これまで100冊以上の絵本を出版し、児童文学界のノーベル賞といわれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した絵本作家、荒井良二さん。現在では活躍の場を広げ、絵本にとどまらない表現の世界を自由に旅している。そんなアーティストとしての荒井さんが出力全開で臨む展覧会「new born荒井良二いつも しらないところへ たびするきぶんだった」が開幕する。「手のひらで読む絵本世界とはまた異なる世界へ誘ってくれるのではないでしょうか」と学芸員の中村貴絵さん。荒井さんはここ10年ほどの間に新しい活動期に入った。東日本大震災後は被災地をめぐるワークショップツアーを実施、2014~’18年には「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」の芸術監督を務めている。「それまでの表現媒体が絵本だったというだけで、もともと社会の観察者としての一面があったのだと思います。それがこうした活動をきっかけに開花し、アートを媒介に社会や地域、人、歴史とつながっていったのではないでしょうか」本展では代表作の絵本『あさになったのでまどをあけますよ』などの原画の展示に加え、新作絵画や立体作品など約300点を展示。山形ビエンナーレで発表された物語「山のヨーナ」のインスタレーションを再構成した作品や、大分県の公園に設置されたオブジェ《たいようをすいこむモン》のマケット(試作の模型)も登場。開幕前にワークショップの参加者と共に制作した作品も展示予定だ。面白いのはどんなに道具や場所が変わっても、荒井さんの飄々とした物腰はそのままに見えること。「新しいジャンルに飛び込み、表現の枠を広げていくことに躊躇がない現在進行形のアーティストだと思います。ただそこに大きな覚悟はなく、展覧会のタイトルのように、あくまで知らない場所を旅する『気分』であるところが、実に荒井さんらしい」私たちもそんな気分に身を委ねて、荒井良二さんの新しい世界を旅してみたい。『あさになったのでまどをあけますよ』原画 2011年 偕成社、個人蔵 ©Arai Ryoji《new born 旅する名前のない家たちを ぼくたちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲み出す》制作風景《絵の中のぼくとぼくの中の絵》2023、個人蔵 ©Arai Ryoji《流れ星スパーク奏でよギター》2022年、個人蔵 ©Arai Ryojiあらい・りょうじ1956年、山形県生まれ。2005年、アジアで初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。『たいようオルガン』でJBBY賞など国内でも受賞多数。ライブペインティング、ワークショップのほか、作詞・作曲など音楽活動も行う。最新刊は絵本『ねこのゆめ』(NHK出版)。写真:志鎌康平「new born荒井良二いつも しらないところへ たびするきぶんだった」横須賀美術館神奈川県横須賀市鴨居4‐1開催中~9月3日(日)10時~18時8/7休一般1300円ほかTEL:046・845・1211※『anan』2023年7月12日号より。取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2023年07月11日2月に総理大臣秘書官を更迭された荒井勝喜氏(55)が7月4日付けで経済産業省の通商政策局担当の大臣官房審議官として復帰した。更迭から5ヵ月での幹部起用は、ネットで物議を醸している。さかのぼること2月3日、荒井氏はオフレコを前提にした記者団の取材に応じた際に、同性婚についての見解を問われ「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ。人権や価値観は尊重するが、認めたら、国を捨てる人が出てくる」などと発言。すると、この差別発言に非難が殺到し、即座に新井氏は更迭されることとなった。その際、岸田文雄首相(65)は「大変深刻に受け止めており、秘書官の職務を解く判断をした。本人からも辞意があった」と言い、「今の内閣の考え方には全くそぐわない言語道断の発言だ。『性的指向』や『性自認』を理由とする不当な差別や偏見はあってはならない」「任命責任を感じているからこそ今、申し上げた対応をとっている」と述べた。「荒井氏の更迭に際し、立憲民主党の安住淳国会対策委員長(61)は『多様な社会をつくって世界の水準に引き上げることが日本の課題だが、発言は全く逆で極めて差別的である種の暴言だ』と厳しく非難。さらにSNSでは、ゲイやレズビアンといった当事者やその支援者から反発の声も上がっていました。また荒井氏は差別発言の際、『同性婚のことは秘書官室もみんな反対する』とも話していたため、岸田総理周辺にも厳しい視線が注がれました。一連の発言は海外メディアでも報じられ、国外からも非難されたため、『G7広島サミット』を目前に控えるなかLGBT法の可決に向けて急ピッチで話が進みました。ただ、この法案はもともと’21年に超党派議連によって立法化作業が進んでいたにも関わらず、自民党議員らが抗議したことで頓挫したもの。その“付け焼刃”な成立過程に白けるような声が上がるだけでなく、法案の中身に『当事者を置き去りにしている』という指摘が今も後を絶ちません」(全国紙記者)■「差別主義者の顔も見たくない」「岸田息子さんの復帰も早そう」差別発言によって国内外から注目を集めた批判を浴びた荒井氏だったが、しかしこの度、経産省の幹部として復帰することに。そのため、ネットでは《差別主義者の顔も見たくない。隣に住んでるのも嫌だ。辞職しろ》《差別主義者が復活。お友達内閣とお友達官僚》《荒井秘書官、復活って??????更迭の意味無いやん》と非難する声が上がっている。さらに、思わぬ余波も生んでいる。首相といえば、その息子である岸田翔太郎氏(32)が昨年末に総理大臣公邸で親戚と忘年会を開いたことが判明し、6月1日付で更迭されている。そのため荒井氏の“幹部復活”のように、翔太郎氏に対しても「早々と何かしらのポストで復活するのでは?」と訝しむ声がネットで上がっている。《岸田首相の息子を復帰させる口実にも使えそうな人事ですが、その辺り狙ってるんでしょうか?》《あれだろ。「息子を復帰させるための観測気球」この人と比べれば傷ついた人もいないし、とでも思ってんじゃない?》《結局「更迭」って国民受けを良くするためのフェイクなのね 息子もどこかの幹部に復帰するのかな》《岸田息子さんの復帰も早そう》不信感の高まっている荒井氏の復帰。その人事に、世論が納得しているとは言い難いようだ。
