義理の親との関係に悩む人は多いですが、実の親とうまくいっていない人もまた多いよう。今回は毒親な実の母親に同居を提案され、断固拒否した話を紹介します。関係をずっと絶っていた母親から、ある日突然電話が…▽ このお母さんとは10年以上関係を絶っていたのに、突然電話がかかってきて同居を提案されたそうです。しかも、同居したい理由は一切話さなかったんだとか……。なぜなんでしょうね。
2024年04月09日■これまでのあらすじ結婚して以来子どもを望んでいた美咲だが、夫の拓也はその生い立ちから親になる勇気が出ず、非協力的になってしまっていた。思い悩む美咲を必死すぎて嫌とまで思っていた拓也だったが、先輩のアドバイスから美咲と話し合いを重ねてついに妊活をスタート。しかし1年後、待望の妊娠がわかるが、流産してしまう。数年後、美咲は赤ちゃんと生活するが、拓也が子育てに参加しないことに寂しさを募らせていた。そんなある日、拓也の態度にしびれを切らした美咲は「私たちに関心を持って」と訴える。しかし拓也に今は一緒にいたくないと言われ、美咲は拓也の心配が的中したと言う。「拓也は親になれなかった」のだと…。■親になれなかったのは夫だけ?■そんなこと言える立場?「拓也は親になれなかった」と口にした美咲に、拓也は「俺だけが親になれなかったのか?」と問いかけます。すると、育児を全部自分に押し付けて、帰宅しても何もしない、それに加え飲み歩くようになって、自分と花ちゃんと触れ合うことを避けているクセに…。「なんで被害者面してるの?」ハッキリと言い返す美咲に、拓也は「親になれないのはふたりの問題だ」と言うのですが、それはいったいどんな意味なのでしょうか?次回に続く「僕たちは親になりたい」(全64話)は12時更新!
2024年02月02日親と子の関係は、家庭によって千差万別です。親と子、それぞれのタイプも違えば、置かれている環境も違います。どの親も「子どもには、生き生きと幸せな人生を送ってほしい……」と考えているのではないでしょうか。しかし、子どもの人生を心配しすぎるあまり、ついあれこれと手出し口出しをしてしまう――そんな親御さんはいませんか?もしかしたら、その手出し口出しが逆効果になるかもしれません。幸せな人生ではなく、子どもが「生きづらさ」を抱えながら生きていくことになってしまうかも……。今回は、子どもに悪影響を与えてしまう親のタイプをまとめました。「生きづらさ」の原因は “幼少期の親子関係” にあり!?幼少期の親子関係はとても大切です。親の関わり方次第で、子どもの考え方や行動が変わってくるでしょう。精神科医の井上智介氏は「小さい頃の親子関係で心に深い傷を負って、大人になってからの考え方や行動パターンにもその影響が残っている人」は多いとし、そのような人は成長後に「生きづらさ」を抱えてしまうと警鐘を鳴らしています。また公認心理師の中野日出美氏も、現代の子育てに見られる「過保護や過干渉、過度の期待」は注意すべきだと述べています。なぜなら、成長とともに子どもに以下のような傾向が出てくるそうなのです。ちょっとしたことで過度に傷つくなかなか立ち直れない自分の心や身体を大切にできない自己肯定感が低く、無意識に自分を傷つけるような人間関係を築く(参考元:nobico|親の過干渉が原因? 現代の子どもが「生きづらさ」を抱える背景)では、具体的にどのような親の行動が、子どもの成長によくない影響を与えてしまうのでしょうか。身近な3つのケースをピックアップして詳しく解説していきます。ケース1:「支配する親」の子どもは決断力がない大人になるまずは「支配する親」について説明しましょう。「支配」と聞くと、子どもの発言はいっさい認めず無理やり親に従わせる姿を想像しますが、必ずしもそうとは限りません。『嫌いな親との離れ方』(すばる舎)著者で、おとなの親子関係相談所代表の川島崇照氏によると、大人としての立場を利用して、子どもの意思や言動を思い通りにコントロールしようとすることも、立派な「支配」です。たとえば、「◯◯ちゃんじゃなくて▲▲ちゃんと仲良くしたら?」と親が子どもの友だちを選ぶことや、子どもが自分で決めた進路について「そこもいいけど、お母さんはあそこの学校がいいと思うよ」などのアドバイスをすることなどが支配にあたります。たとえ理解を示しているような優しい口調であっても、親の思い通りに誘導していることになるのです。そして子どもは、しだいに「親には何を言っても無駄」と諦めるようになります。川島氏は、子どもを支配しようとする親について、「(親自身の)心が自立していない」のだと述べています。親本人の問題なのに子どもを利用して解消しようとしたり、子どもが自分に従う姿を見て「やっぱり私が正しかったんだ」と満足したりと、別人格である親と子の境界線が曖昧になり、子にべったりと依存している状態になるのです。親からコントロールされて自分を否定され続けた子は、諦めが早くなるだけではありません。「新しい行動を起こそうとするときに、幼少の頃から言われ、見続けてきた親の言動が、罪悪感や恐怖心となって降りかかり、行動できなくなる大きな要因となってしまいます」と川島氏が述べるように、行動力や決断力が失われたまま大人になってしまいます。「もしかして私も無意識のうちに子どもをコントロールしているかも……」と思い当たることがあれば、「一歩下がって見守る」ことを意識するようにしましょう。「子育てには“ギアチェンジ”が必要」と明治大学文学部教授の諸富祥彦氏が述べるように、親離れをする時期に差しかかった子には、あれこれ口出しせずに辛抱強く見守ることが、親自身の成長にもつながるのです。ケース2:「不安感が強い親」の子どもは自己主張ができない「子どもについて考えると不安な気持ちでいっぱいになる」そんな親御さんが増えているようです。そのなかには「心に強い不安を抱えて、その不安が『子どもから与えられたもの』だと錯覚している親もいる」と川島氏は指摘します。本当は親自身にコンプレックスがあり、その不安感を子どもにぶつけているだけなのに、「子どもの問題」に置き換えてしまっているとのこと。その結果、子どもの思考や行動を見ては不安を感じ、「なんとかして変えさせなければ」と否定や批判をしたり、さらには強引に自分の価値観や感情を押しつけたりするのです。青山渋谷メディカルクリニック名誉院長の鍋田恭孝氏は、親自身の不安から子どもに手をかけすぎてしまうと、その子どもは「自分の主張がない・自分で選べない人間」になると述べています。不安のあまり、親が先回りしてすべてを用意し続けることで、子どもは自らなにかを主張することなく、親の先回りを受け入れて育ちます。すると、成長後も大事な場面で自己主張ができず、苦しむことになるのです。「子どものため」と先回りしていたけど、本当は自分が不安を感じていただけかもしれない――。そう気づくことができたなら、子どもに任せられることは任せるように意識していきましょう。「何かを決めるにも、子どもは時間がかかってあたりまえ」と鍋田氏が述べるように、ゆったりとした気持ちで子どものペースに合わせることをおすすめします。ケース3:「熱心な親」の子どもは人間関係でつまずきやすい子どもの習い事や受験なのに、本人以上に熱が入ってしまう親は多いものです。しかし、親の期待が大きければ大きいほど子どもにとってはプレッシャーになり、かえって逆効果になるので注意しましょう。前出の井上氏は、「親が子どもを認めるのに条件が必要」という親子関係が増えていると言います。テストの点数が高いから、習い事でレギュラーをとったから、など「目に見える数字や外部からの評価=子どもの価値」だと思い込んでしまうのです。これでは「条件付きの愛」だと言わざるを得ないでしょう。「子どもはちょっと失敗したり、誰かと比べて成績が劣ったりすると、親から認めてもらえないために、自分には価値がないと思い込む」と井上氏が指摘するように、ありのままの自分ではなく特定の条件下の自分にしか価値がないと子どもに思わせてしまうと、自己肯定感はみるみる低下していきます。そしてその自己肯定感の低さゆえに、大人になってからも、仕事や人間関係でつまずきやすくなるのです。つい子どものことに熱心になってしまうのなら、結果ではなくプロセスに目を向けるように努力しましょう。「〇〇ができるからすごい」のではなく、「自分は自分なんだから、自分のままでいい」と思えるのは、「根拠がない自信」がベースにあるから。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、根拠のない自信を育むためには、「子どもの行為のプロセスそのものを認める」ことが大事だと説いています。そして、子どもの言葉を聞き流すのではなく、しっかりと聞いてあげて、「おもしろいところに気づいたね!」など発想そのものを認めてあげることが大切なのだそう。結果や数字にとらわれずに、ありのままの姿を受け止めてあげるだけで、「根拠のない自信」が育まれて、自己肯定感アップにもつながります。***親の振る舞いや育て方ひとつで、子どもの将来に悪影響があるかも……。そう考え始めると不安でたまらなくなるかもしれません。ですが、「焦らず」「心配しすぎず」「先回りせず」に、のんびりと子どもを見守っていきましょう♪(参考)nobico|親の過干渉が原因? 現代の子どもが「生きづらさ」を抱える背景プレジデントオンライン|「精神科医が見ればすぐにわかる」“毒親”ぶりが表れる診察室での“ある様子”東洋経済オンライン|「親といるとなぜか苦しい、イライラする」の正体東洋経済オンライン|「親との関係」悩み続ける人に知ってほしい解決法STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケSTUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「不安先取り型」の親が生む、思春期の子どもの問題STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|心が折れて立ち上がれなくなってしまう、自信家なのに自己肯定感が低い人
2023年12月13日■前回のあらすじ常識のない親の子どもである自分と結婚することに不安はないのか…ちえ子が聞くと、サト君は、結婚するのは「ちえ子」であって、親は関係ない! とハッキリと言うのでした。親は関係ない…本当に?親は変かもしれないけれど、結婚する相手はあくまでちえ子。介護だってプロの手を借りればいい。意外にドライなサト君の考えを聞き、ちえ子は親と自分を一緒に考えていたのは自分の方だったのではないかと思うのでした。そして、サト君の「ちえ子だったら大丈夫」という言葉の意味は…?次回に続く 「こんな親の娘ですが結婚してくれますか?」(全40話)は21時更新!
2023年10月15日皆さんは若かったあの頃、どうしても親を許せないと感じたことはありますか?今回は、10代の頃に「実の親でも許せない!」と感じたというエピソードを紹介します。イラスト:しのささむつ大学受験のとき…大学受験のときの話です。私はほぼ無名の地方公立高校から旧帝大を目指していました。私が夜遅く出歩くのを親がいい顔しなかったので塾にも行かず、高校1年生の時から毎日10時間以上勉強して、なんとか現役で第一志望に入ることができました。親に合格を知らせたら、「合格させてやった感謝がない」と叱られました。叱られた理由出典:愛カツ親が言うには、私が合格できたのは毎日勉強できる環境を整えた親のおかげ(家の手伝いをさせなかった・バランスいい食事を出してやった・勉強にうちこめる経済状況である)であって、同じ環境なら誰でも合格できるそうです。だから本来なら「合格させてくださってありがとうございます」と言うべきなのに、その言葉が真っ先にないのは性格がおかしいと言われました。ちなみに親は私の合格をすぐ吹聴し、近所で「子供を優秀大学に入れた親」としてチヤホヤされていました。(33歳/女性/研究職)親の協力も重要だけど…もちろん志望校に合格するためには、親の協力も重要かもしれません。でも自分の両親には最初に「合格おめでとう」と言ってほしいものですね…。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(愛カツ編集部)
2023年09月17日結婚は当人同士だけ済む話ではなく、お互いの家も巻き込むもの…しかし、もし両親が「ヤバい」人だったら…? 壮絶な夫婦喧嘩の末別居中の両親を持つちえ子。ただでさえ婚活が難航したのに、両親のせいで結婚できなかったらどうしようか不安でいっぱいです…。結婚するなら、相手の「親」も見なくては念願の結婚目前だというのに不安を抱くちえ子。両親のことをサト君に隠し通せるはずもないのですが…。次回に続く 「こんな親の娘ですが結婚してくれますか?」(全40話)は21時更新!
