セミがわんわんと鳴き、うだるような暑さが続く。クーラーの効いた部屋でアイスやかき氷を頬張り、涼を取る、そんな人も多いはず。でも、音楽でだって涼は取れる。今回は、この夏に聞きたい”クールダウンミュージック”をご紹介。選者は、カセットテープ専門店waltz代表の角田太郎氏。今年リリースされたものの中から、5つのアルバムを選んでもらった。カセットテープならではの、耳障りのやさしい音楽が出揃った。今夏は、耳から、涼しくーー。DAVID BAZAN/デイヴィッド・バザン『BLANCO』アメリカはシアトルを拠点とするシンガーソングライター、デイヴィッド・バザン(DAVID BAZAN)の3rdソロアルバム。もともとPedro the LionやHeadphonesといったインディーバンドの中心メンバーとして活躍していた彼の3枚目となるソロアルバムは、夕涼みに聞きたいフォークトロニカ。けだるい低音ヴォイスがゆったりと流れてゆく。カセットにはダウンロードコードが付く。『BLANCO』デイヴィッド・バザン(DAVID BAZAN)Plush/プラッシュ『PLEASE』サンフランシスコの4ピースバンド(女3・男1)プラッシュ(Plush)の3rdアルバム。囁くように歌う、透明感のある女性ヴォーカルに思わずうっとり。そして、ふわふわと浮遊感のあるポップなギターサウンドが、火照った体をじんわり癒していく。そんなどこか懐かしい、思い出の琴線に触れる楽曲が5曲。眼鏡の男の子が謎のポーズをキメている、シュールなジャケットもかわいい!『PLEASE』プラッシュ(Plush)不逞社『Alegrias y duelos de mi alma』マンガのようなジャケットと漢字のネーミングから、日本人かと思わせるが、実はイタリア人ギタリストのソロユニットFUTEISHA。オリエンタルなギターサウンドは、時にノスタルジックに、時に荘厳に鳴り響く。アヴァンギャルドで実験的なアンビエントサウンドも盛り込み、まるでディヴィッド・リンチのサウンドトラックのような世界が広がる。『Alegrias y duelos de mi alma』不逞社(FUTEISHA)ADELINE HOTEL/アデリン ホテル『It’s Alright Just The Same』NYブルックリンを拠点とするシンガーソングライターDaniel Knishkowyによるソロ・プロジェクト、アデリン ホテル(ADELINE HOTEL)。2作目となる本作は、とっても懐かしい、古き良きアメリカを感じるフォークサウンド。早く起きた朝、暑くなる前の涼しい時間帯に聞きたくなるような、静かでやさしい曲ばかり。穏やかな気持ちで一日を迎えられるはず。『It’s Alright Just The Same』アデリン ホテル(ADELINE HOTEL)Bitchin Bajes And Bonnie Prince Billy/ビッチン バジェス アンド ボニー・プリンス・ビリー『Epic Jammers And Fortunate Little Ditties』現代アメリカを代表するシンガーソングライターのひとり、ボニー・プリンス・ビリー(Bonnie Prince Billy)と、シカゴの実験音楽ユニット、ビッチン バジェス(Bitchin Bajes)の共演作。両者の即興演奏が織りなす、魅惑のサイケデリアが展開する。幻想的で雄大な、アメリカのプリミティブな原風景のような、静かな音世界に身を委ねて。『Epic Jammers And Fortunate Little Ditties』ビッチン バジェス アンド ボニー・プリンス・ビリー(Bitchin Bajes And Bonnie Prince Billy)【店舗情報】waltz住所:東京都目黒区中目黒4-15-5-101営業時間:13時~20時(月曜定休)電話:03-5734-1017