2023年07月05日2005 年に児童文学のノーベル賞と称されるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を日本人として初めて受賞し、世界的な評価を受けた荒井良二(1956-)は、絵本作家であると同時に、絵画、立体作品、インスタレーション、音楽、舞台美術など、ジャンルを問わない幅広い分野で活躍するアーティストだ。その多彩な活動を紹介する個展が、神奈川県の横須賀美術館で、7月1日(土)から9月3日(日)まで開催される。同展のタイトルにある「いつも しらないところへ たびするきぶんだった」という言葉は、様々なジャンルの壁を超越して飛び込んだ先の、ルールも分からない「知らないところ」で、それでも自分なりの仕事をするという、創作に対する荒井の姿勢を示しているという。そのチャレンジングな姿勢は、困難や制約も楽しむような、まさしく旅するときの前向きな気持ちに溢れたものなのだ。同展は、そうした旅するような気分で新たな作品を生み出し続ける荒井の創作活動を、新作や過去の作品を織り交ぜて紹介するもの。これまで手がけてきた100冊以上の絵本と書籍のなかから、代表的な作品の原画がずらりと並ぶのが、同展の大きな見どころのひとつだ。また、新作絵画や、大分県の公園に設置されたオブジェのマケット、芸術監督を務めた「山形ビエンナーレ2018」で発表した立体物の再構成など、荒井の創作の現在地も紹介される。展示の最後には、今回の展覧会名とも結びつく新作のインスタレーション《new born 旅する名前のない家たちを ぼくたちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲み出す》が登場する。子供一人ひとりがひとつの家となり、展示室に点在するその小さな家々が、それぞれに物語を内包しながら旅をしていくイメージでつくられたという。来館者は、それぞれの子供たちの物語を想像しながら、会場をゆっくりと巡ることになる。荒井のこれまでの旅をたどり、これからどこへ出かけていくのかを見ていく同展は、ここからまた新しい荒井良二が「誕生=new born」する場ともなるのだろう。色彩豊かな楽しい展示を通して、その創作をめぐる旅を体感したい。<開催情報>『new born 荒井良二 いつも しらないところへ たびするきぶんだった』会期:2023年7月1日(土)~9月3日(日)会場:横須賀美術館時間:10:00~18:00休館日:7月3日(月)、8月7日(月)料金:一般1,300円、大高・65歳以上1,100円展覧会公式サイト:
2023年06月23日スターツおおたかの森ホール主催『仲道祐子の音楽物語〈ガリバー旅行記〉』が2023年7月8日(土)にスターツおおたかの森ホール(千葉県流山市)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて4月25日(火)より発売です。カンフェティにて4月25日(火)10:00よりチケット発売 公式ホームページ 冒険好きのガリバーが海を渡り、たどり着いたのは小人の国や巨人の国。さらに日本も訪れてしまった、ワクワクでいっぱいの旅行記。カラフルなイラストを映しながら、仲道祐子のピアノ演奏と、楽しいお話で物語りが進んでゆく、目と耳で楽しむ親子のためのコンサートです。自由に、思いきり想像をふくらませて、お楽しみください。公演概要『仲道祐子の音楽物語〈ガリバー旅行記〉』日時:2023年7月8日(土)15:00開演(14:30開場)会場:スターツおおたかの森ホール(千葉県流山市おおたかの森北1-2-1)【第一部】童話「ガリバー旅行記」仲道祐子(ピアノ)&桂幾子(語り)作曲 新田祥子イラスト オノマリコ【第二部】ピアノミニ・コンサート仲道祐子◆メンデルスゾーン: ロンド・カプリチオーソ◆田中カレン:「愛は風にのって」よりラム酒の樽・淋しい料理人・黒いタートルネック・笛吹きと縄文土器・愛は風にのって◆アーロン・コープランド:ユーモリスティック・スケルツォ - 猫とねずみ◆ショパン: スケルツォ 第2番 作品31(※曲目は変更になる場合があります)■出演童話「ガリバー旅行記」仲道祐子(ピアノ)桂幾子(語り)■主催スターツおおたかの森ホール指定管理者MORIHIBIKU共同企業体代表団体アクティオ株式会社■チケットカンフェティHP・TEL 4月25日(火)10:00発売開始前売・当日とも 一般2,800円3歳~小学生1,500円(全席指定、税込)※2歳以下の入場はできません。※お一人様6枚まで。※別途、各種手数料(発券手数料など)がかかります。※車いす席については、スターツおおたかの森ホールにお問合せください。■備考・新型コロナウイルス感染症対策の状況により、販売方法等を変更する場合があります。・お客様都合によるチケットの変更・返金はお受けできません。・最新情報は随時HPにてお知らせいたします。■ご来場のお客様へ・ご来場前に体調を確認し、発熱等のある方はご遠慮ください。■お問合せスターツおおたかの森ホールチケットセンター04-7186-7638(8:30~22:00)※受付時間は変更になる場合があります。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月21日映画『花腐し(ハナクタシ)』が2023年11月10日(金)に公開される。主演は綾野剛、監督は荒井晴彦。芥川賞受賞小説『花腐し』を大胆に翻案『花腐し』は、松浦寿輝による芥川賞受賞小説。廃れていくピンク映画業界で生きる映画監督、脚本家志望だった男、2人が愛した1人の女優による、切なくも純粋な愛の物語を描いた作品だ。監督は『⽕⼝のふたり』の荒井晴彦そんな『花腐し』を、『赫い髪の⼥』や『キャバレー⽇記』など⽇活ロマンポルノの名作から、『ヴァイブレータ』や『共喰い』をはじめとする⽇本映画の脚本を数多く⼿がけてきた荒井晴彦が大胆に翻案。映画『⽕⼝のふたり』に続く、自身4作品目の監督作品として自らメガホンを取る。主演は綾野剛主演は『最後まで行く』や『カラオケ行こ!』の公開を控えている綾野剛。共演には、柄本佑とさとうほなみが名を連ねる。栩谷…綾野剛廃れていくピンク映画業界で⽣きる映画監督。もう5年もの間映画を撮れていなかったが、梅⾬のある⽇、伊関と初めて会う。伊関…柄本佑脚本家志望だった男。栩⾕と過去に本気で愛した⼥について語り、その相手が同じ⼥<桐岡祥⼦>だったことをお互いは知り、衝撃を受ける。