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女優の若村麻由美が21日、自身のインスタグラムを更新。【画像】あの美人女優がひと月ぶりにインスタ更新!美しすぎる笑顔で「たくさん笑ってすごせますように」「❣️能登半島復興チャリティー『若村麻由美 Mgarden オープニングパーティー』Vol.1笑むガーデン開園記念In帝国ホテルにご来園くださった皆様ありがとうございました❣️」と綴り、自身が写った写真1枚をアップした。艶やかなオレンジ色の着物姿で上品にほほ笑む若村が美しすぎると話題になっている。 この投稿をInstagramで見る 若村麻由美(@mayumiwakamura_official)がシェアした投稿 この投稿には多くのいいねの他、「若村麻由美さんは日本一和服の似合う女性ですわ。」といったコメントが寄せられている。
2025年01月21日2025年5月東京・シアタークリエにて『陽気な幽霊』が上演されることが決定した。『陽気な幽霊』は、20世紀を代表する劇作家ノエル・カワードのウェルメイド・コメディ。1941年7月にロンドンのピカデリー劇場にてウエストエンド初演された本作は、5年間で1997回という驚異的な連続上演記録を達成し、その熱も冷めやらぬまま1945年には名匠デヴィッド・リーン監督により映画化された。その後も今日に至るまで、ブロードウェイを始め世界各地の劇場で繰り返し上演され、再び2020年に映画化されるなど、カワードの喜劇の最高傑作と言われている。ノエル・カワードは1899年イギリス・ロンドン郊外に生まれ、上流階級・中産階級を背景にした洒脱でウィットに富んだコメディの劇作家として成功をおさめた。喜劇を中心に四十数篇の戯曲を書き、その代表作のひとつが『陽気な幽霊』だ。カワードは本作を、第2次世界大戦中のロンドン大空襲で数々の死と破壊に直面した経験を元にして、わずか6日間で書き上げたという。戦時中に幽霊を題材にしたコメディを上演すること自体、否定的な意見が多かったものの、その予測を裏切り多くの熱狂的な観客に迎え入れられたこの作品は、幽霊も生きている人間も同じ存在という、カワード独特の人間観が描かれている。この傑作コメディに挑むのは、演出家・熊林弘高。2010年、『おそるべき親たち』で毎日芸術賞千田是也賞を受賞(作品は、文化庁芸術祭演劇部門大賞を受賞。2014年再演)、人間の内面を深く掘り下げる演出は名だたる名優から厚い信頼を受け、数々の話題作を演出してきた。寡作で知られる鬼才が初めてコメディに挑戦し、独自の解釈で新たな作品を生み出す。主演の作家チャールズ役は、数々の映像作品や舞台で主演を務め、シリアスな役から軽妙な役まで硬軟自在に演じ分ける田中圭。熊林演出の舞台に参加するのは、『Tribes トライブス』(2014年)、『夜への長い旅路』(2015年)、『かもめ』(2016年)に次ぎ、4作目となる。共演は、チャールズの元妻であり幽霊となって姿を現すエルビラ役の若村麻由美、チャールズの2番目の妻ルースに熊林演出作品に3度目の参加となる門脇麦、霊媒師アーカティ夫人役に高畑淳子、かかりつけの医師ブラッドマン博士役に佐藤B作、ブラッドマン夫人役に(実際の妻である)あめくみちこ、メイドのエディス役に天野はなが出演。多彩なキャストが揃った。■主演・田中圭 コメント約9年ぶりに熊林さんの演出でご一緒させていただきます!最初に脚本を読んだ時に熊林さんらしくない戯曲だなとワクワクしました。会話劇は軽妙で、どのような表現になるのだろう、というト書きもたくさんあり、ご一緒するキャストの皆様も楽しみです。このキャストに熊林さんがどう味付けしていくのか、染めていくのか楽しみでなりません。きっと僕が今想像しているもの以上のものになるのだろうな。とワクワクしています。熊林さんとは久々なので、成長している姿を見せられたらいいなと。楽しんで臨ませていただきます。舞台『陽気な幽霊』是非楽しみにしていてください!【ストーリー】舞台は1941年、イギリス・ケント州にある小説家チャールズ・コンドマイン(田中圭)の自宅の居間。チャールズは再婚した妻ルース(門脇麦)と暮らしている。新しく雇ったメイドのエディス(天野はな)が不慣れで準備がままならないが、チャールズは小説の取材をしようと霊媒師アーカティ夫人(高畑淳子)を呼んで、かかりつけの医師ブラッドマン(佐藤B作)とその夫人(あめくみちこ)を招待し、降霊会を催した。霊は現れず、アーカティ夫人はイカサマだという結果に終わったが、客が帰った後、7年前に亡くなったチャールズの先妻エルビラ(若村麻由美)が幽霊となり姿を現す。しかしエルビラの姿はチャールズにしか見えず、ルースはチャールズが酔っていると思いこみ、一方でチャールズは先妻がいると言い張る。エルビラはチャールズとルースの間に色々とちょっかいを出し、それは徐々にエスカレートして夫婦の間に諍いが生じ、やがてとんでもない結果を招いてしまう──。<公演情報>『陽気な幽霊』【スタッフ】作:ノエル・カワード翻訳:早船歌江子演出:熊林弘高【キャスト】チャールズ・コンドマイン(作家):田中圭エルビラ(チャールズの最初の妻、7年前に死亡、幽霊):若村麻由美ルース(チャールズの2番目の妻):門脇麦エディス(コンドマイン家のメイド):天野はなブラッドマン夫人:あめくみちこブラッドマン博士(かかりつけの医師):佐藤B作アーカティ夫人(霊媒師):高畑淳子【スケジュール】2025年5月 東京・シアタークリエ2025年6月 大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ2025年6月 福岡・福岡市民ホール 中ホール公式ホームページ:
2024年10月30日『若村麻由美の劇世界「あこがれいづる」源氏物語より』が、2024年11月22日(金) から24日(日) に東京・銕仙会能楽研修所で上演される。2011年にスタートした『若村麻由美の劇世界』は、役者・若村麻由美が未知なる演劇領域に挑戦する実験的プロジェクトで、今回は平安時代中期に紫式部が書いた世界最古の長編小説『源氏物語』より「六条御息所」にスポットを当てた2作品を、演出家・笠井賢一が語り芝居として書き下ろし上演。若村のほかにゲストとして岡本圭人が出演する。若村は、底知れぬ情念の深淵を描いた『憧れいづる魂 - 六条御息所』で六条御息所と娘の秋好中宮を、岡本は『光添へたる夕顔の花 - 光源氏』で『源氏物語』の主人公光源氏を演じる。岡本は今回、初の一人芝居かつ初の古典劇に挑む。■若村麻由美 コメント今回の冒険企画『若村麻由美の劇世界』は、時空を超える幽玄の劇空間“能舞台”で、凡そ千年の昔に書かれた日本が世界に誇る『源氏物語』より「六条御息所」にスポットを当てた二作品を発表します。現代演劇の役者が古典作品に取組むことは雲の上の峰を目指す意気込みなのですが、前回の『原文・曽根崎心中』を観劇された岡本圭人さんから「僕もやりたいです!」と言われた時は驚きと共に古典に挑戦するきっかけになれたことが素直に嬉しかったです。というわけで、瑞々しい感性の圭人さんへの書き下ろし『光添へたる夕顔の花 - 光源氏』が誕生します!17歳の光源氏と24歳の六条御息所の恋の哀しみの始まり。私は六条御息所の生霊として登場します。また、『憧れいづる魂 - 六条御息所』では、この世を去った後も光源氏への執着に苦しむ六条御息所の亡霊と、亡き母を慕う娘の秋好中宮の二役を語り芝居として演じます。この“もの珍しき冒険”を能舞台で目撃していただけましたら幸いです。■岡本圭人 コメント源氏物語より『光添へたる夕顔の花 - 光源氏』で光源氏を演じます、岡本圭人です。以前、若村麻由美さんの『曽根崎心中』を観劇したときに、見終わったあとで劇場の座席から離れるのが名残惜しいほどに、若村さんの劇世界、そして日本の古典劇の魅力にすっかり虜になっていました。その時の経験がずっと忘れられず、いつか必ず自分も日本の古典劇に挑戦してみたい!と心から願っていました。この度、若村さんがライフワークとされている『若村麻由美の劇世界』に参加できることがとても嬉しく、光栄に思っています。日本最高峰の古典といわれ、千年前に紫式部によって書かれた『源氏物語』を演出家の笠井賢一さんが今回の公演の為に語り芝居として書き下ろしてくださっています。初の一人芝居。初の日本の古典劇。初の能舞台。しっかりと稽古を重ね、今の自分にしか出来ない光源氏をお客様にお届けします。「よりてこそ それかとも見め黄昏に ほのぼの見つる 花の夕顔」お会いできる日を楽しみにしております。<公演情報>『若村麻由美の劇世界「あこがれいづる」源氏物語より』出演:若村麻由美/岡本圭人音楽:設楽俊山(吹き物)/橘政愛(打ち物)作・演出:笠井賢一【演目】『対談 - 源氏物語の劇世界について』出演:若村麻由美笠井賢一『光添へたる夕顔の花 - 光源氏』出演:岡本圭人/若村麻由美『憧れいづる魂 - 六条御息所』出演:若村麻由美日程:2024年11月22日(金)~24日(日)会場:東京・銕仙会能楽研修所詳細はこちら:
2024年09月24日珠玉の4つの奇妙な短編ドラマを放送する「世にも奇妙な物語’24 夏の特別編」に、若村麻由美とジェシー(SixTONES)が出演することが分かった。2人が出演するのは、「追憶の洋館」という物語。人気のない山奥の小さな滝を見に行っていた雨霧梢は、足を滑らせ転倒し、意識を失ってしまう。しばらくして目を覚ますと、古い洋館のベッドの上にいた。梢が部屋を出ようとすると突然、星野明と名乗る青年が現れ、“手当をしたのは僕たちだ”と告げ、梢を連れてダイニングルームへ。そこには、季節感がバラバラな服装をした老人、マダム、女子高生の姿が――。今回、3作目の出演、約10年ぶりに奇妙な世界へ飛び込む主演の若村さんが演じるのは、足を滑らせ転んだことで記憶を失ってしまう雨霧梢。撮影を終え、「ジェシーさんはじめとする皆さんのミステリアス感がすごかった!あの人たちはどういうキャラクターなんだろうと推測しながら見て頂ければより楽しめるかと思う」とコメント。また「不安と恐怖のサスペンスホラーだなと感じました。記憶喪失になってしまった人の思い出せない不安や、周りから少しずつヒントを与えられていく時の恐怖を感じる作品でした。どんな人でも記憶を失った後の自分を思い出す時の不安と恐怖を体感して頂ける作品だなと思いました。そして、ラストシーンが“奇妙”らしいなって思いましたね(笑)」と台本の感想も語った。「新空港占拠」『お嬢と番犬くん』など近年、ドラマや映画出演が続くジェシーさんは、2018年放送の「世にも奇妙な物語’18 秋の特別編」で「SixTONES」メンバーと出演以来、6年ぶりの登場。今作では、意識を失っていた梢を手当するため、古い洋館に連れて行く星野明を演じる。ジェシーさんは「常にクールで、ちょっとずつミステリアスになっていく役。前回は分かりやすいヤンキー物というかコメディー要素が入った作品だったんですけど、今回はわちゃわちゃした作品ではないので、とにかくあまりふざけずに真剣にやりました。真剣な作品こそふざけたくなるんですけど…心の中だけでふざけて楽しんでました(笑)。自分らしくない役に入るのは面白かったです」と役柄について明かす。その上で「ファンの方からしたら、ツッコみどころのある役柄だと思うので、そこも楽しんでもらえたらいいなと思います!」「星野がジェシーだとバレないように演じているので(笑)、そんな僕にも注目してもらえたらうれしいです」と視聴者へメッセージを寄せている。ほかにも、梢がダイニングルームで出会う老人役で山田明郷、マダム役で山野海、女子高生役で池田朱那が出演する。土曜プレミアム「世にも奇妙な物語’24 夏の特別編」は6月8日(土)21時~フジテレビにて放送。(シネマカフェ編集部)
2024年05月30日舞台『Le Fils 息子』の公開ゲネプロと初日前会見が東京・東京芸術劇場で行われ、岡本圭人、若村麻由美、岡本健一、ラディスラス・ショラー氏(演出)が登場した。同公演は、フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレールが手掛けた『La Mere 母』『Le Pere 父』『Le Fils 息子』の“家族三部作”から『Le Fils 息子』『La Mere 母』の2作を同時上演。キャストの3名は、全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で演じることとなる。ほか伊勢佳世、浜田信也、木山廉彬が出演する。○■岡本圭人、『Le Fils 息子』公開ゲネプロ&初日前会見に登場初日を前にした心境について圭人は「3年ぶりにこの『息子』という作品が再演されます。本当に届けるべき作品といいますか、この『Le Fils 息子』の物語というものをたくさんの方々に知っていただきたいと思いますし、またこうして再演という形でお客様に届けられるのがすごく楽しみです」と話す。今回は『La Mere 母』と同時上演となることについても「がんばるしかないですね……(笑) がんばります!」と意気込んだ。健一も「みんなで何カ月もかけてずっと稽古をしていたものが、明日お客さんの前で届けられる。劇場に来てくれさえすれば、この物語の素晴らしさ、大切さを感じてくれると思うので劇場で体感してほしいなと思います」とメッセージを送った。2021年の初演当時との違いについて聞かれると、圭人は2作品の同時上演ということを挙げ、「『息子』の稽古をしながら『母』の稽古をするというのが1番の違い。名前は同じニコラなんだけれども、違うニコラを演じる。『息子』で演じているニコラと『母』のニコラが相乗効果で成長していると思います」と自信をのぞかせる。さらに「3年前は自分の初舞台ということでもあった。そこからいろんな舞台でいろいろと経験させていただいて、またこのニコラという役を演じさせていただくということは、原点に戻った感じがあった」と振り返っていた。『La Mere 母』は東京芸術劇場シアターイーストにて4月5日~29日、『Le Fils 息子』は東京芸術劇場シアターウエストにて4月9日~30日まで上演。
2024年04月09日俳優の岡本健一が、東京・東京芸術劇場で行われた舞台『Le Fils 息子』の公開ゲネプロと初日前会見に岡本圭人、若村麻由美、ラディスラス・ショラー氏(演出)とともに登場した。同公演は、フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレールが手掛けた『La Mere 母』『Le Pere 父』『Le Fils 息子』の“家族三部作”から『Le Fils 息子』『La Mere 母』の2作を同時上演。キャストの3名は、全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で演じることとなる。○■岡本健一、息子・圭人の成長にしみじみ「子どもの成長は早いなぁ」2021年に圭人が舞台初主演を務め、日本初演を迎えた同作。健一は「3年前は圭人が初舞台だったから。(今回は)参加した感じ、全然別の次元というか……かなり成長していた。子どもの成長は早いなぁという風にすごく感じました(笑)」と息子の成長を実感したことを明かす。これには圭人も笑顔も見せ、「ふふふふ(笑)」と喜びの表情を見せていた。2作同時上演となる今回。同じ役名を演じる3人(母×息子×父)に、2作品の家族の違いについて質問が飛ぶと、健一は「観にくりゃわかる(笑)」とコメントし、笑いを誘う。続けて「口で説明したりとかしても伝わらない。劇場に来て体感しないと説明できないのが舞台のおもしろさだと思うんですよね。ゼレールの脚本のすごさと、ラッドの演出が本当に世界最高レベルで、日本で観ることができるのがすごく贅沢」とアピールした。さらに、「もう圭人と(一緒に舞台を)やることもないと思う(笑) 最後ですね!(笑) なので見逃してほしくない」と最後の親子共演になる可能性をほのめかしていた。これに圭人は大笑いしつつ、「最後らしいです(笑)。自分はやりたいんですけど……」と共演に意欲を見せるも、健一は「もういいでしょ(笑)」と照れたように返していた。『La Mere 母』は東京芸術劇場シアターイーストにて4月5日~29日、『Le Fils 息子』は東京芸術劇場シアターウエストにて4月9日~30日まで上演。
