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「入口から地下に続く長い階段を下りた先に楽屋とスタジオがあったのですが、その通路を主演のヒデちゃん(中山秀征)や湯江(タケユキ)君、(今井)美樹ちゃんと行き来していたのが懐かしい思い出です。スケジュールがすごくタイトで、撮影が終わるのが27時(午前3時)で、翌朝7時にはまた撮影開始という、“いつ、寝るの?”という日々でした」こう振り返るのは、香坂みゆきさん(60)だ。同ドラマが放送された時期は、ちょうど女優の仕事が増え始めたころだったという。「1977年に歌手デビューしたのですが鳴かず飛ばず。当時の所属事務所と『ドラマを増やそう』と方針転換をしていったんです」1984年に『金曜日の妻たちへ』(TBS系)のパート2に出演するなど、女優としての活躍が制作サイドの目に留まったのだった。「ナベプロ(現ワタナベエンターテインメント)イチオシの新人だったヒデちゃんや湯江君が高校生、私が大学生役で、アルバイト先のハンバーガーショップを舞台にした青春ドラマ。スタジオには本物の調理機材を入れて厨房を再現。有名ハンバーガーショップの社員さんに作り方の指導も受けました。それが面白くて、空き時間にフライドポテトを揚げたりハンバーガーを作って、食べたりしていました。スタジオの中に油のにおいが充満したときは、ちょっと胸焼けしてしまいましたけど(笑)。若い出演者はみんな、歌やドラマ、雑誌の取材で忙しく、アルバイト経験はなかったので、ドラマを通じて、普通の学生が送る青春を疑似体験していました」現場でムードメーカーとなったのは柳沢慎吾だったという。「とにかくいつもしゃべっているんです。楽屋でもメーク中でも、リハーサルでも、本番以外はずっと。だいたい私が相手をしていたのですが、『うるさい』と注意しても、『お前、ウチの姉ちゃんにそっくりだな』って、全然、話をやめようとしないんです」まだ歌手デビューをする前の今井美樹も、アルバイト役として出演していた。「楽屋で『こういう歌が好きなんです』と言って、ユーミンの曲を口ずさんでいました。当時から歌手を目指していて、自分で曲を作ったりしていたようです」同ドラマでは、主演の中山秀征とのキスシーンにも挑戦。「緊張したのは覚えていますが、あまり意識するとその後の演技にも影響するので、平常心で演技したと思います。たまに“ヒデちゃんの初キスシーン”ということで、テレビとかで取り上げられているんですが、ちょっと恥ずかしいですね(笑)」
2024年01月21日この記事では、2023年12月に妊娠を発表した芸能人や有名人をご紹介! 妊娠・出産時期が自分と近い芸能人や有名人には、なんとなく親近感がわくものですよね。五戸美樹さん、朝比奈彩さんなど、多方面でご活躍中の方々からおめでたいニュースが届きました。アナウンサー、モデルなど、3名の妊娠のニュースをお届けします。 妊娠発表五戸美樹(37歳)フリーアナウンサー 妊娠発表:2023年12月10日(2人目) 出産予定:2024年6月ごろ ブログ・SNS:Instagram(@mikigonohe)朝比奈彩(30歳)モデル・俳優 ※夫は山下健二郎(38歳)三代目 J SOUL BROTHERS 妊娠発表:2023年12月14日(1人目) ブログ・SNS:Instagram(@asahina_aya)上矢えり奈(32歳)元アイドルグループ・仮面女子 妊娠発表:2023年12月20日(1人目)ブログ・SNS:X(@erinyannn1015)気になる芸能人や有名人はリストの中にいましたか? 同じくらいの妊娠週数だったり、わが子と近い月齢の赤ちゃんが登場したりする芸能人のブログには、マタニティライフや子育てのヒントがあるかもしれません。家事や子育ての息抜きにチェックしてみてはいかがでしょうか。
2024年01月06日【前編】障害児キッズモデル「僕たちから目をそむけないで!」華ひらく社長・内木美樹さんよりつづく12月3日午前10時、週末の千葉県のイオンモール木更津。多くの家族連れでにぎわうなか、2階にある展示スペースで、ひっそりと小さな写真展が始まった。30点ほどのパネルには、子供たちがカラフルなバルーンやシャボン玉に夢中になっていたり、あどけない表情でソファでくつろぐ姿などが写されている。一見、何げない日常の光景だが、作為のない子供たちの表情や、会場全体の飾りつけもパステルのトーンで統一されていて、不思議な幸福感に満ちているのだ。《ここにいる全員、障害のあるキッズモデル》入口脇に掲げられた写真展のタイトルのとおり、実は、ここに写っているすべての子供が、何らかの障害と共に生活している。よく見れば、パネルの脇にモデルの名前と一緒に「7歳・自閉症・肢体不自由」「3歳・自閉症・重度知的障害」などとプロフィールが添えられていた。「写真も会場も明るい雰囲気で、驚かれたでしょう。私が何より大切にしているのが、この世界観なんです。障害につきまとう、暗かったり、マイナスのイメージを変えたいんです」そう話すのは、この写真展を主催した、障害のある子供たちのモデル事業などを手がける「華ひらく」(東京都新宿区)社長の内木美樹さん(40)。■結婚、起業……穏やかな生活は、授かった長男が2歳になる直前、保育士のひと言で一変「普通にわがまま(笑)、よくいえば活発な女の子でした」’82年12月4日、横浜市に生まれた内木さん。「航空会社勤務の父、専業主婦の母、3つ上の兄の4人家族。地元で小中高と公立校に進み、ずっと陸上部に所属していました」そんな、「ごく普通の生活」が中学1年のときに突然、断たれる。「母が膵臓がんで急死。当たり前だった、学校から帰宅しての『おかえり』という笑顔を失い、深い絶望に陥ります。その孤独や悲しみを12歳の私は抱えきれずにパニック障害を引き起こし、幸福な時期があるからつらいんだと自己防衛で忘れようとするうちに本当に記憶を失い、解離性障害と診断されました」そんなとき、図書館で1冊の学習漫画と出合う。「何げなく手にしたマザー・テレサの伝記を読んで、世界には、こんな不幸な私すら持っている家のない人や、ご飯さえ食べられない人たちがいることを知り、私も泣くばかりでなく、将来、マザーのように自分の体験を生かして何かできないかと、前を向けたんです」その夢を実現すべく、高校卒業後には留学準備の専門学校へ進み、19歳で渡米。ネバダ州のリノ市にある、看護学でも有名な短大TMCCへ入学。23歳で帰国後、コピー機の営業職などを体験。しかし、「上司からのノルマや罵声があったり。留学したせいで、日本の会社とはこういうもんだと思い込んでいましたが、やがて、いわゆるブラック企業だと気づくんです。これは自分の思い描いている道とは違う。だったら、会社に縛られない働き方をしたいと、起業に踏み切りました」’10年11月、たった一人で設立した「華ひらく」は、当初は留学体験を生かして、飲食店のインバウンド向けの接客の英会話教育などを請け負う会社だった。2年後の春に、日米間の長距離恋愛を続けていた克親さんも帰国して、結婚。穏やかな夫との生活のなかで、パニック障害もいつしかおさまっていた。そして、’13年10月8日、長男の尊くんが誕生する。「主人は会社員で経理を担当していて共働きですから、尊は6カ月から保育園。歩き始めるのが遅いくらいで、なんの心配もなく忙しく毎日を送っていました」その日常が、2歳になる直前、保育士のひと言で一変する。「タケちゃん、耳が聞こえてないかもしれません。お名前を呼んでも振り向かないんです」母親の直感で耳は正常だと思っていたが、不安を捨てきれずに、大きな施設を訪ねた。■ガラスの壁の向こうにいる人にも障害のある子供たちのことをどう伝えるか、ひらめいたのは……「自閉症と知的障害があります」市川市のこども発達センターの医師が告げたのに対して、事前に発達障害等について調べていた内木さんは、間髪入れず尋ねていた。「知的障害は中度ですか?」「重度に近い中度です」その言葉が重くのしかかる。「自閉症などの障害があっても、各分野で活躍している人もいます。その存在が私の最後の希望でしたが、重度の知的障害と聞いて、一気にくだかれました」しかし、女性園長は行政と相談して尊くんの担当となる加配保育士を付け、ほかの保護者たちも温かく受け入れてくれたのだった。「それでも、2歳、3歳と成長するにつれて、ますます尊がじっとしていられなくなったり、大声を上げたりするのを見て、私は、うちの子が園全体の和を乱しているのではと、心配するばかりで。’16年2月には、弟の謙くんも誕生。しかし、遊びたい盛りの男の子2人を公園に連れていくのは、いつも夕方5時を過ぎてから。「薄暗い公園を見渡し、ほかの子やお母さん方がいないのを確かめてホッとしている自分に気づいて、また泣きたくなったり」本来の自分らしさをどんどん失っていく内木さんだったが、わが子の障害を受け入れるきっかけは小学校入学と同時に訪れた。千葉県立の特別支援学校への入学式でのことだった。「最初の行事の集合写真の撮影で、尊がシャッターが1回下りただけのところで駆け出してしまったんです。私自身は、もう焦ってしまうばかりでした」すると、周囲の先生たちが、こんな言葉を口にした。「あらら、行っちゃったねえ~。元気でいいね」そのやわらかな笑顔を見て、内木さんは、ようやく自分たち母子の居場所を見つけたのだった。その初めての心の余裕が、彼女にあることを気づかせた。「ふり返れば、保育園でも、公園でも、みなさんは私たちを受け入れてくれていた。なのに、自分で見えないガラスの壁を作っていた。そうか、私こそが、障害のある人たちに対して、偏見や差別の気持ちを持っていたんだと」そして’20年に入ると、家族はまた大きな一歩を踏み出す。ユーチューブで、尊くんの日常を配信し始めたのだった。名付けて、「はばたけタケル」。1年後には登録者数も3千人まで増えるなど、一定の反響は得ていた。しかし、内木さんは、「ユーチューブを通じて、同じ障害のある人たちの輪はできました。でも、ふさわしい表現ではないかもしれませんが、傷のなめ合いをしているうちは、社会は変わらないだろうと思ったんです。だったら、かつての私のように、ガラスの壁の向こうにいるあちら側の人にも、障害のある子供たちと家族のことをどう伝えるか。お涙ちょうだいはイヤだし、できれば子供たちの自立につながってほしいと、思いました」仕事や家事をしながら、また夜も寝ずに考えに考えた。そして、「興味のない人も否が応でも目にしてしまうもの、感情に訴えるもの。そうだ、広告だ、キッズモデルだ!」■無我夢中でらくがきに没頭する子供たちの笑顔が広告に使われ大評判に「飛込み営業で、まずは世間的にSDGsに力を入れている会社などに連絡しましたが、ほとんどが『前例がありません』『障害者を利用してお金もうけをしているとのクレームにつながりかねない』というお返事でした。そこで、よし、外堀から埋めようと思うんです。社会のほうから“日本にだって障害のあるキッズモデルがいてもいいよね”というウエーブを作ろうと。その具体策が、写真コンテストでした」このコンテストは、新聞各紙などにも取り上げられ、冒頭のとおり、その後の写真展にもつながっていき、大きな成果を上げた。同時に進んでいたのが、ある広告プロジェクト。その相手企業がチョークや描いても消せる筆記具「キットパス」で知られる日本理化学工業(川崎市)だった。「60年以上前から障害者雇用に取り組み、社員の7割が知的障害者という日本理化学工業さんは、ずっと大ファンで、モデル事業を立ち上げたときに、ぜひお声がけしようと決めていたんです」同社広報部の雫緑さん(42)は、「今年4月、わが社のホームページのお問い合わせ欄に、内木さんの最初のメールが届きました。障害のある方への思い、ご自身のママとしての思いがあふれるほどの長文で、私自身4歳児の母親として大いに共感して、すぐに広告作りが動き出しました」早くも翌5月には、千葉県の鴨川でキットパスの新商品の広告の撮影が行われた。「華ひらく」から出演するのは、ダウン症のすみれちゃん(8)と自閉症と軽度知的障害のあるなぎさちゃん(7)。ほかの広告制作との大きな違いは演技指導などが一切ないこと。現場に立ち会った、なぎさちゃんの母親の武藤綾夏さん(34)は、「内木さんから『お絵描きの好きな子向きの仕事があります』と一斉メールが来て、なぎさにぴったりと思いました。家でも何時間でも描き続ける子なんです。撮影の現場でも、『この大きな窓ガラスに好きに絵を描いていいんだよ』と伝えられたあとは、大人は手出しせずに、のびのび自由にやらせていただけました」完成した広告写真は、商品チラシや展示会パネルに使用され、大評判となった。雫さんは、「現場で、無我夢中でらくがきに没頭する子供たちの笑顔こそ、私たちが伝えたかった商品のコンセプトそのものです。これは、新しい化学反応ができたなと、現場で広告の成功を確信しました」現在、「華ひらく」に登録しているキッズモデルは、0~13歳の38人、契約企業はフォトスタジオやこども食堂など7社。もちろん、この事業のきっかけとなった内木さんの長男の尊くんも、トランポリン施設の広告などに出演している。■障害のある子供たちが自立でき、そのとき彼らにやさしい社会が実現してほしい「タケちゃ~ん、戻っておいで」写真展の昼休みの時間に、会場近くの海の見える公園を訪れた内木さんファミリー。車を降りた途端に駆け出した尊くんは、もう50mも先にいて、まだ走り続けている。そのあとを克親さんが名前を呼びながら追いかけ、さらに謙くんが続く。「いつもの、わが家の光景(笑)。尊のおかげで、笑い声も絶えないし、教わることも多いです。障害のある子供がいると、両親がその子にかかりきりになって、健常の子が寂しい思いをすると知り、毎月、『タケルがママを独占できる日』と『ユズルがママを独占できる日』も作りました。「ほら、タケル。あっちは海だよ、オーシャン」 「オーシャン!オーシャン!」ようやく戻ってきた尊くん、今度は海を目がけて走り出す。語学に堪能な内木さん夫妻は、幼いころから兄弟に英語で話しかけていて、家族の会話にはよく英単語が混じるのだそうだ。海を見に行った母子を見送りながら、今度は克親さんが、「夫婦でよく話すのは、僕たち親は子供より先に死ぬこと。だからこそ、障害のある子供たちが自立でき、そのときに彼らにやさしい社会になっていてほしい。彼女の仕事はそのきっかけになると信じ、家族全員で応援しています」今後、キッズモデルたちの写真展は、12月21~27日に新宿髙島屋での開催が決まっている。内木さんは、木更津での取材翌日に40歳になったが、これまでと変わらず、次のクライアントや写真展の会場を探して、今日も飛込み営業の電話をかけ続ける。「いずれ60歳ごろまでに、里親や保護司を務めたいという思いもあります。もちろん、マザー・テレサがお手本。でも、まず今はキッズモデルを、もっと日本中の人に知ってもらうことが最優先。まだまだガラスの壁は厚いですけど」ポンと背中を押してくれるのは、たくさんの無垢な笑顔たちだ。
