米Dropboxは11月4日(現地時間)、大規模な企業・組織を対象とした新しいサービス「Dropbox Enterprise」をリリースした。日本での提供は、現在準備中としている。同サービスでは、Dropbox Businessと同様の機能のほか、数万人単位のユーザーの管理機能や効率的にDropboxの利用を促進できる機能、企業内データの保護に必要な詳細管理機能が利用できる。社員の多くがDropboxの個人用アカウントをすでに使用している場合は、ドメイン認証とアカウント一括管理機能を使うことで、管理者はユーザーをエンタープライズ用アカウントへ簡単に移行できる。また、ドメインインサイト機能を使うことで、IT部門は企業ドメインで使われている個人用Dropboxの利用状況が把握可能となる。加えて、コラボレーションインサイト機能では、社員が外部の作業相手とどのようにDropboxを利用しているのかを監視できるため、企業情報の管理につながるとしている。その他の新機能として、既存のITシステムやワークフローとDropboxをシームレスに統合できるように、Dropbox APIへ制限なくアクセスすることが可能となった。カスタムで統合する場合は、Dropboxプラットフォームチームからサポートが受けられる。また、スムーズな導入を図るために、専任のカスタマーマネージャーや、「導入」「データ移行」「ユーザートレーニング」といったサービスも提供する。
2015年11月06日日本ラドウェアはこのほど、空港や観光関連組織、メディア、漁業関連組織といった公共性の高い組織のサービス停止を目的とする攻撃が10月初旬から頻発し、今後も継続する可能性があるとして注意喚起を行った。これらの攻撃は、政治的メッセージや嫌がらせなどを目的に、サービス停止を引き起こす攻撃として行われているが、特に2015年10月から、公共性の高い組織のサービス基盤を対象とした攻撃が増加している。これらの攻撃は今後も継続すると考えられる。サービス停止を引き起こす攻撃としては、Webサーバ上のアプリケーション脆弱性を狙うものや、大量のコネクションリクエストやパケットを送り込むことによるリソースや飽和を狙うDDoS攻撃などが考えられるという。
2015年10月26日SAPジャパンは10月19日、日本におけるIoT(Internet of Things)を活用した「第4次産業革命」を推進する専任組織「IoT/IR4(Internet of Things/Fourth Industrial Revolution)」を発足した。同社によると、世界中でIoTをテコに製造業に新たな競争軸をもたらす活動が活発に行われているが、第1次~第3次までの産業革命が主に「製造業」革命であったのに対し、IoTとデジタル化がもたらす、今日の「第4次産業革命」は製造業と非製造業の境界をなくし、あらゆる業種・業態に広範なインパクトをもたらすことが明らかになってきたという。同社は、IoTは「顧客観察プラットフォーム」であり、顧客による利用状況を精緻に把握することで顧客のことを顧客自身よりも深く理解することを実現し、また、ERPは「企業のデジタル・ツイン構築」のためのツールであり、企業の競争力の源となっている既存の業務プロセスをデジタルに把握しシームレスにつなげることで、より高度な企業活動を実現しているととらえている。さらに、IoTによって得られる顧客理解を、デジタル化された業務プロセスとつなぐこと(IoP:Internet of Processes)により、企業は顧客の真の欲求をより高い次元で満たす、新たな競争軸を手にすることができるとしている。こうした背景をもとに、同社は第4次産業革命をより強力に推進し、パートナーとともに日本企業の競争力強化に取り組む専任組織を発足させた。組織は約50名で構成され、今後増強していく予定。同社は今年7月に「SAP Industry 4.0 Co-Innovation Center powered by COIL Tokyo」を設置し、インダストリー4.0に対する取り組みを進めてきたが、今回それを強化し、対象業種も全業種とすることで、日本企業が「第4次産業革命」を先んじて制するための支援を行っていく。
