皆さんは、義家族の言動に恐怖した経験はありますか?今回は「娘の結婚相手に詳しすぎる義両親」にまつわる物語とその感想を紹介します。イラスト:エトラちゃんは見た!何でも知っている義両親彼女との結婚を報告するため、義実家を訪れた主人公。「初めまして、俺は…」と挨拶を始めた主人公を、義両親が「知っているよ」と制止しました。そして義両親は、主人公の学歴や恋愛遍歴について話し出したのです。義両親は主人公の元カノの人数、別れ方、元カノたちが今結婚していることまで知っていて…。耳を疑う言葉出典:エトラちゃんは見た!彼女にも話していないようなことを知っている義両親に、愕然とした主人公。彼女も驚いて「なんでそんなに知っているのよ」と、義両親を問い詰めました。すると義両親は、主人公を興信所で調べてもらったと言い出したのです。当たり前かのように話す義両親に、主人公と彼女は真っ青になるのでした。読者の感想義両親に元カノの詳細な情報を知られていたら、言葉を失ってしまいますよね。娘のためとはいえ、興信所で事前に調べていたのはやりすぎなように思えました…。(20代/女性)彼女が知らない情報まで義両親が知っているなんて、ゾッとしてしまいますね。さらに当たり前かのように興信所で調べてもらったと話す義両親に、衝撃を受けました。(40代/女性)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。※こちらのお話は体験談をもとに作成しています。(lamire編集部)
2024年02月05日11月3日、西崎 緑が芸道60周年を記念した感謝の集いを東京ガーデンパレスにて開催。西崎は、1960年に日本舞踊・西崎流の家元の娘として誕生。3歳で日本舞踊の初舞台を踏み、7歳でレコード歌手として「小さなプリンセス 」でデビュー。14歳の時、平尾昌晃氏と出会い「旅愁」が空前の大ヒット(TV番組必殺シリーズ・暗闇仕留人主題歌)、また同必殺シリーズにレギュラー出演し、女優としても出演、近年はますます円熟味を増した舞踊と歌で活躍中。今回のショーは、60周年の歩いみを90分のステージに凝縮し、代表曲「旅愁」からロングヒット中の最新曲「かもめ」まで、全10曲を熱唱。また、歌芝居「かもめ」では、一人芝居を演じるなど、歌、踊り、芝居と多彩に魅せた。ゲストには、松浪伽乃里、二見颯一、西崎流美緑会の西崎緑紗、西崎緑亜、塩沢優、三木くるみが駆けつけ、60周年に華を添えた。フィナーレでは全国各地から集まった200名のファンを前に、大粒の涙をこぼしながら感謝の気持ちを伝え、暖かい拍手に包まれる中お互い元気でいましょうねと優しく微笑んだ。■リリース情報西崎 緑 芸道60周年記念曲「かもめ」TECA-23025定価:¥1,400(税抜価格 ¥1,273)シングルCD1.かもめ作詞・作曲 星野宗広、編曲 猪股義周2.旅愁作詞 片桐和子、作曲 平尾昌晃、編曲 鈴木 豪3.かもめ(オリジナル・カラオケ)4.かもめ(メロ入りカラオケ)5.旅愁(オリジナル・カラオケ)各音楽配信サービスにて配信中 ■西崎 緑 「かもめ」MV西崎 緑 / TEICHIKU RECORDS : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年11月10日西崎 緑チェウニ(左→右)3月5日(日)、中目黒のLIVEハウス楽屋(らくや)で、西崎緑とチェウニによるジョイントライブ「~楽屋演歌~Vol.18 西崎緑・チェウニ」が開催された。ASKAの「はじまりはいつも雨」を息もぴったりなデュエットでスタート。西崎 緑チェウニ西崎が「初めて歌う歌ばかりなのでドキドキしながらです」と話すと、双方のファンで満席の会場から温かい拍手がおこった。チェウニは自身の東京3部作の中から「Tokyoに雪が降る」「トーキョー・トワイライト」を宇戸トシヒデのピアノとのアンサンブルで披露。西崎緑も「さざなみ」「春しらず」などオリジナル曲で応えた。チェウニが「お姉さま(西崎)、ザ・ピーナッツの曲はね、びっくりするくらい難しいの!」と話し、ザ・ピーナッツのメドレー(「可愛い花」「恋のバカンス」「愛のフィナーレ」)を抜群のハーモニーで歌い上げ前半を締めくくった。後半は西崎・チェウニの二人による“あみん”の「待つわ」から再開。西崎が「ウニちゃんは待つのはあまり好きじゃないよね?」と聞き、「私は待つのはヤダ!」とチェウニが返すと会場は笑いの渦に包まれた。さらにお互いの楽曲のカバーも披露。チェウニが「驛」「天使の羽根がふってくる」に続いて西崎の代表作「偽名」のカバーに挑戦。「本人が聞いているから緊張するのよ(笑)」と話し、今度は、西崎がチェウニの「2時間だけのルージュ」に挑戦。続いて、「紅の糸」「旅愁」を披露。ラストはふたりで「愛するってこわい」を歌い上げ、たくさんの拍手と歓声で湧いた。今後、西崎とチェウニは4月19日にそれぞれ新曲を発売するとともに、西崎は4月にシャンソン歌手の黒川靖子さんとのジョイントコンサートをチェウニは9月に恒例のライブ公演を開催すると発表した。