面で有利ということになります。前述のように、目安として個人事業主での所得が800万円を超えるようになると、法人化を検討したほうがいいでしょう。(2)社会的な信用力が上がる会社の中には、取引の相手が法人でないと取引量を制限することもあり、また、そもそも取引自体を行わないとしているところもあります。大企業になるほどこの傾向は強く、取引相手の信用力を非常に重視しています。そのような会社が新規の取引先として相手の信用力を確認する際、個人事業の場合では決算書や確定申告書で確認することになります。しかし、個人の確定申告書は信用力を判断するには情報量に乏しいため、判断できないのが現実です。一方、法人の場合は、「登記簿謄本」によって公的にその存在が確認できます。登記簿謄本には「商号」「目的」「本店所在地」「設立年月日」「役員の氏名」などが記載されており、会社の重要な情報が一目で確認できます。また、決算書や確定申告書についても個人事業者よりも情報量が多く、信用力を判断するに十分な情報を得ることができます。(3)社会保険へ加入でき、従業員を確保しやすい法人化することで社会保険が強制加入となり、新たなコストが発生します。これはデメリットといえるかもしれません。しかし、社会保険に加入することによるメリットもあります。社会保険に加入していることで福利厚生が充実し、社員の採用や離職率の低下につながり、人材の確保が有利になることがあげられます。また、事業主(社長)本人にとっても、老後の年金が増えるというメリットがあります。厚生年金保険に加入することによって、厚生年金保険料の負担が発生します。保険料の負担だけを考えると、個人事業の場合に支払っていた国民年金保険料よりも厚生年金保険料のほうが負担は大きいのが一般的です。しかし、老後は国民年金からの老齢基礎年金に加え、老齢厚生年金も受給できるようになり、年金収入が増えることになります。また、国民健康保険には事業主が病気で仕事ができなくても保障はありませんが、健康保険には病気で休業した場合でも収入保障にあたる傷病手当金の給付などがある点もメリットといえます。法人化のデメリット(1)赤字でも税金の支払いがある法人化すると、事業が赤字だったとしても「法人住民税の均等割」の支払い義務があり、年間7万円の納税をすることになります。(※資本金の額によって、支払金額が異なります。)(2)社会保険への加入が必須法人化した場合、法律(健康保険法第3条、厚生年金保険法第9条など)によって社会保険への加入が義務づけられています。役員・従業員の人数には関係なく、社長が一人しかいない会社であっても、報酬が発生すれば加入しなければなりません。これら社会保険の加入手続きは煩雑となりやすく、加入後の保険料の支払いも会社の負担となり得ます。しかし、社会保険の加入には上で述べたようなメリットがあるのも事実です。(3)会計や事務手続きが増える法人化をすると、個人事業主として営業していたときよりも、会計や税務関係の事務作業が格段に増え、その部分にかかるコストも増えることになります。たとえば、会計処理も複雑になり、決算書や法人税申告書の作成を税理士に依頼することになれば、報酬を支払わなければなりません。個人事業主の法人化に関するまとめ個人事業から法人化とすることで、会計処理や事務処理に加えて社会保険料の負担が増えるなど、個人事業よりも費用面・業務面で負担は大きくなると思われます。しかし、規模が大きくなればなるほど、法人化することによるメリットは大きいのではないでしょうか。その1つが節税メリットです。法人化して社会的な信用力を高めることで、事業拡大につながるということも大きなメリットといえます。個人で事業をしているうちから、いつ、どのタイミングで法人化するかを考えながら事業を進めていくようにしましょう。
2020年05月24日脱サラして自営業として独立開業すると、今まで会社がやってくれていたことのほとんどを自分自身でやらなければなりません。わかってはいても、これが結構大変です。中でも戸惑う方が多いといわれているのが所得税の計算です。そこで本記事では、個人事業主の方に課税される所得税の仕組みについて初心者向けに解説したいと思います。所得税ってどんな税金?会社員のときは税金の計算は全部会社が行い、給与から天引きして納税してくれるのであまり関心がないかもしれませんが、個人事業主になると全部自分でやることになるので、いかに税金負担が大きいのかがわかります。中でも、中心的な位置づけになるのが所得税です。所得税とは、人が1年間で稼いだ所得に対して課税される税金のことをいいます。ここでのポイントは、あくまで所得であり、年収そのものではないということです。例えば会社員が給与を得ているときは、会社で経費を領収書精算することはあっても、自分自身の所得から経費を控除することはできません。一方、個人事業主になると、事業のために直接的に支出している費用は経費として計上し、収入から控除することができます。収入と所得の違いそもそも収入とは個人事業主が稼ぎ出した収入のことで、例えばお店を経営している場合であれば、総売上が収入にあたります。所得税はこの収入に直接課税されるわけではなく、収入を稼ぐためにかかった必要経費を差し引いた残りである所得に対して課税されるのです。例えば、飲食店であれば仕入原価が必要経費に該当します。会社員と個人事業主における所得税の納税方法の違い会社員の場合は、毎月の給与から約10%を会社が源泉徴収したうえで本人に支払っているので、本人が直接税務署に申告して所得税を納税する必要は原則としてありません。一方、個人事業主の場合は、毎月ではなく1月1日から12月31日までの所得を自分自身で計算したうえで、翌年の2月中旬から3月中旬にかけて確定申告して所得税を納税することになります。会社員の場合は給与から天引きで所得税を納税しているので、確定申告の時期になって納税資金に困ることはありませんが、個人事業主の場合は1年分の所得税をまとめて納税することになるので、納税資金の確保には気を遣わなければなりません。個人事業主の所得税計算の流れ個人事業主の方が所得税を計算する際には、おおむね次のような流れで計算をします。ステップ1:総売上を確認する1月1日から12月31日までの売上金額の総額を計算します。ステップ2:総売上から必要経費を差し引く事業のために支出した必要経費の総額を計算して、総売上から差し引きます。ステップ3:所得控除を差し引く適用できる所得控除を差し引きます。主な所得控除は以下のとおりです。基礎控除雑損控除医療費控除社会保険料控除生命保険料控除地震保険料控除障害者控除寄付金控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除青色申告特別控除所得控除を差し引いた課税所得に対して、所得税率をかけることで算出した金額が所得税額です。ステップ4:税額控除算出した所得税額から税額控除を差し引きます。例えば住宅ローン控除を適用できる場合は、ここから住宅ローンの年末残高の1%に相当する税額を控除することができます。このように、収入から必要経費と控除を差し引いたうえで税額を算出し、そのうえで税額控除を差し引くことで、実際に納税すべき所得税を算出することが可能です。所得税の還付はあるのか会社員の方の場合、会社で年末調整が行われると、次回の給与に還付された所得税が加算されて振り込まれることになります。これは、毎月約10%ずつ天引きしている源泉徴収額について、年末調整で各種控除などを適用して再計算した結果、過払いになっていた所得税の還付がされるからです。個人事業主の場合は当初から1年間分まとめて確定申告をするので、会社員のように所得税が還付されるということは基本的にありません。ただし、申告した後に必要経費や控除に漏れがあったことが発覚した場合は、更正の請求をすることで過払いになっていた所得税の還付を受けることは可能です。個人事業主の節税ポイント個人事業主として成功するためには事業としての成功はもちろんですが、税金との付き合い方、つまり節税対策についても意識して講じていくことがとても大切です。ここでは、個人事業主が節税する際に必ず実施すべきことについて詳しく解説します。経費として認められる金額を漏れなく算出ふるさと納税を活用する青色申告を利用する[adsense_middle]経費として認められる金額を漏れなく算出節税対策の基本は必要経費の計上です。飲食店など比較的必要経費の範囲が明確な業態はよいのですが、賃貸経営などの場合は、本来必要経費として認められるはずの経費を見落としたまま申告しているケースが多々あります。例えば、物件まで行った際に支出した交通費、ガソリン代、駐車代、高速道路代、携帯電話の通話料金などについても必要経費として認められます。必要経費の割合と目安このように経費漏れを防ぐことは節税をするうえでとても大切なことですが、反面、経費として認められない範囲まで経費として計上してしまうと、かえって税務調査の対象になるリスクがあります。例えば、自宅兼事務所で個人事業をしている場合に、支払っている家賃全額を経費として計上してしまうと、税務調査で指摘を受ける可能性があるため注意が必要です。個人事業と私用と両方で使用しているものについては、事業として使用している割合に応じて経費化する必要があります。家賃であれば事業として使用している室内の床面積の割合に応じて、家賃を按分計算して必要経費に計上する必要があるのです。また、床面積の割合で按分計算することが難しい場合は、個人事業として使用している時間帯の割合に応じて按分計算する方法もあります。重要なことは、合理的に説明ができる方法で経費化することです。ほかにも問題になりやすいのが車両関係です。車を個人事業で使う人の中には、私用でもその車を使うというケースがよくあります。この場合、車両に対してかかる自動車税、自動車重量税、車検代、駐車場代などを全額必要経費として計上することはできません。事業として使用している頻度がわかるよう、車両記録簿などを作って記録をとり、その割合に従って按分計算するなどの対応が必要になります。領収書がない場合の対処法必要経費として計上するためには、支出したことの証拠となる領収書が必要不可欠です。ただ、必ずしも領収書がなければ必要経費にできないというわけではありません。例えば、電車やバスなどの公共交通機関を使って移動した場合は、領収書が発行されません。このような場合は、交通費明細を作成して乗車した区間、金額、目的などを記録して保管しておくことで、領収書がなくても必要経費として計上することが可能です。領収書を紛失したらもともと領収書が出ないものではなく、もらっていた領収書を紛失するということも個人事業をしていると起こりえます。この場合、経費にする方法が全くないというわけではありません。万が一領収書を紛失してしまった場合は、次の方法によって対処しましょう。領収書の再発行を依頼する支払証明書の発行を依頼するレシートを保管する購入したことがわかるメールなどの履歴を保管するクレジットカードの明細を保管する基本的にカード決済で購入しているものについては、クレジットカードに利用明細として記録されますので、領収書を紛失した場合でも必要経費として計上することが可能です。ただし、個人名義のクレジットカードを使う場合は、私用の買い物と事業用の買い物と混同しやすいため、明細上で仕分けして記録しておく必要があります。私も実際にクレジットカードの明細を使って領収書の代わりにしていますが、明細をエクセルデータでダウンロードしたうえで、私用と事業用で仕分けをして明確にしています。ふるさと納税を活用するふるさと納税とは、税金を納めるわけではなく好きな自治体に一定の寄付をすることで、次の2つの恩恵を受けられます。返礼品として、その地域の特産品などがもらえる寄付金控除が受けられる具体的には、寄付をした金額から2,000円を控除して、残り全額が寄付金控除の対象となります。確定申告の際には、自治体から送付される寄付の受領書が必要です。青色申告を利用する個人事業主の方が確定申告する際には、白色申告と青色申告の2種類があります。事前に青色申告承認申請書を提出して複式簿記による帳簿を備えることで、最高65万円の控除が受けられます。繰越控除と還付個人事業主が青色申告をするメリットは控除だけではありません。通常は個人事業が赤字だった場合、翌年に繰り越すことはできませんが、青色申告することで赤字を翌年に繰り越して翌年の所得から差し引くことができるのです。最高で3年間赤字を繰り越すことができるので、単年度で赤字になってしまった場合でも、3年以内に黒字化できれば赤字を使って節税ができます。「じゃあ、頑張って黒字を出した後に赤字になったら損するのでは?」と思うかもしれませんが、ご安心ください。前年が黒字で翌年に赤字に転落した場合は、翌年の赤字を前年に繰り戻して所得から控除することができるのです。これを純損失の繰戻還付といい、繰り戻しによって生じた差額分の所得税が還付されます。個人事業主の所得税に関するまとめ今回は個人事業主に課税される所得税の計算方法や、節税のポイントについて詳しく解説してきました。脱サラして個人事業主になると、確定申告の煩雑さに驚く人が多いのですが、必要経費の申告漏れなどが発生すると余分な税金をとられてしまうので注意が必要です。個人事業主はサラリーマンとは違い、今回ご紹介した節税方法を活用することで発生する所得税を抑えることができます。節税や確定申告が苦手という方は税理士に顧問を依頼するのもよいでしょう。シミュレーションをしたうえでアドバイスを受けられたり、確定申告を代行してくれたりするのでおすすめです。