2016年08月15日カセットテープ専門店が話題だ。スマートフォン保有率が6割を超えるこのデジタルの時代に、だ。もしかしたらティーンエイジャーたちにとっては「カセットテープ?何それ美味しいの?」かもしれない。しかし、とにかくクリエイティブ界隈では話題となっている。昨年8月に、中目黒にオープンしたカセットテープ専門店「waltz」。中目黒駅を出て山手通りを目黒方面に向かう右手、都内でも指折りの高級住宅街の片隅に店を構える。大きなガラスの引き戸が連なった扉から、自然光がたっぷりと入り込む店内。配管や天井裏がむき出しになった店内には、想像性を掻き立てられるような空間が広がる。整然と佇む棚には、タイトルを背にしたカセットテープがぎっしりと並べられ、手が差し伸べられるのを待っている。ジャンルは、往年のジャズから、90sヒップホップ、そして若手アーティストたちによるインディーミュージックなど様々だ。もちろん再生機器であるいわゆる“ラジカセ”の品揃えも充実している。当時を知る人であれば思わず「懐かしい!」の一言がこぼれるだろう。その他には、希少なレコードやカルチャーマガジンのバックナンバーなどのビンテージブックも展開する。しかし、ここは閑静な住宅街。駅からもちょっと歩くのだ。ここでもまた一つハードルが上がる。しかし、このハードルこそが店主の角田太郎さんの狙いの一つだ。■デジタルの隆盛を逆手に取る実は、店主の角田さんは世界的なECサイト「Amazon」の日本法人で働いていた。「店を立ち上げて1年くらいしか経っていないのですが、テレビ、ラジオ、雑誌、webなどメディアの取材がひっきりなしです。なんでこういう状況になったかというと、僕が独立した後、インターネットビジネスをやってないからなんですよ。実際にここに来てはじめて目に見える“リアルな世界”を作っていて、そこに共感して、面白いと思ってくれる人が多いということなんだと思います」このご時世、カセットテープを専門に扱っているお店は世界でも稀な存在だろう。その証拠に、イギリス発のライフスタイル誌「Wallpaper」からも取材を受けた。「そういうお店が、中目黒の住宅地を歩いてくると突然現れるということ。また、Amazonというインターネットビジネスに長年携わってきた僕が、全く真逆のことをやっていること。双方含めてこの店のバリューになっているんです。そんな“ストーリー”も含めて、面白がってもらっている状況でしょう」■オープンのきっかけはある1冊の本との出会いデジタル化の波を肌で感じることができる最たるものの一つが音楽だろう。それまではラジオを通じて聞いていた音楽が、レコードになり、カセットになり、CDになり、データとなり、無形化した。「音楽が無形化した結果、アートではなくなってしまったんだと思います。自分自身、初めてiPodを手にした時、持っている何千枚ものCDをデータ化してやろうと思ったんですけど、あっという間に挫折しました。若いころから音楽を聞いてきた身からすると、やっぱり音楽ってデータじゃないよねと、気づく瞬間でもありました」「カセットテープに行きついたのは2004年頃、ある1冊の本がきっかけです。それがこの『mix tape』というタイトルのアートブック。著者が知人に、昔作ったミックステープを持ってきてと声をかけて、集めたものを収めてアートブックとして紹介しているんです。ミックステープを作った本人は、それがアートだなんてことは思っていないでしょう。ですが、ジャケットやインデックスの作り方に注目すると面白いんです。凝ったコラージュが施されていたり、タイポグラフィーの作品集にも見えます。この1冊の中では、カセットテープというものがアートとして表現されてるんです。この本でスイッチが入りました」■カセットテープのほうが“音がいい”それこそ「ハイレゾ」なんていう言葉もよく聞くようになった。音質もどんどん良くなっているような気もする。「音がいいっていうのは、すごく定義が難しい話です。技術的に“高音質”ということと、耳に聞こえる“心地よさ”っていうのは全然話が違うんですよ。それは例えば、高級メゾンのスラックスがいいのか、古着のリーバイス501がいいのかっていうのと同じ。ハイレゾみたいなものは高級メゾンのスラックスなんです。デジタルの音は固いんですよね。それに対して、周波数を上下でカットしたレコードやカセットは聴こえる範囲が狭いんです。だから高音質ではないという言い方もできるんですけど、でもその分パンチが効いてるんですよ。