「福田正博」について知りたいことや今話題の「福田正博」についての記事をチェック! (3/3)
便秘のときは生野菜を食べるとよい、水分を多めにとるに限る、甘いものを食べ過ぎると便秘になるなど、便秘に関するうわさをよく耳にします。そこで、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生にそれらの話が本当なのか、検証していただきました。■炭酸水、オリーブオイルが効く検証1甘いものを食べ過ぎると便秘が悪化する?福田先生はい、悪化します。白砂糖をたっぷり使ったケーキやクッキーなどのスイーツをたくさん食べると、胃腸の動きが鈍くなる「糖反射」と言う反応が起きやすくなります。よって便秘になりやすいと言えます。スイーツは、1日につき片方の手のひらに軽く乗るぐらいの分量に、例えば、小ぶりのシュークリーム1個ぐらいまでにしましょう。検証2食物繊維を取るほど、便秘解消につながる?福田先生実は食物繊維には、野菜や海草類、きのこ類に含まれる「水溶性」と、穀類や豆類に含まれる「不溶性」の2種類があります。一方、便秘には、最も多く見られる大腸の動きが弱いことが原因の「弛緩(しかん)性便秘」、便の出口の直腸の神経が鈍い・トイレを我慢しやすい人に起こりやすい「直腸性便秘」、ストレスが原因で便秘と下痢を繰り返す「けいれん性便秘」の3種類があります。このうち、弛緩性便秘は、水溶性、不溶性のどちらの食物繊維でも改善に向けて効果がありますが、けいれん性と直腸性の場合は、不溶性の食物繊維を取ると余計におなかが張って症状が悪化することがあります。自分のタイプを知って、適切な食物繊維を取るようにしましょう。検証3オリーブオイルが便秘の改善に効く?福田先生正解です。便が硬くなりがちなときには、油分を取ると便が腸管をするっと抜け出しやすくなります。いろいろな油があるなか、オリーブオイルなら、脂質や糖質の観点からしても健康維持に良いと考えられるのでお勧めです。1日につき、ティースプーンに2~3杯ぐらいのオリーブオイルを取ってみてください。検証4朝食を抜いたほうが、腸が空っぽになって便秘解消につながる?福田先生間違いです。朝、昼、夜、と1日3食を規則正しく取ることで自律神経のバランスが取れ、ヒトの体を健康な状態にキープすることができます。朝食を抜くと、その規則正しさが損なわれ、自律神経が乱れることになり、かえって便秘になりやすいのです。朝食を取ることで、朝の目覚めを体が感じ取り、食事の刺激で腸がぜん動(運動)を始めます。便秘の解消のためには、たとえヨーグルトだけ、バナナだけでもいいので、何かを食べるようにしましょう。そして、時間に余裕を持ってトイレに行く。通勤時には、ひと駅多くウォーキングをすることを習慣にすると、便秘の解消につながります。「朝食は宝」と言います。朝食は便秘解消だけでなく、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)を調整して内臓脂肪がたまりにくい習慣にもつながるのです。検証5朝起きたらコップに1杯の水か炭酸水を飲むと便秘解消に良い?福田先生正解です。冷たい水、または無糖の炭酸水をコップ1杯程度飲むことをお勧めします。理由は、朝食を取ることが便秘解消によいのと同じです。冷たい水を飲むことで、腸が目覚めを感じ、ぜん動を開始します。炭酸水は、血管を拡張し、腸の運動を活発にします。ただし、水も炭酸水も、飲み過ぎると食欲がなくなり、朝食を食べる気力が落ちますので、コップ1杯程度の適量を飲むようにしましょう。――ありがとうございました。伝聞だけで、これが良い!と思い込んでいたことを考え直すことができました。早速今日から実践します。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年09月27日「海外では、日本のすしはヘルシーだと評価されていますが、ネタや具によっては、思いのほか高カロリーになることがあります」と話すのは、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。知らず知らずのうちにカロリーを取りすぎているかもしれない食品や飲料について、詳しいお話をうかがいました。■サラダ巻き、太巻き、口の中でとろけるネタは高カロリー――高カロリーになるすしの種類について教えてください。福田先生まずは、サラダ巻きです。「具が野菜だから低カロリーだろう」と思われがちですが、ツナやマヨネーズが入っているため、一巻きで700~800キロカロリーと高カロリーになります。また、太巻きの具であるかんぴょう煮やしいたけ煮、いなりずしの甘辛く煮てあるうす揚げには砂糖がたっぷり含まれていて高カロリーです。それに、すし飯にも砂糖が含まれている、巻きすしはぎゅっと巻いてあってめしの量も多いため、カロリーは高くなります。ランチに、コンビニやスーパーでサラダ巻きや太巻きのパックとカップめんを買う人がいますが、それだけで1500キロカロリー近く取っていることがあります。これは、身長160センチの大人が1日に必要なエネルギーに相当します。――にぎりすしでは、どのネタが高カロリーなのでしょうか。福田先生ネタに、天ぷらなどの揚げ物、肉、サンマやサバなどの青魚をのせている、また、口の中でとろける感触のある、トロ、いくら、ぶり、うなぎなどは高カロリーです。にぎりの飯の量は店によってまちまちでしょうが、一般的に、スーパーで売っているタイプでは、1カンで約30~40キロカロリーになります。ネタ次第では、1~2カンで100キロカロリーを超えます。低カロリーなのは、コリコリした食感がある甲殻類と貝類、つまり、イカ、タコ、エビ、とりがい、数の子などです。――では、ドリンクについてお尋ねしますが、カロリーオフと明示してあるタイプなら、どれだけ飲んでも太りませんか。福田先生いえ、これは、「食品表示法」のからくりがかかわってきます。食品は100グラムあたり40キロカロリー、飲料は100ミリリットルあたり20キロカロリー以下であれば、「カロリーオフ」と記してよいことになっています。「カロリーゼロ」、「ノンカロリー」とは、食品も飲料も100グラム、もしくは100ミリリットルあたり5キロカロリー未満であれば、そう表示してもよいのです。0キロカロリーだと思って飲んでいた500ミリリットルのペットボトルのジュースが、実は、1本につき、100キロカロリーも取っていることがあります。これを1日に3本飲むと、300キロカロリーにもなるわけです。「カロリーオフ」とか「カロリーゼロ」という言葉は商品の広告用語だと思って、カロリー表示を確認するようにしましょう。――野菜を摂取するのに、市販のジュースを飲んでいます。カロリーはどうでしょうか。福田先生市販の野菜ジュースには、糖分が多く含まれるタイプが少なくありません。飲んだときに甘さを感じるジュースほど、カロリーは高くなると考えてください。100ミリリットルあたり約25~50キロカロリーで、350ミリリットル1本を飲むと100~170キロカロリーになります。意外と高カロリーだと感じられるはずです。1食を野菜ジュースに置き換えるダイエットをして、ジュースを何本も飲むとダイエットにはなりません。こういう誤解を防ぐには、必ずカロリー表示を確認することです。細かい字でいろいろ書いてあって判読しにくい、面倒だと思うかもしれませんが、慣れると、どの食品がどの程度のカロリーなのか、予想がつくようになります。――ありがとうございました。「素材が野菜だから低カロリーだとは限らない」、「カロリーオフだからといって、0キロカロリーではない」などということがはっきりしました。食品や飲料を買うときにはまず、カロリー表示をチェックすることを習慣付けるようにしましょう。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年09月20日「21時以降に食べると太る」とは、いまや一般常識のように言われていますが、それでも、残業後の晩ごはん、飲み会の二次会など、夜遅い時間の食事を避けられない日が続きます。そこで、糖尿病専門医で、日々患者さんに食事の指導を行う福田正博(ふくだ・まさひろ)先生に「脂肪の蓄積を防ぐ夜遅ごはん」についてお話を伺いました。■夜は朝より脂肪燃焼率が10%以上も低くなる夜遅い時間の食事が太りやすい理由について、福田先生はこう説明します。「食事をした後には、脂肪細胞でエネルギーの燃焼が起こりますが、それは、1日のなかで朝が高く、夜は低くなります。数字で言えば、10%以上変動します。朝、昼、晩に、同じものを同じ量だけ食べても、夜遅い時間になるほど夜は燃焼しにくいため、体に脂肪がつきやすくなります」「寝る前2時間は食事をしないこと」とよく言われることについては、「寝る直前に食事をすると、食べたカロリーの多くが燃焼されることなく、脂肪として体内に蓄積されてしまうからです。食べたものが消化吸収されて代謝されるのにかかる時間は食事内容によりますが、おおむね3時間、これが「食後」です。この食後の時間は起きておかないと胃腸にも負担がかかりますし、食べたものが脂肪として蓄積しやすくなります」(福田先生)■夕方と「夜遅時間」の2回に分けて食べるではここで福田先生に、夜遅ごはんの食べ方、お勧めメニューについて教えていただきましょう。・食事を夕方と夜遅の2回に分ける(「分食」と呼ぶ)。残業がある日などは、おなかが減る前の夕方におにぎり1個を食べておく。その上で、帰宅後の夜遅ごはんでは、おにぎり1個分のカロリー(約200キロカロリー)を差し引いて食べる。たいだい、白いごはん1杯分程度。・20時以降は、スイーツ、フルーツ、甘いジュースは食べない。糖質、カロリーが高いため、血糖値(血液中の糖分の濃度)が上がって脂肪が蓄積する。どうしても食べたいときは、寒天ゼリーなど、成分表を見て、目安として100キロカロリー以下。さらに糖質、脂質が少なめのものを選ぶ。フルーツなら、カロリーが低めに抑えられるいちご(5個で約40キロカロリー)、バナナ(1本約80キロカロリー)などにする。甘味の強いメロンや柿などは、血糖値(血液中の糖分の濃度)が上がりやすいので避ける。・夜遅ごはんの調理法、食べ方。主菜の2倍の量にあたる野菜料理、きのこ、こんにゃく類を先に食べる。ごはんは、ぞうすいやリゾットにして、ふやかす。味が濃いと、翌日にむくみがでて体重がアップするため、薄味に。ジャガイモ、サツマイモ、とろろ(山芋)などイモ類は糖質(炭水化物)なので、避ける。肉が食べたいときは、冷しゃぶ3~4枚にする。鶏の皮はカロリーが高いので避け、ささみにする。魚介類はヘルシーだが、消化の点で、白身魚をお勧め。揚げ物は、脂質が高くて脂肪が蓄積されやすいので避ける。すしは、砂糖が入っていてカロリーが高いので避ける。翌日の朝ごはんを食べられるように、平時の夕食より7分目ぐらいの量を意識する。葉もののカット野菜は好きなだけ食べてOK。・夜遅ごはんのお勧めメニュー。温野菜や、野菜のおひたし。スライスチーズ1枚を乗せたトーストとオニオンスープ。肉豆腐、おでん、ナムル、かき卵汁、ぞうすい、リゾット、ヨーグルト、豆乳。福田先生は最後に、「食後にお風呂に入り、エネルギーを消費しましょう。食べてばたっと寝るのが最悪です」とアドバイスします。残業でもないのに毎晩食べていた「夜遅スイーツ」、今日からストップするようにします……。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年08月05日最近、「かかりつけ医」という言葉をよく耳にします。何やら「気楽に行けそうな近くの診療所」という響きですが、「意外にどういう存在か知られていない」と言うのは、大阪府内科医会(大阪府下の内科診療所の医師が集まる団体)会長で、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。医療の連携システムなども含め、詳しいお話を伺いました。■かかりつけ医の紹介だと、大病院での検査や入院の予約が早い――「かかりつけ医」とは、何をする医師なのでしょうか。福田先生「大病院志向」と言って、どんな病気でも大きな病院の方が安心だという風潮があります。しかし大病院では、「待ち時間があまりに長い」、「いつの間にか担当の医師が変わっていた」、「3時間待って診察は3分だ」などのデメリットも少なくありません。また大病院とは、より重症の、より専門的な治療を必要とする入院患者さんに対応することが本来の役割ですが、軽症の外来患者さんが多いと業務に支障をきたします。それをできるだけ解消しようと、現在は国の施策で医療機関の機能分担が進み、「病院は入院診療を受け持ち、外来の診療は診療所が受け持つ。その上で、病院と診療所が連携してネットワークを整える」というシステムができつつあります。日ごろは近所のかかりつけ医で健康の管理をしてもらい、検査や入院が必要なときは、どの科の専門医に受診するのがよいのか、どの専門病院、総合病院が良いのかが相談でき、紹介してもらえるというわけです。病院での検査や入院が終了すれば、またかかりつけ医で診療や薬の処方、管理を行います。――それは便利ですね。何かがあれば、まずは、かかりつけ医に駆け込むことによるメリットはたくさんありそうです。福田先生風邪をひいて熱がある、じんましんが出た、胃の不調が続く、不眠症かも?ねんざをしたなど、いろいろな体調不良のときにまず相談できるのがかかりつけ医だと考えてください。それに、街の開業医であるかかりつけ医は、待ち時間が少ない、医師とのコミュニケーションが成り立ちやすい、過去のいろいろな症状を把握されているなど、患者さんにとって安心、便利な点は多いでしょう。入院や検査が必要となった場合でも、かかりつけ医からの紹介で大きな病院へ行くほうが、その病院に直接行くよりも早く予約が入る、待ち時間が少ないということも多いようです。これはよく不思議に思われますが、「医療連携システム」上、連携している診療所からの紹介の場合は、予約の枠が別に設定してあり、通常より早くなることが多いのです。――かかりつけ医の上手な探し方を教えてください。福田先生家族や近所、周囲の人が通っている診療所の評判を聞く、いわゆる口コミ情報で探されるのが一番手軽でよいでしょう。しかし注意点が一つ、やはり医師と患者さんにも相性というものがありますので、その点は一度訪れてみて、ご自分で確かめることが大切です。病気でないとき、例えばインフルエンザの予防注射や健康診断などで受診してみるというのもいいでしょう。ポイントは、その医師が自分にとって話しやすいこと、話を聞いてくれること、丁寧に説明してくれることでしょう。ただし、にこにこと優しいだけでは不十分です。医師は患者さんのためにならないときは厳しく指導しないといけないこともあります。ご自分の健康にとって、本質的に良いアドバイスをくれる医師かどうかが重要でしょう。一方で、かかりつけ医が何でもできるスーパードクターである必要はありません。それよりも、健康管理について何でも相談に乗ってくれる、守備範囲以外の症状を発見した場合はすぐに適切な専門機関を紹介してくれる医師が理想です。また、大阪府内科医会では、会が市民の皆さまに推薦できる医師を認定する「大阪府内科医会推薦医」の制度を独自に設けていて、ホームページに一覧を掲載しています。そういう活動をしている地域もあると思いますので、インターネットなどを活用し、積極的に情報を探してください。――ありがとうございました。体調が悪いなと思ったときは家族や友人に相談しますが、その延長で、健康管理や薬について専門的な相談をすることができる、いざ病気というときに頼りになるのがかかりつけ医のようです。早速探してみてはいかがでしょうか。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(品川緑/ユンブル)
