多くの皆さんが迎える事になる老後。その老後が今問題になっています。どんな問題なのかと言うと、お金の問題です。私も25年後には65歳を超え働いているのか、それともセカンドライフに入っているのか想像できません。今回は老後のお金について必要な知識や目安などを解説していきます。年金はいくらもらえるの?平均的な支給額を解説します老後に備える為には、自分たちがどれ位の年金をもらえるのか、ある程度知っておく必要があります。まずはどれ位受給できるのか等解説しておきます。国民年金と厚生年金の違いでは国民年金と厚生年金の違いから解説しておきます。この年金の違いにより受給額が大きく異なってきます。概要として、厚生年金はサラリーマン等が加入する年金制度となっており、国民年金は個人事業主が加入する制度になっています。それぞれの違いについて次に詳しく触れていきますね。国民年金について国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満の方全て加入する事になっている年金制度の事です。一般的に個人事業主、農業、漁業等に従事している方が対象となります。国民年金を自ら加入し、保険料を自ら納めている方を「第1号被保険者」と呼びます。また様々な説明の中で言われています、年金の1階部分が国民年金に該当しますので、憶えておいて下さいね。厚生年金について厚生年金は会社勤めのサラリーマンや公務員が対象となっており、「第2号被保険者」と呼ばれています。国民年金部分の支払いは直接行う事は無く年金の2階部分に該当します。日本全国を見渡した時に、国民年金の加入者が約1,600万人(平成29年度)に対し、厚生年金は約4,300万人(平成29年度)となっています。厚生年金保険料を納める事で、国民年金部分+厚生年金部分の年金額を受給する事ができるので、一般的にはサラリーマンである方が年金部分は手厚くなると言われています。また厚生年金で配偶者の方に扶養されている方は「第3号被保険者」と呼ばれており、直接年金保険料を納付する事はありません。年金は何階建てまであるの?先程の解説で1階、2階と例えましたが、年金は他の制度も含めると3階建てまでとなります。改めて整理すると、1階部分は国民誰でも受け取れる基礎年金部分(国民年金)となります。2階に関しては、サラリーマン・公務員が対象になりますが、上乗せ部分(厚生年金)となり、3階に関しては、企業年金や確定拠出年金等の分野が該当しますので、3階建て部分をする・しないは会社によっても異なりますし、個人の意思によっても異なります。また個人事業主など国民年金に上乗せする場合の付加年金や国民年金基金等は2階部分に相当します。目視で整理するため図解したものが次の図になります。2階建て、3階建て部分を補足しておきます図で見る限り、2号被保険者が手厚い年金である事が言えます。また1号、3号被保険者は自分で上乗せ部分を作る、若しくは過去に2号被保険者として勤務があればその期間分上乗せされます。ここでは付加年金、国民年金基金、厚生年金基金などについて解説しておきますので、知識としてもそうですし、年金の補てんとして考えておいて下さい。付加年金2階建て部分の付加年金ですが、第1号被保険者と任意加入保険者が付加年金に加入する事が可能です。任意加入被保険者について解説を挟んでおきますね。任意加入被保険者とは、国民年金を受給するための受給資格期間を満たしていない場合などの理由で、60歳を超えても資格を満たす為に加入する方を言います。この付加年金は国民年金の保険料に追加して月額400円を支払う事で将来の年金額を増額させる事が可能になります。追加する事によって、200円×納付月数分の金額が年金に毎年加算される為、お得な制度だと言えます。計算例として20歳から60歳まで付加保険料を支払ったとすると、400円×12カ月×40年間=192,000円支払う事になります。では受取は200円×12カ月×40年間=96,000円が1年間の年金に加算され、受給し続ける限り96,000円を受け取れますので、計算上は2年間で元が取れる仕組みです。国民年金基金国民年金基金に関しては、付加年金同様に第1号被保険者のみ対象となっている制度で、将来の年金額を増やす為の仕組みです。少々複雑な為、ざっくり解説しますが、付加年金と併用する事はできませんので、加入するのであればどちらかになります。毎月の掛け金の上限は68,000円までと決まっており、もしiDeCoと併用するのであれば、68,000円以内に掛け金を抑える必要がありますので、注意して下さい。加入のプランが複数ある為、ご自身の受け取りたい方法を検討して加入する必要があります。厚生年金基金次に厚生年金基金です。厚生年金と言葉が似ていますが、実際は異なり、次の様になります。厚生年金は公的年金制度であり、国が運用する制度です。厚生年金基金は私的年金制度で、企業年金に分類されます。つまり、厚生年金基金は導入している会社かそうでないかという事で加入の可否が決まります。また対象者は第2号被保険者となり、将来の年金受給額を増やすための制度です。現在(令和元年9月現在)では基金自体8社となっており、ほとんどの基金が解散し確定拠出年金に移行しています。確定拠出年金確定拠出年金は3階建て部分に該当し、最近では個人版確定拠出年金としてiDeCoが登場しました。これまでは企業版確定拠出年金しか無く、また導入している企業に勤務していなければ加入する事はできませんでした。しかし、2017年1月より、導入企業以外でも加入できる個人版確定拠出年金としてiDeCoがスタートしました。これにより第1号被保険者、第3号被保険者も3階建て部分に着手する事が出来る様になり、税制面のメリットを受けながら資産運用する商品で年金を増やす事が可能になり、現在では加入者が増加しています。一般的な受給額を解説しますここまでは国民年金と厚生年金の仕組みについて概要を解説しました。では実際にどれくらい受給できるのかという点に触れていきます。まず国民年金ですが、40年間しっかり保険料を支払ったとして満額受給できる金額は年間77万9,300円となっており、1月あたり65,000円となります。しかし、厚生労働省発表の平均受給額は55,000円となっているようです。では次に厚生年金ですが、こちらは年収によって様々ですので、厚生労働省発表の平均受給額で解説しますと1月約145,000円となっているようです。毎月の受給金額の平均をご覧になってどの様に感じましたか?老後資金として十分なのか、足りないのか、恐らく判別はついていると思います。私は「足りない」と感じますし、危機感さえ覚えます。夫婦で受給した場合は?では夫婦で受給した場合はどうでしょう?先程の平均を用いると共に国民年金であれば1ヶ月11万円となり、共に厚生年金であれば1ヶ月29万円になります。比較してもこの金額差は大きく、特に個人事業主の方は早めに年金の対策を打っておくべきだと言えます。それともう1点お伝えしたい事は、皆さんの寿命が年々伸びている事です。日本は世界トップクラスの長寿国です。男性、女性も長生きし、平均でも80歳をかるく超えてきます。このどれだけ生きる事が出来るのかという点がスッポリ抜けてしまっている為、月の受給額に焦点が行きがちになってしまいます。受給金額の総額を計算してみますそれでは先程の平均値を元に、男女の平均寿命から単純に計算してみることにします。最初に平均寿命ですが、小数点以下を切り捨てますので、男性81歳、女性87歳とします。迎える老後は65歳から、以降仕事をしないものとして計算します。そして夫婦同じ年齢でシミュレーションすると次の様になります。[adsense_middle]夫婦共に国民年金の場合男性55,000円×12カ月×(81歳-65歳)=10,560,000円女性55,000円×12カ月×(87歳-65歳)=14,520,000円合計25,080,000円夫婦共に厚生年金の場合男性145,000円×12カ月×(81歳-65歳)=27,840,000円女性145,000円×12カ月×(87歳-65歳)=38,280,000円合計66,120,000円必要な生活費は?入ってくる年金額を平均より割り出しました。次にかかる生活費(支出)を計算してみます。老後平均的な生活費(居住費含む)ですが、生命保険文化センターの調べでは、夫婦で毎月23.8万円が平均支出となっているようです。単身者で14.2万円が平均だそうです。ではこの平均値を元に支出を計算します。夫婦の期間:23.8万円×12カ月×(81歳-65歳)=45,696,000円1人になった期間:14.2万円×12カ月×(87歳-81歳)=10,224,000円合計55,920,000円シミュレーションで気を付けておく事上記の結果を元に改めて解説しますが、あくまでも平均値を元に計算しました。計算した結果、国民年金では生活費と受給額の開きが約3,000万円近くに上ります。厚生年金ではどうでしょう。今回のシミュレーションでは夫婦共に20歳から60歳まで、途切れることなく厚生年金を支払い続けた結果のシミュレーションです。ここで気を付けるべきは計算上は足りていますが、女性は出産、育児などの観点から、退職やパートになる事も考えられます。その場合、厚生年金を納める期間から外れる事になるため、上記のシミュレーション通りの金額に到達するかは分かりません。つまり、少なからずとも、出産、育児の事を想定した上で、何かしら老後に対して対策を打っておくべきであるという事が分かります。やはり年金だけでの生活は厳しい結果でもお分かりの様に、年金だけをアテにした生活は厳しい事が想像できるかと思います。老後を迎えた時点で、取り崩せる資産を形成しておくのか、不労所得が入ってくる仕組みになっているか、または65歳以降も仕事に携わっていくのかを検討しておかなくてはなりません。老後に備える為に有効な手立ては?将来的な老後不安を解消する手立ては自己防衛であり、貯蓄する事が必須だと言えます。その中でも、FPである私が推奨したいのは投資信託での運用です。時間さえかければ投資信託は増やせる確率が上がってきます。以前の記事で解説していますので、そちらを参考にして頂けると良いかと思います。預貯金だけでは運用はままならない為、今の時代は運用をしっかりと考える時なのではないでしょうか。老後の年金に関するまとめ今回は年金で生活できないかもしれないので、お金の基礎について解説しました。細かい点はあるにせよ、今出来る事を始めなければ、来る老後に備える事が出来なくなります。明日からセカンドライフが始まるといった場合に、何の準備も無いまま迎えるのは不安が募った毎日になるでしょう。不安を解消し、活き活きと生活できるようにしたいですね。
2020年01月24日今回は老後の住まいに関して賃貸か持ち家かという事をテーマに解説していきます。老後を迎える時に一つの不安として年金だけで生活できそうにないという事が挙げられます。その時、居住に関する費用負担が重く圧し掛かってくるかもしれませんよね。一体どっちが得なのか?またメリットやデメリットについても解説していきますので、是非最後までお付き合い下さい。高齢者の住まい事情について始めに今の高齢者の持ち家率に関してお話しておきたいと思います。今回は老後の定義として、65歳以上を老後とします。では65歳以上の方が一体どれくらいの割合で持ち家を所有しているのか、また賃貸の割合を解説します。意外と高い持ち家率65歳以上の高齢者世帯は8割もの方が持ち家を所有している事が、厚生労働省の調べで分かっています。2割は賃貸にお住いという事です。そして、単身者の高齢者で持ち家を所有している方は6割となっており、単身世帯の方が割合少ないという結果になっています。また調べてみて判明した事ですが、65歳以上の方がいらっしゃる世帯のうち、3割に当たる居住が1970年以前に建築された建物であるという事が分かりました。今から50年前に建てられたという事になります。持ち家での生活で困っている事は?持ち家を所有している事で、安心して帰る場所がある事は大変良い事だと思います。また慣れ親しんだ土地でもあると思いますので、愛着などもあるでしょう。しかし、先程の調べでは築50年以上もの物件が3割ある事が分かりました。その中で、住宅でのお困りごとについて内閣府がアンケートを取っていますが、一番の困りごとは、住まいのあちこちが古くなり傷んでいるという事でした。いわゆる経年劣化という事ですね。当然ですが、家は日々雨風を凌ぎ、日当たり等も調整してくれます。半面、傷むことは必ずある事でしょう。長年住んでいるのであれば尚更ですね。住宅を購入する時に注意すべき点は?先程は住宅の傷みが気になるという事を解説しましたが、それもそのはずです。購入した時は傷んでもなく、綺麗なままですよね。しかし、購入する際にまだ随分先の老後の事を考えて購入するでしょうか?恐らく購入時には家族構成も異なっているはずです。多くの購入理由に、子供が大きくなり、自分の部屋が欲しい、家が狭くなった等が挙げられます。その子供も自立し家を出ていく事が多いでしょう。すると、大きかった家も気づけば2人での暮らしになります。この様に、買う時にどうしても気づけない点があるという事は知っておいて欲しいですね。また当時は最新の自宅でも時間が経てば、構造や造りが高齢者に向いてない造りになる事もあります。例えは古いですが、随分昔は玄関が土間でしたが、今では土間の自宅を見る機会が激減しました。土間を上がる際の高さは高齢者にとっては大変ですし、かえって危険な場合もありますよね。住宅は持ち家(戸建て)?マンション?賃貸?それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します8割もの方が持ち家を所有している事実がありますが、細分化すると戸建て、マンションに分けられます。また賃貸という選択肢もあります。ここからはそれぞれの住まいの特徴やメリット、デメリットを解説していきたいと思います。[adsense_middle]戸建ての特徴は?まず戸建てから解説します。戸建てはご存知の様に資産になります。不動産として所有する事ができ、また相続として誰かに引き継ぐ事も可能です。そして売買する事や、場合によって人に貸す事も可能です。日本家屋として建築方法は日々進化しており、最近では免震構造や耐火性能を兼ね備えた災害に強い住宅が一般的です。また太陽光等の設備を設置する事により、自宅の電力分の費用を賄う事も可能で、電力を販売する事も可能になってきています。一般的には木造家屋が多く、土地の広さによっては庭を持つこともでき、家庭菜園や広い駐車スペース、知人などを招いてBBQなど行う事も可能です。戸建てのメリットメリットとして、資産になる事、引き継ぐ事が出来る事、販売する事が出来れば大きな換金性がある事です。また2階建てや3階建てといった居住空間を保つことも可能な為、上空に面積を広げる事も可能な点はマンション、賃貸に無いメリットと言えます。またローンさえ払い終われば、支払いとしては毎年の固定資産税・火災保険くらいになりますので、老後を迎える際には、支払いの面を考えても十分にメリットはあると言えそうです。戸建てのデメリットデメリットとしては、首都圏などではまず立てる事が難しく、郊外に建てる事が多い点でしょう。これは地価や建築許可の問題もありますが、一般的には郊外に建てる事が殆どです。そして先程も解説しましたが、建てた時と、先々とでは使い勝手や住まいの広さが変わってくるという事でしょう。子供が自立した場合などを考えると、かえって広くなってしまい、老後2人での生活となれば広さを持て余す事になります。また水回り、屋根、外壁等劣化し易い部分のメンテナンスは発生する事が想定されます。タイミングにもよるでしょうが、高額な費用が発生する事になりますので、別途貯蓄等をしておく必要があります。そして引っ越しがすぐには出来ない点も挙げられます。自動車等と異なり、買い手が見つかるまで時間が掛かりますので、換金性はあるものの、流動性は低い点はデメリットと言えます。老後を想定した場合は広すぎると庭や家の掃除、メンテナンスが徐々に大変になる事を想像しておいて下さいね。マンションの特徴は?次にマンションです。マンションも戸建てと同じく資産になります。特に上空に高く建設されるため、多数の世帯を一ヵ所に集める事ができます。またオートロックや防犯カメラ、管理人等がいるため、防犯性が戸建てよりも高い事が特徴です。特に、駅に近い場所に建設される事が殆どで、公共の交通機関へのアクセス等はし易いのが特徴です。階層が高くなればなるほど、値段も上昇する傾向にあり、相場に関しては住まいの自治体によってピンキリですが、高いもので億を超える物件もあります。間取りは当初より設定されているため、先々の家族構成等を視野に入れておく事が重要です。マンションのメリットマンションのメリットですが、戸建て同様に資産となります。立地はかなり好条件な物件が多いので、販売されるとすぐに売り切れる事もあります。上階になると部屋からの景観は良く、場所によっては夜景等一望できたり、花火大会の花火を見下ろしたりできる物件もありますので、大人も子供も住んでいて楽しめる点はメリットです。また物件の立地が良い事もあり、戸建てよりも高い値段ではありますが、売却すると購入した際よりも高値で売れる事もありますので、その点は戸建てには無いメリットと言えますね。マンションのデメリット続いてデメリットです。マンションの場合、住宅ローンを支払い終えた後には固定資産税・火災保険と戸建てと変わりはありませんが、マンションの修繕積立費、管理費が発生し続けます。これはマンションの外壁や共用部分等の修繕に使われる事になり、築年数が経っている物件は修繕積立費が高くなっていく傾向にあります。また左右上下に人が住んでいますので、騒音などの問題も出てくるでしょう。戸建てと同じですが、すぐに買い手が見つかれば良いですが、売却出来ない場合もあるので流動性は低いと言えます。災害に強そうなマンションですが、免震性能を改ざんしてある物件が発覚した事もありました。また昨年記憶に新しいのは台風19号の被害です。雨、風は問題ありませんでしたが、水害により、タワーマンションのエレベーターが使用できない事態に陥り、復旧までに時間がかかりましたね。特にタワーマンションは人気が高く、高層階は特に人気です。しかし、災害によるエレベーターが使用できないという事で、便利なはずの生活が一変しました。もし老後この高層階に住んでいたら、1階まで階段で降りる事はできますか?こう考えると高層階に入居する場合、老後も住み続けるのかどうなのか考えるべきなのかもしれません。賃貸の特徴は?最後に賃貸物件です。賃貸物件は戸建てタイプもあればマンションタイプ、アパートタイプ、メゾネットタイプ等、様々な形態があります。広さも様々で、一人暮らし用の間取りやファミリータイプ等、物件によっては家具家電まで付いている所もあります。またペットを飼う事も出来る物件も最近では増えており、スマートフォンのアプリには賃貸物件を検索できるものもあります。築年数が短い物件等は入居が早くに決まる事が多く、仕事で転勤等が決まった際には直ぐに引っ越す事も可能なので、戸建て、マンションにはない特徴を持っています。賃貸のメリット賃貸物件のメリットは、引っ越しなど自由に出来る点でしょう。資産では無い為、賃貸契約さえ結べば入居できますし、お気に入りの物件など見つかればすぐに移動できます。また家族構成が変わった場合等にも柔軟に対応できる点はメリットです。4人家族から2人家族になったので、部屋を少なくしたい時は1LDKや2LDKの部屋を探したり、また家賃も安くしたいのであれば、探す事も可能ですので自在性がある事は大きなメリットでしょう。