生後間もない赤ちゃんが泣き続けて、困ったことのあるママやパパも多いのではないでしょうか。赤ちゃんが泣いているときは、何らかの理由があるため、その理由に合わせた対処を心がけるようにしましょう。今回は、赤ちゃんが泣き止まないときに考えられる原因や、泣き止んでもらうためのコツについてお話ししていきたいと思います。 ママやパパの大きな悩み! 赤ちゃんが泣き止まないのはどうして?赤ちゃんがなかなか泣き止まないときは、何らかのサインを発している可能性があります。言葉を知らない赤ちゃんは、感情を伝える方法が「泣く」以外にありません。そこで、ママやパパは赤ちゃんに変わったことが起きていないか、確認してみると良いでしょう。泣く理由の多くはおなかがすいたとき。これは、授乳をすることで泣き止みます。このほか、おむつが濡れているケースもよくありますが、これもおむつを替えることで解決します。 おっぱいをあげたばかりで、おむつもきれいなはずなのに泣き続けるときは、赤ちゃんは「不快感」を覚えていることがあります。眠りたいのに眠れない、体感温度が熱すぎるか寒すぎる、ベッドの寝心地が悪いなどの理由を探ってみましょう。ちょっとした音や照明を嫌がっていることもありえます。大人にとっては何も感じない環境でも、繊細な赤ちゃんにとっては気になる要素になってしまうことがあるのです。 また、生後5カ月ほどまでの赤ちゃんは特に理由がなくても泣き続ける傾向があります。ママやパパは、赤ちゃんとは泣くのが当たり前だと受け入れ、やさしく接するように心がけましょう。 ただし、「赤ちゃんは泣くのが普通なので、泣き止まなくても放っておけばいい」という考え方は危険です。時として、赤ちゃんは便秘などの体調不良や発熱を伝えたくて泣いている恐れがあるからです。泣き止まない状態が続くようなら、体温を測ってみるなどして体調が悪くないかどうかを確かめ、必要があれば病院に連れて行きましょう。便秘ぎみだったり、おなかが張っている様子があれば、綿棒浣腸をしてうんちやガスを出してあげると良いでしょう。 赤ちゃんが泣き止まないときの対処法について赤ちゃんが泣き止まないとき、真っ先に考えたいのは「おなかがすいている可能性」です。このとき、「十分に母乳をあげたはずなのに」という先入観は捨てましょう。赤ちゃんはその日の体調によって、満足する量が変わります。いつもの量では足りずに、泣いていることも多いのです。臨機応変に母乳をあげましょう。ただし、育児用ミルクや離乳食は1日あたりのカロリーや栄養量が計算されています。多めにあげる場合は、育児用ミルクよりも母乳にするのがベターです。 気をつけたいのは、「泣いたら、とにかく母乳」と安易な対処を繰り返してしまうことです。赤ちゃんはおっぱいをくわえたら、おなかがいっぱいでも飲んでしまう習性があります。そうすると、本当の泣き止まない原因が解決されないままになってしまうことがあります。赤ちゃんのおなかがふくらんでいるときは、おっぱい以外の原因がある可能性が高いです。たとえば、「おむつが汚れている」のもよくあるケースなので、すぐに取り替えてあげるようにしましょう。 そのほか、「乱れた洋服を直してあげる」ことや、寒暖に対する訴えの場合は「重ね着させたり、逆に枚数を減らしたりしてみる」など、衣服の調整も泣き止まない赤ちゃんへの効果的な対処法となります。遮光したり、テレビなどの音量を下げたりして、赤ちゃんが過ごしやすい環境を整えるのも効果的です。寝苦しくて赤ちゃんが苦しんできるときは、寝返りを手伝ってあげたりすると泣き止むこともあります。 しかし、何をしても泣き止まないときはあり、泣きのピークは生後1~2カ月ごろからおきて、生後5カ月ごろにおさまってきます。そのことを知っておくだけでも気持ちがラクになるかもしれません。 揺さぶりすぎに要注意! ママの心構えとイライラ解消法泣き止まない赤ちゃんに接するとき、泣き止まないことで、赤ちゃんを激しく揺らしてしまうことのないように気をつけましょう。激しく揺さぶられることによっておこる「乳幼児揺さぶられ症候群」となる危険性があります。この症候群は、網膜出血や硬膜下出血、意識障害が起こる可能性があります。赤ちゃんにさまざまな悪影響があるだけでなく、最悪の場合には死に至る恐れすらあるのです。赤ちゃんが頻繁に嘔吐したり、長時間眠って目覚めなかったり、異変が目立つような場合は、病院ですみやかに検査してもらいましょう。 乳幼児揺さぶられ症候群は、生後半年までの赤ちゃんがかかりやすいのですが、2歳までは発症のリスクが消えません。乳幼児揺さぶられ症候群を防止するためには、赤ちゃんをゆっくりとやさしく抱っこする必要があります。 とはいえ、泣き止まない赤ちゃんにストレスを感じてしまうと、思わず激しく揺さぶってしまうママやパパもいます。特に、赤ちゃんに長時間接することが多いママは、いわゆる「育児ノイローゼ」にかかることも珍しくありません。赤ちゃんの健康には、ママのメンタルケアも大きく関わってきます。 ママのストレスを軽減するためには、周囲の協力が大切です。パパや家族にサポートをしてもらい、心身ともに疲労がたまったときは休息をとりましょう。また、パパに家事を代わってもらったり、夜泣きのときに対応してもらったりするのもストレス解消のコツです。「自分だけが苦しんでいる」という状況を改善すれば、イライラも収まっていくでしょう。 まとめ赤ちゃんが泣き止まないときは、パパやママにとってストレスになりますよね。ストレスが蓄積されると、育児ノイローゼにもなりかねません。しかし、赤ちゃんが泣く理由を知っていると冷静に対処することができることもあるかもしれません。そもそも、「赤ちゃんが泣くのは健康の証」だと考え、マイナスな感情を抱かないようにできると良いですね。どうしてもストレスや疲労が解消されないときは周囲の協力を求めるなどして、思い悩まないようにしましょう。 ※参考:厚生労働省「赤ちゃんが泣き止まない~泣きへの対処と理解のために~」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2020年07月03日出産した途端、授乳、抱っこ、オムツ替えの無限ループで、なかなか夜もゆっくり寝られないですよね。さらに、しばらくはガルガル期ということもあり、イライラモヤモヤすることが多いと思います。突然涙が止まらなくなったり、落ち込んだりすることもあるでしょう。そんな時、決まってかけられるのが「赤ちゃんが小さいからしょうがないよ」「子育てって大変だから」という言葉です。そう言われると「そうか、このイライラモヤモヤは育児のせいなんだ。もしかして、自分は育児ノイローゼなのかも…」と思うかもしれません。でも、それは本当に育児の大変さに対するイライラモヤモヤなのでしょうか? もしかしたら、原因は別にあるかもしれません。今回は、子育てママが勘違いしてしまう、育児が原因ではないイライラモヤモヤについてお話ししましょう。■そのイライラモヤモヤ、育児が原因ではないかも?育児は一生のうち何回も経験することではないし、少子化のため身近に相談できる人も少ないため、ひとりで悩むママは多いでしょう。育児は完璧にやらないといけない、良妻賢母でなければいけないと自分自身を追い込んでしまい、育児がつらい、苦しいと感じてしまうことも。確かに、出産によってママの生活は一変します。夜は授乳のために頻繁に起きなくてはいけませんし、ひとりの時間もなくなり食事もおでかけもままなりません。そもそも命を預かること自体の責任が重すぎて相当ストレスを感じますよね。それに加え、産後のホルモンバランスの変化から、自分以外の人やものに対して攻撃的になる、いわゆる「ガルガル期」もしばらく続きます。出産後のママからの「突然涙が止まらなくなった」「うまくできない自分を責めて落ち込んだ」「夫に当たり散らしてしまった」といった声は少なくありません。「もしかして私、育児ノイローゼなのかもしれない」と追い込まれている方もいるでしょう。そういった時、周囲はたいてい「仕方ないよ、育児が大変なんだから」となぐさめの言葉をかけてくれます。「そうか、育児が大変だから、私はこんなにイライラモヤモヤしているんだ」とママも納得するかもしれません。しかし、そのイライラモヤモヤは本当に育児だけが原因でしょうか? 子どもを育てる大変さだけが、ママを追い詰めているのでしょうか? 例えば1日、夫や親に子どもを任せてひとりで出かけても気が晴れない。夫がどんなに家事育児を分担してくれても、イライラが止まらない。そんな時は、育児が原因ではないかもしれません。■あなたのイライラモヤモヤは何が原因?直面しているつらい気持ちの原因が、育児かどうかをチェックする方法が一つあります。それは「誰(何)に責められていると感じるか?」を自分自身に問いかけてみるのです。もし、育児が原因なら、あなたを責めているのは「あなた自身」。「どうしてちゃんとできないんだろう」「子どもが泣いている理由がわからない」など、自分が思い描く理想の子育てができていないと感じ、自分を責めてしまうのです。日本には昔から、3歳までは家で親が子育てするのが望ましい、ミルクより母乳の方が丈夫な子どもが育つ、夜中の授乳や添い寝は必須といった「育児神話」が存在します。実際は、その全部もしくは一部はすでに科学的に間違いであると証明されていますが、もしかしたら、そういった育児神話にとらわれて、自分で自分を責めてしまっているのかもしれません。そんな時は、夫に「もう限界なので今日は家事をやめます」と放棄宣言をして、まずはぐっすり眠ること。また、短時間でもひとりの時間を作るなど工夫してみましょう。一方で、あなたを責めていると感じるのが自分以外の場合は、イライラモヤモヤの原因は育児ではなく、その人やものかもしれません。例えば、義母から「母乳で育てていないの?」と言われた、夜に子どもが泣いているのに夫は全く起きる気配がない、早く復職したいけれど保育園に入れなかったなどは、どれも育児に関係するイライラモヤモヤです。しかし、あなたが責められていると感じているのは、それを発した人や環境に対してではないでしょうか。自分で自分を責めているのか、他人から責められていると感じているのかをチェックすることで、あなたのつらいと感じている原因がはっきりしてきます。■イライラの原因が実母・義母にある場合の対処法育児を媒介として、他人に責められていると感じつらいのだとしたら、どうしてそう感じるのかをさらに深く自分自身に問いかけてみましょう。例えば、親が育児に口を出してきた時にカチンとしたのだとしたら、どうして素直にそのアドバイスを聞けないのかを自分に問いかけてみるのです。もしかしたら、親のアドバイスは古い常識で、今の育児とはもうかけ離れているのに、押し付けられていると感じているのかもしれません。もしくは、親がいつまでも自分を子ども扱いして、育児にまで指図しようとしてきているのを嫌だと思うこともあるでしょう。それまではつかず離れずの距離で実母や義母といい関係を築いていたのに、子どもが生まれた途端、いろいろ育児に口出しをされて仲がこじれたという話をよく耳にします。おそらくこれは、実母・義母に「育児の先輩」意識があるからでしょう。娘(嫁)の仕事や趣味、人間関係などはよくわからないけれど、育児は自分もかつてやったことがあるから、「余計な一言」を言ってしまうのです。裏を返せば、実母や義母は育児が唯一、遠慮なく口を出せる分野と思っているのでしょう。そういった時は、アドバイスされたことや行動が本当に正しいことなのかどうかを冷静に見極めることが大事です。それが、育児の古い常識であったり、ただの思い込みであったり、単なる習慣の違いだとわかったら、それに対して自分はどう振るまえばいいかを考えてみます。実母・義母には「今はもうそれは違うそうなので、保健師さんの指導に沿ってやってます。見守っていてくださいね」と直接もしくは夫を通して、きっぱりと伝えるといいでしょう。■イライラモヤモヤの原因が夫や環境にある場合の対処法イライラモヤモヤの原因が夫の言動や行動にあるようなら、実力行使に出てみてはいかがでしょうか。例えば、家事がおろそかになっていることを夫に注意されたとしたら、先でも紹介したように、「今、育児が大変で、体力も落ちています。倒れそうなので睡眠時間確保のために今は寝ます」と宣言するのもいいでしょう。育児は母親の担当という風潮が未だに残っていますが、夫もわが子の親です。どんどん弱音をはいて、どんどん頼って、育児や家事に巻き込んでいくようにすれば「家事をちゃんとしたら?」といった心ない言葉は出てこなくなるでしょう。また、育児に不親切な環境へのイライラもありますよね。気軽に預けられる先がない、保育園に入れられなかったなどが挙げられるでしょう。特に用事がなくても、地元の保育園の一時保育や保育ママなど、行政サービスを調べて利用してみるのがおすすめです。家族以外にも預け先を確保しておくことは、ママの気持ちの安定にもつながりますし、急遽お願いしなければいけないことが起こっても、預け慣れていればお願いしやすいですね。人に頼るのが苦手なタイプは「子どもが小さいのに他人へ預けるなんて…」と抵抗を感じる人もいるでしょう。しかし、夫婦共働きであれば、子どもを保育園などに預けたりと他人の手を借りるのは普通のこと。「長時間預けて、何かあったらどうするの?」といった言葉を口にする人もいますが、母親ひとりの育児の方が絶対に安全とは限りません。逆に、保育のプロに育児をお願いできて、自分はイライラモヤモヤから解放されるのですから一石二鳥ではないでしょうか。日本には「苦労してこそ子育て」といった風潮がありますが、育児の大変さと子どもへの愛情は、決して正比例ではありませんから、罪悪感を覚える必要はないのです。子育て中のイライラモヤモヤ、その原因が本当はどこにあるのか。ぜひ今一度、自分に問いかけてみてくださいね。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年06月12日感染症により、休園・休校の長期化、不要不急な外出の自粛要請で、子育て中のママやパパの負担やストレスは一層倍増しているでしょう。ちょっと気晴らしにお散歩やおでかけも難しい今、家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになることも。「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」と悩む親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるママやパパに向けて、内外出版社から新刊 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 が発売されました。著者は、小児科医で二人のママでもある、森戸やすみ先生。育児に悩むママやパパへ向けたこの本では、これまで信じられてきた育児神話の“本当のところ”や、とくにママがつらく感じる原因、自分らしくラクになれる子育てのヒントなどが、小児科医の視点でわかりやすく解説されています。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業予定。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二子の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■育児のトラブル・悩みはすべてママのせい?たとえば、おでかけ先や公共の乗り物の中で、子どもがなかなか泣きやまない。わが子がほかの子とうまく遊べなくて、つい手が出てしまう。せっかく離乳食を作っても、あまり食べてくれない。子育てではよくあることですが、そういう時になぜか決まって言われるのが「それって、愛情不足じゃない?」「もっと子どもには手をかけてあげないと」といった言葉です。とくに、子どもを保育園や学童に預けながら働いているママの多くは、家族だけではなくママ友や会社の同僚、よく知らない人にまで、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。実際、著者の森戸先生も、テーマパークで遊び疲れた娘さんが帰りの電車でグズったとき、たまたま乗り合わせた高齢のご婦人から「お母さん、もっと抱きしめてあげて」と諭された経験があるそうです。娘さんがグズったのは、森戸先生が抱きしめなかったからではなく、遊び疲れたからなのに。「それは本当に“親の愛情不足”が原因でしょうか?」と森戸先生は問いかけています。育児で何か問題や困ったことが起こったとき、人はどうしてなのかと原因を求めたくなるもの。しかし、子どもはそれぞれ個性がありますから、どの子にも当てはまる育児の定石はなく、大人の理屈では理解できないことも多いでしょう。一方、愛情というのも数値で測れるものではなく、親がどれほど子どもを愛しているかは目で確かめることはできません。そこで、「理解できない子どもの行動は、誰にも確かめられない親の愛情量に責任転嫁されているのではないか?」と、森戸先生は読み解きます。たしかに、親の愛情不足が原因としてしまえば、言った本人は間違いだと反論される心配もなく、自分に責任がないことも遠回しに主張できます。親に責任を押し付けることで、理屈の通らないことが解決できたと自己満足もできるわけです。