ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。今更ですが、私は自分の職業をコミックエッセイストと読んでいます。自分のこれまでの経験や思い出、家族との何気ない日常に焦点を当てて、そのまま楽しかったモーメントを切り取って絵に描くこともあれば、ある出来事をきっかけに考えたことを文章に綴ることもあります。自分の人生を切り売りしてる…? と言ってしまうとアレなんですが、昔からいろんな作家さんのエッセイを好きでよく読んでいたのでこのエッセイジャンルというのが好きなのです。個人に起きたプライベートな事実をその人なりの切り口や視点で他人が読んでも面白いと思われる作品にする…って面白いですよね。もちろん夫や子どもたちに「これは書いていい?困らない?」と確認を取って許可の出た事実だけを使っているのですが…。今回は自分の人生経験を赤裸々に作品に投影して名を馳せたこの方を! 紹介したいと思います。これまで題材にしてきた文豪もですが、現代の感覚だと明治〜昭和前期の文豪たちって倫理観狂ってんな…って思うことばかりで、島崎藤村の半生も現代なら週刊誌のスクープ記事になりそうな事件ばかりなのです…!さて、島崎藤村の幼少期はやはり同時期の文豪たち同様、学業優秀で順風満帆そうに見えるのですが…。これはツラい…お父さんが発狂して獄中死国学者の父から6歳にして中国古典を教えられ、小学校入学後は国文学や西洋文学にも幅を広げ知識を深めていきました。しかしその立派なお父さんですが、明治維新後の混乱した日本の状況に正気を失い、寺院に放火未遂の罪で投獄されてしまいます…!藤村15歳の時にお父さんは獄中で狂死。これは間違いなく藤村の人生観に大きく影響を及ぼしたでしょう。自分の15歳のメンタルを思い出しても、とても耐えられるとは思えないです…。でも後年、この出来事を題材にして傑作『夜明け前』を執筆します。発表したのは57歳ということからも、父の獄中死を自分の中で消化するのにそれだけの長い時間が必要だったのかもしれませんね。ここまではゴシップというより壮絶な体験をしている藤村…これで歪まない方がおかしい、とも思いますが…20代からはいよいよ色々なことが起きてまいります!仕事が手につかないレベルの「恋煩い」を小説にしました20歳で女学校の英語教師なんてやっちゃうからー!恋しちゃうからー!!なんと生徒の佐藤輔子さんは当時21歳で先生よりも年上で婚約者もいたのだとか。どうやら恋仲…というか藤村の片思いだった可能性が高くプラトニックで終わったようですが、仕事が手につかないほどの恋の病に悩み、藤村は退職してしまいます。その上、輔子は婚約者との結婚後すぐにつわりで衰弱死してしまう、という藤村にとっては更に傷を深める不幸があったのでした。この時の想いと状況をリアルに描いたのが初の長編自伝的小説『春』。これが藤村の赤裸々執筆スタイルの始まりとなったのでしょうか。最高傑作と呼ばれる…問題作が誕生姪を妊娠させた体験を小説に!藤村にはもう一つ、週刊誌の見出しになってしまいそうなクズエピソードがあります。それが『姪っ子孕ませ事件』!!藤村は身内の不幸に苦しめられた人生で、30代ではなんと3人の娘を次々と亡くし、その後妻も亡くなります。その悲しみは計り知れませんが、妻に代わって身の回りの世話をしにきてくれた姪のこま子を妊娠させてしまうという…うわぁ…この時代だから許されてしまったのでしょうが…。現代の感覚だとそれはダメ絶対!! ですよね…。しかもこの後、関係を終わらせるためにフランスに高飛びですよ?(言い方)優雅に(かどうかはわかりませんが)『仏蘭西だより』なんて新聞連載をしながら、騒ぎが落ち着くのを待っていた…とも見えちゃいまして…身勝手感がすごい。さらにすごいのは、その後この体験をまた赤裸々に小説化しちゃうんですよ…。