他人の言動に違和感を覚え、結果的に絶縁状態になってしまった……、というような経験はありますか?今回は実際にあった“義両親の理解し難い言動エピソード”をご紹介します!多く負担するという義両親を信じた結果……小さいころから憧れていた結婚式をすることになった私。式のお金は自分たちが多く負担するといった義両親ですが、内訳を見たら私の方がかなりの金額を支払っていたということ発覚しました。自分たちの結婚式なので私の貯金を使うのはいいのですが……、発言と行動が伴っていないなと軽く不信感を抱いていました。しかも義両親は、夫に一言も言わず新郎家側のご祝儀をすべて自分たちのものにしていたのです。夫は激怒し、結果的に義両親と絶縁状態に。援助してくれるという申し出を断ればよかったです。(34歳/無職)息子の結婚式なのに……結婚式は費用が莫大になるので、援助してくれる存在はとても心強いもの。しかし、援助から一点してご祝儀に手を出す衝撃エピソード。息子にも言わず、新郎側の祝儀を我が物にするのは縁を断ちたくなってしまいます。発言と行動が伴っていない義両親とは、距離を置くのが一番よいかもしれません。以上、義両親のありえない金銭トラブルに巻き込まれた出来事でした。※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(恋愛jp編集部)
2022年05月23日大人気マンガシリーズ、今回は「我が子を性別だけで切るクズ夫の末路」第10話です。兄から発せられた、家族全員との絶縁宣言。彼は不満があるようです。見苦しい言い訳出典:YouTube抵抗は続く出典:YouTube我慢の限界出典:YouTube怯える家族出典:YouTube絶縁している出典:YouTube何も言えない親出典:YouTube恐怖体験をした家族出典:YouTube結果報告出典:YouTube強い味方に涙出典:YouTube【次回】一件落着と思ったら…!?兄の形相に何も言えなくなった家族。絶縁後の彼はというと…。出典:YouTube※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年05月18日大人気マンガシリーズ、今回はサレ妻みのり(@sarezuma_minori)さんの投稿をご紹介!「男に溺れた母と絶縁しました」第4話です。高校生になったころ、家計のためか車販売の営業職に転職した父親。そして借金はしていないもののパチ好きだった父親はボーナスや給与を定期的に注ぎ込んでいました。思春期まっしぐらの姉妹出典:instagramお小遣いをくれたり…出典:instagramありふれた家庭
2022年04月19日大人気マンガシリーズ、今回は「兄嫁に嵌められ家族と絶縁した話」第10話です。当時の出来事は兄嫁の仕業だと言い放ったユズリハ。その真相とは?見ていた出典:YouTube焦る兄嫁出典:YouTubeヒートアップ出典:YouTube兄嫁の本音出典:YouTube出典:YouTube自分がやったことを認めた兄嫁。ようやく反省した家族ですが、クロキの意思は固いようです。出典:YouTube※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年04月17日大人気マンガシリーズ、今回はサレ妻みのり(@sarezuma_minori)さんの投稿をご紹介!「男に溺れた母と絶縁しました」第2話です。両親と姉妹の4人家族だった家庭が母親の不倫発覚で崩壊。そして現在も絶縁状態。いったいなぜ…!?小学生のころ出典:instagram両親は共働き出典:instagramいつの間にか…
2022年04月17日大人気マンガシリーズ、今回はサレ妻みのり(@sarezuma_minori)さんの投稿をご紹介!「男に溺れた母と絶縁しました」第1話です。みのりさんのフォロワーさんのお話です。母親の不倫発覚後、家庭崩壊し、現在は母親とは絶縁状態。いったい何があったのか…!?男に溺れた母と絶縁しました出典:instagram母親の不倫発覚で家庭崩壊出典:instagram母親とは絶縁状態出典:instagram4人家族だった家庭が母親の不倫で崩壊。現在も絶縁状態。いったいなぜ…!?次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@sarezuma_minori)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年04月16日「毒義母がヤバイ」第25話。ある日、夫のむぎ太さんから「地元で子育てしたい」と言われたみゆきさんは、「絶縁したい」「義祖母とは関わらない。老後の面倒も見ない」ということを了承してもらい、ほっとひと安心。そして、住むところについて、むぎ太さんから意外な提案が……! 毒義母がヤバイ 第25話 「俺ももう母親とは住みたくないし、別居しようかと思うんだ」 「えっ?! まじで?!」 むぎ太さんからの思いがけない提案に、うれしさのあまり、頬が緩んでしまうみゆきさん。 無事に引っ越し先の家が決まり、義実家に連絡を入れたところ、「引っ越すとき義母がきいちゃんを見る」と言われた……むぎ太さんどうする?! 著者:マンガ家・イラストレーター みゆき2020年4月に娘を出産しました。ブログ、Instagramにイラストエッセイ「ギリ揉め」と、日常・育児の漫画を描いています。
2022年03月10日初めての出産を迎えた投稿者の蘭さん。遠方に嫁いできた蘭さんは義母の好意で産後の1ヶ月間、夫の実家にお世話になることに。「私も息子を産んだときに義理のお母さんに助けてもらった。全部やってあげるから」とまで言ってくれた義母に甘えることにした蘭さんでしたが、このことがきっかけで、実家と絶縁する羽目に。いったいなぜ!?■あれ…言ってることと違う…何もしてくれない義母「全部やってあげる」と言っていたのに、ずっとソファにいる義母。ご飯を作ってくれ、買い物にも行ってくれることに感謝はしつつも、マイペース過ぎる義母との暮らしに、蘭さんはイライラしてしまいます。泣いている孫を抱き上げるわけでもなく、ただ自分の都合で急かす義母に、蘭さんは思わず声を荒げてしまったのです。「もうすぐアパートに戻るし、時間が解決するよ」と夫は呑気でしたが、蘭さんは家に帰るまでの残り3日間、義母から避けられ、気まずい日々を過ごしました。よくしてくれた義母の気持ちを傷つけたことを申し訳なく思い、手紙を置いてアパートへと戻った蘭さん。すると翌日、義母からメールが届きます。謝り倒し、ようやく義母から許してもらいました。■軽い愚痴のつもりが取り返しのつかないことに…そして二ヶ月後。出産時以降、会えていなかった両親、兄夫婦と妹が蘭さんの家に遊びに訪れました。会話の中で、育児の話になったときのこと。軽い愚痴のつもりで義実家での出来事を話す蘭さん。すると…母親が激怒!「向こうのお義母さんに言っておく」ときかない母親をなだめ、両親たちは帰っていきました。昔から思い込みの激しいところのある蘭さんの母親は、今度は義母の話を鵜呑みにして怒り出してしまったのです!さらには、蘭さんを病気呼ばわりする始末…。蘭さんの話を聞くこともせず、一方的に怒り出す母親に、蘭さんは失意を覚えるのでした。そしてある日のこと、母親から蘭さんに荷物が届きます。中に入っていたのは――突然、母親から絶縁を告げられた蘭さん。読者の皆さんはどう思ったのか、次のページでご紹介します。■読者から意見「大事になる前に修正する努力を」義母や実母との関係性について、わかる! 私も経験があります! まずはそんな感想からご紹介します。子どもの出産を機に今まで知り得なかった親の姿が露呈するケースって意外と多いのかなと思ってしまいました。自分のところも子どもを嫁が出産した時に、自分の母が嫁に対して明らかに理不尽な言動をとるようになり、すごくショックを受けたのを覚えています。なぜそういう思考になってしまうのか… 母と言い合いになったりもしました。信じたくないって気持ちになりましたし、とにかく悲しかったのを覚えています。最終的には自分、嫁(旦那)、子どもという自分にとって未来ある家族が味方です。可愛い子どもと旦那さんを大切に幸せに暮らしてくださいね。私の母親も思い込みが激しくて時々、気が狂ったように騒ぎ立てて会社に電話してきたり、子どもを所有物みたいに思っている節があります。もういい歳なので振り回されるのは嫌だから時々ブロックしてます。どれだけ不快にさせてるか本人に自覚がないのでケロッとしていますが、当然母親にお友達はいません。すごく共感ができます。 私も実母にほとほと悩まされてましたので主人公の奥様の気持ちが本当にわかります。親を否定すると罪悪感に悩まされたり 私がダメだったのかと自問自答したりと本当に奥様の気持ちがわかります。私の親がまさにこれで、家族の意見は聞かないのに他人の言うことは全部鵜呑みにします。口論になると、けっきょく「私に恥をかかせる気か! お前は私の言う通りにしていればいいんだ! 親の命令が聞けないなんて頭がおかしい!」って本心が出ます。あなたのためって自分の物差しや都合に合わせて矯正するためで、「あなたの(在り方が私の思い通りになるように変われる)ため」なんですよね…これを言う人が本当に相手のことを思って言っていたことは私の経験上では今まで一度もないので、それを言う人が居たら要注意と思っています。