●ミスコン優勝もキー局全落ちで一度は夢を諦めたABEMAの初代専属アナウンサーとして活躍している西澤由夏。就活ではキー局のアナウンサー試験すべてに落ちるも、サイバーエージェントの営業職に就いたのち、ABEMAのアナウンサー試験に合格し夢を叶えた。アナウンサーとして6年目に突入、そして30歳の節目を迎えた今年、初のフォトエッセイを発売。自身の歩みや胸の内をつづった西澤アナにインタビューし、アナウンサーを目指したきっかけや転機、大切にしているモットーなど話を聞いた。○■『めざましテレビ』を見てアナウンサーに憧れ抱くもともとテレビっ子でずっとテレビを見ていた中でアナウンサーに興味を持ったという西澤アナ。特に『めざましテレビ』(フジテレビ)に影響を受けたという。「私の家では、起きた瞬間『めざましテレビ』がついていて、見終わった頃に登校するというのが日課に。そうしている中でアナウンサーに興味を持つようになり、小学2年生の頃の文集で『将来の夢はアナウンサー』と書いていましたが、その頃は夢というより憧れでした」そして、高校受験で進路を考えたときに、アナウンサーを憧れではなく夢や目標として意識するように。「たくさんアナウンサーを輩出している大学はどこだろうと思ったときに、私はその中でも中央大学に進みたいと思い、そのために中央大学の附属高校に行こうと決めました。その後、大学生になってから本格的に動き出し、アナウンサースクールに通っていました」中央大学時代は「ミス中央大学2013」でグランプリを受賞。「自信は全くなかったですが、ミスコンがアナウンサーの登竜門と言われていた時代だったので、夢に近づくためになんとしても出たいと思って出場しました」と振り返る。だが、就活ではキー局のアナウンサー試験に落ち、一度は夢を諦めた。「狭き門だとわかりながら受けていましたが、それを痛感しました。アナウンサーの仕事を始めた今だからこそわかることですが、当時は足りない部分がたくさんあったなと。型にハマりすぎていて、自分が思い描くアナウンサー像にとらわれすぎていて、素の自分を見せられていませんでした。今となっては落ちた理由がよくわかります」活躍しているアナウンサーを見ても、自分らしさを出せている人に魅力を感じるという。「面接以外にもいろんな実技試験があり、私の場合は失敗しないようにしようと、そこに一生懸命になっていましたが、活躍されている方は自分らしくいらっしゃると感じます」ちなみに、モーニング娘。のファンで、アイドルが大好きだという西澤アナだが、アイドルを目指したことはないそうだ。「歌ったり踊ったりするのは好きでしたが、当時から私にとってアイドルは応援する存在でした」○■アナウンサー6年目突入で感じる手応えと成長一度は夢を諦めるも、サイバーエージェントで営業として働いていた入社2年目のときに、初めて行われたABEMA(当時はAbemaTV)のアナウンサー試験に合格し、2018年からABEMA専属アナウンサーに。アナウンサー6年目に入ったが、「やっとABEMAのアナウンス室が認知され出したかな」と感じているという。「ABEMAのアナウンス室は歴史がない中でやっと丸5年が経ち、だんだん応援してくださる方が増えてきたという実感があります。1、2年目は『ABEMAのアナウンサーっていたんだ』という声が多かったのが、認識していただけることが増えました」自身については「スキルが足りないなと感じる日々で勉強中です」と厳しいが、成長できていると感じる面もあるという。「いろんな番組を担当させていただいていて、各番組での立ち回りを考えられるようになれたのは1つ成長ポイントと言えるのかなと思います。最初はどの番組も同じ自分で臨んでいましたが、この番組ではこういう自分を出していこう、ゲストの方によってこうしてみようと考えられるようになりました」●一度は諦めたからこそ「今の職業をより大切に」アナウンサーとして大切にしていることは、「当たり前のことですが、どの番組も一つ一つ丁寧に向き合う」ということ。「これは1年目からですが、『西澤さんで』とお願いしていただいたからには、期待以上でお返ししたいという思いがあり、どの番組もすべて高い熱量で丁寧に取り組むことを意識しています」その全力姿勢は、キー局のアナウンサー試験にすべて落ちたことが影響しているという。「アナウンサーに1回落ちているからこそ、今の職業をより大切に、真剣に向き合わないといけないという思いがあります。一度は諦めた夢の職業に就くことができ、夢を叶えさせていただいた立場だからこそ、どんなことでも果敢に挑戦したいと思えるのかなと思います」2年間の営業経験もアナウンサーに生きている。「スタッフさんや共演者の方との心地良い距離感を、というのは営業職で培われたものなのかなと感じています。営業のとき、同じスタイルでやっていて響くクライアントもあれば、違うアプローチをしなければいけないクライアントもいて、そこで得たことが今、各番組で皆さんといい距離感を保つことに生きている気がします」○■千鳥のおかげで意識変化「もっと自分らしさを大切にしよう」アナウンサーになった当初は、自分が勝手に作り上げていたアナウンサー像を目指して必死になっていたという西澤アナ。それではダメだと気づかせてくれるきっかけになったのが、『チャンスの時間』で共演している千鳥だった。大悟から収録中に冗談交じりで「イジりにくい」と言われ、進行をこなすだけではいけないと気づき、その後、ノブから「アナウンサーもどき」と愛あるイジりを受けたことで、視聴者が応援してくれるように。