「自分の腎臓を1つ、父に使ってほしいと思って、父と一緒に主治医の先生に相談しました。でも、認められなくて……」大きな瞳をまっすぐに向けて、梅宮アンナさん(47)は、最愛の父について語り始めたーー。’19年12月12日に、慢性腎不全で亡くなった俳優の梅宮辰夫さん。享年81。’73年、36歳のときに睾丸がんにかかり、’16年には十二指腸乳頭部がん、’19年1月には腎盂・尿管がんなど、生涯6度ものがん手術を受け、80歳を超えてから、週3回、4時間にもおよぶ人工透析治療も行っていた。「父はもともと腎臓の片方が小さかったんです。それなのに元気なほうの腎臓に、がんができてしまって……。透析もつらそうだったし、『私の腎臓を』と考えたのですが、先生から『(辰夫さんは)がん体質なので、移植をしても半年しかもたないこともある』と」亡くなる前の4年間を寄り添いながら乗り越えてきた梅宮さん一家。しかし、温厚だった父は、病状が進むにつれ、言葉がキツくなっていく。「それまで父は、誰に対しても『いいよ~』と度量が大きく、相手に何かを強制するようなことはしなかった。むしろ相手に合わせて、自分のほうから変わろうとするような人でした。私たち家族にとっても優しい“スーパーマン”だったのです。でも、4年前に十二指腸と胃の半分を摘出してからは、体重が増えず、体がいつも冷たくて、手も氷のようでした。夏でもエアコンの設定温度を30度にしておかないと『寒い』というくらい。それで私が思わず『暑い』と言ってしまうと、『だったら帰れ!ここは俺ン家なんだから帰れ』とキレるんです。優しかった父の性格や言葉がどんどん変わっていく……その様子を見るのがつらかった。悲しくて、真鶴の両親の家から東京に帰る車の中で泣きました」それでも、「世の中には介護で、もっと大変な人もいる」と、自分に言い聞かせていたという。「亡くなる前日には、父は自分の“下のこと”も、わからなくなってしまいました。言葉が変化し、下の世話が必要になり、これからは認知症も入ってくるのだろうか。介護はただならぬものだなと思っていた矢先に、父は亡くなったのです。『元気じゃないのに長生きしてもしょうがない』『人に迷惑をかけてまで生きていたくない』と、生前よく言っていた父。尊厳死について書かれた本も読んでいて、私にも話してくれていました」だから、その日を迎える「覚悟と心の準備はできていた」と、アンナさん。葬儀は近親者のみの密葬形式で、約100人が参列して執り行われた。「女性自身」2020年3月10日号 掲載
2020年02月28日95歳でも元気だった母が、突然変わってしまった――。女優・松島トモ子さん(75)の母・志奈枝さん(99)は、ある日突然、認知症を発症。4歳でデビューしてからマネージャーとして24時間ともに過ごしてきた母子に、想定外の展開が降りかかった。一度は倒れて親子心中も考えたが、松島さんは、自宅で母の面倒を見る道を選んだ。壮絶な母子の老老介護の現場を語る。「母の親しいお友達を招いて、都内の中華料理店で95歳の誕生会を開いていました。でも、母の様子が明らかにおかしい。いつもは、好奇心旺盛な母が、人の話を聞こうともせずガツガツと料理を食べ続けていたんです。私は、母に合図を送るつもりでテーブルの下から母のヒザに手をやりました。そしたら、母が失禁していた。もうあのときは、頭が真っ白になってしまって。この場から、消えて無くなりたいとさえ思いました」いつもきれいでレディだった母が、180度変わってしまった。それが何よりも辛かったと、松島さんは語る。「母は、本当にずっと元気で、86歳で運転免許を自主返納するまで、私の歌の稽古や買い物など、車で送り迎えしてくれました。発症する直前に、親子で『徹子の部屋』に出演した時も、『私はトモ子の立派なお葬式を出してから死にます』なんて言ってね(笑)。完璧な母でした」だからこそ、“予兆”があっても気づかなかった。認知症を発症する少し前から、手首の怪我を守るギプスを繰り返し切ってしまうなど、母には異変があったのだ。それから今まで自宅介護を続けている松島さんだが、最初から腹をくくっていたわけではないという。「このままじゃ親子心中するしかないと思って、何度、施設に預けようとしたかわかりません。母は、私の姿が見えないと暴れだす。かといって、私がそばにいたらモノを投げつけて暴れる。お風呂に入れると、気持ちがいいのか、まもなくウンチがプカプカ浮いてくる。ときには、包丁を持ち出してきて『トモ子ちゃん、一緒に死にましょう!』。そんな母を受け入れられなくて、夜中、母が眠ったあと、お酒におぼれたこともありました」志奈枝さんが“レビー小体型認知症”と診断されたのは、発症から約半年後。最初に紹介された医師から、認知症専門医に替えたら、やっと診断がついた。これにより、要介護度1から4に上がった。「レビー小体型認知症の特徴は、幻視に苦しめられ、凶暴性を伴うこと。病名がわかって、正直ホッとしました。あぁ、母は病気だからこうなったんだ、と納得できた。信頼しているケアマネージャーさんからは、『親子共依存になっているから離れたほうがいい』と言われたこともあります。でも、なかなか決心がつかなかった」母にとっては、この家がいちばんだから――。母の介護をすることで、松島さん自身の“老い”に対する考えも変わったという。「娘バカなんですけど、95歳までの元気な母を見ていたときは、“老い”なんてちっとも恐ろしくなかったんですね。でも、とんでもないところを見せられちゃって。いやいや、生きるって、大変なんだな、って。でも、だからこそ、母と過ごすなんでもない平凡な一日が幸せ。私たちの親子関係は普通じゃないですよね。でも、“普通の家庭”なんてきっとないと思うんです。母と私は成功例とはいえないけど、まあこれもありだなと」今は、母の希望で母と一緒のベッドで眠ることもあるという松島さん。介護でみえた母娘の形を通し、最後にこう語った。「なにより、戦時中の幻覚を見ながら戦っている母の姿を見ていたら、こうやってずっと私を守り続けてくれたんだ、と思ってね。(介護で)少しは親孝行できてるんじゃないかって。父の元に母をお返しするその日まで一日でも長く、ニコニコしながら自宅で最後を迎えてもらうことが私の最大のミッションなんです」「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月24日「母の認知症の症状は、突然出たんです。だから最初の1年は、私自身、どう過ごしていたか、よく覚えていない。記憶が飛んでいるっていうかね、それほど混乱していましたね」女優・松島トモ子さん(74)は母・志奈枝さん(99)が突然、認知症を発症した日から始まった介護の日々を一気に振り返る。「母の親しいお友達を招いて、都内の中華料理店で95歳の誕生会を開いていました。でも、母の様子が明らかにおかしい。いつもは、好奇心旺盛な母が、人の話を聞こうともせずガツガツと料理を食べ続けていたんです。私は、母に合図を送るつもりでテーブルの下から母のヒザに手をやりました。そしたら、母が失禁していた。もうあのときは、頭が真っ白になってしまって」帰宅してからが地獄でした。ふだんから私とも敬語で話していた母が、罵詈雑言の嵐。『年寄りを虐待してアンタは楽しいのか!なんて言っては、周りのものを手当たり次第投げつけてくる。いつも綺麗でレディだった母が、180度変わってしまった。「真夜中になると、『トモ子に殺される!』と大声で叫びながら外に飛び出すんです。母は短距離の選手でしたから、徘徊というより、まるで“遁走”。速い、速い。とても追いつけません。だから私、夜は母の部屋の前に布団を敷いて、洋服を着たまま寝ていました」それでも、松島さんは自宅介護を続けた。そこには、ずっと松島さんを守り、4歳でデビューしてからもつきっきりでマネージャーを務めてくれた母への思いがあったからだという。松島さんは、45年に旧満州の奉天(現在の中国・瀋陽市)に生まれた。「奉天は、三井物産の商社マンだった父の赴任先でした。母も、三井物産の社員の娘で、幼い頃は香港のイギリス系女子校で学んだお嬢さま」そんな両親の元に生まれた松島さんは、なに不自由ない生活を送るはずだった。しかし、45年4月。父に召集令状が届く。松島さんが誕生する、わずか2カ月前のことだった。「父は、私が生まれるのを心待ちにして、戦地から何通も母にはがきを送っていたそうです。最後に届いたはがきには、〈待っていてくれ!必ず無事でいてくれ〉と書かれていました」父が出征してから3カ月後、日本は敗戦――。「ソ連が進駐してくるなか、母は生後1カ月の私を必死で守ったそうです。でも、待てど暮らせど父は帰ってこなかった。翌46年5月、突然決まった引き上げ。母は私を抱きかかえて、ぎゅうぎゅう詰めの屋根のない“無蓋列車”で奉天を出発。その後、引揚船で命からがら帰国しました。『赤ん坊を船に乗せたら死んでしまう。(中国に)置いていけ』と何度も言われたそうですが、母は、『この子を無事に連れて帰れたら、もう一生、自分自身の望みごとはしません』と神様に祈って、決心を変えなかった。同じ船で生き残った乳飲み子は、私を含め2人だけでした」その後、父はシベリアで亡くなったことが判明する。親子の長い旅路が始まった。それからも、松島さんと志奈枝さんは、常に一緒だった。「(認知症が)発症して1カ月後、とうとう私は慣れない介護の疲れとストレスで倒れてしまった。診断はストレス障害。体重も40キロから33キロになって。周りからは『共倒れになるから介護施設に入れたほうがいい』と言われました。でも母は昔、旧満州から幼い私を抱えて命がけで日本に戻ってきてくれた。それを思うと、今度は私が恩返しをする番じゃないかって。でも、何がいいかは、ご家庭で違います。施設に預けたほうがいいこともありますからね」大変な日々が続くからこそ、母と過ごすなんでもない平凡な1日が幸せ、と思うようになった、と語った松島さん。完璧な母親のまま亡くなっていたらきっと立ち直ることができなかった、と言葉を続けた。二人で暮らすことが、いつだって守ってくれた母への恩返しだ――。「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月24日95歳でも元気だった母が、突然変わってしまった――。女優・松島トモ子さん(75)の母・志奈枝さん(99)は、ある日突然、認知症を発症。4歳でデビューしてからマネージャーとして24時間ともに過ごしてきた母子に、想定外の展開が降りかかった。一度は倒れて親子心中も考えたが、松島さんは、自宅で母の面倒を見る道を選んだ。壮絶な母子の老老介護の現場の中で、支えになったのは仕事だった――。「母の親しいお友達を招いて、都内の中華料理店で95歳の誕生会を開いていました。でも、母の様子が明らかにおかしい。私は、母に合図を送るつもりでテーブルの下から母のヒザに手をやりました。そしたら、母が失禁していた。もうあのときは、頭が真っ白になってしまって。この場から、消えて無くなりたいとさえ思いました」母に病名がついたのは、発症から約半年後。レビー小体型認知症という、幻視に苦しめられ、凶暴性を伴う病気だった。それでも、自宅介護を選んだ松島さん。そこには、4歳で仕事を始めて以来築かれた母娘の絆があった――。「祖母は大反対でした。いまと違って、役者は堅気の人間がすることじゃない、という時代です」きっかけは、当時の時代劇スター・阪東妻三郎のスカウト。母・志奈枝さんは引き受けた。「今でもそうだけど、子供と一緒に行ける職場って少ないわよね。親子が離れずにできる仕事が子役だったから、母は引き受けたんです。常に人目があって、母と2人きりで話すらできませんでした。だから母は、私が中学生になったとき運転免許を取ってくれたんです。まだ女性ドライバーが珍しい時代でした。そうすれば、移動中のクルマは母と2人きりで話せますからね。車中は、母を独り占めできる応接室だったわね」高校を卒業する頃、松島さんは留学を決意。仕事と学校と家庭を行き来するだけの毎日に疑問を感じたからだという。渡米から2年半後、帰国した松島さんに、再び映画や舞台など、たくさんオファーが舞い込んだ。しかし、相変わらず“かわいいトモ子ちゃん”を要求される日々に、やりたい仕事とのギャップを感じてうつ病のようになってしまった。そんな中、活路を見出したのが、語学力を生かした海外レポーターの仕事だった。「ベトナム反戦運動家のキム・フックさん、元ソ連大統領のゴルバチョフさんなどインタビューさせていただいて。父も祖父も海外を飛び回っていた人ですから、母も私の活躍を喜んだみたいですよ」しかし、再び松島さんを大きなアクシデントが襲う。「(仕事で)ケニアに行ったんです。そうしたら、ライオンに襲い掛かられて。3日で退院したら、今度はヒョウに突然背後から襲われて。首の骨が“ガリッ”っというのが聞こえた時は、あぁもうだめだ、と……。ライオンに襲われた時は、日本で報道される前に母に伝えないと心配すると思ってね。母は取り乱したりせずに冷静に受け止めてくれましたね」あと一ミリずれていたら、半身不随になっていたかもしれない。そう医師から伝えられたこともあった。しかし今、松島さんは、仕事を辞めなくてよかったと語る。「介護は先が長いから、仕事を辞めたら逃げ場がなくなるわよ、とケアマネージャーさんに止められたんです。仕事で留守にする時は、ショートステイに母を預けて仕事を続けました。辞めなくて本当に良かった……」180度変わってしまった母に戸惑いながら、徘徊や排泄の世話をしていた松島さん。最近は、看取りについてもより深く考えるようになったという。「私、4歳からずっと、“役者は親の死に目に会えない”と聞かされてきたでしょ。いま、もし母の死に目に会えなかったらと考えると(仕事を)引き受けるのを迷いますね。完璧な母のまま亡くなっていたら、きっと私、立ち直ることができなかった。でも、これだけさんざんやられますとね。少しは親孝行できてるんじゃないかって」戦時中に亡くなった父の元に母を返す日まで、松島さんは、母と共にいることを決めていた。「女性自身」2020年3月3日号 掲載