2022年12月18日スラリとした美人。控えめな言葉の端々に、意志の強い武骨な真面目さも見える。表現者には大事な気質だ。ヴァイオリンの小林美樹がユニークな構成のコンサートを開く[10月29日(金)紀尾井ホール]。題して「八季~エイト・シーズンズ」。ヴィヴァルディの《四季》と、生誕100年のピアソラの《プエノスアイレスの四季》。2つの《四季》を彼女の独奏で一気に弾く。「四季+四季で八季。いつか絶対にやりたいと思っていました。コロナ禍もすでに8シーズン。次のシーズンが幸せに始まりますようにという気持ちも込めて。私は昨年、音楽をやる意味を考え込んで、1か月間ヴァイオリンを弾かない時期もありました。舞台に立ち、弾き終えて拍手をいただくこと。仲間と演奏すること。当たり前だったことがじつはとても幸せなことで、そのために頑張ることが自分の原動力になっていたのだと、あらためて確認できたのはよかったです」ピアソラ の《四季》を、ヴィヴァルディと同じヴァイオリン独奏と弦楽合奏版に編曲したのはロシアの作曲家デシャトニコフ。大胆にも曲中にヴィヴァルディを引用しているため、〝八季〟が有機的につながる。編曲の域を超えた独創的な作品だ。「ピアソラもすごいですが、このアレンジもすごいんです。同じモティーフを使っても、まったく違うイメージになるのは驚きです。たとえば〈冬〉の最後にヴィヴァルディの〈冬〉の第2楽章がちょっと出てくるだけで、こんなにも沁みるものかと。私のお気に入りポイントです。〈秋〉に、チェロの長いソロがあるのも聴きどころで、絶対に素敵に弾いてくれるであろう上村文乃さんにお願いしました」その上村は大学の同級生。もう一人、やはり同級生の会田莉凡(ヴァイオリン)ら、弦楽合奏の豪華メンバーはほぼ同世代の仲間たちだ。小林自身が一人ひとりに直接声をかけて集めた。「学生の頃から私を知ってくれている方ばかり。気兼ねなく、思ったことをストレートに言いあえる皆さんにお願いしました。だからリハーサルも楽しみですし、本番で私が瞬間的に感じたことを即興的に仕掛けても、それを受け止めてくれるはず。とても心強いです」ヴィヴァルディの《四季》は自然の美しさや恐ろしさを、ピアソラは人間の日々の小さな幸せや悲哀を訴えてくるという。「客席の皆さまに、私たちは生きているということを感じてもらえる一夜になると思います。ぜひ聴いてください」(文・宮本明)
2021年10月08日アニメ『とらドラ!』『ゴールデンタイム』の原作で知られる竹宮ゆゆこの小説『砕け散るところを見せてあげる』が映画化。今最も注目されている若手俳優の中川大志と石井杏奈がW主演を務め、衝撃的に展開する物語にリアリティを与えている。緊迫感のあるストーリーの中で、等身大の高校生の姿をどう演じたのか?ふたりの動画インタビューをお届けする。ぴあアプリで中川大志・石井杏奈のサイン入りチェキを2名様にプレゼント!ぴあのアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=847a62e4-8ea1-4772-b1c8-99c9d2c29e5d&contentTypeId=2) してこの記事をご覧いただくとプレゼントだけでなく、爽やかなふたりの写真も見られます!撮影/高橋那月、取材・文/藤坂美樹
2021年04月08日活躍が期待される若手俳優・女優を応援するために、「卒業」をテーマにした作品を映像化してサポートする「私の卒業」プロジェクト。その第二期の配信が2月19日(金)より、YouTubeにて3本一挙配信となった。今日はその3本のうちの1本「センパイの卒業式」の主演を務める、三浦理奈さんに撮影秘話や見どころはもちろん、彼女自身のプライベートについても話してもらった。17歳の素直さと不安、そして未来への意気込みを感じてほしい。自分に戻るのが大変なほど「綾香ちゃん」に入り込んでいました――「センパイの卒業式」、撮影はいかがでしたか?最初は撮影に慣れなくて、とても緊張しました。でも撮影が進むにつれ、緊張が早くとけるようになり、だんだん楽しくなっていきました。――最初は、主演のプレッシャーを大いに感じたんですね。ものすごく感じました!ちゃんと台本覚えられるかなあとか、夜、考えただけで目が冴えちゃって。1時間しか眠れないなんてこともあって、撮影前はフラフラしていました。でも家族やマネージャーさんには相談できなくて……弱音を自分から言えないんです。――内にこもってしまった?悩んでいるときは、近くにいる人が気づいて声をかけてくれることが多いんですけど、「大丈夫?」って言われるとブワッと涙が出てしまうっていう。溜め込みタイプなんですよ。撮影現場に入った当初は、表情もすごいカチコチで。じょじょに緩んでくことが出来て本当に良かったです。――三浦さんが演じる綾香ちゃんは、好きな人にトコトン一途な子ですが、あの気持ちわかりました?すっごいわかりました!高石監督からも、綾香ちゃんは私にちょっと似ている部分があると言われたんですけど、自分的にもすごくやりやすかったです。好きだった先輩が変わってしまっても、「大好きです!」って心から言うシーン、本当にスルッとできました。――演じていて難しかったことは何ですか?表情が難しかったです。カメラで撮った後に、自分がどんな顔をしていたかをなかなか見せてもらえないので、「顔をちゃんとしなきゃ」ってすごく思っていたんです。そうしたら高石監督に、「『やらなきゃ、やらなきゃ』が顔に出ている」って言われてしまいました。感情と表情を一緒にするのが、とにかく難しかったです。悲しい顔とか切ない顔とか、いろんな表情がありますが、それを作らなきゃって気持ちが強すぎたみたいです。――セリフを覚えるプレッシャーに加え、表情を作るプレッシャーも!ただ、セリフは意外と覚えられました。絶対無理って最初は思っていましたが、台本を読み込んで頭に入っていたからか、セリフが飛んでしまう事はありませんでした。――ここは見てほしいという、見どころを教えてください。綾香ちゃん、先輩の匠くん、お友達の翔吾くんという3人が、三角関係のようになるんですけど、お互いを思い合っているところが、見どころです。あと、今回のサブテーマが「地に足をつける」というものなので、映像にも足をフューチャーしたシーンが流れます。そこも注目です。――新型コロナウィルスであったり、YouTuberであったり、“今”を表現する要素が多いというのも、特徴的な映画ですよね。千曲市で撮影したんですが、作中に出てくる豪雨災害も、千曲市で2019年に起きた本当の話なので、全体的にとてもリアルなんです。あと、千曲市って本当にキレイなところなので、背景が全編通して美しいです。――千曲市の魅力は、どんなところですか?1番はやっぱり、人ですね。すごく温かくて優しくて。すれ違った人も挨拶を返してくださったり、普通に話しかけてくださったりとか、ありがたかったです。あと足湯のシーンがあるんですが、撮影が終わるまで街の方々が待っていてくださいました。――「センパイの卒業式」を経て、ご自身が成長したと感じましたか?ふふふ、はい(笑)。最初は何もわからない状態だったんですけど、だんだん撮影が進むにつれて、「あ、これが役に入るってことなんだ」「これが気持ちが入るってことなんだ」ってわかってきて、楽しかったです。ただ、役柄と本来の自分とで、切り替えがすごく難しかったです。私は今、綾香ちゃんなのか私なのかどっちだろうって、分からなくなることもありました。「ホリプロって何ですか?」から始まった芸能生活――三浦さんは、2016年のホリプロスカウトキャラバンで、審査員特別賞を受賞したのが、デビューのきっかけとお聞きしています。家族で東京によく、旅行に来ていたんです。浅草とか観光スポットを巡っていたんですが、中学1年生で原宿に行ったときに事務所の方からスカウトを受けたのが、最初のきっかけです。当時はホリプロが何なのかもわかりませんでした(笑)でも、親がすごく勧めてくれて……。それまで、夢とか将来の希望とか何もなかったんですが、ホリプロに入ってから女優さんになりたいなって、思うようになりました。――それまでは普通の中学生だったんですね。普通に滋賀県で学校生活を送っていました。中学時代は陸上部でした。今は高校で東京に出てきて、帰宅部。まったく運動してないです(笑)東京は滋賀と人口がぜんぜん違うし、電車でどこにでも行けるというのが衝撃で。滋賀ではバスにも乗ったことがなくて、親の車か自分で自転車に乗るかだったんです。――東京の交通事情って、衝撃ですよね。わかります!今は高校2年生ですが、今、流行っていることはなんですか?K-POPがすごい流行っています。BLACK PINKさんとか、TWICEさん。NiziUさんもみんな、文化祭で歌って踊っていました。私は照明でしたけど(笑)――裏方を担当したんですね。踊りたくなかった?私、踊ることが苦手で…!ただ去年はクラス全員踊らなきゃいけない学校のイベントがあって、それは踊りました。AKB48の「ヘビーローテーション」にあわせて、最後尾の見えないところでコッソリ……体育はすごい好きで、ドッチボールとかバトミントンは大好きなんですが、とにかく踊れない。――運動神経はいいのに!去年は学校の体育祭のリレーで、選抜で走りました。選抜と言いつつ、結構人数はいたんですけどね。ちゃんと追い抜いたので、めっちゃ気持ち良かったです!でも、普段は面倒くさがり屋で、超インドア派です。――お家では何をしているんですか?ずっとYouTubeを見ています。「●●を1万円ぶん買ってみた!」みたいな大食い企画をよく見ます。見ているうちに、自分でもやりたくなってきました。ひたすら食べるなら、ラーメンがいいな。お兄ちゃんが2人いるからか、味覚が男らしいんです。――お兄ちゃんが2人!可愛がられたんじゃないですか?いわゆる女の子って感じには、育たなかったかもしれません。お兄ちゃんにまじってサッカーとか野球とかやってたので。1番上のお兄ちゃんには、特に可愛がってもらいました。――好きな男の子のタイプは、お兄ちゃんに寄っちゃいます?ぜんぜん寄らないです。好きになった人がタイプなんだと思います。――因みに今はどういうタイプが?妄想で結構です。うーん、なんでも一緒に楽しんでくれる人でしょうか。理想のデートは、遊園地に行きたいです。ジェットコースターがめちゃめちゃ大好きなので!将来の夢はアクションもできるカッコいい女優!――今まで、影響を受けた作品や、好きな作品はあります?綾瀬はるかさん主演のドラマ「奥様は、取り扱い注意」が大好きです。アクションが素晴らしいし、スイッチの切り替えがすごいなって。すごくカッコよくて、自分もいつかこういう役柄を演じられたらいいなって思います。――カッコいい女性って、憧れちゃいますよね。戦っている女性はカッコいいなと思います。洋画なら「バイオハザード」が大好きです。邦画なら「今日から俺は!!劇場版」で、橋本環奈さんの戦うシーンが印象的でした。――では最後に、三浦さんの将来の夢を教えてください。今度は長編映画で主演を演じたいです。学園ものもアクションも大好きですし、いろんなジャンルの映画に出たいなって思います!――今日はありがとうございました。私の卒業プロジェクト第二期「センパイの卒業式」配信中!【前編】【後編】撮影/杉映貴子、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴
2021年02月25日松尾太陽の新曲『体温』が、2021年2月11日に配信される。松尾はメインダンサー&バックボーカルグループ・超特急のボーカル・タカシとして活躍しているが、2020年9月よりグループと並行してソロ活動をスタート。2021年は3ヵ月連続で新曲をリリースすることを発表し、1月15日に配信されたのが全編英語歌詞の『Magic』、そして続く第2弾が今回の『体温』となった。新型コロナウィルスの影響で、ライブ開催がままならない今。逆境下でも歌うことへのモチベーションの高さを保てる理由、そして超特急の末っ子担当から大人の男性へと変化を遂げた秘密を、多いに語ってもらった。「可もなく不可もなく」から脱皮できたのは、歌い手としての心構えが変わったから――今回の『体温』、まずは歌唱力の高さに驚きました。もちろん太陽さんはプロとして長年活躍してらっしゃいますけど、ここ最近でグンと伸びた気がします。ありがとうございます。――私は「超特急のタカシ」さんが10代の頃から取材をさせていただいていますが、あの頃よりもレベルが格段に上がっているというか……。かなり努力をされたのではないでしょうか。また、努力のモチベーションは何だったのでしょうか。キャリアの最初の頃を振り返ってみると、僕は超特急というグループに、何かを歌いたくて入ったっていうわけでもなかったんですね。――俳優志望だったとお聞きしたことがあります。12歳で今の事務所に入ったのですが、当時は「どちらかと言えば、俳優志望」という感覚でした。まあそんな覚悟で超特急を始めたんですが、正直、歌に対してはすごく深い所を掘り下げるとか、高みを目指すということもなく、可もなく不可もなしという状況が続いていたんです。でも、グループの環境がガラリと変わったことがきっかけで、自分の歌について本気で考えるようになりました。――2018年にグループの構成が変わり、責任がより重くなった頃ですね。そのあたりで自分の気持ちが切り替わったのは、事実ですね。自分がもっと歌を支えなきゃいけないと自覚して、その延長上でもっと何かいろいろとやっていきたいなと思い始めました。――2020年9月にソロ初のミニアルバム「うたうたい」を出されたときの、インタビューを読ませていただきましたが、歌うことへの楽しさをより感じるようになったとおっしゃっていますね。そうですね、歌が楽しくなったというのはあります。もともとソロ活動を始めたのも、今がこういう緊急事態だからこそ、「始められるものは始めたい」という思いがありました。今もその思いはあるし、この先も変わりません。曲を作ったりレコーディングをしたり、日々新しいものに出会えて刺激されたりという日々が、楽しいですしね!――それは素晴らしい。もちろん楽しいだけじゃなくて、悩むこともあります。でもそれすらも、「本当に勉強しているから、悩めるんだ」って前向きになれます。例えば学生の頃、好きな教科・苦手な教科って誰にでもありましたよね?苦手な教科だから放置するんじゃなくて、苦手だからこそ強化していかないと、成績が伸びないじゃないですか。それと同じで、自分の悩みを無視していたら、皆さんに響く楽曲を届けられないんじゃないかなって。だから、悩めている自分も、楽しかったりするんです。――今、歌に関して、太陽さんが苦手にしていることは何でしょう。昔からなんですけど、リズム感がなくて。自分の中で矯正しているんですけどね。他にも、苦手なことを言えばキリがないです(苦笑)逆に得意なことを挙げる方が難しい。実は僕、「僕の得意なことって何ですかね?」って周囲に訊ねないと、わからないんです。自分でわかってない。――ファンはわかっていそうですが……。