毎日新聞出版株式会社(代表取締役社長:小島明日奈)は、2023年9月15(金)に直木賞作家・桜木紫乃さんの最新刊『ヒロイン』を発売いたします。『ヒロイン』書影【本書の内容】世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。名を変え他人になりすまし、“無実”の彼女はなぜ逃げ続けたのか?1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の“罪”とはいったい何だったのか――。直木賞受賞から10年。桜木紫乃が切り拓いた新境地!【目次】第一章 半醒第二章 母と娘第三章 鬼神町第四章 カラスウリ第五章 悔恨の記第六章 産声最終章 罪の名前『ヒロイン』拡材画像【書誌情報】書名 :ヒロイン著者 :桜木紫乃発行 :毎日新聞出版定価 :2,200円(税込)判型 :四六判・上製/408頁ISBN :978-4-620-10870-4発売日:2023年9月15日装丁 :田中久子装画 :オザワミカ 【著者プロフィール】桜木紫乃(さくらぎ・しの)1965年北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年、単行本『氷平線』でデビュー。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞、20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞を受賞。『起終点駅(ターミナル)』『蛇行する月』『それを愛とは呼ばず』『砂上』『緋の河』『孤蝶の城』、絵本『いつか あなたを わすれても』(オザワミカ・絵)など著多数。著者近影 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月15日一冊の本が生まれるきっかけは、実に意外なところにあったりする。桜木紫乃さんの『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』の場合、それはラジオ出演だった。「大竹まことさんのラジオに呼んでいただいた時、私の出身地の釧路の話になって。大竹さんは20歳の頃、年末に釧路のキャバレーに営業に行ったそうです。その時一緒に海を見に行ったメンバーが、“俺と師匠とブルーボーイとストリッパー”って。聞いた瞬間、これは小説のタイトルだと思い、その場で“書かせてください”とお願いしました」確かに小説化するなら、書き手は釧路出身で、『裸の華』などでストリッパーを、『緋の河』で男に生まれ女として生きる主人公を書いた桜木さんしかいないだろう。「どういう主人公にするかはかなり悩みました。釧路出身の、親とあまり縁のない子という設定が浮かんだ時、これで書けると思いました」20歳の章介は親と疎遠で、アルバイト先のキャバレーの寮で暮らしている。寮といってもオンボロで、住んでいるのは章介だけ。店のスタッフ以外、ほとんど人と交流のない生活を送っている。ある年末、ショーに出演するため店にやってきたのは、自分を「師匠」と呼ばせるマジシャン、体格のいい女装シャンソン歌手、年齢不詳のストリッパー。彼らはホテルでなく寮に滞在すると言いだし、奇妙な同居生活が始まる。「4人の空間を書くのははじめて。いつ誰がどんな台詞を言いだすか分からなくて楽しかった」と言うように、彼らのテンポのよいやりとりが非常に愉快。しかも演者の3人は場数を踏んだプロ中のプロ。その意外な演出たっぷりのステージも、作中で楽しめる。「もともとキャバレーは大人の夜の社交場。演者だけでなく、接客のプロ、舞台づくりのプロたちがいる。誇りを持って人を楽しませる人たちがいる場所だから好きです」人気若手女優がゲストに来た際は、その素人歌唱っぷりに章介が「気の毒」と感じることも。そこで師匠が舞台に立つ人間の「華」と「欲」について語る言葉が印象的だ。「私には珍しく長台詞です。ずっと、実力があるのに大舞台に上がれない人と、実力がなくても上がれる人の違いはなんだろうと思っていたんです。そのひとつの答えが出ました」次第に4人は、家族のように互いと馴染んでいく――。「以前『家族じまい』でリアルな家族を描きましたが、今回疑似家族を書いたことで、パズルのピースが揃った気がします。両方がないと私の考える“家族”は伝えられない。人には生まれた場所とは別に、自分を生む場所があると思う。それはきっと居心地のいい人たちの中にある。自分で“親”を見つけることができた子は、強く生きていけるはず」桜木さんにとって“親”との出会いはあったのかと聞くと、「若い頃は夫だったんですけれど、近年は編集者でしょうかねぇ。