2012年に向井理・主演で舞台化された天童荒太の直木賞受賞作を、今度は高良健吾を主演に迎え映画化する『悼む人』。このほど、本作から2種類の予告編が到着した。地に跪き、右手を頭上に挙げて空中に漂う何かを捕らえるように自分の胸へ運ぶ。左手は地面すれすれに下ろして大地の息吹をすくうかのように胸へ運び、右手の上に重ねる。そのまま、目を閉じて、何かを唱えるように唇を動かす青年。週刊誌記者・蒔野抗太郎が出逢った坂築静人(高良健吾)は、そうして死者を“悼む”ために全国を放浪している男だった。だが、人の善意を信じられぬ、猜疑心の塊のような蒔野は、静人の不可解な行動(=悼み)に疑念を持ち、彼の身辺を調べ始める。一方、家庭内暴力を受けた女性たちをかくまい「仏様の生まれ変わり」とまで言われていた夫・甲水朔也を殺害し、4年の刑期を終えた奈義倖世(石田ゆり子)。身寄りもなく、行く宛もない彼女は、二度と足を踏み入れぬつもりだった東北の町を訪ね、その殺害現場で朔也を“悼む”静人と出会い…。「トリック」や「SPEC」シリーズなどヒット作を世に送り出してきた、堤幸彦監督がメガホンを握る本作。主演の高良さんを始め、ヒロインには石田ゆり子、ほかにも椎名桔平、貫地谷しほり、井浦新、大竹しのぶといった堤組の豪華な常連たちも出演している。このほど完成した2種類の予告編映像はどちらも、高良さん演じる“悼む人”静人に、石田さん演じる倖世が出会うシーンから始まり、椎名さん、井浦さん、貫地谷さん、大竹さんなどそれぞれの登場人物たちの捻じれて歪んだ過去が映し出される。後半になると2種類の映像でそれぞれに違いが。1本は高良さんの情感にあふれたセリフが、もう一本では「<悼む>=愛を覚えておくこと」「あなたは思い出す。誰に愛され、誰を愛していたか。」という胸が苦しくなるような本作のキャッチコピーが一気に押し寄せるという仕上がりとなっている。映画『悼む人』は2015年2月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月22日女優の鈴木京香、俳優の高良健吾が5日、都内で行われた、連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』の完成披露試写会に出席した。15日からWOWOWでスタートする本作は、吉田修一の同名小説(朝日文庫刊)を、行定勲監督が実写化した復讐エンターテイメント作品。チェロ奏者の敏腕マネージャー・夕子(鈴木)、歌舞伎町のバーテンダー・純平(高良)を中心に、ホストやクラブのママ、元ヤクザらが、日本を揺るがす大騒動を繰り広げる――というストーリーで、ドラマは毎週土曜22時から放送予定(第1話は無料放送)。黒のシックな装いで登場した鈴木は、「人と人の関わりを信じて、怖がらずにいたいと思った作品」と本作をアピールし、高良も「復讐劇って言ってるけど、見終わった後、自分の中に爽やかな風が吹いた」と自信の表情。鈴木と高良は、本作が初共演だが、鈴木が「素敵な青年のイメージを裏切ることは微塵も無かった。『横道世之介』のまま、周りから愛される人」と称賛すると、高良は「京香さんはすごく可愛くて、品があって、とてもお茶目。現場で楽しそうにしているので、後輩の僕たちはすごくうれしい。京香さんのような大人になりたい」と心からの褒め言葉を並べていた。また、イベントには、鈴木、高良のほか、連続テレビドラマに初めて挑んだ行定監督、主題歌『それでも世界は美しい』を担当した歌手の塩ノ谷早耶香も出席。「僕らの気持ちを代弁しているような作品」と胸を張った行定監督は、「300分の映画を撮ったつもり。(自身が監督を務めた)映画『世界の中心で愛を叫ぶ』の時でも泣かなかったのに、6話を観た時は泣けてきて。初めてかもしれない」と熱い想いを吐露。そんな行定監督と同い年だという鈴木は、「クセになるような大変さでしたが、手応えバッチリの現場でした」と撮影を振り返って笑顔を見せた。一方、「行定監督の作品で主演を張れるのは夢だった」と言う高良は、「試されている気分になるような、でも、負けたくないとも思う」と"行定組"に刺激を受けた様子。撮影現場での高良について、行定監督は、「非常にナイーブ。いなくなったと思ったら、隅で落ち込んでいて、ドラマでも良い意味で引きずってる」と明かしつつ、「僕は複雑なフリをする俳優が嫌いだから、とても分かりやすくて良い」と高良を気に入ったようだった。
2014年11月06日「悪人」「横道世之介」の吉田修一の人気小説を原作にしたWOWOW連続ドラマW「平成猿蟹合戦図」の完成披露試写会が11月5日(水)に開催。主演の鈴木京香、高良健吾に行定勲監督が舞台挨拶に登壇した。過去に映画『パレード』、携帯用ドラマ「女たちは二度遊ぶ」で吉田作品を映像化している行定監督が初めて連続ドラマに挑戦した本作。歌舞伎町で働くバーテンダーの純平はひき逃げ事件を目撃し、犯人の有名チェロ奏者から金を脅し取ろうとするが、話は次々と奇妙な方向へと流れていき、やがて、なぜか国政選挙に立候補することに…。ひき逃げ犯のチェロ奏者の敏腕マネージャーで純平の“才能”を見出す夕子を演じた鈴木さんは、第1話を見終わった観客の反応に満面の笑み。「冬の寒さの中、みんなで頑張ったのを思い出しました」と嬉しそうに語った。高良さんとは初共演となったが「素敵な青年のイメージでしたが、それを微塵も裏切ることがなかった!周りのみんなが応援したくなる。もし本当に立候補したら応援します」と大絶賛。一方の高良さんは、同じ熊本出身の行定監督の映画『GO』を高校時代に観たことを明かし「監督の作品で主演を張るのが夢だった」と感慨深げ。鈴木さんについては「年下の自分がこういうこと言っていいのか分かりませんが、すごくかわいくて、品があってお茶目です。京香さんみたいな大人になりたいし、こういう歳の重ね方をしたいです。本当に立候補することになったら、秘書は京香さんにお願いしたい(笑)!」と語り会場を沸かせていた。行定監督は原作者の吉田さん、鈴木さんと同い年であることを明かし「京香さんも同い年ってことにすごくこだわってくれて(笑)、プレゼントで(生まれ年の)68と書かれたTシャツをもらいました(笑)」と嬉しそう。初めての連続ドラマについて「なじみのないものでしたが、吉田さんの小説を読んで吉田さんに『映画化したい』とお願いし、『してよ』と言われたんですが、なかなか企画が進まなかったのはこれだけ長くなるから。約300分(50分×全6話)の映画を撮るつもりで臨みました」とふり返る。さらに「第6話を見て自分で泣いてしまいました。初めてのことで『世界の中心で、愛をさけぶ』でも涙は落ちたことなかったんですが…。どこかで僕らを代弁しているという気持ちになったからだと思う」と手応えを明かした。この日は、主題歌「それでも世界は美しい」を歌う塩ノ谷早耶香も登壇し、舞台挨拶の終わりに生歌を披露。「緊張しましたが気持ちよく歌うことが出来ました」と笑顔で語る塩ノ谷さんに温かい拍手が送られた。WOWOW連続ドラマW「平成猿蟹合戦図」は11月15日(土)スタート(全6話) 毎週土曜夜10:00<第1話無料放送>。(text:cinemacafe.net)
2014年11月05日11月15日放送のWOWOW連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』(毎週土曜 22:00~ 全6話)に出演する俳優の高良健吾と行定勲監督がこのほど、熊本・菊池で開催された「菊池国際交流映画祭」で舞台あいさつを行った。同ドラマは、東京・歌舞伎町で起こったひき逃げ事件をきっかけに、バーテンダー・浜本純平(高良)と、世界的チェロ奏者がおこしたひき逃げ事件を目撃したことをきっかけに彼の敏腕マネージャーの園夕子(鈴木京香)と知り合い、意図しなかったその出会いによって国政選挙に挑んでいく"復讐エンタテインメント"。純平と夕子の出会いはさまざまな人々を巻き込みながら、やがて日本を揺るがす大騒動へと発展していく。映画祭では同ドラマの第1話が上映され、終了後に熊本市出身である高良と行定監督が登壇。高良は「演じた純平という青年は、自分よりも人のことを信じられる素敵なヤツで、すごく気持ちいいドラマです。行定さんとは2度目のお仕事になりますが……厳しいし、試されている気がするし、緊張もするけれど、こちらがぶつけたものをすべて受け止めてくれる」と話し、「行定組でしか味わえないもの、瞬間がありました。ドラマのクランクアップの日に、監督から『お前って、面倒くさいやつだよな』って言われてすごくうれしかった」と笑顔を見せた。行定監督は「純平はバーテンダーから政治家を目指すわけですが、純平というのは高校生の気持ちのまま漂っている人間でもあって、それが確固たる人間になっていく様は俳優・高良健吾の良さが一番光るだろうと思ったんです。何者でもない人間を演じさせると光る俳優なんですね」と高良を絶賛した。また、ステージには、挿入歌を担当するロックバンド「忘れらんねえよ」のボーカル&ギターの柴田隆浩もステージに立ち、高良と一緒に劇中歌である「ぼくらの居場所」を熱唱。劇中でも主人公の純平が同曲を歌っており、「純平が歌うシーンはドラマとしても重要なシーン、みどころです」と行定監督はアピールした。さらに、主題歌担当の歌手の塩ノ谷早耶香もゲストとして登壇し、主題歌「それでも世界は美しい」を披露し、会場は大いに盛り上がっていた。
2014年10月15日異なる道を歩んできた2人がここで運命的に交錯した。そんな印象を受ける。公開中の『武士の献立』で夫婦役を演じた上戸彩と高良健吾。互いの印象からそれぞれの歩みについてまで語り合った。その他の写真高良は上戸を当初「うわぁ“上戸彩”だ!」という視線で見ていたという。彼らしい素直な言葉に上戸は「ええ、上戸彩ですが(笑)」とおかしそうにうなずく。当然、共に過ごす中で印象は変化していく。高良は続ける。「撮影中は互いを役として見ている部分が強いんです。だから終わってからようやく、ひとりの人間として上戸さんを見られる。改めて接してみると不思議な方です。佇まいやその場にいる感じが…そういうタイプに見えないけど、実はすごく不思議なひとなんです(笑)」。上戸は高良から感じる“変化”をこう語る。「撮影の時はいま以上に殻のようなものがあって、それが劇中の2人の関係にとってすごくよかったと思います。高良くんにとっては『横道世之介』のすぐ後で、まだその空気をまとっているような気がしました。『世之介』について『素の自分に一番近い役』と言っているのを見ましたが、私自身はいま高良くんと接していて、そうは感じないんです。あのとき、高良くんが世之介という役と一体化していて、そう感じたんじゃないかと思うんです。常に役に影響されながら変わっていく人なのかなと」。上戸にとっては『あずみ2 Death or Love』以来の主演映画。映画に臨むということは、彼女にとってはある種の覚悟を要した。「今までドラマ中心でお仕事させていただく機会が多かった中で、正直、無理に映画に挑戦する必要がないのではないかって。映画は足を運んで見てもらうもの。そこまでしてお客さんが自分の映画を見に来るのか?と考えると『やめよう』と逃げてました。この『武士の献立』は、それでもやりたいと思い、春役を誰にも渡したくない!と思えた作品で台本に向き合い、役に集中できてすごく幸せな時間でした。いまは、興行収入とかランキングを気にし過ぎずやりたい役に挑戦していこうと思えるようになりました」。一方、高良はここまで映画を中心にキャリアを積んできた。歩んできた道の違いからか、2人の視点は交錯しつつも、決して同じ方向を向いているわけではないのも興味深い。「僕は逆に、以前は『分かる人に分かればいい』というワガママな意識でやってましたが、いまは出来るだけ多くの人に届けたいという気持ちが強くなったし、興行収入も若干、気にします(笑)。上戸さんを見ていて、僕のようにある意味ワガママに好きな事だけやって来た人間とは違うメンタリティの強さ、爆発力というのを感じてます」。その2人の道がいま、時代劇で交わったのは幸運にも思える。高良が最後にポツリと漏らす。「次はね、現代劇で一緒にやりたいねって話してるんです」。『武士の献立』公開中※取材・文・写真:黒豆直樹
