おしんこ、枝豆、刺身に、もつ煮。定番の居酒屋料理も良いけれど、はしご酒をもっと楽しむのであれば、ちょっと変わったメニューにも挑戦したいところ。 東京・大塚駅すぐにできた『東京 大塚のれん街』は、元々店舗兼住居だった古民家をリノベーションした飲み屋街。現在は10店舗(8月31日からは11店舗!)のお店が並び、大塚発信グルメを堪能できます。海鮮居酒屋、寿司屋、やきとん居酒屋、カラオケ酒場などなど、個性的なお店が並ぶ様子はまるでスペインのサン・セバスチャンのよう。 今回は8月10日に『星野リゾート OMO5 東京大塚』で開催された、Pelulu一周年を記念した『Pelulu secret party』に協力して頂いた店舗から、一風変わった、でもこだわりを感じる肴をご紹介します。 ■寿司の極みを味わえる『大塚 魚寿司』 『東京 大塚のれん街』は、いろはにほへと…とお店に付番されているのも特徴的。こちらはのれん街の玄関口「る」に位置する、『大塚 魚寿司』。 厨房をぐるっと囲むようにカウンター席が設けられていて、外の空気をそのまま感じられる屋台風の店構えです。 握ってつくる江戸前寿司が登場した江戸時代、寿司は屋台で気軽に食べられました。そんな昔のように「肩肘張らずにふらっと立ち寄って、寿司をつまみにお酒を飲める粋な寿司屋にしたい」と小形店長は話します。 『魚寿司』のメニューで外せないのが「極み寿司」。「王道の中に入れられた変化球」とされる極み寿司は、魚料理を極め、唯一無二の存在となるべくつくられており、ほかでは食べられないものがそろいます。 今回は人気の三貫をご用意頂きました。左から「飲めるサーモン」、「まぐろのロッシーニ風」、そして「いかそうめん からすみがけ」です。 低音調理された「飲めるサーモン」は、食べた瞬間にシャリよりも早く口の中からなくなってしまうほどのくちどけ。 フォアグラとトリュフをのせるのがフランス料理の「ロッシーニ風」ですが、『魚寿司』では代わりにあん肝をつかって和風に仕上げます。トリュフの芳醇な香りにうっとりしたら、あん肝の塩気とまぐろのうまみが合わさって、これぞ極みとうなってしまいます。 やわらかな「いかそうめん」の上にかけられた、黄色いからすみの触感と塩気、そして風味にお酒が進んでしまいます。 しかし気になるのが黒いシャリ。黒酢とバルサミコ酢を使うことで旨みをさらにアップさせ、赤ワインでも合う味わいになっているのだとか。寿司には日本酒、白ワインを合わせたくなりますが、マリアージュの極みをも発見できるかもしれません。 ■スモーキーなカツオを堪能できる『魚屋みらく劇場』 二件目は、真向いの「い」区画にある『魚屋みらく劇場』。大阪の人気店が東京に初出店ということで、店内は大賑わいでした。 『魚屋みらく劇場』は四季折々、自然に合わせて仕入れを行い、最良の状態の素材をつかった海鮮料理を提供しています。厳選された日本酒との相性もばっちりとのこと。 今回いただいたのは名物メニューの『カツオの藁焼き』。藁を火で起こしてカツオの表面を焼くため、口に含むとスモーキーな藁独特の香りが広がります。厚みのあるカツオは食べごたえ十分!塩やポン酢、みょうがやフライドガーリックなどの薬味とのハーモニーをじっくり味わってください。 お供には、シャリキン抹茶で!パッケージごとキンミヤ焼酎をシャリシャリに凍らせる「シャリキン」でつくられた、抹茶サワーは酷暑を超えてヘロヘロの大人たちにとって栄養剤になるかもしれません。 ■江戸の味わいを現代的にアレンジする『酒肴 北斎』 8月9日にオープンしたばかりの『酒肴 北斎』。名前の通り、江戸の浮世絵師・葛飾北斎の世界観をお店の内観に、そして料理は日本の「北斎と海外の融合」を反映しています。 おすすめは、外国人も注目する日本ならではの「出汁」にこだわった「名物 桜モツ煮込み」。この食べる出汁ともいえる一品は、馬モツに牛アキレス腱を一緒に煮込んで、旨みを重ねています。 さらに洋のアイオリソースを調味料として添え、新しい和×洋の旨みを生み出しました。バゲットを受け皿にモツ煮をとり、ソースをのせて食べると、別世界の料理が広がります。 このモツ煮には、北斎が晩年に滞在した信州小布施の穀平味噌を使用しています。添加物は一切入れずに、木樽へ仕込んで1年、2年じっくりと発酵させる昔ながらの「天然醸造法」でつくられたこの味噌は、弟子・高井鴻山と食したものと同じ味かもしれません。 北斎が生きていた江戸時代、道々に並ぶ茶店には酒の肴が並び、煮売屋(今でいう惣菜屋)から酒が提供されるなど、手軽に飲み歩ける食文化が江戸の夜の街並みにありました。 赤ちょうちんを下げたり、縄のれんをかけたり……街並みから文化がつくられていく、そんな可能性を大塚の街が秘めているようにも思えます。 ぜひ昔と今が交錯する大塚のれん街で、はしご酒に興じてみませんか。
2018年08月31日宮沢賢治の童話の漫画化やアニメーション『銀河鉄道の夜』の漫画原作者としても知られている、ますむらひろしさん。なかでも猫と人間の理想郷を描いた漫画「アタゴオル」シリーズは彼の代表作だ。そのキャラクターと葛飾北斎の浮世絵が合体した展覧会が今、話題を呼んでいる。双方の魅力がより際立つ、漫画と浮世絵の異色コラボ展。ますむらひろし≪凱風快晴(冨嶽三十六景)≫2009年発表©ますむら・ひろし「きっかけは私が20年以上描いてきた雑誌の表紙のネタに困って、本棚にあった北斎の画集を手に取ったことでした。パラパラとページをめくる中、これを少し直せば“アタゴオル化”できるんじゃないかと思う浮世絵があって。そこから少しずつ北斎画のアタゴオル化に取り組むようになりました」(ますむらさん)実際に模写してみると、とんでもない先人の才能に悩まされ、七転八倒の日々を送ることになったとか。「通常の遠近法では考えられない北斎独自の視点やアングル、デフォルメがあるんです。それが私にはなかなか腑に落ちなくて。けれど、実際手を動かして、これこそが北斎画最大の魅力になっているとわかった時は『見たまま描いてちゃ、絵じゃねえだろ!』と北斎に言われている気がしましたね」そんな浮世絵の巨人に尊敬の念を込め、“自然との共存”を描いたというアタゴオル×北斎作品。本展ではその作品を、本物の北斎画と比較しながら楽しめる点が魅力だ。また今回のために描き下ろした新作(下)をはじめ、「アタゴオル」シリーズの漫画原稿やイラスト作品など140点もの作品が登場する。漫画ファンの期待も裏切らない内容だ。ますむらひろし≪漁師図≫2018年発表©ますむら・ひろしすみだ北斎美術館東京都墨田区亀沢2-7-2開催中~8月26日(日)9時30分~17時30分(入館は17時まで)月曜休一般1000円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)ますむらひろし1952年、山形県生まれ。‘73年『霧にむせぶ夜』で第5回手塚賞準入選。‘97 年には『アタゴオル玉手箱』で日本漫画家協会賞大賞受賞。※『anan』2018年8月8日号より。インタビュー、文・山田貴美子(by anan編集部)
2018年08月01日ますむらひろしの漫画『アタゴオル』シリーズのキャラクターと葛飾北斎の浮世絵が合体した「アタゴオル×北斎」作品を、北斎の浮世絵とともに紹介する『ますむらひろしの北斎展 ATAGOAL×HOKUSAI』が、すみだ北斎美術館にて開催されている。ますむらひろしは、宮沢賢治の童話作品の漫画化や、アニメーション『銀河鉄道の夜』の漫画原作者として知られる漫画家。彼の代表作『アタゴオル』は、アタゴオルと呼ばれる猫と人が同等に暮らす架空世界を舞台に、猫のヒデヨシが起こす数々の騒動を描いた物語で、現在までに『アタゴオル物語』『アタゴオル玉手箱』『アタゴオル』『アタゴオルは猫の森』の4シリーズが発表されている。そんなアタゴオルのキャラクターたちが葛飾北斎の浮世絵に入り込んだ異色のイラスト作品が「アタゴオル×北斎」だ。葛飾北斎が切り取った日本の美しい風景にヒデヨシたちが違和感なく溶け込み、独特のユーモラスな景観が生み出される作品には、ますむら氏が北斎の浮世絵を模写し、アタゴオルの要素を加える際の考えやプロセス、そして北斎の画業に対する自身の見解などを語った文が付けられている。同展では、待望の新作《漁師図》を含めた「アタゴオル×北斎」シリーズとともに、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」シリーズをはじめとした浮世絵(オリジナルと復刻版画やパネル)、そして『アタゴオル』シリーズの漫画原稿やイラスト作品など貴重な資料合わせて約140点を、前後期一部展示替えをしながら展示。葛飾北斎とますむらひろし、両者の世界観を比較しながら深く味わえる展覧会となりそうだ。【開催情報】『ますむらひろしの北斎展 ATAGOAL×HOKUSAI』8月26日(日)まで、すみだ北斎美術館にて開催【関連リンク】ますむらひろしの北斎展()