確実に育ててもらってる感じがします」とのこと。あなたの“自分を生んだ場所”はどこですか?さくらぎ・しの北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」でオール讀物新人賞受賞。’13年に『ラブレス』で島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で直木賞、昨年『家族じまい』で中央公論文芸賞受賞。写真・原田直樹『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』博奕打ちの父と働きづめの母から離れ、キャバレーで働く章介。年末、営業でやってきた3人と一緒に暮らすことに…。2月26日発売。KADOKAWA1600円※『anan』2021年3月3日号より。インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2021年02月27日波瑠が主人公を演じる映画『ホテルローヤル』の公開を記念して、本作の原作者・桜木紫乃による書き下ろしエッセイ「もうひとつのホテルローヤル」が期間限定無料公開される。原作小説は累計発行部数100万部を超え、本作で直木賞を受賞した桜木さん。桜木さんの実家だったラブホテルを舞台にした7編の連作小説を、映画では現代と過去を交錯させ一つの物語へと大胆に映像化した。今回無料公開が決定した「もうひとつのホテルローヤル」は、10月31日付けの北海道新聞に掲載されたエッセイ。全国からの「読みたい」という声に応え、映画公式サイトにて12月31日まで期間限定で公開する。桜木さん自身がホテルローヤルで働いていた体験がベースになっている本作だが、今回は小説、そして映画にも登場していないばかりか、両親にも話したことがなかったという新たなエピソードを披露。16歳の夏休み、家業を手伝う日々を過ごしていた桜木さんと、清掃パートの求人に応募してきたエイコさんとのエピソードが描かれる。『ホテルローヤル』は11月13日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ホテルローヤル 2020年11月13日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会
2020年11月09日桜木紫乃のベストセラー小説『ホテルローヤル』が、波瑠を主演に迎え実写映画化。2020年11月13日(金)より全国公開される。桜木紫乃の直木賞作品が実写映画化『ホテルローヤル』は、2013年に第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部を超える桜木紫乃の代表作。発売元の集英社で「ここ5年で発売した中で最も売れた」単行本・電子書籍としても知られ、多くのファンから愛されている。物語の舞台となるのは、北海道の湿原に佇むラブホテル。現在から過去へ時間軸を遡り、ホテルの盛衰とそこを訪れる人々の生と性を、切なくもみずみずしいタッチで描いた七編からなる連作小説だ。映画では、ホテルの経営者家族の一人娘・雅代を主軸としたストーリーを展開。原作の持つ静謐な魅力をそのままに、閉塞感のある日常を離れ、ホテルローヤルの扉をひらく男と女、問題を抱える経営者家族、従業員のそれぞれの人生模様を描く。<あらすじ>北海道、釧路湿原を望む⾼台のラブホテル。雅代は美⼤受験に失敗し、居⼼地の悪さを感じながら、家業であるホテルを⼿伝うことに。アダルトグッズ会社の営業、宮川への恋⼼を秘めつつ黙々と仕事をこなす⽇々。甲斐性のない⽗、⼤吉に代わり半ば諦めるように継いだホテルには、「⾮⽇常」を求めて様々な⼈が訪れる。投稿ヌード写真の撮影をするカップル、⼦育てと親の介護に追われる夫婦、⾏き場を失った⼥⼦⾼⽣と妻に裏切られた⾼校教師。そんな中、⼀室で⼼中事件が起こり、ホテルはマスコミの標的に。さらに⼤吉が病に倒れ、雅代はホテルと、そして「⾃分の⼈⽣」に初めて向き合っていく・・・。主演に波瑠物語の主人公・田中雅代を演じるのは、『弥生、三月 -君を愛した30年-』に続き主演を務める波瑠。美大受験に失敗し、どことなく居心地の悪さを感じながら、家業である小さなラブホテル「ホテルローヤル」の仕事を手伝う一人娘を演じる。ひとときの“非日常”を楽しみ、安らぎと寂しさを胸にホテルを後にする客たちを、少し冷めた目線で眺めながら仕事に励む難しい心情を、繊細に表現していく。