ペットと暮らした経験のある人ならば、誰もが「動物と会話ができたらいいのに」と思ったことがあるでしょう。心でコミュニケーションはとれるものの、人間と動物が完全にお互いの言語を理解することはできません。そのため時折、意思疎通を図る上でもどかしさを感じることもあります。愛犬の鳴き声を『バウリンガル』で翻訳した結果…!?ミニチュア・ダックスフンドの、みらいくんと暮らす飼い主(@miraizun)さんも、そんな願いを持っている1人。ある日飼い主さんは、みらいくんとのコミュニケーションをより円滑にすべく、お役立ちアイテムを購入しました。それは…犬の鳴き声を周波数分析し、人語に翻訳してくれる『バウリンガル』!2024年現在は製造されていないため、飼い主さんはフリマサイトを経由して『バウリンガル』を購入。みらいくんが『言葉』を発するたびに、翻訳機を使ってその気持ちを読み取ってみることにしたのです。そんなある日、飼い主さんはみらいくんのご飯を用意する際、『バウリンガル』を使用することに。その結果、どのようなメッセージが画面に表示されたかというと…。最上級にウキウキとしている…!きっと、ご飯を食べるのが大好きなみらいくんは、お皿が出てくるまで待ちきれないのでしょう。飼い主さんに熱い視線を送る姿からも、食事に対する熱意が伝わってきます。モフモフなしっぽを横に振りながら、心の中では、「ウキウキ!マンボー!」と叫んでいるのかもしれません!食事が大好きな人間も、おいしい食べ物を口にする前は、心が躍ってしまうもの。そんな気持ちを言葉で表したものが『ウキウキマンボー』なのでしょうか。まさかの翻訳結果に、ネットからは「外出中なのに笑いを堪えきれんかった…」「不意打ちで吹いた」といった声が続出。みらいくんの『ひと言』は、多くの人を笑顔にしたようです!あなたも食事をする前は、『ウキウキマンボー』と口にしてみてはいかがでしょうか。さらに楽しくなること間違いなしです![文・構成/grape編集部]
2024年02月24日「天官賜福」漫画版を日本語翻訳した書籍が通常版と特装版の2種でそれぞれ2024年2月20日(火)と3月25日(月)に発売することが決定! 本日より、書影や詳細情報を解禁するとともに予約を開始!本作はアニメ・ラジオドラマなどの多様なメディアミックスでアジアをはじめ世界にファンを広げる中国大人気作家・墨香銅臭原作の同名小説を、圧倒的な画力で知られるSTARemberがフルカラーでコミカライズしたもの。天界・人間界・鬼界の3つの領域から成る世界で、若くして飛昇し武神となったものの、二度も天界から追放された太子殿下・謝憐(シエ・リェン)と天界の神官たちにさえ恐れられる絶境鬼王の血雨探花・花城(ホワ・チョン)。二人が織りなす800年越しの再会と愛を美しく繊細な筆致で描き起こす。(C)『天官賜福』嗶哩嗶哩漫画/墨香銅臭/晋江文学城/STARember■ ■漫画「天官賜福」MV動画1: ■ ■商品詳細◆漫画「天官賜福」日本語翻訳版 第1巻[限定特典付き特装版]・特殊加工表紙、そして小口塗りを施した限定仕様の漫画書籍に特典として特製BOXとアクリルブロックが付属する豪華特装版をSony Music Shopにて限定販売。・定価(本体価格):9,000円(税抜)・寸法:書籍=B5変形/アクリルブロック:約幅170mm×高さ125mm×厚さ20mm<ご予約はこちらから>▼Sony Music Shop ・特典:アクリルブロック (イメージ)◆漫画「天官賜福」日本語翻訳版 第1巻・数量限定特典:アニメイト=A4クリアファイル/ステラワース=2L版ブロマイド・定価(本体価格):3,500円(税抜)・寸法:書籍=B5変形<ご予約はこちらから>▼アニメイト ▼ステラワース ■ ■漫画「天官賜福」(紙書籍)公式X(旧Twitter)アカウント公式Xアカウント:@tgcf_comic(C)Tencent (C)Sony Music Solutions Inc. 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月22日第16回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」の受賞者・団体が発表された。今回の受賞者・団体は、『火の顔』『アンティゴネ』『未婚の女』の翻訳・ドラマトゥルクを務めた大川珠季、『アナトミー・オブ・ア・スーサイド―死と生をめぐる重奏曲―』の翻訳を担当した關智子、『黄色い封筒』を上演した劇団青年座、パレスチナ演劇上演シリーズ『占領の囚人たち』、現代カナダ演劇上演 ニコラス・ビヨン2作品上演『慈善家-フィランスロピスト』『屠殺人 ブッチャー』を上演した名取事務所。贈呈式は2024年1月15日(月) 13時より東京・あうるすぽっとで行われる。本賞は、2017年までの10年間、小田島個人が主催し、海外戯曲の優れた翻訳者に贈呈されてきた。第11回からは名称と趣旨を引き継ぎ、実行委員会が主催して運営。翻訳者に加え、海外戯曲の優れた上演成果も対象に、実行委員の合議で選考している。第16回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」受賞者・団体大川珠季■『火の顔』『アンティゴネ』作:『火の顔』マリウス・フォン・マイエンブルク『アンティゴネ』ベルトルト・ブレヒト(原作:ソフォクレス)演出:深作健太翻訳・ドラマトゥルク:大川珠季上演期間:2023年4月8日(土)~4月16日(日)会場:吉祥寺シアター■『未婚の女』作:エーヴァルト・パルメツホーファー演出:深作健太翻訳・ドラマトゥルク:大川珠季上演期間:2023年10月18日(水) ~10月22日(日)会場:銕仙会能楽研修所關智子■『アナトミー・オブ・ア・スーサイド―死と生をめぐる重奏曲―』作:アリス・バーチ演出:生田みゆき翻訳:關智子上演期間:2023年9月21日(木)~9月29日(金)会場:文学座アトリエ劇団青年座■『黄色い封筒』作:イ・ヤング(李羊九)翻訳・ドラマトゥルク:石川樹里演出:須藤黄英上演期間:2023年7月5日(水) ~7月10日(月)会場:吉祥寺シアター名取事務所■パレスチナ演劇上演シリーズ『占領の囚人たち』「Prisoners of the Occupation」東京版作:パレスチナ人政治囚、エイナット・ヴァイツマン「I, Dareen T. in Tokyo」作:ダーリーン・タートゥール、エイナット・ヴァイツマン翻訳・ドラマトゥルク:渡辺真帆演出:生田みゆき上演期間:2023年2月17日(金)~2月26日(日)会場:下北沢「劇」小劇場■現代カナダ演劇上演 ニコラス・ビヨン2作品上演『慈善家-フィランスロピスト』『屠殺人 ブッチャー』作:ニコラス・ビヨン翻訳:吉原豊司演出:「慈善家-フィランスロピスト」小笠原響「屠殺人 ブッチャー」生田みゆき上演期間:2023年11月17日(金)~12月3日(日)会場:下北沢「劇」小劇場
2023年12月12日第15回小田島雄志翻訳戯曲賞受賞の前作に続く上演プロジェクト第2弾トランスレーション・マターズ(代表:木内宏昌)主催、『エミリア・ガロッティ/折薔薇』が2023年10月14日(土) ~ 10月26日(木)すみだパークシアター倉(東京都墨田区横川1丁目1-10)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて9月9日(土)10:00より発売開始です。カンフェティにて9月9日(土)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ Twitter 昨年上演の『月は夜をゆく子のために』で第15回小田島雄志翻訳戯曲賞作品賞を受賞したトランスレーションマターズ上演プロジェクト、その第2弾として『エミリア・ガロッティ/折薔薇』を上演します。ゲーテ、シラー、カント、メンデルスゾーンにも影響を与えた18世紀ドイツの劇作家レッシングによる、世界で初めての市民悲劇と言われる『エミリア・ガロッティ』に挑みます。台本は、明治時代、ドイツ留学から帰国した森鴎外(当時森林太郎)が訳した『折薔薇』と、現代語訳を駆使した翻案による上演。また、ダンスカンパニーOrganWorks主宰にして東京オリンピック開会・閉会式の振付を担当した平原慎太郎をムーヴィング・ディレクターに迎えます。さらに、美術・衣裳家の大島広子をコーディネーターに、環境負荷を軽減する創造活動(グリーンプロダクション)を目指します。タイトルロールはオーディションで選ばれた上原実矩(うえはらみく)。2022年公開、第22回TAMA NEW WAVEと第15回田辺・弁慶映画祭でグランプリに輝いた映画『ミューズは溺れない』に主演し注目を集め、本作が本格舞台初出演となります。古典戯曲への取り組みを通じて、楽観できない新しい時代のために先人が指さしたものを見つめながら、私たちは何を守り、どう変われるのかを問いかけます。上原実矩高畑こと美斎藤直樹トランスレーション・マターズとはトランスレーション・マターズは、2021年に設立した戯曲翻訳者のグループです。ディレクターとして、現代演劇界の第一線で活躍する小川絵梨子・小田島創志・木内宏昌・小山ゆうな・髙田曜子・常田景子・広田敦郎が参加しています。上演活動以外に、戯曲翻訳者が企画するトークセッション、戯曲翻訳を読む会、ワークショップなどを行っています。過去公演『月は夜を行く子のために』公演概要トランスレーション・マターズ上演プロジェクト第2弾『エミリア・ガロッティ/折薔薇』公演期間:2023年10月14日(土) ~ 10月26日(木)会場:すみだパークシアター倉(東京都墨田区横川1丁目1-10)■出演者上原実矩、菊池夏野、大沼百合子、関根麻帆、森島美玖、高畑こと美斎藤直樹、村岡哲至、古河耕史、荒井正樹、近藤 隼、片岡正二郎■スタッフ作:ゴットホルト・エフライム・レッシング翻訳:森鴎外+トランスレーション・マターズ翻案・演出:木内宏昌ムーヴィングディレクター:平原慎太郎舞台美術・衣裳・グリーンプロダクションコーディネーター:大島広子■公演スケジュール10月 14日(土)19:0010月 15日(日)14:0010月 16日(月)14:0010月 17日(火)19:0010月 18日(水)19:0010月 19日(木)休演日10月 20日(金)19:0010月 21日(土)14:0010月 22日(日)14:0010月 23日(月)14:0010月 24日(火)19:0010月 25日(水)19:0010月 26日(木)14:00※受付は開演の45分前・開場は開演の30分前です■チケット料金前売:一般7,300円当日:一般7,300円その他:すみだ区民割6,800円(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年08月31日フローレンス・ピュー主演のNetflix映画『聖なる証』の原作小説の日本語翻訳が、翻訳小説の文庫レーベル・マグノリアブックスから刊行されることになった。本作は、断食しながら生きる“奇跡の少女”アナと、彼女を観察するために派遣された看護師のリブを描いた歴史フィクション。1859年、アイルランドの田舎町に英国人看護師リブ・ライト(フローレンス・ピュー)が訪れる。リブはクリミア戦争の従軍看護師で、ナイチンゲールに師事していた。彼女に課されたのは、絶食を続けているにもかかわらず健やかに生き続け、奇跡の少女と名をはせるアナ・オドネルを2週間観察すること。Netflix映画『聖なる証』配信中医学の訓練を受けたリブは奇跡など信じず、ひみつを暴こうと必死になるが何の糸口も見つからない。少女はほんとうに奇跡の存在なのか?少女はいったい何者なのか?リブがアナを「救うべきひとりの患者」として見つめ始めたとき、さまざまな人間の思惑が明らかになる。少女の生存に必要なのは、信仰か科学か、それとも......?著者は、アカデミー賞ノミネート作品である映画『ルーム』の原作者エマ・ドナヒュー。