一方、実の親と絶縁にまでなってしまう前に何か方法があったのではないかという意見も寄せられました。義母のせいで実の母と絶縁は悲しいです。実の娘の話もちゃんと聞かない母親も悪いけど、一番悪いのは義母がうそを言ったことが始まりだし、実際に育児のサポートをしてくれなかった義母に問題があると思います。旦那さんが義母と実母の間に入って事実と和解の話し合いをしたら良かったのでは?と思います。どちらの親とも疎遠になってしまうなんて…なんだか切ないですね。最初に義母が毎日訪ねて来ていた段階で、もっと率直に気持ちを伝えていたらこんなに大事にならなかったのかなと思いました。溜まり溜まったものを吐き出すと、どうしても自分だけが被害者のような気分になって、口調がきつくなったり、言わなくていいことまで言って相手を必要以上に傷つけてしまいがちですよね。悲しいな。お嫁さんもダメだったかなぁ。自分の母親の性格を知っていながらくだらないことをしゃべり過ぎ。口は禍の元ですよ。寝れないのはわかるけど、義母が何もしてくれないって言うのはちょっと違うのでは…。買い物と食事の準備だけでも感謝するべきだし、なによりご本人の産後の覚悟ができていなかっただけでしょう。私も産後寝れなかったり食べる暇なかったりは経験しましたが、自分の効率の悪さに落ち込むことはあっても、他人のせいにはしませんでしたよ。ちょっと甘えがあるのでは?産後に心が不安定になる気持ちもわかるし、親になる前にママ自身が親に最後に甘えるのもわかる。けど、最初に押しきられたとしても、本当に自分にお世話が必要か真剣に考えればよかったんじゃないかな。あと、親の性格を知っていたなら絶対に親に愚痴るべきではなかった。親に悩みを話すときは、深刻な悩みの時か、もう解決してからがいいと思う。私が親なら、軽くでも愚痴るような甘えは見たくないなぁ。投稿者の蘭さんは義母とのトラブルが原因で、実母とも絶縁することになってしまいました。読者からは、そうなってしまう前に修復する機会はあったのでは? といった意見もありましたが、思い込みの激しい相手と付き合うって…大変ですよね。ウーマンエキサイトには、親との関係において参考にしたい漫画が多数掲載されています。▼漫画「赤ちゃん産んだら実家と絶縁する羽目に…」
2022年02月16日西出ひろ子さん撮影/齋藤周造両親が言い争う修羅場を目の当たりにして人生が変わった。唯一味方だった父親と弟が自死、実母とは絶縁状態に……。「うちの家族はみんな残念なんです」マナー講師として伝えたいのは“型や作法”ではなく、人が争わず柔軟に生きるための「思いやりの心」。「ハッピー」という決まり文句には、強い信念が込められていた──。■「マナー界のカリスマ」の講義の実態東京都・町田駅に近いアルファ医療福祉専門学校で、ある講義が始まろうとしていた。30人ほどの受講者の前に立ったのは、マナーコンサルタントの西出ひろ子さん(54)だ。よく通る声が教室に響く。「人と人が出会ったとき、まず“第一印象”が発生します。さて、みなさんの隣の人のことをどう思ったか教えてください!」数分後、何人かがそれぞれ隣にいる人の第一印象を話す。「オーラがあって元気な印象」「頷きながら話をよく聞いてくださる人だなと思いました」「はい、ありがとうございます。みなさん、いろんな第一印象を持ちましたね。実は同時にみなさんも相手から何かしら印象を持たれたのです。人から自分がどう思われるのか、これってドキドキしますよね。第一印象は、まず視覚から入ってきます。頭の先から足先までが第一印象として相手に伝わります。実は相手から全部見えちゃっていますよ。どんなふうに座っているのかまでね。それによって印象は変わっていきます」大きな笑顔の話し手につられて、受講生の表情も穏やかなものになっていく。「マナーという言葉は英語なんですが、日本語にするとどうなるでしょう?」「……作法?」「約束事かな」「礼儀だと思います」当てられた人が立ち上がって答えていく。「そうですね。実は日本語に直せば、マナーは『礼儀』という意味。『礼儀』の『礼』という字には『思いやり』という意味があります」ちなみに『儀』の字は『型』を意味するが、“思いやり”が抜け落ちた型や作法は「マナーとは言えない」と、ひろ子さんは強調した。講演会でいつも伝えているのは、『マナーの5原則』。(1)表情(2)態度(3)挨拶(4)服装・身だしなみ(5)言葉遣いだ。「その人の内面は目の『表情』に表れます。目の表情をよくするには、いつも気持ちをハッピーにしておくこと。『態度』も気持ちの表れです。常に相手のことを思っていれば、どんなに疲れていても、姿勢は正される。例えば椅子の座り方。座面の半分のところにお尻を置いてみる。すると背もたれを使わないので自然と脚、ひざも足先も閉じちゃうでしょ?少し意識するだけで印象は変わるんですね」「正解」や「マニュアル」を教えるような言い方を避け、気持ち次第で言動は変わるのだと穏やかに話す。「『挨拶』の漢字は“心を開いて近づいていく”という意味。じゃあ、どっちから心を開くか。そう、自分からですよね。これを“先手必笑”と私は言います。自分から挨拶を心がける。挨拶をされたら相手はハッピーになる。その喜びが自分もハッピーにしてくれます。ビジネスでは“ウインウインの関係”と言いますね。『服装・身だしなみ』のポイントは清潔感と機能性です。『言葉遣い』は相手の立場に立って、相手をハッピーにして差しあげるんだという思いを軸に話すように心がけてみてくださいね」講義中、ひろ子さんは「ハッピー」という言葉を何度も口にした。「具体的な作法や型にこだわるより、マナーには、自分も相手も幸せにする力があることを知ってほしい」西出ひろ子さんの著書は97冊以上、「マナー界のカリスマ」と称され、メディア出演、講演をはじめ、その活動は多岐にわたる。近年は大河ドラマや映画のマナー監修の仕事を引き受けることも多い。撮影現場に立ち合うと、マナーが素晴らしい役者に感激することがあるという。NHKドラマスペシャル『白洲次郎』(’09年)で白洲正子役を演じた中谷美紀もその1人。「私が言うところの“マナー”、要するに周りに対する配慮、心遣いが素晴らしかった」ひろ子さんにとって、『白洲次郎』は、ドラマに携わる初めての仕事。何をしていいかわからず、端っこに立っているしかなかったという。そのとき、中谷に「先生!」とみんなの前で呼ばれた。──ワイングラスの持ち方はこれで大丈夫でしょうか?「中谷さんは、本当は知っているはずの作法をわざと聞いてくれているのがわかりました。みんなの前で『この人はマナーの先生だよ』ということを自然にアピールしてくれた。なんて優しい人だろうって思いましたね。撮影が終わるたびに毛筆で達筆な心あるお手紙も頂戴しました。今でも宝物として書斎に飾ってあります」また、ある現場で不本意な対応をされたときは、椎名桔平が間に入ってくれたという。「リハーサルのとき、裏でちゃんと伝えたことを現場スタッフが間違えると、監督から叱られるのは私です。すると、椎名さんが『先生はこうしてくださいって言ってましたよね』とフォローをしてくださる。そんな気配りをする人は、マナーの型もさることながら、その本質をよくご存じの方なんですね」NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』(’20年)の主人公、高橋一生は、前向きな姿が印象的だったと明かす。「役柄の中での動作や所作について『これでいいですか?』とすごく積極的に質問されました。よい作品にしようという気持ちが伝わってきました」実は、こうした現場では、マナーの指導を快く思わない役者もいるという。「恥ずかしくて聞けないというか、聞いたら自分が負けみたいな考えの人もいる。『これ、知ってるから!』と無視する方もいらっしゃいますね」一般的に、「マナーをわきまえない」「育ちが悪い」「礼儀がなっていない」という言葉をよく耳にする。そして、「マナー」は、時に人を貶める「ものさし」のように捉えられる節がある。「〇〇してはいけない」「〇〇すると失礼にあたる」「〇〇はNG」……。メディアに出演するマナー講師は「叱る人」というスタンスを求められ、そのイメージから“マナー”への警戒心が高まっている側面もあるという。しかし、ひろ子さんは頑なに「マナーとは、『心』と『思いやり』を行動で示すもので、マナーに正解はない」と説く。そんな彼女がマナー講師になった原点は、意外にも“両親の離婚”だった──。■「両親の修羅場」と運命の出会い「お父さんが浮気してるみたいなんだけど……」ひろ子さんの人生は母親からの1本の電話で大きく変わっていく。大分県別府市で生まれ、父親が不動産業を営む裕福な家庭で5歳下の弟とともに大事に育てられた。高校卒業後、推薦で良妻賢母を目指す大妻女子大学に進学し、上京。女子大生ライフを満喫しようと思っていた矢先の出来事だった。まさに青天の霹靂。ひろ子さんは、大学が休みに入るとすぐに実家に戻り、両親の不仲を取りなそうと試みた。「母親が依頼した探偵と一緒に車で父を尾行したりもしました。浮気相手とラブホテルに入るところを確認し、父が車から降りたところに『お父さん!』と声をかけ、そのまま逃げられたことも(笑)。でも父は、離婚をするつもりはなかったんですよね……」ひろ子さんは、必死になって父に手紙を書き、説得した。だが、両親の関係は修復せず、別居に至る。