ジャズ作曲家・挾間美帆がプロデュースを手がける「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇マリア・シュナイダー plays マリア・シュナイダー」が、7月27日(土)に東京芸術劇場で開催される。「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇」はオーケストラとジャズのコラボレーションする恒例の企画で、今回が6回目。今年は、グラミー賞受賞作曲家マリア・シュナイダーが登場する。前半は、日本ジャズシーンの新星ラージ・アンサンブル「池本茂貴isles」をシュナイダーが指揮。後半はソプラノ歌手・森谷真理が出演し、今回のための特別チェンバー・オーケストラとともに、大作《Carlos Drummond de Andrade Stories》を日本初演。また、シュナイダーの人気作を挾間がチェンバー・オーケストラへ編曲する。ジャズファンだけでなくクラシックファンも注目の一夜になりそうだ。■プロデューサー:挾間美帆より特別メッセージ「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇。今年は満を持して、現代ジャズ作曲界の神格的存在、マリア・シュナイダーが来日します!私自身、大学時代に彼女の音楽に出会って夢中になり、こんな女流作曲家がいるのかと大きな衝撃を受けました。彼女の存在なしに、今の自分もないと思っています。彼女の音楽が大きな支えになっている音楽家や音楽ファンも多いはず。そんなマリアに、クラシック作品の日本初演を実現していただくのは私にとって大きな夢でした。今回は実に7年ぶりの来日となり、マリアの美しい指揮により彼女の作品を堪能できる貴重な機会になります。どうかお見逃しなく!!」(プロデューサー:挾間美帆/ジャズ作曲家)NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇マリア・シュナイダー plays マリア・シュナイダー7月27日(土) 17:00開演東京芸術劇場 コンサートホール・曲目作曲:マリア・シュナイダーCarlos Drummond de Andrade Stories *日本初演Hang Gliding(挾間美帆 編曲)Dance You Monster to My Soft SongSky Blueほか出演マリア・シュナイダー(指揮・作曲)森谷真理(ソプラノ)特別編成チェンバー・オーケストラ斎藤和志、石田彩子(fl)最上峰行(ob)中ヒデヒト(cl)石川 晃、竹下未来菜(fg)東野匡訓(tp)佐藤浩一(p)マレー飛鳥、石井智大、梶谷裕子、岩井真美、黒木 薫、吉田 篤、沖増菜摘、地行美穂、西原史織、浅野銘苅、杉山由紀(vn)吉田篤貴、志賀恵子、角谷奈緒子、藤原歌花(va)多井智紀、島津由美、Robin Dupuy(vc)吉野弘志、一本茂樹(cb)ほか池本茂貴isles(ラージ・アンサンブル)土井徳浩、デイビッド・ネグレテ、西口明宏、陸 悠、宮木謙介(sax)ジョー・モッター、広瀬未来、鈴木雄太郎、佐瀬悠輔(tp)池本茂貴、高井天音、和田充弘、笹栗良太(tb)海堀弘太(p)、小川晋平(b)、苗代尚寛(g)、小田桐和寛(drs)、岡本健太(perc)※挾間美帆は出演いたしません
2024年03月21日2012年にジャズ作曲家としてメジャー・デビューした挾間美帆さん。ニューヨークを拠点に指揮者としても活躍中。デビュー10周年を迎え、その歩みを振り返る。ジャズ作曲家として歩んだ実りある10年。「〈ジャズ作曲家〉って少し矛盾しているように聞こえますよね。即興音楽なのに作曲する必要があるの?って。でもジャズにもメロディを書いたりリズムを決めたり作曲の要素もたくさんある。こうして活動を続ける中で、多方面で活躍しているアーティストから『ジャズが好きだけど即興はできないから楽譜を書いてくれませんか?』と言われることも増えて。自分の作曲や編曲をいろんなところで表現できるようになったのは大きな収穫でした」最新アルバム『ビヨンド・オービット』は、フレンチホルンやストリングスを含む13人編成のジャズ室内楽団「m_unit」でレコーディングされた。ラージ・アンサンブルと呼ばれるこの編成は、華やかでニュアンスに富んだサウンドが魅力。「決して簡単ではない珍しい編成の楽団です。それを楽しめる音楽家たちが、私が書いた数秒ごとに主人公が変わるようなスコアを完璧なチームワークで演奏してくれます」宇宙をイメージした3編の「エクソプラネット組曲」も聴きどころ。「宇宙や星座がもともと好きなのですが、作曲していたのがパンデミック中で、ニューヨークで暮らしていたこともあり、現実社会について考えることが嫌になってしまって…。宇宙について調べていたら、楕円形の軌道を描く小惑星があることを知り、『エリプティカル・オービット』という曲ができました。政治的なことは音楽に反映させたくなかったので、インターネットをシャットダウンして音符と向き合いました」音のクオリティにもこだわって作った音楽宇宙。その繊細な美しさは、たくさんのチャンスを掴みながら歩んできた彼女の足跡そのもの。「人との出会いやチャンスを逃さないために、自分の感覚を磨いて準備しておくことは大事です。まだ音大生だった私が、ジャズピアニストの山下洋輔さんに初めてお会いした時にフリージャズの動画を見せられて『これにオーケストラをつけられますか?』って聞かれたんです。そこでプレゼンした内容が良かったので仕事を依頼していただけたそうなのですが、今の私が考えても答えがわからないですね(笑)」メジャー・デビュー10周年記念アルバム『ビヨンド・オービット』。第62回グラミー賞にノミネートされた前作から5年ぶり、13人編成のジャズ室内楽団m_unitによる第4弾。¥3,300(ユニバーサルミュージック)はざま・みほ作・編曲家、指揮者。国立音楽大学卒業およびマンハッタン音楽院大学院修了。2012年にジャズ作曲家としてメジャー・デビュー。ニューヨークを拠点にワールドワイドな活躍を続けている。※『anan』2023年9月20日号より。写真・内山めぐみ取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2023年09月18日世界をフィールドに活躍するジャズ作編曲家・挾間美帆が、デンマークラジオ・ビッグバンド(以下、DRBB)を率いて、11/13に東京・池袋にやってきます。▼挾間さんからのメッセージはこちらチケット情報全席指定(税込)SS席:8,000円 [挾間美帆『ImaginaryVisions』CD付]S席:5,500円A席:4,500円B席:3,500円豊島区民割:各席300円引U22割:各席2,000円引※売り切れエリアがございます、ご了承ください。歴史あるサウンドを生で聴けるこの機会を見逃さないコアなファンから、ヨーロッパ屈指のレベルを誇るビッグバンドサウンドを体感したい初心者ファンまで、この貴重なライブをぜひご注目ください。▼公式ホームページ挾間美帆&デンマークラジオ・ ビッグ バンド : ▼公式twitter : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月29日シンフォニック・ジャズはオーケストラが演奏するジャズ。ジャズ作曲家の挾間美帆がプロデュースする、映画とジャズをテーマにした「TOKYO JAZZ 2022 NEO-SYMPHONIC!CHINEMA JAZZ」が8月19日(金)東京芸術劇場コンサートホールで開催される。「TOKYO JAZZのお祭り感に合うテーマとして、新しい映画音楽を選びました」「新しい」というのがミソで、奇しくもこの1~2年、ジャズと映画を結ぶホットな話題が相次いでいるのだと語る。「スピルバーグ監督が『ウェスト・サイド・ストーリー』をリメイク。ディズニーの『ソウルフル・ワールド』のサウンド・トラックはジャズ・ピアニストのジョン・バティステです。そしてジャズ界隈では大騒ぎになったんですけど、スパイク・リー監督の映画音楽でも有名なジャズ・トランペッター、テレンス・ブランチャードのオペラがニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)で上演されたのです」バティステは、先日発表された今年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞した注目アーティスト。ブランチャードのオペラ《Fire Shut Up in My Bones》は、METの歴史上初の黒人作曲家の作品として話題を呼んだ。「映画にまつわるセンセーショナルなニュースがジャズから次々に出てきた。音楽がボーダーレスになってきた証拠。今知ってほしい音楽、今起こっていることをプレゼンテーションしたいと思います」自身もその波に乗る。本年度の日本アカデミー賞最優秀音楽賞の『竜とそばかすの姫』(監督:細田守/音楽監督:岩崎太整)は、シーンごとに異なる音楽家を起用する独特の方法で作られた。挾間もその一人。「音楽家それぞれがインスパイアされて、それぞれのシーンが出来上がる。すごくいいんです」さらに、もはや伝説の『新世紀エヴァンゲリオン』(音楽:鷺巣詩郎)。そのジャズ・アルバムのための編曲にも参加した。もともと、大河ドラマの音楽を書きたくて作曲を学んだ。「動くものに音楽をつけることには並々ならぬ愛があります」と言い切る。共演は今回も東京フィルハーモニー交響楽団(指揮:挾間美帆)。ヴォーカルの中村佳穂(*公演全編にわたっての出演ではありません)のほか、ジャズ界から、石若駿(ドラム)、江﨑文武(キーボード)、黒田卓也(トランペット)、須川崇志(ベース)も参加予定。ジャズとシネマが交差する、その最前線を楽しませてくれるはずだ。(宮本明)
2022年05月13日2020年4月23日、俳優の岡江久美子さんが新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の肺炎により亡くなりました。岡江さんの娘である俳優の大和田美帆さんは、同年12月8日、「母親を亡くした実感がない」と、現在の心境をTwitterに投稿しました。私にとっても世間の皆様にとっても元気で明るく楽しい母のイメージのままって。すごいなぁ。苦しんでるところも亡くなった顔も棺の中の姿も見てない。そりゃ半年以上経って、いないのは分かってるけど実感がないのも仕方ないですよね。まだ辛いけどただ母の死やコロナから何か学びたくて必死です。— 大和田美帆 (@miho_ohwada) December 8, 2020 指定感染症で亡くなった場合、感染者の遺体は厚生労働省の指導のもと袋に包まれて速やかに火葬されます。そのため、岡江さんの家族は、火葬に立ち会うことができませんでした。岡江さんの闘病中の姿や、棺の中で眠る姿を見られなかった大和田さん。岡江さんのことを思い出すたびに、明るく元気な姿ばかりが目に浮かぶため、どうしても『亡くなった』という実感がわかないといいます。大和田さんの率直な気持ちに、さまざまな声が上がりました。・岡江さんの元気な声が今でも聞こえてくる気がします。・コロナウイルスで、家族の死を遠くから見守るしかなかった人はたくさんいるのだろうと思うと、本当にやるせない。・家族を亡くした時、しばらく実感がわきませんでした。最期の姿に会えなかった大和田さんは、それ以上につらいだろうな…。ご自愛ください。大切な家族との最期の時間をも奪うコロナウイルス。大和田さんのように、コロナウイルスによって大切な人を亡くし、「実感がわかない」と苦しんでいる人は多いのかもしれません。大和田さんの切実な言葉から、改めて一人ひとりが感染対策を徹底すべきだという気持ちになりますね。[文・構成/grape編集部]