その原作「部屋」(土屋京子訳/講談社・2011年)はマン・ブッカー賞の最終候補に選出。映画化の際には脚本も担当し、第88回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた。マグノリアブックス「聖なる証」は4月20日(木)よりオークラ出版にて発売。著:エマ・ドナヒュー訳:吉田育未定価:1,320円(税込)(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2023年04月16日海外で最もよく読まれている作家といえば、必ず名前があがる中村文則さんと村田沙耶香さん。2人の対談から小説の海外翻訳の最前線を探ります。村田沙耶香(以下、村田):この数年、日本の小説がイタリアでブームなのだと、イタリアの翻訳家さんから教えてもらいました。イタリア語翻訳ができる人が足りなくて、たくさんの小説をご自身や生徒さんが翻訳なさってるそうです。中村文則(以下、中村):日本文学は、村田さんをはじめ、多和田葉子さんや柳美里さん、川上弘美さん、小川洋子さん、川上未映子さんなど、海外でも女性作家の勢いがあります。村田:中村さんはそれこそ10年以上前からいち早く海外で評価された方で、ノワール小説の分野で貢献した作家に贈られる「デイヴィッド・グディス賞」を日本人で初めて受賞されているので、作家仲間からも尊敬されていて、新しい道を切り開いたというイメージがあります。中村:いやいや。僕はむしろ、今こうして日本の女性作家が注目されているのは、いい流れだなと思っています。村田:私の本を日本語からデンマーク語にしてくださるメッテ・ホルムさんという翻訳家さんは、村上春樹さんの作品も手がけていて、デンマークで日本文学を広めてくださっている方です。今村夏子さんや本谷有希子さんもお好きだと言っていました。日本の女性作家たちに注目が集まるわけ。中村:元々、東野圭吾さんや桐野夏生さんなど、ミステリーは本当によく訳されていました。今そうした支持が他の小説にも広がってきたと感じています。村田:ですね。ふんわりした情報で申し訳ないですが、少し前は、フランスで「ノヴェラ」と呼ばれるいわゆる中編小説くらいの長さの日本作品が多く訳されていたと聞きました。日本の現代小説は、欧米の長編作品と比べると短く、中編として扱われるようです。今は他の国でも短い作品が本になるケースが増えたと聞いたことがあります。中村:アメリカ人は相変わらず長い作品も好きなんだけれど、長編だと翻訳にお金もかかる。それで出版自体を躊躇するというのはあるみたいです。だから、翻訳ものに限ると、短いものがいい。村田:そういうことなんですね。中村:村田さんは、『コンビニ人間』などの自作を、英訳されたものと照らし合わせながら読んだりしますか?村田:英語が苦手で、今もレッスンを受けたりしてるくらいなので。訳は翻訳家さんを信じて任せることにしています。中村:僕も同じです。でも『掏摸〈スリ〉』の冒頭だけ比べてみたことがあって。僕は自分で書くとき、日本語のリズムにこだわっているんですね。その文体のリズムを翻訳者に感じ取ってもらって、翻訳者がそれを訳すと独特な英語のリズムが出る。絶妙なところで、キッド、アップと韻を踏んだり。逆で言えばカミュの『異邦人』の邦訳は翻訳ならではの魅力的な文体。日本語で書かれた僕の小説をそのまま読む人と、英語になった形で読む人とがいて、それも面白さだと思うのですが。村田:私の著作の英訳はほぼ、翻訳家の竹森ジニーさんが手がけてくださっているのですが、以前、一緒にイベントに出たときに、お話を聞いてとても感動したんです。彼女はまず全体を通して訳し、その後、目をつぶって、小説中に流れているボイスがどうすれば忠実に伝わるかを考えて、もう一度ていねいに訳していくとおっしゃっていました。ただ日本語を他言語に変換するだけではなくて、作品の声がしっかり伝わることを大切にしてくださっていると感じました。中村:たとえば『コンビニ人間』だとどんな工夫があったんですか。村田:日本のコンビニが舞台なので、「いらっしゃいませ」がよく出てくるんです。でも訳したときに「Welcome」だとちょっと意味が変わってしまう。ジニーさんは「これは日本ならではのニュアンスがあるから訳せない」と。それであえて「Irasshaimase」のままにしたそうなんです。中村:機械的な言葉だし、何度も出てくると呪文みたいに機能してきますね。村田:そういうジニーさんのセンスを尊敬し、信頼しているので、全部お任せすることにしています。中村:僕の短編で「心を開きなさい/鯵の開きみたいに」というふざけたセリフがあって、でもロシアで訳されるとき、鯵の開きを読者は知らないから、翻訳者さんが工夫して。「毛皮のコートを着たニシン」という料理があって、それはニシンが隠れるイメージで、逆の意味で使ったんです。「毛皮の~みたいに隠さないで」と。翻訳の妙だなと思いました。村田:コロナ禍で中止が相次いでいた海外の文学フェスティバルや書店イベントが少しずつ戻ってきていますね。中村:海外でのイベントに行くと、お客さんは二派に分かれていると感じます。その作家に関心があって来てくれる人と、日本や日本のカルチャーに関心があって来てくれる人。アジアやヨーロッパだと、アニメ好きが多いこともあってジャパニーズカルチャーをもっと知りたいという空気があるんですが、アメリカはそもそも「個」に関心がいく。作家個人として見てくれるのがうれしい。あと、海外では責任も感じる。シンガポールのブックフェアに招かれたとき、「日本人で呼んだ最初の作家だ」と言われて、失敗したらもう次から日本人作家呼ばれなくなるんだと(笑)。村田:海外メディアのインタビューを受けると、日本との違いに戸惑ったりもします。「作家」に求める言葉や意見がしっかりあると感じ、心打たれる場面もあります。「日本の女性は今どういう状況にあるのか」と聞かれたり。それこそデンマークでその質問が出たとき「子供の頃から清潔な肉便器だと思っていた」と答えたんです。そのとき専門の研究者の方が説明してくださって、「そんな言葉はとても悲しい」と仰ってました。中村:海外と日本とで事情が違うなあと思うことに、書評もあります。アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』でかなり長い書評を書いてもらったことがあるんですが、決して褒めているだけじゃない。厳しい評価も書かれています。村田:私も『生命式』、英語版だと『Life Ceremony』というんですが、その書評が『ニューヨーク・タイムズ』に載ったことがあるんです。でも私にとっては難しすぎる英語で、ちゃんと深く読むことができなくて。ジニーさんに河出の編集者さんが意味をお聞きしていました。中村:日本だと基本的に書評するのは薦めたい作品だけど、海外だと信頼できる媒体で書評されたなら十分価値があると考えるらしいです。賞レースも、日本だと落ちたら触れないという感じになるのに、海外だとノミネートされるだけでもすごいという空気。僕は『悪と仮面のルール』が2014年に米国のホラー系の「ブラム・ストーカー賞」にノミネートされたんです。一次選考に通りましたという連絡が来て、「二次は読者投票です」と言うんだけど、並びの候補作にスティーヴン・キング作品とか入ってるの。読者投票なら勝てるわけない(笑)。そういえば、村田さんも米国の「シャーリー・ジャクスン賞」にノミネートされていましたね。村田:『信仰』という作品です。ダークな作風の短編を対象にした賞で、最終候補に残りましたと。ただ、選考会がないそうなんです。「選考委員たちが作品の話をしながら過ごしていくうちになんとなく決まります。春くらいに」と言われて、本当に驚きました。中村:それは知らなかった(笑)。何にせよ、自分の著作が海外で翻訳されて感想を聞けたり海外の作家さんと交流できたりは刺激になるし、楽しい体験です。村田:私も、友達になった海外の作家さんとまた早く会いたいです。なかむら・ふみのり1977年、愛知県生まれ。2002年に「銃」で新潮新人賞を受賞し、デビュー。’05年、「土の中の子供」で芥川賞を受賞。著作は、台韓中などのアジア諸国、欧米、中東など15の言語に翻訳されている。むらた・さやか1979年、千葉県生まれ。2003年、「授乳」が群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。『生命式』『地球星人』など飜訳されている作品多数。アジア9都市9人の作家が競作するアンソロジー『絶縁』に参加。※『anan』2023年4月19日号より。写真・土佐麻理子取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年04月15日旦那さんと国際結婚をした投稿者さん。結婚の際には、書類作成や翻訳などやらなくてはならないことがたくさんあり……。今回は、実際にあった“結婚前の事件エピソード”をご紹介します。国際結婚をする際に……夫と私は国際結婚なのですが、国際結婚するのはとても大変です。まず婚姻届を両国に出さないといけません。夫の国はご両親の判子が必要で、それらが終わったら婚姻ビザの申請をしなければなりません。意味がわからないくらいの情報量で、なおかつ日本で生活するためには、私が翻訳や書類作成をしなければならないのです。ハードルが高すぎて泣きました。愛がなければ乗り越えられなかったと思います。もう一度やれと言われたら断固拒否したいくらい面倒でした。(27歳/会社員)ハードルが高く……国際結婚をする際に婚姻届を両国に提出したり、婚姻ビザを申請したりとやることが多く大変だったというエピソード。皆さんはこのエピソード、どう感じましたか?※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年01月28日第15回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」の受賞者・団体が決定した。発表された受賞者・受賞団体は、『MUDLARKS』『THE PRICE』の翻訳を手掛けた髙田曜子、『The View Upstairs―君が見た、あの日―』の演出・翻訳・訳詞・振付を担当した市川洋二郎、『5月35日』を手掛けたPカンパニー、『月は夜をゆく子のために』を手掛けたトランスレーション・マターズ。『5月35日』写真:Pカンパニー提供本賞は、2017年までの10年間、小田島雄志個人が主催し、海外戯曲の優れた翻訳者に贈呈されてきた。第11回からは、名称と趣旨を引き継ぎ、実行委員会が主催して運営。翻訳者に加え、海外戯曲の優れた上演成果も対象に実行委員の合議で選考している。贈呈式は、2023年1月10日(火) 13時より東京都豊島区の「あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)」にて行われる。<第15回「小田島雄志・翻訳戯曲賞」受賞者・団体>■髙田曜子『MUDLARKS』作:ヴィッキー・ドノヒュー演出:川名幸宏翻訳:髙田曜子上演期間:2022年9月29日(木)~10月9日(日)会場:下北沢 ザ・スズナリ『THE PRICE』作:アーサー・ミラー演出:桐山知也翻訳:髙田曜子上演期間:2022年1月16日(日)~1月23日(日)会場:吉祥寺シアター■市川洋二郎『The View Upstairs―君が見た、あの日―』作・作詞・作曲:Max Vernon演出・翻訳・訳詞・振付:市川洋二郎上演期間:2022年2月1日(火)~2月13日(日)会場:日本青年館ホール■Pカンパニー『5月35日』作:莊梅岩翻訳:マギー・チャン/石原燃演出:松本祐子上演期間:2022年4月20日(水)~4月24日(日)会場:東京芸術劇場シアターウエスト■トランスレーション・マターズ『月は夜をゆく子のために』作:ユージーン・オニール翻訳・演出:木内宏昌上演期間:2022年10月8日(土)~10月19日(水)会場:すみだパークシアター倉
