9月3日、これまでの発言から一転、自民党総裁選からの“撤退”を決めた菅義偉首相(72)。背景にあるのは20%台という低い内閣支持率だ。ここまで国民からの支持を失った一因は「菅さんの“対話力”の低さにある」と話すのは、ジャーナリストの江川紹子さん(63)。「菅さんの印象を一言で言えば『聞きたい内容が伝わってこない、誠意がない』というもの。歴代首相より会見の機会は明らかに多かったのですが……」ネットをのぞけば、《原稿、棒読みじゃん》《質問にまったく答えていない》など、首相への落胆の声ばかり。「菅さんには、カメラの向こうに国民がいるという意識が希薄なんだと思います。目の前の記者とやりとりだけすればいい、官僚が用意した公式答弁さえすればいい、と対話にならないんです」質問に正面から答えてこなかった菅首相。結果として、国民にそっぽを向かれることになったのだが、これが許されてきたのは、会見の方式に問題があるという。首相会見の主催者は、大手メディアが中心に組織している記者クラブのひとつ「内閣記者会」だ。「しかし、内閣記者会主催のはずなのに、司会進行を務めるのも、質問者を指名するのも、内閣広報官、つまり首相の部下なんです」じつは、首相会見で江川さんはじめフリーランスの記者は、長年無視されてきたという。「もともと、記者クラブの人しか首相会見に参加できなかったのが、旧民主党政権時代にフリーの記者にも門戸が開放されました。当時は質問をすることもできましたが、安倍政権になって、フリーの記者は質問のために手を挙げても、指名されなくなりました」質問者として指名されるのは大手メディアが中心。政権交代から7年にわたってフリー記者が指名されることはなかった。その流れを破ったのは江川さんだ。昨年2月29日、コロナに関する初めての記者会見を、短い質問時間だけで打ち切ろうとする安倍晋三前首相(66)に対して、江川さんは挙手しながらこう叫んだのだ。「まだ、質問があります」安倍前首相は立ち止まることはなかったが、江川さんがツイッターでこのことをつぶやくと大きな反響が。公平な会見を求める声が高まり、次の会見からフリーの記者も指名されるようになった。「しかし、まだ問題のあるルールはあります。“更問いの禁止”です。結果として、首相との対話が難しくなっているのです」“更問い”というのはマスコミ用語で、追加質問のこと。多くの人に質問の機会を作るという建前のもと、一度質問をしたら、さらなる質問を重ねることを禁じるというルールだ。結果、首相の回答がまったく体を成していなくても、質問者はそれ以上の追及ができなくなる。「こうしたルールは菅さんや安倍さんが作ったものではなく、首相を困らせてはいけないという、周囲の官僚の過剰な忖度が生んだものだと考えています」江川さんは菅首相とのやり取りで、質問に答えていないと、さらに質問を重ねようとしたが、内閣広報官に遮られている。■質問を重ねられないから真意がわからないこうしたルールが菅首相自身の首を絞めたと江川さんは指摘する。「7月30日の会見で、菅首相は『人流は減少している』と言い、大きな批判を浴びました。現実として街に出ればいっぱい人がいるし、電車は満員なわけです。一般の人は『えぇ?』と疑問に思う。もし、さらに記者に問われれば、菅首相も“〇〇のときと比べてこれくらい減っている”というような説明ができたのかもしれない。でも、“更問い”は禁止ですから、国民の疑問は置き去りにされたまま、政府は実態がわかっていないのではないかという不信感だけが残りました。そのような状態で、“国民にいっそうの協力を”と言っても伝わるわけがありません」8月25日の会見では「明かりははっきりと見え始めています」と言い放った。「多くの人たち、特に飲食関連の産業に従事しているような人にはまったく明かりが見えていないなかで、そんな実態とかけ離れたことを言われても、『どういうことですか』と聞けないわけですよ。対話は疑問に答えて、はじめて成り立つ。なのに、最初から拒否でしたから」こうした会見の“悪習”は次期政権にも引き継がれるのだろうか。最後まで国民と向き合うことがなかった菅首相。次期首相には、用意した紙を読むのではなく、ぜひ“自分の言葉”で話してほしいと江川さんはいう。「“この総理大臣はこう考え、こういうところに悩み、こういうふうに頑張ろうとしているのだ”と伝えるのが大切です。その姿が見えれば、国民からの信頼も得られるし、協力しようという気持ちも生まれる。このコロナ時代も乗り切れると思います」“対話力”のある総理大臣を期待したい。【PROFILE】江川紹子(えがわ・しょうこ)東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。オウム真理教の取材などで知られる。情報サイト「ビジネスジャーナル」で「江川紹子の『事件ウオッチ』」を連載中。
2021年09月09日菅義偉首相(72)の退陣表明を受け、日本中が『次の総理は誰になるのか?』注目している。自民党総裁選に向けた派閥争いは激化し、情勢が変化する毎日だ。日本では、国民が直接選挙で首相を選ぶ制度はないが、せめて「この人だけは首相にしないで!」という本誌女性読者の声を聞いてほしい。そんな思いで、自民党大物議員の中でも「首相になってほしくない政治家」についてアンケートを実施。ランキングを作成した。結果は予想を超えて一人の政治家に票が集中。麻生太郎副総理兼財務相(80)が、第2位の安倍晋三前首相(66)のトリプルスコア以上となる42%を獲得した。理由として寄せられたコメントでは「言葉遣いが汚く聞こえる」「一般的な価値観から離れている」「おじいちゃんだし態度が悪い」といった意見があった。過去には、「子どもを産まなかったほうが問題」「セクハラ罪っていう罪はない」など、女性を軽視する発言を繰り返してきた麻生氏。女性からの支持が得られないのは当然の結果とも言える。【自民党大物政治家の中で「この人だけは総理にしないで!」と思う人は?】(女性限定回答9月1日~9月3日)1位麻生太郎:43%2位安倍晋三:14%3位丸川珠代:9%4位小泉進次郎:8%5位二階俊博:6%共同通信社が9月4、5日に実施した、次の首相に「誰がふさわしいか」の世論調査で第1位となった河野太郎氏(58)の派閥の領袖は麻生太郎氏。ハッキリした物言いで国民の支持を集める河野氏だが、いくら名前が同じ「太郎」でも、麻生氏の言うことだけは真に受けないほうが自身のためかもしれない。
2021年09月08日菅義偉首相(72)の電撃辞任によって、今秋、新たな総理大臣が誕生することになった。自民党総裁選候補の中では河野太郎氏を支持する声が大きいようだが、正直なところ、誰もが待望するリーダーは政治家の中にはいないのではないか。そこで『女性自身』では、女性が考える理想の総理大臣像を探るべく、独自に有名人をピックアップし、アンケートをとった。菅首相にとりわけ欠けていた発信力や国民的人気を持つ人物像、衆院選でタレント候補者擁立があるとしたら求められるのは誰なのか、結果をもとに検証したい。【総理大臣に向いている有名人は?】(複数回答可9月1日~3日調べ)1位カズレーザー:20%2位安住紳一郎:17%3位櫻井翔:14%第1位はなんとお笑い芸人のカズレーザー(37)。読書家として知られ、クイズ番組で活躍するイメージも強い。常に赤い服を着ていてインパクトは大だ。理由としては、「誰にもない発想を持っていそう」「頭の回転が速く周りに流されない自分のマニフェストを掲げられそうな人だから。そして国民に寄り添ってくれそうだから」といったコメントが寄せられた。2位以下に並ぶ報道番組のキャスターやMCを務める超有名人に比べると、カズレーザーは人気、知名度で劣る印象もあるが、いま女性たちが求めているのは、予定調和を超えた存在ということなのだろう。第2位はTBSアナウンサーの安住紳一郎(48)。ビートたけし(74)とともに『新・情報7DAYSニュースキャスター』(TBS系)に出演し、東京五輪キャスターとしても人気が高かった。「物事を柔軟に考える力がありそうだから」といった意見が寄せられた。第3位は昨年活動休止した嵐のメンバー、櫻井翔(39)。こちらも『news ZERO』(日本テレビ系)でキャスターを務め、父が総務省の事務次官であったことでも知られる。「物事を俯瞰に見ることができる。報道番組で自分の思いを伝えるから」というコメントが寄せられた。次の選挙では、カズレーザーによる「赤い服の新党」がみてみたい!?
