鈴木貴子外務副大臣撮影/齋藤周造35歳の若さで外務副大臣という要職に就いた鈴木貴子副大臣。政治家であると同時に女性であり、母親でもある。彼女の政治へ臨む姿勢とは。そして、日本のために何をしていきたいと考えているのか、ズバリ斬り込んだ!■求められる機動力「父・鈴木宗男は、家族を持って子どもが生まれても24時間“政治家・鈴木宗男”であり続けた。でも、私はあえて“そこに鈴木宗男の限界がある”と言っています」からっと笑いながら力強い口調で話すのは、鈴木貴子衆院議員。自民党の女性局局長代理、2児の母、そして外務副大臣─多彩な役割を担うからこそ、「私は政治家・鈴木貴子であると同時に女性であり、母親・鈴木貴子でもある。それぞれの顔を通じて、さまざまな立場の人に寄り添う政治を実現していきたい」と言葉に力を込める。鈴木さんは27歳のときに初当選。以後、史上最年少で防衛大臣政務官に就任するなど、平均年齢が50代後半の国会議員の中で、若手の筆頭格として邁進してきた。直近では、孤独・孤立対策の議論をリードし、内閣官房に孤独・孤立対策担当室を設置した。「よく行動力を掲げる政治家がいますが、それってもう古いと思うんです。例えば、被災地へ行って視察をする。アクションそのものが行動力になってしまっている節がある。視察するだけだったら誰でもできる。大切なことは、そこで何をするか。限られた資材、限られた時間、限られた情報の中で実行することが求められる。機動力がなければいけない」(鈴木さん、以下同)実際、鈴木さんは、自らと同じ立場である子育て世代のお母さんたちと、草の根で問題を解決しようとしている。「同じ保育園に通っているお母さんやお父さんたちと話すと、行政のサービスに対して不満を募らせている方が少なくない。行政としては子育て支援をしているのですが、その施策が届いていないがゆえに、双方間で目詰まりが起きている。そこで、子育て世代、子育てが一段落した世代、シングルマザー、そういった方々が市長と意見交換できる場をセッティングしてみたんです。すると、目詰まりが少しずつ解消していった。コミュニケーションが足りていないことで、政治が遠いものになっていると痛感した」成功体験を提供することができれば、先のお母さんたちのように政治にポジティブな印象を抱く人も増えていく。そう鈴木さんは主張する。「孤独・孤立対策担当室を設置したものの、そういった部署があることを知らない人も多いんですね。私たち自身、もっと声を大にして発信していかなければいけないのですが、制度が置物化していて、必要な人に届いていない。本当に政治の支援が必要な人は、選挙に関わる余裕すらない。「選挙に行こう」と呼びかけても、そんな余裕がないんですね。制度を作ったなら、それが行き届くようにし、幅広く浸透する─文化にまで発展させていくことが大事」入り口はつくる。しかし、出口までは考えていない。それは制度だけではなく、サービスも同様だと話す。一例として、多目的トイレのベビーキープを挙げる。「自分が用を足す間に子どもを座らせておくベビーキープ……遠すぎません?(笑)『目を離さぬように』と言われても手は届かないし、子どもが勝手に開閉ボタンを押してしまうことも。こういった経験は、お母さんだったらあるあるだと思います。利用者目線になっていないサービスがたくさんある。子育て支援を手厚くするといっても、同じ目線になれない人が進めると置物化するだけ」そのためにも、国会議員に女性が増えることは望ましいと唱える。女性議員が増えれば、現実的な子育て支援や女性の社会進出の機会が実装される可能性は高い。だが女性議員比率の国際比較を見ると、日本は190か国中165位(衆議院女性議員比率)。だが、議員候補者の一定数を女性と定めるクオータ制には、「賛成とは言い切れない」と、悩む姿を隠さない。「女性の声を代弁するために女性議員を増やすのではなく、女性が増えることによる多様性の創出が重要。女性といっても、立場は実にさまざまです。いろいろな女性に対する理解が広まることが大切なのであって、単に女性の声を大きくするだけで、若手枠やシニア枠もないと公平性に欠ける。ここでもまた制度がひとり歩きしてしまう」■政治家には想像力が大切現在、鈴木さんは外務副大臣を務める。「防衛と外交は国会議員だからこそできる責務ある仕事。27歳のときに初当選し、向こう30年使っていただくと仮定すれば57歳になっている。将来的な伸びしろがあることが私の強みだと思っていたので、早い段階から防衛や外交に携わりたかった」と胸の内を明かす。そのうえで、引き続き実行していきたい分野があるという。それがフェムテックだ。フェムテック(FemTech)とは、FemaleとTechnologyを掛け合わせた造語。女性が抱える健康課題をテクノロジーを使って解決する取り組みをさす。「フェムテックは月経対策と認識されがちですが、女性の健康やその課題をテクノロジーを使って解決し、より人生を充実させていこうというサービスや製品のこと。更年期の対策や、性教育にだって関わることだと考えます」更年期に対する理解と対処法を国の制度によってどれだけサポートできるかは、とても重要だという。「更年期を健康上の理由として、仕事を辞める、あるいはポストを辞退される方が16%もいると聞きます。活躍する女性のロールモデルを失わないためにも早急に対策をしていきたいものです」また、性教育の捉え方についても力を込める。「正しい情報を伝えることで子どもたちは自主的に判断する力を養うようになります。望まない妊娠や中絶も減少し、命の尊さと向き合うことにつながる。私は“包括的性教育”という言葉を掲げているのですが、それはポジティブに性と向き合い、自尊心や自己肯定力を高めるための取り組みです。性教育などのデリケートな領域は、『寝た子を起こすな』ではないがアンタッチャブルなところがあります。しかし、感情論ではなく、データやテクノロジーで解決の糸口を見つけられる。来年は、『データで語る性教育』を自民党内で立ち上げようと思っています」冒頭の言葉が示すように、女性であり、母親であるからこそ、鈴木貴子にしかできないことを掲げていく。「子育てには、政治家に必要な素養が詰まっている。男性の議員さんは、絶対に子育てに関わったほうがいい」とも。「つまるところ想像力なんですよね。自分がしんどい思いをして産んだわが子ですら、なんで泣いているのかわからないときがある。『おむつかな?』『お腹すいたかな?』といろいろ試すけれど、それでも泣きやまない。すると、テレビの音で突然泣きやんだり(笑)。子育てはこういったことが日常茶飯事です。そのたびに想像力を働かせて、いろいろと考える。その想像力って、とても大事なことだと思うんです。政治家は、まず想像力が必要な職務。そして、行動する。社会には、みなさんの暮らしには、何が必要なんだろう。想像する力を、子育ては教えてくれる」父・鈴木宗男は行動力を体現する政治家だった。だが、鈴木貴子は、機動力と想像力を併せ持つ政治家として、国民の汗になると誓う。すずき・たかこ1986年北海道生まれ。比例北海道ブロックで2013年に初当選し、現在は当選4回。元防衛大臣政務官などを経て、現在は外務副大臣。孤独・孤立対策の議論をリードし、内閣官房に孤独・孤立対策担当室を設置。父は鈴木宗男参院議員。2児の母でもある。(取材・文/我妻弘崇)
2021年11月22日10日にテニスの錦織圭選手(31)がイタリアでの試合後に、「死人が出てまでも行われることではない」と語るなど、スポーツ選手からも開催の是非を巡って議論が巻き起こっている東京オリンピック。そんななか、最大の当事者の一人である丸川珠代五輪相(50)の発言が物議を醸している。各メディアによると、11日、閣議後の定例会見で五輪開催の意義を問われ、「コロナ禍で分断された人々の間に絆を取り戻す大きな意義がある」と語った丸川大臣。さらに、丸川大臣はこう続けたという。「国籍、人種を問わず、同じフィールドの上で、同じルールで競技を行い、特別な努力をしたそれぞれのアスリートが真剣勝負を繰り広げ、その後に努力を称え合う姿は、必ず人々にお互いを許し合い、喜びを分かち合う思いを取り戻してくれる。この東京大会は世界中の人々が新たな光を見出すきっかけになる」精神論に終始した丸川大臣だが、状況は悪化するばかりだ。11日の東京の新型コロナウイルスの新規感染者数は925人と高止まりが続き、この日の大阪府の死亡者数は過去最多となる55人を記録した。開催可否を巡る最前線にいながら丸川大臣が、“無責任”な回答をしたのは今回が初めてではない。4月23日の会見で「五輪と感染対策のどちらが優先事項か」と記者から問われた丸川大臣。すると「感染対策において一番の現場を持っているのは東京都。東京都はまさに五輪の主催者なので、どのような大会を実施すればどのような負荷が医療にかかるのか一番よくご存じ」と、東京都に“丸投げ”するような回答をしていた。この様子を報じた4月24日放送の『報道特集』(TBS系)では、フリーアナウンサーの膳場貴子(46)が「丸川大臣の答えを聞いても『えっ、本当に五輪担当大臣ですか』という印象でした」と呆れた様子を見せていた。五輪担当大臣として、具体的な答弁をせず、精神論を主張した丸川大臣の今回の発言には戦慄する声が相次いだ。《情緒や精神論じゃなくて科学で話そうぜ》《その「失われた絆」とやらは、誰が作り出したモノなのか?コロナ禍における、与党およびそれに追随する党による失政が原因ですね》《戦時中の「欲しがりません勝つまでは」よろしく「出歩きません開催するまでは」的思考なんですかねぇ》《自民党議員の口から 出るのは精神論ばかり 戦時中と同じレベル》
2021年05月12日2021年5月6日に放送されたトーク番組『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に、俳優の常盤貴子さんが出演。常盤さんが着用していた、一風変わった着物に注目が集まりました。常盤貴子の着物に「美しすぎる」の声番組の冒頭で、常盤さんが登場するなり、MCを務める黒柳徹子さんは「立ち止まって着物をよく見せてほしい」と声をかけます。常盤さんが着ていたのは、麻織物の一種である小千谷縮(おぢやちぢみ)でできた着物です。片袖にのみ付け外しが可能なケープがついており、アレンジが自在に楽しめるデザインで、帯には上品なインドの刺繍がほどこされていました。黒柳さんが「素敵ね」と感動の声をもらしていた、常盤さんの着物姿をご覧ください。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 常盤貴子(@takakotokiwa_official)がシェアした投稿 あわいシンプルな色の中からのぞく細かい刺繍や、片袖だけ麻が編んである独特なデザインが、常盤さんの上品な魅力を一層引き立てています。常盤さんは、同日にInstagramを更新し、次のような想いをつづっています。毎回、個性的なお着物を楽しんでくださる徹子さんの自由さが嬉しくて、希望でもあり。この儀式ともいえる着物談義は、私に「よし!また徹子さんに喜んでもらえるよう、励むぞ!」とやる気にさせてくれるのですtakakotokiwa_officialーより引用黒柳さんの反応を見るのが楽しみで、同番組に出演する際は、いつも着物を着ているという常盤さん。番組の視聴者からは、さまざまなコメントが寄せられています。・これは眼福すぎる。常盤さんが持つ柔らかい美しさとピッタリ。・めっちゃ素敵…。普段は着物を着る習慣がないけど、これは着てみたいと思った。・この着物を着こなす常盤さんはさすがだし、新しいスタイルを受け入れる徹子さんも素敵だなあ。「たまには着物を身にまとってみたい」と思わされますね。一風変わった着物を着こなす、常盤さんの姿は多くの人の心をさらったようです。[文・構成/grape編集部]
2021年05月07日新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)が日本で感染拡大してから、2021年4月時点で1年以上が経過しています。事態は収束に向かうどころか、1日の新規感染者数が増加する一方。同月25日には、三度目となる緊急事態宣言が東京都、京都府、大阪府、兵庫県の4都府県で発令されました。日本はワクチンの接種実績もまだ少なく、コロナウイルスとの闘いは今後も続いていくと予想されます。膳場貴子アナ、政府の対策にズバリ同月24日に放送された情報番組『報道特集』(TBS系)でも、コロナウイルスの状況や政府の対策について特集しました。番組では同月23日に行われた会見で、丸川珠代五輪担当大臣が質問を受けている様子を放送。同番組に出演するジャーナリストの金平茂紀さんは「緊急事態宣言と五輪は無関係であるというバッハIOC会長の発言に、国民からは怒りの声が上がっているが、同じ認識か」と質問しました。問いに対し、丸川大臣は「IOCと東京都が話をした上での発言かは分からない。国民の安心安全を第一で、開催の準備を進めていく」と回答しています。ほかにも、質問を受けるたびにどこかはぐらかした返答をする丸川大臣。一連のやり取りを見た膳場貴子アナウンサーは、真剣な表情でこのようにコメントしました。政府がどれだけ当事者意識を持っているのか疑問に感じる局面が、とても多いんですけれども。丸川大臣の答えを聞いていても、「本当に五輪担当大臣ですか?」という印象でした。報道特集ーより引用「こんなにも他人ごとで、本当に五輪担当大臣なのだろうか」と、正直に疑問を明かした膳場アナ。会見に参加していた金平さんも膳場アナのコメントに共感し、「会見では逃げの体制をとっていたように感じた。なんのための担当大臣なのか」と述べました。忖度せずハッキリと物をいう膳場アナの姿はネットで拡散され、称賛する声が上がっています。・ほかの情報番組も、これくらいズバッといってほしい。膳場アナはさすがです。・「なんでこんなに他人ごとなんだろう?」とモヤモヤしていたので、スッキリしました。・膳場アナがかっこよかった。本来は、こういう指摘ができて当たり前だと思う。4月現在、東京五輪開催までおよそ90日。開催を不安視する声が相次いでいますが、現段階では実行が予定されています。コロナウイルスが終息する見込みがなく、感染者が増加している状況での開催は、不安視する人が多いでしょう。また、三度目の緊急事態宣言に対し「五輪を開催したいがために国民を振り回しているのではないか」という疑問の声が上がっているのは事実です。コロナウイルス感染や景気の悪化により、命を落とす人は少なくないはず。「国民の命と五輪開催が天秤に乗せられている」と感じる人も少なくないこの状況は、いつになったら終わるのでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2021年04月25日常盤貴子今年4月に長塚圭史がKAAT神奈川芸術劇場の芸術監督に就任した。「長塚さんは名優・長塚京三さんの息子で、’09年に常盤貴子さんと結婚。演劇一家の一員ですね。一流の俳優であるだけでなく、劇作家、演出家としても高く評価されています」(スポーツ紙記者)今回の芸術監督就任は、長塚が新たに大きなステップに進むことを意味する。「KAATは’11年に開館し、初代芸術監督が宮本亞門さんで2代目が白井晃さん。いずれも日本演劇界を支えてきた大御所です。その後を継ぐわけですから、とても名誉な称号を得たのは間違いありません。名実ともに演劇界のトップに立ったといえるでしょう。この大役をつかむまでに常盤さんの支えも少なからずあったそうです」(演劇ライター)就任第1弾の公演として、5月15日から舞台『王将』が上演される。「天才将棋棋士の坂田三吉の生涯を描いた作品で、’17年にも下北沢の小さな劇場で上演されました。今回の公演も常盤貴子さんは出演しますから、演出と俳優で夫婦共演ということになりますね」(前出・演劇ライター)■夫婦で芝居談義も長塚と常盤は結婚して10年以上になるが、仕事場でも仲のいい様子を見せている。「ラブラブですよ(笑)。稽古場でも気がつくと一緒にいて楽しそうに話してますね。常盤さんは芸術劇場の駐車場で裏方のスタッフさんに会うと、“お疲れさまですー!よろしくお願いしますー!”と明るく声かけをしていました」(舞台関係者)現場では夫の長塚をかいがいしくサポート。「’17年の舞台のときも、常盤さんは若手や無名の役者と一緒に荷物を運んだり、劇場の後片づけを率先してやったりしていたそうです。手作りの料理を差し入れたこともあるそうですよ」(芸能プロ関係者)仕事仲間という意識が強く、家でも芝居談議をすることが多いという。「映画や舞台を一緒に見て、“この作品はここがいい”“あそこはこういう演出のほうがよかった”などと作品の批評をしあっているそうです。長塚さんが書いたエッセイや脚本を読んで、常盤さんが率直な感想を言うことも。長塚さんは素直にアドバイスを聞いていて、“本当にいい相棒”と話していたことがありました」(同・芸能プロ関係者)演劇に関わる者としてリスペクトがあるからこそ、夫婦仲も良好なのだ。「長塚さんは“うちの奥さんの芝居は、すごくいいんだよ”とよくノロけています。常盤さんも負けてはいなくて、“うちの夫の演出は素晴らしいんです”と笑顔でべた褒め。妻から褒められるから全力で仕事に向かえるんですって。芸術監督就任は、常盤さんの内助の功があってこそだと思いますよ」(前出・舞台関係者)芸術監督を生み出したのは、家庭を巧みに“監督”する常盤のおかげかも。