2023年09月09日皆さんは母との関係に悩んだことはありますか?今回は「毒親との生活」を紹介します。≪HPはこちら≫不機嫌な母との関係主人公は母との関係が良好ではありません。思い切って自分の部屋がほしいとお願いしても、部屋はもらえず不機嫌になる母。そんな母に対して、主人公は何も言えずにいました。母との関係がおかしいと気づいたのは、友人の家に遊び行ったときで…。そんな言い方して大丈夫なの?出典:Instagram友達のように話す友人親子を見て「そんな言い方して大丈夫なの?」と主人公は驚きます。そして、自分と母との関係が普通ではないことを知ったのでした。主人公は家では着るものを細かく決められ、髪の毛も肩より上に切ることは禁止。友人から誕生日プレゼントでもらった髪飾りをつけていると「チャラチャラして!」と激怒までされてしまいます。さらに主人公から携帯を取り上げ、友人に文句の連絡をし始めたのです。そんな母を見て、家から逃げ出したいと思った主人公。高校生になり我慢の限界に達したところで、単身赴任中の父に助けを求め家を出たのでした。母の態度母の言動にはモヤっとしてしまいますね。主人公が決断をできてよかったと思ってしまうようなエピソードでした。インスタ:マリコHP: リアコミ原作:みちか(マリコのInstagramから応募)漫画:kanata※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年06月09日「親ガチャ」に外れ、幼いころからヒステリックな母に虐げられながら育ったみちかさんの体験談です。みちかさんは父、母、兄の4人家族。小さなころからヒステリックな母に理不尽な扱いを受けていました。家族とはこんなものだと思い生きてきたみちかさんでしたが、あるとき自分の家が異常なのだと気づいてしまい……?! ヒステリックな母と無関心な父…当たり前だと思っていた みちかさんの母はヒステリックな性格で、毎日のようにみちかさんに当たり散らしていました。みちかさんは、母に当たられるのも機嫌をとるのも自分の役目で、どの家もこんなものだと思っていました。 ところが中学生のとき、友だちがお母さんに対して親しそうに接する姿を目の当たりにし衝撃を受けます。初めはその友だちが変なのだと思っていましたが、交友関係が広がると、変なのは自分の方だということに気づかされたみちかさん。着る服も、髪型も母に決められていたそう。 母は誕生日プレゼントをくれた友だちに「迷惑だからやめてくれる?」と直接電話をかけるなど、交友関係を壊していき、自分の家庭環境を呪うようになったのでした。 小さいころは自分が置かれている家庭環境がすべてのように感じてしまいますが、成長し視野が広がるにつれ、周りとの違いに気づきます。そんなときにみちかさんを助けてくれる存在が、家庭内にいなかったことも母親をエスカレートさせた一因でしょう。父や兄は、現実から目を背けず、目の前の家庭の問題に向き合うようにしてほしいですね。作画:kanata著者:ライター みちかあなたの「親ガチャ」は当たりですか? はずれですか? 親ガチャでハズレを引いた主人公が、数々の困難を乗り越えて毒親から解放されるまでの奮闘記。
2023年05月20日大好きでずっと一緒にいたい相手なのに、なぜか親が彼を嫌い、反対されるようになってしまった……。自分の親と彼氏との関係に悩んでいる方は少なくないと思います。今回は親に反対されている彼氏との付き合いについて、どうしていったらいいのかを考えてみました。■ 彼の本性を見抜いている親にとって彼の存在は、子どもの将来に関わる、ある意味影響力のある人物です。きちんとした親であればある程、慎重に彼を観察しますから、交際を反対されたのならば理由を聞いて話し合ってみましょう。親は、子どもに関することに対しては、直感的にセンサーのようなものが働くもの。親が「やめておきなさい」と言った相手は、実際ダメンズであることが多いです。長く生きて色々な人を見てきているぶん、本当に些細な言動で、ダメンズであることが分かるんですね。しかし親に言われたからといって、付き合いをやめるのは相手も納得できないもの。この場合は、親の言葉をヒントに、彼との交際を客観的に見てみるのがおすすめですよ。好きな気持ちが強いほど、彼の悪い点は見えにくいですからね。親の言葉がヒントになり、なんらかの気づきがあるかもしれませんよ。■ 親が結婚を望んでいる親が子どもの結婚を望んでいる場合、学生の彼氏を連れてきたり、正社員ではない彼を連れてきたりすると、うるさく言いがちです。この場合は、時間をかけて親を説得する必要があるでしょう。しかし、親が彼と付き合う訳ではないため、すべてを親の言う通りにする必要はありません。ただ、親も一人の娘を育ててきた人生経験があるだけに、そのようなことを言っているはず。彼と向き合いつつ、時々、親の言っていたことを思い出して少しでも思い当たる節があれば、冷静になってみるのも必要かも。■ 親が「毒親」である場合彼が既婚者でも、ダメンズなわけでもないのに、家族はなぜか彼氏を受け入れてくれない……。あくまで一つのケースとしてですが、それは「毒親」である可能性もあります。子どもの幸せを不快に思う親だったり、子どもを所有物のように感じていたりする親だったり……。そんな「毒親」と呼ばれる親の場合、連れてきたどんな異性でも難癖をつけてくる可能性があります。しかし毒親ではあるものの、彼の”本当によくない点”を見破り、交際を反対するケースもないとは言えません。その場合を考慮して、反対する理由をきちんと聞いてみるといいでしょう。もし親が理不尽な主張をしてくるならば、スルーするのが賢明です。■ 運命の相手ならきっと結ばれる彼が本当に運命の相手ならば、紆余曲折を経て結ばれるもの。親をきっかけに交際に亀裂が入ってしまったとしても、そう考えて前向きになりましょう。祝福されない交際は、彼との関係を見直すきっかけと思ってみてはいかがですか?(なつくま/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2022年12月17日『虐待したことを否定する親たち』書影株式会社 PHP 研究所(京都市南区・代表取締役社長瀬津要)は、2022年12月19日に『虐待したことを否定する親たち——孤立する親と子を再びつなげる』(宮口智恵 著/税込1133円)を発売します。本書は、これまで見過ごされてきた虐待する「親」への支援として、「親子関係再構築プログラム」を提供しているNPO団体「チャイルド・リソース・センターの代表である、宮口智恵氏の初の著書です。宮口氏は、これまで250組以上の親子関係の修復に尽力してきました。 虐待が起こる理由や親の心理、そして虐待を止めるプロセスを、リアルな事例をもとに解説します。子どものために親を支える場所が必要令和3年度中に、全国225か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数(速報値)は207,659 件で、過去最多を記録しました。これは、前年度比で5.8%増、20年前との比較では、なんと11.5倍以上です。本書の著者である宮口氏は、かつて児童相談所の児童福祉司として15年間勤務していました。そこで出会った「虐待する親」の多くは、誰にも支えてもらえず、たった一人で子どもを育てているという過酷な状況でした。しかし、子どもの安全が最優先となる児童相談所では、親への支援が乏しいのが現状です。支援する側にとっても、「虐待の問題」に一人で立ち向かうのは容易ではありません。親子支援の活動を始めて15年経ても、「親への支援」は未だに市民権を得ていません。この問題に、社会全体で取り組むきっかけになればとの強い思いから、本書を上梓したのです。「子どもを育てるのは一人では無理、親が子どもを支えられるように、誰かが、そして社会が親を支える——。」これが社会の共通認識になってほしいと、切に願うのです。 (「はじめに」より)虐待した親とされた子どもをつなぐプロセスを解説虐待した親の多くは、「これはしつけです」と口をそろえます。自分が手を上げてしまったのにも関わらず、いざわが子が児童相談所に預けられてしまうと、孤独と恐怖に襲われ、「私は虐待していません」と言い張るのです。宮口氏は、この言葉の裏にある親のニーズに意識を向け、子育てをやり直したい、いい親になりたいという思いに寄り添います。宮口氏が立ち上げたNPO団体チャイルド・リソース・センターは、児童相談所では見過ごされてきた虐待する「親」への支援として、「CRC親子プログラムふぁり」を提供しています。このプログラムは、関係が崩壊した親と子の対話と交流を、第三者がサポートするものです。本書では、著者が実際に関わった事例をもとに、新たな親子関係が構築されるプロセスを紹介します。本書で取り上げる虐待のケース・ずっと泣き止まない2歳の男の子を母親が叩き、布団をかぶせる。(背景)夫の激務、親も頼ることができず、ずっと一人で子育てをしてきた。・食事中にふざけていた4歳の女の子を母親が拳で殴り、その勢いで椅子が倒れて額を床にぶつけ、目が開かなくなる。(背景)育児への疲弊、夫や姑からの理解なし。・栄養状態が悪く、皮膚トラブルも多い生後9か月の女の子へのケアができず、育児放棄を繰り返す。(背景)夫が非協力的、母の精神不安定状態。 ほか『虐待したことを否定する親たち』について【著者】宮口智恵(みやぐちともえ)神戸大学大学院総合人間科学研究科前期博士課程修了。児童相談所で勤務後、2007年に(特)チャイルド・リソース・センターを設立。21年より認定NPO法人。同法人は設立時より、児童相談所の委託を受けて、虐待などの育児に困難を抱える親とその子どもに「親子関係再構築プログラム」を提供する活動を開始。日本初の取り組みであり、これまで250組以上の親子にプログラムを提供した。著書に『虐待する親への支援と家族再統合』(共著、明石書店)。【書誌情報】タイトル:虐待したことを否定する親たちサブタイトル:孤立する親と子を再びつなげる著者:宮口智恵定価:1133円(10%税込)発売日:2022年12月19日判型:新書版並製ページ数:264頁ISBN:978-4-569-85366-6発行:株式会社PHP研究所虐待したことを否定する親たち | 宮口 智恵著 | 書籍 | PHP研究所 : : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年12月15日中高時代、反抗期がなかった私多くの若者が反抗期を経験する中高時代、私には反抗期が訪れませんでした。今思えばそれは、親との関係性が緊迫していて、安心して反抗できるような安定と信頼感のあるものでなかったことによると感じます。当時、父と母の関係は良くありませんでした。共働きだったわが家では、母は都内でのフルタイムの仕事から帰ってくると仕事着のまま腕まくりして夕食を作ります。このときの母の機嫌はたいてい悪く、皆が母の機嫌を伺ってビクビクしている状態でした。父は家族に対して冷淡で拒絶的。母はそれに対して常に愛情や絆の確認を求めている感じで、このやり場のない母の愚痴は娘の私に向かいました。私は母の感情のはけ口のようにされていたわけですが、当時母に抱き込まれすぎていた私にはその自覚がありませんでした。「弱々しくてかわいそうなお母さんを私が守ってあげなければ!」と、母のための小さなナースやナイト(騎士)のようになっていたのです。中学生の頃、庭先で母の首を締めようとする悪夢を見ましたが、何かとんでもないものを見てしまったと恐怖した私は、この夢のことを必死に忘れようとしました。私はなんて血も涙もないひどい子なんだと…。親が、成長途中の子どもが安心して反抗できるだけの自立した強さを持っていない。このような状況で、私に反抗期が来るはずがありませんでした。ルーズソックスに茶髪が全盛期だった当時、私はルーズソックスを履くことも髪を脱色することも、母を「クソババア」と罵ることもなく、極めてまじめな優等生として中高生活を終えました。私が「悪い子」になったりしたら母がどれだけ動揺するかと思うと、怖くて何もできなかったのです。大学入学後、世界が広がって… 親への激しい拒絶大学入学後、私は校則の厳しい中高一貫の女子校の環境から解放されて自由な環境に身を置くようになり、一挙に生きる世界が広がりました。恋人もできたりして、ようやく親と学校の勉強以外の世界に居場所を感じるようになると同時に、母の私への執着や束縛を生理的に受け入れられないほど気持ち悪く感じるようになりました。母は、私が大学をさぼった日などは、私をつかまえて半日でも話につきあわせ、陶然とした顔で「ああ、こんな時間がいつまでも続けばいいのに。このまま一生一緒に暮らそうよ」と言うのです… そう言われた瞬間には背中にぞわーっと悪寒が走り、吐き気を覚えました。これからの新しい人生を控えた若い女の子をつかまえて、どれほど異常なことを言っているのか自覚がないんだろうか…。母はだんだん私に対する家庭内ストーカーのようになり、出かけていると今どこにいて誰と何をしているのか、いつ帰るのかと、何十回と電話をかけてくるように。