2020年12月09日「悔しいなぁ。否定したいなぁ」2020年8月4日、大和田美帆さんが、亡くなった実の母であり俳優の岡江久美子さんに関する根も葉もないウワサに対して、苦しい胸の内を明かしました。同年4月23日に、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)による肺炎で亡くなった岡江久美子さん。突然の訃報は日本中を駆け巡り、早すぎる別れを惜しむ声が相次いで寄せられました。しかし、岡江さん亡き後、あるウワサが出回っているといいます。母はヘビースモーカーどころか、喫煙者じゃなかったのになぁ。。近くにいるおばさま二人が、「岡江さんはヘビースモーカーだったから仕方なかったねー」って話してた。そういえば4月もそんな情報が回ってたなぁ。悔しいなぁ。否定したいなぁ。 と思いつつ抑えて移動。UAを聴く。— 大和田美帆 (@miho_ohwada) August 4, 2020 岡江さんが亡くなった直後にも、喫煙歴を疑うウワサが出回っていたといいますが、娘の美帆さんは事実無根であるときっぱり否定。「真実は私が知っていればいい」とつづった美帆さんではあるものの、実の母に関するネガティブなウワサを耳にするのは、やはりつらいものがあるといいます。そんなん言い出したら、なぜか違う情報だらけなので全てを訂正するパワーは私たちにはないのです。笑ってしまうくらいです。知人って誰だ!!ってね。真実は私が知っていればいい。でも今日みたいに直接聞いちゃうと辛いなぁ。ということで思わずつぶやいちゃいました(^◇^;)— 大和田美帆 (@miho_ohwada) August 4, 2020 美帆さんの投稿に対し、「ひどい話」「無責任すぎる」と、残された遺族を気遣うコメントが多数寄せられています。・心中お察し致します。本当に酷い話ですね…。・誤った情報をSNSで流すことは、人の心に、深い傷を残しかねない。・正しいかどうかをチェックするのが難しいくらい、誰でも情報が発信できるから恐ろしい世の中です。故人のことを勝手な憶測で語ることも不快ですよね。周囲が根拠のないウワサを信じ、さらに、いいふらすような行為は故人を冒涜しているようなものであり、本来、あってはならないことです。ましてや、肉親を失って悲しみに暮れる遺族をさらに追い詰めるようなことは控えてほしいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年08月04日大和田美帆(36)が5月29日、Instagramにブルーインパルスの動画をアップ。医療従事者への感謝の言葉をつづった。母である岡江久美子さん(享年63)を亡くして早1カ月。大和田のもとには温かいエールが寄せられている。Instagramにブルーインパルスが空を駆け抜けていく姿をアップした大和田。そこには彼女が父・獏(69)とともに「ありがとう!」と口にする様子も収められている。そして大和田は《母がお世話になった病院の皆様 世界中の医療従事者の皆様 本当に本当に有り難うございます》とつづり、こう記した。《先程空を見上げたように 楽しみにする気持ち 何かがきっとくると待ちわびる気持ち そして何より感謝の気持ちを持って これからも上を向いて生きていこう!!》先月23日、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江さん。その死後、大和田はブログを通して岡江さんを亡くした苦しみを吐露してきた。今月28日には「どんな亡くなり方でも 母親を亡くすのは辛いですね」「私は恥ずかしげもなく言います。辛い!辛すぎる!まるで乗り越えられる気がしない不安感」「会いたい。会いたいよ」と明かし反響を呼んでいた。そんな大和田のもとには、彼女を気遣った声援がーー。Instagramのコメント欄には、こんな声が相次いでいる。《太陽の様に明るくて心優しい岡江久美子さん。目には見えなくなったけれど、ずっとみほさんの側で見守ってくれていると思います》《美帆さんの今のお気持ちは誰にも分からないかも知れないけれど、お母様を好きだったたくさんの方々がお嬢様の美帆さんを気に掛けていますよ》《今日の青空をみあげれる日が来て良かったですね。お父様、お子さんと共に頑張って下さい。応援しています》
2020年05月31日2020年4月23日、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)による肺炎で、俳優の岡江久美子さんが逝去。コロナウイルスの感染による63歳という若さでの旅立ちは、多くの人に衝撃を与えました。大和田美帆、母・岡江久美子について想いを明かす同年5月4日、岡江さんの実娘である俳優の大和田美帆さんがブログを更新。大切な人の死は、誰もが受け入れがたいもの。岡江さんが亡くなってからおよそ10日が経ち、美帆さんはやっと現実を受け入れて涙を流すことができるようになったといいます。それでも岡江さんの死を信じられない美帆さんは「ちゃんとした区切りをつけていないというのも理由の一つにあるのかもしれません」と思いを明かしました。コロナウイルスによる死で、家族は『気持ちの整理』ができず指定感染症で亡くなった場合、感染者の遺体は厚生労働省の指導のもと袋に包まれて速やかに火葬されます。そのため、岡江さんの家族は火葬に立ち会うことができませんでした。また、コロナウイルスが感染拡大している現状を考慮し、岡江さんの通夜や葬儀、『お別れの会』は未定とされています。葬儀などは残された人が気持ちの整理をするための大切な時間です。それらが行えないことについて、美帆さんはこのようにつづりました。死顔を見ること、家族で泣き合うこと、葬儀をすること、弔問に来てくださる方に直接ご挨拶すること。それらすべてが残された者にとって気持ちを整理する大切な儀式なのだと気づかされます。いつか、母がお世話になった皆様とのお別れ会ができますように。それが今の目標です。父とは、お互い励まし合い、なんとかやっています。父が母をどれだけ愛していたのか今も愛しているのかを知ることができて娘としては嬉しく、そして切なくなります。ご心配をおかけしておりますが私の友人や母の友人、薬丸裕英さんをはじめとする母の仕事関係の方々からの直接会えなくても伝わってくる思いやりや優しさに包まれて父も私も支えてもらっています。そのどれもが母からのギフトのようで有り難くお気持ちを頂戴しています。気にかけてくださる全ての方に感謝です。大和田美帆オフィシャルブログーより引用事態が収束した後、『お別れ会』を行うことが今の目標であるという美帆さん。気持ちの整理ができていないのは、きっと美帆さんだけではないでしょう。岡江さんの夫である俳優の大和田獏さんは、岡江さんの遺骨を自宅で受け取った際「こんな形の帰宅は本当に残念で悔しくて悲しい」と思いを明かしていました。美帆さんは、ブログを読む多くの人に向けてメッセージを送っています。私たちだけじゃない。日本中、世界中で同じようにコロナウイルスで家族を亡くした遺族がたくさんいらっしゃる。今は自粛生活の中で誰にとってもとても窮屈な日々ではありますがこの辛抱が、いつか訪れるであろう平穏な日々や、会いたい人に会える扉に繋がっていると信じています。皆さまどうかどうかご自愛ください。大和田美帆オフィシャルブログーより引用読んでいるだけで深い悲しみや無念が伝わってくる、美帆さんの文章。ブログには「親を亡くしているので気持ちが分かります」「無理はせず、頑張ってください。応援しています」「文章を読んでいて泣いてしまいました」といったコメントが数多く寄せられました。美帆さんがいうように、世界中にコロナウイルスによって大切な家族を失った人がいます。そして、遺族は日に日に増えているのが現実です。1日でも早くこの事態を収束させられるよう、今は耐え忍びたいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年05月05日女優の大和田美帆が26日、自身のブログを更新し、新型コロナウイルスによる肺炎のため23日に亡くなった母で女優の岡江久美子さんとの思い出をつづった。美帆は「たくさんのお悔やみの言葉、励ましの言葉に今の父と私は支えられています。本当に有り難うございます」と書き出し、「またテレビで母の特集を見たりコメントしてくださった近しい方々のお言葉を聞いて、少しずつ、心と体が理解しはじめてはいますが、未だに信じられないというのが正直なところです」と心境をつづった。24日に岡江さんの遺骨が夫で俳優の大和田獏のもとへ届けられたことにも言及。「一昨日、母は父の元に帰ってきました。母が帰ってくるまでに関わってくださった全ての方々に感謝いたします。色んな感情で心が苦しいですが少しだけ、安心しました」と感謝した。そして、「いまは何をしていても何を見ても母を想います。料理をしながら先月、母が『じゃがいもより長芋の方が免疫力がアップするらしいから作ってみた!美味しかったよ!今度作って持ってくね!』とポテトサラダの写真を送ってくれたことを思い出し、料理の手が止まってしまったり我が家のキッチンにある母が自分の分から袋いっぱいに詰めて分けてくれた黒ニンニクを見てこの時も、『免疫力あがるから!体にいいから!持って行きなさい!』って言ってたなぁと思い出し涙が止まらなくなります」と思い出をつづった美帆。「こうやって思い出してみるとちゃんと気にしてたのになぁ、免疫力。。黒ニンニクはなくなってしまうのがイヤでどうしても食べられません。いつも身体にいいものを調べて試してみて、良かったら勧めてくれる健康志向な母でした」と悔しさをにじませ、「母に怒られそうなので、、父も私もよく食べて元気でいなくてはいけませんね」と締めくくった。