老後を迎える場合、年金生活などで暮らす時には賃貸物件は一役買ってくれるかもしれません。賃貸のデメリットではデメリットはなんでしょう。まず挙げられるのは、住み続ける限り永久に家賃を支払う事です。住宅ローンと違って期間に定めが無いので、家賃と更新料、保証料等を支払い続ける事はデメリットですね。また自在性がある為、近隣の方の入れ替わりが激しい事が想定できます。今までは静かだったのに、今度来た人は騒がしい等、トラブルになる事もあるでしょう。また物件によっては駐車場が1台のみだったりする事も。2台3台と保有している世帯ではそれだけで、別で駐車場を借りなければなりません。入居する際も、敷金、礼金といった初期費用が高額な物件もあります。退去時には返金が無い場合も。そして老後を迎える場合、注意点としてですが、高齢者だけでの契約が出来ない事もあります。理由は高齢になればなるほど、理解力の低下、孤独死等オーナーにとっては避けたい事由が発生するリスクが高まるからです。賃貸は借り手にとっては助かりますが、オーナーの観点から考えると、収益を得る為の物件ですので、事故あり物件にしたくないのが本音ですし、空き部屋も埋めたいでしょう。この事から高齢者単独での契約は出来ない事が多いので、憶えておいて下さいね。家賃とローンはどちらが良いのか?さて物件に関する特徴、それぞれのメリット・デメリットを解説しましたが、ここでお金に関して触れると、家賃を支払うかローンを組むのかという点に行きつきます。一体どちらが老後には良いのでしょう?[adsense_middle]支払額を比較してみましたここで支払いの総額を比較してみたいと思います。ざっくりとした計算ですが、下記の条件で比較してみます。30歳夫婦で65歳定年、平均余命より90歳まで生きると仮定Aパターン:住宅を購入し35年ローンを組む/物件価格4,000万円/金利0.7%/月107,408円の支払い/頭金、ボーナス払い無Bパターン:賃貸に居住し続ける/月の家賃を10万円と設定まずAパターンですが、毎月の返済額を35年間払い続けると、総支払額で45,111,360円になります。この金額には固定資産税は含まれていません。次にBパターンですが、毎月10万円をローン支払いと同じ期間支払い続けると4,200万円となります。賃貸には固定資産税はありません。また更新料は含まれていません。それでは90歳まで計算しますが、ここでは固定資産税、更新料を共に含んで計算してみます。固定資産税は年間15万円とし、更新料は年間1万円とします。Aパターンであれば総額54,111,360円となり、固定資産税だけで900万円になります。Bパターンでは総額72,600,000円となり、住宅を購入するよりも遥かに支払い額が多くなる事が分かります。総額の支払いだけ見れば購入する事が得金額的な損得だけであれば購入する事が得になる事が分かりました。老後の居住費を支払わなくて済む点は大きなメリットです。購入者の意見として、老後の安心の為という事が最も多い回答です。反面、賃貸では老後の支払いが不安であるという回答が多いです。金銭面での不安が募るようであれば、住宅を購入する事を考える必要はあるでしょう。しかし、自由に色んな所で生活したいという考えであれば賃貸でも良いかもしれません。老後の賃貸住まいに関するまとめ今回は老後の住まいについて解説してきましたが、どちらが正しいという事では無く、老後を安心して生活したいのか、どうなのかという点が焦点だと思います。これからも長生きはするでしょう。その時、自分は何歳まで生きるのかという事もシビアに検討し住まいを考えておきましょう。
2020年01月24日今回のテーマは「老後貧困」です。何だか物々しいタイトルですが、老後資金対策を行っていなかった為に、カードローンで凌ぎ、結果借金地獄の様な日々を送る方の話を聞いた事があります。結果返済不能に陥り、破産宣告して老後破産に繋がっていきます。この話は現実に起きている話で、決して他人事ではありません。いつどうなるのか分からないのが人生です。老後お金で困る事が無いように、今から出来る対策を解説していきますので、出来る事から始めていって下さい。「老後不安」の原因と問題点今回のテーマに沿って解説するに当たり、先に原因と問題点についてお話したいと思います。そもそもですが、老後が不安だなと感じる様になったのは、いつ位からでしょう?人によってバラバラではありますが、私はバブル崩壊後からお金に関する問題に気付き始めた様に思います。かつて日本は好景気でした。老後を迎えた高齢者や中高年の方々はバブルの恩恵を知っている方達だと思います。しかし好景気はいつまでも続かず、1990年代にはバブル崩壊となり、一転不景気となり今に至ります。バブル期の金利は今では考えられない程の利率となっており、ゆうちょの10年定期預金で約8%もの金利があったそうです。私はこの金利の高さが原因であると考えています。元本保証&高金利という問題がお金の事を考えなくなった一つの要因ゆうちょで8%という事は、単純計算でも約9年で預入金額が倍になる計算です。しかも日本円ですので、元本は確保されている事になります。今の時代こんな金融商品があったら、皆さん預けますよね。何も不安はありませんよね。不安が無いという事は、お金を増やす方法なんて考えなくて良い訳です。簡単にゆうちょに預けておけば9年間我慢するだけで倍になりますから。この事が一生続くと誰もが思っていたのかもしれませんが、結果今ではどの金融機関でも0.001%の預金金利です。真剣に考えなければならなくなりましたが、これまで元本保証に依存してきたツケが回ってきました。そして金融商品に関する知識が無いので無難な保険に移行する事になるわけです。私はこの金利の高さがこそが安心と思い込み、不安を解消し、別の手を考えなくなった原因だと思います。保険も万能では無い!過去に保険会社も倒産しているバブル期において、金融機関の一角を担う保険会社も利率の高い商品が沢山ありました。今でも保有していらっしゃる方はお宝保険として持っておくべきでしょう。保険は将来の解約金を契約時に約束しますので、ある一定期間保有しておけば、かなりの解約金になるものもありました。しかし、バブルが崩壊すると同時に保険会社に解約が殺到。しかも高利率を謳っていましたが、その利率での運用が厳しくなり、最終的に経営破綻へと繋がります。この高金利が悪い意味で作用してしまったという事ですね。今では各保険会社もそうですが、財務内容等含め健全に運営されているか等厳しいチェックを受けています。今では保険も低利率となり、預けるメリットが殆ど無い状態にまで陥っています。中には商品の販売停止をしている保険会社もある位です。それ位今の時代は円で、元本保証で資産を増やす事が厳しい時代になったという事です。原因と問題点のまとめまず、原因を整理すると、次の様に解説する事ができます。高金利の恩恵に与っていた為、円建て一本で資産分散をしてこなかった情報や知識が無い為、バブル崩壊後も何か新しいものに手出しする事が出来なくなった元本保証への過剰な依存ではこの原因がどんな問題を引き起こすのかというと、次の様に考えられます。私達はお金の勉強をこれまでしてきませんでした。と言うより、する必要が無い時代があったからです。しかも日本はお金の事を話すと嫌がられる文化でもあり、中々誰にも相談出来ない時代だったと思います。また、親や祖父母の世代では資産運用している人はかなり少数だった様に思います。つまり元本保証に依存している事をそのまま子供世代にも伝える為、金融教育の機会が無かったと考えています。この問題を解決しなければ、先々日本は子供の世代が苦しむ事にも繋がってくるのではないかと危惧しています。これが私が考える問題点であり、冒頭の老後破産等に繋がってくると思います。現実的な対策は?では具体的にどんな対策を講じればいいのでしょうかという事になりますが、いきなり「〇〇の株を買え」とか「△△を始めろ」と言われても、行動できませんよね。では今すぐできる事は何があるのかをこれからポイントとして解説していきますので、ぜひ参考にして下さい。尚、今回のポイントに関してはFPである私も実践している事なので、真似事でもいいので始めてみて下さいね。[adsense_middle]貧しい老後を送らない為のポイント①情報取集から始める基本の部分ですが、お金を上手に増やすための情報収集から始めてみましょう。実際に様々な金融商品をチョイスするのは後で構いません。例えばですが、皆さんはご自宅の物件(持ち家や賃貸)を決める時に、いくつか不動産屋や住宅展示場を回りませんか?数ある物件やメーカーから条件の良い場所や値段、広さや快適さを求めて探し回ると思います。お金を増やす事も住まいを探す事も同じ事なんですよね。結果自分に返ってくる事になりますので、真剣になって、場合によって妥協点を見出しながら決めると思います。「分からない、知らない事」を「分かった!知っている」に変えてあげる作業になります。お金の勉強をするツールは雑誌、ネット、セミナー等様々ありますが、勉強方法は人それぞれです。対面で話を聞きたい、会話で学びたいのであればセミナーを受講するのが近道でしょう。先に知識を得たいと思う方は、雑誌やネットで気になるワード検索で調べる事が近道だと思います。このマネタスに掲載されている記事は全てFPが書いています。分かりやすい構成になっていると思いますので、参考になれば幸いです。但し情報収集は一時的に終えるのではなく、絶えず行っておく事が大事だと思います。継続は力なりですね。貧しい老後を送らない為のポイント②お金を貯める癖を付ける次のポイントとしてお金を「貯める癖」を付けましょう。貯める事が得意な方は飛ばして下さい。私もクライアントを抱える仕事をやっていますが、新規クライアントさんで、お金がどうしても貯まらないという方にお会いする事があります。貯まらない理由はいくつかあります。どうしても使ってしまう、収入自体少ない、カードを使う事が多いので支払いが増える等です。ここで私の実例を元に貯まる癖を解説しますので、出来そうであれば実践してみて下さい。私の実例私も新社会人になってお給料を貰う様になってから、中々貯まりませんでした。2年位経過した時にお付き合いした方と話し合って、一緒に毎月積立をするという取り決めを行い、給与口座とは別に定期預金の口座を開設しました。これまでは給与口座一つで管理していましたが、別に貯蓄口座を設け、そこに給料日になったら必ず2万円を通帳に入れる様にしました。そして記帳された通帳を彼女にも見せていました。最初はストレスがありましたが、3カ月も経てば6万円も貯まっているので、貯まる事が嬉しかったのを思い出します。この方法の利点は次の様になります。給与口座と分ける事で「使っていいお金」と「貯めるお金」の住み分けが出来た事記帳する事とその事実を別の人にも見せる事で管理しあう事定期預金なので、引き出す際の手間がかかるので簡単には引き出さない事以上3点です。この様に誰かがいれば管理しあえますが、周りに誰もいない場合は独自でやる必要があります。その場合、親に仕送りのつもりで送金するとか手の届きにくい所にお金を預ける事がポイントになります。3ヶ月も続けば習慣になってきますので、まず出来そうな金額を決めて無理のない範囲で始める事も一つの習慣化でしょう。貧しい老後を送らない為のポイント③収入に見合った割合の金額を貯めるこれは先程の実例にも書いた様に、無理のない範囲という点が一つのポイントになります。もう一つのキーワードとして「貯める」と書きましたが、貯める癖が付いてきたら、いよいよ金融商品の出番です。この点は後程解説しますが、まずは無理のない、続けられる金額にしておく事が大事です。いきなり月5万円や10万円などは、かなり生活に制限をかけなければならない金額になりかねません。友人や会社の方々との付き合い、彼氏、彼女との交際などお金が必要になってくる場面も出てきます。何度も言いますが、無理は禁物です。続ける事が大事であるという事を憶えておいて下さい。そして、収入の何割を貯蓄に回すかという事ですが、最初は1割で構いません。最低1割は貯められる様にしてみて下さいと言った方が正しいかもしれません。いきなりハードルを上げてもきついですし、低いハードルで継続できる事を実証しましょう。これが続けば1.5割、余裕が出来れば2割まで持っていければいいですが、お給料との兼ね合いもありますので、スタートは1割から始めてみて下さい。貧しい老後を送らない為のポイント④自分年金を作ろう貯める癖がついたら、いよいよ自分年金を作っていきましょう。年金は国が面倒をみてくれますが、国をアテにしない自分だけのオリジナル年金です。ポイント①で情報収集した自分の性格に合った金融商品で、ポイント②③で貯めるお金の一部を自分年金に回します。この場合、貯める=元本保証の預金ですが、自分年金は増やす事を意識します。それが保険の個人年金なのか、外貨預金なのか、投資信託なのかは個人の価値観に合う商品が望ましいです。何故なら、先程も言いましたが、続ける事が大事だからです。預金以外の金融商品は短期であればあるほど元本割れを起こします。それでは意味がありませんので、長きに渡って継続できる商品にしておきましょう。参考までに、投資信託ではネット証券を利用すると100円から投資する事も可能です。「やってみたいけど少し怖いな」と言う方は少額でもいいので、触れてみて下さい。増えている実感が湧けばいつでも金額変更する事は可能ですよ。老後貧困に関するまとめ今回は老後貧困にならない為にという事で、貯める方法・増やす方法の初歩に関して解説してきました。やるべき事を早いうちからやっておかなければ、誰も助けてはくれません。国や会社もアテには出来ない時代です。自分の身は自分で守る意識がとても大切ですし、出来ない理由より、出来る理由を探し、少額でもいいので一歩を踏み出してみて下さいね。
2020年01月22日今回は老後に関する調査記事になります。最近では老後不安が様々なメディアで取り上げられていますが、誰もが将来の自分の老後に対して不安を感じているかと思います。しかし、不安を感じてばかりいても何も解決しません。そこで今回の記事は、老後に対して何か準備を始めるに当たって知っておきたいお金の事について調査していきますので、そのモノサシについて共有できればと思います。老後のお金の準備、女性は必須!?いきなり性別で特定してしまって申し訳ありません。もちろん男性も必須なのですが、敢えて女性は「特に」と申し上げたいです。理由は「女性の方が長生きする」からです。これは統計上の話ではありますが、しかし、一つの結果として捉えておくべきだと思います。平均寿命と平均余命の違いここで、一つの資料について解説しておきます。次の表は、厚生労働省のHPより「簡易生命表」という日本人の寿命に関する表をまとめたものです。言葉の違いを先に解説しておきます。平均寿命とは、0歳の生まれたばかりの子供があと何年生きるのかという事を表す言葉です。下記の表では男性で81.25年、女性は87.32年となっています。平均余命とは、ある月例の男女があと何年生きられるかという統計を取り表したものになります。下記の表では60歳の男女であれば、男性は23.84年、女性は29.04年生存するという事になります。この様に自分自身の寿命が分からないので、国の資料を参考にしておおよそ何年位生きる事が出来るのかというモノサシを持っておきましょう。すると女性の方が男性に比べると長生きする事が分かりますよね。ご結婚されているのであれば、最終的にお一人になる可能性が高くなるので女性の方が男性より長生きする分、お金の準備を必要とすると言えそうです。年金はいくらくらい受け取れる?貯金はいくら必要?先程はおおよその寿命を把握していただけたかと思いますが、では必要なお金の具体的な数値について徹底調査を行っていきます。老後の一人暮らしをテーマにしていますので、今回は独身で過ごす場合をメインとして解説していきます。一体どれくらい年金が受給できるのか、どれくらい貯蓄があればいいのか、ゆとりある暮らしをしたいなど、様々なお金に関する情報を記していきますね。[adsense_middle]年金の平均受給額っていくら?まず年金がどれ位受け取れるのかという事ですが、細かく言えば各人で異なります。これは厚生年金期間やお給料等の違いで発生します。ここでは平均的な金額で話を進めていきたいと思います。先に一人当たりの平均受給金額ですが、14万5,000円となっています。これはあくまで平均の話ですので、必ずしも当てはまるといったものではありません。しかし、モデルケースでは厚生年金を掛け続けた場合の平均受給額になりますので、一般的なサラリーマンであるという事になります。男女での格差が浮き彫りに先程の14万5,000円は一人当たりの平均となります。ここで、男女別の平均を解説しますと、男性で16万5,000円、女性で10万3,000円となっています。約6万円もの開きがありますね。これは賃金の格差もそうですが、女性の場合は専業主婦等、一旦会社勤めから離れる期間も含まれていますので、開きが出た結果になります。この結果をご覧になって皆さんどの様に感じますか?人それぞれではありますが、実際に生活できるかどうか瞬間的に判断できるのではないでしょうか。老後必要な生活費はいくら?では次に老後に必要な生活費について解説します。とはいえ、ひとつのモノサシとしてお考え頂きたいのは、老後に必要な生活費はおおよそ、今の生活費に近しいものになってきます。例えば一人暮らしであれば、住まいにかかる費用・食費・光熱費・通信費・交際費・教養・娯楽費・被服費・医療費等でしょう。お勤めを退職された後は交際費等が減る事もありますが、逆に医療費等が徐々に上がってくる傾向にあります。ここに一つの資料があり、総務省HPの「単身世帯の家計収支」によると、単身の高齢者の平均生活費が16万2,000円となっていました。平成30年度の資料で皆さんと数値も異なるかと思いますが、先程の年金平均受給額と比べると女性平均とは約6万円も開きがある事が分かりました。年金の額がプラスに触れていれば問題はないのですが、平均生活費からマイナスになっています。またゆとりある生活費として最も回答が多いのは月22万円でした。中でも医療に関する費用は年々増加する?生活費に関しては各人様々ではあるものの、平均値として16万2,000円が単身世帯の標準生活費の様です。しかし、この項目の中でも医療に関する費用は加齢と共に増加する傾向にあるようです。ここで健康寿命に関するキーワードをご紹介しておきます。健康寿命とはWHOが提唱した新しい指標の事で、平均余命から寝たきりや介護になる期間を差し引いたものを健康寿命と言います。厚生労働省発表の資料(H22年度)によりますと男性(60歳時点)の健康寿命は70.42歳、女性(60歳時点)での健康寿命は73.62歳となっています。つまり男性は70歳、女性は73歳を超えると徐々に健康に影響が出てくる年齢であるという事になります。この健康寿命を超えるとお医者さんにかかる頻度が上がってくる為、医療費がいつも以上にかかってくる事になります。その時に頼れる家族がいるケース、いないケースと様々でしょう。ここでもお金の問題はつきまとってきます。介護費も考慮しておきましょう最近の日本では40歳を超えると介護保険料を徴収される事になっています。これは介護認定を受けた時に、介護サービス等受ける際の負担を軽くする為であり、社会保障制度の一端を担っています。年々介護者は増えており、日本の人口構造が少子高齢化になっているからでもあります。軽度のものから重度の介護状態と程度は人によって異なります。今では1割の負担で介護サービスを受ける事は可能ですが、先々高齢者が増えてくる事は予想できますし、少なからずとも自分も高齢者になっていきます。