2021年09月08日これまでも数々の“暴言”で批判を浴びてきた麻生太郎副総理兼財務相(80)。またしても、麻生氏の発言が物議を醸している。9月7日の記者会見で、菅義偉首相(72)が自民党総裁選で不出馬を表明したことに触れた際、“新型コロナは収束した”と述べたのだ。毎日新聞によると麻生氏は、6日に報告された東京都の新規感染者数が1,000人を下回ったことから、次のように語ったという。「コロナはまがりなりにも収束して国際社会の中の評価は極めて高い。そういった意味では『まっとうした』という思いが(菅首相に)あったことは確かだ。私はそこの部分が(不出馬表明の理由として)一番大きかったんじゃないのかなと思っている」菅首相は不出馬に転向した理由について、「新型コロナ対策に専任したい」「新型コロナ対策と総裁選の両立は莫大なエネルギーが必要だから両立できない」と述べていた。「まっとうした」と“代弁”した麻生氏だが、菅首相と食い違うことにならないだろうか。また国内の新型コロナによる影響も、深刻な状況が続いている。「確かに菅首相が『1日100万回』と掲げていたワクチン接種は、目標回数を上回るほど進みました。いっぽう政府は“出口戦略”を国民に示せていません。ようやく今月3日に政府分科会で、行動制限の緩和について協議されたばかりです。麻生氏は東京都の新規感染者数が1,000人を切ったことで“収束”という見方をしたのかもしれませんが、全国の自宅療養者は13万人以上も報告されているのです。また田村憲久厚労相(56)は緊急事態宣言について、『500人未満にならないと解除できない』と明言していました。ですが現在宣言が発令されている首都圏では、さらなる延長が検討されています。もし仮に宣言を解除できたとしても、新型コロナの影響で打撃を受けた業界や国民の暮らしをリカバリーする対策が求められるでしょう」(全国紙記者)今年3月には「マスクなんていつまでやるの?」と、記者に逆質問していた麻生氏。国民感情を逆撫でし続ける麻生氏の“減らず口”に、SNS上では批判が相次いでいる。《本気で言ってるんだろうか…曲がりなりにも?認識が曲がりすぎじゃないですか?》《いつから感染症専門家になったの?》《これはダメだよ。コロナ対策に専念したいと言う菅さんの言葉とは逆のこと言ってる。麻生さんが、菅さんを潰しにかかってる》《麻生さん、コロナ収束は一体どこ見たらそんなこと言えんのだし、そもそも菅さんの退任理由と全く反対のこと言ってるし、何考えてんのとしか言えないよ頼むから引退して》’12年12月に第2次安倍政権の発足に伴い、副総理兼財務相に就任した麻生氏。7日現在で在任期間は3,177日に達し、歴代最長記録を更新し続けている。麻生氏が「まっとうした」と実感する日は、いつになったらやって来るのだろうか。
2021年09月07日菅義偉首相の電撃退陣表明直後に始まった、総理総裁の座を巡る非情な戦い。いったい誰が、日本を救う宰相にふさわしいのか――。「このところ総理は不眠気味で、明らかに心労が重なっていました。会議や報告を受けるときも目がうつろで、明らかに集中力や判断力が落ちていて、周囲も心配していた矢先でした」こう明かすのは、ある官邸スタッフだ。9月3日、菅義偉首相(72)は、次期自民党総裁選への不出馬を明言。事実上の退陣宣言となり、永田町では早くも“ポスト菅”レースの火ぶたが切られた。そこで本誌は、政治評論家・有馬晴海さん、政治アナリスト・伊藤惇夫さん、ジャーナリスト・藤本順一さんの3人に、主要な総裁選候補の政治家のコロナ関連の発言や、これまでの実績を採点してもらった。その結果は、岸田文雄前政調会長(64)と河野太郎行革担当相(58)が22点と1位タイ。とはいえ、5人とも“コロナ禍から日本を救う総理総裁”としては成果に欠けていて、国民はあぜんとするほかない評価が相次いだ。ジャーナリストの藤本順一さんはこう指摘する。「岸田さんは、ほかの候補者に比べてマシに見えるだけで、危機管理能力には懸念材料があります。7月に岸田派議員のパーティで感染者を5人出してしまいましたが、感染拡大が続く状況下で政治資金パーティを開催したらどうなるか、岸田さんは考えられなかったのでしょうか。河野さんにしても、人気では“選挙の顔”といえますが、ワクチン担当の大臣としては、力量不足。ワクチンの絶対量を確保したからといって、いまだに希望する全員は接種できていません。国と自治体のコミュニケーションをもっと円滑に取って、よりスピーディーに接種を進められたはすです」各メディアの世論調査で「次の首相にふさわしい人」で上位を走り続ける石破茂元幹事長(64)への評価も、けっして高くはない。政治アナリストの伊藤惇夫さんは、「コロナ対策については未知数」とバッサリ。政治評論家の有馬晴海さんも、「決め手はなく、実績も乏しい」と手厳しい。野田聖子幹事長代行(61)や高市早苗前総務相(60)も名乗りを上げているが、政治評論家3人はいずれも辛口の評価。野田氏について「政府与党のトップにとして期待するのは難しい」(伊藤さん)、高市氏については「フェミニストにはほど遠く、総裁となっても、旧来の男性中心的な自民党を再構築」(有馬さん)と、“女性初の総理総裁”としては、実績不足は否めない。■最側近を送り込んで――安倍前首相が暗躍“どんぐりの背比べ”状態の総裁選で、不気味な存在感を示しているのは、安倍晋三前首相(66)という声も――。「岸田さんはコロナ対策として“4本柱”の政策をいち早く打ち出しましたが、これの策定には安倍さんの最側近だった今井尚哉元首相補佐官が関わっていて、水面下で安倍さんは岸田さんの支援に動いていたんです。しかし、岸田さんは報道番組で、森友・加計学園問題を再調査すると発言。機嫌を損ねた安倍さんは高市さんへの支持に舵を切った。これで推薦人も簡単に集まるでしょうね」(自民党関係者)9月6日には、石破氏は立候補を見送り、河野氏を支援する方向で調整していると報じられた。混戦模様を深めるほど、国民の苦しみも大きくなる。自民党は、コロナ禍を克服するリーダーを選び出せるのか――。
2021年09月07日「明かりは見え始めていますーー」8月25日の記者会見で菅義偉首相はパンデミック収束への道筋をこう語ったが、真に受けた国民ははたしてどれだけいただろうか?厚生労働省の発表によると、10代以下の新型コロナウイルス感染者が、1週間(8月18~25日)で3万427人に。これはおよそ1カ月前の3,450人(7月14~21日)から、じつに約8.8倍に増加しているのだ。なぜ、未成年の感染者がこれほどまでに急増したのか。日本小児科学会の理事で、子どもの感染症に詳しい長崎大学病院教授の森内浩幸先生は次のように解説する。「若年者へのワクチン接種は進んでおらず、12歳未満はまだ接種の対象になっていません。つまり子どもたちは免疫ができていない集団です。そこに感染力が強いデルタ株が主流となったことが大きな要因です。従来株では大人から子どもへ感染しても、そこからさらに広がるケースは多くありませんでした。ところが、強い感染力をもつデルタ株によって、子ども同士、さらには子どもから大人への感染が増えてきたということが考えられます。ただし、子どもがとくに感染しやすくなったわけではありません。今でも子どもの感染の多くは周囲の大人からうつっています。大人が子どもに移さないことが重要です」そんななか、この9月から多くの学校で新学期が始まる。子ども同士の接触の機会が増えることで校内クラスターが発生し、猛威を振るっているデルタ株が家庭に持ち込まれてしまう心配もある。それを受けて、特に緊急事態宣言が発出されている自治体の学校のなかには、夏休みを延長したり、休校したりなどの措置を取っているところもあるがーー。「学校閉鎖や休校をする小中学校があるのと同時に、感染を恐れて子どもを登校させないという保護者の方もいるようですが、学校に行かないことで生じるさまざまな影響を懸念しています」そう話すのは、福島県医師会でコロナ担当を務める星北斗副会長。「東日本大震災による原発事故で、放射能を過度に恐れるあまり、子どもを家から出さない、学校にも行かせない、という保護者が多くいました。その後、ストレスや運動不足などにより子どもたちの健康指標が極端に悪化したことがあります。デルタ株はたしかに感染力が強いですが、子どもが重症化することは極めてまれです。そして、各学校では感染対策について、大きな教室を使う、アクリル板を多用する、時間差登校を行うなど工夫をしていて、先生方も子どもたちのマスク着用や行動に気を配っています。子どもたちにとって大切な場である学校に行くメリットのほうが大きいと考えています」(星先生)■課外活動は学校ほど感染対策が徹底されず森内先生も休校によるリスクを次のように語る。「親が安心して仕事を休むことができ、なおかつ経済的な補填(ほてん)があるなどの態勢が整っていれば、学校閉鎖をして感染拡大を抑える効果があるでしょう。しかし、学校が休みになっても、親が経済的に困窮することから会社を休めないような今の実情では、子どもは朝から夕方までやっている学習塾や学童保育に行くことになります。そこは学校とは違い、密になりやすく換気も悪い環境であることが多く、しかも大人の目が届きにくい。そこから感染が広がる恐れがあるのです」森内先生はさらにこう続ける。「たとえば学校では、児童・生徒も教員も毎朝体調チェックを行い、気になる変化があれば休むことができます。それによりクラスターの発生をある程度抑えることが可能です。ところが学習塾の場合は学生のアルバイトも多いなど、症状があったとしても、休まずに子どもの前に出てきてしまう例もありました。学校がない夏休み中に集団感染が発生したのは、主に学童保育や学習塾。学校よりも、放課後のクラスターが危惧されるのです」8月中に起こった、学習塾や学童保育での主なクラスターは次のとおり。子どもの感染者が増加するなか、いっそうの警戒が求められる。【学童保育、学習塾で発生したクラスターの事例】■報道・発表日:8月4日/所在地:兵庫県加東市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:21人■報道・発表日:8月4日/所在地:静岡県浜松市/施設:学習塾/児童・生徒の感染者数:17人■報道・発表日:8月7日/所在地:千葉県船橋市/施設:学習塾/児童・生徒の感染者数:96人■報道・発表日:8月17日/所在地:熊本県熊本市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:10人■報道・発表日:8月18日/所在地:千葉県松戸市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:13人■報道・発表日:8月25日/所在地:鹿児島県薩摩川内市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:12人■報道・発表日:8月26日/所在地:三重県伊賀市/施設:学童保育/児童・生徒の感染者数:11人また、子どもが感染した場合、症状が出ることが少ないから注意が必要だ。■子どもが発症したら家族全員感染の可能性が「仮に子どもが発症していたら、その前日にはすでに家族間で感染している可能性があります。特にデルタ株では、いったん家庭に持ち込まれてしまったら、感染拡大を防ぐのは困難。家族全員が感染してしまうケースは少なくないでしょう」(森内先生)8月17日には、東京都で家庭内感染により一家3人が陽性となり、40代の母親が亡くなった痛ましい出来事があったばかり。親世代の40~50代へのワクチン接種が政府の想定どおりに進んでいない現状では、家庭内で感染した親が重症化することも十分考えられる。“放課後クラスター”のリスクを軽減するためにできることは何なのだろうか。星先生が語る。「子どもには、正しい手洗い、正しいマスクの着用を行わせたうえで、学習塾や学童保育で、換気がしっかり行われているか、子どもと接する大人のワクチン接種が済んでいるか、などを確認しておくようにしましょう。また、スポーツなどのクラブ活動でも、ロッカールームの感染リスクが指摘されています。どのような状況でリスクが高いのか、それを回避するために指導者と話し合いをして対策を練っていくことが大切です」子どもの感染拡大を防ぐのは、大人の責務。十分すぎる対策を取りたいところだ。