2018年06月29日「葛飾区郷土と天文の博物館 プラネタリウム」が、2018年6月16日(土)にリニューアルオープンする。リニューアルオープンを手掛けたのは、「コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City」「コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウン」「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」を運営するコニカミノルタプラネタリウム。“Katsushika Cosmic Loop”をコンセプトに、自分と宇宙が繋がっていることを実感できるようなプラネタリウム体験を目指す。リニューアルの目玉は最新型光学式プラネタリウム「インフィニウム Σ」の導入。漆黒の夜空に明るく輝く、リアルな星々を表現することが可能となった。その他デジタルプラネタリウムシステムやプロジェクター、スピーカー等も刷新し、鑑賞者は今まで以上に鮮やかでダイナミックな宇宙空間を体感することができるようになる。以前から、独自に番組制作を行い、星座の生解説番組から、座席についているボタンで観客がクイズに参加する番組まで多彩なプログラムを展開してきた「葛飾郷土と天文の博物館 プラネタリウム」。リニューアルオープン時は、そんなオリジナル番組の原点である『かつしかから宇宙へ』の2018年版を放映する。星空の映像や音響がどのように進化したのかを実感してもらうため、2007年から多くの人に親しまれてきた番組をリメイクした。【施設概要】「葛飾区郷土と天文の博物館 プラネタリウム」リニューアルオープン日:2018年6月16日(土)住所:東京都葛飾区白鳥3-25-1営業時間:火~木 9:00~17:00/金・土(祝日を除く) 9:00~21:00/日・祝日 9:00~17:00休館日:月曜日(祝日の場合は開館)/第2・4火曜日(祝日の場合は開館し、その直後の平日は休館)、年末年始(12月28日~1月4日、1月2日・3日は12:00~17:00のみ開館。)料金:【入館料】大人 100円(80円)/小・中学生 50円(40円)/幼児 無料【プラネタリウム観覧料】大人 350円(280円)/小・中学生 100円(80円)/幼児(座席を使う場合) 50円(40円)※( )内は20人以上の団体。土曜日は中学生以下の入館料、プラネタリウム観覧料が無料。障がい者手帳所持者は当人及び付添い者2人まで無料。(プラネタリウムコンサート等のイベントを除く)※プラネタリウムは各回入替制。※投映開始後の入場不可。【問合せ先】インフォメーションTEL:03-3838-1101(受付時間10:00~19:00)
2018年06月15日カラフルな“ネオ北斎”フェアが開催中!フリーペーパーやPV制作など、幅広いジャンルで活躍するクリエイティブユニット「Enlightenment(エンライトメント)」と銀座 蔦屋書店がコラボした、アートグッズ「NEO HOKUSAI by Enlightenment(ネオ ホクサイ・バイ・エンライトメント)」が、2018年4月10日(火)~12月31日(月)の期間、発売されます。『冨嶽三十六景』などを代表作に持つ、日本が世界に誇る浮世絵師「葛飾北斎」の新しい魅力を現代アート視点で発信する「HOKUSAI*ARTexhibition(ホクサイ・アートエキシビション)」プロジェクトの第2弾となる本イベントは、ジオメトリック(直線や曲線を使って規則的に描かれた柄)を組み合わせ、サイケデリックな“ネオ北斎”を表現。あまり馴染みのない浮世絵作品をより身近に感じられ、作品の魅力と斬新さを楽しめる内容となっています。見ても使っても楽しめる作品たちをご紹介北斎×エンライトメント ボード『冨嶽三十六景』から、押し寄せる波をダイナミックに描いた「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」や、快晴の空に山肌が赤く染まった富士山を描き「赤冨士」と呼ばれる「凱風快晴(がいふうかいせい)」をスケートボードのボディにプリントした「北斎×エンライトメント ボード(税込 17,280円)」。ポップなデザインながらも奥ゆかしさも兼ね備えたスケートボードは、ストリートパフォーマンスでも他のデザインとは一線を引く、迫力のある仕上がり。ボードはもちろん、インテリアとしても使えます。北斎×エンライトメント トートバッグNEO HOKUSAIの世界観を全面で表現した「北斎×エンライトメント トートバッグ(税込 4,104円)」は、A4サイズの書類もたっぷり入る大ぶりなサイズのバッグなので収納面も安心です。ラフでカジュアルに使えるトートバッグは荷物もサッと取り出しやすく、利便性もばっちり。ファッションと上手く組み合わせればバッグの魅力もより一層アップします。北斎×エンライトメント 扇子日本の象徴である富士山と現代アートを融合させた、ディテールにこだわったデザインを日本の夏の風物詩でもある扇子に落とし込んだ「北斎×エンライトメント 扇子(税込 1,944円)」は、夏を迎えるこれからの時期にひとつは持っておきたいアイテム。小さく折りたたんで持ち歩くことができる扇子はバッグの中でも場所を取りません。波と富士山が描かれた扇子は納涼感もあり、扇げば涼やかな気分になりますよ。独特なセンスで新しい葛飾北斎の魅力を楽しむ「NEO HOKUSAI by Enlightenment」で、ここにしかないアイテムを手に入れてみませんか。開催概要期間:2018年4月10日(火)~12月31日(月)時間:10:00~22:30(営業時間)会場:銀座 蔦屋書店 日本文化TEL:03-3575-7755“店舗サイト”出典:“オンラインショッピング”出典:イベント情報イベント名:NEO HOKUSAI by Enlightenment催行期間:2018年04月10日 〜 2018年12月31日住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F「銀座 蔦屋書店」電話番号:03-3575-7755
2018年06月05日「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」が、2018年7月24日(火)から9月9日(日)まで上野の東京国立博物館にて開催される。「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」は、世界の美術作品を歌とアニメで紹介するNHK Eテレの番組「びじゅチューン!」とのコラボレーションによる展覧会。「びじゅチューン!」で取り上げられた東京国立博物館の所蔵5作品に登場する人物や作者に"なりきる"参加・体験型イベントとなっている。様々なアプローチからなりきる事によって、作品のバックグラウンドや描かれた人々の暮らしを体感。大人から子どもまで自由な想像力で美術作品に親しむことができる。葛飾北斎の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」は、描かれた波の大きさをリアルサイズで体験できる大型映像展示。また、岸田劉生の「麗子微笑」では、デジタル顔はめで麗子になりきってセリフやト書きでキモチを表現し、自分だけの「麗子像」を創り出す。他にも、「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」を描いた歌川広重になりきって作品に雨を降らせてみたり、菱川師宣の「見返り美人図」のようにポーズをきめてみたり、岩佐又兵衛筆の「洛中洛外図屏風 舟木本」の作中人物になって京の街を散歩してみたり、と作品世界で遊べる楽しい仕掛けが随所に施されている。また、「びじゅチューン!」で取り上げられた作品が数点展示される。【詳細】「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」会期:2018年7月24日(火)~9月9日(日)会場:東京国立博物館 本館 特別4室・特別5室住所:東京都台東区上野公園13-9開館時間:9:30~17:00(金曜・土曜日は21:00まで、日曜日は18:00まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 ※8月13日(月)は開館観覧料:一般620円(520円)/大学生410円(310円)※( )内は20名以上の団体料金※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上は無料。身分証の提示が必要。※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などの提示が必要。