その時自分の身に何か起こった際、国の制度だけでは賄いきれない事も想定しておいた方がいいでしょう。孤独になるより誰かと触れ合う事を望んでいるこの話は私の義理の母の話です。昨年ですが、義理の父が他界しました。今は母一人で生活していますが、長年連れ添った旦那さんが急にいなくなると寂しいとの事。子供たちはそれぞれ家庭を持ち、離れて暮らしており、中々母に寄り添う事が難しい事情です。そこで、母は孤独が嫌なので、誰かと触れ合える施設を希望しました。一人で毎日を過ごすより、大勢の中で幸せに過ごしたいという強い希望でした。私達家族も母の希望を叶える為に、介護付きケアハウスを探して、やっと見つかりそうな所まできました。もちろん費用はかかります。この時力になってくれたのは、今まで担当して下さったケアマネージャーさんでした。費用の事、私達が行ける場所、施設の詳細等調べてくれました。母の年金は決して多い訳ではありませんが、出せる費用の範囲内で希望の所が見つかった事が非常に助かりました。この様に今は母の事を書いていますが、いずれ私や、この記事をご覧になっている方も一人になってしまう日が来るかもしれません。その時に自分がどんな生活をしたいのか、今から考えるのは早い気もしますが、選択肢を増やす為にはお金が必要になってくるんだなという事が分かりました。老後に備える為のおすすめな方法は?この記事をご覧になっている方の世代が若ければ若いほど、私は投資信託をおすすめしたいと思っています。理由は老後まで時間があるからです。時間がある事によって老後の資金的な不安を解消できるだけの金融商品だと私は思っています。[adsense_middle]投資信託の特徴は?投資信託は株や債券等様々な値動きのするものを組み込んだ運用商品であり、運用はプロがやってくれますので、基本的にはほったらかしで良いものです。また運用期間が短いと損失の出る可能性もありあすので、長く見積もっても20年以上は投資をしておく事が望ましいと言えます。逆算すると、65歳を一つの節目と考えるのであれば、少なくとも45歳からスタートさせておきたいですし、20代の方であれば、早くに始めると使える時間が約40年間もあります。かなり大きなアドバンテージだと思っていますので、早めに資産形成の準備に取り掛かっても良いと思います。投信だけでなく資産は分ける先程投信がおすすめであると解説しましたが、投信一本での資産形成は止めておいて下さい。何故なら運用商品である以上時間を要します。明日お金が必要になった場合等、急を要する際は圧倒的に預金に軍配が上がります。預金の良い所は、流動性が高くしかも元本が割れないという特徴があります。この様な緊急な場合に備える事も一つです。また保険を活用し死亡保障を確保しながら、お金が貯まっていく、増えていく商品もありますので、ご家庭のケースに応じて金融商品を使い分けましょう。日本の平均貯蓄額っていくら?総務省の統計によると60歳以上の世帯での平均貯蓄額は約1,700万円だそうです。この平均値を下回る世帯は全体の3分の2を占めており、特に預貯金が年々増加傾向にあると統計が出ていました。預貯金、証券、保険、他の構成比率で見ても、預貯金(普通、定期含む)は約60%近くを占めており、依然、投資や株などの有価証券には傾いていない様です。諸外国の金融資産の配分を見ますと、差は歴然としています。これは一つの保守的な文化がもたらした日本人固有の特性であると思いますが、今では金融もグローバル化しており、将来増やす為には、今まで触れた事の無い金融商品を知る必要があります。一人暮らしの老後資金に関するまとめ今回は老後に関する必要なお金に関して書きました。今回の資料はいずれも国が準備した資料です。しかし私は次の様に思います。国の資料であっても、皆さん個人の生活は全く違うので、資料はモノサシであり、惑わされず、自身の足元を見てほしいと思っています。資料は参考程度に。しかし実際はご自身が当てはまるとも限りませんので。まずご自身の事からしっかり把握された上で老後に対処していきましょう。
2020年01月21日今回は老後に関する解説になります。漠然としていますが、何歳から老後と言うのか、自分は老後どんな生活を送っているのか、お金は足りているのかなど様々なお声を聞きます。今回のテーマは老後に対する不安を解消する解説になりますので、最後までお付き合い下さい。老後生活の心配事はお金最近TVや雑誌でも老後に関する話題は至る所で見たり、聞いたりする事が増えてきました。確かに社会問題を取り上げる事がマスコミの仕事ではありますが、なぜこの様に大きく取り上げられる様になったのでしょう。私が考える一つの要因として時代の変化があると考えています。どんな風に時代が変わったのか?これまた漠然としたタイトルになりましたが、具体的に解説すると、自助努力をしなければならなくなったという事が一つの答えです。かつて日本は高度経済成長に伴い、仕事やお金が溢れバブルというものも経験した事がある方もいらっしゃるかと思います。しかしそのバブルは弾け、不景気に突入しました。今でこそ経済を立て直すべく様々な金融緩和や政策を打ち出していますが、景気が良くなったと実感するまでには至っていない様に思います。ではなぜ自助努力が必要になったのでしょう?バブル期とバブル以降の制度の違い以下にバブル期と、バブル以降の違いを箇条書きにしてみたいと思います。【バブル期】終身雇用制度、退職金制度が一般的高金利(郵貯の定額貯金の利回りが8%)人口増加社会保障制度の充実(年金は60歳より受給・健康保険負担も2割等)【バブル以降】雇用の不安定(大手でもリストラする時代・フリーランスの台頭・退職金が無い)低金利(現在の預貯金金利は0.001%)少子高齢化の加速社会保障制度の変更(年金は65歳から、健康保険負担3割、介護保険の開始)この様に対照的な変化になっていると思います。また、かつては国や会社が最後まで面倒を見てくれる時代でしたが、今では国や会社をアテにする事は出来ない時代になりました。定年後の不安が大きくなるのはお金が必要だからです。お金の不安を解消するには?ではお金の不安を解消するためにはどうしたらいいのでしょう?自助努力と言っても何から手を付けたらいいのか?何を始めればいいのか?分からない事が多いと思います。ここからは解消する為の4つのポイントを挙げていきますので参考にしてみて下さい。老後資金対策はやるべき金銭の相談事はご夫婦で!ライフプランをやってみましょう価値観に合った金融商品を選ぶことお金の勉強を少しでも始めておく[adsense_middle]ポイント①老後資金対策はやるべき2019年に厚生労働省が発表した老後資金は2,000万円必要だというコメントを皆さんも聞いた事はあるかと思います。聞いただけでストレスが溜まったという方も少なくありません。この金額は正しいのかどうかですが、私はあながち間違いでは無いと思っています。間違いでは無い理由は?理由を補足すると、一つは健康面が大幅に改善され長生きをするからです。例えば65歳で定年退職をし、以後働かないという前提で話を進めます。現在日本人の平均寿命は男性が81歳、女性は87歳と毎年のように伸びています。あくまで平均ですので、平均以上に長生きする方もいらっしゃる訳です。では寿命を90歳までと仮定した場合、25年間に渡って生活をする事になりますよね。この時に毎月の生活費と年金受給額を計算してみたいと思います。ゆとりある老後資金と所得代替率始めにアンケートを基に、おおよその生活資金をここで解説しておきます。ゆとりある老後生活資金はいくらあれば良いでしょう?という質問に対し、回答が1ヶ月約35万円であることが生命保険文化センターのアンケートで判明しています。(ご夫婦での生活費です)この「ゆとり」とは何かを我慢せずに好きなものを買ったり、食べたりとできる事を指します。では次に年金がどれ位受給できるかという事ですが、憶えておいて欲しいキーワードがありますので、解説を挟んでおきます。所得代替率とは、簡潔に言うと、今受け取っている給料の何%が年金として受給できるようになりますという、厚生労働省が発表している数値の事です。厚生労働省の発表では50%となっており、月給30万円であれば単純に計算しても月15万円の年金であるという事です。簡単な計算で上記の結果を試算すると、次の様になります。(入ってくるお金に関してはご夫婦2人とも共働きであるという事で計算してみます)必要な金額は35万円×12カ月×25年=1億500万円入ってくる金額は30万円(夫婦2人分の年金)×12カ月×25年=9,000万円差額は1,500万円となります。上記の試算はご夫婦共に月給30万円のお給料を貰っている場合で計算していますので、ご主人が正社員、奥様がパート等であれば差は開く事になります。この試算結果はざっくりとしたものですが、今受け取っているお給料や生活環境は各ご家庭で異なりますので、一概には言えませんが、老後に対する資金の必要性はご理解頂けたかと思います。対策として何を始めるべきか?まずやっておきたい事は、今の生活費を洗い出してみましょう。手っ取り早いのは家計簿です。というのも、生活費に関してはあまりブレる事が少なく、今の生活水準が老後に移行する事が殆どです。お子様の教育費等は省いておいて下さい。必要生活資金が大きくなりすぎてしまいますので。この現状把握を行う事で、メリットとして老後の生活資金のイメージが持てる事、把握する過程で無駄かな?と思える所が浮き彫りになるという事です。その項目が食費なのか光熱費なのか、携帯代なのか、保険料なのかは各ご家庭で違いますが、一番早く見直せる箇所は保険と携帯です。安くする事で機能や保証を損なっては意味がありませんが、今では比較する事もできますので、一度確認しておきましょう。ポイント②金銭の相談事はご夫婦で!ライフプランをやってみましょう私もFPとして長い事やっていますが、お金の管理をご夫婦のいずれかに任せているといったご家庭が圧倒的に多く、支払いの事等、ご存知無いご主人、奥様を沢山見てきました。これはこれで上手くいっているのだと思いますが、老後資金を確保する為には、ご夫婦での協力無くしては上手くいきません。金銭的な事に関してはご夫婦で共有しておきべきであるというのが私の見解です。中にはご主人や奥様に言えない内緒の借金などあるかもしれません。しかし、借金も必ず返さなければなりませんし、2人3脚で老後まで、そしてその先へ向かっていかなければなりません。しっかりと将来の事について話合う機会を設けておきましょう。ライフプランのメリットは何?このライフプランのメリットは多くあり、先々のご家族の進学等のイベントが一目で分かる事や、資金計画をシミュレーションできる点は大きなメリットです。この資金計画が分かると、対策も立てやすいですし、使える時間からお金を増やすための効果的な金融商品も絞る事ができます。誰がやってくれるのかという事ですが、FP事務所の方や、保険会社の方、銀行、不動産と多岐に渡ります。ひょっとすると受けた所でセールスされる可能性もありますので、少し心構えだけしておいて下さい。ポイント③価値観に合った金融商品を選ぶこと老後に必要な資金がある程度明確になったら、次にする事は金融商品を選択する事になります。預貯金なのか、保険なのか、投資信託なのか、株や不動産投資なのか様々あり、それぞれにメリットやデメリットがあります。特に日本人に馴染み深いのは預貯金、保険でしょう。これまで元本保証という事が日本人の性格にピッタリとハマっていたからです。しかし、ご存知の様に預貯金の金利はほぼ無いに等しいですし、保険に関しても、最近の保険では依然と比べると格段にパフォーマンスが低下しています。投信や株に関しては、未だ手を付ける事が少なく、まだまだ未開拓ではないでしょうか。金融商品を選ぶ際に何に気を付けるべきか?金融商品を選ぶとき、何を意識しますか?メリットやデメリットもそうですが、将来どれ位の金額に増やせるかという点は外す事はできません。老後に2,000万円不足しますと分かっていて金利の低い商品のみで積立する場合、かなりの金額を積み立てなければなりません。この場合分散してリスクを小分けにする事が最も効果的です。一つの金融商品に絞らず、預貯金、保険、投信と分けておきましょう。当然利率、リスクも異なりますが、リスクばかり怖がっても仕方ありません。またリスクを分かった上で、受け入れる事が出来るのか、出来ないのかという点が非常に重要です。預貯金以外の金融商品は必ず担当者の説明やネット上での解説を確認しますが、話を聞いた・確認した上で、自分なら続けられるものを選択すべきです。積立ては続けなければ意味が無い選択する事に満足した商品であれば長続きはするでしょう。しかし、担当者の話を聞いてもイマイチ…どうしてもリスクが気になって仕方ないという事もあるかもしれません。そんな心境で始めると、結果途中で止めてしまう事が起きてしまいます。金融商品の特性は金利が高いものであればあるほど、複利効果が望めますので、少なくとも15年以上はコツコツ続けていくしかありませんし、15年を超えると予想以上のパフォーマンスを発揮する事が一般的です。続けられる金融商品に出会う為、しっかりとメリット、デメリット、リスクやリターンを考えバランスよく分散させる事が必須です。ポイント④お金の勉強を少しでも始めておくお金の勉強と言っても、専門性の高い知識から、生活の節約術まで幅広い意味で考えて下さい。例えばモノを買う時には還元性の高いクレジットカードを使いポイントを貯める事も一つでしょう。また節約術でも携帯や保険見直しなどは少し地道かもしれませんが、店舗や保険代理店を2、3軒回ってみて確かめる事も良いかもしれません。少しの知識を知っておく事で担当者の言いなりにならなくて済むようにするのも自助努力の一つだと思います。ほんの少しでもいいので毎日すこしずつ金融に触れるだけでもいいですから、情報収集して有益な情報かどうか判断しましょう。老後不安に関するまとめ今回は老後不安を解消するための4つのポイントを解説しましたが、将来を支えるのは自分だと思って老後に備えて頂ければと思います。決して楽ではないですが、自分の身は自分で守る時代の中で生きていますので、その点を踏まえて出来る事から実践して一歩を踏み出して下さいね。
2020年01月17日今回は老後について保険を考えている方向けの記事になります。最近では人生100年時代と言われる様になり、長生きする事がリスクと言われる様にもなりました。定年も徐々に延長され年金不安も尽きません。また健康に関しても新しい病気が見つかったりと気苦労は絶えませんね。そこで活躍するのが保険です。先々の備えについて解説しますので、安心の材料になればと思います。保険の種類は何があるの?はじめに保険にはどんな保障内容のものがあるのかという事から解説しておきます。老後の生活を想像すると、大体定年後が該当するはずですよね。その時収入はどうでしょうか?働いている今と比べても収入の有無で生活も随分変わるかと思います。ご自身にとってどんな備えをすべきなのかというモノサシを持っておきましょう。1.医療保険・がん保険TVCMなどでもよく見かけるのがこの医療保険・がん保険ですね。お世話になった方もいらっしゃるかもしれません。医療保険では入院したり、手術を受けた時、退院後に通院を伴った時、健康保険の効かない高度先進医療を受けた時等に、給付金を支払ってくれます。最近の医療保険は短期入院の際に入院一時金を支払ってくれる保険会社も増えてきました。がん保険に関しては、国民の男女2人に1人が罹患する生活習慣病でもあります。がんになると、治療に時間とお金が掛かりますので、高額な一時金を支払ってくれるものが多く、がんの通院治療に使える保険も多くなってきました。またがんだけでなく、脳卒中や心筋梗塞など生活習慣病になった場合にも備える事の出来る、三大疾病保険が最近の流行りとなっています。2.死亡保険・介護保険次に死亡保険や介護保険などですが、死亡保険は万が一亡くなった際にご遺族へお金を残す事が出来る保険として活用されてきました。昨今ではタバコを吸わない方は安い掛け金で加入できる非喫煙料率を採用している保険会社が増えてきています。更に特約を付加する事で、働けなくなった際の金銭的な保証までしてくれる保険会社もあります。そして介護保険においては、働けなくなった時の保障と銘打ってリリースされる事もあり、所定の介護状態や要介護認定に該当したら給付金を受け取れるものもあります。介護ニーズが高くなる50代以降の方がお考えになる事が多い保険です。3.資産形成や老後の収入に備える積立保険老後の金銭的な不安を解消するために、預貯金よりも高い利率で将来に備える積立型の保険もあります。この積立型には死亡保障が付いているもの、個人年金型の様に純粋にお金だけ貯めていくものもあります。一般的には貯蓄型保険と呼ばれています。最近では保険会社の運用もかなり厳しくなり、円建ての積立保険は以前よりもかなり利率が悪くなっています。代わるようにドル建ての保険や投資信託の様に運用を備えた変額保険等の販売件数が伸びている傾向にあります。老後の不安要素は何?私も保険代理店に勤務していますので、保険に関しては毎日の様に誰かの相談に乗っています。老後不安を感じる部分を聞くと、年金が足りるのか?入院して子供に迷惑を掛けたくない、葬式代くらいは残したいと色んな声を頂戴します。これを全て私なりに纏めると、老後の生活そのものに不安を感じている事が伺えます。その生活を支えるのはお金に他なりません。老後生活資金が潤沢にあれば問題無い先程の不安を紐解いてみますと、年金が足りるのか?という事に関しては、裏を返せばどれ位長生きするか分からないし、生活費はそれに応じてずっとかかる。つまり十分な蓄えがあれば不安に感じる事はありません。入院した際も同じです。収入が無い中で、大きな病気をした時にお金がどれだけかかるのか?想像しにくいですよね。そこでも問題無い位お金があれば入院しても、手術しても誰にも迷惑をかける事はありません。お葬式代も同じです。蓄えを残すのか、保険に頼るのかという点の違いです。つまり、お金を将来に向けて貯める、増やす事が出来なかった、したいけど叶わなかった為に保険に頼らざるを得ない現状だという事になります。おすすめの保険ってどんな保険?先程の解説は極論でしたので、ここからはおすすめの保険について解説していこうと思います。おすすめの保険といっても、各ご家庭で必要な保証も異なります。ここでは保険に対する考え方を含めおすすめな保険をアドバイスできればと考えます。[adsense_middle]保険の見直しは必ずやっておくべき必要な保証を考える前に、まずは現在ご加入の保障内容を確認しておきましょう。何故確認しておく必要があるのかと言うと、理由は3つあります。理由その①担当者依存を払拭するため例えばですが、長い事ずっと同じ担当者で、一つの保険会社に勤続している方から加入しているとします。つまり1つの保険会社の商品しか知らない、サービスを受けられないという事になります。長い事担当であれば情も湧きます。しかし、他社を見る機会が無い事も事実でしょう。ひょっとすると今ご加入している保障より他社の保険が格段に優れている点があるかもしれません。この依存から離れなければ他社商品を見る事は不可能でしょう。理由その②加入年度によって保障内容が異なる特に医療保険やがん保険は加入年度が古ければ、その当時の医療事情に沿った保障内容になっているはずです。中でも入院7日以上で支払う等の医療保険は、短期入院がメジャーの最近では全くと言っていいほど役に立てない事が発生します。それでは何の為の保険なのか意味が無くなってしまいます。憶えておいて頂きたいのは、保険はお医者さんの治療行為が進むと保険がそれに合わせて開発される為、絶えずグレードが上がっていきます。加入して10年以上も何もしていない方は一度確認をしておきましょう。理由その③勧められるがまま加入した保険が必ずしも良い保険とは限らない会社などに来る保険外交員と親しくなり、気も許せる間柄になった時、保険を勧めてくる事は往々にしてあります。また友人、知人が保険会社に勤務している場合も同じです。そこで、何も考えずに勧められるがままの保険だと、デメリットを見落としてしまう事もあります。いざ入院した時に使えなかった、となっても勧めた営業マンは責任を取る事はありません。この様な事が無いように保険を考える際はしっかり話を聞くようにしておきましょう。老後安心できる保険の考え方とは前提として健康状態が良いとして解説します。何かしらの病気や手術の歴がある場合引き受けが出来ない、条件が付く等ありますので注意が必要です。ではどんな考え方で保険を備えるかを解説します。まず社会保障制度を理解しておく事例えば入院した場合、国民の誰もが健康保険に加入しているかと思います。自己負担は3割で済みますが、高額な場合3割でも負担が大きい場合もあります。その時に高額療養費制度という治療費を抑える制度がある事を知っておきましょう。この制度があるだけでもかなり治療費負担は変わってきます。保険の依存度を高めるより蓄えや資産形成に傾斜をかける社会保障を踏まえ保険を考えますが、入院の頻度や死亡する確率を考えると、保険全てに依存するよりも複合的に考えておく事が重要だと思います。入院は高額療養費があるので、日額や掛け金を抑え、がんになった際は通院治療が殆どですので、カバーできるような保険にしておく。死亡に関してはある程度の蓄えを準備しておくか、時間があれば変額商品で資産運用しながら保障を備えるか、NISA等を活用し、本格的に老後の資産形成をするかという事です。私個人的には医療保険にはお金をかけず、がん保障(通院部分もカバー)若しくは三大疾病保障を備え、死亡は掛捨てで運用をNISA等で行うか、変額商品で死亡も備えながら運用するかといった事で十分だと思います。老後の保険に関するまとめ老後の安心な保険の考え方として今回解説しましたが、必要以上に保険を掛けなくても良いという事をご理解頂ければと思います。使う事が無ければそれこそ勿体ないです。抑えるべき部分と、確実に必要な部分を明確に分けて保険を考えましょう。