苦手なことは僕、皮肉にもすごくわかっちゃうんです。でも、伸ばしたいところを自覚して、この先より良くなることを考えると、楽しくなります!――自分を追い詰める方向に行かないのがいいですね。追い詰めないですね。確かにあんまり、そういう風にはならないです。――ご自身にとって、歌うことがより大切に、より身近に、もっと言えば逃れられないものになっているように見えます。歌はすごく大きくいうと、人生。ここ10年くらい歌の仕事をやらせてもらっているし、今もそうだから、人生です。先ほど褒めていただきましたが、もっとレベルを上げたいです。――いい意味で貪欲になってらっしゃいます。最近、自分よりも年下のアーティストさんや、さまざまなSNSで話題になっている方々が、本当にたくさんいらっしゃいます。でも自分は自分にしか歌えない歌を歌いたいし、歌は僕の気持ちを上げてくれるもの。今や誰もが話題になれるきっかけがある時代だからこそ、自分ももっと、自信をつけて頑張りたいです。――新しい才能に悔しさは感じませんか?悔しい気持ちはあるけど、そうじゃない部分と半分半分かな。その人なりの努力をして、僕よりも先にその曲のアルゴリズムを理解し、見えないところで何時間も費やして曲を作り上げたんだろうなって考えると、だんだん悔しさの比率が減っていきます。相手のことを理解しようとせずに、パッと見だけで考えると悔しくなるけど、その人の他の曲やイメージを深く知ろうとすると、気持ちが変わっていきます。――裏側が想像できるようになった、という意味ですか?うーん、そうですね。こういう仕事をやらせてもらっているからこそ、表面上では見なくなったというか。いい意味で、皆さん裏があると思うんですよ。人に見せていない部分が、本当の自分っていう人もいるだろうし。――すごく大人な発言ですね。あ、本当ですか。ありがとうございます(笑)超特急があってこそのソロ活動。1人で学んだことをグループに持ち帰ることも――太陽さんの歌は、聴くと温かい気持ちになるのが特長だと思います。お人柄が歌にも表れているような…超特急のタカシとはまた別の、松尾太陽としてなりたい歌手像を教えてください。超特急というのは、どちらかと言えばエンターティンメントの方に振り切っているグループです。僕は自分たちしか、ああいうグループはいないんじゃないかって、勝手に思っているんですけど。そして松尾太陽としては、超特急と違う要素を見せないと、ソロ活動の意味がないなとも思っていて。――確かに、別の顔を見せたくなりますよね。音楽の方向としても、1月に出した『Magic』のように英詞の曲など、新しいことにも挑戦して……。最近、聴いているだけでおしゃれな曲が増えていますが、僕はちょっと異彩を放つ存在になりたいです。ジャンルにもあまりとらわれたくないし、70年代、80年代のテイストに、今のトレンドも取り込みながら、その間をくぐっていきたい。そうしたら本当にたくさんの方が見て聴いてくれる、そういったタイミングがいつかくるんじゃないかな。超特急でもそうなんですけど、もう完全なる夢追い人として、頑張っています。――ソロとしての目標を教えてください。まず第一に、お客さんの前でライブをすること。今まで、「超特急のタカシ」のソロイベントやソロライブはありましたが、松尾太陽名義で本格的に始動した頃には、もう新型コロナウィルスの影響真っただ中。皆さんの前でまだライブができていないんです。――それは悔しい。本当にお客さんを入れてのライブも、ツアーも、早くやっていきたいです。正直、ライブでみんなで盛り上がってからじゃないと、その先の目標はまだ見えないですね。「この景色が見えた!」とか、ライブの本番真っ最中に思ったりするものなんですよ。――その景色を見てからじゃないと、次が見えない。なるほど!やっぱりお客さんの前に立ってこそなんですね。超特急は「8号車はメンバーだ!」と言っていますが、それは真理です。他のアーティストの皆さんにとっても、ファンというはそれくらい大きな存在だと思います。聴いてくれる方がいないと、活動する意味がだんだん、薄れてしまいますからね。だから僕も聴いてもらうという受け身ではなく、自分から聴いてもらえるような活動がしたいし、クオリティーももっと上げていきたいです。――松尾太陽と超特急のタカシ、二足の草鞋を履いている心境を教えてください。これはずっと変わらないんですが、まず超特急が主軸で存在するからこそ、松尾太陽があるんです。なので僕は、8号車を不安にさせないようにしようと、常に思っています。8号車の皆さんが、僕のそんな気持ちを真っ直ぐに受け取って応援してくれているのは、本当に嬉しいです。――超特急があっての、ソロ活動なんですね。超特急がいないと、僕は今の人生が歩めていません。代々木第一体育館にも、武道館にも、さいたまスーパーアリーナにも立てていないし、そこからの素晴らしい景色も見れていないし、番組も持てていない。だから「自分は今後ソロでやっていこう」ってことには、全くなれません。ソロ活動は「皆さんにいろんなエンターティメントを届けたい」っていう気持ちが、大きなきっかけでした。だからこそ、二足の草鞋はずっと履いていきたい。超特急も、松尾太陽も、どちらかを置いていくってことはしません。そこは改めてファンの皆さんに断言しますし、安心して着いて来てくれれば、本当に嬉しいです。――ソロで歌い、活動してきたことで、超特急に活かせたことはありますか?度胸がつきました!実は2019年に「Utautai」の配信ライブをしたときは、バンドの方々が豪華なメンバーぞろいだったこともあって、ガッチガチだったんです。今だから言えますが、もっと楽しめたのになっていう悔いが残ってて。でもそれを経た後の超特急のオンラインライブでは、緊張はしたとはいえ「どんなことがあろうとも、絶対に後悔しないだろう」という気持ちになれました。更にいえば、2021年の僕はもっと何か変われそうっていう、ちょっとした自信にも繋がりました。『体温』は、一生付き合える曲になる予感。歌えば歌うほど味が出てきそう――今回リリースの『体温』は、ピアノ・トリオバンドのOmoinotakeさんの楽曲提供を受けています。これは、どういった経緯で決まったのでしょうか。ディレクターの方といろいろ話していく中で、ミニアルバムの「うたうたい」とは違った要素を取り込みたいとか、3ヵ月連続で新曲を配信するのだから、今の時期こそ出せるものにしたいとか、そういったことを言っていました。それを踏まえて、元々いいなと思っていたOmoinotakeさんにお願いしました。――依頼の段階で、太陽さんのイメージをガッツリ伝えたのでしょうか?今の緊急的な状況を、慮るような内容というのはありましたが、Omoinotakeの皆さんが独自の世界観を作ってくださったので、それは本当にありがたく、すごいことだと感じました。デモテープではご本人が歌ってくださっていたんですけど、とてつもないくらい表現力があって、目を閉じて聴くと勝手にストーリーが頭の中で進んでいって、言葉に当てはめた風景が動く様子が見えました。自分が歌わせてもらうにあたって、もっといい曲にしたい、しなければという気持ちが強くなりましたね。――自分の色を出す工夫として、主にどんなことをされましたか?気を付けたのはリズムです。一定のリズムよりも、ちゃんとオンというか、ちょうどを当てはめる。もしくは後ろにする。本当にそういう小さなことに気を付けました。この楽曲自体がJ-POPよりも洋楽寄りという印象があって、余計にリズムとかR&Bを意識しました。――聴けば聴くほど、温かい気持ちになります。歌詞がまたいいですよね。ありがとうございます。歌詞に関しては、本当にこだわって書いていただいています。あとOmoinotakeさんにはレコーディングにも来ていただいたのですが、ワンフレーズごとにアドバイスをいただきました。ここまでしっかりした世界観を展開してくださったからこそ、自分のせいで薄っぺらくしたくなくて、そこはお互いストイックに仕事に臨みました。――新しい歌い方を身につけられたようですが……。うーん、でももっとレベルは上げていきたいです。また、この『体温』という曲は今もだけど、これから何年経っても歌える1曲だなって、思っているんですよね。履けば履くほどなじむ靴、着れば着るほどなじむ服みたいな感覚で、歌えば歌うほど、いい雰囲気が出てくるんじゃないかな。――育てていけそうな1曲なんですね。今は多分、まだちょっと固いのかもしれない。もっと経ったらもっと柔らかくなっているはずなので、そういった変化をファンの皆さんに楽しんでもらえたらいいな。10年後の『体温』を想像すると、僕自身も楽しみです。ファンをワクワクさせるアーティストでいたい…けれど、プライベートは地味です(笑)――失礼ながら言わせていただきたいのですが……最近、とても逞しく、男性らしさが増したような気がします。ご自身ではどう思ってらっしゃいますか?何か転機があったのでしょうか。うーん、もちろん超特急の体制が変わったというのも大いにあるのですが……見た目の変化で言えば、2019年6月くらいから髪を伸ばし始めて、それも割と大きいかな?――以前は短髪でしたものね。自分の中で少しずつ溜まっていたものがあったんです。「もっと自分はこういうものを表現したい!」とか、枠に囚われるのが苦手になったとか。もちろん、今の自分や昔の自分が嫌ということではないのですが、とにかく「自分らしさをいろんな形で表現したくて、僕はこの世界にいるんじゃないかな」って考え始めたんです。そしたら高校3年生の夏休み、来年上京するっていうタイミングで、生まれて初めて金髪にしたことを思い出して。それと同じことをやってみようって思ったんです。――思い切りました。何か変化を起こしたかったんです。そういうときって大抵、僕の場合は、転機のときなんですけどね。高校3年生のときは、何か進化したいけど、歌なんかはすぐに上手くはなれない。とりあえず表面に出すものを変えよう、ということで金髪にしました。まあ、そのときとまったく一緒の感覚ってことはないんですが、超特急というものをよりアーティストっていう言葉が似合うグループにしたい、他の人と違うことをしたいということで、第一歩として髪を伸ばしました。もちろん、自分がやってみたかったというのもあるんですけど。ただ、僕は今の自分が1番好きです。――ビジュアルを変えるって、ちょっと勇気のいることですよね。周りからのイメージは、職業柄無視できないですし。周囲やファンを戸惑わせてしまうことは、活動でもあると思うんです。先ほどの、超特急と松尾太陽の二足の草鞋を履く話もそうですけど。でも悲しませたいわけではもちろんないし、ただ楽しませたいって気持ちが常に強くあります。そのうえで、自分の中でいろんなことに変化を起こしたい、進化したいっていう意思が、表面的に出てきたのが今の自分です。――ワクワクさせる存在でありたい、ということなのでしょうか?そうですね、やっぱりファンの方はワクワクさせたい。今はライブもできないから飽きられちゃったりするかもしれない。だから何かしらのアクションは起こせる人間でいたいですね。――太陽さんは本当に、日々ファンのことをたくさん考えていらっしゃいますね。「こういう可能性があるかもしれない」って考えるだけで、楽しくなってきます。以前までは「何をしよう?」と言うだけでした。今だってたくさんのことを同時に考えられるワケじゃないですが、出来ることを1個2個見つけるだけでも、本当に気持ちがいいです。――では2021年、大変な社会状況ですけど、今後が楽しみですね。2020年って、皆さんにとっても僕にとっても一生に一度の大変な年だったと思います。2021年はみんなで協力して、この状況が落ち着く時を迎えられればと思うんですけど……それにはなかなかの努力が必要で、行き詰まる瞬間もあるでしょう。でもそんなときに、息抜きとして超特急や松尾太陽が皆さんのそばにいられれば、僕はもうそれで幸福を感じます。――アーティストとして、すごい速度で成長されているのを感じます。近年、いろんな方と会ったりお話したりする中で、もっと自分も成長したい、経験値を得たいと強く思うようになりました。僕は以前、例えば超特急だったら「10年の間に自分は何を得られたのかなあ。今は24歳で、今年はもう25歳かあ」なんて思ってた時期が一瞬あったんです。でも今誰もがアーティストになるチャンスを持っていて、SNSから世間に見つかっている人を目の当たりにすると、自分だってまだまだやれることあるなって、すごく反省したんです。だから、いろんな可能性を2021年に感じているし、「今は24歳、もう25歳」じゃなくて、「まだまだ24歳、25歳」に変わりました!――それは本当に、「まだまだ24歳」ですよ!プライベートの等身大の太陽さんは、休日はどんな過ごし方をしているんですか?仕事が早く終わったときは、できるだけギターに触れるようにしています。あとは本を読んだり、動画サイトで猫動画を見たり、テレビの動物番組や家族をテーマにした番組でホッコリしたり……。あの、アーティストをやらせてもらっている僕と私生活の僕って、本当に別人なんです。プライベートでは全く芸能人じゃないです(笑)ノンビリ生きています。――芸能人オーラが自然と出てしまうとか、そういったことは?消そうとは思っていないんですけど……そもそもオーラを自覚したこと、ないかも(笑)。オーラっていうものをね、消そうと思ってもなかなか消せない人には、憧れます。スターになることに、つながると思うので!――もう太陽さんは立派なスターだと思うのですが、更なる進化を目指しているんですね。今日は貴重なお話を、ありがとうございました!松尾太陽さんのサイン入りチェキを3名様にプレゼント!応募方法ぴあ音楽編集部Twitterをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、ぴあ音楽編集部アカウントよりDMをお送りします。ぴあ音楽編集部Twitter()対象ツイート:※当選後、お届け先ご住所のご連絡ができる方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。※当選発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。【応募締め切り】2021年2月24日(水) 23:59まで※期間中は何度でも応募可能です。撮影/岩田えり、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴
