お笑いコンビ・オズワルド(畠中悠/36、伊藤俊介/34)が28日、都内で行われた『サントリー生ビール』新CM発表会に登壇した。畠中は、先月に初期の腎臓がんの手術を終えたが、イベント冒頭では、笑顔で「元気になりました!」と復帰を生報告した。畠中は2月28日放送のTBSラジオ『ほら!ここがオズワルドさんち!』(毎週水曜深0:00)に出演し、初期の腎臓がんを患ったことを公表。昨年11月にお笑いコンビ・空気階段の鈴木もぐらとともにPET検査を受けた際に「腎臓の腫瘍」が判明したことを伝え、今年1月に泌尿器科で改めて検査を受けると「結果来たんですけど、めっちゃがんだった」と明かした。「取っちゃえば、今後の活動に影響が出るわけでもないし、食事制限があるわけでもないので、大きくなる前に手術をすれば完治します」といい「大丈夫なんです。だから、そのための1週間の入院」などと説明。その後、自身のSNSで無事に手術を終えたことを報告していた。イベントにはほか、新CMに出演する俳優の山崎賢人(崎=たつさき)、上白石萌音、今回のCMソング「川の流れのように」の歌唱を担当するアイナ・ジ・エンドも登場した。
2024年03月28日HOUNDDOGのボーカル・大友康平が18日に自身のアメブロを更新。腎臓に腫瘍が発見されたことを公表し心境を吐露した。この日、大友は「ファンの皆様へ」というタイトルでブログを更新し「この度は、ご心配をおかけして本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と検査入院で自身の腎臓に腫瘍が確認されたことについて言及。「何よりライヴをキャンセルせざるを得なくなってしまい楽しみに待っていてくれたファンの皆さんには心からお詫び申し上げます」と謝罪した。続けて「日頃より体調にはいつも注意して来た」といい「なんで俺なの?・・そんな思いに苛まれて、かなり凹んでしまいました」と告白。「しかし、運命は受け入れなくてはなりません」とつづり「幸い、発見も早く、知人の紹介で優秀な先生にも出会えました」と明かした。また「ライヴは一旦キャンセルになってしまいますが」と申し訳なさそうに述べつつ「しばし治療と静養に充てるお時間をいただきましてまた改めてみんなに会える機会を心より楽しみにしています」とコメント。最後に「人生はロックンロールだ!山あり谷ありの“波乱万丈!”こそ生き様だぜ!」「俺は不死身なのだ!」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「絶対にステージに帰ってきてください」「待ってます」「ずっと応援してます」「1日も早く良くなることを祈っています」などのコメントが寄せられている。
2024年01月19日株式会社誠心堂薬局(本社:千葉県市川市、代表取締役:西野 裕一、以下 当社)では、西洋医学と東洋医学の両視点から腎臓の健康について考えるための「元気な腎臓を守る健康セミナー」を企画し、2024年2月18日(日)AP新橋(東京都港区)にて開催いたします。講師には透析専門医と薬膳学のプロを招き、腎臓の健康を守るための秘訣についてお話いただきます。<セミナー詳細>URL: 元気な腎臓を守る健康セミナー【腎臓病セミナー開催の背景】腎臓の働きが慢性的に低下していく慢性腎臓病は新たな国民病ともいわれ、その患者数は1,300万人を超え、成人の8人に1人にあたると言われています。腎臓病の初期は自覚症状がほとんどなく、気が付かない間に進行することも少なくありません。透析予備軍ともいわれる慢性腎臓病を早期発見・早期治療をすることは医療費の圧迫を防ぐためにも社会的に重要な課題のひとつです。海外では、慢性腎臓病の治療に漢方薬といった中医学を活用する、西洋医学と中医学を融合した中西医結合での医療に注目が集まっています。まだまだ日本では知られていませんが、西洋医学と中医学の長所を生かした医療への取り組みは、腎臓病で悩まれている方にとって希望の光になると考え、今回のセミナーを企画しました。【西洋医学と東洋医学それぞれの専門家によるダブル講演】■第一部:みんなに知ってほしい、慢性腎臓病の話佐藤 孝彦(さとう・たかひこ)先生〔資格・在職〕医師・医学博士医療法人社団孚誠会(ふせいかい)浦安駅前クリニック 院長日本医師会認定産業医・日本透析医学会専門医日本医師会認定健康スポーツ医・ICD制度認定医〔講演内容予定〕・慢性腎臓病とはどんな病気なのか・慢性腎臓病はなぜ起こるのか?・腎臓病の原因やリスク因子について(糖尿病や生活習慣病など)・腎臓の大切や機能など・慢性腎臓病の対策・慢性腎臓病にならないためにできること■第二部:中医学を取り入れた薬膳で大切な「腎」を守りましょう辰巳 洋(たつみ・なみ)先生〔資格・在職〕本草薬膳学院 学院長日本国際薬膳師会 会長中国河南中医薬大学 兼職教授中国薬膳研究会(北京)国際薬膳師資格認定 審査員・常務理事〔講演内容予定〕・「腎」を中医学でどのように考えるか・「腎」によいと言われる食材・普段の養生のコツ・家庭でできる薬膳レシピ・体質で気を付けるポイント希望者全員に漢方の無料相談体験をご提供【腎臓病セミナーの特徴】1. 西洋医学と中医学のダブル講演西洋医学の専門医と薬膳学のプロの両方のお話を聞くことのできる又とない機会です。腎臓病の治療に欠かせない両専門家の話を通じて、腎臓を守るためにできることを再度考える機会としていただきたいです。2. 希望者全員に漢方の無料相談体験をご提供参加者のうち希望者全員に、専門家との無料漢方相談の体験付き。担当する専門家は、日本で漢方アドバイザーとして活躍するスタッフで、体質に合わせたアドバイスを受けられます。3. 希望者に参加特典のプレゼント漢方や鍼灸といった中医学を実際に取り入れたい方へは、漢方薬局での無料相談券やサービス券、鍼灸院での優待券をプレゼントいたします。【元気な腎臓を守る健康セミナー詳細】腎臓の健康をテーマに掲げたこのセミナーが、参加者の皆様にとって有益で充実した時間となりますよう期待しています。透析専門医 佐藤 孝彦先生と、本草薬膳学院学院長 辰巳 洋先生による各専門家の視点からのお話は、健康への新しい一歩を踏み出す手助けとなることでしょう。参加者の皆様には、腎臓の専門家から得られる貴重な知識と、東西の医学の融合から生まれる新しい視点に触れ、健康な生活において大切な腎臓のケアについて学んでいただけることを心より願っております。セミナー当日は、質問や意見交換の時間も設けておりますので、皆様からのご参加、事前のご質問等、沢山のお申込みをお待ちしています。当日に皆様とお会いできることを楽しみにしています。日時 :2024年2月18日(日)10:00~13:30会場 :AP新橋 3階 ROOM Bアクセス :JR「新橋駅」銀座口徒歩1分、東京メトロ銀座線「新橋駅」5番出口すぐ定員 :50名(事前申込み制)参加費 :無料(参加特典有り)対象 :腎臓の健康や、糖尿病、動脈硬化などで将来の健康が気になる方※18歳未満の方の参加はお断りしています。申込み方法:誠心堂薬局HP内にある申込みフォームよりお申込みください。※1回のお申込みでご家族ご友人様合わせて計3名様まで可。※重複申込みでのお席の確保はできません。▼詳細(誠心堂薬局HP) ▼申込みフォーム 【主催:誠心堂薬局について】当社は創業36年となる漢方相談薬局です。現在は、漢方専門相談薬局「漢方薬誠心堂」、漢方と鍼灸の総合相談室「誠心堂漢方館」、中医学専門鍼灸院「鍼灸院爽快館」の3形体の店舗を東京と千葉に計20店舗、展開しています。中医学に基づいた漢方薬や鍼灸の知識と経験を活かして、地域の方々の健康と笑顔のために尽力しています。代表の西野 裕一は「創業から変わらないことは、お客様との心と心のつながりを最優先しているところ」というように、社是にもある「お客様に愛を持って接する」ことを第一に医療の提供と正しい情報提供に努めています。▼当社HP 【会社概要】会社名 : 株式会社誠心堂薬局本社所在地: 千葉県市川市南行徳3-18-23代表者 : 代表取締役 西野 裕一設立 : 1987年3月URL : 事業内容 : 薬局の経営、医薬品及び医薬部外品の販売、鍼灸治療院及び接骨院の経営、化粧品の輸入及び販売、前各号に附帯する一切の業務 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年01月15日日本ヒルズ・コルゲート株式会社は、腎臓ケアのための特別療法食『ヒルズプリスクリプション・ダイエットk/d(ケイディー)シリーズ』の全ての製品に、革新的なヒルズ独自の新テクノロジー「アクティブバイオーム+キドニーディフェンス」を採用することを発表いたします。この新テクノロジーの採用により、腎臓病のペットの生活の質の向上に役立つことが科学的に証明されたおいしい療法食、ヒルズプリスクリプション・ダイエットk/d(ケイディー)シリーズが、さらに腎臓病ケアに適した製品にアップグレードします。大切な家族との毎日を支える力に<腎臓病と療法食>ペットがシニア期に入ると腎臓病の罹患リスクがあがります。腎臓病は、血液中の老廃物を取り除き、体内の水分とミネラルのバランスを維持する腎臓がダメージを受け、十分に機能しなくなった時に起こります。食事管理によりたんぱく質やリンの摂取を調整することで、たんぱく質の分解から生じる老廃物を血液内から減少させることができます。その結果、腎臓への負担が軽減されることになります。そのため、腎臓病と診断されたら、療法食を検討することが大切です。<ヒルズ独自の新テクノロジー「アクティブバイオーム+キドニーディフェンス」とは>近年、腎臓病と腸内環境が密接に関わっていることが研究で明らかになっています。アクティブバイオーム+キドニーディフェンスは、ベタインとヒルズ独自のプレバイオティクス繊維ブレンドで、腸内細菌叢に働きかけ、腎臓に害を及ぼす腸由来の尿毒素の産生を低減することによって、腎機能の保護に役立ちます。ヒルズ独自のプレバイオティクス繊維ブレンドは、フラクトオリゴ糖(FOS)とオート麦のβ-グルカンが、腸内細菌に働きかけ、尿毒素を低減することで、健康的なマイクロバイオーム(腸内細菌叢)へと繋げ、腎臓の健康を守ります。<ヒルズプリスクリプション・ダイエットk/d(ケイディー)シリーズの特徴>● アクティブバイオーム+キドニーディフェンスを採用することにより、マイクロバイオーム(腸内細菌叢)を活性化し、腎臓の健康をサポート● リンとナトリウムの量が調整されているため、健康的な腎臓機能が維持でき、生活の質向上に役立つ● 良質なたんぱく質を適量に配合し、筋肉の形成と運動能力のサポートに役立つ● EPAを含むオメガ-3脂肪酸が配合されていて、腎臓の健康維持に役立つ● ペットが病気の時も食べ続けてくれるよう、食欲を刺激する優れた美味しさを、科学的アプローチで実現。飽きずに食べられるよう、ドライとウェットの様々な食感の製品も充実<製品概要>カテゴリー:獣医師専用の特別療法食発売日:2023年11月より順次切替販売場所:全国の動物病院製品名:下記の通り●猫用ウェット〈猫用〉k/d ケイディー チキン 缶詰156g〈猫用〉k/d ケイディー ツナ 缶詰156g〈猫用〉k/d ケイディー チキン&野菜入りシチュー 缶詰82g〈猫用〉k/d ケイディー ツナ&野菜入り シチュー 缶詰82g〈猫用〉k/d ケイディー早期アシスト チキン&野菜入りシチュー 缶詰82g●猫用ドライ〈猫用〉k/d ケイディー チキン ドライ500g/2kg/4kg〈猫用〉k/d ケイディー ツナ ドライ500g/2kg/4kg〈猫用〉k/d ケイディー 早期アシスト チキン入り ドライ500g/2kg●犬用ウェット〈犬用〉k/d ケイディー チキン&野菜入り シチュー 缶詰156g〈犬用〉k/d ケイディー ビーフ&野菜入り シチュー 缶詰156g●犬用ドライ〈犬用〉k/d ケイディー チキン味 ドライ1kg/3kg/7.5kg〈犬用〉k/d ケイディー+モビリティ チキン味 ドライ1kg/3kg★12月4日発売(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2023年12月22日日本ヒルズ・コルゲート株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:リカルド タスカ)は、腎臓ケアのための特別療法食『ヒルズ プリスクリプション・ダイエットk/d(ケイディー)シリーズ』の全ての製品に、革新的なヒルズ独自の新テクノロジー「アクティブバイオーム+キドニーディフェンス」を採用することを発表いたします。この新テクノロジーの採用により、腎臓病のペットの生活の質の向上に役立つことが科学的に証明されたおいしい療法食、ヒルズ プリスクリプション・ダイエットk/d(ケイディー)シリーズが、さらに腎臓病ケアに適した製品にアップグレードします。<腎臓病と療法食>ペットがシニア期に入ると腎臓病の罹患リスクがあがります。腎臓病は、血液中の老廃物を取り除き、体内の水分とミネラルのバランスを維持する腎臓がダメージを受け、十分に機能しなくなった時に起こります。食事管理によりたんぱく質やリンの摂取を調整することで、たんぱく質の分解から生じる老廃物を血液内から減少させることができます。その結果、腎臓への負担が軽減されることになります。そのため、腎臓病と診断されたら、療法食を検討することが大切です。食事管理と腎臓<ヒルズ独自の新テクノロジー「アクティブバイオーム+キドニーディフェンス」とは>近年、腎臓病と腸内環境が密接に関わっていることが研究で明らかになっています。アクティブバイオーム+キドニーディフェンスは、ベタインとヒルズ独自のプレバイオティクス繊維ブレンドで、腸内細菌叢に働きかけ、腎臓に害を及ぼす腸由来の尿毒素の産生を低減することによって、腎機能の保護に役立ちます。ヒルズ独自のプレバイオティクス繊維ブレンドは、フラクトオリゴ糖(FOS)とオート麦のβ-グルカンが、腸内細菌に働きかけ、尿毒素を低減することで、健康的なマイクロバイオーム(腸内細菌叢)へと繋げ、腎臓の健康を守ります。アクティブバイオーム+キドニーディフェンスの働き参考文献:Ephraim E and Jewell DE. Effect of added dietary betaine and soluble fiber on metabolites and fecal microbiome in dogs with early renal disease. Metabolites 2020;10:0370.Hall JA, et al. Feeding cats with chronic kidney disease food supplemented with betaine and prebiotics increases total body mass and reduces uremic toxins. PLoS ONE 2022;17(5);e0268624.<ヒルズ プリスクリプション・ダイエットk/d(ケイディー)シリーズの特徴>● アクティブバイオーム+キドニーディフェンスを採用することにより、マイクロバイオーム(腸内細菌叢)を活性化し、腎臓の健康をサポート● リンとナトリウムの量が調整されているため、健康的な腎臓機能が維持でき、生活の質向上に役立つ● 良質なたんぱく質を適量に配合し、筋肉の形成と運動能力のサポートに役立つ● EPAを含むオメガ-3脂肪酸が配合されていて、腎臓の健康維持に役立つ● ペットが病気の時も食べ続けてくれるよう、食欲を刺激する優れた美味しさを、科学的アプローチで実現。