2021年04月22日映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』(2021年1月8日公開)の完成披露試写会が21日に都内で行われ、東山紀之、常盤貴子、益岡徹、田口浩正、木南晴夏、淵上泰史、鈴木保奈美、光野道夫監督が登場した。同作はイタリアのアカデミー賞で作品賞・脚本賞に輝き、18カ国でリメイクされた『おとなの事情』(原題:Perfetti sconosciuti/17年公開)の日本リメイク作。世界各国共通の『おとなの事情』のルールはただ一つで、「スマホのロックを解除し、届く電話・メールの内容は全員に公開すること」。パーティに参加した全員が、バレたら夫婦関係も友情も即・崩壊の秘密を抱えながらゲームに参加する。東山は「今回リハーサルを重ねまして、フジテレビのリハーサル室で初めてお会いしたんですけど、鈴木保奈美さんと常盤さんが同じ空間にいるのは非常に感動的で、この二人と、みなさんといっしょにやるというのは、リハも含めて有意義な時間を過ごせたなと思います」と振り返る。言われた鈴木は「リハーサル室で東山さんが『は〜すごいなあ〜。鈴木保奈美と常盤貴子が並んでるなあ』ってしみじみおっしゃってたけど、私たちも『少年隊がいるなあ』と思って。テレビで見てた人がいるのですごいなあなんて、そういうものもありつつ、でも皆さんとリハーサルを重ねた」と互いに「すごい」と思っていた様子。常盤も東山について「ただただかっこいいですよ。もう、いつでもヒガシ! みたいな」と表すと、東山は「本当に、お互いそうやって褒めあって行った方が楽しいからね」と笑顔を浮かべた。スマホがテーマになった同作だが、東山は「僕はずっとガラケーだったんですけど、スマホにしなきゃいけないと思って、この作品でスマホにしました」と告白し、周囲を驚かせる。スマホにした感想について「字が小さいなと。意外と大変だなとは思っています」という東山には、鈴木が「字、大きく設定できますよ!」と的確につっこんでいた
2020年12月21日俳優の常盤貴子さんがつけているバングルが『養生テープ』にしか見えないと話題になった、2020年7月23日。きっかけは、同日放送のバラエティ番組『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)での常盤さんの出演シーンが、Twitter上に投稿されたことでした。画面越しに見るバングルは、光沢感や形が確かに養生テープにそっくりだったためネット上で話題を呼び、「似ている」と指摘した投稿は1万件以上もリツイートされたほど。ついには本人の耳にも届き、翌日の24日、常盤さんが自身のInstagramで驚きの投稿をし、再び話題を呼んでいます。常盤貴子のノリのよさに「ジワる」「すごい笑った」の声CMの衣装合わせ中の様子をInstagramに投稿した常盤さん。その腕には、なんと話題になった養生テープそっくりのバングル…ではなく、本物の養生テープが! View this post on Instagram A post shared by 常盤貴子 (@takakotokiwa_official) on Jul 24, 2020 at 12:54am PDTファンからの「右腕にはめているものは?」というコメントに対して、常盤さん自身が「お借りした養生テープです。イヒヒヒヒっ」と返信しており、これは完全に狙ってます…!【ネットの声】・常盤貴子さん本人が本当に養生テープをはめてくれているので、すごい笑ってる。・常盤貴子さんのInstagramの写真は、養生テープが話題になったのを知っているからあげてくれたのか。・常盤貴子さんが、養生テープを自らネタにしてるの最高。茶目っ気たっぷりのジョークを飛ばした常盤さんに、多くの人が心をわしづかみにされてしまった様子。本人公認となったことで、しばらくの間、養生テープを腕にはめるブームが続く…かもしれません![文・構成/grape編集部]
2020年07月27日女優の常盤貴子(ときわ・たかこ)さんが、2020年6月14日にインスタグラムを更新。美しすぎるドレス姿を披露し、話題になっています。常盤貴子のドレス姿に「本物のお人形さんみたい」この日、常盤貴子さんは「金子國義(かねこ・くによし)さんの世界を美STでやらせていただきました」というコメントとともに、フォトグラファー・下村一喜(しもむら・かずよし)さんの投稿をリポスト。美容雑誌『美ST』の撮影時のショットを公開しました。 View this post on Instagram A post shared by 常盤貴子 (@takakotokiwa_official) on Jun 14, 2020 at 3:23am PDTレースの手袋や胸元がちらりと覗くドレスが大人の色気満点で、常盤貴子さんの魅力をぐっと引き出しています。同日には真紅のドレスを着たショットも公開し、この投稿にも「素敵」「セクシー!」と絶賛の声が寄せられました。 View this post on Instagram 赤いなぁ〜。 @kazuyoshi_shimomura @be_story_official A post shared by 常盤貴子 (@takakotokiwa_official) on Jun 14, 2020 at 3:24am PDT・素敵な写真をありがとう。世界観が貴子ちゃんにぴったりだね。・本物のお人形さんみたい!すごくきれいです。・黒も赤も似合ってる!めっちゃセクシーですね。完璧すぎる美貌でファンだけでなく、スタッフをも魅了している常盤貴子さん。これからも抜群のビジュアルと表現力で幅広く活躍してほしいですね。常盤貴子の現在に「キレイ」との声が続出!夫・長塚圭史との結婚生活について聞かれると…」[文・構成/grape編集部]
2020年06月15日2020年6月4日、俳優の常盤貴子さんがInstagramを更新。その内容が反響を呼びました。常盤さんが電車に乗った際、乗務員のある行動を目撃し、感激したといいます。電車の写真とともに投稿された文章が、こちらです。電車で移動中、車掌さん?乗務員さん?が突然「只今から車内の除菌をさせていただきます」とアナウンス。電車の揺れもある中で、一つ一つ…つり革、手すりと、丁寧に除菌。感動して泣きそうになった。こんな風に、人が少ない時間には除菌作業をしてくださっていたんだ、と。皆んなが気になるつり革、手すりを。電車っていいね!素敵だね!移動が自由にできるようになったら、電車に乗って、また色々なところに行きたいな、と思った。その日まで、鉄道関係者の皆さんに感謝をしつつ…本当に、ありがとうございますっ。takakotokiwa_officialーより引用 この投稿をInstagramで見る 常盤貴子(@takakotokiwa_official)がシェアした投稿 - 2020年 6月月3日午前8時51分PDT人の少ない時間帯、電車に揺られながら除菌作業をする乗務員に、心を打たれたという常盤さん。鉄道関係者に対して、感謝の気持ちを述べました。投稿を見た人たちからは「乗務員さんにも驚いたけど、常盤さんが電車に乗っていることもびっくり。親近感が湧きます」「大変な作業だと思います。頭が下がりますね」などの声が上がっています。新型コロナウイルス感染症によって暮らしにさまざまな影響がある中でも、公共交通機関が停止することはありません。最前線で社会を支える人々への感謝と尊敬の念をつづった投稿に、多くの人が共感をしたことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月04日豊川悦司、常盤貴子が主演、1995年7月期の金曜ドラマ枠で放送された「愛していると言ってくれ」が、2020年特別版として5月31日(日)より4週連続で全4回にわたり放送。豊川さん&常盤さんによるリモート同窓会企画も決定した。ラブストーリーの名手・北川悦吏子が脚本を手掛けた本作は、幼いころに聴覚を失った後天性聴覚障がいを持つ新進青年画家と、アルバイトをしながら劇団で演技の勉強を続けている女優の卵の、ことばを超えた純粋で繊細なラブストーリー。画家の榊晃次(豊川悦司)は、溌剌として純粋な女優の卵・水野紘子(常盤貴子)と運命的な出会いをする。懸命に手話を覚え、思いを伝えようとする紘子の熱い思いに、晃次の閉ざされた心は次第にほぐされていく。しかし、ことばに込めた想いが伝わらず、誤解が生まれ、そして会えなくなる。恋する者にとって最もつらく厳しいこの3つの障壁が立ちはだかる…。恋愛を通して、人間的にも、仕事の上でも成長していく2人の愛の過程を描いた本作は、繊細なカメラワークを駆使し、TBSのラブストーリーの決定版となった。最高視聴率28.1%!ドリカム「LOVE LOVE LOVE」も大ヒット1995年(平成7年)7月7日~9月22日までの金曜ドラマ枠で放送された本作(全12話)は、平均視聴率21.3%、最終話で最高視聴率28.1%を記録(※ビデオリサーチ調べ・関東地区)。また、「DREAMS COME TRUE」による主題歌「LOVE LOVE LOVE」は約250万枚を売り上げる大ヒットとなり、この年のオリコンシングルランキング年間第1位に。そのほか、劇中で自然と手話が登場することで視聴者が手話に関心を寄せ、手話サークルへの入会者が急増するきっかけを生んだといわれている。そんな今回特別企画として、豊川さん&常盤によるリモート対談を全4回にわたり放送することが決定。2人は撮影時のエピソードや手話に関してなど25年前を振り返る。どんな思い出話が飛び出すのか注目。豊川悦司このタイミングで、またこのドラマを見ていただける、あるいは初めて見ていただけるというのは大変うれしいことです。25年前は携帯電話やメールで連絡を取ることができなかった時代で、今はあまり描かれなくなった「純愛」がテーマ。でも、2020年の若者にも何かを感じていただけると思っています。楽しんでご覧いただければと思います。常盤貴子これまでも多くの方々に愛されてきたドラマだったんですが、25年ぶりに地上波で放送が決まり、今まで見たことがなかった人たちにも見ていただける機会ができたというのは、とてもうれしいです。当時「手話って素敵だな!」と思ってくれた人たちがたくさんいたように、これを機にまた「手話」という美しい言語の魅力を感じてもらえたらいいなと思います。「愛していると言ってくれ2020年特別版」は5月31日(日)14時~TBS系にて4週連続放送(※一部地域を除く)。(text:cinemacafe.net)
2020年05月23日NHK紅白歌合戦の司会者取材会に臨んだNHK和久田麻由子アナ(2019年10月28日)2月1日は、東京都の私立中学入試の解禁日。12歳の春をめぐる戦いはピークを迎える。リーマンショックなどの景気の最悪期を脱却し、一都三県(千葉・埼玉・神奈川)の公立小学校6年生の中学受験比率は上昇一途。2019年は13.9%で、全体の生徒数は減っているのに、2月1日の中学受験者数は前年に比べ1800人以上、増えたという。「特に熾(し)烈なのは女子です。女子校は御三家といわれる名門校をはじめ、もともと高校募集をしない完全中高一貫校が多いのですが、高校受験界の女子校最難関だった豊島岡女子学園までが2022年での高校募集停止を発表。ますます高校から進学校に入るのは難しくなるため、中学受験にチャレンジする子が増えています」(中学受験塾講師)さて、難関突破した女子たちが大学に進み目指す花形にして最難関の職業として君臨するのが「女子アナ」ではないだろうか。その昔、「麹町中→日比谷高校→東大→大蔵省」というのが男子エリートコースの象徴といわれた時代があったが、名門女子中高からアナウンサーというのが女子エリートのひとつの道かもしれない。では、その道を戻って、女子アナに最も近い中学はどこだろうか。その疑問の答えに最もふさわしい学校のひとつが、「女子学院」だ。中学受験界では「JG」の名で親しまれている。学校を紹介する前に、どれほど女子アナを輩出しているか示しておこう。■朝7時代は“女子学院アワー”まず昨年の紅白歌合戦の司会を務めたNHKの和久田麻由子アナ。『おはよう日本』の月~金曜日のキャスターも務める同局の顔だ。女子学院から東大経済学部に進学した。同じ『おはよう日本』の土日キャスターを務める石橋亜紗アナも女子学院卒。慶大文学部に進んだ。つまりNHKの朝は7日間、女子学院OGが務めていることになる。NHKにはJGが多い。『首都圏ネットワーク』などでおなじみの合原明子アナ(東京外大)も。フリーに転身して活躍中の膳場貴子アナ(東大)、医師を志して退職した島津有理子さん(東大)も同窓だった。民放でも日本テレビの徳島えりかアナ(慶大)が和久田アナと同学年に在籍した。現在、朝の『ZIP!』に出演しており、JG同級生が同時間帯で視聴率を競っているのである。フリーに転身して『ゴゴスマ』などに出演している馬場典子アナも同校卒の日テレOGだ。早大からマスコミという王道路線を歩んだ。なぜ、女子学院がこれほど女子アナを輩出するのか。そこには、同校の校風の影響が見て取れる。1870年に創立した女子学院は、東京都千代田区一番町にあるプロテスタント校。桜蔭、雙葉と並び「女子御三家」と呼ばれる最難関のひとつだが、個性的な学校として知られる。「桜蔭は毎年、東大に60名近く合格させる圧倒的な進学実績を誇るように、生徒たちもまじめな勉強家。悪く言えば地味なタイプが多い、というイメージ。雙葉は小学校を併設しており“ザ・お嬢様”という学校。おっとりした感じが主流です。それに対して、女子学院の校風は『自由』。制服がなく、校則も3つしかないと言われています。生徒は積極的で快活な印象。私服で髪型やピアス、化粧もすべてOKなので、一部には派手に見える子もいますが、地頭がよく要領をわきまえています」(同講師)この3校の個性を表現する有名なたとえ話がある。「もし空き缶が道端に落ちていたら。雙葉生はそっと拾ってゴミ箱に入れる。桜蔭生は本を読むのに夢中で気づかない。そして、女子学院生は……缶蹴りを始める」また、こんな話も。「JGの校舎って、2004年まで日本テレビの本社があって、今もスタジオがある場所の隣なんです。だから在学中にタレントやアナウンサーを見ることもちょくちょくあったし、テレビやマスコミの業界に比較的、親近感を抱きやすい環境なのは確かですね」(女子学院OG)自由で積極的で快活。そして、中高からファッションを意識する感覚も養われる。そんな6年間を送った将来に、女子アナという道を見つける者が多いのは、とても納得できる話だった。
2020年02月01日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマに、それぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第5回のゲストは、少子化ジャーナリストで、政府の働き方改革実現会議の委員も務める白河桃子(しらかわ・とうこ)さんです。前後編。「婚活」誕生から10年、舞台はマッチングアプリへ川崎貴子さん(以下、川崎):「婚活」という言葉が一般的になって10年。この流行ワードの“育ての親”である白河さんと「共働き」と「婚活」についてお話ししたいと思いました。この10年で婚活の傾向に変化はありましたか?白河桃子さん(以下、白河):目立つ傾向としては、婚活の場が「マッチングアプリ」に移りましたよね。地方行政が「お見合いパーティー」をいくら開いても人が来ない。回転寿司みたいに何十人も会うより、手っ取り早くアプリで見定めてから会うようになった。白河桃子さん川崎:さんざん合コンして、お見合いや結婚相談所に行ったという方々が「キャリ婚」にも来ます。理由を聞くと「忙しいから」という答えがすごく多いんです。白河:マッチングアプリのコミュニティは、すごく大きいんですよ。大きいだけに、検索ワードを絞り込むと、ぴったりの相手が見つかりやすい。利用する価値はあると思います。私の友人も35歳の時にマッチングアプリで出会った10歳上の方と結婚したんですけど、「どうやって見つけたの?」と聞いたら、絞り込みワードが「それ、5人くらいしかいないんじゃない?」っていうくらいピンポイントで(笑)。川崎:ゆるっと「料理が好きです」とか「優しい性格です」とか書いても全然見つからないですよね。白河:何十万もコミュニティがあるから、本当に絞り込んで探す。婚活で「しょっちゅう海外旅行に行きます!」とか言うと引かれそうかな? と思うじゃないですか。でも、このくらいしっかりエッジを立てるほうが、自分に合う相手が見つかりやすいんです。「共働き婚」後を現実的にイメージして白河:結婚後は2人で家事をどう切り盛りしたいかを記入する欄もあって、「自分がメインで家事をやる」「分担する」「手伝う」など、いろいろな選択ワードがあるんです。男性は「手伝う」を選びがちじゃないですか。でも、さっきの友人は起業して自分が社長をやっているので、「夫がメインで家事をやる」を選ぶとうまくいったそうなんです。川崎:「キャリ婚」も共働き推奨サイトなので、最初に家事について「アウトソーシングはアリかナシか」などをシートに記入してもらうのですが、辻褄(つじつま)が合っていない場合があるんです。例えば、激務に就いている男性が「アウトソーシングは使いたくない」「家事は自分たちでやりたい」と記入していると、「え? それって、奧さんに『やって』と言ってる?」と思いますよね。そこは面接で再度確認します。すると、「僕は他人が家に入るのが嫌なんだな」と気が付く。そうすれば、「親族にお金を払って助けてもらう」「電化製品をたくさん投入して、家事は全自動化する」などの対策が見えてきますよね。