子どもの自然な発達を尊重し、その可能性を最大限に引き出す教育法「モンテッソーリ教育」。世界110カ国以上で実践され、藤井聡太さんやGoogleの創業者など多くの才能ある人材を輩出してきました。難しそうに感じるかもしれませんが、じつは家庭でも無理なく取り入れられる方法がたくさんあります。この記事では、モンテッソーリ教育の基本から家庭での実践法まで、わかりやすくご紹介します。日々の子育てで抱える「どうやって子どもの自主性を育てればいいの?」「家庭でできるモンテッソーリ教育法は?」といった疑問にもお答えしていきましょう。監修者プロフィール神原えみ(かんばら・えみ)AMIモンテッソーリ教師小学生2児の母。AMIモンテッソーリ教師ディプロマ取得。「ママも子どもと同じくらい自分を大切に」をテーマに活動。代表著書『0~2歳 分かりやすい!モンテッソーリ教育』『幼児教育をはじめる前に読む本』、バイリンガル書籍『ORIGAMI はじめてのおりがみ』シリーズなどを出版。著者名「モンテッソーリガイドえみ」として海外にも発信中。Udemy・ストアカ講師として、子育て中のママが自分らしく過ごすための講座を展開しています。 モンテッソーリ教育って何?マリア・モンテッソーリと教育法の誕生モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)が開発した科学的教育法です。当時女性の医師はとても珍しく、彼女はローマ大学医学部を卒業した後、知的障害児の教育研究に取り組みました。1907年には貧しい地域の子どもたちのための「子どもの家」を開設。そこで子どもたちの自然な成長を科学的に観察し、子どもの潜在能力を引き出すモンテッソーリメソッドを確立しました。その教育法は100年以上経った今でも世界中で評価され続けています。モンテッソーリ教育の基本理念:自己教育力を信じるモンテッソーリ教育の核心は、「子どもには生まれながらにして自己教育力がある」という確信です。子どもは自ら学び、成長する力を持っており、適切な環境があれば、その能力は自然に開花します。赤ちゃんは誰かに教わらなくても、自分から歩こうとします。幼い子どもは自分でやりたがり、何でも挑戦しようとします。この自発的な学びの意欲こそが、モンテッソーリ教育が大切にするものです。モンテッソーリが子どもを観察するなかで見つけた子どもの本来の姿「自立していて、自分で考える力があり、他者を思いやり、生涯学び続ける姿勢をもった人間」従来の教育法との大きな違いは、大人が一方的に教え込むのではなく、子どもの発達段階に合わせた環境を整え、子どもの自発的な学びをサポートする点にあります。モンテッソーリ教育の核心的な考え方モンテッソーリ教育には4つの核となる考え方があります。モンテッソーリ教育の核となる考え方1. 子どもが自立できる「整えられた環境」を用意する2. 敏感期を理解し活用する3. 子どもの自己選択と自己決定を促す4. 「叱る」より「伝える」、「ほめる」より「認める」コミュニケーション1. 子どもが自立できる「整えられた環境」を用意するモンテッソーリ教育における「整えられた環境(prepared environment)」は、子どもの自己教育力を最大限に引き出すための重要な要素です。教育者の役割は子どもに知識を詰め込んだり命令に従わせたりすることではなく、子どもが自分の力で活動できるように物理的・心理的環境を用意してあげることが大切です。整えられた環境(prepared environment)1. 自由:子どもが好奇心をもって自由に移動でき、そこでどんな活動をするか選べる。2. 秩序:空間、時間、関係性など「いつも同じ」が子どもの心を落ち着かせます。3. 自立:子どもの自立をうながすために、子ども自身が一人で準備できるサイズ、重さ、位置を考える。4. 美しさ:見た目に美しく、清潔で、リラックスできる場所にする。5. 自然:プラスチックよりも、木やガラスの素材を用いる。2. 敏感期を理解し活用するモンテッソーリ教育の重要な概念の一つが「敏感期(sensitive period)」です。敏感期とは、生前から6歳位までに現れる、ある一定のことがらに敏感になる時期のことです。この時期に適切な経験や環境を提供することで、子どもは自然に、そして効果的に学ぶことができます。敏感期(sensitive period)・秩序の敏感期(0〜3歳):物の位置や日課の一貫性に敏感になる時期・言語の敏感期(0〜6歳):言葉を吸収しやすい時期・運動の(洗練の)敏感期(0~4歳):体全体のバランスをとったり、手先の細かい作業に集中する時期・社会性の敏感期(2.5〜6歳):集団活動やルールに興味をもつ時期モンテッソーリ教育では、この敏感期に合わせた教材や活動を提供することが大切です。年齢で一律に何かを教え込むのではなく、子ども一人ひとりの発達段階と興味に合わせた環境を整えます。子どもが自発的に取り組みたいと思うことが、最も効果的な学びにつながります。3. 子どもの自己選択と自己決定を促すモンテッソーリ教育では、子どもの「自主性(independence)」を尊重し、自分で選択し決定する経験を重視します。自己選択と自己決定の積み重ねが、自立心と責任感を育てる基盤となります。そのための手段として、専門の教具がたくさん用意されています。モンテッソーリ教室では、子どもたちは自分がやりたい活動を選び、集中したい時間だけ取り組みます。この自由の中で学ぶ力と判断力の発達、自立心が養われるのです。4. 「叱る」より「伝える」、「ほめる」より「認める」コミュニケーションモンテッソーリ教育では、子どもとのコミュニケーション方法も重要視されています。叱ったりほめたりする代わりに、事実を伝え、子どもの内発的動機を育てるアプローチをとります。モンテッソーリ教育の目的は、外部からのコントロールに依存せず、内側から規律と学ぶ意欲を育てることです。そのためには、子どもの行動や考えをしっかり観察し、適切に言語化して伝え返すことが大切なのです。3. モンテッソーリ教育の4つの教育分野モンテッソーリ教育では、子どもの総合的な発達を促すために、4つの教育分野が体系的に構成されています。モンテッソーリ園では、マリア・モンテッソーリが子どもの発達段階や興味に合わせて科学的に開発した専門の教具が用意されています。これらの教具は子どもの「自己教育力」を引き出すように設計されており、子どもが自分のペースで繰り返し使うことで、自然に概念を理解していくことができます。家庭にこうした専門教具がなくても、日常の中でこれらの要素を取り入れることは十分可能です。4つの教育分野1. 日常生活の練習2. 感覚教育3. 言語教育4. 数教育1. 日常生活の練習モンテッソーリ教育における「日常生活の練習」は単なるお手伝いではなく、子どもの人格形成の基礎となる重要な活動です。子どもが自分の身体を思い通りに動かし、生活に必要なスキルを身につけていきます。これらの活動を通して、子どもは自立心と集中力を育み、達成感を味わいます。日常生活の練習:自立心と自信、環境への適応力を育てる<教具例>・水を注ぐ練習用のピッチャー・ボタン・ファスナー・紐の練習フレーム・靴磨きセット・食器洗いの教具家庭での実践アイデア家庭では実際の生活場面でこれらのスキルを練習できます。子どものサイズに合った道具を用意し、着替えや食事の準備、簡単な掃除などを自分でできる機会をつくりましょう。「できた!」という達成感が、子どもの自信と次への意欲につながります。2. 感覚教育モンテッソーリの感覚教育は、子どもの五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を体系的に訓練することを目的としています。感覚器官は知的活動の入り口であり、感覚が鋭敏になるほど世界の理解が深まります。モンテッソーリ感覚教育の特徴は、一度に一つの感覚的性質(例:大きさのみ、色のみ)に焦点を当てることで、子どもが概念を明確に把握できるようになっています。また、地理、歴史、科学、芸術など幅広い分野を含みます。感覚教育:感覚を洗練し、世界を正確に認識する力を育てる<教具例>・ピンクタワー(視覚と触覚で大きさを識別)・色板(色の違いを識別)・重量板(重さの違いを識別)・音感ベル(音の高低を識別)・地球儀と世界地図(大陸や国の位置関係を学ぶ)・生物分類カード(動植物の分類体系を理解)・美術・音楽教材(創造性と表現力を育てる)家庭での「感覚教育」実践アイデア目隠しゲームで触感や音の違いを当てたり、色の濃淡カードをつくって並べ替えたりすることで、感覚教育を家庭でも実践できます。また、重さの異なる容器を比較したり、様々な香りや味を分類する遊びを取り入れたりすることも効果的です。身近なものを使って五感を刺激する経験を意識的に増やしていきましょう。3. 言語教育モンテッソーリの言語教育は、子どもの自然な言語習得プロセスに沿って設計されています。「聞く」「話す」「読む」「書く」の能力をバランスよく育てます。子どもの興味に応じて自然に正しい言葉が身につくよう環境を整えます。たとえば、犬のことをワンワンとは言わず、「イヌ」と最初から伝えます。言語教育:豊かな言語感覚と自己表現力を育てる<教具例>・砂文字板(指で文字をなぞり、感覚的に文字を記憶する)・移動50音(文字を動かして言葉を作る)・言語カード(絵と単語のマッチング)・文法の箱(文法を視覚的・具体的に学ぶ)家庭での「言語教育」実践アイデア家庭でモンテッソーリの言語活動を実践するには、赤ちゃんの頃から日常的に豊かな会話を心がけましょう。また、質の高い絵本の読み聞かせを定期的に行ない、身の回りの物の名前を正確に伝えることが大切です。発達に合わせて文字カードや簡単な単語ゲームを取り入れると、楽しみながら言語能力を伸ばすことができます。4. 数の感覚を育てるモンテッソーリの数教育は、抽象的な数の概念を具体的な形で理解できるよう設計されています。「具体から抽象へ」という順序を大切にし、子どもは感覚的に数に触れることから始め、徐々に抽象的な概念へと進みます。計算問題を早く解けるようにするより、数の本質や関係性への理解を深め、日常の中で数や量に親しむ経験を重視します。数の感覚:数や量の概念を具体的に理解する<教具例>・数の棒(長さの違いで数量を視覚的に表現)・砂紙数字版(触覚で数字の形を記憶)・数字カードとビーズの紹介(数と数量を対応させる)・ビーズ教具(十進法の仕組みを具体的に理解)家庭での「数の感覚」実践アイデア家庭で数の感覚活動を取り入れるには、階段の段数やお皿の数など身近なものを数える習慣をつけましょう。「あと3個とったら全部で何個?」といった日常での簡単な計算を遊び感覚で取り入れることで、自然に数学的思考を育むことができます。モンテッソーリ教育で育つ子どもの力モンテッソーリ教育を取り入れることで、子どもにはどんな力が育つのでしょうか?自立心と自信「自分でできた!」という経験を積み重ねることで、子どもは自信をもち、自立心が育ちます。自分の力で問題を解決する喜びを知った子どもは、新しいことにも積極的に挑戦するようになります。集中力と持続力自分が選んだ活動に没頭する経験は、集中力と持続力を育てます。最初から最後まで取り組むことで、達成感も味わえます。思いやりと協調性自分のことは自分でする力がついたら、次は他者への気遣いができるようになります。異年齢の子どもたちと活動する中で、教えたり助けたりする経験が、思いやりや協調性を育みます。創造性と問題解決能力「正解はひとつ」と教えられるのではなく、自分で考え、試行錯誤する経験が創造性と問題解決能力を育てます。失敗も大切な学びのプロセスとして受け止めます。学ぶ喜びと探究心強制されるのではなく、自分から興味をもって学ぶ経験が、生涯にわたる学びの姿勢を育てます。「なぜ?」と疑問をもち、自ら調べる探究心も養われます。***モンテッソーリ教育の本質は、子どもを未熟な存在ではなく、すでに成長する力をもった一人の人間として尊重することにあります。子どもの自分でやりたいという気持ちを大切にし、失敗してもいい環境を整え、温かく見守る勇気をもちましょう。特別な教具や施設がなくても、日々の関わり方や環境の工夫で、子どもの可能性は大きく広がります。手伝ってあげたい、早くしてほしいと思う気持ちをグッとこらえて、子どものペースを尊重する。それが子どもの自立と成長を支える、いちばん大切なことかもしれません。0~2歳わかりやすい!モンテッソーリ教育: 子供の才能が伸びていくモンテッソーリ園の選び方【7つのポイント】神原えみ著参考価格:1,870円Amazonで見る 新生児のママへ:幼児教育を始める前に読む本【子どもと同じくらい自分も大切に】神原えみ著参考価格:1,650円Amazonで見る (参考)AMI|モンテッソーリとは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育とは
2025年05月08日教育情報化サービスを提供する株式会社ハイパーブレイン(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:馬渕 雅宣、以下「当社」)は、市町村の教育委員会に向け、教育現場の状況や教員の働き方改革の進捗などを即時把握できるダッシュボードシステム「See+board」(シーボード)の提供を2025年4月1日に開始しました。製品ページ: See+boardで、教育委員会と学校がデータで繋がる■提供の背景GIGAスクール構想の開始以降、授業や校務におけるデジタル活用が進んでいます。教育委員会が客観的かつ迅速に学校支援を進めるにあたり、各校に散在するデータを統合的に参照可能なデータ連携基盤の実現が期待されています。当社は教育の情報化を支援してきた25年以上のノウハウを基に、ヘルプデスクやICT支援員による現地サポートなどを提供してきました。その中で蓄積・集約されるデータをまとめ、教育委員会に必要な情報を抽出・集約してダッシュボードとして表示するものがSee+boardです。■See+boardでできることSee+boardは、当社が学校現場に提供していたICT支援ツールを教育委員会向けに再構成したものです。当社が提供するAIチャットボット「EQ.bot」、授業事例の相互共有サービス「SmileHub」、教育情報特化データベースシステム「d+tas」の活用データや、天候などの外部情報をまとめて表示します。「いま、管轄地域の学校群で何が起きているのか」を教育委員会の執務室からひと目で把握でき、成果の可視化や素早い意思決定が可能になります。例1. 教員の働き方改革の成果を可視化保護者からの問い合わせ対応を自動化するAIチャットボットの稼働履歴から、これまで教員が対応していた数や時間帯、それらを自動化したことによる働き方改革の成果を可視化できます。例2. 現場の異変を俯瞰的に把握保護者や教員、ICT支援員などからの問い合わせ情報から教育現場の状況を把握。ワードクラウド機能で異変を察知し、現場からの報告を待たずに対応の検討に入れます。例3. 効率的な授業研究を支援他校の指導案や教材、授業事例などを共有することで、授業研究を効率化。教員が子どもたちと向き合う時間を増やし、教育の質向上を促します。ひと目で現場の状況を把握(イメージ)■今後の展開あらゆる学校データを教育行政向けに可視化するインターフェースの実現に向け、他社製品の情報を取り込める柔軟なAPIを搭載予定。当社システムの導入実績をお持ちの自治体様から利用を開始し、3年で100機関での導入を目指します。また、当社は子どもたちの生成AIリテラシー向上に寄与し、教育現場で安心・安全に利用できる生成AIサービス「AI+brain」(アイブレイン)も同日リリースいたしました。今後も当社のプロダクトやヘルプデスク、ICT支援員等で、全国の自治体や学校の情報化を支援してまいります。【会社概要】株式会社ハイパーブレイン所在地 : 愛知県名古屋市中区新栄2-16-25設立 : 1999年4月2日代表者 : 馬渕 雅宣事業内容: 教育の情報化に関わる全てをご支援いたします。・教育情報化コンサルティング・ヘルプデスク、ICT支援員、校務支援、保守構築・製品開発、販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2025年04月09日「モンテッソーリ」や「シュタイナー」といった言葉を耳にしたことがありますか?どちらも著名な教育家の名前で、その教育法は「モンテッソーリ教育」「シュタイナー教育」として世界中で知られています。幼児教育について調べた経験をお持ちなら、聞いたことがあるかもしれませんね。では、モンテッソーリ教育およびシュタイナー教育の中身を具体的に説明することはできるでしょうか?それぞれの教育法は、何を目標に掲げていて、どのような教育を実践しているのでしょう。そして、日本で子どもを育てるにあたり、それらの教育法をどのように活かせるのでしょうか?モンテッソーリ教育とシュタイナー教育を比較しつつ、それぞれの特徴を確認してみましょう。モンテッソーリ教育・シュタイナー教育の発祥モンテッソーリ教育は、イタリア出身のマリア・モンテッソーリ(1870~1952)によって生み出されました。モンテッソーリは、女性として初めてローマ大学の医学博士号を取得した才女。大学卒業後は、障害を持つ子どもの教育に取り組み、知的能力を向上させることに成功しました。そのときの方法論を、障害を持たない子どもの教育にも活かせると考えた彼女は、1907年に貧困層向けのアパート内で開設された保育施設「子どもの家」の監督・指導に従事します。そこから生まれた教育法が、モンテッソーリ教育なのです。モンテッソーリ教育は、大脳生理学や心理学などの観点からも効果的だといわれています。一方のシュタイナー教育は、オーストリア出身のルドルフ・シュタイナー(1861~1925)が始めたものです。シュタイナーは哲学の博士号を持ち、「科学的・神秘体験を通じて精神世界を研究する」という「人智学(アントロポゾフィー)」を確立したことで知られています。彼が自身の教育理念を実現しようと1919年にドイツで創立したのが「自由ヴァルドルフ学校」です。この学校は、タバコ工場の労働者およびその子どもたちのために設立されたものですが、外部の子どもも生徒として受け入れていました。校名の「自由」には、「自由な人間を育てる」という決意が込められているそうです。こうして比べてみると、両方とも20世紀初頭にヨーロッパで生まれたという共通点がありますね。ただ、モンテッソーリ教育は医師によって、シュタイナー教育は哲学者によって考案されたというのが大きな違いです。モンテッソーリ教育・シュタイナー教育の理念モンテッソーリ教育は、子どもに「自分を育てる力」――すなわち「自己教育力」が備わっていることを前提としています。この力を充分に発揮できる環境および自由を子どもに用意し、自発的な活動を促して成長させることがモンテッソーリ教育の基本理念です。「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことを目的にしています。シュタイナーは学校について、「一切の偏見から自己を解放することができる、自由な人聞を育てる場所でなければならない」と考えていました。そのような人間を育成するため、シュタイナー教育では「教育そのものが芸術行為であるべき」だと考えられています。芸術的なものに触れると人間の感情は高まり、感情とともに取り入れた知識は定着しやすいからだそうです。これらの考えを比べてみると、どちらの教育も「自由」を重視していることがわかりますね。しかし、モンテッソーリ教育は「子どもが自分を教育する環境」を用意する一方、シュタイナー教育は「子どもを学校でどう教育するか」に着目しているという点が大きな違いだといえるでしょう。モンテッソーリ教育・シュタイナー教育の方法論上記のような理念は、どのような方法論に落とし込まれているのでしょうか。「藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた『モンテッソーリ教育』とは?」でもお伝えしたように、モンテッソーリの教育施設「子どもの家」では、子どもが活動を自由に選ぶことができます。それぞれの興味や発達段階に応じて、パズルやカードなど多様な教材が用意されており、それらを通じて文化や算数が学べるのです。異なる年齢の子どもたちで構成される「縦割りクラス編成」も、モンテッソーリ教育の特徴です。日本モンテッソーリ教育総合研究所に併設されている「子どもの家」(東京都大田区)では、2歳半から6歳の子どもたちが同じクラスで活動します。年下は年上を見習い、年上は年下の世話をすることで、社会性が育まれるのだそうです。シュタイナー教育には、「フォルメン」「オイリュトミー」という独自の教授法があります。「フォルメン」とは、直線や曲線、幾何学模様の描画を通し、集中力をつけさせたり指先を訓練させたりする方法。さまざまな科目において少しずつ取り入れられており、数学や美術の基礎的学習という位置づけとのこと。「オイリュトミー」とは、音楽に合わせて体を動かし、図形や感情を表現する科目。「自然で美しい身ぶり」や、他者との調和が学べるそうです。初等教育と中等教育を分断せず、12年間の一貫教育を重視することもシュタイナー教育の特徴です。