2018年06月03日「サンタフェ リー・ダークスコレクション浮世絵最強列伝―江戸の名品勢ぞろい―」展が、2018年7月3日(火)より、京都・相国寺承天閣美術館で開催される。日本美術を愛する収集家、リー・ダークスの浮世絵コレクションを初公開今回、その多大な所蔵作品を公開するリー・ダークスは、空軍士官として日本に駐留したのを契機に日本文化に関心を持って以来、浮世絵版画の名品を収集してきた米国人コレクター。浮世絵の祖・菱川師宣、美人画の喜多川歌麿、役者絵の東洲斎写楽、そして葛飾北斎や歌川広重など、代表的な浮世絵師の優品のみを集めたコレクションの数々を紹介する。華麗な色調を残した貴重な作品群浮世絵200年の歴史を網羅した稀品、著名作品で構成されているダークスコレクションは、浮世絵の歴史を語る上での重要性を持つだけにとどまらず、その大半が極めて良好な保存状態にあり、まるで今摺り上がってきたかのような華麗な色調を残しているのが特徴だ。200年の歴史と共に鑑賞する、浮世絵の真の芸術性展覧会は全六章で構成。菱川師宣や鳥居清信・清倍など、江戸独自の浮世絵文化を形成した浮世絵師に迫る第一章からはじまり、美人画・役者絵の国貞、武者絵・戯画の国芳、名所絵の広重と、幕末・天保期の浮世絵界を牽引した歌川派の絵師たちの作品を紹介する第六章まで、浮世絵の歴史を辿りながら、その真の芸術性を鑑賞出来るものとなる。浮世絵をモチーフにしたオリジナルグッズもまた、会場では浮世絵をモチーフにした展覧会オリジナルグッズも販売。本展における代表的な浮世絵を、光を吸収・蓄える特殊な素材でプリントした蓄光Tシャツ、ポップな色調と浮世絵を組み合わせたメガネケースなど、様々なグッズが用意されている。開催概要「サンタフェ リー・ダークスコレクション浮世絵最強列伝―江戸の名品勢ぞろい―」展会場:相国寺承天閣美術館開催期間:<前期>2018年7月3日(火)〜8月5日(日)<後期>2018年8月8日(水)〜9月30日(日)休館日:8月6日(月)、8月7日(火)開催時間:10:00〜17:00(最終入館は16:30)※前期、後期で全点展示替えを行う。チケット:一般 1,000円(800円)、65歳以上・大学生 800円(600円)、小中高生 500円(300円)、団体 800円(20名以上・一般のみ)※( )内は前売料金※リピーター割引あり(会期中2回目以降の鑑賞は、半券と引換にて100円割引※前売券は5月28日(月)から7月2日(月)までの限定販売。チケットぴあ(Pコード:769-039)、ローソンチケット(Lコード:52637)ほか、主要プレイガイド、コンビニエンスストアなどで販売■巡回展・山口県立萩美術館・浦上記念館会期:<前期>2018年4月28日(土)〜5月13日(日)<後期>5月15日(火)〜 5月27日(日)住所:山口県萩市平安古町萩市平安古586-1・横浜髙島屋会期:2018年10月10日(水)~10月22日(月)住所:神奈川県横浜市西区南幸1-6-31・日本橋髙島屋会期:2019年1月9日(水)~1月21日(月)住所:東京都中央区日本橋2-4-1・大阪髙島屋会期:2019年2月23日(土)~3月11日(月)住所:大阪府大阪市中央区難波5-1-5
2018年05月28日子どものころから誰しもが経験したことのある塗り絵ですが、最近では大人向けの塗り絵が人気なのをご存知でしょうか。繊細な柄を好みの色で塗ったり、濃淡を付けてグラデーションにしたりと、思うがまま塗ることができるので、リラックス効果も期待できると言われ、話題になっています。ただ、いざ挑戦するとなると、色鉛筆を集めて塗り絵の本を買って……などお金と手間がかかりそうなイメージがありませんか?実は、すべての道具は100均で揃えることができるんです。大人の塗り絵を始めるなら100均で!100均といえば、ダイソー・セリア・キャンドゥ……など、全国にさまざまな店舗がありますよね。最近では100円+税という安さでもクオリティの高いアイテムが多いです。100均は大人の塗り絵を始めるのにも便利。理由は以下の3つです。題材が豊富に揃う子ども向けだけではなく、いろんな種類のものが売られています。絵本ブックやポストカードなど題材も豊富なので、塗り絵をがっつり楽しみたい人からライトに楽しみたい人、誰かにプレゼントしたい人など、さまざまな要望が叶います。色鉛筆や水彩色鉛筆が揃う色鉛筆や水彩色鉛筆など塗るための道具も豊富。色鉛筆だけでも10色入りや20色入り、色味の違いなどさまざまな種類があります。100円なのでどんな色鉛筆でも気軽に試すことができるのがうれしいですね。お手頃に始められる「飽きたらどうしよう」「買ったんだから毎日やらなきゃ」など、新しい趣味を始めたときに思いがちなことも、100円だから「飽きてもまあいいか」と気負わず始められます。色鉛筆と塗り絵の本で200円+税なので、気の赴くままに塗り絵が楽しめそうです。100均にある塗り絵の種類100均の塗り絵の種類や題材は、店舗やホームページなどを見るとこのようなものが揃っています。テーマごとの塗り絵ブック浮世絵、絵画などの塗り絵ブック塗り絵ポストカード塗り絵シール塗り絵カレンダー特にテーマごとの塗り絵ブックは、花・風景・建物・キャラクター・鳥などの動物・子ども向けなど、さまざまなジャンルの商品が取り揃えてありました。中には300円+税のものまで。幅広い選択肢の中から、好みのものがすぐに見つかるのではないでしょうか。100均にもさまざまな店舗があり品揃えも異なるので、ここからはお店別におすすめの塗り絵をご紹介します。 ダイソーのおすすめ塗り絵> 癒しの塗り絵シリーズ花をモチーフにした「花の国」、童話の世界をモチーフにした「メルヘンの世界」、ロマンティックなものモチーフにした「ロマンティックドリーム」、お姫さまの世界をモチーフにした「お姫さまとファンタジー」の4つのシリーズがある塗り絵。どれも繊細で可愛いので悩みますが、全部そろえても400円+税なのが嬉しいですね。> 大人の塗り絵シリーズとしては、塗りやすい花の絵を集めた「はじめて塗る花の絵」、四季折々の花の絵を集めた「四季を彩る花だより」、日本の美しい風景の絵を集めた「心惹かれる風景」があります。原画があるのでお手本にできますし、塗りかたアドバイスも掲載されているので初心者にもおすすめ。切り離すとポストカードになるので贈り物としても良いです。> やさしい大人の塗り絵シリーズは、季節ごとの花の絵を集めた「季節の花の絵」、華やかな花を集めた「美しく咲く花」、日本の懐かしい風景を集めた「なつかしい風景」があります。こちらも原画見本と塗りかたアドバイスがあり、塗り絵の練習にも最適。A4サイズで切り離せるので、完成した作品を額に入れればお部屋に飾ることもできますね。 セリアのおすすめ塗り絵> オトナぬりえヨーロッパの風景デザインを集めた「街並み」と、フルーツや飲み物など食にまつわるデザインを集めた「カフェ&キッチン」の2種類が販売されています。B5サイズでそれぞれ5柄入っています。どちらもアート性が高くおしゃれな仕上がりですよ。> 大人が楽しむぬり絵フラワーストーリー花など植物の柄を中心とした10のデザインが入っています。それぞれにミシン目が付いているので、切り取ってから色を塗るのに便利ですし、完成後は飾ることもできますよ。 キャンドゥのおすすめ塗り絵> 大人もほっこりするぬりえ精密で癒されるデザインの「いこいの森」と「ゆめの旅」の2つのシリーズが販売されており、それぞれ10柄です。ポストカードタイプもあるので、好みで選んでくださいね。> 大人の塗絵フランスの宮廷画家「ルドゥーテ」と、葛飾北斎をはじめとする「浮世絵」の2シリーズの塗り絵が販売されています。それぞれA5変形サイズで8柄あり、切り離すことでポストカードとしても楽しめます。見本があるので、見ながら塗ることもできますよ。 100均なら、非常にお手頃な価格で塗り絵を始めることができます。1冊の塗り絵本にまとめられた柄の数もちょうど良いくらいなので、まず始めてみようと考えたときに気軽に手が出せるボリュームです。大人の塗り絵に興味があってもなかなか手を出せなかったかたや、続けられるか不安なかたも、まずはお近くの100均のショップに足を運んで、道具を揃えてみてはいかがでしょうか。素敵な塗り絵ライフを送ってくださいね!