2020年02月24日矢野孝子さん(72)は、大阪の中津エリアを中心に、11棟の高層マンションを所有する「北村」ほか、グループ会社5社の代表取締役社長を務めている。事業は全て順風満帆。会社の総資産は150億円余!さらには、一般財団法人「南蛮文化館」の館長で、宗教法人「穂積山心願院」院主、住宅型有料老人ホーム「シニアスタイル尼崎」のオーナーでもある。「人生を謳歌されているのでしょうね」という記者のぶしつけな問いに、大きな椅子に身を沈めた孝子さんは、小首をかしげて、独り言のようにこう答えた。「いくらお金があっても、幸せ、ちゃうねん。でも、不幸せともちゃうねん」孝子さんは、結婚経験がなく、子供なし――。29歳の時、子宮筋腫になり、子宮を全摘出している。今は、母たちと囲むささやかな夕食が楽しい。そう語った孝子さんの半生を辿ろう。孝子さんの旧姓は北村だ。北村家は、枯山水を配した千坪もの敷地に650坪の本宅と350坪の離れが並び立つ旧家だった。しかし、病気で子宮を全摘出したことで“北村家の跡を継ぐという使命は終わった”と、孝子さんは語る。そして、孝子さんの妹が無事に男の子を出産した頃のことだった。近所に所有していたプレハブに住んでいた、父方の伯母の体が弱ってきて、孝子さんが住み込みで世話をすることになったのだ。最初は、伯母もある程度は自分でできたが、やがて認知症を発症。「食べても『おなかがすいた、おなかがすいた』言うて。徘徊も始まりました。何ぼ鍵かけても、夜になると出て行く」その度に、着の身着のまま、伯母が行きそうなところに捜して夜道を走った。やがて昼も夜もなくなり、徘徊は休みなしに続いた。伯母の死に水をとったのは、94年。足かけ8年の介護だった。数年後、今度は、尼崎の旧家・矢野家に嫁いだ母方の伯母が寝たきりに。母に頼まれて、車で介護に通うことになった。伯母は極端な寂しがりやで、孝子さんが少しでも遅くなると、機嫌が悪い。1年365日、休まず通った。中津へ帰る頃には夜中だった。「おしめをしても『気持ち悪い』って、自分で外す。小はまだいいけど、大がね。ベッドの端に擦り付けたり、絨毯の上にしたり、もうところ選ばずですねん(苦笑)。話すと面白いけど、さっき掃除したばかりやのにって、泣きながら掃除するときもありました。それやのに、甥や姪たちがお見舞いに来ると、伯母は上手にしゃべって受け答えするんです。それで皆、『矢野のおばちゃん、認知症でも何でもないやん』と、私に言って帰るんですわ」介護しない人にはわからない苦労を、孝子さんは全部背負って、たった一人で耐えるしかなかった。介護が7年目に入ったある日、伯母が、いつになく引き締まった表情と口調で、孝子さんに言った。「矢野家にはもう私しかいいへん(いない)。財産は孝ちゃんに管理してもらいたいから、養女に来てくれへんか」養女になると、伯母の全財産を孝子さんが総取りすることになる。矢野家の親戚筋が黙っているはずもなく断っていたが、毎晩毎晩、口説かれた。北村孝子から矢野孝子になったのは07年。案の定、すったもんだの騒ぎになったが、孝子さんは言った。「尼崎に行くのが嫌になりましたが、母が『ご苦労さんやけど、また、行ったってくれる』言うんで。親戚の人があれこれ言うてきても、開き直って、もう、気にしませんでした。私は私のやることをやるだけやから」それからも孝子さんは、父が亡くなった後の事業の継承に奔走し波乱の人生を歩むことになる。常に、自分ではない誰かのために動いてきた。父のため、家族のために尽力して、今になってようやく自分らしいシングルライフを満喫している。「この人生でやり残したことは、ただ1つ。結婚して、子供を産みたかった」今の楽しみは、母と妹夫婦とともに食卓を囲むこと。それから自宅に戻って、一人静かに焼酎を飲む。それがいちばんゆったりできる時間なのだと、孝子さんは語った。「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月17日矢野孝子さん(72)は、大阪の中津エリアを中心に、11棟の高層マンションを所有する「北村」ほか、グループ会社5社の代表取締役社長を務めている。事業は全て順風満帆。会社の総資産は150億円余!さらには、一般財団法人「南蛮文化館」の館長で、宗教法人「穂積山心願院」院主、住宅型有料老人ホーム「シニアスタイル尼崎」のオーナーでもある。「人生を謳歌されているのでしょうね」という記者のぶしつけな問いに、大きな椅子に身を沈めた孝子さんは、小首をかしげて、独り言のようにこう答えた。「いくらお金があっても、幸せ、ちゃうねん。でも、不幸せともちゃうねん」孝子さんは、結婚経験がなく、子供なし――。29歳の時、子宮筋腫になり、子宮を全摘出している。今は、母たちと囲むささやかな夕食が楽しい。そう語った孝子さんの半生を辿ろう。孝子さんの旧姓は北村だ。北村家は、枯山水を配した千坪もの敷地に650坪の本宅と350坪の離れが並び立つ旧家だった。しかし、病気で子宮を全摘出したことで“北村家の跡を継ぐという使命は終わった”と、孝子さんは語る。そして、孝子さんの妹が無事に男の子を出産した頃のこと。今度は、伯母2人の介護をほとんど孝子さん1人で行うことに。認知症の伯母の徘徊に付き合いおしめを変え、頼み込まれて伯母の養女となり、矢野姓を名乗ることになった孝子さん。自分の時間を取れない日々が続いた。そのころ父親も、目に見えて、体が弱ってきていた。子供を産めなくなって、長らく息をひそめていた北村家の長女の矜持がここで再び、目を覚ます。「矢野家の財産相続でもめたおかげで、私には、父の事業と財産を守るという大切な仕事があるという思いが一層、強くなりました」父自身、両親の遺産を相続したときは、莫大な相続税が払えず、たくさんの土地を物納で支払った。そこで、孝子さんは何十億円もの借金をし、父の広大な土地に高層マンションを建てる決心をする。「そうすれば、父に、もしものことがあっても、借金分だけ相続税は安くなる。最難関は父の説得でした。父は借金も、高層マンションも大嫌いでしたから」1年がかりで父を説得し、ノーズヴィレッジ壱番館、弐番館が完成したのも07年。最初の会社「北村」を設立して、父が代表取締役に就任。中津の高層マンション王への第一歩を踏み出した。09年のクリスマスイブの朝、伯母のヘルパーから電話が入った。「矢野の奥さまが今朝、ベッドから落ちて亡くなっていました……」30代後半から、女盛りの20余年を2人の伯母の介護に費やして、彼女は61歳になっていた。その5ヶ月前には、父・芳郎さんも89歳で天に召された。「父が亡くなった時、文化館を閉めて、収蔵品を美術館へ寄付することも考えました。でも、父が道を作り、私の生きがいを作ってくれたおかげで今の私がある。そう気づいて、相続税を払って、父の遺志を守ることにしました。ここ(南蛮文化館)に来て、父のコレクションを眺めていると、手に入れたときの父の幸せそうな顔を思い出して、涙が出そうになるんですよ」孝子さんは常に、自分ではない誰かのために動いてきた。父のため、家族のために尽力して、今になってようやく自分らしいシングルライフを満喫している。「この人生でやり残したことは、ただ1つ。結婚して、子供を産みたかった」今の楽しみは、母と妹夫婦とともに食卓を囲むこと。それから自宅に戻って、一人静かに焼酎を飲む。それがいちばんゆったりできる時間なのだと、孝子さんは語った。「女性自身」2020年2月25日号 掲載
2020年02月17日口の中にあるのが当たり前だから、改めてその役割について考えることもあまりない唾液。じつはこの液体こそ、現在、そして将来の健康状態を示すバロメーターなのだ!「唾液は私たちの口の中の健康のためにさまざまな働きをしていますが、その成分は心身全体の健康維持にも欠かせない役割を果たしています。人間の体は唾液によって守られていると言っても過言ではありません」唾液の働きについて長年研究を重ねてきた神奈川歯科大学の槻木恵一先生はそう話す。唾液には体を菌から守る抗菌作用のほか、菌を洗い流す自浄作用、胃や腸を助ける消化作用など、さまざまな機能がある。これらの働きが、虫歯だけでなく、かぜやインフルエンザ、さらには動脈硬化、うつ病、そして認知症などの疾患の予防にもつながっているのだという。体を守る働きをする唾液の成分の筆頭株がIgA(免疫グロブリンA)だ。IgAは免疫力をアップしてウイルスの侵入を妨げるだけでなく、腸内環境を整えたり、歯周病菌の侵入を防ぐ機能もある。「近年、歯周病は糖尿病や動脈硬化、リウマチなどさまざまな病気と関係していることがわかってきましたが、アルツハイマー型認知症に影響を与えているとも考えられています。これは、歯周病菌が脳に入り込むことで、認知症の原因となるアミロイドβを増加させてしまうことによるものです」(槻木先生・以下同)唾液の働きは、これ以外の面でも認知症予防と深い関わりがあるという。「脳の老化を防ぐ働きをする唾液中の抗菌物質は主に2つあります。1つはラクトフェリン。これは母乳にも含まれる成分で、ラクトフェリンが脳に届くと、脳内の神経細胞が保護され、抗酸化作用をもたらします。もう1つはBDNFというタンパク質です。BDNFは脳の海馬にも多く存在していて、脳のストレス耐性を強化します。認知症を発症すると、BDNFの量は減少してしまいます」ここまでみてきたように、健康な体、そして脳の維持には、唾液の働きが欠かせない。槻木先生は唾液の“質と量”の重要性を強調する。「“質のよい”“十分な量”の唾液を分泌させる力を私は“唾液力”と呼んでいます。唾液力が高ければ、自浄作用、免疫力アップなどさまざまな働きが促され、全身の健康につながるのです」唾液力をアップするためには、まず唾液の分泌を促すこと。最も即効性があるのは3つの「唾液腺」のマッサージだ。【1】耳下腺マッサージ耳の下から少し前の位置に人さし指、中指、薬指を当て、そこを中心に円を描くように指を回す。強く押さず、ゆっくりと回すのがポイント。10回繰り返す。【2】顎下腺マッサージ両手で握りこぶしをつくり、左右の顎の下にはめ込むように当てる。首の方から顎の先に向かってこぶしを動かす。10回繰り返す。【3】舌下腺マッサージ親指を立てて、顎の下から舌の部分をやさしく押す。強く押すと痛みを伴うことがあるので注意。10回繰り返す。「唾液の分泌に関わる耳下腺、顎下腺、舌下腺をマッサージします。また、よく噛むことや舌の体操も口のまわりや頬の筋肉を鍛えることで唾液が出やすくなります」同時に、リラックスできる時間を意識的につくることも大切だ。「緊張状態が続くと、交感神経が優位になり、唾液の分泌量が減ってしまいます。緊張すると、口の中がカラカラになりますよね。逆に、ゆったりと入浴するなど、落ち着いたひとときは副交感神経を優位にして、唾液の分泌を促します」軽く汗をかくような運動やストレッチはリラックス作用があるだけでなく、脳への刺激にもなる。また、体を動かすことで脳内BDNFが増えるという。「唾液腺は活性酸素に弱いため、緑黄色野菜など、抗酸化作用のある食べ物を積極的に取ると唾液力アップにつながります。ほかに、毎食後の歯磨きのほか、緑茶でうがいをすることも口の中の抗菌作用を持続させるのに効果的です。いずれの対策も、一時的でなく続けることが何より大事です」継続的な“唾液力トレーニング”で、健康長寿をかなえよう!「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月11日「唾液は私たちの口の中の健康のためにさまざまな働きをしていますが、その成分は心身全体の健康維持にも欠かせない役割を果たしています。人間の体は唾液によって守られていると言っても過言ではありません」唾液の働きについて長年研究を重ねてきた神奈川歯科大学の槻木恵一先生はそう話す。唾液には体を菌から守る抗菌作用のほか、菌を洗い流す自浄作用、胃や腸を助ける消化作用など、さまざまな機能がある。これらの働きが、虫歯だけでなく、かぜやインフルエンザ、さらには動脈硬化、うつ病、そして認知症などの疾患の予防にもつながっているのだという。体を守る働きをする唾液の成分の筆頭株がIgA(免疫グロブリンA)だ。IgAは免疫力をアップしてウイルスの侵入を妨げるだけでなく、腸内環境を整えたり、歯周病菌の侵入を防ぐ機能もある。「近年、歯周病は糖尿病や動脈硬化、リウマチなどさまざまな病気と関係していることがわかってきましたが、アルツハイマー型認知症に影響を与えているとも考えられています。これは、歯周病菌が脳に入り込むことで、認知症の原因となるアミロイドβを増加させてしまうことによるものです」(槻木先生・以下同)唾液の働きは、これ以外の面でも認知症予防と深い関わりがあるという。「脳の老化を防ぐ働きをする唾液中の抗菌物質は主に2つあります。1つはラクトフェリン。これは母乳にも含まれる成分で、ラクトフェリンが脳に届くと、脳内の神経細胞が保護され、抗酸化作用をもたらします。もう1つはBDNFというタンパク質です。BDNFは脳の海馬にも多く存在していて、脳のストレス耐性を強化します。認知症を発症すると、BDNFの量は減少してしまいます」ここまでみてきたように、健康な体、そして脳の維持には、唾液の働きが欠かせない。槻木先生は唾液の“質と量”の重要性を強調する。「“質のよい”“十分な量”の唾液を分泌させる力を私は“唾液力”と呼んでいます。唾液力が高ければ、自浄作用、免疫力アップなどさまざまな働きが促され、全身の健康につながるのです」理想は口の中がサラサラした唾液でいつも潤っていること。逆に、口の中が乾きがちだったり、唾液がネバネバしている人の口腔内は、細菌が繁殖しやすい環境のため注意が必要だ。次のチェックリストで自分の「唾液力」を確認してみよう。【唾液の「量」をチェック】3個以上あてはまったら要注意!□500mlのペットボトル飲料を1日に3本以上飲んでいる□食事のとき、食べものをみそ汁やお茶などで流し込んでいる□口の中にネバつき、カサつきがある□気が付くと口で呼吸をしている□口内炎ができやすい□歯磨きをしているのに虫歯が多い【唾液の「質」をチェック】4個以上あてはまったら要注意!□朝食を抜くことがある□ヨーグルトなど発酵食品をあまり食べない□野菜(いも類)をほとんど食べない□冷たいものをよく食べたり飲んだりする□どちらかというと早食いだ□脂っこい食事が好き□外出するより家にいることが多い□運動をほとんどしない□便秘や下痢を起こしがちだ「量」の項目に多くあてはまる人は口の中が乾いている恐れがあり、「質」の項目にチェックが多い人は、腸内環境の悪化や精神的な影響から唾液の機能が低下していることが考えられる。あてはまった項目を改善することが唾液力アップの第1歩だ。「女性は、歯周菌が増え始める35歳ごろ、また更年期を迎えるあたりから特に唾液力を意識したほうがよいでしょう。唾液は女性ホルモンとも関係が深く、更年期にさしかかると、唾液の分泌量が減ってしまいがちだからです」「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月11日「腸内環境を整えることは、美と健康を手に入れるうえでの、基本中の基本。そのために、大さじ1杯の味噌を、日々のレシピに加えてみてください。毎日味噌を食べることが、あなたの体を内側から変えていくはずですよ」こう語るのは、予防内科医で、料理家でもある“ドクターシェフ”こと、関由佳さん。日々たくさんの患者と向き合うなかで、現代人は腸内環境の悪化により、消化力が低下していることに気づいたと話す。「消化力が落ちると、食べたものを正しく消化・吸収・代謝できなくなり、栄養不足になってしまう。そうなると食べ物が未消化のまま体の中にたまり、毒素となるのです。この毒素が、さまざまな病気を引き起こします。つまり、栄養素を正しく消化・吸収できる体をつくれば病気は予防・治療できる、と考えました」関さん自身も、15歳から慢性的な生理不順や立ちくらみ、そして下痢や便秘といった腸の炎症に、長い間悩み続けていた。日々の診療で得た気づきと、自身の悩みを踏まえて、病気と食の関係や栄養学について本格的に勉強するようになったという。「’13年、調理技術と栄養学を学ぶために、ニューヨークの料理専門学校に留学しました。そこで、味噌のすばらしさに気づいたのです」関さんは、「味噌は最高のスーパーフード」と断言する。その根拠は何なのだろうかーー。「生命の維持には、必須アミノ酸とビタミン、ミネラルが欠かせません。味噌はこれらすべてを含んでいるだけでなく、腸内環境を改善させる乳酸菌や食物繊維も豊富。さらに、発酵という段階を経ることで、『メラノイジン』という、老化を抑制する抗酸化物質を生み出すのです」味噌の持つさまざまな栄養に気づいた関さんは、食事に味噌を取り入れるように。それ以来、腸の炎症などの悩みは解消し、“薬いらず”の体になったという。ニューヨークの料理学校の卒業資格を取得し、現地のミシュラン星付きレストランなどでも修行した経験がある関さん。現在は、メディカルフード料理研究家としても活躍している。その関さんが今回、本誌においしくて簡単な「腸活」味噌レシピを教えてくれた。■最強の美腸&美肌レシピ「味噌ワカモレ」味噌に含まれる「メラノイジン」は美白をつくる成分。“若返りビタミン”ともいわれるアボカドのビタミンEとの相乗効果が!【材料】2人分アボカド…1個味噌…小さじ1と1/2レモン汁…小さじ2赤玉ねぎ(みじん切り)…大さじ1パクチー(みじん切り)…大さじ1コーン、チリパウダー…少々【作り方】(1)赤玉ねぎとパクチーのみじん切りをよく混ぜる。(2)アボカドを潰しながら加え、味噌、レモン汁を加えてさらに混ぜる。(3)お好みでコーンとチリパウダーをトッピング。■簡単に作れるアンチエイジング食「味噌パチョ(ガスパチョ)」「メラノイジン」とトマトの「リコピン」で抗酸化・アンチエイジングを狙った一品。【材料】2人分トマト…中1個黄パプリカ…1/4個きゅうり… 1/2本にんにく…小1/4片八丁味噌…小さじ1オリーブオイル…小さじ1水… 50ml【作り方】すべてミキサーに入れて滑らかになるまでまぜる。