誰もがよく知る美術作品などを独自の視点で改変し、絵画の新たな可能性に挑戦し続けている現代美術家・福田美蘭(1963-)。新たなものの見方や考え方を提案する福田の芸術は、単なる絵画という枠にとどまらず、豊かな発想力によって独自の展開を遂げた作品を多く発表してきた。同展では、菱川師宜から葛飾北斎、伊藤若冲といった千葉市美術館が所蔵する浮世絵、江戸絵画の名作を福田美蘭が自らセレクトし、それを題材に新作16点を制作。発想の元となった作品と対応させ、浮世絵、江戸絵画と現代美術のコラボレーションを展開。だまし絵や描き表装、3D画像など視覚を揺さぶるトリックを用いて、鑑賞者の常識を覆す新しい見方を提示する。また、これまでも地下鉄サリン事件や東日本大震災など、社会を揺るがす出来事をテーマに作品を制作してきた福田だが、今回、東京2020オリンピック開催に対する戸惑いや、新型コロナウイルスの猛威への恐れ、終息への思いを込めた新作を制作。福田の飽くなき探求心をもって制作された作品を通して、コレクションの意義を見直すとともに、絵画を通して現代を生きる私たちにメッセージを投げかける。月岡芳年《風俗三十二相けむさう享和年間内室之風俗》明治21年(1888)千葉市美術館蔵伊藤若冲《雷神図》宝暦-明和期(1751-72)頃千葉市美術館蔵福田美蘭《大津絵−雷公》2014年群馬県立館林美術館蔵菱川師宣《酒呑童子褒賞》延宝(1673-81)末期千葉市美術館蔵福田美蘭《大江山の酒吞童子退治》2019年【開催概要】『福田美蘭展千葉市美コレクション遊覧』会期:2021年10月2日(土)– 12月19日(日)会場:千葉市美術館時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館30分前まで)休館日:10月4日(月)、11月1日(月)、12月6日(月)※10月11日(月)、11月15日(月)は休室日料金:一般1,200円、大学生700円※10月18日(月)は「市民の日」につき観覧無料※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は共通チケット半額千葉市美術館公式サイト:
2021年09月10日企画展「はじめての古美術鑑賞 ―人をえがく―」が、東京・青山の根津美術館にて、2021年9月11日(土)から10月17日(日)まで開催される。「はじめての古美術鑑賞」人物画にフォーカス古美術の見どころをわかりやすく開催する展覧会「はじめての古美術鑑賞」は、根津美術館にて継続的に開催されている企画展。シリーズ5回目を迎える今回は“人物画”にフォーカスし、時代ごとに異なる人物画の在り方と、主な人物画のジャンルを紹介していく。古代~近代における人物画の対象の変遷今でこそ人物画は当たり前に描かれているが、古代の日本においては、自分の姿が描かれることは忌むべきことだとされていた。そんな中でも例外的に描かれていたのが信仰対象となった人々。釈迦如来と法相宗の教主である弥勒、法相の祖師たち11人を描いた曼荼羅や、真言宗の開祖・空海こと弘法大師を描いた肖像画など、人物画に描かれるのは“聖なる人”のみであった。平安時代末期頃からは徐々にこの流れに変化が起こり始め、鎌倉時代には公家や武家など在世中の高貴な人々を描いた絵画が一般的になる。さらに時代が進むと、描かれる対象はさらに広がり、市井に生きる庶民なども描かれるようになる。たとえば、室町時代の「飼馬図」には、中国でよく描かれた、馬の世話をする異国の人びとを描写。繊細な線と淡彩を駆使した同作は賢江祥啓の代表作であり、祥啓が中国画から学んだ成果が存分に発揮されているのがうかがえる。また、江戸時代に描かれた「風俗図」には、中幅に禿を従えた遊女、向かって右にかぶき者、左に若衆が生き生きと描かれている。金泥と濃彩を用いた衣装や、金切箔、砂子を多用した拝啓装飾など、桃山時代の遺風を継ぐ表現にも注目だ。西洋からの影響が見られる近代以降の人物画もさらに、近代以降の人物画も登場。橋本雅邦が臨済宗の開祖・臨済義玄を描いた「臨済一喝」は、狩野派の筆法をベースに、西洋画から学んだ繊細な陰影による立体表現が駆使されている。また、振袖の少女とじゃれつく子犬を描いた堂本印象の「手毬図」は、円山四条派の伝統を受け継ぎつつも、鮮やかな色使いを駆使することで軽快な印象を生み出している。朝鮮陶磁&茶の湯に関する展示も同時開催加えて、根津美術館では他の展示も開催。朝鮮陶磁を紹介する「陶片から学ぶ ―朝鮮陶磁編―」や、秋に使い納めを迎える茶や夏の道具の名残を惜しみ、寂びた茶道具約20件を紹介する「残茶 ―秋惜しむ―」も同時開催される。【詳細】企画展「はじめての古美術鑑賞 ―人をえがく―」開催期間:2021年9月11日(土)~10月17日(日)会場:根津美術館住所:東京都港区南青山6-5-1休館日:月曜日、ただし9月20日(月・祝)、10月11日(月)は開館し、9月21日(火)は休館開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)入館料:一般 1,300円(1,100円)、学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料※オンラインでの日時指定予約制※( )内は障害者手帳提示者および同伴者1名の料金※オンライン日時指定予約の定員に空きがある場合のみ、当日券(一般1,400円)を美術館受付にて販売■日時指定予約制・来館希望時間帯の2時間前までに根津美術館ホームページ上にて日時指定券を購入(クレジットカード決済のみ)・根津倶楽部会員、招待はがきを所持していて入館無料の場合も予約が必要【問い合わせ先】根津美術館TEL:03-3400-2536 (代表)
2021年09月10日企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」が、千葉のDIC川村記念美術館にて、2021年10月9日(土)から2022年1月10日(月・祝)まで開催される。その後、愛知県美術館、兵庫県立美術館に巡回する。ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心に紹介ドイツのデュッセルドルフで1967年にギャラリーをオープンしたコンラート・フィッシャーは、同時代の新しい芸術動向をいち早く紹介し、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートの国際的な展開において重要な役割を担った。本展では、フィッシャー夫妻のコレクションを所蔵するノルトライン゠ヴェストファーレン州立美術の協力のもと、1960年代から70年代のアメリカとヨーロッパにおける、ミニマル・アートとコンセプチュアル・ アートを中心とした作品など約100点を紹介する。ミニマル・アートは、1960年代に主にアメリカで興った美術潮流だ。その特徴には、レンガや金属板、蛍光灯などの工業用素材や既製品の使用と、正方形や立方体といった単純で幾何学的な形態やその反復に基づく構造が挙げられる。作品からは作家の感情などを排することで、その物質性が前景化されることになる。一方でコンセプチュアル・アートは、ミニマル・アートに続いて登場し、同時代的に展開。芸術の要素として、実際の制作物よりもアイディアやコンセプトを重要視するものであり、表現媒体にも、言葉をはじめ、写真、映像、印刷物、日用品、自然物、そして作家自身の身体などが多岐にわたって使用された。コンラート・フィッシャーの画廊は、こうした新しい美術動向を紹介する国際的な拠点のひとつとなった。フィッシャーは、完成した作品を海外から輸送するよりも、作家本人をデュッセルドルフに招いて現地で作品を制作したり、作家による指示書に基づいて展示設営を行ったりと、斬新なプロセスで展覧会を手がけたのだった。本展では、ソル・ルウィットやロバート・ライマン、ダン・フレイヴィン、河原温、ダニエル・ビュレンなど、1960年代から70年代のミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心とした作品に加えて、その生成をひもとく資料も紹介。さらに、国内所蔵の主要作品も展示し、今日の美術にも大きな影響を及ぼしたこれらの芸術動向を再考する。展覧会概要企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」会期:2021年10月9日(土)〜2022年1月10日(月・祝)会場:DIC川村記念美術館住所:千葉県佐倉市坂戸631開館時間:10:30〜16:00(入館は15:30まで)休館日:月曜日(1月3日(月)・10日(月・祝)は開館)、12月25日(土)〜1月1日(土)入館料:一般 1,300円、学生・65歳以上 1,100円、小中学生・高校生 600円※事前予約制■出品作家(予定)カール・アンドレ、リチャード・アートシュワーガー、ローター・バウムガルテン、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、マルセル・ブロータース、スタンリー・ブラウン、ダニエル・ビュレン、ハンネ・ダルボーフェン、ヤン・ディベッツ、ダン・フレイヴィン、ギルバート&ジョージ、河原温、ソル・ルウィット、リチャード・ロング、ブルース・ナウマン、ブリンキー・パレルモ、ゲルハルト・リヒター、ロバート・ライマン■巡回情報・愛知県美術館会期:2022年1月22日(土)〜3月13日(日)住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2・兵庫県立美術館会期:2022年3月26日(土)〜5月29日(日)住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2021年09月03日日本一高いビル「あべのハルカス」16階の「あべのハルカス美術館」では、日本美術や西洋美術、現代アートなど多彩な展覧会を開催しています。2021年度後半は9月より「tupera tupera のかおてん.」、11月より「コレクター福富太郎の眼」、1月より「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」の開催を予定しております。(既報のとおり。詳細は別紙参照)上記3本の展覧会に続き、新たに2022年度前半に開催する展覧会が決定しましたのでお知らせします。「庵野秀明展」会 期 :2022年4月16日(土)~6月19日(日)開 催 趣 旨 :総監督を務めた最新作「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が、興行収入100億円を突破し、今なお記録を伸ばし続けている庵野秀明。本展は、アニメーター時代に参加した過去作品や、監督、プロデューサーとして活躍する最新の仕事までを網羅し、創作活動の秘密に迫ります。自身の原点となった「アニメ」「特撮」作品の貴重な原画やミニチュアなどをはじめ、アマチュア時代から現在までの直筆の膨大なメモやイラスト、独自の映像作りに欠かせない脚本、設定、イメージスケッチ、画コンテ、レイアウト、原画からミニチュアセットに至るまで多彩な制作資料を余すところなく展示する世界初の展覧会です。「出版120周年 ピーターラビット展」会 期 :2022年7月2日(土)~9月4日(日)共 催 :朝日新聞社、関西テレビ放送、東映開 催 趣 旨 :今なお世界中で愛され続けるいたずらなうさぎ、ピーターラビット(TM)。作者のビアトリクス・ポターTMによって紡ぎ出され、ロンドンのフレデリック・ウォーン社から出版された物語は、2022年に出版120周年を迎えます。本展は、ピーターラビット誕生前夜から今日に至るまでの歩みを作品や資料合わせて約170点から振り返るものです。物語の原点である絵手紙と、『ピーターラビットのおはなし』の彩色原画全点が一堂に展示されるのは日本初の機会となります。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月03日加島美術は、2021年9月18日(土)~2021年10月3日(日)にかけて、“祈り”にフォーカスを当てた企画展「祈り展~Inori~」を開催いたします。人々の祈りの対象となってきた仏教美術、そして作家自身の祈りを込めた現代アート作品まで、多岐にわたる祈りの姿をご紹介します。出展点数約40点。観覧無料。祈り展~Inori~ メインビジュアル【「祈り展~Inori~」について】古より「祈り」は人々とともにありました。人は常に神仏に祈りを捧げ、想いを巡らせてきました。「祈り」を表す美術は、およそ4万年前に描かれた壁画に遡ります。日本には飛鳥時代に百済から仏教が伝来すると同時に、仏教美術、つまり「祈り」の芸術が広まったと言われています。本展では、美術史の中で表現されてきた「祈り」に焦点を当てます。仏教を背景とした宗教的な「祈り」をはじめ、書家や画家が作品に込めた思い、写真や造形に投影される願いもまた、一つの「祈り」の形ではないでしょうか。