2020年01月16日自分がもらえる年金はいくらなのか、スマホで”最短3分”で試算できるサービス「撮るだけねんきん試算」が登場しています。公的年金は、老後や働けなくなった時、死亡したときにも受け取れます。年金受給額が分からない方は、このサービスを使って試算してみましょう。「撮るだけねんきん試算」とは?撮るだけねんきん試算とは、スマホで「ねんきん定期便」を撮影するだけで、自分がいくら年金を受け取れるか試算できるサービスです。西日本シティ銀行が、今月からサービスを開始しました。ねんきん定期便って?年1回・誕生月に、日本年金機構から年金加入状況を知らせる青いハガキが届きます。このハガキが”ねんきん定期便”です。ハガキの見方が分からない将来いくら年金がもらえるか書いていない年金額が少なくて驚いたこうした方もいるでしょう。というのも、50歳未満の人のねんきん定期便には、今までの加入実績による年金額しか記載されていません。筆者も、自分のねんきん定期便を見てみたところ”年間21万円”、月額にすると2万円弱と書いてあります。ねんきん定期便を見るだけでは、将来受け取る年金額は分からないのです。「撮るだけねんきん試算」の使い方将来の年金額を知りたいときは、3分で手軽に試算ができる「撮るだけねんきん試算」がオススメです。早速使ってみました。手順①年齢や職業を入力入力する自分の情報は、この5つです。生年月日も入力する必要がなく、30秒ほどで入力できました。年齢性別職業現在の年収配偶者、子供の年齢手順②カメラでねんきん定期便を撮影カメラ起動のボタンを押して、ねんきん定期便を撮影します。撮影したデータから必要な情報が読み取られ、自動で入力されます。カメラを使わず直接入力することもできるので、パソコンから試算も可能です。試算完了!たったこれだけで「老齢年金・障害年金・遺族年金」3種類の年金額を、まとめて試算してくれます。「撮るだけねんきん試算」をおすすめする3つの理由日本年金機構のウェブサイト”ねんきんネット”でも老後の年金は試算できます。両方のサービスを使って感じたのは、撮るだけねんきん試算の3つのメリットです。おすすめ①難しい作業は一切なし、スマホとハガキだけで確認できるスマホとハガキ(ねんきん定期便)があれば、家族の生年月日が分からなくても試算は完了します。難しい作業は一切なし、会員登録も不要です。利用登録準備するもの撮るだけねんきん試算○不要スマホねんきん定期便ねんきんネット(日本年金機構)✕必須ID、PW、メールアドレスなどスマホねんきん定期便基礎年金番号メールアドレス…などおすすめ②障害年金・遺族年金もシュミレーションできるこれも「撮るだけねんきん試算」ならではのサービスです。老齢年金障害年金遺族年金撮るだけねんきん試算◎◎◎ねんきんネット(日本年金機構)◎✕✕障害で働けなくなったとき、健康保険から受け取る傷病手当金もまとめて試算できます。障害年金は働けなくなってもすぐには貰えない遺族基礎年金は子供が成長すると受け取れなくなる厚生年金のみ・基礎年金のみといった受給パターンがあるこのように本来は複雑な障害年金・遺族年金ですが、試算をすると受給額の推移がグラフになり、どのくらい年金が受け取れるか分かり易くなっています。おすすめ③「撮るだけ」なのに、撮らずに試算もできるねんきん定期便のデータから、一人ひとりに合わせた年金額を計算してくれますが、手元にねんきん定期便がない場合も、試算ができます。ハガキが無い場合のの試算額は、これまでも現在と同じ仕事に就いていたと仮定した額です。より詳しく試算するなら、ねんきんネットも活用!手軽に年金額を知りたいなら撮るだけねんきん試算がオススメです。一方、日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」では、老後の年金をより詳しく試算できます。納めていなかった保険料を払ったら、年金がいくら増えるか年金を受け取りながら働き続けたら、年金がいくらに減るか簡単・手軽な「撮るだけねんきん試算」と、いろいろなパターンの試算ができる「ねんきんネット」どちらも活用するのがよいでしょう。老齢年金額撮るだけねんきん試算○目安が分かるねんきんネット(日本年金機構)◎より詳しく分かる若いうちから年金受給額を試算する必要性は?メリットを2つご紹介年金受給額を試算することは、老後までまだ時間がある若い世代にもメリットがあります。メリット①これからいくら積み立てたらいいか分かる老後に受け取る年金額が分かると、老後に足りないお金の目安が付けやすくなります。「老後に2,000万円不足する」と言われていますが、これは全員に当てはまることではありません。それでも不安に駆られてしまうのは、自分の年金額がいくらになるか、よくわからないからではないでしょうか。自分の年金受給額が分かれば、足りない分をいくら備えたらいいのか分かり、計画的に準備ができます。年金の平均受給額は、夫婦で月額19万円?”老後2,000万円不足”の元になったデータ・総務省の家計調査年報によると、平均の年金収入は夫婦で月191,880円です(2017年)。しかし、その人の職業や年収によって年金額は全く違います。夫婦ともずっと自営業であれば、月13万円しかもらえないこともあるでしょうし、一人暮らしであればその半分、月6万円台です。平均ではなく自分自身の年金額を知って足りない金額を計画的に準備することが、老後に備えるポイントです。メリット②かしこく保険を買えるもしもの時に受け取れるお金が分かると、ケガや病気のために備えるべき金額が分かります。医療保険や死亡保険を契約する前に、公的年金の給付額を知っておきましょう。何もかも民間の保険で備えようとすると、保険料が今の生活を圧迫してしまいます。過不足なく保険で備えるためにも、年金の見込額を知ることが大切なステップです。年金試算のまとめもしもの時に、どのくらい年金が受け取れるのかを大まかに把握しておくことはとても大切です。面倒だから、今困っていないから…と備えを後回しにしてしまうことはNGです。手軽に試算できるサービスを活用して、賢くリスクに備えましょう。
2019年12月05日天海祐希を主演に迎え、垣谷美雨原作の26万部突破のベストセラー小説「老後の資金がありません」(中公文庫)を映画化。天海さんは19年ぶりの映画単独主演となり、いま誰もが気になる“老後の資金”問題をコメディ仕立てで描く。主人公は、子育ても落ち着いた主婦の後藤篤子。老後は安泰のはずだったのに…娘の派手婚、舅の葬式と、資産激減の中、あろうことか夫婦そろって失職!独りになった姑と一緒に暮らすことになると、その高級志向の価値観にクラクラする日々。果たして、奮闘する篤子に幸せな“老後”は訪れるのか?今年6月、金融庁の報告書にて年金のほかに「老後には夫婦で2000万円が必要」との内容が記載されたことを受け、霞ヶ関、国民、メディアを巻き込んで大問題となったばかり。年金100年安心説は崩壊、「老後の資金は実質いくら必要なのか?」「貯めるにはどうすればいいのか?」というテーマが各メディアで連日取り上げられている。この騒動をきっかけに、改めて自身の将来に関わる深刻さを身近な話題としてとらえ、“老後の資金”に対する関心が高まっている今日この頃。本作の主人公・後藤篤子を演じるのは、天海祐希。数々の大ヒット映画、ドラマに出演し、強い女性を体現してきた彼女の主演最新作は、人生の後半に必ずやってくる老後資金問題と、誰もが直面する子の独立、嫁姑問題、親の介護、葬式などなど、あらゆる問題が立て続けに襲ってくる中、悩みもがきながら幸せを探す女性を演じる。天海さんの単独主演作品は『狗神』(’01)以来、実に19年ぶり。監督は『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』で、感涙だけではないユーモアを交えた秀逸な演出で観客を魅了した前田哲。今作でもその腕を発揮、人生の節目を襲う難事に立ち向かう人々の様子を、コメディに仕立て上げている。本作の企画プロデュースの平野隆氏は、「天海祐希さんとは以前『チア☆ダン』という映画でご一緒させて頂きましたが、真剣なお芝居の間から垣間見えるちょっとした表情から大いに笑わせて頂きました。チャールズ・チャップリンがコメディという手法で社会風刺したように、天海さんには最強のコメディエンヌとして現代日本最大の問題に挑戦して頂きたい」とオファーの理由をコメント。また、天海さん自身も「とてもタイムリーな作品」と驚きつつも、「誰もが老いていく中、“老後の資金”を切実な問題として抱える主婦とその家族を中心に、とても深刻ではあるけれどちょっと笑える素敵な作品になるのでは?と思います。ぜひ、この作品を観て老後の問題を先に知って頂いて、ご自分の人生を考えつつ、将来に備えて頂けたらいいなぁ」と語る。そんな天海さんについて前田監督は、「天海祐希さんはジョーカー!どんな設定であろうが、いかなる状況だろうが、ベストに遂行され、アクシデントさえも取り込んでしまう、その多様性と万能さは、オールマイティなトランプのジョーカー以上の活躍である」と絶大な信頼を寄せている。そして原作・垣谷氏は「節約を重ねてコツコツ貯めてきたのに、見栄を張ったばかりに一瞬で使ってしまった。それ以来、老後の不安が胸の奥にどっしり居座っていて、ふとした拍子に泣き出したくなる…。『老後の資金がありません』は、お金の使い方に生き方そのものが表れるという思いから書いた小説です。今回の映画は、原作を超えてさらに広がりを見せてくれます」と語り、「原作者としてもワクワクしてきます」と期待を寄せている。『老後の資金がありません!』は2020年9月18日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月27日女優の天海祐希が、映画『老後の資金がありません!』(2020年9月18日公開)に主演することが27日、明らかになった。同作は垣谷美雨による26万部突破の同名ベストセラー小説の実写映画化作。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったのに普通の主婦・後藤篤子(天海)だが、娘の派手婚、舅の葬式と資産激減の中、夫婦そろって失職。独りになった姑と一緒に暮らすことになると、高級志向の暮らしの価値観にクラクラするなど、奮闘する篤子の様子を描く。数々の映画に出演する天海だが、単独主演作品は『狗神』以来、19年ぶりに。『こんな夜更けにバナナかよ感動の実話』(18)で、感涙だけではないユーモアを交えた秀逸な演出で観客を魅了した前田晢が監督を務める。6月には金融庁の報告書に年金の他に「老後には夫婦で2,000万円が必要」との内容が記載され大問題ともなった現代、避けては通れない問題をエンターテインメント作品に昇華していく。○天海祐希 コメントこのお話をいただいた後、「老後の資金」が何千万ないといけないなどとニュースになりまして、とてもタイムリーな作品だと思いました。原作も、クスクス笑い、考えさせられながら拝読しました。きっと、どなたでも共感できる作品なのではないでしょうか。誰もが老いていく中、「老後の資金」を切実な問題として抱える主婦とその家族を中心に、とても深刻ではあるけれどちょっと笑える素敵な作品になるのでは?と思います。ぜひ、この作品を観て老後の問題を先に知って頂いて、ご自分の人生を考えつつ、将来に備えて頂けたらいいなぁと。前田監督を始め、素晴らしいスタッフ、キャストと、観てくださる皆様に楽しんでいただける様撮影中です。きっと、クスクス笑いながらも皆様の毎日に役立つ作品になると思っています。ぜひ、楽しみにして頂けたら嬉しいです。○前田哲監督 コメント「映画について」タイトルに惹かれてしょうがない。誰もが気になり、避けては通れない「老後」のこと。そして、強烈なキャラクターが勢ぞろいした濃いキャスト。映画として面白くならないわけがない。だからこそ、悩ましい。もしつまらなければ、監督のせいである。嬉しい悲鳴をあげながら、撮影している。「ああ、映画をどうすればいいのか?」と、同時に、「ああ、老後をどうすればいいのか?」大きな問題が二つも迫っている。その答えは、映画の中にある!?この映画は、人生に明るさと元気と、幸せをもたらす物語であります。「天海祐希さんへのコメント」天海祐希さんはジョーカー!どんな設定であろうが、いかなる状況だろうが、ベストに遂行され、アクシデントさえも取り込んでしまう、その多様性と万能さは、オールマイティなトランプのジョーカー以上の活躍である。
2019年11月27日年をとるごとにつのる老後への不安。どうにかしたいという一心で、投資や財テクに手を出そうと検討している人も多いだろう。でも、あなたが選ぼうとしているのは老後破綻の入口かもーー。「老後2,000万円不足問題や、年金受給開始年齢の引き上げ論などがメディアで話題となり、リタイアが見えてきた50代の人たちの多くは“時間がないから、何か手を打たなくては”と焦っていることでしょう。しかし、そんな老後不安を抱える人たちの資産が狙われているんです」こう警鐘を鳴らすのは、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)の著書もある、ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほさんだ。「老後のため、よかれと思ってやったことが大失敗ーー。そんなことにならないよう、陥りやすい落とし穴を押さえておきましょう」岩城さんが、老後不安につけ込まれて、ついやってしまう「お金のタブー」を解説してくれた。【タブー1】外貨建て生命保険に加入「死亡保障と運用商品をパッケージにして、外貨で高利率の運用をする『外貨建て保険』が人気です。じつはリスクが高い商品なのですが、『保険』というワードに安心感を抱く人が多いようです」保障や運用のそれぞれに手数料がかかるし、外貨建てのため、両替手数料も上乗せされる。「長期運用が基本の商品ですので、10〜15年以内に解約した場合は、元本割れすることが多い。また、外貨としては増えていても、購入時より為替レートが円高になれば、日本円にしたときに、元本割れしている危険も」【タブー2】トンチン年金で老後資金を確保一定の期間、保険料を払うと、死ぬまで決まった額がもらえるのが、トンチン年金。「人生100年時代を反映した商品です。某社商品を例にとると、53歳女性が70歳まで月に約4万4,000円の掛け金を払うことで、70歳から月3万円の保険料が終身でもらえますが、払った保険料がもらった年金を超える損益分岐点は95歳と、かなりの高齢となります。まずは、公的年金の未納部分を支払う、受給開始年齢を繰り下げて年金額を増額させる(最大4割増)ことを最優先に考えましょう」よかれと思ってやったのに、大きく損をしてしまった……。そんなことがないように、「お金のタブー」を頭にたたき込もう!
2019年11月09日年をとるごとにつのる老後への不安。どうにかしたいという一心で、投資や財テクに手を出そうと検討している人も多いだろう。でも、あなたが選ぼうとしているのは老後破綻の入口かもーー。「老後2,000万円不足問題や、年金受給開始年齢の引き上げ論などがメディアで話題となり、リタイアが見えてきた50代の人たちの多くは“時間がないから、何か手を打たなくては”と焦っていることでしょう。しかし、そんな老後不安を抱える人たちの資産が狙われているんです」こう警鐘を鳴らすのは、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)の著書もある、ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほさんだ。「老後のため、よかれと思ってやったことが大失敗ーー。そんなことにならないよう、陥りやすい落とし穴を押さえておきましょう」岩城さんが、老後不安につけ込まれて、ついやってしまう「お金のタブー」を解説してくれた。【タブー1】“無料”窓口やセミナーでマネー相談資産運用への関心の高まりによって、主婦向けの無料マネーセミナーが開催されたり、商業施設などで無料のマネー相談窓口が開かれたりする機会が増えている。「参加してみると、FPなどが親身になって、一緒にマネープランを考えてくれるように感じます。でも、『今のままでは老後に1,000万円不足する。この資産運用で増やしましょうよ』と、商品をすすめてくることが多い」金融商品を売ると、売った人に販売手数料が入ってくるという。「保険商品の場合、会社によって1年目は保険料の7割、2年目以降も割合が下がるものの継続的に手数料が入る仕組みになっていることが。“無料”で開催できるのには、ちゃんと理由があるのです」【タブー2】デパート友の会に入会する毎月1万円を積み立てれば、1年で13万円分の商品券に交換してくれる“デパート友の会”。「“定期預金の金利が0.01%なのに対して、デパート友の会は年利17%もある”。そんなふうに言われることもありますが、その両者を比べること自体がおかしい」本来、お金のメリットはどんな用途にも使えることだが、商品券は利用できる場所が限られる。タンスに商品券をしまったまま使わなかったり、割高なデパートで、必要のない商品を無理に購入したりしてしまうケースも多いのだ。よかれと思ってやったのに、大きく損をしてしまった……。そんなことがないように、「お金のタブー」を頭にたたき込もう!
