俳優の岩下志麻(83)が、15日放送のBS12トゥエルビ『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~』(後9:00)に出演する。芸能界でも大御所クラスの笑福亭鶴瓶(芸歴52年)と阿川佐和子(芸歴40年)。芸能界随一の聞き上手で引き出し上手な2人がMCとなり、そんな2人を「鶴瓶ちゃん」「サワコちゃん」と呼ぶような昭和の大先輩をゲストに迎える。鶴瓶&阿川のコンビが大先輩ゲストに恐縮しながらも、他では見せないゲストの素顔に迫る大人のためのトークバラエティーとなっている。初対面だという鶴瓶は、実は昔からの岩下ファン。いつになく緊張気味な鶴瓶の姿が見られるのも、この番組ならではだ。トークの話題では、学生時代に精神科医を目指していた話や、女優の道を進むきっかけや小津安二郎監督からの大切な教え、笠智衆さんの自然体の演技など、大いに語り、世間を驚かせた「極道の妻たち」出演エピソードも。さらに、夫で映画監督の篠田正浩との結婚秘話や主婦としての一面、大好きだという阪神タイガースの話まで、大女優の意外すぎる素顔が次々と明らかになる。
2024年04月11日松本清張の原作を基に、桃井かおりと岩下志麻が競演し1982年の映画賞レースを席巻したサスペンスの名作『疑惑』が、「プラス松竹」チャンネルにて配信がスタートした。本作は、九州で起きた三億円保険金事件をヒントとし、映画化を前提に松本清張が執筆した小説が原作。同小説は『昇る足音』という題で『オール讀物』1982年2月号にて発表され、同年3月単行本刊行の際に『疑惑』と改題された。監督は『砂の器』『ゼロの焦点』ほか、数々の清張原作映画化を成功に導いた野村芳太郎が務めている。過去に暴行・傷害・恐喝・詐欺という前科4犯の犯罪歴を持ち、悪女・毒婦の極致とも言われる容疑者・球磨子(桃井かおり)。その国選弁護人となった東大法学部卒の才媛弁護士・律子(岩下志麻)が、いかにして圧倒的不利とされる裁判の趨勢を覆すのかという法廷劇だ。松本清張自ら脚色に参加しており、本来であれば容疑者と弁護人という信頼関係にあるはずの二人の間での、女と女の生き様とプライドを懸けた激しくも生々しいぶつかり合い、心理的葛藤・かけひき・せめぎあいが、エンターテインメント性豊かに描かれる。また、本作は日本アカデミー賞9部門受賞をはじめその年の映画賞を席巻。さらに、以降5回もテレビドラマ化されていることも、原作小説や本作の評価の高さを物語っている。<作品情報>『疑惑』配信中『疑惑』ビジュアル■ストーリー富山県新港湾埠頭で、車が時速40キロのスピードで海に突っ込んだ。乗っていた地元の財閥社長・白河福太郎(仲谷昇)は死亡したが、同乗していた後妻の球磨子(桃井かおり)は、かすり傷ひとつ負わずに助かった。やがて、夫に3億円の保険金が掛けられていることが判明し、球磨子は保険金狙いの殺人と疑われ、警察に逮捕される。新聞は球磨子を「北陸一の毒婦」と糾弾するなど、世間は球磨子の犯行を疑わないムードになっていた。そして、球磨子の弁護人として佐原律子(岩下志麻)が選ばれた。が、二人はことあるごとに衝突し……。監督:野村芳太郎原作・脚色:松本清張脚本:古田求野村芳太郎■出演桃井かおり岩下志麻鹿賀丈史小林稔侍柄本明仲谷昇丹波哲郎山田五十鈴■受賞映画賞・第6回日本アカデミー賞:優秀作品賞、優秀監督賞(野村芳太郎)、優秀脚本賞(古田求・野村芳太郎)、優秀主演女優賞(桃井かおり)、優秀助演男優賞(柄本明)、優秀音楽賞(芥川也寸志)、優秀撮影賞(川又昂)、優秀照明賞(小林松太郎)、優秀録音賞(原田真一)・第37回毎日映画コンクール:日本映画優秀賞、脚本賞(古田求、野村芳太郎)・第7回報知映画賞:主演女優賞(桃井かおり)・第56回キネマ旬報ベスト・テン:日本映画ベスト・テン第4位