美術品を媒体として時代を越えて様々な形で表現される「祈り」の姿に触れ、未曾有の時代を生き抜く力を、更には、豊かな時間を味わう心を忘れないで欲しいという願いを込めた展覧会です。重要美術品指定作品の仏教美術から、古典の流れを汲む近代美術、そして現代作家たちの作品まで一堂に会する貴重な機会です。ぜひご高覧下さい。村上 華岳「觀世音菩薩図像」【出展作家】白隠慧鶴(1685-1768)江戸中期の臨済宗の僧。駿河生。十五才で松蔭寺単嶺祖伝に就いて出家、慧鶴と称しました。享保二年、松蔭寺の住持となり、翌年妙心寺の第一座となりました。東嶺円慈、遂翁元盧らを育て、臨済禅の中興を成し遂げ、民衆に禅を広めました。また、膨大な書画を残したことでも知られ、達磨や、儒教、民間信仰、歌謡など様々な要素を用いた禅画はユーモラスで、今なお人々を魅了し続けています。井上有一(1916-1985)書の世界に新風を巻き起こした、前衛書を代表する一人です。上田桑鳩に師事し、墨人会を結成。それまでの書の概念を塗り替え、書を芸術作品へと昇華させました。墨で書かれた豪快なラインは前衛的で、海外でも、ニューヨーク近代美術館での「Japanese Calligraphy」展、サンパウロ・ビエンナーレ、ドクメンタ2などに参加し、高く評価されました。井上 有一「佛」村上華岳(1888~1939)大正から昭和の日本画家。本名は武田震一。京都絵専卒。文展に入選を重ね、大正五年に特選となったものの、やがて文展に対抗し土田麦僊、小野竹喬、榊原紫峰らと国画創作協会を結成。のち持病の喘息の悪化により神戸に居を移して、徐々に画壇から離れ作画を行いました。聖と俗の不思議と融合した精神性の高い仏画を多く描きました。その他、小林古径、秦テルヲ、岡本太郎、山口長男、浜田浄、六田知弘など、ジャンル、世代を超えた作家たちの作品を出展いたします。【本展のみどころ】1. 仏教美術から現代アートまで、多岐にわたる作品が一堂に!重要美術品指定作品の仏教美術や、禅林墨蹟をはじめとした古典の流れを汲み、破壊と創造を繰り返しながら独自の世界を創りだした書家たち、或いは芸術と宗教の融合を目指した異才の画家などの物故作家から、現在も活躍する画家、陶芸家、写真家の作品を無料で楽しんで頂ける貴重な機会です。「金銅四橛(こんどうしけつ)」 銅 鍍金 重要美術品 古香庵旧蔵2. カタログは無料、自宅でゆっくり楽しめる出展される作品や展示会の雰囲気を、ご自宅にいながら少しでもお楽しみいただけるように、本展の全作品を掲載したカタログをご用意しました。本カタログは、ご希望の皆様全員に無料でお送りいたします。ぜひこの機会にお申込みください。価格も明記しているので、お気に入りの作品が見つかりましたら、お電話やFAX、メールにてお問合せいただく事ができます。また、紙のカタログ以外でもパソコン、スマートフォンなどでもご覧いただけるオンラインカタログもご用意しております。ぜひこの機会にお申込みください。カタログのお申し込みは加島美術までご連絡ください。加島美術HP: Tel:03-3276-07003. 貴重な作品の数々をガラスケースなしに見ることができる!会場では貴重な作品の数々を、ガラスケースなしで展示しております。作品が持つ迫力を存分に楽しんでいただける展示会となります。美術品を直接見ることでしか伝わらない作品独特の質感やその佇まいをぜひ感じてください。【ハイライト作品】円空「十二神将 辰像」円空は江戸前期の木食僧、仏師、歌人として知られ、「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残しました。本作は、大明神像と十二神将像、計13体のうちの1体、辰神像として制作されました。これらの神像は60年ほど前に散逸し、そのうち1体は岐阜県の荒川豊蔵記念館に蔵されている事がわかりましたが、残りの12体の行方は、杳として知れませんでした。しかし、本作により、約60年ぶりにその所在が明らかになりました。荒々しい鑿痕と奔放な造形、うっすら見え隠れする柔和な表情が、我々の心をひきつけてやみません。円空「十二神将 辰像」白隠 慧鶴「猿猴捉月図」芹沢 銈介「佛手」六田知弘「水ノ貌M-05」山口 長男「漂」岡本 太郎「作品」【「祈り展~Inori~」開催概要】企画展名: 祈り展~Inori~企画展HP: 日時 : 2021年9月18日(土)~10月3日(日)10時~18時 会期中無休展示点数: 約45点 販売あり出展作家: 井上有一、猪熊弦一郎、円空、岡本太郎、小林古径、芹沢銈介、大愚良寛、白隠慧鶴、秦テルヲ、浜田浄、六田知弘、棟方志功、村上華岳、山口長男、ほか会場 : 加島美術電話番号: 03-3276-0700参加費 : 入場無料アクセス: 〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-2地下鉄銀座線「京橋駅」出口3 徒歩2分地下鉄有楽町線「銀座一丁目駅」出口7 徒歩3分都営浅草線「宝町駅」A4出口 徒歩5分JR 東京駅 八重洲南口 徒歩9分※新型コロナウイルスの感染拡大状況により、営業日・時間が変更となる場合がございます。変更の際には、弊社ウェブサイトや各種SNSにてお知らせしております。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月01日猫の合同写真展&物販展「ねこ休み展」の秋の巡回展が、愛知県のトゥデイズ ギャラリー スタジオ ナゴヤ(TODAYS GALLERY STUDIO.NAGOYA)にて、2021年9月18日(土)から10月10日(日)に開催される。「ねこ休み展」が1年ぶりに名古屋で1年ぶりの開催となる名古屋での「ねこ休み展」。今回もプロ・アマ問わず人気の猫クリエイターが一堂に会し、猫の可愛さがたっぷり詰まった写真の展示や猫モチーフのグッズ販売を行う。今回登場するスター猫たちのトータルSNSフォロワー数は驚異の300万人越え。展示作品のほとんどは新作となり、SNSに未公開の作品も多く展示される予定だ。スター猫たちの“癒し”作品を展示新たなスター猫には、3匹の猫と暮らすふわふわの「Hana」や、むっちりボディとつぶらな瞳がチャーミングな「ぐっぴー」らが仲間入り。名古屋会場初登場する。また、インスタグラムのフォロワーが14万人を超えるスター猫「寅次郎」の妹猫「小梅」の作品も初展示。生後幼い小梅が、寅ちゃんと少しずつ距離を縮める可愛らしい姿を見ることができる。名古屋限定グッズの発売も会場内の特設ブースでは、キュートな猫だるまが人気のクリエイター「marucoro chan」とのコラボレーションイベントを開催。「さるかに合戦」や「一寸法師」など日本の“昔ばなし”をテーマにした立体作品を展示するほか、数量限定グッズの販売も行う。名古屋会場限定の新作グッズにも注目。ぬいぐるみやキーホルダー、アクセサリーまで、ここでしか手に入らないオリジナルグッズが集結する。なお、来場者特典として6周年記念ポストカードの配布も行われる予定だ。見ているだけでもほっこりと癒される「ねこ休み展」。この機会に是非、足を運んでみては。【詳細】猫の合同写真展&物販展「ねこ休み展 秋 2021」開催日時:2021年9⽉18⽇(⼟)〜10⽉10⽇(⽇) 11:00〜18:00休館日:毎週⽉曜⽇・⽕曜⽇※但し、9月20(⽉)祝⽇は開館 9月22(⽔)は振替休⽇会場:TODAYS GALLERY STUDIO.NAGOYA住所:愛知県名古屋市中区新栄1丁⽬17-12入場料:600円/3歳以下は⼊場無料※内容は変更になる可能性あり■グッズ例:・⼀⼨法師の猫こけし 1,650円・<灯さかす>ましまろうオリジナルぬいぐるみ 各2,145円~・ツートン猫ピアス 各2,750円
2021年08月30日エンタメの世界において、表舞台を支える“美術”のお仕事をご紹介!ここでは、ドラマ『彼女はキレイだった』の美術スタッフに密着。空間、衣装、メイク、雨も!目に映るすべてをデザイン。ドラマの舞台となる部屋やオフィスのセットを作ったり、家具や小物を揃えるだけでなく、実は美術スタッフの仕事は多岐にわたる。「役者以外のビジュアルイメージのすべてを担当しています。セットを製作するデザイナー、大道具、小道具はもちろん、衣装やメイクもです。監督が考える作品テーマやイメージに合ったプロフェッショナルを選び、統括するのが美術プロデューサーです」(「フジアール」メディア事業部 アート・プロデューサー・小林大輔さん)美術プロデューサーは、ビジュアルの方向性を決める重要なポジション。その世界観を実際に作り上げていくのが美術デザイナーだ。「セットのデザインを考えるだけでなく、ロケ地に装飾を加えることも。そうやってドラマ全体の世界観を守っています」(「フジアール」デザイン部 スペースデザイン課デザイナー・大石萌瑛さん)そんなお二人は、現在放送中の『彼女はキレイだった』を担当。「おしゃれ!」とSNSで話題になっている『ザ・モスト』編集部のセットを作り上げた。まずはどのシーンをセットで撮影するか、監督たちと決めることから始まる。「世界観をしっかりと作り込めるのがセットの醍醐味。天候や時間に左右されず、いろんなアングルから役者を撮ることができるので、物語の要となる場所をセットで作ることが多いです」(小林さん)監督や美術チームで何度も“美打ち”と呼ばれる打ち合わせを重ねて精度を高め、平面図、立面図、模型で具体化。それを基に大道具がセットを組み、小道具が調度品や家具などを調達するのだとか。「模型はクランクイン前にイメージを膨らませるためにも必要不可欠。模型にスマホのカメラを向けて、撮影のシミュレーションをするスタッフも多いです。『彼女は~』に関しては、監督からとにかく明るい雰囲気の編集部にしてほしいとリクエストがありました。韓国ドラマのリメイクですが、オリジナリティを出したいとのことだったので、原作に引っ張られず、独自の世界観を作ることに注力しました。空間はもちろん、登場人物の個性的なキャラクターを際立たせるために、デスクまわりなどにその人らしさを感じられるように意識しましたね」(大石さん)お二人に、美術の仕事にやりがいを感じる瞬間を尋ねると、「細部まで作り込んでも、カメラに写るのは半分くらい(笑)。でも見えない部分にリアルがある。例えば引き出しに小道具を仕込んでおいたら、それを見つけた演者さんの表情や動きが変わって印象的なシーンが生まれることも。良い方向に進むきっかけを与えられた時が楽しいですね」(小林さん)「作品ごとに様々な世界を作れるので毎回飽きない。こだわっただけ完成度は上がり、それを多くの人に見てもらえるので、常にやりがいを感じています」(大石さん)ナチュラルテイストでまとめられた編集部全景。大石さんが手作りしたセットの模型。シックながらデザイン性を高めた副編集長室。編集部の明るい雰囲気とは異なり、落ち着いた空間。「メリハリをつけたかったので、シックな大人空間を演出しました。ただしファッション誌らしさも追求したかったので、『ザ・モスト』の雑誌を飾る、デスクの後ろの棚を斜めにして、表紙がよく見えるように遊び心を加えました」(大石さん)ミーティングルームは、編集部らしい雑多な雰囲気。仕切ったりせずにワンコーナーにすることで開放的に。棚に並ぶ書類ケースやファイルなどがリアル!引き出しの中に文房具などの小道具を仕込むことも。ファッション誌の顔、表紙のデザインもハイクオリティ。本棚や副編集長室など随所に飾られた『ザ・モスト』の表紙も、大石さんがデザインし作成。世界の最新ファッションを掲載する、一流モード誌らしいデザインに。撮影用のアイテムを保管する衣装スペース。「カラフルな衣装を隠すのはもったいないので、グリーンの仕切りで見せる収納風に」(大石さん)。某出版社に足を運び、イメージを膨らませたのだとか。雑誌を飾る窓際の棚は、編集部イチの映えスポット。『ザ・モスト』のバックナンバーを並べることで、編集部感を強調。「棚の後ろが窓になっていて、そこから照明を当てることで、朝昼晩の時刻によって変化していく編集部の様子がわかるようにしました」(大石さん)。窓、棚とレイヤー構造にすることで奥行きが生まれ、空間を広く見せる工夫も。レトロな要素を取り入れたカフェスペース。編集部員がひと息つけるスペースは、冷蔵庫などの家電類や白い棚もレトロなデザインのアイテムで統一されている。「いま若者を中心にレトロブームが巻き起こっているので、トレンドに敏感な編集部として押さえておくべきポイントだと思い、小道具さんにお願いして揃えてもらいました」(大石さん)デスクまわりでその人の個性を引き出す!ビューティ班の編集部員のデスクは最旬コスメや美容機器が多数。乱雑に置くことでその人の性格が見えてきて、視聴者が親しみを持ちやすくなるのだとか。小林大輔さん「フジアール」メディア事業部 アート・プロデューサー。知人のヘア&メイクの付き添いで行った番組見学を機に、映像美術に興味を持ち入社。美術進行を経て、現職6年目。大石萌瑛さん「フジアール」デザイン部 スペースデザイン課デザイナー。美大でグラフィックデザインを専攻。空間デザインの講義で、立体アートの表現に刺激を受け入社。現在8年目。『彼女はキレイだった』“最恐毒舌”イケメンエリートで、ファッション誌『ザ・モスト』の副編集長を務める長谷部宗介(中島健人)と、そこで働く冴えない残念アラサー女子・佐藤愛(小芝風花)による、初恋すれ違いラブストーリー。毎週火曜21時~、カンテレ・フジテレビ系にて放送中。※『anan』2021年8月11日‐18日合併号より。取材、文・鈴木恵美(by anan編集部)