音は温かく聞こえるんです。加えてアナログ盤はノイズを含んでいます。ノイズを含んだ音は生々しく聞こえるんです」■デジタル=冷たい、アナログ=温かい、という二元論を超えて角田さんは「デジタルにはデジタルのよさがある」と前置きした上で、「アナログを古臭いものだと勘違いしている人も多い」と語る。「カセットは現在進行形のカルチャー。音楽業界全体が衰退していくなかで、音楽を伝えるメディアも弱体化している。だから若いアーティストたちが、カセットで新譜を出していることを知ることができない。今は、世界各国のカセットレーベルから直接扱ってほしいという問い合わせが来るようになりました。僕は常に『音楽には形がある』と言っているんです。それはモノを目で見て、触れることによって、音楽が聴きたいって衝動が生まれることにリンクします」「今は配信や動画サイトで、あまりお金を掛けずに音楽を聴くことができる。ですが、ありがたみが失われると、興味が損なわれるっていうのは音楽もファッションも同じで、ファストファッションが隆盛するとファッション全体がしらけてしまう。今また古着が流行していますよね。あれってカセットテープの再評価と同じなんだなって思います。珈琲だってスターバックスが流行っている一方で、サードウェーブ系が盛り上がっているじゃないですか。スタバはマジョリティだけど、サードウェーブを良いと思う人も多くいるんです。しかも、彼らはより文化的なこだわりをもった人種。アナログメディアの再評価が世界レベルで進んでいると実感しています」■そして音楽業界の再生へAmazon入社前は六本木WAVEで働いていた角田さん。六本木WAVEといえば、80年代文化の象徴ともいえるCDショップだ。地下には“尖った”単館系映画がかかる「シネ・ヴィヴァン」があり、美術書店「アール・ヴィヴァン」があり、ビル全体が一大カルチャー発信拠点となっていた。今ではそこに六本木ヒルズがそびえ立つ。時の流れは、早い。一度下降線を辿った文化が再び息を吹き返すということは、本当に難しいことのように思える。「このビジネスを巨大化しようとは思っていません。とはいえ、音楽レーベルの人たちもリサーチに来ますし、大手家電メーカーの社長さんがうちのお客さんだったりします。今の音楽業界に関して言うと、配信主流の状況を誰も良しとしてないんですよ。どんどん売り上げは落ちていき、アーティストは新作をリリースしにくい状況になっている。ビジネスのヒントを、みんなここで探ってるんです」「僕にとってこの店は、手始めのプレゼンテーションなんです。結果的には、音楽業界や家電業界の再生につなげるための大事な一歩と言えるような店にしていきたい。それはすごく大きな夢でもありますけどね。前例のないことだし、音楽のバックグラウンドを含めた“自分にしかできない”見せ方をすることによって、カルチャーにすらなりうると、そう思っています」私たちが肉体から離れて“デジタル化”することは絶対にない。もしくは相当遠い未来でのことだろう。フィジカル(=アンチデジタル)な体験は、これからもっと“ありがたみ”のあるものになっていくはずだ。懐かしがってなんかいられない。カセットテープカルチャーは、実はまだ始まったばかりなのだ。【店舗情報】waltz住所:東京都目黒区中目黒4-15-5-101営業時間:13時~20時(月曜定休)電話:03-5734-1017【イベント情報】みらいの夏ギフト’16「思い出」を贈ろうISETAN meets waltz send happy memories場所:伊勢丹新宿店本館3階=ステージ#3期間:16年8月3日~9日waltzからセレクトしたカセットテープと、時代を感じる雑誌のアーカイブやTシャツや小物を組み合わせて「思い出」と共に贈るギフトをwaltz × ISETANで提案する。
