認知症になった父との“お別れ”までの7年間を描いた映画『長いお別れ』。6月19日、本作の大好評スタートを記念した公開記念舞台挨拶に中村倫也と中野量太監督が登壇。中村さんは“恋人役”蒼井優の結婚に触れ、「おめでたいですね」「誰かいい人いないかな」と語った。東家の次女・芙美を演じた蒼井さんの同級生であり、恋人・磐田道彦役を演じた中村さんと、中野監督が満席の場内に登場すると大きな拍手が。中野監督が「ほぼ女性のお客様ですね、こんな中での舞台あいさつは初めてです。(笑)今日はご来場くださりありがとうございます」と挨拶。中村さんは「僕自身、若い世代の方々に観ていただきたい映画だと思っていました。今日はたくさんの方にお越しいただき嬉しいです」と語り、「楽しく、愛おしい気持ちになれる作品ですよね、僕もうるっとしながら、時にケラケラ笑いながら観た映画です。認知症がテーマにはなっていますが楽しんでほしいです」と、自身の感想を明かして舞台挨拶がスタートした。中野監督、中村倫也との出会い激白!「パーティーの中で一人膝を抱えて座って」実は本作の撮影以前に中野監督と中村さんはとあるパーティーで出会っていたとか。当時をふり返り「あの時は中村さんだと気づいていなかったんですが、パーティーの中で一人膝を抱えて座っていて。(笑)その直後に、いろいろな作品に出演されているのを見かけるようになって…あの時のって! 思い出したんです」と、意外な出会いのエピソードを明かした監督。すると「僕、パーティーとかに馴染めなくて、あの頃はとがってました。(笑)」と中村さん。すかさず「じゃあなんでパーティーにきたの?」とツッコミを入れるなど、2人の仲睦まじい様子に場内には笑いが。和やかなムードの中、映画の脚本を読んだ時の印象を聞かれた中村さん。「小学生の頃、ひいおばあちゃんが介護が必要で。小さいながらにお見舞いにいったり、僕のことも分かってはくれていないんだけど、一緒に遊んだりという愛おしい記憶を思い出しました。だから、僕自身、完成を楽しみにしていた作品なんです」と幼い頃の思い出を告白。「(演じた)道彦も、いい人なんだけど、どこか頼りないというか、あぁいるな、とみんなに感じてもらえるキャラクターにできるといいなと思っていました」と、自身が演じた役柄に込めた想いにも触れた。「僕もグリーンカレーを作ってくれる人がいるといいな」そんな道彦の恋人役でもある蒼井さんが実生活で山里亮太(南海キャンディーズ)と結婚したことが話題に上がると、「おめでたいですね。僕もグリーンカレーを作ってくれる人がいるといいな。どこかにいい人いないかな(笑)」と劇中で蒼井さん演じる芙美が作る料理で、山里さんが結婚会見でも触れたグリーンカレーをあげながら、冗談混じりでコメント。また、「真面目な父親と、天然な母親の両親を見て育ったし、やっぱり両親のような家族を築いていきたい」と理想の家族像についても言及すると、中野監督は「でも、僕の映画に出た人はみんな結婚するんだよ。宮沢さんに竹内さんに蒼井さん!」と自身のキューピッドパワー(?)をアピール、場内をさらに沸かせた。最後に、「この映画は色んな世代の人に観ていただきたい作品。この映画をきっかけに、普段話さないことを家族と話してみたり、今までにない一歩を踏み出せる映画になっていると思います。詳しくはネタバレになっちゃうから言えないけど、僕が劇中で『付き合って1年半記念』と話しているシーンは特に気に入っているシーンなので、ぜひ注目してください!」とアピールした中村さん。中野監督は「親・子・孫の3世代を描いた映画だけど、特に若い世代の人々にこそ観てほしいと思っていました。今日はまさに、そんな人達がたくさん来てくれて嬉しいです。今日は僕ら2人にとっても良い日になりましたね」と、2人でマイクを掲げて中村さんと乾杯して映画の大盛況ぶりを祝っていた。『長いお別れ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会
2019年06月20日目下、食品業界でその健康効果が注目されているピーナッツ。ツヤツヤな肌をキープし、認知症も予防。そんな“老けない体”を作ってくれるというのです――。「アーモンドやくるみなど、ナッツ類の健康効果はこれまでにもたびたび話題になってきましたが、いま食品業界が注目しているのはピーナッツに含まれる豊富な栄養素です」そう話すのは、ナッツ類の研究を長年続けている慶應義塾大学医学部の井上浩義教授だ。ピーナッツはミネラル、ビタミン、タンパク質、植物由来の脂質などの栄養素が豊富で、特筆すべきはその“抗酸化作用”だという。「ピーナッツの薄皮部分には、レスベラトロールというポリフェノールがふんだんに含まれており、この成分には血管を若々しく保つ働きがあります。これはほかのナッツ類と比較しても群を抜いています。以前にハーバード大学が行った研究でも、《ピーナッツを毎日食べ続けると、生活習慣病などによる死亡リスクが20%下がる》という報告がされています」(井上教授・以下同)手軽に食べられるピーナッツに、そんなにすごい健康効果があるとは!さらに、ピーナッツから得られる効果は、女性にとってうれしいものが多いと井上教授は解説する。「まずは便通の改善です。ピーナッツは食物繊維も豊富であるため、食べ続けることで腸内環境が整い、1日の便通が平均1~2回増えたというデータもあります。これは大腸がんの予防にもつながるのです」また、ピーナッツは肌の新陳代謝を促し、保湿効果を高めることで、肌を健康な状態に保ってくれるという。「これからは強い紫外線によるダメージが気になる季節ですが、ポリフェノールの抗酸化作用は肌を日焼け後の酸化から守ってくれますし、ビタミンEは美肌効果をもたらします。同時に網膜の細胞が保護されることで、目の老化予防という効果も得られるのです」そのほか、脳の血流を活性化させ、記憶力アップや認知症の予防にもなる。さらには、活性酸素や悪玉コレステロールを減らすことで、動脈硬化を防ぐことにもつながる。これほどまでの若返り効果をもたらすピーナッツは、“最強食材”といってもけっして過言ではないだろう。井上教授自身、毎日ピーナッツを食べる生活を10年以上続けているそうだが、その効果を実感しているという。「昔は難治性のニキビが出ていたのですが、ピーナッツを食べるようになってからはいっさいなくなりました。もちろん、毎日快便です」そう話す井上教授の肌は、記者も驚くほどツヤツヤだ。
2019年06月20日目下、食品業界でその健康効果が注目されているピーナッツ。ツヤツヤな肌をキープし、認知症も予防。そんな“老けない体”を作ってくれるというのです――。「アーモンドやくるみなど、ナッツ類の健康効果はこれまでにもたびたび話題になってきましたが、いま食品業界が注目しているのはピーナッツに含まれる豊富な栄養素です」そう話すのは、ナッツ類の研究を長年続けている慶應義塾大学医学部の井上浩義教授だ。ピーナッツはミネラル、ビタミン、タンパク質、植物由来の脂質などの栄養素が豊富で、特筆すべきはその“抗酸化作用”だという。「ピーナッツの薄皮部分には、レスベラトロールというポリフェノールがふんだんに含まれており、この成分には血管を若々しく保つ働きがあります。これはほかのナッツ類と比較しても群を抜いています。以前にハーバード大学が行った研究でも、《ピーナッツを毎日食べ続けると、生活習慣病などによる死亡リスクが20%下がる》という報告がされています」(井上教授・以下同)手軽に食べられるピーナッツに、そんなにすごい健康効果があるとは!さらに、ピーナッツから得られる効果は、女性にとってうれしいものが多いと井上教授。その効果は次の5つだ。【1】お通じがよくなり、腸がイキイキ!【2】高い保湿効果で、肌がツヤツヤに!【3】脳の血流が活性化し、認知症の予防に!【4】網膜の細胞が保護され、目の老化防止に!【5】良質な脂質で、動脈硬化の予防に!これほどまでの若返り効果をもたらすピーナッツは、“最強食材”といってもけっして過言ではないだろう。さっそくピーナッツを食べる習慣を始めたいところだが、井上教授によれば、若返りの効果を十分に発揮させるには食べ方や選び方に注意が必要だという。ポイントは次の4点だ。【1】必ず薄皮付きのものを!「薄皮をとってしまうと、大切なポリフェノールがほとんど失われてしまいます。健康効果を得るためには、ピーナッツは必ず薄皮付きのものを選ぶようにしてください。市販のものはきちんと密封されたもの、素焼きのものを選ぶようにするとよいでしょう」【2】目安は1日30粒“ピーナッツは太る”という先入観を持つ人もいるだろう。もちろん食べすぎには注意だが、ピーナッツのカロリーは、30粒でおにぎり約1個分。「間食でついつい甘いものに手が出てしまうよりは、ずっといいでしょう。小腹がすいたときに手軽に食べられるのも、ピーナッツのよいところです」【3】朝起きてひとつまみ「人間の体が1日のうちで“酸化”のピークを迎えるのは正午です。朝一番にピーナッツをひとつまみ食べることで抗酸化物質を摂取し、体を酸化から守ることができます」【4】味付きでないものをできれば味が付いていない素焼きのものが好ましいが、食べにくさを感じる人は、塩味やハチミツなどの味付きでも構わないという。ただし、塩分過多のものを食べることで、せっかくの健康効果を台無しにしてしまうことのないように気をつけたい。若々しさをキープするために、手軽に食べられる“最強食材”ピーナッツ30粒を、毎日の習慣にしてみては。
2019年06月20日デイサービス利用中に突然、施設に連れ去られた母――。本人の意志を無視して後見人をつけ、自由と財産、幸せをも奪った行政の暴走を、家族は怒りをもって告発する!「“この国では安心して長生きもできないんだな”とつくづく感じました。普通の生活に戻れたのは奇跡としか言いようがありません。本当に地獄のような日々でした」そう語るのは三重県桑名市在住の山本浩子さん(48・仮名)だ。浩子さんは独身で、母・静江さん(79・仮名)と桑名市内の自宅で二人暮らし。静江さんには’14年頃から軽い認知症のような症状がみられたが、浩子さんは仕事をしながら、デイサービスを利用するなどして、在宅介護をしてきた。「私は母が大好きで、介護を辛いと思ったことはありませんでした」(浩子さん)ところが母娘の平穏な生活は突然崩壊する。’16年9月、桑名市の出先機関である地域包括支援センターの職員らが、デイサービス利用中の静江さんを一時保護の名目で連れ去り、施設に入れてしまったのだ。当時の模様を当事者である静江さんは、こう振り返る。「突然、市の職員が来て施設に連れていかれましたが、事情がさっぱりわからなかった。私は施設の職員に“家に帰して”“タクシーを呼んでほしい”と繰り返し頼みましたがずっと無視されました」着の身着のままで施設に入れられ、家族と会うこともできず、連絡も取れない状況が続いた。静江さんは「家族が迎えに来ないので、“捨てられた”とさえ思った」という。一時保護の名目は娘の浩子さんによる母・静江さんへの虐待疑惑。後に情報公開請求で入手した市の内部資料には、こう記されていた。「次女からのDVが発覚」「主(静江さんのこと)の体にアザや外傷が見受けられた」「緊急措置として施設に入所させ次女との分離を図った」浩子さんによると、静江さんは脳梗塞の予防のため、血液がサラサラになる薬を服用。そのせいで、ちょっとしたケガでも血が止まりにくく、こぶやアザができたり、広がりやすかったという。「母は活発な性格。体を動かすのが大好きなので、私はできるだけ母の自由にさせていました。でも24時間付きっ切りというわけにはいきません。私が目を離した際に、家や庭などで転んでケガをすることもありました。そのことはケアマネジャーや市の職員にも説明していたのですが、彼らは私が虐待したと決めつけて母を連れ去ったのです」(浩子さん)浩子さんによれば、静江さんがケガをしたとき、浩子さんはすぐに病院に連れて行ったという。「私が本当に虐待していたなら虐待を隠すために病院やデイサービスには連れて行かないはずです」静江さんも、私の取材にはっきりと、こう話していた。「娘が私を虐待したことは一切ありません。私は、自宅で娘と暮らすのが一番の幸せなのです」高齢者の多くは、住み慣れた家でずっと暮らしたいと思っている。浩子さんは、そんな思いに寄り添っていただけだ。ところが地域包括支援センターの職員やケアマネは「在宅介護は大変で、続けるのは危険だ」と言い続け、家族や本人の同意なしに施設に連れ去った。市職員ら周囲の独善的な思い込みが、やがて行政による不当な介入と人権侵害につながっていったようなのだ。なお、事件当時、静江さんの夫の隆さん(81・仮名)は通院の関係で、愛知県岡崎市に住む長女の田口康子さん(53・仮名)夫婦宅で暮らしていた。ありもしない虐待を理由に静江さんを連れ去られた夫の隆さんと康子さんは、浩子さんともども「虐待の事実はない」と強く否定し、静江さんを自宅に戻すよう申し入れたが、桑名市は無視し、驚くべき行動に出た。家族が全員反対したにもかかわらず、軽い認知症とされた静江さんに勝手に後見人をつけてしまったのである。成年後見制度は2000年に介護保険制度と同時にスタート。認知症などで判断能力が十分でない人の代わりに、家庭裁判所が選任した後見人が医療・介護契約を結んだり、財産管理をする。成年後見制度の利用申し立ては、本人、4親等内の親族のほかに市区町村長などもできる。桑名市は本人の診断書を添えて、市長名で津家裁に申し立てた。成年後見制度に詳しい一般社団法人「後見の杜」の宮内康二代表が語る。「成年後見制度で最も重要なのは後見制度を利用する認知症の人の意思の尊重(民法858条)です。植物状態の人を除き、たいていの認知症はまだら状態。程度の差こそあれ意思表示ができます。ところが実際には、本人の意思の尊重という根本原則が形骸化しており、意思を無視した誤った運用が堂々と行われています」たとえば利用申し立てを受けると、家裁の職員が本人に会い、健康状態や利用の意思を確認する必要がある。また本人に対し精神鑑定を実施することも、法律で定められている。だが、これには植物状態で意思表示できないような場合は、手続きを省略できるという但し書きがある。「このため、現実には専門外の内科医の診断書一つで植物状態同様に“常に判断能力がない”と決めつけられ、精神鑑定も家裁職員による本人の意思確認も行われない“手続き飛ばし”が当たり前に行われています」(宮内さん)静江さんのケースでも、内科医の診断書1枚に基づき、この二重の手続き飛ばしが行われたのだ。浩子さんが語る。「成年後見制度の恐ろしいところは、本人を無能力者扱いして、合法的に本人から自由と権利、財産を取り上げてしまうこと。家裁が後見人に選任した弁護士と市役所の指示で、母は家族との面会を禁じられ、電話もかけさせてもらえなかった。後見人がつくまでの間、施設費を母に払わせるため、市は、母の同意なしに生活保護を受けさせることまでしたのです。母は当時を思い出して“認知症だからという理由で人間扱いされなかった。囚人のように扱われた”と憤慨しています」(取材:ジャーナリスト・長谷川学)