2018年05月28日「ネオ北斎 バイ エンライトメント(NEO HOKUSAI by Enlightenment)」が、2018年12月31日(月)まで銀座 蔦屋書店にて開催。「ネオ北斎 バイ エンライトメント」では、江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎の作品をクリエイティブユニット「エンライトメント」が現代アートへと変身させ、北斎作品の新たな魅力を発信する。浮世絵シリーズ『富嶽三十六景』の中から代表的な「神奈川沖浪裏」と「赤冨士」をサイケデリックにアレンジした「ネオ北斎」。波や雲の部分に、ポップなカラーの幾何学模様を組み合わせ、浮世絵独特のタッチと見事に融合させた。また、期間中は「ネオ北斎」のオリジナルアイテムが販売される。トートバッグや扇子、さらにはスケートボードまで、日常に彩りと刺激を与えてくれそうなデザインとなっている。【詳細】NEO HOKUSAI by Enlightenment開催期間:2018年12月31日(月)まで開催場所:銀座 蔦屋書店住所:東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F営業時間:10:00~22:30アイテム例:・北斎×エンライトメント トートバッグ(浪/富士) 各4,104円(税込)・北斎×エンライトメント A4ファイル(浪/富士) 各432円(税込)・北斎×エンライトメント 扇子(浪/富士) 各1,944円(税込)・北斎×エンライトメント ボード(浪/富士) 各17,280円(税込)【問い合わせ先】TEL:03-3575-7755
2018年05月20日ケンゾー(KENZO)から“水の世界”を表現したフレグランス「アクア ケンゾー」と「アクア ケンゾー プールオム」が登場。2018年5月1日(火)より発売される。イメージしたのは、息を呑むほど美しいこの“水の世界”。アクアブルーの世界を表現したメンズ向けフレグランス、ウィメンズ向けフレグランスを同時にリリースする。女性向けの「アクア ケンゾー オーデトワレ」は、マンダリンを丸ごと取り入れ、みずみずしくジューシーな仕上がり。鮮やかなラズベリーリーフと豊かなマグノリアの花びらを組み合わせて、フレッシュ・フローラルを完成させた。男性向けの「アクア ケンゾー プールオム オーデトワレ」は、サンダルウッドとシダーウッドに、甘酸っぱいピンクペッパーをアクセントとして加え、さらにほのかにスウィートなヘーゼルナッツリーフを重ねた。ピュアでフレッシュなウッディ調の香りが楽しめる。ボトルとパッケージにも、水のモチーフを刻んだ。インスピレーションを与えたのは、葛飾北斎。北斎の波から着想を得て“水の世界”をモダンに表現した。【詳細】ケンゾー・アクア ケンゾー オーデトワレ 30mL 5,000円+税、50mL 7,000円+税・アクア ケンゾー プールオム オーデトワレ 30mL 5,000円+税、50mL 7,000円+税発売日:2018年5月1日(火)【問い合わせ先】ケンゾー パルファム [LVMHフレグランスブランズ]TEL:03-3264-3941
2018年04月27日「妖怪・ミイラ展~浮世絵から幻獣ミイラまで~」が、名古屋パルコ西館8階・パルコギャラリーにて2018年4月21日(土)から5月13日(日)まで開催される。「妖怪・ミイラ展」では、広島県三次市に寄贈された、妖怪資料コレクターであり研究家として著名な湯本豪一が収集した、国内最大級の妖怪資料「湯本豪一コレクション」の中から厳選した貴重な資料を展示。初公開を含む浮世絵、絵巻、正体は哺乳類や鳥類、爬虫類など生物を加工したものとされる妖怪のミイラなどが、学術的な解説と共に第1章と第2章に分けて公開される。第1章では、“妖怪世界へのいざない”というタイトルで、葛飾北斎の錦絵「百物語」や「百鬼夜行絵巻」を展示する。打って変わって第2章は“幻獣 河童や人魚たちの世界”というテーマへ。頭は人間、体は牛の妖怪「件(くだん)」や人魚、烏天狗のミイラが、会場に並ぶ。また、展示だけでなく妖怪願懸け神社や妖怪グッズコーナーなども展開。松坂屋美術館で開催される「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」と連動したクイズラリーイベントも開催される。【開催概要】「妖怪・ミイラ展~浮世絵から幻獣ミイラまで~」会期:2018年4月21日(土)~5月13日(日) ※最終日は19時閉場会場:名古屋パルコ西館8階・パルコギャラリー住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1入場料金:当日 一般1,000円/高校生・中学生800円/小学生以下600円前売り 一般900円/高校生・中学生700円/小学生以下500円※3歳未満は無料※前売りチケットはチケットぴあ他、各コンビニにて発売中。
2018年04月22日浮世絵師・葛飾北斎の作品展「北斎展」が、2018年5月30日(水)から7月2日(月)まで、名古屋栄三越にて開催される。30数回の改号、93回もの引っ越し、そして常に借金に追われる波瀾万丈な90年の生涯で、膨大な数の作品を遺した巨匠・葛飾北斎。「冨嶽三十六景」に代表されるような、大胆な構図を、巧みな線と象徴的な色使いで仕上げる独創的な画風で、多くの絵師たちに大きな影響を与えた浮世絵の代名詞的存在だ。本展では、葛飾北斎の代表作である「冨嶽三十六景」をはじめ、「忠臣蔵」「東海道五十三次」といったシリーズものから、役者絵、妖怪絵、西洋の技術である銅版画に感銘を受けて生まれた洋風画まで、約150点の作品とともに北斎芸術の全貌を紹介する。また、「なぜ北斎が海外で高く評価されたのか?」を検証するため、海外、特にヨーロッパで北斎が知られるきっかけとなった『北斎漫画』、北斎の影響を強く受けたと言われるフランス人画家アンリ・リヴィエールの「エッフェル塔三十六景」も展示し、北斎人気の秘密に迫る。【開催概要】「北斎展」開催期間:2018年5月30日(水)〜7月2日(月) 会期中無休時間:10:00〜19:30(最終入場 19:00)※最終日は18:30まで(最終入場 18:00)入場料:<一般>前売券600円、当日券800円 <小・中学生>前売券 300円、当日券 400円※すべて税込、未就学児童無料※障害者手帳各種(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳)提示で、本人とその同伴者1名まで無料で入場可能プレイガイド:チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、セブンチケットにて販売予定【問い合わせ先】・東海テレビ放送事業局TEL:052-954-1107(平日 10:00〜18:00)・名古屋栄三越TEL:052-252-1111(午前 10:00〜19:30)
2018年04月15日「hokusai&TOKYO 水辺を彩る江戸祭」が、2018年3月17日(土)に東京・お台場海浜公園内で開催される。「hokusai&TOKYO 水辺を彩る江戸祭」は、葛飾北斎の《富嶽三十六景》や《北斎漫画》といった浮世絵などに描かれた「水辺の賑わい」を題材に、最新テクノロジーを駆使したウォータープロジェクションマッピングやアート企画でお台場の水辺を盛り上げるイベント。和食の屋台フードを提供するフードエリアも展開される。海上には、葛飾北斎をテーマにしたウォータープロジェクションマッピングショー「水幕電子描画」が登場。「フラワーズバイネイキッド2018ロンド(FLOWERS by NAKED 2018輪舞曲)」や「サクラアクアリウム バイ ネイキッド」などの演出を手掛けるクリエイティブカンパニー「ネイキッド」が映像制作を手掛ける。幅40メートルの巨大なウォータースクリーンを設置し、葛飾北斎の浮世絵と、歴史上の偉人や神話の英雄たちが登場するスマートフォン向け人気ゲーム「Fate/Grand Order」のキャラクターが共存したショーを展開する。RPG仕立ての物語をベースにした、水の美しい動きや飛沫を活かしたダイナミックな演出が魅力だ。また、お台場海浜公園内の砂浜エリアには、ろうそくを使用した「北斎浜辺巨大浮世絵」を設置。約8,000個にも及ぶ7色の灯火を浜辺に並べ、巨大でカラフルな「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を描き、浜辺を幻想的に照らす。【詳細】hokusai&TOKYO 水辺を彩る江戸祭開催日時:2018年3月17日(土) 11:00~21:00 ※開場 11:00会場:東京・お台場海浜公園内入場料金:無料(一部有料エリア)■ウォータープロジェクションマッピング上映予定時間:・陸上向け 18:10~(海上向け 18:00~/18:20~の2回)・陸上向け 19:00~(海上向け 18:50~/19:10~の2回)・陸上向け 19:50~(海上向け 19:40~/20:00~の2回)・陸上向け 20:40~(海上向け 20:30~/20:50~の2回)(各回10分を陸上向け上映1回、海上向け上映2回)※予告なく上映時間が前後する可能性あり。〈特等席チケット〉料金:前売券「特等席手形+3文チケット」2,000円(税込)、当日券「特等席手形」1,000円(税込) ※時間指定、入れ替え制陸上立見席販売場所:前売券はローソンチケット限定(Lコード:33959)、当日券はお台場海浜公園にて販売※海上からの観覧チケットは既に予定枚数終了。※会場となるお台 場海浜公園への入場は無料。■「北斎浜辺巨大浮世絵」(紙ろうそく北斎アート)料金:参加無料 実施時間:16:30ごろ点灯開始、17:00ごろ点灯完了 ※21:00ごろまで点灯予定実施場所:お台場海浜公園内の砂浜エリア