こま子さんも納得の上で作品化されたそうですが、これって純粋に『自然主義派』って言っていいのかな…と個人的にはモヤモヤが止まりません。のちに書かれたこま子さんの手記には「ほとんど真実を記述している。けれども叔父に都合の悪い場所は可及的に抹殺されている。」とあります。そうですか…きっとそうですよね。晩年は文壇の重鎮として落ち着いた?身近な人の不幸を多く見送り苦しんだ前半に比べ、晩年は文壇の重鎮となり『日本ペンクラブ』の初代会長になったり帝国芸術会員になったりと優雅に過ごした島崎藤村。過去に取り上げた他の文豪はやらかした上に若くして亡くなったり自ら命を絶ったりした人が多い中、若い時に現代なら大炎上間違いなしの事件を起こしても晩年は悠々自適となると、まぁなんというかいかにも明治生まれのクズ男って感じが…。「若い時の苦労が報われましたね、先生!」とは手放しで言えない自分がいます。社会問題の闇に切り込んだ作品『破戒』そんな私が学生時代に初めて読んだ島崎藤村の小説は有名な『破戒』でした。わかってはいても目を背け見えないふりをしがちな部落差別問題に正面から向き合った社会的にも意義のある作品ですが、当時の自分にはあまりに難しくてうまく読み取れませんでした。赤裸々自然主義派の藤村、ということはこれも実体験なのかな?と調べたところ彼自身のことではなかったのですが、実在の教員大江磯吉という人物が差別と戦う様子を知って生き方に共感したことがきっかけになっていたんですって。女関係のヒドい赤裸々作品を知ってしまった後だとなんとも言えない複雑な気持ちになりますが、この作品を、3人の娘を相次いで栄養失調で失いながらも断固たる決意で書き上げ社会に投げかけたのですよね。やはり才能のある人は…とにかく色々すごいのでしょう。父の狂死を30年以上経って見つめ直した『夜明け前』と合わせて、私も読後30年近く経た今『破戒』ももう一度読み返したくなりました。ぜひご一緒に秋の夜長に読んでみてくださいね。
2023年11月09日2023年4月6日、『ムツゴロウさん』の愛称で知られる動物研究科で小説家の畑正憲さんが亡くなったことが分かりました。87歳でした。産経新聞によると、畑さんが亡くなったのは同月5日。心筋梗塞により、病院で息を引き取ったといいます。動物に関して豊富な知識を持ち、バラエティ番組などでも活躍していた、畑さん。また、小説家としての顔も持ち、1977年には、さまざまな文化分野において活躍した人を表彰する『菊池寛賞』を授賞しています。今なお多くの人の印象に残る畑さんの訃報に、悲しみの声が数多く寄せられました。・もう87歳になられていたのですね…。年齢を考えれば当然だけれども、つらい。・アラフィフ世代の人は、一度は『ムツゴロウ王国』を訪れたいと思っていたはず。・小さい頃から大好きな人で本も買っていました。さびしすぎる。畑さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2023年04月06日島崎藤村の小説を原作とする映画『破戒』が、2022年7⽉8⽇(⾦)より公開される。主演は間宮祥太朗。島崎藤村の名作『破戒』60年ぶりに映画化『破戒』は、1948年に⽊下恵介監督、1962年に市川崑監督と、名だたる巨匠が映画化してきた島崎藤村による不朽の名作小説。60年ぶりに映画化を果たす『破戒』は、東映京都撮影所が制作を担当しており、明治後期の時代を違和感なく⾼い次元で映像化している。主演は間宮祥太朗■主人公・瀬川丑松...間宮祥太朗⽣徒に慕われる⼩学校教師。亡くなった⽗からの強い戒めを受け、⾃分が被差別部落出⾝ということを隠して生きる。⾃らの出⾃に苦悩しつつも、最後にはある決断をする。主演を務めるのは、映画『東京リベンジャーズ』やTVドラマ「ファイトソング」などで活躍する間宮祥太朗。