2021年09月02日21日から女子ソフトボールなどの一部競技始まり、いよいよ開幕した東京オリンピック・パラリンピック。開会式も迫るなか、菅義偉首相(72)の発言が“現実が見えてなさすぎる”と物議を醸している。20日にアメリカの有力紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』のインタビューに答えた菅首相。そのなかで、近しい関係者たちから、五輪の開催中止を複数回提言されたと明かした上で「やめることは一番簡単なこと、楽なことだ」と発言。「挑戦するのが政府の役割だ」と開催するに至った理由を強弁していた。また菅首相は、日本政府には五輪を中止する権限がなく、一部で“IOC(国際オリンピック委員会)の人質”と揶揄されていることについて「そこは全くない。日本は手を挙げて、日本でオリンピックをやりたいと招致してきた」とも主張。IOCは契約により、五輪中止を決定する唯一の権利があるなかで、「(IOCに中止を)押し付けられるようなことだったら、跳ね返す」と力強く答えた。新型コロナウイルスで国民の健康が危険にさらされているなかでの、菅総理による“挑戦”発言。SNS上では批判が相次いだ。《やめるのは簡単なら今すぐ五輪中止にしてください!政府の役割は五輪に挑戦することじゃないです!》《人々の命と健康を賭けて望んでいない挑戦されたらたまらん。簡単なら今すぐ止めて欲しい》そんななか、21日の東京都の新型コロナの新規感染者数は1,832人を記録。2,000人超えも目前に迫り状況が緊迫するなか、菅首相からはさらなる“驚きの発言”が飛び出した。各メディアによると21日に行われた記者会見で菅首相は「国民の皆さんには自宅でテレビなどで声援を送っていただきたい。テレワーク、交通量の抑制にも協力をいただきたい」と五輪への協力を要請。そして、こう続けたという。「パラリンピックまでに感染状況が変わったら、(政府・組織委員会など)5団体で対応を考えることになっている。ぜひ有観客の中でと思っている」1週間前よりも新規感染者が680人以上増えているなかでの“楽観的”とも言える主張にSNS上では、非難する声が殺到した。《乖離しすぎて違う星の人に住んでるのかな?ってくらい現実感ないな》《逆の方向に変わって来てるのが判らないんだな、この首相は。》《何言ってるか分からない。今日東京1,800人超。オリンピックやるのは、東京……》《菅さんには一貫して現実が見えていない。早く引きずり降ろさないと国民の命が危ない。》
2021年07月22日「感染状況が改善したら、観客を入れることも考えてほしい」7月14日、こう述べたのはIOCのトーマス・バッハ会長(67)。各メディアによると菅義偉首相(72)との会談で、7月23日に開幕する東京五輪について有観客での開催を要望したというのだ。バッハ会長は、4度目となる緊急事態宣言の発令が決定した7月8日に来日。3日間の隔離期間を経て、本格的に活動しているが“自由すぎる言動”が物議を醸している。「入国時から到着ロビーを通らずに、送迎車でホテルに直行するなど“VIP待遇”でした。宿泊先も5つ星ホテルの『The Okura Tokyo』で、警備も厳重。厚待遇を辞退するといったこともしないバッハ会長には、新型コロナの影響で生活苦に陥っている国民や日々治療に追われている医療従事者たちの気持ちに寄り添うといった姿勢は感じられません」(全国紙記者)来日初日に行われた政府や組織委員会、IOCなどによる5者協議では、感染拡大防止を目的に東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で東京五輪の無観客開催で合意。その後、北海道、福島でも無観客が決定された。いっぽうでバッハ会長が、「緊急事態宣言とはどういうものなのか。五輪にどのような影響を与えるのか、説明を頂きたい」と発言する一幕もあったという。■感染再拡大でも有観客要望、広島訪問新型コロナの感染が再拡大している東京都では16日、新規感染者数が1271人に達した。27日連続で前週の同じ曜日を上回り、3日連続で1000人以上を記録するなど“第5波”への懸念が高まっている。だがこのような状況でも、バッハ会長には危機意識が感じられないという。「バッハ会長は8日に行われた5者協議の時点で、すでに“有観客”を強く要望していたようです。その上で菅首相に申し入れたのですから、感染状況など気にしていなかったということになるでしょう。隔離後は安倍前首相や菅首相、組織委員会の橋本聖子会長(56)らと会談するなど、頻繁に都内を移動しています。5月にワクチン接種の完了をアピールしていたバッハ会長ですが、“自分だけは安全”という風に受け取られても仕方がないでしょう」(前出・全国紙記者)五輪開幕まで残すところ1週間と迫った16日、バッハ会長は被爆地・広島を訪問。各メディアによると「東京五輪・パラリンピックはより平和な未来への希望の光となると確信している」と、平和記念公園でスピーチしたバッハ会長。ここでも広島県知事が出迎え、平和記念公園は一般客の立ち入りが制限されるなどVIP待遇は変わらず。その後、原爆慰霊碑に献花し原爆資料館を見学するなど、厳重な警備のもと“多忙なスケジュール”をこなしたと伝えられている。国内の感染状況を鑑みず自由に振る舞うバッハ会長に、ネット上では“傍若無人”と怒りが爆発寸前だ。《こいつ、日本の感染対策を全く予習せずに乗り込んできたんだな……》《ここまで無神経な人間が同時代に生きていることが信じられない。あまりにも感覚がかけ離れすぎている》《どこまでも自己中》《賢明なるドイツ人のみなさんは、日本でのこの方の傍若無人ぶりを見てどう思うのだろう》わき目もふらず東京五輪・パラリンピックへまっしぐらなバッハ会長。国民からの冷ややかな視線には、気づいていないのだろうか。
2021年07月17日「安全安心が最優先にあるのは当然のことだと思う。安全安心のために無観客というのを辞さないということだ」6月21日、記者団に向けてこう述べたのは菅義偉首相(72)。NHKの報道によると「五輪開催中に緊急事態宣言が出された場合に無観客もあり得るのか」と問われ、冒頭のように答えたという。政府分科会の尾身茂会長(72)ら専門家有志は18日、「無観客開催は会場内の感染拡大リスクが最も低いので望ましい」との提言を発表したばかり。各メディアによると専門家たちは、「ワクチン接種が進んだとしても7月から8月にかけて感染者や重症者が再増加する可能性がある」など複数の危険性を指摘したと伝えられている。ところが21日、大会組織委員会や政府、東京都らで行われた5者協議では有観客開催を正式に決定。地方を含めた五輪会場の観客数は、収容定員の50%以内で最大1万人を上限とされた。また開会式には、スポンサー招待客ら約1万人を合わせた2万人の観客が見込まれるという。さらに会場では観客に酒類販売を容認する方針だといい、橋本聖子会長(56)は同日の会見で「観客への酒類の販売、提供については、大声の抑止、安全な誘導の実現の観点や現在の(社会の)一般的ルールに鑑み、検討中」と述べた。■「五輪開催ありきの政府」さかのぼると7日の参院決算委員会で、野党から五輪開催の判断を問われ「私自身は主催者ではない」と答弁した菅首相。しかしながら、国民の不安をよそに“強行開催しようとしている”との見方が広がっている。「2度目の宣言解除時よりも新規感染者数は多いのに、20日をもって宣言解除されました。菅首相は3度目の宣言を『短期集中』と講じていましたが、蓋を開けてみれば8週間にも及んでいます。『安心安全』を強調する菅首相や組織委ですが、結果的に尾身会長ら専門家の意見を黙殺しているようにしか見えません。これまで国民は感染対策として、外出自粛や酒類提供禁止など様々な制約を強いられてきました。それを五輪で翻すような方針に、納得できない国民も多いのではないでしょうか」(全国紙記者)決して“中止も辞さない”とは言わない菅首相。中止や延期の選択肢を挙げず、なし崩し的に五輪を推し進めようとする姿勢に批判が上がっている。《「緊急事態なら無観客辞さない」なんて信用できない菅首相が国民の安心安全を第一に考えているのなら、しれっと有観客とか開会式に2万人入れるような話にならないのでは聞く耳持たず、やりたい放題の政府・組織委》《何が「無観客も辞さない」だ。いかにも一大決心であるかのように言うなよ。初めから中止にしろ。そもそも緊急事態宣言を出すような状態になってから無観客にしたって遅いだろうが》《五輪開催ありきの政府ってなんなん?》
2021年06月22日今年に入って数々の失言で批判を浴びてきた自民党の二階俊博幹事長(82)。またしても、二階幹事長の発言が物議を醸している。15日の国会で立憲民主党、共産党ら野党4党が、内閣不信任決議案を提出。主な提出理由として、新型コロナウイルスや目前に迫った東京オリンピックをめぐる菅義偉内閣の対応の失策をあげた各党。国民民主党の玉木雄一郎代表(52)は、国会で、こう強く糾弾した。「五輪関係の入国者には14日間待機も免除、ワクチン接種の義務付けもせずに、国際的に約束した安全安心な五輪は本当に可能なんでしょうか。こうした制度の不備を放置したまま国会を閉じ、五輪を開催しようとするのは、政治の不作為であり無責任です」最終的に自民党、公明党らの反対多数で否決される形となった、今回の不信任案。否決後、二階幹事長は、記者団の取材に対応。各メディアによると、二階幹事長は「今ごろ突然、内閣不信任案。議会制度の中のルールの中にありますから、それはそれで結構ですけれども。我々も唐突の感じをしております」と野党を牽制した。そして、内閣のコロナ対応の失策について触れた上で、記者へ次のように“逆質問”したという。「(新型コロナ対策における失策が)続いておるとは思っておりません。懸命にやっている。これ以上やりようがありますか?」すでに流行しているイギリス変異株だけでなく、インド変異株なども日本国内で感染拡大の兆しを見せ、水際対策の甘さが露呈している菅内閣。そんな状況でも対策に自信をのぞかせ、記者に逆質問した二階幹事長には、“逆ギレ”と批判が相次いだ。《それは質問返しじゃない。逆ギレだ。醜い……。》《自民党の二階俊博幹事長が、スガ政権のコロナ対策で失策の指摘に対して、懸命にやっている、これ以上やりようありますか?と逆ギレしましたけど、政治の世界に結果を出さずに、頑張ってますは通用しないんですよ》《自分らの失敗を反省せずに逆ギレかよ。幼稚だな》
2021年06月16日朝日新聞が今年5月に行った世論調査での支持率が33%と、昨年9月の発足当時から約半減している菅義偉内閣。新型コロナウイルス対策や東京オリンピックへの対応などで批判を集めるなか、“身内”が火に油を注いでいる。6月9日、『朝日新聞デジタル』が平井卓也デジタル改革相(63)の“失言”を音声データ付きで報じた。東京五輪・パラリンピック向けに国が開発したアプリの請負先企業と、規模縮小に伴い減額交渉が行われていた。同サイトによると、今年4月に行われた内閣官房IT総合戦略室の会議において、平井大臣は減額交渉を巡り、同室幹部に請負先企業について「死んでも発注しない」「場合によっちゃ出入り禁止」と発言。さらに「ぐちぐち言ったら完全に干す」、請負先企業の会長の名前を挙げた上で「脅しておいたほうがいいよ」とも発言していたと、報じられていた。この報道を受け、平井大臣は11日の閣議後に行われた記者会見で発言をしたことを認めた。各社によると、平井大臣は「国民の立場に立って強い覚悟で交渉するということで、強い口調で申し上げた。それがある意味で不適当だったということだと思う」と釈明していたという。国務大臣という権力者の“恫喝”ともとれる発言に、SNSでは批判が相次いだ。《これではまるで反社じゃないですか》《辞任相当発言ではないか。契約自体、緊急事態宣言後の駆け込み発注で疑問がある。「完全に干す」発言は公共事業発注担当大臣として完全失格》《もう……まるでヤクザ》