2019年06月20日「“この国では安心して長生きもできないんだな”とつくづく感じました。普通の生活に戻れたのは奇跡としか言いようがありません。本当に地獄のような日々でした」そう語るのは三重県桑名市在住の山本浩子さん(48・仮名)だ。浩子さんは独身で、母・静江さん(79・仮名)と桑名市内の自宅で二人暮らし。静江さんには’14年頃から軽い認知症のような症状がみられたが、浩子さんは仕事をしながら、デイサービスを利用するなどして、在宅介護をしてきた。「私は母が大好きで、介護を辛いと思ったことはありませんでした」(浩子さん)ところが母娘の平穏な生活は突然崩壊する。’16年9月、桑名市の出先機関である地域包括支援センターの職員らが、デイサービス利用中の静江さんを一時保護の名目で連れ去り、施設に入れてしまったのだ。当時の模様を当事者である静江さんは、こう振り返る。「突然、市の職員が来て施設に連れていかれましたが、事情がさっぱりわからなかった。私は施設の職員に“家に帰して”“タクシーを呼んでほしい”と繰り返し頼みましたがずっと無視されました」一時保護の名目は娘の浩子さんによる母・静江さんへの虐待疑惑。後に情報公開請求で入手した市の内部資料には、こう記されていた。「次女からのDVが発覚」「主(静江さんのこと)の体にアザや外傷が見受けられた」「緊急措置として施設に入所させ次女との分離を図った」浩子さんによると、静江さんは脳梗塞の予防のため、血液がサラサラになる薬を服用。そのせいで、ちょっとしたケガでも血が止まりにくく、こぶやアザができたり、広がりやすかったという。「母は活発な性格。体を動かすのが大好きなので、私はできるだけ母の自由にさせていました。でも24時間付きっ切りというわけにはいきません。私が目を離した際に、家や庭などで転んでケガをすることもありました。そのことはケアマネジャーや市の職員にも説明していたのですが、彼らは私が虐待したと決めつけて母を連れ去ったのです」(浩子さん)事件当時、静江さんの夫の隆さん(81・仮名)は通院の関係で、愛知県岡崎市に住む長女の田口康子さん(53・仮名)夫婦宅で暮らしていた。ありもしない虐待を理由に静江さんを連れ去られた夫の隆さんと康子さんは、浩子さんともども「虐待の事実はない」と強く否定し、静江さんを自宅に戻すよう申し入れたが、桑名市は無視し、驚くべき行動に出た。家族が全員反対したにもかかわらず、軽い認知症とされた静江さんに勝手に後見人をつけてしまったのである。成年後見制度は2000年に介護保険制度と同時にスタート。認知症などで判断能力が十分でない人の代わりに、家庭裁判所が選任した後見人が医療・介護契約を結んだり、財産管理をする。成年後見制度の利用申し立ては、本人、4親等内の親族のほかに市区町村長などもできる。桑名市は本人の診断書を添えて、市長名で津家裁に申し立てた。成年後見制度に詳しい一般社団法人「後見の杜」の宮内康二代表が語る。「成年後見制度で最も重要なのは後見制度を利用する認知症の人の意思の尊重(民法858条)です。植物状態の人を除き、たいていの認知症はまだら状態。程度の差こそあれ意思表示ができます。ところが実際には、本人の意思の尊重という根本原則が形骸化しており、意思を無視した誤った運用が堂々と行われています」たとえば利用申し立てを受けると、家裁の職員が本人に会い、健康状態や利用の意思を確認する必要がある。また本人に対し精神鑑定を実施することも、法律で定められている。だが、これには植物状態で意思表示できないような場合は、手続きを省略できるという但し書きがある。「このため、現実には専門外の内科医の診断書一つで植物状態同様に“常に判断能力がない”と決めつけられ、精神鑑定も家裁職員による本人の意思確認も行われない“手続き飛ばし”が当たり前に行われています」(宮内さん)静江さんのケースでも、内科医の診断書1枚に基づき、この二重の手続き飛ばしが行われたのだ。浩子さんが語る。「成年後見制度の恐ろしいところは、本人を無能力者扱いして、合法的に本人から自由と権利、財産を取り上げてしまうこと。家裁が後見人に選任した弁護士と市役所の指示で、母は家族との面会を禁じられ、電話もかけさせてもらえなかった。後見人がつくまでの間、施設費を母に払わせるため、市は、母の同意なしに生活保護を受けさせることまでしたのです。母は当時を思い出して“認知症だからという理由で人間扱いされなかった。囚人のように扱われた”と憤慨しています」浩子さんは母の救出に専念するため退職を余儀なくされた。一方、長女の康子さんは、母親に後見人をつけた津家裁の審判を不服として、名古屋高裁に即時抗告を申し立てた。申し立て後の’16年11月、ようやく桑名市役所で母と姉、父の面会が実現したが、虐待の汚名を着せられた次女は外された。以下は、そのときのやりとりを記録した一部だ。康子さん「浩子はお母さんがおらなくなってから、無茶苦茶。寝れやん、食べれやん」隆さん「みんながガタガタになってさ。もう、家が崩壊しとる」静江さん「浩子が可哀そうや。うちに帰りたい。うちに帰った夢ばかりみとる(すすり泣く)」’17年1月、名古屋高裁の藤山雅行裁判長は、静江さんの判断能力を認め、「本人の精神状況につき鑑定を経ずして後見開始の審判をした原審は、その手続きに違法がある」と津家裁を批判。後見人を付けた家裁の審判を取り消した。’17年11月、静江さん、浩子さん、康子さんの母娘3人は、国(家裁)と桑名市(伊藤徳宇市長)を相手取り、名古屋地裁に国家賠償請求訴訟を起こす。「桑名市からはいまだにお詫びの一言もありません。私たちのような被害者を再び出さないため、やむなく提訴しました」(浩子さん)静江さんもこう話す。「施設に閉じ込められた、かけがえのない私の貴重な時間を返してほしいです」静江さんは地裁に提出した陳述書で、次のように書いている。「私は認知症のような症状があると言われていますが、はっきり自分の意思も言えますし、すべてのことを忘れたことはありません。ですが、もし認知症だったとしても、人を人とも思わないような対応をして良いとは思いません。認知症になったら一人の人間として扱わない、自由さえ奪っても良いと考えるならば長生きなどするものでないと正直思います」今年6月20日、津地裁で国賠訴訟の裁判が開かれ、静江さん母娘が証言に立つ予定だ。浩子さんは、市役所、家裁、厚生労働省等、さまざまなところに相談したが相手にされなかった自身の経験を踏まえ、こう語る。「後見人が外れるまでの10カ月間は地獄でした。私たちのような被害者を出さないよう、行政や職業後見人、家裁の暴走を監視し、後見被害者の声を受け付ける第三者機関を早急に設立すべきだと思います」実は、介護家族が虐待の濡れ衣を着せられ、親が後見人を付けられたケースはほかにもある。決して他人事ではないのだ。(取材:ジャーナリスト・長谷川学)
2019年06月20日徳光和夫アナウンサー(78)が6月14日、渋谷区と日本認知症予防学会が取り組む「認知症に関する協定」概要発表会に認知症予防大使として出席した。一部スポーツ紙によると、徳光アナは自身の起用理由について「認知症予備軍であり、78歳にしては元気。みのもんたは最近、何となく元気ないので、一番元気のいいのが徳光と思われて、大使に選ばれたと思う」と笑わせたという。「徳光さんにとってみのさんは、業界の後輩であり立教大の後輩。そのため“ネタ”にはしやすかったようですが、たしかに最近のみのさんには心配の声も上がっています」(テレビ局関係者)みのは13年11月までTBS系の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」「みのもんたのサタデーずばッと」でキャスターをつとめていた。だが13年9月、日本テレビに勤務していた次男が窃盗未遂容疑で逮捕。同局を諭旨解雇処分となった。そしてみのにも批判が殺到した結果、両番組のキャスターを降板した。「当時のみのさんは年収10億円超えとも言われるほどの人気者でした。しかし両番組に続き、文化放送の冠ラジオ番組『みのもんたのウィークエンドをつかまえろ』が14年3月で終了。87年から放送されていた長寿番組でライフワークにしていただけに、ショックだったでしょうね」(芸能記者)現在は稼業である水道メーター会社兼個人事務所「ニッコク」社長をつとめながら、レギュラーは日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW」とAbemaTV「みのもんたのよるバズ!」の2本のみだ。「AbemaTVではキャスターをつとめています。みのさんそれを足掛かりに地上波へのキャスター復帰を狙っていたようですが、いまどにお呼びがかかりそうな気配はありません」(前出・芸能記者)地上波のキャスターこそが、みのの“若さの秘訣”だったようだ。
2019年06月16日卵には認知症予防や風邪予防の栄養素が含まれています。コレステロールが多い、と良くない面が取り上げられがちですが、良い面も沢山あります。2015年、食事摂取基準でコレステロールの上限値が設定されなかったことをふまえ、結局、卵は何個くらい食べるのがベストか?ということについてまとめています!卵が「摂りすぎ注意」といわれていた理由は?出典:byBirth卵のコレステロールは多い?卵1個(Mサイズ)につき、コレステロールは280mg含まれています。たらこ1/2腹(約25g)で88mg、焼き鶏のレバー1串(約30g)で約110mgなので、確かに卵のコレステロールは多いといえますね。卵といえば、「コレステロールが多い」と、良くない面が取り上げられがちですよね。ダイエット中、炭水化物を減らすかわりに卵を1日に何個も食べる人や、卵に含まれる栄養素に着目するのは良いですが、卵ばかり食べる人もいます。そういったことが原因で、「卵の食べ過ぎは良くない」と見聞きすることが増えたのかもしれません。卵に含まれる栄養素卵には、魅力的な栄養素が豊富に含まれています。ビタミンCと食物繊維以外は含まれているので、「完全栄養食」といわれることも。コリン卵黄に含まれている脂質です。脳を活性化させ、認知症の予防・改善に良いといわれています。数ある食品の中でも、卵のコリンは特に脳に吸収されやすい、といわれています。記憶力アップにも良いといわれているので、勉強盛りの子どもにも◎。メチオニンアミノ酸の一種で、体内では作ることができないため、食事から摂る必要があります。アルコールは肝臓で分解されますが、その際に必要になる成分です。二日酔いに卵はおすすめです。ビオチン皮膚や髪をきれいに保つ作用があります。美肌・抜け毛対策もできるとは、嬉しいポイント◎。さらに、コレステロールの代謝をよくする作用もあります。リゾチーム卵白に含まれていて、細菌を卵の内部に侵入させないよう、溶菌作用があります。風邪薬に「塩化リゾチーム」という成分が入っていることがあります。なんと、卵白から特殊な技術で取り出された成分なのです。医療にも使われるとは、すごいですよね!免疫力を高めるため、「風邪予防に卵」と覚えておきましょう!1日に摂るコレステロールの上限値がなくなった!?食べていいわけではないって本当?出典:byBirth厚生労働省の食事摂取基準では、1日に摂るコレステロールの上限は300mgと設定されていました。しかし、2015年に発表された新しい食事摂取基準では、上限値はなくなっています。根拠がなかったため、上限値がなくなった?上限値がなくなった、というと、「どれだけ摂ってもOK!」と思われがちです。ですが、今回、上限値が設定されなかったのは、コレステロールは体内で合成できるため、食事から摂るコレステロールの影響が少ないと考えられる上限値を決める科学的根拠が少ないという理由です。食事からの影響が少ない、というだけで影響はゼロではないこと、根拠がなかったために上限を設定できなかった、とも捉えられます。コレステロールはどれくらい体内で合成されている?肝臓でコレステロールはつくられます。コレステロールの約9割は、体内でつくられており、残りが食事から摂る分です。確かに、体内でつくられる比率が圧倒的に多いですよね。また、食事でたくさんコレステロールを摂ると、体内での合成量は少なくなり、常に一定の量に調整されています。これからまた変わる可能性も今後、食事のコレステロールが血中コレステロール値におよぼす影響について、はっきりとした根拠が分かった場合、食事摂取基準におけるコレステロール基準値は変わる可能性もあります。常に、最新の情報をみておく必要がありますね!医師から制限等がない場合、1日に1~2個がベスト!出典:byBirthコレステロールが高い家系の人は、遺伝素因もあるので、食べ過ぎには注意しておきましょう。また、年齢とともに、どうしても血中コレステロールはあがる傾向にあります。コレステロールが気になるなら、水溶性食物繊維をとろう!水溶性食物繊維には、体の中の余分なコレステロールを吸着して、体の外に出すはたらきがあります。どんな食品に多いかというと、フルーツ(熟したもの)わかめ、昆布などの海藻類しいたけ、舞茸、しめじなどのきのこ類などです。卵だけでなく、コレステロールが気になる場合は、今から対策として水溶性食物繊維を摂っていきましょう!まとめ出典:byBirth卵は、何かと「コレステロールが多い」といわれがちですが、他にもコレステロールが多い食品は沢山あります。卵には美容や健康に魅力的な栄養素がたっぷり含まれています。とはいうものの、食べ過ぎには要注意。1日に3個も4個も食べることは避けたほうが良いでしょう。何にでも、「適度」があることを理解して、楽しく食事ができるのが理想的ですね!