2015年10月20日Sansanは10月13日、日本郵便が組織の営業力強化を目的にクラウド名刺管理サービス「Sansan」を導入したと発表した。日本郵政グループの郵便事業を担う日本郵便では、これまで顧客の名刺は担当営業が個人で管理しており、本社と全国の各局間で情報共有する仕組みはなかった。しかし、今後さらなる事業の成長を目指すうえで組織営業力を強化するため、名刺情報を会社の資産として共有管理して営業管理ができるシステムの導入を検討していた。「Sansan」では、名刺をスキャンしたりスマーフォンで撮影したりするだけで正確に顧客情報のデータベースが構築され、社内で共有できる。名刺の検索や入力の手間がなくなるほか、外出先でも名刺情報にアクセスできる。また、既存の顧客管理システムとのAPI連携も可能だ。導入にあたっては、本社の郵便・物流営業部門と郵便局の営業部門の一部に先行してSansanを導入。本社と郵便局の営業部門が連携することで、組織的で戦略的な営業活動が可能になる。さらに、Sansanが5月に発表した「Sansan Open API」の初めての連携事例として、日本郵政グループのJPメディアダイレクトが新サービスを近日リリースする。デザイン面の印刷はもとより、タグ付けした名刺情報をそのまま年賀状の宛名リストとして活用・印字できるサービスで、Sansanを導入した企業の年賀状作成をよりスピーディーかつ簡単に実現する。
2015年10月14日サイバーエージェントは10月1日、広告の企画・編集・運用・レポーティング・効果改善を行う専門組織「エディトリアルアドスタジオ」を設立し、スタジオ長として尾田和実が就任したことを発表した。同組織は、Amebaにおいて、情報メディア「Spotlight」「by.S」におけるタイアップ広告「エディトリアルアド」のコンテンツ力強化と広告効果の向上を目的とするもの。同広告に関するノウハウの蓄積や分析、ナレッジ開発等を行っていく。スタジオ長に就任した尾田和実(おだかずみ)氏は、シンコー・ミュージック、インフォバーンの編集者、MTV JAPANのプロデューサーを経て、2009年にメディアジーンに入社。同社で運営する「ライフハッカー」「ルーミー」「コタク・ジャパン」の編集長を歴任後、2012年同社COO(最高執行責任者)に就任し、2014年より「ギズモード・ジャパン」編集長。2015年9月にサイバーエージェントに入社した経歴をもつ。同組織では今後、尾田氏を中心に企画編集力の強化とコンテンツ制作の体系化に取り組むと同時に、市場動向調査の実施や最適な「エディトリアルアド」の在り方の研究・広告開発を行っていく考えだ。
2015年10月02日NTTデータは2015年10月1日付けで、同社グループにおける人工知能(AI:Artificial Intelligence)の応用ビジネスを推進するための組織として、「AIソリューション推進室」を技術開発本部サービスイノベーションセンタ内に設置すると発表した。AIソリューション推進室は、NTTの研究所が保有する人工知能技術(音声認識、画像認識、自然言語処理、知識処理、機械学習など)と、NTTデータが保有する情報活用ノウハウ・プラットフォームを組み合わせ、人工知能を活用した幅広いシステム・サービスの創出などを目的としたもの。当初は、人工知能技術のスペシャリスト20名の体制で活動を開始し、順次体制を拡大していく。同社はすでに、「融資審査やマーケティング分析のミドルオフィス業務における意思決定・知的判断の支援 」「窓口やコンタクトセンターの顧客対応業務における手続き、商品などの相談支援」「オフィス、公共施設、店舗などでのグローバルなコミュニケーションの支援」「スマートフォンなどのモバイル端末や人型ロボットを介したコンシューマー向け対話型サービス」において、人工知能の応用を進めている。同社は人工知能関連のシステムおよびサービス提供で、2018年度までに累計200億円の売上を目指す。
2015年09月30日博報堂DYホールディングスは6月25日、生活者データを利活用したマーケティング活動の実践を支援するグループ横断型の組織として、「博報堂DYグループ・次世代オウンドメディア・マーケティングセンター」と「博報堂DYグループ・マーケティングプラットフォーム・ソリューションセンター」の2組織を新設した。博報堂DYグループではこれまで、生活者とのつながりを活用したマーケティングに対し、グループ各社が専門組織をそれぞれ立ち上げ対応してきたが、顧客企業のニーズ拡大を受けグループ横断型の組織を新設し、対応力の強化を図るに至ったという。新設する組織では、企業のWebサイトをハブとして顧客との継続的な関係を構築する「オウンド・メディア・マーケティング」の強化と、企業のマーケティング活動を効率化・自動化して顧客とのコミュニケーションを統合的に管理する「マーケティング・プラットフォーム」の導入を通じたマーケティングの自動化・効率化の推進を目指す。また、同取り組みは、博報堂DYグループの「中期経営計画」における成長ドライバーのひとつ。今後は、「次世代オウンドメディア・マーケティングセンター」と「マーケティングプラットフォーム・ソリューションセンター」それぞれが専門性を活かしつつ、生活者データ・ドリブン マーケティング」を推進する組織として、連携していく考えだ。