特に1~8年生のあいだは、「学齢期の始まりから思春期にさしかかる子どもたちの成長の全体を見通し、長期的なまなざしで育てる」ため、原則的に同じ教師が担任を務めます。これによって、担任は責任を持って教育を行うことになり、子どもとともに成長することも可能です。このように、モンテッソーリ教育とシュタイナー教育の方法論は大きく異なります。モンテッソーリ教育は子どもの「自己教育力」を伸ばし、シュタイナー教育は教師の役割を重視していることが背景にあるといえるでしょう。モンテッソーリ教育・シュタイナー教育を家庭で取り入れるにはモンテッソーリ教育やシュタイナー教育に興味を抱いても、それらの理論を本格的に導入した教育施設に子どもを通わせることはハードルが高い、と感じるかもしれません。では、それぞれのエッセンスを家庭で取り入れてみるのはどうでしょう?手軽な方法をご紹介します。モンテッソーリ教育の基本的な考え方は、「子どもを手伝わず、自分で作業できる環境を整えてあげる」こと。子どもが自発的に興味・関心を抱き、積極的に物事に取り組めるような家庭を作りましょう!まず、「子どもを手伝わない」ことを意識してみてください。服を着たり、物を片づけたり。子どもがスムーズにできないと手出ししたくなるかもしれませんが、こらえてください。ですが、突き放すわけではありません。やり方がわからずに子どもが困っているようなら、親がゆっくりとお手本を見せてあげましょう。また、「子どもの家」のように、子どもが活動できるコーナーを用意しましょう。「特別な環境がなくても大丈夫!家庭で実践できるモンテッソーリ教育」でもお伝えしたように、子ども専用の「身支度コーナー」を作るのがおすすめ。鏡やくし、ヘアピンなどを並べ、楽しく身じたくできる場所にしましょう。シュタイナー教育は、「自然の素朴さ ・温かさ」を大切にしています。そのため、シュタイナー学校の校具にはできるだけ自然素材が使われ、プラスチックやスチールは避けられているのです。自宅で使うインテリアや道具、おもちゃも、できるだけ自然素材のものを選んでみてはいかがでしょう?ポリエステルの布よりコットン、つるつるしたプラスチックより、温かみのある木製の家具。手作りであれば、なおよいですね。「美を感じ、洞察力や達成感を育む『シュタイナー教育』を家庭で取り入れる方法」でもご紹介したように、花を飾ることもおすすめです。一輪で構わないので、花屋で選んだ季節の花をリビングに置いてみましょう。生の花を飾る習慣は、子どもだけでなく家族全体によい影響を及ぼしますよ。モンテッソーリ教育・シュタイナー教育を受けた有名人モンテッソーリ教育を受けた有名人には、高校生棋士の藤井聡太さん(2018年6月現在)がいます。藤井さんは中学生でプロデビューし、2017年に歴代最多の29連勝という記録を打ち立てたことで大きな注目を浴びました。藤井さんは、モンテッソーリ教育を取り入れている「雪の聖母幼稚園」(愛知県)で学んだ経験があります。そこで、2色の画用紙や布を切って袋状に編み込ませる「ハートバッグ」作りに夢中になったそう。棋士としての高い集中力は、この作業で養われたのかもしれませんね。世界的大企業・AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスさんも、モンテッソーリ・スクールに通っていました。その当時から、目の前の課題に全力で集中していたそう。ベゾスさんは現在でも、マルチタスクを好まず、課題ひとつひとつを集中してこなします。メールを読むことにすら「全身全霊を込める」のだそうです。モンテッソーリ教育を受けた人には、集中力の高い人が多いのかもしれません。シュタイナー教育を受けた日本人としては、2017年に公開された映画『昼顔』でメインキャストを務めた俳優の斉藤工さんが挙げられます。斉藤さんは、幼児クラスから小学校6年生まで「東京シュタイナーシューレ」(現・シュタイナー学園)に在籍していました。特に斎藤さんの印象に残ったのは、衣装を自作したり自分のテーマカラーを決めたりした「オイリュトミー」の授業。米を苗から育てて収穫・販売したことも、体が感覚的に覚えているそうです。斎藤さんは「卒業後の人生においてずっと必要な自分の生き方や理念、世界観を培うための基礎」が身につけられたと、シュタイナー教育を高く評価しています。***モンテッソーリ教育とシュタイナー教育を比較することで、それぞれの特徴が分かりやすくなりましたね。共感できるアイディアがあれば、皆さんの教育にも取り入れてみてください。(参考)StudyHacker|モンテッソーリ教育StudyHacker|シュタイナー教育StudyHackerこどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|特別な環境がなくても大丈夫!家庭で実践できるモンテッソーリ教育StudyHackerこどもまなび☆ラボ|美を感じ、洞察力や達成感を育む「シュタイナー教育」を家庭で取り入れる方法公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所|マリア・モンテッソーリについて公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育について公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所|附属「子どもの家」幼児部学校法人シュタイナー学園|シュタイナー教育Q&A学校法人シュタイナー学園|シュタイナー学園の特徴的な科目学校法人シュタイナー学園|卒業生インタビュー ◎ 斎藤工さん(2期生)WELEDA公式サイト|ルドルフ・シュタイナーWELEDA公式サイト|アントロポゾフィー(人智学)北翔大学学術リポジトリ|シュタイナー教育を訪ねて : 自由ヴァルドルフ学校視察報告名古屋市立大学学術機関リポジトリ|日本におけるシュタイナー教育の動向日刊スポーツ|藤井四段の集中力育てた「モンテッソーリ教育」TechCrunch Japan|ジェフ・ベゾスが語る人生の極意※本記事は2018年6月23日に公開しました。肩書などは当時のものです。
2025年03月21日すべての人びとが「自分らしく、生きる。」社会を実現するための教育を提供する、株式会社教育と探求社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮地 勘司、以下「教育と探求社」)は、2025年1月11日(土)、教育の未来をテーマにした新春トークライブ「これからの学校の可能性を考える」を福岡市内のリアル会場およびオンラインにて開催いたします。登壇者として、前広島県教育長 平川 理恵氏、AI教育システム開発者で東明館中学校・高等学校校長の神野 元基氏をお招きし、教育の未来について議論を深めます。1月11日(土)開催「これからの学校の可能性を考える」■イベントの注目ポイント●【アンコール開催】大阪開催時220名超が参加した大盛況の対談が福岡で再び●【豪華登壇者】教育界を牽引する先駆者が一堂に会し議論を展開●【多様な視点】教育現場、テクノロジー、行政の各方面から学校の未来を考察■大反響をいただいた対談のアンコール企画●11月に大阪で開催された平川前広島県教育長と当社宮地の対談が、リアル会場とオンライン合わせて220名を超える先生方にご参加いただき、大盛況のうちに終わりました。他の地域でもぜひ開催をというご要望を多数いただいたため、2025年1月11日(土)に、福岡で追加講演を行うこととしました。今回はゲストスピーカーとして、2015年にAI搭載教育システムCubenaを開発された神野 元基さん(現・東明館中学校・高等学校校長)、モデレーターとして一般社団法人 Plearny Edu/福岡女子商業高等学校 吉本 悟先生という熱い地元勢も加わって、多角的な視点で『これからの学校の可能性』について議論を深めていきます。■テーマは「これからの学校の可能性」社会が大きく変動し、学校教育も変化を余儀なくされています。不登校問題、経済格差が生む教育格差、GIGAスクールへの対応や教員の多忙感の解消など課題山積の学校教育は、これからどこに進めばよいのでしょうか?様々な立場で学校と社会を繋き、イノベーションを起こしてこられた平川さん・神野さん・宮地と共に「これからの学校の可能性」を探求したいと思います。既存の枠に捕らわれない視点と推進力を持った3人の先駆者の考える学校の未来とは?■小中高すべての先生方が参加対象今回のイベントはすべての先生方を対象としています。次世代を担う子供たちに毎日接している先生方一人ひとりが、学校を新しい目で見るきっかけとなることを願っています。共に「これからの学校の可能性」について考え、明日からの学校の未来を全員で創っていきましょう。みなさんのご参加、心よりお待ちしております。■開催概要<日程>2025年1月11日(土) 15:30~18:00(リアル会場:15:00~受付開始/オンライン会場:15:15~入室開始)<内容>1. ゲスト対談平川 理恵さん(前 広島県教育長)神野 元基さん(東明館中学校・高等学校 校長)宮地 勘司(株式会社教育と探求社 代表取締役社長)モデレーター:吉本 悟先生(一般社団法人 Plearny Edu/福岡女子商業高等学校)2. 参加者同士の交流・対話の時間3. 振り返り、質疑応答などご希望の方には本会終了後、懇親会を予定しております。※19:00~/会費5,000円程度/要事前申込み<定員>リアル会場:先着100名オンライン:先着100名<参加費>無料*懇親会参加の場合は会費5,000円程度/要事前申込み<申込み方法>以下のフォームよりお申込みをお願いいたします。ご記入いただいたメールアドレス宛に、当日のご案内をお送りさせていただきます。 <当日の参加について>▼リアル会場警固神社 社務所ビル5F(福岡市中央区天神2丁目2-20 警固神社内)開始10分前までにお越しください。 ▼オンライン(Zoom)お申込み後にZoomのURLが記載されたメールをお送りいたします。※対話を希望されない場合は視聴のみの参加も可能ですので、申込み時に「視聴のみ」を選択してください。<登壇者のご紹介>▼平川 理恵さん京都市生まれ。1991年同志社大学卒業後、株式会社リクルートに入社。1998年南カリフォルニア大学経営学修士(MBA)取得。1999年留学仲介会社を起業。2010年全国で女性初の公立中学校民間人校長として横浜市立市ヶ尾中学校に着任。2015年横浜市立中川西中学校校長。文部科学省中央教育審議会の各委員を歴任し、新学習指導要領改訂作業に携わる。2018年から2024年3月まで広島県教育長。内閣官房教育再生実行会議有識者。その後、昭和女子大学ダイバーシティ推進機構客員教授、東京インターナショナルスクール理事を務め、その上で10月より大阪にある学校法人金蘭会学園(保育園・女子中高・女子大学・大学院)に関わる。著書に『クリエイティブな校長になろう』(教育開発研究所)、『あなたの子どもが「自立」した大人になるために』(世界文化社)など。Voicy:『平川理恵の「教育・子育てのツボ」ラジオ』 ▼神野 元基さん1985年(昭和60年)北海道網走市生まれ。高校卒業後、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)に進学、電子出版の会社を設立。事業に集中するため大学を退学した後、テクノロジーの本場で勝負しようと、渡米してシリコンバレーへ。帰国後 株式会社 COMPASS を設立し、2015年に人工知能型教材Qubenaを開発。中央教育審議会初中等分科会臨時委員や産業構造審議会教育イノベーション小委員会委員として「GIGAスクール構想」の実現に向け尽力。現在は東明館中学校・高等学校の校長のほか、宮崎市教育CIOなど教育改革にまつわる職を務めている。著書「人工知能時代を生き抜く子どもの育て方」福岡のテレビ局・RKB毎日放送の情報番組「タダイマ!」レギュラーコメンテーター ▼宮地 勘司株式会社教育と探求社 代表取締役社長一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ 代表理事1963年長崎県生まれ。1988年立教大学社会学部卒業。同年、日本経済新聞社入社。2002年、自らの起案により日本経済新聞社内に教育開発室を創設。新聞資源を活用した教材開発に取り組む。2004年11月、教育と探求社を設立し、代表取締役社長に就任。アクティブ・ラーニング型の探究学習プログラム「クエストエデュケーション」を開発し、全国の中学・高校に提供。2015年、一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブを設立し、代表理事に就任。著書「探求のススメ―教室と世界をつなぐ学び」共著「この先を生む人-ティーチャーズ・イニシアティブの記録」▼モデレーター:吉本 悟先生公立中学校の国語科教諭としてキャリアをスタートし、高校や国立大学附属学校でも教鞭をとる。教頭として学校管理職も経験。「教える」から「自ら学ぶ」への授業のパラダイムシフトをめざしてiPadの活用をはじめる。パフォーマンス課題とICTを組み合わせ、教科の学習をPBL化する。総合的な探究の時間のプログラムも開発・実践。教育委員会(教育センター)の主任指導主事として教員研修や学校研究を支援し、2024年3月に退職。同4月に一般社団法人 Plearny Edu を設立。今後の日本の教師のキャリア多様性と可能性を模索し、福岡女子商業高等学校の教員(Learning Conductor)としても従事しながら、パラレルな教員の働き方を探究中。リアル・オンラインともに定員100名のため、お早めにお申込みください。申込みはこちら。 【お問い合わせ先】株式会社教育と探求社 福岡営業所MAIL: fukuoka_sc@eduq.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年12月16日国際バカロレアの初等教育プログラムをご存じですか?この教育プログラムを導入した幼稚園では、世界地図や多言語の挨拶、さまざまな国の民族衣装など、世界の多様性を体感できる環境が整っています。初等教育プログラムなら、子どもたちは、探究心とグローバルな視野を自然に育むことができるのです。今回は、国際バカロレアの初等教育プログラムを導入した「幼稚園の特徴」「教育の成果」について詳しく見ていきます。幼い頃からの国際的な学びが、子どもたちの未来をどのように形作るのか、新しい幼児教育の可能性を一緒に探っていきましょう。未来のグローバルリーダーを育てる「初等教育プログラム」国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)は、1968年にスイスで設立された国際的な教育プログラムです。そのなかで、3歳から12歳を対象とする初等教育プログラム(Primary Years Programme、以下PYP)は、幼児教育から小学校教育までをカバーする包括的なカリキュラムフレームワークとなっています。近年、グローバル化が進む社会において、幼児期からの国際的な視野の育成が重要視されるようになりました。そのため、IB PYPを導入する幼稚園が増加しています。IB PYPを導入することで、子どもたちの好奇心を刺激し、批判的思考力を育み、多様性を尊重する態度を養い、未来のグローバルリーダーの基礎を築くのです。IB PYPの主な目標は、子どもたちを以下の10の学習者像に沿って育成することにあります。(画像引用元:International Baccalaureate|国際バカロレア(IB)の教育とは?)「探究する力」や「考える力」、「挑戦する力」などは、昨今、注目されているスキルですが、「心を開く」「思いやり」「バランスがとれる」といったスキルも、未来のグローバルリーダーには必要となってくるのですね。これらの特性は、生涯にわたって学び続ける姿勢の基礎をつくり、グローバル社会で活躍するのに必要な能力を育てることを目指しています。大学卒業後も自己成長を続け、多様な環境で効果的に活動できる人材の育成が、このプログラムの核心的な目標と言えるでしょう。また、IB PYPは、「6つの教科横断的なテーマ」を中心に構成されています。(上記参考・引用元:文部科学省 IB教育促進コンソーシアム|PYP(Primary Years Programme))これらのテーマを理解するなかで、子どもたちは言語、社会、算数、芸術、理科、体育(身体・人格・社会性の発達)の6教科を学習するのだそう。「私たちはどのように自分を表現するのか」――難しいテーマですね。先生の言うことに常に従い、まわりと違った行動をとると注意されがちな、日本の一般的な幼稚園や小学校の教育方針とは、かなり違っている印象を受けませんか?次項では、この教育の柱とも言える、 IB PYPの具体的な教育内容について触れていきます。IB PYP導入幼稚園の特徴3つ特徴1:探究ベースの学習アプローチIB PYP導入幼稚園では、子どもたちの好奇心を活かした探究ベースの学習が重視されます。教師は、子どもたちの興味関心に基づいてテーマを設定し、そのテーマについて深く探究する機会を提供するのです。たとえば、幼小中高一貫の国際バカロレア認定校・つくばインターナショナルスクール(茨城県)では、水をテーマにした探究学習が行なわれました。国立研究開発法人 国立環境研究所の出前授業で「水の分析」をしたとのこと。ちなみに小学生クラスではありません、「5歳児クラス」の授業です。「水とスポーツドリンクを臭いで判別し、水と砂糖水は味覚で判別し、水と薄い砂糖水は水質分析の色で判別し、ゴーグルを着用して触覚も刺激」する「水の当てっこゲーム」で五感をフル活用。子どもたちは驚いたり感動したりと大忙しだったそうです。(カギカッコ内引用元:国立研究開発法人 国立環境研究所|出前授業 in つくばインターナショナルスクール)特徴2:遊びを通じた「学び」の重視PYPは、遊びが幼児の学びと発達に不可欠であるという考えに基づいています。構造化された学習活動だけでなく、自由遊びの時間も重要視され、そのなかで子どもたちは社会性、問題解決能力、創造性を自然に身につけていくのです。国際バカロレアPYP認定校・町田こばと幼稚園(東京都)も「遊びを通じた学び」に重点を置いている園のひとつ。自由な遊びの中で、時には転んだり、危ないことに出会うかもしれませんし、お友達とけんかになるかもしれません。しかし、そういった経験の中には、様々な気付きがあります。それらの経験を通して初めて、子どもたちは、何が危険かを知り危険を避けるすべを知り、さらに、相手の痛みがわかるようになるのです。(引用元:国際バカロレアPYP認定校 町田こばと幼稚園|教育内容)最近は、先回りして子どもから経験を奪ってしまう親御さんが増えているようですが、PYPでは、あくまでも「遊びのなかに学びがある」としています。子どもの本当の成長のためには、やはり主体的な遊びが重要なのですね。特徴3:多言語・多文化環境の創出IB PYP導入幼稚園では、多言語・多文化環境の創出に力を入れています。英語やほかの言語を日常的に使用する機会を設け、さまざまな文化的背景をもつ教師や友だちとの交流を通じ、子どもたちは自然に国際的な視野を広げていくのです。国際バカロレア認定校・ぐんま国際アカデミー(群馬県)は、初等部、中等部、高等部の授業の約70%を「英語で考え、英語を聞き、英語を話す」という「英語イマージョン教育」で行なっています。学校生活の大半を英語で過ごすため、英語レベルは一般的な子どもと比べると桁違いです。なんと2023年には、小学6年生の児童が大学上級程度とされる英検1級に合格しています。しかし、英語習得だけが多言語教育の目的ではありません。あくまでも国際的な視野を広げ、「グローバルな世界の中で自分の人生を自分で切り拓ける子どもたちを育てる」ことが、IB PYPの教育目標なのです。(カギカッコ内引用元:ぐんま国際アカデミー|先生からのメッセージ)IB PYP導入の教育効果3つIB PYPの教育方針や特徴は理解できたけれども、実際の教育効果はいかほどなのか?と考える親御さんも少なくないでしょう。そこで、IB PYPを導入した幼稚園に通わせることによって伸びる力をまとめました。教育効果1:批判的思考力と問題解決能力の向上IB PYPを導入した幼稚園では、子どもたちの批判的思考力と問題解決能力の向上が報告されています。探究ベースの学習を通じて、子どもたちは質問を投げかけ、仮説を立て、検証するプロセスを繰り返し経験します。これにより、論理的思考力や創造的問題解決能力が自然に育成されます。教育効果2:言語習得能力の向上IB PYPでは、母語の発達を大切にしながら、同時に第二言語(多くの場合英語)の習得も促進します。上述した「英検1級合格の6年生」の例があるように、日常的に複数の言語に触れる環境により、子どもたちの言語習得能力は著しく向上するのです。特に、聞く力や話す力が自然に伸びていく傾向があります。教育効果3:社会性とコミュニケーション能力の発達グループ活動や協働プロジェクトを通じて、子どもたちの社会性とコミュニケーション能力が大きく発達します。他者と協力して課題に取り組むプロセスで、自己主張と他者理解のバランス、効果的なコミュニケーション方法、リーダーシップとフォロワーシップなどを学びます。IB PYPを導入している全国の幼稚園ここ数年で、日本国内でもIB PYPを導入する幼稚園が増加しています。最後に、日本国内でIBのPYPを導入している幼稚園を10校ご紹介しましょう。■ぐんま国際アカデミー(群馬県)【幼・小・中・高】■つくばインターナショナルスクール(茨城県)【幼・小・中・高】■カルガモ イングリッシュスクール(埼玉県)【幼稚園のみ】■キッズ大陸フロンタウン生田園(神奈川県)【幼稚園のみ】■横浜インターナショナルスクール(神奈川県)【幼・小・中・高】■Tokyo West International School(東京都)【幼・小・中・高】■国際バカロレアPYP認定校 町田こばと幼稚園(東京都)【幼稚園のみ】■静岡サレジオ幼稚園(静岡県)【幼稚園のみ】■若草幼稚園(長野県)【幼稚園のみ】■関西国際学園(兵庫県)【幼・小・中・高】■つきのひかり国際保育園(広島県)【幼稚園のみ】■福岡インターナショナルスクール(福岡県)【幼・小・中・高】こちらの10校は、2024年8月28日現在、国際バカロレアのPYPを導入しグローバルな視点をもつ教育を実践しています。ただし、IBプログラムの導入状況は変更される可能性があるため、詳細や最新情報については各園・学校に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。また、この一覧には含まれていませんが、ほかにもIB PYPの候補校や、IB PYP導入を検討している学校が多数存在しています。日本におけるIB教育の普及は進んでおり、今後さらに多くの学校がPYPを含むIBプログラムを採用するはずです。***それぞれのHPを見てみると、IB PYPを導入した幼稚園は、探究心旺盛で、批判的思考力をもち、国際的な視野をもつ子どもたちの育成に成功していることが伝わってきます。みなさんもぜひ、各幼稚園のHPをのぞいてみてください。外国人教師となにやら真剣な表情で作品をつくっている様子、大勢の前でのプレゼンテーション、体全体を使ったダイナミックな外遊びなど、「ここは日本?」と感じる写真がたくさんありますよ。グローバル化が進む現代社会において、IB PYPの理念と実践は、未来を担う子どもたちに必要不可欠なスキルと態度を育成する有効な教育アプローチとして、今後さらに注目されていくでしょう。(参考)International Baccalaureate|国際バカロレア(IB)の教育とは?International Baccalaureate|PYPのつくり方International Baccalaureate|初等教育プログラム(PYP)に関する主な研究結果文部科学省 IB教育促進コンソーシアム|PYP(Primary Years Programme)国立研究開発法人 国立環境研究所|出前授業 in つくばインターナショナルスクール国際バカロレアPYP認定校 町田こばと幼稚園|教育内容ぐんま国際アカデミー|先生からのメッセージ
