今回は、物語をもとにしたクイズを紹介します!クイズの解答を考えてみてくださいね。偽装指示する一流料理店オーナー経営者と料理長がいなくなり経営難になった一流料理店。主人公は一流料理店の新オーナーから、新しい料理長に任命されました。そしてブランド鶏を「安い鶏肉で偽装して」と指示してくるオーナー。主人公は「え?」と驚き反対しますが、オーナーは聞く耳を持ちません。オーナーの指示出典:Youtube「Lineドラマ」オーナーは「飲食業界ならやってる」と悪びれもせず言います。しかしその後、料理の質を確認する調査員が来店すると知ったオーナー。慌てたオーナーは対策を練りました。問題さあ、ここで問題です。調査員が来店すると知ったオーナーはどうしたでしょう?ヒント主人公が従えないような指示を新たにしてきました。みなさんは答えがわかりましたか?正解は…出典:Youtube「Lineドラマ」正解は「調査員用の食材とそれ以外の人用の食材を分別するように指示した」でした。オーナーは偽装がバレないよう食材を分別して料理するよう指示してきました。しかし主人公は、好き勝手するオーナーに従うつもりはありません。「一度失った信用は二度と取り戻せない」とはっきりと指摘する主人公。そして「これが最後の忠告です」と告げるのでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※こちらのお話は体験談をもとに作成しています。(lamire編集部)
2024年04月04日世界のアマンで料理を出すということ「ここのオファーをいただいたときは、正直困りました。京都で日本料理をやるなんて考えてもみなかったですから、嫌だなって思いましたよ(笑)」そう語るのは【鷹庵】総料理長の髙木慎一朗さん。金沢【銭屋】の店主で、米国留学経験を持つ国際派ですが、修業先は【京都吉兆】。京料理の頂点で学び、その後は数多くの海外シェフたちとのコラボを経験してきた髙木シェフでも、やはり京都で日本料理を出すというのは相当ハードルが高いのでしょう。まして世界のアマンが満を持して開業した京都・鷹峯での日本料理ということになると、かなりの覚悟が必要だったようです。「でもアマンという世界的なブランドには興味がありましたし、7割以上が外国人客と聞いていましたので、自分のキャリアからやれることはありそうだと思いました。鷹峯と言えば本阿弥光悦のイメージが強く、光悦って今でいうプロデューサーみたいな立場じゃないですか。それならできるかと思いまして」と髙木シェフ。そして、<京料理は出さない、京料理と呼ばない><何を食べているかわかる>という大前提を決めたのだそうです。陽が落ちる少し前に到着した我々は、ケリー・ヒル・アーキテクツが手掛けたアマン京都の庭を散策し、それから【鷹庵】に向かいます。【鷹庵】では我々の到着に合わせるように明りが灯されました。シックな黒の壁と温かみのある木のテーブル、そして広いカウンター。今夜はカウンターで髙木シェフに料理をふるまっていただきます。輪島塗のお椀に思いをのせて正月だったので、先付は紅白なますが出てきました。子持ち昆布、あわび、とお節をいただくような感じ。お酒は七本鎗のスパークリング「Awaibuki」。甘酸っぱい泡なので、爽やかなスタートです。お椀は海老芋の白みそ仕立て。白みそがさらっとしていて、やさしい甘さ。海老芋のねっとりした旨みをしっかり引き立てています。何を食べているかが分かるお椀。これが髙木シェフのメッセージです。そしてお椀はもちろん輪島塗。今回被災した場所についての思いも髙木シェフから語られます。お造りはてっさ。焼き白子が添えられます。日高見の純米吟醸といただきます。「てっさは塩とオリーブオイルで召し上がってみてください」とシェフ。やや渋めのオリーブオイルとの相性はすばらしく、てっさをポン酢の味にしてしまうのはもったいないと思う私にとっては、これは好きな食べ方のひとつです。箸休めに出てきたのはブリの握りです。大根おろしと千枚漬けがそえてあります。ブリ大根の寿司バージョンといったところでしょうか、外国の人にもわかりやすいプレゼンだと思います。お皿がユニークなので尋ねると、陶芸家・中村卓夫氏の作だとか。「琳派の趣もあるし、いろんな使い方ができるから」と髙木シェフはかなりお気に入りのようです。合わせてもらったお酒もユニークで、青森・松緑酒造のスッケ。青森の方言で酸っぱいことをそう言うらしく、エチケットに描かれた太宰治が酸っぱい顔をしています。八寸はどうするのかと訊くと、それはやらないのだとか。「やはりお皿のなかの食材数を制限することで、料理に集中してもらえるし、お酒とのペアリングも楽しんでもらえるから」と髙木シェフ。「その分、食材のクオリティを上げて、ひとつひとつしっかり味わっていただけるよう心がけています」。軸足はしっかり、振れ幅は大きくさて、先ほどのフグが竜田揚げになって出てきました。南アのノーブル・ヒルのスパークリングを合わせてもらいます。手を使ってかぶりつきます。寿司もそうですが、素手で料理を口に運ぶという行為も、コースのなかにひとつふたつあったほうが、流れに動きが出て面白いと思います。とくに外国人客が多い日本料理店では、そうかもしれません。高木シェフは語ります。「そうなんです。軸足はしっかり自分が学んできた料理に置きます。でも同時に振れ幅は大きくしてみたいんです。食材だって昔と違います。たとえばキャビアなんかもうしっかり日本料理に定着してますし」。焼物はマナガツオの幽庵焼き。編笠柚子が添えられています。お酒は田酒の山廃。料理の後半でこのシンプルさ、潔さは気持ちいい。しっかりと日本の料理を感じることができました。「魚は錦の「丸弥太」さんからいただいています。金沢の【銭屋】では父の時代からお付き合いがあり、僕は【吉兆】修業時代にも大変にお世話になった京都を代表する魚屋さんです。丸弥太さんから【鷹庵】も開業時から魚を仕入れることができることになり、それが京都でお店をすることを決断できた大きな理由のひとつ。そのような貴重なご縁や多くの人たちにも支えていただき、【鷹庵】はこの春におかげさまで開業5周年を迎えます」。髙木シェフは修業中に、「どの魚がどのお店に行くかよく見ておきなさい」と丸弥太の女将さんから言われ、それを一生懸命に観察していたそうです。そうすることで、魚そのものや魚屋の仕事のみならず、料亭をはじめどのお店がどんな魚を仕入れるのかという、お店側と料理人の視点でも学ぶことができたのだとか。焼物は黒毛和牛の最高峰ともいわれる平井牛へと続きます。「すき焼きをイメージしてますが、すき焼きって「焼き」じゃなく鍋ですよね。これは「焼き」にしました。鍋で煮るのではなくザブトンをステーキ状に焼いて甘いすき焼きのたれをかけています」。これも分かりやすい。そしてあわせるのはアルマン・ジョフロワのジュヴレ・シャンベルタン。2020年のものでしたが若いうちから華やかな果実味も豊かなワインです。そして最後に、近江蕪の焚合です。いままでの振れ幅を着地させるようなお皿が出されます。昆布だしで炊いた近江蕪に一番だしを張った清らかな一皿です。一息ついたころに、ご飯が出てきました。今日は鰻です。白焼き、ごま、山椒、大葉などの香りもすばらしく、赤だし、香の物とともにしっかりいただきました。お酒は七本鎗のしぼりたて純米です。瑞々しい果物と、髙木シェフが家でもお酒に併せるというチーズをはさんだ干し柿に、ふくよかなマデイラをいただけば、お腹が満たされた後も心地よい時間が流れます。ラグジュアリー・リゾートのアマン京都、そのダイニングの一軒でもある【鷹庵】ではこんな余韻のひとときがぴったりです。やはり最後は抹茶でしめたいという髙木シェフ。ゆっくりとお茶をいただいたころにはもう夜も遅くなっていました。茶の湯を極めた光悦の美意識に自分を重ねてみたい、と願う彼の気持ちが伝わってくるお料理でした。鷹庵【エリア】金閣寺/衣笠/京都市北区【ジャンル】日本料理・懐石・会席【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】20,000円 ~ 29,999円
2024年02月29日11~12月の晩秋に旬を迎える、長イモ。シャキシャキとした食感を楽しめるサラダや、焼いたり蒸したりした料理も絶品です。ただ、ひとり暮らしの人などは、長イモを買ったものの、使い切れずに余らせてしまうこともあるでしょう。そこで、スーパーマーケット『マルエツ』のレシピ紹介用SNSアカウント(@maruetsu1945)は、卵かけご飯にするレシピを提案。熱々のご飯にのせて食べれば、箸が止まらなくなること間違いなしです!『天使のたたき長芋TKG』紹介された作り方は、以下の通り。【材料】・長イモ100g・麺つゆ(3倍濃縮)大さじ1杯・卵1個・ご飯1膳・かつお節適量まず、皮をむいた長イモをビニール袋に入れ、めん棒などで叩いてつぶします。長イモがとろっとしてきたら、麺つゆと卵白を加えてもんでください。温かいご飯を用意し、上に長イモをのせた後、かつお節をたっぷりかけましょう。真ん中にくぼみをつくり、卵黄をのせればでき上がりです!とろっとした長イモに、かつお節の風味、卵黄のまろやかな味わいが、たまらないおいしさ。ご飯を無限におかわりしたくなるでしょう!おろし器を使わず、ビニール袋に入れてたたくため、長イモを直接触らなくて済みます。手がかゆくならないのは、嬉しいポイントですね。また、たたくことで食べた時にとろっとした食感だけでなく、シャキシャキとした食感も両方味わうことができますよ。投稿には「おいしそう!たたくことで食感が残るのがいい」「ラー油をかけてもよさそう。絶対にやってみたい」などの声が寄せられていました。長イモのおいしさを手軽に味わえる、絶品卵かけご飯。ぜひ試してみてください![文・構成/grape編集部]
2023年12月08日上野樹里が7年ぶりに映画主演、林遣都と初共演を果たす映画『隣人X -疑惑の彼女-』。この度、林さん演じる週刊誌記者の笹が、バカリズム演じる副編集長・月村のある行動に激昂し、激しくつかみかかる緊迫したシーンが解禁となった。本作の舞台は、紛争のため故郷を追われた惑星難民Xが溢れ、各国がその対処に苦慮している世界。いち早く受け入れを発表したアメリカに追随するように、日本も受け入れを決定。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない…。今回解禁された本編映像は、笹が人目を気にするようにメガネとマスクをして、慌てて編集部に駆け込むシーンから始まる。笹は副編集長の月村を見つけるや否や、腕を掴み問いただす。なかなかXであるという証拠が掴めない中、Xにも固有のDNAがあるのではないかという考えから、編集部内ではDNA鑑定の方向でXを探ることになっていた。そのため笹は体を張ってX疑惑の人物の毛髪を入手していた。その結果を問い詰めると「鑑定があっても意味ねぇだろ」と、腕を振り払い、月村は鑑定すらしていない様子。その言葉を聞いた瞬間に不信感を覚えた笹は激昂し月村の胸ぐらを掴み、「おい!どうしてなんだ!」と怒鳴り散らす…。このシーンについてバカリズムさんは、「掴みかかられるシーンでクランクアップだったので後味が悪く終わるという(笑)シーンが終わるたびに“すみません”と謝ってくれて、本番中もついてるマイクを触らないようにしながら勢いを感じるように、うまく掴みかかってくれました。緊迫感が伝わればうれしいです」とコメント。月村に振り回される役柄の林さんは「この作品で一番悪い人」と言い表しており、月村の存在が週刊誌の情報操作および、笹が追い詰められていく原因に大きく関与していることが伺える。監督の熊澤尚人は、そんな林さんに対し「ご一緒するのは『ダイブ!!』以来15年ぶり」と話し、「当時と比べると成長ぶりが物凄いですよね。演技に向かうタフさと誠実さは怪物級です」と役者として絶賛、この短いシーンだけでも非常に緊張感のある映像となっている。何を持って真実または虚偽であると断定するのか。報道されている内容が全て正しいと言えるのか。何らかのフィルターを通して物事を見ていないか。情報で溢れかえる現代において、本作は情報の取捨選択の重要性も訴えかけている。『隣人X -疑惑の彼女-』は12月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:隣人X ‐疑惑の彼女‐ 2023年12月1日より新宿ピカデリーほか全国にて公開©2023 映画「隣人X 疑惑の彼女」製作委員会 ©パリュスあや子/講談社
2023年11月20日ホテルのオープニングには、デュシタニ京都を展開するデュシット・インターナショナルの会長、京都市長、タイ国大使を迎えてテープカットが行われ、歴史の長い日本とタイの文化を美しく融合させたい旨が述べられました。周囲の景観に溶け込む4階建てのホテルは、美しい中庭を取り囲むように147室の部屋が用意されており、いたるところにタイを象徴するアイコンやデザインが取り入れられています。それらが違和感なく京の古い街並みと調和していて、こちらを和ませてくれます。レストランは、注目の【Ayatana(アヤタナ)】をはじめ、鉄板焼き【紅葉(こうよう)】、バー【Den Kyoto】など5店舗あり、スパやインドアプールも完備しています。チェックインして、シャワーを浴び、地下1階にある【Ayatana】に向かいます。【Ayatana】とはタイ語で、仏教哲学上の六感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、心)の意味だそうで、すべての感覚をダイナミックに体験できる場所にしたい、との思いから。レストランの入口には個々人の扇子が用意されています。エッセンシャル・オイルの香りが沁み込ませてあり、それでまずは一服するという趣向です。それから中庭を抜けてダイニング・エリアに移動し、そこでオーガニック・ハーブの水で手を洗います。これらは一連の儀式のようになっており、それぞれ嗅覚や触覚に潤いを与える構成になっています。今回はバンコクから、【Bo.lan(ボー・ラン)】のオーナーシェフであるディラン・ジョーンズさんが来日して、ウエルカムフードをサーブしてくれました。五味五法のタイ料理メインダイニングは広く、中庭を眺めながらゆっくりと食事ができるようになっています。アミューズは5種類です。それらが精進料理の五味五法(5つの味付け、5つの調理法)にのっとったスタイルで提供されます。使われている器は、一期一会の料理を乗せることを意識してか、日本人の美意識に根ざした「わびさび」を感じさせるデザインになっています。「季節ごとにアミューズは変わりますが、5という数字が意味を持ちます。それは5つの味(甘味、塩味、苦味、酸味、旨味)、食材の5つの色(緑、赤、黒、黄、白)、5つの調理法(焼く、燻す、蒸す、茹でる、生)です」との説明がありました。さて、アミューズですが、5品登場します。まずは、梨とエビの前菜から。薄くスライスした梨の下に、ココナッツやエシャレット、生のエビが入っていて、爽やかな酸っぱさが特徴です。色は白、味は酸味、調理法は生ということでしょうか。次は少し塩辛いライスサラダで、タイ南部で食べられているスタイルだそうです。ライムをしぼっていただきます。確かに南っぽい感じはします。色は緑、味は辛み、調理法はライスだから蒸すですね。卵料理として出されたのは、カラメルココナッツと蟹を卵のネットで包んだもの。食感の面白さとカラメルの甘さが特徴です。これは黄色、甘み、そして揚げでしょうか。松茸とガランガルのレリッシュ。ガランガルは日本の生姜に近い感じです、サンドイッチ風に巻いていただきます。赤色で、松茸の旨味、焼きが調理法で使われています。最後はゴーヤと豚の角煮ですが、鰯の出汁で煮てありゴーヤがスパイスで使われています。沖縄風ですが、ここは色は黒、味は苦み、調理法は煮るが強調されています。お酒ももちろんありますが、最初の3品にはスイカをベースにしたモクテル(ノンアルコール・カクテル)が合わせられ、4品、5品めにはそれぞれ別のものが用意されました。コクを出すために白みそが使われていたり、かなりユニークなものです。それらが、前菜5品の複雑な味わいに添えられて、味の広がりの面白さを感じさせてくれます。私は、ワインとモクテル、両方を合わせてみました。「宿泊予約は今のところ8割くらいが海外のお客様ですが、レストランは日本人の予約のほうが断然多いです。食材はタイから持ってくるものと、京都で我々がつくっている野菜なども取り入れて、お互いのベストミックスを考えています」とスタッフの方が説明してくれます。調味料はすべて手ですりつぶしているそうです。ココナッツも手絞りです。これはおいしさの秘訣ですね。味の振れ幅の妙、それぞれのおいしさそして、ご飯が出されます。ジャスミンライスと日本のお米のブレンドで、これはまた面白い食感と風味になります。わかめやあさりの入ったココナッツスープが添えられ、ご飯に合わせた料理が5品、登場します。『豚肉のサラダ、柿の赤色ドレッシング』『ししとう、唐辛子、バジルで炒めた鶏レバーときのこ』『ビーフリブのぺナンカレー』『豚肉とエビ、ココナッツクリ ームで煮込んだサバ/京野菜各種と、野菜のレッドカレー・フリッター』『タイ東北部風の蒸し魚』今回はこの5品。これらをテーブルの皆で取り分けて食べるスタイルで、五味五法のスタイルはここでも生かされています。思わぬところに感じたことのない刺激が潜んでいて、なかなかユニークな食体験です。味の振れ幅は、その輪郭がつかめないほどに大きいのですが、ちゃんとそれぞれ、「おいしい」に落とし込んでくるところが、さすがだなと感心しました。同時にタイ料理の深さを再認識させられたような気もします。デザートにジャスミンキャンドルで香りをつけた焼き菓子、かき茶などが出てきました。調理を終えた【Bo.lan(ボー・ラン)】のディラン・シェフと、この【Ayatana】のシェフに就任したフェリックス・シュレンバーク・シェフがテーブルに来てくれ、今日の料理やこれからについて話をしました。「バンコクも京都も古い都で伝統がある。それらのいいところをミックスするのはもちろんだけど、その伝統の故郷をいつまでも守るという意味で、サステナブルということにも最大限の配慮をしている」とディランさん。味がかなり複雑だったけど、と訊くと、うなずきながらも、でもこのスタイルは変えないつもりとのことでした。「僕はキャンベラ生まれだけど、タイでは北から南まですべての食材を研究しました。同じようにこれから日本には季節ごとに来て、あらゆる食材を勉強します」と。今のところ彼のお気に入りは京都のおでんだそうです。フェリックスさんはドイツ人で、スイスでパティシエだったそうですが、【Bo.lan(ボー・ラン)】のスーシェフとして働き、タイ料理の魅力に憑かれた人。彼もまた独自の視点で、伝統と最先端のはざまでこれから意欲的にチャレンジしたいとのことでした。レストランを出るとき、ありがとうございました、おやすみなさいの意味を込めたシンキングボールの音がしました。これで一連の食体験の流れが終わるわけです。京都でタイ料理って、ちょっと不思議な感じもしたのですが、意外とマッチしていると感じたのは、やはり伝統の力と、そして若いチャレンジャーたちの国を越えた情熱のなせるわざかもしれません。勉強になりました。Ayatana【エリア】京都駅【ジャンル】タイ・ベトナム料理【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】20,000円 ~ 29,999円