飽きずに食べられるよう、ドライとウェットの様々な食感の製品も充実<製品概要>カテゴリー:獣医師専用の特別療法食発売日 :2023年11月より順次切替販売場所 :全国の動物病院製品名 :下記の通り●猫用 ウェット〈猫用〉k/d ケイディー チキン 缶詰 156g〈猫用〉k/d ケイディー ツナ 缶詰 156g〈猫用〉k/d ケイディー チキン&野菜入りシチュー 缶詰 82g〈猫用〉k/d ケイディー ツナ&野菜入り シチュー 缶詰 82g〈猫用〉k/d ケイディー早期アシスト チキン&野菜入りシチュー 缶詰 82g●猫用 ドライ〈猫用〉k/d ケイディー チキン ドライ 500g/2kg/4kg〈猫用〉k/d ケイディー ツナ ドライ 500g/2kg/4kg〈猫用〉k/d ケイディー 早期アシスト チキン入り ドライ 500g/2kg●犬用 ウェット〈犬用〉k/d ケイディー チキン&野菜入り シチュー 缶詰 156g〈犬用〉k/d ケイディー ビーフ&野菜入り シチュー 缶詰 156g●犬用 ドライ〈犬用〉k/d ケイディー チキン味 ドライ 1kg/3kg/7.5kg〈犬用〉k/d ケイディー+モビリティ チキン味 ドライ 1kg/3kg ★12月4日発売猫の腎臓の健康について: 犬の腎臓の健康について: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月21日ハンガリーの大都市デブレツェンの病院で働く看護師のアサト。骨肉腫との診断で左手の切断手術を受けたが、のちに誤診であったとわかる。その病院には、手の移植手術の権威ゾルタン医師がいて、労働者階級のポーランド人の手の移植をした。だが、接合された左手には、消えない違和感と強烈な拒絶反応が起こり…。本書は、あまたの読書家から熱い視線を浴びる朝比奈秋さんの最新刊だ。「手の移植をしたニュースを何かで見て衝撃を受けたんです。手の移植は世界的に見ても稀な手術で、そもそも教科書にも載っていない。前後してクリミア併合が起きて、領土が行ったり来たりするというのはどういうことなのかと、興味を持ちました。小さな院内で他人の手が意思に反してくっつけられる、個人のこぢんまりした話が、領土が勝手に分断されたり併合されたりする大きな問題と自然と結びつきました」アサトは日本人で、妻のハンナはクリミアのウクライナ人だ。マイダン革命以後、街の雰囲気が変わると夫婦で脱出したこともある。ハンナは看護師でもあり、紛争地に乗り込んで取材をするジャーナリストでもあるが、彼女が夫の故郷の島国をうらやましく思う感覚を、アサトは手の移植を介して初めて感じ取る。「常に戦争のリスクと隣り合わせで国境を維持してきたヨーロッパの人から見たら、日本はなんて恵まれた国かと思うでしょう。一方で、文化や宗教も含め他国を受け入れているようで、本当の意味では受け入れていないというのも、島国の特殊性なのかもしれません」物語はかなり進行するまで誰とわからない一人称語りで始まり、アサトの現在と過去が入り交じって進む。ゾルタンの視点も挟まれる。練られた構成に見えるが、朝比奈さん曰く、物語に対しては“受け身”。「僕が物語を考えているのではなく、思い浮かんだ映像を何とか理解して書いているだけ。なので、書く上で物語に対して干渉はしません。ただ書き終わるまでその映像が居座って離れないし、逆に言えば、物語とつながってる最中はアサトやハンナの苦しさや怒りの感覚が自ずと伝わってきて、自分の腹も背骨も震えます。そうやって、登場人物と一緒に苦しんで進んでいく書き方しかできないので、小説を書くのは僕にとっては業に近いです」写真:石渡 朋あさひな・あき1981年、京都府生まれ。2021年、「塩の道」が林芙美子文学賞に輝き、翌年、同作を収録した『私の盲端』でデビュー。今年『植物少女』で三島由紀夫賞を受賞。現役の医師でもある。朝比奈 秋『あなたの燃える左手で』医療人ならではの知識と、医師自身や患者、患者家族の思い、それを俯瞰する作家の目から生まれてくる言葉とイメージに揺さぶられる。河出書房新社1760円※『anan』2023年9月13日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年09月12日腎臓に関する病気は男性がかかるものというイメージを抱いている人も少なくないが、中高年になると女性の患者が増加してくるという。「病気のシグナルを『更年期だから』とか『気象病のせい』と思い込んで放置していると、症状がどんどん進行してしまうこともあるので注意が必要です」そう警鐘を鳴らすのは、泌尿器科の専門医である「くぼたクリニック松戸五香」の窪田徹矢院長だ。腎臓は背中側の腰より上に位置し、背骨をはさんで左右に一つずつある臓器。握りこぶしより少し大きく、空豆のような形状をしている。「“血液の浄化槽”の役割をしているのが腎臓です。血液をろ過して老廃物や余分な塩分を尿として体外に排出するほか、体の中の水分量のバランスを保つなど、体内を常に最適な環境にしてくれているのです。同時に、ビタミンDを活性化し、カルシウムの吸収を促すことで骨を強くする働きもあります。女性は閉経後、女性ホルモンのエストロゲンの生成量が激減しますが、このエストロゲンには腎臓に集まった尿酸の排出を促す役割があります。そのため、閉経後は尿酸をきちんと排出できなくなることから、尿酸値の上昇を招くことがあるので注意が必要です」(窪田院長、以下同)尿酸値が上がると、痛風や尿路結石といった体に激痛が走る病気にかかりやすくなることはよく知られている。このほか、腎臓の機能低下によりカルシウムの吸収が十分にできなくなると、骨粗しょう症にもなりやすくなる。更年期症状の治療の一つとして、ホルモン補充療法によりエストロゲンを補う人もいるが、腎臓の機能はいったん低下すると元に戻すことが極めて難しいという。さらに、腎臓の病気は“サイレントキラー”といわれるように、自覚症状がないまま進行するケースが多いのが厄介だ。特に、40代以降は「慢性腎臓病」になるリスクが増大する。慢性腎臓病とは、腎臓の働きが低下した状態が3カ月以上にわたって続くことを指す。国内での患者数は約1千330万人、じつに8人に1人がかかっていると推計されている。患者の数は男性と女性でだいたい2対1といわれているが、窪田院長によると、女性の患者は40代後半から急激に増えてくるという。「腎臓は体内に2つあるため、どちらか一方の状態が悪くなっても、もう一方がそれを補おうとします。この時点では目に見える大きな支障もないため、発見が遅れてしまうのです」初期に自覚症状はほとんどなく、進行してくると、夜間頻尿、手足や顔のむくみ、かゆみ、貧血、倦怠感、立ちくらみやめまい、不眠などの症状が現れる。これら女性に多い不調に、腎臓病が隠れていることがあるのだ。「更年期障害で見られる症状に似ていますが、体が発するシグナルを見落とさないようにするしかありません。症状が進んでやがて末期の状態になると、自力で血液をろ過できなくなる『腎不全』になり、人工透析を余儀なくされます。同時に、脳卒中や心筋梗塞など突然死にも直結する深刻な病気を発症するリスクが大きく増加してしまうのです」肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などは腎臓の働きを衰えさせるが、生活習慣病やメタボなども慢性腎臓病につながるものであり注意が必要だという。「自覚症状をチェックするほかに、定期的に健康診断を受診することも大切です。検査項目には腎臓の機能を測る『血清クレアチニン』という指標があり、ここの数字を見ます。クレアチニンとは老廃物のひとつで、基準値を超えていた場合は腎機能が低下している疑いがあります」慢性腎臓病の発症・進行を避けるためには、腎臓に負担をかけないように生活習慣を改めることがカギとなる。「腎臓にとって好ましくない生活習慣として、喫煙、過度な飲酒、運動不足のほか、睡眠不足も挙げられます。ほかに、カフェインを含む飲み物にも気をつけましょう。利尿作用があるため、就寝前に取ると睡眠の質が低下してしまうことがあるためです」バランスのよい食事、ウオーキングなど適度な有酸素運動もきちんと心がけたい。また、これから暑さが厳しくなるなか、頻尿に悩む人が水分摂取をためらってしまうこともあるが、熱中症予防の観点で水分補給は不可欠だ。「夜間頻尿に悩んでいる人は、寝る2〜3時間前に飲む水の量をコップ1杯程度にしましょう。そのほかは日中の水分補給をしっかり行うようにすると、腎臓にもやさしく、深い眠りにつくことができます」更年期になったら健康診断をきちんと受けて、腎臓が発するSOSを見逃すことのないよう気をつけたい。
2023年05月31日日本人の8人に1人が罹患しているという「慢性腎臓病(CKD)」。罹患率に対し認知度は低く、30〜40代の半数近くがこの病気について知らないのだそう。閉経後は腎機能が低下しやすく、「慢性腎臓病」リスクも高まるのだとか。生活習慣とも大きく関係しているという「慢性腎臓病」について、内科医の窪田徹矢先生にお伺いしました。教えてくれたのは…監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。★関連記事:肌のかゆみの原因はまさかの腎臓!? 腎臓の機能低下は頻尿や骨粗しょう症の危険性大!女性ホルモンの減少すると尿酸値が上昇してしまう閉経すると、女性ホルモンであるエストロゲンの生成量が激減します。これまで体の中にあったホルモンがなくなることによって、腎臓にどんな影響があるのでしょうか?「エストロゲンは、腎臓に集まった尿酸の排出を促進する役割を担っています。そのため閉経すると、尿酸がうまく排出できなくなり尿酸値が上昇しやすくなるのです。尿酸値が上昇すると、痛風や尿管結石といった体に激痛をもたらす病気のリスクが高まります。結石ができることで尿管や膀胱がふさがれてしまうと、尿がしっかりと排出できず、体に悪影響を及ぼすこともあります。それから、腎臓にはカルシウムの吸収を促進する活性型ビタミンDを作る役割があります。しかし、腎機能が低下すればその役割が果たせなくなり、骨粗しょう症を招くことがあります。骨粗しょう症の患者さんの中には、エストロゲンが減少しているだけではなく、腎機能が低下してしまっているという人もいます」(窪田先生)ホルモン補充療法などでエストロゲンを補えば、腎機能の低下を予防できますか?「エストロゲンを補充したからといって、腎機能が回復するというわけではありません。ですが、腎臓が悪くなりにくくはなると思います。骨粗しょう症や動脈硬化には効果的ですが、腎臓のためにホルモン補充療法を受けるということは現実的ではありません。閉経してエストロゲンの生成量が大幅に減少することで、骨密度の低下や心血管疾患のリスク増加、更年期障害などの健康リスクにさらされるようになります。他の症状のために治療を受けていたら腎臓にもいいことがある、くらいの認識にしておくのがいいでしょう」(窪田先生)慢性腎臓病ってどんな病気?自覚症状が出たときはかなり危険な状態!「慢性腎臓病」は、新たな国民病として近年話題になっている病気です。糖尿病や心臓病などと同じく、発症すれば生活の質を大幅に下げてしまう病気なのだとか。「慢性腎臓病とは、さまざまな腎臓病の総称のことです。例えば、糖尿病という病気は有名ですよね。ひと口に糖尿病といっても、妊娠糖尿病や1型糖尿病など病名はいろいろあります。慢性腎臓病も細かく見ていけば、慢性糸球体腎炎や腎硬化症などさまざまな病名があります。そうした慢性的に腎臓の機能が低下していく病気のことを、慢性腎臓病と呼んでいます。慢性腎臓病は腎臓の機能がかなり悪い状態にならなければ自覚症状が出てくることはありません。そのため、なかなか病気に気付きにくいということがあります」(窪田先生)なぜ自覚症状が出るのが遅いのでしょうか?「腎臓は体内に2つあるため、どちらか片方が悪くなってももう一方が働きを補ってくれます。働きを補えているうちは体もいつも通りですから、気付くのが遅れてしまうのです。症状としては、だるさやむくみ、高血圧や貧血など。どれも腎臓の機能が悪くなることで血液の循環や水分量の調節がうまくいかなくなって現れるものです」(窪田先生)腎臓病に気付くには定期的な検査が大切「健康診断で『血清クレアチニン検査』という項目を見たことはありますか? この検査は腎臓の機能を見る検査です。クレアチニンというのは老廃物の1種で、これが基準値を超えていた場合は腎機能が低下している可能性があります。もしオプション検査になっているようであれば、入れることをおすすめします。」(窪田先生)他に受けたほうが良いという検査はありますか?「そうですね、eGFR(推算糸球体ろ過量)という検査ですかね。これは腎臓が老廃物をどれだけ尿として排泄できているかを調べることができます。この数値が低ければ低いほど、老廃物が体内に残っているということですので、数値が低い人は腎機能が低下しているとされています。腎機能が悪いとエリスロポエチンという赤血球の働きを促進するホルモンの生成量が少なくなるため、貧血を起こしますので赤血球の数値なんかもチェックしておくと良いいいかもしれません。もし健康診断などで気になった点があれば、内科を受診して詳しく検査してくださいね」(窪田先生)まとめ今や腎臓病は生活習慣病の一つと言っても過言ではありません。自覚症状も出にくく、なかなか気付くことができない病気ですが、かかってしまうと生活にも影響が出てしまいます。定期的な検査で自分の状態を細かくチェックすることは大切ですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/監修/窪田 徹矢 先生くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