過去の映画化では、池部良、市川雷蔵といった名優が演じた難役に挑む。<間宮祥太朗 コメント>映画『破戒』で瀬川丑松役を演じます。島崎藤村⽒の⼩説はこの話を頂いてから読みました。戒めを破ると書いて破戒、シンプルで確固とした主張を抱いた題名。情景や⾵景、その場のあらゆることが繊細な描写で表現されていて、肌で知ることのできない時代の物語が⽬の前に表れるようでした。そして作品の中枢の部分にぶっとく流れる強い激情。今このコメントを書いている最中も何と⾔葉にしていいかわからずにいます。しかし⼀⽅で⾔葉を探す作業こそ重要なのだとも思っています。他⼈に⾒えず⾃分の中だけにある感情を探す事に繋がっている気がします。この映画も、⾔葉で語りづらいものになっていれば、そして観客の皆さん⼀⼈⼀⼈が⾃分の⾔葉や感情を探してくれればと願っています。真夏の京都での撮影は静かに着々と進みました。映画『破戒』宜しくお願い致します。■志保...⽯井杏奈丑松の下宿先で暮らす⼠族出⾝の⼥性。控えめな性格ながら、芯が強く負けん気を見せる部分も。丑松に恋⼼を寄せつつも、なかなか思いを告げられない。■銀之助...⽮本悠⾺悩める丑松を⽀える友⼈の同僚教師。■猪⼦蓮太郎...眞島秀和被差別部落出⾝の思想家。演説会の後、政敵の放った凶刃により命を落とす。■丑松の父役...田中要次■寺の住職役...竹中直人■寺の尼役...小林綾子■小学校校⻑役...本田博太郎■猪子の政治的宿敵・高柳役...大東駿介監督は前⽥和男監督は、椎名桔平主演の映画『発熱天使』や、キネマ旬報「⽂化映画部⾨」ベストテン7位の『みみをすます』を手掛けてきた前⽥和男。脚本は、『クライマーズ・ハイ』『孤⾼のメス』『ふしぎな岬の物語』で⽇本アカデミー賞優秀脚本賞受賞歴を持つ巨匠・加藤正⼈と、『バトル・ロワイアル II 鎮魂歌』で第58回毎⽇映画コンクール脚本賞を受賞した⽊⽥紀⽣が担当する。映画『破戒』あらすじこの戒めを破り、明日を生きる ――瀬川丑松は、自分が被差別部落出身ということを隠して、地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する。彼は、その出自を隠し通すよう、亡くなった父からの強い戒めを受けていた。彼は生徒に慕われる良い教師だったが、出自を隠していることに悩み、また、差別の現状を体験することで心を乱しつつも、下宿先の士族出身の女性・志保との恋に心を焦がしていた。友人の同僚教師・銀之助の支えはあったが、学校では丑松の出自についての疑念も抱かれ始め、丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみのなか丑松は、被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していく。猪子宛に手紙を書いたところ、思いがけず猪子と対面する機会を得るが、丑松は猪子にすら、自分の出自を告白することができなかった。そんな中、猪子の演説会が開かれる。丑松は、「人間はみな等しく尊厳をもつものだ」という猪子の言葉に強い感動を覚えるが、猪子は演説後、政敵の放った暴漢に襲われる。この事件がきっかけとなり、丑松はある決意を胸に、教え子たちが待つ最後の教壇へ立とうとする。【詳細】映画『破戒』公開日:2022年7⽉8⽇(⾦)より丸の内TOEIほか全国公開原作:島崎藤村『破戒』脚本:加藤正⼈、⽊⽥紀⽣監督:前⽥和男⾳楽:かみむら周平出演:間宮祥太朗、⽯井杏奈、矢本悠馬、高橋和也、⼩林綾⼦、七瀬公、ウーイェイよしたか(スマイル)、⼤東駿介、⽵中直⼈、本田博太郎、田中要次、石橋蓮司、眞島秀和配給:東映ビデオ