2019年06月15日「ふっくん」こと布川敏和さん(53)との約20年に及ぶ結婚生活にピリオドを打って5年。別れた夫婦が「いい感じ」になるための秘訣をつちやかおりさん(54)に聞きました。「先日、彼と電話で子どものことや仕事のことをあれこれと、気づいたら1時間半も話していたんです。こんなに話すなんて、自分でもびっくりしちゃいました」そう語るのはつちやかおりさん。通話の相手は、20年近く連れ添った元夫の布川敏和さんだ。「いっしょにいた期間は親きょうだいより長いので、お互いのことがよくわかるんです。離婚前はお互いの悪いところばかり目につきましたが、いまではいいところも見られるようになった感じですね。夫婦じゃなくなったことで、相手に求めるものがなくなったからでしょうか」つちやさんは、18歳から9年の交際を実らせ’91年に布川さんと結婚。ハネムーンベビーで’92年に長男(現在・俳優の隼汰さん)を、’94年に長女(モデルの桃花さん)、’01年に次女(花音さん)を授かったが、’14年6月に離婚を発表。夫婦という関係を解消してから5年、つちやさんには、自分自身でも意外な変化があったという。「結婚前は本当に早く仕事を辞めたかったんです。当時、敏和さんはアイドルとしての全盛期でしたから、会う時間が全然取れなくて。いつでもいっしょにいられるように早く芸能界をやめて、結婚したいって(笑)。それがいまでは、仕事を受けすぎてマネージャーにも怒られるくらいの変わりぶりです」実際、現在のつちやさんは舞台やテレビのバラエティから、本の出版、講演など仕事が切れることがない。さらにはグループホームで暮らす認知症の母親の介護経験から、介護関連の資格取得も目指しているという。もちろん、冒頭のエピソードのように、布川さんと長電話ができるような関係になれたということも、当時のつちやさんには考えられなかった大きな変化だろう。「かといって『2人でランチでもしようか』ということにはならないんです。犬を預ける都合でしょっちゅう顔を合わせてはいるんですけど。もはや親戚のおじさんですね(苦笑)」たしかに“親戚のおじさん”とはランチに行く関係にはならないが、子どもたちが自立し、一人暮らしをしている布川さんのことはどう思っているのだろう。「早く新しい奥さんをもらってほしいですね。だって、もし彼に何かあっても、まだ子どもたちに面倒を見させるわけにはいきませんから。じゃあ、私なの?ってことになっちゃうでしょ(笑)」元夫である布川さんとの関係を屈託なく語るつちやさんだが、昨年の夏には“家族5人”の写真をブログに掲載して話題となった。「花音が留学先から帰国したときだったんですけど、どうする?パパも呼ぶ?ってことになって。敏和さんも楽しそうにしていました。けっこう緊張していたんでしょうね。途中で真っ青になって倒れちゃったんです。あとで『本当に体調が悪かったんだよ』と言っていましたが、子どもたちは大爆笑でした」この先も、子どもが結婚したり、孫が生まれたりすれば、もちろん顔を合わせる機会はあるとつちやさんは言う。「離婚から5年たってようやく、こういう関係もありかな、と思えるようになりましたが、それにはお互いが同じ距離感じゃないとだめなんでしょうね。どちらかに未練やわだかまりが残っていると成り立たないと思います。そう考えると、いまは本当に“いい感じ”に落ち着くことができていると感じています」
2019年06月14日<(老後資金の)不足額の総額は単純計算で1,300万円~2,000万円になる >そんな記述を含んだ金融庁の「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書」が波紋を呼んでいる。この51ページにも及ぶ報告書が発表されたのは6月3日のこと。報告書によれば、年金収入で暮らしている高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の月間収支は約5万5,000円の赤字である。仮にこの生活が20年続けば約1,300万円が、30年続けば2,000万円が年金とは別に必要になる、というわけだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、報告書を読んだ率直な感想をこう語る。「老後のために、2,000万円ほどの貯蓄が必要という試算は、民間では言われてきたことではあります。でも、省庁が“年金だけでは足りない”と表現したことはなかったかもしれません」――年金は100年安心政府はずっとそう喧伝してきただけに、“年金だけで生きていけない”という内容への反発は激しい。「これからの世代は、ますます年金だけでは生活できなくなっていく。さらに、長寿にもなっていくので、たとえ金融資産があっても、途中で尽きてしまうかもしれない。そのため、『資産寿命』を延ばすことが必要だと、報告書では強調されています」(風呂内さん)「資産寿命」とは、報告書によると、<老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間>。これが尽きてしまえば、後は年金だけで生活するほかなくなる。報告書では人生を3つの期に分けて、「資産寿命」の延ばし方を指南している。【現役期】資産形成期このころから、投資によって資産を増やすことが必要だという。税制面で優遇が行われている「つみたてNISA」と「iDeCo」が報告書で推奨されているほか、<日経平均だけに積立投資するよりも、米国NYダウと組み合わせた方がトータルリターンはさらに大きくなり>2など、具体的なアドバイスまで。「<保有期間が5年ではマイナスリターンも発生するが、保有期間が20年になるとプラスリターンに収斂>とあるように、長期間投資するほど、有利な結果になりやすいということです」(風呂内さん)もちろん、長期投資でもマイナスになるリスクもある。手数料がかかることも忘れてはならない。経済評論家の平野和之さんは、こう語る。「運用に失敗しても、金融機関は責任を取らず手数料を取る。“貯蓄から投資へ”というのであれば、金融機関にも“手数料は成功報酬のみ”など、リスクを負わせることは必要ではないでしょうか」手数料を取ることだけを目的として、リスクの高い商品を勧めてくる業者もいるという。その見極めは自分でやらねばならないのだ。【リタイア期前後】運用・取り崩し期退職金がある人はそれを踏まえた老後計画を立てる必要があるが、年々退職金の額は減っているという。’02年には平均2,600万円ほどあった退職金は、’17年には2,000万円まで減っている(常用労働者が30人以上の民営企業、大卒者)。ここで、報告書が提案するのが、老後も働き続けることだ。第一生命経済研究所の首席エコノミストの永濱利廣さんは、「健康寿命が延びているのだから、昔と比べて現役世代が長くなるのは仕方ありません」と語る。だが、現役時のような給与水準は、再雇用前と比べて、平均65.4%まで下がるという。’16年度の調査では、65歳から69歳の男性の55%、女性の34%もの人が働いていて、これは世界でも高い水準にあるという。「現状でも、年金や貯蓄の関係から“働かざるをえない”という人もいるでしょう。今後、働く高齢者はより増えていくと考えられます」(風呂内さん)【高齢期】資産管理期働くことによる所得は期待しづらく、年金と資産の取り崩しで生きていく必要がある。ここで大切なのが、“支出の削減”となるが、すでにリタイア期から習慣づけていることが望ましい。「携帯料金やガス料金の見直しなど、生活水準を下げずに取り組む節約という方法も。まずは家計=経済に対してアンテナを張っておくことです」(永濱さん)さらに、こんな準備も必要だ。「認知症などで判断能力が低下すると、資産を思うように利用できなくなったり、失うこともあります。そうなる前に、資産の扱いを決めておきましょう」(永濱さん)うまくやれば、「人生100年時代」にも対応できると、報告書にはあるが……。年金生活に入る前に2,000万円を貯めておく――そんな“絵に描いた餅”が食べられなかった場合、飢えてしまうのは自分自身である。
2019年06月11日山里亮太(南海キャンディーズ)との電撃婚で話題となっている蒼井優。実力派女優として名高い彼女の魅力を改めて確認できる映画『長いお別れ』が、6月10日時点で観客動員15万人、興収1億8000万円突破と独立系ながら大ヒット中で、国内最大級の映画レビューサイト「coco」でもレビュアー満足度91%と高い数値を維持している(6月10日現在)。認知症の症状が日に日に進んでいく元・中学校校長の父と、優しさに溢れた愛情で支える母、さらにそれぞれに人生の岐路に立たされる2人の娘の7年間を描きつつも、劇場にはすすり泣く声とともに笑い声が響き渡る。悲壮感一辺倒ではない、新たな認知症映画ともいえる本作には、蒼井さんをはじめ俳優陣を絶賛する声が続出している。◆「たくさんの笑いと愛と切なさで溢れている」本作は、自主制作映画『チチを撮りに』(’12)がベルリン国際映画祭など国内外10以上の映画祭で絶賛され、商業デビューを飾った前作『湯を沸かすほどの熱い愛』(’16)がロングランヒットとなり、日本アカデミー賞など国内映画賞を席巻した中野量太監督の最新作。これまで“血縁にこだわらない”、むしろ“血縁よりも熱い”愛を描いてきた中野監督が、「オリジナル脚本へのこだわりを捨てられた」と語るほど直木賞作家・中島京子の同名小説に惚れ込み、改めて家族という血縁と、血縁でない者が結びついた夫婦の双方について、認知症という病を通して描き出している。「coco」レビュアーからは、「家族の絆や愛など奇をてらう事なく、真っ直ぐな映した作品で素直に感動した。前作もそうだが、死に向かう話なのに後味は悪くない」「所々に散りばめられたユーモア溢れるエピソードでそれほど重くなく見られる」「たくさんの笑いと愛と切なさで溢れているとても優しい映画でした」といった声が寄せられ、月日をかけて少しずつ自分自身や家族と決別していく“長いお別れ”と称される認知症を扱いながら、“優しい気持ち”になれて“家族に会いたくなって”劇場を後にする人が多い様子。「『湯を沸かす…』に乗れなかった私は、あれの評価でよく語られていた「残酷だけれど温かい」「泣けるけれどもホッコリ」「家族愛に溢れている」という文句をそのままこの映画に充てたい」との声もあり、「先年亡くなった家族を思い出した」「親父と重なり涙腺が緩んでしまった」「数年前に送った父と山崎努さんの背格好が似ていて懐かしく感じました」「自分の両親のことに当てはめてみてしまいます」と、実際に家族を見送った人たちも含め、自身の家族と重ねるコメントも多い。◆人生に迷う蒼井&竹内“姉妹”はじめ「キャストがみんなはまり役」そんな身近さを感じるのは、「認知症を初期から晩年まで丁寧に描き、同時に温かく見守る家族の姿」もつぶさに映し出していることが大きい。何より、「とにかくキャスティングが最高!」「キャストがみんなはまり役で素敵」「これ以上ない完璧なキャスティングが◎」などなど、この家族・東(あずま)家の面々を演じた俳優陣に感嘆の声が続々。「山崎努の認知症演技のリアルさで物語にどっぷり浸れた」「僅かな機微で魅せる山崎努は流石」「本当に認知症になってしまったかと思うほどの山崎努さんの演技」と、茶目っ気のある初期の姿から7年の間にゆっくりと、だが確実に認知症が進行していく様をリアルに演じた父・昇平役の山崎さんの熱演があるからこその没入感。また、「女優陣がみんな可愛らしかった」「松原智恵子さんのほんわかな雰囲気が素敵」「松原智恵子さんが演じる母の寛容さの背景にある芯の強さ」「蒼井優演じる次女に好感」「個人的には竹内結子の演技が良かった」など、次女・芙美を演じた蒼井さん、長女・麻里を演じた竹内結子、そして母・曜子を演じた松原智恵子の三者三様の女性たちの姿も印象的。なかには「場を和ませる母親役の松原智恵子さんがとてもいい。蒼井優さんの可愛さを再確認したのだが・・、クソぅ!」と、今回の電撃婚に悔しそうな(?)ファンの声までも。◆「人生を見つめ直すチャンスをお父さんからもらえた」だが、劇中での蒼井さん演じる芙美は決して幸せとはいえない。カフェの経営を夢見ながらも実現には遠く、運命的な再会から新しい恋が始まるも続かない。それに身近にいることもあって、たとえ失恋の直後であっても、しばしば母に呼び出される。それでもあるとき、つながっているのかいないのか、よく分からない中での会話ながら、父から「ゆ~っとして」とダジャレのような(?)アドバイスを受け取ると、思いっきり「ゆ~っと」伸びをした後の彼女は、どこか憑きものがとれたかのよう。アメリカから一時帰国した姉・麻里にも「変わったね」と言われるようになる。その麻里も、数年間いても馴染めないアメリカでの生活、コミュニケーションが足りていない夫や息子との関係に、“家族と離れている”からこそ結論を見出せるようになっていく。確かに認知症になった家族と暮らすことは、ひと筋縄ではいかない。「こんなに美しいものじゃない」「ファンタジー的」という声が上がるのも納得できる。しかし、この家族をこれほどまでに愛おしく感じるのは、認知症や介護といった避けられない親の老いを通じて、家族各々がそれぞれの愛を再認識し、積み重ねてきた家族の歴史を土台にして前を向いていくからだ。その姿は、「子供たちがお父さんの認知症と向き合うことで自らの人生を見つめ直すチャンスをお父さんからもらえたのではないか」「介護に携わった家族一人一人にも変化と変容がありジンワリ沁みる。逞しくなっていく芙美の姿には特に打たれた」と、観る者に深い共感を呼び起こしている。『長いお別れ』は全国にて公開中。(text:Reiko Uehara)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会