2021年08月14日カルティエ現代美術財団が7月21日より、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて「横尾忠則:The Artists」展を開催する。本展は横尾の世界観に浸ることのできる展覧会。アーティストや哲学者、科学者など、当財団の依頼で横尾忠則が描いた肖像画のシリーズ全139作品が織り成す星座は、カルティエ現代美術財団というフランスの文化機関の歴史を刻んだ人々へのオマージュとなっている。横尾は人物の特異性を生かし、キャンバスを芸術的な実験の遊び場に変え、ユニークなキャラクターの個性を表現。展示では横尾の計り知れない独創的な才能をまとめて展示する肖像画ギャラリーが出現する。2014年、カルティエ現代美術財団が設立30周年を迎えるにあたり、1984年の創設以来、財団における展覧会の歴史として刻んできた人々の肖像画を横尾に依頼した。彼は1日に1か2作品、ときに3作品というペースで3カ月を肖像画制作に費やし、石上純也や川内倫子、アニエス・ヴァルダ、蔡國強など、世界中の芸術家や思想家、 批評家や科学者らの肖像画の制作に取り組んだ。油彩画の技法や33cm×24cmというサイズは作品のすべてに共通しているが、表現においては実に多彩なスタイルが試みられている。「変化は創造である」と名言している彼にとって、キャンバスは無限の実験空間。新たな表現方法を展開できる場であり、グラフィックとイメージとの戯れの場でもあるのだ。世界観を一層深く伝えるのが、 映像作家の岡本憲昭が本展のために制作した映像だ。東京都内にあるアトリエで横尾は、カルティエ現代美術財団との関係や21_21DESIGN SIGHTの創立者でもある三宅一生との関係について心のままに語っている。本展のポスターも横尾によって制作された。三宅一生やサラ・ジー、マーク・ニューソン、ロン・ミュエクらの肖像画の宇宙が影として描かれ、謎めく横尾の自画像をとり囲む。そこでは描かれる対象であるアーティストのみならず、横尾本人に関してもまた、肖像画の制作を通して語られるのだということが示唆されているのだ。本シリーズの制作を通して画家が改めて見いだすのは、自身の絵画のエッセンスそのものであり「私は発見するために描く。私はいまだ新たな自分自身を探している」と語る創造の原動力。カルティエ現代美術財団という「大きなオーケストラ」の結成を示すものであると同時に、肖像画によって横尾忠則が描きだす世界、それは、アーティストとの関係こそが活動において何よりも重要であるとする当財団の精神に他ならない。この肖像画シリーズは、横尾忠則とカルティエ現代美術財団が育んできた関係が実を結んだものでもある。 肖像画シリーズの依頼に先駆ける2006年、カルティエ財団はヨーロッパでは初となる横尾忠則の絵画の展覧会を開催。さらに2011年「Mathematics: A Beautiful Elsewhere」展のポスターを横尾に依頼。それ以来、横尾は財団のプログラムに関わる重要な作家のひとりだ。こうした横尾との関係の継続性は、カルティエ現代美術財団とアーティスト達との永続的な関係の現われであり、思想家や研究者、クリエイター達のコミュニティと長期的な視野に立って信頼に満ちた対話を重ねてきたことを物語るものでもある。さらに当財団では横尾忠則の主要な2作品「五感の叫び」(1999年)と「湯の町睡蓮(芸者鏡)」(2004年)を所蔵しているが、これらの作品は今夏、 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3での展覧会と同時期に東京都現代美術館で開催される大規模な個展「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」(2021年7月17日—10月17日)でも紹介される。ぜひこの機会をお見逃しなく。■展示情報「横尾忠則:The Artists」7月21日(水)~10月17日(日)開館時間:平日 11:00—17:00、土日祝 11:00—18:00※変更する可能性がございます休館日 : 火曜日入場料 : 無料※混雑状況によっては入場をお待ちいただく場合がございます会場 : 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
2021年07月20日お笑いコンビ・オアシズの光浦靖子が、16日に東京・大手町三井ホールで開幕する『巨大映像で迫る五大絵師 ―北斎・広重・宗達・光琳・若冲の世界―』で、美術展の解説ナレーターに初挑戦する。同展は、江戸時代の絵師たちの情熱と想像力が込められた歴史的作品の数々が超高精細デジタルアートとして蘇る、新感覚アートエキシビション。葛飾北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五拾三次」、俵屋宗達と尾形光琳が描いた2つの「風神雷神図屏風」の競演、伊藤若冲の代表作「仙人掌群鶏図」など、日本美術の傑作が巨大映像となって集結する。そして俵屋宗達の国宝「源氏物語関屋澪標図屏風」など金屏風5作品が加わることも決定。全42作品の中から上映作品が毎日入れ替わるダブルプログラムとなる。開幕翌日の7月17日(16:00~)には、BSフジで特別番組『遂に開幕!「巨大映像で迫る五大絵師」に迫る!』が放送される。光浦は「自分の手芸展示会の時にイヤホンで聴ける案内をコントみたいにやったことはありましたが、こんな公式の美術展覧会で解説ナレーションをしたのは初めてです。ナレーション収録の前に、この五大絵師展の映像を体験したのですが、とにかく面白い! こんな名画で遊べるし、あっと言う間に時間が過ぎしまいます。風神雷神と若冲が好きで、大画面で観たら超かっこいいです。私たちはほとんどのモノをいっぱい見てるから、どこかで既視感があるんです。だけど、巨大映像で初体験できたことがうれしい。もう興奮して、興奮して、一瞬泣きそうになるところもありました。あまり構えず、想像せず、体感したほうが絶対楽しいです。絵画を見るではなく、されるがままにジェットコースター乗っている感覚で“体感”する五大絵師展を楽しんでください」と話している。
2021年07月07日東京・しながわ水族館で、夏の特別展『にょろにょろ展』が2021年7月17日(土)から9月26日(日)まで開催される。“なが~い”生き物が集結!『にょろにょろ展』『にょろにょろ展』は、「長い」から連想する“にょろにょろ”に特化した12種約50点の生き物を鑑賞できる夏の特別展。青と黄色のコントラストが美しいハナヒゲウツボやインパクト抜群のチュウゴクオオサンショウウオ、ヌタウナギの仲間、ハイギョの仲間など、“にょろにょろ”した生き物が集結する。期間中は、飼育スタッフによる生き物解説トーク「にょろにょろトーク」やにょろにょろクイズラリー「~~ワードを探せ」などが行われるほか、レストランでは“にょろにょろ”にちなんだ“なが~い”アナゴ天丼を発売。さらに、グッズコーナーでは、オオサンショウウオやハイギョなどのユニークなぬいぐるみも販売される。“小さな狩人”コツメカワウソの初展示もまた、2021年7月17日(土)からは、しながわ水族館で“初めて”コツメカワウソを展示。チャーミングなルックスとは裏腹に、小魚や甲殻類などを捕食する“小さな狩人”コツメカワウソの姿を間近で鑑賞できる。【詳細】夏の特別展『にょろにょろ展』開催期間:2021年7月17日(土)~9月26日(日)展示場所:しながわ水族館地下1階クマノミルーム内他、館内住所:東京都品川区勝島3-2-1 しながわ区民公園内営業時間:10:00~17:00※最終入館は16:30※2021年8月11日(水)~15日(日)は9:30開館休館日:火曜日(春・夏・冬休み、ゴールデンウィーク、祝日は営業)、1月1日入館料金:大人(高校生以上)1,350円、こども(小・中学生)600円、幼児(4才以上)300円、シルバー(65才以上)1,200円※状況により内容が変更になる場合がある。※画像はイメージ。■アナゴ天丼販売場所:レストランドルフィン価格:1,350円■グッズオオサンショウオ 8,800円ハイギョ 1,100円プラナリア携帯クリーナーストラップ 330円■新コーナー「カワウソ”小さな狩人“」公開日時:2021年7月17日(土)~【問い合わせ先】しながわ水族館TEL:03-3762-3433
2021年07月04日東京・上野公園にある東京国立博物館、文化財活用センターは、常設の体験展示スペース「日本美術のとびら」を2021年6月22日(火)にオープンする。日本美術の流れ&鑑賞ポイントがわかる体験展示東京国立博物館 本館に新たにオープンする体験展示「日本美術のとびら」は、日本美術に初めて触れる人にもわかりやすく、日本美術の文脈や鑑賞のポイントを伝える展示室。日本文化紹介映像を上映する「みる」、日本美術のデジタル年表を展示する「たのしむ」、高精製複製品を紹介する「かんじる」の3つのコーナーから構成されている。日本の美意識に迫る映像まずはじめに登場する「みる」のコーナーでは、所蔵コレクションを代表する数々の名品を紹介する映像「日本文化紹介映像 A GLIDE ON THE GREAT WAVE」を上映。四季折々の風景や伝統行事などを通して育まれてきた、日本の美意識に迫る。インタラクティブな日本美術史デジタル年表「たのしむ」コーナーのデジタル年表は、幅14メートルもの巨大スクリーンに表示されるインタラクティブな体験コンテンツ。代表的な16の作品が映し出され、それぞれの作品と連動した「わくわくポイント」に立つと作品画像が立ち上がり、回転したり、拡大したり、ページをめくったりして楽しめる。作品が作られた当時の人々の心情や暮らしを想像しながら、日本美術史を体感できる。貴重な文化財の高精製複製品を間近に「かんじる」コーナーでは、文化財の屛風と掛け軸といった、2種類の絵画作品の高精細複製品を、季節にあわせて展示。最新のデジタル技術と伝統的な職人の技によって本物そっくりに制作された複製品を、ケースに入れられていない状態で間近に見ることができる。日本の文化財は、光や熱、湿度に弱いものが多く、作品保護の観点から温湿度の管理を徹底し、年間の展示日数にも制限を設けている。また、他館への貸し出し以来も多いため、東京国立博物館で展示できるのは数年に一度ということも。複製だからこそ可能な、名宝との出会いを楽しめる。季節ごとに展示替えを行う「かんじる」コーナー。オープン時から2021年8月29日(日)までは、尾形光琳の「風神雷神図屛風」、酒井抱一の「夏秋草図屛風」といった重要文化財の屏風が登場。現在は保存のために別々の屏風に仕立てられているこの2作品が、複製品ではかつての姿のように表裏一体となっている。加えて、国宝「孔雀明王像」も2022年3月末まで展示予定。現存する孔雀明王像の中でも最高傑作とされる「孔雀明王像」は、目を引く華やかな彩色や、巧みなハイライト、ぼかしによって柔らかでふっくらとした印象の作品だ。本物は、作品保護のため明るい光のもとで見ることができないため、はっきりと作品の魅力を感じ取れる貴重な機会となる。複製品では彩色を忠実に再現し、金の表現も楽しめる。【詳細】体験展示「日本美術のとびら」〈事前予約制〉オープン日:2021年6月22日(火)会場:東京国立博物館 本館特別3室住所:東京都台東区上野公園13-9開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)※特別展の開館時間は、別途確認が必要。休館日:月曜日、2021年12月14日(火)、年末年始(2021年12月26日(日)~2022年1月1日(土・祝))、2022年1月4日(火)※ただし月曜日が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館。※その他臨時休館あり。観覧料:(総合文化展観覧料) 一般 1,000円、大学生 500円、高校生以下 無料※東京国立博物館の総合文化展観覧料または開催中の特別展観覧料(観覧当日に限る)で観覧可能。※入館にはオンラインによる事前予約(日時指定券)が必要。※大学生の方は、学生証の提示が必要。※障がい者とその介護者各1名は無料。入館の際に障がい者手帳等を提示。※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上は、総合文化展について無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証など)を提示。※混雑緩和のため、東京国立博物館では事前予約制(日時指定券)を導入。入館無料の対象者や観覧券持参者も含め、全ての入館者はオンラインでの日時指定券の事前予約が必要。予約は各時間枠の開始前まで。■複製品の今後の展示予定2021年8月31日(火)~11月28日(日) 国宝 観楓図屛風(高精細複製品)2021年11月30日(火)~2022年2月27日(日) 国宝 松林図屛風(高精細複製品)2022年3月1日(火)~5月29日(日) 国宝 花下遊楽図屛風(高精細複製品:復元)
