米Googleがフライト検索サービス「Google Flights」をアップデートした。同サービスの利用者は、ビジネスユーザーよりも一般の旅行者が多い。Googleによると一般の旅行者の多くは行き先や期間を決めずに旅行プランを練り始め、面白そうな場所やイベント、安い航空券が見つかったら柔軟に変更している。同社は2013年7月に、行き先を都市で絞り込まずに「ヨーロッパ旅行」「メキシコ旅行」というように地域や国から幅広く検索できる機能をフライト検索に追加した。すると、検索数が倍増したという。新しいGoogle Flightsでは、ユーザーが柔軟に旅行プランを立てられる機能をさらに強化した。例えば、検索結果は月カレンダー上に各日の最安価格を表示して比較できる。旅行期間を柔軟にスケジュールできる場合に、リーズナブルな価格で旅行できる期間を絞り込むのに役立つ。最安価格はグラフ表示することも可能。季節、曜日、祝祭日、イベントなどで航空券の価格が変わる様子を把握できる。検索は、往復/片道/複数都市の選択、乗り継ぎ回数、価格帯、航空会社、出発・到着の時間帯などで絞り込める。またユーザーの検索に対して、旅費を節約できる方法 (指定期間以外のフライト、別の空港の利用など)があったら、そうしたTipsが結果のトップに現れる。マップ表示に切り替えて、行き先の都市をクリックしながら航空券の価格をチェックすることも可能だ。この方法だと世界中の都市への旅行を次々に比較できる。迷ったら、マップ表示で「I’m Feeling Lucky」ボタンを押すと、人気の高い行き先や検索履歴からおすすめを表示してくれる。Googleによると、Google Flightsで最安チケットを選択しているのは10人中4人。最安フライトで移動時間が長くなる場合、10人中2人に減る。多くの利用者は価格と利便性のバランスで選んでおり、85%がGoogle Flightsのベストフライトの1つを選んでいるそうだ。
2015年02月26日米Pebble Technologyは24日、クラウドファウンディングサイトのKickstarterで、同社の最新スマートウォッチ「Pebble Time」を発表し、資金調達を開始した。調達開始から支援者が殺到し、執筆時(日本時間25日12時30分)で3万4000人以上となっている。目標額も50万ドルに対し、調達額はすでに720万ドルと14倍以上が集まっている。Pebble Timeはカラーのe-paperディスプレイ技術を用いたスマートウォッチで、この分野の課題とされるバッテリ持続時間は1回の充電で最長7日間、つまり1週間としている。インターフェイスも一新し、マイク搭載により音声コマンドも可能となった。カラーe-Paper画面について同社は、通知や画面が読みやすい上、LCDやOLEDと比較して省電力である点を優位性にあげている。音声による入力も特徴で、通知に音声で答えたり、音声によるメモを作成できる。音声応対は当初、AndroidではSMS、Hangouts、Gmail、Facebook Messenger、Whatsappなど主要なアプリで利用できるが、iOSはGmailの通知のみに対応しているという。今後対応アプリを拡充すべく作業をしているとのことだ。インターフェイスでは新たな"タイムライン"インターフェイスを導入、利便性を改善すべくアプリによるアプローチから、過去、現在、未来の時間ベースのアプローチに軸を変えた。これまで別々のアプリに格納されていた通知、ニュース、リマインダ、イベントなどは時間ベースで整理され、タイムラインがカレンダー、アラーム、アプリなどとやりとりすることで、1クリックで次を表示したり、逆方向へのスクロールにより過去のメールを見るなどのことができるという。タイムラインでは迅速なアクセスのために、必要に応じて動的にアプリを読み込んだりキャッシュする機能も加わり、多くのアプリにストレスなくアクセスできるようにした。タイムラインにアプリを追加するための”ピン”機能もあり、重要なイベント、天気情報や交通情報などを見逃さないよう設定できるとしている。外観も洗練され、従来の製品と比較して20%薄くなり、腕にフィットするように緩やかなカーブを持つ。レンズは傷防止加工が施されたGorilla Glassを搭載し、ステンレススチールのベゼルで囲んだ。防水加工もされている。色は黒、白、赤の3色展開で、同色のシリコン素材のベルトが付く。自分の好きなベルトにかえるためのピンも付属する。Kickstarterでは、小売価格199ドルを159ドルで得られる枠1万人分が完売、179ドル枠は3万人に対し残り1万人を切っている。2セットを338ドルで得られる枠、5セットを845ドルで得られる枠、さらにはディストリビューター向けの3色を各10セットの5000ドル枠、など用意したすべての枠に入札されている。プロジェクトは3月28日まで、製品の出荷は2015年5月の予定だ。Pebbleは3年前にKickstarterで生まれた経緯を持ち、初代のスマートウォッチには1030万ドルを調達、いまだにクラウドファウンディングの成功例として語られている。その後、小売店などでも発売されるようになったが、そんな同社が第3世代となる最新のスマートウオッチを再びKickstarterで展開するのは興味深い。スマートウォッチ分野では、Appleの「Apple Watch」の登場が迫っており、これにより市場が大きく変化することが予想されている。Pebbleはプロジェクトのページで、「あなた方の圧倒的なサポートとフィードバックが現在のPebbleを形作った。われわれは、自分たちのウェアラブルへのビジョンをサポートするチャンスを提供し、最新製品に独占的にアクセスできるようにするため、Kickstarterに戻って来た」と記し、最初からの支持者を重視する姿勢を見せている。
2015年02月25日米Microsoftは2月24日(現地時間)、新たに「OneDrive API」を公開した。同APIを利用することでアプリ開発者はファイルやフォルダを管理するオンラインストレージとしてOneDriveをアプリに統合できる。Windows、iOS、Android、Webをサポートする。同社はOneDrive APIのページを設けて関連するドキュメントやコードサンプルなどを提供している。OneDrive APIはMicrosoftが同社のアプリで使用しているのと同じAPIだ。OneDrive担当のプリンシパルプログラムマネージャーであるRyan Gregg氏は「全ての開発者がOneDriveの全ての機能にアクセスでき、プラットフォームが発展し続けるための土台としてOneDrive APIを提供する」と述べている。OneDriveへの高速なアクセスを提供するほか、以下のような機能を含む。ファイルやフォルダの変更を取得して、複数のファイルセットを最小限のコールで同期。HDビデオなどサイズの大きなコンテンツでも最大10GBまで対応、断片的なアップロードで中断・再開が可能。アプリとOneDriveで統合的な体験が得られるようにサムネイルイメージのカスタマイズをサポート。OneDrive APIはOneDriveプラットフォームへのアクセスを広げる大きな前進であるが、Gregg氏は「始まりに過ぎない」と述べている。OneDriveに関して同社は他にもたくさんの改善と新機能開発に取り組んでおり、2015年を通じて継続的にリリースするという。