2015年06月26日『校長先生、企業を救う4つの学校を再生し、3つの会社のV字回復に貢献した敏腕校長が教える組織再生術』(長野雅弘著、日本実業出版社)の著者は、聖徳大学附属取手聖徳女子中学校・高等学校校長。聖徳大学児童学部教授。4つの学校を再建した独自のメソッドを持ち、その組織再建術が一般企業からも注目されていることで有名です。事実、校長先生でありながら、3つの企業のV時回復に貢献した実績を持っているのですから驚き。つまり本書では、ビジネスの現場にも行かせるそのメソッドを明かしているわけです。■ベクトルを共有することの意義組織において大切な要素のひとつとして、著者は“ベクトルの共有”を挙げています。個々人の意識は違っていたとしても、学校であれ企業であれ、それが組織である以上は同じ意識や考え方をもとにして進んでいく必要があるということ。当たり前のことではあるけれども、組織内に身を置いているとつい忘れてしまいがちなことでもあります。そこで著者は組織を再建する場合、まずはヒアリングシートをもとに個人面談をして全員の気持ちを聞くのだそうです。そして得られた結果は、社員全員が集まる会議の場で公表するのだとか。■長野式ビジュアル4分割法の活用ならば、この時点で意見が割れそうですが、きちんとヒアリングができていれば、リーダーの考えと社員の意見との間に激しい齟齬は生まれないものなのだといいます。おおよその方向性は、おのずとかたまっていくということ。そして会議では、そうして固まった方向性を明示。もちろんベクトルを共有するためですが、ここで著者はユニークな方法を採用しています。独自の『長野式ビジュアル4分割法』によって、ベクトルを可視化するわけです。やり方はとても簡単。ホワイトボードを4分割し、マトリックスをつくる各人の意見に合致するゾーンに磁石を置いていく同じベクトル方向の人たちの磁石は同じ領域に集中するため、全員の意見を可視化できる。意識を共有できるのです。■共有する意識を理解しやすくなる“上下は積極的/消極的”、“左右は改革/保守”などのマトリックスをつくり、各意見を4面のどこかに振り分けるだけ。全員の傾向を可視化すると、共有する意識を理解しやすくなるということ。そして全員に安心感が生まれるため、風通しがよくなるというわけです。こんなにシンプルなことでも、組織内の空気はよくなるもの。成功体験に基づいているものであるだけに、人間関係がうまくいっていない会社やチームは、応用してみる価値がありそうです。実は私も、編集・構成でお手伝いさせていただいています。興味をお持ちになったら、ぜひ手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※長野雅弘(2015)『校長先生、企業を救う4つの学校を再生し、3つの会社のV字回復に貢献した敏腕校長が教える組織再生術』日本実業出版社
2015年06月24日岡山大学は6月22日、体外で生体組織成長を促進するゲル材料の開発に成功したと発表した。同成果は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)生体材料学分野の松本卓也教授、武田宏明助教らの研究グループによるもので、同日付の英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。移植細胞などを用いて体内で生体組織を再生し、失われた機能を回復するためには、細胞移植後、長期にわたる組織再生時間が必要となる。三次元の移植可能な生体組織を体外で作る試みもあるが、こちらも組織成長に時間を要するという課題がある。同研究では、生体組織が成長する環境を、生体親和性が高い生体材料(バイオマテリアル)を用いて体外で実現することに着手。唾液腺組織や肺、腎臓などの組織形成時に重要な働きを示すフィブロネクチンというタンパク質に着目し、細胞接着性ペプチド(RGD)を固定化した糖系ハイドロゲルシートの開発に成功した。同シート上でマウスから取り出した唾液腺組織を培養したところ、普通の状態よりも約6倍成長が促進することを確認した。同研究グループは「RGDペプチドは細胞接着性を高め、細胞の生存性を高めることが知られており、細胞培養器材や移植材料として研究利用されています。本材料は、体外での移植可能な生体組織作製の実現を加速する基盤材料になると大いに期待されます。」とコメントしている。