2019年11月08日長寿化が進み、退職後の人生が20年、30年と続くことが普通になりました。「老後破産」「老後貧乏」「長生きリスク」など、ネガティブな言葉も沢山登場しており、マネープランを立てずに老後を迎えることには、大きなリスクがあります。お金と賢く付き合って、自由な時間を思いきり楽しむために。老後の生活費について確認しましょう。老後の生活費、平均額は?総務省の行う調査「家計調査年報」では、学生のみ世帯を除き、全国の全ての世帯を対象に、何にお金を使っているか調べています。(以下、全て2018年の調査結果を参考)退職後、生活費はどのくらい変わるでしょう。世帯主が高齢かつ働いていない家庭の、収支の平均額は次の通りです。夫婦2人の場合高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の、1カ月あたりの収支です。その他の収入には、配偶者の給与・事業収入・仕送りなどが含まれます。収入と支出の差を見ると、約42,000円の赤字です。赤字になった分は、預貯金など、手持ちの資産を取り崩しながら生活していくことになります。単身世帯高齢単身無職世帯(60歳以上・単身・無職の世帯)の、1カ月あたりの収支です。その他の収入には、事業収入・仕送りなどが含まれます。収入と支出の差を見ると、約39,000円の赤字になっています。赤字になった分は、預貯金など、手持ちの資産を取り崩しながら生活していくことになります。夫婦”2人分”で約42,000円の赤字、という夫婦世帯の家計と比べると、平均的に、単身世帯のほうが生活が苦しい様子が見て取れます。平均額は、理想的なケースとは程遠い?この調査から分かるのは、全体の支出額から割り出した平均額です。この収支で生活している家庭が標準にはなりません。実際に、この平均額で生活したとしてみましょう。収入が22万円で、4万円の赤字を出しながら、娯楽費と交際費で5万円、食費にも6万円使っている…。収入に対して生活費が多すぎて、とても現実的とは言えません。この平均額より多い収入で生活している世帯もあり、少ない収入で生活している世帯もあります。少ない収入でも黒字でやりくりしている家計もあれば、たくさん収入があっても浪費が重なり赤字になっている家計もあります。年金生活、収入はいくら?40年間ずっと年金保険料を納め続けた場合、夫婦でどれくらいの年金を受け取ることができるでしょうか。夫婦・会社員・共働き(世帯年収500万円)→約260万円夫婦・会社員の夫・専業主婦の妻(世帯年収500万円)→約265万円夫婦・自営業→約156万円単身・会社員(年収250万円)→約130万円単身・自営業→約78万円(夫婦ともに昭和42年生まれとして、本来水準による概算額。)年金保険料を支払っていなかった「未納期間」や、収入が少ないため保険料の減免を申請していた「免除期間」があると、年金額は少なくなります。ほとんどの家庭に共通することは「老齢年金のみで、現役の時と同じ収入は受け取れない」ということです。また、年収が高い世帯ほど、現役世代の給与と比べて受け取る年金額の割合は低くなります。2倍の給料を稼いでも、将来受け取れる老齢年金は2倍にはなりません。年収が高い家庭では、老後のため自分で備える「自助努力」がより求められているとも言えます。自分の年金額を知るには「ねんきん定期便」「ねんきんネット」実際の年金額の計算はとても複雑です。葉書で毎年届く「ねんきん定期便」のほか、将来の職業も想定して見積できる日本年金機構のWebページ「ねんきんネット」を活用しましょう。年金額が簡単に計算できます。項目ごとの支出目安、現役時代との変化は[adsense_middle]食料費が3割近くを占める高齢世帯の支出で、最も大きな割合を占めるものが「食料費」です。消費支出のうち、夫婦世帯では27.7%、単身世帯でも24.3%を占めています。全世代の2人以上世帯を対象とした調査でも、食費の割合は27.6%を占めていますので、割合はそう変わりません。高齢世帯では1人1日あたり、約1,000円の食費が平均のようです。1日1,000円、1週間で7,000円、1カ月で3万円という金額は、無理に切り詰めている金額ではないでしょう。必要に応じ、各世帯で節約も可能な項目です。持ち家か賃貸かで大きく違う住居費夫婦世帯と単身世帯を比べたとき「住居費」の項目だけ、夫婦世帯よりも単身世帯のほうが金額が大きくなっています。住宅にかかるお金は、持ち家か賃貸かで大きく異なります。住宅ローンの返済家賃、地代設備の修繕費、維持費賃貸に住んでいる場合は、退職しても現役の時と変わらない家賃がかかり続けます。賃貸物件の家賃は、月1~2万円では足りないことがほとんどでしょう。一方で住宅ローンを完済している家では、住宅にかかるお金といえば、維持費・修繕費・リフォームローンなどです。実家など、家族が所有する家に住む場合も同様です。医療費用の負担は、少し増える程度高齢になったら健康状態が変わって医療費がかさむのでは…?と心配になるところです。しかし、全世代の二人以上世帯で「保健・医療費」の平均額は約13,000円、消費支出のうち4.6%です。高齢夫婦世帯では6.4%ですから、高齢になったからといって、医療費が2倍にも3倍にもはかかっていないようです。健康保険で、高齢者の医療費負担は軽い健康保険の高額療養費制度は、1カ月にかかった医療費が大きくなった場合、窓口で払ったお金の払い戻しが受けられる制度です。同じ収入・同じ医療費の場合、70歳未満より70歳以上のほうが、医療費の払い戻しを受けられる金額が多くなります。高齢になると、その分、公的保険から手厚い保障を受けられるため、民間の生命保険(医療保障)で手厚い保障を準備する必要性は薄れます。一方で、介護や認知症に備える保険が必要になるなど、保険の見直しによっても支出の内容は変わりそうです。教育費はかからなくなるけど…イベント出費に替わることも高齢世帯では「教育費」の支出はほぼゼロです。一方で「娯楽教養費」「交際費」そして「仕送り金」といった支出を合わせると、消費支出のうち20%を超えます。子供や孫への援助子供の結婚、住宅購入、孫の進学…そういった「子・孫費」の計画は立てられているでしょうか。イベントのたびに大きな金額を援助したり、きょうだいは平等にと援助をしていると、数百万、数千万という金額の支出になる可能性があります。退職後「貯金を取り崩す」生活になると、手持ちの資金に余裕がある…と思ってしまいがちです。潤沢に援助をしたいのであれば、それが可能かどうか見通しを立てることが必要です。一方で、子供たちが独立して生計を立てられているか、親頼みの生活になっていないか、援助すべきという思い込みから無理のかかるサポートをしていないか…親から子への援助は、必ずしも必要なものではないのです。旅行、スポーツ、交際費…「娯楽教養費」「交際費」に対しても同じような見方ができます。計画を立てないまま、手持ちの資金に余裕がある…と錯覚すると、数百万単位で支出がかかり、後から資金繰りが苦しくなってしまいます。見栄を張って交際費がかさんだり、旅行の予定をたくさん入れていないか…。楽しみなイベントで思い切りお金を使いたいのなら、年ごと、月ごとに娯楽費の予算を立てましょう。お金の不安がないほうが、もっと楽しめるはずです。自分で予算を立てることができればOK支出の内訳を見ると、老後の生活設計は自分次第ということが分かります。自分の好きなことにお金を使って活き活き楽しむためには、現状に見合った予算を立てて、その範囲でやりくりすることが重要です。結局、老後資金っていくら必要?老後資金はいくら必要でしょうか?と聞かれて、頭にパッと浮かぶのは”老後2,000万円”のキーワードではないでしょうか。2019年6月に、金融庁の審議会の報告書から引用されて、話題になりました。老後の生活においては年金などの収入で足らざる部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくこととなる。(中略)収入と支出の差である不足額 約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる。(金融庁金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」より引用)[adsense_middle]「老後2,000万円」は平均でしかない同報告書の中にはこうも書かれています。この金額はあくまで平均の不足額から導き出したものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。既に述べたように、収入が多い家庭、少ない家庭とそれぞれの支出は異なります。また、収入が多いからといってゆとりのある生活を送れるわけではありません。資産が底を尽きないかどうかの重要なポイントは、支出をコントロールできるかどうかです。年代で違う取り崩し額。60歳代はマイナス11万円超世帯主が60歳以上で無職の世帯では、平均47,000円の赤字(取り崩し)が発生していますが、この金額も世帯主の年代ごとにかなりの差があります。特に、世帯主が60~64歳の世帯では毎月11万円を超える赤字となっています。60歳で無職の世帯は、65歳になるまで原則として老齢年金が支給開始されません。60歳で退職すると、65歳までは資産の取り崩し額が大きくなってしまいます。ただし、このデータでは、60歳を超えても働く世帯の収支は含まれていないことに留意が必要です。毎月数万円でも働いて収入を得れば、資産寿命は伸びる現在は、高年齢者雇用安定法の改正によって希望すれば誰もが65歳まで働けるルールになっています。70歳、75歳と働き続けられる企業も珍しくありません。企業に勤めるほかに、フリーランスとして働く選択肢もあります。現役のときと同じようにフルタイムで働かなければ…と気負う必要はありません。月に数万円の収入を得るだけでも、家計の収支の改善に繋がります。収支がプラスとまではいかなくても、毎月の取り崩し額を減らすことができます。例えば月3万円稼げば、月5万円の赤字も2万円の赤字に改善されます。その分、資産が底を尽きるのを遅らせることができます。老後も楽しくお金と付き合うための3ステップ1.家計を知る「今の我が家の状態」を把握しなければ、老後にいくら必要か予算を立てることはできません。先ずは現状を洗い出してみましょう。支出…いま、生活費がどれくらいかかっているのか?収入…年金はいくら貰える予定なのか?負債…住宅ローン、教育ローン、カーローン。借り入れがいくら残っているのか?資産…保険の満期金、貯金、退職金。取り崩せるお金はいくらあるか?2.計画を立てる現状を把握すれば、それぞれの家計に合った予算を立てることができます。毎月いくらの予算で生活していくかそのために、準備しなければいけない不足額はいくらか3.実行するプランを立てることができれば、あとは実行するだけです。使えるお金を増やす(貯める、増やす、働く)支出を減らして、予算の範囲でやりくりする資産を増やすこと、だけでは老後は乗り切れない資産を増やし、支出を減らす。老後のためのマネープランは、この2つの方法を合わせて考える必要があります。前述の金融庁の報告書から「老後2000万円」が話題になって以降、筆者の周りでも「老後の資産形成」に向けた機運が高まっているのを感じます。つみたてNISA、iDeCo、個人年金保険…など、資産を増やすための行動は、もちろん重要です。一方で、どれだけ資産があっても「決まった生活費で生活する」ことができなければ、せっかく増やした資産もすぐに底をついてしまいます。老後の収入減少に合わせて生活費を見直そう定年後を楽しく暮らす、使いたいことに思い切りお金を使うためにも、老後の準備段階で「自分の生活を把握」することが重要になります。また、既に老後生活に入っている場合にも「支出の見直し」はすぐに取り掛かれることです。一度計画を立てた後も、家計に大きな「ずれ」がないか、定期的に家族で見直しが必要です。今回紹介した平均のデータと「現在のわが家の収支」を照らし合わせて、老後のマネープランを立ててみましょう。必要に応じて支出を見直し、コンパクトな生活に変更していきましょう。
2019年10月18日金融庁が「老後には夫婦で2,000万円必要」と金融審議会報告書で公表した際は世の中に大きなインパクトを与えました。「えっ、そんなお金ない……どうしよう!」と焦った人も多いのではないでしょうか?そしてやっぱり気になるのが「皆は老後資金をどのくらい貯めているのかしら?」ということ。総合旅行プラットフォーム「エアトリ」が10代~70代の男女959名を対象に実施した「老後の貯金」に関する調査の結果をご紹介します。■ 「老後に2,000万」で焦った人は23.1%!miya227 / PIXTA(ピクスタ)調査ではまず、「『老後に2,000万円の貯金』のニュースを聞いてどう思いましたか?」と質問。すると、「以前からそうなると思っていた」と回答した人が最多で56.2%。次いで、「焦りを感じた」(23.1%)、「何も感じていない」(20.6%)という結果となりました。ただ、世代によって老後資金に関する考え方は異なるかもしれませんね。20~30代であれば当然「まだまだ先の話だから大丈夫」と焦りを感じていない場合も多いかも。逆に、40代以降でまだお金が貯まっていない場合は焦りを感じるかもしれません。次に、「報道を聞いて何かを始めましたか?」と尋ねると、圧倒的に多かったのは「何もしていない」。全体では74.2%、最初の質問で焦りを感じた人では68.0%という結果でした。焦りを感じた人でも、なかなか行動にまでは結び付いていないようです。次に多かったのは「節約」。最初の質問で焦りを感じた人は19.4%、全体では14.2%という結果となりました。3位以降は「経済やお金に関する勉強」(11.3%/全体7.7%)、「投資」(5.4%/全体5.7%)、「副業」(5.4%/全体3.8%)でした。tomcat / PIXTA(ピクスタ)節約したりお金について学んだり、収入源を増やすといった行動は、本人の焦りが熱意となった結果といえそうです。■ ズバリ!現在の貯金額はいくら?Rina / PIXTA(ピクスタ)では実際、現在いくら位の貯金を持っているのでしょうか?ズバリ「現在の貯金額はいくらですか?」と尋ねると、年代ごとにかなり違う答えが出ました。総合的に見ると、年代が高く老後の生活に近づいている世代ほど貯金額が多いのが分かりますが、30代以下の若い世代でも結構しっかり貯めている人もいるのは心強いですね!50代、60代以上で最も多かったのは「2,000万円以上」で、50代が21.7%、60代が31.7%という結果に。また30代以下では「100万円以上300万円未満」と答えた人が21.8%に上りました。若い世代には結構堅実なタイプが多いのかもしれません。freeangle / PIXTA(ピクスタ)一方で、30代以下の最多は「50万円以下」で27.3%。しかし、働き盛りともいえる40代も同じ金額が22.6%とトップという驚くべき結果に……。また、50代19.3%、60代以上11.4%と、「50万円以下」と答えた人がかなり多いことが判明。これでは「老後2,000万円」発言に焦るのも無理はないかもしれませんね。freeangle / PIXTA(ピクスタ)みなさんの家庭では、老後のための貯金をしていますか。老後に向けた貯金は早く始めるのが無難でしょう。後々「貯金がない……」とならないよう、しっかり計画を立てたいものですね。【参考】※ 「老後2000万円」報道聞いて7割が「何もしていない」 事が判明 60代以上の貯金額「2000万円未満」は7割 「すべて節約できる」男性24.1%に対し女性は7%と男女で節約に対する意識に大きな差が
2019年10月04日特別セミナーに50名を招待会員制の美活サイト「コスメラウンジ」を運営する株式会社コスメラウンジは、経済やお金の知識を学ぶことができるマネーセミナーを10月7日(月)に開催する。同セミナーには、コスメラウンジ会員メンバーの中から抽選で50名を招待する。今回、コスメラウンジでは、女性が安心して参加できるマネーセミナーを企画した。講師には、日本FP協会認定ファイナンシャルプランナーの遠藤祥子氏を迎える。セミナー終了後は、希望者に個別相談会も実施する。豪華なおみやげセットをプレゼントマネーセミナーでは、“無理せず、簡単に”をモットーに、お金を貯めて殖やすコツをわかりやすく説明する。また、コスメラウンジならではの企画として、編集部が厳選したヘアケア・スキンケアアイテムの現品やサンプルを集めた豪華なおみやげセットをプレゼントする。セミナーの開催時間は、19時から20時半、会場は、東京・表参道周辺(当選者には詳細を通知)。応募の締め切りは、9月24日(火)まで。セミナー参加の応募は、コスメラウンジ会員が対象になっており、会員でない場合は、無料の会員登録後、応募することが可能となる。参加条件などの詳細は、「コスメラウンジ」サイト内告知・募集ページで確認を。(画像はプレスリリースより)【参考】※プレスリリース株式会社コスメラウンジ※コスメラウンジ初の特別セミナー
2019年09月10日年金だけでは老後の生活は成り立たないというのはもはや常識に。でも、このまま嘆いているだけでいいのか。もう、今さら働けないと思っている人にこそ読んでほしい、50歳から始める仕事探しーー。「金融庁が『老後2,000万円足りない』と発表して以来、『将来、年金をどれだけもらえるのか?』は、最大の関心事かと思います。でも、ただ手をこまねいているのではなく『65歳までに、いくら貯蓄できるのか?』を考えて、50代から世帯の年収を増やしていくべきです。50歳からはじめても、年金受給までに『1日数時間で1,000万円の貯蓄』も可能ですよ」こう話すのは、老後のライフプランニングに詳しいマネーセラピストの安田まゆみさん。でも「1日数時間で1,000万円の貯蓄」って、いったいどうやったら稼げるのだろう?「いえいえ、難しく考えることはありません。時給1,000円で1日3時間×週4日働くと、15年たてば約900万円の収入になります。そして1日4時間働けば、15年で1,200万円稼げます。ここで大事なのは、『いかに効率よく、つまり極力負担が少なく、無理なく続けられる仕事を選べるか』なんです」(安田さん)安田さんによれば、主婦が「無理なく続けられて、1,000万円貯蓄できる」仕事とは、おもに「家から出ずに働く」「主婦力を生かした仕事」「財産を働かせる」の3つに分類できるという。ここでは「主婦力を生かした仕事」について、仕事選びのコツと心構え、そして注意すべき点を安田さんが解説。合わせて2人の実例を紹介。■主婦力を生かした仕事「主婦業は、複数の作業を同時に並行して行えるマルチタスク能力を最大限に発揮するもの。掃除や洗濯をしながら料理の下準備をして、子どもの世話もする。宅配の対応もこなす……。長年の積み重ねで得た能力を、仕事に生かせれば大きな強みになります」(安田さん)子育て経験を生かせる仕事としては保育士不足が問題となっている保育園や託児施設などの求人がある。「保育補助」であれば、資格は必要ない。そして、介護業の求人も、増えている。「在宅介護を受ける人も介護補助は必要です。コミュニケーション能力を必要とする仕事ですので、育児経験や介護経験が生かせるやりがいのある仕事と言えますね」(安田さん)ほかにも、食事作り、清掃業も求人が多い。家事代行サイト「CaSy(カジー)」などに登録すると、さまざまな仕事を受注できる。「共働きや高齢者の家などに訪問する形の清掃サービスは、キッチン周りやお風呂のお掃除などで重宝されます。主婦の経験と知恵の発揮どころですね」(安田さん)【実例1】週4日の“家事”で1,000万円が射程圏内に/Aさん・50歳・専業主婦「自営業の夫は年収が700万円で、私は今年50歳になった専業主婦です。将来、夫婦でもらえる年金がサラリーマンの世帯に比べてすくないので、長い主婦経験を生かして家事代行サイトに登録しました」苦手だったというスマホやパソコンの操作も最近では慣れてきたというAさん。1日4時間くらいで、週に3〜4日、クライアントの家で掃除や洗濯などの家事を行っている。「年間で70万円ほど貯蓄できています。年金をもらえる65歳まで15年間続けられれば、1,000万円の貯蓄ができることになりますので、いまはそれを目標にしています」【実例2】老後不安で始めた仕事がやりがいに/Bさん・53歳・専業主婦「会社員の夫は年収が650万円です。専業主婦でしたが、老後に不安を感じて3年前から家事代行サイトに登録しました」そう語る53歳のBさん。仕事に応募し、受注する流れをすべてパソコンで作業するには「慣れるのに時間がかかった」というが、今では難なくこなせる。「とにかく多くのお客さまのところに行く経験が、自信につながると思いました。一生懸命、ていねいにやっているうちに、指名してもらえるようになったときの喜びは忘れません」現在は、週4日ほどの稼働で年収は120万円ほどになるという。そんな家事代行業だが、コミュニケーションが必要な現場が多いため、人間関係がうまくいかなかった場合、ストレスやトラブルになることもあるそうだ。仕事の探し方としては、ネットで情報収集をしつつ、同時に主婦友やママ友などの口コミも参考にするべきだという。「そうして多重構造で情報収集しておいて、比較検討することが大事。そのうえで、最終的に登録するのがスマホでも、友人・知人の紹介での面接でもいいんです。そして、仕事がつらい、続かないと思ったら、辞めてしまってもいいんです」(安田さん)老後のお金は不安、でも嫌なことをしてまで働きたくない……。そんな“わがまま”を押し通そう。