2023年05月02日年を重ねると、筋力や体力の低下を感じるようになりますよね。実は気付いていないだけで、内臓も加齢とともに機能が低下していくもの。特に「腎臓」の機能低下はさまざまな病気のきっかけになるのだとか。今回は年とともに衰えるという腎臓について、内科医の窪田徹矢先生にお伺いしました。教えてくれたのは…監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医★関連記事:「疲れの原因は副腎!?」しんどさの理由は更年期症状だけではなかった【チェックリスト付き】そもそも腎臓って何?体の水分量を調節する器官腎臓と聞いたとき、皆さんはどんなことを思い浮かべますか? きっと多くの方は「尿を作る場所」と思うのではないでしょうか。その考えに間違いはありません。しかし、腎臓にはもっとたくさんの役割があるのだとか。「腎臓の一番大きな役割は、尿を作るということです。血液が糸球体(しきゅうたい)という毛細血管の塊になったところに流れ込み、糸球体でろ過されることで原尿という尿の元になる液体が生成されます。この原尿は1日に150L作られますが、その内の99%は体に再吸収されるようになっています。再吸収されなかったもの、つまり老廃物が尿として排出されます。また、尿を作ることによって体内の水分量を調整しているので、体の中に水分がたまっていれば排尿量は増えます。それ以外にも血圧を調整する役割を担っています。腎臓のろ過機能を安定させるために、血液の流れを一定に保つ必要があります。血流の流れが悪くなると、レニンという酵素が分泌されますので、レニンの分泌量を増減させて血流を一定にしています」(窪田先生)他にはどのような働きがあるのでしょうか?「尿や酵素だけではなく、腎臓ではホルモンも生産されています。腎臓で作られるのはエリスロポエチンというホルモンなのですが、これは赤血球の働きを促進するホルモンです。なので、腎機能の低下によってエリスロポエチンが十分に生産されなくなると、貧血症状が出ることがあります。あとはビタミンDの活性化ですかね。ビタミンDは肝臓に蓄積されるのですが、それが腎臓に移動すると活性型ビタミンDというものに変化します。この活性型ビタミンDは、小腸からのカルシウムの吸収力を高めて骨を丈夫にしてくれる働きを持っています」(窪田先生)腎臓の主な役割はこの4つ!・尿を作る・血圧を調整する・ホルモンの生成・ビタミンDの活性化腎機能が低下すると…骨が弱くなったり肌がかゆくなったりする!?では腎機能が低下した場合、一体どのような症状が現れるのでしょうか。「一番自覚しやすいのは、やはりむくみだと思います。体がむくんでしまう状態は、不要な水分や塩分を十分に排出できていないということです。つまり、腎臓の機能が衰えて尿の生成がうまくいっていないことを示しているのです。尿の生成がうまくいかないということは、尿量の変化にもつながります。尿量が少なくなっていると、水分の排出ができていない証拠。腎機能の低下によって尿の濃縮力が弱まってしまい、多尿になることもあります。更年期世代に多く見られる夜間頻尿などの頻尿症状の多くは過活動膀胱という膀胱の病気が原因ですが、中には腎臓に原因があるという人もいます。また、尿によって老廃物が排出できていないということは、血液中に老廃物が残ってしまっている状態です。尿毒症という尿に毒素がたまってしまう状態になると、全身にだるさを感じることもあります。この病気になった場合、腎臓はかなり悪い状態になってしまっています」(窪田先生)なるほど、体内の水分調節がうまくできなくなってしまうんですね。「水分の循環が悪くなることで、肌が乾燥することもあります。乾燥だけではなく、排出できなかった老廃物がたまってしてしまい、肌がかゆくなってしまう人は多く見られます。あとはビタミンDが活性化しなくなることで、カルシウムが吸収できず、骨粗しょう症になります。閉経を迎えた女性は女性ホルモンが減ることで骨粗しょう症のリスクが高まっていますから、腎臓の状態には気を付けたほうが良いでしょう」(窪田先生)腎機能が低下するとこんな症状が!・むくみ・全身の倦怠感・肌の乾燥やかゆみ・骨粗しょう症腎臓を健康的にしておくには食生活が大切!腎臓は加齢とともに衰えていく臓器。30代ごろから徐々に衰え始めますが、特に50代を過ぎると腎臓が悪くなったと感じることが増えるのだそう。さらになんと80代になると、30代のときの約半分近くしか腎臓は機能しないのだとか! 腎臓の健康を保つためにはどうすれば良いのでしょうか?「食生活が何よりも大切です。コレステロールの多い乳製品や脂身、塩分の多い食事は避け、プロテインなどでたんぱく質を過剰摂取しないようにしたほうが良いです。里いもやさつまいもなどのいも類や白菜などカリウムが多く含まれたものは、塩分排出を助けてくれるのでおすすめですよ。1日20〜30分の有酸素運動や、筋トレでスクワット10回を3セットするなど体を動かすことも大切です。まったく運動しないことは良くないですが、運動が苦手なら湯船に浸かって血流を促進させることが有効です。あとは十分な睡眠を取る、喫煙はしないなど。アルコールは日本酒1合程度にとどめて、週2日は休肝日を設けてください。生活習慣を整えることで腎臓を守ることができます」(窪田先生)水分は1日にどのくらい摂取すべきでしょうか?「人によって違いますし、水分制限がある人もいますので一概にこの量がいい! というものはありません。ですが腎臓が悪くないという人は、1日に1L程度は摂取したほうが良いです。一気に飲むのではなく、コップ1杯を5〜6回にわけてこまめに摂取すると良いでしょう」(窪田先生)腎臓の健康をキープするポイント!・バランスの良い食事・体を動かして血流を良くする・十分な睡眠を取る・喫煙や過度なアルコール摂取はしない・こまめに水を飲むまとめ腎臓は生活習慣と深く関わっています。若いころに暴飲暴食をしていたら要注意なのだとか。腎臓の機能低下は日常生活にも影響してくるので、今からでも正しい生活習慣を身に付けたいですね。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者/監修/窪田 徹矢 先生くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
2023年04月30日「腎臓の大きな役割は、尿を作って老廃物を排出すること。腎臓が尿を作らないと尿毒症になり死に至ることもありますが、重要な役割はそれだけではありません。腎臓は体内の水分や塩分、血圧の調節や、造血、造骨など生命維持に欠かせないたくさんの機能に関わっています。つまり腎機能の維持が命に直結する。腎臓は“寿命を決める臓器”なのです」そう話すのは東北大学名誉教授で山形県立保健医療大学理事長・学長の腎臓医・上月正博先生だ。「しかし、多くの人は腎臓に無関心です。気づかぬうちに“慢性腎臓病”になっていることも」(上月先生・以下同)慢性腎臓病のおもな症状は、だるさやむくみ、食欲不振、吐き気、動悸、息切れなどだが、こうした症状が現れるのは病気がかなり進行してから。初期のうちは自覚症状がなく、腎臓は“沈黙の臓器”といわれる。私たちは不調や痛みなどを感じないまま、腎機能の低下を放置しがちなのだ。その結果、国内の慢性腎臓病の患者は増え続けて1330万人にも上っている。成人の8人に1人が腎臓病という計算だ。さらに腎機能は加齢とともに低下し、腎臓病は70代では3人に1人、80歳以上になると2人に1人に達する。■心筋梗塞や脳卒中を引き起こす慢性腎臓病慢性腎臓病になると、どんなリスクがあるのだろう。「腎臓のろ過機能が低下してタンパク尿が出たり、血管が硬くなってカルシウムが沈着することも。こうした病変が、心臓で起これば狭心症や心筋梗塞など、脳で起これば脳梗塞や脳出血などを引き起こす危険性があります」恐ろしい慢性腎臓病だが、先述のとおり、加齢に伴う腎機能の低下は免れないという。「50代以降は特に注意が必要です。また女性は『月経痛や頭痛などでよく痛み止めを使った』という人が多いのでは。痛み止めや解熱剤などは飲みすぎると腎臓にダメージを与えます。長期間服用していた人は腎機能低下の恐れがあるので、ぜひ検査を受けてください」腎機能には加齢や薬のほか、糖尿病や高血圧、メタボリック症候群などの生活習慣病も負担になる。慢性腎臓病の進行は止められないのだろうか。「生活習慣病の薬物療法に加えて、運動療法が有効で、腎臓病の進行の抑制や、回復も期待できます。ですが、検査も受けず放置していると、末期の腎不全や尿毒症になりかねません。そうなると、人工透析か腎移植を受けるしかなく、命を落とすケースもあります」いっぽうで、腎臓はよい食べ方をすれば守ることができるという。「腎臓は食べたもののうち、不要なものを捨てる臓器です。捨てなくてはならないものが多いと、腎臓は疲れやすくなります。反対に、捨てるものが少ない食事は腎臓を守ってくれるのです」腎臓病の人は食事で減塩や摂取カロリーの制限だけでなく、重症になればタンパク質やカリウム、リンの摂取制限や血糖コントロールが必要な人もいる。腎臓を守るためには複雑で続けづらい対策をしなくてはならないのだろうか?「人工透析が必要なほど重症でなければ、それほど厳密に考えなくてもいいでしょう。まずは目標を決めましょう。塩分を1日3グラム以上6グラム未満に抑えること。腎臓の機能低下がない限りタンパク質は毎食20グラム以上取ること。そして脳卒中や心筋梗塞を招く高リン血症のもととなるリン酸塩を避けることです。そのために、私が考えたつぎの『シンプルな食べ方10カ条』を実践してください」■おすすめは魚の和定食。野菜や海藻も積極的に【1】栄養成分表を必ずチェック食品パッケージの裏面にある栄養成分表を見て、塩分とエネルギー(カロリー)、タンパク質の量をチェック。塩分は「食塩相当量」で考える。記載がナトリウム量なら、ナトリウム量(ミリグラム)×2.54÷1000が食塩相当量となる。【2】菓子パンやお菓子を控える高カロリー・高糖質・高脂質なので、腎臓にとって要注意食品だ。【3】甘いジュースや砂糖入りコーヒーを控える液体の糖質は吸収されやすく血糖値を上げやすい。水分補給はなるべく糖分を含まない飲み物に。【4】肉の脂身や皮は残す脂身や皮はカロリー大!脂肪の少ない鶏のささ身やむね肉、牛や豚ならヒレ肉などを選ぶのも手。【5】ハム、ベーコン、ソーセージ、インスタント食品を食べすぎない塩分が多いうえ、リン酸塩も含まれる。食べるときは水にさらすか、ゆでこぼしてから。【6】朝食は「無塩」を目指す朝食を無塩にできれば、1日の塩分量を昼食と夕食の2回に割り振れる。たとえば低糖質グラノーラと牛乳、バナナとヨーグルト、ふかし芋と牛乳などが無塩朝食だ。【7】ファストフード、揚げ物、ラーメンを控える高カロリー・高塩分・高糖質・高脂質の代表格。ご褒美として週1~2回食べる程度に抑えよう。【8】一汁三菜、魚の和定食を野菜から食べる定食は食材が多く必要な栄養素がそろいやすい。主菜は肉よりも脂質の少ない魚が◎。ただ塩焼きなどは塩分が多いので、薄味の野菜をたっぷりと、ご飯は少なめに。また、糖質の吸収を穏やかにするため、野菜から食べ始めよう。【9】緑黄色野菜、淡色野菜を増やす野菜には、腎臓を傷める活性酸素の害を抑える抗酸化作用や、塩分を体外に排出する働きなどがある。毎日350グラムの野菜を食べよう。【10】海藻、きのこ、こんにゃくを増やす便秘は腎臓にも悪影響を与える。食物繊維が豊富で低カロリーの食材で、腸の健康を保とう。腎臓を守る食べ方は早く始めて、続けることが肝心。腎機能を長持ちさせて、元気に長生きしよう。
2023年03月20日NPO法人 日本腎臓病協会(東京都文京区、理事長:柏原 直樹、以下「日本腎臓病協会」)と協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、2019年5月に締結した「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、腎臓病に対する啓発活動の一環として、慢性腎臓病(CKD)の疾患認知に関するアンケート調査を継続的に実施しています。今回は2022年11月に実施した最新の調査結果についてお知らせします。CKDは脳卒中、心臓病、認知機能障害とも関係しており、国民の健康寿命を損なう要因となっています。日本では1,330万人の患者がいると言われています※。これは成人の約8人に1人という計算になり、特に高齢者では有病率が高いとされています。※:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018(編集 日本腎臓学会)より今回は、20歳から70歳代の一般市民1,630名を対象に、慢性腎臓病(CKD)に関する認知度について、インターネットによる全国アンケート調査を実施しました。その結果、慢性腎臓病(CKD)を「症状も含めてよく知っている」あるいは「病名だけは知っている」と回答したのは全体の63.9%でした。年代別にみると、若年層(20及び30代)においては半数以下の認知度であるが、年齢層が上がるにつれて認知度が向上し、70代では83.7%でした。図1 慢性腎臓病の認知度慢性腎臓病(CKD)に当てはまる症状に関する設問に対して、むくみと回答した割合が63.9%と最も多く、次いでタンパク尿58.4%でしたが、両項目ともに、20~30代の若年層ではその割合は低いものでした。また、健康診断における腎機能と尿検査の項目(複数回答可)では、尿蛋白が55%と最も高く認知されており、次いで血清クレアチニン28.5%、eGFRの認知度は16.9%にとどまりました。今回の調査結果について、日本腎臓病協会理事長、川崎医科大学副学長 腎臓・高血圧内科学 主任教授の柏原 直樹先生は次のように述べています。「慢性腎臓病(CKD)は糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満症と関連が深く、20代、30代といった若年期からの生活習慣が発症に大きく影響していることから、若年層への啓発活動や健康診断における尿蛋白の意義やeGFRの認知を高めていくことが重要です。その一方で慢性腎臓病に罹患している方の重症化を防ぐためのサポート体制や早期の診断・治療の体制を全国でさらに整備していくことも望まれます。」今回のアンケート調査の詳細については、今後学会発表を予定しています。日本腎臓病協会と協和キリンは今後も「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、慢性腎臓病に関する疾患認知度調査の実施をはじめ、医療連携に関する医師向け講演会や報道関係者対象のセミナーの開催など、腎臓病の疾患啓発と対策活動に協力して取り組みを進めていきます。【eGFRとは】Estimated glomerular filtration rate(推算糸球体ろ過量)の略。腎移植ドナーなど正確な腎機能評価が必要な場合にはGFR測定のgold standardであるイヌリンクリアランス法を実施しますが、日常臨床では血清クレアチニン値の測定結果を基に算出されるeGFRが用いられます。【日本腎臓病協会について】日本腎臓病協会は、医療者、市民、関連企業、行政等が連携し腎臓病を克服するために、立ち上げた組織です。腎臓病の普及啓発、診療連携体制の構築、腎臓病療養士制度の運営、患者会との連携、アカデミアと関連企業、行政等が連携するプラットフォームである「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」を運営します。日本全国どこにいても、良質な医療の恩恵を享受できる環境の実現に尽力します。「腎臓病の克服」が私共の願いです。詳細は をご覧ください。【協和キリンについて】協和キリンは、Life-changingな価値をもつ新しい医薬品を創出し、患者さんへ届けることに真摯に取り組んでいます。70年以上の歴史をもつ日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経などの様々な治療領域において、抗体医薬品の研究をはじめ最先端の科学・技術の応用に邁進し、患者さんと社会のニーズに応えます。4つの地域 -日本、アジア/オセアニア、北米、EMEA- にわたり、協和キリンは共通の価値観であるコミットメント・トゥ・ライフ、イノベーション、チームワーク/和・輪、インテグリティのもと、病気と向き合う人々に笑顔をもたらすために尽力します。協和キリンの事業について、詳しくはこちらのサイトでご覧ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月02日3児の母でブロガーのマメ子さんによる、43歳で腎がんになった体験を描いたマンガを紹介します。今回は、手術で取った腎臓の病理検査の結果や、がんは遺伝するのかどうかを聞いたときのこと。気になる結果はというと……。★前の話昨日は、退院後の初診察でした。取った腎臓の、詳しい検査結果を聞きます。初めてがんかどうかを聞く診察のときより、とにかく緊張していました。なるべく先生の言葉が聞き取れるように、予習をしてから診察に挑む……!1週間ぶりの主治医先生。「その後どうですか? 体調はお変わりないですか?」はい! おかげさまで!痛いときに飲む薬をもらったけど、結局一度も必要なく……。術後20日たとうとしている今、何もしなければ痛みは感じません(くしゃみとかしたら痛いです)。