2020年04月26日2020年4月23日、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)による肺炎で亡くなった、俳優の岡江久美子さん。63歳という若さで世を去った岡江さんに、夫である大和田獏さんを始めとする多くの著名人が、追悼のコメントを寄せています。岡江久美子の訃報に夫・大和田獏がコメントネットでは生放送前だった薬丸裕英を心配する声も岡江久美子の訃報に大和田伸也がコメント弟夫婦への『想い』に、涙する人が続出「朝は『はなまる』からスタートしていた」の声も薬丸裕英の投稿に涙娘の大和田美帆が『悲痛な想い』を明かす同月24日、岡江さんの娘で俳優の大和田美帆さんが、ブログを更新しました。大和田さんは、「母親が亡くなったことが実感できない」といい、次のようにつづっています。17日間、私と父は何も出来ませんでした。近くに行って手を握ることも母が好きだったミュージカルの曲や可愛がってくれた孫の声を聞かせることも出来ませんでした。亡くなった連絡が来ても駆けつけられず、家にいるしかない。父とも一緒にいられず母にも一度も会えず今はどこかで遺骨になって帰ってくる母をただ待っているだけです。大和田美帆オフィシャルブログーより引用同月6日、緊急搬送された岡江さんはそのまま入院。大和田さんは、母親が亡くなるまでの17日間は何もできなかったといいます。「顔を見ることはおろか、火葬にも立ち会えず、遺骨をただ待っているだけ」と、悲痛な想いを明かしました。そして、ブログを見ている人々へ、メッセージをつづっています。コロナウイルスは、本当に恐ろしいです。私たち家族のような悲しい思いを誰にもしてほしくありません。今はただそれぞれがそれぞれの場所でできることを。大和田美帆オフィシャルブログーより引用「私たちのような悲しい思いをしてほしくない」と、コロナウイルスの脅威を訴え、可能な限りの感染予防を呼びかけました。ブログには、大和田さんを気遣う声や、岡江さんの死を悼む声が寄せられています。・大和田さんのブログを読んで、涙が出ました。ご冥福をお祈りいたします。・岡江さんのハツラツとした笑顔が大好きでした。ご家族もつらいと思いますが、どうかお身体をご自愛ください。・コロナがこわい、憎い、悔しいです。大和田さんはどうか、岡江さんが生きられなかった分、頑張って生きてください。大和田さんは、「大好きだった母親との思い出がたくさんあるので、今度書きますね」と、ブログを締めくくりました。コロナウイルスにより命を奪われた遺族の悲しみは、計り知れません。今は一人ひとりが感染予防に取り組み、不要な外出をさけて過ごすのが大切でしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年04月24日女優の大和田美帆が24日、自身のブログを更新。母で女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎のため23日に亡くなったことを受け、心境をつづった。美帆は「最愛の母が本当に亡くなってしまったとまだ、実感できずに娘の寝顔を見ています」と書き出し、「SNSや携帯にお悔やみの言葉も沢山頂戴し、本当にありがとうございました。気持ちが落ち着いたら、必ずお返事書きます」と伝えた。そして、「17日間、私と父は何も出来ませんでした。近くに行って手を握ることも母が好きだったミュージカルの曲や可愛がってくれた孫の声を聞かせることも出来ませんでした。亡くなった連絡が来ても駆けつけられず、家にいるしかない」とつづり、「父とも一緒にいられず母にも一度も会えず今はどこかで遺骨になって帰ってくる母をただ待っているだけです」と無念の思い。続けて、「コロナウイルスは、本当に恐ろしいです。私たち家族のような悲しい思いを誰にもしてほしくありません。今はただそれぞれがそれぞれの場所でできることを」と呼びかけ、「大好きだった母との思い出、たくさんたくさんあるので、今度書きますね」と記した。
2020年04月24日女優の岡江久美子さんが23日朝、新型コロナウイルスによる肺炎のため63歳で亡くなった。所属事務所は同日、夫で俳優の大和田獏と娘で女優の大和田美帆のコメントを発表した。2人は連名で「岡江久美子が4月23日5時20分に新型コロナによる肺炎の為、永眠いたしました事をご報告いたします。今はただ残念で信じがたく、悔しくて悔しくて他は何も考えられない状態です」と胸中を吐露し、「どうかそっと送って頂きたいと願っています」とつづった。そして、「仕事関係者の方々、ファンの皆様、ご友人の皆様、長いお付き合いを感謝致します。また、全力を尽くして治療にあたって頂いた医療関係者の皆様に心から感謝いたします。ありがとうございました」と伝え、「皆様、コロナウイルスは大変恐ろしいです。どうかくれぐれもお気をつけください」と呼びかけた。岡江さんは今月3日に発熱し、4~5日様子を見るよう言われていたが6日朝に急変し、都内の病院に緊急入院。すぐにICU(集中治療室)にて人工呼吸器を装着し、その後、PCR検査で陽性と判明した。懸命な治療を続けるも完治には至らず、息を引き取った。
2020年04月23日ニューヨークを拠点に活躍するジャズ作曲家・挾間美帆。権威のある米国のジャズ誌『ダウンビート』の「未来を担う25人」に、アジア人で唯一選ばれた注目のアーティストだ。この夏、新たに始まる「ネオ・シンフォニック・ジャズ at 芸劇」をプロデュースする。【チケットの詳細はこちら】シンフォニック・ジャズとは、ガーシュウィン《ラプソディ・イン・ブルー》(1924年)を発端とする、クラシック音楽のオーケストラ編成によるジャズのこと。「とにかくオーケストラが好きで、エレクトーンでオケの曲ばかり弾いているような子供だったので、今でも頭の中で最初に鳴るのはオケの音なんです」大学まではクラシックの作曲を学んでいた。「音楽のジャンル分け自体がもはやナンセンス」と、クラシックとジャズを分けて考えることはないが、ジャズの特徴に「即興演奏」があることはポイントとして挙げる。「私も作曲科の学生時代、ジャズは敷居が高いというか、音符が書かれていない音楽への恐怖心がありました。実際には即興は努力とトレーニングのたまものなのですが、当時は、天才たちが、降って来たものをそのまま演奏していると思っていたんですね」だからクラシック奏者のための作品では、基本的に即興を用いないし、今回も、通常のクラシック・オーケストラ編成で演奏できる曲だけを集めた。ガーシュウィン、バーンスタインから、シンフォニック・ジャズの「中興の祖」的な重要作曲家クラウス・オガーマン(1930~2016)とヴィンス・メンドーサ(1961~)。そして挾間自身の新作《ピアノ協奏曲第1番》の世界初演。「初演から90年以上。でもいまだに《ラプソディ・イン・ブルー》ばかりが演奏されて、シンフォニック・ジャズの発展はストップしている。『その次』として残せるような、スタンダードとして末長く楽しんでもらえる作品を作りたい」と意気込む。独奏者にはイスラエル出身の世界No.1ジャズ・ピアニスト、シャイ・マエストロを迎え、ピアノのカデンツァ部分は彼の即興に委ねる。「ゆくゆくはクラシックのピアニストでも弾けるように楽譜を書きますけれども、今回はジャズ・ピアニストとクラシック・オーケストラのバランスをうまくとって作曲したいと思っています」クラウス・オガーマンも彼女の「推し」。この取材の数日後にあった関連レクチャーでは、オガーマンの紹介に多くの時間を割いていた。アントニオ・カルロス・ジョビン、ビル・エヴァンスらとの仕事で知られる名アレンジャーであり、クラシカルな現代作品も手がけた作曲家。挾間いわく「オガーマン、マジ良い!」ジャズやクラシックに限らず、あらゆる音楽ファンに入り口のあるコンサートだと語る「ネオ・シンフォニック・ジャズ at 芸劇」は、8月30日(金)、東京芸術劇場で。原田慶太楼指揮・東京フィルのクールなサウンドで、シンフォニック・ジャズの歴史を浴びる一夜。取材・文:宮本明
2019年06月21日「アトリエほんちょう」の3つの柱現在「アトリエほんちょう」に在籍しているのは24人(2018年9月取材時)。発達障害や知的障害、身体障害のある小学校1年生から高校3年生までの子どもたちです。学校も学年も、そして特性もさまざまな子どもたち。家庭や学校と連携して一人ひとりに寄り添っているのも特徴のひとつ。「アトリエほんちょう」が大事にしている3つの柱は■地域・学校連携■社会生活実践■自己決定力相談支援員や、学校や学童の関係者、そして保護者を集めた「支援会議」を、子ども一人ひとりごとに実施し、子どもに関わる人たちが連携できるようにしています。また、日々の活動プログラムや、子どもたちとスタッフの関わりの端々に、この姿勢が垣間見られます。子どもたちが、地域の方々と触れ合い、地域の中で生きていることを実感してほしい。一人ひとりを注意深く見守り、「今日はどれくらいできるかな」と考えて、サポートしています。特別支援学校に通っている子どもたちは、学校が遠方であることも多く、地域の方との触れ合いが少なくなりがちです。ここでは、町会の方々の協力もあり、バーベキューやお祭りなどにも積極的に参加しています。町会のイベントに必ずやって来るのが、地域の子どもたち。そうした場で、子どもたちはお互いの顔や名前を覚え、その後の交流のきっかけにもなります。もちろん、最初から何もかもがスムーズに運んだわけではありません。5年前の開設当初から、相談支援員や、学校や学童の関係者、そして保護者を集めた「支援会議」を、子ども一人ひとりごとに実施してきました。今でこそ、知られるようになってきたこうした取り組みも、当初はなかなか理解されないこともあったそう。保護者とは利用前に3~4ヶ月かけて面談をし、気持ちを共有することも。学校関係者や地域の方には子どもたちが持つ特性を伝え、じっくり時間をかけて対話し続けてきました。それに加え、社会全体が発達障害をはじめとする、障害を理解しようという動きも、追い風になったといいます。「アトリエほんちょう」が行う療育や各種プログラムの基盤にあるのが、オリジナルのメソッド「SLP(Social Life Practice)」。日本語で言うと“社会生活実践”。つまり、机上だけに留まらず、実際に外に出て、リアルな体験を積み重ねていくということです。障害のあるなしに関わらず、想像することはできても、”いざやってみるとうまくいかない、失敗までは想像が及ばなかった”という経験があるでしょう。たとえば、”買い物”もそのひとつ。「アトリエほんちょう」では、子どもたちが地域の商店街に買い物に行ったり、ときには商店街のお店でお手伝いをさせてもらう機会も積極的に作っています。子どもたちは実際の生活の場で、さまざまな体験を積み、その中から多くのことを学んでいます。Upload By 発達ナビ施設インタビュー夕方近くになると、子どもたちが「ただいまー!」という声とともに教室に入ってきます。指導員が「おかえり!」と迎える様子は、まるで家族のよう。なかなか言葉が出ない子にはハイタッチでコミュニケーションします。まずはみんなでおやつタイムです。この日のメニューは、前日にみんなで潰したふかしたさつまいもが入った甘い餃子。全員でテーブルを囲み、「いただきます」。「牛乳飲みたい人は?」「チーズ追加したい人いる?」など、指導員は子どもたちに声をかけます。決して全員が全く同じものを食べたり、同じことをするのではなく、”決められたベースがありながらも、それぞれの意思を尊重している様子”がおやつの時間を見ているだけで伝わってきます。Upload By 発達ナビ施設インタビューこの日のメインプログラムはカレンダー作り。毎月翌月のカレンダーを作るプログラムを必ず組み込んでいるそう。時間の概念を理解するのが苦手な子が多いので、カレンダーを作る中で月や日付、そして曜日の概念を伝えているのだといいます。カレンダー上部にはその月に合ったイラストが入り、その下に日付や曜日が入ります。見本を見て黙々と進められる子、手助けが必要な子、それぞれに指導員がつき、スムーズに進むようサポート。学年や特性も違う子どもたちなので、机上プログラムでは班分けして行うことも重要なポイントだそう。手助けが必要な子どもには、指導員がその手を取って「月曜日、火曜日、水曜日…。