ミュージカル『Play a Life』の稽古場取材会が23日に都内で行われ、相葉裕樹、松原凜子、豊原江理佳、上田一豪(作・演出)が登場した。同作は作・演出:上田一豪、作曲:小澤時史によるオリジナル・ミュージカル。映画『いまを生きる』(1989年)をきっかけに恋に落ち結婚した夫婦と、妻の教え子だった教育実習生が「いまを生きる」をテーマに、歌で物語を紡いでいく。東宝演劇部所属の演出家として知られる上田一豪の主宰する劇団TipTapが2015年に初演した後に再演を重ね、2017年にはラジオドラマ化、2021年のコロナ禍では文化庁収益強化事業のモデル作品として8K映像でのライブ配信など様々な形で上演された。2023年2月にはフジテレビ初の本格ミュージカルドラマとして、上田が自ら監督を務め、 映像作品として放送されている。○■ミュージカル『Play a Life』稽古場取材会今回は黒猫チームの相葉、松原、豊原がM1〜3までを稽古。実は稽古2日目ということで、キャスト陣もそわそわした様子。曲が終わるごとに「間違えた〜」等と声が飛び交い、演出の上田が「(前日の稽古も含めて)人生で2回目だから!」と励ましながら進んでいく。教育実習生役の豊原が教室で自己紹介するシーンでは「2年間、あっ違います! 2週間よろしくお願いします!」と豪快な言い間違いのハプニングで、稽古場は笑いに包まれ、和やかな雰囲気を見せていた。夫役の相葉は「本稽古2日目となりました。ミザンスをつけていただいている段階で、かなりハイペースで。とはいえ、稽古期間がそもそも2週間しかないということもあって、ヒリヒリハラハラしている状態ではあります」と苦笑。妻役の松原は「愛される作品をやるにあたって、何名もの方が“妻”を演じられてきたわけですが、私をキャスティングしていただいた意味をしっかり考えて、私にしか出せない味を出したいし、それを今模索しているところです」と意気込む。相葉との夫婦役についても「長年連れそった、落ち着いた雰囲気が出せる重要だと思ってるので、その辺りも短い稽古期間で頑張っていかないと」と語った。「毎日頭がパンクしそうなくらい」という教育実習生役の豊原は、「シンプルだけどすごく難しいし、答えがないからこそみんな考えたり向き合ったりするような作品だなと思って、自分の中の形と、作品への思いを掘り下げていきたいなと思ってるんですけど、今はまだそれどころではない。みなさん覚えるのが早く、自分も揉まれさせていただいて……揉んでいただいて」と独特の表現で、相葉も「からあげみたいですね」とツッコミ。また上田は「2015年に初演されて、小さな40席くらいしかお客様がない劇場からスタートした作品ですが、こうしていろんな人に観ていただいて。素晴らしい出演者の皆さんを観ていただくのが楽しみです。今までたくさんの方が演じてますけど、必ずその人にしかできない作品になる」と太鼓判を押す。再演を重ねているが「全くやったことのない人でやるのが久しぶりなので、すごく新鮮に作り直せるのかな。いつになく新しいチャレンジをやれている感じがするので、また新しいそれぞれの『Play a Life』ができるのかなと思っています」と期待した。最後に相葉は「『Play a Life』という題名に、今を生きるというテーマが入ってるんですけど、改めてとても難しいことだと感じています。悲しみや苦しみを背負ってそれぞれ生きてると思うんですけど、過去に囚われたりする瞬間って誰しもある。この作品を通して、自分自身が人生の主人公だよと、改めて感じてらえるような作品になるんじゃないかなと。大事な方と観ていただいて、作品の話を共有しあったりする時間も尊いものだなと思います」とメッセージ。上田は「限定の特定の方々じゃなくて、たくさんの人の糧になるものが作りたいと思って書かれた作品なので、何かしら生きるかけらみたいなものを皆さんと劇場で共有して、観たあとにちょっとだけあたたかい気持ちになっていただけたら。それぞれが自分の人生を投影できる部分があると思います」と同作について語った。上演は東京・博品館劇場にて2月7日〜12日。白猫チームには佐藤隆紀(LE VELVETS)、平川めぐみ、屋比久知奈が出演する。
2024年01月23日シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る『ながされ・る君へ〜足利尊氏太変記〜』の公開ゲネプロが27日に東京・明治座で行われ、相葉裕樹、内藤大希、石川凌雅、上口耕平、ROLLY、水夏希、池田テツヒロ(脚本)、原田優一(演出)が取材に応じた。同作は2011年より、演劇製作会社る・ひまわりと創業140年を越える老舗大劇場の明治座がタッグを組み「日本の歴史」を面白可笑しくシュールに上演してきた“祭”シリーズの最新作。朝廷が南北に分かれる混迷の時代を描いた軍記『太平記』をモチーフに、朝廷と幕府の覇権争いに巻き込まれ、時代の大きな波や周囲の圧に翻弄され、流され、それでも自分らしく生き抜いた足利尊氏(相葉)の想いを描く壮大なミュージカルとなる。ほか松田岳、前川優希、井澤巧麻、広井雄士、井深克彦、丘山晴己、井澤勇貴、伊藤裕一、加藤啓、大山真志、辻本祐樹が出演する。第二部では、『猿楽の日1338〜近頃都で流行るものフェスティバル〜』と題した、室町時代の音楽番組に、今、都で流行中のアーティストたちが集合。総合司会を鯨井康介が務め、ActSTONES with ROLLY「イミネーッショ・レイン坊」、鹿るGENJI「奈良ダイス銀河★劇場」、新しい都のリーダーズ「キゾクブルー」、THE ZEN「JI-AI」、ミュージカル『ナラジン』が披露された。○■シンる・ひま オリジナ・る ミュージカ・る『ながされ・る君へ〜足利尊氏太変記〜』公開ゲネプロ脚本を務めた池田は「もとになった『太平記』というのは、本当に暗くて長い悲劇なんです。でも、年末にある祭シリーズで、そんな悲劇は見たくないんじゃないかと思いまして。最終的にお客様が笑顔で帰れるような仕掛けを施しております」と明かす。演出の原田は「脚本、音楽、振り付けなどもすべて含めて、今最高の材料をいただいて創作活動ができていると思います。これで面白くないわけがないと思っております」と太鼓判。「私はいつも作品を作る時は『出産のように』と言ってるんですけども、今回もいい子が生まれるんじゃないかなと思っております」と自信を見せた。今回シリーズ初参加となる石川は「本気で『楽しいものを作るぞ』という周りのキャストさんの意気込みが本当にすごくて。ついていけるかドキドキしてたんですけど、今は緊張感も背負って、楽しむぞっていう気でいることができています」と意気込む。上口は原田の演出について「ディレクションの最中、『こういうふうにやってほしいんだ』と再現される時が幾度かあるんですが、面白すぎて思わず稽古場で拍手が起きるんですよ。ここまで体現される方が初めてだったので、また優一さんの演出を受けたいなと本気で思いました」と称え、ROLLYは明治座について「お食事処も大変充実しておりますし、楽屋もとても素敵で、ここに住みたいような気分です。亡霊として」と周囲を笑わせた。相葉の魅力について聞かれた内藤は「この長身と、笑った時の愛嬌のある笑顔と、二部でも(見れる)ばっち(相葉)の持ってる振り切った笑いのセンスというかふざけた姿。真ん中に立つと求心力もあって、ばっちのいろんなところが詰まった舞台です。プライベートでも一緒に行動するんですけど、いろんなばっちを隣で見ることができて、僕自身毎日楽しかったです」と振り返る。水は全体の空気について「すごく和やかで、厳しいところは厳しく丁寧にやってきました。やっぱり座長の雰囲気が伝染するんじゃないかな。やる時はやるし、ふざける時はふざけるし、終始和やかで楽しくできたんじゃないかなと思います」と語った。主演の相葉は「イケテツさんの最高な本、そして優一くんの的確な面白ディレクションを受けて、面白いだけじゃなくてぎゅっと内容の深い詰まった作品、重厚なミュージカルができたんじゃないかなと思ってますので、緩急を楽しんでいただけたら」と見どころ。「一部と二部では全くキャラクターも変わってきますので、個性豊かなキャラクターも楽しんでいただけたらと思ってます」とアピールする。最後に相葉は「年末にふさわしい祭シリーズになっているんじゃないかなと思います。12年ぶりに本公演出演させていただくんですけど、これが始まってしまうと終わっていまうんだと思って、すごく今、寂しい気持ちになってます。本番はあっというまの4日間、そしてカウントダウンを迎えられるということで、最高の2023年の締めくくりになるんじゃないかなと思います」と期待した。公演は東京・明治座にて12月28日〜31日。
2023年12月27日舞台『放浪記』『がめつい奴』、ラジオドラマ『君の名は』で知られる劇作家・菊田一夫が1957年(昭和32年)に創立した「劇団 東宝現代劇」の有志“75人の会”が、コロナ禍での休止を経て4年ぶりに活動を再開することが発表された。「劇団 東宝現代劇」とは、昭和32年の芸術座第1回『暖簾』公演後、次代の現代劇俳優を育てるべく菊田の主唱により公募・試験の上、1期生23名を採用して設立された劇団。第1期生出身者は、丸山博一、井上孝雄、内山恵司、小鹿番、山田芳夫、青木玲子、小林誠、竹内幸子ら。そして、続く多くの劇団員が、東宝製作の演劇やミュージカルに長年にわたり出演してきた。今回の公演では、数ある菊田作品の中から選りすぐりの2作品『夜汽車の人』『毒薬』のリーディングの会を開催する。■演出家、劇団員の言葉世界中で猛威を振るったコロナウィルス、劇場という空間での演劇公演も勿論大打撃を受け、当東宝現代劇の有志による“75人の会”も4年もの自粛期間を余儀なくされておりました。その復活を助けてくださったのは、やはり劇団創始者である菊田一夫先生でした。本年(2023年)が菊田一夫没後満50年を迎え、菊田作品をもう一度世に送り出したく「特別公演」と題し、再出発しようという考えが75人の会で浮上致しました。発足当時75人居りました会員も大分少なくなりましたが、菊田作品の選りすぐりの2作品を、リーディングという形で発表し、長年応援してくださっているお客様、そして菊田作品を知らない世代のお客様にも、ぜひ楽しんで頂ける公演を一致団結して創ろうと、意気込み新たに公演に力を注いでおります。どうぞ本年12月21日、22日、深川江戸資料館小劇場に再びお運びくださいます様、皆様の応援をよろしくお願い申し上げます。丸山博一横澤祐一東宝現代劇75人の会<公演情報>劇団東宝現代劇 75人の会 特別公演“菊田一夫没後50年 ドラマ・リーディングの会”【夜汽車の人】『放浪記』と並び評価される、1971年芸術座初演の傑作戯曲。詩人萩原朔太郎の想い人エレナとの出会いと別れ。そして、詩に向き合おうとする朔太郎のひたむきさ、それを支える妹、恩師、理解を得られない両親との葛藤を通して、詩人朔太郎の半生が描かれている。演出:丸山博一出演:大石剛、下山田ひろの、松村朋子、鈴木雅、古川けい、小林誠、柳谷慶寿、安宅忍、高橋ひとみ、高橋志麻子、劇団東宝現代劇75人の会、劇団東宝現代劇劇団員【毒薬】森光子、浦島千歌子らの出演で1963年に放送されたテレビドラマ脚本。悪運の強いある男にかかわる女性3人を描いた喜劇。素直に家に帰っていれば良かったものを……ある男が、家へ戻らず、愛人の所へも寄らず、会社の宴会等と嘘をつき、他の女の所へ行ったために巻き起こる大騒動。演出:横澤祐一出演:高橋志麻子、高橋ひとみ、下山田ひろの、古川けい、劇団東宝現代劇75人の会、劇団東宝現代劇劇団員■日時12月21日(木) 13:00 / 17:0012月22日(金) 14:00 / 18:15会場:深川江戸資料館小劇場■チケット料金前売:2,800円当日:3,000円11月10日(金) 前売開始
2023年10月21日故ジャニー喜多川元社長が、菊田一夫演劇賞特別賞を取り消されたことが18日、明らかになった。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。2003年4月4日に第28回(2002年度)菊田一夫演劇賞の選考結果を発表し、永年のショービジネスに対する多大な情熱と功績を讃え、故ジャニー喜多川氏に対して菊田一夫演劇賞特別賞が贈られていた。この度、一般社団法人映画演劇文化協会は、故ジャニー喜多川氏による性加害の実態が明らかとなったことから「菊田一夫演劇賞における顕彰に相応しくないとの判断に至りました」と発表。贈賞を取り消すとともに、協会のホームページ、菊田一夫演劇賞の授賞記録からも削除した。
