第89回アカデミー賞のノミネーション発表を目前に、第37回ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)のノミネーションが発表された。ラジー賞はアカデミー賞と対極で、前年の「最低最悪な映画」を表彰する賞である。今回は『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と『ズーランダー2』が「最低作品賞」、「最低主演男優賞」などそれぞれ8部門でノミネートされ、どちらがより多くの賞を受賞するかに注目が集まる。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、バットマンを演じたベン・アフレックと、スーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルがともにインタビューを受けた際、「映画が酷評されている」と聞いたベンが終始悲し気な顔でだんまり…という様子が話題になった。『スーランダー2』は前作から15年が経ち、超豪華ゲストを集めてパワーアップぶりをアピールしていたが、製作費56億ドルに対して興収が50億ドルと伸びなかった。日本では劇場公開されず、DVDスルーに。通常、それぞれの部門のノミネートは5つまでなのだが、今年は5つの枠に収まりきらず6つに増やされているのが特徴だ。授賞式はアカデミー賞の前日の2月25日(現地時間)に行われるが、俳優や監督にとって不名誉な賞のため、例年トロフィーを受け取りに来る人はほぼいない。過去にはサンドラ・ブロックが授賞式に参加し、「粋だ」と評価されたが、今年は果たして?(Hiromi Kaku)
2017年01月24日●監督のショートヘアへのこだわり数々の映画賞を総なめにし、今や日本映画界に欠かせない存在となった俳優・安藤サクラ。沖縄・慶良間諸島を舞台にした映画『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』(1月21日公開)では、美しく清らかな沖縄の自然を背景に、都会の生活に疲れながらも柔らかく、透明感のあるヴァイオリニスト・北川祐子を好演した。もっとも印象的なのは、切なくなるほど透き通った沖縄の海をバックに、浜辺で潮風に髪を揺らしながらヴァイオリンを演奏するシーン。しっとりと落ち着いた演技を見せながらも、実はビビりで人見知りという安藤が今回の撮影現場でリラックスできた理由とは?○「ヴァイオリンじゃないとダメ」な理由――浜辺では堂々と『G線上のアリア』を演奏していましたが、これまでこの映画を撮り始めるまでは一度もヴァイオリンを持ったこともなかったというのは本当ですか?そうなんです。オファーを受ける前に、自分がヴァイオリンを弾けるかどうか試してみようと音楽教室の体験レッスンに行って、そこで初めて楽器を触ったのですが、音を出すことはおろか、構え方もわからないわけですよ。しかも、ピアノのように鍵盤を押せば決まった音が出るわけでもないし、音色もすごく複雑ですし。他の楽器をやっている方からは異議が出そうですが、ヴァイオリンは演じる上では特別難しい楽器だと思います。1ミリ角度が違えば音色が違う、ひと目見れば"できる"か"できないか"はすぐバレちゃう。ごまかしがきかないんです。さらにヨーロッパ式はこんな構えだとか、いろんなスタイルがある。正直、本気で無理かもしれないと思いました。新藤風監督には、「ほんとにヴァイオリンじゃないとダメですか?」って何度も聞きました(笑)。――でも、ヴァイオリンじゃなくちゃダメだと。風監督の中に、「青い海を背景に、ヴァイオリンを弾く私の横顔」というビジュアルがものすごく明確にあったみたいで、とにかくその絵がきれいに撮れればいいんだ、と。だったら私もヴァイオリンを上手に弾くことじゃなく、ヴァイオリンとともに心地よく"そこに届けること"が一番大事だなって、割り切って練習できました。――それであの印象的なシーンが生まれたんですね。演奏スタイルも自然でしたし、あれだけ綺麗に撮れたら、苦労は報われたのでは?たしかに、すごくインパクトがあるビジュアルでしたよね。監督は、ショートヘアにも相当こだわっていて、「こっち側から撮るから、顎のラインがこう見えるようにカットして……」なんて言いつつ、美容院で何時間もああだこうだやりました。今回の撮影でいちばん難航したのは、私の髪型だったかも。●過去のできごとを「更新できる」仕事の喜び新藤風監督がメガホンをとるのは2006年公開の『転がれ!たま子』以来11年ぶり。その風監督が「ずっと仕事をしたいと思っていた」とラブコールを送った安藤も、2014年撮影の『白河夜船』後、映画の現場に戻るのは1年数カ月ぶり。それぞれタイムラグがあった後の撮影現場はどんな雰囲気だったのだろうか。○見知らぬ土地を素足で踏む――そもそも作品に入るときは緊張されるタイプですか?しますね。新しい現場に入ることが、自分の中で一番緊張する瞬間かもしれない。――知らない環境に入ってくとき、リラックスする方法は?私はすっごいビビりだし、人見知りでもあるので、ガチガチの状況だと自分がすることすべてが不安になるんです。だから、少しでも心を許せたり、逆に許してもらえたりする環境をがんばって作る。知らない土地についたら、思い切って裸足でその土地を踏んでみる、みたいな感じです。今回のロケでは、島の自然や空気のおかげで、心がオープンになっていたんですよね。それで五感を敏感に働かせることができたし、いいバイブレーションを作れていたんじゃないかと思う。そうなると息が楽にできるようになって、身体もよく動く、よく働けるんです。私だけでなく島ではみんな息をしやすそうにしていました。――風監督とは初めてのお仕事ですね。緊張や不安はありましたか?私自身、前の作品からだいぶ期間が空いていましたし、次の一歩を踏み出すにあたって迷っていた部分があったのですが、監督は、そういう迷いや不安定な気持ちまで含めて、この役に合っていると思ってくださったみたい。その時の私の心境と役柄とをきちんと擦り合わせてくれたんです。監督と俳優という立場ですが、ちゃんと人として向き合ってくださっているなと感じられたので、「風監督なら」と安心してインできました。○島の自販機前に集合!――共演した伊東蒼さんは話題作にも出演されて、今注目の子役の一人ですね。みんな蒼ちゃんのことを天才子役というけれど、私は彼女に対して、その言葉を使われるのがすごくイヤで。だって、本当に素晴らしい女優さんですよ。作品や周りの人のことをものすごく深く考えるし、努力するし、集中力も半端じゃない。そういう意味では天才という言葉を使いたくなるのはすごく分かるけれど、子役という枠に当てはめたくないですね。――島のみなさんとも交流されたそうですね。島で買い物ができるのは宿の自販機しかないから、出演者やスタッフだけじゃなくて、島の人がみんな自然にそこに集まるんです。私は3週間くらい島にいましたが、その間にみなさんと顔なじみになって、一緒に時間を過ごして、いろいろ助けて頂きました。いまだに仲良しなんです。――おじい役を演じた金城実さんは世界でも活躍される三線(さんしん)の名手で、作品タイトルとなった『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』などを演奏しながら、深みのある素晴らしい歌を披露されていますね。おじいの奏でる音楽は今も、私の体に振動として残っているような気がします。音楽や声、人の気配はすべて振動、バイブレーションですけど、おじいの音楽はすごくシンプルで、美しくて。素晴らしい振動は、体のすごく深いところまで届くんだと改めて感じました。――沖縄の音楽はお好きなんですか?15歳くらいの頃、沖縄音楽にすごく憧れて、高校に入って最初の夏休みになけなしのバイト代をはたいて、リュックひとつで宮古島に渡って1カ月ちかく過ごしたことがあります。この作品に出てくるおじいみたいな人から三線を習ったりして。――もともと沖縄にはご縁があったのですね。この仕事をしていて幸せなのは、作品の中で、かつて自分と縁があったことに再会できることですね。例えば、高1の夏に沖縄で過ごした時間がそのまま化石になるのではなくて、今の自分の感性や思いをのせて更新できるというか。その頃、みなさんにお世話になった時間や自分の思いを作品に活かせるような気がして、こういう幸せな巡り合わせは本当にありがたいです。――今回の沖縄ロケを経験して、何か変化はありましたか?生き物としての自然な呼吸を取り戻せましたね。今までは撮影が終わるとうわーってお酒飲んで、酔っ払うのが気持ちよかったんです。でもこれからは、生き物がアルコールを求めるくらいの量に抑えようかな、と(笑)。健康的な時間に起きたり、島で水に浮く楽しさを知ったからもっと泳いでみたり。自然の摂理に沿った生き方ができそうな気がしているんです。だから30代のテーマは「健やかに」。健やかに心地よく暮らしていけるようにバランスを整えたら、仕事との向き合い方も変わってくると思います。■映画『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』(2017年1月21日公開)舞台は沖縄・慶良間諸島。耳がよすぎて音のズレに敏感な少女・うみ(伊東蒼)は、コンサートのために島にやってきたヴァイオリニストの祐子(安藤サクラ)と出会う。それをきっかけに、人付き合いが苦手で変わり者扱いされてきたうみは閉ざしていた心を解放してゆく。祐子もまた島の人々との交流で疲れた心を癒す。美しい自然と音楽が人々をつなぎ、自分に向き合う力を与えてくれるひと夏の物語。