2021年06月11日6月7日午前9時20分ごろ、JOC(日本オリンピック委員会)の経理部長が東京都品川区の都営浅草線中延駅で電車にはねられた。男性がホームから1人で線路に飛び込む姿を駅員が目撃したという。男性は病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。警視庁は飛び込み自殺と見て調べを進めている。この件についてネット上など話題になったのが、KBC九州朝日放送「アサデス」の“ニュース差し替え報道”だ。7日朝の同番組放送時、「東京オリンピック直前一体何があったのでしょうか。JOCの幹部が…」とアナウンサーがコメント中、なんと急遽ニュースが差し替えに。「失礼しました。続いてのニュース、改めましてお伝えします…」と外国でゾウが車に突進するニュースに変更されたのだ。その後も、JOC経理部長自殺に関するニュースが報道されることはなかったという。この差し替え報道に対して、「2ちゃんねる」の創設者であるひろゆき氏(44)は自身のTwitterで《JOC経理部長の自殺より、外国のゾウの衝突を優先するニュース番組。すごいね。漫画みたい。》と疑問を投げかけた。さらにネット上では、《社会の闇をみた》《もはやコレが逆説的に『JOC幹部の自殺がヤバいこと』を証明したようなものだと思います》《公文書改竄を思い出す》《誰に忖度しているのか》……といった批判の声が相次いだ。東京オリンピック開幕まであと43日。9日に行われた党首討論において菅義偉首相(72)は「(五輪開催で)世界が新型コロナという困難に立ち向かい、団結して乗り越えることができたと日本から発信したい」と五輪開催への意気込みを語り、「国民の命と安全を守れなくなったらやらないのは当然だ」とも述べていたが……。厚生労働省は悩みを抱えている人に、相談窓口の利用を呼び掛けている。相談は「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」や「いのちの電話(0570-783-556)」へ。
2021年06月10日「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」こう発言したのは、立憲民主党の本多平直衆議院議員(56)。5月10日に同党法務部会のワーキングチームが、刑法の性犯罪規定を見直す議論を行なった際に述べた言葉だ。この出来事を最初に報じたのが6月4日の産経新聞。3日後の7日に冒頭の発言主が本多氏だと判明した。各紙によると、外部講師が、性行為への同意を判断できるとみなす年齢を「現行の13歳以上から中学卒業後の16歳に引き上げるべき」と主張。すると本多氏が冒頭のように反論し、「成人と中学生が恋愛関係になるのはあり得る。罰するのは望ましくない」とも述べたという。この発言が物議を醸し、本多氏は7日夜に謝罪コメントを発表。「刑事処罰の議論では、限界事例についての検討や、特異な例外事例の存在など緻密な検討が必要だと考えました」と釈明し、そのうえで「私の発言は、例外事例としても不適切であり、おわびして撤回いたします。誠に申し訳ありませんでした」と陳謝した。■枝野氏、蓮舫氏らはダンマリ……そんななか本多氏の処分についても、波紋が広がっている。各紙によると、ワーキングチームの座長・寺田学衆議院議員(44)は7日、記者団に向けて「発言したとみられる議員本人から『そのようなことを言ったという正確な記憶はない。ただ、もし発言していたとしたら、伝えたかった真意ではなく、撤回したい』と説明があった」とコメント。撤回の申し出を理由に、冒頭の本多氏の問題発言は記録から削除したという。また同党の福山哲郎幹事長(59)は7日午後、記者団に向けて「議論の中での話であり、本人が『その言葉については言い過ぎで撤回する』と言っているので、それで良いのではないか」と“擁護”し、氏名を公表しない意向を示していた。問題発言をした張本人が本多氏だということが公になると、福山氏は本多氏に「口頭で厳重注意した」と発表するにとどまるのみだった。「本多氏が自ら名乗り出るまで、寺田氏も『誰が話をしたかは福山幹事長含め、判断をいただくことだと思う』と記者からの質問をはぐらかしていました。また同党代表の枝野幸男氏(57)や蓮舫氏(53)、辻元清美氏(61)もこの件について触れていません。なかでも蓮舫氏といえば、菅義偉首相(72)や与党議員の発言についてTwitterで舌鋒鋭く批判することで知られています。例えば19年5月に自民党の桜田義孝議員(71)が『子どもを最低3人くらい産むように』と発言した際も、《論外》や《だめだ。朝から嫌な気持ちがおさまらない》などと連投ツイートするほどでした。今回の“ダンマリ”は、身内贔屓のようにも受け取られかねません」(全国紙記者)問題発言をした議員名を非公表にしようとし、口頭での厳重注意だけで済ませるなど、幹部の“大甘処分”に疑問の声が上がっている。《立憲民主党は身内に甘すぎないか?》《身内の議員の失言だと厳重注意で済む程度の甘さなんですか、政府与党が失言する時は平気で議員やめろコールなのに》《他党に厳しい蓮舫さん、今回のは自党でも厳しく追及された方がいいかと。発言取り消すで終わる問題ではないですのね?あなたがいつも言っていたセリフを思い出してください》
2021年06月08日菅義偉首相(72)が6月4日、東京オリンピック・パラリンピックを開催する目的などについてコメントした。しかし、その内容に厳しい声が相次いでいる。先月28日の記者会見で質問できなかった報道機関が寄せた質問に文書で回答した菅首相。時事通信によると、改めて“オリンピックの目的”を尋ねた質問に対して、菅首相は書面で「世界最大の平和の祭典であり、国際的な相互理解や友好関係を増進させるものだ」と回答。さらにこう続けた。「安全、安心な大会を実現することにより、希望と勇気を世界中にお届けできるものと考えている」菅首相は「国民の命と健康を守っていくのが開催の前提」ともつづったという。しかしその前日、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(71)は国会で『パンデミックのなか、オリンピックを開催することは普通ではない』と指摘している。「尾身会長は『開催するなら、主催者であるIOCや政府には強い覚悟が必要だ』と釘を刺しています。つまり、感染症の専門家が“安全な大会の実現”を疑問視したわけです。開催ありきで話が進む“平和の祭典”。大きなリスクを背負って届けられる、希望や勇気とは一体どんなものでしょうか」(全国紙記者)ネットでは、菅首相の発言に失笑する声が上がっている。《ここでいう「勇気」とは何なのか?パンデミックの最中に国民の命を賭けて五輪を開くことが「勇気」なんかじゃ絶対ない》《力のない勇気は無謀である。現実を見ない希望は絶望である》《希望と勇気はアンパンマンで十分伝わってる》《希望と勇気かー 菅さん現実みよ。うん》
2021年06月06日戦後日本美術を代表するアーティスト・菅木志雄の新作展「集められた〈中間〉」が6月5日(土)、小山登美夫ギャラリーで開催される。菅は60年代末~70年代にかけて起きた芸術運動「もの派」の主要メンバーとして活動。「もの派」の、それまで作品の素材でしかなかった「もの」自体や「もの」を知覚する人間へ目を向けた動向は、海外でも近年、国際的な評価が高まった。50年以上にもわたり第一線で活躍し、鋭敏な感覚で制作し続けるその情熱は衰えることがない。またインドの中観哲学における「空の思想」と京都学派の論考、日本の作庭などに共鳴した制作における独自の思考を深化させ、今も現代アートにおける独自の地平を切り開いている。展覧会としては1968年の初個展以来、国内外で約400以上のものに参加。今年12月には出身である岩手県立美術館において、大規模な回顧展「開館20周年記念 菅木志雄展 〈もの〉の存在と〈場〉の永遠」を開催予定。50年以上に渡る菅の制作活動を約100点もの作品が展示される。そのほか国際的な活躍は枚挙に暇がない。その作品はニューヨーク近代美術館、ポンピドゥ・センター、テート・モダン、東京国立近代美術館、東京都現代美術館をはじめとした国内外47もの美術館・アートコレクションに収蔵されている。本展では「ものは無常で流動的なものであり、作品はそのプロセスである」ということを焦点に作品を展開。さらにギャラリースペース奥の部屋全体を使ったインスタレーションと、壁面の立体作品の新作を発表する。新作である『景素』と『場空』は端に置かれた数個の枝の断片と断片、その間を小さな石や木片が自由に軌跡を表しながら連なり、並べられている。その連続性がまるでものが意思を持って動いた結果であるかのようにそれぞれ異なる様相を表し、無限のリズムやエネルギーが作品の枠を超えてどこまでも続いていくかの様だ。また新作インスタレーション作品『集空果』は、石とロープという限りなくシンプルな「もの」が部屋全体に縦横無尽に放たれ、果てしない連続性と空間性が、観るものの意識を活性化してくれるだろう。フィジカルに人と接することや移動を制限された現在、菅作品を鑑賞することで、私たちはデジタル環境に慣れた感覚を開放し、ものは、人は、思考は、世界は常に変化し、繋がりながらも混じり合うことがない可能性を改めて感じられるはずだ。<ステイトメント>「集められた〈中間〉」菅木志雄モノは、だいたいにおいて、ヒトに無関係な時間を在りつづけている。それはヒトには簡単に理解できないような集積である。たとえ時間をかけたとしても〈在ることのプロセス〉を感知することはむずかしいと思われる。時間の長さも、その在り方もである。わからないながら、ヒトは、アートの名目で、無造作にモノを扱おうとする。それは、ヒトが創造するには、それを表わすためのモノが必要だと思っているからである。注意しなければならないのは、モノは根源的にアートに使用されるためにあるのではないということである。<存在するものである>という意味では、モノも作品も同じかもしれないが、多くの場合モノの始原的な存在性というものは、だいたいにおいて制作の過程で失われてしまう。それは、本来モノが保有しているべき原質のようなものがなくなるということである。そうなれば、本質的にモノはモノでなくなり、カタチはあれど本来あるべき存在性は失われる。作品(モノ)はつねに途中のモノによって、できているのである。■展示情報菅木志雄展「集められた〈中間〉」6月5日(土)~7月10日(土)11:00-19:00(日・月・祝休)会場:小山登美夫ギャラリー入場無料※本展は、小山登美夫ギャラリー、スパイラルガーデンでの同時開催。※オープニングレセプションはなし。
2021年06月03日菅義偉首相(72)が5月28日、新型コロナ感染拡大にちなんで新たな支援金を給付すると発表した。7月以降、3カ月間で最大30万円を給付するというが、受け取るための条件を疑問視する声が上がっている。政府は現在、コロナ禍で収入が減った世帯に対して無利子の特例貸し付けを行っている。その上限額は、緊急小口資金と総合支援資金を合わせて計200万円。いっぽう「上限に達した人はどうすれば?」との声もあった。朝日新聞によるとそこで菅首相は「特例貸し付けの上限額に達するなどして借りられなくなった」ことを条件に、追加の措置を決定。しかし、下記の条件などもすべて満たす必要があるという。・月収が基準額(東京都23区内では単身世帯で13万8千円、2人世帯で19万4千円、3人世帯で24万1千円)以下・預貯金額がこの基準額の6倍以下かつ100万円以下・ハローワークで求職中同紙は「対象となる世帯は20万強で、約500億円の給付を見込んでいる」とつづっているがーー。ネットでは「条件が細かすぎる」と不満の声が続出している。《どんなショボい国だ。貸付を基本とし、その上で困窮している人って対象者が限定的すぎる》《困窮する世帯がすべてもらえるわけではない。特例貸し付けを利用してこなかった場合、困窮していても今回の支援金はもらえない》《こんな条件特盛りで給付する気ゼロだろ》《…誰が受け取れるんだい》また借り入れの上限額を達していないと給付されないため、《給付金貰いたいなら、まず上限まで借金しろ!と言うのは無利子でも、ちょっとかわいそう…》《限界まで借金させてからなんですね》《闇金やな》といった声も。1人でも多くの人の窮地が救われればいいがーー。はたして。