2015年06月23日日経BPコンサルティングは4月21日、「企業・組織におけるマイナンバー対応に関する実態調査」の結果を公開した。これによると、マイナンバー制度対応作業を「実施している」という回答は17%にとどまっていることがわかった。同社は調査の結果より、企業・組織によるマイナンバー制度への対応が遅れ、対応作業が2015年末に完了しないおそれがあると指摘している。同調査は、日経コンピュータと共同で2015年3月下旬に実施、企業や公的機関における経営系部門や、情報システム部門、総務・人事・経理部門などマイナンバー対応の取り組みが想定される部門の所属者からの1058件の有効回答を集計したもの。調査結果の詳細は『マイナンバー実態調査2015』として、日経BPコンサルティングから発行される。マイナンバー制度への対応作業の実施状況を聞いたところ、「実施している」(実施層)が16.8%、「実施していないが、予定はある」が21.2%で、これらを合計した「実施・実施予定層」は38.0%にとどまることが明らかになった。これに「実施していないが、対応を要する法制度であれば今後対応するはずだ」(20.4%)まで加えた「実施・実施予定・実施想定層」は58.4%となり、ようやく過半数になる。一方、「実施していないし、予定もない」という回答が8.4%あることについて、同社は「マイナンバー制度の趣旨が十分には浸透していないことを示している」とコメントしている。マイナンバー制度対応作業の「実施層」の比率を業種別(7分類)に見ると、政府/官公庁/団体が28.2%と最も高く、金融業の25.4%がこれに続く。IT関連業の20.0%を含めた3業種が2割台となった。3業種で実施率が高い背景については、従業員などのマイナンバーを収集・管理する通常業務に加え、公共系業種では行政手続きを効率化すること、金融機関は顧客からマイナンバーを収集して管理すること、IT関連業では情報システム更改などを事業として行うこと、など特別な役割を持つことが指摘されている。マイナンバー対応が求められる2015年末時点で、対応が遅れた場合に想定される事態を、マイナンバーの実施・実施予定・実施想定層に複数回答で尋ねたところ、10項目のうち、「社内規定・マニュアルが対応していない」(42.9%)と「従業員の教育・啓発が不十分である」(40.9%)の2項目が高かった。また、マイナンバーの実施・実施予定・実施想定層が、対応する必要があると考えている情報システム(複数回答)は、上から「人事・給与システムの改変」(71.4%)、「会計・経理システムの改変」(41.4%)、「マイナンバー保管システムの導入」(28.3%)だった。
2015年04月22日ネクストセットは、Office 365上で稼働する組織カレンダーを、1アカウント月額100円で提供開始すると発表した。同社は、Office 365導入支援の中で、Office 365 で利用可能な組織カレンダー、ワークフロー機能、タイムカード、行先予定/在席確認/伝言メモ/共有TODO、安否確認、ドキュメント管理、掲示板/回覧板機能を、提供中または提供予定。今回は、Office 365 導入企業で特にニーズの多かった、Office 365上での組織カレンダー機能を、SaaS型で提供する。SaaS型で提供するため、別途、なハードウェアやソフトウェアは必要ない。主な機能は下記の通り。・組織・グループ一覧のツリー表示機能・組織・グループ一覧内の表示順序を変更機能・組織・グループ単位での非表示機能・カレンダー参照権限をOffice 365 カレンダーに準拠させる機能・会議室やリソースの表示機能・Office 365 カレンダー に登録された全リソースの表示機能・個人作成のMyカレンダー、外部カレンダーも表示可能・共有カレンダーの一覧表示(各自が作成可能な追加カレンダーも表示可能)・カレンダー登録時の企業独自予定作成入力フォーム機能・会議室予定を複数メンバーと同時登録する機能・重複予約を不可にする機能・お気に入りグループ・お気に入りメンバー機能・週ビュー・日ビュー・グリット表示機能・自分が登録したカレンダーだけを表示する機能・カレンダーに全社統一の色付けを行う機能・スケジュールのコピーによる新規作成機能・多言語対応・メンバー検索機能(ユーザー名、メールアドレスでユーザー検索が可能)・受付スタッフ専用ビュー・新規メール作成機能・Office 365 マルチテナント対応・ネクストセット・組織アドレス帳機能連携・ネクストセット・シングルサインオン機能連携・Office 365 カレンダー データのCSVダウンロード機能・リソースの説明ページリンク機能・日ビューのFrom・To時間制御機能・SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、クロスサイトリクエストフォージェリーへの対策済・スマートフォン/タブレット専用ビュー・管理者事前テスト機能