2022年12月13日数々の舞台で翻訳や演出を務めるメンバーが参加する「トランスレーション・マターズ」近代古典戯曲の新訳に取り組む上演プロジェクト一般社団法人トランスレーション・マターズ(代表:木内宏昌)主催、『月は夜をゆく子のために -A Moon for the Misbegotten-』(作:ユージーン・オニール)が2022年10月8日 (土) ~2022年10月19日 (水)にすみだパークシアター倉(東京都墨田区横川1-1-10)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて8月27日(土)10:00より発売開始です。カンフェティにて8月27日(土)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 「トランスレーション・マターズ」は、戯曲翻訳者による企画を発信・実現する目的で、2021年6月に設立された一般社団法人です。理事(ディレクター)として、小川絵梨子・常田景子・小田島創志・広田敦郎・小山ゆうな・髙田曜子・木内宏昌(代表)が参加しています。これまで翻訳研究会、リーディング、トークセッションなどの活動を重ね、2022年10月にいよいよ上演プロジェクト第1弾となる本公演の上演が決定いたしました。【イントロダクション】ピューリッツァー賞4回、ノーベル文学賞に輝いたアメリカ近代演劇の父ユージーン・オニール。その執筆期最後の戯曲の新訳上演。自伝劇『夜への長い旅路』に書き尽くせなかった実兄ジェイムズ・オニール(タイローン)・ジュニアへの鎮魂歌──「もうひとつの家族」と過ごした生涯最後の月夜。初演時に上演を禁じられた問題作が、現代人の孤独と傷ついた性に語りかける、美しく、苦く、劇しく、優しい物語。トランスレーション・マターズとは「トランスレーション・マターズ」は、「翻訳の言葉から演劇を革新する」という思いのもと、近代古典戯曲の新訳に取り組み、上演プロジェクトを実現していきます。従来の上演プロセスに縛られることなく、テキストづくりから始まる一連の活動をプロジェクトとし、中長期にわたる準備期間とリハーサル期間を経て、翻訳者、演出家、俳優、スタッフとともに作品づくりに臨みます。上演プロジェクトの第一弾として選んだのは、近代アメリカ演劇の源流にあるユージーン・オニールの作品です。旧来のオニール作品は、「難しい、暗い、重たい」というイメージがありますが、現代の光を当ててみると、異なるイメージが浮かんできます。しかしながら、先行訳の入手は困難であり、また、数少ない訳書も、現代の観客が受け止めるにはどうしても古くなってしまっています。そこで、私たち「トランスレーション・マターズ」の上演プロジェクトでは、オニール最後年作『A Moon for the Misbegotten/月は夜をゆく子のために』の新訳を試みました。文学研究のためではなく、声を発する俳優のための翻訳を作ることに主眼を置きました。現代の俳優が生き生きとした日本語を駆使しながら、モダン・クラシックの問題作に現代の光を当て、現代の観客にオニールの名作を届けます。原作者プロフィールユージーン・オニール1888年~1953年。アメリカ合衆国の劇作家。アメリカの近代演劇を築いた。ピューリッツァー賞4回受賞、1936年にはノーベル文学賞も受賞している。1888年、俳優の父親が巡業中に滞在したホテルで三男として生まれる。プリンストン大学中退後、NYの通信販売会社、金鉱発掘の助手、父親の劇団の俳優や助手、ニューロンドンの新聞記者、船乗りなど職を転々とし、その経験は多くの戯曲の題材となる。結婚の破綻・自殺未遂に加えて、軽度の結核を罹患。療養中に処女作『蜘蛛の巣』(The Web)を執筆。退院後、ハーバード大学演劇学教授ジョージ・ピアス・ベイカーに劇作を学ぶ。1916年、芸術家集団「The Provincetown Players(プロヴィンスタウン・プレイヤーズ)」に参加。朗読作品『カーディフ目指して東へ』でデビュー以降、一幕劇を次々に発表。劇団・作家ともに注目を集め、後にオフ・ブロードウェイ運動の原動力となる。『地平線の彼方』でブロードウェイ進出。ピューリッツァー賞受賞。『皇帝ジョーンズ』の上演によりオニールの名は世界に知らしめる。36年にはノーベル文学賞受賞。41年、『夜への長い旅路』(遺言にて死後25年間の上演を禁じる)を、43年には『月は夜をゆく子のために』を脱稿するも、次第に体が弱り1日3時間の執筆が限界になっていく。65歳となった1953年、ボストンのホテルの一室で死亡。最期の言葉は"I knew it. I knew it. Born in a hotel room, and God damn it, died in a hotel room."『A Moon for the Misbegotten』について先行訳(1956年喜志哲雄訳)以来、『日陰者に照る月』と訳されてきました。敬意を払うべき名訳ですが、今回は新解釈に基づき、邦題も刷新しています。この作品を脱稿した1943年は、ユージーン・オニールが執筆可能だった時期の最後年でした。その2年前(1941年)に書いた自伝劇『夜への長い旅路』の明らかな続編で、オニールの実兄(ジェイムズ・オニール・ジュニア)が登場します。その兄が40代前半でこの世を去る直前の話となっています。4幕構成。登場人物は5人。母が他界し遺産を相続することになったジェイムズ(ジム)とその領地の小作人父娘(フィルとジョジー)による、一日の物語となっています。台詞はエネルギッシュで、登場人物たちの駆け引きは時にコミカル、ジムとジョジーのラブストーリーとして時にロマンティックな明快な物語です。しかし初演時には、母性を冒涜するものであるとして、当局から上演中止を命じられました。オニールは、最後の最後に執筆したこの作品において、血の繋がった兄をモデルに描きながら、「人間とは何か」という普遍的テーマを問いました。そして「誰も孤児ではない」という苦味と温かみが混ざり合ったメッセージを伝えています。オニールが探求した「人間とは何か」というテーマは、後年のテネシー・ウィリアムズやアーサー・ミラーらに継承され、現代のドラマへと受け継がれていると言えます。1947年 オハイオ州コロンバスのハートマン・シアターで初演2007年 ケビン・スペイシー、イヴ・ベスト、コーン・マーネーキャスト・スタッフプロフィールまりゑ/ジョジー・ホーガン(フィルの娘)役※Wキャスト1993 年『塩祝い申そう』で初舞台、『ピーター・パン』(94・95)、『アニー』(96)、『レ・ミゼラブル』(97)など、子役時代から舞台を軸に活動する。近年の主な出演作に【舞台】『チョコレート・ドーナツ』(21)、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(21)、『風桶』(21)、『大地』(20)、『キューティー・ブロンド』(19)、【ドラマ】『ルパンの娘』(CX・20)、『不可避研究中』(NHK・20)、『天才てれびくんhello』(NHK・22)など、舞台以外にも活躍の幅を広げている。毛利悟巳/ジョジー・ホーガン(フィルの娘)役※Wキャスト東京都出身。日本大学芸術学部演劇学科を卒業後、舞台、映画で活動。近年の主な出演作に【舞台】『KING LEAR ーキング・リアー』(木村龍之介演出)、『そよ風と魔女たちとマクベスと』『真冬のバーレスク』(串田和美演出)、『パレード、パレード』『グリークス』『水の駅』(杉原邦生演出)、『じゃり』(小川絵梨子演出)、『走り去る人たち』(永井愛演出)、『あの記憶の記録』(日澤雄介演出)、【ドラマ】『相棒15』(EX)、【映画】『愛について語るときにイケダの語ること』など。内藤栄一 /ジム(ジェイムズ・タイローン・ジュニア)役長野県出身。2006年まつもと市民芸術館『水の話』で故中嶋しゅうと出会う。蕎麦打ち職人として働く傍ら演劇を始め、2017年上京。近年の主な出演作に『男たちの中で』(演出 佐藤信)、『反応工程』(演出 千葉哲也)、『beauty queen of leenane』(演出 小川絵梨子)、『ヘッダ・ガーブレル』(演出 稲葉賀恵)、『朝日のような夕日をつれて』(演出 逸見輝羊)、『ハツカネズミと人間』(演出 新井ひかる)、『少年Bが住む家』(演出 大澤遊)、などがある。大城清貴/マイク・ホーガン(ジョージーの弟)役沖縄県出身。琉球大学教育学部音楽教育専修卒業。地元ではオリジナルミュージカルを中心に舞台出演の他、作曲・編曲・DTMによる音源製作等で活動。2020年4月より舞台活動の幅を広げる為に上京。『MY SHINING HOURS』(studioOVA主催)、『Under a spell: Magical Concert vol.2』(合同会社Art&Arts主催)のコンサートにコーラス等で出演。現在、ミュージカルcafe & dinner offza にてライブ活動を行っている。小倉卓/T・ステッドマン・ハーダー(大富豪)役埼玉県出身。ミュージカル、ストレートプレイの舞台で役者として活動しつつ、映像作品への出演やイベントMC、テーマパークのショー出演などにも活動の幅を広げている。また、映画演劇文化協会『この森で、天使はバスを降りた』や宇宙劇『ウレシパモシリ』などでは、役者として作品に出演しつつ、劇伴のギター演奏者としても参加する。近年の主な出演作に、【舞台】『チェーコフ イズ グレイト バット…』、『ザ・ダーリン』、オフィス3〇〇『音楽劇 あかい壁の家』、TYプロモーション『リア王2018』、ミュージカル座『ミュージカル カムイレラ』などがある。大高洋夫/フィル・ホーガン(ジョージーの父)役新潟県長岡市出身。早稲田大学在学中に鴻上尚史と共に「第三舞台」を旗揚げし、以後同劇団のほぼ全作品に出演、中心俳優として活躍した。現在では舞台のみならず、映画・ドラマ・ラジオ・バラエティと幅広く活躍している。近年の主な出演作に【舞台】『地球防衛軍 苦情処理係』(作・演出 鴻上尚史)、『MESSIAH』(脚色・演出 西森秀行)、『ゴドーを待ちながら』(演出 多田淳之介)、『仮面ライダー斬月-鎧武外伝-』(作・演出 毛利亘宏)、『年中無休』(演出 ウォーリー木下)などがある。翻訳・演出木内宏昌東京都出身。演出家、劇作家、戯曲翻訳家。学生劇団、小劇団活動を経て、TPTで海外演出家・美術家との共同創作や、栗山民也演出作の脚本、熊林弘高演出作の翻訳、串田和美演出作の共同演出など携わる。近年の主な舞台演出作品に、CHEKHOV MONODRAMA『チェーコフ イズ グレート、バット…』『人生は素晴らしいか?』、『K.テンペスト』(共同演出)、『人間ども集まれ!』(兼脚本)など。脚本作品に、『OP.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』、『アドルフに告ぐ』、『TABU〜シーラッハ「禁忌」より〜』、『イリアス』など。『おそるべき親たち』(ジャン・コクトー作)ほかの翻訳で、第7回小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞。ユージーン・オニール作品の翻訳に、『楡の木陰の欲望』(寺島しのぶ主演)・『夜への長い旅路』(大竹しのぶ主演/2021・麻実れい主演/2015)がある。