伝説的な指揮者として、今も世界中にファンをもつ巨匠フルトヴェングラー。その彼が第二次世界大戦下、若きスターだったカラヤンよりヒトラーに寵愛されていた事実の意味とは――。来年2月、戦後の非ナチ化裁判で被告となったフルトヴェングラーと、彼を追及する米国軍少佐アーノルドの息詰まる攻防戦を描いた快作『テイキング サイド』が上演される。2001年には映画化もされているが、今回は劇作家ロナルド・ハーウッドによる原作をそのまま舞台化。演出は、映画監督であり近年は舞台演出にも意欲的な行定勲が務める。出演は、アーノルドに筧利夫、そしてフルトヴェングラーに平幹二朗というベストキャスティングが実現した。これが初共演となる筧と平に話しを訊いた。『テイキング サイド』チケット情報「男ふたりが主役というのは、以前に演じた同じハーウッドの『ドレッサー』もそうでした。座長とその付き人の愛憎が印象的でしたが、この作品のフルトヴェングラーとアーノルドは国も考え方も違う。ただ、形こそ違うけれど、お互いの存在が強烈に関係し合っているところは似ていますね」と平。筧も「実在の人物の物語だからといって、実際にあったことをただ再現するならドキュメンタリー映画でいいわけで。何が正しいか正しくないのか、正しいと思って見ていることが、違う人から見たら別のものに見えるんじゃないか。アーノルド少佐を通してそういった微妙なところをお客さんに伝えられたら、演劇でやる意味があるのかなと思います」と語る。プライドをもって仕事に取り組み、時に冷酷ともいえる非情さでフルトヴェングラーの私生活まで暴いてゆくアーノルド。対するフルトヴェングラーにも、彼が世話をしたピアニストの未亡人でユダヤ人のタマーラ(小島聖)という存在が現れる。独裁者のもと、音楽家たちが生き延びるために払った苦難の数々が、次第に明らかになってゆく。平は「実際のフルトヴェングラーもシャイで、内省的な面があったそうです。伝説の指揮者といってもさまざまな顔がある。そこにいるだけでいかに彼の人となりを出せるか、稽古では苦しんで作っていきたいですね」と話す。平との初共演にやや緊張気味の筧については、「舞台から飛び出してきそうな迫力がある。僕も頭から食われないようにしなければ」と笑顔。また演出の行定について筧に聞くと、「一緒に仕事が出来て光栄です。舞台は映画の“引き”で撮る“長回し”と同じなので、あとは役者が芝居で“ズームアップ”の効果を見せなくちゃいけない」と意気込みを語った。最高のスタッフとキャストが集結して魅せる本作。その本番を、楽しみに待ちたい。公演は2月1日(金)から11日(月・祝)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。その後、愛知、静岡、大阪、広島を巡演する。チケットは一部を除き発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年11月14日群像劇の名手・行定勲監督が、女流作家・井上荒野の人気小説を原作に映画化した最新作『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』。主演の阿部寛を筆頭に小泉今日子や野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら豪華女優陣の共演で話題を呼んでいる本作の主題歌が、このたび横山剣率いる「クレイジーケンバンド」の描き下ろし曲「ま、いいや」に決定した。数々の男たちと不貞を重ねるひとりの女性・艶(つや)とその夫・松生を始め、彼女を巡る愛憎、親子の絆、欺瞞、純愛など男女の5つのドラマが巧みに絡み合っていく本作。クレイジーケンバンドにとっては2004年の公開映画『約三十の嘘』以来、約8年ぶりの映画主題歌となるが、行定監督は常々、男の気持ちと男女の愛について歌わせたらクレイジーケンバンドの右にでるアーティストはいないと考えていたようで、「(横山)剣さんの艶のある歌声は、どうしようもない男と女の物語にぴったりだと思っていました。受けてくださると聞いたときは本当に嬉しかったです」と今回実現したコラボレーションに感動もひとしおといった様子。さらに「デモを聞いた瞬間から忘れられないフレーズで、2回目には歌える程、心を掴まれるインパクトのある曲でした」とその仕上がりに太鼓判を押している。実は今回、行定監督は作詞もボーカルの横山さんと共に執筆したそう。この件に関し、横山さんは「台本を読んだり、映画のプロトタイプを観たりした数日後、『ま、いいや』というフレーズとメロディーが一緒に出てきた。歌詞も考えるというよりは、感覚的に出てきたものだけれど、どうしても埋まらない部分が数か所あった。そこを行定監督にお願いしたところ、非常に艶のあるセクシーな響きのある楽曲に仕上がった」と大人の恋愛マエストロによる共作に満足気な様子を見せた。ひと足先に楽曲を聞いた主演の阿部さんは、「男の弱点と女の本音を、歌にした映画を彩るとてもセクシーな男の歌。作品にさらに軽妙なスパイスをふりかけてくれた剣さんに感謝しています」と喜びのコメントを寄せている。クレイジーケンバンドが現在ツアー真っ最中のため、残念ながら実現はしなかったものの、当初横山さんには主題歌のみでなく、伊豆大島の島の男かバーの店長として映画への出演依頼もあったそうだが、今回の主題歌制作で見事なコラボレーションを果たした行定監督と横山さん。果たして大人の恋愛マエストロたちは本作を彩る楽曲「ま、いいや」でどのような言葉を紡いだのだろうか?『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』は2013年1月26日(土)より全国にて公開。■関連作品:つやのよるある愛に関わった、女たちの物語 2013年1月26日より全国にて公開© 2012「つやのよる」製作委員会
2012年11月14日製作段階から注目を集めている阿部寛の最新主演作『つやのよる』。直木賞作家・井上荒野の同名小説を映画化する本作は、『今度は愛妻家』などの行定勲監督と阿部との初タッグや、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、荻野目慶子ら豪華女優陣の共演など、これまでにも多くの話題を提供してきたが、今度は阿部と元妻子役の大竹しのぶ、忽那が出会う緊張感のあるシーンの模様が解禁になった。その他の写真映画は、不貞の妻・艶に苦悩し続けてきた阿部の演じる松生が、ガンで艶が危篤状態にあることを、彼女が過去に関係した男たちに伝えにいくストーリー。総勢22人の大人の男女が入り乱れる恋愛群像劇だ。さて今回解禁になったのは、艶のいる病室で、松生と大竹が演じる元妻・早千子がニアミスをするシーン。6月下旬に撮影されたこのシーンは、南房総の「少年自然の家」を、舞台となる伊豆大島の病院に見立てて撮影。艶の病室にいる早千子に驚いた松生が、2階から駆け下りてきて病院の外の喫煙所で煙草に火をつけるが、病院のロビーにいた忽那扮する娘の麻千子がそれに気づき、声をかけるも、松生は出てきた早千子を察知してまた逃げ去ってしまうという場面だ。その一連を建物の内側からの引き、寄り、外からと行定組特有の長回しで撮影していくが、その度に阿部がダッシュで駆け下りてきて、カットの度に肩で息をしている。だが、阿部は「行定監督とは10年以上前にCMで1回だけご一緒させていただいて、映画にも出してくれないかな? って思っていたんですけど、今回やっと夢が叶いました」と充実の笑顔。「それに大竹さんとも今回初めて映像で共演できたし」。すると大竹が「でも言葉も交わしてない(笑)。それにしても変わった話よね(笑)」と本音をポロリ。それに対して忽那は「監督は大切なシーンほどテイクを重ねるから大変(笑)」と行定組の洗礼をたっぷり浴びている様子。「それに母親を初めて女性として意識し、自分もそれに近づこうとする感覚を表現するのは難しい」と語った。一方、今回デジタルでの撮影に初挑戦した行定監督は「武器を得た感じ。予算を気にせずに回せるからね」とうれしそう。「日本にはなぜロバート・アルトマン(『ショート・カッツ』)のような登場人物のアンサンブルで見せる映画がないのかな? と前から思っていた。それに、俺がずっとやってきた連作短編をこの捻じれた構造の中で1本の映画にするのは新しいと思ったんです」。聞けば聞くほど濃密で一筋縄ではいかない内容の本作、来年1月26日の公開がいまから楽しみだ。『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』2013年1月26日(土)全国ロードショー取材・文・写真:イソガイ マサト
2012年10月10日群像劇の名手・行定勲監督が、女流作家・井上荒野の人気小説を原作に映画化した最新作『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』。主演の阿部寛と豪華な女優陣の共演で、2013年のお正月映画として早くも注目を集める本作の撮影現場から潜入に成功!阿部さんと大竹しのぶ、忽那汐里による緊迫のシーンに立ち会った。小泉今日子を始め野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶと、大物女優から人気若手女優までバラエティに富んだキャスティングが目を引く本作。数々の男たちと不貞を重ねるひとりの女性・艶(つや)とその夫・松生を始め、彼女を巡る愛憎、親子の絆、欺瞞、純愛など男女の5つのドラマが巧みに絡み合っていく。撮影が行われたのは、千葉県・舘山。監督自らが「大島より、大島らしいんだよ(笑)」と満足気に語るこだわりのロケ地だ。現在も使われている歴史館を病室に見立てるため改装したもので、壁に貼られたポスター一つにしてもスタッフが用意したもので、阿部さんが「こだわりの人」と称賛する行定監督らしい徹底した仕事ぶりだ。本作で大竹さんと忽那さんが演じるのは、艶に心奪われ、その純愛に全てを捧げる男・松生に捨てられた母娘。今回のシーンの現場は、その2人が大島にあるに病院に入院中の艶を訪ねに来るという場面。その病院で大竹さん演じる母・早千子と忽那さん演じる娘・麻千子が、献身的に艶の看病をする松生に再会する。始めは自分の娘だと気づかずにいた松生も、「幸せですか?」という麻千子の意味ありげな言葉に、罪悪感から逃げ出してしまう。この重要なシーン、行定監督は少ないセリフの中でそれぞれの葛藤を見せるため、セリフの言い回しからカメラのアングルまで微調整を繰り返し、何度もテイクを重ねていた。3人のキャストたちも、撮影と撮影の合間もこの静かな緊張感に言葉少なげだ。しかし、その誰もが行定組に参加できたことに喜んでいるようだ。「集中する現場なんだって思ったし、一歩も言い訳できないっていうか、すごくやり甲斐があるし、楽しいですよ。10年以上前に、CMでご一緒させて頂いたんですけど、ずっと何かやらせてもらえないかなって思ってたんです。今回、その夢が叶った。お声がかかってすごく嬉しかったです」(阿部さん)、「言葉よりも感覚的なものを追及される方なんだと感じました。監督が目指すものに近づけるために、ワンシーンの中で一つの課題をクリアしたかと思うと、また違う課題がどんどん出てくる感じです(笑)」(忽那さん)と、「こだわり」という言葉が行定組初参加の2人の口をつく。しかし、過去に『遠くの空に消えた』で監督の“こだわり”を体験している大竹さん曰く「今回はスムーズな方(笑)」なんだとか。最後に、それぞれが演じる役柄について聞いてみると、「(松生は)純粋に艶を愛している男。艶という女性は色んな男たちに行き会っていく。それをずっと後ろから一身に追いかけていって、とても可愛らしい人物に思えます」と語る一方で、役作りのためにボロボロに心も体もヤツれたその姿は痛々しくすらあり、その裏にある壮絶な役づくりを想像しないわけにはいかない。そして娘・麻千子&母・早千子役の2人は、「松生を前にした母の、“女”としての部分を見届けないといけない複雑さと、大人になろうとしてもなれない葛藤を抱いた役だと思います。松生には憎しみを抱いている」と忽那さんが真摯に語ったかと思えば、大竹さんは「(早千子は女として)理解できない!捨てた男を許すなんて、絶対頭おかしいよね」と笑い、流石は大女優の余裕を見せていた。センチメンタルに、しかし生々しく男と女を描くその現場には、行定作品の独特の雰囲気が流れていた。今回のパートを含め5つの男女のドラマが展開するこの『つやのよる』。彼らがたどり着く先は、いったいどこなのだろうか?『つやのよるある愛に関わった、女たちの物語』は2013年新春、全国にて公開。■関連作品:つやのよるある愛に関わった、女たちの物語 2013年1月26日より全国にて公開