2013年12月19日北川景子×深田恭子共演の『ルームメイト』が11月9日(土)に公開を迎え、北川さん、深田さんに共演の高良健吾、古澤健監督による舞台挨拶が都内劇場で行われた。偶然の出会いから意気投合し、ルームシェアをすることになった女性2人。だが、共に暮らす内に恐るべき内面が露わになり…。2人が辿る奇妙な運命を描いたミステリー・ホラー。2人揃って黒いワンピースで登場した北川さんと深田さんは、映画を観終わったばかりの満員の客席からの拍手にホッとした様子。北川さんが劇中、返り血を浴びる凄まじいシーンもあるが、本人は「楽しかったです!」と笑顔で述懐。「今回は暴れてやろうって思ったので。普段は崩さないようにする部分を気にせず、体当たりで服が破れても泥んこになってもいいという気持ちで新鮮で楽しかった。『血糊、もっとかけちゃって!』という感じでした(笑)」と明かす。深田さんは“女のバトル”について「そういう言われ方するんですが、実際には私ばかり、景子ちゃんに平手打ちをしたり蹴ったり、杖で突いたりで、カットがかかるたびに心配だったんですが、景子ちゃんは『全然大丈夫!思い切りやって』と言ってくれて助けられました」と申し訳なさそうにふり返る。そんな2人の様子について高良さんは「撮影の合間に仲良く喋っていたかと思ったら、急にバチバチとなって、撮影が終わったらまた『大丈夫?』という感じで怖いな…と思いました(笑)」と意外なポイントで女の怖さを思い知らされたよう?最後は“恐怖”をイメージして作られたというオリジナルのカクテル「ルームメイト」で、高良さんの音頭により「北川さんと深田さんの美しさに!そして映画の初日を祝って、一人でも多くの人に映画を観ていただけるように祈って」と乾杯が行われ、温かい祝福ムードの中で舞台挨拶は幕を閉じた。『ルームメイト』は全国にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:ルームメイト 2013年11月9日より全国にて公開(C) 2013「ルームメイト」製作委員会
2013年11月09日桜庭一樹による直木賞受賞作を原作に、浅野忠信と二階堂ふみのW主演で贈る、熊切和嘉監督の最新作『私の男』。このほど、本作のキャストに高良健吾が加わることが明らかとなり、これに併せて、高良さんから特別コメントが到着した。北海道・紋別を舞台に、孤児となった少女・花(二階堂さん)と、彼女を引き取ることになった遠縁の男・腐野淳悟(浅野さん)の禁断の愛を描き出す本作。今回発表された高良健吾は、東京に移り住んだ淳悟と花と出会い2人に翻弄される尾崎美郎役を演じ、物語の中盤に華を添える役どころ。今回のオファーを受けて、「熊切監督と初めてお会いしたのは『M』(’07)で、ロッテルダム国際映画祭に行った18歳のときでした。もともと監督の作品のファンだったので、今回『私の男』の現場に呼んでいただいて本当に嬉しいです。撮影中に監督から『いいっすね!』と言われると、“熊切組で芝居しているんだ”と実感が沸いてきました」と喜びを語っている。高良さん同様に熊切組への参加を「運命の役だと思いました。監督は運命の人です」と歓喜する二階堂さん。そんな彼女との共演を経て、高良さんは「覚悟を持って芝居をしているのが伝わってきたので、一緒に演じられて楽しかったです」と役者として共感する部分があったのだとか。彼らのほかにも、作品のキーパーソンである淳悟と花の親戚・大塩に扮する名優・藤竜也を始め、三浦誠己、安藤玉恵、三浦貴大ら個性派が顔を揃える本作。すでに先日、“春編”の撮影を無事終え一段落ついたところだが、浅野さんの「最後まで諦めず粘り強く追求して行きたいと思います」という言葉の通り、撮影はまだまだこれからのようだ。果たして、高良さんがこの豪華なキャストたちにどう絡んでいくのか?期待して続報を待ちたい。『私の男』は今年中の完成を目指し、2014年の公開を予定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:私の男 2014年、全国にて公開
2013年05月23日よく笑う。『横道世之介』で演じた世之介と祥子がそのまま現れたかのように、高良健吾も吉高由里子も、撮影現場の思い出を語るその表情はただただ笑顔。1987年、東京の大学に入学した九州・長崎出身の横道世之介の1年を追っていく物語は優しさと懐かしさと、圧倒的な幸福感に満ちている。高良さんと吉高さんが初めて会ったのは5年前、『蛇にピアス』で共演したときのこと。ちょうど世之介と祥子と同じ年頃だった2人だが、ヘヴィな内容の作品ということもあり、ハッピーそのものの世之介たちとはまるで違う心境だったという。「新人だった当時からその後の5年間、いろんな作品で見てました。やっぱり1回ガッツリ、しかもなかなか濃い現場を共にしてる分、気になりはしてましたね」と高良さんが吉高さんについて語ると、吉高さんも「当時はゼロからスタートした気持ちでいたから、本当に自分で調節の利かない期間を見届けたっていうか。すごい密度がある時期だったので、甘えちゃいそうなくらい寄りかかれるような、すごい信頼してる関係はずっと前からありました」と言い、「今回も、頼もしい主演の人でよかった」と笑顔になる。その信頼が、底抜けに前向きで人懐っこい世之介と浮世離れしたお嬢様育ちの祥子の、ちょっとズレたやりとりをこのうえなく愛らしく、しかもリアルに見せる芝居を生む。撮影しているその場で起きたことにその都度、反応し合いながら、シーンを作っていった。「何かしらハプニングが起きるから、そこにいる2人として対応していることをアドリブと言われるのだとしたら、全シーンにあると思うんです」(吉高さん)「壁にかけていた帽子が落ちてきたり」、「プールのシーンでは、暑くてゴーグルが曇って何も見えなくなったり」と2人して次々と例を挙げて、また楽しそうに笑う。初めて呼び捨てでお互いの名前を呼び合うシーンでは、「“ベルばら”風に呼んできたんですよね、吉高さんが。『世之介!』って。脚本にはそんなこと風には書いてないから(笑)」(高良さん)「雪のシーンは全部アフレコだったんですけど、あのキャッキャはしゃいでるテンションをスタジオで後からやるのって…」と吉高さんが言うと、思い出し笑いをしながら「恥ずかしかったね」と高良さん。「私なんて『チュッ!』っていう音まで言わされたんだからね」と吉高さんは一瞬、拗ねた表情を作って見せると、笑い出す。「普通にできたらいいなと思っています。面白おかしくじゃなく。どのシーンも、セリフの掛け合いでもっとコメディっぽくもできる。でも、それは違うなと思ったんです。世之介が経験することは普通の出来事だから、コミカルにする必要はないですし、沖田監督だから、そうしなくて良かった」と、『南極料理人』や『キツツキと雨』で組んできた沖田修一監督についても語る高良さん。「普通にやるということは、すごい意識してました」。5年ぶりの共演について「知らない高良さんもいっぱい見ましたし、懐かしい部分もあったり。根本的なものは変わってないけど、その核が変わらないままちゃんと変化していたから、嬉しいような寂しいような(笑)」と語る吉高さん。「前はそんなに喋らない人だったのに、いまは積極的に自分からスタッフさんに話しかけたり。すごく楽しそうなのが嬉しかった。5年間でこうやって成長して前進しているのをちゃんと目の前で見せてくれたというか」。高良さんは「吉高さんは、すごく動物っぽい人だと思うんです」と言う。「一緒に演じていて楽しいし、吉高さんにしかできないことをするんです。段取りっぽくなってしまわず、上手下手でもなく、その人にしかできないことでやり合えるのは、すごい楽しい時間です」。撮影前から高良さんは世之介について「自分にとても近い」と話していた。「どの役も自分に似たような部分もあるけど、世之介は特に近いなあって思うんです。どの役でも自分の人生経験の中からやってるので、自分に近いか遠いかで、やりにくさはないかもしれない。セリフも、なんか自分が言いそうなことだし。やってて楽しかったです」。一方、吉高さんは「(祥子に)近い部分もあったりするんですかね?」と考え込む。「自分がどう映って、どう見られてるのかも分からないですし。でも、周りから『急だね!』ってよく言われる点はちょっと近いものがあるかも」。映画では1987年、その16年後という2つの時代を演じている吉高さん。海外から久々に帰国し、懐かしい東京の街で世之介との思い出を噛みしめるシーンの表情が印象的だ。「あのとき、もう高良さんの撮影はアップしてたのかな。本当に懐かしむ気持ちでやってました。実際に自分たちが歩いてた道をちゃんともう一度通って撮影してくれたし。世之介が本当に嬉しそうに笑う顔を想像したら、たまに泣きそうになるときがあって」と語る表情がとても優しい。「この現場って、ノンストレスで最初から最後までずっといたんです。ああ、こんな柔らかい時間が終わっちゃうのかと思うと、何か流れ出たような気がします。自分の中から」。すごく特別な、一生に一度とも言えるほど稀有な繋がりなのに、16年後にその関係は思い出になっている。「世之介の生きてきた中に、大学生活で会った祥子ちゃんがいて。それだけっていう気もするんです」と高良さん。「いろんなタイミングが “合ってる”ことも奇跡なんだけど。だから、すごい特別なんだとも思います、出会うということ自体が」(高良さん)「春先に吹くぬるい風って、あるじゃないですか。ああいうイメージ」と吉高さん。「人が座った後の椅子の生温かさみたいな、世之介って、そういう感覚で思い返す人だなって。変なのかもしれないけど、私は変って思ってないから(笑)」(吉高さん)。心の中に居続けて、ふとした瞬間にふわりと思い出して笑顔になる。そんな無垢で優しい時間を演じるにふさわしい、あるがままに物事を受け容れて己の感覚をさらに豊かにしている、自由な2人だ。(photo:Yoshio Kumagai / text:Yuki Tominaga)■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「横道世之介」製作委員会