公演概要『月は夜をゆく子のために -A Moon for the Misbegotten-』公演期間:2022年10月8日 (土) ~2022年10月19日 (水)会場:すみだパークシアター倉(東京都墨田区横川1-1-10)■出演者まりゑ / 毛利悟巳(Wキャスト) / 内藤栄一 / 大城清貴 / 小倉卓 / 大高洋夫■スタッフ作:ユージーン・オニール翻訳・演出:木内宏昌翻訳監修:トランスレーション・マターズ美術:中村公一照明:倉本泰史音響:長野朋美衣裳:小泉美都ヘアメイク:林摩規子音楽:松崎ユカ舞台監督:河内崇宣伝美術:山本恵章(Gene&Fred)宣伝物制作コーディネート:武次光世(Gene&Fred)宣伝写真:岩村美佳小道具協力:高津装飾美術、tptプロデューサー:三瓶雅史(ニューフェイズ)制作:藤野和美(オフィス・REN)、鴻上夏海(ニューフェイズ)制作・票券:福本悠美(オフィス・REN)助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業主催・企画・製作:一般社団法人トランスレーション・マターズ■公演スケジュール10月 8日(土)18:30(悟巳ジョジー)10月 9日(日)13:30(悟巳ジョジー)10月10日(月・祝)13:30(悟巳ジョジー)10月11日(火)18:30(悟巳ジョジー)10月12日(水)休演10月13日(木)18:30(まりゑジョジー)10月14日(金)18:30(まりゑジョジー)10月15日(土)13:30(悟巳ジョジー)/18:30(まりゑジョジー)10月16日(日)18:30(まりゑジョジー)10月17日(月)18:30(まりゑジョジー)10月18日(火)13:30(まりゑジョジー)/18:30(悟巳ジョジー)10月19日(水)13:30(まりゑジョジー)※開場は、開演の30分前■チケット料金一般:6,600円(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月19日翻訳家を夢見たこともある俳優・上白石萌音さんに、『赤毛のアン』の翻訳を往復書簡という形で指導してきた翻訳家の河野万里子さん。教え、教えられる時間の中で確かに育まれていった、お互いへの信頼。その過程を伺いました。意外なほど共通項が多かった、訳者と役者。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』での流暢な英語が印象的だった上白石萌音さん。忙しい俳優業の傍ら、2年にわたって続けてきたのが『ラジオ英会話』のテキストで連載された、人気翻訳家・河野万里子さんとの“翻訳書簡”でした。月2回の手紙のやり取りは、おふたりにとってかけがえのない時間だったようです。――初めてお会いしたときのお互いの印象を教えてください。上白石萌音:3年前、舞台を観に来てくださったんですよね。柔らかさと包容力があって、憧れていた職業の方が素敵だったことがすごく嬉しくて。翻訳家に憧れていた自分が誇らしく思えるくらい、キラキラした気持ちになりました。河野万里子:嬉しいです。私の大学の大先輩である井上ひさしさんのお芝居だったので、親近感がありましたし、決して明るいお話ではないのですが、萌音さんが出てくると舞台に清涼感が広がるんです。終演後にご挨拶したら、舞台で拝見していたのとはまた違う可憐な人で。ずっと笑顔でいてくださって、往復書簡をしているときも、あのときのピュアな笑顔が言葉の向こうに見えていました。どんどんお仕事が広がり忙しかったと思うのですが、翻訳を毎回しっかり頑張る誠実さに心打たれていました。上白石:私にとって変化の大きい2年間、主軸のひとつとして翻訳があって、定期的に学べる環境に身を置けたことは、とても幸運だったと思います。ちやほやされても浮ついた気持ちにならなかったのは、これがあったからだと思うくらい(笑)。毎回難しい文章に出合い、私はなんて何も知らないんだって痛感しました。先生にたくさん教えていただき、少しずつクリアにしていく時間が月に2回あったことに感謝しています。決して優等生ではなかったと思うのですが、最終回までこぎつけられたことは、自信にもなりました。――手紙をやりとりしながらどんなことを感じましたか?上白石:私が頑張れたのは、先生からのお返事が待ち遠しかったからです。翻訳の部分だけではなく、どこをとっても言葉の選び方が素敵なんですよね。言葉を生業にされているだけありますし、すべてにお人柄が滲み出ているような言葉遣いで、やっぱり人って言葉と共にあるんだなと実感しました。先生のように言葉を選べる人になりたいっていう憧れが、一番の原動力でした。河野:こういうふうに物事を感じ取る方なので、教えがいがあって最高の生徒さんでした。英語の力がある程度おありになって、そのうえで初めて翻訳に挑戦されたので、私がアドバイスできることがたくさんありましたし、それらをきちんと吸収して、反映してくださるんです。2年間でサナギが蝶に羽化するように、素敵な成長を見せていただいたって思うくらい。あと、素直で前向きですよね。お手紙の中で、アンには求心力と吸収力があると表現されていましたが、萌音さんも同じものを持っている。俳優さんということもあって、いい表現や言葉が無意識のうちにストックされていると思うのです。だからこちらが投げかけると、巧まずしてふっといいフレーズが出てきたりして、その瞬間を見るのがとても好きでした。上白石:頑張っていた頃の自分に聞かせたいです(笑)。――河野さんの「訳者は役者に通ず」という言葉も印象的でした。河野:翻訳家は原文・原書全体の意図や感動をいかに伝えるかという職業なので、最後に問われるのは日本語の表現力だと思うのです。上白石:訳者さんはきっと、あまり自我を出さないというか、作品ファーストで作者の思いを伝えるお仕事ですよね。訳をする人の人間性が滲み出るものなのかなって学びながら思っていたのですが、お芝居にも同じことがいえるんですよね。だから人としてもちゃんとしておかなきゃと思うし、日常で感じたすべてが表現につながるのも共通している気がします。河野:本当にそうですね。上白石:翻訳でもアンが感じたことを同じように感じられるかが大切な気がして、読んで体に入れて、私ならどう表現するかを選ぶ瞬間がたくさんありました。文章から情景を想像していくところは役者でもあるし、それを撮るカメラマンでもあるし、演出する監督でもあると先生がおっしゃったのも腑に落ちました。こんなに共通項が多い仕事だとは思いませんでしたし、一方で翻訳家は究極のマルチプレイヤーだと思いました。右・子どもの頃から英語に親しんでいた上白石さんが、憧れていた職業のひとつが翻訳家。第一線で活躍する河野さんとの手紙を通して、『赤毛のアン』の名シーンの数々を翻訳。英語や翻訳のみならず、日本語の豊かさやその表現についても楽しく学べる一冊。7月25日発売。『翻訳書簡『赤毛のアン』をめぐる言葉の旅』上白石萌音、河野万里子著¥1,760(NHK出版)左・上白石さんが実際に使用していた『赤毛のアン』原書。Mone Kamishiraishi俳優。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディション審査員特別賞受賞。ドラマ『恋はつづくよどこまでも』『カムカムエヴリバディ』、舞台『千と千尋の神隠し』など出演作多数。著書に『いろいろ』。パフスリーブブラウス¥60,500(Sea New York/BRAND NEWS TEL:03・3797・3673)本のイヤリングは本人私物Mariko Kohno文芸翻訳家。英語、フランス語の翻訳を手がける。訳書にサン=テグジュペリ『星の王子さま』、サガン『悲しみよこんにちは』、2021年本屋大賞翻訳小説部門第2位を受賞した『神さまの貨物』など多数。※『anan』2022年7月27日号より。写真・女鹿成二スタイリスト・嶋岡 隆北村 梓(Office Shimarl/上白石さん)ヘア&メイク・冨永朋子(アルール/上白石さん)取材、文・兵藤育子(by anan編集部)
2022年07月23日株式会社エムズパートナーズ(所在地:千葉県千葉市緑区、設立年月日:2014年5月1日、資本金:1,000万円)の宮武 憲行は、海外の原作絵本を翻訳し『チッピィからの贈りもの』というタイトルで2022年3月30日に出版しました。その中に登場するローズヒップを食べて育った「ローズチキン(R)」を生産し、商品化する計画です。そのために、専用ホームページを本日2022年4月5日に開設しました。【絵本について】海外での出版が叶わなかった作者の原作絵本を翻訳し、日本で出版しました。<書籍概要>タイトル:チッピィからの贈りもの作者 :ローザ・ブライアント翻訳者 :宮武 憲行価格 :1,320円(税込)ISBN :978-4-88927-278-9発行元 :日本食糧新聞社あらすじ:料理修行の旅にでたリアム。旅の途中に出会った、ひよこのチッピィとレストランの娘エマ。リアムは、この旅を通じて料理に大切なことに気づく。絵本の表紙【ローズチキン(R)について】絵本に登場するローズヒップを食べて育ったローズチキン(R)を実際に青森県の養鶏場にご協力いただき実験的に飼育しました。ローズヒップを添加した餌で育てたヒナ20羽と、添加しない餌で育てたヒナ20羽を50日間飼育し検査機関で肉質検査を行いました。その結果、ローズヒップを添加して育てたヒナの方が、肉の臭みがなくジューシーであることが実証されました。※ローズチキン(R)は、弊社の登録商標(第6260501号ほか)です。飼育したローズチキン(R)【商品化について】絵本に登場する料理などを現存するレシピノートから再現していく予定です。そのために、絵本、ローズチキン(R)についての専用サイトを開設しました。( )絵本の内容に共感していただき、食材を意識することは「食育」であり、美味しく残さず食べることにつながると考えています。公式サイトのQRコード【本件に関するお問い合わせ先】担当者 : 宮武 憲行(みやたけ のりゆき)携帯番号: 090-8306-4786E-mail : n_miyatake@fujiya-inc.co.jp 営業時間: 9:00~17:00定休日 : 土・日・祝祭日 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月05日2021年10月頃から、ネット上で話題を呼んでいる、猫の鳴き声から人間の言葉に翻訳するアプリ。アプリを使い、いきなり若旦那(@wakadanna_coo)さんは、飼い猫の思わぬ本音を知ることになりました…。飼い猫の鳴き声の翻訳結果をTwitterに投稿したところ、大きな反響を呼んでいます。飼い主「もうナメられてます」生後2か月で、投稿者さんに保護された、子猫の、しきじちゃん。家族になりたての1人と1匹ですが、しきじちゃんはすっかり投稿者さん宅に慣れた様子です。投稿者さんが「もうナメられています…」と意味深なコメントとともに公開した、子猫の姿と翻訳結果をご覧ください。しきじさんと暮らし始めて1週間が経ちましたが、もうナメられてます…… pic.twitter.com/7gVlrBZ0nJ — いきなり若旦那旅館×SNS (@wakadanna_coo) November 14, 2021 元気いっぱいに鳴き声をあげる、しきじちゃん。その鳴き声の意味はというと…。お前なんか、怖くない!怯えられるよりかはいいものの、ちょっぴり複雑な気持ちの投稿者さん。とはいえ、しきじちゃんがそう伝えられるのは、投稿者さんと一緒にいる時間に慣れたからなのでしょう。投稿者さんに対して、励ましや応援の声、また、しきじちゃんのかわいさにさまざまな声が寄せられています。・「一緒にいても怖くない」という意味かもしれません。ツンデレの『デレ』じゃん。・しきじさん、反抗期か?・もう懐かれてると解釈すれば、これほど愛らしいナメられ方はない。「怖くない」と聞くと強がりにも思えますが、言葉通り、投稿者さんを怖がっているわけではなく、安心しているという意味ととらえれば、愛情が増すもの。一緒に過ごす時間が経つにつれ、しきじちゃんが投稿者さんに伝えようとする言葉にも変化があらわれていくはずです…!しきじちゃんのYouTubeチャンネルはコチラ投稿者さんは、しきじちゃんの愛らしい姿を、YouTubeでも公開しています。元気いっぱい、やんちゃざかりなしきじちゃんを動画でも見たい人は、ぜひご覧ください。サウナ猫しきじまた、投稿者さんは、愛媛県の道後温泉で『大和屋本店』『大和屋別荘』の2つの旅館を営んでいる若旦那でもあります。老舗旅館の風情と、こだわりがつまった空間で至福のひと時を楽しみたい人は、ぜひ旅館のウェブサイトをのぞいてみてはいかがですか。大和屋本店大和屋別荘[文・構成/grape編集部]