自身も、「もっと素の自分を出していいんだ」と意識が変わっていったという。「自分の中にあったアナウンサー像に縛られるのではなく、もっと自分らしさを大切にしようと気づくことができた転機だったなと思います。もともとイジられキャラだった自分の個性を潰しながら日々過ごしていたところから、自分を解放することができ、本来の自分はこうだったよなと思い出し、番組で発言しやすくなりました」自分らしさを出せるようになってから、千鳥以外からもイジられるように。「『ニューヨーク恋愛市場』ではニューヨークさんにたくさんイジっていただき、視聴者の方から毎週、ニューヨークさんとのやり取りを楽しみにしてくださっているという応援コメントが届くようになりました」自分の殻を破ってから「楽しさは増しましたし、難しさも増しました」と語る西澤アナ。「以前は型にハマっていたから間違いすらできませんでしたが、発言する回数が増えた分、今のリアクションは違ったかなと落ち込むことも増えました。でも、苦ではないです」と充実した表情を見せる。○■ABEMAアナならではのやりがいも実感また、ABEMAのアナウンサーならではのやりがいも感じている。「アナウンス室としての歴史がないというのがほかの局との違いだと思いますが、だからこそいろいろ自分たちで考えて行動しなくてはいけない。1、2年目は本当に大変でしたが、どういう形にでもできてしまうというのが、怖さでもあり楽しさなのかなと思います」ABEMAは「FIFA ワールドカップ カタール 2022」全64試合無料生中継をはじめ、さまざまな新しい挑戦をし、視聴者の幅を増やしているが、西澤アナも「FIFA ワールドカップを経て見てくださる方が増えたなと肌で感じ、うれしいです」と手応えを感じている。進化していくABEMAの中で、西澤アナも「アナウンサーとして何ができるのか日々考えています」と言い、「FIFA ワールドカップを経て、私自身も新しい分野としてスポーツ番組をレギュラーとして担当するようになったのですが、必死に1から勉強しています」と、ABEMAの成長とともにアナウンサーも進化を求められている。●フォトエッセイ発売に驚き「喜びの前にパニック」堀江貴文主演のミュージカル『クリスマスキャロル』に出演したり、『週刊ヤングジャンプ』でグラビアに挑戦するなど、アナウンサーの枠を超えた活動も。そして、今年8月12日に初のフォトエッセイ『ABEMAアナウンサー西澤由夏です』(ワニブックス)を刊行したが、オファーを受けたときは驚いたという。「上司から電話をもらって話を聞いたときは、喜びの前に『え!?』ってパニックでした。本を出版させていただくというのが自分の人生の中にあると思ってなかったので驚きましたが、電話の中ですぐに『やります』と言っていた自分がいて、すぐにワクワクに変わりました」発売までは「皆さんにどう映るのだろう」と不安が大きかったが、発売後に寄せられたコメントを見て喜びを感じるように。「過去のつらかった思い出も書きましたし、文章にして伝えるというのは新しい挑戦でしたが、『共感したよ』『文章がすっと入ってきた』といったコメントをいただくと、やってよかったなと思いました」としみじみと語る。エッセイを執筆したことで、「私は本当に心配性だな」と改めて自身について気づくことも。「エッセイを書き終えたあとに、もう一度すべて確認する時間をいただいたのですが、語尾はこれでいいのかなとか一文字一文字迷ってしまって。本当に心配性だなと思いました」心配性な性格は、アナウンサーとしてプラスにもなっているようで、「必要ないかもしれないけど、心配だから準備しておこうと思ったものが意外と本番で生きて、見ておいてよかったなと思うことはあるので、準備の面ではプラスかなと思います」と語った。○■30代も「身の丈に合っていないチャレンジを」フォトエッセイが発売された8月12日に30歳を迎えた西澤アナ。30代はさらにチャレンジを大切にしていくつもりだ。「30歳になったからこそ足を止めずに。今回のフォトエッセイも身の丈に合っていないチャレンジでしたが、そういったチャレンジを30代もし続けたいと思います。具体的にこれがやりたいというものはまだ決まっていませんが、いただいたお仕事は果敢に取り組みたいですし、とにかくチャレンジし続けたいです」さらに、「人の気持ちを明るくできるアナウンサーになりたい」と目指すアナウンサー像を語る。「『西澤アナが出ている番組を見て、明日からまた1週間頑張れる』というコメントが一番うれしいなと気づいたんです。だからこそ、落ち込んでいる方や気分が上がらない方がABEMAを見て、たまたま私を見かけたときに、『この人すごく前向きに挑戦しているから自分も頑張ろう』と思ってもらえるようなアナウンサーを目指していきたいです」目指すアナウンサー像はアイドルからの影響だそうで、「小さい頃からずっとアイドルが好きで、モーニング娘。さん、AKB48さん、坂道グループのみなさんなど、いろいろなアイドルを見てきましたが、落ち込んだときに元気をもらうのはアイドルなんです。アイドルがテレビなどで何かに挑戦したり、明るく頑張っている姿を見て、自分も頑張ろうと思えるので、自分も元気や勇気を与えられるようなアナウンサーになれたら」とにっこり。「アイドルは私にとって日常に彩を添えてくれる存在です」と目を輝かせていた。■西澤由夏(にしざわ・ゆか)1993年8月12日生まれ、埼玉県出身。中央大学時代に「ミス中央大学2013」でグランプリを受賞。学生キャスターなどのタレント活動を行う。就職試験ではキー局のアナウンサー試験すべてに落ちるも、サイバーエージェントの営業職に就いたのち、入社2年目のときに初めて行われたABEMAのアナウンサー試験に合格。2018年から専属アナウンサーとなる。担当番組は『チャンスの時間』『ABEMAニュース』『NewsBAR橋下』『ABEMAスポーツタイム』など。