自分の棚卸しをして、正しい“漁場”へ川崎:「私はこんな結婚がしたい」「こういう人と結婚したい」と主張できる人って、自分の棚卸しができている。ふわっとした考えのまま婚活すると、ただの人気投票になってしまい、有象無象の中に放り込まれてしまう。「このポイントを分かってくれない相手なら要らない」と言えるくらい、自分の核みたいなものを整理できているかどうかが大切です。「私はこういう結婚生活を送りたい。だから、こういう人と結婚したい」という輪郭があると、「結婚相談所にいる」とか「趣味の世界で見つけるほうがいい」とか、自分の“漁場”も分かってきます。白河:今の若い子にとっては、結婚しても働くことがデフォルトで、そこからはもう逃れられません。昔は「結婚しなきゃ」「子供を持たなきゃ」という押しつけに対して反発があったんですよ。だけど結婚も出産も「自由だから」となった今、「恋愛して、結婚して、子育てして……というハードルを、どう越えていけばいいのか分からない」と言う。最近の女子学生の話を聞いていると、結婚は「サバイバル」だと言っています。これからの時代、一人で生きていくのはなかなかツラいので、「いかにパートナーシップ戦略をとっていくか」ということを真剣に考えている。結婚も早くなっていますよ。20代のほうがガツガツしているので、アラサーやアラフォーで結婚したい人は、もっとガツガツしないと負けちゃう。「かっこいい男は育休を取る」ロールモデルを白河:この10年の変化というと、「共働きが当たり前」になったことではないでしょうか。女性が結婚後も働き続けられるようになったのは、2010年に育児介護休業法が改正されて時短勤務ができるようになってから。やっと、正社員として企業に入れば女性の7割は働き続けられるようになったんですね。でも、「共働き」というベースになる環境は変わったのに、家庭内の役割分担はあまり変わっていない。だから大変なんです。川崎:モデルケースがない。かといって「これが正解」という形もないので、いろんな事例を紹介できたらいいよねというのが、この連載企画の趣旨でもあるんですよね。白河:最近の20代には、そのあたりをしっかり考えている子もいますね。わたしの講義の受講者で、25歳くらいで早くに結婚した子がいるんです。すぐお子さんもできて、産休から復帰した後、旦那さんに育休を取らせた。はじめは「早いうちに子供がほしいけど、お金がない20代では無理」と思っていたそうなのですが、わたしの講義を聞いて「共働きなら産める」と気付いたそうなんです。共働きで産むとなると、夫を「育パパ」にするしかない。夫は大学時代から付き合っていた人だそうなのですが、NPO法人ファザーリング・ジャパンとか、サイボウズの青野(慶久)社長らに会えるような活動に参加させて、「育休を取る=男としてかっこいい」と刷り込み、まったく子育てに興味のなかった20代男子を洗脳。「私は産休明けに会社に戻るから、あなたは代わりに育休を取って家庭に入ってね」と言えるようにしたそうなんです。「すごいな、最近の子!」って驚きました。前の世代の反省は確実に生きている。川崎:刷り込み、ほんと大事(笑)。男性の育休取得はまだ全然進んでないんですよ。それなのに、夫に育休を取らせた彼女のオルグがすごい!白河:「かっこいい男は育休を取る」という男性のロールモデルが必要なのよね。川崎:企業の中でも、育休を取得した男性の中から出世したモデルを作らなければいけないですね。「育休を取っても、年収はこれくらいをキープできる」というモデルがないと、なかなか取得が進まないのかな。「あいつ育休なんか取って、仕事やる気ないのかよ」と言われる風潮から、「かっこいいね。うちの会社で〇番目だね」というふうに変えていかないと。白河:働き方改革でだいぶ変わったとは思うんです。私は「働き方改革は暮らし方改革」だと主張してきて、「働き方さえ変われば、男性の可処分時間が増えて、家庭に費やす時間ができる」と思っていました。ところが、最近の総務省の調査の結果で、「家事に費やす時間が増えたのは女性だけで、男性は新聞とテレビの時間が増えた」ことが分かった。可処分時間が増えただけではダメ。次は「暮らし方改革」のために、「男性育休義務化」のようなメッセージ性の強い政策が必要ですね。小泉進次郎大臣があえて「育休宣言」を述べ二週間と言ってくれたことで何か空気が変わると期待しています。※後編は2月4日(火)公開です。(構成:新田理恵)
2020年01月28日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマに、それぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第4回のゲストは、ちょうど1年前に株式会社ほぼ日のCFOを50歳で退任し、現在は“ジョブレス”な日々を送っている篠田真貴子(しのだ・まきこ)さんです。全3回。他人にお願いすることで仕事のスキルも上がる川崎貴子さん(以下、川崎):前回「料理は愛情」という考えに物申しましたけれど、うちの母の料理が激マズだったんですよ。私が料理好きになったのは、まさに「生きるため」で、妹のお弁当が可哀想(かわいそう)すぎて、途中から私が作っていたくらい。とにかくテレビで司会者が「健康にいい」と言った食材を一緒に煮る(笑)。そんな母が一番イヤだったのは、メニューを決めることだったみたい。篠田真貴子さん(以下、篠田):家事の何が大変って「考える」という部分だと思います。子供たちが小さい頃はお金を払って人の手を借りながら家事をしていましたけど、お願いする前に自分で「ここまでやってもらう」と決めておかなくてはいけないんですよね。「外注するのが面倒だから自分でやる」という方は、その「考える」部分を大変だと感じているんだと思います。何をするか、何をしないかを自分で決めて、決めたことを人にお願いする。時には夫に頼んでもうまくいかなかったりする。でも、そういうことをやっていくと、実は仕事のスキルがすごく上がるんですよ。篠田真貴子さん川崎:仕事で培ったスキルは家庭の中でも使えるし、家庭で培ったスキルも仕事に役立つ。「私がやったほうが早いから」と言いがちだけど、中長期的に考えると、人にお願いするほうが人材は育つし、協力者も増えるし、逆に「そんなやり方もあるのか」という気付きもある。家庭の中で自分がいいマネージャーになれるようにしていけるといいですね。「お母さんがやっていたから」の考えは捨てよう川崎:パートナーと家事分担について、気付いたほうがするシステムだと「私ばかり……」という不公平感が生じるという悩みを聞くのですが、2人にとっての「やりたくない家事」を共通認識にしておけばいいんですよね。前回の繰り返しになりますが、やりたくない家事は、せっかく共働きなんですから、家電に解決してもらったり、アウトソーシングすればいい。会社でも自分で仕事を増やしている人が大勢います。パワーポイントですごく凝った社内資料を作るとか。家庭内にも、「お母さんがやってたからやっている」みたいな、苦労してやらなくてもいい家事がいっぱいあると思いますよ。正解なんてないけれど、夫婦で「これはいるよね。じゃあ、これはどう?」って家事も取捨選択することが必要だと思います。川崎貴子さん篠田:前回「食洗機なんて必要?」と言う夫の話が出ましたけど、私は頑張れないから「無理、できない」と早い時期からはっきり言っていました。すると、夫はキョトンとした顔をしてたんです。だって、彼は私の負担を本当には分かってなかったから。だけど、妻がこれだけ押し戻して、本当にやらないということは、ただ「手で洗えばすむ」話じゃないんだろうなと、そこで初めて認識する。だからといって不満が一気に解消されることはないのですが、少なくともイヤなことをやり続けるより、放棄しちゃうほうが私は楽でした。川崎:私はリビングがキレイな状態になっているのは好きなのですが、タンスの中はぐちゃぐちゃでもいい。でも、夫の管理下にあるクローゼットの中はTシャツがお店みたいに色味がグラデーションになって並んでいるんです。彼にとってはそれが気持ちいいんですよね。だけど、私はぐちゃぐちゃで許してほしい(笑)。篠田:そういう範囲決めって、けっこう大事ですよね。「あなたには目障りかもしれないけど、ここは私の聖域」だと主張する。逆もしかりで、どうしても気になるなら、黙って手を出すのではなくて「気になる」とちゃんと伝える。川崎:あと、家の中でも「ありがとう」「ごめんね」と言うことは大事ですよね。うちの夫は元専業主夫なので、何でも先に気が付くのは夫なんです。夫婦間でも多く担ってくれているほうに、ねぎらいの言葉をかけることは必要じゃないかな。篠田:「やって当たり前」と思われるのが一番イヤなんですよね。「ありがとう」もそうだけど、「家がさっぱりして気持ちいいね」みたいな一言がたまにあるだけでも違う。「分担ね」と決めても、どうしても自分の得意な領域には気が付いちゃうから、それを相手にも求めるのは現実的じゃないし、自分が先に気付いたら気付いたで、それもつらい。「どっちが気付くの合戦」みたいになってしまうから、そこは「おかげさま」の気持ちを伝えられたらいいですよね。夫婦で「私たちルール」があればOK篠田:平等なパートナーシップを築いていくというのは、表面的な作業量や経済力が同じということではないんですよね。家事の分担で不公平だと感じるのは、分担そのものが問題なのではなく、自分が大切にされていない感じがするという不満の表れなんだと思います。川崎:夫婦にとって一番居心地のいい場所にしなければいけないのが家庭。この居心地のよさというのは、「家の中が整理整頓されていておいしい料理が出てくる」という意味ではなく、「ここは汚くてもいい」とか「今日の食事はウーバーイーツで頼めばいいよね」みたいな、夫婦で「家事をしない」許容のラインが一緒ということかもしれませんね。「これはOK」「これはダメ」というラインがお互い違うから、それぞれ主張し合うのではなく中庸を取って、「私たちルールとしては、これでいいよね」というラインをすり合わせていくことが大事だと思います。※第3回は12月27日(金)公開です。(構成:新田理恵)
2019年12月25日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマに、それぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第4回のゲストは、ちょうど1年前に株式会社ほぼ日のCFOを50歳で退任し、現在は“ジョブレス”な日々を送っている篠田真貴子(しのだ・まきこ)さんです。全3回。自分の手を動かさなくてすむように家電に投資する川崎貴子さん(以下、川崎):共働き婚の女性の間で、必ずと言っていいほど話題になるのは妻と夫の家事分担です。ご夫婦が2人ともハイキャリアで多忙な日々のなか、経営コンサルティングのご経験も豊富な篠田さんが、どう譲り合って家庭を運営してきたのだろうかと興味がありました。家事はどう回されていましたか?篠田真貴子さん(以下、篠田):いま高校1年生、小学6年生になる子供がいるのですが、2人目が生まれてからは、子供の面倒を見ながら家事もやってくださるお手伝いさんに毎週1回来てもらって、お掃除を中心にやっていただきました。だから掃除は週1回ですよ。あとは「資本投資」です。ガス乾燥機を購入してお天気や時間帯にかかわらずお洗濯ができるようにして、引っ越しをするときはそれが設置できることを念頭に置いて物件を考えました。もちろん食洗機も導入して、ルンバも買って。自分がなるべく手を動かさなくてすむようにしました。川崎:子供が小学校に上がったあとのほうが大変ではなかったですか? 私も最初はベビーシッターさんをお願いしましたが、そのあと保育園、小学校と進んでいくにつれて、どんどん大変になっていった。篠田:大変でした! 保育園は夜8時まで預かっていただけたので、晩ご飯も保育園で食べて帰ってくるんですけど、上の子が小学校1年生になった年は、何をどうやって乗りきったのか記憶がないです(笑)。毎日お弁当を作らなければいけないし、夕方6時には学童(保育)から帰ってくるので、小学生になってからのほうが「早く帰らなきゃ」「ご飯を作らなきゃ」という暮らしになりましたね。下の子が小学校に上がったくらいから、「みんな、自分の洗濯物は自分で畳みましょう」というシステムにしました。家族が好きなテレビ番組を録画しておいて、それを見ながら夫と子供たちが洗濯物を畳んでいる間、私が晩ご飯を作るというのが週末の夕方の「行事」になっています。それ、本当に必要?「やらない家事」を決めておく——(ウートピ編集部)妻が「食洗機が欲しい」と言うと、夫が「手で洗えるのに必要ない」と反対してもめる話をよく聞きます。“夫ブロック”のような……。川崎:だったら通常の家事プラスオンでキミが洗えよなっていう(笑)。篠田:それも「慣れ」ですよね。私は「食洗機を使わないなんて、あり得ないから」という感じで使っていました。思えば、結婚してすぐ夫婦でアメリカに留学した影響があるかもしれない。食洗機のある暮らしがデフォルトだったので、夫はそこでなじんでいたのかも。川崎:それは夫に経験してほしいですよね。アメリカなんて食洗機は当たり前だし、ワンルームマンションにあらかじめ付いてたりすると聞いてます。結婚前の視察ツアーでも組みますか(笑)。篠田:家事はすべて「死なない程度」でいいと思います。私は「お友達を家に呼ぶなんて、100年先まで無理」と思っていました(笑)。川崎:私は料理が好きで、今の夫は掃除と洗濯が好きなんですよ。干し方とかいろいろこだわりがあるので、私は手を出しません。篠田:お互い好きなこと、得意なことをやって成立するなら、それが一番いいですね。川崎:あと、「やらない家事」をちゃんと決めておくことも大事かと。「自分の親がやっていたから」という理由でやっている家事も多いと思うんですよ。例えば料理でも、「買い物」という準備だけで1時間くらいかかる。「もうAmazonで買えばいいじゃん」というものもあるし、ホットクック(シャープが販売している、食材と調味料を入れるだけで自動調理できる鍋)とか便利な家電を使えばいい。家事のリストラを早急に進めないと!篠田:ホットクック、いいですよね! 例えば、カレーの材料を入れてボタンを押せば、勝手に加熱して止まるので、その間に出掛けたりお風呂に入ってもいいの。川崎:最新家電もいろいろあるし、昔からある普通のオーブンやレンジも意外と使いこなせていないので、使い方を見直して手間のかからないメニューを日々研究しています。篠田:私も、家電を使ってなるべく自分が動かなくていいようにしていますね。「料理は愛情」の不思議——(ウートピ編集部)読者には専業主婦の母親を見て育った人も多いので、「手抜きはダメ」という固定観念や、「自分ができることをわざわざ他人や家電に任せるのは贅沢(ぜいたく)なのでは?」という「罪悪感」があるという声も聞きます。川崎:購入時は高いけれど、減価償却的に考えたらありですよ。罪悪感も分からなくはないけれど、義務感にかられて料理をして「わざわざ作ったのに」というオーラを出す母親が家にいるのと、コンビニで買ってきた春巻きを食卓に出してもにこやかな母親がいるのと、家族にとってどちらがいいのか? 私や夫がゆとりのある心持ちで子供たちに接することは代わりにやってもらえないけど、人やモノにお任せできることは、多少お金を出してもお願いしたほうがいい。昭和11年生まれの母が、私が家電を使うたびに怒るんですよ。「電気代がもったいない」とか、乾燥機の使うと「太陽の恵みを無視してる」とか。「お母さん待って、いま令和だよ?」って(笑)。ハッピーに家事をするために自分で電気代も払ってるわけですから、古い価値観からバージョンアップしたほうが現在を楽に生きられる。時代によって「何が美徳か?」は変わるので、どんどん自分たちの時代の常識を先取りしていいと思います。篠田:犠牲を払うことでしか自分を認められないのは、もったいないですよね。自分に対しても、他者に対しても同じで、「実りのない頑張りを続けている私を認めて」という考え方のワナに陥ると、誰も幸せにならない。川崎:特に日本では、自己犠牲の上に家族を支えるのが愛であり、存在意義という考え方が根強くありますよね。篠田:「料理は愛情」っていう言葉に物申したいんです。ほかの家事には「愛情」なんて言わないですよね。「掃除は愛情」とか。私も料理は好きだし、家族が「おいしい」と言って食べてくれるのはうれしいですが、なぜ料理だけ? 好きでやるのはいいけど、義務感から必死でお弁当を作るとか、ちょっとゆがんでいるなと感じることはあります。特に料理はそうだけど、全体的に「家事をする」ことが妻や主婦の「人格」に近いものと見なされているから、やらないと罪悪感を感じてしまうんだと思います。家事は「作業」にすぎません。人格とは関係ない。それを自分にも言い聞かせ、家族にも分かってもらう。そのためには、心に余裕を持つことが大切。「私ばかりやっている!」と思ったら、お友達と会って息抜きをするとか、まずは心を整えてほしいなと思います。※第2回は11月25日(水)公開です。(構成:新田理恵)