2019年09月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「老後の資金問題」です。お金に関する教育が日本人には不足しています。年金以外に老後の資金が約2000万円は必要になるという金融庁金融審議会の報告書の発表があって以来、年金問題について不安が高まっています。「高齢化社会における資産形成・管理」の報告書は、金融庁のホームページで、誰でも見られます。ぜひ読んでみてください。金融庁は、資産運用を管轄する省庁。年金問題を、資産運用の観点からどう乗り越えるかをテーマに、学識経験者や実務関係者が約半年、会合を重ねて作りました。人生100年時代、働けなくなってからのことも考えないといけません。現状では、夫婦2人暮らしの場合、年金で足りない分の月5万円には、退職金や貯蓄を取り崩しながらあてており、その状態が30年続くと換算すると、約2000万円になるという計算です。いまの年金世代は資産や貯金がありますが、若い人たちの中には持ち家も貯金もない人も。働き方も多様になり、非正規雇用も増えています。高齢になってからの資産運用は認知症の問題も出てきて大変なので、若いうちから少額で始められるNISAやiDeCoなどを利用してみませんか、という提案でした。人口減少が進み、年金制度を支える働く層は減る一方なのですから、冷静に考えればこのままでは済まないことはみなさん、うすうす気づいていたと思います。消費税を増税するだけで解決できる問題ではありません。普段から投資をして、自分でお金を増やす力をつけようというのは真っ当な意見ではないかと思います。アメリカでは約6割の人が投資目的で株や不動産の売買の経験があり、学校教育のなかで株式や投資の仕組みを習います。イギリスでも2014年から、金融リテラシーを磨くための教育が強化されました。お金の使い方やリスク管理、クレジットと負債、貯蓄投資や年金、金融商品などを16歳までに教えています。これに対し、日本には昔から、「金儲けはよくないこと」「清貧こそ美しい」という道徳観があります。しかし、資本主義の国なのですから、これからは義務教育から、お金の教育を取り入れるべきではないでしょうか。私たちも現実に目を向け、お金の勉強を始める必要があると思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月11日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月04日「『老後資金を2,000万円貯めるなんてムリ!』と思っている人がほとんどですが、そんなことはありません。40代以降から始めても遅くはありません」そう話すのは、『お金のウソ親の常識は、これからの非常識!』(ダイヤモンド社)など、投資に関する著書を多数出版し“積み立て王子”の異名をとるセゾン投信社長の中野晴啓さん。中野さんは、“年金2,000万円不足問題”で話題を集めた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の委員のひとりでもある。「しかし、いまからコツコツ貯金をしていても、0.01%という低金利では、一向にお金は増えません。そこで、私がおすすめするのが、『つみたてNISA』を利用した、長期の積立投資です」(中野さん・以下同)つみたてNISAとは、’18年からスタートした金融庁お墨付きの投資制度。さまざまな資産に大勢の投資家から少しずつ資金を集めて分散投資する、投資信託164本が投資対象になっている(7月22日現在)。そのなかから商品を選び、扱っている金融機関につみたてNISA口座を開き、定期的に資産を積み立てていく。口座は1カ所にしか開くことはできないが、複数の商品を購入することは可能。つみたてNISAの最大のメリットは、得た利益に対し、最長で20年間は、通常かかる約20%の税金が、非課税になるという点だ(非課税投資枠は年40万円が上限)。「通常は、10万円利益が出たら、2万円を税金として払わなければなりませんが、つみたてNISAなら支払わなくていい。フルに非課税投資枠を利用すれば、45歳から65歳までの20年で、約1,000万円増やすことも可能です」■20年で1,000万円増やす積み立てシミュレーション(つみたてNISAで毎月3万3,000円ずつ積み立てした場合)【利回り:0%(元金)】投資期間15年の最終積み立て金額:594万円/投資期間20年の最終積み立て金額:792万円【利回り:4%】投資期間15年の最終積み立て金額:812万986円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,210万3563円【利回り:5%】投資期間15年の最終積み立て金額:882万535円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,356万4,111円【利回り:6%】投資期間15年の最終積み立て金額:959万7,018円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,524万7,350円【利回り:7%】投資期間15年の最終積み立て金額:1,045万9,756円/投資期間20年の最終積み立て金額:1,719万580円しかし、「万が一、損をしたら」と思うと、一歩を踏み出せない人も多いはず。そこで、積み立て王子の中野さんに、超初心者でも、安全に老後資金を増やすコツを教えてもらった。「投資で着実にお金を増やすコツは、(1)分散、(2)長期、(3)積み立て、という3つの原則を守ることです。つみたてNISAは、この3原則に基づいて作られています」中野さんは、投資=損をしそうだと思う人が多いのは、企業の株を買う株式投資をイメージする人が多いからだと分析している。「そう思うのも一理あって、たしかにひとつの企業の株だけに投資していたら、大損する可能性もあります。僕みたいなプロの投資家でも、相場を読むことは難しくて、どの株が上がるかを事前に判断できないからです」株価は、売りたい人が多いと下がり、買いたい人が多いと上がる。人の感情に加えてさまざまな要因に左右されるものなので必ずしも教科書どおりに動くとは限らない。「自分が応援している会社に寄付をするつもりで、その会社の株を持つならかまいません。でも、老後のお金を確実に増やしたいときに、ひとつの企業の株だけに投資するのはギャンブルと同じ」そうならないためには、投資先を分散することがもっとも重要だ。「債券や株など、資産を分散し、国内外の市場にバランスよく投資する必要があります。そうすると、ひとつが値下がりしてもほかでカバーでき、損失が少なくてすむのです」そして、さらに重要なのが、“長期”で投資することだ。「世界経済は、毎年少しずつ、成長しています。ですから、短い期間で見れば、値下がりして損をしたように思えても、長期間、分散投資を続けていれば、元本割れする可能性は、きわめて低くなります。金融庁作成の資料でも、保有期間が5年であれば元本割れするケースもありますが、保有期間が20年になると、元本割れはゼロ。長期になればなるほど元本割れのリスクが少なくなります。じつは90%近くの投資家が平均2~6%の年率でお金を増やしているんです。少なくとも15年。できるだけ20年以上は続けてもらいたいですね」さらに、毎月決まった額だけ積立投資をする設定にしておくことで、「株価が値下がりしたときに、おそろしくなって売却してしまう」というリスクを回避できる。「また、月々で一定額を積み立てると、株価が安いときには購入できる口数が多くなり、高いときには少なくなります。すると、長期的に見た場合、株価が上がれば、トータルで同じ金額を投資していても、一気に購入するより、積み立てのほうが多くの口数を保有できます。そのぶん利益も大きくなるんです」このような、「分散・長期・積み立て」という3つの原則に当てはまっているつみたてNISAを利用すれば、元本割れのリスクを極力少なくでき、45歳からでも、年金だけでは足りない老後の資金を作ることができる。つみたてNISAの場合、非課税投資枠を月々に換算すると、3万3,000円だ。「45歳から、利回り7%で毎月3万3,000円ずつ積立した場合、65歳までの20年間で、約1,700万円になります。元本は約792万円ですから、普通に貯金しているより約1,000万円も、お金が増える計算です」
2019年08月01日「『老後資金を2,000万円貯めるなんてムリ!』と思っている人がほとんどですが、そんなことはありません。40代以降から始めても遅くはありません」そう話すのは、『お金のウソ親の常識は、これからの非常識!』(ダイヤモンド社)など、投資に関する著書を多数出版し“積み立て王子”の異名をとるセゾン投信社長の中野晴啓さん。中野さんは、“年金2,000万円不足問題”で話題を集めた金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の委員のひとりでもある。「人生100年時代ともなれば、年金だけで老後の資金がまかなえなくなることくらい、みなさんよくご存じです。とくに、年金受給額が少ない方は、2,000万円以上が必要になります」(中野さん・以下同)金融庁の報告書で試算されていたのは、厚生年金の加入者で、月に約19万円の年金が支給される無職の高齢夫婦がモデル。つまり、それより受給額が少なかったり、国民年金のみの加入者の場合は、より多く老後資金が必要になる。「しかし、いまからコツコツ貯金をしていても、0.01%という低金利では、一向にお金は増えません。そこで、私がおすすめするのが、『つみたてNISA』を利用した、長期の積立投資です」つみたてNISAとは、’18年からスタートした金融庁お墨付きの投資制度。さまざまな資産に大勢の投資家から少しずつ資金を集めて分散投資する、投資信託164本が投資対象になっている(7月22日現在)。そのなかから商品を選び、扱っている金融機関につみたてNISA口座を開き、定期的に資産を積み立てていく。口座は1カ所にしか開くことはできないが、複数の商品を購入することは可能。つみたてNISAの最大のメリットは、得た利益に対し、最長で20年間は、通常かかる約20%の税金が、非課税になるという点だ(非課税投資枠は年40万円が上限)。「通常は、10万円利益が出たら、2万円を税金として払わなければなりませんが、つみたてNISAなら支払わなくていい。フルに非課税投資枠を利用すれば、45歳から65歳までの20年で、約1,000万円増やすことも可能です」
2019年08月01日「老後2,000万円不足問題」で一躍クローズアップされた年金・給付金。制度は複雑だが、実は思わぬ「裏ワザ」が!そんな「裏ワザ」を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。「老後2,000万円不足問題」から、年金への注目度が上がっています。ですが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の改訂は、大きく報じられていません。年金の受け取りは原則65歳からですが、60~70歳の好きな時期から受給できます。ただ、受給を65歳より早く「繰り上げ」ると0.5%×早めた月数分年金が減額され、65歳より遅く「繰り下げ」ると0.7%×遅らせた月数分増額されます。改訂版ねんきん定期便には、70歳まで繰り下げると受給額が増えることを図で解説。いっぽうで、繰り上げの図はありません。政府は繰り下げのお得感を強調し、当面の支給額を減らせる繰り下げに誘導したいのでしょうか。ですが、繰り下げが必ずしも得だとは言えません。年金を賢くもらう裏ワザを紹介します。■加給年金「加給年金」とは、厚生年金に20年以上加入した人が、65歳で年金を受給する際、年下の妻や18歳未満の子どもがいたら受け取れるもの。いわば、年金の「家族手当」です。妻の年収が850万円未満などの条件を満たすと、妻が65歳になって自分の年金を受け取るまで、夫の年金に加給年金がつきます。妻への加給年金は、年22万4,500円。特別加算と合わせると、年39万100円になり、月額では約3万2,500円受け取れます(夫が’43年4月2日以降生まれの場合)。ただし、夫がすべての年金を繰り下げてしまうと、加給年金は受け取れません。妻が5歳年下なら、年約39万円×5年=約195万円もの加給年金が一切受け取れない、残念な結果になってしまいます。【裏ワザ】年金を分ける厚生年金は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建て、2つの年金は分けて受給でき、加給年金は老齢厚生年金に付随する制度です。年金すべてを繰り下げると加給年金はもらえませんが、年金を分け、老齢厚生年金を65歳から受給すれば、加給年金ももらえます。そのうえで老齢基礎年金だけを繰り下げれば、年金額を増やすこともできます。
2019年07月26日「老後2,000万円不足問題」で一躍クローズアップされた年金・給付金。制度は複雑だが、実は思わぬ「裏ワザ」が!そんな「裏ワザ」を経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれた。「老後2,000万円不足問題」から、年金への注目度が上がっています。ですが、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」の改訂は、大きく報じられていません。年金の受け取りは原則65歳からですが、60~70歳の好きな時期から受給できます。ただ、受給を65歳より早く「繰り上げ」ると0.5%×早めた月数分年金が減額され、65歳より遅く「繰り下げ」ると0.7%×遅らせた月数分増額されます。改訂版ねんきん定期便には、70歳まで繰り下げると受給額が増えることを図で解説。いっぽうで、繰り上げの図はありません。政府は繰り下げのお得感を強調し、当面の支給額を減らせる繰り下げに誘導したいのでしょうか。ですが、繰り下げが必ずしも得だとは言えません。年金を賢くもらう裏ワザを紹介します。■65歳以前にもらえる年金60~64歳で受け取れる年金があります。「特別支給の老齢厚生年金」といい、対象は男性なら’61年4月1日までに生まれた方、女性は’66年4月1日までに生まれた方です(年金加入等の条件あり)。受給額は、現役時代の給料と加入月数によります。ただ、年金の繰り上げと混同しがち。働いていても受給できるので、手続き漏れのないように注意しましょう。ところが、60歳以降にたくさん稼ぐと、こうした年金の一部が「在職老齢年金制度」によってカットされることがあります。60~64歳までの年金カットは、年金と給料の合計が月28万円を超えるかどうかで決まります。合計額が28万円超~47万円以下の場合、(年金と給料の合計-28万円)×2分の1がカットされます。たとえば、60歳まで月給が40万円だったAさん。60歳以降は月給が30万円になりましたが、特別支給の厚生年金が10万円あるため、収入は減らないと喜んでいました。ですが、給料と年金の合計40万円は規定の28万円を超えるため、年金カットの対象です。減額分は、合計40万円から28万円を引いた12万円の2分の1で6万円。年金は10万円-6万円=4万円となり、給料30万円と合わせると、収入は34万円になりました。【裏ワザ】パート社員になる年金がカットになる在職老齢年金制度は、厚生年金に加入しながら年金を受け取る方が対象です。つまり、厚生年金に加入しなければ、年金はカットされません。とはいえ、60歳を超えても現役世代並みに働けば、厚生年金加入は義務です。加入をやめるには働く時間を、厚生年金の加入要件である正社員の4分の3未満に減らせばよいのです。Aさんの場合、勤務時間が4分の3未満のパートになれば、フルタイムでの給料30万円も4分の3未満の22万円になるでしょう。厚生年金は非加入になるので、年金はカットされず10万円。給料22万円と合わせると32万円です。先の年金カット後の34万円より収入は減りますが、働く時間も減って生活にゆとりが生まれるでしょう。また、Aさんは次の「高年齢雇用継続給付」も対象となり、収入はさらに増えるのです。■60歳以降は給料が大幅ダウン’13年度以降、希望する方は全員、65歳まで働けるようになりました。とはいえ、いったん定年退職し、嘱託社員として再雇用される方がほとんど。給料は60歳までの5~7割に下がるのが一般的です。【裏ワザ】高年齢雇用継続給付60歳以降の給料がそれまでの4分の3未満に減った場合、「高年齢雇用継続給付」が新給料の最大15%、雇用保険から支給されます。手続きは会社を通じて、ハローワークで行います。先のAさんは、60歳までの給料40万円の55%に当たる22万円に大幅ダウン。新給料22万円の15%、3万3,000円が高年齢雇用継続給付金として支給されます。つまりAさんの収入は、給料22万円と年金10万円に、この3万3,000円を合わせた35万3,000円です。「どんなに裏ワザを駆使しても、月に1万円ほどの違いじゃないか」と思うかもしれません。ですが月々のわずかな差が長い老後に積み重なり、死活問題になることも。だからこそ制度は徹底活用して、もらえるものは1円でも多くもらい、コツコツ貯めることが大切です。私の新刊『荻原博子の貯まる家計』(毎日新聞出版)には、年金以外にも家計改善のコツが満載ですから、参考にしてください。
2019年07月26日こんにちは、婚活FP山本です。金融庁の発表以降、老後資金に関するニュースが本当に増えましたね。それだけ関心のある方が多い表れとも言えますが、専門家として言えば、ちょっと受け取り方が危険なケースも多いように感じます。いくら老後資金が必要か……準備不足になると大事ですから、ぜひ正しい知識を身につけましょう。今回は、いくら老後資金が必要か、また老後を安心して生活するための基本をお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。「定年時には〇円のお金が必要」は無意味?まずは、根本的な老後資金の必要額についてお伝えします。そもそも「いくら老後資金が必要か」は個人差が大きい内容です。たとえ年収が似たような同僚やお隣さんと比べても、その必要額は大きく違ってきます。このため、「自分の場合はいくら必要か」を正確に知ることが大切です。中には、自分には貯められそうにない額を示す内容なら無視し、「貯金ナシでも大丈夫」といった情報ばかりを求める方もいますね。そう思いたいお気持ちは察するところですが、現実逃避をして後悔するのは自分自身です。どう転んでも、相応の貯金が必要になるのは冷静に考えれば分かるかと。ひとまず、「定年時には〇円のお金が必要」は、ファイナンシャル・プランナーなら個別に計算してくれます。必要に応じて専門家の力も借り、まずは自分にとって「正しい情報」を知りましょう。金額は個人次第、むしろ目安は危険!繰り返しですが、老後資金に必要な金額は個人差が大きく、むしろ汎用的な目安で考えるのは危険です。そして、ゼロでも大丈夫な人などまずいませんし、中には一億円の貯金があっても破綻の兆候が見える人もいます。こういった人が「私は貯金〇円越えてるから大丈夫」などと考えていたら……。「自分の場合はいくら老後資金が必要か」を知る事こそが、老後対策での最初の第一歩と言えます。不足したとしても過去には戻れない訳ですから、老後になって人生を後悔するような事が無いよう、早めに知って備え始めましょう。貯金なら2000万円分の蓄えが必要?次に、老後資金の基本的な計算方法をお伝えします。簡単に言えば、老後資金は「年金と日常生活費の差額」×余命年数分という計算が基本です。これに、例えば介護などの非日常生活費の分を加算して計算します。仮に差額が月10万円、余命が30年なら最低3600万円ですね。日常生活にいくら必要かは個人差が大きいですし、余命を何歳まで見積もるかも個人差があります。非日常生活費も、人によってリフォームや旅費、趣味や車など「何が必要か」は様々です。そして何より、「何が起こるか分からない」からこそ、より多めに考えて準備する必要があります。先般の金融庁の「老後は貯金2000万円分の蓄えが必要」は、こうした計算を統計で行った結果です。闇雲に2000万円を意識するよりも、まずは冷静に「自分の場合はいくらか」を計算してみてはいかがでしょうか。2000万円は最低生活費。安心できない!金融庁の老後2000万円とは、非日常生活費の分を考えていない「差額×年数」のみでの計算結果です。しかも計算時の生活費は、随分と割安で考えられたものでした。つまり、この2000万円とは「生活費として最低限必要な貯金額」と言えてしまうものかもしれません。