にんにくは辛いときがあるので量は好みで調節する。「腸内環境の改善は、がんや脳卒中、そして糖尿病といった生活習慣病を予防できることが明らかになっています。最近ではうつ病や認知症といった病気も腸が関係していることもわかっています。その点、味噌は“腸活”において、とても優れた食品なのです」(関さん)「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月11日食卓に並ぶ1杯の味噌汁。なんとなく、飲んでいる人も多いかもしれないけれど、実はこの『味噌』は、美と健康のために必要な成分を、た〜っぷり含んだ食品なんです!「腸内環境を整えることは、美と健康を手に入れるうえでの、基本中の基本。そのために、大さじ1杯の味噌を、日々のレシピに加えてみてください。毎日味噌を食べることが、あなたの体を内側から変えていくはずですよ」こう語るのは、予防内科医で、料理家でもある“ドクターシェフ”こと、関由佳さん。日々たくさんの患者と向き合うなかで、現代人は腸内環境の悪化により、消化力が低下していることに気づいたと話す。「消化力が落ちると、食べたものを正しく消化・吸収・代謝できなくなり、栄養不足になってしまう。そうなると食べ物が未消化のまま体の中にたまり、毒素となるのです。この毒素が、さまざまな病気を引き起こします。つまり、栄養素を正しく消化・吸収できる体をつくれば病気は予防・治療できる、と考えました」関さん自身も、15歳から慢性的な生理不順や立ちくらみ、そして下痢や便秘といった腸の炎症に、長い間悩み続けていた。日々の診療で得た気づきと、自身の悩みを踏まえて、病気と食の関係や栄養学について本格的に勉強するようになったという。「’13年、調理技術と栄養学を学ぶために、ニューヨークの料理専門学校に留学しました。そこで、味噌のすばらしさに気づいたのです」関さんは、「味噌は最高のスーパーフード」と断言する。その根拠は何なのだろうかーー。「生命の維持には、必須アミノ酸とビタミン、ミネラルが欠かせません。味噌はこれらすべてを含んでいるだけでなく、腸内環境を改善させる乳酸菌や食物繊維も豊富。さらに、発酵という段階を経ることで、『メラノイジン』という、老化を抑制する抗酸化物質を生み出すのです」味噌の持つさまざまな栄養に気づいた関さんは、食事に味噌を取り入れるように。それ以来、腸の炎症などの悩みは解消し、“薬いらず”の体になったという。「腸内環境の改善は、がんや脳卒中、そして糖尿病といった生活習慣病を予防できることが明らかになっています。最近ではうつ病や認知症といった病気も腸が関係していることもわかっています。その点、味噌は“腸活”において、とても優れた食品なのです」だが、味噌は塩分量が多いのでは?という疑問が。とくに高血圧の人は気になるところ。「実を言うと、味噌は、同じ量の醤油と比べると、塩分量は少ないのです。だから私は、料理をする際に塩は使わず、風味もたっぷりある味噌を調味料として利用しています。むしろ、味噌には血圧を下げる作用を持つ物質があることも、研究で明らかになってます」ちなみに、厚生労働省が指針としている1日当たりの塩分量は8グラム。カップラーメン1杯の塩分量は約6グラムに対し、味噌汁1杯の塩分量は1.2〜1.5グラム。日常に取り入れるうえで、問題はない。「味噌を選ぶうえでオススメなのは、味噌専門店で、大豆、塩、麹だけで造られた長期熟成の味噌。スーパーなどで購入する場合は、パッケージに『天然醸造』『長期熟成』と書いてあるものを選ぶのがよいと思います」「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月11日意識を失ってお倒れになった上皇陛下は、迅速な対処により大事には至らず。しかし、献身的なサポートを続ける美智子さまには知られざる苦悩があった――。「上皇陛下は29日の午後6時半ごろ、お住まいの皇居・吹上仙洞御所内で意識を失って倒れられました。そばにいた美智子さまが上皇陛下のお体を支え、すぐさま非常ブザーを押されました」(皇室担当記者)幸いなことに、駆けつけた侍医による診察が始まると、まもなく上皇陛下は意識を回復された。30日の朝にはいつもどおり朝食もとられたという。「お住まいの吹上仙洞御所には非常ブザーが整備され、侍医も泊まり込みで待機しています。それでも美智子さまは緊急の事態に備えて、できるかぎり上皇陛下のおそばから離れないようにと、心がけていらっしゃるのです。今回のような突然の症状に対処するためだけではありません。実は上皇陛下が以前から、ご自身の記憶力への不安を吐露されているのです」(宮内庁関係者)上皇陛下は’15年の会見で《私はこの誕生日で82になります。年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました》と話されている。また、上皇陛下の母君である香淳皇后の晩年について、当時を知る元宮内庁幹部は「今で言う認知症の症状が現れていた」と証言している。前出の宮内庁関係者も、心配そうに話す。「上皇陛下がご退位を決断された背景には、晩年の香淳皇后の健康問題もあったといいます。ご在位中は、上皇ご夫妻はご公務で日本全国へお出かけになり、人とお会いになる機会がたくさんありました。しかしご退位後は“二重権威”との批判を避けるため、お出ましの回数は激減しています。つまり刺激が減り、認知症のリスクが高まる状況にあるのです。さらに上皇ご夫妻は、3月末までに高輪皇族邸へお引っ越しする予定となっています。その約1年後には、赤坂御所へもう一度お引っ越しされます。生活環境の大きな変化に上皇陛下が過ごしにくさや不安を感じられなければいいのですが……」美智子さまのご体調も決して万全とはいえない。「昨年、上皇后さまは白内障と乳がんの手術を受けられました。そして昨年9月ごろから、血の混じった嘔吐の症状がありました。上皇后さまは、上皇ご夫妻の存在が“二重権威”であるとのいわれなき批判に、お心を痛めていらっしゃいます。また、御代替わり後に増加していったネット上のバッシングにもショックをお受けだと思います」(美智子さまの知人)上皇ご夫妻のお引っ越しは当初、昨年の夏から秋の初めに行われる予定だった。しかし、美智子さまの手術が重なったこともあり延期に。現在も荷物の整理は終わっていない。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんはこう話す。「お引っ越しの費用は今年度予算に計上されていますので、今年3月末までに実施する必要があります。今回、幸いにも大事には至りませんでしたので、予定どおり3月末までに引っ越されるだろうと思います」ただ、実は美智子さまは今年、ライフワークともいえる催しへのご出席を断念されている。2年に1度、2月上旬ごろに開催される「旭出学園工芸展」では、知的障害のある生徒らが作った作品が展示・販売される。「障害者福祉に長年関心を寄せてこられた美智子さまは、’76年から40年以上にわたり、この工芸展に足を運ばれていました。しかし、今年はお引っ越しの準備でご多忙でしたし、上皇陛下をお一人にして外出されるお気持ちにはならなかったのでしょう」(前出・皇室担当記者)楽しみにされていたお出かけの予定も取りやめられていた――。前出の宮内庁関係者は、そんな美智子さまのご体調を危惧しているという。「美智子さまも昨年10月に85歳になられました。お引っ越しの準備を進めながら、24時間気を抜かずに上皇陛下をお支えなさる状況は、美智子さまにとって、もはや限界に近いのではないでしょうか。お引っ越しの中止も、真剣に検討しなければならない状況ではないかと思います」(前出・宮内庁関係者)上皇后となられてからも、ご自身の義務を果たそうと奔走される美智子さま。これ以上、ご無理をなさらないでいただきたい――。そう願うばかりだ。「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月07日「太陽光に含まれる紫外線は、特に女性にとって大敵と思われがちですが、最近の研究では私たちの肌や体を健康にしてくれるありがたい存在であることがわかってきたのです」乳腺専門医で、アンチエイジング医療に詳しい南雲吉則先生はそう話す。紫外線といえば、美容や健康によくないイメージがつきまとうものだけれど……。「私たちの体が紫外線を浴びると、肌の表面でビタミンDがつくられます。骨を丈夫にするために日光浴が効果的なのは有名ですが、それ以外にも、ビタミンDの作用によって、多くのメリットを得ることができます。がん、うつ、認知症、ぜんそく・花粉症などのアレルギー症状、さらには心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化など、日本でも問題となっている疾患の多くを防ぐのに紫外線は有効なのです」(南雲先生・以下同)この発見は’14年に権威ある学会誌上で発表された、ビタミンDと死亡率に関する2つの論文がきっかけだったという。「1つは『紫外線を浴びる量が不足している人はビタミンDが足りずにがんによる死亡率が1.7倍になる』というもの、もう一方は、『紫外線を浴びることによってビタミンDが十分に足りている人はがん死亡率が0.58倍に減少する』という論文でした。この2つは、そのアプローチも、研究者も場所もまったく異なるものでした。それにもかかわらず、2つの論文が示すことが合致していたのです。このようなことは非常にまれで、『これはすごい!』と思ったのです」南雲先生が驚いたのは、論文が実証していたビタミンDの働きが、「ステロイドホルモン」と同様だったこと。ステロイドはがんやアレルギー疾患、自己免疫疾患などさまざまな疾患の治療薬として使われている。この構造が、ビタミンDとそっくりなのだという。とはいえ、やはり紫外線といえば念入りにカットするもの、というのが多くの人が認識しているところだ。南雲先生が次のように解説する。「シミやシワの原因になると考えられている紫外線には、UV-A(A波)とUV-B(B波)があります。A波は肌に当たることで、消毒作用が働いたり、ハリも与えてくれます。一方、B波は浴びすぎると皮膚表面にやけどのような状態を起こします。ところが、B波はほとんど地上に届くことはないのです。暑い季節の一定の時間帯を除けば、私たちが浴びるのは紫外線のうち体によいA波なのです」私たちはほとんど届いていないB波を恐れるあまり、健康効果のあるA波までシャットアウトして、そのメリットをふいにしてしまっているのだ。紫外線対策のやりすぎは、ほかにも弊害があるという。「日焼け止めクリームやそれを落とすクレンジング剤に含まれる成分、さらに皮膚をこすったりすることも、シミの原因につながります。過度な紫外線対策をすることが、結果的に肌へのダメージをつくり出してしまうことにもなりかねないのです」「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月05日皮膚がんリスクを高める、肌にシミができるなど、何かとネガティブなイメージがある紫外線。でもちょっと待って!そこにはさまざまな病気を遠ざけ、若さを保つうれしい効果が盛りだくさんなのです。「太陽光に含まれる紫外線は、特に女性にとって大敵と思われがちですが、最近の研究では私たちの肌や体を健康にしてくれるありがたい存在であることがわかってきたのです」乳腺専門医で、アンチエイジング医療に詳しい南雲吉則先生はそう話す。紫外線といえば、美容や健康によくないイメージがつきまとうものだけれど……。「私たちの体が紫外線を浴びると、肌の表面でビタミンDがつくられます。骨を丈夫にするために日光浴が効果的なのは有名ですが、それ以外にも、ビタミンDの作用によって、多くのメリットを得ることができます。がん、うつ、認知症、ぜんそく・花粉症などのアレルギー症状、さらには心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化など、日本でも問題となっている疾患の多くを防ぐのに紫外線は有効なのです」(南雲先生・以下同)とはいえ、やはり紫外線といえば念入りにカットするもの、というのが多くの人が認識しているところだ。南雲先生が次のように解説する。「シミやシワの原因になると考えられている紫外線には、UV-A(A波)とUV-B(B波)があります。A波は肌に当たることで、消毒作用が働いたり、ハリも与えてくれます。一方、B波は浴びすぎると皮膚表面にやけどのような状態を起こします。ところが、B波はほとんど地上に届くことはないのです。暑い季節の一定の時間帯を除けば、私たちが浴びるのは紫外線のうち体によいA波なのです」南雲先生がクリニックの乳がん患者の血中ビタミンD量を計測したところ、紫外線のメリットをいっそう実感したという。「98%の人が、血中のビタミンD量が20(単位はng/ml)以下の『欠乏状態』でした。それ以降、私は患者さんに日光浴を推奨し、冬の間はタンニングマシンに入ってもらうようにしました。すると、術後の回復が明らかによくなっていったのです。ビタミンDは免疫力を高めることで、がんをはじめ、さまざまな病気を予防してくれます。健康体でいるためには、紫外線は積極的に浴びたほうがいいのです」免疫力のほかにも、脳神経の活性化、血管の修復、糖代謝を活発にする作用などによって、うつや認知症、動脈硬化、糖尿病などの予防効果が得られるという。紫外線が、単にがんを招く元凶という考えは、大きな誤解なのだ。注意したいのは、紫外線は窓越しでは十分に私たちの体に届かない。直射日光を浴びることが大切だという。冬の間は日差しが弱く、衣類も着こんでいるため、皮膚に届く紫外線が圧倒的に不足する。そこは、日光を吸収した乾燥きのこ類(きくらげなど)やレバーなど、ビタミンDを多く含む食品で補うことを南雲先生はすすめているそうだ。「今は乳がんの発生率は30代から増加傾向にあります。30代以上の女性にはぜひ、夏の10〜14時を除いた時間帯にできるだけ肌を日光にあてることをおすすめします。目安として1日30分程度が望ましいでしょう」シミ、シワを過度に気にせず、紫外線を味方につけて健康な体を維持していこう!「女性自身」2020年2月11日号 掲載