2023年09月02日Tara音楽芸術舎主催、西澤安澄 ピアノリサイタル『ヴェネツィアとパリに行こう!』が2023年6月8日 (木)に旧東京音楽学校奏楽堂(東京都台東区上野公園8-43)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ スペインを拠点に、イタリア、フランス、スペインでのコンサートを数多く行い、ヨーロッパで高い人気を誇る西澤安澄が誘う音楽の二都物語『水の都ヴェネツィア/異邦人とパリ』。古典とモダンを切り口にをテーマに、ヴェニスが生んだ音の光彩とパリに集った作曲家たちのエスプリ~二つの古都の光と影を描く。公演についてヴェニスとパリ、この二つの古都には古来多くの作曲家が集い魅力的な音楽を生み出してきた。スペインを拠点に活躍しヨーロッパで活躍する西澤安澄、待望の日本におけるコンサートでは得意とするスペイン、フランス、イタリアの作品を集めた。ヴェネツィア編はバロック・古典からクラシック作曲家としてのN・ロータ作品まで、オペラや映像にまつわる作品を中心に集めた。ベル・カント・ピアノと呼びたいほどの豊かに歌うピアノが聴けるだろう。芸術の都パリでフランス人作曲家と、彼らと交流したスペインの作曲家によるパリ編では、西・仏の音楽を得意とする西澤の音の美しさと抜群のリズム感が生きる。演奏予定曲Gluck/Sgambati:Melodia di Orfeo ed Euridiceグルック/スガンバーティー:メロディ【プログラム】●第一部「ヴェネツィア」編Nino Rota:O Venezia, Venaga,Venusua (Suite casanova)ロータ:フェデリコ・フェリーニのカサノヴァよる組曲 O Venezia, Venaga,VenusuaMalipiero:risonanzeマリピエロ:レゾナンスGluck/Sgambati:Melodia di Orfeo ed Euridiceグルック/スガンバーティー:メロディRavel :Jeux d’eauラヴェル:水の戯れNino Rota:Intermezzoロータ:インテルメッツオVivaldi-Bach:Concerto in D RV230ヴィヴァルディ・バッハ編曲:コンチェルト 二長調Liszt-verdi :Rigoletto Paraphraseリスト:リゴレットパラフレーズ●第二部「異邦人たちとパリ」編Mompou :Canción y danza No.8モンポウ:歌と踊り8番Severac」Ou l’on entend une vielle boite a musiqueセブラック:古いオルゴールの聞こえるときFaure :Thème et variationsフォーレ:主題と変奏Montsalvatge:El Gato ,( El arca de Noe)モンサルバチェ:ノアの方舟から 猫Poulenc :Novelette No.1プーランク:3つのノヴェレッテFalla :Chanson du feu follet , Danza del ritual del fuego (Amor brujo)ファリャ:組曲恋は魔術師より 狐火の歌、火祭りの踊りAlbeniz: Trianaアルベニス : 組曲イベリアより トゥリアナプロフィール西澤安澄(Azumi Nishizawa)桐朋学園女子高等学校音楽科を卒業後、フランスの巨匠・名教授として高名なドミニック・メルレに見出されて、ジュネーブ音楽院大学院にて師の薫陶をうける。2002年に同音楽院の演奏家課程を満場一致の一等賞で卒業後、スペインを代表するピアニストのホアキン・ソリアノに招かれ拠点をマドリッドへ移し活発な演奏活動を開始。日本でのコンサートツアーの他、スイス、スペイン、イタリア、フランス世界の音楽祭や演奏会シリーズにも定期的に招待されている。2008年には、京都清水寺でクラシック音楽の演奏会としては開帳後初めての奉納コンサートを開催、改装されたスペイン・グラナダのマヌエル・デ・ファリャ記念ホールこけら落としのリサイタルを行う。室内楽でも世界的なソリストと共演。バロック音楽の演奏にも積極的で、チェンバロも演奏する。レコード史上世界初の本格的なファリャピアノ作品全集となった「マヌエル デ ファリャ ピアノ作品全集」と「ファリャ:ピアノ編曲全集」は歴史的プロジェクトとして、ファリャの遺族、スペイン精鋭の音楽学者らに応援・支持され、彼らからの信頼も厚い。2022年にはファリャ財団の全面的な支持を受け、ファリャを中心とした欧州ラテン音楽の研究と普及を目的に、日本ファリャ友の会を創立。会長に就任。また、恵まれた容姿を活かし、映画出演も果たしている。公演概要西澤安澄 ピアノリサイタル『ヴェネツィアとパリに行こう!』公演日時:2023年6月8日 (木)18時30分開場/19時開演会場:旧東京音楽学校奏楽堂(東京都台東区上野公園8-43)■チケット料金前売:4,000円当日: 5000円(全席自由・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年02月20日「ブランディングデザインで日本を元気にする」をコンセプトに活動する株式会社エイトブランディングデザイン(東京都港区)代表 西澤明洋が、創業から16年間で手がけた幅広い業種のプロジェクトのブランド開発手法と最新のデザイン実績を掲載した・デザインノートPremium『西澤明洋の成功するブランディングデザイン』が、株式会社誠文堂新光社(東京都文京区)より全国発売されます。