2024年02月01日「『沸騰ワード10』(日本テレビ系)への出演で人気を集めるタサン志麻さんに、いくつかの芸能事務所が『うちに所属しませんか?』とオファーを出したそうです」(芸能関係者)人気がありすぎて予約が取れないことから、“伝説の家政婦”と呼ばれるようになった志麻さん。フランス料理店やビストロで料理人として経験を積んだのち、家政婦の仕事を始めた。「3時間で1週間分の作り置きを完成させ、片付けまで済ませるという手際のよさが話題になり、’17年2月に初めて『沸騰ワード10』に出演。手軽に作れる志麻さんのレシピは主婦層から大好評で、“料理は頑張らなくていい”という考え方も共感を呼んでいます。人気のあまり新規の家政婦の仕事は受付けを停止しているほど。彼女の魅力を見込み、ゆくゆくは林修先生のようなタレントにしたいと考える芸能事務所の関係者もいるようです」(前出・芸能関係者)しかし、志麻さんは芸能事務所からの所属オファーをすべて断っているという。「林先生のように事務所に所属すれば仕事の幅が広がり、収入は数倍にもなると思いますが……」(前出・芸能関係者)しかし、志麻さんにはその必要はない。というのも、すでに十分すぎるほどの稼ぎがあるのだ。「『沸騰ワード10』の出演料は、当初は1回5万円ほどだったかと思いますが、今では10万円以上。また、志麻さんは家事の工夫をテーマにした講演会に呼ばれることも多いのです。謝礼の相場は一般的に50万円からだといいます」(前出・芸能関係者)彼女のいちばんの収入源となっているのは著書の印税だ。「著書は30冊ほどで、累計250万部ともいわれています。たとえば、‘18年に発売された定価1千430円のレシピ本の売り上げは30万3千部を超えています。印税が10%とすると、この本だけでも4千万円超の収入となります。こうした収入を含めると、現在の年収は1億円ほどになるでしょう」(前出・芸能関係者)彼女がタレント転身を固辞するのには、家政婦としての美学も関係しているようだ。「テレビを通してフランス料理の魅力を伝えることにはやりがいを感じているそうですが、あくまでも自分は“いち家政婦”という思いが強いそうです。“タレントにはならない”と周囲にも話しており、現在でも家政婦の協会を窓口にしています。フランス人の夫との間に生まれた3人の子どもも幼く、家庭を大切にしたいという気持ちもあるのでしょう」(前出・芸能関係者)「ESSEonline」のインタビューでもその思いを明かしている。《私の原点は、フランス料理の持つ温かさ、食事が持つ豊かな時間をリアルに伝えていける家政婦。だから肩書もこのままで、とお願いしています》(2月3日配信)彼女が伝説たるゆえんは、家政婦としての矜持にあった――。
2023年04月20日今年、映画デビュー60周年を迎えた女優の岩下志麻さん(79)。くしくも、その作品『乾いた湖』を監督し、やがて夫となるのが、篠田正浩さん(89)だ。お2人は結婚以来、自立した夫婦の先駆けとして、互いを「戦友」と「同志」と呼び合いながら第一線で活動してきた。120本以上もの映画に出演し、その大半で主役を演じた岩下さんだが、最も多いのが篠田監督とのコンビ。そして、夫婦の間には一人娘がいる。岩下さんが32歳のときに産まれた、待望の長女だ。「30歳を超えたころから、すごい子供が欲しくなったのね。年齢も考えて、そろそろ産みたいと思っていたら、運よく授かりました。母親になっても仕事は続けるつもりでしたから、妊娠した時点で、知り合いのベテラン看護師さんにお世話をお願いしました。出産直後に娘を抱いたときは、これ以上の幸せがあるかしら、と思いましたね。ところが、娘が生後3カ月のとき、篠田の新作『卑弥呼』の台本が届いて、手にした瞬間に母乳が止まってしまったんです。人間の生理って不思議ですね。仕事にバーッと神経がいったと思ったら、もう二度と母乳が出なくなって。以降、娘は人工ミルクで育てました。この映画では、卑弥呼のメークで眉毛をそったので、帰宅すると、異様な私の顔を見た娘が激しく泣きだすんです。だから、抱っこもできない。すごく切なかったですね」「『お嬢さんがかわいそうだから、仕事をやめてください』。あるとき、娘のお世話をお願いしていた方から言われて、私も本当に涙が出ました。女優をこのまま続けていいのかと罪の意識にさいなまれ、鬱っぽくなりました。また、うちの娘は“後追い”しなかったんです。もう、この人は仕事に行くものと、あの幼さで気持ちを抑えている。それが余計にいじらしくてね。しかし、そんなとき、篠田は言いました。『おまえさんから女優を取ったら、何もないよ。やめちゃいけない。女優をしているときが、いちばん輝いているんだら』」励まし続けてくれた篠田監督との77年の『はなれ瞽女おりん』で、第1回日本アカデミー賞主演女優賞を受賞。岩下さんは「これで吹っ切れました」と話す。一方、実生活では娘さんが小学校入学という時期を迎えると、運動会や入学式などの学校行事にはすべて出席。