まず、取った腎臓の画像を見せてもらう。ぱっかり2つに切られて、中に腫瘍がしっかり入っていたのがわかります。なんか……アボカドみたい。写真撮りますか?って言われたけど、やめておきました。そして、検査の結果。先生、紙に書きながら説明してくれます。まず、私のがんは淡明(たんめい)細胞型という種類。腎がんで一番多い種類です。大きさは33mmで(画像から測ってもらったときは45×55mmくらいと言われていた)ステージ1、Grade2。グレードって何ですか?と聞いたところ、グレードは1から3まであって、がん細胞の異型度(正常な細胞とどれくらい異なっているかを示す度合い)を表しているとのこと。現段階でやっぱり転移は確認されていないので、今後は経過観察。腎臓には有効な腫瘍マーカーがないので、CTと血液検査、尿検査で調べるということ。転移が見つかった場合、腎がんは放射線治療がほとんど効かないため、手術か薬物療法になるということ。このがんは珍しい種類のがんではなかったし、さんざんいろいろなサイトやブログを読みあさっていたこともあり、ほとんどが聞いたことのある情報でした。ホッとしたところで、聞きたかったことを聞いてみる。淡明細胞型の腎がんは、高い割合(6〜7割?)でVHLという遺伝子の異常と関係していると聞いたけど、それは調べることはできるのか。もし私のがんがそれだったら、子どもにも遺伝している可能性があるのか?(私の頭の中を図にしました)先生の答えは、保険の範囲内で調べることはできない。それに、私のがんからVHL遺伝子異常が見つかったとしても、それが遺伝したものか、細胞ががん化したから遺伝子が変化したのかは判断できない。ただ、血縁で腎がんが多いなどのことがない限りは、遺伝によるものと考えないのが普通。そっか。安心しました。なんでそんなことが気になったかというと、実は私が入院する少し前から、長男の様子が気になっていて……。食事のとき、喉につかえる感じがして、すぐ食べられなくなってしまうことが多かったのです。このとき、いろいろながんの初期症状を調べまくっていた私は、まさか息子は喉に大きい病気があるんじゃないか??と不安になり……。ストレスなどで嚥下障害になることがあるのは知っていたけど、何しろ私が10万人に数人のくじを引いたばかりだから、「息子に限ってがんなんてない」とはとても思えず……!喉と腎臓は関係ないけど、がんが遺伝と関係があるかもしれないってことが心配でした。ちなみに喉はカメラで見てもらい、できもののような物はなく、ひとまず安心でした。----------------子どもに病気が遺伝する可能性があるのかどうか、気になりますよね。血縁で腎がんが多いなどのことがない限りは、遺伝によるものと考えないのが一般的とわかり、よかったですね。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。著者/マメ子(43歳)2021年3月血尿と疼痛から腎がんとの診断を受け、4月21日に右腎摘出、経過観察中。3児の母。ブログ「そらマメ絵日記(腎がん経過観察中)」を日々更新中。Instagram:@sora_mameko.628
2022年12月24日腎臓に負担のかかる冬―ほかっておくと、知らない間に人工透析の直前になっていたという危険性も株式会社 桜の花出版(本社:東京都町田市)は、新刊「慢性腎臓病の楽しい食事―腎臓病を悪くしないため、人工透析にならないため、毎日がんばっているあなたへ」(著者:吉村吾志夫)の電子書籍を、2022年11月1日に販売開始致します。腎は老化と関連が深い今年もあっという間に11月、寒くなると腎臓には大きな負担がかかっています。腎は成長や老化とも関係が深く、次のうち思い当たる症状が2つ〜3つあった場合、腎の弱りが考えられます。◇足が冷える◇腰から膝にかけて重だるい◇尿が近い◇夜お手洗いに起きる◇最近、物忘れをする◇白髪が増えた◇立ちくらみ夜間、排尿のために1回以上起きなければならない症状を夜間頻尿といいます。加齢とともに頻度が高くなります。腎機能の低下も要因の一つです。『慢性腎臓病の楽しい食事』で弱った腎臓を守る!健康診断で腎機能低下を指摘されても、かかりつけ医から「様子を見ましょう、経過を見てください」と言われるだけなので、「本当にこのままで良いのだろうか」と不安に思うことはありませんか。ネット情報や自分で本を選び、「運動が良い」「食事療法が良い」と自己流の対応をしているうちに、腎機能が悪化していく。こんなに努力しているのに…。著者の吉村吾志夫先生は、腎臓病治療の超スペシャリストです。(日本腎臓学会専門医および指導医、日本透析医学会認定医および指導医、日本病態栄養学会専門医)多くの患者さんを治療し、食事療法を指導しながら、「もっと早く対応していたら、人工透析にならなかったのに」そんな悔しい思いを長年いだいてきました。そこで、「今なら、まだ間に合う!」という皆さんに、真に有効な「慢性腎臓病の食事療法」を届けるために執筆した本が、この『慢性腎臓病の楽しい食事』です腎臓は頑張り屋さんー腎臓を守ることは健康寿命を延ばすこと腎臓は、様々な働きをしています。1尿を作り排出する2血圧の調節3血液(赤血球)を造る4体内環境を一定に維持する5強い骨を作る腎臓の病気が進行すると、このような生命維持のために必要な多くの働きが低下します。つまり腎臓を守ることは、健康寿命を延ばすことにつながるのです。たんぱく質制限「ただ肉や魚を食べなければいい…ではない」腎臓の機能が弱った方々に、食事療法として「たんぱく質制限」を聞かれたことがありますか?腎機能が低下すると、たんぱく質が代謝されてできる老廃物(燃えカス)が腎臓から排出されず、高カリウム血症、アシドーシス、体液量の異常、高リン血症、尿毒症などの代謝異常を生じます。食事から摂取されるたんぱく質制限をすることで、腎臓への負担を軽くするのです。「たんぱく質制限をするなら、肉や魚を食べなければいいんだろう」言うのは簡単ですが、ご自分の食事を頭に思い描いてください。普通の人の食事の「おかず」は、たくさんのたんぱく質を含んでいます。肉や魚を抜きにして、毎日、毎日どのように食事の献立を立てることができますか?いうまでもなくたんぱく質も重要なエネルギー(カロリー)源です。患者さんの食事においてまず大切なのは、「適切なエネルギー摂取」です。「たんぱく質をそれほど食べなくたって大丈夫だよ。糖質や脂質を十分食べれば、エネルギー(カロリー)は摂れるから」と言う患者さんもいらっしゃいます。思い出してください。慢性腎臓病患者さんの食事には、食塩摂取制限も重要です。このような方法では、いいとこ数日しか持ちません。おいしい、おいしくない、とかいう以前の問題です。ようするに〝甘ったるくて、油っぽい〟食事になってしまいます。これをずっと継続するなんて、できません。結局、とても食べられなくて、摂取エネルギーは減って痩せ細っていきます。たんぱく質摂取制限のCKDに対する効果は全く期待できないばかりか、栄養状態が低下して病気そのものも悪化してしまいます。つまり、普通においしくいただける食事を通常の食品から献立を考えて作ることは無理だということがわかります。通常の食品でおいしくいただける献立を作ろうとするとエネルギー不足となってしまいます。通常の食品だけでは、たんぱく質の制限はできても十分なエネルギーを確保することはできないのです。これを続ければ、栄養障害を来すだけで、治療効果は望めません。要するに通常食品のみでは、治療効果のある低たんぱくの食事療法は実行不可能なのです。いろんな課題がありますつまり、自己流の食事療法は考えるほど簡単ではないのです。◆ 「たんぱく質制限」はどのくらいしたら良いのか?◆ たんぱく質制限で筋肉量が落ちて、寝たきりになったりしないか心配◆ 野菜の「茹でこぼし」「小さく千切りし水にさらす」、これって一生しないといけないの?◆ 運動して体調は少し良くなったけど、これで人工透析にならずにすむのかな?スポーツでも仕事でも、最初が肝心といいます。最初に良い指導者について指導を受けること! それが上達の近道です。自己流では変な癖が付いたり、努力に結果が伴わなかったり…。ましてや医療の自己流って本当に危険です‼慢性腎臓病の食事療法に精通している先生方を紹介巻末に、食事療法に精通していらっしゃる先生方を紹介しています。<あとがき>をご紹介しましょう!本書を読んでいただいた患者さんで食事療法に取り組んでみようと思われた方がいらっしゃれば幸いです。では、どこで指導を受ければいいのかと迷われる場合が多いと思います。全国には、慢性腎臓病患者さんの食事療法を熱心にされている医療施設がありますので、ご紹介致します。それでもここに載せた医療施設までは遠くて定期的には通えないという患者さんもいらっしゃるかもしれません。そういった場合は、患者さんの腎機能の状態にもよりますが、間隔をあけて半年に1回、1年に1回、というふうに、そのような医療施設を受診して食事内容についての評価をしていただき、定期受診は近所のかかりつけ医の先生のもとに通うというのが無理なく継続可能です。専門医とかかりつけ医の連携によって、患者さんに過度のご負担をかけずに慢性腎臓病に対し有効なアプローチができます。私のところにも、そのような形で、北海道、東北から関西、九州など遠方から年に1、2回受診される患者さんが多くいらっしゃいます。一度、次頁以降(巻末)に掲載された先生に代表される、食事療法に理解のある先生方の医療施設にご連絡ください。その場合は、かかりつけの先生とご相談のうえで行うのがよろしいと思います。受診の際には、検査結果やお薬手帳などをお持ちいただくとよいかと思いますが、受診予約の際に、何を持っていったら良いかお尋ねになると良いでしょう。お示しした先生方は、慢性腎臓病患者さんへの治療に熱心な方々ばかりですので、日頃疑問に思っていることなどに答えてくれるでしょう。ご注意していただきたいのは、他の病院や医院のホームページには、腎臓病の食事療法もやっておりますと記載されているのですが、行ってみたら十分な指導もなく、本文で述べたようなカリウムの話程度で終わってしまうことがあります。かかりつけの先生にもご相談し、受診するところを選ばれるとよろしいでしょう。慢性腎臓病の食事療法は一生続くものです。あなたに寄り添い励まし、共に歩んでくれる主治医との二人三脚によって、あなたの人生が有意義なものとなることを心よりお祈りしています。書籍概要書籍名:慢性腎臓病の楽しい食事―腎臓病を悪くしないため、人工透析にならないため、毎日がんばっているあなたへ著者:吉村 吾志夫定価:本体1,200円(税別)発行 桜の花出版/発売 星雲社四六判: 203ページ言語: 日本語ISBN-10:4434310399ISBN-13:9784434310393発売日:2022/10/14寸法: 10.9 x 7.8 x 1.4cm該当分野:実用書、家庭の医学 ※電子書籍も発売されます。著者プロフィール吉村吾志夫(よしむらあしお)新横浜第一クリニック院長昭和大学医学部客員教授慢性腎臓病治療のメッカである昭和大学藤が丘病院腎臓内科の三代目の教授に2008年に就任。慢性腎臓病の食事療法においてパイオニアの一人であった先代の出浦照國教授が提唱されていた食事療法を継承するとともに、糸球体腎炎の発症や進展に関する実験的研究に加えて、IgA腎症に対する扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法の有効性や、妊娠高血圧症候群などの多くの臨床研究に従事してきました。退職後は、多くの慢性腎臓病の患者さんの治療に奔走する傍ら、従来の臨床研究の継続とともに、栄養士とともに医療従事者や患者さんに対する食事療法の啓蒙活動を全国で展開されています。Amazon : 楽天ブックス : 書籍情報(ダウンロード用)『慢性腎臓病の楽しい食事』桜の花出版.pdf : 桜の花出版 株式会社人としてどう生きるべきかーいつの時代も変わらない人類永遠のテーマです。桜の花出版は、より良い医療と健康な生き方を提案する『国民のための名医ランキング』、歴史を知るための必読書である『シリーズ日本人の誇り「日本人はとても素敵だった」』『THE NEW KOREA』、『侘び然び幽玄のこころ』『タオと宇宙原理』など長く読み継がれる書籍の刊行を通じて、皆様の人生を豊かにする一助となれるよう願っています。桜の花出版 株式会社 所在地 :〒194-0021 東京都町田市中町1-12-16設立 :1998年6月事業内容 :出版 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年11月01日腎臓をいたわって、健康寿命を延ばそう!株式会社 桜の花出版(本社:東京都町田市)は、新刊「慢性腎臓病の楽しい食事―腎臓病を悪くしないため、人工透析にならないため、毎日がんばっているあなたへ」(著者:吉村吾志夫)を、2022年10月17日に発売いたします。 『慢性腎臓病の楽しい食事』で弱った腎臓を守る!健康診断で腎機能低下を指摘されても、かかりつけ医から「様子を見ましょう、経過を見てください」と言われるだけなので、「本当にこのままで良いのだろうか」と不安に思うことはありませんか。ネット情報や自分で本を選び、「運動が良い」「食事療法が良い」と自己流の対応をしているうちに、腎機能が悪化していく。こんなに努力しているのに…。著者の吉村吾志夫先生は、腎臓病治療の超スペシャリストです。(日本腎臓学会専門医および指導医、日本透析医学会認定医および指導医、日本病態栄養学会専門医)多くの患者さんを治療し、食事療法を指導しながら、「もっと早く対応していたら、人工透析にならなかったのに」そんな悔しい思いを長年いだいてきました。そこで、「今なら、まだ間に合う!」という皆さんに、真に有効な「慢性腎臓病の食事療法」を届けるために執筆した本が、この『慢性腎臓病の楽しい食事』です。いろんな課題がありませんか?○ 「たんぱく質制限」はどのくらいしたら良いのか?○ たんぱく質制限で筋肉量が落ちて、寝たきりになったりしないか心配○ 野菜の「茹でこぼし」「小さく千切りし水にさらす」、これって一生しないといけないの?○ 運動して体調は少し良くなったけど、これで人工透析にならずにすむのかな?スポーツでも仕事でも、最初が肝心といいます。最初に良い指導者について指導を受けること! それが上達の近道です。自己流では変な癖が付いたり、努力に結果が伴わなかったり…。ましてや医療の自己流って本当に危険です‼腎臓をいたわって健康寿命をのばしましょう!慢性腎臓病(CKD)等の腎不全、腎機能低下の疑いがある場合、腎機能検査として尿検査で、尿たんぱくや血尿の有無(尿潜血反応)、クレアチニン、GFR(糸球体濾過量)、eGFR(推算糸球体濾過量)、シスタチンC、BUN(尿素窒素)、ミネラルのナトリウム、 カリウム、クロール、カルシウム、リンなどを調べます。さらに指標として有効なのが、SCrです。慢性腎臓病の一要因となるのが、高血圧、特に糸球体高血圧ですが、本書ではそのメカニズムや、人工透析を避けるための食事療法(たんぱく質制限、ミネラル制限、減塩)を楽しく長続きさせるにはどうしたら良いか、カロリー確保、アシドーシス、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム、サルコペニアなども詳しく解説し、食事制限に伴う不安を解消します。腎臓をいたわって、健康寿命をのばしましょう。目次どうして「楽しい食事」なの?著者の吉村先生からのメッセージです。「食事制限ができない患者さんに、ダメだなあとは言えません。