帰ってきたら帰ってきたで家の中で私を追い回して、夜中の2時3時でも話しかけてきます。私は母から逃れたい一心で家出をし、一時期、母からの電話を着信拒否して、当時つきあっていた人の下宿に転がり込んでいたほどでした。「安心して反抗できる関係性」は大事今となっては、私は母に「安心して反抗できる相手」でいてほしかったなあと思います。反抗というのは、「この人はちょっとぐらい攻撃しても崩れないぐらい強い」という信頼、「この人になら甘えを攻撃という形で出していい」という安心がなければ成り立たないものだと私は自らの経験からも思います。反抗期は親にとってはちょっと怖いものでしょうし、程度にもよるとは思うのですが、反抗期が来たらむしろ「私は子どもから信頼され甘えられている、子どもは健全に順調に育っているし、親子の関係性も健全だ」と思って安心してもいいのかもしれません。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)神経発達症の二次障害である反抗挑発症は周囲の無理解や保護者の過干渉からくることが多くみられる傾向がありますが、今回のケースは大学に入学後に母親の過干渉が起因となり、家出までした反抗につながってしまったのでしょう。小学生で少し早い反抗期と心配される親ごさんがいますが、適切な手段を講じないと反抗挑発症という二次障害に陥っている場合が少なくありません。それを放置するとさらに素行症という二次障害へ進展していきます。父親にASD傾向があり家族に対して冷淡、母親にADHD傾向があり父親からDVを受けたり子育てを一切任されたりされている、といったケースをみることがあります。そういう場合、母親がカサンドラ症候群となってうつ状態になっている場合が少なくありません。宇樹さんが、弱弱しく見えたお母さまの気持ちをカウンセリングのように傾聴し、ナイトのように救ってあげたことでお母さまのうつ病への進行を防いだのだと思います。
2022年10月01日多くの人が直面する親の介護問題。時間だけではなく、お金までかかったらたまったものではない。親の介護のコツは親のお金で行うこと。専門家が解説するーー。「“人生100年時代”といわれています。親の介護期間が長くなれば、そのぶん介護費用の負担も増加します。子どもが親の介護で苦しまないためにも、原則“親の介護は親のお金を使う”と決めておくことです。そうすれば、介護破綻を防ぐことにつながります」こう語るのは、『親の介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)の著者で、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さん。「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」(生命保険文化センター)によると、在宅介護にかかる自己負担額は、月平均で4万8,000円。施設介護の場合だと、月平均12万2,000円もかかるという。また、同調査における介護期間の平均は5年1カ月。全体の17.6%の人が「10年以上」介護をしているというから、長期化のリスクにも備えなければならない。「親の介護費用を過度に負担したことで、子どもの教育費などにも影響を及ぼし、夫婦関係がギクシャクしてしまうケースも少なくありません」(太田さん・以下同)そこで太田さんに、世話をする子どもが損をせずに、親のお金で介護費を確保するための5ステップを指南してもらった。【1】親の財産を把握する「介護費用というのは、“いくらかかるかではなく、いくらかけられるか”が大事。そのためには、親の懐ろ事情を事前に知っておくことがとても重要となってきます」(太田さん・以下同)そもそも、親がどれだけお金を持っているか。ほとんどの子どもは知らないという。「親の年金額、預貯金、株、不動産、どのような保険に加入しているか、さらに借金の有無などを知っておくことで、どんな介護ができるか見えてきます」別居している子どもの場合、親が住民税課税世帯か非課税世帯なのかさえ、把握していないケースが多いそうだ。「もし非課税世帯であれば、医療費や介護費などの負担が軽減されます。ぜひ、親が元気なうちに財産の状況を聞いておきたいですね」しかし、普段からコミュニケーションが取れている親子なら聞きやすいが、そうでない親子も多い。子どもから突然お金のことを聞かれたら、怒りだしたり、戸惑ったりする親もいるだろう。「保険の話をきっかけにするのが有効です。たとえば、“私、〇〇という保険に入ったんだけど、お父さん(お母さん)はどんな保険に入っているの?”と聞いてみる。自分の情報を開示しながら、話を切り出せば、会話がスムーズになります。話の流れで、徐々に年金や預貯金の話に広げていく」また、親の確定申告を代わりにやることで、通帳や保険内容などをチェックすることもできる。もちろん、親に介護のことが心配だからと伝えて、ダイレクトに聞いてみるのも手だ。月々の年金額も含めた親の懐ろ事情が把握できたら、月にどれだけ介護に対してお金を使えるか、見えてくる。【2】代理人カードを作る要介護状態になれば、親は気軽に銀行に行けなくなるだろう。買い物や公共料金の支払いなど、日々の細かい支払いを肩代わりしているうちに、大きな負担になってしまうことも。「年金が振り込まれる親の口座のキャッシュカードをもう1枚作りましょう。これは本人以外の親族でもお金を引き出せる『代理人カード』と呼ばれるもので、多くの金融機関が対応しています。ただし、口座名義人が申請して作るものなので、親と相談したうえで、親が元気なうちに金融機関に同行して作っておきましょう」親のために使うお金は、親の口座から引き出したもので払おう。【3】「預かり金」の活用を検討する親からまとまったお金を預けてもらう方法もある。「たとえば、親の定期預金500万円を解約して、将来介護費用として使用するための“預かり金”として、新たに子ども名義の口座を作ります。その際、親子間で“覚書”を交わす。預かり金であれば、贈与税はかかりません。介護が始まったら、その口座から費用を出金する。親が亡くなった時点で残金があれば、そのお金は相続財産となります」相続や税金のトラブルを防ぐためにも、介護にかかった費用の明細と領収書は必ず残しておこう。【4】任意後見人契約を検討する本人に代わって財産管理や介護契約などを行うことができる「成年後見制度」というものがある。「この制度は、裁判所が後見人を選任する『法定後見』と、本人(親)が成年後見人を指名して契約する『任意後見』に分類されます。後者の『任意後見』は本人の意思によって決めることができるので、親が子どもを指名できます」親が元気なうちに、任意後見契約を結んでおけば、将来的に認知症になってからの財産管理や契約などをスムーズに行える。一方、「法定後見」の場合は、親の判断能力が低下したときに、成年後見人が必要と感じた親族らが申し立てを行って、裁判所が後見人を選任する。「必ずしも配偶者や子どもが後見人になれるわけではなく、面識のない弁護士や司法書士といった第三者がなるケースが多いようです」親の口座から介護費用を引き出したい場合でも、第三者の後見人にいちいちお願いして判断を仰がないといけなくなるという……。【5】地域包括支援センターに事前に話を聞く最後は、親が要介護になっても慌てないための情報収集!「はじめて介護をすることになると、不安や疑問、わからないことだらけです。各自治体には高齢者とその家族が気軽に無料で相談できる『地域包括支援センター』を設置しています。事前に親の住む地域にあるセンターに連絡して、親が要介護になったら“どんな介護サービスを利用できるか”“費用の軽減制度は?”など、介護に関するさまざまな情報をリサーチしておく。そうするといざ介護となっても慌てずに準備できます」長期化する介護期間を乗り切るためにも、親の介護は親のお金で賄う時代なのである。
2022年05月20日■前回のあらすじ過保護な親に対して疎ましく感じていた香菜。そんなとき趣味のゲームのオフ会があることを知るのだが、未成年の参加条件には「親の許可」が必要で…。 >>1話目を見る 【娘side STORY】その日、私は感情がごちゃまぜになった状態で眠りについたのでした。次回に続く(全7話)毎日15時更新!※この漫画は実話を元に編集しています脚本・上坂シュウ/イラスト・ 深白(アトリエPP)
2022年05月14日【娘side STORY】リアルでは会ったことがないけれど、仲良しのゲーム仲間の「あまちー」からゲームのオフ会があるという連絡が入りました。しかし、未成年には参加条件があって…。過保護のうちの親がオフ会参加に許可をくれるとはとても思えず…。私は頭を抱えるのでした。次回に続く(全7話)毎日15時更新!※この漫画は実話を元に編集しています脚本・上坂シュウ/イラスト・ 深白(アトリエPP)
2022年05月13日2019年~2021年にかけてウーマンエキサイトで連載され、多くの読者が感動に包まれた 「親に整形させられた私が、母になる」 は、著者であるグラハム子さんが自身の体験をもとに描いた作品。この連載を新たに再構成し、書籍化した「親に整形させられた私が母になる エリカの場合」が発売になりました。中学校を卒業した春休みに、主人公エリカが整形する衝撃的なシーンから物語は始まります。そこからつづられる過干渉な母親と、母に翻弄される娘のエピソードは痛々しいながらも、現在子育てをしている母親たちから熱い支持を集める作品となりました。そんな書籍版の魅力を、今回はご紹介したいと思います。■母の言うことだけを聞いていれば幸せになれるの?エリカは、母とふたり暮らし。初めて母から自分の容姿を指摘されたのは、小学校低学年のことでした。「一重でかわいそうに…。中学卒業したら整形させてあげるからね」。いつだって母は、自分の理想通りに育てようとするのでした。エリカは、母が自分の意思を否定することに悲しさを感じてはいましたが、「母が私のために考えてくれたことなのに、それを嫌がる自分はわがままだ」と思うようになり、いつしか希望も言えなくなるのでした。■私、母と離れたい…しかし、エリカは成長するにつれ、母がほかの家庭の親と「違う」ことに気付いていきます。たとえば高校3年生のとき。ある日、友だちが「美容師になりたいから大学には進学しない」と言い出します。せっかく進学校に入ったのに…と、友だちの選択が理解できないエリカ。さらに、それを聞いた先生から「子どもが自分と向き合って一生懸命考えたのなら その子の人生だもの」と言われ、愕然とするのでした。「その子の人生」って…? エリカが「お母さんと離れなきゃ」と初めて思った瞬間でした。その後、エリカは大学に進学。母と離れるため自宅から通えない大学を選び、下宿することに。しかし、母の「陰ではみんな(太っているエリカを)見下してる」という言葉を信じ、過度なダイエットにのめり込んで摂食障害になってしまいます。過食嘔吐を繰り返し苦しむエリカ。なぜ、自分はこんなに生きづらいのだろう? 母の「エリカのため」という言葉を信じて自分を押し殺して生きてきたけれど、本当にそれは私のためだったの? そして、エリカは気付きます。私は整形代なんて出してもらうより、母に「どんなあなたでも好き」と言ってほしかったんだ、と。■大人になっても自分を変えられる!社会人になり、結婚まで考えられる恋人ができたエリカ。ある日、彼から「白黒ハッキリつけたいタイプなんだね」と価値観の違いを指摘されます。そこで「ひょっとして私の価値観って人とズレてるのかも?」と思ったエリカは、白黒思考について検索。そして、この思考のクセが自分の生きづらさの原因になっていることに気付き…。苦しい想いに何度も押しつぶされそうになっていたエリカが、自分の力で「こうありたい自分になっていくんだ」と自然に思い至る描写は、清々しい感動を運んでくれます。そんなエリカの姿に「大人になっても自分を変えられるんだよ」というグラハム子さんからのメッセージがひしひしと伝わり、読んでいる側にも不思議と力が湧いてくるようなシーンとなっているのです。■自分の親子関係に気付きをくれる子どもにとって母親は誰よりも影響を受ける大好きな人物。だからこそ「しっかり育てなきゃ」とプレッシャーを抱え、正解のない育児だとわかっていながら「これでいいのか」と日々自問自答してしまう母親も多いはずです。エリカの母がしていたことは結果的に彼女をひどく追い詰めてしまいました。しかし、当の母は自分のしていることが最善のことだと信じて疑わなかった。つまり、親子関係にはそんな価値観の違いが生む危うさがあるのです。自分が我が子に良かれと思ってしていることは、子どもにとっても良いと思えるものなのか。この物語が決して他人事だと思えず、そんなふうに自分と子どもの関係、自分と親の関係を思い起こさせるものだからこそ、エリカと同じような経験をした人だけにとどまらず、多くの人に愛される作品なのだと思います。■グラハム子さんにインタビューウーマンエキサイトでの連載、そして再構成された書籍を描き上げたグラハム子さんにインタビューしました。