2023年10月18日第48回菊田一夫演劇賞の授賞式が7日に東京・東京會舘にて行われ、TBSテレビ 代表取締役社長 佐々木卓、ホリプログループ会長 堀義貴、天海祐希、パルコ エンタテインメント事業部 演劇事業担当ゼネラルプロデューサー佐藤玄(坂本昌行代理)、ワタナベエンターテインメント代表取締役社長 渡辺ミキ(望海風斗代理)、瀬戸山美咲、渥美博が登場した。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。演劇賞を受賞した瀬戸山は「私はこれまで主にストレートプレイで劇作家、演出家として活動してまいりました。音楽劇の経験もわずかで、ミュージカルに至っては今回が初めてという状況でこのような賞をいただきまして、身の引き締まる思いです」と感謝。「『スラムドッグ$ミリオネア』は、小説が原作の新作音楽劇でした。音楽制作チームや振付、パルクールなど色々な要素を取り入れ、素晴らしい俳優とスタッフの皆さん、バンドの皆さんに支えられて想像力の翼を思いっきり広げて作った作品でした。ちょうど昨年の8月公演でコロナのピークだった時期だったんですけれども、たくさんのアンダースタディや稽古場代役の方、スタッフの方に支えていただきました。チームワークがとても生きていた公演だと思っています」「『ザ・ビューティフル・ゲーム』は私にとって初めてのミュージカルでした。これまで国内外でミュージカルを作ってこられた先人の皆様の素晴らしさを実感する毎日で、特に音楽監督のビリーさんをはじめ、経験豊富なキャストとスタッフの皆さんと一緒に作品を作れたことが本当に嬉しかったです」と振り返る。さらに「楽譜の中に答えがあるというのは、私にとって初めての経験で、まだまだ全然知らなかった演劇の可能性というものがあるということを改めて知ることができました。どちらの作品も今、現実にある問題をエンターテインメントの形で提示した作品でした」という瀬戸山。「私自身もこれからオリジナルでまた、今描くべき事を描いた、力強い、骨太でとても面白い作品を作っていきたいと思っています。そうやってお世話になった皆様やお越しいただいたお客様に、お返ししていけたらと思っております」と今後への思いも表した。特別賞の渥美は「おしゃべりが担当ではないので短めで」と前置き。「諸先輩方にアクション、殺陣の芝居をということを言われて、信じてここまでやってきたこと、誰か見ていただけるんだなとここで証明できたと思います。これからも芝居の一部としてアクション、殺陣が皆さんに喜んでいただけるように頑張っていきたいと思います」と決意を新たにする。演劇大賞の堀会長は「5年前に『ビリー・エリオット』をやる時に、『人生最大の大博打だ』と言ったんですけども、ハムレットのセリフをもじるようですと、やっぱり博打というのは手を出すと、単体でやってこない。群れを成してやってくるものでして、即『メリー・ポピンズ』をやることになり、この2作品が終わってホッとするのもつかの間、弊社のプロデューサーに 『ロンドンのATGからハリー・ポッターやらないかという話があります』と。私ども劇場を持っていませんので、これは難しいかなと思っていた時に、今までの2作品を一緒に作ってきたTBSのプロデューサーと一緒に、この作品をTBSさんとやるという決断をいたしました」と経緯を説明。また堀会長は「前の2作品の時は、賞をいただいたときには博打に勝っていたんですけれども、『ハリー・ポッター』は現在の勝ち負けも決まっておらず、何年かやってやっと勝ち負けがわかるまでロングランをしなければならない作品です」と明かす。「その代わり、たくさんの初めて演劇を観る方々にも観に来ていただいております。この賞をまたいただけて、さらに菊田先生の名に恥じないように。みなさんが喜ぶ作品、社会にちょっと棘のある作品、いろんな作品を作って参りたいと思います」と語った。TBSテレビ 佐々木会長も「この『ハリー・ポッター』のキャストの方は、まるでアスリートのような激しいトレーニングをして連日舞台に立ってくださっています。それからスタッフの方はたった1秒のタイミングの狂いも生じさせないようにという緊張感の中で、舞台を支えてくださっています。心から敬意を表したいと思っています」と感謝。「TBS赤坂ACTシアターは今、ハリー・ポッター専用劇場に生まれ変わっておりますが、劇場に至るアプローチの部分も色々と作り変えまして、今ではまるで魔法の町のような風情に仕上げております。そうしますと、家族連れの方が写真を撮りに来てくださったり、最近では海外からの観光客の方が来てくださってます。そういうのを眺めておりますと、世界の人々にこの日本版の『ハリー・ポッターと呪いの子』を見てもらいたいなという野望が渦巻いてまいりました」と告白する。「菊田一夫先生は『風と共に去りぬ』を世界で初めて舞台にして、しかもあのロンドンのウエストエンドで翻訳上演したという方でございますし、栄えある菊田一夫演劇大賞をいただいたことを励みに、日本版の『ハリー・ポッターと呪いの子』を、『本家ロンドンをしのぐような作品になったね』と言われるぐらいまで努力したいと思っているところでございます」と明かした。○受賞者一覧・菊田一夫演劇大賞舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」上演関係者一同・菊田一夫演劇賞天海祐希(『広島ジャンゴ2022』ジャンゴ役、『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』アンヌ役)坂本昌行(『THE BOY FROM OZ』ピーター・アレン役、『凍える FROZEN』ラルフ役)望海風斗(『ネクスト・トゥ・ノーマル』ダイアナ役、『ガイズ&ドールズ』ミス・アデレイド役、『ドリームガールズ』ディーナ・ジョーンズ役)瀬戸山美咲(『スラムドッグ$ミリオネア』『ザ・ビューティフル・ゲーム』上演台本、演出)・菊田一夫特別賞渥美博
2023年06月07日第48回菊田一夫演劇賞の授賞式が7日に東京・東京會舘にて行われ、TBSテレビ 代表取締役社長 佐々木卓、ホリプログループ会長 堀義貴、天海祐希、パルコ エンタテインメント事業部 演劇事業担当ゼネラルプロデューサー 佐藤玄(坂本昌行代理)、ワタナベエンターテインメント代表取締役社長 渡辺ミキ(望海風斗代理)、瀬戸山美咲、渥美博が登場した。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。演劇賞を受賞した天海は関係者への感謝を表し、さらに「劇場に足を運んでくださったたくさんの皆さん、色々と難しい時期でありましたけれども、皆様足を運び下さったことを心から感謝しています」と観客に対してのメッセージも。「演劇って生ものですから、生の人間が演じ、そして生の人間が客席で観てくださるというものになります。大変な時期もございました。今も色々と大変なこともまだまだあると思います。何もできない自分に対しての絶望感はもちろん感じました。しかし、人間の可能性、そして舞台の可能性を、たくさん感じることもできました。そこに希望を持って千秋楽まで走ることができました。その舞台二つでこのような素晴らしい賞をいただけたこと、心から感謝しています。そして、まだまだ自分でも精進して行きたいと思いますし、たくさんの方に楽しんでいただける舞台を作っていきたいなと心から思います」と思いを表した。この日スケジュールの都合により欠席だった坂本からは「この度はとても名誉ある賞をいただき、喜びと驚きで胸がいっぱいです。大先輩の東山(紀之)さんからいただいた『頑張っていれば、人は必ず見てくれている』という言葉を胸に、作品づくりをしてきました。まさにまさに今、現実となりました。この賞に恥じぬよう、これからもお客様に、より良い作品をお届けできるよう邁進してまいります」とコメントが届く。また、新型コロナウイルス罹患により欠席となった望海も「この度は素晴らしい賞をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。授賞式に出席したら実感が湧くのだろうと、この日を楽しみにしておりましたが、残念ながら出席が叶わずとても悔しいですし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。『ネクスト・トゥ・ノーマル』のダイアナ、『ガイズ&ドールズ』のアデレード、『ドリームガールズ』のディーナ、どの役も1人で作りあげたのではなく、カンパニーのみなさんのおかげでそれぞれの人物を息付かせることができたのだと思います。皆様に感謝申し上げたいです」とコメントが代読される。そして「ここからは個人的な話になりますが、私は小学生の頃に初めて宝塚歌劇を見に行って、天海祐希さんに一瞬で恋に落ちました。天海祐希さんみたいな男役になりたいと夢見て、今から20年前に宝塚で初舞台を踏みました」という言葉に、会場にいた天海も照れ笑い。「私をこの世界に導いてくださった憧れの方と、今日同じ場所に出させていただけるなんて信じられない、という思いが強すぎたのかもしれません。こんな大事な時に健康管理ができない自分がとても情けないのですが、この悔しさをバネに、そしていただいた賞を支えに、これからも一つ一つの作品、役に真摯に向き合い続けたいです。ありがとうございました」と締めくくられた。○受賞者一覧・菊田一夫演劇大賞舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」上演関係者一同・演劇賞天海祐希(『広島ジャンゴ2022』ジャンゴ役、『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』アンヌ役)坂本昌行(『THE BOY FROM OZ』ピーター・アレン役、『凍える FROZEN』ラルフ役)望海風斗(『ネクスト・トゥ・ノーマル』ダイアナ役、『ガイズ&ドールズ』ミス・アデレイド役、『ドリームガールズ』ディーナ・ジョーンズ役)瀬戸山美咲(『スラムドッグ$ミリオネア』『ザ・ビューティフル・ゲーム』上演台本、演出)・特別賞渥美博
2023年06月07日音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』の歌唱披露イベントが25日に東京・日比谷 シアタークリエで行われ、海宝直人、平間壮一、相葉裕樹、井上小百合が登場した。同作はモーツァルトの名作オペラ『フィガロの結婚』『ドン・ジョバンニ』『コジ・ファン・トゥッテ』誕生の背景にある、詩人ロレンツォ・ダ・ポンテ(海宝)の人生を描くオリジナルの新作音楽劇。今回は抽選で選ばれた254名のオーディエンスを招いたイベントで、本作の主人公であるロレンツォ・ダ・ポンテ役の海宝が「この静かな夜に」、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト役の平間が「僕が拍手するんだ」、アントニオ・サリエリ役の相葉が「ヴィヴァ、イタリア!」、フェラレーゼ役の井上が「街角の女の子」、そして最後に海宝&平間が「最高の相棒」を披露した。題材となったダ・ポンテについて、海宝は「お話いただくまでは知らなかったですね、恥ずかしながら。結構カンパニーでも知ってた人の方が少ないかもしれない」と言いつつ、「初めて知って、色々と調べさせていただいて。波瀾万丈でドラマチックで、必死に生きた姿にちょっとおかしさもあり、ドラマチックなのに、今年になるまであんまり演劇でも取り上げられなかったのが不思議だなと思って。今年急に2作取り上げられましたね」と語る。またモーツァルト役の平間は「破天荒だろうなと思って台本を読ませていただいたんですけど、1回目に読み終わった後に思ったのが普通の青年。優しかったりあたたかかったり、丸みを持っていて、自分らしく作っていいのかなと思って。優しいモーツァルトにしたいな」と既存のイメージとはまた違った像を作っているという。海宝も「今日もこの前に2人の抜き稽古をやってたんですけども、そこでも色んなことを試しながら、なんとか作っています」と稽古の様子を明かした。2人と敵対するサリエリ役の相葉が「ダークという印象が正直そんなになくて、割と愚直で真っ直ぐな印象の方が強くて。悪役って聞いたんですけど」と印象を表すと、海宝と平間が「ヴィヴァ〜」と、先ほど披露したサリエリの曲をいじる一幕も。平間が「イタリア大好きですもんね」と言うと、相葉は「本当に悪いんですけど、この曲をやると2人がニヤニヤしてるんですよ。全員なんですけど。『何、高らかに歌い出してるんだ』みたいな」と訴える。さらにオーディエンスからの「観劇するか迷っています」「観劇初心者の友達を誘いたいのですが、何をいちばんにアピールすると良いでしょうか?」という質問に、2人が“ヴィヴァ”ポーズをすると、相葉が「そこじゃないよ、絶対違う!」とつっこんでいた。まだあまりストーリーの情報がない状態だというが、ポスタービジュアルについて平間は「あれは嘘です。白くならないです」とキッパリ。さらに「僕はもう泣きました、見てて。ちょっと遅れて稽古に参加する日があったんですけど、好きなシーンをやってて、入った瞬間に空気がシーンとなって。リュックしょったまま、ポロポロポロポロ。『海宝くんめっちゃよかったよ』みたいなシーンがある」と説明する。海宝は「何せそれぞれがドラマチックな人生を送っているので、ドラマを楽しんで。歴史ものだからといっても難しく描くより、楽しくお客さんと一緒に盛り上がっていける作品になりそうだなと思っています」とアピールした。さらに相葉が「いろんなものがギュッと詰まっているので、観ているお客さんは大変かもしれないですけど、観やすい作りにはなってる」と見どころについて語っていると会場に期待する空気が流れ、応えるように「サリエリという方なんですけど、『ヴィヴァ、イタリア!』という……」と話し始め、海宝が「自分で言い出した!」とツッコミ。「言うしかないじゃない」と苦笑する相葉に、平間が「ヴィヴァエリ」とあだ名をつけ、フォトセッション時にも「ヴィヴァで」という声が飛び交うなど、流行を見せていた。プレビュー公演はシアター1010にて6月21日~25日、愛知公演は日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて6月30日~7月1日、東京公演は東京建物Brillia HALLにて7月9日~16日、大阪公演は新歌舞伎座にて7月20日~24日。