2023年10月23日「SHIGUCHI」のオーナーはイギリス生まれのショウヤ・グリッグさん。名宿「坐忘林」を立ち上げた一人として有名ですが、若いころはパンクバンドで活躍した経験もあるというアーティスト。ここは彼の作品を中心に彼が収集した絵画や陶器、古美術品などが展示された森の中の芸術空間になっています。移築された古民家3棟に5つの宿泊施設が用意され、それぞれ地、水、火、風、空と名前が付けられています。ギャラリー・ステイを謳うだけあって、森のなかの美術館に滞在する感覚です。ショウヤさんは言います。「若いころ、息苦しさを感じて旅をするうち辿り着いた北海道で、自転車で4か月かけて北海道を全部回ってみたんです。なによりこの自然に圧倒され、日本人の凄さに圧倒されました。そして歴史を掘り下げていくうち、ここが縄文時代から続く豊かな大地だってことに気づいたんです」。それ以来彼の日本暮らしはもう30年になるといいます。ニセコの地価が暴騰するまえに原野を購入し、そこに自分のアートライフの拠点を創り上げていきました。数年前に開催されたイベント「ダイニング・アウト」で私はここを訪れていますが、羊蹄山を目の前にいただいた、ミラノの徳吉シェフの料理には感動しました。ただそれがショウヤさんの家の庭だったとは。ショウヤさんから見せてもらった作品は、モノクロームの写真を和紙にプリントし、手彩色を加えたものでしたが、水墨画の趣があり、観ているとだんだんと心が落ち着いてくる自分に気づきます。とくに作品の中に占める余白が、私には非常に魅力的に映りました。「日常生活で頭の中は雑音、雑念でいっぱい。でもこの深い自然と対峙しているといろんな気づきがあります。見えないものが見える気がする。作品の余白はそれらを現しているのかもしれない」と彼は言います。目に見えないけど意味のある余白、それは見えているものを引き立てる役割があります。引き算の美学と称して、素材を引き立てるために余計なことをしない日本料理にもつながっていくようです。ギャラリーにはそのほか、北海道の歴史やアイヌ文化を学べる作品も多くあり、宿泊用の部屋にも細部にまで凝った意匠がみられます。滞在者にとって、もうひとつの魅力は、目の前を流れる川の音を聞きながら入るお湯でしょうか。石をくりぬいた湯舟には24時間源泉かけ流しの湯が張られ、ゆったりと外の緑を眺めながら、ぼーっとする時間。この時間こそ至福なのかもしれません。エクスペリエンス・ショウ・ダイニングさて、彼のこんな世界観はどう料理に落とされていくのでしょう。ギャラリーでアペリティフをいただいていたらショウヤさんがディナーに誘ってくれ、私はメインダイニングの円形の大きなテーブルにつきました。メインダイニングの名前は【SOMOZA】、これはショウヤさんの3人の子どもたちの名前を掛け合わせたそうです。ここでも仕口がなされていますね。BGMはここでも静かに流れる川の音。グラナディエゾのグジェールでシャンパーニュをいただいていると、シェフの小関達弥さんが大きな塩釜を持ってきてくれました。蓋をとるとスモーク。中には地鶏と蛸のクロケットや松ぼっくりで燻したほっけの昆布締めなど。縄文をイメージしたインパクトのある料理で、本物の縄文土器が添えられています。「当時の文献や資料を調べ、再現しています。もちろん技法や味付けや食材は現在のもので、当時よりおいしいと思いますが、縄文人が今現れて食べても懐かく感じてくれるようなものをイメージしています」とシェフ。いきなりの縄文スタイル料理には驚きましたが、ショウヤさんはここでの食事を「エクスペリエンス・ショウ・ダイニング」と名付けたいと言いました。自分の世界観を具現化したギャラリーと食がつながると、いろんなイメージやストーリーがうまれるし、それを体験した人には新しい気づきが与えられるはずと。「人間、自然、環境、料理、あらゆるものがつながって面白い動きが生まれたらもっといいんです。生きている映画と同じで、お客がさんが自ら俳優になって動くような空間をつくりたい」。帆立とふきのとうのコンフィに続き、短角牛ミスジが出てきました。牡蛎の燻製と山菜が敷かれ、マグロ節の出汁をかけてしゃぶしゃぶ風にしていただきます。ソムリエは余市を中心にした日本ワインを合わせてくれます。「縄文パン」ですと出てきたのが、やま芋、そば粉、くるみ、たまごなど縄文時代の人がたべていたであろう食材を中心につくられた特製のパン。どことなく懐かしさを感じる味わいです。「すでに当時パンも焼かれていたという証拠が残っています。動物の血を混ぜたりもしていたようです。おそらく専門に料理をする人もいて、栄養価の高い組み合わせを考えたんだと思います」と小関シェフ。そう思って味わうと、遠い昔にイメージが広がります。それを余市の「パンセ」というワインと合わせます。人間は考える葦であると言ったパスカルの著書と一緒で、「考えよ」と言う意味です。意味深ですね。サーモンのベニエが出てきました。これがスペシャリティだとシェフ。鮭はアイヌの人たちには神聖なものですし、それを自分の学んだフレンチの技法で当時の要素を入れながら調理していく作業は、ショウヤさんの行為にも近いものなのでしょう。ニセアカシアとオリーブオイルのヌガーグラッセを口直しでいただいた後は、北十勝ファームの短角牛サーロインの塩釜焼きです。にんにくや生姜や味噌のつまった椎茸や舞茸が添えられます。ソースに蕪の藁焼きが使われ、これもどこか懐かしさを感じるテイストです。お酒が進むとショウヤさんは饒舌になり、イメージは過去に未来に広がります。我々はセックスピストルズと京都の哲学の道と、間宮林蔵とワインと文化人類学と室町時代の話をしているうち、すっかり夜が更けてしまいました。部屋にもどってふたたび静かに風呂に入りました。そこにあるのは夜のとばりの降りた静寂です。聞こえるのは川の水の音だけ。大きな余白の中に自分ひとりだけいる感覚。新たな気づきがあるということ話はこれでもういいのかもしれませんが、やはり朝のことも少し触れておくことにします。朝、少し散歩してから、遅めの食事をいただきました。採れたて野菜や鳥の味噌汁をいただき、笹の葉で巻いた卵焼きにときしらず。シェフと少し話をしました。【ミシェル・ブラス・トーヤ】でキャリアをスタートし、フランスで学んだシェフは、帰国して出張料理人をしていたときにショウヤさんから声をかけられたそうです。ショウヤさんの考えに賛同するところが多かったため、試行錯誤しながらではあるが創造的な料理人生活をおくれているとのこと。とくに先人の叡智をリスペクトしている点が2人の共通点で、そこに自分のクリエーションを入れていけるところが楽しいとのことでした。「土器ができたとき料理は飛躍的に進歩したと思います。それまでは焼くか燻すかくらいだったところに、煮炊きや蒸しといったことが加わって料理のバリエーションは広がりました」とシェフ。「ショウヤさんにはいろんな気づきをもらいました。目の前に笹がいっぱいあることは知ってはいましたが、それを料理に使うとは気づかなかった。彼と働くまでは見えてなかったんですよ。そういうことが今朝の卵焼きにつながったりしています」。新たな気づきという豊かさ。そういった意味ではこういったエクスペリエンスこそが本当の贅沢なのかもしれません。ちょっと幸せな気分でコーヒーをいただいています。SOMOZA【エリア】ニセコ/倶知安【ジャンル】イノベーティブ・フュージョン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】30,000円 ~
2023年09月27日ファーム・ドリヴンということ「ENOWA YUFUIN」がユニークなのは、とくに食事に関してファーム・トゥ・テーブルをより進化させた“ファーム・ドリヴン(Farm-Driven)”を謳っているところでしょうか。シェフはファーム・トゥ・テーブルの先駆けとなったニューヨークの【ブルーヒル・アット・ストーン・バーンズ】でスーシェフを務めたチベット出身のタシ・ジャムツォさん。3年前からこのプロジェクトのために来日し、この地で畑をつくるところから始めています。由布岳が見える田んぼのなかにある畑では、シェフみずからスタッフとともに野菜を育て、毎日そこから採れる野菜をベースにメニューをつくっていきます。宿泊施設は全部で19室、タイプ別になっていますが、それぞれ森に囲まれながらゆっくりとお湯につかれるようになっています。高台にあるサウナもすでに稼働しており、これからは他の施設も徐々にオープンしていく予定だとか。お湯につかり、ゆったりとした時間を過ごした後、ディナーはメインダイニングの【JIMGU】でいただきます。「そのまえにアミューズをこちらで」と案内されたのはレストラン脇のインドアガーデン。ここではハーブも育てています。ウエルカムドリンクに合わせ、アミューズを立ったままいただきます。キュウリとソラマメの爽やかなサラダにブロッコリーのディップ。菜園の入口からスタートし、メインダイニングへと誘われるような導線になっています。席に着くとアミューズの最後として、野菜のタルト、自家製チョリソ、オクラの花の天ぷらなどのお皿が出てきました。シャンパーニュとともにいただきます。それからキュウリとメロンの皿と、5種類のチェリートマトのバジルシード乗せ。シンプルですっきりした夏を感じさせてくれます。「朝、僕やスタッフが自家菜園から採ってきたものです」とシェフが説明してくれます。「旬の香りや勢いを大事にしています。なるべくシンプルに飾り付け食材そのもののおいしさを味わってほしいんです」。3年かけて築いた生産者とともに実をくりぬいたズッキーニは中でジェノベーゼのパスタになって登場です。蓋をあけると香りをまとった煙につつまれていて、あたかも朝靄の田園風景を髣髴とさせます。ビーツのソースをうまく使ったトマトのタルタルは、フレッシュトマトとドライトマトの酸味と甘みのバランスがよくて、後を引きます。次に、春キャベツと温泉卵のチェダーチーズかけと、イタリア風なメニューが続き、ワインは白のバリエーションが続きます。5種類のジャガイモをつかった皿が出てきます。バジルとベーコンのソース。それぞれが畑のなかで育っているような構成です。ここで発酵バターと自家製パンが出てきて、ソースをパンに吸わせて綺麗にいただきます。パスタ料理はラビオリです。中はリコッタチーズですが、ラビオリに練り込まれたハーブの香りが素晴らしく、コーンの甘いソースとの相性もとてもいい。スパイシーなスイカのガスパチョで少し舌を整え、魚料理は宇佐で上がったイシダイです。間引いたメロンが添えられていますが、こういった食材も処分することなく積極的につかうとシェフは言います。「我々の畑で採れないものは別の生産者からいただきます。これも3年かけて築いていった成果なんです」。出されたワインはニュージーランド、クレイターリムの若いピノノワール、これまた爽やかなものです。メインは豚の肩ロース。焼きナスが添えられ、枝豆とブルーベリーのソースにルバーブのジャム。まだお腹には余裕があるくらいのボリューム感と思っていたら、このあとまたしっかりとしたサラダが出てきました。やはり畑の野菜で気持ちよくしめてほしいということなのだとか。デザートはアイスクリーム。ヤマモモとパルメザンチーズ、ヤングコーンが使われていて甘みが優しく、下に敷かれた梅酢の酸っぱさとバランスがおいしい。もうひとつはスイカと発酵ズッキーニを使ったアイスでした。お茶をいただき、部屋でふたたびお湯につかります。木々の向こうに星空が広がる静かで優しい夜の時間です。リトリートという贅沢ぐっすり眠った朝は鳥の囀りとともに迎えます。周りを散策し、また朝湯。それから朝食です。朝食もディナーをいただいた【JIMGU】と同じ場所でいただくのですが、朝は光がしっかり差し込み、昨日とはまた違った表情を見せます。3種類のジュースはオレンジ、ニンジン+生姜、ほうれん草+リンゴ。焼きたてのパンと卵料理をいただきます。朝、畑で採れたばかりの野菜がまたおいしいし、パンケーキを出してくれるところがニューヨーク出身のシェフを感じます。自然に囲まれているだけで十分癒された気分になるものですが、そこに自家菜園の取れたて野菜を使ってシェフが料理を振舞ってくれるとなると、これは本当に贅沢な過ごし方、まさにリトリートですね。わずか1泊2日の滞在でしたが、穏やかな気持ちになっている自分を感じました。ENOWA YUFUIN【エリア】湯布院(由布)【ジャンル】オーベルジュ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-
2023年08月22日新潟一に輝いた鶏料理宝石のように美しい鶏刺し究極のTKGとラーメン新潟一に輝いた鶏料理【my farm to table おにや】は、新設された新潟ガストロノミー・アワードの飲食部門で大賞を受賞しました。自家農園で育てたシャポン(Chapon……去勢したオス鶏)が有名で遠方からも食通が通うお店です。新潟駅から少し離れたかつての花街・古町にあるのですが、夏の夕方には気持ちいい散歩なので駅から歩いて行きました。歩いて30分ほど。看板ひとつない白い建物の入口には小さな鶏のオブジェが置かれています。中はお洒落なカフェ風の作りになっていて、カウンターとテーブル。ワインセラーも充実しています。鶏を七輪で自分で焼くこともできるようですが、今回はさすがにそれはシェフにお任せして、話を聞きながら食事をいただきました。カウンターに座ります。一品目の濃厚な温泉たまごに続いて出てきたのは胸肉とささみ。ビールをいただくことにしました。オーナーシェフの鬼嶋大之さんがカウンター越しに説明してくれます。「昨日絞めたものと今日絞めの胸とささみです。味の違いを試してみてください」。まずは何もつけずに昨日絞めと続いて今日絞めを食べてみました。昨日のものと今日のものとでは全然ちがう弾力感におどろきます。塩を付けると味の輪郭がはっきりし、同時に出された醤油、わさび、しょうがを使う間もなく食べ終えてしまいました。「シャポンのお腹の脂を取り出して、そのまま冷やし固めたものです。試してみてください。手前にあるのはメスのもも肉です」。お腹の脂がバターのように見えて、口の中で溶けるかと思いきや、これは柔らかなレバーのようなテクスチャ―。鬼嶋シェフの養鶏場では鶏を通常の3倍、最低180日以上は飼育するそうです。「時間はかかりますが、自由に動き回れる鶏舎でじっくり育てたほうがもちろん自然でおいしい。だから自分で養鶏所をやるしかなかった」とシェフ。今は数種の地鶏、フランス原産のプレノワール(poulet noir……黒鶏)、に加え、豚も育てているそうです。宝石のように美しい鶏刺しさて刺盛りの登場です。シェフが部位ごとに細かく切り分け、お皿にならべると、宝石のようです。ひとつひとつ、色と形が美しくみずみずしく、食べるのが惜しいくらいです。左から砂肝、砂うち、背肝、レバー、白レバー、きんかん、ハツもと。お皿に乗って後から追加されたのがハツ、鶏みそ。鶏みそは脳みそです。目の前でシェフが取り出してくれるのですが、「この光景が苦手な人もいるんで」と苦笑。これだけ新鮮で上質なものをいただける機会は貴重ですし、感謝の気持ちも生まれます。ワインセラーも気になりましたが、やはり新潟のお酒をいただくことにしました。シェフのおすすめは「越弌」の純米大吟醸。新潟産の五百万石を40%まで磨いた贅沢なもので、フレッシュだが深みのある酸の具合がこの鶏刺しによく合います。砂肝は柔らかく新鮮で、普段食べている印象とはかなり違います。背肝は腎臓ですね。これもレアな部位で、独特の苦みとコクを感じます。レバーはさっき絞めたばかりで実にフレッシュ。つるんと飲み込めてしまいます。かたや白レバーは一日寝かしたもので、すごくコクがある。これは酒が進みます。鶏の脂を塗って蒸し焼きにしたコーンが出てきます。香りが広がります。そして鶏ユッケです。もも肉、むね肉、ささみでつくったユッケは飲み物のよう。部位ごとの食感と旨さをちょうどいい塩加減と生卵で封じ込めた、これまた新鮮だからこそできる絶品のひとつでしょう。次にいただいたのは「雅楽代(うたしろ)」。雅やかな響きの佐渡の蔵元です。先ほどの鶏脂で焼いた野菜に生ハムが添えられます。マンガリッツアかと思って訊けば、「これもうちで育てている豚です。22か月熟成させました。種類はまだ秘密です(笑)」とのことです。シャポンのもも肉を焼いたものが出てきました。噛めば自然な弾力が気持ちいい。肉のしっかりとした味わいと脂との一体感を楽しめます。食感の気持ちよさ、これも旨みに繋がる大きな要素です。「オスは、成長すると肉が硬くなるので、去勢して育てることでメスのようなやわらかさを出せるんです。独自の食感もシャポンの魅力ですね」と、卵管からきんかんが出てくるところを見せてくれながらシェフは語ります。究極のTKGとラーメンそして鶏すきです。甘いタレの匂いがまた食欲そそります。マッシュルームのなめらかさを持つシイタケ、「天恵菇(てんけいこ)」が入ります。(「天恵菇」は徳島で開発されたシイタケですが、魚沼の名物になっています。魚沼の【ファミリーダイニング小玉屋】ではこれの様々なバリエーションが食べられます)すき焼きに欠かせないたまごは地鶏の有精卵。淡い黄身が自然な感じで、白身は力強い。これに鶏肉やネギや天恵菇をたっぷりくぐらせて、いただきます。さっきのユッケのあったかいバージョンにも感じる、たまごの絶妙さ。自然でしなやかで優しい味わいに陶然としてしまいます。こうなると最後は究極のたまごかけご飯、いわゆるTKGですね。鶏すきの残ったたまごにもう一つ新しいたまごを加え、そこに炊き立てのご飯を入れてもらいます。土鍋で炊いたコシヒカリがしっかり米を主張します。この一体感こそまさにこの地ならではのものなんでしょうね。鬼嶋シェフは最初、東京のバーなどで働き、故郷新潟にもどってから鶏に目覚めたのだそうです。自身の焼鳥好きも手伝って、ちゃんとした鶏を育てられたらもっとおいしいものが出せるのではと一大決心をし、養鶏業を始めたのだとか。さて最後のラーメンですね。もうおいしくないわけがありません。デザートのプリンをいただくころには相当時間も過ぎていましたが、お客さんの様々な注文を聞き、雑談をはさみながら同時進行で料理を準備していくオペレーション能力の高さも、見てきて実に気持ちのいいものでした。このあたりは様々な飲食を経験されたなかで培われてきたものなのでしょう。ほろ酔いで古の花街をそぞろに歩き、夜風にふかれて駅に向かいます。信濃川のほとりではいくつかのお店が輝いています。気持ちのいい夏の夜の風景です。my farm to table おにや【エリア】新潟【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】15,000円 ~ 19,999円