2020年05月12日個人事業主として独立するとき、銀行の口座は個人名義のままでも問題ありませんが、事業用の口座と分けて使うべきなのでしょうか?本記事では、個人事業主として独立された方やこれからされる予定の方に向けて、事業用の口座開設をすべきかどうかや、そのメリット、おすすめの金融機関などをお伝えしていきます。個人事業主は屋号付き口座を開設すべき?個人事業主は個人でもあり事業主でもあるため、プライベートの口座のまま取引先や顧客から報酬や売上を受け取ることが可能です。一方、金融機関で口座を開設する際に、屋号付きの口座にしてビジネス専用の口座とすることもできます。屋号付き口座を開設してビジネス専用の口座を持つと、プライベートとビジネスのお金を分けて管理できたり、税金の計算に便利だったりといったメリットがあります。詳しいメリットの内容については次以降で解説していきます。個人事業主がビジネス用の口座を開設するメリット個人事業主の方がプライベートの口座とビジネス用の口座を分けると、以下のようなメリットを得ることができます。プライベートとビジネスのお金を分けて管理できる確定申告の際に便利屋号付き口座を持つことで会社名義口座を持つのと同じような効果を得られるそれぞれ見ていきましょう。プライベートとビジネスのお金を分けて管理できるまず、プライベートの口座とビジネス用の口座を分けることで、それぞれお金を分けて管理しやすくなります。これは意外と重要なことで、ビジネス用の口座を作っていないと、1つの通帳で生活費などと事業用の経費(事務所家賃や仕入れ費など)が入り混じってしまいます。一方、口座を分けていると、生活費などにいくらかかっているか、事業の経費にいくらかかっているかをはっきり区別できます。例えば1月の収支がマイナスになっている場合には収入を上げるか支出を下げるかする必要がありますが、これは口座を分けている方が断然やりやすくなるでしょう。ちなみに、1カ月のお金の動きが多い場合には、ビジネス用の口座を収入専用の口座と支出専用の口座に分けることで、さらに管理しやすくなります。確定申告の際に便利起業して個人事業主になると、複式簿記による方法で記帳することで最大65万円の特別控除を受けられる「青色申告」を利用できます。青色申告をするには事業の財務状況を表す貸借対照表を作成する必要がありますが、その際、口座の1年間の取引を帳簿付けしなくてはなりません。1つの口座で事業用でない入金や出金があると、それらについてもすべて「事業主借」や「事業主貸」などとする必要があり、記帳の手間が増えることになります。一方、ビジネス用の口座を開設していると、生活費などをまとめてプライベートの口座に移す際のみ「事業主貸」とすればよいだけなので、記帳が楽になります。また、確定申告を税理士に代理してもらっている場合は、帳簿をつけるために通帳の中身を見せることになります。ビジネス用の口座を作っていないと、通帳を見せるときにプライベートな内容まで見せることになり、嫌だという方もいるでしょう。事前にビジネス用の口座を作成していれば、こうした心配をする必要もなくなります。屋号付き口座を持つことで会社名義口座を持つのと同じような効果を得られるもう1つのメリットとして、屋号付き口座を持つことによって、会社名義口座を持つのと同じような効果を得られるということが挙げられます。例えば、ネットショップを経営しているようなケースでは、振込先として銀行口座を提示することがありますが、こうしたとき、個人名の口座より屋号付きの口座の方が安心感を持たれやすくなるでしょう。また、複数の事業を行っている場合には、事業別に屋号をつけることで口座を分けられるというメリットもあります。屋号付き口座の開設について金融機関を比較!おすすめは?ところで、屋号付き口座を開くのであれば、どのような視点で金融機関を選ぶとよいのでしょうか?ここでは銀行系と信用金庫系、ネットバンク系に分けてそれぞれ比較していきたいと思います。なお、屋号付き口座はすべての金融機関が対応しているわけではありません。検討している金融機関があるのであれば、まずは確認してみるとよいでしょう。必要書類としては「本人確認書類」と「印鑑」、「開業届の控え」、「事務所の住所等の分かる賃貸契約書」などがありますが、こちらも金融機関によって変わることがあるので、事前に確認しましょう。[adsense_middle]銀行系都市銀行や地方銀行などが該当します。都市銀行の場合、三菱UFJ銀行やみずほ銀行、三井住友銀行など、いずれにおいても基本的には屋号付き口座の開設が可能ですが、銀行の方針によっては口座開設時にヒアリングが行われ、必要に応じて書類を提出しなければならないことがあります。また、地方銀行においても基本的には屋号付き口座の開設が可能ですが、一部の地方銀行では取扱いがないこともあるため注意が必要です。都市銀行の場合、取引先や顧客に安心してもらいやすい他、都道府県をまたいで全国に取引があるようなケースでは、同じ都市銀行間であれば振込手数料が安くなるメリットを得ることができます。一方、将来的に銀行から融資を受けることなど考えているのであれば、地方銀行の方がおすすめです。信用や実績の少ない個人事業主の方が都市銀行から融資を受けるのはハードルが高いですが、地方銀行は中小企業や個人事業主をメインターゲットとしているため、話を聞いてくれやすいからです。都市銀行別屋号付き口座の取扱いの違い都市銀行においては、屋号付き口座の取扱いにおいて以下のような違いがあります。三菱UFJ銀行…口座開設時に屋号の郵便物や公共料金領収書などの提出が必要みずほ銀行…既に個人口座を開設している場合には屋号付き口座の開設が難しい三井住友銀行…「営業性個人」としての口座開設りそな銀行…りそなビジネスダイレクト口座として月額2,100円の経費が発生信用金庫系信用金庫も基本的には地方銀行と同じだと考えてよいでしょう。地方を中心に事業を行う場合や、将来的に融資を受けることも考えているのであれば、信用金庫の方が適していることが多いといえます。なお、地方銀行がよいか信用金庫がよいかについては、大きな違いはないと考えて問題ありません。支店数や、融資への姿勢など個別に判断する必要があるでしょう。ネットバンク系ネットバンクは、屋号付き口座であってもWeb上だけで口座開設を完結できる手軽さが特徴です。お金を振り込む際に手数料を安く抑えられるのもポイントの1つだといえます。ただし、住信SBIネット銀行など一部のネットバンクでは屋号付き口座の開設はできないため事前に確認しておきましょう。ネットバンク別屋号付き口座の取扱いの違いネットバンクにおいては、屋号付き口座の取扱いについて以下のような違いがあります。楽天銀行…個人口座開設後、個人ビジネス口座を開設するジャパンネット銀行…事業に関するウェブサイトで事業内容を確認してもらえる住信SBIネット銀行…営業性個人の口座開設不可個人事業主の口座開設に関するまとめ個人事業主の方が屋号付き口座を開くメリットやおすすめの金融機関などをお伝えしました。個人事業主になっても個人の口座のままで通すことはできますが、お金の管理の問題や確定申告のしやすさから、ビジネス用の口座を開設して分けるのがおすすめです。その際、どの金融機関にすればよいかについては、本記事の内容を参考に「取引先や顧客が全国にあるかどうか」や「将来融資を受けたいと思っているか」といった視点で選ぶとよいでしょう。
2020年05月05日個人事業主は会社員に比べると、何かと融資が受けにくいイメージがあります。中でも心配する方が多いのが住宅ローンです。そこで本記事では、個人事業主が住宅ローンを利用する際に覚えておくべきポイントについて詳しく解説します。個人事業主が住宅ローンを組む際の条件とは個人事業主が会社員に比べて融資が受けにくいといわれている理由にはいくつかありますが、中でも一番大きいといわれているのが収入の安定性です。会社員の場合は会社の規模にもよりますが、年収が概ね一定で安定していますので、金融機関としても安心して融資をすることができます。対して個人事業主の場合は、収入がその時の売り上げに左右されるので、安定性に欠けるというイメージがあるのです。では、金融機関はどのようにして個人事業主の収入を審査するのでしょうか。金融機関に確定申告書の提出が必要個人事業主が住宅ローンを組む場合、絶対的に必要になるのが確定申告書です。これは会社員の方に源泉徴収票が必要になるのと同じで、個人事業主の場合は収入を証明する書類として確定申告書を審査書類としています。個人事業主の中には、かなりの売り上げを上げているものの、確定申告を怠っていてしていないという方が時々いますが、この場合はいくら収入があったとしても住宅ローンを組むことができません。個人事業主が住宅ローンの審査をクリアするためには、収入を証明するだけではなく、きちんと納税しているのかどうかも銀行は見ているのです。なぜなら、無申告のまま営業を続けていて、万が一途中で税務調査が入って多額の追徴課税がされた場合、住宅ローンの返済がストップするリスクがあるからです。納税はあらゆる支払いにおいて優先されるため、税金の滞納は銀行にとって非常に大きなリスクになります。3年以上営業しているメリット個人事業主が住宅ローンを利用する際に必須となる確定申告書ですが、1期分だけあればよいというわけではありません。個人事業主の収入を審査する際のポイントは安定性です。安定性を審査するためには、1期分の確定申告書を見ただけでは判断できないため、通常は直近3期分の確定申告書の提出が条件となります。ということは、つまり営業を始めて3期以上経っていない個人事業主の方については、原則として住宅ローンを利用することができないのです。当該基準は会社員の場合も同様で、一般的に勤続年数3年以上といわれているのは3年分の源泉徴収票が必要になるからです。「3年以上働いていれば住宅ローンが使える」とよくいわれがちですが、実際は「3年以上働いていれば住宅ローンの審査対象になる」といった方が正しいのです。個人事業主で住宅ローンを使うためには、個人事業を始めて3年は経過していないと審査対象に入りません。住宅ローンの審査基準を会社員の場合と比較住宅ローンは他のローンに比べて生活に対する必要性が高いので、条件を満たしていれば比較的審査は通りやすい傾向にありますが、個人事業主の場合は会社員に比べて次の点について不利な一面があります。金融機関から借入できる金額住宅ローンで借入できる金額は、ある程度の個人差はありますが会社員の場合は概ね年収の7倍といわれています。例えば年収500万円であれば3,500万円が1つの目安です。ただ、個人事業主の場合は年収が毎年安定しているとは限らないので、直近の年収が500万円であってもその前が400万円であれば、400万円を基準にして借入上限を設定される可能性があります。銀行から借入できる期間個人事業主として長く営業を継続していくことは簡単ではありません。住宅ローンは最長で35年で組むことができますが、35年間同じ事業を続けていくことはとても大変です。そのため、個人事業主の場合は仮に住宅ローンの審査が通ったとしても借入期間が短く制限される可能性があります。中には借入期間を25年程度に制限されるケースもあるようです。借入期間が短くなると、当然毎月の返済額が大きくなるので、慎重にキャッシュフローを考えないと返済不能になってしまう可能性があります。借入できる金利住宅ローンの借入金利は、他のローンに比べて非常に低い水準に設定されており、最近では0.975%をさらに下回り非常に低金利で借りることができます。会社員の場合は、ここからさらに特別金利で低くしてくれるようなこともありますが、個人事業主の場合は特別金利どころか通常金利よりも高い金利に設定されるケースもあるようです。金利が高くなると総返済額が大きくなるので、非常に不利だといわざるをえません。このように個人事業主の方は住宅ローンの審査が通ったとしても、会社員の方に比べると借入金額、借入期間、借入金利などの条件面において非常に不利になりやすいという特徴があります。金融機関ごとの特徴を比較個人事業主が住宅ローンを利用するにあたっては、あらゆる面でハードルが高くなることはお分かりいただけたかと思います。ただ、すべての金融機関が同じ目線で貸付条件を決めているわけではありません。そこでここでは、金融機関ごとの特徴について触れていきたいと思います。[adsense_middle]大手都市銀行系大手都市銀行系はもともと規模の大きい貸付を得意としているので、個人事業主に対する貸付についてはあまり積極的ではない印象です。もちろん、可能性がないというわけではありませんが、審査基準や貸付条件がシビアに判断される可能性があります。例えば、個人事業主が事業として利用している銀行と同じ銀行であれば、銀行も相談がしやすいので借りやすいという可能性はありますが、反対に何の取引実績もない大手都市銀行となると住宅ローンが組めないという可能性はあるでしょう。信用金庫、信用組合個人事業主の方におすすめしたいのが、個人事業など中小企業の融資に積極的な信用金庫や信用組合です。これらの金融機関は大手都市銀行系に比べると規模は小さいですが、小口の貸付にも力を入れているので、個人事業主にも積極的に貸付をしてくれます。そもそも信用金庫、信用組合は地域振興が目的でもあるので、貸付条件なども大手都市銀行系に比べると多少緩めです。ネット銀行系最近利用者が触れているのが、実態店舗を持たないネット銀行系です。手続きも比較的簡単で、個人事業主のような小規模事業者に対する貸付も行っているので住宅ローンも通りやすい傾向があります。個人事業主におすすめのフラット35個人事業主の方が住宅ローンを組むにあたって、最もおすすめしたいのがフラット35です。フラット35とは住宅ローンの商品の中の1つで、住宅金融支援機構と民間の金融機関が連携して提供している長期固定金利の住宅ローンです。