2017年01月22日ゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞(BAFTA)など、主演男優賞に多数ノミネートされたヴィゴ・モーテンセン主演の『はじまりへの旅』(原題: Captain Fantastic)が、4月1日(土)より日本公開される。このほど、彼が父親となる、人里離れた森で暮らしていた大家族の場面写真が一挙に解禁となった。ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)と6人の子どもたちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くに暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子どもたちの体力はアスリート並み。みな6か国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日、入院していた母レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”を叶えるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2,400km。アメリカの著名な哲学者にして言語学者チョムスキーのことは知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは、果たして母の願いを叶えることができるのか?「普通ってなんですか?」――。文明に触れず、森で暮していたヘンテコ家族が母の死をきっかけに旅に出る、笑いと涙にあふれたロードムービーとなる本作。主演は、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のアラゴルン役で知られ、『イースタン・プロミス』でアカデミー主演男優賞にノミネートされた名優ヴィコ・モーテンセン。彼が演じる主人公・ベンは、独特な教育方針のもと世間と切り離された森で6人の子どもたちを育てている厳格な父親。長男ボウドヴァン(ジョージ・マッケイ)は有名大学に軒並み合格、運動神経抜群でも、女子と話すのが大の苦手。赤毛の双子の姉妹、キーラーが得意なのはエスペラント語、ヴェスパーは狩りで家の屋根にも上れるほど。その下のレリアンは、ほかの兄弟と違い森での生活に疑問を持ち、ベンに反発する。さらに好奇心旺盛なサージは、動物の剥製を自作するのが趣味、末っ子のナイはいつも裸でいるのが好きな男の子だ。みな風変わりで個性的なキャラクターばかりだが、旅に出た彼らが世の中とのギャップに戸惑いながらも、自分たちらしさを失わずに生きようとする姿には、現代を生きる人々の共感を呼び、世界中が絶賛。メガホンをとったマット・ロス監督は昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞し、全米では4館から600館まで拡大公開され4か月以上のロングランとなった。今回、一挙に解禁となったメイン写真とサブ写真では、父親ベンの熱血指導のもと、人里離れた森で暮しながらアスリート並みの訓練をするシーンや、古典文学や哲学書を読みふける子どもたちの姿、そして、光射す美しい情景の中で親子が手を取り合うシーンなど、一家の絆の強さが見えてくるシーンを切り取っている。1月24日(火)にノミネーションが発表されるアカデミー賞にも、ヴィゴは選ばれるのか、引き続き注目していて。『はじまりへの旅』は4月1日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月19日1月16日(月)、「第40回日本アカデミー賞」優秀賞の15部門および新人俳優賞が発表。『怒り』『シン・ゴジラ』『湯を沸かすほどの熱い愛』や、アニメーション作品からは『君の名は。』『この世界の片隅に』などが優秀賞に選ばれ、新人俳優賞には杉咲花、高畑充希、岩田剛典、坂口健太郎、千葉雄大ら最旬俳優の名前が並んだ。同賞は、2015年12月16日~2016年12月15日の間に公開された作品から、優秀な劇場用映画およびアニメーション作品を表彰したもの。授賞式の女性司会者は、前年の最優秀主演女優賞を獲得した女優が務めるのが恒例となっており、今年は、昨年『百円の恋』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラと、日本アカデミー賞協会組織委員会副会長の西田敏行とともに司会を務める。優秀作品賞には5作品が選出。渡辺謙を主演に、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡ら豪華俳優陣の共演が話題となった『怒り』。本作では李相日監督が優秀監督賞&脚本賞を受賞。ほか、宮崎あおいが主演女優賞に、妻夫木聡&森山未來が優秀助演男優賞に、広瀬すずが優秀助演女優賞に選出。さらに佐久本宝が、新人俳優賞に選ばれた。“熟年離婚”をめぐり大騒動を繰り広げる家族の姿を滑稽に、かつ温かく描いた映画『家族はつらいよ』。山田洋次監督は、平松恵美子とともに優秀脚本賞に選出。庵野秀明・総監督、樋口真嗣監督の『シン・ゴジラ』は優秀監督賞のほかに、長谷川博己が主演男優賞、石原さとみ&市川実日子が助演女優賞、鷺巣詩郎が優秀音楽賞を受賞。宮沢りえが主演を務め、オダギリジョー、杉咲花らとともに、“死にゆく母と、残される家族の愛と絆”を描いた『湯を沸かすほどの熱い愛』からは、中野量太監督が優秀監督賞&脚本賞を。宮沢さんが主演女優賞で、杉咲さんが助演女優賞&新人俳優賞を受賞。『半落ち』『クライマーズ・ハイ』の原作を手がける横山秀夫のベストセラー小説を2部作で映画化する『64-ロクヨン-前編』では、佐藤浩市が主演優秀賞に選ばれたほか、坂口健太郎が新人俳優賞、監督賞&脚本賞、音楽賞、撮影賞などを受賞。そして、この夏の劇場を大いに賑わせたアニメーション映画からも5作選出。日本映画史に残る大ヒットを記録し、海外でも高い評価を得る『君の名は。』。新海誠監督が、優秀監督賞&脚本賞に選ばれ、「RADWIMPS」が優秀音楽賞を受賞。のんが主人公の声を務め、公開スタート時全国63館だったが、週を追うごとに拡大公開を重ね、大ヒットを記録している『この世界の片隅に』も、作品賞と、コトリンゴが優秀音楽賞を受賞した。ほか大今良時のベストセラーコミックを原作に、入野自由、早見沙織ら人気声優を迎え京都アニメーションが映画化した『聲の形』、『ルドルフとイッパイアッテナ』、『ONE PIECE FILM GOLD』。ほか、優秀主演男優賞には、『日本で一番悪い奴ら』の綾野剛、『海賊とよばれた男』の岡田准一、『聖の青春』の松山ケンイチ。優秀主演女優賞には、『後妻業の女』の大竹しのぶ、『リップヴァンウィンクルの花嫁』の黒木華、『ちはやふる-上の句-』の広瀬すずが選出。新人俳優賞には、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』から高畑充希&岩田剛典、『セーラー服と機関銃ー卒業ー』の橋本環奈、『殿、利息でござる!』の千葉雄大、『ちはやふる』の真剣佑ら、旬なメンバーが揃った。優秀外国作品賞には、『オデッセイ』『ズートピア』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『ハドソン川の奇跡』『レヴェナント:蘇りし者』。各賞の最優秀賞の発表、授賞式は3月3日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて開催。同日21時からは日本テレビ系にて「第40回日本アカデミー賞授賞式」を放送予定。(text:cinemacafe.net)
2017年01月16日俳優の西田敏行、女優の安藤サクラが16日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われた『第40回日本アカデミー賞』の優秀賞発表記者会見に出席した。日本アカデミー賞協会が主催する『第40回日本アカデミー賞』は、昨年度に劇場公開された映画の作品賞や主演男優賞、主演女優賞、新人俳優賞などを表彰するもの。なお、優秀賞の中から最優秀賞を決定する授賞式を、3月4日21時から日本テレビ系で、ラジオ放送はニッポン放送で3月3日21時から放送する。また、授賞式の司会には、4年連続で西田敏行が務めるほか、昨年の同賞で最優秀主演女優賞に輝いた安藤サクラが担当する。4年連続の大役に西田は「昨年の授賞式の時はちょうど頚椎をケガしまして、身動きできない状態で司会をさせてもらい、関係各位にご迷惑をおかけしたことをお詫びします」とあいさつし、「今年は身体も動くようになりましたし、楽しく授賞式を滞りなく進行を務めていきたいと思います。世の中は今、どんどん政情不安といいましょうか、心身穏やかではないと案じています。映画という文化が担う役割が大きくなってきていると思いますので、映画人の皆さんのモチベーションがあがるような節目のイベントでありたいと願っています」と意欲。その西田とコンビを組む安藤は初めての司会で「今年初詣に行った時、『とにかく目上の方に頼りなさい。そうすれば上手くいくが、だからと言って調子に乗ってはダメ』とおみくじに書かれていました。それを読んだ瞬間、これはきっとアカデミー賞の司会のことだと思いました」と笑いを誘いつつ、「西田さんに頼りながら、調子に乗らず、受賞者の皆さんに粗相がないように務めていきたいと思います」と自戒していた。そんな安藤について西田は「安藤さんは大きなキャパシティーを持っている女優さん。そういった意味でこれからの安藤さんの天才的な表現術がどこで醸成してきたのか司会をしながら探っていきたいと思います」と期待感。西田の言葉に笑顔を見せた安藤は「1年間この司会のことを考えていて、とにかく沢山の映画を劇場で見ようと思い、沢山の映画を見て楽しませていただきました。そんなすごい方々と一気にお会い出来る機会はないので、イチ映画ファンとしてもその空気を堪能したいと思っています」と授賞式が待ち遠しい様子だった。○『第40回日本アカデミー賞』の主な受賞作品・受賞者(50音順)※作品名は対象作品優秀作品賞『怒り』『家族はつらいよ』『シン・ゴジラ』『湯を沸かすほどの熱い愛』『64-ロクヨン-前編』優秀アニメーション作品賞『君の名は。』『聲の形』『この世界の片隅に』『ルドルフとイッパイアッテナ』『ONE PIECE FILM GOLD』優秀監督賞庵野秀明(総監督)/樋口真嗣(監督)『シン・ゴジラ』新海誠『君の名は。』瀬々敬久『64-ロクヨン-前編』中野量太『湯を沸かすほどの熱い愛』李相日『怒り』優秀主演男優賞綾野剛『日本で一番悪い奴ら』岡田准一『海賊とよばれた男』佐藤浩市『64-ロクヨン-前編』長谷川博己『シン・ゴジラ』松山ケンイチ『聖の青春』優秀助演男優賞竹原ピストル『永い言い訳』妻夫木聡『怒り』東出昌大『聖の青春』森山未來『怒り』リリー・フランキー『SCOOP!』優秀主演女優賞大竹しのぶ『後妻業の女』黒木華『リップヴァンウィンクルの花嫁』広瀬すず『ちはやふる-上の句-』宮崎あおい『怒り』宮沢りえ『湯を沸かすほどの熱い愛』優秀助演女優賞石原さとみ『シン・ゴジラ』市川実日子『シン・ゴジラ』杉咲花『湯を沸かすほどの熱い愛』広瀬すず『怒り』宮崎あおい『バースデーカード』新人俳優賞杉咲花『湯を沸かすほどの熱い愛』高畑充希『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』橋本環奈『セーラー服と機関銃-卒業-』岩田剛典『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』坂口健太郎『64-ロクヨン-前編』『64-ロクヨン-後編』佐久本宝『怒り』千葉雄大『殿、利息でござる!』真剣佑『ちはやふる-上の句-』『ちはやふる-下の句-』