また、栩⾕から「桐岡祥⼦は死んだ」と告げられる。祥子…さとうほなみ栩谷と伊関が愛した女優。桑⼭…吉岡睦雄寺本…川瀬陽太ピンク映画の監督。リンリン…MINAMO中国からの留学⽣。ハン・ユジョン… Nia韓国からの留学⽣。金…マキタスポーツ栩⾕が⾝を寄せるビルのオーナー。韓国スナックのママ…⼭崎ハコ⼩倉…⾚座美代ピンク映画の製作会社社⻑。沢井…奥田瑛二ピンク映画の脚本家。映画『花腐し』あらすじタイトルに引⽤された万葉集の和歌「花腐し」とは、きれいに咲いた卯⽊の花をも腐らせてしまう、じっとりと降りしきる⾬を表現している。そのタイトル通り、梅⾬のある⽇に栩⾕と伊関は出会い、⾃分たちの愛した⼥について語り始める。そして、3⼈がしがみついてきた映画への夢がボロボロと崩れ始める中、栩谷、伊関、祥子、それぞれの⼈⽣が交錯していく――。【作品詳細】映画『花腐し』公開日:2023年11月10日(金)出演:綾野剛、柄本佑、さとうほなみ、吉岡睦雄、川瀬陽太、MINAMO、Nia、マキタスポーツ、⼭崎ハコ、⾚座美代⼦、奥⽥瑛⼆監督:荒井晴彦原作:松浦寿輝『花腐し』(講談社⽂庫)脚本:荒井晴彦、中野太配給:東映ビデオ©2023「花腐し」製作委員会
2023年04月20日株式会社ミリオンコンサート協会(所在地:東京都港区、代表取締役:小尾晋之介)は、2023年7月13日(木)、東京文化会館小ホールにて、ヴァイオリニスト荒井英治のソロによる「第2回 無伴奏の世界」を開催いたします。荒井英治は、長く東京フィルハーモニー交響楽団のソロコンサートマスターを務め、現在は日本センチュリー、名古屋フィルハーモニー両交響楽団の首席客演コンサートマスター。東京シティフィル特別客演コンサートマスターとして、オーケストラ、指揮者から厚い信頼と尊敬を得る王道のヴァイオリニストとして活動するほか、弦楽四重奏団、モルゴーア・クァルテットのメンバーとして、知られざる作品を紹介、ELPのキース・エマーソンとも交流をもち、プログレッシブ・ロックを自らの編曲による迫真性に満ちた演奏で聴衆に衝撃を与え続ける鬼才としての顔ももつ稀有なヴァイオリニストです。「第2回 無伴奏の世界」では、時代を超えた多面的な作品から、荒井英治がヴァイオリン一挺で限りない音楽宇宙を描き出します。荒井英治 ヴァイオリニスト【開催概要】公演名 :第2回 無伴奏の世界 荒井英治(ヴァイオリン)日時 :2023年7月13日(木)19:00開演(18:30 開場)会場 :東京文化会館小ホール(東京・上野)演奏曲目:ペンデレツキ:無伴奏ヴァイオリンのための『ラ・フォリア』(2013)J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 BWV1004ストラヴィンスキー:無伴奏ヴァイオリンのための『エレジー』(1944)イザイ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ作品27より 第4番 第5番 第6番入場料金:全席自由 4,000円(税込)【チケット取り扱い】ミリオンコンサート協会 TEL:03-3501-5638ミリオンチケット|検索| ←(オンライン・チケットサービス)※Webサイトからのお申込みはセブンイレブンでのお引き取り東京文化会館チケットサービスTEL:03-5685-0650チケットぴあ Pコード:239833 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月24日【前編】浪曲に魅せられ、空襲を生き延び…99歳の曲師・玉川祐子の半生から続くニコニコと「みかん持っていきな」と食べ物を渡してくれる玉川祐子さん。だが、舞台に上がれば表情もキリリと締まる。三味線を手にする小さな体からは、「イヨーーーッ!」と腹に響く掛け声が。浪曲ーー。「浪花節」とも呼ばれる日本の伝統話芸だ。同じ話芸でも、それぞれ1人で舞台を務める講談や落語と違って、こちらは「語り」を担う「浪曲師」と、それを盛り上げる三味線の「曲師」、2人で芸を作り上げる。今回の主人公は曲師の祐子さん。なんと99歳で、現役最高齢の曲師なのだ。戦前、一世を風靡した浪曲にあこがれた祐子さんは「1人死んだと思って」と父に頭を下げ、飛び込んだ東京で大人気に。2度の結婚、わが子の夭逝、空襲……あらゆる困難を、持ち前の行動力で乗り切った。私は幸せ、と人生を振り返ってそう言い切った祐子師匠に、戦後の活躍を振り返ってもらった。■1度目の結婚では、夫の暴力に耐え続けた同じ師匠に師事していた男性・理一郎さんと結婚し、戦後には4人の子宝に恵まれた祐子さんだが、悩みの種が。それは、嫉妬深く気性の荒い夫の暴力だ。「私も聞かないほうだから、口答えする。すると夫は棒で殴るんだ、自分の手が痛いもんだから。自分の女房をなんでこんなに殴るんだ、っていうぐらい、殴られたし、紐で首を絞められ殺されかけたことも。とてもじゃないけど、この人とはいられない、そう思った。でも、子どものために辛抱したね」さらに、50年代後半、浪曲人気に翳りが見え始めた。60年代も後半になると、人気衰退はますます顕著に。危機感を覚えた業界は70年、浅草に定席「浪曲木馬会(現在の木馬亭)」を設けた。すると、一時廃業していた多くの浪曲師たちが戻ってきた。だが、相変わらず、曲師が足りない。戦後、安定した収入のために一時は三味線を置いた祐子さんだったが、ふたたび声が掛かる。「一度手伝ったら『明日もお願い』『その次もお願い』って言われちゃって。私も三味線、好きですから。しまいには定期券を買って、通うようになったね」懐かしい人にも再会した。玉川派の浪曲師・玉川桃太郎さんだ。年齢は祐子さんより1つ下だが、浪曲界への入門はともに40年。いわば2人は同期だった。「20年ぶりぐらいだった。木馬亭で『姉さん、しばらく』って」このとき、桃太郎さんは続けて不思議なことを言ったという。「『いずれ姉さんに三味線、弾いてもらうことになるよ』って。あっちは何げなしに言ったんだろうけど。思えばそれが縁だったんだね」桃太郎さんの言葉どおり、しばらくすると祐子さんは彼の三味線を弾くようになった。■2人目の夫は穏やかそのもの。「桃太郎と一緒になって、本当に幸せだった」「三味線、続けるなら出ていけ!」祐子さんが曲師としてふたたび多忙になり始めると、嫉妬深い夫はこう怒鳴りつけたという。「『三味線やめて家にいろ』と言うんだ。でも、私は三味線も浪曲も好きだから。それに、曲師が本当に足りなかった。これはもう出ていくしかない、そう思った」祐子さんは家を出て、4畳半一間のアパートで別居生活を始めた。