2021年06月24日日本を代表する建築家のひとり、隈研吾。彼のこれまでの活動を「公共性」を軸に振り返る展覧会、『隈研吾展新しい公共性をつくるためのネコの5原則』が、東京国立近代美術館で9月26日(日)まで開催されている。これまでにない大規模な個展だ。隈研吾は1954年生まれ。1964年開催の東京オリンピックの際に見た丹下健三の国立屋内総合競技場(現・国立代々木競技場)に衝撃を受け、幼少期より建築家を志した。コロンビア大学客員教授を経て、90年に隈研吾建築都市設計事務所を設立した後は、20か国を超す国々でその土地の環境や文化に溶け込む建築を手掛けている。国立競技場の設計への参画はもちろんのこと、根津美術館やサントリー美術館、角川武蔵野ミュージアムに富山市ガラス美術館など数多くの美術館建築を手掛けていることから、美術ファンにも知られた存在だ。本展は、彼の手掛けた建築の「公共性」という部分に着目。隈自身がピックアップした建築と映像作品、前庭に展示されるトレーラーハウスを合わせ、合計74件を5つのキーワードで読み解いていく。第一会場エントランス本展は、有料の第1会場と入場無料の第2会場からなる2部構成。第1会場では、序論として、隈も参画した国立競技場のディテール模型が並ぶ。国立競技場ディテール模型国立競技場ディテール模型以降は彼が手掛けた68件の建築が怒涛のように並んだ展示が続く。本展は、時系列ではなく、自身が考える建築の5つの原則「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」で分類され、構成されている。「孔」のセクションで紹介されている「V&Aダンディー」は、日本の鳥居に着想を得て、街と川をつなぐ孔を作っている。スコットランド《V&Aダンディー》2018年の模型栃木県に建設された《那珂町馬頭広重美術館》は、建物内にトンネル状の孔を明けて、街と建物の背後にある里山をつなげようとしている。《那珂町馬頭広重美術館》2000年の模型《那珂町馬頭広重美術館》2000年の模型「粒子」の項目では、細かいパーツを組み合わせて全体を形作る建築物を紹介している。国立競技場はこの粒子の概念を象徴した建物だ。青山《サニーヒルズジャパン》部分 2013年代々木《国立競技場》2019年の模型このほか、「斜め」や「やわらかい」、「時間」のカテゴリーで隈研吾の建築が語られている。キャプションに添えられた作品解説も隈本人によるものだ。なお、展覧会のタイトルにちなみ、会場内にはネコが時々出現しているのでお見のがしなく。浅草《浅草文化観光センター》2012年の模型よく見ると…浅草《浅草文化観光センター》2012年の模型(部分)かわいいネコがいる注意書きにもネコ第2会場では、人間ではなく、「ネコ」の視点から都市のあり方を見直すリサーチプロジェクト《東京計画2020(ニャンニャン)ネコちゃん建築の5656(ゴロゴロ)原則》(Takramとの協働)とVR展示が行われている。ネコにGPSをつけた記録や、ネコの習性、生態を取り入れた新しい都市の考え方だ。国内外に数多くの建築物を残してきた隈研吾。彼の建物の魅力と本質に迫ることができる重厚な内容の展覧会だ。『隈研吾展新しい公共性をつくるためのネコの5原則』6月18日(金)~9月26日(日)、東京国立近代美術館にて開催取材・文:浦島茂世
2021年06月22日7月3日(土)より世田谷美術館にて、普段はあまり目にする機会の少ない同館の大型収蔵作品を中心に紹介する収蔵品展が開催される。同展は、もともと2020年夏の東京オリンピック/パラリンピックに併せて、国際的なイベントの開催時にふさわしい展示をと“グローバル化時代”をキーワードに企画されたが、新型コロナウイルスの感染拡大で順延。2021年夏に改めて開催されることとなった。自国を離れて異国でも創作を展開したロバート・ラウシェンバーグ やデイヴィッド・ナッシュ 、ジャン=ミシェル・バスキア、国際的な評価を獲得した日本人作家の榎倉康二や横尾忠則といった、斬新な発想と冒険心に充ちた活動を地球規模で繰り広げてきた現代美術作家たちの大型作品を紹介。現代美術のさまざまな潮流を見てとることができる。80年代半ばに開館した同館で、同時代に制作された世界各国の大型作品を体感できる貴重な機会となりそうだ。堂本尚郎≪Cosmos IIII≫1978年榎倉康二≪無題≫1977年横尾忠則≪ロスのお土産≫1982年(c)Tadanori Yokoo【開催概要】ミュージアム コレクション特別篇『グローバル化時代の現代美術 ―“セタビ”のコレクションで楽しむ世界旅行』会場:世田谷美術館 1階&2階展示室会期:7月3日(土)~8月22日(日)時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)※8月9日(月・祝)は開館、翌8月10日(火)は休館料金:一般200円/65歳以上100円/大高生150円/中小生100円公式サイト( )
2021年06月17日企画展「『五島百景』完成記念 山本二三展 the BEST」が、長崎県美術館にて、2021年9月5日(日)まで開催される。アニメ美術監督・背景画家 山本二三の展覧会長崎・五島出身の山本二三は、作品の世界観を支える背景画を数多く手掛けてきたアニメーション美術監督・背景画家。アニメ界の“レジェンド”としても知られ、これまでに高畑勲や宮崎駿、細田守、新海誠といった名だたる監督たちの作品で背景美術を担当した。本展覧会では、初公開作品を含む代表作の数々によって、山本二三作品の魅力を余すところなく紹介する。「天空の城ラピュタ」「時をかける少女」などの背景画会場では、スタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」や「もののけ姫」をはじめ、「火垂るの墓」「時をかける少女」「天気の子」といった日本を代表するアニメーション作品の背景画を用意。“二三雲”と呼ばれる湧き立つような雲や生き生きとした草花など、架空の風景をリアルに描いた山本二三の作品を間近で鑑賞できる。「五島百景」も一挙公開さらに、山本二三が2010年よりライフワークとして取り組み、2021年に完成させた「五島百景」の作品も展示。五島列島の雄大な自然や人々の営みの風景を描いた100点にも及ぶ作品を一挙公開する。展覧会概要「五島百景」完成記念 山本二三展 the BEST会期:2021年8月1日(日)~9月5日(日) 会期中無休開館時間:10:00~20:00(最終入場19:30)※8月23日(月)〜9月12日(日)の期間は10:00〜18:00に短縮(最終入場17:30)会場:長崎県美術館 企画展示室住所:長崎県長崎市出島町2-1入場料:<前売り券(全日)>一般 1,100円、高校・大学・70歳以上 700円、小中学生 500円、先行ペア券 1,800円※一般2枚セット。6月30日(水)まで販売。<当日券(平日)>一般 1,200円、高校・大学・70歳以上 800円、小中学生 600円< 当日券(土日祝)>一般 1,300円、高校・大学・70歳以上 900円、小中学生 700円※すべて税込価格。※小学生未満無料。※15名以上の団体、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証、地域相談支援受給者証、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者および介護者1名は前売り料金。※1枚につき1名1回限り有効。※本展観覧券で「コレクション展」にも入場可。※当日券は美術館およびローソンチケット・ローソン各店でのみ販売。■前売り券販売期間:5月29日(土)~7月31日(土)販売所:・長崎県美術館※5月31日(月)まで臨時休館中のため、6月1日(火)以降販売開始。・ローソンチケット・ローソン各店(Lコード:87000)■早割チケット「先行ペア券」販売期間:5月29日(土)~6月30日(水)販売所:ローソンチケット・ローソン各店でのみ販売(Lコード:87000)
2021年06月04日戦後日本美術を代表するアーティスト・菅木志雄の新作展「集められた〈中間〉」が6月5日(土)、小山登美夫ギャラリーで開催される。菅は60年代末~70年代にかけて起きた芸術運動「もの派」の主要メンバーとして活動。「もの派」の、それまで作品の素材でしかなかった「もの」自体や「もの」を知覚する人間へ目を向けた動向は、海外でも近年、国際的な評価が高まった。50年以上にもわたり第一線で活躍し、鋭敏な感覚で制作し続けるその情熱は衰えることがない。またインドの中観哲学における「空の思想」と京都学派の論考、日本の作庭などに共鳴した制作における独自の思考を深化させ、今も現代アートにおける独自の地平を切り開いている。展覧会としては1968年の初個展以来、国内外で約400以上のものに参加。今年12月には出身である岩手県立美術館において、大規模な回顧展「開館20周年記念 菅木志雄展 〈もの〉の存在と〈場〉の永遠」を開催予定。50年以上に渡る菅の制作活動を約100点もの作品が展示される。そのほか国際的な活躍は枚挙に暇がない。その作品はニューヨーク近代美術館、ポンピドゥ・センター、テート・モダン、東京国立近代美術館、東京都現代美術館をはじめとした国内外47もの美術館・アートコレクションに収蔵されている。本展では「ものは無常で流動的なものであり、作品はそのプロセスである」ということを焦点に作品を展開。さらにギャラリースペース奥の部屋全体を使ったインスタレーションと、壁面の立体作品の新作を発表する。新作である『景素』と『場空』は端に置かれた数個の枝の断片と断片、その間を小さな石や木片が自由に軌跡を表しながら連なり、並べられている。その連続性がまるでものが意思を持って動いた結果であるかのようにそれぞれ異なる様相を表し、無限のリズムやエネルギーが作品の枠を超えてどこまでも続いていくかの様だ。また新作インスタレーション作品『集空果』は、石とロープという限りなくシンプルな「もの」が部屋全体に縦横無尽に放たれ、果てしない連続性と空間性が、観るものの意識を活性化してくれるだろう。フィジカルに人と接することや移動を制限された現在、菅作品を鑑賞することで、私たちはデジタル環境に慣れた感覚を開放し、ものは、人は、思考は、世界は常に変化し、繋がりながらも混じり合うことがない可能性を改めて感じられるはずだ。<ステイトメント>「集められた〈中間〉」菅木志雄モノは、だいたいにおいて、ヒトに無関係な時間を在りつづけている。それはヒトには簡単に理解できないような集積である。たとえ時間をかけたとしても〈在ることのプロセス〉を感知することはむずかしいと思われる。時間の長さも、その在り方もである。わからないながら、ヒトは、アートの名目で、無造作にモノを扱おうとする。それは、ヒトが創造するには、それを表わすためのモノが必要だと思っているからである。注意しなければならないのは、モノは根源的にアートに使用されるためにあるのではないということである。<存在するものである>という意味では、モノも作品も同じかもしれないが、多くの場合モノの始原的な存在性というものは、だいたいにおいて制作の過程で失われてしまう。それは、本来モノが保有しているべき原質のようなものがなくなるということである。そうなれば、本質的にモノはモノでなくなり、カタチはあれど本来あるべき存在性は失われる。作品(モノ)はつねに途中のモノによって、できているのである。■展示情報菅木志雄展「集められた〈中間〉」6月5日(土)~7月10日(土)11:00-19:00(日・月・祝休)会場:小山登美夫ギャラリー入場無料※本展は、小山登美夫ギャラリー、スパイラルガーデンでの同時開催。※オープニングレセプションはなし。