■商品情報2023年4月19日発売チェウニ「ローズレイン~薔薇の雨~」TECA-23026 定価:¥1,400(税抜価格 ¥1,273) 2023年4月19日発売西崎緑 芸道60周年記念曲「かもめ」TECA-23025 定価:¥1,400(税抜価格 ¥1,273) ■ライブ情報2023年4月2日(日)西崎緑 黒川靖子ジョイントコンサートBeautiful Harmony Vol.11池の端ライブスペースQui東京都台東区上野2-13-2パークサイドビル4F2023年9月16日(土)チェウニLIVE~ハンサムなオンナSeason.3恵比寿アートカフェフレンズ東京都渋谷区恵比寿南 1-7-8 恵比寿サウスワンビル B1F【西崎 緑】2017年8月16日発売「紅の糸」西崎 緑 / TEICHIKU RECORDS : 【チェウニ】2022年2月16日発売「天使の羽根がふってくる」MV : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年03月13日アスリートのセカンドキャリアを支援する就職エージェント株式会社プロフェッショナルワンが運営するYouTubeチャンネル「西崎幸広のトレンディーエースチャンネル」は、宮崎キャンプ中の埼玉西武ライオンズ 源田壮亮選手を独占取材し、2月17日(金)に動画を公開しました。3月8日から開幕するWBC(2023 WORLD BASEBALL CLASSIC)の日本代表、侍ジャパンの登録メンバー30人の一人でもある源田選手に、埼玉西武ライオンズOBの西崎幸広氏が直撃インタビュー。WBCへの意気込みから源田選手が理想とする選手像や、お気に入りの飲食店情報まで盛りだくさんな内容でお届けしています。西崎幸広のトレンディーエースチャンネル: 西崎幸広氏(左)のYouTubeチャンネルに登場した源田壮亮選手(右) ▲西崎幸広氏(左)のYouTubeチャンネルに登場した源田壮亮選手(右) ▲西崎幸広 (にしざき ゆきひろ)氏1964年4月13日生まれ。滋賀県大津市出身。元北海道日本ハムファイターズ選手(投手)で、現在はOB会長も務める。右投右打。野球解説者、タレント。2023年より埼玉武蔵ヒートベアーズ監督に就任。長女は女優の西崎あや、次女はタレントの西崎莉麻。 ▲源田壮亮 (げんだ そうすけ)選手1993年2月16日生まれ。大分県大分市出身のプロ野球選手(内野手)。埼玉西武ライオンズ所属。2020年からは、同チームのキャプテンを務める。妻は乃木坂46の元メンバーでタレント、ファッションモデルの衛藤美彩さん。【埼玉西武ライオンズの松井稼頭央監督や蛭間拓哉選手も登場!】YouTube「西崎幸広のトレンディーエースチャンネル」では今後、2023年から埼玉西武ライオンズの一軍監督に就任した松井稼頭央氏や、ドラフト1位で指名された蛭間拓哉選手(22歳、外野手)にも独占取材を予定しています。野球の真面目な話はもちろん、このチャンネルでしか聞けない暴露話や成功をもたらすルーティン、セルフマネジメントの方法、お気に入りのグルメ、時には失敗NGトーク集などさまざまな映像をお届けしていく予定です。 ▲メディアとして宮崎キャンプに潜入する西崎氏 ▲埼玉武蔵ヒートベアーズで監督を務める西崎氏【キャンプ潜入特別企画!抽選で5名様に豪華賞品が当たる】埼玉西武ライオンズのキャンプ潜入特別企画として、抽選で5名様に、松井稼頭央監督、源田壮亮選手、蛭間拓哉選手、西崎幸広氏のサイン入り色紙のいずれか、もしくは松井監督のサイン入りキャップをプレゼントいたします。動画内で毎回発表されるキーワードを組み合わせて5文字からなる単語を作り、「西崎幸広のトレンディーエースチャンネル」公式Instagramをフォローして、InstagramのDM(ダイレクトメッセージを送信)にそれを記載の上、ご希望の応募賞品名と一緒にご連絡ください。 応募締め切り2023年3月31日まで。チャンネル公式Instagram: 結果発表は当選者にInstagramのダイレクトメッセージ(DM)機能でご連絡いたしますので、公式アカウントを必ずフォローしていただきますようお願いいたします。DMを受信拒否設定している場合、当選連絡をすることができないため、抽選対象外となります。当選通知受信後、指定の期限までに、ご連絡先、賞品お届け先等、必要事項を指定の方法でご連絡ください。ご連絡が7日以内にない場合は当選を無効とさせていただきますのでご注意ください。賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。また当選の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。・SNSでも最新情報を発信中!ぜひフォローをお願いいたしますチャンネル公式Twitter : チャンネル公式TikTok : チャンネル公式Facebook: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月22日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか? 大なり小なり義実家トラブルは皆さん経験があるみたいです…。今回は実際に募集した義実家トラブルエピソード「自分勝手な義叔母」を漫画にしてご紹介します!「自分勝手な義叔母」出典:lamire私は義父の、義叔母は義祖母の介護出典:lamireある日なぜか義祖母が家に来て…出典:lamire聞いてないけど…!?出典:lamire夫に相談すると…出典:lamire叔母の自分勝手な考えに賛同してしまった義父出典:lamire思わず反論すると…出典:lamire義叔母とは絶縁状態に…出典:lamireいかがでしたか?妊娠中の義父の介護だけでも大変なのに、そこに義祖母まで…。なんの相談もなく話を進めてしまう義家族にびっくりですよね…。以上、義実家トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを漫画化しています。(lamire編集部)(イラスト/緋龍高弘)"
