タレントの毒蝮三太夫が21日、都内で行われた『昭和落語名演秘蔵音源CDコレクション』創刊記念及び創刊記念ラジオ特番放送記者発表会に出席。親交の深かった立川談志さんとの思い出を語った。記念すべき創刊号から、“不世出の名人噺家”三代目古今亭志ん朝の秘蔵音源を収録。「落語協会百年記念商品」にふさわしく、志ん朝の現存する最古の音源といわれ、1962年のラジオ放送以来、フルでは一切世に出ることのなかった“幻の音源”といっても過言ではない「真打昇進披露興行」での高座音源をはじめ、志ん朝の高座音源を所有するすべての民放ラジオ局(TBSラジオ/文化放送/ニッポン放送/ABCラジオ/STVラジオ)が、本商品に対し、現存が確認できた音源を余すことなく提供している。取材会には、落語家の林家正蔵、林家たい平も出席。たい平が「地方から帰ってきて、矢来町のお寿司屋さんでご一緒することがあって。カウンターに座って『芸人臭いのはダメなんだよ、芸人の香りがしないといけない』とおっしゃっていたことがありました。『このお寿司屋さんは、生臭い匂いがしないだろ?』って(例えを出しながら)芸人の香りって、どういうものかわからないのを、お寿司屋さんに連れて行って、何気ない会話で教えてくれるんです」と声を弾ませた。正蔵も「『売れなきゃダメだ』っていうのは、よくおっしゃっていました。僕がテレビのお仕事をもらっていても『おたくのおとっつぁん(初代林家三平)くらい売れないとダメだ』と。『売れることができる人はもっと売れないとダメだ』という意味だったのかもしれないです」と回顧。これを受けて、毒蝮が「志ん朝さんがごぼう抜きで真打になった時、談志が『先輩より先にいかず、断ったらいいじゃないか?』って言ったら、志ん朝さんが『私は確かに追い越しました』と言ったそうなんです。あの談志に言い切ったんだから、すごいね。その時の会長はお父さん(志ん生)だったでしょう?身内に対して、そうしたらいろいろ言われる可能性もあったのに(真打昇進を決めたのは)慧眼だね」としみじみと語った。たい平が「志ん朝師匠はマクラがとっても豊かで、大須演芸場のマクラなんて、本編より長いものもあったりする」と笑顔で明かすと、正蔵も「談志師匠が『世間話は志ん朝にはかなわない』って言っていましたよね」と合いの手。毒蝮は「談志は、それで『笑点』の大喜利に志ん朝さん使わなかったんじゃない?いろいろメンバー変えたんだけど、志ん朝さんには声かけてない。うまいのを知っていたんじゃないかな」と推察する一幕も。毒蝮は、それでも最後には「立川談志が、刎頸の友(その友のためなら、自分の首を斬られても構わないというくらいの関係性の友)で本当に助かった。毒蝮三太夫という名前をつけてくれていなければ、今ここに立てていない」と感謝を伝えていた。志ん朝に関する特番が、文化放送で23日午後7時、TBSラジオで23日午後8時、ABCラジオで24日午後6時、STVラジオで24日午後8時から放送される。
2024年02月21日「うわさ通り、3月いっぱいをもって終了することになりました」1月29日、「グッとラック!」(TBS系)でこう話したのは落語家の立川志らく(57)だ。番組が始まったのは19年9月。志らくは1年半に及ぶMC生活を振り返り、「太く短く私は楽しんだつもりでございます」と話した。「志らくさんは自身が『グッとラック!』に出演することで、『視聴者が落語に触れるキッカケになればいい』と考えていたそうです。彼が放送中、着物をメインで着ているのも視聴者に落語家という存在を知ってもらうためだといいます。また志らくさん自身も、MCでの経験によって『全体を見渡して発言できるようになった』と語っていました」(スポーツ紙記者)いっぽう、志らくのMC進出に対して「落語に専念したら?」と疑問視する声もあった。しかし彼は「グッとラック!」が始まる直前、Twitterで反論。《あのね、どれだけ全国で独演会やっていると思ってるの。専念してる落語家より専念してるよ》とつづっていた。なぜ彼は多忙ななか、批判されながらもあえてテレビ出演を続けてきたのか。そこには、師匠である立川談志さん(享年75)の言葉があったという。■テレビのお陰で師匠の“35年目の忠告”を破ることに「談志さんも一時は多くのテレビ番組に出演していましたが、最終的には落語一本に専念するようになっていきました。しかし逆に思い悩むようになり、志らくさんにも『お前も芸歴35年で壁にぶち当たる』と忠告をするようになったといいます。ただ、志らくさんは『落語に専念するのではなく、遊べる場所を持っておくべき。むしろそのほうが、落語にいい影響を与えてくれる』と考えていました。テレビから離れたことが、結果的に師匠を悩ませることになったとも思っていたのです。だから彼はどれだけ忙しくても、あえてテレビでの仕事も続けてきたのです」(テレビ局関係者)師匠の忠告を胸に、テレビ出演を続けた志らく。そして昨年、芸歴35周年を迎えた。「師匠の“35年目の忠告”は杞憂に終わったみたいで、志らくさんは今でも軽やかです。『グッとラック!』が3月に終わることになった今も、『次は何をしよう』と考えているそうですから」(前出・テレビ局関係者)番組は終了するが、志らくはすでに次のステージに向かっているようだ。
2021年01月30日今やすっかり全国区の顔になった落語家・立川志らく。月曜日から金曜日まで全国放送されている朝の情報番組のメインMC、そして続く番組のコメンテーターとして、落語界を見渡しても、これだけの露出がある演者は、まず見当たらない。1年数ヵ月は、激忙にして激動の月日だっただろう。この落語家が、これまで10年間にわたって、「その年の自分の落語の語り納めの場」と決めてきた特別な会が、12月のよみうりホール公演である。落語家と落語ファンにとって、12月は「芝浜」の月とも言えるが、意外なことに、立川志らくにとって、長い間、「芝浜」は、愛着のある噺ではなかったと話す。「もともとはあまり好きな噺ではなかったです。うちの師匠、立川談志が演じているのを聴いていても、他に、もっと面白い噺があるのにな、って思っていた。「芝浜」は、自分の中では、最近やっと好きになってきた噺なんです」それはまたなぜですか、と、誰でも当然問いたくなる。「あまりにも美談だから。美談は恥ずかしいもんだ、落語で美談をやるべきではない、っていう洗脳教育を談志から受けてきたから。ところが、談志はそれを高座でやっていた。その矛盾が自分の中ではわからなかった」あるまじき美談の「芝浜」は、されど「芝浜」だった。落語家は、自分がこの噺を演じる価値を、ついに発見する。「わたしの中では、一番遊べる落語なんです、「芝浜」は。どういうことかと言うと、その場でアドリブができるということ。登場人物が、基本ふたりっきゃいないから、そのときの気分で、アドリブが本当にやりやすい。高座に上がったそのときの気分と、観客席の雰囲気と、自分が思っていることとが、ピタッと合ったとき、いいものになる。アドリブの「芝浜」をやり続けることで、自分の変化や進化もわかる。今年なんか特に、1年間、これだけ自分がいろんなものを仕入れたわけだから、こんな「芝浜」になりました、という、自分のバロメーターにもなる。そう気づいたことで、「芝浜」が好きになっていった。師匠が亡くなってから後のことです」コロナ禍は世界的には悲劇だけれども落語家の人生としては自分を見直すいい機会立川志らく/撮影:山田雅子少し質問の回り道をして、この演者が、現下のコロナ禍をどうとらえているのかを訊こう。「コロナの影響で、ノリの落語会がやりづらくなってきているな、という肌感覚はあります。ソーシャルディスタンスがあるから、会場によっては、席数の制限いかんにかかわらず、満席での上演はむずかしいと判断するケースもある。みんなマスクをしているし、ご年配の方は客席に座っていても不安を感じている。そういう状態がスタンダードになっているのが現状。(柳家)喬太郎が、「どうも何か、(観客席の)ノリが悪いんだよね」って言っているのを小耳にはさんだことがある。彼の場合、マクラでも落語の本編でも、あれこれ脱線してみせながら、お客の雰囲気をみて演じ方を変えていったりすることが多いでしょう。そういった意味からすると、ディスタンス、マスク、不安の三拍子でどうしても客席のノリが悪くなっている中、ノリの部分で勝負する落語はやりづらい。だから、今はあえて、ちゃんとした作品を演じるときだ、という意識に変わっています」だからこそ、演者は配信に目が向くのかもしれない。落語界は今、若手を中心に、演者がこぞって配信に挑戦している状況。「無観客の配信は、わたしも5席やった。それはまさに、作品を残そうというのが狙い。このコロナ禍で、自分の落語をずっと残すためにやろう、ノリの落語は止めよう、という意識できっちり。ジャズの演奏家であるわたしが、クラシックをやるみたいなもの。普段は、クラシックの落語家とジャズの落語家がいるとしたら、クラシック側の落語家は、きっちりやったらジャズの落語家に負けるわけがないと思うだろうし、ジャズ側の落語家は、こっちは楽譜なんかはずれちゃって、そのときのノリでやっているんだから、こっちのほうが楽しいんだよと思っている。ジャズの「ノリ」を封じられたコロナ禍の今、こちらがクラシックの演じ方でやってみて、ジャズの人もきっちりできるんだなと、クラシックの人は脅威に思うはず」先ほどの「「芝浜」はアドリブが生きる噺」という分析と、ここでの「今は、ジャズではなくクラシックできっちり作品を見せる時期」という分析は、表面上は、矛盾しているように見えなくもない。しかし、その矛盾を、高座の上で融合し、あっけらかんと止揚してしまうことこそが、落語家の腕のみせどころだ。夫婦ふたりの人物像が、ジャズのアドリブさながらの会話術で活き活きと浮かび上がってくる。と同時に、クラシックの古典落語らしい人情噺の余韻が、後味として、きっちりと豊かに残る。目指すところは、そういう「芝浜」とみた。「若いころ、談志に言われました。「志らく、お前、巧い落語なんていつでもできると思っているだろう。でも、どっかで意識しておかないと、巧い落語ができなくなっちゃうぞ」と。今はまさに、その時期なんだと思います。コロナじゃなかったら、TVのわたしだけを観ている人から「志らくさんって落語できるの?」なんて言われてカチンときて、じゃあ、笑いの多いネタをやってやろう、ワーッとやっちゃうぞ、となっていたかもしれない。そうではなくて、逆に今、きっちり作品を演じる方向性でやろうという気持ちになることができている。極端な話、「笑わなくてもいいよ」くらいの気持ちでやる意識が生まれている」立川志らくと立川談志。師弟の会話は、師の死後も、作品を仲立ちとして、続いているのだ。「コロナ禍は世界的には悲劇だけれども、落語家の人生としては、悲劇と思っていない。自分を見直す、非常にいい機会だと思っています」*「2020 今年最後の立川志らく独演会」(第10回)12月17日(木)18:00 開演 (17:15 開場)会場:有楽町よみうりホール (東京都)全席指定4500円(税込)*【動画配信】今年最後の立川志らく独演会(第10回)【ライブ配信】12月17日(木)18:00開演(17:30開場)【アーカイブ配信期間】公演終了後~12月31日(木)18:00視聴券1500円(税込)