離婚協議は難航した。「私は、父だけが悪いわけじゃないと思っていたんです。父は必ず毎日家に帰ってきたし、外で子どもはつくらないと決めていた。だから、折り合いをつける方法があるんじゃないかと思っていました。ところが、父と母は相手の立場に立つことなく、自分の意見だけを言って、相手を非難する。その姿を見たときに、人として美しくないと思いました。自分と同じ人なんて絶対いない。だからこそ、相手が言うことを受け入れられなくても、聞く耳を持ち、受け止めることはできるのではないか、と」卒業後の就職先は、父が地元でまとめてくれることになっていたが、離婚騒動により白紙に。やむなく就職活動を始めた彼女は、運命の人と出会う。面接の仕方を学ぶため受講したセミナーのマナー講師、岩沙元子さんだ。「初めてお会いしたときに、その美しいお姿とともに品のある話し方やしぐさ、心の美しさにすっかり魅了されました。なんというか……岩沙先生には人としてのやわらかさがありました。同時に、母の姿が浮かんで、つい、2人を比べてしまったんですね」専業主婦の母親は、料理などの家事はもちろん、作法が完璧な人だった。「それこそ『女性は三つ指ついて……』の世界の人。中秋の名月にお団子を作り、鏡餅もおせちもすべて具材から調理するような、慣習にきちんとしている人。妻はこうでなくてはいけない、という『型』を重んじるタイプですね。母はマナーを『型』で捉えていた。でも、岩沙先生からは心、内面からにじみ出るものを感じたんです」両親の争いを目の当たりにしたひろ子さんには、岩沙先生がとても美しい存在に映った。母と岩沙先生、どちらも礼儀を大事にする人であったが、両者は「似て非なるもの」だと感じたのだ。「先生のように、人として美しく生きたい──」ひろ子さんはマナー講師になることを決意した。当時、活躍していたマナー講師のほとんどはCA出身者だったため、客室乗務員の専門学校に通い始めた。ところが、視力に問題があり、試験に臨んだ航空会社は全滅。見かねた校長先生に、国会議員の秘書の仕事を紹介された。「議員秘書といっても、鞄持ち。朝早くから先生について、何時に終わるかわからない夜の会合にも同行しました。先生が会食中は外で立って待ちます。朝コンビニでアンパンを3つ買って、先生が会食中、出てくるのを待つ合間をぬって、トイレで食べることも(笑)。当時はお休みがなくて時間も不規則でしたね。でも、初めての仕事だったので、当たり前だと思っていました」議員秘書、政治経済ジャーナリストの秘書を4年間務め、エレベーターでの案内の仕方、名刺交換の仕方など、「マナー」の基礎を学んだ。休日は、本格的にマナーを学ぶために岩沙先生の自宅兼事務所にも足しげく通った。27歳のとき、マナー講師として独立。軌道に乗るまでは、生計を立てるために派遣社員として大手商社でも働いた。「名の通った大手企業から依頼をいただくことが、マナー講師としてのひとつの成功であると思っていました。そのチャンスを逃さないためにも、大手企業の仕事がどんなものか、身をもって知っておくことが必要だと思ったんです」平日は派遣社員として働き、週末にほそぼそとマナー講師をする生活が続いた。母親や友人がみな、マナー講師の道を反対する中、唯一「やりたいことをやれ!」と背中を押してくれたのは父親だった。しかし、思いもかけずその父親が急逝してしまうのだ。■父の自殺、弟の借金問題1996年の秋のことだった。遺書はなかった。亡くなったのは大分郊外の山の中。木にロープを巻き、首を吊るかたちで父親は自らの生涯を閉じた。まだ55歳の若さだった。生前、大きな詐欺事件に遭い、「これ以上やっていけない」とこぼしていたらしい。ひろ子さんとは、25年以上の付き合いになる福尾由香さん(57)は、父親の訃報が届いたとき、隣にいた。「『お父様が亡くなられた』という電話が突然かかってきて。大変なことが起きたのに、すごく健気に振る舞ってて、『この年齢で受け止められるのはすごいな』と思いました。彼女は『お嬢様』って感じの可愛らしいタイプ。なのに、その後も、ずっと『独り立ちしなきゃ』と自分にプレッシャーをかけていたのが印象的でしたね」遺産相続は放棄したが、父親は生命保険をかけており、ひろ子さんと弟に分配された。ところがある日、九州の国税局から連絡が入る。「弟さんが相続税を納税していないので、お姉さんが納めてください」弟は、東京の大学に入学し、塾講師のアルバイトをしながら頑張っていると聞いていた。しかし、知らぬ間にギャンブルの世界に身を置き、父親が遺した生命保険金はすべてギャンブル仲間に巻き上げられていた。すぐに弟の未納分を肩代わりしたが、事は収まらず、「弟さんにお金を貸してるから、お姉さん返してくださいよ」と悪い仲間から電話がかかってくるようになる。ひろ子さんは、探偵の力を借りて、消息がわからなかった弟の居場所を突き止め、九州へ逃がした。何とか弟には更生してほしい──そんな思いで福祉の専門学校への入学を手配。離婚後、福岡に移り住んでいた母親に弟を託した。「弟は幼いころから成績もよく、学校で生徒会長を務めるほどの人気者でした。東京の大学に進学して商社に入社、営業成績もナンバーワンだったのに……。それが大金を手にしたことで、人生を狂わせてしまったんですね」弟の騒動が一段落したころ、ひろ子さんは疲弊しきっている自分に気づいた。「せっかくマナー講師になる夢を叶えて羽ばたこうとしているのに、次々と邪魔をするようなことが起きる。もう、いいかげんにしてほしいって。それに、このまま日本にいると、弟を甘やかしてしまいそうで……。この機会に日本を離れ、マナーの本場である英国では何をもってマナーといっているのか自分の目で確かめたいと思いました」両親の離婚、父の自死、弟の借金、家族の問題で疲れ果てた彼女は、31歳のとき、自由を求め、イギリスに飛んだ。■英国で見た本場のマナーひろ子さんは、イギリス・オックスフォードにある語学学校に通い始めた。「英語がまったくダメだったので、まずは言葉を何とかしようと。ハロー、サンキューくらいしか言えなかったんです(苦笑)。イギリスではマナーの学校に通うことはありませんでした。それよりも、イギリスの人たちの生活そのもの、街中で見かける何げない風景のすべてが私にとっては、マナーの学校でしたね」バスに乗ったとき。乗り込んできた乗客は必ず運転手に「グッモーニン」「ハロー」と挨拶をする。すると運転手も必ず返してくれる。降りるときも必ず「サンキュー」と言って降りる。運転手も必ずひとりひとりに「サンキュー」と返していた。「最も印象的だったのは、建物に入るためにドアを開けるとき、必ずみんなが後ろを振り返ること。そこに人が居合わせたら老若男女問わず、『お先にどうぞ』と通してくれる。道路を横断しようと道の端に立てば、車が途切れるのを待つまでもなく、車はすぐに止まってくれて、笑顔とジェスチャーで『どうぞ』と横断させてくれる。日本でほとんど見ることのない光景が、イギリスでは当たり前にありました。そして、日常のありとあらゆるところに『サンキュー』が飛び交っていたのです」洋食のテーブルマナーも、イギリスでの実体験から直接学んでいった。イギリスでの生活にも慣れたころ、ひろ子さんは現地で知り合った友人と起業する。英国在住の日本人学生が、帰国後に就職活動をするための準備として、また日本企業に就職したい外国人向けに「日本のビジネスマナー」を教える会社を立ち上げようということになったのだ。さらに、オックスフォードとケンブリッジ大卒の学者を集めた「知的人材バンク」の事業もスタート。日本人の研究者たちの論文を英訳し、『ネイチャー』や『サイエンス』などの世界的に有名な雑誌に投稿するサービスだった。「普通の翻訳会社と違って質がよかったみたいで大当たり。私はときどき日本に戻って営業をしに行きました。今、私が講演で話す“ビジネスマナー”は、このときの営業経験がもとになっているんです」クライアントは、主に東大や京大などの研究者と製薬会社。『イギリスが本社』と説明しても怪しまれ、なかなか信用してもらえず、苦労した。「まずは人に信用してもらうことからスタートだと思い、『マナーの基本5原則』を活用しました。また、この営業で実践したのは『ハイ!』と感じのよい返事をすること。そして『相手の名前を呼びながらコミュニケーションする』ということでした」イギリスでは必ず、『ヒロコ!』と名前を呼んで声をかけられた。それがヒントになったという。「名前を呼ばれると、社会的に認められた気持ちになって、私にはとても心地よかった。名前を呼ぶコミュニケーションを日本でもきちんと定着させようと思いました」営業のコツを少しずつつかみ、顧客は増えていった。だが、困ったことにイギリスの人たちは納期を守らなかった。注意しても、改善されない。ひろ子さんは日本の研究者たちからのクレーム対応に追われた。「どんなに怒鳴られても、相手が困っていらっしゃることを想像し、心の底からお詫びをする。電話で1、2時間ブワーッとクレームを言われても、何時間でも相手の話を聞きました」謝罪の言葉を繰り返しても、そこにちゃんと気持ちが入っていないと慇懃無礼で相手には何も伝わらない。「多少言葉遣いが間違っていようとも、相手の立場に立って、『お気持ちは大変よくわかります。申し訳ございません』と本当に心を込めて伝えることで、めちゃめちゃ怒っていた先生たちが、最後には新しい仕事を依頼してくださり、電話を終えられるんですね」クレーム処理はマイナスの事態だが、そんなときこそ、心を込めたマナーのある応対で、相手の印象をプラスに変えることができたという。