フラット35は他の住宅ローンに比べると審査が比較的甘い傾向があるので、個人事業主でまだ実績が少ない方や、年収がそこまで安定していない場合でも審査が通ることがあります。フラット35の審査傾向フラット35の審査が他の住宅ローンと違うところ、それは確定申告書の審査です。先ほどもお伝えした通り、個人事業主の住宅ローンの審査には3期分の確定申告書が必要になります。そのこと自体はフラット35でも同じですが、傾向からすると実際に審査で重要視されているのは直近1期分の確定申告書だけで、それ以上前のものについては多少変動があったとしても緩く判断しているのです。例えば、直近が黒字でも前期が赤字というケースは事業をしていると決して珍しくはありません。通常の住宅ローン審査だとそういった場合にNGになる可能性があるところ、フラット35については比較的審査が通る傾向にあります。銀行によってフラット35も違うフラット35は民間の金融機関が窓口となっており、どの金融機関を利用するのかによって、フラット35でも手数料などが異なる可能性があります。個人事業主におすすめなのはネット銀行系です。ネット銀行が取り扱うフラット35は、審査が早いのと金利が低いというメリットがあります。例えば、楽天銀行や住信SBIネット銀行などの場合、35年固定で1.09%と、まるで変動金利かのような低い金利設定になっているのです。もともとフラット35は全期間金利が変動しない代わりに、変動金利よりも金利が高いというリスクを負うものですが、固定金利で1.09%となると昔の変動金利並みに低い金利なので、借りる方にはかなりのメリットがあるといえるでしょう。フラット35の注意点個人事業主の方が住宅ローンを利用するならフラット35がおすすめですが、1点注意すべきことがあります。それはローン審査です。先ほどフラット35の審査は緩めだという話をしましたが、一方で購入する物件に対する審査はシビアになります。住宅ローン審査は、本人の所得に関する審査と購入する物件の担保価値に関する審査の2本立てで行われるため、本人の所得に関する審査が通過したとしても、物件の担保価値が基準を満たさずに落ちる可能性はあるのです。例えば、地方の郊外にある物件や築年数が古い物件については担保価値が出にくいので、本人が気に入ったとしても審査で落ちる可能性があります。不動産投資は厳禁個人事業主の方の中には、住宅ローンを使って不動産投資をしようとする方が時々いるのですが、これは絶対にやめてください。住宅ローンは他のローンに比べて審査が通りやすく、しかも低金利なので、自己住居を装って投資用で使おうとする方が時々いるのですが、これは契約違反です。不動産投資の場合は、投資用のアパートローンなどを利用しましょう。個人事業主の住宅ローンに関するまとめ今回は個人事業主の方の住宅ローンについて解説してきました。会社員に比べると確かに厳しい部分はありますが、金融機関の特徴やフラット35をきちんと活用すれば十分審査に通る可能性があります。大切なことは、このような審査傾向があることを知った上で物件を探すことです。フラット35は物件の担保価値に大きく左右されるので、事前にそのあたりを意識して物件を選定しましょう。
2020年05月02日選んだ自治体を応援しつつ、お得な特産品がもらえ、かつ大きな減税が受けられるとのことで「ふるさと納税」が人気を集めています。ただし、ふるさと納税で税金の控除を受けるには上限額があり、個人事業主の方はその計算方法に十分注意する必要があります。本記事では、ふるさと納税の流れや控除上限額の計算方法などをお伝えしていきます。ふるさと納税とはふるさと納税とは、全国の都道府県や市区町村に寄付することで、該当の都道府県や市区町村から返礼品を受け取ることができ、かつ寄付額に応じて所得税や住民税から還付を受けられる仕組みのことを指します。過疎化の進む地方を応援するための取り組みとして2008年より始められたもので、地域の特産品を返礼品として得つつ、寄付額の大部分を所得税、住民税から還付してもらえるため年々人気が高まっています。寄付金控除はサラリーマンの方はもちろん、自営業の方でも問題なく利用できます。なお、「ふるさと」と名前がつきますが、特に自分の生まれ育った地域でなくとも寄付することができますし、複数選ぶこともできます。また、寄付したお金は教育や文化、産業、保険や医療、福祉など自治体ごとに設けられた項目を選ぶことができ、寄付したお金の使い道を指定できるようになっています。ふるさと納税の金額や上限に関する計算方法ふるさと納税では寄付額に応じて所得税や住民税から控除を受けられるようになっています。ここでは、その計算方法について見ていきたいと思います。事業所得等の収入額の計算方法ふるさと納税額の控除額を調べるにあたり、まずは事業所得や不動産所得、雑所得等、ご自分の事業で得た所得の額を算出するようにしましょう。サラリーマンの方であれば、勤め先の会社が給与から源泉徴収してくれ、年末には源泉徴収票を発行してくれるのが一般的ですが、個人事業主の方は自分で所得を計算しなければなりません。なお、事業所得、不動産所得、雑所得の計算方法は以下の通りです。事業所得=総収入金額-必要経費不動産所得=総収入金額-必要経費雑所得=総収入金額-必要経費いずれも、1年間で得た収入から1年間で支払った経費を差し引けばよいだけなので、考え方としてはシンプルです。なお、複数の項目で所得がある方はそれらの合計額を求める必要があります。所得税の控除額の計算式1年間の所得額を求めたら、ふるさと納税による所得税の控除額を求めてみましょう。ふるさと納税による所得税の控除額は以下の通りです。ふるさと納税による所得税の控除額=(寄付金額-2,000円)×所得税の税率ここで、所得税の税率は所得額が高くなるほど税率の高くなる累進課税制度となっており、先ほど求めた所得額の合計により、以下のように税率が変わります。例えば、所得額300万円の方が2万円ふるさと納税した場合の控除額をシミュレーションしてみると以下のようになります。20,000円-2,000円×10%=1,800円住民税の控除額の計算式次に住民税の控除額の計算式を見てみましょう。住民税の控除額の計算式は以下の通りです。ふるさと納税による住民税の控除額=基礎控除額+特例控除額(AorB)基礎控除額=(寄付金額-2,000円)×10%特例控除額(A)=(寄付金額-2,000円)×(100%-10%-所得税の税率)特例控除額(B)=住民税所得割額×20%※Aの計算結果がBを超えるときにBとなる例えば、先ほどと同様2万円寄付した場合で見ると、以下のように計算できます(ここでは特例控除額(A)で計算します)。基礎控除額:(20,000円-2,000円)×10%=1,800円特例控除額(A):(20,000円-2,000円)×(100%-10%-10%)=14,400円合計:1,800円+14,400円=16,200円ふるさと納税には控除上限額がある上記、所得税と住民税の控除額を計算してみると、所得税の控除額1,800円と住民税の控除額16,200円ですから、合計18,000円と、実質負担額2,000円で返礼品がもらえる計算となっています。しかし、ふるさと納税には控除上限額があり、上限を超えてふるさと納税してしまうと超えた分について還付を受けることができず、自己負担額が大きくなってしまいます。このため、あらかじめ控除上限額を調べておき、ふるさと納税額が上限額以下になるよう計算しておくことが大切です。なお、個人事業主の方のふるさと納税額上限額の目安は、「住民税所得割額の2割程度」となっています。住民税所得割額は住民税の納付書(住民税決定通知書)で確認できます。やや複雑ですが、以下の計算式を使うと正しい寄付可能上限額を求められます。{(住民税所得割額×20%)÷{90%-(所得税率×1.021)÷100}}+2,000円ふるさと納税の流れふるさと納税をするときは以下のような流れで手続きを進めましょう。ふるさと納税したい自治体を選ぶ寄付金を納付する確定申告するそれぞれについて詳しく解説します。[adsense_middle]ふるさと納税したい自治体を選ぶまずはふるさと納税したい自治体を選びます。自治体ごとに設けられた、返礼品や寄付金の使い方などが書かれたサイトを見て選ぶとよいでしょう。ふるさと納税する自治体が決まったら、サイト内にあるふるさと納税の申込みフォームから申込みを行います。寄付金を納付するふるさと納税の申込みが終わったら自治体に指定された方法で寄付金を納付しましょう。自治体が寄付金の納付を確認すると、返礼品と共に「寄付金受領証明書」が送られてきます。寄付金受領証明書は確定申告の際に必要となるので、万が一送られてきていない場合には自治体に問い合わせするとよいでしょう。確定申告するふるさと納税を行った年の翌年2月16日~3月15日の間に行う所得税の確定申告で、ふるさと納税について申告します。本記事中で解説している通り、個人事業主の方はその事業で得られた所得を事業所得や不動産所得、雑所得などとして計算します。それと同時に、ふるさと納税で寄付した額を記載することで、所得額から控除されるという仕組みです。サラリーマンの方や、個人事業主の方でも下請けの場合で取引先が源泉徴収している場合には、控除した結果、所得税を納め過ぎていた場合には差額が還付されることになります。一方、源泉徴収されていない場合には、ふるさと納税で控除を受けた分だけ、納付する所得税の額を少なくすることができます。なお、個人事業主の場合、税務署に対して事前に届出を出し、複式簿記による方法で帳簿をつけるなど一定の条件を満たすことで青色申告することができますが、ふるさと納税による控除は、基本的に青色申告の場合でも白色申告の場合でも同様の手続きで行います。住民税の控除ふるさと納税では、所得税だけでなく住民税からも控除を受けることができます。住民税の納付額や控除額については、所得税の確定申告をすることで、その申告額を基に自動で住民税の納付額が計算される仕組みになっています。通常、1月~12月の1年間の所得を翌年2月16日~3月15日の間に確定申告し、その年の6月頃より自治体から送付される納付書で住民税を納付します。個人事業主のふるさと納税に関するまとめ個人事業主のふるさと納税について、控除額の計算方法や流れについて解説しました。ふるさと納税は節税効果が高く、実質負担額2,000円で自治体の特産品が返礼品としてもらえるなど非常にお得な制度です。一方、ふるさと納税には控除上限額があるため、あらかじめ控除上限額を調べたうえで実施することが大切だといえます。
2020年05月01日個人事業主である程度利益が出るようになってくると気になるのが節税です。個人の所得税は法人の法人税とは違い、所得が上がれば上がるほど税率が高くなる制度になっているため、ある意味法人以上に節税対策には気を使わなければなりません。そこで本記事では、個人事業主の方におすすめの節税対策について詳しく解説します。個人事業主の節税対策がポイントになるわけ個人事業主は法人と課税の仕組みが若干異なります。まずはその理由を知ることで、個人事業主における節税対策の重要性が見えてくるのです。ここでは、個人事業主に課税される所得税と法人に課税される法人税の違いについて詳しく解説します。個人事業主の税金:所得税個人事業主の方が仕事をして得た所得に対しては、所得税という税金が課税されます。所得とは個人事業における売上ではなく、売上から経費や控除を差し引いた部分のことです。法人の利益に対して課税される法人税も、基本的には理屈としては同じですが、決定的に違うのが税率の仕組みです。所得税は所得が上昇するにつれて税率も上昇する累進課税制度になっているため、最高で45%も税金で持っていかれてしまうことになります。対して、法人の場合は基本的に30%の固定で、あとはケースに応じて軽減されるという取り扱いのため、利益が大きくなればなるほど個人事業主には重い税負担がのしかかることになるのです。個人事業主の法人成りここまで話を聞くと、それならいっそ法人化したほうが節税になるのではと思うかもしれませんが、実はそんなに単純な話ではありません。所得税率だけ比較すると、税率33%である900万円以上になれば法人化した方がメリットがあるように思うかもしれませんが、実際に法人化すると経理処理は今よりもかなり複雑になります。経理初心者では税理士に依頼することになる可能性が高いので、税理士への顧問料や決算申告費用、さらには毎月の社会保険料なども負担しなければなりません。このように法人は設立するとそれなりに維持費がかかりますので、税率だけ見て単純に比較することはできないのです。個人事業主が節税する2つのコツ個人事業主が節税するためには、2つのコツをポイントとして押さえることがとても大切です。具体的にいうと、経費の計上と控除制度の活用です。詳しく見ていきましょう。[adsense_middle]経費をもれなく計上するメリット所得税を節税するためには、所得税の課税対象となる所得を抑えることを第一に考えることが大切です。かといって、売上を減らしてしまっては本末転倒なので、売上ではなくそこから差し引くことができる経費に着目します。個人事業主でも事業のために支出した費用については、経費として計上して売上から控除することが可能です。ただ、個人事業主の方の中には本来経費になるのに、経費として計上できていないケースがあります。ここでは、具体的なケースで解説して見たいと思います。賃貸経営のよくある経費漏れ個人事業主の中でもアパートやマンションなどの賃貸経営をしている方は、経費漏れが多い傾向がありますので注意が必要です。例えば、エアコン、給湯器、システムキッチンなどの設備の修繕や交換費用については比較的漏れがないのですが、次の経費については忘れてしまう傾向があるので注意が必要です。