週刊誌『週刊文春』の新谷学編集長が18日、同誌の公式サイトを通じ、週刊誌『週刊新潮』の告発記事についてコメントを発表した。『週刊新潮』は18日発売号で「『文春砲』汚れた銃弾!!」と題し、13ページにわたって大特集。「スクープの破壊力には同業者として脱帽する他なかった」と称えながら、「同じ発売日である『週刊新潮』の広告を不正に入手し、毎週、カンニングしていた」と告発し、入念な取材のもと「センセーショナルな特ダネを求め続けた結果、品位を見失ってしまったさもしき文春砲」と痛烈な批判を展開した。このこと受け、新谷編集長は「週刊文春 編集長から読者の皆様へ」と題したコメントを発表。「情報を不正に、あるいは不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりしたなどの事実は一切ありません」と疑惑を完全否定し、「私たちにとって、スクープとは、極めて重い言葉です。それはまさしく他の追随を許さない決定的な独自情報を意味します」「これからも読者の皆様に堂々と胸を張れる独自スクープをお届けすることをお約束します」と呼びかけている。○新谷学編集長のコメント全文「週刊新潮」等のメディアによる「週刊文春」の情報収集に関する報道についてご説明させていただきます。まず、「週刊文春」が情報を不正に、あるいは不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりしたなどの事実は一切ありません。私たちは毎週、締め切りギリギリまで全力で取材にあたっています。その情報収集の過程で、他メディアの動向をつかむことはしばしばあります。そうした「情報戦」は、さまざまな形で新聞やテレビなどのメディアも行っています。「週刊新潮」の記事では、あたかも「週刊文春」が自らのスクープ記事を盗んでいるかのように書かれていますが、例として挙げられた記事においても、そうした事実は断じてありません。社会を騒がせている事件、人物等については、多くのメディアが当事者やその周辺を継続的に取材しており、その過程で他メディアの動向を把握するのは日常的なことです。ただし当然ながら、すべての記事は自らの手で十分に取材を行い、必要な裏付けが得られた段階で掲載されています。前述したように、取材はギリギリまで行っているため、締め切りにタイムラグがある中吊り広告と新聞広告でその内容が異なることは決して珍しいことではありません。私たちにとって、スクープとは、極めて重い言葉です。それはまさしく他の追随を許さない決定的な独自情報を意味します。「週刊文春」は、これからも読者の皆様に堂々と胸を張れる独自スクープをお届けすることをお約束します。2017年5月18日「週刊文春」編集長新谷 学
2017年05月18日アイドルグループ・でんぱ組.incの最上もが初めて編集長を務める雑誌『最上もがのもがマガ!』(祥伝社/4月19日発売予定/1,800円税別)の予約が殺到し、発売前重版が決定したことが3日、明らかになった。最上は、インターネットテレビ局「AbemaTV」で放送中のレギュラー番組『最上もがのもがマガ!』(毎週月曜22:00~22:55)で雑誌作りを勉強。"もがのための、もがによる雑誌"を目指して作られたのが19日に発売予定となる雑誌『最上もがのもがマガ!』だ。2,000部限定版は予約開始数時間で即完売。通常版の発売が先月発表されていた。通常版には、7書店限定で『もがマガ!』のアザーカットブロマイドが購入者特典として付いてくるという。先日放送された同番組で、最上は「通常版、売れますかね」と不安を吐露していた。
2017年04月03日子どもの暮らしを彩るモノ・コトづくりに愛をもって携わる達人に、その舞台裏を余すところなく語っていただく本連載。3回目は、いま話題沸騰中の小学生向け雑誌『小学8年生』の編集長に、子どもの好奇心を刺激する紙面づくりのあれこれを教えていただきました。<お話をうかがった達人さん>齋藤 慎さん 株式会社 小学館 児童学習局 学習雑誌編集室『小学8年生』編集長。46才の2児のパパ。<学年別学習誌(『小学〇年生』シリーズ)の歩み>1922年の小学館創設と同時に『小学五年生』『小学六年生』創刊。その後も学年ごとに『小学〇年生』を発刊し、1925年に全学年が出そろう。その後は長い間、多くの子どもたちに支持されるも近年の少子化などの影響により、現在は『小学一年生』以外が休刊に。これを受け、2~6年生を主な対象とした『小学8年生』を創刊。大好評を博している。『小学8年生』 ■小学「8」年生…? インパクトあるタイトルに込められた想いとは?小学館とともに90年以上の歴史を歩んできた学年別学習誌ですが、近年の少子化などの影響を受け、残念ながら『小学一年生』を残すのみとなってしまいました。小学館の原点でもあり社業の柱でもあった学年別学習誌を、ここで絶やしてはいけないという使命感と、今まで読んでくれていた子どもたちに何らかの形で発信し続けたいとの想いが『小学8年生』創刊につながりました。休刊になった2~6年生の子の受け皿になる雑誌であるには、学年の枠をとっぱらう必要がありました。じゃあ、タイトルはどうする? と考えたときに、誰ともなく出てきたのが「∞(無限大)」だったんです。子どもの可能性を示唆する意味でも「∞(無限大)」はしっくりきたんですが、読ませ方が難しい。そこで、「∞」マークを縦にして、デジタル数字にしました。さらに、デジタル数字は白抜きにして、子どもが自分の学年の数字に塗りつぶせるようにしています。デジタル数字の8はどんな数字にもなるから小学生全学年に対応していますよ、という意味で『小学8(はち)年生」と読ませますが、じつはその裏には「∞(無限大)」の意味も含まれているんです。■パラパラ読みが学習につながる? 『小学8年生』の目指す「潜在学習」とは学年別学習誌は、各学年の学習をよりわかりやすく伝え、サポートするコンテンツが主でしたが、学年の枠をとっぱらった『小学8年生』ではいわゆる学年別の勉強の域にとらわれない、授業でいえば総合学習に近い内容を中心にしています。第1号は「学校」をテーマに、校長先生のお仕事やかけっこで早く走れるヒント、学校にある備品の値段、黒板アートまで学校にまつわることをメインに構成しました。子どもたちが一日の大半を過ごす学校ですが、身近なだけに案外知らないことも多かったようで好評をいただきました。なかでも「校長先生への道」は子どもたちに人気でしたね。付録も学校にちなんで「手作りチョーク」と「黒板ノート」。私たちは「チャレンジ付録」と呼んでいて、完成品ではなく、必ず子どもたちが手を加えるものであることを念頭に企画しています。子どもが手先を動かす作業、完成したときの達成感、そのなかで生まれる家族との会話。そういう、ちょっとしたことが広い意味での子どもの学習や成長につながってくれたらいいなと思っているんです。あとは、第1号でいえばアメリカのトランプ大統領の漫画や北方領土問題といった時事的なトピックスも組み込んでいますが、それは受験対策を明らかに意識した内容というわけではなく、あくまでパラパラっと読むことで、ニュースを見たときに「あ、これ読んだことある」と子どもに思ってもらえることを狙っています。というのも、私たちの紙面づくりでは「潜在学習」に重きを置いているからです。潜在学習とは、平たくいうと、明確な目的意識のある行動ではなく、なんとなく行動していたことであっても経験値は積んでいて、その人の学習や成長につながる、という考え方です。付録をつくる過程で経験したり感じたりすることも、紙面をパラパラっとめくってなんとなく見知ったことも、無意識下でストックされていきます。そして、どこかのタイミングでそのストックが花開く時がやってくるんです。だから、「勉強になるから読まなきゃ」とか、「よりよい教育のために」読ませたいというモチベーションはまったく必要ないし、むしろ邪魔です(笑)。楽しく読んでもらえれば、それでいいのです。いずれ、子どもたちに「あ、これ『小学8年生』にも書いてあった!」と思い出してもらえるような、無意識下のストックを増やすことが、『小学8年生』が目指すところです。そうすれば「花開く時」の数が増えますからね。そのためには子どもたちに「面白そう!」と思ってもらえることが前提ですから、いろんなコンテンツを、いろんな切り口で提案していきたいと考えています。■子どもが相手だからこそ「うそはつかない」紙面づくりを生まれたときからインターネットやスマホ、SNSが当たり前のようにある現代の子は、ソフト面だけ見ると私たちが子どもの頃とは違う時代を生きているように思えますが、日常生活で意識せずとも経験を積んでストックを増やしていって、興味があることには夢中になれる。 そんな、子どもならではの本質的な部分は、じつは変わっていないんじゃないかなと、20年近く児童向け学習誌に携わってきたなかで感じています。そして、好きなこと、興味があることを広げるヒントを出してあげるのは大人の役割であるのも、昔から変わらないことです。『小学8年生』が、子どもの好きや興味を引き出すきっかけになったり、楽しく読んでいるうちに意識せずともストックが増えたり。そんなツールのひとつになったらつくり手冥利に尽きます。また、子どもが読むものだからこそ、うそや間違いがあってはいけないと思っています。編集の基本ではありますが、事実ベースで、きちんと裏付けのあるコンテンツづくりが大前提で、そのうえで子どもへの伝わりやすさも常に意識しています。それは『小学一年生』をはじめとする学年別学習誌を作る上で、90年以上受け継いできたDNAでもあります。というと、何だか堅苦しく聞こえそうですが、つくり手である私たちも楽しみながら紙面をつくっているんですよ。そりゃ、雑誌をつくる過程では大変なことが山ほどありますが(笑)、どうしたら子どもに楽しんでもらえるかな、とあれこれアイディアを出し合っている時間は、大人である私たちにとっても有意義で、楽しいんです。ちなみに第2号の付録は「消しゴムはんこ入門キット」なんですが、予告ページに載っている消しゴムはんこの見本作品、じつは私がつくっています(笑)。実際に自分でやってみると、面白くって。こういうつくり手の想いは、きっと紙面を通して子どもたちにも伝わると思うんです。だから私たちもめいっぱい楽しみます。子どもにうそはつけないですからね(笑)。<齋藤編集長が教える、次号の見どころ!>4月27日頃発売予定の『小学8年生』第2号は、「はんこ」をテーマに様々な記事を展開します。付録の「消しゴムはんこ入門キット」には、一般のものより掘りやすい消しゴムと、プラスチック製のオリジナルヘラ「楽ちんほりほりツール」をご用意しました。私も実際につくってみましたが、細部まで掘りやすいし、刃物ではないので安心して楽しめました。また、「びっくりかけ算ポスター」も一押しです。ゴールデンウィーク中の、おじいちゃん、おばあちゃんとのコミュニケーションにも、ぜひご活用ください!『小学8年生』第2号の詳細はこちらから。 文:コミヤカホル
2017年03月23日東京・世田谷の世田谷美術館にて2月11日から4月9日まで、「花森安治の仕事―デザインする手、編集長の眼」が開催される。花森安治は、戦後まもない1948年9月に、自身が編集長を務める生活家庭雑誌『美しい暮しの手帖』(後の『暮しの手帖』)を創刊し、衣・食・住を基本に、“もの”のない時代には工夫とアイデアによる豊かな暮らしを提案。また、高度経済成長期には“日用品の商品テスト”を実施するなど、それぞれの時代に向けてメッセージを発信してきた。取材や執筆、制作から宣伝までを手がけ、30年間にわたり一切広告を入れることなく発行100万部に迫るまでに成長させた。同展では、花森安治の足跡を学生時代から全6章の構成で辿る。『暮しの手帖』の編集長として手がけた約30年分の仕事を敗戦直後から4つの時期に分けて詳しく紹介し、晩年読者に向けて繰り返し発したメッセージ「一銭五厘の旗」(庶民の暮しの旗)に込められた反戦や人々へ日々の想いについても焦点が当てられる。最終章では、ランダムに集められた、多様な“もの”たちに注がれた花森の、鋭くも温かい眼差しに触れられる。また、暮しの手帖社の全面協力のもと、花森が編集長を務めた創刊号から153号までの『暮しの手帖』の全バックナンバーから一部誌面を紹介。誌面作りの素材となった表紙の原画や写真、版下などの画稿、花森の直筆原稿や中吊り広告なども公開される。さらに、関連のドキュメント写真や、外部出版社から依頼された装幀の仕事なども紹介され、生涯を一編集者として生き抜いた花森の仕事の全貌を、全約750点の資料により知ることができる展覧会となっている。【展覧会情報】「花森安治の仕事―デザインする手、編集長の眼」会期:2月11日~4月9日会場:世田谷美術館住所:東京都世田谷区東京都世田谷区砧公園1-2時間:10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)休館日:月曜日(ただし3月20日は開館)、3月21日観覧料:一般1,000円(800円)、65歳以上800円(600円)、大高生800円(600円)、小中生500円(300円)※()内は20名以上の団体料金、障害者は500円(300円)、ただし小中高大生の障害者は無料、介助者は当該障害者1名につき1名無料※作品画像の転載及び、コピー禁止
2017年02月09日山口もえが総料理長6月9日(木)から6月22日(水)の期間、港区青山にてタレントの山口もえが名誉総料理長を務める「オイル de ヘルシーカフェ」がオープンする。オイルを「健康に良く積極的に摂りたいもの」とする新しい意識をアピールし、栄養豊富で美味しいメニューを提供するカフェだ。6月9日(木)にはカフェのオープニング記者発表会と内覧試食会が開催され、山口もえも登場。オイルと一緒に摂取することでカルシウムの吸収や沈着を助けるビタミンK2・ビタミンDといった脂溶性栄養素について説明をうけ、「摂れているつもりで摂れていない栄養があったことにビックリしました。今までもったいないことをしていたかもしれない」(プレスリリースより引用)とコメントした。オイルの魅力、もっと知りたい!カフェのメニューには、野菜などの脂溶性栄養素の吸収率をアップさせる「AJINOMOTO 毎日(R)栄養オイル ビタミンK2&ビタミンD」と、食事からしか摂れない必須脂肪酸を配合した「AJINOMOTO 毎日(R)栄養オイル DHA&EPA」を活用。彩りの良い前菜やサラダ、パスタやピザなど全10品のメニューを提供する。■「オイル de ヘルシーカフェ」概要期間: 2016年6月9日(木)~6月22日(水)店舗所在地: Royal Garden Cafe 青山東京都港区北青山 2-1-19電話番号: 03-5414-6170営業時間: 11:00-23:00 (ラストオーダー22:00)定休日: 年中無休(プレスリリースより抜粋)(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社J-オイルミルズプレスリリース※山口もえさんが名誉総料理長に就任! 不足しがちな栄養素をオイルで摂れる 「オイル de ヘルシーカフェ」オープン/@Press
2016年06月15日特別な場所を作りたい!モデルのラブリさんが編集長を務めるwebマガジン「KILIG」の配信が2016年6月2日(木)よりスタートする。本人の「ファンの皆さんとふれ合える特別な場所を作りたい」と希望からスタートしたもので、彼女の美容方法やファッションコーディネートだけでなく、詞や絵なども随時公開される。「KILIG」では、会員限定イベントを7月中に開催予定。日程や場所はメールマガジンにて告知される。コミュニケーション型webマガジン「KILIG」は、配信だけをおこなう一般的なwebマガジンとは異なり、双方向のコミュニケーションが特徴。「ファンとのコミュニケーションを取りたい」との思いから実現したもので、ファンイベントに参加できない人のための、skypeによる「会員限定ファンチャット」などが予定されている。配信コンテンツには、「KILIG読者とのQ&A」などもあり、コミュニケーション型のwebマガジンとなっている。「KILIG」概要「KILIG」の配信頻度は、週2~3回。曜日は不定期だ。入会金は必要なく、会費は月、500円(税込み)。ラブリさんは、「ファンとコミュニケーションを多く取りたいし、身近な存在になりたい。ファンの子と一緒に素敵な場所にしたい」と述べている。(画像はプレスリリースより)【参考】※モデルの「ラブリ」が編集長を務めるwebマガジン「KILIG」を配信スタート!“ラブリ”からあなたへ配信!・・・だけじゃない!!