2022年02月19日世界中で参加者を熱狂させる“リアル脱出ゲーム”を企画運営する「株式会社SCRAP(所在地:東京都渋谷区、代表者:加藤隆生)」は、藤村女子中学校にて2022年2月1日(火)に新たな形式の中学入試『ナゾ解き入試」を実施したことを発表いたします。藤村女子中学・高等学校公式ページ: 「ナゾ解き入試」とは、履修科目の範囲内から出題されるこれまでの入試形式とは異なり、学力だけでは測りきれない力が必要となる「謎解き」を中心に設計された、新しい入試形式です。「多様な人材の育成」「様々な角度からの問題解決能力」の育成を目指す藤村女子中学校と、「ひらめき力」や「注意力」など5つの力を総合的に判定する「謎解き能力検定(通称「謎検」)を運営しているSCRAPがタッグを組み実施された「ナゾ解き入試」は、「既存の科目だけでは測ることが難しい力を評価できる新しい入試形式」として注目を集め、日程が追加されるなど大きな反響を呼びました。入試の内容は大きく2つ。国語・算数・社会・理科の内容に即した全10問の謎を解く「謎検型」と、グループ形式で50分程度の謎解きをしながら課題を解決し窮地からの脱出を目指す「脱出ゲーム型」です。「謎検型」では考察力・発想力などを測り、「脱出ゲーム型」は、行動力・会話力・洞察力などを測ります。「謎検型」試験では、謎解きを駆使した新しい形式の問題に戸惑いながらも、自身のあらゆる知識の引き出しから考え解答し、終わった後には晴れやかな表情を浮かべる生徒の姿もありました。一方「脱出ゲーム型」では、謎を解くために受験生たちが協力して臨みました。1つの問題に対して複数人でコミュニケーションを交わしながら役割分担して解決を目指す力は、社会人になってからも必要になってくる能力。それが試される「脱出ゲーム型」において、受験生たちは楽しそうに、しかし真剣に試験に挑戦。目の前にある謎に対してワクワクしながら、初対面の人と協力して解決に向かう姿が見られました。SCRAPと藤村女子中学校が提示する新しい入試形式にどうぞご注目ください。+++++【以下補足情報】+++++◆藤村女子中学校とは?1932年、日本の女子教育の第一人者である藤村トヨにより設立。「知・徳・体を兼ね備えた個性豊かな女子の育成」を建学の精神に、2022年には90周年を迎える歴史ある女子校である。藤村女子高等学校を併設。多くの全国レベルの部活動があり、オリンピック選手も輩出している。進路の自己実現と部活動との文武両道を目標に、生徒たちは活発に活動している。吉祥寺の街中に位置しており、近年は吉祥寺の街の紹介や企業とのコラボレーションといったフィールドワークに力を入れている。また、吉祥寺でのイベントにも多数参加している。★公式サイト: ■SCRAPとは?2008年、株式会社SCRAPを設立。遊園地やスタジアムを貸し切ってリアル脱出ゲームを作ったり、本やアプリ、TV番組にも謎をしかけ、企業の謎解きプロモーション企画をお手伝いしているうちに、すっかり謎イベントの制作会社として世間に認知されてしまった京都出身のフリーペーパー制作会社(しかもフリーペーパーは絶賛休刊中)。勢いに乗ってファンクラブ「少年探偵SCRAP団」も結成。テレビ局・レコード会社などともコラボレーションを行い、常に新しいエンターテインメントを生み出し続けています。★公式サイト: ■リアル脱出ゲームとは?2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に、爆発的に盛り上がった「脱出ゲーム」。そのフォーマットをそのままに現実 世界に移し替えた大胆な遊びが「リアル脱出ゲーム」。マンションの1室や廃校、廃病院、そして東京ドームや六本木ヒルズなど、様々な場所で開催されています。07年に初開催して以降、現在までで820万人以上を動員。日本のみならず上海、台湾、シンガポールやサンフランシスコなど全世界で参加者を興奮の渦に巻き込み、男女問わずあらゆる世代を取り込む、今大注目の体験型エンターテインメントです。