2019年06月11日代はそれまで健康であった人も体調の変化を実感するようになり、老後のことを考え始める年代です。40代は生活習慣病や七大疾病と言われる病気にかかりやすくなり、40代からの生命保険はそれらをカバーできる保障である必要があります。今回は40代におすすめの生命保険ランキングをご紹介します。40代で備えるべきリスク40代で備えるべきリスクは、病気やケガのリスク、死亡のリスクに加え、老後のリスクも考える必要が出てきます。若いときに比べて体調の変化が顕著になり、現在のことだけでなく老後のことも考える必要がある40代は、病気だけでなく家族の生活費や子供の学費、介護や老後に備える必要があります。また、残りの人生をどう生きていくのか考える機会も多くなり、生命保険の見直しをする方も増えます。【40代で備えるべきリスク①】病気やケガのリスク40代ではそれまでなかった病気や生活習慣病が目立ってきます。特に40代は胃がん、大腸がん、肺がんになる確率は30代以下の3~4倍にものぼります。脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まり、糖尿病などの生活習慣病での入院も増加します。40代からは30代までの生命保険ではカバーできなくなる場合が多いのです。【40代で備えるべきリスク②】死亡のリスク男女ともに40代の死因はがんが1位です。2位は自殺、3位は心疾患、4位は脳血管疾患と続きます。自殺や心疾患、脳血管疾患はストレスが原因の一つとして考えられています。これらは突然死であったり急激に症状が進行する病気です。死亡しない場合も元の生活が難しいほどの後遺症が残る場合があります。ですから40代ではより厚い死亡保障を用意しておいたほうが安心できます。【40代で備えるべきリスク③】老後のリスク40代は自身の老後について考え始める時期でもあります。支給される年金がいくらで、今の生活を維持するにはこれだけの資金が必要になり、それをどう用意していくのか。また、親の介護もしながら自身の老後の生活も維持するためにはいくら必要だとか、明確に老後の資金が見えてきます。子供の学資や生活費が落ち着いたあとは、老後の資金をどう用意するかを考えておくと豊かな老後の生活が安心して送れます。40代におすすめの生命保険選びで重要なポイント40代の生命保険選びで重要なポイントは2つあります。がん、心疾患、脳血管疾患(三大疾病)や生活習慣病をカバーできる生命保険を用意すること老後や介護、就労不能などに対応した生命保険を選ぶことこれらのポイントを押さえながら、40代におすすめする医療保険ランキングと、40代におすすめする死亡保険ランキングをご紹介します。40代におすすめの医療保険ランキング40代におすすめの医療保険ランキングは以下です。5位損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「新・健康のお守り」4位オリックス生命「医療保険新CURE」3位メットライフ生命「新終身医療保険Flexi S」2位チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムDX」1位三井住友海上あいおい生命「新医療保険Aプレミア」第5位損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「新・健康のお守り」第5位は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「新・健康のお守り」です。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「新・健康のお守り」は、特約も多く介護に備えられる保険です。三大疾病での入院は無制限になるのに対し、七大生活習慣病追加給付特則が60日を超えて継続して120日までの保障になるため注意が必要です。第4位オリックス生命「医療保険新CURE」第4位はオリックス生命の「医療保険新CURE」です。オリックス生命の「医療保険新CURE」は七大生活習慣病(がん/心疾患/脳血管疾患/糖尿病/高血圧性疾患/肝硬変/慢性腎不全)での入院では支払い限度日数が120日、三大疾病(がん/心疾患/脳血管疾患)での入院は支払日数が無制限になり、40代から増加する病気をカバーできます。がん充実プランや三大疾病充実プランなどの特約もあり、がんや特定の病気に備えて保障を上乗せすることも可能です。第3位メットライフ生命「終身医療保険Flexi S」第3位はメットライフ生命「終身医療保険Flexi S」です。メットライフ生命の「終身医療保険Flexi S」は、豊富な特約で長生きのリスクに備えることができる保険です。1入院最長730日まで選べる入院日数や、介護、認知症などをカバーしています。第2位チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムDX」第2位はチューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムDX」です。チューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムDX」は、治療が長期化する傾向がある精神疾患やストレス性疾患に対して備えられる保険です。特約付加で七大疾病による入院が無制限になるため、40代から多い疾患に対して備えられる医療保険でもあります。第1位三井住友海上あいおい生命「新医療保険Aプレミア」第1位は三井住友海上あいおい生命「新医療保険Aプレミア」です。がんのリスクや生活習慣病のリスク、女性特有の病気に対するリスクに備えられる他、介護状態になったときのリスクにも備えられます。40代で加入する医療保険でもっともおすすめできる商品です。[adsense_middle]40代におすすめする死亡保険ランキング40代におすすめする死亡保険ランキングは以下です。5位オリックス生命「家族をささえる保険keep」4位T&Dフィナンシャル生命「家計にやさしい収入保障」3位東京海上日動あんしん生命「家計保障定期保険NEO」2位損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「リンククロスじぶんと家族のお守り」1位三井住友海上あいおい生命「&LIFE新総合収入保障」(※保険期間・保険料払込期間60歳満了、年金月額15万円、3大疾病払込免除特約なし、支払い保障期間は最短期間で算出。)第5位オリックス生命「家族をささえる保険keep」第5位はオリックス生命の「家族をささえる保険keep」です。オリックス生命のキープは喫煙者も非喫煙者と同じ保険料で加入できる死亡保険です。非喫煙者割引を利用しない他社の収入保障保険の保険料と比べると保険料が安いため喫煙されている方に人気があり、40代の喫煙者におすすめできます。第4位T&Dフィナンシャル生命「家計にやさしい収入保障」第4位はT&Dフィナンシャル生命の「家計にやさしい収入保障」です。T&Dフィナンシャル生命の「家計にやさしい収入保障」は、喫煙者(健康体保険料)も非喫煙者(非喫煙者健康体保険料)もぞれぞれ保険料が割安であることが特徴です。40代で保障の上乗せや、死亡保険を用意するときに加入したい保険です。第3位東京海上日動あんしん生命「家計保障定期保険NEO」第3位は東京海上日動あんしん生命の「家計保障定期保険NEO」です。東京海上日動あんしん生命の「家計保障定期保険NEO」は、5疾病(がん/急性心筋梗塞/脳卒中/肝硬変/慢性腎不全)での入院一時金や就業不能状態になった場合の給付金も用意できます。また、1年間喫煙していなければ保険料が割引になります。40代で増えてくる病気に対応できる死亡保険です。第2位損保ジャパン日本興亜ひまわり生命「リンククロスじぶんと家族のお守り」第2位は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「リンククロスじぶんと家族のお守り」です。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「リンククロスじぶんと家族のお守り」は、七大疾病(がん/急性心筋梗塞/脳卒中/慢性腎不全/肝硬変/糖尿病/高血圧性疾患)とメンタル疾患(統合失調症/気分障害/神経症性障害・ストレス関連障害および身体表現性障害/摂食障害/非器質性睡眠障害)の際に毎月(2年間・5年間)生活サポート年金を受け取れます(無解約返戻金型メンタル疾患保障付七大疾病保障特約)。その他にも、健康割引や5年ごとに5%相当の保険料の減少などの保険料の割引もあります。40代はさまざまなストレスが増える年代です。精神的な病気になった際もカバーできるおすすめの死亡保険です。第1位三井住友海上あいおい生命「&LIFE新総合収入保障」第1位は三井住友海上あいおい生命の「&LIFE新総合収入保障」です。三井住友海上あいおい生命の「&LIFE新総合収入保障」は、支払事由が広範囲な点が特徴です。他社は独自の基準で支払事由を設定している中で、あいおい生命はより広範囲をカバーできる公的介護保険制度の要介護2以上の状態になったときに年金を受け取れます。また、非喫煙者、喫煙者だけでなく優良運転者(ゴールド免許保持/無免許で運転しない)を対象に6段階最大20%割引の保険料が割引されます。非喫煙者や優良運転者は割安な保険料でしっかりした死亡保障を用意できます。40代で死亡保険を用意するなら、まずはこちらの商品をおすすめします。40代におすすめの生命保険に関するまとめ40代からの生命保険は生活習慣病や七大疾病に備えて、より厚い保障を用意する必要がありました。また、就労不能時の保障や介護に備えておくとさらに安心できます。40代になったら一度保険を見直して、必要な保障をカバーできる生命保険を用意し万一のときに備えてください。
2019年06月10日「今年から初めて本気で」終活を始めた渡辺えり(64)。地元・山形で暮らす認知症の両親の影響だという。今後の人生設計を語る――。「今、64歳なのですが、今年から初めて本気で終活を考え始めました。きっかけは、やはり両親です。父が93歳、母が89歳で体は健康なのですが、2人とも認知症を患っています。症状は父が軽く、母が重いため、今、地元・山形で別々の老人ホームに入っています。山形新幹線で片道3時間で往復できるようになりましたから、毎月、日帰りでも時間をつくって帰るようにしています」そう話す渡辺。昨年創立40周年を迎えたオフィス3○○(さんじゅうまる)を主宰、日本劇作家協会会長も務める彼女は『ぴったんこカンカン』(TBS系)などテレビ出演に加え、現在も大阪松竹座の『三婆』に出演するなど精力的に活動。私生活では4月に23年間連れ添った俳優・土屋良太(52)と離婚したばかりだ。「心機一転、引っ越しをしたばかりなんです。広いところから狭いところに移ったので、荷物が入り切らなくて。本や資料だけでも手元に置いておくものと大学に寄付するもの、田舎に送るものと、選別できていない段ボールがまだ50箱もあって。新居では開くところもないありさまなんです。元劇団員たちが土日に来てくれますが、この分では1年以上かかりそうです」「私は太ってるからため込むタイプなんです(笑)」と語る渡辺。「今回の引っ越しで、ずいぶんスリムになりました。服とかいらないものは手伝いに来てくれた人にあげました。姪っ子にもずいぶん送りました。だけど、やっぱり舞台衣装などはまた使うと思うから、それは山形に送ろうと思ってます。実は60歳を過ぎたら地元で演劇塾を開こうと以前から思っていて、故郷に稽古場にできる古家を買ってあったんです。父の入居しているホームはそこから歩いて30分ぐらいのところにあります。まだ実際に始めていないのは、60歳になっても自分がまだまだ元気だったから。今は仕事があるから東京に住んでいますが、70歳過ぎたら山形に移り住もうと。月謝2,000円で10人ぐらい、子どもたちに芝居を教えようかなと思って……」いったん劇団を解散したとき、早稲田大学の演劇博物館に衣装や小道具は全部寄付したという。「今回もあげるところは決まっているのですが、全部送ったら地元の演劇塾はどうなるんだと思って。だから一部は山形に持ってきます。主宰するオフィス3○○公演も、来年までは東京・本多劇場でやりますが、再来年からは小劇場に戻って、自主制作でコツコツやろうと思っています」数年後に向け、今はさまざまなものの整理と今後のお金の算段を考えていて心身ともにフル回転で、慌ただしい日々を送っている。「でも、私は恵まれているんです。田舎で少女のころから思い描いていた夢は、みんなかなっています。大ファンのジュリー(沢田研二)とは舞台『フィガロの結婚』で共演しました。劇作家の唐十郎さんとも舞台『少女仮面』でご一緒できました。美輪明宏さんとも、縁があって改名するきっかけまでいただきました」唯一かなっていないのが『世界平和』。今夏、渡辺が主宰するオフィス3○○の舞台『私の恋人』は、渡辺自身も足を運び、ガス室や焼却炉などを見てきた、ドイツのミュンヘンにナチスがユダヤ人を隔離するため造ったダッハウ収容所がモチーフだ。「簡単ではないことはもちろんわかっていますけどね。私は5歳のとき山形市内に引っ越して小学校に入った途端、いじめに遭っています。あまりのショックに2年間もひきこもり状態になりました。夢と現実のギャップを知り、不平等な世界や矛盾を知り、だからこそ、演劇の夢を追うようになりました。世間にはすごく貧しくていじめられてる人と、金持ちがいることが許せませんでした」演劇を志し、18歳で上京したとき、是が非でもこの“格差”をなくしたいと思ったそう。「両親は私が山形大学に進学し、音楽教師になってほしかったそうです。母は合格発表を一緒に上野まで見に来てくれたのですが、帰りの列車の中で『娘を手放さなければならないのはバチが当たったからだ』と号泣したことを後で打ち明けられました。私が演劇をやめられないのは、まだ『世界平和』の夢を達成できていないから。これからもやり続けて、ジワジワ効く漢方薬のように、若い人たちにも“平和”への思いを感じてほしいと強く願っています」
2019年06月09日「今、64歳なのですが、今年から初めて本気で終活を考え始めました。きっかけは、やはり両親です。父が93歳、母が89歳で体は健康なのですが、2人とも認知症を患っています。症状は父が軽く、母が重いため、今、地元・山形で別々の老人ホームに入っています。山形新幹線で片道3時間で往復できるようになりましたから、毎月、日帰りでも時間をつくって帰るようにしています」そう話す渡辺えり(64)。昨年創立40周年を迎えたオフィス3○○(さんじゅうまる)を主宰、日本劇作家協会会長も務める彼女は『ぴったんこカンカン』(TBS系)などテレビ出演に加え、現在も大阪松竹座の『三婆』に出演するなど精力的に活動。私生活では4月に23年間連れ添った俳優・土屋良太(52)と離婚したばかりだ。後悔はたくさんあるが、ひとつだけ、両親にやっておいてよかったなと思うことがあると渡辺は言う。「15年前、母親から急に『どうも認知症になりそうだ』と電話があったんです。今までこうしてくれとか何も言ったことがなかった母親が、初めて。『元気なうちに、旅行に連れてってくれ』と。行きたいところを聞いたら、伊勢神宮と出雲大社と、日光東照宮と広島の原爆資料館の4つ。それで必死に10日間休みをつくったんです。そのときはまだ両親も元気で、移動の際も私のトランクを持って走ってくれて、すべて時間どおり、間に合ったんです。母親と一緒に露天風呂に入って背中を流し合ってね。本当によかった。当時の写真は母もいまだに喜んで見ています」今夏、渡辺が主宰するオフィス3○○の舞台『私の恋人』はその旅行体験が生かされているという。「両親と広島の原爆資料館に行ったときのことです。私も初めてでした。私は劇作家ですから、人間のしでかした所業は人に伝えなくちゃいけない。これは見なくちゃと思って、目を見開いて全部見て出たんですけど、途中で両親を見失ったんですよ。おかしいなと思って外に出たら、噴水の前のベンチに2人でうなだれているんです。とてもじゃないけど見てられなかった、と2人で泣いているんです。戦争経験者ですから、心が傷つきすぎて5分で出てきたんです」渡辺はドイツのミュンヘンでナチスがユダヤ人を隔離するため造ったダッハウ収容所にも足を運んだそう。「今度の舞台『私の恋人』もダッハウがモチーフなんです。ガス室の隣に焼却炉が3つ並んでいて、ここで亡くなったという部屋もすべて見て色も覚えてます。囚人に植えさせた木も見ました。戦争は名もない人たちを犠牲にする。それが今もなお繰り返されてる。何とか止められないか。それが『私の恋人』のテーマですから、私が直接見てきたものをぜひ舞台で再現させたいと思います」時間もお金も演劇にひたすらつぎ込んできたという渡辺。貯金はほとんどないという。「私は芸能人だからお金持っていると思われがちなのですが、演劇人は違うんです。亡くなった杉村春子さんもそうでしたけど、ほかで稼いだお金で劇団を存続させてきたんです。老後の貯金なんかしてこなかったんです。だからまず、貯金から始めようと。節約して少しずつ始めます。そうしないと、周りに迷惑をかけてしまうでしょう?老人ホームを契約しなきゃいけないのかなと思っています」