2019年12月18日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマに、それぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第3回のゲストは、家事研究家で家事代行サービス「ベアーズ」の取締役副社長でもある高橋ゆき(たかはし・ゆき)さんです。全3回。家事や育児を他人に頼むことで“幸循環”につながる川崎貴子さん(以下、川崎):そもそも、「ベアーズ」を立ち上げたきっかけは何だったんですか?高橋ゆきさん(以下、ゆっきー):私はもともと、自分で家事を全部やっちゃう人だったんですよ。でも、香港で生活しているときに、フィリピン人のメイドさんがいて、「息子さんは私が代わりに抱っこしててあげるから、寝たいときに寝ててください。それが私の喜びです」って言われて……。人に頼むことは悪いことじゃなくて、人の幸せにつながるんだと思って、ビックリしましたね。それに気付いた瞬間に、私も精神的に強くなれて、楽になって、心地よくなって。そのときは夫にも、「彼女は僕たちから得た収入で、母国にいる子供たちに教育を受けさせたり、進学させたり、家を建てたりすることができる。メイドさんを頼むことは、決して後ろめたいことじゃなくて、誰かの幸せにつながっていることなんだ」と言われました。「家事や育児を他人に頼むことは、幸せの好循環なんだ!」と感じたことが、「ベアーズ」を立ち上げたきっかけでしたね。高橋ゆきさん川崎:人の役に立てる仕事ってやりがいありますしね。ゆっきー:そうそう。例えば、この記事を読んで、「人に家事を頼むほどの身分じゃないし……」「サボりたいと思ってるわけじゃないし……」という人は、子供を出産したり、病気になったり、人生で大変なときが来たら、思い切って頼んでみてください。一回使ったからといって、一生使うものでもありませんし、人生の物差しで考えたら、使う時期もあれば、使わない時期もあります。大変な状況に陥ったときの心の保険として、家事代行サービスを知っておくのも、今の社会を生き抜く上で非常に重要なことだと思いますね。大変なことが、永遠に続くことはありませんから。大変なことが終わって楽になったら、そのときにできなかったことを「次の世代にやってあげればいいじゃない?」と言ってあげたいですね。つまり、幸せの好循環、ゆっきー語で“幸循環”です。良い言葉でしょう(笑)?人生は一度きりだからわがままに生きる川崎貴子さん川崎:ゆっきー自身の生き方についても伺いたいのですが。私は、プライベートでも会社でも、自分のご機嫌をコントロールできる人が大人だと思っていて。大人の女性である限りは、ご機嫌をコントロールすることは当たり前のことですよね。ゆっきー:私も同感です。そして、人生は一度きりなので、好きなことをしていいと思うんですよね。世間体を考えて、やりたいことを躊躇(ちゅうちょ)している場合じゃないんです。好きなように、好き勝手に、わがままに生きていいと思います。ただし、自分のためだけにわがままに生きていると、バチが当たる。たった一人のためでいいから、自分じゃない誰かのために、「情熱と覚悟」を持ってやろうと決めたことは、必ず成し得ると思います。川崎:「情熱と覚悟」って、良い言葉ですね。では、大変なときやつらいときはどうしてますか?例えば、私は、谷底に落ちたとき、「こんなことで自分は絶対に負けない!」と思ってるんです。多分、逆境が好きなんですよね。逆境のあとに良いことがあったりするので、「またか……」と定期試験みたいな感じで受けていますけど(笑)。ゆっきー:私も、アクシデントやプロブレム、ハプニングの中で育ってきたから、それしか人間を強くさせるものはないんじゃないかなと思っています。「人生には愛や笑顔が必要だ」と言っているけど、一方で「つらさや怒り、悲しみでしか人間は成長できない」とも思っています。川崎:ゆっきーみたいな働く女性は、それを糧にしてさらにパワフルに輝くんですよ。女性は、男性と違って、「これはマズい!」と思ったら、いろいろな人のところへ行ってすぐ相談するんです。変なプライドを持たない人が多いですよね。ゆっきー:美容液でも、サプリメントでも、ナイトクリームでもなく、試練と逆境と苦難を乗り越えることが、輝きの秘訣かもしれませんね(笑)。将来の不安もあるけれど…自分たちの武器を増やそう川崎:では、最後に。人生100年時代と言われていて、将来の生活や老後に対して不安をもっている共働き夫婦も多いと思います。個人的には、副業もどんどん解禁されていますし、いろいろな働き方ができるようになっているので、自分らしい仕事に出会えるチャンスがあるし、何とかなるなと思っているのですが……。ゆっきー:本業のあり方も変わってきていますからね。「働き方改革」の一番のポイントは、「多能工」なんです。一人のキャリア、アイデア、アイデンティティを、社会で多方面に活用できる人材が育つかどうかが大事になってくる。会社が守ってくれる時代でもないですし、働き手もずっとひとつの会社にいるわけじゃない。もっと言うと、在宅勤務が当たり前になって、全員が業務委託契約のようになると思います。近い将来、多能工な才能を生かして働くような新しい時代がやってくるのではないでしょうか。川崎:共働き夫婦であれば、将来の蓄えというより、自分たちが持てる武器を増やしていったほうがいいということですね。ゆっきー:そうですね。そして今回、私が一番言いたいことは、ただ単に「家事をアウトソーシングしよう」ということではないんです。「生き方改革」なんです。私やたかちゃんみたいに、意思を強く持って動ける女性ばかりではないので、社会の追い風が吹くことはとても大事。世の中の女性たちには、風が強く吹いてきたことを感じてほしいですね。そして、自分たちで未来の扉を開けまくって、新しい風をどんどん吹かせてほしい。だって、一昔前だと、その扉に何重にもカギがかかってたんだから(笑)。でも、今はITの時代だし、一人ひとりの女性の意思や意識も変わってきて、昔とは全然違いますよね。思いと行動があれば、自分のありたい状況、ありたい姿になれる時代になってきてるんです。生きやすい時代の幕開けですから、そこから衰退しないように、女性たち自身が意思と意識を持って行動していってほしいなと思います。
2019年12月03日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマに、それぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第3回のゲストは、家事研究家で家事代行サービス「ベアーズ」の取締役副社長でもある高橋ゆき(たかはし・ゆき)さんです。全3回。大事な人のために使う時間を、「家事」に使うべきではない川崎貴子さん(以下、川崎):西原理恵子さんのマンガに、子供が小さかったときの夢を見たというエピソードがありました。*子供が四六時中まとわりついてくるけど、自分は「料理をしなきゃ、洗濯物をしなきゃ」と家事に追われている。でも、今はもう大きくなって抱っこすることもできない。料理なんて全然手作りする必要ないのに、家事をすべて自分でする必要ないのに、それが愛だと思い込んでいたっていうお話で。子供が大きくなってから、「もっと、抱っこしてあげれば良かったな」「あんなに家事をしなくて良かったのにな」と感じたそうです。*「毎日かあさん」第654回「思い出の夢」より。川崎貴子さん高橋ゆきさん(以下、ゆっきー):本当にそうなのよ。人生で何が大事かって、それはやっぱり家族なんです。帰る場所があるから、頑張って外で働いてこれるでしょう?生きていけるわけでしょう?それなのに、家に帰ると、洗濯物を畳んで、お風呂を沸かしてて、夕ご飯を作りながら、子供に向かって「お母さんは忙しいから」じゃないんですよ。川崎:同感です。手の込んだ家事って、やりたい人はやったほうがいいと思うんですよ。でも、無理に時間をつくってまですることじゃない。すごく時間をかけ過ぎていたり、手抜きができなかったり、それでみんな疲弊しているんですよね。本来、一番時間を使わなくちゃいけないところは、家族みんなで一緒の時間を過ごしたり、子供の話を聞いてあげたりすること。でも、その大切な時間を「家事を終わらせなきゃの呪い」で割いちゃっているんですよね。「家事は面倒くさい、しんどい」と言える社会にゆっきー:一見して矛盾しているようだけど、たかちゃん(川崎)がさっき言った通り、本当のところは、家事は自分でやってほしいんですよ。なぜかというと、家事は、その家族や家庭の古き良き習慣や伝統を受け継ぐ一番のメッセージだから。例えば、「お父さんは神棚を毎朝お手入れしてる」とか、「お母さんは掃除が苦手だけど、枕だけはこだわってる」とか、家族への優しさや思いやりを表現することが家事なんです。ただ、いつの時代からか、女性が家事のすべてを担うようになり、「家事は真面目に、しっかり、ちゃんと」という言葉が邪魔をして……。本当に考え方が遅れていますよね。これからは、「家事は面倒くさいな、しんどいな」って言える社会にすることが大事。疲れているときに、家事をやる必要はないんです。愛がモリモリしてるときだけやればいいんですよ。高橋ゆきさん川崎:そうですね。その家独自の習慣やルールは、継承すべきすてきなことだと思うけれど、今の時代は夫婦が対等に良いモノを持ち寄って、できることを取捨選択していかないといけない。ゆっきー:時代が変わっていることを、みんな知らないんですよね。例えば、のんびりとした時間の中で子供を育ててきた時代とは違って、今は社会の流れがとっても速い。その中で、自分たちらしさを大切に生きていくことを忘れてしまうと、どこにも幸せ感がないんです。家事や育児においても、「私、何やっているんだろう?」と、いつも中途半端に気持ちだけが焦ってしまう。川崎:現代の共働き夫婦において、自分たちらしさというのは大事ですよね。ところが、夫婦で家事分担をしようとすると、女だから料理、男だから日曜大工といったジェンダー的な刷り込みで役割分担をしがち。男女関係なく、個々において家事の好き嫌い、得意不得意は当然あります。それぞれの夫婦で、「洗濯は私、料理は俺、掃除は外注、洗い物は食洗器」というように、オリジナルの家事分担を作っていくことが大切だと思います。わが家のキレイさを保つサイクルを知っておこうゆっきー:家事分担も大事だけど、次に大事なことは、それをどのくらいの時間軸でやっていくかということ。例えば、毎日キレイな状態が保たれている必要はないわけで、2週間なのか、1週間なのか、家族ごとに違うんです。それを知らないと、「ちょっとサボってるかも……」というストレスや罪悪感にさいなまれてしまいます。わが家のキレイさを、どのくらいのサイクルで回していくかを知っておくだけで、すごく気が楽になると思いますよ。川崎:それって日ごろから、夫婦間で、「自分たちがどういう家庭をつくっていきたいか」というコンセンサスが取れていないとできないですよね。特にうちは、仕事も共通点がないし、年齢差もあるし、特殊なステップファミリーなので、夫婦ですり合わせていかないといけなかったわけです。ゆっきー:そうですね。コンセンサスが取れない相手とは、そもそも家族でいる必要がありません。家族になったのであれば、自分たちがありたい姿に照準を合わせて、すり合わせていかないと。だから、まずは家族で家事会議を開いてほしいんですよ。愛がモリモリしているときに、家族で家事について語ってほしいし、家事を大事にしてほしいですね。決して、家事や育児でケンカをしてほしくないんです。夫婦がケンカをしていると、子供は寂しくて悲しい思いをするから……。私は、日本の子育てを明るく楽しく幸せなものにするためにも、みんなが家事代行サービスを使いやすい社会の風を吹かせていきたい。次の世代のために、家庭のあり方をスタイルチェンジするべきなんです。高橋ゆきさん川崎:ほんとに愛がモリモリの新婚時代が大事(笑)。そして、スタイルチェンジ大事ですね。ゆっきー:そして、家事代行サービスを使いやすい社会にするために、5年前に家事大学を設立しました。家事が好きな人も苦手な人も、その価値について学べば、1時間2,000~3,000円の価格が、自分にとってプライスレスなのか、やっぱり高いのか明確になりますよね。家事の価値を知ることで、家庭のあり方を考えるきっかけにもなると思います。
2019年11月26日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマに、それぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第3回のゲストは、家事研究家で家事代行サービス「ベアーズ」の取締役副社長でもある高橋ゆき(たかはし・ゆき)さんです。全3回。女性たちは「家事代行サービスを抵抗なく利用できる社会」を望んでいる川崎貴子さん(以下、川崎):今や共働き夫婦は6割*にのぼっています。共働き夫婦において、家事や育児の分担は大きな課題。そこで、家事代行サービスのパイオニアとして、業界をけん引してきた高橋さんのお話を、ぜひお聞きしたいと思って、今日は伺いました。高橋ゆきさん(以下、ゆっきー):ありがとうございます。経済界でもゆっきーで通ってるので、今日はゆっきーでお願いします(笑)。川崎:前回は、浜田敬子さんとお話させていただいたのですが、「自分たちだけで、家事と育児をやっていくのは限界がある」「うまくアウトソーシングをすることが、一番の幸せな道なのでは?」という結論に至りました。そこで最初にお聞きしたいのですが、家事代行サービスの利用率は、以前と変わってきていますか?ゆっきー:相当変わっていますよ。「ベアーズ」の利用実績は、昨年度は約45万件でした。年々、確実に利用者が増えています。ちなみに、野村総合研究所が去年に発表した調査**によると、過去に利用した人も含めた利用率は約6.5%。一方で、今は利用していないけれど、「家事の負担軽減に家事支援サービスが有効だと感じている人」は6割を超えました。「この差は何なの?」ということで、利用しない理由を聞いたところ、「価格の高さ」「他人を家に入れることへの抵抗感」「セキュリティの不安感」といった声が上がっています。参考:*「平成27年(2015年)国勢調査」による。**「家事支援サービス業を取り巻く諸課題に係る調査研究」高橋ゆきさん「贅沢」「サボり」「手抜き」というイメージが付きまとうゆっきー:そして、一番の問題は、女性たちが家事代行を望んでいるにもかかわらず、社会の風が吹いていないとサービスを使いづらいということ。例えば、「贅沢(ぜいたく)をしている」「サボっている」「手を抜いている」と、世間に言われがちですよね。でも、逆に今は風が吹いているんです。川崎:風が吹かないと、なかなか動けないですもんね。私も娘が小さかったとき、15年くらい前だったかな?家事代行サービスやベビーシッターを使っていることをブログで書くと、たたかれたことを思い出しました。あの頃は、そんな時代でしたね。ゆっきー:「家事や育児を人に頼むのは贅沢(ぜいたく)だ」とか、「女性経営者だから使えるんでしょ?」とか。川崎:そうそう。それでも私は、「給料をそのまま投入するくらいの勢いで、どんどん使ったほうがいい」と言っていましたけどね。なぜかと言うと、キャリアを10年休んでしまうと、なかなか仕事に復帰できなかったり、億単位の損失だったりするわけです。長期ビジョンで考えると、たとえその時期、給料とアウトソーシング料金が同額になってしまったとしても、長期ビジョンで考えると桁違いのプラスになると。ゆっきー:たかちゃん(川崎)は、当時から最先端の考え方でしたからね。川崎:私の場合は、家事代行サービスやベビーシッターを一度使ってみると、「こんなに便利なんだ」「今まで何やっていたんだろう?」と思いました。最初は、「他人が家に入るの気を使うなぁ」と思ったりもしましたが、すてきな人がやってきてプロの家事や育児をやってくれると、まるで神様みたいに見えるんです。自分の中に偏見があったんだなというのは、体験してみると分かりますね。川崎貴子さん私たちは「家事や育児の素人」だから…ゆっきー:社会に追い風が吹いているとは言え、国はすぐに補助金を出すことはできません。そこで、精神的不安だけでも取り除くために、3年前に家事代行サービスの事業者認証制度が創設されました。川崎:それは素晴らしいですね。家事支援サービスもベビーシッターも、初めて使うときはハードルが高いと思うんです。でも、事業者認証制度があれば、良い人材が集まりやすいですし、利用者側に安心感を与えることができますね。ゆっきー:そうですね。「ベアーズ」に寄せられるお客さまのお手紙で、一番多いのは、「人生の最高のマッチングをありがとうございます」「○○さんと出会ったことで、うちの家族の心が豊かになりました」という内容なんです。まさに、“出会い”なんですね。ゆっきー語では、“出愛”と言っていますが(笑)。川崎:“出愛”ですか。私も、長女のときにお願いしていたベビーシッターさんとは、いまだに交流がありますね。私たちは、家事や育児の素人なんです。せっかく共働きでダブルインカムなのに、家事や育児の分担でもめて、夫婦の関係がギスギスしちゃうようなことになったら、結婚した意味がないじゃないですか。そこで、家事や育児をプロに任せてみると、家族の雰囲気が良くなる。だからこそ、出会いに感動するんだと思います。ただ、家をキレイにしてくれたり、子育てを手伝ってくれるだけじゃなく、家族が仲良くなるパワーを持っているところがすごいなと思います。ゆっきー:そうでしょ?そして今後は、「自分にしかできない仕事に全力を注いで、育児と家事のコアな部分だけやる」という、たかちゃんみたいな生き方の女性が増えてきて、「家事代行サービスを使わない人は損」だと思われる社会が来ると思いますよ。働き方改革は暮らし方改革川崎:家事代行サービスは、「働き方改革」にもつながってきますよね。ゆっきー:「働き方改革」は、「暮らし方改革」と共にやっていかないと意味がないと思ってるんです。一人の人間として中身を磨いて、自分の立ち位置から子育てをするのも、ひとつの大きな社会貢献ですよね。また、社業を磨いていくことも、社会をつくっていくことにつながります。そのために必要な余暇の時間を、きちんと確保しないといけない。家と職場を往復しているだけでは、アイデアだってクリエイティブだって生まれませんよね?「働き方改革」は、ただ早く帰宅させることが目的ではないし、家に帰って家事を全力でやれという話でもないんです。私は、家族、夫婦、個人が、自分らしい暮らし方を実現できる時代に入ってきていると感じています。これに関しては、20年前から気付いていたんだけど、昔は言えなかった。でも今は、「働き方改革」「女性活躍」「女性の輝き推進」「男の育休」といったことが言われていて、私が思い描いていた風がやっと吹いてきたなと実感しています。※次回は11月26日(火)公開です。
