質問:学資保険の申込時に、医師の診査や健康状態の申告は必要ですか?プランによって異なりますが、一般的に健康状態の申告が必要です。なぜ、健康状態の申告が必要なのか学資保険には「保険料の払込免除特則」や被保険者であるお子さま向けの「医療保障特約」が用意されています。これらの保障には、多くの生命保険のプラン同様、健康状態が良好でないと加入できません。そのため、加入時にはそれぞれの保障の対象となる方の健康状態について、申告することが必要になります。誰の健康状態を申告するのか■保険料の払込免除特則を付加する場合は「契約者」の健康状態の申告が必要です。学資保険の多くのプランには、保険料の払込免除特則が付加されています。保険料の払込免除特則とは、契約者の方が保険期間中に「死亡または所定の高度障害状態」に該当した場合、その後の保険料の支払いが免除された上、予定通りの「祝い金」「満期金」が受け取れる特則です。そのため、学資保険に加入する際には、契約者となる方の健康状態について申告する必要があります。健康状態が良好でない場合には、学資保険への加入ができない場合もありますが、保険料の払込免除特則を付加しない場合には、健康状態を申告する必要はありませんので、加入できることがあります。ただし、保険会社によっては、保険料の払込免除制度を取り外せない場合がありますので、あらかじめ確認しておくことが必要です。■お子さまの医療保障特約を付加する場合は、お子さまの健康状態の申告が必要です。学資保険にお子さまの医療保障特約を付加する場合には、お子さま自身の健康状態を申告する必要があります。保険料払込免除特則の場合と同様に、お子さまの健康状態が良好でない場合には、医療保障特約を付加することができないことがあります。健康状態の申告方法申告方法には「告知書扱い」と「診査医扱い」があります。■告知書扱いの場合学資保険のパンフレットに載っているようなモデルプランの場合は、「告知書」の質問表に契約者自身が記入する告知書扱いとなります。この場合は、告知書という健康状態に関する質問表に記入するだけでよく、保険会社の指定する医師の診査を受ける必要はありません。ただし、申告した健康状態によっては、後日「健康診断結果表」の提出や、医師の診査を受けるよう指示される場合もあります。<告知書の主な質問事項>職業、生年月日最近3カ月以内の受診歴過去5年以内の治療歴過去2年以内の健康診断の結果※保険会社により、内容が異なることがあります。■診査医扱いの場合学資保険でも、一定額以上のプランへの加入を希望する場合には、保険会社指定の医師の診査を受けなければならない場合があります。診査を受ける場合には、診査報状(「告知書」にあたる書類)と本人確認のできる顔写真付きの公的証明書類(運転免許証など)を保険会社指定の病院・診療所に持参します。診査を受けるための費用負担はありません。<主な診査内容>告知書扱い時の「主な質問事項」以外に、次の項目が追加になります。当日の身長、体重、血圧尿検査医師による問診※保険会社により、内容が異なることがあります。なお、保険会社やプランによっては、健康診断結果表を提出することで医師の診査を受けなくてもよい場合がありますが、基準は保険会社によってさまざまですので、該当の保険会社に事前に確認するようにしてください。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2016年09月23日3歳児健診とは出典 : 歳児健診は、子どもの心身の成長、栄養状態、先天的な病気の有無などを確認するとともに、子育てのサポートを行う乳幼児健診(乳幼児健康診査)の一つです。正式には3歳児健康診査と言います。乳幼児健診の時期は、1ヶ月、3~4ヶ月、6~7ヶ月、9~10ヶ月、12ヶ月、1歳半、2歳、3歳です。市区町村によっては、4歳、5歳、6歳健診を行う場合もあります。そして、その中でも1歳半と3歳の健診は母子健康法で定められた健診であり、費用は自治体が負担してくれるため、原則無料となっています。自治体によっては、その他の健診も無料の場合があります。