「桃太郎の三味線は弾いてたし、内職もやったけど。一人暮らしとなると家賃、生活費とぜんぜん足りない。だから、千住のやっちゃ場(市場)の喫茶店で働きました」朝4時から喫茶店勤務。正午に仕事を終え、バスに飛び乗り浅草へ向かう。そんなダブルワークをしばらく続けた。「やっぱり育ちがあんまりよくないんだね。借金取りが来たのを見て育ったから。貧乏性なんだ。いまも家でジッとはしていられない」祐子さんの部屋に、あろうことか桃太郎さんが転がり込んでくる。「三味線弾くようになると情が移っちゃうじゃん。ちょこちょこ、ちょこちょこ、部屋に来るようになって。でも、これは罪作りだな~と思った。だって、あっち(桃太郎さん)には女房がいて、私にもクソ親父だけど、娘たちの父親がいたから。だけど、我慢できなかったんだね~。そのうち『俺と一緒になってくれ』って言われて。これは悩んだ。青江三奈の歌じゃないけど、悩んで悩んで、だ」いま風に言えばダブル不倫。越えてはいけない一線を越えた、その理由は、桃太郎さんの穏やかさ、優しさに引かれたから。「やっぱりね、優しい。一緒に暮らすようになっても、私に手をあげるなんて一切、なかった。私が口答えするでしょ。そうすっと穏やか~に『出てけよ』って言うんだ。だけど私が『出ていくとこないよ』って答えると『だったら大人しくしておけ』って。それだけ、それでおしまい」75年、ついに祐子さんの離婚が成立。晴れて2人は夫婦に。このとき、祐子さん53歳、桃太郎さん52歳だった。「子どもたちにも相談したよ。娘は『お母さん、これまで苦労してきたんだから、自分の好きに生きたらいい』って言ってくれた」その後は舞台でも、家庭でも、寄り添うように2人は過ごした。公私ともに支え合い、気づけば桃太郎さんとの生活は、前の結婚生活よりも、うんと長くなっていた。好きな浪曲の三味線を弾いて暮らしたい、それも、好きな人とーー。祐子さんのささやかな願いは、こうしてかなえられたのだった。15年、桃太郎さんは慢性腎不全急性憎悪のため、帰らぬ人に。「入院して、幾日もなく亡くなりましたけど。最後も『元気になって帰ろうね』って声掛けて。そしたら、あの人、な~んも言わずにニッコリ笑って。穏やかな人だったね、最後まで。昔から言うだろ、『本木に勝る末木なし』って。最初の男がいちばんって意味だけど、私の場合は反対だね。桃太郎と一緒になって、本当に幸せだった」しんみりと語る祐子さん。いまも自宅には、桃太郎さんの写真が飾られている。定期的に舞台に立つ木馬亭にも、夫との思い出が詰まっているはずだ。そこで記者は聞いてみた。「いまも近くに、桃太郎さんを感じますか?」と。すると祐子さん、照れ隠しなのか、破顔一笑、こう即答した。「あ!?何もないよ、そんなもの」■芸能人のお気に入りは福山雅治と松陰寺。少女のように話す姿が印象的だった2度目の取材日。記者は祐子さんが一人暮らしを続ける東京都北区の団地にお邪魔した。前出の小そめさん、それに祐子さんの弟子の杉山照子さんが同席し、ガールズトークの花が咲く。小そめさんが聞いた。「師匠、芸能人は誰が好きなんでしたっけ?」すると、祐子さん、「いっつもそればっかし聞かれんだな」と言いながら、どこかうれしそうにほほ笑む。「まずはあれだ、福山、福山雅治。あの人はいいなぁ。あとは、最近だとほら、あれがいるじゃん、松陰寺(太勇)、ぺこぱの。私、ファンなの。あの人は面白いねぇ」祐子さん、気持ちも若いが、体だってまだまだ元気だ。「まずお勝手はぜんぶやるでしょ。お使いも行く。お総菜は決して買わない、ぜんぶ自分で作ります。掃除は……、このごろは、掃除機はかけずに、ひょいひょいっと箒で掃いてごまかしちゃうの(笑)」祐子さんの住まいは2階。屋外での撮影をお願いすると、サンダル履きで団地の階段を軽やかに上り下り。足腰の衰えも見えない。「あとはそうね、ボケ防止にこれ、してるの。両手一緒は誰でもできるけど、これはちょっと難しいよ」祐子さんは左右の手をこちらに突き出すと、互い違いにグー、チョキ、パーを猛スピードで繰り返した。「すごいですね」と、記者が感嘆の声を上げると、うれしそうに笑ってこう続けた。「頭使うのはいいこと、記憶力だっていいんだよ。山手線一周でしょ、それから京浜東北線、高崎線に常磐線……、ぜ~んぶの駅名、こん中に入ってっからね」そう言って、自分の頭を指さして胸を張った祐子さん。そこで記者は山手線の駅名を諳んじることをリクエスト。「よ~し、山手線だな。まず上野、次が御徒町、秋葉原、神田……」興が乗ってきた祐子さん。どことなく浪曲の節のように駅名を並べ続けている。「それから、東京、有楽町、浜松町、田町……」あれ?新橋が抜けた?記者が口を挟むと祐子さん、「あ!」と声を出し、顔を赤らめ頭を抱えた。「あーーー、ダメだ、ダメだ、あ~あ~、自慢になんねえね~(笑)」少女のように恥ずかしがる、アラ100の祐子さん。かわいらしいその姿に、団地の6畳間は、大きな笑い声に包まれていた。
2022年09月11日SKYEのコンサートツアーの最終公演が7月26日に東京・渋谷Bunkamuraオーチャードホールで開催され、2時間20分超にわたって22曲を演奏。ゲストに荒井由実、奥田民生、尾崎亜美が参加し、集まった2000人の観客を沸かせた。SKYEは日本の音楽業界を支え続けてきた鈴木茂(G)、小原礼(B)、林立夫(Ds)、松任谷正隆(Key)の4人が結成した全員70歳の新人バンド。昨年、10月にデビューアルバムを発表。7月14日の名古屋を皮切りに大阪、東京と周り、この日ツアーの最終公演を迎えた。鈴木茂小原礼THE BANDの「The Weight」が場内に流れる中、定刻の19時過ぎ、メンバーがゆっくりとステージに現れる。林立夫のドラム、小原礼のベース、鈴木茂のギターに松任谷正隆のキーボードが順に音を重ねていき「Less Is More」でSKYEのステージが静かに幕を開けた。同曲はSKYEのセッションでいちばん最初に誕生した楽曲で、アルバムの1曲めに収められている。 SKYEはメンバー全員が曲を書き、全員がリードヴォーカルを取れるバンド。1曲めは小原、2曲めの「Dear M」は松任谷正隆、3曲めの「Daydream」では林立夫がリードヴォーカルを聴かせる。林立夫松任谷正隆アルバム収録曲3曲の演奏を終え松任谷正隆から「あらためてSKYEです。僕らのデビューツアーのファイナルにようこそ!」と先ずは客席に向けて挨拶。このツアーにはゲストに荒井由実、奥田民生、尾崎亜美の3人が参加している。「ゲスト目当てにいらっしゃった方も多いと思いますが(笑)、今日はそれを裏切らないショウにしました」と客席の期待を煽りながらアルバム収録曲の「Reach Out To The Sky」「どちらのOthello」を続ける。