2023年08月07日取材・文:仲野もも撮影:稲垣佑季編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部仕事でちょっとしたミスをしてしまった。引きずっていてもしょうがないのに、気持ちの切り替えがうまくできない。同僚や上司にちょっと嫌なことを言われても、言い返したり訂正したりできない。「私が間違っているのか?」「これで本当に大丈夫?」と思ってしまうほど自信が無い……。考え方がネガティブで、キャリアや将来に不安を感じてばかりたけど、そんな自分にもうんざりしてる。メンタルの弱い自分を変えたい!どんな時も物怖じしない、自己肯定感の高いギャルみたいなポジティブマインドを手に入れられたらいいのに……!そこで今回は、伝説のギャル雑誌『egg』を復刊させたことで話題の元編集長ギャル・赤荻瞳さんに、メンタルが強くなる方法、“鬼強ギャルマインド”を手に入れる方法を伝授してもらいました!■考えるのは極力好きなことだけ!モヤッとしたときは「一歩引いて」捉えるライターの仲野です。今日はよろしくお願いします!突然ですが、赤荻さんって悩むことや落ち込むことってあるんですか?無いです!(即答)(えっ無いの!?)たとえば仕事で「ちょっとうまくいかなかったな」ってときも、落ち込まないんですか?その瞬間は「やっちゃった」みたいな感じにはなるんですけど、「一回失敗しとけば同じ失敗はしないから、良かったわ」って思うかな。(ポジティブ……!)私は結構引きずってしまうんですよね。人間関係で考えこんでしまうことも多くて、たとえば嫌な言い方をされても訂正したり、言い返したりできないんです。赤荻さんは相手の言い方でモヤッとしたときはどうしていますか?私はモヤッとしてもあまり考えすぎないですね。例えば私も自分が誰かに話したことで、「あの時の言い方はちょっと良くなかったかも」って後から思うときがあるんですよ。それと一緒で、相手も言い方を間違っちゃったのかな、みたいな。ちなみに、その相手は友だちとか好きな人ですか?どちらかといえば上司とか仕事上の関係で悩むことが多いですね。あ~!そしたらマジでその時間もったいないんで、野菜ぐらいに思ったら良いと思います。ジャガイモとか(笑)。ちょっとドライに思われるかもしれないんですけど、極力自分が好きだなって思う人のことしか考えない!いい意味で線引きしてるってことですね。相手をシャットダウンするわけではないんですよ。言い方が気になってしまったときは、「私に」ではなく「みんなに」こういう言い方をする人なんだと思って、それ以上は考えない。ミスしたこともモヤッとしたことも、客観的に、一歩引いて捉えるんですね。はい。ただそういう言い方をする人は結果的に損してしまいますよね。だから、好きな相手だったら「私には良いけど、そういう言い方は良くないと思う」と訂正して、好きじゃない相手は「損しているな」と思ってスルーでOKです。■良かったことを思い出して自己肯定感をアゲる!赤荻さんはギャル雑誌『egg』の編集長からスクールの校長に転身するなど、新しい仕事にチャレンジしていますが、キャリアや将来について不安になることはありますか?不安になることもあまり無いんですよね。ただ緊張することはありますよ。4月にスクールの入学式を行ったのですが、生徒さんはちゃんと予定通りに動けるかな、お辞儀のタイミングは大丈夫かなとか……。心配っていうか、ドキドキしました!そんなときは、どう自分を落ち着かせているんですか?緊張してる時間がもったいないんで、結構遊びに行っちゃったりします(笑)。もう、一旦忘れちゃうことが多いかもしれません。なんだかんだやれることやったし、自分を信じて明日の自分に託す!自信が揺らいでしまうときって無いんですか……?(ネガティブ)無いです!本番にめちゃくちゃ強いって思い込んでるんですよね。考えるのがちょっと面倒くさいっていうのもあるんですけど(笑)。本番に強いと思い込めるようになったきっかけはあるんでしょうか?きっかけというか、緊張するときは良かったことしか思い出してないんですよね!昔、学校の運動会で応援団長をやって優勝できたこととか……。良いことしか思い出してないから、自然と「絶対うまくできる」って思えるのかもしれないです。(陽のオーラがすごい……!)良かったことを思い出すってすごく良いですね!私は緊張したり落ち込んだりしたら、失敗したことを思い出してしまうんですよね。それで余計気分が落ちてしまうのかも……。良いことを思い出せば自然とポジティブになれるし、これならできそうです!ネガティブになったときこそ楽しかったことを思い出して「自分のテンションを上げる」っていうのも大切だなって思います。他にはどんなことをしているんですか?私は下着で一日のテンションが変わるんですよね。上下セットのものを着たり色を合わせたりするだけでファッションにも気合が入るっていうか、がんばろうって思えるんです。そういう小さなことからも自分をアゲています。■ギャルマインドは育むもの!時には周りに甘えるのも大切赤荻さんの陽エネルギーに照らされて私もポジティブになれてきている気がします……!勝手なイメージですけど、ギャルは明るくてポジティブな人が多いと思っているんですが、赤荻さんの周りもメンタル強めな人が多いのですか?どっちかっていうとポジティブでエネルギッシュな人が多いです。でも、私みたいな根っからのポジティブばかりじゃないですよ。ギャルのコミュニティにいるうちに、メンタルが強くなった人がたくさんいます。『egg』の編集長だった時は、モデルになったときはそうでもなかったのに、卒業間近になると「ポジティブになった」「人見知りしなくなった」って言ってくれる子がすごく多かったです。(ネガティブなギャルもいるんだ)ギャルのポジティブさって生まれながらの性質かと思ってました。やっぱり、全員が鬼強ギャルマインドを持ってるわけじゃないんですよね。だから、「何か私だったらこうするけど、気持ち分かるよ」みたいな感じで話を聞いていくうちに、ポジティブな空気に持っていってました(笑)。それをくり返しているうちにギャルマインドが育まれていったって感じかも。ギャルマインドは育てられるんですね……!ネガティブなときは周りからパワーを分けてもらうことも大切だと思うんです。私もスクールの代表になってから、「これで間違っていないかな」って友達に相談するときがあります。とりあえず、不安なときは安心したいじゃないですか(笑)。そんなこともあるんですね!仕事で失敗しちゃったときは「こういう謝り方でいいかな」って同期の子に意見をもらったり、「とりあえずこの子にテンション上げてもらおう!」って話を聞いてもらったり。大丈夫、間違ってないよって言ってもらって、そこでまた自分をアゲてって感じですね。ギャルマインドだと落ち込む部分も1ミリも無いのかなって思ったんですけど、私とも共通するところがあって安心しました。大人になって、周りに甘えたり頼ったりするのもすごく大事だなと思うようになりました。甘える……苦手です……。私も最初は甘えられない長女タイプだったんですけど、やっぱり仕事するようになると助けてもらうことも多いじゃないですか。助けてもらった分、私もいろんな人に返して甘えを循環させていく。「自分だけが甘えてるんじゃない」って思ったら、頼れるようになりました。■誰の心にもギャルマインドが潜んでいる鬼強ギャルマインドを育てるには周りの環境も大切ということですが、社会に出るとギャルの友達が段々少なくなってしまう人も多いと思うんです。たしかに私が『egg』を復活させたとき、ギャルは絶滅したって言われてました(笑)。でもぶっちゃけ、みんな心のどこかにギャルマインドが潜んでいると思うんですよね!そうなんですか!?ギャルって最初はファッションの一つの形だったと思うんですけど、令和になって「このファッションしてたらギャル」って判断できなくなってきたんです。好きな服で好きな髪形でいる、それってすごくギャルだよねって。ギャルに見た目はあまり関係無くなってきているんですね。はい。ですから、周りにギャルがいないってことは、きっと無いはずです。「この一言がギャルだな」みたいな、大人になってから出会う“ギャルじゃない人”にも、ギャルマインドを感じることがあります。気がついていないだけで、誰の心にもギャルがいる。私の中にもギャルがいる……!ってことですね。20歳を過ぎてから、ギャルに目覚めたって人も周りにたくさんいます!それこそ、8月に発売される初の著書『鬼強ギャルマインド 心にギャルを飼う方法』を読んでもらったら、ギャルとの共通点が見つかると思うんです。この考え方は分かるなとか、そういうところからマインドを育てていけば、いつの間にか鬼強ギャルマインドになったってこともあると思います。今日はありがとうございました!私も鬼強ギャルマインドを手に入れられそうです!時にはネガティブな瞬間があっても良いと思いますよ。落ち込んだときとか、「そういえばこんなポジティブなこと言ってた赤荻って奴いたな」って思い出して、元気になってもらったらうれしいです。(……感動!!)◇Information『鬼強ギャルマインド 心にギャルを飼う方法』2023年8月4日(金)発売予定赤荻瞳・著株式会社SDP・刊定価:1,650円(本体・1,500円+税)「まあ、しょうがなくない?」「なんとかなるっしょ!」といった、ギャルが持つ「どこまでもポジティブなノリの良さ」「圧倒的な自己肯定感の高さ」などのギャルマインドが令和の時代に男女問わず幅広い世代から注目されている現代。そんなギャルマインドを身につけ、心にギャルを飼うことで、今より強く前向きでハッピーに生きられる方法を著者の赤荻瞳さんから学ぶことができる一冊です。
2023年08月04日古民家でいただく日本酒と蕎麦の魅力目白通りを少し入ったところにある築百年になろうかという古民家をリノベーションした店舗は実に風格があり、靴を脱いで部屋にあがると小さな庭の緑が目に優しい。何人も入れる大部屋と、4人用の小部屋があります。1階が店舗で、店主の納剣児さん夫妻は2階に住んでいるのだとか。時間をかけてじっくり探してようやく見つけた場所なんだそう。それにしてもしっとりとした気持ちのいい空間です。古い日本家屋の魅力です。庭の緑を愛でながら、日本酒と蕎麦前をいただきます。日本酒は今っぽいセレクションで、仲居さんが詳しく説明してくれます。今回いただいたのは、「玉川」純米吟醸「澤屋まつもとultra」純米大吟醸「初亀」純米吟醸「新政佐藤卯兵衛」純米「田中六十五」純米「写楽」純米吟醸「而今」純米吟醸「田酒」特別純米などなど。季節によって日本酒のメニューも変わり、量も五勺から頼めます。蕎麦前に合わせて少しずついただくのもいいでしょう。ワインもオンリストされています。まずは蕎麦がきが出てきます。粗挽きの蕎麦がきは埼玉県三芳町の在来種。香りを楽しんだあと、塩と山葵を少しつけていただきます。お酒は英国人が杜氏を務めることで有名な京都は木下酒造の「玉川」、純米吟醸からスタートです。ほどなく、前菜ですと用意されたのが、蕎麦前の全部盛りとでもいう一皿。含め煮にしたぜんまい、にしんの昆布煮、板わさは和歌山の南蛮焼き蒲鉾で、酒粕仕込みのわさび漬けのせ、粕味噌漬けにしたクリームチーズ、茨城の平飼い無投薬の鴨ロース、薬味が入った焼き味噌、枝豆、西京味噌に漬け込んで焼いた車エビなど、どれも定番中の定番のような一品ですが、一つ一つ時間をかけて丁寧につくられたものばかり。お酒も進みます。車エビに合わせてと、独特な果実香が魅力の静岡酵母でつくる「初亀」の純米吟醸をいただいていたら、出汁巻き卵の登場です。これも欲しい一皿です。それから鶏モモ肉の醤油麹焼き。在来種の一味をかけるのですが、これが予想以上の辛さでなかなかフレッシュです。蕎麦を三枚手繰って日本酒好きの人たちのなかで雄町を愛する人をオマチストというらしいです。なかでも岡山産は雄町のルーツということで、備前雄町には一種特別な響きがあるようです。その備前雄町の「写楽」をいただきます。一枚目の蕎麦の登場です。長野の乗鞍の十割です。塩を少しつけて手繰ります。蕎麦をいただく表現は難しく、昔からいろいろ語られるところですが、汁につけて一気に……というよりは、塩をつけて手繰りたくなる顔つきの蕎麦なのです。それだけ香りが魅力的なのかもしれません。二枚目は鳥取は伯耆町の在来種の玄挽き蕎麦。こちらは少量の汁で手繰ってみました。これもいい感じです。粋がって蕎麦汁を付けない話は落語などでもよく聞くところですが、汁は少量で十分。香り高い蕎麦は余計なことをしないほうがいいということがよく分かる瞬間です。三枚目はせいろ、成田の在来種で、これは温かいあさり蕎麦として出されました。お酒で火照った体を二枚の冷たい蕎麦で落ち着かせ、最後にいただく温かいあさりの蕎麦。ほっとします。デザートはそば茶プリン。白ワインの樽で熟成させた万寿泉を合わせていただきました。蕎麦と日本酒のフルコースでした。満腹で外へ出ると、外はまだ明るいのです。風も気持ちいいし、このままもう一軒……といった流れになりそうです。夏の夕暮れの大好きな時間。蕎麦おさめ【エリア】目白【ジャンル】そば【ランチ平均予算】2,000円 ~ 2,999円【ディナー平均予算】10,000円 ~ 14,999円
2023年07月20日日本でも大人気の映画『プラダを着た悪魔』。アン・ハサウェイ演じるジャーナリスト志望の主人公が、鬼のように厳しいファッション誌編集長のもとで成長していく物語だ。そんな『プラダを着た悪魔』の現実版ともいえる求人が話題を呼んでいる。原作となった小説を書いたローレン・ワイズバーガーは、かつてアメリカのファッション雑誌『Vogue』で女性編集長アナ・ウィンターのアシスタントとして働いていた。アナ・ウィンターはカリスマながら非常に仕事にストイックなことで有名な人物のため、『プラダを着た悪魔』の鬼編集長のモデルではないかといわれているのだ。ワイズバーガー自身は、アナがモデルであることは否定しているものの、二人の編集長の雰囲気はあまりにそっくりである。そんななか、日本でも注目を集めているのが『Vogue』を発行するアメリカのコンデナスト社のホームページに6月13日ごろに掲載された”求人情報”だ。そこには、「Vogue編集長およびグローバルコンテンツ最高責任者のアシスタント(Assistant to the Editor in Chief- American Vogue and Global Chief Content Officer)」との記載が。つまり、アナ・ウィンターのアシスタント。まさに『プラダを着た悪魔』の主人公と同じような職種なのだ。気になる詳細はというと、勤務地はニューヨーク、仕事内容は編集長のスケジュールの調整を含む”戦略的なカレンダー管理”から始まり、電話・メール対応、会議室の予約や端末のセットアップ、資料の準備/印刷、出席者の調整など、あらゆる社内会議の手配、オフィスのメンテナンス。くわえて、「あらゆる事柄において、心の知性、判断力、思慮深さ、機密性を発揮すること」「問題を予測し、回避する能力を実証すること」他多数……。とにかく多岐にわたり“ハード”に見える。応募のための最低条件は、大学の学位、G Suiteに習熟していること、国境を越えてあらゆるレベルの人々と快適に連携できる口頭でのコミュニケーション能力、文法や校正能力など、優れた文書コミュニケーション能力、優れたマルチタスクスキルと時間管理スキル……などなど、こちらもハードルの高そうな項目がずらり。最も気になる給与については、《予想基本給は 60,000 ドルから 80,000 ドル》とのこと。1ドル141円として日本円に換算すると、年収846万~1128万円となる。SNS上でこの求人を見た日本のユーザーは、このアシスタントの給与水準に戸惑う声があがっている。《アシスタントとはいえマンハッタンでこの給料はプラダを着させてくれない悪魔なのでは……》《今の物価考えたら給与が安すぎなのではないかと思ってしまうのだが実際どうなんだろう》《NYでこの給料は安すぎでしょ》お金では得られない体験ができそうだ。