医師、保健士さんなどもいますので、保護者の方の日ごろの悩みや子どもの様子で気になることを相談してみましょう。母子健康法第十二条 市町村は、次に掲げる者に対し、厚生労働省令の定めるところにより、健康診査を行わなければならない。一 満一歳六か月を超え満二歳に達しない幼児二 満三歳を超え満四歳に達しない幼児第二十一条 市町村が行う第十二条第一項の規定による健康診査に要する費用及び第二十条の規定による措置に要する費用は、当該市町村の支弁とする。歳児健診の目的出典 : 歳児健診の目的は、子どもの心身の発達・健康状況を診ることと、その上で適切なサポートにつなげることです。主に以下の項目が中心となります。1.子どもの心身の健康、発達2.疾患の有無3.生活習慣4.コミュニケーションや社会性の発達5.運動能力の発達6.予防接種の状況7.子どもとその保護者のサポート3歳児は、自我が芽生え始め、保護者への依存状態を抜け出し、さらなる社会性やコミュニケーションスキルを学び始める時期です。そのため、言葉の発達や運動能力の発達の確認は、3歳児健診における重要な目的となります。それまでの健診とは違い、自分の名前と年齢が言えるか、指の細かい運動ができるかなどが診査項目となります。さらに、食事や、衣服の着脱、排泄の自立などの生活習慣も3歳ごろから形成されるため、そのような生活習慣の確認も健診の目的となっています。具体的には、就寝時間やおやつの回数、トイレトレーニングなど多岐にわたる診査項目が設定されています。3歳児健診は、ほとんどの市区町村で乳幼児期最後の健診となります。そのため、予防接種、聴覚・視覚障害などの疾患、発達障害などの障害の有無を確認するラストチャンスです。健診を通してこれらを早期発見することは3歳児健診の重要な目的です。3歳児健診を受けるためには出典 : 歳の誕生日前後に、市区町村から案内が届きます。その中には、健診要綱、診査受診券やフッ素塗布受診券、視聴覚検査キット、尿検査キットなどが入っています。■時期子どもの発達の観点から、市区町村によって違いますが、3歳児健診は2つの時期に集中して開催されます。3歳という発達の節目での疾病の早期発見に重点を置いている市区町村は3歳0~2ヶ月児頃に行われ、視覚検査や言語発達などのスクリーニングの精度に重点を置いている市区町村は、3歳6ヶ月以降に実施されます。■場所集団健診の場合は、ほとんどお住まいの市区町村の保健センターで行われます。3歳児健診に限らず、乳幼児健診は市区町村ごとに手続きや場所、健診内容が異なります。ホームページの情報や健診要綱でわからないことや、少しでも疑問に思うことがあったら直接、お近くの市区町村の保健課や保健センターに気軽に尋ねてみましょう。■集団健診と個別健診集団健診とは、決まった日時、場所で他の子どもと一緒に健診を受ける健診形態です。同じ月齢の子どもや保護者の方と交流の機会にもなります。また、栄養指導や歯科検診を同時に受けることができるのも、集団健診の利点です。個別健診とは、診査受診券を持って指定された病院や、近所の小児科に行って受診する健診形態です。個人で受けるため、時間や場所が比較的自由に選べます。また、集団が苦手な子どもには、落ち着いて健診を受けることができるという利点もあります。3歳児健診では、多くの自治体が集団健診を行っています。しかし、市区町村によっては集団健診、個別健診を選べることもあります。3歳児健診を受けるまでの準備出典 : 今まで受けた予防接種の母子手帳で確認をしておきましょう。定期接種、任意接種のものも含めて、以下は乳幼児が受ける予防接種の時期と種類の一覧です。日本の定期/任意予防接種スケジュール3歳児健診では、特にヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチン、MRワクチン(定期接種)、水痘ワクチン、ムンプスワクチン(任意接種)について接種が完了しているかどうかを確認します。日本脳炎ワクチンは3歳より接種することができます。3歳児健診では、視力検査キット、聴力検査キット、尿検査キットが送付された場合、家庭で検査して、当日提出します。