SKYEの4人のメンバーは半世紀にわたって日本の音楽界の第一線で活躍してきたミュージシャン揃い。ブラス&コーラス3人のサポートこそあるが、基本は4人のメンバーだけで音を出す。時には抑えながら、時には激しくとSKYEが弾き出すサウンドは変幻自在。マニピュレータなんぞに頼らず重厚かつ華やかな音を出し続け客席を圧倒する。奥田民生小原礼はこの日の3人のゲストを三段ロケットに例え、彼らの推進力がこのツアーを支えてくれていると称賛。「先ずは3段ロケットの一番下から火が出ます! ミスター・ロックンロール、 タミオ・オクーダ!」と奥田民生をステージに招き入れる。今回の出演メンバーの中では奥田民生は若手。小原のロケットの例えを受け「どうも、燃料です(笑)。今日は下っ端のペーペーです」と謙遜しながら奥田のファーストソロ収録の「BEEF」に「イージュー★ライダー」をSKYEのメンバーと共に演奏。ここでステージには「家族枠で出てきました! 三段ロケットの二段目です!」と小原の妻、尾崎亜美がジョイン。「私たち燃料としては、割といい働きするよね」と奥田に話しかけ2人で「さすらい」を歌う。このあと、奥田はロケットが離脱するように、ふわふわ~と揺れながらステージを降り、場内の笑いを誘う。尾崎亜美ここからは尾崎亜美のゲストコーナーに。「私のデビューのときに、プロの音楽家の扉を開けてくれた皆さんと、今日はご一緒してます」と1曲めに歌ったのは尾崎のファーストアルバム『SHADY』(1976) に収められた「私は何色」。当時のレコーデイングには松任谷正隆、鈴木茂、林立夫が参加した。松任谷は1枚めと2枚めのアルバムプロデュースも担当。尾崎にとって想い出深いメンバーが再結集した。続いても3人が関わったセカンドアルバム『MIND DROP』(1977) 収録の「初恋の通り雨」を歌う。「この3人は、私の歴史の中でもとっても大事なひとたち」ですと改めて紹介。いちばん最後に尾崎の前に現れたのが夫でもある小原礼。尾崎の海外録音時、小原に参加を依頼したが断られたエピソードを披露。「でも、この4人は私の中でめちゃめちゃ濃い人たちなんです!」とSKYEのメンバーを称えラストは「19歳の頃に作った歌です。この歌で皆さんに知ってもらえるようになりました」と松任谷プロデュースのサードシングル「マイ・ピュア・レディ」を歌って、「二段目、 離脱します!」と、ロケットが回転するようにクルクル回りながらステージを降りた。荒井由実松任谷正隆の奏でるピアノのイントロに乗ってステージには3人目のゲスト、荒井由実が登場。曲は荒井由実が1972年にリリースしたデビューシングル「返事はいらない」。いきなりのレア曲演奏に客席のユーミンファンが湧く。「こんばんは、荒井由実です。さっき一段ロケットとか二段ロケットとか言ってましたが、ようは飛び道具としてやってまいりました!」と話すと場内は大爆笑。「返事はいらない」のレコーディングに参加したのが鈴木茂と小原礼。鈴木とは荒井由実が15歳の頃、デモテープの録音にギターで参加して以来、SKYEのメンバーの中ではいちばん付き合いが長い。小原は「ユーミンがザ・フィンガーズの追っかけやってる頃から知ってるよ!」と思い出話しに花が咲く。SKYEは半世紀以上も前、青学高校時代に鈴木と小原と林の3人で結成したバンド。荒井由実はその頃から彼らを知っており「東京のスタイリッシュキッズの集まり!」と憧れの存在だったそう。続いて歌ったのは75年に発表した6枚目のシングル「あの日にかえりたい」。この曲の録音には林立夫、鈴木茂にキーボードで松任谷正隆が参加した。「(鈴木)茂さん、小原くん、みっち(林)に続いて最後に出会ったのが、残り物に福っていうんですか(笑)」と松任谷正隆を紹介。ユーミンコーナー最後の曲を歌う前に「これでファイナル。ちょっとね、おセンチになっちゃってるんです。これもいい思い出になっていくね、ファーストツアーは1回しかないから」と感傷気味に、この日のステージを振り返る。松任谷は「なるべく普通では聴けない曲やろうかと。次にやる曲は、一緒にやることは2度とないと思います」と紹介したのは「Hong Kong Night Sight」。松任谷のファーストアルバム『夜の旅人』(1977) に収められた楽曲で詞は荒井由実が書き、後に自身のアルバム『水の中のASIAへ』(1981) でカバーした。荒井は「自分でも、とっても気に入ってる曲です。さっきおセンチになってるって言いましたけど、この曲にも同じ気持ちを載せて歌います」と、エキゾチックなサウンドに荒井が情感込めて歌う。2コーラスからは松任谷がボーカルをとる。演奏前に「せっかくだから、小原んちを真似してデュエットやろうかと」と宣言した通り、夫婦でのデュエットを披露。この滅多に観られないサプライズに2000人のオーディエンスも大喜び。このショウでしか観られないのをいくつか用意しましたレアな選曲の連打で客席を大いに沸かせたゲストコーナーが終わると、再びSKYEのメンバーの演奏に戻る。鈴木茂から「『風街ろまん』(1971) を作るときに、松本隆さんから詞を頂いて書いた曲です。ライブでは何回か演奏してましたが、録音することはなかった曲です」とギターを弾きながら歌ったのは、はっぴぃえんどの未発表曲「ちぎれ雲」。50年の時を経て今回のSKYEのアルバムで初めて録音された幻の曲だ。SKYEのコンサートでは演奏の合間にそれぞれのメンバーが制作時のエピソードを話していく。「どちらのOthello」は林立夫がドラムパターンを最初に考え、そこに松任谷が曲をつけた。林立夫はSKYEのサウンド作りを、各々が食べ物を持ち寄る"ポットラック・パーティー"に例える。メンバーみんなが持ち寄って、ひとつのものを作るというスタイルで“整った”曲が「マイミステイク」。仕上げにメンバーが大好きなメンフィスサウンドのフレーバーを、ちょっとふりかけた。コロナ禍のじれったさに加え、小原が自身の生き方を深く懺悔して書いた曲だ。ここでは松任谷、林、鈴木の3人が美しいハーモニーのコーラスを聴かせる。荒井由実+奥田民生+尾崎亜美が登場ここでステージには再び、荒井、奥田、尾崎の3人がジョイン。荒井はこのメンバーを見て「こうやって、ありえない取り合わせが揃うと、フェスのようですね!」と感激。松任谷から「最初にお話したように、このショウでしか観られないのをいくつか用意しました。