2024年09月02日「インクルーシブ教育」を推進するための指針を、教育リーダーズから学ぶ。2022(令和4)年に国連から日本へと推進が通達されたこともあり、昨今大きな注目を集めている「インクルーシブ教育」。インクルーシブ教育とは、文部科学省で下記のように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。障害のある子もそうでない子も、共に学ぶための仕組みづくり。しかし実際の市区町村、学校教育の現場では、対応のノウハウが欠如していたり、人員が足りなかったり、チームの目線が合わなかったりと、推進が難しい現状もあるという声も散見されています。そのような中でも、すでに全国でインクルーシブ教育を先駆けて推進している人たちがいます。彼らはインクルーシブ教育をどのように捉え、何を考え、推進を実現してきたのでしょうか?この連載では、そのような彼らを「教育リーダーズ」と位置付け、その言葉に耳を傾けることで推進のヒントとなる“指針のカケラ”を集めていきたいと思っています。第三回は、東京都日野市教育委員会の教育長である、堀川拓郎氏にお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部プロフィール堀川拓郎氏1987(昭和62)年生まれ。 東京大学法学部、米 コロンビア大学教育大学院卒業。 2010(平成22)年文部科学省入省。 初等中等教育局 教育課程課係長、幼児教育課専門官、 スポーツ庁オリパラ課専門官、初等中等教育企画課専門官、教育 DX推進室室長補佐等を経て2022(令和4)年から現職。Upload By 発達ナビ編集部全員が主体的に取り組むことができるよう対話を重ねるーー本日はよろしくお願いいたします。日野市の教育をリードする立場にある堀川さんですが、まずはご自身の教育に対してのお考えの原体験にあるものを教えていただけますでしょうか。原体験で言うと、あれは今からちょうど10年ほど前に、アメリカのコロンビア大学に留学して教育工学を学んでいた時の話です。学校の先生たちが日々実践していることを持ち寄って、自分たちで研修をつくるというプログラムに出合ったのですが、そこで大きな衝撃を受けました。というのも、先生たちがこんなに良い顔をするんだって驚くほど、そのプログラムにみんなワクワクしながら参加していたんです。Upload By 発達ナビ編集部ーー先生たちから能動的でポジティブなエネルギーを感じたと。そうなんです。研修が終わって帰るときには、明日から学校で実践するのが楽しみだとうれしそうに話していて。やらされるのではなくて、自分からこれをやりたいという人たちが集まってモチベートし合いながら学ぶことで、こんなにも希望が生まれるのかと感じました。挑戦する先生がどんどん増えていくこと、そして挑戦する先生が称賛される社会をつくっていくことが、教育にとって不可欠である。そのことに実感として気付いたんです。ーー今のご自身の教育観にもつながっていますか?はい、私自身強い意志を持って教育委員会という立場にいるつもりですが、一律に型にはめるということではなく、それぞれの学校と先生と子どもにとっての「やりたい」を尊重し応援することを大切にしたいと常に思っています。そしてその気持ちがしっかりと現場にも伝わって、現場に自身の挑戦を応援されていると心底感じてもらえる状態まで持っていきたいと考えています。ーー思い描くだけではなく、現場への浸透までがやはり大切であると。そうですね。今日も明日も学校に行きますが、教育委員会は先生たちの挑戦を常に応援しているというメッセージを伝え続けています。日野市の教育の大方針として、先生や子どもたち全員が関わって学校教育基本構想をつくり、2024(令和6)年4月に公表しました。第一に、市や学校を含め、みんながプロジェクトベースで学校教育を前に進めていくこと。第二に、構想の中に多くのプロジェクトが位置付けられている中で、それぞれの学校が取り組みたいものを主体的に選ぶ形をとっていることが特徴です。全部の取組を全部の学校でやろうとしても無理なので、学校ごとの文脈や問題意識を踏まえて、色とりどりの学校づくりを進めています。Upload By 発達ナビ編集部ーー具体的にはどのようなプロジェクト活動があるのでしょうか。例えば、「子どもたちがつくる学校プロジェクト」というものがあります。これは委員会活動や学年・学級の活動などを中心に「やらされる」ではなく、より良い学校に向けて自分たちが提案し、自分たちでつくっていくというものです。他にも、運動会や音楽会、学年の枠を超えた活動や修学旅行のプログラムを自分たちでつくったり、SDGsに関するプレゼン大会を企画したり、時に各教科での学びと絡めながら、主体的に取り組んでいます。教育委員会としても、各学校のプロジェクトを支援するために、特色ある学校づくりに対して手挙げ制で応募を募って審査をして予算をつけることもしています。私たちが各学校の挑戦を応援することで、各校の新しい挑戦へのモチベーションにつながり、良い循環を生み出す環境をつくっていきたいと考えています。教育の現場にある既存の枠を一つひとつ外していくーー教育委員長として、普段から特に意識していることはありますか?特別支援教育を含めた市の教育の根本的な考え方の一つが「一人ひとりに必要なアプローチをすべての子に」です。その本質は裏を返せば、「特別ではない支援教育」を全員に届けていくことだと思っています。特別ではない支援教育を届けていく上で、インクルーシブ教育として既存の「枠」を一つひとつ外していく、ということが極めて重要です。例えば日野市では「かしのきシート」という取り組みがあり、これは0歳から18歳までの子どもの成長の記録や受けたサポート内容(個別の支援計画)を、入園や入学・進学にあたり切れ間なく蓄積し、つないでいく日野市のシステムです。担任の先生や専門職が作成し、保護者の方に確認を取りながら1年ごとに1枚のシートにまとめ、独自の電子システムにより関係者が参照することができます。ーー「かしのきシート」はどのような意図でつくられた仕組みなのでしょうか?これは、障害者総合支援法体系に基づく個別の支援計画、そして学校教育法体系に基づく個別の教育支援計画、就学・進学にあたっての就学支援シートなど数あるシートの間に存在していた「枠」をとり除いて、カルテを一元化しようという取り組みです。学年や教育機関が変わっても、スムーズに一人の成長を見守ることができます。例えば小1の壁、中1ギャップの問題や、公立と私立、学校教育と放課後の分断という視点においても、「枠」を外すことで現場において適切な支援や判断がしやすくなるという意味合いを持っています。「特別支援教育」が必要だからシートを作成するのではなく、子どもの個性や特性について関係機関により良く理解してもらうためにシートをつくる。結果として、文部科学省の調査によれば、通常の学級に在籍する子どものうち、個別の教育支援計画を作成している割合は2022(令和4)年時点で1.6%とされていますが、日野市では小学校で14%、中学校で10%が計画を作成しています。Upload By 発達ナビ編集部ーーなるほど。特別支援学級で取り組まれていることについても教えてください。私自身は「特別支援学級」「通常の学級」という表現自体が変わっていくことが大切だと思っています。。「通常」という言葉を使うことで「通常」という枠をつくってしまわないか。例えば、少人数学級と一般学級でもよいのではないか。日野市では、特別支援学級かどうかにかかわらず、誰にとっても困りごとの少ない授業が実現できる学校環境をつくる、授業のユニバーサルデザイン(授業UD)に取り組んでいます。その理解を促進するために研修会を実施するのですが、現在では教育委員会が年間28回の特別支援教育に関する研修会を開催しています。昨年度から全ての先生を対象に希望者が誰でも参加できる形にして、開かれた形で困りごとの少ない授業の実現を目指しています。ーー日野市ではさまざまな形でインクルーシブ教育に取り組まれているのですね。これらのベースとして「ひのスタンダード」という取組の方向付けをしているんです。ごく簡単に言えば、チェックリストをつくり、学習面でのつまづきや、教室でじっとしていることが難しいなどの、子どもたちの日々の困りごとをできるだけ少なくする学習環境をつくろう、というものです。障害の有無に留まらず、多様性あふれる教室という場が、みんなにとって困りにくい環境であることはとても大切なことで、実現のために2つのアプローチで日野市では取り組みを進めています。ーーどのようなアプローチでしょうか?まずは共通の基盤となる環境を整えること、そしてその上で個別に必要なサポートの手立てを充実させていくことです。みんなが困りにくい環境をベースとすることで、先生や子どもたちがゆとりを持って個別の対応へと進んでいくことができます。場や時間の構造化を含めた授業UDがあり、校内委員会を含めた学校の環境があり、行政による複層的な支援策を含めた地域の環境がある。その全ての方向付けを、日野市の教育に関わる人がみんなで議論しながらつくってきたということがポイントだと思っています。日野の教職員全員が作成に関わった「ひのスタンダード」について、みんなが腹落ちをして取り組めることが、主体的な挑戦のための大切なポイントなのではないでしょうか。Upload By 発達ナビ編集部ーー「ひのスタンダード」はどのように浸透と改善をしているのでしょうか?この「ひのスタンダード」は300ページに及ぶ一冊の本としてまとめられていて、各学校に置いてあります。理解を浸透させるための研修会も必ず開催をし、各校で目線合わせをするようにしています。その上での課題として、時間が経つにつれて形骸化することはどうしても起こってしまいます。直近では、改めてチェックリスト項目の精査を行いました。教育委員会が決めたことをトップダウンで現場に下ろすのではなく、現場を含めた関係者みんなで考える、ということに日野市の特徴があるのではと考えています。ーー改善を繰り返す中でも、本質がぶれないようにするために大切なことはどのようなことですか?自治体の中だけでガラパゴス化しないよう、国全体の動きや学術的な視点も取り入れながら、開かれた視野を持って進めていくことを心掛けています。最終的に、現場にとってより価値のあるものになっているか、が何より大切だと思います。また日野市では、インクルーシブな教育環境の一環として、福祉と教育の「枠」を外すことにも取り組んでいます。日野市では発達・教育支援センター「エール」を設置しており、心理士やスクールソーシャルワーカー(SSW)だけでなく、保健師や保育士、ST、OT、看護師など、多様な専門職が1か所にいて、子どもの発達や育ちについて教育や福祉の垣根を超えて考えています。保護者の方にとって、学校と福祉の「枠」を感じることなく、ワンストップであらゆる相談ができ、適切な支援を得られるという環境づくりを進めています。Upload By 発達ナビ編集部最後はやっぱり、子どもたちがインクルーシブな学校づくりの主人公ーー多くの自治体でも課題としてフォーカスされている、不登校のお子さんについてはいかがですか?不登校については、すべての子どもに質の高い学びへのアクセスを保障する、という理念のもと、子どもの状況に合わせた複層的な選択肢を準備しています。日野市としても力を入れていて、予算で言えば前年度比で172%増となっています。特徴的な取組としては、全国で行われている教育支援センターや小中学校における校内登校支援教室の取組の充実に加え、中学校の中に、不登校の生徒を対象にした少人数学級である「チャレンジクラス」という学級を今年度から新たに開設しました。これは、東京都から6名の教員の追加配置を受け、教育課程に基づき日々授業を行う「校内分教室」であり、市と都がタッグを組んで取り組む新しい試みです。加えて、この5月には母子保健と子ども政策の担当部門を一元化した子ども包括支援センター「みらいく」がオープンし、施設内に中高生専用の居場所を開設しました。教育委員会だけでなく、子ども政策や福祉政策、民間の取組を含め、子どもたちの居場所の選択肢が街の中に増えてきています。オンラインの活用も含め、枠を一つずつ取り外しながら、その子にあった安心できる環境で、つながりを持ち、学びに向き合えるようにしていくことが重要です。Upload By 発達ナビ編集部ーーさまざま取り組まれているのですね。他にも新しい取り組みとして、経験豊富な元校長先生を今年度から「教育支援コーディネーター」として配置して、各学校の一人ひとりの出席状況を細やかに確認し状況をフォローし、スクールソーシャルワーカー(SSW)などのスタッフと連動した個別支援のサポートや、学校とフリースクールの連携促進の取組も始めました。挙げればキリがないのですが、他にもNPO法人と連携した不登校に関わるスタッフ研修の仕組みづくりや、保護者同士の繋がりを生む仕組みづくりなど、さまざまなアプローチで取組を進めているところです。ーー取り組みに対しての手応えはありますか?例えば、ある中学生の生徒が校門から中に入れないという状況から、1年経って学校に入ってきて給食を食べられるようになった、と。そんな話を先生方からたくさん聞いています。課題は大きいですが、同時にいかに学校現場が一人ひとりを大切に取り組んでいるかを感じています。ーーインクルーシブ教育が、言葉だけではなくて実践されている。現場の強い思いを感じます。教育委員会としても「インクルージョン」を学校教育基本構想の中で最上位の姿の一つとして位置付けていますが、インクルーシブな学びをつくるのは誰かと考えたときに、最後はやっぱり子どもたちなんだということが、非常に大きなポイントだと思っています。Upload By 発達ナビ編集部ーーなぜそう思われたのでしょうか?非常に印象的だったのが、市内の小学校と特別支援学校との交流および共同学習の中であった、3連フラフープという、小学生の子ども2人の間に特別支援学校の子ども1人が挟まって取り組むという競技での光景です。特別支援学校ではなく、ある市立小の子どもがどうしてもフラフープの輪に入ることができなかったのですが、みんなでサポートしながら最後にはゴールすることができました。その時に、歓声をあげたり拍手が起こったり、その子が達成できたことに対してみんなが称え合う姿、これこそがインクルーシブな学びが実現している姿だと感じたんです。やはり最後は、子どもたちがインクルーシブな環境をつくっていくんだと強く感じました。ーーLITALICOのソフトも導入していただいています。LITALICOの教育ソフトを導入したいと考えた意図としては、個別の教育支援計画や指導計画である「かしのきシート」の質を高めていく力になると考えたことです。もう一つは、さまざまな教材を子どもの特性や必要性に応じて選べるような環境をつくることで、先生の働き方改革につなげることや、アセスメントによって子どもたちの理解を深めていくことが狙いとしてありました。実際に活用してみた中では、教材をゼロから自分でつくるのではなくて選べることで、働き方の改善につながったという声や、保護者を含めたニーズの把握に生きているとの声も聞いています。Upload By 発達ナビ編集部ーー最後に、これから教育長が目指すインクルーシブ教育の理念について、教えてください。インクルーシブ教育の先には共生社会があって、その共生社会とは、多様性が輝く社会のことだと思います。そこに向かう道のりとしてインクルーシブ教育があるとすれば、それは多様な個性が輝く学びの場、それをつくる営みなんだろうと。そしてそれは、多様な個性が輝く教室をつくっていくということでもあるのだろうと思っています。その中で、全員がこの共生社会をつくっていく主体なんだということ、多様性が輝く場をつくることに貢献することは、全員に開かれた権利なんだということが、非常に大きなポイントです。これは先生たちだけが進めていくでもなく、教育委員会だけが進めていくでもなくて、全員が進めていくことなんだと。全員に対して開かれているということは、それはとても素敵な権利の一つなんじゃないかなとも思うんです。当然、教育委員会にしかできない仕事もあるし、先生にしかできない役割もあるし、子どもたちにしかできないこともある。全員で枠を一つずつ外しながら、インクルーシブに取り組んでいきたいです。Upload By 発達ナビ編集部この連載を重ねることで、インクルーシブ教育推進のためのヒントを集めていきます。堀川さんは明確なビジョンを示しつつ、現場の声を何よりも尊重し、双方の視点を持ってリーダーシップを発揮されています。その姿勢こそが、全員が主体的に関わる事例としての日野市をつくっているのだと感じます。これから全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2024年07月24日黒柳徹子さんの自叙伝『窓ぎわのトットちゃん』が世界中で大ヒットする中、トットちゃんをのびのびと育んだトモエ学園と同じ教育観のシュタイナー教育に注目が集まっています。東京都港区でシュタイナー教育を実践するこども園「高輪シュタイナーこども園」(運営:株式会社こどもとくらし、本社:東京都港区、代表:赤川 幸子)が、2025年度入園のための説明会を開始します。好奇心と冒険心いっぱいに【トットちゃんも学んだシュタイナー教育】自由な校風のもとで成長するこどもたちの姿が親しまれた黒柳徹子の自叙伝『窓ぎわのトットちゃん』。1981年に発売後、今なお大ヒット中です。2023年は続編となる『続 窓ぎわのトットちゃん』が発売、アニメ映画化もされ話題になりました。2023年12月には発行部数2,500万部を超え、世界で最も多く発行された自叙伝としてギネス世界記録に認定。2024年6月1日には、日本の2倍の発行部数を記録し教科書にも取り入れられている中国を黒柳徹子さんが訪れ、読者ファンらと交流しました。さらには6月16日にはアニメ映画がフランスで、世界最大級のアニメーション映画祭で特別賞を受賞しました。インタビューでトモエ学園とはどんな存在か聞かれた黒柳徹子さんは「人生をつくってくれた場所」と話しておられます。そんなトモエ学園で実践された、「こどもを枠にはめずこどもの世界に介入しすぎない」シュタイナー教育に今、注目が集まっています。とことんあそぶ!【東京都心部で唯一のシュタイナーこども園】全国の保育所等関連施設数は約4万ある中で、シュタイナー保育園・幼稚園は約70施設と少数です。