2023年06月21日贅沢な小旅行穏やかな春を感じさせる日でした。40階にあるレストランからは、東京のビル群が広く見渡せます。席に着くと、今日はシャンパーニュだけで料理の流れを構成するということで、「ベレッシュ・エ・フィス」のリストが配られました。「ベレッシュ・エ・フィス」はモンターニュ・ド・ランスで一番標高の高い1級リュード村で1847年より続く醸造家です。そして今回は5代目ラファエル・ベレッシュさんが来日し、自社のシャンパーニュを「ビオデナミで自然な味わいとテロワールを感じてもらうため、マロラティック発酵せずドサージュも最小限。ピュアな果実味を感じていただけるのでは」と説明してくれました。田中一行シェフのレストラン【racine】も近いことですから、シャンパーニュ地方のテロワールを感じるにはいい組み合わせです。さて、アペリティフとして出てきたのが、両シェフによるレンズ豆のシリーズでフムス、キャビア、チュールにはアマゴの畳イワシが添えられ、それとホロホロ鳥のタルトレット。シャンパーニュはピノノワール、ムニエ、シャルドネで構成されるブリュット・レゼルブのマグナムが注がれます。マグナムは瓶内の空気量が通常より多く熟成がゆっくりなのでよりおいしく感じます。アミューズはパースニップとセップを使った小皿と、もうひとつはタラバガニ。ボイルしたタラバガニにビネグリット、ヨーグルト、バジルのソース。これは田中シェフの手になるものです。田中シェフは、フランスで日本人として史上最年少でミシュラン2つ星に輝いた人で、ランスでは基本その土地のもの、大量流通しない地元の小規模生産者の食材やお酒を使うことで高い評価を受けています。綺麗な一皿です。蟹の香りが立ち上がります。合わすのはロゼ・エクストラ・ブリュット・カンパニア・レメンシス2018。タラバガニの凝縮した旨さを若々しいロゼが引き立てます。アントレはバターソテーしたホタテのポアロソース。トリュフの香りに包まれています。白そばの実が粘り気を出し、エシャレットとからんで面白いテクスチャーです。これはマルコンシェフのスペシャリテだとか。マルコンシェフはキノコの魔術師とか秘境の3つ星とか言われています。人口200人ほどのオーヴェルニュの小さな村に世界中の食通を呼べる実力者で、地元の伝統を重んじ、サステイナブル・キュイジーヌにも積極的です。シャンパーニュは、エクストラ・ブリュット・ル・グラン・プルミエクリュ2014。シャルドネとピノノワールですが、白亜の土壌のしっかりしたミネラル感がホタテによく合います。ヒラメの料理とウサギの料理が出るから、それに合わせてほしい、とエクストラ・ブリュット・アイ・グランクリュ2014が出されます。アイは村の名前で、ここのグランクリュを購入してつくった代表作のシャンパーニュです。ピノノワール80%、シャルドネ20%のパワフルなもの。「貝を煮詰めたブイヨンを感じる」とベレッシュさん。確かにマリンアロマのようなものを感じます。ヒラメの料理は田中シェフのもの。野菜の彩りが美しく、バターナッツのソースが薫り高く、どこかフランスの郊外の田園風景と重なってきます。田中シェフのレストラン【racine】では1回の食事で25皿ほどの料理を出し、月に一度そのメニューを変えるのだとか。またひと月のなかで日々変わっていくものも多いため、あえてスペシャリテのようなものは用意しないそうです。ウサギの料理はマルコンシェフのもの。竹串には肝臓、腎臓が。肩から腰にかけての肉はほうれん草に包まれ、円柱状に盛り付けられた肩肉など、あらゆる部位が雑穀の上で一体化して表現されています。これも同様に田園風景が広がります。そこにグランクリュを合わせます。これも素晴らしい土壌のなせる業でしょう。複雑味が豊かで余韻があります。テロワールとともに生きるそしてメインはうずらの料理です。田中シェフの手になるもの。美しいトリュフを纏い、優しい香りが立ち上がります。そこにブリュット・ルフレ・ダンタンのマグナム。「祖父の時代からつくっている手法でつくっています。熟成期間も短くすっきりしていますが、これがこの土地の昔ながらのシャンパーニュなんです」とベレッシュさん。テロワールとともに生きた生産者へのオマージュですね。温かく柔らかなうずらの料理に寄り添います。食事の余韻を残しながらのデセールは2品。パイナップルとココナッツの一皿と、林檎とモリーユの一皿。モリーユのデセールは珍しいかもしれません。蜂蜜でコンポートした林檎にモリーユが添えられ、マスカルポーネ、林檎のソルベ、栗のチュイル。モリーユのリキュールが添えられます。これも野趣に富むフランスの田園を感じます。ミルクリキュール、セップのマカロン、チョコレートタルト、林檎とライムなどミニャルディーズとコーヒーをいただいたころには、もう陽が傾き始めていました。厨房での作業を終えたシェフが出てきて、話を聞きました。午後の豊かな数時間、シャンパーニュとオーヴェルニュをめぐる小旅行でした。ベッラ・ヴィスタ【エリア】永田町【ジャンル】洋食【ランチ平均予算】6,000円 ~ 7,999円【ディナー平均予算】20,000円 ~ 29,999円
2023年03月28日京菓子・亀屋良長は、春限定の和菓子を亀屋良長 本店や亀屋良長 ジェイアール京都伊勢丹店ほかにて発売。“苺や桜”を使った春限定の和菓子京菓子・亀屋良長から、心華やぐ春にぴったりな、苺や桜を使用した和菓子がお目見え。中でも注目なのは、“いちご⼤福”をイメージした「いちご摘み」だ。“いちご⼤福”をイメージした羊羹ホワイトチョコレート⼊りの⽩⽺羹の上に、もっちりとした⾷感の「餅⽺羹」をセット。さらに、甘みと酸味のバランスが絶妙な苺「紅ほっぺ」やミカン、⽩桃を重ねて琥珀羹を流し⼊れた、見た目にも華やかな和菓子となっている。人気の「スライスようかん」に甘酸っぱい“ベリー味”また、パンに乗せ、トーストして楽しむシート状の羊羹「スライスようかん」に、春限定のベリー味「スライスようかん 春のベリー」が仲間入り。ようかんは、いちごとラズベリーを⽩あんに合わせた「ベリー⽺羹」と丹波大納言小豆を使用した「⼩倉⽺羹」の半分ずつとなっており、1枚で2つの味を楽しめるのが嬉しい。本物の“桜”を閉じ込めた羊羹「円⼭の桜」は、本物の“桜”を閉じ込めて、京都の桜景⾊を表現した和菓子だ。桜の塩漬け⼊りの餅⽺羹の上に、琥珀羹を流して、花びらをかたどった美しい⽺羹を浮かべている。桜型の和三盆の詰め合わせなどそのほか、桜の焼印入りのしっとりとした焼き菓子「烏⽻⽟まんじゅう さくら」や桜型の和三盆を詰めた「暦 花⾒⽉」など、春に味わいたい品々がラインナップする。【詳細】亀屋良長 春限定の和菓子販売期間:〜2023年4⽉中旬「スライスようかん 春のベリー」は3⽉15⽇(水)より店頭販売開始。取扱店舗:亀屋良長(本店、ジェイアール京都伊勢丹店)、高島屋京都店、大丸京都店、公式オンラインショップ※⾼島屋京都店、⼤丸京都店は⼀部商品のみの販売商品例:・いちご摘み 1,296円・スライスようかん 春のベリー 594円( 2枚入)・円⼭の桜 1,080円・烏⽻⽟まんじゅう さくら 195円(1個)・暦 花⾒⽉ 1,080円
2023年03月16日2022年の暮れ、コペンハーゲンを旅しました。コペンハーゲンはいまや世界の食通が集う場所で、日本でも有名な【Noma(ノーマ)】をはじめ、世界のベストレストランの常連がこの小さなエリアに集まっています。(ちなみに2022年のランキングでも【Geranium(ゲラニウム)】(1位)、【Alchemist(アルケミスト)】(18位)、【Jordnær(ヨーネア)】(38位)はコペンハーゲンにあるレストランです)。今回の旅では【ノーマ】、【ゲラニウム】、【アルケミスト】で食事することができました。それぞれ個性的で時代をリードするレストランですが、ここでは【ノーマ】のランチ風景を綴ろうと思います。レネ・レゼッピ・シェフとの再会北欧料理を世界的に有名にし、多くの影響を与え続けてきた【ノーマ】は、レネ・レゼッピさんという革命的なシェフが率いる新北欧料理(ニュー・ノルディック・キュイジーヌ)のお店です。8年前に東京でポップアップをしたときには、生エビに蟻を乗せ、高級レストランで蟻を食べさせるのか、と話題になりました。おりしも2023年3月に京都でのポップアップ(エースホテル京都)を発表したばかりでしたので、そんな話も聞けたらいいなと思い、出かけたのです。市内からバスに乗り、少し早く着いたらウエイティング・ルームでちょうどレネ・シェフが暖炉に焚火をくべているところで、8年前の東京の話などすることができました。レネさんは当時すごく尖がっている印象でしたが、久しぶりにお会いしたら随分落ち着いた感じになっていました。テーブルに案内されてからも、しばらく彼は私のテーブルで話をしてくれました。京都に行くのがすごい楽しみだと彼は繰り返し、8年前の蟻のようなサプライズは?との問いには、笑って答えません。でもきっと何かやってくれるんでしょうね。2022年冬のランチメニューよりさて、ランチメニューは「Game & Forest Season 2022」というもので、初冬の北欧の森の柔らかな光の中を散策しているような構成でした。トナカイのハツ(心臓)という【ノーマ】らしい小品からのスタートです。照り焼きテイストでソースもマヨネーズ風なので、わかりやすいおいしさです。以下、写真とともに流れを見てください。そしてすぐに頭骸骨に入ったカスタードソースに花粉を詰めたもの。これは日本の【Inua(イヌア)】でいただいた味を髣髴とさせます。次は夏に取ったフルーツを乾燥させたものを戻して野兎のオイルを添えたもの。次はトナカイのシビレ(胸腺)と苔を揚げたもので、添えられたカシスのソースも素晴らしく、シビレのふわっとパリっとした食感とソースの甘みにうっとりしてしまいます。ワインのセレクトも好みでした。ジュラのワインをいただき、クリスティアン・チダ のヒンメル・アウフ・エルデンも登場。次はノロジカのサンドウィッチ、蜜蝋入り。冷たいスープは苔などの森のエキス。甘みのある肉サンドに寄り添います。これもNomaっぽいトナカイのラグー、ペニス入りです。ハーブが強く刺激的。【イヌア】のシェフだったトーマスさんもこちらに戻っていて、テーブルに来てくれ、再開の握手をします。さっきの頭骸骨料理はやはり彼の手になるものでした。次は、昆布かと思いきや、うずらの卵を野草の酢漬けでくるんだもの。野沢菜のような感じ。ここからトーンが少し変わってきました。そしてカボチャを鰹節のように料理したもの、白スグリソースです。これから2つはデザートっぽい感じです。マリネしたヘーゼルナッツとキャビアに、もうひとつは伝統的なタコ焼きのようなデザートをアレンジし、熊肉で皮をつくったもの。ハーブの香りにつつまれて優しい食感です。そしてバラの果実やリンゴの昆布茶漬け。そしてまた肉に戻ります。メインは名物の鴨料理。日本酒・鍋島を合わせてくれました。トリュフ香のする日本料理の趣です。手でソースを付けて口に入れると、鮨をいただくような感じになるから不思議です。もうひとつの肉料理は、ノロジカのグリル。これが締めになりました。デザートは2品。クランベリー、プラムとアイスクリーム・ソース。芥子の実が入っています。もうひとつはトナカイの血の入ったキャラメル。コーヒーをいただきます。残念なお知らせが落ち着いたころ、日本人でスーシェフをつとめる高橋惇一さんがテーブルに来てくれて、ラボなど案内してくれました。優雅で気持ちのいい昼下がり、森のエキスをいっぱい吸った気分です。それからしばらくして【ノーマ】が閉店する知らせが届きました。これだけのクオリティのものを維持していくことの難しさを、改めて知らされた気もします。これからは形態を変えての再出発となるのでしょうが、賛否両論さまざまに語られてきた【ノーマ】。さすがに閉店となると寂しいです。即日完売したと言われる京都のポップアップは、きっとファインダイングの歴史に残るイベントになるのでしょうね。
2023年02月23日3月17日(金) より全国公開される映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』より、“長ぐつをはいたネコ”プスの軌跡を振り返る特別映像が公開された。本作は、『シュレック』シリーズから飛び出した、帽子に羽根飾り、マントと長ぐつがトレードマークのレジェンド剣士ネコ“プス”を主人公とした映画『長ぐつをはいたネコ』シリーズの第2弾。先駆けて公開を迎えた各国での世界累計興行収入は4億ドルを突破(約540億円 ※1ドル=135円換算)し、第80回ゴールデングローブ賞(アニメ映画賞)、第50回アニー賞(作品賞)、第95回アカデミー賞(長編アニメ映画賞)にもノミネートされた。日本語吹替版には、キレキレでモフモフな賞金首のレジェンド剣士プス役を山本耕史、プスの元カノで今は気まずい関係のキティ役を土屋アンナ、プスの敵キャラで「3びきのくま」を引き連れた女の子・ゴルディ役を中川翔子、冒険仲間となるネコに変装したイヌのワンコ役を小関裕太、ゴルディの“弟”くまのベイビー・ベア役を木村昴、鋭い眼光でプスを狙う賞金稼ぎ・ウルフ役を津田健次郎が演じるなど、個性豊かなキャラクターたちにピッタリの豪華キャストが集結している。映像は、「俺様が何者か知らないだって? 仕方ない……教えてやるとするか」という言葉に続き、グラス一杯のミルクをペロペロとあおって「“長ぐつをはいたネコ”だ!」と言い放つ主人公プスの姿から幕を開ける。プスの名が世界中に知れ渡るきっかけとなったのは、「シュレック」シリーズの第二弾『シュレック2』(04)。続編ではシュレックの退治を目的として初登場し、シュレックを退治するどころか早々に捕まえられてしまうも殺されることなく命拾いをさせてもらいシュレックに忠誠を誓った。プスはそのまま仲間の一員となり、“凄腕の泥棒猫”である自らのスキルや、持ち前のキュルルンお目目を駆使しながら冒険の手助けをしていく。すっかりシュレックたちと家族のような絆を作り上げたプスは『シュレック3』(07) にも登場。再び旅に出ることになった一行はその途中で出会った魔術師マーリンに魔法をかけられ、ドンキーとプスの身体が入れ替わるというハプニングに見舞われる。「もう二度とこの肉体を失うもんか!」と振り返るプスのナレーションに続いて映像に映し出されるのはまんまるに太ったボディとピンク色の首輪でインパクト抜群の長ぐつをはいたネコの姿。これにはプスも「おっと……! 無理だった」と苦笑い。シリーズ最終章の『シュレック フォーエバー』(10) では、シュレックがペテン師に騙されて“別次元”に飛ばされてしまう展開が描かれる。そこでは誰かの飼い猫になり、わがままボディへと変貌した“別次元”のプスが登場。見た目や身分が変わってもロマンスの専門家としての頭脳は健在で、シュレックとフィオナの愛を見抜くほか、わがままボディを携えながらのアクションやダンスもこなしていく。単独作品『長ぐつをはいたネコ』(12) では、プスがシュレックに出会う前へと遡り、捨てネコだったプスを拾った人間のママとの思い出、トレードマークである長ぐつに隠されたエピソードや幼なじみのハンプティ・ダンプティとの固い友情、そして“スリの天才”のネコ・キティとの出会い、さらには街の滅亡を阻止したプスが英雄ネコとして親しまれるようになっていく過程など、プスの知られざる過去が描かれる。最新作では、9つあった命がうっかりラスト1となったプスが命の惜しさから長ぐつとマント、そして帽子と剣を封印し、ただの家ネコになってしまうというまさかの展開に。しかし、どんな願い事も叶う「願い星」の存在を聞いたことで再奮起し、プスのラス1の命を狙う賞金稼ぎのウルフや願い星を追うライバルたちに邪魔されながらも、道中で出会ったネコに変装したイヌのワンコと元カノのキティとともに「願い星」を探す大冒険へと飛び出す。「長ぐつをはいたネコ」のれきし<作品情報>『長ぐつをはいたネコと9つの命』2023年3月17日(金) 全国公開監督:ジョエル・クロフォード本国声の出演:アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック日本語吹替版キャスト:山本耕史、土屋アンナ、中川翔子、小関裕太、木村昴、津田健次郎【ストーリー】長ぐつをはいたお尋ね者の賞金首ネコ、プス。剣を片手に数々の冒険をし、恋もした。でも気付いたら、9つあった命はラスト1に。急に怖くなり、賞金首のレジェンドの看板を下ろして家ネコになることにしたが、プスを狙う敵の急襲で、平和な生活は壊される。そんな時、どんな願い事も叶う「願い星」の存在を聞き、再奮起。命のストックを求める旅の道中、プスが出会ったのは、ネコに変装したイヌのワンコと、かつて結婚も考えた気まずい元カノ・キティ。そこに、「願い星」の噂を聞きつけた手強い奴らもモチロンやってきて、前途多難な予感しかない。やれやれ、次死んだら、ほんとに終わりなのに。うっかり死ねない大冒険が 今、幕を開ける。公式HP:公式Twitter:公式Instagram:
2023年02月22日京菓子・亀屋良長から、2023年バレンタインに向けた新作菓子が登場。亀屋良長 本店や亀屋良長 ジェイアール京都伊勢丹店ほかにて発売される。亀屋良長の2023年バレンタイン2023年の亀屋良長のバレンタインは、ユニークでほっこりする菓子7種が揃う。中でも、お湯を注ぐとホットココアになる和菓子「chocolat 笑(ショコラショー)」には注目だ。ココアの干菓子は、100年以上前の“犬型”を使用してつくられたかわいらしいフォルム。スキムミルクでできた竹の干菓子と一緒にお湯を注ぐと、ミルキーなココアが完成する。人気No.1「スライスようかん」に限定のカカオ味亀屋良長で人気を誇る「スライスようかん」には、バレンタイン限定のカカオ味を用意。ようかんをパンにのせてトーストすると、とろっと溶けてフォンダンショコラのような味わいだ。ようかんは、インド産カカオ&定番の丹波大納言小豆を使用した小倉の半分ずつになっており、1枚で2つの味を楽しめる。その他には、カカオやホワイトチョコレートと掛け合わせて生まれた、「cube チョコレート小餅」や「カカオ豆羊羹」、「ほのほの 黒糖ショコラ」などのバレンタイン和菓子がラインナップする。【詳細】2023年バレンタイン菓子販売期間:~2023年3月下旬販売店舗:亀屋良長(本店、ジェイアール京都伊勢丹店)、高島屋京都店、大丸京都店、公式オンラインショップ※高島屋京都店、大丸京都店は一部商品のみの販売。商品例:・chocolat 笑(ショコラショー) 1組 648円・スライスようかん CACAO 2枚入 594円・cube チョコレート小餅7個入 864円・カカオ豆羊羹1箱 1,728円・ほのほの 黒糖ショコラ1個 216円