2021年02月11日ロックバンド、シドが11月23日(月)より配信シングルを3曲連続でリリースする。この配信リリースを受けて、12月23日(水)にはこの3曲を1枚にまとめたCDシングル『ほうき星』がリリースされることも決定。Part1に引き続き、メンバーが今感じているファンへの思い、そして、それぞれの印象に残っているファンとのエピソードを訊いた。決して平坦な道のりではなかった17年があったからこそ生まれた、ファンとの強い絆とお互いへの信頼の気持ち。そうして辿り着いたこの場所で、シドはわからない先の未来よりも一緒に生きる今を、ファンと共に見つめている。17年を経て、ファンは自分と一心同体になった気がする。ーー引き続き、印象に残っているファンとのエピソードを教えてください。Shinji最近すごくファンの方の優しさを感じるんです。ライブでけっこう夢中で弾いているときに、例えばお客さんの中に具合が悪くなっちゃった人がいて、それを最前列にいる人が僕に向かって教えてくれたりとか。気づけなくてごめんね、って思いつつ、僕がステージのどこに動こうが、すごい優しく手を振ってくれたりとか、それが年々増してるなって感じています。思い出に残っていることは、土砂降りの中でライブをやったとき、お客さんも一緒になって、寒い中濡れながら一生懸命に応援してくれたことかなあ。そのときの姿は今でも目に焼き付いていますね。お客さんひとりひとりの顔をじっくり見ようとする機会も年々増しているなって感じます。なかなか1対1にはなれないけど、みんなに広く届いたらいいなって思いながらライブもそのほかの活動もやるようにしていて。ーーファンから言われて、印象に残っている言葉はありますか?Shinji曲に関して、「良かった」って言ってもらえるのはやっぱり嬉しいし、シドではないアーティストの方に楽曲提供をしたときとかにも「良かったです」って言ってもらえると一番嬉しいです。明希昔は自分たちのバンドに対しての、ファンというのは相手であって、自分自身ではないじゃないですか、当たり前ですけど。だけど最近思うのは、ファンの人と自分は運命共同体なんだなって感じています。どういうことかというと、ファンの人に自分を投影してしまうときがあるんです。例えば10代の方が僕がベースを弾いているのを見て、ベースを始めましたとか言ってくれる声を聞くと「あ、僕もそうだったな」とか。僕も誰かに憧れて楽器を手に取って、バンドの夢が始まったので。そんなふうに自分のことを投影してしまうときが最近すごくあって。他人じゃない気がするというか。血がつながっているわけではないし、他人なんですけど、どこか、自分と同じ温度感を感じてしまう存在になっています。だから運命共同体だし、例えばコロナ禍で医療関係の方からコメントやメッセージをいただくと、こんなにこの人が頑張ってるんだから、僕ももっといい曲を作って、いいことができないかなとか、気持ちを奮い立たせてくれる存在で。さっきShinjiも言ってましたけど、ものすごい土砂振りの中でも僕たちと同じ温度感でライブを見守ってくれて、僕らはライブをやって、もちろん愛情もあるし、身近に感じることが多くなりました。ここ数年で。ーーここ数年で感じ方が変わったのはなぜでしょう?明希オンラインサロンというわりとファンの人と密接な関係になれるコンテンツを始めていて、悩み相談をいただくこともけっこう多くて。逆に言えば僕もそのコメントを見て、もっと頑張らなきゃ、頑張りたいなって思う瞬間もあって。例えばファンのある人が「気持ちが滅入って何もする気が起きないんです。この先どうしようかな」って思っていたときに、たまたまシドの『エール』を聴いて、もう一回奮い立った、というコメントを見たりすると、それこそ自分を投影してしまうようなときもあります。僕もいろんな曲に助けられてきたので、「ああ、自分もそういうこと思っていたな」って気持ちがわかるし、ファンは自分の気持ちを奮い立たせてくれる存在です。昔はもっと違っていて、若かったので、いわゆる「ロックスター」という振る舞いに憧れていた時期があったんですけど、そういうことも経験して、今はもっとファンの人にパーソナルで向き合いたいなという気持ちになっていますね。あとはいろんな音楽があってバンドがいる中で、自分たちのバンド、自分の音楽を選んでくれた、という感謝の気持ちがすごく強いです。バンドを何年もやっていると、1年1年を更新していく中で、ファンの人がこうやって応援してくれるから、17年、そして18年目も走れると思う原動力になっているわけだし、そういう意味では本当に心から感謝です。夢があって、シドの音楽が背中を押してくれた、頑張ってよかったです、というようなコメントをもらうと、音楽家冥利に尽きるんですけど、それ以上に「やっていてよかった」って自分の糧になるんですよね。ゆうやファンのみなさんは、自分にとって絶対的な存在かなと思います。ファンの方がいなかったら、シドのゆうやではいられないような気もするし、それって普通の生活をしているときでも感じたりするんですよ。身なりをもっとちゃんとしようって思ったりするのも、ファンの人がいるからだし、もっとシャキッとしようって思います。例えばこれをSNSにあげないとなって思ったりするのもファンがいるからだし、ファンがいなかったらまったくそんなのはやらないんだろうなと思ったりもするし。今の自分の存在がある上では絶対に必要な、絶対的な存在なんじゃないかなって思いますね。僕たちにはライブがすべてだった。それを同じ温度感でファンも感じていたのが嬉しかった。ーー2020年ももうすぐ終わりますが、2021年のシドはこういうことをやっていく、こういう思いでいる、ということを教えてください。ゆうやシドでは配信ライブは実は初だったりもするので、それが1月14日にあるのと、延期になっていた河口湖ステラシアターでのライブが5月にあるので、引き続き世の中の様子を見ながら活動していくことにはなりますけど、今できる最大限のことというのを続けてやっていかないといけないなあというのはすごくあります。僕らの気持ちがこうだからこれをやりたい、と言ってやれないこともいっぱいある時代だったりもするので、うまく付き合いながら、時代にあった中ではみ出した活動をやっていけたらと思います。ーーコロナ禍ということもあって、今生活していくことに不安を感じていたり、何となく元気がでないファンの方も多いと思います。みなさんおひとりずつ、そんな方たちへぜひメッセージをいただけますか。ゆうや僕らの今、2020年を共に生きてきた中で思う気持ちがリリースする3曲にいっぱい入っているので、たくさん聴いてもらって、来年の配信ライブをぜひ観ていただいて、ぜひ今のシドを近くに感じてもらえたらすごく嬉しいなと思います。Shinji来年の状況はわかりませんけど、ライブをやりたい気持ちがすごく強いです。家でギター弾いているよりもやっぱり人前で弾きたいし、それはオンラインでもいいですけど、ミュージシャンをやらせていただいているので、早く弾きたいですよね。曲を作って、いい曲だって言ってもらえるのが一番嬉しいってさっき言いましたけど、ライブの喜びも早く感じたいですよね。できる範囲でいい音楽、いいライブを届けられたらいいなって。みんなね、仕事とかも大変ですよね。じっとしているとどんどん気持ちが暗くなっちゃうから、外を走ってみたりとかするといいかも。自分もたまにシドの曲を流しながら走ってたりします。動いていると気持ちも前向きになれるのかなって思うので。僕らも早くいいライブが見せられるように頑張るので、お互い頑張りましょう!明希早くコロナ、収まってほしいですよね。アーティストみんながいろんな試行錯誤をして、新しい配信ライブが生まれていますけど、やっぱりファンのみんなには直接会って、ライブで一緒に空間を作るっていうのがみんなも僕らも一番やりたいことだと思うので。とにかくコロナが収まって、現状がよくなってくれることを祈るしかないですよね。それまでは今できる中で、最大限、活動を止めないで、みんなにしっかりいい音楽を変わらずに作って届けていかなきゃなあという気持ちでいます。そして気持ちが弱っている人は、あなただけではないし、みんなそうなんだけど、それでも前を向いて未来を見つめていかなきゃいけない中で、最善をお互いに尽くして、歩いていくしかないんじゃないかなって思います。どうせ歩くんだったら、楽しく、元気にいったほうがいいと思うので、そういう中で自分たちが表現するこの3曲が原動力となって、日々頑張っていくことができる、そんなふうに背中を押してくれる音楽になったらいいなあと思います。自分もライブを観に行きたいですし、音楽って偉大なもの、代わりがいないもの、なんだなって感じました。今年は自分たちの立場の大切さというか、重要性を自分たちも見直す期間にもなったし、より1本1本のライブの重みも今後また、増してくるのかなっていう気持ちが芽生えましたね。それを再確認した1年でした。マオ1月のライブが決まっているのでそれを全力でやりたいなあというのと、やっぱりツアーをやりたいですよね。世界がこうなって、こういう形になっていくだろうという予想はあっていいと思うんですけど、それとは別で僕たちは希望も持っておかないとなって思っています。以前と同じような日々が戻ってきて、ツアーもできるという希望がないと。現実だけだと頑張れないことって多いと思うんですよね。その希望も忘れずに、お互いライブとかで会える日を楽しみに、耐えることや、我慢すること、不安なこともたくさんあると思うんですけど、今はその希望を夢見て頑張る時期なのかなと思っています。ーー次に対面でライブができたら、どんな気持ちになりそうですか?マオどうかなあ。そういう楽しい想像っていいですよね。僕たちは、自分もそうですし、シドもそうですし、演っている側が、ライブがすべてだったなあってこのコロナの期間に一番痛感したんですよ。ただ、それと同時にファンのみんなにとっても、これだけライブっていうものが大きい存在だったんだっていうことが、届いてくる声をひとつずつ拾っていくうちに気づいたことなんです。ライブという存在が僕たちとまったく同じレベルのものだったんだなって。それがね、ちょっとだけ、嬉しかったんですよね。「あ、こんなにシドのライブに対して想っていてくれたんだ」っていうことがね。ライブができないことをこんなに一緒になって悲しめるんだ、と感じたところもあって。ここからシドは続いていくし、僕もずっと歌っていくし、その中で振り返ったときに、「ああ、あの時期って悲しくて不安な時期だったけど、あそこで絆がまた強まったよね」っていう一ページになれば、僕はなんら問題ないなって思っていて。これがシドの活動は来年までです、とかだったらそれはつらいですけど、ずっとやっていくつもりなので、だとしたら、今を一ページとして楽しく振り返られる日が早く来てほしいなと思っています。ーー力強いお言葉ですね。マオこっちが落ち込んでしまうと、僕らは音楽を届ける側なので、一番今、音楽とかエンターテインメントの世界って実は必要とされているし、ここからだと思うんです。一回落ち込んだときに、誰もがそういうエンタメとかは一回置いておいてっていう波がきて、ここからエンタメはまた注目されていくと思うから、僕たちの力で、ひとりでも多くの人を元気にすることが唯一僕たちにできることだと思うから、それを思いっきりチャレンジしていきたいなと思っています。シドの4人のサイン入りチェキをそれぞれ1名にプレゼント!応募の方法はぴあ音楽編集部( @OngakuPia() )をチェック!▼配信シングルリリース情報第一弾 『ほうき星』2020.11.23Release!!作詞 マオ / 作曲 Shinji第二弾 『siren』2020.12.7Release!!作詞 マオ / 作曲 御恵明希第三弾 『声色』2020.12.21Release!!作詞 マオ / 作曲 ゆうや▼ニューシングル『ほうき星』リリース情報『ほうき星』2020.12.23Release!!【初回生産限定盤(CD+写真集)】KSCL-3285/62,273円+税【通常盤(CD)】KSCL-32871,364円+税<CD収録内容>■初回生産限定盤(CD+写真集) / KSCL-3285/62,273円+税<CD>1. ほうき星2. siren3. 声色<写真集>撮り下ろしブックレット付属■通常盤(CD) / KSCL-32871,364円+税1. ほうき星2. siren3. 声色▼『ほうき星』予約購入まとめURL▼配信LIVE情報SID LIVE 2021 ~結成記念日配信ライブ~2021年1月14日(木) START 20:00ニコニコ生放送 / ローチケ LIVE STREAMING / イープラス Streaming+3社同時配信!詳細はコチラ▼シド オフィシャルサイト"撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹
2020年12月07日フリーアナウンサーで、数々の女性誌のビューティ企画に登場し、女性たちの憧れでもある宇垣美里が自身の美容法をまとめた美容本『宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK』を出版した。No.1美容誌『美的』編集部と組んで制作された本書には、彼女のふだんのメイクやスキンケア、ボディケアから愛用のベストコスメ、たくさん持っている趣味のことまで、彼女の美と健やかな内面まですべてがわかる一冊となっている。自他ともに認める“コスメオタク”の宇垣にその美しさの秘密を訊いた。ぜんぜん違う自分になれるのがメイクの楽しさ! 真似してもらいやすいメイク法を紹介しました――美容本『宇垣美里のコスメ愛』が発売となります。企画はどのように決まったのでしょうか?編集者さんといろいろ話し合って、私の美容法をお伝えして、「じゃあこういうのどうですか?」とご提案をいただきながら一緒に作り上げました。私はメイクの何が好きって、いろいろな自分になれるところが好きなので、「じゃあ変身する内容にしましょうか」と言っていただいて、メイクアップアーティストの方々と一緒に「変身メイク」企画をやってみることにしたり。――いろいろな表情の宇垣さんが見られるのがファンにはたまらないですね! そしてご自身のセルフメイクもご紹介されています。セルフメイクはお仕事やデートなどの状況別というよりは、このイメージだったらどういう風にメイクするかなというのをいつも使っているコスメで考えました。私物のコスメのHow Toも紹介しているので、みなさんにトライしてもらいやすい内容にできたかなと思います。――宇垣さんがメイクを始めたのはいつからなんですか?始めたのは大学生のときなんです。入学式のときに私以外の子が全員メイクしていて、「これはあかん」と思って始めたのがきっかけで。最初は義務みたいに思っていてあまり好きではなかったんです。やらなきゃいけないものだからやりたくない、と思っていたんですけど、やってみるとすごく楽しくて、幾通りもの自分にもなれますし、お絵かきみたいでそもそも楽しいし、というのでどんどんハマっていったのかなと思います。――始めたてのころは失敗もありましたか?わりと器用なほうなので、失敗といえるような失敗はしなかったんですけど、たとえばアイラインを引こうと決意するまでに時間がかかったりしました。目に筆を当てるって怖いじゃないですか。でも引いてみるとすごく楽しかったですし何事も挑戦なんだなって思いました。メイクって変化できるのがすごく楽しいですよね。