自然の中での育ちを大事にするシュタイナー園の多くは郊外にあり、東京都心部にあるシュタイナーこども園は、高輪・広尾シュタイナーこども園だけです。園に通うこどもたちにとって担任の先生は昼間のお家のお母さんのような存在。お母さんと一緒に料理、ほうき雑巾でお掃除、梅干しや味噌仕込みなど、生活の営みをベースに繰り広げられます。淡く美しい水彩の色に没入できる時間、歌やことばに合せて体を動かす時間、先生が暗記して昔話やグリム童話を話してくれる素話の時間などで感性を養います。雨の散歩、泥んこあそび、木登り、山の斜面すべりなど、ダイナミックに全身で自然あそびを堪能する様子は、ここが東京都心部であることを忘れさせてしまうほど。『窓ぎわのトットちゃん』でもトモエ学園の校長先生が親御さんに話していたのと同じように、当園でも「あそびを邪魔しない服を着せてあげてください」と伝えています。にじみ絵(水彩画)のひととき丸い大テーブルでお昼ごはん【幼児期にたっぷり遊ぶ体験を蓄積】卒園児の親御さんからは「コロナ禍に小学生となり様々なことが制限されましたが、『学校でできないこともあるけど、僕はシュタイナーこども園で楽しみをつくることをしてきたから大丈夫なんだ!』と力強く話していた表情は今でも忘れません。」「こども園への入園当初はあいうえおすら教えないのは大丈夫かな?と思いましたが、小学校での初めての授業は新鮮で勉強が楽しいものだと感じたようです。今はすごい勢いで勉強に取り組んでいて、幼児期にたっぷり遊び込む体験を蓄積しておくことはとても大事と実感しています。」などの声をいただいています。高輪シュタイナーこども園の園長は「当園の特徴は、担任とこどもが強靱な信頼関係を結んでいるというところにあります。『窓ぎわのトットちゃん』にもあるように、自分のことを認めてくれているかどうかはこども本人が一番感じ取っています。言い聞かせたりお説教したりする必要などなく、言葉少なに見守るというのが当園の保育風景。まさにトモエ学園の風景と重なるかのようです。」とコメントしています。7月から、高輪シュタイナーこども園は、2025年度入園のための入園説明会(1・2歳クラス、幼稚園クラス)をオンライン開催します。《オンライン説明会 概要》開催日時: 2024年7月6日(土)より毎週土曜日、21:00~23:00開催場所: Zoom開催(参加申し込みのかたにURLをお知らせします)申込方法: 下記のページの申込フォームよりご都合のよい日を御予約ください。URL : おもちゃの棚もまたあそび道具《高輪シュタイナーこども園 概要》東京都認可外保育施設として認定。幼児教育無償化関連の補助金対象施設です。所在地 : 東京都港区高輪4-4-7園児定員: 1歳児4名、2歳児4名、3歳児5名、4歳児5名、5歳児5名保育時間: 基本保育時間09:00~15:00 延長保育時間08:00~17:30URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年06月26日「勉強しろ」と言ったことはないレイザーラモンRGさんの長男は、昨年放送された『東大王クイズ甲子園2023』(TBS系)に都立西高チームとして出演した出渕武丸さん。都立西高といえば、偏差値73の名門進学校です。番組ではこれまで一生懸命子育てしてきたRGさんに、その教育法を聞きました。子どもの学習について、RGさんは「教育熱心な方はやってると思うんですけど、リビングで学習させる。親が常にいるとダラダラできない」と、リビング学習が奏功したといいます。自宅に子ども部屋のスペースが取れなかったため、リビングの端っこに学習机を置き、自然とリビング学習に。子どもが勉強しているときは親もテレビをつけないそうです。「生活音の中で学習することで集中力が身につく」と言われ、「東大生の80%」が実践しているというリビング学習。かまいたちの山内さんはリビング学習を「全く知らなかった」と言い、中学生と小学生の姉弟のパパである千鳥の大悟さんに至っては、子どもの学習環境について「知らん」と苦笑いです。「勉強しろ」と言ったことはなく、いろいろな高校の文化祭に連れて行く中で、息子が「この高校に行きたい!」と憧れたのが都立西高で、RGさんは「よし、じゃあこの高校に行くためには、家族一丸で何をしなきゃいけないかって」逆算。これにも大悟さんは「家族でやるんよな、あれ(受験)ってな」と肩を落とします。幼少期から仲の良かったRG親子が高校生になった今もいい親子関係を保つべくやっている習慣は、毎朝のグータッチ。NBAが好きなRGさんは、「アメリカのバスケ選手が試合前にやってるあれをやってみようってなって、難しいやつをやって。それで『いってらっしゃい』してる」とうれしそうに明かしました。高校受験の日も、2人で目を合わせてかっこいいグータッチをして送り出したそう。そんな親子の関係に、大悟さんは「親に嘘ついてたらそんなことできないもんな」と感心し、かまいたち濱家さんは「いいなーいいなー」とうらやましそう。ちなみに山内さんは毎朝子どもと「おはよう」と言い合った後、くるりと後ろを向いてお尻を出し、子どもを笑わせているそうです。RGさんの妻からは「東大王に出たときに息子が“尊敬できる父です”とはっきり言っているのを聞き、夫の教育法は正しかったと思いました」とコメントも寄せられましたが、RGさんは「ラッキーだったのは俺は郊外に住んでる。郊外だと他に芸能人おらんのよ。結構ちやほやされる」と、変にイジられない環境も良かったと話しました。芸人として培ったスキルは子育てにも「めちゃくちゃ役に立つ」と言い、「子どものイヤな話を全部笑い話に変えてあげる」ことを長く実践。子どもだって学校でイヤなことがあればプンプン怒って帰ってくることもありますが、ムカつく話も全部笑い話に変えていったことで、「仲が悪かった子たちとも、卒業の頃には仲良くなった。対人関係もポジティブになれたかなって気がします」と、自負しているようです。そんな父・RGさんが忘れられないのが、“最も面白い漫才師”を決める大会「THE MANZAI 2013」の決勝でいい点を取れず負けてしまったときのこと。放送後、電話口で実家の親に「あまりウケんかったな」と言われたRGさんですが、すかさず息子が受話器を取って「その大会で決勝に残ることがすごいんで、そういう言い方はないと思います」と言ってくれたのだといいます。思わず「抱きしめたくなった」という感動エピソードに、濱家さんは「気抜いたら一瞬で泣きそうになりますね。危なかった」と、思わず涙腺が緩むほど。しかもその「THE MANZAI」決勝戦の日、小学校の日直当番だった息子は、帰りの一言挨拶で「夜、お父さんがTHE MANZAIって大会に出ますのでみなさん是非見てください」と言っていたといい、思い出しながら泣きそうになるRGさんでした。中学生になってもひどい反抗期で荒れることはありませんでしたが、もちろん成長過程として親に反抗的な態度を取ることは増えたそう。ただ、RGさんは「反抗期は怒る回数がすごく増えるんですけど、毎回普通に怒っていては関係性が壊れてしまう。だから僕は普通とは違う方法で怒ることにした」と、ある工夫をします。それは、「くすぐりながら、ごめんなさいを言わせる」というもの。「門限を破った息子をどう叱る?」というお題で実演され、「ほっといてくれよ」とスマホに没頭する息子役に対して、RGさんは「ほっといてくれよ?…………何がほっといてくれよやお前、わしゃしゃしゃ!」と、抱き着いて思い切りくすぐりました。くすぐりながら「ちゃんと言えよ、ごめんなさいって言えよ~」と迫り、「わかった、わかったから、ごめんなさい、早く帰ってくるから」「わかった?ちゃんと早く帰ってこいよ」と去ろうとしつつ、「ほんと?ほんとか?ほんとやろな」と念を押してもう一度、抱き着きくすぐりカムバック。最後は「遅くなるなら言って帰れよ、おやすみ」と、お互い穏やかな笑顔で終わるのがこの方法の良いところかもしれません。ただ、これは親への嫌悪感がそこまでなく、日頃の信頼関係があってこそですよね。心底、親が気持ち悪いと感じている場合はこの作戦も通用しないかも……。実際、大悟さんの場合は現在中学生の娘に同じことをしたら「触らんといて!」とブチギレられることは確実だと話していました。
2024年06月18日「インクルーシブ教育」を推進するための指針を、教育リーダーズから学ぶ2022年に国連から日本へと推進が通達されたこともあり、昨今大きな注目を集めている「インクルーシブ教育」。インクルーシブ教育とは、文部科学省で下記のように定義されています。‘’「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。障害のある子もそうでない子も、共に学ぶための仕組みづくり。しかし実際の市区町村、学校教育の現場では、対応のノウハウが欠如していたり、人員が足りなかったり、チームの目線が合わなかったりと、推進が難しい現状もあるという声も散見されています。そんな中でも、すでに全国でインクルーシブ教育を先駆けて推進している人たちがいます。彼らはインクルーシブ教育をどのように捉え、何を考え、推進を実現してきたのでしょうか?この連載では、そんな彼らを「教育リーダーズ」と位置付け、その言葉に耳を傾けることで推進のヒントとなる”指針のカケラ”を集めていきたいと思っています。第二回は、神奈川県鎌倉市教育委員会の教育長である、高橋洋平氏にお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部プロフィール 高橋洋平 氏宮城県登米市出身。 中学校教員や市教育長を務めた父親と障害を持つ叔母の影響を受け、教育の道を志す。 東北大学教育学部を卒業し、文部科学省に入省。 学校教育のデジタル化や福島県庁での震災復興、米国の大学で教育研究、コンサルティング会社教育チームマネージャーなど、多角的に教育に携わる。2023年に鎌倉市立小中学校の教育行政を牽引する教育長に就任。Upload By 発達ナビ編集部正しいことを、子どもたちの「今」に合わせて実装するーー本日はよろしくお願いいたします。さまざまな視点・キャリアから教育に向き合ってきた高橋さんですが、まずは教育に対してのお考えの原点にあるものを教えていただけますでしょうか。原点には間違いなく福島で過ごした時間があります。私の在任当時、避難指示区域となった町村の子どもたちは、避難先に建てられたプレハブの仮設校舎などに通っていました。学校を訪ねるたびに、本当に可哀想だな、早く村に戻してあげたいなという一心で、県庁の学校再開支援チームをリードしていたんです。ーーそこで、今の教育に対する価値観にもつながる体験をされた。除染などにより放射線量が下がり避難指示が解除され、新しい学校の整備ができた時の、仮設校舎の閉校式での出来事でした。教育関係者と喜びを分かち合っていた私たちでしたが、ある小学校6年生の女の子から「仮設って言わないで。この学校は仮設なんかじゃない」って言われたんです。ーー仮設なんかじゃない。とても重い言葉です。もう、頭をガツンとやられるような、本当にショッキングな言葉でした。Upload By 発達ナビ編集部ーー子どもたちのためにと奔走するあまり、見えていないものがあったと。はい。その子が先生や友人と学びあった6年間は仮設なんかじゃなく、「本物」ですからね。人生に仮の時間なんてあってはならない。過去の震災に囚われ、未来の復興を見て、当時の私には子どもたちの今が見えていなかったんです。だから、「仮設」や「被災者」、「障害者」などもそうですが、一方的な決めつけではなく、目の前のその人と向き合って仕事をしたいと、強く思っています。ーーその経験が、今のインクルーシブ教育への想いにもつながっているんですね。能登地震でも学校を含め甚大な被害がありました。関係者の尽力で他校を間借りしたりして学校が再開されており、これからさまざまな面で復興が進んでいくことと思われます。何をもって本当の復興というかは本当に難しく、数字などで一律に「ここまでいったら復興!」と決められるものではなく、復興には一人ひとりの形があるのだと考えています。いずれにしても自分の力で立ち上がり、自らの幸せを掴んでいくことが、復興なのかなと考えています。それはまさにインクルーシブな学びにも通じて、それぞれの個性や特性を持ちながら、それぞれの学びや幸せを勝ち取っていくということのように思われます。東日本大震災でもコロナ禍でもさまざまな分断が生じましたが、そういった分断を乗り越えていけるような学びや対話の形を、これからも追い求めていきたいです。ーーインクルーシブ教育について文部科学省が示す方針については、どのように捉えられていますか?インクルーシブ教育を含め文部科学省が示す方向性は、基本的にはいつも正しいことを言っているなと感じます。でも、その正しいことを子どもたちや学校教育の現場において、真に正しいものにどのように落とし込んでいけるかが大事なことです。福島での経験を踏まえて、鎌倉で実践していきたいと、今はそう思っていますね。鎌倉は多彩な文化にも恵まれ、そして海や山という自然も近くにあり、学ぶ場としてとても豊かだと思っています。そして何より、多様な人がこの街を選んで、関わってくれている。まさに街としてもインクルーシブな環境の中で、鎌倉らしい教育の形をつくっていきたいです。Upload By 発達ナビ編集部その場所ならではのテーマやキーワードを見つけ、街の共感を得て推進するーーインクルーシブ教育の中でも、「鎌倉らしさ」について紐解いていければと思っています。鎌倉市が見据える未来について、教えてください。鎌倉では、世界に誇れる持続可能な町、そして共生社会を市民と共創するというビジョンを掲げています。 市民一人ひとりがお互いに尊重し合って、支え合って、自らが望む形で社会との関わりを持ち、生涯に渡って安心して自分らしく暮らしていくというものです。とてもインクルーシブな考え方を持ったビジョンだと思っています。ーー鎌倉市の教育が目指す方向と、重なる部分が大いにあると。はい。まずは自分自身を認め、そのうえで他者を尊重し、違いがあるからこそ学びがあると理解する。その上で、他者と協働しながら持続可能な共生社会の創り手へと育っていく。そんな視点に基づいているのが、鎌倉市の教育が目指す基本的な考え方です。鎌倉らしさで言うと、一つは「如意」という禅の言葉があります。Upload By 発達ナビ編集部ーー「如意」ですか。歴史ある鎌倉らしい言葉です。いわゆる如意棒の「如意」であり、意のまま、自由自在という禅の言葉です。自分の良さと可能性を認め、他者を価値ある存在として尊重し、目指したい方向を合わせながら進んでいく。自分だけでなく社会として自由自在で幸福であることを尊重する。Well-beingに通じる言葉だと思っており、教育で目指すべき姿であるなと感じています。ほかにも、この街らしさで言うと「鎌倉野菜」にもヒントがあるかなと。ーー「鎌倉野菜」はブランド化されて全国的に人気ですよね。山に囲まれた鎌倉の狭い土地であり、かつ多様なレストランからのオーダーを受けて、色とりどりの野菜が少量多品種で生産されています。七色畑とも呼ばれ、インクルーシブ教育が目指すべき姿も重なる、そんな風に思っています。弱みは強みに変わるし、活躍の場を通じてスタイルがつくられ包摂される、鎌倉の教育の姿にも取り入れていきたいなと。その土地ならではの教育の形、キーワードを見つけることは、関係者の目線も揃いやすく、大切なことかなと感じています。Upload By 発達ナビ編集部一方で、難しいのは、歴史ある鎌倉の資材を活用することのみに縛られてしまうと、発想としてプロダクトアウトなんですよね。教育においては、やはり子どもたちを起点としたマーケットインで考えていないと、意味のある形に落とし込めないと思います。やはり学習者中心の視点で考えなければならない。これは忘れてはいけないポイントの一つです。ーーなるほど。そんな鎌倉市の教育においての課題はどのあたりにありますか?どの教育委員会でも重要なテーマとして扱われていますが、学校に行くのがつらい子どもたちが増加しています。学校教育の構造も変わっていかなければなりません。子どもたちが学校にフィットしていない本質的な原因に目を向けながら、さまざまな方々と連携してプロジェクトを進めているところです。民間との協業に力を入れ、魅力的な人や資金のリソースを確保するーー不登校のお子さんに対する取り組みについて、具体的に教えてください。「かまくらULTLAプログラム」という取り組みをご紹介させていただきます。こちらは、不登校や学校に行くことがつらいと感じている子どもたちを対象にした、一人ひとりが学習の個性や特性に応じて自分らしく学んでいく方法を見つけていくことを目的とした探究プログラムです。鎌倉らしい森、お寺、海、テック企業などの地域特性を活かしながら、色んな分野のプロである大人たちと一緒に活動をします。海のプログラムでは、「タコから学ぶ生物多様性からの自己理解」をテーマに、漁師さんのお話を聞いたり、「気持ち悪いー!」とか言いながらもタコを触ったり、パエリアにして食べちゃったり、体験を通して学んでいきます。そうやって保護者の方がいないところで、1つの探究テーマを通して、自らの学習の特性を踏まえて学び方を自己調整しながら学んでいくプログラムです。Upload By 発達ナビ編集部ーー不登校の子どもたちにとって、非常に有意義な場をつくることができているんですね。森のプログラムでは、浄智寺の朝比奈住職の得意料理でもあるカレーをいただいたのですが、その上に鎌倉野菜の素揚げを乗せました。敏感な子も多く、「絶対食べられないよ」と言っていたのですが、ペロリと食べていましたね。「どうして食べられたの?」と聞いてみたら、見たことがない野菜だから挑戦してみたと話してくれました。他にも浄智寺の井戸水の飲み比べをしてみたり、五感を思う存分活用した伸び伸びとした学習に、鎌倉のエッセンスを加えて、独自のプログラムを展開しているんです。ーーお話を伺っているだけで、子どもたちの目が輝いている様子が浮かんでくるようです。本当にそうなんです。例えば工作や絵やダンスやプログラミングなど、子どもたちそれぞれに得意な表現方法があります。得意な学習スタイルで、自ら学びのハンドルを握り、自分らしく学びを掴み取っていくという方向に、教育が変わっていかなければならないのだと思っています。このプログラムは、それぞれの子供たちが学びに向き合っていくエネルギーを高めることができていると感じています。海のプログラムの終わりに「なりたい自分になれたよ!」って叫んでくれたお子さんもいて。大人たちも感動していましたね。ーーとても感動的なエピソードです。一方で、子どもたちが何が得意で、どんな個性を持っているか見えづらいという、学校現場の悩みもあるようです。そのために私たちは、アセスメントという形で学びの特性をできるだけ把握できるように努めています。話すのが得意なのか、聞くのが得意なのか、対人関係や関心分野、表現の特性までを可視化していきます。このデータは、もちろん本人や保護者の方にも共有して、ご家庭での理解にも役立てていただいています。子どもによってはあえて苦手な学び方にチャレンジしたりということも見られるようになってきました。学校ではLITALICO教育ソフトのプログラムも活用しながら、定点観測的に継続して積み上げていき、その後の学びと接続していけるように取り組んでいるところです。特別支援学級を中心に先生と活用してフィードバックを重ね、教育の現場でも役立っています。Upload By 発達ナビ編集部ーー「かまくらULTLAプログラム」での実践を経て、今後の展望を教えてください。手応えを感じているので、学びの多様化を進めるために、体験型のプログラムを軸とした新しい「学びの多様化学校(不登校特例校)」をつくる計画を進めています。1学年10人ほどを想定していまして、学校に行きづらさを感じている子どもたちの学習の進度や特性に合わせて、個別最適の学びが得られる場として令和7年の開校を目指しています。こうした施策を進めていくことで、従来の学校とも相互に刺激を与え合って、学びの選択肢を増やしていきます。通常の学校に通えない子の受け皿やセーフティネットにという言い方はあまりしたくなくて、自分らしく学べ、こういう場なら行ってみたいと思ってもらえるものにしていきたい。こうした取り組みを通して、今学びとつながれていない子どもたちの可能性にしていきたいと思っています。ーー民間との連携で言うと、ほかにはどのようなことをされていますか?「鎌倉スクールコラボファンド」という取り組みをしています。これは、プロジェクト型学習やプログラミング学習、デジタルを活用した個別最適な学びなど、学校が魅力的な企業や大学、NPO等とのコラボレーションを通して、社会に開かれた教育課程を実現していくために、クラウドファンディングで資金調達をするものです。Upload By 発達ナビ編集部寄付を個人や企業から募り、教育委員会でプールすることで、子どもたちの学びにとって必要な領域に、スピード感を持って柔軟に使っていくことができます。このようなアジャイルな資金の活用の仕方はやはり公費だけでは難しく、クラウドファンディングだからこそ実現できた形となります。第4弾となる今回の募集でもなんとか目標達成して調達できました。ーー他の市区町村にも横展開できるような、インクルーシブ教育の土台をつくるためにも活用できそうなモデルですね。そうですね。