交通費(物件や不動産会社までの)通信費(賃借人や不動産会社との通話)税金(固定資産税など)損害保険料管理料これらの経費については、意外と漏れている人がいます。特に交通費については、電車代だけでなく、車を使った場合であればガソリン代や高速代、駐車代なども対象になるため、1年を通して細かく計上すればそれなりの金額になるはずです。ネット通販系で控除できる経費インターネットを利用して在宅で個人事業をする人が増えていますが、こういった方についても経費漏れが生じやすい傾向があります。通信費パソコン代タブレット代通信費については、インターネット回線利用料金以外にもプロバイダ料金やパケット通信費、サーバーレンタル料なども該当します。ただし、プライベートでも使用している場合は注意が必要です。個人事業主は公私混同になりやすく、税務署もその点について細かく確認してきますので、私用でもインターネットやパソコンを利用する場合は、経費として計上する価格割合を実際に使用している割合などに応じて制限する必要があります。詳しくは税理士に相談することをおすすめします。青色申告特別控除を利用する個人事業主の方が使える控除制度として代表的なのが、青色申告特別控除です。青色申告特別控除とは、複式簿記による帳簿等を備え付けることで最大で65万円の所得控除を受けられる制度で、個人事業主の方にとっては非常に減税効果が高く多くの方が利用しています。ただ、青色申告は税制改正により、2020年度の申告分から次のように取り扱いが変更になるため注意が必要です。具体的な変更点についてまとめてみました。基礎控除額が変更になる所得税から無条件に差し引くことができる控除を基礎控除といいます。従来までの基礎控除は38万円でしたが、今回の改正によりそこから10万円上乗せされて48万円になりました。よって、スタンダードの状態で48万円も控除になるのです。例えば所得税の税率23%の人であれば、今回の改正によって所得税が23,000円も軽減されることになります。非常に大きいですね。ただし、所得の総額が2,400万円を超える場合については、段階的に控除が減らされる仕組みになっていて、2,500万円を超えたところで控除は受けられません。青色申告特別控除が若干変更になります確定申告は白色申告と青色申告という2つの選択肢があります。青色申告とは、複式簿記による帳簿付けを条件として前もって所管の税務署に青色申告承認申請書を出すことで、先ほどの基礎控除に上乗せして青色申告特別控除が受けられるという制度です。今回の税制改正によって、従前まで65万円だった控除額がなんと55万円に減額されました。そうなんです。縮小してしまったのです。せっかく基礎控除が10万円上がったのに、こっちで10万円下げるなんてインチキだ、と思うかもしれませんが、実はちょっと違います。一定の条件を満たすことができれば、従前と同じ65万円の控除を受けられるケースがあるのです。65万円控除の条件基本的な特別控除額は55万円に減額となりましたが、次の2つのうちどちらかの条件を満たせば、従前通りの65万円の控除を受けられます。つまり、基礎控除の増額分の恩恵を受けられるということになります。電子申告e-Taxを使う確定申告の方法は税務署に持参するやり方のほか郵送することも可能ですが、最近ではインターネットで申告する電子申告が普及しつつあります。国も国民の納税情報のデータ化を進めている関係で、徐々に電子申告に移行させていきたいという意図があるのです。そこで電子申告によって確定申告をすることで、従来通りの65万円控除が受けられるようにしたのです。ただし、国税庁のホームページ上で申告書を作成することを電子申告と勘違いしている人がいますが、あれは作成しているだけなのでそれを印刷して持参や郵送しても電子申告にはなりません。電子申告はデータを印刷せず、そのまま送信することで確定申告を完結させるやり方です。そのため、個人を厳格に特定するために次のいずれかのやり方をする必要があります。マイナンバーカード方式マイナンバーカードに記録されている電子証明書を使って電子申告をします。マイナンバーの交付を受けている人であれば、アマゾンなどでICカードリーダライタを購入することで、自宅から簡単に電子申告することが可能です。ICカードリーダライタは数千円程度で購入できるので、今後のことを考えて購入しておくとよいでしょう。ID・パスワード方式マイナンバーカードがない人は、事前に税務署に届出することで発行されるIDとパスワードを使って電子申告ができます。ただ、基本的にはマイナンバーカード方式に統一する可能性が高いので、あくまで応急的な対応と考えた方がよいでしょう。電子帳簿を保存する税務書類のデータ化を進めるために、一定の帳簿類について紙ではなくパソコンデータで保存するという対応をとれば、従前と同じ65万円の青色申告が受けられます。ただし、電子帳簿保存をする場合は、専用の承認申請書を帳簿を保存する3ヶ月前までに税務署に提出する必要があるため注意しましょう。全部で何パターン?税制改正されたことで、個人事業主が青色申告する場合、次の4パターンの控除が受けられることになります。青色申告(簡易簿記の場合):10万円控除青色申告(現金主義の場合):10万円控除青色申告(複式簿記のみ):55万円控除青色申告(複式簿記かついずれかの条件を満たす場合):65万円控除なお、賃貸経営者でも青色申告は使えますが、事業的規模に満たない場合については10万円控除が限界です。5棟か10室のいずれか以上の規模になれば、最大で65万円の控除を受けることが可能です。青色申告のその他のメリット青色申告は特別控除のほかに純損失の繰り越し控除という特典も受けられます。純損失の繰り越し控除とは、事業の赤字を翌年以降3年にわたって繰り越せるという制度で、大きな赤字が出た場合に翌年以降の所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。現在白色申告を利用している個人事業主の方は、すぐにでも青色申告にすることをおすすめします。その他のおすすめの節税方法個人事業主の節税方法としては経費の計上と青色申告の2本柱が王道ですが、それ以外にもあえて挙げると、次のような控除制度もフル活用することでさらに節税することができます。[adsense_middle]医療費控除個人の1年間でかかった医療費は、下記の計算式によって算出した金額について上限200万円の範囲で医療費控除が受けられます。(実際に支払った医療費の合計額ー保険金などで補てんされる金額)ー10万円例えば歯科治療などを継続的に受けているような場合は、医療費控除でもそれなりの金額になるので必ず活用しましょう。住宅ローン控除マイホームを購入することで年末のローン残高の1%が税額控除されます。例えば、2,000万円であれば1%の20万円が所得税から直接控除されるという、非常に大きなメリットがあるのです。通常、控除制度というと所得から控除する制度が多いので、控除額が少なければそこまでの節税効果は期待できません。一方で税額控除については、税金そのものから直接差し引かれるため、所得控除に比べて節税効果が非常に大きくなります。税額控除はなかなか数少ない有効な節税手段なので、可能な限り活用すべきです。現在賃貸物件に居住しているという場合は、マイホームを購入して住宅ローン控除を利用することで節税の恩恵が受けられるでしょう。ただし、住宅ローン控除が適用できる物件には面積などの条件がありますので、予め確認しておくことをおすすめします。※新築又は取得したマイホームの面積が50㎡以上である必要があります。また、住宅の半分以上を自己住居として使うことなどが条件になっているので事前に確認しましょう。個人事業巣に節税対策に関するまとめ今回は個人事業主が節税対策を考える際のポイントについて解説してきました。最大限の節税効果を出すためには、経費を漏れなく計上して、かつ、青色申告することが基本になりますが、個人として利用できる控除制度も忘れずに適用させることが大切です。また、ある程度の利益が出るようになってきたら、将来的には法人化して節税していく方がおすすめです。個人事業主の場合は個人にすべての所得が集中してしまいますが、法人化することで家族に給与を払って所得を分散すれば、世帯全体で課税される所得税額を節税できます。さらに、個人事業主の場合は事業のために支出したものしか経費として認められませんが、法人化すれば、非常に幅広い範囲で経費に認められますので法人税も節税することが可能です。どのような節税対策がよいのかどの時点で法人化するのか、判断については簡単ではありませんので、まずは一度税理士に相談してみることをおすすめします。
2020年04月25日編集部:学研キッズネット編集部大日本印刷株式会社(DNP)が、株式会社丸善ジュンク堂書店、株式会社文教堂及び株式会社トゥ・ディファクトと共同で運営するハイブリッド型総合書店は、2020年4月21日(火)から5月31日(日)までの期間、「読書一生分」相当のhontoポイント「934,586ポイント」などが抽選で当たる、『読書一生分プレゼントキャンペーン』を実施することを発表しました。「読書一生分」とは今回の企画は、本好きのためのサービスでありたいという思いのもと実施している「読書一生分プレゼントキャンペーン」の第4弾。「読書一生分」とは、「一世帯当たりの書籍・雑誌等の年間支出額」に日本人の「平均寿命」を掛けて算出。「一世帯当たりの書籍・雑誌等の年間支出額」は第1弾(2016年)の13,344円/年から年々減少しており、2020年の今回は10,703円/年となりました。「平均寿命」は長い方の女性のものを採用しており、こちらは2016年の87.05年から年々微増、今回は87.32円/年。年間支出額10,703円×平均寿命87.32年で、2020年の読書一生分は「934,586」円に。今回も健康を維持して長生きし、たくさんの本を読んでいただきたいという思いから、2020年の読書一生分キャンペーンを実施。キャンペーン特設ページには、本キャンペーンで毎回起用している人気のイラストレーター五月女ケイ子さんによるビジュアルを起用した。また、いろいろな「宝もの」画像がランダムで表示される「宝ものさがし」をキャンペーンページ内に設置。キャンペーンへ応募後、表示された「宝もの」画像をtwitterに投稿すると、当選確率が10倍になる。。「読書一生分プレゼントキャンペーン」概要○キャンペーン期間2020年4月21日(火)~ 2020年5月31日(日)23:59○キャンペーン特典・1等:読書一生分のhontoポイント934,586ポイント…1名・2等:読書一年分のhontoポイント 10,703ポイント…10名・3等:honto電子書籍ストアで使える1,000円クーポン…10,000名※3等は1,001円以上の買い物時に利用可能。●キャンペーン対象者キャンペーン期間中に以下の条件を満たしたお客様・キャンペーンページより応募(honto会員であればどなたでも応募可能です)●プレゼント発送方法1等・2等:当選者へメールまたは電話にて受取方法をご連絡します。3等:当選者のMyページにクーポンを付与します。●当選連絡時期2020年6月中旬(予定)●キャンペーンURL:●キャンペーンの注意事項・本キャンペーンへの応募は、一人1回までとなります。・プレゼント発送時までにhontoを退会した場合は対象外です。・当選権利の譲渡・売買は禁止です。・本キャンペーンに当選されたお客様および本キャンペーンによりポイントを取得したお客様は、確定申告等の手続きが必要となる場合があります。詳細はお近くの税務署へお問い合わせください。確定申告等手続きの必要有無および内容、方法等については、hontoお客様センターへお問い合わせいただいても回答致しかねますので、予めご了承ください。・キャンペーン内容は予告なく変更・中止になる場合があります。■会員555万人突破記念・大感謝祭キャンペーンを実施中会員555万人突破とお客さまの日頃のご愛顧に感謝して、さまざまなキャンペーン企画を実施しています。〇電子書籍ストアスペシャルセール(期間:2020/4/15~6/9)参考URL:ハイブリッド型総合書店「honto」について「honto」は、ネット書店(本の通販ストア、電子書籍ストア)と、丸善、ジュンク堂書店、文教堂、啓林堂書店などのリアル書店を連携させた総合書店です。「読みたい本を、読みたいときに、読みたい形で」提供するサービスで、本を愛する人をサポート。2020年4月現在、honto会員は約550万人、hontoサイトと共通で利用できるhontoポイントサービスは約180店舗で展開。【ハイブリッド型総合書店「honto」公式サイト】【大日本印刷株式会社会社概要】・会社名:大日本印刷株式会社(Dai Nippon Printing Co., Ltd.)・社長: 北島 義斉・所在地:〒162-8001 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月21日個人年金保険に入っていれば、公的年金だけでは不足してしまう老後の生活費を補えます。その個人年金保険ですが、入っていると税金を抑えられる効果があるのをご存じでしょうか?本記事では、個人年金保険料控除の仕組みや条件について解説します。どういった個人年金保険に入ったらよいかを検討するときに参考にしていただければ幸いです。個人年金保険で税金が安くなる仕組み国税庁ホームページ新制度の控除額(所得税)2012年1月1日以降の契約(新契約)については、次の表を使います。国税庁ホームページ新旧双方に入っているケースではどうなる?新旧双方の個人年金保険があるときには、それぞれで控除額を計算して合計することができますが、上限は4万円とされています。