2021年05月30日政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(71)は5月7日夜に行われた菅義偉首相(72)の記者会見で「驚くことに」と前置きしつつ、軽度の体調不良の人の7~10%が仕事や勉強で外に出ていることを指摘した。尾身氏が発言の根拠とするのが、長崎県が提供している健康管理アプリ「N-CHAT(エヌチャット)」の利用状況だ。長崎県は昨年8月から企業や学校、病院、介護福祉施設などに無償でN-CHATの提供を開始。従業員がスマホから、体温に加え、「咳が出る」「呼吸がしにくい」「鼻水が出る」「喉が痛い」など15項目の症状を毎日入力することで、感染者の早期発見とクラスターを未然に防ぐ狙いがある。「驚くことに、倦怠感、ちょっと体の、病院に行くほどではない、ちょっと具合が悪いというような体の不調ですよね。訴えている多くの人が、実はその調査によると、軽い症状がある人の7%から10%の人が、実は仕事あるいは勉強で外に出ているということが分かってきました」実際に、医療の最前線で「尾身氏の指摘通りのことが起きている」と警鐘を鳴らすのは、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に派遣された医師の一人で、感染症が専門の「のぞみクリニック」筋野恵介院長だ。「実際の臨床現場では、働いてる世代の受診の遅れが目立ちます。去年は、熱が出たり体調が悪ければ、その日のうちに受診するケースが多かったですが、今年に入ってから、4~7日経ってから受診される患者が増えています。『風邪だと思って仕事をしていた』というケースがほとんどです」自身のクリニックでPCR検査も行っている筋野院長のもとを訪れた人の中には、実際に次のようなケースがあったという。【 ケース(1)】30代後半の男性の場合「微熱があり、かかりつけの病院をすでに受診していて『コロナの疑いがある』ということでPCR検査を勧められていたそうです。しかし、その病院ではPCR検査を行っていなかったため、その日と翌日は普通に出勤して仕事をして、翌日の仕事後に当院に検査に来ました。結果は陽性でした」(筋野院長)【 ケース(2)】40代の男性の場合「症状が咳だけなのでずっと普通に仕事に行っていたそうです。しかし、1週間経っても咳が治まらず、『ちょっとおかしい』と思って当院を受診されました。検査の結果、陽性となり自宅療養をなりましたが、発症から時間が経ち過ぎていたので、隔離期間はたったの3日で終わりました」(筋野院長)【 ケース(3)】30代の男性の場合「仕事で隣県に行っていて、37度台前半の熱がありましたが、2日間は現場で作業をしていたそうです。3日目に、周囲にそのことを伝えたところ病院に行くように促され、都内に戻り当院を受診。土曜日に陽性が判明したので、検査ができる月曜日まで現場の作業員は全員が隣県のホテルに隔離されたそうです」(筋野院長)こうしたケースはあくまでも”氷山の一角”だという。■受診遅れの人たちにあった共通点とは「受診の遅れで1番多いのは、37度前半の微熱があるケースです。また、熱の症状で来院する人の9割が2~3日以上経ってから来ます。当日に来る人はほとんどいません。しかもその間、自宅で様子を見てからということではなく、“周囲に黙って”普通に日常生活を送っている人がほとんどです。尾身会長が言う『7~10%』というのは長崎県のデータなので、都内では実際にはもっと多いと思います」(筋野院長)さらに、その人たちには「共通した点がある」と筋野院長は指摘する。「皆さん決まって言うのが、『味覚・嗅覚障害がないから大丈夫だと思った』ということです。普通の風邪との違いとして大きくメディアで取り上げられたのが味覚・嗅覚障害なので、『新型コロナ=味覚・嗅覚障害』というイメージが強くなり過ぎて、無症状や単なる風邪の症状はあまり意識されていない印象です。また、『周囲に感染者がいなかったから』という人も多いです。濃厚接触者ではなくても感染リスクは当然あります」また、ニュースでは、深夜まで路上で騒ぐ若者などの映像が流され、若者が悪者にされがちだが、実際には「30代後半~40代が多い」という。「『相手先があって行く』といったケースも多く、急なキャンセルなどが許されにくい、仕事に責任のある立場は理解できます。しかし、今は微熱などでも新型コロナに感染している可能性があるという前提で、会社側が『仕方がないこと』として、体調が少しでも悪けば会社に来ないよう徹底し、急なキャンセルにも会社が対応できるようにしておくことが大事です」(筋野院長)30代、40代は普段病院に行く機会も少ないため、かかりつけ医がいない人も多く、急な場合の対応が遅れるといった背景もあるそうだ。「少しでも疑わしい症状があれば、その日のうちにPCR検査ができるところを受診し、結果が出るまでは自宅で待機してください。症状が出始める前後が一番感染力が強いので、何日も経ってから受診するということは、散々ウイルスをバラ撒き散らした後ということです。『風邪だろう』という思い込みは感染を広げる恐れがあるので危険です」(筋野院長)そして、変異株が従来型から置き換わってきた今こそ、さらなる注意が必要だという。「最近、こうした仕事の現役世代で陽性になった人の8割以上が、サージカルマスク(不織布マスク)ではなく、布やウレタンマスク等を使用されていました。変異株は感染力が強いので、これまでは布やウレタンでも防げたものが、防げなくなってきている可能性もあります。仕事に行って人と接する機会がある場合などは、サージカルマスクを使った方がいいと思います」(筋野院長)1年前、新型コロナが全くの未知のウイルスであった頃に比べ、すっかり慣れてしまった今こそ、襟を正してワクチンが行き渡るまで乗り切りたい。
2021年05月26日「その問題の支出については、私は関与していない」17日の記者会見でこう強弁したのは自民党の二階俊博幹事長(82)。その問題とは、19年参院選の広島選挙区での河井案里氏(47)陣営に自民党本部が提供した1億5千万円の選挙資金のことだ。この問題により2月、河井氏は公職選挙法違反で有罪判決を受けている。強気な発言で自民党を支えてきた二階幹事長だが、窮地に追い込まれている。報道各社が実施した世論調査によると、5カ月連続で菅義偉内閣の不支持率が支持率を上回る形に。時事通信が5月7~10日に実施した調査では、支持率は32.2%と、内閣発足後最低の数字を記録したという。「支持率急落の最大の要因は間違いなく新型コロナウイルス対策でしょう。ワクチン接種が遅々として進まず、感染者も増え続けるなか、菅内閣は“東京オリンピックだけは絶対にやる”という意思を変える素振りがない。国民の命より五輪を優先するような姿勢の菅政権に自民党支持者でさえも離れつつあるそうです」(全国紙政治部記者)この状況にはさすがの二階幹事長も危機感を露わに。17日の会見で、「持って行き場のない怒りだ。政府や与党にそういうご意見が集まってくることはやむを得ない」と身内への怒りをにじませた。しかし、果たして二階幹事長の怒りは“持って行き場のない”ものなのだろうか。自民党を牽引する最前線でいながら、二階幹事長は数々の失言で注目を集めてきた。今年1月19日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)で、アナウンサーから新型コロナ対策の不備を指摘されると、二階幹事長は「いちいちそんなケチをつけるものじゃないですよ。与党になっていればいい時ばかりじゃない。いかなる時も与党は与党としての責務を果たさなければいけない。それが与党の責任」と逆ギレ。また2月に東京オリンピック組織委員会・森喜朗会長(当時)の“女性蔑視発言”によって、ボランティア辞退者が続出するなか、二階幹事長は「そんなことですぐ辞めると瞬間には言っても、協力して(大会を)仕上げましょうとなるのでは」と発言していた。再三にわたって、国民の感情を逆なでし続けてきた二階幹事長。支持率急落への“怒り”表明に同情する声は少なく、呆れる声が相次いだ。《自業自得も分からないとは……。定年を大幅に超えてらっしゃるのですから、引退なさっては?》《諸悪の根源の自覚が無い》《その怒りは自分自身と自党に持っていってください。文字通り殺される勢いであんたらの苛政に税金ぶんどられてる私らは怒りどころやありません》
2021年05月18日菅義偉首相(72)が5月13日、高齢者のワクチン接種について会見で言及。そこで“7月末までの完了は不可能”と回答した自治体が複数あったことについて「ショックだった」と発言した。ネットでは厳しい声が相次いでいる。菅首相は先月23日、高齢者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種を7月末までに終わらせるとの目標を掲げた。ところが政府が調査したところ、全国で14%以上もの自治体が“7月末までに終わらない”と回答した。そこで『毎日新聞』によると菅首相は「報告を受けてショックだった」と苦笑。そして「7月いっぱいで終えることができるよう、ぜひ協力してほしい」と述べたという。「ショックだった」とあたかも“青天の霹靂”のように話すが、かねてからこの目標は疑問視されていた。『NHK NEWS WEB』によると先月26日に野党が開いた会合で、“7月終了”という目標について甲府市の担当者は「国から事前に連絡はなく報道で知り驚いている」とコメント。そして“7月末までに高齢者向けの接種を終えるのは困難”との見通しを示したという。「当時、野党が『菅首相は自治体の実態を踏まえないまま根拠なく“7月末”と言ったのでは』と政府の担当者に問いただしました。しかし、政府側は『自治体から課題を聞いて、必要な支援を行っていく』と述べるに留めました」(全国紙記者)■「他人事」「無責任」「間抜け」と非難轟々さらに菅首相は今月7日、“高齢者への接種を7月中に終わらせるためにワクチンを1日100万回打つ”などと会見で豪語した。「しかし、“1日100万回接種”という目標について菅首相は『インフルエンザ接種が1日60万回ほど。今回はそれよりはるかに広い体制をとっている』と答えるのみ。具体策について語らなかっただけでなく、今月10日には加藤勝信官房長官(65)が『100万という数字は7月末という期限から逆算して弾き出した』と説明。ネットでは『机上の空論だ』と揶揄されていました」(前出・全国紙記者)「報告を受けてショックだった」と話した菅首相だがーー。Twitterでは非難する声がこう上がっている。《早く接種して欲しかったのなら、もっと早くに指針や配送時期を明確にすべきだった。国の準備は終わったから後はよろしく、国が決めた締め切りは守ってね、なんて無責任すぎるのでは?》《どこまでも他人事ですね》《国のトップがこういう無責任な発言をしている訳だから、五輪についても安心安全と言われても信用できない》《危機に直面した一国の首相のコメントとして、これほどまでに間抜けなものがあるでしょうか?》
