「名は体を表す」と言うように、「日本人の名前には、その人の持つ役割が込められている」と語るのは、ことだま鑑定師の水蓮先生。ほかの名前占いとはどう違うのでしょう。水蓮先生が解き明かす、名前の不思議に迫ります!●50の音、1つひとつに意味がある!――「言霊(ことだま)」って、言ったことが実現するというような、言葉が持つ不思議な力のことですよね。「そうです。結婚式では『別れる』『切れる』などが忌み言葉として避けられるのは、みなさんもご存じですよね。このように、言霊は日本人の生活に根づいた考え方と言えるでしょう。でも、不思議な力があるのは、単語や文章やにかぎりません。1つひとつの“音”も同じ。たとえば、『ひ』は『火』や『陽』などのイメージがあります。同じように、50音のすべてに意味があるんです。“水蓮流ことだま鑑定”では、50音それぞれに違った意味合いがあると考え、それを元に名前を鑑定します。たとえば、いま30歳くらいの女性に多い名前の『愛』さん。『あ』は新しい物好き、『い』は子どものような純粋さを表します。また、私の鑑定では、名前は『性質』であると同時にその人に授けられた『使命』も表ていると考えます。つまり、愛さんは、新しいことにチャレンジしていく役割と、その純粋さで周囲の人を和ませる役割を持っているということです。私のブログやことだま協会のWebサイトでは50音の意味合いをすべて無料で公開していますので、ぜひご自分のお名前を1文字ずつ調べてみてください」(水蓮先生、以下同)●水蓮オフィシャルブログ●ことだま協会 ことだま五十音表――名前の1文字目と2文字目で、正反対の意味がある場合は、どうとらえればいいんでしょう。「1文字目がその人のメインキャラクターで、意外と2文字目のようなところもある、ということになります。ですから、文字数が少ない人ほどハッキリした個性がありますね。とくに、『奈々』『桃』など、同じ音を重ねた名前の方は、その音の性質が強く出ます」●日本人の名前と、神様の名前は同じルール――名前で役割がわかるのはどうしてですか?「日本人の名前には、昔からその人に期待された役割が込められているんです。伝統芸能などでも、親や師匠とまったく同じ名前を継ぐ襲名の習慣がありますね。『名を継ぐ』ということは、『役割を継ぐ』ということです。日本の神様の名前も、その神様の役割を表しています。たとえば『天照大神(あまてらすおおみかみ)』なら、『天(あま)』は苗字。高天原(たかまがはら)の神、つまり天界の神であるという所属を示します。『照(てらす)』が下の名前であり、役割。太陽神ですから照らすのが役割です。『大神(おおみかみ)』は尊称です。一神教と違い、日本の神様はたくさんいて、それぞれ役割も違うのですが、その役割が名前になっているんです。苗字はその家系の使命で、下の名前が個人の使命です。」――芸名が親しまれている有名人の方などは?「三つ子の魂百までと言うように、幼いときに呼ばれていた本名が力を失うことはありません。ただ、仕事のときは芸名の性質が表れ、プライベートでは本名と芸名と両方の力が発揮されることはあります。ですから芸名や仕事上の名前には、本名にはない働きを持つ音とか、こんな性質が欲しいという音を加えると効果的です。ちなみに、名前のパワーは人に愛情を込めて呼ばれることで発揮されるので、ネット上のハンドルネームなど、声に出して呼ばれない場合は、ことだまの働きが表れません」●人気の名前が変わるのは、必要な役割が変わるから――名前って、時代によってかなり変わりますよね。「それは、その時代に必要とされる役割があるからです。最近は『りん』『れん』など、らりるれろ、の音の名前が人気です。ら行の音は古代の日本では語頭には使われなかった音で、行動の素早さを表し、海外との縁がある音でもあります。世界で活躍できる人が求められているために、こうした名前が増えているのでしょう。しかし、昔から変わらず多い音もあります。それは『こ』。小野妹子、蘇我馬子など、昔は尊称として男性の名前にも多かったですし、○○ヒコ、○○ノミコトなど、神様の名前にも多い音です。面白いことに、『こ』の音はずっと減らないんですよ。昭和50年代以降、『子』が付く女性の名前は減少しましたが、今度は『こはる』ちゃん、『こころ』ちゃん、『こたろう』くんなど、別の形ではやっています。ペットの名前で『ココ』も人気です。『こ』は、お米のイメージであり、コツコツがんばる日本人気質を表す大事な音ですから、知らない間に補っているんですね」――最近の名前と言えばキラキラネームも話題ですが、先生はどうお考えですか?「50音にはそれぞれ長所・短所があるため、水蓮流では『これは良い名前、これは悪い名前』というものはありません。両親が愛情を込めて名付けて、それを説明されたお子さんが納得していれば、個性的な名前でもいいと思います。ただし、親が子どもを自分の所有物のようにして名付けていたり、あまりに読みづらくて毎回読み間違えられたり、世間の目が気になったりすると、自分自身を否定されたように感じることがあるので、それはよくないですね。自分の名前が嫌いということは、自分自身を否定しているのと同じ。鑑定のご相談に来られる方にも、そういう方は多いです。