2024年04月09日俳優の岡本圭人が、東京・東京芸術劇場で行われた舞台『Le Fils 息子』の公開ゲネプロと初日前会見に若村麻由美、岡本健一、ラディスラス・ショラー氏(演出)とともに登場した。同公演は、フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレールが手掛けた『La Mere 母』『Le Pere 父』『Le Fils 息子』の“家族三部作”から『Le Fils 息子』『La Mere 母』の2作を同時上演。キャストの3名は、全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で演じることとなる。○■岡本圭人、父・健一に無茶振り「最後に父親が……」4月1日に31歳の誕生日を迎えた圭人。父・健一からプレゼントをもらったそうで、その中身について聞かれると、圭人は「(言って)いいんですか……?(笑) 『息子』のチラシがあるんですけど、そのチラシに包んであるお金でした(笑)」と回答し、笑いを誘う。健一も「言わなくていいだろ(笑) まぁ現金ですよね……これで好きなものを買ってくださいと……(笑)」と説明していた。お金の使い道について圭人は「カンパニーの皆さん全員に渡すカバンを買いました」と明かし、そのカバンは健一の手にも渡ったそうで、圭人は「(父から)こう来たものが、こうまわっている(笑)」とジェスチャーを交えて話した。また、演出のラディスラス氏からもプレゼントをもらったといい、「招き猫のマトリョーシカをもらいました。開けるとまたもう1つ招き猫が出てきて、最後は金色のマトリョーシカが出てくる。いま飾っています」と笑顔を見せた。会見の最後に、キャストを代表して圭人が締めの挨拶をすることに。圭人は「この作品は生きるか死ぬかがテーマになっている。そういった問題は生きていれば、誰でも考えたりとかすると思うんです。なのでこの作品を上演することで皆さんに生きることの大切さというものを知っていただいて、また考え直してもらいたいなという風に今思います」とまとめるも、「最後に父親が締めてくれるそうです……自分じゃ無理だ(笑)」と父・健一に無茶振りをし、笑いを誘っていた。『La Mere 母』は東京芸術劇場シアターイーストにて4月5日~29日、『Le Fils 息子』は東京芸術劇場シアターウエストにて4月9日~30日まで上演。
2024年04月09日作家・劇作家フロリアン・ゼレールの家族三部作のひとつ『La Mère 母』が、本日4月5日(金) に東京・東京芸術劇場 シアターイーストで初日を迎える。『La Mère 母』は、三部作の中で最初に書かれた作品。日本初演となる今回は、母・アンヌ役で若村麻由美、息子ニコラ役で岡本圭人、父ピエール役で岡本健一が出演する。若村は過去に上演された『Le Père 父』『Le Fils 息子』に続き、3作品にアンヌ役で出演することになる。演出は、緻密に人間の本質を描き出す演出力に定評のあるラディスラス・ショラーが務める。若村麻由美は本作について「母としてのアイデンティティをすべて奪われ、喪失していく、そのパニックの中にいるアンヌの激動の精神状態を一緒に体感していただくことができれば、ものすごくスリリングで面白くなると思います」とコメント。また「劇場にお越しくださる皆様にも濃密なドラマのラストシーンに光を感じていただける事を願って、家族のために惜しみない愛を注いでいる世界中の母たちへ感謝を込めて『La Mère 母』捧げます」と思いを語った。(撮影:藤井光永)岡本圭人は「一見、不可思議な舞台ではありますが、若村麻由美さん演じるアンヌの繊細かつ大胆な感情の渦に惹き込まれるほど、物語を理解し得るようになります。是非、劇場で身を任せ、アンヌの感情の波に包み込まれてください」、岡本健一は「私たちの生活の中で“母”なるものが家族のために、どれだけ大きな愛を注いでいるか、どれだけ寂しく孤独を感じているかを知ることができる、とても重要な作品です。4人の登場人物の、時には滑稽で笑える行動、母のために懸命に思いやる姿に、共感と反発、喜びと哀しみ、そして希望を感じて下さい」とそれぞれ呼びかけた。(撮影:藤井光永)なお同じく家族三部作である『Le Fils 息子』は、2024年4月9日(火) に東京・東京芸術劇場 シアターウエストで初日を迎える。■若村麻由美 コメント『La Mère 母』は、母としてのアイデンティティをすべて奪われ、喪失していく、そのパニックの中にいるアンヌの激動の精神状態を一緒に体感していただくことができれば、ものすごくスリリングで面白くなると思います。劇場入りして、美術セットを見て、色使い、照明、音楽も含めてとても素敵で、なによりもシアターイーストという劇場の大きさがこのお話にはぴったりなので、この『La Mère 母』の世界に入り込める感じがしました。ラッド(ラディスラス・ショラー)の演出が素晴らしく、ゼレール(フロリアン・ゼレール)の“家族三部作”の最後を飾るにふさわしい作品に出演できることを幸せに思います。劇場にお越しくださる皆様にも濃密なドラマのラストシーンに光を感じていただける事を願って、家族のために惜しみない愛を注いでいる世界中の母たちへ感謝を込めて『La Mère 母』捧げます。■岡本圭人 コメント舞台『La Mère 母』本日開幕です。初めて台本を読んだ時、感情が追いつきませんでした。ストーリーが進むにつれて、登場人物の間に何が起きているのか、なぜそうなるのか、全く分かりませんでした。しかし稽古を重ねるにつれて、理解が追いつくようになりました。何がキーとなったかというと「愛」です。愛が深ければ深いほど、人は思いもよらない言葉を口にしたり、行動を取ってしまいます。誰かを愛すれば愛するほど、人は失うことを極端に恐れます。一見、不可思議な舞台ではありますが、若村麻由美さん演じるアンヌの繊細かつ大胆な感情の渦に惹き込まれるほど、物語を理解し得るようになります。是非、劇場で身を任せ、アンヌの感情の波に包み込まれてください。きっと、今まで観たことのない愛の物語を感じることが出来ると思います!■岡本健一 コメントいよいよ初日を迎えます。私たちの生活の中で「母」なるものが家族のために、どれだけ大きな愛を注いでいるか、どれだけ寂しく孤独を感じているかを知ることが出来る、とても重要な作品です。四人の登場人物の、時には滑稽で笑える行動、母のために懸命に思いやる姿に、共感と反発、喜びと哀しみ、そして希望を感じて下さい。この物語は「母」に関わる全ての方々に劇場で体感して頂きたいと思います。お待ちしております!■演出:ラディスラス・ショラー コメント初日を迎えるにあたり、今緊張せずにリラックスしている自分に少し恐れを感じています。今回日本で、そして日本の俳優さんたちと日本語でゼロからクリエーションするのは私にとって初めての経験なので本来なら緊張するはずなのですが、カンパニーの皆さんたちの事を絶対的に信頼しているからこそ緊張していないのだと思います。若村麻由美さんとは今回でご一緒するのは3回目になりますが、若村さんに母アンヌ役をオファーすることが出来て私もすごく嬉しく幸せに思います。アンヌはこの戯曲の中心となるタイトル・ロールですし、多彩な演技力を持つ彼女に相応しい役だと思います。そして健一さん、圭人さん親子、そして伊勢佳世さんとも再びお仕事できたのでとても嬉しいです。圭人さんは前回ご一緒した際には初舞台の新人俳優でしたが、いまは立派な役者に育ち、彼の成長ぶりには随分驚かされました。このカンパニーの皆さんと家族のような良い関係を築いて一緒にお芝居を創れたことはお客様にも感じていただけるはずです。(作の)フロリアン・ゼレール氏も来日して観劇してくれることになり、有難いことにチケットも完売間近と聞いています。どうぞお早めに劇場に観にいらしてください!<公演情報>『La Mère 母』『Le Fils 息子』作:フロリアン・ゼレール翻訳:齋藤敦子演出:ラディスラス・ショラー出演:■『La Mère 母』若村麻由美岡本圭人伊勢佳世岡本健一■『Le Fils 息子』岡本圭人若村麻由美伊勢佳世浜田信也木山廉彬岡本健一【La Mère 母 東京公演】2024年4月5日(金)~4月29日(月・祝)会場:東京芸術劇場 シアターイーストチケット情報:()【Le Fils 息子 東京公演】2024年4月9日(火)~4月30日(火)会場:東京芸術劇場 シアターウエストチケット情報:()東京公演後、鳥取、兵庫、富山、山口、高知、熊本、松本、豊橋公演あり公式サイト:
2024年04月05日作家・劇作家フロリアン・ゼレールの家族三部作より、『La Mère 母』『Le Fils 息子』の2作品同時上演が決定し、東京会場となる池袋・東京芸術劇場にて製作発表会見が行われた。会見には、日本版キャストの若村麻由美、岡本圭人、岡本健一、演出のラディスラス・ショラーが出席し、2024年4月の開幕を前に、意気込みを語った。『Le Fils 息子』『La Mère 母』メインビジュアル『La Mère 母』は、ゼレールが『Le Père 父』『Le Fils 息子』の執筆に先立って、彼が31歳の時に3部作の最初に書いた作品。2010年に本国パリで初演され、その後、さまざまな国での上演を経て、最近ではフランスの女優イザベル・ユペール主演でブロードウェイでも上演されて話題となった。一方、『Le Fils 息子』は、フランス演劇界で最高の栄誉とされるモリエール賞を受賞するなど高い評価を受け、ロンドンのウエストエンドなど世界13カ国以上で上演。2022年にはハリウッドでゼレール自身の監督によりヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーンの出演で映画化、2023年に日本でも公開された。緻密に人間の本質を描き出す演出力に定評のあるショラーだが、『La Mère 母』に関しては本国に先立ち、日本版で初めての演出を手掛けることになり「緊張しているが、ここにいる皆さんをとても信頼しているので、再びご一緒することに心配はない」と再タッグを組む日本版キャストに全幅の信頼を寄せる。若村、岡本圭人、岡本健一については「まるでミルフィーユのように、麻由美さんは役柄をコツコツと構築し、進歩させる」「圭人さんの成長は、想像以上で驚かされた。演出家として、俳優の進歩を見られるのは幸せなこと」「健一さんは動物的な勘が鋭く、私はライオンの調教師になった気分」とそれぞれ評した。『Le Père 父』『Le Fils 息子』に続き、アンヌ役を勤める若村は、「役者冥利に尽きる」と感慨しきり。愛着を込めてショラーのことを“ラッド”と呼び、「愛に溢れた人。演出はとても明確で具体的なので、チャレンジしがいがある」とこちらも信頼感はたっぷりだ。また、『Le Fils 息子』の再演については「再演できるということは、演劇者にとっては特別なこと。(初演を)なぞるのではなく、もっと高みに、もっと深く臨みたい」と意欲を燃やした。若村麻由美また、ゼレールの戯曲に話題が及ぶと、「私たちそれぞれ役名はあるんですが、台本には『父、母、息子』といった書き方しかなくて。すべての父、すべての母、すべての息子へのメッセージを訴えたいんだと思う」(若村)、「シンプルな文体なので、観客の皆さんが、自分自身を見出すことできると思います。あえてディテールは語られていない、誰もが共感を覚える登場人物なのです」(ショラー)とその魅力を語った。自分にとって、『Le Fils 息子』は、特別な舞台アメリカの名門演劇学校での武者修行を経た岡本圭人は、2021年に『Le Fils 息子』の息子ニコラ役で、初舞台を踏み、実父である岡本健一との共演も話題を集めた。「自分にとって、『Le Fils 息子』は、特別な舞台。舞台俳優としての1本目であり、憧れだった父との親子共演。印象に残っているのは、初日の本番15分くらい前、一番緊張しているときに、父が楽屋に来てくれて『これからお前の新しい人生が広がっている。自分を信じてやってほしい』って。すごくいい言葉ですけど、今じゃないでしょ(笑)。不安的なニコラを演じるのに、(本番前に)満たされそうになり、涙が出そうだった」(岡本圭人)初演に続いて親子で共演する岡本健一と岡本圭人今回、岡本圭人は、戯曲の翻訳にも参加しており「直訳すると、どうしても翻訳調になってしまう。家族劇なので、会話のように翻訳したほうが、フロリアンの気持ちもしっかり届けられるかなと。語尾や主語の有り無しなど、日本語と海外の文化は違うので、翻訳家の皆さんや、若村さんと一緒に(翻訳を)進めていった」とこだわりを見せた。岡本圭人一方、父ピエール役を再演する岡本健一は、『La Mère 母』について「男は仕事が忙しく家を空けてしまうし、成長した子どもたちにもそれぞれの人生があって、巣立っていく。夫や子どもに全愛情を注いで生きてきた母親は、なぜこんなさみしい気持ちになるんだろうと考えてしまう」と物語の根底にあるテーマを分析。圭人との親子共演に対しては「楽しいだけの舞台じゃないし、作品をいかにお客さんに届けるかだけを考えているので、一緒にやれて幸せそうですねって言うかもしれませんが、そんなんじゃ全然ない」と表情を引き締めた。岡本健一最近では、『ハムレット』『ラヴ・レターズ』と立て続けで、若村と岡本圭人の共演が実現しており、若村は「本当に刺激的な存在」と声を弾ませる。「会うたびに成長しているので、『まるでにひまわりのようだね』って。大きな花を咲かせているので、ラッドも驚くと思いますし、著しい成長は観客の皆さんも感じるはず」と岡本圭人への感嘆の声をあげていた。取材・文・撮影(会見写真):内田涼<公演情報>『La Mere 母』『Le Fils 息子』作:フロリアン・ゼレール翻訳:齋藤敦子演出:ラディスラス・ショラー【出演】■『La Mère 母』若村麻由美岡本圭人伊勢佳世岡本健一■『Le Fils 息子』岡本圭人若村麻由美伊勢佳世浜田信也木山廉彬岡本健一【La Mère 母 東京公演】4月5日(金)~4月29日(月・祝)会場:東京芸術劇場 シアターイースト■チケット料金(全席指定・税込)一般:9,800円25歳以下:8,000円65歳以上:9,000円高校生以下:1,000円発売日:2月26日(月)10:00~【Le Fils 息子 東京公演】4月9日(火)~4月30日(火)会場:東京芸術劇場 シアターウエスト■チケット料金(全席指定・税込)一般:9,800円25歳以下:8,000円65歳以上:9,000円高校生以下:1,000円発売日:2月26日(月)10:00~チケットはこちら:『Le Fils息子』()『La Mere母』()【鳥取公演】『La Mère 母』5月5日(日・祝) 14:00『Le Fils 息子』5月6日(月・休) 14:00会場:鳥取県立倉吉未来中心 大ホール■チケット料金(全席指定)一般:7,800円2公演セット:6,800円(1枚あたり)U18:3,500円発売日:3月16日(土) 10:00~【兵庫公演】『La Mère 母』5月10日(金) 18:00 / 5月11日(土) 12:00『Le Fils 息子』5月11日(土) 17:00 / 5月12日(日) 13:00会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール■チケット料金8,500円(全席指定)発売日:2月24日(土)【富山公演】『Le Fils 息子』5月18日(土) 14:00『La Mère 母』5月19日(日) 14:00会場:富山・オーバード・ホール 中ホール■チケット料金(全席指定)S席:8,500円A席:7,000円U25:3,000円発売日:3月10日(日)10:00~【山口公演】『Le Fils 息子』5月25日(土) 18:00『La Mère 母』5月26日(日) 14:00会場:山口市民会館大ホール■チケット料金(全席指定)一般:6,000円障がい者割引:5,500円25歳以下:3,000円高校生以下:1,000円■2公演セット券一般:11,000円障がい者割引:10,000円発売日:3月23日(土) 10:00~【高知公演】『Le Fils 息子』5月31日(金) 19:00『La Mère 母』6月1日(土) 14:00会場:高知市文化プラザかるぽーと大ホール■チケット料金(全席指定)一般(前売):8,500円U23シート(前売):4,500円■当日(全席指定)一般:9,000円U23シート:5,000円発売日:3月23日(土)【熊本公演】『La Mère 母』6月8日(土) 14:00会場:熊本県立劇場 演劇ホール■チケット料金(全席指定)S席:7,000円A席:5,000円■U25割・障がい者等割(全席指定)S席:4,000円A席:2,500円※障がい者等割引は熊本県立劇場のみ取り扱い発売日:3月8日(金)【松本公演】『La Mère 母』6月15日(土) 14:00会場:長野・まつもと市民芸術館 主ホール■チケット料金(全席指定)一般:7,000円U25:4,500円発売日:4月6日(土)【豊橋公演】『La Mère 母』6月29日(土) 13:00 / 6月30日(日) 13:00『Le Fils 息子』6月29日(土) 18:00会場:愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール■チケット料金(全席指定)S席:10,000円A席:7,000円U25(A席):3,500円高校生以下(A席):1,000円S席セット券:18,000円(枚数限定・プラットチケットセンターのみ取扱い)発売日:4月6日(土) 10:00~公式サイト:
2024年02月20日『La Mere 母』『Le Fils 息子』製作発表会が東京・東京芸術劇場で行われ、若村麻由美、岡本圭人、岡本健一、ラディスラス・ショラー(演出)が登場した。同公演では、フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレールが手掛けた『La Mere 母』『Le Pere 父』『Le Fils 息子』の"家族三部作"から『Le Fils 息子』『La Mere 母』の2作を同時上演。キャストの3名は、全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で演じることとなる。○■『La Mere 母』『Le Fils 息子』製作発表会にキャストが登場三部作の中では2018年に3人が出演する『Le Fils 息子』、そして2019年に若村が主演した『Le Pere 父』が上演され、『La Mere 母』は初上演となる。圭人は「前回の『Le Fils 息子』初演が自分にとって本当に特別な舞台でもあって、初めての舞台、俳優となっての第1本目の舞台、そして憧れだった父親と初めての親子共演で、印象に残っていることがいっぱいある」と振り返った。さらに「1番思い出に残ってるのが、初日の15分前ぐらいの緊張の中、父親が自分の楽屋まで来てですごくいい言葉をかけてくれて。『これからお前の新しい人生、新しい道が広がっていく。だから自分を信じてこれからもやっていってほしい』と。今じゃないでしょう?」と苦笑。「これから不安定なニコラという役を演じる のに、その時、満たされそうになっちゃって。『やばいやばい、これどうしよう』と思って、涙が出そうになっちゃって、印象的に残ってますね。『いや、今じゃないでしょ』っていう。でも父親は悪くないです」とエピソードを披露した。演出のショラーは3人に信頼を置いている様子。それぞれの印象を「麻由美さんは役をコツコツと構築していくタイプの役者さんだと思います。ミルフィーユの生地のように、多層的に役を重ねていく。少しずつ役が前進していき、構築して行く。たくさんお稽古をなさって、素晴らしい役を作っていくタイプの方だと思います」「健一さんはすごく勘がいい人だと思います。動物的な勘があって、理解が早い。私は健一さんと仕事をしていると、ライオンの調教師になったような気分です」「圭人さんは、3年前に『息子』で彼の舞台デビューの仕事を一緒にするという名誉があり、最初は私からいろいろなことを教えたりした記憶があるんですけれども、最終的に私の期待を超えたところまで到達していて、本当に驚かされた記憶があります。またご一緒できることが嬉しいですし、演出家にとっては役者さんがどれだけ進歩したかを見るのが、いつも感動する経験なので、そういった感動ができることと期待しています」と表した。親子の会話について話題が及ぶと、圭人は「父親の舞台を観に行ったり、ライブを観に行ったりとかして、その時の感想とかを話したりするぐらいだと思うんだけれども、何か言ってくれたっけ?」と尋ねる。健一は「今ちょうど舞台の公演中で、それに来て終わった後に話をして、それ以来2、3週間ぶりぐらいに久しぶりに会ったら、プレゼントもらいました。タンブラー。なんかちょっと嬉しかったですね。『プレゼントをくれるんだ』と思って」と照れた笑顔に。圭人は「ちょっとなんだ」と笑っていた。一方で、圭人は「最近だと若村真由美さんとは本当に何度も共演をさせていただいてて……」「真由美さんの方が、父親より会ってます」ともコメント。若村は圭人について「本当に刺激的な存在です。おそらく圭人くんが言ってた通りに、岡本健一さんより私の方が親じゃないかと錯覚するくらい。と言っても子に育てられる親という感じがするんですけど、彼は会うたびに成長していて、きっとラッドは驚くと思います」と太鼓判を押す。若村は「初舞台の時の圭人くん、翌年に『ハムレット』で(自分が)ガートルード、レアティーズで会った時の圭人くん、『ラブレター』で幼なじみの役をやった時の圭人くん。私は彼に『ひまわりのようだね』と言ったんですけど、会うたびに大きくなって大きな花が開いていってる。恐ろしいです。今回の『Le Fils 息子』再演がどんなに前回と違うかというのを多分目の当たりにして、ラッドは『若村、何やってたんだよ』と思うに違いない。そんなふうに思うくらいに彼の成長は著しくて、観客の皆様も絶対に感じているはずです」と絶賛していた。『La Mere 母』は東京芸術劇場シアターイーストにて4月5日〜29日、『Le Fils 息子』は東京芸術劇場シアターウエストにて4月9日~30日。
2024年02月20日『La Mere 母』『Le Fils 息子』製作発表会が東京・東京芸術劇場で行われ、若村麻由美、岡本圭人、岡本健一、ラディスラス・ショラー(演出)が登場した。同公演は、フランス演劇界を牽引する稀代の劇作家フロリアン・ゼレールが手掛けた『La Mere 母』『Le Pere 父』『Le Fils 息子』の"家族三部作"から『Le Fils 息子』『La Mere 母』の2作を同時上演。キャストの3名は、全く異なる2作品を同じ役名(母×息子×父)で演じることとなる。○■『Le Fils 息子』『La Mere 母』に出演する岡本健一音楽活動もしていた中で、改めて舞台の魅力について聞かれると、健一は「いろんな活動はもう過去のことになっちゃってるんであれなんですけど、とにかく舞台というのは生なんですよね。今日もこれから舞台がありますし、その間は『この作品をいかにお客さんに届けるか』ということだけしか考えないで生きていくんです。この作品でも、人間の中で大切なことを描いていて、楽しいだけの舞台じゃない。観た人はわかるかもしれないけども、やっぱ辛いわけですよ、この役を演じるのは。人間みんなが持って抱えている悲しい部分とか不安な部分とか、1番見せない部分を出さざるを得なくなる家庭環境で、それをシンプルな素敵な言葉で届けてるんです」と熱弁する。さらに「自分としての思いはこれをいかに、お客さんに(届けるか)。舞台はお金かかるじゃないですか、高いし。だからお金と貴重な時間を使って来てくれた人に対して、『この作品で自分たちは何を伝えたいのか』ということだけしか考えてない感じでやってるんですけども。そういった意味では、いろんな人たちに観てほしい。特に若い人もそうですし、男性が本当に劇場に来なくて、もったいないなと思って」と現状についての課題も。「作品を届けるためだけに生きてる感じだから、『親子共演で息子と一緒にやれて幸せそうで楽しいですね』と思ってるかもわかんないけど、そんなんじゃ全然ないんですね」と場内を笑わせた健一。「とにかく作品を届けるということに入っていくと、遊んでられない感じ。懸命に伝えなきゃなという思いでみんなが作って、3〜4年前からスタッフも動いて、1回の公演にかけるわけですよ。その中の2~3時間に凝縮されて、僕らが生きてるんですけども、2~3時間経ったら消えてしまうというライブの楽しさもありますし、お客さんとして観にいく自分も、本当にそこで生きてる人たちに感動したりとか、『まず自分の家族を大事にしよう』と思ったり、『もっと社会に対して戦わなきゃいけないな』とか、生の舞台を見て作品から日常に感じる力が演劇にはあると思うんです。だから30数年以上経ち続けているんですけど、テレビとか記事とかじゃ伝わらないですよね。劇場に来て作品を観なきゃわからないですよ」と訴える。そして「日本全国考えても、舞台を観た人は本当に少ないんです。だって、この中で舞台観たことない人、手をあげてください!」と語りかけるが、手はあがらず、圭人は「(演劇)関係者だから!」とツッコミ。健一は「みんな観てるね。でもたぶん何人かいるんじゃないかな? じゃあ、自分でお金払って観に来てない人。いつも招待でチケットをもらって観ている人誰ですか?」と畳み掛けるも、手はあがらず「あげられないね」と苦笑。「でも少ないから、なんとか皆さんの気持ちでこの作品、舞台に来るってことを広めてほしいな」と懇願していた。
2024年02月20日作家・劇作家フロリアン・ゼレールの家族三部作より、『La Mère 母』『Le Fils 息子』の2作品が同時上演されることが決定した。『La Mère 母』は、ゼレールが『Le Père 父』『Le Fils 息子』の執筆に先立って、彼が31歳の時に3部作の最初に書いた作品。2010年に本国パリで初演され、その後、さまざまな国での上演を経て、最近ではフランスの女優イザベル・ユペール主演でブロードウェイでも上演されて話題となった。『Le Fils 息子』は、フランス演劇界で最高の栄誉とされるモリエール賞を受賞するなど高い評価を受け、ロンドンのウエストエンドなど世界13カ国以上で上演。2022年にはハリウッドでゼレール自身の監督によりヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーンの出演で映画化、2023年に日本でも公開された。演出は、緻密に人間の本質を描き出す演出力に定評のあるラディスラス・ショラー。フランスオリジナル版も手掛け、2019年に上演された『Le Père 父』、2021年の『Le Fils 息子』で演出を務めたショラーは、家庭内で起こるメンタルな病の諸相に新たな視点で迫り、話題に。シビアな現実を描きながらも、洗練されたスタイリッシュなステージを創造するショラーが日本人キャスト・スタッフとタッグを組んで、どのように表現するのか、期待が高まる。日本初演となる『La Mère 母』でタイトルロールの母・アンヌ役を演じるのは若村麻由美。『Le Père 父』『Le Fils 息子』『La Mère 母』3作品にアンヌ役で出演。『Le Père 父』ではアンヌ役で第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。昨年は、主演ドラマで1人3役を演じて大きな話題となった。息子ニコラ役は、トップアイドルとして活躍後、アメリカの名門演劇学校での武者修行を経て『Le Fils 息子』で初舞台を踏んだ岡本圭人。そして、父ピエール役には第26回読売演劇大賞最優秀男優賞、第45回菊田一夫演劇賞、第55回紀伊國屋演劇賞など数々の演劇賞を総なめにし、舞台俳優として高い実力をもつ岡本健一が再演する。そのほか、ピエールの再婚相手ソフィア役とニコラの恋人エロディ役に伊勢佳世、『Le Fils 息子』では医師役に浜田信也、看護師役に木山廉彬が出演する。<スタッフ・キャスト コメント>■演出:ラディスラス・ショラー私が東京芸術劇場で演出するのは今回で3度目になります。ですが、フランスで初演していない作品を日本語で日本人の俳優で演出するのは初めてです。実はフロリアン・ゼレールが『La Mère 母』を書いたとき、私はまだ彼のことをよく知りませんでした。彼が私を信頼し、フランスでの演出を任せてくれるようになったのは『Le Père 父』からです。『La Mère 母』は、私には珍しく両親と共にパリの劇場で鑑賞した作品です。両親と一緒に週末を過ごす前に、芝居を見に行ったのでした。観劇の後、いつまでも芝居の話をし続けたことが長い間心に残っていました。フロリアン・ゼレールの戯曲はシンプルな言葉で観客の心に語りかけます。この3部作(『La Mère 母』『Le Père 父』『Le Fils 息子』)は、悩み苦しむ家族の心を扱っています。3作それぞれで起こる出来事(『Le Père 父』の消えていく記憶、『Le Fils 息子』の両親の問題で高校に行かなくなる息子、『La Mère 母』の親元を離れる年頃になった子供の旅立ち)が、家族という小さな世界を危うくし、安全と思えた家族を泡のように破裂させようとします。フロリアン・ゼレールの主人公は幸運な人々です。社会的に成功した層に属すると言ってもいいでしょう。何の苦労もなく楽園に住んでいる人々ですが、ゼレールは彼らの人生が地獄に変わろうとする瞬間を捉えます。物語が進むにつれて、相手を理解する力も、状況を打開する力もないことが分かってくる主人公とは、何と悲劇的でしょうか。私は9月22日に父を亡くしました。アルツハイマー病でした。父の傍らで、私は『Le Père 父』のことをよく考えていました。記憶が消えていくと同時に人生のすべての思い出が消えてしまう、この恐ろしい瞬間を、フロリアン・ゼレールは何と見事に捉えていたのだろうと理解したのです。私はこの3部作の舞台を美術的に似せることにしました。3部作が互いにリンクしているという考えが気に入っているからです。『Le Père 父』と『Le Fils 息子』に出演してくださり、今回『La Mère 母』でも演出することになる若村麻由美さんに再会できること、また、『Le Fils 息子』で岡本圭人さん、岡本健一さんと一緒に舞台を創れることを心から楽しみにしています。そして、長く、実り豊かなお付き合いとなったプロデューサー、アーティスト、技術スタッフの皆さんと再会できることを嬉しく思います。私を感動させてやまないこの3部作を、東京で完成させることをとても幸せに思います。■岡本圭人『Le Fils 息子』初演時に、観に来ていた友人の言葉が、今でも耳に残っています。「この舞台を上演してくれてありがとう。本当に観られてよかった。救われたよ」この言葉を聞いたとき、途端に涙が流れました。今までの人生が報われたような気がしました。そして新たに、役者としての自覚が芽生え、舞台に来てくださる皆様に「何か」を感じていただけるために、「今後の人生を歩み続けよう」と切に思いました。『Le Fils 息子』の再演、そして新たに『La Mère 母』の同時上演が決まったと聞いたとき、心から喜びを感じました。ですが今は、役者としての使命感に駆られています。一人でも多くの方々を救えるように、信頼するキャスト・スタッフの皆様と共に、稽古を重ね、フロリアン・ゼレールの2作品を皆様に届けられる日を心待ちにしています。■若村麻由美尊敬し信頼するラディスラス・ショラー氏の演出で、世界が注目する劇作家フロリアン・ゼレール氏の家族三部作、全作品に出演させていただくこととなり光栄です。三作品に共通するのは、夫婦とは、親子とは、家族とは。そして人間の永遠のテーマである、生・老・病・死、そして愛と喪失。三部作は連作ではなく異なる家族の話のようですが、私は『Le Père父』(2019) では娘アンヌ、『Le Fils 息子』(2021、2024)、『La Mère 母』(2024) では妻であり母であるアンヌです。今回のような2作品同時上演では、同じアンヌという名前には、娘、妻、母、女、人間を象徴していて、それは観客のアナタであると感じさせてくれます。作品同士の出来事や同じ台詞がミステリーの面白さを倍増してくれます。今回日本初演の『La Mère 母』のように子離れをする難しさは万国共通なのかもしれません。日本にも「空の巣症候群」という言葉があるのを初めて知りました。自分の居場所とは。生きる甲斐とは。稽古を前に、再会するメンバーと新たな扉を開けるトキメキでいっぱいです。■岡本健一『Le Fils 息子』が再演されます。2021年に台本を初めて読んだ時に感じた、とてつもない苦しみと、どうすることも出来ない哀しみが、信頼する演出家、役者、スタッフと稽古を重ねることによって日に日に具現化されていき、劇場では物語に引き込まれ、演じているのか何なのかわからなくなり、ただ存在した事実だけが残っていたことを思い出します。