2015年01月19日物質・材料研究機構(NIMS)は11月26日、側鎖を変えた分子を混ぜ合わせることにより、分子が自発的に集合する現象(自己組織化)の開始時刻を制御し、事前にプログラムした通りに自己組織化を進める手法を開発したと発表した。同成果は、NIMS 先端的共通技術部門 高分子材料ユニットの杉安和憲主任研究員らによるもの。詳細は、ドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載される予定。分子の自己組織化は自然界に広く見られ、光合成や神経回路など複雑な機能を発揮するシステムの構築に欠かせない現象である。現在、高度な機能を発揮させられる分子の自己組織化現象を利用して、新しい材料の開発が試みられている。しかし、自己組織化は自発的に進むため、いわば"分子まかせ"であり、意図的に制御することは非常に困難である。特に、自己組織化の開始時間を制御するなど、現象を時間的にコントロールする研究はほとんど進んでいなかった。今回、2種類の自己組織化構造を有する分子を使って研究を行った。一方の自己組織化構造は素早く生じてエネルギー的に安定ではないが、最終的にはエネルギー的になり、より安定なもう片方の自己組織化構造が一定時間経過後に形成される。また、この分子の側鎖を変えることにより、エネルギーの安定状態を逆転させ、素早く生じる自己組織化構造のみを形成する分子も作ることができたという。そして、この2種類の分子の混合比率を変えることで、当初のエネルギー的に安定な構造への自己組織化が始まる時間を制御することに成功した。今回成功した時間的な制御は、複数の化学種が作りだす分子のネットワークによって組織化が進んでいるという点で、生体の"体内時計"のメカニズムとも類似しているという。なお、自己組織化は、材料科学、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなど多岐にわたる領域で重要な概念であり、物質の新たな合成手法としても大きな注目を集めている。今後、今回の研究で開発した手法を応用し、望みのタイミングで発光させたり、導電性を変化させたりする高度なシステムの構築を目指すという。さらに将来的には、生命分子システムのように、時間の経過や外界の環境変化に応じて自律的に機能するスマートマテリアルへの展開が期待されるとコメントしている。
2014年12月01日独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は21日、標的型サイバー攻撃の手口の一つ「やり取り型」攻撃が国内の複数の組織で確認されたとして、注意を喚起した。2014年8月から10月にかけ発生したもので、従来よりウイルスに感染させるための「やり取り」が巧妙さを増しているという。「やり取り型」攻撃とは、一般の問い合わせなどを装う無害な「偵察」メールのやり取りの後で、ウイルス付きのメールを送信してくるサイバー攻撃。受信者が返信すると、辻褄を合わせた会話を続けながら、ウイルス付きの添付ファイルを送付し執拗に感染を試みることが特徴。IPAでは、「やり取り型」の攻撃手口を2011年7月に最初に確認。2012年以降も断続的に発生していたが、直近1年ほどは同様の攻撃を確認していなかった。だが、2014年8月から10月にかけ、国内の5組織に対し同等の攻撃が計7件発生したことを新たに確認した。8月に発生した攻撃では、メールの送信元IPアドレスが2012年7月の攻撃と一致しており、添付ウイルスも類似していたことから、IPAは同一の攻撃者が数年に渡り国内組織へ攻撃を繰り返していると推測している。8月から10月にかけ確認された「やり取り型」攻撃の特徴としては、「外部向け窓口が狙われる傾向がある」「状況に応じてウイルスの形態を変化させる」「辻褄の合う会話を行う」「少数の宛先に送る」「パスワード付き圧縮ファイルを使う」など。IPAは対策として、実行形式のファイルなど不審なファイルを開かないこと、ウイルス対策ソフトウェアを最新状態に保つことなどに加え、「攻撃の手口を企業全体で認識、注意する」「不審メール受信時の連絡や情報共有・体制を整備する」「部からの不審な添付ファイルの安全な確認方法を検討する」などを推奨している。