2019年06月08日「心機一転、引っ越しをしたばかりなんです。広いところから狭いところに移ったので、荷物が入り切らなくて。本や資料だけでも手元に置いておくものと大学に寄付するもの、田舎に送るものと、選別できていない段ボールがまだ50箱もあって。新居では開くところもないありさまなんです。元劇団員たちが土日に来てくれますが、この分では1年以上かかりそうです」そう苦笑する渡辺えり(64)。昨年創立40周年を迎えたオフィス3○○(さんじゅうまる)を主宰、日本劇作家協会会長も務める彼女は『ぴったんこカンカン』(TBS系)などテレビ出演に加え、現在も大阪松竹座の『三婆』に出演するなど精力的に活動。私生活では4月に23年間連れ添った俳優・土屋良太(52)と離婚したばかりだ。「今、64歳なのですが、今年から初めて本気で終活を考え始めました。きっかけは、やはり両親です。父が93歳、母が89歳で体は健康なのですが、2人とも認知症を患っています。症状は父が軽く、母が重いため、今、地元・山形で別々の老人ホームに入っています。山形新幹線で片道3時間で往復できるようになりましたから、毎月、日帰りでも時間をつくって帰るようにしています」山形には弟夫婦が住んでおり、下着の替えやさまざまな手続きは弟夫婦にやってもらっているので助かっているそう。「切ないのは毎月帰っても、『ほんとに久しぶり!』と言ってくること。父は2日続けて行ってもそういう感じなんです。こないだも、外に車いすを押して行ったらすごく喜んでくれて。つらいのは、父も母も帰るときにすごく悲しい顔をするんですよ。『帰らないでくれ』って」父親が入居している施設は広く、介護士たちはみんな朝から晩まで立ち働いている。「たくさんいるから私の父の部屋を尋ねても知らないんですね。交代でやって広いから仕方がないですが。父は教師だったので『学校みたい』とか言うんですよ。心配になって『大丈夫?』と聞いたら、軍需工場で働いていた当時と重なって、『1人で寮に入ってたんだから、今も我慢できる』って。我慢っていう言葉が出るのは正直切ないです。年とったら、自宅で多少、だらしなくしたいじゃないですか。でも集団生活だとそれが規制される。自分が認知症になったら耐えられるかなとか思ったり。ずっと苦労かけっぱなしでこうなっちゃったと思うと、やりきれないですよね」痛感したのは、介護する人の人柄で症状が変わるということ。「ニコニコと話しかけてくれるところでは、母もニッコニコなんです。でも、全然話しかけてくれない人だと、暗くなってしまう。認知症でなくてもそうじゃないですか。黙って無表情でいられると心が冷えて気がめいってきますよね。いつでも声をかけ、ポンポンと直接触って接してくれる。花でも水やらないと枯れてしまうでしょ」後悔はたくさんあるが、ひとつだけ、両親にやっておいてよかったなと思うことがあると渡辺は語る。「15年前、母親から急に『どうも認知症になりそうだ』と電話があったんです。今までこうしてくれとか何も言ったことがなかった母親が、初めて。『元気なうちに、旅行に連れてってくれ』と。行きたいところを聞いたら、伊勢神宮と出雲大社と、日光東照宮と広島の原爆資料館の4つ。それで必死に10日間休みをつくったんです。そのときはまだ両親も元気で、移動の際も私のトランクを持って走ってくれて、すべて時間どおり、間に合ったんです。母親と一緒に露天風呂に入って背中を流し合ってね。本当によかった。当時の写真は母もいまだに喜んで見ています」
2019年06月08日姑や舅の介護に直面したとき、あなたならどうする?その難題に向き合うために、先輩の体験をレポート。さまざまなケースはあれど、『抜け道を見つけて、賢くすり抜ける』のが正解のようです――。「義母に認知症の兆候が現れたのは70歳代後半のこと。講演やエッセイ教室で各地を飛び回っていた義母が、同じ話を繰り返したり、批評すべき生徒さんの原稿を失くしたりするようになったのです」エッセイストとして活躍する藤原美子さんの義母は、壮絶な引き揚げ体験をつづった『流れる星は生きている』が大ベストセラーとなった作家の藤原ていさん(故人)。夫は、数学者で作家の藤原正彦さんだ。「結婚が決まったとき、人生相談で厳しい回答をしていた義母を見て、親戚から『美子ちゃん、大丈夫?』と心配されたものでした。けれどその心配は杞憂であるとすぐにわかりました」新婚当初から義父母の家の庭先に住み、頻繁に行き来するように。「思い悩んだとき『美子さん、おたおたするものではありません!』と肝の据わった活を入れられると不思議と落ち着き、その言葉が聞きたくて義母に相談しました」そんな義母が認知症と診断されたとき、主に心がけたことは3つ。【1】自己イメージを傷つけない「気丈だった母の誇りを傷つけぬように、表舞台からの引退もやんわりと『80歳はもう定年ですよね?』といった感じで勧めました」【2】ひとりにしない「義母の夕食の時間は18時と早く大変でしたが、間に合うように夕飯を作り、できるだけ皆でにぎやかに食卓を囲むようにしました。義母がひとりにならぬようにしたのです。息子たちはずっと義母に見守られながら成長してきました。今度は闊達な義母の老いていく過程を見守り手助けすることは、彼らにとっても大きな人生勉強になったのではないでしょうか」また、美子さんはなんとか義母の認知症の進行を遅らせられないかと思案。5分前のことを忘れてしまうようにもなっていたていさんだったが、昔の話を好み、生き生きと話す。そこで’01年に義母に旧満州(中国東北部)再訪を提案する。「義母の人生の原点は、満州からの引き揚げ体験。大学生を頭の息子3人も加わり、家族全員で訪れました。義母が昔を思い出すよすがとなり、要所要所で覚えていることを家族に伝えてくれました」【3】輝いていた時代の歌を聴かせる「義母の時代は満州事変以来、戦争ばかりでしたが、素晴らしい流行歌は健在で、主人が懐メロのCDを聴かせ、義母の好きな藤山一郎などを歌ってあげていました」旧満州から帰国後、ていさんは自宅から近くのホームへ入居。週末ごとに夫婦と息子3人で訪れ、昼食を共にした。症状が進み、最後の2年は寝たきりとなった。「点滴だけで命をつなぎ、意識も混濁し、これでよかったのかといまだに考えることがありますが、『死後は夫・新田次郎と共に』という義母の遺言どおり、同じ骨壺に納めることができました。いまでも問題に直面すると、義母ならどう言うだろうかと考えます。そして常日ごろから息子に義父母の話をしています。それが義父母たちが私たちの心の中に生き続ける唯一の手立てなのです」
2019年06月07日姑や舅の介護に直面したとき、あなたならどうする?その難題に向き合うために、先輩の体験をレポート。さまざまなケースはあれど、『抜け道を見つけて、賢くすり抜ける』のが正解のようです――。「先日じぃじが『里華さん、私はいま本当に幸せだよ』って私の目を見て言ってくれたんです。認知症といっても、何もかもまったくわからないわけではないんです」そう語り始めるのは90歳の義父を自宅介護する高橋里華さん(47)だ。彼女は’87年、15歳のときに第1回全日本国民的美少女コンテストに入賞。その後60本のCMに出演し、’80年代から’00年代にかけてモデル・女優として活躍した。そして34歳のとき、いまの夫と結婚。’11年から義父母との同居が始まる。「義父母は持病を抱えて心配でしたし、そのころ起こった東日本大震災もきっかけになりました」同居するとすぐに、里華さんが義父母の通院の付き添いと家事全般を担うことに。しばらくすると義父の物忘れが激しくなる。「最初は年相応なのかなと思いましたが、温厚な義父にはありえない暴言を吐くようなことが増えて。義母に促され、受診しました」脳神経外科ではレビー型認知症と診断された。その後悪化していったのは、肝硬変を患っていた義母が’17年に他界したころからだ。「『ばぁさんどこへ行ったんだ』と探すのです。『ばぁばは亡くなったでしょう』と告げると、悲しい顔をして。時がたつとまた探すことの繰り返し。つらかったですが、認知症といってもごまかすことはしないと決めて向き合っています」悲しみも癒えぬ間に、義父の徘徊が頻繁になっていく。一晩中付き合ううちに里華さんが睡眠障害に陥ったこともある。また、レビー型は幻聴・幻視の症状が現れる傾向があるが、それを否定してしまうと不安にさせてしまうので、“ノリ”が大切だという。たとえば、「お尻をカニさんが挟んでいるよ」と訴えられたときは、「見せて」と言い、チクリとつねって「はずれたよ」と安心させてあげるといった具合だ。「夫はノリ下手で、真正面から『そんなわけないだろ!』と否定してしまう。『ノリをよくして』と頼むと、『わかった』といいながらも……。実の子どもとしてはイライラしてしまうんでしょうね」夫に対しては「わかってくれない」という葛藤もあった。しかしいまは、義父の就寝後、時間をつくり本音で話すようにしている。「最近は夫の口から『どうだった?』と、思いやりの言葉が自然と出てきます。入院などになると費用もかさむので、夫には主に家計を担当してもらっています」また、介護を担ううえで里華さんの助けになっているのが、5歳と3年生になる娘たちだ。「じぃじのために絵を描いたり、歌を歌ったり。じぃじからは戦争中のお話を聴いて自由研究にしたり。おかげで娘たちは家族以外のお年寄りにも、優しくできる子に育っていると思います」じぃじの介護ベッドを設置する1階の居室には、娘たちのジャングルジムもある。「娘の友達が来たときもここで遊んでいてくれて、にぎやかに過ごせています」いま里華さんはフラダンスチーム「ラウレア・ラニ」のリーダーとしてチャリティイベントで踊るなど、自分が活動する時間を持つこともできている。公的介護サービスは、週に2度の入浴介助と週1で訪問看護を利用。施設への入所を話し合った時期もあったが、いまはこうしているのが家族みんなの幸せ。試行錯誤の末、いまのスタイルができたのだ。「わが家はこのままで行こうということになりました。入所したほうがいい方もいるし、心身の状態や性格によっても、使える介護サービスもそれぞれ異なると思うので」と言い、「これはあくまでわが家流です」と語る。「じぃじにマッサージをしているとこちらがぽかぽか癒されてくる。どうやら一心同体というところにまで来ているようです」
2019年06月07日歳をとるのは自然の摂理であり、決して悪いことではありません。しかし、老化が進んでしまうと、当然ながらがんや認知症など、加齢に関連するさまざまな病気にかかりやすくなり、見た目も老けてしまいます。私自身は30代半ば頃からアンチエイジング生活を本格的に始めました。おかげで体内年齢は20代後半を維持できており、42歳になった今、実年齢より若く見られることが多くなってきました。老化のスピードはコントロールできるのです。■老けて見えたくない……まずは「酸化」「炎症」「糖化」を知ろう若く見える人と、老けて見える人は何が違うのでしょうか。長生きの家系、短命の家系があるのは事実で、生まれ持った遺伝子によって、老化のスピードが影響されている部分もあります。しかし、一般的には遺伝子が寿命に影響する割合は約25%と言われています。なぜこのようなことがわかったかというと、まったく同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の、それぞれの寿命を調べたのです。もし、寿命が遺伝子によって完全に定められているとすれば、同じ遺伝子を持つ双子なら、必ず同じ年に寿命を迎えるはず。しかし、実際はそうではありませんでした。では、いったい何が双子の運命を分けたのでしょうか。これまでに寿命に関連する要因は数多く発見されていますが、中でも特に重要なのが、「酸化」「炎症」「糖化」という要因です。酸化「酸化」とは、いわば体のサビ。鉄でできたものがサビて赤くなり、ボロボロになった様子を思い出してください。私たちの体の中でも同じようなことが起こっています。サビの元となる物質が作られるのは意外なことに細胞の中。細胞が活動するためにエネルギーを作る際、その副産物として「活性酸素」という物質が作られます。この活性酸素は周囲の物質をサビつかせる力が非常に強く、遺伝子や組織を次々と傷つけてしまいます。この活性酸素を消すために必要なのが、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用を持つ栄養素。これらの物質が不足すると、活性酸素は体の中でいつまでも暴れ回ります。炎症「炎症」はいわば体内の火事。怪我をしたところにばい菌が入り、赤く腫れて膿んでしまったという経験は、皆さん一度はあると思います。このように、炎症は体内に入った異物を除去する生体の防御反応であり、現実に火事が起こった跡に建物の残骸が残るように、炎症が起こった後にはダメージを受けた組織がその場所に残ります。その部分は修復されるまで正常に機能しませんから、炎症が体中に起これば、それだけ体にダメージが溜まっていき、老化が進んでいくことになります。さらに恐ろしいことに、老化とともにダメージを修復する時間が遅くなり、さらに老化した細胞は自ら炎症を起こす物質を分泌するようになるので大変です。ちなみに、世界では老化した細胞を取り除くことにより、若返りを図る研究が続けられており、動物実験では良い結果が得られているようです。将来、私たちもその恩恵を受けられるかもしれませんね。炎症を抑えるのに有効な栄養素は、オメガ3脂肪酸やビタミンD、そして発酵食品や食物繊維などを摂って、腸内環境を整えるのも重要です。糖化最後に「糖化」について。これは、血液中の余った糖がタンパク質と結合して、有害な物質になってしまうという、いわゆる体内のコゲつきのようなものです。美味しいきつね色のホットケーキを思い出してください。あのきつね色のコゲが小麦のタンパクと糖が熱によって結合してできたコゲであり、一度ホットケーキになったらもとの小麦粉に戻すことはできません。糖をたっぷり含んだ甘い飲み物やお菓子、そして炭水化物ばかり食べていると、糖化はどんどん進んでいき、それととともに体は糖に侵され、老化していきます。最近ブームになっている糖質制限は、単にダイエット目的だけではなく、このような糖化のダメージを減らして老化を抑えることにも役立ちます。このように、食事が老化のスピードに与える影響はとても大きなものです。前述の一卵性双生児の寿命の差は、食事の違いによるところも大きかったに違いありません。■アンチエイジングを意識した食事を見た目の印象を大きく変える肌に関して重要なのが、皮膚のハリに関わるコラーゲンですが、このコラーゲンもまた、「酸化」「炎症」「糖化」によってダメージが蓄積されると、シワやたるみの原因になっていきます。しかも、コラーゲンは紫外線や大気汚染、外部刺激や細菌・ウィルスなど、外部からの影響もあって、体の皮膚の中でも特に老化が進みやすい部位です。外からコラーゲンを食べれば、傷ついたコラーゲンを補えるのではないかと思われるかもしれませんが、コラーゲンの摂取によって、肌が若さを保てるかどうかは今のところ賛否両論あります。コラーゲンは食べても腸から吸収するには大きすぎるため、消化して小さくしないといけませんが、小さくなった「元」コラーゲンの成分が、再びコラーゲンになるとは限らないからです。体内に吸収されたコラーゲンの断片がコラーゲンの生成を促すことも言われていますが、健康食品やサプリメントからコラーゲンを摂るより、コラーゲンと同様に肌の原料となるたんぱく質を多く含む魚や卵、豆、肉などを毎日しっかり食事で摂る方が先でしょう。また、コラーゲンを作るためには赤身の肉や魚・レバーに含まれる鉄、牡蠣などに含まれる亜鉛、パプリカや柑橘類に多いビタミンCも必要です。いずれも現代人には不足しがちな栄養なので、普段から意識して摂るようにすると良いでしょう。皮膚が健康な細胞と入れ替わるのは約30日。栄養をたっぷり摂って、肌がきれいになった1カ月後の自分を目指して、健康的な食生活を楽しんでください。2017年10月4日公開2019年6月6日更新