2023年05月25日第48回菊田一夫演劇賞が5月13日(土) に発表された。菊田一夫演劇賞とは、劇作家菊田一夫の功績を永く伝えるとともに、演劇界の発展のため1975年に設けられた演劇賞。毎年大衆演劇の舞台で優れた業績を示した作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフに贈られる。菊田一夫演劇大賞を受賞したのは、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』上演関係者一同。菊田一夫演劇賞は天海祐希、坂本昌行、望海風斗、瀬戸山美咲が受賞した。また菊田一夫演劇賞特別賞には渥美博が選ばれた。授賞式は6月7日(水) に都内で開催される予定だ。第48回菊田一夫演劇賞■菊田一夫演劇大賞・舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』上演関係者一同(舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の高い舞台成果に対して)■菊田一夫演劇賞・天海祐希(『広島ジャンゴ2022』の山本/ジャンゴ役、『薔薇とサムライ2―海賊女王の帰還』のアンヌ役の演技に対して)・坂本昌行(『THE BOY FROM OZ』のピーター・アレン役、『凍える FROZEN』のラルフ役の演技に対して)・望海風斗(『ネクスト・トゥ・ノーマル』のダイアナ役、『ガイズ&ドールズ』のミス・アデレイド役、『ドリームガールズ』のディーナ・ジョーンズ役の演技に対して)・瀬戸山美咲(『スラムドッグ$ミリオネア』『ザ・ビューティフル・ゲーム』の上演台本と演出の成果に対して)■菊田一夫演劇賞特別賞・渥美博(永年の舞台におけるアクション指導の功績に対して)
2023年05月15日第48回菊田一夫演劇賞が13日発表となり、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』上演関係者一同が菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の高い舞台成果が評価され、演劇大賞に選ばれた。菊田一夫演劇賞には、天海祐希(『広島ジャンゴ2022』ジャンゴ役、『薔薇とサムライ2−海賊女王の帰還−』アンヌ役)、坂本昌行(『THE BOY FROM OZ』ピーター・アレン役、『凍える FROZEN』ラルフ役)、望海風斗(『ネクスト・トゥ・ノーマル』ダイアナ役、『ガイズ&ドールズ』ミス・アデレイド役、『ドリームガールズ』ディーナ・ジョーンズ役)、そして『スラムドッグ$ミリオネア』『ザ・ビューティフル・ゲーム』の上演台本と演出を務めた瀬戸山美咲が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は永年の永年の舞台におけるアクション指導の功績が称えられ、渥美博が受賞した。
2023年05月13日オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』のプレビュー公演が9日東京・俳優座劇場にて行われ、相葉裕樹、夢咲ねね、斎藤瑠希、浜崎香帆、小池竜暉(GENIC)、中本大賀(円神)、が登場した。同作は2008年にオフ・ウエストエンドで初演を迎え、翌2009年にオフ・ブロードウェイで上演され話題となったミュージカル。NYに住む30代のカップルであるジェイソン(相葉裕樹)、クレア(夢咲ねね)、アーティストを目指す青年ウォーレン(小池竜暉/中本大賀)、大学の論文に追われるデイブ(斎藤瑠希・浜崎香帆)という日々を懸命に生きる4人の人生が、思わぬ形で繋がっていく物語となる。夢咲は相葉に対し「本当にまつげが長いですよね!」と印象を表し、相葉は「もっとあるでしょう!?」とツッコミ。夢咲は「劇場に近いですからね、舞台とお客様があるので、このまつげの長さもぜひ見ていただけたらと。私自身も今回思いました」と観客に勧め、相葉は「ソングスルーミュージカルってなんだろうと思ったんですけど、こんなに歌うんだというのを、皆さんも思ったと思います。僕たちもすごく苦労しての本番だったので、ようやくここで披露して、何気ないシーンを皆さんと共有して、何気ないからこそ美しい、尊いものを今一度感じていただけるような作品になってるんじゃないかなと思います」と自信を見せた。それぞれどんな人に見て欲しいかという質問には「自分自身を探している2人が、『夢ってそこまではっきりしてなくてもいいじゃん』と言う。自分の夢を探さなきゃと一生懸命になっている人は、この作品を見てもうちょっと肩の力を抜いていいんだと思っていただけたら」(斎藤)、「夢への貪欲さは10代ならではのものだと思っていて、そんな時を顧みて、自分こうだったな、この時の貪欲さを自分も欲しいなと勇気づけられて、心に青い火がつくような、でもどこかにあったかさのある役だと思うので、この作品を見て今日から明日からちょっと頑張ってみようという気持ちになっていただけたら」(小池)と答える。また浜崎は「ほとんど歌ということで、あんまり観劇をしたことがない方でも気軽に来ていただいて、楽しい歌だな、感情移入する歌だな、とか気軽に見ていただけたらいいなと。1人で来るのが怖いなと思っている方でも、劇場に足を運んでいただけたらいいなと思っています」、中本は「この世界で役者をして、いろんな物事に対して繊細にとらえるようになったんです。この作品はひとつひとつ流れてしまいそうな出来事も捉えてストーリーを展開しているので、今まで感じなかったことも一歩踏み出して興味を持ってもらえたら、人生や価値観も変わってきたりすると思うので、劇場から一歩足を踏み出した時には何か毎日を彩れるものを自分の中で感じ取って人生が楽しくなるとか、考えることも増えると思う」と太鼓判を押した。この日はオーディエンス代表からの質問も飛び出し、「みなさんにとって歌とは?」という質問には、「歌なしでは生きていけない」(中本)、「歌に出会ったから舞台に立ちたいという夢を持てた」(浜崎)、「ずっとそばにあった」(小池)、「ないことを想像できないほど大切なもの」(斎藤)、「宝塚歌劇団出身で、歌だけじゃなくてダンスや日舞、色々なことを習ったんですけど、全てにおいてその人自身が現れる。闘って磨いていかなきゃいけない」(夢咲)とさまざまな意見が飛び出す。一方、主演の相葉は「みなさん本当に素敵だなと思いました。小さい頃から隣にあったりとか、大切な存在だと思うと、『ああ、僕、違うかも』と思って。僕にとっての歌は常に挑戦で壁であって。この仕事初めてから舞台やミュージカルに出会って、初めて行ったことだったので、本当に知るのが遅かったというか」と表す。「僕にとっては必ず壁を越えなければいけないこと、常に僕の前に立ちはだかっているのが歌」と語っていた。東京公演は俳優座劇場にて2月9日〜2月12日、大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにてにて2月18日。
2023年02月09日オフ・ブロードウェイミュージカル『Ordinary Days』の稽古場オンライン取材会が25日に行われ、相葉裕樹、夢咲ねね、斎藤瑠希、浜崎香帆、小池竜暉(GENIC)、中本大賀(円神)、田中麻衣子(演出)が登場した。同作は2008年にオフ・ウエストエンドで初演を迎え、翌2009年にオフ・ブロードウェイで上演され話題となったミュージカル。NYに住む30代のカップルであるジェイソン(相葉裕樹)、クレア(夢咲ねね)、アーティストを目指す青年ウォーレン(小池竜暉/中本大賀)、大学の論文に追われるデイブ(斎藤瑠希・浜崎香帆)という日々を懸命に生きる4人の人生が、思わぬ形で繋がっていく物語となる。取材会ではM9「I‘m Trying.」 (ジェイソン&クレア)、M12「おとぎ話」(デイブ&ウォーレン)、M16「Hundred Story」(ジェイソン〜全員)の収録映像を披露。演出の田中は「登場人物は4人だけなんですけど、それぞれに都会で生きている人生がありまして、奇跡的に出会う」物語だと説明、「けっこうなチャレンジングだなと思うんです。お客さんにとっても印象強い作品になるんだろうなという確信がしてます」と自信を見せる。キャストについては「ウォーレンのお二人は全然違います。声も視点も違いますし、若いアーティストの役ですので、2人がどう違うものにしてもらえるか稽古場で見つけられたら。初ミュージカル、一緒に体験させてもらってるのが非常に貴重な時間だなと思っています」と語る。さらに「デイブの2人はもっと違うかもしれない。声も違ってるしキャラクターも違いがあって、引き出せるといいな。夢咲さんはすごく軽やかで、それがクレアと直接つながりそうな気がしてまして、その感じが出たらいいな」とそれぞれ表す。主演の相葉について、田中は「まつ毛がむちゃくちゃ長い。すごい思うんですよね。ジェイソンってこんなまつ毛長いんだって」と説明し、相葉は「ちょっと!」と苦笑。田中が「クレアはこの景色を見てるんだなと思うんです」としみじみし、「とっても優しいんですよね、目が。大きくない劇場ですので、お客さんにも確実に伝わる。今回だからこその魅力なので体感していただければ」とアピールすると、相葉は「まつ毛が長いところを?」とつっこんでいた。また、好きなナンバーを聞かれると、斎藤は「私はM22(『屋上のデュエット/Falling』)。稽古を重ねていって作品に触れてると、M22は作品の代名詞になっている印象的なシーンだし、その景色がお客さんにどう映るのかなというのが楽しみです」、浜崎は「M15( 『夢』)。クレアとジェイソンとほんの数秒のセリフのやりとりがすごく嬉しくて、存在を知らないけど、しゃべれた! 唯一セリフの掛け合いができるところで楽しいです」とそれぞれに明かす。初ミュージカル挑戦となる2人は、心境について「なかなか打ちひしがれておりますが、初ならではということで、逆に楽しませていただいています。やったことなからこそ、なんでもやってやる、という。まだもうちょっと殻があるんですよ。それも段々破っていけたらと」(小池)、「何が正解かわからない、指摘していただいたことが僕にとっては全てが新しくて、それが正解だと認識するようにしていて。ウォーレンとして思ったことと、ミュージカルとしての見せ方の間で、まだ自分ではできていないところがいっぱいあるので、練習あるのみ。どんどん言っていただいたことを自分で処理してアウトプットしていくしかない。とにかくエンジン全開で頑張るしかない」(中本)と意気込んだ。ミュージカルに多く出演するキャストも大変さを実感しているそうで、相葉は「セリフも間にはあるんですけど、ほぼ0。ソングスルーというだけあってずっと音楽が流れていて曲のつながりが続いていくので、久々にこんなにたくさん歌わせていただいているな、と。1曲1曲がけっこうハードルが高いものが多くて、カロリーも高いし、ヒーヒー言ってます」と様子を明かす。歌唱披露では堂々とした姿を見せていたが「まだまだもっとブラッシュアップしていかないと……なんて言ったらいいんだろうね、先輩」と夢咲に助けを求め、「本当に、大変です」とまとめる。夢咲は「同じくです」と大変さに同意。「1曲1曲が長くフルでつながっているので、覚えることに必死な部分がまだあるんですけど、早く体に入れたいな。入れないと次のステップに進めない。自分の感情の整理だったりコントロールだったりうまく噛み合っていくためには早く覚えなきゃ! と戦ってます」と状況を語った。東京公演は俳優座劇場にて2月9日〜2月12日、大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにてにて2月18日。
2023年01月25日ミュージカル『スクルージ〜クリスマス・キャロル〜』の製作発表会見が21日に都内で行われ、市村正親、武田真治、相葉裕樹、実咲凜音、安崎求、愛原実花、今 陽子、今井清隆、井上尊晶が登場した。同作はチャールズ・ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』(1843年)を原作とした1970年のミュージカル映画『クリスマス・キャロル』(原題『Scrooge』)を基にしたミュージカル。19世紀半ばのロンドンを舞台にした同作では、金貸しを営むドケチなスクルージ(市村正親)が、かつての親友の亡霊とクリスマスの精霊たちにより、過去、現在、未来の旅へと誘われ人生の結末を変えていく。製作発表では、カンパニーで「オープニング〜クリスマス・キャロル〜」「どうもありがとう」「もう一度はじめるぞ」をメドレーで披露。主演の市村は役者生活50年を迎え、「『ミス・サイゴン』はもう卒業しました。しかし、このスクルージという役は、今がちょうど脂がのっているという時期でございます」とアピールした。ミュージカル『ミス・サイゴン』の公演を行なっていた市村は17日から稽古に入り、3日間で全体を作り上げたという。武田は「2週間ほど我々だけで進めてたんですけど、『あ、やっぱり市村さんのスクルージなんだな』と思いました。ぐいぐいと我々を引っ張って行ってくれて、なんなら我々が周回遅れにされちゃうくらいのエネルギーで、あっという間に全部のシーンをあたり僕らにアドバイスをいただいたり、井上さんとアイディアを取り込んで僕らにくれたりといった感じで、本当にすごいですよ。本当にパワフルで、市村さんが現場に参加されてスクルージの季節がやってきたなと思いました」と絶賛する。相葉は「僕は今回初めて参加するんですけど、市村さんと共演するのが2015年以来。僕にもアドバイスいたきますし、全体的なディレクションも見ていて、俳優としての稽古場での居方ということもすごいので、ずっと見てしまう、見ていたくなる」と語る。実咲も「本当に市村さんがお稽古場に来られて、一瞬で全部あたられて、パワフルすぎてびっくりしてるんです」と驚いていた。演出の井上は「2幕の頭を、あえて初演のバージョンに、祈りを込めた曲に変えました」と明かし、「この曲に作品の核があると思いまして、自分だけが幸せじゃなくて、みんなが幸せじゃないとという曲」と説明する。また「このメンバーで言うと、多分相葉くんが、1人転校生で大変なんだろうなと思っているんですけど、『前がこうだったから』という理由でやっているところを気付かさせてくれる。『今、これは何時ですか?』『そういえば夜中だったね』といった素朴な疑問を相葉くんが投げてくれて、大事なことなんだなという」と振り返る。井上が「『頭いいな、この子は』と思いながら、『売れるな』と思ったら『僕、売れてます』と言われたんですけど……」とジョークを飛ばすと、相葉は「言った記憶がないです」と苦笑していた。最後に市村は「3日でやれるためには、『ミス・サイゴン』の時からずっと台本を出して、しょっちゅうセリフを言って音楽も自分でかけ、『ミス・サイゴン』の楽屋でも『スクルージ』のことを考えながらやらなかったら3日ではできないです。3日でできたらそれはもう本当すごいですよ。僕も普通の子です。やっぱり努力してこその3日です」と訴えかける。「芝居ってのはいつも思うんですけども、一つの旅をしているような感じがするんですね。今回は過去、現在、未来のクリスマスと出会うことによってスクルージに変化をもたらす旅なんです。また一つの旅が始まって、旅の中で今年はどんな気持ちが生まれるのか、楽しみにしています」と締めくくった。公演は日生劇場にて12月7日~25日。