2012年08月02日「油」というと、調理に使う油やドレッシングなど、目で確認しやすい油をイメージしがちです。「実は、見た目では分からない隠れ油が含まれる食べ物がたくさんありますよ」と言うのは、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。詳しいお話を伺いました。■脂質は1日30~40グラム取るまず、油について、福田先生はこう説明します。「油脂は、原材料によって植物性の『油』と動物性『脂』があります。混乱しそうですが、区別してとらえてください。油脂と脂質は同じ意味ですが、脂質とは三大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)の一つで、主に肝臓で中性脂肪やコレステロールの合成に使われ、体の細胞膜やホルモンの成分になります。脂質は体内で1グラムにつき9キロカロリーのエネルギーになり、ほかの栄養素である糖質(1グラムにつき4キロカロリー)やタンパク質(同)の2倍以上のカロリーになります。1日に食べたカロリーが、消費したカロリーよりも多くなると、消費できずに余ったエネルギーは中性脂肪となって皮下や内臓周囲の脂肪細胞に蓄えられます。太る原因はここにあります」では、どのくらいの脂質をとるといいのでしょうか。「栄養バランスを考えたうえで、自分にとっての適量をとるようにしましょう。細かい計算式があるのですが、おおよその例を言いますと、まず、1日の食事で摂取するカロリーの目安は、デスクワークなど動きの少ない男性で1,600~1,800キロカロリー、女性で1,400~1,600キロカロリーです。このうち糖質は55~65%、タンパク質は15~20%、脂質は20~25%の比率で食べるのが、栄養バランスがとれていると言えます。つまり、1日30~40グラムの脂質摂取量を目標にするといいでしょう。栄養素にはそれぞれ、体のどこそこの部位や組織に使われるといった役割があります。ですから、脂質をとらないでタンパク質だけをとるなど、比率を無理に変えると、リバウンドどころか、すぐに体調不良、病気を招くことになるのでその点は注意してください」■どのくらいの脂質が含まれているかチェックするでは、隠れ油が含まれているかどうかは、どのように確認すればいいのでしょうか。「当院の管理栄養士に聞いたところ、ポイントは、食品の表示をよく見て、何グラムの脂質が含まれているかを確認することで、チェックするうちに、『意外と多く脂質が入っている』ということが分かってくるでしょう、とのことです。例えば、野菜の煮物100グラムの脂質は約2グラムですが、サーロインステーキ100グラムには約26グラムが含まれます。肉の加工品である、ベーコンやソーセージ(50グラム当たり、脂質は14グラム)にも注意しましょう。・揚げ物ノンフライであっても、味付けパウダーを定着させるために油を少量振りかけている場合があります。・調味料、加工品マヨネーズやドレッシングなど、生野菜に味を付けるための加工品は、生の野菜にも合わせやすいように油脂を使用しています。多くかけ過ぎないことがポイントです。また、ポタージュスープ、デミグラスソースなどのソース類、カレーのルーにも隠れ油が含まれます。カレーのルー1人前15グラム当たり、脂質は約5グラムです。・乳製品バター、生クリーム、マーガリン、ホイップクリーム、コーヒーのクリームに油がよく隠れています。最後に福田先生は、次のアドバイスをします。「油脂は空気に触れて酸化すると、食品の色や風味、食感などが悪くなり、健康にも害をおよぼします。油は棚の下の暗くて涼しい場所に保管し、賞味期限内に使用しましょう。また、揚げ油を何度も使用するのは避けてください。繰り返し使った油は酸化して黒くなります。また、そうした油を使用しているお店は避けるようにしましょう」知らず知らずのうちに隠れ油のとり過ぎでメタボになっていた……ということを避けるためにも、自分の食事内容を把握するよう、食品表示のチェックから始めましょう。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(岩田なつき/ユンブル)
2012年07月29日「食事やスイーツ、お酒の量をコントロールしたいとき、自分の両手を使って、そのとき食べてもよい分量を量る方法があります」と話すのは、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。かなり簡単な方法だとか。詳しいお話を伺いました。■ケーキは、片手のひらに乗る分量までに「甘いもの、お酒、ポテトチップス……。ダイエットしたいのについ食べ過ぎる」という皆さん、糖尿病専門のクリニックで患者さんやその家族に食事の質と量をレクチャーする福田先生は、「買おうとする食品にカロリーの表示がないときや、カロリー計算が面倒な人は、誰でもすぐに理解できる『手ばかり』を利用してください。食事の適量が一目で理解できます」と言います。「手ばかり」とは、自分の両手のひらを量りにする方法です。具体的には次のように実践します。1.スナック菓子は、片方の手のひらに載る分量。ポテトチップスなら、3枚~6枚程度が目安。2.まんじゅうなどの和菓子は、片方の手の親指と人さし指をくっつけて、その輪の中に入る量。小さめの上用まんじゅう1個程度3.ケーキなどの洋菓子は、片方の手のひらに軽く載る分量。小さめのシュークリーム1個、クッキーなら2枚。ショートケーキなら3分の1程度。4.果物は、両手の人さし指同士、親指同士をくっつけて輪を作り、その輪の中に入る分量(トップの写真参照)。リンゴ2分の1個、バナナ1本、イチゴ10粒、キウイフルーツ2個(それぞれ約100キロカロリー)などですが、各少しずつ、合計で輪の中に入る分量を食べるのもよいでしょう。5.生野菜は、1食につき約120グラム。両手のひらに一杯分が乗る量。6.加熱した野菜は、1食につき約120グラム。片手のひらに一杯分が乗る量。7.野菜を種類別に考えた場合、緑黄色野菜(キャベツ、レタス、小松菜、ホウレンソウ、にんじんなど)は、両手のひらに一杯分が乗る量。8.緑黄色野菜以外の野菜(玉ねぎ、きゅうり、なすなど)は、両方の手のひら2人分(片手のひら4つ分)の量。9.魚は1日につき、切り身1切れ。片手のひらに乗る量。あじ、さば、いわしなどの青魚、たら、かれいなどの白身の魚、イカ、タコ、エビ、貝類などは、その分量を主菜として1日1回は食べましょう。青魚は、血液サラサラ効果がある成分を多く含みますが高脂質でもあります。食べ過ぎないようにしましょう。白身魚は、青魚に比べて、脂質が半分~3分の1程度です。10.肉は、1日につき、分厚さは2~3センチメートルで、片方の手のひらに載る量。スライスした肉なら、60グラム程度。ただし、部位によってカロリー量に差が出ます。同じ100グラムとして、牛もも肉209カロリー、牛肩ロース318キロカロリー、牛バラ肉は454キロカロリー、と、順番にカロリーもコレステロールの量も高くなります。豚肉も同様に、豚もも肉183カロリー、豚肩ロース253キロカロリー、豚バラ肉は386キロカロリーと高くなります。鶏肉は、皮がポイント。鶏もも肉の皮付きは200キロカロリーで、皮なしは116キロカロリーです。ダイエットをしたい場合は皮なしを選ぶか、皮ありの場合は、片方の手のひらの半分の量にしましょう。11.大豆製品は、片方の手のひらに載る量。とうふなら1丁、納豆なら1パックまで。12.ビールの1日の適量は、片方の親指と人さし指を開いて伸ばした量。日本酒、ワインは、人さし指を伸ばした量。ブランデー・ウイスキーは、親指の幅(1センチ~1.5センチ)の量。福田先生は、手ばかり法について、こうアドバイスを加えます。「数日間、意識をしてその通りの分量を食べてみると、自分にとっての適量というものが分かるようになります。『食べ過ぎに量』とは、胃がもたれるまで食べたときの量ではなく、この手ばかりの量を超えたときを指すのです」手ばかりで量ると、けっこう少ないように感じますが、「今の時代、人はみな、食べ過ぎているのです。本来、自分の手に乗る量でじゅうぶんなのです」と福田先生。現在の食事量が、自分にとって本当に必要な量なのか、過剰ではないのかを検証し、適量を教えてくれる機会となりそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス 1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年07月05日スポーツや仕事など、ハードワークでの疲労回復には、にんにく注射や栄養ドリンク、クエン酸が入ったレモンやグレープフルーツ、梅干しが効く、とよく耳にしますが、本当なのでしょうか。糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生にお話を伺いました。■医学的に実証されているのは、鶏の胸肉大仕事の前や疲れたときに、にんにく注射や栄養ドリンクを飲むとパワーが出る、疲労回復に効果があると言います。この現象について福田先生は、次のように説明します。「にんにく注射や栄養ドリンク、にんにく、酢などを使った健康食品、サプリメント、覚せい作用のあるカフェインが入っているコーヒーなどでは、一時的に元気になったような気がします。しかし、そのあとに落ち込みがあり、本質的な疲労回復にはならないようです」そうでしたか……、栄養ドリンク好きの筆者としても、服用後の体調の変化については意識したことがありませんでした。福田先生は、疲労回復に効果がある食事について、こう話します。「疲労回復に働く抗疲労物質として期待されているものとして、渡り鳥の胸肉や、回遊魚(イワシ、サバ、サンマ、タラ、マグロ、カツオ、アジ、ブリ、さけなど)の尾の肉に多く含まれる『イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)』という成分があることが分かっています。われわれも臨床試験をしましたが、一定の効果が認められました。渡り鳥が休みなく飛び続けられるのは、羽の付け根の部分に含まれるイミダペプチドが筋肉疲労を防ぐ働きがあるからと言われています。1日に鶏の胸肉・約100グラムを1週間とり続けると、疲労回復に効果があるとされています」また、運動後すぐに、レモンやグレープフルーツ、梅干しなどを食べるとよい、とよく耳にしますが、どのような効果があるのでしょうか。「細胞内でエネルギーを作りだすシステムの一部にクエン酸や酢酸があります。クエン酸を多く含むレモンなどのかんきつ類、梅干し、いちご、キウイや、酢酸を含む米酢などを補給することは疲労回復に役立つと言えるでしょう。筋肉の疲労時に、食べ物からクエン酸を補ってやると、エネルギーが効率よく作れるようになり、乳酸の処理も早めになると考えられます」疲れた、と思えば、クエン酸、酢酸を含む食べ物やドリンクを口にすればよいようですが、福田先生は、こうも付け加えます。「筋肉疲労でない場合の精神的ストレスに効果があるのは、『バランスの良い食事と睡眠』が基本です。私個人の一日の疲労回復メニューは、腹八分目の夕食のあと、ひとかけらのカカオリッチな美味しいチョコレートと一杯のエスプレッソ一、そして早めの就寝です」■疲労回復のための簡単自炊レシピここで、鶏の胸肉、 魚の尾、かんきつ類を使った簡単レシピを紹介していただきましょう。<鶏胸肉のマヨ焼き~ピザ風>鶏胸肉を1センチの厚みの薄切りにし、フライパンで焼きます。マヨネーズと練りからしと青ネギを混ぜたソースをかけて、チーズをのせて、カリッと焼くと出来上がり。1人分の目安:鶏胸肉3分の1枚、マヨネーズ大さじ2、練りからしチューブ1センチ程度、青ネギ少々、スライスチーズ1枚<ツナ缶詰でチャーハン>玉ねぎ、にんじんをみじん切りにし、フライパンでいためます。軟らかくなったらごはんとツナ缶を加え、切るように混ぜいためます。しょうゆで味を調えて出来上がり。卵を加えるとマイルドな味わいになります。1人分の目安:ごはん1膳(ぜん)、ツナ缶2分の1、玉ねぎ4分の1個、にんじん4分の1本、卵1個、しょうゆ小さじ1杯<生しぼりグレープフルーツジュース>小さめのグレープフルーツを、レモンしぼり器などでギュッとしぼってジュースにします。炭酸水を少し混ぜるとのどごしよく飲めます。甘味を足したいときは、はちみつを小さじ1杯程度加えるとよいでしょう。やみくもに栄養ドリンクに頼っても、根本的な疲労回復にはならない。日ごろの食事やドリンクが大事だ、ということが分かりました。これらの情報を頭に入れて、毎日早めの疲労回復を意識して過ごしたいと思います。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス 1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年07月03日「ダイエットがしたいのに、甘いものがやめられない。果物なら、ケーキやスナック菓子よりはよさそう……」。そんな印象がありますが、本当のところはどうなのでしょうか。糖尿病専門医で、日々クリニックの現場で食事指導を行っている福田正博(ふくだ・まさひろ)先生にお話を伺いました。■果物のカロリーは、スイーツの半分以下果物とスイーツのカロリーの差について、福田先生はこう説明します。「ケーキやスナック菓子などのスイーツは、油脂を使用しているものがほとんどです。それゆえに、少量でもカロリーが高くなります。果物は食物繊維や水分をたくさん含んでいるので、スイーツと同じ重量を食べたとしても、カロリー摂取量は低くなります。例えば、バナナ1本(120グラムとして)は約100キロカロリーですが、イチゴのショートケーキ120グラムなら、約300キロカロリーになります」それはかなりの差です。では、果物とスイーツに含まれる糖分、甘味そのものの質はどう違うのでしょうか。果物は自然の産物なので、糖分の質も良いように思います。「スイーツの甘みの原材料は、さとうきびやさとうだいこん、じゃがいも、さつまいもなどの植物からできていますので、甘みの質は果物とほぼ同じです」と福田先生。ただし、果物の利点として、福田先生はこう強調します。「生の果物には、ビタミン・ミネラル・ポリフェノール類が多く含まれています。体の新陳代謝にはビタミン・ミネラルが必要です。また、細胞の抗酸化効果が期待できるビタミン・ポリフェノール類が効率よく摂(と)れるという点でも、果物は優れています。そこが、スイーツやスナック菓子との違いです」リンゴ、バナナ、グレープフルーツはよく、ダイエットに効果あり、と言われます。効果はどうなのでしょうか。「生の果物は、新陳代謝をスムーズにするためのビタミン・ミネラルが豊富ですが、よく話題になっている、○○だけダイエットなど、一種のフルーツに限るという方法は間違っています。栄養バランスが偏ってしまうからです。栄養バランスを整えながら、カロリーを控えることがダイエットの成功につながります」(福田先生)ダイエットを意識する人が「甘いものが欲しくなれば、スナック菓子より果物にする」と考えるのは正しいのでしょうか。「菓子よりカロリーを控えられる点で正しいです。が、おやつとしてお勧めするのは、『果物を適量』ということです。食べ過ぎてしまわない、『適量』が大事なんです。健康な方の目安として、1日に約200グラムまで、と考えてください。バナナなら2本まで、です。夜に果物を食べると、太りやすくなります。また、メロンや桃、柿などの甘味の強いフルーツは、食べ過ぎないように気をつけましょう。それに、果物の甘い缶詰は、加工してあるので『菓子』だと考えてください。その適量を、『朝~昼過ぎ』までに、遅くとも15時までに食べるようにしましょう」ここで福田先生は、次のアドバイスをつけ足します。「スナック菓子を含む、ケーキやおまんじゅうなどの嗜好(しこう)品はできるだけ避けるか、片方の手のひらに載る分量までにしましょう。また、果物でも、ドライフルーツは糖分がギュッと濃縮されていますので、生のフルーツと同じように考えてはいけません。干しブドウ15粒(約150グラム)は約80キロカロリーですが、生のブドウ15粒(約10グラム)は約30キロカロリーになります。乾燥している分、栄養価は高いのですが、水分が減っていて食べやすいので、食べ過ぎるとあっという間に糖分のとり過ぎになり、体重、体脂肪ともアップします」同じ甘いものでも、自然の産物の果物は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、「お通じにもいいのがスイーツとは違うところ」(福田先生)というメリットもあるそうです。甘味が欲しくなれば、まずはこれらのことを思い出すようにしましょう。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス 1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年06月28日「健康的にダイエットをするなら、1食につき600キロカロリーを目安に、主食、主菜、副菜を3:2:1の割合で食べましょう」と提唱するのは、糖尿病専門医で、大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。具体的な方法など、詳しいお話を伺いましょう。■「主食:主菜:副菜=3:2:1」の割合に福田先生は、太らないための1食の摂取カロリーについて、こう説明します。「1回の食事の総カロリーを600キロカロリー前後にすると、1日で1,800キロカロリーになります。基礎代謝を考えると、この量なら体脂肪が増えず、生活習慣病になりにくい体型を維持できることが分かっています」福田先生は糖尿病専門医の立場から、「『腹やせ』を実現すると健康な状態に近づき、見た目も良くなる」と提唱されています。「腹やせのためにも、1食600キロカロリーにすることが健康ダイエットの要です。もし、これではおなかがすいてあとでドカ食いしてしまうという人は、朝と昼は1食800キロカロリーに、晩は600キロカロリーにするなどして、徐々に600キロカロリーに減らしていくようにしましょう。基礎代謝が高い男性は、1食につき700~800キロカロリーを目安にしてもよいでしょう」と、ドカ食い対策も提案します。では、600キロカロリー分のメニューをどのように食べればいいのでしょうか。