しかし、子どもが泣いたりわめいたりすることと、親の愛情不足との因果関係は誰にもわかりません。子どもの数だけ個性もそれぞれで、グズってしまう原因もそれぞれ。それを、手っ取り早く原因を見つけたい大人が、こじつけているだけなのです。ところが、「小児科医をはじめ子どもに関わる専門家の中にも愛情の多寡(たか)の話をする人がいるのですから残念なことです」と森戸先生。たしかに、筆者もわが子を預けていた保育園の先生から同じようなことを言われたことがあったことを思い出しました。こういった周囲の「なんでもかんでも親の愛情不足が原因」というプレッシャーから、育児で何か困ったとき、「ほかの親ほど自分は愛情をかけてあげられていないのではないか」「もっと私がちゃんと子どもを見ていれば」と、無意識のうちに自分を責めてしまう方は少なくないでしょう。でも、それは周りからの勝手な押し付けであって、“親の愛情不足”と決めつけることは害でしかないと森戸先生は一刀両断。この言葉に、悪い夢からスッキリ目覚めたような清々しささえ感じます。■育児神話「根拠のないもの、気をつけたいもの」「子どもの問題は親の愛情不足が原因」と同じように、根拠なく信じられ続けている“育児神話”はたくさんあります。本書で紹介されているだけでも、以下のものが挙げられます。●3歳児神話「3歳までは家で母親の手で育てることが子どもの精神的な発育に一番良い」というイギリスの精神医学者ジョン・ボウルビィによる戦争孤児を対象とした調査報告(1951年)が元となっている考え●スマホ育児批判かつてはテレビやビデオ、パソコン、今はスマホといったメディアを使って子守りをしたり、親自身が夢中になることで、親子関係や子どもの心身の発育が阻害されるという日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』(※1)●子どもの夜ふかし子どもは夜9時までに寝ないと、成長ホルモンが分泌されないために発達が遅れ、しかもキレやすくなるというもの●母乳信仰ミルク(粉・液体)よりも母乳の方が優れていて、どんな状況においても絶対に母乳のみで育てる方が赤ちゃんのためには良いという考え●離乳食を遅らせてアレルギー予防離乳食の開始を遅らせ、なるべく母乳だけで長く育てた方が、食物アレルギーの発症を予防できるというものいずれも、日本で一般的に信仰されている“育児神話”です。おそらく多くのママやパパが、これらのほとんど、もしくは全部を正しいと信じ、厳守しながら育児をしているのではないでしょうか。しかし、森戸先生はこれらに「すべてが根拠のあることなのでしょうか?」と疑問を投げかけています。たとえば、「3歳児神話」。精神医学者ジョン・ボウルビィが提唱していたのは、「子どもが育つ過程で、信頼できる大人との愛着関係を築くことが大事だ」ということ。それが、なぜか日本では「3歳まで母親の手によって育てられることが大事だ」にすり替わって信じられてきました。この3歳児神話はすでに国内外では否定されている考え方で、1998年の「厚生白書(平成10年版)」(※2)では「少なくとも合理的な根拠は認められない」とされ、さらに「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」とされています。しかし、いまだにこの古い神話を信じている年配者は多く、「こんなに小さいのに保育園に行かせるなんて」「3歳までは家でお母さんが見た方がいい」といったことを言い、ママは根拠のない罪悪感を背負わされながら働くという事態がいまだに起こっているのです。それは、ほかの育児神話にも当てはまることだと本書は伝えています。たとえば、今のママはスマホから育児情報を得る機会が多く、小児科の予約をスマホでしたりお薬手帳のアプリを使ったりもします。スマホを使っているからといって育児をおろそかにしているわけではないし、息抜きにゲームをしたとしても一日中ではないのだから何も悪くないということ。子どもの夜ふかしがよくないのはたしかだけれど、その理由の一つとされてきた「成長ホルモンは夜10時〜翌2時に分泌される」というのは、今では間違いだとわかっていること。夜9時に寝るべき、早く寝ないとキレやすくなるという説に根拠はないということ。同様に、どんな状況でも母乳育児がいい、離乳食を遅らせたらアレルギーを予防できるという説も、間違っていることがいまでは明らかになっています。むしろ、離乳食に関しては、開始を遅らせることでかえってアレルギーのリスクが高くなることがわかっています。しかし、前述の「“親の愛情不足”ですべて片付ける問題」と同じように、小児科医や産婦人科医、看護師、保健師、保育園や幼稚園の先生といった普段から子どもと接している方でも、いまだにこれらの育児神話を唱える人は少なくありません。そういった専門家でさえ信じているのですから、夫や両親、兄弟、ママ友、会社の同僚が不用意に育児神話を持ち出してくるのも納得です。では、そんな古くさい育児神話とママはどう立ち向かえば良いのでしょうか?■今だから夫婦・家族と子育てについて考えようママが育児に不安を感じたり悩んだりするきっかけの一つに、ほかの人からの言葉かけがあります。たとえば「母乳なんでしょ?」「2人目は?」「こんな小さいのに連れ歩いて」「保育園に通わせるなんてかわいそう」など、挙げていけばきりがありません。子どもを生んでまず最初にびっくりするのは、こういった「余計なお世話」とも取れる不用意な言葉をかけてくる人が本当に多いことです。家族や友人ならまだしも、通りすがりの知らない年配者からも「今日は良いお天気ね」のノリで「私たちの頃はね…」と育児アドバイスが始まったりします。また、そういった言葉はほとんどの場合、お父さんではなくお母さんにだけ向けられるのも不思議です。それは、暗に「子育てのメインは当然、母親」という育児神話の押し付けが見え隠れしているようです。このようなママを悩ませる言葉や態度は、元をただせば前述した根拠のない育児神話がベースになっていることが多い印象です。森戸先生は、「そういった言葉はスルーしていい」と本書の「祖父母世代と親世代のギャップの埋め方とは」の章で解説しています。スルーしていい理由として、次の2つが挙げられています。 祖父母世代が育児をしていた頃の常識が、いまでは非常識となっていることが多い 育児はとてもナイーブで個人的な体験のため、各家庭で事情が違う大抵の場合、言葉をかけた側の問題ですが、相手が義両親や実両親の場合は、育児を手伝ってもらったり一生お付き合いを続けていく関係だからこそ、ことを荒立てられずにイライラ・モヤモヤしながら多くのお母さん、お父さんは我慢しているでしょう。そういった相手の言葉は聞き流す、適度に反論して距離をとるなどして、それでも改善が見られないなら、「育児で大変な時に、無理して会わなくてもいい」と森戸先生はバッサリ。育児の協力者は何も家族でなければいけないことはなく、幼稚園や保育園、保育ママ、ファミリーサポートなどの行政サービスを活用するなどで頼れる先をいくつも持っていた方が、子育てのストレスは軽減されることに気づかせてくれます。そういったことを夫婦で話すことも大切だと本書では伝えています。「育児は母親のもの」といった育児神話によって、これまでずっと子育てにおいて部外者扱い、戦力外通告をされてきたパパ。でも、いまはもうそんな考え方は古く、夫婦2人で子育てに関わっていく時代。パパも育児の当事者であり、同じ視点から、同じゴールに向かってどう子どもと関わっていくかを夫婦で話し合うことが、育児をもっとラクで楽しいものにしていくのでしょう。そのためにも「父親も育児参加できるよう排除しないで後押しを」と社会全体の意識改革も必要だと訴えています。■子育てでつらい、不安になったときは「子どもはかわいいし、初めてのことばかりで大変だけど、育児も毎日発見の連続で楽しい。でも、なぜかイライラ・モヤモヤしてしまうのはどうして…」そんな風にママやパパが悩み、「自分がおかしいと感じているのに『それは、おかしい!』と声を上げられない周囲からの育児プレッシャーが原因」と本書で読み解いてくれた森戸先生。そのほか、子どもの発達に関する疑問やお悩み、子育てメディアとの付き合い方、小児医療の正しい知識などを、小児科医として、また2人のお子さんのママとしての視点から、わかりやすく解説しています。読後は、心の中のモヤモヤがすっきりと晴れわたり、「子育てはだいたいで大丈夫よね!」と育児にたずさわるすべての人に安心と勇気を与えてくれる一冊となっています。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社 森戸やすみ著 1540円(税込))朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。●森戸やすみ先生1971年東京生まれ、埼玉育ち。1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。<参考サイト>※1 公益社団法人 日本小児科医会: 日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』) ※2 厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」
2020年05月17日息子は生まれたときから、よく泣く赤ちゃんでした。母乳や育児用ミルクを飲ませても、1時間続けて眠ることができればいいほう。おかげで睡眠不足の日々が続き、私は心も体もボロボロでした。まとまって眠らない息子の育児についてお伝えします。 よく寝る子とあまり寝ない子の違いスヤスヤ眠るというイメージだった赤ちゃん。でも、現実は違いました。出産直後からとにかく泣く。入院中も息子の泣き声が響き渡っていました。やっと眠ったと思っても、30分後には「ふんぎゃー!」。母乳や育児用ミルクは飲ませているのにどうして?と、出産を終えたばかりの体は休まることがありませんでした。 生後6カ月を過ぎても、1時間続けて寝たらいいほう。育児相談や小児科で何度も相談しましたが、個性としか言えないとのことでした。 疲労は限界に達し、産後うつに私は約1年半、睡眠不足と闘いました。目の下にはクマ、肌荒れ、口角炎……。鏡に映る自分の顔を見るたびに「一気に老けたな」と気が沈んだものです。胃腸も弱り、下痢が続く日々。まとまって眠れないというのは、本当につらいことでした。 そして、慣れない育児で精神的、体力的にも限界に達し、産後うつを発症してしまいました。そんな状況を見兼ね、夫や義母が夜間の授乳を手伝ってくれました。改めて周囲の協力が必要だと感じた瞬間です。 断乳で睡眠不足から解放された1歳を過ぎても同じ状況が続き、どんな対策を試しても改善することはありませんでした。息子が1歳半になったころ、仕事復帰の関係で断乳を決行しました。 約1週間は泣きわめき、何度か心が折れそうになりましたが、ぐっと我慢。すると、いつの間にか2~3時間まとまって眠ってくれるようになりました。息子にとってはかなりの成長です。結局、朝までぐっすり眠ってくれるようになったのは、3歳に入ってから。長い闘いでした。 2人目の娘は授乳時間になっても起きないくらい、よく寝る子でした。息子の育児が大変だった分、すごくラクな育児をさせてもらいました。よく寝る子、寝ない子の違いは、やっぱり個性だったのかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:manami.koiso監修/助産師REIKO著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2020年05月17日前編では、ママの孤独についてお話しましたが、孤独からママが疲弊しきってしまうと産後うつにつながってしまう可能性があります。そして、この産後うつは決してママだけの問題ではありません。パパもママと同じく3人に1人の割合で産後うつにかかってしまっているという現実があるのです。ママとパパの産後うつを回避するためにはどうすればいいのでしょうか。 産後うつとは?産後うつの主な兆候としてはうつの症状と非常に似通っており、気分が落ち込んだり、以前は楽しんでいたものが楽しめなくなったり、イライラしやすくなるということが起こります。赤ちゃんをかわいいと感じない、良いママではないと自分自身を責めるということもよく見られる症状です。 これらが進むと、自分自身だけでなく赤ちゃんを傷つけたり、自殺について思考を巡らせ、最悪の場合、ママが死を選んでしまう場合もあります。赤ちゃんが生まれて1~3週間後に症状が現れるのが一般的と言われていますが、育児を何カ月かした後に発症する場合もあります。 産後うつの原因は決して、ママの頑張りが不足していたりするからではありません。産後はホルモンバランスの急激な変化により精神の安定を崩しやすい状態であり、産後うつの症状が出やすい状況であるため決して自分のせいではないということ、だれでもなりうる特別なことではないという意識を持つことが大切です。 一方、パパの産後うつは、仕事が忙しい中、ママから育児や家事をもっと手伝ってほしいと言われ、自分ではやっているつもりでもなかなかうまくいかないことから発症してしまうと考えられています。 産後うつの要因とは? 産後うつの大きな要因として考えられることの一つに“孤独”があります。1人でつらい状況を抱え込んでしまい、だれにも相談できない状況がうつを引き起こしてしまうのです。 この孤独感を和らげることを、最も身近にいてできる人は、ママにとってはパパであり、パパにとってはママです。けれど映画の中で国立成育医療研究センターの先生が話していたように、実際は忙しくて話し合う時間がなかったり、話し合える距離感をお互いにうまく取ることができず、結果、お互いに孤独を感じてしまうということが起きてしまいます。 お互いの“孤独感”を醸成しないためにしておきたいこと そもそも、産後うつは男女の思考の違いから起こってしまう部分が多々あります。そのため、まずはママとパパがお互いの思考について知っておくことが回避の一つのきっかけになり得ます。 ママが産後うつにならないためにパパが知っておいたほうがいいこと3・ママの言う「ゆっくり」について知る育児中のママには、おそらくパパが想像している以上に次から次へと課題が襲いかかってきています。食事の支度をしている横で赤ちゃんが泣き出した、洗濯物を片付けている横でおやつのお皿を子どもがひっくり返した……。 ママがパパに「ゆっくりしたい」と漏らすのは、決しておしゃれをしてお出かけをしたいということではありません。映画にもあったようにただカップに入れたコーヒーを温かいうちに飲みたい、トイレにゆっくり入りたい、そこからなんです。 ・ママの脳内もいつでも大変食事の準備をしながら子どもの世話をしているだけではありません。脳内は次の仕事について考えを巡らせています。これをやったらミルクの準備をしなければ、ミルクの準備をしたらお風呂を沸かさなきゃ……。頭の中も爆発しそうなくらい忙しいのです。 ・パパに話を聞いてほしい一日中、体も頭もフル稼働しているママにとって、実は唯一の息抜きがパパだったりします。「大人と会話をできる」というこの普通のことが、ママにとっては非常にレアな時間なのです。しかし、多くの場合、仕事で疲れて帰ってきた男性は、面倒くさそうに聞いたり、スマホを見ながら聞いているのか聞いていないのかわからない状態。あげくの果てには「だからなんなの?」「○○したらいいんじゃない?」と一方的に会話を途切らせてしまうこともあります。 唯一の一日の息抜きのはずが、ママの心をポキっと折ってしまうことになることが多いのです。 パパが産後うつにならないためにママが知っておいたほうがいいこと3・パパが認められたいのはママ人間はだれしも承認欲求があります。人に認めてもらえることで自信がつき、さまざまなことに挑戦ができます。パパは仕事で評価を受けていますが、実は、パパが一番評価を受けたい人はママであることが多いのです。仕事で評価を受けても、それをママが喜んでくれなければ、パパの中での評価は半減、いやそれ以上減ってしまうでしょう。 育児や家事もそうです。パパがやってくれたことを褒めたら、パパのやる気は倍増するに違いありません。 ・仕事の頑張りを認めてもらいたいパパには「ママと子どもを養っている」という自負があります。それゆえ、家で子どもの世話をしているママよりも、少なくとも同じ、またはそれ以上は自分は大変であり、感謝されて当然だと思っているパパがほとんどでしょう。ママは、パパへの感謝の気持ちをぜひ頻繁に表わしてみてください。 ・リストがあっても行間が読めない例えば、「赤ちゃんを沐浴させてほしい」とパパに頼んだところ、沐浴はさせてくれたものの、使ってほしくないタオルを使われた、使ったタオルをそのまま放り出してある、なんてことはどこの家庭でもあることです。 ママにとっての沐浴は、赤ちゃんの洋服を脱がせることから、赤ちゃんに着替えを着せて寒くない状況にするまでの一連の流れを指しますが、パパにとっては沐浴させることだけが「沐浴」であることが多くあります。 『ママをやめてもいいですか!?』の映画にあったように、まさに「やることリストがあっても行間が読めない」。育児と家事に疲れきったママは、そこで大きなため息をついて、パパの不足していることについて文句を言ったり、ぼそっと嫌味を言ったりすることに……。 