2015年02月25日米Googleは19日(現地時間)、AndroidスマートフォンやiPhone向けアプリとして提供していたメールアプリ「Inbox」が、iPadやAndroidタブレットに対応したと発表した。合わせて、Web版でサポートしていたGoogle Chromeに加え、FirefoxとSafariにも対応した。Inboxは、2014年10月に提供を開始したメールアプリ。カテゴリごとにメールを仕分ける「Bundles:バンドル」、重要なメールを優先表示する「Highlights:ハイライト」、To-Do機能「Reminders:リマインダ」、受信したメールを先送りして再度受け取れる「Snoozes:スヌーズ」などの機能により、ユーザーがメールを効果的に処理できる機能を備えることが特徴となる。なお、同アプリは現在招待制で提供中。他のInboxユーザーのほか、Googleの招待用メール(inbox@google.com)に申請することで、同アプリを利用できるようになる。
2015年02月24日米Googleは23日(現地時間)、キッズ向けのYouTubeアプリ「YouTube Kids」を、米国向けGoogle PlayおよびApp Storeで無料公開した。対応OSはAndroid 4.1以降、iOS 7.0以降。大きなボタンや簡易操作によるフルスクリーンなど、Googleが子供向けに「遊び心のあるデザイン」で作り上げたアプリ。子供が安全にYouTubeを利用できるような配慮もなされている。アプリでは、「セサミストリート」(Sesame Street)や「きかんしゃトーマス」(Thomas and Friends)など、年齢に応じた動画やチャンネル、プレイリストを絞り込んで登録している。ホーム画面はShows、Music、Learning、Exploreの4種類にカテゴライズされ、カテゴリに沿った内容の動画を楽しめる。また、文字入力ができない年齢の子供でも使えるよう、音声検索も搭載した。ペアレンタルコントロール機能は、各家庭で基準が異なるとして、オプションとして搭載。視聴時間を制限できるタイマー設定、バックミュージックや効果音をオフにできるサウンド設定、検索機能をオフにできる設定などを備える。ユーザーからのフィードバック機能も用意する。
2015年02月24日米Google傘下のYouTubeは2月23日(現地時間)、子供用のYouTubeアプリ「YouTube Kids」(Android、iOS)の提供を米国で開始した。子供が安全にYouTubeを利用できるようにデザインされており、子供をユーザー対象にゼロから設計したGoogle初の製品でもある。YouTube Kidsは、保護者がアクセスする設定を含めて全てがシンプルで分かりやすいデザインになっている。ボタンやアイコンは大きく、押すとユニークなサウンドが鳴り、またホーム画面では子供向けのバックグラウンドミュージックが自動的に再生される。ホーム画面にはYouTubeが選んだ子供のためのチャンネルやプレイリストが大きなサムネイルで並ぶ。ホーム画面は「Shows (番組)」「Music (音楽)」「Learning (学ぶ)」「Explore (探す)」の4つのカテゴリに分類されており、上部に配置された大きなボタンでカテゴリを切り換えながらブラウズする。番組は「Sesame Street」「DreamWorksTV」「きかんしゃトーマス」「ぽこよ POCOYO」など。音楽は「Lullaby World」「Mother Goose Club」など。ラーニングには幼児向けよりも子供向けのコンテンツが多く、「TED-Ed」や「Khan Academy」などを含む。エクスプロラーには「LEGOチャンネル」や「EvanTubeHD」など、子供や保護者に人気の高いチャンネルが並ぶ。検索機能を使うと、YouTubeからさらに多くのコンテンツにアクセスできる。検索には安全フィルターが適用されているが、人の手によるフィルタリングではないため、Googleは100%の安全を保証していない。そのため保護者が検索を無効にできるオプションを用意している。コンテンツ画面もシンプルで、下に再生/一時停止ボタンと時間バーが表示され、再生画面をタップするとフルスクリーンに切り替わる。オプションは、字幕のオン/オフ、不適切なコンテンツの報告の2つのみ。コメント機能もない。ただし、コンテンツによっては子供向けの広告が表示される。保護者がアプリをコントロールするオプションは、検索機能のオン/オフ、視聴時間の制限(タイマー機能)、バックグランドミュージックとサウンド効果のオン/オフなど。YouTubeはYouTube Kidsを「家族向けYouTubeの最初の一歩」としており、今後さらに家族向けの製品を充実させるとしている。
2015年02月24日米Googleは2月23日(現地時間)、米国の通信キャリアであるAT&T Mobility、T-Mobile USA、Verizon Wirelessと提携し、同社が提供しているオンライン決済サービス「Google ウォレット」を3社のAndroidスマートフォンにプリインストールすると発表した。Google ウォレットがプリインストールされる端末は、今年後半に販売されるKitKat以降のバージョンのAndroidが稼働するスマートフォンとなる。Google ウォレットは2011年に発表された、NFCに対応したスマートフォンをカードリーダーにタッチすることで、決済が行えるサービス。サービス開始当初は、米Sprintが販売する端末でのみ利用が可能だった。あわせて、Verizon Wireless、AT&T、T-Mobileによって設立されたモバイル決済会社である「Softcard」との提携も発表された。これにより、GoogleはSoftcardが有する技術と知的財産を手に入れることになる。モバイル決済サービスは、Appleが昨年に、iPhone 6/6 PlusとApple Watchで利用可能な「Apple Pay」を発表してから、注目を集め始めている。今月には、韓国Samsung Electronicsがモバイル決済サービス「LoopPay」を買収したことを発表、モバイル決済市場への参入を表明しており、今後、ますます競争が激化することが見込まれる。
2015年02月24日米Googleは現地23日、AT&T Mobility、T-Mobile USA、Verizon Wirelessの米大手携帯電話事業者3社およびその合弁会社のSoftcardと提携したと発表した。同社のGoogle Commerceブログで明らかにされた。今回の提携により、より多くのAndroidデバイスユーザーがデバイスを用いた決済(タップアンドペイ)の恩恵を受けられるとしている。また、タップアンドペイ機能を含むGoogle Walletアプリが今年後半に米3キャリアで販売されるAndoridスマートフォンにプリインストールされることも明らかにされた。さらに、今回の提携により、Google Walletの機能を向上させる技術・知的財産を獲得したとブログではリポートしている。Googleは2011年からAndroidスマートフォンを使った決済サービス「Google Wallet」を提供しているが、サービスを取り巻く環境は厳しかった。使い勝手の悪さが指摘され、使用場所も限定的で、これまでは今回提携したSoftcardの提供サービスと競合状態にあったことなどから、利用者数は伸び悩んだ。一方、携帯3社とSoftcardも、NFC決済サービスの「Softcard」の利用が進まず、苦しい戦いを強いられていたようだ。そうした状況の中で、Goolgeが新たに携帯3社と手を組み、Appleが昨年10月から決済サービス「Apple Pay」に対抗していくことになる。今後は決済サービスを巡って「Google連合 VS Apple」という新たな構図で語られることになりそうだ。