2016年06月06日女優の黒木華が主演を務めるTBS系ドラマ『重版出来!』(毎週火曜22:00~22:54)の舞台となっている『週刊バイブス』編集部潜入レポート第3弾。今回は、俳優の松重豊演じる編集長・和田靖樹のデスクの阪神グッズをチェックした。本作は、『週刊バイブス』の新人編集者・黒沢心(黒木華)が、個性的な編集部員や漫画家たちを巻き込み、奮闘する姿を描く物語。松重演じる和田靖樹編集長は、阪神の試合結果によって喜怒哀楽が変わる熱狂的な阪神ファンで、阪神の法被とタオルを身にまとった姿はかなりの存在感を放っている。「宿敵エンペラーを倒す編集者になれ!」「はい! ぶっつぶします!」といった、和田編集長と心の体育会系のやりとりもドラマも見どころの一つだ。このたび編集部に潜入し、和田編集長のデスクの阪神グッズをチェック。机にはメガホン、ペン立てとして使っているマグカップや書類を入れるファイルも阪神! イスには法被がかけられ、クッションも阪神、ハンガーラックには別のデザインの法被とタオルが。また、棚にグローブとボール、そして、バットもたてかけられている。デスク横の柱には、勢いのある字で書かれた「打倒エンペラー!! あきらめるな! あきらめたらそこで試合終了だ!!」という目標。その真横に阪神のちょうちん、上には阪神のフラッグが飾られ、その一角からものすごい闘志が伝わってくる。レポ―ト第1弾では心、今回は和田編集長のデスクを取り上げたが、そのほかの編集部員のデスクも紹介しよう。副編集長・五百旗頭敬(いおきべ けい/オダギリジョー)のデスクは、優秀で普段はクールな彼らしくシンプル。家族を最優先にし残業はしない主義の安井昇(安田顕)のデスクには、子供の写真が飾られている。そんな安井の机のパソコンを見て「これでいつもSNSの更新を行っているのか!」とニヤッとしてしまった(笑)。そして、菊地文則(永岡佑)のデスクでは、第2話で感動を呼んだ担当漫画『たんぽぽ鉄道』、一番デスクが乱雑だった壬生平太(荒川良々)のデスクでは、担当する漫画家・成田メロンヌ(要潤)の作品を発見! 筆記用具や編集に関する小道具など細部まで作り込まれたデスクは、それぞれの性格や担当業務などが反映されている。
2016年05月31日●「こわいと思われても仕方がない」ベッキー、川谷絵音、ショーンK氏(ショーン・マクアドール川上氏)、甘利明大臣(当時)、宮崎謙介議員(当時)、読売巨人軍の笠原将生・松本竜也・高木京介選手(いずれも当時)……彼らに共通するのは「それまでひた隠しにしてきた"秘密"が『週刊文春』によって白日の下にさらされ、人生が激変した人」である。文春砲、文春無双、センテンススプリング……異名が増え続ける約55人の精鋭部隊を引っ張るのが、2012年から編集長に就任した新谷学(51)という人物。「なぜスクープ連発?」などの取材が殺到したことから、すでにご存知の方も多いはず。しかし、個人的に気になっていたのはその「人柄」である。きっと能面のごとく心理状態を明かさないような、とんでもなく不気味なオーラをまとった人物に違いない。衝撃的なスクープの数々に引っ張られ、記事を読むたびにあらぬ妄想が膨らんだ。実像を確かめるべくアポを取ったところ、その先入観はあっさり覆されてしまう。そして、その「人柄」こそが「スクープ連発」の原動力につながっていたと知ることに。注目を集める人物に会いに行き、その人柄と言葉に触れるインタビュー連載「話題の人」の第1回。以下は当初の予定を超えてまで語った(最後は立ち上がりながら、去り際のギリギリまで話してくれた)、約1時間15分、約9,000字の記録である。※本記事に収まりきらなかった内容は後日、約7,000字の特別編として掲載。――取材が殺到していますね(Yahoo!ニュース特集、ダイヤモンド・オンライン、編集会議、AERA、IT mediaなど)。英国のエコノミストや米国のウォールストリート・ジャーナルからも来ました。同じ話を何回もしているので、今日は新鮮で面白い話をできるといいんですが。――過去にここまで注目されたことは?いえ。取材を受けたことは何回かありますが、1月からこれだけ立て続けなのは初めてです。――「来る者拒まず」ですか?すべて受けているわけではないですが、『週刊文春』のことを今まで知らなかった方にも知っていただけるチャンスではありますからね。「思ったよりも真面目に作っている」ということも含めて、週刊誌に対する偏見を取り除いて、本来の姿を伝えるチャンス。みんなが注目してくれている今は貴重な機会でもあるので、生かすべきだと思っています。――編集長就任が2012年。どのあたりから風向きが変わった印象ですか。今年の1月3日に復帰したんですが、劇的な変化を感じているのはそれ以降です(※休養の経緯は後述)。編集方針は大きくは変わっていないんだけれども、それまでは一進一退というか、スクープで売れることもあれば、思ったより売れないこともある。いずれにしても部数が徐々に下降している状況でした。他誌も同じですが、昨年は落ち幅が大きかったのでかなり危機感を抱いていました。それが1月になってこんなふうに転換できるとは思ってもみなかった。今はもちろんいい。大切なのは、「これをどこまで持続させて行けるか」です。○警戒されることの長所と短所――『週刊文春』の影響力に注目が集まっています。周囲の警戒心も高まっているのでは?確かに警戒されますね。それには良い面と悪い面があって。「文春には正直に話さないとマズイ」という空気が出てきているので、そういった意味で雑誌のクリエイティビティは上がりました。でも、近寄りがたい存在になってしまうとなると話は変わってきます。そうならないように、なるべく皆さんに親しんでいただける媒体でありたい。こういうインタビューを受けるのは、その一環でもあるんです。編集長ってどんな人間なんだろう。みなさん、きっと思われると思います。「人権を無視し、首狩り族のように次々といろんな人の人生をめちゃくちゃにして、金儲けして喜んでいる人間」だと。私自身はそんな人間ではないつもりなんですが。――正直に言います。こうしてお会いする前は、そういう近寄りがたいようなイメージでした。ですよね(笑)? やっていることだけ見ると、こわいと思われても仕方がないのかもしれません。――そんな編集長でも、人付き合いの中から生まれた仕事は?ジブリの鈴木(敏夫)さん、ドワンゴの川上(量生)さんと食事に行った時のことです。当時の局長が鈴木さんと仲が良くて、私も連れて行ってもらいました。すごく面白い方々だったので、一緒に組むと何か面白いことができるんじゃないかなと何となく感じて。特に川上さんは感覚が編集者っぽいというか、「逆張り」を意識されている。みんなが「右」という時にあえて「左」を見ようとするのは編集者にとってすごく大事なセンスだと思っているんですが、そういう「常識のウソ」に囚われない方と感じたので、こういう人と組むと面白いかもなという印象が漠然とありました。食事の後にすぐに連絡して、2人の時間を作ってもらって、その場で連載を打診しました。「考えてみます」とおっしゃっていたんですが、編集部に戻ったらすでにメールが届いて「1回分書いてみました」と(笑)。それですぐに連載をはじめたことがありました。川上さんとはデジタル展開についても話をして、当時はじまったばかりの「ブロマガ」で「週刊文春デジタル」をスタートしました。『週刊文春』のコア読者とドワンゴ会員は両極というか、年齢層が全然かぶらないところにもすごく可能性を感じたんです。もともとの週刊文春読者の会員も今はかなり増えましたが、ドワンゴの読者が中心だったころは、AKBやジャニーズなどアイドル系のものを取り上げると一気に入会が増える。コア読者とは全然違うリアクションが、すごく面白かったですね。乃木坂の時とか特にすごかった。乃木坂目当てで読んだ人が、他の記事を読んで「意外と面白いな」と思ってくれる。そんな流れを少しずつ積み上げていければ、というかなり先行投資的な試みでした。――どちらも決断が早いですね。その点でいうと川上さんはすごいですよ。佐村河内さんのゴーストライター問題を取り上げた後、新垣(隆)さんがよく編集部に来ていたことがありました。新垣さん、うちに来てよく出前とか食べてたんですよ(笑)。彼はすごく親しみやすい人なんです。その頃、周りに「新垣さんに文春のテーマ曲を作ってもらいたいなぁ」「曲名は『交響曲HARIKOMI』」と冗談っぽく言っていて(笑)。川上さんと会った時も同じようなことを話したら、「それいいですね! うちでやらせてください!」と興味を持ってくれて。ドワンゴの23時間テレビの目玉企画にしたいと言われて、オーケストラの費用も持ってくれると。即決だったので、私も急いで佐村河内さんばりの"指示書"を書きました。「張り込みをしている記者の焦燥感と高揚感を表すような超絶かっこいい曲を」というイメージを伝え、映画『仁義なき戦い』のサントラと一緒に新垣さんに渡しました(笑)。完成したのはそれから2週間後。イメージ以上に素晴らしい曲でした。すごい再生数だったみたいですよ。「交響曲HARIKOMI」(笑)。●部下と飲まない信頼関係――出会いって大切ですね(笑)。毎日誰かに会うようにされているんですか。無理に心掛けなくても、日々いろいろな方から誘っていただいています。やっぱり、人と会うのが面倒くさくなると、編集者としては失格でしょうね。「未知の人と会うこと」を面白がれないと。人と会うことが億劫になったらダメです。――最近はいろいろな方が近づいてくるんじゃないですか? 怪しい方含め。まぁ……いろいろ来てます(笑)。でも、なるべく門戸は閉ざしたくない。幅広い人と付き合うようには心がけています。情報は人から人にもたらされるものなので、人が寄ってくれば情報が集まってくる。そういう求心力は、意識しています。個人としてもそうありたい。花田紀凱さん(元『週刊文春』記者で現在は月刊『WiLL』編集長)も『週刊文春』をよく「磁石のような雑誌」とおっしゃってましたが、かくありたい。「一緒にいると面白いことができそう」と思ってもらえることが大事です。○復帰3号目の完売で涙――編集部内の空気はいかがですか。毎週木曜日に次号のプラン会議が行われていると聞きました。今まで以上に盛り上がっているのでは?やっぱり明るいですね。雑誌って分かりやすくて、売れていると当然活気が出てくる。やっぱり売れ行きは最高の燃料です。現場がいちばん盛り上がるのは、やっぱり自分たちが作った雑誌が世の中に評価してもらうこと。そして、たくさん売れること。これ以上にうれしいことはないです。――こうした反響は、社内でどのように共有されているんですか。例えば、「完売」は編集長自ら発表を?そうですね。デスク陣には数字は共有していますが、現場の記者にはデスクから伝わったりとか。完売すると営業部の担当者が、墨で「完売御礼」と書いた紙を持って来きます。「平成」の発表みたいに、「完売になりました!」と私が声を張り上げると、みんな「おー!」と拍手をして盛り上がります(笑)。――2年ぶりの完売でしたよね(1月28日号 甘利大臣の金銭授受疑惑)。そうです。それは盛り上がりますよ。正直言って涙が出ました。2年4カ月ぶりの完売。復帰してから3号目での完売だったので、思わず涙が出た。本当にうれしかった。今まで苦労をかけた現場の仲間と一緒に、もう一度、世の中に評価してもらえる雑誌を作れた。その喜びは言葉にできませんでした。――つまらない質問で申し訳ないのですが、「完売」打ち上げみたいなものは?特にないですが、編集局長賞はもらっています。局長のポケットマネーです。今年に入って、ベッキー取材班、甘利取材班、野球賭博取材班が表彰されました。それで取材班ごとに、飲みに行ったりご飯を食べに行ったりしています。これだけ立て続けに受賞したことは今までないですね。ASKAさん、佐村河内さんのスクープでももらいましたが。――ほかのインタビューを読むと、とても部員や記者のモチベーションを重視なさっていると感じます。スクープをとった人がそのまま書き手になるそうですね。経験の浅い新人でもですか?そうですね。経験が浅いとスクープをとれないのが現実なんですけど。ただ、そのルールは崩したくないんですよね。