赤ちゃんの名づけ調査件数日本最大級「ベビーカレンダー2020年赤ちゃんのよみランキング」から、女の子に人気の「か行ネーム」TOP10をご紹介いたします。「か行ネーム」では、「か」と「こ」から始まる名前が人気! 「こはる」「ことは」「こと」など、和風で古風なレトロネームが多くランクインしています。 1位こはる2019年よみランキング18位から、2020年12位へとランクアップした「こはる」が、「か」行ネーム首位を獲得。2020年名前ランキングでは30位に「心陽」、42位に「心春」、72位に「心晴」、97位に「心咲」がランクインしています。漢字ランキング2年連続9位「心」の人気の高さがわかりますね。 「こはる」というよみは、2021年3月生まれのよみランキングでも首位を獲得するなど、特に春生まれに増加します。 2位かんな2019年、2020年と2年連続女の子のよみランキングで25位にランクインした「かんな」。2020年の名前ランキングでは57位に「栞奈」がランクインしていました。 「栞」は漢字ランキング70位で、本にはさむ「しおり」を意味することから、清楚で知的な印象を受けるような名前です。同じよみの名前では、女優の橋本環奈さんが活躍されています。 3位かのん2019年よみランキング37位から、2020年は28位へと順位を上げた「かのん」。2020年名前ランキングでは26位に「花音」がランクインしています。「花音」は漢字ランキング首位の「花」と、13位の「音」という人気漢字を組み合わせた名前です。 「かのん」というよみは、昔から多くの人に愛されている名曲カノンをイメージするようで、華やかでかわいらしくもどこか知的な印象を受けます。 4位ことは2019年よみランキングでは33位、2020年は30位にランクインした「ことは」。2020年名前ランキングでは19位に「琴葉」がランクインしています。 「琴」は漢字ランキング40位に入る人気の漢字。古風でみやびやかな印象を受けるよう。美しい琴の音色のように、凜とした美しい人になるよう願いを込めて名づけてもいいですね。 5位かほ2019年よみランキングでは29位、2020年は34位だった「かほ」。賢く活発な印象を与える「か」に、やわらかさや朗らかさを感じるような「ほ」を組み合わせることで、快活でありつつも優しい雰囲気になります。 「夏」を用いた名前が多く、特に夏生まれの女の子に多く名づけられる名前です。同じよみでは、女優の「夏帆」さんが活躍されています。 6位かりん2019年よみランキング84位から、2020年は71位へとランクアップした「かりん」。かりんの「か」の漢字に「花」や「果」を用いると花のように可憐なイメージに。夏生まれの場合、「夏」を用いることも多いです。 かりんの「りん」の漢字に「鈴」を用いると可愛らしく、「凜」や「凛」を用いるとりりしく美しい印象を受けるようです。かわいらしい響きの名前です。7位こと2019年よみランキングでTOP100圏外だった「こと」。2020年は75位へと大きくランクアップしています。 2020年の名前ランキングでは83位に「心音」がランクインしています。美しい心を連想させるようで、「自分の心の音・自分の気持ちに正直に生きていってて欲しい」と願いを込めて名づけてもいいですね。響きがかわいらしく、呼びやすくて覚えやすい「二音ネーム」の一つです。 8位ことね2019年よみランキングでは61位、2020年は77位の「ことね」。2020年の名前ランキングでは34位に「琴音」がランクインしています。 弦楽器の琴の美しい音色を連想させ、「ね」で止めることにより、やわらかくかわいらしいイメージを受けるような名前です。 9位かれん2019年よみランキングでは85位、2020年は87位にランクインした「かれん」。かれんと聞けば、「可憐」をイメージする方も多いのではないでしょうか。可愛らしく、愛に溢れたイメージを受ける名前。イマドキでキュートな印象を受ける「撥音ネーム」(名前のよみに「ん」を用いた名前)の一つでもあります。 10位かえで2019年よみランキングでは66位、2020年は91位にランクインした「かえで」。2020年名前ランキングでは21位に「楓」がランクインしました。 楓の葉は秋に美しく紅葉することから、秋生まれに人気が高まる名前です。実に翼がついていることから、「自立して羽ばたいてほしい」という願いを込めて名づけてもいいですね。 よみランキングTOP100中、10個の名前が「か」行から始まる「か行ネーム」。「こはる」や「ことは」、「こと」など、どことなく和の雰囲気のあるレトロな名前が多いという結果になりました。これから女の子をご出産される方、参考になさってくださいね。<調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方調査期間:2020年1月1日(水)~2020年10月1日(木)調査件数:79,425件(女の子) 文/福島絵梨子
2021年04月28日熊本・天草の寂れた商店街に流れ着いたオレオレ詐欺の若者を藤原季節が演じる『のさりの島』から、予告編が解禁された。“のさり”とは、いいこともそうでないことも、自分のいまある全ての境遇は、天からの授かりものとして否定せずに受け入れるという、天草の優しさの原点ともいえる言葉。“のさり”の風が吹く天草で、オレオレ詐欺がきっかけで生まれた奇妙でやさしい時間。年老いた艶子(原知佐子)は、若い男を孫の“将太”(藤原季節)として家に招きいれる。あたたかいお風呂、孫が好きな美味しい料理をふるまう。若い男はいつの間にか、“将太”として艶子と奇妙な共同生活を送るようになり、やさしい“嘘”によって居場所を見つけていく様子が、予告編でも描かれている。ふと“嘘”の日常に溶け込んでしまう、さまよえる若者を藤原さんが好演。オレオレ詐欺の男を孫として迎え、奇妙な同居生活を送るつかみどころのないお茶目な老女役を、本作が遺作となった原知佐子が演じている。また、阪本順治監督や行定勲監督らから応援の絶賛コメントも到着。阪本監督は、「観始めてすぐ、ばあちゃんこと、原知佐子さんに心を持っていかれ、細やかなしぐさやことばの耳障り、それらすべてになにもかもを預けてみたい欲望にかられた」とコメント。「『のさり』の意味そのままに、こちらは身構えることもなく、受け入れてもらえるような安心感がそこはかとなく、まちがいなく。以前の穏やかな日常をわすれてしまいそうないま、この『のさりの島』という土地をたずねれば、わたしたちのあしたに繋がる風景がきっとみつかるはず!傑作!」との言葉を贈る。行定監督は、「天草の海はいつも懐かしく、風は固くなった心を溶かしてくれる。錆れゆく町に立ち止まって、ゆっくり人生を考えて、もう一度、ちゃんと生きてみようと小さな希望を感じさせてくれる映画でした」とコメントを寄せている。『のさりの島』は5月29日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:のさりの島 2021年5月29日よりユーロスペースほか全国にて順次公開©北白川派
2021年04月09日「大河ではリハーサル中もマスク着用は厳守です。吉沢さんが橋本さんに愛の告白をするシーンがあるのですが、マスクをとった吉沢さんが本番で必死に思いを伝える姿を見て、橋本さんは思わずキュンとしたそうです」(制作関係者)現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)。2月14日の初回放送からはや1カ月だが、依然として視聴率は15~16%台をキープしている。同ドラマは吉沢亮(27)演じる主人公・渋沢栄一が幕末から明治にかけて、信念とともに逆境を乗り越えていくというストーリー。さらに劇中には、栄一と高良健吾(33)演じる栄一の従兄・喜作が恋のライバル同士に。橋本愛(25)扮する栄一の従妹・千代を取り合う三角関係も描かれるという。最終的に、劇中で千代と結ばれるのは栄一。しかし、これまで橋本と“密”な関係を築いてきたのは高良のほうだという。「橋本さんと高良さんはともに熊本県出身。それどころか、実家が歩いて5分ほどのご近所なんです。子供のころに遊んでいた場所も同じ。ですから、共演のたびに熊本談議で盛り上がっているそうです」(NHK関係者)2人はNHKのドラマ『ハードナッツ!』(’13年)で初共演している。「橋本さんはコロナ禍になるまで、1~2カ月に1回は帰省していたほどの熊本好きです。また高良さんも、中高時代という多感な時期を熊本で過ごしたためブログに『感謝しかない場所』とつづっていました」(映画関係者)橋本と高良は同じく熊本県出身の行定勲監督(52)による、オール熊本ロケの映画『うつくしいひと』(’16年)でも再共演している。その公開を前にした’16年4月14日、震度7を観測する「熊本地震」が発生したのだ。「映画の風景のおよそ7割が地震で“崩壊”してしまい現存していません。ネット上で有料配信され、収益は復興支援に充てられました」(前出・映画関係者)高良は震災後すぐに熊本に向かい、ボランティアに参加。「少しでも現地の人たちに寄り添いたい」という気持ちからだったという。橋本も復興支援作品に積極的に関わっている。「彼女は震災に関するいくつもの番組でナレーションを務め、復興プロモーションとして熊本県が制作した昨年1月期のアニメ『なつなぐ!』(TOKYO MX)では主人公の声を担当しています。『地元の力になれるなら』と熊本関連の仕事に携わることを光栄に思っているそうです。そんな2人が『青天を衝け』で3度目の共演。郷土愛の強い2人は『大河ドラマを通じて、熊本の人々に少しでも明日への活力になれれば!』と意気込んでいたといいます」(前出・NHK関係者)『青天を衝け』では結ばれない2人。しかし、故郷の復興を誓う絆は固く結ばれているようだ――。「女性自身」2021年4月6日号 掲載
2021年03月25日2020年生まれの男の子81,896名の名づけ調査をおこなったところ、名前ランキングTOP100のうち、12個の名前が、ら行で始まる「ら行ネーム」でした。イマドキな印象になる人気の「ら行ネーム」TOP12をご紹介します。 1位蓮(主なよみ:れん)2020年のら行ネーム首位に輝いたのは、「蓮(主なよみ:れん)」。2018年、2019年、2020年と3年連続で名前ランキング首位を獲得している圧倒的人気の名前です。「蓮」は蓮(はす)の花を意味し、蓮の花は泥水の中から育ち水面に美しい花を咲かせることから、周囲に染まらない清らかさを感じる名前です。 また、大人気アニメ『鬼滅の刃』の主題歌である「紅蓮華」にも「蓮」が含まれており、より身近な漢字として定着しつつあるようです。 2位律(主なよみ:りつ)2019年名前ランキング5位、2020年は9位にランクインした「律(主なよみ:りつ)」。「りつ」というよみは、2020年のよみランキング33位にランクインしています。 2018年に放送されたNHKの朝ドラ『半分、青い。』で佐藤健さんが演じた役名に使われて以来、一躍人気名前の定番に。「旋律」や「音律」、「規律」や「自律」などの熟語にも用いられることから、賢くて芸術的センスのある男の子というイメージを受ける名前です。 3位陸(主なよみ:りく)2019年名前ランキング18位、2020年は28位にランクインした「陸(主なよみ:りく)」。その字の通り、丘や大陸を意味し、地に足の着いた印象を受けるようです。 「りく」というよみは、2020年よみランキングで4位にランクインする人気のよみ。どこまでも続く壮大な陸地を連想させる壮大な名前ですね。 4位陸斗(主なよみ:りくと、りと)2019年名前ランキング43位、2020年は42位だった「陸斗(主なよみ:りくと、りと)」。丘や大陸を表す「陸」に、ひしゃくの形をした星座を表す「斗」を組み合わせた名前。 北斗七星を連想させ、美しく神秘的な雰囲気のあるスケール感の大きな名前ですね。 5位律希(主なよみ:りつき)2019年名前ランキング64位から、2020年は48位へと大きくランクアップした「律希(主なよみ:りつき)」。「おきて」「お手本」という意味のある「律」に、「願う」という意味のある「希」を組み合わせた名前。 希望が叶う人生を願って名づけてもいいですね。利発な印象を受ける「き」止めネームの一つです。 