(2022年7月13日(水)発売)デザインノートPremium『西澤明洋の成功するブランディングデザイン』■デザインノートPremium『西澤明洋の成功するブランディングデザイン』 概要出版元 :誠文堂新光社定価 :1,800円+税発売日 :2022年7月13日(水)発売場所:全国書店/Amazon 他様式 :A4変形判/フルカラー/144P/平綴じ▼書籍のご購入はこちらAmazon: ■100案件を超えるブランド開発!独自のメソッドを紐解くビールから神社まで業種業界を問わず100以上のブランドを成功へと導いた西澤明洋。そのプロジェクトの中から厳選した12事例をデザインプロセスやブランディングのヒントと共に紹介。ロゴ、パッケージ、WEB、サイン、店舗デザインなどビジュアルを多数掲載した、一冊丸ごとエイトブランディングデザイン特集です。さらに、建築家・隈研吾氏と西澤明洋のスペシャル対談や“自社のブランディング”が意識された仕事現場も初公開。クリエイターの職種は、プロジェクト全体のディレクションを一貫して行う「ブランディングデザイナー」のみという、デザイン業界の中でユニークな組織体制における幅広いスキルのアップデート法を紹介します。■掲載概要掲載概要1【方法論徹底解説】100案件を超えるブランド開発!クライアントのデザイン部長として伴走法掲載概要2【ブランド開発手法】経営資源としてデザインを活用し、強いブランドをつくる掲載概要3【CASE1】差異化要因を作り出し、独自のポジションを確立する掲載概要4【CASE2】新しいフランチャイズシステムの構築を目指し、創業当時から伴走掲載概要5【スタッフインタビュー】ブランディングデザイナーの仕事の現場、初公開!掲載概要6【対談:建築家 隈研吾氏】シームレスなクリエイションを可能にする建築的思考のデザイン応用力とポテンシャル■著者:西澤明洋からのコメントブランディングを専門とするデザイン会社「エイトブランディングデザイン」を創業して16年が経ちます。今回の特集号ではこれまでの仕事を振り返る形で、デザインノート編集部のみなさまに取材していただきました。これからも多くの方々と共創しながら日本のアップデートをデザインの力でお手伝いしたいと思っています。是非多くの方々に手にとっていただければ嬉しく思います。西澤明洋ブランディングデザイナー 西澤明洋1976年滋賀県生まれ。株式会社エイトブランディングデザイン代表。「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD(R)」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、ヤマサ醤油「鮮度生活」「まる生ぽん酢」、スキンケア「ユースキン」など。著書に『ブランディングデザインの教科書』、『ブランドをデザインする!』(パイインターナショナル)ほか。グッドデザイン賞をはじめ、国内外100以上の賞を受賞。大学、企業などでの講演やセミナーも多数行う。 ■発売記念トークイベントAOYAMA BOOK CENTER「これからのブランディングデザイン」この度の出版を記念して、書店でのトークイベントを開催いたします。ブランディングデザインという仕事に取り組むときのマインド、表現、ロジックの関係性を西澤自ら解説します。日時:2022年7月25日(月) 19:00~20:30登壇:エイトブランディングデザイン代表 西澤明洋会場:青山ブックセンター 本店 大教室料金:1,540円(税込)定員:70名 ※会場参加のみ主催:青山ブックセンター本店/協力:誠文堂新光社▼お申込みはこちら 【デザインノートについて】1912年創業の老舗出版会社 誠文堂新光社より2004年に創刊。クリエイターを志す人たちのための専門誌として、最新デザインの表現と思考のプロセスを追う誌面づくりが特徴。主な特集に、「原研哉の仕事」「SAMURAI 20th anniversary!! 特集 佐藤可士和」「グッドデザインカンパニー 水野学の仕事」等がある。【エイトブランディングデザインについて】エイトブランディングデザインは「ブランディングデザインで日本を元気にする」をコンセプトに、ブランディングデザイン活動のパイオニアとして、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っています。WEBサイト: PDF URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月07日寺田倉庫株式会社が運営する建築倉庫ミュージアムは、緊急特別企画として、「隈研吾・西澤明洋が語るアフターコロナの建築とデザイン -建築倉庫×クリエイティブナイト-」を2020年5月14日19時よりYouTubeにてライブ配信いたします。建築倉庫ミュージアムは現在、新型コロナウイルスの感染予防および拡散防止のため臨時休館しておりますが、この期間にも建築および建築模型の魅力をより多くの方に伝えるべく、オンラインコンテンツの充実に力を入れております。