それに気づいてからはどんどんハマっていきました。――朝時間がないときのメイク法は?私、メイク時間はけっこう短い方だと思います。だいたいトータル30分で終わるので、家を出る前にぱぱっとメイクするのが癖になっています。でもすごく時間がなかったら眉毛と目でしょうか。単色アイシャドウで、肌はファンデーションをぬらないかなと思います。ファンデーションはいつも薄めです。肌荒れしてしまうので、お仕事のときも薄めに塗っています。――その美肌も多くの女性たちの憧れの的ですが、スキンケアはすごくこだわっていらっしゃるようですね。それが、私、スキンケアには気合をいれているつもりはなかったんです。でもこの本を作ることになって、編集者さんにこういうスキンケアをしている、というのを伝えたら「それは全然ふつうではないです」と言われて。よくわかっていなかったんです。アイテムもすごく多いので、意外と頑張っていたみたいで(笑)。編集者さんが、私がこれを使っています、と伝えたものを使ったみたら、「確かにすごい肌が綺麗になった」とおっしゃっていたので、みなさんにもご紹介しているアイテムをぜひ手に取っていただければなと思います。――ひとつここでお気に入りのスキンケアアイテムをご紹介していただくとしたら何をあげますか?アルビオンの化粧液「フローラ ドリップ」はすごくおすすめです! 良い匂いだし、しっかり浸透してくれるし、ぴりぴりもしないし保湿もしてくれるし、すごくいい化粧水です!(早口)――その語り口だけでコスメ愛が伝わりました。あはは! 本当にコスメが好きなので、ひとつひとつについて、しっかりどんなコスメなのか、どんなところがいいのか、語っているので、一文一句読んでいただければなと思います。――お肌、とても白いですが、これも秘訣が……?ロート製薬のサプリメント「へリオホワイト」を飲んでいます。めちゃくちゃいいです!コロナの自粛中、外に出られなかったので、逆に美白しようと思って毎日飲んでいたんです。そうするとすごく効果があったなと思います。おうちの中にいて外に出ない日も、朝、化粧水や乳液を塗ったあと、最後に日焼け止めは塗るようにしているので。――それはすごい。コレクターなんですよ。選んで集めるのがすごく好きなので。――コスメはどのようにして選んでいるのですか?雑誌や雑誌のインスタを見て、新作をチェックして、これ良さそうだなって思ったものをメイクさんとか編集者さんに「これどうなんですか?」って聞いて、良いと言われたものを買いに行って試したりしています。――美容はなりたい女性像があってやっているんでしょうか?誰になりたいと思ったことはないんですけど、メイクはその日、なりたいイメージを決めてしています。今日は強そうな感じにしてみよう、とか、今日はロック感じにしたいとか、ふわふわなニットが似合う感じの病みメイクっぽくしたい、とか。こんな感じの女の子になりたい、というイメージを持ってメイクしてます。もちろんTPOは大事なので、そこは気にしていますが、このアイシャドウが使いたいから、これに合うのはこのリップ、このチークでこの服、というのを決めたらなりたい女の子イメージが決まります。もしくはこの服が着たいからこのアイテムでメイクする、とか何かひとつ出発点を決めて、考えています。――オタクのやりかたですね!たぶんそうだと思います(笑)。――今の宇垣さんにとって、美容ってどんな存在なんでしょうかスキンケアは私にとって“ご褒美”です。これは頑張っていなくて、「今日一日お疲れさま!」という気持ちで自分のケアをしているので、苦にならないですし、つらいなと思うことはしません。帰宅してどんなに疲れていても、絶対にメイクを落としますし、時間があれば2時間、お風呂につかります。どんなに疲れていても、30分でもお風呂に入ったほうが睡眠の質もあがりますし、私の場合、「今日はもう終わり!」というスイッチの切り替えになるので湯舟につかることはすごく大事にしています。お風呂の中ではスマホを見ることもありますし、本や漫画を読んで過ごします。でもわりと何もせずに考え事をすることの方が多いかもしれません。明日の仕事はこれで何時に終わるから、じゃあ何時からは書く仕事ができて、とか段取りを考えたり。新しいことに挑戦するのが生きる目的なんです。――コスメの他にもたくさんの趣味をご紹介されていますね。本もたくさん!自分の家の本棚にある本の一部を撮影現場に持っていって、私の本棚にはこういうものが入っていますというのを再現しました。――「腐女子のつづ井さん」が入っているところにものすごい親近感を感じました(笑)。つづ井さん、大好きなんですよ!最高ですよね!抜け感がいいですよね。この緩さが良い。――本はどれくらい持っていらっしゃるんですか?本棚は自宅に大きめのものが2つあって、入りきらない本が床にも積んであるので、200冊はあると思います。怖いですよね。いつか本に飲まれる(笑)。マンガは基本デジタルで読んでいるんですけど、小説とか活字は紙で買っています。紙のほうがやっぱり読みやすいです。――好きなお菓子の紹介もされていますね。すッパイチューは私が大学生のときに買いすぎて、よく行っていた京都のコンビニに絶対置いてもらえるようになりました。「どこ?」って探してたらコンビニのおばさんが「あっちにおいてるよ」って教えてくれたり。――お料理のページもありますが、すごい凝っていらっしゃる!これはがんばったときの写真ですけど、自分の味が一番安心するので、お外で買ってきたものや外食よりもおうちで作るほうが好きです。自分で品目やカロリーをコントロールできるので。メニューは冷蔵庫にあるもので食べたいものを作ります。器もすごく好きなので、いっぱい集めてます。――飼い始めた、わんちゃんのぺージも。ずっと犬は飼いたかったんですけど、いつもは寄らないペットショップになぜかふらふら入って行ってしまって、「好き♡」ってなって、そのときは帰ったんですけど、もう一回見に行ったときにいなかったら泣いてしまう、と思って、「飼いたいんですが」ってその日のうちにお店に戻りました。犬は祖父母の家では飼っていたんですけど、ゴールデンレトリバーとラブラドールだったので、小型犬とはちょっと勝手は違いましたけど、慣れてはいました。この子を食べさせるために働かなきゃ!って言う気持ちになります。――すごくたくさん好きなものがあって好奇心をずっと保っていられるのは何か秘訣があるんですか?うーん、そういうタイプなんだと思います。知りたいことがたくさんあって、新しいことに挑戦するのがすごく好きなんです。それが生きる目的なので、逆に新しいことに挑戦できなかったり、同じことの繰り返しの毎日になると疲れてしまってそっちのほうが私には合っていないので、ストレスになってしまうんです。――そうすると旅行もお好きですか?旅行も大好きです! 人におすすめするなら、スペインがすごく良かったです。食べ物が日本人が好きな味だと思うし、めちゃくちゃワインが安いし、人がすごく陽気で、その国にいるだけで私もなんとなく朗らかな気持ちになれるというか、「ま、いっか」という気持ちになれたので、すごく好きな国です。サクラダファミリアとか、建物がすごく素敵で、エネルギーにあふれた色彩の建築物を見ていると小さなことにこだわるのがばかばかしくなるので、すごくいい国でした。違う価値観とか、基準に触れられるのが海外旅行の良さですよね。――メンタルケアについても教えてください。すごく嫌なことがあった日は何をしますか?甘いものを食べます。あとなんでもないことを妹とか友達にLINEしたりとかして、だいぶ切り替えられます。寝たら嫌なことも忘れてしまいます。これは性格なので頑張っているとかではないんですけど。寝て起きてもまだ引っかかっていることって、解決しないから。じゃあ、もう忘れたらよくない?ってなっちゃうんです(笑)。わりと省エネというか、これをしても意味がないなということをやりたくなくて、システマティックに生きているところがあるので効率的かもしれないです。――ではお仕事仲間が非効率な仕事のしかたをしていたら、気になるほうですか?他の人の仕事の段取りについてはあまり気にならないんですけど、私に何かが降りかかるようであれば「こうしたほうがいいんじゃない?」って言うことはあります。その人が自分のリズムでやっているのであれば私には関係ないので。――そんなマイペースなところも憧れです。いえ、単純に、マメじゃない、っていうことなんだと思います(笑)。――では最後にこの本の見てほしいポイントを教えてください。私の写真がたくさん出てくるんですけど、全部ぜんぜん違う表情、雰囲気なのでひとりの人間がメイクでこんなにも幅を出せるんだな、こんなに変身できるんだなというところをぜひ見ていただきたいです。あと、中には私の好きな本や映画、食べ物、私自身のこともぎゅっと詰まっているので、まるっと宇垣美里を楽しんでいただければ嬉しいです。『宇垣美里のコスメ愛 BEAUTY BOOK』は11月18日(水)発売宇垣美里さんのサイン入りチェキを2名様にプレゼント! ぴあアプリを ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=09afdec7-32c8-4977-866c-0c74cd1a2f0b&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹衣装協力/ブラウス¥33000(テラ/ティースクエアプレスルームtel.03-5770-7068)スカート¥25000(オットダム/ストックマンtel.03-3796-6851)イヤリング¥32000、ブレスレット¥9000、リング¥11000(エテtel.0120-10-6616)靴¥14500(ダイアナ 銀座本店tel.03-3573-4005)
2020年11月18日キングコングの西野亮廣が絵・文・監督を務め、2016年の発売以降ロングラン大ヒットを記録、世界累計発行部数50万部という驚異的な数字を叩き出した絵本『えんとつ町のプペル』。この絵本を原作としたアニメーション映画『映画 えんとつ町のプペル』が12月25日(金)に全国公開となる。いつも厚い煙に覆われ、空を知らない「えんとつ町」。煙の向こうに“星”があることを、町の住人たちは誰も信じていなかった。ただひとり、えんとつ掃除屋の少年ルビッチだけが父の教えを守り、いつも空を見上げ、星を信じ続けていた。そして、みんなに笑われ、ひとりぼっちになってしまったルビッチの前に、ハロウィンの夜に生まれたゴミ人間プペルが突然現れる。これはふたりが巻き起こす“信じる勇気”の物語。アニメーション制作を美しく繊細な世界観で世界中に多くのファンを持つ「STUDIO4℃」が手掛け、製作総指揮・原作・脚本を西野亮廣が務める本作のオープニング主題歌を、HYDEが担当することが決定。期待が高まる本作について、ふたりに話を訊いた。変化球は投げずにど真ん中を狙おうと。それで負けたなら自分たちの負け。――大ヒット絵本『えんとつ町のプペル』がついに映画化となりますが、西野さん、今のお気持ちをお聞かせください。西野亮廣(以下、西野)もともと映画の脚本のほうが先にあったんです。ただ、「知らない作品を観に、みんな映画館まで足を運ばないだろうな」と考えたのと、全部を絵本にしてしまうと長くなってしまうので、途中部分を切り抜いて、スピンオフとして絵本を先に出したんです。だから、絵本には主人公もまだ出てきていなかったし、すべてのストーリーを絵本では描けていなかったので、今回の映画でようやく本当の形の『えんとつ町のプペル』が出せるなと。9年越しなんですよ。めちゃくちゃ遠回りしたんですけど、でもそうでもしないと映画館には足を運んでもらえないと思ったので。良かったな、という感じです。――絵本の世界観、そして脚本をアニメーションにされる際に気にされたことは何でしょうか。西野スタッフのみんなとひとつ決めたのは「メジャー作品を作ろう」ということでした。変化球とかは投げずに、ど真ん中を投げようと。で、それで負けたら、自分たちの負けだ、というふうに決めました。――魂を込めた勝負の作品、そのオープニング主題歌をHYDEさんに依頼された経緯を教えてください。西野もともと『えんとつ町のプペル』関係なく、『HALLOWEEN PARTY』を聴いていて、「めっちゃいいじゃん! 超いい!」って、完全に一方的に思っていたんです。脚本を書くときに『当て書き』なんて言いますが、例えばオリラジの藤森くんに声優をやってもらうなら藤森くんの口調で書く、といったことをするんですが、それと同じように、「このシーンにはこの曲」みたいに曲に合わせて書くことがあるんです。で、オープニングを書くときは『HALLOWEEN PARTY』に合わせて書いていたんです。いろいろ考え方があるんですが、(映画の曲を選ぶときに)オリジナルの曲を全く新しく作りたい、という人もいるんです。ですが、僕の中でこれ(『HALLOWEEN PARTY』)がしっくりきているので、「やっぱりこれを超えるものはないな」って。たくさんあるハロウィンソングの中から、『HALLOWEEN PARTY』をイメージして脚本を書いているのに、今からこれを超えるものができる?っていったら、絶対無理なので。そこで、スタッフさんに「ダメ元でHYDEさんに、まんま使わせてもらえないですか、って聞いてみて」ってお願いしたんです。――そうしたら、引き受けていただけて、しかも映画用にアレンジしてくださることになったんですね。HYDEさんが原曲『HALLOWEEN PARTY』を『映画 えんとつ町のプペル』のためにアレンジされた際にイメージされたのはどんなことでしょうか。HYDE西野さんからは「町に合っているものにしたい。(原曲には)この町に存在しないものが歌詞に入っているから、その部分は変えたい」というくらいで、大きなオーダーはなかったので、僕はどうせやるなら、プロデューサーになったつもりでこの曲をオープニング仕様にしようと思いました。この町で流れそうな、インダストリアルな雰囲気とかスモーク、スチーム、といった感じのものを音に取り込みたいと考えて。そのへんのやりとりは、楽曲制作を一緒にやっているディレクターたちとすごくしました。脚本を読んで、どういう状況なのか考えたときに、すごい「パレード」っぽいイメージかなと。パレード感、マーチ感、そしてこのえんとつ町で鳴っているような音を組み合わせたほうが絶対可愛いものになると思ったので、それまであった楽曲を一回無視して、作り直しました。――確かに、原曲からさらにファンタジックな可愛いイメージになっていると思いました。『えんとつ町のプペル』の物語を読まれた感想も教えてください。HYDEすごく良い作品ですよね。ハロウィンがテーマの作品ではあるけど、まさか僕の曲を使ってくれるとは思わなかったので、すごくありがたいです。もともと好きで、素敵な絵本だなと思っていたので、ちょっと寝耳に水で。「え? ほんとに使ってくれんの?」みたいな。せっかく使ってもらえるならいいものを作りたいと思いました。