2022年05月20日アニメーションの歴史に輝く不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」。中でも日本全土を熱狂させた劇場用映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』をモチーフに、その壮絶なる物語を新たな解釈と装いで現代に甦らせた完全新作シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』。全七章で綴られる本作の第三章「純愛編」が10月14日(土)より劇場上映&デジタルセル版配信が同時スタートするのに先駆け、主人公・古代進を演じる声優の小野大輔と、シリーズ構成・福井晴敏の対談インタビューが届いた。■あらすじ第十一番惑星の岩塊に埋もれたヤマトの頭上に、おびただしい数のガトランティス増援艦隊が到着する。波動砲を封印したいまのヤマトには為す術がない。逡巡の末に、古代が取った道とは――。苦難の連続で追い詰められた古代を見かね、ヤマトに密航していた雪が姿を現したところで、事態が好転することはない。必要に駆られ、惑星シュトラバーゼへと立ち寄ったヤマトを、二つの巨大な罠が襲う。ガミラスに革命を促さんとする反乱軍は、なぜヤマトを待ち構えていたかのようにシュトラバーゼを襲撃したのか。その混乱の中、古代はアケーリアス文明の遺跡の中でガトランティスの意思を体現する男と対面を果たしていた。宇宙の真理として絶対的な“愛”を説く男は、「おまえの愛を示せ」と、古代に恐るべき選択を迫るのだが――!?■小野大輔、福井晴敏氏の言葉で「タガがはずれました」ヤマトのピンチで幕を下ろした第二章。続く第三章では、ヤマトが波動砲を使うのか決断が迫られると、福井氏は語る。「古代にとって波動砲を撃つという行為は魂に対する裏切りになる。自分の魂、沖田さんの魂、そして地球の恩人であるスターシャに対してもそうです。彼が何を納得して、あるいは納得できずに引き金を引くのかどうか…そこがまず最初の見どころになってくると思います」。主演の小野さんも“決断”については想いが深いようで「古代は幾度も選択を迫られていますが、第三章は特に『古代、選べ!』となっていて、そこはずっとつらかったですね。演者としても一個人としても、古代の気持ちになるとかわいそうで仕方がない。本当に福井さんは酷い人だと思います(笑)」と心境を吐露した。そんな第三章で注目すべきは“キーマン”だという。小野さんは「キーマンはクールで俯瞰的に物事を見ている人なので、納得のいくセリフが多くありました」「古代の背中を押すような部分もあるし、ヤマトに寄り添って大事なものが見えている人なのかな」と分析すると、福井氏は「たとえば企業の問題点も、内部の人間よりも外からやってきた協力会社の人のほうがわかるわけです。ただ、わかっていても、言うか言わないか、という選択がある。キーマンは言ってしまいます。あの立場にいる人物としては迂闊なことなはずだけれども、彼は愛せる人だし人情家ですね」。クラウス・キーマン役を演じるのは、小野さんと共演作も多い声優・神谷浩史。小野さんはアフレコ時に神谷さんについて深く印象に残ったシーンがあったよう。「キーマンはひとことで言えば『暗躍しているんじゃない?』と思える人物です。ですから先のことをわかっていないと演じられない役柄だと思うんです。それで神谷さんが、福井さんに熱心に質問をしていたことが印象的でした。アフレコブースを出てまで質問をしていました。それが、『俺は知りたいんだ』と行動するキーマンの役柄然としていたし、現場の士気を高めるファクターにもなっていました」。一方の小野さんは、演じていて「古代がここまで自信をなくしてしまっていいのか?」と悩むシーンもあったという。手を差し伸べてたのは福井氏だ。「福井さんがアフレコに来てくださって、『迷っていいです。情けないくらいやっていいです』と言われたので、タガがはずれました。古代って、こんなに泣くかなと思ったのですが、思い出してみれば『2199』の最後で、みっともないくらい泣いているんですよね。彼のメンタリティは、衝動が発露したときはなりふり構わない部分も持ち合わせているんですよ」。福井氏は「キーマンともう一人、ズォーダーも注目です」と明かし、「ガトランティスがどのような敵なのかがわかってくる。圧倒的に強大な敵という存在ですが、何がどのように人類に脅威なのか?これが見えてきます。人間ともガミラスともまったく違う存在が、『愛』を外側から見て嗤う、忌み嫌うのですが、逆に言えば、愛を外から見ている彼らだからこそ、愛について語れる部分があるわけです」と解説。■サブタイトル「純愛」は皮肉なタイトル!?