やっぱり「自分たちが何で飯を食っているのか」ということを肌身で感じてほしい。とっておきの良いネタをとってくれば、原稿を書くことができる。話題性がありそうな話であれば、優秀な取材班を自分の下につけてもらえる。それで4ページ以上、右トップ、左トップを書くことができる(広告・中吊りなどで左右にある見出しのことで、その号の目玉となる記事)。うちは社員と特派記者と分かれてるんですが、共存関係です。特派記者の場合は、固定給とは別に、スクープを書いたら原稿料を極力多めに出します。それもモチベーションになりますよね。社員は人事異動で3~4年で変わりますが、特派の場合は専属契約。毎年私と契約更改するわけです。そこで一年間の働きについて意見交換した上で、昇給とか現状維持とか、そういう話をします。そこでは1対1で、率直に具体的にその記者に対して、どこを評価しているのか、さらに何を期待しているのかを話します。最近よく聞かれる質問が「文春はなぜスクープをとれるのか」。ほかのインタビューでも答えていますが、それは「狙っているから」です。スクープは狙わないとなかなかとれないものなんです。うちの記者たちはみんな野心をもって、情報のアンテナを高く掲げて日々走り回っています。――総合週刊誌で実売部数11年連続1位を走り続けています。現場のモチベーションがその原動力になっていると思いますが、なぜこれだけトップの座を維持できていると思いますか。たぶん、うちが一番「戦い方」を変えてないんだと思います。私が記者として原稿を書いていた頃、あるいはデスクの頃と基本的には変わっていません。私が編集長になって急にスクープ路線になったわけではないんです。体制をより強固にしたとは言えると思いますが。他誌はヘアヌードブームに乗って一気に上がって、下がっていった。『ポスト』と『現代』は「死ぬまでセックス」という高齢層をターゲットとした企画で盛り返しましたが、それも一時的。企画もの、頭で考えたプランは、どうしてもそういう波ができてしまう。うちの場合はスクープ路線なので、常に目の前の生ネタを追い続け、それをフルスイングしてうまくジャストミートすればホームランになる。そんな戦い方を続けています。○部下を差別せず、現場とネタにフェア――編集長になられたのが2012年。編集部に入ったのはいつですか。1995年、地下鉄サリン事件があった年でした。普通、新入社員は『週刊文春』に配属されることが多いんですが、私はスポーツ雑誌『Number』に4年間在籍しました。大学の時にヨットをやっていたんですが、スポーツ経験者は『Number』に配属されることが多かったんです。その後は『マルコポーロ』という雑誌に2年間。入社7年目、30歳で『週刊文春』に入りました。だから、すごく遅い週刊誌デビューだったんです。『週刊文春』に配属されて思ったのは、「編集者」と「記者」の違い。週刊誌でもデスクや編集長になると「編集者」的な仕事になってきますが、デスクになるのは36~7歳ぐらい。それまでは一記者なので、編集者としての仕事とは全く違いました。とにかく目の前の相手にどうすれば話してもらえるか、の連続です。――『週刊文春』で初めて編集長を経験されたわけですね。編集長として心がけていることは何ですか?1つはとにかく「明るい」こと。編集長が暗くなると、編集部が暗くなる。売れようが売れまいが、仕事がうまくいこうがいくまいが、常に明るくすることが大事。レッツポジティブです。編集長は明るくないとダメなんです。疲れ切って暗い顔した上司なんか嫌だと思いませんか? 編集長は常に明るく、門戸を開いて。だから、できるだけ席にいるようにして、みんなが気軽に話せる雰囲気作りを心がけています。それからもう1つは、現場に対してフェアであること。ネタをとった人間が記事を書くというのは分かりやすい例ですが、人間の好き嫌い、キャリアが長いとか短いとか、性格が良いとか悪いとか、そういうことに目を向けるよりも、ネタに対してフェアであるべき。特定の人間ばかりを重用することもありません。特定の人間とばかりご飯に行ったり、飲みに行ったりとか。そういうことは一切しないと決めています。だから、特別なことがない限り、現場の人間とは食事に行きません。1人と行ったら、ほかとも行かないといけなくなるので。ただ、社員とは、入社年次ごとや異動の時期に1人最低1回は食事に行きます。全部同じ店と決めていますが。特派の記者に関しては「特派会」という懇親会が年に最低でも1回はあるので、そこには必ず顔を出して、なるべく多くの人間と話をします。毎年の契約更改時には、1人最低でも30分は話します。そうやって、信頼関係を築く努力をしています。編集長は大きな力を与えてもらっているわけです。編集長が「行け」と言えば、どこまでも行くのがうちの武器。そういう権限を持っている人間が恣意的な、組織を私物化しているような動きをすることは絶対に許されないと思うし、そういう風な疑いを持たれることだけでもダメだと思う。そこにはすごく気を使います。55人もいますからね。偏ったところがあると、不満分子が生まれる原因にもなります。●"かわいい仲間"のもとに「必ず戻ってやる」――足並みが揃わなくなると雑誌にも影響が出始めると。ええ。やっぱり、疑心暗鬼になるじゃないですか。私の周りを固めてくれているデスク陣にも、差が出ないように気をつけます。うちのデスクはみんな優秀。そして、これは全員に言えることですが、みんな僕にとっては本当に「かわいい」存在。人として大好きです。だからこそ、差があると思われるようなことはしたくない。――それは歴代編集長のカラーなんですかね。どうでしょうか。今の話は、私の考えです。デスクになった時に考えていたのは、どうしたら、いいデスクになれるか。現場から力の入った報告があったら、薄い反応は絶対にせず、「おー!そうか!」と明るく返す。そうしたらきっとみんなうれしいですよね? よく書けている原稿には、「今週はいいぞ!」と褒める。もちろんなんでもかんでも「いいぞ!」ではバカになってしまいますから、ダメな時はきちんと「ここがダメだ」と指摘する。原稿に対して、真剣勝負してくれるデスク。自分が記者だった頃も、本腰を入れて向き合ってくれるデスクは好きでした。自分の中での理想のデスク像、編集長像というのがあって、できるだけそこに近づきたいと思っています。――"明るさ"を心がけているとのことですが、新谷編集長の仕事、やっぱり楽しいものですか(笑)?もちろん楽しいですよ(笑)。仕事は楽しくないとダメですよ。やらされ仕事ほど辛いものはないので。「なんで俺はこんなことをやっているんだ」と思いながらやる仕事はつらくてしょうがないですよ。張り込みでも、そこには大きな意味があってやっているわけですから。現場のモチベーションを重視しているのは、まさにそこ。一人ひとりが当事者意識を持って、雑誌づくりに参加することがすごく大事です。そのもととなるのは、私はきめ細かいコミュニケーションしかないと思っている。デスクにできるだけ具体的に、記事のテーマ、ポイント、報じる意義をしっかり分かりやすく伝えて、デスクは原稿を書く"カキ"に伝える。カキは、サポート役となる"アシ"に。指先まで神経が行き届いているような指揮命令系統が、大事なんです。ついでに言うと、私がデスクを越えて現場の人間に指示するのは絶対にNG。デスクがカキを飛び越えてアシに指示するのもダメです。重要な指示を飛び越えてするのは、絶対にやってはいけないことです。少なくとも、自分はデスクの頃から肝に銘じていました。それが崩れてしまうと、デスクの言うことを現場が聞かなくなって、「編集長に直接言えば話が早い」となってしまいますからね。――例えが正しいのか分かりませんが、新選組もそんな感じでしたよね。そうですそうです。戦闘集団であればあるほど、そこは大切だと思います。昔、新選組を研究したことがありました。戦闘集団はどのように指揮すれば機能するのか。デスク時代、新しい編集長が来た時に「お前を中心にやる」と言われたことがあって、自分が期待されているのが「土方歳三なのか、沖田総司なのか」と聞いたら「両方だ」と言われたことがありました。現場を引き締めた上で、ネタをとってくるのかと(笑)。それを全うできたか自分では分かりませんが、新選組という組織は参考になりました。『週刊文春』の55人を指揮するというのは、やっぱり大変なんです。フェアじゃなければならないとか、指揮命令系統を崩してはいけないとか、そういう破ってはいけないルールが自分の中にはあるんです。これは突然思いついたようなことではなくて、この仕事をしていると、「ここは犯すべからず」という部分が自然と分かってきます。○休養を経て気づいたこと――『AERA』(3月7日号)のインタビューに「3カ月の休養で心身ともにリフレッシュできました」と書いてありました。休養の前後で心境の変化は?※『週刊文春』10月8日号で6ページにわたって春画を掲載。文藝春秋は「編集上の配慮を欠いた点があり、読者の信頼を裏切ることになった」として、新谷編集長に3カ月の休養を取らせた。現役編集長への「休養」命令は異例のことで、新聞など多くのメディアが取り上げた。いちばん変わったのは、ものすごく元気になったということ(笑)。もともと元気だったのに、3カ月も休んだらものすごく元気になりますよ。一切仕事はせず、人と会ってばかりいました。旅行は一度一人で行きました。熊野三山。熊野詣は楽しかったなぁ。みんな心配して連絡くれたんですよね。200人近く会ったのかな。新聞に名前が載ったりしたので、仕事関係の人以外にも小学校、中学校、大学、友達、恩師、野球部の監督、バイト先の仲間。懐かしい人も含めて、すごくいっぱい連絡くれたんですよ! 「今は時間があるだろうから会おう」みたいな人がたくさん(笑)。一人でも多くの人に会いました。それはすごく楽しくて、リフレッシュにもなった。今、私は51歳です。働きざかりの年齢でこれだけ休めることはなかなかありません。そんな機会ができたことで、自分の人生を見つめ直すことができた。いろいろな懐かしい人も含めて会うことによって、自分がどんな人間なのか、昔から私のことを知る人たちの話を通して自分がどのような存在なのか客観的に見られるようになります。それにくわえて、彼らの目に『週刊文春』がどのように映っているのか。よく読んでくれている人、そうではない人も含めて話を聞くことで、どんな雑誌と思われていて、何を期待されているのかを知ることができました。マスコミ業界外の目を通して『週刊文春』と「自分」を見つめなおす。そういう意味での"リフレッシュ"でもありました。――そして、復帰早々の完売。ええ。元気になって戻ってきたら『週刊文春』のかわいい仲間たちが迎えてくれた。このメンバーと一緒にバッターボックスに入ってまたフルスイングできる。それはうれしくてしょうがなかった。絶好球が来たら打つぞ! って(笑)。完売になってますます元気になるし、ますます情報提供は増える! それはイケイケどんどんになりますよ(笑)。――報道で休養を知った人もいたとはいえ、わざわざ連絡をくれるのは、そういう人間関係が築けていたということじゃないんですか?いやぁ。ただ、面白がってくれてるだけですよ(笑)。何が起こったんだろうって。僕はすごくポジティブな人間なんです。3カ月暗くなってても、つまらないじゃないですか。せっかくだから今しかできないことをやろうと。あとは「必ず戻ってやる」と。やっぱり現場に対して、すごく申し訳ないという思いがありました。去年は現場が特につらかっただろうから。本当につらい戦いだった。そういう時期に現場を放り出す形で、自分一人だけ戦線から退いてしまう。3カ月後に絶対戻るからそれまでなんとか耐えてくれ。その思いはずっと抱き続けていました。――休養中、『週刊文春』は読んでいたんですか。もちろん読んでいました(笑)。