2022年11月21日haruka nakamuraの楽曲から着想を得て発表された冨士原直也の短編シナリオが、映画化に続き朗読劇となり今秋上演される。そこで三井晴之役の相葉裕樹と、辻村咲役の北原里英に話を訊いた。物語は晴之が朝目を覚ます場面で始まる。そんな彼に当たり前のように弁当を渡す恋人の咲だが、現実には交通事故で昏睡状態のはず。彼女は「1週間だけ時間をもらった」と言い…。「かなり刺さりましたね」と切り出したのは相葉。「こんなにも日常が儚く、かけがえのないものなんだなって。大切な人がそばにいることは当たり前じゃないからこそ、日々ちゃんと想いを伝えていかなければと思いました」。北原は「あらすじの段階で泣けるのはわかっていましたが、恋愛をする上でのきれいな部分だけを描いているわけではなくて…。そんなひと癖ある作品だからこそ、やりがいを感じられる作品だなと思いました」と、役者としての魅力についても触れる。晴之という人物については、「基本的に自分に自信がなくて、どこにでもいるような青年。そこはリアリティを持って演じられそうですし、カップルの空気感という意味では、北原さんとのかけ合いから生まれていく晴之もいると思います」と相葉。北原も「本当に普通のふたり」と表し、「だからこそ難しいですし、観てくださる方には共感してもらいやすいのかなと思います」と続ける。さらに咲に関して北原が、「彼女のほうが優位というか、『私死ぬけどいいの?』というスタンス(笑)。どちらかと言えば晴之の方に後悔があったから、咲が形となって現れたのかなと思いました」と語ると、相葉も「現実に伝えられなかった想いを、晴之は妄想の中で伝えているのかもしれません」と読み解く。プライベートでの北原は昨年結婚。それだけに咲の言動がよくわかると言い、「今私がいなくなったら、旦那さん生きていけないと思います」と笑う。それに対し「僕は絶対に無理!耐えられないだろうし、やっぱり男の人のほうが弱いと思います」と言う相葉に、「繊細なんですよ、弱くはない」と北原。さらに「大切な人が出来たからこそ、より咲の気持ちがわかるのかもしれません」と続けた。取材当日が初対面というふたりだが、すでに息はぴったり。「北原さんとなら、ふたりのキャラクターを愛してもらえるようなものが届けられるはず」と相葉。北原も「ふたりにしか作れない晴之と咲が出来ると思いますので、ぜひ期待してください!」と目を輝かせた。取材・文:野上瑠美子
2022年09月07日ミュージカル『ダブル・トラブル~SeasonA~』公開ゲネプロ&開幕直前取材会が28日に東京・オルタナティブシアターで行われ、浜中文一、相葉裕樹が登場した。同作はボブ&ジムのウォルトン兄弟によって書かれたュージカルコメディ。作詞家のボビー・マーティン(浜中文一、横山賀三)と、作曲家のジミー・マーティン(相葉裕樹、日野真一郎)の兄弟2人が、ハリウッドのメジャームービーの曲を書くという大チャンスをつかむが、与えられた時間はたったの数時間で、気に入ってもらえなければ即クビということで、恋に仕事に大奮闘する。出演者は2名のみ、演奏はピアノだけで、歌って踊って曲を書くボビー&ジミー兄弟を演じながら、映画会社の社長や秘書、演出家、司会者、スター女優など次から次へと現れる登場人物、およそ10人もの人物をたった2人で演じる。冒頭には2人によるトークも毎回行われ、ゲネプロで登場した浜中と相葉は互いに「笑っちゃう」と仲の良い様子。浜中が「嬉しくて微笑んじゃう。僕が女性だったらめちゃめちゃ恋してます」と告白すると、相葉は「相葉裕樹に!? 嬉しいなあ、そんなふうに言っていただける日がくるなんて。文ちゃんは人見知りですよね。恋していただけるような関係になるとは」と稽古を通して仲を深めていたようだった。取材会ではゲネプロを振り返り、浜中は「いつも、どの舞台でも自信失くすんですよね。記者さんも必死に写真撮ってから、全然笑ってくれない。それで1回心折れる。でもまあ今回は意外といけましたね」と自信を見せる。相葉は「一瞬、『ここ行けるだろう』と思ったところであれっ? となった時はあった。ゲネプロを終えて、自信を持てる場所と持てない場所がはっきりわかれた」と苦笑していた。上演は2022夏Season A(浜中文一・相葉裕樹・日野真一郎・横山賀三 7月28日~8月14日 オルタナティブシアター)、Season B(林翔太・寺西拓人 8月16日~8月30日 有楽町よみうりホール)、Season C(林翔太・寺西拓人/原田優一・太田基裕 9月5日~9月13日 自由劇場)と3形態で行われる。
2022年07月28日映画『漆黒天 -終の語り-』(6月24日公開)の公開初日舞台挨拶が24日に都内で行われ、荒木宏文、小宮有紗、松田凌、長妻怜央、鈴木裕樹、唐橋充が登場した。同作は記憶をなくした流浪の男の物語を描いたオリジナル作。男が記憶を追い求める中で次々と刺客が襲い掛かり、何故記憶がないのか、何故狙われるのか、謎多き男をめぐるハードなミステリー時代劇となる。「最近気づいた発見」について聞かれると、荒木は「刃先は自分に向けるべき」と格言を披露。「何が最強なのかをずっと考えてて。敵を制圧する、自分が勝利する、敗者を作ることをイメージして強い男を考えちゃうんだけど、ここ最近ずっとサンドバッグを殴っててなんとなく見えてきて、強さって自分に向けなきゃいけない。自分を律するために強くなることを目標にしなきゃいけないんだなということに気付けました」と明かした。また、「忘れたい思い出」というテーマでは、特撮の思い出話が続出。『特命戦隊ゴーバスターズ』に出演していた小宮は「当時大泉の撮影所の近くに住んでたんですけど、寝ぼけててブラをしないまま撮影所に行っちゃって、着替えるときに気づいて……」と衝撃のエピソードを披露。「スーツアクターの人に『なんでもいいから貸してもらえませんか?』と聞いたけど、『やめときなよ、取りに帰っていいよ』と言われて、めんどくさいと思いながら、渋々と家に帰りました」と振り返り、周囲の男性陣も「強いな」と驚く。『獣拳戦隊ゲキレンジャー』に出演していた鈴木は「『ボウケンジャー』とのVSシリーズの撮影の時に、しゃれにならないくらい、5時間くらい遅刻して。絶対に取り戻せないレベルで、しかも先輩たちが撮ってるのがラストシーンだったんです。先輩のレッドである高橋光臣くんとのシーンで、僕は『ボウケンジャーのみんな、ありがとうな!』と握手を求めるという……」と語り、周囲からは「最悪だな!」とツッコミが入る。さらに鈴木は「光臣くんの返しが『俺たちこそ、ゲキレンジャーを見習わないとな!』で。逆に、忘れたくないですけどね。大切な思い出です」とエピソードを披露し、観客の笑いを誘っていた。『仮面ライダー555』に出演していた唐橋は、「お弁当食べてて『海堂さん、出番です』と行ってオンエア見たら、歯に海苔がくっついてた。(現場で)誰も見てないんですよ、私の海苔とか! 『はいOK! お前はいいよ』って。それ以降現場でお弁当食べなくなっちゃった。海苔ついたらどうしようって」と苦笑する。そして『仮面ライダー鎧武/ガイム』に出演していた松田は「僕の演じていたグリドンのアイデンティティの1つがメガネだったんですが、自分と相方の吉田メタルさんがバディのスピンオフのラストシーンで、すごくいい流れで『OK』と終わったら、メガネしてなかったんです」と失敗談。「見たこともない土下座をしました。それもメタルさんに『あれ、凌、お前メガネしてなくない?』と言われて、撮り直しました」と語った。
2022年06月24日【ムビ×ステ】映画『漆黒天 -終の語り-』(6月24日公開)の完成披露舞台挨拶が31日に都内で行われ、荒木宏文、小宮有紗、松本寛也、梅津瑞樹、小澤雄太、鈴木裕樹、坂本浩一監督が登場した。同作は記憶をなくした流浪の男の物語を描いたオリジナル作。次々と刺客が襲い掛かり、謎多き男をめぐるハードなミステリー時代劇で、映画『漆黒天 -終の語り-』(6月24日公開)、舞台『漆黒天 -始の語り-』(8月・9月上演)と、映画と舞台が連動された作品となっている。主演の荒木について、小澤は「"荒木さんの兄さん"と呼んでるんですけど、10年前くらいに僕らがまだ20代の時に共演させてもらって、その時は二刀流で。10年ぶりの再会と言ってもいいくらいで、久々に会ってもいけるかなと思ったんですけど、やっぱり最初は緊張しましたね」と振り返る。しかし「1回交わってたのもあって、荒木さんとは最初からやりやすくて、撮影がびっくりするくらいスムーズだった」と明かした。鈴木も荒木とは『獣拳戦隊ゲキレンジャー』以来の映像共演だったということで、「『嬉しかった』が1番ですかね。気合いも入ったし、すっごい肩の力が入ってると思います、俺」と笑顔に。「荒木ともそうですけど、プロデューサーの皆さん、ゲキレンジャーのころからお世話になてる皆さんとまた一緒にもの作りできたのは本当に幸せなことだと思います」としみじみ。荒木は「再会できるって、続けてないとできないから。続けてる状態でまた一緒に仕事できたのは嬉しかったね」と同意する。鈴木が「がっつりとお芝居することもできましたし、アクションもすごいので、彼、本当にボロボロでやってましたから。99%くらい荒木の映画」と称賛すると、荒木は「全然、余裕でやってました」と照れ隠し。鈴木は「『湿布貼れ』とか言っても貼らないんですよ。僕は普通に腰が痛くて常備してたんですけど『お前ボロボロだから湿布貼れ』と言っても、『大丈夫だ』みたいな感じ」と暴露し、荒木は「だって、あの時代に湿布ないんだもん」と理由を語る。さらにMCが「ゴーバスコンビも」と『特命戦隊ゴーバスターズ』に出演していた小宮と松本に話を振るも、小宮は「すみません、ちょっとぼうっとしてた」と話を聞いておらず、会場の笑いを誘っていた。また梅津は映画について「冒頭、太秦に越してきた百姓が米を巡り合って無手で殴り合うアクションがすごかった。そこのアクションがつらかったですね。日差しも強かったし」と嘘の展開で共演者たちを撃沈させる。舞台についても「映画終盤の方で、投獄された荒木さんを僕らが打ちこわしをしながら、助けに行くって話になると思うんですけれど……」と全くない展開をすらすらと話し、「すごいなあの子は」と感心される事態に。「アクションも盛りだくさんになると思うので、楽しみにしていただきたい」と締めつつ、「適当に言ってますよ、ずっと」と苦笑していた。
2022年05月31日「第47回菊田一夫演劇賞」授賞式が5月30日に東京會舘で行われ、橋本環奈、上白石萌音、佐藤B作、木下晴香、森新太郎、松本白鸚が出席した。「菊田一夫演劇賞」は一般社団法人映画演劇文化協会が主催し、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフに贈られる賞。今回は舞台『千と千尋の神隠し』の上演関係者が演劇大賞を受賞(代表:橋本、上白石)、また『サンシャイン・ボーイズ』アル・ルイス役の佐藤B作、ミュージカル『リトルプリンス』王子役の土居裕子、ミュージカル『モーツァルト!』のコンスタンツェ役、『王家の紋章』のキャロル役、『彼女を笑う人がいても』岩井梨沙/山中誠子役の木下晴香、そして『ジュリアス・シーザー』、『冬のライオン』の演出について森新太郎が菊田一夫演劇賞を獲得している。また菊田一夫演劇賞特別賞には、ミュージカル『ラ・マンチャの男』の主演を半世紀以上も務めた松本白鸚が選ばれた。式では受賞者に選考委員会より賞状と、正賞の盾と副賞の賞金(大賞:100万円、演劇賞及び特別賞:50万円)が授与。なお、土居は新型コロナウイルス感染症罹患のため、授賞式は欠席となった。受賞者のコメントは以下の通り。<橋本環奈>私たちみんなで作った舞台が菊田一夫演劇賞大賞を受賞することができて大変光栄に、嬉しく思っています。『千と千尋の神隠し』という作品は誰もが知る世界的な不朽の名作で、それを舞台化するということになり、世界初演ということもあって0から1を作る作業がこんなにも大変なんだと日々の稽古で感じていて、幕を開けるために誰一人欠けても上演出来なかったと思うとカンパニー全員でこの賞を受賞できたことが嬉しいです。まだ北海道、愛知と公演が続くのでこの賞を励みにもっと磨きをかけて精進していきたいと思います。本日はありがとうございました。<上白石萌音>この度はありがとうございます。みんなで一つの賞をいただけたことがとても嬉しいです。この作品は国内のみならず海外にも上演関係者がいらっしゃいます。国境も世代も超えて大きなカンパニーが1本の映画への愛とリスペクトで強くつながっていることが素敵だなと思いますし、その輪の中に自分もいられることを幸せに思います。