2018年03月15日「大江戸展」が、長崎県美術館 企画展示室にて開催される。会期は2018年3月24日(土)から5月27日(日)まで。「大江戸展」には、教科書で誰もが目にしたことがあるような江戸時代を代表する名作の数々が集結。東京富士美術館が所蔵する屏風、襖絵、浮世絵、工芸品など約110点を、前期約70点・後期約80点に分けて公開する。見どころは、琳派の傑作「風神雷神図」。「風神雷神図」は、俵屋宗達や尾形光琳、酒井抱一と琳派の巨匠たちが描き続けてきた重要なテーマの1つだ。今回は、九州で初公開となる鈴木其一の襖絵が、前期のみ特別に展示される。さらに、浮世絵師の葛飾北斎や歌川広重、奇想派の伊藤若冲など、各巨匠の作品を目にすることができ、江戸時代に花開いた日本特有の美意識に触れることができる。【概要】「大江戸展」会期:2018年3月24日(土)~5月27日(日)※前期 3月24日(土)~5月6日(日)/後期 5月9日(水)~5月27日(日)休館日:4月9日(月)、5月14日(月) ※5月7日(月)・8日(火)は展示替えのため大江戸展のみ休場。開館時間:10:00~20:00(最終入場19:30)TEL:095-833-2110会場:長崎県美術館 企画展示室(長崎県長崎市出島町2番1号)観覧料:大人 1,400円(前売1,100円)、学生(小学~大学) 800円(前売500円)、小学生未満無料※15名以上の団体、障害者手帳保持者及び介護者1名までは前売料金。※会期中、本券でコレクション展にも入場可。※前売券は 2月25日(日)~5月6日(日)まで、各種プレイガイドにて販売。詳細は公式サイトにて。
2018年03月04日ホテル雅叙園東京では、「猫都(ニャンと)の国宝展at百段階段~猫の都の国宝アート~」を館内・東京都指定有形文化財「百段階段」にて開催する。期間は、2018年3月29日(木)から5月13日(日)まで。「ネコノミクス」という言葉が誕生するなど、空前の猫ブームが訪れている昨今。ホテル雅叙園東京では、その潮流に乗り、2017年に「福ねこ展」と題した猫アーティストによる合同企画展を開催し、多くの人を魅了した。それに続く2018年は展示内容をパワーアップさせ、「猫都(ニャンと)の国宝展at百段階段~猫の都の国宝アート~」と題して、40名の作家による猫の国のお宝アートを集結させる。猫と人間の歴史は、実は奈良時代まで遡ると言われている。以後、画家、彫刻家、小説家などさまざまな芸術家の創造の源になり、日本の国宝の中でも猫をモチーフに制作した作品は少なくない。同展では、時代やジャンルを越えた、国宝級のアート作品を、部屋ごとにテーマを設けて幅広いラインナップで揃える。なかには、信州高森町「瑠璃寺」に奉納されているもりわじん作「薬師猫神様」、文京区「心光寺」の出町千鶴子作「猫がいる涅槃図」などの特別公開作品も含まれる。また、歌川国芳や葛飾北斎をオマージュした作品なども加わり、総計800点以上の作品が集うこととなる。また、「持ち帰れる福、あなたのための猫アート」をテーマにした、猫尽くしアートマーケットと、猫グッズマーケットも同時開催。人気アーティストの1点もの作品、猫をあしらったステーショナリーや小物などがラインナップする。【詳細】「猫都の国宝展at百段階段~猫の都の国宝アート~」開催期間:2018年3月29日(木)~5月13日(日)開催時間:10:00~18:00(最終入館17:30)入場料:当日 1,500円、前売 1,200円、学生 800円※要学生証呈示、小学生以下無料会場:ホテル雅叙園東京内東京都指定有形文化財「百段階段」問い合わせ先:03-5434-3140(イベント企画10:00~18:00)
2018年02月25日ユミカツラ(YUMI KATSURA)は、2018年春夏オートクチュールコレクションを含む約60点のドレスを、2018年2月20日(火)、東京・迎賓館赤坂離宮にて披露した。明治に建設された国宝・迎賓館赤坂離宮の本館に現れたランウェイ。シャンデリアがきらめく荘厳な西洋風宮殿には、その随所に和の楽器や仮面といった日本のモチーフが散りばめられている。西洋建築に日本の粋を結集させたこの特別な場所での開催は、長年"和と洋"の両立を目指し「世界に誇る日本の文化を守りたい」という桂由美の強い想いが込められた。「BEYOND EAST&WEST(東洋と西洋を超えて)」のテーマのもと、ショーは2018年1月にパリで発表されたドレスで盛大に幕を開けた。最新作は、江戸時代に活躍した絵師・葛飾北斎の絵画を落とし込むことで、ドレスという洋装に和の息吹を織り交ぜている。「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を西陣織と透け感のある上質なシルクジョーゼットで表現したドレスは、裾がゆらゆらと揺れ、まるで波打つような後姿がエレガント。初夏の陽光で赤く染まった富士山を描いた北斎の代表作「富嶽三十六景 凱風快晴」は、ボリュームドレスのフロントに手描き友禅と刺繍によって鮮やかに配された。純白のウェディングドレスも、日本の素材や伝統工芸を取り入れることで、メイドインジャパンの精神を宿している。職人の匠の技によって生まれた"世界一薄いシルク"を採用したドレスは、その持ち味を存分に生かしたシルエットで軽やかな空気を纏い、見る者を魅了する。続いて日本が世界に誇るアコヤ真珠約1万個が優雅に揺れる、ラグジュアリーなドレスも披露された。ショーを締めくくったのは、桂由美自身が「世界各国の民族衣装の中でも最も優雅でアーティスティック」と語る和装。一際目を惹いたのは、パリコレクションでも好評を博した琳派の絵師・鈴木其一の「藤花図」をアレンジした打掛だ。鮮やかなブルーのグラデーションに咲き乱れる藤の花は、動くたびに美しく煌めき続け、ユミカツラが生み出すジャポニズムが永続的に受け継がれていくことを示しているかのようだった。
2018年02月23日特別展「名作誕生ーつながる日本美術」が東京国立博物館にて開催される。会期は2018年4月13日(金)から5月27日(日)まで。特別展「名作誕生ーつながる日本美術」では、国宝・重要文化財を含む約130件が集結。作品同士の影響関係や共通する社会背景などの「つながり」に着目した12のテーマ別に紹介する。美術をより深く鑑賞するきっかけとしても、日本美術の入門篇としても楽しむことができる。展覧会のみどころジャンル、時代、地域を超えた名作展示されるのは、奈良時代の仏教美術からは重要文化財「伝薬師如来立像(やくしにょらいりゅうぞう)」や、室町時代の絵画からは雪舟等楊の国宝「破墨山水図(はぼくさんすいず)」、江戸時代の工芸からは尾形光琳の国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ)」など。ジャンルや時代、地域を超えた名作たちを楽しむことができるのは、この展覧会の魅力の1つだ。「つながり」にフォーカス「つながり」のテーマは、材質や技法、特徴的な形やモチーフなど様々。名作がどのようにつながり誕生したのか、巨匠たちがどんな物や人とつながり作品を生んだのかを、展覧会を通して明らかにする。「若冲と模倣」では、生涯を通じて同じモチーフの同じ型を繰り返し描き、独自の表現を確立した伊藤若冲を取り上げる。会場では初期と晩年の作品を比較することができる。また、中国の画風を取り入れた雪舟等楊の重要文化財「四季花鳥図屛風」と、同時代の明の水墨画を見比べたり、『伊勢物語』の世界を一望に見渡せる「伊勢物語図屛風」や『源氏物語』をモチーフにした工芸品を見たりすることで、作品同士の「つながり」を感じられる構成になっている。その他にも菱川師宣の「見返り美人図」をはじめとする人物画や風俗画、岸田劉生の「道路と土手と塀(切通之写生)」などの風景画など、数々の名匠による作品が展示される。雪舟等楊「倣夏珪山水図」が東京初公開さらに会場では、1933年以降所在不明だった、水墨画家・雪舟等楊の幻の作品「倣夏珪山水図」を展覧会後期に展示。2017年に84年ぶりに再発見され、話題となったこちらの作品の東京での一般公開は本展が初となる。会期中は展示替えもなお会期中は、4月13日(金)~5月6日(日)の前期展示と5月8日(火)~5月27日(日)の後期展示で展示替えを実施。前期と後期で異なる作品を楽しむこともできる。開催概要創刊記念『國華』130周年・朝日新聞140周年 特別展「名作誕生ーつながる日本美術」会期:2018年4月13日(金)~5月27日(日)※前期展示4月13日(金)~5月6日(日)、後期展示5月8日(火)~5月27日(日)休館日:月曜日 ※4月30日(月・休)は開館時間:9:30~17:00 ※金曜・土曜は21:00、日曜・祝日は18:00まで※入館は閉館の30分前まで場所:東京国立博物館 平成館(上野公園)住所:東京都台東区上野公園13-9料金:当日 一般1,600円 大学生1,200円 高校生900円前売 一般1,400円 大学生1,000円 高校生700円団体 一般1,300円 大学生900円 高校生600円※全て税込、中学生以下無料、団体は20名以上、障がい者と介護者1名無料(入館の際に障がい者手帳などを提示)チケット取り扱い:東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ)、展覧会公式サイト、各種プレイガイド前売券販売期間:2月1日(木)~4月12日(木)【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2018年02月16日ジャガー・ルクルト(Jaeger-LeCoultre)の新作ウォッチ「レベルソ・トリビュート・ エナメル」が登場。「レベルソ・トリビュート・ エナメル」は、芸術作品を再現したエナメル細密画が施された裏ダイヤル、それに呼応するように手作業で精緻なギョーシェ彫りが施された表ダイヤルを持つウォッチ。モチーフとなったのは、ジョルジュ・スーラ、徐悲鴻、葛飾北斎の3人の巨匠の作品だ。このモデルのために特別に制作されたホワイトゴールド製ケースが、額縁のようにそれらの作品の世界観を彩る。葛飾北斎『神奈川沖浪裏』日本を代表する浮世絵師の葛飾北斎。富士山の景観を描いた三十六の風景画からなる『富嶽三十六景』は、日本の伝統的なテーマに西洋絵画の遠近法を初めて取り入れた象徴的な作品である。「レベルソ・トリビュート・ エナメル」の葛飾北斎モデルでは、『富嶽三十六景』から『神奈川沖浪裏』を選び裏ダイヤルを装飾。深いブルーの半透明エナメルで覆われており、海の色を感じさせる。表ダイヤルには、北斎の作品に呼応するように波の装飾が施されている。