2015年02月24日米AMDは23日(現地時間)、米国・サンフランシスコで開催されているISSCCにおいて、同社の次世代SoC「Carrizo」(開発コード名)の詳細を明らかにした。これに先立ち電話会議の形で説明会が行われたので、その内容をまとめてお届けしたい(Photo01)。ちなみにISSCC(nternational Solid-State Circuits Conference:国際半導体回路会議)という名前からもわかる通り、今回の発表内容はCarrizoで利用された回路技術がメインであり、製品のロードマップなどは出てこないことをあらかじめお断りしておく。○「Carrizo」の概要をおさらいPhoto02がCarrizoの概略である。新開発のCPUコア「Excavator」に、DirectX 12対応のGPUコア、それにARM TrustZone対応のSecure Processorを統合した構成である。またこのスライドには無いが、製造プロセスは28nm(Foundaryは後の質問でも非公開とされたが、おそらく引き続きGlobalFoundriesであろう)である。また、「Carrizo」ファミリとしては、CPUコアに「Puma+」を採用した「Carrizo-L」もラインナップされる。このあたりの情報については2014年11月にお伝えした通りだが、このときの説明ではCarrizoとCarrizo-Lが完全に同じインフラで動作することを強調していた。チップセットを内蔵するという時点でVRM(Voltage Regulator Module:電圧レギュレータモジュール)以外の仕様は当然同じになるし、VRMの仕様も事実上フォームファクタで決まる。このことからもインフラは同じとして差し支えはないだろう。ただ、CarrizoとCarrizo-Lが同じインフラを使うとなると、メモリはCarrizoとCarrizo-Lともにシングルチャネルなのか、あるいはデュアルチャンネルをサポートするのか、それとも信号ピンは2ch分用意するが、Carrizo-Lでは1ch分のみを有効とするのかなど疑問が出てくるが、この情報だけでは判断できない。○高密度で低消費電力な設計を採用さて、ここからが今回の具体的な発表内容である。CarrizoはMobile向けに15~35Wという低いTDPの枠で動作する関係で、絶対性能ではなく性能/消費電力比を向上させることがメインテーマのProcessorだ。AMDはこのテーマに向けて、CarrizoでLibraryを従来のHP(High Performance)からHD(High Density)に切り替えた(Photo03)。Libraryとは何か? を簡単に説明しておけば、半導体回路の設計において良く利用される回路をまとめてものだ。一般的にはCell LibraryとかStandard Libraryなどと呼ばれるが、これは基本的にFoundaryが提供する。Photo04は、ARMが自社のCortex-AプロセッサをFinFETで実装する際にどんな選択肢があるのか説明した際の概略である。左にあるのがStandard Cellのバリエーション、右がそのバリエーションごとの性能特性である。グラフはTrack数(図でいえばStandard Cellの高さにあたる)と動作電圧(LVT/HVT/RVT)でどう特性が変わるかをおおざっぱに示したものである。ここで議論に関係するのはTrack数である。Photo04の左側では、Standard Cellの縦横に配線が交差しているわけだが、高さ(Track数)というのは要するに横方向の配線が何本入るかにあたる。グラフでは12T(12 Track)と9T(9 Track)での比較となっている。昔は16Tとかあったが、最近の先端プロセスでは12Tもだんだん使われなくなり、現在では10.5T/9T/7.5Tあたりが主流になってきている。さて、Track数が多いほど、1つのStandard Cellに多くの機能を持たせることができる。これによって、Pipeline 1段あたりのStandard Cell数を減らせるので、結果として高速動作に有利となる。ただし多くの機能を持たせられるというのはその分無駄が出るということでもあり、エリアサイズはむしろ増える方向にある。逆にTrack数を減らすと、機能も減らさざるを得ないから、Pipeline 1段あたりのCell数が増えることになり、高速動作には不向きとなる。しかし、Cellそのものの無駄な機能が減り、エリアサイズの節約になる。従って、CPUなどの動作速度が速い回路には12Tなどの大きめのStandard Cellを、GPUなどの速度はやや低いものの回路規模が大きなものには9Tあるいは7.5Tといった高密度なStandard Cellを利用するのが一般的な考え方になる。Photo03でいうとTrack数の多いStandard CellのLibraryがHigh Performance Libraryで、少ないStandard CellのLibraryがHigh Density Libraryにあたる。話を戻すと、Kaveri世代まではCPUにHP Libraryを採用していたが、CarrizoではこれをHD Libraryに切り替えた。その結果、FPUやFMACなどは、Kaveriと比較して30%以上面積を削減できたとする。実際にプロセッサ部のダイ写真を比較するとこれは明白である。また、ある閾値(Photo03の場合、2コアで20Wを閾値としている)で同じ動作周波数になるようにKaveriとCarrizo(というか、SteamrollerとExcavator)を設計した場合、その閾値より下では性能/消費電力値が最大23%改善しているとする。動作周波数が低ければ、エリアサイズの縮小はそのまま配線の長さを短縮することにつながる。これは配線抵抗による消費電力低減になるし、その分コア電圧も落とせるから消費電力を低減する効果もあるというわけだ。Photo05の左のグラフは、どんな特性のトランジスタを利用したかの比率である。縦軸のIoffはトランジスタがOffの場合の電流(要するにリーク電流)の多さで、横軸のIonはトランジスタがOnの場合の電流値となっている。CarrizoではKaveriと比べてIon電流が多少減ってもIoff電流を下げる、つまりリーク電流を減らす方向にトランジスタをシフトさせている。また、CPUとGPUを統合したAPUでは、CPUをHP Library、GPUをHD Libraryで分けて作るというのは設計ツール側の問題で不可能だった。そのため、これまではGPUもCPUと同じくHP Libraryで構成されていた。ところがCarrizoではCPUにHD Libraryを使うことで、GPUもHD Libraryを利用することが可能となり、結果として最大で20%の消費電力削減が可能になったとしている。○電圧管理機能を強化Carrizoで、新しく追加された機能としてVoltage Adaptive Operationも紹介された(Photo06)。これは何か? というと、供給電圧が高い場合に、一瞬動作周波数を下げて供給電圧を正規に戻すという仕組みである。一般論として、マザーボード上に搭載されたVRMは、電圧を規定よりも若干(10%程度)高めに供給する傾向がある。電圧で10%増しなら電力では20%増しになり消費電力の増加につながる。これを抑えるために、CarrizoではCPU内部に精密な電圧センサを搭載し、一定時間以上基準値より高い電圧供給が続いたら、一瞬だけ動作周波数を落とす動作をとる。昨今のVRMは動作周波数に応じて電圧を可変する仕組みがあるから、これによって周波数が一瞬下がると、それに伴い電圧も下がり、そこから正規の電圧に復帰することになる。これによって、CPUが最大19%、GPUも最大10%の消費電力節約が可能になるとしている。また、2つのExcavator Moduleに対して合計で10のAVFS(Active Voltage Frequency Scaling)モジュールが搭載され、合計で500カ所で動作周波数の測定を行うほか、AVFSモジュールが測定したデータによってCPUの動作を最適化しているという。AMDはこのVoltage Adaptive Operationと、先に述べたHD Libraryの併用により、動作時の大幅な消費電力削減が可能になったと説明する。