2016年04月14日マガジンハウス創立70周年を記念し、『GINZA』4月号の特別付録として1号限定で復刊した『Olive(オリーブ)』は、復刊した、かつて少女だった大人たちだけでなく現代の少女たちをも魅了したのは記憶に新しい。2016年2月に復刊を果たす伝説のカルチャー誌『relax(リラックス)』の編集長を務めるのも、『GINZA』編集長の中島敏子氏である。「私にはこれしかできないんです」と話す中島氏の、編集力とは?ーー中島さんならではの編集理念はありますか?最初の話に戻ってしまいますが、私はこれしかできないってことですね。それって、出自のようなものだと思うんです。自分の生きてきた中からしか本音は生まれないし、それなら限りなく本音で、できるだけ自分が本当にいいと思っていることを伝えていきたい。決して読者を絞っているわけではないし、一人で作っているつもりもないんですが、私の価値観に賛同してくれる人々が集まってくると、今くらいの規模感になるんですよね。『GINZA』を好きな人が好きという部分を取り上げたいから、流行をまるっと右から左へ紹介するということはしたくないし、より遠くに広くイメージを飛ばせるように、1に対して10の付加価値を付けられればと思っています。その角度みたいなものが、『GINZA』であるアイデンティティかな。ーー『GINZA』らしさって、何だと思いますか?なんだろうな。私はやっぱり、完璧なものは好きじゃないんですよね。どこかヒューマンであったりへなちょこなものが好きで。洋服もファッションショーで見るときには完璧な世界観で圧倒されるんだけれど、手元に届くときの、実際に着る人がいてナンボという現実もある。だから、人間の影みたいなものが出るような、ファッションの輝き方を見せられたらいいなと思っています。それに、日本に住んでいる読者に読んでもらうことが前提なので、今のこの時代の空気を吸っている女の子たちに響くツボは押さえておきたい。それに、ギャグのセンスも大切。笑いや遊びがない雑誌って、あり得ないですよね。 やっぱりウィットって、人生の中で大事な要素だから。ーー『Olive』が付録として復刊した、2015年の4月号も即完売し、話題になりましたね。復刊のタイミングは大人の事情もありますけど(笑)、あそこまで喜ばれるということがビックリでした。去年の5月に大森イ予佑子さんにスタイリングしてもらった「17歳の私へ」という企画が大反響で、1カ月経ってもリツイートが止まらないくらい盛り上がっていたんです。それがきっかけで復刊することになったのだけれど、嬉しかったのは当時の読者が覚えていてくれて、ファッション誌を最近読んでない人や「『GINZA』って何ですか」みたいな人たちが老若男女問わず、『Olive』という名前に惹かれて買ってくれたことですね。ーー東京カルチャーを牽引した雑誌『relax』が2月に復刊されますが、どんな内容になるんでしょうか。「2016年のリラックス」というテーマだけを決めて、かつてメインでやってくれていたスタッフに声をかけています。ただ、みんな10年以上違う世界でやっているので、どこまで『relax』っぽくなれるんだろうと懸念しつつ、今はふわふわ泳がせている状態。私自身、もう『GINZA』脳になってしまっているので、『relax』脳に戻すのに時間がかかってます(笑)。当時はウェブといえばほぼ「2ちゃんねる」しかないような時代で、珍しいものが街中に溢れていたけれど、今はみんななんでもSNSを通じて知っているし、『relax』の影響を受けて生まれたZINEや媒体もたくさんある。じゃあ、本家本元は何をやろうかと。しかも、『GINZA』を作りながらやらなきゃいけない。「どうしよう!」と思ったんですが、アートディレクターの小野(英作)君からは、「それくらい力を抜いてやるのがいいんじゃない?」と言われました。確かに、がんばりすぎると、『relax』らしくなくなってしまうんですよね。---最終回、中島編集長インタビュー3/3は『GINZA』が考えるデジタル化への道。
2016年01月17日アメリカ・ポートランド発のライフスタイル誌『キンフォーク(KINFOLK)』の編集長ネイサン・ウィリアムが手掛ける期間限定ショップ「Slow Design for Men’s Living by Nathan Williams」が伊勢丹新宿店メンズ館1階に11日オープンする。会期は24日まで。家族や親しい人を意味する『キンフォーク』と名付けられ、11年に創刊した同誌は世界中の多くの人々から支持されるライフスタイルを代表する雑誌のひとつ。昨今、日本でも広がりつつある“スモール ギャザリング~小さな集い~”をサブタイトルに掲げ、家族や友人たちとの時間をゆったりと過ごす為のアイデアが詰まった本誌の世界観をそのままに、本イベントでは、ネイサン自身がクリエイティブディレクターを務めるライフスタイルブランド、アウアー(Ouur)のウェアを始め、同店で取り扱うブランドの中から同じ世界観を共有できるアイテムを独自にセレクトし展開する。また、アウアーでは“オフホワイト”をテーマにした限定コラボレーション企画を実施。サイ(scye)、ティーエスエス(ts(s))、エヌ・ハリウッド(N.Hoolywood)、ファクトタム(FACTOTUM)、スズキタカユキ(suzuki takayuki)、コズミックワンダー(COSMIC WONDER)と製作したアウターを販売。同商品は、ネイサンがセレクトしたタスマニアウール100%のオリジナル生地が使用されており、素材、デザインともに希少性の高いアイテムが集結する。その他、“今の日本の食卓”を意識した滋賀・信楽焼きのテーブルウェアや、陶器などのホームコレクションも展開。まるで雑誌から飛び出したような世界観を体現できる空間になりそうだ。
2015年11月09日おなじみの大根仁監督作。しかも『モテキ』と同じ“編集者”という役柄である。「そうなんです。大根監督はそれ忘れたままオファーしたんじゃないかと…。まあ『ナタリー』と『ジャンプ』じゃ全然違うしね(笑)」。『モテキ』で演じたのはサブカルを中心にしたニュースサイト「ナタリー」のCEO。そして今回の『バクマン。』では、日本一の売り上げを誇る漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の編集長を演じている。この男ほど「編集長」が似合う人間もいないかもしれない。近年、俳優としての一面にスポットライトが当たりがちだが、長年にわたりイラストレーター、エッセイストとしても活躍し、小説家としても「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」がベストセラーになったのは周知のこと。数多くの編集者に当事者として接してきた。リリーさんから見た“編集者”という人種はどういうタイプの人々なのか?「なかなか普通の感覚じゃできない仕事ですよね。体力も知性も必要だし、基本的に約束を守れない人たち(=作家、ライター、イラストレーターほか…)と仕事する人なわけですからね。いわゆる一般の社会通念でもって、編集者を務め上げようとするとうまくいかないでしょう。特に小説とか漫画とか、ある程度時間をかけて作るものを担当する編集者ってのは原稿の待ち方もなかなか堂に入ってます。『こいつをウチから帰すには原稿書くしかなさそうだ…』って思わせる迫力を持ったヤツもいますからね(笑)。あぁ、もちろん実体験ですが…」。一方で『バクマン。』におけるサイコー&シュージンが服部という編集者との出会いで実力を伸ばしていくように、編集者の存在が原稿の質を左右するのも事実!「作る側にとって、一番最初の読者が編集者。だから、編集者に対するリスペクトの気持ちの有無が作品の質に関わってくるんです。この編集者、何もわからず『やれ』と言われたことをやってるだけだなと思うと、原稿の質も落ちるし、自分より映画についてよく知っている編集者だったら、緊張感をもって映画について書くようになる。そこで一緒に仕事して作っているという感覚も出てくるんです」。その意味ではリリーさんが演じた佐々木編集長は冷徹な目で作品を判断する「緊張感を持たせる」タイプの編集者だが…。「うん、加えてひとつ、ジャンプ編集部が他と大きく違うのは、彼らには『経済を支えている』という自負があるとこじゃないかと思います。ひとつの雑誌編集部で動かしている金額で言えば、間違いなく世界最大級ですから。だから、歴代ジャンプ編集長っていろんな戦場でいろんなものを見てきてしまったという人たちなんでしょうね。簡単には感情の起伏が表に出ないし、一方で現場の最前線は熱い編集者が多いけど、そこを経て、ある意味で適度に血が冷たくなっていると言えるのかもしれない(笑)」。編集者ではなく、逆にイラストレーターの目から見て漫画家という存在をリリーさんはどう見たのか?「僕自身、子供の頃は漫画家に憧れてノートに描いてたし、実際に連載したこともありましたが、漫画って1ページずつのものでしょ?でもイラストレーターの感覚で言うと、あの一コマがワンカット(ひとつの仕事)なんですよ。そう考えるとコスパが悪いなと思うし、そう考えると、めんどくさがってはできない仕事なんだなと思いましたね」。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:バクマン。 2015年10月3日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「バクマン。」製作委員会
2015年10月08日サイバーエージェントは10月1日、広告の企画・編集・運用・レポーティング・効果改善を行う専門組織「エディトリアルアドスタジオ」を設立し、スタジオ長として尾田和実が就任したことを発表した。同組織は、Amebaにおいて、情報メディア「Spotlight」「by.S」におけるタイアップ広告「エディトリアルアド」のコンテンツ力強化と広告効果の向上を目的とするもの。同広告に関するノウハウの蓄積や分析、ナレッジ開発等を行っていく。スタジオ長に就任した尾田和実(おだかずみ)氏は、シンコー・ミュージック、インフォバーンの編集者、MTV JAPANのプロデューサーを経て、2009年にメディアジーンに入社。同社で運営する「ライフハッカー」「ルーミー」「コタク・ジャパン」の編集長を歴任後、2012年同社COO(最高執行責任者)に就任し、2014年より「ギズモード・ジャパン」編集長。2015年9月にサイバーエージェントに入社した経歴をもつ。同組織では今後、尾田氏を中心に企画編集力の強化とコンテンツ制作の体系化に取り組むと同時に、市場動向調査の実施や最適な「エディトリアルアド」の在り方の研究・広告開発を行っていく考えだ。
2015年10月02日ユニクロ(UNIQLO)が、元フランス版『ヴォーグ(VOGUE)』の編集長のカリーヌ・ロワトフェルド(Carine Roitfeld)とのコラボレーションによる新コレクションを10月29日よりフランス、アメリカ、イギリス、ドイツの4カ国を皮切りに、世界にて順次発売する(日本での発売は10月30日より)。ファッション界に絶大な影響力を誇るカリスマファッションエディターにして、ファッション誌『CR Fashion Book』の発起人でもあるカリーヌ。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やトム・フォード(Tom Ford)などの著名デザイナーが“ミューズ”と賞賛するファッションアイコンとして、最新モードファッションを世界に発信し続けている。今回のコラボレーションコレクションでは、女性らしい美しさを引き出すフォルムを追求したアイテムを、着回しがきく豊富なラインアップで展開。メンズライクなテイストの中で優美な曲線が際立ったコートやジャケット、すっきりとしたシルエットに仕上げた上質なカシミヤニットやシルク素材のブラウス、女性の体のラインを美しく見せるシンプルなタイトスカート、パンツなどがラインナップとなる。カジュアルなシーンはもちろん、ディナーやパーティーなどでも映えるよう、フェイクファーを用いたコートや合皮素材のタイトスカート、レオパード柄の比翼ブラウスなど従来のユニクロのアイテムとは一味違ったアイテムの数々が揃えられている。なお、同コレクションのキャンペーンビジュアルの撮影は、ファッションフォトグラファーの巨匠であるスティーヴン・マイゼルが手掛けた。