2013年02月21日「パレード」や「悪人」など著作が次々と映画化されている吉田修一の同名小説を、高良健吾&吉高由里子をメインキャスト迎え、『キツツキと雨』の沖田修一監督が実写映画化した『横道世之介』。高良さん演じる世之介の同級生で、女性に興味を持てない加藤雄介を若手人気俳優の綾野剛が演じることでも話題を集めているが、どうやら本作には高良さん演じる世之介と綾野さん演じる加藤の胸キュン友情ポイントがたくさん詰まっているようだ。2012年は6本もの映画に出演した綾野さん。今年もその勢いは衰えることなく、さらなる活躍を見せている。主演作となる『シャニダールの花』を始め、『夏の終り』、『ガッチャマン』などの映画出演のほか、TVではNHK大河ドラマ「八重の桜」や「最高の離婚」など出演作は目白押しだ。そんな綾野さんが本作で演じる加藤は、お人よしで人懐っこく純粋な世之介とは対照的に、女性を好きになれない繊細な男子。2人の美男子の友情ぶりは女子たちの胸キュンポイントはもちろん高い!今回はその中から厳選の胸キュンエピソードをご紹介したい。初対面にも関わらず、お構いなしに世之介から意中の女性の話を延々と聞かされたり、自宅にクーラーのない世之介がたびたび加藤の部屋に入りびたったりと、ずけずけと加藤の心に侵入していく世之介。加藤はそんな世之介を迷惑がっているのかと思いきや、「最近、本気でお前のためにクーラーを買ってやろうかって考えてる自分が怖いよ…」とついつい世之介を甘やかせているあたりは、何とも微笑ましく、戸惑いながらも世之介の憎めないキャラクターをきちんと受け入れているようだ。また、そんな世之介にも仰天エピソードが。「オレさ、男の方がいいんだよ」という意を決した加藤のカミングアウトに、「あ、そうなの?」と全く動じることなく受け入れる世之介。しかし、このチグハグのようでぴったり息の合った絶妙な関係を保っているからこそ、2人の絆は固いのかもしれない。天然ながらも相手を受け入れる世之介と、繊細ながら実は世之介の人柄に救われる加藤。2人の友情に、女子は思わず胸キュン&ほっこりしてしまうはず。『横道世之介』は2月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「横道世之介」製作委員会
2013年02月12日吉田修一の同名人気小説の映画化した『横道世之介』が10月27日(土)、第25回東京国際映画祭にて特別招待作品としてお披露目となり、主演の高良健吾と沖田修一監督が舞台挨拶に立った。長崎生まれで大学進学のために18歳で上京した世之介。お人好しで憎めない図々しさで人の心を掴んでいく彼と、ガールフレンドの祥子を始めとする周囲の人々の青春とその後を当時の時代背景と共に描き出す。高良さんにとっては沖田監督作品出演はドラマ「青梅街道精進旅行」、『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き4作目。「自分に撮って現場はつらいものという思いが若干あるんですが(苦笑)、沖田組は上手い下手でなく生き生きとしてられる場所」と明かす。今回、演じた世之介は厚かましさに嫌みのない不思議なパーソナリティの持ち主で観る者をクスリとさせる微笑ましさがあるが、高良さんは役づくりについて「逆に意識せずに臨みました。脚本を『面白いな』と思いながら読んでたんですが、そういう部分を狙っていやらしく見えるのが嫌だったので、狙わないことを意識しました」とふり返った。沖田監督も「それが高良くんのいいところ。僕は舞台裏でお茶飲んでるときの姿も知ってますが、そういう姿が世之介に近いと思った。『いつか高良くんを主役に』と思ってたんですが、今回思う存分やって、でも互いに肩の力を入れずにできたと思います」と強い信頼関係を伺わせた。ヒロイン役として吉高由里子も出演しており、高良さんとは『蛇にピアス』以来の共演となる。高良さんは「『蛇にピアス』のときは『暗かったね』と話したんですが、今回は明るくやれてそこが違ったかなと思います。予期せぬことが起きるのが楽しい(笑)。吉高さんじゃないとできないテンションや間がある」と絶賛。沖田監督も「爆発力があります。こっちがきちんと用意して臨むとそれに応えてくれる。見ながら『スゲーな』とつぶやいてました」とその魅力を明かした。最後に、高良さんは「素敵な原作で沖田さんと主演でやらせていただけたこと、こういう役はあまりしてこなかったけど、このタイミングでできたことはデカかったと思います」と、自らのキャリアにとっても大きな意味を持つ1作となったことを強調。「また俳優を続けていく中で、ずっと沖田さんとはやっていきたい」と笑顔を見せた。『横道世之介』は2013年2月23日(土)より公開。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年10月28日高良健吾、吉高由里子が出演する来年公開の映画『横道世之介』(よこみちよのすけ)より、笑顔でサンバダンスを披露する高良の姿が収められた特報映像がこのほど到着した。『横道世之介』特報動画本作は、『悪人』や『パレード』などで知られる作家・吉田修一の同名小説を、『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督が映画化した作品。主人公の横道世之介を高良が、ヒロインの与謝野祥子を吉高由里子が演じ、1980年代を舞台に上京したばかりの大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々のその後を描く。特報映像では、大学のサンバサークルに入った横道世之介が、太陽をイメージしたコスチューム姿で踊っているシーンから始まり、世之介のガールフレンドで社長令嬢の祥子(吉高)や、世之介の友達・倉持一平(池松壮亮)、世之介が憧れる年上の女性・片瀬千春(伊藤歩)、世之介の同級生で女性に興味を持つことができない加藤雄介(綾野剛)、さらに世之介の両親(きたろう、余貴美子)など彼に関わる人々が次々と登場する。主人公“世之介”は、井原西鶴『好色一代男』の主人公と同じ名前の、人懐っこい笑顔を振りまくどこにでもいそうなお人好し。これまでクールな役を演じることの多かった高良が、本作でどんな“横道世之介”を見せてくれるのか期待したい。『横道世之介』2013年2月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年09月28日人気小説家・吉田修一による青春感動巨編を、メインキャストに高良健吾、吉高由里子を迎えて、『キツツキと雨』の沖田修一監督が実写映画化する『横道世之介』。本作の公開に先駆け、このたび太陽の姿に扮した高良さん演じるサンバサークルメンバーの世之介が、軽快なステップでサンバを披露する姿が収められたユニークな特報映像が到着!『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作に、1980年代、そして上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描き出す。『蛇にピアス』や『軽蔑』など、これまで眼光鋭いクールな印象の強かった高良さんだが、今回公開となった特報映像では一変、人懐っこい笑顔を見せて世之介を演じている。そして世之介のガールフレンドで社長令嬢の与謝野祥子役を務めるのは吉高さん。「世之介さ~ん!」と熱狂的に呼びかけたり、暑がる世之介をかいがいしくうちわであおいであげたりと、世之介が好きで好きでたまらない様子が伝わってきて、なんとも愛らしい。そのほか池松壮亮、伊藤歩、綾野剛に加え、世之介の両親役のきたろうと余貴美子ら豪華俳優陣による個性豊かなキャラクターも同予告編に登場。それぞれの登場人物が世之介と過ごしたときを思い出しながら、「世之介」と名前を連呼しており、それがサンバのリズムに乗せて展開していく今回の特報映像。高良さんの新たな魅力、そして作品のもつ温かな雰囲気がひしひしと伝わってくる映像に仕上がっている。ひと足お先に、最高に愛おしい『横道世之介』の世界を覗いてみては?『横道世之介』は2013年2月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年09月28日ヨネックスは8月下旬より、同社契約の石川遼プロや若林舞衣子プロが着用する2012年秋冬ゴルフウェアを順次発売する。同社の秋冬ゴルフウェアには、繊維表面および繊維間に赤外線吸収剤を配合し、太陽光と人体から発する赤外線を熱に変えることで、従来の防寒系素材に比べ約3度の暖かさを実現する「ヒートカプセル」や、綿よりも1.5~1.8倍の吸湿性をもつユーカリの天然パルプから作られた新天然素材「ユーカリコットン」を使用したウェアなど、石川プロも絶賛する独自のテクノロジーを採用。デザインは、スポーティーな「Athlete」、カジュアルな「Surf&Green」という2つのスタイルを用意。冬のゴルフに欠かせないニットキャップやミトン、ネックウォーマーなどの防寒小物類も豊富に取りそろえる。レディスウェアは、メンズのコンセプトやデザインを踏襲しつつ、スカートやショートパンツといったレディスならではのアイテムをラインナップに加えた。ジュニアウェアも、メンズ・レディス同様のデザインと同社独自のテクノロジーを採用したウェアをラインナップ。石川プロや若林プロと同じ着こなしが楽しめる本格派のゴルフウェアがそろう。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月24日WOWOWの連続ドラマW「罪と罰 A Falsified Romance」の制作発表会見が4月11日(水)、東京・銀座の時事通信ホールで行われ、主演の高良健吾と共演の水川あさみが出席した。文豪・ドストエフスキーの名作をモチーフに、現代社会の闇に切り込む硬派な題材に「大変だった」と口を揃えるが、それでも「この2人だからこその“ぶつかり合い”ができた」(高良さん)、「現場を引っ張ってくれた。私より年下ですが、すごく尊敬している」(水川さん)。深い信頼関係があったからこそ、苦難を乗り越えたと誇らしげな様子だった。ロシア文学の古典を現代の日本に置き換え翻案したコミック「罪と罰 A Falsified Romance」(双葉社刊)を今回、実写ドラマ化した本作。高良さん演じる引きこもりの青年・裁弥勒(たちみろく)が独自の思想にかられ、女子高生殺害を決行するが、事態は思わぬ展開を見せ、弥勒本人も窮地に立たされる。水川さんが事件後、追い詰められる弥勒と出会い、その運命を大きく変える悲運のヒロイン・飴屋英知香を演じる。高良さんにとっては、今回が初の連続ドラマ主演。「こんなに濃い撮影期間はなかった。役柄と同じくらい追い込まれたが、現場が一緒に悩んでくれたし、『これはすごいドラマになるんじゃないか』といういままでにない異様な雰囲気だった」とふり返り、「これが(連ドラ)初主演で本当に良かった」と手応えは十分だ。一方、水川さんは“不幸中毒”とも言える英知香役に「何を考えているか本当に理解できない。決して素敵な女性とは言いがたい」と役づくりに苦心した様子。「体当たりと言えば聞こえはいいですけど(笑)、もう『やるしかないな』って。とにかく、むき出しの感情でしか成立しないと思った」と女優魂をぶつけた。2人はすでに共演経験があり、プライベートでも「何回か仲間内で飲みに行ったことがある」のだとか。撮影前には、高良さんが「これ、どうなるかな」、「不安でしょうがない」といった相談メールを水川さんに送っていたそうで、劇中さながらの“支えあう”関係性が構築されていたことを明かした。いざ撮影が始まると「高良くんの演技に対するエネルギーが、現場に満ち溢れていた」(水川さん)。追い込まれたからこそ、俳優としての本領を発揮した高良さんと水川さんの“新境地”が、「罪と罰 A Falsified Romance」の大きな見せ場となりそうだ。連続ドラマW「罪と罰 A Falsified Romance」は、WOWOWプライムで4月29日(日)より毎週日曜22:00~放送(全6話/第1話は無料放送)。■関連作品:苦役列車 2012年7月14日より全国にて公開© 2012「苦役列車」製作委員会横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:吉田修一×沖田修一『横道世之介』、綾野剛ら注目俳優の出演決定!『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表麻里子さま、前田敦子と大島優子を馬に例えると…?AKB48・前田敦子、芥川賞受賞の文学映画にヒロイン役で参加決定!
