宮崎駿監督映画『君たちはどう生きるか』の音楽を担当した久石譲のインタビュー映像が、アカデミー賞公式YouTube「Oscars」で公開された。『君たちはどう生きるか』(The Boy and the Heron)は、宮崎監督10年ぶりの最新作。「第81回ゴールデン・グローブ賞」アニメ映画賞受賞、「第51回アニー賞」7部門ノミネート、「第78回毎日映画コンクール」大藤信郎賞受賞など、国内外で注目されている。そして先月、「第96回アカデミー賞」のノミネート作品発表が行われ、本作が長編アニメ映画賞部門に選出。今回公開された映像では、本作の映像とともに久石さんのインタビューが収録されており、そこでは宮崎駿監督とのやり取り、青サギの登場シーンの音楽や、本作のメインテーマ曲である「Ask me why」の制作秘話が語られている。コメント欄には「本当に天才ですね」、「この一年で聞いた中で最高のサウンドトラック」、「これが作曲賞にノミネートされなかったことが未だに信じられない」などの声が寄せられている。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2024年02月07日井上真央主演「100万回 言えばよかった」の6話が2月17日放送。号泣しながら直木に“乗り移り”を許すと告げる譲…松山ケンイチの演技に絶賛の声が送られている。愛する人を突然失った美容師のもとに現れる“魂”になった彼女の恋人。2人を繋ぐのは“魂”が視える刑事だった…ラブストーリーにミステリーが織り交ぜられた本作。キャストは魂になってしまった直木と、これからも共に生きていきたいと願う相馬悠依役に井上さん。一方、悠依に「新しい人生を生きて欲しい」と考える鳥野直木に佐藤健。直接話せない悠依と直木の間に入るなかで、悠依との距離が近づいていく刑事の魚住譲には松山さん。魚住にそっくりな夫がいた脳神経科医の宋夏英にシム・ウンギョン。“幽霊の先輩”として直木に様々なアドバイスを与える樋口昌通には板倉俊之(インパルス)。直木がシェフをしていた洋食屋ハチドリのオーナー・池澤英介に荒川良々。譲らが捜査する殺人事件の被害者・高原涼香に近藤千尋。涼香と直木の死に関係がありそうな様子の尾崎莉桜に香里奈。中学時代の悠依たちの面倒を見ていた里親・広田勝に春風亭昇太といった顔ぶれ。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。莉桜が悠依からの手紙を受け取った頃、直木は樋口と成仏する方法を知る自分たち以外の幽霊を探していた。直木と樋口のことが見えない人々が通り過ぎる中、2人を見つめる原田弥生(菊地凛子)の姿があった…というのが6話のストーリー。その後も直木の前に幾度となく現れる弥生に「菊地凛子さん演じる幽霊は譲?宋さん?どんな関係でどんな経緯で幽霊になったんだろう」「菊地凛子さんは結局幽霊ということだけはわかったけど、もしかして宋さんの旦那さんと絡んでる?」「宋先生の旦那さんに乗り移るかなんだかした過去があって、旦那さんの命削っちゃったから謝まりに来たのか?」など、その素性、直木の前に現れた理由などについて様々な憶測が飛び交う。また直木は譲の姉・叶恵(平岩紙)と会い、“思い残し”ていることが解決すれば“消える”と言われ、悠依に「自分が納得いったら消えたい」と伝える。悠依がショックを受けている様子を見た譲は直木に「そばにいる人の気持ちも考えて」と、“消えたい”発言を撤回するよう迫る。それに対して直木は譲が悠依を好きなことを指摘すると「あなたのことを好きな彼女を僕は好きなんだ」と悠依に対する想いを認める。そんな譲に直木は自分も感情がぐちゃぐちゃだと明かしたうえで「とにかく悠依には笑っててほしい」と語る。その言葉に譲は号泣しながら「どうしても悠依さんに何か伝えたいことがあったら、僕の身体使って」と、嫌がっていた“乗り移られる”ことを許すと伝える…。「自分も悠依が好きなのに自分の体を遠慮せず使って欲しいと号泣のシーンにもらい泣きでした…」「直木に完全に感情移入してやるせない気持ちになっている魚住さんを見事に表現していた」など、このシーンの松山さんの演技に絶賛の声も上がっている。【第7話あらすじ】莉桜を車に乗せた人物が直木を殺した犯人なのではと、悠依は憤る。一方、突然倒れた譲は検査の結果、偽性脳腫瘍の可能性があると告げられていた。譲は叶恵から幽霊である直木とこれ以上一緒にいるなと忠告される。そんななか莉桜の行方を追っていた直木は、莉桜が連れ去られた場所やそこで見聞きしたことを譲に伝える。譲は直木の証言をもとに単独で捜査に乗りだす…。「100万回 言えばよかった」は毎週金曜22時~TBS系で放送。(笠緒)