※「リアル脱出ゲーム」は株式会社SCRAPの登録商標です。★公式サイト: ☆ツイッターアカウント→@realdgame 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月14日劇団た組。の第15回目公演 三越劇場版「壁蝨」が8月30日(水)に上演される。本作は、三越劇場とシアタートラムというふたつの劇場で上演され、それぞれ違うキャスト(※一部同キャスト)が出演する。三越劇場版で音楽を担当する谷川正憲(UNCHAIN)と、劇団の代表で脚本・演出を手掛ける加藤拓也に話を聞いた。劇団た組。「壁蝨」チケット情報人生の選択における“では一体どうしたらよかったのかというのか”という、誰にでもある『どうしようもないこと』にフォーカスを当てた物語で、女性器を持たずに生まれてくるロキタンスキー症候群の主人公を中心とした人間関係が描かれる本作。一日だけの上演となる三越劇場版には、南乃彩希、岡本あずさ、宮田早苗らが出演する。その中で歌・演奏を担当するのが、今年4月に上演された第13回目公演「まゆをひそめて、僕を笑って」でも同様に出演した谷川。「もう!?と思いました(笑)」と笑う谷川は、普段はUNCHAINのヴォーカル&ギターとして活動するミュージシャンだ。前作の経験を「すごく楽しかったです。初めての経験で。舞台の生演奏って、僕らがやってるライブよりもライブ感があったんですよね。すごく燃えますし、燃え尽きるし、精神力も削られるし」と語る谷川。前作の谷川を加藤は「最高のひと言に尽きます。お客さんにも『音楽がとにかくよかった』って絶対に言ってもらえていたし。音楽って演劇をつくるうえで超大事なので」と絶賛する。劇団た組。の作品において生歌と生演奏は魅力のひとつだが役割は独特だ。「最初、場面のバックグラウンドの音楽をやるのかなって思ってたら、そうじゃなくて、主人公の心の中を音楽で表してほしいって言われたんですよ。やったことなくて。もちろん自分の曲では自分の感情を歌うんですけど、人の感情だから」(谷川)。「(登場人物が)気持ちを歌うミュージカルとはまた別で、(本作における)歌はどの立場にも立てるなと思っていて。登場人物の立場にもなれるし、お客さんの立場にもなれるしっていう。それが強みなのかなって思います」(加藤)。一日だけの公演。谷川は「絶対緊張するけど、死ぬほど大変ってことは死ぬほど楽しいかもしれない」と笑顔。劇団た組。は今作のシアタートラム版で年内の公演はラストとなり、加藤は「自分の中での集大成というと変ですけど、すごく慎重に書いた作品です。丁寧に積み上げるところを観てほしい。三越劇場版はワンデイならではのよさを出せるようにしたいです」。三越劇場版「壁蝨」は8月30日(水)に上演。シアタートラム版は9月29日(金)から10月1日(日)まで上演される。シアタートラム版の音楽は橋詰遼。谷川一押しのミュージシャンだ。
2017年08月23日タレントの薬丸裕英が1日、自身のブログを更新し、先月25日に心不全のため死去した俳優の藤村俊二さんへの思いをつづった。2004年に放送された『快適!住まいるナビ』(テレビ東京系)などで藤村さんと共演していた薬丸は、「訃報」というタイトルで更新。「藤村俊二さんの訃報を知り辛く悲しい気持ちでいっぱいです」と胸の内を明かした。そして、「藤村さんにはレギュラー番組でお世話になり、藤村さん経営のワインバー『オヒョイズ』でよく一緒にワインを飲ませていただきました」と思い出を記し、「オシャレでジェントルマン、そしてユーモアたっぷりの藤村俊二さん」と人柄を表現。「もうお会い出来ないと思うと残念の一言に尽きます。謹んでお悔やみ申し上げます」と悼んだ。