6位怜(主なよみ:れい、れん)2019年の名前ランキング68位から、2020年は56位へと順位を上げた「怜(主なよみ:れい、れん)」。2020年の漢字ランキングでは60位にランクインしています。 賢い・いとおしむという意味があることから、清らかで賢い子に育つよう願いを込めて名づけてもいいでしょう。「れ」から始まる二音の音から、洗練された印象を受けるようです。 7位琉生(主なよみ:るい、りゅうせい)2019年名前ランキング73位、2020年は74位にランクインした「琉生(主なよみ:るい、りゅうせい)」。美しい玉石を表す「琉」と、命や若さを連想させる「生」を組み合わせた名前。 「琉球」のイメージがある「琉」は、青い海や南風を連想することができる人気の漢字で、2020年漢字ランキング19位にランクインしています。 8位碧斗(主なよみ:りくと)2019年名前ランキング63位、2020年は76位の「碧斗(主なよみ:りくと)」。「りくと」というよみは、2020年のよみランキング25位にランクインしています。 「碧」は自然の生み出す美しい青緑色を表し、海が紺碧の輝きを放つように、美しく輝く人生を歩めるよう願いを込めて名づけてもいいですね。 9位涼真(主なよみ:りょうま)2019年の名前ランキング72位、2020年は86位にランクインした「涼真(主なよみ:りょうま)」。さわやかでひんやりした様子を表す「涼」は清涼さを感じる字で、男女ともに名づけによく使われます。 さわやかな魅力あふれる人というイメージがあるようですね。人気俳優の竹内涼真さんが同名で活躍されています。 10位凌久(主なよみ:りく)2020年名前ランキングで93位にランクインした「凌久(主なよみ:りく)」。「凌」は力を込めて相手の上に出るという意味があり、力強さを感じる漢字です。「久」は「悠久」などに用いられることから、変わらずに長く続くという縁起の良いイメージがあります。 困難を乗り越えられるような人になりますようにという願いが感じられるような名前ですね。 11位 遼(主なよみ:りょう)2020年名前ランキングで98位にランクインした「遼(主なよみ:りょう)」。ずっと向こうの方まで永遠と続く様子・はるか遠いところにある様子を表す漢字です。 遥かに広がる大地の雄大さを感じさせ、特に男の子に人気の名前。広い心を持って欲しいと願って名づけられることもあるようです。同名では、プロゴルファーの石川遼選手が活躍されています。 12位 凌空(主なよみ:りく)2020年名前ランキングで100位にランクインした「凌空(主なよみ:りく)」。力強さを感じる「凌」に、その字の通り大空を意味する「空」を組み合わせた名前。 大空へ大きく羽ばたいて欲しいという願いを込めて名づけてもいいですね。壮大でロマンあふれるイメージの名前です。 イマドキな響きでカッコイイ「ら行ネーム」。男の子に人気の「ら行ネーム」12個のうち、なんと10個が「り」で始まっていました。これから男の子をご出産予定の方は、参考にしてみてくださいね!【調査概要】調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方調査期間:2020年1月1日(水)~2020年10月1日(木)調査件数:81,896件(男の子) 著者:福島絵梨子
2021年03月18日関ジャニ∞ 安田章大主演舞台、パルコ・プロデュース『リボルバー~誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?~』が、7月より東京・PARCO 劇場、8 月より大阪・東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて、上演されることが決定した。本作は、2020年2月から2021年2月まで『小説幻冬』(幻冬舎)で連載された原田マハ著『リボルバー』を舞台化した作品。本作の舞台化に当たり、原田自らが筆を執り、小説版とは異なる新たな物語として立ち上げる。舞台版は、ゴッホが実際に活躍した19世紀当時を物語の舞台とし、謎に満ちたゴッホとゴーギャンの愛憎入り混じる関係にフォーカスしていく。演出を手掛けるのは、映画監督として数々の名作を生みだしてきた行定勲。舞台演出としても、2015年に演出を手掛けた『タンゴ・冬の終わりに』以来、6年ぶりの舞台演出を手掛ける。主演を務めるのは、約1年半ぶりの舞台出演となる関ジャニ∞の安田章大。オランダに生まれ、ポスト印象派の画家としてフランスで活動し、20世紀の美術に大きな影響をもたらしたフィンセント・ファン・ゴッホを演じる。●安田章大 コメント実在する人物を演じるのは初めてで、しかもゴッホというすごく著名な人。でも、現時点でこの世に生きている人は、誰も彼の実際の姿を知らないし、正解の人物像もない。本当の正解を知らないからこそ、人それぞれのゴッホ像があり、可能性が無限にあると感じています。なので、ご覧いただいた方皆さんに納得してもらえるように演じる自信がありますし、そういう覚悟を持ってステージに立ちます。PARCO劇場で上演された三谷幸喜さんの「12人の優しい日本人」が大好きで何度もDVDを見ていました。ついに、その場所に立てるなんて、不思議な感じです。関ジャニ∞のメンバーは、まだ誰も立っていない舞台なので、ほかのメンバーにもきちんと、バトンを繋げることができたらうれしいです。昨年はグループでの活動をメインに集中しようと自分の中で決めていたので、今作が1年半ぶりの舞台となります。ライブということをとても大切に感じている僕としては、この状況下で、ファンの方と直接会える環境を作れて幸せですし、観に来てくださる方々の心を動かす作品にしたいです。作品に触れることで、心の機微を感じることができ人生を動かすこともある、それがアートだと思っています。無名の画家だったゴッホは、死後その名を世界中に轟かせ、いまや作品は億を超える価値となっているので、この「リボルバー」の1公演も、お客様にとってそのくらいの価値と感じていただけるような舞台にしたいです。●行定勲 コメントゴッホとゴーギャンという誰もが知っているスターであるふたりの愛憎関係とゴッホの死への境地。卓越した視点で美術史に深く切り込んできた小説家の原田マハさんが革新的な解釈でふたりを照射する。安田章大さんは、どことなく風貌がゴッホに似ているじゃないか。彼がゴッホと同化する姿を想像するだけで楽しみです。私にとって6年ぶりの舞台演出になりますが、これまでにない時空を超えたスケールに緊張するとともに胸が高鳴っています。●原田マハ コメントゴッホは自殺したと言われているが真相は定かではない。本作は、ゴッホが自殺に使ったとされる拳銃がパリのオークションに登場した事実に取材し、ゴッホがいかにして“ゴッホ”になったかを読み解く物語である。ゴッホ役の安田章大さんはまっすぐアートに向き合う等身大の“ゴッホ”を演じて下さるだろう。演出の行定勲監督は芸術家たちの心情をあぶり出すに違いない。この舞台で、誰も見たことがない“ゴッホ”が誕生するはずだ。パルコ・プロデュース『リボルバー~誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?~』東京公演:2021年7月 PARCO劇場京都公演:2021年8月 東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール作:原田マハ演出:行定勲主演:安田章大※詳細は随時発表:
2021年03月15日アイドルグループ・関ジャニ∞の安田章大が、パルコ・プロデュース『リボルバー~誰が【ゴッホ】を撃ち抜いたんだ?~』の主演を務めることが14日、明らかになった。小説家・原田マハが5月26日に発売する自身の作品を自ら戯曲化した同作。フィンセント・ファン・ゴッホと彼にまつわる物語を、現代に生きるオークショニストの目線で描く。舞台版では、ゴッホが実際に活躍した19世紀当時を物語の舞台とし、謎に満ちたゴッホとゴーギャンの愛憎入り混じる関係にフォーカスしていく。演出を手掛けるのは、映画監督として数々の名作を生みだしてきた行定勲。15年に演出を手掛けた『タンゴ・冬の終わりに』で第18回千田是也賞を受賞するなど高い評価を受けており、6年ぶりの舞台演出を手掛ける。主演の安田は、オランダに生まれ、ポスト印象派の画家としてフランスで活動し、20世紀の美術に大きな影響をもたらしたフィンセント・ファン・ゴッホ役に挑む。共同アトリエ「黄色い家」でゴーギャンと切磋琢磨して創作活動に挑むも、生前は決して評価されずに37年の生涯を閉じたゴッホを演じていく。舞台としては2019年の『忘れてもらえないの歌』より約1年半ぶりの出演となる。東京公演はPARCO劇場にて2021年7月、大阪公演は東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて2021年8月を予定している。○原田マハ コメントゴッホは自殺したと言われているが真相は定かではない。本作は、ゴッホが自殺に使ったとされる拳銃がパリのオークションに登場した事実に取材し、ゴッホがいかにして【ゴッホ】になったかを読み解く物語である。ゴッホ役の安田章大さんはまっすぐアートに向き合う等身大の【ゴッホ】を演じて下さるだろう。演出の行定勲監督は芸術家たちの心情をあぶり出すに違いない。この舞台で、誰も見たことがない【ゴッホ】が誕生するはずだ。○行定勲 コメントゴッホとゴーギャンという誰もが知っているスターであるふたりの愛憎関係とゴッホの死への境地。卓越した視点で美術史に深く切り込んできた小説家の原田マハさんが革新的な解釈でふたりを照射する。安田章大さんは、どことなく風貌がゴッホに似ているじゃないか。彼がゴッホと同化する姿を想像するだけで楽しみです。私にとって6年ぶりの舞台演出になりますが、これまでにない時空を超えたスケールに緊張するとともに胸が高鳴っています。○安田章大 コメント実在する人物を演じるのは初めてで、しかもゴッホというすごく著名な人。でも、現時点でこの世に生きている人は、誰も彼の実際の姿を知らないし、正解の人物像もない。本当の正解を知らないからこそ、人それぞれのゴッホ像があり、可能性が無限にあると感じています。なので、ご覧いただいた方皆さんに納得してもらえるように演じる自信がありますし、そういう覚悟を持ってステージに立ちます。PARCO劇場で上演された三谷幸喜さんの『12人の優しい日本人』が大好きで何度もDVDを見ていました。ついに、その場所に立てるなんて、不思議な感じです。関ジャニ∞のメンバーは、まだ誰も立っていない舞台なので、ほかのメンバーにもきちんと、バトンを繋げることができたらうれしいです。昨年はグループでの活動をメインに集中しようと自分の中で決めていたので、今作が1年半ぶりの舞台となります。ライブということをとても大切に感じている僕としては、この状況下で、ファンの方と直接会える環境を作れて幸せですし、観に来てくださる方々の心を動かす作品にしたいです。作品に触れることで、心の機微を感じることができ人生を動かすこともある、それがアートだと思っています。無名の画家だったゴッホは、死後その名を世界中に轟かせ、いまや作品は億を超える価値となっているので、この『リボルバー』の1公演も、お客様にとってそのくらいの価値と感じていただけるような舞台にしたいです。