波瑠コメント波瑠は、そんな雅代という役どころについて「雅代はどこかいつも傍観者というか、起こる状況の中心にいない人で。それも自覚していてどこかコンプレックスだったりもして。いつも所在なさげで可哀そうにも思えるけど、悲劇のヒロインにはなりきれないような曖昧さだったり、中途半端にも見える彼女の人間味になればいいと思い演じていました。」とコメントを寄せいる。松山ケンイチら、豪華キャストが集結!また主人公・雅代を取り巻く登場人物には、豪華キャストが勢ぞろい。雅代が淡い恋⼼を抱くアダルトグッズ会社の営業・宮川聡史(通称:えっち屋)役に松⼭ケンイチが抜擢されたほか、ホテルローヤルの経営者で雅代の⽗親・⽥中⼤吉役に安⽥顕、家庭を顧みなくなった⼤吉に愛想を尽かせる⺟親・るり⼦役に夏川結⾐、るり⼦と駆け落ちをする⻘年に稲葉友役、ホテルローヤルのパートタイム従業員役に余貴美⼦、原扶貴⼦といった、実力派キャストが集う。<そのほか登場人物(キャスト)>・親に⾒捨てられた⼥⼦⾼⽣と、妻の浮気に耐える⾼校教師役…伊藤沙莉、岡⼭天⾳・姑との同居でなかなか肌を合わせる時間がない夫婦役…正名僕蔵、内⽥慈・投稿⽤のヌード写真の撮影をするカップル役…冨⼿⿇妙、丞威『百円の恋』「全裸監督」の武正晴が監督メガホンをとるのは、『百円の恋』で日本アカデミー賞をはじめ国内外の映画賞を総なめにした武正晴。近年は『嘘八百』『銃』『嘘八百 京町ロワイヤル』に加え、Netflix「全裸監督」の総監督と精力的に活躍する武が、ホテルローヤルを舞台にした人間模様を繊細に描き出す。脚本はNHK連続テレビ小説「エール」を手掛ける清水友佳子が担当。人間の抱える欲望や優しさ、悲哀を丁寧にすくい上げ、珠玉の人間ドラマを綴る。原作者・桜木紫乃のコメント全文なお映画化にあたり、原作者の桜木紫乃は下記のようにコメントを寄せた。あの日あの場所にいたかもしれない人を、小説というかたちで裸にしたと傲慢にも信じていたので、映像化のお話をいただいたときは「遠慮なく好きに作ってくださいね」などと言っていた。しかし新たな姿で目の前に現れた「ホテルローヤル」は、あの日あの場所にいたかもしれない経営者やホテルに集う「家族」の物語となっていた。正直に言うと映画という表現に書き手の内面を素っ裸にされたような気持ちになった。脱がせたつもりが脱がされていた――エンドロールで泣いてしまうという失態。悔しかった。【詳細】映画『ホテルローヤル』公開日:2020年11月13日(金)監督:武正晴脚本:清水友佳子出演:波瑠、松⼭ケンイチ、余貴美⼦、原扶貴⼦、伊藤沙莉、岡⼭天⾳、正名僕蔵、内⽥慈、冨⼿⿇妙、丞威、稲葉友、斎藤歩、友近、夏川結⾐、安⽥顕原作:桜木紫乃「ホテルローヤル」(集英社文庫刊)
2020年04月06日直木賞作家・桜木紫乃のミステリー小説が原作の連続ドラマ『硝子の葦 ~garasu no ashi~』が、相武紗季主演で2015年2月21日からWOWOWでスタートすることが12日、明らかになった。物語の舞台は北海道・釧路にあるラブホテル「ホテルローヤル」。オーナーの妻・幸田節子(相武紗季)はある日、不倫相手の税理士・澤木とベッドを共にしていたところ、夫・喜一郎が交通事故に遭ったという知らせを警察から聞く。医師によると一命はとりとめたものの、意識が回復する見込みはない……というのが本作のあらすじ。相武は母親の愛人と結婚、不倫、誘拐、焼身自殺と、これまでのイメージを覆す大胆な演技に挑戦する。相武は「原作には過激なシーンがあると聞いていたので、どんなことが描かれていて、どんな役なんだろうと思いながら読んだんですけど、自分が思っていた以上にすんなりと受け入れられました。なかなか演じることの出来ないような役ですし、他では挑戦できないような刺激的なシーンもあるので、撮影に入るのがすごく楽しみです」と意気込み、「一番衝撃的なのはラブシーンや人を殺すシーンです。こういう役をやったことは本当になかったのでショッキングなことはもちろん、節子を私が演じているということでも視聴者の皆さんにいろいろな驚きを感じてもらえると思います」と新境地開拓に気合十分だ。井上衛プロデューサーも「節子は殺人や不倫といったイメージから最も遠い女優さんに演じて欲しかったので相武さんを起用しました。このドラマへの出演が新たな挑戦であり、そうあってほしい。新たな代表作になってほしい」と相武に大きな期待を寄せている。連続ドラマ『硝子の葦 ~garasu no ashi~』はWOWOWプライムにて2015年2月21日(毎週土曜22:00~ 全4話、第1話無料放送)スタート。
2014年12月12日