お客様の中には初めて舞台をご覧になるという方が多いそうです。そういった方々にもっと演劇を観てみたいと思っていただけるような、良い入り口になれるような作品でいられるよう努めてまいります。まだロングランが続くなかでこのような栄えある賞をいただけたことはカンパニー全体の活力になっています。賞に恥じぬよう1公演1公演を大切にお届けしたいと思います。ありがとうございました。<佐藤B作>佐藤B作と申します。ちょっと聞くとふざけた芸名のようですが、これは自由劇場という劇団の研究生の時にあだ名をつけていただきまして今に至ります。私は大学で東京に出てきました。絵に描いたように真面目な学生でしたが、五月病なのかだんだんと学校に行かなくなり歌舞伎町のジャズ喫茶に朝までいるようになってしまいまして、この先どうなってしまうのかと思っていたのですが、ある日『若者たち』というドラマを見てとても感動しまして「学校も行かず、ぶらぶらしていてはダメだ」と思いなぜか演劇をやろうと思い、早稲田の劇団に入りすっかり人生が変わってしまいました。その時の演出に「佐藤の演技はナイーブでよかった」と褒めてもらい、それからどんどん芝居にはまっていきまして、その後自由劇場に入り、東京ヴォードヴィルショーを作って、いろいろな劇作家と出会いました。そんな中今回の『サンシャイン・ボーイズ』で、同世代で尊敬している加藤健一さんからお声かけをいただきまして普段あまり海外の演劇をやってないので初めてのような役でこのような賞をいただき、いろんな方のお力添えがあって生かされているなと感謝の気持ちでいっぱいの佐藤B作でした。<土居裕子(欠席のため本人のメッセージ全文)>この度は、このような名誉ある素晴らしい賞を頂戴し誠にありがとうございます。30年前の初演から何度も演じた役柄とは言え、まさかまたこの年齢で演じさせていただけるとは、ましてや、小さな劇団で生まれ上演してきたこのオリジナルミュージカルが、東宝の製作で、より多くの方に観ていただけることになるとは夢にも思っていませんでした。そのご決断は大変勇気のいるものだったのではないでしょうか。本当に本当にありがとうございました。いつ中断してもおかしくないコロナ禍で、名古屋の大千秋楽まで、スタッフ、キャスト全員が、健康なまま駆け抜けることができたのは、カンパニーの皆様の意識の高さと、この作品へたくさんの愛情を注いで下さったことに他なりません。それなのに、それなのに、こんな飛び上がるほど嬉しい賞をいただいて、この日をずーっと心待ちにしていたのに、この大事な時に感染してしまうとはっ。ほんとに情けないかぎりです。星の王子さまにも、「今回ばかりは笑えない」と、真上に光るあの星から叱られてしまいました。本当に申し訳ありません。当然のことながら、私ひとりでいただけた賞ではなく、「土居さんが王子を演るなら」などと、とんでもない発言で私をこの場に導いてくださった井上芳雄さんをはじめ、プロデューサーの小嶋麻倫子さん、演出の小林香さん、全てのキャスト、スタッフの皆様、そしてパンデミックの中、ご来場下さいましたたくさんのお客様の熱意と応援のおかげと心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。<木下晴香>この度は栄誉ある賞をいただき大変ありがたく思っております。まさかこのような賞がいただける日が来るとは夢にも思っていなかったのでお知らせを受けたときは本当にびっくりしました。『モーツァルト!』『王家の紋章』『彼女を笑う人がいても』の3作ともに「どうかお客様にお届けできますように」と祈るような気持ちで過ごしていた日々でもあったので、今回ちゃんとお客様と作品を分かち合えたんだという証をこんなに素敵な形でいただけて嬉しいですし、素晴らしい出会いと学びに満ちた日々を過ごさせていただいたと改めて幸せを感じております。「挨拶、素直さ、謙虚さ、感謝」恩師からいただいたこの言葉を胸に九州から上京して5年半が経ちます。まだまだ至らないことばかりで目の前のことに真っ直ぐに取り組むことしかできない私が今日この場所に立つことができたのはたくさんの方からいただいた愛と言葉が導いてくれたおかげです。これまでお力添えをいただいた皆様、ご一緒させていただいた皆様、応援してくださる皆様には感謝してもし切れません。幼い私に夢を与えてくれたのも、心に栄養を与えてくれたのも演劇でした。作品を通して誰かの力になれるよう、出会いを大切に、そしてこの賞を糧に日々精進してまいります。<森新太郎>演出の森新太郎です。この度は栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。演劇集団円の大先輩である立石涼子さんに言われた言葉で胸に深く残っているものがあります。「森、奇をてらう必要はないのよ。普通にやりなさい。みんな一人ひとり普通は違うのだから。あなたの普通はそれだけであなたの個性なのだから」それ以来私は普通にやることを心掛け、素直に自分が信じられることだけを追求してきました。受賞の対象となった2作品においてもそれは変わりませんでした。『ジュリアス・シーザー』は、本来は男性ばかりが登場する政治闘争劇ですが私はそれを女性のみで上演しました。しかし、オールフィメールというその看板を意識することなく吉田羊さんをはじめとする俳優陣は力強く人間・ブルータスをあるいは人間・ジュリアス・シーザーを演じてくださいました。『冬のライオン』は中世ロイヤルファミリーの崩壊を描いたコメディで俳優たちのアンサンブルが素晴らしかった。私は織田作之助の『夫婦善哉』が大好きなのですが、佐々木蔵之介さんと高畑淳子さんのロイヤル夫婦善哉に私自身が一番心を躍らせていたかもしれません。両作品とも忘れえぬ演劇体験でした。この2作品だけでなく私の演劇作品に携わってくださったすべての皆様にこの場をお借りして心より御礼申し上げたいと思います。<松本白鸚>一番懐かしい名前が刻まれた賞でございます。『ラ・マンチャの男』というミュージカルは26歳のときに初演をしました。あっという間に50年。今日は東宝さん、選考委員の方々、ご関係者、『ラ・マンチャの男』スタッフ・キャストの皆様方にお礼を申し上げたいと思います。先週くらいから『キンキー・ブーツ』というミュージカルがブロードウェイで上演されているのですがその劇場が『ラ・マンチャの男』をやった劇場でマーチンベックシアターと言います。英語でブロードウェイの俳優さん相手に60ステージやりました。懐かしいなと思いました。本当に今日はお礼の言葉で終始したいと思います。最後に初演からブロードウェイをはじめ50年以上私のそばにいて、ブロードウェイではドレッサーもやってくれました、家内の紀子にお礼を言いたいと思います。ありがとう。
2022年05月31日お笑いトリオ、ハナコのボケ担当、菊田竜大さん(34)はかねてよりお付き合いしていたお笑いコンビ、ハルカラの和泉杏さん(37)と2019年に結婚。2人の馴れ初めは、知人の紹介で知り合ったそうで6年もの交際を経て交際記念日のクリスマスにプロポーズしたとか。今は娘さんも誕生し、家族愛に溢れていることでも有名です。先日は、なんと!裁縫デビューしたことを自身のインスタグラムで報告していたようです。早速チェックしてみましょう!娘さんのスカートを手作りした菊田さん この投稿をInstagramで見る ハナコ菊田(@hanaco_kikuta)がシェアした投稿 「娘のスカートを自作しました。正直めっちゃ可愛くできたと思います。」と娘さんのスカートをハンドメイドしたことを報告した菊田さん。洋服が大好きで自身のインスタグラムには主に私服ショットを投稿しています。そんな菊田さんが娘さんのスカートを作ってみたいと裁縫デビュー!パステルカラーの生地がメルヘンチックで可愛く、ウエストのギャザーがボリュームたっぷりなスカートで、素敵な仕上がりに。初めてとは思えない仕上がりに、コメント欄には「めっちゃ可愛い」「YouTube見ました!パパの愛がつまった世界にひとつのスカートですね!」と称賛のコメントが寄せられ「奥様も美しい」「理想の家族」と娘さんを思う夫婦お2人にも羨望のまなざしが向けられておりました。完成までの様子は菊田さんのYouTubeチャンネル『菊田ちゃんちゃんちゃんねる』で公開しているので気になった方はぜひチェックしてみて。あわせて読みたい🌈斎藤工さんが16歳頃のロン毛写真を投稿「すでに完成」「ぷくぷくの唇可愛い」と反響
2022年03月22日ミュージカル『蜘蛛女のキス』のプレスコールが25日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて行われ、石丸幹二、安蘭けい、相葉裕樹、村井良大、日澤雄介(演出)が取材に応じた。同作は1976年に出版されベストセラーとなった作家マヌエル・プイグ作の小説を原作として1990年代にミュージカル化され、1993年にはトニー賞ミュージカル作品賞などを多数受賞した。ラテンアメリカの刑務所の獄房の一室で、映画を愛し頭の中に女優・オーロラ(安蘭けい)の姿を描く同性愛者のモリーナ(石丸幹二)と、同室になった社会主義運動の政治犯バレンティン(相葉裕樹/村井良大)が距離を縮めていきながら、周囲の思惑や状況に翻弄される姿を描く。プレスコールでは2シーンが上演され「オープニング」(安蘭)、「オーロラ」(石丸、安蘭)、「嘆きの壁1」(囚人達)、「ブルーブラッド」(石丸、相葉)、「ドレスアップ」(石丸、相葉)、「嘆きの壁」(村井、囚人達)を披露。同作への見どころを聞かれた石丸は「バレンティンとモリーナのお話ではあるんですけど、モリーナの中に出てくるオーロラ、蜘蛛女が色々なショーを繰り広げてくれる。それを楽しんでいる私たちや、賑やかに舞い踊ってるオーロラ、そこが見どころになるんじゃないかなと思います」と安蘭の見せ場を挙げる。安蘭も「私自身、久々にこんなに踊って歌っています。すごく早替わりが多いんです。1幕だけでも8回着替えてるので、お見逃しなく」とアピールした。初めてミュージカルを演出するという日澤は「モリーナとバレンティンが監獄の中での共同生活の中での2人の思惑、葛藤、濃密な時間というものを丁寧に演出をさせていただきました。注目ポイントは、2人の関係がどう変わっていってどう結末を迎えるのか。そこにオーロラ、蜘蛛女がどのようにモリーナの運命を押していくのか」とポイントを表す。村井は「予備知識なくともフラットに観ていただけて、胸に感じるもの、心に響くものがたくさんある作品。ぜひご自身だけでなくお友達やご家族、いろんな方と観ていただいて、意見交換をするのがいいと思います」と勧める。さらに「トランスジェンダーのモリーナに対して、当時の刑務所の中ではコンプライアンスがひどいセリフがたくさんあるんですけど、閉鎖的な空間、時代があったんだなと肌で感じていただいて、心に何を感じるのか、ぜひ体感していただきたいです」と語った。稽古場で印象に残ってるエピソードを聞かれると、相葉は「マスクをしてお芝居をしているんですけど、幹二さんが、マスクガードを全員分くださいまして。それがあると、歌う時もマスクが口にビタビタッとならない。空間ができる」と感謝。さらに相葉が「僕と良大には、パンツをいただいたり……」と明かすと、一瞬ざわっとした空気になった会場の様子に、安蘭が「私もいただいた」、石丸が「パンツ(下着)じゃないですよ! タイパンツです!」とツッコミ。相葉は「サルエルパンツのような……」と補足を入れ、「そういうお心遣いと言いますか、あたたかいものをいただきました」と振り返った。石丸は「このカンパニーって、ほぼ男所帯なんですよ。部活みたいな状態で、日々生活が積み上がっていって、チームワークはあっという間に強くなりましたよね」としみじみ。また「舞台面と舞台中にあるセットの角度がずれているんです」とセットの裏話も。「そのずれた角度に馴染むのにものすごく大変な感覚があって、実際舞台上に立ったらよりそれがはっきりと体に迫ってきて、歪んだ中での日常生活をどう落とし込むのか今でも戦いながら、でもそれが世界観を表していると思いますので、そこを乗り切っていければ」と意気込んだ。東京公演は東京芸術劇場 プレイハウスにて11月26日~12月12日、大阪公演は梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて12月17日~19日。○プレスコール・会見写真撮影:マイナビニュース編集部