2012年10月10日今年で34回目を迎える映画祭「PFFぴあフィルムフェスティバル」が、18日から28日まで東京国立近代美術館フィルムセンターで開催。そのメインプログラムにあたり、世界最大級の自主映画コンペティションである「PFFアワード2012」の表彰式が28日に行われ、最終審査員を務めた高橋伴明監督、行定勲監督、写真家の川内倫子氏、俳優の新井浩文、映画プロデューサーの川村元気氏が各賞を発表した。その他の情報グランプリに輝いたのは、鶴岡慧子監督の『くじらのまち』。仲良し高校生男女3人組のすれ違う心の揺れを瑞々しく描いた青春群像劇の本作は、グランプリに加えてジェムストーン賞(日活賞)も受賞し見事2冠を達成した。鶴岡監督は「まるで不意打ちのような感じ。本当に光栄ですし、仲間と一緒に(壇上に)立つことができて胸がいっぱいです。ここにいるみんなの後押しがなければ、映画は完成しなかった」と受賞の喜びをかみしめた。最終審査員を代表し、グランプリを発表した新井は「自分にとって、自主映画かどうかはどうでもよくて、とにかく作品として面白いかどうかで判断させてもらった。まあ、どの作品も鼻で笑っちゃう部分があったが、『くじらのまち』はそれが一番少なかった」と辛口な総評で、参加者にエールをおくった。本年度は522作品のエントリーから、16作品を選出し、グランプリをはじめ各賞を競い合った。受賞結果は以下の通り(年齢はすべて撮影当時)。最終審査員の選ぶ3賞5作品およびPFFパートナーズの選ぶ3賞受賞者は、第24回PFFスカラシップへの挑戦権が得られる。グランプリを受賞した『くじらのまち』は第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門にて招待上映される予定になっている。【最終審査員が選ぶ3賞】●グランプリ『くじらのまち』 鶴岡慧子監督/23歳/長野県出身●準グランプリ『魅力の人間』 二ノ宮隆太郎監督/25歳/神奈川県出身●審査員特別賞『あん、あん、あん』 イノウエ カナ監督/22歳/京都府出身『故郷の詩』 嶺豪一監督/22歳/熊本県出身『stayチューン』 伊藤智之監督/26歳/千葉県出身【PFFパートナーズが選ぶ3賞】●エンタテインメント賞(ホリプロ賞)『かしこい狗は、吠えずに笑う』 渡部亮平監督/24歳/愛媛県出身●ジェムストーン賞(日活賞)『くじらのまち』 鶴岡慧子監督/23歳/長野県出身●映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)『かしこい狗は、吠えずに笑う』 渡部亮平監督/24歳/愛媛県出身【特別設置】●日本映画ペンクラブ賞『Please Please Me』 青石太郎監督/22歳/東京都出身取材・文・写真:内田 涼
2012年09月28日世界的に活躍する作曲家・冨田勲の新制作「イーハトーヴ」交響曲・世界初演公演の制作発表が8月27日に都内で開催。ヴァーチャルシンガー、初音ミクの出演が発表された。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演の公演情報冨田勲は、シンセサイザーの可能性にいち早く着目するなど、独創的な音楽技法を追求し続け、特に電子音楽の分野で世界的評価を得てきた。1974年よりビルボード・クラシカルアルバムチャート連続第1位(『月の光』、『展覧会の絵』、『惑星』)を獲得。日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされるなど、音楽シーンの最先端を歩んできた。今年80歳を迎えた世界的巨匠が新制作する「イーハトーヴ」は、構想に10余年をかけた大作。『注文の多い料理店』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『雨にも負けず』など、宮沢賢治の作品を題材にして、人間や自然を超越した宇宙的な力を音楽で描くという壮大なものだ。今回の制作発表でのビッグニュースは、何といってもヴァーチャルシンガー、初音ミクの起用だろう。作曲者自身の熱烈オファーにより実現したという驚きのコラボ。PC用の音声合成ソフトの一種である初音ミクが、冨田勲の交響曲の中でどのように登場するのか。記者会見では『注文の多い料理店』を題材にした楽曲「猫のレストラン」を例にあげて、構想の一端が明かされた。「料理店(山猫軒)の中に人は出てこない。声だけはどこかから聞こえてくるけれど、ボーイの案内もない。色々な部屋に通されて、結局は自分たちが食われるということ分かる。逃げ出そうとしたけれど逃げられない。そこで、突然サーカスみたいな音楽とともに初音ミクが出てきて『わたしは初音ミク、かりそめのボディ』と歌うんです。ミクロの世界、パソコンの中にしかいられないミクが、もうあなた方も出られないんですよ、と暗示する訳です」他にも『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』などの楽曲の重要なポイントで登場するという。「異次元からきた、何者か分からないもの、宮沢賢治の世界観を表現するには初音ミクしかないんです」と、起用の理由を冨田勲は熱く語った。これまでの初音ミクのコンサートといえば、事前にCGで作成したミクのパフォーマンス動画に合わせて、バンドやコーラスが演奏するというスタイル。今回は逆に、大友直人の指揮、日本フィルハーモニー交響楽団と合唱団の総勢300名の演奏に合わせて、初音ミクがライブで歌い、踊るという新しい試みになる。「技術的なハードルが高いですが、目処は立ってきました。電子音楽の歴史に残る冨田先生と初音ミクのコラボは、非常に野心的な試みです」と、初音ミクを手がけるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之も意気込みを語る。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。チケットは発売中。
2012年08月29日阿部寛の最新主演映画『つやのよる』(行定勲監督)の伊豆大島ロケの模様がついに解禁! 真木よう子、永山絢斗も参加した7月4日の島での撮影初日で早くも、阿部の俳優としてのスゴさを目の当たりにすることができた。その他の写真映画は、不貞の妻・艶に苦悩し続けてきた阿部の演じる松生が、ガンで艶が危篤状態にあることを、彼女が過去に関係した男たちに伝えにいくストーリー。だが、その日撮影されたのは、かつて艶がストーカーをしていた若い男・優(永山)とその息子が海辺で石を投げて遊んでいるところを、上の道を自転車で通りかかった松生が見つけ、彼らに石を何粒も投げて走り去るコミカルなシーン。思いきり石を投げる松生の頬がこけ、真っ黒に日焼けしている様に思わず笑ってしまう。行定監督は、「(阿部さんに)最初にお会いしたときに『何キロ痩せればいいんですかね?』ってそれが一言目で、その後、自分で『11キロだな』と言ってたんです。そしたら撮影初日から目がギラついていて、俺の想像していた松生像を身体で凌駕していたんだよね」と教えてくれる。だが減量することだけで、クソ真面目で、真っ直ぐ妻のことだけを思っている松生像を作り上げたわけではない。それが分かったのは、阿部のちょっとした行動から。石を投げた後、自転車で緩やかな坂を猛スピードで駆け下りていく一連を例によって何テイクも撮ったのだが、普通はスタッフがスタート位置まで戻す自転車に阿部が跨り、上り坂を毎回必死に漕いで上がってきたのだ。すると「松生もしょっちゅう自転車に乗っているから、痩せているけど、下半身は筋肉質じゃないのかなと思って」と阿部。永山も「以前『トリック』のスペシャルに出させてもらったことがあるんですけど、そのときの阿部さんとまた印象が違って。いまも、走り去っていくときに俺に向ける顔が毎回微妙に違うんですよ」と証言する。一方、優の恋人・百々子に扮した真木は「なぜ私が百々子なの? と思ったぐらい自分とは真逆の女性」と言いつつ、初めての行定組に充実の表情を浮かべる。「監督にずっとやりたかったと言ってもらえたし、自分の素を出さないように頑張ります」。そんな俳優陣の新たな顔が見られるのも本作の魅力。期待は高まるばかりだ。『つやのよる』2013年新春全国ロードショー取材・文・写真:イソガイ マサト
2012年08月08日独特の視点から男女、親子、友達、はたまた無関係な人々まで様々な人間模様を巧みに描き出す群像劇のマエストロ・行定勲監督の最新作『つやのよる』。先日、主演の阿部寛を始め、行定作品史上最も豪華かつ最大規模となる22人の主要キャスト陣が名を連ねている本作の撮影現場に潜入!女の業がぶつかり合う壮絶バトルに遭遇した。数々の男たちと不貞を重ねる一人の女性・艶と、その夫・松生春二を始め、彼女を巡る周りの人々の愛憎、親子の絆、欺瞞、純愛とそれぞれのドラマが展開していく群像劇。艶の夫・春二を演じる阿部さんに加え、このほどこの奔放な艶という一人の女性に困惑させられる6人の女性を演じる豪華女優陣の名が発表に!小泉今日子を始め野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶと、大物女優から人気若手女優までバラエティに富んだキャスティングが目を引く。今回潜入したのは、女のプライドが火花を散らす世にも恐ろしき修羅場のシーン。艶の従兄で彼女にとって最初の男である小説家・石田行彦の妻・環希を演じる小泉今日子と、行彦の愛人・伝馬愛子を演じる荻野目慶子が真っ向から対決するというシーンである。行定監督も「理想通りの豪華なキャスティングとなって最高です」と頬を緩ませながら、この2人については「映画の歴史を考えても面白かった!」とその配役にニヤリと含みのある笑みを浮かべる。納得がいくまでテイクを重ねる“こだわりの人”として知られる行定監督だが、そのうわさに嘘偽りがないことが確認できた。小泉さんと荻野目さんが現場に入るまでに、幾度にもわたりテスト撮影が行われ、150人ものエキストラたちへの演技指導、カメラワークの確認と本番を前に疲弊してしまうのでは…と思うほどの綿密さ。1時間半ものテスト撮影を経てようやく登場した小泉さんと荻野目さんは2人共に穏やかな表情を浮かべていたが、これから修羅場を繰り広げるとあって、その臨戦態勢のオーラに現場の空気は一瞬にしてピンっと張り詰めたものに変わった。2人が鉢合わせするのは、行彦が執筆した「つややかな獣」の授賞式パーティの場。着物姿で一見慎ましやかに見える環希と、本作の原作者・井上荒野自ら「異様な衣裳」という全身純白の愛子が対決を迎える。2人は互いに面識はないものの、その存在は知っており、互いに快く思っていないという泥沼の関係が空気からひしひしと伝わってくる。そして監督からの「スタート!」の合図。会場で挨拶を交わしながらもその裏側に毒を潜ませ言い争いを始める2人は、次第にヒートアップしていくのだが、愛子の口から明かされるのは、行彦が真に愛するのはどちらでもなく“艶”であること。「行彦に犯されてるのよ!しょっちゅう犯されてるのよ!艶の代わりに」と豹変する愛子をよそに、「少々、狂ってらっしゃる」としたり顔の環希。ついに限界を迎えた2人は、手に持った赤ワインを服に、顔に掛け合うまでに…。その赤ワインが血のようにも見えるおぞましいほどの女の業のぶつかり合いが交わされた。そこへ監督の「カット!」の声がかかり一瞬の静寂の後、拍手が沸き起こり、会場は糸が切れたように和やかな雰囲気に。行定監督もニヤリと満足気な表情を浮かべていた。その後、このシーンを監督は「『イケーッ!』と思いながら見てました(笑)」と楽しげに明かしてくれた。また、当の小泉さんも「不倫相手との対決シーンは楽しかった」といい、作品について「まさに大人のアンサンブル!こういう作品って日本にはあまりないような気がします。そして力強いキャスティング。これが面白くないわけありません!」と強くアピールした。はてさて、この修羅場の行く末は?まだ明かされていない豪華キャストの面々に期待しつつ、新たな続報を待ちたい。『つやのよる』は2013年新春、全国にて公開。■関連作品:つやのよる 2013年新春、全国にて公開
2012年07月13日阿部寛と行定勲監督のタッグで直木賞作家・井上荒野の同名小説を映画化した『つやのよる』。本作に小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶ、荻野目慶子が出演していることが明らかになった。また、6月上旬、都内某所にて小泉と荻野目による女の壮絶な“戦い”のシーンの撮影が行われ、報道陣に公開された。その他の写真自由奔放で謎めいた女性の艶(つや)と関わった人々の姿を描く群像劇で小泉は、艶の最初の男である小説家を夫に持つ女・環希を演じる。この日、撮影されたのは文学賞の受賞パーティ。環希は荻野目が演じる、夫と愛人関係にある評論家の愛子から、夫の小説が実は艶をモデルにしていると知らされる。そこから女の意地とプライドがぶつかり合い、互いにグラスの中身を相手にぶちまけ、掴み合いのケンカにまで発展する。150人ものエキストラを集めたこのシーン。原作者の井上も現場を訪れ、エキストラとして参加。数分におよぶ長回し、特にワインをぶちまけての大立ち回りは一発勝負だけに念入りにリハーサルが繰り返される。いよいよ本番、徐々にヒートアップし、ついに愛子が激高し環希にワインをかけると、それを合図にテーブルに並ぶグラスの中身を互いにかけあい、憎悪をむき出しにして取っ組み合う。行定監督の「OK」の声が響くと、一瞬の静寂ののち拍手がわき起こった。小泉は「対決シーンは楽しかった。実人生では経験したことのない、女同士の取っ組み合いというのを3回戦! 次の日、激しい筋肉痛になるほどの戦いでした(笑)」とふり返った。小泉以外の女性キャストでは、野波は艶の最初の夫の愛人、真木は艶がストーカーになってまで追い求めた男の恋人、風吹は艶の愛人だったかもしれない男の妻を演じている。また大竹と忽那は親子役で共演。阿部が演じる艶の夫・松生の前妻とその娘という役柄を演じる。錚々たる女優陣との共演に主演の阿部は「こんなに素敵な女優さんたちと映画で共演できてうれしいです」とコメント。行定監督は「複雑で曖昧な男女の物語をこの女優たちが生々しく演じています。既にそれぞれのこんな顔が観たかったというカットが撮れていますから、期待していて下さい」と自信をのぞかせる。『つやのよる』2013年新春全国ロードショー取材・文・写真:黒豆直樹