2021年06月03日鼻ぺちゃ犬の合同写真展&物販展「鼻ぺちゃ展」が、調布パルコにて2021年7月16日(金)から7月25日(日)まで開催される。“鼻ぺちゃ犬”の合同写真展&物販展「鼻ぺちゃ展」は、フレンチブルドッグやボストンテリア、シーズーなど鼻の短い犬種“鼻ぺちゃ犬”に特化した合同写真展&物販展。話題のプロ写真家から、SNSで人気のカメラマンまでの作品が集結し、間近で鼻ぺちゃ犬の“ぶひ可愛さ”を堪能できる人気イベントだ。今回は、Instagramで不動の人気を誇る「たらちゃん&ふねちゃん」やシーズー犬の「denim618」、チワワの親子「maika」などが参加。キュートな鼻ぺちゃ犬たちの姿を生の写真を通して体感できる。また、作品展示だけでなく、ショッピングも楽しめるのが「鼻ぺちゃ展」の醍醐味。シーズー漫画で話題の「AUNITEM」による新作・限定品や、愛犬のお土産にもぴったりなハーネスやリードといった犬グッズも発売される。【詳細】■鼻ぺちゃ犬の合同写真展&物販展「鼻ぺちゃ展 in 調布」開催日時:2021年7月16日(金)~7月25日(日) 10:00~20:00※館の営業時間に準ずる。※当初は2021年4月29日(木・祝)~5月6日(木) 10:00~20:00で開催予定だったが延期となった。休館日:なし会場:調布パルコ 5階 催事場住所:東京都調布市小島町1-38-1<会場限定&新作グッズ>■AUNITEM・おさんぽてんぽ1,430円・ミニタオル・HANAPECHA LOVE605円■アイムボストン・ボストンdeブートニエール2,200円・アイムボストン ボストンセレブローチ3,000円■naonao・くたパグ3,080円・パグ風船プリントトートバッグ2,750円※上記は一部の発売予定アイテム。取り扱い状況は会場により異なる。※すべて価格は税込。【会期終了】■鼻ぺちゃ犬の合同写真展&物販展「鼻ぺちゃ展 in 横浜みなとみらい」開催日:2021年4月16日(金)~4月25日(日) 11:00~19:00(最終入館18:45)会場:MARK IS みなとみらい 5階 特設会場住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-5-1
2021年04月12日サンリオ史上最大の美術展「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」が、六本木ヒルズ・東京シティビューにて2021年9月17日(金)から2022年1月10日(月祝)まで実施される。サンリオ史上最大の美術展「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」は、サンリオ創業60周年を記念した美術展。同展では、創業から60年の間に400以上のキャラクターを生み出し、日本の“カワイイ文化”を築き上げてきたサンリオのルーツを探りながら、ヒットキャラクターたちをどのように生み出してきたのかに迫る。なお本展は、これまで、名古屋・松坂屋美術館、大分・大分県立美術館でも開催された。「サンリオ展」の見どころ展示には、サンリオだからこそ明らかにできる企画意図や苦労話、企業としてのビジネス戦略、その裏にあるファンへの想いなども含まれており、サンリオ好きにはたまらない内容。もちろん、「ハローキティ」や「マイメロディ」といった人気キャラクターの貴重なデザインや商品も会場に並ぶ。その数はサンリオ史上最多の800点以上に及び、それらを6つのゾーンと10のテーマで紹介する。今回は、ポイントとなる5つの見どころをご紹介。増田セバスチャンによるシンボリックアートがお出迎え展示は、増田セバスチャンによる全長約8mのシンボリックアート「Unforgettable tower」からスタート。東京の街並みを一望できる東京シティービューでは、東京タワーと「Unforgettable tower」の競演を楽しむことができる。約4,000個以上のサンリオキャラクターのぬいぐるみを大集結させて作り上げられた「Unforgettable tower」は、その大きさは勿論、近くで見てもそのキャラクターたちの密度に圧倒されること違いなし。サンリオにまつわる可愛らしく、楽しい思い出を詰め込んだようなファンシーな世界観を感じることが出来る。みどころ1:いちごから始まった「カワイイ文化」ひとつめの見どころは、「人を感動させる」サービスから始まったサンリオのルーツを探る展示。また、やなせたかし、水森亜土、内藤ルネなど、日本を代表する作家との関わりも紹介する。みどころ2:サンリオキャラクターズ誕生の背景とは?2つめの見どころは、「マイメロディ」の貴重な原画や、「パティ&ジミー」のラフ画を展示しながら、サンリオキャラクター誕生の過程に迫る展示。「サンリオデザインのヒミツは罫線にある?!」「作家性を排除したデザインとは?」「すべての判断基準はカワイイかかわいくないか?」など、サンリオのこだわりを紐解いていく。みどころ3:人気者が勢ぞろい!サンリオキャラクターズ3つめのみどころは、生み出したキャラクターを、サンリオがどのようにして人気者へ育てていったのかを解説するゾーン。世の中にキャラクターが溢れかえった1980年代にフォーカスし、生き延びるキャラクターを作り上げたサンリオの手腕に迫る。また、サンリオの人気者たちが一挙紹介され、2021年のサンリオキャラクター大賞で第1位となったシナモロールをはじめ、ポムポムプリン、ポチャッコ、マイメロディ、クロミ、ハローキティ、リトルツインスターズ、SHOW BY ROCK!!、タキシードサム、こぎみゅんらに出会うことができる。サンリオショップを紹介するコーナーもあり、他社のファンシーグッズとは一線を画すサンリオスタイルの秘密を紐とく。みどころ4:「カワイイ」という感覚はすべて「いちご新聞」が教えてくれた!サンリオの情報誌「いちご新聞」にもフォーカス。往年の記事やショップ、グッズに関するエピソードを交えながら、サンリオが「いちご新聞」を通じてファンに伝えたかったことを掘り下げる。また、「いちご新聞」の表紙で一面を埋め尽くした巨大な壁も展示。これまでに発刊された「いちご新聞」のバラエティ豊かな表紙を概観することが出来る。みどころ5:大人が好きになってもいいの?「ハローキティ」が起こした価値観の革命45年以上ものあいだNo.1キャラクターでありつづけた「ハローキティ」に着目したゾーンも。「ハローキティ」ブームをテーマに、サンリオキャラクターが子供にも大人にも長く愛され続けている秘密に迫る。これまでに人気を博したハローキティグッズを複数展示。中々お目にかかれないレアなものから、ハローキティのアニバーサリーを記念したものまで、様々なハローキティグッズが展示ケースに並ぶ。今回の目玉とも言える、世界的セレブ「レディ・ガガ」の着用ドレスを再現したピースも要チェック。記念撮影を楽しむのもおすすめだ。人気アーティストのアート作品展示も会場では、今回の展覧会のためだけに、人気アーティストが制作したオリジナル作品も展示。金魚絵師として知られる深堀隆介やバンブーアーティストの中臣一、彫刻家の森貴也、はしもとみお、切り絵作家の福井利佐らが、サンリオをテーマにしたオブジェを展開する。“東京会場だけ”の見どころも東京会場となる六本木ヒルズ森タワー52階・東京シティビューでは、展覧会期間中に、ハロウィン、クリスマス、お正月に合わせた企画も展開予定。さらに、同フロアにあるミュージアムカフェ&レストラン「THE SUN & THE MOON」ではコラボレーションメニューも登場する。メニューは、カフェとレストランそれぞれで展開され、人気キャラクターが勢ぞろい。特におすすめのアフタヌーンティーは、ハローキティ、マイメロディ、ポムポムプリン、シナモロール、ポチャッコをイメージしたスイーツ&セイボリーが計6段のスタンドにのせられている。オリジナルグッズ会場では100アイテム以上のオリジナルグッズを用意。メインビジュアルをモチーフとしたグッズから、昔懐かしいイラストを使用したアイテムまで多彩なラインナップを揃える。【詳細】「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」■東京開催日程:2021年9月17日(金)~2022年1月10日(月祝)会場:東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)住所:東京都港区六本木6-10-1開館時間:10:00~20:00(最終入館19:30)※当面の間は短縮営業。営業時間に変更が生じる場合、または休業となる可能性あり。料金:<平日>一般 2,100円(1,900円)、高・大生 1,500円(1,300円)、4歳~中学生 850円(650円)、シニア(65歳以上) 1,800円(1,600円)<土日祝>一般 2,300円(2,100円)、高・大生 1,700円(1,500円)、4歳~中学生 1,050円(850円)、シニア(65歳以上) 2,000円(1,800円)数量限定グッズ付チケット ※一般のみ販売<平日>2,600円<土日祝>2,800円※()内は前売料金。※4歳未満は無料。※料金はすべて税込。※障がい者手帳提示(介助者1名まで)で無料。※本展は事前予約制(日時指定券)。詳しくはローソンチケットサイト確認。問い合わせ先TEL:03-6406-6652(東京シティビュー)■音声ガイド機貸出価格:1台600円※音声ガイドはアプリでも視聴可能。「聴く美術」アプリ内/コンテンツ利用料:610円<音声ガイド制作・サービスに関する問い合わせ先>株式会社アコースティガイド・ジャパンTEL:03-5771-4083(月~金、10:00~18:00)■名古屋開催※終了※日程:2021年4月24日(土)~6月12日(土)場所:松坂屋美術館(松坂屋名古屋店 南館7階)住所:愛知県名古屋市中区栄三丁目16番1号問い合わせ先TEL:052ー251-1111(松坂屋名古屋店 大代表)■大分開催※終了※日程:2021年7月10日(土)~9月5日(日)場所:大分県立美術館住所:大分県大分市寿町2番1号開館時間:10:00~19:00 ※金・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)観覧料:一般・大学生 1,400(1,200)円、高校・中学生1,000(800)円、小学生800(600)円、3歳以上400(300)円※()内は前売り料金問い合わせ先TEL:097-533-4500(大分県立美術館)
2021年03月15日現代アートにおける、若手作家の登竜門的美術展『VOCA展』。今年は『VOCA展 2021 現代美術の展望-新しい平面の作家たち』として、2021年3月30日(火)まで、東京・上野の森美術館で開催されている。『VOCA展』が若手作家の登竜門と言われる理由は、40歳以下の作家を全国の美術館学芸員などが推薦し、その作家たちが平面作品の新作を発表する、という点だ。さらにユニークなのは、厚さ20cm以内であれば、絵画、写真、映像、インスタレーションなど、どんな平面作品でも出品可能ということ。これまでにやなぎみわ、蜷川実花、清川あさみ、山口晃などが、受賞者に名を連ねている。コロナ禍ながら、本年度は30組の作家が出品。5人の選考委員によってVOCA賞他が選出され、展覧会の前日には授賞式が行われた。登壇した作家は、VOCA賞を受賞した尾花賢一のほか、鄭梨愛、水戸部七絵、岡本秀、弓指寛治の5人。尾花は「自分が制作を進める上で、どんな場所で展示されるかが大きなモチベーション」と語り、まずは美術館のある上野という土地について調べることから始めたという。そして知った上野の明るさと暗がり、さらに過去と現在をもひとつの作品の中に存在させることで、観る者にさまざまなことを訴え、考えさせる。VOCA奨励賞受賞の鄭は、コロナ禍における制作を「大変厳しいものだった」と振り返る。「さらに今の情勢抜きでは制作出来なかった」と語る彼女の作品は、韓国から日本に渡ってきた祖父母の姿を5枚の布に写し出し、それらを重ねることで祖父母の生きてきた時間、さらには人間の死生観までも表現する。同賞受賞の水戸部は、「コロナ禍においてSNSに流れる世界のニュースを絵日記として描いた作品」と説明。絵の具を非常に厚く塗り重ねた重量感のある作品で、平面作品とは思えないほどの圧倒的なパワーを放つ。VOCA佳作賞を受賞したのは岡本と弓指のふたり。さらに岡本は大原美術館賞も受賞したが、「他の作品を見ると全然慢心していられない」と姿勢を正す。しかし襖とその先の世界という奥行きを平面で見せてしまうその作品は、本展の中でも唯一無二だ。弓指は、新型コロナをイメージし縫いつけたというジャケット姿で登壇。本人の明るいキャラクターは一瞬作品そのままにも思えるが、実はそこに描かれているのは、満蒙開拓民たちの悲しい歴史だ。タブーから目をそらさない、弓指の強い意志を印象づけた。現代アートの今後を知る上でも、見逃して欲しくない美術展である。取材・文:野上瑠美子