次の曲でみなさんがリラックスしてくれないと、ボクの立場がないんです」と話すと、奥田は「名古屋、大阪ではこの曲をきっかけにお客さんと打ち解ける感はありましたしね」と受け、演奏されたのは「アジアの純真~これが私の生きる道~渚にまつわるエトセトラ」と続くPuffyメドレー。ご本家のAmiYumiならぬ、尾崎&荒井版での“亜美由実”の登場に客席もオールスタンディングで応える。圧巻は後半。各々がひとつの曲の中で「アジア~」「これが私の~」「渚にまつわる~」の歌詞を歌うマッシュアップを披露。奥田が「隣に釣られないよう気を使った」というほど、超高等テクニックだが、見事にこれを決め、エンディングになだれ込む。ラストは小原の「コロナに負けず突っ走りましょう!」と新アルバムのリード曲「ISOLATION」。豪快なロックンロール・ブギで場内をヒートアップさせ、そのまま奥田の「マシマロ」、尾崎の松田聖子提供曲「天使のウィンク」に荒井由実の「14番目の月」をメドレーで畳み掛け、最後は「ISOLATION」に戻って、大きな拍手の中、本編はここで終了。アンコールでは荒井由実と一緒にエバーグリーンナンバーの「卒業写真」を演奏。小原から「2021年10月にCDデビューが出来て、2022年にこんなにたくさんのお客さんに来てもらって、素晴らしいアーティストの人たちと一緒に出来るなんて感無量です。幸せな気持ちがずっと続くように、もう1曲」とSKYEのメンバーだけで壮大なナンバー「Always」を演奏。ここでメンバーはステージを降りるも、観客の拍手は鳴り止まずセカンドアンコールに応える。松任谷正隆から「このツアーの事、今夜のことは一生忘れないと思います」とアルバムのラストに収められたバラード曲「BLUE ANGELS」を歌い、2時間20分超に及んだSKYEのツアー最終日を締めた。SKYEは、本日7月29日(金) にFUJI ROCK FESTIVAL ’22に出演する。また、この日の模様はスペースシャワーTVにて9月30日(金) 20時より放送される。<公演情報>『SKYE TOUR 2022』2022年7月26日(火) Bunkamura オーチャードホール開場 18:00 / 開演 19:00【セットリスト】01. Less Is More02. Dear M03. Daydream04. Reach Out To The Sky05. どちらのOthello06. BEEF / with 奥田民生07. イージュー★ライダー(with 奥田民生)08. さすらい(with 奥田民生 / 尾崎亜美)09. 私は何色(with 尾崎亜美)10. 初恋の通り雨(with 尾崎亜美)11. マイ・ピュア・レディ(with 尾崎亜美)12. 返事はいらない(with 荒井由実)13. あの日にかえりたい(with 荒井由実)14. Hong Kong Night Sight(with 荒井由実)15. ちぎれ雲16. 川辺にて17. マイミステイク18. Puffyメドレー(with 奥田民生 / 尾崎亜美 / 荒井由実)19. ISOLATION~マシマロ~天使のウィンク~14番目の月(with 奥田民生 / 尾崎亜美 / 荒井由実)■ENCORE20. 卒業写真(with 荒井由実)21. Always22. BLUE ANGELS<リリース情報>『SKYE』発売中『SKYE』ジャケット●【CD盤】3,300円(税込)●【LP盤(2枚組・重量盤)】4,950円(税込)【収録曲】M1. Less Is More作詞:林立夫 / 小原礼作曲:小原礼M2. Dear M作詞:林立夫作曲:松任谷正隆M3. ISOLATION作詞:林立夫作曲:小原礼 / 松任谷正隆M4. どちらの Othello作詞:松任谷正隆作曲:松任谷正隆 / 林立夫M5. Daydream作詞:林立夫作曲:松任谷正隆M6. ちぎれ雲作詞:松本隆作曲:鈴木茂M7. マイミステイク作詞:小原礼作曲:小原礼M8. 川辺にて作詞:松任谷正隆作曲:松任谷正隆M9. Reach Out To The Sky作詞:小原礼作曲:小原礼M10. ROCK’N PINO BOOGIE作曲:鈴木茂M11. Always作詞:小原礼作曲:小原礼M12. BLUE ANGELS作詞:松任谷正隆作曲:松任谷 正隆All songs produced and arranged by SKYE関連リンク日本コロムビア アーティストページ DAYS
2022年07月29日ピアニスト仲道祐子が、デビュー25周年の記念リサイタルを開く[3月25日(金)Hakuju Hall]。桐朋高校音楽科卒業後ミュンヘン音大に留学。大学院修了後ドイツでの活動を経て、1996年に国内デビュー公演を行なった。25年の節目に掲げたテーマは「原点回帰」だ。「デビューよりも前、桐朋高校やドイツで学んだ頃、音楽をより深く勉強したいと考えるきっかけとなった頃が原点だと思っています。そこを見つめ直し、今後も頑張るエネルギーの素にするための〝原点回帰〟です」ベートーヴェン《ワルトシュタイン》をメインに、メンデルスゾーン、シューマン、リストというドイツ音楽を軸にしたプログラム。巨匠にして名教師でもあった恩師クラウス・シルデの思い出が特に濃厚に詰まっているのがメンデルスゾーンの《厳格な変奏曲》だという。「細かい指づかいなどはあまりおっしゃらない先生が、とても詳しくレッスンしてくださいました。今でも楽譜にそれが残っていて、懐かしく思い出します。先生は普段、書き込みはさせないんです。次に弾く時にそれを違う意味でとらえてしまうかもしれないから。でもこの曲だけは珍しくご自身の楽譜にも書き込みがいっぱいありました。何度も弾き込んだ、お好きな曲だったのだと思います」ドイツもの以外に、田中カレン作曲《愛は風にのって》も聴き逃せない。桐朋出身の作曲者が師の故三善晃の思い出を綴った子供のための曲集。仲道が弾いたCDが2020年にリリースされ、専門誌でも絶賛されている。今回は21曲中6曲を抜粋して演奏する。「私が高校生、カレンさんが大学生だった1980年代、桐朋の学長が三善先生でした。その頃の思い出やノスタルジーが色濃く反映されている曲集です。子供のための作品なので音の数がとても少ないのに、表現している内容はものすごく大人なんです」そのCDを聴いてみると、どこか懐かしい記憶を、彼女たちと違う時間を生きたはずの私たち聴き手も共有できるような気がする不思議な感覚。「作品が生まれ演奏される時、人と人の歴史が擦れ合う」ということを、かつて三善晃その人が書いていたのを思い出した。プログラム全体にはもうひとつメッセージを込めた。「明るく前向きな気持ちになれる曲を選びました。閉塞感が漂う毎日、とても素敵なHakuju Hallの空間で非日常を堪能して、また日常に戻って元気に明日に向かっていただきたいと思います」(取材・文:宮本明)