撮影現場から家庭に戻ると、「愛してる、愛してる」とわが子を抱きしめたという。「帰宅して娘にワーッと抱きつくと、すべての疲れが取れました。私は本気で『愛してる』だったんだけど、そのうち小学校の高学年になると、娘のほうが『気持ち悪いからやめて』で、いつの間にかやめましたが(笑)。私が甘い分、篠田は厳しかったですよ。ご挨拶からお箸の持ち方まで。そのおかげで、きちんと育ってくれたかなと思います」今年、突然襲ったコロナ禍は、そんな岩下さんと家族の日常にも大きな変化をもたらした。「このコロナのなか、私は外出を我慢する代わりに、オンラインで太極拳を続けています。先生の指導をパソコン画面で流しながら。おかげさまで、体重は20年間、変化なしです。先日もコロナが少し収まってきたときには、娘や孫たちと外食の話でチラッと盛り上がりましたが、結局やめました。旅行もあきらめましたし。男の子2人の孫たちは、もう中学生と高校生。ええ、いまも私は“志麻ちゃん”と呼ばれています(笑)」岩下さんの長女は、大学卒業後、「両親とは違う世界で生きたい」と一般企業に就職して早々に家を出た。結婚したのも、母親と同じ26歳だったという。「娘は幼いころから自立心旺盛でした。育ち盛りの孫たちの子育てでは、朝5時半起きのお弁当作りに始まり、ぜんぶ自分でやっています。わが子ながら偉いなぁと思うし、私が反面教師かも。彼女自身、やっぱり『岩下志麻と篠田監督の娘』として、イヤな思いもしたと思うんです。ですから、孫たちも『岩下志麻の孫』とは言われたくないと考えたのでしょう。残念ですが、孫の運動会には一度も誘われませんでした。でも、娘が子供のお誕生日をきちんとお祝いするところや母の日にカーネーションを贈ってくれるのは、私の習慣を受け継いでくれているのかな」「女性自身」2020年10月20日号 掲載
2020年10月12日『心中天網島』など日本映画史に残る名作や、『極妻』など、近寄りがたい美貌で、ちょっと怖そうな印象を持つ人も多いはず。そんな岩下志麻さん(79)がコロナ禍で、自宅のリビングで大好きな阪神の試合に、大声を張り上げながら熱狂しているというからビックリだ!夫は、篠田正浩さん(89)。女優と監督としてコンビを組んできた夫婦の関係は半世紀にわたってお互いに自由で自立しているーー。「篠田との初デートは、彼が監督した『暗殺』の京都ロケで。先斗町のお料理屋さんで、2人で2升空けました(笑)。デートでは、いつも熱く映画のことを語っていましたね。でも、まだ恋愛感情はなくて、尊敬止まりでした。ところが撮影を終えて、赤坂のナイトクラブで篠田とマンボを踊っていたら、突然、この人と結婚するんだ、と直感したんです。それで、踊りながら言ってしまったんです。『どうも私、監督さんと結婚するような気がします』。彼はびっくりした顔で席に戻ってしまい、『ひどい清純派もいるもんだ。こうやって男を口説いているのか』と思ったみたい(笑)」当時、監督と女優の交際はタブーで、会社側は猛反対。岩下さん本人も、野村芳太郎監督の『五瓣の椿』でブルーリボン賞の主演女優賞に輝き、23歳にして「初めて女優としての自覚を持てた」ところだった。「ですから、すぐに結婚ではなく、まず同棲してみようとなったんです。田園調布の一軒家でしたが、SNSの盛んないまなら大変だったでしょうね。よく、見つかんなかったな、と(笑)。2年の同棲生活のあと、私が26歳のときに結婚したのですが、そのとき篠田が言いました。『結婚しても、女優はやめないでほしい。むしろ結婚生活を栄養分にして、女優としてもっと豊かになってほしいんだ。女優として家庭は休息の場にして、家事もいっさい放棄していいよ』私自身、役に入り込むタイプですから、この言葉はありがたかったです。ただ、世間的には、家事をしないと知られたことで、『主婦の風上にも置けない』と、かなり激しいバッシングを受けました。でも、これも篠田が全面的にバックアップしてくれました。なにより、その後、夫婦で独立プロを立ち上げたりして必死でしたから、そんな批判の声を気にするヒマもなかったんです」篠田さんは、新婚当初から妻となった岩下さんのことを「戦友」と呼んだ。早くも結婚から2カ月後には、二人三脚で映画の独立プロダクション「表現社」を立ち上げる。「ふだんはけっして弱い部分を見せない篠田が、松竹を辞めた日にウイスキーを1本空けて、へべれけになっている姿を目撃したんです。