今回は、建築倉庫ミュージアムの取り組みのひとつである「建築領域における可能性の拡張」に対し、様々なジャンルのクリエイターを招いたトークセミナー「クリエイティブナイト」を主宰する株式会社エイトブランディングデザインに共鳴いただいたことから、本コラボレーションが実現いたしました。登壇者には、同社代表であり、アーキテクチュアル・シンキング(建築的思考術)を提唱するブランディングデザイナー・西澤 明洋氏と、建築倉庫が運営する模型保管サービス「ARCHI-DEPOT ONLINE」にて、数多くの建築模型を保管する建築家・隈 研吾氏をお迎えいたします。「アフターコロナの建築的思考術」、「建築×ブランディング」、「建築模型の価値」等をキーワードに、第一線で活躍する両氏が、「今」考える建築とデザインについて語ります。【開催概要】タ イ ト ル:緊急特別企画「隈研吾・西澤明洋が語るアフターコロナの建築とデザイン -建築倉庫×クリエイティブナイト-」日 時 :2020年5月14日 19:00~20:10(終了予定)配 信 URL:建築倉庫ミュージアム公式YouTubeチャンネル 視 聴 方 法:詳細は建築倉庫公式サイトおよび各種SNSをご確認ください。公式サイト:公式SNSTwitter :: :料 金 :無料【隈研吾氏について】 年生まれ。東京大学建築学科大学院修了。1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。2009年~2020年3月、東京大学教授。2020年4月より東京大学特別教授。1964年東京オリンピック時に見た丹下健三の代々木屋内競技場に衝撃を受け、幼少期より建築家を目指す。大学では、原広司、内田祥哉に師事し、大学院時代に、アフリカのサハラ砂漠を横断し、集落の調査を行い、集落の美と力にめざめる。コロンビア大学客員研究員を経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所を設立。これまで20か国を超す国々で建築を設計し、(日本建築学会賞、フィンランドより国際木の建築賞、イタリアより国際石の建築賞、他)、国内外で様々な賞を受けている。その土地の環境、文化に溶け込む建築を目指し、ヒューマンスケールのやさしく、やわらかなデザインを提案している。また、コンクリートや鉄に代わる新しい素材の探求を通じて、工業化社会の後の建築のあり方を追求している。【西澤明洋氏について】 年生まれ。株式会社エイトブランディングデザイン代表。ブランディングデザイナー。「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD(R)」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、サンゲツ「WARDROBE sangetsu」、芸術文化施設「アーツ前橋」、手織じゅうたん「山形緞通」、純金工芸「SGC」、農業機械メーカー「OREC」、ブランド買取「なんぼや」、ドラッグストア「サツドラ」、博多「警固神社」、など。著書に『アイデアを実現させる建築的思考術』(日経BP社)、『ブランドをデザインする!』(パイ インターナショナル)などがある。グッドデザイン賞をはじめ、国内外100以上の賞を受賞。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月10日<ドクターズインタビュー>東京都内に複数の診療拠点を有する医療法人順齡會では理事長の西澤寛人先生が早くから睡眠時無呼吸症候群の診療に力を入れ、2017年からは患者さんの利便性と満足度を高めるために遠隔診療を導入しています。ご自身もCPAPユーザーであり、港区と江東区のクリニックを行き来しながら、遠隔診療を活用してきめ細やかな診療に取り組んでいる西澤寛人先生にお話をうかがいました。【西澤寛人先生】医療法人順齡會赤坂おだやかクリニック理事長(医療法人順齡會おだやかライフ内科クリニック院長併任)CPAPを中断してしまう患者さんはどれくらいいるのかCPAPで治療を開始した患者さん全体の約5%は継続が難しく、スリープスプリントと呼ばれるマウスピースを使ったOA(Oral Appliance: 口腔内装置)治療に移行する患者さんもいらっしゃいます。CPAPもスリープスプリントも使えないという患者さんはあまりいませんが、睡眠時の無呼吸が重症の場合にはスリープスプリントだけでは改善が難しい部分があり、その点がひとつの課題であると思います。医療者のきめ細かな対応でCPAPからの離脱はもっと減らすことができる患者さんがCPAPをやめてしまう理由としては、ひとつには使うのが面倒だということもあるのでしょうが、実は他の病院から私たちのところへ移って来られた方たちを診ていて気がついたことがあります。これは、最近急激に伸びてきた睡眠時無呼吸症候群に対する医療の今の限界なのかもしれないと感じているところでもあります。医療機器メーカーの広報や営業活動の後押しもあり、睡眠時無呼吸症候群が広く知られるようになったことで、それまでまったく経験のなかった医師が睡眠時無呼吸症候群の治療を始めるというケースも増えてきました。しかしその結果、CPAPを導入はしたものの、使い方の指導が十分行き届いていないということもあるのではないかと思います。CPAPは使う人に合わせて細かく設定を変更することができます。患者さんによっては初期設定のままでは圧が強すぎたり弱すぎたりすることがありますし、状況によってはある設定項目のオン・オフを切り替えると、もっと呼吸が楽になるような細かな設定が用意されているのです。