2012年07月13日主演作『テルマエ・ロマエ』が興業収入50億円を超える大ヒットとなっている阿部寛が、行定勲監督が手がける新作映画『つやのよる』に主演することが発表された。そのほかの情報『つやのよる』は直木賞受賞経験もある女流作家・井上荒野による同名小説の映画化。奔放な妻に振りまわされながらも、愛のために生きる男を主人公にした恋愛群像劇だ。癌に冒され、昏睡状態に陥った妻の艶(つや)を前にして夫・松生がひらめいたのは、彼女が関係を持った男たちにその死を知らせるということ。艶の危篤に動揺する男たち。そして見知らぬ女と、自分の夫や恋人、父親が肉体関係を持っていたことを感じ取り、困惑する女たち。総勢22名の男女が、繰り広げる人間関係の中に、恋の本音を描き出す。メガホンを執るのは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『今度は愛妻家』など数多くの恋愛ドラマを手掛けてきた行定監督。映画化に際しては、「原作を読んだ時に阿部寛さんのことが頭をよぎりました。不貞を犯す妻を真面目に実直に愛する姿がぴったりだと思ったからです。実際にお会いした阿部さんの印象はまさに私の思い描いていた通りでした。阿部さんの醸し出すユーモアが大好きです。それがこの映画のエッセンスになればいいなと思っています」とコメントしている。これを受けて阿部は「いままでやったことがない世界観の作品を存分に味わいたい。行定監督の妥協せず、まじめに作品に取り組む、その世界にどっぷりつかって楽しみたい」と意欲十分といった様子。破天荒なローマ人役で話題をさらった阿部が、愛に悩む男の姿でどのような大人の“艶”を見せてくれるのか、早くも期待が高まる。映画は現在撮影中で、7月中旬のクランクアップを予定。公開は2013年新春となる見込みだ。『つやのよる』2013年新春全国ロードショー文:渡部あきこ
2012年06月18日これまで不貞な夫に悩まされる妻の愛と苦悩を描いた作品は数多くあったが、その逆はどうだろうか?奔放な一人の女をめぐる、男と女が織り成す恋と性の物語を綴った直木賞女流作家・井上荒野(いのうえあれの)の傑作恋愛小説「つやのよる」がこのほど、行定勲監督の手で映画化決定!豪華キャストが集結する本作で、不貞の妻に振り回されながらも愛に生きる主人公を阿部寛が演じる。原作は、「切羽へ」で直木賞を受賞し、多くの女性ファンをもつ女流作家・井上荒野が2010年に発表した恋愛小説。妻・艶の度々の不貞に悩まされてきた男・松生だが、そんな妻が癌に冒され、昏睡状態に陥ってしまった。何度裏切られても献身的に妻を愛してきた男にある考えがひらめく。それは、艶が関係を持った男たちに、彼女の死を知らせるということ。だが、艶という女性の危篤を知らされた夫の、恋人の、父のそれぞれの様子から艶との肉体関係に感づいてしまった女たちは、突然自分たちの人生に割り込んできた一人の女性の存在に困惑。よく知っているはずの「男」が自分の知らない顔を見せたとき、彼女たちは「自分の男」を見つめ直すのである…。艶をめぐる22人の男と女を豪華キャストが演じる恋愛群像劇となる本作で、愛に生きる男・松生を演じる阿部さん。近々の主演作では、『麒麟の翼』の刑事役や『テルマエ・ロマエ』の古代ローマ人など個性が際立つ役が続いたが、180度異なる役への挑戦に「いままでやったことがない世界観の作品を存分に味わいたい。行定監督の妥協せず、真面目に作品に取り組む、その世界にどっぷり浸かって楽しみたい」と意気込み十分。一方、『春の雪』や『今度は愛妻家』など恋愛映画を得意とする行定監督は、阿部さんの主役抜擢について「原作を読んだときに阿部寛さんのことが頭をよぎりました。不貞を犯す妻を真面目に実直に愛する姿がぴったりだと思ったからです」。「実際にお会いした阿部さんの印象はまさに私の思い描いていた通りでした。阿部さんの醸し出すユーモアが大好きです。それがこの映画のエッセンスになればいいなと思っています」とラブコールを贈る。阿部さんが見せる愛のかたち、女が見る愛のかたちとは――。“艶男”と“艶女”たちが魅せる新たな恋愛劇に期待!6月から撮影を開始している本作は、7月中旬まで撮影を行い、10月に完成を予定している。『つやのよる』は2013年新春、全国にて公開。■関連作品:つやのよる 2013年新春、全国にて公開
2012年06月16日日本が世界に誇る作曲家・編曲者・シンセイサイザー奏者の冨田勲による新制作交響曲「イーハトーヴ」が、11月に世界初演されることが決定した。冨田勲新制作交響曲「イーハトーブ」世界初演の公演情報1950年代より、数々のテレビ番組、コマーシャルや映画、手塚治虫のアニメーション作品などで音楽を担当し、多くの名曲を生み出してきた冨田勲。また、日本の電子音楽の草分け的存在としても活躍。シンセサイザーを駆使した「管弦楽曲の電子音による再創造」という独自の芸術手法は、世界各国で高い評価を得、アルバム『月の光』(1975年)、『展覧会の絵』(1976年)、『惑星』(1977年)は全米ビルボードクラシカルアルバムチャート第1位を獲得。日本人で初めてグラミー賞にノミネートされ、多くのアーティストに影響を与えてきた。40年以上にわたり新たな音楽を開拓し続け、80歳の節目を迎えた冨田勲が、新たに世界に向けて発信する新曲は、宮沢賢治による造語「イーハトーヴ」(※)をタイトルにした交響曲だ。宮沢賢治の精神、東北の大自然、そして冨田勲の音楽が、フルオーケストラと大合唱が織り成す演奏で壮大に描かれる。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。指揮は大友直人、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団が担当する。チケットの一般発売は6月23日(土)10時より。また一般発売に先駆け、6月16日(土)10時よりチケットぴあで最速先行が受付開始となる。※イーハトーヴ…宮沢賢治の造語。宮沢賢治の心象世界中にある理想郷を指す言葉で、故郷の岩手県をモチーフにしたと言われている。
2012年06月15日韓国出身の男性4人組ボーカルグループ、2AM(トゥーエーエム)が、4月18日(水)に2ndシングル『電話に出ない君に』をリリースする。同シングルには、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(行定勲監督)の主題歌としても有名な平井堅の楽曲『瞳をとじて』のカバーも収録される。2AMの公演チケット情報日本デビュー・シングルでは、久保田利伸の楽曲『Missing』のカバーを収録し話題を呼んだ2AM。2ndシングルのタイトル曲は、2010年に韓国でヒットし、彼らの代表曲となっている美しく切ないバラード『You Wouldn’t Answer My Calls』の日本語バージョンで、『瞳をとじて』と併せて、感動の涙を誘いそうだ。なお、2AMの日本デビュー・シングル『Never let you go~死んでも離さない~』(1月11日発売)は、2012年1月度の全国AMエアプレイチャートで1位を獲得(プランテック調べ)。人気絶頂のK-POPだが、デビュー・シングルで同チャートを制したのは2AMが初という快挙を達成している。
2012年02月09日山本裕典、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿、福士誠治という、実力を兼ね備えた5人の若手俳優が出演する舞台『パレード』。この作品が1月16日、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕した。本作は、『悪人』『パーク・ライフ』などでも知られる吉田修一による2002年山本周五郎賞受賞作の小説が原作。この小説に惚れ込んだ行定勲が2010年に自ら脚本も手がけ映画化、今回の舞台版も演出を担当している。脚本は『世界の中心で、愛をさけぶ』など、映画化された作品の舞台版も手がけているモダンスイマーズの蓬莱竜太。小説と映画版が5人の登場人物それぞれの独白をオムニバスとして構成しているのに対し、舞台版は5人が暮らす2LDKのマンションでの生活を時系列に見せる形をとった。また、小説とも映画版とも全く違ったラストを用意しているのも注目すべき点だ。物語は都内の古びた2LDKのマンションが舞台。ここに年齢も職業も異なる4人の若者がルームシェアしている。先輩の彼女に恋する大学3年の良介(山本)、若手人気俳優と熱愛中らしい無職の琴美(本仮屋)、飲んだくれのイラストレーター兼雑貨屋店長である未来(原田)、映画会社勤務で一番しっかりしていそうな直輝(福士)。細かい生活ルールも喧嘩もなく、他人に踏み込みすぎぬよう一見楽しく日々を送る彼らの前に、ある夏、男娼をするサトル(竹内)が現れ、同居することになる。近所で女性を狙った通り魔事件が頻発していたこの頃、サトルの同居を機に、徐々に4人の住人の心の闇が露わになる。時は過ぎ冬、またも通り魔事件が起こる。それでもサトルを除く4人は表面上当たり障りのない生活を続けていて……。ルームシェアを支える兄貴的な役割を果たす、福士演じる直輝は舞台版のキーマン。一見、コミュニケーション能力に長けていそうなのだが、時おり電話でキレまくり、物語に不穏な空気をもたらす。また周りの雰囲気に流されて、つい盛り上げ役を買って出てしまう良介役には山本が扮する。5人の中では一番素直な性格で、共同生活に波風が立たないよう注意を払っている。酒に飲まれて常に生活に嵐を巻き起こす未来役の原田、一見平穏な共同生活に疑問を投げかける得体の知れないサトル役の竹内は好演。働きもせず一日中熱愛中らしい有名俳優の連絡を待ち続ける琴美役の本仮屋は、後半になるにつれ大人しい佇まいが不気味に感じられた。登場人物の誰かがストーリーを引っ張る芝居ではない。マンションで共同生活を送る5人の若者の生態を通して、彼らの無自覚な残酷さや心の隔たりをあぶり出す舞台だ。東京公演は1月27日(金)まで同劇場にて。2月4日(土)・5日(日)は大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演する。チケットはいずれも発売中。
2012年01月18日吉田修一の人気小説を舞台化した「パレード」の公演初日を前に1月15日(日)、通し稽古の模様が報道陣に公開。一昨年の映画化に続いて本公演でも演出を手掛ける行定勲と山本裕典、福士誠治が取材に応じた。山本さん、福士さん、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿を迎えて舞台化された本作。都会でルームシェアをする若者たちの心の闇を暴き出していく。公演初日を翌日に控え、山本さんは「ずっと稽古してきてチームワークもいいし、それぞれが台本を深く読みこんで自分なりの『パレード』を考えてきました」と晴れ晴れとした表情。行定監督は「自分で映画を演出しているのを忘れて全く別物としてやってます。かなりいい仕上がりになっていると思います」と自信をのぞかせる。山本さんは見どころとして「パンツをさらしてます!」とセクシーショットを告白。行定監督から「見せたいんだよね?」とツッコまれると「さらしたいんです」と頷き、「(パンツは)いくつか用意してもらっています。見てのお楽しみで(笑)」と期待をあおった。福士さんは「小説、映画とあって、今回の舞台ではラストが少し変わっています」と見どころを明かすも「一番言いたいけど言っちゃいけないところ(笑)。舞台では珍しく、雨を降らしてもらってびしょ濡れになりますが、それ以上は言うなと言われています」と原作、映画との違いをほのめかした。行定監督も「映画では(原作の)2~3歩先を見せましたが、舞台はかなり先を見せてます。そこをやりたかったんです」と強い思い入れを明かした。ちなみに、山本さんは公演中の1月19日に24歳の誕生日を迎えるが「まだまだ若いと思ってましたが(笑)、大人に近づいてます。良い1年のスタートにしたい」と抱負を語るが、「プレゼントは?」と報道陣から尋ねられた行定監督、福士さんはあっさりと「しないですね」と即答。山本さんは「女性陣には優しいのにメンズにはあたりが厳しいですよね」と苦笑いを浮かべていた。舞台「パレード」は1月16日(月)より29日(日)まで東京・天王洲銀河劇場にて、2月4日(土)、5日(日)に大阪・シアター・ドラマシティにて上演。■関連作品:桜蘭高校ホスト部 2012年3月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 葉鳥ビスコ・白水社/映画「桜蘭高校ホスト部」製作委員会■関連記事:山本裕典「120%はじけたい」人気ドラマ『桜蘭高校ホスト部』映画化決定!