食事は食べたいものを、おいしくいただくものです。患者さんは、それを制限して食事をされています。できなくても当然なのです。普通の人ができないことを実践されているのですから、多少はずれても是正しながら、やればいいのです。人間ですから〝食べたいものは食べたい〟これは当たり前です。だから1~2週に1回はお好きなものを食べて構いません。そして翌日からまた頑張ればいいのです。慢性腎臓病の食事療法を頑張って生活されている患者さんに、またこれから開始せねばならない患者さんに、本書が少しでも手助けになれば望外の喜びです」「慢性腎臓病といっても、病気の進行度、重症度はその人その人で様々なのです。例えば慢性糸球体腎炎の代表格であるIgA腎症も、非常に軽いものから短期間で透析療法が必要になるものまで千差万別です。当然、治療内容も異なります。食事療法も同様です。画一的なものでは意味がありません。各々の病気の重症度や進行度に合わせた食事が必要となります。食事は毎日の生活の中心ともいえるものです。従って、ご自分の状態に合わせた適切な食事を行わなければなりません。「まあ、ちょっとやってみようか」などという気持ちでやって効果が上がるものでもないですし、効果も上がらず負担だけ増すような状況は避けねばなりません。全ての腎臓病の方の参考になればと思い、本書を執筆いたしました。腎臓病について、また食事療法について正しく理解していただき、特に食事療法が必要な方々が実践、継続しやすくなれば、と願っております」書籍概要書籍名:慢性腎臓病の楽しい食事―腎臓病を悪くしないため、人工透析にならないため、毎日がんばっているあなたへ著者:吉村 吾志夫定価:本体1,200円(税別)発行 桜の花出版/発売 星雲社四六判: 203ページ言語: 日本語ISBN-10:4434310399ISBN-13:9784434310393発売日:2022/10/14寸法: 10.9 x 7.8 x 1.4cm該当分野:実用書、家庭の医学 ※電子書籍も発売されます。Amazon : 楽天ブックス : 著者プロフィール吉村吾志夫(よしむらあしお)新横浜第一クリニック院長昭和大学医学部客員教授慢性腎臓病治療のメッカである昭和大学藤が丘病院腎臓内科の三代目の教授に2008年に就任。慢性腎臓病の食事療法においてパイオニアの一人であった先代の出浦照國教授が提唱されていた食事療法を継承するとともに、糸球体腎炎の発症や進展に関する実験的研究に加えて、IgA腎症に対する扁桃腺摘出+ステロイドパルス療法の有効性や、妊娠高血圧症候群などの多くの臨床研究に従事してきました。退職後は、多くの慢性腎臓病の患者さんの治療に奔走する傍ら、従来の臨床研究の継続とともに、栄養士とともに医療従事者や患者さんに対する食事療法の啓蒙活動を全国で展開されています。書籍情報(ダウンロード用)『慢性腎臓病の楽しい食事』 桜の花出版.pdf : 桜の花出版 株式会社人としてどう生きるべきかーいつの時代も変わらない人類永遠のテーマです。桜の花出版は、より良い医療と健康な生き方を提案する『国民のための名医ランキング』、歴史を知るための必読書である『シリーズ日本人の誇り「日本人はとても素敵だった」』『THE NEW KOREA』、『侘び然び幽玄のこころ』『タオと宇宙原理』など長く読み継がれる書籍の刊行を通じて、皆様の人生を豊かにする一助となれるよう願っています。桜の花出版 株式会社 所在地 :〒194-0021 東京都町田市中町1-12-16設立 :1998年6月事業内容 :出版 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月14日バクスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:ダニー・リスバーグ。以下「バクスター」)は、2022年3月10日の世界腎臓デーにあたり、慢性腎臓病(CKD)、末期腎不全(ESKD)(以下「腎臓病」)の予防と管理、そして治療へのアクセス向上の啓発をさらに推進する決意を新たにし、より一層の力を注いでまいります。● 2022年3月10日は、世界腎臓デー「Bridge the knowledge gaps to better kidney care(知識のギャップを埋め、より良い腎臓ケアにつなげよう)(*1)」です。● すべての人々の腎臓の健康を願い、腎臓病と共に暮らす人々の健やかな生活を応援するとともに、年々増加する腎臓病の患者さんが治療選択肢について理解を深め、ご家族や医療従事者の方々とのより良いコミュニケーションにつながるよう支援していきます。バクスターは、透析療法の世界的なパイオニアである米・バクスターインターナショナルインクの日本法人として、透析関連製品の開発・製造・販売・サービスなどの事業を通じ、長年にわたって腎臓病患者さんの生活の質向上に向けて尽力しています。加えて近年では、腎臓ケアの啓発活動として腎臓病の治療選択肢などをテーマとした専門家による市民公開講座を開催するほか、2021年11月には患者さんやご家族、介護者の方向けの情報ウェブサイト『いっしょに考える腎臓病( )』を立ち上げるなど、腎臓病患者さんの健やかな生活を応援し、腎代替療法の選択を行う際の満足度向上や不安の軽減に貢献するための情報提供にも積極的に取り組んでいます。さらに、医療従事者を介した情報提供の際にもお役立ていただける資料の開発や教育機会の提供にも注力しています。「Bridge the knowledge gaps to better kidney care(知識のギャップを埋め、より良い腎臓ケアにつなげよう)」をテーマとする2022年3月10日の世界腎臓デーを迎えるにあたり、バクスターは「患者さんの生命を守る」というミッションのもと、2022年も製品事業に並行して啓発活動の取り組みも一層強化し、患者さんやご家族、医療従事者の方々にとってより良い腎臓ケアの実現に貢献してまいります。■世界腎臓デーについて腎臓病治療の大切さを広く認知してもらうことを目的に、2006年に腎臓財団国際連合(IFKF)と国際腎臓学会(ISN)によって、毎年3月の第二木曜日が「世界腎臓デー」と定められました。公式サイト: (*1)。■大切な臓器である腎臓腎臓には、体の中の老廃物を除去し、体の水分や塩分のバランスを一定に保つといった働きのほかに、血圧のコントロールや赤血球の造血、骨の健康を維持するといった人々が生きていくための大切な役割を担っています。その腎臓に障害がある、または、腎臓機能の低下が3か月以上続くと、腎臓が機能を徐々に失っていく病気「慢性腎臓病」と呼ばれる状態になります。さらに、慢性腎臓病があると、心筋梗塞、心不全、脳卒中など、心血管病を発症するリスクが高まるとも言われます。そして腎臓の機能が15%以下になると、血液透析、腹膜透析、腎移植といった腎代替療法の検討が必要となる末期腎不全の状態となります。慢性腎臓病は、進行すると自然に元に戻ることはなく、初期には自覚症状が少ないため、気が付かないまま病状が進行してしまう場合も多いのが特徴です。そのため、腎臓病を防ぐために、一人ひとりが健康診断などを通じて高血圧や糖尿病の兆候およびeGFR(糸球体濾過量)などを把握し、自分の腎臓の状態を知ることが大切です。また、もし腎臓病と診断された場合には、状態に適した治療を受けること、そして必要な栄養素を採りながら適切な食事管理を行うことを通じて病気の進行を遅らせることが極めて重要です(*2)。■年々増加する日本の腎臓病患者さんの現状毎年、腎臓病に関連する死亡率は増加し続けており、世界でも2040年までに5番目に多い死因になると懸念されています(*3)。また、日本でも慢性腎臓病患者さんは、成人の約8人に1人いるとされています(*4)。さらに慢性腎臓病が進行し、末期腎不全となる患者さんは年々増加傾向にあり、2016年以降は毎年4万人を超える患者さんが新規に透析導入を行い(*5)、2019年には100万人あたりの透析人口は2,693人、世界2位(*6)という数に到達しています。■腎臓病の治療選択において重要な患者さんと医療従事者間のコミュニケーション末期腎不全が進行した際に必要となる腎代替療法選択は、治療の医学的な長所や短所だけでなく、趣味(たとえば、旅行に行くことなど)や家族・介護者のサポートなどについて医師や医療スタッフと相談し、余裕をもって治療法を選択することが重要だと言われています(*7)。さらに、患者さん自身としても半数を超える方々が、腎代替療法が必要となった場合には、「医療従事者と相談して一緒に決めたい」、4人に1人の方が「医療従事者の説明を聞いて自分で決めたい」と考えており、ご自身の治療に関与したい意向をもつ割合は8割を超えていることがNPO法人腎臓サポート協会による慢性腎臓病患者さんのアンケートから判明しています(*8)。患者さんが十分な治療選択肢に関する情報を得て、医療スタッフと患者さん・ご家族がチームとなり、どの治療が今の自分に合っているのかを一緒に考えること(共同意思決定)が満足度の高い治療生活をおくっていくためには重要です(*9)。■バクスター株式会社についてバクスター株式会社は世界的なヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人です。2019年、日本法人設立50周年を迎えた当社は腹膜透析、血液透析に関わる透析製品事業分野、吸入麻酔薬や急性血液浄化治療をはじめとするホスピタルプロダクト事業分野、局所止血材や癒着防止吸収性バリアを中心としたアドバンスサージェリー事業分野を軸に医薬品、医療機器のリーディングカンパニーとして、イノベーティブな製品とサービスを提供し、日本の医療現場に貢献して参ります。 ■バクスターインターナショナルインクについて日々、数百万もの患者さんおよびケアを提供する方々、そして医療従事者が患者さんの自宅、病院、クリニックや医療を提供される場所でバクスターの業界をリードする診断、クリティカルケア、腎臓領域、栄養領域そして病院および手術に用いられる製品をはじめとしたポートフォリオを信頼し、使用しています。当社は、90年以上の長きにわたり、患者さんの生命を守るイノベーションとそれを実現する医療従事者が交わる重要な領域において事業を行っています。世界中でバクスター従業員は、100カ国以上で使用されている製品、デジタルヘルスソリューションそして治療法により、医療を飛躍的に進展させてきた豊かな伝統を礎に、次世代の革新的なヘルスケアイノベーションを推進しています。詳しくは をご覧ください。また、Twitter( )、LinkedIn( )、Facebook( )でも発信しています。バクスターインターナショナルインクは、世界腎臓デーのグローバルサポーターとして、腎臓病の予防や治療に関わる啓発活動、医療従事者の教育などを進めています。2020年より欧州、アジア太平洋地域や南北アメリカ地域の腎臓病学会や患者団体などが参加するInternational Roundtable for Home Dialysis(在宅透析に関する国際円卓会議)をスポンサーしており、同円卓会議では腎臓病患者さんの新型コロナウイルス感染症への脆弱性に鑑み、在宅透析へのアクセス向上は急務であるとし、普及に向けた知見を国や地域を越えて共有していくこと、各国政策策定者に対して共有していくことなどのコンセンサスを確立し、さらなる在宅透析の普及に向けた議論が推進されています(*10)。(*1) 日本腎臓病協会ウェブサイト (*2) いっしょに考える腎臓病 日本透析医学会統計調査委員会:図説 わが国の慢性透析療法の現況(2020年12月31日現在)。(*3) International Society of Nephrology (ISN) と International Federation of Kidney Foundations (IFKF)による世界腎臓デーサイト (*4) 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012(*5)日本透析医会 わが国の慢性透析療法の現況 2020年末の慢性透析患者に関する集計 日本透析医学会ホームページ:わが国の慢性透析医療の現況 (*6) The United States Renal Data System (USRDS)Annual Data Report2021Trends in the prevalence of dialysis (per million population/year), unadjusted, by country/region, 2009-2019(*7) 腎代替療法選択ガイド 2020 第一章腎代替療法の選択Q5のA (*8) 腎臓サポート協会2019年会員アンケートの結果 (*9) 腎臓病SDM推進協会 The Japan Shared Decision Making Collaborative for Chronic Kidney Disease (ckdsdm.jp)(*10) Kidney Med. 2021 May 25;3(4):635-643. doi: 10.1016/j.xkme.2021.04.004. eCollection Jul-Aug 2021. 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月10日NPO法人 日本腎臓病協会(東京都文京区、理事長:柏原 直樹、以下「日本腎臓病協会」)と協和キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和キリン」)は、2019年5月に締結した「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、腎臓病に対する啓発活動の一環として、慢性腎臓病(CKD)の疾患認知に関するアンケート調査を継続的に実施しています。今回は2021年11月に実施した最新の調査結果についてお知らせします。CKDは脳卒中、心臓病、認知機能障害とも関係しており、国民の健康寿命を損なう要因となっています。日本では1,330万人の患者がいると言われています※。これは成人の約8人に1人という計算になり、特に高齢者では有病率が高いとされています。※:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018(編集 日本腎臓学会)より今回は、20歳から50歳代の一般市民1,606名を対象に、慢性腎臓病(CKD)に関する認知度について、インターネットによる全国アンケート調査を実施しました。その結果、慢性腎臓病(CKD)を「症状も含めてよく知っている」あるいは「病名だけは知っている」と回答したのは全体の55.9%で、2019年の初回調査結果より5.2ポイント上昇しました。年代別にみると、いずれの年齢層でも認知度向上が認められており、2019年時にはいずれも43.5%だった若年層(20及び30歳代)においても、40%後半まで上昇しています。(図1、図2)また、生活習慣病としては「糖尿病」「高血圧性疾患」がいずれも50%以上の高い認知度を示す一方、「慢性腎臓病」は27.4%と、生活習慣病としての認知度が低いことがわかりました。(図3)図1 慢性腎臓病の認知度図2 慢性腎臓病の認知度の経年変化図3 慢性腎臓病の生活習慣病としての認知度慢性腎臓病(CKD)を認知している回答者のうち、健康診断における腎機能検査と尿検査項目の中で、この疾患とつながりの深いものを問う設問で回答が多かったのは、「尿蛋白」で51.4%となり、2019年の調査結果より5.9%上昇しました。