2021年05月14日「全ての国民がコロナ禍に我慢を強いられながらも協力し、一年以上、踏ん張ってきた。一方、政府は五輪だけは別物で、開催するための手だてを探している。そのダブルスタンダードにやるせなさや不平等を感じるのは当たり前だと思う」五輪開催を強弁する政府の姿勢にこう疑義を唱えたのは日本オリンピック委員会(JOC)理事の山口香氏(56)。これは5月12日公開の『中日新聞Web』のインタビューで、山口氏が答えたものだ。12日の福岡県内の新規感染者数が過去最多となる635人を記録するなど、終息どころか拡大を続けるコロナ禍。緊迫する状況を受け、『読売新聞』が7~9日の期間に実施した全国世論調査では、五輪中止派は59%と過半数超えを記録した。3月に出演した報道番組で「『どうしてもダメな時は中止もありえる』と言うべき」と語るなど、かねて疑問符を唱え続けてきたのが山口氏だ。冒頭に続けて、山口氏はこう語った。「数万人の関係者が集う五輪に医療スタッフは必須で、医師や看護師の協力をお願いせざるを得ない。五輪によって医療に影響が出るかもしれない状況でも開催する意義や価値を、政府やIOCは説明していない。私自身は説明できない」JOC理事という立場でありながら、“身内”への批判を臆せず行った山口氏には称賛の声があがった。《山口香さんの明快な理論。すごく常識的なのに、新鮮に感じる。》《山口香さん、全くもって正しいことしか言ってない》《JOC理事の山口香さん、内からの忠言よく仰られた。思ってることを言ってくださった》いっぽう開催判断の最前線である政府は“精神論”を連発している。菅義偉首相(72)は「コロナに打ち勝った証の五輪」と繰り返し、丸川珠代五輪相(50)は11日に「五輪で絆を取り戻す」(丸川珠代五輪相)と発言していた。“机上の空論”で五輪開催が実現するのか、不安は募るばかりだーー。
2021年05月13日「新型コロナへの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっています。〈中略〉そのことを憲法にどのように位置付けるかは極めて重く大切な課題です」5月3日に行われた改憲派の民間団体の集会にそんなメッセージを送ったのは、菅義偉首相(72)だ。いま、自由民主党などによる改憲への動きが加速している。6日、衆議院憲法審査会で、改憲の手続きを定める国民投票法改正案が、与野党の賛成多数で可決された。同法は今国会で成立する見込みだ。■コロナ禍で 「緊急事態条項」が改憲の旗印に全国紙政治部記者はこう語る。「これまでは、“9条を改正して自衛隊の存在を明記してあげよう”というのが、安倍前首相をはじめ、改憲派の旗印でした。しかし、コロナ禍になってからは『緊急事態条項』の創設が前面に押し出されるようになりました」緊急事態条項とは、戦乱や大規模な災害時などの緊急事態に、政府の権限を大幅に強めたり、国会議員の任期を延長したりすることを可能にするもの。現在、東京都や大阪府に出ている「緊急事態宣言」とはまったく異なるものだ。自民党が2012年に発表した「日本国憲法改正草案」や、2018年に発表した「改憲四項目」にも盛り込まれている。「日本はコロナで危機的な状況ですが、要は政府の権限が弱いから、コロナ対応がうまくいっていない、だから憲法に緊急事態条項を入れる必要があるというロジックです」(同前)いっこうにコロナ終息が見えない状況で、こうした主張は一定の説得力を持つのだろうか。改憲に賛成する声は急激に増えている。3日に発表された読売新聞の世論調査では憲法を「改正する方がよい」が56%と、1年前の調査より7ポイント上がった。だが、本当に緊急事態条項がないとコロナ対応はできないのか。憲法学者で東京都立大学教授の木村草太さんに聞いた。■「怠慢や失策を棚に上げ、憲法に責任転嫁」「1990年以降だけで104カ国が新たに憲法を作られた。すべてに緊急事態条項が入っている」5月3日の改憲派民間団体の集会に参加した自民党の下村博文政調会長(66)はこう主張した。改憲派はしばしば緊急事態条項は世界の常識と言うが……。「『緊急』や、それに相当する言葉が入った憲法の条文を持つ国はありますが、内容は多種多様で各国に共通する『緊急事態条項』というものは存在しません。ですので『外国にはある緊急事態条項が、日本にはない』という前提が誤っています」(木村さん、以下同)下村氏の発言をバッサリ切り捨てたうえでこう語る。「例えば、アメリカ憲法では、大統領は原則として議会を招集する権限を持ちませんが、緊急時には議会を招集できるとしています。一方、日本国憲法は元々、内閣の国会召集権を認めていますので、緊急時に首相は国会を召集し、法案を提出して国会の議決を取ることができる。緊急事態に対応できる権限は、現行憲法でも、すでにある程度与えられているんです」そもそも、政府は自らに与えられた権限を適切に行使してこなかった。東京五輪の実施にこだわって感染拡大下でも入国制限をなかなか行わなかったし、検査体制の拡充やワクチン確保も後手後手になっている。防疫のための法律の整備も遅々として進まなかった。「政府が真剣にコロナ対応と向き合っていれば、より大胆で踏み込んだ対策や立法ができたはずです。それなのに安倍政権も菅政権も、延長を求める声を無視して国会を閉会したり、臨時国会もなかなか開かなかった。特措法がようやく改正されたのは今年2月です。その怠慢や失策を棚に上げ、『憲法改正』を持ち出せば国民をごまかせると思うこと自体、極めて不真面目な態度と言わざるを得ない」■「緊急事態条項ないとできないことは?」に絶句した菅首相「現行の憲法でも、科学的、法律的根拠があれば、より強い施策は可能です。現在の対策が足りないなら、その責任はそれで十分であると考えた政府と国会にある。コロナ対策の不備・不満を『憲法のせい』にするのは誤りです」木村さんはそう断言する。5月7日の記者会見で、産経新聞の記者に「(憲法に)緊急事態条項がなければとれないような対策は具体的に何か」と問われた菅首相。絞り出すようにこう答えた。「えー、政府として……たとえば……その、ワクチンの治験についても非常に……国内治験というものも求められてます。どうしても、3、4カ月くらいかかってしまいますので、なかなか接種も遅れてしまう」もちろん、ワクチンの治験と憲法はなんら関係ない。現に菅首相は10日の衆院予算委員会で「ワクチン承認制度の見直しを検討する必要がある」と、現行憲法下の“法改正”によって、緊急時に治験を簡略化できる措置をとれるようにすることを示唆した。「憲法に緊急事態条項がないからコロナ対策はできない」怠慢や失策をごまかすためのそんな言い訳に騙されてはいけない。「女性自身」2021年5月25日号 掲載
2021年05月11日日本での流行から1年以上が経過した2021年5月現在も、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の勢いはとどまることを知りません。同月7日、菅義偉総理大臣は東京都、京都府、大阪府、兵庫県の4都府県で発令されていた緊急事態宣言を、同月31日まで延長することを発表。また、愛知県と福岡県を対象地域に加えることを明かしました。大型施設への休業要請は一部緩和されたものの、厳しい状況であることに違いはありません。中でも飲食店は、経営が困難になる店が増え続けることでしょう。松本人志、政府のコロナ対策にズバリ同月9日に放送された情報番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、緊急事態宣言の延長について特集。舞台で活動している俳優は口々に「仕事がいつなくなるか分からない状況で、不安な日々が続いている」と思いを明かしました。緊急事態宣言の延長について、お笑いコンビ『ダウンタウン』の松本人志さんは、「予想通りっていっちゃ予想通りですけど」と前置きをした上でこのように意見を述べました。まあでも僕、なんかこう「専門家の意見を~」とか「専門家の会議が~」とかずっとやってらっしゃるけど、もうこの1年以上やってきて、もう僕今となっては専門家は国民じゃないかなと思うんですよ。国民の人たちからもっといろいろな意見聞いたほうが、よっぽどためになるんじゃないのかなーって。それこそ、学校行けてない学生さんとか。子育てしてるお母さんとか。満員電車に今でも乗ってるサラリーマンの人とか。もちろん飲食(店)の人たちもそう。「そんな人たちの話をなぜ聞かないのだろうか」って、これが本当に不思議でしょうがないです。ワイドナショーーより引用「コロナ禍のニュー・ノーマルな生活下で、必死に暮らしている国民の意見を聞いたほうがいいのではないか」と持論を展開した松本さん。続いて、「みんな東京五輪があることにモヤモヤしてるんですよ。これだけ国民が不安になっているなら、ちゃんと説明をしてほしい」といい、多くの人が抱いているであろう不満を代弁しました。番組を見ていた人からは、松本さんの意見に共感の声が上がっています。・確かに、実際に苦しい思いをしている国民の意見を聞いたほうが参考になりそう。・電車の減便政策もそう。普段から満員電車で通勤しない人には分からないよね。・東京五輪への意見に同意。せめて、国民が納得いく説明をしてほしい。東京都が減便の要請をした際は、電車が減ったことによって都市部の駅で人だかりができる状況に。ネットでは「逆効果ではないか」「電車を減らしても、外出せざるを得ない人はたくさんいる」といった批判が多数上がりました。こういった事態を繰り返さないためにも、実際にコロナ禍の一般社会で暮らしている人たちの意見を耳に入れてほしいものです。[文・構成/grape編集部]
2021年05月09日「菅義偉首相や東京都の小池百合子知事を含め、オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」「日本だけではなく、世界が夢や希望が持てる、そういう大会にしていきたい」5月3日放送の『BSフジLIVE プライムニュース』で、こう発言したのは安倍晋三前首相(66)。番組冒頭では第2次安倍政権を振り返って、「自分がやりたいことをどんどん展開していくことではなくて、国民が何をまず望んでいるのかを考えながら戦略的に優先順位を決めた」と“強み”を自ら分析していた。残すところ80日と迫ってきた東京五輪。13年9月のIOC総会で演説をするなど、安倍前首相は積極的に五輪招致に携わってきた。招致に成功するも、昨年3月に安倍氏がIOCのバッハ会長と合意したことで五輪は1年延期。各紙によると、安倍氏が電話会談で1年延期の提案を伝え、「遅くても21年の夏までに」と強調したという。昨年11月には五輪の普及や発展に貢献したとして、IOCから功労章「オリンピック・オーダー」が贈られた安倍氏。その際に、「東京大会はどんなに打ちひしがれても何度でもまた立ち上がる、人間の気高さをたたえる大会になる」とコメントしていた。しかし、その約2カ月後の今年1月には、2度目となる緊急事態宣言が発出される事態に。さらに現在は3度目となる宣言が発出され、複数の変異株による感染拡大や医療逼迫が深刻化している。国内では「五輪は延期・中止すべき」といった声が広がっており、海外からも警鐘が鳴らされている。イギリスのタイムズ紙は3月に、「中止する時が来た」「開催は世界へのリスクだ」と主張。アメリカのサンフランシスコ・クロニクル紙も5月3日に、「五輪は開催されるべきではない」と訴えている。■思い返される「布マスク2枚」や「うちで踊ろう」このような状況で国民が“オールジャパン”になれるほど、首相時代の安倍氏はコロナ対策を実施してきただろうか。「安倍氏は大規模イベントの自粛を真っ先に要請しながらも、水際対策の強化には慎重でした。昨年4月に中国の習近平国家主席の国賓来日を控えていたことから、入国制限の判断を躊躇していたといいます。実際に習氏の来日延期が発表された直後に、ようやく方策を打ち出しました。また安倍氏は“肝煎り政策”として、全戸向けで260億円、介護施設などに向けたもので247億円もの税金を使った布マスクを配布。不織布マスクに比べてフィルター効果が薄いと指摘され、さらには検品のため配布が遅延するなど混乱を招きました。他にも、星野源さん(40)の『うちで踊ろう』の動画に合わせてくつろぐ姿を公開。補償もなく自粛を求められる国民から非難が殺到し、逆効果の結果となりました」(全国紙記者)昨年4月、国会で五輪開催を「人類がコロナに打ち勝った証」と熱弁していた安倍氏。収束しないまま退陣したにも関わらず、意欲を示す姿勢に批判が殺到している。《すげえな。これだけ感染が拡大してるのに、一時の当事者だったこいつがこの発言。レベル高すぎて絶句やわ》《よくもまぁ、他人事みたいにおっしゃいますなぁ》《日本だけでなく世界が失望し、多くの国民が開催に反対する中でオールジャパンなど不可能。根性論で「何とか開催できる」状況ではない》