「主食(ごはん、パン、めん類など):主菜(メインのおかず):副菜(野菜など)の分量の比率を3:2:1とすると、栄養バランスがよくなります。つまり、主食は約300キロカロリー、メインのおかずは約200キロカロリー、副菜は約100キロカロリーとします」(福田先生)■600ミリリットルの弁当箱に比率どおりに詰める食事の際に、その場で「これが600キロカロリーだ」と判断できるものでしょうか。福田先生は、「簡単に見極める方法があります。600ミリリットルの弁当箱を使って、カロリーと栄養バランスをチェックするのです」と、次の方法を紹介します。<弁当箱でカロリーと栄養バランスをチェック>1.600ミリリットルの弁当箱を用意。おおよそ、600キロカロリー分の料理が入ります。2.弁当箱に、料理を「主食:主菜:副菜=3:2:1」の割合で詰めます。主食は、2~2.5に減らし、総カロリーを500~550キロカロリーとしてもよいでしょう。3.料理が重ならないように、また、詰めすぎないようにします。4.色のバランスを考えて詰めます。主食(ごはん)は白系、主菜(肉や魚)は茶系、副菜(野菜)は緑系や赤系など。見た目においしそうに感じ、栄養のバランスも整います。福田先生は、日常的にカロリーを計算する手段として、「家で食事をするときでも、この弁当箱に詰めてみてください。すると、『600キロカロリーがどのぐらいか』を把握することができて、繰り返すうちに目で確認できるようになります。はみ出した分は食べないようにしましょう」とレクチャーします。弁当箱ダイエットの効果については、「栄養バランスの改善を一番の目的とし、タンパク質(おかず)の食べ過ぎを予防します。これがカロリーダウンにつながります。詰めた弁当箱を眺めて、『おかず、少ない!』と思ったら、その量は正解なんです」(福田先生)最後に、食べ方についてもアドバイスを加えます。「この量にして、満腹感を覚えやすい食べ方を心がけます。例えば、一口につき30回以上を噛(か)む、途中でおはしを置いて休憩する、副菜→主菜→主食を交互に食べ進めるなどの工夫をしましょう」(福田先生)これは何とも分かりやすいカロリー計算法です。早速、600ミリリットルの弁当箱を買いに走り、トライしました。す、少ない……。でも、それゆえに、じっくりと噛みしめ、味わって食べました。そして、「実はこのぐらいで十分なのだな」ということを知ったのです。自作の600キロカロリー健康バランス弁当、ぜひお勧めします。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス 1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(海野愛子/ユンブル)
2012年06月02日ウォーキングやジョギング、ヨガ、ジムでのトレーニングなどを行うにあたり、「いつ実践すれば一番効果的なのだろうか」と迷うことはありませんか。「体脂肪が燃えやすい時間帯がある」と言うのは、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生。詳しいお話と、トレーニングのコツについて教えていただきました。■最も脂肪が燃焼するのは、「朝食後、2時間ぐらい」――トレーニングをすることで体脂肪が燃焼しやすい時間帯はいつでしょうか?福田先生いつどの時間に実行しても脂肪は燃焼されますが、1日のうちで最大に効率よく燃焼するのは、ずばり、「朝食後」です。脂肪を燃やすためには、自律神経の一つである「交感神経が活発に働く」必要があります。肝心なのは、この交感神経は、「夜よりも朝の時間帯に活発になる」こと、また、「空腹時よりも食後の方が活動する」ということです。つまり、「朝ご飯のあと、2時間ぐらいまで」が最も活発に脂肪が燃える時間帯といえるのです。「朝食後に20分以上、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を行うと、昼食後や夕食後にいたるまで血糖値(血液中の糖分の濃度)の上昇を抑えやすい」という医学データがあります。運動中だけでなく、「運動後も数時間に渡ってその効果が持続する」と実証されています。脂肪細胞でエネルギーが燃焼し続けることになるからです。■通勤時間をトレーニングタイムと考える――会社員は、朝にトレーニングの時間をとるのは難しそうです。福田先生 出かける前の朝食後の歯磨きタイムや新聞を読むときには、「腹筋に力を入れて足踏みをする」、「深くて大きい腹式呼吸をする」、通勤時には、「ひと駅分はウォーキングをする」ようにしましょう。通勤電車では立つ、駅や会社では「階段の昇り降りをする」など、プチエクササイズを実践して常に体を動かすようにします。「通勤時間帯はトレーニングタイム」と考えて、朝食後2時間までの時間を有意義に使ってください。もっとも、これを機にいつもより1時間ほど早起きをして早朝散歩をする、ジムでトレーニングをしてから通勤する、などを実践すると、メンタルにも良い効果があります。生活習慣を変えることができて気分も爽快、脂肪燃焼や減量のみならず、心身ともに健康と美容の力はアップするでしょう。――忙しくて朝食抜きという場合、脂肪燃焼の効果はどうでしょうか。福田先生まず、目覚めてすぐにウォーキングやジョギングに出かけるというのは、健康にはよくありません。起きたばかりのころは睡眠中の発汗で脱水傾向にあり、筋肉や関節も硬くなっています。朝食をとることは、体を目覚めさせるという重要な役割もあります。時間がなくても、せめて野菜ジュースを飲む、ヨーグルトとフルーツを食べるなど、 少し糖質・炭水化物を取り、軽くストレッチをして出かけてください。――空腹時よりも食後のほうが体脂肪の燃焼効果は大きいのですか。福田先生空腹時に運動をすると体が飢餓状態となり、その後に食べ過ぎてしまう、脂肪を蓄積してしまうという反動に陥りやすく、ダイエットや体脂肪減に失敗する人が多いのです。血糖の上昇を抑えるという点からも、トレーニングは食後にすることをお勧めします。朝食後2時間以内に運動をすると、その後の体脂肪燃焼率は高くなる――。挑戦してみると、活力ある一日を過ごせてその夜はぐっすり眠れました。これは早起きのモチベーションにもつながり、好循環になりそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医。大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(藤井空/ユンブル)
2012年04月21日「便秘は万病の元。若いうちに解消しておくに限ります。改善には、腸のぜん動運動(後述)を促すことが大事ですが、それには、腹筋運動よりもウォーキングが有効です。あることが分かっています」と説明するのは、糖尿病専門医で『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)などの著書がある福田正博医師。福田先生が勧める「便秘対策ウォーキング」について、お話をうかがいました。■ウォーキングは腹筋を強化し、副交感神経に働きかける福田先生は、便秘の種類と原因について、次のように解説します。「便秘は大きく、『症候性』と『機能性』に分かれます。症候性とは、がんなど炎症によって腸が狭くなったために起こるもので、機能性は、さらに、弛緩性とけいれん性に大別されます。10代~30代に多いのは、この弛緩性のほうで、ウサギのフンのようなころころの便が特徴です。腸管の壁は、締まったりゆるんだりとリズミカルに運動する『ぜん動運動』を行っています。ですが、ストレス、大食い、飲み過ぎ、無理なダイエット、夜更かし、運動不足などがあるとぜん動運動が弱まり、便秘になるわけです」便秘を解消、予防するには、腸のぜん動運動を活発にすればいいということでしょうか。「そうです。腸のぜん動運動を助けるものの一つが、『腹筋の動き』です。 無意識のうちに、 運動不足やストレス、加齢などで腹筋が弱まるにつれ、実は腸の動きも悪くなっていきます。これを解消しないことには便秘はよくなりません。そこで、ウォーキングをお勧めしています。ウォーキングを繰り返すことで腹筋が強くなり、大腸の動きを助けることになります」(福田先生)腹筋運動より、ウォーキングを勧められるのはなぜでしょうか。福田先生は、「便意は、自律神経の一つの副交感神経の働きによって感じます。ストレスや運動不足があるとそれがうまく働かず、便意をもよおしにくくなります。腹筋運動でも、ある程度は筋肉を強化することはできますが、副交感神経を優位にすることはできません。その点、ウォーキングなら、『副交感神経を優位にして自律神経のバランスを整えることができる』、さらに、『腹筋運動では腰を痛めることがあるが、ウォーキングは安全で、かえって腰痛改善にも効果がある』など、良いことが多いわけです」と、ウォーキングのメリットを強調します。■さらに、朝一番にミネラルウォーターを飲むここで、ウォーキング法を具体的に紹介していただきましょう。「まずは早起きをし目覚めにコップ一杯のミネラルウォーターを飲みます。腸が刺激され、ぜん動運動を促します。特に、水は、硬度の高いミネラルウォーターはマグネシウムを多く含むので効果的です。『深層水』や『海洋深層水』など、硬度の高い水を毎日飲むと、便秘の解消に有用であるという医学データもあります。また、朝食を抜くと腸が働かないので、朝食はしっかりとるようにしましょう。食物繊維の多い食事を心がけてください。朝食後、約20分はウォーキングを行うのが理想です。仕事に出るときは、駅やバス停ひとつ分を歩くなど、工夫をして歩数を伸ばしましょう、腕を振って大股で歩くと運動効率が上がります。駅や会社のビルでは、できるだけ階段を使うようにしてください。これらを2週間も続けると、随分と便秘解消効果が現れます。なお、排便前に腹痛があって排便で軽快する人は、早めにかかりつけ医に相談して便秘の原因を探るようにしてください」(福田先生)「朝の水飲みウォーキング」を実践したところ、日ごろから運動不足で朝食も取らない筆者の場合は、2日で効果が現れました。これは継続あるのみです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医。大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(藤井空/ユンブル)
2012年04月20日「夏場などに、糖分を多く含む清涼飲料水や缶コーヒーを大量に飲むことで、血糖値(血液中の糖分の濃度)が急上昇し、最悪の場合、こん睡に陥って救急車で運ばれるケースがあります。これは、『ペットボトル症候群』と呼ばれる急性の糖尿病の一つで、10代~30代の男性に多い」と話すのは、糖尿病専門医で、大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。詳しいお話と、「砂糖の取り過ぎを避けるためのお勧めのドリンク」について伺いました。■ドリンク500ミリリットルに、角砂糖が12個以上も福田先生は、炭酸飲料などに含まれる糖分の量と、その体への影響について次のように説明します。「ペットボトル症候群は、大量の糖が一気に体に入ることで一時的にインスリン(すい臓から出る血液中の糖をエネルギーとして筋肉などで燃焼させるために不可欠なホルモン)不足に陥り、血糖値が急上昇することで起こります。一般的な炭酸飲料の多くには約10%程度の糖分が含まれています。500ミリリットルのドリンクなら50グラム、角砂糖(1個4グラム)に換算すると、実に12個以上が入っていることになります。健康飲料と思われるスポーツドリンクでも角砂糖7~8個分が含まれているものもあります。スポーツ時や夏場なら、のどの渇きに応じて一気に1リットルほど、毎日2~3リットルを飲む人がいますが、これは危険です。また、ペットボトル症候群のような極端なケースでなくとも、習慣的に清涼飲料水を多く飲んでいると、『尿の量が増え、トイレに行く回数が増える』、『やたらとのどが渇く』などの症状が出ることがあります。そのためにさらに清涼飲料水を飲むという悪循環が起こります。これでは血糖値がどんどん上昇することになります。特に10歳~30歳くらいの少し太り気味で、『糖尿病予備群と言われたことがある』、『身内に糖尿病の人がいる』男性は、清涼飲料水の飲み過ぎには注意しましょう」■さっと作れる「糖分ひかえめ自家製ドリンクレシピ」ここで、福田先生お勧めの簡単ドリンクを教えていただきましょう。<水かお茶+梅干し、塩昆布>汗をたくさんかき、いつもより水分を多く補給したいときには、できるだけ、水やお茶にしましょう。ただし、塩分も必要ですから、水やお茶1リットルに対して梅干し1個や塩昆布ひとつまみを口に含みつつ、お茶か水を飲むようにします。<レモン炭酸水>炭酸水約150ミリリットル+レモン汁大さじ1.5杯+はちみつ小さじ1杯約20キロカロリーになります。レモンによってビタミンCとミネラルを少し補充します。はちみつは、砂糖よりも甘みが強いので、少量でも甘く感じることができます。<ダイエットミルク>お湯約150ミリリットル+スキムミルク大さじ1杯半+はちみつ小さじ2分の1約50キロカロリー。お湯にスキムミルクを溶かし、はちみつを加えます。スキムミルクは牛乳の栄養素をそのままに、脂肪分を取り除いた粉末。牛乳よりカロリーが半分程度となり、脂質も抑えられます。カルシウムが豊富なので、継続して飲むと、イライラ予防や骨量のコントロールにも効果が望めます。<無糖ヨーグルト水>市販の無糖ヨーグルトを2倍の水で薄め、はちみつを小さじ1杯加えます。全体量が150ミリリットルの場合、約70キロカロリーです。甘さひかえめで美味、便秘の改善にも効果的です。清涼飲料水のみならず、スポーツドリンクにも砂糖がこれほど含まれているとは、ノーマークでした。これからは、ペットボトル飲料の「飲み過ぎ」にも気を付けないといけません。監修:福田正博氏。糖尿病専門医。大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(藤井空/ユンブル)
2012年04月14日好きなものを好きなだけ食べられるバイキングスタイルの食事に、つい「ダイエット」という文字を忘れて食べ過ぎ、家に帰ってから後悔……、という経験はありませんか。そこで、バイキングを上手に楽しむコツについて、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生にお話を伺いました。■多種類を少量セレクトして楽しむべしバイキングで太りにくい食べ方の秘けつについて、福田先生はこう言います。「バイキングに行く目的をつくることがポイントです。思いっきり食べたい、大好きな肉を10皿食べるぞ、料金のもとをしっかりとるぞ! などという目的ではなく、食事の内容や空間、時間を楽しもうという目的を立てましょう」ここで、福田先生が指摘する「太りにくい食べ方・6カ条」をご紹介します。(1)楽しく話しながら、よくかんで食べる顎(あご)をしっかり動かすことを意識し、時間をかけてよくかむ。すると、脳が活性化して満腹中枢を刺激するホルモンが脳内に出ます。がつがつと料理のお皿だけを見るのではなく、家族や友人らと会話しながら食べましょう。(2)早食い、がつがつ食い禁止脳に「もう満腹です」と感じさせるホルモンは、分泌されるまでに20~30分の時間がかかります。それが出てこないうちに早食いすると満腹感が得られず、いくらでも食べてしまうことになります。飲み物で、食事を胃に流し込むことのないよう、水・お茶を準備して、ゆっくり飲みましょう。もちろん食事中に甘いジュース類はいけません!(3)一口か二口で食べられる量を盛りつけて、多種類を食べる「おいしそう~」と、目についた料理を片っ端から盛り付けると、油ものばかり、など、食べたい料理だけに偏りがちになります。一口か二口で食べ切れる量を目安に、野菜、魚介、肉、卵、ごはんやパンなど多種類を、彩りよく、少しずつ取り分けましょう。(4)盛り付けた料理を、目で確認してから食べる食べた量を把握するためにも、食べたい料理を1枚のお皿に盛りつけます。そして、これから食べる量と食品を目で確認してから食べ始めましょう。この、「目で確認する」という作業は、脳に過食を予防する働きかけの意味もあります。野菜、きのこ、海藻類がお皿の3分の1から半分を占めるとカロリーが控えられています。(5)野菜、きのこなどの食物せんいから先に食べる最初に野菜や海藻類、こんにゃく、きのこなど食物せんいが多く含まれる料理を食べ、その後、肉や魚などのタンパク質、次にごはんやパン、めん類などの炭水化物を食べるようにします。すると、腸からの糖質や脂質をゆっくりと消化・吸収することができて、食後に上がる血糖値(血液中の糖分の濃度)を抑えることにもつながります。(6)スイーツには、果実やゼリー、シャーベットを選ぶ洋菓子は脂肪でカロリーが高く、和菓子は糖質が多く含まれます。果実や比較的カロリーの低いゼリー、シャーベットを中心にし、ケーキ類やパイ、アイスクリームなどの高カロリーデザートを控えるようにします。どうしてもお菓子が食べたいときは、比較的カロリーが低めのシフォンケーキや小さめの和系スイーツを選びましょう。最後に福田先生は、こうも付け加えます。「満腹になってもまだ大量の料理が視界に入ってくるバイキングでは、食欲のコントロールは難しいものです。太りたくない人は、バイキングには近づかないことが一番です。ホテルの料飲部の方に聞くと、実は、サラダなど野菜のコストは結構かかっているとのことでした。バイキングでもとをとろうと思ったら野菜メニューをしっかり食べればOKですよ(笑)」これからは、目の前に多くの料理が広がるバイキングだからこそ、がつがつ食い付かないで少量ずついろいろな種類を楽しむようにします。監修:福田正博氏。糖尿病専門医。大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス 1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられている。(岩田なつき/ユンブル)