2023年02月18日Audio Photo Cinema 「廃墟に乞う」製作委員会主催による、第142回直木賞を受賞した佐々木譲原作の舞台『廃墟に乞う』が2021年12月27日(月)~12月28日(火)に札幌市民交流プラザ3Fクリエイティブスタジオ(北海道札幌市)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて発売中です。東京公演を成功させ、パワーアップした舞台をぜひご覧ください!カンフェティでチケット発売中 公式ホームページ ホーム札幌といえば『廃墟に乞う』の舞台となった土地でもあります。数々の悲しい事件に関わったことで精神を病んでしまった刑事・仙道は、療養のため休職中。そんなとき、殺人犯・古川幸男から秘密裡に連絡が舞い込む。古川の目的は何なのか?そして、心を病んだ仙道は、古川の“最後の選択”に向き合うことができるのか―…。ハードボイルドなキャラクターたちと北海道の歴史が交錯する、『廃墟に乞う』の魅力あふれる世界をぜひ物語の舞台・札幌で体感しましょう!演劇界の新機軸!“Audio Photo Cinema”って?さて、2019年から現在も続く新型コロナウイルス感染症。観劇には行きたいけれど、やはり心配ですよね。グループ虎では、徹底した感染症対策を行っているのはもちろん、演出方法にも工夫を凝らして、感染リスクを抑えています!いったいどんな方法なのか―――!?さまざまな業界がコロナウイルスの影響を受ける中、演劇界も規模の縮小を余儀なくされました。「今まで通りにはいかなくても、なんとか舞台を続けることはできないだろうか…?」考え抜いた結果、従来の舞台劇とはガラッと様変わりした、“Audio Photo Cinema”という新しい演出方法を考案しました。【写真・映像の投影】と【朗読劇】で構成された一見シンプルな演出ですが、巧みな朗読と絶妙なタイミングの写真と映像によって、強烈なイメージがしっかりと伝わってきます!役者たちの実力と、細部にまでこだわり計算された演出力が結実する、新感覚の舞台をお見逃しなく!さらに“Audio Photo Cinema”について、役者さんたちの熱い思いがAFCアサヒファミリークラブ(朝日新聞 会員制クラブ)で紹介されました!こちらもぜひご覧ください!さてさて“Audio Photo Cinema”でお送りする、舞台『廃墟に乞う』に興味がわいてきたのではないでしょうか―――?ここからは“Audio Photo Cinema”にちなんで“声”“写真”“シネマ”の3つの観点から舞台『廃墟に乞う』の魅力をご紹介します!“声”―TV・ラジオで活躍中!話題の役者が多数出演!“Audio Photo Cinema”のメインは朗読劇。ですので、やっぱり声の演技が重要になってきます。声の演技といえば、まずは殺人犯・古川役の寿大聡さんです!寿大聡今年夏のNHKラジオドラマ『女だてら』で、準主役(石上玖左衛門役)を演じました。『廃墟に乞う』では一転、複雑な生い立ちを抱える繊細さと、心の傷の深さを物語る激しい怒りといった、古川の二面性を見事に演じます!続いて、個性派俳優として広く知られる木下ほうかさん!木下ほうかボイスキャストとして、今回はイヤミな新聞記者・酒井を演じます!古川を精神的に追い詰める酒井の鋭い言葉をお聞き逃しなく!また、NHK大河ドラマ『麒麟が来る』で佐久間盛重役を演じた室山和廣さんもご出演!室山和廣古川を捕まえようとする熱血刑事・山岸を演じます!クールで繊細な仙道に対し、正義感と気力に満ちた室山さんの演技が際立ちます!え!?写真撮影をするのは「あの」役者!?続いてのテーマは“写真”です!なんと!舞台に投影される写真はすべて俳優の加藤雅也さんが撮影しています!