“愛”が持つ多面性そう、本シリーズは“愛”が大きく関わってる。第三章では特にサブタイトルが「純愛」となっているが、それが意味するところとは?「愛というのは、それこそ『愛は地球を救う』であって、輝かしい部分もあるのですが、反面こわいものも含んでいます」と持論を語る福井氏。「世界を見渡せばさまざまな事件が起きていますが、それも間違いなく愛のもとでやっているわけです。でも『そういうことじゃない、愛する人のためだけで人間はいいのではないか?』と言っていたのが『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』だった。しかしその、愛する人のためということも、結局はエゴに転換してしまうのではないか?第三章『純愛篇』は愛の輝かしい部分を描いていますが、今後は愛の暗い部分も出てくることになると思います。その両面を描くことが大事なのです」「第三章はその所信表明みたいな回ですね。そういう意味では、実はちょっと皮肉なタイトルです」。「違う愛も描くからこその、この時点での『純愛篇』となると、僕=古代としてはつらいなあと思いました(笑)」と率直に明かす小野さん。「ただ、古代としての愛の表現や生き方は、僕は共感ができています。人が好きとか、何かが好きというのは突き詰めていくと理屈ではないと思っていて、理由は後付け。それを俯瞰して問いかけてくる存在も必要だとは思うのですが、ただそれに対してはやっぱり、理屈抜きで『俺は好きなんだ』って、胸を張って言えるかなと思います」。■見どころは“芝居”!「生々しいまでの生を感じて」最後に「第三章の一番の見どころは?」と問われると、二人とも共通する考えを抱いていてることが分かった。福井氏は「今回の章は『芝居』ですね。役者さんの芝居をすごく粘って録っています。絵も、実は相当リテイクがあって、熱を入れて描き直しなどが行われています。もちろんヤマトらしいメカのアクションやスペクタクルもあるのですが『アニメーションってこれくらい突っ込めるんだ』というところの一端を見ていただけるといいなと思います」。「ストーリーとしても、方向が見えてきます。第二章までの『2202』は『2199』の続きであり、『さらば』かもしれないし『2』かもしれないしという、言ってみれば三要素の中の複雑な経路をどうやって渡っていくのか?という答え合わせをしてきた部分がありました。第三章からは、それらがクリアできたのはわかったけれど、どこに向かうの?という部分が、初めてちょっと明らかになるのかなというところですね」。「福井さんに『芝居』とおっしゃっていただけましたし、僕もそこなんだなと実は思っていて」と続ける小野さん。「完成直前の映像を見てゾクゾクしたんです。生の感情がそこにある気がして。ヤマトはSFアニメですが、やっぱり生きているなって思える映像でした。生々しいまでの生を感じていただきたい。そこにはやっぱりアニメーションを作るすべてのスタッフさんたちの技術と、『好き』という“想い”が詰まっていますので、みなさんにも感じていただければと思います」。(text:cinemacafe.net)
2017年10月13日現在公開中の映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は、2012年より上映されたアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』の完全新作劇場版だ。公開初日には新聞に全面広告が掲載され話題を呼んだ。どうして今、新聞広告なのか。そこにおそらく今後のアニメのあり方を考えるヒントがある。『宇宙戦艦ヤマト2199』は1974年に放送された『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクである。ガミラス星の攻撃によって瀕死の状態となった地球を救うため、ヤマトが単身、イスカンダル星を目指すという旧作のイメージをそのままに保ちつつ、設定やドラマは現代的にアレンジ。21世紀の視点として楽しめるSF冒険活劇として作品を蘇らせた。全26話(映画館では全七章に編集して上映)で完結したが、本映画はそのヒットを受けて企画。イスカンダル星からの帰還の途中を舞台にして、本編では描かれなかった謎の異星人ガトランティスなどとの隠された戦いを描く。『宇宙戦艦ヤマト2199』が新聞広告を打つのはこれが初めてではない。2013年のTV放送開始時期とTV放送終了および第7巻のBD&DVD発売に合わせて特大サイズの折り込み広告を展開している。「新聞広告データアーカイブ」の記事によると、この広告には、1974年から放送されたオリジナル『宇宙戦艦ヤマト』のファンであるハイエージ層と、現在はアニメに触れる機会の少ない人々に、リメイク版である『2199』の存在を知ってもらうために企画されたという。1974年に公開された『ヤマト』と出会った時、10代だったファンももう50代半ば。この世代は20代~30代と比べれば、新聞との親和性はまだまだ高い。だからこその新聞広告というわけだ。この『宇宙戦艦ヤマト2199』が宣伝で掘り起こそうとしている層がそこだとわかると、2012年4月の週刊誌『週刊ポスト』(小学館)とのコラボ企画(特集記事掲載に合わせ裏表紙を森雪が微笑む『週刊ヤマト』にした)も、旧来の『ヤマト』ファンへの訴求を目指したものだと合点がいく。