視力検査は、一般的に、動物などの絵などが描かれている用紙を一定距離離れたところから当てるものです。この時片目ずつ行う必要があります。ランドルト環を用いて行う場合もあります。聴覚検査は、一般的に二つの方法があります。一つ目は、動物など絵が描かれている用紙を見ながら、子どもが少し離れたところからささやかれた動物の名前を指さして当てるものです。二つ目は子どもの耳元で手をこすり合わせ、音が聞こえるか確認するものです。子どもに、検査するよと伝えるのではなく、「楽しいことするよ」、「ゲームするよ」などと声をかけると、子どもも楽しく検査に挑んでくれるでしょう。また、パパ、ママ二人で検査すると、片目を隠す係と、検査用紙を持つ係に分かれて行うことができ、よりスムーズに検査ができます。基本的には案内に書かれた物を持っていきます。・母子手帳・診査受診券(はがきなどの案内)・保険証・健診助成クーポンなど・問診票・視力検査、聴力検査の結果・尿検査の尿・筆記用具・着替え・オムツ・おしりふき・オムツ用ビニール袋・歯ブラシ(指定された場合)・診察券(個別健診の場合)など先輩パパ・ママのいろいろな体験談をもとに、事前に準備しておきたいことをご紹介します。1. 寒さ対策にバスタオルを用意バスタオルを持っていけばよかった。最後の医師の診察を待つ間、パンツ一枚で待つように言われたので。 子どもが飽きないようにおもちゃを用意待ち時間が長くなりがちで、ご機嫌悪くなるかと思いますし、場所見知り、人見知りもあるかと思います、お気に入りのおもちゃや絵本、落ち着けるお気に入りのものは必ずお持ち下さい 事前に場所慣れして子どもの不安を軽くする場所見知りで入れない時は、数ヶ月前から何度か足を運び徐々に慣れさせていくことが大事だと思います。最初は入れなくても、建物をみせるだけ、その後玄関付近まで、それから一歩入ってみたり・・・こういう感じだと良いと思います。長時間になることがあるので、飲み物を持っていくとよいでしょう。また、健診中オムツやパンツ一枚になっていることが多いので、寒い時期にはタオル以外にも、ブランケットなどの防寒具があると便利です。健診当日の朝の尿をとり、提出します。オムツが取れていない子どもや、トイレトレーニング中の子どもは尿が取りにくいかもしれません。そんな時は採尿袋というものがあるのでぜひ使ってみてください。小児用採尿セット-小児用採尿袋12枚(採尿スポイト付)保健士さんからのアドバイス出典 : 健診にかかわる保健士をなさっている方からのアドバイスをご紹介します。1. 子どもの体調について体調の良い時にお越し下さい無理しても、結果的に普段の様子がみれないので、連絡頂ければ対象月齢の前後でも受診は構わないのです℃以上熱がある場合、インフルエンザ・水ぼうそう・手足口病・おたふくかぜ等の感染症に感染している場合は、健診を次回に見送りましょう。佐久市乳幼児健診2. 保健士さんが診ているところ簡単な発達検査をしますが、あくまでも目安です、、あまりお子様を叱らないで下さい、、検査結果も大切ですが、お子様のセンターでの過ごし方や、保健師やお母さんとのやりとりをみています検査結果というより、重きを置くのは取り組み方かもしれません日々の生活習慣やこだわり、多動などの聞き取りも含め、総合的に診ていますので、 所要時間について3歳がどこも最後の健診になりますので、診るべきところ、相談内容も多岐に渡るので、少々時間が掛かります、余裕のある時にお越し下さい歳児健診当日の流れ一般的な集団健診の3歳児健診について、その流れと診査内容を詳しく説明していきます。出典 : 受付時間が決まっている場合と、健診を行っている時間ならいつ来てもよいという場合があります。市区町村からあらかじめ送られてきた問診票、母子手帳、診査受診券と尿検査の尿を提出し、受付をします。問診票はあらかじめ記入しておきましょう。ここでは、先ほどの問診票を使いながら、実際に保健師さんが子どもの発達を診ます。その後、保護者の相談にのってくれます。保健士さんとの問診では、肥満度などの体の成長から、運動能力、生活習慣について幅広く診られます。