2012年04月11日『悪人』や『パレード』など映画化作品の多い作家・吉田修一の小説『横道世之介(よこみちよのすけ)』が、高良健吾と吉高由里子をキャストに迎えて映画化されることが決定した。その他の写真『横道世之介』は、1980年代を舞台に、大学進学のために長崎から上京したばかりのお人よしで嫌みのない世之介(高良)と、ガールフレンドの祥子(吉高)や周りを取り囲む若者たちがおくる青春の日々とその後を描いた作品。原作は、毎日新聞の夕刊で2008年から約1年にわたり連載され、単行本が昨年の本屋大賞3位、第23回柴田錬三郎賞を受賞している。お人よしの青年・世之介を演じる高良は脚本を読んで「とにかく面白い! 世之介が大好きになりましたし、なにがなんでも世之介役をやりたいと思いました」とコメント。吉高とは『蛇にピアス』で共演しているが「久しぶりに会う友達みたいに再会できたらうれしいです。吉高さん自身がコメディ映画のように面白い方ですし、しっかりしているので、現場をひっぱってくれると思います」と早くも撮影現場での再会を楽しみにしているようだ。また、吉高も高良との共演に「共演という形で再会するのはとてもうれしく思います。信頼しあえるような関係性を作っていい作品を残したいです」と意気込みを語っている。本作の脚本と監督を務めるのは、『南極料理人』『キツツキと雨』など、独特のユーモアと確かな演出力で定評のある沖田修一氏。沖田監督は「世之介を表現するには色んな言葉があると思うのですが、どれもあっているようでどれも違うようで、形容詞をうまくもてなくて、なかなか説明できない」とコメント。そんな世之介を演じる高良とは前2作に続いてのタッグとなるが「本人の感じが世之介に近いなと思っています。これまで一緒に仕事をしているしていないに関らず、高良君がいいいと思っていました」と言い、沖田作品初出演の吉高については「魅力的な女優さんだし、(彼女が演じる)祥子もそんな風に魅力的な人物になったらいいなと思います。まだお会いしていないんで会うのを楽しみにしています」と期待を寄せている。3月下旬から都内や長崎でロケを行い、5月上旬にクランクアップ。2013年の公開を予定している。『横道世之介』2013年、全国ロードショー
2012年02月09日己の身を削り、そこに火を灯すような――。高良健吾が演じるキャラクターからは常にそんな熱さ、鋭さ、生々しさが伝わってくる。『M』に『蛇にピアス』、『軽蔑』など、これまでの出演作には生への葛藤や孤独、人間の弱さを感じさせる作品が並ぶが、そんなフィルモグラフィーの中で明らかに他作品と異なる空気をまとい、全く違う高良さんの一面を見せてくれるのが沖田修一監督による作品だ。久々に田舎に帰省した大学生とでも言おうか…。そもそも演技以前に『南極料理人』(’09)での“兄やん”という役名からして危機感も切迫感も全く感じさせない。前作からおよそ2年の時を経て、沖田監督と再び組んだ最新作『キツツキと雨』でも、同様の“ユルさ”は健在である。昨年は映画のみならず初舞台、NHKの朝の連続テレビ小説にも出演するなど、ますます活躍の場を広げる高良さんだが、ほかとは一線を画した沖田作品の空気感をどのように捉えているのか?そして沖田監督は何を求めて高良さんを起用したのか?いま、最も注目を集める高良健吾の魅力をあえてこの異色作から解き明かす!高良さんと沖田監督の出会いは2008年のドラマ「青梅街道精進旅行」にさかのぼる。当時から現在に至るまで、監督の脳裏に強く残っているのは、現場で悩み続ける高良さんの姿だという。「演じることに悩んで、自問自答しているのを肌で感じることが何度もあったんですが、そういう俳優さんとやるのは楽しいです。高良くんは『どうしたらいいんだろう?』って悩みながらやってる。そこが魅力的ですね」。「青梅街道精進旅行」の撮影時、高良さんは20歳になったばかり。「ちょうど『蛇にピアス』が終わったばかりだったんですが、あの頃は悩んで悩んで…そこから先になかなか進めなかった」とふり返る。「いまはそれが、精一杯やってるからなんだと思えるんですけどね。そんな中で沖田組は、『どんなに悩んでも自分以上のものを見せることはできない』と感じさせてくれる現場なんです。俳優って、どの作品でもみんな不安だと思うんです。ただ沖田監督の現場ではみんなが安心して不安でいられる気がします。立ち止まり、自分のポジションを確かめられる。迷ったり悩むことがネガティブなことに思えて、『それでも、前に進まなきゃ』と行くものだけど、沖田監督はそこで一緒に立ち止まってくれる。だから自分を隠さないでいられるんです」。3度目の沖田作品出演となる本作で高良さんは主人公の武骨なきこり・克彦(役所広司)の反抗的な息子を演じている。沖田監督は「この2人が親子で絡んだらどうなるのか?本気の親子ゲンカのシーンがあるんですが、それをこの2人で見てみたかった」と高良さんの起用の意図を説明する。本作で描かれるのは、奇しくも気弱な映画監督(小栗旬)を中心にした映画作りの現場。監督は物語に自らを重ねつつ、俳優との関係性について語る。「僕自身、脚本を書きながら『こうしたいな』というのがあっても、現場に行って人がいて、モノがあるとまたイメージが変わってくる。そこでどうしたらもっと面白くなるか?と考えたとき、そこでコミュニケーションを取れる俳優さんというのはやはり魅力的なんです」。高良さんは監督の言葉に頷きつつ、こう証言する。「沖田組は脚本の段階よりも話が面白くなるのが作品の魅力。監督は、現場で起きていることを楽しんでるんです。そんな中、現場で一人ひとりのキャラが立っていくのが分かるんです」。そう語る高良さんもまた、沖田監督の現場、そして作品の世界の中に身を置くことを素で楽しんでいるように思える。先ほど「自分を隠さないでいられる」という言葉が出たが、高良さんは実際のエピソードを交えて、沖田監督の現場が持つ“空気感”を説明してくれた。「今回は2日間だけの参加だったのですが、撮影初日に現場へ向かう電車で乗り過ごしてしまったんです。音楽を聴いていて、気づいたら終着駅でした(苦笑)。しかも本数が少ないから(※撮影が行われたのは岐阜県の山奥)折り返しの電車もなかなか来ない。そんな状況なのに、『乗り過ごしちゃったな。じゃあ戻るか…』って(笑)。普通なら気持ちが落ち込むはずなのに、不思議とフワァっとできるというか…うまく言葉で説明できないんですが(苦笑)」。そもそも、一つの役柄に対し、とことん悩み深く掘り下げていく高良さんが、途絶えることなく次々と新たな作品に出演し、全く異なる役柄を演じ分けること自体が驚愕すべきことなのだが…。常々「余計なことをしない」「役の人物となってその場に立つ」と語っている高良さんだが、毎回どのようなアプローチで役に入っていくのだろう?「それは一つ一つで全く違いますね。以前、あるインタビューで『舞台と映画の違いは?』という質問をいただいたのですが、僕にとっては映画でも作品ごとに全然違うものなので『映画だからこう』という感覚はないんです。これは質問の答えになってないかもしれないけど、僕は親が転勤族で、子供の頃から転校が多かったんです。常に行った先で新しい自分を作っていくんです。役を作るのはそれと似た感覚ですね」。一方で、新たな挑戦を続けたこの1年の間に、自らの中に芽生えたある“変化”についても明かしてくれた。「自分の中で振り切れたような瞬間があって、初めて自分の芝居に対して『悔しい』と感じたんです。芝居を始めた頃から常に『何でできないんだ?』という思いは抱いてるんですが、いま感じているのは『絶対にもっとできるはずなのに、何でできないんだ?』という悔しさなんです。これまではただできない自分に苛立っていただけなので、それを感じた瞬間は正直、嬉しさもありました」。そう感じるようになったきっかけを「やはり舞台(「時計じかけのオレンジ」)と朝ドラ(「おひさま」)を経験したことだと思います」と語る高良さん。これらの作品を経ていま、最も求められる若手俳優のひとりになったが、24歳はそんな周囲の喧騒をよそに、静かに己を見つめている。「正直、(周囲が評価する)自分に本当の自分が追いついてないという感じがあります。こんなにも自分が求められることを『怖い』と思うこともあります。いまこうして話をしながらも『あのときの演技はあれで良かったのかな?』って考えちゃう」。そこに“正解”がないことも知っている。だからこそ自分なりの答えを出すプロセスで立ち止まり、一緒に悩み抜いてくれる沖田監督のような存在が大切なのだ。「大丈夫だよ。おれも何も分かってないもん」。そう語る沖田監督の笑顔がふわりと高良さんに伝染する。願わくは、これまで見せたことのないような笑顔や笑いを監督の作品の中で見せてくれる日が来ることを!(photo/text:Naoki Kurozu)スタイリスト:澤田石和寛/衣装:McQ(M inc03-3498-6633)■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待小栗旬、心境の変化?凛々しい和装姿も「若だんな」と呼ばれる…ココロの雨を晴らそう!『キツツキと雨』人生相談試写会に25組50名様ご招待【TIFFレポート】仏『最強のふたり』に栄冠日本『キツツキと雨』は審査員特別賞【TIFFレポート】小栗旬「毎日、逃げ出したいと思ってた」と監督経験を述懐