2021年11月25日●ミュージカル『蜘蛛女のキス』Wキャストに驚き名作ミュージカル『蜘蛛女のキス』が11月〜12月に東京(東京芸術劇場 プレイハウス 11月26日〜12月12日)、大阪(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 12月17日〜19日)で上演される。1976年に出版されベストセラーとなった作家マヌエル・プイグ作の小説を原作として1990年代にミュージカル化され、1993年にはトニー賞ミュージカル作品賞などを多数受賞した。原作は映画化、ストレートプレイでの舞台化もされ、そのどれもが高い評価を得ている。舞台はラテンアメリカの刑務所の獄房の一室で、映画を愛する同性愛者のモリーナ(石丸幹二)と、同室の社会主義運動の政治犯バレンティン(相葉裕樹/村井良大)が距離を縮めていきながら、周囲の思惑や状況に翻弄される姿を描く。また、モリーナの心の支えである映画スター、大女優オーロラが演じる蜘蛛女(オーロラ/蜘蛛女:安蘭けい)も作品を引っ張っていく存在に。演出を担う劇団チョコレートケーキの日澤雄介が、初めてミュージカル作品に挑む点も注目となっている。今回は、Wキャストでバレンティンを演じる相葉裕樹と村井良大にインタビュー。ミュージカル『テニスの王子様』、『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』、ドラマ『妖怪! 百鬼夜高等学校』など共演を重ねていたが、Wキャストとなるのは2人とも意外だったという。20代前半から今になっての互いの印象や、今作について思うところなど、話を聞いた。○■反響も大きかった『戦国鍋TV』で共演——今回のWキャストがSNSでもかなり話題のお二人ですが、まずは出会った頃の印象を教えていただきたいです。ミュージカル『テニスの王子様』が初対面ですか?相葉:最初は『テニミュ』で一緒だったんですけど、その時はほとんど絡みがなく、『戦国鍋』からがっつりでした。もう、良大さんは、当時からすごかったですよ。村井:なんで急にさん付けなの?(笑) さっきまで「良大」って呼んでたのに! やめてくださいよ、相葉さん(笑)相葉:(笑)。当時から歌もダンスも出来るし、もちろん芝居もすごかった。今もさらにパワーアップしていると思うんですけど、なかなか20代前半で出せない佇まいを持っていたという印象です。村井:ありがとうございます! もう『戦国鍋』はやることが多すぎて、みんなで作戦会議みたいな日々だったんです。それぞれの味を出すために、毎日「そう来るんだったら、俺はこうする」みたいなことを話し合っていて、中でもばっち(相葉)はリーダー気質というか、まとめてくれる感じがありました。相葉:そうかなぁ!?村井:誰かが真ん中に立ってくれないと、周りもどうしていいかわからなくなるんですけど、ばっちがそこでリーダーシップをとってくれていたから、調和できた。年も上だし、皆をまとめてくれるお兄ちゃんみたいな印象がありました。だから、ばっちが座長をやっている姿もまた見たいな。相葉:嬉しい。——『戦国鍋TV』はすごく盛り上がっていましたが、当時の反響は感じていましたか?相葉:当時はTwitterをやっていなかったから、よくわかってなくて。どうやら話題になっているらしいと聞いて「そうなの?」と驚きました。本当に不思議でしたけど、最初は地方のローカルで何局かしか放送されていなかった番組が徐々に広がって、最終的にはほぼ全国を網羅する形になっていたので、嬉しかったです。村井:色々な人が存在を知ってくれて、そこから興味を持って舞台を観に来てくれたのも嬉しかったし、影響力がありました。いまだに再放送されると、Twitterでトレンドに上がってきたりしているんですよね。——歴史的な事柄でも何かあると話題になっている印象があります。最近も骨が見つかったり…。2人:ミゲルの!相葉:まさか「千々石ミゲル」がTwitterのトレンドに入ってると思わなくて「何があったの? 良大がなんかしたかな?」と思った(笑)村井:なんでやねん(笑)。でもあのニュースにはさすがに反応しちゃいました。※注:『戦国鍋TV』で相葉は伊東マンショ、村井は千々石ミゲルを演じており、最近千々石ミゲルの遺骨の可能性が高い骨が発掘され話題となっていた。○■10年の変化は?——そこから時間も経ってのWキャストということですが、今回どのような心境ですか?村井:ばっちは、バレンティンにぴったりだと思うんです。心に燃えるものがあるタイプで、すごく似合うんだろうなと想像できるから。僕がバレンティンを演じることについては、「いいんですか!? ありがとうございます」という感じでした(笑)。Wキャストのばっちとはタイプも違うし、バレンティンのイメージを壊さないようにしないと……。相葉:いやいやいや、よく言うよ。村井:それはリアルにマジで! だって石丸さんと安蘭さんとばっちが並んだら、絵になるじゃん! 想像つくよ!——ビジュアル公開の時に、村井さんがかっこいいという反応もたくさんありました。村井:ありがとうございます。スタッフの皆様のお陰です(照れて)相葉:今回は僕も本当にびっくりしました。いつか共演という形はあるだろうなと思ってたんですけど「あ、Wキャストなんだ!」と。持ち味が違うから驚きましたけど、心強い。昔、共演していたし、助け合えたら良いなと感じました。村井:僕もばっちだったら「ここ、どうしてる?」とか、相談しやすい。相葉:僕はスロースターターなんです。だから今回の『蜘蛛女のキス』に関しても、ご迷惑をおかけすることがあると思う。村井:ゆっくり役を作っていくタイプってこと?相葉:いや、そういうつもりはないんだよ。ゆっくりやろうなんて思ってないんだけど、頑張って頑張ってやっとできるようになる、みたいなところがあるから。それはもう自分でわかっていて、どの現場でも「人一倍やらないといけないな」という気持ちで臨んでいます。——お二人の感覚としては「昔、共演していた」なんですか? それとも「ユニットとして一緒に活動していた」という感じですか?相葉:たしかに、一緒にライブをやったりもしましたけど……実際に活動していたわけじゃないので!(笑)村井:番組内の設定だからね。「グループは解散したけど、久しぶりに……」みたいな感じではない(笑)。でもあの時の青春感はあって、そこから年齢を重ねた感慨もある。相葉:10年経ってますからね。——10年の変化も感じたりされましたか?村井:今日本当に久しぶりに会って、細身のイメージだったばっちが筋肉質になっていてびっくりしたんです。それで聞いてみたら「『レミゼ』(ミュージカル『レ・ミゼラブル』)のために鍛えた」と言っていたので、もう僕が知ってるばっちじゃないんだろうな、と。いろんな世界、いろんな作品を経た新しいばっちなんだろうなというのをすごく感じます。相葉:逆に、良大のイメージは変わらないかも。昔からひょうひょうとしているイメージが強くて、テンパったところを見たことがない。内心では色々あったり、すごく努力していたりすると思うんだけど、それを見せずにさらっとやっちゃうところがかっこいいから、パワーアップしてると思うと、ちょっと怖いくらいです。村井:いやいやいや、いつもテンパってるよ。わかりやすいと思うよ、汗かいてるとテンパってるから。相葉:そうだったの? でも表情は変わらないというか、常に冷静で、見習いたい。今思い返すと、20代前半で良大みたいなタイプって周りにもいなかったし、本当にすごい役者さんなんだというのを改めて感じます。●「どこで好きになりましたか?」と質問したい○■まさかまた革命に…——『レ・ミゼラブル』の話も出てきましたが、相葉さんはアンジョルラス役から続けて革命家の役にもなりますね。相葉:また革命に関われるとは思っていませんでした。バレンティンにはナイーブなところもあって、男らしいけど恋人に対する想いがダダ漏れになったり、センチメンタルになったりするので、アンジョルラスとは全然違うなとも感じています。時代も環境も違って「革命の幅って広いな」とも思いました。——村井さんも『デスノート THE MUSICAL』で世界を変えようとしてたり…。村井:そう言われると、あれも革命だったかもしれないです(笑)。バレンティンというキャラクターは、革命の中心に近い部分にはいても活動に参加する側だから、アンジョルラスとまた違いそう。相葉:アンジョルラスは完全にリーダーだった。村井:バレンティンは引っ張っていく存在というより「仲間のために」という意識があって、そういうところは男から見てもかっこいいと思います。——台本を読むと、舞台ではモリーナに感情移入してしまいそうで、そうなるとお二人が演じるバレンティンは「ずるいけど、かっこいい」というところもあるかと思います。どう表現されていくのか、楽しみかつ気になるところで…。村井:そこが多分、1番難しい……。相葉:結果的に利用しようとするところはあるんだけど、心は開いてないわけじゃなくて……。村井:逆に、モリーナを演じる石丸さんに「どこで好きになりましたか?」と質問したくなる。Wキャストだから、それぞれ好きになるところが違うかもしれないし、そこが気になるな、と。もちろんこれから作り上げていくんだけど、バレンティンもモリーナのことをどこまで受け入れてるんだろう? ただ結論としては、わからなくていいし、観る方の想像でいいんだとは思う。相葉:そうだね。そんなに強い人間なんていないし、感情も1つじゃなくて、揺れ動いて矛盾も生じる。バレンティンはマルタに思いを寄せながらも、モリーナに心を許して、でも利用しようとするところもある。それがどういう風に映るのかな?村井:ここでモリーナがバレンティンを好きになったんだなとか、バレンティンが思いを寄せたんだなというところが表現できると、さらに面白いかもしれない。○■観客の受け取り方に「おもしろい」——ちなみに、お互いのバレンティンについて「こんなところがかっこよくなるんじゃないか」と思うのはどこでしょうか?村井:ばっちは、歌っている時の目が1番かっこいいな、と。本当に思ったの!『レミゼ』の歌唱披露の動画を見た時に、すっごい目がキラキラしてて。だから、今回もバレンティンの目がかっこいいんだろうな。相葉:ありがとうございます。僕の思う良大のかっこよさは、やっぱり佇まいなんだよね。誰にも出せない存在感のある人だから、バレンティンの怒りだったり、鬱屈した思いだったり、言葉の範疇じゃない部分を体現してくれるんだろうな、と。村井:頑張ります!相葉:そういうこと、言われない?村井:あんまり面と向かって言われることはないかも(笑)。でもそれぞれ持ってる個性とか空気があるから、そこを面白さとして見てもらえたら嬉しいな。相葉:本当に、質の違うバレンティンになりそう。——舞台を観ている方は、キャストや解釈の違いもすごく楽しんでいますよね。『蜘蛛女のキス』も、そういうところも楽しめそうな作品だと思いましたが、役者の方はどうとらえられてるんですか?相葉:おもしろいですよね、お客様の受け取り方って。本当に色々で、「そうやって解釈するんだ」と驚くこともあるんです。村井:何を受け取るかって、受け取る人の個性もあるじゃないですか。舞台は映像と違って全身の肉体がそのまま板の上に存在するから、僕は自分の人生を出している感覚なんです。僕には僕の人生があって、観に来たお客様一人ひとりにも人生があって、そこで色々な作用が起きるんじゃないかな。もちろん根底には作品のストーリーがあるけど、感じ取るものは絶対に人によって違いますよね。相葉:元気なのか、落ち込んでるのか、その日のお客様のコンディションもあるだろうし。僕らも当然、日々コンディションが違うから、演じる上での変化は起こってくる。本当に一期一会だなと思う。村井:以前『RENT』のキャスト皆でミュージカルを観に行ったんだけど、RENTチームって超テンション高いから、曲が終わったら「イエ〜!」と盛り上がっちゃって。でも、そうしたらお客様も舞台上もどんどんヒートアップしていったの。やっぱり、舞台も相互作用で変化するライブなんだなとすごく思った。最近はもう感染症対策で、幕が上がる前からみんなシーンとしなくちゃいけなくて、ちょっと悲しくならない? すごく緊張するし。相葉:悲しくなる。でも、だからなのか、以前よりも拍手の音が大きく聞こえる気がする。村井:きっと今は、思いを拍手に乗せてくれてるんだね。■相葉裕樹1987年10月1日生まれ、千葉県出身。2004年映画デビュー、ミュージカル『テニスの王子様』(05年~08年)で初舞台デビュー。以来映像・舞台・アニメと様々な作品で活躍し、『侍戦隊シンケンジャー』(09年)、『戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~』(10年〜12年)出演も話題となる。近年の主な出演作にミュージカル『レ・ミゼラブル』(17年・19年・21年)、ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』(19年)、ミュージカル『アナスタシア』(20年)、現代能楽集Ⅹ『幸福論』(20年)、海外ドラマ『S.W.A.T.』シリーズ日本語吹替、ゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』(20年〜/ボイスキャスト)など。2022年6月には中川晃教とのW主演、水江建太とWキャストでミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』上演を控える。スタイリスト:大森優希、ヘアメイク:SUGA NAKATA(GLEAM)、衣装=シャツ・パンツ:シャリーフ/シューズ:ボエモス■村井良大1988年6月29日生まれ、東京都出身。2006年に舞台『赤毛のアン』にて俳優デビューし、翌07年にテレビドラマ『風魔の小次郎』、舞台『風魔の小次郎』で初主演を務める。ミュージカル『テニスの王子様』(08年〜09年)、『仮面ライダーディケイド』(09年)、『戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~』(10年〜12年)、舞台『弱虫ペダル』(12年〜15年)など話題作に出演し、近年の主な出演作にミュージカル『RENT』(15年・17年)、舞台『魔界転生』(18年・21年)、『デスノート THE MUSICAL』(20年)など。2021年は舞台『ローズのジレンマ』、Musical『DEVIL』Japanプレビューコンサート、舞台『甘くない話〜ノン・ドサージュ〜』に出演。スタイリスト:大森優希、ヘアメイク:天野誠吾、衣装=ブルゾン:イロコイ/シャツ:アタッチメント/パンツ:シュープ/シューズ:スタイリスト私物