加藤雅也さんといえば、近年では大河ドラマ『いだてん』(杉村陽太郎 役)や『キングダム』(肆氏 役)など、多数の作品に出演されています!加藤雅也そんな加藤雅也さんは写真家としても活動されており、今回の劇中で使われる写真もすべて撮影しています。『廃墟に乞う』の世界観を表現するため、徹底的にこだわり抜かれた写真の数々は見逃せません!もちろん!カメラマンとしてではなく、役者としても舞台にも上がります!精神を病んだ刑事・仙道の知的でナイーブな語りにご注目ください!多彩な表情を見せるAudio Photo Cinemaさて、最後のテーマは“シネマ”。フランス語で「映画館」という意味です。日常を忘れて、別世界を見せてくれる映画館のような存在に、“Audio Photo Cinema”もなりたい―――。そのためにスタッフ一同とってもがんばっています!それでは、表舞台に立つ魅力的な役者さんたちの紹介に続いて、今度は舞台裏の様子をちら見せしちゃいます♪公演を観ただけではわからない、汗と苦労の舞台作りの日々について少しだけ語らせてください!立ち上げ間もない“Audio Photo Cinema”。俳優さん、スタッフが相談しながら作品を作り上げています。例えば、効果音もすべて自前。無料の音素材は使わず、目に見えないところにもしっかりこだわっています!この日は寿大さんも立ち会って、微妙な音の具合を確認中…。演出は、舞台「Les Miserables~惨めなる人々~」などを手掛けるベテラン演出家の高橋征男さん。音楽や照明のタイミング、投影する映像のチェックなど、入念に準備を進めています。妥協ナシ!のモノづくりの舞台裏はいかがでしたでしょうか?気になった方はぜひぜひ!下記リンクをチェック!▼チケットの購入はこちら ▼公式サイトはこちら ホームTwitter Instagram FaceBook 公演概要Audio Photo Cinema&プライベートトークショー『廃墟に乞う』【札幌公演】公演期間:2021年12月27日 (月) ~2021年12月28日 (火)会場:札幌クリエイティブスタジオ(北海道札幌市中央区北1条西1丁目)■出演者仙道孝司役: 加藤雅也古川幸男役: 寿大聡記者酒井役: 木下ほうか(声の出演)山岸刑事役: 室山和廣(声の出演)■スタッフ原作: 佐々木譲 直木賞受賞作品「廃墟に乞う」(文春文庫)監督・構成・演出: 高橋征男■公演スケジュール12月27日(月)18:0012月28日(火)14:00(※カンフェティ取扱なし)/18:00※受付開始は開演1時間前。開場は開演30分前。■チケット料金全席自由:3,900円(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月01日製作総指揮・原案・脚本に日野晃博(『レイトン』シリーズ)、監督に百瀬義行(『おもひでぽろぽろ』原画)、音楽に久石譲(『千と千尋の神隠し』)と、日本を代表するドリームメーカーが贈るアニメーション超大作『二ノ国』が8月23日(金)より公開される。この度、音楽を担当した久石による楽曲秘話が公開された。高校ではトップクラスの秀才で、車イスで生活している主人公“ユウ”の声を演じる山崎賢人をはじめ、ユウの親友“ハル”役に新田真剣佑、ふたりの幼馴染でハルの彼女“コトナ”/二ノ国の王女アーシャのふた役を永野芽郁が演じる。また宮野真守、津田健次郎、坂本真綾、梶裕貴、山寺宏一といった声優ドリームチーム、さらにはムロツヨシ、伊武雅刀ら実力派俳優の参加も話題となり、この夏一番の話題作として期待が高まっている。本作の音楽を担当した久石は、ゲーム版の『二ノ国 漆黒の魔導士』/『二ノ国 白き聖灰の女王』、そして『二ノ国II レヴァナントキングダム』の音楽を手がけており、“二ノ国”を音楽面から支え続けてきた人物だ。久石は本作の楽曲制作に関して、「“二ノ国”にはひとつの世界観がある。ストーリーがどうであろうと、一ノ国と二ノ国で作った音楽の根っこは一 緒なのです。そうするとある意味で今までの楽曲と同じ曲を使った方がいいケースもあるわけです。その辺をできるだけ客観的に分析しましたね」と語り、今まで築き上げてきた“二ノ国”の世界観を第一に考えたことを明かした。今回の映画化における楽曲制作は、久石にとってチャレンジでもあったようで、「ゲームと映画は違うものなので、制作の方法を変えました。