2017年01月16日米国アカデミー賞よりも歴史が古く、世界一の歴史を誇る映画雑誌「キネマ旬報」が1924年より主催してきた映画賞「キネマ旬報ベスト・テン」。この度、「2016年第90回キネマ旬報ベスト・テン」が決定!栄えある日本映画第1位は『この世界の片隅に』、外国映画第1位は『ハドソン川の奇跡』が選ばれ、各個人賞も発表された。1919年の創刊以降、映画ファンに親しまれ続け、現在でもなお続く映画雑誌「キネマ旬報」。本雑誌が開催する「キネマ旬報ベスト・テン」は、選出者の年齢・所属の幅が広く、また人数も多いことから高い信頼を得ている。その年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」がそれぞれ10本選出されるほか、「日本映画」と「外国映画」には読者選出部門を設け、それぞれの10本を挙げ、「日本映画監督賞」「外国映画監督賞」「日本映画脚本賞」「日本映画主演女優賞」「日本映画主演男優賞」「日本映画助演女優賞」「日本映画助演男優賞」「日本映画新人女優賞」「日本映画新人男優賞」「読者選出日本映画監督賞」「読者選出外国映画監督」「キネマ旬報読者賞」と、その年の称賛すべき作品や映画人を多面的に選出する。2016年度のベスト・テンで90回目を数える本賞。個人賞には2016年のスクリーンを彩った顔ぶれがズラリ揃った。日本映画監督賞には『この世界の片隅に』の片渕須直。日本映画脚本賞には、『シン・ゴジラ』の庵野秀明。主演女優賞には、『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえ。主演男優賞には、2004年度『誰も知らない』で新人男優賞を受賞し、『ディストラクション・ベイビーズ』主演の柳楽優弥。助演女優賞には、『湯を沸かすほどの熱い愛』で宮沢さんの娘役を好演、今年も『無限の住人』など出演作が控える杉咲花。助演男優賞には、『永い言い訳』の“ネクストブレイカー”竹原ピストル。新人女優賞には、『溺れるナイフ』『ディストラクション・ベイビーズ』ほかで幅広い役を演じきった小松菜奈。新人男優賞には、『ディストラクション・ベイビーズ』ほか、テレビドラマでも注目を集めた村上虹郎。また『ハドソン川の奇跡』のクリント・イーストウッドが8度目の外国映画監督賞に輝いた。そして“日本映画ベスト・テン”で見事1位に輝き作品賞と受賞したのは、片渕監督の大ヒット作『この世界の片隅に』。興行収入は10億円を突破し、上映劇場もますます増え、海外公開も控える本作の勢いは2017年も止まりそうにない。そして2位には脚本賞に輝いた庵野氏の『シン・ゴジラ』、3位にカンヌ国際映画祭・ある視点部門で公式上映された『淵に立つ』。4位には主演男優賞&新人男優賞を輩出した『ディストラクション・ベイビーズ』、5位に本木雅弘主演、西川美和監督の『永い言い訳』、6位に岩井俊二監督作で、黒木華が主演を務めた『リップヴァンウィンクルの花嫁』、7位には主演女優賞・宮沢さんと助演女優賞・杉咲さんが共演した『湯を沸かすほどの熱い愛』、8位には西島秀俊&竹内結子の夫婦役に、香川照之の怪演が話題となった『クリーピー偽りの隣人』、そして9位に佐藤泰志三部作の最終章を映画化した『オーバー・フェンス』、10位には渡辺謙を主演に迎え、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡ら豪華俳優陣が集結した『怒り』。“外国映画ベスト・テン”では、『ハドソン川の奇跡』が1位を獲得。以下、2位に『キャロル』、3位に『ブリッジ・オブ・スパイ』、4位に『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』、5位に『山河ノスタルジア』、6位に『サウルの息子』、7位に「第88回アカデミー賞」にて作品賞&監督賞に輝いた『スポットライト 世紀のスクープ』、8位に『イレブン・ミニッツ』、9位に『ブルックリン』、10位に「第88回アカデミー賞」にてブリー・ラーソンが主演女優賞に輝いた『ルーム』がランクイン。“文化映画ベスト・テン”第1位には、監督・佐々木聰の『ふたりの桃源郷』が輝いた。なお、本賞の第1位映画鑑賞会と表彰式は、2月5日(日)に東京都内にて開催予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:この世界の片隅に 2016年11月12日より全国にて公開(C) こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
2017年01月10日今年もWOWOWが生中継する「第89回アカデミー賞授賞式」。日本時間2月27日に開催される今回、同番組のレッドカーペット・レポーターに女優の板谷由夏が就任。俳優の斎藤工もスタジオゲストとして参加することが決定し、WOWOWの映画情報番組「映画工房」のMCとして気心知れた2人が、映画界最大の祭典の生中継を盛り上げることになった。例年、「アカデミー賞授賞式」を独占生中継しているWOWOW。日本のスタジオのナビゲーターにはジョン・カビラと高島彩がすでに決定しているが、今回、「映画工房」でも名コンビを見せている板谷さんと斎藤さんが、レッドカーペット・レポーターと授賞式スタジオゲストにそれぞれ決定。アカデミー賞授賞式を間近で体験できる機会に「すごいことだと思います」とワクワクした表情の板谷さん。今回のオファーを聞いて「まずは斎藤工のことが頭に浮かびました」とのことで、「(2015年にレッドカーペット・ナビゲーターを務めた)工君にはいろいろと聞かなきゃと思って。とりあえず2年前の中継の映像を見ようと思っています」と意欲をコメント。一方、斎藤さんは体験談として「(アカデミー賞授賞式の)レッドカーペットの場はやっぱり生ものですから、状況がどんどん変わっていくんです」と指摘。さらに「僕のときは、ベネディクト・カンバーバッチやエディ・レッドメインといった人たちがいろいろと話をしてくれました。でもその一方で、時間の都合によりスルーしてしまった人もいたんです」と、惜しがりながら述懐。「彼らも授賞式前なので、並々ならぬ意気込みで来ている。だからこそ板谷さんがそこにいるだけで成立するんだと思います。やはり向こうのスターは、何かをかぎ取ることに長(た)けた人たち。同じ職業である板谷さんがそこにいるだけで、通じ合えることも多いんじゃないかと思います」とエール。そして「板谷さんは、ニュース番組で、各地の方々とも接していますが、そういう方たちであっても、来日しているハリウッドスターであっても、接し方が変わらないんです。肩書きや職業で分け隔てない心根を持っている人なので、すごくいい空気が生まれる予感がします」と期待を込める。そんなアドバイスを受けた板谷さんも、「楽しかったなと思えるようにしたいし、楽しいことだけを想像して行きます」と改めて決意を語った。アカデミー賞のノミネート発表は1月24日とまだ少し先だが、おそらく新海誠監督の『君の名は。』や、マーティン・スコセッシ監督が窪塚洋介や浅野忠信ら日本人キャストを起用した『沈黙-サイレンス-』など、日本に関連した作品が賞レースをにぎわす可能性は大きい。「いまはアニメを認めないといけない時代になっている。そんな時代を象徴するのが『君の名は。』だと思うので、ワクワクします」と斎藤さんが語れば、板谷さんも「わたしもワクワクします。『君の名は。』も含めて日本のアニメは世界に自慢できるものだと思うので、世界にどう評価されるのか。楽しみですね」と期待を寄せていた。なお、スタジオゲストには斎藤さんのほか、『ミュージアム』『3月のライオン』の大友啓史監督と、映画評論家の町山智浩氏も決定している。「レッドカーペット生中継!第89回アカデミー賞授賞式」は2月27日(月)9時~WOWOWプライムにて無料放送。「生中継!第89回アカデミー賞授賞式」は2月27日(月)[二・同時通訳]10時~、[字幕版]21時~WOWOWプライムにて放送。<関連番組>・「10分でわかるアカデミー賞の今」(全3回)1月16日(月)14時45分 ~ほかWOWOWシネマにて放送。・「アカデミー賞特集2017」1月23日(月)~2月28日(火)WOWOWシネマ&WOWOWプライムにて放送。・「生中継!第89回アカデミー賞ノミネーション発表」は1月24日(火)22時~WOWOWプライムにて無料放送。(text:cinemacafe.net)
2017年01月10日年が明け、いよいよ本年度アカデミー賞に向けた映画賞レースは本格化。とはいえ、日本公開がまだまだ先の作品が多く、現状ではピンときていない人も多いのでは?いまのところ、ライアン・ゴスリング×エマ・ストーン×『セッション』監督で贈るミュージカル『ラ・ラ・ランド』、ブラッド・ピット製作総指揮で貧困やドラッグ、LGBTに斬り込んだヒューマンドラマ『ムーンライト』、マット・デイモン製作総指揮で盟友ベンの弟ケイシー・アフレック主演の『マンチェスター・バイ・ザ・シー』といった作品が前哨戦を牽引しているが、本年度アカデミー賞はとりわけ女優部門が華やかとなりそうなのだ。日本でも高い人気を誇る若手演技派から、注目の新星、ベテランまで混戦模様となっている。■主演女優賞には人気実力派がひしめくまず、主演男優賞では、『Manchester by the Sea』のケイシーや『ラ・ラ・ランド』のライアン、『Hacksaw Ridge』(原題)のアンドリュー・ガーフィールド、『ラビング愛という名前のふたり』のジョエル・エドガートン、『Fences』(原題)のデンゼル・ワシントン、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『ハドソン川の奇跡』トム・ハンクスといった顔ぶれが、おおかた揃いつつある。ライアンと並んで数多くのノミネートを受けているのが、『ラ・ラ・ランド』エマ・ストーンだ。一昨年は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。トム・ハンクスが『ハドソン川の奇跡』の記者会見中にもかかわらず絶賛したことでも話題を呼んだ同作は、エマが「ヴェネチア映画祭」で女優賞を受賞し、快進撃が始まった。「キャバレー」でブロードウェイデビューも果たしているエマでも、歌とダンスを猛特訓したという。L.A.を舞台にし、オーディションに落ち続けても女優になる夢をあきらめないという役柄は、アカデミー会員でなくても共感を集めること必至。そんなエマと、おそらく対抗することになりそうなのが、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン。ノミネートされれば、自身が受賞した『ブラック・スワン』以来、2度目。誰もが一度は目にしたことがある1963年11月22日のJFK暗殺のその後、ファーストレディとして、妻として、母としての“ジャッキー”の4日間に迫っていく。ナタリーは外見はもちろん、英語のアクセントや歩き方まで見事“ジャッキー”を再現しているという。だが、『ザ・マスター』など4度の助演女優賞+『アメリカン・ハッスル』での主演女優賞ノミネートを誇る、『メッセージ』エイミー・アダムスにもそろそろオスカーを獲らせてあげたいような…。ゴールデン・グローブ賞(コメディ/ミュージカル部門)は2年連続受賞しているが、オスカーが無冠なのは意外ですらある。同作では、『ブレードランナー』も控えるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のもと、突然飛来した謎の知的生命体とコミュニケーションを試みる言語学者に。多様性を受け入れない“不寛容さ”が世界的問題となる中、どんな“メッセージ”を彼女が伝えようとするのか、気にならずにいられない。■今年は何か違う!?多彩な顔ぶれに注目さらに、無冠のベテランにも注目したい。