疲れ切ったママにはその気はなくても、パパはそれでどんどん萎縮してしまい、うつになってしまう状況に追い込まれてしまうのです。 ママも大変。パパも大変。お互いに大変であることを認め合って、お互いに孤独を感じないよう、接してみてください。それがお互いの産後うつを回避する一歩となるはずです。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年04月06日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが生まれると、毎日しなければいけなくなるのが家事と育児。特に育児はやることがたくさんある上に、「夜中に大泣きする」「うんちが漏れた」「昼夜逆転する」などイレギュラーなことも盛りだくさんです。 一番大切なことは「育児はママひとりですることではない」ということ。ママだけが頑張らずに、パパや家族に育児の分担を頼むことが大切です。今回は、ラクに育児分担する方法を話します。 まずはパパに育児の役割分担をしてもらう育児の役割分担を一番頼みやすいのは夫です。とは言っても「仕事」を理由にして、なかなかしてもらえないのが現状ではないでしょうか? 私の保育所でも、送り迎えをしているパパは本当に少ないです! 保育所の送り迎えはママがするもの、と考えているパパが多いのかもしれません。 また、パパが朝送ってくれたとしても、昨日から今朝までの子どもの様子を把握していないことも多いです。「昨日の夕方、保育所で微熱があったのですが、その後どうでしたか?」と尋ねても、「そうなんですか?」と逆に聞き返されたこともありました。育児をママに任せっきりにしていることもですが、ママも「パパに言っても仕方ない」と思っているのかもと思ったら、なんだか少し残念な気持ちになりました。 役割分担は2人で一緒にする「パパが子どもの様子を把握してない」ということにならないためにも、育児の役割分担は大切です。お風呂に入れるのはパパの役割にする、平日に時間が取れない場合は、休日のお散歩と寝かしつけはパパの役割にするなど、できることで良いのでパパにも育児を分担してもらうようにするのがおすすめです。 その際、パパだけママだけの意見で決めてしまうと不満がたまるので、必ず一緒に相談します。そして残業や体調不良などでできなかったときのこともシミュレーションしておきましょう。 男女の考えの違いを知って話し合う先日、スーパーで友人に会いました。2人目のお子さんを出産したてなのに、上の子を連れてスーパーにいるので、思わず「大丈夫なの?」と声をかけました。「旦那がね。“ストレスたまってるだろ。気晴らしに外に行ってこいよ”っていうの……。私は上の子をパパに外遊びに連れて行ってほしかったのに……。男の人ってわかってないよね」という話になりました。 そう、男の人と女の人の考え方は違います。ですので、育児の分担の話し合いをするときは、きちんと詳細まで伝えなければいけません。 例えば、子どもをお風呂に入れることがパパの役割だった場合。パパは「体を洗う→湯船につかる→終了」と思っている可能性があります。ママの考え方でお風呂に入るということは「お風呂にお湯をためる→赤ちゃんの着替えやバスタオルを準備する→自分の着替えなどを準備する→赤ちゃんの体を洗う→湯船につかる→赤ちゃんを拭く→赤ちゃんにおむつや服を着せる→水分を飲ませる」ここまでがお風呂に入るということなのです。 役割分担をするときは、「ここからここまでが、あなたの役割」ということをときちんと伝えましょう。 祖父母とはどう関わる? じょうずにつき合うコツ赤ちゃんが生まれると関わりが強くなるのが祖父母です。子育ての先輩である祖父母の存在は頼りになり、とてもありがたいのですが、時代とともに育児は変化しているので受け入れがたいこともあると思います。 とはいえ、やはり祖父母が近くにいると本当に助かる存在です。だからこそじょうずに付き合うコツをお伝えします。・子育ての方法が違っても否定しない・今の子育ての方法を伝える・してほしいことを明確にする・してほしくないことも明確にする・「ありがとう」を忘れない 今と昔の子育てが違うのは当たり前のこと。祖父母はそれを知らずに良かれと思ってしているだけです。頭ごなしに否定するとわだかまりが残ります。そして、「ありがとう」の感謝の言葉を忘れないようにしましょう。「面倒を見てもらって当たり前」になると、祖父母も負担に感じるようになるかもしれません。 地域の子育てサービスを利用する「ワンオペ育児」という言葉を近年よく耳にするようになりました。夫は仕事で忙しく、周りに頼れる親戚もいない、そんな場合は地域に頼ることも考えましょう。例えば、保育所の一時預かりやファミリーサポートで子どもを保育してもらうことも1つの方法です。 「仕事をしていないのに子どもを他人に預けるのは何だか気が引ける……」と考えてしまうママもいるようですが、ママがリフレッシュすることのほうが優先です。また、児童館や子育て相談などに行って、話を聞いてもらうだけでも心が軽くなります。子育てはうまくいっていないと感じると「私はダメな母親かも?」と思ってしまいがちです。そのためにも、子育ての不安や悩みを誰かと共感することはとっても大切。「私は元気! 大丈夫!」と思っていたとしても、誰かにほんの少し頼ることは心の支えになりますよ。 私は10年以上シングルマザーをしています。子どもが乳幼児で一番手がかかる時期は祖父母が元気だったので頼りっきりでした。でも、ここ数年は祖父母に頼ることができず、ワンオペ育児をしています。子どもが大きくなったとはいえ、まだまだ育児真っ最中。祖父母のように、今すぐにでも気軽に頼れる人がそばにいないのは、綱渡りと一緒だなといつも感じています。 育児の分担することも大切ですが、その前に、育児も家事も仕事も優先順位をつけて、必要のないことは「しない」と仕分けをして、ママにとって無理のない育児を心がけることも大切ですよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月28日■ 前回 のあらすじノイローゼのようなしんどい状態になっても「育児がつらい」と周りに言い出せないモチコさん。唯一、伝えられた夫は協力的だったのですが、そんな夫の優しさにすら追い詰められていき…。 「夫の想いすら重圧。母親失格におびえる日々… | 私、育児ノイローゼかも(2)」 ※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■「育児がつらい」毎日を乗り切るために大人と会っておしゃべりをする時間がほぼなくなり、娘と2人きりで過ごす毎日を過ごすうちに、育児がつらくなってしまった私。子ども好きだった私が、子どもとずーっと2人の生活が、本当にしんどい。その後、公園に行っても児童館に行っても、同じくらいの年齢の子を連れた親子には出会うことはできず、ママ友はできないままでした。でも大人と話したくて、私ができる範囲でした対策は…相手の負担にならない範囲で、大人と会う予定を入れました!それでも鬱々とした気持ちは晴れず…でもなんとか毎日しのいで過ごしていました。そして新しいママ友はなかなかできないまま、約半年が経ち…。その頃からイチコのプレ保育(親子で参加)が月一で始まったり、自治体の親子学級のようなものに参加したりして、少しずつ人と会う予定が増えていき、週2~3日ほどの頻度になりました。さらに二太郎を妊娠したことで、よく実家のお世話になるようになり、実家の家族と会うことが激増!そうなると、ノイローゼのような鬱々とした気持ちは少し軽くなりました。ただ軽くはなったもののなくなることはなく、やっぱりしんどさを感じながら過ごしていました。これがまったくなくなったのは…■育児のしんどさがなくなったきっかけは毎日送り迎えでママ友と会って話をする機会ができるようになってからです。話と言っても、立ち話をダラダラするのではなく、送り迎えの1日2回のタイミングでちょろっと話すだけ。それでも…二太郎はいるものの、イチコと離れる時間ができたのも良かったのだと思います。(当時二太郎は生まれたてホヤホヤ…。意思はないのでややこしさゼロでした!)こうして今まで感じていたような、鬱々とした気持ちも、強い育児のストレスを感じることもまったくなくなりました。むしろ…そしてそのまま今に至ります。育児、大変やけど楽しい!■同じように「育児がつらい」ママたちへ今、育児がつらいお母さん、たくさんいらっしゃると思います。私は「育児がつらい」と言うことができず、誰かに頼ることは上手くできませんでした。他のみんなはちゃんと育児できてる(ように見える)。さらに、母親って「常に子どもを受け入れる存在でなければいけない」といった見えない空気があるような気がしてしまうんですよね。そして「私より過酷な状況でがんばってる人だっているはず」と思うと、なかなか「つらい」と言いだせない…。「育児がつらい」と口に出すと、母親失格の烙印を押されてしまうような気がして。でも全然そんなことない! と思うんです。話が通じない相手と1日中一緒にいるなんて、普通に考えて大変!しかもその相手を育てなきゃいけないし、最低限の家事もしなきゃいけないし…体力的にも精神的にも疲れて当たり前だと思います。これが24時間365日…。「大変」「つらい」って言っていい!当時「育児がつらい」と感じていた私。今、同じように「育児がつらい」と思っている方に、私の体験から学んだことが少しでも役に立てば…と思います。●ひとつめ周りにはどんどん頼ってほしい実家、義実家、ママ友、自治体の相談機関、一時保育…。「育児の大変さ」は解決できないかもしれなくても、話を聞いてもらうだけ、共感してもらえるだけ、一緒に悩んでくれるだけでも気持ちは変わってくるかもしれません。●ふたつめ話相手となるママ友が欲しいときは、隣の校区の公園まで足を延ばしてみて!育児がつらかった当時はわかっていませんでしたが、校区によって子どもの数が全然違うんです! だから、当時隣の校区の公園まで足を伸ばしていたら、もしかしたらママ友が早くできていたかもしれない…と今となっては思います。●みっつめ自分を責めずに環境を変えてみてください私にとっては、大人の話し相手がいるだけで、育児は楽しいものに変わりました。つまり私は1人で育児をすることが合わなかったんだと思います。「育児そのもの」ではなく、「1人で育児すること」が。私は、大人の人やママ友と会話することで育児がつらくなくなりました。でも人と話すことにストレスを感じる人もいるでしょうし、一人になることや自然の中に身を置くことでストレスが発散される方もいるかと思います。また仕事に行く方がストレスが少なくなる場合もあると思います。人によって、ストレスを感じる環境、楽に感じる環境はきっと違うと思うのです。私がしてしまった「自分が悪い」、「私は育児向いてない」と自分を責めること。この自分を責めることをしないためにも、今いる環境のどこか1つでも変えて、少しでも明るく過ごせる時間を増やしてみてほしいなと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは \モチコさんの人気記事が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年02月10日■ 前回 のあらすじ引っ越しを機に、しゃべる相手がいなくなったことで、イヤイヤ期の娘と2人きりの生活となったモチコさん。気が付いたら、娘と2人で過ごす時間が苦痛に…。 「子育てがつらい…子どもが好きだったはずなのに | 私、育児ノイローゼかも(1)」 ※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■どうして「子育てがつらい」と言えないのか?私は元々、人と会っておしゃべりをすることがとても好きでした。でもそれができない環境になることが、「つらい」ことだとはまったく想像もしていませんでした。引っ越しでママ友が誰もいなく、さらに大人と会っておしゃべりをする時間がなくなって、初めてそういった時間が、自分にとってどれだけ大切だったのかを知ったのです。そして大人としゃべらず子どもとだけ過ごすことが、ノイローゼのような状態に陥るほどしんどいとも思ってもいませんでした。しかし、私は「子育てがつらい」とは、なかなか人に打ち明けることができませんでした。なぜなら「子育てがつらい」と言う感情は、そのときの私にとっては、「母親失格なんじゃ…」と思わせるものだったからです。母親としての自分を否定されているような、母親失格と誰かに言われているような、ネガティブな気持ち。もちろん誰もそんなことは言っていません。ましてや、私ではない誰かが「子育てがつらい」と言っていてもそんなことは思いもしません。ただ当時の私は、そういったマイナス思考になっていました。■母にも言えない本音。唯一、話せた夫は…そういう思考になっていると、周りに頼るのも難しくなってしまいます。実の母にすら「ママ友や大人の人とおしゃべりできなくてしんどい」とは言えても、「子育てがつらい」とは伝えられませんでした。唯一「育児がしんどい」とちゃんと言えたのは夫のチチオだけ。でも、チチオは遅くまで仕事をしていたので、平日は少ししか話せませんでした。引っ越し前までママ友と仲良くおしゃべりしてきたことを知っていたチチオは、それがどれだけ私を救っていたかもわかっていました。ということで、夫婦の見解としては…で一致。そして夫は、職場の同期に「モチコが大人と話せなくて育児がしんどいみたいやから、今度家族で休みの日に集まろう」と提案してくれました。「そこからママ友になれたらいいね」と。ところが私は… ■夫が良かれと取った行動に、さらに追い詰められるとてもありがたいことなのですが…当時の私が1番に頭に浮かんだのは「なんで『育児つらい』って他の人に言っちゃうの」という気持ち。チチオは何も悪くないんです。私は口止めしていなかったし、悪い状況を少しでも好転させようと、私を思ってしてくれたこと。ただ当時の私はと思っていました。「子ども好き」だった私が、「育児がつらい」ことを他人に知られることはとても怖かったんです。それくらい「育児がつらい」という感情は私にとってプレッシャーで、マイナス思考に陥っていました。繰り返しますが、他の人に対してそんなことは当時も今もまったく思っていません。「母親はこうあるべし」という理想像が、自分への呪縛のようになっていたんだろうなと思います。…と書くと、すごい完璧育児を目指してたみたいですが、そんなことはまったくありません。笑イチコが生後1ヶ月のとき保健師さんに「育児、適当だね! いい意味で!」と言われたくらいの適当さ。そんな適当育児しかしていなくても、環境が変わるだけで育児がつらくなってしまうんです。むしろ適当だからこそ「適当育児なのにつらくなるなんて…」と自分を責めていたのかも。誰に言われたわけでもなく、やはり自分で自分にプレッシャーをかけてしまっていたのでしょう…。さて、ここから精神的にどう立て直したか…は、次回に続きます!次回は、「育児がつらい」というプレッシャーをモチコさんは克服していきます。更新は、2月10日(月)を予定しています。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは
2020年02月03日私たち家族はオーストラリア在住です。2人目出産時、頼れる身内は夫だけという状況のなか、夫婦で育児ノイローゼのようになってしまいました。ここでは、2人目で育児経験があってもうまくいかないと実感したことや、精神的に不安定な状態になってから復活までの体験をお伝えします。 オーストラリアでの出産を決意!2人目の妊娠判明後、オーストラリアでの出産を決意。理由は、長女のときは日本に戻って出産したため、夫が初めて長女に会ったのが生後3日目だったのです。貴重な新生児期を一緒に過ごせたのはたったの1週間程でした。仕事があるので仕方のないことですが、私は夫と子どもを引き離してしまっていたことずっと後悔していたのです。日々変化する子どもの成長を夫にも見せたい! と思ってオーストラリアでの出産を決断しましたが、普段あまり娘のお世話をしていない夫と2歳イヤイヤ期真っ最中の娘を抱えての出産には正直なところ不安もありました。 ついに出産! そして……その後、妊娠38週3日の深夜に次女を出産しました。妊娠中の苦しさや、出産での疲労でくたくたでした。「これでやっと数日入院して休める」と思っていた矢先、看護師さんから「少し休んだら帰ってね」と一言。これには驚愕しました。私は疲労困ぱいでしたし、長女と一緒に帰ったら絶対に休めないと思い、一泊だけでも入院したいと食い下がりましたが答えはNO。沐浴もまだで胎脂をべったりとつけたままの次女を連れ、出産から約8時間後に泣く泣く退院することになったのです。 空回る夫、疲れ果てた私。その結果……夫は張り切って家事・育児をしましたが、慣れない家事や2歳イヤイヤ期の娘のお世話は簡単ではなく、次第に夫の様子に異変が。表情には覇気がなく食事をしなくなり、靴を履かないだけで長女を怒鳴ったり、ぼーっとしたりしている時間も増えていき……。それを見た友人が冗談ぽく「育児ノイローゼじゃない?」と一言。それだ! と心の中で叫びました。私のほうも夫のフォローにまわり、家事も育児も頑張った結果、心身を病み育児ノイローゼのような状態に……。めまい、食欲不振、倦怠感、突然出る涙、娘たちがかわいく思えないという事態にまでなってしまったのです。 一家の危機に救世主現れる!そして出産から2カ月後、わが家へ義母が手伝いに来てくれました。家の空気は一変! 明るくて子どもの面倒もよく見てくれる義母。バランスの良い食事を作ってくれて、家事もテキパキとおこなってくれて助かりました。私は十分に休息でき、仕事に復帰した夫も次第に育児ノイローゼのような症状が治ってよかったです。約3週間滞在してくれた義母と一緒に、私も娘たちを連れて日本に帰国しました。久しぶりの母国、実家、すぐに助けてくれる人たちがいる環境に安堵し、心から娘たちをかわいいと思える余裕が生まれました。 この経験で学んだことは、・誰でも育児ノイローゼのような状態になる・自分の力量を知り、対策する・育児や家事に完璧を求めない・産後は無理してでも休む以上4つです。まさか夫婦で精神的に不安定な状態になるとは思いませんでした。経験者でも育児を甘く見てはいけないと身をもって感じたのでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:藤原 にじ二児の姉妹の母。兵庫県出身、オーストラリア在住。自身の経験と感性をもとに執筆活動中。趣味はイラスト、漫画を描くこと。旅行も大好き!妄想の中でも旅行に行く。