2021年03月14日アイドルグループ・SixTONESの松村北斗と、女優の森七菜がW主演を務める映画『ライアー×ライアー』が現在公開されている。金田一蓮十郎氏による同名コミックの実写化となる同作は、三角関係のラブコメディ。潔癖症の地味系女子大生・湊(森)が、普段と違うギャルメイクで街に出たところ、両親の再婚で義理の弟になった同い年でイケメンの透(松村)と出会い、とっさに別人の“女子高生・みな”と名乗る。それを信じた透はJK姿の湊=“みな”に一目惚れし、猛アプローチをかけてくる。初の実写映画主演でヒロインとなる森は、アニメ映画『天気の子』(19年)のヒロインに抜擢され注目を浴びると、映画『ラストレター』(20年)、NHK連続テレビ小説『エール』(20年)、ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)など立て続けに話題となり、今もっとも旬の若手女優。今作では女子大生の”湊"と、ギャルJKの"みな"、まるで1人2役のような演技にも挑戦した森にインタビューした。○■W主演の松村北斗は「この人のことが、わからない!」――今回『ライアー×ライアー』出演を聞いた時の感想をお聞かせください。元々原作が好きだったので、まさか私が演じることになるとは思いませんでした。当時は中学生でしたが、どこか特別に感じていた作品だったので、その特別感が証明されて嬉しかったです。――W主演となった松村さんの印象はいかがでしたか?初めてお会いしたときに、すごく威厳のある方だなと思いました。それでいて、透になった時には“デレ”の部分もまるで本当の気持ちかのように演技されて、アドリブもすごく出てくるから、「この人のことが、わからない!」と不思議な気持ちになってしまって(笑)。尊敬が大きかったです。きっといろんな顔を持たれているのだと思うと、松村さんが透を演じたことに納得というか、「松村さんじゃないとだめなんだ」という気持ちになりました。――現場では仲良くなれましたか?お芝居を中心に打ち解けた感覚はあります。シーンを重ねていくにつれ「こういう切り返しをしても大丈夫なんだ」という信頼が生まれて、ふだんカメラの回ってないときにもお芝居の話ができました。実は、初めてお会いしたのは『ミュージックステーション』なんです。衣装で「ファーコートを着ている人がいるな」というのが第一印象でした(笑)。どちらの姿も見たことがあるからこそ、本当に尊敬できると思いました。どちらにも芯を置いてらっしゃる方だったので、何でも相談させてもらいました。――実写映画としては初主演になりますが、これまでと違う意識などはありましたか?「観ているお客さんと一緒に旅するのは私なんだ」と思ったから、まずお客さんに愛してもらえるキャラクターでいるということが1つの目標でした。でも原作の湊が愛おしいキャラクターだから、そこを忠実に演じていけば大丈夫だという気持ちで、原作を信じて演じました。――『青くて痛くて脆い』撮影や、今回の『ライアー×ライアー』撮影でも晴れを呼ぶ“天気の子”っぷりを発揮されてたそうですね。でも実は、渋谷のシーンは、2回目の撮影なんです。1回目はせっかく3時に起きたのに、雨が降ってしまって……。「天気の子」として、恥ずかしかったです。でもことあるごとに私が「天気の子」と言うので、松村さんに「それもう1年前だぞ! いつまで引っ張るんだ」と怒られました(笑)。効力が切れたのか、天気に振り回された撮影になりました。○■「もう落ちてもいいや」からの逆転劇――森さんは「オーディションに強い」と話題にもなりまして、何かコツみたいなものはあるんでしょうか? 「こういうところが良かったよ」と言われるようなことはありましたか?コツは、まったくわからないです(笑)。でも、数百名規模のオーディションに受かった時に言っていただいたことは、印象に残っています。そのオーディションでは「手をパン! と叩いたら一気に笑ってください、次に叩いたら泣いてください」と言われて、私は「もう無理だ!」と思ってしまったんです。「もう落ちてもいいや、受かっても私にはできない役なんだ」と開き直ってその場にいたら、そのオーディションに受かって。あとから聞いたら「『ああいう子、クラスにいるよね』という話になったんだよ」と(笑)。「大丈夫、なんとかなる」と思うことが私らしさなので、自分を出したことによって、選ばれることもあるんだ、大事だなと思いました。――そういう「森さんらしさ」がオーディションでも見られているんですね。一方で今回はギャル姿にもなりましたが、ご自身で見てみていかがでしたか?鏡を見るたびに、いつも「誰、これ?」とびっくりしていました。別人になったようでしたし、自分を騙せるほど変われたことが嬉しかったです。実写化するにあたって「透がみなに気づかない」という設定が、1番大きなハードルだと思っていたので、色々工夫はしましたが、脚も出すし、爪も長いし、すごく大変でした。プライベートではずっと校則を守っていて、スカートも膝丈だったし、家族は新鮮に思うだろうなあ(笑)。自分でメイクをしたこともないので、「いつからメイクをしようかな」とか、大人になることが楽しみです。――普段の生活で、自分の姿にギャップを感じるようなことはありましたか?今まで大分に戻ったら高校生、東京に来たら大人という生活を送ってきて、そこのギャップに苦しいと感じたこともありました。大分で大人っぽくしたら、素直に高校生活を楽しめないし、どっちつかずで難しかったんです。でもだんだん、楽しむときは楽しむ、お仕事はお仕事、と切り替えることが得意になったし、それが今回活かされた部分もありました。これからもずっと“女の子”と“女性”を行き来するような大人になりたいので、そこの基盤が作れたことにはすごく感謝しています。○■意外な恋に憧れ…!?――今までに演じられた役の中で、「こういう恋愛に憧れるな」と思ったのはどんな相手でしたか?朝ドラ『エール』の岡部(大)さんです。私が演じた梅は、(岡部が演じる)五郎さんが修行をして1人前になるまで、7~8年待っていたので、すごいなと思いました。その人がやりたい仕事を応援してずっと待っていられるなんて、素敵な関係で憧れます。――岡部さんというよりも関係性に憧れがあるということですか?岡部さんも好きですよ!(笑) でも、関係性に憧れました。――この1年で色々な作品に出られるようになり、何か変化などはありましたか?朝ドラに出たときに、祖父がくれた手紙に「梅ちゃんへ」と書かれていたんです。「見てくれてるんだな」「役が定着している作品があって嬉しいな」と思いました。でも手紙に「歌を書いておくので、作曲してください」と書いてあって、「梅は作詞する人なの!」とつっこみつつ、曲を考えてます(笑)。――森さんとのコラボ曲が…!?できるかもしれないです。ただ、詩がちょっと古文のような感じなので、発売は難しいかもしれません。今の人には刺さりにくいかも(笑)。――では、最後にメッセージをいただけたら。こんな世の中で自由にできないこともあるんですが、いつかこういう我慢が報われることを信じています。そこに向かって頑張ることでどこかに見てる人がいると思うので、一緒に頑張りましょう!■森七菜2001年8月31日生まれ、大分県出身。行定勲監督によるWebCMで芸能活動を開始し、映画『心が叫びたがってるんだ。』(17年)で映画初出演。ドラマ『やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる』(18年)、『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19年)などに出演後、19年に公開されたアニメ映画『天気の子』のヒロインに抜擢され注目を浴びる。その他にも『東京喰種トーキョグール【S】』『最初の晩餐』『地獄少女』(19年)、『ラストレター』(20年)などに出演。近作に、NHK連続テレビ小説『エール』(20年)、ドラマ『この恋あたためますか』(20年)、映画『青くて痛くて脆い』『461個のおべんとう』(20年)がある。
2021年03月04日映画『火口のふたり』『裏アカ』やドラマ「恋する母たち」などの瀧内公美を主演に迎えた春本雄二郎監督の最新作『由宇子の天秤』が、第71回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に選出。9月には日本公開されることも決まった。カンヌ・ヴェネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭。今回選ばれたパノラマ部門は、世界各国から集められた良作かつ現代社会を独自の視点で切り取った作品を数多く選出することで有名で、近年の日本映画では黒沢清監督『予兆/散歩する侵略者 劇場版』(17)、行定勲監督『リバーズ・エッジ』(18)、HIKARI監督『37セカンズ』(20)などの話題作が選ばれている。主人公は、女子高生自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子。事件の真相に迫るなか、父の政志から衝撃的な事実を聞かされ、究極の選択を迫られるストーリー。“正しさ”とは一体何なのか?超情報化社会を生きる私たちが抱える問題や矛盾を真正面から炙り出した本作は、すでに釜山国際映画祭でニューカレンツ部門の最高賞にあたるニューカレンツアワードを受賞、東京フィルメックスでは学生審査員賞を受賞、さらに中国・平遥国際映画祭では審査員賞と観客賞をW受賞するなど、瞬く間に国内外から注目を浴び、そして今回、世界三大映画祭のひとつであるベルリンの切符を手にすることに。パノラマ部門は「新人監督賞」「観客賞」などが受賞対象になる。主演は、『火口のふたり』で第93回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞に輝いた瀧内公美。脇を固めるのは『佐々木、イン、マイマイン』の河合優実、『かぞくへ』の梅田誠弘、さらに日本映画屈指のバイプレイヤー光石研ら。監督・脚本は、日本の片隅で生きる若者たちの葛藤と不器用な優しさを描き、約1万人を動員する異例のロングランヒットとなった『かぞくへ』の春本雄二郎。さらに、今年9月に渋谷ユーロスペースで公開することも決定し、春本監督より喜びのコメントが到着。「世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭に選ばれたことに深い喜びと、それ以上に『大きな意味』を感じています」と監督。「本作は『報道』『教育』をモチーフに『正しさとは何なのか?』について問うています。生まれた時からそれらを『正しい』ものとして享受し、無関心になりつつある私たち。自分に最適化された世界で生き、外の世界があることを想像するのを忘れつつある私たち。今まさに社会を生きる人々に、誰かの『正しさ』『世界』に手を伸ばしてもらいたいと創った映画」と語り、「世界の、そして日本の、一人でも多くの人々に届けて行きたいと思います。この映画を観た方が隣人の世界に思い馳せることを願って」と思いを込めてコメント。ベルリン国際映画祭は新型コロナウイルスの影響でオンラインで実施、3月の開催時に受賞作が発表される予定となっている。『由宇子の天秤』は9月、渋谷ユーロスペースほか全国にて順次公開。第71回ベルリン国際映画祭は(1)現地時間3月1日~3月5日、(2)現地時間6月9日~20日2回に分けた分散開催。(text:cinemacafe.net)
2021年02月10日《text:宇野維正》2020年、日本映画の最初のサプライズヒットといえば、『犬鳴村』(最終興収14.1億円)が挙げられるだろう。2月7日に公開された同作は週間動員ランキングで2位に初登場すると、その後、10週にわたってトップ10をキープ。11週目からは日本全国に緊急事態宣言が発出されたためランキングそのものが発表されなくなってしまったが、同時期に公開されたアメリカ映画の『ミッドサマー』のスマッシュヒットと合わせて、日本におけるホラー映画興行の新局面を予感させた。そして、その予感は8月28日公開の『事故物件 恐い間取り』(最終興収23.5億円)の大ヒットによってより確かなものとなった。そんな今年のホラー映画のヒットを支えていたのは主に10代、20代の観客層だったが、その層の映画興行への貢献が最も顕著に表れたのは緊急事態宣言明けの『今日から俺は!!劇場版』(最終興収53.7億円)、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(最終興収38.4億円)の連続大ヒットだった。いずれも民放のテレビドラマの映画化作品だが、これはゼロ年代に粗製濫造されたテレビドラマ映画の人気が復活傾向にあるというよりも、コロナウイルスに対する警戒心が比較的少なかった若い世代が、まずは劇場に戻ってきたと捉えるべきだろう。また、その背景には、同時期に公開が予定されていたハリウッド映画の大作が、軒並み翌年以降に公開延期となっていたこともある。6月以降、劇場、特に日本全国に展開している大手シネコン・チェーンで観られる作品の選択肢は狭まっていて、それは現在も回復してない。コロナ禍で、日本においても配信シフトへの動きは着々と進んだ。高齢層の観客の客足を中心に、既にコロナウイルス感染拡大の大きな影響が出ていた3月6日に公開された『Fukushima 50』は、日本全国に緊急事態宣言が発出された4月16日の翌日に、異例のタイミングでPVOD配信されることに。