2020年12月04日落語家・立川志らくにとって、この1年は、人生が一変する激動の月日だったに違いない。といっても、コロナのことではない。TBS系列で、月曜日から金曜日まで全国放送されている朝の情報番組『グッと!ラック』でのメインMCが2019年9月から。同じチャンネルですぐ後に続く『ひるおび!』の第1部にも、そのまま月曜日から金曜日までコメンテーターとして出演し、今や、この人の顔をTVで観ない日はない、と言って、ほぼ言いすぎではないだろう。その彼が、これまで10年間にわたって、「その年の自分の落語の語り納めの場」と決めてきた特別な会が、12月のよみうりホール公演である。クラシックファンにとって、12月がベートーべンの「第九」の月であるように、落語家と落語ファンにとって、12月は「芝浜」の月だ。仕事は一流だが酒びたりの魚屋と、その妻。人生の苦労を乗り越えたふたりが、大晦日に交わす、真実の絆の会話に、落語ファンは胸を熱くし、ゆく年くる年を静かに噛みしめる。「芝浜」とは、そういう噺。12月17日(木)、「2020今年最後の立川志らく独演会」(第10回)。当代随一の「芝浜」を聴くならここだ。今年の語り納めの場を前に、立川志らくのインタビューを2回にわたってお届けする。そもそも、この落語家が年末のよみうりホール公演をはじめることになったきっかけは、師匠である、故・立川談志のピンチヒッターを務めたことがきっかけだった。立川志らくは言う。「談志が、年の瀬のよみうりホールでしばしば「芝浜」を演じていて、談志ファンはそれを目当てにしていた。2011年、談志が入院して、そのときはもう、落語ができない状態。そんなとき、(当時主催者だった)サンケイリビング新聞社から「談志師匠は年末のよみうりホールはできそうもない。志らくさん、替わりにやってくださいよ」と言われた。自分としても「替わりに自分の独演会をやればいいのかな」くらいの気持ちで引き受けたんです」ところがその年、2011年11月21日、立川談志逝去。享年75。「そうなると、俄然、年末のよみうりホール公演に向けられた雰囲気は“談志追悼の会”一色です。一連の追悼興行のメインみたいな格付けになってしまって、そのときに初めて「これはエライことになったな」と。わたしのファンだけでなく、談志信者と呼ばれているような(ファン度の)濃い人たちも来るだろうし、久々のプレッシャーを感じましたね。幕が開いたときは、すでに泣いているような人がいたほどの異様な空気。そのときの「芝浜」は、自分で何をどうやったのか覚えていない。とにかく夢中。語り終えた後は、拍手がとても大きかった。ファンの人が、立川談志の影を、わたしに重ね合わせて見てくれたのかな。サンケイリビング新聞社が、たまたまわたしに声をかけてくれたことで、談志が志らくに「芝浜」のバトンパスをした、というような、そういういい誤解が生まれた。談志ファンにとって、家元が、志らく、替わりに「芝浜」をやってくれよ、と言ったような、そんな雰囲気すらあった。自分にとって、年末のよみうりホール公演は、そういう経緯でスタートした会だったんです」TVで全国区の知名度を獲得した反面「落語できるの?」なんて言われる立川志らく/写真:産経新聞社提供そのバトンタッチから10年。今や、年末のよみうりホール公演は、立川志らくの定番公演になった。「毎年末、この会で欠かさず「芝浜」を高座にかけているわけではありませんが、今年は「芝浜」をやります。そう決めた理由は、自分がTVにたくさん出るようになったから」TVで全国区の知名度を獲得した反面、立川志らくの落語をまったく知らない人もまた、増えた。「あいつ落語できんのか、とか、30何年間落語やってきて、やたら言われるんですよ。気にする必要はないんだけれども、これがわたしの本業だ、やりたいのはこれなんだ、落語を辞めたわけでも何でもないということを、改めて伝えたい。それはまた、より多くの落語を知らない人に来てもらって、落語のファンを広げるという意味でも、絶好のチャンス。「グッと!ラック」という自分のホームグラウンドの番組を持つことができた結果、落語に触れてない人がたくさん来る可能性がある。そこで「芝浜」をかけるというのは、意味があることだと思ったんです」『グッとラック!』がはじまって以来、「月曜日から金曜日まで、夜の10時過ぎには寝て朝5時に起きる。芸人にあるまじき規則正しい生活」と笑うが、では、その規則正しい新生活は、芸人の人生にとって、どんな肥しになっているのだろうか。「かつて談志が言った言葉を思い出します。談志は立川流を作って、寄席に出なくなって、ひとつだけ後悔があると言ったことがある。その後悔とは、今ある出来事をタイムリーにその場でしゃべることができないということ。寄席があると、その日の夕方に起きた事件を、その日の夜の8時過ぎの出番で「おれはこう思っているんだ」と話すことができた。そのことに関しては寄席っていうのはありがたかったな、と談志は言っていた。わたしは、月曜から金曜まで毎日ずーっと、それも『グッと!ラック』と『ひるおび!』のふたつの番組でしゃべることができる。これは芸人にとって一番プラスじゃないかと。もちろん、言いたいことが何でも言えるわけじゃない。みんな一所懸命がんばりましょう、みたいな、芸人としてはもっとも恥ずかしくて言えないことを言わなければいけないときもある。そのマイナスはあるけど、でも、ありがたい環境です」「芝浜」プラスもう1席はもちろんのこと、当日、マクラで志らくが何を話すか、コロナ禍の1年間、ニュースの現場にいつづけてきた落語家の、切れ味鋭い2020年回顧を期待しても、裏切られることはないはずだ。【後編に続く】*「2020 今年最後の立川志らく独演会」(第10回)12月17日(木)18:00 開演 (17:15 開場)会場:有楽町よみうりホール (東京都)全席指定4500円(税込)*【動画配信】今年最後の立川志らく独演会(第10回)【ライブ配信】12月17日(木)18:00開演(17:30開場)【アーカイブ配信期間】公演終了後~12月31日(木)18:00視聴券1500円(税込)
2020年12月03日「開始当時は、午前10時半から放送だった。だから、平日その時間に働いている若い人じゃなくて、たまたま年寄りが来ちゃった。それで50年も続けていたら、いつしか“年寄りのアイドル”とか言われるようになったんだよ」そう語るのは、“まむちゃん”“まむしさん”の愛称で親しまれる、俳優の毒蝮三太夫さん(83)。自身がパーソナリティを務めるラジオ番組『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』(毎週金曜日『たまむすび』内・午後2時〜TBSラジオ)は、今年10月で50周年を迎えた。同番組は公開生中継。まむしさんは毎週、商店や工場などさまざまな場所に出向く。番組の名物といえば、まむしさんの“毒舌”を交えたお年寄りとのふれ合い。“ババア、生きてるか?”と歯に衣着せぬまむしさんに、お年寄りは大爆笑なのだ。「『おいババア、汚ねぇな。くたばりぞこない』とか面と向かって言うもんだから、TBSには毎度のようにクレームが届いているみたい。中継現場はどんな人が集まったっていいから、おれにそんなこと言われて怒った人が、いきなり刺しにきてもおかしくないよな。スタッフはヒヤヒヤしているよ(笑)」インタビュー当日も、「ミュージックプレゼント」放送日。まむしさんは、埼玉県草加市で創業90年の歴史を持つファッション雑貨店「フジヤ」を訪れた。まむしさんが下駄を「カラン、コロン」と鳴らして入店するなり、「フジヤ」に集まったお年寄りや子どもたち、そして中継を見にきた草加市の住人たちからは「ワァ〜!まむちゃん!」と大歓声が。「お、草加のオバケ屋敷みたいな顔のババアだなぁ」と言いたい放題のまむしさんに、大勢が手をたたいて笑っていた。まむしさんは、自身が約40年続けているという“下駄”へのこだわりについてこう語る。「下駄職人のもとを放送でたずねたときに下駄をもらって、履き始めたの。そしたら後日、「まむしさんの下駄の音がラジオから聞こえると、元気が出るんだよ」と言ってくれる職人が増えてさ。ずいぶんと下駄職人の数も減ったけど、浅草の『花川戸靴・はきもの問屋街』の伝統を支え続けようとする彼らの励みになればと思って」しかし10年ほど前、ラジオの中継前に階段を踏み外し、左足の指を3本骨折。中継はそのまま続けたものの、「下駄骨折」と呼ばれる大けがを経験した。「そのことを談志(立川談志さん・享年75)にも話したの。そしたら、談志が『5本中3本て、猛打賞じゃねぇか』って(笑)。これを談志の葬儀で、弟子たちの前で話したら大ウケでさ。だから、談志を忘れないという意味でも、下駄は履き続けようと思う」立川談志さんといえば、まむしさんが『ウルトラマン』(’66年)に出演し、人気俳優として知られていた当時、彼を演芸の世界に引き入れた張本人。学生時代からお互いを知る旧知の仲だ。「談志と出会っていなければ、『ミュージックプレゼント』をはじめることもなかった」とまむしさんは繰り返す。それほど、談志さんには“恩”を感じているのだ。’69年からはじまった「ミュージックプレゼント」では、談志さんが見抜いたまむしさんの“トークの才能”が爆発。放送回数は1万3,000を超え、これまで出会ったお年寄りは数十万人といわれている。「当時は日露戦争で乃木希典将軍を見送ったという人とか、かつての大横綱・双葉山の膝の上に座ったと話す年寄りもいたよ。『明日、乳がんの手術だからまむしさん胸をなでてあげて』と頼んでくる人もいたな。それでなでてあげたら、その2カ月後に『よくなったわよ』って言われてさ。おれのことを“パワースポット”と呼ぶ人もいるんだよ(笑)」(取材:インタビューマン山下)
2019年11月29日主宰・坂手洋二の作・演出作品を中心に、鋭い視点で社会を見つめた実験性の高い作品を上演している燐光群。彼らの新作『憲法くん』が、11月29日(金)より東京の座・高円寺1にて開幕する。原作は、政治風刺ネタで全国を飛び回るコメディアン・松元ヒロの一人芝居。「こんにちは、憲法くんです」。そんなセリフから始まるこの芝居は、日本国憲法を擬人化したもので、20年以上にわたって松元が演じ続けているオリジナル作品だ。憲法の大切さをユーモアも交えた語りで綴る内容は、かつて井上ひさしや永六輔、立川談志も絶賛し、昨年は井上淳一監督により映画化(『誰がために憲法はある』に収録)もされ話題に。今回は、松元と数年前から交流する坂手が演劇化権を認められ、燐光群での舞台劇化プロジェクトが開始。リメイクしての上演となる。主人公は、憲法が施行された日に生まれた“憲法(かずのり)”くん。ある時、長い間行方知れずだった彼が帰ってきて、日本国憲法とはちょっと違う「憲法くんの憲法」があると言い始める。「ぼくにも基本的人権がある」と。奇しくも時の政府は、憲法改定に向けて動き出そうとしていた……。坂手は、憲法くんの物語を縦軸に、日本国憲法がその存在を問われた事件にまつわるエピソードと、フィクション性のある場面をオムニバス的に挿入するという。憲法をめぐり、さまざまな人物たちが舞台上で絡み合う物語。改憲が取りざたされる今、日本人にとって憲法とは何か。「わたしをどうするかは、みなさんが決めることです」。そんなメッセージを受け止め、考えるきっかけにしたい。11月29日(金)から12月8日(日)まで座・高円寺1、12月13日(金)から15日(日)まで兵庫・AI・HALL、12月17日(火)に岡山市立市民文化ホール、12月19日(木)・20日(金)に愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。文:伊藤由紀子