2021年11月19日ペットと暮らしている人は、きっと誰もが一度は「動物の言葉を理解できたらいいのに」と思ったことがあるでしょう。一見似たような鳴き声でも、人間と同じように、言葉には「遊んで!」や「お腹が減った」といった思いが含まれているはず。近年は猫の鳴き声から感情を想定するアプリが登場し、実際に使ってみた飼い主の投稿が話題になっています。『猫語翻訳アプリ』を使ってみたら…?たぬポンド(@tan_uk_ijiru)さんが描いたのは、猫の言葉を翻訳するアプリを使った飼い主の漫画。愛猫のタマに向かって、飼い主は面白半分で翻訳アプリを使ったのですが…。ネコ語翻訳漫画。 #漫画が読めるハッシュタグ #創作漫画 pic.twitter.com/ufyrMVQeYD — たぬポンド (@tan_uk_ijiru) October 25, 2021 最初はよくある翻訳結果だったものの、徐々に飼い主がヒヤッとするような言葉に…!愛らしいビジュアルから飛び出る魔王のようなセリフとともに、飼い主は愛猫に恐ろしい迫られ方をされるのでした。シチュエーションは漫画やゲームで目にする人間と魔王のやり取りですが、猫が相手なら喜んで迫られたいですね。猫好きにはたまらない展開に、多くの人が笑顔になったようです!・笑うわ。自分も翻訳機で「力が欲しいか?人間…」っていわれたい!・猫様がくれる力…一体どのようなものなんだ…。・好きすぎる。力はいらないので、思う存分モフらせてください。きっと、猫に「力が欲しいか…?」と迫られたら、誰もが猫と仲よくなれる力を要求することでしょう…。[文・構成/grape編集部]
2021年10月31日2021年10月現在、猫飼いの間で、猫の鳴き声を人間の言葉に翻訳するアプリが流行しています。つくねくんと、ひまりちゃんという2匹の猫と暮らす飼い主(@tsukune216)さん。つくねくんの鳴き声を翻訳したところ、衝撃の事実が発覚したそうです。つくねくんが口にしていた、予想外な言葉がこちら…。猫語翻訳しなければ、気付かずに済んだのに… pic.twitter.com/2adVuv4pXN — つくね&ひまり (@tsukune216) October 6, 2021 「いや、きみ、誰!!!?」「この体にも、だいぶ慣れてきた」と、しみじみとつぶやいていた、つくねくん。まるで、誰かが猫の体を乗っ取っているかのようにも読めて、ドキッとさせられます。実は、こちらの画像は、飼い主さんが翻訳アプリをイメージして、自作したもの。ユーモアのある投稿はネット上で拡散され、21万件を超える『いいね』を獲得。ツッコミを入れる人が相次ぎました。・怖すぎる。中身は誰だよ。・どういうことだよ…。・100年前ぐらいに、乗っ取ったのかな。猫飼いのみならず、多くの人の胸をザワつかせた、自作の翻訳アプリ画像。実際にこんなことをつぶやく猫はいない…とも限りませんよ![文・構成/grape編集部]
2021年10月20日猫の鳴き声をもとに、人間の言葉に翻訳するアプリ『MeowTalk Cat Translator』。「愛猫と会話をしてみたい」と願う、すべての飼い主の夢が叶うコミュニケーションツールです。2021年10月現在、日本では猫飼いを中心に、アプリを使って愛猫と会話を楽しむ人が続出しています。動物病院に連れて行った猫の『本音』をのぞいたら…@yumaRYOHEIさんも、アプリを利用している1人です。愛猫のきーちゃんを、動物病院に連れて行った時のこと。病院でずっと鳴き続ける、きーちゃんの様子が気になった飼い主さんは、『MeowTalk Cat Translator』を使ってみることにしました。その結果をご覧ください!病院に連れてった家の猫が好戦的すぎる… pic.twitter.com/61szCe05dU — yumaRYOHEI絵描きフリーク (@yumaRYOHEI) October 7, 2021 おびえるどころか、戦う気満々だった…!「さあ、かかってこい」「お前を倒してやる」など、自らケンカを売っています。予想外な猫の本音が垣間見える結果に、ネット上では「強すぎる」「笑った!幸せを感じているところも気になる…」「うちの子も結構ケンカ腰になります」といった声が相次ぎました。ちなみに、動物病院から無事に帰宅して、飼い主さんに甘えるきーちゃんの姿がこちら。動物病院では気が高ぶっていたようですが、飼い主さんいわく、普段のきーちゃんは甘えん坊でいい子とのこと。帰宅後は飼い主さんに思い切り甘やかしてもらえたことでしょう。頑張ってえらかったね、きーちゃん![文・構成/grape編集部]
2021年10月09日本格ミステリー映画 『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』が日本での公開をスタートした。映画の舞台はフランスの田舎町に建つ洋館。そこに9人の翻訳家が集められた。彼らは仕事は全世界でベストセラーになっている人気ミステリー小説の完結編の翻訳をすること。出版社は事前に“ネタバレ”することを恐れているため、彼らは要塞のような密室に閉じ込められ、外部との接触や連絡を完全に絶った状態で翻訳作業にあたる。しかし、ある日、出版社の社長のもとに「小説の冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ次の100ページも公開する」との脅迫メールが届く。一体、誰が流出させているのか? どのような手段で小説は漏れているのか?この作品のアイデアの基になったのは、ベストセラー小説“ロバート・ラングドン”シリーズ(『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』など)の新刊発表の際に本当に各国の翻訳家を地下室に隔離して翻訳作業を行った事実。このことを報じた新聞記事を目にしたレジス・ロワンサル監督は想像力をふくらませ、翻訳家に取材を行いながら脚本を執筆したという。劇中に登場するのは個性豊かな9人の翻訳家たち。舞台は逃げ場のない密室。ミステリーの定番的な設定だが、観客を翻弄する仕掛けが次から次に用意されており、最後の最後まで観客を驚かせてくれる。ちなみにすでに観た人の多くが結末を知ると、もう一度初めから映画を観たくなるという。観ている間にすべての謎を見抜けるのか? 結末を知った後も再見したくなるほどの完成度なのか? 楽しみながら“挑む”気持ちで観賞できる作品になっているようだ。『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』公開中
2020年01月26日世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの出版秘話を、『タイピスト!』レジス・ロワンサル監督が映画化した本格ミステリー『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』。本作から、Netflixオリジナルシリーズ「このサイテーな世界の終わり」で注目を集める若手英国俳優アレックス・ロウザーの新たな一面を捉えた場面写真を入手した。ロウザーが演じているのは、囚われた9人の翻訳家の一人であるアレックス・グッドマン。永遠の子どものような雰囲気を持ち、ずば抜けて聡明。「デダリュス」海賊版の翻訳がファンの間で注目され、25才という若さで英語の公式翻訳者に抜擢されるという天才肌の役どころ。自由奔放で憎めないキャラクターとなっていて、地下室での翻訳作業初日に居眠りを決め込んだかと思ったら、「後半に追い上げるタイプだから」と言い訳をしてみたり、室内をスケボーで移動しながら参考図書を探したりと、9人の中でもムードメーカー的な登場人物として存在感を放っている。本作の出演にあたり、ロウザーは「ストーリー全体を頭に入れて意識しながら演じなくてはならなくて、大変だったけどやりがいもあった。ぼくにとって読書や文学は人生の大切な一部だ」と語っており、ベストセラー小説の原稿が人質にとられる、という本作への思い入れが強かった様子。さらに、「様々な国から集まった優れた俳優たちと一緒に演技するのは最高だった。仲良くなってパリのバーにしょっちゅう繰り出して、あまりうまくないフランス語で一生懸命コミュニケーションを取ろうとしてね。これぞEUの理想だ!って感じだったよ」と撮影当時のエピソードを明かしている。ロウザーといえば、Netflixで配信中のドラマ「このサイテーな世界の終わり」で自分をサイコパスだと信じる主人公マーヴィン役を演じていることでも話題沸騰中。加えて、同じくNetflix制作のドラマ「ブラック・ミラー/BLACK MIRROR」でシリーズ最高のエピソードの1つにも挙げられるシーズン3第3話「秘密」に主演しているほか、今年公開が予定されているウェス・アンダーソン監督の最新作『The French Dispatch』(原題)ではベニチオ・デル・トロやティモシー・シャラメら豪華キャストとの共演が決定!子どものころから芝居の経験を積んでいる若き演技派であり、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』ではベネディクト・カンバーバッチの青年時代を演じ、ロンドン映画批評家協会賞ヤング・パフォーマー賞も受賞、俳優デビューを飾った舞台では演技をマギー・スミスに絶賛されるなど、その実力は折り紙つき。いまや最旬の英国若手俳優となっている。今回はそんなロウザーの新たな一面が垣間みえる場面写真&メイキング画像が解禁。唇から血を流し、必死な表情で力強く正面を見据える1枚や、頭を抱え、怯えた表情をみせる翻訳者の中で呆然と立ち尽くし、うつろな表情をみせている1枚、さらには下着姿で尋問されているかのようなシーンカットも届いており、地下室で追い詰められていく翻訳者たちの緊張感が伝わってくる。床に寝転がりロワンサル監督と入念に演技の打ち合わせをしている様子を収めたメイキング画像も到着しており、今後ますますの活躍が期待されるロウザーが、本作でどんな役割を果たすのか。期待が高まる新写真となっている。『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は1月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:9人の翻訳家 囚われたベストセラー 2020年1月24日よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© (2019) TRÉSOR FILMS – FRANCE 2 CINÉMA - MARS FILMS- WILD BUNCH – LES PRODUCTIONS DU TRÉSOR - ARTÉMIS PRODUCTIONS