――前半はエリカの心情が痛いほど伝わってきて、苦しくなりました。グラハム子さんご自身もエピソードを描く際、苦しい思いをされたのではないでしょうか?そうですね。過去の自分を思い出しながらの執筆だったので、今まで蓋をしていた感情と向き合う作業は苦しいこともありました。ただ後半になってくるにつれ、過去と向き合う→納得がいくまで思考する→昇華するような感じで、漫画の進展とともに、私自身もどんどんレベルアップしていく感じがしました。――母親になってから、当時のお母様の気持ちを理解できた部分はありましたか?それが、逆なんです。母親になってから、母の気持ちに疑問を抱くようになりました。私にも子どもが産まれ、無条件で愛していい存在ができました。そのとき初めて「あれ? 無条件に愛するってどういうことだ? 私の知らない感覚だ…」と悩みはじめ、母の価値観に疑問を持てたんです。それまでは母の価値観は概ね正しく理解できると思っていました。なので今は母の価値観も、自分の価値観も両方頭では理解できている状態です。実践しているのが自分の価値観です。――母親と距離を作り、20代で自分を変えていくのはすごく勇気のいることだったと思います。その過程で支えとなったものはありますか?社会人になって、社会的・経済的に自立できたことが大きいです。「私はもう母を必要としなくても生きていける。母に従わず生きて良い」と思えることは、心の支えになりました。あとはやっぱり友人や恋人など周りの人たちの存在ですね。たとえば私が仕事で固い職を辞めフリーターになったとき、いろいろ言ってきたのは母だけでした。友だちや恋人は「仕事がなんであれハム子に変わりはない」という感じで変わりなく接してくれて、それにすごく支えられました。――ウーマンエキサイトでの連載終了と同時に今回の書籍がスタートされたかと思います。ウーマンエキサイトでの連載時からの心境の変化や書籍執筆で意識されたことはありますか?ウーマンエキサイトさんでの連載時は、0から生み出す作業だったので、毎日苦しみながら描いていた気がします(いい意味で、です!笑)。その分、感じた感情の原石そのままというか、荒削りですがありのままの心情を書けたと思います。「自分自身の心を発掘・実験・考察」という感じ。逆に書籍は連載をさらに良くするための再構成だったので、読み物としての読みやすさや構成力はグッと上がった気がします。一度感じたことを再認識し、人にわかりやすく伝えるという作業は「まとめ・昇華」という感じでした。どちらも描いている間はすごく充実していました。――最後に母子関係に悩むママたちにメッセージをお願いします。今まさに悩んでいる人もいると思います。でも「悩みはじめた」ということは着実にゴールに向かっている証です。だって、スタートしていなければ悩むことすらできません。だから大丈夫です。ゴールはひとそれぞれ違います。人や世間の意見に翻弄されず、自分なりのゴールを見つけられれば良いんです。って、なんだか偉そうにすみません!笑 とにかく、大人になってからでも人は変われるよ、大丈夫だよ、と伝えたいです。 『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』 中学を卒業した春、エリカは母に整形をすすめられた。外面ばかり気にして、理想の娘像を押しつけていく母。容姿も友達も進路も性格もすべて母の理想に押し込められて、息苦しさを感じながら生きてきたエリカはついに心が擦り切れて、摂食障害になってしまう。母の呪縛から逃れて、幸せを手に入れるまでのサバイバルの記録。 【書籍の元になったお話】 『親に整形させられた私が、母になる』 中学を卒業した春、母に突然言われた一言ーー。「整形しましょう」そんな衝撃的な一コマから始まる「親に整形させられた私が、母になる」は、作者であるグラハム子さんの実体験が基となっています。実の親子だからこそ難しい、離れたくても離れられない複雑な関係性が詳細に描かれた今作は、多くの読者の反響を呼び大ヒットとなりました。
2022年04月11日今回は保育士の中田馨さんが、お友だち関係でやりがちなNGについて教えてくれました。「さて、どこまで親が介入するべき?」の疑問に答えてくれています。 こんにちは。保育士の中田馨です。私は0~2歳児が対象の保育園を運営しています。日々、子どもたちと過ごしていてよくあるのがや「お友だちとのケンカ」です。相手がいることですので「さて、どこまで親が介入するべきか?」と悩むところだと思います。今回は、低年齢児の子どもたちのお友だち関係についてお話しします。 「お友だちとのケンカ」にすぐ口を出すのはNGお友だちとのケンカ。保育園でもあるあるです。自分の知っている言葉を並べて、顔中真っ赤にして一生懸命言い合っている子どもたちを見ていると、かわいくてしょうがないのですが、きっとママたちからすると慌ててしまう場面かもしれませんね。 基本的に、相手にケガをさせてしまうような行為をしなければ「見守る」でOKです。何かあったときにすぐに手を差し伸べることができる距離で見守りましょう。一生懸命自分の気持ちを出してしまえば、あら??と言うくらいスッキリして、また2人で遊びだすなんてことはよくある姿。子どものケンカは、慌てずドーンと構えてみてください。 意外にも「あ!普段私が言っていることをマネしてるわ!」なんて自分自身の反省につながることもあったりしますよ。(私が娘と息子のケンカのときに、よく反省していました…) 年齢別に解説!親はどこまで介入すればいい?お友だち関係で悩んでしまうのは「親がどこまで介入すればいいか?」です。低年齢の子どもだと、ほぼすべての場面で親の介入が必要になります。例えば、1歳ごろの子どもはまだ自分の気持ちを言葉にして伝えることができないので、叩いたり噛んだりしてしまうことがあります。そんなときは、それをさせないように親が介入しなければいけません。2歳を過ぎると、言葉で伝えることがだんだんできるようになってくるので、叩いたりすることが減ってくるでしょう。そうすると「そばで見守る」程度でOKになってきます。 また、介入の頻度は、相手の親御さんのタイプや関係性にもよるでしょう。気心が知れていて「子どもはケンカしてなんぼよ!」なんてタイプの方なら「ケガしないように見守る」でOKですし、そうでなければすぐに介入した方がいいでしょう。ご自身の子育ての考え方はあると思いますが、お友だち関係は相手があることですので、相手の考え方にもよりそう必要も出てきます。 「お友だちと仲良く遊ぶ」ことはとても大切なこと。しかし、ケンカをして喜怒哀楽の感情を沸き立たせるという経験も大切なことなんです。子どもがお友だちとケンカをしていたら、まずは見守りながらどんな状況なのかを把握してみましょう。相手の親御さんのタイプや関係性を考慮しながら、介入の仕方を見極めてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年02月14日中学卒業と同時に母親から「整形しましょう」と言われたグラハム子さん(作中はハム子)の半生を綴った 『親に整形させられた私が、母になる』 が、11月19日に最終回を迎えました。読者の方からも次々と「同じような体験をして苦しんでいる」「どうやって克服したの?」「親との付き合いはどうしてるの?」「幸せになれたの?」とコメントが寄せられました。大反響となった本作の執筆を終えたばかりのグラハム子さんにインタビューさせていただきました。現在の心境や現在のお母さんとの関係など裏話をお伝えいたします!≫未読の方はこちらから! 『親に整形させられた私が、母になる』 「あなたのために」よくこの言葉を使う母。そんな母が中学を卒業した春に、「整形しましょう」と言いだす。教育熱心で、何でも良いものを与えてくれる母。「母は私のためを思ってやってくれているのだから」と、不満に思ってしまう自分が悪く思えてしまい…。■特別企画!グラハム子さんインタビュー―― 連載を終えて今の感想や長かった連載についてどう思っていますか?最後まで描き上げることができて、今はホッとした気持ちが大きいです。最後まで読んでくださった皆さま、この話を描くにあたり支えてくださったウーマンエキサイト担当さま、本当にどうもありがとうございました!―― お母さんとの関係については、連載の中で「絶縁するか許すか」という話がありました。記事の中でベストなグレーを見つけたとあります。現在のお母さんとの関係はいかがですか?けっして仲良くはないし、かといって悪くもないです。年に1、2回数時間程度しか会わないので、会う時は「苦手だけど恩もある以前の上司と、久しぶりの再会」的な(笑)。仕事のような感覚です。会っている最中は穏便に過ごします。でもやっぱり心が疲れるので、行く前か行った後は自分にご褒美をあげます。欲しいものを買ったり、ちょっと良いレストランに行ったり。「それなら会わなきゃ良いのに…」と思う方もいるかもしれませんが、私的に絶縁はまた別のストレスを感じてしまうんですよね。今のところ、この付き合い方が私にはまあまあ合ってるのだと思っています。でも未来はもしかしたら変わっているのかもしれません。「絶対にこの関係性だ!」と決めつけすぎず、自分の成長に合わせてしなやかに変わっていくのだろうと思っています。心は通じ合わないけれど、私にとってはたった1人の大切な母です。―― 実母に育てられた自分の人生と、母になった自分の人生、どちらも経験した上で、グラハム子さんにとって「母親とは」どんな存在ですか?私にとって実母は「過去に最重要人物だった人」です。ただ、今はもう最重要人物ではありません。きっと今我が子たちにとって私は最重要人物なのだと思います。―― 「『子どものため』と言いながら私自身の承認欲求を子どもで満たそうとしてしまっているかもしれない」といった親視点のコメントが寄せられました。親になってあらためて抱える葛藤などがあれば教えてください子どもで満たそうとする───そんな感じだと思います。親自身が満たされておらず、歪んでいるからこそ、子どもを使ってしまうんだと思います。また、それには時代背景もある気がします。私の母が生きた昭和の時代は今よりも「世間的が何よりも大切」「良い学校に行き安定した職に就くことが幸せ」という時代だったのだと思います。そんな要素が複合的に絡み合い、このような子育てになったのではないでしょうか。私も親になり、子育てで悩んだり葛藤したりすることはあります。ただ、いつも『親と子は別の人間』『子どもの人生は子ども自身が築いていくもの』と心に刻んでいます。―― 「読みながら共感するところが多くて涙が止まらない」といったコメントが数多く寄せられています。親との関係で苦しんでいる方に向けて、グラハム子さんが伝えたいことはありますか?苦しいですよね…。ただ、自分の苦しみが親との関係にあることがわかっているなら、もう大丈夫なんじゃないかなと思います。あとは自分なりの方法で前に進めば、きっと良い方向に進んでいくはずです。大丈夫です。この話が読んでくださった方の何かのきっかけになったり、心の支えや浄化になってくれたのだとしたら、それはとても嬉しいです。―― グラハム子さんにとってコミックエッセイとはどんな存在ですか?人生ではじめてコレだ! とピンと来て、人と比べずに夢中になれたのが「コミックエッセイを描くこと」でした。28歳の時でした。出会えて良かったです。生きる上での活力となりましたし、夢中になれる経験は大切だと実体験できました。現在は自分とコミック(仕事)との心地良い距離を掴めて、楽しんで描けています。―― 読者の方から「ハム子さんは、今幸せになっていますか?」というコメントが寄せられています。そんな読者の方に向けてメッセージをお願いいたします。そんなコメントが…! ありがとうございます。じつはこの話はリアルタイムではなく、少し前の話なんです。漫画中に出てくる長男は現在小学生になりました。下の子も産まれ、いま幼稚園児です。幸せです。毎日穏やかに過ごしています。普段はギャグ漫画(『美淑女戦隊 オバサンジャー 困った姑・夫を浄化する!?』KADOKAWA)なども描いていたりもするので、他の作品もぜひぜひ。私が人生を楽しんでいるのが伝わるかもしれません。私が生きてきた過去は、もう私を傷つけるものではありません。私の心を大きく広げるものとなりました。【グラハム子さんのその他の作品はコチラ】▼困った姑・夫を浄化する!? 美淑女戦隊オバサンジャー
2021年11月19日■前回のあらすじ友だちに誘われ息子の駿介が入った地元のサッカークラブ。思い切り身体を動かせるのは良いけれど…。 >>1話目を見る そんなある日…。私たち3年生のママたちはとても仲が良く、特に透くんを1年生からチームに入れていた美加さんはまとめ役的な存在で、みんなから信頼されています。 私がサッカークラブについて「親の負担が大きい」と感じているのには、あるきっかけがありました。次回に続く(全11話)毎日15時更新!※この漫画は実話を元に編集しています脚本・ なせもえみ イラスト・ ユキミ