2015年10月01日ファッション雑誌を見始めた頃、日本の雑誌は「1ヶ月間着回しコーディネート術」とか「痩せて見えるパンツスタイル」といった実用的な記事が多いのに、外国雑誌は「不思議の国のアリスのお茶会に招かれて」「鳥の背中に乗って世界を巡る旅」といったファンタジックな特集が載っていてびっくり! 5キロ痩せて見える、5歳若く見えるハウツー記事も役立つけれど、もっと違う美意識のレッスンがあるんだなあ、と思ったものです。そんな記事を載せる最たる雑誌がVOGUEでした。1892年、アメリカで創刊以来、世界各国で発売されているハイファッションの最先端、ファッショニスタ垂涎の雑誌。歴代の名物編集長は映画にもなっていて、セレブ並みの人気者に。そんなカリスマ編集長の登場する映画を3本ご紹介しましょう。この秋のお洒落心に火が点くこと、間違いありません。元フレンチ・ヴォーグ編集長カリーヌ・ロワトフェルドの生き方が潔く美しい▼マドモアゼルC ファッションに愛されたミューズ監督:ファビアン・コンスタン出演:カリーヌ・ロワトフェルド, スティーブン・ガン, カール・ラガーフェルドその美貌から18歳でモデルとしてのキャリアをスタート、20代で「ELLE」の編集者、スタイリストに転身し、40代でフランス版「VOGUE」の編集長に就任以来、2011年まで10年間務めたカリーヌの顔は、どこかで見たことがある人が多いのではないでしょうか?50代になってもスッと伸びた美脚にピンヒール。パリコレのフロントロー(最前列)の常連で、パパラッチされるスナップ写真では、爪先をやや内側に向けた立ち姿が有名でした。そんな彼女が、新雑誌「CR」を創刊するまでのドキュメンタリーがこの映画。「大勢が足を引っ張ろうとする」業界で、「ファッションは夢の世界。ファンタジーは私の本質よ」という姿勢からブレずに、苦心しながら夢を実現していく彼女の生き方が素敵です。夫がいて2児の母。「仕事も夫も愛してる」と言いながら、世界中のデザイナーたちからミューズとあがめられるエレガントでセクシーなカリーヌの魅力は、実は素直でピュアな人間性。そこが伝わる映画です。「誰にでも敬意を払うのが素晴らしい。自分が特別で重要な存在だと感じさせてくれるの。だから、みんなが彼女に尽くしたくなる」とは、彼女のアシスタントの弁。「いつか飽きられるわ」とサラッと笑いながら、ハイヒールで歩き続けるカリーヌの姿は、私たちに生きる勇気と美意識を問い直させてくれるでしょう。現アメリカン・ヴォーグ編集長アナ・ウィンターはファッション界のリーダー▼THE SEPTEMBER ISSUE ファッションが教えてくれること監督:R.J.カトラー出演:アナ・ウィンター, グレイス・コディントン, シエナ・ミラーショーを見る間も外さない黒いサングラス、金髪のボブヘア、女性らしい色合いのヒザ下丈のワンピースかプリーツスカート…アメリカ版ヴォーグ編集長、アナ・ウィンターも、常にスタイルが決まっている女性です。イギリス出身ですが、アメリカのハーパース・バザーやイギリス版ヴォーグでもキャリアを積み、1988年から現職。映画「プラダを着た悪魔」に登場する鬼編集長のモデルにもなった彼女は、同時に、3000億ドルのファッション産業で最も重要な人物、映画スターよりも注目の的、といわれています。この映画は、アナを中心にニューヨークのヴォーグ編集部が、2007年、ファッション誌の新年号といわれる重要な9月号を出版する様子を描いたドキュメンタリー。アナの片腕のクリエイティブディレクター、グレイス・コディントンと写真をめぐって対立したり、シエナ・ミラーの表紙撮影では豪華なヨーロッパロケが組まれたり、締め切り5日前にグレイス担当の特集が撮り直しになったり、ハラハラドキドキで目が離せないおもしろさ!“氷の女”と呼ばれるほどクールで仕事第一のアナですが、映画内のインタビューで「強みは決断力、弱みは子供たち」と答える一面も。セレブ文化が世界的流行になることを予見し、ファッションも生き方の一部だと示し、30年近く編集長を務め続けるアナ。垣間見せる情熱的な笑顔が美しく、生き方にもインスパイアされます。それにしても現在、アナは60代、グレイスは70代で現役バリバリ。そこからして元気になれると思いませんか?元アメリカン・ヴォーグ名物編集長ダイアナ・ヴリーランドがぶっ飛んでる!▼ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ監督:リサ・インモルディーノ・ヴリーランド出演:ダイアナ・ヴリーランド真紅のドレスで赤いソファに横たわる真っ赤な部屋は、彼女のリビングルーム。そのDVDのカバーからして、ただならぬ異才を放っているダイアナ・ヴリーランドは、1989年に亡くなるまでアメリカのファッション界に君臨した、まさにアイコン的存在です。キャリアのスタートは戦前。シャネルを着てセントレジス・ホテルで踊っていたら、ハーパース・バザーの編集長、カーメル・スノウから「お洒落ね。仕事しない?」とスカウト。ハーパース・バザーの黄金時代を築き、良妻賢母風で退屈だったファッションを一変させます。ハーパース・バザーで25年間、ファッションエディターを務め、オードリー・ヘプバーン主演の映画「パリの恋人」に登場する編集長のモデルにも。1962年、ライバル誌ヴォーグへ。彼女自身が芸術品といわれるほどクリエイティブな企画で、エジプトロケやヒマラヤロケ、モデルを象と撮影したり、モデルに豹を演じさせたり、ミック・ジャガーを初めてファッション誌に起用したり、垢抜けない娘を女王に仕立てたり、ヌード撮影も…。信じられないほど斬新でダイナミックな企画は、未だに語り継がれるほど。そんなダイアナが1983年、80歳の時、作家のジョージ・プリンプトンに回顧録を依頼した時のインタビュー映像を中心に、周囲の人々へのインタビューで構成されたのが、この貴重な映画です。「自分で磨かなきゃダメよ。肌もポーズも歩き方も、興味の対象も教養も」「新しい服を着ているだけではダメ! その服でいかに生きるかなの」「人生は一度きりよ。やりたいことをやらなきゃ」と、彼女の力強い言葉が背中を押しまくります。人生で迷った時や落ち込んだ時に、間違いなく“活”を入れてくれる1本です。
2015年09月14日注目のイットガールが登場する連載も第11回。今回のゲストは、強い存在感とピュアな魅力を併せ持つ注目モデルemmaさん。キュートなルックスはもちろん、どんな服でも着こなす勘の良さも人気。「元々ファッションが大好きなんです。文化服装学院の学生だった頃にスカウトされたんですが、当時はバイヤーを目指していました。自分が編集長になって『スタイルブック』を一冊作るのが今の目標」。出身は北海道で、今でも頻繁に帰るとか。「前は自然しかないって思っていたけど、今はそれが好き。ゆくゆくは北海道に家を建てて、子どもと犬に囲まれて暮らしたい!」◇えま1994年生まれ。小誌ファッションページ「Antenna」でもおなじみの人気モデル。雑誌『ViVi』専属モデルも務める。◇食べることが好き!ご褒美にはケーキを。「特に好きなのが『ラデュレ』。見た目もかわいいし、おいしすぎます」◇半年くらい前からピンクアディクトに。「先日も『Acne』でピンクの服を買いました。ショッパーもピンク!」◇指先でもおしゃれを楽しみます。「ネイルはジェル派。これは夏らしいデザインがお気に入り♪」※『anan』2015年7月22日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子
2015年07月15日「委員長系女子」。皆さんは聞いたことありますか?名の通り、「委員長」をやっていそうなキャラの女性のことを言います。「委員長なんて真面目なイメージだし、モテとは正反対なんじゃ・・・」とお思いのそこのアナタ!真面目な印象の「委員長」だからこそ、男性からは手厚く支持されているのです。そこで今回は、男性の皆さんに「委員長系女子」の魅力を聞いてきました!さっそくご紹介したいと思います。■1.リードしやすい「委員長系女子の良いことろは自分がリードできるところ!恋愛にウブな感じがたまらなく可愛いよね。そんな子と付き合いたい・・・。」(25才/証券)委員長系女子は基本的に「恋愛にウブ」です。皆さんのイメージとしても、委員長って「恋愛より勉強!」のイメージが強くないですか?男性は基本的にそんなウブな女性を好むみたい。あなたも真似して上手に「ウブ感」を演出してみましょう。背伸びして恋愛慣れしてます感をアピールするのはNGですよ。■2.恋愛に真面目「委員長系女子はなんてったって真面目だから、浮気の心配がないよね。ずっと一途に自分のことを思っていてくれそうなイメージ。」(22才/学生)委員長系女子の魅力は何ていったって「真面目」な所。それは恋愛に関しても共通していると思われます。恋愛面にチャラさが少しでもあったら「委員長女子」は名乗れません。この人も、あの人も素敵・・・とならないように、好きな人を決めたらその人意外はシャットアウトしちゃいましょう。■3.すぐ照れる「俺は委員長系女子の、男慣れしてない感じが好き。『可愛い』って言っただけで『え、そんなこと!ない・・・///』とか顔真っ赤にされながら言われたい。たまらん。」(20才/カフェ)男性慣れしていない「委員長系女子」。すぐに照れちゃうそんな女性に、男性は胸きゅんしちゃうみたい。男性が発する一言一言を間に受けて照れまくっていると、男性はきっと可愛いと思ってくれるはずです。「いやいやわたしなんかブスだから・・・」と可愛くない卑屈な発言はしないように気をつけましょうね。■4.叱ってくれる「委員長系女子に可愛く叱ってほしいです。『ちゃんと栄養のあるご飯食べなきゃダメなんだからね!』とか、ちょっと怒りながら心配してほしい。」(24才/事務)委員長と言えば「ちゃんと掃除してください!」や「ちゃんと話を聞いてください!」など、みんなに怒ってるイメージがありませんか?そんな委員長系女子に怒ってもらいたい男性は多いみたい。しかし彼らもガチでブチ切れされたいのではなく可愛く怒られたいはずなので、注意する程度にしておきましょう。■おわりにいかがでしたか?真面目なだけではない「委員長系女子」。あなたも彼女たちの魅力に気づいたでしょうか。気づいたならば、あなたもぜひこの愛され「委員長系女子」を目指してみましょうね!(霧島はるか/ハウコレ)
2015年04月09日筆まめは3日、DTPソフト「パーソナル編集長」シリーズの最新版「パーソナル編集長Ver.11」を発表した。同日よりダウンロード版を12,380円(税別)で販売開始。パッケージ版は13日から16,800円(税別)で発売する。「パーソナル編集長」シリーズは、新聞レイアウトや冊子、チラシの作成が可能なDTPソフトウェア。最新版のver.11では、新たにユーザーインタフェースを刷新し、ボタンや機能名を大きく表示することで操作性の向上を図った。また、イワタ新聞書体を計4書体収録したほか、印刷用PDFの規格「PDF/X」での出力に対応した。ほか、見出しの自動レイアウトや縦書きエディタ、文章校正支援ツール、自動調整機能、画像加工機能などを引き続き搭載。完成型サンプル約500点も収録する。対応OSはWindows XP / Vista / 7 / 8 / 8.1。新聞作成のルールやポイントを解説した書籍「パソコン編集入門」が付属するパッケージ「パーソナル編集長Ver.11 書籍セット」もラインナップし、18,700円(税別)で発売する。
2015年02月04日第68回カンヌ映画祭の審査員長に、ジョエル&イーサン・コーエンが決まった。ふたり組が審査員長を務めるのは初めてのこと。コーエン兄弟は、カンヌ映画祭の常連。1987年に『赤ちゃん泥棒』で初めてカンヌを訪れて以来、9作品をここで上映してきた。1991年の『バートン・フィンク』で最優秀賞にあたるパルムドールを、『ファーゴ』と『バーバー』で監督賞を、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』でグランプリを受賞している。ほかの審査員および上映作品は、4月中旬に発表される。今年のカンヌ映画祭は5月13日から24日まで開催される。文:猿渡由紀