私はどちらかというと、観客側から客観的にみているように作るのですが、今回はエンタテインメント大作なので、登場人物の心情や、置かれた状況に寄り添うような音楽を書きました」とゲーム版とは違うアプローチを選択したことを語りながら、「今回はパーカッション系や打ち込みの打楽器とリアルな打楽器などをかなり増やしました。全体的にリズミックに仕上げて、見る側がワクワクするような感じになってくれればと思っています。その部分はチャレンジですね」と映画版ならではの聴きどころを語ってくれた。映画『二ノ国』の楽曲には、『二ノ国』の誕生から関わってきた久石だからこそのこだわりとチャレンジがあった。そんな本作の楽曲に関して、『二ノ国』の生みの親で、本作の製作総指揮・原案・脚本を担当した日野は、「映画『二ノ国』の曲もすべて良い曲ばかりです!久石さんはエンジンがかかるとすごいパワーを発揮する方。今回その凄さを改めて感じましたね」と語り、久石と彼の楽曲を絶賛している。幼馴染のユウ、ハル、そしてコトナ。命の繋がりをもつ“一ノ国”(現実世界)と“二ノ国”の存在を知った時、3人の運命はふたつの国をまたにかけ、壮大かつドラマチックに展開していく。自分の愛する人を守るため、命を秤にかけることはできるのか?果たしてふたりが下した決断とは!?この夏、青春ファンタジーの新たな金字塔が誕生する。『二ノ国』8月23日(金)より全国公開
2019年08月16日まとふ(matohu)が国内外の刺激的なアーティストを招いて紹介するシリーズの第10弾として、陶芸家・中村譲司の「うつわの現在形」展を6月1日から10日まで、まとふ表参道本店にて開催。日本の焼き物の伝統の地、京都の清水五条坂でロクロを回し続ける若き陶芸家、中村譲司。まとふの茶箱展でもコラボレーションし、近年その才能が高く評価されている。異形のアート作品を作りだす感性と、職人としてロクロ仕事で鍛えた確かな技術でつくられるうつわは、独特の形といい、美しい釉薬の色といい、まさに「うつわの現在形」だ。今回はまとふのために、お茶のうつわなどを中心に制作。まとふゲストアーテイストシリーズでは初めての陶器の展覧会となる。【展覧会情報】matohuゲストアーティストシリーズ Vol.10 George Nakamura −「うつわの現在形」展会期:6月1日~10日会場:matohu表参道本店住所:東京都渋谷区神宮前5-9-25 1F時間:11:00〜20:00
2018年05月11日映画やドラマばかりでなく、バラエティ番組や情報番組などで幅広い活躍をみせる俳優・佐藤二朗。その圧倒的な個性は、どんな短時間の出演でも強いインパクトを残すほどだが、4月からスタートするテレビドラマ「やれたかも委員会」(MBS:4/22~、TBS:4/24~)では、これまでの演技スタイルとは違う役柄に挑んでいる。本作について佐藤さんは「こういう役もありがたい」と語ったが、その真意はどこにあるのだろうか――。■いつもの佐藤さんのコミカルさを徹底排除佐藤さん演じる「やれたかも委員会」主宰者であり弧星塾塾長・能島譲は、相談者が語る異性との忘れがたき(でも、結局はやれなかった)エピソードに耳を傾け、「やれた」「やれたとは言えない」どちらかの札を上げる判定に命がけでのぞむ男だ。この設定のキャラクターを佐藤さんが演じると聞いたとき、数々の作品で強いインパクトを与えているコミカルな演技を想像した人は多かったのではないだろうか。佐藤さん自身も「こういったバカバカしい設定で僕が演じるとなると、笑える芝居を期待する人は多いんじゃないかな」と想定していたという。しかし、劇中ではこうしたコミカルな芝居はいっさい封印しているという。「山口(雅俊)監督も、今回は僕のコミカルな芝居は求めていないという話でした。あくまで、能島は相談者に対して真剣に寄り添い、大げさな言い方かもしれませんが、命をかけて判定を下す。ほかの邪念はいっさい排除しました」。確かに、バカバカしいことを真剣に、一生懸命行う姿がおかしみとして、笑いを巻き起こすこともあるが「そういったことを考えてしまうと、どうしても自分のなかで笑いの虫がうずいてしまい、いつものようなコミカルな演技になってしまうと思ったので、頭のなかから消しました」と徹底してコミカルな演技を排除したという。