東宝映像事業部配給で6月5日に劇場公開を予定していたアニメーション作品『泣きたい私は猫をかぶる』は、劇場公開の延期を発表した4月27日のたった2日後の4月29日に、6月18日からNetflixで全世界独占配信されることを発表。松竹・アニプレックスの配給で4月17日に劇場公開を予定していた行定勲監督の『劇場』は、劇場公開の延期を発表した後に配給が吉本興業へと移行し、新たな劇場公開日である7月17日に、同時にAmazonプライムビデオで全世界独占配信されることとなった。しかし、海外におけるドラスティックな配信シフトと比べると、日本のそれは限定的なものだと言えるだろう。何故なら、海外では多くの国で独占禁止法で禁じられている同一の資本による配給と興業の一体化が、日本では慣習的に許されているからだ。劇場公開もされた行定勲監督の『劇場』が配給会社を移さなくてはいけなくなったのも、大手シネコンチェーンでは上映することができず上映館数が極端に限られてしまったのも、それが理由だ。また、世界的に配信の2週間前に設定されているNetflixオリジナル映画の劇場公開作品も、日本の大手シネコンチェーン(独立系のイオンシネマを除く)では上映されることはない。そのような事情によって、結果的に日本の劇場は「守られた」ことになる。少なくとも、今のところは。そして、ご存知のように日本の映画界の状況を一変させたのは、10月16日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の歴史的大ヒットだ。その記録破りのスタートダッシュの要因については、同時期に公開されるハリウッド映画が一つもなくて異例のスクリーン数での公開が可能となったことが挙げられるが、公開から70日強しか経っていない年内に日本歴代興行収入記録を塗り替えるにいたっては、過去の映画興行のあらゆる常識を超えた社会現象と捉えるしかない。12月9日に発表された東宝の2020年11月映画営業部門興行成績速報によると、2020年11月の東宝の興行収入は154億2375万円。前年同月比は1063.3%。つまり、このコロナ禍において、東宝は昨年同期の10倍以上の興行収入を得たことになる。しかし、『鬼滅の刃』一作で2020年の日本の映画界が救われたとするのは錯覚であり、大きな誤りだ(確かに東宝は救われたかもしれないが)。コロナウイルスのパンデミックは、人々の行動様式、海外メジャースタジオ作品の配給体制、独立系の映画配給会社や映画宣伝会社や『鬼滅の刃』を上映してない街の映画館やミニシアターの経営などに決定的な影響を与えて、その中には仮に2021年中に平常が戻ったとしても「戻ることがない」ものもあるだろう。2020年の映画界に本当は何が起こっていたのか?ーーそれに多くの人が気づくのは、きっと2021年になってからだ。(text:宇野維正)
2020年12月31日11月19日に、長編小説「オルタネート」を発表したNEWSの加藤シゲアキ(33)。同作が第164 回直木三十五賞の候補作品に選出され、注目を集めている。高校生限定マッチングアプリ「オルタネート」を軸に、高校生3人の葛藤や成長を描いた青春恋愛ストーリー。加藤によると「将来への不安など、高校生が抱く思いは時代を超えて普遍的」とし、その心の機微を表現したという。12年1月に「ピンクとグレー」で作家デビューし、今作で6作目となる加藤。15年に刊行した短編集「傘をもたない蟻たちは」は、16年にフジテレビ系で連続ドラマ化された。さらに同年は「ピンクとグレー」が行定勲監督(52)によって映画化されるなど、作家として広く認知されるきっかけとなった。各スポーツ紙によると、加藤は「いつかは候補になってみたいと思っていたが、今作でなれるとは思わなかった」と驚きを見せたという。すでにライフワークとなっている執筆活動だが、加藤が自分自身と向き合ってきた軌跡でもあるようだ。「幼い頃から文章を書くのが好きだった加藤さんは、『25歳までに小説を書く』と決めていたそうです。03年に9人でスタートしたNEWSですが、メンバーが次々と脱退。他メンバーの個人活動も盛んになるなか、加藤さんは自分の存在に悩んでいたといいます。その状況を打開すべく、“書くことなら誰よりもやってきた”と事務所に小説を書くことを相談したのです。今年は手越祐也さん(33)の脱退や加藤さん自身が新型コロナに感染するなど、危機的状況が相次ぎました。そんななかでの朗報に、加藤さんも報われた思いなのではないでしょうか」(スポーツ紙記者)また加藤にとって、「オルタネート」は30代になって初めての作品。加藤は今年12月22日号の本誌に登場し、その思いをこう語ってくれた。「これまで“ジャニーズが書いているんだろ”と思われたくないとか、作家としてナメられたくないというような意地みたいなものがありました(笑)。でも30歳を過ぎて、肩に入っていた力がいい意味で抜けてきたような気がします」年齢を重ねて心境の変化があった加藤だが、恋愛小説は初めての試みだった。執筆のきっかけは、編集者から「青春恋愛ものはどうか」と勧められたことだという。そのいっぽう、これまでは恋愛小説に対して抵抗があったという加藤。「人の恋愛話を読んで何が面白いのか」という感情や、書くことで「実体験としてトレースされてしまう」といった懸念があったと明かした。しかし30代に突入したことが、その考えを改めさせたという。「30歳を過ぎて、だんだんと高校生が遠くなってきたと感じていました。年齢を重ねてしまうと感覚が離れていって若い人を主人公にした小説を書くのは難しくなるかもしれないとも思いました。それで、チャレンジするなら今だ、と」作家として、積み重ねてきた努力が評価され始めている加藤。その挑戦はこれからも続くーー。
2020年12月20日「2020 SENDAI光のページェント」が、宮城県仙台市内の定禅寺通にて開催される。開催日程は、2020年12月18日(金)から12月31日(木)までの全日と、2021年1月2日(土)から1月11日(月・祝)の土、日、祝日。約60万球ものライトで冬夜を照らすイルミネーション「2020 SENDAI光のページェント」は、仙台の冬の風物詩ともいえるイルミネーションイベント。毎年、地元の市民や定禅寺通を訪れる人々の心に温かい灯りをともすような景色を贈っている。35回目を迎える今年は、“Go for SMILE!”をテーマに掲げ、定禅寺通のケヤキの木160本を約60万球ものLED電球でライトアップする。なお、宮城県・仙台ロイヤルパークホテルの周辺では、2021年3月31日(水)まで「2020 SENDAI光のページェント in 泉パークタウン」を開催。ツリーの形のイルミネーションのほか、ロマンチックなランタンが街を照らす。【詳細】2020 SENDAI光のページェント開催期間:・2020年12月18日(金)~12月31日(木)月~金 19:00~22:00、土・日 18:00~22:00、24日(木) 19:00~23:00、31日(木) 19:00~24:00・2021年1月2日(土)~1月11日(月・祝)月~金 消灯、土・日・祝 18:00~22:00場所:宮城県仙台市 定禅寺通(東二番丁通~市民会館前)電球数:60万球(すべてLED)ケヤキの本数:160本※当初スケジュールを変更して消灯を行う場合あり。画像提供:SENDAI光のページェント実行委員会
2020年11月28日11月上旬の朝、東京近郊のレジャー施設。コーヒーカップに乗ってはしゃぐ笑顔のカップルがいた。森七菜(19)と仲野太賀(27)だ。森の主演ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)の撮影だった。昼食時も森は楽しそうに女性マネージャーとお弁当を食べていた。森といえば、NHK連続テレビ小説『エール』にも、主人公の妻・二階堂ふみ(26)の妹役で出演。存在感を見せつけている。「大分在住だった森さんは中3のとき、お母さんと海鮮焼きの店に行ったときにスカウトされました。事務所に所属して1カ月半後のオーディションで行定勲監督作品のヒロイン役に抜擢。その後もドラマ『3年A組』(日本テレビ系)、映画『ラストレター』、劇場アニメ『天気の子』など話題作に続々と出演し、今、業界内では“オーディション荒らし”の異名も。『エール』でも本当はヒロイン役を受けたのですが、落選。その代わりに、今回の妹役のオファーがあったのです」(テレビ局関係者)今春、高校を卒業するまで実家・大分で暮らしていた森。仕事が入る度に上京していたという。「単身、片道5時間かけて通っていたそうです。東京での仕事が続く日は、女性マネージャーの家で寝泊まりすることもあったといいます」(前出・テレビ局関係者)デビューから3年で女優として開花した森。今の仕事が楽しい理由を本人は率直にこう語っている。《私、小学生の頃に両親が離婚して、お父さんとたまに旅行したりもするんですけど、やっぱり一緒に過ごす時間は少なくて。お母さんとも離れ離れの時間が長いし、満たされない気持ちというのがずっとあるんです。でも周りの大人の方たちがいっぱい愛をくれて》(CINRA.NET’20年1月15日)前出のテレビ局関係者は言う。「もともと大阪で暮らしていたのですが、離婚後、森さんはお母さんとともに大分へ。お父さんは料理人をしていると聞きました。多忙な森さんはなかなかお父さんとは会えないようで、定期的に電話しているそうです。彼女は元気がなくなるとお肉を食べたくなるらしく、お父さんに電話をして“おねだり”するそうです。太っ腹なお父さんは牛タンの塊肉を一気に7本も送って元気づけたこともあったといいます」ふだん会えない父の“食材”エールが、森の元気の源のようだ。彼女の次の夢はやはり、朝ドラのヒロインになることだという。「実は来春放送の朝ドラ『おかえりモネ』の最終選考の3人にまで残ったそうです。結果的に清原果耶さんが選ばれましたが、今回の二階堂さんとの共演で、自分に足りない部分を学べたそうです。『スタッフや視聴者の方から“安心して任せられる”と思ってもらえるような女優になりたい』と話していました」(NHK関係者)この勢いで、朝ドラヒロインの座を射止める日も近いかも!「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載
2020年11月21日アイドルグループ・関ジャニ∞の大倉忠義が30日、都内で行われた映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(公開中)の大ヒット記念舞台挨拶に、行定勲監督とともに登壇。行定監督から大倉への手紙がサプライズで披露された。新型コロナウイルスから復活後初の公の場となった大倉は、満員の観客を見渡しながら「久しぶりにお客さんの前に立てたことが…いつもライブで1年に1回あるんですけど、今年どうなるんだろうというのがあった。こういう機会があってすごくうれしく思います」と感慨深げにあいさつ。「ご心配をおかけしましたけど、万全な体調で戻りまして」と伝え、MCから「お帰りなさい」と声をかけられると、「ただいまです」と返した。そして、本作について「何回か見たという方がすごく多いと聞きました。『恭一はこうなんじゃないか』とか、『今ヶ瀬はこうなんじゃないか』と皆さんが想像してくださる作品。それだけ奥深い作品に携わらせていただけるようになったんだなと。自分で言うのもなんですけど、代表作になればいいなと思っています」と語った。その後、行定監督から大倉への手紙をMCが代読するというサプライズが。大倉は「え!? やばいやばい。裏じゃダメですか?」と慌て、観客から笑いが起こった。その手紙で、行定監督は「大倉が恭一役を引き受けてくれたところからこの映画は実現の道を歩き出しました。あの頃、岐路に立たされていた君がよく映画出演を決めてくれました。衣装合わせの頃は、太っていたわ、荒んでいるわで、大丈夫かなと心配しつつも、そんな内面を露呈してしまっている正直な君が人間臭くて逆に興味を持ちました。映画を撮り始める前にもっと君とわかり合いたくて、あえて踏み込むことが君を楽にする術だと考え、『荒れてる?』って直球を投げたら、君はどうしようもない顔をして、満面の笑みを浮かべ、『はい』って正直に答えたよね。