2012年03月19日次から次へと耳にする健康情報にダイエット法や美容法。効果があるのかどうか、逐一自分で確認するこのごろです。そこで、ちまたでよく言われるダイエット法の都市伝説について、その真偽のほどを、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長・ふくだ内科クリニックの福田正博(ふくだ・まさひろ)先生にうかがいました。■伝説1・カプサイシンはダイエットに効果がある!?「カプサイシンダイエット」という言葉を聞きますが、効果のほどはどうなのでしょうか。「とうがらしやキムチに含まれる辛味成分のカプサイシンは、脂肪を燃焼して、エネルギー代謝を促すので肥満予防になります。カプサイシンを含むものを食べると体が熱くなるように感じたり、汗をかくのは、エネルギー代謝が盛んになっている証しです。またカプサイシンは、血液の粘度を下げるので、血流を促して冷え性やむくみを解消する効果もあります。ただ、カプサイシンはあくまで薬味です。薬味は、料理の味を引き立てつつ彩りを添え、ほかの食材の成分と調和して食欲を調整してエネルギーの代謝を促します。ですから、単独で減量効果が期待できるものではありません。カプサイシンを含む料理だけを食べ続けるということは現実的に不可能ですし、仮にそうしたとしても刺激が強くて胃腸に悪影響を及ぼすだけでしょう」(福田先生)■伝説2・コーヒーはダイエットに有効!?コーヒーを飲むと太らないというウワサ、真相は?「最近の医学的研究で、コーヒーが糖尿病の改善に効果があるというデータは出ています。複数の成分について根拠があるのですが、一つには、『コーヒーに含まれるクロロゲン酸という物質は、細胞が糖分を吸収するのを遅らせ、血糖値(血液中の糖分の割合)を下げる効果がある』という報告があります。ただしこれは、血糖値の調整の話であって、減量に有効だというデータではありません。血糖値の調整にしても、コーヒーをどのようにして飲んでいるのかが問題です。コーヒーが好きで、自分で入れるコーヒーやお茶はカロリーゼロだから太らないと思いかちですが、毎日何杯もミルクと砂糖を入れていると確実に太ります。紅茶やコーヒーにスプーン2杯の砂糖を入れると、カロリーは12キロカロリーとなり、これにミルクやクリームを入れると23キロカロリーとなります。減量したい場合は、少なくとも、ブラックで飲む、缶コーヒーなら無糖タイプを飲むようにしましょう」(福田先生)■伝説3・カロリーオフの食べ物なら、いくら食べても太らない!?カロリーオフとある以上、太らないようにも思いますが……。「市販のフードやドリンクに書いてあるカロリーオフやカロリーゼロという表現は、『健康増進法』に基づく表示です。低、ひかえめ、小、ライト、ダイエット、オフといった「低い」意味の言葉を表示するには、食品の場合は100グラムあたり40キロカロリー、飲料の場合は100ミリリットルあたり20キロカロリーという基準値以上のカロリーが減少していること、とされています。また、食品も飲料も100gグラム(100ミリリットル)あたり5キロカロリー未満であれば、『カロリーゼロ』、『ノンカロリー』と表記してもよいと決められています。ですから、「カロリーゼロ」と表示された350ミリリットルの缶ジュースは、本当は0キロカロリーではなく15キロカロリーだった、という場合があります。つまり、いくら食べてもカロリーゼロ、というわけではありません。低カロリーの飲食物のカロリーは、成分表示が100グラムや100ミリリットルあたりで表記されていることが多いため、一商品あたりに置き換えて計算しなければならないという点についても注意をしてください」(福田先生)3つの伝説の検証をしましたが、いかがだったでしょうか。ちまたのダイエット法も、自分の生活に取り入れる場合は、きちんと調べる必要がありそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス 1,365円)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられている。ふくだ内科クリニック大阪市淀川区宮原1-6-1-2FJR・地下鉄御堂筋線新大阪駅から徒歩3~5分 TEL:06-6398-0203岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】免許証の写真に仰天。ダイエットを決意したきっかけ【コラム】胃下垂の人は太らない?内科医がダイエット都市伝説を検証【コラム】管理栄養士の教え。コンビニごはんで賢くダイエット
2012年01月16日ダイエットで何がつらいと言っても、食欲をガマンすることではないでしょうか。それを克服するには、少しの食事で満腹感を得る方法を体得すればいいのでは!?という単純な理屈にひらめき、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生のクリニックに駆け込んでお話を伺いました。■満腹だと感じる一番の刺激は「血糖」――先生、まずは満腹感を覚える体のメカニズムを教えてください。福田先生食欲を調整しているのは、脳にある満腹中枢(ちゅうすう。満腹感を得る場所)と、摂食中枢(せっしょくちゅうすう。空腹感を生み出す)のバランスです。食事をすると、血液が食事中に含まれる糖分を吸収して脳に運び込みます。そのとき、血液中の糖分の割合=血糖値が上がり、満腹中枢を刺激して「満腹ですよ」という信号を出します。同時に、食欲が抑えられます。ですから、満腹だと感じる一番の刺激は、「血糖」です。血糖値が上がると満腹感が、血糖値が下がると空腹感が刺激され、そのバランスをとるために、インスリンというホルモンが働きます。また、満腹を感じるのには、血糖やインスリン以外にもさまざまなホルモンがかかわっています。細胞の中に脂肪が溜まってくると、レプチンというホルモンが分泌されますが、これは別名「飢餓ホルモン」と呼ばれるように、肥満をつくると考えられています。満腹を感じるメカニズムは複雑です。――では、おなかが減った~というとき、体はどうなっているのでしょうか。福田先生空腹になると脂肪が分解されて血液中に脂肪酸が増えます。これが脳の摂食中枢を刺激して、おなかが減ったと感じるようになります。ほかに、胃の中がからっぽになるとグレリンというホルモンが出て、これも摂食中枢に信号を送ります。すると、ものを食べたくなります。そこで食事をすると、今度は腸管からインクレチンというホルモンが分泌され、満腹中枢を刺激して食欲を抑えにかかるなどと、食欲を支配する経路は何重にも存在します。――満腹と空腹を感じるメカニズムは連綿とつながっていて、刻一刻と活動しているのですね。では、少量の食事でも、満腹を感じやすい方法はあるのでしょうか。福田先生はい、血糖やホルモンの動きから理にかなった方法があります。何もガマンすることなく、誰もがすぐに実行に移せる「食べ方」です。7つの方法にまとめて紹介しましょう。(1)ひと口につき、30回かんで食べる。時間をかけてよくかむことで脳が活性化し、セロトニンという物質や、前述のレプチンというホルモンが分泌されます。これらは満腹中枢や交感神経を刺激し、満腹感を生み出します。また、前述のとおり腸管からもホルモンが分泌されて血糖の上がりを抑制し、食欲を抑える作用が働きます。いつもと同じ量、同じ質の食事を、ひと口30回かんで食べることを試みて自分で実験してみてください。満腹度が実感できると思います。30回かむなど食べるたびに30回数えるのは面倒なので、最初のひと口だけ数えて感触を得る、または、いつもより数口多くかむ、という程度でも効果はあるでしょう。(2)ゆっくり食べる=早食い禁止満腹だと感じさせるホルモンは、分泌されるまでにやや時間がかかります。出てこないうちに早食いしてしまうと満腹感を覚えず、おかわりしたくなるのです。(3)食事の途中ではしを置く(2)と同じ理屈です。食事中はがつがつごはんだけを見ていないで、顔をあげて遠くを見ながら多めにかんでください。食事を途中で休むのも有効です。(4)汁ものを食べるみそ汁など汁ものを食べると、胃の容積が満たされて満腹だという信号が脳に届きます。汁のかわりに、水やお茶をゆっくり飲むのもOK。(5)野菜、きのこなどの食物せんいから先に食べる最初に野菜やこんにゃく、きのこなど食物せんいが多いものを食べ、その後、肉や魚などのタンパク質、次にごはんやパン、めん類などの炭水化物を食べるようにします。すると、血糖がゆっくり上がるため、脂肪をため込もうとするホルモンの分泌が抑えられて満腹感が得やすくなります。(6)油ものを抜きすぎないダイエットというと真っ先に油分を抜きがちですが、脂分が極端に少ない料理では、食べても満腹感が得られません。1日にスプーン1杯程度の油は糖尿病食でもOKで、むしろ分量を守れば勧められています。(7)食前に食物せんいたっぷりの寒天ゼリーを食べる糖尿病の療養食の一つでもありますが、当院では、食前に食物せんいがたっぷりの寒天ゼリーを食べることを勧めています。ゼリーは胃の容積を満たし、食べごたえもある食感で満腹中枢を刺激します。最後に福田先生は、こうアドバイスを加えます。「少しの食事量で満腹感を得やすい食べ方というのは、ダイエット以前に、健康な体を保つ上で一番の基本なんです。ゆくゆくのメタボ腹対策や生活習慣病対策にもつながります。ぜひ若いうちから、この食生活を習慣にしてください」ありがとうございました。簡単にできそうな方法なので、今日からすぐに実践できそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書\780)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書\756)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス \1,365)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられている。ふくだ内科クリニック大阪市淀川区宮原1-6-1-2FJR・地下鉄御堂筋線新大阪駅から徒歩3~5分 TEL:06-6398-0203藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】心療内科医に聞く。大食いと過食症の違いとは?【コラム】カップめんよりカップ焼きそばの方が高カロリーな理由、知ってる?【コラム】何も食べ物がないとき、空腹を紛らわす方法とは
2012年01月09日刺し身やおすしにはワサビがついていて、そばには刻みネギが、天ぷらには大根おろしにおろしショウガ……と、料理にさりげなく添えられている薬味は、味を引き締める、風味を豊かにしてくれるほか、何かと体に良い効果があるといいます。ここで、糖尿病専門医で、栄養指導に詳しい大阪府内科医会会長・ふくだ内科クリニックの福田正博(ふくだ・まさひろ)先生に、薬味の効用についてうかがいました。■薬味はエネルギーの代謝を促進する「薬味はそれぞれ素材によって効能が違いますが、共通して次のことが言えます」と福田先生。・成分と香りが、料理のアクやくさみを抑えて食べやすくする。・料理の殺菌効果、消臭効果がある。・香り豊かで食欲増進作用がある。・同時に、食欲抑制作用もある。つまり食欲の調整をする。・料理に風味を添え、彩りを加える。・エネルギーの代謝を促進して肥満予防につながる。福田先生は、「薬味は読んで字のごとく、薬のような効能もあります。塩分を控えたい場合は、薬味をうまく利用することを勧めています」と言います。■消化促進、便秘予防で「腹やせ」に効く次に、日ごろよく使う薬味の役割をそれぞれ、具体的に紹介していただきましょう。・ワサビ鼻にツーンと抜けてしゅっと消える辛味は、すりおろすときに生まれるアリルイソチオシアネート(アリル芥子油)という成分によるものです。殺菌、消臭効果に優れ、食中毒予防にもなるほどです。それに消化液の分泌を促す役割があるので、便秘予防にもつながります。ですので、刺し身などの生ものや、ステーキなど肉料理に添えられることも多いでしょう。また、血栓予防、骨を増強する作用もあります。・からし鼻にツンとくる辛味は、ワサビと同じアリルイソチオシアネートという成分によるもので、効能もワサビと同じです。なお、この成分は揮発性なので、時間がたつと効果がなくなります。食べる直前に練ると成分の効果が高まります。・ショウガショウガオールという辛味成分が含まれ、発汗作用、解熱、消炎作用があります。また、消化を助け血行を促進し、便秘解消など、内臓脂肪がたまっておなかが出てくるのを防ぐ、メタボの改善も望めます。さらに、保温作用で体を芯から温め、冷え症や風邪、肩こり、腰痛予防に効果を発揮します。胃腸に効く漢方薬の素材でもあり、風邪のときにはショウガ湯として飲用され、シップとして塗り薬にも応用されるなど、昔から薬効が高いことで知られています。・ねぎ・にら・にんにく硫化(りゅうか)アリルを多く含み、ビタミンCも豊富で体に有害な活性酸素を抑えます。ビタミンB1の吸収を助け、糖質の代謝を促し、血液中の脂肪の燃焼を促進するので、おなかぽっこり予防に役立ちます。血液サラサラ効果もあり、コレステロール値を抑え、血栓の予防など期待できます。また、疲労回復につながり、よく、「元気のモト」として料理に使用されます。・トウガラシ辛味成分のカプサイシンが多く含まれます。整腸作用があり、脂肪を燃焼してエネルギー代謝を促し、肥満予防になります。さらに、カプサイシンは血液の粘度を下げてサラサラにするので、血行を促進して冷え性の解消に効果があります。薬味のとりかたについて、福田先生は次の注意を加えます。「香りも成分も体に作用する度合いが強いので、食べ過ぎは禁物です。やせたいからといってワサビをドカ食い……は辛くてさすがにできないでしょうが、欧米人がおすしを食べるときにワサビをたんまりつけているでしょう。日本人があの量で食べ過ぎると、刺激が強くて下痢、胃痛を起こします。また、薬味は薬ではなくて食品です。それ単独で減量効果などが期待できるものではなく、バランスの良い適量の料理に添えて食べて初めて、その効果が期待できるということです。福田先生は、専門分野の糖尿病を克服するための方法として、「腹やせ」を提唱されています。「偏った食生活や運動不足が続くと、年齢とともにどんどんおなかのなかに脂肪がたまり、やがては病気につながります。ですから、若いうちから『腹やせ』を意識した食事、適度に運動をするという生活を送ることが普通に健康でいることにとって一番大事なんです。『見た目にスリムというだけでなく、健康な体づくりのため』という意識が大切です。それでこそ腹やせは実現しやすくなりますよ」とアドバイスします。毎日の食事に薬味をうまく利用して、おいしく、かつヘルシーに、そして腹やせを意識した食生活を送りたいものです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。ふくだ内科クリニック院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書\780)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書\756)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス \1,365)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられている。ふくだ内科クリニック大阪市淀川区宮原1-6-1-2FJR・地下鉄御堂筋線新大阪駅から徒歩3~5分 TEL:06-6398-0203藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】内科医に聞く。体の症状別おすすめ飲み物【コラム】赤でパワーオン、紫で若返り。色を食べて元気になる!【コラム】専門医に聞く。野菜ジュースは野菜と同じ栄養効果があるのか?