まず、『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が自身の母親をテーマに描いた半自伝的作品『20TH CENTURY WOMEN』(原題/6月公開)のアネット・ベニング。激動の70年代を軽やかに生きた女性を体現したアネットは、キャリア最高の演技と絶賛を受けている。アカデミー賞にノミネートされれば、『キッズ・オールライト』以来6年ぶり実に5度目。加えて、ポール・ヴァーホーヴェン監督初のフランス語映画『Elle』(原題/夏公開)から、フランスの実力派イザベル・ユペールの初ノミネートもあるかも。作品はカンヌをはじめ高い評価を得ているが、アカデミー外国語映画賞の候補からは漏れてしまったため、イザベルのノミネートに期待する。また、昨年は「白いオスカー」と物議を醸し、ボイコット騒動などもあったが、今年は少し風向きが異なりそうだ。『ラビング愛という名前のふたり』で夫(ジョエル・エドガートン)と深い愛で結ばれた妻を演じた新星ルース・ネッガは、まず主演女優賞候補に入るだろう。デンゼルの監督&主演作『Fences』で妻を演じたヴィオラ・デイヴィス、作品賞候補の筆頭株『ムーンライト』のナオミ・ハリス、さらにNASAに協力していた天才黒人女性を描く『Hidden Figures』(原題)から主演タラジ・P・ヘンソンほか、助演にオクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイのうち誰かがノミネートされるかもしれない。ちなみに同作の音楽は、ファレル・ウィリアムズが務めている。助演女優賞といえば、ほかに『マンチェスター・バイ・ザ・シー』からミシェル・ウィリアムズ、『LION/ライオン~25年目のただいま~』からはニコール・キッドマン、『20TH CENTURY WOMEN』からはグレタ・ガーウィグなど、世代も個性もさまざまな女優たちが揃いそう。助演男優賞候補としては、『ムーンライト』で主人公の少年の面倒を見る麻薬ディーラーを演じたマハーシャラ・アリ。続いて、Netfilx配信中『最後の追跡』からジェフ・ブリッジスとベン・フォスター、『LION/ライオン』デヴ・パテルなどが上げられる。(text:cinemacafe.net)
2017年01月03日12月・1月のハリウッドは、とにかく映画賞ラッシュ。放送映画批評家協会(Broadcast Film Critics Association)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR/National Board of Review of Motion Pictures)などの各授賞式はすでに行われ結果が出ている。ドラマ映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』、主人公リーを演じるケイシー・アフレック、ドラマ映画『ムーンライト』、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』、ドラマ映画『フェンシズ(原題)/Fences』で主人公トロイを演じたデンゼル・ワシントンそして『ジャッキー』で主人公を演じたナタリー・ポートマンは、批評家ならびに映画ファンからも絶賛されており、このことから見てもアカデミー賞へのノミネーションは確実と見られている。ちなみに、これらの映画賞はハードコアな映画ファンでもない限り、いったい誰の手によって選ばれているのか余り知られていないだろう。基本的にはアメリカの映画批評家たちが選んだものと思って間違えないのだが、彼らは制作の現場に関わっている人たちとは違う。だが1月中盤から2月になるとアカデミー賞を筆頭に映画の現場に携わる人たちによって選出される映画賞が増える。とくにアカデミー賞は現場に携わるプロ中のプロであるアカデミー会員たちによって選出される栄えある賞だ。よって批評家たちの投票結果と多少異なってくるのは当然のことだが、過去の統計を見ると、批評家たちが選ぶ映画賞の受賞結果がアカデミー賞ノミネーションがかなり重複しているのがわかる。冒頭に挙げたアカデミー賞に向けて話題の作品も、まだ日本では耳慣れないものが多い。「イマ旬!」では今回2本、次回3本の割り振りでアカデミー賞レースの上位を走る5作品について紹介していこうと思う。『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』【あらすじ】マサチューセッツの街で修理屋として生計を立てながら物静かに暮らしている男リーは、ある日故郷の兄ジョーが倒れたという知らせを受ける。急いで帰ったもののジョーは亡くなっていた。ショックを受けるリーに追い打ちをかけるように待っていたのは、ジョーの息子パトリックの養育権をリーに託すという、思いもかけぬ兄からの遺言だった。その昔、余りにつらい過去を振り切るためあとにした故郷。いっぽうティーンのパトリックは昔はあんなに仲の良かった叔父リーに拒絶されたと感じ、一層殻にこもってしまう。溝の深まる甥っ子と叔父の関係。兄の死が引き起こした様々な出来事は、嫌が応にしてリーに辛い過去と向き合う試練を突きつけていた。【アカデミー賞候補本命度】作品賞をはじめ主要部門と言われている主演・助演男優&女優賞候補はもちろん、マルチ部門でのノミネーションそして受賞が有力視されている。ケイシー・アフレックもさておき、元妻を演じるミシェル・ウィリアムズ、甥っ子を演じる新星ルーカス・ヘッジなど、観ている者を引き込まれずにはいられない胸に迫る演技が素晴らしい。悲痛なストーリーではあるが、つらい部分を乗り越えて見ているといいことがある作品で主人公リーと同様の心の旅ができる。【注目点:ケイシー・アフレック】本作で、“ベン・アフレックの弟”という肩書きから見事卒業した感ありのケイシー。年末時点でさまざまな映画賞にて主演男優賞を受賞、あるいは候補にノミネートと順風漫歩。オスカー本線ではライバルにデンゼル・ワシントンが立ちはだかっているが、『トレイニング・デイ』で主演男優賞受賞経験のある彼に比べてフレッシュなケイシーのほうが受賞確率が高いのでは。少々気がはやいが、もしもケイシーが主演男優賞を受賞すれば兄ベンも成し遂げていない快挙を達成することになる!『フェンシズ(原題)/Fences』【あらすじ】ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。【アカデミー賞候補本命度】主演男優賞候補デンゼル・ワシントン、助演女優賞候補ヴィオラ・デイヴィスでアカデミー賞のノミネーションを受けることはほぼ確実といってもいいだろう。舞台劇の映画化は、往々にして膨大なセリフの量が特徴だが本作も例外ではない。途中でカットを入れずにすごい量のセリフを淀みなくデリバリーするデンゼルのテンションは、観ているこちらがグッタリしてしまうほどの凄さで、まさに芸術の域。【注目点:デンゼル・ワシントン&ヴィオラ・デイヴィス】ならばデンゼルに再びオスカー像を…!と言いたいところだが、本作でデンゼル以上に注目されるべきは、助演女優ヴィオラ・デイビス。気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラが、髪振り乱し、涙溢れ、流れる鼻水をものともせず、妻としての心情を夫にぶちまけるシーンは、映画史上に残るであろう名場面。業界内ではヴィオラのオスカー受賞必至の噂が飛び交っており、筆者も大いに同感。次回の「イマ旬」では執筆時点で映画賞予想サイトGoldderby.comにおいてアカデミー賞レースのトップ10圏内に入っていて、筆者も応援中の3作品を現場目線でご紹介。乞うご期待!(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2016年12月30日英国を代表するラグジュアリーブランド「バーバリー(Burberry)」のメイクアップコレクションを展開する「バーバリー ビューティ ボックス」から、新たにホームコレクションが発売中だ。イギリスの田園情景をイメージした6種の香りの「バーバリー ホーム キャンドル」(全6種 各13,500円)をはじめ、ルームスプレイとして使える「バーバリー ホーム&リネンミスト」(全2種 6,804円)と、「バーバリー ホーム ハンドウォッシュ」(6,480円)の3アイテムは、すべて著名な調香師フランシス・クルジャンがその香りを手掛けている。イングリッシュガーデンや刈りたての草、春を迎えた森林などをイメージした香りは、いかにも英国らしいイメージにあふれ、日常空間をエレガントなムードで満たしてくれるはず。3つのアイテムはそれぞれ英国職人の熟練した技でハンドメイドされ、アイテムの随所にこだわりが秘められている。キャンドルは上質なワックスとフレグランスを絶妙なバランスで組み合わせ、英国サセックスで一つ一つハンドメイドされている。手塗りのブラックセラミックホルダーにつけられたラベルはトレンチコートのタグをイメージしているなどバーバリーらしいアイデンティティも垣間見える。新年の自宅に新調するもよし、大切な人への贈り物、引越祝いなどにもおすすめ。商品は東京・銀座三越、西武池袋本店、大阪・阪急うめだ本店の「バーバリー ビューティ ボックス」及び、バーバリー公式サイトで展開となる。(text:cinemacafe.net)
2016年12月29日ブラッド・ピットがアカデミー賞監督ロバート・ゼメキスとタッグを組んだ主演最新作『マリアンヌ』。タイトルの秘密を抱える女“マリアンヌ”を、アカデミー賞女優でもある実力派マリオン・コティヤールが務める本作から、愛の先に涙する夫婦の姿をとらえた日本オリジナルの予告編が解禁となった。1942年、カサブランカ。マックス(ブラッド・ピット)とマリアンヌ(マリオン・コティヤール)は出会った。極秘諜報員とフランス軍レジスタンス、決して交わることのない人生を歩んでいた2人は、ある重大なミッションによって引き寄せられる。それは夫婦を装って敵の裏をかき、ドイツ大使を狙う作戦だった。その後、ロンドンで再会した2人に、愛が芽生え始めるのは自然のことだった。しかし、マリアンヌには愛した人にも決して言えない“ある秘密”を抱えていた――。衝撃的な真実に向き合いながらも、愛する人を信じて運命に立ち向かう2人が繰り広げる切ないラブストーリーとなる本作。今回届いた映像は、日本のブラッドとマリオンファンのためだけに制作された、情感たっぷりの日本オリジナル予告編となっている。「2人の間には、映画を超えた真実の愛があるのでは?」とゴシップの格好の標的になってしまったほど、車内での熱烈キスシーンをはじめ、見つめ合う2人の麗しさと真に迫る情熱的な姿が印象的な本映像。運命に導かれるように出会ったマックスとマリアンヌが、戦時下という激動の時代においても愛を育み確かめ合うロマンティックな雰囲気は、妻に向けられたまさかの疑惑により一変。疑惑が本当なら自らの手で愛する妻を始末するよう、非情な命令が下ったマックスは、タイムリミットが近づく中、信じたい愛のために妻の無実の証明に奔走しつつも渦巻く疑念に揺れ動く。覚悟を決めた瞳で遠くを見つめるマリアンヌが流した涙の意味とは?また、ラストにマックスが見せるあまりにも痛々しく切なさがにじむ雨中の涙の訳は?