ああ、この人にとってはそれほどの決意なんだと改めて知り、なんとか力になりたいと思いました。69年に篠田と組んだ『心中天網島』では、初めてチケット売りも体験しました」この映画は興行的に大ヒットしたばかりでなく、『キネマ旬報』ベスト・テン1位や、岩下さんも数々の主演女優賞に輝くなど高い評価を得て、夫婦の代表作となった。その後の86年、『鑓の権三』を監督するにあたり、篠田さんは言った。「これで、僕が撮る岩下志麻は最後だよ」四半世紀にわたった監督と主演女優のコンビに終止符が打たれた。しかし、岩下さんの女優としてのチャレンジは続く。同年、前出の『極妻』シリーズへの出演で、さらに新境地を開いたのだった。そして72歳になった篠田監督は引退宣言をして、執筆活動に入った。当時のインタビューで、岩下さんは「これでやっと、女優としてではなく、妻として彼と向き合える時間が増えると思います」と語っていたが。 「ふふふ。そうは言いましたが、映画のお仕事も続きましたし、やっぱり私は女優でしたね。それから、つくづく思うんです。結婚にあたり、『家事はしないでいい』と言った彼ですが、まあ、新婚当初はそうでも、そのうち変わるかもと思っていたら、まったく変わりませんでした。いまだに部屋も別で、互いに自由にやりたいことをやってます。当時から、私が篠田の映画に出たらギャラをもらっていましたし、税金も別々に払ってきました。お財布も別々、相手の貯金額も知らないし、月々の家計が折半というのも変わりません。彼は引退しましたが、自由で自立した夫婦の関係は、半世紀以上たっても同じですね。もし、献身的な奥さんを求められていたら、私なんて、3日で追い出されたでしょう(笑)」「女性自身」2020年10月20日号 掲載
2020年10月12日伝説の家政婦として人気のタサン志麻さんは多方面で活躍する一方、一児の母としてママ業にも励んでいます。 前回 のお話では、普段の献立は忙しくても作り置きはせず、毎日30分ほどで作って夕食を楽しんでいるとのことでしたが、お子さんの食事はどうされているのでしょう? 離乳食も手早く用意されていたのでしょうか? さらに、もうすぐ冬のイベントシーズンが到来します。クリスマスや忘年会、新年会などのホームパーティを開く際、志麻さんはどんな料理でゲストをもてなすのでしょうか。自宅料理を一冊にまとめたレシピ本 『「作り置き」よりカンタンでおいしい! 志麻さんの自宅レシピ』 より、大人も子どもも喜ぶ料理アイデアを教えていただきました。タサン志麻さん プロフィール大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュラン三つ星レストランでの研修を終了。その後、日本の有名フランス料理店等で15年働く。2015年にフリーランスの家政婦として独立。家事代行マッチングサービス『タスカジ』で定期契約顧客数がナンバーワンとなり、「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになった。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でその仕事ぶりが放映され、クール最高視聴率を記録。現在は『つくりおきマイスター養成講座』の講師や食品メーカーのレシピ開発などでも活動。フランス人の夫と子どもと3人暮らし。■離乳食はわざわざ作らない! 煮込み料理やスープをアレンジ――前回のお話では、フランス滞在中に経験した“調理時間は短く、食事時間を重視する”を見習って、普段から作り置きはせずに、毎晩30分ほどで手早く夕食の用意をしているとのことでしたが、育児中もそのスタンスは変わらなかったのでしょうか?タサン志麻さん(以下、志麻さん):そうですね。ほとんど意識していませんでした。またフランスの話になるのですが、フランス人には育児中にわざわざ離乳食を作るという感覚があまりないようで、基本的には大人が食べているものの中から子どもが口にできるものを食べさせます。もちろん、香辛料や塩分は控えめにしますが、スープや煮込み料理などを作れば、大人はもちろん、小さな赤ちゃんでも具をすり潰せばおいしく食べられますしね。これならお母さんの負担も少なくてすみます。