2019年11月28日毎週金曜は、TBSラジオ『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント(MP)』の公開放送の日。商店や銭湯、町工場など訪れた場所は1万3,000カ所、今年10月には放送50周年を迎えるという長寿番組で、毒蝮三太夫さん(82)は第1回からパーソナリティを務めてきた。現場で高齢者に呼びかける「ババア」「ジジイ」といった愛ある毒舌も、唯一無二の話芸として今ではすっかり市民権を得ている。MPの放送時間は約30分だが、本番を終えてからのフリートークのほうが長い。政治から介護問題まで鋭く洒脱な説法が1時間以上も続くことも。20年来の現場の仲間であるTBSラジオの女性チーフディレクターの谷口さん(55)は、こう話す。「常にお元気なまむしさんの活動を支えているのは、ご本人の前向きさと、間違いなく奥さまの存在でしょうね」まむしさん自身からも、また周辺の取材でも、いつも必ず出てくるのが「カミさん」の話題。家庭でも、例の毒舌で、さぞ亭主関白なのだろうと思いきや……。「うちのカミさんには頭が上がらないよ」となると、聞いてみたくなるのは奥さま・みさをさん(83)の話だが、「取材は苦手」とのことだった。「日本橋の三越劇場に出ていたときの楽屋に、三越勤務の友人が、オレより半年ばかり年上のデパートガールの同僚を連れてきた。それが、カミさんのみさを。会った瞬間、『この女性は結婚するのにふさわしい人だ』と直感した」しかし、当のみさをさんにはそのつもりはなかったようだ。「『芸能人は、どうせ遊びでしょ』と思ってたようだよ。2年ほどして意を決して交際を申し込んで、なんとかオッケーをもらえた。次に婚約指輪を渡したら、『これから毎月1万円ずつ定期預金をしてちょうだい』。オレの見込んだとおり、経済観念もしっかりした女だったね」赤坂プリンスホテルでの結婚式は、26歳のとき。仲人は小林桂樹さんご夫妻、司会は盟友・立川談志さん(75)。「結婚後、しばらく仕事がない時期が続いた。でも、カミさんは文句一つ言わず、『私が働いているから』と、デパート勤めを続けてくれた」結婚から4年目には、『ウルトラマン』がスタートし、“アラシ隊員”として日本中の子どもたちのヒーローに。続いて1年後には、国民的人気番組『笑点』の2代目座布団運びに選ばれる。この出演依頼もだが、改名をすすめたのも、『笑点』の初代司会者でもあった談志さんだった。’68年2月、番組内で、本名の「石井伊吉」から「毒蝮三太夫」への改名披露が行われた。半年ほどが過ぎたときだった。「あなた、ヘビになったんですって?」みさをさんが、自宅の茶の間でさりげなく切り出した。「なんで、知ってるの?」「お友達に言われました。『あなたの旦那さん、今度はヘビになったのね』って。なぜ、言ってくれなかったんですか」「いや、君は日曜もデパート勤めだからテレビも見ないし。それに、“毒蝮”に改名なんて、きっと君が悲しむと思って」「あなたの決めたことを、私が反対すると思う?なんでも言い合えるのが夫婦でしょう。それをおもんぱかって内緒にするなんて、その理屈はおかしいです。これからはなんでも言ってちょうだい」まむしさんは、80年以上の人生の中で、あの改名は最大のターニングポイントだったと語る。「自分でも、堂々と“毒蝮”を演じるようになった。なにより、この一件で、カミさんが一枚上手と知ったね。あの度胸には感服したし、それからは、オレたち夫婦は、なんでも話し合っていこうと決めたんだ」突然の腸閉塞での入院は、’05年の大みそかのこと。実はこのときS字結腸がんも発見され、7時間もの大手術を受けていた。「1カ月半の入院中、雪の中でも通ってくれ、下着も替えてくれたのもカミさんだった。年末だったんで、ベッドの上で年賀状を書いていて、カミさんにも病室から感謝の気持ちとともに(年賀状を)出したのを覚えてる」80歳を超え、がんも体験したまむしさんを、妻のみさをさんが支え続ける。「夫婦は、尊敬と我慢。もともと互いにないものに引かれて一緒になったんだから、その相手は尊敬して当然だよな。おっと、それから、気持ちを伝えるときは、ためらわずにな。恥ずかしいと思うのは、半端にやるから。照れずに、全力でぶつかれば伝わるし、相手も気持ちいいもんなんだよ」今から3年前の1月、80歳の誕生日を目前にして、まむしさんは、「終活の第一歩」として事務所の社長を、弟子の千葉潤一さん(54・芸名:はぶ三太郎)に譲った。続いて、ラジオの現場は、月~木の週4日というペースの2年間を経て、昨年4月からは現在の金曜午後だけとなった。「『そろそろ夫婦でゆっくりしたい』というカミさんの気持ちは、痛いほどわかる。うちの夫婦は、子どものいない人生を選んだ。つくらなかったんじゃなくて、できなかった。オレがチフスで高熱を出したとき、医者から『将来、できないかも』とも言われてたようだが、調べたわけじゃないからね。だから、老後の2人の過ごし方は、より重要なテーマ。真剣に、バリアフリーの家に引っ越したり、施設に入るといった話も出ている。それでも週1のラジオの現場や講演を続けているのは、日本中に、こんなオレを待っている人がいてくれるから。つまり、今は人生の軟着陸の仕方を探してる最中」
2019年03月22日お笑いコンビ・スピードワゴンの小沢一敬が、4日に放送されたラジオ番組『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ/毎週月曜~木曜22:00~23:30)に出演し、自身がかつて出場した『M-1グランプリ』での苦い思い出を語った。放送では『M-1グランプリ』の話題になり、小沢は「02年と03年だから、もう15年前だよ」とスピードワゴンとして出演した『M-1』を振り返った。しかし雨上がり決死隊・宮迫博之から「むちゃくちゃ負けたときやろ?」とツッコまれると、小沢は「『M-1』史上の最低点、50点を出しておりますが、何か?(笑)」と自虐した。2002年の『M-1グランプリ』では、当時審査員を務めた故・立川談志さんがスピードワゴンのネタに対して、「50点」をつけた。小沢は「談志師匠の50点がなかったら、最後の3組に残れたかもしれない」と明かし、「志らく師匠がギャロップにバッって言ったとき、親近感湧いたね(笑)。おう、ギャロップ! ようこそスピードワゴンの世界に」と語った。さらに小沢は今年の『M-1』について、「今は(昔の『M-1』と比べて)ハッピーな空間だけど、今年はちょっと昔の『M-1』ぽいなと思った。一瞬、ひりつくところがあった」と分析していた。
2018年12月05日お笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二が、1日深夜放送のTBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』(毎週火曜 25:00~27:00)にて、くりぃむしちゅーの上田晋也が唯一緊張したという人物を明かした。爆笑問題の田中裕二田中はかつて故・立川談志さんに呼ばれ、爆笑問題と海砂利水魚時代のくりぃむしちゅーがゲストとして登場した際のエピソードを紹介。その楽屋で、上田が髪をセットするためにヘアスプレーを使用していたが、隣にいた談志さんに「全部かかっていた」と明かした。談志さんが怒らないことをとにかく願っていたという田中に対して、上田はまったく気づかずに素知らぬ顔でいたという。この一件で上田を「こいつは大物だな」と思うようになったといい、上田自身も「緊張したことがない」と当時から語っていたようだ。しかし、そんな上田にも唯一緊張したという人物がおり、田中は「『唯一、たけしさんに初めて挨拶したときに、ちょっと緊張した。あとは、1回も緊張したことない』って言ってた」と振り返っていた。
2018年05月04日●何日も継続して悩むことがないAmazonプライム・ビデオの新しいオリジナルドラマシリーズ『日本をゆっくり走ってみたよ~あの娘のために日本一周~』(全14話・毎週金曜配信)が、10月20日から見放題独占配信中だ。『ブラック・ジャック創作秘話 ~手塚治虫の仕事場から~』著者の吉本浩二氏による人気実録漫画の実写化で、バイクで日本一周をする主人公の吉本を演じている濱田岳を取材。「極真空手の百人組手」みたいだったと、毎話新たに登場するゲストとの芝居を振り返った本作に始まり、濱田が自分で持っていると実感する"運"、役者業への思いなどを聞いた。○「ゲストの方たちのおかげ」と痛感――ある意味、贅沢な作りのドラマですよね。ある意味じゃなく、贅沢ですよね。こんなスケールのものに、役者業としてこれからも出られることがあるのかと考えて、とっても有難い企画だと思いました。吉本先生の原作漫画はほぼエッセイなので、「ジャンプ」に乗るようなものじゃないですから、余計に贅沢。――派手な冒険活劇ではなく。そう。どっちかというとフラットなクスクス笑いの原作。これまで実写化できなかったのは、こういうスケールで撮ることができなかったからだと思うし。本当にスタッフみんなと日本一周しながら撮っていくので、純粋に男の子心としても、ドキドキワクワクしました。――しかし役者さんとしては濱田さんひとりにかかる重圧も相当だったかと。ほぼほぼひとりなのでね。しかも行く先々で個性的な人に会っていく。極真空手の百人組手みたいな。倒しても倒しても、次から次へと変なヤツが現れるという。毎回本当におもしろい先輩だったり俳優さんだったりが、旅をしている僕の前に元気いっぱいで挑んでくるので。戦いといったら聞こえが悪いですけど、吉本としてやりあうのはすごく楽しかったです。日本一周が大メインですが、それだけじゃお話は成り立たなくて、ゴールを迎えてこうして配信できるようになったのは、毎話毎話のゲストの方たちのおかげだと痛感しています。――バイクの免許もこの作品のために取られたそうですね。序盤はバイクが重そうで大丈夫かなと思いましたけど、その辺も変化していきますか?そうなんです、今回、免許を取りました。その辺の変化は如実にありましたね。若いころにバイクに乗っていたカメラマンさんにも最初の頃と全然違うと言われましたし、監督たちも、前に撮った映像を振り返ってみても乗る姿勢が全然変わったと言っていました。ほぼ順撮りだったんですが、吉本くん自身も、久々にバイクに乗るところからスタートしたので、いいシンクロが出来ました。――印象深かった場所を挙げると?北海道の宗谷岬ですかね。日本最北端。そこまで僕らは車で移動したんですけど、道中も「これが北海道だ!」っていう感じで楽しかったです。あと、宗谷岬に着いたときに、名古屋からスーパーカブに乗ってひとりで来た女性バイカーの方がいて、宗谷岬を見ながら涙してたんです。すごく印象的でした。○直感で生きる心構え――主人公の吉本くんは、仕事もなくなって、追い詰められて旅に出ます。濱田さん自身が追い詰められたときは、どうやって乗り越えてきましたか?うーん、辛かったりしょんぼりしたりするときがあったとしても、何日も継続して悩むことがないんですよ。人間的にそういうタイプじゃなくて。昔から、受験勉強とかも苦じゃなかったし。