2020年02月03日5歳娘と2歳息子を育てるモチコです。自他共に(?)認める親バカですが、じつは育児が精神的にしんどくなった時期がありました。もし今育児にしんどい方がいたら、その方のヒントになればと思い、当時のことを振り返って書いてみようと思います。※今まさに育児がつらい渦中の方へ。読んでる最中に不安が増したりつらくなったりしたら、無理せず読むのはやめてくださいね。■生活環境の変化で、私に異変が…それは4年前、イチコが1歳7ヶ月で引っ越しをしたときのこと。実家の近くになったのですが、今までの生活と、あることがガラッと変わりました。それは…前に住んでいた地域は子育て世帯が多く、児童館や公園に行くと、自然とお話しする相手ができていました。数回会うと顔なじみに、気の合う人はママ友に。「今日ヒマだし児童館行こうかな?」というお出かけも、「今日うちに遊びに来ない?」という気軽なお誘いも可能で、ほぼ毎日、誰か大人と話していました。引っ越した後の地域には子育て世帯が少なく、公園でも児童館でもなかなか子連れのママに会いません。となると、ママ友ができず、大人としゃべらない生活、イヤイヤ期の娘と2人きりの生活に。その繰り返しの毎日が精神的につらく…。気がつけば…■もしかしたら私、育児ノイローゼかも…!?という状況に。毎晩イチコを寝かせては安堵する毎日。そして起きている時間はほぼ娘と2人きりなので、常に沈んでいるような、鬱々とした気持ちでした。今思えば、育児ノイローゼのようになっていたのかもしれません。■子ども好きなのに、「子育てがつらい」というショックもちろんイチコはかわいい存在で、面白い楽しいと思う瞬間もたくさんあるんです。そう思おうと、何度も自分に言い聞かせました。この気持ちもけっして嘘ではないんです。嘘ではないんですが、マイペースの子どもとずっと2人きりでいるのは、やっぱりしんどい。離れる時間がほしい。子どもの頃から子ども好きだった私にとっては、「子育てがつらい」と感じてしまうことは、とてもショックでした。次回は、「育児ノイローゼかも…」と悩むモチコさんがどんどんマイナス思考に落ちていきます。更新は、2月3日(月)を予定しています。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。症状がつらいときには、専門家への受診をおすすめします。>> 【医師監修】それって育児ノイローゼかも?! 症状と解消法とは \モチコさんの人気記事が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年01月27日私は5歳と2歳の娘たちを育てています。5年間子育てをしていますが、ここ数カ月ほどが一番育児がつらいと感じ、現在、うつ状態になってしまっています。どのような症状が出ているのか、症状を良くするために何をおこなっているのかをお話ししたいと思います。 つらくなった原因下の子が2歳になりイヤイヤ期に突入する前は、上の子のペースで物事を進められました。しかし下の子に自我が芽生えてきてからは、何をするにも姉妹で意見が衝突して、時間がかかるように。例えば、1人が階段で帰りたいと言えばもう1人はエレベーターが良いと言い、次はエレベーターのボタンをどちらが押すかでもめるなど⋯⋯その繰り返しなのです。 「なるべく2人の意思を尊重してあげないと」と思い、1回で済むことも順番にやらせたり、諭したり、なだめたりと頑張っていたのですが、争いが減ることはなく私の神経だけがすり減っていきました。 私の体の変化特につらかったのが幼稚園の夏休み期間中です。2カ月弱の間、姉妹が四六時中一緒にいることでいざこざは絶えず、私のストレスもマックス! 仲良く楽しく過ごしたいのに、怒ってばかり。そんな自分に嫌気がさし、母親としての自信も喪失。そして、夏休みが明けたころ体調に変化を感じるようになってしまいました。 とにかく体が重く、何もしたくないし、すぐ涙が出るのです。家族のためにも元気に普段通りにしなくては、と気持ちを奮い立たせても、何かがおかしく、子どもたちと一緒の空間にいることさえしんどかったです。 心療内科と育児相談へそんな状態が1カ月ほど続いたので私は心療内科に行く決心を……。初診では何がつらいのか、どのような症状かを10分ほど医師と話し、安定剤が2週間分処方されました。そして2回目の受診で、あまりよくなっていないことから抗不安剤が追加されることに。薬の力を借りるとともに、育児の悩みや不安も聞いてもらいたいと思い、地域の子育て相談にも行ってみました。相談にのってくださった子育て支援者さんは真摯に話を聞いてくださり、母として頑張りすぎないためのコツをいろいろと教えてくれました。普段人には言えないような深く、暗い話を支援者さんたちとすることで、私は自分の気持ちを整理することができ、ストレス発散ができました。 体調がおかしいなと感じてから2カ月ほど経ちました。まだ本調子ではありませんが、どん底のときに比べるとかなり良い状態です。もうしばらく医療と地域の子育て支援者さん、そして家族の力を借りて本来の自分を取り戻していきたいです。著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年01月15日「子どもをかわいく思えない」「いつもイライラしている」「何もやる気が起きない」などの自覚症状はありませんか? それは、もしかしたら育児ノイローゼかもしれません。子どもとの生活は幸せなはずなのに、つらい、苦しい、逃げ出したい…。お母さんを追い詰める育児ノイローゼの症状や原因、予防法などをくわしくご紹介しましょう。【監修】イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。■育児ノイローゼとは育児ノイローゼって?ノイローゼとは、心の病気の中で神経症をさします。不安といったストレスによって発症するといわれていますが、その定義は曖昧(あいまい)です。出産・子育て中のお母さんが情緒不安定になったり、うつ、睡眠障害などの症状があることを育児ノイローゼといいます。主に、子育てに対する不安や悩みなどが原因といわれています。子育て学協会が6歳以下の子ども(未就学児)を持つ親に行った調査によると、育児の不安を感じるのは1位「いろいろ心配事がある(58.6%)」、2位「育児ノイローゼに共感できる(48.9%)」、3位「子育てに自信がもてない(48.4%)」と、いずれも半数前後が精神的なトラブルをことがわかりました。また、厚生労働省の研究によると、1年間に出産する約100万人のうち、その4%、約4万人が精神疾患の診断もしくは疑いがあり、ヘルスケアが必要とされるという結果も出ています。お母さんの多くが、育児ノイローゼに苦しんでいることが、こういった研究結果でもわかります。産後うつとの違い 診断する医師にもよりますが、育児ノイローゼと産後うつには医学上、はっきりと明確な区別はないようです。産後1カ月くらいからお母さんの約10%が感じる、気分の落ち込み、疲労、不安、焦り、不眠といった症状を産後うつといいます。数カ月から長い場合は数年間続くといわれています。かつては、出産後のホルモンバランスの崩れが原因といわれていました。しかし、産後うつが出る時期にはすでにホルモンの急激な変化は収まっていることから、今では産後の慣れない育児や体の不調が原因ではないかといわれています。一方、育児ノイローゼは、育児の不安や悩みによるストレスから、産後うつと同様な症状が出ます。例えば「子どもが癇癪を起こしていうことを聞いてくれない」「せっかく作ったごはんを子どもが食べない」「夜泣きがひどくて寝られない」といった悩みがストレスとなって、心や体に不調をきたすのです。産後の体の不調、違和感や、子どもとの生活に慣れていないことが原因の産後うつは一過性で長引くことは少ないのに対し、育児の不安が原因の育児ノイローゼは長期化する傾向にあります。そのため、2〜3歳のイヤイヤ期にも育児ノイローゼは発症する可能性があります。誰でも育児ノイローゼになる可能性はある!産後うつは、これまでにうつを患ったことがある人の発症が多いのに対し、育児ノイローゼはそういった傾向はありません。誰でも、発症する可能性があります。■育児ノイローゼ5つの症状育児ノイローゼの主な症状として、次の5つが挙げられます。一つでも当てはまるようなら、育児ノイローゼの可能性があります。育児ノイローゼの症状1: 子どもがかわいく思えない「母親は子どもを愛して当然」という母性愛神話が根強く残るなか、我が子がかわいく思えないとは口に出して言えないでしょう。しかし、毎日の子育てに悩みや不安があり、つらく感じているなら「子ども=ストレスの対象」となっても仕方ありません。そして、子どもをかわいく思えない自分を「母親失格」と感じ、さらに自分を追い詰めるという悪循環が生まれてしまうのです。育児ノイローゼの症状2: イライラが止まらない例えば、子どもが水の入ったコップを倒した、夫が帰宅して「晩ごはんは?」と聞いてきたなど、以前なら気にならなかったちょっとしたことでも、「余計な家事を増やして!」「晩ごはんの支度を急かされているようで嫌だ」とイライラしてしまう…。出産前なら気にならなかった些細なことや言葉に敏感に反応してイライラした気持ちになることはありませんか?。育児ノイローゼの症状3: よく眠れない、寝付きが悪い3時間起きの授乳や夜泣きの時期は、お母さんはあまり長い時間寝ることができませんよね。さらに、寝つきが悪い、寝てもすぐ目が覚めてしまうなどの症状で、一層、心身ともに疲れてしまうでしょう。育児ノイローゼの症状4: 家事がうまくできなくなってきた子どもの生活サイクルに合わせていると、なかなかこれまで通りに家事をこなすこと自体、難しいですよね。育児で心身ともにヘトヘトになっている中、家事へのモチベーションを上げるのは難しいでしょう。育児ノイローゼの症状5: 何に対してもやる気が起きない頭がボーッとして何に対してもやる気が起きない、外出も億くうになって1日、子どもと2人きりで家にこもっている、これまで好きだったことに興味がわかなくなるなど、気持ちの変化はありませんか?何に対しても無気力な生活を送ってしまうのも一つの症状です。■育児ノイローゼの原因育児ノイローゼの原因は、主に「育児に対する不安」が原因0歳代の育児ノイローゼの原因0歳でも、生まれて数カ月と、1歳間近では育児の悩みは大きく違うでしょう。生まれて数カ月は、赤ちゃんは寝ているか泣いているかなので意思の疎通ができず、おっぱい・ミルクも3時間おき。昼夜の区別もないことから、お母さんは24時間、赤ちゃんにつきっきりでしょう。それまでの生活とは180度変わり、どうして泣いているかもわからず、お母さんは戸惑いと不安でストレスを感じるでしょう。一方、0歳後半となると、ある程度表情や言葉で意思の疎通ができるようになり、夜も長く寝てくれるようになってきます。しかし、おすわり、ハイハイ、立っち、歩き始めと動き回れるようになって、危ないことも。さらに、赤ちゃんはお母さんとほかの人と区別できるようになり、後追いを始めます。生まれてすぐとは別の意味で目が離せなくなり、お母さんは一人の時間を持つのは難しいでしょう。1〜2歳代の育児ノイローゼの原因早い子どもなら、1歳後半から「イヤイヤ期」が始まります。なんでも自分でやりたがって、でもうまくできなくて、癇癪(かんしゃく)を起こし泣いて怒って暴れるの繰り返し…。言葉もある程度交わせるようになったとはいっても、通じるかどうか、子どもが理解できるかどうかはまた別の話。そのフラストレーションも合わさって、お母さんが一番、育児をつらく感じる時期かもしれません。3、4歳以降の育児ノイローゼの原因3歳、4歳となると、ほとんどの子どもが幼稚園、保育園に通うようになり、同年代の子どもと集団生活を送ります。子どもの世界が広がると同時に、子ども同士のトラブルも増えます。また、お母さんはほかの子どもと我が子を比較する機会も多くなり、言葉や行動の遅れなどがあると心配になりますよね。また、ほかのお母さんと自分を比べて「どうして私はうまくできないんだろう」「母親として失格かもしれない」と落ち込むこともあるかもしれません。「同じ年代の子どもを持つお母さん」としての世界が広がり、ママ友や相談する相手が増えるメリットがある反面、別のストレスや悩みが増える時期かもしれません。全年齢に共通する育児ノイローゼの原因子どもの年齢に関係なく、共通する育児ノイローゼの原因に、次の3つが挙げられるでしょう。▼ワンオペ育児核家族化で、さらに夫が仕事で忙しく帰りも遅いとなると、育児の負担はお母さんの肩にかかってしまいます。子育て学協会の調査によると、3人に1人が「父親母親どちらか一方に子育ての負担が偏っている」と答えているそうです。特に、仕事復帰前や専業主婦の場合、子どもと24時間一緒で息抜きもできず、いつも緊張した状態が続き、負担が大きいでしょう。▼身近に頼れる人がいない実家や義実家が遠方だと、身近に頼れる人がいないため、一層子育てのプレッシャーを感じることが多いでしょう。保育園や幼稚園に通うようになれば、子どもを通してママ友や園の先生など、相談できる人が増えますが、それ以前は、公園や児童館などで積極的にママ友作りをしない限り難しいといえます。子育ての悩みや不安を気軽に話せる相手がいないことがストレスとなるでしょう。▼完璧主義で手抜きが苦手育児ノイローゼになりやすい性格というのもあるようです。生真面目で完璧主義なタイプは、想定外のことばかりで自分の思い通りにならない子育ては精神的に追い詰められる傾向にあります。そういった人は頑張り屋でもあるため家事や育児に「ま、いいか」と手抜きができず、自覚がないまま育児ノイローゼになっているケースも少なくありません。■育児ノイローゼの予防・解消法育児ノイローゼには原因があります。それを一つ一つ解消していくことが、予防や解消につながるでしょう。育児ノイローゼの予防・解消法1: 誰かと話す育児ノイローゼの原因として、身近に「話し相手がいない」というのが大きいでしょう。まずは誰かと話すことから初めてみます。例えば、お店で店員さんと話す、宅配便の人にお礼を言うなど、一言、二言のあいさつくらいの言葉を交わすだけでも効果があります。また、自治体の子育て支援センターなどが開催している、親子で参加できるイベントに出かけてみるのもいいでしょう。育児ノイローゼの予防・解消法2: ワンオペ育児を解消する24時間365日、子育ての不安と責任がお母さんだけにのしかかる状況をまずは変えましょう。例えば、休みの日は夫に子どもを見て欲しいと相談しましょう。それが難しいようなら、一時保育を利用する、ベビーシッターを頼むなど、育児の分担を。育児ノイローゼの予防・解消法3: 一人の時間を作る子育て中、それも子どもが小さければ小さいほど、「自分一人の時間が欲しい」というのは自分勝手なわがままだと感じ、自分を責めてしまうお母さんは少なくありません。でも、育児ノイローゼの症状の一つ「我が子がかわいく思えない」というのは、ずっとべったり一緒にいるからではないでしょうか。時には夫に子どもを任せ、一人で出かけてみてはいかがでしょう。それが難しいようなら、あらかじめ子どもの安全を確認したうえで、しばらく隣の部屋に移動する、トイレにこもるなどで短時間でも一人になれる時間を作るようにしましょう。育児ノイローゼの予防・解消法4: 人に頼るクセをつける「子育ては母親の担当」という周囲の無言のプレッシャーから、なかなか「手伝って」「お願い」というのは言いにくいですよね。特に、育児ノイローゼになりやすい傾向のある「完璧主義タイプ」「頑張り屋タイプ」はなおさらでしょう。でも、心身ともに不調をきたすまでお母さん一人で抱え込む必要はありません。「子どもはみんなで育てるもの」と気持ちを切り替え、実家の両親やきょうだい、夫、ママ友などに相談して、頼れるところは頼りましょう。育児ノイローゼの予防・解消法5: 手を抜くことを覚える育児に完璧、100点を求めないことが肝心です。子どもとずっと一緒にいると一心同体のような感覚になりますが、どんなに小さくても別の人間で別人格を持っています。あなたがどれだけ完璧な子育て目指して用意周到しても、子どもは思う通りの反応や行動はしてくれませんよね。それならば、お母さんも気楽に「ほどほど」を目指せばいいのではないでしょうか。育児も家事も手を抜けるところは抜いて、お母さん自身が楽になれる着地点を見つけましょう。育児ノイローゼの予防・解消法6: 公的機関で相談する例えば、自治体の子育て支援センターでは、主に乳幼児の子どもを持つ家庭を対象に、公共施設や児童館などで地域に根ざした子育て支援サービスを行っています。自治体ごとに内容は異なりますが、育児講座や親子で参加するイベントの開催、遊び場スペースの提供、子育て相談、保育サービスの案内などを行っています。また、気軽に利用できるように、電話やインターネットで子育てに関する相談を受け付けている自治体もあります。まずは、お住まいの市区町村のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。育児ノイローゼの予防・解消法7:専門家に相談する産婦人科の多くが、産後フォローの一環として、子育て相談にものっています。産後や子どもの健診などで受診した際、相談してみてはいかがでしょうか。また、子育てがままならないほど気持ちが疲弊してしまっているようなら、心理カウンセリングの利用や、心療内科・精神科の受診をおすすめします。その際は、夫にも付き添ってもらいましょう。子育ての大変さや、お母さんが今どういった状態かを第三者である専門家から説明されることで、夫も状況が理解でき、その後の育児参加が期待できるからです。■まとめ育児ノイローゼと一言で言っても、お母さんの状態や置かれた状況、子どもの年齢、周囲の環境などで、その程度も症状もさまざま。ただ一貫して共通しているのは「育児に対する不安」がその原因であることです。「もしかして私、育児ノイローゼかも…」と感じたら、まずは、その原因を取り除くことから始めてみましょう。参考資料:・日本産科婦人科学会 「HUMAN+」 ・日本生活習慣病予防協会 「メンタルヘルスケアが必要な妊産婦は4万人 育児不安や虐待の原因に」 ・労働政策研究・研修機構 「育児と仕事の両立に関する調査」報告書(2003年9月) ・子育て学協会 「幼児期の子育てに関する悩み調査」(2014年)