○S0i3ステートを追加さて、これに加えてCarrizoではS0i3ステートの実装も行われた(Photo08)。BoostあるいはActive Sustainedというのは稼働中であり、Carrizoの場合であれば製品のTDPは15~35Wとされる。この時には内部の全コンポーネントが稼働する。ここでIdleになると、CPU CoreとGraphicsがPower Gatingにより電源供給が止まる。ただしその他の周辺回路は引き続き保持されているし、CPU/GPU向けのPLL(クロック生成)はとまっているが、周辺回路向けはまだ稼働している。AMDによれば、この状態での消費電力おおむね1.5W未満である。S0i3では、ここからさらにI/OのほとんどとNorthbridge機能、PLLも落とすもので、この段階では50mW未満の消費電力まで削減されるという。ACP/FCHとI/Oの一部が残るのは、どこかに「再び起動する」ための回路を残しておかないと、電源スイッチを入れ直さない立ち上がらなくなってしまうためで、PCでいえばキーボード/マウスが繋がるUSBコントローラ、あるいはMobile向けのConnected Standbyならモデムからの割り込み要求を受ける部分だけは残しておく必要があるためである。ちなみにS0i3からS0への復帰時間は数msのオーダーだとのことである。○絶対性能は向上はどの程度か?次のスライド(Photo09)は2014年のAMD Future of Computing 2014でも公開されたものだが、左のEnergy Efficiencyのグラフは初出であって、CarrizoはKaveriの2倍近い性能/消費電力比を実現するとしている。では絶対性能は? ということで最後にちょっとだけ出て触れられた(Photo10)。まずCPUコアは、IPCの改善は5%程度とされており、この面での改善はあまり期待できそうに無い。H.265に関しては、ハードウェアでDecoderを搭載しており、GPU側でEncodeを行うことで、トータルで3.5倍のTranscode性能としている。GPUは、Kaveriが6つのCU(Compute Unit)で構成されたのに対し、Carrizoでは8つになることが明らかにされている。SP数でいえば512SPが最大構成ということだが、CUが6から8に増えたことで、単純に1.3倍の描画性能になるかどうかはメモリ帯域や動作周波数の関係もあるので、現時点ではなんとも言えないところだ。以上がISSCCにおけるCarrizoに関する発表の詳細である。考察というか、実際の製品に関する話は、また別記事であらためてお届けしたい。
2015年02月24日ユーグレナは2月23日、バイオ燃料精製実証設備の建設に向けて、米石油メジャーChevron U.S.A.とCB&I Technology Venturesの合弁子会社であるChevron Lummus Global(CLG)とバイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術を採用することに関する基本合意契約を締結したと発表した。バイオ燃料アイソコンバージョンプロセス技術とは、CLGと米研究開発会社のApplied Research Associates(ARA)が開発した独自のバイオ燃料製造技術。今回の基本合意は、バイオ燃料精製実証設備を建設するために必要な同技術ライセンスの付与などに関するものとなった。同技術の採用はアジアで初めてとの事で、2015年3月中にライセンス契約などの締結を実施し、その後バイオ燃料精製実証設備の設計、建設を開始する予定となっている。ユーグレナはミドリムシなどのバイオマスから抽出した油脂を国内でバイオジェット燃料に精製することを目指しており、今回の合意はその実現性を高めるものとなるとしている。
2015年02月23日米Appleが「iOS 8.3」の一般向け正式版のリリースを前に、パブリックベータ版が提供されるかもしれない。9to5macが本件に詳しい関係者の話として、現地20日に報じた。iOSのパブリックベータ版がリリースされれば、iOS史上初となる。パブリックベータ版の配布は、正式版のリリース前に、多くの人が利用することで、事前に不具合を発見し、正式版での動作の安定化に役立てる試みのこと。9to5macによると、3月中旬にパブリックベータ版が提供されるという。パブリックベータ版は、iOSの最新版を先んじて利用できるのがメリットとなるが、あくまでプレリリース版であり、動作が不安定な場合があることを認識しておきたい。iOS 8.3では、CarPlayのワイヤレス接続への対応、中国でのApple Pay対応、新しい絵文字キーボードの追加、Googleの二段階認証などとされる。一連の新機能が日本のユーザーにとって、iOSの大幅な機能向上につながるとは考えにくく、パブリックベータ版が提供されても、メリットとデメリットを考慮したうえで利用するか否かを決めたほうがいいだろう。
2015年02月23日米Appleが申請していた小型ディスプレイ搭載デバイスを使ったヘッドマウントディスプレイ(HMD)に関する特許が2月17日(現地時間)、米特許商標庁(USPTO)によって認められた。同特許はUSPTOのサイトで参照できる。似たようなアイデアはSamsungによって「Gear VR」の名称ですでに商品化が行われており、Appleがこうした仕組みにどの程度興味を持ち、何を考えているのかが注目ポイントとなる。今回認められた特許は申請番号が8,957,835で「Head-mounted display apparatus for retaining a portable electronic device with display」の名称がつけられている。特許の最初の申請日は2008年9月30日と古く、2世代目にあたるiPhone 3Gが発売されてすぐのタイミングにあたる。そのため、iPhoneだけでなくiPod touchなどのデバイスの利用も想定していた可能性がある。一方で、これだけiPhoneの普及台数と機能面での差異が特許申請当時から現在において非常に大きく、想定しているユースケースについてもGear VRなどのそれとは大きく異なっている可能性が高い。実際、特許で示されているものもデバイス(iPhone)とグラス型マウンターとの"電気的"な接続方法や、外部コントローラ(Apple Remoteのようなもの)による制御方法、Picture-in-Pictureのような形で複数のアプリを同時に実行して閲覧する方法など、純粋に映像を楽しむための視聴デバイスとしての"HMD"に着目しているように見える。これに対し、SamsungのGear VRはマウンターそのものは単なる「デバイスを固定するための箱」であり、Galaxy Note 4をはめ込むことで視点を調整する役割を果たしているに過ぎない。Gear VRは「Oculus Rift」を多分に意識したもので、実際にOculusとのコラボで実現したものだ。Oculusではデバイスの装着者が頭を動かすと、モーションセンサーがそれを検知して移動量や向きに応じて視点が変更される特性があり、非常に没入感が高い。例えばゲームであれば実際にゲームの世界で行動しているような感覚を味わえ、環境映像や映画コンテンツと連動させた場合、頭を動かすことで固定視点の映像では見られない風景が目に入ったりといろいろ応用が期待されている。最近のスマートフォンの場合、このOculusのようなVR(仮想現実)の世界を体験するのに十分なセンサーやスペックを備えており、Gear VRはそれを実践したものだ。これが、今回のApple特許が申請から認可までの6年半で業界で起きた、大きな変化だといえるかもしれない。