まだ(アニメーションに曲がのった)完成形を観ていないので、どんなものになるのか、すごく楽しみです。自分の好きなものを作る。それで出来上がったものをいかに届けるかは出来たあとの話。――初めておふたりがお会いされたときの印象もおうかがいしたいです。西野初めてお仕事でご一緒させていただいたのはずいぶん前なんですけど、それよりも前に、自分は学生時代にラルクさんのライブのスタッフをやっていたんですよ(笑)。HYDEすごい話だよね。――神様のような存在ということですね。西野そう、本当に!HYDE 警備してくれてましたね。西野ちょっとサボってましたけどね(笑)。後ろをチラッと見たりして。お金がないからライブスタッフをやって。本当はお客さんのほうを見てないといけないのに、ステージの方をチラチラチラチラ…(笑)。「なんて世界を作る人なんだ」というのが、(HYDEさんの)最初の印象でした。似ている人が誰もいなかったので、「突然何でこの人たちはこんな仕上がりになっているんだ?」 っていう。急にバッと出てきた宇宙人みたいな。「なんでこういう人たちが出てきたんだろう? 」っていう。とにかく世界を作る人、世界から作る人、という印象でした。――そうすると西野さんのクリエイターとしての姿勢というのは、HYDEさんに影響を受けていらっしゃるのでしょうか。西野むちゃくちゃ影響されていますし、パクってると思います(笑)。絶対自分の選んでいる言葉だとか、文字だとか映像だとか絵だとかは、学生時代に見てきたものに影響されているので。ゼロから僕は生み出せるわけではないので。――HYDEさんの目には、クリエイターとしての西野さんはどのように映っていますか?HYDE画力がちょっとヤバイなと。僕も絵心があるので、「あれ? ちょっとヤバイやつ出てきたな」っていうところから入って。たいしたもんだな、とずっと思ってました。で、今回話をいただいて、とても光栄に思いました。(人から)入ってくる話でも、映画に懸ける意気込みだったりはすごく伝わってきたので、これはいい映画ができるんじゃないかなと思ったし、人物的にもすごくこだわりを感じたので、一緒にこの作品に関われて嬉しいなと思います。――おふたりの、人の心を打つものを生み出していかれる原動力というのはどこからくるものなんでしょうか。西野さんの絵本もそうですし、HYDEさんの曲を聴いたりライブをごらんになって泣いてしまう方々がたくさんいらっしゃるので。西野それは僕も聞きたい!HYDE泣きますか? ほんとですか? 僕も泣くんですけど(笑)これ誰が書いたんだっけ、あ、俺だ。って。あれ、泣いてる? みたいな感じで。西野いいの書くな~って!HYDE自分としては作りたいものを作っているだけなんですよね。自分の考えで作ってはいるんだけど、それをファンはどう見るだろうか、っていうことは一応意識してますね。それが果たしてニーズに合っているかはまた別として。こう思うだろうな、とか。これはこうだろうな、(ファンは)嫌うだろうなとかは一応全部意識して。でも、やっぱ、ファンの気持ちだけを見て作っているとそれはアーテイストとして、また別の問題じゃない? アーティストとしては新しいものをどんどん提供していきたいから、(そういうものを)作りたいじゃないですか。 だから意識はすれど、自分の好きなものを作る。それで出来上がったものをいかにポピュラーに、いろんな人に届けるか。簡単に、見やすくしていくか、っていうのは出来たあとかなって。――それは西野さんが、おっしゃっている「商品ではなく、作品を作りたい」ということと共通していますね。西野本当に今HYDEさんがおっしゃっていたみたいに、そこだと思うんですよ。つまるところ、商品と作品の違いって『マーケティングが入る場所』だと。マーケティングありきで作っちゃったらそれは商品だから、自分が作ったものを、そのあとに届ける。こっちは作品なので、この順番で。でもね、ここの順番を貫いてる人ってなかなかいないですよ。貫けなくなる。どんだけ表現活動していようが、結果を出し続けないと次に手を打てないので、もともと作品を作っていたのに、みんなだんだん商品のほうに寄っていきたくなってしまう。HYDEセーフティを狙っていくんですよ。その気持ちはわかる。僕は幸い、自分が作っている作品を評価してもらえているから、次に冒険できるんですよ。でもその評価をしてもらえないと、お金がないと冒険できないでしょ、世の中。西野ほんとそうだと思う。そこをやっぱり、(HYDEさんは)降りてないのがすごいですよね。そういう人ってなかなかいないですもん。――では最後に『えんとつ町のプペル』は、自分の信念や夢を世間やまわりを気にして信じ切れずにいる人たちへの応援歌でもあるので、そんなふうに迷っている人たちへメッセージをお願いします。西野今でもいろんなお仕事をしていて、チームで動くことが多いんです。映画ひとつとっても、「これをやりましょう」って決める立場にいるんですが、何かを決めるときってあんまり正解ってなくて。もし正解があったらみんなが正解のほうにいけばいいだけの話ですから、リーダーは要らなくて。待っていて答えが降りてくることもないので、結論、決めたものを半ば強引に正解にするしかないなって。「何したらいいかわからない」っていう方もいるじゃないですか? 僕もそうで、こんないろんな選択肢があって、それぞれにメリットデメリットがある中、これ!っていうのってあんまりないので、「自分が好きなこれを、半ば強引に力業で正解に持っていく」っていうことしかないんじゃないかと。「正解を選ぼう」としたらいつまでたっても踏み出せないから、乱暴かもしれないですが、「選んだものを正解にするしかない」って思います。HYDE現実的かもしれないけど、僕は「したたかにいかないといけない」と思う。夢はね、したたかに。例えば、やりたくないことをやることもあるんです。でもそれは、やりたいことをやるために仕方なくやりたくないことをやる。ひとつのものを追いかけるだけっていうのは、けっこうリスキーですよね。例えば、何か、映画を作るにしてもお金がないとできないから、他でちゃんと生計を立ててお金を稼いでおいたほうがいつまでも夢を追えたりする。あとはゆっくりチャンスを狙う。夢って案外、したたかにやったほうがバランスいいんじゃないかって思うんです。夢を追うのってけっこう大変なんで、嫌なことをいっぱいしながらも、自分の最終的にやりたいのはあれだから!ちょっと頑張ろう、っていうね、現実的な話でした(笑)。西野いや、むっちゃ大事ですね!『映画 えんとつ町のプペル』は12月25日(金)に全国公開予定。HYDE「HALLOWEEN PARTY -プペル Ver.-」配信中(Virgin Music)(撮影/木村直軌、取材・文/藤坂美樹)
2020年10月30日深田恭子が主演を務める人気ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)の続編が10月15日(木)よりスタートする。横関大の同名小説をドラマ化した本作は、代々続く泥棒一家“Lの一族”の娘・三雲華(深田恭子)と警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)との許されない恋愛を描いたラブコメディーだ。前作の最終回では全国指名手配された“Lの一族”が華の父・尊(渡部篤郎)の機転によって死んだことになり、華と和馬が結ばれたところで終わっている。本作では夢見た新婚生活を実現させた華と和馬だが、再始動した“Lの一族”の泥棒稼業に再び巻き込まれていく。何が起きても華への愛を貫こうとする和馬を演じる瀬戸康史に話を訊いた。ダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=c637a4ae-fb67-488a-884c-0a4630903402&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。撮影/岩田えり、取材・文/藤坂美樹
2020年10月14日若い世代からの圧倒的な支持を受けるBL漫画『LOVE STAGE!!』(原作・影木栄貴/作画・蔵王大志)がついに映画化されます。超有名芸能一家に生まれた主人公・瀬名泉水 役には舞台『弱虫ペダル』の真波山岳で人気の杉山真宏、泉水に恋するもう一人の主人公・一条龍馬 役にはミュージカル『刀剣乱舞』で明石国行を演じた仲田博喜が出演。初めてのBL作品に挑むおふたりに、作品に懸ける思いをお聞きしました。撮影中、何回キスしたんだろう? ドキドキしましたダウンロード(dpia-app://contentAll?contentId=49e95489-11d3-4d1d-87c6-7d5843c4268a&contentTypeId=2) すると、この記事内に応募ボタンがあります。(撮影/杉映貴子、取材・文/藤坂美樹)
2020年09月25日なんとなく高校生活を過ごしている近藤(伊藤健太郎)は、卓球部の部活中、同じ体育館で黙々とクライミングに励む小寺さん(工藤遥)のことが気になっている。彼女はなぜのぼるのか? 何かに熱中した経験のない近藤、小寺さんと同じクライミング部の男子、四条、ネイルが趣味で不登校気味の梨乃、近藤と同じく小寺さんから目が離せず、写真に収め続けているありか。小寺さんを中心に変わり始める日常を、静かに描く映画『のぼる小寺さん』の見所を工藤遥、伊藤健太郎に語ってもらった。撮影/高橋那月、取材/藤坂美樹
2020年07月03日人気ロックバンド シドが3月4日に待望の新曲『delete』をリリースする。アルバム『承認欲求』を引っ提げたツアーを大成功のうちに終わらせたシドにツアーを通して感じたこと、『delete』で表現したかったこと、その次の未来への展望など、シドの「今」を訊いた。ファンの目を見つめるようにしていました。目って記憶と結びついていると思うから。お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=49e959f8-6129-4007-aef2-88790eb9e9d5)(撮影/奥田耕平、取材・文/藤坂美樹、ヘアメイク/坂野井英明、スタイリング/奥村渉)
2020年03月04日東京カレンダーWEBの人気No.1連載『LINEの答えあわせ』が実写化、2月1日(土)より読売テレビにて放送される。人気原作を元に東京のある一日料理教室で出会った男女7人を中心に繰り広げられる恋愛模様を、LINEのやりとりと絡めて男性側・女性側それぞれの目線から描き、視聴者が恋愛を成功に導くヒントを得ることができる。新しい「恋愛実践トレーニングドラマ」というジャンルの本作へ主演する古川雄輝とメインキャストの黒羽麻璃央に見どころを訊いた。『LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~』「おいしい」って言ってほしい! 食事中にわかる失敗エピソード恋愛ドラマを観る醍醐味は現実の自分の恋愛と照らし合わせて楽しめるところだ。さまざまな年齢、職業の男女が登場する本作は特にその要素が強い。「年代も職業も別々の男女7人の恋愛が描かれているので、どの世代のどんな方が観ても共感できる部分があると思います。今の時代だからこそのLINEというコミュニケーションツールを使った実際に男女間にあり得るやりとりがコミカルに描かれているので、自分に当てはまるエピソードがあったり、こういうことを異性は思っているんだなと勉強になったりする作品です。自分が出ているパートと、出ていない他の人のパートがあるので、撮影を見ていない回の話も完成版を観て“ああこういうことってあるな”って共感しました」(古川)古川が特に共感したエピソードが、男性が選んだお店でふたりで食事をしているとき、「おいしい」と言ってほしい男心。ドラマの中では女性が別の話に夢中で、ふたりはすれ違ってしまう。「男性がお店を選んでふたりで食べに行っているので、やっぱり『おいしい」って言ってほしいなって思います。わざわざ言う必要はないんですけど、食の話を共有できる女性っていいなと思うので」(古川)一方、黒羽が共感したのはは自身の役、藤城がしてしまう失敗エピソード。「藤城はごはんを食べに行くときに、自分がおいしいと思っているお店に気合をいれて女性を連れていくんですけど、料理を頼みすぎてしまうんです。それはわかるなって思って。自分が好きな食べ物をひとつでも多く食べてほしいんですよね。少しでも多くのことを共有したいし、共感してもらいたいから、優しいからこその凡ミスをしてしまう藤城には共感したし、わかってくれる人はいるんじゃないかな。テーブルに料理をいっぱい並べたい!みたいな。僕自身も仲のいい後輩や友人とごはんに行ったときもそういうふうに思うので」(黒羽)『LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~』公式HP()撮影/高橋那月、取材・文/藤坂美樹