このスクールコラボファンドの取り組み自体も、他自治体にも広がりを見せています。もちろん私たちのノウハウも共有しますので、今後も全国の自治体に波及していってくれたら良いなと思います。私たちもさらに進化させていきたいと計画しているところです。Upload By 発達ナビ編集部ーーたくさんの視点をいただきありがとうございました。最後に、鎌倉市としてこれから大切にしていく、教育に対しての想いについて教えてください。これからの学校教育の現場には、子どもたちが自分で学びを選ぶという形が求められてくると思います。大人に一方的に教えてもらう教育ではなく、子どもたちが主体的に自ら掴み取っていく学びの環境をいかにデザインできるかが試されてくる。福島の復興で被災者自身が自分の力で立ち上がり、自ら多様な幸福を掴み取っていった時と同じように、子どもたちに一方的に与える学びでなく、多様な子どもたちを信じて委ねながら、共に学んで成長していきたい。そんなことを日々考えながら、鎌倉市のインクルーシブな学びのためにできることに力を尽くしたいと思います。インクルーシブ教育推進のために、まずは子ども以上に大人がワクワクしながら働けているか高橋さんは最後に、個別最適で協働的な学びとか、探究的な学びを教育で実現したいと言うのなら、それ以前に大人がワクワクと自分の仕事に向き合えているかが大切なのではないか、と話されていました。教育委員会自身、あるいは教育長自身が、そういう学びであったり、仕事の仕方をできてるかどうかを常に見直さなければいけないと、自分に言い聞かせているようです。言葉や枠組みが先行しがちなインクルーシブ教育の本質を突いた、示唆のある言葉だと感じました。Upload By 発達ナビ編集部引き続き、この連載では全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2024年03月19日皆さんは、他人の教育論に困惑した経験はありますか?今回は「自分の教育論を押しつける義母」にまつわる物語とユーザーからの声を紹介します。※この物語はフィクションです。(CoordiSnap編集部)イラスト:モナ・リザの戯言夫は義母の言いなりで…義母の言いなりになっている夫に、困り果てていた主人公。義母は「子どもにわがままを覚えさせるな」という極端な教育論を押しつける人物で、夫もそれに従っていました。ある日、娘がほしがっていた赤のランドセルを購入。しかし「オレンジがいいわよ」という義母の一言で、夫は赤のランドセルを捨ててしまったのです。娘はひどく傷つき「パパ嫌い」と言うようになりました。離婚を決意した主人公は、母も含めて義母と話し合うことにします。しかし反省せず、自分が正しいと思っている義母は…。母にイヤミを…出典:モナ・リザの戯言「娘さんの教育に失敗されましたね」と母にイヤミを言いました。母は「いいえ、失敗したのはあなたです」と言い返します。その後、主人公は「あなたとはやっていけない」と容赦なく夫に言い放つのでした。読者の感想我慢することはときには大切だと思いますが、娘のものを勝手に捨てるのはひどすぎますね…。娘を傷つけるのは教育論ではなく、ただの嫌がらせだと感じました。(30代/女性)ランドセルは娘の好みの色にしてほしいですよね…。家族の教育方針に、義母が口出しするのはよくないと思いました。(50代/女性)
2024年02月19日防犯教育の知識は教員が教職課程で取得するべきなのか?それともこれまで通り教員になってから学校で学ぶべきなのか?犯罪学者の小宮信夫氏がみんなで投票し考えるメディアSurfvoteで意見投票を募集。SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)はこのたび、立正大学教授・社会学博士の小宮信夫氏が執筆、課題提起したイシュー「教員養成のための教職課程で『防犯教育の指導法』を必修化すべきか?」について、10月27日にSurfvoteへ掲載、投票を開始しましたのでお知らせします。当社は社会デザインプラットフォーム『Surfvote』を開発・運営しているICTスタートアップ企業です。社会におけるさまざまな課題や困りごとをSurfvoteにイシューとして掲載しています。イシューは週におよそ3〜5件発行されており、どなたでもすべてのイシューを読むことができますが、アカウント登録をすると各イシューに投票したりコメントを書いたりできるようになります。Surfvoteで集めたみんなの意見や結果は、適宜提言書などに取り纏め、関係省庁や政治家、関連団体に提出しています。問題提起いただいたオーサー 小宮信夫氏立正大学教授。社会学博士。日本人として初めてケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。国連アジア極東犯罪防止研修所、法務省などを経て現職。「地域安全マップ」の考案者。警察庁の安全・安心まちづくり調査研究会座長、東京都の非行防止・被害防止教育委員会座長などを歴任。代表的著作は、『写真でわかる世界の防犯 ――遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)。NHK「クローズアップ現代」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビへの出演、新聞の取材(これまでの記事は1700件以上)、全国各地での講演も多数。公式ホームページとYouTube チャンネルは「小宮信夫の犯罪学の部屋」。小宮 信夫氏小宮信夫氏の提起した「犯罪」に関するイシュー「不審者」という言葉を使うことで、犯罪を防げるか? - Surfvote : 駅前再開発などの建築に義務的な防犯基準を導入すべきか? - Surfvote : Surfvoteとは?当社が提供するプラットフォーム「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題や困りごとを提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家、首長にも執筆いただき発行しています。各イシューで投票・コメントしていただいた1人1人の意見を大切に扱い、社会を前進させるために寄与したいと考えています。 Polimill株式会社Polimill株式会社は社会デザインプラットフォーム【Surfvote】を運営・提供するICTスタートアップ企業です。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で、自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月27日ある日、公園でママ友と話しているとき、子どもへの性教育の話題になりました。するとママ友は、私がびっくりするような発言をしてきて……!? 先輩ママの話私のママ友は、6歳と3歳の男の子を育てています。0歳と3歳の男の子を育てている私よりも、そのママ友は先輩ママだったので、私は育児の悩みごとや困ったことをよく相談していました。 ある日、公園でばったり会った私たちは、話の流れで生理の話題に。話を聞くと、そのママ友は子どもたちに今のうちから生理の話を積極的にしていると言うのです! 子どもたちに生理の話をする理由は?「家でも生理の仕組みを子どもたちに話しておいたほうがいいのかな」とは思っていたものの、小さいころから生理の仕組みを教えるということが私にとってはとても衝撃的でした。 ママ友になぜこんなに小さいうちから生理の話をするのか聞いてみたところ、「子どもがまだ小さいからこそ話しやすいこともある」とのこと。 ママ友の伝え方そのママ友は子どもと一緒にお風呂に入ったときに生理の話をすることが多いそうで「女の人は月に1回、体から血が出る日がある」「毎月赤ちゃんを産むための準備なんだよ」と説明しているそうです。 たしかに、お風呂では裸になるので、お互いの体が目につきやすい分、話しやすい雰囲気になるのかもしれません。 ママ友の話を聞いて、私は「生理は女性の体だけに起こるものだけど、男性も知っておくことで生理中の女性に寄り添うことができるのかもしれない。成長して話しにくくなる前に息子に話したほうがいいのかも」と思いました。 息子たちは生理への理解がある大人になってほしいので、私もママ友のように、子どもたちに生理の話をしておこうと思っています。 著者/nanoka22イラスト/まっふ監修/助産師 松田玲子 ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!
2023年10月23日道徳科における「個別最適な学び、協働的な学び」とは?麗澤大学大学院(千葉県柏市/学長:徳永澄憲)学校教育研究科は、2023年12月3日(日)に「道徳教育学セミナー」をオンラインで開催します。本大学院学校教育研究科は、日本において初めて道徳教育に特化した大学院として2018年に設立。小中学校の教員でも教育現場を離れることなく、道徳教育の理論と実践を学ぶことができることが特徴の大学院です。道徳教育の理論と実践の融合を通じて、「特別の教科道徳」に精通した教員や専門研究者の養成に取り組むとともに、教育学における新領域「道徳教育学」の開拓に向けた研究と教育を日々行っています。学校教育研究科では毎年、道徳教育学の最新の動向と論点を概観し、今後の研究に新たな視野を開くことを目的に、道徳教育学セミナーを一般公開形式で開催しています。7回目の開催となる今年度のテーマは『道徳科における「個別最適な学び、協働的な学び」』。本セミナーは2部制で開催されます。第1部では、前文部科学省道徳教科調査官で十文字学園女子大学教授の浅見哲也(あさみ てつや)氏による講演を実施。第2部では、本大学院修了生で、現在、東京都公立中学校道徳指導教諭として活躍中の三浦摩利(みうら まり)氏と千葉県公立中学校教諭で、千葉県長期研修生(道徳)として本大学院に所属する田中大輔(たなか だいすけ)氏も加わり、浅見講師とディスカッションを行います。第2部終了後には、参加者を交えた全体討議を予定いたしております。本セミナーの概要と講師のプロフィールは以下をご確認ください。【道徳教育学セミナー】■日時:2023年12月3日(日曜日)9時〜11時20分■場所:オンライン(Zoom)※参加者は、自由に入退室可能■テーマ:道徳科における「個別最適な学び、協働的な学び」とは?■講師:浅見 哲也(十文字学園女子大学教授、前文部科学省道徳教科調査官)■主催:麗澤大学大学院学校教育研究科■対象:参加自由■参加費:無料■申込方法:申込フォームより要申し込み申込フォームはこちら : 【講師プロフィール】浅見 哲也埼玉大学教育学部卒業。埼玉県深谷市教育委員会課長補佐、深谷市藤沢小学校校長等を経て、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官を歴任。現在、十文字学園大学教育人文学部教授。主な著書に『道徳科授業構想グランドデザイン』、『こだわりの道徳授業レシピ』など。2007年文部科学省優勝教員表彰。麗澤大学について麗澤大学は昭和10年、創立者の廣池千九郎(法学博士)が「道徳科学専攻塾」を現在のキャンパス(千葉県柏市光ヶ丘)に開塾したことから始まります。「知徳一体」という教育理念のもと、心豊かな人間性を養い、国際社会に貢献できるグローバルリーダーの育成を目指し、教育改革を進めています。「THE 日本大学ランキング」の国際性分野では2017年から連続して千葉県1位の評価を受けています。【プレスリリース】麗澤大学学校教育研究科による道徳教育学セミナー開催.pdf : 麗澤大学WEBサイトはこちら : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年10月05日「インクルーシブ教育」を推進するための指針を、教育リーダーズから学ぶ2022年に国連から日本へと推進が通達されたこともあり、昨今大きな注目を集めている「インクルーシブ教育」。インクルーシブ教育とは、文部科学省で下記のように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。障害のある子もそうでない子も、共に学ぶための仕組みづくり。しかし実際の市区町村、学校教育の現場では、対応のノウハウが欠如していたり、人員が足りなかったり、推進が難しい現状もあるという声も散見されています。そんな中でも、すでにインクルーシブ教育を先駆けて推進している人たちがいます。彼らはインクルーシブ教育をどう捉え、何を考え、推進を実現してきたのでしょうか?この連載では、そんな彼らを「教育リーダーズ」と位置付け、その言葉に耳を傾けることで推進のヒントとなる”指針のカケラ”を集めていきたいと思っています。第一回は、神奈川県葉山町教育委員会の教育長である、稲垣一郎氏にお話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部プロフィール:稲垣一郎 氏東京目黒生まれ。早稲田大学を修了後、私学の教員、その後に県立高校の教員を経て、特別支援学校の高等部で3年間知的部門に勤めた後に、県の教育委員会で教育行政に12年携わる。教頭、副校長として通信制、専門学科を経て横浜北部学区の荏田高校で校長職、湘南高校で5年間校長職、2021年4月から葉山町の教育長に就任。Upload By 発達ナビ編集部インクルーシブ教育という言葉すらない、多様な人が自然に共にいる未来を目指すーー本日はよろしくお願いいたします。稲垣さんのご経歴を拝見したのですが、特別支援学校での指導経験もあるそうですね。はい、当時は養護学校と呼ばれていましたね。その前にいた学校で、下肢に障害がある生徒を担任した時に、障害のあるお子さんについてもっと知らなければいけないなと感じまして。インクルーシブなんて概念はない時代でしたけど、希望を出して知的障害のあるお子さんが通われる特別支援学校へ赴任することになりました。ーーそれまで指導してきた生徒とは、接するうえで異なる部分もあったのでは?そうですね、そこで自閉的傾向のあるお子さんのいるクラスを受け持ったんです。その子は自分の殻に閉じこもる傾向のあるお子さんで、入学式の日は体育館にすら行ってくれなかったんですよね。「そろそろ行ってみねえか?」なんて2人で話して、それで私たちの入学式は終わりましたよ(笑)。ーー前途多難なはじまりを経て、そこでの経験はどのような糧となったのでしょうか。そんな子どもたちと接することで気付かされたのは、「教師の意思で何かを無理矢理してもらう考え方は、この子たちには通用せんな」ということでしたね。でも、一人ひとりスピードは違えどちゃんと成長していくので焦る必要はなくて、保護者の方と小さな成長の喜びを共有することが大切。教育とは常に待つことである、そんなことを学ばせてもらいました。Upload By 発達ナビ編集部ーー以降のキャリアでは教育行政などに関わられた後に、名門と名高い湘南高校の校長に就任されます。湘南高校は中学校でオール5の生徒が集まるような学校だったのですが、当然ここに来ると順位がついてしまうんですよね。でもそこで見た光景は、成績上位の子どもが下位の子どもを馬鹿にしない風景でした。ーーなぜそのような風景が見られたのでしょうか。成績が下位の子でも、歌が上手かったりバスケが上手かったり、誰しも特別に得意なことがあるんです。それを認め合う姿を見て、これこそ完全にインクルーシブでオルタナティブなんだと感じましたね。葉山でもその姿を現場で何度も伝えているんです。ーーなるほど。一方で湘南高校の例とは異なり、日本の教育はこれまで「分断」の道を辿ってきたかと思います。障害があれば、特別支援学級や通級に行くものだと捉えている人が多いですよね。そうですね。例えば欧米では当たり前に、街で目が見えない人がいたら手を差し伸べるなど、誰かが困っていたら誰かが支援することが自然と根付いているように思います。でも、日本では障害がある人とない人で、そもそもの教育の場から区別してきてしまった。最近やたらとインクルーシブ教育という言葉を聞くようになったのは、そんな日本の分断されてきた背景があるからこそ。だから、インクルーシブ教育なんて言葉がいつか存在しなくなるほど、ごく自然に多様な人が一つの場所に混ざり合う社会にしていくことが求められているんだと思います。Upload By 発達ナビ編集部進む方向を示して目線を合わせ、取り組みを常に見える化し不信感を取り除くーーそして、現在に繋がる葉山町教育長としての取り組みが始まります。葉山に来て3年目ですが、人的な配置も含めて教育への支援が非常に手厚いと感じています。特に小・中学校に入っている教員ではない支援員さんはその多くが町の保護者の方で、葉山の教育に何らかの形で参画をしたいと思ってくれていることを非常に有り難く感じますね。元々PTAの役員をしていた方が集まってできた、学校を支援する組織もあります。そういう方々の個別の相談にもいつでも乗るように意識しています。ーー町の人が主体的に教育に参加されているのは素敵です。葉山町に来られてから、具体的にはまずどのような課題に取り組まれましたか?この町は先生も教育委員会もみんな熱心なので全方向に一生懸命取り組まれていて、その反面でどこに向かっているのかが見えないところがありました。だからまず、選択と集中をしていくために指針をつくったんです。これを見れば葉山の教育方針が分かるというものをつくりました。葉山町支援教育推進指針「葉山町支援教育推進指針」共生社会の実現に向けたインクルーシブな環境づくり 、社会情勢や教育的ニーズを踏まえた継続的な「あり方」の検討をベースに、 「すべての児童・生徒ができるだけ共に学び共に育つ仕組みづくり」、「多様かつ個別の教育的ニーズに合わせた連続性のある教育の実現」、「切れ目ない支援体制の構築」について示したもの。ーー指針をつくるうえで、特に意識されたことはあるのでしょうか。指針の受け手である子どもたちと保護者の方にとって、どういう教育理念を持っていたとしても反対するレベルのものは入れないようにしています。町や子どもたちに対する眼差しを持って、誰もが根本で共感できて目線を合わせることができるラインで選定しています。議論や対話をする必要があるのは教員ですが、そこはちゃんと議論をして解決していきますね。ーー誰もが共感できる指針。その後はどうしたんですか?指針はスタートラインでしかないので、その後に会議体を持つことにしました。各学校の支援担当の先生や校長先生、加えて外部の識者を呼んで、何が課題で今後はどこに進んでいくかを現場と識者が融合して話す場を年3回つくっています。ほかにも毎月校長会議があって、そこでディスカッションもしますし、校長先生や現場の先生を個別に呼んで話すこともしょっちゅうあります。教育長室の扉は常に町に対して開いているんです、もちろん飲みの場も多いのですが(笑)。Upload By 発達ナビ編集部ーー教育長と現場の距離が近いんだなと感じます。さて、インクルーシブ教育という視点でのテーマとなりますが、葉山町として具体的に取り組まれていることを教えてください。私が就任する以前からあるのですが、不登校のお子さんが小学生も中学生も通うことができる「ヤシの実教室」という教育支援教室がありますね。小学校の一部の場所を活用していて、自由をモットーに自分たちのやりたいことをして良い場なんです。通った時間については、所属する小・中学校の出席にあてられるようになっています。この教室に通って、気付けば学校に戻っているお子さんもいますね。また、「ことば・きこえの教室」という場もあります。言葉や聞く力、コミュニケーションについて心配のあるお子さんと保護者の方から相談を受け、必要な指導や支援を行う教室です。特別支援学級の対象ではないけれど、課題を抱えているかもしれないお子さんが通って、適切な個別指導が受けられるようになっています。個別課題がクリアできればこの教室からは卒業します。Upload By 発達ナビ編集部ーー分断ではなく、支援が必要な子どもたちのための場が設けられていると。さらに、どの学校にも支援級があります。土地柄オルタナティブスクールも多くて、年に1回程度お互いの活動を報告する会議で連携を取りながら、町全体として子どもの居場所づくりに取り組んでいるんです。ーー葉山町の特長の一つとして、教育長はSNSでの発信も多くされていますよね。そうですね。組織として動くだけではなく、それを町の人々に届けることも大切と思っています。だからSNSを通しても、私の考えは常にオープンにするようにしていますね。新しいことに取り組む際に、見えないことが不信感につながると考えているので、発信は大事なことです。結局のところ私たちがやっていることに革新的なことはなくて、進むべき道を明確にし、そして教育現場で今何が行われているかをちゃんと見える化していく地道な作業をしているだけ。でも、それこそがきっと推進のためには必要なことなんですよね。稲垣教育長のnote短期的ではなく、中・長期的な視点で、一人ひとりの学びと成長に向き合うーーインクルーシブ教育を推進する中で、具体的にどんな困難がありましたか?困難……。家が少し遠いので、毎日通勤するのが大変なことくらいですかね(笑)。というのは半分本気で半分冗談で、物事を推進する中でハードルがあったり人と人との軋轢が生まれたりするのは当たり前のことなので。