だから追い詰められたと感じたこと自体があまりないかも。――学校を辞めて仕事にシフトするといった大きな決断もされていますが。その決断もあまり時間はかからなかったと思います。この仕事しか僕にはないんだ!って選んだ風に結構みなさん思ってくれてるんですけど、実際にはそうではなくて(笑)。単純に勉強は落ち着いてからでもできるかなと思ったので。このお仕事が誰でもさせてもらえるものではないというのは、子どもの頃から感じていて、同じ波はもう来ないというか、同じ役は二度とない。いま優先するのはこっちかなという直観で選んだ感じですね。●髪が薄くなっても「武器になる」――じゃあ、何かを乗り越えてきたという感覚は。ないです。ちっちゃな頃からガツガツした性格じゃなくて。ザッツひとりっ子というか。食べ物も取られたら、「まあいっか、買ってもらえば」と思うようなタイプの子で、そのまま大人になっちゃったというか(笑)。――それがいい方向に働いていると。偶然ね。自分に才能というものがあるとしたら、人とめぐり会う運は多めに持っているかもしれません。子どものころからの現場の方々とか、このドラマもそうですね。日本一周のドラマなんて相当過酷なので、ひとつでも綻びがあったりしたら凄惨な現場になっていたと思うんですけど、みんなに助けてもらえました。そういう人たちに会える運は持っているかもしれません。――テレビや映画はもちろん、CMでも大活躍されています。インパクトの強すぎるイメージに困ったりすることはありませんか?素直に喜んでます。小さな子どもがわざわざ声をかけてきてくれる。そういうのって最近までなかったことですし。ちょっとは認知されるようになったのかなと、素直に嬉しいです。○「強い男」と「未来」の理想像――今回の吉本くんは、強い男になりたいと言って旅に出ました。濱田さんが考える強い男とは?強い人ねぇ。僕から見たら吉本くんも十分強い気がします。僕はテントで日本一周したいなんて思えないし、でも、この人は実際にやったわけだし。それに自分に向き合った時点でだいぶ強い人だと思います。でもそのチグハグさがまたこの作品のおもしろいところというか。見ようによっては強い人なんだけど、やっていることが情けないというか、強く見えないという。また自分の強さに一切気づいていないというか。そこも楽しみ方のひとつかなと思います。――濱田さん自身は、どんな強い人でありたいですか?メンタル的に外部からの影響を受けない人も強いなと思いますし、それこそ、パッと見で格闘技の師範とかも、一切構えなくても強いみたいな。覇気が出てるというか。朝早起きできる人も僕にとっては強いと思いますし。朝に強い(笑)。でも結局、人に優しくすることは一番強くないとできないかなと思いますね。――来年、30歳になりますが、どんな役者になっていきたいということは考えますか?あまり考えないです。徒然なるままに。10歳の頃と今の僕を比べたら、これでも背も伸びましたし。ちゃんと老けてますし。結構、最近白髪が多く生えてきたりしていて。あんまり自分の映像って見ないんですけど、たまに見ると、あー、目尻とかシワっぽくなったなと。――役者としてその変化が嬉しい?楽しいですね。老けてきたぜ!っていう。キレッキレの二枚目でお仕事しているわけではないので、髪が薄くなったりなくなったりしても、持ち様によっては武器になるだろうし。だから変化を楽しみながらですね。――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします。吉本くんは、立川談志師匠が言うところの「落語とは業の肯定だ」みたいな、そういう、人って愚かだよねみたいなのがよく分かる人。でも僕なんかはそこが彼を好きになる要素のひとつで。そういう人間臭さは出すようにしました。ドラマ全体としては、間違いなく地上波では見れないというか。日本一周するスケールもそうですし、僕らが頑張って作り上げた内容も地上波向けではないです。ここでしか見れない作品です。楽しんでください。■プロフィール濱田岳1988年6月28日生まれ、東京都出身。98年にドラマ『ひとりぼっちの君に』でデビュー。04年の『3年B組金八先生』の出演をきっかけに本格的に俳優の道にシフトした。06年に『青いうた~のど自慢 青春編~』で映画初主演、11年『ピースボート -Piece Vote-』で連続ドラマ初主演。ほか主な出演作に映画『アヒルと鴨のコインロッカー』、『永遠の0』『ヒメアノ~ル』『本能寺ホテル』、ドラマ『軍師官兵衛』『HERO』『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』などがある。現在NHK連続テレビ小説『わろてんか』に出演中。
2017年11月11日落語家・立川談春が2015年より毎年開催している年末恒例の独演会が12月28日(木)、大阪・フェスティバルホールで行われる。今年の演目は『芝浜』と『文七元結』の2本。2017年を締め括る本公演に向けて、意気込みを語った。「立川談春 独演会」チケット情報『芝浜』は2015年から毎年披露している演目。酒好きで失敗を繰り返す行商人の勝と、ただひたすら主人を支える女房の思いが垣間見える人情噺だ。「同じ『芝浜』でも、去年と今年では全然違う。自分でやっていても感じます。それは、自分の置かれた状況が変わるから。例えば去年の『芝浜』は女将さんがとてもカラッとしていたし、強気だったし、勝を追い込むようなことを言っていた。でも一昨年は、勝が一生懸命女将さんをいたわっていた。やるたびに変わるのは、個人芸だからしょうがないんだと思います。人は更正できるとか、縁の中で生かされているというのはいつの時代も一緒なんだなということが描かれている。揺らぎは見せつつも、その軸は変わりませんね」15歳の頃、立川談志の『芝浜』を聞いて落語家を目指し、談志に弟子入りした談春。終わった後、立てないくらいに衝撃を受けたと語る。「本で読んだときは、何がいいのかさっぱり分からなかった。その中途半端な知識で談志の『芝浜』と対面したときに、ぶっ飛びましたね。落語でこんなに感情移入をしたり、感情表現できるのかと。それに、周りの大人たちもうつむいていました。ひとりひとりがこの噺を聞いて自分と向き合ってるんだなって、子ども心に感じました。そして僕も談志のように聞き終わった後の感想を持ってもらえる芸人になりたいと思って、弟子になろうと思ったんです」。一方『文七元結』で登場するのは、無類の博打好きで仕事もろくにしない左官の長兵衛。負けて丸裸になった挙句、長屋に帰ると女房が愛娘・お久が戻ってこないと泣きじゃくる…。『芝浜』と同様、年の瀬の江戸を舞台に繰り広げられる人情噺の大ネタだ。「落語好きの人にとっては、ステーキ食べ放題に行った後、すき焼き食べ放題に連れて行かれるようなものです。きっと胃もたれするでしょうし、もたれさせたいんです。ただそれはフェスティバルホールという素晴らしい会場だからこそ挑戦できるんです。それに、落語を知っている人には胃もたれする2本かもしれませんが、初めて落語を観る方たちにとってはそうでもないはず。“これが落語なんだ!”って思ってもらえる効果はあると思っています」。公演は12月28日(木)大阪・フェスティバルホールにて。チケットは11月11日(土)10:00より一般発売開始。11月9日(木)23:59まで先行先着プリセールを受付中。
2017年11月07日「テレビに出るようになったキッカケは、師匠の立川談志ですね。談志が生前、『いちばんかわいがってる弟子なのに、なんでこいつがテレビでスターになれねぇんだ』と、ボソッと言ってたと聞きまして。談志が亡くなってから、私が唯一親孝行できなかったことがテレビに出ることだったので、親孝行しようかと」 こう語るのは、情報番組『ひるおび!』(TBS系)のレギュラーコメンテーターを務める、落語家・立川志らく師匠(54)。その歯に衣着せぬコメントが評判を呼び、昨年10月から月〜金曜の毎日出演するという、いまや番組には欠かせない存在に。 「テレビに出ようと決めたのはいいんですが、当初はテレビでやりたいことが自分にはなかったから、事務所から“レポーターはどうですか?”『嫌です』。“クイズ番組は?”『バカがばれるのが嫌』。“ドラマで役者は?”『尊敬している監督以外はやる気がでません』とか(笑)、ワガママ言い放題。そこにたまたま『ひるおび!』のコメンテーターはどうですか?と話がきて『やってみようかな』と」(志らく師匠・以下同) 志らく師匠は’85年10月、日本大学芸術学部在学中に立川談志に入門。’88年、二つ目昇進、’95年、真打ち昇進。東京の落語界で、最も多くの弟子(20人!)を抱えている。また映画好きなことでも有名で、映画監督として日本映画監督協会にも所属。劇団も主宰するなど、幅広く活躍中だ。 そんな志らく師匠が考える、“コメンテーター論”とは? 「たとえば、トランプ大統領の過激な発言を批判するようなテーマだったりすると、ほかのコメンテーターの人たちは“ホント、そうですよね〜”となるんです。だけど私はあまのじゃくで捻くれてるから、その逆から話そうと考える。『ちょっと待ってよ。みんなでトランプをいじめることはないんじゃないの?』と。『トランプを非難してもしょうがないでしょ?悪いのはミサイルを発射する北朝鮮じゃないの?』と」 取り上げるテーマの裏からコメントするのが、志らく師匠流のスタンスだとか。 「みんなが話す方向の逆や斜めから入っていく習慣をふだんからつけているんです。常に逆から行かないとみんなと同じコメントになってしまって面白くもない。ただし、事件や事故のコメントをするときは、さすがに逆からは行けないですけどね」 その発言が、ときにはネット上で批判され、炎上することもしばしば……。 「私は、自分のコメントが非難されてもいいと思ってる。非難する人がいれば、面白がる人もいる。炎上しようが何しようが、視聴者にコメントが引っかからなければ、テレビに出ている意味がない、そう思ってるんです」 志らく師匠がよく使うたとえがある。『10人に好かれるのは偽善者。10人に嫌われるのは悪党。5人に好かれて、5人に嫌われるのが本物』ーー。 「談志にはものすごく敵がいましたが、愛してくれる人もたくさんいた。かつて永六輔さんが、『悪口を言われないヤツは、ろくなヤツじゃない』と言ってましたが、必ずもう一方から悪口が出るほうが健全なんですよ。10人が『あの人はいい人だ』って言ったら、これは怪しい。私も5人から『違うだろ!』と言われても、もう一方の5人から『よく言った!』と言われれば、それでよしと思ってます」 何を言い出すかわからない志らく師匠だけに、番組制作側から“こういうことを言ってはいけない”、あるいは“こういうことを言ってください”という縛りがあるのかと思いきや、「まったくない」そうだ。 「だから本番前の打ち合わせは2〜3分で済みます。そういう意味では毎日がぶっつけ本番。私が何を言うかは誰も知りません。私も自分で何を言い出すかはわかっていない」 志らく師匠は、最後にこう締めくくる。 「いま、梅沢富美男さんがコメンテーターとして重宝がられているのは、世間の代弁者だから。代弁して怒ってくれて、代弁して褒めてくれる。この代弁者としての役割がコメンテーターには必要だと思いますね。ホンネが言える人ってこと」 毎日、ぶっつけ本番の志らく師匠のホンネ発言から、ますます目が離せません!