2020年01月31日2020年1月から、3度目のミュージカル上演がスタートとなる『デスノート THE MUSICAL』。誰もが知るこの大作に、弱冠15歳で主要キャラクターの1人・弥海砂(通称:ミサミサ)役で出演するのが、吉柳咲良だ。2017年には最年少タイの13歳で、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で初舞台・初主演をこなしている彼女。キャリアは短くとも若さと情熱、そしてキャラクターへの積極的なアプローチを武器に、先輩たちと舞台を作り上げる心意気を語ってもらった。「ミサミサを演じるプレッシャーは、本当に大きいです。今まで演じてきた『ピーターパン』とは全くかけ離れた役なので、培ってきたものをというよりは本当に新しい挑戦という気持ちです。でも私でやってみようと決断していただいたんですから、稽古場では期待にお応えできるくらい、頑張りたいと思っています。初演と再演の『デスノート THE MUSICAL』でミサミサ役だったのは、私の大好きな先輩の唯月ふうかさん。また違うミサミサになると思いますが、変わらずみなさんに愛されるようなミサミサになれたらという気持ちで演じたいです」舞台の上ではマイナスな感情を一切出さない決意をしている。「舞台を見に来てくださっている皆様に、私の迷いをお見せすることはできないので、一歩一歩、確実にステップアップして準備をしようと思っています。新しい挑戦に戸惑うことは多いですが、ワクワクする気持ちも確実にあります。小さな共感を積み重ねて、理想のミサミサを演じたいです」吉柳さんは2004年生まれ。漫画『DEATH NOTE』は2003年に連載がスタートしたので、彼女にとってはクラシックな部類に入る作品だった。「漫画の『DEATH NOTE』は、連載開始が私の生まれる前で、連載終了が2歳の時。お父さん、お母さんの方が世代なんじゃないかな。私の『DEATH NOTE』のイメージはドラマからですね。『DEATH NOTE』の面白さは、悪の正解も正義の正解もないということだと思います。個人が持つ正義が少しずつ曲った方向に行ってしまっていて、じゃあどの方向が正解かと言えば読者・視聴者にもわからないんですけど、思想の絡み合い、ぶつかり合いがスリリングな作品だと思います。そして『DEATH NOTE』という架空のノートがあったら本当にこうなるだろうなっていう、リアリティが怖いです」その怖い世界の中で、月に恋するミサミサの情熱は、吉柳さんにとって別世界の事柄のように感じることも。「アイドルというたくさんの人の愛を一身に受ける存在のミサミサが、なぜキラに執着するのか、恋をしてしまうのか、自分の身を滅ぼす寸前まで守りたいと思うのか……。恋愛に命を懸けるって、なかなかできないですよね。両親の敵を討ってくれたとはいえ、自分の身を顧みずに相手を想い続ける実感がわかなくて。でもまだ私にはわかりきれていないミサミサの考えが沢山あるので、これから少しずつ理解していきたいです」理解している途中にいるとはいえ、ぼんやりとしたミサミサ像は、心の中で徐々に形になりつつある。「私はミサミサがアイドルとして魅せる陽の部分よりも、抱えている闇の部分のほうが、たぶん出せるんじゃないかな。私自身が深い闇を抱えているとかではないんですけど、『かけ離れているな』と感じる部分はミサミサの陽の部分なんです。女の子らしいという言葉には縁遠かったので、私にとって海砂の衣装や可愛い仕草もまた挑戦なんです。だからミサミサのアイドルとしての、可愛い女の子としての部分よりも、内側にある部分の方が、私は共感できるものが多いと思います。この3年間、舞台や映画と色んな経験をさせていただいて、楽しいことはたくさんあったけど、もちろん悩んだことや辛いこともたくさんあったので、きっかけは何にせよ、何かを秘めていることに関しては、共通点があると思うんです。そんなことを頭に置きながら、台本や譜面を読んでいくつもりです」役柄への理解は、歌の理解・表現にももちろんつながる。「ミサミサの歌って、歌詞の意味が深くて。どれだけ思いが込められているかが、伝わってくる歌なんです。アイドルとしてミサミサがステージで歌う歌と、レコーディングの歌と、最後に出てくる歌はまったく路線が違うので、アイドルとしてのミサミサと、闇を抱えながら生きる弥海砂との違いが、すごくわかると思います。衣装を着て、セリフが入ったら、たぶんもっともっと感情移入できると思うので、よりリアルなミサミサをお届けできると思います。私自身、アイドルのキラキラしている姿を見るのが大好きなので、アイドルとしてミサミサが歌うシーンはすごく楽しみ。アイドルになったつもりでステージにいられるんだなって思うと、嬉しくなります(笑)」今回の出演者の中では断トツに最年少だが、あくまで対等を目指す。「『私で大丈夫?』って内心弱気になってしまうこともありますが、やっぱり同じ舞台に立つ以上は、同じくらい、それ以上で頑張らなければいけない。本格的な稽古が始まったら、絶対に悩むと思うんですけど、ミサミサという役柄を通していろいろ学べることが楽しみでもあります。『DEATH NOTE』は、今まで自分が関わってきた作品の中で一番テーマが重いのですが、その重さの中で演じる私を、見てくださる皆さんにいかに共感していただけるか、感情移入していただけるのかっていうのが、最大の課題です。頑張った成果を爆発させて、ミサミサとしてステージで存在したいです」ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』は2020年1月20日(月)の東京公演を皮切りに、静岡、大阪を経て、福岡で千秋楽3月8日(日)まで上演。吉柳咲良の闇を抱えた愛らしいミサミサに、ぜひ会いに行きたい。撮影/奥田耕平、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴
2019年12月21日脚本家・演出家・俳優として活躍する、気鋭の表現者・濱田真和の2019年の新作舞台「365日、36.5℃」は、田舎街で起こった小さな事件にまつわる少年たちの物語だ。「喪失と再生の青春群青劇」という濱田本人の言葉もあり、一筋縄でいかない雰囲気がプンプンするが、主役の“輪星”を演じるのは、MEN’S NON-NOの人気モデル・三宅亮輔。稽古初日から3日目、役作りに悩みもがく彼の等身大の姿を、ありのままに紹介しよう。「僕のスタートは、MEN’S NON-NOのモデル。それからモデルとして3~4年活動していて、演技をすることになって、今でちょうど1年くらいですかね。楽しくやっているんですけど……正直、今回の舞台はやっぱり、一番キツいなって思います。キツいだけだと語弊があるかな、なんて言うんだろう……一番、思いは強い。だからこそキツい」初主演の舞台に緊張感が高まっているからと思いきや、そういうわけではないという。「初主演って言っても、周りがすごいことをされている方々ですから、そこにこだわりはないです。ただ、今年で24歳になったんですけど、『365日、36.5℃』の中で僕は輪星をいうキャラクターの14歳から24歳まで演じるので、ちょうど重なってきます。僕の14歳からの数年はサッカーばかりで、大会で涙したりのスポーツ少年の青春だったんですが、これまでの24年間のいろんなものを活かせていける、いいタイミングのお仕事だなと思います」主人公・輪星に決まったのはオーディション。脚本・演出の濱田真和との対話がある意味、象徴的な出会いだった。「オーディションは呼んでいただいたんですが、1時間枠があって。事前に台本をもらっていたけど、それをやったのは最後の15分くらいかな。本当はもうちょっと早く台本読みに入りたいなってたぶん、皆さん思われていたんでしょうけど、ただなんか延々と濱田さんと話してしまいました。濱田さんと僕はなんというか、“近い”んです。距離が近い、割と似ていると言えば似ている。濱田さんからもそれは言われました。あとは芝居に取り組む姿勢がいいとかも言ってたような……。まあ濱田さんは元美容師でいろんな経験をしていて、俳優もされてて、更に趣味がいろいろあるから、話がつきない。僕も趣味とか洋服の話とかさせてもらって。結局、気づいたら45分たっていました。しゃべり過ぎた(笑)」濱田の話を聞く態度に、感銘を受けての45分だったそう。「僕、金魚が好きなんで金魚の話をブワッてしたんですが、濱田さんが食いついてきてくれるんです。濱田さんって誰にでも対等に話すし、付き合ってくれるんですよね。でもそうじゃない人って世の中いっぱいいますよね。年齢というより、性格?怖い人とか上からくる人とか、いるじゃないですか。でも濱田さんはそれがぜんぜんなくて、面白かったしやりやすかった。ただ脚本の抜粋をやったら『あー、難しいなこれ』って内心思いました(笑)。同時に『これができたら、絶対に今後の仕事にも人生にも意味がある』とも思ったけど」更に濱田に惹かれたのは、彼の情熱、そして人生に圧倒されたから。「なんか濱田さん自身の言葉というか、熱量がね、すごかった。脚本に関することで言えば、死がテーマになっているのだけど、その中で彼自身の体験が書かれていて、想像を絶するような人生を歩んできてるのがわかって……僕にはないことがたくさん詰まっていた。震災のことも入っていて、なんか、嘘つけないなって思いました。まあ、ご自身のことはメインというより裏テーマだみたいなこと、言ってましたけどね。あとワークショップ的なことをしたときに、キャスト全員で丸くなって、それぞれの身近な人が亡くなった話をしたんですが、その時にこれはやっぱり、半端なものはできないとわかりました。僕は身近な死の経験がなかったんですが、段階を踏んで役に入るきっかけになりましたね、あれは」しかし役作りはそう簡単ではなく、このインタビューの最中も悩みの真っただ中にいた。「今日で稽古を3日間くらいやっていますけど、正直あんまりというか……どんどんわからなくなる。話自体の理解というより、たぶん輪星という人物に対しての理解がつかめないのかな。なんかこう、わかりそうでわからなくて、でも投げ出す気はもちろんなくて、それはやっていきますけど、やっているうちにわからなくなる。濱田さんと話していると、内容はわかりやすいはずで、演じるポイントもあるはずだけど、わからない。難しいと思わないようにしているけど、難しい。稽古中、なんか物が食べられないんです、今。精神的にお腹がすいてられないのかな。まあ、帰りに焼肉食べたりしてますが(笑)」▼稽古中の三宅さんその中で、一筋の光がチラリと見えたこともあったようで……。「僕の『わからない』と、輪星の『わからない』がクロスしたんですよ、昨日の稽古で。よくわからないと思いながらしゃべっていたら、最後に『わかんねえ』ってセリフがあって、なんか一瞬、感覚的に自分と役とが合わせられたという確信があった。そういうのが、連続していければいいのかなって思うけど、どうなるかなあ。青春群青劇って銘打っていますけど、どう演じるのか全部は見えない。演じるにあたり僕は僕のままでいたいし、一番輝いていたいから、一所懸命やるしかないですけどね。それほど長くはない役者史上とはいえ、間違いなく一番難しい役です。オーディション決まりましたってなったときは、楽しい期待ばっかりだったけど、今は『ヤバい、これやるのか俺』ってなってる(苦笑)。でもこの1ヵ月でまた変わるかもしれないから、先はわからないですね」ここまで聞くと「365日、36.5℃」が難解で暗い話のようだが、決してそうではない。「僕は、簡単に言えばすごく感動したんです。想像しながら脚本を読んで、感動して、これをやれたらすごいなって思いました。これを演じきれたら何でもできるんじゃないかってほど。手話を使っていたり、いろんな人が亡くなっていたりと、シリアスな場面や暗い場面もあるけれど、笑えるところもあるし、決して後ろ向きじゃない。昔はいろいろあったけど、ちょっと笑ってまではいかなくとも、普通に話せるようになるよね、みたいな感覚、覚えがありません?結局は明るい未来につながっていく、行かざるを得ない、そんな作品です。あとね、キャラクターがとにかく立っているので、絶対にお客さんは誰かに寄り添える。結果として、キャストと同じ目線・同じ反応をしてもらえるんじゃないかな。舞台と客席が、同じ熱量になれると思います」死がテーマのひとつではあるが、突き詰めていくにつれ死へのイメージが変わっていった。「僕の近しいところで亡くなった人がいないんですね。そこで僕の親友が、何年か前に友達を亡くしたので話を聞いたんですが、『最初はつらいけど、数年経つと心は変わる。仕事に行って、普通に生きていかなきゃいけないし』というようなことを言っていて、なんか考えたというか。日常生活に紛れる、死に出会っても普通に生きていくっていうことが、明るい未来とストレートに言ったら軽いですけど、結局は死も生活につながっていくのかなって。だから、死を扱いながらも見たら『これから頑張ろうぜ』って、なってもらえる作品だと思うんです。いろいろ抱えた人たちばかりが出てくるけど、最後は前向きな気持ちになるはずです」芝居に苦しみながらも、結局は芝居の面白さを見出す三宅も、前向きさを失っていない。「尊敬する先輩である、同じ事務所の高良健吾さんがが、役柄に自分を重ねることができなくてもいい、理解があれば演じられるとおっしゃっていたんです。他人のことを完全にわかって共感するって、無理じゃないですか。でも寄り添うことはできる。役柄を演じるうえでは、高良さんの言う通り『わからなくとも、理解する』が大事なんじゃないかな。僕も死に対しての思いを切実な経験としては持っていないけど、親友から聞いて僕なりに消化している。だからまさに、輪星を理解している最中に、僕はいるんです」気鋭の表現者の情熱に、全力でぶつかる主演──奇跡のスパークが起こること間違いなしの舞台は、まさに一期一会。がむしゃらにもがく三宅が本番で見せるパワーを、ぜひ客席から確かめたい。Superendroller企画・制作「365日、36.5℃」は、2019年10月30日(水)~11月4日(月)、「すみだパークスタジオ 倉」にて公演。初の主演を務める三宅亮輔の、会心の演技に期待したい。撮影/木村直軌、取材/藤坂美樹、構成・文/中尾巴
2019年10月17日週刊少年ジャンプで連載され、国内のみならずアジアを中心に世界各国でブームを巻き起こした『DEATH NOTE』(原作・大場つぐみ、漫画・小畑健/集英社)。単行本は日本累計発行部数3000万部超。アニメ化、実写映画化、ドラマ化といった幅広いメディア展開がいずれも大ヒットし、2015年、2017年にはミュージカルとなり、こちらも大好評を博した。そんな『デスノート THE MUSICAL』が、2020年1月からオール新キャストで再々演されることが決定。気になる主演・夜神月役は、舞台経験も豊富な実力派俳優・村井良大。そしてデビュー4年目で大抜擢をされた、甲斐翔真のダブルキャストとなる。「知らない人はいないくらいの大作のミュージカルに出るということに、稽古が始まる前の今から緊張しています(笑)。オーディションを受けて今回の役が決まったんですけど、当日は『受かるワケないよ』と『受かりたい』の気持ちを行ったり来たり。オーディション自体は、前もって1曲課題曲があって、芝居の審査もあったから、15~20分くらいは時間がかかったんですが、体感は5分くらいだったなあ……受かったと分かった瞬間は、頭の中が真っ白になりました」『デスノート THE MUSICAL』()撮影/木村直軌、取材/藤坂美樹構成/中尾巴