実際、映画館に足を運んでいるファンを見ると、年齢が高めのファンが少なからず見受けられた。これがどうして今後のアニメのあり方を考えるヒントになるのか。それは『宇宙戦艦ヤマト 2199』のヒットに、オリジナル『ヤマト』ファンが少なからず貢献したことを考えると、そこに「シルバーエージ向けアニメ」の可能性が見えるからだ。1974年に『ヤマト』に注目し、1977年の劇場版ヒットに貢献したオリジナル『ヤマト』のファンは、いうなればアニメファン第一世代である。1960年前後に生まれた彼らは、TVアニメ(と特撮)とともに成長し、1980年前後に盛り上がったアニメブームの中心的存在となった。ファンからクリエイターにまわった人も多く『宇宙戦艦ヤマト 2199』の総監督・出渕裕氏もそうだし、『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督、『超時空要塞マクロス』の河森正治監督も同世代だ。やがてアニメブームは、1984年いっぱいで収束し、社会人となったファンの多くは「元アニメファン」という形で、現在放送中のアニメを見ることからは次第にリタイアしていった。しかし、そうしたごく普通の元ファンも、「興味がある題材」と「そこに届く宣伝」があれば、ちゃんと劇場まで足を運ぶのだ。聞くところによると、アニメのBD&DVDというとネット通販サイトが販路として圧倒的な印象を受けるが、年齢総高めの作品については新聞の通販広告というルートもなかなか見逃せないのだという。これもまた「興味がある題材」と「そこに届く宣伝」の一例だろう。こうした元アニメファン層は今後、もっと積極的に掘り起こされていくだろう。なにしろあと5年でこの世代は還暦に達する。可処分所得に加え可処分時間に余裕のある"アニメファン"がそこに登場することになるのだ。「シルバーエージ世代が楽しむアニメ」というとどうしても冗談風に捉えてしまう向きもあるだろう。アニメのような"若者向けカルチャー"を"枯れたはずの"老人が(無理して?)楽しんでいる、という戯画的なイメージが浮かんでしまうからかもしれない。だが、現代の60歳は、イメージほどに老けた存在ではない。音楽にしろマンガにしろ、その世代のファンとともに「若向けの文化」が「シルバーエージも参加できる文化」になっていった例も多くある。戯画的なイメージにひっぱられていては、将来のビジョンを見損なうだろう。「シルバーエージ世代が楽しむアニメ」というからいけないのかもしれない。現在アニメに起きつつある変化とは、もう少し本質的なことなのだ。それは「アニメが一生の趣味である時代の到来」といったほうがわかりやすいかもしれない。若い頃アニメが好きで、その後、元ファンになってしまう人は少なくない。でもこれからは旧譜の再販を買ったりするだけでなく、人生の実りの時期に改めて自分はアニメが好きだったな」と再確認できるタイトルが登場する可能性がでてくるのだ。『ヤマト』以外でいうなら、『機動戦士ガンダムUC』『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』もそこにカテゴライズ可能な作品だろう。「アニメが一生の趣味」と呼べるようになる時、どんなアニメが作られ、どんな方法で流通し、どのように宣伝されるのか。その萌芽の一旦は間違いなく『宇宙戦艦ヤマト2199』の中に宿っているように思う。(C)西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2014年12月12日●"力"というプリミティブな意味で人間的な『2199』のガトランティス12月6日より完全新作劇場版『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』が公開された。『宇宙戦艦ヤマト2199』は、もともとTVアニメ26話分として制作されながら、当初は劇場イベント上映+Blu-ray/DVD販売という形で世に送り出された。オリジナルは1974年にテレビ放送され、日本のアニメ史に大きな足跡を残した『宇宙戦艦ヤマト』。基本的な設定を生かしながら、メカニックの3DCG化やSF考証の面で現代のアニメにふさわしいディテールアップを図り、キャラクターも多彩な女性キャラクターの登場やガミラス側の人間模様も描くなど、単なるリメイクに留まらない奥深さが魅力で、大きな話題となった。イベント上映は2012年4月7日の第一章から2013年8月24日の第七章まで行われた。章を重ねるごとに期待を超えるクオリティでファンを魅了し、上映される劇場の数も当初の10館から12館に、第六章・第七章では16館へと拡大した。また、2013年4月からはMBS・TBS系列全国ネットでのテレビ放送も始まり、ファン層の幅も広げた。劇場への来場者には旧作のヤマトファンばかりでなく、若いアニメファンや親子連れの姿も増え、世代を超えて伝わる作品の魅力がファンの反応にも現れた形だ。これがさらなる動きへとつながった。テレビシリーズ最終回放送後に告知された、2014年の完全新作劇場版の公開だ。驚きと喜びをもって迎えられたこのニュース。 敵は? 艦長は? 封印された波動砲は?――期待と共にさまざまな想像が膨らんでいく。今回は公開前の出渕裕総監督にお話を伺った。