ところが、転院されてきた患者さんが使っているCPAPの機械の設定条件を見ると、メーカーが出荷したときの設定とまったく同じだということがしばしばあったのです。本来ならば、患者さんが苦しくて途中で外してしまうようなことがあれば必要以上に圧がかかっていたりすることが考えられるので、設定を見直してみるべきです。たとえば、息を吸うときには圧がちょうどよくても、息を吐くときには機械から送り込まれる空気と吐く息がぶつかって息をしづらくなります。そこで最近の製品では、息を吐く呼気時に圧を自動的に少し下げる機能がついています。その設定を適切に調整すると、息を吐くときにも苦しい感じがしなくなり、一晩中つけていられるようになったという方も実際にいらっしゃいます。マスクも多種多様で、口・鼻を覆うものから鼻だけのもの、サイズも大きいものから小さいものまであります。ですから、マスクを替えてみるということも含めてさまざまな提案をすることによって、患者さんが楽にCPAPを続けられるようになると思います。また、当院ではCPAPのメーカー3社と契約していますので、ある会社の機械が合わなかった場合は別の会社の機械に替えてみるということもできます。保険点数は決まっていますから、患者さんが負担するコストも変わりませんし、実際に別の機械に入れ替えてみたらよくなったという患者さんはいらっしゃいます。さらに、Travel CPAPといって通常よりコンパクトな製品もあります。小型軽量でかさばらないので出張にも持って行きやすく、使用率も上がるので海外出張が多い方などには喜ばれています。その患者さんのニーズに合わせた提案をどれだけできるかということによって、CPAP離脱率はある程度低くなると思います。当院では離脱率は2〜5%と非常に低く、むしろ睡眠時無呼吸症候群が改善してCPAPから離脱するというケースがあるくらいです。かなりの肥満だった方が減量に成功したり、CPAPを使っているうちに喉が少し広がるようになって無呼吸が少なくなることもあります。再検査をして実際に無呼吸低呼吸指数(AHI)が減っているのでCPAPをやめたという患者さんも当然いらっしゃいます。睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療は安易に行われすぎているレンタルでCPAPを使っている患者さんが保険診療代を払いに来てくれないというような声を病院側から聞くことがありますが、私からみればきちんと診療をしていないから患者さんが来ないという面もあるのではないかと感じます。ただ使用料だけを払いに来させているようでは、やはり患者さんも病院に行く意義を感じないでしょう。普段から患者さんの話を聞いて、それならばこういう設定にちょっと変えてみましょう、というような提案ができていれば、患者さんもCPAPの調子が悪いから病院に行こう、先生に相談しようという話になるのではないでしょうか。患者さんからみた場合、どの医療機関がいいのかということは本当にわかりません。私が遠隔診療で診ている患者さんの中でもっとも遠方にいらっしゃるのは福岡の方です。その患者さんはいったん福岡のクリニックに紹介状を出して診ていただいていたのですが、2カ月後に患者さんが飛行機でわざわざ当院に来られたのです。私が驚いて事情をお尋ねすると、紹介先の医師は患者さんが持って行ったデータを見ようともせず、毎月保険診療代を払いに来てくれればいいと言わんばかりの態度だったというのです。その先生のところにはもう行きたくないと患者さんがおっしゃるので、それなら私が遠隔診察でやってみましょうとご提案して、今は2カ月に1回、福岡との間で遠隔診察をしています。ただし、CPAPの細かい設定などはできないため、患者さんが仕事で東京に出張される時に赤坂に立ち寄っていただき、そこで行うようにしています。私たちは睡眠時無呼吸症候群の患者さんを医療で幸せにして、さまざまな合併症から救っていかなければいけないと考えて診療にあたっています。睡眠時無呼吸症候群を診ている者の責任として、ビジネスのために睡眠時無呼吸症候群を利用することはやめてもらいたいと思っています。睡眠時無呼吸症候群の診療を行っているとされる医療機関の一部には、CPAPの設定などは業者さん任せにして、窓口で患者さんからお金をもらってメーカーに使用料を払っているだけというようなところもあることは事実です。CPAPは保険診療でも1カ月に4,700円ほどかかりますから、それだけのお金を患者さんが負担するからには、もう少ししっかりと適切な医療が受けられるようにしなければいけないと考えています。当院では虎の門病院睡眠呼吸科の成井浩司先生に顧問になっていただいていますが、私が大学院にいたときから成井先生のことはよく存じ上げていました。私はもともと心臓が専門で不整脈を診ていたのですが、不整脈の発生原因に睡眠時無呼吸症候群が大きく関わっているということを知り、関心を持つようになりました。まだ睡眠時無呼吸症候群が今のように知られていなかった頃から、血圧が高くてなかなかよくならない患者さんを見つけると、睡眠時無呼吸症候群があるのではないかと片っ端から検査をして、今日まで診療を続けています。経験や知識がない医師までもが睡眠時無呼吸症候群の診療を安易に始めている現状は止めようがありませんが、これでは患者さんがかわいそうだと思います。遠隔診療導入の背景患者さんにしてみれば、毎月病院に行くというのは誰しも負担に感じるはずです。毎月1回病院に来てくださいといっても、実際にはなかなか難しいところがあります。