2022年01月24日『人気モデル五明祐子氏トークイベント』開催概要2019年11月3日(日)、千葉そごう店 2F キートゥースタイル内 集英社 FLAG SHOPにおいて、『人気モデル五明祐子氏トークイベント』が開催される。同イベントは、集英社 FLAG SHOP千葉そごう店のオープンを記念して開催されるもので、五明祐子氏が、こなれ感を出すテクニックや、購入して良かったアイテムなどを紹介する。集英社 FLAG SHOP千葉そごう店の営業時間は10:00から20:00まで。イベントの入場開始時間は12:45。開催時間は13:30から。参加費は無料。イベントへの応募は、集英社 FLAG SHOPにて、10月21日(月)23:59まで受け付ける。カジュアルファッションを得意とする五明祐子氏五明祐子(ごみょうゆうこ)氏は、ranchに所属し、モデルとして活動。『LEE』、『Marisol』、『GLOW』などの女性誌や、日本テレビ『ヒルナンデス!』、テレビCMなど幅広い分野で活躍している。オフィシャルInstagramのフォロワー数は77,000人以上。オフィシャルブログのフォロワー数は13,000人を超えている。著書には「永遠にカジュアル好きcoordinate200」がある。(画像は五明祐子オフィシャルブログ「オキラクDays」より)【参考】※集英社 FLAG SHOP※五明祐子オフィシャルブログ「オキラクDays」※五明祐子オフィシャルInstagram※ranch
2019年10月15日主宰するKバレエ カンパニーにおいて、音楽がもつ魅力を存分に活かした意欲作を続々と発表してきた熊川哲也。彼がベートーヴェンの『第九』(交響曲第9番ニ短調作品125)にドラマを見出し、演出・振付を行ったのが、シンフォニック・バレエ『ベートーヴェン第九』だ。さらに、20世紀を代表する振付家ローラン・プティの名作で、彼と親交の深かった熊川が2016年に抜粋上演して喝采が巻き起こった『アルルの女』。今回同時上演されるこの2作品の公開リハーサルが、1月25日、同カンパニーのスタジオで行われた。ダンサーに加えオーケストラ、合唱、独唱を含む総勢150名で、“母なる星・地球”の歴史と現代社会、さらに未来までをも示唆してゆく『~第九』。クライマックスである第4楽章『歓喜の歌』に乗せて登場する主役は“神”ともいえる存在。振付を一新する今回、熊川とのダブルキャストとして選ばれたのが、ベルリン国立バレエ団、ハンガリー国立バレエ団のプリンシパルを経て、現在Kバレエカンパニーのプリンシパルとして熊川の世界観を体現している中村祥子だ。リハーサルでは、高らかに歌い上げられる『歓喜の歌』のなか、長身(174センチ)の中村が登場。厳粛な雰囲気さえ漂わせながら、矢継ぎ早にシェネ(ターン)、グラン・ジュテ(ジャンプ)などを繰り出してゆく。公演を目前に控えて細かい調整をつけていくのは、Kバレエのプリンシパルキャラクターである渡辺レイだ。渡辺の演出を受けながら、中村は熊川のこだわりである“音楽”との共鳴を繊細につかんでゆく。床に描かれているのは直径5メートルほどの円。「そんなに大きくないのに、世界一周のように感じる」と笑いながらもらした中村の言葉が、本作のスケールを物語っているようだ。続いて『アルルの女』のリハーサルに、プリンシパルの宮尾俊太郎と荒井祐子が登場。本作はプティが1974年に発表した1幕バレエで、ジョルジュ・ビゼーのドラマチックな音楽が印象的な演目だ。南仏の村に暮らす青年フレデリが、アルルの闘牛場で見かけた美しい女性に恋をする。彼女が別の男の情婦と知り、傷心のうちに村娘ヴィヴェットとの結婚を決意するフレデリ。だが“永遠に不在”であるアルルの女の幻影に悩まされた彼は、ついに……という筋立てだ。振付指導は、プティの元で踊り、現在はプティ作品のアーティスティック・ディレクターを務めるルイジ・ボニーノ。一途なゆえに突っ走ってしまうフレデリと、ひたすらフレデリを想う可憐なヴィヴェットに、宮尾と荒井はハマリ役だ。そのうえで、ボニーノはプティの“遺伝子”をふたりに伝授。明るいキャラクターで取材陣を笑わせながらも、「プティのステップ(振付)はとても難しいんだ。技術はもちろん、フィーリングとハートが必要だからね」と語ったボニーノ。うなずく宮尾と荒井も充実の表情を見せていた。2作品共に、さらに進化を続けるKバレエの本公演。見逃す手はないだろう。公演は1月31日(木)から2月3日(日)まで、東京・オーチャードホールにて上演。チケットは発売中。取材・文/佐藤さくら
2019年01月29日皆さんは絵本をどうやって選んでいますか? 子どもが気に入ったから、自分が好きだから、話題になっているから… などいろんな選び方がありますよね。今回ご紹介する絵本作家・荒井良二さんの絵本は、型にはまらない独創的な絵が印象的です。絵本を選ぶとき、強いメッセージ性のある作品を選ぶ人も少なくありませんが、荒井さんの絵本にはそうした「答え」が存在しないように思えます。でも不思議と元気をもらえる、いつまでも忘れられない…。そんな「荒井良二」絵本の魅力をたっぷりご紹介していきましょう!■あさになったので まどをあけますよ作・絵:荒井 良二/出版社:偕成社 「あさになったので まどをあけますよ」 始まる、いつもと同じような朝。窓をあけて、1日の始まり感じる子どもたち。この絵本は2011年の東日本大震災で被災された方々とワークショップに取り組み、東北地方沿岸部の町をたずね歩いた荒井さんがそのときの思いを込め、描きあげたものだそう。「日常」は当たり前に過ぎていくものだけれど、それを繰り返していくことこそが幸せなのだと気付かせてくれます。本を読んだママからは「前向きな気持ちになる」という感想がたくさん寄せられていました。■空の絵本作:長田 弘/絵:荒井 良二/出版社:講談社 「空の絵本」 青い空と白い雲。表紙一面に広がる空の絵が印象的な絵本。そのリズムが耳に心地よく残る、詩人・長田弘さんの美しい文章と、奥へ奥へと引き込まれる荒井さんの絵が見事にマッチ! 刻一刻と変化する自然の美しさが独特の世界観で描かれています。野山に降る雨が強くなり、青や緑が灰色に。空が明るくなると世界はくっきりと輝きだす…。この絵本を読むと、空を改めて観察したくなる、という人も多いのではないでしょうか。読み終わったあとに「どのページがステキだった?」とお子さんと一緒に話してみるのも良いですね。