2023年02月03日生産者、作り手、食べ手のシアワセな関係目の前で一からつくる新鮮なパスタ自家製ハムのバリエーションの凄さ生産者、作り手、食べ手のシアワセな関係【パルコフィエラ】とは公平な場所を意味するイタリア語だそうで、生産者、作り手、食べ手のバランスが公平なことを望んで修行先のおばあちゃんにつけてもらったそうです。「でもイタリアで1年しか修行していないから、イタリア料理を名乗っちゃいけないって思ってて」とシェフの中條大輔さんは笑います。ちょうど1年ぶりに来ました。当時よりハムや調味料が増えている印象です。中條さんは、北海道の食材を中心に生産者の顔が見える料理を、自家製の珍しい調味料と独自の技術で出してくれます。とくに後半の自家製ハム、サラミなどは、イタリアのバーケル社のスライサーで丁寧に1枚1枚スライスされ、そのバリエーションの多さも驚きのひとつなのです。シャンパーニュでまずは喉を潤します。窓が開け放たれているので函館本線の列車の音がかなりうるさい(笑)。なんか不思議な感じです。最初はツブ貝と桃の前菜です。アスパラのピュレに入る肉厚のツブ貝は香り高く火が入り、酢酸発酵した桃はとろける甘さ。食感のコントラストがすばらしい。乗せられたストラッチャテッラやじゅんさいが爽やかさを後押しします。合わせるワインは基本的にナチュールで、パルティーダ・クレウスの「ビネッロ ブランコ」。スペインの白ですが、オレンジのニュアンスです。次に出てきた茶わん蒸し風の料理は、鱧のだし。焼いた茄子、毛ガニが入っていて、イカのしょっつるが効いています。コーンやハマグリの粉が風味を添えて美味。ゆっくりと味わっている間にシェフはパスタをつくりはじめました。目の前で一からつくる新鮮なパスタ目の前で丁寧に一からつくられるパスタは、乳酸発酵させたフルーツトマトに濃厚な玉子がからんだもの。それにからすみ、3年熟成のパルメジャーノがかかっています。生トマトを齧っているようなフレッシュなパスタには、南アの白。それからブルゴーニュはセクスタンの赤。果実味を感じる2017のヴィンテージは、トマトを引き立ててくれます。カウンター6席のみのこじんまりとしたお店ですが、シェフひとりでワイングラスの上げ下げまですべてをこなすので、時間はかかります。その分、お酒は進みますね。メヌキのソテーです。メヌキは北海道の金目鯛とも言われる高級魚です。ブイヤベースソースには発酵レモンとバターが使われています。ヤングコーンは蒸して髭の部分だけ油をくぐらせていて、パクチーとケールの粉がかかっています。全体が炭火の香りにつつまれていて、香ばしい一皿です。シェフはけっこう詰めて研究するタイプの人で、最近何をしているのかと訊いたら、ナノ粒子の水を使った昆布水やシイタケだしなどを研究中らしく、精度があがると何も手を加えない魚料理が出せそうだと語ります。ラングドックの赤が出てきて、栗山町の菅野牧園のいちぼの炭火焼です。万願寺が添えられています。経産牛だといいますが、すっきりとした味わいのものです。オリジナルのガストリックソースが梅風味で、マスタードもいい感じ。結構お腹がいっぱいになったかと思ったらシェフが一言、「はい、では前菜はおしまいです(笑)」。これはお決まりのセリフでしょうかね。自家製ハムのバリエーションの凄さ後半は自家製ハムのバリエーションを愉しみます。エミリア・ロマーニャの赤、「カミッロ ドナーティが」出され、自家製ハムが並びます。ハムは1枚1枚丁寧にスライスされ、手渡しされたりします。まずは余市の豚を使ったモルタデッラ。軽やかで何枚でも行けそうな感じ。「鹿児島のふくどめ小牧場のと食べ比べてみてください」ともう1枚。いいものは土地のものだけじゃなく広く取り入れたいとのことでした。そしてグアンチャーレ。薫り高い脂が優しくとけていきます。カチッと冷えたヴェネトの白、「ビアンコ・クレスタン」。余市のキュウリのフリットにまかれたスペック(燻製生ハム)も出てきます。シェフが土鍋を見せます。「そのうちここでシャリ切りとかやらかしそうで」と笑います。ご飯と生ハムも何かやるのかと思いきや、シェフはそれでモッツァレラをつくり始め、今度はそこにプロシュートを乗っけました。このへんは定番でしょうか。ワインはボジョレの赤、「フィリップ・ジャンボン」。そのあとチョリソーが3種類。薄くスライスされたチョリソーは後を引きます。最後に出たチョリソーにはニセコとフランスの唐辛子が使われていて辛い後味で終了。最後のドルチェは、その辛さを優しく包んでまろやかに開放してくれるミルクのジェラート、というよりはこれから流行るとも言われているカッサータでしょうか。シチリアではドライフルーツなどが入っているアイスですが、ここでは余市のブドウが使われています。グラッパの香りがいいですね。料理ごとにワインを変えてくれましたが、あまり料理にワインを寄せる気はないというのがシェフの考えのようです。私もペアリングはいろんな出会いを愉しめばいいものと理解しています。1年前よりいろいろ進化している印象の【パルコフィエラ】。ここは定点観測的に訪れてみると面白いと思います。
2022年12月07日積水ハウス株式会社より、これからの家づくりをテーマに家づくりの各領域に精通するメディア編集長が対談、今後の家のあり方を模索する動画「住まいの未来予報」が10月25日(火)より公開されました。生活者の「疑問」や「あるある」を、メディア編集長が代弁積水ハウスでは、家づくりの参考になる情報を定期発信していますが、2022年春には、家を建てた・これから建てる男女1,000人を対象に独自調査を行い、家づくりで議論されそうな「疑問」や「あるある」を顕在化、男女間や年代によって異なる価値観を分析し家づくりのトレンドとして発信しました。またユーザーの「疑問」や「あるある」に答えるインタラクティブなオンラインイベント「SEKISUI HOUSE DAY」シリーズも展開しています。今回公開した動画は、1,000人調査をベースに導き出された生活者の「疑問」や「あるある」を、各領域に精通したメディアの編集長同士がその意見の代弁者となり議論し、理想の家づくりへの道筋を見つけ出すという試みで、Lightning、AERA、Esquire、Forbes JAPAN、BRUTUS、レタスクラブのメディア協力の下に制作されました。対談のテーマは、調査やイベントの中でも特に男女間・夫婦間でも関心の高かった「子育て」「リモートワーク」「キッチン」の3つ。異なる価値観の読者層を持つ男女の編集長3組が、白熱した議論を展開しています。それぞれの編集長が考える各テーマの現状とこれから、そしてそれを実現する理想の間取りやスペースの在り方に関して忌憚のない意見が交わされた今回の対談。議論の中身が視聴者の抱える悩みを解決に導くひとつのヒントになるかもしれません。そして、この対談の裏では積水ハウスの設計士がスタンバイし、それぞれの編集長が求める住空間を、ディスカッション内容も採り入れながらその場で設計、提案していきます。それぞれの編集長たちの意向がどのような間取りで実現されるのか、また両者の異なる意見がどのように融合し、さらなる理想像へ昇華されるのかが動画で明らかになります。子育て・リモートワーク・キッチンをどう考える?動画のテーマは3つ。それぞれ編集長たちが熱く語り合います。【テーマ:子育て】 Lightning × AERA「寄り添う?自由?子育てどうする?」Lightning 編集長 小池彰吾 / AERA 編集長 木村恵子【テーマ:リモートワーク】 Esquire × Forbes JAPAN「次世代リモートワークの姿とは?ワークスペースはどう変わるか?」Esquire デジタル 編集長 小川和繁 / Forbes JAPAN Web 編集長 谷本有香【テーマ:キッチン】 BRUTUS × レタスクラブ「みんなが幸せになれる、理想のキッチンとは?」BRUTUS 編集長 田島朗 / レタスクラブ 編集長 前田雅子これから家を建てようと思っている人、リフォームを考えている人はもちろん、引越しの予定がある人にも参考になるかもしれません。動画を見ながら、一緒に家づくりについて考えてみませんか。【参考】※特設サイト URL
2022年10月28日札幌に現れた国際派鮨店オープン間もないお店の暖簾をくぐると、威勢のいい声がこちらを迎えてくれます。綺麗に磨かれたカウンター席につき、乾いた喉を潤そうとメニューを見ると、そこにはラーデベルガー・ピルスナーの名が。ドイツ最初の首相ビスマルクが愛飲したというザクセン州の古典的なビールを最初に出すなんて珍しいと思い尋ねると、親方は若いころミュンヘンで暮らしていたという。「修行したのは日本ですが、鮨屋やりたいと思ったのは暮らしてたのはドイツだったんで、そんな思いもあってドイツビールを用意してみました。もちろんお酒は、日本酒中心に、各種用意しています。」テンポよくいくつかつまみが出てきます。つまみは写真禁止です。いつも同じものを出すわけじゃないし、お客様にマンネリ感を与えるのも嫌だし、とのことでしたので、少し書くにとどめます。ムギイカやマコガレイの昆布締め、メヌキなど10品ほどをいただきました。食材は北海道の季節のものを中心に、日本中から取り寄せているそうです。印象的だったのは、虎杖浜の毛ガニをほぐした上にイバラ蟹の内子をかけたもの。それと、根室のもずく、襟裳のツブ貝、積丹のバフンウニをトマトのジュレで合わせたもの。いずれも内子やもずくのおいしさが際立っていました。合わせてもらったお酒は「吉田蔵 u 百万石乃白」、「紀土純米大吟醸」、「写楽純米吟醸」など爽やかな印象です。なぜ北海道で鮨屋を、と訊くと、縁はなかったが奥様が湧別出身だったということ。ただ北海道に魚を仕入れるルートはなく、食べ歩きながらコネづくりをしたとのことです。「今は豊洲を通さないで日本中からネタ引っ張ってますが、いずれは北海道ものだけでやりたいですね」と親方。鰊の握りの旨さに驚くさて握りです。萩の白イカからスタート。焼津の金目鯛、カスゴと続きます。カスゴは酢おぼろ締めです。萩の白イカ焼津の金目鯛カスゴそして、網走のおおすけ。天然のキングサーモンです。背側と腹側の2種類を同時にいただきます。背側の旨みと腹側の脂味が同時にしゃりと絡んで、上質な鮭の一体感が味わえます。おおすけもなかなか出会えません。ケイジより珍しいかもしれません。こういうのが味わえるのが北海道の魅力です。しゃりはハツシモという岐阜のコメ。粒が大きくて甘い。酢は赤と白を使い分け、煮切は、まぐろ、ヒカリモノ、白身、イカなどネタによって変えているようです。「大間のまぐろです。今までイカ食べてたから味が出なかったですが、ようやくイワシとかサバを食べ始めて酸味と風味が出てきたと思います。」砂ズリも出てきました。筋が厚くて柔らかく脂がよく乗っています。肉厚の鰊です。北海道らしい握りが出てきました。「鰊って、握って旨い魚なんですよ。でも骨の手当てが大変だからあまり皆やりたがらない。東京は夏はシンコに行っちゃってますけど、札幌の夏はこれだと思うんですよね。」と親方は嬉しそうです。確かにこれだけ厚く丁寧に握ってもらうと、鰊の旨さが際立ちます。そして積丹のムラサキウニとバフンウニの軍艦。ムラサキウニのクリーミーな感じとバフンウニの甘さが程よく合わさって美味。牡蛎のつまみをはさんで、ミディアムレアな茹で感のいいエビ、スイカの奈良漬、でアナゴです。「対馬のアナゴを使います。皮目が旨いので何度も炊いて旨みを中に凝縮させてます」と、ふっくらした濃いめの味のアナゴで締め。世界を見て来た親方ゆえ、接客もスマートだし、これはまた札幌の鮨をひとつ前に進める店になるのではないかと思いました。最後の会計も明朗で、頼んだお酒や追加分までちゃんと記載されています。このへんにも国際派の片鱗は見て取れます。鮨 草平【エリア】円山公園/西28丁目【ジャンル】鮨・寿司【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】20,000円 ~ 29,999円
2022年10月17日日常では何かと理不尽なことも多く、モヤモヤするような出来事はありませんか?今回は実際に募集したそんなモヤモヤを吹き飛ばしてスカッとさせてくれるエピソード「子どもに怒鳴る医院長」を漫画にしてご紹介します!「子どもに怒鳴る医院長」出典:lamireまだ泣いているのか?出典:lamire怒鳴り続ける医院長…出典:lamire医院長の奥さんが…!出典:lamireそれを聞いた医院長は…出典:lamire奥さんが医院長にはしっかりお説教、子どもにはシールを渡していてとても素晴らしい対応でした!大人でも痛い治療に耐えた子どもには怒鳴り声ではなく称賛をあげたいですね♪以上、スカッと体験談でした。次回の「スカッと体験談」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを漫画化しています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。(lamire編集部)(イラスト/緋龍高弘)"
2022年10月16日「食を取り巻く社会環境や生活様式は、この2年で劇的に変わりました。 実際にお店へ足を運び、レストランの味やサービス、雰囲気を楽しむことが外食の醍醐味でしたが、 今では、自宅にいながら全国各地のトップシェフの逸品が気軽に楽しめます。私自身、普段からさまざまな土地の料理人や生産者のもとへ足を運ぶのですが、 この2年は、とくに地方の素晴らしさを再確認することができました。 そんななか出会った“おいしさ”を、いくつかご案内します」(ヒトサラ編集長・小西勝博)- ラインアップ -『松阪牛 国会カレー』~東京美食Labo~『Nameryチーズケーキセット』~東京美食Labo~『サバ文化干し特大4枚』~越田商店~『サバ文化干し特大6枚』~越田商店~『ふかひれチャーハンセット』~銀座 飛雁閣~『ぜいたく飲茶セット』~銀座 飛雁閣~【東京美食Labo】“日本の美食を繋げて世界中の人を笑顔に”をスローガンに、斬新な新規事業の立ち上げや商品開発を行う企業。松阪牛のようなブランド牛をはじめとした和牛を無駄なくおいしく効率的に消費するため、特選松阪牛を使用したレトルトカレーを開発するなど、食品ロス削減にも注力しています。『松阪牛 国会カレー』普段は食べることができない、国会の味をご自宅で「国会カレー」という言葉の響き通り、衆議院内の飲食店で実際に提供されているカレーがベース。歴代総理大臣をはじめ、政府関係者、海外からの要人、大使館関係者が食した歴史のあるインドカレーに、東京美食Laboが取り扱っている松阪牛を加えた高級レトルトカレーです。『Namery チーズケーキセット』パーティーの席がぱっと華やぐ、デコラティブなチーズケーキ滑らかなチーズケーキをリラックスした空間で食べる、そんなコンセプトから生まれたのが、チーズケーキ専門店【Namery(ナメリ)】。こちらのチーズケーキは、クリームチーズとマスカルポーネを絶妙な分量で配合した“滑らかさ”が特徴です。「ヒトサラCHEF’S MALL」では、定番フレーバーが楽しめる6種セットを販売いたします。【越田商店】銚子港にほど近い、茨城県波崎で51年続く干物屋「越田商店」。3代目の越田英之さんと4代目の竜平さん、母の伸江さんの3人で営まれています。鯖の文化干しを主力に、製造・卸・販売をしており、特製のつけ汁と伝統の製法でつくりあげた、唯一無二の「越田の鯖」が人気です。『サバ文化干し(特大)』プロの料理人から支持される、唯一無二の鯖の文化干し脂がのった大型のノルウェー鯖を特製のつけ汁につけ、陰干しした鯖の文化干し。創業から約半世紀にわたり継ぎ足し続けた“熟成つけ汁”が味の要。脂と塩気のバランスも絶妙で、干物とは思えないほど身がふっくらとしています。こちらは、プロの料理人の間で口コミで広がった、プロお墨付きの商品です。【銀座 飛雁閣】銀座中央通りにある、完全予約制の中国料理店【銀座 飛雁閣(ヒガンカク)】。アールデコ・スタイルの調度品を配した特別な空間で味わえるのは、本場広東の有名酒家で腕を磨いてきた料理人がつくる料理の数々。全品化学調味料不使用にこだわった、本格中国料理を提供しています。ふかひれチャーハンセット飛雁閣自慢の『五目炒飯』と 『フカヒレの姿煮』のセット普段は会食や接待で使われる完全予約制の高級中国料理店。化学調味料を使用せずにつくりあげる珠玉の一皿は、滋味あふれる味わい。今回はお店で人気の『フカヒレの姿煮』と『五目炒飯』が一緒になったお得なセットを、「ヒトサラCHEF’S MALL」特別セットとしてお届けします。『ぜいたく飲茶セット』人気の点心を集めた全9種の飲茶点心の詰め合わせご家庭で飲茶ランチが楽しめるセットです。店自慢の『エビ蒸し餃子』をはじめ、【アル・ケッチャーノ】の奥田シェフ考案の『三色水餃子』や、『広東焼売』、『季節の蒸し餃子』、『おこわの蓮の葉ちまき』、『翡翠蒸し餃子』、『大根餅』、『広東風春巻』、『黒胡麻揚げ胡麻団子』の全9種入り。東京美食Labo(トウキョウビショクラボ)おいしくて身体によい“美食”を探求し、生産者と消費者を繋げて世界に笑顔を届ける「東京美食Labo」。日本三大和牛の一つであり、肉の芸術品の異名を持つ美しい霜降り肉と独特の香り(和牛香)が特徴の松阪牛をはじめ、国会で愛された「国会カレー」、フルーツたっぷりで映える「Namery」のチーズケーキなどを取り扱う。越田商店(コシダショウテン)茨城県波崎で51年続く干物屋「越田商店」。現在は、3代目の越田英之さん、4代目の竜平さん、母の伸江さんの3人で営まれている。越田商店では『鯖の文化干し』を主力に製造・卸・販売をしており、特製のつけ汁と伝統の製法でつくりあげた、唯一無二の“越田の鯖”がプロの料理人たちから支持されている。銀座 飛雁閣(ギンザ ヒガンカク)もともとは点心関連のアンテナショップであったが、2008年に現在の店舗に改装。白を基調とした明るい空間をヨーロッパの高級調度品が飾り、落ち着いた雰囲気を醸し出し、従来の中国料理のイメージを一新するユニークなメニューを多数揃える。個室も用意され、常連顧客には政治家や財界人も多い。小西 克博(こにし かつひろ)グルメメディア「ヒトサラ」編集長大学卒業後に渡欧、北極から南極まで約100ヶ国を食べ歩く。共同通信社を経て、中央公論社で『GQ』創刊に参画。2誌の創刊編集長、IT企業顧問などを経て、現職。アールイーいまあるモノを再生(Reborn)、再利用(Reuse)、修正(Remake)することで新しい価創創造を実現する会社。コンサルティングやプロデュースをはじめ、食/農/観光を基盤とし、地方創生に貢献できる事業も展開。※今回ご紹介した商品は、通信販売専用の商品となりますお取り寄せサイト「ヒトサラ CHEF’S MALL」世界で活躍する日本のトップシェフがつくるグルメやスイーツをはじめ、全国の知られざる逸品やその土地ならではの味などを「お取り寄せ」できるECサイト。「食」をより楽しくするバラエティ豊かな商品をご紹介しています。