2019年11月19日開催中の「第32回東京国際映画祭」で4日、映画『帰郷』の舞台挨拶が行われ、主演の仲代達矢をはじめ、常盤貴子、北村一輝、田中美里、杉田成道監督が登壇した。同作は、フランス・カンヌMIPCOMでアジアの作品として初めてワールドプレミアに選出された史上初の8K時代劇。作家・藤沢周平が一人の老渡世人の姿を描いた傑作短編を、仲代達矢をはじめとする豪華キャストで映像化した。舞台挨拶では、国内外を含めた映画界への貢献が目覚ましい人に贈られる同映画祭の特別功労賞に選出された仲代の授賞式も行われ、トロフィーを受け取った仲代は「こんな素敵な立派な賞をいただき、長い間70年近く役者をやっていて本当によかったと思います」と喜び、「ありがとうございます」と感謝した。そして、この日の『帰郷』の上映を客席で見ていたという仲代は「自分が出ていながら感動を覚えました。長い間、何十本となく時代劇はやってきましたが、出演した私が感動を覚えたということは、今までやったことがない時代劇だと思います。杉田監督、スタッフ、共演者のみなさんの素晴らしい力だと思っています」と太鼓判。また、「ヤクザの晩年を描いた作品です。私もそろそろ役者の晩年を通りすぎ、そういう状況です。それゆえに共感を持ったと思います。ちょっと涙がこぼれました」と打ち明けた。仲代の娘役を演じた常盤は「圧倒的な存在感でいらっしゃるので、それはそれは震える思いというか、最初は怖くて『どうしよう』って久々に…初めてくらい震えました」と振り返り、「でも仲代さんが優しくしてくださって、温かいまなざし包み込んでくださったので、ドンといかないと逆に失礼だと思って、私のできる限り、頑張って頑張って飛び込んでいかせていただきました」と語った。仲代の若き日を演じた北村は、「以前、親子の役を演じる幸せに恵まれて、今回また若かりし頃をさせていただく、こんな役者冥利なことはありません」と仲代との再共演に感激。「プレッシャーもすごかったんです。仲代さんの昔の映画を観て、どういう風にしゃべればいいんだろうとか」と打ち明けつつ、「こういう幸せな機会をいただいたこと、そしてここに立っているということを幸せに感じています」としみじみと語った。
2019年11月04日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマにそれぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第2回目のゲストは、前AERA編集長で、現在はBUSINESS INSIDER JAPAN統括編集長を務めている浜田敬子(はまだ・けいこ)さん(53)です。全3回。多様な「家族のかたち」がある川崎貴子さん(以下、川崎):前々回と「結婚」を軸にお話をしてきましたが、令和の時代はますます多様性のある社会になってくるだろうし、パートナーを持たない選択をする女性も増えてくると思います。川崎貴子さん浜田敬子さん(以下、浜田):うちの会社の20代女子も「結婚したくない」とか「結婚の必要性を感じない」って言うんですよね。自分で稼げて、自分の時間もお金も自由に使えるとなると、結婚はある意味リスクだと。彼女たちのような考え方の人はこれからますます増えてくるだろうなあと思います。でも、「子供は育ててみたい」という気持ちがあったり、ずっと一人というのも不安だったりするので、友達やパートナーと同居したいという願望はあるみたいで、そういう人たちをどんなふうに社会的に認めてあげるのかがすごく大事になってくると思います。浜田敬子さん川崎:私の友人も夫婦で、養子をもらって育てていますがすごく幸せそうです。血はつながっていなくても家族だし、こういう家族が増えればいいなあと思います。片方の子供を2人で育てている親友同士の女性もいますね。事実婚のカップルも増えています。浜田:私は2回結婚していて、今は事実婚なんですが、1回目の結婚で姓を変えたときに本当に面倒なことが多かったんです。仕事では旧姓のままで、オンとオフを切り替えているという人もいますが、私の場合は美容院などの予約をしたときに「どっちの姓で予約したっけ?」と分からなくなることが結構あって面倒くさかったですね。川崎:前回、サイボウズの青野さんと対談したんですが、似たようなことをおっしゃっていましたね。「たかが事務手続き」がすごく大変だったと。浜田:今はいろいろな事情がある家庭があるんですよね。独身でパートナーがいない人も含めて多様な家族と生き方がある。親友同士で暮らしている人、同性同士のカップル……戸籍に入っていようがいまいが、血がつながっていようがいまいが「家族」として見られるようになってほしいなと思います。幸せな結婚生活に必要なことは?川崎:対談も今回で最後です。対談した皆さんに聞いていることなのですが、浜田さんは幸せな結婚生活に必要なことは何だと思いますか?浜田:そうですね、育休を取っていたときに近所にすごく仲の良いママ友が2人いたんです。いつも3人で一緒にいたんですが、それがすごく楽だったんです。「子育てってこんなに楽なの?」と思ったくらい。1人だとすごく大変だけれど、3人でやるとこんなに楽なんだと実感しました。でも、不思議と夫がいても楽ではないんですよね。川崎:なぜでしょうね?浜田:おそらく、夫に対しては自分のわがままが全面的に出てしまうからなのかなって。「なんで分かってくれないの?」「なんで言わないとやってくれないの?」と思ってしまう。夫が一番、感情が爆発しやすい相手なんでしょうね。でも、相手が友達だと理性が働く。「これはきちんとお願いしないとダメだな」とか「ここは怒っても仕方がないな」とか。だから、相手が分かっていると思わないほうがいいというのが私の答えです。分かってない前提で考えて、きちんとコミュニケーションを取ることに尽きるのかなと思います。川崎:私たちは日々、考えも状況も変わるし、自分がずっと自分と思わないほうがいいのかもしれないですね。夫なんてなおさらですよね。自分とは違う他人なのだから。だからこそ、「私はこれをやりたくない」「俺はこれをやりたい」というのを丁寧に伝え合って、話し合ったり、ケンカしたりしながらいつか「あ・うん」になれるのでしょうね。浜田:川崎家はケンカをしたときはどうやって仲直りをするんですか?川崎:怒鳴り合いになりそうだなというときは、カラオケボックスに行ってマイクで怒鳴り合いますね。なぜかと言うと、娘たちには見せたくないから。そこは共通認識をもっているので、「外出ろや!」「カラオケボックス行くわ!」みたいな感じです(笑)。浜田:うちはだんだん怒りがフェードアウトしてきたタイミングで週末にご飯ですね。平日の夜は基本、私か夫のどちらかしかいないので、話すタイミングがないんです。だから、ケンカしていると一週間まったく話さないときもあるんですが、週末に夫と娘と3人でご飯を食べながら「これおいしいね」みたいなところから会話が始まって仲直りする感じですね。川崎:ちょっと「寝かせる」んですね。あとは、言い過ぎたときはLINEで謝ったりもします。「ちょっと言い過ぎました」と。でも、間違ったことは言っていないですけどという意味を込めて。浜田:それは大事!(笑)(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子)
2019年10月21日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマにそれぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第2回目のゲストは、前AERA編集長で、現在はBUSINESS INSIDER JAPAN統括編集長を務めている浜田敬子(はまだ・けいこ)さん(53)です。全3回。幻の赤ちゃんを抱いて幻の商社マンを待っている川崎貴子さん(以下、川崎):共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回って久しいですが、母親が専業主婦だったので共働き婚のモデルケースを知らないという女性も多いと思います。特に私の世代はそうですね。それで、令和になっても相変わらずみんな性別役割分担やワンオペ育児で大変な思いをしているので、「幸せな共働き婚って何だろうね?」と考えたかったのがこの連載を企画した理由の一つです。浜田敬子さん(以下、浜田):先日、うちの会社で働いていた大学生がインターン最後の日だったんです。最後のあいさつの際に彼女が言っていたことがとても印象的でした。「この会社で働いて一番良かったことは、女性が働く姿を初めてちゃんと見たことです」と。川崎:おお……。浜田敬子さん浜田:彼女は地方出身なのですが、地方にはフルタイムで働く正社員の女性の種類も数も東京ほどたくさんいないんですよね。うちの会社はワーキングマザーが多くてSlackでも「子供のお迎えなので帰ります」とか「今日はお弁当を作って疲れた」とか書くから、ワーママがどうやって毎日を回しているのかが自然と見えてくるんです。それが彼女にとっては収穫だったみたい。でも、前回のお話にあったように、大玉の上でジャグリングするイメージがないまま社会に突っ込んでいくとなると……。川崎:失敗しますよね。浜田:(米フェイスブックCOOの)シェリル・サンドバーグが著書で“幻の赤ちゃんを抱いて症候群”と指摘していましたが、今の若い世代を見ていて思うのが、すぐに結婚の予定もないのに「両立不安」を強く感じている女性が多いこと。何をしたいのか、何をして働きたいのかよりも「この会社は両立できますか?」という質問が真っ先にくる。もちろん、自分の仕事を長い目で見たときに、働きやすさや両立支援が整っていることは大事だと思います。でも、それを最優先にしてしまうと、本来自分がやりたいところではない部分で会社を選んでしまう可能性がある。そうなったときに、本当にキャリアでつらいときに踏ん張れないのではと危惧しています。川崎:本当にそうですね。浜田:だから、まずは自分が何に興味があって、どんな仕事をしたいのかを選んで、その上で、どんな両立支援制度があるかで選ぶ。人生のライフイベントがくるまでは思いっきり働く。そうやってキャリアを積み上げれば新たに転職する選択肢も出てくると思うんですよね。最初から全てのパーツを入れようとしなくてもいいんじゃないのって。だって、両立支援は整っているかもしれないけど、すごくやりたくない仕事をできる?興味のない商品を売れる?って。川崎:それは30代になっても同じで、「もし私が商社マンと結婚したら、責任のある仕事はできないので管理職は引き受けられません」と言う女性も多いのですが、その商社マンはいないんですよ。幻の商社マンなんです。川崎貴子さん浜田:変に先を読みすぎちゃっているんですね。先を読みすぎて、可能性を狭めてしまっている。用意周到に準備しているようで、あまりにも不安ばかりが先立ってしまって過剰反応しているから、自分のキャリアの可能性を狭めていてもったいないなと思います。川崎:なかなか気付かないんですよね。浜田:とりあえず言いたいのは、悩むよりもやってみたほうがいいってこと。世の中もこれからめちゃくちゃ変わるし、だったら、すごく好きなことややりたいことを思いっきりやったほうが、キャリアが積めるし選択肢も広がるから。そうすれば転職しようが、起業しようが選べるし、両立しやすい環境を選ぶこともできる。仕事も結婚も、とりあえずやってみてPDCAを回す川崎:イメージですが、浜田さんの均等法世代はそういう「とにかくやってみよう」という人が多い気がします。逆に、私の世代は就職氷河期なので、そういうチャレンジ精神がない。私は25歳で起業してしまったので軽く“異端者扱い”を受けましたよ(笑)。浜田:川崎さんは氷河期世代どっぷりというよりも上の世代に近いからね。川崎:やってみないと後悔するかもしれないじゃん。失敗も経験じゃんっていう精神で生きていたし、今もそうですね。浜田:やってみようよ。結婚してみようよってね。結婚は私も1回失敗しているので。川崎:バツなんてついたっていいから。浜田:結婚しないと分からないからね。だからこそ、今の若い世代の女性には、「相手を選ぶときに顔や収入で選ぶな」ということは、すごく言いたい。「この人は、家事育児をどのくらいやってくれるのかな?」という視点も大事だけれど、ちゃんとした人を選んだつもりでも「ん?」って思うことはありますから。川崎:そもそも自分が結婚に向いてなかったり、スタンダードな結婚に向いてなかったりする可能性もあるわけで。それも含めて自分の中で整理できてない場合も多いから、やってみないと分からないんですよね。「バツ上等」という気がします。浜田:結婚なんて、何度でもするもんだくらいに。それでPDCA回すみたいな。人生100年時代、3回くらい結婚してもいいんじゃないかって思いますね。直感と違和感を大事にして川崎:議論がヒートアップしてきたところで編集部から質問というか、反論があるそうです。「浜田さんや川崎さん世代はまだまだ終身雇用制度が当たり前だったし、日本社会もどんどん発展していくだろうという希望があったと思うんです。でも、今は経済は縮小する一方だし、制度は整いつつあると言っても全ての女性にとって働きやすい社会や環境とは言えません。20代や30代が不安になって守りに入ってしまうのも仕方ないと思います」だそうですが……。浜田:でもどんなに慎重になっても、夫やパートナーの会社はつぶれるかもしれない。これまで以上に外的要因がすごく変わる時代ですよね。だからこそ、まずはやってみてその時点でのベストを考えていくのが一番いいと思います。私たちの時代以上にそうなんじゃないかな。川崎:私も、まずは経験を先にするっていうのもありだと思いますね。今、行動していくことの全てはリスクなんですが、一番の人生のリスクは「リスクを冒さないこと、チャレンジしないこと」につきると思います。浜田:今の時代はどうなるか本当に分からない。いろいろ計画を立てて、緻密にやっていても、全部崩れることだってある。結婚や仕事や人間関係も自分だけで決められないことも多い。だったら、自分の素直な感情や直感に従ったほうが意外と合っていることもあるし、後悔も少ないと思います。川崎:パートナー選びもそうですね。スペックじゃなくて直感。浜田:前回も言ったように「お店の人への態度」とかで違和感を感じたことが大事だったりするんですよね。直感と違和感は大事にしてほしいですね。(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子)