この場合、新旧双方とも申告すればメリットがあるとは限りません。たとえば、以下のA、B2つの個人年金保険があると仮定して考えてみます。A(旧契約)→年間保険料:11万4,000円B(新契約)→年間保険料:5万2,000円(1) Aのみを申告Aは旧契約で年間保険料が10万円超ですから、控除額は5万円です。(2) Bのみを申告Bは新契約で年間保険料が5万2,000円ですから、控除額は3万3,000円です。(52,000×1/4)+20,000=33,000(3) AとBの両方を申告AとBの控除額を合計すると8万3,000円ですが、上限の4万円までしか控除が受けられません。(1)~(3)の結果からおわかりいただけるように、両方とも申告するより、Aのみを申告した方が控除額が大きくなります。具体的には、以下のように申告するのが得ということになります。旧保険料が6万円を超えるケース…旧のみ旧保険料が6万円以下のケース…新旧を合算控除を受けて税金を安くするには?税制適格特約付き個人年金保険に入っている場合には、個人年金保険料控除を適用して税金の申告をしましょう。忘れるとせっかくのメリットを享受できません。控除証明書はとっておく個人年金保険料控除は自動的に受けられるわけではなく、年末調整や確定申告の際に、控除証明書を添付して申告しなければなりません。控除証明書は、毎年10月頃保険会社から郵送されてくるので、捨てずにとっておきましょう。なお、うっかり証明書を捨ててしまった人や、紛失してしまった人は、保険会社に再発行を依頼できます。証明書には、発行時点までに払い込んだ保険料額と、12月末までに払い込むであろう予定金額の両方が印字されています。1月1日から12月31日までの間に払い込んだ保険料額を基準にするので、通常、払込予定額の方を申告に使います。勤務先で年末調整が受けられるなら給料をもらっている会社員などは11月から12月頃に勤務先から年末調整書類を渡されると思いますが、その中に「給与所得者の保険料控除申告書」があるはずです。控除証明書を見ながら「生命保険料控除」欄の「個人年金保険料」のところに記入し、勤務先に提出すればOKです。証明書の原本は申告書の裏に貼り付けて提出します。年末調整していない人は確定申告で自営業者、個人事業主、フリーランスなどは、確定申告で個人年金保険料控除を適用します。また、年末調整をするときに個人年金保険料控除の申告を忘れた会社員も、確定申告で控除を受けて税金を還付してもらえます。会社員が確定申告する際には、控除証明書のほかに源泉徴収票も必要です。確定申告書(A・B)の第二表の「生命保険料控除」欄に保険料額を記入し、第一表の「生命保険料控除」欄に控除額を記入します。国税局の確定申告書等作成コーナーを利用すれば、証明書を見ながら金額を入力するだけで、自動的に控除額を計算してくれます。確定申告書を窓口に持参または郵送で提出する場合には、証明書は添付書類台紙に貼り付けます。e-Taxを利用する場合には証明書は提出しなくてかまいませんが、手元に保管しておきましょう。個人年金保険料控除に関するまとめ個人年金保険には、老後の生活費を貯められるのみならず、税金の負担が軽くなるメリットがあります。税制適格特約が付いた個人年金保険に入っていれば、所得税・住民税が安くなるので少し得した気分になるはずです。老後資金を貯めるなら、できるだけお得な方法を考えましょう。
2020年04月18日こんにちは、婚活FP山本です。日本でギャンブルと言えばパチンコ・パチスロが代表格ですが、根強い人気があるのが「競馬」といえます。その人気の元になっているのが万馬券に代表されるような高配当ですが、代わりに税金が気になる人も一定数いるのが実情です。ぜひ税金について正しく知り、安心して競馬を楽しみましょう。そこで今回は、競馬における税金について詳しくお伝えします。あなたの競馬人生に、お役立て下さいませ。当選金の払い戻しは所得税の課税対象!まずは早速、競馬における税金の基本についてお伝えします。結論から言えば、競馬の当選金の払い戻しは所得税の課税対象です。具体的には当選金は「一時所得」に該当し、以下の計算式で計算した金額に税率を掛けて、税金を納税する必要があります。(当選金-馬券代-50万円)÷2なお、当選金は一年間の合計金額であり、馬券代は「ハズれ馬券は含まない」というルールです。一時期かなり話題になったルールですが、基本的にこのように決まっているのですから仕方ありません。しっかり覚えておきましょう。ちなみに税率は各自の年収によって違ってきますから、一概には言えません。5%~45%まで様々ですが、年収が高い人ほど高い税率になりますから注意しましょう。万馬券が当たった時は確定申告に備えて計算しておこう税務署も人間が運営していますから、何でも杓子定規に動くわけではありません。しかしだからこそ、大きなお金が動く時、動きそうな時ほど敏感に反応します。競馬でいえば、やはり「万馬券」の時ほど税務署も注視していると考えたほうが無難です。万馬券自体、いつ当たるか分からないものですから、常に確定申告も想定しておいたほうが安全といえます。特に万馬券が当たった時は、確定申告に備えて事前に記録・計算しておきましょう。同じ所得税でも「雑所得」として納税することもある!今度は、例外的な競馬における税金についてお伝えします。先ほどお伝えした通り、基本的に競馬の当選金は「所得税の一時所得」です。しかし、場合によっては同じ所得税でも「雑所得」に該当することがあり、こちらに該当するとハズれ馬券も経費になる可能性があります。ただし、雑所得に該当するかどうかは明文化されていません。また雑所得に該当するのは、競馬を投資や資産運用のように捉えて、頻繁に多額のお金を使っているような場合のようです。多くの方にとっては当てはまらないでしょうが、一応知っておきましょう。ちなみに雑所得に該当するかどうかのルールは、あくまで一つの判例で示された結果に過ぎません。あくまで基本的には一時所得になるものと考えておきましょう。高額な賞金・配当金狙いの資産運用はアリ?実際に、競馬を投資や資産運用のように捉えている方は一定数います。しかしお金のプロから言わせれば、やはり競馬は「ギャンブルの一種」です。高額な賞金・配当金狙いで競馬に打ち込むほどに、どうしても負けやすくなります。ギャンブルは多額のお金をかけるものではなく、あくまで「趣味の範囲で楽しむ」ことがおすすめです。そのうえで、別の投資や資産運用も試していきましょう。競馬における税金対策は「50万円以内」に抑えること今度は、競馬における税金対策についてお伝えします。これは結論から言えば、「当選金を50万円以内に抑えること」です。先ほど、税金の計算式をお伝えしましたが、競馬では当選金から馬券代を差し引き、さらに50万円を差し引けます。この50万円以内に当選金を抑えれば、税金はかかりませんし確定申告も不要です。当選金を計算して抑えるような方は滅多にいませんが、それでも50万円程度の当選金が当たった方なら、以後は競馬を控えることで問題はなくなります。ギャンブルとは、基本的に勝つほどに熱くなってのめり込むものですが、そういう時ほど冷静さが大切です。「趣味の範囲で楽しむ」を基本として、今後も競馬を楽しみましょう。安易な「課税逃れ」にご用心!競馬を楽しむ多くの方は、税金のことなど考えていません。また競馬は公営ですから、「競馬離れ」が起きかねませんし、税務署も厳しく取り締まっているわけではありません。しかしそれでも、安易な課税逃れには用心したほうが賢明といえます。実際、競馬の当選金を巡って課税されることもあれば裁判になることもあるのが実情です。万馬券などの高額な当選金の時ほど課税される可能性は高いですから、十分に注意しましょう。ネットで買っても競馬場で買ってもバレる時はバレる今度は、競馬の税金について税務署にバレない方法をお伝えします。結論から言えば、「そんな方法はない」のが現実です。これについては様々な情報が飛び交っていますが、少なくとも「絶対バレない方法などない」のが実情といえます。そもそも税務署は、個人の銀行口座の情報を知ることが可能です。突然の大金の入金があれば、その出所を疑われます。ネットで買えば履歴が残りますし、競馬場で買っても今は至るところに監視カメラがたくさんある時代です。バレる時はバレるのが基本といえます。仮に絶対バレない方法があるとすれば、それは「競馬をやらないこと」でしょうか。競馬をする以上は税金問題が付きまとうと考え、そのうえで競馬を楽しみましょう。バレない方法を探すより、正しく対応しよう確かに一般的には、「どうやったらバレないか」を考えます。しかし、そのような方法など存在しない以上、やはり「正しく対応する」のがおすすめです。税金とは、あくまで「利益の一部」にしか発生しませんが、不正をするほどにペナルティも発生してしまいます。結局のところ、正しく対応するのが一番の利益です。100万円程度以上の当選金を得たときには、しっかり税金のことも対処していきましょう。[adsense_middle]万馬券が当たった時こそ気を引き締めよう!最後に、競馬について大切な補足情報をお伝えします。先ほども触れた通り、競馬も一種のギャンブルです。趣味として楽しむ程度なら良いのですが、入れ込みすぎて破滅する人も一定数いるのが実情といえます。しっかりと節度を持って楽しむことを心掛けましょう。特に気を付けたいのが「万馬券が当たった時」です。思わぬ大金が入ったことで金銭感覚がおかしくなり、これが元で破滅する人も多いといえます。ちなみに宝くじの場合、高額当選者の7~8割程度が破滅しているというアンケート結果もあるほどです。競馬を楽しむ方なら万馬券を夢見ている方が多いですが、万馬券が当たったことで破滅するとは何とも寂しい結果といえます。万馬券が当たった時こそ気を引き締めていきましょう。将来的にいくら必要かを考えれば使わずに済む?気を引き締めるのに有効な手段といえば、やはり「将来を考えること」です。今は老後資金として2000万円必要といわれていますが、たくさん貯金があるほどに安全・安心に繋がります。将来的にいくら必要かを考えれば、使わずに済むかもしれません。あるいは万馬券のお金で資産運用を始めれば、今後は働かなくても食べていける可能性も出てきます。必要に応じてFPにも相談しつつ、特に大金が当たった時こそ注意していきましょう。しっかり税金も理解したうえで競馬を楽しもう競馬の当選金には、基本的に所得税が課税されます。ただし、一年間の当選金の合計が50万円以内なら税金も確定申告も不要です。税金を無視していると、思わぬペナルティが課されるかもしれません。しっかり税金も理解したうえで、今後も競馬を楽しみましょう。
2020年04月17日独立して個人事業主になるとビジネス用の口座を作る方は多いかと思いますが、法人カードを作る方はそう多くないのではないでしょうか。本記事では、個人事業主が法人カードを作るメリット・デメリットや審査のポイントなどお伝えすると共に、個人事業主の方におすすめの法人カード7種類について、それぞれの特徴やポイントを比較しつつご紹介していきます。個人事業主でもビジネス向けのクレジットカードを作れる?個人事業主として起業・独立しても法人を設立していない場合、法人カードなどビジネス向けのクレジットカードを作ることはできるのでしょうか?実は、法人カードには個人事業主向けの商品があります。こうした法人カードの中には、個人名義でも屋号名義でも利用できるなど個人事業主向けに特化しているものもあります。個人事業主が法人カードを持つメリット個人事業主は事業用の経費も個人名義のクレジットカードで対応できますが、それでも法人カードを持つのにはどんなメリットがあるのでしょうか?ここでは、個人事業主が法人カードを持つメリットとして以下の3つをご紹介します。ビジネス用の支払いに統一できる確定申告の際に便利限度額が大きいそれぞれ見ていきましょう。ビジネス用の支払いに統一できる個人事業主は個人用のクレジットカードでも事業の経費を支払うことができますが、法人カードと分けて持つことで、ビジネス用の支払いとプライベート用の支払いを分けて管理することが可能になります。確定申告の際に便利法人カードを作成してビジネス用の支払いとプライベート用の支払いを分けることで、クレジットカードの明細で経費を管理できるようになることから、確定申告の際に便利です。限度額が大きい一般的に法人カードは個人向けのカードより限度額が大きくなっています。このため、ビジネスで大きな出費がある場合でも対応しやすくなります。個人事業主が法人カードを持つデメリット一方、個人事業主が法人カードを持つデメリットとしては年会費がかかることが挙げられるでしょう。一般的に法人カードは個人向けのクレジットカードより年会費が高く設定されていることが多く、場合によっては負担が大きく感じてしまうことがあるでしょう。なお、法人カードの年会費は経費として計上することができます。個人事業主で法人カードの審査を通過するには?法人カードを作るには審査を通過する必要がありますが、その審査内容はどんなものなのでしょうか?法人カードの審査基準個人向けのクレジットカードの場合、申し込む人の属性や年収等が審査されることになりますが、法人カードの場合は行っている事業の信頼性に重点が置かれることになります。具体的には、設立年数や業績がみられるようです。法人カードの詳細な審査基準などは公開されていませんが、個人事業主の場合は信用面・資金面などが乏しいのが一般的で、貸し倒れのリスクも大きいことから慎重に審査が行われます。法人カードが必要な事情がある場合には、1カ月程度以上は余裕を見て手続きを進めておくとよいでしょう。法人カード申し込みの流れ法人カードの申し込みの流れは、基本的には個人向けクレジットカードと同じと考えて問題ないでしょう。