2022年09月08日霞ヶ浦テロワールの全部解禁日に合わせて霞ヶ浦のシラウオ、ワカサギ漁に同行しました。網を入れて水中を曳くトロール漁ですが、狙う魚種にあわせて曳く層や網の目合いなどを使い分けます。朝暗いうちから漁に出て、日が昇るころに終了。あとは獲れた魚を選別して水で綺麗に洗い出荷されるのですが、その一連の仕事を体験させていただきました。今回は獲れたてのシラウオをいただきに、霞ヶ浦の老舗日本料理店【よし町】に来たのですが、料理長の木村さんの計らいで、同時に地元の生産者をめぐって、地元の食材だけでしっかりとしたコースにしたいということで、そこにも同行することができました。漁に同行したシラウオ、ワカサギに加え、鴨、鰻、鯉がメニューに加わることになりました。まずは鴨を見せてもらいに「西崎ファーム」へ。筑波山と霞ヶ浦に囲まれた自然のなかで放し飼いにされているのは合鴨(チェリバレー種)で、ヒナから大きくなるまで一貫してこちらで育てられています。飼料は近隣で生産される飼料米に農薬不使用のトウモロコシ、保存料無添加魚粉などを混ぜたオリジナルで、人が食べても大丈夫な飼料を基本としているそうです。次に向かったのは「斎藤川魚店」。土用に重なり鰻の出荷で忙しいにもかかわらず、ご主人が丁寧に対応してくださり、天然鰻の泥を抜く作業工程などを見せていただきました。地元最大手の「小沼水産」は現社長と木村さんが同級生のようで、話がはずみます。社長は木村さんの目利き力、食材調達能力の高さに感服している様子。そして隣の「山野水産」で注文してあった生きた鯉を仕入れ、われわれは【よし町】へ向かいます。獲れたてシラウオの魅力【よし町】は東京からも多くの食通が訪れる地元の名店で、料理長の木村さんは、ワインや日本酒にも造詣が深く、フーディーでもあります。食材選びのセンスや調達力に加え、自分のフィールドワークで獲得した豊富な知識と経験が、料理に厚みを加えているように思います。先付は地元のフルーツトマトのすり流し。すっと汗が引き、食欲が沸いてきます。そして、シラウオとワカサギの登場です。シラウオは生と揚げたものの2種類をいただきましたが、生に新鮮な苦みを感じ、天ぷらにすると甘みが出ます。ワカサギは唐揚げでいただきました。ここ霞ヶ浦ではシラウオをシラスと呼ぶので、ややこしいのですが、いわゆるシラスとは違いシラウオはこれで成魚です。徳川家康が好んだという記録があり、佃島でシラウオ漁をさせたのが築地魚河岸のはじまりといわれ、まあ江戸っ子好みの魚ということなのでしょうか。塚原牧場の梅山豚を使った角煮のお椀。梅山豚の優しい脂が甘く、薫り高いお椀になっています。地元の日本酒「松盛」が【よし町】用につくった純米吟醸生原酒をいただきます。冷たく冷えたお酒が、すっと喉を降りていく気持ちのいい瞬間です。地元のものだけのコースという贅沢蓮の葉に乗せて出てきたのは鯉の洗いです。霞ヶ浦周辺は日本一の蓮の生産地ですが、実は鯉の出荷も日本一なのだとか。茨城県を代表する2つの食材がこういう形で出てくることに、これが地元料理をいただく魅力なんだなと感動します。鯉はあくまで新鮮で川魚特有のクセもなく、ほどよい歯ごたえがあって実に上品です。捌く2週間前に発注して井戸水で泥を吐かせているのだとか。湯引きした皮、揚げた鱗も新鮮でおいしい。「青菜」という古典落語を思い出しました。作業を終えた植木屋に、品のいい主人が冷えた酒と鯉の洗いをふるまうのですが、植木屋は感動して実に涼しげにこの鯉の洗いを酒で流し込むのです。なんとも粋な夏のひとこま。さて鰻です。白焼と蒲焼と2種類出てきました。これも贅沢ですね。お酒が進まないわけがない。そして加茂茄子の炭焼です。肉厚とろとろでジューシーな茄子は、これも夏っぽいお料理です。止肴で鴨が出てきました。新鮮なレバーがなんとも味わい深い。もちろん合鴨の身はしまって旨みは凝縮していますが、このレバーをいただくと、その滋味深さに驚きを隠せません。とうもろこしの炊き込みご飯をいただき、冷やし汁粉でコースはいったん終了。茨城県の魅力を存分に味わわせていただいたコースでした。なかなか行く機会がないせいか、あまり目を向けていなかった茨城でしたが、銀座からでも電車で1時間ちょっとの距離。それでこのクオリティの料理がリーズナブル価格で味わえるとなれば、頻度を上げて行かない手はないかなと思えてくるのです。よし町【エリア】土浦/取手/鹿嶋【ジャンル】日本料理・懐石・会席【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】10,000円 ~ 14,999円
2022年08月24日シンプルだが奥深い熾火料理【SMOKE DOOR】は「HOTEL THE KNOT YOKOHAMA」の1階にあって風通しのよいカフェ風のお店です。入口のカウンターでアペリティフをいただいてから席につきました。目の前には大きな焼き台があって、薪が積まれています。いい感じのライブ感があります。シェフがあえて薪火にこだわるのは、食材ひとつひとつ丁寧に細かく火を調整し、そこから最大限のおいしさを引きだせるからだと。シンプルな調理法ゆえ、深く高度な技術が要求されるのもこの料理の魅力でしょう。そのなかでもとくにシェフは「熾火」にこだわります。熾火とは薪の芯の部分が真っ赤になっている状態のことで、この遠赤外線の力を巧みに利用して食材の脂や水分を落とし、それが火に落ちることで上がる煙で薫香を付けるのです。原始的な方法ではありましょうが、だからこそ、それを街の真ん中で味わわせてくれるお店は貴重なのです。今回はディナーで提供される代表的なメニューを数種類いただきました。ケールの葉っぱを焼いたチップスから始まり、アボカドのトーストが登場。とても美しいトーストで、自家製のカンパーニュをたまり醤油、焦がしバターにつけカリっと焼いたものの上にスモークしたアボカドが乗せられ、ミントがあしらわれています。冷えたシャンパーニュなどでいただくといいですね。夏の涼しげな料理にも熾火の技が夏っぽくさっぱりとスタートしたいと思っていたら、ソイのカルパッチョが出てきました。ここにもスモークの技は潜んでいて、カルパッチョのソースは梅干しと紫蘇なのですが、梅干しの種がバーベキューされたのちにソースに漬け込まれているそうで、独特の風味があります。そして焼いたカニの身のたっぷり入ったガスパチョ。合わせてもらったきゅうりのジントニックが爽やかななかにも味わい深い後味を残し、夏の贅沢を感じます。パンの代わりにいただいたのは、ジャガイモとガレットのパンケーキ。シェフの秘伝ソースで48時間マリネしたとんぶりの登場です。下に敷かれているのが熾火で焼いたわかめ。磯の香りにつつまれたキャビアのような食感のとんぶりを、サワークリームとともにガレットやパンケーキに乗せていただきます。旨みの凝縮、クレイジーなビーツほどなく運ばれてきたのは豚バラのグリル。皮付きの豚バラの表面はクリスピーに、中はジューシーに柔らかく火入れされたもので、三杯酢のソースがまた爽やかな深みを出してくれます。それからエビのグリル。これは熾火の中に瞬間火入れされたもので、旨みがギュッと凝縮されて出てきます。メインをすでにいただいた感じもしましたが、最後に、牛肉の添え物としてマイタケ、カリフラワー、ビーツをいただきました。どれも、熾火料理の真骨頂でしたが、なかでも特筆すべきはビーツでしょうか。ビーツを加圧して果肉とジュースを分け、ジュースはスモークします。果肉は3日間遠火で火入れしたあとジュースを吸わせ、それを熾火で焼き上げるのだとか。凝縮した旨みと甘みとがビーツであることを忘れさせます。「けっこうクレイジーでしょ」と紹介されましたが、さもありなん。デザートのアイスにはスモークしたマシュマロが練りこまれ、スモークナッツにスモークしたキャラメルソース。アイスクリームが薫香をまとうと、貴婦人の出で立ちになります。原始的な手法を使いながら、洗練されたおいしさと味わい深さがすばらしい。【SMOKEDOOR】。日本の熾火料理の魅力をさらにもう一歩前に進めてくれる、そんなお店になってくれることは間違いないと思いました。SMOKE DOOR/ホテル・ザ・ノットヨコハマ【エリア】横浜駅【ジャンル】洋食【ランチ平均予算】1500円【ディナー平均予算】7500円【アクセス】横浜駅 徒歩5分
2022年08月08日株式会社オレンジページ(東京都港区)が発行する生活情報誌『オレンジページ』は8月17日(水)発売号より、新たに松田紀子氏を編集長に迎えることをお知らせいたします。雑誌『オレンジページ』ロゴ松田氏招聘の背景雑誌『オレンジページ』は、本日で創刊37周年を迎えました。デジタル化による情報との付き合い方、共働き世帯の増加による家族のライフスタイル、コロナ禍での「ニューノーマル」など、創刊当時には想像できないほど、生活者の暮らしは大きく変わりました。そのような中、私たちの中核事業である『オレンジページ』も、現代に暮らす読者に寄り添う「生活情報誌」として、新しいあり方が求められていると認識しています。一方、『オレンジページ』は編集部に「読者の声」を届けてもらうため、「綴じ込み封筒」を掲載するなど、創刊以来、読者の声を聞き、読者とともに歩んできたメディアです。新しい生活情報誌のあり方がどのような形であっても、読者を大切にするこの姿勢はこれからも変わることなく、むしろより一層読者の皆さんとのつながりを深め、ともに新たな価値を見出し、暮らしに寄り添う提案をしていきたいと考えております。このような背景の下、株式会社ファンベースカンパニー(東京都渋谷区/以下、ファンベースカンパニー)のディレクターである松田紀子氏と出会い議論を重ねる中で、『オレンジページ』や読者の個性を大切にしながらも、さらに広く、深く愛されるメディアとなる未来の実現に、真摯に向き合ってくださる方と確信し、新編集長として招聘するに至りました。「ファン」を大切にすることへの回帰と強化松田氏は、これまで出版業界で数々のヒットコミックエッセイを手がけた実績、生活情報誌の編集長経験を持ち、現在はファンベースカンパニーのディレクターとして、同社の提唱する「ファンベース」という考え方の下、企業やブランドが大切にしている価値を支持するファンの共感・愛着・信頼を増やし共に未来の価値を創出することで、企業やブランドの成長を支援しています。「ファンベース」のアプローチは、『オレンジページ』が創刊以来もっとも大切にしてきた価値観、私たちが改めて生活者と向き合うことで実現したい「生活情報誌の未来像」と強く符号するものと捉えています。そして私たちは、これまでの豊富な経験や知見、また実績だけではなく、「ファンベース」を実践される現在の松田氏の取り組みと熱意に共感・共鳴しました。今回松田氏はファンベースカンパニー在籍のまま『オレンジページ』編集長に就任し、ファンベースカンパニーの力も借りながら、読者=ファンのより深い理解、共感・愛着・信頼を生む取り組み、半歩先をいく提案をつくり上げていきます。編集長も「複業」の時代ファンベースカンパニーのディレクターであり、株式会社オーバーラップ(東京都品川区)が出版する『はちみつコミックエッセイ』の編集長も務める松田氏は、現在の肩書きはそのままに、新たに『オレンジページ』の編集長に就任する形となります。社会が「複業」「パラレルワーク」を受容し始めている今日、『オレンジページ』も新しい編集長のあり方を模索してきました。ひとつの所属や役割にとらわれることなく、多方面で活躍する複業人材が持つ知見やネットワーク、そして情報感度と幅広い好奇心が、生活情報誌や編集そのものをポジティブに変えていく原動力になると考えています。また、創刊以来、編集長ポストの社外登用が初となる『オレンジページ』にとって、松田氏の招聘自体が変化・チャレンジを象徴するものでもあります。生活情報誌の未来、編集長や雑誌づくりの新しいあり方など、今後の『オレンジページ』の変化とチャレンジに、ぜひご期待ください。新編集長、松田紀子氏よりこのたび『オレンジページ』編集長に就任いたしました、株式会社ファンベースカンパニーの松田紀子です。2019年まで『オレンジページ』と同じ生活情報誌業界で編集長を務め、編集メンバーと共に読者が喜ぶ雑誌を目指して誌面を刷新し、「『オレンジページ』の実売部数を超える」をひとつの目標としていました。その私が、なぜ今、『オレンジページ』の編集長就任を受けたのか。そのお話から始めたいと思います。はじまりは、以前から面識のあったオレンジページの役員の方から届いた、1本のメール。その切迫した内容からひとまずお話を伺うことになりました。そこでは、近年の売上や、編集部を揺るがした出来事など 、『オレンジページ』の状況とご苦労を切々と伺うことになりました。私が雑誌業界を離れた3年前と比べて、デジタルシフトは一層進んでいます。「大きな改革が必要な時代。ぜひ協力してほしい」という主旨でした。その時、私の胸に去来したものは、愛読している本誌のファン読者の姿でした。創刊以来37年もの間、日本を代表する生活情報誌としてその存在が認知されていることに大きな価値があります。「コロナ禍を経て、急激に部数が落ちてしまった」ということでしたが、隔週の刊行にもかかわらず10万人を超えるファン読者がいてくださるのも事実です。万が一にも、愛読誌がなくなってしまったら…とまで想像してしまい 、ファンベースカンパニーでさまざまな業界・分野のファンの声を傾聴している私にとって、胸がつぶされるような思いがしました。私にとっても、『オレンジページ』はかつての目標であり、「雑誌の代名詞」という存在。出版業界、雑誌業界に与えるダメージも計り知れず、何としても回避しなければならない―という思いが胸に深く刺さりました。現在の私が勤めているファンベースカンパニーの基本は、「ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売り上げや価値を上げていく」考え方です。これは、商品やブランドの方向性や価値観など、目指す姿がはっきりしているものほど濃く、強く作用します。中でも雑誌ほど、ファンの力が生き生きと表現され、輝かせることができる商品はないのではないか―。この3年間、ファンベースカンパニーであらゆる企業の伴走をしてきたからこそ、コアなファンがいる『オレンジページの強さ』をあらためて感じています。ファンベースの理念を軸に、再度『オレンジページ』の価値を深掘りし、誌面に投影していきたいと思っています。競合誌が切磋琢磨し、それぞれが部数を伸ばすことは、生活情報誌全体の活性化につながるものと信じています。それが私のたった一つの願いです。37周年を迎えて、さらに新しい道へと踏み出す『オレンジページ』に、変わらぬご声援を頂戴できますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。松田 紀子(まつだ のりこ)松田 紀子氏1973年長崎生まれ。株式会社リクルート『じゃらん九州発』の編集経験後、出版社、株式会社メディアファクトリーにて300万部突破の『ダーリンは外国人』などコミックエッセイジャンルを牽引。株式会社KADOKAWA移籍後、生活情報誌『レタスクラブ』の編集長を2016年より兼任、3号連続完売、実売前年同期比146%のV字回復を果たす。2019年、野村證券の子会社である株式会社ファンベースカンパニーに転職し、ファンベースに基づいた企業のコンサルティング・伴走を実践するディレクターへ。2021年5月より出版社、株式会社オーバーラップ『はちみつコミックエッセイ』編集長を兼任。コミックエッセイの描き手を育てるオンライン講座も運営。東京FM番組審議会審査委員。TCS認定コーチングスキルアドバイザー。プライベートでは高校生男子の母であり、サーフィンとゴルフを始めました。株式会社ファンベースカンパニー「株式会社ファンベースカンパニー」ロゴ「ファンを大切にし、ファンをベースにして、中長期的に売上や事業価値を高める考え方」=「ファンベース」の理念を軸に、企業やブランドの成長を支援・伴走する会社。ファンの感情と誠実に向き合い、企業やファンと共にみんながハッピーになる未来を創りあげていきます。株式会社オレンジページ雑誌『オレンジページ』他ムック・書籍の出版をはじめ、マーケティングによる情報提供サービス、生活雑貨を中心とした通販、「食」と「暮らし」を中心としたイベント・講座の運営など、生活を軸に多方面で事業を展開。2020年8月にブランドパーパスを〈「食」を起点に暮らしをつくり、 生活者、コミュニティ、地球の、よりウェルビーイングな未来をつくる〉と設定しSDGs 達成にむけた取り組みを強化。2021 年 6 月に「生活実装する会社」をタグラインに掲げ、コーポレートロゴを新設。企業・団体との新たな協業に積極的に取り組んでいます。【本リリースに関するお問い合わせ】〒108-0073 東京都港区三田1-4-28三田国際ビル16F株式会社オレンジページ広報担当 遠藤・雫石 press@orangepage.co.jp 20220617orangepage_Editor-in-chief.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月17日ママたちの憧れ【mamagirlアンバサダー】の活動がいよいよスタートします♡ファッションや美容などトレンドに敏感で、おしゃれで行動的なママたちが勢ぞろい。 