2020年01月23日小説「インフェルノ」出版時、海賊行為と違法流出を恐れ、各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったというこの前代未聞のエピソードをもとにした『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』。この度、本作の場面写真が一挙公開された。物語の舞台はフランスの人里離れた村にある洋館。その洋館の地下に隠された要塞のごとき密室に、各国から招集された9人の翻訳家たちが全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の翻訳のために隔離されるところから始まる。「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの4作目「インフェルノ」出版時に実際に行われた事実をベースにした本作。この斬新なエピソードが書かれた記事を読んで驚いたレジス・ロワンサル監督は「信じがたいと同時に、今の時代を象徴する話でもあると感じた」と感想を述べ、「そこで私は、もしその本が盗まれたり、ダウンロードされたりしたらと、21世紀にふさわしい新しいジャンルの犯罪を思いついた」と物語の着想を明かした。到着した場面写真では、地下室の暗い廊下を案内される9人や、険しい表情の出版社社長アングストローム(ランベール・ウィルソン)の姿。キーアイテムとなる小説「デダリュス」や、劇中で囚われる原稿用紙に誰かが手を添えている場面など、重要なアイテムが切り取られている。『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は2020年1月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2019年12月24日映画「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの原作となる世界的ベストセラーの違法流出を防ぐために行われた出版秘話に基づく本格ミステリー映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』。この度、驚愕の予告編映像とポスター画像が解禁となった。このほど完成した予告映像では、全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売のため、世界各国から集められた9人の翻訳家が、物語の舞台となる洋館に集められるところから始まる。空港並みの厳しいセキュリティチェックを通り、地下室の厳重な扉の先に案内された9人だったが、「まるで囚人だな」という言葉が示すとおり、常に監視されながらの翻訳作業に戸惑いを隠せない様子が映し出されている。そんな中、出版社社長の元にベストセラー本の原稿、冒頭10ページを人質に取った脅迫メールが届く。疑心暗鬼に陥る9人の翻訳家、エスカレートしていく犯人探し、刻々と過ぎていくタイムリミット…。一体誰が、どうやって?完全隔離されたはずの洋館で巻き起こる予測不能な展開に引き込まれずにはいられない映像だ。併せて解禁されたポスタービジュアルは、囚われたベストセラー「デダリュス」の“書影”のようなイメージ。9人の翻訳家が正面を見据える印象的なメインカットに、“あなたは、この結末を「誤訳」する”という本作らしいコピーが。事実をベースに、斬新な設定とデジタル時代ならではの仕掛けを活かし、スピード感あふれる本格ミステリーを予感させている。『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は2020年1月24 日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月19日「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ出版秘話に基づく本格ミステリー映画『Lestraducteurs』が、邦題を『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』として公開されることが決定。併せて、メイン写真が解禁となった。■ストーリー舞台はフランスの人里離れた村にある洋館。全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時発売のため、その洋館の地下に隠された要塞のごとき密室に、9か国の翻訳家が集められた。彼らは外出はおろか、SNSや電話などの通信も禁止され、毎日20ページずつだけ渡される原稿を翻訳していく。ところがある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く…。■ランベール・ウィルソン主演、「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズ出版秘話に基づく本格ミステリートム・ハンクス主演で映画化もされ、「ダ・ヴィンチ・コード」などが一大現象を巻き起こした人気小説「ロバート・ラングドン」シリーズの4作目「インフェルノ」出版時、驚くべきミッションが遂行された。海賊行為と違法流出を恐れた出版元が著者ダン・ブラウンの同意のもと、各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったのだ。本作は、この前代未聞のエピソードを基に、デジタル時代ならではの仕掛けをちりばめた本格ミステリー。富と名声にとりつかれた出版社社長には、『神々と男たち』や『マトリックス』シリーズで知られるランベール・ウィルソン。『007/慰めの報酬』のオルガ・キュリレンコ、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のアレックス・ロウザーらが、一癖も二癖もあるキャラの立った翻訳家を演じて物語をかく乱する。監督・脚本は、日本でもスマッシュヒットを記録した『タイピスト!』で長編映画監督としてデビューし、セザール賞新人監督賞にもノミネートされた、レジス・ロワンサル。完全隔離された洋館の密室、盗まれた大ベストセラーの原稿、容疑者は9人の翻訳家、タイムリミットまで刻々と過ぎていく時間…。予測不能な展開の連続、思いもよらないラストが観客を待ち受ける。今回解禁されたメイン画像には、地下室に並べられたデスクに座り正面を見つめる9人の翻訳家たちの姿が。緊張感漂う彼らの表情が、手に汗握る展開を期待させる1枚になっている。『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は2020年1月24 日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月07日「振り返ってみると、いままでの人生に無駄なことは何一つなかったと思えます」翻訳業と不動産投資で“億女”になった星野陽子さんは、短大時代の就職活動では緊張しやすい性格もあり、なかなか内定が得られなかった。卒業間際に制御機器メーカーに採用され、輸出部に配属されたのが社会人の第一歩だ。「自社製品の説明ができるようになるため仕様書を読むのですが、意味がわからなくて。工場に出かけ、技術者に教えてもらったりしたのですが、自分のライフワークではないことに時間を費やしている焦燥感に苛まれる日々でした」ナポレオン・ヒルなどの自己啓発書を読みあさり、「私はできる」とつづるなど、向上心を持ち続けた。そして、女性が活躍できる職場を求めてシティバンクに転職をはたす。ディーリングなど、いわゆる花形部署ではなく窓口業務に従事したが、年収はアップ。そんな折に顧客として来店したユダヤ人男性と出会い、交際1年で結婚しシティバンクを退社。ほどなく妊娠した。浪費家でお金が貯まらない星野さんの実家と違い、嫁ぎ先の義父母は資産家でお金を大切にしていた。無駄なものは買わず、あるものを修理して大切に使い続ける“お金に敬意を持ち豊かに生きる哲学”を学んだ。義父母からの教えはその後の人生にも役立つことが多かったが、夫とは性格の不一致から別居を選択。次男を出産後、実質的にシングルマザーとなる。それまでのパートでの年収は90万円程度。乳児と幼児を抱えてパートに出ることもできなくなった星野さんは特許翻訳の仕事付きの翻訳講座を受講しはじめ、翌月には3,000円の報酬をフリーランスとして初めて得る。仕事は順調に増え、年商2,000万円を突破。その売り上げが10年以上続いた。「電気分野の特許の翻訳には、私が最初の会社で苦労して得た制御機器の知識が不可欠でした。経験しておいて無駄になることは何もないと実感したんです」当時、寝る間もないほど大量の仕事を受けていた星野さん。「もし私が過労死したら子どもたちが路頭に迷うのでは」と感じたとき、義理の父が教えてくれた不動産投資のことを思い出す。不労所得を得るため、投資用に中古のワンルームマンションを購入する。「働かなくても月に5万7,000円の家賃収入が入ってくるので、安心を手に入れたような感覚でした」専業主婦だった時代は夫から受け取る10万円(家賃・水道光熱費込み)の生活費でやりくりした経験があるため、限られたお金で生活する自信はいまもあるという。その後、法人を設立し銀行で法人口座を開設したときに、銀行員から住宅ローンを勧められ、土地を購入し、自宅として注文住宅を建てた。’08年には賃貸マンションを1棟、’10年にまた1棟を銀行の融資を使って購入。書籍をたくさん読んだり、金融の知識を教えてくれる「ファイナンシャルアカデミー」に通うなど、熱心に学び、信頼できるメンターも現れた。「最初の1棟を購入するための融資の審査が通るまでに、2年の年月を要しました。やっとマンション1棟を手に入れられる!と喜んで、父に連帯保証人を頼んだら、驚いて翌日寝込んでしまって。その話は諦めるしかないのかと思ったのですが、メンターは次の作戦を計画。『成功者は決して諦めない』ということを教わりました」「何事も自分でよく考えて判断しなさい」と自立心を育んだかいもあって、子どもたちは高校を卒業後、すぐに起業したり、海外で勉強をするなど、予想よりずっと早く子育てが終わったことで「一時期、空の巣症候群になりかけました」という星野さんだが、そこでいつまでも落ち込むことはなかった。2棟のマンションのローンは家賃収入で順調に返済しており、3棟目の賃貸併用住宅では民泊を始めた。また、お金に困る人たちを減らす目的でオンラインサロン「マネサロ」を主宰するなど、新たな“ミッション”も見つけた。「これからは、人のためだけでなく、自分のためにも、“貢献”に軸足を置いていきます」自分を導いてくれた環境や存在への感謝。根底にあるそのマインドが、星野さんを“億女”に導いた一因であるに違いない。
2019年07月17日世界中で再生されている自閉症のアニメ制作者にインタビュー!2017年に公開されたある動画。公開と共に世界中で話題になり、29カ国語に翻訳され、世界中でシェアされ続けています。動画のタイトルは「素晴らしいことが起こるんだ」(原題:Amazing things happen)-自閉症の啓発を目的としてつくられたアニメーションです。この動画をつくったのは、イギリスのプロのアニメーターであるアレックス・アメリーンズさん。今回、アレックスさんに、制作過程や作品への想いなどについてインタビューすることができました。取材・文/林真紀林真紀のページUpload By 発達ナビニュースプロのアニメーター。個人で制作した自閉症を啓発するアニメが世界中で再生され話題に。公開後、英国ディスレクシア協会(British Dyslexia Association)などから依頼を受け、積極的に作品を制作している。コロンビア出身で、現在はイギリスで生活。46歳。子どもの学校で行われた自閉症の講演をきっかけに一人で制作をスタート─動画の反響がすごいですね。そもそもこの動画の制作はどなたが企画したのですか?アレックスさん(以下、アレックス): 私がやろうと考えたんです。きっかけは、息子の学校で行われた自閉症についての講演でした。講演自体はとてもためになったのですが、分かりやすい視覚資料がなかったんです。ですから、プレゼンテーションにいろいろと限界がありました。このときにパッと思いついたんです。全部アニメにできないかなと。アニメにすれば、子どもたちがもっと興味を持って観てくれるでしょうし、あとは、私自身が普段の仕事の気晴らし的につくれたら楽しいかなと。でも、元はそんな大それた計画ではなかったのです。近隣の学校で教材として使ってくれるところがあればいいかな、ぐらいの気持ちで…。このアイデアを、息子の学校の特別支援コーディネータに話してみたところ、彼女がすぐに「つくってみてください!」と言ってくれたのです。Upload By 発達ナビニュース─始めは息子さんの学校の教材用につくったのですね。アニメ制作にはどのぐらいの期間を要しましたか?アレックス: まず脚本を書くのですが、それに6~9カ月。