その一方、臨床でCKDの重症度の指標として利用されているeGFR(推算糸球体ろ過量、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示す)は15.5%となり、非常に認知度が低いことがわかりました。さらに「タンパク尿」や「血清クレアチニン高値」を放置することで起こりうるのは何かという設問では、「人工透析による継続的な治療」が最も多く、58.6%でした。今回の調査結果について、日本腎臓病協会理事長、川崎医科大学副学長 腎臓・高血圧内科学 主任教授の柏原 直樹先生は次のように述べています。「糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満症は生活習慣病として広く認知されています。慢性腎臓病(CKD)はこれらの疾患とも関連が深く、20代、30代といった若年期からの生活習慣が発症に大きく影響しています。2019年から継続している調査結果から、慢性腎臓病(CKD)自体の認知は向上していますが、生活習慣病としての認知は他疾患に比べて低い状況に変化がないことが分かりました。今後、疾患の予防に向けた対策を進めていくうえで、年代に応じた適切な情報発信を継続し、腎臓病の克服を目指してゆきたいと思います。」今回のアンケート調査の詳細については、今後学会発表を予定しています。日本腎臓病協会と協和キリンは今後も「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、慢性腎臓病に関する疾患認知度調査の実施をはじめ、医療連携に関する医師向け講演会や報道関係者対象のセミナーの開催など、腎臓病の疾患啓発と対策活動に協力して取り組みを進めていきます。■eGFRとはEstimated glomerular filtration rate(推算糸球体ろ過量)の略。腎移植ドナーなど正確な腎機能評価が必要な場合にはGFR測定のgold standardであるイヌリンクリアランス法を実施しますが、日常臨床では血清クレアチニン値の測定結果を基に算出されるeGFRが用いられます。■日本腎臓病協会について日本腎臓病協会は、医療者、市民、関連企業、行政等が連携し腎臓病を克服するために、立ち上げた組織です。腎臓病の普及啓発、診療連携体制の構築、腎臓病療養士制度の運営、患者会との連携、アカデミアと関連企業、行政等が連携するプラットフォームである「Kidney Research Initiative-Japan(KRI-J)」を運営します。日本全国どこにいても、良質な医療の恩恵を享受できる環境の実現に尽力します。「腎臓病の克服」が私共の願いです。詳細は をご覧ください。■協和キリンについて協和キリンは、Life-changingな価値をもつ新しい医薬品を創出し、患者さんへ届けることに真摯に取り組んでいます。70年以上の歴史をもつ日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経などの様々な治療領域において、抗体医薬品の研究をはじめ最先端の科学・技術の応用に邁進し、患者さんと社会のニーズに応えます。4つの地域―日本、アジア/オセアニア、北米、EMEA―にわたり、協和キリンは共通の価値観であるコミットメント・トゥ・ライフ、イノベーション、チームワーク/和・輪、インテグリティのもと、病気と向き合う人々に笑顔をもたらすために尽力します。協和キリンの事業について、詳しくはこちらのサイトでご覧ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月01日米国のメリーランド大学で今月上旬、遺伝子操作したブタの心臓をヒトに移植する手術が世界で初めて行われ、話題となった。移植を受けたデヴィッド・ベネットさん(57)は、末期の心臓病を患っており、今回の手術が命を繋ぐ最後の望みだった。長期的な生存が可能かどうかは未知数だが、画期的な手術の成功例として、世界中にその名を知られるに至った。そんな祝福ムードの中、ある女性が彼の過去についてBBCに告発し、波紋を呼んでいる。「みんなベネットをヒーローやパイオニアのように扱っていますけど、あの男はそんな人間じゃありません」こうBBCの取材に対して語ったのは、レスリー・シューメイカー・ダウニーさんだ。告発した内容は、ベネット氏が1988年、自身の妻がレスリーさんの弟・エドワードさんの膝に座っているのを見て激しく嫉妬し、持っていた刃物でエドワードさんの背中を何度も刺したというものだ。当時、ベネット氏は暴行と武器の所持で有罪となり、禁固10年を言い渡された。エドワードさんは一命は取り留めたものの半身不随となり、2007年に亡くなったという。「私の次女が、『ママ、この人、エドおじさんを刺した人だよ』とメッセージを送ってきて、初めてニュースを知ったんです。あの男が心臓を受け取ったことに腹が立ってしまって」と、レスリーさんはBBCに対して語っている。メリーランド大学医療センターはNew York Timesに対して、「病院や医療機関は、その門をくぐった全ての患者に対し、医療上の必要性に基づいて救命処置を行うという厳粛な義務を負っています」とコメントした。またBBCは、移植チームも「過去の犯罪歴は、治療を拒否する理由には決してなり得ない」と明言したと伝えている。
2022年01月17日3児の母でブロガーのマメ子さんによる、43歳で腎がんになった体験を描いたマンガを紹介します。今回は、腎臓摘出手術後しばらく体調がよかったのが、油断したせいか頭痛を頻発するようになったときのこと。体を見直すきっかけになったそうです。★前回:「こんな面積いらないよ!」乳がん検査でやるせない気持ちになること #43歳で腎がんになった話 31最近、低気圧のせいなのか、食生活の緩みのせいなのか、片頭痛が再発しています。井戸端会議のノリじゃん!先生、相変わらずだなぁ。で、手術した病院では一応聞いたけど、もう1回ここでも痛み止めについて聞いてみました。そりゃ飲まないのが一番なんだけど、なんかもっとスッキリする答え欲しい!それに、今までは仕事中に薬が効かないと、6時間も待てなくてまた飲んじゃって……。でも、よく考えたらそこまでして(用法を守らないで)仕事するより、そんなときは帰らせてもらおうかな?いつも思うけど、診察代って結構かかるよね……。腎臓摘出手術後、病院に行っていなかったので、今回、久しぶりに体について考え直すきっかけにはなりました。なったのだけども、マジでやめて!次回は、術後3カ月検診に行ったときの様子をお伝えします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)★最初から読む:「え? 血尿!?」脇腹が痛く、頭痛に吐き気、悪寒まで… #43歳で腎がんになった話 1★関連記事:「悪性である可能性が高い」エコー検査でしこりを診た医師に告げられ… #40歳独身で乳がんになりました 3★関連記事:乳がんで右乳房を全摘。だいたひかるさんインタビュー「抗がん剤治療中、太らないようにサウナスーツでレンタルDVD店へ(笑)」#2著者/マメ子(43歳)2021年3月血尿と疼痛から腎がんとの診断を受け、4月21日に右腎摘出、経過観察中。3児の母。ブログ「そらマメ絵日記(腎がん経過観察中)」を日々更新中。Instagram:@sora_mameko.628
2022年01月11日3児の母でブロガーのマメ子さんによる、43歳で腎がんになった体験を描いたマンガを紹介します。今回は、脚のむくみについて。腎臓を片方取ってしまうと、むくみがひどくなるかと思っていたそうなのですが、果たして結果は……?★前回:「お金、どうなる?」がんにかかった費用を計算してみたら… #43歳で腎がんになった話 24腎臓は体内の水分をコントロールしているっていうので、片方を取ったらむくみはひどくなるんじゃないか?と心配してたのですが、今のところ手術前よりむくみがひどくなったという感じはありません!でも、先週から仕事復帰し、動きの少ない立ち仕事なのでやはりむくみが気になるようになってきて……。お風呂でマッサージなんかもするんですが、面倒で続かない。最近は、ただ壁に向かって30分くらい脚を上げるというむくみ取り法をしたりしています。これが一番ラクだし効く!ほかにラクして細くなる方法はないか……、着圧ソックスなんてどうかしら?早速買ってみた!レギンスタイプにするか、太ももまでのソックスタイプにするかを迷ったけど、これから暑くなるし、ソックスのほうが安いし、太ももまでのタイプのほうが締め付けが効きそうな気がして、そっちにしてみました。下から押し上げたお肉が、おしりを持ち上げてくれるんじゃないかしら?期待に胸をふくらませはいてみると…!は、はみ出る!なんか思ってたのと違う!さらに、おしりは締め上げられた太ももの上に、あふれた「しり肉」が覆いかぶさる……!たしかにもともと垂れてはいたけど、今まで見たこともないおぞましいおしりに仕上がってしまった……!!なるほど、おしりがはみ出る人はやっぱりレギンスタイプをはけということか。もしくは別で補正下着を着けるとか。でもとりあえず、問題は足のむくみに効いてるかどうかです。そう、今まで何もはかない状態の足は、1日仕事すると……こうでした!さあ、着圧ソックスをはいて1日仕事して、果たして効果はあるかな?ワクワクして測ってみると……あれっ……?えっ……微妙〜!ほんのちょっとだけ、効果がある感じはするけど……。やっぱりソックスをはいただけで、この頑固なむくみを解消するのは厳しいか?でも、ふくらはぎはともかく、太ももは朝とほぼ変わらなかったです。それは効果あったかも。それにまだ初日だし、続ければもうちょっと変わるかもしれません。1cm、2cmの違いでゴタゴタ言って息子の冷ややかな視線が痛いけど、なるべく続けていきたい……!次回は、医師からがん検診はしっかり受けるようにと言われ、子宮がん検診へ行ったときの様子をお伝えします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)★最初から読む:「え? 血尿!?」脇腹が痛く、頭痛に吐き気、悪寒まで… #43歳で腎がんになった話 1★関連記事:38歳で不妊治療を開始。だいたひかるさんインタビュー「前向きに取り組めたのは夫のおかげです」#1★関連記事:室井佑月さんインタビュー「シングルマザーだった35歳のとき、膵臓に腫瘍が見つかった」#1著者/マメ子(43歳)2021年3月血尿と疼痛から腎がんとの診断を受け、4月21日に右腎摘出、経過観察中。3児の母。ブログ「そらマメ絵日記(腎がん経過観察中)」を日々更新中。Instagram:@sora_mameko.628
2021年12月27日3児の母でブロガーのマメ子さんによる、43歳で腎がんになった体験を描いたマンガを紹介します。今回は、手術で取った腎臓の病理検査の結果や、がんは遺伝するのかどうかを聞いたときのこと。気になる結果はというと……。★前回:「これは私!?」術後に痩せたと喜んでいたら思いも寄らぬ惨状が #43歳で腎がんになった話 19昨日は、退院後の初診察でした。取った腎臓の、詳しい検査結果を聞きます。初めてがんかどうかを聞く診察のときより、とにかく緊張していました。なるべく先生の言葉が聞き取れるように、予習をしてから診察に挑む……!1週間ぶりの主治医先生。「その後どうですか? 体調はお変わりないですか?」はい! おかげさまで!痛いときに飲む薬をもらったけど、結局1度も必要なく……。術後20日たとうとしている今、何もしなければ痛みは感じません(くしゃみとかしたら痛いです)。まず、取った腎臓の画像を見せてもらう。ぱっかり2つに切られて、中に腫瘍がしっかり入っていたのがわかります。なんか……アボカドみたい。写真撮りますか?って言われたけど、やめておきました。そして、検査の結果。先生、紙に書きながら説明してくれます。まず、私のがんは淡明(たんめい)細胞型という種類。腎がんで一番多い種類です。大きさは33mmで(画像から測ってもらったときは45×55mmくらいと言われていた)ステージ1、Grade2。グレードって何ですか?と聞いたところ、グレードは1から3まであって、がん細胞の異型度(正常な細胞とどれくらい異なっているかを示す度合い)を表しているとのこと。現段階でやっぱり転移は確認されていないので、今後は経過観察。腎臓には有効な腫瘍マーカーがないので、CTと血液検査、尿検査で調べるということ。転移が見つかった場合、腎がんは放射線治療がほとんど効かないため、手術か薬物療法になるということ。このがんは珍しい種類のがんではなかったし、さんざんいろいろなサイトやブログを読みあさっていたこともあり、ほとんどが聞いたことのある情報でした。ホッとしたところで、聞きたかったことを聞いてみる。淡明細胞型の腎がんは、高い割合(6〜7割?)でVHLという遺伝子の異常と関係していると聞いたけど、それは調べることはできるのか。もし私のがんがそれだったら、子どもにも遺伝している可能性があるのか?(私の頭の中を図にしました)先生の答えは、保険の範囲内で調べることはできない。それに、私のがんからVHL遺伝子異常が見つかったとしても、それが遺伝したものか、細胞ががん化したから遺伝子が変化したのかは判断できない。ただ、血縁で腎がんが多いなどのことがない限りは、遺伝によるものと考えないのが普通。そっか。安心しました。なんでそんなことが気になったかというと、実は私が入院する少し前から、長男の様子が気になっていて……。食事のとき、喉につかえる感じがして、すぐ食べられなくなってしまうことが多かったのです。このとき、いろいろながんの初期症状を調べまくっていた私は、まさか息子は喉に大きい病気があるんじゃないか??と不安になり……。ストレスなどで嚥下障害になることがあるのは知っていたけど、何しろ私が10万人に数人のくじを引いたばかりだから、「息子に限ってがんなんてない」とはとても思えず……!喉と腎臓は関係ないけど、がんが遺伝と関係があるかもしれないってことが心配でした。長くなるので続きはまた……。(ちなみに喉はカメラで見てもらい、できもののような物はなく、ひとまず安心でした)次回も、取った腎臓の病理検査の結果についてお伝えします。監修/窪田徹矢先生(くぼたクリニック松戸五香院長)★最初から読む:「え? 血尿!?」脇腹が痛く、頭痛に吐き気、悪寒まで… #43歳で腎がんになった話 1★関連記事:室井佑月さんインタビュー「シングルマザーだった35歳のとき、膵臓に腫瘍が見つかった」#1★ウーマンカレンダー連載マンガをもっと読む著者/マメ子(43歳)2021年3月血尿と疼痛から腎がんとの診断を受け、4月21日に右腎摘出、経過観察中。3児の母。ブログ「そらマメ絵日記(腎がん経過観察中)」を日々更新中。Instagram:@sora_mameko.628
2021年12月15日■前回までのあらすじ不妊治療の病院を卒業することに。医師からは、受精卵の冷凍保存をするかどうかを聞かれて…。夫とも相談し、受精卵を冷凍保存することに決めました。待望の妊娠ライフで待ち受けていたのは…!?※この物語は私の経験を基に、一部編集しています。※この記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の身内の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師や専門家に相談いただき、ご自身の判断によって適切なご対応をお願いいたします。次回に続く(全24話)毎日10時更新!