日本にいるときは「離乳食は特別に作るもの」という考えが強かったため、フランス人の育児に対する柔軟な姿勢を目の当たりにしたときに、「これでいいんだ」と肩の力が抜けたのを覚えています。我が家にも1歳の息子がいますが、ピューレやポタージュなどはよく作っています。コトコト煮込んでいる間に子どもの相手や家事ができるので一石二鳥。同書では「なすとかぶのポタージュ」のレシピを掲載しています。冷蔵庫にある野菜でも応用できるので、ぜひ試してみて。小さなお子さんのいるご家庭は、塩・こしょうを控えめにして作り、大人は食べる際に各自で塩味を追加すればOKです。■特別なことはしない! 食べ慣れた食材に一手間加えて――離乳食に煮込み料理やスープを応用。これは名案ですね! わざわざ子ども用に食材を買い足す手間も省け、家族みんなが笑顔で食卓を囲めそうです。ちなみに、クリスマス会や誕生会など、イベント時はどんな料理を作っていますか? お子さん向けのレシピを意識されているのでしょうか?志麻さん:張り切ってパーティー料理を作るのも楽しいのですが、子どもは普段から食べ慣れているもののほうが落ち着くと思うので、いつもの料理をアレンジしておもてなしすることも多いです。例えば、ヒレ肉のとんかつ。通常は食べやすい大きさに切ってから揚げますが、特別な日はあえてかたまりのままパン粉をつけて揚げます。見た目にインパクトが出るでしょう? さらに、トンカツソースの代わりに、ブルーベリージャムとバルサミコ酢のオリジナルソースをかけて、華やかな味わいに(同書内「弱火でじっくりしっとりヒレカツ」)。これには大人も子どもも満足です。志麻さん:そうそう、クリスマスといえばローストチキンが定番ですが、焼くのに少し手間がかかるので、鶏もも肉を使うのもおすすめです。塩・こしょうをしたもも肉を、オリーブオイルでしっかり焼き色がつくまで焼き、かぼちゃやズッキーニ、プチトマトなどの野菜と一緒にワインで蒸し焼きにするんです(同書内「鶏肉の蒸し焼き」)。見た目がカラフルで気分が上がりますし、もも肉なら食べやすいので小さなお子さんも喜んで食べてくれるはずです。志麻さん:子どもの世話をしながらパーティー料理を用意するのは一苦労です。イベントだからといって無理する必要はありません。おなじみの食材に一手間加えるだけでも立派なごちそうになりますよ!■市販品だってOK! がんばりすぎないパーティーメニューのコツ――そのほか、子ども参加型のイベントで心がけていることはありますか?志麻さん:我が家でパーティーを開く際は、大皿で料理をサーブします。大皿料理は見た目が豪華ですし、洗い物も減るので片付けが楽なんです。日本人はホームパーティーにゲストを呼ぶ際、すべての料理を手作りしようと頑張ってしまいますが、そこまで気合を入れることもない気がします。フランスでは肉料理などのメインは手作りして、あとは市販のチーズや惣菜などですませるのが一般的です。その方がホストの負担も減りますし、ゲストの方々も気楽に楽しめるのではないでしょうか。ちょっと視点を変えるだけで、大人も子どもも満足できるごちそうが簡単に用意できることを教えてくれた志麻さん。これからイベントを計画している方も多いと思いますが、志麻さんのテクニックをぜひ活用してみてください!参考図書: 『「作り置き」よりカンタンでおいしい! 志麻さんの自宅レシピ』 (講談社)志麻さんが仕事から帰って、30分以内にちゃちゃっと作って食べたレシピを中心に76レシピをご紹介。使われている食材は近所のスーパーの特売肉や、特売野菜、冷蔵庫の残りものなど身近なものばかり。そんな普通の食材をおいしく生まれ変わらせるためには、志麻さんの長年のシェフ経験を生かした調理ポイントに秘密があった!? レストランの味わいを、ぜひ自宅でご堪能あれ。取材・文/長谷部美佐