本来は毎月診るべきなのですが、実際に患者さんが来なかったときには保険診療の制度上、2カ月分さかのぼって算定できるということになっていますので、私たちのところでは実質的には診察を2カ月に1回という形にしています。そうすれば私が赤坂だけではなく、江東区南砂町のクリニックにいるときに患者さんを診ることもできます。実際、先日は江東区のクリニックから福岡にいらっしゃる患者さんを遠隔で診察しましたし、その前にはこの赤坂のクリニックからも診ています。遠隔診療では患者さんとつながることができれば、私がどこにいてもいいのです。私と患者さんとの間に画面があるだけで、対面の診察と変わりはありません。患者さんが遠隔診療のアプリから予約を取ると自動的に予約が入るので、私がパソコンからその日の診療呼び出しをすると、患者さんのスマートフォンでも呼び出し音が鳴ります。患者さんが電話に出るときと同じ要領で出ると、私のパソコン上でも患者さんが画面に出てくるという形です。診療報酬はクレジットカードで決済します。医療は対面でなければ、という考えの医師もいると思いますが、もうそういう時代ではなくなってくると思います。今や厚生労働省の課長クラスの方たちからも「医療はサービス業」という言葉が聞かれるようになっていますし、私自身もそう思っています。医療におけるサービスというものを考えると、患者さんに対して上から目線で病院に来なさいというような診療ではなく、いかにその患者さんにもっと病院を利用してもらいやすくするかということに重点を置いていかなければなりません。私は患者さんの利便性が良くなり、その利便性向上のおかげできちんと通院ができるようになり、健康管理ができるほうが有益だと考えています。逆に時間がなくて病院に行けないから薬をもらえなかったというほうが、よほど健康には不利益です。病院も患者さんの事情に合わせていける部分についてはサービスを強化していけばよいのではないでしょうか。
2017年09月28日<ドクターズインタビュー>東京都内に複数の診療拠点を有する医療法人順齡會では理事長の西澤寛人先生が早くから睡眠時無呼吸症候群の診療に力を入れ、虎の門病院と医療連携を結んで質の高いきめ細やかな診療を行っています。医療法人順齡會グループの4施設のひとつ「赤坂おだやかクリニック」で、西澤寛人先生にお話をうかがいました。【西澤寛人先生】医療法人順齡會赤坂おだやかクリニック理事長(医療法人順齡會おだやかライフ内科クリニック院長併任)睡眠時無呼吸症候群の受診と検査の流れ私たちの睡眠時無呼吸症候群外来を受診される患者さんは現在かなり多く、初診の患者さんはこの赤坂のクリニックだけで月に50から100人というところです。まず初診で来られた方には自宅で行う簡易検査をしていただいています。この簡易検査の結果だけでも、たとえば仰向けで寝たときに無呼吸が多いことや、横向きに寝ると無呼吸がまったくないなど、かなり詳しいことがわかることがあります。簡易検査でそれほど異常がない患者さんに関しては、横向きで寝るための枕を使って様子をみていただきます。横になって寝ていてもある程度無呼吸がみられる方や、かなり高い頻度で無呼吸がありそうな患者さんに関しては、終夜睡眠ポリグラフ(PSG検査)という、より精密な検査を受けていただくことになります。PSG検査に関しては、医療機関にひと晩泊まって行うパターンと在宅で行えるパターンの2つがありますが、最近は在宅での検査を選ばれる方がほとんどです。在宅での検査でも、ご自分で顔に5か所電極を貼っていただくと脳波を測ることもできます。ご自宅での脳波測定は医療保険の診療報酬算定でも認められているので問題はありません。ただし、ご自分で電極をつけることが難しい患者さんの場合には入院して検査を受けていただきます。入院の場合は、医療連携を結んでいる虎の門病院に電話を入れ、入院日を調整して予約を入れます。患者さんは直接虎の門病院へ行っていただき、検査を終えて退院されると結果がこちらに送られてくるという流れになっています。入院での精密検査の場合は、検査費と入院費、ベッド代等で約4〜5万円かかります。一方、自宅でご自身が行う場合は検査費用と再診料ぐらいしかかからないため、コスト的にも1万円ちょっとの負担で精密検査ができるというメリットがあります。また、夕方入院して翌朝帰れるといっても、一晩中病院に拘束されたくないという方もいらっしゃいますし、病院のベッドではなかなか眠れないという方もいらっしゃいます。そういった点でも在宅の検査は患者さんにとても喜ばれていて、当院を受診される方は在宅の検査を選ぶことが多くなっています。花粉症・アレルギーの患者さんにも実は睡眠時無呼吸症候群の人が当院では花粉症やアレルギーで受診される方も多くいらっしゃいますが、実は花粉のシーズンだけでなくいつも鼻が詰まっていて苦しいというので検査をしてみたら、実は睡眠時無呼吸症候群だったというケースもあります。その場合には鼻の状態をよくすれば睡眠時無呼吸症候群がある程度改善され、症状がよくなるという患者さんもいらっしゃいます。夜、何度も目が覚めてトイレに行くのは睡眠時無呼吸症候群かも?睡眠時無呼吸症候群では、夜寝ている途中で何回も目が覚めてしまうということがよくあります。また、トイレに行く回数が多いというのも、実は無呼吸が原因で睡眠が浅いためにしょっちゅうトイレに起きているという可能性があります。ですから、患者さんの悩みが「何度も目が覚める」「トイレが近い」というものであっても、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれませんのでいびきをかいていないかご家族に訊いてみてください、というお話をすることがあります。