あのような辛い思いは、もう「体験したくない」というのが正直な気持ちでした。けれども、この親子の物語をより多くの方々に観劇して貰うことが、どれだけ大切なのかも実感しています。同時に上演する新作『La Mère 母』が描く世界には、愛の始まりから長い年月を経て、いつの間にか愛情があふれ出して、あらゆる方向に流れ、その思いをどのように受け入れて、消えゆく時間をどのように過ごしたら良いのか、限りない愛の行方を彷徨い、どこまでも巡らせてしまう作品です。これからの稽古で、予想もつかない感情が生まれることを楽しみにしています。この特別な二作品は、観た方の感情を揺さぶる、とてつもなく凄い作品になることを確信していますので、是非、劇場で観て感じて欲しいと心から願っています。劇場でお待ちしています。<公演情報>『La Mère 母』『Le Fils 息子』『La Mere 母』ビジュアル『Le Fils 息子』ビジュアル作:フロリアン・ゼレール翻訳:齋藤敦子演出:ラディスラス・ショラー【出演】■『La Mère 母』若村麻由美岡本圭人伊勢佳世岡本健一■『Le Fils 息子』岡本圭人若村麻由美伊勢佳世浜田信也木山廉彬岡本健一【La Mère 母 東京公演】4月5日(金)~4月29日(月・祝)会場:東京芸術劇場 シアターイースト■チケット料金(全席指定・税込)一般:9,800円25歳以下:8,000円65歳以上:9,000円高校生以下:1,000円発売日:2月26日(月) 10:00~【Le Fils 息子 東京公演】4月9日(火)~4月30日(火)会場:東京芸術劇場 シアターウエスト■チケット料金(全席指定・税込)一般:9,800円25歳以下:8,000円65歳以上:9,000円高校生以下:1,000円発売日:2月26日(月) 10:00~チケットはこちら:【鳥取公演】『La Mère 母』5月5日(日・祝) 14:00『Le Fils 息子』5月6日(月・休) 14:00会場:鳥取県立倉吉未来中心 大ホール■チケット料金(全席指定)一般:7,800円2公演セット:6,800円(1枚あたり)はやトク割(~3月31日):7,100円U18:3,500円発売日:3月16日(土) 10:00~【兵庫公演】『La Mère 母』5月10日(金) 18:00 / 5月11日(土) 12:00『Le Fils 息子』5月11日(土) 17:00 / 5月12日(日) 13:00会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール■チケット料金8,500円(全席指定)発売日:2月24日(土)【富山公演】『Le Fils 息子』5月18日(土) 14:00『La Mère 母』5月19日(日) 14:00会場:富山・オーバード・ホール 中ホール■チケット料金(全席指定)S席:8,500円A席:7,000円U25:3,000円発売日:3月10日(日) 10:00~【山口公演】『Le Fils 息子』5月25日(土) 18:00『La Mère 母』5月26日(日) 14:00会場:山口市民会館大ホール■チケット料金(全席指定)一般:6,000円財団友の会any会員・障がい者割引:5,500円25歳以下:3,000円高校生以下:1,000円■2公演セット券一般:11,000円財団友の会any会員・障がい者割引:10,000円発売日:3月23日(土) 10:00~【高知公演】『Le Fils 息子』5月31日(金) 19:00『La Mère 母』6月1日(土) 14:00会場:高知市文化プラザかるぽーと大ホール■チケット料金(全席指定)一般(前売):8,500円U23シート(前売):4,500円■当日(全席指定)一般:9,000円U23シート:5,000円発売日:3月23日(土)【熊本公演】『La Mère 母』6月8日(土) 14:00会場:熊本県立劇場 演劇ホール■チケット料金(全席指定)S席:7,000円A席:5,000円■U25割・障がい者等割(全席指定)S席:4,000円A席:2,500円※障がい者等割引は熊本県立劇場のみ取り扱い発売日:3月8日(金)【松本公演】『La Mère 母』6月15日(土) 14:00会場:長野・まつもと市民芸術館 主ホール■チケット料金(全席指定)一般:7,000円U25:4,500円発売日:4月6日(土)【豊橋公演】『La Mère 母』6月29日(土) 13:00 / 6月30日(日) 13:00『Le Fils 息子』6月29日(土) 18:00会場:愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール■チケット料金(全席指定)S席:10,000円A席:7,000円U25(A席):3,500円高校生以下(A席):1,000円S席セット券:18,000円(枚数限定・プラットチケットセンターのみ取扱い)発売日:4月6日(土) 10:00~公式サイト:
2024年01月27日2024年1月PARCO劇場にて、朗読劇『ラヴ・レターズ~2024 New Year Special~』が上演されることが決定した。『ラヴ・レターズ』は、近年日本で上演されることが多い朗読劇の先駆けとなった作品。1989年にニューヨークで初演され、世界中で静かなブームを起こしていたこの作品を、PARCO劇場が1990年8月に日本で初演。以来33年間継続して上演されてきた。初演以来、翻訳・演出家として本作品の立役者であり続けた青井陽治が2017年に逝去し、2018年からは藤田俊太郎が演出を引き継いでいる。今回の公演は新年の幕開けにふさわしく、華やかで多彩なキャストが顔を揃える。1月19日(金) には、『新世紀エヴァンゲリオン』渚カヲル役、『銀魂』桂小太郎役など、デビューから30年以上にわたりトップ声優として活躍し続けている石田彰と、『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役、『幽☆遊☆白書』蔵馬役など、人気キャラクターの声優を数多く務めてきた緒方恵美の再演カップルが登場。2014年に上演した際は大きな話題を呼び、歴代の中でも再演を望む声が非常に多い伝説のカップルが満を持して10年ぶりに登場する。左より)石田彰、緒方恵美1月24日(水) は、ミュージカル『刀剣乱舞』に堀川国広役で出演、人気舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入に主演(竈門炭治郎役)として出演するなど、2.5次元ジャンルを中心に活躍する阪本奨悟と、元HKT48で俳優としてドラマ『18歳、新妻、不倫します。』や『恋愛のすゝめ』のヒロインを務めてきた矢吹奈子のフレッシュなカップルが登場。左より)阪本奨悟、矢吹奈子1月29日(月) に出演するのは、NYの演劇学校に留学後、舞台を中心に活動し、23年にはドラマ『リズム』『大奥 Season2』などにも出演した岡本圭人と、映像、舞台問わず第一線で活躍し続け、『チルドレン』(18)『首切り王子と愚かな女』(21) などパルコ・プロデュース公演への出演も多い若村麻由美。岡本の初単独主演舞台『Le Fils 息子』(21) や『ハムレット』(23) など、舞台での共演を重ねてきた縁の深い二人の楽しみな組み合わせとなっている。<演出家・出演者 コメント>■藤田俊太郎(演出家)『LOVE LETTERS 2024 New Year Special』今年もまた新しいシーズンを担えることを心から幸せに思っています。石田彰さんと緒方恵美さん。阪本奨悟さんと矢吹奈子さん。岡本圭人さんと若村麻由美さん。愛に包まれた素晴らしいカップルとの仕事がとても楽しみです。ラヴ・レターズという名のリーディングドラマ、朗読劇。カップルの皆様と稽古を通して言葉の魂を共鳴し合い、このシンプルで素敵な物語をお客様にお届けしたいと思います。20世紀のアメリカを生きたアンディーとメリッサ。手紙で伝え合う二人が持つ愛の力は、時代を超えて、人を思う気持ちや、想像力、優しさを私たちに与えるのではないかと思います。2024年の幕開け、不朽の名作と共に過ごす2時間。PARCO劇場でお待ちしております。■石田彰LOVE LETTERSの舞台に二度目の声をかけていただきました。前回の出演時、当時演出をされていた青井陽治さんから、この舞台では演者が泣いてしまってもそれはそれで構わないとは言われ、案の定物語に飲み込まれ、アンディーとしてではなく石田彰として舞台上で泣いてしまったことが思い出されます。あれから9年が経ち、自分もラストシーンのアンディーの年齢を越えました。アンディーとメリッサの経験には及びませんが、それなりに人生を重ねたこともあり、今回は気持ちを強く持って演じられればと思っています。■緒方恵美ただ1度だけ。なのに覚えている。メリッサとしての50年。扉が開いても止まなかった、4回に渡るスタンディングオベーション。ふと想うだけで、あの日身体中を駆け抜けた熱が、大きなうねりと共に蘇る──そんな舞台にもう一度という機会を頂けたことを心から嬉しく、また、引き締まる想いでいます。終演後、袖でかけて頂いた(前演出)青井先生のお言葉は、あれからの自分の指針でした。そのお言葉を胸に、新しい座組の中で再び向かえるその日、私の心はどう動くのだろう?楽しみだけど怖い。怖いけれど──静かにその日を迎えたい。一期一会。どうぞよろしくお願い致します。■阪本奨悟長い間、みなさんに愛されてきたラヴ・レターズに挑戦することはとても楽しみな気持ちと同時に緊張もありますが、朗読劇というこのラブストーリーを今の自分がどう演じるかを楽しみたいと思います。是非劇場でお待ちしております。■矢吹奈子まず、この歴史ある朗読劇『ラヴ・レターズ』に携わるということがすごく嬉しく、とても光栄に思っております。阪本奨悟さんは初共演となるので、今からドキドキわくわくしています。多方面で活躍されている方なのでどんな化学反応が生まれるのか楽しみです。初めて立つPARCO劇場。1度きりの本番。まだ少し緊張しておりますが、楽しみながら、手紙で綴られるドラマを来てくださる方の心に届けられるよう頑張ります。宜しくお願いします。■岡本圭人親愛なる皆様へこの度、『ラヴ・レターズ』という作品でアンドリュー・メイクピース・ラッド三世を演じさせていただくことになりました。岡本圭人です。お相手のメリッサ・ガードナーを演じるのは、僕が初めてストレートプレイに出演した時からお世話になっている若村麻由美さんです。以前、『ラヴ・レターズ』を観劇した際、物語の持つ愛情の力に心が打たれました。そして、この作品を若村さんと共に演じたいと、僭越ながら思いました。まさかこんなに早く実現するなんて……夢のようです。名だたる素晴らしい役者の方々が、歴史を超えて感動を届けてきたこの作品に出演できることは、光栄でもあり、プレッシャーでもありますが、何よりも、この物語を劇場にお越しいただける皆様に届けられることをとても楽しみに思っています!1日1公演1回限りの舞台。A.R.ガーニーが紡いだ言葉をアンディーとしてメリッサへ、そして皆様の心へ届けられるよう、努めてまいります。皆様の御来場を心よりお待ちしております。敬意を込めて■若村麻由美稽古は一度きり?お客様の前で本を持つ?座ったまま?30年前の衝撃的な朗読初体験『ラヴ・レターズ』が原点となり、ライフワークの語り芝居『若村麻由美の劇世界』へ発展していきました。私にとって特別な作品です。演出の青井陽治さんは演劇愛に溢れ、真摯なアンディー高嶋政伸さん、知的でチャーミングなアンディー野村萬斎さんとの一期一会で、毎回違うメリッサを生きる事が出来たことは幸せでした。5回目となる今回は、初めての藤田俊太郎さん演出と、『Le Fils 息子』で親子役だった岡本圭人さんのアンディー!朗読のなせる技です。お母さんに見えないよう、今の私らしいメリッサを楽しみたいと思います(笑)。<公演情報>朗読劇『ラヴ・レターズ~2024 New Year Special~』作:A.R.ガーニー訳:青井陽治演出:藤田俊太郎【チケット料金】(全席指定・税込)価格:7,700円U-18チケット:2,000円 ※観劇時18歳以下対象U-30チケット:3,500円 ※観劇時30歳以下対象一般発売日:12月9日(土)チケットはこちら:会場:PARCO劇場(渋谷 PARCO 8F)2024年1月19日(金) 19:00 開演出演:石田彰、緒方恵美2024年1月24日(水) 19:00 開演出演:阪本奨悟、矢吹奈子2024年1月29日(月) 19:00 開演出演:岡本圭人、若村麻由美公演HP:
2023年11月17日鈴木京香(55)の体調不良による主演降板で注目を集めたドラマ『この素晴らしき世界』(フジテレビ系)が、7月20日に放送を開始した。代役を快諾したという若村麻由美(56)にとって、地上波の連ドラ主演は20年ぶり。平凡な主婦・浜岡妙子が大女優・若菜絹代の“代役”を引き受け、人生が急変していくという物語で、一人二役を演じている。近年はドラマや映画の出演が引きも切らない若山だが、女優業から遠ざかっていた時期もあった。20年前に宗教団体「釈尊会」会長・小野兼弘氏(享年54)と結婚し、夫婦生活を送っていた時期と重なる。夫の小野氏は体重100キロ越えと見た目のインパクトも強烈で、若村も小野氏も渡辺謙(63)の離婚裁判に関わっていたこともあり、物議を醸していた。小野氏は結婚から4年後に病死してしまったが、最後まで謎の多い人物だった。本誌はそんな小野氏の独占インタビューを‘04年3月16日号に掲載。若村との結婚生活について取材した。ドラマとは逆に、若村が女優から妻へと“転身”していく際の思いが明かされていた。《――彼女のどこに魅了されましたか?「麻由美から相談を受けたことがあります。彼女は、私の言葉をとても豊かな心で受け止めてくれた。何かに悩んだり、困っている人は、なかなか素直になれないものです。ところが、麻由美には、仏に出会いたい、悟りへの一歩を踏み出したいという彼女の気持ちを感じたのです」》《「僧侶の妻とは、僧侶が苦難に立ったとき、仏から与えられたお役目を貫く信念を持つようにと励まし、支えてくれる女性だと思います」――若村さんは理想の妻?「いやぁ、これからです。期待しています(笑)。結婚の気持ちが固まったとき、2人で約束したことがありました。『できちゃった婚だけはしない。仏様に仕える身として、身を律していこうね』と。麻由美も同じ気持ちでした。(略)今は早く後継者が生まれることを望んでいます。麻由美も『早く子供を作りたい』と申しております」》悟りへの一歩を踏み出したいとまで感じて妻となった経験、人生の振り幅が、『この素晴らしき世界』での熱演にも生かされているのか。
2023年07月25日小野花梨と風間俊介が主演を務める新ドラマ「初恋、ざらり」に、若村麻由美、尾美としのり、熊谷真実、浜中文一、西山繭子が出演することが分かった。軽度知的障がいと自閉症を持つ上戸有紗(小野花梨)は、普通に憧れ、自己に強い劣等感を抱いている。夜はコンパニオンとして働いているが、昼は障がいを隠して運送会社で働く。必死にメモを取りつつも、言葉の意味が分からず、戸惑う有紗。そんな有紗に優しく声をかけてくれたのが、職場の岡村龍二(風間俊介)だった。常識的なことを質問しても気兼ねなく教えてくれる岡村の優しさに、有紗は恋心を抱いていく――。今回新たに発表された5名が演じるのは、有紗と岡村、2人の恋に関わっていく人々。「科捜研の女」シリーズでお馴染みの若村さんが演じるのは、有紗を女手一つで育ててきた母・冬美。「愛情を表に出すタイプではありませんが、娘に自立して生きて欲しいと願う思いに溢れています」とキャラクターについて説明し、「それぞれを応援したくなる心温まる切なく愛おしい物語になっていると思いますので、楽しみにしていただければと幸いです」と呼びかける。岡村家の面々には、厳格で厳しい父・龍彦を尾美さん、子ども思いで優しい母・靖子を熊谷さん、自由奔放でやりたいことにとにかく真っ直ぐな兄・龍之介を浜中さんが演じる。尾美さんは「このドラマは幸せな気持ちをくれるドラマだと思います」と言い、熊谷さんは「恋する気持ちを忘れた人、現在進行形の人も、是非皆様ご覧になってください」とコメント。浜中さんは「有紗と龍二の行く末が気になりすぎて、あっという間に読み終えました。どちらにも感情移入できてしまい、読み終えた時は気持ちが大変な事になっていました!」と物語の感想を述べた。また、有紗と岡村が務める運送会社の同僚で、2人の良き理解者である天野久美役には、現在公開中の映画『スパイスより愛を込めて。』に出演する西山さん。「色んな人がいて、自分の物差しでは測れないことばかりです。飛び込むことは時に勇気を必要とします。それでも、誰かを愛しいと思ったり、何かを大切にしたいと思うことってやっぱり良いな、見ている人が少しでもそんな風に感じてくれたら嬉しいです」と話している。「初恋、ざらり」は7月7日より毎週金曜深夜24時12分~テレビ東京ほかにて放送。各話放送終了後からLemino/U-NEXTにて配信。(シネマカフェ編集部)