だから、ハードルがあるから推進できないとあきらめるのではなく、そういうものだと開き直ってでも力強く進めることが必要なんだと思います。Upload By 発達ナビ編集部ーーそれでも、組織の中の一部には不安な空気もあったかと思います。それは当然あると思うので、だから単純に言うと「稲垣があれだから仕方ないよね」と私を悪者にしてあきらめてもらって、それで進んでいけばと。結果それが町のためになったら何よりです。ーーインクルーシブ教育推進のために、今まさに取り組んでいることも教えてください。実証実験として、LITALICOの教育ソフトの導入を進めています。誰もが凹凸があり、好き嫌いがあり、勉強の得意苦手があるので、自分をどう活かしていくかを子どもたち自身が理解していくことが大切だと考えているんです。支援が必要なお子さんの指導においても、教員の経験や感覚だけではなく、明確な軸を持てるのが良いと思います。Upload By 発達ナビ編集部ーー先生や生徒にとって必要な体制を揃えていかれるのですね。はい。そして今年、この3年間で各校の校長先生とも話し練ってきた葉山町としてのスクールミッションを出します。これは教育委員会が葉山の学校に対しての指針となる3本柱と考え方を明確にしたもので、このミッションを受けて各学校がスクールポリシーを出す計画になっています。各学校での個性を最大限活かしながら、目線の先はしっかりと葉山町全体で足並みを揃えていくための取り組みです。Upload By 発達ナビ編集部ーーなるほど。「楽校」という言葉からも葉山町の目指す方向がイメージできます。そして、インクルーシブ教育の考え方にも繋がるのですが、葉山の長柄小学校と南郷中学校を小中一貫校として統合します。昔から中1ギャップという考え方がありますが、葉山でも例外ではなく中学から学校に行かなくなる子たちが増えてしまう現状があるんです。だから、義務教育の6年+3年を一連の流れで考えることで、中・長期的な視点で少しでも成長を滑らかに支援していきたいと思っています。9年間で同一の指導方針を持てることは、子どもたちが夢を見つけて進路を決めるうえでも良いことです。それに、中学校の先生が小学校に来てもいいし、小学校の先生が教えた子がどうなったか見に行く、そんな交流も生まれると思います。何より生徒も喜ぶし、先生も喜ぶ、それが日常化していってほしいですね。ーーなるほど。それではインクルーシブ教育を推進する中で、変わってきた印象はありますか?一番変わったのは組織だと思います。結局教育長としての仕事も組織論として捉えることが多くて、どう職員室をマネジメントするかが大切だと捉えているんです。インクルーシブはもちろんですが教育には答えがないので、仕事においてたとえしくじってしまっても挑戦してもらうことを大切にしています。成功することが至上命題という考え方を捨てて、結果が元々目指していた場所から変わってしまってもそれで良いとすることが必要。当初はネガティブな捉え方もあったかと思うのですが、前向きな発言が波及してきて組織全体として挑戦を積み上げられているという実感がありますね。Upload By 発達ナビ編集部ーーさまざまな視点でお話をいただきありがとうございました。最後に、今後のビジョンを教えてください。ポリシーをつくることでブレない教育理念がちゃんとあって、そこに向けてきちんと学校が自走していくことが今後の理想だと思っています。そしていつか、子どもたちがこの町に戻ってきてもらって、新しいサイクルを生んでくれたら理想です。子どもたちが成長して20年後に振り返った時に、小・中学校の大切な時間を葉山で過ごせてよかったなと思ってもらえたら、それ以上のことはありません。この連載を重ねることで、皆さまの中でインクルーシブ教育への解像度が上がりますように稲垣さんは謙遜をされていましたが、隣に寄り添っていた教育委員会の課長は「今の教育長ほど一人ひとりの声に耳を傾け、寄り添っている人を見たことがない」とおっしゃっていました。その姿勢こそが先生方や保護者の方の教育へのモチベーションにも繋がり、同じ目線で進んでいくための原動力になっているようにも感じられました。Upload By 発達ナビ編集部これから全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2023年09月20日子どもの性教育は何歳から始めるべき?日本の『性教育』は世界と比べ遅れているといわれている中、娘への性教育に関する体験談を描く漫画家ちり(@chiri_chi_ld)さん。今回は、ちり(@chiri_chi_ld)さんの『3歳から性教育を始めた結果』を紹介します!3歳の娘がいるちりさん。『子どもの性教育』をいつから始めるべきか悩んでいました……。誰も教えてくれなかった過去なんで教えてくれないの……?そして母親になり……娘の性教育を決意……この漫画に読者からは『性教育を受けたことで興味を持ちすぎて早熟してしまわないかが心配になりますが、昨今の小児の性被害の報道を見るとある程度は性教育の必要性を感じます。』『3歳にはまだ早いと思います。小学生になってからでもいいのではないでしょうか。』『ネットから中途半場な情報を得て間違った知識を得るより、ずっといい!』『同じように興味を示した段階で正しい知識を教えてあげたいです。そして、自分を大切にすることを学んで欲しいです。』と性教育に関して賛否両論の声をいただきました。性教育の必要性……子どもの身を守るためにも、性教育は大切だといえるでしょう。しかし、性教育は何歳からが好ましくて、いつからだと遅いだなんて教えてもらう機会などなく、“正解”がわからない方も多いでしょう。“正解”を気にするのではなく、我が子が傷つくことがないようにと行動することが重要なのかもしれませんね。あなたが子どもに性教育をする立場になったら、どう対応しますか?(MOREDOOR編集部)(イラスト/@chiri_chi_ld)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。
2023年07月20日三谷商事株式会社(所在地:福井県福井市、代表取締役社長:三谷 聡)は、無料セミナー「『ICT+教育最前線2023』 ―これからの教育の“姿”―」を、2023年7月14日(金)より全国4か所で開催いたします。メイン画像【本セミナーについて】新型コロナの流行により、教育現場は大きな変革を余儀なくされました。しかし、その一方で、新たな教育の可能性が開花しました。教育関係者には、未来志向のもと、新たな教育手法の探求が求められています。今回のセミナーでは「未来」をテーマに掲げています。未来を切り拓くためには、VRやARなどの仮想現実、AI、データ利活用など、先進的な技術を教育活動にどのように生かすことができるかが重要です。本セミナーでは、新たな教育ICT環境で成果を上げている教職員の方にご登壇いただき、最先端技術の取り組みやその実践例をご紹介いただきます。《対象》全国大学、大学院、専門学校、K12、教育委員会《参加費用》無料■開催日時・場所《大阪》開催日時:7月14日(金) 13:00~17:15開催場所:TKPガーデンシティ新大阪 6B大阪府大阪市淀川区宮原4-1-4 KDX新大阪ビル 6階《福岡》開催日時:7月21日(金) 13:00~17:15開催場所:リファレンス大博多ビル貸会議室 1109福岡県福岡市博多区博多駅前2-20-1《広島》開催日時:7月28日(金) 13:00~17:00開催場所:TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前広島県広島市南区大須賀町13-9《東京》開催日時:8月4日(金) 12:55~17:25開催場所:アルカディア市ヶ谷 7F琴平東京都千代田区九段北4-2-25※12時30分から受付を開始します。※プログラムは開催地ごとに異なります。下記よりからご確認ください。 ■登壇予定者 / 講演内容〇学校法人 大阪成蹊学園 大阪成蹊大学 / 鎌原 淳三 氏「大阪成蹊大学データサイエンス学部におけるNVIDIAとの連携と教育研究への活用」〇京都大学 / 梶田 将司 氏「京都大学における教育情報環境のBYOD化とクラウド化」〇近畿大学 / 矢藤 邦治 氏「KDIXにおけるブランドコミュニケーションについて~esports編~」〇久留米工業大学 / 小田 まり子 氏「久留米工業大学における「地域課題解決型AI教育プログラム」」〇学校法人昭和学院 昭和学院中学校・高等学校 / 榎本 裕介 氏「生徒のICT利用規制を厳しくしたり、先生がクラウドを利用して家でも仕事したりするのはやめませんか?」〇電気通信大学大学院 / 柏原 昭博 氏〇電気通信大学 / 島崎 俊介 氏「UEC-eDXシステム〜先進的ハイブリッド教室と高度個別学習支援の実現に向けて〜」〇学校法人東洋大学 / 藤原 喜仁 氏「結果を出すDX推進とこの先に向けての未来構想」〇日出学園中学校・高等学校 / 武善 紀之 氏「あなたにとって、ICTは単なる道具ですか?~ICT「で」教えるから、ICT「を」教えるへ 情報科的ICT教育の捉え方~」〇国立大学法人和歌山大学 和歌山大学教育学部附属中学校 / 矢野 充博 氏「タブレット端末によるAR等を活用したPBL型の理科の授業」★最新の教育研究設備も併設展示予定です。※学校名の50音順で記載しています。※開催会場によっては、展示がない場合もあります。■参加方法下記URLをご参照ください。URL: リーフレット表面リーフレット裏面【会社概要】商号 : 三谷商事株式会社代表者 : 代表取締役社長 三谷 聡所在地 : 〒910-8510 福井県福井市豊島1-3-1設立 : 1946年3月20日資本金 : 50億869万円URL : 事業内容 : 各種コンピュータシステム・ネットワーク・ソフトウエアの設計・開発・運用・サポートを含めたトータルソリューションを中心としたシステムインテグレーション(SI)事業及びそれに伴うコンピュータ機器の販売。特に全国200校以上の教育機関様にコンサルティングから運用支援まで総合的なソリューションを提供。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年06月13日除菌や消臭、漂白などさまざまな効果があり、掃除アイテムの定番として知られる、花王株式会社が販売する液体塩素系漂白剤『ハイター』シリーズ。使い勝手のよさから、ネット上では「汚れが簡単に落ちる」「いつも掃除の時にお世話になっている」など、高い人気を誇っています。Instagramで『30秒で分かる暮らし掃除術』を公開している、ゆう(yu.u_room)さんは、1本の動画を公開。ネット上で『ハイター』シリーズがたびたび話題になることを受け、スプレータイプである『キッチン泡ハイター』の使い方をまとめた動画を公開しました。知っておきたい!『キッチン泡ハイター』の活用法・初級編花王株式会社が販売する『キッチン泡ハイター』は、手軽に除菌やウイルス除去、漂白、消臭ができる台所用漂白剤。基本的に、キレイにしたい対象へスプレーをかけて、数分後に水で洗い流す…というシンプルな手順で、掃除をすることができます。ゆうさんが公開した、たったの17秒で『初級編』の使い方がまとめられた動画をご覧ください!※動画はInstagram上で再生できます。 この投稿をInstagramで見る ゆう@30秒で分かる暮らし掃除術(@yu.u_room)がシェアした投稿 粘度が高く泡が密着しやすい、風呂掃除向けの『強力カビハイター』も販売されていますが、成分がほとんど同じ『キッチン泡ハイター』も使用可能。塩素系漂白剤である『キッチン泡ハイター』は、浴槽のぬめりや、カビの除去にも効果的なのです。『強力カビハイター』と比べると垂直面の掃除は向いていないものの、排水溝などの平行面の掃除では、さまざまな場面で活躍!キッチンに限らず、汚れがこびりつきやすい風呂掃除でも、『キッチン泡ハイター』は役立ってくれます。『キッチン泡ハイター』を使う時は注意点も『キッチン泡ハイター』は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした強いアルカリ性の液体なので、液に触れると皮膚を傷めるおそれがあります。目に入っても危険なので、使用する際は炊事用の手袋を着用するほか、液体や泡が目に入らないように注意をしてくださいね。また、同社は『キッチン泡ハイター』を使用する際に、必ず換気をするよう呼び掛けています。快適に掃除をするためにも、便利なアイテムを正しく使いたいですね![文・構成/grape編集部]
2023年05月21日ChatGPTなど生成AIを正しく効果的に教育現場で活用することを目的に設立した「教育現場AI活用フォーラム」が、2023年5月2日、オープン記念セミナー・イベントの開催を発表しました。教育現場AI活用フォーラムのオープン記念イベント■オープン記念セミナー・イベント1. 教育現場AI活用アイデアソン @東京・大阪・名古屋教育現場でChatGPTなど生成AIをどう活用するか、アイデアを出し合うワークショップ、アイデアソンを開催します。※アイデアソン(Ideathon)とは・・・アイデアを生み出すためのイベントやワークショップです。これは、参加者が集まって、限られた時間内に新しいアイデアや解決策を考え出し、アイデアを競い合うイベントです。アイデアソンの目的は、新しいアイデアを発見し、創造力やイノベーションを促進することです。参加者は、ディスカッション、ブレインストーミングなどの活動を通じて、問題解決や新しいアプローチに取り組みます。・日程:□ 名古屋:5月13日(土)15時~17時(名古屋駅近隣の会議室)□ 東京 :5月27日(土)15時~17時(東京駅近隣の会議室)□ 大阪 :5月28日(日)15時~17時(新大阪駅近隣の会議室)・当日フロー:(1) ChatGPTの教育現場での活用事例をまとめて紹介(2) チーム発表・自己紹介(3) いくつかのワークを通じて、ブレインストーミング・ディスカッション(4) 各グループでのアイデアの共有・発表・表彰・参加費:フォーラム参加者:無料、一般者:1,000円(税込・会場費)▼詳細・申込URLはこちら 2. 「初心者歓迎!ChatGPT教育活用の教科書」@オンライン勉強会教育現場でこれからChatGPTを活用していく先生方向けの勉強会です。・日程:□ 5月17日(水)11時~12時(Zoomウェビナー)□ 5月28日(日)10時~11時(Zoomウェビナー)・このセミナーで分かること:(1) ChatGPTの概要と最新情報(2) 教育現場でChatGPTを活用するための心得(3) 先生が使う場合の事例共有(4) 生徒が使う場合の事例共有(5) 既に発表されているChatGPTが組み込まれた教育サービス一覧の紹介(6) ChatGPTを教育現場で利用する時の注意点(7) まとめ(ChatGPTの登場で、教育現場はどう変わるか)・参加費:フォーラム参加者:無料、一般者:500円(税込・運営費)▼詳細・申込URLはこちら ■教育現場AI活用フォーラムの概要<フォーラム名称>「教育現場AI活用フォーラム」~ChatGPTなどAIを、正しく効果的に教育現場で使うために~<公開>2023年4月25日<参加条件>Facebookアカウントを持っていること。教育現場でAIを活用することに関心があり、前向きに建設的なマインドを持ち合わせていること。<後援>エデュマッチ(教育ICTサービス紹介サイト)、教育DXラボ<主な対象者>・学校の先生・塾・習い事スクールの先生・教材会社・EdTechサービス関係者・教育業界を目指す人※その他、最先端のテクノロジー/教育に精通している多数の専門家も、既に参加してくださっています。<5月に予定しているコミュニティ参加者限定のイベント(一部抜粋)>・大AI時代における“先生”の役割とは何か(オンライン勉強会)・教育業界における「マーケティング×ChatGPT」の可能性(オンライン勉強会・領域別分科会)・英語指導での実践事例7選@オンライン勉強会(オンライン勉強会・科目別分科会)・教育ICTサービス展示会ツアー&情報交換ランチ会(オフラインイベント)▼ホームページ・お申込みURL 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年05月02日学校法人立命館 起業・事業化推進室では、立命館における一貫教育型アントレプレナーシップ教育の促進に向けて、同推進室「教育プロデューサー」に、立命館小学校の正頭英和教諭が就任したことをお知らせします。これを機に、立命館各附属校の児童・生徒の成長に資するアントレプレナーシップ教育コンテンツの開発や仕組みづくりをさらに展開してまいります。起業・事業化推進室は、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、5つの附属校(立命館中学校・高等学校、立命館宇治中学校・高等学校、立命館守山中学校・高等学校、立命館慶祥中学校・高等学校、立命館小学校)を有する立命館学園における起業・事業化を総合的に推進する役割を担っています。文部科学省「大学発新産業創出プログラム(START)」の一環である「起業家層の拡大に向けたアントレプレナーシップ教育の高校生等への拡大EDGE-PRIME Initiative」事業においても、関西の小中高生に向けたアントレプレナーシップ教育充実のため積極的にプログラム提供を行うなど、京阪神におけるスタートアップエコシステムのグループリーダーとして取り組みを展開しています。正頭教諭は、立命館小学校において英語の授業でゲームのマインクラフトを活用したPBL(Problem Based Learning)授業を展開。2019年には、イギリスの国際教育機関「バーキー財団」が設立した、教育界のノーベル賞と言われる「Global Teacher Prize 2019(グローバル・ティーチャー賞)」トップ10に、世界約3万件以上の中から、唯一の日本人教員(小学校教諭としては日本初)として選ばれました。今後は、正頭教諭とともに、立命館小学生を中心に、附属中高や関西エリアの小中高生を対象としたアントレプレナーシップ教育や児童・生徒の特性にあわせた教育コンテンツ、教育手法・制度等の共同研究・開発を加速させ、社会に新たな価値を生み出す人材の育成を目指してまいります。■概要対 象 者 : 立命館小学校教諭正頭 英和(しょうとうひでかず)職 名 : 学校法人立命館起業・事業化推進室 教育プロデューサー主な職務 : 起業・事業化推進室の一貫教育型アントレプレナーシップ教育に伴う活動(1)立命館小学生を対象としたアントレプレナーシッププログラムの企画・実施(2)児童・生徒の発達段階・特性にあわせた教育コンテンツや教育手法・制度等の共同研究・開発■正頭 英和教諭コメントアントレプレナーシップ教育において、「起業すること」だけがゴールだとは考えていません。ただ、子どもたちの選択肢は多い方が良く、起業という選択肢を持つことは大切なことだと思います。そして、初等中等教育段階でたくさんの体験をすることで、子どもたちの興味関心の間口を広げることが大事だと考えています。社会に出るときに夢や希望、そして「やりたいこと」を持っている。そんな教育を提供していきたいです。■起業・事業化推進室について 起業・事業化推進室は、本学園に関わる多様な人材を横断的に連携させ、さまざまな社会課題解決に貢献する起業・事業化の促進と、既存の取り組みを学園規模で⾶躍的に前進させるしくみを構築するため、2021年6月1日に設置されました。一貫教育型のアントレプレナーシップ教育プログラムの提供や研究シーズ型ベンチャーの創出支援、学園独自のファンド投資先との連携など、立命館が目指す「社会共生価値」の創造を事業化を通じて実現すべく、プラットフォーム「RIMIX(リミックス)」の名称で全学にワンストップで展開・推進しています。立命館学園の起業・事業化をワンストップでデザイン・推進 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年05月01日2023年4月25日、教育ICTサービス紹介サイトのエデュマッチが後援となり、ChatGPTなど生成AIを正しく効果的に教育分野で活用することを目的としたオンラインサロン「教育現場AI活用フォーラム」が設立・公開されました。1週間前に運営代表の知人のみに公開した先行オープンの段階で、既に80人以上の方が参加しています。学校・塾・教材会社の関係者だけでなく、教育×AIのテーマに興味を持つエンジニア・大学教員・海外テックVC・テクノロジー系Youtuberなど多様なバックグラウンドを持つ皆様にご参加いただいています。教育現場AI活用フォーラム■概要<オンラインサロン名称>「教育現場AI活用フォーラム」~ChatGPTなどAIを、正しく効果的に教育現場で使うために~<公開>2023年4月25日<参加条件>Facebookアカウントを持っていること。教育現場でAIを活用することに関心があり、前向きに建設的なマインドを持ち合わせていること。<後援>エデュマッチ(教育ICTサービス紹介サイト)、教育DXラボ■主な対象者・学校の先生・塾・習い事スクールの先生・教材会社・EdTechサービス関係者・教育業界を目指す人※その他、最先端のテクノロジー/教育に精通している多数の専門家も、既に参加してくださっています。