2021年10月28日相葉裕樹が「今までやったミュージカルのなかで一番難しい」と言うミュージカル『蜘蛛女のキス』。ベストセラー小説をミュージカル化し、1993年にはトニー賞などを多数受賞した。「楽曲はかっこいいけれど難解で、かなり歌いこまないといけない。半音での変化が多いし、フォルテでポンと歌うところもあればとても繊細にファルセットを使うところもあって、レンジ(音域)が広い。また、ほぼ2人で物語が進むので、歌や言葉で引っ張っていかないと濁る。新たな挑戦です。目の前に大きい壁がきたぞとかなり緊張しています」。刑務所の獄房で同室となった同性愛者のモリーナ(石丸幹二)と青年革命家バレンティン(相葉裕樹/村井良大)はお互いを理解できず激しく対立するが、その関係は少しずつ変化していく。映画版も見た相葉は「心を開いていくグラデーションが緩やかに進んでいく」ことに注目した。「感情をむき出しに喋るけれど、ただの怒りではなく鬱屈としたなにかがある。「殺されるんだろう」という覚悟もあると思うし、感情がぐちゃぐちゃな大変な役」。だからこそ稽古で動いてみないとわからない。「実際に動くと感覚が変わるので、肉体を動かして、言葉を口から発して、どう感じるかを大切にしたい」。モリーナ役の石丸とは、2016年ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』で共演した。「とても優しい方です。その時は、楽屋でコーヒーをいただいたりもしました。今回は迷惑をかけると思うのですが、できることはなんでもやります!体当たりすることでしか作れない作品だと思うので、たくさん苦しんでもがきます。」。Wキャストの村井良大とは10年前の『戦国鍋』以来だ。「このタイミングで、ミュージカルでWキャストなのは不思議な感覚。良大は飄々として、動じたところは見たことがない。僕とはまったく違うので、カラーが変わるでしょうね。信頼できる仲間だからこそ切磋琢磨したい」と信頼を寄せる。「観る方によって印象が変わる作品です。すっきりする人もいればしない人もいるはず。バレンティンに対して「最低」と思う人もいるでしょう。でも誰が悪いわけでもなくて、愛や信念が交錯している。みんな、責められる?と思います。でも僕自身、これからの稽古で感じ方も変化していくんでしょうね。歌もせりふもたっぷりありますので、丁寧にしっかり構築したい」上演は11月26日(金)~12月12日(日)、東京芸術劇場プレイハウスにて。取材・河野桃子
2021年10月11日俳優の中川晃教、相葉裕樹/水江建太(Wキャスト)がミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』でW主演を務めることが6日、明らかになった。同作は、シアタークリエ・帝国劇場・全国の大劇場で例年上演を続けている音楽朗読劇VOICARIONシリーズで原作・脚本・演出を手掛けている藤沢文翁による朗読劇のミュージカル化作。19世紀ヨーロッパの華麗なる音楽黄金期を舞台に、天才ヴァイオリニスト・ニコロ・パガニーニが悪魔・アムドゥスキアスと血の契約を結び、100万曲の名曲の演奏と引き換えに、命をすり減らし世界を熱狂させてゆく姿を描く。東宝が満を持して贈る、オール日本人クリエイターによる本格オリジナルミュージカルとなる。稀代の天才と謳われた実在のヴァイオリニスト・パガニーニは、確かな実力と華で『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役を好演中の相葉裕樹と、MANKAI STAGE『A3!』『BANANA FISH』The Stageで圧倒的なスター性を発揮し、東宝ミュージカル初出演にして主演に抜擢された水江建太がWキャストで演じる。そんなパガニーニを圧倒的な歌唱力で惑わせ、魔性の音楽の虜にしてゆく音楽の悪魔アムドゥスキアス役に、代表作『JERSEY BOYS』での第42回菊田一夫演劇賞受賞をはじめ、日本ミュージカル界を牽引するトップランナー・中川晃教が決定し、W主演を務める。音楽を愛するジプシーの少女アーシャ役には、乃木坂46内でも実力派として注目を集めミュージカル単独出演は初となる早川聖来、ナポレオン皇帝の妹でパガニーニを誘惑するファム・ファタル、エリザ・ボナパルト役には抜群の歌唱力を誇る青野紗穂、パガニーニのヴァイオリンの師であり、物語のキーマン・コスタ役には、ベテランの畠中洋が決定。またパガニーニに仕える執事・アルマンド役は、東宝ミュージカル初出演にして藤沢文翁氏とは10年以上にわたる交友があり、オリジナル作品に全幅の信頼を寄せている声優界の大スター・山寺宏一と、数々の東宝ミュージカルの名作を支えてきた実力者・戸井勝海がWキャストで務める。パガニーニの母親・テレーザ役には、東宝ミュージカルの大看板、香寿たつきが名を連ねるなど、ミュージカル界のスターキャストがそろった。作曲・音楽監督は村中俊之が務め、上演は東京・日比谷シアタークリエにて2022年6月を予定している。
2021年08月06日第46回菊田一夫演劇賞が20日に発表となり、俳優の風間杜夫が菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。『セールスマンの死』のウィリー・ローマン役、『女の一生』の堤章平役、『白昼夢』の高橋清役の演技が高く評価され、風間が大賞を受賞した。菊田一夫演劇賞には、『ローマの休日』ジョー・ブラッドレー役、『BARNUM/バーナム』フィニアス・テイラー・バーナム役の加藤和樹、『アリージャンス〜忠誠〜』サミー役、TOHO MUSICAL LAB. 『Happily Ever After』男役の海宝直人、『NINE』ルイザ役、『GHOST』モリー役の咲妃みゆ、『ウェイトレス』ジェナ役の高畑充希が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は『屋根の上のヴァイオリン弾き』をはじめとする永年の演劇界への功績がたたえられ、鳳蘭が受賞した。
2021年04月20日ミュージカル『アナスタシア』の製作発表会見が12日に都内で行われ、葵わかな、木下晴香、海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴、山本耕史、堂珍嘉邦、麻実れいが登場した。同作は、第70回アカデミー賞で歌曲賞、作曲賞にノミネートされたアニメ映画『アナスタシア』に着想を得て制作されたミュージカル。2017年にブロードウェイで初演を迎え、日本で初上演となる。1918年、帝政ロシア時代の最後の皇帝ロマノフ2世をはじめ一族が殺害されたというニュースがあふれる中、皇女アナスタシアだけは難を逃れて生き続けているという歴史上の謎「アナスタシア伝説」にもとづいた物語で、記憶をなくした主人公アーニャが、自分の過去を取り戻し、愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路を描く。製作発表会見では、ディミトリ役の海宝・相葉・内海による「My Petersburg」、アーニャ役の葵・木下による「Jorney to the Past」が披露された。トリプルキャスト・Wキャストの印象について質問されると、ディミトリ役の海宝は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でマリウス役・アンジョルラス役としてともに過ごした相葉について「けっこう長い時間を一緒に早替え小屋でも過ごし、一緒の役をできるとなった時はとても嬉しかったです。相棒だったので、同じ時間を過ごせるのは嬉しかったですし、猫好きという共通点があって。猫の島の話とかね、しましたよね」と明かす。相葉は「そうですね。一緒に行けなくて、結局僕だけ言ったんですけど」と照れ笑いを浮かべた。内海については「初めてご一緒するんですが、コンサートを拝見して、本当に若さ溢れるエネルギーと、胸にくる歌声がとても素敵で、ご一緒できるの楽しみだなと。とっても爽やかでにこやかに挨拶していただいて、3人で切磋琢磨してディミトリという役を作り上げていけたら」と意気込んだ。相葉は「海宝さんは、以前は相方的な役ではあったんですけど、今回は同じ役をやるということですので、一緒の舞台には上がらないなという寂しさはある。今日の製作発表で3人で歌わせていただくバージョンで、ものすごく緊張してたんですけど、海宝くんがいるだけでも安心感がある。年下ではあるんですけど、ものすごく頼りになる」と絶賛。「内海くんは昨日初めてお会いして、今日の製作発表の練習をさせていただいたんですけど、人懐っこい笑顔がかわいらしくて、ついついこっちまで笑顔になってしまう。これからお話ししていけたらと思いますし、ごはんとかいけたらいいなと思っております」と語った。また、「ブロードウェイミュージカル、グランドミュージカルに出演するのが初めて」という内海は「僕は猫アレルギーなんで猫はちょっと苦手なんですけど……」と会場を笑わせつつ、「海宝さんはアルバムをいつも稽古に行く前に聞いて気持ちをあげたり、海宝さんのミュージカルを観に行ったり。ここ2〜3年でミュージカルが本当に大好きになり、知らないことだらけなんですけど、海宝さんの歌に心打たれて、今回ご一緒できて本当に嬉しく思ってます」と感謝。「相葉さんは昨日お会いして、僕が今出演しているミュージカルの大先輩の方なので、動画はたくさん見させていただきまして、本当に大好きな先輩と共演できて嬉しく思っています」と、ミュージカル『テニスの王子様』の先輩である相葉への思いを表した。一方、グレブ役の山本&堂珍は、「10年以上前にテレビのバラエティで共演させていただいて以来」という再会に。山本は「世代的にも同じで、とても心強い。稽古で見てここかっこいいなというところはガンガン盗んでいきたいと思いますし、自分からそういうものを感じていただけたら盗んでもらいたい」と回答。堂珍は「僕からしたらもう本当にずっと前からテレビに出られてた大先輩という感じなんですけど、きさくに接していただいて、僕の方こそ心強い。自分たちを超えた、『日本のグレブは面白いね』となっていけたら良いなと思います。本当に光栄だなと感じています」と心境を明かした。
2019年11月12日女優の大竹しのぶが26日、東京・東京會舘で行われた第四十四回菊田一夫演劇賞授賞式に登壇した。授賞式には他、橋爪功、若村麻由美、古川雄大、生田絵梨花、高田次郎が出席した。同賞では、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する。演劇大賞に大竹、演劇賞に橋爪・若村・古川・生田、特別賞に高田が選ばれた。演劇大賞を受賞した大竹は、20歳のときの初舞台を振り返り「お稽古が本当に楽しくて楽しくて、いよいよ初日の幕が開くときにはわくわくして、『舞台に立つって、こんなに楽しいものなのか』と思った気持ちが今そのまま40年……本当は41年、続いています」と演劇への愛を見せる。さらに、演劇大賞を受賞する理由となった『ピアフ』の思い出として「ある日のカーテンコールで一番後ろから、中年の女性の方がばーっと走り寄ってきて、『もう一度愛の讃歌を歌ってほしい』と泣きながら言ってくださって、普通にカーテンコールだったんですけど、もう一度『愛の讃歌』を歌い、客席みんなと一緒に『水に流して』を歌ったカーテンコールは忘れられません」とエピソードを披露。「一瞬かもしれないけど、演劇というのはこんなに、1人の人の心に光を当てることができるんだと思いまして、私は演劇をやってきてよかったなと思いました」と語る。大竹は「ピアフの言葉で『歌うことは私の肉体であり精神であり魂である』という風に言っていたんですけど、私はそこまではまだ言えませんが、魂をこめて演劇をやっていきますので、演劇がこれからも活気付くように、どうぞよろしくお願いいたします」と頭を下げた。一方、橋爪は「天才・大竹しのぶと違って、私は舞台に出ることが楽しくもなんともない」と会場を笑わせる。「辞めようと思ったことはないんですが、毎回なんでこんな商売を選んだって。でもこういう賞をいただくと、なんとなくもうちょっとやれって言われているような、いや〜な気がして、しょうがねえからもうちょっとやるかなって思ってます」と今後への気持ちを新たにした。若村は「最近ずっと、お芝居ってどういうのかわからないと思っていて、あまり自信のない数年を過ごしていた」と告白。「このようにすごい賞をいただいたら、いろいろ迷ったままなんですけど、もっと精進したい」と感謝する。特別賞の高田は「なんぼの間違いやないかいなと思ったんですけど、間違いであってもいただけるものはいただこうと決心してまいりました」と笑いを誘い、「これからも一生懸命涙と笑いの人情喜劇に邁進してまいります」と、87歳ながらに意気込んだ。受賞後の取材では、恋愛についても質問された大竹。宮原浩暢とのデート報道があったが、「あれは本当に、あんな風に書かれてすごいなと思いました。まったく関係ないです」と苦笑。「お芝居の帰りにご飯を食べてそのまま帰っただけで、それだけでこういう風に(ニュースに)なるというのは、まだまだ頑張れます」と大人な対応で、宮原に「大切な人がいると言うことも聞いています」と明かす。また、今後の恋については「したいですけど、頑張ります。『自分からやってかないとだめよ、この年になったら、待ってちゃダメなのよ』って先輩の女優さんから言われました」と意欲を見せる。報道について、娘のIMALUの反応を聞かれると「笑ってます」とさらに苦笑していた。