このため仮に2000万円の貯金があっても、いずれ生活が苦しくなる可能性が高いため、とても安心できる貯金額とはいえません。あくまで2000万円は「最初の目標」と考えて、達成したらさらに上回る貯金額を目指して励んでいくことが大切です。[adsense_middle]サラリーマン夫婦で平均4000~5000万円が目安今度は、実際の老後資金の目安についてお伝えします。結論から言えば、サラリーマン夫婦の平均としては「4000~5000万円」が一つの目安です。これも結局個人差が大きく、これだけあっても足りない方も出てくるでしょうが、金融庁の計算よりは現実的といえます。なお、この金額は「それまでに自力で蓄えなければならない貯金額」ではありません。例えば退職金を加えてもいいですし、相続財産を加えてもかまいません。住宅ローンを完済しているなら、以後の住居費分は減らして考えられます。ある程度は柔軟に考えていきましょう。ちなみに、この貯金額を超えている65歳以上の夫婦は、統計では「2割にも満たない」のが実情です。皆、貯められていない訳ですね。「だからこんなに貯めなくても大丈夫」ではありませんが、2000万円の次は、この4000万円を目安にしてみてはいかがでしょうか。退職後も働く、自営業になる人もいるが……貯金不足の場合の対処法として、退職後も働いたり、自営業になったりしようと考える方も多いですが、楽観的に考えるのは危険かもしれません。65歳以上の方の年収は200~300万円程度ですし、独立して自営業になっても95%以上の人が失敗している統計もあります。そもそも、今は人生100年時代ですが、どう転んでも100歳までは働けません。想像以上に働けなくなる時期が早い可能性もありますし、やはりある程度は老後資金として準備したほうが無難でしょうね。「いくら老後資金が必要か」を体験してみようここからは、老後資金への対策についてお伝えします。筆者としては、まず「いくら老後資金が必要かを体験する」のがおすすめです。つまり「予定している年金額で実際に生活してみる」訳ですね。どうにも生活が苦しければ「あといくらあれば生活できるか」が実感でき、それが「いくら老後資金が必要か」に繋がるでしょう。そもそも、「老後資金に〇円必要」と言われても普通ピンときません。ピンとこないなら、仮に足りなくても何が起こるのか分からず、必死に備えようとも思わないでしょう。資金不足は老後破産という貧困に直結しますが、「貧困になった事がない」なら尚更と言えます。ならば実際に体験し、老後資金不足がどれだけ深刻なことかを知ることが第一歩です。ちなみに年金額は、年金機構のサイトなどで調べられます。給料との差額は先に貯金し、残額の範囲で一ヶ月生活してみましょう。「安心」は当然ではない。備えて得よう!あなたは「貧困に陥った自分」を考えられるでしょうか。すでに高齢世帯の4割は老後破産状態とされ、今後も増えていくと予想されています。もはや日本は、一生「安心・安泰が普通」ではありません。現代に安心などなく、備えて改めて手に入れるものと言えます。しかし、そうとは思えず、未だに未来や老後を楽観的に考えている人も多いのが現実です。貧困を体験してもいいですし、破産した人に会いに行くのも、老後破産を動画で見てみるのもアリといえます。何らかの方法で、まずは老後対策の必要性・重要性をしっかり理解しましょう。[adsense_middle]預金以外の資産なら近道の可能性アリ次に、「預金以外の資産を持つ」方法もおすすめです。簡単に言えば「投資」ですね。未経験の方からすれば、どうしてもリスクが怖いところでしょうが、賢く利用すれば確かに老後資金準備に役立つ手段です。まずは「投資の勉強」あたりから始めてみてはいかがでしょうか。ちなみに投資とは、ものにもよりますが10年20年をかけて資産を1.5~2倍にすることを狙うようなイメージです。預金なら丸々4000万円が必要なところ、投資なら2000~3000万円の預金があれば良いことになります。一気に目標達成への近道になりうるのではないでしょうか。ただ、10年20年の時間がない方には不向きかもしれません。そもそも貯金自体が厳しい方にも不向きです。それでも相応の条件を備えた方なら、ぜひ検討してみることをおすすめします。「老後資金が貯まるか否か」で考えよう投資と聞くと、どうしても身構え、避けたくなる人もいますが、避けたいなら避けてもいいんです。ただ、投資を避けることはできますが、老後資金については避けられません。他の老後資金準備方法もありますが、少なくとも「もっとラクで確実な方法」などありません。もちろん「貯められなくても大丈夫」は通じません。どう生きるかはあなたの自由ですが、少なくとも「老後破産だけはイヤ」と考えるなら、投資というリスクを取ってでも備えることをおすすめします。老後対策への主敵は「身近」にいる!?最後は、老後(資金)対策における重要ポイントをお伝えします。結論から言えば「周囲に惑わされることなく実行していく」ことが重要です。きっとあなたも、昨日までは老後対策にピンとこなくて、周囲の方と同じく未来を楽観的に考えていたのではないでしょうか。残念ながら、金融庁の発表以降も多くの方はピンときておらず、強めに考えたのは「すでに老後生活に入っている方」という傾向です。例えるなら老後対策は、周囲が遊んでいる中で一人、勉強に励む学生でしょうか。親、同僚、友人、時には配偶者すら「周囲」かもしれません。大半の身近な存在は、老後対策において障害とさえ言えますし、味方に引き入れるのも困難です。孤独な戦いになるでしょうが、最後には笑えるよう、がんばっていきましょう。破産者を横目に、自分だけは安心生活を!少しダークな発想ですが、人間は「人と比べてこそ」価値を感じます。非正規労働の方が傍にいたら、正社員というだけで優越感に浸れるでしょう。周囲が老後破産に喘ぐ中、あなただけは安心して生活できたら……?特に贅沢しなくても、それだけで強烈な幸福感を得られる毎日でしょうね。老後対策は、目先のラクを求めるものではなく、むしろ未来のために目先は苦労します。しかし、苦労した分だけ最後に報われるのが老後対策です。生涯を安心して暮らすために、少しずつできるところから備え始めましょう。老後資金は「いくらでも」必要!安心を積み上げよう老後資金は「いくらあれば大丈夫か」よりも「いくらでも必要」と考えるべきお金です。いくらあっても絶対大丈夫とは言えませんからね。ただ、備えた分だけ安心できるのは絶対です。多くの人が破産していく中、自分だけは安心して生涯暮らすため、少しずつ準備に励んでいきましょう。
2019年07月17日こんにちは、婚活FP山本です。最近では老後2000万円問題が大きくクローズアップされていますが、以前から「老後破産」が問題視されていたのをご存知でしょうか?老後2000万円問題で少しは身近な問題になりましたが、まだまだ多くの人は「自分には関係ない事」のようです。その考え方こそが、一番危険なのかもしれませんよ。そこで今回は、老後破産の現実や対策についてたっぷりお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。老後破産になる確率は6~8割?まずは老後破産の現実を、統計を通してお伝えします。総務省の2018年「家計調査」によると、65歳以上の世帯(二人以上)の貯金額は以下のとおりです。100万円未満:8.1%500万円未満:16.0%1000万円未満:15.7%2000万円未満:21.7%、↑合計61.5%4000万円未満:22.1%4000万円以上:16.3%今、言われている「老後2000万円」で考えても、およそ6割を超える人が対象になります。また私を含めた大半の専門家は「2000万円では足りない」と計算しており、実際に必要な額は低くても4000万円です。すると、どうやら8割を超える人が対象となりますね。8割ということは「10人中8人」です。どう少なく考えても、「きっと大丈夫」とは言えないのではないでしょうか。「誰もが老後破産になる可能性がある」と考えるのが自然かと。まずは、この実情をしっかり知っておきましょう。「現実感が沸かない人」こそ筆頭候補!そもそも、あなたは老後破産をご存知ですか?何となく知っていても、まさか自分が陥るとは考えてもいないでしょう。先ほどの貯金2000万円未満の人も、大半は同じです。そうして現実感が沸かないから何の対策も取らず、気づいたら老後破産に陥るのが基本になります。相応に対策を取っていても老後破産する人もいますから、無対策なら尚更で、さらに困窮具合もヒドくなるのが自然です。まずは少なくとも「私にも関係あることなんだ」と、自分事として考えていきましょう。定年後の生活は30年以上も続くもの?次に、老後破産になる理由についてお伝えします。そもそも老後破産とは「老後生活の途中で貯金が尽きる事」です。そして、年金などの範囲での生活になる事を指します。また、老後、つまり定年後は年齢的に満足に働けないことも多いため、基本的に貯金は「減る一方」です。年金の範囲で生活できれば良さげに思えますが、残念ながら多くの人にとって年金だけでは足りません。仮に生活は成り立っても、介護を筆頭とした「生活以外の支出」には貯金が必要です。そんな生活が、定年後に30年程度以上も続きます。40年という事もあり、ほぼ現役時代と変わらない期間です。ちなみに年金額は個人差がありますが、夫婦でも年300万円程度になります。月10万円取り崩すだけで年120万円、30年でも3600万円ですね。月20万円なら……。何となく、老後破産になってしまうのも納得できるのではないでしょうか。老後破産の原因は「発想・想像が貧困」だから?あなたは「80歳頃の自分」を想像できますか?残念ながら、ほとんどの人はできません。考えられるのは、せいぜい「定年頃まで」です。考えられないから考えず、「きっと大丈夫」という発想になり、老後破産してから「こんな風になるとは思ってなかった」となります。つまり、老後破産という現実的な貧困は、「当人の発想や想像の貧困」が最たる原因です。自分で考えられない場合は、代わりに考えてくれる専門家に相談したほうが無難かもしれませんね。年金生活や生活保護=地獄のような人生今度は、老後破産の実情についてお伝えします。これについては動画でも見たほうが早いかもしれません。ぜひ、どこかの動画サイトで見てみて下さい。年金生活や生活保護での生活実態がどのようなものなのか……ほとんどの人は「悲惨・地獄」という感想を持つでしょう。食費は一日300円以下、夏でもエアコンが使えず、お金がないから友人とも会えなくなる……。何より、状況が改善される希望がほぼなく、人生が終わるまで苦しみ続けるだけという絶望の日々になります。しかも、年金も生活保護も「減額の一途」というのが現実です。少なくとも、誰もが「こうはなりたくない」と思うでしょうね。最初に触れた通り、「このままなら6~8割の人が」こうなります。おそらく、あなたも十分に対象に入っているのではないでしょうか。貧困の実例を知り、破綻を避けたい心理を持とう!中には、あまりの悲惨さに逆に現実感が持てない人もいます。お気持ちは察するところですが、老後破産は「確かな現実」です。老後破産が分かりにくいなら、ホームレスや非正規労働者など、まだ身近と思える「貧困の実例」を思い浮かべるのもアリでしょうか。知れば知るほど、現実感も持てて老後破産という生活破綻を避けたいと思えるハズです。まずは「明日は我が身」と思えるまで知り抜いて、その上で避けるための対策を考えて動いていきましょう。[adsense_middle]老後破産の基本対策は、やっぱり貯金?ここからは、老後破産への対策やポイントをお伝えします。まず老後対策としては、やはり貯金が基本です。「いくらあれば足りるか」は個人差がありますが、ともかく十分な貯金さえあれば老後破産は「縁遠い存在」といえます。どんなに貯金があっても「無縁」にはなりませんが……。年齢などによっては十分な貯金ができないこともありますが、その時には「定年後の就労対策」がおすすめです。具体的には「健康・経験(実力)・情報収集」でしょうか。死ぬまではムリでも、働けた分だけ必要な貯金額は減ります。気持ちだけでは働けないことも多いので、現実的な対策を取っていきましょう。少し角度を変えて「熟年離婚対策」も大切です。「離婚したら共倒れ」という理屈があるとしても、感情が上回ることも多々あります。結婚しているなら、改めて夫婦仲の改善を図っていきましょう。サラリーマンこそ貯金より投資での対策がおすすめ老後2000万円問題に関係して、方々で「投資での老後対策」が勧められています。そして投資は、実はサラリーマンの方にこそおすすめです。相応に収入が安定していますし、ものによっては節税にもなりますからね。副業が禁止されていても、投資ならできることも多いので尚更です。もっとも、投資はリスクもありますし、勉強が必須となります。また投資は「長期投資」が基本なので、高齢になるほど老後対策には不向きです。しかしそれでも、興味がある人は勉強から始めてみるのもアリかもしれません。老後対策で忘れがちな「親や子供の存在」次は、老後対策で忘れられやすい盲点をお伝えします。結論から言えば、それは「親や子供の存在」です。親の介護に貯金を出した、離職した。子供の教育費が想像以上だった、引きこもりや出戻りで生活費が増した……。それぞれ単体でも十分な社会問題ですが、あなたの老後破産にも繋がる問題です。また、これらの問題は「少し予測しにくい」ことも特徴といえます。親の資産状況など知らない事も多いですし、子供の引きこもりなどを予測できることも稀ですからね。だからこそ当人の老後対策として後回しにしがちな要素ですが、だからといって無視しても良い要素でもありません。当人達にも「自発的な努力」を早期から促す一方で、頼られる可能性も視野に入れておいたほうが無難です。お金の準備は元より「いつまで、いくらまでなら支援可能か」を事前にしっかり見極めておきましょう。貧困や破産の「連鎖」こそ最恐ポイント!親が貧困や破産に陥ると、子供が勉強不足や経済的負担を強いられるため、結果的に「貧困の連鎖」が発生する傾向にあります。その連鎖は、時に殺人などの「更なる悲劇」に繋がりがちです。しかも最近の連鎖は、子供側が出発点というケースも増えつつあります。ただ一方で、親や子供に助けてもらえる事もあるのも「紛れもない現実」です。あなたがどちらの立場になるか分かりませんが、ひとまず「助ける側」になった時には助けられるよう、備えは常に余裕を持ってしていきましょう。全ての将来・老後対策は「時間」が肝最後に、老後対策における肝となるポイントをお伝えします。結論から言えば、老後対策は「時間」こそが肝です。つまり老後に限りませんが、全ての将来・老後対策は「今日から、少しでも早くから備え始めること」が極めて大切となります。たとえ直接的な準備に至らなくても、です。例えば、2000万円もの大金は準備に何十年もかかります。時間があるほど達成は容易ですが、時間がないほど達成も難しく、負荷も大きくなるでしょう。就労対策でも同じです。中には低年収や長時間労働で、「どうしろって言うんだ」と言いたい人もいるでしょう。冷たいようですが、愚痴っていても対策は何も進みません。ヤケの心境・消極的な姿勢からは何もプラスは生まれません。「どうしたらいいか」を真剣に考え、少しずつでも準備を進めましょう。全てのモデルは無意味!自分だけでも助かろう!学生の多くは「周囲が勉強しているか否か」を気にしますね。そして平均点前後なら安心しますが、今のあなたはこれをどう思いますか?老後は6~8割が破産しますから、周囲に合わせていてはダメといえます。勉強している学生のように黙る必要はありませんが、周囲とは違う周囲以上のことをしてこそ老後対策です。もっとも……何もしていない人を上回るのは簡単ではないでしょうか。できるところから、少しずつでいい訳です。時間を味方につけて、ぜひ今日から老後へ備え始めましょう。老後破産は不可避!無視より「備える安心」を!残念ながら老後破産は無視できず、強引に現実逃避しても老後になれば必ず迫ってきます。そして基本的に誰も助けてくれない以上、備えが大切ではないでしょうか。無視して一時的に安心するよりも、向き合って「本物の安心」を備えて、老後すらも楽しく人生を謳歌していきましょう。
2019年07月11日「国民年金しかもらえない高齢者は2,000万円足りないのではなくて、5,000万円以上足りないのです」金融庁の報告書に端を発した「老後2,000万円不足」問題。これに対してキャスターの辛坊治郎さんが、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(6月13日放送)で冒頭のように語り、話題になっている。公的年金の被保険者は’16年度で約6,700万人いるが、そのうち、個人事業主やその配偶者などが該当する「国民年金第1号被保険者」は約1,600万人。年金を納めたり、受給したりしているうちの「4人に1人」という計算だ。これほど多くの人たちが「5,000万円足りない」とする辛坊説を、経済評論家の加谷珪一さんは「的を射た数字だ」と説明する。「“老後2,000万円”は、総務省の『家計調査』の、無職夫婦世帯の実支出の平均額月26万4,000円と、実収入の平均額月20万9,198円の差額を根拠にしています。しかし、現在の国民年金は満額で月約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどです。つまり国民年金だけで95歳まで生きるとなると、およそ5,000万円が不足するという計算になります」それでは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに老後の準備の進め方を解説してもらおう。「1つは『月1万円でも支出を減らすこと』です。現在50歳で月1万円ずつ支出を減らすことができれば、65歳までに180万円減らせる計算に。さらに、老後にかかるお金を減らすこともできます。そしてもう1つが『国民年金の未納期間を減らすこと』です」以上が必ずやっておくべきこと。そのうえで、自らの所得や職種に応じて、老後資金を増やす4つの方法を考えよう(※1:加入年の上限や受取時期は国民年金の加入状況等により異なる場合がある。※2:課税所得400万円で上限額まで加入した場合の所得控除による節税効果の例)。【1】国民年金基金掛金の上限額(自営業者、年間):合計81万6,000円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):60歳以降節税効果の例:年約24万円(※2)現在は予定利率1.5%で運用されている。ライフプランに応じて、受給の種類を選ぶことができて、終身受給のものもある。保険料は所得控除の対象になり、所得税や住民税を節税できる。「国民年金に“上乗せ”して加入することで、65歳以降に受け取れる年金額を増やすことができるのが『国民年金基金』です。厚生年金のない個人事業主のための“2階建て”システムです」自営業のCさん(50)は、1口目の終身年金A型をはじめ計8口を選択し、掛金は約6万7,000円。Cさん自身がこう語る――。「増える年金の額は年齢によって年6万~54万円の間で変動しますが、95歳まで生きた場合、合計1,200万円になる計算です。国民年金だけだと6万5,000円しかもらえないので、60歳までの10年間、上限6万8,000円に近い月額を頑張って掛けることにしました。だいぶ安心できます」【2】iDeCo掛金の上限額(自営業者、年間):合計81万6,000円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):60歳以降節税効果の例:年約24万円(※2)/運用益非課税金融商品を選んで、自分で運用する。国民年金基金よりも高い利率で運用できる可能性がある一方、元本割れのリスクも。受け取りは分割と一括が選べて、一括の場合、サラリーマンの退職金と同様に、税金が大きく優遇される「退職所得控除」の対象になる。「個人型確定拠出年金。税制面でも優遇された制度です。国民年金基金と併用できますが、月の掛金は2つ合わせて6万8,000円が上限です。元本が保証される『定期預金』『保険』商品か、元本割れのリスクがある『投資信託』から選択できます。非課税メリットは大きいですが、積立期間の満期の60歳まで途中解約できず、引き出せないことがデメリットです」(中村さん)【3】つみたてNISA掛金の上限額(自営業者、年間):40万円加入年の上限(※1):20年(非課税になる期間)受け取れる時期(※1):いつでも節税効果の例:運用益非課税一定の条件を満たした投資信託などを積み立て方式で購入していく。年間40万円、最長20年間で800万円まで投資可能。いつでも売却できて、売却益は非課税。「つみたて型の少額投資非課税制度で、iDeCoとの最大の違いは、途中でいつでも売却して引き出せるという点。事業に必要な資金が急に必要になることが多い人などは、こちらのほうが向いているかもしれません」(中村さん)【4】付加年金掛金の上限額(自営業者、年間):4,800円加入年の上限(※1):60歳まで受け取れる時期(※1):65歳以上節税効果の例:年約1,500円(※2)国民年金保険料に月々400円を足して納めると、将来の年金額が月々200円増える。仮に50歳から10年間払い続けると、年金額は2万4,000円増える。国民年金基金に加入していると、付加年金を払うことはできない。老後のために資金を回す余裕がないという人におすすめがこちら。「付加年金は年金保険料に月400円を加えて払うだけで、納付した月数×200円が終身で増えます。利幅はいちばん大きいですが、国民年金基金と併用することができないのがデメリットです」(中村さん)さまざまな手段がわかったところで、中村さんはこうアドバイス。「それぞれに一長一短がありますので、『国民年金基金とiDeCo』とか、『国民年金基金とつみたてNISA』など、複数のものに分けて、少しずつ運用するという方法を取る人も多い。経験を積みながら、規模をだんだんと大きくしていくのがいいでしょう」