これまでの映像では明かされてこなかった、2人の苦悩の姿と涙の決断が映し出されており、感涙の結末が待ち受けることを予感させる仕上がりとなっている。ちなみに、本年のGOOGLE検索ワードランキング(全世界版)では、俳優部門でブラッドが1位、女優部門ではマリオンが2位となるなど全世界的に注目を集めた2人。もちろん互いに否定はしているが、劇中で醸し出す“真剣愛”のリアルさは、観る者の涙を増幅させる要素のひとつとなるかもしれない。なお、いよいよシーズンが本格化している本年度の賞レースでは、第22回放送映画批評家協会賞では衣装デザイン賞(ジョアンナ・ジョンソン)、第21回サテライト賞では美術賞(ゲイリー・フリーマン)と録音・音響効果賞の2部門にノミネートされ、本作の舞台である1940年代のカサブランカやロンドンを見事に表現した世界観への高評価が目を引く。第13回女性映画批評家協会賞では最優秀スクリーン・カップル賞と性の平等賞の2部門にそれぞれノミネートされ、ブラピとマリオンが体現した愛の形が評価されている。『マリアンヌ』は2017年2月10日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月27日今年のカレンダーもいよいよ最後のページとなった12月、ハリウッドでは映画賞レースたけなわである。 「イマ旬!ハリレポ」では、ロサンゼルス在住・映画業界ン十年の筆者が、現地目線でアカデミー賞レースの様子を隔週レポートする。映画賞の最高峰であるアカデミー賞は今年でなんと89回目、世界の映画賞の中でも老舗中の老舗といったところ。受賞者に渡される黄金のオスカー像にちなんで愛称「オスカー」の名で親しまれているアカデミー賞は、映画関係者の多いハリウッドに住んでいる者にとっては感謝祭、あるいはクリスマス並みに心浮かれるフェスティバル的なニュアンスがある。街を運転していると「For Your Consideration」の巨大ビルボードが目についたり、1月に入るとアカデミー賞のオフィシャル・ポスターがあちらこちらに登場しはじめる。授賞式当日に向かって街の雰囲気が高揚していく様は、ハリウッド近郊に住んでいる生粋の映画ファンである筆者にとって毎年のことながら、たまらなくエキサイティングである。アカデミー賞授賞式は、現地時間2017年2月26日(日)開催予定で、まだ2か月以上先のこと。でも、先日12月11日(日)に授賞式があった放送映画批評家協会賞や、1月に入ると毎週末のように行われる有名映画賞は、その全てがオスカーの前哨戦といっても過言ではない。特につい先日ノミネーションが発表されたゴールデングローブ賞は、アカデミー賞の指針になると言われている注目の映画賞。だが日本では「ゴールデングローブ賞とはなんぞや!?」とおっしゃる方もまだ居ると思うので、サクッと説明させていただこうと思う。ゴールデングローブ賞というのは毎年1月に行われる賞で、ハリウッド外国人映画記者協会に所属する世界各国から集まった90名ほどの記者たちの投票で決められる映画&TV賞。アカデミー賞や米国映画俳優協会賞(通称:SAG賞)などと違い、投票者数が少なく外国人記者たちによる投票がゆえに、年によってはかなり妙な受賞作品が出るため「映画賞のはみだしっ子」とか、「酔っ払って見るのには最高の映画賞」などと、一部の関係者たちから軽んじられている面もあるが、アカデミー賞の行方を反映している映画賞としてとりあえず一般的には一目置かれている大賞だ。おまけに、2012年の第69回ゴールデングローブ賞より授賞式のテーマ曲がYOSHIKI作曲によるものが使用されているということで、日本人としてヒイキにしたくなる映画賞である(笑)。余談はさておき、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の大きな相違点のひとつは、ゴールデングローブ賞では作品賞がドラマ部門とコメディー/ミュージカル部門というふたつのカテゴリーに別れているという点だ。このふたつのカテゴリーを合わせるとゴールデングローブ賞のノミネート作品は10本。アカデミー賞に直結してきそうな作品が出揃った感じだ。その中でもとくに有力視されているのが、「あのライアン・ゴスリングがミュージカルに主演!?」という意表をついた作品『ラ・ラ・ランド』、そしてマット・デイモン製作総指揮でベン・アフレックの弟ケイシーの演技が絶賛されているドラマ映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』、そして相変わらずモソモソな喋り方だけど味のあるオヤジことジェフ・ブリッジェス主演「最後の追跡」、米タイム誌が今年のナンバーワン映画に選出しブラッド・ピットが製作総指揮であることも話題のシリアスなドラマ映画『ムーンライト』、この4本がとくに強力だ。だが、ここまで紹介して気がつくのは最も注目されているこれらの作品の日本公開がまだであるいう点だ。『ムーンライト』も『マンチェスター・バイ・ザ・シー』もこの原稿の執筆現時点で日本公開未定だし、本作とアカデミー作品賞を争うことになるだろうと言われている『ラ・ラ・ランド』の日本公開はアカデミー賞2日前の来年2月24日である。え~~!!…と嘆いていても仕方ないので、次回の「イマ旬!」ではアカデミー賞主演男優&女優賞候補となりそうな俳優たちにスポットライトをあてつつ、前出の作品も含めて彼ら主演のノミネーション有力作品を、まるで見た気分になるように(かつネタバレは避けつつ…)ガッツリ分析させていただこうと思う。(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2016年12月18日俳優のウィル・スミスは、多様性の欠如を非難するべく、今年度に続き来年度のアカデミー賞授賞式にも参加しない構えのようだ。アカデミー賞ノミネート者に顕著な人種の偏りがあったことを批判し、ウィルやその妻ジェイダ・ピンケットを含む多くの著名人たちが2016年度アカデミー賞授賞式への参加を拒否するという事態が起きていたが、来年度のアカデミー賞もウィルは自身のノミネートの有無に関わらず、参加しないことをほのめかしている。テレビ番組『ロレイン』に出演したウィルは「興行収入がすべてって時も僕の人生にはあったよ」「ノミネートされなかったらベッドで3週間くらい沈んでいたものさ」「あの式典に招待されるのはいつも楽しいんだけど、でもそれだけなんだ」と語った。しかしウィルは、アカデミー賞に対して恨みを持っているというわけではなく、この問題に対しアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが迅速に対応し、2020年までに女性と非白人会員数を2倍に増やすことを目標にすると宣言してくれたことにはとても喜んでいると以前語っていた。「映画芸術科学アカデミーがとてつもなくすばやく積極的に対応してくれたことをうれしく思っているよ。けど僕が言っていることの核心を明確にしておきたいんだ。これは僕だけの問題なんかじゃないんだ。式典とも関係がないんだ。式典は僕の意見を主張するためのただの一つのつまらない場というだけだよ。僕にとってみればこのことは多様性と包括という考え方についての問題なんだ」(C)BANG Media International
2016年12月18日ジミー・キンメルが、アカデミー賞式典の司会として1万5,000ドル(約180万円)のギャラをもらうそうだ。来年2月26日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開かれるアカデミー賞式典の司会に抜擢されたジミーは、その思いのほか少額のギャラについて「たぶん無償っていうのは法に触れるんだろうね」と冗談を飛ばした。その後ジミーは、ラジオ番組『ケヴィン&ビーン』の出演の場でギャラを暴露してよかったのか焦る様子も見えたものの、「こんなこと明かしていいのか分からないけどね。でもダメとは言われていないから、向こうのせいってことにしよう」と主催者側に責任を押し付けた。そして、自身がホストに選ばれたのは、アカデミー側が希望していたほかの人たちの都合がつかなかったからだとジョーク交じりに話している。「彼らは14人くらいに聞いて、みんな断ったから、僕に回ってきたわけさ。僕はとにかく驚いたね」その大役が発表されてからというもの、ジミーは控えめな姿勢を見せており、自身のトーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』でそのニュースを明かした際には、その収録スタジオが式典会場となるドルビー・シアターに近いからだと笑いを誘った。「プロデューサー陣とアカデミーはたくさんの名前が並んだリストに目を通したんだけど、最終的には式典会場のすぐそばにこの番組のためにもう僕はいるっていうことで、僕が司会をするのに一番近い人材だったってわけさ」今年度のアカデミー賞はクリス・ロックが司会を務めており、話題の渦中にあった同式典での多様性の欠如についてオープニングで触れ、ブラック・ライヴス・マターの運動について触れて式典の幕を閉じていた。(C)BANG Media International
2016年12月16日いよいよスタートした本年度の映画賞レースを早くも席巻している、ブラッド・ピットの製作会社プランBエンターテインメントが贈る『MOONLIGHT』が、『ムーンライト』とのタイトルで2017年に日本公開されることが決定した。学校では“チビ”(Little)というあだ名でいじめられ、麻薬常習者の母親ポーラ(ナオミ・ハリス)からは育児放棄をされているシャロン(アレックス・ヒバート)は、マイアミの貧困地域で暮らす内気な性格の男の子。行き場を失ったシャロンにとって唯一の救いは、自分の親代わりになってくれる、近所に住む麻薬ディーラーの男ホアン(マハーシャラ・アリ)とその妻、そしてたった1人の男友達のケビンだった。そんな日々の中、シャロンは、ケビンに惹かれている自分に気づく。しかし、このコミュニティではこの感情は受け入れてもらえないと、幼いながらも勘づいていたシャロンは、誰にも、もちろんケビンに対してもそのことを伝えられずにいた。そんなとき、ある事件が起き…。本作は、マイアミの貧困地域を舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を、少年期、ティーンエージャー期、大人になるまで、3つの時代構成で描いたヒューマンドラマ。ドラッグ、いじめ、虐待、父親の不在など、たくさんの傷を負いながらも、自我に目覚め、強く生き抜く主人公の姿が、本作の最大の魅力。公開決定とともに解禁となった海外版のポスターも、彼の3つの時代の主人公をひとつにコラージュした、力強いデザインとなっている。すでに本作は、賞レースの幕開けとなった「第26回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワード」で作品賞、審査員特別賞、観客賞、脚本賞の最多4部門を受賞。