2011年12月07日今日は徹夜で仕事かも、というときに栄養ドリンクをぐびぐびっと飲む人は多いと思いますが、「コーヒーや紅茶に含まれるカフェインでも、同じような興奮効果があります」と言うのは糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。そこで、頑張りたいときや疲れたときなど、症状別におすすめの飲み物をうかがいました。■集中力アップ「なんとなくヤル気が出ないとき、カフェインが効果的です。カフェインは中枢神経を興奮させる物質、アドレナリンが出るのでヤル気を起こさせます。ただし、ヤル気がアップしたあとにはかえって疲れがたまるという報告もありますので頼りすぎるのはよくありません。カフェインを含む飲み物には、コーヒーや紅茶がありますが、コップ1杯のカフェイン含有量はコーヒー80~150ミリグラム、紅茶は90ミリグラムです。ウーロン茶やココアにもカフェインは含まれます。濃さにもよりますが、刺激が強いと感じる人はミルクを入れるとよいでしょう。しかし、カフェインは依存性があるので、飲み続けるとカフェインがなくてはイライラしてしまうようになります。1日4~5杯まで、カロリーが増えるのを防ぐため、無糖で飲むようにしましょう。また、続けて飲んだ場合は、しばらく間をあけるのも良いでしょう」(福田先生)■疲労回復「疲れをとるにはクエン酸やビタミンC、ポリフェノール類が効果的です。クエン酸をとるには1日スプーン大さじ1杯のお酢をとるのが目安ですが、そのままだと刺激が強すぎるので、水、お湯、牛乳などで薄めて飲むと良いでしょう。ビタミンCは、レモンやグレープフルーツなどのかんきつ類に多く含まれます。水にレモンを搾ってレモン水にして飲むと、口の中もさっぱりします。ポリフェノール類はブルーベリーにも多く含まれます。冷凍のブルーベリーは手ごろなので、ジューサーにかけて飲んでもいいですね。たんぱく質が豊富な豆乳も疲れたときにおすすめです。女性ホルモンに似た働きをもつイソフラボンを多く含み、血糖値(血液中の糖の濃度)を上げすぎない効果も期待できるので、血糖値が気になる人も安心して飲めます。ただし、コップ1杯程度を目安に、飲みすぎには注意しましょう。今、抗疲労物質として注目されているのは、渡り鳥の筋肉から抽出されたイミダゾールジペプチドというたんぱく質です。これを摂取すると、明らかに疲労が少ないという実験結果もでています。最近はこの成分を含んだ飲料もでているようです」(福田先生)■ストレス解消「牛乳など乳製品に含まれるカルシウム、緑茶に含まれるテアニンには精神安定作用があります。イライラしたときには、コップ1杯のホットミルクを飲んでほっとするのもいいでしょう。ハーブティーにも鎮静効果があると言われています。香りによってリラックス効果も期待できますが、ハーブ類は人によってはアレルギーを起こしたり、腸が荒れたりするので、体質に合わない場合は控えるようにしてください」(福田先生)■便秘「腸内細菌を活性化させる乳酸菌飲料がおすすめです。ただし、市販の乳酸飲料には砂糖が多く含まれている場合があり、血糖値を上げますし、減量したい人には勧められません。乳酸菌飲料を積極的にとりたい人は、無糖のヨーグルトに水を加え、レモン汁を少し搾って自家製ヨーグルト飲料を作ると良いでしょう。甘みが足りないと感じるならはちみつを少々足してください」(福田先生)■風邪気味のとき「免疫力を上げたいときは、乳酸菌飲料、ビタミンCが効果的です。また、民間療法ですが、日本酒に卵、はちみつを加えた卵酒は体が温めますし、大根汁(大根の輪切りにはちみつをかけたもの)は、のどやせきに効きます」(福田先生)■冷え症「ショウガに含まれる辛味成分ジンゲロンには発汗を促す作用があります。ショウガの搾り汁をお湯で薄めたショウガ湯は、体を温め、代謝をアップさせます」(福田先生)■食欲不振「なんとなく食欲がないときは、ペリエなどの二酸化炭素が入った水がよいでしょう。のどごしがいいので、食欲増進効果が期待できます。炭酸水(無糖)に果物の汁を搾ってビタミン補給も同時にしたいですね」(福田先生)■アレルギー体質「花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状をやわらげるには、乳酸菌飲料が効果的とも言われています。また、ポリフェノール類にも抗アレルギー作用の期待されるものが多くありますので、植物性の食品を利用した飲み物(ハトムギ茶や緑茶など)を試してみて下さい。ただし、個人によって作用は異なります」(福田先生)このように飲み物にはさまざまな効果がありますが、「あくまでもバランスが取れた食生活が基本です。いくら体によいといっても、同じ飲み物を1日何杯も飲めば、反作用で悪影響を与えることもあります」と福田先生はアドバイスします。あやうくヨーグルトを買い占めるところでしたが、何事もほどほどが大切とか。ぜひみなさんも1日1杯、ブレークタイムの参考にしてみてください。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。TEL:06-6398-0203院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書¥780)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書¥756)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス¥1365)には、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】心療内科医に聞く。不安で眠れないときに寝る方法【コラム】心療内科医の教え。自信を喪失したときに回復する方法【コラム】心療内科医に聞く。怒りをコントロールする方法
2011年11月02日野菜は健康にいいといいますが、バランスよく食べるには何に気を付ければいいのでしょうか。そこで、「野菜を食べるときは『色』に注目」という、糖尿病専門医で、栄養指導に詳しい大阪府内科医会会長・ふくだ内科クリニックの福田正博(ふくだ・まさひろ)先生に、野菜の色と栄養素についてうかがいました。■赤・紫・黄・緑・白・黒の6色を食べる福田先生はまず、栄養素と『色』が密接に関係していることを説明します。「トマトやにんじんなどの色の濃い野菜はβ-カロテン、大根やキャベツ、白菜などの色の薄い野菜はビタミンCを多く含んでいます。また、トマトの赤は、がん予防や紫外線から肌を守ってくれるリコピン。ブルーベリーやナスの紫は、目に良いとされるポリフェノールの一種、アントシアニンという色素です。ですから、さまざまな色の野菜を食べることで、自然と栄養バランスがとれるのです」次に、野菜の色と効能について教えていただきました。・赤色の野菜は免疫力アップ「トマト、ニンジン、りんご、赤ピーマンなどがあげられます。赤い野菜は食物繊維を多く含み、便秘予防効果があります。また、トマトに含まれるリコピンは、肌を紫外線のダメージから守り、強い抗酸化作用(こうさんかさよう)でがん予防になります。ニンジンや赤ピーマンはβ-カロテンの宝庫。粘膜を強くして、細菌やウイルスに感染するのを防ぐ働きもあります」(福田先生)・紫色の野菜で若返り「ブドウ、ブルーベリー、ナス、プルーンなど青い野菜は、抗酸化作用があります。これは、血液をサラサラにして、老化を防ぐ役割があります。また、紫色の色素はアントシアニンという色素で、視神経(ししんけい)をささえる物質を再合成するので、疲れ目に効果があり、視力の回復を助けます。このアントシアニンはビタミンCと一緒にとると、抗酸化作用がより強くなるといわれているので、レモンやオレンジなど黄色い野菜と一緒に食べるとよいでしょう」(福田先生)・黄色の野菜は美容や風邪予防に「黄ピーマン、かぼちゃなどには、ビタミンCがたくさん含まれています。ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、肌にハリをもたらします。しみや小じわを防いだり、日焼けでダメージを受けたお肌の回復をうながしたりするため、女性にはうれしい栄養素です。また、ビタミンCはストレス緩和効果もあるので、仕事で忙しいビジネスパーソンは積極的にとってください」(福田先生)・緑色の野菜は貧血予防やストレス解消「ブロッコリー、小松菜、ピーマン、アスパラガスなどの緑色の野菜は、鉄分とカルシウムがたくさん含まれています。鉄分は貧血予防、カルシウムには心が疲れたときに精神安定作用があります。β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンCもバランスよく含まれており、余分な脂肪を体内にたまるのを防ぐ役割もあるので、ダイエット効果もあります」(福田先生)・白色の野菜は生活習慣病予防に「生活習慣病は、中高年だけでなく若い人にも増えています。マッシュルーム、まいたけなどのキノコ類は、ガン細胞を攻撃するNK細胞を活性化し、発ガン予防が期待できます。白菜はビタミンCを多く含み、血管の老化や動脈硬化を防ぎ、コレステロールを下げる働きがあります。白ネギや玉ネギ特有の成分の硫化アリルは、血液をサラサラにします」(福田先生)・黒色の野菜は女性の味方「黒豆には、大豆の2倍のイソフラボンと血液をサラサラにするポリフェノール類が豊富です。ひじき、ワカメ、昆布には水溶性食物繊維が多く含まれ便秘予防に。ひじきは、カルシウムが牛乳の12倍もあり、黒ゴマは、悪玉コレステロールを下げる働きがあります」(福田先生)続けて福田先生はこうアドバイスします。「それぞれの野菜に含まれる栄養素や効能を覚える必要はありません。とにかく、『色とりどりの野菜』を食べればいいのです。そうすると、栄養バランスが整い、結果的に肥満防止や生活習慣病予防となります。まずは1食に3色の野菜を取ることから心がけてください」野菜の色には理由がある――。カラフルな食卓は、栄養だけでなく目にも楽しいものです。これからは、「色」に注目して野菜を選ぼうと思います。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。TEL:06-6398-0203院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書¥780)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書¥756)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス¥1,365)は、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】おなかの中はオレンジ色!?覚えている一番小さいときの記憶【コラム】苦手だなと思う女子メイクとは?男女それぞれ目線で大検証【コラム】女性にモテるスーツの色は何色か調べてみた!