また3歳は、自我が芽生え始めて保護者や友達とのコミュニケーションや社会性を身につけ始める頃ですから、対人関係での子どもの様子についても詳しく聞かれます。それに加え、3歳は生活習慣を学び始める時期でもあります。家庭での睡眠時間、テレビやDVDの視聴時間、食事の栄養バランス、衣服の着脱、わがままへのしつけの仕方、排泄のトレーニングなど様々な家庭での子どもの様子を聞かれます。子どもの発達の様子は以下のような項目で診ます。1. 言語発達保健士さんは子どもとの会話の中で言語発達を確認します。具体的に、 「お名前は?」「何歳?」などと聞きます。 また、クレヨンや鉛筆を用いて、「何色が好き?」「○色、ちょうだい」などの質問をとおして、概念を理解しているか確認します。ここでは、会話が成立しているか、吃音の有無、発音の明瞭度なども確認します。2. 微細運動の発達先ほどの選んだ鉛筆やクレヨンを使って、保健士さんが描いた絵を真似して、「○を描いてごらん」と言われます。指先の細かい筋肉が使えているかを確認します。また、保健士さんが作った積み木と同じ積み木を作るという診査もあります。これは微細運動の発達の確認だけでなく、積み木の作り方を認識できているかということも診ています。上記の項目が必ずできないといけないわけではありません。上記は、3歳の子どもの発達状態の目安のひとつでしかありません。子どもの心や言葉の発達は、性格や生活環境により発達度合いに差があります。また、家庭ではできているけど、その場でできなかった場合は、保健師さんにきっちりその旨を伝えましょう。家庭でできているかどうかも保健師さんの重要な判断材料です。歯科では主に、歯の状態と、歯磨きの習慣について診ます。歯の状態は、乳歯が上下各10本ずつの萌出が完了しているか、虫歯がないかを確認します。歯磨きの習慣については、本人による歯磨き、保護者による歯磨きの仕上げが行われているかを診ます。身長、体重、頭囲を測定します。それをもとに、幼児の身長体重曲線を使い肥満度を確認します。3歳は、幼児体型から、細身体型へ変化する時期でもあります。医師によって診察が行われます。視覚異常はないか、胸の音に異常はないか、皮膚や性器の状態、脚がX脚O脚になっていなかを触診と目視で医師が診ます。ここでは服やおむつを脱ぎます。受付の時点でおむつ一枚になってくださいと指示をだす自治体もあるので、冬場は寒さ対策をしておくことが大切です。次のような指導がなされることが一般的です。・栄養指導・生活指導・精神衛生・事故防止・予防接種・疾病対策3歳は、食生活、歯磨き習慣、睡眠時間、排泄の自立、遊び等、健康的な基礎習慣が確立されてくる時期です。 その中で、その子にとって必要なことには、親が子どもに必要な手助けを適切な形で行えているかです。友達遊びができるといった、子どもが家庭外へも関心が向けられ、今後も社会性が発達しているかについてもアドバイスがある場合があります。結果とともに母子手帳を返却されます。結果を受けて、保護者が気になっていることを相談できます。自治体によっては、相談を結果返却のときに行うことがあります。子どものことや、保護者自身のことなど、なんでも相談できます。診査項目によっては、診査する側の目安として、異常なし、要観察、要紹介と判断が分かれています。異常なし: 疾患の疑いがない要観察: 診察や問診等で疾病の疑いがあり、保健機関で経過観察の必要があるもの。要紹介: 診察や問診等で所見があり、医療機関等に紹介して診断や治療等を求める必要があるもの。要観察の場合、観察期間、どんなことに注意してその期間を過ごすかについて、説明されます。要観察であっても、親子教室や、療育施設、臨床心理士の診察を紹介されることがあります。要紹介となった場合は、子どもの必要に合わせて、適切に判断できる地域の医療機関や、臨床心理士を紹介してくださります。これはあくまでも目安であり、子ども一人ひとりの状態や緊急性に合わせてその場の医師や保健師が判断することになります。3歳児健診を受けた後出典 : 歳は、社会性が身に付き始め、生活習慣の基礎ができ始める時期です。