同賞で作品賞を受賞した作品は、『スポットライト 世紀のスクープ』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や、プランB製作『それでも夜は明ける』と、そのままアカデミー賞作品賞に輝いており、本作も大きな注目を集めている。また、「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」ではトップ10作品に選ばれ、監督賞(バリー・ジェンキンス)、助演女優賞(ナオミ・ハリス)が受賞、「インディペンデント・スピリット賞」では作品賞、監督賞ほか最多6部門ノミネートを受け、「NY批評家協会賞」では監督賞、撮影賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門、今週発表された「LA映画批評家協会賞」では作品賞、監督賞、助演男優賞、撮影賞の最多4部門を受賞。「放送映画批評家協会賞」にも計8部門にノミネートされ、本年度のオスカー最有力候補として早くも話題沸騰。来週、12月12日(現地時間)発表のゴールデン・グローブ賞ノミネートにも期待がかけられている。エグゼクティブプロデューサーを務めるのは、もちろんブラッド・ピット。監督・脚本を務めたのは、前作『Medicine for Melancholy』(未)も高い評価を受けたバリー・ジェンキンス。シャロンの麻薬常習者の母親には『007』シリーズや『われらが背きし者』のナオミ・ハリス、主人公の少年の面倒を見る麻薬ディーラーに、『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』、人気ドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」「Marvel ルーク・ケイジ」などに出演するマハーシャラ・アリに、新星アレックス・ヒバートらが出演。賞レースの行方とともに、日本上陸も楽しみにしていて。『ムーンライト』は2017年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月07日人気司会者のジミー・キンメルが、2017年アカデミー賞授賞式の司会を務めることになった。ジミーは5日、妻モリー・マクナーニーとの間に第2子が誕生予定であるという2つのニュースを同時に『ジミー・キンメル・ライブ!』の中で発表した。ジミーは番組内で「うちの妻は今体の中に赤ん坊を宿しているんだ」「それにほかにもたくさんエキサイティングなことが起こっているんだよ。僕、おめでとう。僕はアカデミー賞のホストもするんだ」と明かした。9月に開催されたエミー賞でもホストを務めていたジミーだが、来年2月26日に開催されるアカデミー賞の司会を務めるのは今回が初めてとなる。ジミーには、妻モリーとの第1子ジェーンちゃん(2)のほか、初婚相手のジーナとの間にケビンとケイティーという成人した2人の子供がいる。誕生予定の赤ん坊の性別は事前に知るつもりではないそうで、どちらにも使えそうな名前を考えているところだと明かしている。「僕たちはサプライズにしたいんだけど、男の子でも女の子でもいいような名前を考えようとしているところだよ」(C)BANG Media International
2016年12月07日来年2月26日(現地時間)に開催される第89回アカデミー賞授賞式の司会がジミー・キンメルに決定!アカデミー賞を主催する「映画芸術アカデミー」が公式サイトにて発表した。アカデミーの会長・シェリル・ブーン・アイザックは「ジミーは司会者としてのすべてのクオリティを持っています。彼は自分自身のことも、観客のことも理解できる。さまざまなパーツが動いている船のキャプテンのような存在です。彼が司会の仕事を受けてくれることになり、とても楽しみにしています」と喜びを語っている。また、ジミーは「うん、僕がアカデミー賞の司会をすることになった。いたずらではないよ。もしそうだとしたらアカデミー賞には恐ろしい、甘美な仕返しをするよ」と、コメディアンの顔も持つジミーらしいジョークの効いた喜びのツイートをしている。ジミーと言えば、自身の名前を冠したトーク番組「Jimmy Kimmel Live!」の司会者として有名。同番組は、現在シーズン14を放送中の長寿番組で、エミー賞を受賞したことも。ジミーは今年と2012年のエミー賞、2003年~2008年(2005年は除く)のアメリカン・ミュージック・アワードの司会を務め、実績を積んできた。「E!News」によると、エンターテインメント業界で最も重要なアカデミー賞とエミー賞の両方の司会を務めたことがあるのは、エレン・デジェネレスなど9人。ジミーは10人目となるそうだ。(Hiromi Kaku)
2016年12月06日アカデミー賞の前哨戦の1つとされているLA映画批評家協会賞が4日(現地時間)に発表された。作品賞と監督賞はバリー・ジェンキンス監督の『Moonlight』(原題)が受賞。どちらの賞もデミアン・チャゼル監督の『ラ・ラ・ランド』(原題)が次点に選ばれた。『Moonlight』からは、マハーシャラ・アリが助演男優賞、ジェームズ・ラクストンが撮影賞を獲得。計4部門で受賞し、高い評価を受けた。助演男優賞は、遠藤周作の「沈黙」を原作とし、ハリウッドで映画化された『沈黙-サイレンス-』に出演のイッセー尾形さんが次点として発表されている。アニメ賞に輝いたのは、世界でも話題、いまもなお日本で記録的なヒットを更新中の『君の名は。』だ。アカデミー賞にまた一歩近付き、ますます期待が高まる。新海誠監督は現在、海外プロモーションでロサンゼルスに滞在中だとのこと。リアルタイムで受賞を耳にし、ツイッターで「LAで取材中に嬉しいニュース。『君の名は。』がロサンゼルス映画批評家協会賞、アニメ部門受賞だそうです。なんと。マジですか…」と喜びを語っている。なお、次点はスタジオジブリ初の海外共同作品『レッドタートル ある島の物語』だった。(Hiromi Kaku)
2016年12月05日WOWOWでは、日本時間2017年2月27日(月)に開催される世界最高峰の映画の祭点「第89回アカデミー賞授賞式」を独占生中継。今回もナビゲーターをジョン・カビラと高島彩が務めることになった。昨年のアカデミー賞授賞式は、『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオの悲願の主演男優賞受賞や、6部門を制し最多受賞となった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、初ノミネートで初受賞を果たした、ともに20代のブリー・ラーソン(『ルーム』)、アリシア・ヴィキャンデル(『リリーのすべて』)の主演・助演女優賞受賞などが話題を呼び、作品賞は『スポットライト 世紀のスクープ』が獲得した。今回も、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など各賞の発表の瞬間を、生中継であますことなく紹介。また、現地からはWOWOWレッドカーペット・レポーターが、煌びやかなドレスやスーツに身を包んだセレブたちが集う会場の熱気そのままにレポート、その模様を今回は無料放送で楽しむことができる。さらに、前回に引き続き、1月に行われるノミネーション発表の模様も生中継。日本のスタジオでは、カビラさんと高島さんを案内役に迎え、世界が注目する瞬間をナビゲート。意外な番狂わせや予期せぬハプニングが必ずある、ノミネーション発表、授賞式をともにお届けする。<ナビゲーターコメント>■ジョン・カビラ世界が注目する映画界最高峰の舞台、アカデミー賞授賞式。当然、各アワードの行方も気になりますが、そのステージで起こる生の「ドラマ」に期待します。社会派の作品から純粋なエンターテイメントの作品まで、どうアメリカ、そして世界の空気を反映するのか、はたまた、全くその空気をあえて「読まないのか」。どんなメッセージをアメリカ映画界は世界に発信するのか!?米国新大統領が就任して5週後の開催。司会者や各賞のプレゼンターも環境の変化にどう反応するのか、しないのか。とてもワクワクしています。もちろん映像と音楽の競演、ステージの演出にもみなさん同様、熱く期待しています。11回目のオスカーMC、精一杯努めます!■高島彩ドナルド・トランプ大統領誕生直後のアカデミー賞。例年以上に、アメリカのいまを反映する、世界中が注目するアカデミー賞になりそうですね。アカデミーに潜む隠れトランプがどう動くか。注目です。そしてもちろん、素晴らしい俳優陣の競演、華やかなレッドカーペット、心に響く受賞スピーチなど、楽しみがあふれていて、いまから色とりどりの候補作を見るのが楽しみです。昨年は悲願の主演男優賞を受賞したディカプリオの喜びの表情を見ることができて感無量でした。新しい若手のスターの誕生も楽しみですし、今年はどんな感動が待っているのか、一分一秒も目が離せないアカデミー賞になりそうです。生中継!第89回アカデミー賞授賞式は2017年2月27日(月)[二・同時通訳]10時~、[字幕版]21時~WOWOWプライムにて放送。<関連番組>・生中継!第89回アカデミー賞ノミネーション発表は2017年1月24日(火)22時~無料放送。・レッドカーペット生中継!第89回アカデミー賞授賞式は2017年2月27日(月)9時~無料放送。(text:cinemacafe.net)
2016年12月03日イギリスの名門歌劇場「英国オペラハウス」で公演されたバレエ・オペラの人気作品を、全国の映画館で上映する「英国ロイヤル・オペラハウス 2016/17シネマシーズン」が2016年11月25日(金)からスタートしています。◆「英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン2016/17」予告編ロンドンのコヴェント・ガーデンで上演されたオペラとバレエそれぞれ6作品、計12作品が映画館の大スクリーンで順次上映されます。すべての上映作品には、ナビゲーターたちによる舞台裏でのインタビューや特別映像が追加されており、スペシャルな映像となっています。各作品の上映期間は1週間と短いので、気になる作品はぜひお見逃しなく!世界最高レベルの芸術!上映予定の全12作品をご紹介それでは気になる12作品をご紹介しましょう。11月25日の一作品目公開から順次開幕していくので、公開日もあわせてチェックしてくださいね。●「ノルマ」2016年11月25日(金)公開まずシリーズ第一弾となるのは、ロイヤル・オペラ「ノルマ」。ロイヤル・オペラ音楽監督であるアントニオ・パッパーノ指揮でおくるオールスターキャストによるペッリーニの名作オペラの新演出版です。自らの宗教にそむいて敵である男を愛し、子をもうけた女性ノルマの物語。次第に男の心が離れ、別の女性への心変わりを知った彼女の破滅的な決断とは…。男女の心情を美しい音楽で表現します。●「コジ・ファン・トゥッテ」2016年12月9日(金)公開セミヨン・ビシュコフが指揮する、愛の本質を描くモーツァルトの代表的オペラです。2人の男たちが恋人の誠実さを試すために、互いの恋人を誘惑すする賭けにでるというストーリー。2組のカップルにおこる騒動を、コミカルに描いています。