2019年06月06日「先日じぃじが『里華さん、私はいま本当に幸せだよ』って私の目を見て言ってくれたんです。認知症といっても、何もかもまったくわからないわけではないんです」そう語り始めるのは90歳の義父を自宅介護する高橋里華さん(47)だ。彼女は’87年、15歳のときに第1回全日本国民的美少女コンテストに入賞。その後60本のCMに出演し、’80年代から’00年代にかけてモデル・女優として活躍した。そして34歳のとき、いまの夫と結婚した当初から、早くも介護が始まる。実家のある埼玉県へ通い、実の祖父母のケアを担うことになったのだ。「新婚の夫には申し訳なかったけれど、夕食は作り置きをして週に3回は通うようになりました」実母と妹は仕事としてヘルパーをしていて多忙なため、主たる介護者は里華さん。糖尿病が悪化して人工透析を受ける祖母と、がんを患い悲観する祖父と向き合った。「祖父は夜中に短刀を自分自身に突きつけていることがありました。必死になだめて……。祖父母のときは経験が浅かったので悔やまれることが多いです」そして’11年から義父母との同居が始まる。「夫は次男なので、結婚前は介護が回ってくるとは思わなかった」と言う里華さんだが、もともと義父母とは良好な関係。長女はまだ1歳に満たなかったが、「同居したい」との申し出があったとき、『この義父母となら一緒に暮らせそう』とすんなりと承諾。「義父母は持病を抱えて心配でしたし、そのころ起こった東日本大震災もきっかけになりました」同居するとすぐに、里華さんが義父母の通院の付き添いと家事全般を担うことに。義母は料理、義父は掃除に関して、それぞれ譲れないルールがあり、里華さんは何度もダメ出しをされてしまう。「耐えられなくなり、1年で家出しました。夫は私の味方につこうと義父母に対して強い口調で怒ったり。それはそれでつらくて、真剣に夫との離婚も考えました」しかし、家を出て2週間もたつと「どうしているか心配になってきた」という里華さん。転がり込んだ先の妹からは「高齢者ってそんなものだよ」と諭された。思案した末、家に戻って一念発起する。「2人のやり方を教えてください、と。どうすればいいのかリクエストを聴きました」きれい好きの義父からは、徹底して掃除の仕方を教わり、料理上手な義母からは、だしの取り方から味付け、段取りまでそのすべてを伝授してもらった。「料理はほぼ義父母の好みどおりの味になったころ『ありがとう』とねぎらいの言葉をもらえました」こうしてようやく“義父母流”が板についてきたころ、義父の物忘れが激しくなる。「最初は年相応なのかなと思いましたが、温厚な義父にはありえない暴言を吐くようなことが増えて。義母に促され、受診しました」脳神経外科ではレビー型認知症と診断された。その後悪化していったのは、肝硬変を患っていた義母が’17年に他界したころからだ。「『ばぁさんどこへ行ったんだ』と探すのです。『ばぁばは亡くなったでしょう』と告げると、悲しい顔をして。時がたつとまた探すことの繰り返し。つらかったですが、認知症といってもごまかすことはしないと決めて向き合っています」義母の看取りでは「酸素吸入をせず、管もつけずに逝かせてね」という本人の意志を尊重することができた。そして、ギリギリまで自宅で過ごし、最後の食事は里華さんのこしらえた懐かしい郷土料理を、義母に食べてもらえたことを誇りにも感じているそうだ。どうしてそこまでできるの?という質問をされることがあるというが、「何かを工夫して、克服していく先にある達成感が好きなんです。達成感フェチといっていいくらいですね」と里華さん。実の祖父母にしてあげられなかったことがいまできていると実感できるのもうれしい、と目を輝かせる。
2019年06月06日蒼井優と山里亮太(南海キャンディーズ)の電撃結婚を受け、『長いお別れ』で蒼井さんの両親役を演じた松原智恵子、山崎努からお祝いのメッセージが到着した。現在公開中の本作では、仕事も恋愛もうまくいかず、人生の岐路に立つ東家の次女・芙美を演じている蒼井さん。山崎さんが演じる父・昇平が認知症を発症したことで、家族と向き合い、自分の人生を見つめ直しながらも、笑って、泣いて、前に進んでいく女性を見事に体現。劇中では、認知症の症状が進み、次第に記憶を失っていく父に対して恋愛や人生の悩みを打ち明ける姿も映し出されており、本作を観た観客からは蒼井さん、山崎さんを絶賛するコメントも多く見受けられる。そんな中、報道された今回のおめでたいニュースはSNS上でも話題沸騰!直前に映画を観ていたという投稿も多く、「蒼井優ちゃん出てる『長いお別れ』観たばっかで結婚て聞いて嬉し泣きしそうだったわ」といったコメントで賑わっている。6月1日に行われたばかりの公開記念舞台挨拶では、ずっと憧れていたという大先輩・山崎さんとの初共演について、「山崎努さんの著書『俳優のノート』を10代の最後の方に買って、それに一生懸命線を引きながら読んで学んできて、こうして10年以上のときを経て大先生と共演できた感じがした」と明かし、「自分にとって意味のある作品になりました」と感激ぶりを口にしていた蒼井さん。劇中では悩みをかかえている次女・芙美を演じた蒼井さんに母・曜子役の松原さんは、「芙美ちゃんは結婚には縁遠くお母さんは心配していました でも、蒼井優さんはちゃんとご自分の幸せを手に入れてお母さんはとても安心して喜んでいます」と劇中同様、温かな愛を感じるコメント。一方、山崎さんは「偽の父として、おめでとう。『ゆ~』っとした家庭を作っておくれ。俳優業も期待しています」と劇中のセリフを用いながら、茶目っ気たっぷりの祝福メッセージ!ちなみに、長女・麻里役を演じた竹内さんも映画公開直前に結婚が報じられており、本作はおめでたいこと続きとなっている。『長いお別れ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会
2019年06月06日現在公開中の映画『長いお別れ』が、6月から行われる第22回上海国際映画祭にて上映されることが決定した。本作は、日本アカデミー賞ほか国内映画賞34部門を受賞した『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞受賞作家・中島京子の同名小説を映画化。蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努と、日本映画界が誇る豪華実力派俳優陣を迎え、認知症になり、ゆっくり記憶を失っていく父とのお別れまでの7年間が描かれる。日本だけでなく、第43回香港国際映画祭や第41回モスクワ国際映画祭など、すでに多くの映画祭で上映されている本作だが、今回新たに現地時間6月15日(土)~24 日(月)まで、中国・上海で行われる第22回上海国際映画祭のインターナショナル・パノラマ部門にて正式出品が決定。さらに、同映画祭終了数日後に始まる第21回台北映画祭のアジアン・プリズム部門に正式出品も決定している。なお、上海国際映画祭には中野監督も参加。現地での上映に登壇する。『長いお別れ』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会
2019年06月05日透き通るような白い肌に、少女のように華奢なスタイル。74歳とは思えない可憐さを身にまとう松原智恵子さん。そんな松原さんに、食事、運動、美容ケア……美をキープするための秘密を聞いてみました。変わらぬ美しさの秘訣は?「気がついたときに、バランスボールに乗るようにしています。ただ座っているだけなんですけどね。それからエアロバイク。17歳のころからずっと家に置いておくようにしていて。これも好きなときに、テレビを見ながらこいでいます」(松原さん・以下同)食事やスキンケアは、特別なことではなく、基本的なことを丁寧に行うよう心がけているとか。「食べるものもやっぱり“バランス”が大事ね。主食、主菜、副菜、汁物の組み合わせを意識してメニューを考えるようにしています。スキンケアで気をつけているのは、メークをしっかり落とすこと。敏感肌だから、エステとかは逆にダメなの。刺激を与えないことが一番ですね」話を聞いていて驚いたのが、おしとやかなイメージの強い松原さんが意外にアクティブだったことだ。「運動はしょっちゅうやるわけじゃないんですよ。あえて用事を作って、散歩がてら歩いたりする程度。必死にならないことが続く秘訣かしら?ただ持久力はあるのかも。テレビの企画では、ボルダリングをやったり、インドネシアで“コモドドラゴン”を探して回ったこともありました(笑)。若いころはダイビングもやってたんですよ」映画『長いお別れ』で、認知症を患った夫を前向きに受け入れる妻を好演している松原さん。重いテーマを扱っているのに、明るく軽やかな空気が流れているのは、彼女の天真爛漫なキャラクターが生かされていることが大きい。「最初に台本を読んだときは、思わず座り込んでしまうほど苦しい気持ちになりました。でも、それを監督さんにお話ししたら“苦しみではなく、受け入れる姿を描きたい”と。認知症になったからといって、自分の夫ということに変わりはない。自分が同じ立場になったとしても、明るく話しかけてあげたいと思いました」最後に松原さんは、若々しさを保つとっておきの秘訣を教えてくれた。「私、年を取ることをあんまり気にしてないんです。もしかしたら、年齢を意識せずに生活しているのがいいのかも(笑)」
2019年06月01日「現代人は食べすぎです。糖尿病、高脂血症、脳出血、心疾患、メタボ、がんなど、多くの病気や体の不調は食べすぎによるものです。食べる回数を減らして、空腹をしっかり感じる習慣をつけると、病気を遠ざけ、若さを保てます」こう話すのは、あおき内科さいたま糖尿病クリニックの院長、青木厚先生だ。青木先生は、1日の中で食べない時間を16時間持つことをすすめている。「現代人の食事は糖質が多すぎです。本来、人間の体は飢餓状態、つまり、低血糖、低栄養に耐えられるようにできています。その証拠に血糖値を上げる作用のあるホルモンは成長ホルモン、コルチゾール、カテコールアミン、グルカゴンなど複数あるのに対し、血糖値を抑えるホルモンはインスリンしかありません」(青木先生・以下同)ところが、戦後、飽食の時代に入ってから、生活習慣病と呼ばれる病気が急増し始めた。「これは1日3食の弊害かもしれません。今では、1日3食きちんと食べることが奨励されており、私たちもそれを信じて疑ってきませんでした。ところが『1日3食が健康によい影響を与える』といった確たるエビデンスは、少ないのです」むしろ3食取ることのデメリットのほうが多いと青木先生は指摘する。「ひっきりなしに内臓が働かされていることから、内臓疲労が起きているはずです。また、糖分の取りすぎによる血糖値の乱高下が、糖尿病や心疾患などさまざまな病気の原因になります。たとえば、ご飯1杯にはスティックシュガー17本分の糖分が含まれています。これを1日3回も取れば、確実に糖分過多です」健康のために3食きちんと食べていたことが、皮肉にも体調を悪化させているというのだ。そこで青木先生がおすすめするのが、プチ断食、「16時間食べない時間を作る」ことだ。これで体内の“オートファジー”がフル回転するようになるのだという。「“オートファジー”とは細胞を新しく生まれ変わらせる働きです。飢餓状態では、オートファジー活性が数倍上昇します。私たちの体は外からの栄養供給がなくなると、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲン(ブドウ糖)を使用するのですが、グリコーゲンが枯渇すると、体は“飢餓状態”と判断し、体脂肪を燃焼してエネルギーとして利用するようになります。体脂肪がエネルギーとなる際、ケトン体という代謝物質が生まれます。血中でのケトン体濃度が高くなればなるほど、飢餓状態が強くオートファジー活性も高くなるのです」空腹(飢餓状態)が継続すると、脂肪燃焼のほか、血糖値降下、免疫力アップ、記憶力・認知力アップなどがみられる。そのため、海外の医療現場でも断食療法は注目されているのだとか。「糖尿病、認知症、心疾患、動脈硬化、アレルギーなど免疫疾患の治療、老化予防のほか、がんの治療法としても効果をみせています」青木先生も9年前、40歳のときに舌がんを患った。これがきっかけで、断食療法に着目するようになったという。「私は幼いころからよく風邪をひく体質で、『免疫力が低い』という自覚がありました。舌がんになったことで、体質改善を決意し、いろいろな文献を読みあさったところ、空腹の時間を持つことの重要性に気づいたのです」早速実践してみたところ、効果はすぐに表れた。体重、体脂肪率が減り、血中のケトン体の量が増えた。仕事に集中できる時間が長くなったとも感じている。がんの再発もなく、今ではスリムな体形で、風邪ひとつひかない丈夫な体になったそうだ。