2016年08月02日角田明子の写真展「REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai」が、7月30日から8月14日まで東京・南青山にあるミュベール(MUVEIL)の旗艦店GALLERY MUVEILにて開催される。同展は、角田明子がライフワークとして訪れた旅先での出会いをZINEとしてまとめた冊子シリーズ『レーゲンボーゲン(REGENBOGEN)』をもとに開催されるもの。同作では、今までにラトビア、エストニア、メキシコ、スウェーデン、デンマークと続き、角田ならではのやさしい光と色彩で世界の魅力を表現してきた。この春刊行したシリーズ初のアジア号タイ・チェンマイ編では、山岳民族たちのハンドクラフトとその暮らし、無数のコムローイ(ランタン)が空に舞うイーペン祭(ロイクラトン)の幻想的で美しい夜など、タイの“北方のバラ”とも言われる美しい古都・チェンマイの魅力溢れる情景が紹介されている。同展では、角田明子が旅先で出会った魅力あふれる世界のグランマ(おばあちゃん)たちの写真によるミニ展示コーナーも登場。また、角田明子がチェンマイを訪れるきっかけとなった、HIVに母子感染した孤児たちの生活施設としてスタートしたBan Rom Saiで作られた雑貨や、ミュベールのミューズでもあるグランマチャームの限定商品の販売も行われる。その他、8月4日には角田明子とNPO法人バーンロムサイジャパン代表である名取美穂による、“チェンマイ”をテーマにしたトークイベントも開催される予定だ。【イベント情報】「REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai」会場:GALLERY MUVEIL住所:東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山地下1階会期:7月30日~8月14日時間:11:30~20:00
2016年07月27日角田明子写真展「REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai」が開催。2016年7月30日(土)から8月14日(日)まで南青山にあるミュベール(MUVEIL)のコンセプトショップ、ギャラリー ミュベールにて行われる。フリーランスのフォトグラファーとして広告、雑誌や書籍、CDジャケット、写真展開催など、さまざまな分野で活躍する角田明子。彼女が2012年から刊行しているZINE「レーゲンボーゲン」は、彼女が訪れたエストニア、メキシコ、スウェーデンなど、世界各国での出会いを記録しているシリーズだ。本展ではタイ・チェンマイを舞台に、山岳民族たちのハンドクラフトとその暮らしや、無数のランタンが空に舞うイーペン祭の幻想的で美しい夜など、美しいチェンマイの魅力を紹介する。彼女ならではのやさしい光と色彩があふれる作品に映し出されるチェンマイ人々や街並みは、あたたかくゆったりとした空気感に包まれている。さらに同展では、彼女が世界各地で出会った素敵なおばあちゃんを捉えた、グランマたちの写真のミニ展示コーナーも登場。会場では角田がチェンマイを訪れるきっかけとなった、HIVに母子感染した孤児たちの生活施設、Ban Rom Saiで作られた雑貨や、ミューベルのグランマチャームも限定販売される。また、8月4日には角田とNPO法人バーンロムサイジャパン代表、名取美穂による、「チェンマイ」をテーマにトークイベントも開催。【開催概要】REGENBOGEN~a walk around Chiang Mai会期:2016年7月30日(土)~8月14日(日)開催時間:11:30~20:00会場:ギャラリー ミュベール住所:東京都港区南青山5-12-24シャトー東洋南青山 B1F■角田明子・名取美穂 トークイベント開催日:2016年8月4日(木)開催時間:18:30~【問い合わせ先】TEL:03-6427-2162
