きょうご紹介したいのは、『自分を操る超集中力』(メンタリスト DaiGo著、かんき出版)。いうまでもなく、著者は人の心を読み、操る技術を駆使する日本唯一のメンタリスト。テレビなどでもすっかりおなじみです。そしてタイトルからもわかるとおり、本書のテーマは「集中力」。自身の実体験を踏まえたうえで、集中力を科学的に高める方法を明らかにしているのです。集中力は持って生まれた才能ではなく、トレーニングによってさらに強化することができるといいます。いいかえれば、集中できる人とできない人との差は、集中力を発揮する方法を「実践しているか・していないか」にあるという考え方なのです。ところで著者は本書のなかで、「集中力の高い人は、実は長時間集中していない」という意外な主張をしています。■集中力は30分ぐらいしか持続しない「集中力=ずっと続くもの」という捉え方は間違っていて、それは単なる思い込みだというのです。それどころか、そもそも人間の脳は集中を持続させないようにできているとも。最新の研究によれば、集中力の持続時間は、充分に鍛えられている人で「120分」なのだとか。また大人でも子どもでも、椅子に座って同じ姿勢のままひとつの作業に没頭できる時間は、長くて30分だそうです。そして集中力は、勉強などの作業をはじめると徐々に高まっていき、ピークを過ぎるとぐんと下降していくものだといいます。なお集中力がずっと持続しているように見える人ほど、うまく休憩を挟み、短時間の集中状態を繰り返しているもの。短時間だから疲れない。疲れていないからこそ集中状態を繰り返せるわけです。■仕事や勉強は時間を区切って打ち切るそんな「集中力は長く続かない」という性質を逆手に取り、集中できる時間を効果的に使っていく方法があるそうです。それは、あらかじめ時間を区切り、「もうちょっとやりたかった」「もう少しやれたかな」というところで仕事や勉強を打ち切ってしまうというもの。このメリットは、次の3つだそうです。(1)ウィルパワー(思考や感情をコントロールする力)を使いすぎる前に終わるので、疲れがたまりにくくなる(2)15分なら15分、30分なら30分と短時間で区切ると、時間管理がしやすくなる(3)途中で終わった感覚が残るので、「早くあの続きがしたい」と思えるとくにメリットが大きいのは、3つめ。あえて休憩を取ることによって、休んでいる間も「もうちょっとやりたい」というモチベーションを保つことができるというわけです。つまり、そういう状態で仕事や勉強を再開すると、スムーズに集中できるだけではなく、それを持続させられるということ。これを「焦らし効果」と呼ぶそうです。仕事や勉強のスピードを速くしたいのなら、自分のやりたい気持ちを上手に焦らせばいいということです。■時間は無限にあると勘違いしてはダメ集中力がいつまでも続くと勘違いしてしまう理由は、時間と同じように「目に見えない資源」だから。人は目に見えないものについて、「無限にある」と思い込みがち。そしてその勘違いが、集中力をうまく活用できない原因になるということ。人は「時間が十分にある」と勘違いしてしまうと、目の前の仕事に対してさまざまな選択肢を考え、試行錯誤を重ねようとするもの。しかし集中力という観点から見ると、デメリットばかりが増していくというのです。なぜなら人は選択肢が増え、決断する機会が増えるほど「迷い」が生じ、ウィルパワー(意志の力)を失っていくから。■そもそも集中力は制限があると高まるちなみにイギリスの歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンは1950年代に、こうした事態を避けるための対応策を提示しているのだそうです。それは、仕事や勉強の時間を短く区切ること。先の「焦らし効果」と同じ考え方ですが、やはり集中力は、自由なときよりも制限のある状態のほうが高まっていくということなのでしょう。時間を区切る、たとえば「定時に帰る」というようなデッドラインが定まると、そこまでに片づけなければならない仕事量と処理にかかる時間を意識するようになるため、発想が変わるといいます。取り組む仕事が決まり、使える時間が定まると、選択肢が絞られるためにウィルパワーの浪費が減り、集中が増すということ。だから、短時間で高い成果を得ることができるわけです。■集中力を高めれば3分の1も時短可能集中力が高まった状態での仕事や勉強は、費やした時間が同じでも、より質の高い成果へとつながるといいます。あるいは集中力を高め、処理できるスピードを2倍、3倍にアップできれば、所要時間を2分の1、3分の1へと圧縮することが可能。「重要な仕事ほど忙しい人に頼め」といわれますが、これは忙しい人ほど集中力を活かすリズムを身につけているから。集中して作業することが習慣化されているため、同じ時間でも人の2倍、3倍の量をこなせるということ。つまり、「仕事力=集中力×時間」という公式が成り立つというのです。そしてそれは持って生まれた才能ではなく、努力や習慣化、環境の変化によって身につけていくことが可能なのだそうです。*著者自身が集中力を活用できているだけに、ここで提示されている考え方には説得力があります。「どうも集中できなくて……」と悩んでいる方は、読んでみるといいかもしれません。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※メンタリスト DaiGo(2016)『自分を操る超集中力』かんき出版