2019年11月27日今日は、育児がつらくて、育児放棄してしまいたくなったときに考えたいことについてお話しします。 慣れない育児の中、・産後うつのせいなのか不安でたまらない・自分の時間を子どもに奪われている気がしてしまう・子どもがちっとも寝てくれず泣いてばかりでイライラする・毎日の育児がうまくいかず気が滅入る・鬱々として虐待してしまいそうな自分がいるなど、このような状況が続き、子どもをかわいいと思えず、さらには、子どもを愛せない自分に嫌気がさして自己嫌悪になってしまうママは多いものです。 でも、自分を責める前にちょっと考えてほしいことがあります。 子どもを愛することができる人ばかりではないちょっと前に友人が「うなぎっておいしい?」と聞いてきたことがあります。わたし自身はうなぎが大好きですので「おいしいと思うよ」と答えました。「おいしくて有名だというお店に食べに行ったが、それでもおいしいと思えなかった」と友人はどうにも納得がいかないようでした。 友人は、“うなぎはおいしいと思うべきで、おいしいと思えない状況はおかしいのではないか”と思っている様子です。この話を聞くと、うなぎをおいしいと思わない人がいてもなんら不思議ではないと思う方がほとんどではないでしょうか。でも、これが「自分の子どもを愛せない」となるとちょっと状況が変わる感じがしてしまいますよね。まるで、人としての失格の烙印を押されてしまうように感じてしまう方もいるかもしれません。でも、産んですぐに子どもを愛せないことは、悪いことでも間違っていることでもありません。それはあなたのひとつの考え方であり、感性であり、人からあなた自身を否定されるものではないのです。 ましてや、出産後でホルモンバランスが崩れ、自分の体に変調がある中、大変な育児をしているのです。疲れがたまっていて、他のものに力や愛をそそげなくてもなんら不思議ではありません。まず、「子どもを愛せない」ということで自分自身を責めるのはやめましょう。そのように責めてしまうことも、自分を疲れさせてしまう一因になってしまいます。 “育児がうまくいっていない”という状況はない子どもを愛せないと思ってしまっているとき、心身ともに疲れきってしまっていることが多くあります。前述したように、ホルモンバランスの崩れや日々の育児で疲れやすい状況にあるママであればなおさらです。真面目で一生懸命なママほどストレスがたまりがち。そして自分を責めてしまいがちです。「一生懸命やっているのになんで!?」「どうしてわたしはうまくいかないの!」と思ったときは、ちょっと立ち止まって、思い出してほしいことがあります。“育児に正解はない“ということです。育児がうまくいっていないという状況はこの世の中には存在しないのです。世界に一人だけの赤ちゃんがいて、世界に一人だけのママ。その組み合わせの子育ては世界でたった一つです。正解はこれから赤ちゃんとママで作っていくものです。こうしなければならない、ああしなければならない、という考え方から自分を解放してあげてください。 ちょっとだけ自分の時間をつくろうとはいえ、まだ自力で生きていけない赤ちゃんを放っておくわけにはいきません。イライラして虐待や育児放棄をしてしまいたくなったら、各地域にある子育て支援センターや祖父母などの頼れる人にお願いして、一人の時間をつくってリフレッシュしてみましょう。育児放棄をしたくなるくらいがんばっているママほど、子育て支援センターなどに頼るのに罪悪感を持ってしまいがちですが、つらいときこそ、餅は餅屋です。リフレッシュして心身の疲れがちょっと取れたら、赤ちゃんに優しく接する余裕も出てくるはずです。 24時間拘束され、大きくなればさらに異なった難問にぶつかる、それが育児です。どんなに偉大に見えるママも、それぞれが手探り状態でおこなっているのです。自分を責めずに休憩をうまくとりながら、肩の力を脱いて赤ちゃんに向き合ってください。 著者:ライター カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2019年10月04日2018年2月生まれの男の子を育児中のみーすけです。 そまちゃんが生後6カ月過ぎてから胃腸炎に2回かかり、2回ともバッチリ移りました。体調不良から復活……! かと思ったら……。 育児疲れが限界に達してしまったのか……。生後10カ月の子ひとりしかお世話してないのに、やっぱ育児向いてないんだ……。 なんて思ってたら、熱!!! それでか〜www 胃腸炎治ったと思ったらまた風邪、2日寝れば治るだろうと思っていたら、肺炎でした……。 みなさんもお気をつけて。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター 絵日記ブロガー みーすけ2018年生まれの男の子を育児中の絵日記ブロガー。日常をマンガにしてブログを更新中! ネットで子育て情報を検索するのが趣味。最近の悩みは赤ちゃんのおもちゃを買いすぎてしまうこと。
2019年09月15日育児は楽しいことばかりではなく、子どもに対して怒ってしまうことやつらいこともたくさんあります。毎日が充実していると感じる反面、子どもに接することすら苦痛を感じてしまう瞬間も。初めての子育てのなかで、私が子どもに申し訳ないと思っている体験談をご紹介します。 夜寝なくてストレスMAX!初めての出産は里帰り出産だったため、退院後は親が身の回りのことをやってくれて、私は赤ちゃんのことに集中できる環境でした。それにもかかわらず、赤ちゃんが夜眠れずに泣いてしまう日々が続き、徐々に私自身が疲弊していきました。 3日に1回は夜中ずっと起きている状態で、私もヘトヘト。心身ともに限界でした。眠れずに泣きわめく赤ちゃんに、「いい加減に寝てよ!」と怒鳴ってしまったことがありました。 後追いがひどくてイライラ!子どもが生後10カ月のときに、私は仕事復帰をしました。朝は洗濯やお弁当の用意、保育園の準備と慌ただしくて、子どもに構っている余裕がありません。そんななか、後追いがひどくなり、少し離れるだけでも大泣きするように! 「なぜ、忙しいときに限って甘えてくるんだろう……」とイライラしてしまい、子どもが泣き叫んでいても、それを無視して家事を続けてしまうこともありました。 目を離したすきに口から流血!子どもがハイハイからつかまり立ちができるようになり、いろいろな物に興味を持ち始めていた生後11カ月ころ。テーブルの上には、私たち夫婦の本や書類を常に出しっぱなしにしており、子どもが触っても大丈夫だろうと思っていました。 そんなある日、目を離したすきに子どもが口から流血。テーブルの上にうっかり鉛筆も出していて、口の中を切ってしまいました。幸い大ケガにはならずに済みましたが、親の気の緩みが子どものケガに繋がってしまいました。 怒鳴ったり、無視したり、ケガをさせたり……。ダメな母親だなあと、自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。「あのときはごめんね」と子どもに謝りたい気持ちでいっぱいです。 今もまだ、イライラした態度を出してしまうこともありますが、時間があるときには子どもと遊ぶ、子どもの安全を確保することに努めています。これから子どもとの時間を楽しめるように、気持ちの切り替えが大切だと実感しています。著者:山野楓男児の母。2018年4月に仕事復帰したばかりで育児との両立に悪戦苦闘中。不妊治療や妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年09月11日ウーマンエキサイトの読者のみなさんこんにちは。5歳、3歳、1歳の三兄弟のオカンあざみです。時はさかのぼり、長男だいごろうを産んで数か月。初めての慣れない育児に、ノイローゼになりかけだったある日。長男の乳幼児健康診査で保健師さんからある言葉をかけてもらいました。その言葉は当時の私を救ってくれた、いまでも忘れることができない一言です。■自分の育児が間違っているのでは? と悩んでいたうちの長男だいごろう。産まれたときから夜は寝ないし、日中は泣いてばかりでどこへ行くにもずっと抱っこ。初めての育児で右も左もわからない私は、自分の育児が間違っているのでは? と悩んでいた。そんな日が続くなか、だいごろうの乳幼児健康診査の日がきたので、保健師さんに相談してみた。いつになったら寝るのか。抱っこしていないと泣いてばかり。育児の悩みをすべて打ち明けると、保健師さんは優しい声でこう答えてくれた。 ■保健師さんから言われた忘れられない言葉その一言を聞いて、私の肩に乗っていたものがスッと軽くなったような気がした。だいごろうは、全然寝ない子だし、抱っこしていないと泣いてばかりだったけど、表情が豊かでよく笑う子でもあった。もちろん、よく笑うのは赤ちゃんのもともとの性格が大きく関係していると思う。だけど、保健師さんのこの言葉のおかげで、いままでの自分を認めてもらえたような気がした。初めての育児で自信もなく、不安ばかり。まるで真っ暗なトンネルを進んでいる気持ちだった。そんなとき、誰かが自分のことを認めてくれる。それだけで、当時の私の心は救われた。いまでも、子どもの笑顔をみると、あの保健師さんの言葉を思い出すオカンなのでした。
2019年08月26日生後間もない赤ちゃんが泣き続けて、困ったことのあるママやパパも多いのではないでしょうか。赤ちゃんが泣いているときは、何らかの理由があるため、その理由に合わせた対処を心がけるようにしましょう。今回は、赤ちゃんが泣き止まないときに考えられる原因や、泣き止んでもらうためのコツについてお話ししていきたいと思います。 ママやパパの大きな悩み! 赤ちゃんが泣き止まないのはどうして?赤ちゃんがなかなか泣き止まないときは、何らかのサインを発している可能性があります。言葉を知らない赤ちゃんは、感情を伝える方法が「泣く」以外にありません。そこで、ママやパパは赤ちゃんに変わったことが起きていないか、確認してみると良いでしょう。泣く理由の多くはおなかが空いたとき。これは、授乳をすることで泣き止みます。このほか、おむつが濡れているケースもよくありますが、これもおむつを替えることで解決します。 おっぱいをあげたばかりで、おむつもきれいなはずなのに泣き続けるときは、赤ちゃんは「不快感」を覚えていることがあります。眠りたいのに眠れない、体感温度が熱すぎるか寒すぎる、ベッドの寝心地が悪いなどの理由を探ってみましょう。ちょっとした音や照明を嫌がっていることもありえます。大人にとっては何も感じない環境でも、繊細な赤ちゃんにとっては気になる要素になってしまうことがあるのです。 また、生後5カ月ほどまでの赤ちゃんは特に理由がなくても泣き続ける傾向があります。ママやパパは、赤ちゃんとは泣くのが当たり前だと受け入れ、やさしく接するように心がけましょう。 ただし、「赤ちゃんは泣くのが普通なので、泣き止まなくても放っておけばいい」という考え方は危険です。ときとして、赤ちゃんは便秘などの体調不良や発熱を伝えたくて泣いている恐れがあるからです。泣き止まない状態が続くようなら、体温を測ってみるなどして体調が悪くないかどうかを確かめ、必要があれば病院に連れて行きましょう。便秘ぎみだったり、おなかが張っている様子があれば、綿棒浣腸をしてうんちやガスを出してあげると良いでしょう。 赤ちゃんが泣き止まないときの対処法について赤ちゃんが泣き止まないとき、真っ先に考えたいのは「おなかがすいている可能性」です。このとき、「十分に母乳をあげたはずなのに」という先入観は捨てましょう。赤ちゃんはその日の体調によって、満足する量が変わります。いつもの量では足りずに、泣いていることも多いのです。臨機応変に母乳をあげましょう。ただし、市販のミルクや離乳食は1日あたりのカロリーや栄養量が計算されています。多めにあげる場合は、ミルクよりも母乳にするのが適切です。 気をつけたいのは、「泣いたら、とにかく母乳」と安易な対処を繰り返してしまうことです。赤ちゃんはおっぱいをくわえたら、おなかがいっぱいでも飲んでしまう習性があります。そうすると、本当の泣き止まない原因が解決されないままになってしまうことがあります。赤ちゃんのおなかがふくらんでいるときは、おっぱい以外の原因がある可能性が高いです。たとえば、「おむつが汚れている」のもよくあるケースなので、すぐに取り替えてあげるようにしましょう。 そのほか、「乱れた洋服を直してあげる」ことや、寒暖に対する訴えの場合は「重ね着させたり、逆に枚数を減らしたりしてみる」など、衣服の調整も泣き止まない赤ちゃんへの効果的な対処法となります。遮光したり、テレビなどの音量を下げたりして、赤ちゃんが過ごしやすい環境を整えるのも効果的です。寝苦しくて赤ちゃんが苦しんできるときは、寝返りを手伝ってあげたりすると泣き止むこともあります。 しかし、何をしても泣き止まないときはあり、泣きのピークは生後1~2カ月ごろからおきて、生後5カ月ごろにおさまってきます。そのことを知っておくだけでも気持ちが楽になるかもしれません。 揺さぶりすぎに要注意! ママの心構えとイライラ解消法泣き止まない赤ちゃんに接するとき、泣き止まないことで、赤ちゃんを激しく揺らしてしまうことのないように気をつけましょう。激しく揺さぶられることによっておこる「乳幼児揺さぶられ症候群」となる危険性があります。この症候群は、網膜出血や硬膜下出血、意識障害が起こる可能性があります。赤ちゃんにさまざまな悪影響があるだけでなく、最悪の場合には死に至る恐れすらあるのです。赤ちゃんが頻繁に嘔吐したり、長時間眠って目覚めなかったり、異変が目立つような場合は、病院ですみやかに検査してもらいましょう。 乳幼児揺さぶられ症候群は、生後半年までの赤ちゃんがかかりやすいのですが、2歳までは発症のリスクが消えません。乳幼児揺さぶられ症候群を防止するためには、赤ちゃんをゆっくりとやさしく抱っこする必要があります。 とはいえ、泣き止まない赤ちゃんにストレスを感じてしまうと、思わず激しく揺さぶってしまうママやパパもいます。特に、赤ちゃんに長時間接することが多いママは、いわゆる「育児ノイローゼ」にかかることも珍しくありません。赤ちゃんの健康には、ママのメンタルケアも大きく関わってきます。 ママのストレスを軽減するためには、周囲の協力が大切です。パパや家族にサポートをしてもらい、心身ともに疲労がたまったときは休息をとりましょう。また、パパに家事を代わってもらったり、夜泣きのときに対応してもらったりするのもストレス解消のコツです。「自分だけが苦しんでいる」という状況を改善すれば、イライラも収まっていくでしょう。 まとめ赤ちゃんが泣き止まないときは、パパやママにとってストレスになりますよね。ストレスが蓄積されると、育児ノイローゼにもなりかねません。しかし、赤ちゃんが泣く理由を知っていると冷静に対処することができることもあるかもしれません。そもそも、「赤ちゃんが泣くのは健康の証」だと考え、マイナスな感情を抱かないようにできると良いですね。どうしてもストレスや疲労が解消されないときは周囲の協力を求めるなどして、思い悩まないようにしましょう。 ※参考:厚生労働省「赤ちゃんが泣き止まない~泣きへの対処と理解のために~」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医