2020年02月05日年々、教育界における注目度が上がっている「非認知能力」。読者のみなさんも、何度となく見聞きしているでしょう。しかし、研究者によって非認知能力に対する見解はさまざま。今回は、幼稚園教諭の経験もあり、著書『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)で注目を集める、玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友先生に非認知能力に対する見解を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)非認知能力だけが重要ではないことに要注意「認知能力」とは、読み書きや計算のようにテストなどで測ることができる、いわば目に見える力のことです。それに対して、「非認知能力」は、「非認知」というだけにテストなどでは測りにくい、目に見えづらい力といえます。それに含まれるものは本当にさまざまですが、社会性や情動性、意志力、自己肯定感、なにかをやり抜く忍耐力、コミュニケーション能力、他者に対する思いやり、自分をコントロールする自己制御など、主に「心」や「社会性」にまつわる力です。非認知能力が注目されるようになった大きなきっかけは、アメリカの経済学者であるジェームズ・ヘックマンが行った子どもたちの追跡調査でした。その追跡調査の結果、幼児期に質の高い教育を受けた子どもとそうではない子どもでは、大人になってからの経済力などに大きな差が生まれたことがわかったのです。そして、大人になって経済力や社会的地位が高くなった人は、幼児期に非認知能力を高めるような教育を受けていた。ただ、誤解してはならないのは、「非認知能力が重要」だからといって「認知能力が重要ではない」というわけではないこと。そのどちらも大切な力ですから、しっかり伸ばしてあげるべきでしょう。時代の変化によって、非認知能力を獲得する機会が激減また、非認知能力が注目を集めることとなった背景には、先のヘックマンの研究の他に、時代の変化が挙げられます。本来、非認知能力とはなにか特別なものなどではなく、むかしであれば子どもの普段の遊びやあたりまえの子育てのなかで勝手に育っていたものです。かつての子どもたちは、豊かな自然のなかで元気にたくさん遊び、異年齢の子どもたち、あるいは異世代の大人とも触れ合う機会が数多くあり、多様で具体的な体験を通した経験を積み重ねていました。すると、遊びのなかでうまくいかないことがあっても、熱中して続けるうちにうまくいくといった経験を通じて、困難を乗り越えるために必要な意志力や忍耐力、やり抜く力を獲得することができた。また、他人とかかわるなかで人間関係の問題にぶつかったら、なんとか折り合いをつけるようなコミュニケーション能力や思いやり、自己制御といった力を得ることもできました。そのようにして、非認知能力を自然に獲得していたわけです。ですから、これまでは非認知能力が特段にフォーカスされることがなかっただけのことです。でも、むかしとは時代が大きく変化していますよね。まず、習い事などに忙しいいまの子どもは、単純に遊ぶ時間自体が減っています。そのため、遊びを通じて非認知能力を得る機会が激減している。また、いまの親は子どもになるべく喧嘩をさせないようにしています。本来なら、子ども同士でおもちゃを取り合うようないざこざは、社会性を身につける絶好の機会です。いざこざのなかで、子どもは自分の気持ちを相手にぶつけてその反応を見たり、相手に譲ったりといった経験を通じて成長していくのですからね。ところが、いまは親のクレームを恐れ、幼稚園や保育所でも子どもの喧嘩をなるべく未然に防ぐようにしてしまっている。これでは、なかなか子どもの社会性は育ちません。重要となる、子どもの興味関心に親がつき合う姿勢わたしは、2019年に妻との共著で『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)という本を出版しました。じつはこの本は、「こういう時代であっても、多くの親たちが何気なくやっていることが大事」というメッセージを込めたものでもあるのです。先にお伝えしたように、非認知能力は特別なものではありません。非認知能力というたいそうな名前がついているがために、特別なことをしなければ育たないと考える人もいるかもしれませんが、そうではないのです。では、なにをすればいいのか?それは、大人からしっかりと受け止められる経験を子どもにさせること、そして、子どもの興味関心を大人が大切にするということです。非認知能力の多くは、「主体性」にかかわるものです。人間は、好きなことに対してであれば、主体的に取り組むことができます。みなさんも、大好きなアーティストのコンサートチケットを手に入れるためなら、多少の困難があっても手に入れようと頑張るでしょう?それは、見方を変えれば、困難を乗り越える力を発揮しているともいえます。子どもだって同様です。親子で散歩に出かけたときに、子どもが落ち葉のことが気になって拾いはじめたら、一緒に拾ってあげればいい。家のなかで何度もソファに昇り降りする遊びを面白がっているのなら、「ソファがへたっちゃうでしょ!」なんて叱らずに遊ばせてあげればいい。そういう親の姿勢が、子どもの非認知能力を育てていくのです。また、子どもの興味関心は、子どもに非認知能力が育っているかどうかのひとつの目安にもなります。非認知能力はそもそも測ることが難しい力ですから、本来、「これができていれば非認知能力が育っている」といった明確な基準はありません。ただ、非認知能力の多くは、先に述べたように興味関心、主体性から生まれてくるもの。ですから、子どもが目を輝かせて強い興味を示すような世界を持っているようなら、ひとまずは安心していいでしょう。■ 玉川大学教育学部教授・大豆生田啓友先生 インタビュー一覧第1回:非認知能力は育っているか?子どもが「目をキラキラさせる世界」があれば安心です第2回:かわいい子には“いたずら”をさせよ!?「自由に遊んでいいよ」で子どもは学ぶ(※近日公開)第3回:親が先回りしたら「自己決定力」は育たない。幼くても決断力を伸ばせる声かけのコツ(※近日公開)第4回:イヤイヤ期に「悩まない、苦しまない」。子育ては“ほどほど”がちょうどいい(※近日公開)『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』大豆生田啓友・大豆生田千夏 著/講談社(2019)【プロフィール】大豆生田啓友(おおまめうだ・ひろとも)玉川大学教育学部教授。青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て、現職。専門は乳幼児教育学・保育学で、現在、日本保育学会副会長。メディア出演も数多い。著書は、『子育てを元気にする絵本』(エイデル研究所)、『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0~5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)、『日本が誇る!ていねいな保育 0・1・2歳児のクラスの現場から』(小学館)、『マンガでわかる! 保育っていいね』(ひかりのくに)、『子どもの姿ベースの指導計画』(フレーベル館)、『あそびから生まれる動的環境デザイン』(学研みらい)、『21世紀型保育の探求-倉橋惣三を旅する』(フレーベル館)、『子育てを元気にすることば』(エイデル研究所)他、多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月30日今回は老後破綻という事をテーマに解説していきます。メディア等でたまに聞く言葉で、高齢者による破産が増えていっていますが、どんな実態なんでしょう。もし自分が老後を迎えた時に貧困な生活を送っている事は考えたくないですが、今頑張っておかなければ、家賃や生活費が払えないかもしれません。今の話題を自分に置き換えてみて考えて頂きたいテーマです。年金生活者の実態は?内閣府発表の資料ですが、調査は総務省が行っています。60歳以上の貯蓄の割合をグラフにしたもので、平均額は2,396万円となっているようです。4,000万円以上の貯蓄を持っている割合も高く、資料を拝見すると老後破産ってあり得るのか?と疑ってしまいますね。十分な老後資金があっても破産する事は考えられるここまでは必要な平均的な支出、収入、貯蓄に関して解説してきました。現在の高齢者の実態がイメージできたのではないかと思います。先程の解説にもありましたが、4,000万円以上もの資産を保有している割合は非常に高く、返って余裕のある生活が出来ると考えられますよね。しかし、実際に老後破綻する方の中には高額な資産を持っている方も含まれていたりします。次にその事例をご紹介していきたいと思います。[adsense_middle]現実に起こった実例:Aさんの話ここからは実際に起きた事例を元にお話しします。もしも皆さんがこの方達の立場だったらどうしますか?読みながら考えてみてください。Aさんは大手の会社に勤続し、60歳で定年を迎えました。退職金も1,000万円ほどあり、子供もみんな結婚し巣立っていきました。定年後にご夫婦で生活をするにあたって、新居を現金で購入する事にしました。立地は良く、スーパーや病院も近いので年を重ねても問題無いと判断したようです。程なくして、Aさんの奥さんが認知症を発症し、自宅での介護が始まりました。しかし、一人で介護するとなると大変です。そこで、老人ホームを検討しましたが、費用の安い施設は順番待ちの状態となっており、いつ入所できるか分かりません。同時にAさんも通院が必要な病気になり、待つことに限界が近づいてきました。子供に相談しようにも他県へ移っており、孫も小学校、中学校と転校したくない様子。家族の支援を諦め、高額な介護付きマンションへの入居を決断しました。入居するにあたり一時金で2,000万以上の費用負担が発生。これまで住んでいたマンションを売却するも思っていた以上に低い価格で売れ、蓄えと合算して何とか入居する事ができましたが、この時点で貯蓄は底をつきました。奥様の体調は日々進行する一方で、生活にかかる費用だけでも月に20万円ほどかかると。とくにおむつ代等消耗品費がかさみ、予想していた資金繰りがうまくいかない事に気づきました。この段階で誰かに相談でもしていれば良かったのですが、子供を頼れないAさんは遂に消費者金融から軽い気持ちでお金を借りる事になります。気づけば借り続け借金は膨れ、返済出来ずに破産宣告といった事例です。破産の原因破産するまでの経緯ですが、少し辛口な解説になります。これまでの生活が続くと思い込んで、60歳以降の健康不良を考えて無かった点は少々甘い様に思います。確かに結果論ですので、仕方ないと思う事もあるでしょう。しかし、お金が手元に多く残っているとこれ位大丈夫だろうと、つい自分に甘くなるのが人間です。想定が甘くなった原因でもあります。子供などの近親者を頼る事が出来なかった事も原因の一つでしょう。現在は核家族化が進み、老々介護という言葉があるくらいです。そして最後にキャッシングをしてしまった事です。私もかつては金融機関に勤務していました。その時に借りる方を数多く見てきました。一度借りると、10万円でも返済は大変なんです。そして借りる癖がついてしまい、「借りれば凌げる」という思考になってきます。この思考って物凄く大変で、我慢する事などで抑制しますが、脳内の事ですので、ついつい甘くなってしまうんです。その結果借金が膨らみ返済不能に陥ってしまったという事です。現実に起こった実例:Bさんの話Bさんは自営業を継ぐ2代目として家業を切り盛りしていました。次に継ぐ方もいない為、自分の代で終わるだろうと考えていました。また自宅も代々住んできた自宅で、ご両親と同居していましたが、ご両親は他界。お墓などを守る事で供養を続ける律儀な性格のBさんです。子供も巣立ちましたが、ある日、子供が離婚し帰省する事に。子供は親権も相手方に取られ、住宅なども渡す格好で帰ってくる事になりました。子供も離婚がショックなのかふさぎ込んでしまい、結果引きこもりの生活を送る事になりました。こうなると子供の生活費の面倒まで見なければなりません。しかし、高齢のBさんは体に異変を感じており、商売をそろそろ辞めようと考えていた矢先の事です。遂にBさんの体も限界に達し、入院する事になりました。幸いにして命に別状はありませんが、もう仕事が出来る体ではありません。これまで自営業としてやってきたので、国民年金だけでの生活になり、日々の生活費は限られ、節約に節約を重ねる日々になったそうです。住宅も傷んでおり、改修も出来ず、子供の復調の様子も無く、毎日が辛い日々になったそうです。Bさんの原因Bさんの場合蓄えを十分に出来なかった事、子供の帰省が重なってしまった事が原因です。商売という事ですので、退職時期は自分で決められます。しかし、体調を崩してしまったので、収入源である商売は行う事が出来ず、という事が原因でしょう。この時、キャッシングにまでは手を出す事はありませんでしたが、固定資産税の支払い、お墓の維持費等の負担がかさんでいたそうです。加えて医療費等も発生するので、一気に目の前が暗くなったと仰っていました。AさんBさんとお二人の事例をお話しましたが、皆さんならどうしますか?とはいえ、事が起きてからの対策と事が起きる前の対策とでは違ってきますね。老後破綻しないための対策は?では老後破産しない為に何をするべきなのか解説します。対策のお話をする前に、こんな方が破産し易いですという解説を挟みます。[adsense_middle]破産しやすい方は次の様な方どんぶり勘定な方借り癖のある方健康に気を付けていない方貯蓄出来ない方物事を自分で解決しようとする方上記のような方は老後破綻し易いかもしれませんので注意しておきましょう。それぞれの理由を解説しますと、どんぶり勘定は論外でしょう。沢山お金を持っている場合は勘定が緩くなってしまうので、シビアになるべきです。借金などの借り癖のある方は癖を治すのは非常に大変です。健康に気を付けていない方も注意が必要です。病気は選ぶ事は出来ません。そして、いつどんな病気になるか分かりません。風邪の様に2~3日で治れば良いですが、毎日、毎月の通院が必要な病気であれば医療費が膨れるでしょう。予防出来る事はしっかりと予防したいですね。貯蓄できていない方はまず家計から見直しましょう。無駄な費用を削りしっかりと貯蓄出来る体力を作る事が先決です。最後に物事を自分で解決しようとする方は、誰にも相談できない性格かもしれません。相談する事で解決出来る事だって沢山ありますので、抱え込まない様にしてもらいたいです。老後への対策最後に老後への対策となりますが、やはりお金を準備する事が大きな要素である事は間違いありません。お金には魔力もあり、魅力もあります。使う人によってはいい方向へ向かったり、最悪な結果を生むこともあります。まずはお金を貯めるに当たって、しっかりと計画を立てる事は重要ですし、使う際にも計画は必要です。おすすめの貯め方としては今の時代であれば投資信託を活用する事でしょう。もちろんその他に預金や、保険でリスクを分散させる事も大事です。なぜ投資信託がおすすめなのか次に理由を解説します。投資信託の特徴投資信託は一言で言えばほったらかしで良い積立のようなものです。運用商品ですが、運用はプロが行ってくれます。毎日の株価や円相場を気にする必要が無いのもおすすめの理由の一つです。また50代の方でも始める事は可能です。時間を要する商品ですが、長期に渡って運用する事が出来れば、結果は必ずついてくるでしょう。利回りも平均すると最低でも2%~、高い利回りだと8%前後もあり得ます。金利の力を借りてお金に働いてもらう事で、毎月の積立負担を軽減できると共に複利の効果で増やせる力があるからです。老後破綻に関するまとめ今回は老後破綻をテーマに解説しましたが、破産する方は、予期せぬ出来事やどんぶり勘定が原因の場合が多く見受けられます。回避するためには、しっかりとお金の使い道を考えておく事、しっかりとお金の準備をしておく事は非常に重要です。この記事を通じて老後に備える方が1人でも増えれば幸いです。