2021年05月04日47年に日本国憲法が施行されてから今年で74年。施行を記念して制定された5月3日の憲法記念日当日に、改憲を党是とする自民党議員による発言が相次いで物議を醸している。同党の下村博文政調会長(66)は3日、改憲派の集会に出席。各報道によると、同党の改憲案に明記されている緊急事態条項創設の実現を改めて訴えた下村氏。コロナ禍を受け、感染症拡大を緊急事態条項の中に含めるべきだと主張したうえで「今回のコロナを、ピンチをチャンスとして捉えるべきだ」と語ったという。また、同集会には菅義偉首相(72)もビデオメッセージを送る形で参加。「現行憲法も制定から70年余り経過し、時代にそぐわない部分、不足している部分は改正していくべきではないか」と述べた上で、緊急事態条項創設について「極めて重く大切な課題」と語っていた。同党の憲法改正推進本部HPで公開されている改憲草案によると、緊急事態の宣言(98条)には、外部からの武力攻撃や大規模な自然災害といった事態において、必要と認められれば内閣総理大臣が発令できるとされている。そして緊急事態宣言発令中の国民の権利については次のように書かれている。《緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言 に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。》(自民党改憲草案・第99条より)この改憲草案には、これまで護憲派を中心に、「発動要件が曖昧にも関わらず効果が強大すぎる」「基本的人権が保障から尊重に引き下げられている」といった批判が相次いでいる。さらに憲法改正を大きく左右する国民投票法の改正が目下、進行している。各報道によると、改正案は今月6日に衆院憲法審査会で採決し、11日に衆院を通過する見通しだという。この改正案についても、投票の公平性を確保する広告の制限などについて議論が不十分だと疑問視する声は未だやまない。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、抜本的な打開策も見つからないなか、改憲に前向きな姿勢を見せる下村氏や同党の姿勢に批判の声が殺到している。《オリンピックや万博すら止めない連中が言う私権の制限だの改憲だの、ロクなものじゃないに決まっている》《火事場泥棒のチャンス到来!と言っているようにしか聞こえないのですよ。コロナの政治利用以外の何物でもない》『逃げるは恥だが役に立つ』や『MIU404』(ともにTBS系)で知られる脚本家の野木亜紀子氏もTwitterで次のように綴っている。《連休明けに憲法改正のための国民投票法改正案を通そうとしているようだけど、広告規制と最低投票率の問題はどうなったんだろ。そもそも、いまそんなことしてる場合なのだろうか。コロナ禍にかこつけて進めると、火事場泥棒かのように見えてしまいますね》
2021年05月04日東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が、日本スポーツ協会公認スポーツドクターを200人程募集していると報じられた。各紙によると大会開催期間中に競技会場などで熱中症や新型コロナ感染の疑いがある人、体調不良を訴えた観客などの対応に従事してもらうという。応募締め切りは今月14日までとのこと。公認スポーツドクターとは医師免許取得後4年が経過し、必要な講習を受講して得られる資格。いっぽうで五輪大会への従事はボランティアとなり、交通費などを除いて報酬は支給されないという。五輪の医療従事者をめぐっては、組織委が日本看護協会に医療スタッフとして看護師約500人の確保を要請したことも明らかになったばかり。また看護師への待遇も交通費や食事の提供は規定されているが、肝心の報酬については明記されていないというのだ。菅義偉首相(72)は4月30日に、「看護協会の中で現在、休んでいる方もたくさんいると聞いている。可能だと考えている」と要請を容認していた。「国内ではインド由来の変異株も発見され、パンデミックが深刻化しています。新規陽性者数の高止まりが続いている大阪では、重症病床使用率が99.7%にまで達している状況です。兵庫県ではコロナ対応にあたる看護師が、全国各地から46人派遣されると決まったばかり。医療逼迫が喫緊の課題となっているなか、『五輪を開催すべきでない』という声は高まっています」(全国紙記者)NHKによると立憲民主党は、「五輪開催に必要な医療従事者の確保よりも感染者の治療とワクチンの接種に充てることを優先すべき」と大型連休明けに提言すると報じられている。五輪開催まで残すところ80日と迫るなか、医療従事者を無償でかき集めようとする組織委に批判が殺到している。《看護師に続いて今度は医師をただ働きさせるとは!どれだけ五輪搾取をやれば気がすむのか》《なんでスポーツドクター資格者が「新型コロナウイルス感染症の疑いがある人への救急対応」を無償でやらなあかんのん?》《このご時世にこれをボランティアで募集とは、どこまで人を見下す政府なのか…》
2021年05月04日菅義偉首相(72)が4月30日、「5連休は不要不急の外出や帰省など控えて」と呼びかけた。しかし、「支離滅裂だ」などと厳しい声が上がっている。菅首相は同日、「東京や大阪では人出が減少し始めているが、感染者数は高止まりが続いている。引き続き酒の提供の停止、人流を抑える対策が必要だ」とコメント。そして「あすから5連休に入る。不要不急の外出、行楽、帰省を控えていただきたい。国民に心からお願いを申し上げたい」と総理大臣官邸で話した。しかし遡ること、昨年4月。当時の安倍晋三首相(66)のもと、政府は「Go To キャンペーン」を決定。特に波紋を呼んだのは、観光業などへの需要を喚起するという名目の「Go To トラベル」。そして1度目の緊急事態宣言が終了した直後に、税金を使ってまで“旅行せよ”と政府は唱えていたのだ。また菅首相も同年12月、「いつの間にかGo Toが悪いことになってきちゃったんですけど、移動では感染しないという提言もいただいていた」とニコニコ生放送で発言していた。しかし、その3日後に突然「Go To キャンペーン」を停止すると発表した。そして現在、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、多くの国民が東京五輪に不信感を募らせている。しかし菅首相は先月30日、東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に“大会の医療スタッフとして看護師約500人の確保を要請したこと”について「休んでいる方もたくさんいると聞いている。可能だと考えている」と発言。7月開催への意欲を示している。「旅行に行け」と言ったかと思えば、「5連休は外出を控えて」と発言。しかし多くの人の行き来が予想される東京五輪については、何としても開催しようとしているーー。そうした軸のブレた菅首相の言動に、ネットではこんな声が上がっている。《菅首相が連休に「行楽や帰省は控えて」だと!よく言うわ!昨年夏休みの始まる前にはGoToトラベルやGoToイートを盛んに宣伝しまくっていたのだ!》《「あすから5連休、不要不急の行楽や帰省を控えて」いや、不要不急の五輪を押し通そうとしている人に言われても…》《不要不急の行楽?ん?五輪のことだよね??》《施策、発言が支離滅裂だ》
2021年05月02日政府は3月、安定的な皇位継承のあり方を検討する有識者会議を招集。女性天皇や女系天皇の是非を含め、皇位継承権の範囲などについて検討を進めている。現在、皇位継承権を持つのは、秋篠宮さま、悠仁さま、上皇陛下の弟の常陸宮さまの3人だけ。次世代の継承者は悠仁さまおひとりしかいない。女性天皇を容認すれば、愛子さまをはじめとする内親王も皇位継承者となる。また、女系天皇も容認すれば、内親王のお子さまも皇位継承権を持つということになり、安定的な皇位継承に近づくといえる。菅義偉首相はこれまで「男系による継承が絶えることなく続いてきた重み」をことあるごとに強調してきた。しかし、その発言に異を唱える研究者がいる。今年1月、『女系天皇 天皇系譜の源流』(朝日新書)を上梓した大東文化大学名誉教授の工藤隆氏だ。その中で工藤氏は「男系と女系がないまぜとなった継承こそが本来のヤマト文化」だと主張しているのだ。いったい、どういうことなのだろうか?その根拠を工藤氏に解説してもらった(以下、「」内は工藤氏)。「去年の8月、河野太郎防衛大臣(当時)がインターネット番組で『安定的な皇位継承に向け、父方が天皇の血を引かない女系天皇も検討すべきだ』と、踏み込んだ発言をしました。女系天皇容認論を時の大臣が公言したということで話題になったのですが、その河野氏ですら『我が国の皇室は、過去ずっと男系で継承されてきており』という前提で話しています。この認識がそもそも正確ではないのです。男系での皇位継承が本格的に採用されたのはあくまでも西暦600年代以降です。当時、隆盛を誇っていた中国大陸の唐を手本に国家体制を整える中で、皇位継承についても唐を模倣して男系に限定されたと考えられます」西暦600年代というと飛鳥時代にあたる。宮内庁のホームページにも掲載されている天皇系図では、初代の神武天皇が即位したのは紀元前660年の縄文時代とされているが、「縄文、弥生など非常に古い時代にも天皇氏族が存在したかのように記述された天皇系譜は、『古事記』(712年)や『日本書紀』(720年)にまとめられているのですが、それらは700年代初頭の権力集団である天皇氏族が整理・編纂したものであり、客観性という点ではかなり疑わしいのです。近年の研究では、そもそも『天皇』という称号が登場したのは600年代末、天武天皇、持統天皇の時代です。『古事記』や『日本書紀』で、初代・神武からすべての『大王(族長)』に『天皇』号を与えてしまったことによって、非常に古い時期から天皇氏族が存在していたかのような錯覚が生じています。王(皇帝)が男系継承でかつ男性でなければならないというのは、もともと中国・漢民族由来の思想です。日本でも、500年代くらいから族長位継承は男系継承優位に傾いてはいたようですが、600年代末から700年代初頭、唐の国家体制を模倣するうちに、天皇につながる古い時代の大王(族長)の系譜も男系でまとめたほうがいいという観念が優位になり始めたのでしょう(男性でなければならないという部分は受け入れませんでしたが)。そして、以後の皇位継承を男系に限定するだけでなく、それ以前の大王の系譜にも、おそらくはいくつかの創作や改変を加え、初代・神武から続く男系の天皇の系譜として『古事記』や『日本書紀』にまとめたのではないかと考えられます。綏靖(すいぜい)天皇(2代)、懿徳(いとく)天皇(4代)の系譜に残された女性始祖の痕跡や、継体天皇(26代)の系譜に見られる女系継承の痕跡などは、男系継承への整理作業から漏れ落ちた事例だと考えられます」■日本には数多くの女性リーダーが存在したそれでは600年代以前、縄文・弥生から古墳時代に至る古い時代の族長位(皇位)継承は、どのようになされていたと考えられるのだろうか?「当時の日本列島には、弥生時代の卑弥呼をはじめとして、数多くの女性リーダー(族長)が存在したらしいことは、『古事記』『日本書紀』『風土記』からわかります。九州から関東まで、何人もの女性族長の存在が伝承されています。また、同じ九州から関東までの地域で、被葬者が女性と推定される古墳が少なくとも18例はあるという考古学者の報告もあります。族長位継承の実態については歴史的資料が乏しいものの、文化人類学的資料を参考にすれば、古い段階では男性の族長と女性の族長の両方が存在していたと考えられます。これも推測ですが、女性族長がいれば、女系継承もありえたでしょう。すなわち、600年代以前の族長位の継承は、男系と女系の両方がないまぜになっていたのではないかと推測されます。『古事記』『日本書紀』の天皇系譜でも、推古天皇(在位592~628年)など、600年代以後にも女性族長(女性天皇)が珍しくありませんでした。