2021年11月30日米アラバマ州に住む女性が自らの腎臓を警察官に提供し、話題となっている。というのも、かつて二人は逮捕する側とされる側だったからだ。KTBCによると、過去薬物に溺れたジョセリン・ジェイムズさんは2007年から2012年の間の約5年間で16回も逮捕され、刑務所の常連となっていたという。彼女を幾度となく逮捕し、更正を説き続けたのが、フィル・キャンベル署の警察官、テレル・ポッターさんだった。「自分の人生なんかどうでもいいと思っていました。殺人以外のことは大体やっていましたね。今、生きていることに心から感謝しています。あのままなら、きっと死んでいただろうから」とNBCに語るジェイムズさんは、今年の11月には出所8年、禁薬8年のお祝いをするつもりだという。今の彼女があるのは、犯罪の道から無理矢理にでも掬い上げてくれたポッターさんのおかげなのだ。一方のポッターさんは、昨年腎臓病を患いドナーを探していた。医師からはドナーが見つかるまで7〜8年はかかるかもしれないと言われていたという。ポッターさんの娘がFacebookに父親の窮状を書き込むと、それがジェイムズさんの目に止まった。ジェイムズさんはすぐに検査を受け、ポッターさんに適合することがわかると生体腎移植のために提供すると申し出たという。「彼に腎臓が必要だということを知ったとき、聖霊が私に『お前はあの人の腎臓を持っているよ』と言ったんです」(ジェイムズさん)移植手術は7月21日に行われ、無事に成功。ポッターさんは「彼女はもう1人の娘のようなもの。家族の一部ですよ。私たちの間には一生続く素晴らしい関係ができました。間違いありません」と喜びを語る。ジェイムズさんは現在、「The Place of Grace(恩寵の場所)」という、女性が薬物依存から立ち直るための支援を行う施設を運営している。
2020年09月10日美容鍼灸師という仕事をしている私は、昔ながらの美容法や、ホリスティックなものを推している人と思われがちですが、必ずしも東洋医学に偏っているわけではなく、美容クリニック系の西洋医学的な美容施術も大好きです。個人的には、「美容効果があればなんでもいい」と思っている雑食とでもいいましょうか。西も東もナチュラルもケミカルもお構いなしなので、東洋医学に傾倒している鍼灸師の先生たちからしてみたら、「お前と一緒だと思われたくない」と、眉をひそめたくなるようなゆるい考え方なのかもしれません(笑)。■「培養皮ふ治療」(肌培養)は自分の若い頃の細胞を使ったアンチエイジングそういう考え方のため、自分で美容鍼を打つ以外でも、アンチエイジングとして、数年前から「培養皮ふ治療」を受けています。どんなものか簡単に説明すると、培養皮ふ治療とは、自分の皮膚を採取して、そこからコラーゲンやエラスチンを生成してくれる「線維芽細胞」を培養し、老化によって細胞が減ってきたところ(シワやたるみがあるようなところ)に培養した細胞を移植して、肌を若返らせるというもの。整形ではなく、肌の再生医療。自分の細胞を注入するため副作用もなく、治療後の持続期間が2~3年と長いことが魅力です。私は34歳のときの細胞を培養して保管しているので、これがなくならない限り、いくつになっても34歳時点の細胞を移植できます。60歳になっても34歳のときの細胞を移植できると考えると、相当すごいことですよね。これぞまさに、長期戦を見据えたアンチエイジング。デメリットとしては・細胞の培養に1カ月くらいかかるため、「今すぐ注入したい!」と思ってもそれは叶わないこと・移植した細胞が定着してから効果が出始めるため、効果を感じられるのが早くても1カ月後くらいからということ・細胞を、採取・培養・保管・移植する、という一連の治療の流れ上、かなりコストがかかることあたりでしょうか。また、残念ながら、細胞を移植したからといって、劇的に若返るということもありません。その点については治療開始時、ドクターから、「目に見える効果がほしいなら整形の方がいい」と釘を刺されたほどです。あくまで、長期的に見たときに老化がゆるやかになるというものなので、おそらく10年後、20年後と時間を経てからの方が、周りの同世代に差をつけられるという意味で、その効果を感じられるのではないかと思います。ご参考までに、治療については以下のサイトに詳しく掲載されています。■培養皮ふ治療(肌培養)と美容鍼で目の下のたるみを改善ちなみに私は、かなり効果が出ている方らしく、定期検診のときに、ドクターに「何か(ケアを)してるの?」と聞かれます。聞かれる度に、寝不足だったり疲れがたまっていたりと、あまりコンディションがいいといえる状況ではなかったため、心当たりはなかったのですが、よく考えてみると、美容鍼も線維芽細胞を活性化させてコラーゲンやエラスチンを生成させるもの。ひょっとすると、私の肌の中で、34歳の細胞がより活性化されて働いてくれているから、いい効果が出ているのかもしれません。たしかに、治療前の写真と最近の写真を見比べると、目の下がだいぶ違います。私が長年涙袋だと思っていたふくらみは、ドクターいわくたるみだったそうで、治療を重ねるとともになくなっていきました。ホルモンタンクの消失……。いいのか悪いのか、若干複雑な心境です。■きれいになりたいなら、先入観にとらわれないで培養皮ふ治療によって、私は1~2年でわかりやすい効果を体感したこともあり、「おすすめです」と言えるのですが、大半の方はもっと時間が経ってからその真価を発揮するものだと思います。手ごたえを感じるまでに時間がかかることを、どう捉えるかは皆さん次第。すぐに効果が現れるものがいいという方もいれば、長期的視点で見たときに老化がゆるやかになるという点に惹かれる方もいるでしょう。ただ、どんな美容法にも当てはまりますが、「整形っぽい」「なんか怖い」など、先入観だけで選択肢から外してしまうのはもったいない、と思います。自分の細胞を使って若返るということが、培養皮ふ治療と美容鍼の思わぬ共通点でした。中身を知ってみれば、西洋医学でも東洋医学でもやることは同じだったので、人工的だから、自然派だから、というような、ごく一部だけを見てジャッジを下すのではなく、まずは一度内容を見る・知ろうとすることも大事なのではないでしょうか。美容業界の技術も日々進歩しているので、昔聞いた常識が、今も通用するとも限りませんし。自分に合うか合わないかも、きちんと調べてみなければわからないものなので、そういう意味でのクリアな視点は養っておきたいものです。そんな風に、いいとわかったものはなんでも取り入れたがりな私は、最近目の下にゴルゴ線が発生しつつあるので、今日も美容鍼で細胞を活性化させつつ、そろそろまた34歳の細胞の移植をしたいなぁと思っているところです。2017年8月9日公開2020年4月27日更新
2020年04月27日「いまや成人の8人に1人が『慢性腎臓病』にかかっている。これは、“国民病”といわれる糖尿病の患者より多いのです。しかも慢性腎臓病は、かなり症状が進行しないと自覚症状が現れません」そう警鐘を鳴らすのは、東北大学大学院教授を務める腎臓専門医の上月正博先生だ。血液をろ過して、老廃物を体外に排出する機能を持つ腎臓。血液や骨の組成、そして血圧の維持にも関係しており、生命維持に欠かせない臓器だ。「腎臓の機能が徐々に衰えていくことを慢性腎臓病と言います。罹患者は50代から少しずつ増加し、60代では15%、70代では30%、80代では50%があてはまるほど。しかも、慢性腎臓病で腎機能が低下してしまうと、通院治療での回復が見込めません。結果、医療費負担の高い透析治療を行うことになってしまいます」日本の透析患者数は、高齢化に伴って急増しており、現在は33万4,000人以上。症状に気づかず放置した結果、60代後半で透析になる人が多いという。慢性腎臓病になりやすいのは、どんな人なのか。「高血圧、糖尿病、肥満やメタボなど、いわゆる生活習慣病にかかっている人。加えて喫煙者は、非喫煙者に比べて腎機能が早く低下します。さらに、頭痛薬や生理痛などの鎮痛剤を常用している人や、過去に常用していた人は、腎機能が低下しやすい。一時的な使用なら問題ありませんが、長期間の服用は控えたいものです」腎臓が健康なときの3割程度しか機能しなくなると、体に老廃物がたまり、さまざまな症状が。「いちばんわかりやすい症状は“むくみ”や“疲れやすさ”。そして、尿の色やにおいなどにも変化が表れます。次のチェックリストにあるような自覚症状が出ていたら、もう慢性腎臓病が進行してしまっている可能性があります。早期発見のためには、毎年、健診を受けるしかありません」【腎臓の健康チェックリスト】2つ以上当てはまる場合は「慢性腎臓病」が進行しているかも!?□血圧やコレステロール値が高い□毎日、起きたときにまぶたや顔にむくみを感じる□指輪や靴がきつくなったと感じる□疲れが取れず、いつもだるい感じがある□少し動いただけで息切れがする□めまいや立ちくらみなどが増えた□汗をほとんどかかなくなった□尿の色が赤っぽい、茶褐色だ□尿からかすかに甘いにおいがする□寝ているときに尿意で何度も目が覚める腎臓機能は、自治体が実施している健康診断で、尿検査と血液検査を受けることでわかる。「注目すべき項目は、『尿のタンパク』と『血清クレアチニン値』。クレアチニンとは、筋肉がこわれて出てくる老廃物のことで、この値が高い人は、腎機能低下の疑いがあります。ただし、一度の検査で判断はできません。鎮痛剤を服用したり、脱水症状があったりしても、クレアチニン値は高めに出ることがあります。3カ月後に再検査してみて、尿タンパクやクレアチニン値の異常が続いているようであれば、慢性腎臓病の可能性が高いとみてよいでしょう」【血清クレアチニン値で見る腎機能】50歳の場合腎臓が正常に働いている=0.8mg/dl未満軽度の低下が見られる=〜1.0mg/dl中〜高度の低下が見られる=〜1.4mg/dl高度の低下が見られる=〜2.8mg/dl末期腎不全、透析治療へ=2.9mg/dl超女性の場合、血中のクレアチニンの正常値は、0.46〜0.82mg/dl。50歳で約1.5mg/dlを超えてしまっている人は、“赤信号”だ。「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月20日「腎臓の機能が低下してしまうと、通院で回復させるのは難しい」。腎臓内科の医師はそう語る。健康な腎臓を保つためには、多少“キツい”運動も心がけるべしーー。「いまや成人の8人に1人が『慢性腎臓病』にかかっている。これは、“国民病”といわれる糖尿病の患者より多いのです。しかも慢性腎臓病は、かなり症状が進行しないと自覚症状が現れません」そう警鐘を鳴らすのは、東北大学大学院教授を務める腎臓専門医の上月正博先生だ。血液をろ過して、老廃物を体外に排出する機能を持つ腎臓。血液や骨の組成、そして血圧の維持にも関係しており、生命維持に欠かせない臓器だ。「腎臓の機能が徐々に衰えていくことを慢性腎臓病と言います。罹患者は50代から少しずつ増加し、60代では15%、70代では30%、80代では50%があてはまるほど。しかも、慢性腎臓病で腎機能が低下してしまうと、通院治療での回復が見込めません。結果、医療費負担の高い透析治療を行うことになってしまいます」日本の透析患者数は、高齢化に伴って急増しており、現在は33万4,000人以上。症状に気づかず放置した結果、60代後半で透析になる人が多いという。慢性腎臓病になりやすいのは、どんな人なのか。「高血圧、糖尿病、肥満やメタボなど、いわゆる生活習慣病にかかっている人。加えて喫煙者は、非喫煙者に比べて腎機能が早く低下します。さらに、頭痛薬や生理痛などの鎮痛剤を常用している人や、過去に常用していた人は、腎機能が低下しやすい。一時的な使用なら問題ありませんが、長時間の服用は控えたいものです」腎臓が健康なときの3割程度しか機能しなくなると、体に老廃物がたまり、さまざまな症状が。「いちばんわかりやすい症状は“むくみ”や“疲れやすさ”。そして、尿の色やにおいなどにも変化が表れます。早期発見のためには、毎年、健診を受けるしかありません」検査で腎機能の低下が判明した人も含め、慢性腎臓病の予防のために実践してほしいのが“腎臓リハビリ”。「腎臓リハビリの基本は、“まず運動、つぎに食事”です。これまで腎臓病患者は、運動すると尿にタンパクが出て病状が悪化するという理由で、運動制限を受けていました。しかし、適度に運動をしたほうが生活機能の向上につながり、腎臓病を予防・改善できることが多くの研究でわかってきたんです」透析に至っていない慢性腎臓病患者のグループに、週3回・1日40分のウオーキングを続けてもらったところ、運動をせずに治療だけを受けたグループよりも、腎機能の改善効果が見られたという。運動のポイントは次のとおり。「運動療法には、(1)有酸素運動、(2)筋トレ、(3)ストレッチの3本柱があります。なかでも大事なのが有酸素運動。ウオーキングを週に3〜5回、1日20〜60分行うのが目安です。たとえば、週3回ウオーキングをするなら、1日60分程度。週5回なら、1日20分程度と考えてください。息切れするような運動は逆効果ですので、軽く汗ばむ程度にしましょう」■上月先生が指導!「太ももを鍛える筋トレ&ストレッチ」【スクワット】目標・5〜10回×3セット(1)足を肩幅より少し広く開いて、つま先は少し外側に。椅子の後ろに背筋を伸ばして立ち、背もたれに両手を添える。(2)息を吸いながらひざをゆっくり曲げ、息を吐きながらひざをゆっくり伸ばす。【太もものストレッチ】目標・左右それぞれ3〜5回1セット(1)椅子の後ろに立ち、右手で椅子の背もたれを持つ。(2)左ひざを曲げて左手で足先をつかみ、左足首を背中側に引き寄せる。10〜30秒キープして、ゆっくり元に戻す。反対も同様に行う。少しキツく感じるかもしれないが、筋トレは、週に2〜3回を5分程度。ストレッチは時間があるときだけでもOK。食事の基本は、「塩分」と「タンパク質」の摂取を抑えること。「みそ汁は一日1回にする。ラーメンは汁まで飲まない。スナック菓子を控える、など注意するだけでも塩分を控えられます。腎機能の低下が進んでいる人は、タンパク質を多く含む米やパン、麺類を、タンパク質の少ない加工食品に替えるか、おかずのタンパク質を減らすこと。食事制限は病状に依存するので、医師に相談しながら進めましょう」また、腰痛・膝痛などの痛み止めの長期服用も要注意。できるだけ、湿布などの外用薬に切り替えるようにしたい。透析治療の医療費は、1カ月に1万〜2万円ほどの自己負担を強いられる。出費を防ぐためにも、健康な腎臓の維持に努めよう。「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月20日「赤ちゃんの左の腎臓が腫れています」。妊婦健診のときにエコーを見ながら先生に突然言われました。おなかの赤ちゃんに水腎症の疑いがあるということでした。私は心配で不安でとても悩み、たくさん調べたりもしました。そんな私の体験談を紹介します。 「赤ちゃんの腎臓が腫れている」と言われ……私の妊娠経過は順調で、何の問題もありませんでした。赤ちゃんも平均的に成長していました。ところが、妊娠32週5日に定期妊婦健診を受けたときのことです。いつものようにエコーを当てていた先生が言いました。「赤ちゃんの左の腎臓が腫れているな」。私は耳を疑いました。先生はエコー画面を指さし、所見を説明してくれました。 「赤ちゃんは病気を患って生まれてくるの?」と私は大きなショックを受けました。健診の帰り道のことはよく覚えていません。 水腎症の疑い…検索ばかりしてしまう日々先生は、「自然に改善することもよくあるし、心配しすぎなくていい」と言ってくれていました。でも、赤ちゃんに異常が見つかったことで私はとても不安になり、ネットで同じ境遇の方の体験談を探し、何度も読みました。同じ境遇の方の体験談を読み、「大丈夫だった」という結果を見て安心したかったのです。 その後の妊婦健診も定期健診のみでしたが、出産まで6回受けた健診で、毎回「腎臓が腫れている」と言われました。 無事出産! 赤ちゃんの腎臓の腫れの経過わが子は男の子で、出産予定日ちょうどで元気に生まれてきました。生まれてからはよく母乳を飲んでおしっこもしっかりと出ていました。 生後6日目に先生が赤ちゃんにエコーを当てると、「左の腎臓に水が溜まっている」という所見がありましたが、もしもおしっこが少なかったり、濃い黄色のときにはすぐに相談するという約束で、母子一緒に退院できました。退院後もよく飲みよくおしっこをする元気な赤ちゃんでした。 生後1カ月健診で総合病院紹介生後1カ月の健診でも、左の腎臓に水が溜まっていたわが子。「一度大きな病院で診てもらうように」と紹介状を渡され、1週間後に大学病院の泌尿器科を受診しました。 先生がエコーを当ててみると、なんと腎臓の水が抜けて正常な状態とのこと! 先生からは、「おしっこが出にくいときや、風邪症状がないのに熱が出たときは、かかりつけの小児科でおしっこの検査をするように」と言われ、症状がなければ通院はいらないとのことでした。そして私はようやく安心することができたのです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:imasaku著者:山下 ひいこ一児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。