2020年01月28日麻丘めぐみさん(64)といえば、誰もが認める、70年代初頭の日本のアイドル創成期を築いた“アイドル第一期生”のひとり。『わたしの彼は左きき』などヒット曲を連発し、72年のレコード大賞では、並みいるライバルをおさえて最優秀新人賞を受賞する活躍ぶりだったが、わずか6年の活動の末、結婚とともに芸能界を引退。直後に、1女のママになっていた。そんな麻丘さんが、この1月末、実に29年ぶりの新曲『フォーエバー・スマイル』をリリースすることが決定。「どれだけヒットしても、うれしいと思えなかったし、自分に自信が持てなかった」と、めまぐるしかったアイドル時代を振り返って語った麻丘さん。トップアイドルが経験した波乱の人生をたどりたい。麻丘さんの芸能界との縁は、4歳年上の姉・明美さんがきっかけだった。「姉が幼稚園の頃から劇団で活動していて、母はつきっきりでした。私も同行するうちに、『ちょうど妹さんの年ごろの子を探していたんだ』という話になったんです」3歳にして初舞台。その後、小5のとき、姉の演歌での本格デビューを目指して母娘3人で上京。「アパートにお風呂がないのが子供ながらにショックで。姉の着物代などにもお金がかかり生活は楽ではなくて、いつもおかずはじゃがいもでした」麻丘さんが中学生になって『週刊セブンティーン』などでモデルを始めたきっかけも、「お金を稼いで風呂付きの部屋に引っ越したい」という一念からだった。そんな彼女が堀越学園高等学校に通っていたとき、大きな転機が訪れる。「姉が、いくらレコード会社を代わっても、芸名を変えても売れない。家で泣いていて、母と私で慰めることもありましたね。そのうち、姉が所属していたビクターで、私のレコード吹込みの話が持ち上がるんです。お偉いさんがやってきて、『カコ、これはやるしかないんだから』と。そのとき私は思うんです。これを断れば、もう姉もレコードを出せなくなるんじゃないか、って。どうせ売れっこないんだしと思って、1枚だけのつもりで承諾するんです」ところが、デビュー曲の『芽ばえ』が、いきなり40万枚の大ヒットで、またたく間にトップアイドルに。およそ1年後には『わたしの彼は左きき』が、デビュー曲を超える50万枚の特大ヒット。「周囲の大人たちは喜んでましたが、私は『この賞を姉がもらっていたら、どんなに母が喜んだろう』ということでした」そんな思いを抱えながらも人気絶頂だったアイドル時代を過ごし、麻丘さんはわずか6年で引退。結婚、出産、そして離婚を経た頃には、麻丘さんは50歳。同じころ、母親の政子さんは体調を崩し、故郷の大分に帰っていった。「認知症も出始めて、一昨年秋には、お世話になっていた老人施設で脳梗塞を起こして車椅子生活に。施設長の女性に、『母が私のことをわかるうちに、ここで「左きき」を歌っていいですか』。そうお願いして、許していただきました」施設のレクリエーションの時間、サプライズミニコンサートで、政子さんは麻丘さんの歌を最前列で聴いていた。「私が歌い始めると、認知症になりかけていた母が一緒に歌うんですよ、『左きき』を。もう車椅子から前のめりになっちゃって。母は、その半年後の昨夏、亡くなりました。あとで娘から、『おばあちゃんは、家でいつもママの出てるテレビをかぶりつきで見ていたよ。一緒に歌って、踊って、人にも“うちの娘はすごいのよ”って自慢していたよ』と聞かされて、本当に驚くんです。というのも、子役の頃から私、一度も母に褒められたことがなくって。ああ、母も私と一緒に必死で生きていたんだと。それを知って、やっと自分に自信を持てたというか、歌も楽しんで歌えるようになりました」アイドル時代から45年。ときには「大ヒットしたことがアンラッキー」と語った『わたしの彼は左きき』が、ようやく自分の「友達」となった瞬間だった。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月27日人生100年時代。これから迎える長い老後に、独り身ならなおのこと「お金はもつのか」と不安に思う人も多い。そんななか、老後の安心を得ようと結婚相談所に駆け込む50代女性が増えてきているというーー。「50代以上の会員数は’06年に4,700人でしたが、’19年には1万3,000人と約3倍に増えました。女性の会員数も同じく2,100人から5,900人に増加しています」こう語るのは、中高年専門結婚相談所「アイシニア」代表の池田淳一さんだ。今、さまざまな結婚相談所で50代以上の会員数が増えている。創業60年の中高年専門の結婚相談所「茜会」では10年間で会員数が3,000人から4,000人に増加。業界大手の「ツヴァイ」でも、女性会員数に占める50代以上の割合が’08年の3.6%から’18年に11.3%と約3倍になったという。「以前は躊躇しながら相談所に訪れる人も多かったのですが、今は多くのお客様が気軽に説明会や見学パーティに参加されるようになりました」(茜会・広報担当)さらに、注目したいのは結婚したい理由。「’18年に行った結婚意識調査では、50代女性で最も多かったのが、同率で『経済的に安定したい』『老後の安心を得たい』だったんです」(ツヴァイ・広報担当)■50代【結婚したいと思った理由トップ5】(1)経済的に安定したいから……66.7%(1)老後の安心を得たいから……66.7%(3)好きな人と暮らしたいから……54.7%(4)人生・生活を変えたいから……46.7%(5)寂しさから解放されたいから……29.3%■20代【結婚したいと思った理由トップ3】(1)自分の家族を持ちたいから……62.1%(2)子どもが欲しいから……58.3%(3)好きな人と暮らしたいから……55.0%■年代別結婚相手に「収入」を求める人の割合20代……43.1%30代……45.7%40代……54.9%50代……53.3%結婚相手に求めることも年齢層が上がるごとに「収入」を挙げる人の割合は増える。50代女性では「性格・人柄」と「相性」の次に「収入」を条件にする人が多い。経済的な安定を求めて増える50代の結婚相談。池田さんはその理由を次のように話す。「男性に比べて女性は、低賃金で収入が安定しにくい非正規雇用に就いている人が多いので、収入面で老後への不安を抱えやすい。それに、今は人生100年時代。50代はまだ折り返し地点で、『残りの人生をより豊かにしたい』『独りでは寂しい』と思う人が増えているのも理由でしょう」では、実際に50代で新たなパートナーを見つけるのはどんな人たちなのか。池田さんに、今まで見守ってきた方のお話を聞いた。■パート勤務で認知症の父も抱えていたけどーー「お義父さんも一緒に支えます」とプロポーズが「離婚の経験がある55歳のA子さんは、子どもがおらず、ずっとパートで働いていたため収入面に不安を抱えていました。なおかつ、認知症の父親の介護もあって、精神的にも疲弊していたようです」そこで、A子さんは経済面と精神面の両方を支えてくれる人を探そうと、アイシニアへ入会。「1年間で約20人の男性とお見合いをされていました。通常、お見合いのペースは平均月1回なので、とても積極的に活動されていましたね」こうした努力の結果、A子さんは会計事務所を経営する70代男性と出会った。「2人とも趣味が旅行で同じだったこともあり、交際に発展。男性は頼りがいのある人で『お義父さんも含めてあなたを支えます』と、A子さんにプロポーズしました。一方で、A子さんに恋愛感情はまったくなかった。でも、男性は彼女が抱える問題に真摯に向き合っていて、どんなことでも話し合える『人として信頼できる』ことが決め手だったようです」こうして入会から1年後、A子さんは、経済面と精神面の両方を支えてくれる年上の男性と、新たな人生を歩み始めた。池田さんは50代も結婚のチャンスはあると話してくれた。「訪れる人は10人中10人が『自分の年齢でも大丈夫ですか』と質問されますが、当社では4割の人がパートナーを見つけて退会されています。もし、結婚のお気持ちがあるようでしたら、勇気を出して一歩踏み出してみてください」「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月25日いつもなんだか眠い、眠りが浅い……そんな人は今年こそ睡眠のコンディションを見直しましょう!放っておくと、脳へのダメージが蓄積してしまうのですーー。「慢性的な寝不足に悩む女性は多いですが、これこそ、認知症の最大のリスク要因なのです」そう警鐘を鳴らすのは、加藤プラチナクリニックの加藤俊徳院長。厚生労働省によると、2025年には認知症の患者数が700万人を超えて、65歳以上のじつに5人に1人が認知症になると推計されているが、加藤院長はその数はもっと増えると予測する。「睡眠には、脳内の老廃物の掃除と、記憶を定着させる、という2つの重要な役割があります。アルツハイマー型認知症は、脳内にアミノ酸からなるペプチドの『アミロイドβ』などがたまり、神経細胞が死滅していくことで発症するとされています。このアミロイドβは睡眠時間と睡眠の質によって量が変わってくることが近年の研究でわかってきました」アメリカのジョンズホプキンス大学の調査では、平均76歳の高齢者の脳内を脳画像検査で調べたところ、睡眠時間6時間以下のグループが最もアミロイドβの沈着量が多く、7時間より睡眠が長いグループは少なかった。また、ワシントン大学・ジュ教授の研究でも、寝床で横になっている時間に対する実際の睡眠時間の割合を示す「睡眠効率」がよいほどアミロイドβの値が低いことが示されている。「20歳以上で、睡眠時間が6時間未満の人が認知症を発症すると仮定すると、国民の3人に1人が認知症という大変な時代が訪れることになります。今からでもけっして遅くはないので、生活習慣を改めて睡眠時間をきちんと確保するように心がけましょう」寝不足による脳へのダメージはほかにもある。人の脳内では19時ごろから睡眠ホルモンのメラトニンが分泌される。このホルモンが十分でないと新しい細胞が生成されにくくなる。睡眠時間を確保できていても、夜遅く寝て昼近く起きるというのはNGなのだ。「夜型の生活は、新陳代謝が遅くなり、老化が早まるという負のスパイラルを招きます。また、朝起きて脳を活性化させるのは脳内神経伝達物質のドーパミンという物質ですが、メラトニンを止める効果があるドーパミンの分泌が不十分だと、覚醒しないでぼんやりしたり、やる気が起きなかったりします。うつ病などの精神疾患にもかかりやすくなってしまいます」寝不足だからといって休日に寝だめをする人もいるが、体内時計を正常に保つためにも、就寝と起床の時間は一定にするのが基本。加藤院長によれば、理想の睡眠時間は7時間。とはいえ、寝ようと思っても寝付けないという人も多い。そんなときはカレンダーや手帳に「起床時間と就寝時間」を記録し、夜遅くまでやっていた家事やメールの返信などを朝に行うなど、生活習慣を改めながら、深い眠りにつくための準備をするとよいそうだ。「夕食は就寝の3時間前までに、できれば20時までに済ませるのが理想。これは、入眠時に消化が済んでいないと、腸と脳が休息できないためです」今年はまず、早寝早起きと1日7時間睡眠を目標に、生活習慣を改めることからスタートしよう。「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月23日「慢性的な寝不足に悩む女性は多いですが、これこそ、認知症の最大のリスク要因なのです」そう警鐘を鳴らすのは、加藤プラチナクリニックの加藤俊徳院長。厚生労働省によると、2025年には認知症の患者数が700万人を超えて、65歳以上のじつに5人に1人が認知症になると推計されているが、加藤院長はその数はもっと増えると予測する。「睡眠には、脳内の老廃物の掃除と、記憶を定着させる、という2つの重要な役割があります。アルツハイマー型認知症は、脳内にアミノ酸からなるペプチドの『アミロイドβ』などがたまり。神経細胞が死滅していくことで発症するとされています。このアミロイドβは睡眠時間と睡眠の質によって量が変わってくることが近年の研究でわかってきました」アメリカのジョンズホプキンス大学の調査では、平均76歳の高齢者の脳内を脳画像検査で調べたところ、睡眠時間6時間以下のグループが最もアミロイドβの沈着量が多く、7時間より睡眠が長いグループは少なかった。また、ワシントン大学・ジュ教授の研究でも、寝床で横になっている時間に対する実際の睡眠時間の割合を示す「睡眠効率」がよいほどアミロイドβの値が低いこと示されている。「20歳以上で、睡眠時間が6時間未満の人が認知症を発症すると仮定すると、国民の3人に1人が認知症という大変な時代が訪れることになります。今からでもけっして遅くはないので、生活習慣を改めて睡眠時間をきちんと確保するように心がけましょう」加藤院長によれば、理想の睡眠時間は7時間。とはいえ、寝ようと思っても寝付けないという人も多い。うまく寝付けない、ぐっすり寝られないといった症状があったら加藤院長が考案した次のリストでチェック。思い当たる項目に「関連する『脳番地』」と「快眠のための対策」も合わせて紹介。これを試して、不眠の原因を絶とう。【1】明日の予定を考えていて、止まらない【2】「お金が足りなくなりそう」と心配になる【3】10年前のつらい思い出がよみがえる【4】他人に嫌われたと思うと、そのことが頭から離れない【5】「明日、人と会ったらどうしよう」と不安になる【6】好きではないことに誘われても断れない【7】テレビで見た怖いシーンが頭から離れない【8】人と目を合わせるのが苦手【9】人から言われた嫌みな言葉が頭に残っている【10】好きな音楽が耳から離れない【11】車を運転するとき、ブレーキとアクセルを間違えそうになる【12】駅で人とぶつかりそうになる【13】部屋の中がグチャグチャだ【14】人とのトラブルがなかなか解決しない【15】昔の失敗が気になる【16】家族や友人とケンカしがちあてはまる項目が……0〜4個:快適な睡眠を継続できている。5〜10個:睡眠障害の危険性が高まっている。11個以上:いますぐ積極的に睡眠法の改善を。【1】【2】関連する「脳番地」:思考系快眠のための対策:自分の意見と反対の意見を考える。外を散歩する。【3】【4】関連する「脳番地」:記憶系快眠のための対策:なりたい自分の理想の人を見つける。来週の予定を考えてシミュレーションする。【5】【6】関連する「脳番地」:伝達系快眠のための対策:団体スポーツをする。音読する。【7】【8】関連する「脳番地」:視覚系快眠のための対策:写真を撮る。通勤・通学の道を変える。【9】【10】関連する「脳番地」:聴覚系快眠のための対策:交響曲・楽器の演奏を聴く。聞き上手になる努力をする。【11】【12】関連する「脳番地」:運動系快眠のための対策:利き手と反対の手でじゃんけんをする。足の指でじゃんけんをする。【13】【14】関連する「脳番地」:理解系快眠のための対策:部屋の整理整頓や模様替えをする。おしゃれをする。【15】【16】関連する「脳番地」:感情系快眠のための対策:ペットをかわいがる、植物に話しかける。ドラマや映画を見て涙を流す。「脳には1,000億個以上の神経細胞があり、部位ごとにさまざまな機能を分担しています。私はこれを“脳番地”と名付けて8つに大別しました。たとえば、『明日の予定をあれこれ考えているうちに寝る時間が過ぎてしまう』「今月お金が足りなくなりそう」とあれこれ考えこんでしまう人は『思考系』の脳番地が疲弊しシャープに働いていない証拠。外を散歩して気分転換したり、今の自分の意見とは反対の意見を考えて思い込みを減らす工夫をすると、眠れるようになります」思考系のほかにも女性に多い脳番地の疲れには、昔の失敗を思い出して眠れなくなるなどの「感情系」があるという。「これまでの研究で、右脳の感情系は他人の気持ちを受け取る働きに、左脳の感情系は自分の気持ちを生成することにそれぞれ関係していると考えられます。この脳番地に生じる『快適』『不快』といった感情が人の行動を決めていて、『不快』と感じると眠れなくなってしまいます。なるべくポジティブな感情で脳番地を刺激しましょう。また、共感をして涙を流すことは、副交感神経を優位にする効果があり、気分をすっきりさせます。こうして各脳番地のストレスを取り除いていくと、不眠から解放されていきますよ」「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月23日1月17日に61歳の誕生日を迎えたばかりの百恵さん(61)。今でも女性たちの憧れであり続ける彼女は、賢妻として主婦業とともに90歳を超える義父母の介護を両立させる生活を送っているようだ。百恵さんの知人は語る。「ご両親とも認知症などはありませんが、90歳を超えていることもあり“要介護1”の状態です。百恵さんは今までどおりの主婦業と並行して、デイサービスなども活用しながら義父母の身の回りのお世話を完璧にこなしていると聞いています」義姉の弘子さんによると「初孫が見たい」と独身の息子たちに頭を悩ませながらも、義父母一家と良好な関係を築き続けている百恵さん。介護コンサルタントの伊藤亜記さんは、百恵さんの“完璧な介護生活”の秘訣をこう分析する。「一般的に、一人で介護を抱え込んで、思い詰めてしまう人が多いんです。百恵さんが介護に励めるのは、おそらく友和さんや親族の方たちが『ありがとう』と感謝の気持ちを日常的に伝えているからなのでしょう。そうした周囲の協力も得ながら、キルトといった趣味の時間をきちんと取れているのもいいですね。また、デイサービスといった仕組みをうまく活用することも大切です。手を借りるところは借りて、病院の送り迎えなどはしっかり自分でやる。役割分担をはっきりさせることは重要なんです」夫の三浦友和(67)も本誌のインタビューで、百恵さんへの気持ちをこう明かしている。《介護で自分の時間が削られるだけでもストレスになっているはずですから、ここは相性ですませず『ありがたく思っている』と、言葉に出して伝えています。なるべく妻が楽に介護できるようにしたい。それが夫の務めです。下の世話が始まったら、施設に入れることも今から考えています》(’19年1月1日・8日合併号)百恵さんが孫を切望する裏側にも、義父母への“愛”があるようだ。伊藤さんは推測する。「百恵さんはお母さんを60歳と早くに亡くしています。自分の親にひ孫の顔を見せられなかった分、『友和さんの両親にはちゃんと見せてあげたい』という気持ちがあると思います。それだけ、友和さんの両親も百恵さんのことをかわいがっていたのでしょう。ひ孫の顔を見せたいと言えるのも、お子さんたちとの関係もうまくいっているということだと思いますよ」昭和はスーパーアイドル、平成は賢妻として生き抜いた百恵さん。令和に“カリスマばあば”になる日も近いかも!?「女性自身」2020年2月4日号 掲載