2017年02月01日"おヒョイさん"の愛称で親しまれた俳優の藤村俊二さんが、1月25日に心不全のため死去していたことが1日、わかった。所属事務所代表で長男の亜実さんが公式サイトで発表した。82歳だった。亜実さんは「去る1月25日(水)20時45分頃、父・藤村俊二が心不全のため入院先の病院で永眠いたしました(82歳)。生前のご厚誼を深謝し、謹んでご報告申し上げます」とつづり、「2015年12月に日本テレビ『ぶらり途中下車の旅』の番組を降板させていただいてから、復帰を目指して療養しておりましたが、最期は苦しむ様子もなく、穏やかに息を引き取りました」と報告した。また、14日12時より東京・渋谷の慈雲山 長泉寺にてお別れ会「献花の会」を行うことも発表。「お時間が許す限りご参加いただき、みなさまの献花と共に父を送り出すことができれば幸甚に存じます」と呼びかけている。
2017年02月01日小売店向け卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営するラクーンは1月27日、東京・渋谷の映画館「渋谷HUMAXシネマ」で、アパレル業界の人向けに「藤村正宏× 短パン社長 × スーパーデリバリー『モノを売るな!体験を売れ!映画館セミナー』」を開催した。このセミナーでは、 アパレル業界向けに「遊びのような仕事、 仕事のような遊び。 」をテーマに、自身の好きな事を商売に活かし、それを通じて顧客と関係性を築き売上に繋げるヒントについて伝えた。マーケティングコンサルタントである藤村正弘氏は、著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。 集客施設や企業のコンサルティングを行っている。一方、レディース、メンズの洋服全般の企画、製造、販売、卸し、小売を行うピーアイ 代表取締役社長である奥ノ谷圭祐氏は、「短パン社長」として有名で、テレビ出演もある。○革命的に考え方を変えろセミナーで最初に登壇したのは藤村氏。同氏は「新しいことを始めるにはエネルギーがいる。ただ、新しいことをやるためには古いものは捨てないといけない。ビジネス世界は常に新しくしていかないと行き詰ってしまう。これが今の時代に求められていることだ」と、新しいことを始めることが重要さを強調した。また、同氏はアパレル業界に向け「革命的なことをやらないといけない。もう昔には戻れない。服をデザインして売るというのはどこでもできる。モノだけ売っているのであればユニクロで十分だ。でも、みなさんはもっと価値の高いものを売っている。そのためには、製品以外の何かが違わなければ買ってはもらえない。革命的に考え方を変えないとこれからの時代はやっていけない」と警鐘を鳴らした。そして、「ビジネス環境が変わっているのに、それに気がつかないで、4Pなどという昔のマーケティングの考え方のまま、何の疑問を持たずにずっと商売を続けていれば、売れなくなくなるのはあたり前。50年に考えられた4Pが、今通用するはずがない。それは、良いものを作って、コマーシャルを頻繁に流していた時代のものだ。これからは新規の顧客は獲得できない時代になる。今は、製品のすべてが良い製品だ。だから製品に差はない。ただ、売れる製品と売れない製品がある。それは、製品以外に決定的な違いがあるからだ。これを認識しないと苦労するだけだ」と語った。では、今後、モノを売るために何をすべきなのか? これについて藤村氏は「これからはつながりの経済だと思っている。それは新規の顧客がいなくなる時代だ。つながりの経済は24時間365日ネットにつながっているというつながりと、人と人のつながりだ。今は、SNSで消費者と直接つながることができ、つながりの中で消費が起きる。同じ商品なら、知り合いから買いたいというのは自然の流れだ。友達の紹介やお勧めで買うのもよくある。結局、誰を信用して買うかだ。物を売りたがっている企業よりも、知り合いの意見を信用するのは当然だ。