○今作に向けた仕込みは第五章上映時から――最終回放送直後の劇場版告知は驚きを持って迎えられましたが、企画はいつ頃始まったのでしょうか?第四章と第五章の間くらいにお話をいただきました。テレビ放送が始まって、劇場にも新規の若い方が目立ち始めた頃だったんじゃないかな。新作劇場版ということもそうですが、公開が翌年というのもびっくりでした。まあ、(2014年が)40周年と言われちゃうと……。僕自身は"周年"は気にしない方なんですけど。来年あたりが40周年であってくれたらスケジュール的には一番良かった(笑)。――新作に向けた準備はその頃から?敵側の主人公となるバーガー(=フォムト・バーガー/ガミラス軍 エルク・ドメル上級大将の部下)が明確に戦死する描写を避けたり、語り部として桐生(=桐生美影/ヤマト 技術科員)を登場させました。ただ、ガトランティスを出すかどうかその時点ではまだ未定でした。他の敵を出す選択肢もあったんです。劇場版でガトランティスを出すと決めた時、第四章(テレビシリーズ第11話)の時点で、ガトランティス艦艇を無理にでも3DCGにしておけば良かったとちょっと後悔しましたね。――『2199』に登場した敵役は、どこか知的さや愛せる人間味がありましたが、ガトランティスはかなり毛色が異なります。ある意味人間的ですよ、"力"というプリミティブな意味では。オリジナルのガトランティスは、ビジュアルは変えていたとしても組織構造や軍事国家的な在り方がガミラスと似ています。敵はそれぞれ個性的であってほしいという考えで、昔のガトランティスが好きな方には不評を買うかもしれませんが、そこは申し訳ないけど解釈を変えさせてもらっています(笑)。●SF的な種明かしもありつつ、主題は"相互理解"をきちんと描くこと○戦略を描くのではなく、戦術を描く――今作に盛り込まれたテーマは、本編中でもいくつかの話数に織り込まれていたものです。今回、そこにフォーカスしたのは?SF的な種明かしもありますが、主題として"相互理解"をきちんと描きたかった面はあります。ロードムービー的な感覚で描いてきた長い旅を、1本の映画にするというのは非常に難しい。戦略を描くとなると、どうしても俯瞰で見なくてはならないので、色々なものが些末にならざるを得ないからです。でも小さい舞台で起こった戦術を描くと、大きい戦略の中では一つのピースであったドラマの部分も強化されていくし、映画としてまとまりやすい。ドラマの部分に主眼を置くのであれば、そういうやり方のほうが実は良かったりします。戦闘シーンに関しては、敵が脳筋(笑)な感じもあるし、今回はダイナミックで外連味があるな部分も入れてみようと、(本編と)同じ宇宙での戦いの中でも、ちょっと違った面が見えるようにはしているつもりです。それと、言ってしまうとヤマトが他艦と艦隊を組んでの参加している艦隊戦は『2199』ではやったことがなく、今回が初めてですね。――確かにそうですね。波動砲が封印された状態で臨むヤマトの戦い方も気になるポイントです。波動砲は皆さん期待していると思うけど、何か枷がないと、困ったら波動砲を撃てばいいという話になってきてしまう。オリジナルを作った方々も戒めを含めて「むやみに使うものではない」としていました。"便利な武器"になってしまうとインフレを起こしてしまう。だから、逆に封印して良かったと思います。パトレイバー(※)じゃないけど、知恵と勇気でやっていく方が本当は面白い。※『機動警察パトレイバー』。重機や車輛の延長として製造・運用されているレイバー(=人型汎用ロボット)が登場する近未来リアルロボット漫画/アニメ。1980~90年代にかけて漫画、OVA、テレビアニメ、劇場作品が作られ、ほとんどのメカニックデザインを出渕裕氏が行っている。――必殺技が"ない"ことの面白さが出てきますね。波動砲を使うのであれば、使うかどうかの部分で葛藤が生まれると思うんですけど、「よし、波動砲だ」とお手軽になってしまうとね。その必殺技であるはずの波動砲がチートになりすぎてしまい、それでは盛り上がらない。必殺技なのになぜか波動砲が効かない敵が出てくるとか、じゃあ今度は連射できるようになりましたとか。そういうところに陥ってしまうので、波動砲の取り扱いは厳重注意ですね。○設定やデザインから生まれる演出――テレビシリーズの企画開始から考えると長期間にわたって作ってこられたわけですが、制作するうちに監督ご自身の中でヤマトの世界観が膨らんだ部分や、広がった部分はありましたか?僕はメカデザイン出身なので、入ってきたスタッフがデザインしたものに刺激を受けて、これならこうやったらもっと面白いかも、というアイデアが生まれることがありましたね。●火焔直撃砲艦載の巨大兵器はがおもしろい構造に仕上がった――今作で新しく登場する艦も楽しみです。今回も良いデザインにリファインできたと思います。メカニックデザインは、テレビシリーズに引き続き地球側が玉盛君(=メカニックデザイン・玉盛順一朗氏)、敵側が石津君(同・石津泰志氏)に担当してもらっています。今回は、物量的に石津君のほうがメインですね。一番こだわったのは、(ガトランティスの主力艦)メダルーサ級ですね。これは石津君の労作だと思います。モチーフとなったメダルーザは(テレビシリーズの)『宇宙戦艦ヤマト2』にも出ているんですけど、何故か大戦艦とこのメダルーザは、デザインのラインが作中の他の艦と違うんです。