2012年01月16日2010年に行定勲監督により映画化された『パレード』の、舞台版の制作発表が10月26日に行われ、演出を手掛ける行定と、出演する山本裕典、福士誠治、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿が会見に出席した。『パレード』チケット情報舞台作品の原作となる『パレード』は、吉田修一が2002年に山本周五郎賞を受賞し、話題となった小説。都内のマンションでルームシェアをしている4人の若者たち。そこへ男娼をしている男が現れ、なんとなく一緒に住む事になるのだが、同じ頃、近所で女性を狙った連続暴行事件が起こり始める。一方で、お互いを干渉せずに過ごしてきた4人の日常が少しずつ変化していき……。会見で行定は「『パレード』は、僕にとっての集大成になった映画です。これを演劇化するという話を聞いて、他の人にやられたくないな、という気持ちがあって。(原作は)時代を凌駕した若者像を捉えた小説で感銘を受けました。それをまた演劇でやらせていただくのは光栄」と話し、映画は自身でシナリオを書いたが、舞台版では「蓬莱竜太さんという、ずっと一緒に仕事をしたかった若手の作家の方に頼みました。自分で作った映画版を裏切ろうというのがテーマなんで、すごくそこは自分自身楽しみにしています」と映画との違いも明かした。また、演じる側の山本は「舞台ならではの見せ方で、舞台を見に来た人をひとりでも多く魅了したい」と意気込みを語ったかと思えば、ルームシェアをしたら見られたくない姿はと言う質問に、「友達の家に遊びに行った時に、夕飯をご馳走になった後、トイレで大きい方をしたら音が鳴ってしまって。それを友達に聞かれて大爆笑されました」と恥ずかしい話をポロリ。同じ質問に本仮屋も「眠っている時の顔がよくないと友人に言われて。それから寝る時は暗くして見られないようにしてます」とマル秘エピソードを告白。この日が初対面という人もいる中、会見の場ですっかり打ち解けた様子だった。そのやりとりを横で聞いていた福士と原田は苦笑しつつも「(秘密を抱えている役で)映画とは違った裏切りを見せられるんじゃないかなと思います」(福士)。「自分が今までやったことがない役で、(自分とは)違うキャラクターですが楽しみです」(原田)とそれぞれ意欲を語った。この日18歳の誕生日を迎えた竹内は「男娼(という言葉)すらも知らなくて。想像もつかないし、どうやって演じたらいいか解らなくて……」と難しい役どころに悩みながらも、「この先輩方と一緒にできるのが嬉しい」と明るく答えていた。舞台『パレード』は、2012年1月16日(月)から29日(日)まで東京・天王洲銀河劇場、2012年2月4日(土)から5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。チケットは、東京公演は現在プリセール(WEB先着先行)実施中、大阪公演は10月27日(木) 21:00より実施。10月29日(土)より一般発売開始。
2011年10月27日「お湯に浸かったような気分にさせてくれた」――。共演した吉高由里子はそんな独特の言葉で彼を評し、メガホンを握った行定勲監督はカメラマンが現場でつぶやいた「彼の何を撮っても映画になる」という言葉に唸った。徹底した役作りで知られ、幅広い作品に出演する韓国の名優、ソル・ギョング。釜山を舞台にしたオムニバス映画『Camellia カメリア』の一篇「Kamome」では、昔気質の映画カメラマンの男を演じ、ひょんなことから出会ったかもめという名の不思議な日本人の少女と夜の街をさまよう。行定組の感想は?吉高さんとの共演は?彼の体から発せられる、ふと身を任せてしまいたくなるような自然体で安心感を誘うオーラの秘密は?映画の公開を前に来日を果たしたソル・ギョングに話を聞いた。行定監督は、まさか本当に彼が出演してくれるとは思っておらず、ダメ元でオファーを出したそうだが、ソルはオファーが届くとすぐに出演を即決した。「脚本が素晴らしかったし、何より行定監督からのオファーだったのですぐにOKしました。断る理由はなかったですね」。過去に日韓共同制作の『力道山』に主演し、日本人の俳優と共演経験はあるが、日本人監督との仕事は初めて。「ときめくような時間を過ごすことができた」と撮影をふり返る。「最近の韓国映画は、作品も撮影もとってもスピーディーで、じっくり映画について考えるヒマもないんだ。でも今回、行定監督は私に十分な時間をくれた。流れに身を任せるように現場に溶け込んでいくことができたし、撮影が始まってもデジタルではなく、フィルムが回るカタカタという心地よい音と共に、とても長い息づかいの中で芝居をすることができた。それは役者にとっては最高に興奮する瞬間なんだ」。どこか煮え切らない思いを抱えたカメラマンのパクと、裸足で冬の釜山を歩く少女・かもめ。街の喧騒と2人の静かな心の営みを幻想的に描いたこの作品が持つ、韓国映画にはない独特のセンスをこう説明する。「『Kamome』は日本的な情緒を感じる作品だと思います。韓国映画はストレートで、伝えたいことを直接表現することが多いけれど、幻想的な雰囲気、儚い情緒を持っており、舞台は釜山だけれども、日本の良さを感じる作品です」。さらに吉高さんについて「強烈な“匂い”を持った女優」と語る。「“香り”じゃなくて“匂い”。彼女の撮影期間は5日間だけだったけれども、すぐにスタッフやキャストの心をわし掴みにしたんだ。そして撮影が終わってしまうと彼女が演じたかもめのように、忽然と姿を消した。私たちは彼女の残した足跡から寂しさを強く感じたよ。言葉は通じなくてもハートでコミュニケーションをとれる素晴らしい女性だと思う」。最後にソル自身について。文芸作品から娯楽まで幅広い作品で全く異なる役柄を演じ分けるが、自然に役柄に入り込み“変身”してしまう秘訣は?「俳優として普段から特別に心がけているということは特にないんです。毎日学習しているつもりでも、なかなか上手くいかない自分に苛立ちを感じたり、辛くなったりすることもある普通の人間です。でも、『平凡であろう』と努力はしているかもしれないな。あなたの隣に住んでいる人を自然に演じるために…。だからみんなに混じって、街の屋台でビールを飲んだりしているんですよ(笑)」。ソル・ギョングが体現する“自然”と吉高由里子が日本から持ち込んだ“非日常”。海辺の街で混じり合った2つの風が物語をどこへ運んでいくのか見届けてほしい。(photo:Kim Hongki)特集『Camellia カメリア』■関連作品:Camellia カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 BALCON/SIDUS FNH■関連記事:本仮屋ユイカ、寝顔は残念?「良くないって評判です」来年こそは行ってみたい?ココだけの釜山国際映画祭の楽しみ方を伝授!吉高由里子×行定勲監督インタビュー“放し飼い”から生まれた“風”のような一篇韓国の名優ソル・ギョング、吉高由里子の第一印象は「中学生くらいかな?」吉高由里子、韓国で行定勲監督に「放し飼いにされました」
2011年10月26日2002年に山本周五郎賞を受賞し、行定勲監督によって映画化された「パレード」が、行定監督自らの演出で舞台化されることになり、10月26日(水)、都内で製作記者会見が行われた。出演するのは山本裕典、本仮屋ユイカ、原田夏希、竹内寿、福士誠治という人気、実力を兼ね備えた若手俳優たち。都内の2LDKマンションでルームシェアをして生活する若者たちの無機質な人間関係を通して、現代人が抱える閉塞感と狂気をえぐり出す群像劇で、「個人的にはホラーだと解釈している」(行定監督)。一方、出演者は「僕自身、ルームシェアには向いていないかも。他人にはぐいぐい踏み込むけど、他人には踏み込まれたくない性格なんで(笑)」(山本さん)、「私は寝顔が良くないって評判なので、誰かとルームシェアしても、それだけは見られたくないですね」(本仮屋さん)とこれから舞台上で始まる“共同生活”への思いを語った。行定監督にとって映画『パレード』(’09)は「集大成と言える作品だった」。それだけに「演劇化を他人にやられたくないなと思った」といい、「確かに一度作り上げたものを、作り直すには大変だと思うが、逆にとても光栄で新しい挑戦になると感じている」と意気込み十分。行定監督が脚本を担当した映画版に対して、今回、シナリオを手がけるのは演劇界で注目を集める蓬莱竜太である。「シナリオを若い蓬莱さんに託すことで、映画版を裏切ろうという気持ち。どんな化学反応が生まれるか、自分自身も楽しみにしている」と期待を寄せる。もともと「一年のうち、映画よりも演劇を観る回数が多いと思う」と演劇ファンを自認する行定監督。すでに頭の中には、演劇的要素をいかに組み入れていくかイメージが沸いているのだとか。山本さんは「一つの空間にいながら、どこか自分たちを俯瞰する若者。そしてそれを外から見ている自分がいるという映画の独特な世界観に魅了された。今度は僕らが、舞台ならではの見せ方で(観客を)魅了できたら」。本仮屋さんが扮するヒロイン・琴美は、映画版では本仮屋さんの大親友である貫地谷しほりが演じており「お互いすごく驚いた。『絶対観に行く』と言ってくれたので、その日は一番緊張しそう」とプレッシャーを感じている様子だ。「(映画とは違う)新たな世界観で、いい意味で裏切りを見せることができれば」(福士さん)、「いままでやったことがないタイプの役どころなので、どう役作りをしようか考えている」(原田さん)。この日18歳の誕生日を迎えた竹内さんは、男娼役という難しい役どころで「そもそも男娼というものすら知らなかったので、どういう気持ちで演じたらいいか…。先輩方との共演は嬉しい反面、プレッシャーもありますが、先輩方に負けないよう頑張りたい」と抱負を語った。舞台版「パレード」は東京・天王洲 銀河劇場で2012年1月16日(月)〜1月29日(日)、大阪・シアター・ドラマシティで2月4日(土)〜2月5日(日)にて上演。東京・大阪公演ともに10月29日(土)からチケットの一般発売が始まる。■関連作品:パレード 2010年2月20日より渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会Camellia カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 BALCON/SIDUS FNH■関連記事:『カメリア』ソル・ギョングインタビュー「平凡であろうと、努力はしているかもしれない」来年こそは行ってみたい?ココだけの釜山国際映画祭の楽しみ方を伝授!吉高由里子×行定勲監督インタビュー“放し飼い”から生まれた“風”のような一篇韓国の名優ソル・ギョング、吉高由里子の第一印象は「中学生くらいかな?」吉高由里子、韓国で行定勲監督に「放し飼いにされました」