2015年02月20日今夏には初の長編映画『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』も公開される人気キャラクター“ひつじのショーン”が日本時間23日(月)に発表になる米アカデミー賞を予想する(!?)パロディポスターが公開になった。その他の写真ポスターは本年度のオスカー候補になっている『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『6才のボクが、大人になるまで。』のポスターを、ひつじのショーンがマネているもの。バードマンの主人公は少しだけ宙に浮いているが、ショーンはトランポリンの力を借りて撮影に臨んだようだ。どちらも、『ウォレスとグルミット』などで知られる英国の名門アニメーション工房、アードマン・アニメーションズが作成した愛らしい画像で、シリーズでも見られる遊び心が感じられるデザインになっている。今夏公開の長編映画では、ショーンのささいなイタズラがきっかけで牧場主が牧場を出てしまい、ショーンと仲間たちが牧場主を助けるために初めて大都会に出て冒険を繰り広げる。『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』7月4日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー『6才のボクが、大人になるまで。』公開中(C)2014 boyhood inc./ifc productions i. L.L.c. aLL rights reserved.『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』4月10日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー(C)2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
2015年02月20日米レッドハットは2月17日(現地時間)、OpenStackを使用したクラウドを構築するための基盤の最新版として「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform 6」の提供開始を発表した。新製品は、OpenStack Junoリリースをベースとしており、既存のデータセンター内においてOpenStackによる基盤構築を容易にする機能、キャリア間のネットワーク機能仮想化(NFV)デプロイメントを可能にする通信プロバイダーに特化した機能が追加されている。例えば、プロバイダとテナント両方のネットワークでIPv6に対応し、物理ネットワークとステートレスおよびステートフルモードのOpenStackNetworking(Neutron)仮想ルータにわたるIPv6アドレスの割り当てを可能にする。また、Cephによるブロックデバイスの完全サポートを含む新機能が、OpenStack Compute(Nova)とOpenStack Block Storage(Cinder)に追加されるため、「ディスクレス」のコンピュートノードと、新規仮想マシンのほぼ瞬間的なブートが実現される。SR-IOV(Single root I/O virtualization)が、新しいドライバによってサポートされ、ハイパーバイザおよび仮想スイッチのレベルをバイパスしてハードウェア上で直接ネットワーク・スイッチングを実行できるようになる。新製品では相互運用性を高める取り組みが行われており、Red Hat OpenStack Cloud Infrastructure Partner Networkには、275以上の認定OpenStackパートナーと、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform上での使用を認定された1000以上のソリューションが含まれることになる。
2015年02月20日米Qualcommは18日、高性能モバイル機器向けのSoC「Snapdragon」4製品を発表した。「Snapdragon 620」および「Snapdragon 618」には、英ARM社が現地時間2月3日に発表した最新64bit CPU「Cortex-A72」が統合されている。Cortex-A72は、64bitアーテキクチャの2世代目のプロセッサ。最大2.5GHzで駆動し、従来のCortex-A15比で、性能は3.5倍に向上し、消費電力は25%削減されるという。Snapdragon 620では4コアのCortex-A72(1.8GHz)と、同じく4コアのCortex-A53(1.2GHz)を採用するbig.LITTLE構成。Snapdragon 618でも同様に、2コアのCortex A72(1.8GHz)と、4コアのCortex-A53(1.2GHz)を採用する。いずれも、4K動画の撮影やHEVCハードウェアエンコーディングなど、既に発表済みとなる800シリーズの機能を、600シリーズとして初めて備え、Qualcommの急速充電技術「Quick Charge 2.0」も搭載する。「Snapdragon 425」および「Snapdragon 415」は、400番台で初めてオクタコアを備えたモデル。CPUはオクタコアのCortex A53を採用している。Snapdragon 620 / 618 / 425の搭載デバイスは2015年後半に、Snapdragon 415の搭載デバイスは2015年前半に登場する見込み。
2015年02月19日米Appleがハンドヘルドデバイスを用いたヘッドマウントディスプレイ(HMD)システムの特許を取得したことが、米特許商標局(USPTO)が公開した資料で明らかになった。17日に成立したAppleの特許は「Head-mounted display apparatus for retaining a portable electronic device with display」(US 8,957,835)。頭に装着するヘッドマウントデバイスにiPhoneのようなディスプレイを持つハンドヘルドデバイスを取り付けるHMDシステムと、その操作方法に関するものだ。考案背景の説明では、ディスプレイを備えたHMDとPCやモバイルデバイスをケーブル接続するシステムはケーブルが邪魔になって取り扱いにくく、またHMDとモバイルデバイスの両方がディスプレイを装備するというような機能の重複が生じると指摘している。そうした重複はシステム全体では、コスト、重量やサイズの無駄になる。Appleが考案したHMDシステムは2つのデバイスが直接コネクタ接続し、電気的にも一体化するコードレスシステムだ。ヘッドマウントデバイスにハンドヘルドデバイスを取り付けるとディスプレイの表示がヘッドマウント・モードに切り替わる。頭に装着したユーザーは、左右の眼の部分に配置された光学パネルを通じてハンドヘルドデバイスのディスプレイを見る。またApple Remoteのようなリモコンによる操作補助も想定している。Googleが昨年6月に開発者会議Google I/O 2014で「Google Carboard」を公開し、昨年末にCarl Zeissが「Zeiss VR One」、Samsungが「Gear VR」を発売するなど、すでにスマートフォン一体型のHMDシステムは目新しい仕組みではなくなっているが、Appleは17日に成立した特許を2008年9月に出願していた。