今回は色やディテールなどに手を加えて近いように見せていますが、それに小林誠君やSF考証の鹿野君の提案が加わって、搭載している火焔直撃砲艦載の巨大兵器はがおもしろい構造になりました。オリジナルのヤマト2旧作では、ガミラスとガトランティスが同盟関係にあって、ガミラスの瞬間物質移送機の技術を取り入れた兵器を作ったという設定がありますが、今回は敵対関係なのでそれができない。しかし、2199ではガトランティスは自分たちの移動する帝国を維持するために技術を欲している解釈なので、技術力の高いガミラスから技術者や科学者を捕えて自分たちのために働かせている。それで彼らに作らせた兵器を搭載しています。そういう設定から、ならばこう使ったらどうか、こういう構成はできないか、という演出のアイデアへ自分の中では自然にに連結していきました。――設定から積み上げていったデザインが、大きな見せ場づくりにつながっているんですね。あまりどこを見てくれというのではなく、見て、感じていただければいいと思います。そこは観客にゆだねるべきで、作り手側がテーマとか語るのは本当はするべきじゃないのではと思います。宣伝の方は困るかもしれないですけど、見どころとかを聞かれるのが一番困るんですよ(笑)。ただ、初めて見る方でも、ヤマトの旅がどんなものだったのかはわかるような形にしているつもりです。『2199』をずっとご覧になっていた方も、『追憶の航海』で初めてご覧になった方も、旅の中のひとつのエピソードとして純粋に楽しんでいただければ幸いですね。○『2199』の旅が切り開いたもの出渕総監督は、ヤマトという作品について、あるいはデザインワークについて、ご自身の仕事は語るが、それを誰にどう見て欲しいか、どう解釈すべきかなどの説明は一切しない。ただ見て、感じてほしいと言う。それは、死中に活を見出す真っ直ぐな戦い方を、若い乗組員たちに背中で教えた沖田艦長に重なるようにも見える。そう言うと出渕総監督は、「ただのおじさんですよ」と笑いながら、「僕も高橋良輔という良い加減の先輩とか、富野由悠季というとんがった大先生とか、色々な人と付き合って成長させていただきました」と付け加えた。『宇宙戦艦ヤマト2199』本編では、旧作のコンセプトを継承しながら新しい技術や表現を積極的に取り入れた上で、劇場クオリティの作品を作り続けた。そこには、旧作への敬意はあってもノスタルジィは皆無だった。なぜここまで攻めの姿勢を貫いたのだろうか。理由はこの言葉にあったのかもしれない。オールドファンを喜ばせるためだけの作品ではない。ものを作ることは次の世代を育てることだ。オリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』を見て育った世代のように、今のアニメを見て育った世代からも偉大なクリエイターが育つことだろう。再び『宇宙戦艦ヤマト2199』という艦に乗る我々は、出渕総監督の背に何を学ぶことができるだろうか。強大な武力は封じられたが、知恵と勇気を載せたヤマトが間もなく発進する。完全新作劇場映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は12月6日全国ロードショー。(C)西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2014年12月07日アニメーション映画『宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟』が12月6日より公開された。同作は、2012年より上映された『宇宙戦艦ヤマト2199』(2012年)の完全新作劇場版だ。本作の公開に至るまでの過程は、近年のアニメにおける「ウィンドウ戦略」(一つの作品のリリース時期をメディアごとに順序をつけて展開する戦略)の代表的な例といえる。本作の歩みを通じて、現代のアニメビジネスのあり方を見てみよう。『宇宙戦艦ヤマト2199』(以下『2199』)は、1974年にTV放送された『宇宙戦艦ヤマト』(以下『ヤマト』)のリメイク作品だ。西暦2199年、地球は謎のガミラス星人の攻撃により絶滅の危機に瀕していた。そんな地球に宇宙の彼方、大マゼラン星雲にあるイスカンダル星から救いの手が差し伸べられる。イスカンダルには、汚染された地球を救うことのできるシステム「コスモクリーナーD(『2199』ではコスモリバースシステム)」があるというのだ。人類の最後の希望を託されたヤマトは、沖田十三艦長の指揮のもと前人未到の大航海に出発することになる。1974年当時、アニメはまだ「テレビまんが」と呼ばれることが多く、小学校卒業とともに"卒業"するものだった。だが「大宇宙を舞台にした冒険航海というロマンあふれる設定」「SFマインドあふれる緻密なメカニック描写」といった『ヤマト』の魅力は、10代に熱狂的なファンを生んだ。こうしたファンの支えにより、1977年にはTVアニメを再編集した劇場版が大ヒット。これを起点としてアニメブームが巻き起こることになった。『2199』はこのような伝説的な作品を現代に蘇らせるべく制作された。リメイクにあたっては「オリジナルを尊重する部分」と「現代的にアップトゥデートする部分」が慎重に選択された。