2021年10月27日いま付き合っている彼との将来を考えるなら、彼氏の親のことも考えるものです。直接関わり合うことは多くないとは言え、将来の夫のパートナーとしてよい関係は築いていくべきでしょう。そこで今回は「彼氏の親に気に入ってもらうための方法」を紹介します。■ 甘えるときは甘える「ごはん食べていくかい?と聞いて、元気で無邪気に『お願いします!』と甘えてくるようなお嫁さんをとってもらいたいと思ってます。甘え上手な子のほうがかわいいでしょう」(50代女性/ケアマネジャー)甘え上手な女性がかわいらしいという意見が聞かれました。彼氏の親御さんに気もお金も遣わせては失礼にあたるかと思い、つい遠慮しそうなものです。しかし時には、思いっきり甘えてもよいみたいですね。甘えるのと依存は違うということを肝に銘じておきつつ、甘えるべきタイミングには彼氏の親に甘えさせてもらうようにしましょう。■ 素直になる「息子のお嫁さん、有名な大学を卒業していて博識なんですよね。でも家に来たときの『できる嫁アピール』が正直うっとうしくて……。かわいげがないから、もっと低姿勢であってほしいです」(60代女性/専業主婦)よく思われたいがために、ついつい自分をできる女として一生懸命にアピールしてしまう人がいます。しかしアピールしすぎてしまうと、彼の親御さんからは煙たがられてしまうかもしれません。自分をよく見せようと必死になるよりも、自分のできない部分をさらけ出すように素直になったほうが、彼親からは好かれるようです。■ 清潔感と家事力を意識する「不潔っぽい子だと、息子がかわいそうだと思ってしまいます。服装はもちろん、お化粧も節度を持った子がお嫁さんに来てくれることを願ってます。あとは、家事ですね。一通りできる子でないと、やっぱり息子がかわいそうで……。家事を分担するためにも、女性にはある程度家事力がほしいと思ってしまいます」(50代女性/総務)服装やお化粧でも、清潔感というものが滲み出てしまうものです。清潔感があふれる女性でいるためにも、彼親に好かれるようなナチュラルメイクと露出を控えた正統派ファッションを勉強しておきましょう。■ 自分をいったん見直してみて彼氏との素敵な未来を手に入れるために、彼氏の親との信頼関係の構築にも力を入れていかなければなりませんよね。彼氏の親ウケを狙うためにも、いま一度自分の口調や服装、メイクについて見直しておきましょう!(コンテンツハートKIE/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2021年10月11日夫に子どもを預けて、たまには一人でゆっくりおでかけしたいですよね。でも、家に帰ると子どもがあざを作っていたり、ひざをすりむいていたり…。理由を聞くと「大したことないよ。目を離した隙にちょっと…」と苦笑いする夫。でも、笑ってすませられることではないこともあります。東京消防庁発表の 「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」 によると、5歳以下の子どもが事故に合う場所は約7割が家の中。つまり、ほとんどの場合は親と一緒の時に起こっており、そのうち約10人に1人の割合で入院が必要な中等症以上となっています。どうして、親がそばにいながら、子どもの事故は起こってしまうのでしょうか? その理由を紐解いていきましょう。■子どもの事故、実は「親の脳タイプ」が原因になっていることも?一般的には、切り替えがうまく、複数の異なる作業を同時進行できるのがマルチタスク悩。一方、「今、目の前のこと」を最重要と捉えて打ち込む傾向がある方は、シングルタスク悩といわれ、他の作業を同時進行で進めることは苦手なようです。どちらの悩タイプなのか、見分け方としては「1日1回以上はやり忘れがある」かどうかで判断します。例えば、ゴミ当番なのに出し忘れた、頼まれた買い物をし忘れた、郵送物を出し忘れたなど些細なことで構いません。やり忘れて落ち込むことが1日1回以上あり、それが続く人は、シングルタスク悩の傾向が強いといえるでしょう。家事育児は、さまざまなことを同時進行で進めないといけないことが多いため、マルチタスクだといえます。小さいお子さんのいるご家庭なら、夕方はまるで戦争のような忙しさ。たとえば、子どもをあやしながら夕食の下ごしらえをして、早めに子どもと一緒にお風呂に入った後は、子どもの支度をしつつ自分も身支度を整え、夫の帰宅に合わせて夕食の仕上げをし、食器を洗いつつ洗濯機を回し、子どもを寝かしつけながら翌朝の朝ごはんのメニューを考え…。こういった家事育児をこなしつつ、子どもに危険が及ばないよう常に目配りをする必要があります。そのほかにも、入浴後、必ずお風呂のふたが閉まっているか確認している、料理の後、使った包丁はすぐしまっている、包装ビニールはふた付きのゴミ箱にすぐ捨てているという方がどれくらいいるでしょうか。これらはすべて、子どもが重篤なケガをする原因となるものばかりです。目の前のことをこなすだけが家事育児ではありません。それをする(もしくは、しない)ことで、その後どういったことが起こるかを想像しながら同時進行で進めるマルチタスク処理能力が求められます。子育てでは、「まさか◯◯するとは思わなかった」「ちょっと目を離しただけなんだ」という言い訳は通用しません。自分がどちらの悩タイプの傾向があるのかをまずは把握することが大切です。■コロナ禍で子どもの事故が起こりやすくなっている?まだまだ収まる兆しの見えない新型コロナウイルスの流行が、子どもの事故を誘発する可能性があります。毎日出社していたのがリモートワークに変わり、慣れないオンライン会議を重ね、家族がすぐそばにいる環境で仕事をするなど、まったく新しい形態で働くことが求められている方は多いでしょう。しかし、シングルタスク脳タイプは、仕事とプライベートを切り離すのが難しく、頭の切り替えができない人が多いようです。また、いつもとは違うルーティンで仕事をするのも向いていません。たとえば、別室で仕事をしていても、家族の気配に気が散ったり、子どもの声が気になってオンライン会議に集中できないなどで、いつもより仕事の効率が落ちて焦ってしまうケースは少なくないようです。一方、家で仕事をするようになってお互いに気をつかう反面、大人が常にいる安心感もあるでしょう。そのため夫婦間で、「すぐ戻ってくるから買い物の間、子どもを見てて」「今日の保育園のお迎えをお願いできる?」とついつい頼みごとも多くなります。互いに「わかった」と安請け合いしがちですが、マルチタスク脳と違い、シングルタスク脳は集中しがちです。目の前の仕事で頭がいっぱいになり、子どものことをきれいさっぱり忘れてしまうことがあります。実際、仕事に集中するあまり娘さんの保育園のお迎えを忘れてしまい、夜8時頃、保育園からかかってきた電話で初めて思い出した、というケースもあります。このように、シングルタスク脳の方は、仕事をこなしながら子どもに目を配ることが苦手で、仕事に集中すると子どもの存在を頭から消してしまうため、「ちょっと目を離した隙に…」「そんなことをするとは思わなかった」という事故が起きてしまうのです。コロナ禍によるリモートワークの増加で、これまでは「シングルタスク脳のうっかり」ですんでいたことが、子どもの事故につながりやすくなっているといえます。■安心して子育てをするための事故防止と対策では、シングルタスク脳は子育てができないかと、いうとそうではありません。マルチタスクをこなすのは苦手であることを自覚し、対策を立てれば事故を予防することができます。シングルタスク脳の傾向がある方は、うっかりを防ぐために以下の2つを意識することが重要です。・時間を短いスパンで意識すること・育児のルーティンを習慣化することシングルタスク脳は、仕事に集中しすぎる傾向にあるため、短いスパンで時間管理をしたり、子どもに関わる用事を思い出す必要があります。そこで、スマホや時計のタイマー機能を上手に活用して、音や振動で子ども関連の用事を思い出すようにするといいでしょう。また、子どもに関することを、いつものルーティンと結びつけて習慣化することも大切です。例えば、子どもを保育園へ連れて行く時に忘れ物が多いようなら、出かける時にいつも持ち歩くスマホや家の鍵と子どもの荷物を一緒に置いておくといいでしょう。また、パソコンや掛け時計など、必ず定期的に見るところに、子ども関連で忘れてはいけないことをメモして貼っておくのもおすすめです。例えば、脱衣所の時計の横に「お風呂のふたは閉めた?」と張り紙をしておけば、必ずふたを閉めるようになり、目を離した隙に子どもがお風呂でおぼれる心配もなくなります。自分は、シングルタスク脳タイプとマルチタスク脳、どちらのタイプなのかを見極め、シングルタスク脳の傾向が強い方はぜひ上記の対策を試してみてください。続けていくことでコロナ禍の新しい生活様式や、子育てが習慣化し、「うっかり事故」を予防できるでしょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2021年01月30日親にとって、お友達トラブルはできれば回避したいものですが、子どもの発達にとっては大切なもの。友達関係はどのように変化して、どんなトラブルが起こりやすいのか。園ではどのようにサポートして、親はどう関わると良いのか。発達心理学の専門家である岡本依子先生に聞きました。お話を聞いたのは:岡本依子さん立正大学 社会福祉学部 子ども教育福祉学科教授。専門は発達心理学。特に親子のコミュニケーションの発達について研究。共著「エピソードで学ぶ保育のための心理学〜子ども理解のまなざし」他、保育者を目指す学生向けのテキストなども執筆している。友達関係の発達段階を知ろう友達関係は、発達につれて変化していきます。年齢ごとの特徴や、起こりやすいトラブルを知っておきましょう。イラスト/杉浦さやか◆3歳頃「一時的な関係」性別関係なく、同じ場所にいる子と遊ぶ集団生活に慣れていない時期には、一緒に遊ばなくても、近くにいる子どもに興味を持ったり、隣の子の遊びにつられたりする様子が見られます。その後、友達と遊び始めますが、3歳では「その場にいる子と遊ぶ」という一時的な関係。男女が入り混じり、気が向いたら同じ場にいる子と遊び、飽きたら違うところに行ったり、一人遊びに戻ったりと、こだわりなく遊ぶ段階です。この時期のトラブルは、まだ友達同士のルールが分かっていないために起こる、アクシデントのようなものです。おもちゃを取ってしまうのも「それは今、使っている子のもの」という「所有」の概念が未発達なためで、悪意はありません。取られた子が怒ることもありますが、多くは「ああ、持っていったな。じゃあ今度は何を使おう」という感覚です。感情のコントロールはまだ上手ではないので、感情的になっているときは寄り添って落ち着くのを待って。園の先生は、こうした場面を「ルールを学ぶチャンス」と捉え、「貸してって言おうね」などと適切な言い方を伝えていきます。◆4歳頃「一緒に遊ぶから友達」好きな遊びが同じ子と一緒にいるように4歳を過ぎると、率先して自分の好きな遊びを選ぶようになります。すると、自然と好きな遊びが同じ子と一緒にいるようになり「一緒に遊ぶから友達」という関係に。ただ、あくまでも主軸は自分の遊びなので、「外で遊ぶ友達」「ままごとをする友達」などと分かれることが多いでしょう。3歳までは「ありのままの自分」で生きていますが、4歳頃からは「すてきなおねえさん、かっこいいおにいさんでいたい」など、「自分はこうなりたい」というイメージを持つように。「ルールを守っている自分は偉い」という正義感も芽生え、ルールを守らない子を見ると告げ口をすることも出てきます。自分と友達の正義が違うと、屁理屈をこねたり、言葉がきつくなったりすることもあるでしょう。4歳後半くらいから仲間外れも見られるようになりますが、これは「友達は大切だから、仲間外れにすることが(相手にとって)罰になる」という友情関係が分かってきた証拠。その発達を理解しつつ、園の先生は相手がイヤな気持ちになること、仲間外れは良くないことを伝えていきます。◆5歳頃「友達だから遊びたい」一緒に遊びたいから自分の意見は後回しこれまでは「一緒に遊ぶから友達」だった関係が、「友達だから遊びたい」に変化する時期。「◯◯ちゃん、一緒に遊ぼう。何して遊ぶ?」と、遊ぶことを前提に、何をするかという交渉が始まります。自分の遊びが主軸だった時期はやりたいことが違う相手とは遊びませんが、この頃になると、その友達と遊びたいがために、自分のやりたい遊びを後回しにして、友達の意見を優先できるようになるのです。これは、学童期の友情関係である「心の友達」につながる出発点。とても重要な変化です。また、友達がどう思っているかを気にするようになるのもこの時期。4歳では一方的だった正義感も「他者の立場に立つ=他者視点」が発達して柔軟になってきます。例えば、滑り台を滑る側から上ろうとする2歳児を見たとき、4歳では「ダメだよ」と決め付けますが、5歳では「まだ小さいから分からないのか」と考えられるようになります。園の先生は自己主張と他者視点がバランス良く発達するように、トラブル解決をサポートしていきます。親はどうする? 