2023年06月16日新ドラマ「この素晴らしき世界」において、主演・鈴木京香の体調不良による降板が発表されていたが、この度、若村麻由美が主人公を演じることが決定した。平凡な生活を送る主婦が、ひょんなことから芸能界で活躍する大女優になりすまし、二重生活を強いられてしまう完全オリジナルのなりすましコメディ。若村さんが演じるのは、平凡な主婦と悪魔のような性格の大女優、浜岡妙子と若菜絹代の二役。主演交代による役名の変更はない。「科捜研の女」の風丘早月役でお馴染みの若村さんは、「夜桜お染」以来、約20年ぶりの地上波連続ドラマ主演となる。また、すでに出演が決まっている木村佳乃、沢村一樹、マキタスポーツとは初共演だ。「この素晴らしき世界」は7月、毎週木曜日22時~フジテレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2023年05月18日日替わりゲストに春風亭一之輔(落語家)・三林京子(女優)・置鮎龍太郎(声優)・若村麻由美(俳優)・山田洋次(映画監督)他決定前進座五月国立劇場公演『魚屋宗五郎ー新皿屋舗月雨暈ー』『風薫隼町賑―舞踊かっぽれ―』が2023年5月9日 (火) ~2023年5月17日 (水)に国立劇場大劇場(東京都千代田区隼町4-1)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ Twitter 46年続いた現在の国立劇場での前進座公演、ラスト公演がいよいよ開始!前進座が、1977年に初出演してから46年間に大劇場で40回75演目、小劇場で8回8演目、上演を重ねてきた現在の国立劇場。今秋建て替えで一旦閉場になるため、この5月の公演が、前進座としてはラスト公演になります。お名残公演にふさわしく、前進座の財産演目である『魚屋宗五郎ー新皿屋舗月雨暈』と『風薫隼町賑ー舞踊かっぽれ』の2本立て。芸とドラマを渾然一体でみせる前進座ならではの『魚屋宗五郎』は、待望の当代俳優陣での上演です。『風薫隼町賑ー舞踊かっぽれ』では粋におかしく賑やかに、男優女優が総踊り。劇中ご挨拶には、前進座にゆかりの方が登場する日替わりゲストトークも。前進座前進座は、1931年(昭和6年)若き歌舞伎俳優たちによって創立され、2021年5月に90周年を迎えた劇団。戦前戦後の時代から現代まで、都市大劇場から各地小中学校体育館に至るまで、演劇普及に邁進。歌舞伎をレパートリーに持つ貴重な劇団として知られ、1981年から続いている国立劇場大劇場での公演は、前進座の看板公演。1986年から五月の開催が恒例となった。公演概要前進座五月国立劇場公演『魚屋宗五郎ー新皿屋舗月雨暈ー』『風薫隼町賑―舞踊かっぽれ―』公演期間:2023年5月9日 (火) ~2023年5月17日 (水)会場:国立劇場大劇場(東京都千代田区隼町4-1)■出演者『魚屋宗五郎―新皿屋舗月雨暈―』魚屋宗五郎=藤川矢之輔女房おはま=河原崎國太郎父親太兵衛=山崎辰三郎若い者三吉=中嶋宏太郎腰元おなぎ=早瀬栄之丞菊茶屋女房おみつ=上滝啓太郎おつた=玉浦有之祐岩上典蔵=松浦海之介浦戸紋三郎=嵐市太郎『風薫隼町賑―舞踊かっぽれ―』藤川矢之輔・河原崎國太郎・北澤知奈美・中嶋宏太郎・早瀬栄之丞・渡会元之・上滝啓太郎・藤井偉策・新村宗二郎・有田佳代・平澤愛ほか「国立劇場お名残ご挨拶」日替わりゲスト5月9日(火)12:30=春風亭一之輔(落語家)5月11日(木)12:30=三林京子(女優)5月12日(金)18:30=置鮎龍太郎(声優)5月13日(土)11:00=若村麻由美(俳優)5月13日(土)14:30=山田洋次(映画監督)5月14日(日)11:00=新富座こども歌舞伎5月16日(火)11:00=桂米團治(落語家)5月17日(水)11:00=徳永ゆうき(演歌歌手)5月17日(水)14:30=松原健之(歌手)■公演スケジュール5月9日(火)12:305月11日(木)12:305月12日(金)18:305月13日(土)11:00/14:305月14日(日)11:005月16日(火)11:005月17日(水)11:00/14:30※開場は、開演の30分前です。■チケット料金一等席:10,000円二等A席:6,000円二等B席:4,000円三等席:3,000円特等席:12,000円<12日(金)18:30のみ>一等席(1・2階席):6,000円二等席(3階席):3,000円(全席指定・税込)<カンフェティ限定>一等席1,000円割引!10,000円→ 5月9日(火)・11日(木)ともに12:30開演の部限定カンフェティ一等席9,000円!(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年05月08日24歳の若さで夭逝した明治の女流作家、樋口一葉とその家族や知人たち、6人の女性の切実な生きざまを明るく切なく描き出した井上ひさしの傑作評伝劇が再登場する。こまつ座の旗揚げ公演として1984年に初演され、幾度も再演を重ねた人気作は、2013年に栗山民也の新演出を迎えてさらにパワーアップ。栗山演出で3度目の上演となる今回は、貫地谷しほり、増子倭文江、熊谷真実、香寿たつき、瀬戸さおり、若村麻由美の、独自の個性と実力を携えた面々が結集し、あの世とこの世、その境界線の物語を鮮やかに綴る。初めて樋口一葉役に挑む貫地谷しほりと、2013年公演より一葉と心を交わす幽霊・花螢役を担っている若村麻由美に、稽古の感触、作品への思いを語ってもらった。花螢を演じるのは今回が最後・・・?――本作の上演は6年ぶり。夏子(樋口一葉)役の貫地谷さんは初参加、花螢役の若村さんは3回目の出演になりますね。貫地谷井上ひさしさんの作品はこれまでに二度やらせていただいたことがありますが、こまつ座公演は初めてです。ちょうど6年前に栗山さんと別の舞台のお仕事をしていた時に、次に演出されるこの作品のことを「面白いんだぞ〜」って自慢されていたんですよ(笑)。それに参加出来ることが本当に嬉しくて、今回はすごく楽しみにしていました。若村私は、もう一度井上ひさしさんの台詞を発することが出来る、もう一度花螢をやるチャンスが来た、うれしい!という気持ちと、正直すごく体力を必要とするので(笑)今回が最後かな、という気持ちがあります。私のお芝居経験の中では唯一と言ってもいい喜劇的な役で、とても大切にしてやってきたので、もう一度新たにチャレンジしたいなと。再演に向かうというよりは、今の自分が一から扉を開ける、そんな気持ちでやりたいなと思っています。――お稽古が始まって、あらためて感じる作品の印象や発見などはいかがですか?貫地谷本読みをやった時に、若村さんと熊谷真美さんは三度目ということで、すでに役が出来上がっている!と感じましたね。皆で読むとさらに、こんなに面白い話なんだ〜とあらためて思いましたし。若村さんがおっしゃるように、若村さんも熊谷さんも、今回初めてやるかのように真摯にトライしていらして、その姿勢がすごく素敵だなと感じました。……と同時に、身が引き締まる思いも(笑)。樋口一葉のことを調べてみると、とても貧乏で、日々の暮らしが切実に大変だったことを知りまして。面白おかしく感じられる台詞の裏にそのような生活苦があった、と栗山さんにお話を伺って、面白いけれど難しいな……というのが今の実感です。樋口一葉没後120年記念 東宝・こまつ座提携特別公演『頭痛肩こり樋口一葉』(2016年)より、前列右から)若村麻由美、永作博美、愛華みれ後列右から)熊谷真実、深谷美歩、三田和代若村おかげさまで6年も経つと、いろいろと忘れていて(笑)。そうだったっけ?みたいなことだらけで、かえってよかったなと思っています。なぞるみたいなことはしたくないし、演出家が、以前とは違う動きをつけてくださっている部分もあるので。人間の……ま、花螢は幽霊ですけど(笑)、人間の心理からの動き、生きている真実からの台詞を、栗山さんはひとり一人の役に対して細かく演出してくださいます。心から尊敬できる大好きな演出家です。樋口一葉は、タフな人じゃないと出来ない――花螢は、木村光一さん演出による1984年の初演から、長く同役を務めていらした新橋耐子さんの印象が強く、新橋さんご自身も非常にこの役を大切になさっていたと伺っています。若村さんは見事に引き継がれて、確実にご自身の花螢を息づかせていらっしゃいますね。若村新橋さんの花螢を2回拝見したことがあるんです。まさか自分にお話をいただく日がくるとは思わず大笑いして観ていましたが、のちにお話をいただいた時は本当にびっくりしましたね。まず思ったのが、あのようには出来ない!と。でもこまつ座さんからのお話では、栗山さんの演出で、メンバーも一新して新しい『頭痛肩こり〜』を作ろうとしていたけど、花螢が見つからず、ずっと上演出来なかったそうで……。貫地谷へえ〜!そうだったんですね。若村で、栗山さんが「何で思いつかなかったんだろう。いたよ、いた!」と。それで私に連絡をくださったそうなんです。その経緯を聞いて、何だかもうありがた過ぎて……。私にとっては恐ろしい挑戦でしたけれど、“いつか井上ひさしさんの作品をやらせていただきたい”と願っていたので最初にお声がけいただいたものがそういう経緯だったら、もうこれは清水の舞台から飛び降りるつもりでやらせていただくべきだ、そう思って挑みました。いざやってみたら、やっぱり役も、作品自体もものすごく手強いですね。1回目、小泉今日子さんが夏子役の時は、もう毎回必死!今日子さん始めメンバーにとても助けていただきました。2回目の永作博美さんの時は、1回目と同じメンバーの中に永作さんおひとりだけが新しく入られて、永作さんも大変タフな方で、また新しいものがそこに生まれて……。右から永作博美、若村麻由美/樋口一葉没後120年記念 東宝・こまつ座提携特別公演『頭痛肩こり樋口一葉』(2016年)より左から永作博美、若村麻由美/樋口一葉没後120年記念 東宝・こまつ座提携特別公演『頭痛肩こり樋口一葉』(2016年)より実は初回に、新橋さんがご覧になられて、楽屋に起こしになったんです。私はもう、わああ〜どうしよう!って(笑)。そうしたら「艶やかでした。お続けなさい」とおっしゃってくださって……。その時は胸がいっぱいで何も考えられなかったんですけど、続けるなかでもっと分かるものがある、という思いで言ってくださったのかなと。先輩の言葉はすごく支えになっています。それで今回です。おそらく貫地谷さんもタフな方だと思っています(笑)。樋口一葉は、タフな人じゃないと出来ないな、というのが私の勝手な印象ですね。若くして貧しい暮らしの中で、女性の自立が難しい世の中に対して、食べるため、生きるため、小説で戦いを挑んでいって……。私は夏子にしか見えない幽霊で、つねに死というものを考え続けている夏子の、心の内を引き受けている役どころでもあるので、夏子役を演じる人にものすごく愛情が湧くんです(笑)。幸せの代償として必死に生きる――おふたりともに以前にも栗山演出を経験されていますが、今、稽古場で実感されていることを教えてください。貫地谷私、栗山さんに「ちょっと一葉にしては元気過ぎるよ。やっぱり文学者なんだからね」って言われました。元気過ぎるらしいです(笑)。でもちょっとだけ入り口が見えたような気がしていますね。若村さん演じる花螢が出て来ることによって、夏子は自分の本当の気持ちを喋ることが出来るんだな、って。栗山さんのお話は、ほかの人に向けた言葉でも全部がヒントになるので、聞き逃さないようにしたいと思っています。若村若い頃から井上ひさしさんとお仕事をご一緒されていたからでしょうか、栗山さんの中に揺るぎのない作品の核があるんですよね。だから栗山さんから出て来る言葉が、すべて「そうだな!」と思えることばかりで。この舞台、演出的にすごく緻密な計算のうえに成り立っているテクニカルな作品なんです。オーケストラのスコアみたいに見えてくることもあって、音符の重なりがうまくいくと、とても心地よく観ていただける……といような感じで、ただ単に心情が描ければ伝わるというものでもなくて……。貫地谷そう、そうなんですよね〜本当に!ただ気持ちがあればいいわけじゃなく、もっと“見せる”構造になっているというか。若村たぶん演じる側の客観性ですよね。世阿弥の言うところの“離見の見”でしょうか。自分自身がやりながらも全体像が見えていて、いかにアンサンブルが上手くいっているかを理解しながら、心情に基づいて言葉を発する……熱量ですね。井上さんの作品はどれもそういう構造になっているように思います。こまつ座さんの違う作品を観に行くと、人間を深く描いた戯曲に感動するし、それを役者たちが真摯に演じていることにまた感動するんです。自分もそうありたいな、と思うんですね。貫地谷栗山さんが「井上さんは、“幸せの代償として必死に生きる”ということを書いているんだよ」とおっしゃっていて、まさに、必死に食らいついてやっていくしかないのかなと思っています。若村貫地谷さんは、もうすでに夏子、樋口一葉ですよ。今回は貫地谷さんがなさると聞いた時に、なるほど〜とすごく納得しました。楽しみですし、何の心配もない。不器用な私のほうがきっと迷惑をかけると……。貫地谷いやいや、いつもそうおっしゃいますけど(笑)、そんなこと絶対ないですよ!若村本当なんですよ〜。これまでも皆に助けられてやって来ているので、今回も早めに白状したほうがいいと思って(笑)。花螢がちょっと夏子に頼っているところがあるように、私も貫地谷さんに頼らせてもらって、すでに支えられている感がありますから。いいマスクを紹介してくれたり(笑)。貫地谷ああ〜、稽古で息が苦しくならないように(笑)。――座組の雰囲気の良さが伝わります(笑)。樋口一葉と彼女を取り巻く女性たちが懸命に生き抜くさまに、今回も存分に笑い、涙することになりそうです。今回集結した6名のキャスト。上段左から)増子倭文江、貫地谷しほり、瀬戸さおり下段左から)熊谷真実、若村麻由美、香寿たつき貫地谷今現在、本当に時代の変換期に来ていると感じるなかで、樋口一葉という人はとても早い段階で、なぜ女性は内助の功を求められるのか、なぜ男性と同等に働けないのか、といった疑問を抱いているんですね。まさに今、一葉が思い描いていた世界が開かれようとしている、その面白さも感じます。一葉は二十歳から小説を書き始めて、その時すでに一家を背負って、自分が頑張らなければ皆が死んでしまうかもしれないと思っていて。いろんな意味で死と隣り合わせな人だったんですよね。私は今年37歳になりますけど、二十歳の時なんて本当に子供だったなと。今こうして稽古を重ねて、彼女の生き様を私なりに受け止めて来ているので、明治の時代に樋口一葉はこんなことを考えていたんだ、ということを伝えられたらいいなと思っています。若村この女6人の物語には、人生で起こりうるあらゆる辛いことがたくさん詰まっているんですよね。それを笑いと涙で描けていることが、すごい。私、最後のシーンが大好きで……。貫地谷ああ〜私もです!若村毎回、ラストシーンでそれまでの苦労が報われる気がするんです(笑)。生きていくことはすごく大変だけど、よし、頑張ろう!って思わせてくれる。私たちはこうして先人から何かを受け取り、今生きていて、次の人に何かを渡していくんだなって。本当にいろいろなことを考えさせてくれる、いい作品です。最後に救われた気になるのは、やっぱり人間讃歌だからなのかなと思いますね。取材・文=上野紀子<公演情報>こまつ座第143回公演『頭痛肩こり樋口一葉』2022年8月5日(金)~2022年8月28日(日)会場:東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA東京公演後、大阪、岡山、東京多摩公演あり。チケット情報:
2022年08月01日映画『老後の資金がありません!』(10月30日公開)の完成披露プレミアイベントが21日に都内で行われ、天海祐希、松重豊、新川優愛、加藤諒、石井正則、若村麻由美、毒蝮三太夫、草笛光子、前田哲監督、氷川きよしが登場した。同作は垣谷美雨による26万部突破の同名ベストセラー小説の実写映画化作。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったのに普通の主婦・後藤篤子(天海)だが、娘(新川優愛)の派手婚、舅の葬式と資産激減の中、夫(松重豊)とそろって失職。さらに独りになった姑(草笛光子)と一緒に暮らすことになり高級志向の暮らしの価値観にクラクラするなど、奮闘する篤子の様子を描く。10月22日が草笛の88歳の誕生日ということで、天海から花束のプレゼントも。草笛は元気の秘訣について「市村(正親)くんが、私のこと『バカの光子ちゃん』って呼ぶんだけど、それが1番私らしくて嬉しい。本当に私、バカです」と苦笑する。さらに「今までいろんなことがありましたけど、どっかで『いいや、どうにかなるでしょう』とけろっとして生きてきた」と振り返り、「私これから『生き直し』と言ったんです。そしたらある監督さんが『今、その年で生き直すの?』とイヤな顔をしたんです。でもまだね、生き直す部分があるような気がしたので。元気でどこも悪くないんですよ。がんばらせていただこうと思っています」と今後への展望を示した。またスペシャルゲストとして、主題歌「HAPPY!」を手がける氷川きよしが登場し、その場で生歌唱。PVでバックダンサーを務める天海はキレキレで、松重は照れた様子で踊るなど、壇上でもハッピーな様子を見せる。氷川は「エンドロールに自分の名前とこの曲のタイトルが出てきた時は本当に感動して泣きそうになりました」としみじみし、若村と一緒に試写を見たという天海は「きよしちゃんの歌と映画が泣きそうになるくらい素敵で、半分泣いてたよね私たち」と感動を伝えた。この日はラメ入りの黄色のスーツを着用し、靴までも黄色という派手な格好だった氷川だが「今日は地味に来ようかと思ったんですけど、やっぱりハッピーな色って言ったら、ピンクか黄色だったんで」と理由についても説明していた。
2021年10月21日映画『科捜研の女 -劇場版-』(9月3日公開)の公開記念舞台挨拶が4日に都内で行われ、沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、斉藤暁、渡部秀、山本ひかる、石井一彰、兼﨑涼介監督が登場した。同作は1999年の放送開始から、安定的な人気を誇るテレビ朝日の人気シリーズ。京都府警科学捜査研究所(通称・科捜研)の法医研究員・榊マリコ(沢口靖子)を中心に、所長・日野和正(斉藤暁)、化学研究員・宇佐見裕也(風間トオル)、映像データ担当・涌田亜美(山本ひかる)、物理研究員・橋口呂太(渡部秀)など、 ひと癖もふた癖もある研究員たちが、それぞれの専門技術を武器に科学的な見地から事件の真相解明に挑む姿を描く超人気科学ミステリードラマとなっている。劇場版の公開に、イベント冒頭から感極まった様子を見せていた沢口。内藤演じる刑事・土門とマリコのコンビは「どもマリ」と呼ばれ、2人のロマンスを期待する声もあるが、沢口は「マリコと土門はいつも同じ方向を見ています。使命感、価値観が一致しています。そして、事件が起きるたびにどんどん絆が深まっています。この映画では、シリーズ最強最大の敵と対決しました。2人の絆はものすごい近いです。2人にとっての集大成」と表す。この言葉に、内藤は「15年間ぐらい1回も打ち合わせしたことがないんです。1回だけちょっと厄介なストーリーだったので、 やっちゃん(沢口)に『どう思ってやってる?』と聞いた時に、『あえて言えば、お兄さんかな』と言われてるんです。兄弟以上だけど親戚未満、血のつながってないすごく近い人という感覚」と明かす。さらに内藤は「50年くらい経った頃に、そういう関係なんだなと思ってもらえれば。恋人ではないけど信頼し合っているという関係が、"ドモマリ"というジャンルになってるといいなと思って、そういう映画になったのではないかと思っております」と語った。最後に沢口は「映画のお話があったのは今からちょうど2年前でした。『科捜研の女』は4クール連続撮影中で、追われていた2019年の秋でした。長年支えてくださったファンの皆様に感謝の気持ちを込めて精一杯撮影に臨みたいと心に誓いました」と振り返る。「その時はあとでこんな大変な事態が起きるとは思わず、でも諦めずにここまで来てよかった」と瞳を潤ませ、「この場で、このメンバーで皆様の前に立つことが出来て本当に嬉しいです。全国の劇場に足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。私達をこの場に連れて来てくださったのは皆さんです。この映画を見て少しでも元気になってもらえたなら、私たちは最高に幸せです」と感謝していた。
2021年09月04日舞台『Le Fils 息子』のフォトコールが30日に東京芸術劇場 プレイハウスにて行われ、岡本圭人、岡本健一、若村麻由美、ラディスラス・ショラー(演出)らが取材に応じた。日本初上演となる同作は、2018年にフロリアン・ゼレール作、ラディスラス・ショラー演出でパリのシャンゼリゼ劇場にて初演を迎え、タイムズ紙やデイリーテレグラフ、ファイナンシャルタイムズなど各紙の劇評でも絶賛された傑作。今年4月にHey! Say! JUMPを脱退し、俳優への専念を発表した圭人にとって本作は初舞台で単独初主演、そして親子役を務める実の父・健一との舞台初共演となる。劇中では2人が激しい口論の末、健一演じる父・ピエールが、圭人演じる息子・ニコラの胸ぐらを掴み、馬乗りになるシーンも。稽古は主にZOOMで行われ、直接顔を合わせられるようになったのは2週間前だという。ショラーは「特殊な環境下ながら、私の指示を100%完璧に行ってくれる非常に優秀な役者の方々と仕事ができて幸せでした」とキャストを称賛し、圭人と健一の親子共演について「稽古では1人ひとりの役者として接していたので、実の親子であるということを忘れていました。親子の絆を感じ始めたのは劇場での稽古に入ってから。作品にプラスアルファを生む効果があることを知りました」と評する。ショラーからは「実際の息子と共演するというリスクを引き受けてくれた」と感謝もあったが、健一は「リスクは何もないです。いただいた仕事は何でも有り難く受ける姿勢ですし、昔から圭人は『パパと一緒に舞台をやるのが夢』だと言っていたので、早く叶えちゃったほうがいいんじゃないかなと。夢はどんどん消化していくべきものですから」と笑顔。続けて「物語自体がとても素晴らしく、万国共通で心に訴えるようなテーマ。コロナ禍で一緒に過ごす時間が増える家族もいるなか、逆に心を病んでしまうこともあると聞く。社会を作る親や子どもたちを僕らが助けてあげられないかと考えたとき、この作品を届けるのは1つの使命なんじゃないかなと。劇中にはつらい場面もあるけど、現実にはもっとつらいこともあると思う。実の親子である僕らが演じることで、リアルに伝えられることは強みになるんじゃないか」と、自分たちの強みも分析した。また、劇中でニコラに激昂するピエールの姿について「やっぱり、怒っちゃダメですよね。僕も普段はしっかりしてないのですが……」と語ると、記者が「そんなことないですよ」とフォローし、健一は「普段の僕を知らないでしょ」と逆にツッコむ。するとすぐに圭人が「せっかく聞いてくださってるんだから、そういうこと言わないの!」と咎め、息の合った親子ぶりを垣間見せた。共に舞台に臨むにあたって、親子間での決まりごとがあったかという質問には、健一が「俺、何かいいこと言ってたよね?」と圭人に問いかけ、圭人は「いいことは常に言っているけど、自分で言ったことなんだから覚えておいてよ」と苦笑しつつ「(稽古場に)朝は別々に入って、帰りは一緒に帰る」という習慣を明かす。「帰りは舞台のことを全部取っ払って、好きな音楽の話をしたり。今までの人生でここまで親子で話すことはあまりなかったので、素敵な時間を過ごしています」と説明した。ニコラの母親・アンヌ役を演じる若村は「普段は『親子じゃないよね』と思っちゃうくらいですが、ニコルとピエールになると、濃密な親子になる。役者だな、と感じていました」と2人の印象を話し、「『あなたとパパは違う』というセリフがあるんですけど、役者としてもタイプが違うので、実感を込めて言うことができました。健一さんはすべてを引き回すような“パワー全開タイプ”で、圭人くんはひたむきで純粋な……健一さんが純粋じゃないというわけではないんですけど」とフォローを入れながら2人の役者としての一面を語る。圭人も「ジャニーズ事務所に入ったときから『あなたとパパは違う』とずっと言われていたので、このセリフは『分かってくれる人がいたんだ』とすごく胸に響きます」と頷き、「ニコラは優しくて繊細な子。考えていることや父親に言ってしまったことに共感できるところがありました。ピエールは『自分の言ってることは間違ってない』という頑固な父親なんですけど、ちょっと(健一に)似ている部分がある。これまで言えなかったことが、舞台上だったら言えてしまう……これが親子共演のリスクなのかもしれません」と笑いを誘った。改めて健一の魅力を聞かれた圭人は「『稽古場に入ったら俳優として見る』と言ってもらえてすごくうれしかった。あとは……かっこいいですよね」と絶賛。健一は「わざわざここで言わずに、帰って家で言えばいいじゃん」と照れた様子だった。東京公演は東京芸術劇場 プレイハウスにて8月30日〜9月12日、北九州公演は北九州芸術劇場中劇場にて9月17日〜19日、高知公演は高知市文化プラザ かるぽーと 大ホールにて9月22日〜23日、能登公演は能登演劇堂にて9月26日、新潟公演はりゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館劇場にて9月29日〜30日、宮崎公演にてメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホールにて10月3日、松本公演はまつもと市民芸術館 主ホールにて10月9日〜10日、兵庫公演は 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて10月14日〜10月17日。
2021年08月30日舞台『Le Fils 息子』のフォトコールが30日に東京芸術劇場 プレイハウスにて行われ、岡本圭人、岡本健一、若村麻由美、ラディスラス・ショラー(演出)らが取材に応じた。日本初上演となる同作は、2018年にフロリアン・ゼレール作、ラディスラス・ショラー演出でパリのシャンゼリゼ劇場にて初演を迎え、タイムズ紙やデイリーテレグラフ、ファイナンシャルタイムズなど各紙の劇評でも絶賛された傑作。今年4月にHey! Say! JUMPを脱退し、俳優への専念を発表した圭人にとって本作は初舞台で単独初主演、そして親子役を務める実の父・健一との舞台初共演となる。初の親子共演、そして単独初主演となる圭人は「もう少しで夢が叶う気がしています」と晴れやかな笑顔。「ん? まだ舞台に立っていない? 今舞台には立っているか?」と混乱しつつも、「すごくドキドキしています。でも自分の性格的に1つ何かが終わったら次に向かっちゃうので、初日を迎えられたという奇跡的なことに感謝しているんですけど、初日が終わった後にどんな景色が見えてくるのかということにもワクワクしています」と現在の心境を語った。また先日、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川さんの姉で同社名誉会長の藤島メリー泰子氏が亡くなったことについて、健一は「自分の母が16、17歳くらいのときに亡くなってから、メリーさんは母親以上に母親みたいな感じで接してもらっていて。圭人も生まれる前から、生まれてからもお世話になっていた。でも93歳まで好きなことをやって、素敵な人たちに囲まれて大往生だったんじゃないかなと思います。この舞台のことも知っているので、今日はどこかで見てくれていると思います」と追悼。圭人は「僕にとって太陽みたいな存在。子どもの頃から大人になるまでFAXで手書きのメッセージをやりとりをしていたのは、とても楽しい時間でした。きっとこの舞台を見に来てくれると思っているので、メリーさんにも喜んで頂けるように頑張りたいです」と思いを表した。今作への意気込みを聞かれると「僕は俳優の道を選んだことを、自分の仲間に応援してもらいました。この選択を応援してくれた皆様に自分の思いを届けられるよう、1日1日覚悟を持って過ごしてきた」と圭人。主演として「こういう状況の中で、舞台ができるのは本当に奇跡的なこと。たくさんの方々にこの物語の素晴らしさや生きる意味を感じていただけるように、キャスト一同、スタッフ一同、精一杯……」と精悍な顔つきで語るも、「精一杯……の後、何て言うの?」と途中で健一を見上げ、2人で笑い合ってしまう。そのままショラーが「マスクをしながらの稽古など厳しい状況のなか、そしてキャンセルになってしまった公演もあるなかで、初日を迎えることができたことを幸運に思っています」と語り、考える時間を与えられた圭人は「……精一杯やっていきたいと思います」と無事にコメントを締めていた。東京公演は東京芸術劇場 プレイハウスにて8月30日〜9月12日、北九州公演は北九州芸術劇場中劇場にて9月17日〜19日、高知公演は高知市文化プラザ かるぽーと 大ホールにて9月22日〜23日、能登公演は能登演劇堂にて9月26日、新潟公演はりゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館劇場にて9月29日〜30日、宮崎公演にてメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホールにて10月3日、松本公演はまつもと市民芸術館 主ホールにて10月9日〜10日、兵庫公演は 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて10月14日〜10月17日。