1、2、3…」と声を出しながら文字を書き進めます。自分で好きな色を選んだり、使う道具ものりかグルーガンのどちらを使うかなど、子どもたちが自分の意思で作業を進めています。Upload By 発達ナビ施設インタビュー掃除の時間になると、子どもたちはそれぞれが雑巾やほうき、掃除機を持って部屋を掃除していきます。「競争だよ!よ~いどん!」と声がけしたり、「ここから入り口まで掃いたら終わりだよ」と子どもが動きやすいように指示を出す指導員や、賑やかに掃除をしている子どもたちの楽しそうな姿が印象的でした。毎日行う掃除も、自然と社会性やルールを学ぶ機会となっています。活動の最後はフリータイムです。子どもたちのリクエストで何をするか決めます。そこで登場したのは、なんとターザンロープ!吹き抜けの天井から吊るされたターザンロープは、子どもたちが大好きなアクティビティのひとつです。ターザンになり切った子どもたちの、笑い声やはしゃいだ声が館内に響きわたりました。子どもたちが”なりたい自分”になるための支援をUpload By 発達ナビ施設インタビュー「子どもたちには自由に、のびのびと過ごしてほしい。自由であるということには責任が伴う。それをここでの生活で学んでほしいから」これは、今回お話しを伺った「アトリエほんちょう」管理者・児童発達支援管理責任者の深町優さんの言葉です。その言葉通り、子どもたちは本当にのびのびと楽しそうに時間を過ごしていました。放課後等デイサービスの限られた場所や人間関係の中だけではなく、地域社会の中でのさまざまな体験は、きっと子どもたちを大きく成長させてくれることでしょう。そんな毎日の中から、子どもたち自身が“なりたい自分”を見つけることが、深町さんをはじめとするスタッフの願いだといいます。こんな子どもでありたい、こんな大人になりたい。それは、他の誰でもなく、子どもたち自身が決めること。「アトリエほんちょう」の子どもたちは、毎日一歩一歩、思い描く自分に近づくための力をつけているところです。撮影:鈴木江実子取材・文:秋定美帆
2018年11月02日子どもたちが、生活の場や学校でより楽しく過ごせるようにUpload By 発達ナビ施設インタビュー「スタジオそら 幡ヶ谷」は京王新線幡ヶ谷駅から歩いて6分ほどの閑静な住宅街のなかにあります。移転したばかりというスタジオは、すっきりと整理され、広々としています。メインで行われているのは、子どもと先生1対1の「スタジオ療育」。子どもの課題や環境に合わせた手助けを行なっています。訪れた子どもたちが、思いっきり体を動かし、汗をかいて、笑い、晴れ晴れとした気持ちになって帰っていってほしい。その思いのもと、オーダーメイドの支援が行われています。「スタジオそら」の大きな特色は、運動の設備・備品や絵カードなど一人ひとりに合わせた視覚教材が豊富に揃っていること。保護者からも、「体を動かしてほしい」「幼稚園や小学校での運動の基礎を身につけさせたい」という問い合わせも多く、運動をはじめ、さまざまなアプローチを通して、日々の生活がより豊かで楽しくなるような支援をしています。指導員の指示を聞いて動けるようになることは、園や学校などでの生活にも生きると考えています。もちろん、運動に限らず、学習支援やSST、音楽療法など多彩なプログラムが用意されており、子どもたちが日々楽しみながら療育を受けています。また、週末などを中心に行われているのが「あおぞら療育」です。近隣の公園などを利用し、五感を目一杯働かせて、思い切り体を動かすプログラム。「スタジオ療育」が個別で行われているのに対し、こちらは小集団活動がメインとなります。「幼稚園や小学校の休み時間に、他の子どもと混じって遊べるように、遊びのルールやコミュニケーションを伝えたいと思っています。経験があれば、他のお友達との遊びに入っていけることもあるはずなので」と先生方。「スタジオ療育」「あおぞら療育」を通して目指すのは、子どもたちが生活の場や学校で過ごす時間をより楽しめるようになること。そのための手助けをするのが「スタジオそら」の役割だそう。だからこそ、先生方にとって「家でもこんなことができようになりました」「学校の先生からこんなことができるって言われました」などの保護者からの報告が何より嬉しいと話してくれました。思い切り体を動かしながら、お友達との関係も育む“あおぞら療育”Upload By 発達ナビ施設インタビュー8月のとある土曜日。午前中に代々木公園で行われている集団療育プログラム「あおぞら療育」に同行。自然のなかでのびのびと活動すると、五感を目いっぱい働かせることができるのだそう。今回集まった4人の子どもたちは、元気いっぱいの子どもたち。まずは、「えいえいおー!」とみんなで声を上げて、公園の入り口付近から、公園内の活動場所まで走って向かいます。「あおぞら療育」では、基本的に、子どもと同じ人数の指導員が配置されているそう。スタートの際も、元気に走っていく子、まだエンジンがかからずゆっくり進みたい子、それぞれのペースに寄り添いながら子どもたちの気持ちを盛り上げます。この日のプログラムは、木陰での水鉄砲遊び。いろいろな場面や遊びを通して、子どもたち同士が交流することを目的としています。暑い日でしたが、一面の芝生と木々が生い茂る活動場所は、思いの外涼しく感じられます。まずは、水鉄砲の使い方やルールの説明をする先生。わざと小さい声で話し、子どもたちを自分のまわりに集めるなど、コミュニケーションにも工夫があります。活動のスタートに慎重になりがちな子どもには、ウォーミングアップとして「先に水にぬれる」機会を。この後押しで楽しそうにプログラムに参加できていました。こだわりをほぐすことができる自然な対応は、しっかりと日々子どもの様子を見ているからこそ。最初は少し乗り気でなかった子も、いつのまにか笑顔で水鉄砲を飛ばしていました。プログラムは、まず一人で水鉄砲を飛ばすところから始まり、徐々にグループ活動に。最後は、二人一組のチームになって、一人は水鉄砲に水を入れる係、もう一人は、水鉄砲を飛ばす係になって、吊るされた紙に描かれたモンスターを倒しました。子どもたちを積極的に褒める先生の様子が印象的でしたが、「大勢の前で褒められたい」「こそこそっと褒められたい」など、その子の性格によって褒め方も変えているのだそう。プログラムのスタート時には、駆け出す子、ゆっくり歩きたい子とばらばらでしたが、帰りは自分の前にいるお友達の肩に手を置き、電車ごっこをして保護者の方々が待つ場所へ向かいました。印象的だったのは、子どもたちの満面の笑顔。それは子どもたち同士が関われるよう、集団活動を目的としたプログラムでありながら、先生方の子どもたち一人ひとりに対する細やかな配慮があるからこそ。最初は一人で水を触っているだけだったのが、プログラムの終わりには仲間と一緒にゲームを楽しんでいる子どもたち。1時間弱と決して長い時間ではありませんが、皆、少し成長したように見えました。できないことは、アプローチを変えて再チャレンジ。一人ひとりに合わせた成長をサポートUpload By 発達ナビ施設インタビュースタジオでの「スタジオ療育」の様子も取材しました。「スタジオそら」では、子どもの発達を「言語コミュニケーション」「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「人間関係・社会性」の5領域にわけて細かく分析しています。各領域ごとに数値を出し、子どもの現状や課題を把握するアセスメントを取っているそう。それを元に個別支援計画を作成しています。「スタジオ療育」は、その個別支援計画の内容に沿って進みます。前回できたことを踏まえ、少しずつレベルアップさせながらゴールを目指しているのです。この日、「スタジオ療育」を受けていた子どもは3人。それぞれの子どもにマンツーマンで指導員が一人つき、加えて、全体を見渡しながら、補佐をしている指導員や児童発達支援管理責任者もいます。プログラムの内容は、子どもによってそれぞれ。メインは、「立ちます」「座ります」「走ります」など、実際にその動きをしながら、言葉と動きを一致させたり、器具を使ってジャンプの練習をしたり、ボール投げなどの粗大運動です。集中力を保てるよう、そのあいだに文字の学習や微細運動を組み合わせています。もちろん、全てのプログラムが円滑に進むわけではありません。子どもがつまずいた時には、アプローチや説明の仕方を変えてスムーズにできる方法を子どもと指導員が二人三脚で探ります。ジャンプの練習で、どうしてもうまく飛べなかった子が、これまで横に立って一緒に飛んで見せていた指導員が、前に立って両手を持ち、サポートの度合いを高めることで成功!必要に応じて臨機応変に調整しています。プログラム終了後には、保護者の方に先生から詳細な振り返りが伝えられます。もちろん、できるようになったことも伝えますが、できなかったことも伝えます。そして、こうアプローチを変えたらできるようになったということも。それは、保護者の方にそのアプローチを家庭に持ち帰って、実践してもらうためだといいます。「1mしか投げられなかったボールが4m飛ぶようになることなどは、とても嬉しいことです。でも、活動を通して指示を理解できるようになったり、自己肯定感が高まってチャレンジ意欲が増したり、数字では表れるのとは違うけれど、とても大切な成長もあります。スタジオそらでの活動を通してそういう成長を見ています」と先生方。その思いが子ども一人ひとりの成長を促しています。子どもたちの晴れた空のような笑顔がさらに広がっていくようにUpload By 発達ナビ施設インタビュー今後、発達の遅れなどの障害のある子どもが漏れなく適切な療育を受けることができるよう、スタジオを増やしていきたい。それが「スタジオそら」全体の今後の展望だといいます。その根底にあるのは“どんな子どもでも楽しく、幸せに生活を送ってもらいたい”という思い。それを実現させるため、スタジオや屋外での療育のほかにも、地域でのイベントを数多く開催しているのだそう。イベントを通して、発達障害とはなんなのか、発達障害の子どもとどんなふうに関わればいいのかなどを、子を持つ親や子どもと関わる学校の先生に対して伝えています。そのほかにも、障害のあるなしに関わらず、子どもたちが自分らしく楽しめるコンサートイベントも開催。次回は10月13日(土)を予定しています。日頃の療育ではもちろん、イベントなどを通しても、「スタジオそら」から子どもたちの晴れた空のような笑顔がひとつ、またひとつと大きく広がっています。絵本や手遊びを使って楽しくクラッシック・デビューできるコンサート。椅子席だけでなくマット席もあるので、リラックスして楽しむことができます。日時:2018年10月13日(土)10:15〜11:15(10:00受付)場所:三茶しゃれなあどホール(世田谷区太子堂2-16-7 5階)出演:こっころ/昭和音楽大学卒のよしだかおる(オーボエとうた)・はしもとなつき(フルート)・いのうえまい(ピアノ)によるトリオ対象:新生児~小学生(特に3~6歳程度)の子どもと保護者料金:大人1,000円小学生以下無料▼申込・詳細は下記より▼スタジオそらコンサート 申込・詳細※クリックするとスタジオそらのページに遷移します取材・文:秋定美帆撮影:鈴木江実子