2021年03月12日そごう横浜6階にあるそごう美術館が、2021年開催予定の展覧会スケジュールを発表。『篠田桃紅展』や『ひびのこづえ展』『ムーミンコミックス展』などの開催が予定されている。水墨抽象画という独自のスタイルを確立し、100歳を超えてなお挑戦し続けている篠田桃紅(しのだ・とうこう)の画業を紹介する『篠田桃紅展とどめ得ぬもの墨のいろ心のかたち』は4月3日(土)から開催。日本古典文学と書法を学ぶことから出発した初期の作品から、一瞬の「心のかたち」を追求し続ける現在までの作品、約80点でその画業をたどる。篠田桃紅《君に》公益財団法人岐阜現代美術財団蔵続いて、5月15日(金)~7月25日(日)に開催されるのは、『近代日本洋画の名作選展ひろしま美術館コレクション』。明治時代の巨匠・黒田清輝の作品を出発点に、大正、昭和への歩みをひろしま美術館の日本洋画コレクション約70点で概観する。黒田清輝《白き着物を着せる西洋婦人》1892年7月31日(土)からは、『東京藝術大学スーパークローン文化財謎解き「ゴッホと文化財」展つくる文化∞つなぐ文化』を開催。高精度の文化財複製「東京藝術大学スーパークローン文化財」を用いて、複製だからこそできる文化財の「公開・活用」への動きとその成果を紹介。オルセー美術館のゴッホ作品を中心に、ボストン美術館の浮世絵、シルクロードの文化遺産などの謎解きをしながら文化財を楽しく学ぶ企画を展開予定だ。フィンセント・ファン・ゴッホ《オーヴェルの教会》クローン文化財9月17日(金)~10月11日(月)は、30年以上第一線で演劇やダンス、映画、テレビなど多くの分野で数々の作品を制作するコスチューム・アーティスト ひびのこづえの作品世界の全貌に迫る『ひびのこづえ展』を開催。野田秀樹演出の舞台衣装やNHK Eテレ「にほんごであそぼ」の衣装など、代表的な衣装や新作、不思議な衣装をまとったダンサーたちによるパフォーマス、ワークショップなどでひびのこづえの作品世界を展観する。「Piece to Peace」九州国立博物館個展「太ンス宰府ク(ダンスザイフク)」 art & costume design (2019/4/6,7)photo(c)出口敏行10月17日(金)からの『寿(ことほ)ぎのきものジャパニーズ・ウェディング展ー日本の婚礼衣装』では、婚礼儀式がもっとも美しく、洗練された形で行われていた江戸時代から近代初期にかけての衣裳や婚礼のしつらえが、当時の作品を用いて再現される。紅綸子地松樹笹鶴模様打掛江戸~明治時代・19世紀後半共立女子大学博物館そして年末、11月19日(金)~1月10日(月・祝)には、各地を巡回している『ムーミンコミックス展』がそごう美術館にやってくる。イギリスの大手新聞「イブニング・ニューズ」紙で連載されていた漫画「ムーミンコミックス」。ムーミンキャラクターズ社が所蔵する原画作品280余点を日本初公開。今まで日本で紹介されたことのなかった、姉・トーベが描いたキャラクター設定画やスケッチ、弟・ラルスが描いたコミックスの原画などが展示される。ムーミン童話誕生の地・フィンランドででもなかなか見ることができない貴重な機会だ。トーベ・ヤンソン《まいごの火星人》スケッチA(1957年) (c)Moomin Characters™なお、恒例となっている公募展『再興第105回院展』は2月6日(土)~3月14日(日)、『第76回春の院展』は7月16日(金)~7月25日(日)に開催される。そごう美術館公式サイト( )※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一部内容や時間を変更する場合がございます。あらかじめ、ご了承ください
2021年02月11日約30年間続いた“平成”という時代を振り返る展覧会『平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019』が京都市京セラ美術館で4月11日(日)まで開催されている。バブル経済や二つの大震災、一連のオウム事件など大きな出来事の間で、現代美術はどのような変遷を遂げたのだろうか?本展は、1989年1月から始まり2019年4月で終了した平成年間の現代美術を振り返るというもの。日本の現代美術を多角的な視点で捉えてきた美術評論家の椹木野衣が企画・監修を行い、14組のアーティストグループの作品群を展示する。國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト《國府理「水中エンジン」redux》(2021)國府克冶蔵椹木はバブル経済の崩壊と東日本大震災(福島原発事故)を念頭に、展覧会のキーワードを「うたかた(バブル)」と「瓦礫(デブリ)」と定めた。そして、平成全体を通じてグループや集団、ゆるやかなつながりをもって表現活動を行う芸術家たちの存在が多かったことから、本展では個人ではなくアーティストグループを取り上げるとしている。年表「平成の壁」デザイン 松本弦人展覧会場に入るとまず驚かされるのは入り口にある幅約15メートルにもおよぶ巨大な黒板「平成の壁」。平成年間に起きた社会的事件や、美術界に起きた出来事が細かく描き込まれており、上部に描かれた文字は読み取れないほどだ。この膨大な壁と描き込まれた文字により、約30年という時間の流れと重みを実感することとなる。30年の歴史が1枚の巨大な平面にまとめられている展示会場はゆったりと回遊できる構成になっており、作品はおおよそ3つの時代で区分されている。まず、平成が始まりバブル経済の崩壊した1989年から9.11と呼ばれるアメリカ同時多発テロ事件までの約11年間。ついで2001年から東日本大震災が起きる2011年までの10年間。そして、2011年から平成の終焉を迎える2019年まで。それぞれの区分で、人々の価値観を揺るがす大事件や災害が起きており、作家や作品へ強く影響を与えていると考えられる。Complesso Plastico《C+P 2020》(2020)平野治朗と松蔭浩之によるユニット、「Complesso Plastico」による《C+P 2020》(2020)は、当時のインスタレーションの写真なども用いて、この展覧会のために再構築したものだ。「突然、目の前がひらけて」で設置された階段の再現2015年11月に開催された作品展「突然、目の前がひらけて」で設置された橋やアーカイブの展示は強い存在感をはなっていた。「突然〜」は、東京都小平市で、塀一枚で隣接していたものの、ほとんど交流のなかった武蔵野美術大学と朝鮮大学校の修了生と学生たちが企画したもの。会場中央にある橋は、当時あった薄い壁もあわせて再現されている。稲村米治《昆虫千手観音像》(1975)群馬県板倉町蔵「クシノテラス」は広島県福山市にあるアートスペース。伝統的な美術教育を受けず、独学で自らの表現を模索し続ける表現者たちが制作した作品を専門的に紹介している。稲村米治は、自らが採集した昆虫で作品を作る。《昆虫千手観音像》は、2万匹以上の昆虫で作られた千手観音だ。ガタロは、清掃員として30年以上勤務する傍ら、《雑巾の譜》のように、日々使用する掃除道具を描いている。ガタロ《雑巾の譜》(2018-20)櫛野展正蔵このほかにも、東日本大震災前からはじめられ、日本画家の三瀬夏之介と生徒たちにより開始された「東北画は可能か?」や、美術家の梅津庸一を中心とする、生活と制作が一体となった共同体「パープルーム」、森美術館の展覧会を控えた「Chim↑Pom」など、平成を俯瞰する上で欠かすことのできない集団の作品が展示されている。東北画は可能か?《しきおり絵詞》(2013〜)パープルーム《花粉の王国》(2020)すでに令和も3年となった現在、平成という時代がどのようなものであったのかを、美術作品を通して振り返るにはちょうどよい機会。しっかりと見ておきたい展覧会だ。取材・文:浦島茂世【開催情報】『平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019』会期:2021年1月23日~4月11日会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124電話番号:075-771-4334開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで休館日:月(ただし祝日の場合は開館)料金:一般 2000円 / 大学・専門学校生 1500円 / 高校生1000円 / 小・中学生 500円 / 未就学児
2021年02月10日3月12日(金)から3月30日(火)までの19日間、上野の森美術館にて『VOCA展2021現代美術の展望ー新しい平面の作家たち』が開催される。『VOCA展』は現代アートにおける平面の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より開催されている美術展。日頃から公平な立場で作家たちと接している全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれ40歳以下の作家1名(組)を推薦。また、推薦された作家全員に展覧会への出品を依頼し、全国各地の優れた才能を紹介している。これまで、福田美蘭(1994年VOCA賞)、やなぎみわ(1999年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)、清川あさみ(2010年佳作賞)など、多方面で活躍する作家たち延べ951人(組)が出品してきた。『VOCA展2021』では、これからの活躍を期待される新進気鋭の作家30人(組)が出品。この中から、グランプリとなるVOCA賞に秋田県在住(群馬県出身)尾花賢一の《上野山コスモロジー》が決定したほか、VOCA奨励賞に鄭梨愛、水戸部七絵、VOCA佳作賞に岡本秀、弓指寛治の作品が選ばれれ、大原美術館賞には岡本秀の作品が同美術館の選考を経て選出された。なお、第1回開催から『VOCA展』を協賛している第一生命保険株式会社は、収蔵しているVOCA賞の作品を本社1階にあるロビーでの展示や、第一生命ギャラリーで定期的に公開している。さらに、全受賞者に対して、同ギャラリーを個展の会場として提供。『VOCA展2021』の会期を含む3月1日(月)~12月30日(木)まで、『VOCA展2020』で受賞したNerholや、菅実花の作品を含む、これまでのVOCA作家の受賞作品や近作を展示する『VOCA受賞作家展「TOKYO☆VOCAII」』が第一生命ロビーにて開催されるので、こちらも併せて注目してほしい。◆VOCA賞受賞者尾花 賢一作品に取り掛かる際、会場となる『場所』について思考を深めることから始めます。北関東出身の私にとって、上野は東京の玄関口。幼少の頃、初めて美術に触れたのもこの場所でした。この作品では明るさや暗がりが混在する上野の山を、家族と散策した記憶を思い出しながら絵筆を進めました。過去と現在を反芻し、場所のレイヤーを捉え直す。不思議な経緯で辿り着いた作品が、このような賞を頂くことができ大変嬉しく思っております。◆今井 朋(アーツ前橋)・推薦委員の(会場における本作品鑑賞の手引き)上野という場所は、美術の権力化にも大衆化にも同時に加担し続けてきた。名作が展示されもするし、団体展のような市民の発表の場でもある。さらに尾花は、道端で商売をする似顔絵描きや標識などに描かれたグラフィティへも表現としての敬意を示す。動物園のパンダと公園内で来場者がこぼしていった餌を探し求める都会の野生動物など人間の恣意的なものさしによって生まれる現代社会における存在の貴卑へ本作は疑問を投げかける。【VOCA展2021 受賞者一覧】<VOCA賞>・尾花賢一《上野山コスモロジー》/ インク、ワトソン紙、木枠 / 250cm×400cm×20cm<VOCA奨励賞>・鄭梨愛《Vision》 / 布に昇華転写、フック・ステンレスパイプ・木材 / 148.3×318.4×20cm・水戸部七絵《①Picture Diary20200910》《②Picture Diary20200904》/ 油彩、麻布・木製パネル / 250×200×15cm、250×200×10cm<VOCA佳作賞>・岡本秀《複数の真理とその二次的な利用》 / 紙本着色、額に写真をマウント / 180×354×3.5cm・弓指寛治《鍬の戦士と鉄の巨人》/ アクリル・鉛筆・ペン・新聞紙、木製パネル / 249×399×4cm<大原美術館賞>・岡本秀《複数の真理とその二次的な利用》 / 紙本着色、額に写真をマウント / 180×354×3.5cm<選考委員(上記各賞については、以下の選考委員により選考)>・小勝禮子(選考委員長 / 美術史・美術批評)・水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)・家村珠代(多摩美術大学教授)・荒木夏実(東京藝術大学准教授)・前山裕司(新潟市美術館館長)【VOCA展選考委員「VOCA2021」選考所感】<小勝禮子(選考委員長 / 美術史・美術批評)>新型コロナ感染症の世界的な蔓延という、未曽有の事態の中での新作を集めた「VOCA展2021」だが、直接的にその体験を主題にしたものはない。しかしVOCA賞の尾山賢一は、明治以後、美術館・博物館の集中することになった上野の山の歴史的トピックを、漫画の手法でダイナミックに回顧し、奨励賞の鄭梨愛は在日の家族の日常の場面を、転写した薄い布の重なりで重層的に浮かび上がらせた。社会の歴史と個人の日常はつながり合い、溶け合う。コロナ禍での隔離された日常の中で、若手の作家たちは人間と社会の歴史に向き合っているとも言えよう。<水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)>パン(すべて)のデモス(人々)を巻き込む「危機(パンデミック)」に境界はないはずである。しかし、結果的に、対立と分断は、深まるばかりであり、それぞれの地域の問題点や弱点がますます露わになった。「危機(パンデミック)」。