友達関係の心配事読者アンケートで「わが子の友達関係に関する心配」について聞き、多かった声について岡本先生にアドバイスをもらいました。親の役目はトラブル前の園との信頼関係作り以前に比べ、今は「園での友達トラブルは、園の責任で解決する」という方針が広く定着しました。また、何か問題があれば教えてもらえますから、子どもが元気で楽しそうに通園しているなら、基本的に心配はいらないでしょう。とはいえ、子どもに「◯◯ちゃんとケンカした」と言われ、その相手を知らないと、親は不安になるもの。普段から、誰と仲が良いか、何をして遊んでいるかといった情報を、先生と親で共有しておくことが大切です。また、子どもはボキャブラリーが少なく、ささいなことを大げさに話したり、誰と遊んだか記憶があいまいで「一人で遊んだ」と言ったりすることも。元気をなくして登園をしぶる日もあるでしょう。心配事があれば、「こんな様子なんですけど、心配し過ぎですか?」「親からは見えない子どもの姿があると思うので、先生からどう見えるか教えてください」など、親の気持ちも含めて先生に相談しましょう。友達トラブルは、子どもが社会性や協調性を身に付けていく上で、大切な成長の糧でもあります。親の役目はトラブル回避よりも「トラブルが起こっても大丈夫」と思えるように、園との信頼関係を作っておくこと、と考えるといいですね。自分の意見を言えない、それも子どもの個性 友達を優先しているのかも新しい集団に入ったばかりなら、子どもの個性なので問題ありません。まわりの様子をしっかり見て、少しずつ自分を表現するタイプなのでしょう。もし集団に慣れた時期になっても意見が言えないなら、意見を言わない環境に慣れてしまっている可能性も。家庭で子どもが自由に意見を主張できているか、振り返ってみましょう。4〜5歳になって、友達の希望を優先することで「友達を喜ばせることができた」と満足感や誇りを感じているようなら、成長の証。褒めてあげるといいですね。友達ができない 遊びに没頭しているなら大丈夫 子どものペースを見守ってひとりで遊んでいても、遊びに没頭できているならまずは見守ってみましょう。遊びに没頭するのは、むしろ発達的には大事な時間です。もし、一人遊びの最中も友達の様子が気になっているようであれば、じっくり集団の様子を観察してから加わりたいタイプなのかもしれません。子どもは「友達になって」と言わなくても、集団の後ろから付いて歩いているうちに仲間に入ったり、離れて遊んでいる子をまねしているうちにお互いが気になって、一緒に遊ぶようになるもの。子どものペースで関係が出来ていくので、親はヤキモキせず、おおらかに構えていましょう。怒りっぽい 今は感情コントロールの練習中 言葉で表現する方法を伝えて怒るのは、悔しさやイヤなことがあったから。怒りはある種の原動力になり、うまくコントロールできるようになると、「これをバネにして頑張ろう」というやる気につながります。幼児期はそうした感情コントロールの練習期間と捉えましょう。また、怒っていることを表現できない方が困ることもあります。「イヤなことされたら、僕だって怒るんだよ」ということを相手にうまく伝えた上で、「もうやめてね」と言えるのが理想的。そのためには、「イヤだったから、怒ったのね」など、感情を言葉で表現する方法を伝えていきましょう。同じ子としか遊ばない 友達だから遊びたい段階 閉鎖的になったらフォローをこれは気にしなくて大丈夫。幼児なりに「気が合っている」ということで、「友達だから遊びたい」の段階に進んでいると考えられます。さらに発達して他者視点が身に付いてくると、友情関係を試すかのように「他の子としゃべっちゃダメ」などと言うこともあるかもしれません。この場合、本気の意地悪ではありませんが、関係が閉鎖的になっているようなら、「お友達がイヤな気持ちになるからね」など、良い方向に導くように声を掛けましょう。友達をしつこく遊びに誘う どのくらいしつこくすると相手が怒るか試すことも大事な経験そもそも子どもはしつこいもの。あまりにしつこくすると相手の子が怒るかもしれませんが、「どのくらいやると相手が怒るのか」を試すのも大事な経験です。相手の子が遊びたくないのなら「◯◯ちゃんはイヤって言っているから、他の子を誘ったら?」、誘っている遊びがイヤなら「違う遊びで遊ぼうって言ってみたら?」など、アドバイスしてみるといいでしょう。友達に対して言葉がきつい 相手が気分を害していると分かれば徐々にマイルドな言い方に言葉がきつくなるのは4歳頃に多く見られ、基本的には一時的なもの。まだボキャブラリーが少ないためで、相手を不快にさせようとしているわけではありません。友達が自分の言葉で気分を害しているのが分かると、言い方を考えるようになり、徐々にマイルドな表現ができるようになっていきます。親は、子どもの言葉がきついと感じたときに「◯◯って言おうね」と、言い換え方を提案してみましょう。また、言葉に関しては「親を映す鏡」という側面もあります。家族の間でも、きつい言葉は避けるといいですね。これも気になる もしも園の友達が新型コロナにかかったら子どもにどう説明する?友達が感染した場合は、下手に隠したり、ごまかしたりせず、子どもが知りたい「単純な事実」をきちんと話すことが大切です。「病気だから治るまでは一緒に遊べないけど、治ればまた遊べるよ」と事実を伝えれば安心できるでしょう。それ以上の説明は、子どもの理解力に合わせて。くどくど説明して、ちゃんと理解できないまま「コロナはすごく恐ろしい」という恐怖心だけを植え付けるのは避けましょう。また、「◯◯ちゃんは、手洗いしてなかったからコロナになったのかも」「悪い子がコロナにかかるから、あなたはいい子にしなさい」という言い方もNG。友達に対して「手を洗っていなかった子」「コロナになった悪い子」など、誤ったイメージを持たせないように気を付けましょう。
2020年11月14日「親の心子知らず」という言葉があるように、親子であっても常に気持ちが通じ合っているとはかぎりません。気持ちのズレは時に不和を生み、そのまま関係が途切れてしまうことも。これは、親の愛情が信じられずにいた少年とその母親の話。チャロス(@Cha_ros)さんが描いた『おかあさんの背中』をご紹介します。『おかあさんの背中』【おかあさんの背中(再)】2/2 pic.twitter.com/66uB7DCFtr — チャロス(新作9月10日公開予定) (@Cha_ros) August 8, 2020 妹が産まれ、母親の愛情が薄れていっているように感じていた少年。次第に「自分は愛されていない」「なんで僕のことを産んだのか」と、どんどん気持ちが遠のいていったのでした。しかし後に、それは勘違いだったことが分かります。わたしの命より大切。そうはっきりと口にする母親の背中を見た少年の中に、閉じ込めていた優しい思い出があふれました。きっと少年は、自分が愛されていることを心のどこかでちゃんと分かっていたのでしょう。それでもわざと反抗的な態度をとってきたのは、母親の愛情を確かめたいがゆえの行動だったのかもしれません。「感謝はいえる時にいわないと後悔する」ともコメントが寄せられた、チャロスさんの『母親の背中』。今度親に会ったら、気恥ずかしくても、これまでのたくさんの感謝の思いをこめた「ありがとう」を伝えよう…そんな気持ちにさせられます。[文・構成/grape編集部]
2020年09月07日人間関係の中で、唯一選べないのが親子の関係。そんな親が、恋をすることもあります。特に、つれあいに先立たれていたり、離婚したりしていれば、再婚ということも…。Youtubeチャンネル『漫画エンジェルネコオカ』では、ある日突然、義理の兄妹になってしまったカップルの動画が配信されています。同じ境遇からカップルに…森田アキラは高校3年生になったばかりの受験生。幼い頃に父を亡くし、母と2人で生活していました。そんなアキラは、幼い頃に母親を亡くして父親と生活をしていた鳥居シズカと意気投合し、やがて交際することに!アキラは、ようやく可愛い恋人ができたことが嬉しくて、亡き父に報告したのですが…。よりによって、俺の母親と?そんな幸せいっぱいのアキラは、母親からシズカの父親と再婚したとの報告を受け、4人はある日突然、1つ屋根の下に住むことになりました。急に思いも寄らないことが起きて、頭の整理がつかないアキラ。一方、「お兄ちゃん」と呼ぶシズカですが、アキラの入っていたお風呂にシズカが後からやってきて…。気になる続きは、ぜひYouTubeでご覧ください。この後、「義理の兄妹は結婚することもできる」と分かって安心したシズカ。こんな時は、やっぱり女性の方が現実的です。シズカは「年頃の2人がカップルであることが親にバレたら、ルールを作られて自由に行動できない!」とアキラに力説し、しばらく2人だけの秘密にしておくことにしたようです。今後、この2人の進展はいかに…そして、いつ真実を打ち明けるのでしょうか。この手の話は、少女マンガでは定番ですが、その後が気になりますね。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年08月26日あなたの親は、あなたをどんな風に育てましたか?親が無意識に子どもに求めた生き方を、私たちは時として「呪い」として深く刻み込んでいます。そのひとつが「あなたならできる」という期待の言葉。でも、できるという期待は裏側に「できない私はダメ」というプレッシャーが含まれています。その言葉の呪い、どうやって解いていけばよいのでしょうか。文・おおしまりえ【おおしまりえの恋愛道場】vol. 83「あなたならできる」親からの呪いを抜け出すために知りたいこと「あなたならできる」親からそんな言葉をかけられた経験はありませんか。現在放送中のテレビドラマ『私の家政婦ナギサさん』が話題になっていますが、人気の秘密のひとつが、母親から主人公にかけられた言葉の呪いだといわれています。あなたならできるというフレーズには、一見すると相手への信頼とポジティブな期待を感じますが、当人からするとそうでもないことも…。例えばここ一番に「あなたならできる」と言われたら、頑張ろうという前向きな気持ちになるものですが、日常的に「あなたならできる」を刷り込まれていると、逆にできない自分を激しく責めてしまうことになります。そして悲しいことに、親の声がけのほとんどは後者であることが多いのです。親からの信頼と見せかけた過剰な期待は、子どもからすると良くないプレッシャーにしかなりません。では親からの呪いの言葉で自分が染まりきっている方はどうしていけば良いのでしょう。大切なのは「できる
2020年08月20日どんな親も、我が子との関係をよりよいものにしたいと思っているもの。ですが、子育てをするなかでは、「子どもを思っての言葉なのに、反発ばかりされる……」という経験をして、「子どもへの愛情が伝わっていないのではないか?」と感じることもあるはずです。その問題解決の鍵を握るのは「双方向」のコミュニケーションだと語るのが、「親業」というコミュニケーション訓練プログラムのインストラクターである瀬川文子さんです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人「子どもがどう育つか」ではなく、「親がどう育つか」「親業」とは、アメリカの臨床心理学者であるトマス・ゴードン博士が、心理学、教育学、発達心理学をベースに開発したコミュニケーション訓練のプログラムです。この親業には、ほかのプログラムにはない大きな特徴があります。子育てに役立つとされるほかのプログラムの場合、そのほとんどが「子どもをどう育てるか」という視点でつくられているものです。一方の親業は、「親がどう育つか」という視点でつくられています。親自身が学んで成長することで、子どもとの接し方や関係を改善できるというわけです。このプログラムを開発した当時、ゴードン博士はカウンセラーとして活躍していました。そのため、いわゆる非行少年と呼ばれる子どもたちに接する機会が多くあったそうです。ところが、家や学校では問題児扱いされてカウンセリングを受けさせられることになった子どもたちに会ってみると、子ども自身にはまったくおかしなところがないと感じることが多かったといいます。そして、むしろ親や教師の対応の仕方に問題があるために子どもが反発しているのではないかと考え、親向けのコミュニケーション訓練プログラムを開発するに至ったのです。この親業訓練講座(Parent Effectiveness Training)は、1962年にアメリカのカリフォルニアで開催されたのをきっかけにして全米に広がり、現在では世界50カ国に広まっています。日本では、ゴードン博士の著書『親業 子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』(大和書房)を翻訳された近藤千恵氏が設立し、私も運営に関わっている親業訓練協会が、1980年から講座を提供しています。コミュニケーションの仕方次第では、愛情は伝わらない親子間のコミュニケーションにおける問題には、じつにさまざまなものがありますが、親業の視点から見て大きな問題のひとつだと感じるのが、「子どもが問題に直面したときに、親が性急に解決策だけを与えようとする」ことです。