2020年01月22日静かに近づき、突然症状が出たかと思うと、心臓を壊しているというから恐ろしい!今話題の内臓脂肪が、エイリアン級に悪化しているのだから、警戒レベルはマックスだ!「おなか周りに内臓脂肪のついている人が、生活習慣の改善を試みなければ、やがて心筋梗塞など、重篤な心疾患につながる“エイリアン脂肪”に襲われます」内臓脂肪に詳しい池谷医院院長の池谷敏郎先生はこう話す。“エイリアン脂肪”とは、心臓の周りにつく脂肪のことで、密かに動脈硬化を進めて、心筋梗塞や心不全を発症させる恐ろしい脂肪だ。「心臓に寄生するかのごとく付着して、命を奪うことから“エイリアン”脂肪と呼ばれています」(池谷先生・以下同)エイリアン脂肪は、専門的には異所性脂肪と呼ばれ、皮下脂肪、内臓脂肪に続く、「第三の脂肪」といわれている。「エイリアン脂肪は、心臓の周囲を覆うようにして蓄積し、心臓を養う冠動脈などの組織へと細い血管を伸ばします。そして、その血管から、細胞にダメージを与える毒素が送り込まれるのです」この毒素とは、本来は心臓周囲に溜まった異所性脂肪を溶かし、吸収されやすくするために分泌されるものだ。しかし、この毒素が、本来守りたい血管や心臓の細胞まで傷つけてしまい、動脈硬化や心臓の機能障害の原因となってしまうのだ。怖さはそれだけではない。「エイリアン脂肪が出す毒は、心臓の筋肉にも影響を及ぼし、筋肉の収縮力や拡張能力を低下させます。こうして心臓のポンプ機能が低下すると、心不全が起こりやすくなります」このように恐ろしいエイリアン脂肪だが、ここに至るまでの過程も問題だ。エイリアン脂肪がついている人は、すでに下腹部に内臓脂肪がびっしりついているという。「内臓脂肪は、腸の周りにつく脂肪のことで、下腹がポッコリとした体形をつくります。しかし、内臓脂肪の蓄積が進むと、やがて腸周辺にスペースがなくなって、肝臓や心臓の周りに脂肪がつき始めます。肝臓にたまると脂肪肝となり、心臓の周りにたまるとエイリアン脂肪となります。ですから、脂肪肝と診断された人はほぼ、エイリアン脂肪もついていると考えてよいでしょう」ちなみに、内臓脂肪の蓄積は、高血圧、糖尿病、脂質異常症を伴いやすく、動脈硬化の原因になるほか、がん、認知症などのリスクを高めることが知られている。あなたは大丈夫だろうか。次のチェックリストで確認してほしい。チェックが多いほど注意だ!□若いころより体重が10キロ増えた□おなかがポッコリしている(腹囲が90センチ以上ある)□炭水化物(ごはん、麺、パン)が大好き□運動が嫌い□甘いものを無性に食べたくなる□同じ年の人より老けて見える□肌荒れがある□野菜・海藻・きのこなど食物繊維が好きじゃない□食後に眠たくなる□すぐにおなかがすく□早食い□睡眠時間が5時間未満エイリアン脂肪を持つ人の特徴をみると、肥満体形で、運動ぎらい、糖質過多の人に多いようだ。「“糖化は老化”といわれるように、高血糖は細胞を刺激して炎症を引き起こし、肌荒れや見た目の老化を進めます」特に、注意してほしいのが、若いころは痩せた体形だった人が中年になって太ったという場合だ。「もともと痩せていた人は、内臓脂肪を溜め込む容量が少なく、急に太ると肝臓、心臓に脂肪がつきやすいのです」睡眠時間が短い、ぐっすり眠れないなど、睡眠の質が悪い人も気をつけたい。よく眠れていないと、食べすぎや偏った食行動を招きがちになるからだ。身に覚えのある人は、早速、自分の食生活を見直してみよう。「女性自身」2020年1月28日号 掲載
2020年01月16日寒い家で暮らす人は脳が老けているという驚きの事実。さらに、室温が低いと、高血圧や要介護状態にもなりやすいという。寒い家のリスクを知り、家の防寒対策を整えようーー。「暖房で電気代がかさむ冬。節約のために家でも寒さを我慢していませんか。それはすぐにやめたほうがいい。最新の研究で、寒い家に暮らす人ほど脳は“老けやすい”ことがわかったからです」こう話すのは、慶應義塾大学理工学部で住環境と健康の関係について研究する伊香賀俊治教授。頭寒足熱ということわざがあるように、健康には少しの寒さが必要なイメージもあるが、実際は、脳に悪影響しかないという。伊香賀先生が詳しく解説する。「高知県檮原町と山口県長門市に住む40〜80代の150の脳をMRIで詳細に撮影し、画像をもとに、脳の健康状態を点数化。住んでいる家の居間の室温と点数の相関関係を調査しました。すると、居間の温度が低い家で暮らす人ほど点数が低いことがわかったのです。一般的に、高齢な人ほど脳の健康状態は悪く、点数は低くなります。つまり、寒い部屋に暮らす人は、脳の状態が高齢の人に近く、脳が老けているということになります。それも、室温が1度低いときに減る点数は、年齢が1つ上がるときに減る点数の約2倍。言い換えれば、室温がほかの人よりも1度低い家で暮らす人は、脳が2歳分も老けているんです」居間が冷えているだけで、脳が老けていくという衝撃の事実。でも、なぜ部屋が寒いと脳は老化してしまうのか。「寒い場所にいると、私たちの体は体温の低下を防ぐために血管を収縮させますが、同時に血圧も上昇します。血圧が高くなりすぎると、血管は傷つき、小さな血栓ができたり、細い血管が破れたりするため、脳はダメージを受けると考えられます」ダメージが蓄積すると、脳は徐々に情報伝達がうまくできなくなる。運動や記憶などをつかさどる脳の機能は低下し、老化が進んでいくというのだ。脳が老いれば、認知症にもなりやすくなる。「加齢によって脳の機能は悪くなりますが、寒い部屋はそのスピードを加速させる。認知症のリスクをより高めることになります」また、認知症予防には運動が重要だが、寒い住宅に暮らす人は動くのがおっくうになり、体を動かす時間が減少する。「断熱改修する前と後で、1日の屋内での活動時間を計測したことがありますが、リフォーム前は約30分も活動時間が短かった。厚生労働省は、65歳以上の人で1日40分の運動をする人は、まったく運動をしない人と比べ、認知症などの発症リスクが21%低くなるとしています。寒い家は高齢者をより認知症の危険にさらすのです」これらを裏付けるかのように、寒い家で生活する人は要介護認定を受けるのが早いという実験結果もあるという。「脱衣所の室温が約15度と13度の家にそれぞれ住む人たちが、何歳で要介護認定を受けたかを大阪府で追跡調査しました。たった2度の違いと思うかもしれませんが、脱衣所の室温が低い家で暮らす人たちのほうが、要介護認定を受けやすく、健康寿命も4年短くなったのです」暖冬といわれる今年の冬でも、脳がヨボヨボにならないよう、わが家の防寒はしっかりしよう!「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月15日「暖房で電気代がかさむ冬。節約のために家でも寒さを我慢していませんか。それはすぐにやめたほうがいい。最新の研究で、寒い家に暮らす人ほど脳は“老けやすい”ことがわかったからです」こう話すのは、慶應義塾大学理工学部で住環境と健康の関係について研究する伊香賀俊治教授。頭寒足熱ということわざがあるように、健康には少しの寒さが必要なイメージもあるが、実際は、脳に悪影響しかないという。伊香賀先生が詳しく解説する。「高知県檮原町と山口県長門市に住む40〜80代の150の脳をMRIで詳細に撮影し、画像をもとに、脳の健康状態を点数化。住んでいる家の居間の室温と点数の相関関係を調査しました。すると、居間の温度が低い家で暮らす人ほど点数が低いことがわかったのです。一般的に、高齢な人ほど脳の健康状態は悪く、点数は低くなります。つまり、寒い部屋に暮らす人は、脳の状態が高齢の人に近く、脳が老けているということになります。それも、室温が1度低いときに減る点数は、年齢が1つ上がるときに減る点数の約2倍。言い換えれば、室温がほかの人よりも1度低い家で暮らす人は、脳が2歳分も老けているんです」居間が冷えているだけで、脳が老けていくという衝撃の事実。でも、なぜ部屋が寒いと脳は老化してしまうのか。「寒い場所にいると、私たちの体は体温の低下を防ぐために血管を収縮させますが、同時に血圧も上昇します。血圧が高くなりすぎると、血管は傷つき、小さな血栓ができたり、細い血管が破れたりするため、脳はダメージを受けると考えられます」ダメージが蓄積すると、脳は徐々に情報伝達がうまくできなくなる。運動や記憶などをつかさどる脳の機能は低下し、老化が進んでいくというのだ。脳が老いれば、認知症にもなりやすくなる。「加齢によって脳の機能は悪くなりますが、寒い部屋はそのスピードを加速させる。認知症のリスクをより高めることになります」脳を老化させ、健康寿命まで奪う寒い家。これだけでも十分怖いが、健康への影響はほかにもあると、伊香賀先生は警告する。「先ほどお話ししたとおり、寒さは高血圧を引き起こすこともあり、心筋梗塞や心不全、脳梗塞などを発症するリスクも高めます。そのため、12月から3月の各月の平均死亡者数は、ほかの月より多い。さらに、その増加率は断熱住宅の普及率が低い地域ほど高くなります。一方で、冬の北海道はとても寒いですが、断熱住宅の普及率は80%以上と高く、冬季の死亡者数はあまり増えません。冬に断熱住宅で暮らすことは健康リスクから身を守るうえでとても重要なのです」また、伊香賀先生の研究によると、寒い住宅で暮らす人は熱いお風呂に入る確率が1.7倍も高く、危険な入浴をしている人が多いと指摘する。「熱いお湯に長時間つかると、体温は高くなりすぎてしまいます。最悪の場合、浴室で熱中症になり、意識を失って溺死してしまうことも。実際に、お風呂場の事故は冬場に多くなるんです」さらに夜間頻尿になりやすくなるなど、寒い家にはさまざまな健康リスクが潜む。【“脳の老化”だけじゃない!寒い家の健康リスク】(1)心不全や心筋梗塞の原因である高血圧になりやすい(2)家の中で動く時間が減り、認知症のリスクが高まる(3)65歳以上の場合、要介護度が上がりやすくなる(4)熱いお風呂に入るようになり、浴室で熱中症を起こす(5)過活動膀胱による夜間頻尿になりやすいでは、私たちは長生きするために、いったい何度の家に住むのが正解なのか。「WHO(世界保健機関)は寒い家が肺炎や心筋梗塞のリスクを高めるとして、冬の最低室温を18度以上にすべきだと強く勧告しています。しかし、日本の冬の平均室温は居間で約17度。6割以上の住宅は18度を下回っています。寝室や脱衣所にいたっては平均が約12度で、18度未満の住宅が9割です。まずは室温18度以上を目指しましょう」伊香賀先生は住宅を効率的に暖めるために、余裕があれば断熱リフォームをするべきだとすすめる。「出費は大きいですが、寒い家で生活することで病気になり、早くから治療費や介護費を払うことを考えれば、健康寿命を延ばすための断熱改修は悪い選択肢ではありません」でも、リフォームはやっぱりハードルが高い。そこで、手軽にできる断熱対策も聞いた。「まずは、各部屋に温度計を設置しましょう。つねに温度をチェックできるようにするだけでも、室温に意識が向くようになります。また、一般にプチプチと呼ばれる緩衝材を窓に貼って、外の冷気の侵入を防ぐのもよいでしょう。カーペットの下に断熱シートを敷くだけでも足元の暖かさは変わりますよ」寒い家の健康リスクを知り、家の防寒対策を整えよう!「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月15日「しょうが、にんにく、とうがらし、かつおぶしの4つの食材をそろえて混ぜるだけ。この『長生きふりかけ』を毎日食べれば、肥満、脳卒中、がん、認知症など多くの不調や病気を予防できます」そう話すのは、医学博士でしょうが研究の第一人者としても知られる平柳要先生。年間300以上の国内外の論文を読み、食材の健康効果について研究している。しょうがとにんにくは体にいい食材として広く世に知られているが、近年、各国の研究により、新たな健康効果が次々と明らかになっているという。「たとえば、しょうがには『ジンゲロール』という成分が含まれますが、’17年、韓国の慶北大学で行われた実験で、この成分には血液の中で血小板による血のかたまりをできにくくする効果があるとわかりました。簡単にいえば、血液サラサラ効果があるということです。じつはにんにくにも同じ効果があり、長生きふりかけならその恩恵を二重に享受できます。血液がサラサラであるほど動脈硬化を遠ざけることができるので、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を予防できます」このように、それぞれの食材が持つ健康効果が重なり、増幅するのが、長生きふりかけの最大のメリットだ。なかでも平柳先生が太鼓判を押すのは、肥満の改善、つまりダイエットに効くトリプル効果。「しょうが、にんにく、とうがらしの3つの食材がタッグを組んで、脂肪を減らしてくれるんです。実際に71歳の女性に長生きふりかけを食べ続けてもらったところ、4週間で体重マイナス2.8キロという結果が出ました。食事制限やダイエットのための特別な運動はしていません。食事にプラスするだけの長生きふりかけは、夢のダイエット法ともいえるでしょう」では、食材ごとにその効果を検証していこう。まず、しょうがに含まれる「ショウガオール」は体脂肪の燃焼を促し、「ジンゲロール」は腸での糖質吸収を抑える効果があるとわかっている。イランのシーラーズ医科大学による研究では、しょうがをとったグループは、とっていないグループより体重を減らすとの結果が出ており、効果のほどは医学的にもお墨つき。また、にんにくに含まれる「アリシン」「スルフィド類」という成分にも脂肪を燃やす効果があり、裏付ける研究結果も上がっている。「とうがらしに含まれる『カプサイシン』も脂肪を蓄積しにくくし、脂肪燃焼を促進させることで有名。しかも、ウオーキングなどの有酸素運動をしなくても、体脂肪を燃やしてくれる素晴らしい効果があります」長生きふりかけの効果は、ダイエットだけにとどまらず、高血圧、糖尿病、脂質異常などメタボリックシンドロームにまつわるすべての疾患の予防に活躍する。「とくに脂質異常は女性に多く、注意したい疾患。血液中に余分な脂質が増え、血液がドロドロになり、血管壁が隆起して、深刻化すると動脈硬化を招きます。脂質異常の判断基準となるのは、悪玉コレステロールと善玉コレステロール、中性脂肪の3つの数値。しょうがとにんにくには、中性脂肪と悪玉コレステロール値を下げる作用があり、にんにくに限っては善玉コレステロールを上げる作用も。長生きふりかけには、3つの数値すべてを改善する効果があるんです」さらに、多くの人の不安の種であるがんや認知症も予防してくれるというから心強い。「しょうがに含まれるジンゲロールやショウガオールが、がん細胞を発生しやすくする慢性炎症を防ぎ、がん細胞がみずから死ぬように導いて増殖を防いでくれます。