ジョルジュ・スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は、ジョルジュ・ スーラが確立した美しい点描画法を代表する作品。舞台はパリ近郊のセーヌ川の中州で、人々が水浴びや自然を楽しむ様子が描かれている。「レベルソ・トリビュート・ エナメル」では、横幅が3mを超える大作をわずか3㎠の裏ダイヤルで再現。色を重ねる度にエナメルで保護する必要のあるエナメル細密画にとって、何度も色を重ねる必要のある点描画の再現は困難。メゾン独自のテクニックと70時間以上にも渡る長い時間をかけて、原作『グランド・ジャット島の日曜日の午後』の世界観を表現した。中国の画家・徐悲鴻の作品から着想を得たモデル徐悲鴻は、20世紀の中国を代表する最も有名な画家の一人。水墨画、油彩画、 デッサン、パステル画、書道で知られ、中国では特に雄渾な馬の絵で人気を博した。中国の大自然を背景に躍動する10頭の馬を描いた作品があり、「レベルソ・トリビュート・ エナメル」はそのうちの2頭に着想を得てデザインされている。エネメルで保護する必要のあるウォッチデザインにとって、単色の世界である水墨画の雰囲気を伝えるのは大きなチャレンジとなった。エナメル職人の技と多くの時間を費やし、馬の躍動感や筆の動き、流動性、軽快さを再現している。【詳細】レベルソ・トリビュート・ エナメル※各8本限定<仕様>ケースサイズ:45,5×27,4mm厚さ:9,73mmムーブメント:822A/2 手巻き時、分表示表:グラン・フー エナメルとギョーシェ彫りによるダイヤル裏:グラン・フー エナメル取り扱い店舗:ジャガー・ルクルト 銀座並木ブティック、日本橋三越本店、伊勢丹新宿店、GINZA SIX発売時期:未定【問い合わせ先】ジャガー・ルクルトTEL:0120-79-1833
2018年02月12日浮世絵師・葛飾北斎に迫るドキュメンタリー映画『大英博物館プレゼンツ 北斎』が、2018年3月24日(土)より、 YEBISU GARDEN CINEMAほか全国の劇場にて順次公開される。北斎初の長編ドキュメンタリー本作は、2017年5月から8月にかけて、イギリスの大英博物館で開催された展覧会「Hokusai: Beyond the Great Wave」をフィーチャーした、北斎に関する映画としては初の長編ドキュメンタリー作品。制作にあたっては、イギリス人芸術家のデイヴィッド・ホックニーや、ニューヨーク在住の新進気鋭の日本画家・出口雄樹など、北斎という偉大な巨匠の研究に情熱を燃やし、影響を受けてきたアーティストや学者たちが協力。展覧会の舞台裏や北斎の作品を通して、江戸時代の世界的天才絵師の魅力を紐解いてゆく。作品情報ドキュメンタリー映画『大英博物館プレゼンツ 北斎』公開日:3月24日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開監督:パトリシア・ウィートレイ協力:大英博物館ナレーション:アンディ・サーキス出演:デイヴィッド・ホックニー、ティム・クラーク他2017/イギリス/87分/英語・日本語/原題 British Museum presents: Hokusai配給:東北新社 / 配給協力:DBI INCか原題:British Museum presents: HokusaiDocumentary film and guide to exhibition film © British MuseumBIG COMIC Manga images in documentary © Shogakukan
2018年02月11日東京・墨田区のすみだ北斎美術館にて、「Hokusai Beauty~華やぐ江戸の女たち~」が開催される。期間は2018年2月14日(水)から4月8日(日)まで。なお、期間中は、2月14日(水)から3月11日(日)までの前期と、3月13日(火)から4月8日(日)までの後期に分かれて開催される。葛飾北斎は、代表作品「冨嶽三十六景」などの風景画を描いた人物として知られているが、その70年に及ぶ多彩な製作活動の中で、特徴的な江戸美人画のスタイルを確立した人物でもある。「Hokusai Beauty~華やぐ江戸の女たち~」では、そんな北斎やその弟子たち一門が手掛けた130点ほどの作品を一堂に展示。本展は、全3章に分かれ、各章異なるテーマで、北斎が描く美人画の魅力を発信する。第1章「北斎美人七変化―美人様式のうつりかわり」では、北斎が描いた美人画の作品を一挙に公開。初期の宗理時代に描かれた柔らかな雰囲気の美人画から、画風を確立した晩年の作品まで、時代と共に移り変わる美人画の特徴を鑑賞することができる。第2章「華麗なるファッション・ヘアスタイルの世界」は、当時の流行の化粧や代表的なヘアスタイルなどを北斎の作品などを通じて紹介する。「枕草子を読む娘」では、作品中に当時のトレンドメイク"笹色紅"を唇に纏った女性が描かれ、光の加減によって玉虫色に見えるこまやかな口元の描写までが再現されている。そして、第3章「北斎スクールの美人たち」では、北斎の元で学んだ門人たちの美人画が展示される。200人を超えたと云われる門人たちは、北斎の画風を強制されることなく育成された為、それぞれの個性が光る画風の美人画を残すことができた。葛飾北斎の娘で門人のひとり、葛飾応為の「女重宝記」では、華やかな着物をまとった複数の江戸美人が大胆な色彩で描かれている。他にも、期間中は、北斎に関する講演会や、伝統工芸品の作成体験などバリエーションに富んだ企画が開催される。【詳細】すみだ北斎美術館「Hokusai Beauty~華やぐ江戸の女たち~」会期:2018年2月14日(水)~4月8日(日)※前期 2月14日(水)~3月11日(日)、後期 3月13日(火)~4月8日(日)場所:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2丁目7−2開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:毎週月曜日観覧料:一般 1000円(800円)、高校生・大学生 700円(560円)、65歳以上 700円(560円)、障がい者 300円(240円)※( )は20名以上の団体料金。期間中、着物で来館した人は当日の観覧料は団体割引を適用。※小学生以下は無料。※学生は要生徒手帳または学生証。※65歳以上は年齢証明が出来るものの提示が必要。※障がい者手帳保持者の付添1名まで障がい者料金適用可能。※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も閲覧可。【問い合わせ先】すみだ北斎美術館TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年01月30日東西文化の交差が導いた絵画史、今ここにエドガー・ドガ《踊り子たち、ピンクと緑》1894 年 パステル、紙(ボード裏打))吉野石膏株式会社(山形美術 館寄託)19世紀後半に西洋美術界を席巻したジャポニスム。その立役者に浮世絵師・葛飾北斎の姿がありました。そんな葛飾北斎の描いた作品と、彼にインスパイアされた西洋美術の対比を愉しめる企画展「北斎とジャポニスム」が上野・国立西洋美術館で開催されています。会期は2017年10月21日(土)〜2018年1月28日(日)まで。貴重な北斎の錦絵を約40点と版本約70冊、合計おおよそ110点、さらには西洋芸術の名作約220点が一堂に会する“東西・夢の共演”の舞台を見逃すことなかれ。根底に流れる“北斎”をその目で確かめて(左)葛飾北斎《牡丹に蝶》1831-33(天保2-4)年頃ミネアポリス美術館(中央)クロード・モネ《黄色いアイリス》1914-17年頃国立西洋美術館(右)フィンセント・ファン・ゴッホ《ばら》1889年国立西洋美術館(松方コレクション)江戸時代後期を代表する浮世絵師・葛飾北斎。鋭い観察眼とユニークな発想で『北斎漫画』や「冨嶽三十六景」などの代表作を次々と残しました。そんな彼の作品は海を渡り、19世紀後半の西洋芸術に多大な影響を及ぼすこととなります。新しい視点として多くの美術家を熱狂の渦に巻き込んだジャポニスムは、印象派のモネやドガ、セザンヌやゴーガンといった有名な作家の作品にも色濃く姿を現しました。モネの《陽を浴びるポプラ並木》は、北斎の《冨嶽三十六景東海道程ヶ谷》に描かれた松の木の構図と呼応するように、絵の中でリズミカルに躍動します。さらに「踊り子の画家」として名高いドガの作品は、『北斎漫画』での人物の捉え方と類似しているようにさえ感じることでしょう。今までになかった“北斎とジャポニスム”という観点で、身近にあった近代西洋芸術を見つめてみれば、知られざる一面が見えてくるかもしれません。じっくり鑑賞して、比較して、自分だけの発見を愉しんで。文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:北斎とジャポニスムHOKUSAIが西洋に与えた衝撃催行期間:2017年10月21日 〜 2018年01月28日住所:東京都台東区上野公園7-7電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年12月26日すみだ北斎美術館は開館一周年記念展として、「めでたい北斎~まるっとまるごと福づくし~」を、2017年11月21日(火)から2018年1月21日(日)の期間で開催する。すみだ北斎美術館が開館から一周年の感謝を込めて贈るのは、招福や開運にちなんだ北斎一門の作品たち。1章から4章の4部構成で展開される本展では、各章ごとに異なるテーマで北斎一門の作品を紹介していく。1章では「めでたい神様」をテーマに、「七福神オールスターズ」と「神様オンパレード」の2節を展開。江戸時代の新年に無病息災、豊年満作を祈る風習を元に、北斎をはじめとする門人たちが描いた神様の図像などを展示する。企画展の目玉作品の1つである葛飾北斎の「布袋図」もこの1章で展示。七福神の一人、「布袋」が気持ちよさそうに笛を吹く、今にも音色が聞こえてきそうな構図からは、北斎ならではの大胆な発想と遊び心を感じることができる。2章から4章にかけても「めでたい」ものにフォーカスしたテーマで、ユニークな作品を多数ラインナップするほか、展示以外にも観光ガイドや学芸員による講演会などのイベントも開催。