2011年10月26日10月6日から14日まで、9日間にわたり開催された第16回釜山国際映画祭(BIFF:Busan International Film Festival)。今年の観客総数は196,177人、報道陣を除いたゲストは8,828人、マスコミは2,440人!ものすごい数です。シネマカフェにも現地からレポートが届けられていましたが、このレポートでは映画にまつわる観光を交えた初の釜山旅行記をお届けします!釜山というとビーチリゾートというイメージがあり、映画祭も昨年までは水営湾オリンピック・ヨットハーバーの特設会場で開幕式が行われていました。けれど、今年は釜山で一番注目されている新しいショッピング街、センタムシティに釜山国際映画祭のための専用劇場“映画の殿堂”が誕生し、この新しい巨大な建物がメイン会場に。約4,000人を収容できる屋外シアターでのセレモニーで幕が開き、オープニング作品『ただあなただけ(Always)』の主演カップル、ソ・ジソプとハン・ヒョジュを始め、日本人俳優初の審査員として参加のオタギリジョー、韓国のトップスターのチャン・ドンゴンなど国内外のゲストがレッドカーペットを歩きました。ちなみに、オープニングチケットは7秒でソールドアウト!BIFF史上最速で売り切れとなったそうです。映画祭の上映は、映画の殿堂を中心に、映画の殿堂の目の前にあるロッテ百貨店内の「LOTTE CINEMA Centum City」や世界最大規模の百貨店としてギネスブックにも載った新世界百貨店内の「CGV Centum City」など、5つの劇場36館でワールドプレミア86本を含む計307本の映画が上映されました。なかでもワールドプレミア作品やゲストビジット(上映後のトーク)付きのチケットは人気が高く、オープニングチケット同様になかなかチケットが手に入らない!当日券を買うために前日夜から徹夜で並んでいる姿も目にしましたが、たとえチケットが手に入らなくても楽しめてしまうのが、映画祭の魅力でもあるんです。(※チケットは事前に映画祭のホームページからも購入できます)一方、メイン会場のセンタムシティから地下鉄で3駅(約7分)で、韓国八景に数えられている釜山屈指のリゾート地、海雲台ビーチに到着します。ここにはBIFF特設オープンステージがあり、青い海と白い砂浜をバックに、連日ゲストによるトークイベントが開催されていました。また、ビーチのすぐ近くの海雲台市場では、韓国ドラマや韓国映画によく出てくるおでんやトッポキを食べることもできます。しかも海雲台市場は、昨年の第15回釜山国際映画祭のクロージング作品として上映された映画『Camellia カメリア』の一編『LOVE FOR SALE』が撮影された場所でもあるんです(日本では10月22日より公開)。カン・ドンウォンとソン・ヘギョがおでんを食べていた屋台が!あのキスシーンの路地が!と、映画のロケ地はやはりテンションが上がります。映画『Camellia カメリア』は、釜山国際映画祭と釜山広域市がタッグを組んだ〈釜山プロジェクト〉から生まれたオムニバス映画で、映画祭にゆかりのある3人の監督が、『IRON PUSSY』、『Kamome』、『LOVE FOR SALE』の3編それぞれを釜山で撮影しています。特に海雲台で撮影しているシーンが多いので、映画好きにとっては『Camellia カメリア』のロケ地めぐりはきっと感慨深いものになるはずです。ちなみに、今年の会場となっている映画の殿堂の目の前のロッテ百貨店前では、『IRON PUSSY』が撮影されていますし、『Kamome』で名優ソル・ギョングと吉高由里子が食事をする居酒屋も海雲台駅と海雲台ビーチの間にあり、ビーチ沿いを少し歩いた先にある冬柏島の公園の駐車場は『LOVE FOR SALE』のオープニングシーンだったりします。また、初めて訪れる街のどこに泊まるのか、ホテル選びも迷うところです。映画祭の会期中は、海雲台エリアのホテルとメイン会場のセンタムシティエリアは無料のシャトルバスを利用できるので、海雲台ビーチ周辺はたしかに便利ですが、センタムシティからタクシーで約10分(地下鉄で3駅)のエリア、広安里ビーチもおすすめです。広安里は海雲台ビーチに次ぐリゾート地で、何がいいって、ビーチの目の前には広安大橋(別名:ダイヤモンドブリッジ)が!ソル・ギョングとハ・ジウォン共演のパニック映画『TSUNAMI-ツナミ-』の冒頭で登場するあの橋です。しかもこの橋、夜になると10万色の色彩を出せる照明がライトアップされ、とても幻想的な夜景を見ることができるんです。映画を観て、映画が撮影されたロケ地を歩いて、映画の世界に触れ、やっぱり映画っていいな…そんなふうに映画の魅力と映画の力を感じた釜山国際映画祭の旅。釜山は想像以上に映画を感じる街でした。(text:Rie Shintani)■関連作品:第16回釜山国際映画祭 [映画祭]Camellia カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 BALCON/SIDUS FNHマイウェイ 12,000キロの真実 2012年1月14日より全国にて公開© 2011 CJ E&M CORPORATION & SK TELECOM. ALL RIGHTS RESERVED■関連記事:吉高由里子×行定勲監督インタビュー“放し飼い”から生まれた“風”のような一篇金城武、初韓国公式訪問で剛速球の質問攻めにタジタジ?チャン・グンソク、釜山映画祭に登場ギター弾き語りで思わぬ収入も?オダギリジョー、チャン・ドンゴンとの格闘ふり返り「韓国に入国できなくなるかも」釜山映画祭開幕!オダギリジョーにチャン・ドンゴン、ファン・ビンビンは衣装替えも
2011年10月20日何をしでかすか分からない――。吉高由里子から目が離せないのはその美貌のせいばかりではない。彼女が漂わせる危うさが観る者を惹きつけてやまないのだ。そんな彼女を行定勲は「まだひとつに定まっていない映画の演技をする女優」と語る。初めてのタッグとなる2人に韓国の名優ソル・ギョングを加え、釜山を舞台に作られたオムニバス映画『Camellia カメリア』の一篇「Kamome」。行定監督は言う。「ソル・ギョングと吉高由里子が夜の街をさまよっていれば、それだけで映画になる」と。幻想的な夜を綴った情緒あふれる作品で、監督は吉高さんの何を引き出したのか――?「女優・吉高由里子の透明感が見たい。そう思わせた」(行定監督)「誰と仕事をするのか?それが僕にとって常に映画を作る上での鍵」と語る行定監督。園子温監督に鍛え上げられたデビュー作の『紀子の食卓』、そして体当たりの演技で注目を浴びた『蛇にピアス』などで見ていた彼女の姿がキャスティングの際に自然に浮かんできたという。「彼女の生命力や逆にそれを抑圧した演技。一見、色がつきやすそうに見えるけど、いろんな役をやっているのでまだはっきりと色が定まっていないんだよね。変な先入観がない状況で仕事ができるというのは作り手にとってすごく幸せな状況なんです。今回の役は何者なのか分からない、ある程度自分の中に内在しているもので作り上げていかないといけない、さまよっている女性。さまように値する女優として吉高由里子の透明感が見たいって思わせてくれたんだよね」。一方で、吉高さんもまた行定監督に惹かれるような思いを抱いていた。「私、この話をいただく前に観た行定さんの『パレード』が本当に大好きで。普段、映画自体そんなに観ないし、ましてや一度観たら繰り返し観るなんて、あまりないんですが『パレード』は何度も観て、挿入歌まで自分で引っ張り出して繰り返し聴くくらい大好きだったんです。だから興味はあったんですが、監督を知ってから一緒に仕事するまでこんなすぐだとは思わなくて驚きました。何だ?この出来レースみたいのは…って(笑)」。「監督に釜山で“放し飼い”にされた」とは吉高さんの弁。職人気質の映画カメラマンの男(ソル・ギョング)がある寒い夜、釜山の街でかもめという名の不思議な日本人の少女に出会うのだが、監督の言葉通り、何者なのかが全く分からない正体不明のかもめ。吉高さんはどのように彼女をつかみ取っていったのか?「つかめないままでいいのかな、と思ってました。つかめたらつまんないな、と。『Kamome』という作品自体に“風”のようなイメージを持ってたんですよ。自分のものにしてしまったらそれがなくなるような気がして…。そうやって戸惑いながら飛び越えていった撮影だったんですが、監督がその裸のままの素材をうまく誘導してくれました。ああだこうだと言葉で演出するわけではないんですが、触れずに導いてくれましたね」。足枷を外し、自由になれたオリジナルストーリー主人公が映画カメラマンということで、自らを投影した部分もあるのでは?と監督に問うと「性格は違うけど、言ってることに嘘はないよ」とニヤリ。映画マンの前に現れた美しい少女は一見、芸術の女神“ミューズ”を思わせるが、彼女の存在は“死”を対置させつつ“生”そのものを描き出す。「そう、言うなれば魂が後悔するくらいのパワーを持っていたというところかな。映画について語る作品でもあるから、残酷な現実もカメラにはしっかりと映ってる。ハッピーエンドと見るか、哀しい物語と感じるかは観る人それぞれ分かれると思います。ただ、あまり難しいことを描こうとは思ってないんです。どうしても日本で映画を撮ってると縛られる部分が出てくるんだよね。漫画が原作だったり、ストーリーが決まってたり。でも、足枷を外してオリジナルで撮るとこんなに自由になれる。吉高由里子とソル・ギョングが夜の釜山をさまよっているだけ、それでもう映画なんだよね。韓国の名優と吉高という才能が融合するという状況だけで面白かった」。劇中、かもめが「窮屈だったから」と軽やかに靴を脱ぎ捨てるシーンが印象的だ。演じた彼女もやはり、特別な思いを感じていたという。「“窮屈”という言葉はすごく心に残ってて、そこから彼女は熱を持って動き始めるんですよね。そこまでは無力感のようなものが漂っているんだけど、靴を脱いだ瞬間にプツンと何かほどけたというか、コップの底が急に外れて流されるような…。2人の距離がそこから縮んでいくように見えて、結局、彼の中を通って中和されて、どんどん流されていってしまう…その前後で演技も変わっていきましたね」。“衝動”から生まれた、ソル・ギョングとの芝居吉高さん自身、靴や重い荷物を放り出してふわりと歩いていってしまうような気がするが…。「それは前向きに捉えていいんでしょうか(笑)?ありがとうございます。確かに…雨に濡れたら衝動的にもう傘はいいやってなっちゃうようなところはあるかもしれないですね(笑)」。そうした突発的な身軽さ、衝動こそ彼女の魅力である。ソル・ギョングからも、監督に「彼女の衝動的に出てくる芝居を活かしたい」という申し出があったとか。監督がそのときの様子を明かす。「彼が吉高に対峙してそう感じたんですよね。焼肉屋のシーンなんですけど、彼自身、(吉高さんと)綱引きしてる。吉高の衝動的なリアクションひとつで彼も変わるんですよ。それが面白かった。おそらく相手を自分の芝居の鏡にしているんだよね。だから自分のことよりも相手のことを気にして、相手がどうなのか?相手がいい表情したなら自分もいい芝居ができてたという考え方で芝居している。だからこそ、演じている2人の間だけで通じているものが芝居にも反映されてすごく面白かった」。インタビューで、会見で、舞台挨拶で――吉高由里子が役柄を、作品を、自らを語るために紡ぎだす言葉はまさに衝動的で、瑞々しさにあふれている。彼女は少し照れくさそうにこう語る。「あんまり言葉を知らないんですよ、辞書に出てくるような正しい言葉は(苦笑)。だから、感想文のようにしか言い表せない。自分の中の感動詞なんです。『あー』とか『ウー』ってところから似ている“何か”を探して…そうやってあがいてます」。スクリーンに刻まれた彼女の「あがき」を感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:Camellia カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 BALCON/SIDUS FNH■関連記事:韓国の名優ソル・ギョング、吉高由里子の第一印象は「中学生くらいかな?」吉高由里子、韓国で行定勲監督に「放し飼いにされました」