2019年05月17日息子は生まれたときから、よく泣く赤ちゃんでした。母乳やミルクを飲ませても、1時間続けて眠ることができればいいほう。おかげで睡眠不足の日々が続き、私は心も体もボロボロでした。まとまって眠らない息子の育児についてお伝えします。 よく寝る子とあまり寝ない子の違いスヤスヤ眠るというイメージだった赤ちゃん。でも、現実は違いました。出産直後からとにかく泣く。入院中も息子の泣き声が響き渡っていました。やっと眠ったと思っても、30分後には「ふんぎゃー!」。母乳やミルクは飲ませているのにどうして? と、出産を終えたばかりの体は休まることがありませんでした。 生後6カ月を過ぎても、1時間続けて寝たらいいほう。育児相談や小児科で何度も相談しましたが、個性としか言えないとのことでした。 疲労は限界に達し、産後うつに私は約1年半、睡眠不足と闘いました。目の下にはクマ、肌荒れ、口角炎……。鏡に映る自分の顔を見るたびに「一気に老けたな」と気が沈んだものです。胃腸も弱り、下痢が続く日々。まとまって眠れないというのは、本当につらいことでした。 そして、慣れない育児で精神的、体力的にも限界に達し、産後うつを発症してしまいました。そんな状況を見兼ね、夫や義母が夜間の授乳を手伝ってくれました。改めて周囲の協力が必要だと感じた瞬間です。 断乳で睡眠不足から解放された1歳を過ぎても同じ状況が続き、どんな対策を試しても、改善することはありませんでした。息子が1歳半になったころ、仕事復帰の関係で断乳を決行しました。 約1週間は泣きわめき、何度か心が折れそうになりましたが、ぐっと我慢。すると、いつの間にか2~3時間、まとまって眠ってくれるようになりました。息子にとってはかなりの成長です。結局、朝までぐっすり眠ってくれるようになったのは、3歳に入ってから。長い闘いでした。 2人目の娘は授乳時間になっても起きないくらい、息子と違ってよく寝る子でした。息子の育児が大変だった分、すごくラクな育児をさせてもらいました。よく寝る子、寝ない子の違いは、やっぱり個性だったのかもしれません。著者:田中由惟一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月08日待ちに待っていた、わが子の誕生。会えるのを楽しみにしていたから子育ての準備も万端! …だったはずなのに、なぜか毎日泣きたくなる。つらくてつらくて仕方がない…。そんな自分に情けなくなって、さらに落ち込む…。赤ちゃんの誕生は誰だってうれしいものですよね。できることはやってあげたいし、惜しみない愛情を注いであげたいと思うのに、気持ちが追い付いていかない…。今回は、生まれたばかりの子どもを前に、ママが落ち込んだり悲しくなったりしてしまうのはどうしてなのか? 解消法も合わせてお話ししていきましょう。■無事に出産! うれしいはずなのに、毎日つらい…なぜ?待望のわが子誕生に明るく楽しい子育てライフが待っているかと思いきや、現実はとまどうことばかり。いろいろ試してみるけれど、一向に泣き止まないわが子を前にして涙がこぼれてくる。泣き声を聞くのがつらくて、耳をふさいでしまう。赤ちゃんと過ごす1日に無性に息苦しさを感じてしまう…。初めてのお子さんであればなおさら「わが子はきちんと発育している?」「何か問題はない?」など、不安になってしまうものです。例えば、子どもが少し吐いただけでも「大きな病気なのかもしれない」と心配になり、あわてて病院に駆け込む… といったことを、何度も繰り返してしまうママも少なくないでしょう。どうしたらいいか分からず、毎日不安を抱えた状態になってしまうのは「人の命を預かっている」といった重責感からかもしれません。自分以外の命を背負う初めての子育ては、想像以上のプレッシャーをママに与えているのではないでしょうか。■理由のわからない「気分の落ち込み」原因は…プレッシャーづくしな日々にさらされるのと同時に、ママの気分が落ち込みやすくなる原因の一つに、脳内の神経伝達物質「セロトニン」などの減少が関係しているといわれています。セロトニンは、太陽を浴びることで体のなかに分泌される物質。そのメカニズムはまだ解明されていない部分も多いのですが、「やるぞ!」という意欲や人の感情に関する情報の伝達に関係していたり、睡眠や覚醒、ホルモン分泌のリズムを調整するなどの役割があるといわれています。そのため、日照時間が短くなっていく秋から冬にかけては、脳内のセロトニンなどが減少し、今まで楽しめていたことが楽しめなくなったり、気分が落ち込むといった人が増えるとか。それを予防するため、朝早く起き、積極的に外で太陽の光を浴びると良いといわれています。ただ、子育て中のママは赤ちゃんの生活リズムに合わせているため、毎日朝早く外に出て、太陽の光をあびるというのもなかなか難しいですね。冬の寒い季節はなおさらです。さらに、赤ちゃんはまだママと会話ができず、大人同士のようなコミュニケーションをとるのは難しいでしょう。意思疎通のとれる相手と話す機会が少ない日々が続くと、ママはどんどん閉塞感がつのっていきます。そうした環境が重なり、「つらくて悲しい」「何をしていても落ち込む」といった感情を引き起こしているのかもしれません。■いざという時、頼りにならない「夫と実母」では、子育てで気分が落ち込んでしまう時には、どうしたら良いのでしょうか。日々の閉塞感、子育てのプレッシャーをやわらげるには、まずは意思疎通のできる相手をもみつけ会話をしましょう。まずは「大人と話す機会」を意識的につくるといった行動が大きな意味を持ちます。身近にいる大人、と聞いてすぐに思い浮かぶのは「夫」ではないでしょうか。気兼ねなく話せる存在ではありますが、夫の場合、仕事が忙しく頼りにならないこともあるでしょう。そうなると実母などが身近な存在ですが、相手によっては「そんなこと当たり前なんだからもっと我慢しなさい」「みんなやっていることなんだからワガママいわないの」と一蹴されて、会話にならないことも…。子育ての話題を出しても「気持ちを理解してもらえない」と一層さみしい気持ちになってしまい、かえって悪影響となることもあります。■落ち込んだら「近すぎない大人との二言、三言」大人同士の会話を楽しむには、かえって近すぎない相手のほうが良い場合があります。例えば、普段の暮らしのなかで、大人と会話をするのはどういったシチュエーションでしょうか。・宅急便の配達業者さんに「寒いのにご苦労様です、いつもありがとうございます」と感謝を伝える。・公園へ散歩に行ったついでに、子どもを遊ばせているママに「この公園、小さい子がたくさんいますよね」と話しかける。・週に何度か訪れるスーパーの店員さんに「すみません、○○が欲しいんですがありますか?」と聞いてみる。スーパーの店員さんに声をかけるのは会話とはいえないかもしれませんが、これも立派に「大人と言葉を交わす」行為に入ります。赤ちゃんを連れていると「かわいいわね」と声をかけられることはありませんか? そんな時は「6カ月になりました」などと会話をふくらませてみても良いと思います。世間話、天気の話、地域の話など、あたりさわりのない会話をするだけで十分です。赤ちゃんといると「相手が何を思っているのか分からない不安」が生じるもの。そんな時、二言、三言でも意思疎通のできる大人と話をすることで、育児への不安がスッと消えることがあります。ぜひ試してみてください。いつもより少し積極的になって大人との会話を楽しんでみれば、赤ちゃんと2人きりの世界に閉じ込められているような閉塞感はだんだんと消えていくのではないでしょうか。参考資料:・ 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」 ・ 厚生労働省「こころの耳」 ・ 全国地域生活支援機構 ・ 日本生活習慣病予防協会
2019年01月10日前回 に引き続き、産後ヘルパーを利用した時のことをレポしたいと思います!!まず結論から。わたしは、産後ヘルパーを使って本当に良かったです(声を大にして!!)!!!■産後ヘルパー利用のメリット1. 身体的、精神的な安定まず最初に、家事を肩代わりしてもらえることによる、身体的、精神的な安定。産後って、無茶したら動けちゃうんですよ。無茶したら…。わたしの周りにも、産後すぐから動き回った~って話結構聞くんです。だけども、そのほとんどの場合、後から体を壊したり不調が長引いたり…。やはりそれだけ体はダメージを受けているし、産後の過ごし方はとても大事ってことですよね。家事の負担から解放され、気持ちが軽くなる分、家族にも優しくなれるので一石二鳥でした。■産後ヘルパー利用のメリット2. 孤独な育児の話し相手その次に、孤独な育児の話し相手ができること!!物言わぬ新生児を相手に1日を過ごすのは、思いのほか追い詰められるものです。2人目以降ならまだしも、1人目育児だとなおさら、大人と話す機会がありません。朝、夫に「いってらっしゃい」を言った後、次は夫が帰宅するまで話し相手がいないなんてことはざらですが…。ヘルパーさんがいれば、世間話の相手にもなってくれるし子育ての悩みなども気軽に相談できてしまいます(うちの地域ではヘルパーとして働いているのは、子育て経験のある女性が多かったです)。1人だとどんどん気持ちがふさいで、育児ノイローゼや産後うつも心配ですが、精神的な安定のためにも、ヘルパーさんはとても心強い存在でした。■産後ヘルパー利用のメリット3. 自分以外の人が作った料理が食べられるそれから、ここがわたし的に一番大きかったのですが…。「普段食べられない、よその家庭の手作り料理が食べられる!!」ということです!!主婦(主夫)のみなさんならきっとわかってくださると思いますが…普段自分が作った料理を食べるじゃないですか。自分が作った味だから、おいしいんだけど、驚きもなければ新鮮味もない。食べる前から味が完全にわかってしまう…!!たまに無性に「誰かが作ってくれた料理が食べたいー!!」ってなりませんか?そんなとき…わたしのところに派遣されたヘルパーさんは、冷蔵庫の中身を見てぱぱっとおいしいものを作ってくれるので、毎回ごはんが楽しみでした♪身体的精神的な助けにもなるし、日常のちょっとした楽しみにもなりました。■気になる料金は?さて、実際に産後ヘルパーを利用してかかったお金は…。これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思いますが、わたしはとても安いと思いました。もうずっと来て欲しいと思ったくらいです(笑)残念ながら産後2ヶ月までだったのでそんなに長期間利用することは出来なかったのですが、もし万が一(99パーセントもうないですが・笑)次があるなら、絶対また利用したいと思いました。これから出産される方たちの産後の過ごし方の参考になれば幸いです♪※産後ヘルパーのサービス内容、利用料金などは各自治体によって異なります。詳しくはお住まいの自治体の窓口までお問い合わせください。
2018年10月23日こんにちは、まりげです。埼玉から京都に引っ越してきて、約半年間ダンナの家族と同居していました。一年前のわたしを今になって振り返ると…夜中に悪夢や不安で目覚めることも。同居と慣れない環境のストレスでノイローゼのようになっていました。最終的には、あいさつをかわすのに顔も見られないくらい関係がこじれてしまいました。そんな状況を変えるために古民家をリノベーションし、一年ほど前に同居を解消しました。引っ越し先でインターネットが使えるようになるまでの間、Wi-Fiを利用させてもらうために義実家に近づくも駐車場に隠れてコソコソ…。同居していたときの記憶を思い出すと、どうしても義実家の玄関をまたぐことができずにいました。しかしそれからさらに半年がたち…遠からず近からずの距離に引っ越したので、ときどき差し入れをもらったり、だれかの誕生日にはお義母さんが注文してくれたケーキをみんなで食べたりするようになりました。同居していたときは子どもたちの夜泣きや足音が気になり寝不足で余裕がなくなっていたお義母さんも、いまでは長男を連れて出かけてくれたりするようになりました。時間と距離を置くことで、お互いいろいろと目につきすぎない関係でいられるようになりました。わたしは同居に失敗して壊れかけた人間なのでえらそうなことは言えませんが、ひとつだけ言えることは“人間関係に疲れたときは、自分の心とからだを健康な状態に戻すことが最優先”つらい状況と向き合うことはいったん置いておいて、野菜作りでもしながら太陽の光を浴びることをおすすめします。
2018年07月13日前回、産後うつの症状について記事にしましたが、今回は、産後うつの時に救いになったことについてです。うつの時は本当にたくさんの人に助けてもらいました…!!では、どうぞ~。支援センターには保健師さんが常駐していて、時々面談の時間を取ってくれていました。そんなある時、保健師さんがかけてくれた言葉が…。わたしは、母親になったからには、いい母親になりたかったし、たくさん手をかけてあげたかったし「どれだけたくさん手をかけてあげたかが、愛情のバロメーター」だと思っていました。だけど、うつになってしまい、思うように手をかけてあげられなくなってしまって、そんな自分が情けなくて仕方なかったのですが、だからこそ、周囲の人たちの助けや優しさに気づけたように思います。もし、うつになっていなかったら、周囲の人たちに頼ることも、許せなかったかもしれません。理想的な育児を追い求めて、自分も子どもも追い詰めていたかもしれません。「育児は一人ではできない」と良く言いますが、本当にそのとおりだと思います。ワンオペ育児という言葉がすっかり市民権を得ましたが、たった一人で奮闘して、追い詰められているお母さんがたくさんいます。しんどいお母さんが少しでも減る世の中になるといいなぁ…と願っています。
2018年02月13日ブログなどでは書いているのですが、わたしは第一子出産後に育児ノイローゼからの産後うつを経験しました。産後うつは、うつの症状もつらいのですが、そこに待ったなしの育児がのしかかってきます。その時のことを漫画にしてみました。では、どうぞ~。うつ病の人が「やる気が出ない」とか「体が動かない」とかいうのは、正直気力の問題だと思っていたし、やる気があればなんだってできるはずでしょ!? と思っていましたが…自分がなってみてわかりました。ほんとうに、体が動かない…!!!体全体が鉛のように重いし、頭もうまく回らない。買い物に行っても何を買っていいかわからず立ち尽くしてしまうし、簡単な料理の手順もわからなくなってしまいました。こんな状況で理想的な育児なんてできるはずもなく、毎日なんとか最低限の衣食住を満たすのに精いっぱい。ちゃんとした母親になりたかったのに、ろくに母親らしいことをしてやれない。そんな理想とはかけ離れた現実が苦しくて、当時は毎日自分のことを責めていました。ですが、うつになったからこそ気づけたことや、うつのときに助けてくれた人たちもたくさんいました。そのことについてはまた次回…。