2018年12月21日“伝説の家政婦”として注目を浴び、テレビや雑誌などあらゆるメディアで活躍するタサン志麻さん。仕事で依頼を受けると一般家庭に出向き、たった3時間で1週間分の食事を作り置きをします。その手際の良さと料理の腕前が評判を呼び、伝説の家政婦と呼ばれるようになったのです。そんな志麻さんですが、なんと調理器具や調味料は各家庭にあるものを使、特別な準備はしていないそうなのです。毎回、調理の条件が異なるのに、どうしてそこまで手際よく作ることができるのでしょう?ワーキングママにはやっぱり無理!? いえいえ、そんなことはありません。ちょっとしたコツをつかめば、忙しくても毎晩の食事づくりがもっと楽しく、スムーズになるはずです。志麻さんの自宅料理を一冊にまとめたレシピ本 『「作り置き」よりカンタンでおいしい! 志麻さんの自宅レシピ』 より、そのアイデアを学んでみましょう。タサン志麻さん プロフィール大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュラン三つ星レストランでの研修を終了。その後、日本の有名フランス料理店等で15年働く。2015年にフリーランスの家政婦として独立。家事代行マッチングサービス『タスカジ』で定期契約顧客数がナンバーワンとなり、「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになった。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でその仕事ぶりが放映され、クール最高視聴率を記録。現在は『つくりおきマイスター養成講座』の講師や食品メーカーのレシピ開発などでも活動。フランス人の夫と子どもと3人暮らし。■志麻さん家の鉄則その1:作り置きはしない! 平日の「ちゃちゃっと料理」が基本――志麻さんといえば「作り置き」が有名ですが、プライベートでも作り置きを日々の献立に活用しているのでしょうか?タサン志麻さん(以下、志麻さん):そのイメージが強いようですが、実は自宅ではほとんど作り置きをしていないんです。毎晩、仕事から帰ってきたら30分ほどで作ってしまうので、わざわざ作り置きしておく必要がないんです。それに、休日に作り置きを用意するとなったら、3~4時間は調理時間に費やすことになります。その時間があったら、家族でのんびり過ごしたいので、あえて作り置きはしないんです。また、もともと料理をするのが好きなので毎回の食事づくりが楽しいこともありますが、今のように手早く作るようになったのは、フランスでのシェフ見習い時代が大きく影響しています。■志麻さん家の鉄則その2:調理に時間はかけない! 「作る時間」より、「食べる時間」が大事――というと?志麻さん:日本の昔ながらの食卓は、お母さんが時間をかけておかずを作り、食卓にずらりと並べていただくことが多いですが、フランスはその逆。“食べる時間”を重視するので、その分調理に時間はかけず、また献立もグリルした肉とゆで野菜だけだったりと、普段の食事は意外と質素なんです。ただ、料理の手間は省きつつもポイントを抑えて作っていますのでどれもおいしいですし、なによりワイン片手にみんなでわいわい言いながら食事をするのが本当に楽しくて!ささやかながらも、その豊かな暮らしぶりが印象的で、自分が家庭を持つようになってからも自然と調理は手早くすませて、食事の時間を重視するようになっていきました。それに毎日食べたい献立は変わります。だから、食材も近所のスーパーに毎日ちょこちょこ買い出しに行って、その都度、食べたいものをさっと作るのが我が家の平日のスタイルですね。■志麻さん家の鉄則その3:下準備を怠らない! 手早くおいしく作るコツ――仕事を終えて帰宅後、短時間で作るとなると、メニューや味が偏ってしまいそうですが…。志麻さん:そうならないためにも、手抜きはせず、ポイントを押さえながら調理することが大切になってきます。なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、コツさえつかめば、誰でも時間をかけずにおいしいごはんを作ることができるんですよ。――具体的にどんなことに気をつければよいのでしょう?志麻さん:まず心得ていただきたいのが、下準備には一つひとつ、ちゃんと意味があるということです。例えば、食材の切り方をすべてそろえるのは、火の通りと食感を均一にするため。肉や魚の水気をふいて、塩・こしょうをしてから調理するのはくさみを取るため。ちょっとしたことですが、こうした作業を惜しまず丁寧に行うことで仕上がりの味がバシッと決まり、結果的には調理の時間短縮につながるんです。同書で紹介している「シャキッと野菜炒め」でも、しめじのサイズに合わせて、ほかの食材を切りそろえています。志麻さん:余談ではありますが、切り方はそろえるときとあえてそろえないときがあります。例えば「じゃがいもカレー」の場合。我が家ではじゃがいもは大きめと小さめ、2種類の切り方にします。