医療法人社団スリープクリニックはこのほど、日本で初めて内科・耳鼻咽喉科・心療内科・精神科・小児科の総合的な子ども睡眠外来「キッズすいみんクリニック」を、「スリープクリニック銀座」内に開設した。スリープクリニック調布の院長である睡眠専門医・遠藤拓郎(通称:えんたく先生)は、これまでに1万2,000名以上の不眠やいびきなどに悩む患者の診療を行ってきた。子供の睡眠障害は以前から問題視されているが、専門の医療施設はなく、症状を放置しているという現状がある。子供の睡眠障害は、大人のものとは病気の程度も種類も違うという。症状や治療法も特殊なため、経験と技術を持った医師、スタッフ、医療施設が必要となる。このような状況に応えるため、同院は子供のための専門機関として「キッズすいみんクリニック」を開設した。院長・遠藤拓郎をはじめとする医師が、小児の睡眠障害の治療にあたる。院長の遠藤拓郎医師は、子供のころは重症な睡眠時無呼吸症候群で、手術により症状が改善したという。「子供にとって、良質な睡眠は欠かせません。睡眠中には、成長ホルモンが盛んに分泌し、記憶の整理なども行われています。私は医師として、この『キッズすいみんクリニック』を通して、子供たちの健やかな成長を応援したいと考えています」とコメントしている。来春には、同ビル7Fに子供の健やかな睡眠を応援するため「キッズステーション」も開設する。同施設は自由に楽しく遊び、学べるオープンスペース。睡眠に関する知見を持ったスタッフが常駐し、夜泣きや不登校の対応をはじめ、子供の睡眠に悩みをかかえた人々のサポートを行う。
2015年02月03日声は個性の一つですが、相手の声に「好感をもつ」ことはよくあります。では、ぐっとひかれる声、そう、モテ声になるポイントはあるのでしょうか。耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科院長の遠山祐司先生に、好感を持たれる声や発声法についてお話を伺いました。■声肺活量、声帯、口腔の形……。複数の要素で声の個性が決まる――個人の声を決める要素には何があるのでしょうか。遠山先生声は肺から押し出された呼気(こき)が、声帯を通って口腔(こうくう)内で響いて出てきます。声を決める要素は複雑で、肺活量や声帯、口腔(こうくう)の形、下顎(したあご)の形、鼻からの空気の抜け方などによって変わります。体質が千差万別なのと同様に、声の個性も、多くの要素が発声の環境をつくって生み出しています。子どもの声帯は柔らかで声が高く、年齢を重ねるにつれて声帯の弾力性が低下し、いわゆるシワがれた声に変化していきます。男性は変声期、つまり「声変わり」を経て声が低くなり、女性は高くなります。それに、病気や扁桃腺(へんとうせん)の手術でも声は変質します。■男性は腹式呼吸を低い声を出すと好印象に――男性はやや低めの声が好感を持たれると言いますが、どうしたら低めの声を出せますか。遠山先生腹式呼吸でおなかをふくらませるように息を吸い、その息を吐きながら胸で響かせるように発声すれば、低音でよく響く声が出ます。また、口を大きく動かすことによって、口腔内が大きく広がるので、響きのよい声が出ます。アナウンサーの発声練習をイメージしながら、腹式呼吸で息を吸って発声するとよいでしょう。男性の低音が魅力的なのは、「変声期後の大人の男性」という印象になるからかもしれません。反対に女性の場合は「少し高めの声に好感を持たれる』と言われますが、それは子どもの声に近いことになります。■耳に入りやすい声は好かれる――なぜ、よく響く声は「モテ声」なのでしょうか。遠山先生響きが良い声というのは、人の耳にとって心地が良いので、好感を持たれます。音が外耳道(がいじどう)を通って鼓膜(こまく)に到達するとき、2,500~4,000Hz(ヘルツ)の間の周波数を持つ音には共鳴による音圧増強作用が働きます。この周波数の音は、声の音量が小さくてもよく通り、よく聞こえます。外耳道は音響学的には、共鳴管としての意味があるわけです。居酒屋など、たくさんの人が話をしている場所で、大きな声で話しているわけではないのに声が通る人がいますが、この声は2,500~4,000Hz(ヘルツ)の間の周波数を出しているのです。前述で「腹式呼吸で発声するといい」と言ったのは、腹式呼吸をすると、この周波数を出すよく響いて共鳴した声になるので「モテ声」になるということなのです。――アナウンサーのように滑舌がいい声は、好感度が高いのはどうしてですか。遠山先生声の周波数は単一ではないので、大きく口を開けてハキハキと話すと、たくさんの周波数の声を出すことになります。「抑揚がある変化に富んだ声」は、先ほどの「人が聞き取りやすい2,500~4,000Hz(ヘルツ)の間の周波数」のうちの、たくさんの周波数の声という意味です。――女性のモテ声、少し高めの声というのは、どうすれば出るのでしょうか。遠山先生口角を少し上げて話してみてください。少し声が高くなって、ハキハキと明るい印象になるでしょう。口角は表情にも影響するので、上げることを意識するだけで、印象がいい声になるはずです。――これまで無意識だった声のことが少し分かったように思います。ありがとうございました。「モテ声」のポイントは、「相手に伝わりやすく、相手にとって心地よい声」であるようです。発声を意識してみると、初対面の人への挨拶やプレゼンでも声が通りやすくなったような気がします。ぜひ、挑戦してみてください。監修:遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。医学博士。とおやま耳鼻咽喉科院長。とおやま耳鼻咽喉科TEL: 06-6923-4187大阪市都島区御幸町1-9-1地下鉄谷町線都島駅から徒歩7分藤井空、庄司真紀/ユンブル)
2012年02月06日