2015年01月21日「チョコレートだけじゃ少し物足りない」「彼がチョコレートをあまり食べないから毎年悩む」など、バレンタインデーに何をプレゼントするのか迷う女性は意外と多いのでは。そこで今回は、男性向けのこだわりグッズを紹介している雑誌『Goods Press』(徳間書店)の編集長、長谷部敦さんに、オススメアイテムをセレクトしていただきました。女性目線では考えつかない、目からウロコの逸品ぞろいです!■シンプルなTシャツ 長谷部さんによれば、「グラフィックが入っているとセンスが問われますが、シンプルな無地のTシャツなら、男性なら誰でもほしいし、絶対に何枚か持っていたいアイテム」とのこと。なかでも一押しは、メリノウール素材。「冬は温かく夏は汗を吸収してくれるため、冬ならニットの下に、夏はシャツの中にと、オールシーズン着回せます」。化学繊維ではなくナチュラル素材&肌に身につけるグッズという点も高ポイント。<オススメブランド>・ ibex(アイベックス) ・ icebreaker(アイスブレーカー) <2015年のトレンド>「オーソドックスな定番アイテムの再評価が進みつつあります。スニーカーで言えば5年に一度発売される大定番のニューバランス1300が、今年は以前よりも反響がいいそうです。シンプルだからこそ素材にはこだわるという流れが今年は続くのでは」(長谷部さん)■チタンマグカップ 「アウトドア用品ではありますが、日常使い用として意外に使えます。温かさと冷たさをキープしてくれるので、飲み物をゆっくりと楽しみたいときに最適。女性目線で見るとかわいくないかもしれませんが(笑)、チタンのシルバーっぽい色合いと無骨でシンプルなデザインに“男の道具感”がにじみ出ているため、喜ばれるはずです」と長谷部さん。2個購入して、1個は彼の自宅でアナタが使う手もアリ!<オススメブランド>・ snow peak(スノーピーク) ・ SUS gallery (サスギャラリー) <2015年のトレンド>「ここ数年来、チタン製品や陶器のはさみ焼きが代表するように、職人の伝統技術にデザイナーのフィルターが入ったメイドインジャパン商品の売れ行きが好調です。品物の裏にあるストーリーやロマンに対価を支払うブームは、今年も継続するはずです」(長谷部さん)■ドローン ドローンとは、スマホで操作できるカメラ搭載の無人飛行機。いわゆるラジコンのこと。「弊誌で特集を組んだ際、テストで飛ばしてみたんですが、男性一同『おぉっ!』と感動して欲しいという声が続出しました。最先端のグッズを即入手したいタイプの男性にとっては、まさにうってつけの“大人の玩具”です」(長谷部氏)。俯瞰で静止画と動画が撮影できるので、彼に甥や姪がいるなら、子供と一緒に遊ぶグッズとしてプレゼントしても。<オススメブランド>・ Parrot(パロット) ・ G-Force(ジーフォース) <2015年のトレンド>「ロサンゼルスで開催されたエレクトロニクス展示会で、ドローンだけのブースが組まれるほど、ブームになりつつあります。最近になって価格もコンシューマー向けの低価格になってきたので、新たな表現方法を生むアイテムになるかもしれません」(長谷部さん)■メンズ用エプロン 「セレクトするなら、ポケットがたくさんついたタイプを。メンズ用バッグの内部には、小物がいくつも収納できるオーガナイザーパネルが付いたタイプが多いことを見てもわかるとおり、男性はポケットが大好きなんです(笑)」(長谷部氏)。厚手のコットンやデニム素材ならゴツさがあり男性ウケも◎。しかも、使い込むうちに味が出て、自分だけの1枚にできるところも道具っぽさがあり男性には好印象とのこと。<オススメブランド>・ Lee(リー) <2015年のトレンド>「料理やアウトドアなど趣味を楽しむ男性が増えた流れを受けて、カジュアルアパレルブランドやアウトドアブランドから最近、男性向けエプロンが続々と発売されています。今年はさらにメンズ用の種類が豊富になりそうな予感がします」(長谷部さん)以上、4つのアイテムのうち、どれを彼にプレゼントしたらいいのか悩んでしまったら、心理テスト「 タイプ別に診断! 彼にぴったりのバレンタインギフトは? 」をぜひチェックしてみてくださいね。『Goods Press』編集長/長谷部 敦 プロフィール1994年徳間書店入社。『 Goods Press 』編集部に。以来、20年近くになる雑誌編集者歴のほとんどをモノ雑誌の編集者として過ごした、業界でも数少ない純正・モノ雑誌編集者。2008年より月刊『BestGear』編集長。2012年からは事業プロデューサーとして、B to Bの仕事や女性ファッション誌のプロデュースを。2014年11月より現職。Twitter: ※価格はすべて税別です。※2015年1月15日時点の情報です。
2015年01月15日週刊誌『AERA』を知らない人はいないかもしれませんが、毎号必ず買っています、という人も少ないかもしれません。ファッションやコスメに役立つ情報が乗っているわけでもなく、ときには何だかややこしいと思ってしまうような社会のことが書かれているわけですから。でも、外部から編集長を迎えた、特別編集長号はちょっと違いそうです。それなら期待が膨らみますよね。特別編集長号で楽しみなのは、まずその編集長のセレクト。過去2回発行された特別編集長号の第一弾は、今年1月13日号(1/4発売)の秋元康特別編集長のもの。そして第二弾は、8月11日号(8/4発売)のジブリの鈴木敏夫さんを特別編集長に迎えたものでした。そして、来年1月5日に発売される『AERA』1/12号は、特別編集長号第三弾として、小山薫堂さんを特別編集長に迎え、発行されます。小山薫堂さんと言えば、放送作家としてさまざまな番組を手掛けた後、映画『おくりびと』の脚本で一躍脚光を浴び、以来さまざまな活動を展開されていますね。そんな小山薫堂特別編集長が編集する『AERA』のコンセプトは「創刊史上、もっともあったかい AERA」。これまで『AERA』をあまり読んでなかった人も、心がほっこりとするような『AERA』なのかもしれません。たとえば、「やさしさを科学」したり、「やさしさ度マップ」を掲載したりと、「やさしさ」をテーマにさまざまな記事が掲載されるとか。他にも、「よしもとばななさんのエッセイ」や写真家・ハービー山口さんが撮影した「くまもんのグラビア」も掲載、「松任谷夫婦のやさしさ」にも迫ります。通常はまず目にできないような企画が目白押しですね。普段は人物の肖像写真を表紙にする事の多い『AERA』ですが、今号は特別にイラストレーターのセルジュ・ブロックさんが書き下ろしたイラストが表紙を飾ります。セルジュ・ブロックさんは小山薫堂さんとコンビを組んで絵本を出したこともある、温かいタッチの絵柄がステキなイラストレーター。『AERA』という硬派なイメージの雑誌を、どんな表情に変えてくれるか、ワクワクします。さらに、佐村河内守氏のゴーストライターとして一躍有名になった新垣隆さんが、「やさしさ」をテーマにした楽曲を制作、『AERA』誌上で楽譜を公開するというスペシャルな企画も。その曲は新垣さんが4歳の時に作曲したメロディーを基に制作したそう。ライセンスフリーの楽曲として、誰もが自由に歌詞を乗せ、演奏・発表できるそう。『AERA』の発売と同時に、新垣さんがその曲を演奏した動画をYoutubeで公開するほか、誰もが自由に演奏したり、歌詞を乗せたりして、発表することも可能。新年早々、「やさしさ」をテーマにした楽曲の演奏に癒されそうです。さまざまな形でこの楽曲が世に広がることを想像すると、なんだか心温まる気がします。いろいろな「やさしさ」が詰まった、「創刊史上、もっともあったかい AERA」、ぜひ発売日の1月5日、手にとってみてはいかがでしょうか? 仕事始めの日にたくさんのやさしさに触れれば、温かい気持ちで仕事と向き合えそうです。・AERA 公式サイト
2015年01月05日サイバーエージェントは10月29日、Amebaにて運営するキュレーションメディアのユーザー参加型編集組織として、「Amebaみんなの編集局」を設立した。「Amebaみんなの編集局」は、Amebaが運営するF1層向けキュレーションメディア「SELECTY(セレクティ)」やバイラルメディア「Spotlight(スポットライト)」、ゲーム特化型バーティカルメディア「GAMY(ゲーミー)」などにて編集を行うユーザーを、ネットワーク化した「ユーザー参加型のメディア組織」。Amebaのトップブロガーから一般ブロガーまで、編集やライティングの経験がない方でも参加可能なほか、ユーザー自身の属性や強みに合わせて、執筆するメディアや記事テーマの選択もできる。また、良質な記事を執筆するユーザーを公式ライターに認定し、勉強会の開催や各メディアの編集会議への参加、特別な報酬プログラムの提供など、ライターの育成とネットワークの拡大を積極的に行うという。同ネットワークでは、キュレーションメディアを活用した広告「Amebaエディトリアルアド」の執筆なども実施する予定だ。同社は、2015年末までに、Amebaみんなの編集局を通じて総計月間利用者数(MAU)が5000万人を越える、国内最大のキュレーションメディアプラットフォームを目指す。
2014年10月29日フレンチブルドッグ雑貨をセレクトし販売するBo Cafeより、フレンチブルドッグの顔をモチーフにしたNew Look長財布が販売されている。モチーフはフレンチブルドッグのパイド。同店販売価格は3,000円(税別)。サイズは10×19×3cm。同商品はロンドンで人気のブランド「New Look」の長財布だ。New Lookはロンドンの大手ファストファッションブランドで、120カ国以上の国に向けて商品を出荷している。ロンドン発の世界中で愛されているブランドだ。同ブランドは女性から男性、または背の高い人から小柄な人までを対象にしており、幅広い人が楽しめるブランドを展開している。ティーンウェアやマタニティウェアもある。三つ折りタイプの長財布を開くと、11枚のカードが入れられるカードポケットがついており、ファスナーポケットの小銭入れもある。札入れ・長ポケットはそれぞれ2ポケットがついている。詳細は公式サイトを参照のこと。
2014年10月14日男性から見たイイ女像について、 前編 で語ってくれた「MENS CLUB」編集長の戸賀敬城さん。後編では30代以降の女性が輝き続ける為に身につけておきたいこと、必要なことをお聞きしました。安田:率直に聞きますが、男性ってやっぱり若いコの方が好きなんでしょうか? 戸賀:ぜんぜんそんなことないよ。個人的に言えば、20代より30代以降の女性のほうが魅力を感じるし。安田:そうなんですね! 戸賀:歳のせいでモテないというのは誤解。30代なのに、中身が20代のままだったらもちろんNGだけど、経験を含めてその人の魅力につながるわけだから、中身が伴っていれば30代でも40代でも男は惹かれるはず。安田:そう聞くと、勇気が出ますね。戸賀:美味しいものを食べて単に“美味しい〜”と言っていればいいのが20代だけど、その美味しさについて別の方法で表現できるのが30代だと思うんだ。たとえば、“やっぱり旬の野菜は新鮮”とか“ワインの酸味に合う”とか。それって、食事ひとつでも今までどう生きてきたかが表れるよね。それに、話の合わせ方だったり、聞き上手だったり、知識だったり、内面の魅力を発揮できるのも大人の女ならではだと思うよ。安田:つまり30代以降で男性から魅力を感じてもらうには、ある程度の教養が必要ということですね。戸賀:それがなかったら、単に歳を重ねていくだけになっちゃうよね。見た目はもちろん20代のほうが勝っている。ただ、中身が充実していれば20代よりも輝いて見える。たくさん本を読んだり芝居を見たり、色々な店に興味を持つとか。好奇心さえあれば、自然と教養は身に付くはず。それである程度仕事をがんばっていれば、40代にはすごくイイ女になってるから。安田:そういうふうにお聞きすると、やる気になります! 戸賀:日本の歴史的に見ても、こんなに30代、40代にスポットが当たっている時代はなかった。