2017年11月06日NHK BSプレミアムで放送され、好評を博している新感覚の旅番組「チョイ住み」。毎回、異色の顔合わせも話題となるなか、今回は若手俳優・中村蒼と落語家・立川談笑が韓国・プサン(釜山)を訪れる。観光地を巡る忙しい旅をやめて、まるでその地で暮らすようにゆったり街を体感する新しい旅のカタチ、“チョイ住み”。日用品を買い、食事を自炊して、現地の人の目線で街を見つめることで、ガイドブックには載っていない魅力を発掘する。第10弾となる今回の舞台は、近くて遠い街、韓国・プサン!福岡からは目と鼻の先、だがそこには、とびきり人情味あふれる下町情緒と、港町独特の威勢のよさが同居しているという。日本とよく似た気遣いの文化、でも生活のディテールは、時に微妙に、そして時に全然違うらしい!?そんなプサンを訪れ、チョイ住みするのは、先日結婚を発表したばかりの若手俳優・中村さんと、落語家の故・立川談志一門の中でも実力を認められる談笑さん。中村さんはジュノンボーイコンテスト優勝を皮きりに多数の作品に出演、「せいせいするほど、愛してる」「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」などで話題を呼び、現在はドラマ「真昼の悪魔」(フジテレビ系)に出演中。一方、談笑さんは故・立川談志の弟子であり、2005年に真打昇進、いまや志の輔・談春と並ぶ「立川四天王」と呼ばれる話芸の達人。年の差26歳、地図も文字も読めない2人が、貿易の要として栄えた港町プサンで滞在先に選んだのは、繁華街の路地裏にあるアパート。さまざまな街の姿を目にし、土地の人々と盛り上がりながら、プサンの素顔を体感していく。「チョイ住み in プサン」は 3月4日(土)19時~NHK BSプレミアムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年03月04日フリーアナウンサーの本田朋子が、9月23日に放送されるTBS系バラエティ特番『謝りたい人がいます。』(20:57~)に、これまで同番組でMCを務めてきた小林麻耶アナウンサーの"代打"として出演する。12日、都内で行われた収録に参加し、その後の囲み取材で収録の感想を語った。『謝りたい人がいます。』は、芸能人が本気で謝りたいと思っている人に謝罪するバラエティ番組。2013年の初回放送から4回にわたって放送されてきたが、このたび約2年ぶりに第5弾が放送される。これまでお笑いコンビ・ブラックマヨネーズとフリーアナウンサーの小林麻耶がMCを務めていたが、小林アナが休養中のため、今回は本田アナが務める。収録後、ブラックマヨネーズと共に囲み取材に応じた本田アナは、「この番組のファンだった」と明かし、「芸能人の方々の謝罪したいという気持ちの裏には、苦労や恩人への感謝、恩人からの愛情があり、温かいものをじんわり肌で感じることができる番組だなとあらためて思いました」と語った。そして、これまでMCを務めてきた小林アナについて、「ワイプの中の表情だけでも感情がすごく伝わってくる表現力の豊かさがすごい先輩だなと思っていた」と印象を述べ、「局を越えて尊敬できるアナウンサーや格が違うなと思う方の中でも、麻耶さんはピカイチ。いろんな面をお持ちで、人間的にも魅力的な方」と称賛した。さらに、「麻耶さんの代わりに務めるというのはかなりプレッシャーがありました」と打ち明け、「逆に麻耶さんの代わりはできないので、自分らしい等身大の進行として臨ませていただこうと思いました」と説明。「麻耶さんが元気になって戻ってきたときに安心して座れるように、椅子は温めておきました」と小林アナの復活も願った。なお、第5弾のテーマは「後悔」で、三遊亭円楽は故・立川談志、久本雅美は若かりし頃お世話になった"東京のお父さん"、生稲晃子は"命の恩人"である短大時代の友人に謝罪する。その中で、円楽と談志の知られざるエピソードや、久本の上京時の秘話が明らかになり、乳がんと戦う生稲は命の有限を知って感じた思いなどを語る。
2016年09月16日8日(水)、第42回「放送文化基金賞」が発表され、「番組部門」のテレビドラマでは、最優秀賞に「赤めだか」(TBS)、優秀賞に「天皇の料理番」(TBS)が選ばれた。同部門の演技賞には、「天皇の料理番」主演の佐藤健と、福岡発地域ドラマ「いとの森の家」で樹木希林が受賞している。過去1年間の放送番組から優れたテレビ、ラジオ番組や個人・グループに毎年贈られる「放送文化基金賞」。今年も平成27年4月~28年3月に放送されたものを対象に選出した。全国の民放、NHK、プロダクションなどから、全部で268件の応募、推薦があり、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ、テレビエンターテインメント、ラジオの4つの番組部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞の16番組と、演技賞や企画賞など個人5件、さらに個人・グループ部門の放送文化、放送技術で8件を決定した。昨年は「相棒 season13」(テレビ朝日)が最優秀賞に選ばれた「番組部門」におけるテレビドラマ番組。今年は、立川談春の同名エッセイを原作に、「嵐」二宮和也主演で昨年12月28日(月)に放送された、年末ドラマ特別企画「赤めだか」が受賞。ビートたけしが立川談志を演じ、17歳で談志に入門した二宮さん演じる談春と、談志の弟子たちの成長物語。「厳しさを自らのものとすることで人は成長できることを教えてくれる啓発的ドラマでありながら、笑いを随所に盛り込んでぐいぐい引き込むストーリー」などと評され、最優秀賞に輝いた。優秀賞に選ばれた「TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場『天皇の料理番』」。大正・昭和時代に宮内省の厨司長を務めた秋山徳蔵氏の人生を描いた杉森久英の同名小説が原作で、田舎のやっかい者・秋山篤蔵を佐藤さんが演じ、天皇の料理番を勤め上げるまでに成長していく物語。「キャスティング、ストーリーの構成どれをとっても完成度が高い」と絶賛され、主役の脇を固めた黒木華、鈴木亮平といった俳優たちの演技も「質がみな高かった」とされた。主演の佐藤さんは演技賞も本作で受賞し、「難しい役柄を、多くのハードルを越えて演じ切り、ドラマの強力な牽引力となった演技は秀逸」と評価されている。(text:cinemacafe.net)
2016年06月08日「実験落語」をご存知だろうか。1978年から86年にかけて、渋谷ジァンジァンで毎月開催された、三遊亭円丈が主催していた新作落語の会である。現代的なモチーフと言葉を用いながら新たな方法論でネタおろしを行い、代表作『グリコ少年』等を生み出した。その存在は、春風亭昇太、柳家喬太郎など新作を手がける後進の落語家たちに大きな影響を与えたと言われている。 その「実験落語」が6月、渋谷のCBGKシブゲキ!!で『実験落語neo~シブヤ炎上~』として復活する。高座を目前にした、三遊亭円丈に復活に込める想いを聞いた。『実験落語neo~シブヤ炎上~』チケット情報「渋谷は新しいものが生まれやすい土地だと思います」と語る円丈が、新しい実験に一緒に挑むのは、実験落語メンバーの林家しん平、かつて立川談志門下であり、一時実験落語メンバーでもあったダンカン、実験落語の系譜を汲む落語ジャンクションメンバーでもあり、スタンダップコメディの名手として英国でも大喝采を浴びた清水宏、当代きっての若手講談師・神田松之丞だ。中でも、林家しん平には「天才ですね。三題囃といって、お客さんに適当なお題を三つだしてもらって、即興で演じる演目があるんですが、(しん平くんの三題噺は)時間軸がきちんと推移していく。彼の思考の秘密を解き明かしたい」と信頼を寄せる。円丈いわく、新作落語の一番の魅力は「ネタにならないものはない。どんなことでも落語になるところ」とのこと。「『グリコ少年』はグリコの会長が亡くなったことがただただ悲しくて、その悲しさを落語にしたら、ウケたんですよね。ウケるつもりは全くなかったんですけれど。『競走馬イッソ-』もダービーで負けたから、元を取ろうと思って作りました」元々学生時代より演劇に携わっていた円丈だが、落語の特徴を「落語は感情がシフトできるものだと思います」と分析する。「最初はある男を馬鹿にしていたけれど、側面から見たり、裏から見ると、徐々に悲しみにシフトしていく。ひとりで話し続けているからこそ、ひとりの人物を掘っていけるところがあります。何もないところから作っていける点でも、落語は大したもんだと思います」70代になってもなお、新作落語を作り続ける円丈とこの実験に挑む4人の化学反応をこの目で確かめたい。公演は6月9日(木)午後7時開演。チケット発売中。
2016年06月01日落語家の春風亭昇太(56)が、日本テレビ系演芸番組『笑点』(毎週日曜17:30~18:00)の6代目司会者を務めることが明らかになった。22日に放送された『笑点歌丸ラスト大喜利スペシャル』(17:30~18:55)で、5代目司会者の桂歌丸(79)が発表した。歌丸にとって最後のレギュラー出演となったこの日のスペシャルでは、レギュラーメンバーによる大喜利を生放送。歌丸の引退にまつわるお題で展開された。そして、番組の最後で、歌丸が新司会者について「春風亭昇太さんにお願いしたいと思います」と発表。拍手が沸き起こる中、三遊亭円楽が「お前いくら使った! 世間は俺だろ!」と突っ込み、笑いを誘った。昇太は、打診を受けた時は「え~って思いました」と打ち明け、「歌丸師匠のあとっていうことでプレッシャーはありますけど、考えてもしょうがないので、一生懸命やりたいと思います」と意気込みを語った。歌丸も「昇太さんには昇太さんなりの司会のいいところもたくさんあると思います。今日までのことはすっかり忘れて、今度は昇太さんなりの笑点の司会をやってもらいたい」とエール。昇太は「とりあえず頑張ります!」と頭を下げた。『笑点』の司会は、初代が立川談志さんで、前田武彦さん、三波伸介さん、三遊亭円楽さん(5代目)、桂歌丸と受け継がれ、このたび6代目に春風亭昇太が決定した。
2016年05月22日1970~80年代に渋谷ジァンジァンで毎月開催されていた「実験落語」が6月、渋谷のCBGKシブゲキ!!で『実験落語neo~シブヤ炎上~』として復活する。『実験落語neo~シブヤ炎上~』チケット情報「実験落語」とは、1978年から86年にかけて三遊亭円丈が主催していた新作落語の会。それまでの新作落語とは一線を画す、現代的なモチーフと言葉を用いながら新たな方法論でネタおろしを行い、代表作『グリコ少年』等を生み出した。その作風は、春風亭昇太、柳家喬太郎など新作を手がける落語家たちに大きな影響を与えたと言われている。復活第1弾には、「実験落語」の創始者・三遊亭円丈とメンバーの林家しん平、そして、かつては立川談志門下で修業を積んだダンカン、俳優でピン芸人としても活動する清水宏、若手講談師・神田松之丞が参加する。公演は6月9日(木)午後7時開演。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。なお、チケットぴあでは4月13日(水)午前10時より先行抽選プレリザーブを実施予定。