2018年09月05日ダウン症のある子ども向け言語プログラムを、アメリカから導入Upload By 発達ナビ施設インタビュー東京都杉並区、南阿佐ヶ谷駅からほど近い場所にある、ダウン症のある子どもたちを中心に療育を行う、児童発達支援・放課後等デイサービス「bamboo wow(バンブーワァオ)」。2016年にオープンしたこの施設は、2018年7月現在、およそ150名の登録者が在籍しています。この施設の特色は、海外で実践されている「ラーニングプログラム(LP)」をいち早く導入したこと。LPとは、イギリスの大学でダウン症のある子どもたちのデータを元に開発され、アメリカで発展した言語プログラムです。アメリカでは既に20年近い実績があり、スムーズな言語獲得や認知の向上など、大きな成果が出ているといいます。このLPを日本に持ち込んだのが「bamboo wow(バンブーワァオ)」代表の矢作桂子さんです。矢作さんは、現在小学6年生と3年生の2人の男の子を育てるお母さん。開設のきっかけは、ダウン症のある次男が生まれたことでした。矢作さんは次男を育てるなかで、あることに気づきます。“日本では、未就学児への療育は充実しているけれど、小学校へ上がると通えるところが少なくなってしまう…”また、ダウン症のある子どもに特化したプログラムを受けられる場所が見つけられませんでした。そこで矢作さんは、「ならば、私が」と立ち上がったのです。そして、ダウン症のある子どもに関する教育法や療育をリサーチしていくなかで見つけたのが、LPでした。1984年から1993年の10年間をアメリカで過ごし、英語も堪能な矢作さんは、アメリカに視察に向かいます。“プログラムをこの目で見てよかったら、プログラムを広められる場所をつくろう”このときから、既に「bamboo wow(バンブーワァオ)」の構想が矢作さんの頭のなかにぼんやりと描かれていました。アメリカへ視察に出かけたのが2017年6月。この視察を経て構想はさらにはっきりとしたものに。その後、プログラムの日本語翻訳など1年の準備期間を経て、「bamboo wow(バンブーワァオ)」をオープンさせたのです。 wow(バンブーワァオ)アメリカで出会った、ハッピーでいきいきしたダウン症のある若者たちUpload By 発達ナビ施設インタビューアメリカでの視察で感じたことや「bamboo wow(バンブーワァオ)」の特色について矢作さんにお伺いしました。ーーアメリカでの視察で印象的だったことはありますか?矢作:子どものころから一緒にLPを受けている10代のダウン症の子どもたちに出会ったのですが、その子たちが兄弟みたいな関係性だったんです。外では「なんとか苦手を克服しなければいけない」と気を張ることがたくさんあると思いますが、その子たちだけで集まったときには、リラックスして若者らしく彼氏や彼女の話をしたり、映画の話をしたり。ハッピーでいきいきしている姿がとてもいいなと感じました。ーーそんな場所を日本でもつくりたいと考えたのでしょうか?矢作:もしプログラムを広めるだけだったら保護者を集めて講演をするだけでもよかったかもしれません。でも、「ダウン症のある子どもたちが、自分のままで認められ、自己肯定感を高められる場所」をつくりたかったんです。それと同時にダウン症のある子どもを育てるお母さんやお父さんがほっとできる場も必要だと思いました。だから「場所づくり」にもこだわりました。ーー多数の専門家の方がスタッフとして在籍していると聞きました。矢作:はい。ありがたいことに予想以上に専門家の方が集まってくれました。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理士、保育士、などです。現在在籍しているスタッフは21名です。私を含め、保護者からのありとあらゆる質問に答えられるような体制を整えています。ーー多くの専門家が集まっているからこそできることはどんなことでしょうか?矢作:「○○ちゃんのお母さんからこんな質問がありました」とスタッフでつくっているSNSのグループにメッセージを書き込むと、スタッフはオフの日でも、それぞれの考えをたくさん回答してくれます。専門が違うので、異なる意見もありますが、それをすべて保護者にお伝えします。このなかからいろいろ試して○○ちゃんにぴったりな方法を一緒に見つけられればと思っています。ーー本やネットでもなかなか自分の疑問や不安に対する的確な回答を探すのは難しいので、保護者にとっても心強いでしょうね。矢作:これまでの療育は、「いかにできないことを少なくするか」というところに重きが置かれていたように思います。でも、ここでは「できる、できない」は関係ありません。子どもも親も安心して過ごせて、子どもの特性を親が学び、できるだけ不安なく楽しく子育てをすることを大切にしています。そのために専門家の力を借りて、親も子もそしてスタッフもみんなで成長していきたいですね。豊富なプログラムや教材から、その子に合ったものをUpload By 発達ナビ施設インタビュー現在、「bamboo wow(バンブーワァオ)」では、アメリカから導入したLPで行う「ことばのためのプログラム」、「体づくりのプログラム」、「身辺自立のためのプログラム」、「好奇心発見のためのプログラム」、「親子プログラム」などさまざまなメニューを展開しています。1対1の個別指導からグループ指導まで、それぞれの子どもに必要なプログラムを、その子に合った形式で受講できます。「親子プログラム」は月に1度、保護者に向けての講座が行われます。”数の概念を教える”から”親なきあとのこと”まで、テーマはさまざま。保護者は「将来は就労させなくては。そのためにできないことをなるべく少なくして、愛される子どもに育てなくては」とプレッシャーを感じている方が多いといいます。このプログラムは、子どもの特性を深く知ることはもちろん、子育てをするうえで気を張ることが多い保護者が、子育ての見通しを持てたり、他の保護者との交流などを通して気を緩めることができる機会にもなっているのです。”数の概念を教える方法”は、数唱から始まり、数を数えるとはどういうことか、その後に足す、引く、掛ける、割るなどの四則計算が入ります。さらにその後、お金や時間、最後に分数を教えるという順番だそう。人間はもともと指を動かしながら数をかぞえることで、その概念を学んでいきます。そのために、指を動かして数唱する遊びをしたり、足踏みをして数を数えたり、手足で感覚をつかむ練習をたくさんするのだとか。体を動かしながら、体全体に染み込ませるように”数の概念”を教えていく――。その方法についても、丁寧に保護者に伝えます。また、”親なきあとのこと”というテーマでは、専門家による講演を通して将来の見通しをもてるようにし、そのために今何ができるのかを話し合います。ただ漠然と不安に思っていたことがクリアになり、肩の荷を下ろせる保護者も多いのだそう。また、「bamboo wow(バンブーワァオ)」にはさまざまな教材も揃えられています。ここでしか学べないLPはもちろん、アメリカから持ち帰ったものや、なかには手触りや音にこだわったオリジナル教材も。プログラムから教材に至るまで、さまざまな選択肢があるのが大きな特色のひとつと言えるのかもしれません。認知の発達や発語のためにも大切な、体づくりUpload By 発達ナビ施設インタビュー取材の日は、身体均整師である矢作智崇さんによる個別プログラムが行われていました。キネシオロジーなどによって適切な刺激を脳に送ることで、体の発達を促す「bamboo wow(バンブーワァオ)」で大切にしているプログラムのひとつです。実際に智崇さんが子どもの体に施術を行いますが、このとき、家に帰った後保護者自身が生活に取り入れられるように、とても丁寧に説明をしています。保護者からも質問が飛び、保護者自身の体で智崇さんがポイントを再現するなど、それはさながら、その親子のためだけのオーダーメイドプログラム。また、智崇さんの説明や、保護者の質問、そしてその回答は、別のスタッフがしっかりとメモにとり、プログラムの後に保護者に渡すそうです。「ここでやるだけではなくて、毎日実践してもらうことが大切」と智崇さんは話します。ダウン症のある子どもにとって、体の発達はとても大事なこと。筋力が弱いため、自分の体や脳に刺激を与える役割をもつ”運動”が苦手な子が多いのだそう。「だからこそ、外から刺激を与えることが重要なのです。きちんと体をつくることが、認知の発達や発語にもつながるとも言われています」。智崇さんは、去年より今年、昨日より今日…と更新される体や発達についての情報を収集し続けたいと話します。それは「今日ここで保護者に伝えたことを、もしダウン症のある次男がもっと小さいときに自分が知っていたら」という後悔からだそう。でもそれを次世代の子どもたちに伝えていくことで、未来はさらに明るいものになると、智崇さんは語ってくれました。遠方の希望者や、他の特性がある子にも!多くの親子にこのプログラムを届けたいUpload By 発達ナビ施設インタビュー「これからも最新最善の情報や知恵を取り入れて、子どもたちや保護者をサポートしていきたい」と話す矢作さん。遠方に住んでいて通えない親子のためのWEBレッスンや、教室の拡張、海外の良質な教材を日本に導入するなど、さまざまな形で多くの親子に関わっていくことが今後の展望だといいます。当初は、ダウン症のある子どもたち専門の施設を目指していましたが、矢作さん自身が療育を学んでいくうちに、ダウン症でなくても、多くの「発達がゆっくりした子」に各プログラムが適応するのではと考えるようになったそう。今後は、他の障害や特性がある子どもたちにもLPや各種教育を提供していきたいと考えているとか。「bamboo wow(バンブーワァオ)」は、ダウン症のある子どもたちの特性に合わせて、賑やかで雑然とした雰囲気になっています。シンプルで療育に特化した内装だと、「勉強をやらされる」とか「つまらない」と感じてしまうからです。でも、刺激が多すぎると感じる特性がある子どもの場合には、運営にも関わっているシンプルな内装の「よむかくはじく」の教室で療育をする場合もあります。「bamboo wow(バンブーワァオ)」の挑戦はまだ始まったばかり。これから子どもたちがお互いをよき仲間として、学び成長し合い、かつて矢作さんがアメリカで出会ったような、いきいきとした若者に育つのが今から楽しみです。取材・文:秋定美帆写真:鈴木江実子