2019年05月26日今や4人に1人が持っている国民病ともいえる腰痛。そのうちの8割以上は非特異的腰痛という、いわゆる画像診断で症例のつかない腰痛だという。腰部脊柱管狭窄症など背骨の病気の専門家で、都立広尾病院整形外科医長の平尾雄二郎先生は、「姿勢」と「歩幅」が腰痛に関係していると指摘する。「非特異的腰痛の人は猫背で前傾、首が前に出ているなど姿勢が悪く、狭い歩幅で、“トボトボ歩き”をする傾向がありますが、それは体幹が衰えている証拠です。体幹が衰えると、背骨が固まり、背骨と股関節をつなぐ腸腰筋の働きが衰え、腰が後ろにひけた歩き方になります。これが、狭い歩幅につながり、果ては慢性的な腰痛の原因となっているのです」猫背、肩が内側に入っている、前傾姿勢など姿勢が悪いと、見た目にも老けた印象を与える。ところが、「正しい姿勢」で歩く習慣をつけると、衰えた体幹に刺激が入って「広い歩幅」で歩けるようになり、腰痛の予防・改善にもなると平尾先生は言う。平尾先生がすすめる「広い歩幅」とは、「65.1cm以上」を指すが、実は、この「65.1cm」は、認知症予防としても推奨されている。「65.1cm」の発見者で、国立環境研究所の主任研究員(前東京都健康長寿医療センター)の谷口優先生は、高齢者の身体機能の低下と歩幅の関係を、長年研究している。高齢者666人を、「歩幅が狭い(58.2cm未満)」、「普通(58.2~65.1cm未満)」、「歩幅が広い(65.1cm以上)」の3群に分けて認知機能低下リスクを調査したところ、「歩幅が広い」グループを1とすると、「歩幅が狭い」グループは3.39倍の認知症リスクがあることがわかった。また別の調査で、1,686人を最長12年間追跡調査したところ、歩幅が狭いまま年を重ねる人たちの認知症リスクは、広い人に比べ3.3倍に上がったという結果も得ている。「歩幅の広さ」が脳の働きと深い関係にあることは、今では世界的にも注目されているトピックなのだとか。「脳の萎縮や血流量の減少が認められる人は、歩幅が狭くなっていることがわかっています。逆を言えば、歩幅が広ければ認知症を防げているといえるでしょう」(谷口先生)では、65.1cmとは、どれくらいの歩幅だろうか。目安は「横断歩道の白線をまたげるかどうか」だ。「白線の幅は約45cmあり、自分の片足も入れると、白線を踏まずにまたげる人は歩幅が約65.1cmあることになります。ただ、またげなくても、身長差や股下の長さなど個人差もあるので、『65.1cm』は“目標値”でかまいません。広い歩幅を意識するだけでも、変わってくるはずです」(谷口先生)
2019年05月22日今や4人に1人が持っている国民病ともいえる腰痛。そのうちの8割以上は非特異的腰痛という、いわゆる画像診断で症例のつかない腰痛だという。腰部脊柱管狭窄症など背骨の病気の専門家で、都立広尾病院整形外科医長の平尾雄二郎先生は、「姿勢」と「歩幅」が腰痛に関係していると指摘する。「非特異的腰痛の人は猫背で前傾、首が前に出ているなど姿勢が悪く、狭い歩幅で、“トボトボ歩き”をする傾向がありますが、それは体幹が衰えている証拠です。体幹が衰えると、背骨が固まり、背骨と股関節をつなぐ腸腰筋の働きが衰え、腰が後ろにひけた歩き方になります。これが、狭い歩幅につながり、果ては慢性的な腰痛の原因となっているのです」猫背、肩が内側に入っている、前傾姿勢など姿勢が悪いと、見た目にも老けた印象を与える。ところが、「正しい姿勢」で歩く習慣をつけると、衰えた体幹に刺激が入って「広い歩幅」で歩けるようになり、腰痛の予防・改善にもなると平尾先生は言う。平尾先生がすすめる「広い歩幅」とは、「65.1cm以上」を指すが、実は、この「65.1cm」は、認知症予防としても推奨されている。「65.1cm」の発見者で、国立環境研究所の主任研究員(前東京都健康長寿医療センター)の谷口優先生は、高齢者の身体機能の低下と歩幅の関係を、長年研究している。高齢者666人を、「歩幅が狭い(58.2cm未満)」、「普通(58.2~65.1cm未満)」、「歩幅が広い(65.1cm以上)」の3群に分けて認知機能低下リスクを調査したところ、「歩幅が広い」グループを1とすると、「歩幅が狭い」グループは3.39倍の認知症リスクがあることがわかった。また別の調査で、1,686人を最長12年間追跡調査したところ、歩幅が狭いまま年を重ねる人たちの認知症リスクは、広い人に比べ3.3倍に上がったという結果も得ている。「歩幅の広さ」が脳の働きと深い関係にあることは、今では世界的にも注目されているトピックなのだとか。「脳の萎縮や血流量の減少が認められる人は、歩幅が狭くなっていることがわかっています。逆を言えば、歩幅が広ければ認知症を防げているといえるでしょう」(谷口先生)では、65.1cmとは、どれくらいの歩幅だろうか。目安は「横断歩道の白線をまたげるかどうか」だ。65.1cmの歩幅で歩ける体を作るため、平尾先生がすすめている、歩く前の姿勢をチェックと、体幹を作るエクササイズを紹介しよう。まずは正しい姿勢のチェックから。壁に背をつけて立ったとき、「後頭部」「肩」「お尻」「ふくらはぎ」「かかと」の5点が壁につくか。左右の「肩」「骨盤」の高さが同じか。手の甲が前ではなく横を向いているか。膝が真正面を向いているか。足のラインがまっすぐか。つま先が正面を向いているかを確認する。次に猫背を直し、正しく歩くためのコブラのポーズのエクササイズ。1)手のひらは上に向けて親指を後ろにねじり、胸を旋回させる。胸を張る。指を広げる。首の後ろの筋肉はリラックスさせて。2)肩甲骨を体の内側に寄せた後、息を大きく吸いながら、腕と一緒に引き上げる。胸をできるだけ張る。3)息を吐きながら手のひらを下にしてストンと落とす。5回繰り返す。「コブラのポーズで猫背が改善されると、胸椎のねじれや腸腰筋の伸び縮みが活性化され、結果的に歩幅が広くなります」(平尾先生)最後に、正しい歩き方を実践しよう。ポイントは胸を高い位置に保つことと、左右の肩を前後に振る動きを歩行中に取り入れることだ。「正しい歩き方ができるようになると、腰痛の予防・改善・認知症予防だけでなく、若々しく見えるという、女性にはうれしいメリットもついてきます」(平尾先生)健康寿命を延ばすためにも、「正しい姿勢」と「広い歩幅」を意識することから始めよう。
2019年05月22日「ハイ、○○さん、ジュースですよ、おくち、あけてください」名古屋市港区にある特別養護老人ホーム「港寿楽苑」。技能実習生・馬招平さん(30)は、まだ少したどたどしい日本語で、懸命に利用者の女性に声をかけている。「オイシーですか?」誤嚥防止のとろみがつけられたジュースをスプーンですくっては、女性ののみ込むスピードを見計らいながら、慎重に口元に運ぶ。笑顔を絶やさない馬さんに、介助を受ける80代女性の顔にも、自然と笑みがこぼれる。中国・浙江省出身の馬さんは、昨年9月から現場で働きながら日本の介護を学び始めた。そして、そんな彼女に優しいまなざしを送っているスーツ姿の女性がいた。「もう、だいぶ慣れましたね」一息ついた馬さんにこう語りかけた女性は張悦さん(38)。彼女は、馬さんと同じく中国で生まれ、18年前に来日した。’14年に福祉専門のコンサルタント会社を起業。アジアと日本の福祉関係企業を結ぶ仕事をいくつも手がけた。一方でいま、尽力しているのが、馬さんのような外国人介護人材の、日本への定着支援活動。’16年には国境を越えた介護のつながりを作る勉強会「ワールドケアカフェ」を立ち上げ、定期的に開催し続けている。国内外の福祉事業者や日本人、外国人双方の介護従事者が集い、それぞれが実感している課題について意見を交換する。張さんの思いはただ一つ。誰でも働きやすい、グローバルな環境を整えることだ。今年4月、改正入管法が施行された。改正前、日本で働く外国人はおよそ146万人。それが今回の改正で、この先5年間でさらに最大34.5万人を受け入れるとしている。介護現場にも国は今後、新たに5万~6万人の外国人人材を投入できると見込んでいるが……。厚生労働省は、団塊の世代全員が後期高齢者となる’25年、介護の現場は約34万人もの人手が足りなくなると推計している。「まるで足りないというのが実情でしょう。本格的に介護現場で働き始めた技能実習生などの外国人に、これから先もより多く、そして、少しでも長く働いてもらうためにも、継続的な支援が重要です」張さんはこう力を込める。しかし、慢性的な人手不足に加え、給与水準だってお世辞にも高いとは言えない介護職……どこか、つらい仕事の穴埋めを外国人に押しつけているという、ただただ虫のいい話に思えて、日本人としてどうにも気がひける。記者は正直にそう伝えると、張さんは言下に否定し、こう言葉を続けた。「そんなこと、ありません。日本の介護は世界にも誇れるレベルですから。彼ら、彼女らは、世界一の日本の介護を学ぶために、わざわざ日本にやって来ているんですよ」張さんが「外国人介護人材が目指す理想像のような女性」と引き合わせてくれたのが、馬さんが働く「港寿楽苑」を運営する社会福祉法人「昌明福祉会」単琴音さん(34)。6つの拠点を持つ同法人の全管理者を統括する重要なポジションの単さんは、中国・内モンゴル自治区の出身だ(現在、日本に帰化)。「’06年、20歳のときに留学生として来日しまして、大学、大学院で経営情報を学びました」大学院修了後、単さんは偶然、同法人の施設を見学する機会を得て、感銘を受けたという。「日本の高齢者は、なんて幸せなんだろうと思いました。介助者がきちんと全部、利用者に聞きますよね。『いまからトイレ、行きましょうね』とか。中国では介助する人の都合、効率優先でパパパパッとやってしまう。だから日本の介護のあまりに丁寧なやり方を見て感動して、ここで働きたいと。それで6年前、本当に現場の、利用者の介助から働き始めました」家族は猛反対。でも彼女には日本の介護理念や技術は将来、中国や故郷・内モンゴルでも絶対、必要とされるものだとの確信があった。最初はショックな出来事や苦労の連続だった。フロアに点々と落ちていた認知症利用者の便を、誰にも相談できず、たった1人で片づけた。しばらく食事が喉を通らなかったという。日本語は普通に操れたが、介護の専門用語はまったくわからなかった。スマホをそばにおいて、検索しながら会議に臨んだ。当時、同法人に外国人は1人だけ。彼女のために専門用語を解説するなどの配慮はなかった。そういった経験が、法人の運営を任される立場になったいま、生きている。「いま、技能実習生のために、研修資料は中国語版や英語版を用意しています。また、文字だけだとわかりにくいので、イラストや写真も添えるようにしています」そのほか実習生の初出勤前日には交流会を開くなど、日本人スタッフとのコミュニケーションが円滑になるような工夫も重ねている。張さんも馬さんたちのその会に出席した。張さんはいう。「そこで、こちらの法人の理事長が、とても印象的なことを話してくれました。『頑張れば国籍にかかわらず、誰もがリーダーになれる』と。単さんのような先輩もいますから、その理事長の言葉は、馬さんたち実習生のモチベーションを、間違いなく高めたと思いますよ」3年間、港寿楽苑で技能実習を続ける馬さんは「利用者さんは皆、優しいです」と声を張り、笑った。「いまの目標は、日本の介護福祉士の資格、取ること。それで、できればここで介護の仕事、続けたい。日本が大好きだから」
2019年05月18日『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞作家・中島京子氏の小説を映画化した『長いお別れ』。5月15日(水)、よみうりホールにて完成披露試写会が行われ、蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉、そして中野監督が舞台挨拶に登壇した。蒼井優、竹内結子と初共演の“姉妹”をふり返る「絶対に大丈夫だと思った」まず、意外にも初共演ながら姉妹役を演じた竹内さんと蒼井さん。「家族の間に流れる本物の空気感を意識した」と言う次女・芙美役の蒼井さんは、「私は男兄弟しかいなかったので、最初は竹内結子さんと姉妹!?と驚いたけれど、絶対に大丈夫だと思った」と竹内さんに全幅の信頼を置いていた様子。一方、長女の麻里役を演じた竹内さんは、「家族の物語に入る時はあまり考えることなく、現場に入ってみて体感するスタンス」と、ざっくばらんに役作りを披露した。撮影前には家族感をより高めるべく、キャスト全員で認知症になる前の父・東昇平(山崎努)の誕生日パーティーを行ったという。これに母・曜子役の松原さんは「その際に泣いていましたよね」と竹内さんの涙エピソードを告白。竹内さんは「悲しくて泣いたのではなくて、変化する父親の姿を目にしてショックを受けた。そういったリハーサルが気持ちも含めて、役柄を作り上げてくれた。そのおかげで気負わずにできた」と中野監督の狙いに感謝していた。「優しい娘と厳しい監督でした」松原智恵子が暴露!?また、撮影の思い出を聞かれた松原さんは、階段のモップ掃除シーンをふり返り「シュッシュとやったら、監督から『階段は隅から隅までやるんですよ』と言われて。この映画でお掃除の仕方を教わりました」と天真爛漫な笑み。また昇平の認知症を告げられるシーンでは「リハから涙が止まらず、でも監督から『泣かないでほしい』と言われて。そんなときに娘たちが背中をさすって慰めてくれた。優しい娘と厳しい監督でした」とジョークで場を和ませた。麻里の夫・今村新役の北村さんは「すれ違いの夫婦像だが、その背景は描かれていない。しかし夫婦といえども他人同士。理由もなくすれ違うことってあると思った。それがリアル。撮影以外では竹内さんと和気あいあいの時間を過ごせたので、スッとやりやすい状況だった」と回想。すると竹内さんが、「カットがかかると私に『ごめんね~』と言ってくれた」と北村さんの優しい気遣いを紹介した。蒼井&竹内のMy家族ルールに会場ドン引き!?劇中で、パーティー用ハットをかぶって家族の誕生日を祝うという東家のルールが描かれることにちなみ、トークでは「家族のルール」というお題が出されることに。蒼井さんは、「ウチの家族はやたらとハグをする。それが当たり前。久しぶりに会うとハグ。ついこの前も父親とハグした。両親が手を繋いだり、触れ合いを大事にしている家族なので」と蒼井家ルールを紹介。しかし、日本であまりなじみのない行動に周囲がざわつくと「あれ?なんか変な空気。え?…今のナシにしてもらっていいですか」と苦笑い。そんな妹の窮状にすかさず姉の竹内さんが「いつまでも仲がいいのはいいね。両親も元恋人だったんだと感じるよね」とフォローすると、「頼もしい~!」と蒼井さんも大喜び。そんな竹内さんが実家でのルールについて「うちはどんな食事にも味噌汁がついていた。だから汁物&汁物という日もあった。おでんでもカレーでもパンでも味噌汁」と変わった組み合わせルールを口にするも、「なんだろう、自分の家ならではのルールを出すと引かれるこの感じ…」と蒼井さん同様に苦笑い。北村さんから「結子ちゃんの家でもそうなの?」と聞かれると、「してません!鍋と味噌汁とかバシャバシャの海になるから!」と即否定も「でもたまに食堂でカレーを頼んで味噌汁に手を出しそうになるときがある。そんなときは実家スピリッツが残っているなぁと思う」と語り、笑わせた。松原さんは「お誕生日はケーキを誰かが買ってきて、みんなで祝う」とごく一般的ルールで安心させ(?)、北村さんは「昼でも夜でも缶ビールを開けたら、乾杯という。いつでも堂々と飲みますよ」とニヤリ。中野監督は「実家では大晦日は必ず家族で手巻き寿司。今年の大みそかもきっとそうなるはず」とそれぞれの家族独自の決まりごとを発表し、会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれていた。『長いお別れ』は5月31日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:長いお別れ 2019年5月31日より全国にて公開(C)2019『長いお別れ』製作委員会