2019年10月18日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマにそれぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第2回目のゲストは、前AERA編集長で、現在はBUSINESS INSIDER JAPAN統括編集長を務めている浜田敬子(はまだ・けいこ)さん(53)です。全3回。夫婦は大玉に乗っているようなもの川崎貴子さん(以下、川崎):人生100年時代と言われ、仕事も家族も人生のあり方を変えないといけない時代で、寿命が伸びた分、老後の経済的不安を抱えている人も多いです。そのせいか、20代〜30代前半の若者は共働き前提の早婚願望が増えている一方で、30代後半〜40代は、もっと強い理想を持ちながらも“なかなか結婚できない”と感じている人も多いというのが、私の実感です。そこで、幅広い世代の女性を取材してきた浜田さんとぜひ対談したいと思いました。浜田敬子さん(以下、浜田):お声掛けありがとうございます。川崎さんと知り合ったのは、AERAの「はたらく夫婦カンケイ」という連載に登場していただいたのがきっかけでしたね。川崎:もうすごく昔ですね。浜田:川崎さんは起業家で、子育てや家事は夫の担当。当時、新しい夫婦のかたちとして面白いなと思って取材を申し込んだのを覚えています。川崎:今もあまり変わってないんですけどね。浜田:世代で言うと、私がバブル世代で川崎さんは氷河期世代の最初のほうですよね。私たちの世代は、まだまだ男が稼いで女が家事と子育てを担うという性別役割分担がはっきりしていたし、企業の両立支援制度も整っていなかったので、みんな働きたくても働けなかった世代なんです。寿退社が当たり前の世界でしたね。だから、女性が大黒柱になるというのが単純にすごいなと思いました。だってそんな女性、同世代にはいなかったから。浜田敬子さん川崎:ありがとうございます(笑)。確かに今も経済は私メイン、家事育児は夫メインなところはあるのですが、子供たちも成長していく中で、夫婦のバランスは変わっていかないとと思うようになりました。浜田:どういうこと?川崎:例えば、この前私が乳がんになったように、どちらかが病気になったり事故に遭ったりするかもしれない。そうなったときに、2人の子供を大学まで出すためには収入がどちらかに偏ってしまうのはリスクだと。お互いがお互いのセーフティーネットにならないとなあと思いましたね。浜田:それを考えると、今まで男性はよく耐えていましたよね。社会的な制度や慣行、「男は女子供を養うもんだ」という意識で家族を養っていたけれど、「自分がその立場だったら……」と考えるとすごいプレッシャーだと思います。川崎:私も大黒柱をやっていてつくづく思うのが、3対7でも2対8でもいいから、収入のバランスは夫婦で分散したほうがいい。というのは、大黒柱もプレッシャーでゆらゆら揺れる大玉に乗っているようなものなんですね。子育てや家事を担うほうもジャグリングしながら大玉に乗っている。いろいろな玉を投げてなんとか均衡を保っているんですが、片方だけがジャグラーだと厳しくて「玉をいっぱい投げているけど、2個こっちに渡しなよ」とか「もういっぱいいっぱいだから2個は外注しちゃおうか」と言い合える夫婦関係がこれからの時代は大事になってくるんだろうなと思います。川崎貴子さん浜田:自分たちで全部やろうとすると大変だけれど、「2個はお金で解決してもいいよね」とかね。川崎:お互い一生懸命ゆらゆらしながら曲芸師をやっているわけで、2人で「回しているね」「頑張っているね」と話し合いながらできるのが一番いいんじゃないかな。浜田:そのためにも一人で、あるいは子供と一緒に生きていけるだけの経済力を持っていることが大事というのはいくら言っても言い足りないくらい。川崎:お互いに寄っかかり合わないってことですね。そもそも大玉に乗っているから寄っかかれないけれど……。浜田:そうそう。私の世代は大学の同級生でも専業主婦になった人が多いんですが、離婚したいなと思ったときにまず困るのが経済力。みんな優秀だったんです。帰国子女だったり、大企業に入ったりして、もちろん自分の意思で家庭に入った子もいるけれど、それでもなかには夫の転勤で会社を辞めざるを得なかった人もいる。自分の人生を自由に選択するためにも経済力は必要だなと、最近の同級生の離婚ラッシュを見ていて痛感します。川崎:家事も育児も稼ぐのも2人が柔軟に対応できるというのが必要になってくるでしょうね。管理職経験は子育てに役立つ川崎:ただ、大玉に乗ってジャグリングする大変さを考えてか、管理職になりたがらない女性が多いみたいですね。私は考え方が逆で、ルールを作る立場になれるわけだから管理職になったほうが楽だよと声を大にして言いたい。浜田:私も子供が生まれてから管理職をやるより、管理職の練習をやっておいたほうがいいと思います。川崎:マネジメントって子育てに使えますからね。子育ても、全部自分でやるわけではなくて、いろいろな人の手を借りるものなんですよね。「みんながどうすれば気持ちよく働いてくれるか?」という視点に立ったとき、管理職経験はすごく子育てに役立ちましたね。浜田:自分たちだけで何とかしようと思わないほうがいいですね。基本は夫婦自分たちだけで背負おうとしない。夫の親も自分の親もママ友も巻き込んだほうがいい。均等法世代は、環境が整っていなかったからありとあらゆる手を使わざるを得なかったからこそ、氷河期世代や下の世代を見ていると、環境が整いつつある中で全部自分たちでやろうとしているなあと感じます。ただ、今はいろいろな環境や制度が整っているけれど、上司の意識は変わってない。それに保育園も入るのが厳しいといくつものハードルがあって、ぶち当たるたびに心が折れていく。それで夫から「お前のほうが年収低いんだから家事と子育てをやれ」と言われたらしんどすぎますよね。川崎:やってられないですね。浜田:「AERA」のときに取材したのですが、女性は復職後、1~2年で退職するケースが結構多いんです。大企業ほど制度が整っているから当然のように保育園に預けて復職する。でも毎日会社を飛び出して保育園にお迎えに行き、一人でご飯から寝かしつけまでやって、そんな生活を実際にやってみたら、毎日を回すのに精一杯。それなのに職場では「時短を取っているから」と評価されない。そんなギリギリの毎日を送っていたら「一体、何のために働いてるの?」と思いますよね。「夫は何をしているの?」と思われるかもしれないですが、夫は夫で長時間労働の職場で働いているから、夫の協力は得られない。夫も好きで長時間働いているわけではないので、夫に何かを言ったり、変えさせたりということもできなくて、結局自分でやるしかなくなって仕事を辞めてしまうというケースが多いんです。川崎:せっかくキャリアを築いてきたのにもったいない。浜田:なぜ辞めたのかを聞くと「夫が長時間労働の職場で、私が辞めてあげるしかなかった」と。川崎:夫が転職すればいいのにって思いますけれどね。浜田:もちろん、社会や企業が男性も含めた働き方改革を進めないといけないのですが、夫婦で話し合って職場を変えるなり、何か術(すべ)はあると思うんですよね。日常のことでも対等に話せるかどうか川崎:ワンオペ育児でヘトヘトになっている女性が多い世の中、一緒に生きていくパートナーを選ぶ上で大事なことは何だと思いますか?浜田:もちろん家事や育児を一緒にやっていけるかを見極めるのも大事なのですが、大前提として日常のちょっとしたことでも対等に話せるかどうかですね。川崎:それは基本ですね。浜田:どちらかが一方を精神的に支配しちゃうと、対等に家事育児を担うのはすごく難しい。結婚する前に見極めるとしたら、自分以外の女性やお店の人に対する言動で、相手を力で支配しようとしていないか、力のない人に対して強い態度で出ていないか。よく観察した方がいいかもしれないですね。川崎:やっぱり話し合いで2人のルールやライフスタイルを一から作っていくことができるかどうかですよね。自分は自分の人生をパートナーと一緒に作っていくんだと思える人なら、たとえ家事を一切やったことがなくても変われると思います。(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子)
2019年10月16日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマにそれぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第1回目のゲストは、夫婦別姓訴訟でも注目された「サイボウズ」社長の青野慶久(あおの・よしひさ)さん(48)です。全3回。これからは“わがまま”を言うトレーニングを川崎貴子さん(以下、川崎):リクナビNEXTという媒体で「働く女性相談室」というお悩み相談をしているのですが、先日「結婚間近の彼の転勤についていくか悩んでいる」という女性のお悩み相談に答えました。そこでも書いたのですが、共働きがスタンダードになっている今、労働者やその家族の生活に負担がかかりすぎる「強制転勤」は本当に必要なのか見直す時期にきていると思います。青野慶久さん(以下、青野):「強制転勤」は僕が今年、取り組みたいテーマの一つでもあります。「来月からあそこに転勤してください」と言われたときに、共働きの夫婦であれば「え?私はどうするの?」とパートナーは思いますよね。転勤したい人はいいですが、家庭の事情で転勤したくない人もいる。それぞれの家庭にいろいろな事情があるのに、断れないのはあまりにも人権を軽んじていると思います。川崎:相手の転勤について行くとなったら、自分がこれまで築いてきたキャリアも一旦そこで中断されますからね。青野:僕は松下電工(現・パナソニック)の出身なのですが、転勤は当たり前でしたね。「来月から、お前は上海だ」と突然辞令が下りる。「俺、来月から上海なんだよ。期待されちゃって困るよ」と喜んでいる同期もいましたが……。川崎:家族の立場からしたら、やっとの思いで保育園に入れたと思ったら、急に転勤なんてあり得ないですよね。単身赴任をするにしても、育児はワンオペになってしまうわけだから……。青野:経営者の立場で言えば、本当に嫌なら「嫌」と言ってほしいと思うし、わがままでもなんでもない。むしろこれからの社会は“わがまま”を言うトレーニングをしないといけないと思います。川崎:わがまま、ですか?青野:わがままって、本人のこだわりの部分で、尖ったところでもあるので、ある意味、イノベーションの源泉なんです。スティーブ・ジョブズがどれだけわがままだったか……。人間性に問題があるくらい“わがままな人”が、世界のトップ企業をつくったわけだから、一人一人のわがままをもっと引き出して、生かすようにしないとダメだと思います。サイボウズのメンバーも、「通勤が嫌です」とか「この場所じゃないと働きたくないです」とか“わがまま”を言う社員がいるんです。やっと出勤したと思ったら、今度は「この椅子は嫌」とか「キーボードが合わない」とか言い出す(笑)。いろいろな人のいろいろなこだわりがあって、それは一人一人違う。すべてのわがままに応えられるわけではないけれど、もし、わがままが満たされる環境で一番クリエイティブになって、面白い成果物を出すのであれば、できるだけわがままを大事にしたいなと思います。川崎:わがままがその人の才能を見つける一つの端緒になるということですね。青野:そうです。みんなが幸せに、かつ効率よく切磋琢磨して働くためには、一人一人がどんな意思をもっているのかを、僕らも把握しないといけない。例えば、こっちに朝が強い人がいて、そっちに夜が強い人がいたとしたら、同じ時間帯に働かせたくない。生産性よく働いてもらうために、出勤時間に差をつけてバトンタッチすればいいわけです。そのためには「僕は夜型なので午前中は出勤できません」と言ってくれないと、会社側も気付きようがないですよね。“わがまま”は個性でもあるし、強みにもなる川崎:今のお話を聞いて、結婚も一緒だなと思いました。というのは、(川崎さんが主宰している婚活サイト)「キャリ婚」でも、成婚する2人は自分の好きなことやわがままを言える人たちなんです。「こんなことを言ったら変な人と思われないだろうか?」という恐怖を拭い去って「私は○○が好き」と書ける人が自分に合った相手を見つけられる。自分をちゃんと知っている、自分の欲望を口にできる人が結婚できるんです。青野:面白いですね。やっぱりわがままを言うトレーニングをしないとですね。川崎:時々「自分の欲望や好きなことが分からない」という女性もいます。もしくは、自分の欲望だと思っていたものが、実は親や他者の望みだったという場合もある。「大学の同級生がみんな商社マンと結婚しているから私も商社マンと結婚したい」とか。そういう人は、小さいところから、大きい思想や理想ではなくて、趣味の世界でも、色でも、「硬いものよりふわふわしたものが好き」くらいでもいいので、一度、ノートに書き出してみることを勧めています。そうすると、自分にはこういう傾向があるなってだんだん分かってくる。青野:そう、小さいところからでいいんですよね。川崎:「キャリ婚」は女性にしかアクセス権を渡してないんです。男性にアクセス権を渡してしまって、男性から女性にアプローチがくると、女性は自分がモテてると思って、本当に自分が好きな人かどうかが分からなくなっちゃう。例えば、上場企業の社長や医者というような高スペックの人から「いいね!」がくると、自分が結婚生活で望んでいるスペックじゃないのに、舞い上がって結婚しちゃうんです。だから、女性が「この人、なんか気になる」という人に自分からアプローチすることを徹底しているんです。青野:自分で選べってことですね。川崎:はい、一貫してそのメッセージを伝えています。その代わり、男性の既婚者や遊び目的の人は徹底的に落としています。青野:受動的であることを許さないっていうことですね。王子様が声を掛けてくれるとは思うなと。川崎:婚活はモテるのが目的じゃなくて、自分に合った、たった一人の人を見つけるためのものなので、不特定多数にモテてもしょうがないんです。他のサイトやマッチングアプリで、“美容液”として「いいね!」をもらうのはいいのですが、結婚は人気投票じゃないんだぞ、と。青野:やっぱり、自分が好きなことや喜びのポイントはいろいろ持っていて、その組み合わせで「自分」ができているということですね。「自分の気持ちいいツボ、どこを押してくれると自分は気持ちいいのか?」を知っておけば、自ずと自分で選べるようになる。川崎:それには、さっきから青野さんがおっしゃっていたように、わがままは強みであることをたたき込まないといけないですね。「それは君の個性であり、強みなんだよ」と。「幸せな結婚」のために大事なことは…川崎:最後にお聞きしたいのですが、青野さんは、幸せな結婚生活を送るためには何が大事だと思いますか?青野:やっぱり人それぞれ幸せのツボって違うものなので、互いに知っておくことかな。うちも自分の関心と妻の関心が全然違うので、普通にいくとまったく話がかみ合わないんです。でも、互いの関心に沿ってみるのが大事だと思います。例えば、妻はNHKの朝ドラが好きなのですが、自分は関心がなくても質問してみたり、何かを打ち返してみるだけで彼女は幸せなんですよ。逆に伺いたいのですが、川崎さんはいかがですか?川崎:私は「男だから」「女だから」というような固定観念を取っ払って考えるのが大事なのかな、と。前の夫はすごく稼いでいる人だったんですけど、家庭をあまり顧みなかったんです。そのときに初めて「私は、家庭も大事にしてくれる人が合うんだ」「別に相手に稼いでもらわなくてもよくて、自分が稼ぐほうが好きなんだ」と分かったんです。なので、再婚では、自分の中にある「夫はこうあるべき」「お父さんはこうあるべき」を1回取っ払って、自分たちでうまい具合に割り当てていこうと思いました。あとは、2人でちゃんと話をすることでしょうか。相手も変わるし、自分もどんどん変わるから、自分だけ違う方向に行っちゃうことがないように、2人で話し合う。たまにもめながらも紡いでいく、という感じですかね。■対談を読む【第1回】姓も生き方も選べる社会に…100人100通りの家族の形がある【第2回】選ぶのは「悪い」こと? 会社も社会も変わるために必要なこと(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:大澤妹)
2019年09月27日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマにそれぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第1回目のゲストは、夫婦別姓訴訟でも注目された「サイボウズ」社長の青野慶久(あおの・よしひさ)さん(48)です。全3回。社会が変わっていくのを見るのが面白い川崎貴子さん(以下、川崎):先の参院選でも選択的夫婦別姓は争点の一つになりました。青野さんの夫婦別姓訴訟を見ていて感じたのですが、行動することで世論も動くし、社会が変わっていくんだなあと実感しました。青野慶久さん(以下、青野):いろいろな人が注目してくれて、世論も随分動きましたし、今は政治家も動きまくってますからね。そうやって社会が変わっていくのを見るのが楽しいし、面白いですし、自分の生きがいの一つにもなっている気がします。選ぶのは「悪いこと」と思わされている川崎:一方で社会や会社にイノベーションを起こしたい、変えたいと思ってもなかなか変わらないと思うことも事実で。イノベーションを阻むものがあるとしたら、それは何だと思いますか?青野:僕は小さい頃からの「成功体験の積み重ね」だと思います。例えば、日本では一律に6歳か7歳で小学校に入りますよね。でも中にはものすごく勉強が得意な子もいれば苦手な子もいる。算数が得意な子もいれば、国語が得意な子もいる。「国語は3年生だけど、算数は1年生の授業を受ける」という子がいてもいいと思うんです。でも、日本の教育は一律にみんなで同じことをやってそれに沿っていくことがよしとされている。宿題も、自分で「これをやりたい」と選択するのではなくて、先生から与えられた宿題をやる。与えられたことをきちんと実行すれば、先生や大人から褒められるけれど、「この宿題は簡単すぎて嫌」とか「今日は釣りに行きたいから嫌」と言うと「ダメなやつ」という烙印(らくいん)を押されるんですよね。川崎:もしかしたら釣りの才能があるかもしれないのに……。青野:自分が選択したい選択肢を選ばせてくれないし、選ぶことは「悪いこと」で、与えられた選択肢に応じることが「良いこと」と、子供の頃から訓練される。だから、選ぶことに消極的になってしまって主体的になれないのだと思います。川崎:それなのに社会に出て、急に「君の意見は?」「過程はいいから、結果を出して」と言われても、出せないですよね。青野:いきなり「あなたは何をしたいの?」と言われても、「え?」となりますよね。それに子供の頃から、先生の顔色を見ながら生きてきているから他人の目が気になって仕方がない。川崎:正解の答えを導き出すのはうまいんですよね。そんな環境で、天才やイノベーターなんて育つはずはないですよね。得意なことを磨く、個性を伸ばすという教育は一切なされてないんですから。青野:企業側にも問題があると思います。