脚本が仕上がったら、すぐにキャラクターやアニメのスタイルをつくり始めました。ストーリーボード(絵コンテのようなもの)を組み立てて、声の録音を先にやりました。ナレーションがストーリーの流れを決めますからね。そして、ストーリーボードを映像化し、場面ごとに組み合わせていきました。全て自分の仕事の空き時間にやったため、完成まで2年近くかかってしまいました。大切にした「多様性」を描き出すための工夫Upload By 発達ナビニュース─制作において大切にしていたことは何ですか?アレックス: 2つあります。一つは多様性を描き出すことです。そしてもう一つは、多様性を描くために、シンプルなキャラクターデザインにすることでした。専用のソフトを使うと、キャラクターのパーツをちょっといじれば、サイズ、身体のプロポーション、性格、エスニシティ等を変えたバージョンが無限につくり出せます。─キャラクター設定はどんな感じで決めましたか?アレックス: まず、異なる行動パターンを描き出すために、少なくとも5人の登場人物が必要でした。そして、場合に応じて、ほかにもさまざまなバックグラウンドを持つ登場人物が必要になると考えました。けれども、これを私1人で制作するのは大変です。ですから、描きやすいシンプルなキャラクターにしたのです。─制作にあたって、実際に自閉症の人に取材したり、どこかを訪問したりしましたか?アレックス: していません。するべきだったんでしょうけど。最初の段階で、自閉症というものがかなり範囲の広いものであることは感じていました。こんな言葉をご存知でしょうか。「一人の自閉症者にあったとしても、それは多くの自閉症の中のたった一人に会ったに過ぎない」つまり、一口に自閉症と言っても、一人ひとりが全く異なっているんです。ですから私は、自閉症の子どもたちと毎日接している専門家にアドバイスをお願いしました。何人かの人にインタビューするのも役には立つかなと思ったのですが、例えインタビューをしたところで、無限の可能性があるこの複雑な世界の、ほんのわずかな部分に過ぎないんじゃないかと思いまして…。Upload By 発達ナビニュース─なるほど。多様性を描き出すために、あえて取材は最小限にしたのですね。専門家からはどんなアドバイスをもらったのですか?アレックス: 脚本段階のときに、自閉症研究の第一人者であるトニー・アットウッド教授に相談しました。トニー教授は、脚本とストーリーボードをチェックしてくださり、使っている言葉も調整してくださいました。私は、この作品は大丈夫だと太鼓判を押されたような感じがして、心強かったです。もちろん、脚本を書くうえでの準備は怠らないようにしました。自閉症に関する本、ブログ、記事などはたくさん読みました。議論や講演などもたくさん見るようにしました。作品制作に大きなインスピレーションを与えてくれたのは、日本の東田直樹さんが書いた『自閉症の僕が跳びはねる理由』という本ですね。この本を読んで、自閉症の青年の内的な世界を垣間見ることができたのです。素晴らしい本でしたね。予想だにしなかった世界中からの反響Upload By 発達ナビニュース─アニメ公開後の反響はどのようなものでしたか?アレックス: いやもう、反響のすごさに圧倒されましたよ。公開後、ものすごい数のメッセージが届いたんです。親御さんたちからは、このアニメが家族にとってどれだけ助けになったかというメッセージ。学校の先生方からは、貴重な教材になる、学校の集まりで使わせてもらう等のメッセージ。そして、自閉症当事者の子どもたちからも何件かメッセージが来ていました。自分たちのことをすごくちゃんと表現してくれているってね。─世界中から反響があったのですねアレックス: はい。すでに29カ国語を超える言語に翻訳されているようです。そのほかの言語でも、着々と翻訳作業が進んでいるようです。自閉症関係の団体や組織が翻訳している場合もありますが、学校の先生や当事者の人が担当してくれている場合もあります。若者を中心に広がっている感じですね。世界中にメッセージを届けたいというようなつもりは全くなかったのですよ。それが、組織や団体を通して広がっていきました。他国のいろいろな組織から、私のアニメにその国の言葉をつけて使いたいというメールをいただいています。熱心な先生方や親御さんから依頼のメールがくることもあります。そういう方々は、必ずしも専門家ではない場合もあります。でも、皆さんすごく熱意があるんですね。そういうのを見ると、感動しちゃいますよね。ナレーションをその国の著名人が担当しているような場合もあって。ポーランドやフィリピンなんかがそうです。すごいですよね。信じられない!─反響のメッセージを一部紹介していただけますかアレックス: そうですね、例えば…「言葉が出ない5歳の娘が、私のスマホをこっそり取って、1時間以上繰り返し見ています!」「このアニメを観て、感動で大泣きです。いろいろ気づけた。ありがとう」「自閉症は説明するのが難しいもの。でも、よく特徴を捉えています。」「市議会の自閉症啓蒙担当として、ぜひ次のセッションで使わせていただきます。素晴らしい!」「私の息子は、このビデオを見たおかげで、自分の自閉脳を誇りに思うようになりました。ありがとう!ありがとう!ありがとう!」「私の12歳の息子が、『自閉症の子供を非常に的確に描いた素晴らしい作品だ、と伝えて欲しい』と言っていました。」「このアニメを制作してくれて本当にありがとう。他の人が自閉症スペクトラムというものを理解できるよう、心を砕いてくださったのを感じます」「素晴らしい教材だと思う。私のクラスの子どもたちは、とても楽しんで観ていました」─この反響を見て、どんな思いでしたか?アレックス: 繰り返しになりますけど、こんなに反響があることを予想していなかったんです。息子の学校の教材用に、と思ってつくっただけだったのですから。それが今や世界中にシェアされて…。うまく言葉にできませんが、これまでの自分の仕事の中で、一番やりがいがあるものでした。このアニメに込めたメッセージとは…Upload By 発達ナビニュースアレックスさんには2人のお子さんがいらっしゃるそうですが、よく仕事場を訪れて作品づくりを見ていたそうです。2年間の年月、この作品に少しずつ生命が吹き込まれるのを目の前で見ていったお子さんたち。いつの間にかお父さんの伝えたいテーマを少しずつ学んでいったようです。兄弟で言い合いになると、アレックスさんは2人に「僕らはみんな違う。そしてそれは素晴らしいことなんだ!」と伝えました。そのたびに、3人で大笑いになったそうです。想像するととても微笑ましいですね。アレックスさんは、「人間は一人ひとりが唯一無二の存在であるということを、都合よく忘れてしまいがちだから、常にそのことを思い返すようにすると良いね」と言っていました。そして最後に、日本の皆さんに、アレックスさんからメッセージをいただきました。それは…「We are all different. And that’s wonderful! (僕らはみんな違う。そしてそれは素晴らしいことなんだ!)」発達障害の子どもと関わる立場にいる者として、この言葉はとても惹きつけられ強く共感できるものでした。アレックスさんのアニメを見て、同じような想いを共有した人々が世界中にいると思うと、発達障害というものを通じて世界と繋がっているような不思議な感覚が生まれました。アレックスさん、ありがとうございました。
2018年09月25日歌舞伎俳優の尾上右近が、現代劇に初挑戦。ピューリッツァー賞戯曲部門賞受賞の翻訳舞台『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』が8月4日(土)、大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。「作品が面白かったという声が聞けてうれしかった」と充実の東京公演を終え、大阪で大千秋楽を迎える。「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~」チケット情報人生の目的を見失い、薬物中毒にあえぐ人々――。他者とつながりたい願望と切実に避けたい感情が、現実世界とネットの仮想空間を用いて表現される。薬物中毒で育児放棄した母親オデッサ(篠井英介)に代わり、伯母ジニーに育てられた主人公エリオット(右近)。今はバイトで生計を立てるが、過去に出兵したイラク戦争で負った傷を癒すため、モルヒネ中毒も経験していた。一方のオデッサは、ドラッグ中毒者の救済を目的としたサイトを運営中だ。ある日、闘病中のジニーが他界したことで、ふたつ(ふたり)の世界の均衡が崩れはじめる。現代アメリカが抱える問題に材を取った物語だが、「無理に理解しようと努めなくても大丈夫」と言う。「時代や環境が変わっても、問題に付随する人間の心の動きは変わらない。みんな弱虫でみんないいやつ。一歩を踏み出そうともがいているエリオットも完璧な人間ではないから、悲しいけど笑っていたり、黙っているけど心にはいろんな葛藤が渦巻いていたり、多面的な部分にも共感できる。焦らず見つめていただければ自然と1幕で抱いた疑問が2幕で紐解け、最後には心温まる作りになっている。そこが不思議で素敵な作品だなって」。初の現代劇。一番の収穫は演出のG2から、「役者には作品のメッセージを伝える役割がある」と学んだこと。「なぜこの場所に立つのか、なぜこのタイミングでセリフを発するのか、すべてのことに意味がある。歌舞伎では何の疑いもなく型通りに演じていましたが、型を役の心の動きと捉えると、以前とは感じ方が全然違う。役者としての心構えはどうだったのか、自分を省みて根っこを育む時間もいただけた」。迎えた本番では、世阿弥が言う『離見の見』を痛感したとも。「熱中していても客観性がないと役の本質を見せることなく、パフォーマンスで終わってしまう。小さくまとまらずに作品のコマとしての役割も果たす。冷静と情熱、そのバランスが難しい。本番になるとつい自分をアピールしたくなるので」と快活に笑う。春には、大阪松竹座にて上演されたスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』で、堂々市川猿之助とのダブル主演を勤めた尾上右近。役者兼清元というふたつの顔を持つ、気力、体力、愛嬌たっぷりの26歳がまたひと回り太くなった幹から、大千秋楽で思いの丈を花開かせる。「泣いても笑っても最後。失うものは何もない」と意気込む彼の冷静と情熱の間、見届けて。公演は、8月4日(土)13時から大阪・サンケイホールブリーゼにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2018年08月03日元SMAPの草なぎ剛が出演する世界初の瞬間オフライン音声翻訳機「ili(イリ―)」の新CMが、15日より関東・関西エリアで放送される。昨年12月に「ili」のイメージキャラクターとして草なぎの起用を発表してから、草なぎは公式ファンサイト「新しい地図」youtubeチャンネルでの「ili」体験LIVE配信や、自身の公式Twitterでの即興オリジナルソング、期間限定POP-UPストアへの来店映像等の配信を通じ、「ili」の魅力を伝える活動を行っている。新CMは、ロサンゼルスの救急車内で、腹痛に苦しむ友人を搬送している草なぎが「なんかお腹が痛いそうです!」と、iliを介して友人の容態を英語で説明。「I think his stomach hurts」とiliが英語で通訳すると、外国人救急救命士が状況を理解し、続いて草なぎが「お前、なんか言え!」と友人に声をかけ、友人が「痛い…!」とiliに吹きかけると、「It hurts!」とiliが通訳する。iliの翻訳能力に興奮し、思わず腹痛で苦しむ友人の肩を激しく揺する草なぎ。iliの魅力を草なぎのコミカルな演技で分かりやすく伝えている。昨年12月に実施した先行販売の時には、草なぎも初めてiliを使うということもあり、操作に戸惑うこともあったが、今回のCM撮影の際には、草なぎも完全にイリーマスターに。撮影もスムーズに行われた。また、シリアスなシーンにも関わらずユーモラスな演出だったこともあり、草なぎの全力の演技に撮影スタッフが笑ってしまうこともしばしば。終始和気あいあいとした雰囲気で撮影された。草なぎは「Wi-Fi がなくても使用できるところが、コレ凄いと思います! 海外に行ったら、レストランでのちょっとした注文のシーンで好き嫌いを伝えるときに妥協しちゃうことがあるので。でもiliがあれば、例えば、『温かい水が良かった』『冷たいのにして!」とか完璧に通訳してくれるので良いですよね。一歩踏み出すとき何にもないよりか何かあった方が良いと思います。iliは絶対に心強い味方になると思います!」と魅力を語っている。