●「アナスタシア」2016年1月13日(金)公開©Tristram Kentonケネス・マクミラン振り付けによる全長版のバレエ「アナスタシア」。ロシア革命に運命を翻弄される皇女アナスタシアが主人公です。死んだはずのアナスタシアを名乗る女性が語る言葉は真実なのか、妄想なのか…映画館の大スクリーンで、役者の繊細な表情に注目して見たい作品です。●「ホフマン物語」2017年1月27日(金)公開フランスの作曲家ジャック・オッフェンバックによるドラマティックなオペラです。詩人ホフマンが自身を主役に書いた小説がもととなっています。豪華絢爛な衣装にも注目したい作品です。●「くるみ割り人形」2017年2月10日(金)公開英国ロイヤル・バレエの中でも人気の高い、チャイコフスキーのバレエです。少女クララがもらったくるみ割り人形が、彼女を不思議な世界へと連れ出します。おもちゃの兵隊の動きや、少女のピュアな表情から目が離せません。●「イル・トロヴァトーレ」2017年3月3日(金)公開罪なき母親を殺された男が復讐にもえる物語です。激しい愛と復讐の連鎖が悲劇にむかっていくオペラの名作。ドラマティックな展開に思わず息をのんでしまいそうです。●「ウルフ・ワークス」2017年公開マックス・リヒターの音楽が、バージニア・ウルフの小説「ダロウェイ夫人」「オルランド」「波」にインスパイアされた3つのバレエをつなぎあわせます。●「眠れる森の美女」2017年公開ロイヤル・バレエでの初演にあたる1946年の「眠れる森の美女」の上演から70年となる記念碑的作品です。邪悪な妖精の呪いいよって眠り続ける王女と、彼女を助けようとする王子の愛の物語です。●「蝶々夫人」2017年公開プッチーノの代表作のひとつである「蝶々夫人」。日本を舞台に描かれた、世界中で愛されつづけるオペラの名作です。アメリカ人士官の夫が任期を終えるのを、幼い息子をともに日本で待ち続ける蝶々。彼女が突きつけられる、あまりに残酷な現実とは…全身で語る悲劇の物語は必見です。●「ジュエルズ」2017年公開タイトルのとおり、宝石をモチーフにしたバレエです。エメラルド、ルビー、ダイヤモンドをそれぞれフォーレ、ストラヴィンスキー、チャイコフスキーの音楽によって構成しています。●「真夏の夜の夢」「シンフォニック・ヴァリエーションズ」「マルグリットとアルマン」2017年公開ロイヤル・バレエが誇る振付師フレデリック・アシュトンの遺産ともいえる3つのバレエです。世界を代表する振付師が魂をこめた踊りを、臨場感たっぷりの大スクリーンで楽しめます。●「オデロ」2017年公開ヴェルディの情熱的なオペラを、オペラ界のスーパースター、ヨナス・カウフマンが演じます。策略により愛する妻の誠実さを疑うようになったオデロ。嫉妬と疑惑がおこすシェイクスピアの悲劇「オセロ」をもとに作り上げています。普段なかなかオペラやバレエに接することがない人も、映画館なら気軽に楽しめそうですね。世界最高レベルの芸術を、ぜひご覧ください。■映画情報名称:英国ロイヤル・オペラハウス 2016/17シネマシーズン期間:2016年11月25日(金)より順次公開配給:東宝東和公式HP:
2016年12月03日『もののけ姫』の記録を抜き、邦画歴代3位の特大ヒットを続けている新海誠監督の『君の名は。』が、“アニメーション界のアカデミー賞”ともいわれる「第44回アニー賞」にて、監督賞とインディペンデント部門作品賞の2部門にノミネート。インディペンデント部門作品賞には、『レッドタートル ある島の物語』『百日紅~Miss HOKUSAI~』もノミネートされた。11月28日(現地時間)に発表された「第44回アニー賞」のノミネート作品。前年度より新設されたインディペンデント部門は、本編時間が45分以上かつ、アメリカでの上映館数1,000館未満の作品、もしくはASIFA(国際アニメーションフィルム協会)公認の世界4大アニメーション映画祭での作品賞受賞作が対象。前回はこの部門に、『思い出のマーニー』と『バケモノの子』がノミネートされたが、今回も日本発の作品が躍進し、『君の名は。』をはじめ、原恵一監督の『百日紅~Miss HOKUSAI~』やスタジオジブリ最新作『レッドタートル ある島の物語』が作品賞にノミネート。また、『君の名は。』の新海監督は長編アニメ監督賞に、『レッドタートル』も同じく監督賞、視覚効果賞、音楽賞、脚本賞にノミネートされている。最多ノミネートとなったのは、世界興収10億ドル、日本でも76億円超えの記録的ヒットとなり、SNSでも大盛り上がりを見せた『ズートピア』で、作品賞、監督賞、脚本賞など10部門11ノミネート。続いて、シャーリーズ・セロンが声優を務めた日本が舞台の3Dストップモーションアニメ「Kubo and the Two Strings」(原題)が10部門ノミネートとなった。さらに、予告編が解禁となり、早くも話題の『モアナと伝説の海』は作品賞、ボイスキャスト賞(アウリィ・カルバーリョ)ほか6部門、『ファインディング・ドリー』も作品賞、キャラクターアニメーション賞など3部門にノミネート。『ファインディング・ドリー』と同時上映だった『ひな鳥の冒険』も短編映画賞にノミネートされており、ディズニーおよびピクサー作品もさすがの強さを見せている。なお、授賞式は2017年2月4日にロサンゼルスにて開催。ちなみに、“本家”の第89回アカデミー賞ノミネーションは2017年1月24日、授賞式は2月26日(いずれも現地時間)となっている。<第44回アニー賞主要ノミネート作品>●アニメーション映画賞(作品賞)『ファインディング・ドリー』『Kubo and the Two Strings』(原題)『カンフー・パンダ3』『モアナと伝説の海』『ズートピア』●インディペンデント・アニメーション映画賞(作品賞)『Long Way North』(原題)『百日紅~Miss HOKUSAI~』『My Life as a Zucchini』(原題)『レッドタートルある島の物語』『君の名は。』●監督賞『Kubo and the Two Strings』(原題)トラヴィス・ナイト『My Life as a Zucchini』(原題)クロード・バラス『レッドタートルある島の物語』マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット『君の名は。』新海誠『ズートピア』バイロン・ハワード&リッチ・ムーア(text:cinemacafe.net)
2016年11月29日11月も終わりを迎え年末の季節も近づこうかという11月29日(火)、毎年注目を集める国内外の映画賞レースの中から、第41回「報知映画賞」の全9部門が発表された。まず、注目を集める「主演男優賞」および「主演女優賞」では、『葛城事件』での怪演が大きな話題となり“新境地”で魅せた名優・三浦友和が「主演男優賞」に、『湯を沸かすほどの熱い愛』にて死にゆく母の大きな愛を“熱演”した宮沢りえが「主演女優賞」にそれぞれ輝いた。また同作からは、宮沢さんの娘役として銭湯の若女将に扮した杉咲花が「助演女優賞」に、さらに中野量太監督が「新人賞」に輝き、『湯を沸かすほどの熱い愛』は作品賞・邦画も受賞した。「助演男優賞」は、『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-』『怒り』と今年も出演作が目白押しだった綾野剛が受賞。「EXILE/三代目J Soul Brothers」のメンバーとして絶大な人気を誇る岩田剛典が、映画初主演を務めた『植物図鑑』にて「新人賞」を受賞した。また、この夏の公開から興行収入・動員数を右肩上がりに伸ばし、空前の大ヒットを記録している新海誠監督最新作『君の名は。』が「特別賞」を受賞。「監督賞」には、海外の映画祭でも高い評価を受け、渡辺謙をはじめ森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、宮崎あおい、妻夫木聡ら豪華俳優陣が集結したことでも注目を浴びた、李相日監督作品『怒り』が選ばれている。<第41回報知映画賞/受賞一覧>■作品賞(邦画):『湯を沸かすほどの熱い愛』(中野量太監督)■監督賞:李相日(『怒り』)■主演男優賞:三浦友和(『葛飾事件』)■主演女優賞:宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■助演男優賞:綾野剛(『リップヴァンウィンクルの花嫁』『64-ロクヨン-』『怒り』)■助演女優賞:杉咲花(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■新人賞:岩田剛典(『植物図鑑』):中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)■作品賞(海外):『クリード チャンプを継ぐ男』(ライアン・クーグラー監督)■特別賞:『君の名は。』(新海誠監督)(text:cinemacafe.net)
2016年11月29日ボブ・ディランが12月10日(現地時間)に行われるノーベル賞授賞式を欠席することになった。今年のノーベル文学賞にボブを選んだスウェーデン・アカデミーが「前から決まっていた約束があるため行くことができない」というボブからの手紙を受け取ったそうだ。同アカデミー公式サイトが発表した。手紙には「ノーベル賞を受賞できて本当に光栄だ」と受賞への喜びが強調されており、「賞を自分で受け取りに行くことが出来ればよかったのだが…」と授賞式に参加できないことを残念がっている様子もあったそうだ。アカデミーによれば、受賞者が授賞式に参加しないのは珍しいことではあるが、例外ではないという。過去にはドリス・レッシング、ハロルド・ピンター、エルフリーデ・イェリネクらノーベル文学賞受賞者も授賞式に参加しなかったが、ボブと同じで受賞者であることには変わりない。ボブの代理人として誰が賞を受け取るかなどの詳細は、金曜日(現地時間)に明らかになるようだ。受賞者としてボブに求められていることはただ1つ。授賞式の12月10日から6か月以内に「講演」を行うことで、アカデミーはそれを「大変楽しみにしています」と公式サイトに綴っている。(Hiromi Kaku)
2016年11月17日映画製作に関わる人間にとって、アカデミー賞を受賞するのはこの上ない名誉なこと。200本以上の映画に出演してきたジャッキー・チェンは、いつも父親に「どうしてアカデミー賞を獲ることができないの?」と尋ねられ、「ははは…」と笑い、「お父さん、僕はアクション・コメディ映画しか作っていないからさ」と答えるしかなかったそうだ。そんなジャッキーに、あのトロフィーを手にするときがやってきた。12日(現地時間)、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、ジャッキーを含む4名に名誉賞を授与する授賞式を開いた。映画界における多大な貢献や成功を収めてきた人に与えられるこの賞は、まさにジャッキーにぴったり。「E!News」によると、トロフィーをジャッキーに渡したのは『ラッシュアワー』で共演したクリス・タッカー。トロフィーを受け取ったジャッキーは彼ならではのこんなスピーチを披露。なんでも、23年前にシルベスター・スタローンの家を訪れた際、飾ってあったオスカー像を見たジャッキーは、「触って、キスして、臭いを嗅いだんだ…。いまだに僕の指紋が付いていると思うよ!」とジョーク交じりに語った。また、ファンへの感謝も忘れず、「僕が窓から飛び降りたり、キックしてパンチして、骨折しながら映画を作り続けているのはすべて世界のファンのためだよ。ありがとう!」と述べ、会場でスタンディングオベーションが起きた。(Hiromi Kaku)