企業や社会から「もっと尖った子をください」というリクエストが出ていれば、教育も変わっていくと思うのですが、今の日本の経営者たちは一律に「朝9時に来て2時間残業して帰れ」「男はこう働け」「女はこう働け」というように、枠を作って枠にハマる人しか採用しない。「国語しかできない人でもいいです」「もっと尖った人がいいです」とどんどんリクエストすべきだし、どうせ会社の中で石垣みたいに組み合わせるので、すべてにおいてできる人を求めなくていいはずなんです。そういう意味で、企業も変わらないといけないし、教育の現場も変わらないといけないと思います。サイボウズも今でこそ「100人100通りの働き方」と言って多様性を大事にしていますが、昔はブラックな働き方をしていたんです。川崎:どうやって改革したのですか?青野:企業が変わるには中間の動かない層を変えないといけないのですが、なかなか変わってくれない。多様な働き方を取り入れよう、と方針転換しようとしてるのに、「そうは言ってもうちの部は変える気はありません。朝8時半に出社して、日経新聞の読み合わせからスタートします」という部署があったんです。川崎:読み合わせ!青野:そういうときにきちんとイエローカードを出してあげるのが経営者として、大事だと思います。「次に同じことをやったら部下を外すよ」と。それでも同じことをやったら、その社員の部下を全員外す。そのくらいやって、本気で変わる姿勢を示さなければと思います。川崎:言っているだけじゃ無理ですね。青野:だから、「変わらない」と嘆いている会社があるのだとしたら、トップの気合が足りないのだと思います。本気でやろうと思ってない。川崎:男性の育休の話も、啓蒙だけでは限界だと思います。「やろうね」と言っているだけではダメで、会社側で評価するなり何かにつながらないと……。秘書はなし、予定は全社員に公開川崎:私は青野さんのFacebook投稿を日頃から見ているのですが、ご自身のマネジメントがすごく上手なんだなあと。ハードワークな上に訴訟も抱えて子育てもして……いつもすごいなと思って拝見しているのですが、どうやってご自身をマネジメントしているんですか?青野:基本的には効率重視だと思います。実は、僕には秘書はいないんですよ。川崎:それはなぜ?青野:秘書を入れたら、効率が上がるような気がするじゃないですか。でも上がらないんです。なぜならワンクッションあるから、ボトルネックが発生するんです。言い換えると、社員全員が僕の秘書なんです。僕のスケジュールは全員に公開しているので、誰もが予定を入れられる。もっと言うと、僕が介入しなくても、勝手にみんなで話し合って、僕のスケジュール調整してくれるんです。めっちゃ効率良いですよ。家事は得意なほう、好きなほうがやる川崎:家族の予定や情報もそうやって共有しているんですか?青野:一応、共有していますが、僕は家庭では「兵士」なので、妻に言われるまま「分かりました!」とモードチェンジします。そこは何も考えないほうが早いんですよ(笑)。川崎:共働きだと、相手のスケジュールが分からないと、すごくリスクなんです。そこに子供の予定も入ってきて、学校とか習い事とか始めると、もう訳が分からなくなる。それらをいかに共有するかが大事で。夏休みも習い事はいつあって、いつ休みで、いつお弁当が必要で……と、とても天才じゃないと無理だなと思います。青野:いや、大変ですよね。川崎家はどうやって決めているんですか?川崎:うちは家事は分担ですが、夫のほうが自由度が高いので、娘たちの学校のことは全部やってくれますね。私は夫から「君は、旗振り当番だけたまにやってくれ」と言われています。保護者会やPTAなど、娘の学校の昼の行事は夫に任せています。私はめったに顔を出さないので娘の同級生の間で「レアママ」と呼ばれています。たまに運動会とかに行くと「レアママ来てたよ」「レアママ見つけたよ」とポケモンみたいな感じで言われています(笑)。青野:前回も言いましたが、みんなが納得して選んでそう決めたのなら、共働きもいろいろな形があってそれでいいんじゃないかなと思います。川崎:共働きと言うとよく「家事は折半ね!」とイーブンなことにすごくこだわる人もいるのですが、それは絶対に無理だなと思います。すべてを真っ二つに5割・5割でなんてできない。青野:好き嫌いや得意・不得意もありますからね。川崎:うちは11年目にして、家事や家のことは好きなほう、得意なほうがやったほうが効率がいいことに気付き、ようやく落ち着きました。青野:うちもそこは試行錯誤ですね。【第1回は…】姓も生き方も選べる社会に…100人100通りの家族の形がある※次回は9月28日(土)公開です。(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:大澤妹)
2019年09月26日婚活サイト「キャリ婚」を主宰する川崎貴子さんが「令和の共働き婚」をテーマにそれぞれの分野で活躍するプロと対談する連載。第1回目のゲストは、夫婦別姓訴訟でも注目された「サイボウズ」社長の青野慶久(あおの・よしひさ)さん(48)です。全3回。姓も生き方も自分が選べる社会に川崎貴子さん(以下、川崎):共働きがメジャーな夫婦の形になっているのにもかかわらず、男性の育休の取得率は5.14%*と低い状態です。結局、女性たちが仕事もやって子育てもして家事もやってとワンオペで曲芸師みたいなことをやっている。男性が悪いわけではなく、男性も男性で長時間労働が当たり前だったり、「男らしさ」の呪縛に捕らわれたりして、子育てしたいのにできないという救いがない状況になっているのが今の日本だと思います。ところが、青野さんは会社の社長である一方で、育休を取ったり姓を変えたりと、“女性がやるのが当たり前”になっていることに積極的に取り組んでいらっしゃっていて、今日は青野さんの行動力の源をぜひお聞きしたいと思って来ました。*参照リンク:青野慶久さん(以下、青野):僕の行動力の源、ですか?理由はいろいろありますが、「学習欲」が強いのだと思います。例えば、世の中のほとんどの男性は名字を変えるという経験はしたことがないと思うのですが、やったら分かることはたくさんあって、それを知りたいという気持ちが強いんです。既婚の女性はほとんど経験しているのに、男性は経験してないというのならなおさら。一つのネタとしてもいろいろ話せそうだし、姓を変えた僕ではないと分からない体験や大変さも語れる。まあ、予想以上に大変でしたけど……。川崎:私は再婚をしているのですが、初婚の際は相手の姓に変えました。仕事では旧姓の「川崎」をそのまま使っていたのですが、パスポートの氏名変更など、とにかく事務手続きが大変でした。だから、再婚の際は、夫も「川崎」姓になっても構わないということだったので、夫に姓を変えてもらいました。青野さんは戸籍上は奥さまの「西端」姓ということですが、事務手続き以外のアイデンティティの部分はいかがでしたか?青野:僕は仕事でも子供のPTAでも「青野」を使いまくっているので、「アイデンティティの喪失感」のような心理的な変化はそれほどなかったですね。それよりも、やはりパスポートなどの事務的な部分が大変でした。海外出張の際も、周りが「青野」でホテルを予約してくれることがあるのですが、出張先で「パスポートの名前と違う」と、トラブルになることがあるので、常に昔のパスポートと今のパスポートを2冊、持ち歩くようになりました。川崎:「たかが事務手続きだろ」という人もいるかもしれないですが、すごく大変ですよね。青野:正直、2001年に結婚をして、妻の姓に変えた当初は何も思っていなかったんです。でも、徐々にこれは大変だということに気付きました。免許も戸籍姓にしないといけない、次はパスポートと……。そのあたりをいじってしまうと、銀行口座、証券口座、クレジットも変える必要が出てくる。「もう怒った!『青野』を捨てて全部『西端』じゃあ!」と、一気に「西端」にしたんです。そうしたら、今度は使い分け問題が持ち上がり、今に至るという感じですね。ただ、この問題を男女の不平等の問題として扱おうとする人もいるんですけど、僕は反対なんです。川崎:どういう意味ですか?青野:例えば「96%の女性が姓を変えるから、その割合を男女平等で50対50にしましょう」と言う人もいる。でも、割合を均等にすればいいということではなくて、大事なのは選択肢があること。僕は「姓を変えたい人は変えてもいいし、変えたくない人が変えなくてもいい選択ができるのが全員ハッピーなのだから、そこを目指しましょうよ」と言いたいんです。川崎:フェミニズム的な文脈に乗せると論点がズレてきますね。伝えるべき人に伝わらないというか……。青野:男女かかわらず、結婚を機に姓を変えたい人もいるし、「変えたくない」という人と同様に、「変えたい人」の意思や思いを尊重する社会であってほしいと思います。もしかしたら、結婚して姓を変えることで子供の頃の思い出にケジメをつけたいという人もいるかもしれない。そういう人たちに「変えるな」というのも本末転倒なので、選択できるようにするのがみんなにとって幸せなのではないかと思います。川崎:同感です。100人100通りの家族の形がある青野:僕たちの言葉で言うと、「100人100通りの生き方がある」というところでしょうか。いろいろな人生のストーリーがあるのだから、それぞれに合わせた選択肢を用意しようと。共働き家庭とそうではない家庭についても同じことで、「今の時代は共働きが良いよね!」と押し付けることはしたくないなと思います。川崎:「夫婦のあるべき形」に選択肢がなかった、画一的だったが故に、結婚に二の足を踏んできた人も多く存在すると思います。青野:共働きも「共働きならこうでなければならない」という形はないと思うんです。共働きにも、いろいろな共働きがあるから。川崎:「家庭生活の多様性」ということですね。家族もカップルもそのときの状況に応じて変化するものですよね。子供がいたら、子供の成長に合わせて親も変化するし、臨機応変にいろいろなものを取り入れられないと本当に行き詰まってしまう。会社っぽい言い方になってしまいますが、変化に寛容でないとイノベーションも起きない。そこは家庭も企業も一緒だなと思います。※次回は9月26日(木)公開です。(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:大澤妹)
2019年09月24日常盤貴子主演の日曜劇場「グッドワイフ」もいよいよ終盤。3月10日放送の第9話は、壮一郎を陥れた“真犯人”が明かされたかと思えば、杏子に対する壮一郎の“裏切り”、そして“復讐”と怒涛の展開が続くなか、常盤さんの迫真の演技に賞賛が集まっている。東京地検特捜部長の夫・壮一郎(唐沢寿明)が汚職で逮捕、不倫スキャンダルも発覚、杏子の司法修習生時代の同期で彼女に想いを寄せ続ける神山多田法律事務所の代表・多田征大(小泉孝太郎)の計らいで16年ぶりに弁護士に復帰した蓮見杏子(常盤さん)が、新人弁護士・朝飛光太郎(北村匠海)と1つの採用枠を争いながら、パラリーガルで壮一郎の元・部下だった円香みちる(水原希子)らに支えられ数々の案件を解決してきた本作。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。壮一郎の逮捕の裏に官房副長官の南原次郎(三遊亭円楽)がいることを突き止めた杏子たちだが、前回“内通者”がいることが発覚。今回の冒頭でその内通者が壮一郎の部下・佐々木達也(滝藤賢一)だったことがわかる。壮一郎に「見せてください。あなたが作る強い検察を」と言い残し飛び降りる佐々木、佐々木の死によって南原の汚職も発覚。壮一郎は検事正として復帰するが、一方特捜部長・脇坂博道(吉田鋼太郎)は杏子のもとを訪れ、みちると壮一郎の過去の不倫を暴露。夫と“親友”に裏切られた杏子は怒りに燃え壮一郎に離婚を切り出す。すると壮一郎は過去の多田の案件を徹底的に調べ、脇坂を使い多田の逮捕に踏み切る。この逮捕に採用枠争いで杏子に負けた光太郎も関わっていた…というのが今回のストーリー。冒頭から「唐沢寿明さんと滝藤賢一の演技が素晴らしいな…。見応えありすぎる」「のっけから滝藤さんと一緒に泣いた」など冒頭の滝藤さん演じる佐々木の最期に涙する視聴者多数。壮一郎との関係を暴かれたみちると杏子が対峙するシーンには「水原希子と常盤貴子の向き合うシーンすごい」「常盤貴子の涙堪えた時の演技のうまさ」「顔が見えてるギリギリまで涙をこぼさなかった常盤貴子が本当にすごい」「泣きの演技、涙を見せるための演技じゃなくてほんとに泣いてるみたいで凄かった」などの感想も殺到。「女性が主人公のドラマの最高傑作」「尻上がりにおもろくなってく」など次回の最終回に向け本作を絶賛する声がタイムラインに溢れかえっている。(笠緒)
2019年03月11日常盤貴子主演、唐沢寿明、小泉孝太郎、吉田鋼太郎、滝藤賢一、水原希子、北村匠海、賀来千香子ら豪華キャストでおくるTBS日曜劇場「グッドワイフ」の5話が2月10日放送。2つの離婚訴訟が並行して進むというストーリーと常盤さんの美しさがSNSで賞賛されている。人気海外ドラマ「グッド・ワイフ 彼女の評決」を原作に日本版としてアレンジした本作。常盤さん演じる蓮見杏子が東京地検特捜部長だった夫・壮一郎(唐沢さん)の汚職逮捕と不倫スキャンダルによって、家庭を支えるために16年ぶりに弁護士に復帰。司法修習生時代の同期で神山多田法律事務所の代表・多田征大(小泉さん)らと共に様々な事案を担当していく…という物語。杏子が弁護士に復帰する一方で壮一郎の逮捕には裏がある模様。壮一郎の後任となる脇坂博道(吉田さん)、両者のはざまに揺れる部下・佐々木達也(滝藤さん)の駆け引きも並行して進んでいく。また杏子と採用枠をめぐって争いながら共に働く新人弁護士・朝飛光太郎(北村さん)や、パラリーガルの円香みちる(水原希子)といった若き法律家たちの人間模様も描かれていく。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。今回は資産20億のロックスター・東城数矢(宇崎竜童)と妻・ちなみの離婚訴訟を杏子が担当することに。数矢は売れない時代を支えてきたちなみを捨て、若い恋人の唯奈(松本まりか)と結婚するという。しかも数矢側の弁護士は多田(小泉孝太郎)の元彼女・栗山美咲(芦名星)だった。一方、脇坂の妻・怜子(峯村リエ)も、夫・脇坂との離婚協議の弁護を杏子に依頼してくる。怜子は脇坂のパソコンの中身を盗み見、杏子の自宅に盗聴器が仕掛けられていることを知っていた。林(博多華丸)経由でそのことを聞いた壮一郎は脇坂を脅し保釈を認めさせる…というのが今回のお話。宇崎竜童、芦名星、松本まりかと豪華なゲストが続々登場、冒頭からテンポ良く進むストーリーに「序盤から飛ばし過ぎじゃない?」「最初の15分で、今期1番のドラマになった」などの声が続々と寄せられているほか、主演の常盤さんにも多くの視聴者から「圧倒的凛々しさと美しさ」「驚き若いし綺麗すぎる」「美しいのにカワイイ!とても憧れ!」「常盤貴子すっごく綺麗!回増す毎に綺麗になってる」など最大級の賛辞が送られている。壮一郎が保釈され帰ってくることになる次回、夫への想いを新たにした杏子に対し多田がどんなアプローチを見せるのかにも注目したいところ。次回も見逃せない「グッドワイフ」は毎週日曜21時~TBS系で放送中。(笠緒)
2019年02月11日『グッドワイフ』の舞台挨拶では常盤貴子(中央)や唐沢寿明(中央左)など、豪華出演者たちが顔をそろえた『グッドワイフ』の舞台挨拶では常盤貴子(中央)や唐沢寿明(中央左)など、豪華出演者たちが顔をそろえたアメリカの大ヒットドラマをリメークした『グッドワイフ』(TBS系)。「常盤貴子さんが演じる蓮見杏子は、エリート検察官の夫がスキャンダルで逮捕され、家族を救うべく16年ぶりに仕事復帰した弁護士。夫役に唐沢寿明さん、蓮見の元同期役に小泉孝太郎さん、パラリーガル役に水原希子さんなどが出演しています」(スポーツ紙記者)■共演者にときめきっぱなしの小泉孝太郎TBSの日曜劇場で、常盤が主演を務めるのは19年ぶり。家族を救うために奔走する女性弁護士という役どころに注目が集まっていた。「常盤さんはもともと裁判傍聴が趣味という、筋金入りの傍聴マニア。刑事事件だけを集中的に傍聴しているらしく、“食堂で蕎麦を食べながら、弁護士や検事の会話を聞くのが好き”と話しています。今回の弁護士役は、まさにうってつけです」(放送作家)46歳とは思えないその美しさにも驚かされるが、共演者の中にも、その魅力の虜となった人物が……。「実は小泉さん、高校生時代から常盤さんの大ファンなんです。しかも、今回は常盤さんが演じる人妻弁護士に恋をする役どころ。孝太郎さんは絶えずうれしそうで、撮影の合間でも積極的に常盤さんに話しかけていますよ」(制作会社関係者)そんな小泉が撮影中ベタ惚れしているのが、蓮見と同時期に採用された新米弁護士・朝飛光太郎役の北村匠海だ。「小泉さんはよく北村くんの肩を抱いて“本当にかわいいね!”と、ニコニコしながら話しかけています。北村さんもうれしそうにしていて、共演者のなかでは“ワンコっぽい”と、もっぱら癒し担当になっていますよ」(同・制作会社関係者)ベテラン俳優も多く出演しているが、“愛犬男子”の北村に負けず劣らずの茶目っ気を見せているという。「唐沢さんはよくアドリブを入れて現場を笑わせるのですが、それに刺激された吉田鋼太郎さんもアドリブを入れるようになって、即興合戦になっています。常盤さんは2人に“シリアスなシーンでアドリブを入れられると困ります”って、笑いながら注意していました」(TBS関係者)ストーリーからはまったく想像できない撮影現場。今後のドラマ裏にも期待!