2016年04月07日WOWOWの特集番組『はじめての談志×これからの談志』の放送記念トークショーが16日、都内で行われ、お笑い芸人で日本語学者のサンキュータツオ、時代劇研究家の春日太一が出席した。同番組は、2011年に75歳で亡くなった落語家・立川談志の生誕80周年を記念したもの。談志の80回目の誕生日となる来年1月2日(17:30~)の『粗忽長屋』、『芝浜』を皮切りに、5ヶ月連続で談志独演会における10演目を放送する。落語会"渋谷らくご"でキュレーターを務め、落語マニアとして知られるサンキュータツオは、「我々が語るには巨大すぎる存在。亡くなって4年経った今だに喪失感がある」と談志を懐古。「リアルな話、今の若い人は師匠のことを小うるさいオジサンだと受け取ってる人が多いと思う」としながら、「時代の激動の中で、落語をどうやって現代に伝えようか苦心していた。落語の愛し方、味わい方を教えてくれた人。師匠は落語を語る言葉をくれた」と熱く語った。一方、春日は、「落語に関してはズブの素人」と言いながら、「カリスマ性がすごい。気安くない。簡単に近付いちゃいけない雰囲気が出てて、ピリピリした緊張感を高座から出してる」と談志の印象を吐露。「精神的に支配される喜びがあって、中毒性がある。マゾ心をくすぐる落語がたまんない」と続けると、サンキュータツオも、「簡単に笑わせねーよという感じですよね。明らかに他の落語家さんと違う。咳払い一つしたら殺されるっていう感じ(笑)。それがクセになっちゃうんですけどね」と話していた。
2015年12月18日立川談春の原作を映像化し、「嵐」の二宮和也とビートたけしが初共演することで注目を集める「赤めだか」。これまで主人公・立川談春の兄弟子に宮川大輔、柄本時生らが発表されてきたが、この度、弟弟子に当たる立川志らく役が決定。CM、ドラマ、映画に出演し注目を集めている濱田岳が“七三分け”姿で登場することが明らかになった。チケットの入手が最も困難と言われる落語家、立川談春。少年時代のある日、立川談志の落語を見たことをきっかけに落語家になることを決意。17歳という若さの談春が、「天才」「風雲児」と言われた故・立川談志のもとに弟子入りし、弟子仲間たちと苦楽を共にしながら成長していく様子と、誰よりも落語を愛し、落語に挑み続けた男・談志の破天荒な生き様を“弟子目線”から描く。主演の立川談春役に二宮さん、不世出の天才・立川談志をたけしさんが演じ究極の“師弟”関係を築き上げる本作。立川談春の兄弟子・立川関西役に宮川さん、立川談かん役に柄本さん、立川ダンボール役に新井浩文、立川談々役に北村有起哉ら演技派俳優陣が集結。さらに番組のナビゲーター役として笑福亭鶴瓶、物語のナレーションに薬師丸ひろ子が決定している。そして今回、立川談春の弟弟子・立川志らくを演じるのは、すでに2016年公開作『信長協奏曲』『世界から猫が消えたなら』『ヒメアノ~ル』『グッドモーニングショー』と4作も出演が決まっており、映画のみならずドラマやCMにも引っ張りだこの濱田さん。濱田さんは元々談春さんのファンだったそうで、「落語会にも行ったことがあったので、『赤めだか』に参加できたことは光栄でした。もちろん、志らくさんのことも存じ上げていましたが、やはり実在する方を演じるのは緊張しました」とコメント。さらに二宮さん、たけしさんとの共演についても「二宮さんとお芝居でご一緒するのは初めてな上に、たけしさんとはいままでお会いしたことがなく、非常に緊張しました。そんな中で、二宮さん、たけしさんとセリフのキャッチボールが出来たというのは財産になりました。演じていて、とても楽しかったです」と感激した様子。公開されたビジュアルでは、落語を披露する濱田さんの姿が。超豪華キャストの中でどんな演技を見せるのか注目だ。スペシャルドラマ「赤めだか」は12月28日(月)TBSにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年10月20日主演・立川談春役に「嵐」の二宮和也、そして不世出の天才・立川談志役にビートたけしが出演することで話題のTBS年末スペシャルドラマ「赤めだか」。この度、放送日決定と共に、番組ナビゲータとして笑福亭鶴瓶、ナレーションに薬師丸ひろ子、立川流の噺家役として宮川大輔らの出演が決定した。いま、チケットの入手が最も困難と言われる落語家、立川談春。少年時代のある日、立川談志の落語を見たことをきっかけに落語家になることを決意。17歳という若さの談春が、「天才」「風雲児」と言われた故・立川談志のもとに弟子入りし、弟子仲間たちと苦楽を共にしながら成長していく様子と、誰よりも落語を愛し、落語に挑み続けた男・談志の破天荒な生き様を“弟子目線”から描く。今回、番組のナビゲーター役として登場する笑福亭鶴瓶。鶴瓶さんは「今回忙しい二人がよく引き受けてくれたなと思います。この二人がそれぞれの“談志”“談春”をやるのであれば必ずいいものができると確信しています」とコメントを寄せている。また、物語のナレーションには、NHKの「世界ふれあい街歩き」などでナレーションもこなし、自身も落語が好きだという薬師丸ひろ子が担当する。本を読んだ薬師丸さんは、「羨ましいと思うくらいのいい本で、自分も演じてみたいと思いました。落語に興味のある方はもちろん、興味のない方でも、こんな物語があったんだと想像しながら是非ご覧になっていただければと思います」と喜びを語った。さらに、立川談春の兄弟子・立川関西役には芸人でありながらも『ドロップ』や「チーム・バチスタの栄光」など多くのドラマや映画にも出演する宮川大輔。立川談かん役には『みんな!エスパーだよ!』に出演していた柄本時生、立川ダンボール役に『寄生獣』『バクマン。』新井浩文、立川談々役には「水球ヤンキース」「Dr.倫太郎」の北村有起哉という豪華キャストが出演することも決定した。主演の決定に注目を浴びていたが、今回の新キャスト発表でまた新たに注目を集める本作。落語好きはもちろん、そうでない人も楽しめる物語となること間違いなさそうだ。スペシャルドラマ「赤めだか」は12月28日(月)よりTBSにて放送。(cinemacafe.net)
2015年10月09日『anan』7月29日号の特集は「大人の男」。その魅力に酔いしれたい…ということで、各業界に潜む、イケてるおじさまをフィーチャー。映画監督、脚本家、作家、画家など、多岐にわたり活躍する大宮エリーさんは、「男は心意気!」とのこと。そして、文句なしにカッコいい大人の男、と太鼓判を押すのが4人の落語家たちです。「共通点は、粋でツヤっぽくて、チャーミングなところ。なかでも、立川志の輔師匠は、知り合ったばかりのとき、私の個展にフラッと立ち寄ってくださり『いいもの見せてもらったよ。ありがとうねぇ』とおっしゃるんです。あるときは私が出演した番組を見て『見せていただいたよぉ。よかったよ。頑張ってるねぇ、私も頑張ります』とそれだけ言うためにお電話くださる。洋服もいつもおしゃれで、とにかく粋なんです」笑福亭仁鶴師匠には、大宮さんが脚本・演出を担当するドラマに出演してもらったことが。「どんな人にも分け隔てなく接する方。撮影後は必ず最終の新幹線で大阪にお帰りになり、奥様と家で晩ごはんを召し上がると聞いて、素敵だなぁって思いました」◆立川談志シャイな愛されキャラ「志の輔師匠から聞いた話ですが…。生前、恩のある落語家から、ゲスト出演を頼まれた談志師匠。ところが当日、師匠は大幅に遅刻をしてきて、結局出番がその公演のトリになってしまったそう。そのときの言い訳が『だって、俺が時間通りに行くなんて、テレるじゃん』。お会いしたことはないけど、魅力的な人だったんだろうと思いますね」◆立川志の輔チャーミングで粋な大人「私が行くとお伝えしていた師匠の公演の当日、ご本人から電話が。『なんか、来れないそうじゃない?』って。主催の方が、万が一のこともあるし、予防線を張って『来れないかも』と伝えていたみたいで、『え?向かってますよ』と伝えたら『あ、そうなの?ならよかった』と。甘えたり拗ねたりという態度をさらりと出せるところがカッコいい大人だなあ、と」◆笑福亭仁鶴(にかく)温かくて穏やかな愛妻家「仁鶴師匠は大物であるにもかかわらず、威圧感がまったくなく、周りの人に気を使わせないところが本当にすばらしいんです。私が演出を担当したドラマで、板尾創路さんと相撲をとるシーンを演じていただいたとき、『本気出さなくていいです』と言ったのに、ゼーゼーいうほど全力を出してくださって(笑)。そんな真面目なところも好きです」◆立川談春弟子思いで義理堅い人「以前、若手の落語家さんに3つのお題を出して落語を作ってもらう、というイベントに呼んでいただきました。談春さんのお弟子さんも出演されていたんですが、その後、談春さんにお会いしたときに、『弟子がお世話になっております。ありがとうございます』と深々と頭を下げられたんです。イヤイヤイヤ、私こそ素人なのにお題を出させていただくなんて、すみません、と。謙虚で懐が深いところがすごいんです」◇大宮エリー映画監督、脚本家、作家、画家など、多岐にわたり、ボーダーレスに活躍。著書は『猫のマルモ』(小学館)、『EMOTIONAL JOURNEY』(フォイル)など多数。※『anan』2015年7月29日号より。取材、文・重信 綾古屋美枝薮内加奈
2015年07月28日今回は、日本の伝統芸能の中でも特に言葉が重要になる「落語」についてのアンケートです。日本で活躍する外国人落語家も存在するのですが、受け手として一般的な落語の印象はどんな感じでしょう。日本在住の外国人20名に「日本の演芸「落語」を面白い、興味深いと思いますか?」と質問してみました。■面白いと思います。同じ国の人で落語をやっている人もいます。(トルコ/30代前半/女性)■面白いし、笑えるし、素晴らしい伝統芸だと思います。(ドイツ/40代前半/女性)■面白いです。(中国/20代後半/女性)■面白いです。(マレーシア/30代前半/男性)■面白いと思います。(ペルー/30代前半/男性)■面白い、興味深いものです。(ベトナム/30代前半/女性)■はい、両方そう思います。(ロシア/20代前半/女性)■はい、思います。(台湾/40代前半/男性)■はい。(韓国/40代後半/男性)■はい。(オーストラリア/40代前半/男性)■とても好きです。(スペイン/30代後半/男性)日本語を駆使した芸のためか、今回のアンケートは賛否が半分にわかれました。元禄時代の上方(大阪)や江戸に始まり、江戸時代に大衆芸能として現在の形になった落語。衣装や道具を用いる歌舞伎などとは異なり、落語家がひとりで語りと役を演じわけ、扇子や手拭ですべての小道具を表現し、身ぶり手ぶりのみで物語を進めるため高度な技術が必要とされています。ちなみに、「落語」という呼び名は明治以降のものだそう。昭和に入ってからも三遊亭圓丈や3代目桂米朝、立川談志、6代目桂文枝、春風亭小朝など各世代の落語家が活躍し、古典、新作問わずさまざまな作品が演目として行われています。また、トルコの方の回答にもある外国人落語家は、明治・大正時代から存在。「青い目の落語家」として活躍した初代快楽亭ブラックを始め、現在はカナダ人の桂三輝(サンシャイン)やイギリス人のダイアン吉日などが活躍しています。■日本語をすごく理解していないと面白くないと思います。(ブラジル/20代後半/男性)■面白そうですが、母国での笑い所と日本の笑い所が違うので自分にはあまり……。(タイ/30代後半/女性)■面白い時もありますが、私は興味深いと思いません。(フィリピン/40代前半/女性)■落語は難しくてあまり聞き取れないが、とても頭を使うものだと思う。(イギリス/20代前半/女性)■僕には面白くない。(アルゼンチン/30代前半/男性)■落語には興味がありません。(アメリカ/20代後半/男性)■あまり興味がないからよくわからない。(イスラエル/30代後半/女性)■落語はあまり好きではないし詳しくありません。(スウェーデン/40代後半/女性)■まあまあ。(チュニジア/40代後半/男性)本当に上手な落語家の演目はすべての役柄が目に浮かぶようだと言われますが、それでも聞き取りが必要な話芸だけに、ハードルが高いと感じる方も多いようです。古い時代が舞台の作品が多く、日本の伝統文化や国民性に基づいた笑いなので、余計に難しく感じるのでしょうね。ブラジルやタイの方の「日本語を理解していないと」、「笑い所が違うので」という意見も、アメリカンジョークが日本人にはいまひとつ理解できないことを考えれば仕方がないのかも。見る側にも演じる側の意図をくみ取る力が必要だけに「頭を使う」という意見もうなずけます。目や耳だけでも楽しめるアートや音楽の世界と異なり、笑いには言葉と国民性、文化背景の理解が重要です。コメンテーターとしても活躍するアメリカ人のパックンや漢字ネタの厚切りジェイソンなど、外国人のお笑い芸人も増えていますが(よしもとのチャド・マレーンのチャド、サンミュージックのタイムボムのニック、松竹のエリザベータなども)、言葉や歴史知識も必要な落語は難しく感じるのかもしれません。でも、私たち日本人が海外のコメディ映画を理解できるようになることと同じかも、と考えると、なんだかわかる気がします。