2018年08月08日障害のある人に、さらなる活躍の場をUpload By 発達ナビニュース障害のある人たちの活躍の場は、今はまだ十分とは言えません。きちんと評価され、報酬を得られることが、障害のある人の自立にもつながります。そんな社会への一歩として開催されるのが「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」です。参考:パラリンアート世界大会2018大会を通して、絵を描いてみようという心を育む、そして障害のある人が自分らしく描いた絵がきちんと認められる。さらにはアートだけでなく、さまざまな場面できちんと評価され、障害のある人が社会に参加し、自立できる社会へつなげていく――。そんな未来を志向し、開催される大会に、お笑いタレントとして活躍中の麒麟・川島明さんがアンバサダーとして就任しました。大会を開催するのは、一般社団法人障がい者自立推進機構。この機構は、障害のある方の社会参加と経済的自立を目的とした「パラリンアート」というアート事業を11年間にわたり運営しています。民間企業・個人の継続的な協力で障害のある方々の支援を行っている「パラリンアート」は、現在200社以上の企業から賛同を受けています。障害のあるアーティストが生み出す作品をさまざまな形で、世に送り出しているそうです。「パラリンアート」を通じ、多くの人が障害のある方が生み出すアートに魅了されている反面、日本国内で860万人、世界中では10億人にものぼると言われる障害のある人の活躍や挑戦の場は、まだまだ少ないというのが現状です。そんななか、障害のある人の活躍の場をさらに増やしていくことを目的として開催されるのが「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」です。参考:パラリンアート第1回目の応募総数は、国内外合わせておよそ1,300!Upload By 発達ナビニュース「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」は、第1回目の今回から、2020年までは日本で毎年開催。そして2020年以降は4年ごとにオリンピックが行われる国で開催が予定されています。今回のテーマは「祭り」。5月27日の締め切りまでに、国内外からおよそ1300作品の応募があったそう。これから実行委員会や各国大使館による一次選考を経て、審査員やスポンサーによる最終選考が行われ、グランプリや準グランプリ、その他各賞が8月までに決まる予定です。また、今回の審査員に名を連ねるのは、アンバサダーでもある川島明さん、書道家の金澤翔子さん、画家のDaniel Kellyさんや遠藤彰子さんなど錚々たる顔ぶれ。それぞれの感性がどのようなアートをグランプリに選ぶのかにも注目が集まっています。作品から感じた、想像を超える大きなパワーUpload By 発達ナビニュース記念すべき第1回目の「パラリンアート世界大会」のアンバサダーに就任した麒麟・川島明さん。もともと絵が好きで、絵の知見があること、またお笑いタレントという立場で発信力があるということから、川島さんのアンバサダー就任が実現したのだといいます。子どもの頃から絵が好きで、よしもとの芸人仲間と個展を開いたことがあるというほどの腕前だそうですが、今回の就任にあたり、障害のある方が描いた絵を見てとても驚いたといいます。「作品を通じてものすごいパワーを感じました。そのパワーは想像をはるかに超えていて、この才能が埋もれてしまっていたのだとしたら本当にもったいないですよね。これから、作者が思いのたけをぶつけて取り組んだ作品に出会えるのが楽しみです」(川島さん)そんな川島さんも、今回のテーマ「祭り」をイメージした絵を描きあげました。とにかく、明るく楽しく、そして何かが始まるというワクワクを絵に込めたといいます。世界中の人たちが、それぞれのスタイルで、でも一緒にお祭りを楽しんでいる様子はまさに「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」のテーマそのもの。全て手描きで、鉛筆と筆ペン、水彩絵の具だけで描いたそうです。Upload By 発達ナビニュース一緒に絵を描き、そこで学んだことを伝えたいUpload By 発達ナビニュースこの大会のアンバサダーとして、ぜひ、障害のある方と一緒に絵を描きたいと話す川島さん。「絵を描くのは大好きなのですが、絵についての知識は、みなさんの方がずっとたくさん持っていらっしゃると思うんです。なので、いろいろ教えていただきたいという気持ちです。そこで教わったことを、お笑い芸人としていろいろな場所で話す機会が多いので、そこで伝えていきたいですね」(川島さん)また今回、海外からは、イランや東ティモールからの応募が多かったことにも驚いたといいます。いろいろな事情や政治的背景があり、その国の政府の手が障害のある人まで回っていないからと、大会にとても興味を持ってくれたことが、応募数に反映されたそう。「海外の方とは、言葉だと通じ合えないことがあるかもしれませんが、絵を通じてなら色々なコミュニケーションが取れるんだなと感じています。海外の障害のある方の絵からも、本当にたくさんのことを受け取りました。この先、機会があれば日本だけではなく、海外の方とも一緒に絵を描く機会があれば嬉しいです」(川島さん)「自分をアートで表現したい」そんな気持ちを後押しする大会へUpload By 発達ナビニュース子どもから大人まで、年齢制限は設けていない本大会には、多くの子どもたちも参加しています。川島さんの言葉のなかには、障害のある子どもを育てるお母さんへのメッセージもありました。「僕自身も育児中の身ですが、予想していなかったことがたくさん起きますし、うまくいかないことも多いです。障害のあるお子さんを育てられているお母さんやお父さんは、とても大変な思いをしていると思うんです。でも、どんな場面でも正解はなくて、でも、育てていること、それ自体は正解だなって感じています。多くの子を持つ親が、『しんどい』『辛い』『こんなことあった』って表現できる場がもっとあればいいのにと思います」(川島さん)そうやって大切に育てられている子どもたちのなかに、いつか「絵を描きたい!」「自分をアートで表現したい!」という気持ちが生まれるかもしれません。「パラリンアート世界大会」はそんな気持ちを後押しする大会へと今後大きく育っていくはず。その力になりたいと川島さんは話します。「この大会が大きくなればなるほど、『応募してみよう』『絵を描いてみよう』という気持ちになる方が増えるんじゃないかな。それがきちんと正当な評価や報酬に繋がることが一番大切だと思っています」「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」の結果発表は8月。どんな思いが表現されている作品がチャンピオンに輝くのか、全世界が注目しています。また、この大会が数を重ねるたび、多くのアーティストや作品が誕生するはずです。川島さんもこれからが楽しみとのこと。お話からも、そのわくわくした気持ちがたっぷりと伝わってきました。取材・文:秋定美帆
2018年06月25日アイドルグループ・V6の長野博(45)の妻で女優の白石美帆(39)が11日、自身のブログを更新し、第1子となる男児を出産したことを報告した。白石美帆白石は「ご報告」というタイトルで更新し、「先日、予定日よりも早いタイミングでしたが第一子となる男の子が無事に産まれてきてくれました。母子ともに元気です」と報告。「産声を聞いたときは、飛び上がるほどの喜びと安堵感に包まれました。この尊い命を大切に育てていきたいと思います」と喜びをつづり、「今後ともどうぞ宜しくお願いいたします」と呼びかけた。2人は、2016年11月29日の"いい肉の日"に結婚した。
2018年05月11日「我が家の教育方針は“きょうだい平等”です。だから、美帆が単独でメダルを取っても、姉妹でメダルをとるまでは喜べません。美帆には、1,000mの表彰セレモニーの会場で会いましたが、高揚感もなく次の競技にむけて淡々としていました」 と語るのは、スピードスケート女子1,500mで銀、1,000mで銅メダルを獲得した高木美帆(23)の父・愛徳さん(60)。美帆の2歳上の姉・菜那(25)は、今回の平昌五輪の女子5,000mに出場し、12位だった。さらに女子団体パシュートでは姉妹が日本代表の中心メンバーとしてそろって出場。娘たちへの精一杯の応援のせいか、少し荒れた声で愛徳さんが語る。 「8年前のバンクーバー五輪は、中学生だった美帆が代表入り。4年前のソチ五輪は菜那だけ出場。姉妹そろって五輪に出場するのは初めてです。これまでの五輪は、どちらかが出場できなかったから親としては複雑でした。今回は、何も考えずに、心の底から喜べましたし、思い切って声援を送ることができました」 スケートが盛んな北海道十勝地方・幕別町に生まれ育った菜那と美帆の姉妹は、小さいときから切磋琢磨してきた。 「スケートだけでなく、サッカーやダンスなど、菜那がやることはすべて美帆もはじめます。でも美帆は器用で運動神経がいいから、どれも姉を追い越してしまう。それが悔しくて、菜那は夢中に練習していました」(愛徳さん) 2人の恩師で、帯広南商業高校の東出俊一氏が語る。 「中学生の美帆が10年のバンクーバー五輪の代表になって、五輪選手に支給されるブレザーやウェアが自宅に届いたとき、菜那は悔しくて”全部燃やしてやろう”と思ったそうです。また応援にいったときも、心のなかで“転べ、転べ”と思っていたと。そんな嫉妬が菜那の原動力。美帆は感情を表に出さないタイプですが、14年のソチ五輪の代表から落選した瞬間、選出されて大喜びしている姉をすごい顔で睨みつけていましたね。あの落選で、姉のように強い思いが必要だと感じたようです」 高校を卒業後は、菜那は実業団に入り、美帆は日本体育大学に進学。それぞれ長野と東京で暮らしていた。ところが14年からナショナルチームの一員として、長期間にわたって強化合宿をするようなってから姉妹に変化があらわれたという。 「久しぶりに姉妹で一緒にいる時間があって、お互いの強みも弱点も認め合うようになったようです。とくに美帆は姉の影響なのか、今回の1,500mで銀メダルをとったあとにも“輝く景色を見てみたい”と、どん欲に感情を出すようになりました」(愛徳さん) 日本を熱くさせた姉妹だが、愛徳さんは淡々とこう語る。 「我が家ではスケートの話はしません。ふたりが競い合っているリンクとは違って、家のなかではリラックスさせたいですからね。だから、今回も、結果に関係なく“お疲れさま”というだけです」 実家に帰ってきた姉妹を、父は少しかすれた声で迎え入れるのだろう。