・大学教員/研究者(教育分野やAI研究分野など)・学校の教科書の著者・ChatGPTをメインテーマにした人気チャンネルのYoutuber・現役エンジニアなど■コミュニティの運営目的・生成AI(特にChatGPT)を活用した教育事例の共有と学び合い・新しい教育手法やツールの開発アイデアを発掘・教育分野でのAI活用のリスクと可能性を一緒に模索■目指すコミュニティの方向性・ChatGPTを教育に活用する情報交換が活発・建設的な議論ができるポジティブな雰囲気・学校、塾、習い事スクール、教材会社など、分野を越えた連携■活動内容・活用事例・体験談投稿による学びの共有・テーマ別のオンライン勉強会の実施・ゲストスピーカーによる講演やQ&A・オンラインだけなく、オフラインイベントも開催・AIを活用したAIサービスや教材、最新情報や研究成果の共有<5月に予定しているイベント(一部抜粋)>・教育現場AI活用アイディアソン(東京・名古屋・大阪・オンラインでそれぞれ開催予定)・教育ICTサービス展示会ツアー&ランチ会・「ChatGPT教育活用の教科書」(オンライン勉強会)・「英語指導でのChatGPT活用事例7選」(オンライン勉強会)■参加費用◇活用事例・体験談投稿者プラン:無料既にChatGPTなど生成AIをお使いで、活用事例・体験談を発信していただける方は、無料とさせていただきます。(情報発信は、1か月に1回以上をお願いしておりますが、発信情報は「ちょっと試したみたこと」・「AI失敗談」・「AIについての考え」・「子供たちがAIをどう捉えてるか」など、気軽な投稿で全く問題ございません)◇一般参加者プラン(特別オープン割引):コミュニティ運営費として月額2,000円(税込)※2023年5月31日までにお申込みの方限定(通常価格は、月額・税込3,300円)割引対象期間:お申込月~2023年12月末まで※最初は一般参加者プランでご入会いただき、その後、投稿できる状況になりましたら、プラン切り替え・変更いただくこともできます。■ホームページ・お申込みURL 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月25日株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区、代表取締役:藤澤 士朗)は、コロナ禍での働く意識の変化について、「(1)リスキリング・リカレント教育・教育研修の実施状況・参加意向」、「(2)転職時のきっかけや経緯、転職により悩みが解決されたか」、「(3)社内で尊敬できる・影響を受ける人の特性と何に影響を受けるか」、「(4)企業内の感染症対策実施状況」を重点テーマとし、インターネットリサーチパネルを用いて調査を実施いたしました。本プレスリリースは、上記のうち、「(1)リスキリング・リカレント教育・教育研修の実施状況・参加意向」についての内容となっています。■詳細について詳細は にて参照やダウンロードが可能です■調査の概要・調査地域:日本全域・調査対象:以下の業種の企業・団体に正社員として従事する20~59歳の有業者「メーカー」、「IT・通信系」、「流通小売」、「サービス業」、「医療」、「公務」・調査方法:インターネット調査(インターネットリサーチモニターに対するクローズド調査)・有効回答:2,400サンプル400サンプル×6業種(うち各業種転職経験者100サンプル)・調査期間:2022年11月9日(水)~11月14日(月)■調査結果1-1. リスキリング・リカレント教育実施状況●リカレント教育を実施しているのは、全業種では29.1%であった。【別添資料p.3】●実施率が比較的高いのは、「メーカー」35.7%、 「公務」35.6%であった。【別添資料p.3】●実施率が比較的低いのは、「流通小売」20.8%、「サービス業」25.1%であった。【別添資料p.3】●従業員規模別では、30名以上は概ね3割前後の実施率だが、30名未満は13.0%であった。【別添資料p.3】1-2. リスキリング・リカレント教育の目的●リカレント教育の実施目的は、「若手人材の育成のため」11.5%、「生産性や業績の向上のため」8.1%、「中高年のリスキリング(知識やスキルのアップデート)のため」が7.6%が上位となっている。【別添資料p.4】●業種間では大きな差はみられなかったが、企業規模でみると「300~1000名未満」では「企業全体の事業構造の転換(事業分野の転換等)のため」が12.1%と全体の傾向に比べて高い傾向がみられた。【別添資料p.4】2-1. 研修・スキルアップ支援の実施状況●従業員の研修・スキルアップ支援の実施率は40.7%、非実施率が40.6%、不詳が18.7%となっており、拮抗している。【別添資料p.5】●業種別では、「公務」や「IT・通信系」の実施率が高く、「流通小売」、「サービス業」の実施率が低く、従業員規模が大きいほど制度がある。【別添資料p.5】2-2. 研修・スキルアップ支援の実施内容●研修・スキルアップ支援の内容は、「資格取得の支援(費用負担、学習機会)」が11.8%と最も高く、以下、「教育プログラム受講への経済的な補助」が9.6%、「教育プログラム受講等に利用できる休暇制度・時短勤務制度」と「教育プログラム受講時の業務量の調整・配慮」が8.2%と続いている。【別添資料p.6】●業種別では、「IT・通信系」は「資格取得の支援(費用負担、学習機会)」が18.4%と全体に比べて高い。【別添資料p.6】●「公務」は「社会人国内大学院への派遣」9.0%や、「企業内大学・社内の研修施設等への参加」7.4%が比較的高い。【別添資料p.6】3. 教育研修への利用・参加意向●利用・参加意欲ありが50.4%、なしが49.6%と拮抗している。【別添資料p.7】●業種別では「メーカー」、「公務」や従業員規模が大きい企業の従事者は利用・参加意欲ありの回答割合が高い。【別添資料p.7】●年代では若年層の方が利用・参加意欲ありの比率がやや高く、「20代」が56.0%、「50代」が39.7%。【別添資料p.8】●学歴別では、「大学院」が62.7%、「大学」が56.6%、「短大・高専・専門」が42.2%、「中学・高校」が31.2%。【別添資料p.8】●年次別では「2~3年目」が最も高く61.4%、「20年目以上」が最も低く36.0%。【別添資料p.8】4. 求められる研修・スキルアップ支援制度●相対的に実施率が高く、利用参加意向も高いのは、「資格取得の支援(費用負担、学習機会)」や「教育プログラム受講への経済的な補助」、「教育プログラム受講等に利用できる休暇制度・時短勤務制度」など。【別添資料p.9】●一方で、比較的利用・参加意向が高いが、実施率が低いのは「教育・スキルアップ目的の出向・一時転籍」。【別添資料p.12】■添付資料<リカレント教育実施状況><リカレント教育実施目的>【会社概要】名称 :株式会社サーベイリサーチセンター代表者:代表取締役 藤澤 士朗・長尾 健・石川 俊之所在地:東京都および全国13拠点創設 :1975年(昭和50年)2月資本金:6,000万円 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月17日禁煙治療に健康保険が適用されるようになったのは、2006年4月のこと。現在では、禁煙外来を設けた医療機関も増えました。しかし、医療の力を借りずに、禁煙に成功する人も少なくありません。私はこれでタバコをやめました。そうつづり、独自の禁煙法を紹介したTwitterの投稿が話題を呼んでいます。早速、話題の禁煙法をご覧ください!私はこれでタバコを辞めました。 pic.twitter.com/2OKMtiG27j — しぴこめᓚᘏᗢ (@chipie0826) April 9, 2023 猫のしぴちゃんとおこめちゃんと暮らす、投稿者(@chipie0826)さん。猫の飼い主の間では、愛猫の体に顔をうずめて息を吸うことを『猫吸い』と呼び、愛情表現や自らを癒すための行為として、広く知られています。タバコと愛猫のどちらを吸いたいかといったら、当然、愛猫でしょう。こうして、タバコを吸う機会を減らし、見事禁煙に成功した投稿者さん。一方で、今度は『猫吸い』の依存になってしまうのが、この禁煙法のリスクでもあります。しかし、タバコと『猫吸い』のどちらに依存したほうが身体的、精神的に害が少ないか…いうまでもありませんね![文・構成/grape編集部]
2023年04月09日会社や組織の中で働くうえで、誰もが大なり小なり抱えてしまう、ストレス。モヤモヤした気持ちは心身に悪影響を及ぼすので、なるべく減らしたいものです。対処法はさまざまですが、ぱやぱやくん(@paya_paya_kun)さんによる『儀式』が、多くの人に気づきを与えるきっかけになっています。『戦闘モード』の体切り替えの『儀式』とはぱやぱやくんさんによれば、ストレスを受けた人間は、身体が『戦闘モード』に切り替わるとのこと。『戦闘モード』のまま帰宅してしまうと、家にいてもストレスを感じるようになってしまいます。そこで、ぱやぱやくんさんがおすすめしているのが、まっすぐ家に帰るのではなく、寄り道をすること。もし職場で「なんだよ...」と嫌な思いをしたときは「寄り道」がおすすめです。ストレスを受けると肉体が「戦闘モード」になります。そのまま職場から自宅に帰ると気持ちが切り替わらず、自宅もストレスフルな環境になります。寄り道は「戦闘モードを解除する儀式」だと思うのが吉です。— ぱやぱやくん (@paya_paya_kun) February 26, 2023 実際に、ぱやぱやくんさんは毎日スーパーマーケットに行っているそうです。寄り道は戦闘モードを解除する儀式であると考え、自宅以外のところに寄ることで、気分転換をするのが大事だといいます。思い当たる節あり?ネット上でコメント続々特別なことではなく、むしろ無意識にそうしていたかもしれない、ぱやぱやくんさんのアイディアに、ハッとさせられた人は多いようです。ぱやぱやくんさんのツイートには、たくさんのコメントが寄せられました。・帰り道にコンビニスイーツを買って帰るのは、『儀式』だったのか…。・最寄り駅まで歩いて、同僚と別れて、1人で立ち食いそばを食べて、ホッとしてから帰るのが日課になりました。・嫌なことがなくても、頭の中を整えるのはよいことですね。子供の頃から寄り道ばかりしていたけど、ある意味正解だったのかも。・帰り道、本屋に寄ってストレス発散をしていたけど、最近は行けていないな…やっぱり寄ってみよう。なお、「自宅作業が続く在宅勤務の場合はどうすればよいか」という質問に、ぱやぱやくんさんは「近所のカフェに足を運んではどうか」と提案しています。ストレスにひもづく環境や仕事から離れる時間を作り、心をリフレッシュするのが肝ということですね…!日々を過ごす中でストレスを感じたら、ぱやぱやくんさんのアイディアに沿って、ちょっと寄り道をしてみてはいかがでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2023年02月28日アートの力を活かして教育や文化振興を行う、一般社団法人 日本アート教育振興会(所在地:東京都港区、代表理事:三尾 洋介)は、1枚の絵を複数人で鑑賞し、複数人で対話をする「対話型 “絵画” 鑑賞法( )」によって、現代人に増えているといわれるストレスを軽減するためのサービスを2023年1月より開始しましたのでお知らせいたします。絵画がストレス軽減に役立ちます。◆ このプログラムは、こんな企業様にオススメです。・従業員のストレスケアをしたい。・リモートワークでギクシャクしがちなコミュニケーションを円滑にしたい。・従業員が感じたことを論理的に言葉にして伝える対話力を育てたい。・従業員に教養を身につけてもらいたい。未来が見通しにくい現代、企業間の競争が激化し、それによって追い詰められ心が疲弊している従業員の方々が増えています。さらにリモートワークへの移行によるコミュニケーション不足から孤独を感じる方々も増えているということも事実なのではないでしょうか。モノの豊かさを手に入れた私たち現代人が、「本当の意味での豊かさ」を手に入れるためには、モノだけでなく、「心の豊かさ」を取り戻すということが必要になるのではないでしょうか。企業にとっても、心の豊かさをもって従業員が働けることでこそ、そこで良いものが生み出されていくのではないでしょうか。私たち一般社団法人 日本アート教育振興会は、ストレスを抱える多くの方々を、「対話型 “絵画” 鑑賞法」を活用することによって癒し、その人々の集まりである企業を元気にするため、このサービスを開始いたしました。従業員様がZOOMでご参加できストレスケアになります。◆ 対話型 “絵画” 鑑賞法とは?対話型 “絵画” 鑑賞法は、「1枚の絵画を複数人で鑑賞し、複数人で対話」します。通常の絵画鑑賞との「違い」は、大きく下記の3つがあります。1) 1枚の絵画を「鑑賞する時間」が違う私たちの対話型鑑賞法は、1枚の絵画を10分という長い間、鑑賞します。一般的に美術館で絵画を見る時間は、30秒ほどといわれますが、私たちの対話型 “絵画” 鑑賞法は、特別な手法をつかうことで1枚の絵を10分間かけるという深い鑑賞を可能にします。それにより美術館でする短い絵画鑑賞よりも、よりストレス軽減が促されます。2) 「複数人で」対話をする一人で作品を鑑賞するのとは異なり複数人で鑑賞し、対話をします。アート知識がいっさいなくても専門コーチがファシリテートするため、対話が活性化します。それにより、コミュニケーションが円滑になりストレス軽減にもつながっていきます。3) ストレスケア以外にも「たくさんのメリット」がある対話型 “絵画” 鑑賞法は、ストレスケア以外のメリットもあります。たとえば、絵画という抽象的なものを言語という具体的なものに落とす訓練になるため、言語化力も高まりプレゼン力や表現力も高まります。またその他に、ロジカルシンキング、クリティカルシンキングといった企業人にとって必要不可欠な能力も鍛えられます。私たちはこの手法をアートマインドコーチング( )と呼んでいます。複数人で鑑賞、対話をします。◆ ベースとなった知見この私たちの対話型 “絵画” 鑑賞法「アートマインドコーチング」は、ニューヨークの現代美術館『MoMA』が開発した『VTS(Visual Thinking Strategies)』やイェール大学医学部大学院が開発した『絵画鑑賞トレーニング』の知見をベースに開発されました。ニューヨークの現代美術館『MoMA』が開発した『VTS(Visual Thinking Strategies)』は、アメリカの公立学校で継続的に導入され、そのほか、世界各国の教育現場や企業研修でも導入されているそうです。◆ 企業、教育機関、大使館などで活用されている私たちの対話型 “絵画” 鑑賞法「アートマインドコーチング」は、企業や、幼稚園から大学までの教育機関、大使館など、いろいろな場で開催されています。◆ プログラムお問い合わせ専用ページお問い合わせや詳細内容は、こちらからご覧いただけます。 ◆ 法人情報一般社団法人 日本アート教育振興会所在地 : 〒105-0001 東京都港区南青山2-2-15事業内容 : 教育事業(アート・クリエイティブ分野)法人webサイト: アートマインドコーチング Official webサイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年01月31日積水ハウス株式会社は、横浜市の小学校における生物多様性の環境教育支援に向けて、横浜市環境教育出前講座に参画します。出前講座では校庭樹木を題材にした積水ハウスの環境教育プログラム「Dr.フォレストからの手紙」を実施します。2022年12月1日から、横浜市の小学校を対象に、横浜市環境教育出前講座のウェブサイトにて申し込み受付を開始します。校庭樹木を活用した環境教育の様子横浜市では、生物多様性保全や地球温暖化対策といった環境問題への理解を深めるため、市内の小中学校や地域の方を対象に、市民団体、企業、国際機関、市役所など専門知識を持った講師が講義を行う「環境教育出前講座」を実施しています。積水ハウスは、2001年から生物多様性保全の取り組みとして、地域の在来樹種を生かした庭づくり・まちづくりの提案である「5本の樹」計画を開始しています。「5本の樹」計画では、お客様のご協力のもと、日本全域で都市の住宅地にネットワーク型の緑地を作り、生物多様性保全を推進しています。2006年には、「5本の樹」計画から得た知見や経験を活かして、生徒向けの環境教育プログラム「Dr.フォレストからの手紙」を開発しました。「Dr.フォレストからの手紙」は、子どもたちが校庭などにある樹木や様々な生き物と触れ合うことを通じて、緑と生き物の関わりを理解し、自らの自然環境への関わりが地域や地球環境全体の保全につながることを考え、行動を促す“体験思考型”環境教育プログラムです。また、積水ハウスは、横浜市がSDGsを推進する企業・団体等の事業者を認証する「横浜市SDGs認証制度“Y-SDGs”」の最上位であるSupreme(スプリーム)に、2022年7月に認証されています。積水ハウスは、これからも横浜市における生物多様性保全の推進を支援していきます。横浜市SDGs認証制度“Y-SDGs”今回積水ハウスが、参画する横浜市環境教育出前講座では、環境教育プログラム「Dr.フォレストからの手紙」を提供します。講師として、樹木医等の植栽や造園の知識・資格を持つ当社社員が、緑の専門家であるDr.フォレストとして学校で出張授業を行います。子どもたちがDr.フォレストから与えられる課題を解決していく中で、生態系や在来種・外来種問題を考え、身近な自然環境に興味をもち、授業や体験を通して得た知識や考え方をこれからの自分たちの行動につなげていくことを目指します。積水ハウスは、生物多様性保全への取り組みの経験を活かし、未来を担う子どもたちの環境教育の推進を支援します。*プログラム受講日は必要となる校庭の樹木の状態次第で、時期をご相談させていただく場合があります。横浜市環境教育出前講座: 横浜市SDGs認証制度“Y-SDGs”: ●積水ハウスの「5本の樹」計画について「5本の樹」計画は、積水ハウスが 2001 年から生物多様性保全の取り組みとして、お客様のご協力のもと、生態系に配慮した造園緑化事業として開始したプロジェクトです。“3 本は鳥のために、2 本は蝶のために、地域の在来樹種を”という思いを込め、日本古来の里山をお手本として、その地域の気候風土・鳥や蝶などと相性のよい在来樹種を中心とした植栽にこだわった庭づくり・まちづくりを提案しています。2021年度の「5本の樹」をはじめとした年間の植栽本数は101万本、2001年の事業開始からの累積植栽本数は1,810万本を達成しました(2022年1月現在)。2019年からは琉球大学久保田研究室・株式会社シンクネイチャーと共同検証を進めており、2021年には、生物多様性保全効果の実効性を、樹木本数・樹種・位置データと生態系に関するビッグデータを用いて、世界で初めて都市の生物多様性の定量評価の仕組みを構築し、「ネイチャー・ポジティブ方法論」として公開しました。●Dr.フォレストからの手紙について積水ハウスでは、「5本の樹」計画から得た知見や経験を活かして、2006年に開発した生徒向けの自然教育プログラム「Dr.フォレストからの手紙」を無償で提供するとともに、小学校への出張授業にも取り組んでいます。「Dr.フォレストからの手紙」は、子どもたちが校庭などにある樹木や生き物などの身近な自然環境での観察(フィールドワーク)や講座を通して、緑と生き物の関係を理解し、自らの自然環境への関わりが地域や地球環境全体の保全に繋がることを考え、行動することを促す“体験思考型”環境教育プログラムです。Dr.フォレストティーチャーズガイド・ワークブック積水ハウス 生物多様性保全の取り組み : 積水ハウス「ネイチャー・ポジティブ方法論」: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年11月30日株式会社東洋経済新報社は、教育に関する深掘りした情報を提供するメディア『東洋経済education×ICT』主催で、教員、各地域教育委員会など教育従事者の皆様を対象としたウェビナー『いま必要なデジタル・シティズンシップ教育 基礎編 -「危険性の強調」から「賢く活用できる力」の育成へ-』を2022年9月3日(土)にオンライン配信で行います。「デジタル・シティズンシップ教育」を取り入れる前に、知っておくべき基礎情報これまで日本では、情報社会の危険性を強調して、ICTを安全に使うための知識やスキルを学ぶ「情報モラル教育」が行われてきました。しかし、GIGAスクール構想が着々と進行している今、これまでの「情報モラル教育」ではカバーしきれないことが明らかになり、世界では一般的になりつつある、自らが善しあしを判断しながら賢くICTを活用できる力を身に付ける「デジタル・シティズンシップ教育」に注目が集まっています。GIGAスクール構想を意味のあるものにするためにも、この教育を取り入れることは教育界全体にとって最重要事項といえます。今回は基礎編として、情報モラル教育との違いは?「デジタル・シティズンシップ教育」を実践する際のポイントは?など、「デジタル・シティズンシップ教育」を取り入れる前に、知っておくべき基礎情報を法政大学キャリアデザイン学部教授の坂本 旬氏を迎えてお伝えします。■セミナー概要セミナー名: いま必要なデジタル・シティズンシップ教育 基礎編-「危険性の強調」から「賢く活用できる力」の育成へ-開催日時: 2022年9月3日(土)14:00~15:30 終了予定開催形式: オンラインライブ配信(Zoom)参加費: 無料(事前登録制)主催: 東洋経済education×ICT申込: (画像はプレスリリースより)【参考】※申し込みURL