2019年07月05日「国民年金しかもらえない高齢者は2,000万円足りないのではなくて、5,000万円以上足りないのです」金融庁の報告書に端を発した「老後2,000万円不足」問題。これに対してキャスターの辛坊治郎さんが、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』(6月13日放送)で冒頭のように語り、話題になっている。公的年金の被保険者は’16年度で約6,700万人いるが、そのうち、個人事業主やその配偶者などが該当する「国民年金第1号被保険者」は約1,600万人。年金を納めたり、受給したりしているうちの「4人に1人」という計算だ。これほど多くの人たちが「5,000万円足りない」とする辛坊説を、経済評論家の加谷珪一さんは「的を射た数字だ」と説明する。「“老後2,000万円”は、総務省の『家計調査』の、無職夫婦世帯の実支出の平均額月26万4,000円と、実収入の平均額月20万9,198円の差額を根拠にしています。しかし、現在の国民年金は満額で月約6万5,000円。夫婦でも13万円ほどです。つまり国民年金だけで95歳まで生きるとなると、およそ5,000万円が不足するという計算になります」国民年金(満額、夫婦2人):12万9,882円-実支出:26万3,718円(総務省「家計調査」2017年より)=-13万3,836円(不足額)。30年で不足額は4,818万円になる。だが、必ずしも悲観することばかりではないと加谷さんは言う。「会社員と違って、個人事業主に定年はありません。会社員が定年後、働こうと思ったら、今までと別の仕事をしなければいけませんが、個人事業主であれば、慣れた仕事を続けることができる。“人生100年時代”は働き続けることが最大の防衛術になります。とはいえ、一生涯働くことも困難です。いずれ、働けなくなったときに備えて、老後の準備を怠ってはなりません」それでは、ファイナンシャルプランナーの中村薫さんに老後の準備の進め方を解説してもらおう。「1つは『月1万円でも支出を減らすこと』です。現在50歳で月1万円ずつ支出を減らすことができれば、65歳までに180万円減らせる計算に。さらに、老後にかかるお金を減らすこともできます。そしてもう1つが『国民年金の未納期間を減らすこと』です」■必ずやっておきたい老後の準備(※令和元年度の金額を基に概算)【家計の見直し】支出が減れば、必要な老後資金も減る。月1万円の節約ができれば、65~95歳の30年で360万円の節約に。【国民年金を満期(40年)に近づける】国民年金の満期は40年。現在の保険料は年間19万6,920円で、納付年数が1年増えるごとに年金受給額は約2万円増加する。未納になっている保険料を過去2年1カ月ぶんを遡って払う「追納」や、60~65歳になるまでの間に総加入年が40年に達するまで納付できる「任意加入」など加入期間を延ばすことができる。老後資金を増やすため、この2つは必ずやっておこう。
2019年07月05日お子さんが1人生まれたご家庭では、もう1人子どもを考えるケースもあると思います。実際のご相談でも、「経済的に2人目はいつ産むといいですか?」とご質問をいただくこともあります。 子育てのしやすさや体調、お仕事の状況などから、適切な年齢差もそれぞれあると思います。今回は、マネープランの観点から1歳差~5歳差までの年齢差の主なメリット・デメリットをお伝えします。 1歳差の主なメリット・デメリットメリット①受験などの行事が重複しない②育児用品や衣料品を2人目に使いやすい③市区町村からの就園奨励補助金が加算されやすい④きょうだいが、同じ幼稚園・保育園の場合、割引を受けられる可能性がある デメリット受験などの行事が2年連続になり、学用品の購入や入試の費用も連続する 2歳差のおもなメリット・デメリットメリット①市区町村からの就園奨励補助金が加算されやすい②きょうだいと同じ幼稚園・保育園の場合、割引を受けられる可能性がある デメリット受験などの行事は重複しないが、上の子の受験時期と下の子の入学時期(例:中学3年と中学1年)が重なる 3歳差のおもなメリット・デメリットメリット①市区町村からの就園奨励補助金が加算されやすい②きょうだいが同じ幼稚園・保育園の場合、割引を受けられる可能性がある デメリット受験などの行事が重複する(例:高校3年と中学3年)ため、学費等の負担が集中しやすい 4~5歳差のおもなメリット・デメリットメリット幼稚園3年間や大学4年間の時期が重複しない デメリット①教育費を支払う期間が長くなる②育児用品や衣料品を買い替えることが多い いずれのケースにしても、かかる費用に大きな差ができるというよりは、子育て期間は短くなるものの、教育費を重複して支払う期間がある状況と、子育て期間は長いものの教育費を分散させる状況のどちらがいいかを決めることになります。 実際にお子さんが生まれてから社会人になるまでの20年~25年程度の収支について表にまとめると、どの時期に多くのお金がかかるかわかりやすくなります。そのため、2人目のお子さんを考えられている場合には、表をまとめて家計全般や教育費の推移を把握するといいでしょう。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年06月30日「老後に2,000万円不足」問題が連日取りざたされ、金融庁には「最大3,000万円必要」という試算まであったと物議をかもしている。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「あらゆる角度から家計を点検し消費支出を減らせば、年金+2,000万円も要らないでしょう」と語る。荻原さんが解説してくれた――。■光熱水費の見直しでも4つの工夫があるたとえば、光熱水費の見直しを考えてみましょう。【1】新電力への切り替え’16年に電力が、’17年にガスが自由化されました。ですが契約を変えた世帯は電力が2割超で(’18年9月)、ガスで1割足らずです(’19年5月・いずれも経済産業省)。新電力への切り替えや電気・ガスのセット割などで5~10%は節約できます。切り替えは、電気をたくさん使う夏前がおススメ。【2】契約アンペアの変更契約アンペアとは、同時に使用できる電気量のこと。家族が減れば、同時に使う電気量も減りますから、契約アンペアを下げても困らないでしょう。東京電力の場合、60Aの基本料金は約1,700円ですが、30Aだと約840円と半額です。【3】家電を上手に使う冷蔵庫の設定温度を「強」から「中」にすると年約1,670円の節約。また、野菜をゆでるときは、ガスより電子レンジのほうが時短で安上がりです。エアコンはフィルターを月1~2回掃除すれば、年約860円節約できます(’17年・資源エネルギー庁)。【4】エコ家電に買い換え家電を買い換えると、電気代の節約になります。特に冷蔵庫は10年前のものと比べると、年約8,000~9,800円節約できます(’18年・東京都)。とはいえ「冷蔵庫は高いから買えない」という方が多いのですが、小さめサイズを選ぶと、値段も抑えられ、食品の買いすぎ防止にもなって一石二鳥です。こうした節約と合わせて、保険の見直しやマイカーを手放すなど固定費カットも重要です。私は工夫次第で、年金だけでも暮らせると思います。
2019年06月28日「老後に2,000万円不足」問題が連日取りざたされ、金融庁には「最大3,000万円必要」という試算まであったと物議をかもしている。しかし、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「私は工夫次第で、年金だけでも暮らせると思います」と語る。荻原さんが解説してくれた――。■高齢夫婦と30代世帯の支出はよく似ている。家計はまだまだ工夫の余地あり2,000万円の根拠となった’17年の家計調査には、おもしろいデータがあります。世帯主年代別の家計収支を見ると、30代世帯(2人以上の勤労世帯)と、問題の65歳以上の夫と60歳以上の妻の高齢夫婦がよく似ているのです。まず、月々の生活費に当たる「消費支出」の中身を見ると、「食費」は30代世帯が約6.5万円で、高齢夫婦が約6.4万円。「光熱水費」は30代世帯が約1.8万円で、高齢夫婦は約1.9万円と、ほぼ同じです。次に、消費支出全体を見ても、30代世帯が約26万円で高齢夫婦が約23.5万円。約2.5万円違うものの、30代世帯には高齢夫婦にはない「教育費」が約1.3万円あります。これを除くと30代世帯が24.7万円で、高齢夫婦は23.5万円。その差は1.2万円ありますが、実は、世帯人数が大きく違います。30代世帯は平均3.71人家族で、高齢夫婦は2人。つまり30代世帯は2倍近い家族の生活を、ほぼ同じ支出でやりくりしているのです。とすると、高齢夫婦の家計はまだまだ工夫の余地があり、生活費は抑えられると思いませんか。あらゆる角度から家計を点検し消費支出を減らせば、年金+2,000万円も要らないでしょう。
2019年06月28日「マクロ経済スライドを止めてしまうという考えは、馬鹿げた案だと思う」「老後資金2,000万円報告書」に端を発した年金問題。6月19日に行われた党首討論でも、与野党が激論を戦わせた。物価の上昇にあわせた年金額の上昇を抑制することで、実質的に年金を減らしていく「マクロ経済スライド」。その廃止を求めた日本共産党の志位和夫委員長に対し、安倍晋三首相は年金制度を破綻させる「馬鹿げた案」と一蹴した。財源が足りないので、年金の減額も10月の消費税増税もやむを得ない。そう思っている人も多いだろう。「株でたいへんな儲けをあげている富裕層のみなさんに平等に所得税を払ってもらう」そう思っていた人にとって、この言葉が奇異に響いたのではないか。6月10日、参議院の決算委員会で、安倍首相に対して、共産党の小池晃氏が、財源の捻出方法を提案したときの言葉だ。“お金持ちになるほど、たくさん税金を払っている”。よく言われてきたことのはずだが……。日本の所得税は、所得が高くなるほど税率も高くなる累進課税になっている。所得税率はかつて70%(課税所得8,000万円超)が最高だったが、現在は45%(課税所得4,000万円超)が上限だ。さらに、ここに10%の住民税が加わるので、実質的な最高税率は55%となる。しかし、’18年に財務省が示した給与所得者のモデル試算(夫婦子2人で片働き)によると、年収3,000万円(所得税率と住民税率の合計が50%)の場合でも、さまざまな控除があるために、実質的な税率は32.6%となる。主要国との比較では、日本の税負担は中程度で、フランス(年収3,000万円で29.7%)やアメリカ(同22.2%)よりも高いが、イギリス(同37.9%)やドイツ(同33.6%)よりも低い水準にあるという。一見、日本の富裕層もそれなりの税金を払っているように見えるが……。じつは日本の場合、富裕層になればなるほど、所得にかかる税率は低くなっていくのだ。所得のうちで株式の売却益や配当金などが占める割合は、富裕層ほど高い。財務省の資料によると、平成25年(2013年度)の申告納税者のうち、年間所得が5千万~1億円の人の場合、株の売却益や配当金などが所得で占める割合は10.7%。これが5~10億円の人だと61.3%、100億円以上の人だと93.7%にもなる。じつは株の売却益や配当にかかる税金は、給与所得や事業所得などの所得税とは別に計算することになっていて、2013年の時点では税率は“金額に関係なく一律”10%(所得税7%+住民税3%)に過ぎなかった。そのため、5千万~1億円の人の所得税の負担率27.5%をピークに、5~10億円の人だと19.1%、100億円以上だと11.1%と、所得が多くなるほど負担している税率が低くなっていくのだ。2014年から、株の売却益や配当にかかる税率は20%(所得税15%+住民税5%)に引き上げられたが、近年の統計でも、所得税の負担割合は5千万~1億円の人で28.2%、5~10億円の人だと23.35%、100億円以上だと16.85%と、やはり所得が多くなるにつれて低くなっている(いずれも国税庁「平成29年分 申告所得税標本調査」より)。これは所得税のみ税率なので、ここに5%の住民税が加わるのだが、それでも給与などの所得税の最高税率45%には遠く及ばない。仮に、所得100億円以上の超富裕層の税負担率が住民税を加えて20%ほどだったとしても、これは年収1,500万~2,000万円のサラリーマンと同じ程度の税負担率に過ぎない。じつは多くの国では、株の配当金や売却益にかかる税率は、日本のように一律ではなく、利益に対する累進性で、税率も高いことが多い。また、給与所得と株式による所得を分離せずに、所得税を一律で計算している国もある。日本は非常に富裕層に優しい税制になっているといえる。仮に、株式などの金融所得に対する税率を25%に5%引き上げるだけで、約1兆円の税収増が見込めるという。「高額所得者の税率を上げると、富裕層が海外に逃げ出してしまう」そういう反論も多いが、実際に富裕層が実行に移す可能性は低いとみられる。たとえ、海外に居住していたとしても、日本株の配当金や日本の不動産収入など、“日本で稼いだ金”には日本の税制が適用される。日本の税金がかからないのは、海外居住者が“海外で”稼いだお金だ。日本の富裕層の多くは、日本国内で所得を得ており、海外に居を移すメリットは少ない。また高所得者に多い医師や弁護士などは、海外では資格を使えないため、所得を得る手段を失ってしまうこともある。語学や生活環境の違い……。“海外で稼ぐ力”を持たなければ、相続税対策を除いて、海外に移住するメリットは高くないのが実情だ。「富裕層が海外に逃げ出すぞ」しばしば脅し文句のように使われるその言葉。しかし、それだけの胆力と語学力、世界中のどこでも稼げるビジネススキルを持つ人間であれば、もうとっくに日本にいない可能性が高い。今後、そういう言葉を聞いたら、“どこに行って、どうやって稼ぐの?”とでも聞けばいいかもしれない。
2019年06月21日――老後までに2,000万円を貯める必要がある。波紋を呼んでいる金融庁の金融審議会の報告書だが、じつは老後には2,000万円以外にも多額のお金が必要だと書いてあることをご存じだろうか。まず2,000万円の根拠を説明しよう。金融庁の報告書によると、高齢の無職夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の1カ月の平均的な収支は以下の通り。実収入月 209,198円実支出月 263,718円――――――――――赤字額月 54,520円つまり、1カ月に約55,000円の赤字が発生することになるのだが、もちろんこれは貯蓄などの金融資産などから補填しなければならない。赤字の額は年間で66万円になるので、この生活が30年続けば1,980万円となる。ここから、「老後のためには2,000万円の金融資産が必要だ」と金融庁は試算する。だが、金融庁によると、じつは老後にかかるお金はこれだけではないという。この報告書と一緒に公開された資料には「ライフステージに応じて発生する費用等の例」も記載されている。これは生活費などとは別に、結婚や出産などライフステージに応じてかかるお金の平均額を、官民のさまざまな調査から引き出したものだ。これによると、老後にかかるのは以下の通り。リフォーム:約465万円健康 or 介護:0~1,000万円葬儀:約195.7万円「健康 or 介護:0~1,000万円」は、介護生活になった場合には、1,000万円のお金がかかるということを意味している。つまり、あなたが将来、要介護になった場合は、葬儀費用も含めると、約1,660万円のお金が生活費とは別にかかるということになる。生活費の赤字2,000万円を加えると3,660万円。じつは金融庁の報告書をよく読むと、2,000万円でもぜんぜん足りないのだ。
2019年06月11日年金と聞くと老後に貰えるお金程度と思っている人も少なくないと思いますが、障害状態になった場合や亡くなった場合にも年金支給されることはご存知でしょうか。出産前後に生命保険の加入を検討した人も多いと思いますが、生命保険だけでなく公的年金からも支給される額が少なくありません。 今回は、遺族年金と障害年金についてお伝えします。 遺族年金は年金加入者が亡くなったときに遺族に支給遺族年金は年金加入者が死亡したときに、亡くなった方と生計維持関係にある遺族に支給されます。加入しているが国民年金か厚生年金によって遺族の要件や支給額が異なります。亡くなった方が自営業・フリーランスの場合は遺族基礎年金が、会社員・公務員・団体職員等の場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金が遺族に支給されます。 主な概要は次のとおりです。あくまでも簡単に説明するための概要ですので、詳細は厚生労働省のホームページや最寄りの年金事務所でご確認ください。なお、下記の年齢や金額等は2019年4月時点の制度を基準としております。 【遺族基礎年金】国民年金の加入者等が亡くなった時に、生計維持されていた子どものいる配偶者または子どもに遺族基礎年金が支給されます。遺族年金の支給される対象の子どもは、18歳になって最初の3月31日まで(一般的な高校卒業まで)となり、大学・専門学校の通学時期には支給されない点は覚えておきましょう。 遺族基礎年金の支給額は年間781,000円に対象となる子どもの人数の加算(第1子・第2子は各224,500円、第3子以降は各74,800円)がされます。例えば、お子さんが2人の場合の遺族基礎年金の支給年額は、781,000円+224,500円+224,500円=1,230,000円となります。 【遺族厚生年金】厚生年金保険の加入者等が亡くなった時に、生計維持されていた配偶者・子どもに遺族厚生年金が支給されます。配偶者・子どものいない場合は父母や孫、祖父母が受け取る場合もあります。会社員・公務員・団体職員等の場合は遺族基礎年金も合わせて支給されます。 遺族厚生年金の支給額は、老齢厚生年金の報酬比例部分(目安の金額はねんきん定期便にある厚生年金保険の加入実績に応じた年金額)の4分の3相当額となります。しかし、多くの場合は300月(25年)未満であるため、最低でも25年分としてプラスの修正がされます。 例えば、35歳(勤続年数12年)・報酬比例部分が30万円のご主人が亡くなった場合は、30万円×4分の3=22.5万円でなく、勤続25年と修正された62.5万円×4分の3=46.8万円が遺族厚生年金の支給額となります。 上記以外にも寡婦年金や、中高齢寡婦加算、経過的寡婦加算などの対象となる子どものいない場合や年齢が高齢になった場合の制度もあります。 障害年金は年金加入者が所定の障害状態になった時に支給障害年金は病気やケガを原因として障害となった際に支給される年金です。障害となった病気やケガの初診日に加入していた年金制度から支給され、自営業者等は障害基礎年金、会社員等は障害厚生年金となります。 障害の程度に応じて支給額は変わります。障害基礎年金の支給額は、1級で975,125円+子の加算、2級で780,100円+子の加算となります。子の加算は遺族基礎年金と同じく18歳の3月までが対象で、第1子・第2子は各224,500円、第3子以降は各74,800円です。 遺族厚生年金の支給額はは1級で(報酬比例部分×1.25)+配偶者加給年金額、2級で報酬比例部分+配偶者加給年金額、3級で報酬比例部分(最低保証額は585,100円)となります。報酬比例部分は、遺族基礎年金と同様に期間が短い場合も25年分としてプラスの修正がなされます。 ねんきん定期便は確認をしよう遺族年金にしても障害年金にしても、公的年金に加入している限り対象となった場合は利用できる制度ですが、保険料未納の場合には需給対象とならない可能性もあります。そのためにも現在加入している年金制度を確認して、万一の場合にどの程度の遺族年金や障害年金が支給されるか確認をすると良いでしょう。 特に生命保険の加入や見直しを考えている人は、まず公的年金から支給される額を確認したうえで、不足している金額を生命保険で補うと、無駄な保険料を払うことを防げます。生命保険の見直しを考えていない人もねんきん定期便が届いたときには確認することをおすすめします。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年06月01日