2012年02月04日「日本映画プロフェッショナル大賞」が20回目を迎えることを記念して、5月31日(火)に都内劇場で映画『軽蔑』のチャリティ上映会が開催。上映後に主演の高良健吾と鈴木杏、廣木隆一監督によるトークイベントが開催された。世界で唯一の個人による映画賞として、ジャーナリストの大高宏雄が主宰してきた日本映画プロフェッショナル大賞。健闘しつつも過小評価された作品やキャスト、スタッフにスポットを当て、現役の映画関係者の投票でベスト10が選出される。高良さんは、昨年公開された『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』で新人激励賞を受賞しており、今回、東日本大震災の義援金を募るチャリティ試写会として、まもなく劇場公開される『軽蔑』が上映された。自らトークイベントの司会を務めた大高氏より、新人激励賞の受賞を告げられた高良さんは「自分の芝居は自分ではなかなか分からないものですが、こうして外部の方に評価していただけるのは嬉しいです」と喜びを語りつつ「でも、新人なのかな?とも思いますが…」と照れくさそうな表情を見せた。映画は1992年に46歳で夭折した中上健次の最後の長編小説を原作としているが、廣木監督は「助監督の頃に(中上さんの)小説が出てきて、僕らの、その時代の気持ちを代弁してくれる作家が出てきた、と憧れましたね」と中上作品への思い入れを明かした。鈴木さんは、自身が演じた真知子という役柄について、「むき出しのまま取り繕わずに生きられる強さがある。私は臆病で、人を傷つけたりするのが嫌で、(衝突を)かわしながら生きているところがあるけど、マチにはそれがない。強いところも弱いところも含めて、ひたむきなんです。それと“女”って感じがかっこいいと思いました」と、こちらも熱く語ってくれた。廣木監督の演出の厳しさについては、これまでにも数多く語られているが、高良さんは18歳で出会ったときに言われた「余計なことはするな。分かりやすいことをするな」という言葉を紹介。「僕は芝居にはひとつの正解があると思ってたけど、役になってその場でやることが正解なんだと教えてもらった」と述懐した。クランクアップの日のあるシーンの撮影でも、かなりの紆余曲折が…。鈴木さん曰く「(監督に)『ふざけんな』って言われてパニック状態で、どうしていいか分からなくなった」そうで、高良さんも「杏ちゃんと現場に立って会話をして、それで少しずつ見えてきましたね」とふり返る。現場で感じた“感情”を何より大切にする監督とあって、「2人で後になって『(脚本の)このシーンがこうなるなんて思わなかったね』と話すような場面がたくさんありました」(鈴木さん)という。ほかにも、印象的なシーンでの感情や撮影の様子について高良さん、鈴木さん、監督のトークが続き、映画を観たばかりの観客は熱心に耳を傾けた。最後に監督は「僕は福島出身ですが、東北にもこうして映画を観られる環境が戻ればと思います」と大災害に襲われた故郷に思いを馳せた。チャリティ上映会ということで、劇場には募金箱が設置され、帰り際には多くの観客が募金をする姿が見られた。『軽蔑』は6月4日(土)より角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:高良健吾×鈴木杏インタビュー常に確かめ合った五分五分の愛『軽蔑』高良健吾×鈴木杏原点・新宮で感謝のプレミアム舞台挨拶鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?
2011年06月01日芥川賞作家・中上健次による純愛小説を映画化した『軽蔑』の公開に先立ち、5月29日(日)、主演を務めた高良健吾と鈴木杏、廣木隆一監督が、原作者・中上氏の故郷であり、本作のロケ地となった和歌山県新宮市に凱旋し、プレミア上映にて舞台挨拶を行った。舞台挨拶の前には、高良さんと鈴木さんは揃って新宮図書館にある中上健次資料室を訪れ、思い思いに映画の完成を報告。本作で、破天荒で欲望のままに生きる男・カズを演じた高良さんは、「『ありがとうございます』と言いたいです。あと、『カズは大丈夫でしたか』と聞きたいです。撮影中、どうしていいか分からなかったときは、いつも助けてもらっていました」と感謝を口にし、「まだ自分にも杏ちゃんの中にも、カズと(鈴木さん演じる)真知子が残っているんだと思いました。苦しいような切ないような感情が込み上げてきました」と撮影当時に思いを馳せていた。その後のプレミア上映では、廣木監督と新宮市出身の新人俳優、渕上泰史が加わり、撮影中から応援してくれた同市民の人々を前に、感謝の舞台挨拶を行った。自身の故郷でデビューを果たした渕上さんは、「両親が“『軽蔑』のチケットを売ったぜ”と言ってくれて嬉しかったです!」と満面の笑み。撮影時には、高良さんはじめ、ほかのキャストに新宮弁のレクチャーも行っていたそうだが、「あのときは生意気言っちゃってすいませんでした!」と謝罪。これに対し、高良さんは「至らないところがあったと思うけど、目をつむって見て下さい」と謙虚な姿勢。鈴木さんも撮影を通してすっかりこの地になじんでいたようで、「自転車でブラブラしました。守られている感じがありました。高良さんともまた来たいと話していたんですよ」と語ると、高良さんも「近くに海や川があって、そこにいるだけで不思議な安心感がありました」とリラックスした様子。全国公開を前に、原点である新宮市に戻ってこれた喜びを表していた。『軽蔑』は6月4日(土)より角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。特集「『軽蔑』“この純愛、どこまで逃げ切れる?”」■関連作品:軽蔑 2011年6月4日より全国にて公開© 2011「軽蔑」製作委員会■関連記事:鈴木杏が『軽蔑』完成披露で涙の舞台挨拶こんなダメ男でも愛を貫く自信、ある?『軽蔑』<純愛>度チェック!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第9回) 来年ブレイクしそうな俳優は?高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2011年05月31日高良健吾と鈴木杏のW主演で、作家・中上健次が遺した最後の長編小説「軽蔑」が映画化されることが発表された。12月に村上春樹原作の『ノルウェイの森』、来年には東野圭吾の長編を映画化した『白夜行』の公開が控え、さらに初舞台となる「時計じかけのオレンジ」(演出・河原雅彦)の公演が1月よりスタート。そしてつい先日、来年3月に放送が開始されるNHK連続テレビ小説「おひさま」への出演が発表されるなど、いま最も多忙な俳優のひとり、高良健吾が今度は中上文学に挑戦!紀州(和歌山県)の熊野を舞台にした作品を数多く世に送り出した中上さんが、46歳でこの世を去った1992年に発行された最後の長編小説の映画化で、これまでに原作の単行本は46,000部、文庫が累計18,000部の販売部数を記録している。高良さんが演じるのは、名家の一人息子に生まれながらも上京して、賭博に明け暮れる生活を送るカズ。歌舞伎町で出会った踊り子の真知子と恋に落ち、故郷に戻って新しい暮らしを始めようとするも父親をはじめ、周囲は2人の関係を認めようとはしない。引き裂かれる想いで真知子は東京へ去り、カズは借金を膨らましていく。失意の中、カズは真知子を追い求め愛を確かめ合うが、高利貸しの男は借金の帳消しと引き換えに真知子を要求する…。高良さんの相手役の真知子を演じるのは鈴木杏。愛し合うがゆえに引き裂かれていくカズと真知子を若き実力派の2人が熱演。監督を務めるのは、先日、岡田将生と蒼井優による悲恋の時代劇『雷桜』が公開されたばかりの廣木隆一。高良さんは2007年公開の廣木監督作『M』で母への屈折した愛情を持つ青年役を体当たりで演じており、『雷桜』にも冒頭の数カットながら出演。ほかに廣木監督作の常連である大森南朋が高利貸しの山畑を演じるほか、忍成修吾、村上淳、小林薫などが共演者として名を連ねる。高良さんは「原作は中上健次さんですし、そして監督が廣木隆一さんというだけで是非!という気持ちでした。(廣木監督との再タッグについて)とても身が引き締まる思いです。本当に自分の役者としての軸を作ってくれた方なので、また誘っていただいて光栄です」と意気込みを語る。鈴木さんは「廣木隆一監督、高良健吾さん、とお名前を聞いた時点で『演りたい!』と思いました。なんだか大きなものが舞い降りてきた、と思いました。脚本も原作も素直に面白いし素敵だな、と思いました。(主人公の2人は)ダメな2人だけれど、その中で光っている純粋さがとてもキレイ」と語り、ダンサー役については「ポールダンス、難しいです。どれだけ練習してもなかなか自分の思い通りにいかず悔しい日々が続きますが、ようやく楽しめるようになってきました」と難役ながら少しずつ手応えを掴んでいる様子。そして廣木監督は「(中上さんは)僕が映画界に入った頃からの憧れの作家だったのでいつか挑戦したいと思っていた。高良健吾は、まだまだの未知数で広がっていてどんなイメージにも染まらない魅力があるように思います。役の上で変化していくのを年を重ねて見守りたいと思います。(鈴木杏は)彼女自体が自分のイメージではないところまで行ってほしいと思います」と中上作品を映画化する喜びと主演の2人への期待を明かしてくれた。『蛇にピアス』で吉高由里子と、『ソラニン』では宮崎あおい、『おにいちゃんのハナビ』では谷村美月、そして公開を控える『白夜行』では堀北真希と、いまをときめく女優陣と恋人や兄妹など様々な形で“愛情”を表現してきた高良さん。中上文学を原作にした本作で、鈴木さんとどのような愛を見せてくれるのか?すでに10月下旬より撮影はスタート。11月下旬にはクランクアップし、来年1月に完成の予定。『軽蔑』は2011年、全国にて公開予定。■関連作品:軽蔑 2011年、全国にて公開予定白夜行 2011年1月29日より全国にて公開© 2011 映画「白夜行」製作委員会 おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…【TIFFレポート】堀北真希初の究極悪女役「すごく悩みました」深キョンウィンストン2億円ジュエリーに「アカデミー女優気分」松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛
2010年11月02日高良健吾と谷村美月、藤井フミヤらが9月25日(土)、東京・千代田区の有楽町スバル座で行われた映画『おにいちゃんのハナビ』(国本雅広監督)の初日舞台挨拶に出席した。ギネスにも認定された世界一の大きさを誇る四尺玉花火を打ち上げる新潟・片貝まつりにまつわる実話を基に、白血病を患った妹・華(谷村さん)と妹を励ますために引きこもりから立ち直り、片貝まつりの花火の打ち上げに参加する兄・太郎(高良さん)の絆を描く物語。本作で映画初主演を飾った高良さんは「難病ものと思われがちですが、泣かせよう、泣いてくれと思ってやってはいません、そんなお客さんをバカにするようなことは…」と真摯に呼びかけ。谷村さんも「華ちゃんから得ることがすごく多かった。自分がどんな状況であれ、ひとのことを思って笑顔でいる、とか。日々考えたことがなかったけど、こういう仕事に就いているし、もうちょっと心がけようと思いました」としみじみ。2人の母親を演じた宮崎美子は「本当に真面目でいい子たちでしょ?」と目を細めた。一方、挨拶の後半、主題歌「今、君に言っておこう」を書き下ろした藤井さんが登場。司会者から同曲の感想を求められた高良さんは「ありがとうございます。さっきも楽屋でお話したんで…」と答え、すかさず藤井さんが「今度メシ食いに行こう、な感じになっています。九州人は距離が縮まりやすいんで」と自身が福岡県、高良さんが熊本県と九州出身同士で打ち解けた間柄であることを説明。高良さんは「(藤井さんと)メル友なので改めていろんな人の前でお礼を言うのは…」とナイーブな素顔をのぞかせていた。『おにいちゃんのハナビ』は有楽町スバル座ほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)シネマカフェSweet「飾らない格好良さ」■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:『おにいちゃんのハナビ』高良健吾の動画コメントが到着!「精一杯の姿を見て!」藤井フミヤ「こんなに泣いた邦画は『火垂るの墓』以来」高良健吾インタビュー「格好つけた台詞も、普通に向き合いたい」フミヤの主題歌ナマ披露に高良健吾、谷村美月らウットリ「マークスの山」に高良健吾!高山ロケにベテラン俳優陣は恨み節