2015年02月19日米MicrosoftのOfficeチームは現地17日、サードパーティのクラウドストレージサービス事業者向けプログラム「Cloud Storage Partner Program」の立ち上げを発表、「Office for iOS」と「Office Online.」で外部クラウドストレージサービスとの統合をすすめることを発表した。すでに発表済みのDropboxとの提携に続くもので、さまざまなプラットフォームやサービスでOfficeを利用できるようにする"新しいOffice"戦略を進めるものとなる。今回の発表は、2014年11月に発表した米Dropboxとの提携に続くもの。Dropboxとの提携は、OfficeアプリからDropboxに保存されているファイルへのアクセス、編集、共有を容易にするものだが、さまざまなデバイス、プラットフォーム、サービスからOfficeを利用できるようにするという方向性をさらに進展させる。まずは、iPadとiPhone向けの「Office for iOS」で、クラウドストレージサービスのネイティブ統合を実現した。これにより、ファイルの場所として、米Appleの「iCloud」とBoxなどが表示され、選択できるようになった。Microsoftによると、同じような統合を「Windows 10」のユニバーサルアプリ、Android向け「Office for Android」でも提供すべく作業を進めていくという。また、無料で提供するブラウザ版の「Office Online」側でも、各種ストレージサービスとの連携を進める。ユーザーが各ストレージサービスに保存されているドキュメントにブラウザからアクセスして開き、閲覧し、編集できるようにするもの。Microsoftはこれらを進めるにあたって、パートナープログラム「Cloud Storage Partner Program」を立ち上げており、すでにBox、Citrix、Salesforceが統合に向けた作業を進めているという。今後もクラウド事業者を拡大する意向だ。Microsoftは、「小さな強化に見えるかもしれないが、これらの新機能はわれわれの顧客にとって大切なアプリやサービスとOfficeとの統合に向けた大きな一歩となる」と記している。
2015年02月18日■職人魂の酒造りを貫きながら新たな伝統を創造していく姿勢福光屋は、毎年9月にその年最初の米を蒸す蒸米甑立て(こしきだて)を行い、10月頃から3月頃まで新酒の仕込み、そして4月には最後の蒸米作業である甑倒し(こしきだおし)で酒造りを終える。7月には、土用洗いといって酒造りに使う道具すべてを洗浄。細かい機材はもちろん、タンクやホースなどにも及ぶため、今でもほぼ1ヶ月はメンテナンスと整備に費やす。さて酒造りには、多くの工程がある。中でも「一麹(こうじ)、二もと、三造り」と昔から言われるほど、麹づくり重要な工程だ。他の作業は機械化しても、麹は手作業という酒蔵は多い。福光屋でも吟醸麹は、昔ながらの手法で蔵人が2日間昼夜を分かたず麹づくりをしている。蔵内の仕込みタンクを覗いてみると表面に泡が広がっている。米麹が蒸米のでんぷんを糖化させ、酵母がその糖分をアルコールへと発酵させているからだ。これを「並行複発酵」といい、世界でも珍しく複雑な醸造方法だとか。この泡の様子を見ながら20日間から1ヶ月ほど発酵させて仕上げる。できあがった醪をしぼり、原酒と酒粕に分けるのが「上槽(じょうそう)」。しぼりたての原酒をいただくが、飲み口のフレッシュさとアルコール度の高さに驚く。「しぼりたてだからアルコール度は高いですよ(笑)。このまましぼりたてとして出荷する以外は、濾過後に火入れして秋まで貯蔵します。味わいの設計に合わせてブレンドを行い、加水して瓶詰め時に再度火入れして出荷します」と生産本部・部長の正司和利さん。条件は同じでも、自然の恵みゆえに味が変わることはある。だからブレンドすることによって、その商品一定の味わいに整えて出荷するのだ。職人魂の酒造りを貫きながら、業界初の取り組みを数多く成し遂げてきた福光屋。「古い業界でもあるので、日本酒造りの領域を広げていくと業界初になってしまう」と福光屋13代当主の福光松太郎さん。老舗の暖簾を守るために、新たな価値を提案して発信し続けている。最後、ご当主に好きな自社銘柄をたずねると「よく嗜むのは『黒帯』ですね。料理に合わせて飲んでいただけるように、悠々、堂々、飄々、燦々と4種類あります。でもパッと直感で飲みたいと思うものを飲んで欲しい。黒帯は、右脳で飲む酒ですから」と笑った。前編に戻る。
2015年02月17日米Parallelsは、Mac上でWindowsやLinuxなどのゲストOSを実行できる「Parallels Desktop 10 for Mac」の、Windows 10 テクニカル プレビュー版に対応したアップデータの提供を開始した。本アップデートにより、既存のOSを削除することなく試験的に日本語を含む各国言語に対応したWindows 10 テクニカル プレビュー版を利用することができる。仮想環境を使うことで、Microsoft Word/Excel/PowerPointを含むOffice Preview for Windows 10もあわせて試用することが可能となる。また、「Parallels ウィザード」を利用することで、Windows 10 テクニカル プレビュー版をParallels Desktop内から直接ダウンロードし、インストールが行える。Parallels Desktop 10 for Macの価格は8,500円、アカデミック版と大学生協版は6,000円。Parallels Desktop 8または9からのアップグレード版は、5,300円となっているが、2週間の無償トライアル版も用意されている。
2015年02月16日前回、米Appleが実験しているとみられる自動運転車(Self-Driving Vehicle/CarまたはAutonomous Vehicleなど)がシリコンバレー周辺で目撃されたことを紹介したが、実際に自動車業界参入を計画しているという話が持ち上がっており、大きな話題になっている。Reutersの1月14日(米国時間)の報道によれば、Appleは前出のような自律型の電気自動車の製造について研究を進めており、自動車メーカーの専門家や部品サプライヤらとの話し合いを行っていると、自動車業界の幹部に近い情報筋が明かしたという。前回のレポートでは、Appleがリース車を使ってセンサー装置を大量に積んだ自動運転の実験を行っている様子が米カリフォルニア州コンコードで目撃されたが、そのセンサー装置の形状などから、すでにGoogleが実験を行っている自律型自動車の実験とみられていた。だが一方で、まだAppleが本格的に自動車産業に進出するとの見方は懐疑的で、あくまで業界他社との共同実験の域を出ないのではという意見も多かった。今回のReutersの報道では、Appleは「自動車の製造そのもの」に興味を示しており、単に自動車メーカー向けにソフトウェアやコンポーネントを提供するに留まらないと情報筋では示唆している。「Appleは自動車メーカーらの協力をさほど必要にしているようには見えない」とコメントしているように、自動車パーツや製造に関する情報をかき集めており、特に「Connected Car」などと呼ばれる通信機能とリンクした電気自動車の開発に主眼を置いており、同時に可能性としての自動運転機能の研究を進めているようだ。自動車メーカー各社ともに、こうした自動運転機能に対応した自動車の開発を進めているものの、実際に市場投入までにはまだ時間がかかると考えている。CarPlayで自動車業界との連携を模索したAppleだが、ひょっとするとメーカーらの新技術への対応の間隙を縫って、携帯業界を席巻した地力を活かし、間もなく時計業界、そして自動車業界へと進出を果たそうとしているのかもしれない。