2018年03月15日「’97年に夫を亡くした1年後に、この作品の翻訳・出版権を獲得できた決め手は、私が送った手紙が『情熱的だったから』だと原作者のJ・K・ローリングから聞きました。でもその情熱は、出版業を愛し、志半ばで早世した夫の魂を受け継いだものでした」 こう振り返るのは、世界的ベストセラーで日本語版も2,400万部以上を売り上げている『ハリー・ポッター』シリーズの翻訳者で静山社会長の松岡佑子さん(73)。4歳上の夫・幸雄さんとは大学時代に交際が始まった。 「彼は作家志望でしたが、すぐに稼げるまでになるとは思えなかった。私は大学院進学をあきらめ“生活のために”通訳の仕事に就いたんです」 後に夫は一端、ペンをおき、’79年に自分で小さな会社を立ち上げた。だが18年後にがんに倒れ、後には負債だけが残った。54歳で会社を引き継いだ松岡さんは、ある日、友人に薦められたハリー・ポッターの原作本を開くと瞬く間に夢中に。すぐさま原作者“熱い手紙”を書いたのだった。 「幸せを失って、素のままでスクッと立ったときに、人間には不思議な力が出る。夫を亡くした後だからこそ、ハリーの作品と出合うことができました。でもその“人生のチャンス”は、努力もなしに待っているだけでは決してやってこないものなのです」 思い出すのは通訳の仕事に就いたころのことだと続ける。 「人前に出るのが苦手な私は通訳に向いていなかった。でも採用されたからにはと、予習、復習、関連知識の習得など睡眠時間を削って勉強を重ねました。その下積みが後につながったんだと思います」 50代で成功を収めた松岡さんは、友人だったオーストラリア出身のボブさんと63歳で結婚。現在はスイスで暮らすが、70代になって“新しい目標”を見つけたという。 「ボブも私もブルゴーニュのワインが大好き。そこで日本の方にも少しでも安くおいしいものを楽しんでいただきたいと、欧州から輸出を始めました。コストを抑えるために『フェニックス・ワイン・クラブ』のHPで限定販売しています。全身全霊、私たちが一つひとつ試飲して選んだ自信のボトル。ぜひお試しくださいね」 そう目を輝かせ、最後にこんなアドバイスをくれた。 「いま仕事がつまらないと思っている人でも、続けるべきです。与えられた仕事にはつねに真剣に向き合うことが重要。地に足をつけて、目を天に向けている人にだけ、チャンスの天使が舞い降りる。それはいくつになっても変わらないことだと信じています」 松岡さんの仕事に対するモットーは、まさに人生90年時代にぴったりの“魔法の言葉”かもしれない。
2017年03月02日「ミァーォウ」。さて、この猫ちゃんは何と言っているかわかりますか?獣医の山本宗伸先生と服部幸先生に、猫の鳴き声“猫語”を翻訳していただきました。もっと気持ちを通わせ合いたいから、知っておきたい猫の鳴き声を大解説です。■「ニャ」「ムワ」=こんにちは「やあ」といった感じで発する。名前を呼ばれたり、飼い主を見つけた時に使うので、この声を聞けるようになるのが友好への第一歩。■「ミァーォウ」=お願いがあるニャー~「ミァ」の強弱に、要求の度合いが比例。かわいくおねだりされたら、何でもしてあげたくなるけれど、度を越さないのも飼い主の愛。■「アーーエーー」「ウニャウニャ」=ごはんが欲しいニャ餌が欲しいなど強い要求をしてくる時の声は太く、語尾が強くなる。あげたばかりなのに鳴いてきたら、ココロを鬼にして無視を!■「ゴロゴロゴロ」=ふんふんふん♪声帯を振動させて出す特徴的な猫語。人間の笑顔に似て、リラックスしてご機嫌な時によく出す。一緒に遊ぶなら、このタイミングで。■「アオーン」=恋がしたいニャ発情期の雌が雄を呼ぶ時や、その求愛に雄が応える時に使う。自分以外に好きな子ができて納得いかずとも、恋路を邪魔するのは野暮。■「マォーウ?」=困ったニャ…語尾が上がって、疑問形のように聞こえたら困惑中のサイン。何に戸惑っているのかじっくり観察して、原因を取り除いてあげて。■「ウーーーウゥゥゥゥ…」=ケガしても知らないニャ息を吐きながらゆっくり唸るのは、警告の意。喧嘩の時に使う猫語で、唸っているのに手を出すのは絶対にNG。落ち着くまで見守るべし。■「アーーーオーーー」=やめておいたほうがいいニャ雄同士の喧嘩で威嚇する時に使う。トーンが低く、とても大きい。マジ切れしているので、人に言ってきたら、すかさず身を引くように。■「シャーーーッ!」= やったるニャ!強烈に威嚇しているが、その裏には恐怖や緊張が。パニックに陥ってる場合もあるので、売られた喧嘩は買わず、近寄らない方が無難。■「ギャ!」=痛いニャ!しっぽを踏まれた時など、痛みを感じるととっさに声が出るのは、猫も人も同じ。怪我していないか確認を。雌が交尾を終えた時にも。◇山本宗伸先生マンハッタン猫専門病院で研修を積み、8月1日、猫専門病院「Tokyo Cat Specialists」開院予定。『ネコペディア』(秀明出版会)著。◇服部 幸先生東京猫医療センター院長。近著に、愛猫との幸せなお別れの仕方を提案する『猫とわたしの終活手帳』(トランスワールドジャパン)。※『anan』2016年7月27日号より。イラスト・福家聡子取材、文・小泉咲子重信 綾
2016年07月24日6月3日から世界190カ国で全10話一斉配信される、動画配信サービス・Netflixオリジナルドラマ『火花』の翻訳を担当したお笑い芸人チャド・マレーンが、号泣しながら作業にあたったことを明かした。同作は、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が第153回芥川賞を受賞した同名小説が原作で、主人公である売れない芸人・徳永(林遣都)と、その彼が師と仰ぐ先輩芸人・神谷(波岡一喜)の姿を通して、「笑いとは」「才能とは」「生きるとは」「人間とは」を描くもの。チャドは、作品の世界が、自身の過ごしてきた時代や舞台そのものであるため、「僕のこの半生の間、周りで散ってしまった数々の夢の分だけ、号泣しながらパソコンの前でカタカタする日々でした」と、翻訳作業の意外な苦労を打ち明ける。しかし、それで奮起した面もあるようで、「最終的に、言っていることがこんなにオモロいのに、こんなに号泣する漫才はない、と全世界中の人に言わせるつもりで、ええ仕事をしてみました」と自信をのぞかせた。オーストラリア出身で高校生の時に初めて来日した際、漫才の面白さに感銘を受けたというチャド。ただ今作は"面白さ"よりも"ロマン"が立っていると評し、「ミッキー・ロークの『レスラー』と同様、一度でも夢を見たことのある人なら号泣間違いなしの作品だと思います」とハリウッド映画を例にあげて、太鼓判を押している。
2016年05月20日凸版印刷はフィートと共同で、情報通信研究機構(以下NICT)の委託研究「自治体向け音声翻訳システムに関する研究開発」(2015年度から2019年度の5年間)を受託し、自治体窓口業務に対応した国内で初めての音声翻訳システムの研究開発に着手したと発表した。東京都板橋区との連携により、窓口での実証実験をすでに開始しており、今後は窓口業務での外国人来庁者の行動分析などをもとに、利用者満足度の高い音声翻訳システムの開発を実現した上で、全国の自治体で利用が可能な音声翻訳を研究開発する計画だという。また、凸版印刷では、この研究開発の成果を活用し、大学やハローワーク、金融機関などさまざまな窓口業務で利用可能な音声翻訳システムの開発を推進します。システムは、両社の強みを活かして、観光分野や医療分野を中心に高精度化を図ってきたNICTの音声翻訳の技術をベースに、新たに自治体窓口で利用可能な音声翻訳システムを開発する。研究開発は、板橋区などの協力自治体と連携し、窓口業務での実証実験や利用者満足度を調査・分析。窓口における外国人対応のシチュエーションや会話例を明確化し、窓口応対時に想定される対話のシナリオやコーパスの作成や英語、中国語、ブラジルポルトガル語の三言語の音声コーパス収集(クラウドソーシング含む)を行う。そして、NICTの音声翻訳システムを拡張し、自治体窓口向けの音声翻訳システムを開発し、協力自治体での実証実験を通じて実用化に向けた課題検証を実施する。さらに、 在留外国人の多い自治体を対象としたヒアリングの実施や収益化手法(広告モデル・自治体からの課金、外国人ユーザー課金など)も具体化する。最終目標としては、全国1,741自治体を対象としたクラウドサービスのビジネスモデルを構築や商業施設や金融機関などの多様な窓口業務、医療や災害対策などをはじめとした他分野への展開の検討も行っていくという。
2016年03月23日京浜急行電鉄(京急)、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、ブリックスの3者は2月17日、多言語音声翻訳サービス及び電話通訳サービスの共同研究を開始し、京急の12駅の構内での実証実験を開始した。同研究は、駅の改札窓口などで駅員が外国人に鉄道の利用案内などを行う場面を想定し、機械翻訳と電話通訳のハイブリッド・サービスの有効性などを検証することを目的としているという。NICTの多言語音声翻訳アプリケーションである「VoiceTra」(ボイストラ)をベースに、ブリックスが提供する電話通訳サービスを利用する共同研究用アプリケーションである「鉄道通訳」を作成した。これをタブレット端末にインストールし、駅員が外国人とのコミュニケーションに用いる。実証実験は、羽田空港国際線ターミナル駅や同国内線ターミナル駅、品川駅、横浜駅など12駅で実施する。また、鉄道通訳の対応言語はVoiceTraと同じく、日本語・英語・中国語・韓国語を始めとする29言語。同サービスの導入により、訪日及び在日外国人からの問い合わせ内容に応じてNICTの多言語音声翻訳技術とブリックスの電話通訳サービスを組み合わせて利用可能になり、駅における乗換案内や料金の確認などを、多言語で迅速に可能になると期待できるという。例えば、外国人とのやり取りが比較的簡単な場合にはVoiceTraの音声翻訳を利用し、難しい場合には人の通訳に代わるというように、通訳者による丁寧な対応が必要な場面を絞り込むことにより、助けが必要な全ての外国人に対する案内と、外国人1人1人とのコミュニケーションの質の向上との両立を目指すとしている。
2016年02月18日三菱地所と三菱地所プロパティマネジメントは2月10日、商用接客に特化した翻訳アプリの開発に着手したことを発表した。訪日観光客や外国人就労者に向けたサービスを強化するのが狙い。アプリ開発のための試験期間として、まずは、丸の内と横浜の商業テナント1000店舗を対象に、2016年2月下旬より既存の多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」を店舗で使用し、接客現場でのニーズを収集する。その後、各テナントでの商業状況を検証し、「和食ならではの調理方法」や「商品の特徴」の説明など、接客シーンで活用しやすい表現をアプリに反映し、三菱地所グループ商業施設のオリジナル版翻訳アプリを新規に開発、商業テナントへ本格的に提供していくとしている。なお、同社では、三菱地所グループの他エリア商業施設や、ホテル、美術館への活用に加え、他社の商業施設でも利用できるよう検討していくとしている。
2016年02月12日