2019年02月08日日曜劇場『グッドワイフ』に主演する常盤貴子(c)TBS夫が収賄容疑で逮捕され、16年ぶりに弁護士に復帰することになったヒロインが、数多くの困難に立ち向かい、乗り越えながら奮闘する姿を描いたリーガルヒューマンエンターテイメント日曜劇場『グッドワイフ』(TBS系日曜夜9時~)が好調だ。■アメリカの人気ドラマを日本版にローカライズヒロインの蓮見杏子を演じるのは、『Beautiful Life~ふたりでいた日々~』(’00年)以来、19年ぶりの日曜劇場の主演となる常盤貴子。夫の壮一郎役には唐沢寿明、同期で杏子に好意を持つ弁護士の多田役を小泉孝太郎、多田の共同経営者役を賀来千香子、壮一郎の疑惑を追及する東京地検特捜部の検事役を吉田鋼太郎と滝藤賢一がそれぞれ演じる。常盤は演じるにあたり、「(専門用語など)本当に難しいセリフが多いので、明日はわが身を合言葉に、(共演者)みんなで助け合いながら“大丈夫だよ!うまいよ!”って、励ましあいながらやっています(笑)」原作は、リドリー・スコットが製作総指揮を務め、’09年から7年間アメリカで放送された『The Good Wife』。今クールもリーガルドラマが人気だが、東仲恵吾プロデューサーが原作に魅力を感じたのは何より、主人公の“力強さ”という。「夫のスキャンダルによって好奇の目にさらされている自分の弱みをも逆手にとって、がむしゃらに立ち向かう主人公の姿には、すがすがしさを感じます。本作で杏子を演じられるのは、芯の強さとたおやかさを兼ね備えた常盤さんしかいないと感じ、お願いしました。撮影では、家庭での主婦としての顔と弁護士としての顔の緩急を、しなやかに演じていただいています」原作を日本でドラマ化するにあたっての条件は、“ローカライズ”という。「夫のスキャンダルによって専業主婦だったヒロインが弁護士に復帰するという部分などは原作どおりですが、登場人物の人間関係や扱う案件は、創作してもらってかまわないと言われました。アメリカと日本では法律が違うので、自由に日本風にカスタマイズしていいと。原作は人間関係の変化が面白いので、制作にあたってはまず、全話を通して人間関係がどう動いていくかを考え、それから各話の案件を考えていきました。扱う案件は、どこで起こってもおかしくないようなリアルな題材をチョイスしています。また、杏子たちの前に立ちはだかる相手も曲者ばかり。痛快な芝居合戦も、大きな見どころです」(東仲P、以下同)■過去と訣別する杏子壮一郎vs多田の行方ドラマの見どころのひとつは、杏子、壮一郎、多田の関係だけど、この先どうなる?「第4話(2月3日放送)では“過去との訣別”がテーマです。少年犯罪の案件を任された朝飛(北村匠海)の過去が明かされ、彼の成長が見られます。同時に、杏子がかつての弱かった自分と訣別して生きようとする姿も描いています。壮一郎と多田の対面シーンもありますので、お見逃しなく!」リーガルチームの撮影は、常盤を中心に和やかに進んでいるが、唐沢、吉田、滝藤の東京地検チームの撮影現場も負けてはいない。「濃い3人の俳優さんは、みなさん芝居の引き出しが多いので、リハーサルを3回やれば3回とも違った演技をして、どれも捨てがたいくらい面白いんです。撮影中の緊迫したムードとカットがかかったときの3人の和気あいあいとした雰囲気の違いも面白いですよ」原作とは違った展開、ラストを考えているという今作は、原作ファンも存分に楽しめるはず。「杏子を通して “どんな試練でも、あきらめないで、まずは挑んでみよう” という前向きな気持ちを持っていただけたらと思っています。そして、杏子なりの“グッドワイフ”とは、はたして!?ぜひ注目してください」■注目!多田&朝飛のイチャイチャシーン端正なルックスと誠実な立ち居振る舞いの多田は女性のクライアントにも信頼されているが、彼がことあるごとに自信家の朝飛にちょっかいを出しているのに気づいていた?「役柄では上司と部下だけど、友達みたいな感じで演じてみてくださいとリクエストしたんです。すると、小泉さんが北村さんのワキ腹をツンツンして、いい感じに。ボーイズラブじゃないですけど、2人のイチャつきは話題になっていますね」(東仲P)多田がちょっかいを出し、たまに朝飛がやり返すシーンはこの先も登場するので、2人のイチャイチャを目撃して♪
2019年02月03日エッセイストで翻訳家の渡辺由佳里さんと、働く女性のキャリア支援や婚活コンサルトとして活躍中の川崎貴子さん。このほど、アメリカ在住の渡辺さんが一時帰国したことで対談が実現しました。20、30代のウートピ世代の女性から見れば“頼れる先輩”のようなお二人。2018年に話題になったニュースから働く女性に身近な仕事や恋愛、結婚の話まで、ウートピ世代の女性に向けてたっぷりと語っていただきました。ベストセラー『パワー』が意味するもの川崎:初めまして。ずっと渡辺さんにお会いしたいと思っていたんです。対談ということでお会いできて嬉しいです。渡辺:こちらこそです。私もお会いしたかったんです。——お二人は実際に会うのは初めてなんですね。渡辺:川崎さんとはSNSではつながっていたんですが、ようやくお会いできて嬉しいです。SNSとリアルの関係は別物だと思っている人が多いようですけれど、私の場合、SNSでつながってリアルなお友達になるというケースが結構あります。出会いってどんな形でもいいと思うんです。電車でもいいし、カフェでもいいし、ネットでもいい。出会いがあったときに、ちゃんとつかめるかどうかが肝心なんだと思います。渡辺由佳里さん川崎:日本でも話題になった翻訳書で渡辺さんが解説を書かれていた『パワー』(ナオミ・オルダーマン著、河出書房新社)という本がありまして。雑誌の『ゲーテ』にも書評を書いたのですが、本当に面白い本だったのでぜひお話したいと思ったんです。渡辺:男女の力関係が反転し、女性が男性を力で支配する社会を描いた、いわゆる「ディストピア小説」なんです。ニューヨーク・タイムズ紙など多くのメディアから「2017年の最優良小説100作」の一つに選ばれたり、女優のエマ・ワトソンのフェミニストブッククラブの推薦図書に選ばれたりして、SFや文芸小説ファンだけでなく、ごくふつうの若い女性の間でも話題になりました。川崎:女性のほうが「パワー」を持って強くなっちゃうんですよね。すると何が起こるかというと、男性専用車両とかが出てくるんです。女性が怖くて男子が夜道を一人で歩けなくなってしまう。渡辺:パワーが逆転すると、女性が今感じていることを男性が感じざるをえなくなるところが面白いんですよね。だから、その気付きのためにも男性に読んでいただきたい。川崎:渡辺さんが書いていらっしゃったように、男性こそがこの本を読んでほしいです。これは恐ろしいフィクションじゃなく、「私たち女性のリアル」ですから、と。仕事を横取りされたり、レイプの危険に怯えたり、ここで媚びを売っとかないと仕事で引き上げてもらえなかったりという立場を男性にすると、「何でこんなにかわいそうなのか?」と悲哀に満ちるんですが、これって昔からある女たちの日常なんですよね。川崎貴子さん渡辺:出版されたときにオバマ前大統領がオススメ本に選んだんですよ。川崎:さすが女の子を持つお父さんですよね。なかなかこんな面白いSFの設定はないなと思って。本を読んでの感想が男女のいろいろな立場を超えて、互いのギスギスした感じなどがなくなればいいなあと。お互いの立場に立つのって難しいんですけど、それでも歩み寄れるきっかけになれればと。渡辺:そう、ちょっとでもわかってもらえれば嬉しいです。男性ジャーナリストが独り歩きできなくなる恐怖感とかね。川崎:女性記者のセクハラ問題とか昨年もニュースになりましたよね。世間や親の期待に応えようとしなくていい——去年は「#MeToo」が流行語大賞のベスト10に入るなど、今まで我慢したり、黙っていたりしていた女性が声を挙げ始めた年だったと思います。もっと身近な言葉で言うと、「男らしさ」「女らしさ」という役割に縛られてしまって窮屈な思いをしていたけれど、そろそろ降りてもいいのではないか?という空気が社会のいろいろなところで漂い始めていると思うのですが、いかがでしょうか?渡辺:「らしさ」の役割は、本人ではない別の人が考えている役割であって、個々のケースにはあまりあてはまりませんよね。子どもを産むのは今のところ女性しかできませんが、子どもを産むか産まないかは個人の選択であるべきですよね。世間や親の期待に応えるために子どもを産むというのは子どももかわいそうです。アメリカでもやっぱり地域によっては、男女の伝統的な役割をそのまま受け継いでいるところもあります。でも、都市部の若者の考え方は相当変化していますし、情報社会ですから地方にも広がっていくのではないかと思っています。男性も女性も“押し付けられた役割”がしんどい?川崎:渡辺さんはエッセイストや翻訳家として活躍してらっしゃいますが、20代のころにロンドンに留学されているのですよね。その頃から今のキャリアを思い描いていたのですか?渡辺:『どうせなら、楽しく生きよう』(飛鳥新社)という本にも書いたのですが、5歳のときに『秘密の花園』を読んで絶対にイギリスに行くと決意したんです。それで小5のときに親を説得して、隣町の教会でやっていた英会話教室に通いました。父は「女は普通の人生がいいんだ」と言っていたんですが、それって父の定義による「普通」ですよね。私が外国語大学や英文科に行ったら外国に行ってしまい「普通ではない人生を歩み、結婚できなくなる」とそれらを禁じられました。哲学科も「学生運動するからダメ」。「教師なら田舎で結婚しても働ける」という理由で、父は「教育学部なら行ってもいい」と。でも、私は自分でやりたいことをやるためになるべく早く経済的に独立しようと思い、看護学部に進んで助産師になりました。そして、猛烈に貯金してイギリスに語学留学し、その後イギリスで英語教師養成学校に行きました。いろいろな職に就きましたが、その職が永久だと思ったことはなく、「次は何をしようか?」というのは常に考えていました。川崎:私も自分の責任において一生仕事がしたいと思っていたので、勝手に起業したんですがもう父からは勘当ですよ。1年口をきいてもらえなかったです。渡辺:私も父からは何度も勘当されました(笑)。起業されたのはおいくつですか?川崎:25歳です。昭和11年生まれの父は「若い女が生意気なことを言って」みたいな勢いで、まだ社会に出て3~4年の娘っ子がそんな起業なんかしてもいろいろ騙されて借金して一家離散だ、みたいなイメージを持っていたらしく「とんでもない」という感じでしたね。やっぱり「ちゃんとした仕事に就いて、大手の社員と結婚して安泰な家庭を築いて、早く子どもを産むのが女の幸せ」という人で、私と父のバトルは、その後10年くらい続くんですけど。渡辺:そのバトルはありますよね。でもね、私は女に生まれて良かったなと思っているんです。男性の場合は期待値みたいなものがあって、それに応えなきゃいけないプレッシャーがある。家庭からの圧力からもあるし、社会からの圧力もある。——ある意味、女性は自由にさせてもらえるっていう……。川崎:そうそう、だから「勘当上等」って思いましたもん。渡辺:男性も辛いんじゃないかなというのはすごく思います。結婚にしてもそうですよね。女性からいろいろな条件を付けられると、「じゃあ結婚していただかなくて結構です」って言いたくなるのでは?私が男性で女性から「高学歴、高収入」などと求められたら、「じゃあどうぞご勝手に」という感じになると思います(笑)。——男性もレールを降りられなくて辛いという部分があるのですね。お二人の話を聞いて、男性も女性もまわりや社会から押し付けられる「こうあるべき」という縛りがほどけていって、もっと自分らしさを大切にしたり個人として尊重されたりするようになればいいなあと思いました。※第2回は1月10日(木)公開です。(構成:ウートピ編集部:堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS、撮影協力:PENCIL AND PAPER)
2019年01月08日加藤貴子少子高齢化社会と呼ばれて久しい日本。第1子を出産する初産の平均年齢も年々上がり、’15年では30.7歳に。『高齢出産』と呼ばれるラインは35歳からだが、厚生労働省が’14年に発表した人口動態統計によると、35歳以上で出産した女性は4人に1人(26%)、そのうち初産は7人に1人(14.3%)で、高齢出産は決してレアなケースではなくなってきている。40歳を越えて、不妊治療の末に2人の子どもを授かった加藤貴子(48)もそのひとり。高齢出産ゆえの苦労や悩んだことを、週刊女性の不妊治療記事でおなじみの、『西川婦人科内科クリニック』の西川吉伸院長(62)との対談で振り返ってもらった。西川「第1子を44歳、第2子を46歳で出産なさっているけど、40代になったのは仕事が忙しかったからですか?」加藤「仕事というか、子どもが欲しいという気持ちはずっとあったんです。私、32歳で今のパートナー、主人と交際して、子どもを授かったら入籍しようというスタンスで生活していたんです」西川「そのころ、クリニックで診てもらってました?」加藤「いえ、特には。ただ、自分で基礎体温をつけたり、尿キットで排卵日を調べることはしていました。あと、半年に1回、がん検診を受けていたんですけど、そのときにホルモンの値をチェックしてもらっていました。そこのドクターには“子どもが欲しかったら、早めにつくったほうがいいよ”とは言われていたんですけど……」西川「欲しかったけど、そこまで焦ってはいなかったということ?」加藤「仕事をやりながらだったので、決まった舞台などに迷惑をかけないように、仕事の合間で調整しながら集中的に子づくりを頑張る、みたいな。あのときは、ホルモン値が正常で、毎月、生理がきちっとあって体力があれば、自然と妊娠できるものだと思っていましたね」西川「10年以上前ですよね。当時、みなさんそう思っていましたね。今みたいに卵巣年齢とかについての啓蒙(けいもう)がまったくされていなかったから」加藤「そうなんです!私、卵子が老化するって、知らなくて。42歳のとき、テレビで“卵子の老化”というワードを初めて知ったんです」西川「それがきっかけで不妊治療に?」加藤「いえ、その番組を見たタイミングがちょうどエンディングで、ちゃんとした情報としてはわからないままでした。そんなとき、知り合いに“8年間も子どもを授からないなら、病院に行ってみたら”とすすめられたんです」西川「一般的に、子どもが欲しいと思って夫婦生活を排卵日のあたりで行うと、90%の人が6か月くらいで妊娠するといわれています。そこで1年間、妊娠しなかったら、その現象を不妊症というんです。不妊症は現象であって、病気ではありません。だから、若くても年をとっていても、ある程度、妊娠しなかったら何か原因があるので、そこを探っていくというのが不妊治療なんです」加藤「そうなんですね。主人も、いずれ授かるんじゃないか、とのん気に構えていましたし。あと、私の姉も40歳で出産しているんです。しかも自然妊娠で。だから、私もタイミングが合えば授かるものだと思っていたんですよね」西川「でも、42歳から頑張って、本格的な不妊治療に入られたということは、年齢的に見てすごいことだと思います」加藤「ありがとうございます(笑)」■不妊の48%は男性側の問題そして、クリニックの門を叩いた加藤だったが、予想もしていなかったことをドクターから告げられた。夫の男性不妊─。加藤「あのとき、主人は私の付き添いで行く、くらいのスタンスでクリニックへ行ったと思います。そこで、卵子の老化ということを教えていただき、旦那さんも調べたほうがいいと言われて、検査を受けました。そうしたら……」西川「男性不妊だったと」加藤「主人は性欲があって射精ができていれば男性不妊なんてないと思っていたんです。でも、精子の運動率とか正常形態が、と説明されてポカーンとなってしまって」西川「ひと昔前は、妊娠を阻害するものは女性側に大半あると思われていましたが、実際は不妊症の原因の48%は男性側にあります。男性は自分は大丈夫、と思っている人がほとんどですけど」加藤「当時は私も妊娠できないのは、タイミングが合わなかったのかな、ぐらいにしか思っていなくて、まさか主人に問題が、なんて考えてもいませんでした」西川「現在、男性不妊について医学はすごく進歩しています。ちゃんと検査すれば、ほぼ99%克服できるんです。精子が1匹でもあれば、医者がフォローできるんです」加藤「99%問題をクリアできることが、もっとみんなに周知されればいいですよね」西川「旦那さんはドクターの話を聞いて、ショックはなかったんですか?」加藤「ショックというよりは、ビックリしたみたいです。でも自分にも原因があるということと、私自身の卵子にタイムリミットがあるという情報が2つ同時に入ってきたことで、協力的になってくれたのかなと思います」西川「それをよく理解してくださったから前に進めたんでしょうね。旦那さんの協力がなかったら、絶対に妊活はできませんから」■生活習慣改善でアンチエイジング42歳で本格的に不妊治療を開始した加藤。データでは、40~43歳の体外受精での、妊娠から出産に至る確率は10~20%。43歳を越えると10%で、45歳を越えると1%だという。加藤「不妊治療を始めたとき、ドクターから“自然妊娠の確率はほぼ0に等しいです。でも、生活習慣改善をしつつ夫婦生活は持ってください。夫婦仲のいいところに赤ちゃんが来るのだと思います”と言われました」西川「僕もそのとおりだと思います。自然妊娠の確率が1~2%のカップルでも、まれに妊娠することがあります。僕らにどれだけ知識があっても、神の行うことにはわからないことがいっぱいあるんです。だから、驕(おご)ってはいけないな、と常日ごろ思っているんですけど。ちなみに、生活習慣改善は何をしました?」加藤「朝、同じ時間に起きて朝日を浴びること、毎日の45分間歩行と、血糖値が急に上がらない食事のとり方などです。野菜から食べて、血糖値を緩やかに上げて緩やかに下げる食生活と、お酒を飲んだら3日間のインターバルをあけるようにしました。主人にはこれがすごく効果があって、男性不妊とわかってから6か月は精子の数が落ちる一方だったんですけど、半年間、お酒の飲み方を変えたら、だんだん数と運動率が上がってきたんです」西川「体調のつくり方とか、すごくいいことばかりですね。朝、ちゃんと体内時計をリセットすることで身体のリズムができますし」加藤「簡単そうで、なかなかできないんですけど(笑)」西川「毎日ふたりで歩くことも難しいですよね」加藤「私、運動が大嫌いなので最初は苦痛でしかなかったです。でも、ふたりで同じ方向を見て歩くということはよかったです。面と向かって話すより、歩きながらだと私のグチも風に流されていくようで(笑)」西川「気持ち的な部分もそうですが、ある程度の年齢からそういう生活習慣改善の取り組みをしていたら、アンチエイジングにもなるし、多少は卵子の老化も防げるかもしれませんね」■自分を裁くことはやめようそんな取り組みの中、第1子出産まで3度の流産を経験した加藤。第2子挑戦までのことをこう話す。加藤「流産したときは“悲しんでいるヒマはない”という思いだけで、がむしゃらに不妊治療に没頭していました」西川「流産してしまったつらさに浸っていると、次に向かう時間がなくなってしまうと」加藤「そうです。流産してしまったのも卵子の老化が原因かもしれないし、“何も知らなかった私が悪い”って自分を裁くことしかしていませんでした。でも、あるときに堰(せき)を切ったように涙がバーッと出てきて。すごく頑張っている身体にお礼も言わずに、責めることばかりだったなと気づいたんです。結果として私は愚かだったかもしれないけど、自分なりに一生懸命やってきたでしょ、って思えたんです」西川「そうしたら楽になれました?」加藤「(1度は)授かった赤ちゃんの旅立ちを、私がきちんと悲しんであげないでどうするの?って。悲しいことを受け止めて、ほかの人がなんと言おうとも、これまでの自分の人生を自分自身で裁くことはやめようと。そうしたら、すごく楽になれました」西川「自分を裁かない、というのは今、妊活で悩んでいる方にすごくいいアドバイスになりますね。自分を追い込んでしまう方は多いですから。加藤さんのように、自分自身をもう1回、見つめ直すという気持ちも大切だと思います」加藤「第2子にトライしたとき、また流産してしまう怖さはなかったのかと言われたのですが、私、流産によって人の愛情とか痛みとかを学ばせていただくきっかけをもらったと思っているんです。高齢出産したので、長男とは一緒にいてあげる時間が若くして出産した方と比べて短いと思います。できればもうひとり、力を合わせられるきょうだいがいれば、という気持ちもあり、46歳で挑戦したのですが、流産を経験したからこそ、チャレンジできたのかもしれません」西川「2回の妊活を振り返って、改めて思うことはありますか?」加藤「不妊治療していく中で自分の思いどおりにならず、つらくて怒りや嫉妬といった感情が自分の中から湧き上がってくるときがあると思います。その感情を無視しないで向き合うことが大切だなと。私、それができずにずいぶん苛(さいな)まれましたから……。すべてを受け止め、そんな自分を愛することが必要だと思います」かとう・たかこ◎女優。『温泉へ行こう』シリーズ、『花より男子』『科捜研の女』などテレビドラマや映画、舞台で活躍。著書『大人の授かりBOOK~焦りをひと呼吸に変える がんばりすぎないコツ~』(ワニブックス刊)が発売中。にしかわ・よしのぶ◎西川婦人科内科クリニック院長。医学博士。医療法人西恵会理事、日本産科婦人科学会専門医、日本産婦人科内視鏡学会評議員、大阪産婦人科医会評議員ほか。
2018年12月23日