足の指を骨折していたから情けない気分だったんだろう」と振り返る。続けて、「コンディションが完璧じゃない状態で挑む映画にはもどかしさもあっただろうけど、撮影現場での君は、『はい』『わかりました』『やってみます』の言葉しか口にせず、淡々と役を自分と同化させ、情感に訴える表情をたくさん見せてくれた。一度だけ、走るシーンで『走れません』と情けない声で言ってきたことがあったけど、俺はそこにも大倉の人間味を感じていたよ。むしろ不完全な状況下で演じた恭一だったから人間臭さが出ていたし、そこに大倉忠義の持つ本質がないまぜになって恭一という男のニュアンスを作り出していたのだと思います」とエピソードを交えつつ、大倉の演技を称賛。さらに、「時に感情が抜け落ちたような表情が大人の色気を放っていた俳優・大倉忠義の今後の活躍に期待をせずにいられません。『窮鼠はチーズの夢を見る』は胸を張って代表作と言える作品になりました。大倉忠義という優れた俳優とも本当に良い出会いができた。またみんなが驚くような役を一緒に作りたいと思っています。それまではくれぐれも体には気をつけて。また飯でも行きましょう」と温かい言葉を送った。監督の手紙に感激した表情を見せた大倉は「思い返せばいろいろありましたね。僕らグループもすごいいろいろあったんですよね。今いろいろ思い出しました。運が悪いと言ったらあれですけど、いろいろ重なった時に……骨を折ったのは自分が悪いんですけど(笑)」と回顧。「ありがたいお言葉ですし、この映画を撮り終わってからもいろいろ大変だったなと思いながら、当時を思うと泣きそうになるので、目の前にいる眠そうな記者の方を見ながら耐えていました」と笑いを誘い、「行定さんと出会えたことも大事なご縁ですし、成田(凌)くんともすごく今回は近い役で、なかなかない演技でしたけど、違う作品でまたぜひ共演したいですねって話していて、もちろん行定さんともぜひまたお願いしますという話をしていたので。僕も期待しています」と語った。最後に、大倉は「これでもうちょっと続いて映画の公開は終わっていきますが、僕にとってもそうですし、皆さんにとっても、何かあったときに見返すような作品になってくれたら。何をやっていてもすべてが消費されていく時代ですけど、何か残っていくものに参加できているというこの仕事にすごく誇りを持っているので、皆さんにとっても大事な作品になってくれたらなと願っています」と観客にメッセージ。「また違う形でもお会いできることを楽しみにしています。今日はありがとうございました」と締めくくった。
2020年10月30日関ジャニ∞の大倉忠義10月30日、都内で行われた主演作『窮鼠はチーズの夢を見る』の大ヒット記念舞台挨拶に、メガホンをとった行定勲監督とともに登壇した。仕事復帰後、初めてファンと対面を果たし「ご心配をおかけしましたが、万全の体調に戻りました」と報告。コロナ禍の影響で、ライブ開催の見通しも立たない中で「また、こうやって皆さんにお会いできた」と喜びを示していた。多くの女性から支持を得る水城せとなの同名コミックを映画化。7年ぶりの再会を果たした主人公・大伴恭一(大倉)と、恭一への想いを募らせ葛藤する今ヶ瀬渉(成田凌)の切ない恋愛模様を軸に「人を好きになることの喜びや痛み」を繊細に描き出す。現在までに興収7億円、動員53万人を超えるヒットを記録している。「思い返せばいろいろありました。運が悪いというか、いろいろ重なって…。骨折ったのは自分が悪いんですが、申し訳ない気持ちも。当時を思い出すと、泣きそうになる」と本作のオファーを受けた際の心境を回想する大倉。それでも、「誇りに思っているし、自分で言うのもなんですけど、代表作になれば。本当にいいシーンが詰まっている」と本作への並々ならぬ思いをファンに届けていた。また、行定監督からサプライズで感謝の手紙を送られると、「監督に成田君、本当に良い出会いができた。お二人とも、ぜひ違う作品でもご一緒したい。期待しています」としみじみ。改めて「僕にとっても、ご覧になった皆さんにとっても、大事な作品になってくれれば。また違う形でお会いできるのが楽しみ」と思い入れを語っていた。この日は客席の間隔を空けず“満席”での舞台挨拶が実施され、行定監督は「主演の大倉忠義と一緒に、満席の皆さんの前でご挨拶ができて、本当にありがたい」と感無量の面持ち。「2020年は本当に大変な、忘れられない年。映画が公開でき、皆さんに届いたのが奇跡だと思うので、これからも皆さんの心に残っていただければ、うれしいと思いっております」と話していた。取材・文・写真=内田涼『窮鼠はチーズの夢を見る』全国公開中
2020年10月30日アイドルグループ・関ジャニ∞の大倉忠義が30日、都内で行われた映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(公開中)の大ヒット記念舞台挨拶に、行定勲監督とともに登壇。新型コロナウイルスから復活後初の公の場で、「ただいまです」とあいさつした。大倉は9月20日夜に倦怠感があり、21日朝に発熱があったためPCR検査を受けた結果、23日に陽性と判明。療養生活を続けて体調が回復し、PCR検査も陰性であることが確認され、今月12日から活動を再開していた。満員の観客の前に立った大倉は、「本当に久しぶりにお客さんの前に立てたことが…いつもライブで1年に1回あるんですけど、今年どうなるんだろうというのがあった。こういう機会があってすごくうれしく思います」と感慨深げにあいさつした。そして、「ご心配をおかけしましたけど、万全な体調で戻りまして。映画館もこれだけ満員で見られるようになったんですよね。ありがとうございます」と笑顔で復活を報告。MCから「お帰りなさい」と声をかけられると、小さな声で「ただいまです」と返し、観客から拍手が送られた。同作は、『失恋ショコラティエ』等で知られる水城せとなによる人気漫画『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を実写映画化。学生時代から受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた恭一(大倉)はある日、後輩の今ヶ瀬渉(成田凌)と7年ぶりに再会し、「カラダと引き換えに」不倫の事実を隠すことを提示される。「昔からずっと好きだった」と想いを告げられ、今ヶ瀬の一途なアプローチに振り回されていくうちに、恭一は胸を締め付けるほどの恋の痛みに翻弄されていく。大倉は「何回か見たという方がすごく多いと聞きました。『恭一はこうなんじゃないか』とか、『今ヶ瀬はこうなんじゃないか』と皆さんが想像してくださる作品。それだけ奥深い作品に携わらせていただけるようになったんだなと。自分で言うのもなんですけど、代表作になればいいなと思っています」と語った。
2020年10月30日水原希子と「ゲスの極み乙女。」のドラマーであり、女優として『窮鼠はチーズの夢を見る』で映画初出演を果たしたさとうほなみが共演する、廣木隆一監督によるNetflix映画『彼女』の制作が決定。2021年春にNetflixにて全世界配信を予定している。原作は、中村珍の「羣青」(小学館IKKIコミックス)。同性愛者の永澤レイと、夫から壮絶なDVを受けている篠田七恵、女性ふたりの極限の愛憎を描いた物語。高校時代から七恵に恋をしていたレイは、彼女のために夫を殺害する。自分のために殺人まで犯したレイに疎ましさと恐ろしさを抱く七恵と、そんな彼女を生かすため、すべてを受け入れるレイ。互いに愛を欲しながら、絡み合わない想いをぶつけ合うふたり。正しいことも悪いことも、愛も憎しみも限界を超えた彼女たちの逃避行を描く。水原希子「ボロボロになりながら奮闘する日々」振り返る自由に生きているように見えながらも、実は同性愛者であることを家族に言えずにいる永澤レイに水原希子。女優、モデルとしてのみならず、生き方そのものに多くの女性から支持を集める水原さんは、自身初となる役柄について「彼女が知らない“愛”を証明する為に自分を犠牲にし、ボロボロになりながら奮闘する日々は、とても苦しく、今振り返っても胸が締めつけられます。この役を演じて、愛するという事、生きていく上で大切な事がよりシンプルな物になった感覚があります」とコメント。さとうほなみ、「自分は天涯孤独だ」と思いながら撮影また、人生に希望を見出せないものの死ぬこともできない篠田七恵には、行定勲監督『窮鼠はチーズの夢を見る』での熱演も記憶に新しいさとうほなみ。「“殺させた女”であるわたしは、常に『自分は天涯孤独だ』と思いながら撮影しておりました」と明かし、「温かい現場でありながらそのような気持ちで居続けられたのは良いチーム、良い作品だからこそ成し得たことです」とコメント。水原さんも「七恵役のさとうほなみさんが居なかったらきっと乗り越えられなかったと思うほど、全てを曝け出して限界まで演じました」と語っている。日本の美しい景色を背景に、観る者に“愛”の本質を問うロードムービーの監督を務めるのは 『軽蔑』や『彼女の人生は間違いじゃない』『ここは退屈迎えに来て』など、孤独を感じている人々を鋭く、かつ情熱的に描き出してきた廣木監督。発売当時、物議を巻き起こした原作の映画化について廣木監督は「原作の持つエネルギーの強さに引きずられ、女と女の映画を初めて監督させてもらいました」と語り、「その旅を観客の皆さんと共有できれば最高だと思います」とコメント。原作の中村氏は「『原作の再現』だけが映像化の最適解ではないので、題も人の命名も、脚本も、『彼女』を作る皆様にお任せしました。同じルーツの物語が別の姿で愛されるかもしれない機会を得ることに最良の意義を感じています」と、制作陣への信頼と映像化への期待を寄せている。テーマ曲を手掛けるのは、日本のポップシーンを語る上で欠かすことのできない細野晴臣。新旧織り交ぜた多彩な楽曲が、新たな愛の物語を彩る。Netflix映画『彼女』は2021年春、Netflixにて全世界同時配信予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2020年10月26日関西の劇団が集まって芝居を繰り広げ、演劇人の新たな才能の発掘の場となる「関西演劇祭2020~お前ら、芝居たろか!」が開催される。フェスティバル・ディレクターで芸人、役者、映画監督の板尾創路、スペシャルサポーターで演出家の西田シャトナー、映画監督の行定勲、実行委員長で女優の羽野晶紀らが大阪市内で会見し、思いを語った。「関西演劇祭 2020 ~お前ら、芝居たろか!~」チケット情報昨年初めて開かれた関西演劇祭2019は大好評のうちに終了。板尾は「今年は新型コロナウイルスの影響があり、開催が危ぶまれましたが、みなさんのお力や気持ちがあってできることになりました。ホッとしたのとうれしさと、いろんな思いが混じっています。万全の予防対策を取り、ぜひ、成功させたい」と力を込める。西田は「この祭は未来に向けて作られている。劇団や観客も心ブレずに未来を見続けてほしいです」。行定も「立ち止まっている時に文化に触れることは、これからの人生にとって意義があることだと思います」と、それぞれ熱く話す。また今年の実行委員長には、かつて関西に演劇ブームが起きた1980~90年代に、劇団☆新感線の看板女優として活躍した羽野を抜擢。「37年前に小劇場でお芝居を一生懸命やっていて、それをきっかけに今は芸能界で幅広くお仕事をさせていただいています。本当にやっていて良かったと思いますし、あれ以上にしんどいことはなかったから、大人でおばさんになったけど(笑)、今の私があります。関西の劇場は原点であり土台。その証人として応援したい」とエールを送る。同祭の特色は、各公演後に審査員や観客が、演者に質問や感想を話せる時間を設けるティーチイン形式をとる。板尾は「さっきまで芝居をしていた役者に、あれはどういう気持ちでどんな意味?なんて聞けますか。そういうことが聞けちゃう機会はなかなかない」。羽野は「劇場は夢を与える場なので、そんなタネ明かししてもいいの?とびっくりした。でも、演者とお近づきになれるのは今の時代ならでは。私も芝居のどのシーンを一番稽古したのか聞いてみたい」と期待する。今年は関西の劇団を中心に、東京を含めて10劇団が参加。行定は「関西の演劇は濃いというイメージがありますが、それに対してほかの劇団がどうアピールしてくるか楽しみ」だという。