2022年08月06日夏に旬を迎える枝豆は、1年を通しておつまみとして定番の野菜。大半の人は、枝豆を鍋へ投入し、お好みの加減にゆでてから食べているでしょう。そんな中、Twitterで野菜に関する役立つ情報を発信している、青髪のテツ(@tetsublogorg)さんは、このように呼びかけました。「枝豆は…ゆでなくても食べられます!」※写真はイメージ名1.枝豆を洗う2.塩を振って揉む3.20分間放置する4.電子レンジに入れ、600wで2分間温める5.枝豆を混ぜる6.もう一度、600wで2分間温める枝豆は…茹でなくても食べられます!!!①洗う②塩をふって揉む③20分放置④600wで2分チン⑤混ぜる⑥もう1度600wで2分チン茹でなくてもおいしいですよ!暑くないし簡単で洗い物も減ります。お試しください! pic.twitter.com/x2s3CNTMXj — 青髪のテツ|野菜のプロ (@tetsublogorg) July 27, 2022 空調の効いた部屋で料理をしていても、火を使うとどうしてもキッチンは暑くなってしまいます。ですが、この方法を使えば火を使わずに済むため、暑い日の料理にもピッタリ!また、安全に枝豆を調理できる上に、洗い物も減らすことができます。電子レンジでしっかりと加熱をするため、枝豆を入れる食器は耐熱容器を使うのがベストです。「枝豆をゆでない」という調理法に、多くの人が驚き、「次回はこの方法でやってみる!」と声を上げました。・な、なんだってー!今夜は早速この方法で調理しようっと!・暑いと火を使いたくないんだよね。めっちゃ助かる。・マジか…知らなかった…!もっと早く知りたかった。アルコールを分解し、二日酔いを軽減してくれる栄養素が含まれていることから、枝豆はおつまみとして万能といわれています。次回、枝豆を用意する際は、この方法を試してみてはいかがでしょうか!なお、青髪のテツさんは、野菜や果物などについての情報をブログでも発信しています。気になる人は覗いてみてください!ブログ:tetsublog[文・構成/grape編集部]
2022年07月28日生きる上でなくてはならないお金。だからこそ、子どもには正しい知識を身につけてほしいと願うものです。でも、親である私たちはお金について学校で習う機会が少なかった世代。お金に対して、苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。「お金の知識に自信がなくても、大丈夫。お金の教育は “生きる力を育むこと” で、“知識”よりも先に伝えるべき大切なことがあるんです」と話すのは、金融教育ディレクターの橋本長明さん。日本銀行出身でお金についての講演も多数おこなっている橋本さんですが、「じつは私も資産運用は苦手で…」と苦笑い。親しみやすい人柄とポジティブなわかりやすい解説で、2月に上梓された 『すてきな相棒! おかね入門』 (リトルモア 刊)も評判をよんでいます。そんな橋本さんに、家庭でいつからどのようにお金の教育をしたらいいのか、2回に渡ってお話を伺います。前編の今回は、 親が知っておくべきことや4つの基礎教育についてです。橋本長明 プロフィール金融教育ディレクター、ブランディングディレクター、選曲家ほか。東京生まれ。大学卒業後、日本銀行入行。静岡支店、情報サービス局、金融広報中央委員会事務局、調査統計局などに10年在籍し退職。日銀では、学校教育における金融教育の概念作りや「金融教育元年」事業に注力したほか、広報、ブランディング、景気分析などを経験。その間、いろいろな個人活動で人々と出逢い、現在は金融教育やブランディングを軸とした講演・執筆活動、企業や個人のブランディング、銀行の金融教育企画・運営、選曲家/DJ、ISETANの企画など、人や社会が楽しくなり、何かを考えるきっかけを創る活動をしている。文化服装学院特別講師、日本FP協会会員。「お金の教育」とは “生きる力を育むこと”この春から高校の授業で “債券” や “投資信託” が教えられることになった、というニュースはご存知ですか? じつは2020年には小学校、2021年には中学校ですでに新たな金融教育がスタートしています。このタイミングでお金の教育をはじめなきゃと考えるご家庭も多いかもしれません。でも、何からはじめていいのか悩みますよね。「“お金の教育”というと、イメージで投資や資産運用など、金融商品やお金を増やすテクニックの話に偏りがち。でも、そもそもお金自体に価値はありません。だって無人島にお金を持っていってもただの紙切れで、何の役にも立ちませんよね。お金は、使う場所があってこそ機能するもの。あくまでいまの経済社会のなかで役立つ “便利な道具”なんです。まずそこをきちんと理解したうえで、その道具=お金を使ってどんな夢や目標を叶えたいか、どんな暮らしをしていきたいかを考えることが重要です。それを理解していないと、お金だけを追い求めたり詐欺に関与してしまったり、人生が大きく狂ってしまいます。まずはお金とは何か、そのお金を使ってどうなりたいかをお子さんといっしょに考えてみましょう!」選曲家/DJの顔も持つ橋本さんのご自宅兼オフィスには、大切にしているレコードやアートが並ぶ。大好きで集めているという愛らしい鳥モチーフのオブジェも。もともと先進国の中では遅れをとっていた日本の金融教育。しかし、キャッシュレス社会でお金を使う実感が乏しくなるなか、成年年齢が18歳に引き下げられて、高校生のうちからクレジットカードや住宅ローンが組めるようになったことなどから、金融教育の授業が必修化されました。また、少子高齢化が進み、自分たちで資産形成しなくてはならない状況が差し迫ってきていることから、幼い頃から金融リテラシーを身につけて、お金の管理をできるようにしておくことが重要視されるようになってきました。「そういう時代だからこそ、自分の軸をしっかり持って、将来叶えたいことは何なのか、そのためにお金がどれだけ必要なのか、その必要な分をどうやって稼ぐかという思考プロセスを経ることが大切。たとえば、子どもが“大金持ちになりたい!”といったら、“何のために?”と問いかけてみましょう。その答えが、“お菓子がたくさん食べたいから!”でもいいんです。自分がどうなりたいか、そのために何が必要かを考えると、社会の仕組みを知ろうとするし、どういう社会にしていきたいかを考えることにもつながります。また、その過程で決断する力も育まれていくはずです。お金の教育は、広義にいえば“生きる力を育む”こと。日本の金融教育プログラム(金融広報中央委員会<事務局:日本銀行情報サービス局内>)でも掲げられているんです」基礎教育 1:お金の価値観まずは、お金そのものには価値はなく、道具であるという認識を持たせること。つぎに、その道具を使って自分はどうなりたいのか考えること。そしてその過程を経てから、金融教育の基礎教育である4つの分野「お金の価値観」「お金を使う」「金銭管理」「お金を稼ぐ」をマスターするといいそう。「お金の価値観では、お金自体に価値はないと覚えてもらうことです。1万円札の場合、製造費用は約22円。国の信用で1万円となるが、戦争・紛争などで紙屑のようになることも。一方、お金には『価値交換、価値尺度、価値保存』という3つの大変優れた機能を有した、経済社会にはなくてはならない便利な道具。生きるため、夢や目標を叶えるために必要であり、道具であるお金を追い求める人生はおかしいんです」金融広報中央委員会では、小学生から高校生まで年代別に教えるべき金融教育の目標をまとめています(※)。金融広報中央委員会(事務局:日本銀行情報サービス局内)とは、政府や日本銀行、地方公共団体や民間団体等が協力して、中立公正な立場から、暮らしに役立つお金の情報提供や、金融教育の支援をおこなっている団体。橋本さんは日本銀行時代にこの委員会にたずさわり、まだ身近ではなかったお金の教育に親しみを持ってもらえるようブランディングに尽力するなど、いまの金融教育のベース作りに注力しました。※金融広報中央委員会「 金融教育プログラム 学校における金融教育の年齢層別目標 」(2021年3月改訂版)基礎教育 2:お金を使う前出の 金融教育プログラム でも、小学校低学年では“ものやサービスを購入するとき、お金を払う必要があることを理解”とあります。そしてもうひとつあるのが、“実際にものやサービスを購入する”こと。これが基礎教育の「お金を使う」にあたります。「使う」とは、「消費」と「投資」、そして「浪費」の3つに分類できます。くわしくは後編で!「実際にお金を使う経験をさせるときは、現金を使うことがポイントです。実際のお金に触れて人とやりとりしないと、リアルな体験にはなりません。また、お金を使って何かを購入する前に、それは自分にとって必要なもの=ニーズ(needs)なのか? 欲しいもの=ウォンツ(wants)なのか? ニーズ or ウォンツを考えさせるのが大切です。たとえば、鉛筆。勉強に使うために足りない分を買うならニーズ、鉛筆の絵柄が気に入って家にあるのに買うならウォンツになります。それを考えることで無駄づかいを防ぐことができるし、ウォンツなら我慢しようかと問いかけることもできます」基礎教育 3:金銭管理ニーズかウォンツかを考えてお金を使ったり、お小遣いやお年玉でもらったお金を貯金しようなどと自分で決断できるようになったら、「金銭管理」を学ぶチャンスです。金銭管理にはお小遣い帳が最適。ロードマップでは小学校中学年(3~4年生)から実践することが推奨されています。お小遣いの学習では、子どもたちの将来の健全な金銭管理能力を養うほか、「お金は無尽蔵なものではなく、働く対価としてやってくる」、「我慢することの大切さ」、「目標に向かって努力すること」など、道徳的なこと、社会における大切なことを学ぶことができます。「お小遣い帳って大人でも挫折することがありますよね。正確につけようと神経質になるよりも、お金を使ったら記録するという習慣をつけることが大切。スタート時期はいつからでもいいので、1年間を目標につづけてみてください。私が監修した お小遣い帳 には、最初に今月の夢や目標を書く欄があったり、ニーズ・ウォンツの記載もできるようになっているので、お子さんとの対話のきっかけにもなるはずです」基礎教育 4:お金を稼ぐお小遣い帳をつけるようになるとお金の出入りがひと目でわかるようになるので、「お金を稼ぐ」ことについても興味が沸いてくるかもしれません。ここでいうお金を稼ぐとは、お金を得るにはどんな手段があるかを知ったうえで、働き方を考えること。そして働くとは、お金を稼ぐためだけではない。働く時間は、人生の多くを占めることになるから、その多くの時間を使って、単にお金を稼ぐだけではもったいないよね! という話に繋げていきます。(これについては、後編でご紹介します)。実際に子どもがお金を稼ぐことはなかなか難しいのですが、お手伝いのお駄賃(対価)としてお金をあげるというルールを決めているご家庭もあるのではないでしょうか。「アメリカではお手伝いを報酬制にしている家庭も多いですよね。働いた対価としてお金がもらえるということを幼いうちから体現できるのはいいこと。お金をあげないとお手伝いをしなくなるかもと心配される親御さんもいるようですが、子どもって頼りにされたり人の役に立つのがうれしいもの。たとえお金を渡し忘れても続けてやってくれているという声はよく聞きます。もしお手伝いが適当になってしまったり、逆に回数をねだられる不安があるなら、ひと月にこれだけやったらいくらというサブスク制にするのもおすすめです」次回の 後編 では、具体的に子どもにお金に関する質問をされたときにどう答えるべきかや、 親がした方がいい行動・NGな行動 について、Q&A形式でご紹介します。 「すてきな相棒! おかね入門」 橋本長明 著(リトルモア刊) 日本銀行出身・金融教育ディレクターの著者が今こそ伝えたい、「おかね」との付き合い方。おかねの知識やマナーから、経済のしくみ、将来の自分を思い描くヒントまで授業形式でさまざまなワークをこなしながら、楽しくポジティブに学べる本です。今までにない切り口で、子どもも大人もいっしょに考える「おかねってなに?」。取材・文/佐々木彩子 撮影/村上未知(*を除く)
2022年07月12日株式会社みらいグロース(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:田代 綾)は、アメリカの教育界で最も注目されている教育メソッド「ソーシャル・エモーショナル・ラーニング」(SEL)をコアにした、“成長と生きる力のベースとなるメンタルの質を高め、学習能力を向上させる”ためのプログラム「みらいグロース」の提供を2021年12月より開始しました。【みらいグロースURL】 みらいグロースをナビゲートするキャラクター1. みらいグロースの特徴(1) SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)をコアとした、世界初のSEL・セルフ・トレーニングプログラムSEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)は、米国などで普及している、子どもたちの社会性や感情力を健やかに育むメソッドです。このSELを中心に、マインドフルネスとアカデミック・コンピテンシーを組み合わせた3つのメソッドが三位一体となってトレーニング効果を発揮するように設計されています。みらいグロースは、SELの5つのスキルを獲得するためのトレーニングで構成されています。(1) 自分を理解するスキル(self-awareness)(2) 自分をコントロールするスキル(self-management)(3) 他者を理解するスキル(social awareness)(4) 関係を築くスキル(relationship skills)(5) 責任を持って意思決定するスキル(responsible decision-making)この5つのスキルにより、子どもたちのポジティブな能力を掘り起こし、・集中力を高め、自信を持ってたくましく生活できる力の強化・自分の気持をうまく伝え、相手の気持ちを思いやる力の強化・感情をコントロールし、対人関係を円滑にする力の強化によって、結果、「生きる力」のベースアップが実現します。(2) SELを日本の子ども達のメンタル特性に合わせて開発SELは厖大な検証データを持つエビデンス・ベースのメソッドで、その信頼性の高さがアメリカを中心とした教育現場で採用される大きな理由になっています。みらいグロースは、このSELを日本の子ども達のメンタル特性に合わせて開発した初めてのオリジナルプログラムです。その上に、発達心理学や認知行動科学の分野で確かなエビデンスを持つマインドフルネスとアカデミックコンピテンシーを加えました。みらいグロースのトレーニングで、子ども達に、自分自身の能力をアンロック(解錠)することで能力のベースアップをはかることが期待できます。SELを中心にMFとACの3つのメソッドを融合(3) いままで不可能だったSELの「セルフ学習プログラム」を実現多くの子ども達にSELのトレーニングを提供したい…。でも、SELのトレーニングを受けるには専門家の指導が必要です。みらいグロースでは、このボトルネックを解消すべく、子どもたちが一人ひとりでセルフエクササイズできるようトレーニングをデジタル化、学習コンテンツ・行動プログラム・アセスメントを無理なく行えるように3つのメソッドを融合させました。(4) 大学教授による研究チームで開発 ~SELアセスメント構築を目指すプロジェクト~みらいグロースは専門家による研究会が主体となって開発されました。みらいグロース研究会は、本メソッドの企画・開発を契機に2019年9月に結成された研究組織です。SEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)研究の第一人者である渡辺弥生教授をリーダーとして設立されました。みらいグロースは日本の児童のSELアセスメント(調査研究)の構築を目指すプロジェクトでもあり、学習プログラム結果を収集し、子どもたちの統計的心理調査にも役立てていきます。【みらいグロース研究会】会長:明石 要一(千葉大学名誉教授・千葉敬愛短期大学学長)主査:渡辺 弥生(法政大学文学部教授)委員:青山 郁子(都留文科大学文学部教授)同 :杉本 希映(目白大学心理学部准教授)同 :原田 恵理子(東京情報大学総合情報学部教授)同 :押尾 恵吾(東京学芸大学次世代教育研究推進機構特任助教)同 :小高 佐友里(法政大学大学院ライフスキル教育研究所特任研究員)2.トレーニングの内容(1) 4つのレッスンのに中で、SEL、MF、ACを交互に繰り返すプログラムには4つのレッスンがあり、各レッスン内にはそれぞれ3つのトレーニングがあります。(1) 集中パワー(MF)(2)感情パワー(SEL)(3)考えるパワー(AC)これらが三位一体となって相乗効果をもたらします。4つのレッスンは自分のペースですすめることができます。レッスン構成(2)子どもの変化が見えて意欲が高まる評価レポートを共有受講の前と後に、学術的な調査のためのアセスメント(アンケート)を受けてもらいます。この記録は、専門家のチェックにより担当責任者にフィードバックされます。受講以前と以後の違いに基づき、必要に応じて専門家が効果的な助言を行います。レッスン内のアセスメント結果をもとにした評価レポート3.みらいグロースの仕様と使い方(1) パソコンやタブレットでトレーニング可能インターネットに接続したタブレットやパソコンのブラウザー操作でトレーニングが受けられます。特別なアプリのインストールや設定などは一切不要です。Windows、Mac、Chromeなど、どのOSでも利用が可能です。(2) タップやクリックなど、子どもたちが無理なく使えるシンプルな操作たとえば塾や教室で途中まで学んで、あとは自宅など「いつでもどこでも」学ぶことができます。(IDとパスワードは個別に発行します)(3) キャラクターがアニメーションでナビゲート役割を持った複数のキャラクターがナビゲートし、感情や気持ちを可視化します。勉強と違い、ゲーム感覚で楽しく体験できるプログラムです。今後、みらいグロースは順次プログラム数を増やしていき、対象年齢も幅広く対応していく予定です。【販売に関するお問い合わせ先】株式会社みらいグロース東京都渋谷区恵比寿南1-1-1 Humax Ebisuビル8階Mail: info@mirai-growth.jp URL : みらいグロースQRコード 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月23日『金スマ』(TBS系)社交ダンス企画で話題沸騰中の進藤学さん(俳優、エクササイズクリエイター、ダイエットインストラクター)が考案した魔法のボディメイク法が1冊の本になりました。大好評の『オチョダイエット』に続く最新エクササイズは、その名も『オノマトペダイエット』!『らくらく簡単!! 全身やせ&部分やせオノマトペダイエット』進藤学/双葉社『らくらく簡単!! 全身やせ&部分やせオノマトペダイエット』『オノマトペダイエット』って?? 分かりやすくまとめた動画はこちら!【オノマトペ】とは、「ギュー」「トントン」「ピチャピチャ」といった、擬音語・擬声語・擬態語を包括的に表す言葉です。【オノマトペ】を活用することで楽しみながら継続することができ、いつの間にか健美ボディに導いてくれるエクササイズ。それが『オノマトペダイエット』の魅力です。本書の5つのポイント!【1】魔法の言葉で瞬時に正しい動作をイメージ!!【2】イラストで分かりやすい!! また、各エクササイズには、お手本動画を見られるQRコード付き!【3】誰でも続けられる簡単メニュー!!【4】脚、胸、お腹周り、二の腕などポイントを絞ってエクササイズ!!【5】日常生活にも取り入れられる!!「皆さんと美ボディの架け橋になりたい」と語る進藤学さんのインタビュー動画を公開中です!<書籍概要>●書名:『らくらく簡単!! 全身やせ&部分やせオノマトペダイエット』●著者:進藤学●定価:本体1500円+税●発行元:双葉社[ ]{ }<著者プロフィール>進藤 学(しんどう がく)俳優・タレント・エクササイズクリエイターダイエットインストラクター・ボディメイクインストラクター1980年1月7日生まれ。東京都出身。立教大学法学部卒業。アルゼンチンタンゴダンサーとして活動したのち、2005年に俳優デビュー。“健美の伝道師”としても精力的に活動している。著書に『オチョダイエット 8の字が作りだす究極ボディ』、『オチョリズム 8の字で痩せるダンスエクササイズ』(いずれも双葉社)がある。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月08日