2014年11月21日サイバーエージェントは10月29日、Amebaにて運営するキュレーションメディアのユーザー参加型編集組織として、「Amebaみんなの編集局」を設立した。「Amebaみんなの編集局」は、Amebaが運営するF1層向けキュレーションメディア「SELECTY(セレクティ)」やバイラルメディア「Spotlight(スポットライト)」、ゲーム特化型バーティカルメディア「GAMY(ゲーミー)」などにて編集を行うユーザーを、ネットワーク化した「ユーザー参加型のメディア組織」。Amebaのトップブロガーから一般ブロガーまで、編集やライティングの経験がない方でも参加可能なほか、ユーザー自身の属性や強みに合わせて、執筆するメディアや記事テーマの選択もできる。また、良質な記事を執筆するユーザーを公式ライターに認定し、勉強会の開催や各メディアの編集会議への参加、特別な報酬プログラムの提供など、ライターの育成とネットワークの拡大を積極的に行うという。同ネットワークでは、キュレーションメディアを活用した広告「Amebaエディトリアルアド」の執筆なども実施する予定だ。同社は、2015年末までに、Amebaみんなの編集局を通じて総計月間利用者数(MAU)が5000万人を越える、国内最大のキュレーションメディアプラットフォームを目指す。
2014年10月29日京都大学は10月23日、ヒトiPS細胞から、血管構成細胞を含む、心臓組織を模した心臓組織シートを作製することに成功したと発表した。同研究成果は、米国ルイビル大学の升本 英利 研究員(前・京都大学 心臓血管外科 特定病院助教、前・京都大学iPS細胞研究所(CiRA))、同大学CiRA増殖分化機構研究部門の山下潤 教授、同大学心臓血管外科の坂田隆造 教授らの研究グループによるもの。10月22日(現地時間)の英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。現在、拡張型心筋症注や虚血性心筋症などの、重度の心筋症の患者に対しては、心臓移植が最も有効かつ最終的な治療法とされているが、深刻なドナー不足から、心臓移植以外の有効な治療法を確立することが求められている。重症心筋症の患者の心臓では、心筋細胞が失われているだけでなく、心臓を構成しているさまざまな細胞失われることにより組織構造が壊れ、その結果として機能低下を来す。したがって細胞の移植効果をさらに高めるには、心筋細胞だけでなくその他の心臓を構成する細胞も十分に補い、心臓組織構造として再構築することが望ましいとされている。この点で、iPS細胞は、大量に増殖させた上で多様な心臓を構成する細胞群を効率的に分化誘導することで、十分量供給できる可能性がある。また、心臓への細胞移植治療の問題点は、心臓に注入移植された細胞が十分に生存して長期的に心筋内に留まる(生着)効率が低いことにある。山下教授らのグループは、より細胞の生存・生着を高めるような移植方法として東京女子医科大学の温度感受性培養皿を用いた細胞シート技術をヒトiPS細胞から分化誘導した心臓構成細胞に用いることにより、心臓組織を模した「心臓組織シート」を作製し、それを心疾患動物モデルに移植することで治療効果および細胞生着効果を検証した。その結果、このヒトiPS細胞由来心臓組織シートを3層重ねたものを、ラット心筋梗塞モデルに移植したところ、移植後2カ月の経過観察期間において、心筋梗塞により一旦障害された心機能の回復が認められたという。また、組織学的検査では、移植4週後で、9例中4例において移植細胞の生着を認め、最大で心筋梗塞領域の44%を移植細胞が生着・補充していた(平均24.7%)。さらに生着した移植細胞領域内に、宿主ラットの心臓から伸長した血管網が形成されており、この血流供給により移植後4週にわたる長期生着が実現できたという。同研究チームはヒトiPS細胞由来心臓組織シートについて「重症心筋症により障害された心不全に対する治療方法の一つとして、心臓再生医療の可能性につながる有用な成果と考えられる」とコメント。今後は、シートの多層化など、組織構造を改良し、シートの機能を高めることが期待される。