2019年04月26日俳優の古川雄大が26日、東京・東京會舘で行われた第四十四回菊田一夫演劇賞授賞式に登壇した。授賞式には他、大竹しのぶ、橋爪功、若村麻由美、生田絵梨花、高田次郎が出席した。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。古川は『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『ロミオ&ジュリエット』での演技が評価され、演劇賞を受賞した。古川は「2012年に初めて『エリザベート』という作品でルドルフ役をやらせていただきまして、同じ作品のトートという役に憧れて、いつかこういう役ができるようにやりたい、ミュージカルを頑張っていこうと決めました」と自身のこれまでを振り返る。「音楽を一切学んでこなかったのでまったく基礎がない状態で、今までの6年間というのはかなり大変な道のりだったんですけど、ゆっくりでいいから前に進もうという気持ちを忘れずに頑張ってきました。ついに念願のトートをいただけて、さらにこのような素晴らしい賞までいただけて、幸せな気持ちです」と心境を吐露した。さらに、「僕は昭和62年生まれで、僕が生まれてすぐに平成になったんですけど、平成にミュージカルに出会い、平成最後のタイミングで自分の夢が叶い、すばらしい賞をいただけけて、このように終われるとは思っていませんでした」としみじみ。「令和に向けていいスタートが切れるように、いま稽古中のトートに挑んでいきたいと思っています」と意気込んだ。授賞式後の取材では、生田とともに登場。これまでに3回共演しており「"いくちゃん"と呼ばせていただいております」と呼び方を明かす。生田からは「古川さん」と呼ばれているが、「"なんとかちゃん"と呼んだ方がいいですか?」と聞かれ、苦笑していた。相手役が多いために、互いにキュンとするところを聞かれると生田は「役でパートナーなので、普段からも気遣ってくださる。キュンとすると言うか、安心します」と回答する。古川は「恋に落ちる役が多いので、その瞬間はすごいキュンとしてます」と明かしつつ、「実際に落ちたりはしない」とバッサリ。「舞台上では恋に落ちても、終わったら『じゃあね、おつかれ』みたいなパターンが多い。本当に恋に落ちちゃうと、日常と演技の差がつかなくなってしまうんじゃないでしょうか」と見解を述べ、生田も「兄弟とか家族とか、そういうものに近い信頼関係が生まれるんじゃないかな」と語った。
2019年04月26日4月からのフジテレビ木曜劇場にて、二階堂ふみと亀梨和也がW主演を務める「ストロベリーナイト・サーガ」を放送することが決定。2人が新たな“姫川・菊田”コンビとなるほか、姫川の天敵となる刑事“ガンテツ”を江口洋介が演じることになった。原作は累計400万部を突破し、現在も増刷を重ねる誉田哲也のベストセラー警察小説「姫川玲子シリーズ」。リアリティあふれる警察描写で、重厚かつスピード感に満ちた事件捜査と魅力的なキャラクターによる群像劇を描き、いまなおファンを増やし続ける傑作シリーズとして知られる。竹内結子主演で2010年にはスペシャルドラマ「ストロベリーナイト」が映像化され、2012年1月期の連続ドラマ版では全話平均視聴率15.4%、最高視聴率16.9%を獲得(ビデオリサーチ調べ関東地区)、まさに息をもつかせぬ斬新な展開とキャラクターたちが躍動する本格刑事ドラマとして話題に。2013年には劇場版も公開され、興行収入21.5億円を記録した。そんな前シリーズから6年。新たに生まれ変わる本作「ストロベリーナイト・サーガ」では、キャスト、スタッフを一新し、まだ映像化されていない最新エピソードを加えて再構成。壮大かつ斬新な本格刑事ドラマが、装いも新たに動き出す。■二階堂ふみ、連ドラ初主演で初の刑事役!本作を象徴する主人公で、ノンキャリアでありながら27歳という若さで警部補に昇任した女性刑事、警視庁捜査一課殺人犯捜査第十係主任・姫川玲子を演じるのは、『ヒミズ』『私の男』『リバーズ・エッジ』などの作品に出演、今年も映画『翔んで埼玉』(2月22日公開)で主演を務めるなど躍進を続けている二階堂ふみ。捜査一課で唯一の女性班長・姫川として、直感と飛躍した思考、行動力を武器に“姫川班”を率いて、数々の難事件の真相に迫る。二階堂さんは満を持しての連続テレビドラマ初主演となる本作で初の刑事役に挑み、木曜劇場にはゲスト出演した「刑事ゆがみ」以来2年ぶりの出演となる。「初めての刑事役でドキドキしております。原作ファンの方々にも楽しんでいただけるような作品にできたらと思います!」と、意気込む二階堂さん。亀梨さんとの共演を「シャープで知的な亀梨さんから沢山学ばせていただきたい」と語る。また、江口さんとは「実は12歳の時にCMのお仕事でご一緒させていただいていました」と告白、久々の共演に期待を寄せている。■亀梨和也、二階堂ふみと初共演で姫の“ナイト”・菊田に姫川の年上の部下となる巡査部長・菊田和男を演じるのは、映画『ジョーカー・ゲーム』やドラマ「FINAL CUT」などで主演を務めてきた亀梨和也。フジテレビ木曜劇場は初出演で、二階堂さんとW主演、共演も初めてとなる。菊田といえば、生真面目な性格で寡黙な一方、その内面では曲がったことが嫌いな正義感を持ち、熱い男気を秘めた体育会系刑事。姫川班に異動してきた当初こそ、直感を武器に危険な捜査を繰り返す姫川を懐疑的に捉えていたものの、共に事件を追うにつれ、姫川の刑事としての優秀さと人間的魅力に気づき、自分の中に特別な感情が芽生え始め…。想いを内に秘めながらも献身的に姫川を支える、亀梨さんの新たな騎士・菊田の勇姿にも注目だ。亀梨さんは「原作の世界観をしっかりと読み込んで、自分の中でイメージを膨らませ、ふとした表情であり、ちょっとした言葉の端々で感じてもらえるよう、今回の『ストロベリーナイト・サーガ』に沿った菊田和男を作っていきたい」と語っている。■前シリーズで武田鉄矢が演じた“ガンテツ”は江口洋介!そして、姫川の天敵、警視庁捜査一課殺人犯捜査第五係主任の警部補・勝俣健作を演じるのは江口洋介。“ガンテツ”という通り名を持つクセ者刑事で、摘発率は圧倒的トップを誇り、刑事としての腕前は誰もが認めるベテラン。公安に8年いた経歴を持ち、警察内外の情報収集にたけているが、おきて破りの捜査方法が様々な疑惑を招くことも…。1987年のデビュー以来、「ひとつ屋根の下」シリーズや「救命病棟24時」シリーズ、「白い巨塔」など、唯一無二の存在感でドラマ界・映画界をけん引してきた江口さんは二階堂さんとは映画『脳男』以来の共演、亀梨さんとは今作が初共演。清濁併せ持つ孤高の破天荒刑事をどのように演じるかも見逃せない。「新しい二階堂さんの姫川玲子とガンテツとのバトルがいまから楽しみ」と語る江口さんは、「ストロベリーナイトの世界観にどっぷり浸かるだけ浸かってみようと思っています」とキャラクターへの思いを明かした。なお、本作では、姫川玲子シリーズ第1作でもある表題作「ストロベリーナイト」ほか、死体なき殺人事件の真相を暴く「ソウルケイジ」、暴力団抗争が絡んだ惨殺事件に迫る「インビジブルレイン」、さらには初の映像化となる、青い仮面の猟奇的殺人鬼を追う「ブルーマーダー」といったラインナップを放送していくという。原作者の誉田氏は「同じ作品の再映像化というのは私も初めての経験なので、どんなことになるのか、今から楽しみです。特に江口洋介さんがどんな“ガンテツ”を生み出してくれるのか、ワクワクが止まりません。期待しています」とコメントを寄せている。木曜劇場「ストロベリーナイト・サーガ」は4月、毎週木曜22時~フジテレビ系にて放送スタート。(text:cinemacafe.net)
2019年02月10日女優の石橋杏奈(26)が、プロ野球・楽天の松井裕樹投手(23)と13日に結婚したことを、自身のインスタグラムで同日、報告した。石橋は、2ショット写真を添えて、「私事ですが本日12月13日にかねてよりお付き合いしておりました東北楽天ゴールデンイーグルスの松井裕樹選手と入籍いたしましたことをここにご報告させていただきます」と報告。「彼の野球に対するまっすぐな姿勢や素直で無邪気な性格に惹かれ傍に居たいと思うようになりました」とつづった。続けて、「彼の活躍が2人の幸せでもあるので 日々刺激をもらいながら私も出来る限りのサポートをしていきたいと思っておりますこれからは夫婦としてどんなときも手を取りあい思いやりの気持ちをもって共に歩んでいきたいと思います」と決意を記し、「まだまだ未熟者ではありますが温かく見守っていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。
2018年12月13日綾瀬はるかや石原さとみらが所属する芸能事務所・ホリプロの創業者で最高顧問・堀威夫氏が26日、都内で行われた「第四十三回 菊田一夫演劇賞」の授賞式に出席し、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』が大賞に表彰された喜びを語った。同賞は、劇作家・菊田一夫氏の功績を記念して1975年に創設。同氏の念願だった演劇界発展の一助として、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家を毎年表彰している。同作は舞台効果の高さが表彰され、大賞に輝いた。日本では『リトル・ダンサー』として知られる映画『BILLY ELLIOT』が、2006年にイギリスでミュージカル化。昨年にホリプロが手掛けた同作では、1,346人から抜てきされた5人の少年たちが主演を務めた。堀義貴社長は、昨年のインタビューで「素晴らしすぎて腹が立った」「ここまでのめりこむことはない」と同作への情熱を語っていたが、共に出席した堀威夫氏にとっても思い入れの強い作品だったようだ。受賞のスピーチでは、「最初に演劇と関わり合うようになったのは『ピーターパン』です。当時の榊原郁恵をアイドルから次のステップへどう展開するかを悩んでいた時に『ピーターパン』と出会いました」と振り返り、「ほとんど、マネージメントの1つのツールとして考えておりましたから、演劇の世界の皆さんからすると、甚だ不純な動機という感じがします」と胸の内を明かした。「『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』に関しては、私の立ち位置はどちらかというとスタッフというよりは、観客の一人という感じです」と作品との関係性を表現する堀威夫氏。「同じ演目を7回見たのは後にも先にも初めての経験でしたが、どの回を見てもリハーサルの情が移ったせいかもしれませんが、毎回感動致しました」と感慨深げに語る。そして、「私は芝居の世界とはやや距離を置いた形で芸能界に入りましたが」「甚だ恐縮に存じております」と受賞の心境を表し、「遅きに失したかもしれませんが、できるだけ数多くの演劇を拝見して『門前の小僧習わぬ経を読む』ということもありますので、遅ればせながら業界の一員としていくらかでもお役に立てればと念願しております」と締めくくった。
2018年04月30日女優の神田沙也加(31)が26日、都内で行われた「第四十三回 菊田一夫演劇賞」の授賞式に出席し、涙を浮かべながら受賞の喜びを語った。同賞は、劇作家・菊田一夫氏の功績を記念して1975年に創設。同氏の念願だった演劇界発展の一助として、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家を毎年表彰している。神田は昨年3月から4月にかけて上演されたミュージカル『キューティ・ブロンド』のエル・ウッズ役が評価されての受賞。同作は、ブロードウェイでトニー賞7部門ノミネート、ウエストエンドではオリヴィエ賞3部門を受賞した人気作で、神田は日本初演で主演という大役を担った。神田が演じたエルは、何事にも全力で挑み、持ち前のポジティブさで周囲の偏見や困難を吹き飛ばしていくキャラクター。来年2月には、再演されることが決定している。マイクの前に立った神田は、「こういう場で自分の言いたいことを簡潔にまとめるのが本当に得意ではないので、この場でお話させていただけるのは今日しかないと思いましたので」と前置きした上で事前に用意したメモを開き、2004年の初舞台『INTO THE WOODS』からの思いを語った。この日は、「菊田一夫演劇大賞」を受賞した『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』の上演関係者を代表してホリプロの最高顧問・堀威夫氏、同社の代表取締役社長・堀義貴氏、演劇賞を受賞した城田優、戸田恵子らが出席した。■授賞式のスピーチこの度はこのようなすばらしい賞をいただきまして、本当に本当にありがとうございます。初舞台から作品ごとに演出や指導してくださる先生方のおっしゃることに必死で食らいつき続けていたら、いつの間にか14年が経っていました。たった14年。尊敬する先輩方から見ると本当にひよっこですが、藁をもつかむ思いで先生方のご意見を一生懸命食らいついてきました。その間、この「菊田一夫演劇賞」を受賞する同年代を見ては本当にうらやましく思ってきました。この賞は私にとって本当に大きな1つの目標でした。やっと、誰かから決められたわけでもない「自分で選んだ大好きな道」を少しだけ誇ることができるような気がしています。それは私には自力で絶対にできないことだったので、あらためて観に来てくださったお客様、そして審査員の皆様に感謝申し上げたいと思っております。そして、日本で初演だった『キューティ・ブロンド』に惜しみない愛情と情熱と才能を注いでくださった、貸してくださったキャスト、スタッフの皆様方、そして日本で最初のエル・ウッズを任せてくださるのはたくさんの勇気をもって決断していただいたのではないかと思っております、東宝様、プロデューサー様。「神田沙也加の代表作にしましょう」と言ってくださった演出家の上田一豪様。ほかにもこの14年間導いてくださった皆様のお陰で今があり、この感謝は言葉では本当に言い表せません。これから携わる作品により誠心誠意向き合い、がんばってやっていきたいと思っております。そしてまた、14年が経ってもお話しできるように、長く役者をやっていられたらと、願わずにはいられません。お時間をいただき、すみません。今日は本当にありがとうございました。
2018年04月26日