■俳優人生を振り返る!こうした演出に対して「ありがたいことです」としみじみと語った佐藤さん。その真意を問うと、自身の俳優活動をゆっくりと振り返り始める。俳優を始めたてのころは「課長1」や「刑事1」という名前のない役が多かったという佐藤さんは、俳優だけで食べていくためには、「尖った芝居」をする必要があったという。そこで「手垢のついた方ですが、短い出番のなかで“つめ跡”を残す必要があった」と佐藤さんの代名詞とも言える瞬発力抜群の演技を行うようになっていった。そして破壊力のあるコミカルな演技は、多くの人の印象に残り、短い出番でも癖のある役が佐藤さんに集まっていった。一方で「滞空時間が長くて、しっかりと演出家の意図に沿った芝居もできるぞ」という思いは常に持っていたという。だからこそ、本作で山口監督が、しっかりしたビジョンのもと、コミカルな演技を排除し、ストレートな芝居を佐藤さんに求めたことが「ありがたかった」というのだ。「もちろん『お任せしますので二朗さんの好きにやってください』と言われることも、ものすごく光栄だし楽しいことなんですよ」と佐藤さんは語るが「やっぱり俳優って欲張りなので、なんでもやりたいというか『できるぞ』って思われたいんでしょうね。これまで自由な芝居を存分にやらせてもらっているからこそ、こう思うのかもしれませんが…」と照れ笑いを浮かべる。■自分のことよりも作品のためになにができるかを考えた方が楽しい!さらに、こうした思いに至った理由には、俳優としてのある心境の変化も大きく起因しているという。「好感度を上げようと思っているわけでは全然なく(笑)、いまは自分のために芝居をするよりも、作品のためになにができるかと考える方が楽しいんです」。本作でも「疲れて油断すると、いつもの“面白いことをしよう”という虫が出てしまうことがあるのですが、そこを山口監督がしっかり軌道修正してくれる。仮に、いつものような演技をしたら、その部分だけは笑いが起こるかもしれませんが、作品全体を見れば、相談者に真剣に寄り添う能島であるべきだし、そう考えて演じていると楽しいんです」と“個よりも作品”という考え方が強かったという。ただ“とにかくつめ跡を残したい”と思っていた若い時代でも、佐藤さんには、絶対に守るべきことがあった。「どんなに目立つような芝居をしても、その行為が、作品としてクオリティを下げるものではいけないという思いは常に持っていました。しっかりと芝居の色合いやシーンの意味を理解し、なにがいいのかは最低限考えていました。まあ、そうじゃなければ評価はされないでしょうし、どこからも声はかからないですからね」と作品への愛は、俳優を始めたときから変わっていないようだ。「両手両足を縛られるような感じだった」と本作で山口監督から受けた演出を表現した佐藤さん。そんな佐藤さんが魂を込めた、とにかく真面目で真剣、そして命がけで「やれた」という札を出す能島をぜひ堪能してもらいたい。(text/photo:Masakazu Isobe)
2018年04月23日「警官の血」「廃墟に乞う」など数々の警察小説を手掛けてきた直木賞作家・佐々木譲の初の法廷小説「沈黙法廷」が、9月よりWOWOWにて連続ドラマ化されることがこのほど決定。WOWOWで佐々木譲作品を映像化するのは今回が初。数々の社会派ドラマやミステリー作品などを手掛けてきた連続ドラマWにとっても新たな挑戦となる。東京都北区の赤羽で一人暮らしの老人が絞殺体で発見された。赤羽署の刑事たちは、警視庁と組み捜査を開始する。付近住民によると、被害者宅には時折、ある女性が出入りしていたという。個人営業の家事代行業者をしているという山本美紀という女だ。彼女の自宅マンションの前には、別の埼玉県警の警察車両も訪れていた。なんと彼女の仕事先では、ほかにも複数の不審死が発生していたのだ――。連続殺人犯としてマスコミの報道は過熱する。彼女は一体、何者なのか?何が真実なのか!?警察、マスコミ、彼女を信じる者…。三者三様の視点から、美紀の人生が徹底的に炙り出されていく。彼女は悪女か、それとも淑女か――。これまで江口洋介、吉岡秀隆、伊藤英明出演の「警官の血」や、内藤剛志主演の「制服捜査」など様々な作品がドラマ・映画化されてきた佐々木譲作品。