子どもが悩んだり困ったりしていれば、子を愛している親なら助けたくなって当然です。すると、子どもよりはるかに多くの経験をしている親には、「こういうときはこうすればいい」というふうに解決策が見えます。そして、親が考える解決策や意見を子どもに押しつけ、なるべく早く子どもの問題を解決させてあげようとしてしまうのです。もちろん、その言動は子どもへの愛情からくるものです。でも、子どもからすれば、自分が悩んだり困ったりしている気持ちをまったく受け取ってもらえないまま、「こうしなさい」とただ解決策だけが押しつけられたに過ぎません。そのため、どうしても反発や抵抗をしたくなるのです。大人だって同じではないですか?悩んだり困ったりしているときは、悩みを解決したいという気持ちはもちろんですが、なによりまず「誰かに話を聞いてもらいたい」と思うものでしょう。親は、子どもにとってのその「誰か」になってあげなければなりません。「一方向」のコミュニケーションが誤解を生じさせるでは、親業のトレーニングを積んだあとには、子どもとどんな関係を築いていけるのでしょう。大きなメリットとして、「誤解が減る」ことが挙げられるでしょうか。親業訓練講座では、実際の生活のなかで使えるように、さまざまなシチュエーションを想定し、参加者が親役になったり子ども役になったりしながらロールプレイのトレーニングを数多く行ないます。そのトレーニングにより、親子間で「双方向」のコミュニケーションができるようになります。すると、たとえば先に挙げた子どもが悩んだり困ったりしているケースなら、「子どもを愛しているから、早く問題を解決してあげたい」という親の気持ちと、「話を聞いてほしいだけなのに、意見を押しつけられた」という子どもの気持ちのすれちがい――すなわち誤解を減らしていけるのです。逆に、コミュニケーションが「一方向」の場合には、親子間に誤解が生じます。たとえば、子どもに対する「早く起きなさい」「歯を磨きなさい」「宿題をしなさい」という指示命令の言葉がそれにあたります。これらももちろん、子どもを思っての言葉ですが、完全に一方向のものですよね?そのため、子どもには「なぜそうするべきなのか」という理由や、親が子どもを思う愛情は伝わりません。そうした誤解だらけのコミュニケーションを続けていると、子どもが思春期になった頃には、親がなにを言っても「うるさいないあ」としか反応しないようなことになってしまうでしょう。でも、双方向のコミュニケーションにより親子間に強い信頼関係ができていれば、子どもも不要な反発や反抗はしません。このことは、私自身が実感しています。息子が中学生くらいのとき、普段の口調は少し生意気になっても、本当に困ったときは私に相談をしてくれました。普段からの双方向のコミュニケーションの積み重ねにより、息子は「僕が悩んだり困ったりしたときには、お母さんはちゃんと向き合って話を聞いてくれる、僕の気持ちを理解しようと努力してくれる人なんだ」と思ってくれていたはずです。そんな関係性を築き、子どもが親を頼ってくれることは、間違いなく親としての大きな喜びとなるでしょう。『あっ、こう言えばいいのか! ゴードン博士の親になるための16の方法 家族をつなぐコミュニケーション』瀬川文子 著/合同出版(2013)■ 親業訓練協会インストラクター・瀬川文子さん インタビュー記事一覧第1回:子どもが反発ばかり……親子関係の問題を劇的に改善する「双方向」のコミュニケーションとは第2回:繰り返す、言い換える、気持ちを汲む。親の「能動的な聞き方」が、子どもを問題解決に向かわせる(※近日公開)第3回:「私メッセージ」の叱り方で子どもが変わる! 親は怒りではなく“第一次感情”に注目して(※近日公開)第4回:親子の衝突を解決するには「勝負なし法」がベスト。勝敗を決めるのは、子どもの育ちに悪影響(※近日公開)【プロフィール】瀬川文子(せがわ・ふみこ)1954年8月28日生まれ、東京都出身。親業訓練協会シニアインストラクター。1973年、日本航空に客室乗務員172期生として入社。14年間の国際線勤務の後、結婚のために退社。1998年、コミュニケーション訓練のプログラム「親業」の指導員資格を取得。2002年、CAP(子どもへの暴力防止プログラム)スペシャリストの資格を取得。2003年、親業シニアインストラクターの資格を取得。2006年、『ママがおこるとかなしいの』(金の星社)で絵本作家としてデビュー。同年、親業訓練協会インストラクター養成担当となる。2015年、日本アンガーマネジメント協会ファシリテーターの資格を取得。現在は、親業訓練協会の運営に関わりながら、医療、介護、教育の各機関、企業、家庭を対象に、「想いが伝わるコミュニケーション」を軸とした講演会等を全国各地で行うなど活躍の場を広げている。主な著書に、『聞く、話す あなたの心、わたしの気もち いじめない、いじめられない子どものためのコミュニケーション』(元就出版社)、『ほのぼの母業のびのび父業 ゴードン博士に学ぶ 21世紀の家庭へ わかりあえるコミュニケーション訓練』(元就出版社)、『職場に活かすベストコミュニケーション ゴードンメソッドが職場を変える』(日本規格協会)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月04日人生投稿サイト STORYS.JP で、人気のストーリーの漫画化第2弾。母親が嫌いだった私が「親になって知ったこと」のお話です。作画: 渋谷さえら 原作: 村上 奈美 前回 からのあらすじ中学生時代~あんたなんて産むんじゃなかった!と言われたことは鮮明に覚えているそして私は18歳になった。「あんたはいつも親のことを馬鹿にしている」していたのかもしれない自分のことだけを考えている両親を確かに軽視していたと思う。私たちは歩み寄ることのないまま…私は家を出た家を出てしばらくはほとんど連絡をしなかった。大学が楽しかったし、友だちといるほうがよっぽど充実していた。「あんたが帰ってくると家が汚れる」悲しかった。事実そうだったのかもしれない、でもやっぱり顔をみていきなりそう言われると悲しかった。そして、そこから母は仕事の人間関係で失敗した。母は落ち込んだ。初めての挫折だった。東京でふらふらしていた私に、しょっちゅう電話がかかってくるようになった。それくらい母の心は弱っていた。今なら、話ができるかもしれない…。「東京においでよ、気晴らしにさ」今までは、私の言葉はいつも母の耳には入っていなかった。「こうしようよ」という提案はいつもスルーされていたのに…「…そうね、そうしてみようかな」普通の親子だったら何気ない、普通の会話だ。だけど私は、私と母の距離感が変わるのを感じた。母は、初めて私を一人の人として接してくれたのだ。21歳の時だった。友達のこと、学校のこと、父のこと、おばあちゃんのこと、彼氏のこと、昔のこと、悲しかったこと、嫌だったこと、嬉しかったこと…たくさん話をした。もちろん途中で喧嘩も何回もした。何回も何回も何回もした。一度だけ、どうしても許せなくて、互いに首を絞めたことまである。それくらい親子関係をこじらせていたんだ。2人で泣きながら謝った。謝れてよかった、話ができて本当によかったと思った。長い長い時間がかかったけれど、反抗期だった時の自分に、今の状態を教えてあげたい。大丈夫だったよ、お母さんは、また私を見てくれたよって…(次回…シングルマザー編は12/22 7:00公開予定です)
2019年12月21日遠慮なくなんでも言い合える実の親子だからこそ、言い合うことも数知れず…という人はもしかしたら多いかもしれません。思春期だったり、成人後だったり、結婚後だったり。さまざまなタイミングで親との衝突が訪れる可能性があります。今回は、さまざまな親子の在り方について、考えてみたいと思います。■親との衝突を経験したことある人の割合は?自分の親と衝突したことがあるか聞いたアンケートでは、なんと約8割の人は親と衝突した経験があることがわかりました。その内訳は、「かなりある」が34.7%ともっとも多く、次いで「少しある」、「以前はあった」となります。一方、残りの約2割の人たちは「ほとんどない」、「ない」と回答し、衝突した経験がないという人も一定数いることがわかります。Q.自分の親と衝突したことある?かなりある 34.7%少しある 20.8%以前はあった 23.9%ほとんどない 16.3%ない 3.4%その他 0.8%■親との衝突、反抗期「周りが見えてなかった」まず、「衝突する」と答えた人たちからは、思春期に親と衝突したエピソードが寄せられていました。「思春期は自分のことでいっぱいで、周りなんて見えていなかった。人の気持ちがこんなにたくさんあって、いろいろな解決の仕方があることには子どもを産んで気付きました」(愛媛県 20代女性)「かなり衝突していましたが、実家から離れて暮らして、親のありがたみがわかりました。わが子が思春期になり、自分が反抗していたときの親の気持ちが少しわかる気がして、反省しています」(茨城県 40代女性)「中高生の頃は親と衝突しつつ、『これでも感謝してんだよ』と思っていました。進学を機に一人暮らしをして、親との距離のとり方を覚え、社会人になって子どもができて親の恩を実感できました」(石川県 40代男性)思春期は、こころの発達の面からは小学校高学年から高校生年代の時期にあたるといわれ、その時期には理由もなく親に反抗したくなってしまうこともありますよね。「大人として一人前に扱ってほしい」という葛藤や「まだ一人では何者にもなれない」という子ども自身にとっても苦しい時期だったと思い出す人も多いのではないでしょうか。そんな反抗期の態度を省みるコメントは多く、「かなり激しめな反抗期に見捨てることなく付き合ってくれた母親には感謝しかない。結婚して家を出て数十年たちますが、いまだに母親大好きっ子です」という感謝の声も寄せられていました。■親との衝突、子育てへの干渉「ライフスタイルが違う」また、「衝突した」と回答した人たちからは、子どもが生まれてから衝突するようになったというコメントも寄せられました。「孫が産まれてから、母が過干渉になり衝突が増えたため、距離を取っています。心配はわかるけど、ネガティブなことばかり聞かされてうんざり」(神奈川県 40代女性)「同居のとき、孫大好きでばあばもじいじも孫のしたいようにさせ、私の意向は聞いてくれませんでした。お母さんは一家に一人でいいんだと思う」(千葉県 30代女性)「子どものお稽古や進学に関して意見をズバズバ言われます。アドバイスというより命令形。『ハイハイ』とはいきませんね」(神奈川県 40代女性)「専業主婦だった母、共働きの私。仕事をセーブして子どものそばにいろと。ライフスタイルの違いでぶつかります」(神奈川県 40代女性)親と自分だけだった関係に、「子ども」という存在が加わり、関係性のバランスが変わったと感じている人が多いようです。子育ての方針に口出しをされてイライラしてしまったり、孫に甘すぎる祖父母にもどかしく感じたりと、衝突する機会が増えてしまうこともあることがわかります。■「衝突しない」裏にある親子の事情一方、「衝突しない」という意見から理想的な親子関係を築いている人たちからのコメントが集まるかと思いましたが、どうやら「円満だから衝突しない」というコメントは少数派というようにも感じます。「衝突しない」という回答の背景には複雑な思いがあるようです。●円満な関係にある「幼い頃から大好きな母を尊敬しています。一生懸命頑張っている姿を見てきたので、今に至るまでケンカも言い合いもありません。」(岩手県 40代女性)「結婚して子どもが生まれてからは、こんな思いで自分を育ててくれたんだと気付き、感謝の気持ちでいっぱいです。同じ敷地内に住んでいるので、お互いに助け合って仲良くやってます」(茨城県 40代女性)●親が他界している「両親は私が3歳頃に他界しているので、衝突もできませんでした」(山口県 40代女性)「母は20歳のときに前触れもなく亡くなってしまいました。私の成長を死ぬまで楽しみにしていたことは、亡くなった後に気付きました。親には傷つけることを言いたい放題だけど、いなくなって初めてわかることがある」(鳥取県 50代女性)●親とは距離感を取っている「話すとすぐに衝突してしまうので、なるべく距離感を保ち、必要最低限の会話を心がけています」(福島県 30代女性)「母は心配性でいつもワーワー言っている人。生まれた時からそういう環境なので、私は聞き流す能力に長けていて、衝突はないです」(神奈川県 40代女性)「衝突しない」と一口に言っても、親子にはさまざまな事情があることが伝わってきます。親がすでに他界していたり、言いたいことを言わないようにガマンしていたりと、そこには、衝突するよりも切ない現実がある場合もあるようです。親が亡くなってしまえば、もう親子関係を築くこともできなくなります。筆者自身は母親を亡くしているのですが、生きているときは衝突して苦しかったこともありましたが、今は衝突をしたくてもできないと、寂しく感じることもあります。