2014年10月23日情報処理推進機構(IPA)は9月26日、今般の内部不正による事故・事件等を受けその発生を防止するため、組織の環境整備に向けた「組織における内部不正防止ガイドライン」を改訂し、公開した。2014年に入り、退職者による海外への技術流出や従業員による不正な情報の窃取など、内部者の不正行為による情報セキュリティ事件が相次いで報道。さらに7月には教育関係事業者において委託先の従業員により極めて大量の顧客情報が漏えいするという事件が発生した。「組織における内部不正防止ガイドライン」は内部不正のリスクを低減するために、経営者が果たすべき役割、組織の体制、技術対策などを記載しているもので、IPAが2013年3月に初版を公開。今回の改訂版では、本年発生した前述の事例を分析した結果の「経営層によるリーダーシップの強化」「情報システム管理運用の委託における監督強化」「高度化する情報通信技術への対応」の3点を強調すべきと加筆したもの。「経営層によるリーダーシップの強化」では、経営者が自らの責任で行うことの強い意識を持ちリーダーシップを発揮することが必要であるため、経営層の責任を明確化。「情報システム管理運用の委託における監督強化」では、業務委託先のセキュリティ対策・体制が、扱う情報の重要度に相応かどうかを契約前、契約中にも確認・評価することを追加した。「高度化する情報通信技術への対応」では、高度化する情報通信技術に付随して高まるリスクを確実に把握することが可能な、体制、教育などの人的対策、技術の進展に沿った最適な対策の必要性について強調した。IPAは、今後も本ガイドラインの活用促進に向けた普及活動を行うとともに、効果的な対策であるかを常に見直し、組織に役立つガイドラインの策定に努めていく。
2014年09月29日IPAは、コンピュータウィルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、組織内部の不正行為とその対策について紹介している。○内部不正とはどのようなものか2014年になり、従業員や委託先社員などの組織の内部情報にアクセスできる関係者(以後、内部者)による情報窃取などの内部不正行為が発生している。まず、内部不正であるが、どうして発生するのか? そこから見ていこう。A社はオンラインショップサービスの提供者で、B社はA社の決済処理業務の受注社(委託先)となっている。このような環境では、以下の内部不正を起こす可能性が考えられる。・権限が分散されていないB社のシステム管理者の1人に多くの権限が集中する、結果、他の社員などの監視をくぐり顧客のクレジットカード情報などの重要情報にアクセスし、不正利用する。また、このような操作を行った履歴すらも削除する。・システム管理者の監視ができていないシステム管理者のアクセスや操作の履歴などのログは存在していた。しかし、ログを監視する立場の社員がいなかった。結果、不正行為の前兆となる行為を検知することができず、発見が遅れ、被害が拡大する。・職場環境が不適切、または処遇に不満がある劣悪な労働環境も内部不正の要因と指摘する。システム管理者に、多大な業務量や長時間勤務などが続くとどうなるか。当然ながら、業務遂行のプレッシャーとなり、達成のためには社内ルールを無視してもよいという発想に繋がる。結果、内部不正が発生する。また、昇進・昇格や給与などの処遇への不満、上司や同僚とのコミュニケーション不足も内部不正の要因と指摘する。多くの企業・組織が、外部からの攻撃には対策を検討している。内部不正は数はそれほど多くはないが、一度、発生すると甚大な被害や社会的損失を被る可能性がある。IPAによれば、経営者レベルで、各部門を横断的に密連携させ、委託先も含めた内部不正対策に取り組む必要があると指摘する。しかし、内部不正では、風評などを恐れ、発生企業から情報提供が行われることは少ない。したがって、実態把握などが困難な状況にある。○内部不正を防止するための現状把握と対策IPAでは、内部不正を防止するために「組織における内部不正防止ガイドライン」を公開している。組織における内部不正防止ガイドラインでは、基本方針や技術的管理、人的管理、物理的管理など10の観点から30の対策項目を示す。まず着手したいのは、チェックシートで対策状況の確認である。次いで、各項目ごとに対策を3段階で検討する。対策の指針 : 対策の概要を捉えるどのようなリスクがあるか : 対策の必要性を理解対策のポイント : 具体的な実施策を立案さらに、IPAでは具体的な実施策の検討には、各対策に必要な製品、ソリューションがまとめられた日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の「内部不正対策ソリューションガイド」を参考にするとよいとしている。