3人目は、美容誌のインスタグラム版編集長も務めながら、2人の女の子を育てるパワフルママ、井川枝美さんです。夏のお出かけコーデとともにご紹介しますね。美容系SNSで編集長をしているワーキングママ井川枝美さん井川さんってこんなママ♡●名前:井川枝美さん●年齢:37歳●職業:編集長・デザイナー・キャスティング●7歳と3歳の女の子ママたくさんの美容と育児情報の手書きレビューが大人気! もともと人気インフルエンサーでしたが、現在はその経験を生かして、美容雑誌『bea’s UP(ビーズアップ)』(現在休刊中)の公式インスタグラムの編集長に就任!美容やコスメ好きのママたちが「知りたい!」と思う情報を惜しげもなく発信しています。 また、7歳と3歳の女の子ママとして子育てにも奮闘中! 」気分をアゲてくれる【お出かけ用ワンピ】で夏を先取りコーデ♪「お出かけ用に、とパパがプレゼントしてくれたワンピースでコーディネート♡ コロナ禍でずっとこういう『憧れブランド』のアイテムを買っていなかったので、クローゼットにあるだけで気分がアガります」と井川さん。ウエスト位置が高くて、スタイルアップして見えるところがお気に入りなんだそう。「ザラでも似たようなタイプがあったけど、荷物が入らないなーと購入を見送ったところ、なんとしまむらで発見したんです!」というカゴバッグ。こちらは思った以上に収納力があり、おしゃれな友人とおそろいなんだそう。「歩きやすくてどんな服とも相性がよくてヘビロテしています。華奢なのに楽すぎて走れるんです(笑)」ワンピース:セルフォードバッグ:しまむらシューズ:emmi(エミ)アクセ:ピアス/ティファニー、ブレスレット/祖母から譲り受けたものわかりやすくて今日からマネできる美容情報を発信!ご自身のインスタでも【手が届く】【マネできる】美容情報を大量に発信中。日々のコスメ研究も欠かしません。「マスカラがまぶたに付かない塗り方裏技。付箋を使うといいよ!」推しは人生の光です(笑)こう見えて結構な“オタク気質”なんだそう(笑)。「基本は2次元男子が好きなんですが、最近『ジャにのちゃんねる』にハマってジャニーズの素敵さがわかってきた。ジムで走る時も大好きな三浦大知さんやジャにのを見て力もらってます(笑)」レビューを書かせたらピカイチ☆の情報発信ママ!美容のことはもちろん、ママファッションも女の子ファッションも、子どもとのおでかけ情報さえも、井川さんのインスタグラムを見れば、何かが見つかる! レビューからも伺える、明るいキャラクターも、見ていて元気がもらえます。mamagirl WEBでもアンバサダーとしてどんどん情報を発信してもらいます♪ 楽しみにしていてくださいね。井川さんインスタグラム’sUP公式インスタグラムあわせて読みたい🌈グランピング大好きなデザイナーママ・中村沙織さん【mamagirlアンバサダー#1】
2022年06月04日高知県はグルメ雑誌「dancyu」編集長の植野 広生氏にPRの協力を依頼。3月19日、高知市内のオーテピアホールにて濵田 省司知事から植野氏に委嘱状をお渡ししました。植野 広生編集長植野氏は、2019年11月に「土佐のおきゃくPR大使」に就任。土佐弁で「宴会」を意味する「おきゃく」に代表される食文化から、食材、飲食店まで、高知の食にまつわるさまざまな魅力を、自身の雑誌はもちろん新聞・テレビ・ラジオで、客観的かつ強力に発信した功績に感謝するとともに、更なるPRを期待して、今回の委嘱となりました。<委嘱後のコメント>【植野編集長】高知を訪れる度に新たな感動があり、食材や風土、自然、そして人々の素晴らしさを学ぶことが多かった。日本の貴重な食文化として、国内はもちろん、世界に発信していきたい。【濵田知事】高知県は東西に長く、海・山・川の自然があり、各地域の人々の暮らしの中に食文化が根付いている。植野さんにそれらを発掘していただき、ぜひ一緒に全国、そして世界にPRしていきたい。濵田 省司知事(左)と植野編集長委嘱式の後は、トークショーを開催。食のPR活動を委嘱されたdancyu 植野 広生編集長は、高知の食文化の魅力を国内外に発信する方法として映画製作を提案。タイトルは、その名も「おきゃく」。高知の食材や酒、食文化を受け継いできた人々の暮らしをテーマに物語をつむぐドキュメンタリーの製作を会場に呼び掛けました。<トークショーでの植野編集長コメント>「おきゃく」というタイトルで映画を作りませんか。食の旅をしながらいろいろな話をお伺いする中で、おきゃくには高知はもとより日本の食文化の原点が凝縮されていると感じました。そこには食材、酒、人々のストーリーといったすべてが詰め込まれています。いろんな方がみんなで一緒に発信できて、作品として後世に残り得るのは、やはり映画。できるだけ多くの方に参加してもらい、本編の上映時間が90分、エンドロールが3時間でもいい(笑)。これまで高知からお返ししきれないほどたくさんのものをいただいてきたので、わずかでも恩返しができれば。夢は大きく、海外の映画祭にも出品して「OKYAKU」が世界の合言葉になることを目指しましょう!トークショーの植野編集長【植野 広生(うえの・こうせい)】1962年、栃木県生まれ。法政大学法学部卒。銀座のグランドキャバレー「モンテカルロ」の黒服、鰻、珈琲、アイスクリームなど多数の飲食店でアルバイトを経験。新聞記者を経て、出版社で経済誌の編集を担当する傍ら、大石 勝太(おおいし・かつた=おいしかった)のペンネームで「dancyu」「週刊文春」などで食の記事を手掛ける。2001年からプレジデント社で「dancyu」の編集を担当し、2017年4月から編集長。食と音楽のイベントを手掛け、ラジオ番組やBSフジ「日本一ふつうで美味しい植野食堂」など多数のメディアに出演、執筆中。趣味は料理と音楽。2019年「土佐のおきゃくPR大使」就任。土佐のおきゃく イメージ【植野編集長が大使を務める土佐の「おきゃく」2022は分散開催コア期間の5月13日(金)~15日(日)には植野氏も登場!】毎年3月に開催される人気イベント『土佐の「おきゃく」』。子供からお年寄りまで楽しめるイベントや催しが街中で開かれる、高知の春の風物詩です。象徴的なのが市中心部の公園や商店街に机やコタツが並べられ“街中が宴会場”になる「大おきゃく」。老いも若きも、ご家族や仲間同士でも、偶然隣り合わせた「はじめまして」でも。すぐにお互い打ち解けあって料理に舌鼓を打ち、酒を飲み交わします。(2019年3月のイベント来場者は約7万4,000人で、経済効果は8億4,700万円(株式会社四銀地域経済研究所調べ)。「大おきゃく」(過去の写真)コロナ禍のため2020年、2021年は中止や一部開催を余儀なくされましたが、今年はイベントの開催を3~5月に分散し、3年ぶりのリアル開催となりました。コア期間となる5月13日(金)~15日(日)には植野氏も来場。感染対策を徹底し、ひろめ市場や中央公園で「おきゃく」を楽しめる企画を実施します。また、16日(月)~19日(木)は飲食店を飲み歩く「ドリンクラリー」も実施予定です。コロナに負けず文化の復活を目指す「土佐のおきゃく」にご注目ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月28日春の風に吹かれて「春めいてきたので、新しい飲み物を用意してみました」そう言ってビバレッジ・マネジャーの齋藤隆一さんがつくってくれたのは、タイニー・スプリングと名付けられた爽やかなカクテルでした。スパークリング・ワインの泡に林檎紅茶やライチ、レモンなどの風味が乗っかったもので、シャワーの後の火照った体にとても気持ちがいい。「お気軽にお過ごしください。カクテルを手にルーフトップに出られてもいいし、テーブルでゆっくりくつろいでいただいても」。京都の中心地に一昨年オープンしたエースホテル京都。アメリカ・シアトル発祥の有名ホテルの日本初出店で、大正期の建築である旧京都中央電話局の外観を生かしつつ、京都の街並みとの調和を図るようリノベーションしてつくられています。隈研吾氏の監修になるこの新旧が調和するホテルは、京都の新しい観光地にもなっています。チェックインした部屋は3階の角部屋で、ギターとレコードプレーヤーが置かれていました。アメリカン・ロックの黄金時代、ちょうどイーグルスのホテル・カリフォルニアなんかが似合ってしまいそうな、ちょっとだけノスタルジックな風情を感じてしまいます。新しいTシャツに着替え、軽くジャケットを羽織ってやってきたのが、ここホテル内のオステリア【ミスター・モーリスズ・イタリアン/Mr. Maurice’s Italian】。アメリカン・イタリアンの有名シェフ、マーク・ヴェトリさんが監修するお店です。以前ここのルーフトップで昼食をいただいたことがありましたが、風が気持ちよく、つい長居をしてしまいました。今日は夜をここでいただくことにします。シンプルな味わいと温かみ【ミスター・モーリスズ・イタリアン】は、人気店を作り上げたマークシェフの祖父の名前から取ったそうで、シェフ自身コロナ下で来日がかなわず、毎日オンラインでエグゼクティブシェフの西村元伸さんとやりとりしながらメニューをつくっているのだとか。さて、春のカクテルを手にテーブルへ。アンティパスティが3種皿に盛られて出てきました。まずは、12時間キャラメリゼをした玉葱のクレープ巻をパルミジャーノソースでいただきます。そして国産ポークのポルケッタのトンナートソース添えに、京青山椒ソースの鯛のクルード。どれもフレッシュで、カクテルになじみます。もうひとつカクテルを合わせてもらいました。ジンベースでハーバルな印象のメロウメロンと名付けられたもの。メロンやライムにアブサンが少し入っているのだとか。「まずはラザニエッテでマークシェフの感じをつかんでみてください。彼の料理は実にシンプルです。でもそこになんともいえない温かみ、味わいがあるんです」と西村シェフ。フライパンごと出てくる小さなラザニア(ラザニエッテ)は、外にはみ出した動きのあるもので、クリスピーな食感と鴨のソース、チーズの旨みがスナック感覚で後をひきます。次に出てきたパスタ(トンナレッリ)も実にシンプルで、チーズとブラックペッパーだけの「カチオエぺぺ」です。これも同じく、もう一皿食べられる感じ。子どもから大人まで食べやすい定番です。ワインが欲しくなり、カリフォルニアのシャルドネをいただきます。ホテル内には、モダンタコスの【ピオピコ】やサードウエーブの代表格の【スタンプタウン・コーヒー・ロースターズ】などもあり、食事のバリエーションが楽しめるようになっています。新旧いいとこどりのハイエンドな雰囲気も残しつつ、スマートカジュアルに過ごせる気持ちいい空間です。【ミスター・モーリスズ・イタリアン】では、さっきからずっとロックがガンガンにかかっていて、ドアーズのあとはトーキングヘッズ。このへんのポップでゆるーい選曲感がまたいいのかもしれません。「マークシェフの料理って、ほんと飾らないんですよ。人柄も料理と同じです。先祖がシチリアからアメリカに渡った人で、ファインダイニングで大成功した人です。日本のラーメンなんかもすごく研究しています。家族や仲間を本当に大事にする人で、ここにいたら隣でギター弾いて歌っちゃうような人ですよ」と西村シェフ。なるほど、わかる気がします。ここにピザがあると私も歌いだすかもしれないと言うと、「じゃあピザをご用意しましょう」とピザ職人の方が窯で焼いてくれました。スペックハム、林檎、ラディッキオが乗っかったもので、けっこうなボリュームです。あまり食べ疲れる感じはしませんが、ここでフルコースをいただくのなら、やはり仲間とワイワイやりながら楽しむのがいい気がします。メインは魚でした。丸ごとローストした鯛です。水から炊いてバターで味付けしたものです。エノキ、ポテト、根セロリなどが添えられています。「これもシンプルでしょう。上に飾りとか乗せるのぜったい嫌がるんですよ。余計なことはいらない、素材の旨味をシンプルに引き出せばいい、あとは楽しくやろう、がマークシェフの真骨頂ですね」と西村シェフは繰り返します。ルーフトップに出てワインをナパのソービニオン・ブランに変えてもらいます。確かに複雑な要素はなく、誰でもが好きになりそうな飽きのこない味付け。これでコースを構成するのは思い切りの良さが必要な気がしますが、マークシェフが鼻歌を歌いながら笑顔でこれをつくっているシーンを想像すると、もっと君も肩の力抜いていいんじゃないか、と言われているような気にもなります。ドルチェは、チョコレート味のポレンタのスフレとバニラジェラート。ポレンタはイタリア各地でよく食べます。トウモロコシの粉で、いろんな料理に使われています。荒挽きのざらついた食感がスフレにしても気持ちよく、アイスクリームにはわかりやすくマッチします。あっという間に時間は過ぎていきます。食後酒を少しいただくと、ルーフトップに出て風にあたることにしました。心なしか風の中に春の匂いがしていてなんだか気持ちのいい夜です。ミスター モーリスズ イタリアン【エリア】四条河原町周辺/寺町【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】2,000円 ~ 2,999円【ディナー平均予算】5,000円 ~ 5,999円
2022年03月15日『GU(ジーユー)』の子ども服の春夏新作が大豊作と聞きつけて、編集長と編集アシスタントY(3歳女の子のママ)が展示会にお邪魔してきました! 子どもが喜ぶデザインなのはもちろん、大人もときめいてしまうアイテムばかりで、とってもワクワク♪ おしゃれ着にも普段着にも使える『GU』の新作をぜひお見逃しなく。編集アシスタント Yprofile:3歳・女の子のママ。K-POP好きが高じて、最近は韓国語の勉強をスタート。4月から幼稚園年少さんの娘は、可愛いキャラクターマスク&絆創膏集めにハマり中。< contents >1. グラフィックTとカラーアイテムが豊富! GU kidsの新作2. おしゃれなうえに着替えもラクちん♪ GU babyの新作グラフィックTとカラーアイテムが豊富!〈 GU kidsの新作 〉こんにちは! 『GU』の展示会に初参戦してきた編集アシスタントYです。ママ目線で、読者のみなさんにおすすめしたいアイテムを一挙ご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。会場に足を踏み入れると、デザイン&カラバリ豊富なTシャツがずらり! ここに並んだTシャツは「790T」と名付けられていて、その名の通りどれも790円!! 種類豊富なので毎日いろいろなデザインが楽しめるのも嬉しいし、プチプラなのでたくさん揃えたくなってしまう……!トレンドのカレッジTシャツもたくさん! 大人も着たくなってしまうデザインばかり。中にはクロップド丈のものもあって、ハイウエストのボトムスと合わせればおしゃれ上級コーデに!胸元に小さく刺しゅうされた「cheer up!」のメッセージがさりげなくておしゃれ。プリントでは出せない刺しゅうのぷっくり感がなんとも言えない♡グリーン×オレンジの組み合わせも今っぽくて可愛い! 今年も断然、カラーアイテム人気が継続中。こちらの組み合わせは、男の子が着ても、女の子が着ても◎。イエロー地にブルー×グリーンのボーダーでこなれ感アップ!Yは、こちらのワンピースに一目ぼれしました! Aラインシルエットとギャザーが上品なだけでなく、光沢感ある素材がポイント。お出かけにも最適なワンピースがプチプラで手に入るなんて……娘用に2色買いしようか検討中です。こちらもリアルバイ候補のひとつ♡ ほどよい透け感とリラックス感あるシルエットが春夏にぴったり。トレンドのグリーンも見逃せない! ギンガムチェック&フリル付きで、これは大人も子どもも好きなはず。セットアップとしてだけでなく、別々に着ることもできるのでコーデの幅が広がりますよね。こちらのパンツも個人的にツボでした。旬なスウェットパンツのサイドにフリルが付いたデザイン。カジュアルにもガーリーにも着こなせる便利アイテムです。こちらは「990 夏パン」と名付けられた夏にぴったりのパンツシリーズで、お値段は990円! Tシャツ同様、色柄が豊富でプチプラなので汗をかいて着替えが多くなる季節に嬉しいアイテム。タイダイ柄とヤシの木柄は、パパも履いていそうなおしゃれなデザイン。じゃぶじゃぶ池や海へ出かける夏に重宝しそうなラッシュガードまでGUで揃う! 淡いピンク×パープルの色合いもキュート。こちらのパンツも、速乾性があるので水遊びにもOK! ネイビーのペイズリー柄とカモ柄に手描きのペイントを施したようなデザインが大人っぽくてグッド。おしゃれなうえに着替えもラクちん♪〈 GU babyの新作 〉2021年にローンチした「GU baby」ですが、ママたちの意見を取り入れたアイテムが続々と登場しています。レイヤード風のトップスや、フリル付きのデザインなど、babyもkids同様におしゃれを楽しめちゃうんです。早速チェックしていきましょう!こちらは、トップスとボトムスがひとつになったセパオールです。前開きボタンなので、ねんね期のベビーでも簡単にお着替えできるのがポイント。ワッフルTと白Tがレイヤード風になったデザインにも注目!こちらもセパオールなのですが、パープルのギンガムチェックがガーリー。娘が赤ちゃんの頃に「GU baby」があったら購入したかった!このセパオールも可愛い~。これにベビー用のハットをかぶって夏のお出かけを楽しみたいですね。マスタードイエローの色味が大人っぽくて◎。胸元のデザインにインパクトがあるので、これ1点着るだけでもおしゃれ見えが叶います。リボン付きのリブレギンスもとってもキュート! このくすみピンクが今っぽくておしゃれですよね。そして、こちらは大人気の「サマナルパンツ」。お尻、太ももまわり、ひざ上までのシルエットがゆったりしており、伸縮性のある素材が使われていることから、子どもが自分で脱ぎ着しやすいとママたちが大絶賛。機能面だけでなく、デザインにもこだわっていて、おしゃれを楽しめるのも嬉しい!「サマナルパンツ」は、色柄も豊富なのでコーデの幅が広がりそう。そして、ママたちの要望に応えて、今シーズンより10分丈に加えて7分丈も登場! これからの時期は、ヘビロテ間違いなしですね。ここでご紹介したアイテムはほんの一部で、プチプラなのにおしゃれが叶うアイテムはまだまだたくさん! すでに店頭とオンラインストアに並んでいるものもあれば、これから販売開始するものもあるので、詳細は『GU』公式サイトをチェックしてみてくださいね。(お問い合わせ)株式会社ジーユーお客様窓口 0120-856-452(年中無休AM9:00~PM5:00)