2015年06月15日落語家の枠を超え、芸能界、政治家にまでなり世の中をあっと驚かせ、2011年11月にこの世を去った立川談志。その一門を弟子の立川談春が描いた原作「赤めだか」をTBSの2015年度大型スペシャルドラマとして映像化。このほど本作の主演・立川談春役に「嵐」の二宮和也が、師匠・立川談志役にビートたけしが演じることが明らかになった。いま、チケットの入手が最も困難といわれる落語家・立川談春。17歳のときに「天才」「風雲児」といわれた立川談志のものに弟子入りし、新聞配達をしながら生計を立て、弟子仲間たちと苦楽を共にしながら成長していく様子と落語に挑み続けた男・立川談志の破天荒な生き様を“弟子目線”から描く。初の落語家を演じることになった二宮さんは「今回、こんなに素晴らしいキャストとスタッフ、そしてこの作品に参加させてもらえるなんて、自分はとことんツイてる人間だなと(笑)。でも運に縋らず、傲らず、真摯に向き合っていきます」と意気込みを語った。一方、談志役のたけしさんは「これも何かの縁。一度は立川の名前をいただいたこともあったので。もうお返ししちゃいましたけど。俺が談志師匠をやると聞いたら、さぞ嫌がるだろうなあと思って引き受けました。二宮君に迷惑かけないといいけれど、どうなることやら」とコメントした。原作者の談春さんは、自身の役を演じる二宮さんについて「配役を聞いて震えました。二宮さんと何年か前にご一緒したおり、お若いのに地に足のついたといいますか、芯の強さを感じ、その細やかな気遣いに驚きました。私自身が意識していない“談春像”を早くも作り上げているようです。その冷静で的確な観察眼、とても楽しみです」。さらにたけしさんについては「一方、中学生の頃から憧れ続けたたけしさんと、ようやくご縁が繋がったことに興奮しています。立川談志の弱さまで演じることのできる人。そこまで演じても違和感のない唯一の人です。二人にオファーをしてくれたスタッフと、引き受けたくれたお二人に心から感謝します。赤めだかは幸せな作品です」と興奮冷めやらぬ様子。二宮さん演じる談春をとりまくキャストは今後発表されるとのこと。初共演となる二宮さんとたけしさんの“師弟愛”はどのように描かれるのか?続報を待ちたい。スペシャルドラマ「赤めだか」は2015年、TBSにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年01月22日「ぴあ」調査による12月8日公開の映画・満足度ランキングは、噺家、立川談志の高座やプライベートの姿を記録した『映画 立川談志』がトップに輝いた。2位に劇場版『仮面ライダー』シリーズ最新作『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』が、3位に、すずきじゅんいち監督による日系史ドキュメンタリー三部作の完結作『二つの祖国で 日系陸軍情報部』が入った。上位作品の画像1位の『映画 立川談志』は、高座『芝浜』『やかん』の映像を主軸に、未公開映像と共に談志の落語を後世に伝えていこうと製作された作品。出口調査では「談志らしい独特の高座の入り方は相変わらず。こういう人が日本人にいてよかった!」「本人の思いが詰まったものがフィルムで残っていることは幸せなこと。改めてカリスマ性を感じた」「ひとつの芸術を観たよう。若い人にも、日本文化の素晴らしさを知ってほしい」「プライベートでの談志の姿を初めてみた。人柄が表れていて印象的だった」「立川談志の『芝浜』は、他の人とは全然違う。貴重な作品」など、落語と立川談志を愛する人たちから熱く支持され、40代から70代を中心に高い満足度を集めた。2位の『…ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』は、仮面ライダーフォーゼと仮面ライダーウィザードがタッグを組む“MOVIE大戦”シリーズの最新作。劇場には家族連れの姿が多く見られ、観客からは「ウィザードが強くてカッコよかった!」「みんなで変身するところが一番好き」「絆を大切にするというテーマがあるので、親子で観てほしい」「子も親もどちらの世代も知っているキャラクターが出てくるところがいい」など、子どもからも大人からも好評だった。(本ランキングは、2012年12月8日(土)に公開された新作映画6本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年12月10日枕(まくら)とは、落語の本題に入る前にするお話のことです。枕は、観客を温める、これからする話の前フリをしておくなどの役割を果たします。この枕が面白い落語家は必ず面白い人です! 枕には多色んな話が盛り込まれます。傑作を集めてみました。■母子の会話子「お母さん、アメリカって遠いの?」母「黙って泳ぎなさい」春風亭小朝師匠が枕に使っていた小話。小朝師匠のとぼけた感じ、センスがよく出ていると思いませんか?■右に寄せた「うちの師匠が脳梗塞(こうそく)で倒れまして。命はとりとめたんですが左半身がまひしちゃうようなことになりましてね。看護婦さんが師匠にそのことを言いましたら、そっとおちんちんを右に寄せました」同じく春風亭小朝師匠の枕話。小朝師匠の師匠というと五代目の春風亭柳朝師匠。小朝師匠だけでなく、春風亭勢朝師匠もこのお話をしますし、春風亭一門のみなさんは柳朝師匠のとぼけたエピソードを愛しているのでしょうね。■林屋きくお(現2代目林家木久蔵)師匠がバカっぽい「林屋きくお、というのはおかしな人で、一応玉川大学卒業てことになってますがね、そもそも入学したかどうかも怪しいもんですよ。合格通知に入金を確認しましたって書いてあってんですよ」春風亭勢朝師匠の枕(笑)。勢朝師匠は芸人の楽屋話の得意な人で、高座に行くとこういう話に大いに笑わされます。■赤道が……「わたくしが子供のころは海外旅行なんてのは夢のまた夢のでございましてね。あっこがれのハワイ航路♪なんてこと申しましてね。飛行機に乗っておりますとスッチュワーデスさんが右手の方をご覧ください、てなことを仰(おっしゃ)られまして。見ると海の上に赤っい線がずーっと、向こからこっちへズ~っと」天才・桂枝雀師匠のバカバカし過ぎる小話。枝雀師匠の、愛嬌(あいきょう)ある跳びはねるようなテンポで語られると思わず笑ってしまいます。■水連の達人A「水連の達人てのを見てね」B「へーどこで」A「大河原。上から下へすーっと顔も上げずに泳いでいった。ありゃあ見事だったね」B「……土左衛門じゃねえのか?」今は亡き家元・立川談志師匠がよく披露されていた枕、というか小話(笑)。最後の「……土左衛門じゃねえのか?」の……のところの間が絶妙なのです。時事ネタを枕に多く盛り込む落語家さんも多いです。枕ばっかりで舞台を下りる落語家さんもいるほどで。談志師匠も枕の長い人でした(笑)。■談志師匠が来ない「前座の時に談志師匠と2人でディナーショーの営業へ行きました。前座の私が1席やって、うちの師匠が2席やってお客さんから1万5,000円取ろうという、お食事付きで、という会だったんです。で、うちの師匠にお先に勉強させていただきますと言った時にうちの師匠がお風呂に入っていたんですね。わかったオレが行くまでやってろって……2時間半来なかったことがあります」もはや立川一門の大看板になっている立川談春師匠がテレビ番組『落語のピン』(フジテレビで1993年放映)で披露した枕です。ヒドイでしょう?枕が面白い芸人さんは本物ですね。枕にはその人にセンスが如実に現れるからです。みなさんも寄席に行って笑えるお話を聞いてみませんか?(高橋モータース@dcp)
2012年10月28日落語ブームが深く静かに続いています。長瀬智也主演のテレビドラマ『タイガー&ドラゴン』(2005年)以降、若いファンも徐々に増え、その人たちがさらに周りの人を巻き込んでいるようです。でも、行ったことのない人にとって、落語を聞くために「寄席」に初めて行くことは敷居の高いことでしょう。初めて行ってもまごついたりしないよう、寄席の作法をお教えしましょう。●寄席のある場所落語などの演芸をやっているところを「寄席」と呼びますが、寄席は次のようなところにあります。東京・新宿三丁目の『末廣亭』東京・浅草の『浅草演芸ホール』東京・池袋の『池袋演芸場』東京・上野の『鈴本演芸場』東京・上野の『お江戸上野広小路亭』東京・三越前の『お江戸日本橋亭』東京・両国の『お江戸両国亭』東京・半蔵門の『国立演芸場』神奈川・横浜の『横浜にぎわい座』大阪・天満の『天満天神繁盛亭』愛知県・大須の『大須演芸場』富山県・富山『ほくほくスペースてるてる亭』いつも落語をやっているわけではないですが、落語のプログラムを組んだりする演芸場はほかにもあります。また落語家がお寺でやったり、飲み屋でやったりますから、結構落語はあっちこっちで聞けるものなんです。●落語のほかにもやってます寄席でやっているのは実は落語だけではありません。漫才や手品、曲芸などの「色物」(いろもの)と呼ばれる演芸も一緒に寄席でやっています。落語を聞きに行くと、ほかの演芸も一緒に見られます。お得ですね。●毎日やっています寄席は毎日やっています。まずは前座(ぜんざ)さんの落語から始まって、コント、手品があって、二つ目(ふたつめ)さんの落語、曲芸があって真打ち(しんうち)落語家でおしまい……という風にプログラムが組まれていて、これを1日に2回やります。「昼の部」のプログラムは正午から、「夜の部」は午後5時からというのが多いです。5分前には席についていたいですね。もちろん、前座のヘタな落語はいいや、と思う人は途中から寄席に入ってもいいんです。●演目は10日ごと交代演目は月に3回変わります。上席(じょうせき)は1~10日、中席(なかせき)は11日~20日、下席(しもせき)は21日~30日です。