2018年02月06日楽しみにしていたはずなのに、赤ちゃんと過ごす時間がつらく感じてしまう…それは育児ノイローゼになっている状態かもしれません。育児ノイローゼは、だれでもなる可能性はありますが、きちんとケアすれば気持ちは晴れていくものです。今回は、育児ノイローゼの原因や対処法だけでなく、家族が育児ノイローゼになってしまったときに周りができるケア方法までご紹介します。育児ノイローゼとは? 家族みんなが幸せな気持ちに包まれる赤ちゃんの誕生後に待っているのは、“思い通りにはいかない育児”です。家事が溜まってしまったり、睡眠不足になったりして、カワイイはずの子どもを抱いていてもなんだかイライラしてしまい、そんな自分にまた落ち込んでしまってはいませんか。このような状態が長く続くと育児ノイローゼになってしまう可能性があります。そもそも育児ノイローゼとは、“育児”のストレスが溜まることで引き起こされるノイローゼ症状です。ノイローゼはドイツ語で、日本語では神経症と呼ばれています。精神的な症状ではありますが、ひどくなると身体的な不快症状が出ることもあり、早めのケアが必要です。逆に精神的な症状を自覚する前に、身体的な不調として現れる場合もあります。育児ノイローゼも含め、神経症にはだれでもなる可能性があり、専門医による診断・治療を受けることもできます。育児ノイローゼの原因ノイローゼになってしまう原因は? 育児ノイローゼの原因は、ズバリ“育児”です。新生児のうちは昼夜問わず泣くため睡眠不足にもなりやすく、自分のことは後回し、家事も滞りイライラが募ってしまうことも多くあります。また、ある程度大きくなってからも、その都度“イライラ”の元になることが出てきます。1歳になれば動き出した子どもから目が離せず、2歳になればイヤイヤがはじまって…と育児ノイローゼはいつなってもおかしくない症状なのです。元凶は育児にありますが、さらに育児ノイローゼに陥りやすくなる原因もいくつか存在します。・ひとりで育児・家事のすべてをこなしている(こなそうとしている)・ずっと家のなかで過ごしていて他の人と会話する時間をもてていない・すべてを完璧にしなかければいけない、と考えている・「あれができていない」「これが終わっていない」とできないことに目がいってしまう・夫婦の会話時間が少ないかないこうした原因が思い当たる方は、以下の診断方法もチェックしてみましょう。“育児ノイローゼ”診断□頼れる人が周りにおらず、基本的にひとりで育児・家事をしている□できていない自分が許せない□無性にイライラする/少しのことでもイライラしてしまう□子どもがカワイイはずなのに笑顔で向き合えない/カワイイと思えない□「○○しなければ」という思いに追い立てられている□やる気がわかず、何かに興味ももてない□原因不明の涙が出てくる/なぜか涙が止まらない□すべて投げ出して逃げ出したい当てはまる項目が多いほど、育児ノイローゼの兆候が強く出ている可能性があります。深刻な症状が出てしまう前に、対処するようにしましょう。それでなくとも産後は急激な内分泌変化と心理的変化、環境変化により身体的にも精神的にも不安定になる時期です。その上、核家族化が進んだこともあいまって母子が孤立しがちで周囲が変化に気付きづらく、抑うつが重症化しやすい側面もあります。また育児ノイローゼが進行した状態である産後うつ病の半数は、実際には出産前から発症しているとも言われており、妊娠期にうつ病に罹患している女性は産後うつになる率が3倍高いという指摘もあります。そのため妊娠期からの家族、特にご主人(パパ)のサポートが重要になってきます。育児ノイローゼになってしまったとき/なってしまいそうなときの対処法「育児ノイローゼかも…」「このままだとノイローゼになりそう」そんな自分の状態に気がついたときには、すぐに対処するようにしましょう。症状が深刻だと感じたときには、医師に相談するのもおすすめです。まずは、自分でできる対処法から試してみてくださいね。助けを求めるまずは周りに助けを求めましょう。育児が大変でつらいことをだれかに話すことは悪いことではありません。子どもの泣き声に思わずイライラしてしまう経験は、子育てをしたことのある人なら理解ができることのはずです。心に溜め込んでしまう前に、吐き出せばラクになることも多いものです。子どもと向き合っていると、“自分ひとりで戦っている”気持ちになりやすく、育児ノイローゼの原因にもつながっていってしまいますが、助けてくれる人は必ずいます。1番身近なご主人(パパ)や子どもにとっての祖父母であるお父さん・お母さんに話を聞いてもらい、つらいこと、助けてほしいことを伝えましょう。具体的に何かをしてもらったり代わってもらったりはできない場合でも、助けを求めるだけで心が軽くなるはずです。子育て支援施設などの公共機関でも悩み相談は受け付けています。自分の異変に気づき、助けを求めることはとてもハードルの高いことかもしれませんが、自分と子どものために一歩を踏み出してみてください。ひとりになる時間をつくるご主人(パパ)がおやすみの日に、数時間〜1日かけて、ひとりになる時間をつくりましょう。できれば外出して“自分ひとりだけの時間”を満喫して、スッキリしてから帰宅するのがおすすめです。ひとりになる時間は、1回つくればいいものではありません。「イライラが溜まってきたな」と思ったら、なるべくひとりになる時間をつくるようにすることで、“イライラの爆発”や“育児ノイローゼ”を防ぐことができます。病院で治療する方法も周りに助けを求めても、ひとりになる時間をつくっても、なかなか思うように気持ちが晴れていかないときは、病院で治療する方法も検討しましょう。症状が進み深刻な状態になっているとなかなか自分から病院へ行こうという気持ちにもなれないかもしれませんが、病院で医師に話を聞いてもらうだけでラクになるケースもあるものです。身構えずに病院へ行ってみてくださいね。心療内科や精神科をいきなり受診することに抵抗がある場合、まずはかかりつけの産(婦人)科で相談することも可能です。産後はうつ病の罹患と関係なく身体的不調を訴えることが多いため、精神科で通常用いられるうつ病評価尺度では過大評価される傾向があります。そのため、EPDS(Edinburgh Postnatal Depression Scale;エジンバラ産後うつ病質問表)に代表される産科領域に特化したスクリーニング検査を行った上で、かかりつけの産(婦人)科から必要に応じて専門科への受診を促してくれるでしょう。ママが育児ノイローゼになってしまったときは「最近、ママの様子がおかしい」「いつもイライラしていて心配」と、ママが育児ノイローゼになってしまっている/なりそうだと感じたときには、すぐにケアをしてあげましょう。ここでは、パパがしてあげられることと、娘(ママ)にしてあげられることをご紹介します。パパがしてあげられることもっとも大切なことは、話を聞いてあげることです。できるだけ毎日、その日にあったことなどを聞いて、会話をたくさんするようにしましょう。「こうしたら?」「このほうがいいんじゃない」とアドバイスはなるべくせず、まずは、ママの話を受け止めてあげてください。また、できる範囲で子どもをお風呂に入れたり、おやすみの日に積極的に子どもを見てママにひとりの時間をつくってあげたりするのも効果的です。イライラしているママをまるごと受け入れ、子どもよりママを大事にするくらいの気持ちをもって接していると、つらいノイローゼ状態になっているママもラクになっていきます。ママにとってつらいことのひとつに“自分の時間軸で動けない”ことがあります。トイレに行くにも、ごはんを食べるにも、なにをするにも子どもの時間軸で動かなければならないのは仕方がないことではありますが、とても大変なことです。そのことを理解して、どうしたらママがラクになるかと考えながら行動していくと、育児ノイローゼの改善や予防にも役立つでしょう。親がママになった娘にしてあげられることママになった娘が育児ノイローゼになってしまっている/なりそうだ、と感じたときには、できるだけ話を聞いてあげ、できるなら子どもを預かって娘にひとりになる時間を作ってあげましょう。ついつい、あれこれ口出ししたくなったり、「自分のときはもっと大変だった」と言いたくなったりもしますが、育児ノイローゼになってしまっていると、良かれと思って伝えたこともマイナスに影響してしまう可能性があります。育児ノイローゼはだれでもなる可能性があり、けっして甘えているわけではありません。つらい状態にあることを理解して対応するようにしてあげてください。遠方に住んでいるときには、電話で話を聞き、家事や買い物がラクになるような物を送ってあげるのもいいでしょう。ふいに届く実家からの贈り物につらい状況の娘さんも、「ひとりではないんだ」ということに気がつけるかもしれません。育児ノイローゼにならないようにするには…育児ノイローゼにならないようにするために大切なのは“会話”です。パパや周りの人とたわいのない話をするだけでも、気持ちは落ち着いていきます。天気の良い日にはなるべく外出したほうがよいと言われるのは、子どもの成長や発達だけでなく、ママの気持ちにも影響を及ぼすためです。気分転換をすることは育児ノイローゼの予防にも効果的なため、家の周辺を一回りするだけでもいいので動いてみましょう。また、すべてを完璧にこなすのは小さい子どもの育児中には難しいため、“何をしておけば自分がイライラせずに済むのか”を考えて、最低限それだけはこなすようにするのもおすすめです。特に“できていない状況”がストレスになってしまうタイプの方は、“自分にとって許せないこと”を優先的にこなしていきながら、できていなくても許せることを増やしていくことで育児ノイローゼにならないような環境をつくることができます。「育児はイライラがつきもの」「育児は大変でつらいこともある」と割り切り、「では、どうしたらいいのか?」と前向きな方向に切り替えて考えられるようにして、楽しく過ごしていきましょう。監修:汐入メンタルクリニック 精神科医越宗 紀一郎(こしむね きいちろう)東海大学卒業後、聖ヨゼフ病院にて初期臨床研修、内科・救急医療に従事。横浜舞岡病院を経て2010年より汐入メンタルクリニックにて外来診療を行う傍ら、コンサルテーション・リエゾン精神医学や介護施設への往診業務等に携わっている。
2017年01月18日子供がどんなに可愛くても、自分の時間が自由に取れない育児期にストレスが溜まってしまうのは仕方がないこと。上手にストレスを発散できるといいのですが、うまくいかずにノイローゼに陥ってしまう人がいることも事実です。そこで、どんな条件で育児をしている人がノイローゼになりやすいのか、どんな性格の人がなりやすいのか、まとめてみました。あてはまるなと思った人は注意するなり、条件や考え方を変えるよう努力してみたり、参考にしてみてください。ノイローゼとはそもそもノイローゼとはどのような状態のことを指すのでしょう。ノイローゼという言葉はドイツ語で「神経症」という意味を持っています。本人の精神状態を基準とする精神病とは少し違い、神経症は自他共に認めることができる状態のものを言います。こころの不調によって、身体的には何も不調がないのに精神や身体に何らかの症状が現れてしまいます。育児ノイローゼの他に受験ノイローゼ、介護ノイローゼなども言葉として浸透していますが、女性の育児ノイローゼの場合は身体的な要素も原因のひとつとして挙げられます。妊娠中は多く分泌されていた女性ホルモンの一種であるエストロゲンが、出産によって胎盤と共に体外に排出されてしまいます。こうしたホルモンバランスの乱れが心身に及ぼす影響は、産後鬱という名前で婦人病の一種として知られるようになっています。ノイローゼになりやすい人女性の育児ノイローゼには身体的な要素もあるとはいえ、必ずしもそれだけが原因というわけではありません。育児による疲労やストレスが重なることによって引き起こされる場合も多いようです。どんな人が、ノイローゼに陥ってしまいやすいのでしょう。孤独になりやすい環境育児ノイローゼの大きな要因のひとつとして、孤独感が挙げられます。まだ言葉もろくに話せない子供と家に2人きりで閉じこもっていると、世界との繋がりが絶たれたように感じるのだそうです。特に育児をきっかけに仕事を辞めたという人に多い実感のようです。そうした精神的な孤独感も、身近に頼れる近親者がいたり、パートナーが育児に積極的だったり、仲の良いママ友がいたりすると軽減されます。しかしそうした繋がりが薄く物理的にも孤独な環境にいると、精神的な孤独感を加速させることになり、ノイローゼに陥ってしまいやすいようです。育児以外の要因がある人育児の他に、例えば親の介護や仕事を抱えている人も、ノイローゼに陥りやすい環境にあります。こういった人は前述の孤独感に関しては問題になりにくいそうですが、時間に余裕がなくなると精神的な余裕も同時になくなります。自分の時間がなかなか取れないことも大きなストレスになってくるわけですね。また、身体が弱いということも大きな要因のひとつとして挙げられます。育児は体力勝負とも言いますが、自分が寝込んでしまうと子供にも影響が……というプレッシャーが余計に掛かり、精神的にも辛い状況になってしまいがちです。完璧主義な性質性質上の特性として、完璧主義的な一面がある人はノイローゼになりやすいと言われています。大事な我が子のことだからとすべて完璧にこなそうとすると、逆にできていない部分が目につくようになり、現実と理想のギャップに打ちのめされてしまうのだそうです。何事にも真面目で手を抜けないという人は、手の抜き方を覚えることも大事です。また育児ノイローゼというと女性の問題と思われがちですが、男性が育児ノイローゼになることももちろんあります。特に男性は女性に比べて理想を高く持ったり、泣き言が言えず我慢しすぎる傾向があります。女性の問題と決めてかからず、育児に関わるすべての人に起こり得ることだと思ってください。頼れる場所をなんとしてでも見つける近親者やママ友がいない、そもそもパートナーがいない、など頼れる場所がないという人も少ないと思いますが、疲労やストレスの解消は頑張ってどうにかなるものではありません。それらを軽視することで、取り返しがつかないトラブルが起こる可能性もあります。ノイローゼの可能性があると思ったら、外部でもなんでもいいのでなんとしてでも頼れる場所を見つけてください。積極的に考え方を変えることも有効です。何もかも完璧にこなそうとするのではなく、できることだけを精一杯にやっていきましょう。
2016年12月26日日本でも育児に参加する男性、通称“イクメン”が徐々に増えてきていると言われていますが、一方でママたちからは「夫のイクメン気取りがうざい」「張り切りすぎて逆に迷惑がかかってる」という愚痴もちらほら聞こえてきます。社会からは「男が育児に参加するのは当たり前」と言われ、家では「全然子どものこと分かってないよね」となじられる……今は男性の育児参加が本格的に定着するまでの“過渡期”ということもあり、世のパパたちの中にはそんな苦労を抱えている人も少なくないようです。そんな中、NHKが11月30日に『イクメンブルー』というものを特集して話題になりました。イクメンブルーとはなんなのか。今回は世のパパたちを悩ませる“イクメンブルー”の問題についてお話ししていきたいと思います。●イクメンブルーって何?イクメンブルーという言葉を初めて知ったという人もいると思いますが、イクメンブルーは簡単に言うと“男性が仕事に加え家事育児を手伝うことで精神に不調をきたすこと ”を指します。“男性版育児ノイローゼ”と言い換えてもいいかもしれません。近年日本でイクメンが増加していることから表面化してきたこの問題ですが、人によっては深刻なメンタル不調を起こすケースもあるようで、決して無視できる問題ではありません。これからさらにイクメンが増えてくるであろう日本においては、イクメンブルーはいずれ社会問題化する可能性もあります。●イクメンブルーに陥る原因3つなぜ彼らはイクメンブルーに陥ってしまうのでしょうか。以下では主に考えられる3つ原因についてお話しします。●(1)過労一口にイクメンと言っても、彼らが置かれている環境はさまざまです。毎日定時に帰れて土日も休みという人もいれば、毎日残業で休みは日曜しかないという人もいます。前者の場合は精神的にも時間的にも余裕があるので家事や育児を手伝う余力があるでしょう。しかし、後者の場合は日々の過酷な労働に加え、新しい仕事が増える状態になるため、睡眠時間や気力が削られていきます 。休日も育児に時間が取られ、ほとんど休みがない状態が続くうちに嫌気がさしてきてしまう男性も多いようです。●(2)孤独感男性は女性に比べてコミュニケーション能力が劣ると言われていますから、積極的に“パパ友”を作ろうとしない人が少なくありません。また、そもそもパパ友と出会う機会がないという人もいるでしょう。パパ友がいないと、育児や夫婦の悩みを相談できる相手がいないのでストレスのはけ口が見つからず 、次第に孤独感が増していくようになります。日々積み重ねられたストレスは、いずれ溢れてしまいます。●(3)家事・育児方針の違い夫婦も元を辿れば他人同士です。家事や育児に対する考え方も当然違ってきます。自分はよかれと思ってしたことでも、妻にとっては“迷惑行為”だったり、逆に妻のやることが自分にとって不快だったりと軋轢が生まれてしまいます。家事や育児を手伝うことよりも、そうした妻との衝突のほうが精神的にツラい という男性は少なくないようです。●イクメンブルーに女性からの非難が殺到男性のイクメンブルーについて、女性たちはどう思っているのでしょうか。ためしにネットやSNSを覗いてみると……かなり批判の声が目立ちます。どういうことなのでしょうか?以下はイクメンブルーに対して主に見られた女性側の主張です。『は?イクメンブルーとかふざけてんの?女は毎日家事育児をこなしてるんだよ!』『家事育児を手伝ってうつ病とか、弱すぎて笑うww私はもう10年も一人でこなしてるんですけど?』『育児ノイローゼなんて女性は昔から悩んでた問題。男性だから騒ぐのっておかしいと思う』『ちょっと育児手伝ったからうつ病って……共働きで家事育児全部押し付けられてる私に謝れ』などなど、かなり辛辣な意見が目立ちました。普段自分が苦労しているからこそ、男性にも厳しい態度になってしまうのかもしれません。●イクメンブルーに陥った男性の体験談イクメンブルーとは具体的にどういうものなのか、実際にイクメンブルーに陥ったことがあるという男性たちにお話を伺ってみました。『私は毎日残業になるような仕事なので、毎日帰宅するのは11時。それから家事を手伝って終わるのは夜中の2時。夜泣きも日替わりで私が対応していたので、ほとんど睡眠時間がありませんでした。そのうち、不眠の症状や食欲不振 が出るようになり、そこで自分が育児ノイローゼになっていることに気づきました』(43歳男性/通信)『うちは共働きで二人ともフルタイムなので、家事育児は半分ずつ担っていた感じでした。しかし、実際は家事育児の主導権は妻が握っており、毎日のように文句の嵐 。家に帰るのがイヤでわざと残業したりするほど追いつめられていました』(39歳男性/販売)『私は自分でもプライドが高いのを自覚してるんですが、とにかく妻に育児のことで「こんなことも分からないの? 」となじられるのが苦痛でした。普通の人なら我慢できたかもしれませんが、私には耐えられず、一人で泣くこともありました。今は子どもも大きくなって落ち着きましたが、もう新しい子どもはいらないです』(34歳男性/不動産)やはり仕事との兼ね合いや妻との軋轢が原因でイクメンブルーに陥るケースが多いのかもしれませんね。●イクメンブルーを解消する方法毎日のように家事育児に追われている妻からしてみれば、夫のイクメンブルーは滑稽に思えるかもしれません。しかし、夫が心身に不調をきたせば家庭はまともに成り立たなくなります。夫にイクメンブルーの徴候が出たら、「私だってつらい」という気持ちを少しだけ抑えて、以下のことを試してみてください。●(1)弱音を吐ける関係性を作っておく男性はプライドが高い場合が多いです。あまり妻に弱音を吐きたくないという人も多いでしょう。それに加え、妻が日頃から夫に厳しく接していればますます自分の悩みを伝える機会はなくなります。週に1回でもいいので、家事や育児について夫婦で話し合いをする時間を設けてください 。お互いに疑問に思っていることや不満に思っていること、感謝していることを話しましょう。そうすることで夫も抵抗なく妻に自分の悩みを伝えることができますし、逆に妻も自分の意見を夫に伝えるいい機会になります。お互いにストレスを抱えないように吐き出す場を設けましょう。●(2)スケジュール調整をする夫が過労でイクメンブルーに陥っているときは、少し休息が取れるようにスケジュール調整をしてあげましょう。「今週の日曜は○時まで私が子どもの面倒みるから自由にしていいよ」などと伝え、「その代わり、○時からは子どもをお願いね」と双方が効率よく休める提案 をするといいかもしれません。----------いかがでしたか?イクメンブルーはまだまだ認知されていないものではありますが、放置していれば取り返しのつかない事態に陥ることもあります。夫婦で健康的に家事育児が分担できるように、工夫していきたいですね。●文/パピマミ編集部