また、体つきも、幼児体型から、細身と変わっていきます。3歳児健診を通して、普段とは違う、専門家の意見や、目に見える数字といった形で子どもの成長を感じることができたのではないでしょうか。3歳児健診を終えると、ほとんどの市区町村では、次の公的な健康診断は、就学時健康診断です。しかし、市区町村によっては、4歳、5歳、6歳健診を行っているところもあります。お住まいの地域で確認してみてください。再診査とは、当日うまく測定できなかった項目を再度個別で診査することです。子どもの体調や、その日の気分などで泣いてしまってうまく測定できなかった場合や、判断するにはもう少し様子を診る必要がある場合などに再診査となるようです。再診査と聞くと、保護者の方は不安になったりするかもしれませんが、疾患等の見落としをなくすための工夫として、重篤な状態でない場合でも念のために再診査をするという場合が多いです。ですので、あまり不安になり過ぎず、当日も気になることがあれば気軽に相談してみてください。再診査のほとんどは、指定された日に個別で行われます。保健師さん、場合によっては医師や臨床心理士さんが診てくださり、より専門的な診断がなされます。再診査でもうまく測定できない場合、再々診査や再々再診査になることもあります。3歳児健診をきっかけに支援につながることも出典 : 歳児健診は、最後の乳幼児健診となることも多く、発達障害やその他の疾患を早期発見する大切な機会とも言えます。そのため、この3歳時健診での診査や相談、再審査をきっかけに、必要な治療や支援につながるケースもあります。3歳という比較的、早い段階で必要な治療や支援につながることで、症状を治すことができたり、改善することができたりします。3歳児健診をきっかけに支援につながった方の経験談をご紹介します。以下は3歳児健診をきっかけに広汎性発達障害(PDD)の診断を受けたお子さんをお持ちの保護者の方からの経験談です。3歳児健診の時のお子さんの様子について人見知りの激しい子だったので、医師や保健士さんの顔を見ては、泣いてましたね。健診の相談内容について3歳なのに、明らかに、同年齢の子たちのように、3語文とか、話さず言葉が、出ていなかったので、相談したのは、主に、発語について。です。健診後健診のあと、何週間かに1~2度。保健センターの保健相談に通って、巡回の心理士さんに、娘の発達状況を見て貰ってました。(幼稚園を、終わってから。)そのあと、隣市の、療育センターに、紹介状を書いて頂き、そのまま電話予約。その後、3歳8ヶ月で、センターの小児科医にPDDの診断を受けて、3歳10ヶ月から、療育を、月に2度。就学前まで、受けてましたね。まとめ出典 : 歳は、親への依存状態を脱し、社会性が養われる時期です。それと同時に基礎的な生活習慣が身に着く大切な時期でもあります。3歳児健診は、健診を通して感じた子どもの成長や、保健士、医師からのアドバイスをもとに、子どもとの接し方や子育てを工夫してみる良い機会になるでしょう。新潟県医師会乳幼児健康診査の手引
2016年09月17日妊婦健康診査とは、妊娠期間中の健康を維持するため、産婦人科などの健診施設で公費で受けられる健康診断です。ママの妊娠状態と健康を定期的に確認し、お腹の中の赤ちゃんの健やかな成長を維持するためのものです。健やかな妊娠生活とするため、病気や疾患の兆候を調べる健康診断だけでなく、より精密な健康診断も行います。ほか、医師や助産師に妊娠・出産・育児に関するあらゆる相談を行い、妊娠期間中の日常生活の注意点や栄養面、環境面などを整えるための指導を受ける場でもあります妊娠期間中に重い病気にかかった場合に早期発見を行い、早期に適切な治療を行うことでママと赤ちゃんの健康を守ることも重要な目的の一つです。市町村保健センターや保健所などでは妊娠・出産に関しての保健指導や健康相談が行われています。内容は市区町村によって異なりますが、必要に応じて問い合わせましょう。また、高齢や合併症があるなどリスクの高い妊娠において、羊水検査に対応していない健診施設の場合はセカンドオピニオンをたて、赤ちゃんの健康状況を見る専門施設などで、別途検査だけ行う場合もあります。