2015年02月16日玩具大手の米Mattelは13日(現地時間)、GoogleのVRヘッドマウントディスプレイ・プラットフォーム「Google Cardboard」を採用した新しい「View-Master」ビューワーを発表した。今年秋に発売する予定。View-Masterは1939年に最初のシステムが登場した歴史のある写真ビューワー玩具だ。リールと呼ばれる写真フィルムを並べた円盤をビューワーに入れると写真が立体的に表示される。Google Cardboardをベースとする新しいView-Masterビューワーでは、View-Masterアプリを入れたAndroidスマートフォンをビューワーに装着する。リールの形をしたディスクを使ってコンテンツを選択すると、360度パノラマ表示で自然、宇宙、都市などを楽しめる。リールのマークが置かれた場所に移動したり、解説を表示させるなどインタラクティブな操作が可能。デジタル時代のView-Masterは、写真フィルムを用いたこれまでのView-Masterとは全く異なるシステムになるが、立体的な表示で子供たちを惹きつけるという点では変わらない。価格はビューワーが29.99ドル。宇宙、スペースシャトルツアー、クラシックView-Master画像などを体験できるサンプル・リールが同梱される。リール・パックは14.99ドル。自然、冒険といった4つのテーマが1セットになる。
2015年02月14日ティアックは2月12日、米KOSS社のヘッドホン「Pro4S」「SP330」「SP540」を発表した。発売は2月下旬。価格はオープンで、推定市場価格は、Pro4Sが24,000円前後、SP330が20,000円前後、SP540が24,000円前後(いずれも税別)。Pro4Sは、ヒンジ部分にメタル素材を使用するなど、プロユースに耐える堅牢さを持つモニターヘッドホン。ケーブルは片出しの着脱式で、長さ1.4mのカールコードを採用している。左右のハウジングにコネクタを備えており、どちらにケーブルを接続しても使用できるデュアルエントリー機構を搭載。また、2つあるコネクタを利用して、複数のPro4Sをディジーチェーンでつなぎ、同じ音を同時モニターすることが可能だ。ドライバーはスタジオリファレンス用に開発された「SLX40」を採用。高い再生能力を発揮する。周波数特性は10Hz~25kHzで、インピーダンスは35Ω。感度は99dB SPLとなっている。ケーブルを除いた質量は192g。セミハードケースが付属する。SP330とSP540は、耳の形に合わせたD型のハウジングを持つポータブルヘッドホン。低反発イヤークッションとの組み合わせで、優れた密閉性を実現している。ハウジングは回転式で、持ち運び時にはフラットに畳むことが可能だ。ドライバーは、SP330が「SLX30」、SP540はPro4Sと同じ「SLX40」を採用している。SP330の周波数特性は20Hz~25kHzで、インピーダンスは35Ω。感度は101dB SPLとなっている。SP540の周波数特性は10Hz~25kHzで、インピーダンスは35Ω。感度は99dB SPLだ。いずれもケーブルは着脱式で、長さ1.4mのストレートケーブルと、セミハードケースが付属している。質量は、SP330が108gで、SP540が184g(ケーブル除く)。
2015年02月13日米Facebookは現地12日、自分の死後にアカウント管理を指定できる「Legacy Contact(相続人)」機能を導入した。万が一のときに自分のアカウントの管理を任せる"相続"人をあらかじめ指定する機能で、米国で提供を開始し、順次拡大する。Legacy ContactはFacebook上で自分の家族や友達を指定して、自分の死後のアカウントを管理してもらうもの。これによりアカウントは追悼アカウントとして死後も保存され、Legacy Contactに指定された人は保存されたタイムライン上に葬儀に関する情報や特別なメッセージを投稿したり、まだ友達になっていなかった親戚や友達などからの新しい友人リクエストに対応したり、プロフィールの写真やカバー写真の変更ができる。希望によっては、Legacy Contactに指定した人に対し、自分がFacebookに保存した写真、投稿、プロフィール情報をダウンロードすることを許可しておくこともできるという。指定された人は、その人の死後もその人本人としてログオンすることはできない。また、プライベートメッセージについても、死後もアクセスできないという。Legacy Contactの指定は生存中に本人が自分のページから行い、Facebookがこれを認める必要がある。Legacy Contactを利用せずに、死後永久にFacebookからアカウントを削除するように設定することもできる。Facebookではこれまでユーザーが死亡した際、追悼アカウントとしてアカウントをそのまま保存して閲覧できるようにするサービスを提供してきた。この場合、その人の死後は周囲の人がアカウントをアップデートしたり告知することはできなかった。今回、ユーザーの要求を受けてアカウント相続コンセプトを導入したという。Legacy Contactは米国で提供を開始した段階で、現時点では日本では利用できない。Facebookによると設定は、ログオン後「設定」画面の「セキュリティ」から行えるという。Legacy Concactを選択して、友人や家族から指定する。その後、その人にその旨を伝えるメッセージを送ることができるほか、Legacy Contactに指定した人に写真や投稿のダウンロードを許可したり、プロフィール写真やカバー写真の変更を許可する場合は、詳細設定から行える。Legacy Contactの設定は、PCからでもモバイルからでも可能のようだ。ソーシャルネットワークが日常の一部として浸透しつつある中、その人の死後のアカウントはどうなるのかということはしばしば問題となっていた。通常はアカウントがそのまま凍結されるが、今回のFacebookの機能は、オンラインの自分アカウントの管理に対する遺書に近づいたといえそうだ。
2015年02月13日米Beats by Dr. Dreは、サンフランシスコのアーティストBarry McGee(バリー・マッギー)とコラボレーションとした「Beats by Dr. Dre x Barry McGee 2.0 Pill Speaker」を発売した。希望小売価格は2万600円(税別)。Apple StoreとApple Online Store限定で販売される。同製品は、ストリートアーティストの芸術的な価値を高めた旗手として知られるアーティスト・Barry McGeeが同社とコラボレーションしたコンパクトスピーカーで、「Beats Apple アーティストシリーズ」のコレクションのひとつ。彼の特徴的な幾何学模様とトレードマークである文字をカスタマイズして取り入れた、大胆でユニークなデザインとなっている。この「Beats Apple アーティストシリーズ」は、世界中で愛されている優れたアーティストに焦点を当て、同社の製品をキャンバスに見立ててストーリーを語ってもらうプログラム。過去にはフラグメントデザイン(Fragment Design)の藤原ヒロシ、画家でデザイナーのToristan Eaton(トリスタン・イートン)、グラフィティアーティストのFutura(フューチュラ)などがコラボレーションを行っている。また、ベースとなっているスピーカー「Pill」は、高さ4.5cm、長さ19cm、重量310gという軽量で持ち運びに便利なデザインの製品。軽やかな高音から重低音まで楽しむことができ、Bluetooth機器に接続すれば、約10メートル離れた場所からでも、好きな音楽を再生することができる。さらに、2台をタップして同期すると2台のPillで同じ楽曲を再生でき、2台を2回タップするとよりパワフルなステレオサウンドで再生可能ということだ。また、連続7時間再生可能なバッテリーを搭載しており、モバイルバッテリーとしても使用することができる。