31歳から35歳まで、都合4年間、ひろ子さんはイギリスに滞在。その間もときどき帰国しながら、マナーの仕事や秘書業、営業をこなしていた。そして2002年、大手飲料メーカーのヨーロッパ支社に勤める日本人会社員と結婚。日本に拠点を移し、本格的にマナー講師の活動を再開する。’03年には、初めての著作となる『オックスフォード流一流になる人のビジネスマナー』を上梓。2年後に発売された『完全ビジネスマナー』がヒット、’06年には『お仕事のマナーとコツ』が28万部のベストセラーとなり、マナー講師としての立場を確立できるようになっていった。■最高裁で母と争った末に……九州で母と暮らす弟は、介護福祉士として再スタートを切っているはずだった。しかし、彼はいつの間にか、雀荘の店長になっていた。そして、あちこちで借金を繰り返し、母を苦しめていた。「人材の育成に携わる自分が実の弟の育成すらできていない。これはおかしな話だと思ってしまって……。弟を自分の会社に引き取って更生させようと試みました。でも、私がやりたいことはいつも応援してくれた夫が、初めて大反対したんですね。私は土下座して頼み、承知してもらいました。ありがたかったです」しばらくは弟も姉のサポート役としてまじめに仕事をしていた。彼なりに人生をもう一度立て直したいという思いでいることが、ひろ子さんには伝わっていた。ところが──。弟はやはりお金が原因で問題を起こしてしまう。「弟は完全に壊れていました。病気ですね。平気で嘘をつけるようになっていたんです。ある日、『病気だったら治せるから、あなたの上司としてではなく、お姉ちゃんとして治してあげるから、一緒に頑張ろうね』と弟を抱きしめたんです。彼もワンワン泣きながら頷いてくれました。どこかで、母のため……という思いがあったんです。小さいころから弟を可愛がっていた母が悲しむから、私が何とか更生させなきゃって……」そう言って口を噤(つぐ)んだひろ子さんは涙を見せた。病院にも連れていってみたが、やはりどうにもならなかったという。「弟が私の会社で悪さしたのは、私のせいだと母に言われて……。心が折れてしまいました」結局、後ろ髪をひかれる思いで、弟を母のもとに戻す決断をする。だが、その後、マナー講師の仕事に打ち込み、事業も順調に展開し始めていた2009年、とんでもないことが起こる。母親から訴状が届いたのだ。「ある日、母から『実印と福岡の土地の謄本を持って帰ってきなさい』と突然電話がかかってきました。『え?なんで?』と聞いたけど、理由を言わない。放っておいたら訴状が届いたんです」母親は弟の借金返済のため、お金が必要だったと後で知った。裁判は結局、最高裁までもつれた。「最終的に私はその土地を売って母のために清算しました。法廷では母とは『これで最後だろうな』という覚悟で会いましたね」そして係争中、あろうことか、ひろ子さんは、相手の弁護士を通じて弟の死を知らされたのだ。「耳を疑いました。弟は自ら命を絶ってしまったのです。発見された場所は彼が学生時代を過ごした東京のある公園の公衆トイレでした。母に宛てた遺書があったようで、警察はまず母に連絡をしたみたいですね。母は『遺骨を引き取りには行けない』と言い、遺骨は飛行機で母のもとに送られたと聞きました。いくら係争中だとはいえ、東京にいる私になぜ、すぐに連絡してくれなかったのか……」ひろ子さんをそばで支えていた夫も気が気ではなかったという。「お母さんとのトラブルは、私の立場から安易に立ち入れない。裁判中は、彼女と『なんでこんなことになるの?』と話すこともありました。弟さんも残念でした。本当に彼女もつらかったと思います。でも、そんなことがあっても、彼女は明るい。仕事も懸命に続けていました」現在、母親とは音信不通。居場所さえ知らないと言う。「私はずっと母に『幸せになってもらいたい』と思ってきました。なのに、母は言いがかりのような訴えを起こしてきた。私は途中で和解案を持ちかけましたが、母はそれさえも拒絶してきました」両親の離婚のとき同様、何とか折り合いをつけたいと最後まで願ったが、叶わなかった。「いちばん大切なのは、相手の立場に立って、思いやる心を持つこと。そして決めつけないこと。母はこうでなければならないと譲らない人でした。言っていることは正しいかもしれないけど、人生には杓子定規にいかないことも起きる。母ももっと生き方を上手にできれば、こうはならなかったのかなと。人としての柔軟さがないと、幸せにはなれないんじゃないかって思うんです。だから、うちの家族はみんな残念なんです。父も母も弟も……」あまりにいろんなことが起きすぎたため、子どもをつくることは怖かったと告白する。「夫には申し訳ないのですが、あまり子どもが欲しいとは思わなかったんですよ。万一、同じようなことが起きたら……って。これは、私の代で終わりにしなきゃいけないな、と思ってしまったんです」冒頭の講義で「ハッピー」という言葉を何度も繰り返し伝えていたひろ子さん。その笑顔の裏には、家族の問題を反面教師にして生きたいという強い思いが込められていた。「こんな事態を招かないような世界にしたい。私はマナーという形で“思いやりの心”を伝え続けているんです」■テレワークマナーで大炎上昨年9月、『テレワークマナーの教科書』という本を出版。コロナ禍でテレワークが一般的になった現在、タイムリーな企画だったが、ネットで大炎上した。「驚きました。本の内容について『これはひどい』『うるせーばーか』『害悪』『こんな創作マナー出てくると思ったわ』という批判が殺到して。でも、炎上していた内容はその本に書かれていないものでした」「リモート会議では5分前にルームに入室」「お客様より先に退出してはいけない」など間違った投稿に多くの人が反応し、次々と批判コメントが拡散された。だが、本の中では、「先に入室してないから失礼だ、などと思わないことこそが真のマナー」というアドバイスを添えていた。「この騒動を通して、マナー講師につけられた『失礼クリエーター』という異名を知りました。『〇〇しては失礼』という新しい『失礼』を創出(クリエイト)して提唱する人、という意味。明らかに侮辱の感情が込められています」さすがに落ち込んだひろ子さんを救ったのは、夫の言葉だったという。「私、元来落ち込みやすいし、気にしちゃうタイプなんですよ、グジグジと。あのときも、批判コメントに対してお詫びのメールを書こうとしていたくらい(苦笑)。でも、夫に『記憶から消せ』と繰り返し言われて、前向きに変わっていけました。注意されたら『言葉の花束』をプレゼントされたと思おう。マイナスのことが起きたときは、プラスに変えなきゃって」心ない言葉の数々を目にして、反論したい気持ちはなかったんですか?思わず筆者がそう水を向けると、ひろ子さんは首を横に振った。「自分の至らなさを自省する機会になりました。一方で、ほとんどのマナー講師が、マナーを作法や型として教えている。『上から目線』に見える部分もあるのかもしれない、と思いました。それに、裏を返せば、マナー講師という仕事にそれだけ影響力があるということ。茶道にいくつも流派があるように、マナー講師の教え方もさまざまです。自分がいいと思えば、それを取り入れればいいし、『どうなの?』と首を傾げるものだったら、スルーすればいいだけなんですよ」■「母」に残した「頼みの綱」現在、ひろ子さんは、企業のマナーコンサルタントとしても引く手数多である。7年前から社員研修を依頼している『国立音楽院』代表の新納智保さん(56)が言う。「『仕事とは何か?』、経営者の立場に立った話から、経営のあり方、企業に合わせたさまざまな研修をしてくださるので驚きました。もともとはスタッフ向けにお呼びしたのですが、今は就活中の学生たちにも“ためになる”と人気です」今年、新たに自営業者向けのコンサルティングも始めたばかり。「相手の立場に立って、顧客が欲しがるものを提供する」思考は、マナーの得意とする分野だと言う。彼女の助言で、ネットを利用した新たなビジネスを始めた大阪の和食屋があった。コロナ禍でお店は休業。「お弁当を作って売ればいい」と周囲から言われたが、ご主人の大将は職人肌で、生ものにこだわっていた──。そこで、女将さんによる「和食のマナー講座」をオンライン化したのだ。有料の動画講座には申し込みが殺到。自粛期間でも収入を得ることができた。『和処Re楽』の女将・裏野由美子さん(51)は長年、和食の文化をお客様に伝えたいと思ってきたと話す。「西出先生のオンライン講座を知って参加したのがきっかけです。店側からしたら、マナーは知ってほしいけど、やはり『どうしたらお客様に楽しんでいただけるか』が大事。それを西出先生に言葉で示してもらえた。動画には大将もうれしそうに出演したんですよ(笑)」ひろ子さんの本を読んで、弟子入りし、マナー講師になった人もいる。吉村まどかさん(50)だ。「西出先生は、仕事に対しては厳しいですね。一貫してマナー最優先で人間関係に対応されるところも、尊敬しています。マイナスポイントは、完璧すぎるところ。仕事に妥協を許さないから、2日も3日も徹夜しちゃう。先生の身体も心配だし、周りのスタッフも大変ですよね。先生は甘いもの、可愛くて美しいものが大好き。携帯のアクセに凝ったりして。それがご自身のブランディングになってるところもすごいんですが……(笑)」今年、ひろ子さんは55歳になる。父が亡くなった年齢だ。「母とは、もう会うことはないと思います。でも、唯一の頼みの綱は残してあるんです。父や祖父が入っている納骨堂の施主が母になっています。施主として母の名前があるということは、まだ元気でいるということ。それだけは確認しています。そこの住職に『何かあったら、いつでも連絡してきてほしい』と伝えてあるんです」そう言ってひろ子さんは、「私、あっけらかんとしてるところもあるんで。終わったことはもう、ね」とおどけてみせた。けっして母親のことを諦めたわけではないのだ。ネット上で、マナー講師を批判する発言があっても、反論するどころか、批判した人の気持ちを想像しながら言葉を紡ぐ。あれほどのトラブルを持ち出した母親にも、まだ心遣いを欠かしてはいない。「マナー(思いやり)には、自分も相手も幸せにする力がある──」きっぱりと断言する彼女の信念は、少しも揺らぐことはないのである。(取材・文/小泉カツミ)こいずみ・かつみノンフィクションライター。社会問題、芸能、エンタメなど幅広い分野を手がける。文化人、著名人のインタビューも多数。著書に『産めない母と産みの母~代理母出産という選択』など。近著に『崑ちゃん』『吉永小百合 私の生き方』がある