そのほかでは、ママによっては、妊娠初期から分娩施設のない産婦人科にかかる場合があります。その場合、産婦人科ごとに定められた妊娠期以降は分娩設備のある施設に転院してお産となるため、分娩施設でのお産の予約などは早めに行いましょう。受診時に必要なものお腹の赤ちゃんの心拍が確認され、妊娠が確定した妊娠10週前後以降に、母子手帳や妊婦健康診査受診票(補助券)を受け取ることができます。これらは妊婦健康診査の受信時に必要なものです。健診施設へ行くときには必ず持参しましょう。・母子健康手帳妊娠確定後に、自分の住んでいる地域の市町村役場へ行き、妊娠届を行うと母子健康手帳がもらえます。母子健康手帳は、妊娠期から産後の乳幼児期にかけて、赤ちゃんの健康に関する重要な情報を一つの手帳で管理するものです。妊婦健康診査や乳幼児健康診査など各種の健康診査や訪問指導、保健指導の母子保健サービスを受けた際の記録や、予防接種の接種状況の記録などを記します。・妊婦健康診査受診票(補助券)本来であれば自己負担である妊娠健康診査の費用が、一部公費で補助・助成される妊婦健康診査の受診票です。母子手帳を受け取る際に同時に渡されます。受診票に指定されている検査項目については公費負担で受診することができますが、1回の負担額に上限があり、かつ、健診ではママの妊娠状況をみて受診表以外の検査を行う可能性があるため、公費負担との差額の支払いが必要になる場合もあります。また受診票は基本的に、居住地で妊婦健康診査の実施を契約している医療機関のみで使用できます。ただし里帰り出産などで居住地以外の医療機関で受診する際は、費用の一部について助成が受けられます。詳しくは居住地の区市町村へ問い合わせましょう。また里帰りの際には、帰省地の市区町村の母子保健担当に問い合わせ、母子保健サービスの説明を受けるようにしましょう。(※1)妊婦健康診査の回数妊婦健康診査の公費負担の助成回数はおよそ14回前後です。・妊娠初期~妊娠23週(妊娠2ヵ月頃~妊娠6カ月まで):4週間に1回・妊娠24週~35週(妊娠7ヵ月~妊娠9カ月まで):2週間に1回・妊娠36週~出産(妊娠10カ月~):週1回それぞれの妊娠期や妊娠中に応じ、検査内容やかかる金額が異なります。また妊婦健康診査に含まれる検査のうち、超音波検査の助成回数は区市町村によって異なる場合がありますので、気になる場合は市区町村役場に確認しておきましょう。毎回行う検査内容妊娠健康診査で毎回行う基本的な検査は、健康状態の把握、検査計測、保健指導となっています。健診医や助産師により行われますが、助産師外来がある健診施設の場合、健診医に相談しにくい不安や気がかりなどは助産師外来などに問い合わせをするといいでしょう。・健康状態の把握健診医や助産師が、妊娠週数に応じ問診や内診、診察などを行います。・検査計測健診医や助産師が、子宮底長、腹囲、浮腫の有無、尿検査(糖・タンパク)、血圧測定、体重測定(1回目は身長も測定)など、ママの健康と赤ちゃんの発育状態を確認するための基本検査を行います。血圧測定、体重測定の場合は、健診施設内の機器を使用し、健診時にママ自身が測る場合もあります。・保健指導健診医や助産師から、妊娠期間中の生活や食事内容にまつわるアドバイスや指導を受けます。妊娠中の生活の悩みや困りごとについて相談することもできます。健診施設により、栄養指導などを行う教室や講座が別途行われていることもあります。初期の、妊婦健康診査の内容妊娠初期~妊娠23週(妊娠2ヵ月頃~妊娠6カ月まで)の4週間に1回の健診では、基本的な問診や検査計測、保健指導と共に医学的検査を受けるよう厚生労働省より標準指導されています。医療機関の方針や、健診医の判断によっては内容が異なることもありますので、気になる点は健診施設に確認しましょう。・血液検査(初期に1回)血液型、血算、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体の検査などを行います。・子宮頸がん検診(初期に1回)外子宮口の先端部分に発症する子宮頸がんにかかっていないかどうかを検査します。