2019年05月16日5月31日公開の映画『長いお別れ』のプレミア試写会が15日、都内で行われ、蒼井優、竹内結子、松原智恵子、北村有起哉、中野量太監督が出席した。2016年に公開されて大きな話題を集めた宮沢りえ主演の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞作家・中島京子の同名小説を映画化した本作。父・東昇平(山崎努)の誕生日会で久し振りに帰省した長女・麻里(竹内結子)と次女の芙美(蒼井優)は、母・曜子(松原智恵子)から厳格な父が認知症だという事実を告げられる。それにショックを受ける2人だが、父の変わらぬ愛情に気づきながら前に進んでいく……という家族の姿を温かい視点で描く。劇中で竹内と姉妹役を演じた蒼井は「家族は疑似体験ですけど、なるべく本当にこの間で起きることを大切に出来たら良いなと思っていました」と演じる上で意識したことを明かしつつ、「私は男兄弟しかいないので、竹内結子さんが姉であることに想像がつかないんですけど、たくましくて頼もしい先輩なので、竹内さんに任せれば良いんじゃないかなと思いました。実際にご一緒した竹内さんはものすごく姉妹感を自然と作ってくださいました。ありがとうございました」と竹内に感謝した。蒼井の言葉に「どういたしまして」と応じた竹内は「ドラマでも映画でも家族の作品に入る時に(設定を)考えますけど、撮影中は考えないようにしています」とコメント。続けて「現場に入ってみて私はお姉ちゃんを体感するのを楽しみにしているスタンスです。今回はリハーサルをいただけたので気負わず過ごすことができました」と自然に演じられたという。本作に登場する東家では、家族の誕生日会にバースデーハットを被るという決まりごとがある。それにちなみ、「自身の家族ならではのルールは?」という質問に、蒼井は「ルールって訳ではないんですけど、うちの家族はやたらとハグをするんです。それが当たり前になっているので、久しぶりに会うとわーってハグしますね。この前も父に会った時にハグして、バイバイの時もハグして別れました」と告白するも会場の薄い反応に「なんか変な空気? ちょっとナシにしてもらっていいですか(笑)」と苦笑い。対する竹内も「竹内家は小さい頃からどんな食事でもお味噌汁が出てきました。カレーでもシチューでも。それを人に言うと引かれるんです」と明かして会場が静まり返るも、自身の家族では「(実践)してません(笑)。嫌という訳ではないんですけど」と笑いを誘っていた。なお、この日出席予定だった山崎努は体調不良のため急遽欠席した。映画『長いお別れ』は、5月31日より全国公開。
2019年05月16日みなさんはハーブティーを飲んだことはありますか?ハーブティーは古くから民間療法としても使われ、親しまれてきました。ノンカフェインのものが多いので妊娠中の方、夜寝る前でも飲むことができます。リラックスタイムにぴったりのハーブティーについて紹介します。出典:byBirthハーブティーは心身にとても優しく働きかけてくれ、リラックスできる飲み物です。どんな効果や種類があるのでしょうか?ぜひ参考にしてみてください。ハーブティーとは出典:byBirthハーブティーには大きく分けて2種類あります。ドライハーブティードライハーブティーはハーブを乾燥させている状態のものをいいます。一般的に飲まれている紅茶の茶葉のような状態です。皆さんが一般的に良く目にするのが、ドライハーブティーではないでしょうか?乾燥させているので保存期間も長く、成分が凝縮されているのが特徴です。フレッシュハーブティーフレッシュハーブティーは摘みたてのハーブを使用します。ドライハーブティーに比べ新鮮な状態なので、香りもしっかりと感じることができます。料理に入っているローズマリーやバジルの葉のような状態です。新鮮な香りを楽しむことができますが、ドライハーブと比べ保存期間は短いので、長期保存には向きません。ハーブティーにはどんな効果・効能があるの?出典:byBirthハーブティーの歴史は大変古く、古代ギリシャ時代から親しまれていました。当時は薬として治療に使われているものでした。現在のように飲む以外にも、精油(現在で言うアロマオイル)にしたり、軟膏にして患部に塗ったりする方法でも幅広く利用されていました。ハーブティーは植物を乾燥させてお茶にしたものです。植物によって色や香り、味も様々です。たくさんの植物がハーブティーに使用されているのですが、コーヒーや紅茶のようにシングル(単体)やブレンド(いくつかのハーブティーを混ぜたもの)も種類があります。そんなたくさんの種類があるハーブティーですが、どのような効果や効能があるのでしょうか?自律神経を整える不眠改善便秘冷え性肌荒れ改善消化促進抗酸化作用抗菌・抗真菌作用免疫力を高める殺菌・抗ウイルス作用花粉症の症状を和らげる疲労回復などこうして見てみるだけでも、様々な効果・効能があることがわかりますね。この中でも代表的なのは、自律神経を整えることと安眠効果です。ハーブティーは種類がとても豊富で、100種類以上あると言われているほどなのです。ブレンドをしたり、数種類飲むことで効果・効能はさらに広がっていくというのが魅力的です。ハーブティーの種類10選たくさんの種類があるハーブティーですが、その中からオススメを紹介します。ラベンダー出典:byBirthラベンダーは万能なハーブとして広く知られています。ラベンダーの花部分から抽出しますので、お湯を注ぐとラベンダーの香りがふわっと広がります。味は強くはないですが香りはしっかりとありますので、あまり濃く入れすぎてしまうと香りが強すぎてしまうのと、渋みが増してしまうので注意してください。ラベンダーティーの効果・効能としては、リラックス効果です。寝る前や気分を落ち着かせたいときに飲むと、心が落ち着いてリラックスできますよ。さらに偏頭痛の解消にも効果が期待できます。カモミール出典:byBirthハーブティーの中でも有名なカモミールティー。名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?スーパーなどでも手に入りやすいのが魅力の一つです。カモミールティーの効果・効能は様々あり、鎮静、抗炎症、抗菌、殺菌作用が主ですが、カモミールに含まれる成分「アズレン誘導体」により、胃痛や過敏性腸症候群など胃への効果も期待できるといわれています。※カモミールはキク科の植物です。花粉症をもっている人はアレルギー反応を起こす場合があるので控えてください。ローズマリー出典:byBirthローズマリーはラテン語で、“海のしずく”という意味です。お料理によく使われているローズマリー。ハーブティーとしても楽しむことができます。香りはやや刺激的なので、好みは分かれるかもしれません。効果・効能は脳の活性化による記憶力向上や、血行促進が代表的です。認知症にも効果が期待できるとされています。ルイボス出典:byBirth南アフリカで誕生し、“奇跡のお茶”とも呼ばれています。胃腸の調子を整える効果やリラックス効果もありますが、ルイボスティーにはSOD(スーパー・オキサイド・デスムターゼ)という成分が含まれており、免疫力を上げ、デトックス効果も期待ができます!女性にとっては嬉しい冷え性改善にも効果が期待できますし、アトピーにも効果的といわれています。ミント出典:byBirthミントティーは爽やかな香りと味で、すっきりと飲みやすいのが魅力です。花粉症などのアレルギーや殺菌効果があるので、口臭予防にも役立ちます。さらにミントティーにも安眠効果、冷え性の改善の効果が期待できます。ローズヒップティー出典:byBirthハーブティーに興味がない方でも耳にしたことがあるほど有名なのが、ローズヒップティーです。赤い色ですっぱい味が特徴です。便秘や健康、美肌など女性にとても嬉しい効果がたくさんあります。ビタミンはなんとレモンの20倍とも言われているので、ぜひ一度飲んでみたいハーブティーですね。ハイビスカス出典:byBirthハイビスカスティーは花のイメージどおり、赤いハーブティーです。ローズヒップティー同様、有名かつ人気のハーブティーです。味もローズヒップティー同様すっぱい味です。ハイビスカスティーにはカリウム成分がありますので、むくみの改善・予防に効果が期待できます。他にも疲労回復やスマホやパソコンの使いすぎによる眼精疲労の改善、脂肪を分解するリンゴ酸が含まれていることでダイエット効果も期待ができます。ハーブティーを飲む時注意すること出典:byBirth効果・効能を早く得たいからと言って過剰に摂取することは、副作用やアレルギーを起こす可能性があるのでお勧めできません。さらにお年寄りや小さな子供、妊娠中の方や持病・通院している方も身体に合わない場合がありますので、どうしてもハーブティーを飲みたい方は医師への相談をしてみてください。出典:byBirthいかがでしたか?ハーブティーはスーパーやネットで簡単に手にいれることができるので、気になったものを試しやすいです。気をつけなければいけないことも紹介しましたが、安全に気をつけてさえいれば、心身ともにリラックスできるすばらしいものです。興味を持った方は、ぜひお気に入りを見つけてみてください。
2019年05月06日久々に親に会うと、介護の問題が身近に思えてきます。今年のGWに実家に帰省する予定の人の中には、親の今後について話し合おうと思っている人もいるはずです。親には何歳になっても、元気に過ごしてほしいですよね。高齢者が生き生きと、安心して暮らせる部屋づくりのコツとは?90歳を超えた今も自立した暮らしをしている女性の実例や、寝たきりにならない部屋づくりの方法など、お役立ち記事を3本まとめてご紹介します!■ 90歳を超えても「寝たきりにならない家」にするための3つの条件bino / PIXTA(ピクスタ)高齢になると、筋肉量が減り、足腰が弱くなってしまいます。また、骨密度も減っていくので、骨折しやすくなるという心配もあります。ふとした瞬間に転倒して歩けなくなり、そのまま寝たきりになってしまうケースも珍しくありません。こちらの記事では、79歳から生まれて初めて一人暮らしを始め、92歳の今もその生活を続けている女性をご紹介しています。86歳のとき入浴中に転倒し、一時は寝たきりになるおそれもありましたが、それを乗り越え、今でも元気に活動しているのだとか。寝たきりにならなかったのは、「家」に理由がありました。その3つの条件とは?詳しくは記事をチェック!92才の母が今でも「寝たきりにならない」3つの理由■ 高齢者もアクティブに過ごせる「介護ベッド」って?Mills / PIXTA(ピクスタ)寝たきりになってしまうと、本人が不自由な思いをするばかりか、体の機能の低下や、認知症の発症・進行にも影響します。寝たきりの予防には、「介護ベッド」を使うことがオススメ。上体を自動で起こすことができるので、座って過ごす手助けができますし、座ることで視界が変わって気分も前向きになります。また、寝ているときよりも座ったときの方が肺に空気がたくさん入るため、口腔内の清潔が保たれ、肺炎予防やむせ予防にもなります。このほか、利用者が活動的になる介護ベッドの使い方をレクチャーしています。詳しくは記事をチェック!介護ベッドは寝たきりや肺炎予防に!介護者の負担も激減する使い方■ 介護が楽になる「二世帯住宅」のつくり方maruco / PIXTA(ピクスタ)二世帯住宅をつくるときは、先々の介護まで想定して設計すると、いざというときとても便利です。完全分離型よりも共用部分がある融合型のつくりの方が、空間にアレンジがききます。介護が必要になったら仕切りを外して部屋の間取りを変更するなど、その時々に合わせて部屋づくりを工夫できるので、融合型の方が暮らしやすいようですよ。高齢になっても親に元気よく過ごしてもらうには、ある程度、自立して過ごせるスペースも必要でしょう。どこまでを共用とするか、介護が負担にならない部屋の配置、あると便利な設備など、参考になるアドバイスを盛りだくさんでお届けします!詳しくは記事をチェック!介護しやすい二世帯住宅とは?リビング隣を親の部屋に!
2019年04月20日「占いで、今年は決断の年と言われたの。10年間は安泰だって」4月上旬、都心の高級ホテルのロビーで独特の低い声が響いた。同じ劇団に所属する俳優で夫の土屋良太(51)と4月1日に離婚を発表したばかりの、渡辺えり(64)だ。2人が結婚したのは96年。渡辺が旗揚げした劇団内でご法度だった恋愛で、彼女からプロポーズ。当時、13歳の年の差婚が話題になった。「結婚後も2人の収入格差は埋まらず、願っていた子どもを授かることもありませんでしたが、それでも2人は一緒にいることを選びました」(芸能関係者)円満だった2人の、突然すぎる熟年離婚。夫婦の間に何が起こっていたのだろうか。「13年に、えりさんと27歳年下俳優の不倫が報じられたんです。お相手の吉田侑生さん(37)は、夫の土屋さんと同じ劇団員で、えりさんの運転手や荷物持ちをしていました。この報道を受けて、土屋さんは自分より若い俳優と親密になったことにかなりショックを受けたそうです。報道後、土屋さんは自宅近くにマンションを借り、別居生活が始まりました。それからも土屋さんが別宅マンションにいる時間が増え、この4~5年はずっと上手くいっていなかったようです」(劇団関係者)本誌が都内のホテルで渡辺を目撃した日、打ち合わせをしていた男女2人はどうやらリフォーム業者だったようだ。デザインパターンを見ながら、壁紙や床のタイル、木材などについての説明を熱心に聞いていた。彼女は目を輝かせながら理想の内装についてこう話す。「この、黄色いキッチンがお気に入りなの。この前買った黄色のカーテンを試しにつけてみたら、落ち着いて寝られたわ。あと、玄関の大理石のところには絵を飾りたいわねぇ」23年連れ添った夫との離婚を機に、心機一転、自宅の大改装を決めたのだろう。「えりさんはこれまでも、なにかの転機のたびに引っ越したり、リフォームをしたりしてきました。占いや風水などにもこだわっているようで、黄色のキッチンも、運気アップの意味があるのでしょう」(渡辺の知人)前出の知人によると、もうひとつ、彼女が大改装を決めた理由があるという。「えりさんは、両親が2人とも認知症を発症していて、施設に入っていることを雑誌のインタビューなどで明かしています。お母さんが認知症を発症したのは70代で『自分もいつ認知症になるか分からない』と、不安に思っているみたいなんです。そうした事情もあり、えりさんは還暦を迎えたころから、生前整理など“終活”を意識するようになりました。とくに離婚となると、頼れるのは最終的に頼れるのは自分ひとり。今回のリフォームも、“老後ひとりでも快適に生きていけるように”と考えているのではないでしょうか」夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは、熟年離婚後のリフォームについてこう解説する。「離婚後に自宅をリフォームする女性の多くが50代以降です。目的は人それぞれですが、手すりをつけてバリアフリーにするなど、老後を考えてリフォームする人も増えています」前出の劇団関係者はこう明かす。「えりさんに今後のことを聞いたら、『(劇団は)あと2~3年かな』と寂しそうに言っていました。さまざまな舞台で主演を張り、バラエティ番組にも引っ張りだこのえりさんですが、それもこれも劇団の赤字を返上するため。でも、さすがに毎月の舞台出演は体力的にかなり厳しくなってきているそうです。今後は徐々に仕事をセーブしていき、ゆっくりと余生を過ごしたいと思っているのでしょう」離婚で始めた“おひとりさま終活”。冒頭で話していた占いのとおり“黄色いキッチン”が幸福を運んでくれるはず――。
2019年04月16日