2011年10月25日「忙しい日の朝食や昼食に野菜ジュースで栄養補給」と、野菜ジュースを毎日の習慣にしている人も多いと思います。しかし「野菜ジュースは本来の野菜に比べて、栄養効果がない」という説もよく耳にします。そこで、糖尿病専門医で、栄養指導にも詳しい大阪府内科医会会長でふくだ内科クリニックの福田正博(ふくだ・まさひろ)先生に野菜ジュースの栄養についてお話をうかがいました。■一日分の野菜は350グラム――ズバリ、野菜ジュースで栄養素を補充することは可能なのでしょうか。福田先生「生の野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維、ポリフェノールなどの豊富な栄養素が含まれています。しかし、一般に市販されている野菜ジュースは、一度熱を加えて煮込み、濃縮したもの、または乾燥させて粉にしたものに水を加えて薄め(還元して)、安全な商品として販売しています。そうした製法で作られた商品は、パッケージに「濃縮還元」と書かれています。例えば、ビタミンCは加熱すると壊れてしまうので、野菜由来のビタミンCはゼロだと思いますが、現在はビタミンCを添加した野菜ジュースも市販されています。なので、パッケージの栄養成分表示で内容を確かめることが大切です。また、野菜の種類によっても、それぞれに含まれる栄養素は違いますので、ジュースの場合も、得られる栄養素は商品によって異なります」――市販のジュースでは「一日分の野菜を使用」という宣伝文句をよく目にしますが、この一日分の野菜とは、どれくらいの量なのでしょうか。福田先生「厚生労働省が2000年から行っている『健康日本21』という国民健康づくり運動で推奨している一日の野菜摂取量は、350グラムになります。食品大手A社に問い合わせたところ、A社の商品は、製品一本につき生野菜350グラムを使用して作ったジュースと同じ内容になるそうです。ただし、製造過程で栄養素は減少しています。しかし厚生労働省の『健康日本21』では、野菜の種類や栄養素は基準に入れていませんので、メーカーによって含まれる野菜や栄養素は大きく異なります」■野菜ジュースに頼りすぎない食生活を――市販ではなく、手作りの野菜ジュースにすればビタミンCも補給できると考えていいですか。福田先生「自分の家のミキサーで生野菜から作った野菜ジュースなら、加熱処理をしていないので、ビタミンCはさほど失われません。しかし、体調が悪いときに栄養補給として飲むのはあまりおすすめではありません。生野菜ジュースは食物繊維が多くて、胃腸に負担がかかってしまうからです。例えば、下痢をしているときは、生野菜は腸を刺激してさらにひどくなってしまうこともあるので、ビタミンCは減ってしまいますが、野菜スープのミネストローネや、トマトやナスを煮込んだラタトゥユなどの軟らかく加熱調理をしたもので野菜をとるようにしてください」――市販の野菜ジュースでは野菜の代わりにはなりにくいということですか。福田先生「そうですね。整腸作用や便秘の改善などの効果はありますが、市販の野菜ジュースはあくまでも栄養補助食品です。生野菜をとるよりも栄養素は減ると思ってください。野菜が嫌い、野菜を食べるチャンスが無い、体調が悪くて野菜ジュースならのどを通る、という方にはおすすめしていますが、糖分の多い炭酸飲料を飲むよりは野菜ジュースや青汁を飲んだほうが良いという程度に考えてください。とはいえ、野菜料理の代わりとして一回にたくさん飲むのではなく、10時と15時に、おやつ代わりに少しずつ飲むようにしましょう」――野菜350グラムをジュースで飲んだ場合と、サラダで食べた場合は栄養効果の違いはありますか。福田先生「野菜といっても、どの野菜を比べるかによって変わってきますし、旬の野菜を使用するかどうかでも栄養価が変わります。ジュースとサラダが同じ内容物でない限り一概には比較できません。しかし、例えば野菜350グラムを淡色野菜:緑黄色野菜=2:1のバランスで食べた場合、栄養素のビタミンCとビタミンKは、一日の目標摂取量の基準をほぼ満たします。ビタミンCは抗酸化作用があり、体を活性酸素から守ってくれる栄養素ですし、ビタミンKは骨を丈夫にする栄養素です。ただ、どちらの栄養素も体内での代謝リズムを良好に保つために、一日三食、3回にわけてとるのが理想です」――ビタミンC補充には野菜ジュース以外にレモンジュースでとるのは良いでしょうか。また、お酢は健康に良いというのは本当ですか。福田先生「酢に含まれる酢酸、レモンに含まれるクエン酸、ビタミンCは、筋肉の疲れをとって鉄分の吸収を促進するなどのデータがあります。ただ、濃いものを飲むと胃が荒れて炎症を起こすので、水で十分薄めて飲むようにしてください。飲みやすい市販の商品もありますが、糖質やカロリーも高いので、活動量の多い日に飲むのが良いでしょう。野菜はビタミン、ミネラルなど体の調子を整える栄養素がたくさん含まれていますが、たんぱく質や脂質も一緒に取ったほうが吸収がよくなる栄養素もあるので、主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質)、副菜(野菜)をバランスよくとることが大切です」「野菜ジュースを飲んでいるから野菜を食べなくて大丈夫」というのではなく、あくまでも健康補助食品として上手に利用するよう心がけるのが得策のようです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。医学博士。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。TEL:06-6398-0203院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書\780)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書\756)、また、最新刊の『専門医が教える5つの法則「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス\1,365)には、糖尿病患者だけではなく、ヘルシーダイエットとして有効な、「食べ方」、「ウォーキング」、「腹やせ」の実践法が分かりやすく述べられていて話題。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】夏の肌トラブルは食べて改善!悩みを解決する野菜や果物とは【コラム】自宅で簡単!? 干し野菜の作り方【コラム】こんな簡単でいいの!?野菜が生まれ変わる「干し野菜レシピ」
2011年10月02日会社の同僚との飲み会や合コンが続き、気が付けば今週の半分以上は飲み会!?普段は弁当持参や自炊派の人でも、社会人となると、なにかと外食の機会が増えるものです。外食が続くとどうしても油や脂肪のとりすぎでカロリー過多になったり、塩分のとりすぎでむくみが出たり、体重がいつもより数キロオーバーということはないですか。そこで、外食や飲み会での気を付ける点を、糖尿病専門医でふくだ内科クリニック院長の福田正博先生にうかがいました。■フライ・からあげよりも、網焼きの料理を選ぶサクサクの衣が食欲をそそられるトンカツ定食や、ビールのつまみにもってこいのポテトフライ。「揚げものはカロリーが高い」というのは知っていても、調理法によってはカロリーが倍以上も違ってしまうことがあるそうです。これについて、福田先生は次のように説明します。「例えば、豚もも肉が100グラムあるとします。脂身がついている厚めのしょうが焼きの肉、2枚の分量をイメージしてもらえばいいでしょう。お肉そのもののカロリーは183キロカロリーです。これをフライにすると、パン粉が油を吸って、約157キロカロリー増の340キロカロリーとなります。からあげにした場合は約47キロカロリー増です。揚げものの場合、食品の面積が多いほど、油を吸う分量が多くなります。同じ重さのお肉でも、一枚のカツよりも一口カツにしたり、からあげも小さく切ったもののほうが切り口の表面積が多くなるので高カロリーです。ところが、同じ100グラムの豚もも肉でも、テフロン加工のフライパンを使って、出た油をキッチンペーパーでふき取りながら焼けば、約33キロカロリー減。煮た場合でも、約33キロカロリー減。ゆでれば約48キロカロリー減。そして、網焼きにした場合は、脂が落ちるので約53キロカロリー減になるのです」100グラム、183キロカロリーの豚もも肉が、フライにすれば約340キロカロリー、網焼きにすれば約130キロカロリーになるとは……。そのカロリー差は、ごはん茶わん1杯分に相当するから驚きです。■鶏の皮、もも、つくねより、レバーやささみを!さらに福田先生は、「カロリーダウンをするためには、調理法だけでなく、肉や魚の種類や部位も重要」だと言います。続けて、「お肉や魚などのタンパク質は、筋肉を増やして脂肪燃焼を促進させるので、食べてほしい食材ですが、脂身の部分を同時に食べてしまうのが気になります。牛肉の場合、牛バラ肉は100グラムあたり454キロカロリーですが、脂質が40グラムもあります。牛の肩ロースなら100グラムあたり318キロカロリーで脂質が26.4グラムになります。しかし、脂のない牛もも肉を選べば181キロカロリー。脂質は10グラム以下で牛バラ肉の4分の1になります」また、飲み会のおつまみで欠かせない焼き鳥も、網焼きなのでほかの料理よりもカロリーが低いのですが、種類を選ぶことによって、さらにカロリーダウンができると福田先生は説明します。「焼き鳥1本で考えた場合、ももやつくねは100~110キロカロリー前後ですが、レバーは半分の50キロカロリー前後。ささみは40キロカロリー前後になります。いっぽう皮は140キロカロリーもありますから、皮を食べたい場合は半分残すか、友人とシェアするようしにましょう」魚を選ぶ場合は、福田先生によると、「ブリ、カツオ、マグロ、さんまなどの赤身魚より、かれい、たい、ひらめなどの白身魚のほうがカロリーは低め」だとか。ぜひ、飲み会でのメニュー選びの参考にしてください。■シメにラーメン、ピザは厳禁!そして、意外と見落としがちなのが、「ヘルシーだから」と思って頼んだサラダでも、上にかかっているドレッシングやチーズなどによっては高カロリーになることです。「マヨネーズは卵黄と油で作られているので高カロリーです。大さじ1杯70キロカロリーです。ごまドレッシングでも大さじ1杯62キロカロリーあります。ドレッシングには、ノンオイルのタイプやポン酢を選びましょう。また、塩分が多いと食欲を増進させてしまうので、豆腐にかけるしょうゆも控えめに。漬物やいかの塩辛なども高塩分です。『焼酎のお湯割り、梅干し入れて!』の梅干しも、たった1個で2.2グラムの塩分があります。成人男性の1日の目標摂取量は9グラム以下なので、いかに梅干しの塩分が多いかが分かるでしょう」(福田先生)また、飲んだ後に無性に食べたくなるラーメンやピザも高カロリー。「豚骨ラーメンや背脂入りラーメンは特に高カロリーで、1杯600キロカロリー前後あります。ピザもトッピングのチーズが高カロリーなので、Sサイズでも約600キロカロリーになります。どうしてもシメが欲しい場合は、雑炊やお茶漬けにすれば約200キロカロリーに抑えられます」と福田先生はアドバイスします。食材や調理法によってこれほどカロリーが違うとは――。日ごろカロリーを気にしていても、お酒を飲んでしまうと、つい、「食べてもいいかな」と気が大きくなりがちです。これらの数字を具体的に把握していると、オーダーするときに大いに役に立ちそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円) はどちらも話題です。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】ところで「ポカリスエット」と「アクエリアス」って何が違うの?【コラム】メタボに効くのか!?「脳ダイエット」って?【コラム】ゼロカロリーってほんとにゼロなの?コカ・コーラさんに聞いた
2011年08月18日ヤセようと決心してダイエットに挑戦するも、結局はリバウンドしてしまった、ストレスがたまってやけ食いした……など、太る理由はさまざま。日々の生活のなかでできる、太りにくい体をつくるための生活習慣に変えたいものです。そこで、糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生にお話をうかがいました。■夜ふかしは肥満のもと福田先生は、太りにくい体になるための一日の生活リズムについてこう話します。「規則正しい生活リズムで過ごすということが大前提です。起床時間や睡眠時間が不安定であれば、自律神経の働きが乱れ、代謝が悪くなります。代謝とは体の中の化学反応のことですが、代謝が悪くなると過剰なエネルギーがたまり、その結果太りやすくなります。起床は朝8時までに、睡眠時間は6時間をキープしましょう」また、夜型の生活について、「夜遅くまで起きている人ほど肥満になりやすいと言われています。これも自律神経の乱れが原因です。自律神経には交感神経と副交感神経があります。体のリズムは交感神経の働きが重要な役割を担っています。交感神経が活発になる朝は、脂肪細胞を刺激してエネルギーが燃焼しやすい時間です。夜は逆に交感神経の活動が低下し、脂肪は燃えにくくなります」と福田先生。「夜ふかしは肥満のもと」ですね。■生活リズムの基本は食リズムにあり・ダイエットは朝食から「朝、昼、晩の3食の中で重要なのは朝ごはんです。朝ごはんを抜くと、昼食や夕食を食べ過ぎてしまう傾向が強くなります。夜にたくさん食べてカロリーをとると朝になっても空腹感が出ない、という悪循環にもつながります。それを防ぐためにも、朝ごはんはしっかり食べてください。朝ごはんをぬくと、昼ごはんのあとのエネルギー燃焼効率が低くなってカロリーが身につきやすいという研究結果もあります。イギリスで行われた研究ですが、1日に食べる総カロリーが同じ人たちを集め、「朝ごはんをしっかり食べる人たち」と、「朝ごはんを食べない人たち」に分けて数年にわたって調査したところ、朝ごはんを食べる人たちの方が肥満になりにくかったという報告があります。現在日本では、若い世代ほど朝ごはんを食べている割合が減っています。目が覚めたら、『ああ、腹減った~』という感覚、これが健康のバロメーターですね」(福田先生)・残業の日は補食を「残業で食事の時間が遅くなる日は、夕方17~19時の間に補食をオススメします。夕方に少しの補食をすることで空腹感が抑えられ、帰宅直後のエネルギー補給と夜のドカ食いを避けることにつながります。長時間空腹のままでいると、同じものを食べても血糖値(血液中の糖分の濃度)が上がりやすいというデータがあり、体脂肪がつきやすくなります」と福田先生は話します。さらに、「補食をする場合、胚芽クラッカーなどの食物繊維を多く含み、栄養バランスが整っているものをお勧めします。血糖値がゆっくりと上がってその状態が長続きするからです。おにぎりでもよいのですが、ツナマヨネーズなどは高カロリーです。また、1個でも具や大きさによっては予想外にカロリーが高くなることがあるので注意してください。帰宅後の夕食では、補食分のカロリーを差し引いた分量を食べます。例えば、補食をした栄養クラッカーが約100キロカロリーだとすると、夕食ではごはんをお茶碗の半膳(ぜん)にします(1膳(ぜん)で約200キロカロリー)。おにぎり1個を食べたのであれば、夕食のごはんは抜きます。これを実行すると、減量の効果がありますよ。気をつけなければならないのはごはんだけでなく、麺類やポテトサラダなどイモ類も、ごはんとおなじ炭水化物ということです。これらも夕食からは抜きましょう。物足りないと感じる場合は、こんにゃくや寒天などカロリーが少なくて食物繊維が豊富な食品を常備しておき、それを食べるようにしましょう。物足りないと感じる場合は、こんにゃくや寒天などの食品を常に用意しておくのもいいでしょう。さらに食後に、10~20分程度のウォーキングをするなど、運動を加えると効果が高まります。こういうクセをつけるためにも、スーパーやコンビニで補食や総菜を買うときは、カロリー表示を毎回、しっかりチェックしてから選んでください」(福田先生)生活リズムや食事への気遣いを自分のライフスタイルに合わせて実行すれば、無理をせずに太りにくい体をつくるための生活リズムが身につきそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円) はどちらも話題です。(岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】意外によく分かってない"正しい枕の選び方"とは?【コラム】睡眠直前の熱風呂はNG。内科医が教える生体リズムとは?【コラム】ちまたにあふれる情報はどこまで本当? スッキリ起きられる方法決定版
2011年06月29日「ワタシはこれでやせました」などという情報ばかりが飛び交うダイエットの方法。自分には合いそうにない成功談よりも、失敗談に耳を傾けたほうが情報になるかもしれません。というわけで、読者の皆さまに「ダイエットの失敗談」についてアンケートをとりました。多数のコメントをいただいたなかから今回は、「運動とそのほか編」についてご紹介します。調査期間:2011/2/18~2011/2/20アンケート対象:COBS ONLINE会員有効回答数 701件(ウェブログイン式)■「続かなかった」ことによる失敗が73%を占める「ダイエットをしたことがあり、かつ失敗したことがある」と答えた人は220人となり、女性が82%、男性は18%でした。そのうち、運動に関する失敗したダイエット法をランキングすると次の通りです。1位「ジョギング・ランニング」 37%2位「腹筋など筋肉トレーニング」 21%3位「エクササイズ」19%4位 「スポーツクラブ」 11%5位「エステ」8%6位「耳ツボ・はり」4%……ほか2位の筋肉トレーニングについては、具体的に、「腹筋」、「縄跳び」などで、3位のエクササイズでは、「風呂でのストレッチ」、「寝る前のストレッチ」、「ホット・ヨガ」、「市販のDVD系エクササイズ」などがあがりました。これら運動法で共通する失敗の理由についていちばん多いのは、「継続しなかった」というご意見。1位~4位の方法のうち、同理由を合計すると73%にもなりました。つまりは、どの方法をとっても、「続かないことによる失敗」が圧倒的多数を占めているというわけです。■多忙で中断してしまうときの対策は?では、なぜ、継続できなかったのでしょうか。「仕事が忙しくなると、1分でも早く寝たくてさぼってしまった」(27歳・女性)、「残業が続くと時間がとれなくて続かなかった」(33歳・男性)と、多忙による理由が半数を占めています。注目したいのは、忙しい時期を過ぎたとしても、「毎日腹筋50回をノルマにしていたが、帰りが遅くてできない日が続き、結局面倒くさくなってやめてしまった」(24歳・女性)、「いったん中断するとモチベーションが下がって続かなくなる」(34歳・男性)という理由。「多忙による中断」を回避する方法はあるのでしょうか。ここで、肥満と生活習慣病の対策に取り組んでいる糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生にお話を伺いました。「日常生活のなかで、歩く量を増やすようにしましょう。例えば、通勤時に会社の一駅前で降りて歩く、帰路は二駅前に降りて歩く。昼休みのコーヒータイムをウォーキングタイムに変えて、ランチ後は10分ほど会社の周囲を歩きます。これだけでも毎日続けていると、かなりの運動量になります。疲れているときはパスして週に3日でもいいので、『通勤とランチタイムを利用してウォーキングをする』という意識を持ってくださいまた、街中がスポーツジムだと考えて、エスカレーターやエレベーターを使わずにできるだけ階段を利用します。買い物は買いだめをせずに、こまめにスーパーへ歩いて出かけるようにするなどを心がけましょう」「わざわざ運動する」という時間をとらずに、日々の生活時間を運動タイムと考える。なるほど、これは妙案です。■運動をして、キモチいいかどうか次に多いのが、頑張り過ぎて嫌になってしまうパターン。「ランニングを始めて1週間で足腰が痛くて走れなくなった」(26歳・男性)、「一気に走りすぎたせいで、筋肉痛が激しすぎて動けなくなってしまった」(24歳・女性)など。なかには、「走りすぎで足の骨を折ってしまった」(27歳・男性)というコメントもありました。これらハードワークについても、「1週間ほどで体が疲れ、一度辞めてしまうとやる気がなくなってしまう」(28歳・女性)という意見が多く、つまりは、「志なかばで中断した場合、その後同じトレーニングへの復帰はできなくなる」という現象が起こっているのです。この結果を受け、前述の福田正博先生は「継続のポイント」についてこうアドバイスします。「3日で3kgを落としたいなどの効果を急ぐと、どうしてもハードな運動をこなしたくなります。その結果、激しい筋肉痛などを起こしてギブアップするパターンが後を絶ちません。一度ギブアップしてしまうと、どんなことにせよ、再びの挑戦はトラウマもあってかなり難しくなります。そうならないためには、まずは無理をせずに少しずつ始めて、『運動に慣れる』ということが大事です。どういう状態かというと、『運動を始めたときに徐々に体が軽くなってきて、運動後は爽快(そうかい)な気分が味わえる』ということです。爽快(そうかい)さを体感すると、必ずまた運動したくなります。運動の強度を上げるには、爽快(そうかい)さを感じた後で少しずつ実行します。具体的には、運動時間を延長するとか、ジョギングならスピードをアップするなどしていくといいのですが、1回で上げる強度は、5%~10%アップにとどめておきます。例えば、前日に30分走ったのなら今日は35分ぐらいとする、1時間で5kmのウォーキングをしたのなら、今日は5.5kmを歩く、というふうに。すこしでも効果を上げようと急ぐ気持ちも分かりますが、頑張り過ぎると、筋肉や関節にも負担をかけて、翌日まで疲労もたまります。強度を上げすぎると3日でギブアップということになってしまいます」と、福田先生は、「運動中、運動後にキモチよさを感じるかどうかを重視するように」とアドバイスします。■運動後に食べ過ぎてしまうときはどうする?次に目立った回答として「ランニング後はご飯がおいしい。ばくばく食べていたら余計に太った」(31歳・男性)という意見です。福田先生は、「運動後におなかが減り、運動したという安心感で食べ過ぎてしまうというのはよくあることです。それを避けるためには、食後に運動をしてください。これにつきます。ただし、ジョギングなどの強めの運動の場合は、食後すぐは避けてください。ウォーキングなど軽い運動ならOKです。仕事などでそううまく食後に時間がとれないときは、運動前におにぎり1個、バナナ1本、栄養食のバーなどを食べておきます。そして、運動後の食事では、事前に食べたカロリー分を減らすわけですね。ごはんや麺類などの炭水化物を減らすようにしてください。最初はおなかが物足りなくてもすこしがまん、2週間ほどで体全体が軽くなってダイエットの効果が表れるでしょう。空腹を我慢して運動し、後に『ドカ食い』とか『ビールを一気飲み』をすると血糖値(血液中の糖分)が急上昇して内臓脂肪が蓄積する原因にもなり、健康面でもよくありません」と説明します。日常生活で歩く量を増やすこと、運動に慣れること、食後に運動すること。この3つを守れば、ダイエット目的の運動が長続きしそうです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円) はどちらも話題です。(品川緑/ユンブル)【関連リンク】【コラム】ダイエット失敗集! ~食事編【コラム】なんでその名に?意外な名付け「おつまみ編」【コラム】専門医が教える。太りにくいデザートの食べ方とは?