2020年01月19日3回目の受精卵移植失敗の後、心理カウンセリングを受けたことにより、新たな心持ちになれたこてつさん。4回目の移植に臨みました。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。4回目の受精卵移植を行いましたカウンセリングを受けた後日、4回目の移植をしました。前回のように管が子宮に入らないなどのトラブルはなく、スムーズに終わりました。今回も2個移植で、受精卵(1)はグレードBB、受精卵(2)は「収縮中」。当時、担当してくださった培養士さん曰く、胚盤胞は収縮と拡張を繰り返しながら大きくなっていくとのこと。収縮したまま移植した卵は、時間がたてば普通の卵と同じようになるかもしれないし、ならないかもしれない。すでに移植して子宮の中なので見ることはできない、などの説明を受けました。そっか~…。残りの凍結卵は1回分です。それは今回のものよりも状態は良くないとのこと。グレードは関係ないというけれど、やっぱり気にしてしまいます。とりあえず、今回のものが着床してくれるよう、今は卵の持つ力を信じよう。その後、黄体補充の注射をして帰宅しました。4回目ともなると心穏やかに…待てるわけもなく、そわそわしながら迎えた判定日前日。夕方に出血しました。少量でしたが、見た瞬間ガーンとなって、冷静ではいられなくなりました。またか。なんで私だけ。そんな思いがグルグルと頭の中をかけめぐります。油断すると涙が出そうになりました。腹痛もありました。生理痛とにている痛み…。今までの移植でホルモン補充をやめる前にリセットすることは一度もなかったので、心の準備もできていませんでした。飲み会だったオットが帰ってきて、出血があったことを説明したら我慢できなくなって涙が出ました。そのまま翌朝になり、重い気持ちでクリニックへ。診察室に呼ばれ、ドクターから妊娠判定の結果が言い渡されました。 結果は「陽性」。え? 前日、リセットと思って泣いたはずが…。…そうか、よくよく考えたら着床出血とも考えられるんだよね。陰性続きで、まさか自分が妊娠するとは考えられずパニックになってしまい、その可能性を微塵も思い出しませんでした…(苦笑)。すっかり出血は生理だと思っていたオットも「ええっ!!」とビックリしていました(笑)。出血はこの時期よくあることだそうです。HCG(※)=78。まだ胎嚢すら見えません。次回は3日後、HCGがググっと上がっていなければなりませんが、今の時期はどうなるにしても卵の力次第。再び、妊娠しました。自分の中では、喜びもあるし、戸惑い・ためらいもあります。それは、妊娠で得るものもあるけれど、失うものもあるから。カウンセリングで教えてもらえていたので穏やかに受け止められました。どっちも自分の本当の気持ち。でも、それでいいんだよね。それが今の私。I'm OK. I'm OK.※=ヒト絨毛性ゴナドトロピン。妊娠中にのみ産生されるホルモン。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年12月26日流産を乗り越え、2回目の受精卵移植にトライしたこてつさん。結果そのものよりも、オットの態度に落ち込んでしまい…。不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんの体験談。2回目の受精卵移植「我慢の日々、かさむ費用…」2回目の移植に向け、準備を始めました。まずは子宮内膜を厚くするための投薬開始。今回、前回と続けて生理周期が普段より少し長めでした。まだ卵巣が回復していないのではと気になり、この状態で移植をしてもいいのかと質問しました。ドクター曰く、ホルモン補充していくので問題はないとのこと。それに、排卵までの期間が長くなるのは、PCOS(多嚢胞)の人にはよく見られる傾向だそうです。 「卵巣がサボりだしたんでしょうねぇ」とドクター。これからも段々周期が長くなる可能性もありますよ、とのこと。でも体質だからしょうがないですねと言うと、そうですねとの返答でした。移植予定日が決定しました。それにより、オットの会社のイベントに合わせ、ついて行こうと企んでいた旅行もキャンセルが確定しました。移植後の飲酒は禁止なので、夫婦で飲みに行きました。もし妊娠できたら2年近くアルコールとはオサラバか。参加予定だったスポーツ大会も移植後になってしまうので、キャンセルしました。今はすべてにおいて治療が優先ですが、悲しい…。いやいや、いっときの我慢。子どもができたら我慢することはもっとあるはずだしね。世の中のお母さんたちは本当にえらいなー。今は最優先すべきことに集中しよう…。そう自分に言い聞かせ、移植日を迎えました。移植前に融解した胚盤胞の写真を見せてもらいます。成熟胚盤胞グレードAA。おぉ、いい感じ。受精卵は優秀です、とドクター。アシステッドハッチング(胚を包む透明帯という膜を少し破ったり薄くしたりして、着床率の向上を図る生殖補助技術)をしているので、そこからドロリといった感じ(ただのイメージです)で中身が出てきていました。その部分から着床していくとのこと。子宮内を消毒します。これが毎回地味に痛いのです。看護師さんがおなかから超音波をあて、ドクターはカテーテルを使って子宮内へ受精卵を送ります。その様子は頭上のモニターで確認できます。管を通って前進する白い光が見えました。受精卵だ。まるで蛍みたい。 カテーテルが抜かれると、白く光る受精卵だけが子宮内に残りました。その輝きが続くのか、季節とともに去っていくのか、知っているのは神様のみ。1回目の移植を参考にお金を準備していました。が、料金が足りませんでした。クリニックの階下には銀行もあるけど、あいにくすぐに下ろせる口座の残金は480円…(マジです)。ということで1万円未納にしてもらいました。しかもお金のことで頭がいっぱいだったのか、座薬や飲み薬を入れた紙袋を置き忘れ、途中まで帰っていたのだけど、気づいて引き返しました。いろいろ恥ずかしい…。なんだかドタバタした移植後となってしまいました。そして、10日後の判定日。グレードAAの輝かしい胚盤胞は…着床していませんでした。2回目だし、本当はもっと凹まないはずだったのです。はずだったのに…。実際、家に帰るまでは、そんなに落ち込んでもいませんでした。それなのに、帰宅してオットと口けんかになりました。オットはなにをどう勘違いしたのか、「私が暗いのは、旅行に行けないことを不満に感じているのだ」と思ったのでした。それなのに(会社のイベントなので)自分は行かねばならないことに後ろめたさもあったのか、理不尽に怒っていました。 その怒りの矛先は私には向けられないので、物に当たって、すごい音がして、なんだか妙にそれがショックで…。どちらかというと着床しなかったことより、けんかのことがショックで、2日ほど思い出しては泣いていました。移植に失敗して暗いのは当たり前に想像がつくでしょ、普通…。私は凹んでいる(と気づかってくれてもいい)のに、そんな日になんでそんなにキレるんだよぉ。ダブルショックだよぅ。そんな思いでいっぱいで、さめざめと泣いた結果、まぶたがはれてひどい顔になりました。「今回は、残念ながら妊娠しなかったみたい」とドクターに言われ「まぁ、そういうこともあるだろうなぁ」と素直に受け止めることができました。判定後、今後の治療方針について看護師さんと話し合い、2回連続で移植しているし、しばらくお休みにしようと決めました。身体的には、すぐ次周期で3回目の移植をしても問題はないとのことでした。でも精神的に、少し休憩したい気分です。帰宅後のけんかでその思いはいっそう強くなった、というか、そのときは「もうやめたい」と思いました。旅行も大会もキャンセルしたのに、妊娠せず。オットにはキレられ、いい思い出のない2回目の移植は幕を閉じました。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年10月10日不妊治療を2005~2008年に受けた中村こてつさんが当時を振り返って綴る治療の体験談です。ついに移植当日。実際の移植の様子や、移植後の生活上の注意事項など、治療はまだまだ続きます。ついに卵を移植「それでは卵を戻していきますよ。」ドクターが言いました。細いチューブを子宮内に差し込み、卵を送り込みます。ものの十数秒だったでしょうか、すぐに終わりました。長い期間かけて作られた卵の移植はあっけないものでした。その後、超音波で移植した卵を確認…のはずが、チューブの中に卵が残っていたらしく、再度注入となりました。(だ、大丈夫…?!)と不安になりましたが、ドクターもスタッフも焦っていなかったので、まぁ大丈夫なんだろうと納得。15分くらいで待合室で待つオットのところへ戻りました。クリニックへ向かう途中、今までのいろんなことを考えてしまい押し黙る私の手をギュッと握ってくれたオット。そんなオットの顔を見て泣きそうになったけれど、こらえます。しばらくすると処置室へ呼ばれ、移植後もずっと続く黄体ホルモンの注射をぷすりと打ちます。黄体ホルモンの投与は、移植前5日間のうち3日間は膣座薬を使用しましたが、どうやら私に合わなかったようです。1日4個の膣座薬を続けるうちに…お股が痒い!!入れた後ドロリと出てくる白い液体にかぶれてしまうようでした。それをドクターに伝えると、10日後の判定日までは毎日注射に通うことになりました。地元の産婦人科クリニックにて打ってもらいます。移植~判定日までの生活この日からお酒も禁止となりました。(名残惜しく、移植直前までガッツリ飲みました(笑))コーヒーも1日1~2杯までと言われました。夫婦生活は子宮が収縮してしまうのでよくないとのことで判定日まではNGだそうです。激しい運動も禁止です。愛犬の散歩は、時折激しくなることがあるので(おもに猫(笑))オットに任せます。重いものは持たないほうがいいので、ゴミ捨てもよろしく。あ、ご飯の準備もついでに…、洗濯物も重いかな…(笑)。こうやって父になる練習をしていかなきゃね。と言うと、「それじゃ父というより、主夫だよね」と言われる。はい、調子に乗りました(笑)。何はともあれ2人でがんばっていこう。オットと決意を新たにしました。今、私はお母さんです。任務期間は10日間となるか、それ以上となるか。判定日を待ちます。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年05月09日不妊治療を2005~8年に受けた中村こてつさんが当時を振り返って綴る治療の体験談です。いよいよ移植となると注射やお薬、とさらに準備が進められるようです。移植日が決まる卵胞ホルモン剤(プレマリン)を服用しだして12日目、診察のためクリニックへ。子宮内膜が8mm以上あれば黄体ホルモンの投与を開始して、排卵後の状態に戻すそう。プレマリンは子宮内膜を厚くしていって着床可能な状態にする働きと、勝手に排卵しないようにする役割もあるとのこと。ジャスト8mm。合格です。4日後の移植が決定しました。初回はグレードが一番よかった凍結胚を一つ移植予定です。移植日のスケジュールとしては朝、凍結胚盤胞を融かし、昼過ぎに回復と生存確認をします(凍結・融解によってダメージを受ける場合があるため)。私の通っているクリニックでは生存率90%、10個に1個の割合でダメージを受けるデータとのことでした。融解に関しては同意書が必要になります。生存が確認できたら、午後に移植となります。移植後もプレマリン、黄体ホルモンは継続して投与します。黄体ホルモンは基本注射だけれども、希望すれば膣座薬に変更可能とのこと。1日4個、まあまあ多い…。しかし、クリニックに通う大変さ(片道1時間半)を考えると座薬のほうがよさそうです。移植後10日で血液検査によって妊娠判定を行います。そんなに早く分かるものなのねぇ。妊娠していれば更に黄体ホルモンとプレマリンは継続します。黄体ホルモンは妊娠8週まで、プレマリンは妊娠12週までとのこと。これは、自然妊娠の場合は、排卵した後の卵巣の黄体からホルモンが補充されるのだけど、わたしはプレマリンを使っているため排卵が抑えられており、その状態では黄体が作られないため、胎盤からホルモンが作られるようになるまで外的に黄体ホルモンを投与する必要があるとのことでした。ドクターにちゃんと聞けばよかったと後悔移植日が決まり、ドクターから「戻す卵は1個でいいよね?」と念を押されました。診察が終わり立ち上がっている途中だったので「あ、はい…!」と慌てて即答してしまいました。たしか前の診察でも確認をされたのでした。1個移植と2個移植とどういうメリットデメリットがあるか聞けばよかった…とあとで後悔しました。私のドクターは寡黙な方で、さらに方針なのか、治療に対しての説明は質問しないと詳しく話してもらえません。説明を聞いたうえで、それはどういう意味? とかじゃあこういう場合は…などの質問も生まれてくると思うのですが。最近はネットで情報が氾濫しているから余計な混乱は避けようという考えでしょうか。毎回、診察までに質問することを考えておかないと、あっという間に診察が終わってしまい、聞けばよかったぁ…と後悔したことがよくありました。私は頭がパパッと回らないほうなので余計にそうなのかもしれません。治療仲間は、毎回提出する基礎体温表に質問を書いたメモを挟んでいました。口頭でうまく伝えられない人にはよい方法かもしれません。また、ドクターには聞けないけれど、看護師さんには気軽に聞けるという人もいました。子宮内膜の厚みが基準に達したので、黄体ホルモンの投与が開始されました。その日は注射(プロゲストン50mg)でした。排卵誘発の注射ほど痛くはないけれど、よく揉まないと翌日にコリコリに硬くなりました。その後3日は膣座薬(朝夕2個ずつ)で、移植前日だけ地元の産婦人科クリニックで注射することになりました。注射&座薬以外に、錠剤のお薬(デュファストン)も毎食後、飲みます。プレマリンとバファリンもあるし、薬だらけです。飲み忘れないか不安になります。準備は整いました。次はいよいよ移植となります。とうとう、ここまで来たか…ここに辿り着くまでに、上がったり下がったり、自分の中の様々な感情を味わってきました。もう「頑張ろう」などそういう次元ではなく、来るべき未来がどんなものであろうと丸ごとそのままを受け入れようという心持ちです。心の中には凪いだ海がどこまでも続いています。※私が長男を妊娠するために不妊治療をしていたのは、2005年11月~2008年10月のことです。また、この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。
2018年04月11日