2019年10月16日2020年1月から、3度目の上演がスタートとなる『デスノート THE MUSICAL』。言わずと知れた、国内のみならずアジアを中心に世界各国でブームを巻き起こした、『DEATH NOTE』(原作・大場つぐみ、漫画・小畑健/集英社)が原作だ。今回、高橋颯は、ダークヒーロー・夜神月のライバルにして、不思議な魅力でファンを引き付ける“L”を演じる。感情を全く見せずに、月に勝るとも劣らない頭脳戦を仕掛けるLは、つかみどころが難しく、浮世離れしたキャラクター。過去、名優たちが演じたLを、どう昇華させるのかを訊ねてみた。「Lってどんな人かと問えば、『頭脳明晰、ポーカーフェイス』というのが一番に来る答えのはず。その通りなんですけど、Lは頭を使うのは上手くとも、心を使うのは下手クソなんじゃないかな。僕はお芝居でLを見せなきゃいけないから、心を使って演じなきゃいけない。逆にセリフを覚えてしまえば、頭はそんなに使わない(笑)。そういう意味でも、Lの表情には出ない部分を、L役は表現すべきなんです。例えば……Lってね、絶対に目の奥で心が動いているんですけど、自身もそれに気づいていないんです。だから僕がそれに気づいてあげて、表現しなきゃいけない」アニメ版『DEATH NOTE』に、その見えないLの部分を垣間見たのだという。「アニメで、夜神総一郎が命をかけて、LにあるDVDを渡すシーンがあるんです。その夜神に対しLが『夜神さん、無駄にしません』って言うんですけど、表情は微塵も動いてなくて、トーンも全然変わらないのに、鳥肌が立った。珍しくLの心が動いているからなんですけどね。瞳孔の開き方なのか唇の震え具合なのかわからないですけど、本当に細かな心情を僕が読み取って、表現していきたいです。Lってね、声にも何にも感情を出せないけど、目だけは嘘をつけない。Lを演じるっていうのは、LでもわからないLの心を、僕が代わりに演じてあげるみたいなことかなって。Lに愛着沸いてそうですか?はい、とても沸いています!」しかしミュージカルは、歌ってこその舞台。しかもLの歌は独特の難しさがあり、稽古は厳しいものになっているとか。「歌稽古はもう始まっているんですが、Lの歌って難易度高いんですよ。ハイトーンが続くんですけど、単なる音程の高い歌ならミックスボイスを使ったり、声の出し方を変えたりで歌えるんですけど、高低差が激しいからそういうテクニックが常に使えるワケじゃない。ちょっと体の使い方を間違えると、すぐに喉がやられちゃう。あと、『ミュージカルっぽく歌ったら、それは君のLじゃない』って言われているんですね。ミュージカルってそもそも、ああいう歌をああいう発声で歌うから体がもつのであって、違う歌い方でやるとめちゃくちゃ難しいんです。役柄に入り込んじゃいさえすれば、『Lとして歌う』ことをあまり大変だとは思っていなくて、音楽監督のジェイソン・ハウランドさんには『君は、君の歌い方のままでいい』って言っていただいていますが、それって、水の中で泳がず・陸の上で走らず、水の中で走っている感じ……って伝わります? つまり、超〜難しい!」Lのライバルであり主人公の月は、今回、村井良大と甲斐翔真のダブルキャスト。しかしLは高橋のシングルキャストである。「なんでLはシングルなんでしょうかね、大変ですよね(笑)。LはLだけど、村井さんとやるときのLと、甲斐くんとやるときのLは、全く違うだろうなあ。あまり作りこみ過ぎず、柔軟にやっていきたいですね。そもそも世界中に住んでいる『DEATH NOTE』ファンの中で、いろんなL像があると思うし……。逆に『Lっぽいね』っていう言葉は、誉め言葉のようで、そうじゃない部分もあると思っていて。Lっぽいっていうのは、イコールそれどまりというか、原作ファンからすれば嬉しいかもしれないけど、なんか新しくない。『新しいけど、これがLだよね』って言われるような演技を、できたら最高です」プレッシャーはあると言う高橋だが、Lを演じるにあたり早く口にしたいセリフがあるという。「『私はLです』ーーやっぱりこれ、衝撃的なセリフですよね。東大に入学して、月とLが入学式で隣同士の席になって、Lが月に『私はLです』って打ち明けるんですけど、本当、すごいインパクト。ただの自己紹介であそこまでショッキングなのってヤバい。Lじゃなきゃできないです。Lって、背中を曲げたりとか、そんな体や形を作っただけじゃあの佇まいは出ないんです。何度も言いますが、本当にキャラクターの奥の奥を見抜いたうえで、言葉にならないところを真似しなきゃいけない。そこで初めて『私はLです』が活きるんです」『デスノート THE MUSICAL』は、2020年1月20日(月)が初日。「今回の公演、ミュージカルになじみがない人、ミュージカルファンだけど過去の公演に思い入れがある人からは、結構厳しい意見も多いと思います。でも、僕はそれを恐れ過ぎたくはない。新生『デスノート THE MUSICAL』は、今までの『DEATH NOTE』の世界観とミュージカルのハーモニーが、たくさんの人を楽しませる演目です。皆さん、ぜひ劇場に遊びに来てくださいね」ミュージカル『デスノート THE MUSICAL』は2020年1月20日(月)の東京公演を皮切りに、静岡、大阪を経て、福岡で千秋楽3月8日(日)まで上演。高橋の、思い入れたっぷりな新生Lの熱演が期待される。さらなる進化を遂げる『デスノート THE MUSICAL』、チケット情報はこちら。撮影/木村直軌取材/藤坂美樹構成/中尾巴
2019年09月30日2.5次元舞台を中心に人気作への出演が後を絶たない俳優・小南光司さん。そんな小南さんが、初のセミヌードに挑戦し、これまでに見せたことのないセクシーな表情をふんだんに収めた1st写真集『1K』を自身の24歳の誕生日となる12月12日に発売。今回ぴあ編集部では、発売記念イベントへ潜入し、独占インタビューを行ってきました。セミヌード撮影に向けて準備したことや、セクシーな表情の作り方、さらには、小南さんが女性に求めるものなどなど。ぜひ最後までご覧ください。初写真集で自慢の美尻を披露(撮影/高橋那月、取材・文/榎本麻紀恵、企画・構成/藤坂美樹)
2018年12月26日6月9日公開の映画『終わった人』の公開直前イベントが6日、都内で行われ、主演の舘ひろし、主題歌を担当した今井美樹が登壇した。映画『終わった人』の公開直前イベントに出席した今井美樹、舘ひろし(左から)内館牧子の同名小説を、『リング』など傑作ホラーを手掛けている中田秀夫監督が映画化した本作は、定年を迎えたエリートの悲哀を心温まるコメディとして描いたヒューマンドラマ。主演の舘ひろしが、出世コースから外れてそのまま定年を迎える情けないサラリーマンを演じ、今井美樹が夫・布袋寅泰作詞・作曲した主題歌『あなたはあなたのままでいい』を歌っている。キャリアの長い舘と今井だが、同イベント前に行われた今井のアルバム発売記念で初めて対面。今井が「サプライズで舘さんが来てくださって、びっくりしました。本当にオーラがあって、今も不思議な感じで、なかなか現実感ではありません」と信じられない様子。一方の舘は「お花を渡してそのまま抱きつこうかと思いましたよ。それをやったらセクハラ問題になりますし、布袋くんのこともございますので、そこはグッと抑えるのが大変でした」と笑いを誘った。今井が歌った本作の主題歌『あなたはあなたのままでいい』について言及した舘。「布袋くんの曲はいつも聴いているので、本当に素晴らしいです。『あなたはあなたのままでいい』と今井さんに耳元で歌われたらどうしようもないですね。本当に素敵な曲をいただいて感謝しています」と感謝すれば、今井は「こういうさりげないジョークを言う大人の男の人って素敵。本当に舘さんは格好良いですよ」とべた褒めだった。また、本作のテーマである"定年"について、今井は「自分がどうありたいか、正直イメージがありません。家族のためにも自分の人生のためにも計画的で生きることは大事だと思いますが、今は新しい環境に暮らしを移して、どうなるか分からないところが正直なところです。ただ、新しい環境の中で、新しいチャレンジに挑み続けられる自分でいたいとは思っています」と言葉を選びながら回答していた。映画『終わった人』は、6月9日より全国公開。
2018年06月07日11日に著書『人前で輝く! 話し方』を発売したフリーアナウンサー(元ニッポン放送)の五戸美樹。著書に関する話題の他、ニッポン放送アナウンサー時代のエピソードなどについても聞いた。○「私は結構毒舌なんですよ(笑)」五戸美樹アナウンサー1986年埼玉県生まれ。09年、ニッポン放送にアナウンサーとして入社後、『三宅裕司のサンデーハッピーパラダイス』『古坂大魔王 ツギコレ』などを担当。現在はフリーアナウンサー・トークレッスン講師として活躍中。――まず、書籍を出すに至ったきっかけについてお聞かせください。ずっと本を書きたいという思いがあったんです。やっぱり本を出すというのは、アナウンサーとしては名刺代わりと言いますか。とはいえ、きっかけがなかなかなかったのですが、ある方に出版社さんを紹介していただき、自分でプレゼンしました(笑)。――本出すのは初めてですよね。執筆するうえでどんなご苦労がありましたか?今までスポーツ新聞のWEBでコラムを書く経験はあったのですが、今回は書き下ろしということで、大変でしたね。それと、私は結構毒舌なんですよ(笑)。喋りでは冗談だと通じますが、文字にすると誤って伝わってしまうこともあるので、その加減は悩みましたね。――毒舌というと、著書の中でトークが上手い人という話題で、「笑福亭鶴瓶さんやオードリー若林正恭さんは本当にうまいなと思います」と、春日(俊彰)さんを抜いていたのが気になりました(笑)。春日さんも『オードリーのオールナイトニッポン』でフリートークを話しているのになと(笑)。いや、春日さんのフリートークも好きですよ!(笑) 。春日さんをdisっているんではなくて、若林さんをリスペクトしてるんです(笑)。やはり若林さん1人のラジオになったら寂しいじゃないですか。また、読者の方にはオードリーさんのラジオを聴いてほしいと思っているので、著書でも「ラジオスター」として入れさせていただきました。――五戸さんは『オードリーのオールナイトニッポン』で、「五戸ナビ」というコーナーもやってましたよね。『ニッポン放送女性アナウンサーカーナビ』の五戸さんに言わせたいことを送るというネタコーナーでした。懐かしいですね! 「私が元彼と食事したレストラン周辺です」というネタとかは覚えてますね。実際に私が読み上げていたのですが、面白くてふいちゃって、「すみません、もう1回いいですか」ということも多かったです。――今回の著書からも、五戸さんのラジオ愛がとても感じられます。やっぱり「みんなラジオを聴いて」という思いはありますね。自分が講師を務めるトークレッスンでも、「ラジオは無料の教材」とよく話しています。――ラジオはニッポン放送のアナウンサーになられる前からよく聴かれていたんですか?深夜ラジオですと、『爆笑問題 カーボーイ』(TBSラジオ)で10年前くらいにやっていた、「人妻枠」という女性が赤裸々に浮気や不倫体験を明かす内容のコーナーが面白くて、Podcastで聴いてましたね。後は『荒川強啓デイ・キャッチ!』(TBSラジオ)とか「FM NACK5」の番組をよく聴いてました。ニッポン放送は、当時はワイドFMがなかったので埼玉では入りづらく、『KinKi Kids キンキラKinKiワールド』を窓際でなんとか聴く、という感じでした(笑)。○「元々は女優になりたいと思っていたんです(笑)」――そうなんですね(笑)。五戸さんがアナウンサーを目指したきっかけはなんだったのでしょうか?私、すごく恥ずかしながら、元々は女優になりたいと思っていたんです(笑)。なので、大学でもミュージカルサークルに入ったのですが、才能がないことに気がついて就職しようと思ったんです。それで、マスコミに興味を持ちアナウンススクールに通ったところ、アナウンサーの仕事はなんて面白い、素晴らしい仕事なんだろうと。歌や演技が下手でも、人前で役に立てるかもしれないという思いになりました。――そして五戸さんは09年、ニッポン放送に入社されます。著書では「新人の頃、うまく話せなくてビービー泣いていました」と書かれていましたね(笑)。私はあがり症で、頭が真っ白になっちゃって、なにを話していいか分からなくなってしまったんです。それで涙も出てきて、さらに真っ白になってしまうという悪循環でしたね(笑)。○「話し方」を鍛える方法とは『人前で輝く! 話し方』話す内容から声の出し方まで、具体的にコツを伝授。人前で話すのが苦手な人、企画や商品は素晴らしいが、その良さを伝えられない人に必見の内容。――どうやってそれらを克服されたのですか?あがり症に関しては、徹底的に準備することで克服しました。その場で思いついたことを話すということが、緊張でできなかったので、とにかく準備してこれを読めば成立するという状態を作ることをしていました。――初めから上手くいかなかった経験が、トークレッスンでの指導や今回の著書にも活かされているんでしょうね。そうですね。アナウンサーの話し方本は星の数ほど発売されていますが、私が唯一誇れるのが、才能がなかったことだと思うんですよ。本当に下手だったので、努力するしかなかったんです。今となっては、ある意味で良かったと思っています。――具体的にはどんな努力をされてきたんですか?飲み会など、普段の会話でも本番を意識していましたね。「ら抜き言葉」を使わないとか、「やばい」と言いそうになったら違う言葉を考えるとか、起きている間は常に考えて生活していましたね。――すごい! そこまでされたんですね。上達するにはずっと意識するしかなかったんですよね。相槌に関しても、ずっと下手だと言われていたので、普段の会話から相槌を意識して克服しました。――それでは最後に、同じように話し方に悩んでいる人にメッセージをお願いします。皆さんも起きている間ずっととは言いませんが、5分でも意識すると良いですよと伝えたいですね。ご飯を食べて「マジヤバイ、うまい死ぬ」じゃなくて、「辛味がマイルドで」などといった表現をしたり、SNSでもただ「映画面白かった」と発信するだけではなくて、なにが面白かったのかを考えると、話す力も鍛えられると思いますね。
2018年05月21日ギリシャのサントリーニ島の高台で、海を眺めて佇む美少女。インスタグラムに画像が上がった、すらりとした長い脚が印象的な彼女は、布袋寅泰(55)と今井美樹(54)の、15歳の娘・愛紗(あいしゃ)さんだ。 「愛紗さんはモデルデビューも噂されています。布袋は、インスタのコメント欄に、英語で“世界一美しい女の子”と書き込むほど娘さんを溺愛しています」(音楽関係者) 12年、今井は愛紗さんとともにロンドンに移住した。「僕は大切な10年を夢にかけたい」。そう言って、ロンドン拠点の音楽活動を希望した布袋を支えるための決断だった。それから5年、幸せそうに見える一家だが……。 「移住当時、今井さんと娘さんは現地での生活になじめず苦労しました。しかし、時が経つにつれて家族は英国暮らしにも慣れた。13年に日本の家も売ってしまい、生活の基盤は完全にロンドンに移したんですが……。ところが最近、今井さんが『ロンドン暮らしに疲れた。日本に帰りたい』と漏らしていたそうです」(芸能事務所関係者) その理由のひとつは、頻発しているテロの恐怖だという。今井のブログには、こんなことが書かれていた。 《テロには相当警戒をしているロンドンでもこういう事が起こってしまう。(中略)こんなところで暮らしていくっていうこと……と改めて認識した》(3月31日ブログより) もうひとつ、今井が心を痛めていることがある。 「布袋さんは15年に、酔った安倍昭恵さんに首筋にキスされたことが報じられました。さらに昨年、多くの芸能人が騙された113億円の投資詐欺の被害者にもなった。いずれも日本滞在中のことです。やはり知り合いが多いぶん、海外より日本の方がトラブルに巻き込まれやすい。10月から日本でツアーを行うように、布袋さんの仕事はまだまだ日本でのものが中心。目の届かない日本で、また夫に何かあるのではと、気が気でないそうです。それならば、家族全員で日本に帰ろうと思っても不思議はありません」(前出・芸能事務所関係者) テロの恐怖と、離れて仕事をする夫への不安。外国暮らしを続ける妻の、心が休まることも、望郷の念が収まることもないようだ。
2017年08月18日