2010年09月25日話題作に次々と出演し、まもなく全国公開となる『おにいちゃんのハナビ』で満を持して映画初主演を果たした高良健吾の動画メッセージが到着した。実話を基に、病を患う妹との約束を果たすため、町の祭りで花火を上げることに奔走する青年の姿を描く本作。今回到着した動画では、高良さんは「花火のシーンや登場人物たちの精一杯の姿が見られます」と語り、「ぜひ映画館のスクリーンで!」と言葉に力を込める。同日行われたインタビューでは、役への向き合い方について、共演の谷村美月とのやり取りについて、そして俳優としてのあり方などについてじっくりと語ってくれている。試写会などですでに映画を鑑賞した観客からは「泣いた」、「号泣した」といったコメントが寄せられているが、「高良さん自身は映画を観て泣きますか?」という質問への答えは――?今年だけで公開される映画は6本!来年以降も映画、さらには舞台への出演などまだまだ多忙な日々は続きそう。まずは記念すべき初主演作となった本作の、揺れながらも成長を遂げていく太郎役でその魅力を堪能してほしい!『おにいちゃんのハナビ』は9月25日(土)より有楽町スバル座ほか全国にて公開。※こちらのメッセージ映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY※高良健吾ロングインタビューをシネマカフェにて掲載中シネマカフェSweet「飾らない格好良さ」(photo:Toru Hiraiwa)■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:藤井フミヤ「こんなに泣いた邦画は『火垂るの墓』以来」高良健吾インタビュー「格好つけた台詞も、普通に向き合いたい」フミヤの主題歌ナマ披露に高良健吾、谷村美月らウットリ「マークスの山」に高良健吾!高山ロケにベテラン俳優陣は恨み節高良健吾、藤井フミヤによる主演映画の主題歌ビデオで映画の1年後の物語に出演
2010年09月24日今年だけでも出演作が6本。いま最も活躍する実力派俳優の一人、高良健吾。高良さんの言葉からは“演技しない演技派”とも言える、自然体で役へ真っ直ぐ向きあう姿勢が浮かび上がります。――ストーリーに関して、どのような印象を持たれましたか?「最初、本当に大まかな物語の流れだけを聞いたときは『何だかケータイ小説みたいだなあ…』と思いました。でも、その後台本を読んだら僕の印象とは全然違い、『とてもいい話だな』と思えましたね」。――太郎は共感する役でしたか?「共感できる部分は多かったですね。育ってきた環境が僕自身と似ていましたから。僕も転勤族の家庭だったので、転校だらけで引きこもりになる気持ちがよく理解できたんです。引きこもる時間の長さは太郎と違いますが、引きこもりになりそうなこともありましたし、気持ちは分かります」。――演じやすい役ではありましたか?「そこが複雑なところで、共感できるからと言って演じやすいわけではないんです。今回の場合は、現場に入る前にいろいろと難しく考えてしまうことがありました。それは主演という立場に向き合ったり、台本を字だけで捉えた段階での問題なんですけど。台本の台詞を追ったとき、『ん?この台詞はちゃんと言えるかな?』って。でも、いったん現場に入ってしまえばやることはいつもと変わらなかったですし、自分の前に(妹役の)谷村美月ちゃんや(両親役の)宮崎美子さんや大杉漣さんがいれば役者さんの反応等で、違和感なく言えてしまう台詞もたくさんありました。『やっぱり現場だよなあ』と思いましたね」。――「ん?」と思った台詞とは?「(太郎が)格好つけて言っている台詞が結構あるので。でも、『ここはいいシーンになりそうだな』とか、『ここはポイントだな』と思うところに僕は感情を乗せたくないというか、『このシーン、いいでしょ?ここはポイントだよ』という気持ちで台詞を言いたくないんですよね」。――それは他の作品においても?「ええ、常に。普通に台詞と向き合って言うようにしています」。――谷村美月さんとは本当の兄妹のようでした。「観客の目にどう映るのかって、僕は意識したことが全くないんです。僕の役目は、例えば美月ちゃんに向けて何かを100%伝えること。それがカメラを通って監督のOKに至ったら、僕が何か伝えようと意識しなくても、お客さんには十分伝わると信じていたいし、そう考えています。『お客さんに何かを伝えなきゃ!』と思うのは撮影中ではなく、こういった宣伝活動からでいいかなって」。――結果は考えない?「いや、考えてしまう時もありますし、自分の中でおかしいバランスになる瞬間もあるんですけど、意識として大切に持っていたい部分なんですよね」。――太郎は妹からネガティブ思考を指摘されますが、高良さん自身は?「僕もネガティブな方かもしれないですけど、最近はネガティブ発言を控えるようにしています。嘘でも明るくしていたいし、どこか冷めた人間なのかもしれないけど、心配されるのが嫌なんですよね。例えばブログでそういう発言をして、『大丈夫ですか!?』と言われるのが苦手。ありがたいんですけど、僕は心配してほしいわけじゃないから、『ああ、発言すること自体がよくないんだな』って。きっとブログを見た人もネガティブな気分になってしまうだろうから、それは自分の中でどうにかしようと思うようになりました」。――それは人生哲学から?発信者としての意識から?「うーん…、発信者だからですかね。目の前にいて思いを伝えられるならいいんですけど、ブログ限定で言うなら、気持ちを全て文字にしているわけでもない。伝えるか伝えないか、伝わるか伝わらないかという問題はやっぱりよく考えます」。※高良健吾ロングインタビューをシネマカフェにて掲載中シネマカフェSweet「飾らない格好良さ」(photo:Toru Hiraiwa/text:Hikaru Watanabe/stylist:Kazuhiro Sawataishi)■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:フミヤの主題歌ナマ披露に高良健吾、谷村美月らウットリ「マークスの山」に高良健吾!高山ロケにベテラン俳優陣は恨み節高良健吾、藤井フミヤによる主演映画の主題歌ビデオで映画の1年後の物語に出演想いを空へ!高良健吾×谷村美月『おにいちゃんのハナビ』試写会に50組100名様ご招待高良健吾、フォトブック発売でファンとふれあい「最初は、誰が買うんだ?って…」
2010年09月16日映画『おにいちゃんのハナビ』のプレミア試写会が9月2日(木)、都内で開催され、主演の高良健吾に谷村美月、宮崎美子、大杉漣、国本雅広監督による舞台挨拶に加え、主題歌を歌う藤井フミヤがスペシャルゲストとして来場。主題歌「今、君に言っておこう」を生で披露し、会場をわかせた。新潟県小千谷市片貝町で開催される花火大会を通して、病を抱えた妹と、ひきこもりがちの兄の絆を感動的に描き出す。歓声に迎えられて登壇した高良さんは「(主演として)自分の名前が一番上に来るのは初めてで、撮影が始まる前は緊張していましたが、やってみたらいつもと同じようにできました」と語り、妹役の谷村さんについて尋ねられると「僕は、現場で堂々としている俳優さんが好きなんです。僕はフラフラしてますが(苦笑)。美月ちゃんは何を言われても『ハイ!』って感じでいつも本当に堂々としてました」と絶賛。一方の谷村さんは照れながら高良さんとの共演を「芝居じゃない、リアルな感じですごく楽しかったです」とふり返った。谷村さんは本作のために、実際に頭を剃っているが「この華(はな)という女の子は本当にかわいいんです。何で私に話が来たの?と思うくらい。こんな役をやらせていただけるなら坊主にくらいしなきゃ!と思いました」とはにかみながら語った。そんな2人について両親役の宮崎さん、大杉さんは「2人とも本当にしっかりしてるんです」と口を揃える。ちなみに大杉さんは、本作のためにわざわざ免許を取得したとか。「クランクインの4日前に(免許が)発給されまして」と照れくさそうに明かした。そして、サプライズゲストとして主題歌「今、君に言っておこう」を本作のために書き下ろしたフミヤさんが登場!フミヤさんと高良さんは共に九州出身ということで意気投合したようで、「一緒に飲みに行って、九州の話で盛り上がりました」と高良さんが言えば、フミヤさんは「(高良さんは)いつも『熊本に帰りたい』ってしか言わない(笑)」と暴露。会場は温かい笑いに包まれた。そしてフミヤさんはアコースティックバージョンで「今、君に言っておこう」を満員の観客の前で熱唱!「こういう場で歌うのは緊張する」と笑いつつ、感情を込めて歌い上げ、観客はもちろん、高良さんらもその歌声に酔いしれた。『おにいちゃんのハナビ』は9月11日(土)より新潟にて先行上映、9月25日(土)より有楽町スバル座ほか全国にて公開。■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:「マークスの山」に高良健吾!高山ロケにベテラン俳優陣は恨み節高良健吾、藤井フミヤによる主演映画の主題歌ビデオで映画の1年後の物語に出演想いを空へ!高良健吾×谷村美月『おにいちゃんのハナビ』試写会に50組100名様ご招待高良健吾、フォトブック発売でファンとふれあい「最初は、誰が買うんだ?って…」高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!