やはり、男系と女系がないまぜになって継承されていた古くからの感覚が600年代以後にも生き続けていて、少なくとも女性天皇は可とする考えははっきりと維持されていたのでしょう」701年には日本初の成文法である「大宝律令」が制定されて、その中の「継嗣令(けいしりょう)」には、皇族の世継ぎや婚姻についても規定されていた。「《およそ天皇の兄弟と皇子を、皆親王とせよ》としたうえで、《女帝の子もまた同じ》という注がつけてあるのですが、女帝の子の父についての条件は書かれていません。この条文の解釈には諸説がありますが、私は、女帝の夫が男系の皇族ではない人だったとしても、つまり“女系”の子でも、皇位継承権のある親王になれるという共通認識が当時の権力者にあった可能性があると考えています。その後、『古事記』や『日本書紀』がまとめられた奈良時代(710年~)には、皇位継承は男系重視に強く傾いていったのですが、それが明文化されることはありませんでした。女性天皇はもちろんのこととして、女系天皇も許容される余地がかすかに残されていたのだと思われます」■ヤマト文化本来の姿に戻る時期が来た女性天皇に限っていえば、実際、江戸時代(1603年~)にも、明正(めいしょう)天皇(109代、即位1629年)、後桜町(ごさくらまち)天皇(117代、即位1762年)という2人の女性天皇がいた。「皇位継承の規定を『男系』ばかりか『男子』とまで明文化したのは、明治時代(1868年~)の大日本帝国憲法下で制定された旧皇室典範が初めてなのです」天皇氏族が紀元前から存在し、その系譜が男系継承だけだったとする考え方が国家の法によって支持されたのは、明治時代以後のことである。それを踏まえたうえで、工藤氏は皇位継承問題についてこう提言する。「現行の皇室典範にも規定されている“男系かつ男子継承絶対主義”に固執する限り、皇位継承の危機的状況から抜け出すことはできないでしょう。もともと日本列島のヤマト文化では、族長位(皇位)の継承にも男系と女系が併存していて、おそらく臨機応変に両者が使い分けられていたのだと思われます。男系継承の強化は唐の皇帝制度の、日本古代国家整備の必要性に後押しされた模倣だったのであり、それに男子継承まで加えたのは西欧列強との対抗を意識した明治政府の選択だったのです。21世紀の近代国家日本では、そろそろその模倣の行き過ぎから脱して、ヤマト文化本来の姿に戻る時期が来たのではないでしょうか」
2021年04月30日《IOCはGHQなの?》《進駐軍が上陸してきて、無理やり五輪を開催でもするんでしょうか?》いまツイッター上では菅義偉首相(72)にこんなツッコミが相次いでいる。「東京オリンピックですけれども、これの開催はIOCが権限を持っております。IOCが東京大会を開催することを、既に世界のそれぞれのIOCの中で決めています」4月23日の会見でこう語った菅首相。東京新聞の記者に「国民の命よりも五輪を優先させていないか」と問われてのことだった。“五輪の開催も中止も、権限はIOC(国際オリンピック委員会)にあるので政府は決められない”というお決まりの逃げ口上。すかさず、フリージャーナリストの江川紹子さんが「IOCは日本国民の命や健康に責任を持っていない」と追及したのだが……。「IOCがそれぞれの国のオリンピック委員会と協議した上で(開催を)決定しています。<中略>開催する方向で今、動いています」やはり菅首相は決定権がIOCにあると繰り返すだけで、質問には正面から答えない。江川さんのさらなる質問の声は内閣広報官によって妨害された。ツイッター上では会見を見た人からこんな呆れ声が。《記者の質問「国民の命より五輪が優先されていないか」に対して「五輪の開催はIOCが権限を持っている」はひどい。これじゃ、日本は主権国家たることを放棄してるように見えちゃう》政治学者の山口二郎法政大学教授はこうツイートした。《菅は主権国家の権力者ではない。もしそうならオリンピック開催の権限はIOCにあるなどという責任転嫁をしないはず》■「成功したら菅首相のおかげ、感染拡大はIOCのせい」日本国内で行われ、多額の税金が支出されている東京五輪。新型コロナウイルスの感染拡大を招くリスクがあるイベントであるにもかかわらず、五輪の開催についてはIOCがいっさいの権限を有するために、自らに開催の可否は決める責任はないと日本政府は繰り返し主張してきた。一方で、緊急事態宣言下で多くのイベントが中止や延期を余儀なくされるなかでも、聖火リレーは強行。さらに、選手や大会関係者の入国時の特例措置も決まるなど、東京五輪についての“特別扱い”は続いている。冒頭のように、IOCはまるで日本政府にとって超法規的な上部団体のようだとして、太平洋戦争の敗戦後に日本を占領下に置いていたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)になぞらえる人も多い。実際に、菅首相や政府関係者の発言からは、IOCは当時の日本にとってのGHQのように、決して逆らえない存在であるかのようにも聞こえる。しかし、スポーツライターはこう指摘する。「IOCが軍事力を背景に無理やり五輪を開催でもするのでしょうか?中止や延期の権限がIOCにあるからといって、開催国の意向を無視して五輪はできません。日本側が難しいといえば、その判断は尊重される。菅首相は実質的に中止の決定権を持ちながらも、それを放棄するのは責任逃れというほかありません」日本側が中止を求めた場合、巨額の違約金を求められるという声も出ているが……。「全世界的にコロナが流行する前代未聞の状況下で、本当に(違約金を)求められるのか、求められるとしたらいくらなのかも明らかにされていません。いずれにせよ、お金を取られる“かもしれない”から、国民の健康と生命を危険にさらしても五輪を強行する、というのは常識的な判断ではない。もし、違約金を開催の理由にするなら、その金額を明らかにしたうえで、国民の声を聞くべきです」(前出・スポーツライター)「菅首相は自らが責任を負わない形で五輪が開催されてほしいというのが本音」だと語るのは、与党議員の元秘書だ。「もちろんIOCはGHQではありませんので(笑)、日本が開催は無理といえばそれが通ることは菅首相もわかっています。実際は東京五輪を行って、お祭りムードの余韻のなかで衆議院選挙に突入したいというのが本音でしょう。なんとなく現状を肯定するような雰囲気があれば、与党に票が流れますから。五輪が滞りなく終われば菅首相の功績、仮に感染拡大の要因となれば開催権をもつIOCのせい、ということにしたいのでしょう」国民の生命と健康に関する責任を自ら放棄するのは、主権国家の総理大臣にふさわしくない行いであることだけは間違いない。
2021年04月27日4月23日放送の『NEWS23』(TBS系)で、温室効果ガスについてインタビューに応じた小泉進次郎環境大臣(40)。番組では、「30年度までに温室効果ガスを46%削減する」と高らかに目標を掲げた。しかし、小泉大臣の語った「46%の根拠」が物議を醸している。22日に開かれた地球温暖化対策推進本部の会合で、菅義偉首相(72)は「野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指します」「さらに50%の高みに向けて挑戦を続けてまいります」と表明。冒頭の小泉大臣の発言は、菅首相の表明に即したものとなる。環境省によれば、基準となっている13年度の温室効果ガスの総排出量は14億800万トン(CO2換算)。世界で5番目に多い排出国となっているが、あと9年で約半分に削減する方針のようだ。聞き手の小川彩佳アナウンサー(36)が「46%に設定した根拠」を問うと、小泉大臣は両手で“浮かび上がる”輪郭を描きながらこう語ったのだ。「くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が。シルエットが浮かんできたんです」あまりにも高い数値に経産省からは、「現実的には、どれだけ積み上げても30%台後半が限界だった。それ以上の数字は、環境省と小泉環境相が背負っている」と“苦言”も出ているという。しかし小泉大臣は、「意欲的な目標を設定したことを評価せず、いっぽうで現実的なものを出すと『何かそれって低いね』って(言われる)」と真剣な眼差しでコメント。さらにオリンピックになぞらえて、「『金メダル目指します』と言って、その結果、銅メダルだったとき非難しますかね?」と目標設定の重要性を訴えた。いたって真面目な態度の小泉大臣だったが、あまりにも抽象的な回答に視聴者からは呆れ声が上がった。《思いついただけの数字を掲げるなよw》《政治家というより占い師‥》《もう、何か…。言葉を失いますね。このレベルになると》《小川アナ泣きそうじゃん》また温室効果ガスを削減する方法として、「再生可能エネルギーの活用」を挙げた小泉大臣。「東京の高層ビルに空いている屋根がたくさんある」とし、「太陽光をできる限り置いていきたい」と主張した。しかし太陽光発電を利用して46%を目指すには、かなりの増設と費用がかかるという。にも関わらず小泉大臣は、日経新聞などの取材にも「住宅やビルに(パネルの)設置の義務付けを考えるべきだ」と公言するなど意欲的だ。これまでも“珍回答”が耳目を集めてきた小泉大臣だが、国民の不安は増すいっぽうだ。
2021年04月24日政府は、3度目となる緊急事態宣言発出の方針を固めた。各メディアによると、対象地域は東京都・大阪府・京都府・兵庫県。期間は4月25日から5月11日までとされ、“GW潰し”との波紋が広がっている。各メディアによると、百貨店やショッピングセンターなど広く休業要請が出される見込み。もし休業要請が出されると、昨年4月7日に発出された宣言以来となる。業界に打撃を与えかねないことから、日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会の幹部は加藤勝信官房長官(65)に休業要請をしないよう提言。止むを得ず要請する場合は、休業補償や支援金を出すよう求めたという。そんななかで大阪府の吉村洋文知事(45)は、3月21日に解除された2度目の宣言よりも「強い措置」を要望。休業要請だけでなく、府内で開催されるプロ野球やJリーグなどのスポーツイベントも「延期・中止もしくは無観客」にするよう訴えた。スポーツ界にまで影響が及んでいるが、菅義偉首相(72)は「コロナに打ち勝った証として東京五輪・パラリンピックを開催する」との方針を固持している。各メディアによると21日に開かれたIOC理事会後の会見で、バッハ会長(67)が今回の宣言発出について「東京五輪とは無関係だ」とコメント。さらに組織委の武藤敏郎事務総長(77)も海外メディアから「五輪開催中に宣言が出されていたらどうなるのか?」と問われると、「仮定のご質問への回答は控える」と具体的な回答を避けたというのだ。■GWに短期集中も平日はスルー国内では第4波ともいえる感染再拡大が続いている。大型連休を狙った措置のみで、約3カ月後の五輪までに抑えられるのだろうか。「4月から『まん延防止』を適用しても、感染拡大は抑えられませんでした。大阪では13日の火曜日以降、新規感染者数が1,000人を超え続けています。過去最多となる1242人が報告されたのは、21日の水曜日でした。東京都の小池百合子都知事(68)も『東京に来ないで』などと呼びかける程度で、都心部の平日に対する施策はあいまいです。宣言解除後はどう対応するのか、補償などの面も含めて各業界では懸念が広がっています」(全国紙記者)まさに突発的ともいえる3度目の宣言。ネットでは厳しい声が広がっている。《平日は感染しないから働け、休日は感染するから遊ぶな、働いてるんだから保証はしない はさすがに暴論すぎやしないか 極めつけにGW潰しされたらそら不満爆発しますよw》《GWをまるっと緊急事態宣言にするのねその場しのぎで何の解決にもなってない気がする…》《緊急事態宣言を甘く見るなゆるむなというGWだけど、それでも東京五輪をやるという政府の方がゆるんでいる》
2021年04月22日