にんにくはアメリカの国立がん研究所がまとめた『がん予防に効果のある植物性食品』のなかで、トップに名前が挙がっており、その効果は世界中で認められています。認知症は、脳の神経細胞にアミロイドβやタウタンパク質というゴミ成分がたまるのが原因と考えられていますが、しょうがに含まれるショウガオールととうがらしに含まれるカプサイシンは、これらのゴミ成分の蓄積を防いでくれるんです」長生きふりかけのメリットで見逃せないのは、その多岐にわたる健康効果に加えて、用意する手間がほとんどかからないということ。次の「長生きふりかけの作り方」でわかるように、にんにくやしょうがもパウダー状に加工された調味料を使うので、みじん切りにする手間もなく、洗い物も出ないから超らくちん!どの食材もスーパーで簡単に手に入れることができる。一度作れば、常温で1カ月間、保存可能だ。■長生きふりかけの作り方【材料】しょうがパウダー…14gとうがらしパウダー…7g(または赤パプリカパウダー…28g)にんにくパウダー…14gかつおぶし…70g【作り方】【1】ファスナーつき保存袋の口を大きく開き、材料をすべて入れる。最初に分量を量らない場合は、保存袋の底面をできるだけはかりにつけてのせる。袋の中に材料を入れ、量る(材料を一つ量るごとに表示を0にすると間違えにくい)。【2】保存袋の中の空気を抜きながら、口をしっかり閉じる。両方の手のひらで袋を挟んで、こするようにもんで混ぜる。「かつおぶしには旨味成分のイノシン酸が含まれ、ふりかけに必要なうま味のもととなります。大切なのは、毎日続けること。おいしくなければ、いくら健康によくても続けられませんから」一度に食べる量の目安は、大さじ1杯、1日3回がベスト。ふりかけと言っても、必ずしもご飯にかける必要はなく、青菜のおひたしやサラダのトッピングとして使うほか、ハンバーグのタネに混ぜたりと加熱調理に使ってもOK。「食事の最初にとると、血糖値の急上昇を抑える効果もあります。血糖値が高い人は、スープなどの汁物に入れて、最初に飲むようにするといいでしょう」長生きふりかけで、スリムな体と健康の両方を手に入れよう!「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月09日「医学の進歩で、これまで難治性といわれていた病気も、改善されるケースが出てきています。認知症に関しては未知の部分がいまだ多くありますが、生活習慣の改善によって予防できることがわかっています」こう話すのは、アンチエイジング医療の第一人者で、お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二先生だ。認知症は大きく分けて、脳梗塞など血管障害によって脳細胞神経が死滅することで起こる脳血管性認知症と、脳に蓄積したアミロイドβが脳神経細胞を壊すアルツハイマー型認知症の2つがある。このうち約8割はアルツハイマー型認知症。このアルツハイマー型こそ、生活習慣の改善が予防につながる部分が大きいという。「認知症の原因となるアミロイドβは、発症の20〜30年前から蓄積し始めるとされています。予防対策は早ければ早いほどよいと思いますが、40歳を過ぎたくらいから意識をし始めるとよいでしょう。そういう意味でも、年末年始はそれまでの生活習慣を見直すのによい機会ですね」そこで白澤先生が、認知症にまつわる2択クイズを出題。健康寿命を目指すための知識を取り入れて、2020年をもっとイキイキ過ごそう!【Q1】階段使用時、脳を活性化させるのは?上るとき or 下りるとき正解は、下りるとき。「階段の上り下りは脳の活性化によいことですが、加齢と共に難しくなる下りのほうがより効果的です。下りで転倒が多いのは下りのときに使う白筋が衰えているため。転倒は骨折→寝たきりにつながり、認知症の進行も早めてしまいます。下るときこそ階段を」【Q2】年末年始の家事、脳をより働かせるのは?掃除 or 料理正解は、料理。「全身を使う掃除もよいのですが、料理ほど頭を使う家事はありません。特に年末年始は料理の品目が増えます。材料の配分、同時進行で異なる料理を複数品目作る手順、味付けや盛り付けなどさまざまなことを考えるため、脳もフル回転します」【Q3】集まりの多いこの時期。腹が立つことがあったら?遠慮せずグチる or 仕方ないけどガマン正解は、遠慮せずグチる。「ストレスをためると脳の神経細胞が壊れて記憶力が低下します。認知症予防にはストレスをためないことが大切です。そのためにも、ムカッとしたときはその場で話してしまってもいいかもしれません。もちろん、きちんとフォローすることも忘れずに」【Q4】認知症になりにくいのは?昔のことを忘れない人 or 忘れっぽい人正解は、忘れっぽい人。「記憶力がよいからボケないというわけでもありません。明るくポジティブな人のほうが、結果的に認知症になりにくいようです。つらい記憶はときとしてストレスとなり、脳細胞を傷つけ認知機能を低下させます」【Q5】昼食後、脳にやさしいリフレッシュ法は?ウトウト昼寝 or 近所をぶらりと散歩正解は、近所をぶらりと散歩。「『昼寝に効果アリ』というデータもありますが、それが1時間以上になるとかえって逆効果になるという研究結果も。認知症予防には散歩がベター。体を動かすことで血流が促進され、脳の血流も増えますし、五感を使って脳に刺激を与えることもできます」【Q6】就寝時間が不規則で眠れないときは?無理せず、眠くなるまで待つ or 早めに布団に入りなんとか眠る正解は、無理せず、眠くなるまで待つ。「睡眠の質は脳の疲労回復にも関係しますが、認知症予防には特に重要です。ただ、眠くないのに無理に寝ようとすると、逆にストレスが増し、目がさえて眠れないことも。『眠気がきたら寝よう』くらいに考えたほうが入眠しやすく、睡眠の質も上がります」また、生活習慣の改善で白澤先生が特におすすめするのが運動と食事だ。運動によって筋肉を動かすことで血流を促し、脳の活動を活発にする。さらにバランスのとれた筋肉をつくることが、認知症予防にも関係するという。「脳の活性化によい食べ物というのもわかってきています。野菜には抗酸化物質が含まれているものが多く、全般的におすすめしますが、あまり火を通さず、栄養素を壊さないで食べるのが理想的です。さらに、味付けは薄め、糖分は控えめを心がけましょう」「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2020年01月07日「医学の進歩で、これまで難治性といわれていた病気も、改善されるケースが出てきています。認知症に関しては未知の部分がいまだ多くありますが、生活習慣の改善によって予防できることがわかっています」こう話すのは、アンチエイジング医療の第一人者で、お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二先生だ。認知症は大きく分けて、脳梗塞など血管障害によって脳細胞神経が死滅することで起こる脳血管性認知症と、脳に蓄積したアミロイドβが脳神経細胞を壊すアルツハイマー型認知症の2つがある。このうち約8割はアルツハイマー型認知症。このアルツハイマー型こそ、生活習慣の改善が予防につながる部分が大きいという。「認知症の原因となるアミロイドβは、発症の20〜30年前から蓄積し始めるとされています。予防対策は早ければ早いほどよいと思いますが、40歳を過ぎたくらいから意識をし始めるとよいでしょう。そういう意味でも、年末年始はそれまでの生活習慣を見直すのによい機会ですね」そこで白澤先生が、認知症にまつわる2択クイズを出題。健康寿命を目指すための知識を取り入れて、2020年をもっとイキイキ過ごそう!【Q1】はきものを新調。脳にやさしいのは?薄手の靴下 or ふわふわのスリッパ正解は、薄手の靴下。「足と脳の関係は深く、足の裏や指からの刺激は脳を活性化させます。靴は足裏の感覚を鈍らせますが、スリッパも同様。夏ははだしで、床が冷たい冬は薄手の靴下をはいて、足裏が床をつかむ感覚を感じると、脳の血流も促進され、反応がよくなります」(白澤先生・以下同)【Q2】若返りホルモンを分泌させるのは?スクワットなどの筋トレ or パズルなどで脳トレ正解は、スクワットなどの筋トレ。「筋トレをすると若返りホルモンと呼ばれるマイオカインが分泌されることがわかっています。マイオカインには『記憶力を高める』『うつ症状を改善する』といった働きもあります。体を動かすことは全身の血流を改善し、認知機能を高める効果もあります」【Q3】認知症予防に役立つのは?ヨガ or 太極拳正解は、太極拳。「脳の活性化だけでなく、転倒防止にも効果的なのが太極拳。転倒は体のバランスが衰えることが大きな原因です。太極拳はバランスをとるための体幹が鍛えられます。ヨガに比べ、動きが多く、体内に取り込む酸素も多い太極拳のほうがおすすめです」【Q4】認知症予防につながるメニューは?緑黄色野菜がたっぷりのサラダ or 根菜類がたっぷりの煮物正解は、緑黄色野菜がたっぷりのサラダ。「緑黄色野菜にはフィトケミカル、β-カロテン、ビタミンCなど、抗酸化作用を高める成分が含まれます。サラダはその栄養素を壊すことなく取ることができます。煮物は砂糖や醤油で味付けが濃いことがあるので注意。サラダもドレッシングは控えめに」健康管理にこの習慣を加えて、脳の老化を防いでいこう。「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2020年01月07日人生において訪れるさまざまな転機。なかでも“大きな病気”と向き合うには相当な覚悟が必要です。ここでは、「がん」を経験したことが、その後の生きる糧となった方のお話を紹介。葛藤の日々の先には“新しい私”との出会いがありました。■岸本葉子さん(58)・作家、エッセイスト「仕事のキャリアは“がん後”のほうが長くなりましたが、がんを克服したとはまだまだ言えない、臆病な自分と共生しています」エッセイストとして160冊を超える著作を持つ岸本葉子さん。’01年、40歳のときに虫垂がんを発病して以来、当時学んだ食事療法や漢方を継続している。「比較的若年で罹患したため、『なりやすい体質なのかな?』と考えるといまだに恐怖があり、再発リスクを下げてくれる可能性のある習慣は続けています」漢方医の指導による食事メニューを丁寧に自炊し、厳選した調味料もずっと変えていない。最近は、自立して生きるには「筋肉が大切」と運動を心がけ、加圧トレーニングやダンスも取り入れている。「結果としてがん以外の生活習慣病予防にもなっているようです」近年は「老いじたく」「おひとりさま」「介護」といったテーマの作品も多く、がんについてつづることもなくなりつつあるともいう。「実生活で父の介護をしていたときは、がんのあとでよかったとつくづく思いました」岸本さんは’14年までの数年間、父親を介護したが、その際、自身のがん闘病の経験値がメンタル面で大いに生かされたという。「父は診断を受けていないのですが、おそらく認知症で、直前の記憶が薄れ、できないことが日々増えていく状況でした。そう遅くない未来に死が見えているーー、そんな不安と孤独を抱えた父の心理を、私はがんを経験したから理解できたのです。私も、周囲が恋愛や結婚について話していても、病気という課題を抱えているため、それらを共有できない時期があって。でも、年を取って認知症となり、未来が見えないというつらさには共感できたのです。がんを経験したことで、寄り添う心を持てたことはよかったと思えます」20年近くを慎重に過ごしたことで、がんになった後も100冊を超える著作を出すことができた。元来はスケジュールを詰め込みがちの自分をセーブし、地方講演なども日帰りせず、1泊する。執筆時間が長くなりすぎないように、ジムの予約をあえて入れることも。ずっと通っている漢方の先生によると「睡眠は何よりの薬」ということで、忙しい時でも徹夜せず、原稿の続きは翌朝に回す。これもがんと闘った経験からの「臆病さ」ゆえ。「血液検査などでヒヤリとする局面は何度かありましたが、大事にはいたらず。無理をしすぎることがなかったから、いままで生きられたのかもしれないですね」「女性自身」2019年12月24日号 掲載
2020年01月05日一年の締めくくりに「ありがとう」の気持ちを綴るクリスマスカードや新年に向けた年賀状。感謝の気持ちを感じることで健康と幸福度が上がることは、科学研究で明かされています。また感謝の心を表すことでさらに関係性が強くなるということも。50歳の誕生日から毎週1通、合計50通の「感謝の手紙」を贈るという計画をスタートした作家は、認知症を患う母親を最初の受取人にします。彼女の心温まるストーリーとともに感謝の手紙の書き方、届け方をあなたへの「感謝の手紙」としてお伝えします。取材、文・土居彩 看板写真・Yumiko Sushitani【マック・マインドフルネス時代の瞑想探し。「魂ナビ」が欲しい!】vol. 15クリスマスカードや年賀状書きのラストスパートを迎えられているころでしょうか。一年の締めくくりに「ありがとう」の気持ちを込めて送るこの手紙にも、あなたを幸せにするカギがあります。幸福学のエキスパート、ソニア・リュボミアスキー博士によると、私たちの幸せを決める要因として、幸せを感じられる遺伝的な力である遺伝要因は5割。どんな仕事をしているか、パートナーがいるかいないか、美人かそうでないかという環境要因は1割。それに対して「どう行動するか」という行動要因は4割を占めるといいます。また、感謝の気持ちを感じることは、健康と幸福度を高めると考えられています。そしてその感謝の気持ちを表すことは、さらにお互いの関係性を強くします(1)。けれども感謝を表すことはどこか形式的で、表面的に終わりがちでもあります。そこでこのエクササイズで「書く」力の助けを借りて、相手に対する感謝の心をより深く感じる行動をとってみましょう。受け取り手には、とても感謝しているけれど、今まで特に深い感謝を表したことがない人を思い出してみてください。それは親かもしれないし、親戚やパートナー、子ども、友達、先生、または同僚や隣人かもしれません。しばらく連絡を取っていないけれど、お世話になった恩師などもいいでしょう。そして「感謝の手紙」を書くときには、以下のステップを踏んでください。幸せになる「感謝の手紙」の書き方。・相手に直接話しかけているように書く。(例:親愛なるさんへ)・文章の完璧さを求めて不安にならない。大切なのは感謝の心を伝えること。・相手があなたにしてくれたこと、なぜあなたが感謝をしているか、どのようにその行為があなたの人生に影響を与えたのかを具体的に説明する。・あなたの現在の暮らしぶり、そして相手が心を砕いてくれたことをあなたが今どのようによく思い出すのかを説明する。なかなかハードルが高いけれど、さらに力強い効果があるのはその手紙を直接相手に届けることです。以下のステップで行います。心がぐっと近づく「感謝の手紙」の届け方。・「特別なことをシェアしたいので会いたい」とアポを取る。この時点ではそれがなんなのかを明かさない。・相手に会ったときに感謝していること、そしてそれを表す手紙を読みたいと伝える。また読み終わるまでは遮らないようにお願いする。・手紙を読んでいるあいだは、自分と相手のリアクションに注意する。・手紙を読んだ後に、お互いの気持ちを語り合う。・去るときに、手紙を渡すことを忘れないこと。作家のナンシー・デイヴィス・コーは50歳の誕生日に「サンキュー計画」を立てました(2)。それは毎週1通、計50通のこの「感謝の手紙」を書くというものです。現在の彼女に至る道程で、ナンシーを助け、形作り、インスパイアしてきた人々がその手紙の受取人です。そして50通の手紙は、『サンキュー計画(The Thank You Project)』という本になりました。最初の手紙の受取人は、ナンシーのお母さんでした。彼女は計画の5年前に認知症と診断され、月を重ねるごとにものがわからなくなっていました。