2010年09月02日『おにいちゃんのハナビ』で映画初主演を飾る高良健吾が、本作の主題歌であり藤井フミヤの書き下ろしによる「今、君に言っておこう」のミュージックビデオで、映画の1年後の物語を描いたスピンオフストーリーに出演していることが明らかになった。新潟県の小千谷市片貝町を舞台に、街の名物である花火大会を通じて病の妹との約束を果たそうとする青年の成長を描いた本作。主題歌の「今、君に言っておこう」は、藤井さんにとって3年半ぶりのシングルで、自ら作詞作曲を担当している。今回のミュージックビデオの演出は、映画と同じく国本雅広監督が務め、撮影も映画と同じ片貝町で行われた。ここで描かれるのは、映画の1年後の物語。映画の中でも印象的なロケ地を巡りながら、高良さん演じる太郎が妹のことを想いつつ、強く生きていく様子が、“風船”、“花火”をモチーフに描き出される。楽曲の中の「大空に飛んでいく小さな夢を」というフレーズと重なるように短いドラマが展開。藤井さんからは「なんと!このPVは映画のエピローグになっています」とのコメントも到着。歌い手の藤井さんと主人公を演じる高良さんが、ミュージックビデオの中で交差するシーンも見られる。九州出身という共通点もある2人は、撮影を通じて交遊を深めたよう。このミュージックビデオは9月22日(水)にリリースされる「今、君に言っておこう」の初回限定生産版にDVDで収録される。『おにいちゃんのハナビ』は9月11日(土)より新潟にて先行上映、9月25日(土)より有楽町スバル座ほか全国にて公開。■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:想いを空へ!高良健吾×谷村美月『おにいちゃんのハナビ』試写会に50組100名様ご招待高良健吾、フォトブック発売でファンとふれあい「最初は、誰が買うんだ?って…」高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!高良健吾、上海で『おにいちゃんのハナビ』舞台挨拶に登壇!「全て見てほしい」藤井フミヤ高良健吾主演作『おにいちゃんのハナビ』で映画主題歌を書き下ろす
2010年08月16日高良健吾の初のフォトブックの発売を記念して、購入者を招待して、高良さん主演で9月に公開を迎える『おにいちゃんのハナビ』試写会が行われ、上映後には高良さんが出席してのトークセッションが開催された。高良さんは今回発売されたフォトブックについて「僕のなんか…って感じで(苦笑)。最初は『買う人いるのかな?』とか思ってました。だから買っていただいた方に少しでもお礼ができればと思います。普段の映画の舞台挨拶とかでは『映画のこと以外聞かないで』とか思うこともあるんですが(笑)、今日は何でも答えます!」と照れくさそうにファンに感謝を伝えた。『おにいちゃんのハナビ』は、毎年9月に新潟県小千谷市で開催される「片貝まつり」を題材に、実話を基に、病の妹と引きこもりの兄の絆を描いている。妹役の谷村美月とのやり取りについて尋ねられると「2人とも、事前に話し合うのはあまり好きじゃない。たった一つだけ、2人で話したのが恋人っぽく見えないようにしたいということ。その見えない距離をどうするか考えました」と答えた。当初、事前に集められた質問に答えていた高良さんだったが、途中、自ら提案し、その場で直接、手を挙げたファンの生の質問に答えるという方式に変更。好きな映画を尋ねられると「たくさんあって一番は決められないけど…邦画で好きなのは『ヴァイブレータ』(廣木隆一 監督)、影響を受けたのは『Focus』(井坂聡監督)。なるべく観たい映画は映画館で観るようにしてるんですが、忙しくなると行けなくて…。でも最近観た映画では韓国の『息もできない』が良かったです」との答えが。ほかにも最近訪れたという上海についてや、映画の撮影などについての質問にひとつひとつ丁寧に答えていた。女子高生からの「高良さんは高校のときからお仕事をされていますが、どんな高校生でしたか?」という質問には「いま、その瞬間を生きてる感じでした。この仕事を始めたのも最初は軽い気持ちで、初めの頃はカメラの前に立って芝居するのが嫌でした。最初は本気じゃなかったのが、何だかんだといまでもこうしてやってる。だから多分、大丈夫ですよ!」と頼もしい(?)メッセージも。また、役作りについて聞かれると、一転、“俳優”の顔つきで「余計なこと、分かりやすいことをしないように決めてます。いま22歳なら、これまでの22年間から“何か”が出ればいいなと。監督に事前に何か聞いてしまうと、その演技をしなくてはならなくなる。そこで得られるのは安心感だけなんです。逆に、ビビリながらでも『これやってみよう』と思ったことをやりたい。自分に対してハッタリをかまして、『毎日何も変わらない。つまんない』ではなく、日付だって温度だって変わってるし、そこで何かを感じる…そうやって日々得ているものを大切にしたい」と熱く語るひと幕も。普段の作品からだけでは感じることの出来ない、高良さんの“生”の言葉、感情に触れ、集まったファンは大満足の様子だった。『おにいちゃんのハナビ』は9月11日(土)より新潟にて先行上映、9月25日(土)より有楽町スバル座ほか全国にて公開。「高良健吾 Photo Book」発行:角川メディアハウス発売:角川グループパブリッシング価格:2,310円(税込)発売中■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!高良健吾、上海で『おにいちゃんのハナビ』舞台挨拶に登壇!「全て見てほしい」藤井フミヤ高良健吾主演作『おにいちゃんのハナビ』で映画主題歌を書き下ろす
2010年07月17日高良健吾と谷村美月の共演作『おにいちゃんのハナビ』が6月13日(日)、中国・上海で開催中の「中国 2010 上海万国博覧会」の関連イベント、「2010 上海・日本映画週間」にて上映され、高良さんが国本雅広監督と共に舞台挨拶に登壇した。新潟県小千谷市を舞台に、病弱な妹と彼女の思いを街の伝統行事である花火に託した兄の姿を描いた本作。上海の正大星美国際映城にて行われたオープニング上映の舞台挨拶に立った高良さんは「この映画の一番の見どころは、人と人との絆が描かれているところです」と語り「全てのシーンを見てもらいたい」と呼びかけた。国本監督も「ワールド・プレミア作品として上海で上映できることを心から喜んでいます。みなさんの心に何か残っていただければ幸いです」と喜びを口にした。今回の「2010 上海・日本映画週間」では本作を始め、11作品の日本映画が上映される予定で、同日、開催されたオープニングセレモニーには高良さんのほか、日本から常盤貴子、市原隼人らが出演作を携えて出席し、大きな拍手と歓声を浴びていた。『おにいちゃんのハナビ』は9月11日(土)より新潟にて先行上映、9月25日(土)より有楽町スバル座ほか全国にて公開。■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年9月11日より新潟にて先行上映、9月25日より有楽町スバル座ほか全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会■関連記事:高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!藤井フミヤ高良健吾主演作『おにいちゃんのハナビ』で映画主題歌を書き下ろす
2010年06月14日決して明るく、笑いに満ちた作品ではない。だが、松田翔太はこの『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』に惚れ込んだ。高良健吾もまた、強く共鳴し「(脚本を)読んですぐ、絶対にやりたいと思った」という。孤児院で育ち、どうにも抜け出せない過酷な環境、自らの周りに張り巡らされた壁を“ぶち壊す”ためにハンマーを振り下ろし、足を一歩前に進めた若者たち。旅路の果てに彼らの魂はどこに向かうのか?同世代の俳優陣の中でも群を抜く活躍を見せ、確固たる地位を築いている2人がなぜ、この作品にここまで惹かれたのか?「脚本を読んで、懐かしい香りがした」と言うのは松田さん。「環境は違えど、彼らが考えていることと僕自身が思っていることは同じ部分が多かった。自分の中の思い出とシンクロする部分があって。その“懐かしさ”が何なのかは判らないけれど、その感覚的な部分を信じて演じようって思いましたね。余計な情報を入れるのではなく、深呼吸して、リラックスして臨めばいい、と。実際、演じているときは無意識で、それは例えるなら25メートルのプールをクロールで泳いでいるときのようであり、サッカーの試合の途中のようで、車を運転しているのと同じような感覚。意図的にどうしようってのはなかったので、よく覚えてすらいないんです」。高良さんも松田さんの言葉に頷き「役柄に入るオンとオフの“スイッチ”のようなものがあるわけではなくて…」と前置きした上で、現場の空気をこう説明する。「今回に関して言うと、家に帰らずにずっとみんなで一緒にいたというのは大きかった。僕は、いつも、ジュンがケンタに付いていくように翔太くんの後ろを付いていって…でもそれは役作りのためとかそういうものではなく、ただ付いていってたんです。現場には、ケンタくんがいて、カヨちゃん(安藤サクラ)がいて、僕がいた…。ただそれだけでした」。自然体の演技と語る一方で、シーンごとのケンタ、ジュンの心情に話がおよぶと、2人の言葉に熱がこもる。“脱け出した”ケンタとジュンは北へ――。刑務所に収監されているケンタの兄の元を目指すのだが…。旅路と兄との再会について、松田さんはこう語る。「ふと、自分にも家族(兄)がいることが頭をよぎった瞬間に、そこに何かを求めてしまうんですね。何を求めているのか彼にもきっと分かってなくて。兄が(犯罪を経て)“自由”を手に入れたんじゃないかって想像して、自分も自由を手に入れて、その感覚を共有しに行ったんだと思います。だから、何がほしかったわけでもなくて、『来たんだ?元気?』みたいな反応を求めていたんじゃないかな」。だが、面会室で防護ガラスを挟んでの兄(宮崎将)との対面で、ケンタは思いもよらない“現実”を突きつけられる。「いや、でもそれは決して、考えていたものと真逆の反応なのではなく、もしかしたら心の奥底で思っていたことなのかもしれない。