2021年10月31日■前回までのあらすじ「子育てには正解がある」と白黒の世界しか教えてくれなかった母。しかし子どもの個性を考えたグレーのゾーンがあることを知ったハム子は…。■母との関係は白黒つけるべきなのか…?「ベストなグレー」とは、自分にとって気持ちの折り合いがつくところだと思います。私は今まで、自分の気持ちの折り合いの付け方を学んできませんでした。なぜなら自分の気持ちは、「封印する」か「ゴリ押しする」かのどちらかしかなく、母と一緒に過ごすときはほとんど「封印する」しかなかったから。でも、気持ちに折り合いをつけられるようになったら、生きるのがとても楽になりました。気持ちに折り合いをつけられるようになると、自分の心を安定させられるようになり、自分で自分の心をコントロールできるようになると、だんだんと自分に自信がついていきました。すると、今まで「自分には正解は出せない」と思い込んでいたことが、「そんなことはない。自分にとっての正解は自分で出せる」というように変化していったのです。そしてこれまでの「世間一般の意見と自分の意見が違う時は、世間一般の意見を正解とする(自分は間違った人間だ)」という考え方から、「人に迷惑がかからない限りは自分を尊重して良い」という考え方に変わっていく自分を実感しました。→次回に続く※この物語は私の経験を基に、一部編集しています。
2021年10月22日子どもと良い関係が築けない…そんな時は、親子関係を絶縁したほうがよいのではないかと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、親子関係の絶縁は実際に可能なのかわからないですよね。そこで今回は、法的にも有効な親子関係を解消する方法について紹介します。そもそも親子は絶縁可能なの?法律的には、親と子どもの関係を絶縁する方法がないのが現状。簡単に絶縁できないのは、親には子どもに対するさまざまな義務が発生するからです。どんなに親と子どもの関係が悪くても親子関係の絶縁は困難であることを理解しておきましょう。親子関係の法的な縁とはでは、親の子どもに対する義務とはどのようなことなのでしょうか。親子関係の法的な縁について詳しく見ていきましょう。子どもが未成年の場合子どもが未成年の場合、親には養育・監護する義務が発生します。養育とは子どもを養って育てることを意味し、監護は子どもが危ない目に遭わないように監督して保護することです。子どもが生まれた瞬間から、養育と監護の義務が親に発生するので、どんなに親子関係が悪くても簡単に縁は切れないということになります。子どもが成年の場合子どもが成人したあとに発生する義務は、生活扶助義務と相続関係になります。生活扶助義務とは、生活水準を維持するためにお互いに助け合わなければいけない、義務です。相続関係は、子どもが親の財産を相続できる権利になります。ただし、財産だけでなく、親の借金も子どもに引き継がれることになるので十分に注意しましょう。法律的に親子関係は解消できる?法律的に親子関係を絶縁することはできませんが、手続きによっては絶縁に近い形まで持っていくことは可能です。ここからは、その主な手続きについて紹介します。分籍届けを出し自分の戸籍をつくる通常、親子は同じ戸籍に入ることが一般的です。しかし、分籍届けを出せば自分の戸籍を作ることができるので、親と戸籍を分けることができます。分籍は手続き上のことなので実際に親子関係が解消できているわけではありませんが、精神的に楽になる人も多いようです。第三者と養子縁組を組む親子関係が悪くて一緒に暮らすのも困難な場合は、子どもを養子に出すのも一つの方法です。養子に出すことで物理的な距離が生まれるので、関係が修復されることも期待できるでしょう。ただ、養子に出したからといって、子どもとの縁が解消され義務がなくなるわけではありません。子どもの実親としての関係は継続することになるので注意しましょう。分籍や養子縁組を検討してみよう!親子関係を改善しようと試みても、なかなか子どもと良好な関係を維持することが困難な場合もあるでしょう。そんなときは「お互いのために絶縁したほうがいいのでは?」と頭をよぎることも。ただ、法律上では親子の縁を切ることはできません。そのため、分籍や養子縁組などの手続きを検討してみることをおすすめします。
2021年01月02日倉木麻衣(ビーイング提供)“倉木パパ”こと山前五十洋(やまさき・いそみ)さんが4月5日に心不全で亡くなった。享年76歳。「倉木麻衣さんの実父ですが、ずっと絶縁状態でした。でも、葬儀では彼女が喪主を務め、遺骨を拾って引き取っています」(スポーツ紙記者)山前さんと倉木が疎遠になったのは、ある事件がきっかけ。「倉木さんは‘99年に『Love, Day After Tomorrow』でデビューし、ヒット曲を連発。人気ミュージシャンになった後、 ‘01年に山前さんがプロデューサーとして名を連ねた、倉木さんにそっくりなセクシー女優が出演するアダルトビデオが発売されました。山前さんは“史上最低の父親”と大バッシングを受けることに」(音楽ライター)■娘と奇跡的な再会をしそうになるも……しかし、実際の事情は少々違うという。「山前さんは、知人の映像関係者に“ある女優を売り出したいから協力してほしい”と言われて打ち合わせに行っただけなんです。女優さんと一緒に写真を撮ると、翌日《倉木麻衣の父親、娘のそっくりさんでAV監督デビュー》と報道されました。制作陣は、父親が作ったとなれば話題になると考えたのでしょうね。本人は承諾しておらず、勝手に名前を使われてしまったのです。お金はいっさい受け取らなかったそうです」(映像制作関係者)山前さんと倉木の母は離婚しており、父娘は中学生以来一度も顔を合わせていない。前述の悪評が広がったことで、決定的な溝が生まれた。「山前さんはもともと俳優で、‘60年にフジテレビの時代劇『天馬天平』で主役としてデビュー。その後25歳で、CM制作会社を設立しています。このころ、後に娘の倉木さんが所属することになる芸能プロダクションの創業者と出会い、ともに仕事もしました。歌手の岸田智史や女優の浅野温子を売り出したこともありました」(映画ライター)倉木が生まれたのは、山前さんが40歳のとき。3歳になった彼女を、自らが手がけたカツラのCMに起用したことも。「映画監督としても、いくつかの作品を制作しました。しかし、‘17年に心臓弁膜症が発覚し、手術を受けています。厳しい闘病生活でしたが、その年の紅白歌合戦に倉木さんが出場すると聞いて、絶対に見るんだと頑張ったそうです」(前出・映画ライター)山前さんの映画に出演した俳優の古藤聡は、娘への思いをよく聞かされていた。「映画に対する情熱の強い方でした。亡くなる直前にも電話がきて、また映画を作るから出演してほしいと言われましたね。いつも、娘さんに会いたいと話していました。映画を撮り続けようとしていたのは、大好きな映画に対する情熱はもちろん、同じ芸能という世界を通じて、娘さんと繋がっていたかったという思いもあったのかな」山前さんが亡くなる前には、“和解”の兆しも見えた。「昨年『山前五十洋デビュー60周年イベント』が開かれました。チラシには倉木さんの顔写真もありました」(山前さんの友人)娘と奇跡的な再会をしそうになったことも。「‘17年に行われた倉木さんのライブに、山前さんが駆けつけました。歌が終わると抽選会が始まったんです。当選者は倉木さんと一緒に写真を撮れるというファンサービスでした。そこで、彼女が山前さんの持っていた抽選番号を引いたんです。数千人いる中で、数枚しかない当たりを倉木さんが引いた。でも、彼は同伴した女性に譲ってしまった。騒ぎになることを恐れたのでしょう」(山前さんと親交のあった映画関係者)チャンスがあったのに、なぜ顔を合わせにいかなかったのか。山前さんと1年半暮らしていたという映画監督の竹内英孝さんはこう語る。「彼はファンクラブにも入っていたので、会うこともできたはず。でも、それをしなかった。娘が本当に会いたがっているかもわかりませんし、自分から行くのは父親としてプライドが許さなかったのだと思います」山前さんは、娘への思いを歌った曲を作っていた。作詞は山前さん。作曲をした音楽家の太田勝一郎さんが明かす。「山前さんから詞をいただき、私が曲を作りました。‘09年のことで、今でもユーチューブに残っています。娘に対する気持ちが伝わってきて、私も涙を流しながら作曲しましたね。いつも麻衣さんに聴かせたいと話していましたよ。対面が叶わず亡くなってしまった今、なんとか彼女にこの曲を聴いてほしいと思います」