ある程度年齢が高くなると、夜に何回もトイレに起きるので気になって泌尿器科に相談するという方も多くなります。男性であれば前立腺肥大かもしれないということで薬を出してもらっていたり、女性でも頻尿の薬を出してもらっている方たちの中には、実は睡眠時無呼吸症候群だったというケースもあると考えます。女性の場合、更年期を境に睡眠時無呼吸症候群が多くなってくるため、更年期前は意外に少ないという特徴があります。その一方、男性では年齢にあまり関係なく発症しています。現在、私たち順齡會グループの中でもっとも若年のCPAPユーザーは8歳です。そのお子さんは扁桃腺が大きいため寝ていると1時間に50回ぐらい呼吸が止まっていたのですが、年齢的に手術はまだしたくないというので今はCPAPを導入しています。意外に見過ごされている子どもの睡眠時無呼吸症候群これからは子どもの睡眠時無呼吸症候群も重要になってくるのではないかと思います。現代は飽食の時代ということもあり、肥満のために子どものうちから無睡眠時無呼吸症候群が起こることもありえます。その結果、学校で集中力がなくなったり授業中に眠くなってしまうことも考えられます。居眠りをして学校で怒られてしまうようなお子さんの中にも、実は睡眠時無呼吸症候群だったというケースがあるのではないかと思います。お父さんお母さんからみて、学校でよく寝てしまうと怒られる、集中力がない、太り気味である、いびきをかいているなどの条件が当てはまるようであれば、睡眠時無呼吸症候群の検査を一度受けていただいてもよいのではないかと考えます。あまり小さいお子さんは難しいと思いますが、小学校中学年ぐらいから上の年齢であれば検査をして診断することは十分可能です。睡眠時無呼吸症候群の治療-CPAP治療とOA治療について精密検査の結果、AHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の患者さんはCPAP(Continuous Positive Airway Pressure;持続陽圧呼吸療法)の適応となるので、多くの場合は治療としてCPAPの導入を行うということになります。ただし、CPAPの使用が難しい、あるいは使いづらいという患者さんにはOA(Oral Appliance: 口腔内装置)治療といって、スリープスプリントと呼ばれるマウスピースを作製し、寝るときに装着するという治療を行います。マウスピースに関しては現在、保険で使えるものと保険外のものがあります。いずれも下顎を少し前に出すことによって舌が落ちないようにして寝るというものですが、多少顎関節が痛くなるという難点があります。また、保険で使えるマウスピースは一体型で口を開くことができないため、少し苦しいと感じることもあります。保険外のマウスピースには、上下が分離式になっていて口を開くことができるソムノデントという製品がありますが、機構は同じなのでやはり顎関節が少し痛くなる方もいらっしゃいます。マウスピースは歯科医院で専用のものを作ってもらう必要がありますが、当院では連携している歯科医院をご紹介するか、もしくは医療連携を結んでいる虎の門病院の歯科で作ってもらうという形をとっています。鼻から挿入するチューブはCPAPが使えない状況で補助的に利用するいびきを改善するために鼻からナステントというチューブを挿入する方法がありますが、たしかにそれを使うことによって睡眠時の無呼吸がよくなる方はある程度いらっしゃいます。舌根(ぜっこん)が喉の奥の方に落ちてくると空気の通り道が狭くなっていびきになります。そこに圧をかけながら空気を送り込んで狭くなっているところを広げるというのがCPAPの仕組みです。一方、ナステントは最初からチューブを入れておいて舌根が喉の奥にぶつからないようにするというのが基本的な考えで、空気の通り道がそこで確保されます。私がナステントを処方しているのは、普段CPAPを使っている方が海外旅行で長時間飛行機に乗るような場合が多いです。現在、JALやANAの機内ではCPAPを使うことができるとアナウンスされていますが、状況によっては機内でのCPAP使用が難しいこともあるため、そのような場合にナステントを使って寝るようにしてもらっています。私自身も睡眠時無呼吸症候群でCPAPを3台所有しており、普段寝るときにはCPAPを使っていますが、海外旅行に行く飛行機の中では、機内食が出た後にナステントを鼻に挿して寝るようにしています。ナステントは一時期販売を見合わせていましたが、販売再開にあたって提供方法が変更となり、現在は医療機関で医師の指示書を入手していただいて購入することになっています。医療機器として登録されている製品ですから、私も本来はそういった形のほうが適切であると思います。患者さんの判断だけでナステントを購入して使い続けていると心配な面もあります。患者さんとしてはいびきが減るのでナステントだけを使っていても満足されるかもしれませんが、仮に80だったAHIが半減して40になっていたとしても、AHIが40というのは依然として重症の状態であり、何ら治療をしていないのと変わりません。つまり、合併症や今後の生命予後などのリスクが十分低減できていない状況なのです。ですから、ナステントを処方するにしても、最低でも簡易検査をした上で本当にナステントだけでいいのかどうかというところを患者さんにきちんと説明するべきであると考えます。
2017年09月28日