2018年02月21日平昌五輪に初めて姉妹そろって出場する、スピードスケート・女子チームパシュートの髙木菜那選手(25)と美帆選手(23)。 ふたりは、’17年12月8日、米国ソルトレークシティで行われたW杯第4戦女子チームパシュートのメンバーとして滑走。世界記録を更新し、優勝している。11月10日のW杯オランダ大会以来、日本の女子チームパシュートは、わずか1カ月で3度も世界記録を塗り替え、一躍、平昌五輪の金メダル候補に躍り出た。そのどのレースでも、チームメンバーとして滑ったのが髙木姉妹だった。 8年前のバンクーバー五輪は、中学生だった美帆が代表入り。4年前のソチ五輪は、菜那だけが出場している。 チームパシュートは、3人で1チームを編成。先頭の選手が入れ代わりながらチームで滑り、最後にゴールした選手の記録で競い合う。姉妹なら、リズムを合わせる点で有利に思える。しかし、菜那は身長155cm、美帆は164cmと体格差があり、おまけに性格は正反対。 高木姉妹の故郷は、北海道中川郡幕別町。清水宏保、島崎京子、長島圭一郎など、五輪のスピードスケート選手を輩出した十勝地方にある町だ。菜那は’92年7月2日、美帆は’94年5月22日生まれ。5人家族で、父・愛徳さん(60)は農機メーカー、母・美佐子さん(55)は介護施設で働き、長男・大輔さん(27)は中学校教諭をしている。 両親ともに、スケート選手の経験はなく、最初にスケートを始めたのは、清水宏保選手の長野五輪金メダルに触発された兄の大輔さんだった。すると、小学1年の菜那が「やってみたい」と言いだして、末っ子の美帆も5歳からヨチヨチと滑り始めた。 とはいえ、姉妹は、スケート一筋だったわけではない。小、中学時代は、冬はスケート、夏は少年団でサッカーをし、ヒップホップダンス教室にも通っていた。 高木家の主な教育方針は、(1)子どもがやりたいと言ったことは極力やらせる。(2)自分で決めたことに責任を持たせる。(3)親は口を出さず、コーチにいったん託したら、信頼して任せるの3つ。 娘たちを信じて、ひたすら見守る両親の大きなまなざしのなかで、姉妹は個性豊かに成長した。 「負けず嫌いで、勝負にこだわる闘争心が誰よりも強かったのが菜那。美帆は、さばさばした性格です」 そう語るのは、姉妹が通った帯広南商業高校スケート部の東出俊一監督。感情をストレートに表現する正直すぎる姉と、常に飄々として、一人で努力し続ける真面目な妹。性格の違いは誰の目にも明らかだった。愛徳さんは当時をこう振り返る。 「スケートの成績は、美帆ばかりが取り沙汰されますが、お姉ちゃんも速かったんですよ。小学校のときは、十勝の試合では常に表彰台の真ん中でした」 しかし、美帆はそれ以上に速かった。小6ですでに、2歳上の姉の記録を抜いていた。 「小学校までは学年別ですが、中学生になると、菜那と美帆が一緒に競い合うレースが多くなります。そのときは、どう声をかけていいのかわかりませんでした」(愛徳さん) 中1の妹のほうが、タイムも順位も、中3の姉より上。 「それからは、妹の存在が、お姉ちゃんのコンプレックスになったでしょうね」(愛徳さん) ’09年12月30日、バンクーバー五輪の代表選考会で、中学3年生だった美帆は1,500mで優勝する。日本スピードスケート史上最年少の15歳で、五輪代表に選ばれた。日本中が美帆を「シンデレラガール」と、騒ぎ立てた。 当時、菜那は高校2年生。家族の前では、愚痴も言わず、明るくふるまっていたが、前出の東出監督には、隠さず本音を漏らしていた。 「五輪選手に支給されるブレザーやジャージ、靴や手袋などが宅配便で送られてきたとき、美帆がいなくて、菜那が受け取ったようなんです」(東出監督) 帰ってきた美帆が、段ボール箱を開け、無邪気に「うわ~っ」と喜んで、ブレザーを着、ウエアや帽子を体に合わせる。それを菜那はジッと見ていた。 「あとで菜那は、私に言いましたよ。『燃やしてやろうと思いました』って。もちろん冗談でしょうが(苦笑)」(東出監督) バンクーバーには、両親と菜那の3人で応援に行った。菜那は「美帆~っ」と旗を振って声援を送りながら、「心の中で『転べ』とか、『ラップ、落ちろ』と思っていたんですよ」と、東出監督に話したという。 「妹に、そんな気持ちになるなんて、仮に思っても、言わないものです。でも、菜那は言ってしまう。しかも、堂々と。それがあの子の強さでもある。菜那のジェラシーは並じゃない。彼女の原動力は美帆への嫉妬心だったんです」(東出監督) バンクーバー五輪で、美帆は成績を残せなかった。1,000mで最下位、1,500mは23位。そんな妹を見て、変わったのは菜那だったと、東出監督は言う。 「バンクーバーで、菜那は大きく変わりました。それまで、美帆ばかり見てきたけれど、五輪には妹よりもっと強い選手が当たり前にいた。美帆を目標にしてもしょうがないと思ったんじゃないでしょうか」(東出監督) それから時を経て、21歳になった菜那は、妹について、「去年ぐらいから、美帆は美帆だし、自分は自分と考えるようになって、一人の選手として妹を捉えられるようになりました」と話すようになっていた。 バンクーバーとソチ、2つの五輪を経て、互いの強みも弱点も、認め合えるようになった髙木姉妹。ふたりそろってチームパシュートの主力選手となったこの4年間で、高木姉妹の絆はさらに強まった。それに呼応するように、記録も伸び続けている。平昌五輪は目前、期待は膨らむ。 「美帆も菜那と一緒なら、気を使わなくて済む。特に菜那は人について滑るのが上手。しかもレースで転んだことがないんです。どんどん引っ張っても、菜那なら意地でもついてこられる。その安心感は、美帆にとって大きいでしょう」(愛徳さん) ふたりの初めての金メダルは、姉妹でつかむ!
2018年01月27日「発達障害フォーラム2017」が開催!当日の様子をレポートします発達障害のある成人当事者の方々にとって、似た特性のある人同士で繋がり、交流したり、お互いの困りごとを共有・相談したりすることができる「当事者会」の集まり。当事者会の趣旨や活動内容は団体ごとにさまざまですが、これまで数ある当事者会の実情が横断的・網羅的に調査されることはなかなかありませんでした。そうした中、7月17日に、「発達障害当事者会フォーラム2017」※が開催されました。昨年初めて実施された当事者会に関する全国規模の調査結果をもとに、当事者会のこれからを、登壇した方々を含め、その場にいた全員が改めて考える機会となりました。発達障害当事者の方、また発達障害を身近に考える方などで、早い時間から会場は満席に。大人の発達障害への関心の高まりを感じられるフォーラムでもありました。※主催: 一般社団法人発達・精神サポートネットワーク(代表理事・川島美由紀), 発達障害当事者協会(代表・新孝彦)Upload By 秋定美帆第一部は、今回のフォーラムの主催者であり、「Necco カフェ」オーナーで発達障害当事者協会運営委員の金子磨矢子さんの挨拶からスタート。昨年の発達障害者支援法改正により、成人の発達障害の存在が正式に認められたこと、またそのために尽力された方への感謝の言葉を語られました。「発達障害の支援を考える国会議員連盟」事務局長の高木美智代衆議院議員(現: 厚生労働副大臣)もフォーラムに駆けつけ、「幼少期からライフステージに合わせ、切れ目ない支援ができるよう、縦横の連携を深めて支援させていただく」とご挨拶されました。また、一般社団法人日本発達障害ネットワーク市川宏伸理事長からは、「当事者が団結して声をあげる重要性」の話がありました。そして、東京大学社会科学研究所・助教の御旅屋逹先生から「発達障害の当事者同士の活動支援のあり方」の調査報告が行われました。成人の発達障害への関心の高まりや当事者の支援ニーズの掘り起こしの不足などの背景から行われた今回の調査。回答のあった、76箇所の都道府県・政令指定都市の発達障害者支援センターの意見がまとめられました。「手探りで進めてきた初めての調査です。全ての当事者会の一般的な傾向を表したものとは言い切れません」としながらも、調査結果からはさまざまな課題が見えてきました。大きな課題は、利用者間の人間関係と運営に関わる資金だと回答したセンターが多く、また参加者には偏りがあることも分かりました。30代〜40代の男性の参加が多いという結果は、子供の頃には発達障害が知られておらず、働き始めてから特性のせいで孤立してしまうなどの問題が生じることが多いこと、また就労していないことが問題化されやすいのが男性であるということが反映されているようです。詳しい結果については、下記をご覧ください。「発達障害の当事者同士の活動支援のあり方」の調査報告12の当事者団体が一堂に。それぞれの工夫や課題を共有。Upload By 秋定美帆第二部では、12の発達障害当事者会の方々が登壇し、座談会形式のフォーラムが行われました。事前に用意された7つの質問にそれぞれの団体が回答し、それを元に議論が進みました。「当事者会を運営することで、人生のリカバリーができました」「症状を苦に生きる目的をなくしてしまう人などを見てきましたが、そのようなことが起こらないように頑張っていきたいです」など、登壇した方の気持ちのこもった言葉は、そこにいた多くの参加者の胸に響いたようでした。参加団体は以下の通りです。・ほんわかカフェ(Neccoカフェ茶話会)・一般社団法人東京言友会・発達障害ピアサポートサピア・千葉県発達障害当事者の会・DX会・つむぎ 発達障害当事者会・東京・多摩「大人の発達障害」当事者会・NPO法人 日本トゥレット協会・みどる中高年発達障害当事者会・アスペ・発達凸凹の集い「優しい時間」・足利こころのピアサポート「ゆいまーる」・発達障害当事者協会Upload By 秋定美帆「当事者として発達障害支援センターをどのように捉えているか?」という質問には、「当事者会のことを教えてもらえることを期待していたが、当事者会の存在自体を知らないと言われるなど、スタッフによって知識に差がある」などの問題が提起されました。当事者が必要としている情報と、支援者が必要だろうと思う情報に差異があるとの声も上がりました。また、何かトラブルがあったときに専門職の方が中に入ることで冷静に対処できるのではないかという観点から「当事者会として発達障害者支援センターと連携したいか」という質問には、連携したいと語る団体もありました。「地方で受けられる支援が少ない」、「人の役に立ちたい」、「当事者との横の繋がりを作りたい」など様々な回答が出たのが「なぜ当事者会を作ろうと思ったのか」という質問でした。都心と比べると地方では自分に合った支援を受けることが難しく、また当事者向けの研修などはめったにないという課題も挙げられました。ならば自分で当事者会をつくることで、勉強会の実施や、講師を招いての研修会の開催なども可能になるのではないかなど、困難な中でも前向きな意見が多く聞かれました。Upload By 秋定美帆続いて、「専門家は当事者だけでは運営が難しいと言っているが、当事者会としてはどう考えているか」という質問。当事者会を運営することで、いろいろなスキルが身につき人生をリカバリーすることができたという体験から、「専門家が入ることに反対ではないが、そのために当事者の枠がひとつなくなってしまうのなら当事者に残してほしい」という意見や、「当事者だけでも運営可能だとは思うが、特性上事務手続きや事務作業が苦手な方も多いので、そういったことを理解してくれる専門家の方に入ってもらえるとありがたい」などの声がありました。Upload By 秋定美帆「当事者会として困っていることは?」という質問には、薬物療法や対人療法、また薬の副作用など、特に医療の面でピアサポーターの知識にも限界があるといった回答が寄せられました。またDX会(成人ディスレクシアのための当事者会)は、同質問に対して、ディスレクシア(読み書き困難)の特性が人によって大きく異なるため、ふざけているのでは?と思われることがあるなど、あまり理解が得られないことを訴えました。「オンラインも活用してきたが、やはり直接顔を合わせないとうまくいかない」「自分たちのモチベーションを切らさないようにする」「毎月第何○曜日。場所はどこ。と時間や場所を固定するようにしている」「事務的な作業は雛形を作ってそれを継続している」など多くの意見がでたのが、「当事者会を運営していくうえで、どのような工夫をしていますか?」という質問でした。特性に配慮した工夫はもちろんですが、運営者の負担が大きいため、できるだけ個人の負担を減らす工夫がされているようです。最後に「当事者に必要な支援は?」という質問には、相談可能な第三者機関の設立や、当事者会運営者の養成講座の必要性を訴える声が多く上がりました。また、最近成人の発達障害が広く認知され始めており、発達障害と診断される方も増えています。