2015年02月13日米Microsoftは2月12日(現地時間)、Windows Insidersプログラムを通じてスマートフォン用の「Windows 10 Technical Preview」の提供を開始した。今年後半に登場する予定の「Windows 10」はPC、タブレット、スマートフォンが共通のコアで動作するプラットフォームになる。昨年秋にPCや2-in-1デバイス向けのTechnical Preview版が登場しており、12日に提供開始になったのは携帯電話やファブレット、小型タブレット向けWindows 10の初のTechnical Preview版である。Microsoftは「Windows Insider」というWindows Insiders参加者がプレリリース版のOSアップデートを受け取るためのWindows Phoneアプリを用意している。12日時点で公開されている最新バージョンの対応環境はWindows Phone 8.1だが、12日にリリースされたWindows 10 Technical Preview for phonesがサポートする端末はLumia 630/635/636/638/730/830に限られる。Lumia 1520やLumia 930など、フラッグシップ機種が含まれないのは「partition stitching」というOSパーティションをダイナミックに調整する機能の準備が整っていないためで、対応端末は順次拡大していくという。Technical Preview版は、フルサイズのStart画面背景イメージ、Quick Actionsが強化されたAction Center、通知のインタラクティブ機能、強化された音声入力、ストレージ内とOneDriveの写真をまとめて管理できるPhotosアプリなどを備える。ただし、初のTechnical Preview版であり、「既知の問題」に掲載されている問題のリストは長く、パーソナルアシスタント機能CortanaがUS英語に限られるなど利用できない機能やサービスも多い。導入には注意が必要だ。MicrosoftはWindows 10でSpartanというコードネームで開発している新しいWebブラウザに移行するが、12日にリリースされたTechnical PreviewではInternet Explorer内に新しいレンダリングエンジンが採用されているのみ。Spartanの搭載は見送られた。
2015年02月13日米Beats by Dr. Dreは、サンフランシスコで活動しているグラフィティアーティスト・Barry McGee(バリー・マッギー)とのコラボレーションによるBluetoothスピーカー「Beats by Dr. Dre x Barry McGee 2.0 Pill Speaker」を、Apple Store実店舗およびApple Online Store限定で、2月13日より販売開始する。価格は20,600円(税別)。同製品は、Bluetoothスピーカー「Beats by Dr. Dre 2.0 Pill Speaker」をベースにしており、今回、幾何学模様と、Barry McGeeのトレードマークである文字をカスタマイズして取り入れた限定モデルとして登場する。BeatsとBarry McGeeとのコラボレーションは、2014年12月、ネオンオレンジのモデルをカスタマイズし、アートフェア「アート・バーゼル・マイアミ」で発表したPillに続いて、これが2度目となる。サイズはW190×H45mmで、重量は310g。Bluetooth機器に接続することで、約10メートル離れた場所からオーディオを再生できる。カラーはレッドの1色のみ。本体のほか、特別仕様のキャリー・ケースが付属する。
2015年02月12日日立製作所の米国子会社であるHitachi Data Systemsは2月10日(現地時間)、ビッグデータの分析ソフトウェアを開発・提供するPentahoを買収することで合意したと発表した。両社は今後、2015年6月末までの買収完了に向けた手続きを進める。日立は今回の買収により、ペンタホのビッグデータ分析ソフトウェアと技術・ノウハウを獲得し、日立のITプラットフォームやデータ管理技術などと連携させることで、新たなビッグデータ利活用基盤を構築する。この基盤を活用し、日立グループが展開するエネルギーや交通、ヘルスケアなどのインフラシステムと組み合わせた新たなサービスを開発するとともに、グローバルなコンサルティングネットワークなども活用し、社会イノベーション事業のグローバル展開を加速していくという。
2015年02月12日うるおい美肌を応援する『米肌』から新アイテム登場コーセープロビジョン株式会社は、通販専用ブランド『米肌(まいはだ)』から、落ちにくいメイクや毛穴汚れも、しっかりスピーディーに落とす「澄肌(すみはだ)クレンジングオイル」(税抜1,800円)を、3月2日から『米肌』会員向けに先行で発売し、4月1日より一般発売を開始する。『米肌』は、仕事や趣味、家事や育児など多忙な毎日を送るアクティブな女性のニーズに応えるべく、厳選された原料と最新技術で商品を開発している。新発売となる「澄肌クレンジングオイル」は、乾燥や小ジワの原因となる“摩擦”を軽減するために、「まろやかクッションオイル(水添ポリイソブテン)」を配合した、透明感のある澄みきった素肌にみちびくクレンジングオイルだ。ウォータープルーフタイプなどの落ちにくいメイクや、毛穴のトラブルのもとになる酸化皮脂、古い角質をしっかりとスピーディーに落とすことができる。まつ毛エクステンションユーザーも安心水性と油性の汚れの、どちらにも素早くなじむ洗浄成分を配合した「スピーディークリア処方」を採用。手が濡れていてもメイク落ちが低下しないので、ぬるつかずすっきりと肌に負担もなく、やさしくメイクを落とすことが可能だ。日本古来の成分に着目した『米肌』は、米胚芽油などにこだわり、エモリエント効果の高い米胚芽油を加えた、発酵オイルなど4種を厳選して配合した。人気のまつ毛エクステンションに使用する、接着剤(グルー)を溶かす成分を配合していないため、アイメイク落としにも安心して使え、キメの整った、ふっくら炊きたてのようなしっとりなめらかな肌へみちびく。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社コーセーニュースリリース・米肌オンラインショップ
2015年02月09日定額制ストリーミングサービスを提供する米Netflixは、2015年秋に日本でサービスを提供すると発表した。PCやタブレット、スマートフォン、テレビ、STB(セットトップボックス)などインターネットに接続した端末で、映画やTVドラマなどを視聴できる。同種のサービスとしては、日本でも認知が広いHuluなどが挙げられる。日本でのローンチ時には日本のテレビドラマシリーズや映画、Netflixのオリジナルコンテンツなどがラインナップされる予定。東京にオフィスを構え、2013年から同社でストリーミング/パートナーシップオフィサーを務めるGregory Peters氏が、ゼネラルマネージャーに就任する。詳細な料金やサポートする端末などは、後日告知される。
2015年02月09日玩具メーカーの米Mattelが、米Googleと共に2月13日に製品発表イベントを米ニューヨークで開催する。ニューヨーク市では2月14日から17日に玩具見本市「Toy Fair 2015」が行われる。それに先だってMattelは新製品を発表する。報道関係者に送られた招待状には、Mattel傘下のFisher Priceが販売していた立体写真ビューワ「View Master」のリールを思わせるイラストに「view what’s possible」と書かれている。そのため、GoogleのVR(バーチャルリアリティ)ヘッドマウントディスプレイ「Cardboard」を子供向けにしたようなView Masterの進化版が登場するのではないかと予想されている。Mattelは、HasbroやLEGOよりもソフトウエア製品で出遅れており、また女児向けの「バービー」人形の人気が薄れて業績不振が続いている。
2015年02月06日