2011年06月24日「甘いものは別腹!」、「気づけばお菓子に手が伸びていた。あとで後悔……」といったことは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。我慢をしないで、かつ、太らないように食べる方法はないものでしょうか。そこで、「健康で一番大切なのは食習慣」と言う糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生にお話をうかがいました。■食後のデザートには和菓子をダイエットの敵とは知りつつ、食事のあとでどうしても我慢できないのがデザート。福田先生は、デザートの選び方についてこう話します。「まず、洋菓子よりは脂肪分が少ない和菓子がオススメです。洋菓子には、バターや砂糖、生クリームにナッツ……など高カロリーの材料の組み合わせで出来ているものが多くあります。例えば、おはぎは約130キロカロリー、みたらし団子1本は約100キロカロリー、たい焼きでも1個200キロカロリーほどです。洋菓子の場合は、タルト類は約350キロカロリー、パイ類は約450キロカロリーで、大きめのショートケーキであれば400キロカロリーを超えるものが大半です。和菓子と洋菓子の違いは一目瞭然(りょうぜん)ですね」どうしてもケーキが食べたいときはどうすればいいのでしょうか。福田先生は、「バターたっぷりのタルトやパイよりも、約200キロカロリー弱のシフォンケーキや、約150キロカロリー前後のスフレタイプのチーズケーキを選びましょう。最悪は、我慢のしすぎで数日後に高カロリーのスイーツをドカ食いしてしまうことです」とアドバイスします。また、「一日の活動で使う消費カロリーより、摂取した食事の総カロリーのほうが多くなると、その分は脂肪として体内に蓄積されます。まずたまるのがおなかの中、内臓脂肪として蓄積されます。毎日の活動に見合うだけのカロリーをとることが、食習慣の基本なんです。栄養バランスの崩れやカロリーの摂(と)り過ぎは肥満、糖尿病、メタボなどを引き起こし、血液がドロドロに、血管が硬くなるなどの健康を害することにつながります。食べ過ぎが気になる人は、今の自分の消費カロリーと摂取カロリーをチェックしましょう。この二つの数字を知っていれば、スイーツを食べるにしてもカロリーが控えめなものを選ぶ、スイーツのサイズを小さくする、カロリーがオーバーした分はほかの食事で調整するという気持ちも起こるでしょう」(福田先生)どうしても食べたいときには我慢しすぎず、自分の食生活やライフスタイルに応じたカロリーを計算することが鍵となりそうです。■スナック菓子は「手ばかり」で分量をコントロールつい間食をしてしまうポテトチップスやチョコレートなど、スナック菓子の食べ過ぎ予防についても福田先生はこう言います。「お菓子は、『片方の手のひらにのる分量』まででとめておくことです。食べる前にその『手ばかり』を使って取り分け、あとは封をしてしまいましょう。たとえばポテトチップスなら片方の手のひらに軽くのせて20g=10枚くらい。これで120キロカロリーです。この『手ばかり』の場合、揚げおかきなら200キロカロリーになります。一日の摂取カロリーの目安は男性で1,600~1,800キロカロリー、女性で1,400~1,600キロカロリーですから、手のひらにのった分量のポテトチップスや揚げおかきだけで一日のカロリーの約10分の1近くを食べることになるわけです。一日に必要なカロリーの目安は、身長(m)×身長(m)×22で求めることができる適正体重に、22~25をかけたものです。一日の摂取カロリーのなかでおさまるように摂(と)ることが重要です」具体的に数字を示されると、スイーツやスナック菓子のカロリーの高さには驚いてしまいます。■カロリーゼロの表示に注意!最近、「カロリーオフ」や「カロリーゼロ」、「ノンカロリー」と表記された製品をよく見かけますが、本当に、カロリーはゼロなのでしょうか。福田先生は、「カロリーゼロとは『健康増進法』に基づく表示で、『食品100ミリリットルあたり5キロカロリー未満であれば、カロリーゼロ、ノンカロリーと表記してもよい』、と決められています。ですから、まったくカロリーがないとは限りませんので注意してください。また、カロリーゼロの食品なら問題ないか、というとそうともいいきれません。実は『カロリーが低く甘い食べ物を食べ続けると甘みの味覚刺激に対する反応が次第に鈍くなり、逆に甘み食品への食欲が進んで過食になってしまう。その結果、体重が増加する可能性が高い』という研究結果も報告されています。カロリーゼロなどの表示に過剰に反応すると、ダイエット失敗の原因になることがあります」と注意を促します。■ドリンクもカロリー表示のチェックをスイーツを食べる際は、ドリンクにも気をつけなければなりません。福田先生は、次のように解説します。「野菜ジュース、缶の紅茶、コーラ、スポーツドリンクの中で、一番カロリーが高いのはどれだと思いますか。350ミリリットル入りの場合、野菜ジュースには分包シュガー(1本3g入り)が3本と3分の1、缶の紅茶は5本、スポーツドリンクには7本、コーラには12本が入っている計算になります。また、野菜ジュースはカラダにいいと思われがちですが、おいしいそれには、りんごなどの糖分が多く含まれています。果物に含まれる果糖は、中性脂肪を増やして内臓脂肪の増加を促進します。ボトルに記載されているカロリーをチェックしてください」高カロリーのケーキと缶の紅茶やコーラをセットで飲むと、1日分のカロリーを摂取してしまうことになりかねないのです。気づけばあっという間に身についてしまう脂肪も、落とすのは簡単ではないというのが現実。福田先生に教えていただいた知識や食べ方を意識し、健康を目的として毎日の生活でコツコツと実行することこそがダイエットの本質であるように思います。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。「ふくだ内科クリニック」(大阪市淀川区。新大阪駅すぐ。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円) はどちらも話題です。(岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】会社に出社したくないとき、どうやって自分を奮い立たせる?【コラム】新しい東京名物!?大学芋の専門店に行ってきた【コラム】甘い卵焼きはアリかナシか?
2011年06月19日分かっちゃいるけど食べてしまうアナタ、毎度リバウンドのワタシ。でも、もしかしたら次は成功するかも、と淡くて濃い(どんな?)期待を胸に、今日も次のダイエット法を探るのであります。ダイエットの失敗談についてアンケートを試みたところ、集まりも集まったり嘆きのエピソード!ヒトのフリ見てわがフリ直せ、となるかどうかは分かりませんが、とかく今回はコメントが多いため、まずは「食事編」についてみなさんの意見を紹介します。調査期間:2011/2/19~2011/2/20アンケート対象:COBS ONLINE会員有効回答数 701件(ウェブログイン式)■「単品置き換えダイエットで余計に太った」が圧倒的多数ダイエットをしたことがありますか。はい321票(45.8%)いいえ380票(54.2%)「はい」と答えた方に質問です。今までにダイエットに失敗したことはありますか。ある220票( 68.5%)ない101票(31.5%)「ダイエットをしたことがあり、かつ失敗したことがある」と答えた220人のうち、女性は181票(82%)、男性は39票(18%)でした。失敗したダイエット法を件数が多い順に並べると、1位「フルーツ系単品ダイエット」(リンゴダイエット、バナナダイエット、グレープフルーツダイエットなど)41票2位「絶食・断食」22票3位「健康食品系置き換えダイエット」(酢、栄養ジュース、おからクッキーなど)21票4位「野菜系単品置き換えダイエット」(キャベツダイエット、さつまいもダイエットなど)14票5位「プチ断食」11票6位「ヨーグルト単品置き換えダイエット」10票7位「スポーツ飲料、水などドリンク系置き換えダイエット」6票ほかと続きます。■リバウンドから体調不良、果ては入院……失敗の理由で共通するのは、「リンゴだけを3日食べて少しやせたけど、あとからドカ食いでリバウンドした」(29歳/女性)、「さつまいもダイエットのつもりが、さつまいもも食事もきっちり食べてしまい、かなり太った」(24歳/女性ほか)、「炭水化物は減らしたが、その分、揚げ物が増えてしまった」(28歳/女性)、「もやしダイエットで失敗。お昼の弁当を開けると一面もやしだけ」(23歳/女性)という、単品ダイエットをして余計に太るパターン。なかには、「カロリーが低そうなアイスだけ食べる」(26歳/女性)、「あんぱんダイエットでよけいに太った」(27歳/女性)など、「それ、ダイエットじゃないし」と突っ込みたくなる回答も目立ちました。リバウンドだけならまだしも、「食べ物のことが気になって集中力がなくなった」(28歳/女性)、「やっぱり人間は食べないと生きていけない。頭がボーッとしてくる」(29歳/男性)、「ふらふらして力が出なくなる。その後、少しでも食べ始めるとどうでもよくなり食事量が増えた」(28歳/女性)、「炭水化物をとらなかったせいか、気力が落ちて仕事に悪影響が出た」(24歳/男性)などと、カラダの不調を訴える人もかなりの数にのぼります。さらには、不調を通り越して、「ひたすら野菜だけを食べた。便秘は解消したが、体が冷えやすく日々お腹の痛みとの戦いとなり、耐えられずにやめた」(28歳/女性)、「2泊3日の断食に挑戦しましたが、2日目の夜に脱水症状で倒れ、急患で入院。同行した友達や親にも心配をかけました。二度とやりません」(25歳/女性)、「ストレスからうつを引き起こして入院ですよ。最悪」(29歳/女性)と、病気になってしまった例も。こ、これはコワイ。ほかに、「ダイエット食の購入でお金がなくなり、お腹もすいてストレスがたまるばかり」(27歳/女性)、「エステダイエット。お金がかかるから食費を削ったら、栄養素が足りなくて筋肉がつかず、やせにくくなった。ダイエット中より、やめた今の方がやせています」(29歳/女性)と、経済的困窮をも招くパターンもありました。■極端な食の節制は続けられない。生きているのだからこの結果を受け、肥満と生活習慣病対策に取り組んでいる糖尿病専門医の福田正博先生(大阪府内科医会会長・ふくだ内科クリニック院長。著書に、『糖尿病は腹やせで治せ!』など)に、アドバイスをいただきました。「単品ダイエットの場合は、食べたフルーツのカロリー分を差し引いた食事量にする、という節制が必要です。朝はバナナだけにしても、お腹が減って昼や夜の食事量が増え、トータルの摂取量が増えてしまう人は多いです。また、夜は朝よりもカロリーが燃えにくいというおまけつき。当然、余分に太りますね」また、「単純に『バナナ+食事の量』だけでなく、食べ過ぎの相乗効果で足し算を上回るカロリーになる場合があります」とも言われます。でも、その節制が厳しいんですよね、先生……。「そうですね。だから節制が必要な単品系や極端な断食で成功するのは難しいわけです。食欲は最も大切な本能。生きているかぎりは食べないといけません。ずーっと無理な節制を続けられるかということですよ」(同)「期間限定で早くやせようとすると、必ずリバウンドします。毎日50~100グラムずつ減量すればいいと考えて、1日あたりにごはんを半分、お菓子を3分の1だけ控えるというふうにしてください。絶対に無理をせずに、ゆっくり少しずつ減らしていくのです」と続ける先生。ああ、それならできるかも、少し気が楽になりました。通常とは違う極端な行動や偏った食生活は、返って悪い結果を導いてしまうことが多いのだと学びました。(品川緑/ユンブル)監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。「ふくだクリニック」(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)、『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)が話題になっています。【関連リンク】【コラム】やってしまった!!旅先での大きな失敗恋人編【コラム】においの強い料理を食べて失敗したことある?【コラム】恋愛マニュアル本の通りに行動して、失敗した経験集
2011年05月30日脂肪燃焼やダイエットについて、「『おなかやせ』を目指すにはひたすら腹筋だ」、「運動は20分以上継続しないと効果がない」、「いつもの2倍の運動をすると2倍食べても大丈夫」……などとよく言われますが、実はこれは全部マチガイ。では、いったい何がどう間違っているのでしょうか。実際、どのようなエクササイズをすればいいのでしょうか。大阪府内科医会会長で糖尿病専門医の福田正博先生にお話しをうかがいました。■腹筋だけをしてもおなかはやせない――「おなかやせ」には、腹筋運動が一番効果があるのでしょうか?福田先生おなかやせというとすぐに腹筋をイメージしやすいのですが、結論から言って、毎日腹筋だけを100回続けたからといって、おなかやせは実現できません。「おなかやせとは、内臓脂肪を燃やすこと」です。体につく脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の二種類があります。見分け方は、おなかの脂肪をつまんでみること。つまめる場合は皮下脂肪です。女性に多いですね。男性は、つまむことができない「太鼓腹」が多く、こちらが「内臓脂肪」でいわゆる生活習慣病のもとになる脂肪です。内臓脂肪を減らすには、ウォーキング、ジョギング、水泳、エアロビクス、自転車などの有酸素運動を行って初めて可能になります。そして、生活習慣を見直して食事を改めたうえで、ダンベル体操や腹筋などの筋肉運動を試みる場合は、おなかをしぼる効果も望めるでしょう。内臓脂肪はつきやすく燃やすい性質があります。皮下脂肪は徐々についてきて、いったんたまると燃えにくいので、これらの運動を気長に続けるようにしましょう。――ウォーキングやジョギングでは、20分以上を続けないと脂肪は燃焼しないのですよね?福田先生いいえ、誤解です。ウォーキングなどの有酸素運動を行うと、血糖と脂肪が燃焼します。まず血糖のほうが燃え始め、運動開始から15~20分後に脂肪が燃焼し始めるのです。つまり、「運動を開始してから15~20分間は、脂肪より血糖が燃える比率が高い」わけです。このことを指して、よく20分以上歩き続けないと脂肪は燃えないというような間違った解釈がされているのではないでしょうか。