2011年10月18日韓国の釜山を舞台に“愛”をテーマに製作されたオムニバス3部作『カメリア』の公開を記念して3日、新宿バルト9で行なわれたイベントに、吉高由里子、ソル・ギョング、行定勲監督が登場した。イベントの模様映画『カメリア』は、“釜山プロジェクト”としてタイ、日本、韓国のアジア3か国が製作した3編からなるラブストーリーで、タイからはウィシット・サーサナティアン監督の『IRON PUSSY』、韓国からはチャン・ジュナン監督の『LOVE FOR SALE』が参加。行定監督は『kamome(カモメ)』で、カメラマン(ギョング)が出会った“カモメ”と名乗る少女(吉高)との物語を描いている。行定監督は「今でもソル・ギョングが(自分の)作品の中にいることが信じられない。ポン・ジュノ監督にお願いしたことから彼の出演が実現した」と経緯を説明。ソル・ギョングは共演の吉高について「最初はあどけない子どものような印象だったが、モニター画面で見ると成熟した女性で驚いた。彼女は現場をかき回すようにみんなの心をつかんで、別れの日はスタッフ全員が名残惜しんで涙を流すような、掃除機のように吸引力のある女優」と絶賛した。吉高は「大人になっていくにつれ時計の秒針に合わせて生きていくようになるけれど、ギョングさんはその秒針を持っていないような、自分だけの時間がある方。心から本能的に引っ張られるような引力があって、近くにいたら安心するような信頼感がある」と笑顔でコメントした。最後にギョングは「『kamome』はラブストーリーであるが、撮影現場から物語が始まる映画の世界での話でもあります。インスタント的だと言われる最近の恋とは違う、失ってしまったものや、失われていくものに対する切なさや名残惜しさなど、さまざまな感情が込められた作品です」とPRした。『カメリア』10月22日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2011年10月04日釜山国際映画祭と釜山市の協力で生まれたオムニバス映画『Camellia カメリア』。そのうちの一篇で日本から参加した行定勲監督による「Kamome」に主演する韓国人俳優のソル・ギョングが来日し、共演の吉高由里子、行定監督と共に10月3日(月)に都内で行われた舞台挨拶に出席した。釜山国際映画祭に縁の深いタイのウィシット・サーサナティアン、韓国のチャン・ジュナン、そして日本から行定監督が参加し、愛をテーマにそれぞれ釜山の過去、現代、未来を描いた本作。「Kamome」では映画カメラマンの男(ソル・ギョング)と日本人の少女・かもめ(吉高さん)が夜の釜山をさまよう様子が切なくも美しく綴られる。以前から「日本のみなさんに紹介したい」とソルの来日を熱望していた吉高さん。久々の再会に嬉しそうな笑みを浮かべ「この後、一緒にご飯食べに行くんです」と子供のようにはしゃいでいた。ソルはそんな吉高さんについて「最初は子供のようで中学生くらいかと思った。でもモニターに現れるのを見たら成熟した女性でびっくりした」とその変身ぶりを絶賛。「現場をかき回してみんなの心をつかんでいました。映画のヒロインのように彼女が姿を消すとスタッフはみんな寂しがってた。掃除機のような凄まじい吸引力を持ってます」と語った。吉高さんは「大人になるにつれて時計の秒針に押し出されるように、時計に合わせて生きていくようになってしまうものですが、ギョングさんはそんな秒針を持っていない方。お湯に浸かったような気分にさせてもらいました」とソルの魅力を語った。さらに行定監督については「監督も持ってますなぁ(笑)」とオヤジくさい口調でその素晴らしさを語り、会場を笑いに包んだ。行定監督も「何それ?そんな女優いるか?」と困惑した笑みを浮かべていた。ソルは「行定監督と一緒に仕事ができると聞いてすぐに(出演を)決めました」と語ったが、監督も「同い年とは思えない兄貴的なオーラがある。一見、武骨ですが繊細な解釈をされる方でした。いまでもソル・ギョングが自分の映画の中にいるのが信じられない」と相思相愛ぶりを感じさせた。『Camellia カメリア』は10月22日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:Camellia カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 BALCON/SIDUS FNH■関連記事:吉高由里子、韓国で行定勲監督に「放し飼いにされました」
2011年10月03日好きなことをビジネスにする──言葉にすることは簡単だが、実行に移すとなると難しいものだ。特に映画業界となると、映画ビジネスに興味を持ってはいるけれど、なかなか第一歩が踏み出せずにいるという声も多い。そこで、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』、『少林サッカー』、『アフタースクール』などをヒットに導いた、元株式会社クロックワークス代表取締役の酒匂暢彦氏(現株式会社チャンス イン代表取締役)による新しいプロジェクト「PRODUCER’S LABO」を取材!映画業界で働くためのビジネス・ノウハウを身につけることのできる新しい映画学校について、主催者である酒匂氏に話を聞いた。──別所哲也(俳優)、行定勲(監督)、ビル・コン(プロデューサー)など、名だたる業界関係者から期待のコメントが届いていることからも、PRODUCER’S LABOの注目度の高さが伺えます。そもそもPRODUCER’S LABOを開校しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?これまでにも映画学校などで講義をしたことはあるんですが、2時間程度の講義では通り一遍の話しかできなくて、消化不良だったんです。映画業界はこういう業界なんだ、映画ビジネスはこういうものなんだ、と教えるのに2時間では足りない。学生はもちろん、転職して映画業界に入ろうと思っている人に、どうやったらこの業界に入れるのか、役に立つスキルを得られるのか、自分自身が経験したこと──会社(クロックワークス)を立ち上げて、配給・制作、映画の買い付けなど、一通りやってきた映画業界での経験を要約して伝えられたら…という思いがPRODUCER’S LABOのスタートでした。──映画について学ぶ大学・専門学校は数多くありますが、それらとPRODUCER’S LABOの大きな違いは、ビジネスに直結しているということなんですね。私自身は映画学校の出身ではないので、既存する学校でどんなことを学べるのか正確に把握はしていませんが、はっきりと言えるのは、いわゆる映画論や過去の方法論は、実ビジネスにおいて通用しません。学問として映画を学ぶことと映画ビジネスは違うんです。例えば、映画を作るにしてもどうやって企画を立てるのか、その企画をどう制作するのか、お金はどうやって集めるのか、契約はどうするのか…ビジネスに必要なことは、残念ながら学校では教えてくれない。ですから、実ビジネスに即したものを教えたいんです。企画・買い付け・資金集め、制作・配給・宣伝・回収の方法を学ぶことができ、しかも優秀な人材であればそのまま採用ということもあるでしょう。長らく人材不足と言われている映画ビジネス界の即戦力になってほしいんです。──実際に映画ビジネスで成功を収めている人たちが講師を務めることや、カリキュラムにある体験型学習というものも魅力的です。買い付け体験や英語実習も別メニューで考えています。体験型学習が必要だと思うのは、やはり自分自身の経験によるものですね。私がこの業界に入って、最初に映画の買い付けをするとなったときに、通訳を介して臨みましたが、(会話が)ちぐはぐで。経験したからこそ分かったことですが、映画ビジネスに必要な単語は100とか200。必要なのはベーシックな英会話ではなく、業界特有の必要最小限の英語です。海外の映画祭のマーケットに行くと、へたくそな英語の人はたくさんいるわけですよ(笑)。そこでも、流暢に英語を話すことよりも映画を買ったり売ったりするための情報を持っている方が断然大切だと実感しました。けれど、英語ひとつとっても実際に現場にいないと分からないことが多い。それをこの学校で教えたいんです。映画の契約書が分厚いのは何故なのか?なども分かりやすく教えます。私が日本ビクターから転職し、どうやってクロックワークスを作ったのか、クロックワークスでヒット作を世に送り出すために何をしたのかなども、講義のときは必ず話すことなので、PRODUCER’S LABOでも話したいと思います。──酒匂さんの歩んできた映画ビジネスの道を知るだけでも、相当なビジネス知識を得られそうです!また、現在の映画界に必要なもの、必要な人材は?映画はコンテンツビジネスですから、いいコンテンツ(作品)を提供しなければ当然お客さんは来ない。今年の夏の興行から分かることは──ヒットした映画は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』、『オーズ・電王・オールライダーレッツゴー仮面ライダー』、『カーズ2』…洋画も邦画もシリーズものばかり。一から新しいものを作る能力が日本も世界も著しく落ちているということですね。ですから、新たに面白いものを生み出せる可能性を持った人たちを業界に呼び込まないとダメなんです。突出した面白さのない同じような映画ばかりが作られる背景には、DVDが売れなくなってしまったり、レンタルDVDの価格競争も影響しています。採算を取るために原作・キャスト・ジャンルがコンサバになり、本当に面白いものに投資する余裕が会社にないんです。良い映画がないと嘆くのではなくて、良い企画をどう立ち上げるか、そこに力を注ぐべきなんです。──最後に、シネマカフェ読者に向けてメッセージをお願いします。PRODUCER’S LABOに興味を持って、実際に来てもらえる生徒さんには、社会人、学生、アルバイト…様々な人がいると思います。みんな多かれ少なかれ悩んでいるはず。PRODUCER’S LABOはそういう人たちの意見交換の場でもありたいと思っています。映画業界で働きたいという思いは確かに大切だけれど、就職活動は並行してできるので、映画ビジネスの世界がどういうものなのか、試しにこの学校に来てみるのもひとつです。受講料は決して安くはないので、投資した分、道をひらくお手伝いができたらなと。もちろん、別所哲也さんや浅野忠信さんといったスペシャルコーチを始め、製作プロデューサーコース、宣伝プロデューサーコース、クリエイターコースの各コースに、映画を何本も手がけてなおかつヒットさせた人たち──私自身が話を聞いてみたいと思う講師陣が揃っています!(photo/text:Rie Shintani)