2016年11月14日ウェス・アンダーソン監督の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』のメイキング・ブックが、2016年12月23日(金)に発売予定だ。第87回アカデミー賞において衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞を受賞し、そして絵本のような美しい世界観や、有名ブランドとの協力による衣装などが高く評価された映画『グランド・ブダペスト・ホテル』。ブックでは、監督であるウェス・アンダーソン本人が作品づくりについて詳細に語り、影響を受けた映像作品や、インスピレーション源であるオーストリアの作家ツヴァイクの作品などを紹介する。また、音楽や衣装の分野でアカデミー賞受賞へと導いた、豪華スタッフ陣への取材も見どころだ。ウェス・アンダーソンの、スタイリッシュでキュートな世界を詰め込んだブックは、限定3,000部、クリスマスに合わせて発売される予定だ。【詳細】『ウェス・アンダーソンの世界 グランド・ブダペスト・ホテル』著:マット・ゾラー・サイツ、訳:篠儀直子発売日:2016年12月23日(金) ※予定価格:4,800円+税 ※予定
2016年11月11日今夏公開されるやいなや、大ヒットを記録したアニメ映画『君の名は。』が、アカデミー賞長編アニメ部門の審査対象になったことが明らかになった。今後審査を経て、まずはノミネート作品の5つに選ばれるかどうかに期待がかかる。北米での『君の名は。』(英題:「Your Name」)の配給権を持ち、アニメ制作や配信を行っている「ファニメーション」のCEO・ゲン・フクナガ氏が同社公式サイトで喜びを語っている。「『Your Name』がアカデミー賞長編アニメ部門のノミネート候補に入り、興奮しています。この映画は新海誠監督の最高傑作であり、オスカーの選考を受けるにふさわしい作品です。2017年に北米で公開するのを楽しみにしています」。北米での公開は2017年はじめに決定しているが、ノミネート及び受賞作品としての資格を満たすためには、前年までにロサンゼルスで最低7日間の劇場公開が必要なため、12月2日から8日まで「レムリ・ミュージック・ホール」で限定公開するという。日本で2016年ナンバーワンの動員数と興収を記録している『君の名は。』は現在も全国で上映中。映画の公式サイトによれば、12月初旬には劇場パンフレット第2弾も発売されるとのことで、アカデミー賞授賞式に向けてますますの盛り上がりを見せそうだ。(Hiromi Kaku)
2016年11月08日ペンハリガン(PENHALIGON’S)から、“英国貴族社会”にインスピレーションを得た新フレグランスコレクション「ポートレート(Portraits)」が、2016年11月22日(木)より発売される。保守的でありながらユーモアにあふれ 、挑発的なイギリス人の精神にオマージュを捧げるコレクションからは、4名の英国貴族を着想源にした香りの物語が展開される。ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ オードパルファム伝統を重んじる、典型的なイギリス紳士「ジョージ卿」を表現した「ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ オードパルファム」は、かすかに酒の香りを感じさせる、エレガントなメンズフレグランス。ウッディ アンバリー フゼアの芳香は、ブランデーやシェービングソープに、オリエンタル調で甘いトンカビーンを混ぜた。ザ リベンジ オブ レディ ブランシュ オードパルファム「ザ リベンジ オブ レディ ブランシュ オードパルファム」は気分を穏やかに高めてくれる香り。ナルコティック グリーン フローラルの芳香には、フローラルなのにディープな香りが特徴のパウダリーオリス、そしてグリーン感があるスイセン、ヒヤシンスが配合されている。献身的で社交的である反面、危険な女性であるブランシュ婦人を表した。ザ コヴェテッド デュシェス ローズ オードパルファム「ザ コヴェテッド デュシェス ローズ オードパルファム」はマンダリンやローズに、ムスキーウッドが混ざった繊細な世界観。控えめで、誰からも愛されるローズ公爵夫人をイメージした。マッチ アド アバウト ザ デューク オードパルファムメンズフレグランス「マッチ アド アバウト ザ デューク オードパルファム」は、退廃的でダンディなネルソン公爵を表現。柔らかくなめらかなレザーの香りと共に、ペッパリーローズやジンが広がる。彫刻風のボトルキャップボトルキャップには、それぞれの貴族をイメージした動物をヴィクトリア調の彫刻で施しているのが特徴。また、アーティストのクリスティヤーナ・S・ウィリアムズとコラボレーションしたボックスには、実際には存在しないエキゾチックな生き物たちや、インスピレーションになった貴族が描かれている。【詳細】ペンハリガン「ポートレート」<店舗限定発売>発売日:2016年11月22日(木)価格:31,500円+税 75mL・ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ オードパルファム・ザ リベンジ オブ レディ ブランシュ オードパルファム・ザ コヴェテッド デュシェス ローズ オードパルファム・マッチ アド アバウト ザ デューク オードパルファム【問い合わせ先】ブルーベル・ジャパン株式会社 香水・化粧品事業本部TEL:03-5413-1070
2016年11月03日バレエ、オペラともに世界最高の名門歌劇場、英国ロイヤル・オペラ・ハウスの人気公演の舞台映像を映画館で上映する『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2016/17』。このほど、6本のオペラと6本のバレエによる上映作品12本が決定、圧巻の日本版予告映像が到着した。昨シーズンも、オペラ「椿姫」やバレエ「ロミオとジュリエット」「くるみ割り人形」などが上陸し、好評を博した英国ロイヤル・オペラ・ハウスのシネマシーズン。ロンドンのコヴェント・ガーデンで上演されたバレエとオペラを、TOHOシネマズ系列を中心とした全国の映画館で鑑賞できるこの上映は、今シーズンは、オペラ「ノルマ」を皮切りに、オペラ「蝶々夫人」やバレエ「眠れる森の美女」といった人気作品12演目。すべての上映作品には、ロイヤル・オペラ・ハウスで人気の高い案内人による舞台裏でのインタビューや特別映像が追加されており、映画館の大スクリーンと大迫力の音響で、まるでライブ観劇しているような臨場感と、スペシャルな映像を同時に楽しむことができる。<全12演目ラインナップ>【ロイヤル・オペラ】「ノルマ」「コジ・ファン・トゥッテ」「ホフマン物語」「イル・トロヴァトーレ」「蝶々夫人」「オテロ」【ロイヤル・バレエ】「アナスタシア」「くるみ割り人形」「ウルフ・ワークス」「眠れる森の美女」「ジュエルズ」「真夏の夜の夢/シンフォニック・ヴァリエーションズ/マルグリットとアルマン」『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2016/17』は11月25日(金)よりTOHOシネマズ日本橋、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国10館の劇場にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月21日13日、ノーベル文学賞に選ばれたボブ・ディラン。あれからいまだに本人との連絡が付かず、同賞の選考委員会であるスウェーデン・アカデミーはついに直接コンタクトを取るのを諦めたようだ。選考結果が発表された日の夜、ボブはラスベガスでコンサートを開いていたが、口数は少なくノーベル賞に関するコメントもなかったという。翌日は音楽フェスティバル「デザート・トリップ」に出演。ボブの次にパフォーマンスを行った「ザ・ローリング・ストーンズ」のミック・ジャガーが「ボブ、素晴らしいステージをありがとう。ノーベル賞受賞者と同じセットを共有するなんて初めてだよ」と称賛するも、またしてもボブの口からノーベル賞という言葉を聞くことはできなかった。「The Telegraph」紙によると、アカデミーの事務次官サラ・ダニウスは「いまのところ、私たちが何か行動を起こすということはありません」とこれ以上の連絡は行わない旨を述べた。「彼に近い関係者に電話やメールをしたところ、好意的な返事をいただいたき、それで十分だと考えているので」ということだ。賞や権力に対するボブのこうした態度は昔からのことで、2000年にアカデミー賞の歌曲賞を受賞した際も授賞式に欠席。ボブの大ファンであるオバマ大統領からホワイトハウスでの演奏を依頼されても“しぶしぶ”承諾し、演奏後は写真撮影もせずとっとと帰ってしまった…。そんなボブの根っからのロッカー気質がさらにオバマ大統領の心をつかんだそうだ。(Hiromi Kaku)
2016年10月18日13日(現地時間)、スウェーデン・アカデミーが今年のノーベル文学賞を発表、アメリカのシンガー・ソングライターのボブ・ディランが受賞した。受賞の理由は「偉大なアメリカの歌の伝統の中に、新たな詩的表現を創造した」こと。スウェーデン・アカデミーのサラ・ダニウス事務次官は「彼は偉大な詩人です。英語話者の伝統の流れを汲む偉大な詩人であり、見本であり、非常に独創的。54年間、その伝統を体現し続け、常に新しい個性を作り出しています」と賞賛。これからディランの作品にふれようという人には「ブロンド・オン・ブロンド」(1966)を勧めたいと語った。従来の受賞者とは違い、執筆者というよりパフォーマーであるディランの受賞を意外視する声に、ダニウス次官は古代ギリシャの詩人、ホメロスやサッフォーの名前を挙げ、「彼らの作品も、楽器演奏と一緒に聴かれること、パフォーマンスとして表現されることを前提に書かれたものです。それはボブ・ディランと同じやり方です」と話す。今年4月に日本公演を行ったばかりのディランは75歳。1962年にレコード・デビューし、「風に吹かれて」、「ライク・ア・ローリング・ストーン」、「天国の扉」など歴史に残る数々の名曲を発表。これまでにグラミー賞やアカデミー賞歌曲賞(「シングス・ハヴ・チェンジド」/『ワンダー・ボーイズ』)、ピューリッツァー特別賞などを受賞、フランス芸術文化勲章やレジオンドヌール勲章、アメリカの大統領自由勲章なども受章している。授賞式は12月10日(現地時間)にストックホルムで行われる。(text:Yuki Tominaga)
2016年10月14日