2021年08月30日アンソニー・ホプキンスのアカデミー賞主演男優賞でも話題になった『ファーザー』(フロリアン・ゼレール監督・脚本)が、元は舞台で、日本でも橋爪功と若村麻由美主演で上演され大評判になったことを、映画を見てから知った人も多いはず。ゼレール監督は、ただいまハリウッド進出第2弾となる『サン(息子)』を撮影中だが、これもまた自身作の名舞台の映画化だ。映画の前に舞台版を見ておくと、双方のおもしろさが格段にアップすることを、舞台『Le Père 父』に続き『Le Fils息子』にも出演する若村さん自身が、証言してくれている。──橋爪功さんの父アンドレと若村さんの娘アンヌで2年前に上演され評判になった『Le Père 父』が、作者のフロリアン・ゼレール自身の監督・脚本で『ファーザー』という映画になり、アンソニー・ホプキンスとオリヴィア・コールマンの名演が話題になりましたね。拝見しました。いやもう、すごいの一言です。父も娘も、あそこまで演じていることを感じさせない境地に達せるものなのかと。ほんとに素晴らしかったです。ゼレールさんは脚色も手がけていますが、もともと演劇として書かれた作品なので、映画を見て、演劇版のおもしろさを再確認できました。ラッド(『Le Père 父』『Le Fils息子』演出のラディスラス・ショラー)演出の舞台では、父親の記憶が不安定になるのに応じて、場面転換ごとにフラッシュが入り、同じ部屋でも家具が少しずつ減っていったり、演劇エリアも前方のみから、だんだん奥行きが広がっていって、最後は何もない真っ白い空間になるんです。まるで父の脳内を表すような美術と演出で想像力をかき立てられてとても面白かったです。映画だからこそ見せられる怖さとリアルさも素晴らしかったし、映画によって舞台を反芻することもできて、貴重な経験でした。──そのゼレール作品の『Le Fils息子』を読んでみた印象はいかがですか。ゼレールらしい人間関係の描き方と思いました。すごく濃密で、家族の想いがどんどん交差していく。自分自身のことさえ思い通りにならない状態が、リアルですね。それからシーンが次々と変わっていく映像的なところも、共通していると思いました。『Le Père 父』は、父の認知症が進行するたびに、フラッシュすることで場面転換していくのがアートのように美しく、ゼレールの戯曲とラッドの演出の融合がとても素晴らしかったです。今回どんな演出になるのかは、まだわかりませんが、17場もあるのでどんな場面転換になるのかも楽しみです。──認知症の父を持つ娘のアンヌから、すでに別居している元夫ピエールとの間の17歳の息子ニコラを扱いあぐねる、シングルマザーのアンヌへと、複雑になりましたね。同名のアンヌですが別人です。前回は娘。今回は(前)妻であり、母であるという点では、女性として成長した感じがあります。仕事もあって、子供への愛情も強いけど、なかなかうまく向き合えないうえに、別れた夫との問題もある。働くママたちは、たくさんのものを抱えていますよね。アンヌは元夫ピエールへの未練もあるし、息子ニコラへの愛もあるのに、すべてがうまくいかない。そしてうまくいかないのは自分のせいではないかと、自分を責め続けているんです。ラッドも言っていましたが、ピエールとアンヌはともに弁護士なので、ロースクール時代からの長い付き合いを経て、結婚したのかもしれません。ニコラが9歳のときに親子3人でアフリカ旅行をした話が出てくるんですが、アンヌにとっては、そのころが最高に幸せだったんですね。現在はあまりにもつらく、現実逃避したくなるほどで、昔の幸せだったころの思い出にしがみついている状態です。でも、もうニコラは17歳。悩みをたくさん抱えていて、母親への態度も変わってしまった。アンヌには、最愛の息子がまったく得体の知れないものになってしまったように見えるんです。でも、どうすることもできない。悩んだ末に、元夫のところに助けを求めに行く……という場面から始まるんですが、ほんとうにつらく大変な物語です。濃密な父子を演じる岡本親子は、演じている時の方が親子にみえる──登場人物たちの抱える問題が、みなあまりにもリアルで、誰の立場になってもつらい展開。今回は岡本圭人さんと岡本健一さんという、実の父子が父子役ですが。最初に聞いたときは、驚きました。かなり濃密な父と子の話ですから、おふたりとも覚悟と勇気をもって臨んでいらっしゃるのだと思います。不思議なんですけど、ニコラとピエールを演じているおふたりは親子に見えるんですが、ふだんの健一さんと圭人さんは、親子に見えなくて(笑)。たぶんおふたりとも意識せず、ふつうにしていらっしゃるんだと思うんですけど、健一さんは自由でオープンマインド、圭人さんは礼儀正しくひたむき。とても誠実でピュアなところが、ニコラらしいです。役の方が親子っぽく見えるなんて、役者として素晴らしいことだと思います。──『Le Père 父』に続いて『Le Fils息子』もゼレールの監督による映画化が決まりましたね。そうなると、まず演劇版を観ておくといいですよ!(笑)演劇版と映画版を見比べると、同じテーマを、舞台と映画という異なる手法でそれぞれどう描くのかを見比べることができて、すごくおもしろいと思います。私が『Le Père 父』(舞台)と『ファーザー』(映画)を比べることで得たおもしろい体験を、ぜひ『Le Fils息子』で味わっていただきたいです。取材・文:伊達なつめ撮影:藤田亜弓ヘアメイク:長縄真弓スタイリスト:岡 のぞみ衣装:ブラウス(ottod’Ame/ストックマン)、パンツ(TANDEM/ストックマン)、イヤリング、リング(ABISTE)、シューズ(FREE LANCE/ストックマン)『Le Fils(ル・フィス) 息子』2021年8月30日(月)~2021年9月12日(日)会場:東京芸術劇場 プレイハウスほか、北九州、高知、能登、新潟、宮崎、松本、兵庫に巡演予定
2021年08月21日9月3日公開の映画『科捜研の女-劇場版-』完成報告イベントが11日、東京・丸の内 TOEIで行われ、沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、斉藤暁、山本ひかる、石井一彰が登場した。1999年の放送開始から20年以上も高視聴率を記録しているテレビ朝日の人気ドラマシリーズ『科捜研の女』。科学の進歩と時代性を取り入れながら「現行の連続ドラマ 最長シリーズ」の記録を常に更新し、これまでに250を超える事件を解決している。シリーズ初となる劇場版では、主人公の榊マリコ(沢口)と京都府警の土門薫(内藤)刑事をはじめテレビシリーズのレギュラーキャスト10人が勢揃いして世界同時多発不審死事件に挑む。沢口は「テレビドラマシリーズを大きくした劇場版の新たな世界観が誕生し、手応えを感じました。もちろん結末は知っていますが、これは事件なのか事故なのか、犯人は誰なのかトリックは? と一緒に謎解きをするような感じでドキドキしながら観ました。『科捜研の女』の魅力が全て詰まっており、集大成の作品だと思います」と作品の出来には自信。マリコとバディを組む大門刑事役の内藤は「やっちゃん(沢口)、もうこれで会えないかもしれないね、とチラッと言ったかな? 言えないんですけど、やっちゃんお世話になりました」と微妙な言い回しでネタバレをすると、隣にいた若村から「そんなこと言っちゃいけないって言われたばかりなのに、大丈夫ですか?」とたしなめられて苦笑いを浮かべていた。本作のゲストには佐々木蔵之介がシリーズ史上最強の敵として科捜研の前に立ちはだかる天才科学者の加賀野亘を演じている。この日はビデオメッセージでの出演となった佐々木について沢口は「普段は京都弁でざっくばらんと面白い方なんですが、役に入るとガラッと変わって飲み込まれそうになりました」とオンとオフの差にびっくりしたという。内藤も「逸脱した科学者の役でそういうのって機械的に見えるんですが、本当に上手いんですよ。体温のないような逸脱した科学者を人間として演じていました。僕たちの映画に力を入れてくれましたね」と絶賛しつつ、「あいつ京都生まれなのに何となく東京で仕事しているでしょ。僕、京都に本籍移したんですよ。あいつは京都を捨てた男! 潰してやる! 自分の老人ホームのためになるべく蔵之介の仕事を取っていきたいと思います」と笑いを誘っていた。映画『科捜研の女-劇場版-』は、9月3日より全国公開。
2021年08月11日舞台『首切り王子と愚かな女』の公開ゲネプロが15日に東京・PARCO劇場で行われ、井上芳雄、伊藤沙莉、若村麻由美、蓬莱竜太(作・演出)が取材に応じた。同作は岸田國士戯曲賞や読売演劇大賞優秀演出家賞ほか受賞の蓬莱竜太氏が作・演出を手掛けるオリジナル作。架空の国・ルーブを舞台に、傍若無人な首切り王子・トル(井上)と、死のうとしていた女・ヴィリ(伊藤)が出会ったことから始まる、王国を取り巻く物語を描く。ほか高橋努、入山法子、太田緑ロランス、石田佳央、和田琢磨らが出演する。井上は「こういう中でとにかく今日までこぎ着けた、一人も欠けることなく公演を迎えられたことが嬉しいです」と喜び、伊藤は「舞台が4年ぶりなのでちょっとシンプルに吐きそうなんですけど、この作品がとっても大切だし、大好きなので、本当にたくさんの方々に観て頂きたいです。この時代だからこそ、たくさんの方に届いてほしいと思うので、精一杯、頑張ります」と意気込んだ。「ミュージカル界のプリンス」と言われる井上だが、久しぶりの王子役について「蓬莱さん的には僕のフィールドに寄ってくれたところがあるらしいんだけど、設定が王子ってことくらいかな」と苦笑。「『これこそ王子なんじゃないかな』と思ってやっているので、僕の王子役の集大成として」と笑いつつ、「まあ別に(王子の)オファーもそんなに来ないんですけども、それくらいの気持ちでやりたい」と語る。そんな井上について、伊藤は「私が取材を受ける時に、わざわざ来て挨拶してくださって、本当に王子様。見た目も中身も王子様だなと思うんですけど、この世界の王子をやるのにも特に違和感のない感じはしていて。別に傍若無人と言ってるわけじゃなくて、すごく切ない顔とかそういうのがすごく似合う人だなあって。笑顔も素敵ですけど、そういうところにも注目してほしい」と語る。若村も「王子は王子です。首切りだろうがなんだろうが王子は王子で、いいやつというのがにじみ出てくる。ある意味、かわいそうな王子というのが出てくる」と表していた。井上は作品に共感する部分として「今の自分の年齢だからこそ重ねられるところがある。自分が引っ張らなきゃというだけじゃなくて、年齢が上がってくると、もっと若い人たちに託したり、繋いで行ってもらうということも。上の世代にしてもらったように、僕もしないといけないんだなというのを思うような結末」と明かす。「癇癪持ちで傍若無人」というキャラクターの性格については「実際のところは全然ないですけど、願望があるんだなという気がします。すごく気持ち良い。舞台上でそれをやってるので、ふだんはより優しくなれると思います」と自己フォローも。また、特徴的なセットについて演出の蓬莱が「演劇の想像力の豊かさということをそのまま舞台にあげたかった。稽古場をそのまま再現して、そこからどうお客さんにファンタジーの世界に見えてくのかという演出をしたいというのはありまして、帝国劇場とかでは絶対にあり得ないセット」と言うと、井上も「まあ、見たことないですね」と同意。蓬莱は「役者が稽古場を見ているという状態で始まり、出たり入ったりするんですけども、そういうオフの役者の姿と、オンになる瞬間を同時に見られる。『こういうことをやりながらファンタジーの世界を生きて作っているんだ』と。見てくれる人もだんだんそういう世界に見えて来るというのができたらいいな」と意図を説明し、「まあ、多分トイレに行きたくなったりしたらしれっといなくなったりする。水を飲んだり台本を読んだりするかもしれない」と行動を予想する。開演前のスタンバイ状態からも見られると言うことで、若村は「5分前から出ているということを伝えてください。ちゃんと間に合うように来たのに、『あの人、遅れてきた』って、ほかのお客さんに思われないようにしてあげてほしいな」と希望していた。東京公演はPARCO劇場にて6月15日~7月4日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて7月10日~11日、広島公演はJMSアステールプラザ 大ホールにて7月13日、福岡公演は久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて7月16日~17日。
2021年06月16日終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」の放送が決定。妻夫木聡と蒼井優が夫婦役で共演し、太平洋戦争末期に行われた、生体解剖の実話を基にしたドラマを描く。1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一は、教授の指示のもと、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術であった。教授に恐ろしい手術の中止を進言するが却下され、8名の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。一方、妻・房子は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する――。本作は、熊野以素の「九州大学生体解剖事件70年目の真実」を原作としたドラマ。死刑判決を受けて自分自身と向き合う医師と、その判決に異議を唱え公正な裁きを求めて奔走する妻。苦悩の果てにたどりついたありのままの真実とは…?人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス。主演の妻夫木聡が演じるのは、捕虜の実験手術に関わる西部帝国大学医学部助教授・鳥居太一。教授に中止を進言したが手術は続行され、終戦後に戦犯となってしまう。「"自らの責めは自らが負わねばならない" 罪とは何か、生きるとは何か、ひたすらに自分と向き合い続ける日々です。人間は愚かな生き物であります。しかし、誰かを思いやる温かい心になれるのもまた人間です。人としてあるべき姿とは何か、今一度この時代に問いかけられているような気が致します」と語る妻夫木さんは、「時代や環境が変われど、一つ一つの命の重みに変わりはありません。作品を通じて、命の尊さを感じて頂ければ」とメッセージ。太一の妻で、死刑判決を受けたことに納得せず、夫を救出するために奔走する房子を蒼井優が演じる。「胸が締め付けられるようなシーンがたくさんありますが、妻夫木さんが演じられる太一を信じ、最後の最後まで丁寧に演じて行けたら」と言い、「タイトルに見合う作品になることを期待しながら、精一杯頑張ります」と意気込んでいる。2人のほかにも、死刑囚棟の同じ房で太一と生活することになる元軍人役で永山絢斗、捕虜の実験手術を実行する西部帝国大学医学部第一外科教授役で鶴見辰吾。そして、山西惇、辻萬長、中原丈雄、若村麻由美らの出演も明らかになっている。終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」は8月13日(金)22時~NHK総合にて放送。※75分単発(cinemacafe.net)
2021年05月26日PARCO Produce 2021『首切り王子と愚かな女』の東京公演が6月15日(火)~7月4日(日)、PARCO劇場で上映される。この度、本作のビジュアルが完成し、全キャストとともに発表となった。本作は劇作家・演出家の蓬莱竜太と井上芳雄が、2015年の『正しい教室』以来、6年ぶりに再び手を組んで贈る大人のファンタジーである。劇団モダンスイマーズや数々の外部作品の作・演出と演劇界のみならず、映画『劇場』の脚本や配信中の人形劇ムービー『しがらみ紋次郎~恋する荒野路編~』での初監督と、表現の幅を広げている蓬莱。PARCO劇場には「鶴屋南北戯曲賞」を受賞したパルコ・プロデュース『母と惑星について、および自転する女たちの記録』以来、5年ぶりの登場となる。そして永遠のミュージカル界のプリンス・井上芳雄と注目を集める個性派女優・伊藤沙莉がストレートプレイで初共演。井上といえばミュージカル界を代表する俳優のひとり。しかしパルコ・プロデュースによるミュージカル作品は、真っ向から正統派王子役に挑んだ『シンデレラ・ストーリー』のみ。個性派俳優としての彼のポテンシャルを理解し、その表現のバリエーションを開拓する意味でも、今回はあえてイメージとは異なる配役での抜擢だ。『首切り王子と愚かな女』では魑魅魍魎が渦巻く王室を舞台に、腹に一物ある大人たちがあの手この手で陰謀や裏切り、忖度、愛憎、競争をたくらみ、のしあがる。そんな大人たちのほとばしる欲望をシニカルな笑いをまぶしながら描き、黒いことを面白く、難しいことをわかりやすく、いつの世にもあり得る愚かさ、おかしさを表現。井上芳雄と蓬莱竜太が6年ぶりのタッグで描く、ブラックで人間の真実に迫る“現代の寓話”に期待したい。スタッフと出演者のコメントは以下の通り。<蓬莱竜太>劇場に足を運ぶ、そんな行動すら以前より能動的なエネルギーが必要な時代になりました。だからこそシンプルに、観てよかった、足を運んでよかったと思ってもらえる作品を創りたい。「面白い」とは何か、井上芳雄くん、伊藤沙莉さんを中心に悩んでいこうと思います。子供が観ても面白い大人の寓話。幅の広いキャステイングなので、僕もやったことのないことに挑戦してみたいと思っています。今必要なのは「リアル」より「ファンタジー」なのかなと。どうなることやら楽しみに来てください。<井上芳雄>パルコ劇場で蓬莱さんと一緒にやらせてもらうのも、もう4回目になります。毎回見事に異なる、でもそれぞれ強いイメージが残る作品でした。今回もまた新たな座組みで、新しい作品にチャレンジできて幸せです。蓬莱さんが今、何を面白いと思っているのか、とても興味があります。現在の世の中だからこそ、演劇だからこそできることがあると信じて、その世界に全身で飛び込みたいです。<伊藤沙莉>いつか出演させて頂きたいとずっと思って、目標の一つにしていた蓬莱さんの作品への出演が、やっと叶う喜びと共に一気に緊張感が高まっています。しかし、こういうタイミングで蓬莱さんから生まれる作品に携われることを嬉しく有り難く思いました。精一杯頑張ります。届けます。宜しくお願い致します。<若村麻由美>17歳の時にふらりと当日券で入ったパルコ劇場。無名塾公演『ハロルドとモード』のあの感動!そこから私の役者人生は始まった。思い入れ深いパルコ劇場が生まれ変わり、念願の蓬莱さんのオリジナル作品にお声掛けいただき光栄です。しかもファンタジー?女王役も初体験!デビット・ヘアのふたり芝居『プレス・オブ・ライフ』(2014年)以来の蓬莱演出に胸が高鳴ります。