■きょうというひ作・絵:荒井 良二/出版社:BL出版 「きょうというひ」 雪の降る静かな日に少女がひとり、大きなろうそくに火を灯します。「きえないように きえないように」と祈りを込める少女に、さまざまな思いをはせることができる一冊です。シンプルで美しい詩のような言葉と幻想的な世界観に「ささいなことで悩んでいるときに読むと、なぜか安らぐ」「頭のなかのごちゃごちゃしたものがスッときえる」と感想を寄せるママも少なくありません。どちらかというと大人向けという人もいますが、ろうそくがたくさん灯っているシーンがお気に入りというお子さんもいるよう。「タイトルに惹かれた」という意見もありました。■いつか、ずっと昔作:江國 香織/絵:荒井 良二/出版社:アートン 「いつか、ずっと昔」 結婚を間近にひかえた女性に、かつて愛したものたちとの時間がよみがえり、その記憶は前世、そのまた前世にまでさかのぼって…。命の生まれ変わりという壮大で神秘的な世界が広がるなかに、恋することの華やかさや切なさ感じさせる一冊。今回荒井さんがタッグを組んだのは、人気作家の江國香織さん。「いっしょに本を作るのはとても楽しい。同時に恐い!」と言いながらも「江國さんの文章はどんな絵でも壊れない強さがある。だからぼくはぼくらしく振る舞えば良い」と話すように、ページをめくるたびにピースがはまっていくような心地よさを感じます。「溺れるように読んだ」という感想も寄せられていました。■森の絵本作:長田 弘/絵:荒井 良二/出版社:講談社 「森の絵本」 その声は「森へ ゆこう」と言いました。いちばん大事なものがそこにあると。ページをめくると目に飛び込んでくる美しい景色には思い切り息を吸い込みたくなる、すがすがしさがあります。自分にとって大切なものとは何だろう。読み手の心に語りかけてくるような内容は一見「子どもには難しい?」と判断しがちですが「何度も読んでとせがまれる」「静かに聞いている」と、絵本の世界を楽しんでいるお子さんも少なくありません。「10年後、20年後に読んだとき、どんなことを感じるか。長く手元に置いておきたい」「どこがどう良かったか、あえて何も聞かずに読んだあとの余韻を楽しみたい」といった意見も寄せられていました。いかがでしたか? 黄、緑、赤、黒…。独特のタッチで自由奔放に描かれた作品たちは、並べてみるとまるでアート作品のよう。画集のような美しさと、唯一無二のオリジナリティをあわせもつ絵本たちにぜひふれてみてはいかがでしょうか。
2018年03月06日トラウマリスは、編集者/写真家の都築響一ディレクションによる、荒井美波の個展「Trace of Writing」を開催している。開催期間は2月2日まで(月曜休み、ただしイベント等により変更あり)、開場時間は16:00~24:00(日曜は14:00~22:00)。会場は東京都・恵比寿のTRAUMARIS|SPACE。入場無料。同展は、小林多喜二の「蟹工船」や芥川龍之介の「蜘蛛の糸」など、日本近代文学の名作をモチーフに、原稿用紙を模した革張りのキャンバス上で、文豪の原稿の生々しい筆致を針金で"なぞる"シリーズ「行為の軌跡 -活字の裏の世界-」を展示している。活字の裏に隠された書き手の人間性や身体性を、立体によって"臨書"(手本に似せて書くこと)した作品だ。また、筆癖や書き順、本文を書いた後に振られたルビや編集者が書き込んだ校正の跡までも忠実に再現しており、普段見ている文字が、人間がペンや筆といった道具を手に持つことで生まれた「書く」という行為の産物であることをあらためて認識させられる。荒井は、今回の展示作品で2013年の「MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD」で佳作を受賞しており、同アワードの審査員を長年務めている都築響一の目に留まり、今回の個展が開催されることになった。なお、荒井美波は1990年東京都生まれ、武蔵野美術大学 大学院修士課程 視覚伝達デザインコースに在籍中のアーティスト。彼女のTumblrページでは、新作やその制作過程などが公開されている。
2014年01月21日建築家・永山祐子の展覧会「建築から始まる未来-豊島×横尾忠則、宇和島×束芋×ほしよりこ-」が、東京・表参道のジャイル(GYRE)内アートスペース、アイ・オブ・ジャイル(EYE OF GYRE)で開催されている。11月24日まで。入場無料。本展では、今夏永山が手掛けた瀬戸内海周辺での二つのアートプロジェクトを、映像や写真、建築模型を用いて紹介。建築やアートのエネルギーによる地域再生を目指し、新たなコミュニティーを創造する取り組みとして話題となったプロジェクトのビジョンを提示する。一つ目の「豊島横尾館」は、現代美術家の横尾忠則の絵画作品「原始宇宙」の平面作品11点と、円塔の中や庭園でのインスタレーション作品、建築と一体となった美術館。もう一つの「AT ART UWAJIMA 2013」からは、作家の司馬遼太郎らが滞在したことでも知られる1911年創業の宇和島の老舗の「木屋旅館」をリノベーションするというアートプロジェクトを紹介。畳の一部をアクリル板にし、欄間(らんま)や壁、天井などに漫画家・ほしよりこが書く小説に基づき現代美術家の束芋が制作した映像が映し出された。他にも、宇和島のアーケードにある文具店をリノベーションしたプロジェクトや、 理想の街をつくる観客参加型の展示も登場する。会期中の11月17日には、永山と束芋によるトークショー「建築×アートの可能性」も開催。司会は、アートダイナミクスの生駒芳子が担当する。また関連商品の販売も実施。「AT ART UWAJIMA 2013」のために書かれた、ほしよりこの小説「そういう事がずっと続く」(700円)、束芋デザインの「宇和島Tシャツ」(2,500円)、宝飾品にならない真珠を蘇らせた「リパール」で作った、ほしよりこ、束芋、永山祐子監修のオリジナル限定商品などがそろう。
2013年11月08日幸せご報告NHKの青山祐子アナウンサーが、2012年3月5日午後3時8分に、都内の病院で第1子の男児を出産したと、神田うのが自身のブログで本人に代わり報告した。青山アナの友人の神田うのは、「幸せご報告」というタイトルで3月6日にブログで発表した。生まれた新生児は3418gと少し大きめで元気だそうだ。結婚は昨年1月に。青山アナは医療福祉関連会社の役員と2011年1月に結婚を発表し、9月には妊娠5カ月であることが明らかになっていた。青山アナはトーク番組「スタジオパークからこんにちは」の1月20日放送の司会を最後に務めて産休に入った。元の記事を読む
2012年03月06日