つながりの中で消費が起こる。そうなれば、新規の顧客はいなくなる。そのうち、見ず知らずの人からものを買うなんて、そんなリスクの高い時代ではなくなる」と説いた。その上で「モノ」ではなく「体験」を売ろうという「エクスペリエンス・マーケティング(エクスマ)」の重要性を訴えた。○個性を出して関係性を築く藤村氏の講演を受け、続いて登壇した「短パン社長」こと奥ノ谷圭祐氏は、つながりの経済を実践する上で必要となる「個性を出して、お客様と絶え間ない関係を築く」という点を説明した。奥ノ谷氏は冒頭、「お客様は会社や店の名前なんて覚えていない。お客様はお店で働いている個人をめがけてくる。であれば、個人で発信しなければいけない」と個人のつながりの重要性を訴えた。同氏は関係性を築くためのポイントとして「忘れられないようにコンタクトを取ろう!」「良いお客様を選ぼう!=好きな人とだけ仕事をしよう。」「売り込みではなく、情報を発信しよう。」「個を出そう。=好きなことを発信しよう。」「お客様を巻き込んで一緒に楽しもう。」の5つを挙げた。では、具体的に何をするのかについては、自身の経験をもとに次のように紹介した。「忘れられないようにコンタクトを取ろう!」では、ニュースレター、チラシのほか、SNS、Facebook、SNSを使い、とにかく発信することだという。同氏は「Facebookでいいね!を押すことはコンタクトを取っていることになる。コメントすることは手紙と同じだ。そうなれば、年に数回しか会わなくても距離感が近くなる。そういう関係を作っていかなければならない」とアドバイス。「良いお客様を良いお客様を選ぼう!」では、「あなたことが好きなお客様とだけ付き合えばいい」と語った。これは、嫌いな人とは付き合わなくてもいいと意味だが、「あなたのことを好きになってくれるように努力しましょう」という意味もあるという。また、「個を出そう。=好きなことを発信しよう。」については、「個人を出して、自分だから来てくれるという色を出さないとけない。カッコ良くなくたっていい、お客様に伝わることが大事だ」とアドバイスした。そして、重要なポイントとして、「あなたの店の売上げが上がらないのは、覚悟と行動力と継続がないからだ。この3つをやらないと洋服は売れない。世の中はどこで買いたいかではなく誰から買いたいかにシフトしている。これを絶対認識しないといけない。だから、個を出す必要がある。私はブログを5年間書いているが、そんなことをやっても売れないと思ったら、そこで終わり。やってみないとわからない。あなたのSNSが読まれないのはつまらないからだ」と述べた。○なぜ関係性が重要なのか?ではなぜ関係性が重要なのか。藤村氏の第2部のセミナーでこの点について触れ、「情報の大洪水、SNSの台頭、スマホの普及、コモディティ化、テクノロジの進化により、いま、消費者は何を信用していいのかわからなくなっている。だから人々は関係性を意識的にも無意識的に求めている」と説明した。そして「顧客満足度を高めるとお客様が増えるというのはウソだ。どんなに顧客満足度を高めてもリピートは増えない。なぜ、リピートしないかといえば、あなたのことを忘れてしまうからだ。そのためにもコンタクトを取ることが大事だ」と指摘した。その上で、「既存客を大切にするサービスをしましょう。それは、平等なサービスではなく、公平なサービスをしましょうということ。だから、新規客だけを優遇するような業界は滅びていく。おなじみさんを大切にしていれば新規客は自然に増える。それが商売の基本だ。いまはSNSがあるから、それも簡単にできる」と述べた。その上で、SNSで関係性を築くためのアドバイスとして「個人を出すこと(できたら顔写真」「主観と感情を入れること」「親近感のある発信を」の3つのアドバイスした。
2016年02月10日