インターネットで申込書を請求する申込書が届いたら必要書類と共に送付する入会審査が行われる審査を通過したら法人カードが発行され郵送される法人カード審査の必要書類法人カードの一般的な必要書類は以下の通りです。法人の登記簿謄本もしくは印鑑証明書代表者の本人確認書類(マイナンバーカード等)引き落としの為の銀行口座ただし、個人事業主の場合は本人確認書類と個人の銀行口座番号が分かれば問題ありません。コピーを事前に取っておけばスムーズに進められる程度で、特に気構える必要もないでしょう。個人事業主が法人カードを選ぶ際に気を付けておくべきポイント個人事業主が法人カードを選ぶ際、どのような点に注目するとよいのでしょうか。ここでは具体的に以下のようなポイントをご紹介していきたいと思います。法人カードに付帯されるサービスの内容年会費ポイント還元率それぞれについてご紹介します。[adsense_middle]法人カードに付帯されるサービスの内容法人カードにはさまざまなサービスが付帯されているものがありますが、どのようなサービスが付帯されているかは法人カードを選ぶ一つのポイントとなるでしょう。具体的には、出張が多い方は出張の手続きや手荷物の宅配サービスなどトラベルサービスがついているものや、国内外の旅行傷害保険のついたもの、国内外の空港ラウンジを利用できるものなどを選ぶとよいでしょう。年会費法人カードの年会費は個人向けクレジットカードより高めに設定されていることが多いですが、具体的な額はカードにより大きく異なり、数千円のものから数万円のものまであります。先述したような、トラベルサービスや保険など付帯サービスの充実した法人カードは年会費も高く設定されていることが多いため、普段からそうしたサービスを利用するかを想定したうえで、年会費を支払うだけの価値があるかを判断する必要があるでしょう。ポイント還元率カード利用代金に付与されるポイントやマイルも法人カードを選ぶポイントとなります。特に事業用の支払いにクレジットカードを利用していると、毎月結構な額の支払いが発生するため、還元率の高いカードを選べばバカにならない金額になります。そうして付与されたポイントを事業用の消耗品購入代金に充てるなどすれば、経費削減に役立てることもできます。個人事業主におすすめの法人カードを徹底比較ここからは、個人事業主におすすめの法人カードを具体的にご紹介していきたいと思います。ここでご紹介する法人カードは以下の7種類です。JCB法人カードオリコEX Gold for Bizアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード楽天ビジネスカードセゾンプラチナ・ビジネスカード三井住友ビジネスカード for OwnersNTTファイナンス Biz レギュラーカードそれぞれ見ていきましょう。(※年会費は全て税抜きで記載しております。)JCB法人カードJCBが提供する数々の付帯サービスが魅力の法人カード。年会費は1,250円と非常に安く利用しやすくなっています。国産のブランドということもあり、海外で丁寧な日本語サービスを受けられるという隠れたメリットがあります。年会費:1,250円ポイント還元率:0.5%~1.0%EX Gold for Biz M旅行傷害保険(海外2,000万円、国内1,000万円)やショッピングガード保険など充実した補償がありながら、年会費2,000円で利用できる人気の法人カード。年間の利用額によってポイント還元率が変動するシステムとなっており、最大還元率は1.2%と非常に高くなっています。年会費:2,000円ポイント還元率:0.6%~1.2%アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードアメリカンエキスプレスの法人カードはステータス性の高さや出張手続き、手荷物の宅配サービス、空港ラウンジの利用など各種付帯サービスが充実した法人カードです。年会費は31,000円と高めですが、納得の内容となっているといえるでしょう。なお、インターネット上から申し込むことで初年度年会費が無料になるキャンペーンを実施しているので、新規開設を考えているのであれば利用することをおすすめします。ちなみに、年会費を12,000円に抑えたアメリカン・エキスプレス・ビジネスカードもあります。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード年会費:31,000円ポイント還元率:0.3~1.0%アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード年会費:12,000円ポイント還元率:0.3~1.0%楽天ビジネスカード楽天ビジネスカードは個人向けクレジットカード「楽天プレミアムカード」と2枚1セットの所有が前提となる法人カードで、通常は法人の事業性などに着目して審査がなされる中、楽天ビジネスカードは経営者個人の年齢や収入が審査の目安となります。このため、起業したばかりの個人事業主の方でも比較的審査に通りやすいといわれています。年会費:10,000円ポイント還元率:1%~15%(楽天スーパーポイント)セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、一流ホテルの宿泊などのプラチナ会員限定サービスや空港関連サービスなどを多数利用できる法人カードで、年会費は20,000円となっています。また、年間200万円以上のショッピング利用で年会費は半額の10,000円となります。年会費:20,000円ポイント還元率:0.5%~1.0%三井住友ビジネスカード for Owners三井住友ビジネスカード for Ownersは、回数払いやリボ払いなど支払方法が充実していることから人気の高い法人カードです。その他、個人事業主であればキャッシングが可能な点や、法人カードでは珍しくApplePayに対応しているといった点も個人事業主の方には嬉しいポイント。年会費も1,250円と安く、その使い勝手の良さからコストパフォーマンスは非常に高いといえるでしょう。年会費:1,250円ポイント還元率:0.3%~0.5%NTTファイナンスBizカード レギュラーNTTファイナンスBizカード レギュラーは最高2,000万円の国内外旅行保険が付帯していたり、さまざまな複利厚生優待サービスが利用できたりとサービスの充実した法人カードです。ポイント還元率は1.0%。ポイントモール利用でポイントが最大26倍となるなど、メリットも大きいのにも関わらず年会費が無料という魅力的な内容となっています。年会費:無料ポイント還元率:1.0%個人事業主におすすめの法人カードに関するまとめ個人事業主におすすめの法人カードについて、そもそも個人事業主が法人カードを所有するメリット・デメリットや、法人カードを選ぶときに注意しておくべきポイントをお伝えしたうえで、7種類の法人カードを比較しながらご紹介していきました。法人カードの審査は簡単ではないので、必ずしも目当てのカードを所持できるわけではありませんが、本記事でご紹介した付帯サービスや年会費、ポイント還元率など、ご自分のビジネスやライフスタイルの合ったものはどれかといった視点で比較検討してみてください。
2020年04月08日どんな投資でも、利益が出たら税金を支払うのが基本です。たとえば株式投資の場合、値上がり益や配当に対して「20%」の税金がかかります。もちろん仮想通貨にも税金がかかりますが、株や投資信託などとは税金の扱いが異なるので注意が必要です。今回は、仮想通貨にかかる税率や計算方法、注意点などについて解説します。仮想通貨でかかる税金のポイントは「雑所得」・「総合課税」・「累進課税」国税庁このように最高だと45%の所得税、一律10%の住民税が課されます。株式投資の20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)などに比べ、高い税率が適用されています。2000年代の初頭、個人投資家に普及し始めたFX( 外国為替証拠金取引)。当時のFXの利益は雑所得扱いで、原則確定申告が必要でした。しかし納税しなかったことが税務署に見つかり、巨額なペナルティを課されるケースが続出。故意に確定申告しなかったケースもありましたが、確定申告をして税金を納めなくてはいけないことを知らず、結果として脱税してしまった投資家も多かったのです。現在は株式などと同じ20.315%になり、最高税率は引き下げられました。税務署に脱税と判断されてしまうと、本来納付すべき税金に対して最大20%の無申告加算税を課されるだけでなく、悪質と判断されれば警察に逮捕される可能性もあります。税金については、「知らなかった」では済まされません。利益ができた場合には、必ず確定申告して納税するという意識を持つようにしましょう。仮想通貨で税金が発生するケース仮想通貨で税金が発生するのは、主に以下の4つがあります。仮想通貨(暗号通貨)の取引仮想通貨で買い物仮想通貨を交換した場合マイニングで仮想通貨を取得仮想通貨(暗号通貨)の取引仮想通貨の取引で利益が出たら、1月1日から12月31日までの1年分の合計額を計算して確定申告する必要があります。この合計額を計算する方法は、「総平均法」と「移動平均法」の2種類があります。総平均法とは、年間の仮想通貨の購入平均レートをもとに計算した総購入金額と、売却金額の差額を計算する方法。一方、移動平均法とは、仮想通貨を購入するたびに購入額と残高を平均し、所得を計算する方法になります。仮想通貨で買い物仮想通貨での取引だけでなく、決済に利用した場合も「仮想通貨を使用したことで生じた利益」になります。つまり、仮想通貨で買い物をしたら課税対象になるのです。たとえば、5万円で購入したビットコインが25万円に値上がりしていのたで、25万のパソコンを購入したとします。この場合、値上がり益の20万円(25万円ー5万円)を所得(雑所得)として申告する必要があるのです。つまり、投資目的で仮想通貨を売買したのと同じように、商品を購入するときに利益が出た分は課税対象となります。仮想通貨を使える店は増えつつありますが、商品を購入する際に保有する仮想通貨で決済した場合、課税対象になるので注意が必要です。仮想通貨を交換した場合たとえば、ビットコインが5万円のときに1BTC=5万円で購入。1BTCが30万円の時に他の仮想通貨Aを1BTCで購入すると、仮想通貨Aの取得金額30万円-ビットコインの購入価格5万円=25万円は雑所得になるので税金がかかります。仮想通貨を日本円にしなければ課税されないと考えている人もいます。しかし、仮想通貨同士の交換にも課税され、国税当局も税務調査でチェックする事項になりますので、必ず所得を確認して損益計算するようにしてください。マイニングで仮想通貨を取得マイニングとは、新たなブロック(取引をまとめたもの)を生成し、その報酬として仮想通貨を手に入れること。ビットコインはユーザー同士で取引を承認し合うことで、不正を防いでいます。そしてマイニングを行う対価として、仮想通貨を得ることが可能なのです。マイニングはビットコインを無料で手に入れられますが、高性能のコンピューターや電気代が必要になります。マイニングで取得した仮想通貨の時価から、これらの経費を引いた金額が課税対象になるのです。このように、仮想通貨では取引行為によって損益が発生するタイミングが異なるので注意しましょう。確定申告をするときは、損益発生のタイミングを考慮し、経費の集計などで専門的な知識が必要になります。わからないことがあれば、自分で判断しないで税務署や税理値に相談するようにしましょう。仮想通貨を保有しているだけでは課税されない仮想通貨を商品や円に交換せず、保有しているだけの場合は確定申告の必要はありません。仮想通貨の値段が上がって大きな利益が出ていても、売買しなければ税金はかからないのです。仮想通貨の確定申告はいくらから?仮想通貨による利益は、原則として「雑所得」に区分され課税対象になります。雑所得の所得金額が原則、合計20万円を超える場合は確定申告を行い、翌年所得税を納付します。給与などの所得金額に雑所得を合算して計算するので、一律10%の住民税と合わせて最高55%の税率で課税されることになるのです。ただし、仮想通貨を保有した状態で利益が出ていても(含み益)、課税対象にはなりません。確定申告の対象となるのは、該当する年の1月1日から12月31日まで。そして、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。仮想通貨で利益が出て確定申告が必要になるのは、以下の3つの場合です。フリーランス・個人事業主サラリーマンなど給与所得を得ており、1年に雑所得(仮想通貨など)で20万円以上の利益が発生した場合家族の扶養に入っており、1年に33万円以上の利益が発生した場合サラリーマンなどで給与所得がある場合、会社で年末調整が行われます。しかし年間20万円以上の利益を仮想通貨で上げた場合、「給与所得・退職所得以外の収入が年間20万円以上」という要件に当てはまるため、確定申告しなければいけません。ただ「利益」というのは、収入から諸経費の支出を差し引いた額になります。たとえば、仮想通貨を取引するために専用のパソコンを購入した場合は、経費として認められます。またパソコンを使う時の電気代も経費として計上できます。しかし、仮想通貨取引のために使用した電気料金がわからなければいけません。1時間あたりの電力料金やパソコンを使った時間をわかるようにし、概算として電気料金を請求できるようにしておきましょう。きちんと論理的に説明できるようにすれば、経費として認められる可能性が高くなります。また本を購入したり、セミナーに参加したりした場合も経費として認められます。