そこでナンシーは「善は急げ」と彼女に1通目の感謝の手紙を書きます。そこには「感謝の手紙」の書き方に習って、二人のエピソードが具体的に書かれています。以下は手紙の内容をかいつまんだものです。ナンシーが贈る、母への「ありがとう」の気持ち。ナンシーが22歳のとき、彼女は外国であるドイツで仕事を見つけます。その知らせを母親に電話で知らせたとき、彼女は「素晴らしい! ちょっと待ってね。かけ直すから」と言って一度電話が切られます。そんなふうに途中で電話が中断されることは初めてで、今までありませんでした。遠い外国で就職して離れて暮らすことになる娘。母親として温かく祝福するために、「寂しい」「心配」などといった複雑な気持ちをしっかりと受け止め、娘の門出を一緒に祝う力を総動員する必要があったのでしょう。若く経験が浅い22歳のナンシーでも、それは理解できました。そして彼女の母親は約束どおり数分後にちゃんと電話をかけてきて、一緒に喜んでくれました。ナンシーは感謝の手紙を以下のように結びます。今私は50歳。親になって自分の子どもが遠く離れた大学へ行くことに少々ビビっています。母親として、あなたはどうやってこういったことをやりこなしてきたんでしょう。とても優雅に。私も実際に感謝の手紙を書いてみると、受け取った相手の顔を思い浮かべて温かな気持ちになれました。またソニア博士によると感謝の気持ちを綴ることで、自分は人の優しさや思いやり、寛容さを受け取ることができる、愛されるに価する存在なのだということが再認識でき、幸せになれるのだそうです。年末年始、帰省される方もいらっしゃるでしょう。この機会にあなたとあなたの大切な人を幸せにする、感謝の手紙を書いて届けてみてはいかがでしょうか。一緒に暮らすパートナーに贈ってみてもいいでしょう。私もちょっと冒険ですが、今まで心配をかけてきた親にやってみたいと思っています。そしてこれは、私からあなたへの「感謝の手紙」です。いつも読んでくださって、本当にありがとう。土居彩編集者、翻訳者。株式会社マガジンハウスに14年間勤め、anan編集部、Hanako編集部にて編集者として、広告部ではファッション誌Ginzaのマーケティング&広告営業を務める。’15年8月〜’17年5月、カリフォルニア大学バークレー校心理学部にて、畏怖の念について研究するダチャー・ケトナー博士の研究室で学ぶ。’18年9月〜’19年1月、7月、ニュー・メキシコ州サンタフェにあるウパヤ禅センターに暮らしながら、ジョアン・ハリファックス師に師事。現在は、書道家・平和活動家、13世紀の道元禅師を初めて英訳し欧米に伝えた禅研究家の棚橋一晃氏の著書『Painting Peace(平和を描く)』(シャンバラ社)を翻訳中。恩人たちに支えられ続けながら、会社を辞めて渡米奮闘したドタバタな当時の様子を綴ったananweb連載『会社を辞めて、こうなった』も。参考(1) Seligman, M. E., Steen, T. A., Park, N., & Peterson, C. (2005). Positive psychology progress: empirical validation of interventions. American Psychologist, 60(5), 410.(2)Thank You Project
2019年12月20日障害の有無にかかわらず競える場としてスタート!「ePARA 2019」は午前10時からスタート。メインMC岸大河さんを中心にバラエティー番組のようなスタイルで進行、YouTubeでも会場の様子を配信しました。まずはゲストの紹介から。ePARA 2019アンバサダーとなった乙武洋匡さん、車いすユーチューバーの寺田ユースケさんが挨拶しました。Upload By 発達ナビ編集部ePARA 2019アンバサダー乙武洋匡さん「車いすユーザーとして生活する中では、ほかの人ができるのに自分ができないことが多くて、ストレスをためることも多少あると思うんですが、きょうは、障害の有無に関係なくプレイできるという状況を作っていただいたので、ぞんぶんに楽しみたいです!」車いすユーチューバー寺田ユースケさん「足が悪い中、昔から野球をやってきました。(子ども時代に)eスポーツがあれば、もしかしたら人生の選択肢がもっとたくさん広がっていたのかもしれないと感じています。今日も車いすの子どもたちがいっぱい来てくれているので、ゲームで活躍できる姿を見せて、選択肢を増やしてもらえたらと思います!」メインMCによる「このePARAという大会が障害者雇用につながり、社会的課題の解決や、eスポーツの更なる発展、障害がある人・ない人にとって初の共通種目として戦える、唯一のユニバーサル競技となることを目標に、ePARA 2019をここに開催いたします」という宣言のあと、大会が始まりました。「ぷよぷよ」が、チームスポーツに進化する!?午前中は「ぷよぷよ大会」エキシビションマッチ。第一回戦は、寺田ユースケさんVS 乙武さん。2人とも車いすユーザーですが、ゲームにおいては不利と見えた乙武さんの圧勝となりました。次に、鳥越勝さんVS吉成健太朗さん(国立八雲病院からのオンライン参加)の対戦ののち、ePARA主催者加藤大貴さんの「戸田市加藤家」VS夫婦で参加の「武蔵野市加藤家」と続きます。加藤家対戦では、それぞれ家族が1組になってゲームを展開。家族で1人のプレーヤーとなるスタイルは、操作ボタンをそれぞれが担当するということ。この試合は、戸田市加藤家、主催者の加藤さんの勝利となりました。加藤さんは、「私たちは4人家族なので、4つのボタンをそれぞれ担当して練習したんです。ぼくは左ボタン、ママは回転ボタン、上の子は右ボタンというように。3才の子どもはよくわからないけど、『僕もやりたい!』っていう参加したい気持ちをくんで、落下ボタン(笑)。ひたすらボタンを押し続ける役です。実は、家族とこんなふうに、ひとつの目標に向かったのって、初めてのことだったと思います。練習中、6才、3才の子どもと、妻も一緒になって『ほら右!右!』とか、『そんなこと言ってない!』とか、わいわい言いながら、家族で盛り上がるのが楽しかったんです」と話してくれました。格闘技対決!キャラクターの闘いの中に公平性が見えた!昼の休憩をはさんで、午後のゲームは「鉄拳7」。3人一組のグループが4組参加、トーナメント方式で優勝争いが繰り広げられました。Upload By 発達ナビ編集部激しい闘いを大画面で見ているうちに、画面上のキャラクターたちには、プレイヤー自身が乗り移っているような気分になります。パワーとスピード、展開の速い攻防の中でビシッとKOが決まっていく様子を見ていると、リアルな格闘技中継を見ているときと同じ感覚になります。バーチャルなものとはいえ、この動きを生み出すこと自体がすごい!と感じるのです。この大会では、プレイヤーに障害があってもなくても、それはハンデにはならない、一緒の土俵に上がって対戦することができるということに価値がある、と実感しました。Upload By 発達ナビ編集部チーム「Whereabouts」(発達障害などがある選手で結成)は、チーム全員、日ごろからゲームを楽しんでいるけれど、格闘技ゲームは初めての経験だったといいます。(実際にプレイしたのは3人、1人は控え選手)。「すぐ負けちゃってくやしかった!でも、練習いっぱいして、コマンドも覚えて、来年も参加したいです!」(カホさん)、「格ゲー以外にも、パズル系、リズム系とか参加できるゲームのバリエーションが選べたらいいなと思いました。でも、楽しかったです!」(まやさん)という感想で、次回もあったら、参加したい!と意気込んでいました。元公務員・成年後見の専門家が企画!障害があっても参加できるeスポーツ大会への思いとは?Upload By 発達ナビ編集部大会終了後、主催の加藤大貴さんにお話を伺いました。加藤さんは元裁判所書記官 。たくさんの判例を見ているうちに、高齢者の成年後見人問題に着目。「高齢者とその家族が安心して暮らせる社会を創る」手伝いをということから、「認知症等で判断能力が不十分な人を地域社会が支える仕組みづくり」を目指して、NPO市民後見支援協会理事・品川成年後見センター職員に転身しました。ePARAを企画したそもそものきっかけは?「私はふだん、障害のある人と高齢者の法律上のサポートをする、成年後見人に関する仕事をしています。そのなかで関わる高齢者、障害のある人を見ていて、みんなテレビやゲームを楽しんでいると知ったんです。何か一緒の楽しみを共有できる空間はないものかなと考えました。障害のあるなし関係なく、誰でも参加して楽しめる、そんな場をつくりたいと思って、『ePARA』というスポーツ大会を開催する運びになりました。開催できて、実際に選手同士の公平性というか、ほんとうに誰でも参加できるし、ゲームの中で対等に戦えることがうれしかったですね」ゲームは社会的コミュニケーションツールになるはず!ゲームというと、なんとなく孤独に部屋にこもってするもの、というイメージがつきまといますが、使い方・やり方次第で変わるものだった、とも加藤さんは言います。「ゲームは、デバイスやルールを工夫することで、楽しみが増すんですよね。私が家族で『ぷよぷよ』をしたように、誰かと分担して1個のプレイヤーになるということも可能。ふだんはチームスポーツじゃないゲームでも、工夫することでチームスポーツになるんです。複数人で1個のプレイヤーになる、という発想にはきっかけがありました。この大会に招待した右半身まひの女性から、「『ぷよぷよ』をやりたいんだけど、体が半分動かないから、障害のない人をサポートにつけていいですか?」と言われて、すごく悩んだんです。それって公平なの?と。じゃあ、どうしたら公平なスポーツとして成り立つのかと考えたら、そもそも複数人で分担するルールにしちゃえばいいんじゃないか、と考えました。こんなふうに、ゲームはもっと、社会的なコミュニケーションツールになるはずです。eスポーツは、コミュニケーションのスポーツだという手ごたえを、実際にやってみて感じました。」どんな人でも、「参加したい」「何かボタンを押したい」という気持ちがあれば、参加できるということを、ePARAは実証してくれたようです。さまざまな特性に合わせたケアは必要。でもそれはクリアできる問題運営上で大変だったことは、どんなことだったのでしょうか。「まずは会場選びでした。eスポーツの専門の会場は都内にいくつかあるんですが、車いすの人も入れる会場がなくて。発想を変えて、人がたくさん集まれて車いすも対応の場所として、カラオケパーティールームを会場に選びました。機材はこちらで運び込むことにして、エレベーターがあり、トイレも車いす対応というところにしたわけです。今回は、会場の広さやスタッフの人数のこともあって参加いただけるチーム数が限られていました。初めて実施して分かったことが多くあるので、ルールなども整えてもっと大きな規模で第2回を開催したいと思います。初の「ePARA」開催、そのホームページには、こんな記述があります。大会やイベントを通して世の中の人に、”困難や限界を超える精神や力”を発信し、気づきを与えより良い社会の実現を目指します。障害者雇用の場では、まだまだ働く側の「できること」を、雇う側が正しく理解していないという現実があります。でも、ePARAを見ていると、障害がある人・ない人、異なる障害がある中でも、ゲームの中では公平に競い合えることがよく分かります。また、デバイスやルールを変えたら、公平性が増すことも、加藤家対戦となった「ぷよぷよ」の例からも分かりました。障害がある人・ない人にどうしたら公平な機会を与えられるかに、ゲームの中で「気づく」ことが、障害者雇用の偏見もなくしていくことにつながっていく、ということを実感できる大会でした。第2回開催にも期待がかかります!ぷよぷよ:(販売元)株式会社セガゲームス鉄拳7:(販売元)株式会社バンダイナムコエンターテインメントTEKKEN™7 & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
2019年12月20日救急車はすぐに来ず、介護施設は閉鎖してサービスを受けられない。今は、いつでもどこでも受けられる日本の社会保障が崩れる未来。実はすぐそこに迫っているーー。「団塊の世代すべてが75歳以上になる2025年ごろは、医療機関や介護施設で大きな混乱が予想されます。しかし、それは日本の社会保障制度が崩壊する序章でしかないのです」そう語るのは、ベストセラー『未来の年表』(講談社現代新書)の著者で人口減少対策総合研究所理事長の河合雅司さんだ。厚生労働省は、’25年には内科医が1万4,000人、看護師をはじめとする看護職員が最大27万3,000人、不足すると試算している。「都市部ではベッド不足が深刻化する一方で、地方では人口減少により、医師や看護師だけでなく、患者数も不足し、病院が経営難に陥ることも想定されます。閉院する民間病院も出てくることでしょう。結果として地方でもベッド不足が広がります。また、’24年に、日本は全国民の3人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上という超高齢者社会に。75歳以上になると大病を患う人は増え、1人あたりの医療費が74歳以下の5倍近くかかるというデータもあります。高齢者の増加で救急搬送が増えると、救急隊員の不足で、救急車がすぐに来ないという事態も起こりかねません」暗い医療の未来。しかし、医療だけでは終わらない。さらに10年後は介護崩壊も始まるという。《’35年12月。60歳になったA子さんは、母親の介護で苦労していた。88歳になった母親は、認知症が進行。半年前から週3回のデイサービス(通所介護施設)を受けていた。しかし、施設は介護スタッフを確保できず、閉鎖することに。介護計画を立てるケアマネジャーも打つ手がなく、A子さんは自ら、福祉事務所や介護施設に電話をかけるが、どこも母親を受け入れてはくれない。テレビでは『本日も介護施設で虐待事件がありました』とアナウンサーが淡々とニュースを読み上げていた……》社会福祉に詳しい淑徳大学教授の結城康博さんが解説する。「’35年は、団塊の世代すべてが85歳以上になります。厚生労働省のデータによると85歳から要介護認定率は急激に上昇。2人に1人は介護が必要になります。一方、現在でも慢性的に人手不足の介護職員は、離職率も高く、’25年時点で約33万人が不足する見通しです。’35年には、介護スタッフの人材不足がピークになり、2時間ごとのオムツ交換が半日に1回となったり、週2回の入浴介助サービスが2週に1回になったりすることも予想できます。また、人材不足は人材の質の低下も招きます。介護施設は、適性に欠ける人材を雇わざるをえなくなり、スタッフによる虐待が増えることも否定できません。介護の人手不足を、外国人人材やロボットで解決することも議論されていますが、これらで、今後、増えるであろう訪問介護サービスの需要を満たすのは不可能です」さらに、’35年以降は介護施設も足りなくなり、サービスを受けたくても受けられない“介護難民”が続出するという。「’35年以降の介護現場は、利用者が介護職員に選ばれる時代。悪態をついたり、横柄な利用者は、たとえ大金持ちでも、介護職員に嫌われ、サービスを受けられなくなるでしょう。介護難民になりたくなければ、性格をよくして、介護職員に好かれるシニアになるしかないのです」(結城さん)迫る社会保障サービス崩壊時代。最後に、前出の河合さんが語る。「確かに厳しい現実ですが、個人ができることはあります。たとえば、70歳まで働くなど規則正しい生活を続けて健康状態を少しでも維持することです。また、近隣の住民と仲よくしておけば、困ったときに助けてもらえることもあるでしょう。危機に対応するべく、自ら意識改革をする必要があります」暗い未来には、健康に注意し、人にやさしく接することがいちばんの備えになる。
2019年12月06日