わずか5分のウォーキングを行ったとしても、その間、脂肪も少しずつは燃えています。20分以上のまとまった時間がとれない人は、通勤時間を使って「1回5分のこまぎれウォーキング」を1日に数回、繰り返してください。■「まとめ運動、まとめ食べ」はNG――ウォーキングをよくします。1日休んだ場合、翌日に「歩きだめ」をすると脂肪燃焼の効果はあるのでしょうか?福田先生歩けば歩くほどカロリーは消費しますが、極端なことをすると疲れてしまい、運動の継続がいやになるし、足腰をいためる場合もあります。「1週間で6万~7万歩を歩く」、「1週間で5時間歩く」「1万歩の日と5000歩の日を交互につくる」など、1週間単位での目標を決めた方が継続の意味で効果的です。また、普段より多めに歩くときは体調と相談しながら、水分補給を忘れないでください。運動時の水分補給には、スポーツドリンクの中でも体に必要な必須アミノ酸などを含んだアミノ酸飲料なども有用でしょう。糖尿病の予備群や肥満傾向の方は糖の少ない低カロリーのものを選びましょう。――いつもの2倍、運動をした日は、いつもの2倍食べても太りませんよね?福田先生いいえ、太ります。このような習慣をつけると、多くの場合は食べ過ぎによっていずれは太ってしまいます。1時間以上のウォーキングをしてもその消費カロリーは食パン1枚、ドーナツなら半個分にもなりません。運動の消費カロリーは意外と低いので、その点によく注意してください。ウォーキングなどの有酸素運動はインスリン(すい臓から出るホルモン。糖分を分解する役割がある)の働きをよくしてメタボや糖尿病を予防し、血管の老化を防ぎます。また、心臓や肺の能力をも高めます。エネルギー燃焼効果だけではなく、長期的な肉体ケアの効果を考えることが重要です。「よく食べてよく動く」と、平均的に25歳ぐらいまでは基礎代謝量、いいかえると体のエネルギー燃焼効率が高いので体形もキープができていますが、誰しも年齢とともに徐々に脂肪燃焼効率が低下してくるので、どんどん余分な脂肪が蓄積して太ってきます。2倍の運動をした場合でも、いつもより1割程度多めまでの食事にとどめておきましょう。それに、くれぐれも運動後にあせって早食いにならないようにしてください。特に、どんぶりやめん類を一気食いというのはいけません。ゆっくりかみながら、できれば、「野菜など食物繊維→肉や魚などたんぱく質→ご飯やめん類などの炭水化物」の順に食べましょう。食後の血糖値の上昇が緩やかになるので、この逆順に食べたときよりも脂肪蓄積を防ぐことができます。■ドリンク摂取のタイミングとは?――ジョギングや筋トレ時、水やアミノ酸飲料を飲むタイミングは運動前後がいいのですよね?福田先生いいえ、運動の途中でも、のどが渇いたなと思う前にこまめに飲んでください。30分以上の運動を継続するためには、スタミナが必要です。運動前や運動中には、エネルギー源である糖と筋肉の材料になるアミノ酸が含まれた飲料を飲むと、筋肉疲労の予防にもなるでしょう。筋肉量を増やしたいと思われる方は、ダンベルなどの運動を行った後に補給するのもよいですね。スポーツをする、体をしぼるに際に、多くの誤解・思い込みがあることがわかりました。おなかなど部分的に体をしぼるにも、全身の脂肪燃焼を促す有酸素運動とセットでの動きが必要であり、「まとめ運動」に「まとめ食べ」はゆくゆくの肥満のもと。そして、運動前や運動中には水分摂取を心がける、それにはアミノ酸飲料を飲むのもよいということ――。これらの誤解ポイントを正しく理解し、少しでも効率よく脂肪燃焼といきたいものです。監修:福田正博氏。糖尿病専門医、大阪府内科医会会長。「ふくだ内科クリニック」(大阪市西淀川区。新大阪駅すぐ。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円) はどちらも話題です。(阪河朝美/ユンブル)【関連リンク】【特集】脂肪を燃やしたい!運動する時のおすすめアイテム【コラム】専門医の教え。重要なのは「順番」食べ順変えるだけダイエット!【コラム】ストレス、精神的不安に効く「短時間&屋内ウォーキング」
2011年04月27日「ストレスや精神的不安をリフレッシュする方法の一つに、ウォーキングがあります」というのは糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生。『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)の著書があり、ウォーキングと疾病についての研究を続けておられる先生に、ウォーキングが心身に与える影響について話をお聞きしました。■緊張した心身には、有酸素運動を精神的な不安があるとき、少し走ったり階段を上ったりしただけで息がハアハアと上がることはありませんか。福田先生は、「心臓の鼓動が大きい、速い、のどが詰まった感じがする。そんなときは自覚がなくても、ストレスがかかっている兆候です」と話します。また、福田先生は、「不安や緊張が続く状態では、もともとの病気が悪化し、また病気を発症する可能性が高くなります。このような状況のときこそ、心身をケアするために、ウォーキング、ヨガ、ピラティス、ラジオ体操など、手軽にいつでも実行できる有酸素運動を行いましょう。なかでも、年齢、世代を問わずに日常的な動作で継続できるという点で、ウォーキングをおすすめします」と言います。有酸素運動とは、十分な呼吸をしながら酸素を体に取り入れて行う運動のこと。福田先生は、「『ウォーキングをすると、自律神経の働きも整い、気分的な落ち込みを防ぐ』ということが分かっています。私の臨床例から、継続することでストレスに強くなるという結果もあります」と伝えます。■「1回5分のこまぎれウォーキング」でOKウォーキングというと、「1日1万歩」、「1回20分以上」を歩かないと効果がないなどとよく言われますが、精神的不安などで部屋にひきこもりがちな人はどうすればいいのでしょうか。福田先生は、「まず、『1日1万歩を歩かないと効果がない』というのは間違いです。5分歩いただけでも脂肪が燃えることが分かっているんです。不安な心でじっとしていると血流が悪くなるばかりなので、短時間のこまぎれウォーキングでも屋内ウォーキングでも、可能な範囲で歩いて、『血行がよくなったな』と感じることが大切です」とアドバイスをします。■いつでもどこででもできる屋内ウォーキング屋外でウォーキングができる状況ではない場合や、雪、雨、寒すぎる、暑すぎるときに実践したい「屋内ウォーキング」の方法を、福田先生に伝授していただきました。1.その場ゆっくりウォーキング精神的疲労が強い人、体調が悪い人は猫背になっています。まず、背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、その場で深呼吸をしながらウォーキングを行います。そして、手を振って足を上げ、太ももと床が平行になった状態で2秒キープし、静かにゆっくりと足を下ろします。これを左右20回ずつ、その日の体力に応じて2~3セットを行います。2.ステップウォーキング背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、前、後、右、左、後、左、前、とできる範囲で軽いステップを踏みます。スペースがある場合は、3歩前へ、3歩後ろへ、2歩左へ、2歩右へなど、いろいろとアレンジしてください。1分を1セットとして、2~5セットを行います。3.階段ウォーキング階段があれば、ゆっくりと体力に応じて昇り降りをします。一番下の段だけを利用する方法もあります。踏み台昇降の要領で、片足ずつ段に上がり、両足が上がったらまた片方ずつ降ります。これはけっこう体力を使います。2分もすると息が上がってくることも。体力に応じて、1分を1セットとして2~5セット。4.寝て自転車こぎウォーキング床にあおむけになり、自転車をこぐ要領で足を左右交互に上に押し出します。腕は体の脇に置いて力を抜き、足首とひざは90度にします。左右20~50回を1セットとして2~5セット。これはひざや腰に負担が少なく、リハビリに用いられる運動の一つです。5.ヒップウォーキング床に座り、足を前に出して腕を振りながらお尻で前へ5歩、後ろへ5歩、移動します。場所がなければ、1~2歩ずつの前進と後進を繰り返します。これは腹筋や骨盤まわりの筋肉をも使い、運動不足でとどこおりがちなそけい部(足のつけ根)のリンパの流れを促します。「これらは、全部をする必要はありません。気分に応じて体力次第で、できる方法からはじめてください。けっこう、筋肉に効いているのが分かるはずです」と福田先生。また、屋内ウォーキングを行うときの注意点として、福田先生は次のことを述べます。●1セットをしたら、手足を揺らすなどして1分~3分の休憩をはさむ●壁や周囲の物に手足をぶつけないように●フローリングの部屋では、厚めの靴下をはくなどして足をガードする●すべらないように足の裏にストッパーがついているソックスがおすすめ●階下や近所の迷惑にならないよう、足の上げ下げは静かに行う。それでこそ、筋肉に働きかける効果がある●運動前後はできるだけストレッチを行う不安で頭を抱えているよりも、少しでも歩くほうが心も体も健全な方向へ動いていく。体に酸素を取り込んで全身の血流を促すウォーキングは心身の疲労回復に適していて、屋内でもすぐに始められる方法がある――。周囲のストレスフルな人たちにもすすめながら、文字通り、1歩ずつ前進したいと思います。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。「ふくだクリニック」(大阪市西淀川区。院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)が話題です。(阪河朝美/ユンブル)【関連リンク】【コラム】専門医の教え。重要なのは「順番」食べ順変えるだけダイエット!【コラム】健康を守る!地震発生後に気をつけること【コラム】ピラティス式。プチパニックを癒やすための5つの方法
2011年04月01日「飲み会が続く春シーズン、参加はしたいけどヘビーカロリーがツライ、つい食べすぎてしまう……と悩めるヒトに朗報です。メニュー内容や食事の量を変えるのではなく、「食べる順番を変える」だけで食べ過ぎを予防、太りにくいという方法があるのです。すぐに始められてしかもタダ、まったく無理をせずにほんの少しの意識のもちようでカラダ改善ができるというお手軽必勝メソッドをご紹介!■なぜ食べる順番が大切なのか?この方法は、「健康とは、スリムなればこそ。それには食生活が一番大切」という糖尿病専門医で大阪府内科医会会長の福田正博先生にレクチャーしていただきます。福田先生が言うには、食事をするときは、「野菜⇒ たんぱく質⇒ 炭水化物の順番に食べるといいですよ」とのこと。飲み会では、みんなが各自に好みの料理をオーダーするため、気づけばテーブル上には、食べ合わせや総カロリーなど考えもしない料理がずらっと並んでいるものです。「そんな場面では料理を見回して、最初に野菜のお皿から手をつけていくこと」と先生。その根拠を、「食物繊維が多い野菜料理をお腹に入れておくと、あとからくる炭水化物や脂肪をゆっくりと消化・吸収することができるからです。その結果、血糖値が急激に上がることを抑えてくれるのですよ」と説明します。このごろよく耳にする「血糖値」とは、血液中の糖分の濃度を示す言葉です。続けて先生は、「すきっ腹にいきなりごはんやめん類などを食べると、カラダが焦って血糖値がガッと上がります。同時に、すい臓からは血糖値を低く抑えようとする『インスリンというホルモン』が分泌されます。このインスリンがキモなんですねえ。インスリンは、血糖を筋肉細胞などに取り込ませてエネルギーに変えてくれるのですが、同時に、脂肪を蓄えやすくする働きももっているわけです」と。「ごはん、パンなど粉もの、めん類、イモ類などをガツガツ食べる生活をしていると、毎食後に血糖値とインスリンの分泌がぴゅっぴゅっと高くなる状態が続きます。脂肪細胞が増え、いずれは肥満体型になって、まあ、生活習慣病コースまっしぐらですな」と肥満&病気宣告も。■食べる順番はこれ!食物繊維・野菜サラダや野菜の煮たき物など↓たんぱく質・チキン、ステーキなど肉類や魚類↓炭水化物・パン、ご飯、めん類などみなさん、飲み会ではこの順番で食べてください。くれぐれも、鶏のから揚げやコロッケ、パスタ、丼めしから手をつけたりしないように。定食メニューなら、この順です。野菜の煮物などが入った小鉢↓みそ汁↓メインの魚料理や肉料理↓ごはんカレーライスを食べる場合は、「野菜サラダ→カレー」の順に。カレーだけ、というのは血糖値が上がります。おにぎりだけ、牛丼だけ、菓子パンだけ、というのも実はキケンなのです!福田先生は、「最初に食べるものとして、野菜のほかにも、キノコや海藻、こんにゃくなども効果的ですよ」ともすすめます。続けて、「この順番で食べると血糖値が徐々に上がるので、脂肪の蓄積を手助けするインスリンの分泌がおよそ3分の2に抑えられ、満腹感も得やすく消化の効率が得やすくなります。同じものを同じ量だけ食べても、インスリンの分泌が抑えられた場合、脂肪はつきにくいのですよ。そこで、インスリンの分泌が少なくなるように食べるのが肥満を防ぐコツになります。これが、『食べ順変えるだけダイエット』の正体です」「食べる順番を変える」という、ちょっとした心がけ次第で可能なダイエット法。「この食事法は、メタボや糖尿病の予防につながります。このごろよく言われる糖尿病とは、40代男女の3人に一人は患う時代なのですよ。20~30代にも急増しています。つまり、こういう単純なダイエットの積み重ねが健康なカラダをつくり上げる、ということなのです」と福田先生。まさに、一石五鳥ぐらいの効果がありそう。実行するしかありません。監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。「ふくだクリニック」(大阪氏西淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書の『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書780円)、『専門医が教える糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書756円)が話題になっています。(岩田なつき/ユンブル)【関連リンク】【コラム】3分でウエストが細くなる!「瞬間ダイエット」を試してみた【コラム】メタボに効くのか!?「脳ダイエット」って?【コラム】ついつい怠けてしまう自分を変える方法は?
2011年03月02日