バブル期までは女の時代じゃなかったからこそ、若くて外見さえ派手にしていればチヤホヤされてた。裏を返せばそんなことでしか女を主張することができなかったんだけど、今は仕事も含めて女が評価される時代になった。だからこそ、360度全方位で見られてしまうんだけど…。安田:女性にとっては、かえって厳しい時代になったということですね。戸賀:そう。外見がキレイなだけじゃ通用しないからね。いくら高級ブランドのものを持ってたとしても“◯◯のバッグを持ってた女”“◯◯の時計をしてたコ”としか男の記憶に残らないのは辛いよね。“肌が綺麗だった女”“笑顔が可愛かった女”とか、その人自身の記憶を残す女になってほしい。これは努力でつくれるものだから。あ、それからファッションの若作りだけはやめましょう。40代で20代みたいな格好はさすがにイタい。安田:外見も服装も、ムリをせずに年相応がいいということですね。ちなみに、戸賀さん自身、どんな見た目の女性が魅力的だと思いますか? 戸賀:俺は、ナチュラルで健康的なのが一番だと思ってる。とくに、30代以降は生活の不摂生とかが肌に現れてくるから、基本的なスキンケアのほかに、栄養バランスのとれた食事や睡眠が重要になってくるよね。安田:疲れたから、帰って来て毎日コンビニ弁当で、メイクも落とさずバタンキュー、みたいなのは当然ダメで…。戸賀:絶対にNG(笑)。そういう生活が様々な形になって外見に現れてくるのが30代以降。そこは努力で頑張ってほしい。きちんとした生活を送っているのといないのでは、40代を過ぎたころにグンと差が出てくるから。安田:いつまでも輝いているためには、やっぱり努力が必要だということが分かりました。私も心を入れ替えて、頑張りたいと思います! 戸賀敬城さんプロフィール:(とが ひろくに)1967年東京生まれ。学生時代より世界文化社「Begin」でアルバイト。大学卒業後に、そのまま配属となる。その後、別雑誌の編集長を経て、現在、ハースト婦人画報社「MEN'S CLUB」編集長。スマートなルックスと、バツグンのファッションセンス、男女問わず慕われるカリスマ性で、トークショーやテレビでも活躍。ラグジュアリーな日常を綴ったブログ「 トガブロ 」も人気。・MEN'S CLUB 公式サイト
2014年09月26日ブランジスタは、30代の女性に向けた月刊の電子ビューティーマガジン『マレーナ(MALENA)』を創刊した。編集長を務めるのは、『ハーパース バザー(Harper’s BAZAAR)』『レオン(LEON)』『ニキータ(NIKITA)』創刊に携わった田上美幸。湘南美容外科クリニックの相川佳之総括院長とのコラボレーションにより、メイクアップからスキンケア、インナービューティーなど多角的な切り口により「キレイになる」ことへのモチベーションを喚起。若い頃より更にキレイになりたい女性を応援する。「日本の女性は30歳過ぎから地味になる傾向があるが、映画『マレーナ』出演時のモニカ・ベルッチ(Monica Bellucci)が35歳だったように世界基準では30歳からが女の本番」と田上編集長はコメント。「もっとキレイになって、大切な男性にもっと愛されたい!」という本音に応えるべく、大人の女性の美をナビゲートする。今号ではオイル美容やCCクリームなど最新美容テクを提案する「いい年齢(トシ)に勝つ!モテ美容10」を始め「ないのなら、つけてしまおう“つけボクロ”」「一触即LOVEボディメイク『くびれウエスト』」等の特集記事を掲載する。毎月20日発行、無料。
2014年09月24日「イイ女」は私たちの目標でもあるし、そのために美容もお洒落もがんばる。でも、女から見た「イイ女像」って、得てして男性目線からのもとは違って、一歩間違った方向にいくと、「イタイ女」になりがち。そこで、日々、様々な業種の女性と接し、本人自身が「モテ男」と評判の「MEN’S CLUB」編集長・戸賀敬城さんに、美容&恋愛ライターの安田光絵が直撃! 男から見たイイ女について、じっくり語っていただきました。■男が感じる女の魅力とは? 安田:プライベートも仕事も含め、今まで数えきれないほどの女性とお会いしてきたと思いますが、男性から見てどういう女性が魅力的だと思いますか? 戸賀:まず、女の魅力を大きく2通りに分けるとすると、ひとつめは遊びで終わる時間的に短い魅力、もうひとつは、ずっといたいと思える時間的に長い魅力に分けられる。みんなが目指したいのは後者のほうだよね? 安田:ハイ。もちろんそうです。戸賀:前者のほうは、男ウケしそうなファッションで、トレンドのメイクをしていればある程度はモテる。ただ、外見的な華やかさは最初の掴みにはいいかもしれないけど、それと結婚につながる魅力は全く別のこと。仕事柄、ファッション業界の女性たちともしょっちゅう会ってるけど、服やバッグ、靴や時計だけが印象に残ってその人自身のことを覚えていないってことが多い。いくらいいものを持っていても、持ち物に負けていたら意味がないよね。安田:大事なのは中身ということでしょうか。戸賀:月並みの意見だけど、そういうこと。何かを身につけることによって魅力を引き出すのはいいけれど、それが長い恋愛につながるとは限らない。ただ、見た目は派手だけど、じつはしっかりしているとかのギャップがある女は魅力的だと思うよ。安田:男性はギャップに弱いっていいますよね。戸賀:その通り。見た目は地味だけど飲むとはしゃいじゃったりとか(笑)。会話をしたり食事したり、一緒に寝たりする相手なのに、ずっと一定のままだと何も面白くない。たとえば目の前に水があって、飲んでみたら意外な美味しさがあったらまた飲みたくなるじゃない。ギャップを使って裏切り続けて飽きさせない努力が必要。安田:それって、結婚してからもそうですよね。戸賀:そっちの方が先が長いからね。がんばらないとネタ切れになりそうだけど(笑)。飽きさせないためには、サプライズがあるかどうかが大事。もちろんエンターテイメントというわけではなく、美味しい店を知っていたり、面白い出来事を自分から提案できるかどうか。安田:それを男性任せにしている女子は多いと思います戸賀:いや、それは絶対にダメ。たとえば一緒に食事をした後、男に“次どこ行く?”と言われたときに、“なんでもいいよ”じゃ受け身すぎ。とくに、20代ならまだしも、30代でそれだと残念。“素敵なバーが近くにあるから、一件寄らない?”くらいは言ってほしいよね。そういう風に誘ってくれただけで俺なら“いいコじゃん!”って思っちゃう。安田:女子からすると、ワガママだと思われたらどうしようとか考えちゃうかも。戸賀:男は、ふたりのためのワガママなら大歓迎。イラッとはしないはずだよ。それに、女の子が“いろんな所に連れて行ってほしい”と思うのと一緒で、男だって自分のテリトリー以外の所を知りたい。だから、幅があるコのほうが飽きないし、一緒にいて心地いい。とくに、今は女がスポットを浴びている時代になってきているんだから、相手を振り回すとかプレゼン能力を発揮するべき。安田:ちなみに、“もっとメールして”とかおねだりしてもいいんですか? 戸賀:どんどんしてほしい(笑)。そもそも、20代、30代って人生のうちで女が一番輝いている時じゃない。自信を持って“もっとこうしたい”とか“◯◯に行きたい”とか言っていいと思うよ。安田:意見をきちんと主張できることが、魅力的な大人女子の条件ですね。戸賀:そう。それから、自分を更新し続ける努力を怠らないこと。僕は車が大好きで長年憧れていたモデルを手に入れたんだけど、それも3年経つと飽きてくる。どんなものでも色あせない魅力ってないんだよね。内面に深みがなければ、結婚して夫が家に帰って来ても、ご飯食べて寝るだけ、妻がつまらなくて居心地が悪い家になってしまう安田:それは、みんな避けたいと思っています。将来のためにも、内面を磨くことが必須条件ですね。戸賀敬城さんプロフィール:(とが ひろくに)1967年東京生まれ。学生時代より世界文化社「Begin」でアルバイト。大学卒業後に、そのまま配属となる。その後、別雑誌の編集長を経て、現在、ハースト婦人画報社「MEN'S CLUB」編集長。スマートなルックスと、バツグンのファッションセンス、男女問わず慕われるカリスマ性で、トークショーやテレビでも活躍。ラグジュアリーな日常を綴ったブログ「 トガブロ 」も人気。・MEN'S CLUB 公式サイト
2014年09月19日6月25日に創刊したタブレットマガジン「ノルディック・クーリエ(The Nordic Courier)」。同誌編集長アンブリット・エルビン・アナセンに今後の展望や北欧のリアルなライフスタイルについて聞いた。同誌は日本の顧客のために特別に編集されたタブレットマガジン。北欧5ヶ国での出版は無い。編集を行う北欧有数のメディアグループ「アラー(Aller)」は、日本の雑誌編集部から北欧に関する記事を買いたいという依頼が多数あったことに加え、ミニマルで機能的なインテリアなどに日本と北欧の共通点を感じたことから、日本でのタブレットマガジン創刊を決めたという。このタブレットマガジンでは、日本のユーザーに向けて独自に編集したコンテンツを、リビングデザイン、トラベル、フード、ビーイング(北欧の生活習慣)の4カテゴリーで伝える。毎号、前述のカテゴリーに特集コンテンツを加えた構成で北欧のライフスタイルを紹介していくという。創刊号の特集は「クラフト(手仕事)」。今回が4回目の来日になるというアンブリット氏は「日本における北欧インテリアの使い方が間違っているということではないが、北欧での使い方とは違うこともよくあります。北欧でムーミンは子供のためのキャラクター。でも日本では大人にも人気がありますよね。つまり、日本人が今持っている北欧の情報は、本当の北欧と異なる部分もある」という。この秋には英語版のローンチも控えている同誌。創刊にあたり「このマガジンにはっきりとしたDNAを与えなくてはいけないと思いました。北欧のライフスタイルを伝えるために、どんなストーリーが一番大事で、何が本当に伝えたいことなのかを考えました」と口火を切った。「北欧デザインは、そのシンプルでミニマルなデザインが語られることが多いのですが、実用的で使いやすいアイテムであることも語りたかった。北欧の人々にとっては、実用的であることは、優れたデザインであることとイコールなのです」また、デジタル版で創刊したことには意図があるという。「一つは、雑誌よりも強くユーザーとのかかわりを持ちたかったからです。それに、タブレットだと読むコンテンツを選ぶことが出来ますし、中に動画やリンクも入れ、インタラクティブですよね。ソーシャルネットワークで広がりを持たせたり、今後はEコマースに繋げたりとライブ感のある雑誌を作れるから」。北欧でもデジタル版の雑誌が主流という訳ではないというが、雑誌の出版数が減少する中で新しいプラットホームを作る流れが見られるとのことだ。同誌はタブレットマガジンからスタートしたが、店舗でのポップアップ展開、ソーシャルネットワークを使ったオンライン上でのユーザーとのコミュニケーション、誌面からEコマースへの導線を意識するなど、多面的な繋がりを構築することがマイルストーンにある。8,000kmの距離をデジタルの力で越え、北欧の今をダイレクトに伝えるこの試み。新たな潮流が世界各国で起こっていることを感じさせる。