2016年07月26日フォトグラファー・角田明子による写真展「ノルウェーのサンタさんを訪ねて」が、12月15日から25日まで東京・青山にあるミュベール(MUVEIL)の旗艦店GALLERY MUVEILにて開催される。角田明子は「穏やかで優しい時間と希望の光」をテーマに、広告や雑誌、CDジャケットなどを手掛けるフォトグラファー。プライベートワークとして、サンタクロースを撮り続けている。同展では、そんな角田明子が昨年、友人のサンタクロースを訪ねたノルウェーでの旅の様子を写した数々の作品を出展。ノルウェー語でユーレニッセン(Juleniss=妖精)と呼ばれるサンタクロースは、小柄な姿で農家の納屋に住むとされており、家や土地の守り神として国民から愛されている。今回は、角田明子がそんなユーレニッセンたちから教わったクリスマスの過ごし方や、旅で出会ったノルウェーの美しい情景を紹介。なお、写真の展示に合わせて、写真集やグッズの販売も行われる。また、12月11日から25日まで、大阪では異文化体験スペース・SAAにて、「サンタさん in OSAKA」を開催。真夏のコペンハーゲンで行われた「世界のサンタクロース会議」にて撮影した写真を始めとしたサンタクロースの様々な写真が展示される。【イベント情報】「ノルウェーのサンタさんを訪ねて」会場:GALLERY MUVEIL住所:東京都港区南青山5-12-24 シャトー東洋南青山 地下1階会期:12月15日~25日角田明子写真展「サンタさん in OSAKA」会場:SAA住所:大阪市西区江戸堀1-16-32 E-BUILDING 1階会期:12月11日~25日休館日:日曜日入場無料
2015年12月15日森永製菓は5月下旬から、「ミルクキャラメル」「あずきキャラメル」、6月2日新発売の「ココナッツミルクキャラメル」に、直木賞作家の角田光代氏、朝井リョウ氏による書き下ろし小説が掲載された限定品を発売する。価格は各・税込123円。期間は8月までを予定今回の小説コラボでは、角田氏、朝井氏という年代と性別が異なる直木賞作家の2人が「森永ミルクキャラメル」の魅力を表現。ミルクキャラメルと自分の思い出を投影できる、心温まるストーリーが繰り広げられているとのこと。一つの物語は3話で完結し、合計6種類のパッケージがある。
2015年05月22日映画『迷宮カフェ』の初日舞台あいさつが7日、東京の角川シネマ新宿で行われ、女優の関めぐみ、市川由衣、角田信朗らが登壇した。同作は、自殺願望や骨髄移植という重い題材を軸に、サスペンスと少しのユーモアを交えて紡ぎ出す心温まるヒューマンドラマで、「過去が謎に満ちている美しき店主・マリコが営む人里離れた一軒のカフェ。そこを訪れる客が次々に失踪するという噂を聞きつけて真相を探りにきた週刊誌記者・榎木田。そして秘密を抱えた3人の常連客。それぞれの心が『骨髄移植』を通してひとつに繋がっていく…」というストーリー。主演のカフェの店主役を務めた関は、今回の役を演じるにあたり「役をいただいたときに、女性としての強さと柔らかさを持ち合わせた人だなというイメージだったので、感情の起伏を出さずにフラットなテンションでいました。自分とは違うタイプですが、現場で個性豊かなキャラの中にいるときは、冷静でテンションを上げないようと思っていました」と気を付けたという。一方、自殺願望があるボディビルダー役を演じた角田は、「今回の映画のテーマが『骨髄移植』と『自殺』ということで、僕はK-1という大きな舞台で一緒に戦った、白血病で亡くなったアンディ・フグと、自らの命を絶ってしまったマイク・ベルナルドという2人の偉大なファイターに導かれるように、この映画にたどり着いたような気がするので、彼らにこの映画を捧げたいなと思いました」としみじみと語った。また、映画の内容にかけて、自身の14歳の頃の様子を聞かれた関は、「『入っちゃいけない』って書いてあったら入りたくなって、『熱い』って書いてあっても触ってみないと分からないということで、ケガはたくさんしていたらしいのですが、今も変わっていないと、最近、両親から聞きました」と意外な一面を明かし、市川は「ちょうどグラビアでデビューした年で、初めての仕事がオーストラリアでバンジージャンプをやるという仕事だったことが印象に残っています(笑)」と笑顔。角田は「いじめられっ子で仲間外れにされて過ごしてきて、14歳のときに『空手バカ一代』というマンガを読んで、このマンガに出てくるすごい空手家になりたいと思いました」と空手家になったキッカケを明かした。このほか、舞台あいさつには藤原薫、大迫一平、荒川ちか、帆根川廣監督が登壇した。映画『迷宮カフェ』は3月7日(土)より角川シネマ新宿ほかで公開中。