音楽や効果音、メカデザインについては極力オリジナルを尊重し、一方でキャラクター描写やSF設定などは現代の視線で新たに再構築された。『2199』はオリジナルと同じ全26話ということで制作が進んでいたが、ファースト・ウィンドウとして選ばれたのは映画館におけるイベント上映だった。全26話を全七章に分け、全国10数館の規模10館で数カ月おきに上映していくスタイルが選ばれたのだ。『2199』のウィンドウ戦略の特徴はここに端を発している。そもそも連作シリーズを劇場で上映するというスタイルの嚆矢となったのは2007年から公開された『劇場版空の境界』シリーズだ。奈須きのこの同名伝奇小説を完全アニメ化し、2007年から2009年にかけて全7章を公開。本作が大ヒットを記録したことで、業界内で60分前後の連作を映画館で上映する企画が検討されるようになる。そうした企画の中でも特にめざましいヒットとなったのが『機動戦士ガンダムUC』。福井晴敏の同名小説のアニメ化で、2010年から2014年にかけて全7章で上映された。『空の境界』と『ガンダムUC』の大きな違いは、前者が「映画」として企画されていたことに対して、後者はあくまでOVA(オリジナルビデオアニメ)として企画されていたこと。そのため『ガンダムUC』はあくまで「ビデオ用作品イベント上映」の扱い。だからこそ上映と同時に劇場でBlu-rayの販売も可能となり、これが非常によく売れたことも話題になった。ちなみに『2199』の場合は、劇場上映時に「劇場限定版」Blu-rayの発売とVOD(ビデオ・オン・デマンド)による配信、その後1カ月後に正式な商品(Blu-ray&DVD)がリリースされるというタイムスケジュールが組まれていた。OVAのイベント上映は、映画館サイドにとっても魅力的な案件だった。数年前からよく使われるようになった言葉に、ODSというものがある。これはOther Digital Stuffの略で、「非映画デジタルコンテンツ」とも呼ばれている。一言で言えば、映画館を映画だけでなく、それ以外の映像メディアを見ることのできる場所として活用していこうというものだ。OVAだけでなく、オペラや歌舞伎などを収録した映像や、各種ライブビューイングなどがODSに相当する。つまり「TV以外のファースト・ウィンドウ」を探していたアニメ業界と、「映画以外のコンテンツ」を探していたシネコンの利害が一致したところで、イベント上映が成立しているのである。TV用に企画されながら、イベント上映されることになった『2199』はそうした状況の産物だったのだ。なお、ファースト・ウィンドウが映画館であるメリットは、まず制作スケジュールにある。毎週1話ずつ制作しなくてはならないTVと違いイベント上映は数カ月に1回の公開なので、TVよりもリッチでクオリティ感のある画面と作り出すことができる。逆にデメリットとしては、知名度の低いタイトルでは集客が難しいという点が挙げられる。この点でも『2199』はイベント上映に向いていたことがわかる。『2199』のウィンドウ戦略が面白いのは、こうしたイベント上映とVOD配信が継続する2013年4月からTV放送も始まったということだ。つまり2013年の4月~10月の期間は、「イベント上映」「パッケージソフト(Blu-ray)「TV放送」「VOD」という四つのウィンドウで『2199』が展開されることになった。偶然そうなった部分も少なからずあるとはいえ、これはアニメのウィンドウ戦略としては非常に珍しいケースである。そしてTV放送による視聴者のすそ野の広がりは、イベント上映の動員に反映した。特に第23話~第26話をまとめた第七章は、TVで第22話を放送終了したタイミングでの上映開始となり、興行収入1億円を突破するヒットを記録するに至ったのだ。今回の『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』は、こうしたヒットを受けて企画された完全新作映画である。こちらは全国89館で公開される正式な映画である。描かれるのは、ヤマトがイスカンダルからの復路で出会った「ガトランティス」という新たな敵との戦い。一刻も早く地球へ戻りたいヤマトと新たな敵ガトランティス、そこにガミラス残党が絡んで物語が展開する。仮に『2199』が当初の予定通りTVをファースト・ウィンドウとして展開していたら、果たして完全新作映画に到達するほどの盛り上がりを獲得することができていただろうか。それを考えると『2199』というプロジェクトは「イベント上映」「パッケージ販売」「TV放送」「配信」というそれぞれのウィンドウでの展開タイミングとその特性が見事に絡み合った結果のヒットであったということができる。2014年も『攻殻機動隊ARISE』や実写『THE NEXT GENERATION パトレイバー』といった作品がイベント上映形式で複数話上映された。どちらも人気シリーズの最新作で、おそらく今後しばらくはこうしたウィンドウ戦略は続くだろう。その上でファーストウィンドウとしてイベント上映が定着するかどうかは、これから「知名度のあるタイトル以外のヒット」がそこから生まれるかどうかにかかっているといえる。(C)西崎義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会
2014年12月06日