2011年09月29日釜山を舞台に製作された3編からなるオムニバス映画『カメリア』の日本公開が決定し10日に都内で、その内の1作『Kamome』に出演する吉高由里子と行定勲監督が会見を行った。その他の写真映画『カメリア』は、タイ、日本、韓国のアジア3か国が参加し、釜山を舞台に描かれる3編からなるラブストーリーで、“釜山プロジェクト”として製作され、第15回釜山国際映画祭のクロージングで上映された。タイからはウィシット・サーサナティアン監督の『IRON PUSSY』、韓国からはチャン・ジュナン監督の『LOVE FOR SALE』が参加。『kamome』は、カメラマン(ソル・ギョング)と彼が出会った“カモメ”と名乗る少女(吉高)との物語を描いている。行定監督は「釜山国際映画祭は恩人のような映画祭で、劇場デビュー作『ひまわり』で国際批評家連盟賞をいただいたのをきっかけに『GO』の監督に抜擢されたりと、僕の海外進出での認知度はこの映画祭を通じてのものであり、キャリアを築くための道を作ってくれたと言っても過言ではない。恩がえしのような気持ちで参加した」とコメント。本作について吉高は「水とか風のように、手でつかんでも“すり抜ける”という言葉がとても合う作品。触れているようで、形が見えないような、それは人の気持ちと同じなんだと思った」と話し、共演したソル・ギョングを「温かいお湯につかったような気持ちにさせてくれるような男性で、茶目っ気もあって心を和ませてくれた。また別の機会でお会いできたらうれしい」と語った。また行定監督は、「ソル・ギョングは『日本人の情緒がこのシナリオの中にあって、韓国の俳優はそれを遜色なくやることだ』と韓国の若い俳優たちを説得した」と撮影中のエピソードを語り、「ふたつの魂が触れ合うという状況を、名優ソル・ギョングと、日本のこれからを背負って行くだろう若手女優の吉高を信じて、釜山の夜が明けるまでに何が起こるのか、観察するように作った作品。ソル・ギョングと吉高の衝動的な演技が凄い形で融合している状況を撮らせてもらってすごく幸せだった」と語った。『カメリア』は9月にタイで、11月には韓国での公開が決定している。『カメリア』10月22日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2011年08月10日韓国・釜山を舞台にしたオムニバス映画『Camellia カメリア』の中の一篇「かもめ」に主演した吉高由里子と行定勲監督が8月10日(水)、都内で行われた会見に出席した。釜山国際映画祭とその舞台となる釜山広域市の協力で始動したプロジェクトで、タイのウィシット・サーサナティアン監督と行定監督、地元・韓国のチャン・ジュナン監督が“愛”をテーマにそれぞれ釜山の過去、現在、未来の物語を紡ぎだす。吉高さん主演の「かもめ」では、職人気質の映画カメラマンの男と、彼が街で出会った不思議な空気を醸し出す日本人の少女の儚い愛が描かれる。行定監督にとって、本作は初の海外作品となるが、監督とカメラマン、照明と制作のみが日本人スタッフでこれに吉高さんを加えて5名で渡韓し1週間ほどの撮影を行った。これまで釜山国際映画祭にたびたび出品し、国際的な評価を得てきたこともあって「釜山は僕にとって恩人のような映画祭。デビュー作の『ひまわり』で国際批評家連盟賞をいただきましたが、それがなければ次の『GO』での抜擢もなかった。恩返しの気持ちで参加しました」と熱く語る。吉高さんは監督から「できる限り“無”の状態でいてくれ」と指示されたことを明かし「監督には放し飼いにされました(笑)。それも水槽の魚ではなく、空を泳ぐ鯉のぼりのような感じ。遠くから風を送ってくれて要の部分ではピタッと教えてくださる。開放的な現場でした。でも見えない緊張感があったのは監督のオーラだと思います」と初体験の行定組をふり返った。作品について吉高さんは「水や風のように、つかんだと思っても手のひらには何もない、すり抜けるような感じ。触れているけど形がない、人の気持ちのよう」と独特の表現で一夜の不思議な“愛”について語ってくれた。また、監督は主演を務めた韓国の名優ソル・ギョングを絶賛。「日本から連れて行ったカメラマンが『(彼の)何を撮っても映画だ』と唸っていた。手の大きな男で、グッとつかむと“熱”を持っている」と手放しで讃えた。吉高さんも「絶対なる安心感がありました。いつも役の衣裳で来てそのまま帰るんですがなぜかと聞いたら『この作品を撮っている間、僕はこの役の人物でしかいられない』と。かっこいい!私も日本でやってみようかと思いました(笑)」と異国の名優の役者魂にメロメロの様子だった。『Camellia カメリア』は10月22日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:カメリア 2011年10月22日より新宿バルト9ほか全国にて公開
2011年08月10日スペシャルドラマ「ヤング ブラック・ジャック」の試写会が4月18日(月)、日本テレビで行われ、主演の岡田将生と仲里依紗が上映後の記者会見に出席した。手塚治虫の不朽の名作「ブラック・ジャック」の主人公で、医師として天才的な腕前を持ちながらも医師免許を持たず、法外な報酬を要求するブラック・ジャック。その若き日の物語がオリジナルストーリーで描かれる。劇中の暗いイメージと打って変わって、すっきりとした表情で現れた岡田さんは、ドラマを鑑賞したばかりの観客を前に「髪を切りました」とニッコリ。今回、“漫画の神様”手塚治虫の名作の主人公を演じたが、「やると決まってからプレッシャーを感じました。プロデューサー陣の熱弁を聞いて『ヤバいな』と思いました」と明かす。顔の傷跡や、髪の毛の特殊メイクには毎回、1時間ほど時間がかかったそうだが「ずっと寝てて、目が覚めて鏡を見ると、髪が半分黒くなっていて…」とふり返った。仲さんは、若き日の時生(=ブラック・ジャック)と出会う医学生を演じているが、実写版「ブラック・ジャック」への出演オファーに「正直、最初はピノコ(※原作に登場する女の子)の役かと思いました」と告白。周囲からも「ピノコやるの?」と聞かれることが多かったそう。今回の役柄について「(これまで)キャラクターの強い役が多かったので、お嬢様の大人しい役ということで、自分を抑えつつ成長していく。ひとりの人間を変えていくというのは難しいなと思ってましたが、意外とできました」と笑顔を見せた。同い年の2人は、高校3年生のときに出演した映画『ハルフウェイ』以来となる共演。岡田さんが「『ハルフウェイ』のときは高校3年生ならではの話をよくしてましたね。共演できると聞いて嬉しかった」と素直に喜びを語るも、仲さんからは意外な暴露が!「(『ハルフウェイ』のときの)第一印象は怖かったです。人見知りで、高校生なのでイキがってたのかな…?」と切り出すと、岡田さんは「ちょっと待って!そんなことないでしょ」と慌ててストップ。すると、仲さんは「(今回、再会して)すごく大人になっていて、役への取り組み方など、同い年として勉強になりました」と今度はベタ褒め。岡田さんは「絶対、嘘だろ!いつも“仲里依紗ペース”なんです」と笑顔でボヤいていた。さらに“仲里依紗ペース”はとどまるところを知らず!手塚作品について、好きなキャラクターを尋ねられると「アトムですね。足がプリッとしててすごくかわいくて。私、脚フェチなので!」と大胆に告白し、会場は笑いに包まれた。「生きること、命が重たいということを受け止めた」(岡田さん)という「ヤング ブラック・ジャック」。4月23日(土)21:00より日本テレビ系列で放送。■関連作品:宇宙兄弟 2012年春、公開アントキノイノチ 2011年秋、全国にて公開© 「アントキノイノチ」製作委員会プリンセス トヨトミ 2011年5月28日より全国東宝系にて公開© 2011 フジテレビジョン 関西テレビ放送 東宝 ゼブラーマンゼブラシティの逆襲 2010年5月1日より全国にて公開© 2010「ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲」製作委員会■関連記事:岡田将生が若き日のブラック・ジャックに!手塚治虫の名作ドラマ化共演に仲里依紗『宇宙兄弟』が小栗&岡田で映画化『テルマエ・ロマエ』ほか人気漫画も続々実写映画化岡田将生×榮倉奈々×ベルリン2冠の瀬々監督で『アントキノイノチ』映画化仲里依紗×行定勲監督インタビュー 監督も魅了された無防備な素顔ドSから尽くす女に束縛女…仲里依紗の過激“妄想”5段階変化の画像が到着!
2011年04月18日第61回ベルリン国際映画祭が20日に閉幕、コンペティション部門でイランのアスガー・ファルハディ監督の『Nader and Simin: A Separation』(原題)が最高賞の金熊賞に輝いた。日本勢ではフォーラム部門に出品された瀬々敬久監督の『ヘヴンズストーリー』が国際批評家連盟賞と最優秀アジア映画賞を受賞した。『Nader and Simin: A Separation』は家族でイランからの出国を考える女性と、老父と国に留まる決意をした夫が離婚調停の際に思わぬ事態に直面するドラマ。物語を通して現代のイランの様相がうかがえる本作はキャストが銀熊賞最優秀男優賞、女優賞も受賞した。ファルハディ監督は2年前に『彼女が消えた浜辺』で同映画祭銀熊賞監督賞を受賞しているが、イラン映画が金熊賞受賞するのはこれが初めて。19日に行われた授賞式の際、ファルハディ監督は今年の映画祭で審査員に選出されながら、イランで禁錮刑を下され映画祭参加が叶わなかったジャファル・パナヒ監督について受賞スピーチで言及。「彼の問題は解決すると信じています。そして、彼が来年、この場に来ることを願っています」と語ったが、パナヒ監督は反政府運動に関わったとして6年の禁固刑の判決を受け、今後20年間の映画製作と海外渡航禁止を言い渡されている。銀熊賞審査員賞は『倫敦から来た男』のタル・ベーラ監督がドイツの哲学者・ニーチェの晩年のエピソードを題材に描くモノクロ作品『The Turin Horse』(原題)。受賞後の会見でタル監督は「これが私の最後の作品になります」と語った。銀熊賞最優秀監督賞は地元ドイツのウルリッヒ・コーラー監督(『Sleeping Sickness』<英題>)、銀熊賞最優秀脚本賞は『The Forgiveness of Blood』(原題)のジョシュア・マートン 、アンダミアン・ムラタジが受賞。また、短編映画を対象にしたベルリナーレ・タレント・キャンパスのベルリン・トゥデイ・アワードを英国在住の三宅響子監督のドキュメンタリー『Hackeney Lullabies』(原題)が受賞した。2009年の『愛のむきだし』(園子温監督)、昨年の『パレード』(行定勲監督)に続いて国際批評家連盟賞を受賞した『ヘヴンズストーリー』は4時間38分の力作。家族を殺された少女、妻子を殺された若い夫、理由なき殺人を犯した青年など、20人以上の登場人物が複数の殺人事件を介して繋がっていく11年間の物語。日本では昨年10月より全国にて順次公開中。(text:Yuki Tominaga)写真は『Nader and Simin: A Separation』(原題)で金熊賞を受賞したアスガー・ファルハディ監督。© AP/AFLO■関連作品:ヘヴンズ ストーリー 2010年10月2日よりユーロスペース、10月9日より銀座シネパトスほか全国順次公開© 2010 ヘヴンズ プロジェクト■関連記事:毎日映画コンクール授賞式稲垣吾郎、極悪人役にSMAPメンバー「地が出てるね」『ヘヴンズ ストーリー』忍成修吾インタビュー「この仕事が好きなんだなと実感した」