今回WOWOWがドラマ化するのは、昨年刊行された“刑事・法廷ドラマ”が融合した傑作ミステリー「沈黙法廷」。佐々木氏が「警察小説では書きにくい逮捕後のドラマを描けると思いました」と語るように、裁判員制度導入後の法廷劇は見事なまでに緻密に描かれている。そして法廷劇だけではなく、警視庁と埼玉県警によって繰り広げられる緊迫の逮捕劇も魅力のひとつ。さらに、事件を過熱報道し世論を誘導するマスコミや、貧困が生み出す現代社会の実態など、多くの社会的要素を盛り込んでいる。今回のドラマ化について佐々木氏は「『沈黙法廷』は、わたしにとって最初のリーガル・サスペンスだ。お年寄りの殺人事件から始まる警察捜査小説にプラスして、被疑者が起訴された後の裁判の、その劇的な対立も描いた。被告席に立つ者は、無罪か、それとも有罪か。判決はどう出るのか?この法廷に生まれるドラマは濃密で、何度も何度も攻守は交代する。原作のその読みどころを、ドラマはどのように描いてくれるのだろうか。被告・山本美紀の人生を、どのように照らしてくれるのだろうか。楽しみだ」とコメントしている。本作の脚本は、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の尾崎将也、連続ドラマW「社長室の冬」の三浦駿斗。監督は連続ドラマW「誤断」村上牧人、「水族館ガール」の東田陽介が務める。「連続ドラマW 沈黙法廷」(全5話)は9月24日(日)より毎週日曜日22時~WOWOWにて放送(第1話無料放送)。(cinemacafe.net)
2017年07月06日日本映画界の巨匠・山田洋次監督の3年ぶりの最新作にして監督生活50周年の記念作品となる『東京家族』で、このほど音楽界の巨匠・久石譲が音楽を手がけることが明らかとなった。夢の初タッグを組んだばかりの2人の巨匠から興奮のコメントが到着!いまなお海外の映画ファンから支持を集める小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田監督が2012年の東京を舞台に“今の家族”の物語を描いた渾身の一作。瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦が息子たちに会いに上京し、一時はバラバラだった家族が久しぶりに揃うもその生活の違いから徐々に関係に歪みが生じていくさまを丁寧に映し出す。久石さんは、『風の谷のナウシカ』などのスタジオジブリ作品を始め、北野武監督作『HANA−BI』や『おくりびと』、『悪人』などの作曲を手がけており、その類まれなる音楽センスは海外でも高く評価されている、日本映画界に欠かせない存在。7月半ばに収録が行われた『東京家族』の音楽は、ピアノ演奏が終わった瞬間、山田監督に「ブラボー!」と言わしめるほどの会心の出来に。久石さん自身、山田監督作品の大ファンだそうで「『男はつらいよ』シリーズや、『幸福の黄色いハンカチ』、『武士の一分』、『おとうと』などこれまでいっぱい観てきているので、ぜひ一度参加させていただきたいなと思っていました!」と初タッグの興奮を明かす。レコーディングでは、何度も打ち合わせを重ねながらじっくりと丁寧に収録していったというが、その出来栄えに日本映画界の巨匠の口からは「僕がイメージしていたような、“そんな音楽が聞きたかった”と思っていたようなメロディであり、楽想、音色でありました。大変、満足しています!」と手放しの称賛の言葉がこぼれる。一方、久石さんは「山田監督はすごく芝居を大切にされる方なので、音楽もできるだけ控えめというか、“あまり主張はしないんだけど、後ろでしっかり支える”ような、そういう音楽が書けたらいいなと思って取り組みました」と音楽へのこだわりを明かした。久石さん曰く“しっかり支える”音楽が、どのように山田監督の紡ぐ物語とキャラクターの感情にリンクしていくのか?いまや遅しと完成が待たれる本作は既に撮影を終えており、現在はポストプロダクション中。完成は8月末になるようだ。『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:東京家族 2013年1月19日より全国にて公開© 2013「東京家族」製作委員会
2012年08月16日