各10日の間は基本同じプログラムです。どの落語家さんが出るか、というのは各寄席のスケジュールを確認するといいでしょう。最近では上席、中席、下席の内容をホームページで確認できます。●寄席の入り方イベントホールなどで開催される落語は別ですが、寄席の場合、チケットを予約したりなんてことは要りません。入り口で料金を払ってそのまま入ります。このお金を木戸銭(きどせん)といいます。木戸銭は寄席によって異なります。例えば、筆者がよく行く末廣亭の場合には、大人2,800円、シニア2,500円、小学生1,800円です。大阪・天満の繁盛亭は昼席は、大人2,500円、シニア2,000円、小学生1,500円となっています(夜席は日によって変動)。3,000円あればどこの寄席に行っても「まあ大丈夫」って感じです。●いつ入ってもいいです寄席にはいつ入ってもいいです。昼席は正午スタートですが、別に午後1時27分といった中途半端な時間に入っても構いません。最初の方の、前座さんたちの落語が見られないだけなので(笑)。また寄席から出たらダメですが、客席はいつ出入りしても、何回出入りしてもいいです。噺の途中で出たりすると、落語家が自信を失ったりするので、それは止めた方がいいですが(笑)。●立川流の落語を聞きたい人は!先日、家元・立川談志師匠が亡くなった立川流の一門は寄席には出演しません。昔、立川談志師匠が落語協会から脱退した際に、寄席には出られなくなっているのです。なので、立川一門の落語を聞きたい場合には、演者が出演する「独演会」、「一門会」などのスケジュールを自分で調べてチケットを取らなければなりません。談志師匠なきあと、立川志の輔、立川談春、立川志らく、立川談笑の4トップ、人気落語家のチケットは非常に取りにくく、もはやプラチナチケットとなっています。●フラッと入ってぐーたらする寄席はフラっと入ってぐーたらするのに最適な場所だと自信を持って言えます。やってる落語家の腕がもうひとつで眠くなったら寝ればいいんです。本当にうまい落語家の噺は客を眠らせたりしませんから(笑)。席に座って、入れ替わり立ち替わり登場する落語家の噺を聞いていると、毎日の面倒なことがぼーっと遠くへ去っていくのがわかるでしょう。面白い話芸を堪能し、笑えて、脱力できる。これは寄席だから味わえることです。みなさん寄席に行ってみませんか?(谷門太@dcp)
2012年08月25日故・立川談志師匠が客席に向かって「なんでも言ってみろ。かたっぱしからシャレてやらぁ」と言いました。フジテレビで放映されていた『落語のピン』という番組収録時の話であります。客席から「キムチの盛り合わせ!」と声がかかります。師匠はすぐさま女性の様をまねながら、「あたしの気持ちの盛り合わせがつかないわよ」とシャレてみせました。見事です。よく考えると「気持ちの盛り合わせ」ってなんだよ、と思いますけれども(笑)。悲鳴が出るまでダジャレを出してみました。ダジャレ、地口、語呂合わせはギャグの基本です。不肖・谷は『ドパミン』というお笑いサイトで毎日ダジャレを3つずつ出すという連載をやっております。もうアタマはダジャレ脳です。このダジャレ脳でダジャレを連発してみます。●マッカーサー懸垂 (マッカーサー元帥)●ニートソース (ミートソース)●ニートパイ (ミートパイ)●ニートボール (ミートボール)●女装をつけてジャンプ (助走をつけてジャンプ)●出るクエは打たれる (出る杭は打たれる)●メールの受信トイレ (メールの受信トレイ)●ガンプラうどん (てんぷらうどん)●焼肉ハイキング (焼肉バイキング)●旅の恥はかき揚げ (旅の恥はかきすて)●灯台モトクロス (灯台もと暗し)●UMAが合うね (ウマが合うね)●口臭街道 (甲州街道)●すずめの子、そこのけそこのけUMAが通る (おうまが通る)●するめほしいか?●育児なし! (意気地なし)●こっれくらいのモヘンジャダロに (これっくらいのお弁当箱に)●三人寄ればもんじゃの知恵 (文殊の知恵)●イイクニ作ろうキャバクラ幕府 (鎌倉幕府)●葛飾ハクサイ (葛飾北斎)●松茸のロビン蒸し (土瓶蒸し)●ジキル博士とバイト (ジキルとハイド)●センサー万別 (千差万別)●お気のドッグに…… (お気の毒に)●毛根がもうこんなことに……●ああ言えばForYOU! (ああ言えばこう言う)●性格のスイッチで別れました (性格の不一致で別れました)本日はここまで(笑)。(谷門太@dcp)
2012年07月21日映画『忌野清志郎ナニワ・サリバン・ショー 〜感度サイコ―!!!〜』の“大江戸プレミア”が11月24日(木)に都内劇場で開催され、生前から清志郎さんと親交があり映画にも出演しているお笑い芸人の間寛平とその息子でミュージシャンの間慎太郎が出席。親子揃って清志郎さんの名曲「雨上がりの夜空に」を熱唱し、生前の思い出を明かした。斉藤和義に竹中直人、Chara、トータス松本、松たか子、「ゆず」など錚々たるメンバーが集結した本作。清志郎さんが3度にわたって行った伝説的ライヴ「ナニワ・サリバン・ショー」の映像を交えつつ、2011年のある日のとあるドラマを描き出す。熱唱を終えて寛平さんは「歌、下手やのに息子と一緒に歌って恥ずかしいですわ(笑)」と照れくさそう。慎太郎さんは「父親が合いの手を入れてくれたので歌いやすかったです」と笑顔を見せた。元々、清志郎さんと家が近所だったことで親交が始まったという寛平さん。「食事に行くとこが同じで、そこのおばちゃんに『清志郎さん好きだから会わして』って頼んだんです(笑)。『歌作ってくれへん?』って言ったら『いいよ』って言ってくれて、できたのが『ジャングル野郎』って曲。サハラ砂漠マラソンのときも、もう限界ってときにスタッフが『清志郎さんも応援してくれてるよ』ってビデオを見せてくれたんですが、それもライヴで客に『ダチがサハラ砂漠を走ってるから応援してやってくれ!』って言ってビデオに撮ってくれたんです。ロック界のキングなのに、何でこんなに優しいのかと思った」と感激のエピソードを披露。慎太郎さんは2007年にアルバムを発売した際、ある企画で清志郎さんにコメントをもらったそうで「体調崩されて退院したばかりだったんで難しいかなと思ってたら、『やるやる』と。清志郎さんのアイディアで花やしきで乗り物に乗りながら感想を語ってくださったんです。愛のある方でした」と思い出を語った。映画に関しては2人とも完成した作品をこれから初めて観るそうで、全く全貌が分からないとのこと。「通天閣のとこに行って、監督から『とりあえず走ってくれ』と言われて走っただけ。どうなってるのかさっぱり分からない(笑)」と寛平さんが言えば、慎太郎さんも「僕は『うどんを食べて』と言われただけです」。2人を含め、豪華な顔ぶれがどんな演技を見せ、どんな物語になっているのか楽しみなところだ。報道陣からは昨日、逝去したことが発表された立川談志についての質問も出たが、寛平さんがレギュラーで出演していたTVトーク番組「いつみても波瀾万丈」に立川さんがゲストで来場したことがあったそうで、「何て魅力のある方なんだと思い、教えてもらいたい、勉強させてもらいたいと感じた。一緒に飲みたかった」とその死を悼んだ。『忌野清志郎ナニワ・サリバン・ショー 〜感度サイコ―!!!〜』は11月26日(土)より梅田ブルク7、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:忌野清志郎ナニワ・サリバン・ショー 〜感度サイコ―!!!〜 2011年11月26日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© 2011「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー〜感度サイコー!!!〜」製作委員会
2011年11月24日『カーズ2』ブルーレイのCMに夫婦揃って出演する落語家の林家三平と女優の国分佐智子が11月23日(水・祝)、都内で開かれたブルーレイ発売記念イベントに出席した。10月に披露宴を挙げた2人だが、揃って公の場に姿を現すのは結婚後初めて。三平さんはタキシード、国分さんは「ハートをイメージした」という全身真っ赤なドレスで、三平さんは「『不思議の国のアリス』から抜け出してきたよう!」とドレスアップした妻を絶賛した。夫婦で共演したCMについては三平さんが「佐智子さんはやっぱり女優さん。ちゃんとストーリーがあって、それを観て演技しないといけないと教わりました」と言えば、国分さんは、夫のサンタ姿について「似合ってました」と笑顔でふり返った。10月の披露宴ではウェディングケーキはなかったが、この日は2人のために『カーズ2』をイメージしたケーキが用意され、念願のケーキ入刀が行われた。手を取り合ってナイフを入れると、国分さんは「ドキドキしましたが、夢がかないました」と嬉しそうに語った。結婚生活に話が及ぶと三平さんは「佐智子が洗濯してくれるし、アイロンをかけている姿を見ると『嫁もらってよかった』と思います。ありがたいお嫁です」と内助の功を強調!子供についても三平さんは「早く作りたい。いますぐにでも欲しい。一人目は女の子で2人目は男の子がいい。男の子なら噺家になってほしい」と語り、幸せそうに国分さんと見つめ合っていた。報道陣から立川談志さんの訃報を伝えられると、そこで初めて知ったという三平さんは「体調を崩されているとは聞いてましたが…」と沈痛な表情。「僕たち噺家にとっては宝のような方。『三平、しっかり落語やれよ』と声を掛けていただいたことがありました。父と同じ世代の方ですから(存在は)大きいです」とポツリポツリと語った。『カーズ2』ブルーレイ&DVDは12月2日(金)より発売開始。<セル>『カーズ2』Blu-ray&DVD・「3Dスーパー・セット(4枚組/デジタル・コピー&e-move付き)」[ブルーレイ]価格:6,090円(税込)・「ブルーレイ(3枚組/デジタル・コピー&e-move付き)」価格:3,990円(税込)・「DVD+ブルーレイセット」価格:3,990円(税込)・「コンプリート・ボックス(5枚組/完全数量限定3,000セット オンライン限定商品)」[ブルーレイ]価格:20,790円(税込)・「カーズ1&2ブルーレイセット(3枚組)」価格:7,140円(税込)※期間限定出荷発売日:12月2日(金)・「DVD」価格:3,360円(税込)発売日:2012年1月18日(水)※ブルーレイ3D、ブルーレイ、DVD同時レンタル開始、オン・デマンド同日配信開始発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン公式サイト:Cars2.jp© Disney/Pixar■関連作品:カーズ2 2011年7月30日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© Disney/Pixar■関連記事:マックイーンほかキャラ全員集合の超豪華『カーズ2』パズルを5名様プレゼントまるで『007』?『カーズ2』冒頭の激しいカーアクション映像を独占入手!ぐっさん、ピクサー特製アロハにツッコミ「『ゴーゴー!止まれ』ってどっちやねん」『カーズ2』の世界をエアー遊具で満喫!各地で「カーズ・プレイグラウンド」展開『ハリポタ』V2でシリーズ1,000億超えか?全米ではあのアメコミ映画が1位に
2011年11月24日