2011年02月21日前作「女たちは二度遊ぶ」が大好評だったBeeTV×行定勲監督のタッグ第2弾「パーティーは終わった」の配信を記念し、2月8日(火)、東京プリンスホテルで「妄想パーティー」と題されたプレミアムイベントが開催された。男性5人との妄想にふけるヒロインが主人公の本作。この日は、仲里依紗をはじめ、成宮寛貴、高岡蒼甫、林遣都、小出恵介らがGUCCIの衣装に身を包み、エレガントに登壇、メガホンを取った行定監督とともに本作の魅力をアピールした。友人に誘われ、パーティーにやって来た漫画家の十朱(とあけ)。美人だが、忙しく恋をする暇がない彼女は、目の前を通り過ぎる5人の美しい男たちに胸の鼓動を高鳴らせ、いつしか目を閉じ彼らとの妄想にふけていく。仲さんが十朱を演じ、「染められたい」(成宮さん主演)、「捨てたい」(永山絢斗主演)、「殺されたい」(高岡さん主演)、「抱きしめたい」(林さん主演)、「後悔したい?」(小出さん主演)という5つのエピソードで構成される。脚本を手掛けるのは、行定作品には欠かせない気鋭の脚本家、伊藤ちひろ。成宮さんは売れない画家を演じ、「ずっと黙って絵を描き続ける僕を、仲さんがストイックに支える切ない話」。仲さんとはドラマで共演経験があるため、今回も息ぴったりでアドリブの応酬もあったのだとか。絵の具を使ったラブシーンもあると気になる(?)発言も飛び出した。高岡さんは劇中で、仲さん相手に剣刺しのマジックを披露し、ヒヤヒヤした様子。そして仲さんの印象はズバリ「かわいかったです」。林さんは記憶を失い、ヒロインと一緒に暮らす青年役。「僕は拾われ、閉じ込められ、束縛される男です(笑)」と笑いを誘う一方、「同世代として、仲さんの体力は大丈夫かなと心配だったが、ものすごくタフ」とコメント。2人は映画『ちーちゃんは悠久の向こう』で共演しており、仲さんも「この2〜3年ですっかり男らしくなって、びっくり」と久々の再会に驚きを隠せなかったそうだ。そして、小出さんが演じるのはなんとドラキュラ役!「白塗りで里依紗ちゃんと一緒に踊りました。濃厚なダンスで楽しかったですよ。短い撮影期間だったけど、やっぱり行定監督の現場は刺激的。5番目のエピソードで、最後に笑っていただければ」とアピールした。そんなイケメンたちとの“妄想共演”に、仲さんは「(来場した)みなさんには申し訳ない気持ち。でも毎回違う女の子を演じるのは、やっぱり楽しかったですね。どの恋愛も素敵。ハッピーエンドは少ないですけど…」と切ないラブロマンだと匂わせた。ちなみに“ドラキュラ”小出さんは「立ち振る舞いが王子というかセレブというか…ヨン様にしか見えなくて」とのこと。行定監督は女性ファンからの大歓声を聞いて「このキャスティングで間違いなかった」と勝利宣言。5人のイケメンを揃えた上で「お互い刺激し合える女優さんがいい」という理由で仲さんを起用したと語った。また、携帯での配信については「スタッフもクオリティーも普段の映画とまったく変わらない。逆に(劇場映画と違い)制約がなく、短編映画を5つ作れた感じ」と胸を張り、「携帯というパーソナルなスクリーンで向き合ってもらえれば、すごく楽しめる作品」とアピールした。なお、この日出席を予定していた永山さんは体調不良で急遽欠席した。「パーティーは終わった」は現在配信中。「パーティーは終わった」配信:毎週月曜、木曜(週2回)各話約5分、プロローグ+全30話エピソード1「染められたい」(全6話)配信中エピソード2「捨てたい」(全6話)2月21日(月)配信開始エピソード3「殺されたい」(全6話)3月14日(月)配信開始エピソード4「抱きしめたい」(全6話)4月4日(月)配信開始エピソード5「後悔したい?」(全6話)4月25日(月)配信開始公式サイト:
2011年02月08日清純な少女にセクシー&ダークなヒロイン、女子高生から先生まで新たな作品ごとに華麗な…いや、過激な“変身”を遂げる仲里依紗が、行定勲と初タッグ!2月より携帯放送局BeeTVにて配信中のドラマ「パーティーは終わった」で、妄想を暴走させて成宮寛貴、永山絢斗、高岡蒼甫、林遣都に小出恵介という5人のイケメンたちと恋に落ちるヒロインのマンガ家・十朱(とあけ)を演じている。女性キャストを魅力的に描くことにかけては右に出る者はいない行定作品で、錚々たる共演陣を相手に彼女はどのような輝きを見せてくれるのか?早速、仲さん、行定監督に話を聞いた。――“妄想”と“仲里依紗”という組み合わせは絶妙ですが…。仲:妄想と私?やだ、私って妄想してると思われてんのかなぁ(笑)?確かに妄想好きですよ…というか大好きです!映画観て「あれがこうなったら…」とか「あの人が実は」って勝手に想像を膨らませて話したりするのもすごく好きです。そういう意味では十朱に似てるかも。友人に誘われたパーティーに渋々、参加した十朱。会場で偶然目が合ったイケメン男子とのめくるめく恋の物語が彼女の妄想の中で展開していく。――5つの全く異なる“妄想”の物語ということで、尽くすタイプの女から殺される願望を持った女まで、各話で十朱が見せる表情は全く異なります。どういうイメージで十朱を演じられたんですか?仲:私が勝手に、それこそ妄想で考えているマンガ家のイメージでやりました。根がやや暗めで変な人…という(笑)。一見、「このひと、大丈夫かな?」と思われそうな感じでちょっとやさぐれてて…。でも、そう考えると私と結構似てるかも(苦笑)。私もパーティーとか好きじゃないし。――行定監督は前回、吉田修一さんの原作を映像化した「女たちは二度遊ぶ」がBeeTVで大きな反響を呼びましたが、今回はオリジナル脚本ですね。行定:調子に乗ったBeeTVが「今度は“男たち”で行きたいですね」とか言うわけですよ!続編やればいいのに(笑)。じゃあっていう風で、ひとりの女性マンガ家の妄想の中で生かされるいろんなパターンの“彼”で。映画にせよ何にせよ、やっぱりオリジナルが面白いんですよ。友達の外国人の映画監督と話してても「何で日本人はオリジナルでやんないの?」っていつも言われるんですよ。もっと好きに物語を作ればいいじゃないかって。だから今回、もう次はないかもしれないけど(笑)、好き勝手にやってやろうって。――監督はずっと仲さんと仕事をしたかったということですが…。行定:この人は…何でしょうね?前から謎でしたね。いろんな作品見たけど毎回違うんですよね。この顔が好きでしたね、表情が…。仲:ロバみたいな(笑)?行定:…(笑)。すごく綺麗な顔なんだけど、あえて綺麗にしてない感じ。すごく無防備な表情がしっかりと映ってて。『ハルフウェイ』に出てる仲里依紗を見て「何なんだ?彼女のこの自由度は?」って思ったんです。彼女が走るシーンを見て「この姿、無防備すぎるぞ。大丈夫か?仲里依紗」って会ったこともないのに、いち観客として思った。実際やってみたら…監督、共演者が望む女優なんですよ。その意味で天才ですね。それは、今回、共演した男優陣もみんな分かっていると思う。成宮くんは僕よりも仲さんとの付き合い長いけど、同じこと言っていた。「俺を受け止めてくれる」って。――個人的には仲さんが永山さん演じる恋人との関係を一方的に切ろうとする「捨てたい」と記憶喪失の林さんを思い切り束縛する「抱きしめたい」が女の残酷さ、怖さが出ていて強烈でした。仲さんはこの十朱の心理って理解できますか?仲:(即答で)できます!だってすごく楽しかったんですよ、演じてて(笑)。最初は「捨てたい」が一番難しそうだなと思ってました。しかも相手が永山さんと聞いて、「あの永山さんが、泣きながら女にすがる男?」って感じで全く想像できなかったんです。でも、実際やってみたらもう、目の前にいるのは永山さんじゃなくてムサシ(※永山さんの役名)なんですよ。もう、彼の発するひと言、ひと言にイライラして「何だこいつは?」って気持ちがわき出てくるんです。笑顔がまた憎たらしくて!踏みつけてやりたいって思いましたもん。永山さんがすごいですね、この「捨てたい」に関しては。途中のシーンではムカついて、捨てたいって感じなんですけど、いざ別れる瞬間になるとすごく寂しく切なかったです。この恋愛が私の理想かも、と思いました。いなくなると寂しいというのが(笑)。だから、ムサシみたいな仏のような人がいいかな。――その仏のような人に残酷な反応するのが楽しい?仲:楽しいと言うよりもまずイライラするんですよ。相手に対してもそうだし、そこに振り回されてる自分に対しても。でもやっぱり好きで、それを楽しんでるのかな(笑)。――「抱きしめたい」は真逆で相手を何が何でも自分のものにしたいという女性で、これはこれで怖いですが。仲:この十朱は、「怖いな」って思いながら演じてましたね。でも、そういう人って結構いるのかも…一種の母性本能なんですかね?演じながら「こういう女にはなりたくない」て思ってました。自分が追いかけるというのは、負けた気がするんですよね。私は結構、負けず嫌いなのでそういう意味でもこの十朱が一番共感できなかったです。――では、もし仲さんの妄想で「パーティーは終わった」の第6話を作るとしたら…。仲:執事をしてほしいですね、男性に(笑)。行定:尽くしてほしいのね?仲:もう全てにおいて尽くして、尽くして、尽くしまくる男!行定:じゃあ次は「尽くされたい」で(笑)。仲:大満足です(笑)!BeeTV「パーティーは終わった」公式サイト:■関連作品:時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010ゼブラーマンゼブラシティの逆襲 2010年5月1日より全国にて公開© 2010「ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲」製作委員会■関連記事:ドSから尽くす女に束縛女…仲里依紗の過激“妄想”5段階変化の画像が到着!仲里依紗が妄想の中で成宮寛貴、林遣都ら5人のイケメンとヤバい恋に落ちる?『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?ゼブラクイーン×『時かけ』仲里依紗、正反対の2役のコラボポスター完成仲里依紗初海外映画祭「カムサハムニダ」に大歓声「サイコーだ」
2011年02月03日仲里依紗が5人のイケメンたちと“妄想”の中で恋に落ちる姿を描いた異色の連作ドラマで、携帯放送局BeeTVで2月1日(火)より配信される「パーティーは終わった」。仲さんは5つに物語で、同一人物でありながらも全くタイプの異なる主人公を演じているが、その劇中のキャラクターが見事に表れた画像が解禁となった。仲さんが演じるのは、人気漫画家の十朱(とあけ)。仕事が忙しくて恋をする暇もない彼女だが、友人に誘われて気乗りしないパーティに出席する。会場の隅でシャンパンを片手にひとり佇むが、彼女の前を美しい男たちが通り過ぎてゆく。男と目が合った瞬間に彼女は妄想の世界へと入り込み、そこでは彼女の思いのままの物語が展開する。エピソード1「染められたい」では成宮寛貴演じる売れない画家を恋人に持ち、彼のために尽くす女を熱演。エピソード2の「捨てたい」(上写真)では、人気急上昇中の永山絢斗が演じる恋人を手ひどく捨てようとするという、何とももったいない役どころでドSっぷりを発揮している。永山さんがそれでもなおよりを戻そうとする泣き虫男を演じているところも注目!エピソード3の「殺されたい」の相手役は高岡蒼甫。十朱は男が運転する車に乗せてもらうことになるが、カーラジオからは銀行強盗のニュース、そして車の後ろには大きなトランクが…。男に頼まれるままに、謎の箱を森の中に埋めるのを手伝う十朱。「殺されるかも?」と思いつつ、それでもいいと胸を躍らせるのだが…。エピソード4「抱きしめたい」では林遣都が記憶喪失の美形の浮浪者を演じており、彼女は彼を家へと連れて帰り、記憶喪失をいいことに彼を“自分のもの”として束縛する。そして最終エピソード5の「後悔したい?」では小出恵介が、十朱の出席したパーティの主役である人気漫画家に。彼に声をかけられ、2人でパーティを抜け出すが、思いもよらない事態が彼女を待っていた…!5つのエピソードで服装も髪型も性格も全く違う“十朱”を演じた仲さんだが、十朱については「十朱と私は、正反対ですね(笑)。私は、恋愛に対して想像をあまりしたことがないんです(笑)」とのコメントが…。ちなみにメガホンを握った行定勲監督は「とにかく、素晴らしいの一言」と仲さんの演技を大絶賛。さて、あなたが一番見てみたいのはどの仲さん?彼女に踏みにじられたい?束縛されたい?それとも…。「パーティーは終わった」は2月1日(火)よりBeeTVにて配信開始。「パーティーは終わった」公式サイト■関連作品:ゼブラーマンゼブラシティの逆襲 2010年5月1日より全国にて公開© 2010「ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲」製作委員会時をかける少女 (2010) 2010年3月13日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開© 「時をかける少女」製作委員会2010■関連記事:仲里依紗が妄想の中で成宮寛貴、林遣都ら5人のイケメンとヤバい恋に落ちる?『十三人の刺客』にスタンディングオベーション7分!金獅子に三池監督手応えアリ?ゼブラクイーン×『時かけ』仲里依紗、正反対の2役のコラボポスター完成仲里依紗初海外映画祭「カムサハムニダ」に大歓声「サイコーだ」仲里依紗『時かけ』を引っさげ訪韓決定!プチョン映画祭出品が決定
2011年01月25日