会期は年末から年始にかけての約2か月。残りの2017年の運気を高めるも良し、新たな一年の始まりの験担ぎにも良しの、"福づくし"な展示会に是非足を運んでみて。【詳細】すみだ北斎美術館「開館一周年記念 めでたい北斎~まるっとまるごと福づくし~」会期:2017年11月21日(火)~2018年1月21日(日)※前期 2017年11月21日(火)~12月17日(日)、後期 2017年12月19日(火)~2018年1月21日(日) ※各期で一部展示替えあり。場所:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2丁目7−2開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:毎週月曜日※月曜日が祝日または振り替え休日の場合は、その翌平日※年末年始の休館日は2017年12月29日(金)~2018年1月1日(月)観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生 700円、65歳以上 700円、中学生 300円、障がい者 300円※小学生以下は無料。※学生は要生徒手帳または学生証。※65歳以上は年齢証明が出来るものの提示が必要。※障がい者手帳保持者の付添1名まで障がい者料金適用可能。【問い合わせ先】すみだ北斎美術館TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年11月18日正解は…葛飾北斎です! 後に詳しくご説明しますが、北斎といえば、日本では知らない人がいないほどメジャーな存在。ですが、実は欧米でも人気で、今から150年も前に、モネやドガなど超有名な巨匠たちにも影響を与えていたのです。そんな事実をリアルなアートで見せてくれる注目の展覧会『北斎とジャポニスム』展を取材してきました!西洋の名作約220点が集結!【女子的アートナビ】vol. 89『北斎とジャポニスムHOKUSAIが西洋に与えた衝撃』では、葛飾北斎の作品と欧米の芸術家たちの作品が一堂に集結。有名な浮世絵や『北斎漫画』と並んで、モネやドガ、セザンヌなどの名画約220点が展示されています。タイトルにある “ジャポニスム” とは、19世紀後半に欧米で起こった日本美術をヒントにした新しい創造活動のこと。印象派の画家をはじめ、あらゆる分野の西洋の芸術家たちに影響を与えたといわれています。そんなジャポニスムのアートと北斎の “夢の共演” が実現!今期注目の展覧会です。ざっくり北斎葛飾北斎(1760~1849)は江戸時代後期に活躍した浮世絵師。東京の葛飾区出身と思いきや出生地は墨田区。ただ、現在の墨田区あたりは昔、武蔵国葛飾郡だったので「葛飾」と名のった…という説もあるようです。代表作は「冨嶽三十六景」。ほかにも木版・肉筆の浮世絵や『北斎漫画』などの絵手本、挿絵、春画などあらゆるジャンルの作品を残しています。彼は世界的にも有名で、1998年にアメリカの雑誌『ライフ』で「この1000年でもっとも重要な功績を残した世界の人物100人」にただひとりだけ選ばれた日本人が北斎だったそうですよ。オクサイ?!それでは、展示室に入ってみます。最初の部屋では、北斎がどんなふうに欧米で広まっていったのか、その流れがわかる資料や図版などを見ることができます。初期のころは、「オクサイ」とか「ホフクサイ」などと呼ばれていたとのこと。世界のHOKUSAIが西洋で浸透していく過程を見られておもしろいです。そして、いよいよ北斎とジャポニスムのコラボ展示コーナーへ。北斎の作品と、それを参考にしたと思われる絵画が並んで紹介されています。例えば、上の写真は右がポスト印象派の巨匠、ポール・ゴーガンの作品《水浴の女たち》で、左に見えるのは『北斎漫画』六編。ゴーガン作品に描かれている女性たちの姿が、北斎の人物像に着想を得ているかもしれない…と推測して展示されています。ホントにそっくり?!展示作品のなかでも特に北斎の絵と似ているのが、ドガの《踊り子たち、ピンクと緑》。『北斎漫画』に描かれている力士のポーズとそっくりです!この絵を参考にしたという確証はないようですが、北斎作品を収集していたドガが自分の絵に取り込んだのではないかと考えられているそうです。また、モネの作品《陽を浴びるポプラ並木》と北斎の風景画を比較した展示もありました。モネも北斎の絵を所有していたそうですよ。このように構図や描き方などがそっくりな例もあれば、「ちょっと似てないかも…」とツッコミを入れたくなる展示もあり、作品そのものだけでなく比較するという楽しみを味わえるのも同展の魅力です。絵画だけでなく工芸作品とのコラボも見逃せません。例えば、北斎の《冨嶽三十六景神奈川沖浪裏》で表わされている大波をイメージした《波型鉢》はフォルムがとてもユニーク。西洋の芸術家たちにさまざまなインスピレーションを与えた北斎のすごさが伝わってきました。いつも欧米のアートを展示している国立西洋美術館で北斎を楽しめるなんて、なかなか貴重なチャンスです。ジャポニスムの魅力をたっぷり味わえる展覧会、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。Information会期:~2018年1月28日(日)休館日:月曜日(ただし1月8日は開館)、12月28日〜1月1日、1月9日時間:9:30〜17:30(金・土曜日は20:00まで。ただし11月18日は17:30まで)入館は閉館の30分前まで会場:国立西洋美術館料金:一般 1,600円/大学生1,200円/高校生 800円/中学生以下無料(C)ferlistockphoto/Gettyimages
2017年11月17日建築家・妹島和世が手掛けた「すみだ北斎美術館」にて、葛飾北斎と妹島和世の企画展「妹島和世 SANAA × 北斎」が10月31日から11月12日まで開催中。常に最新の画法を追求しながらも、どこか温かみのある人間を描き続けた葛飾北斎と、クールでスタイリッシュでありながら人や街をつなぐ設計を生みだす妹島和世。本展では、同美術館の模型やドローイング、現在進行中の妹島和世建築ユニット・SANAAのプロジェクトの模型や写真の展示、また『北斎漫画』のレプリカなどを公開し、江戸と現代で共に人々を惹きつけてやまない、革新的な二人を感じることができる。すみだ北斎美術館は葛飾北斎の貴重な作品の展示とともに、妹島和世の近未来的な建築も魅力。この地に生まれ、生涯のほとんどを墨田区で過ごした世界的にも有名な北斎は、まちの伝統を受け継ぐソフトなアイデンティティーであり、また地域と調和しつつも目を引く美術館の建物自体は、まちのハードな新しいアイデンティティーでもある。そんな要素を併せ持つすみだ北斎美術館は、地域の人をつなぐコミュニティーを生み、そのコミュニティーが作り出す文化が、未来を変えてゆくのだろう。【展覧会情報】妹島和世 SANAA × 北斎会期:10月31日~11月12日会場:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)料金:一般600円 高校生・大学生450円 65歳以上450円 中学生200円 障がい者200円(団体料金は一般480円 高校生・大学生360円 65歳以上360円 中学生160円 障がい者160円)休館日:毎週月曜日
2017年11月09日ユナイテッド トウキョウ(UNITED TOKYO)の2018年春夏コレクションが、2017年10月21日(土)に東京・表参道ヒルズで発表された。今シーズンが「Amazon Fashion Week TOKYO」初参加となるユナイテッド トウキョウ。ショーのテーマは、”Japanese Identity”だ。日本伝統の控えめながらも情緒的で時にダイナミックな美学。そして、それを裏打ちする綿密で丁寧なものづくりの技術。そんな”日本らしさ”を取り入れた。国内の技術を駆使した、繊細でうっとりするようなレースや刺繍が印象的。さらに、和柄や浮世絵をフィーチャーした模様が取り入れられ、初のコレクションを華やかに彩る。それでいて、あくまでもトゥーマッチになりすぎずスマートに。シックなカラーリングやカジュアルな素材をバランス良くミックスし、ブランドらしいシティライクで洗練されたスタイルを作り出した。ベージュのトレンチコートは、背中に施された金糸の刺繍に思わず目が奪われる。足元には、肌が透けるクリアヒールのショートブーツを。全身をベージュカラーで統一し、無駄のない洗練されたルックに仕上げた。幾何学的な刺繍をびっしり施したスーツも登場。スリーブ部分のみコーチジャケットのようなスポーティな袖を合わせ、かっちりとしたスーツとのミックス感覚を楽しんでいる。真っ赤なチュールのトップスには、あえてショート丈のダウンを合わせた。葛飾北斎の作品を取り入れたアイテムも多く登場した。《富嶽三十六景》の大波をプリントしたニットは、視線を惹きつけるような個性がありながらも、スリーブにボリュームを持たせたモダンなシルエットで他のアイテムにもしっくり馴染む。浮世絵を全面に配したスカートは、帯のように黒いベルトで腰元を絞って。アシンメトリーかつ立体的なシルエットで、古典的な柄を見事にモードに昇華した。