2015年03月08日東京・汐留のパークホテル東京は3月21日、アートイベント「Park Night 2015」を開催する。当日は25階のアートラウンジが様々な現代アートで彩られる。巨大なマスコットなどをモチーフに大がかりなインスタレーションを手掛ける山下拓也は、ギャラリーの壁を3mに渡って切り刻んだ立体作品「TALIONの子」などを出品。更に、近年では森美術館の「LOVE展」に出展したインスタレーションが話題となった、やくしまるえつこによる特設展示も行われる。これらの作品とともに、会場の吹き抜けでは壁面に投影されるのが、現代美術科で映像作家の泉太郎による映像作品だ。今回は滅多に見ることが出来ない初期作品などがプロジェクションされ、彼の創作活動の原点を知る貴重な機会となるだろう。更に、イベント中には3組のライブパフォーマンスが開催される。オープニングを飾るのは、フィールドレコーディングで収集した振動現象によって、空間の個性や時間経過を描写する角田俊也。それに、ヌケメバンドのギターやスライムシンセサイザーが発するドローンサウンド、おもちゃが奏でるグリッチが続く。最後は自らの体内における生命活動を音や光として表現するホーメイ歌手、山川冬樹によるパフォーマンスが一夜限りのアートナイトを締めくくる。昨年は入場規制がかかるほど盛況だった、このアートイベント。今年はリキュール「カンパリ」をパートナーに迎え、目や耳だけでなく、舌でも楽しめる一夜となった。やくしまるえつこ、荻野僚介、ミヤギフトシ、毛利悠子ら4人のアーティストが、ホテルのバーテンダー鈴木隆行とコラボしたオリジナルカクテルとともに、現代におけるアートシーンを全身で体験できる。【イベント情報】Park Night 2015会場:アートラウンジ住所:東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー25階パークホテル東京内会期:3月21日時間:20:00から23:00料金:2.000円(要チケット)000
2015年02月27日正道会館最高師範の空手家で、世界的格闘技イベントのK-1では競技統括プロデューサーを務めた角田信朗さん。歌手、俳優、タレントとしても多彩に活動しており、お茶の間でもおなじみの存在ではないでしょうか。そんな角田さんですが、実は関西外国語大学外国語学部英米語学科卒で、英語科の教員免許も取得している一面もあります。しかしながら、英語留学経験は一切ないとのこと。では、どのように英語力を身に付けられたのか、格闘家としてのエピソードも併せてお話を伺いました。――まず、角田さんが最初に英語に興味を持ったきっかけを教えてください。小学生のころ、僕はすごいいじめにあっていて、強さに対するあこがれを人一倍持っていました。そんな時、当時はやっていたブルース・リーの映画を見ました。よく聞けばブルース・リーは、本当の武術家であり役者で、32歳の若さでたった4本の作品を残して亡くなった、と。僕はファンになって、何回も何回も、お小遣いをはたいて映画を見に行きました。映画館を出ると「アチョー!アチョー!」とブルース・リーのまねをする子供がたくさんいたのですが、僕もご多分に漏れずまねをしていました。学校で始めて英語の教科書を開いたばかりの中学生のころ、もっとブルース・リーに近づきたいからと、親に頼んで映画のサウンドトラックのLPを買ってもらったんです。サウンドトラックに入っていた映像のないドラマの音声を聞いて、付属のスクリプトを読んで、ブルース・リーのせりふやシーンを再現したり、次第にテーマ曲を覚えたりもしました。そうして、英語の授業で教科書を読まされると、先生に「なかなかうまいね」と言われます。褒められると嬉しいから、また家に帰ったらLPを聞いて……と繰り返していました。――英語は得意科目だったようですね。大事なのは、「どこに行くかより、何を学ぶか」だと思います。英語に興味があって行った関西外国語大学を卒業するまで、僕は海外旅行すら行ったことがありませんでした。「留学されていたんですか」とよく聞かれますが、「いえ、英語は大阪で習いました」と答えています。大学生のころ、キャンパスにいる留学生を捕まえて「空手を教えてやるから」と、一緒に飯を食いに行き、そこで覚えた生の英語が、一番役に立っていますね。