検査器具を腟内に挿入し、採取した細胞を顕微鏡で観察します。内診時に行われます。・超音波検査(期間内に2回)エコー検査とも呼ばれ、内診台に乗って行います。検査器具を膣の中に入れ、超音波断層撮影装置を用い、お腹の赤ちゃんを診察します。検査赤ちゃんの発育状態や健康についてと、卵膜、胎盤、臍帯、羊水などに異常やトラブルがないかを観察していきます。妊娠週数と分娩予定日、胎芽の確認と人数(一人・多胎)、胎芽の心拍なども確認します。中期の妊婦健康診査の内容妊娠24週~35週(妊娠7ヵ月~妊娠9カ月まで)の2週間に1回の健診では、基本的な問診や検査計測、保健指導と共に医学的検査を受けるよう厚生労働省より標準指導されています。医療機関の方針や、健診医の判断によっては内容が異なることもありますので、気になる点は健診施設に確認しましょう。・血液検査(期間内に1回)血算と血糖の測定を行います。・B群溶血性レンサ球菌(期間内に1回)B群溶血性レンサ球菌の抗体を持っているかを調べます。B群溶血性レンサ球菌は常在菌であり抗体を持った大人には影響がありませんが、抗体を持っていないママから生まれた赤ちゃんに産道感染した場合、肺炎や敗血症、髄膜炎を引き起こす新生児GBS感染症を発症するリスクがあります。GBS検査とも呼ばれます。・超音波検査(期間内に1回)エコー検査とも呼ばれ、ベッドに横たわった状態で行います。下腹部や子宮のあたりなどのお腹の表面に検査用ゼリーを塗り、検査用器具を滑らせながら超音波断層撮影装置でお腹の赤ちゃんを診察します。赤ちゃんの発育状態や健康についてと、卵膜、胎盤、臍帯、羊水などに異常やトラブルがないかを観察していきます。赤ちゃんの頭の大きさ(BPD)、大腿骨の長さ(FL)、腹部(AC/APTDxTTD)も測定し、赤ちゃんの推定体重を割り出します。・性器クラミジア検査(妊娠30週までに1回)ウイルスによる感染症で、子宮外妊娠の原因の一つであり、症状が進行すると卵管炎を引き起こす性病です。感染していないかどうかを調べます。・HTLV-1抗体検査(妊娠30週までに1回)ヒトT細胞白血病ウイルス1型というウイルスに感染しているかどうかを調べます。後期の、妊婦健康診査の内容妊娠36週~出産(妊娠10カ月~)の週1回の健診では、基基本的な問診や検査計測、保健指導と共に医学的検査を受けるよう厚生労働省より標準指導されています。医療機関の方針や、健診医の判断によっては内容が異なることもありますので、気になる点は健診施設に確認しましょう。・血液検査(1回)血算の測定を行います。・超音波検査エコー検査とも呼ばれ、ベッドに横たわった状態で行います。中期と同様に、お腹の表面から検査用器具を滑らせながら超音波断層撮影装置で赤ちゃんを診察します。赤ちゃんの発育状態や健康についてと、卵膜、胎盤、臍帯、羊水などに異常やトラブルがないかを観察していきます。赤ちゃんの頭の大きさ(BPD)、大腿骨の長さ(FL)、腹部(AC/APTDxTTD)も測定し、赤ちゃんの推定体重を割り出します。胎盤の位置や羊水量なども確認します。妊婦健康診断と合わせて確認するもの検査自体には関係がありませんが、お産を行う施設によってはバースプランを推奨しており、医療的に安全が確保されるプランであれば希望内容に沿ったお産ができる分娩施設もあります。バースプランは、希望の産み方のほか、お産時の呼吸法(ソフロロジー式呼吸法、ラマーズ法)、分娩室で希望すること(音楽をかけたい、立ち合い出産や付き添いの有無、会陰切開についての希望の有無など)などについて助産師などからアドバイスを受けながら、ママとパパが考えるお産のプランです。ママが納得するお産と産後の振り返りを行うことは、ママの心のケアにもつながります。希望のお産を迎えられなかった後悔は、産後にうつ症状が現れる産後PTSDとしてママの心に残る可能性もあるためです。産後の心のケアを視野に入れながら、お産の仕方について考えてみましょう。参考資料 東京都福祉保健局 出産・子育て便利帳「妊娠から出産まで」 厚生労働省「すこやかな妊娠と出産のために」 厚生労働省「妊娠健診Q&A」
2016年04月04日