2022年03月08日知らない国への旅に似ている、暗闇での体験発達ナビ編集長牟田暁子(以下――)ダイアログ・イン・ザ・ダーク、実は5年ほど前に、息子と一緒に体験したことがありました。今回、あらためて体験したのですが、暗闇に入る前に緊張していることに気づき、「この感じ、知っている」と思ったら、学生時代に予備知識のほとんどない未知の国に行った経験に似ていたんですね。風景の予想もできない、どんな文化があるのかもよくわからない国に入国する前のような、そんな気持ちでした。私の学生時代はパソコンもスマートフォンもなく、今ほど情報がなかったので、特に。ジブラルタル海峡を船で渡ってモロッコに入国する前の、不安感と好奇心と興奮が織り交ざったような気持ちに似ていました。ですが、暗闇の中に入ってみると、私、すごく喋っていたんですよね。一緒に体験したみなさんと声を掛け合っていました。普段の生活ではこんなに知らない人に向かって話しかけることなんてないなということも思いました。これも、見知らぬ国を旅するときに似ていました。街の様子をよく知らないから周りの人に話しかけるし、知り合った旅人同士協力しながら宿を見つけたり、次に行く街を相談したり…。Upload By 発達ナビ編集部志村真介さん(以下、志村):知らない人にただ話しかけるだけではなく、「ここに段差があるよ」とか、相手に対して安全な情報を発していませんでしたか?これは別に誰かを助けてあげないといけないルールだからそうするのではなくて、必要な情報だから共有しようとしていたのではないでしょうか。もしこれが、「病気や障害のある人を助けよう」というメッセージが根底にある体験だったら、「楽しんではいけない」と思う人がたくさんいそうです。でもそうではなくて、あくまで「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」はエンターテインメント、楽しむ体験なんです。暗闇というのはこれまで、人間がものすごく恐れていたもので、火を焚き、灯りをともすことで安心を得てきたのです。人は、明るいところ、都市に集まるものでした。ところが、都市の中にこの暗闇をつくって体験するというのは、真逆のことです。そこで怖いはずの暗闇を体験した人はみんな、人の体温を感じたとか、自分と人との境界線が曖昧になった、と話します。暗闇をポジティブに変換できる装置となったのです。これは(ダイアログ・イン・ザ・ダークの)開発者、アンドレアス・ハイネッケによる大発明だと思っています。――たしかにそうですね。暗闇をポジティブに変換する装置、まさにそうでした。目に見えない壁をなくしていくのはダイアログ=対話Upload By 発達ナビ編集部――そもそも、ダイアログを日本で開催しようと思われたのは、どうしてですか?志村:ダイアログは、ドイツの哲学者・アンドレアス・ハイネッケが1989年に始めた活動で、現在世界50か国で開催されています。私が最初にダイアログについて知ったのは、1993年の日経新聞に掲載された小さな記事でした。その記事が伝えていたのは、ウィーンの自然史博物館を真っ暗にして、普段の生活で目を使わない(視覚障害がある)人がその中を案内して、最後にはバーがあってみんなでお酒などを飲むという内容でした。普通、展示物を「見せる」博物館が何も「見せない」、なのにチケットは完売。しかもハイネッケは、世界中にこれを展開しようとしている。その当時、私はマーケティングの仕事をしていたので、目に見えることが付加価値だと思っていました。だから、すでに成熟しているヨーロッパでは、物ではなく、時間や人との関わりといった目に見えない付加価値を提供して、お客さまがチケット代を払って楽しんでいるというのが、ものすごい衝撃だったんですね。その記事を見て、新聞社経由でハイネッケに手紙を書き、ようやく日本で初開催できたのが1999年。そのときは常設ではなく単発のイベントとしての開催でした。そこから今に至るまでも、たくさんのことがありました。――目に見えない付加価値を提供すること、2020年代の今、ようやく理解できるようになってきたと思いますが、1990年代当時はまだまだ考えにくいことでしたよね。志村:ハイネッケがダイアログをスタートした1989年というのは、東西ドイツの壁が崩壊した年。それから30年ほどの時間が経った今、物理的な壁はないけれど、人にはそれぞれ目に見えない壁がある。それはそれぞれの人の思い込みによる壁なんですね。障害の有無とか、男女の違いとか、国籍の違いとか、さまざまな違いが人を分け隔てています。ダイアログには、暗闇の「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」、無音の静寂を聴覚障害者がアテンドする「ダイアログ・イン・サイレンス」、高齢者との対話「ダイアログ・ウィズ・タイム」がありますが、これらのダイアログ・シリーズが挑戦していることは、こうしたそれぞれの思い込みによる壁を溶かしていくことなんですよね。宇宙飛行士から見た地球には国境線は見えません。それなのに分けてしまうのは、何らかの固定観念とか既成概念があるから。それを1回リセットするために、ダイアログ・シリーズがあります。――ダイアログ・シリーズはエンターテイメントですよね。こうした社会課題に取り組むプロジェクトは、一般的にはまじめに学ぶものが多いと思いますが、「楽しむ」という形も新鮮です。志村:ソーシャル・プロジェクトには、さまざまなアプローチがあります。イソップの「北風と太陽」の北風タイプの、厳しい現実を突きつけていくアプローチもあるでしょう。一方でダイアログの場合は、太陽タイプで、楽しみながら見えない壁を壊していきます。だから、ソーシャル・エンターテインメントと呼んでいます。自分とは違う世界の人だと思っていた視覚障害者や聴覚障害者と一緒に遊ぶことによって、彼らの文化に興味がわいたり、向こう岸にいる人ではなく地続きにいる人だったと理解したりしていく。楽しみながら、主語を「私」から「私たち」と変えていく、違う文化の人も包含していくような体験になることを目指しています。「いま、ここに、私がいます」を実感する暗闇Upload By 発達ナビ編集部――異なる文化に対して、その国の人と友達になると印象が変わるという体験は、これまでにもありました。暗闇に入る前に緊張したのは、知らないから怖かった、ということもあるのでしょうね。志村:そうですね。知ることで怖さがなくなっていくのは、たとえば留学がその体験に似ていると思いますよね。知らない土地のことを知りたくて留学するわけです。でも実際に留学してみると、今度は逆に質問されることがあります。「あなたはどこから来て、あなたはどういう考え方で、その背景にあるあなたの国の文化はどういうことなのか」と。自分自身について聞かれるわけです。それと同じことが、暗闇でも起こります。50ヶ国で行われている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の暗闇の中で、アテンドは必ず「あなたはどこですか」と質問します。すると、どの国の参加者も、多くが共通して言うセリフがあります。それは「私はここです」。ふだん私たちは「今ここにいる」と意識していないことが多いのではないでしょうか。「昨日あのとき、こうすればよかった」とか、「あと1時間したら出かけなくちゃ」とか、過去と未来に行ってしまって、「今ここ」にいないんですよね。でも、暗闇の中にいると「今ここ」しかなくて、過去も未来もありません。それは「本当の自分はここにいます」という、とても本質的なことでしょう。これを今読まれている方が、「あなたは誰ですか」と聞かれたとき、「発達障害のある子どもを育てる親です」という言い方もあるかもしれませんが、それは「あなたは誰ですか」という問いとは本来関係ないことなのです。たとえば「視覚障害者の山田さん」と言うと、「視覚障害者の」という枕詞がついた時点でその人に対する見方にバイアスがかかります。本質的な山田さんは単なる山田さんで、その山田さんの一部として目を使ってないという特性もあるということ。発達障害のある子どもを育てているという一面があったとしても、それがその人の人生の中核ではありませんよね。そういう「今ここにいる私」というものを、暗闇では体験することになるのです。―「ADHDのある○○さんのお母さん」ではなくて、自分自身に戻れる場所なんですね。子育てする中では、子育て優先で自分の時間は持てない、楽しむ余裕はないと思っている保護者の方も少なくありません。でも、「私自身」として楽しいと感じることをしていていいんだよ、どうしていると私は幸せなんだっけ、ということを思い出す場所になりますね、この暗闇は。対等な関係になれるからこそできる、本質的な対話Upload By 発達ナビ編集部――なぜ、暗闇の中だと、そういう本質的なことがスッと入ってくるのでしょうか。志村:それは情報を引き算しているからなんです。ふだん、学んだり楽しんだりするときは、情報を足し、掛け合わせて盛り込んでしまうのが、暗闇では情報がそぎ落とされる。日本文化は、引き算のじょうずな文化だと思っています。たとえば、俳句のように。言葉を短く、五七五の中に凝縮しますよね。本質的に、どこに心が動いたかという表現が、得意なのではないでしょうか。ハイネッケは、ラジオ局で目の見えないジャーナリストとともに働くことになったときに、ダイアログ・イン・ザ・ダークの原点を考えつきました。仕事が終わって部屋を出る前に電気を消すと、日常生活で目を使う人は右往左往して出口を探すけれど、目の見えないジャーナリストはスタスタ帰っていく。助けるべき存在だと思っていた人が、部屋の灯りが消えただけで、自分を導いてくれる人になるという瞬間だったそうです。漆黒の暗闇をつくると、助ける側と助けられる側の立場が入れ替わるというだけではありません。視覚障害者も、私たちも、同じように目を使わないのです。そこで対等になります。対話は、対等な関係でないとできません。ダイアログでは、その対等になれる空間をつくっているのです。その空間があるからこそ、本質的なところに入っていきやすいのではないかとも思います。子どもたちのダイアログ体験を、未来の社会が変わる力にUpload By 発達ナビ編集部――ところで、2022年はどんな活動を展開していくのでしょうか。志村:今、「こども5000人たいけん!」プロジェクトを進めています。海外のダイアログは、国が子どもたちの学校教育の一環として展開しているところが多いのですが、日本ではまだです。小学校4年生ぐらいになると、人と違うところがかっこ悪く感じるようになることが多いでしょう。また、違うところがある子どもをいじめたりしてしまうこともある。そうした時期に、ダイアログを経験してもらいたいと願っています。そこで、まず佐賀県がふるさと納税を使い、2,000人ほどの県内の子どもたちに、学校教育として取り入れてくれました。そのときの子どもたちへのアンケートでは、ダイアログの体験後に自己肯定感が上がるということが分かりました。「あなたの希望はいつか叶うと思うか」、「自分に満足しているか」といった質問の回答が、体験後にはポジティブな方向に変化していました。ただ、こうした結果があっても、全国の学校で実施するに至るには時間がかかります。私たちは昨年クラウドファンディングを実施しましたが、そのときに、子どもたち5,000人に無料体験してもらうということを、リターンにしました。「こども5,000人たいけん!」によって起こる、10年後の未来の社会をみなさんがイメージして支援してくださいました。このプロジェクトは昨年から徐々に始まっていますが、今年5,000人に達成させたいと思っています。Upload By 発達ナビ編集部――それは楽しみですね。こうした取り組みに、コロナ禍の影響もありましたか?志村:コロナによって、人と人との距離感が変わりましたよね。見えない壁は、厚くなったとも思っていました。ところが、(一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ )代表理事の志村季世恵は、「マスクをしている恋人同士がマスク越しでキスをしているのを見たの。それって、3年前にはなかった風景じゃない?」と言ったんです。相手のことを思うからこそマスクを外さない姿。たしかに愛の伝え方は、すごく変わりました。病院でもこれまでは、愛する人の手をにぎって最期のときを過ごしたのが、ガラス越しになったりモニター越しになったりしています。でも、伝えたいことは同じ。「愛している」「ありがとう」といったシンプルなことで変わらないはずなんです。コロナによって愛の「伝え方」が変わったことを、ダイアログで再認識してもらえたらと、2月14日まで「LOVE イン・サイレンス」、「LOVE イン・ザ・ダーク」を開催しています。――気持ちの伝え方の変化、たしかにありますね。そして、たくさんの変化が、この約2年の間にありました。志村:ヨーロッパの13世紀にペスト菌やスペイン風邪がはやり、最悪の事態に陥ったあと、14世紀には人間性復興、ルネッサンスが起こったように、ここからまた新しい芽が出るはずだと信じています。コロナで1回リセットされたあと、立ち上がっていくのは、健常者だけでもないし、さまざまな障害のある人だけでもない、男性だけでも女性だけでもない。イメージで言うと、城壁のようにさまざまな形と大きさの石が重なり合い、お互いに摩擦を起こしながらも繋がり、しなやかでありつつ強靭になっていく。そんなイメージが、まさに多様性、ダイバーシティではないかと考えています。これまでとは、方程式が変わった気がするんですね。――今までなら、学校に行って学ぶ、会社に行って働くのがあたりまえだったから、障害のある人は通学・通勤だけでも大変でした。それがリモートが可能になったら、誰でも家で学べるし、働ける。働きやすさ、暮らしやすさが見直されて、みんなが力を合わせていくような社会構造に変わっていくことが望まれていますね。志村:障害のある人は、何らかの状態に適合しないということでもあります。でも今は、すべての人が学校や会社に通えないとか旅行できないとか、全員が適合できていない状態。今は全員がボーナブル、脆弱性を持っています。だから、社会が変わることによって自分がハッピーになると考えるのではなく、社会に内在している自分が変わることで、周りが変わって社会が変わるということを考えたいですよね。ダイバーシティについて考えるとき、外側から見るのではなく、自分も含まれているということを忘れずにいたいと思っています。Upload By 発達ナビ編集部文/関川香織撮影/鈴木江実子言葉の壁を超えて、人はもっと自由になる。純度 100%の真っ暗闇の中で、見ること以外の感覚を使い、驚きに満ちた発見をしていくエンターテイメント。体験を案内するのは、普段から目をつかわない視覚障害者のアテンドです。視覚以外の感覚を広げ、新しい感性を使い、チームとなった方々とさまざまなシーンを体験します。1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれ、これまで世界 50ヶ国以上、800万人以上が体験。日本では 1999年に初開催し、これまで 23万人以上が体験しました。現在は東京・竹芝のダイアログ・ミュージアム「対話の森」で体験が可能です。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティのサイトに遷移します1962年生まれ。関西学院大学商学部卒。コンサルティングファームフェロー等を経て1999年からダイアログ・イン・ザ・ダークの日本開催を主宰。1993年日本経済新聞の記事で「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と出会う。感銘を受け発案者ハイネッケに手紙を書き日本開催の承諾を得る。2020年8月、東京・竹芝「アトレ竹芝」内にダイアログ・ミュージアム「対話の森」をオープン。著書に『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦 』(講談社現代新書)
2022年01月29日味噌汁や冷奴など、ちょっとしたアクセントとして使える長ねぎ。具材としてだけでなく、みじん切りにして香味を引き立たせることもできる名脇役です。とはいえ、みじん切りって面倒臭いですよね…。そんな時は、こんな方法はいかがでしょうか。皆さんご存知とは思いますがネギの半分くらいまで斜めに切れ込みをいれ、反対側にも入れてから、端から切ると即みじん切りになります。 pic.twitter.com/a4f7hmsQHF — シューフ (@shuerff) October 10, 2021 シューフさん(@shuerff)さんがTwitterにアップしたのが、こちらのみじん切り方法。シューフさんは毎週日曜日の夜に副菜を作り置きしているパート主婦で、作り置き料理を公開しています。そんなシューフさんが発見したのが、こちらのみじん切りの情報だといいます。料理家やYouTuberが発信しているというこの切り方は、ねぎに斜めに切り込みを入れて、端から切るというもの。簡単にみじん切りの完成です。この投稿には6万件以上の『いいね』がつき、1万件以上リツイートされました。また、簡単な切り方に感動する声も寄せられました。・えー!知らない!!縦に細くに切り込み入れてた。やってみよっと!・知らなかったですよ〜!これからこれにする!中には、早速この切り方を試して動画をアップしている人も。・早速納豆に入れて食べてみる。納豆にもぴったり!長ねぎをみじん切りする時は、試してみてくださいね。[文・構成/grape編集部]
2021年10月31日