それは、じつは芸術の本質と重なる部分がある。ただ、必ずしも直接的な批判とはならないことも多い。今回VOCA賞の尾花賢一《上野山コスモロジー》は、記憶の断片に沈潜する。細部に執着する。劇画風の鮮明さで。鄭梨愛(ちょんりえ)《Vision》は世代をつなぐ記憶を喚起する。ヴェールの柔らかさに何重にも包むように。水戸部七絵《PictureDiary 20200910》《Picture Diary 20200904》は差別をテーマにしている。しかし分厚い絵の具に塗り込めて。それらは「すべての人々」に関わる普遍的なテーマを秘めている。そのためには迂回路もときに必要なのだ。<家村珠代(多摩美術大学教授)>VOCA賞の尾花賢一は、木枠、額縁、同展会場となる上野の山の歴史を劇画調に描いた絵画を大小綯交ぜに構成・配置することによって、鑑者の視線をでこぼこと入り組ませ、史実と妄想が判然としない世界に引き込むものであった。奨励賞の水戸部七絵の人物像は、粘土と見紛うほどの絵具の量感と美しさ、荒々しいストロークによって、圧倒的な存在感と輝きを放つ作品ではあると同時に、背景に判読しにくく文字を記すことによって、その人物像のイメージをゆらがしていた。今年の受賞作品は、そのいずれもが、実際に作品の前にたち、細部にわたってじっくりと読み解く楽しさを再認させてくれるものであった。<荒木夏実(東京藝術大学准教授)>絵画で、あるいはより広く、アートで何を表すことができるのか。今回受賞した人たちに共通するのは、表現せずにはいられない、その人が描く必然性ではないだろうか。アーティストがいま、世界のどこを見て、何を考え、伝えようとしているのか。そのヴィジョンを私は見たい。粗さや未熟さがあったとしても、アーティストの思いと問題意識が伝わる作品が見る人の共感を呼ぶのだと思う。今回の受賞をステップに、さらなる飛躍を期待している。<前山裕司(新潟市美術館館長)>新型コロナウイルスのパンデミックによって、未来が見えず、現在を模索するような状況が続いている。大勢の人がいる映像を見ると、これは過去の映像だといつのまにか判断する自分に嫌気がさす。コロナウイルスは「現在」をことさら意識させているように感じてきた。VOCA賞の尾花賢一や佳作賞の弓指寛治など、歴史や過去を扱った作品がとくに印象に残ったのは、そんなことが影響しているのかどうか。選考会の後ずっと気になっている。【「VOCA展2021」開催概要】「VOCA展2021 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」会場:上野の森美術館会期:3月12日(金)~3月30日(火) ※19日間(予定) / 会期中無休開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館30分前まで最新情報は、上野の森美術館ホームページ( )内で随時公開
2021年01月14日横浜美術館にて現在開催中のコレクション展「ヨコハマ・ポリフォニー:1910年代から60年代の横浜と美術」の見どころを紹介する関連プログラム「オンライントーク」の配信が開始した。横浜とゆかりある作家たちによる絵画や版画、彫刻など約150点の所蔵品から、大正期〜高度経済成長期に至るまでの横浜のアートシーンを探訪する横浜美術館コレクション展「ヨコハマ・ポリフォニー:1910年代から60年代の横浜と美術」。「オンライントーク」で配信される3本のシリーズ映像は、鑑賞をより豊かで多様なものとすることを目的に横浜美術館のエデュケーター(教育普及担当)が制作を担当。(1)「林敬二氏 自作を語る」(2)「長谷川潔の作品と技法」(3)「奥村泰宏と横浜」という3つのテーマから出品作品の見どころや楽しみ方を紹介する。「林敬二氏 自作を語る」では、特集展示の出品作家である画家・林敬二が、生まれ育った横浜の地や川村信雄画塾と東京藝術大学での思い出、画家としての信念や出品作「漾々(ようよう)・アイボリーブラック」シリーズについて語る。また、「長谷川潔の作品と技法」では銅版画家・長谷川潔の作品《アレキサンドル三世橋とフランスの飛行船》(1930年制作)を中心に、作品で使われているメゾチント(マニエール・ノワール)などの技法を実演を交えながら紹介。「奥村泰宏と横浜」においては、写真家・奥村泰宏が生まれ育った戦後の横浜を捉えた写真数点から、現在にもつながる横浜の街の歴史に迫りつつ、奥村独自の視点にも注目していく。なお、横浜美術館は大規模改修工事のため2021年2月28日(日)をもって一時休館。2023年度中の再オープンを目指している。会場に足を運べない方も休館前最後の展覧会となる本展を、「オンライントーク」とともに楽しんでほしい。(1)「林敬二氏 自作を語る」(2)「長谷川潔の作品と技法」(3)「奥村泰宏と横浜」※神奈川県の文化芸術活動再開加速化事業補助金を受けて制作「オンライントーク」詳細: 【開催情報】横浜美術館コレクション展「ヨコハマ・ポリフォニー:1910年代から60年代の横浜と美術」会期:2020年11月14日(土)~2021年2月28日(日)会場:横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)休館日:木曜日(2021年2月11日を除く)、2020年12月29日(火)~2021年1月3日(日)、2月12日(金)開館時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで
2020年12月18日話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今週は東京・丸の内にある三菱一号館美術館の開館10周年を記念した美術展へ行ってきました。■「1894 Visions ルドン、ロートレック展」’21年1月17日まで三菱一号館美術館にて開催中本展のテーマは三菱一号館が竣工した“1894年”。この年を軸に、当時活躍していたルドン、ロートレック、モネ、ゴーギャンなどの作品が6章構成で常時約120点紹介されています。第1章はルドンとロートレックに影響を与えた画家たち(モネなど)の作品が並びます。第2章ではルドンの木炭作品が。白と黒のシンプルな作風です。そして第3章がポスター画家として活躍したロートレックの作品です。ムーラン・ルージュというナイトクラブのポスターは誰もが一度は目にしたことがあると思います。フレンチカンカンを踊るダンサーたちの絵を見ながら無料音声ガイドの『天国と地獄』を聞くと、静かな館内が熱気に包まれた感じに!第4章はゴーギャンの貴重な木版画、第5章には山本芳翠ら1900年前後にパリで学んだ日本人画家の作品が展示。そして第6章に再びルドン作品が登場です。2章で見た白黒の作品から一転して色鮮やかな作風へ変わっています。同一人物の作品と思えません。高さ2.5メートルの壁画《グラン・ブーケ(大きな花束)》は、大きさの迫力よりも色の美しさやタッチに見とれます。感激……。夕方に合わせて行くと美術館の廊下からイルミネーションが見えるので、このお得感を含めぜひ足を運んでみてください。「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載
2020年11月30日国内の近代美術館のなかでも、優れた20世紀美術コレクションに定評のある横浜美術館、富山県美術館、愛知県美術館が協働する展覧会『トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館20世紀西洋美術コレクション』展が横浜美術館にて11月14日(土)に開幕。2021年2月28日(日)まで開催される。来年3月から約2年間の長期休館に入る横浜美術館にとっては休館前の最後の展覧会だ。トライアローグとは、3者による鼎談(話し合い)を意味する言葉。この展覧会は3館のそれぞれのコレクションを用いて20世紀の美術を概観するもので、3館の担当学芸員が濃密な議論を重ね、ラインナップが構成されていった。このタイトルにちなみ、「3」をキーワードに、3章立て、30年区切りで展開されていく。横浜美術館第1章「1900sーー アートの地殻変動」は1900年から1930年前後にかけての美術を概観していくもの。印象派やポスト印象派などが新しい表現方法を提示した18世紀後半の芸術家たちの地ならしを受け、この時代はフォービズムにキュビズム、表現主義、抽象絵画にダダや構成主義など新しい表現が同時多発的に噴出する激動の時代だった。展示されている作品もバラエティ豊かで濃密な時代であったことが伺える。第1章「1900sーーアートの地殻変動」展示風景展覧会は、美術の流れを概観できるだけでなく、随所に「Artist in Focus」と題された各館の収蔵品を並べるコーナーも展開されている。すべてフェルナン・レジェの作品 左から《緑の背景のコンポジション(葉のあるコンポジション)》1931 愛知県美術館、《コンポジション》1931 横浜美術館、《インク壺のあるコンポジション》1938 富山県美術館たとえば、レジェのコーナーでは3館の所蔵によるレジェの作品をそれぞれ鑑賞できる。同じ年に描かれた愛知県美術館、横浜美術館の作品にくらべ、7年後に描かれた富山県美術館の作品は輪郭線が太くなっていることがわかる。このほか、ピカソやクレー、エルンストなどの作品が並べられ、見比べられるようになっており、作家の画風の変遷だけでなく、各美術館の審美眼などにも想いを馳せることができる。第2章「1930s——アートの磁場転換」 展示風景続く第2章「1930s——アートの磁場転換」では、美術のみならず、映画や文学など芸術全般に大きな渦を巻き起こしたシュルレアリスムからスタートし、1960年代までを俯瞰する。すべてジュアン・ミロの作品 左から《花と蝶》1922-23 横浜美術館、《パイプを吸う男》1925 富山県美術館、《絵画》1925 愛知県美術館第2章「1930sーーアートの磁場転換」 展示風景第2章もまた激動の30年だ。この期間に、第二次世界大戦が勃発。その影響により多くの芸術家たちがヨーロッパからアメリカへと渡り、結果、戦後の美術シーンの中心地はヨーロッパからアメリカへとなっていく。シュルレアリスム作品が多くあった展示室から、サム・フランシスやルーチョ・フォンタナらの作品のある展示室へ移動した瞬間、雰囲気がガラリと変わり驚かされる。通常の美術展では、1945年前後を区切りとして扱うものが多いなか、あえて戦前と戦後を一緒のくくりで扱うことで、美術の大きなながれが見えてくる。第3章「1960sーー アートの多元化」 展示風景そして、最終章である第3章「1960sーー アートの多元化」では、より多様化していく美術のあり方を紹介する。美術作品の表現や考え方がどんどん多様化し、展示場所もギャラリーや美術館を飛び出し、壮大なものに発展していく。3館の収蔵品だけで、約90年の美術の流れを学び取ることができる刺激的な展覧会。現在、海外美術館から作品を借り入れることが難しい状況において、国内の名品を持ち寄るという新しい形の展覧会の作り方は、今後の大きな指針となりそうだ。長期休館に入る横浜美術館に、ぜひ刺激をもらいにいこう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館20世紀西洋美術コレクション』展11月14日(土)~2021年2月28日(日)、横浜美術館にて開催※日時指定予約制。詳細は公式HPを参照。
2020年11月20日日本橋三越本店では「秋の三越美術特選会」を本館6階美術特選画廊にて開催します。本展では近代フランス絵画、三岸節子、近代日本画、洋画、2021年三越伊勢丹カレンダー原画を特集します。近代フランス絵画特集ではシャガール、ユトリロ、レオナール・フジタ、ラウル・デュフィなど20世紀初め、パリを拠点に活躍したエコール・ド・パリの画家たちを中心に展覧。三岸節子特集では生誕115年を記念し、代表的な花のモチーフを作品に展覧するほか、近代日本画、洋画を代表する横山大観、川合玉堂、安田靫彦、東山魁夷、奥田元宋、林武、宮本三郎、山口薫などの作品もあわせてご紹介いたします。横山大観「不二霊峰」50.5×72.7cmモーリス・ユトリロ「サクレクール モンスニ通り」47.5×34.5 1922年今特集でご紹介するレオナール・フジタやユトリロたちは、エコール・ド・パリと呼ばれ、モンマルトルやモンパルナスを舞台に意欲的な作品を展開しました。才能あふれる画家たちが親密に交流しながら切磋琢磨した時代の逸品がそろいます。※価格はお問い合わせください。≪「秋の三越美術特選会」印象派以降の近代フランス絵画の魅力をバイヤーが語る≫また、2021年三越伊勢丹カレンダー原画特集では現代日本画、洋画を代表する絹谷幸二、千住博など全6名の作家がカレンダーのために描いた作品をご紹介いたします。あわせて、アートギャラリーにて「須藤和之 日本画展」、「マイセン逸品展」、「立ち上がる土、しなやかなガラス」、「仲岡信人陶展」を開催いたします。■須藤和之 日本画展-四季の空、風のこころー2020年11月11日(水)~16日(月)[最終日午後5時終了] 日本橋三越本店 本館6階 美術サロンこちらのURLからデジタルカタログがご覧いただけます。■栄光の19世紀 マイセン逸品展2020年11月11日(水)~16日(月)[最終日午後5時終了] 日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊こちらのURLからデジタルカタログがご覧いただけます。■立ち上がる土、しなやかなガラス『素材からあらわれる生態的形態』2020年11月4日(水)~16日(月)[最終日午後5時終了] 日本橋三越本店 本館6階 コンテンポラリーギャラリー■仲岡信人 陶展~群青と叙情~2020年11月11日(水)~17日(火)[最終日午後5時終了] 日本橋三越本店 本館6階 美術工芸サロンこちらのURLからデジタルカタログがご覧いただけます。※諸般の事情により、営業日、営業時間の変更、予定していたイベントなどが中止・変更となる場合がございます。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年11月04日東京都庭園美術館で、10月17日より『生命の庭8人の現代作家が見つけた小宇宙』が開幕した。この展覧会は、現代美術をテーマにした同館では久々の展覧会。2021年1月12日まで開催される。