2016年12月08日一生懸命育てたい、真面目に子どもと向き合いたい…。わが子がかわいいからこそ、ちゃんと育てようと思うからこそ、陥りやすいのが育児ノイローゼ。周りにサインを出している人はいませんか? ママさんたちの経験談をもとに調べてみました。育児ノイローゼ、それは誰でもあり得ること「ノイローゼ」と聞くと、少し気後れしてしまう人がいるかもしれません。でも、自分では気がつかないうちにその症状に陥っているおそれがあります。初めての出産。毎日必死に子育てをしているのにどうしてうまくいかないの!? そんなふうに思い始めたら、もうそれは育児ノイローゼのはじまり。そう、育児ノイローゼは誰にでもありえることなのです。こんなサインがあったら気をつけてでは、どんなサインがあったら注意を払わなければいけないのでしょうか? 実際に経験のあるママたちに聞いてみました。・気になりすぎて眠れないノイローゼ、というと育児自体に悩みがあるため症状に陥る、と考えられがちですが、そうではない場合もあります。それが、「気になりすぎて眠れない」というもの。3ヵ月の赤ちゃんのママであるAさんは、赤ちゃんが未熟児で生まれたこともあり、退院してからは特に注意を払っていました。そのうち、赤ちゃんが静かに眠っているだけなのに、「ちゃんと呼吸をしているだろうか?」と気になるようになってきたのだそう。それ以来、赤ちゃんが眠っていると何度も何度も様子を見に行っては安心する、という状態になりました。当然ながらAさんはきちんと眠れてはいません。見かねたAさんの旦那さんが「自分が見ているから眠ったらどうだ」と声をかけても断わってしまうのです。Aさんはそれ以降顔色も悪く、だいぶ体重も落ちてしまい、不眠の日々が続いていました。この話をAさんの実母から聞いた第三者が、「赤ちゃんが気になるのはわかるけれど、それはちょっとおかしいよね」と実母にアドバイス。その後、実母とAさんとが何度も話し合った結果、ひとまずAさんは赤ちゃんと共にAさんの実家で生活するようになりました。Aさんが寝ている間は実母がちゃんと赤ちゃんを見るということを話し、納得させ、とにかくAさんは睡眠をとることに。おかげで体調はだいぶ良くなったのだそうです。睡眠不足は情緒の不安定にもつながっていきます。赤ちゃんのことが気になるAさんは、眠れないことで必要以上にイライラし、本人は気づいていなかったのですが、周囲にストレスをぶつけ始めていたようです。それで済む間はよいかもしれません。でも最悪の場合、赤ちゃんにもそのストレスの矛先が向かっていたかもしれないと考えると…。育児では授乳の間隔もあり、なかなかまとまった睡眠時間は取りづらいもの。しかし、家族が協力してくれるのならば、時にはそれに甘えることも必要です。それは決して育児をさぼっていることにはならないのです。むしろ、赤ちゃんを育てるために重要なことと言えるでしょう。・アドバイスされても「あなたは子どもがいないからわからない」と返してしまうまた、このような経験談も聞くことができました。子育て中のBさんと久しぶりに会った友人のCさんは、Bさんが育児について、ずいぶん悩んでいると感じました。Bさんの旦那さんは仕事が忙しく、子育てに協力的ではないといいます。そのため、慣れない子育ての悩みをBさんは1人で抱えていたのです。ですが、Bさんの愚痴を聞いているうちにCさんは、「そんなに思いつめなくてもいいのでは?」と思うところがあり、そう助言したそうです。ところが、Bさんは未だ独身のCさんに「あなたには子どもがいないから私の苦労がわからないのよ!」と返したのだとか。たしかに、既婚者と未婚者、そして実際に出産経験があるかないかでは大きな違いはあります。ですが、客観的に現在の状況を見ている人のアドバイスを、「あなたにはわからない」と返してしまうのは、心に余裕がない証拠です。その時点で、すでに危険信号は点滅しているのです。Cさんはその場は上手に収め、後日、別の既婚者の友人Dさんにこの話をしました。そして同じような経験をしたことがあるDさんはBさんと話をしました。そのことでBさんはだいぶ気分転換ができたのか、徐々に様子が変わっていったそうです。すべての家庭が、夫婦で協力して子育てを行えているわけではありません。中には仕事が忙しく、妻に育児をまかせっきりの夫もいます。もちろん、家族を養うために必死で働いている夫を責めることはできません。しかし、何か悩みがあっても相談できる友人もいない。だけど子育ては待ってくれず、1日の大半は赤ちゃんと2人きり。一生懸命やっているはずなのに、赤ちゃんは泣きやまず、どうしたらいいかわからない…。妻がそのような状態になり、それが悪化して、育児ノイローゼへと繋がっていったときになって始めて、夫が「君はよくやってくれている。頑張っているね」と、やさしい声をかけたところでもう、どうにもなりません。状態が悪化した場合は、カウンセリングの利用や病院に通院するといった対処も必要となるからです。それぞれの家庭には家庭の事情があります。でも毎日、たった一言でもよいのです。お互いを労う言葉をかけあうことで、回避できることもあるのです。利用できるものは利用しよう!では、育児ノイローゼにならないためにはどうしたらよいのでしょうか?当然ですが、「こうすれば絶対大丈夫!」という方法はありません。それは人それぞれ、症状も状況も違うからです。ですが、「気分転換をする」ことや「よく睡眠をとる」ことなどは比較的誰にでも有効な手段です。両親に頼るのもよいですし、近くに頼れる身内がいない場合は、自治体の子育て支援サービスなどを利用するのがよい方法です。また、最初から預けることに不安を感じる場合はまず、自分が悩んでいることを相談するためにサービスに電話やメールをしてみるのもよいでしょう。それでもまだ誰かに預けることが不安なら、赤ちゃんと一緒に近くのこども園などへ、園庭開放日や親子で参加できるイベントなどに出かけてみてもよいでしょう。保母さんや、子育てのベテランの先生に話を聞いてもらったり、見てもらったりするだけで随分と違うからです。そう、誰かに話を聞いてもらうこと。それもとても大切なことのです。ママが真面目な性格であればあるほど、育児を休み、気分転換に出かけることに抵抗を抱くかもしれません。ですが、育児を少し休憩して出かけるために、誰かに頼ることは「育児をさぼる」ことではないのです。赤ちゃんを健やかに、すくすくと育てていくためには重要なことなのです。利用できるものは最大限利用して、のびのびと子育てができるとよいですね。(八湊真央<フォークラス>)
2016年01月28日このところ「おむつなし育児」という育児法が話題になっています。多くのママは、「おむつなし」と聞くと、まった全くおむつをしないの? 床や部屋が汚れはしないのかな? などと疑問に思うかもしれません。そこで今回は話題の育児法、「おむつなし育児」について解説、検証してみます。■「おむつなし育児」は、かつては日本でもやっていた「おむつなし育児」は、決して目新しいものではなく、布おむつも紙おむつもなかった時代、当たり前にやっていた方法です。いつのまにか日本では途切れてしまいましたが、今再び注目されています。簡単に言えば、「おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にせず、なるべくおむつの外でさせることで、赤ちゃんのうちに排せつの気持ちよさを伝えてあげる方法」です。言い換えれば、「おむつでうんちやおしっこをすると気持ち悪い」という感覚を当たり前にすることだといえます。■おむつをまったくしないわけではありません「おむつなし」とは言っても、普段はおむつをしています。赤ちゃんをよく観察して、おしっこやうんちが出そうかな? というタイミングでおむつを外し、なるべくおまる・トイレなどでさせてあげるのが、おむつなし育児の基本です。とはいえ、何がなんでもおむつなしで! と気合いを入れ過ぎる必要はありません。家ではおまるでしていても、外出時は紙おむつでしてOK! くらいの緩やかな気持ちで取り組むことがポイントです。「おむつを外す」ことが目的ではなく、赤ちゃんの頃から排せつの仕組みや楽しさを親子で共有することが最も大切な目的。そこが、いわゆるトイレトレーニングとは違うところでもあります。歌を歌ったり、掛け声をかけたり、時には遊んでみたりと、コミュニケーションしながら行うのもおすすめです。■ママにとって子育ての自信につながります! 出産してすぐは、赤ちゃんがどうして泣いているのか、何を求めているのかがわからなくて戸惑うママがほとんどです。でも、時間を重ねて赤ちゃんに向き合っていくうちに、だんだんと赤ちゃんの欲求に気付きやすくなっていきます。これと同じように、おむつなし育児を続けていくと、徐々に子ども自身のサインやタイミングが、自然にわかってくるようになるそうです。しかも赤ちゃんは自分の欲求がすぐに満たされるとご機嫌な時間が長くなります。それは、ママにとって育てやすさを感じることにも繋がります。また、排せつ以外の欲求も気付きやすくなることが多く、結果的に子育ての自信に繋がることにもなります。とある国では、生後数ヵ月間は、家の床に赤ちゃんを置いてはいけないという風習があり、赤ちゃんはずっと、スリングのような布の中でママに抱っこされて過ごすそうです。すると、赤ちゃんとママがずっと密着しているため、五感で感じ合うようになり、排せつのタイミングがわかるようになる、という話を聞いたことがあります。おむつなし育児とは、まさにこうした感覚なのでしょうね。■おむつなし育児を実践しているママに聞いてみました!「いつの間にか子どもの排せつのタイミングがわかるようになって、親として自信が持てたような気がします!」(6ヵ月の子のママ)「ずっと便秘がちでしたが、おむつの外に出すほうがたくさん出るようで、便秘も自然に解消できました!」(7ヵ月の子のママ)「以前は布おむつを使っていましたが、だんだんおしっこの量が増え、洗濯が大変になってきたので、おむつなし育児に切り替えました。今では助かっています」(5ヵ月の子のママ)「オムツ代が節約できます! しかもエコですよね」(8ヵ月の子のママ)「トイレでうんちやおしっこをすることに抵抗を感じることがなかったので、トイレトレーニングに苦労せずに済みました」(1歳6ヵ月の子のママ)おむつオムツなし育児とはつまり、赤ちゃんとじっくり丁寧に向き合うこと、そして、親子のコミュニケーションを豊かにするためのひとつの方法だと感じました。軽い気持ちで構わないので、興味がある人はぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
2014年09月19日「お前は黙って俺に従っていればいいんだ!! 」。こんな古めかしいせりふを言う男性は少なくなり、昔に比べれば”黙って耐え忍ぶ妻”も減ってきているだろう。それでも、結婚生活の中で夫に理不尽なことを言われてカチンとはあるのだろうか。マイナビニュース会員の既婚女性197名に聞いてみた。「夫に”理不尽なこと”を言われたことはありますか?」という質問に対して、「はい」が13.2%、「いいえ」が86.8%だった。「はい」と答えた人に、どのようなことを言われたのか、教えてもらった。>>男性編も見る■育児や家事・介護への理解がゼロ・「姑の介護に関して、まだ頑張りが足りない、と言われた……お金もなくて働かされているのにもかかわらず、そこまで言われるとはありえない」(33歳女性/小売店/事務系専門職)・「本当に育児や仕事や家事で悩んでいるときに、彼女(会社の女性先輩)も同じように頑張っているからと言われて、私の気持ちを本当に分かっていないと悲しくなった」(49歳女性/小売店/事務系専門職)・「日々の育児に疲れてノイローゼ気味だったときに、気持ちに余裕がなくちょっとしたことでもイラッとしてしまっていたので、それを見て『結局器が小さいんだよ』と一言だけ言われた」(34歳女性/その他/その他)■料理にまつわる理不尽・「キャベツの芯の部分や野菜の固い部分を料理に入れるなと言われた」(36歳女性/生保・損保/事務系専門職)・「お弁当を作れと言われたが、朝のお弁当作りに熱中していたせいで子供を泣かしていたら、弁当を作らなくて子供の面倒を見ろと怒られた」(32歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「新築を建てて、キッチンに食器洗浄機をつけてもらったのに、汚れるから使うなと言われ、いまだに使用していません……どんな時も手洗いです」(28歳女性/医薬品・化粧品/事務系専門職)■妻への気遣いが足りない・「私も肩こりがひどいのにマッサージをさせられ、私にはせずにサッサと寝られた」(35歳女性/電機/技術職)・「自分が機嫌悪い時はそっとしておいてほしいという癖に、私が機嫌悪い時は雰囲気が悪くなると文句を言う」(30歳女性/学校・教育関連/秘書・アシスタント職)■こんな理不尽も……・「今まで付き合った人の人数を言うと『0人が良かった』と言われたが、そんなのムリだから」(29歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「結婚前にペットショップに行ったら犬も猫も大好きと言ってたのに、いざ犬を飼ったら仁王立ちになって、『犬も猫も大嫌いだ』と実家に犬を追い返した」(37歳女性/金融・証券/営業職)・「家に一銭も入れていないので、仕事が忙しくて家事をしなかった時に、誰のおかげで飯が食えていると思っているんだ? と怒られました」(40歳女性/学校・教育関連/専門職)■理不尽への対処法は・「聞き流してるから、覚えてないかな……いちいち覚えてたら夫婦生活が成り立たない」(26歳女性/その他/事務系専門職)・「思い出すと不愉快なのでいいたくありません」(40歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「たくさんあって書ききれない……」(36歳女性/食品・飲料/販売職・サービス系)■総評夫に理不尽なことを言われたことがある妻は、13%強とそれほど多くなかったが、その内容は悲しくなってしまうものも多かった。育児や家事、介護など妻が苦労しているのに、夫からの「頑張りが足りない」「もっと頑張れ」「器が小さい」といった心ない言葉。言いようもない悲しみを抱いている女性の声がいくつかあった。食事に関する理不尽も多数。「作った料理にドバッと醤油やソースをかけられた」というのは、多くの妻が経験するところではないだろうか。また、マイホームに食洗機を入れたのに「使うな」と言われたという、本当に「??」しか出てこない理不尽を体験した女性も。お気持ちお察し致します……。結局のところ、妻への関心や配慮が足りないということなのだろうか。体調が悪いのに介抱してくれない、マッサージを自分だけさせるなど、苦しい時に受ける理不尽は、やはり強く印象に残るようだ。男性にとって、相手の状況や気持ちを「言われなくても察する」というのは苦手分野。それでも、せめて妻が具合が悪い時には献身的な態度は見せないと、本当にいつまでも恨まれることになる。(文・アリウープ 中嶋絵里)調査時期: 2012年12月11日~2012年12月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 女性197名調査方法: インターネットログイン式アンケート【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年02月21日