東京在住のため、関西の劇団をよく知らないという羽野は、ユニークだと思う劇団名を問われ、「みんな、思い入れを込めてる名前ですねぇ」と言いながら、高知の幡多弁を使った、ばぶれるりぐるを挙げた。また、劇団 右脳爆発については、「荒くれものな感じですやん。爆発してへんかったらほんまに怒るで(笑)」と会場を笑わせた。1公演に2劇団が参加し、配信も予定されている。コロナ禍を吹き飛ばすような各劇団の爆発を期待したい。「関西演劇祭2020~お前ら、芝居たろか!」は、11月21日(土)~29日(日)、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて開催。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2020年10月23日関ジャニ∞の大倉忠義が主演する映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の大ヒット記念舞台挨拶が10月6日、都内で行われ、共演者の成田凌とメガホンをとった行定勲監督の2名が登壇。大倉の人形を“抱いて”登場した成田は、シューズの色も大倉のメンバーカラーであるグリーンを選ぶなど、不在の大倉への愛を爆発させていた。また、行定監督は大倉からメールが届いたと明かし「いやあ、すみません。(舞台挨拶に)行きたかったと……。もうちょっと落ち着いたら、何かやりたいっすねとも言っていたので、何か面白いことができれば」と今後、大倉が出席する御礼イベントの開催に期待を寄せていた。多くの女性から支持を得る水城せとなの同名コミックを映画化。7年ぶりの再会を果たした主人公・大伴恭一(大倉)と、恭一への想いを募らせ葛藤する今ヶ瀬渉(成田)の切ない恋愛模様を軸に「人を好きになることの喜びや痛み」を繊細に描き出す。映画が大ヒットを記録する中、成田は「今までの(出演)映画でも、友だちがダントツで見てくれていて、とてもうれしい」と手応え十分。ただ「母親が唯一、感想を言わなかった作品。見る前は『これから見るよ』って盛り上がっていたのに、音信不通になった」と複雑な表情も。それでも「ゲイの皆さんの評判もいいんです。リアルに感じてくれたことが、うれしい」と喜びを語り、「見るたびに感想が変わると思うので、“追いチーズ”していただき、大切な人に直接感想を伝えていただければ」とさらなる飛躍を祈っていた。行定監督は「映画がどんどん入れ替わっていて、ロングランが難しい時代なので、映画をつないでくれた観客の皆さんの記憶に残ることがうれしい」とヒットに安どの面持ち。また、「これが成田凌の代表作になってくれたら」と話していた。なお、8月18日~31日に開催予定だった香港国際映画祭のクロージング作品に決定していた本作が、10月末~11月の間で実施される同映画祭上映企画にて、クロージング上映されることが決定した。映画祭から「香港国際映画祭は、これまで行定勲監督の素晴らしい作品の数々を招待しており、監督には映画祭にもご出席頂いています。最近では『リバーズ・エッジ』と『ピンクとグレー』を上映し、観客に熱烈に受け入れられました。『窮鼠はチーズの夢を見る』も、多くの人々を惹きつけるであろう若者の心情と恋愛の鼓動を見事にとらえています。第44回香港国際映画祭のクロージング作品にこの並外れた作品を選出できたことをとても光栄に思います」とメッセージが届いた。また、現在、台湾と韓国での上映も決定している。取材・文・写真=内田 涼『窮鼠はチーズの夢を見る』全国公開中
2020年10月06日主演ドラマ「姉ちゃんの恋人」の放送が待ち遠しい女優・有村架純の来年度のオフィシャルカレンダーの発売が決定。予約もスタートした。有村さんにとって約2年ぶりとなる今回のオフィシャルカレンダーは、オールロケで撮影された。広大な敷地に緑広がる草原や、朝霧漂う神秘的な滝など、7か所の魅力的なロケーションに加え、メイクや衣装は馴染みのスタッフと共に考え、有村さん自身もアイディアを出し、いつもとは違う、少し大人で上質さ漂う写真が収録されている。先日、日米合作映画『太陽の子』の公開が発表、行定勲監督のショートムービー『映画館にいく日』が配信中、さらに直近では、この秋主演ドラマ「姉ちゃんの恋人」が放送を控え、注目作が続く有村さんは、今回のカレンダー発売に関して「色物のお洋服を身に纏って、各ロケーションで好きなように、自由に。その様子をカメラに切り取っていただきました」と撮影をふり返り、「一枚一枚、携わって下さった皆さんと一緒に良きカットを選別しましたので、お気に召していただけたら幸いです」とコメントしている。さらに、YouTubeではメイキング映像が公開中だ。また、カレンダーに収まりきらなかった写真をミニフォトブックに収め、カレンダーと共に楽しめるセットでの発売も予定されている。価格は、卓上カレンダーとなる「Kasumi Arimura 2021 DESK CALENDAR」は3,080円、卓上カレンダー&ミニ写真集「Kasumi Arimura 2021 DESK CALENDAR&Mini Photo Book」は4,730円(いずれも税込)となっている。「Kasumi Arimura 2021 DESK CALENDAR(2021年1月始まり)&ORIGINAL GOODS」は12月4日(金)発売予定、9月18日(金)予約開始。(cinemacafe.net)
2020年09月18日週末の映画動員ランキングで実写の新作映画として1位を記録するなど大ヒットとなっている『窮鼠はチーズの夢を見る』。この度、大倉忠義が“流され侍”と揶揄される主人公の恭一について演じた境地を明かした。大倉さんは恭一役に対して、「原作の美しいビジュアルに寄せていかないといけない部分もあり、ハードルが高いなと戦々恐々としました。撮影中は自分を追い込まなくてはならなかったので、苦しい日々でした」と胸中を明かすも、「でも、やりがいのある役でした」と断言。撮影前にあまり役を作り込まないという大倉さんは、「最初は今ヶ瀬に対して拒む態度を取りながらも、徐々に惹かれていく。ひとつひとつのシーンを重ねながら経験し、恭一としての気持ちを作っていきました」と語るが、共演した成田凌は「大倉さんはカメラの前で本当に役の恭一として存在していたので、何をしても受け止めてくれる安心感がありました」とふり返る。大倉さんの佇まいから、“恭一”の雰囲気が滲み出ていたようだ。また、行定勲監督も「大倉くんは僕の言うことに対して、いつも『やってみます』と応えてくれるんです。テイクごとの少しの変化にも敏感に反応できる俳優です」と、俳優としてのポテンシャルの高さを絶賛。そんな大倉さん演じる恭一が物憂げな表情で佇む場面写真が解禁。自分の浮気を疑っていた妻・知佳子に、実は別に好きな人がいるから別れて欲しいと告げられ、茫然自失で夜の街頭を彷徨うシーンとなっている。『窮鼠はチーズの夢を見る』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:窮鼠はチーズの夢を見る 2020年9月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
2020年09月18日大ヒット公開中の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の新たな場面写真が公開された。本作は人を好きになる喜びや痛みを圧倒的な心理描写で描く、水城せとなの傑作コミック『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を原作に、『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』などの作品で知られる映画監督・行定勲がメガホンを取ったラブストーリー。受け身の恋愛ばかりしてきた主人公・大伴恭一と7年ぶりに再会した大学の後輩・今ヶ瀬渉の狂おしくも切ない恋を描いている。主演・恭一役務めるのは、関ジャニ∞の大倉忠義。今ヶ瀬を近年話題作への出演が絶えない実力派・成田凌が務める。公開3日間(9月11~13日)の観客動員数では106508名を記録するヒットとなった本作。今回公開されたのは、大倉忠義演じる恭一が物憂げな表情でたたずむ場面写真。自分の浮気を疑っていた妻・知佳子に、実は別に好きな人がいるから別れて欲しいと告げられ、茫然自失で夜の街頭を彷徨うシーンだ。大倉は「流され侍」と揶揄される恭一役に対し「原作の美しいビジュアルに寄せていかないといけない部分もあり、ハードルが高いなと戦々恐々としました。撮影中は自分を追い込まなくてはならなかったので、苦しい日々でした。でも、やりがいのある役でした」とコメント。彼は撮影前にあまり役を作り込まないというが「最初は今ヶ瀬に対して拒む態度を取りながらも、徐々に惹かれていく。ひとつひとつのシーンを重ねながら経験し、恭一としての気持ちを作っていきました」と語る。また共演した成田は「大倉さんはカメラの前で本当に役の恭一として存在していたので、何をしても受け止めてくれる安心感がありました」と振り返り、大倉から役の雰囲気が滲み出ていたことに賛辞を贈った。行定監督は「大倉君は僕の言うことに対して、いつも『やってみます』と応えてくれるんです。テイクごとの少しの変化にも敏感に反応できる俳優です」と俳優としてのポテンシャルの高さを絶賛している。『窮鼠はチーズの夢を見る』公開中
2020年09月18日俳優の大倉忠義が映画『窮鼠はチーズの夢を見る』で主人公の恭一を演じている。劇中の恭一は、流されやすく、自分を好きになってくれる相手と恋愛する受け身の男性だ。しかし、彼は大学の後輩だった今ヶ瀬(成田凌)に再会。彼に告白され、そのまっすぐな想いに翻弄されていく。しかし、本作の監督を務めた行定勲は「恭一は振り回される役なんだけど、ふたりの演技を決定づけているのは大倉忠義だと思う」と語る。大倉は2013年に『100回泣くこと』で映画単独初主演を果たし、『クローバー』『疾風ロンド』などの映画に出演。ドラマや舞台など活躍の場を広げているが、彼と初めてタッグを組んだ行定監督は「大倉くんは現場であまり議論をしようとする俳優ではないんです」という。「基本的には“はい・わかりました・やってみます”の言葉しか交わさないぐらい(笑)なんですけど、彼の中にはちゃんとした感情はある。だから、ここのシーンの感情については大丈夫?って質問すると『僕なりに理解しているつもりです』って答えがちゃんとかえってくるんですよ」劇中の恭一は感情をハッキリと表に出すような人物ではなく、クールで相手のことを気遣う大人の男性に見えるが、実際に何を考えているのかパッとわかるような人物ではない。多くは語らない、わかりやすくは表現しない。しかし、劇中の多くの人物が恭一に惹かれていく。「彼の持ち合わせているリズムのようなものかもしれないですけど、彼には良い意味での“暗さ”みたいなものがあるんですよ。底知れぬ闇のような、それが本当は闇なのかすらわからないような……そういう部分が大倉の色気に見えたりもするんですよね。それに対峙する成田凌は、その暗さだったり闇に入っていっては何があるのかわからないまま振り回されている部分があって、そこは原作(本作は水城せとなのコミックが原作)とは少し違うところかもしれません。恭一は振り回される役なんだけど、ふたりの演技を決定づけているのは大倉忠義だと思う」恭一は一体、何を考えているのか? 彼は誰を、なにを大切しているのか? 観客もそれを探りながら映画を観ていき、やがてその変化や心のうちを、彼のちょっとした表情の変化や仕草、視線から感じられるようになるはずだ。「大倉忠義はすごく良い意味で人間が“わかりにくい”んです。演じる上で造形する人間も、やろうと思えば、もっとわかりやすくできるとは思うんですよ。もっと狼狽したり、もっと逡巡したり……脚本にそう書かれていたら、俳優はオーバーにやりがちですよね。でも、彼はオーバーにはやらないんですよ。演技にどこかに曖昧さがあって、それがすごいリアリティを生んでいる。だから、大倉忠義は自分のアイデンティティをもって原作の恭一を血肉化したと思いますし、大倉忠義のもっているムードがこの映画を形作っていることは間違いないです」『窮鼠はチーズの夢を見る』公開中