■「心が許せない…」毒親に苦しむ声もさらに、寄せられた声の中で目立ったのは、「毒親」との関係に悩む人たちの叫びとも言えるものでした。「『いい子でいなくちゃ』と必死で、衝突するなんて考えもしませんでした。情けないことに現在進行形です」(神奈川県 30代女性)「『親に口ごたえするな!』と言われて育ったので、衝突はおろかいまだに親にちゃんと意見が言えません」(神奈川県 40代女性)「何でも自分の言うとおりに子どもが動かないと気がすまない、いわゆる毒親でした。私は完全に心を閉ざしてしまい親には何にも言えない関係に。子どもの頃にできてしまった心の闇は消えません」(東京都 50代女性)「衝突できるのは、親子関係がいいからだと思います。私は、親から暴力を受けていたため、恐怖で口答えすらできませんでした」(愛知県 30代女性)「毒親」という言葉は、医療機関のコンサルタントのスーザン・フォワードが書いた『毒になる親 一生苦しむ子供』からついたもので、子どもを支配する、子どもに罰を与えるなどして、悪影響を与える親を意味しています。小さいころだけではなく、結婚して子どもができても続くような毒親からの支配に悩み、「親と衝突して関りを持つことすら許せない」という心の叫びが伝わってきます。■親との衝突は悪いことなのか?先ほど、毒親に苦しむ人たちの声を見てきたように、親との関係がうまくいっていないからこそ「衝突すらできない」と悩んでいる人たちもいるようです。そうすると、はたして親との衝突って悪いことなのでしょうか。「たまには、意見の相違があってもいいんじゃない! 生きているうちですよ、そんなことを言ってられるのは」(滋賀県 50代男性)「衝突でも、言いたいことを本音で言い合ってお互いに思っていることを知るのも必要かと。言い合えるだけの元気がお互いにあるんですし」(神奈川県 40代女性)「親が子を思えばこそ、真剣に向き合ってくれていたからこそ、衝突してまで教えてくれたのだと今は思います。歳を重ねるごとに、ますます大切な存在になっていくような気がします」(神奈川県 40代女性)確かに、衝突することでお互い本音が言えたり、衝突を経て関係性が良くなったりすることもありますよね。近い存在である家族だからこそ、遠慮なく物事が伝えられるのも事実です。お互いがストレスなく乗り越えられるならば、適度な衝突もアリなのかもしれませんね。■親子関係をうまく築くために「適度な衝突はアリ」だとしても、衝突が毎日のように続くと、お互いにしんどくなってしまいます。意図しない衝突を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか。「戦うこともたくさんあったけど、一定の距離を保つことで今では落ち着きました」(北海道 30代女性)「衝突はたくさんありますが、親子だから泣くほどケンカしても、次会うときはまた元通りです」(千葉県 50代女性)「親だから言いたいことを100%言って、何度も衝突していた。知り合いに『言いたいことの1%で良いから我慢してごらん』とアドバイスしていただき、いまは仲良し親子です」(茨城県 40代女性)それぞれに対策を立てて、衝突を防いでいることがわかります。さらに、多く寄せられたのは、親に対する感謝の気持ちについてのコメント。親と同じ子どもをもつ立場になってこそわかることがあるようです。「親の苦労する姿をたくさん見てきたので、自分が子どもの親となった今はむしろ感謝の気持ちでいっぱいです。けっして一人で育ったわけではないことを忘れず、今後は少しでも親に恩返しをしていけたらと思っています」(東京都 40代女性)実の親子は、近い間柄の家族だからこそ、付き合いが難しいという側面があります。その関係性はさまざまで、衝突をする親子、しない親子、それぞれが自分の今を大切にするために努力し、工夫を重ねていることがうかがえます。なかなか素直に感謝を伝えられなかったり、言い過ぎてしまったり。コメントにもあるように、ついなんでも言いたい放題になってしまう実の親子だからこそ、本当は最低限の遠慮や気遣いが必要になってくるのかもしれません。今回は、パパママと自身の親との関係性をみてきました。そして自分の親との関係性を考えるときに、おそらく多くのパパママは自身と子どもとの関係性にも思いを馳せるのではないでしょうか。親子で仲良く過ごしていきたいと願っても、個性や相性などによってどうしても心が通い合えない時期も出てくるかもしれません。自分の親との関係以上に、子どもとの衝突で心痛めている人もいるでしょう。親子の関係性は、これまでのコメントでわかるように、一筋縄ではいかず、どんなに親が一生懸命になってもそのときは届かない想いもあるのかもしれません。それでも親子関係は敵ではありません。親子関係は一日で築かれるものではなく、子育ての長い「子どもの自立」という道のりのなかで構築したり、組みなおしたりが起こるものなのかもしれません。そのなかで子どもとどう向き合っていけばいいのか、たまには立ち止まって振り返ったり、見直したりすることも必要なのかもしれませんね。Q.自分の親と衝突したことある?アンケート回答数:4602件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年11月03日ウーマンエキサイト読者の皆さま、こんにちは!koyomeです。今回は長女ムスメが幼稚園で仲良しの男の子の可愛い関係についてのお話です。いつも優しいみーくん。泣き虫なムスメのことを心配するセリフにもうキュンキュン!優しいお友だちがいてくれて、本当に嬉しいです。ですが…ある日のことちょっと印象が違う、みーくんの姿がありました。ムスメもそんなにおどろいた様子はなかったので、相手によって対応が違ったりとか、親が知らない幼稚園にいるときの顔とかきっとみんなあるんだろうな…。まだまだ、異性ということを意識しているわけではなさそうですが、垣間見たお友だち同士の関係性に、ニヤリとしてしまったのでした。ちなみに、ムスメに好きな子はいるの?と聞いてみたところ、私が全く知らない女の子の名前をあげていました。…そんなもんですね(笑)
2019年09月05日親に言われたり、されたりして傷ついたエピソードを、20~30代女性の集まるアンアン総研メンバー200人にリサーチしました。親の立場になってみれば、わからなくもないセリフもありますが、多くは「酷い」のひと言につきます。これから親になるみなさん、既に親となっている方も、ぜひとも反面教師にしてくださいね!文・田中亜子【アンアン総研リサーチ】いまも忘れない! 親の非情な言葉「いろいろありましたが、一番呪いになっているのは『こんなに美人な私から(母はかつてモデル)、こんなデブでブスな子どもが生まれるとは思わなかった』です」(30歳・公務員)「兄と弟がいるのですが、お手伝いは私にしか頼まず、私がなんで私にばかり頼むのと聞いたら、『女の子でしょ!』と言われたこと。何かにつけて女の子なんだからと兄弟と扱いが違っていた」(32歳・主婦)「親の立場に立てば理解できる話ですが、中学生の時に将来なりたい夢を話したら『あんたには才能がないからムリだよ。普通の会社に働いて暮らしなさい』みたいに言われたこと。自分にもし子どもができたら、もう少しうまく伝えてあげたいなと思います」(31歳・自営業)「勉強して現役で国立大学に合格することができたのですが、それを親に報告したら『今からでもいいから医学部医学科を受け直さないか?』と言われ、大人になってからも『医者になっていたらよかったのに』と言われます。確かに医者になっていたら給与は格段に上だったんでしょうけど、言われるたびにもやもやします」(32歳・専門職)「『バカばっかり産んで』っと泣きながら自分のお腹を叩く母親。子ども達はすごい学歴でもないので本気の発言だったのだろうが、忘れられない」(34歳・会社員)どれも怒りが湧いてしまうきっかけがあって出た言葉だと仮定して、親もひとりの人間。頭に血がのぼり、理性を失ってしまうこともあるのかも。それでも、子どもの前では、いつも笑顔であり続けたいものです。信じられない! 親の最低な行動「門限を破ってしまい、母親からかかと落としされた」(32歳・会社員)「揉めるとすぐ暴力に結びつける父。でも、初めて私が父を倒してからは、父の暴力はなくなった」(34歳・公務員)「夏休み、友達に会えないように、服を全部捨てられたり、携帯を取り上げられたり、電話線を切られた」(31歳・自由業)「父親と大喧嘩した後日、家の鍵が知らない間に変わってて家に入れなかった」(27歳・会社員)「何かで怒らせたらしく。自分の誕生日会前日の夜に買いに行ったジュースを、帰り道の途中でその場に全部捨てられた。いまだに忘れられません」(30歳・会社員)「子どものころ、肺炎で入院しているとき、お見舞いに来てくれた両親が「車を見てくる」という嘘をついて帰ったこと。話の途中で、そういったので私は病院のベットでずっと待っていた。看護婦さんに帰ったことを知らされて嘘をつかれたことを知った。素直に言えばいいのに、なんで嘘をつくのか疑問で悲しかった」(30歳・自営業)思春期になり、反抗的な態度をとる子どもに、親はつい手を出してしまうかもしれませんが、いかなる理由があっても、暴力はいけません。別の方法を模索して親子関係を少しでも良好に保ちたいですね。最後に、自分の親ではない大人から傷つけられたエピソードもご紹介します。「両親は共働きだったので、私はかぎっ子でした。けっこう頻繁に周りの親たちから、『さみしい思いしてない? かわいそうに』などと言われていて、それが普通と思っていた自分は、その生活を楽しんでいたのですが、あまりにも周りが言うものだから、“私ってさみしい子なの?”“私ってかわいそうなの?”と思うようになりました。例えかわいそうと思っても、それがしあわせな子もいるのだから、周りはとやかく言うことはないと思いました。私は、働く母を尊敬してるし、それが誇り。私が親になって、鍵っ子ちゃんがいても“お母さんかっこいいね!”って言いたいです」(33歳・専門職)これは独身の方や子どものいない人にも刺さるお話ではないでしょうか。何気ない言葉が子どもを傷つけることもあります。言葉の持つ影響力を考え、相手の立場になる想像力を働かせて、軽はずみな言葉かけは慎みたいものですね。©Esther Moreno Martinez / EyeEm/Gettyimages©ljubaphoto/Gettyimages
2019年08月18日前回に引き続き、実母との関係を振り返りながら、現在の子育てについて思うところをホリカンさんがつづります。幼稚園、小学生、中学生など、それぞれの年代で悩みが出てくるじゃないですか。その悩みを親に聞いてもらいたい…と思って母に話すのですが、途中から母の話にすり替わるのです。で気がついたらいつもの愚痴…。(あれ…? 今、私の話をしてたんじゃなかったっけ…??)私の記憶にないだけで、全く聞いてもらえなかった…ということはないと思うのですが、私が悩みの相談をしたとしても毎回この流れになるので、『あ、私は完全な聞き役なのだな』と毎回思い知らされていました。(このことがあったからか、大人になった今でも人と話をするのが(自分が喋るのが)苦手です)結婚前、子どもが好きで児童絵画の講師をしていたんですが、その時間は『子どもに絵を楽しく描いてもらう』という、具体的な内容が決まっていたので悩むことはありませんでした。が、『子育て』となると別だったようで、ふとした時に、《どう接してあげたら喜ぶのか》ということが分からなくなる瞬間がありました。子どもが出来たときに、《実母のようにはならない》という思いが強すぎたためか、肩に力が入りすぎ…子どもを喜ばせたい!!楽しく子育てしたい!!でも、具体的にどうしてあげたら子どもって喜ぶの…??ということが急に分からなくなり、よく夫に相談していました。子どもの頃の嬉しかった事と言ったら、公園に連れて行ってもらったとか、玩具を買ってもらったなどの記憶はあるのですが、『接し方で嬉しかった事』というのがどうしても思い出せず。夫に『自分がされて嬉しかった事をしてあげたらいい』と言われても、嬉しいと感じる《接し方》をされた記憶がない私は…え…? じゃあ、何か買ってあげるとかそういうこと…?? と、全然ピンとこず…。私が子どもの頃に、母親にして欲しかった事ってなんだろう…愚痴を聞かせないで欲しい…私の意見を無視して自分の意見を押しつけないで欲しい…やめて欲しかった事はいっぱい出てくるのに、して欲しかった事って出てこない…。そこで行き着いた方法が…!夫に他の子ども達を任せて、『一対一でデートに行く』という方法。普段、子どもが多いこともあってゆっくりと話を聞く機会が少ないので、意識的に一対一の時間を作って、ゆっくりと子どもの話を聞くようにしています。《ゆっくりと話を聞く》私が子どもの頃にして欲しかった事ってこういう事だったんだなと思いました。子ども達には私と同じ辛い思いをしないで育って欲しいと思います。今でも過去を思い出して色々と悩む事もありますが、夫に相談にのってもらったり、色んな人に協力してもらいながらこれからも頑張って行きたいと思います。
2019年08月14日