当事者会にも開催する毎に新しい方の参加があることから、都度定番の情報を提供する必要があるといいます。定番の情報をまとめたサイトなどがあれば、当事者会ではそれを踏まえてもっと深い話ができるようになるなどの意見が集まりました。熱い議論が交わされたフォーラムの後には、登壇された2名の方にお話を伺いました。Upload By 秋定美帆■アスペ・発達凸凹の集い「優しい時間」横山さん−他の当事者会の方々とこんな風に集まることは今までなかったので、他の会のお話を聞けて有意義でした。活動については、メンバーには恵まれているのですが、財政的な面では苦労が多いです。参加費の値上げなどを考えましたが、みなさん苦しい中参加してくださっているので、現状維持で頑張っています。Upload By 秋定美帆■つむぎ発達障害当事者会野中さん–このような形で登壇することは今までなかったのでとても緊張しましたが、発表したいと思っていたことは伝えることができたと思います。私は、以前自立神経失調症を発症し、新卒での就職ができず、新人研修の機会を喪失してしまいました。ですが、当事者会の運営に携わることでいろいろなスキルが身につき、一部を補完できました。そのことで、人生をリカバリーすることができたと思っています。Upload By 秋定美帆ロビーには発達障害に関する書籍の販売コーナーも。多くの方が気になる本を手にとっていました。Upload By 秋定美帆■roots石塚さんフォーラムが行われた第一会場のほかに、第二会場には就労支援の相談コーナーが設けられました。出展していた就労移行支援事業所「roots」の石塚さんは、「rootsでは『働きたい、を叶えたい。』というキャッチコピーのもと、web制作などwebに特化した就労支援を行なっています。Webの世界は特にいろいろな働き方があるので、新しい働き方を当事者のみなさんと一緒に模索していきたいです」と語ります。2016年5月に発達障害者支援法が改正され、成人の発達障害に注目が集まるようになりましたが、まだまだその支援が充分であるとは言えません。支援が行き届く社会にするためには、どこに不足があるのかを理解することが重要です。今回のような調査が社会を変えるための大きな一歩であることはもちろん、思いのこもった当事者の言葉は何よりも力があると感じられた今回のフォーラムでした。
2017年08月15日アイドルグループ・V6の長野博(44)と結婚した女優の白石美帆(38)が9日、自身のブログを更新し、祝福コメントに感謝した。結婚発表後初めてブログを更新した白石は、「みなさま、温かなメッセージをいただきまして心よりありがとうございました!」と感謝。「これからもどうぞ宜しくお願いいたします!」とつづった。2人は、11月29日に結婚を報告。長野は、同日放送された日本テレビ系音楽特番『ベストアーティスト2016』(19:00~)に生出演し、ジャニーズ事務所のメンバーに胴上げで祝福されていた。白石はまた、12月14日に放送される『水曜ミステリー9 駐在刑事4~奥多摩渓谷に響く悲しき子守唄~』に出演することを告知。「懸命に生きる人々の選択や命の重みを感じるドラマですどうぞお時間あいましたらご視聴くださいませ~」と呼びかけた。
2016年12月09日アイドルグループ・TOKIOの国分太一(42)が30日、TBS系情報番組『白熱ライブ ビビット』(毎週月~金8:00~9:55)に生出演。女優の白石美帆(38)と結婚したことを発表したV6の長野博(44)を祝福した。長野が結婚を生発表した29日放送の『ベストアーティスト2016』(日本テレビ系)に出演していた国分は、「本当にうれしいニュース」と喜び、「楽屋にあいさつに行き、『おめでとう』というような話をしたら、控えめに『ありがとう太一』って言ってくれた」と明かした。そして、「僕と長野くん、同じグループにいた時があったんです。僕と坂本(昌行)くんとイノッチ(井ノ原快彦)と、うちのリーダー(城島茂)と山口(達也)くんと、"平家派"というグループなんですけど」と説明し、「鳴かず飛ばずでみんな苦労して…こういうハッピーな話があるとすごくうれしくて」と感激。「思わず写真撮っちゃったんですけど」と長野との2ショットも公開し、左手を見せている自身について「僕が白石さんの役を」と話した。国分は、ドイツワールドカップのときに白石と共演したときの秘話も告白。「フランス経由でドイツに入るはずだったんですけど、トランジットに失敗してしまい、後便で来た白石さんが英語で助けてくれたんです」と明かし、「そこで僕も恋に落ちていた可能性がある」と笑いを誘った。最後に「長野君おめでと!」と笑顔で呼びかけた。
2016年11月30日179日で亡くなった長女のはるちゃんと家族のエッセイ本「My Happiness Rule(マイハピネスルール)」を出版された田中美帆さん。第二子を出産し、今現在、仕事と育児を両立している田中さんに、出版に至るまでのお話とワーキングマザーとしてどんな日々を過ごしているのかを伺いました。───まずは、今どんなお仕事をされているのか教えて下さい。田中 関西美活サークルの運営、代表、ブロガー、メガネのセレクトショップAnother(アナザー)のディレクター兼オーナーなど、好きなことを仕事にしています。───関西美活サークルではどんなことをしていますか? また、始めたきっかけを教えてください。田中 友達やブログの読者さんから「スキンケアは何を使ってるの?」とか「こうゆうお店知らない?」とかオススメのものを聞かれることが多かったので、私が本当に良いと思っている物や人、場所をみんなに知ってもらえる場を作りたいなと思ったことがきっかけです。私のブログやフェイスブックを見た方がイベントに参加し、SNSで紹介してくださってから、どんどん広がっていきました。現在のメンバー数は約1500人です。関西美活サークルには、働く女性や主婦などさまざまな方がいらっしゃいますが、この活動が一人の女性として輝くきっかけの場になれば、と考えています。それから、個人で仕事をしている人、これから何かしたい人が集うランチ会や、クリスマスパーティー等を企画したり、東京の著名な美容家の方をゲストでお呼びして直接メイクを学べるセミナーなどを不定期で開催しています。現在は、メンバーの方に商品開発に入っていただき、率直な意見を出してもらうこともあります。───仕事と子育てを両立する上で大切にすることはなんですか?田中 私は、子どもが生まれた後も仕事を続けたいと昔から思っていたので、個人で仕事をしてきました。やはり雇われていると融通もなかなか利きませんし、私の性格上向いていないと思ったので。今になって、これは正解だったなと思います。子どもを見ながら家で仕事が出来るのでとても働きやすい環境だと感じます。一番大切にしたいものは家族なので、余裕が無くなるほどの仕事を詰め込まないようにしています。子どもの前ではいつでも元気なママでいたいですしね。もちろん、がむしゃらになることも時には大事ですが、常に楽しみながら仕事をしないといい結果が出ないタイプなんです。今回出版させて頂いた本の原稿を書く時も、好きなカフェにパソコンを持ち込んでリラックスしながら書いていました。文章を書くのは大好きなのでいくらでも書けました。娘を想いながらのとても幸せな時間でした。───仕事と育児を両方しているある1日の予定を教えて下さい。田中 だいたい下記のようなスケジュールで過ごしています。 7:00 寝室のカーテンを開けてベッドの上で子どもと戯れる 8:00 その後、主人のおにぎりを作り、仕事に送り出す 9:00 授乳後、出かける準備13:00 子どもを連れて、出版記念トークイベントに出演(子どもは、マネージャーに控室で見てもらう)16:00 子どもがすやすや寝てくれていたので近くのカフェでお茶を飲み、最後に授乳室で授乳18:00 帰宅18:30 子どもとお風呂に一緒に入り、授乳、寝かしつけ22:00 ブログを書く23:00 就寝───子育てをしながら仕事をする上で大切にしていることはなんですか?田中 メリハリです。どうしても子どもがいながら仕事をしていると、やらないといけない事が山ほどあります。家事もあるし。でも、焦ってしまうと目の前の事を片付けても、次のやらないといけない事を考えてしまったりで、結局悪循環。子どもって心ここにあらずの時って気づいている気がするんです。今は、子どももまだ2か月なので主人にも理解してもらい、家事は手抜きをしています(笑)。100%じゃなくてもいいかなって。───今子育ての悩みはなんですか?田中 授乳ケープがうまく使えなくていつも汗だくになります。授乳室があるところは良いのですが、人前でしないと行けない場面では、もう必死です。授乳室があるスポットがもっと増えたらいいなぁ。───今仕事の悩みはなんですか?田中 ありがたい事に、関西美活サークルへの企業からの仕事依頼が増えているのですが、実質2名で運営しているので人手が足りません。2016年は、同じ志を持って仕事が出来る仲間を増やしたいですね。───最近気になっていること、ものがあれば教えてください。田中 家事代行サービス。手が届かない場所の掃除をお願いしたいと考えています。すべてを自分でしようと思ってもなかなか出来ないので、その部分はプロの手を借りるのもひとつの手だなと検討中です。───子育てで悩んだ時はどんな方法で解消していますか?田中 溜め込まずにすぐに主人に相談します。平日は主人が帰ってきた後に今日あった事をお互い話しています。それは結婚当初から変わりません。この時間で、だいたいの事は解決します。今は私が眠たくてなかなか夜更かし出来ませんが、子どもが出来る前は、話しが弾み過ぎて寝不足になるなんてことも多々ありました(笑)。子どもが生まれる前は、カップルの延長のような感じでしたが、今は絶対的なチーム(家族)になれた気がします。───本を出版されたことを、はるちゃんにどんなメッセージとして届けたいですか?田中 はるちゃんから教えてもらったたくさんのメッセージを本にしたよ。私がはるちゃんにもらった生きる力を、今後は私がたくさんの人にしっかりと伝えていくからね! お空からこれからも見ていてね!今回出版された、長女・はるちゃんと家族の日常をえがいたエッセイ本には、愛娘の生と死を経験したからこそ感じる幸せを「マイハピネスルール」として綴っています。すべてを受け入れ、再び人生を歩き出す家族の姿が、すでに手にしている幸せとは何かを優しく問いかけてくれる一冊です。田中美帆(たなか・みほ)1983年生まれ。フジテレビ「あいのり」のテレビ出演をきっかけに、タレントとして活動。その後サロン主宰やアロマのイベント事業を経て、2013年、関西を中心に女性の活躍をサポートするコミュニティ「関西美活サークル」を立ち上げる。また、講演や主催イベントなど様々な活動情報に加え、美容やファッションなど日常を綴ったブログ「SWEET MIE」を開設。1日最高65万PVを誇るパワーブロガーとしても活躍し、アメブロ公式トップブロガーに認定されている。娘・悠(はるか)の妊娠から出産、そして6か月の命の軌跡を綴った記事が話題を呼び、特に女性読者から多くの反響がよせられている。 「My Happiness Rule(マイハピネスルール)」
2015年12月01日