いつ・何のために・いくらぐらい支出したかをわかるようにしておきましょう。雑所得は確定申告で損益通算できない以前はFXの利益も雑所得でしたが、2010年に一律20%となり、3年間の損失の繰越控除もできるようになりました。2019年7月にJVCEA(一般社団法人日本仮想通貨交換業協会)とJCBA(一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会)が、金融庁に対して以下のような税制改正要望書を出しました。損益通算・繰越控除の適用:損失が出た場合に他の所得と相殺できる「損益通算」や、損失を3年間繰り越せる「繰越控除」を仮想通貨でも認めること申告分離課税の適用:仮想通貨の現物取引・デリバティブ取引に申告分離課税を適用し、税率を20%にする少額非課税制度の導入:仮想通貨の少額の決済利用における所得については、課税対象から外す「少額非課税制度」を検討するしかし金融庁の税制改正要望の中には、これらの事項はこれまで含まれていません。今後、仮想通貨で生じた利益でも損益通算や申告分離課税が認められるかもしれませんが、当分は雑所得として本業の給与所得と合算する「総合課税」で計算されます。上場株式や公社債の利益には、他の金融所得と合算して課税の所得を減らせる「損益通算」と呼ばれる仕組みがあります。しかし、仮想通貨の取引は雑所得して扱われるので、上場株式や公社債のような損益通算はできません。しかも、損失を3年間繰り越して将来の利益と相殺することもできないので、投資家にとって仮想通貨の税制は、株式やFXと比べて不利といえるでしょう。確定申告の方法がわからない場合や税金について不明な点があれば、所轄の税務署に相談するようにしましょう。税務署の人たちは、納税する気持ちがある人には懇切丁寧にいろいろ教えてくれるはずです。有効な節税方法脱税は違法ですが、法律で認めて認められている節税は、少しでも利益を残すために活用するようにしましょう。換金するタイミングを調整する確定申告の対象となるのは、1月1日から12月31日までの1年間です。年末に利益を確定してしまうと、税率が上がってしまうこともあります。その年にいくらぐらい利益がでているのかをしっかり把握しておくことが節税につながります。また仮想通貨は原則、損失を翌年に繰り越せません。ですから、年末に含み損のある通貨を損切りし、損失を確定することでその年の利益が少なくなり、税金を減らすことが可能です。個人事業主として登録する青色申告をすると、大きな節税メリットがあります。個人事業主として登録し、確定申告の方法を青色申告とすることで、税制上の優遇措置を受けることができるのです。複式簿記が必要で、毎年確定申告をする必要はありますが、最大65万円に税額控除を受けられたり、赤字を3年間繰り越せたりするメリットがあります。また個人事業主となれば、青色申告の利用で仮想通貨の利益を経費扱いすることが可能です。ただし、経費に認められるのは仮想通貨の取引に関係するものです。たとえば仮想通貨の勉強のために購入した書籍やセミナー代、取引所へ支払った手数料や送金の手数料、情報収集に使ったパソコンの通信費など、経費として使えそうなものは領収書やレシートを保管しておくようにしましょう。ただし、個人事業主として経費をして計上するには、事業所得として認められなければいけません。たとえば生活の糧となるほどの収入を得ているか、毎日の仕事として継続できているかなどが必要です。仮想通貨の確定申告に必要な書類仮想通貨の確定申告に必要な書類は、以下の3つです。申告書A源泉徴収票仮想通貨の取引に関する書類源泉徴収票は、12月から1月頃に会社から配られます。これは会社員にとって税金の計算報告書のようなものです。青色申告の控除を受けたいのであれば、青色申告書も必要。青色申告をすることにより、仮想通貨の収益を雑所得から事業所得にできる可能性があり、事業所得と認められれば青色申告控除を受けることができます。仮想通貨の取引に関する書類とは、取引利益や入金・出金明細書などです。日々の取引を記録する必要があるため、取引所のサイトから取引履歴を CSVでダウンロードしておくようにしましょう。無申告のペナルティ確定申告は、基本的に毎年2月16日から3月15日までが申告の期間です。ただし、3月15日が土日の場合は、翌週の月曜日が期限になります。もし期日までに書類の提出が間に合わないと、場合によっては無申告加算税などが発生します。無申告加算税は、納付する税額のうち50万円までは10%、50万円を超えた部分は15%の税率がかかります。ただし、税務署から指摘される前に自主的に行った場合は、5%に軽減されます。仮想通貨の税率に関するまとめ今回は仮想通貨の税金について解説しました。現在のところ、仮想通貨は「雑所得」の扱いです。雑所得は総合課税のため累進課税となり、利益が出るほど高い税率が課せられます。納税を怠れば無申告加算税などのペナルティが課せられてしまいます。ただ、税金から逃れることはできませんが、節税の方法はありますし、税金についてきちんと知っておけば、あとで困ることもありません。賢く節税しながらも、確実な納税を行うようにしましょう。
2020年04月04日働き方改革が推進されている昨今、空いた時間を活用して個人事業主として開業する人も増えてきているようですが、税金の取り扱いには注意が必要です。会社員と個人事業主では税金の取り扱いが違うので、勘違いしているとトラブルになったり、内緒で副業をしていてバレたりといった自体を招いてしまいます。そこで今回は、個人事業主と会社員の税金や控除の違いについて詳しく解説します。個人事業主と会社員の違い会社員の税金や控除関係は基本的に会社の総務や経理の方が処理をするため、本人自らが申告する必要はありません。会社員の場合は毎月給料の約10%が源泉徴収という形で天引きされていて、その天引きした金額を年末調整によって正しく計算し直して過不足があれば精算を行います。年末調整によって税金が過払いになっていれば、次回の給与支給の際に加算され、反対に不足する場合は給与から差し引かれるのです。いずれにしても、税金や控除の計算や還付、納税といった一連の手続きすべてを会社がやってくれるので本人にかかる負担は何もありません。個人事業主は全部自分で計算する個人事業主を始めて最初に直面する課題、それが確定申告ともいわれています。特に会社員だった方が脱サラして開業する場合や、会社員が副業を始めるような場合については税金や控除の手続きを初めて体験することになり、ミスが発生しやすいため注意が必要です。給与所得と事業所得の違い会社員に支払われる給与は給与所得として申告することになります。ここでは事業所得との違いがわかるよう、給与所得の計算方法について解説します。給与所得の計算方法給与所得を求めるためには、準備段階として次のようなステップで情報を整理していきます。1:給料を1年分集計する実際に1年分の給料を集計してみましょう。例えば、月給30万・ボーナス50万円の方の場合、次のように集計します。月給30万円×12ヶ月+ボーナス50万円=410万円2:給与所得を求める所得とは収入から経費を引いた利益のことで、給与所得の場合は以下の計算式によって算出します。給与所得=年間給料410万円-給与所得控除会社員の場合は個別に必要経費を差し引くことが難しいため、所得金額に応じて一定の給与所得控除額が決められています。計算式にすると次の通りです。給与所得控除額=収入金額×20%+440,000円=126万円これが給与所得から差し引くことができる、いわば会社員の経費ということになります。実際に計算式に当てはめると次の通りです。給与所得=年間給料410万円-給与所得控除126万円=284万円3:課税所得を求める給与所得がわかったら、ここからさらに控除額を差し引いていくことになります。今回は一律に適用される基礎控除を差し引いたとして次のようになります。課税所得=給与所得284万円-基礎控除38万円=246万円4:所得税を計算する所得税は課税所得が大きくなればなるほど、税率が高くなる累進課税になっているので、課税所得に対応する税率をかけて所得税額を算出します。課税所得246万円に対する税率は10%、控除額97,500円です。所得税額=246万円×10%-97,500円=148,500円この金額が会社員の支払う税金の金額です。年末調整の際に所得税額と源泉徴収した累積金額を比較して、源泉徴収額の方が多ければ差額が次回給料と一緒に還付され、反対に少なければ追加で差し引かれることとなります。事業所得との違いは?これに対し個人事業主の場合は、行っている事業に応じて事業所得や不動産所得などを集計して税金を計算することになります。会社員との一番の違いは、毎月源泉徴収が行われないということです。会社員は本人が何もしなくても、会社が給料の約10%を源泉徴収して納税しているため、年末に差額を調整するだけで済みますが、個人事業主の場合は1年間分まとめて所得を集計し、そこから経費を差し引いて課税対象額を算出します。それでは具体的に計算してみましょう。1:所得を計算する個人事業主の場合は給与所得ではなく、事業所得や不動産所得など他の所得を合算して計算をするため少しややこしくなります。例えば、個人事業の売上が500万円、経費200万円で青色申告している単身者を仮定して以下の計算式に当てはめて計算してみましょう。所得金額=1年間の売上500万円-経費200万円-青色申告特別控除65万円=235万円配偶者がいればここから配偶者控除などを差し引きますが、今回は単身者という設定なのでこの金額がそのまま課税所得になります。2:所得税を計算する所得税の金額は次の計算式に当てはめて計算します。所得税額=235万円×10%-97,500円=137,500円このように、個人事業主の場合は年間の売り上げと経費をまとめて集計しなければならないですし、しかもそれを自分自身でやらなければならないことから、慣れていないと確定申告の時期にはかなりの負担となります。税金にどのくらいの違いが出るの?ここまで見ると、個人事業主の場合税金や控除の計算が非常に面倒で負担になることはお分かりいただけたかと思います。では、会社員の方が独立して個人事業として開業を目指す場合、同じくらいの収入で税金にどの程度の違いが出るのでしょうか。結論からいうと、会社員の給料と個人事業主としての利益が同額であれば、会社員の方が有利です。税金についても会社員の方が有利な傾向がありますが、それ以上に有利なのが年金です。会社員の場合は厚生年金に加入できて、なおかつ保険料の半分を会社が負担してくれます。対して個人事業主の場合は厚生年金よりも年金支給額が少ない国民健康保険のみの加入で、しかも保険料は全額自己負担です。ここの格差が非常に大きいので、会社員の方が個人事業主として独立を検討する際には、概ね現在もらっている給料の2倍程度の利益を目標としなければ、現実的に会社員の頃よりも手元に残る金額が増えない可能性が高いといえます。[adsense_middle]個人事業主のメリットは?このように同じ利益であれば給与所得の方が有利ですが、個人事業主ならではのメリットとしては経費があります。給与所得については給与所得控除があるものの、所得に応じて金額が決まっているため節税に活用することはできません。一方、個人事業主であれば売上から経費を差し引くことができるので、経費を上手に活用すれば発生する税金をある程度コントロールすることが可能です。例えば、会社員の方がマイカー通勤したとしても経費にはなりませんが、個人事業主の方がマイカーを仕事で使用すればガソリン代や高速道路代、駐車場代、重量税、自動車税などの一部を経費として売上から差し引くことができます。また、車両本体の購入代金についても減価償却費として経費計上できるので、うまくやりくりすることで利益を圧縮して節税することも可能です。個人事業主のデメリットと注意点このように経費を計上できる点が個人事業主のメリットですが、注意しなければならないのは経費にできる範囲です。例えば法人の経費は、法人が事業活動をするうえで支出しているものについては原則としてすべて対象とすることができますが、個人事業主の場合は売り上げを上げるために直接的に支出した費用に限定されるというデメリットがあります。つまり、経費として計上して認められる範囲が非常に狭いのです。この点を理解しないまま、片っ端から領収書を切って経費計上していると、税務調査で引っかかって修正申告、追徴課税になる可能性があります。そのため、ある程度広い範囲で経費を計上したい方は、法人化も検討しながら事業運営をしていくことをおすすめします。会社員が副業で個人事業をする場合の税金と注意点会社員の方で副業をする人が増えていますが、中には会社に内緒で始める人も多いようです。最近は働き方改革で就業規則が改定され、副業が解禁されている企業も増えていますが、中にはまだ副業が禁止のままの企業も多く、会社に言い出せないまま始めている人も少なくありません。会社が終わってからどこで何をしようが、会社に知られることはないから大丈夫。そう思っている人もいるかもしれませんが、実は会社員の方が副業を始めると思わぬことから会社に副業がバレてしまうため注意が必要です。開業届を出すと住民税が上がってバレる会社員の方が副業をして所得が増えると、会社が年末調整してくれていたとしても、翌年には確定申告をして副業の所得を申告しなければなりません。開業届を税務署に提出して副業の所得を申告すると、当然その人の総所得が給与所得よりも高くなり、それに比例して翌年の住民税が増額することになります。ここでポイントになるのが、住民税の徴収方法です。会社員の方は給与から住民税が差し引かれるため、各人の住民税の決定通知は会社に届きます。会社員としての給料が一定なのに住民税だけ値上がりしていることがわかると、会社側に副業をしているということがバレてしまうのです。このように総所得が上がると住民税が変化し、それによって会社が副業に気づいて懲戒処分を受けるというケースがありますので、副業を検討している人は必ず勤務先に許可をとってから始めることをおすすめします。個人事業主と会社員の違いに関するまとめ今回は個人事業主と会社員の税務上の取り扱いの違いについて解説してきました。サラリーマンであるうちは気づきにくいですが、個人事業主になってみると会社が社会保険料などどれほど負担してくれていたかが身に染みてわかるものです。そのため、会社員自体の手取り給与と同じくらいの売り上げだと個人事業主の手取りはかなり低くなってしまいますし、将来受け取ることができる年金額も大幅に減少してしまいます。開業届を出して独立しようとお考えの方は、その点を十分理解したうえで収益目標などを立てることをおすすめします。