2020年04月18日男性にとって腹が立つ女性には、さまざまな特徴があります。思わず絶縁したくなるような女性の腹が立つ行動とは、いったいどんな行動なのでしょうか。そこで、男性が本気で嫌う「腹が立つ女あるある」を4つご紹介します。(1)計算高い計算高い女性は、自分が得をすることにしか興味がありません。常にメリットがあるかどうかを意識して行動するので、周りにもそうした行動はバレバレです。男性は計算高い女性を非常に嫌がるので、そんな女性には近寄りたくないと感じることも。そのため、好きな人の前では計算高い行動は控えるよう心がけましょう。(2)自称〇〇女性の中には自称〇〇などと自分のことを勘違いしている人がいます。「わたし口硬いタイプだから」などと言って、影で仲の良い友達の噂話をするなど、自分の性格がわかっていない自称〇〇は、男性に嫌われがち。そんな性格が悪い女性に対し、男性は本気で腹が立つので、自称〇〇といった発言はなるべく避けることをおすすめします。(3)愚痴が多い女性の中には愚痴ばかり言いたがる人がいますよね。口を開けば人の愚痴ばかり言っている女性は、性格が悪いと思われてしまいます。そんなネガティブな印象の女性は、男性に嫌われてしまうことも。男性に嫌われないためにも、日頃から愚痴はなるべく言わないようにしましょう。(4)ぶりっこする男性や目上の人の前でぶりっこする女性っていますよね。そんな女性は、いくら美人でも男性からモテないようです。人を選んでぶりっこをする女性は、男性から見ると不自然な印象を抱くことも。そのため、人を選んでぶりっこをするような対応は男性から嫌われてしまうので注意が必要です。男性が本気で嫌う「腹が立つ女あるある」はさまざまあるので、それに当てはまらないよう注意しましょう。(恋愛jp編集部)
2020年02月20日6月26日、泰葉(56)が自身のブログで海老名家との絶縁を報告した。泰葉は4月24日にもブログで、07年に離婚した春風亭小朝(62)から虐待を受けていたと告発。6月2日にも会見を開き、小朝や和田アキ子(67)への提訴を公表するなど世間を騒がせてきてた。 今回、彼女はさらにヒートアップ。ツイッターでも血のつながった家族を“攻撃”し始めた。15年にはうつ状態だったにもかかわらず、母・海老名香葉子(83)から3時間土下座させられ見せしめにされたと主張。さらには甥の林家たま平(23)にSEXを強要されるも拒否したと告白。たま平は当時未成年だったにもかかわらず飲酒喫煙を行っており、そのことを弟の林家正蔵(54)も黙認していたとつぶやいている。 そして今年6月22日に実家のねぎし事務所へ連絡したところ、事務員から「弁護士を通して」と言われたとも主張。そのため今回、独立を決意したというのだ。彼女の言っていることは事実なのか。本誌は海老名家へと向かった。 6月下旬の朝、自宅のねぎし三平堂から出てきたのは林家正蔵。訪問先への手みやげだろうか、手にはメロンを持っている。だがその表情はこの日の曇り空同様、どこか晴れない。記者が声をかけると、「ああ、はい」と“絶縁騒動”を聞きに来たと察したようだった。 「なんだか、みなさんにもご迷惑をかけてしまって。どうもすみません」 ――泰葉さんは実家に電話したら「弁護士を通せ」といわれたと主張しています。ご家族から泰葉さんに裁判を起こすつもりですか? 「いえいえ、あちらが勝手に言っていることで。詳しいことは聞いていませんが、そういう考えはありません」 姉のことを「あちら」と呼ぶ正蔵。息子・たま平に対する泰葉の主張にはこう全否定する。 「飲酒喫煙を黙認なんかしないですよ。そんなことしていたら張り倒しますから。(SEX強要も)ないですよ、一緒にいますから。今まで小朝さんのことを言っていたのに、(矛先が)ウチにきちゃって……。もうわかんないです」 そんな状況にもっとも憔悴しているのは他ならぬ母・香葉子さんのようだ。土下座を強要されたという泰葉の主張についてもこう続ける。 「全然そんなことないですよ。(母は)なんとかやっておりますが、高齢なので……。だからみんな困っているんです。どうかお察しください」 深々と頭を下げると、稽古場へと向かっていった――。 「昨日の夕方ごろ、車で帰ってきた香葉子さんをお見かけました。足取りもおぼつかない様子で、お付きの人に手を引かれて家に入っていかれました。あまりにも弱々しい姿で、心配になりました。泰葉さんの件で心労が絶えないのでしょう」(近所の主婦)
2017年07月05日元モーニング娘。でタレントの矢口真里が、29日に放送されたTBS系バラエティ番組『7時にあいましょうSP』(19:00~)で、絶縁状態にあった歌手の美川憲一と対面。着信拒否していたことを謝罪した。矢口は自身の不倫・離婚騒動で約1年半休業した経験を持つ。その騒動当時、心配になった美川は、知り合いを通じて矢口に電話し、「すぐに記者会見を開くべき」とアドバイスしたが、その後、矢口は美川の電話を着信拒否し続けたという。今回、番組で2人は対面し、矢口は「子供だったので逃げました。閉鎖的になりすぎてた部分があって、大先輩に申し訳ないことをしてしまったという気持ちでいっぱいです」と頭を下げ、「謝らせていただきたい」と謝罪。すると美川は「そりゃそうよ、謝ってもらわなかったら先に進まない」と言い、「普通だったら消えてるわよ」ときついひと言を放った。矢口も「あまりしゃべってもらいたくなかったなっていうのはちょっとだけ…」と、美川が会見などで矢口との電話の内容を話していることがショックだったと説明。それに対し美川は、「もし、しゃべらないでって直接言ってくれたら、しゃべらないわよ。貝になってたと思う。私、50年芸能界やってんのよ」と反論した。美川はまた、自身の失敗から同じように収入ゼロになるどん底を味わった経験を振り返り、「いろんなことを経験したから人の痛みもわかるし、失敗がバネになっていく。3分でも5分でも、どんなテレビの仕事でもいいから、なんでもやりゃいいのよ! しょうがないわよ、自分がまいた種なんだから」とアドバイス。「失敗があったけど応援してくれる人もたくさんいると思うわよ」と語った。さらに、騒動の発端となった不倫相手と交際が続いていることについて、美川は「そういうこともいいんじゃない? ファンも裏切って、いろんな人を裏切っているわけじゃない? その中で続いているってことは逆に、2人の絆が深くなったと思う」と理解。そして、「今日はね、許してあげるわよ」と伝えると、矢口は「ありがとうございます」と感謝した。
2016年08月29日理化学研究所(理研)は3月19日、グラフェンなどで見られる質量ゼロの2次元ディラック電子系において、電子間の相互作用が引き起こす金属から絶縁体への相転移(金属-絶縁体転移)が普遍的な性質を持つことを、スーパーコンピュータ「京」を用いたシミュレーションにより明らかにしたと発表した。同成果は、理研 計算科学研究機構 量子系物質科学研究チーム 柚木清司チームリーダー、大塚雄一研究員、サンドロ・ソレラ客員主管研究員らの研究グループによるもので、3月18日付けの米科学誌「Physical Review X」オンライン版に掲載された。グラフェン中に存在する電子は、質量がゼロのディラック粒子として振舞うことが知られているが、ディラック電子にも普通の電子と同じ電荷やスピンの自由度がある。ディラック電子の集団は、電子が自由に動き回る場合は「半金属」となるが、電荷間に働くクーロン力が強くなると、質量がゼロであったディラック電子が質量を持つようになり「絶縁体」に相が転移する。またそれに伴い、隣り合う電子の間のスピンが逆向きに整列した「反強磁性体」状態になることが知られていたが、これまで電子間相互作用で引き起こされる「金属-絶縁体」の相転移の普遍的な性質についてはわかっていなかった。同研究グループは今回、金属-絶縁体転移が起きる点(臨界点)で物理量が示す特徴的な指数である「臨界指数」を正確に評価するために、質量ゼロのディラック電子系を構成する「ハニカム格子」と「πフラックスを持つ正方格子」の2つの異なる模型に対し、独自に開発した量子モンテカルロ法によるシミュレーションを「京」で実行した。模型の各クラスタの格子点の数をNとして、N=2592の系までシミュレーションを実行したというが、これは先行研究の計算量の約100倍に相当するという。金属-絶縁体転移に伴う反強磁性相の強さを表す秩序変数に対して有限サイズスクリーン解析という解析を行った結果、臨界指数は統計誤差の範囲内で一致することがわかった。次に、金属-絶縁体転移の指標となる準量子重み(相互作用による電子の絶縁体化の度合いを表す量)に対する計算を行った結果、この物理量から得られる別の臨界指数も2つの模型で一致し、「普遍性クラス」が存在することが示された。さらに、普通の電子系では絶縁体化していくにつれて、波としての群速度がゼロとなっていくのに対し、ディラック電子系では有限のままに保たれるという違いがあることも明らかになった。同研究グループは今回の成果について、銅酸化物高温超伝導体やスピン液体などを示す分子性導体といった、ディラック電子を構成しない電子間相互作用が強い系でみられる金属-絶縁体転移を解明する第一歩となると期待できるとしている。