2017年10月24日合同展「神の手●ニッポン展III」がホテル雅叙園東京にて開催される。会期は2017年12月1日(金)から12月24日(日)まで。「神の手●ニッポン展III」は、日本人ならではの感性と手先の器用さを活かした、まさに“神の手”のような技巧を持つアーティストたちの作品が集合する合同巡回展。第3弾となる今回の展示では、海外でも高い評価を受ける「シャドーボックス」をはじめ「立体切り文字」「現代切絵アート」などの紙のスペシャリストや、「組み木絵」「ペットボトルアート」など素材に新たな命を吹き込む新たなアーティストを中心に、過去2回の参加アーティストの人気作品も見ることができる。日本人の感性や手先の器用さを堪能できる作品約80点が集結する。芥川龍之介の世界を立体で表現立体切り文字アーティスト・笹尾 真は、文学作品の名文を切り取り、本来二次元である文字の世界を立体化する。芥川龍之介の『地獄変』の冒頭文章を題材とし、数百枚もの紙を重ねた立体文字が生み出す世界を是非会場で体験してはいかがだろうか。端材や資源ゴミで葛飾北斎を表現一切着色をしていない数十種類の木材を、厚さ5.5mmの板材に揃え、色味や木目の違いを活かしながら絵として組み込んでいく組み木絵アート。展示される中村 道雄の作品は、半年以上の時間をかけて素材を探し抜き、葛飾北斎をカバーしたものだ。「源氏物語」の原画を再現、平面の絵に命を吹き込むシャドーボックスは、ヨーロッパ各国をはじめ、近年では日本でも芸術として高い評価を受けているハンドクラフト作品だ。日本におけるシャドーボックスの第一人者、大橋 禾苗は、7~8枚の原画を使い、絵を忠実に再現し立体化。本展では、会場である「百段階段」からインスピレーションを受けた「源氏物語」を初公開する。詳細神の手●ニッポン展III開催期間: 2017年12月1日(金)~12月24日(日) ※会期中無休。開催時間:10:00~18:00(最終入館17:30)会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」住所: 東京都目黒区下目黒1-8-1入場料: 当日 1,500円、前売 1,200円(学生800円※要学生証呈示※小学生以下無料)チケット販売窓口: ホテル雅叙園東京内、ローソンチケット、セブンチケット、JTB各店、JTBレジャーチケット、イープラスTEL:03-5434-3140(10:00~18:00)
2017年10月23日フォーチュナトウキョウ(FORTUNA Tokyo)の2018年春夏コレクションが、2017年10月20日(金)に表参道ヒルズで発表された。Amazon Fashion Week TOKYO初登場の同ブランドは、日本の伝統工芸「西陣織」を取り入れた「和モダン・クラシック」スタイルを提案している。デザイナー・木場 彰子がイギリス在住経験があることから「英国調のトラディショナル」と「和」を掛け合わせたデザインが特徴だ。フォーチュナトウキョウの看板アイテムである西陣織のネクタイ。ランウェイには桜や武士、葛飾北斎の作品など「和」をモチーフにした様々な柄が登場した。こだわりのあるネクタイの柄は、ポロシャツの襟や袖、そしてショートパンツの裾にも取り入れられ、ウェアを引き立てる。「和」がさらに顕著に現れたのは、着物型のコートやアクセサリーに取り入れられた雪下駄。下駄の鼻緒には、ネクタイと同様の柄が採用されている。そこに合わせられたのは、イギリスの伝統的なウェアだ。ネイビーのトレンチコートや、シングル・3ピースのスーツ、そしてチェック柄をあしらったノーカラージャケットがランウェイに現れ、イングランドの風を運ぶ。「和」と「英国」、2つの魅力が融合したコレクションに仕上がっている。
2017年10月23日ウンベルト・レオン(Humberto Leon)とキャロル・リム(Carol Lim)によるケンゾー“ラ コレクション メメント(KENZO - LA COLLECTION MEMENTO)が、パリの劇場トリアノンを会場にショーを開催した。ウィメンズコレクション中に発表されるコレクション「メメント」は、メンズコレクション中に発表されるプレタポルテ(高級既製服)とは異なり、高田賢三の功績を讃える内容となっている。今シーズンは広島神楽を招聘し、演奏と共に服を見せた。イメージソースは、1986年にスタートした「KENZOジーンズ」。当時発表されたデニムから着想を得て、タグをそのまま意匠として使用しているのが特徴で、葛飾北斎の神奈川沖浪裏や、竹林の中の虎の意匠が散りばめられ、ハワイアンのイメージも新たにプラスしている。カラーは藍とサムライレッドと名付けられた茶がかった赤の2色を基本にし、ジーンズ類はハイウエスト&ワイドなカッティングでアップデート。また、キモノスリーブ、キモノ身頃のトップスが多く見られ、サンハットを合わせて独自のスタイリングを見せていた。高田賢三のクリエーションを参照しながらも、新たな解釈を加えてモダンでフレッシュに仕上げ、プレタポルテのコレクションよりもさらに若々しさを漂わせる内容となっていた。
2017年10月08日ジャポニズムを読み解く世界初の展覧会19世紀後半、西洋の人々を魅了した浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)。その出会いからジャポニスムを読み解く、世界初の展覧会です。モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ、西洋美術の名作約200点と、北斎の錦絵約30点、版本約60冊の計90点が一堂に会する、"東西・夢の共演"。西洋の芸術家たちは北斎をどう受けとめ、新たな造形表現を生み出したのか―北斎が西洋に与えた衝撃を、あなたも実感してみませんか。ジャポニズムとは19世紀後半に、日本美術からヒントを得て、西洋の美術家や建築、音楽、文学、演劇など携わる人びとが作り上げた新しい創作活動を意味します。日本が17世紀初めから19世紀半ばまで鎖国体制を取っていたため、西洋世界と交流は限られており、西洋では日本についての情報知識が極めて少なかったため、開国とともにやってきた多くの西洋人が日本の品物を持ち帰ったり、その様子を紀行文に書いたりしました。そのことで、日本に対する関心が急速に高まったのです。同じころ、ロンドン、パリ、ウィーンなどで万国博覧会が開かれ、日本の展示が人気を博したのです。結果として、新しい表現技法を模索していた美術家たちが、日本の表現手法を取り入れ、自分たちの芸術に発展させたのだが、ジャポニズムです。葛飾北斎とは宝暦10年~嘉永2年(1760~1849)。江戸時代後期を代表する浮世絵師。『北斎漫画』に代表される絵手本などの版本、錦絵版画、肉筆画を手がける。『富嶽三十六景』は、代表作で、歌川広重と並び、江戸時代後期に、浮世絵における風景画のジャンルを確立させた。浮世絵師のなかでもとりわけ北斎が評価されたのか?西洋の人びとが見た北斎はどんな画家だったのか。彼から学んだ人びとはどんな点に注目し、どんな作品をのこしたのか。それによって西洋はどういう変化を遂げたのか。西洋の作品と北斎の作品を比べることにより、北斎の魅力を再発見し、西洋の作品のエネルギーを感じることにしましょう。共演する西洋の作家たちエドゥアール・マネ、アンリ・ランベール、クロード・モネ、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、フィンセント・ファン・ゴッホ、カミーユ・ピサロ、メアリー・カサット、ポール・ゴーガン、オディロン・ルドン、ギュスターヴ・モロー、パウル・クレー、ジョルジュ・スーラ、エミール・ガレ、ピエール・ボナール、カミーユ・クローデル、クリストファー・ドレッサー、ブロンシア・コラー=ピネル。「北斎とジャポニズム」展開催概要会期:2017年10月21日(土)~2018年1月28日(日)会場:国立西洋美術館 [東京・上野公園]〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金、土曜日は午後8時。ただし 11/18は午後5時30分まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし1/8は開館)、12/28~1/1、1/9主催:国立西洋美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網、BS日テレ特別協賛:キヤノン協賛:花王、損保ジャパン日本興亜、大日本印刷、トヨタ自動車、みずほ銀行、三菱商事お問合せ:TEL.03-5777-8600 (ハローダイヤル)ペアチケットを5組10名様にプレゼント!
2017年10月02日9月17日、18日、演出家・宮本亜門が手がける朗読劇『画狂人北斎』の公演が曳舟文化センターで開催された。世界的に知られた江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎。この作品はそんな「葛飾北斎」と宮本がタッグを組んだプロジェクトとなり、今年1月に「すみだ北斎美術館」で行われたリーディング公演を皮切りにスタートすることとなった。今年7月には北斎展「Hokusai:beyond the Great Wave」を開催中のイギリス・大英博物館でも上演され、好評を博したこの作品。今回の公演は、満を持しての凱旋公演となる。物語は、博物館の講演会場から始まる。北斎研究家・長谷川南斗(菊地創)が語る北斎への考えに、彼の研究を手伝う助手・峰岸凛(秋月三佳)は違和感を持つ。凛はかつて自身も画家を目指しながら、とある出来事がきっかけで今は筆を置いていた。一方、舞台は江戸時代へ。天保の大飢饉や出版統制など厳しい状況の中、絵を描き続ける晩年の葛飾北斎(志賀廣太郎)と、悪態をつきながらも彼を支える娘・お栄(中嶋朋子)。しかし親友である戯作者・柳亭種彦(池内万作)が幕府によって捉えられ、追い詰められた北斎は小布施へと居を移す。北斎の真実を追い求める現代のふたりの姿と、激動の時代を身を置く晩年の北斎の姿が交互に舞台上には立ち現れ、やがてクロスオーバーしてゆく。「朗読劇」とは銘打っているものの、舞台上の俳優たちは椅子から立って通常の公演のように演技を行う場面が多い。その分、1月のリーディング公演と比べてもよりストーリーや登場人物たちの心情がダイレクトに響いてくる。また、背景には映像を大胆に使用。実際の北斎の絵も多数表示され、北斎の絵に秘められた秘密や謎解きを知ることができるので、「北斎入門編」の役割も。時にそれらの絵がアニメーションのように動いていくことで、通常は“静”のイメージが強い朗読劇にもかかわらず、よりダイナミズムを感じさせる効果も生む。江戸時代の北斎たちと、凛という“現代に生きるアーティスト”を対比させ、そして交錯させてゆくことで、「ものを創りだす」ということ、そして創作者のその姿は今も昔も変わらないのではないか、ということを思わせてくれる。それだけに表現が次々と規制されてゆく北斎たちの生きた時代の様子は、今この作品を見ている私たちの現状とも無縁ではないのでは……と感じさせる一幕も。この先、舞台化などさらなる動きを見せてゆこうというこのプロジェクト。今後の展開が楽しみだ。取材・文:川口 有紀
2017年09月22日