『やっぱりそうなのか…』という絶望感。正直、このシーンも考えてではなく、そのままの気持ちでやりました。将くんとも事前に何も話さず。気軽に『自由だよね?』って聞いたら、本当に想像すらしていなかったテンションの返事を向けられて、そのままのリアクションを返すしかなかった。(セリフの)間も含めて本当に全て、僕のそのままの気持ちで、一切カットもなしでした」。高良さんは「演じている僕らですら理解できない感覚、純粋にケンタとジュンの2人の間でしか分からない部分もあると思う」と語り、大森立嗣監督の演出について、こう明かしてくれた。「とにかく、(監督の)言うことが飛んでるんです。それは時に、僕自身、理解も共感もできないし、きっと観ている人にも伝わらない。けれど、(監督が考える)ケンタとジュンだけが分かってて、それでいいんだ、と。だから、監督を信じて演じて、そこでOK出されるっていうのはすごく役者として幸せを感じました。あるシーンで、テストで何度も『違う』って言われ続けて、監督から言われたのは『ケンタを乗り越えろ』ということ。いまだに、僕の中でもなぜああいう言い方をしたのか?と違和感があるんですが、でも、涙が止まらなくて…。それこそが、ケンタとジュンの2人にしか分からないことなんです」。では、松田さんと高良さん、これまでにケンタやジュンのように閉塞感を感じ、壁をぶち壊したり、乗り越えた経験は?松田さんはそれを「意識の転換」と説明する。「イギリスに留学したとき、俺は一生英語を話せるようにはなれないって思ってたんです。アイディア、きっかけも何もつかめなかったんですが、あるとき自分の考え方を変えただけで、その瞬間に脱け出せたんです。それは友人関係でも何でも同じで、自分の意識を変えるだけで世界が変わるんです。それまで、“物理的に”何かを壊すことで開放されるんじゃないかって思ってたところがあった。でも、映画に出てくる『壊しても、壊しても変わらない』っていうのは本当にそのとおりで、そうじゃなくて意識を変えるだけで道は明るくなるんだというのは感じました」。では、映画の中の2人は、そこまで至らなかったということなのだろうか?「いや、きっと辿りついてるんだよね、最後に。何が幸せか分からないまま飛び出して、北に向かっても、兄ちゃんに会っても自由じゃないし、愛情もない。何度もジュンに『お前、俺と来たいの?』って聞くけどそれが答えでもない。それは周りのものに対して自由を求めているから。でもある瞬間にジュンがドンと体当たりしてきて、このとき、きっと痛みと嬉しさを感じてる。なぜかって言うと、そこで初めて意思の疎通ができたって感じることができて、それを理解した瞬間にきっと幸せを感じてるんです」。高良さんも、自身が熊本から上京してきたときの気持ちを例に、同じく意識の転換について語る。「上京してずっと閉塞した空気を感じていて。自分で(熊本を)出てきたのに、なぜか『閉じ込められてる』って気持ちで、全てを東京のせいにしてたんです。でも、それはやっぱり自分の意識の問題。悪いのは東京ではなく、自分なんだと気づけたからこそそこから脱け出せた。それでも、仕事でも生活でも、“壁”を感じることはいまでもあります。それをぶち破りたくて、きっとこの仕事をしてるんだと思う」。現場に絶対的な安心感を抱きつつ、撮影のさなかに「ケンタだからこその“寂しさ”に僕自身も襲われて、ひとりでレンタカーを借りて、青森の海岸まで行ったこともあった」と明かしてくれた松田さん。そしてしみじみとこうつぶやいた。「人間として、俳優として本当に良い経験ができたと思います」――。この旅路が松田翔太と高良健吾にもたらしたものは?きっと答えは2人がこれから歩む道の先にある。(photo:Yoshio Kumagai)■関連作品:ケンタとジュンとカヨちゃんの国 2010年6月12日より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開© 2009「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会■関連記事:きっかけは学生からの1通の手紙…松田翔太と高良健吾が学生による試写会に登場高良健吾の凡ミスに松田翔太苦笑い「健吾が忘れちゃった」“ここだけ”の松田翔太が満載!主演映画フォトブック発売19歳の約束とは?松田翔太×高良健吾『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』試写会に10組20名様ご招待あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開
2010年06月11日6月9日(水)、青山学院大学の学生らの手によって企画、運営の下、映画『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の試写会が行われ、主演の松田翔太と共演の高良健吾がサプライズで登場し学生たちとのトークセッションを行った。本作は、孤児院で兄弟のように育ち、人生を選べずに生きてきたケンタとジュンの青年2人の旅の物語。現代社会を生きる若者の不安や苛立ち、そして希望を鮮烈に描き出している。本作の試写会を企画した学生たちは、映画から感じた自分たちの思いを伝えたい、そして松田さん高良さんからも、学生たちに思いを直接伝えてほしいという手紙を執筆。松田さんと高良さんに送ったところ、これに2人は心を打たれ、参加を快諾したとのこと。予想だにしない2人の登場に、客席からは大きなどよめきが巻き起こった。松田さんの「もっと真ん中に集まって楽にやろうよ」というよびかけで、中心に集まった学生たちおよそ100人との意見交換がスタート。様々な質問が飛び出す中で、「うまくいかないことが続くとき、それを乗り越えるにはどうすればいいでしょうか?」という質問に、松田さんは「確かに、大変だとか嫌だと思うこともあるけど、何でもやってみないと分からない。死んだらできない。いま、生きてるし、それ以下はない。システムとか自分の中の意識にやられてるだけ。状況を変えちゃえばいいだけ」と真剣な眼差しで持論を展開。学生へのメッセージとして、高良さんは「この映画の見どころとかはどうでもいい。この映画を観て、ひとりひとりが感じたことが正解」と映画を観て感じたことを大切にしてほしいとの思いを伝えた。松田さんは「この映画ができたってことが面白い。この映画を作ろうと思った人がいるってことに共感してほしい。世間とか一般的な価値観に自分のモラルとか道徳とかが犯されてる。それをちょっと変えるだけで自分らしくなるし、ものの見方がすごい変わる。それをみんなでやればもっとこういう映画が作れるし、もっと(そうした行動が)当たり前でいい。僕らの意識が変わればいいだけ。そういう手助けをしてもらいたい。僕らは俳優でみんなは大学生ってのがあるかもしれないけど、どんどん参加してほしい」とこれからの社会を担う学生たちに熱いメッセージを送った。ちなみに、この日の会場で学生たちから寄せられたり、学生たちが制作したウェブサイトに掲載された言葉を書き込んだフラッグが12日(土)に行われる本作の初日舞台挨拶において、キャスト陣に手渡され、公開劇場の渋谷ユーロスペースに展示される予定だという。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』は6月12日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:ケンタとジュンとカヨちゃんの国 2010年6月12日より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開© 2009「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会■関連記事:松田翔太×高良健吾インタビュー 若き2人がをぶち破った“壁”高良健吾の凡ミスに松田翔太苦笑い「健吾が忘れちゃった」“ここだけ”の松田翔太が満載!主演映画フォトブック発売19歳の約束とは?松田翔太×高良健吾『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』試写会に10組20名様ご招待あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開
2010年06月11日高良健吾、谷村美月という旬のキャストを迎え、実話を基に家族の絆を描く感動作『おにいちゃんのハナビ』の主題歌が藤井フミヤの「今、君に言っておこう」に決定した。東京から雪国の小さな町へ療養のために越してきた少女・華とその兄・太郎。この町には、年1回、町民がスポンサーとなって開催される盛大な花火大会があった。太郎は、周囲と打ち解けることができず、自分の殻に閉じこもってしまうが、余命わずかな妹の強い思いに背中を押され、新しい生活をスタート。華のために花火を打ち上げることに没頭していく――。“おにいちゃん”太郎を演じるのは、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、『ノルウェイの森』など本作を含め今年だけで6本の映画の公開が決まっている、いま、最も注目を浴びる若手実力派俳優、高良健吾。病弱な妹・華には、その確かな演技力で若手女優の中でもトップクラスの評価を受ける谷村美月。2人はまもなく公開される『ボックス!』でも高校のボクシング部員とマネージャーという関係で共演しているが、本作では兄妹に!余命僅かながらも強い思いを持って生きる妹と、彼女の姿に勇気をもらい、再生していく兄という関係性の中でそれぞれ新たな魅力を発揮している。今回、主題歌に決まった「今、君に言っていこう」は藤井さんにとって3年ぶりに詞曲ともに自身で手がけた楽曲。映画音楽を担当するのも2007年1月公開の『夏物語』の日本版エンディングテーマ「大切な人へ」以来のこと。一男一女の父親である藤井さん自身、本作に感銘を受け、主題歌を書き下ろすことが決まったという。物語と共に主題歌も聴いて思わずホロリとくること間違いなし?『おにいちゃんのハナビ』は秋、公開。■関連作品:おにいちゃんのハナビ 2010年秋、全国にて公開© 2010「おにいちゃんのハナビ」製作委員会
2010年04月30日