2016年03月23日安川電機は1月20日、高周波トランス絶縁機能を搭載した太陽光発電用パワーコンディショナ「Enewell-SOL P2H(9.9kW 200V級 三相)」を1月より販売開始すると発表した。同製品は、2014年9月より販売している「Enewell-SOL P2(10kW/9.9kW)」の機種展開として製品化するもの。高周波トランス絶縁方式を採用することで、日本国内の50kW未満の低圧連系システムにおいて、外部の商用トランスを別途設置することなく三相200Vでの連系が可能となる。負極接地タイプの太陽電池を含め、どんな太陽電池とも接続可能。同社は、年間1万5000台の販売を計画しているという。
2016年01月20日パナソニックは12月24日、独自の伸縮自在な樹脂技術を採用した「ストレッチャブル樹脂フィルム」を開発したと発表した。絶縁材料である同フィルムとあわせて、透明電極材料、配線用導電ペーストも提供していくという。これまでのフレキシブル材料では折り曲げができるものの、折り畳みや伸縮が難しいという課題があった。またウレタン樹脂やゴム系のストレッチャブル材料では密着性、耐熱性、脆化などの課題があった。今回開発された同フィルムは、伸張ともとの形状に復元が可能な絶縁材料で、自在な折り曲げや、さまざまな自由曲面へ適応できる。たとえば、衣服や体に付けるなど、あらゆる形に追従できる柔らかく、しなやかなエレクトロニクスデバイスが実現でき、ウェアラブル、センサ、ディスプレイ、ロボットなど幅広い分野での展開が見込まれる。なお同製品は、2016年1月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催される「第17回 プリント配線板EXPO(PWB EXPO)」に出展される。
2015年12月24日東京大学と科学技術振興機構(JST)は12月1日、磁性絶縁体の金属-絶縁体転移が微小磁場でも制御可能であることを示したと発表した。同成果は、東京大学 物性研究所のTian Zhaoming 日本学術振興会外国人特別研究員、小濱芳允 特任助教、冨田崇弘 研究員、金道浩一 教授、中辻知 准教授らの研究グループによるもので、11月30日付けの英科学誌「Nature Physics」オンライン版に掲載される。通常の物質は温度や磁場を変化させても、絶縁体から金属へ、もしくは金属から絶縁体へと性質が大きく変化することはない。しかしながら物質の中には、「金属-絶縁体転移」とよばれる相転移により、金属状態から絶縁体状態へと電気的な性質が変化するものがある。近年、絶対零度で起こる量子相転移に伴う金属-絶縁体転移についての研究が注目されているが、絶縁体の絶縁性は通常、磁場に対して強靭で、このような量子相転移に伴う金属-絶縁体転移を外部磁場により制御することは、ほとんど不可能だと考えられていた。今回、同研究グループは、希土類と遷移金属のハイブリッド型磁性体であるパイロクロア化合物Nd2Ir2O7の単結晶を育成し、電気的特性を高磁場下かつ極低温で評価したところ、磁場で誘起される金属-絶縁体転移を観測することに成功した。この金属-絶縁体転移は多くの特徴を持っており、たとえば磁場を加える方向を変えることでも転移の出現を制御することができる。今回用いたNd2Ir2O7においては「近藤カップリング」と呼ばれるNdとIr間の相関によりエネルギーギャップが開いているが、この近藤カップリング機構によるエネルギーギャップがNdの磁気的な構造に敏感であるため、Ndの磁気構造を磁場により変化させることで金属-絶縁体転移を制御できることがわかった。今後、Nd2Ir2O7のような希土類元素と遷移金属元素のハイブリッド型磁性体は、金属-絶縁体転移を利用した次世代メモリやセンサーへの応用に期待されるという。
2015年12月01日理化学研究所(理研)は10月30日、絶縁性の高い磁性体「磁性絶縁体」において磁壁が金属的性質を持つことを、走査型マイクロ波インピーダンス顕微鏡を用いて観測することに成功したと発表した。同成果は創発物性科学研究センター強相関界面研究グループの藤岡淳客員研究員と上田健太郎研修生、創発物性科学研究センターの十倉好紀センター長、米国スタンフォード大学のジーシュン・シェン教授らの国際共同研究グループによるもので、10月29日付の米科学誌「Science」に掲載された。今回の研究では、絶縁性を持ち磁気的界面の伝導性の比が最も高い磁性絶縁体であるパイロクロア型イリジウム酸化物「ネオジウムイリジウム酸化物(Nd2Ir2O7)」表面の伝導特性を、走査型マイクロ波インピーダンス顕微鏡を利用し評価した。磁場をかけずに温度を下げるゼロ磁場冷却を行った後、温度が上昇していく昇温過程でインピーダンスを測定すると、常に磁性をもつ金属である常磁性金属から強い反磁性をもつ絶縁体である反強磁性絶縁体への転移温度以下ではインピーダンスは急に増加し、最低温では三桁ほど大きな値を示す。このとき、絶縁性の高い固体中に、磁壁の金属的性質といえる100nm以下の幅を持つ細線状の金属状態がランダムに分布しているのが観測された。一方、9Tの磁場を加えて温度を下げる磁場冷却を行った後に磁場をゼロに戻してから、昇温過程のインピーダンスを測定すると、ゼロ磁場冷却時よりもインピーダンスの増加が大きくなり、最低温においては二桁以上大きな値を示した。このとき、顕微鏡画像では磁壁の金属的性質を示す細線が消えており、磁場によって磁区がひとつに揃えられることで磁壁が消失することが分かった。同研究グループは今後、固体中における磁性と電子状態に関する基礎的な理解を深めていくとともに、金属的磁壁を利用した新しい磁気メモリーの実現につながることが期待できるとしている。
2015年10月30日理化学研究所(理研)は7月7日、磁性絶縁体にパルス光を照射すると磁気弾性波が発生し、局所的に磁区を操作できることを発見したと発表した。同成果は理研創発物性科学研究センター強相関物性研究グループの十倉好紀 グループディレクター、小川直毅 上級研究員らの研究グループによるもので、7月6日付けの「米国アカデミー紀要」に掲載された。従来の磁気メモリデバイスは、電流をコイルに流すことで磁界を発生させ、近接する磁性体の磁化の向きを反転させることでデータ書き換えを行っているが、磁気メモリデバイスは微細化、高密度化に伴い消費エネルギーが増大するという課題がある。そのため、より低エネルギーで磁化の反転が可能な金属磁性体への電子スピン注入を利用することで、金属磁性体の「磁区」と呼ばれる磁化の向きがそろった領域とそれに隣接する領域の間の境界領域である「磁壁」を駆動し、磁化を反転させてデータを書き換える技術の研究が進められている。しかし、電子スピン注入を利用する方法は磁性絶縁体には不向きで、動作速度にも限界があると考えられているため、金属磁性体と磁性絶縁体の両方に適用できるスピン波を使った磁化の反転、磁壁の駆動が期待されている。同研究では、パルス幅が約100フェムト秒(1フェムト秒は1000兆分の1秒)で非吸収波長のフェムト秒レーザー光を磁性絶縁体である鉄ガーネットの薄膜に照射し、スピン波と結晶中の原子の結合波である磁気弾性波を発生させることに成功した。薄膜中の磁気弾性波を時間分解磁気光学顕微鏡で観測・撮影したところ、発生した磁気弾性波は伝搬速度と空間パターンの異なる波から構成されており、ギガヘルツの周波数で振動するスピン波としての性質を持つことがわかった。次に、同サイズの磁気構造との相互作用を観測したところ、磁気弾性波と磁壁との間に引力が働き磁区を駆動できることが判明。磁壁の形状を変えて観測した結果、磁壁の曲がり方が大きいほど、磁気弾性波と磁壁、磁区の相互作用が大きくなった。また、理論式に磁壁の曲率を取り込むことで、磁壁、磁区の動作を定性的に説明することができることがわかった。これは、より小さく複雑な磁気構造についてもスピン波との相互作用を理論的に予測できることにつながるという。同研究グループは「これらの結果は、光を用いて磁気弾性波を発生させることで磁性絶縁体中の磁壁・磁区を高速かつ局所的に操作できることを示しており、より省エネルギーなスピン波を用いた磁気メモリデバイスや高速磁気情報制御の実現に近づく重要な結果と言えます」としている。