2020年10月20日歴女はもちろん、戦国通も茶道ファンも!華麗な桃山文化の美術品に注目した、特別展『桃山─天下人の100年』。政治史における安土桃山時代とは室町幕府滅亡から江戸幕府開府までの、わずか30年間。織田信長と豊臣秀吉が政権を握っていたこの時代には南蛮文化が伝わり、ヨーロッパの美術品が本格的に日本に流入。日本美術史上もっとも豪華絢爛な時代として知られている。そんな激動の時代に花開いた桃山美術に注目した本展。室町末から江戸初期に至る100年間の美術作品約230件を展示。美術品から日本美術の流れを知るのが狙いだ。まず注目したいのが絵画。狩野永徳や長谷川等伯らによる障屏画を大々的に紹介。さらに桃山時代前後の作品も加える本展ならではの趣向も。例えば室町後期の禅宗寺院の大画面障壁画や洛中図は格式高く、安土桃山時代後の近衞信尹(のぶただ)や俵屋宗達らの作品は優美で自然な調和を重んじている。100年間という時の流れの中、時代を映した日本画の画風の変化を比較できる試みだ。また桃山文化と聞いて外せないのが茶の湯の発展。こちらも千利休から古田織部に至るまで、時の人とともに育まれていった精神性や造形美を選りすぐりの名品から導き出す。最終章では、豊臣家滅亡後の江戸の武家美術も紹介。徳川の時代になって、桃山美術がいかに受け継がれ、どのようにリニューアルしていったのか、その進化から未来を展望する。戦国武将の肖像画から、茶道具、甲冑や刀剣といった武具まで名品が集結する圧巻の内容。美術史のバイブルとして楽しめるのはもちろん、戦国ファンにも、茶道通などカルチャー女子にも満喫できるはずだ。唐獅子図屏風狩野永徳筆安土桃山時代・16世紀東京・宮内庁三の丸尚蔵館蔵後期展示2頭の威圧的な唐獅子は時代の空気を体現。狩野永徳の《唐獅子図屏風》。重要文化財松鷹図襖・壁貼付狩野山楽筆江戸時代・寛永3年(1626)京都市(元離宮二条城事務所)蔵通期展示(部分)狩野山楽の《松鷹図襖・壁貼付》は京都・二条城の大広間の障壁画。重要文化財花鳥蒔絵螺鈿聖龕安土桃山時代・16世紀九州国立博物館蔵前期展示《花鳥蒔絵螺鈿聖龕》は日本から欧州に輸出されたキリスト教の祭儀具。『桃山─天下人の100年』東京国立博物館 平成館東京都台東区上野公園13‐910月6日(火)~11月29日(日)(前期:10/6~11/1後期:11/3~11/29)9時半~18時(金・土曜~21時)月曜(11/23は開館)、11/24休一般2400円ほか※事前予約制。TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年10月7日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年10月02日サントリー美術館のリニューアル・オープン記念展III「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」が開催。会期は2021年2月28日(日)まで。異国・異文化交流で生まれた美術品の数々を展示「日本美術の裏の裏」展と同じく、サントリー美術館のリニューアル・オープン記念展となる「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」。本展は、異文化や異民族、異なる要素が結びつくことで生まれる新たな“美”をテーマに展開する。会場では、江戸時代からパリ万博まで約300年の間における芸術作品を、サントリー美術館のコレクションの中から日本美術を軸に厳選して展示。6つのセクションに分け、国・時代・素材の枠を超えて結びつき花開いた、6つの美の物語を紹介していく。<ストーリー1>欧州を魅了した陶磁器「古伊万里」第1のセクションでは、江戸時代にヨーロッパ諸国が高く評価した陶磁器「古伊万里」をフィーチャー。17世紀半ばに中国磁器に取って代わる形で欧州各国に輸出されるようになった、華やかな「古伊万里」を集積。「柿右衛門様式」や「金襴手様式」を中心に、新収蔵品も交えて紹介する。<ストーリー2>徳川将軍家への献上品、高級磁器「鍋島」江戸時代の佐賀藩(鍋島藩)の運営する「鍋島藩窯」で作られた高級磁器「鍋島」にフォーカスする第2節。徳川将軍家への献上品や藩の贈進の品として扱われた、意匠を凝らした豊富な種類の「鍋島」を展示する。構図・色彩ともに優れた作品を展示すると同時に、“白抜き文様”の繊細な美にも注目していく。<ストーリー3>琉球王国の染織「紅型」その“型紙”に注目3つ目のセクションでは、海上貿易を通じて独自の文化を形成した琉球王国の染織を代表する「紅型」の裂地コレクションを特集。さらに、「紅型」の“型紙”に焦点をあて、“型紙”を作り出した高度なテクニックと隠れた魅力を紹介する。<ストーリー4>欧州への憧れが生んだ日本のガラス器16世紀にヨーロッパの宣教師が日本へ持ち込んだ、実用性と装飾性を兼ね備えたガラス器への憧れが原動力となり本格化したとされる、日本のガラス器生産。本章では、ヨーロッパのガラス器と日本の美意識が結びついて生み出された「びいどろ」や「ぎやまん」といった作品を展示する。<ストーリー5>文明開化や西洋風俗、リアルを捉えた浮世絵版画第5章では、江戸の浮世絵、幕末維新期の横浜浮世絵・開化絵、明治前期の小林清親らの光線画を中心に、日本と西洋の文化が結びついた版画の美を展観。流行を敏感にとらえ、江戸を代表する美となった浮世絵版画が映す、当時のリアルな世界観を感じることが出来る。<ストーリー6>名匠・ガレ、異文化を取り込み昇華したガラス作品最終章では、アール・ヌーヴォー期を代表するフランスの芸術家エミール・ガレの作品の中から、特に日本美術とかかわりの深い作品をサントリー美術館のコレクションの中から展示。フランスの伝統にエジプト・イスラム・中国・日本など、異国の美術のエッセンスを取り入れた、鮮やかな花器や壺などのガラス作品を公開する。【詳細】リニューアル・オープン記念展III「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」会期:2020年12月16日(水)~2021年2月28日(日) 会期中に展示替あり会場:サントリー美術館住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階開館時間:10:00~18:00※2月10日(水)・22日(月)は20:00まで開館。※入館は閉館の30分前まで。休館日:火曜日(2月23日(火・祝)は18:00まで開館)、12月28日(月)~1月1日(金・祝)入館料:当日券 一般 1,500円/大学・高校生 1,000円/中学生以下無料、前売 一般 1,300円/大学・高校生 800円※会期・時間は変更の場合あり。※チケットはサントリー美術館受付、サントリー美術館公式オンラインチケット、ローソンチケット、セブンチケットで取り扱い。前売り券は展覧会開幕前日までの販売。【問い合わせ先】サントリー美術館TEL:03-3479-8600
2020年09月27日現代美術のアートフェア「artTNZ produced by AFT with APCA」が、東京・天王洲の「TERRADA ART COMPLEX Ⅱ」3F、4Fにて、2020年9月18日(金)から9月21日(月・祝)まで開催される。「artTNZ」は日本最大級の国際的なアートフェア「アートフェア東京」を運営するアート東京と、「ART OSAKA」や「ART in PARK HOTEL TOKYO」等のホテル型アートフェアを運営する日本現代美術振興協会がともに開催する現代美術のアートフェア。会期中は、総勢42軒もの現代アートギャラリーが集結。国内外で活躍する日本を代表するギャラリーから若手実力派ギャラリーまでが勢揃いする。アッシュ・ペー・フランス(H.P.FRANCE)が運営するhpgrp GALLERY TOKYOやタカ・イシイギャラリー、小山登美夫ギャラリーをはじめとする東京のギャラリーに加え、愛知や京都、大阪からも出展。多彩なアートを一度に目の当たりにできる機会となる。なお、天王洲に位置する会場の「TERRADA ART COMPLEXⅡ」は倉庫を改装した展示場で、2021年春までに計10ギャラリーの入居を予定。天王洲を訪れるアートファンの憩いの場となるカフェやガーデンも併設される、注目のアート複合施設だ。【詳細】artTNZ produced by AFT with APCA会期:2020年9月18日(金)~21日(月・祝)時間:9月18日(金)12:00~20:00 / 9月19日(土)12:00~18:00 / 9月20日(日)12:00~18:00 / 9月21日(月・祝) 12:00~16:00※9月17日(木)は招待日。会場:TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 3F、4F住所:東京都品川区東品川1-32-8出展ギャラリー:42ギャラリー予定(Aセクション28軒、Tセクション14軒)入場料:無料、但し完全登録予約制■出展・Aセクション出展ギャラリー(TERRADA ART COMPLEX II 3F)〈東京〉TOMOHIKO YOSHINO GALLERY、MARUEIDO JAPAN、画廊香月、橘画廊、 gallery21yo-j、MEM、KOKI ARTS、GALLERY 麟、レントゲン藝術研究所準備室、SH ART PROJECT、 GALLERY KOGURE、Gallery 38、LOKO GALLERY、hpgrp GALLERY TOKYO〈愛知〉AIN SOPH DISPATCH、LAD GALLERY、STANDING PINE〈京都〉FINCH ARTS、MORI YU GALLERY、COHJU contemporary art〈大阪〉the three konohana、DMOARTS、サイギャラリー、Yoshiaki Inoue Gallery、TEZUKAYAMA GALLERY、ギャラリーノマル、アートコートギャラリー、YOD Gallery・Tセクション出展ギャラリー(TERRADA ART COMPLEX II 4F)〈東京〉Contemporary HEIS art、KOSAKU KANECHIKA、小山登美夫ギャラリー、MAHO KUBOTA GALLERY、TARO NASU、たけだ美術、GALLERY TARGET、Sho + 1、GALLERY SIDE 2、ユミコチバアソシエイツ、アートフロントギャラリー、タカ・イシイギャラリー、104GALERIE〈京都〉imura art gallery
2020年08月07日世界が認める現代アートのトップランナー6名の活動の軌跡を紹介する『STARS展:現代美術のスターたち—日本から世界へ』が、森美術館にて7月31日(金)に開幕。2021年1月3日(日)まで開催されている。同展で紹介されるのは、草間彌生、李禹煥(リ・ウファン)、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司の6名。会場ではアーティストごとに展示空間を区切り、彼らが国際的に認められるようになった初期作品から最近作または新作などを展示。その活動の軌跡を振り返ることができる。最初に登場する村上隆は、1990年代にマンガやアニメを起点とするキャラクター絵画やフィギュア彫刻を発表し、日本のオタク文化的な美学を西洋美術界で確立。初期作品である《Ko2ちゃん(プロジェクトKo2)》(1997年)から、東日本大震災への呼応として制作された巨大な鬼の彫刻作品と最新ビデオ作品、同展のために制作された約20メートルの巨大絵画2点などが紹介される。森美術館()
2020年07月31日