大きめに切ったじゃがいもはホクホクに、小さめに切ったじゃがいもは溶けてトロトロになるので、一皿でいろいろな味わいが楽しめます。ちょっとしたことですが、こうすることで味のマンネリを防ぐことができるんですよ。カレーを作る際に、ぜひ試してみてください!志麻さん:調理の順番も手早く作るうえで重要なポイントです。よく、すべての材料を切って(整えて)から調理に入るように書かれているレシピ本がありますが、時間のロスになる場合もありますし、必ずしもその通りにしなければならないということはないかなと思います。それよりも、何かを炒めている間に別の食材を用意するなど、隙間時間を有効に使いましょう。レシピ本のとおりに作るのも悪くはありませんが、ときにはいったん本から離れて、自分の頭で考えながら作ることも大切です。失敗することもあるかもしれませんが、手を動かしていくうちにムダのない調理法がだんだんと身についていくはずです!■志麻さん家の鉄則その4:市販の「〇〇の素」も使う! 一気に味のベースを作る――味つけでのコツというのはありますか?志麻さん:よく驚かれるのですが、我が家では市販の合わせ調味料やスープの素などを活用することもあります。本格的な味を一から作ろうと思ったら、それなりに食材や調味料、時間も必要になってきます。でも、仕事帰りの疲れた体には、そこまで作る気力はありません。だから、あらかじめ味のバランスがとれている市販品をベースに使い、そこに調味料や食材をちょい足しして、オリジナルの味を楽しみます。たとえば「コーンスープドリア風」。これは市販のコーンクリームスープの素を使用した一品です。コーンクリームスープの素があれば、あとはごはんやベーコン、とろけるチーズなどを用意すればあっという間に濃厚ドリアのできあがり。これなら小さなお子さんも喜んで食べてくれるはずです。このように、ちゃちゃっと作るにはアイデアや工夫も大切です。ぜひ楽しみながら日々の献立づくりに励んでください。たしかに、作り置きを用意するためには、それなりの時間が必要になってきます。でも、せっかくの休日を作り置きするだけの日にしたくはありませんよね。だったら、普段の献立や調理を見直して、志麻さんのようにもっと手軽に短時間で作るように心がければ、忙しい日も楽しく食事の用意ができるかもしれません。試してみる価値あり、ですね!引き続き後編では、一児のママでもある志麻さんに、ふだんの自宅レシピをアレンジした離乳食や幼児食、さらにイベントやお祝い事にも応用できるパーティーメニューのコツをうかがいました。参考図書: 『「作り置き」よりカンタンでおいしい! 志麻さんの自宅レシピ』 (講談社)志麻さんが仕事から帰って、30分以内にちゃちゃっと作って食べたレシピを中心に76レシピをご紹介。使われている食材は近所のスーパーの特売肉や、特売野菜、冷蔵庫の残りものなど身近なものばかり。そんな普通の食材をおいしく生まれ変わらせるためには、志麻さんの長年のシェフ経験を生かした調理ポイントに秘密があった!? レストランの味わいを、ぜひ自宅でご堪能あれ。取材・文/長谷部美佐
2018年12月20日3月21日、岩下志麻(77)が東京・八重洲ブックセンターで「美しく、狂おしく岩下志麻の女優道」の出版記念トークショーとサイン会を行った。60年の女優生活を記録した同書について、岩下はしみじみと語った。 「よくやってこられたなと思います」 岩下がそう思うのも、無理はないのかもしれない。岩下はもともと女優になりたいと思っていたわけでなく、“アルバイト気分”で女優業を始めたという。そして映画監督・篠田正浩(87)と出会い、66年に結婚。出産も経験している。 だが出産後、「私は女優をやっていていいのか」と迷うこともあったという岩下。「子どもを犠牲にしてまで女優を続けていくべきか」と悩んだ挙げ句“鬱状態”にもなったと、14年に開催された映画イベントで明かしている。 「子どもを置いて仕事に行くことについて悩んだ時期が2年ほどあったでしょうか。鬱状態になっていたと思います。『はなれ瞽女おりん』は6カ月ロケだったので、子どもを置いていかなければならない辛さを背負って演じきりました」 そんな母であり妻であり、女優である岩下を支えたのは、夫の篠田だという。「家庭は休息の場でなくてはいけない。たくさん休息して現場には元気で行ってほしい」という夫のお陰で、岩下は「仕事に没頭できた」と明かしていた。 さらに岩下が自信喪失のあまり女優を辞めようかと悩んでいたときも篠田は“女優・岩下志麻”を思い、声を掛けてくれたそうだ。 「おまえは女優をやっているときが一番輝いている」 紆余曲折があり、60周年を迎えた岩下。80歳を前にして、同サイン会ではこんな“夢”を語っていた。 「あと1本、燃え尽きる映画をやりたい。グロリア・スワンソンの主演で、女優のなれの果てを描いた『サンセット大通り』のような作品をやりたい」 支えてくれる夫とともに、岩下はその夢を追い続けている――。