2015年07月07日STMicroelectronicsは12月16日、ガルバニック絶縁とアナログロジック回路を1チップに集積したシングルチャネルゲートドライバ「STGAP1S」を発表した。同製品は、STの次世代ゲートドライバ「gapDRIVE」の最初の製品であり、独自のプロセス技術であるBCD(バイポーラ・CMOS・DMOS)に、チップ上に絶縁層を生成する技術を組み合わせることで、より高度なシステム統合を実現している。さらに、同製品の高耐圧レールは、その他の回路に干渉することなく最大1500Vまで対応できるため、産業機器、600V/1200Vの高電圧インバータ、太陽光発電システム用インバータ、無停電電源装置に適したロバスト性を備えている。また、信号伝播遅延時間を100nsに抑えており、高精度PWM信号の伝送が可能なのに加え、集積されているドライバ段は、最大5Aのシンクまたはソース電流とレールツーレール出力に対応しており、大型IGBTやワイドバンドギャップのSiC MOSFETなどのパワースイッチに使用される負駆動電圧を可能とする。そして、±50V/nsを超える高いコモンモード過渡電圧耐性により、絶縁層での通信の信頼性と、安全な動作が確保されている他、独立したシンク出力とソース出力が、設計の柔軟性を向上させると同時に、外付け部品の削減に役立つという。加えて、SPIポートを内蔵しており、コントロールロジック設定とステータスモニタのための業界標準ホスト接続を提供する。ホスト側ではこのインタフェースを通じて豊富なデジタル診断機能を利用できるため、システム保護と信頼性がさらに強化される。この他、同製品には、過酷な動作環境下においても信頼性を最大限に高めるさまざまな保護機能が搭載されている。例えば、トランジスタの予期しないターンオンを防止するパワー段のアクティブミラークランプ、短絡回路状態でパワースイッチを保護する不飽和検知機能、危険な電圧オーバーシュートを防止するコレクタ-エミッタ過電圧保護および出力2レベルターンオフ機能、加熱保護機能、低電圧ロックアウト(UVLO)および過電圧ロックアウト(OVLO)、過電流検知専用センサピンなどが含まれている。なお、パッケージは小型のSO24W。価格は1000個購入時で約3ドルとなっている。
2014年12月17日Texas Instruments(TI)は12月1日、高い過渡電圧から電子機器を保護するデジタルアイソレータ「ISO7842」ファミリと絶縁型デルタシグマ型モジュレータ「AMC1304」ファミリを発表した。「ISO7842」ファミリは、業界最高クラスの絶縁特性を実現した強化アイソレータで、最低40年の全製品寿命期間にわたって1500Vrmsの動作時ブレークダウン電圧に耐える絶縁特性を提供する。一方、「AMC1304」は、シャント電流によるモニタリング向けに、絶縁特性の強化と同時に、クラス最高レベルの精度と業界最小クラスの消費電力を実現する。具体的には、「ISO7842」ファミリは、DIN V VDE 0884-10規格に基づく、8000V(最大値)の過渡過電圧の強化絶縁特性を提供する。さらに、UL1577規格に基づく5700Vrmsの絶縁定格を提供し、ULレコグナイズドコンポーネントやDIN V VDE 0884-10認証の取得に必要な5000Vrms(代表値)の定格値を超過達成している。また、競合製品を最大50%上回る、業界最高クラスの1500Vrmsの動作電圧を提供する他、100kV/μsと高いCMTI(コモンモード過渡耐性)を提供し、ノイズの多い動作環境下で通信の信頼性を向上させる。加えて、1万2800VPEAKと業界最高のサージ電圧保護定格により、瞬間的な高電圧パルスに対する耐性を実現し、電子デバイスを電圧スパイクから保護する。そして、100Mbps超のデータレートで高精度のタイミングと低ジッタを実現している。一方の「AMC1304」ファミリは、オフセット誤差が150μV(最大値)、ゲイン誤差が±0.3%で、業界最高クラスのDC性能を提供する。温度ドリフトは業界最小クラスで、-40℃~+125℃の全動作温度範囲で高い精度を実現している。さらに、AC性能は、モータ制御における最小限の歪みやノイズを実現する。また、消費電力は1次側が7mA(最大値)、2次側が5mA(最大値)である他、入力電圧範囲は±50mVで、システムの総合消費電力を最大80%低減している。加えて、同ファミリのうち4品種は、LDO(低ドロップアウト)レギュレータを集積し、レギュレーションを行っていない電源にもモジュレータの接続が可能。モジュレータインタフェースとsincフィルタを集積した同社のC2000 Delfino「TMS320F2837x」や「TMS320F2807x」の各マイコン製品との組み合わせにより、複数のアナログ信号の高精度で高効率な取得が可能になり、システム性能を向上できる。この他、7000V(ピーク値)の強化絶縁耐圧、1万Vのサージ耐圧、1000Vrmsと1500Vdcの動作電圧を提供する。耐圧性能については、UL 1577規格のULレコグナイズドコンポーネントやDIN V VDE 0884-10認証要件に適合している。なお、「ISO7842」は強化絶縁デジタルアイソレータ製品ファミリの最初の製品で、4チャネルを有する。今後、1、2、3チャネル製品も追加される予定。「ISO7842」は現在量産出荷中で、その他の製品は2015年第1四半期に供給開始の予定。また、LDOとCMOSインタフェースを集積したデルタシグマ型モジュレータ「AMC1304M25」と「AMC1305L25」は、±50mV~±250mVの入力電圧範囲に対応した7品種で構成されている。「AMC1304M25」と「AMC1305L25」はサンプル出荷中で、量産出荷は2015年初めに開始される予定。そして、これらの製品のパッケージはSOIC-16DW。価格は1000個受注時で「ISO7842」が3.49ドル、「AMC1304M25」が3.80ドル、「AMC1305L25」が3.50ドルとなっている。
2014年12月02日東京工業大学(東工大)は3月3日、鉄系超伝導体物質群の中で、唯一のモット絶縁体である層状セレン化合物「TlFe1.6Se2」に着目し、電気二重層トランジスタ構造を利用して、外部電界の印加によって、超伝導現象の予兆とも言える金属に近い状態まで相転移させることに成功したと発表した。同成果は、同大 元素戦略研究センターの細野秀雄教授らによるもの。詳細は、「Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America(PNAS)」オンライン速報版に掲載された。超伝導とは、ある温度(転移温度)以下で電気抵抗がゼロになる現象である。研究グループが以前に発見した新超伝導体LaFeAsOは"鉄系超伝導体"と称され、磁性元素である鉄を含むにもかかわらず、ヒ素と組み合わせることで、高い温度で超伝導を示すという意外性に注目が集まった。現在の最高転移温度は55Kに達し、銅酸化物超伝導体の130Kの次に高い温度となっている。銅酸化物と鉄系超伝導体は、超伝導体となる前のもととなる親物質(母相)が反強磁性体であり、電子もしくは正孔を添加することによって、その反強磁性の磁気的な秩序を消失させ、超伝導が発現するという共通点を持つ。ところが、母相の性質として根本的に異なる点も知られており、銅酸化物の電子構造はエネルギーギャップを持つ"モット絶縁体"であるのに対し、鉄系物質のほとんどはギャップを持たない"金属"である。そこで今回、鉄系層状物質の中では唯一のモット絶縁体であり、かつ元素置換による電子の添加では超伝導体とはならないことが知られているTlFe1.6Se2に着目し、外部から電界をかけて高濃度の電子を誘起することによって、絶縁体から金属のように電気がよく流れる状態、そしてさらには超伝導状態までの実現に挑戦したという。TlFe1.6Se2という化合物は、図1(a、b)に示すように、基本構造はTl:Fe:Seの組成比が1:2:2の122型と呼ばれる層状構造が基本である。ところが、形式的な電荷(Tl:1+, Fe:2+, Se:2–)を考えた場合、この122型基本構造では電気的中性を満足しない。そこでFeの位置に空孔(鉄が存在しない場所)を生成し、基本構造に対して√5×√5×1倍のTl2Fe4Se5(245型)という化合物になる。そして、その空孔が規則配列する場合とランダム相が混在する場合があることがバルクの単結晶で報告されている。この空孔が規則配列したものが、モット絶縁体としての振る舞いを示す。今回の研究でパルスレーザ堆積法により作製したTlFe1.6Se2薄膜は、この空孔サイトが規則配列した構造を有していたという。外部からの電界印加方法としては、電気二重層トランジスタ構造を用いた。6端子状に形成した厚さ20nmの極薄のTlFe1.6Se2薄膜上に、ゲート絶縁体として働くイオン液体を流し込み、コイル状の白金で作製したゲート電極から外部電界(ゲート電圧)を印加し、TlFe1.6Se2薄膜の表面に最大で2.5×1014cm–2の伝導電子を誘起することに成功した。その結果、図3に示すように、ゲート電圧を印加しない場合(0V)は、絶縁体に特徴的な温度が下がると電気抵抗が上昇する様子が観察されたのに対し、2V以上のゲート電圧を印加した場合には、特に低温域での電気抵抗の大幅な低下とともに、50K近傍に電気抵抗の"こぶ"が観察され(図中の矢印)、最大の4V印加時には抵抗の温度依存性がほぼ消滅し、まるで金属のような電気抵抗の温度依存性を示した。この結果は、超伝導転移直前の予兆とも言えるモット絶縁体から金属へ、もしくはこの物質に特有の磁気的な"相転移"が外部電界で制御できていることを示している。今回の結果は、鉄系層状母物質で初めて観察された外部電界誘起相転移であり、より高い超伝導転移温度の鉄系超伝導体の探索の新しいルートを提供するものと言えるとコメントしている。
2014年03月05日