2020年09月16日公開中の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の新たなオフショットが公開された。本作は人を好きになる喜びや痛みを圧倒的な心理描写で描く、水城せとなの傑作コミック『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を原作に、『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』などの作品で知られる映画監督・行定勲がメガホンを取ったラブストーリー。受け身の恋愛ばかりしてきた主人公・大伴恭一と7年ぶりに再会した大学の後輩・今ヶ瀬渉の狂おしくも切ない恋を描いている。主演・恭一役務めるのは、関ジャニ∞の大倉忠義。今ヶ瀬を近年話題作への出演が絶えない実力派・成田凌が務める。今回、新たに公開されたオフショット写真は、恭一(大倉忠義)と今ヶ瀬(成田凌)の同棲生活の暮らしが垣間見れるもの。キッチンでのシーンで行定監督から演出を受ける大倉の姿や撮影合間の成田の姿に加え、行定監督こだわりのキッチンスペースの様子がうかがえるショットなっている。美術を担当した相馬直樹氏は、「恭一の部屋のセットプランを考えるに当たり、妻の知佳子好みの生活からの反動を感じさせることを意識しました。築年数は古く、内装の耐火ボードを剥がしたままのスケルトンな質感を生かしてリフォームしているマンションをイメージしています」とコメント。その発言の通り、打ちっぱなしのコンクリートと品の良い木製のインテリアが印象的だ。行定監督は「とある出来事があった翌日、ふたりが裸のまま部屋を歩き回るふたりのシーンがあるんですが、そのカットこそ男同士ならではのリアリティーがあると思っています。あのシーンを撮りたいために、部屋の間取りやキッチンのシンクの高さ、カメラ位置が目線になるようになど全部計算してセットを組み撮影に挑みました」と、緻密に計算し尽くされた空間設計を語る。キャスト陣の迫真の演技はもちろん、恭一と今ヶ瀬の日々の暮らしを包み込むひとつひとつの空間にも、目を凝らしてほしい。また劇場で販売されているパンフレットにも恭一の部屋の美術設計図が掲載されている。『窮鼠はチーズの夢を見る』公開中
2020年09月16日行定勲監督がディレクターを務める「えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2020」が10月2日より開催されることが決定した。新型コロナウイルスの影響により、当初4月実施予定だった「くまもと復興映画祭2020」は延期となっていた。改めて感染対策を万全に行った上で、10月2日(金)~4日(日)の3日間、熊本城ホールで開催される。上映後には、トークショーをオンラインで実施する予定とのことだ。「くまもと復興映画祭2020」は、令和2年7月豪雨災害の被害に遭われた方々へのチャリティーを目的に義援金を広く募る。同映画祭には今回6度目の参加となる、熊本県出身の俳優・高良健吾がプロデュースし、イラストレーターの下田昌克が絵、デザインを担当したTシャツの販売を通じて収益の一部を被災地へ寄付。映画『ソワレ』(20/外山文治監督)で注目を浴びる新進気鋭の女優・芋生悠も本映画祭に賛同し、「女優を続けられている根源には熊本で応援している方々がいます。どうか恩返しをさせてほしいです」とコメントを寄せている。上映作のラインナップの発表は、映画祭公式HPにて近日発表される。【行定勲監督・コメント】2020年、世界中が生活を一変させる事態に追い込まれました。私の故郷、熊本は2016年の地震からの復興の途上、コロナウィルス感染に向き合う中、令和2年7月豪雨に襲われるという受難の年となりました。今尚、日常を取り戻せずにいる被災地を応援するために、延期をしていました「くまもと復興映画祭」を開催することにしました。今年はチャリティー映画祭として開催したいと思います。映画を愛する人々が集う映画祭を開催できる喜びを感じながら、コロナウィルス感染予防対策をしっかりとし、密を避けた劇場で熱く濃密な人間の姿を描いた映画を観ていただきたいと思っています。会場に来られない方々には上映後のトークショーをオンラインで公開いたします。どんな困難な状況でも映画を求める人がいる限り、私たちは映画を作り続けていくのだと思います。映画はこの時代に何かの気づきを与えてくれるものだと思っています。作り手が映画に託した想いをお届けできればと思っています。そして、熊本出身の俳優、高良健吾プロデュースのチャリティーTシャツも販売いたします。映画祭のすべての収益は熊本南部豪雨の被災地の復興への寄付とさせていただきます。是非、くまもと復興映画祭の心のこもった3日間をよろしくお願いいたします!【高良健吾・コメント】熊本の好きなところは自然が豊かなところです。何度も熊本の自然に癒されてきました。ただ、ここ数年はその自然の姿に傷つくこともあります。映画は人の手で作り出すものです。その映画で熊本の皆様に少しでも楽しんでもらえたら嬉しいです。今この時期に熊本復興映画祭2020をやるということが、この世の中を生き抜いていくために様々なカタチを模索している人々へ力を与えるものでありますように。【芋生悠・コメント】はじめに7月の豪雨によって亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、今も被害を受けている皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして活動が制限されている中でくまもと復興映画祭が開催されるということに意義を感じています。私は熊本生まれ熊本育ちです。女優を続けられている根源には熊本で応援している方々がいます。どうか恩返しをさせてほしいです。微力な私ですが、映画の中にいる私は少しだけ強いんです。映画が心底好きで演ずることが心底好きだからです。これしかないですが、これで1人でもいい、笑顔にできるかもしれないと信じています。全力で届けます。【えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2020概要】●開催日時:10月2日(金)~4日(日)●開催場所:熊本城ホール●開催形式:オフライン/一部オンライン無料配信●チケット:<1日目>オープニングチケット:1000円<2日目/3日目>一日券:3500円チャリティーTシャツ付き一日券:5500円●プログラム:音楽LIVE/作品上映/トークショー(ティーチイン)●主催:くまもと映画祭実行委員会/ディレクター:行定勲/特別協力:熊本市/熊本県協賛:協賛各社●映画祭公式HP:
2020年09月16日大倉忠義、成田凌出演で水城せとなの傑作コミックを行定勲監督が映画化した『窮鼠はチーズの夢を見る』。すでに本作を観た映画ファンから「切なすぎる」「今ヶ瀬の心情に合っていて、絶妙」といった声が上がっている印象的な名シーンの誕生秘話が明かされた。成田さん演じる今ヶ瀬が大倉さん演じる恭一の帰りをひとり、部屋で待っているシーンで彼が観ているのがジャン・コクトー監督『オルフェ』(1950年)。元カノとヨリを戻すかもしれない恭一に対して「俺と寝てください。これを拒まれたら、もう二度と、触らない」と今ヶ瀬が懇願するそばで、テレビのモニターには『オルフェ』の一篇が流れ、「これからする事を理解しようとしないで」という意味深な字幕が映されている。予告編でも使用されているシーンだ。行定監督は本編の中で『オルフェ』を起用した理由として、「脚本には『今ヶ瀬が映画を見ている』と書いてあるだけで作品の指定はありませんでした。私が『オルフェ』がいいと思いました」と言う。「『オルフェ』は死の世界と現世という境遇の違う者が惹かれ合うが、相手のことを想い、別離を選択する“犠牲愛”を描いた映画です。今ヶ瀬は恭一への想いが溢れ、抑えられなくなったとき、ひとり『オルフェ』を見ながら、恭一への愛を貫き、自分に引き寄せることで本当に彼のためになるのか。自分が犠牲になって別れた方がいいのかと苦悩している。その逡巡する気持ちに『オルフェ』の登場人物たちの逡巡する気持ちと重なりぴったりだと思いました」と明かす。そして、もう一つの理由として、「香港出身の俳優、レスリー・チャンとお会いした時に、好きな映画が『オルフェ』だと聞いたことがありました」と語る行定監督。「彼はその時、自分は常に“自己犠牲”を意識して生きていると語っていました。社会に対して自分を偽って生きていることも含めて、何かのために自分を犠牲にしていると感じていた。その彼の寂しさや憂いがとても印象に残っていたんです。その姿が今ヶ瀬と重なりました」と、香港が生んだ大スターにして、いまは亡きレスリー・チャンとの秘話を打ち明けている。『窮鼠はチーズの夢を見る』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:窮鼠はチーズの夢を見る 2020年9月11日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
2020年09月14日9月12日、13日の全国映画動員ランキングは、日本全国に笑いと感動を届ける人気アニメシリーズの劇場版第28弾『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』(全国364館)が初登場で首位を飾った。公開3週目の『事故物件 恐い間取り』(全国336館)は先週1位から2位に。公開6週目の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(全国378館)は先週2位から3位に。公開4週目の『糸』(全国351館)は先週3位から4位になった。そのほか新作では、水城せとなの同名コミックを行定勲監督が、大倉忠義と成田凌らで映画化した『窮鼠はチーズの夢を見る』(全国215館)は初登場5位に。巨匠ローランド・エメリッヒが構想20年をかけた戦争スペクタル超大作『ミッドウェイ』(全国258館)が初登場6位に。ボーイズグループBTSのワールドスタジアムツアー“LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF”の模様を追った音楽ドキュメンタリー『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』(全国266館)が初登場7位に入った。公開9週目の『今日から俺は!!劇場版』(全国367館)は先週4位から8位につけている。次週は『思い、思われ、ふり、ふられ〈アニメ〉』『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『セノーテ』『TENET テネット』『ヴィタリナ』などの作品が封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』2位『事故物件 恐い間取り』3位『映画ドラえもん のび太の新恐竜』4位『糸』5位『窮鼠はチーズの夢を見る』6位『ミッドウェイ』7位『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』8位『今日から俺は!!劇場版』9位『劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]III.spring song』10位『2分の1の魔法』
2020年09月14日公開中の映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の貴重なメイキング映像が公開された。本作は、人のを好きになることの喜びや痛みを圧倒的な心理描写で描く水城せとなの傑作コミック『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を原作に、『ナラタージュ』『リバーズ・エッジ』などの作品で知られる映画監督・行定勲がメガホンを取ったラブストーリー。受け身の恋愛ばかりしてきた主人公・大伴恭一と7年ぶりに再会した大学の後輩・今ヶ瀬渉の狂おしくも切ない恋を描いている。主演・恭一役務めるのは、関ジャニ∞でドラムを担当する大倉忠義。今ヶ瀬を近年話題作への出演が絶えない実力派・成田凌が務める。今回公開されたのは、SNSで大きな話題を呼んだ恭一が今ヶ瀬に耳かきをしてもらう姿を収めた場面のメイキング映像。耳かきをねだる今ヶ瀬を冷たくあしらうも、「やってあげましょうか」と尋ねられると何の躊躇もなく「いいの?」と返事をする恭一。今ヶ瀬は嬉しそうに、「僕、上手いですよ」と笑顔で自分の膝を叩き、恭一は今ヶ瀬に膝枕されながら耳かきをしてもらう。メイキング映像には、監督・スタッフらが見守る中、これまで誰かに耳かきをやったことがないという成田が、慣れない手つきで大倉に耳かきを行う撮影風景が描かれている。このシーンは本編で一瞬しか映らないため、耳かきをされながら思わずうっとり微笑む大倉の姿が収められた貴重な映像となっている。『窮鼠はチーズの夢を見る』TOHOシネマズ日比谷ほか、絶賛上映中