2018年03月22日映画『SHAME−シェイム−』の女性限定試写会が3月1日(木)に都内で開催され、上映後のトークイベントに漫画家の倉田真由美と作家の岩井志麻子が出席した。ありとあらゆる形で日々、セックスに勤しむセックス依存症の男性の赤裸々な日々を描きつつ、彼がそうした生活の中で隠し通そうとしている真の姿を浮かび上がらせていく。それぞれの著書で、自身の経験談を含め様々な男女の性体験について綴っている2人だが、この日も過激なトークが炸裂。放送禁止用語を連発しつつ、異常な数の女性とセックスをしている男性や、男性を狂喜させるいわゆる“名器”と言われる女性器について、年齢を重ねての性欲についてなど、聞いている方が思わず赤面してしまうような話題についてクロストークを展開した。特に、女性が男性を魅了する上で、美貌や性格以上に「セックス」が重要な要素となりうることを熱弁。千葉、東京、埼玉で起きた保険金殺人事件で起訴されている木嶋佳苗被告の言動に触れ、倉田さんは「相当、自分の体に自信があったんですね。都市伝説と思ってたけど、名器ってあるんですね」と感嘆。岩井さんは、話題の「オセロ」中島知子と一緒に住んでいると言われる女性占い師と同じような手口に以前、引っかかったことがあると明かし「共通点がいっぱいあるんですよ。『ブラッド・ピットとジョニー・デップが自分を取りあって決闘した』とかとんでもないホラを吹くんですが、大人が真顔で言うから本気にしちゃった」と告白。ちなみにその女性も決して美人ではないが、セックスのテクニックで男性をオトシたと豪語していたそうで、岩井さんも「妙に納得した」とのこと。「女のあそこは無限なのね」(岩井さん)、「男性は一見して形状が分かるけど女性は分からないから」(倉田さん)、「だからこそ彼女たちは自信が持てるのかも」(岩井さん)と神妙な顔で頷いた。この日は観客から寄せられた質問や相談にも答えたが、「出産後に夫とはセックスレスになった」という女性に倉田さんは「うちもセックスレスですが、普通はそうですよ」と語り、岩井さんも「日本人は家族になるとセックスしにくくなるけど、別にそれでいいと思う」と回答。岩井さん曰く「配偶者を思い浮かべて自慰行為ができるかどうかがセックスレスかそうじゃないかの見極め点」とのことだが、倉田さんは「無理」と即答。「25歳ですが性欲がない」という女性の悩みにも2人は「別にそれでいい」(倉田さん)、「一生、処女・童貞のままでも不都合ない」(岩井さん)と答え、雑誌やテレビが煽る“セックスレスの危機”に対して疑問を呈した。また作品にちなんで「SHAME(恥ずかしい)なことは?」という質問に倉田さんは「以前は話せなかった恥ずかしいことがいまでは漫画のネタになる。恥ずかしくなくなるというのがおばちゃんになったということかも…(苦笑)」と開き直った。岩井さんは「ハメ撮りの写真が流出するよりも中学のときに書いた詩が出る方が恥ずかしい」と答えて客席は笑いに包まれた。『SHAME−シェイム−』は3月10日(土)より全国にて公開。■関連作品:SHAME−シェイム− 2012年3月10日よりシネクイント、シネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開© 2011 New Amsterdam Film Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute■関連記事:2012年、最も挑発的な衝撃作『SHAME−シェイム−』試写会に10組20名様をご招待英国アカデミー賞『アーティスト』最多候補。D・ラドクリフはG・オールドマンを応援J・クルーニー、レオ、ブラピの3大スター対決!ゴールデン・グローブ賞候補が発表
2012年03月01日