――英語を好きになるためにはどうしたらよいでしょうか。日本人はアクションを起こすのが下手なんです。例えば、「on」と書くところを「to」と書いたら「×」とされ、「話しても通じないのでは」と考える人も出てくる。でも、そんなこと気にせず、僕が大学生のころにやったように、街やバーにいる外国人の方を捕まえればいいわけです。ほかにも、今は映画のDVDも「字幕付き」「字幕なし」を選べます。最初は「日本語字幕付き」でストーリーを頭に入れ、次は「英語字幕つき」で何を言っているのかを聞き、最後は「字幕なし」で見るというトレーニングは効果あると思います。僕もよくやっていますが、好きな映画なら退屈はしません。――「英語が話せてよかった」と感じたのはどんな時でしたか。海外の格闘家とのエピソードも聞かせてください。K-1の競技統括担当の立場では、大会前日のルールレビューも英語で行ったり、正道会館を海外に広めたいという方とも、コミュニケーションを取ったりしています。関西外国語大学で身に付けた英語は、こんなところで役立つんだなぁという感覚です。あとこんなエピソードもあります。かつて日本人に愛され、今年で13回忌を迎えるアンディ・フグという選手がいました。ドイツ語圏の彼でしたが、ハリウッドスターになりたいという夢もあって英語を一生懸命勉強していました。僕が英語を話せたこともあって、アンディは「カクタ、マイフレンド」と慕ってくれました。一緒にバラエティー番組に出ることもありました。通訳だったら普通に訳すところを、僕はアンディの言葉をバラエティーに慣れた人間としてアレンジするんです。例えば、とんねるずの番組で出演者が「ゲームに勝ったらアンディと戦いたい」と言って、アンディが「Good Spirits!」と返した時、「よい精神ですね」というのを、僕が「見上げた野郎だ」と訳すとウケるわけですよ。そうしたらアンディは「カクタとテレビに出る時は通訳はいらない。カクタンディだ」と喜んでくれたんです。そういった関係から、アンディに子どもが生まれた時は「日本語に聞こえる名前をつけてくれ」と言われました。「セイヤ」という名前をつけましたが、友達関係以上の厚い信頼を感じました。――これから角田さんが、英語を使ってチャレンジしたいことはありますか。海外で試合をやる時は、必ず現地の言葉でスピーチをしていました。こういった外国語でのパフォーマンスは今後もいろいろとやっていきたいです。あるいは、サッカーの国際試合で「君が代」を歌わせていただいたことがありましたが、そんな職業ありませんが、色んな国の国歌を歌う「国歌斉唱請負人」という職業を作って、やってみるのも面白そうです。あとは、これまではあまり考えていなかったけど、ハリウッドも視野に入れています。語学とリンクしたことでやりたいことを考えると、ハリウッドが出てくるんですね。そのため、最近錆び付き気味の英語力をもっと高度にするために、ネイティブスピーカーとのプライベートレッスンにも取り組んでいます。お金を出して学べば、それだけ真剣味も増しますし(笑)――最後に、英語を学ぶ人にメッセージをお願いします。さっきも言いましたけど、「どこに行くかより何を学ぶか」なんです。海外に半年おっても英語を全く話せない人がいる反面、大阪におっても英語を話せる人もいます。また、強くなりたいからと空手を始めた自分の可能性が、今はこんなに広がっているのは、英語を話せたことも理由にあります。皆さんも、英語を身に付けることで可能性を広げるチャンスをつかめるかもしれません。■お話を伺った人 角田信朗さん。大阪府出身。関西外国語大学英米語学科卒業 英語教員免許取得(中学1級、高校2級)。正道会館空手最高師範。空手家としてだけでなく、俳優、声優だけでなく、国歌斉唱を行うなど歌手としても活躍。多彩な才能を持つ。ギネスブック認定バット折り世界記録保持者でもある。■著書 「悔しかったらやってみぃ!!」(幻冬舎) 「角田信朗のフルコンタクト英会話」(講談社) 「角田信朗のボディトレーニング」(日本文芸社) 【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月03日