2020年09月13日映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(9月11日公開)の公開記念舞台挨拶が12日に都内で行われ、大倉忠義、成田凌、行定勲監督が登場した。同作は、『失恋ショコラティエ』等で知られる水城せとなによる人気漫画『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』を実写映画化。学生時代から受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた恭一(大倉)はある日、後輩の今ヶ瀬渉(成田凌)と7年ぶりに再会し、「カラダと引き換えに」不倫の事実を隠すことを提示される。「昔からずっと好きだった」と想いを告げられ、今ヶ瀬の一途なアプローチに振り回されていくうちに、恭一は胸を締め付けるほどの恋の痛みに翻弄されていく。全国102の劇場でライブビューイングが行われた同イベント。大倉は「約3万人の方がライブビューイングでいらっしゃるということで、短い時間ですがいい時間を過ごしたいと思います」とさらっと発言したが、成田は「3万3,000人と裏で聞いて、僕はどきっとしたんですけど、大倉くんは素直に受け入れてましたね。さすがだなと思いました」と驚く。多くの人に届けられることに対し「本当に良い時代に公開することができたなと思っています」と喜んだ。成田の演じた今ヶ瀬がかわいいと評判でもあったが、大倉は「今ヶ瀬はかわいいけど、ダメなやつ(恭一)を好きになってる今ヶ瀬もダメなんですよ!」と語る。「多分周りにもいると思うんですよ、『あんな人やめときな』みたいなことが。でも結局そういう人が好きという人がいるわけじゃないですか。それがかわいいんですよ。だから複雑です」と心境を表す。行定監督も「成田がだんだんかわいくなっていったよね。男同士の恋愛で、男が好きな男だから男でいいんだよ、と言ってたけど、だんだん女性性が出て、不思議だよね。喋り方も柔らかくなっていったし」と振り返る。成田は「順番通りに撮ってもらえたのでそうなっていったけど、割と無意識」と明かした。さらに行定監督が「大倉は成田に対してあんまり優しくないのよ、現場で」と暴露すると、大倉は「ダメだなと思いつつも、距離感がすごい大事だなと思ってたんですよ。本当は空いてる時とか『飲みに行こうよ』という感じの雰囲気ではあったんですけど、そこまで近づいちゃうとそれはそれで違うかなとか思ってると、ちょっと冷たくなっちゃってたみたいです」と弁解する。大倉が「でも、しゃべってましたけどね? 普通に」と確認すると、成田が「はい、喋ってました」と一言で返し、大倉は「反応が悪い」と苦笑していた。
2020年09月12日水城せとなの人気コミックを、大倉忠義と成田凌をキャストに迎えて映画化した『窮鼠はチーズの夢を見る』が公開されている。監督を務めた行定勲はこれまでにも『ナラタージュ』『劇場』など、恋愛関係にある人物を主人公にした作品を数多く手がけているが、本作では「恋愛のプロセスを順を追って省略することなく、丁寧に描けた」と振り返る。穏やかで美しい妻と暮らしながら、仕事で知り合った女性となりゆきで不倫関係を続けている大伴恭一の前に、大学時代の後輩、今ヶ瀬渉が現れる。卒業後、興信所で探偵として働いている今ヶ瀬は、恭一の不倫現場を抑えた写真を手にオフィスを訪れ、ふたりは7年ぶりに再会する。不倫の証拠を隠したい恭一は、今ヶ瀬に懇願するが、彼の返答は「ずっと好きだった」という告白だった。その後、妻と離婚し独身になった恭一の家に、今ヶ瀬が転がり込んでくる。ストレートに想いを伝え続ける今ヶ瀬と、“流されやすい”性格ゆえ少しずつ状況を受け入れていく恭一。ふたりの生活は続いていくかに見えたが、恭一の元恋人との再会や、今ヶ瀬の嫉妬がふたりの関係を引き裂いていく……本作は恭一と今ヶ瀬の関係が変化し続ける様を高精細な描写で綴った作品で、ふたりの心は常に揺れ動き、その距離や関係も目まぐるしく変化してくが、それがわかりやすいセリフや劇的な展開によって描かれることはない。「“見せつける”ものが好きじゃないですよ」と行定監督は笑顔を見せる。「この映画をすでに観たある人が『ドラマの掘り下げが弱いんじゃないか?』って言ったそうなんですけど、僕としては『ドラマには興味ないから』って反論もあるんですよ(笑)。ドラマや葛藤がないと人間が憤りを感じたり、自分の愚かさを省みたりしないと思っているから、ドラマを展開させたり、“掘り下げが足りない”なんて言葉が出てくるわけですよね? でも、この映画の登場人物はドラマがなくても十分に葛藤しているし苦悩しているんですよね。それに人間って思ったよりも強いから、そんなにも日常的に苦悩したり葛藤したりはしないものだと思ってるんです。もし仮に死にたくなるようなことが起こったとしても、きっかけは、そんなにドラマティックなことではなくて、日常のささいなことだったりするかもしれない。ふと頭によぎったことが死と直結していたりするのかもしれない。そういう脆さがあるのもまた人間で。だから、ドラマを掘り下げるみたいなことにはあまり興味が持てないわけです」恭一の部屋に転がりこむ今ヶ瀬、それを完全に受け入れるわけではないが流されるままにしている恭一。先ほどの“ドラマの掘り下げが足りない”と言った方はもしかしたら見落としてしまったのかもしれないが、この映画では大きなドラマこそ起こらないものの、大倉忠義と成田凌はシーンごとに感情を細やかに変化させ、両者の距離は近づいたり離れたりしながら止まることなく刻一刻と変化していく。この物語は恋愛を描いた作品を多く手がけるも“関係が停滞したふたり”を描き続けてきた行定監督にとって新機軸なのではないだろうか。「明らかに停滞している、あるサークルの中から逃れられない人たちがその中をぐるぐると回っていて、そこから抜け出す発露みたいなものを見つけ出す瞬間が映画の醍醐味というか。それは良くも悪くも逸脱なのかもしれないですけど、そこが見つかると映画になるなって発想がずっとあったんです。でも、『窮鼠…』は最初から停滞の中にないんですよね。発見とか、次の扉が開いていく展開になっている。それは観客が離れないように話をどんどん先に進めていくテレビドラマの類の物語で、僕としては得意ではないはずなんですよ」しかし、行定監督は映画のラストに出てくる“あるセリフ”に出会い、この映画を手がけたいと思ったという。「ラストに出てくるあのセリフに出会った時に、このセリフに行き着くための顛末をどう描くのか? それを脚本家と作業するための枠組みにしましたし、今までに自分でも感じたことのない愛の物語になると思ったんです」自分の感情をストレートにぶつけ続ける今ヶ瀬と、それを受け入れるのか、単に流れているのか“一見したところは”わからない恭一。ふたりの関係は恋人でも、元恋人でも、憧れでも、意地でも、単なる欲望でもない。相手を好きになる理由がない。相手を好きな理由がわからない。監督が語る通り、本作は多くの観客が登場人物の感情に似たものを感じたことがあり、その苦悩や迷いがわかるのに、その正体が一体、何なのか説明できない愛の物語を描いている。「成瀬巳喜男の『浮雲』にも似た感じがこの映画にはあって、根本的に相手のことをどんな感情で捉えているのかよくわからないというか、例えば人を好きになると“この人の顔が好きだな”とか“自分のことを好きと言ってくれるから好き”とか(笑)何かしら定義づけますよね? でもこの映画のふたりはそれとは明らかに違う向き合い方で、ふたりはそれが一体、何なのか手探りで見つけようとしている。だから、曖昧さがいつもより増しているのかもしれないですよね。なぜこんな感情になるんだろう?って。この映画におけるふたりの恋愛はまだ完全に明確な状態じゃない。そこが魅力なのかもしれないです」なぜそんな感情になるのかわからないまま、恭一と今ヶ瀬は変化を繰り返し、やがて監督が出会った“あるセリフ”にたどり着く。恭一と今ヶ瀬は映画の最後の最後でどこに行き着くのだろうか?「この映画では、恋愛のプロセスを順を追って省略することなく、丁寧に描けたと思っているんです。ふたりは進み続けて、これ以上はないだろうなってのが、この映画のラストのイメージとしてありました。それは“行き止まり”で、その淵に立つってのはよっぽどのことだと思うし、ここに来たことがふたりのこの後の人生に大きな影響を与えるんだと思う。でも、“淵まで行ける幸せ”ってのもあると思うんですよね」『窮鼠はチーズの夢を見る』公開中
2020年09月11日ジャンルを問わないコンペティションをメインプログラムに、音楽や演劇、ファッション、グルメなど下北沢を彩る様々なカルチャーを切り口にしたプログラムを行う下北沢映画祭。12回目を迎える今年は、新型コロナウイルス感染拡大防止および観客とゲスト、スタッフの安全確保のため、配信プラットフォーム「STAY HOME MINI-THEATER powered by mu-mo Live Theater」と連携して初めてオンラインにて開催することになった。メインプログラムのコンペティションは、全国から応募のあった237作品の中からノミネート作品10作品をオンライン配信。ゲスト審査員に『Red』『幼な子われらに生まれ』の三島有紀子監督を迎え、授賞式、審査員とノミネート監督とのトークセッションは下北沢から生配信する。そして、「back number」の楽曲を元にしたショートムービー『世田谷ラブストーリー』を手掛け、“演劇の街”下北沢を舞台にした芥川賞作家・又吉直樹の原作小説の映画化『劇場』など、下北沢ともゆかりの深い行定勲監督と、同作で音楽を手掛けたミュージシャン・曽我部恵一のトークイベントを実施。さらに、観客動員数1万人突破、スマッシュヒット中の「ヨーロッパ企画」初の長編映画『ドロステのはてで僕ら』初のコメンタリー上映も開催。昨年10月の第11回下北沢映画祭で製作発表を行った本作は、今年2月に「ヨーロッパ企画」の本拠地・京都で撮影、6月に下北沢トリウッドと京都シネマの2館から上映をスタートした後、じわじわと全国に口コミが広がっている。なお、本映画祭のポスタービジュアルのイラストは「ヨーロッパ企画」の角田貴志によるもの。オンライン開催決定にあたり下北沢映画祭実行委員会は、「私たちはこれまで『映画を観る』『映画を届ける』ための“場所”を作り出すことにこだわりたいと考えてきました。そんな私たちにとって、オンラインでの開催は苦渋の決断でした。ただ、先の見えない状況の中で、映画文化の灯を消さないため、そして下北沢の街に再びにぎわいを取り戻すため、私たちが、いまできることは何かを考えた結果、『中止』という選択肢だけはありませんでした」と説明。第12回となる今年のテーマは「映画は、いつもの街で待っている」。「世の中が大きく変化しているなか、新たな常識に翻弄されている『いま』のことを考えました。日常はいま、ものすごいスピードで変わっていきます。しかしながら、映画は私たちの手の届くところにある。“変わらないもの”がいつもの街=下北沢にはあるという想いをテーマに込めました。そして、どんな形であっても『新たな才能を発掘する』『多様な自主映画の表現の場を守る』『下北沢の特性を活かした企画を届ける』という、下北沢映画祭本来の目的は実現できると信じております」と語っている。第12回下北沢映画祭は10月2日(金)~4(日)「STAY HOME MINI-THEATER powered by mu-mo Live Theater」にてオンライン開催。【オンライン上映配信券 販売期間】9月12日(土)午前10時~各プログラム開始5分前まで。(text:cinemacafe.net)
2020年09月10日