オンラインでペットの心肺蘇生法をレクチャーする、一般社団法人日本ペットBLS※防災学会(所在地:東京都渋谷区、代表理事:山本 大樹)は、2022年6月21日の設立から2か月で、当学会が認定するペットの一次救命処置認定者(ペットBLS検定認定)が500名を超えたことをお知らせいたします。※一次救命処置■「ペットBLS検定」とは心肺停止の犬と猫に対する一次救命処置(BLS)に関する学会認定資格。犬や猫の実際の心臓マッサージの感触を再現した器材を使用し、動画を観ながら学習を進めていくスタイルで、コロナ禍の中自宅で学習できる点や、何度も復習できることが好評。また、愛するペットのために家族全員で学ぶ方や、離島や過疎地にお住まいで、動物病院まで距離がある方などの受講者が増えている。当学会が目指すBLSペットBLS検定受講の流れ■代表理事・理事からのコメント【代表理事:山本 大樹】人とペットが幸せに暮らせるまちづくりを実現するため、国内外の学会や関係団体と連携を図るとともに、仮想空間メタバースの活用など様々な方法を駆使してまいります。また、今年度の社会貢献事業として以下の方々にペットの心肺蘇生法トレーニングプログラムを無償でレクチャーしてまいります。(1)国家資格となる動物看護師およびその資格を目指す学生(2)火災現場でペットを安全な場所に救助する消防職員(3)離島や無獣医村など、獣医療を受けることが困難な地域にお住まいの方皆さまのご支援ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。【理事:川瀬 広大】一般社団法人日本ペットBLS防災学会の理事を拝命致しました、札幌夜間動物病院の川瀬 広大です。近年、ペットは屋外から室内へと変わり、より私たちの身近な存在である家族になっています。その家族を守るにはいざというときの準備が必要です。本学会の目的は、多くの飼い主様にペットの心肺蘇生法を習得していただき、皆様のご家族を守ることです。一人でも多くの命を救うため一緒に頑張りましょう。■一般社団法人日本ペットBLS防災学会について愛するペットの救命処置ができる資格「ペットBLS検定」の講義提供を軸に、人とペットの共生という視点を世の中に提供。“防災”という言葉の中に、当たり前のようにペットが含まれるような社会を目指す。ペットの心肺蘇生法は、インターネット上に多くの情報がありますが、必ずしも科学的根拠のある情報ばかりとは言えません。この現状を踏まえ設立したのが、ペットの防災と心肺蘇生法に特化した「日本ペットBLS防災学会」です。【学会概要】法人名 : 一般社団法人日本ペットBLS防災学会所在地 : 東京都渋谷区神宮前6-23-4代表理事: 山本 大樹事業内容: 人とペットの防災・心肺蘇生法に関する知識の提供・研究設立 : 2022年6月21日HP : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月30日総務省消防庁によれば、平成26年に心肺停止状態で病院に運び込まれた人の数は124,951人。決して少なくありません。AEDも普及し、心肺蘇生は1分1秒が勝負だといわれますが、実際のところ、どれくらいの時間まで有効なのでしょうか?■20分以上の心肺蘇生は無意味?心肺蘇生はいつまで続ければ意味があるのかについて、多くの議論が行われてきました。アメリカの救命救急医の協会であるNAEMSPでは、2000年に「心肺蘇生は20分以上続けても効果がない」と発表しています。しかし、これについてはデータが乏しく、また、最近はこの内容はNAEMSPでも繰り返し発表されてはいません。アメリカ心臓学会(AHA)では、限定されたデータからのこうした見解を信じるべきではないという意見もあります。では、心肺蘇生は何分まで効果があるのでしょうか。■蘇生しても「生存率が低い条件」「何分」という時間での明確な定義はありませんが、患者の状態から、「それ以上は心肺蘇生の効果がない」とされるガイドラインがあります。救命措置には2種類あり、救急車が到着する前の、特別な医療器具を使わない措置を一次救命措置、救急車などの医療機器や医師が到着したあとの措置を二次救命措置といいます。一次救命措置においてこのガイドラインは、次の3つの条件を満たしている場合です。(1)「救命救急医が心肺停止の瞬間に立ち会っていない」(2)「電気ショックを与えられていない」(3)「移動の前に一度も脈が戻っていない」病院に運ばれた人のうち3.1%が蘇生していますが、この3つの条件をすべて満たしていた人の生存率は776人中3人、0.4%でした。二次救命措置では、条件は5つです。(1)「救命救急医が心肺停止の瞬間に立ち会っていない」(2)「倒れる瞬間が目撃されていない」(3)「その場にいた人により心肺蘇生が行われていない」(4)「電気ショックを与えられていない」(5)「移動の前に一度も脈が戻っていない」これらの条件を満たしていた人で蘇生した人は、なんと1人もいませんでした。しかし、これらの条件を満たしていない場合、生存率は上がります。心肺停止状態になって病院に運び込まれた人全体の生存率は5.4%でも、一次救命措置の条件を1つ以上満たさないものがあった場合は11.9%に上がります。二次救命措置の条件を1つ以上満たさなかった場合の生存率も7.9%になります。■30分以上でも蘇生の可能性あるアメリカのある病院では、病院に運び込まれて蘇生した11%のうち、90%が16分以内の蘇生措置を行われていたというデータもあります。この病院では24分間心肺蘇生を行って脈が戻った人もいました。また、韓国で行われた調査でも、20分しか蘇生措置を行わなかった場合の生存率が2.1%だったのに対し、20分から30分行った場合は5.2%、さらに30分以上だと5.6%だったというデータが出ています。心肺蘇生の効果はその人の状態やまわりの環境など、さまざまな要因が関係するので、はっきりと「何分以内なら効果がある」とはいえないようです。とはいえ、もちろん早いに越したことはありません。もしまわりで急に倒れた人がいたら、まずは一刻も早く救急車を呼びましょう。(文/スケルトンワークス) 【参考】※Why We Should No Longer Terminate Resuscitations after 20 Minutes-JEMS※平成27年版救急・救助の現状-総務省消防庁
2016年04月03日