私は、『日本人の名前には使命が隠れていて、あなたの名前にはこんな素晴らしい役割があるんですよ』というメッセージを通じて、名前が好きになれない方、自信が持てない方が、自分自身の才能に気づくお手伝いをしたいと思っています」いかがでしたか?「私って、なんのために生まれてきたのかな…」なんて考えこんでしまうときには、ぜひ参考にしてみてくださいね。プロフィール/水蓮(すいれん)ことだま鑑定水蓮流家元。一般社団法人ことだま協会の代表理事。OL生活を経て、2008年より名前から才能や氏名を読み解く「ことだま鑑定」を開始。日本古来の“ことだま”に焦点を当てた鑑定法には、「自分の名前が好きになれた」「ポジティブ思考になって公私ともに順調」と多くの喜びの声が寄せられている。現在は個人鑑定のほか、鑑定師を育成する「ことだま講座」などもスタート。鑑定人数はのべ5000人以上、講座参加者は1500人以上にのぼる。著書に『ことだま50音「名前」占い』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/2014年)。<取材・文/島田彩子取材協力/水蓮>★プレゼント情報★水蓮さんの「ことだま鑑定」がより詳しくわかる書籍『ことだま50音「名前」占い』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を3人にプレゼント!音同士の相性がわかる『ことだまマトリックス』など、記事では紹介しきれなかった情報が満載です!応募期間は終了しました
2015年05月26日奈良県は大和朝廷のあったところで、平城京(現奈良県奈良市に在)から長岡京(現京都向日市に在)に遷都されるまでは文字通り日本の政治の中心でした。それ以降は中央から外れたため、京都のようにその時代、時代の遺構が層状に積み重なって……ということがありません。ちょっと掘るとすぐ奈良時代、さらにそれ以前の遺構、みたいなことになっています。奈良県南部の古代の遺跡は謎に満ちていて古代史ファンをひきつけてやみません。■明日香村に残る巨石遺構群飛鳥時代は592年~710年の118年間に渡る時代ですが、この間、都は「飛鳥」(あすか)の地にありました。飛鳥の地は、現在の奈良県の南部、高市郡明日香村にありました。この明日香村には数々のミステリアスな巨石の遺構があります。●巨石を組み上げた石室『石舞台』最も有名なのはこの『石舞台』(いしぶたい)でしょう。巨大な石を積み上げて作った横穴式の石室がむき出しになっている遺構です。長さ約7.7m、幅約3.5m、高さ約4.7mの大きさです。元々は古墳だったものが、周りの土が取り除かれ、現在のような姿になっています。葬られていたのは蘇我馬子と言われています。蘇我馬子というと大化の改新で暗殺された蘇我入鹿の祖父に当たります。●何に使ったのか!?『酒船石』長さ約5.5m、幅約2.3m、厚さ約1mの巨石の表面に水を流すような溝が数本、溝が分岐し水をためるような楕円形の「くぼみ」が4つ掘られている謎の遺構です。その形から、水を流して占いに使ったのではないか、酒を作るの使ったのではないかなど諸説ありますが、未だに謎のままです。ちなみに手塚治虫先生は『三つ目がとおる』という漫画の中でこの酒船石の謎を扱っています。●新しく遺跡発見!『亀形石造物』1992年に上記の酒船石の北で石垣が発見されます。これだから奈良の遺跡は侮れません。まだ掘られていない大物があるのです。2000年に行われた大規模な発掘によって思いもよらないものが見つかったのです。それは長さ約2.4m、幅約2mもある巨大な亀形の遺構です。甲羅の部分は池のようにくり抜かれています。調べてみると、頭の方から水を入れて尻尾側から出水させたようなのです。水は甲羅の部分にたまるようになっています。またすぐ側には、これまた水をためるために作ったような小判型の石造物が出ました。亀形石造物、小判型石造物、それを囲むように石が敷き詰められ、石垣が築かれていたのです。新しく発見された遺構も含めて、何らかの「水に関する祭祀」を行った場所なのではないかと推測されていますが、やはり謎のままです。斉明天皇の行った工事が『日本書紀』に記述されており、その遺構がここだと言われています。初めてこの遺構が公開された時には、熱心な古代史ファンが詰めかけました。●まったく謎の『亀石』甲羅に手足を収めた亀の格好をしているので亀石(かめいし)と呼ばれている巨石遺構です。長さ3.6m、幅2.1m、高さ1.8mもあります。誰がいつ作ったかなどはまったくわかっていません。この亀石は現在南西を向いていますが、西を向く時が来たら奈良盆地は泥の海に沈むという伝説があります。●ユーモラスだが謎の『猿石』1702年に田んぼの中から掘りだされたもので、猿面をした人物をかたどった奇石遺構。全部で4体あります。それぞれの外見から、男、女、僧、山王権現と呼ばれていますが、もちろん便宜上の名前であって、その由来や、いつ作られたのかといったことは全くわかっていません。他にも『鬼の雪隠』(おにのせっちん)、『鬼の俎板』(おにのまないた)と呼ばれる巨石遺構、また壁画で有名な『高松塚古墳』、『キトラ古墳』など、明日香の地はミステリアスな魅力に満ちています。もし奈良県、南部に旅することがあったらぜひ訪問してみてください。(高橋モータース@dcp)
2012年11月30日