2014年07月01日『レオン(LEON)』表紙モデルのパンツェッタ・ジローラモ、武田修宏、槙野智章、LEON編集長・前田陽一郎がメンズファッションについて語るトークショー「ISETAN MEN’S×LEONスペシャルトークショー Supported by KDDI」が1月13日、伊勢丹新宿店メンズ館で行われた。このトークショーは、14日まで同店で開催された「ピッティ・イマジネ・ウォモ・アット・イセタンメンズ(PITTI IMAGINE UOMO 84 at ISETAN MEN’S)」にあわせて行われたイベント。同館では期間中、イタリアの世界最大の紳士服見本市「ピッティ・イマジネ・ウォモ(Pitti Immagine Uomo)」(以下、ピッティ)を再現し、14SSのトレンドアイテム販売や、来店客のファッションスナップ撮影などを敢行した。トークショーでは、ジローラモは「タリアトーレ(TGLIATORE)」のカモフラージュ柄ジャケット、武田は「ラルディー二(LARDINI)」のマドラスチェック柄ジャケットと「ジー・ティー・アー(G.T.A)」のサーモンピンクのパンツ、槙野はタリアトーレのネイビージャケットとジー・ティー・アーの白パンツ、前田は「エムズ ブラック(m’s braque)」のネイビースーツに白スニーカーという出で立ちで登場。トーク中、同館来店客のスナップがスクリーンに映し出され、登壇者がコメント。ベストスナップ賞には、オフホワイトのムートンコートに細身のデニムを合わせた男性が選ばれ、サイン色紙が贈られた。4人はスナップの感想として、大人のオフのスタイリングのヒントになるコーディネートが多々あった。どこかに明るく色でアクセントをつけたりと、自分のキャラクターと遊び心を組み合わせたファッションを楽しんで欲しいとコメント。ピッティのスナップは今やイベント名物。実は『レオン』がパイオニアだという。「12年前に『レオン』がピッティの来場者を取り始めたのが最初。モデルのような体型ではないリアルな体型を生かしたスタイリングが見られ、とても参考になる。その後世界中の媒体が撮影しに来るようになり、現在では場所取りが大変で、ランウエイのようになっている」と前田氏。最後は抽選会が行われ、参加者との撮影会が行われてイベントは締めくくられた。
2014年01月16日4月1日に創刊された雑誌「DRESS」は、シングル・アラフォーをターゲットにした女性誌。「LOVE40 30代までは練習です。40歳からが女の本番」というコンセプトのもと「ストーリィ」「美ST」の元編集長・山本由樹氏が仕掛けた新たなプロジェクトだ。3月31日には、表紙モデルを務める女優の米倉涼子を招いた創刊記念発表会が行われた。胸元を強調したショッキングピンクのワンピースと、1億円超えのきらびやかなジュエリーを身にまとった米倉は「雑誌を読んでくれる方が、『美って大切』と思ってくれたり、『エネルギッシュにやりたい、幸せにやっていきたい』と思ってもらえれば大成功ですね」と表紙モデルとしての意気込みを語る。「表紙コンセプトは、素顔のマリリン・モンロー」と明かす山本編集長は「セックスシンボルのモンローではなく、恋や仕事、人生に悩む素顔のモンローになってほしいとお願いしました。周囲からのイメージと自分自身のギャップに苦しみながらも、モンローはそれを乗り越えようとして頑張っていた人。素顔はとても人間的であり、そんな姿に読者も共感してくれるはず」とそのイメージを説明。米倉については「可愛いし、品があるし、チャーミング。ひとつひとつの表情からドラマを感じる。米倉さんが撮影に入り込む瞬間があって、その時にはモデルや女優を超えた表情がバンバン出てくる。色々な表紙が作れる」とその豹変ぶりに期待していた。雑誌不況と言われる昨今だが「魅力的なものを作れば、読者はついてくるし、雑誌を中心にしたメディア展開やサービスの提供も考えています。webサイトも立ち上げ、雑誌とは別の次元でユーザーが幸せになってくれるようなサイトを目指したい」とweb展開も同時進行中。「DRESS」創刊については「日本の女性の3人に1人が30代後半で結婚していないにもかかわらず、ほとんどの女性誌は結婚という幸せの物語の延長線上にある。結婚という道を歩まなかった人に対するメディアが、これまでにまったくなかったから」とその狙いを明かす。「DRESS」という雑誌名は「デニムをドレスのように着こなし、ドレスをデニムのように着こなす」というスタイルの提案からきたもの。山本編集長は「女性に生まれたからには、女性にしかできないファッションもあるし、女らしさをきちんと捉えるのも必要。女を生きよう、というメッセージがあります」とタイトルに込めた思いを明かしていた。現在37歳の米倉は「目上の方々は皆声を揃えて、40代はメチャクチャ楽しいとおっしゃる。仕事をしていても、40代になると集大成のようなものを感じるのかも。私自身も楽しみです」と3年後の姿を前向きに想像。40代になったら「社交ダンスを踊れるようになりたい」そうで「ウィーンに行ったときに社交ダンスを踊ることになったけれど、自分はワルツさえもできず、教えてもらっても難しかった。恋だけではなく、色々な出会いがあるだろうし、色々な世界に飛び立てるきっかけが生まれそう」と新たなチャレンジに意欲を見せいていた。
2013年04月03日出張や旅行などで訪れた知らない町。「おいしいものでも食べたい」と思った時、口コミサイトを見るのも手だが、プロならではの経験則を参考にするという方法もある。ここでは、料理誌編集長にこっそり教わった「失敗しない店選び」を紹介していこう。まず、注目したいのは店名。「日本の飲食店は、欧米のようにオーナーの名前をそのまま店名にする慣例がない。その中で名字をもじった店名の店は、私の経験でだが、いい店が多かった」。オーナーの名前がストレートに名前になっていなくても、例えば「い志井」ならオーナーは石井さんと推測できるし、「山茂登」なら山本さんだろう。「もじるにしろ、名字を店名にする覚悟というか、心意気が味の差にもなるのでは? 」とのことだった。なるほど、これはわかりやすい判断基準だ。ここからは業態別に見ていこう。すし店といえば、北海道や北陸など魚貝のおいしい地域に行くと立ち寄りたくなるものだ。そんなとき、必ず見てほしいのが看板。「『鮓』の字を看板に使っている店は外さない傾向がある」とのこと。理由としては、「やはり、すしは『寿司』か『鮨』の字を使う店が多い。そんな中、『鮓』という字をあえて使うという点に、他の店との違いを追究する意気込みが表われているのではないだろうか」と分析している。次は、天ぷら、とんかつ。「白木の清潔感のある入口の店は、期待できる」とのこと。なぜなら、これらの業種は油を使うため汚れやすく、よほど真剣に掃除をしていないと「キレイな入口」は保てないからだ。店主の姿勢が入口に現れている、というわけだ。さらに、入口に「ひと言でも『カキフライ始めました』といった貼り紙やメニュー表などが出ていたら、お客さんを迎えようとする気持ちがあっていい店だと感じる。そのひと言が『急募! アルバイト募集』というのでは駄目だが……」。これらはあくまでも絶対的なものではないが、一般の人たちとはさすが目の付け所が違うと唸るものばかり。店選びの際に参考にしてみてはいかがだろうか。次回は居酒屋や焼肉店の見極め方を紹介していこう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月20日もはや社会のインフラとなっているといっても過言ではないコンビニエンスストア。食品などの販売だけでなくさまざまなサービスを提供しています。その中でも重要なサービスが「コンビニATM」。いつでも使えるATMネットワークとして、多くの方に利用されています。今回は、コンビニエンスストアの取材を24年間にわたって行ってきた著者が、”コンビニ専門家”から見た「コンビニATM」について、2回にわたり執筆します。1990年代後半、バブルが崩壊した日本では、銀行の護送船団方式が終わりを告げ、銀行間の競争の時代がやってきました。護送船団方式とは、戦後銀行は行政に守られていて「競争力が無くても破綻はさせない」という考え方です。その安定時代から競争時代に。銀行も経営効率や競争力が問われる時代になったわけです。また、バブルの後遺症として、不良債権を多く抱えた銀行は規模の拡大やコスト削減など、経営効率が求められるようになりました。都銀同士の統合が急速に進んだのもこの時代です。メガバンクという言葉もこの頃流行りました。そして銀行は合併とともに支店の統廃合も進めます。今まで近隣にあった銀行の支店が同じ銀行になるケースも出てくるので、統合して支店数を減らしていくというのも、大きなコスト削減になります。ただ、支店の統廃合を進めていくと、預金者にとって今まで近くにあった支店が遠くなり、不便になってしまいます。支店自体は大きくなるのですが、拠点数が減る分リテール(小口金融業務)が弱くなり、預金者の銀行離れが懸念されました。支店の統合によるコスト削減と預金者の利便性。この2つを実現するために銀行は、「ハブ&スポーク」という政策を打ち出します。「ハブ&スポーク」とは、統廃合により大きな1つの支店をつくり、その周りにATMを散りばめるという考え方です。ATM利用の多くは現金の入出金ですから、頻繁に行なわれる入出金に対しては散りばめたATMを利用してもらう。そう頻繁でない通帳記入やローン相談などは支店まで来てもらう。その体制を確立することで、支店数の減少による不便さを極力小さくするという考え方です。銀行の街中へのATM設置はさまざまな方法が考えられました。例えばビルの1階などの狭小なスペースを借り切って、自社の「ATMコーナー」を作ったり、各施設などにもATMを置いたりと、それまで銀行の支店にあったATMは外に出て行くようになっていきます。今でも街の中で「ATMコーナー」を見かけることがあると思いますが、この多くはその時の名残です。また、この頃は現在のコンビニATMとは違ったかたちでコンビニにATMを置くケースも出てきます。三井住友銀行はampmと提携を結び、全店に銀行においてあるATMと同じものを置き始めます。これ以外にコンビニの1店単位で郵貯や銀行のATMを置くというケースも出てきます。いまでもたまに、コンビニ店内の片隅に銀行所有のATMが置いてあるのを見かけるとこがありますが、これはその頃からものです。コンビニでは以前から、「今後取扱ってほしいサービス」の第1位にATMが上がっていたので、コンビニとATMの融和性が高いという期待はありました。ただ、コンビニはチェーンビジネスなので1店1店という単位ではなく何千店という単位で政策を進めるので、銀行に置いてあるようなフルスペック型のATMを全てのコンビニに置いていくのは、投資という点で限界があります。ここでちょっとATMの機器について説明しておきます。ATMは大きく分けて「フルスペック型」と「簡易型」の2つに分けられます。銀行に設置してあるのがフルスペック型で通帳記入や硬貨の取扱いも可能です。現在、コンビニに置いてあるのが簡易型で紙幣での入出金が主な機能(一部振込みや海外送金もできる)になります。当時、1台あたりのコストはフルスペック型の方が圧倒的に高く、簡易型の2~3倍かかるといわれていました。それだけの高価な機械を4万店もあるコンビニに入れていくには投資の上で難しいですよね。そこで、簡易型ATMをコンビニに置き、その運営会社と銀行が提携を結んで、コンビニでのATMサービスを行なっていこうという動きが出てきました。1999年9月17日、国内初となるATM運営会社㈱イーネットが設立され、同年10月8日に1号機が稼動しました。イーネットのATMは業界3位のファミリーマートをはじめ、中堅クラスなどの約10チェーンにATMを設置しています。その約1年7カ月後の2001年4月10日、当時の㈱アイワイバンク銀行(現セブン銀行)が設立され、同年5月15日にATMの稼動がスタート。そして、ローソン・エイティエム・ネットワークス(ローソンATM)はアイワイバンクがATMの稼動をスタートさせた同日に設立し、同年10月3日からATMを稼動させました。現在、この3社のATM稼動台数は、セブン銀行=約1万7000台、イーネット=約1万2000台、ローソンATM=約9500台で合計約3万8500台。この台数は約5万店あるコンビニの8割弱を占め、コンビニに置いてあるATMの約9割を占めるに至っています。この3社の設立およびATMの稼動時期を見ても分かるように、コンビニATMは20世紀から21世紀への過渡期に始まり、その後も飛躍的に伸びたサービスということができます。その利用数1日約300万件。毎日、これだけ多くのユーザーがコンビニに足を運んでATMを利用しています。コンビニにATM。あるのが当たり前の時代になりました。次回は、「安心・便利に進化するコンビニATM」がテーマです。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月19日