スタッフキャスト観客がひとつになる、劇的なる場の醍醐味を存分に味わいたいと思います。<高橋努>蓬莱さんと仕事をするのは5本目。毎回私という俳優の知らなかった部分を引き出してくれ、発見と驚きの連続だが、もっとずっと先を見ている蓬莱さんを必死に追いかけるような感覚で稽古をすることが必要。心と体と頭と神経が疲弊し、無性に酒が飲みたくなる(笑)。この1年と数ヶ月、私は生活の「楽しみ」が減少した。色んな人たちと会うことも、仕事が入っている時の外食も、自粛しなければならない。そんなこの頃。お客様の「楽しみ」の一端になれれば。観劇後にもジワる「楽しみ」になれれば、この上幸せなことはない。蓬莱さんの新作、新PARCO劇場、「楽しみ」な作品になるのは確実である。<入山法子>蓬莱さんが目の前でまばたきをするたびに、私は自分が発した言葉に嘘はなかっただろうかと自問する。見られたくない部分を隠したり、守ったりすることが、全く無意味な人だからだ。いつか出させてくださいと何度も本気で言ってきたけど、いざその夢が叶うのだ!と思うと、興奮と同時に、蓬莱さんの描く人間の渦の中に素直に存在していられるか、怖さも押し寄せる。夢が夢のまま終わらぬよう、今、舞台に立てることを心から感謝して、防具を持たず、全力で挑みます。<太田緑ロランス>プロットを読んだ時から、ドキドキと、ワクワクが止まりません。蓬莱さんとは4度目ですが、いつも思いがけない役を書いて下さいます。今回はずば抜けて思いがけません。ファンタジーらしく、既存の枠やルールを飛び越えた世界の中で、自分のリミッターも外して、思い切り遊びたいです。早く皆さんと稽古場であーだこーだ試して、ダントツに思いがけない人物をお見せしたいです。今の私のドキドキワクワクがお客様のものとなるために。<石田佳央>まず、この作品に参加できる事を非常にうれしく思いますし、舞台に立てることに感謝します。当たり前の事が当たり前ではなくなり、観劇することも何かと大変になってしまった現在。それでも観劇してくださる方々に、観て良かった!面白かった!と感じてもらえるように、共演者スタッフと共に創っていきたいと思います。僕自身もどんな作品になるのか、とても楽しみです!どうぞご期待ください!<和田琢磨>和田琢磨と申します。今回、井上芳雄さんをはじめとする、魅力的で素晴らしい方々と一緒に作品をつくる機会を頂き大変光栄に思います。劇場での生のお芝居を皆様に楽しんでいただけるよう、1日1日の稽古を大事に取り組んで参りたいと思います。■公演情報PARCO Produce 2021『首切り王子と愚かな女』<東京公演>6月15日(火)~7月4日(日)会場:PARCO劇場公式サイト: 料金:12,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可U-25チケット6,000円(観劇時25歳以下対象、要身分証明書、当日指定席券引換 / 「パルステ!」、チケットぴあにて前売販売のみ)一般前売開始:5月8日(土)<大阪公演>7月10日(土)13時~・18時~7月11日(日)13時~会場:サンケイホールブリーゼ料金:12,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可<広島公演>7月13日(火)会場:JMSアステールプラザ 大ホール料金:12,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可<福岡公演>7月16日(金) / 7月17日(土)会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール料金:12,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
2021年04月22日ミュージカル界のプリンス・井上芳雄と、若手実力派女優・伊藤沙莉が初共演する舞台「首切り王子と愚かな女」の上演が決定した。本作は、劇作家・演出家の蓬莱竜太と、蓬莱さんとの再タッグを待望した井上さんが、「正しい教室」以来、6年ぶりに再び手を組んで取り組む大人のファンタジー作品。魑魅魍魎が渦巻く王室を舞台に、腹に一物ある大人たちが、あの手この手で陰謀、裏切り、忖度、愛憎、競争をたくらみ、のしあがろうとしていく――。そんな欲望が先走る様子を、シニカルな笑いをまぶしながら描き出していく。井上さんが演じるのは、癇癪持ちで自分勝手、傍若無人の“首切り王子”。「すべての四月のために」以来4年ぶりのパルコ・プロデュース作品出演となる伊藤さんは、その王子に慕われ、世話係にまで上りつめた貧しい村の“愚かな女”を演じる。井上さんは「蓬莱さんが今、何を面白いと思っているのか、とても興味があります。現在の世の中だからこそ、演劇だからこそできることがあると信じて、その世界に全身で飛び込みたいです」と意気込み、伊藤さんは「いつか出演させて頂きたいとずっと思って、目標の一つにしていた蓬莱さんの作品への出演が、やっと叶う喜びと共に一気に緊張感が高まっています」と心境を明かし、「精一杯頑張ります。届けます」とコメントしている。2人のほかにも、高橋努、入山法子、太田緑ロランス、石田佳央、和田琢磨、若村麻由美が出演。初の女王役に挑む若村さんは「スタッフキャスト観客がひとつになる、劇的なる場の醍醐味を存分に味わいたいと思います」と話し、「蓬莱さんと仕事をするのは5本目」だと言う高橋さんは、「お客様の『楽しみ』の一端になれれば。観劇後にもジワる『楽しみ』になれれば、この上幸せなことはない。蓬莱さんの新作、新 PARCO 劇場、『楽しみ』な作品になるのは確実である」と語っている。そして「今、舞台に立てることを心から感謝して、防具を持たず、全力で挑みます」(入山さん)、「早く皆さんと稽古場であーだこーだ試して、ダントツに思いがけない人物をお見せしたいです」(太田さん)、「観て良かった!面白かった!と感じてもらえるように、共演者スタッフと共に創っていきたい」(石田さん)、「劇場での生のお芝居を皆様に楽しんでいただけるよう、1日1日の稽古を大事に取り組んで参りたいと思います」(和田さん)と、ほかキャスト陣も意気込んでいる。なお、東京公演のチケットは、5月8日(土)に一般前売の発売が行われる。<あらすじ>大人の寓話。時代も場所も架空の王国。雪深い暗い王国。英雄であり人格者であった先王が早くに没して20年。没後、女王は彼女に取り入った大臣に政を任せ、自分は享楽の日々を過ごし、大臣もまた甘い蜜を吸っていた。民たちは税を搾り取られ、流行り病は放置され、苦しみ、疲弊していた。その王国にはさらに、馬鹿王子がいた。何不自由なく育てられ、誰の話も聞かない、何の想像力も持たない馬鹿王子だった。気に入らないものは人であろうが動物であろうが、ことごとく首をはねた。命など王子にとって大事なものではなかった。だが、女王の寵愛を受けているため、側近たちも何も言えない。王国の未来への不安が民の中にも漂っていた。ただ、唯一この馬鹿王子に意見出来る王子専門の世話係の女がいた。この女は小さな貧しい村の出身で、そのため学も教養もない。召使いの身分から王子に上手く取り入り、王子専門の世話係にまでなった女で、いまやお妃候補とまで噂されている。女は貧しく惨めな暮らしは二度としたくなかった。女は野心に燃えていた。ある日、一人の女が反乱の疑いで投獄される。それは女の憧れの姉であり、自分と家族を捨てた憎むべき存在であった…。パルコ・プロデュース「首切り王子と愚かな女」は6月15日(火)~7月4日(日)PARCO 劇場(渋谷PARCO 8F)にて上演。ほか地方公演あり。(cinemacafe.net)
2021年03月30日舞台『子午線の祀り』が、2月21日(日)よりKAAT神奈川芸術劇場 ホールにて開幕した。『子午線の祀り』は、木下順二が『平家物語』を基に“天”の視点から人間たちの葛藤を描き、平知盛や源義経をはじめとする源平合戦にかかわった登場人物たちを躍動感をもって浮き彫りにし、心理描写も巧みな壮大な歴史絵巻に仕立て上げた戯曲。日本語の“語り”の美しさと荘厳な響きを引き出す群読という独特な朗誦スタイルを随所に用い、演劇史に確固たる地位を築いてきた作品として広く知られてきた。その戯曲を受けて宇野重吉、観世栄夫、木下順二らの演出による初演が1979年。能・狂言、歌舞伎、現代演劇で活躍する俳優、スタッフがジャンルを越えて創り上げ、高く評価された。その後、幾たびもの上演を経て、この伝説的な舞台が、野村萬斎の新演出により世田谷パブリックシアターで上演されたのが、3年前の2017年のこと。世田谷パブリックシアターとKAAT神奈川芸術劇場の共同制作となる今回は、2017年版をベースにした新演出で、野村萬斎が再び作品を立ち上げた。初日を終えた野村は、「『子午線の祀り』という戯曲そのものが持つ宇宙観を生かしながらも、より凝縮した“ドラマ”になった」と手応え十分の様子。成河は、「簡単には越えられない山に全員でタックルして、立ち向かっているという感じですね」と全員が一丸となって舞台に挑んでいることを明かす。若村麻由美は「劇場に共にいる喜びを分かち合い一期一会のタイムトラベルを千穐楽迄果たします」と感染症予防対策に努めながら来場した観客に向けて、感謝のメッセージを送った。本舞台は神奈川公演に続き、名古屋、久留米、兵庫、東京と3月30日(火)まで上演される。『子午線の祀り』作:木下順二演出:野村萬斎音楽:武満徹出演:野村萬斎、成河、河原崎國太郎吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美ほか企画制作:世田谷パブリックシアター共同制作:KAAT神奈川芸術劇場
2021年02月24日舞台『子午線の祀り』が、2月21日より開幕。野村萬斎、成河、河原崎國太郎、吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美の初日コメント、および舞台写真が公開された。『子午線の祀り』は、木下順二が『平家物語』を基に“天”の視点から人間たちの葛藤を描き、平知盛や源義経をはじめとする源平合戦にかかわった登場人物たちを躍動感をもって浮き彫りにし、心理描写も巧みな壮大な歴史絵巻に仕立て上げた戯曲。日本語の“語り”の美しさと荘厳な響きを引き出す群読という独特な朗誦スタイルを随所に用い、演劇史に確固たる地位を築いてきた作品として広く知られてきた。その戯曲を受けて宇野重吉、観世栄夫、木下順二らの演出による初演が1979年。能・狂言、歌舞伎、現代演劇で活躍する俳優、スタッフがジャンルを越えて創り上げ、高く評価された。その後、幾たびもの上演を経て、この伝説的な舞台が、野村萬斎の新演出により世田谷パブリックシアターで上演されたのが、3年前の2017年のこと。世田谷パブリックシアターとKAAT神奈川芸術劇場の共同制作となる今回は、2017年版をベースにした新演出で、野村萬斎が再び作品を立ち上げる。キャストには、野村萬斎、成河、河原崎國太郎、吉見一豊、村田雄浩、若村麻由美らが名を連ねた。初日公演を終えて寄せられたコメントは下記の通り。野村萬斎コメント「子午線の祀り」という戯曲そのものが持つ宇宙観を生かしながらも、より凝縮した“ドラマ”になった。そんな手ごたえを感じています。シェイクスピアは「ハムレット」の中で、「演劇は自然(時世)を映す」と書きました。人間があがきながらも一生懸命生き、活路を見出そうという姿が、このコロナ禍という非常事態下においてこそ、より際立ち、新しい「子午線の祀り」を作り上げることができたと思います。大きな歴史の流れの中で、一人の人生は小さな物かもしれないけれど、すっくと力強く立っている。そう実感していただく機会になればと思います。喜びも悲しみも、人々が一体となって共有するのはテレビやリモートではできない、劇場ならではのこと。木下順二さんの戯曲が持つ言葉の豊かさと、皆さんの想像力によって広がる世界観で、演劇はすごいなと感じさせる作品です。「子午線の祀り」で、皆さんの演劇ライフを復活させられたら。そう願っています。成河コメントやはり巨大な戯曲なので、簡単には越えられない山に全員でタックルして、立ち向かっているという感じですね。とにかく手強いスケールの大きさです。これからツアーにも行きますが、それぞれの土地によってお客様の空気感は違うだろうと思います。色んなところで色んな人たちに観ていただいて、そこでまた鍛えられて、その上で検証すべきところがまだまだ詰まっている戯曲です。この戯曲は、初めての方には必ずしもとっつきやすいものではないかもしれませんが、日本語の魅力を再認識することができると思うので、現代人として、一緒に立ち向かってほしいなと思います。河原崎國太郎コメントこういう状況の中での初日でしたが、観たいと思って来てくださったお客様の熱気を感じました。無事に終えてホッとしています。2021年版の「子午線の祀り」は日々進化・進歩していくような作品だと思います。もちろん初日に完成を目指して稽古してきましたが、そこから更に積み重なっていくものだと思います。ツアーに行く先々で少しずつ進化していく作品になるはずです。期待して観ていただければ嬉しいですね。我々も「地域の皆様へ」という想いも含めて伺うつもりです。皆様の明日の活力になるような舞台をこれからもお届けしていきますので、存分にお楽しみください。吉見一豊コメント木下順二さんの作品に出演させていただくのは初めてです。その中でももはや伝説の作品とも言える「子午線の祀り」に出演できたことを、とても光栄に感じています。40年以上前に創られた実験的な作品ですが、当時と比べ演劇界におけるイデオロギーが無くなった現代においても古くならない、実にエネルギッシュな作品。「平家物語」がベースではありますが、真面目になりすぎないよう、良い意味で戯曲との距離感を保ちながら挑んでいきたいと思います。また、私にとってはコロナ禍となってから初のツアー公演でもあります。全国の皆様にこの作品のエネルギーをお伝えできるよう、心して務めたいと思います。村田雄浩コメントようやく初日を迎え「辿り着いた」という気持ちです。再演で内容自体は変わらないけれど、このご時世で変更した部分やセットも前とは全然違っているので、初日は初日で1つの完成した作品をお見せしましたが、これからももっと色々なことができると思っています。萬斎さんもきっとこれで満足はしていないでしょうし(笑)、これからどういう風になるか。会場によっては空間の使い方も変わって、よりぎゅっと凝縮された見え方になると思います。そういう意味でも、これから日に日に期待していっていただきたいです。1回でなく、もしよろしければ2回3回観ていただけると、違うものが観られると思いますので、お待ちしております。若村麻由美コメントまず、スタッフキャスト全員揃って初日を迎えられ感無量です。感染症予防対策にしっかりとご協力くださったお客様方がとても温かいカーテンコールをくださり、マスクの下の笑顔が見えた気がしました。劇場に共にいる喜びを分かち合い一期一会のタイムトラベルを千穐楽迄果たします。「子午線の祀り」は源平合戦ですが、親子や兄弟の話でもありグッと身近に迫るものがあります。知盛は息子を見殺しに逃げた自分を許せず、全ては運命だったのかと影身に問い続けます。影身とはプラトニックラブですが、影身が殺された後は、知盛の心の声となります。非情の相を見極めよと伝える影身の言葉が、2021年の皆様にどのように聞こえるのかとても興味深いです。公演情報『子午線の祀り』作:木下順二演出:野村萬斎音楽:武満徹出演:野村萬斎 / 成河 / 河原崎國太郎 /吉見一豊 / 村田雄浩 / 若村麻由美 /星智也 / 月崎晴夫 / 金子あい時田光洋 / 松浦海之介岩崎正寛 / 浦野真介 / 神保良介武田桂 / 遠山悠介 / 森永友基【神奈川公演】2021年2月21日(日)~2月27日(土)会場:KAAT神奈川芸術劇場 ホール【名古屋公演】2021年3月3日(水)・4日(木)会場:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール【久留米公演】2021年3月7日(日)・8日(月)久留米シティプラザザ・グランドホール【兵庫公演】2021年3月13日(土)・14日(日)会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール【東京公演】2021年3月19日(金)~3月30日(火)会場:世田谷パブリックシアター
2021年02月24日