2020年03月31日個人事業主の方が効果的に節税するためには、計上可能な経費を漏れなく計上することがとても重要になります。中でも車に関係する経費については、他の経費に比べて高額になる傾向があるので、認められる範囲内できっちり計上することが大切です。そこで本記事では、個人事業主の方が経費として計上できるもののうち車に関係する経費について詳しく解説します。個人事業主で車を購入するケースネットを活用して自宅で事業を展開する個人事業主の方が増えていますが、中には事業に車を使用するケースもあるかと思います。例えば、営業で外回りをするために車を購入するケースもあるでしょう。基本的に事業のためだけに車を使用する場合は、ある程度経費として認められる可能性が高いですが、私用でも車を利用する場合については注意が必要です。経費として認められるのは、あくまで事業のために直接使用している部分だけなので、車を私用でも使う場合については部分的に経費として認められなくなる可能性があります。車の名義はどうなる?経費として計上するとなると気になるのが車の名義です。例えば法人が車を保有するとなれば法人名義で購入するのが通常ですが、個人事業主の場合は店舗名や事業所名で購入することはできるのでしょうか。結論からいうと、個人事業主の方が車を購入する場合の名義は、その方の個人名義になります。店舗名や事業所名などのいわゆる屋号については、株式会社のように法人格がないので、権利を帰属させることができないからです。よって、個人事業主が車を購入する場合は普通に自家用車を購入する場合と同じで個人名義になります。ただ、個人名義だからといって経費にできないわけではありませんのでご安心ください。計算上経費にできる費用車に関連して発生する費用には様々なものがありますが、個人事業主の経費として計上できる可能性があるものとしては次の通りです。税金関係自動車税、軽自動車税、自動車重量税、自動車取得税など車を保有することでかかる税金については、経費として計上することが可能です。かかるタイミングが決まっているので、ある程度経費として先読みできる点がメリットといえます。自賠責保険・任意保険など強制加入が義務付けられている自賠責保険、任意保険(車両保険、人身傷害、弁護士特約など)の保険料も経費として認められます。保険の名義も車と同様に屋号で加入することはできませんが、個人名で加入している保険料でも、経費として計上することが可能です。車両維持費車両を維持していくためにかかるメンテナンス費用で、主に次のような費用が経費として認められます。洗車費用車検費用ガソリン代オイル交換台ブレーキパッド交換タイヤ交換、保管代点検費用その他修理費用駐車場代交通費高速道路料金やETC、そのほか駐車料金なども事業のための利用であれば経費として認められます。ただし、いつ、どこへ、なんの目的で行ったかなどについては記録に残しておくことが大切です。ローン金利ローンを組んで車を購入した場合は、金融機関に支払う利息も経費として計上することが可能です。このように、車に関連して計上できる経費は多岐にわたります。車の減価償却費について車の経費の中で忘れてはならないのが、減価償却費です。減価償却費とは物の劣化代のことで、車などの高額資産については、購入した代金を一括で経費として計上するのではなく、使用年数に応じて毎年一定額を経費化していきます。車の主な減価償却期間は次の通りです。普通車:6年軽自動車:4年ダンプ以外のトラック:5年ダンプのトラック:4年例えば新車で300万円の普通車を購入した場合、1年あたり50万円を減価償却費として計上することができます。どこまでが減価償却の対象?減価償却費は車に関連する経費の中で最も高額になる可能性が高いので、計算する際には間違えないよう注意が必要です。車を購入する際には車両本体料金以外にも様々な費用が掛かりますが、減価償却に含む費用としては次のようになります。車両本体料金カーナビETCスタッドレスタイヤその他オプション納車にかかる費用反対に、以下の費用については購入時に支払った費用だとしても減価償却には含めず、個別に経費化します。自動車税、自動車取得税、自動車重量税自賠責保険料登録費用、代行費用車庫証明の取得にかかる費用なお、リサイクル料金を支払った場合は、すぐに経費化するのではなく車を将来的に売却または廃車にする際に経費として計上するため、それまでは預託金として仕訳をして確定申告をします。中古車の減価償却車を中古で購入した場合は、減価償却期間がその分短くなります。中古車の耐用年数(減価償却期間)は、次のように計算します。中古車の耐用年数=法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2よって、普通車で6年以上型落ちしている車でも最低2年で減価償却することになります。中古車は短期償却が可能このように新車であれば6年かけて減価償却するところ、中古車であれば最短2年でスピード償却ができるので、売上が伸びていて急遽経費が欲しい場合は、高額な新車を買うよりも中古車を買った方が一度に大きく減価償却費を計上できるため有利です。例えば300万円の新車だと年間で50万円しか減価償却費として計上できませんが、6年落ちの中古車で200万円であれば倍の100万円を減価償却費として計上できますので、節税対策で経費を計上したい場合には注意しましょう。カーリースを利用した場合最近ではマイカーリースやカーシェアなど車を保有しないケースもあるかと思います。これらのサービスを利用した場合は、リース料金などをそのまま経費として計上することが可能です。ある意味減価償却費を計上しているのと同じような感じになるので、マイカーにこだわらなければリースやカーシェアを活用することも一つの方法となるでしょう。[adsense_middle]私用でも車を使う場合の按分割合個人事業主で車を保有する人の中には、個人事業だけではなく私用としても使うというケースは多いのではないでしょうか。例えば、普段は子供の送り迎えなどに車を使っていて、週末だけ事業で使っている場合や、反対に平日は配送の仕事で車を使って、週末は家族で遊びに行くために使うなど、仕事と私用の両方で使うケースは意外と多いと思います。ではこのような場合、どこまで経費として計上することが可能なのでしょうか。経費の分け方車を仕事と私用の両方に使っている場合は、仕事として使っている割合と私用として使っている割合を合理的な考えに基づいて按分して、それを経費に当てはめて計算することになります。例えば、週7日のうち4日を仕事で使用している場合、かかった費用のうち4/7を経費として計上することが可能です。また、明確に使用している日数を割り出すことが難しい場合は、およそ半分程度としてかかった費用の半分を経費として計上することもできます。絶対にこう計算しなければならない、という決まりはありませんが、使用した日数・時間などに応じて合理的に説明がつくやり方で按分計算することがとても重要です。実際は私用でしか使っていない車を個人事業主の経費として計上しようとする人が時々いますが、実態を調査されるとバレて修正申告することになる可能性がありますので絶対にやめましょう。按分計算しなくていい経費車に関係する費用でも、次の費用については私用と仕事用で按分計算する必要はありません。駐車料金高速道路代また、駐車場の料金についても店舗専用の駐車場がある場合などについては、全額を経費として計上することも可能です。自宅の駐車場代については、按分計算が必要になります。仕訳の仕方について私用と自営業どちらでも使用する車の場合、費用の仕訳はどのようにしたらよいのでしょうか。基本的に、事業と私用の支出が混ざっている場合は家事関連費に仕訳をします。按分計算した費用については、家事関連費に仕訳をして所得税を計算しましょう。経費として認められにくい車とは私もこれまで車に関係する費用を経費として計上した経験がありますが、その際に税理士から注意をされたのが車の車種です。例えば、軽自動車については比較的営業車両的なイメージが強く、維持費が安いことから経費として認められやすい傾向があるのですが、外車などについては税務署から私用との指摘を受けやすくなるため注意がいるそうです。特に危ないのがベンツです。ベンツは税務署の印象として事業用というイメージが薄く、本人の私用であるという認識があるようなので、個人事業用の車として確定申告しても否定される可能性がありそうです。ただ、BMWは意外と認められるそうで、外車によっても税務署の受ける印象が違います。ベンツというと高額なイメージがありますが、最近では中古で新車の軽自動車以下の金額でも購入できるので、一概にそうとは言い切れないと思います。とはいえ税務署的にはベンツはNGが出やすいそうなので気をつけましょう。また車の台数が多い場合も、必要性も含めて指摘を受けますので注意が必要です。自家用車のほかに仕事用で複数台車を所有する場合は、具体的に複数台必要になる理由について説明できるようにしておきましょう。個人事業主の車に関係する経費に関するまとめ今回は個人事業主の車に関係する経費の計上の仕方について詳しく解説してきました。車は個人事業で扱うものの中でも比較的高額な経費を生み出すので、正しく計上して税金を圧縮することが大切です。ただ、私用でも使っている場合については必ず按分計算して必要な割合だけを経費にする必要があります。按分の仕方については、絶対的な決まりはありませんので、合理的な説明ができる方法で割合を決めることが重要です。税金を得するために、私用の車を全額経費にすると税務調査の対象になる可能性があるため注意しましょう。
2020年03月28日「寡婦(かふ)」という言葉を聞きなれない人も多いのでは。夫と離婚、または死別して、再婚していない女性をいう。こうした寡婦のうち一定条件を満たす方には、「寡婦控除」という税金を安くする仕組みがある。だが、制度自体を知らない人が多く、なかには「会社に離婚したことを知られたくないから申告しない」という女性もいるという。「女性とシングルマザーのお金の専門家」として、女性からの相談実績が豊富な加藤葉子さんは、つぎのように話す。「離婚して相談に来る方でも、寡婦控除を知っている方はほとんどいません」でも、せっかく税金が安くなる制度があるのに利用しないのは、税金を払いすぎているということ。節税できるありがたい制度を、使わない手はないだろう。そこで、加藤さんが寡婦控除について教えてくれた。寡婦控除には2種類、「寡婦控除」と「特別の寡婦控除」がある。寡婦控除は所得税を計算するときに、収入から27万円を控除、つまり差し引くことができる。住民税の計算では、収入から26万円が控除できる。また、特別の寡婦控除の場合は、所得税では35万円を、住民税では30万円を控除、収入から差し引くことができる。控除が増えると、その分所得が減り、納税額が安くなり節税につながるのだ。【Q1】どうやって申告するの?実は、寡婦控除の申告はとても簡単だ。お勤めの人は年末調整の際、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の寡婦や特別の寡婦の欄にチェックを入れるだけでOK。また、自営業やフリーランスの人は、確定申告の際に記載する項目がある。【Q2】昨年末の年末調整で申告していません。どうすればいい?年末調整のチェックが漏れた人は、確定申告をしよう。「今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、確定申告が4月16日まで延長されています。今から準備しても間に合いますよ」(加藤さん・以下同)【Q3】納税額はどれぐらい安くなるの?一例として、夫と離婚した45歳のAさん(16歳の子どもが1人)のケースを見ていこう。Aさんの年収が200万円と、500万円の2パターンをシミュレートしてみると、年収200万円の場合、寡婦控除に関する申告をしなかったら、所得税が年約7,400円、住民税が年約2万4,800円かかる。いっぽう、Aさんが特別の寡婦控除を申告して認められると、所得税、住民税ともにゼロになる。特別の寡婦控除が認められたおかげで、税金が年約3万2,200円安くなるのだ(所得控除等により変わることも)。年収500万円の場合は、年約5万2,400円安くなった。「申告するだけで、これほど納税額が減るのは、家計にとってとても助かる制度だと思います」【Q4】税金が安くなった分はどうなるの?’19年分として、寡婦控除か特別の寡婦控除が認められた場合、所得税は、お勤めの人は毎月天引きですでに納められているので、還付金として返金される。住民税は、’20年6月以降に払うものが安くなる。「6月からの手取りは、住民税は減った分、少し増えたように感じられるかもしれません」「女性自身」2020年4月7日号 掲載
2020年03月28日