○内部不正の背後に存在する「不正のトライアングル」今回の呼びかけでも指摘しているのが、不正のトライアングルである。これは、米国の組織犯罪研究者ドナルド・R・クレッシーが体系化したもので、トライアングルの名の通り、3つの要素によって構成される。動機・プレッシャー機会正当化動機・プレッシャーでは、地位向上への欲望、待遇への不満などから、行為のきっかけとなるものだ。機会は、逮捕されずに不正行為を行う機会があることを意識することだ。最後の正当化は、さまざまなケースがあるが「先輩も周りの人も悪いことをしているから大丈夫だ」のように、だから犯罪行為を行っても許されるという考えである。この3つが揃うことで、内部不正が起こる。IPAは、このうち動機・プレッシャーと機会は、組織として、対策を講じることが可能とする。本稿でふれられなかった点も多いので、興味ある方は、ぜひ参考にしてほしい。
2014年03月10日ユニス・シュライバー氏が設立ソニー生命が、知的発達障がいのある人々を対象とした国際的なスポーツ組織『スペシャルオリンピックス』の日本本部に、500万円の賛助金の贈呈を行った。スペシャルオリンピックスは、1968年にアメリカの故ケネディ大統領の妹であるユニス・シュライバー氏が、知的発達障がいの人々のための、スポーツを通じた社会参加を目指して設立した。同氏の姉ローズマリー氏には、知的発達障がいがあった。ボランティアとしてもソニー生命は昨年11月に行われた『2010年第5回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・大阪』においても、延べでおよそ950名の社員がボランティアスタッフとして参加。大会の運営に大きく貢献している。また平成24年2月に開催される予定の『2012年第5回スペシャルオリンピック日本冬季ナショナルゲーム・福島』においても、同様の取組を予定しているという。同社は今回の発表に際し、下記のようなコメントを発表した。ひとりでも多くの知的発達障がいのある方々の自立と社会参加をサポートし、多様性を認め合う優しい社会の形成に寄与していきたいという思いのもと、「スペシャルオリンピックス日本」を支援しております。
2011年01月29日昨年から国連の国際組織犯罪防止条約(UNTOC)の親善大使を務めるニコラス・ケイジが21日、ウィーンで開かれた会議に出席し、組織犯罪撲滅のための戦いを呼びかけた。UNTOCは国際的な組織犯罪の増加を受け、犯罪集団への参加やマネー・ローンダリングなどへ対処するための国際条約。日本も含めて現在157か国が批准しているが、今回の会議を主催した国連薬物犯罪事務所(UNODC)によれば、十分な効力を発揮しているとは言い難い。ケイジは「組織犯罪と無関係の場所は世界中どこにもありません。子供も大人も、特に女性は地球上のどの国においても被害者になる危険にさらされています」と語った。ケイジは親善大使として昨年、アフリカのウガンダとケニアを訪問した。強制的に少年兵にされたり、売春させらている子供たちの多くがドラッグ漬けになり、HIVに感染している現実を目の当たりにし、「組織犯罪の被害者には様々な層の人がいますが、中でも最もか弱い存在なのは子供たちです。強制的に兵士やドラッグの運び屋、売春をさせられる子供たちは犯罪者でしょうか?それとも被害者でしょうか?」と複雑な現状を訴えた。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:魔法使いの弟子 2010年8月13日より全国にて公開© 2009 Disney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.キック・アス 2010年12月18日よりシネセゾン渋谷ほか全国順次公開© KA Films LP. All Rights Reserved.■関連記事:【シネマモード】芸術の秋、映画で楽しむ英ロック・シーンコミカル&大迫力!『魔法使いの弟子』本編&インタビューの特別映像到着“ハンサム・ガイ”ニコラス・ケイジ、お台場でミッキーマウスと競演!ニコラス・ケイジ登壇『魔法使いの弟子』スペシャル・プレビューに5組10名様ご招待ニコラス・ケイジ来場!『魔法使いの弟子』レッドカーペットに10組20名様ご招待
2010年10月22日