2016年08月12日ふだん、自分の能力を過小評価していませんか?実は、数字を使ったパズルを目にしたときに、脳をどんな風に使ってどう解いていくかによってご自身の「思考タイプ」の傾向が分かるパズルがあります。さっそくですが、複数の考え方と解き方がある問題をお出しします。問題を読んだあと、どのように考え、どんなふうに解いていきますか?頭を柔らかくして、いざチャレンジ!■思考タイプが分かる数字パズル・問題編ここには、アルファベットのNのように、[9][B][2][A][5][C][3]と書かれた六角形のマスが並んでいます。アルファベットのマス[A][B][C]だけ赤字で、数字は黒字です。この、タテとナナメに連続したマスの合計は同じになります。マスには1以上の整数が入るとき、[A][B][C]に入る数はなんでしょうか?■パズルの解き方で分かる思考タイプ傾向[A][B][C]に入る数、つまり正解をお見せする前に、この問題に対してどのように考えていったかによって、思考タイプを分析することができるのでお伝えしていきます。(1)ゆっくりコツコツタイプ「まずAに1を入れてみよう。するとBは2か……。で、Cは……ダメだ、5+8ですでに13じゃないか。では次にAに2を入れてみよう……」。こう考えていくタイプだと、この程度の難易度の問題であれば、そうそう苦労することなく答えにたどり着きます。論理的に考えることも少なめで、注意深く1つ1つ計算していけばなんとかなりますよね。しかし、無駄な道を多数調べていくことになり、時間がかかる割に達成度も爽快感も低めでしょう。少し難しそうな仕事の際、頭を使うより時間を使ってしまっていませんか?(2)ロジカルコツコツタイプこのタイプは、「まずAに1を入れてみよう。Aとすぐそばの5を足すと6だ。合計6って、9という数があるのにあり得ないだろう。ということは、Aは5以上とわかったぞ」というように、工夫しながらしらみつぶし法を使っていきます。利点は、深く考える前に問題に取りかかれること。そのうえで、ゆっくりコツコツタイプにあった作業の無駄を省いています。これはこの問題に対してはいい方法で、解いたときの達成度、爽快感ともに高めです。ただ、問題が多数ある場合はもう一方工夫を進めたいものです。(3)攻略的ロジカルタイプ「B+9=B+2+Aなので、9=2+AゆえにA=9」と計算で攻略していくのがこのタイプ。ロジカルな考え方が好きな方に向きますが、この方法を思いつくには発想力も必要です。この問題にはパーフェクトな攻略法といえます。ただ、攻略法に気づきたいがためになにもせずに考えることが多いなら要注意。ロジカルコツコツのやり方で、とりあえず解き始めたほうが案外思いつくものです。(4)面倒くさがり問題を見た瞬間に「あ、これもう無理。やーめた」などと考えるのをやめてしまい、答えを見て解けたつもりになるという方はかなり危険なタイプです。少しでも目の前の問題が難しそうだと思ったら、すぐに誰かに聞いてしまう癖があるはず。考えることを面倒だと思っていると、脳がどんどん衰えてしまいますよ。■思考タイプが分かる数字パズル・解答編みなさんは、どの思考タイプでしたか?どのように解いていっても、この数字パズルの答えは[A]が7、[B]が3、[C]が4になるはずです。こういった数字パズルを早く解くには慣れが必要ですが、コツコツと数字をはめていく方法なら、算数が分かる小学生でもできます。自分の脳を活性化させるためにも、数字から逃げないで積極的にチャレンジしてみてください。問題を解いた後に、お友だちやお子さんと、どんなタイプだったかをお話してみると、相手の意外な一面が見られるかもしれませんよ。(文/中田蜜柑) 【参考】※快活脳!思考の罠と脳の基礎知識※老年若脳※IQ脳.net【クイズ】※北村良子・・・パズル・クイズ作家。書籍の他、企業、新聞、TV番組、雑誌等向けに作成。著書は『大人のIQパズル』(彩図社)『60歳からのボケないための思い出しパズル』(永岡書店)他。お問い合わせはフォームからお願いします。【画像】※BAR SEA-TURTLE』からどうぞ!
2016年08月06日あなたは「右脳タイプ」ですか? それとも「左脳タイプ」ですか?一般的に右脳タイプの人は直感的に物事を捉えたり、感覚的に表現するのが得意で、左脳タイプの人は論理的に考えたり表現するのが得意とされています。人によっては、考えるのは左脳、表現は右脳という場合もあるでしょう。Jタウン研究所が行った調査によると、「左脳で理解し、左脳で表現する」という人は21.2%で、他の組み合わせにくらべて少ないことがわかりました。この結果は県民性によっても違いがあり、大阪は関東よりも「左脳人間」が多いそう。『スタイルを持ち、身軽に暮らす』(石原左知子著、SBクリエイティブ)によると、キッチンは合理的で数字的な「左脳収納」をすると、ものが多くてもすっきり見えるそうです。キッチンは食事のたびに使う場所なので、感覚的に片づけているとすぐに散らかってしまいます。でも自分の動線や空間の使い方を論理的に捉えれば、使いやすく片づいたキッチンをキープすることができるでしょう。そこで、「左脳収納」のためのルールを見ていきましょう。■ルール1:「動線」を重視して収納する収納全般にいえることですが、特にキッチンの収納においては特に「動線」を意識するのが大切だといいます。なにかをするときの自分の動きを考えて、「必要なところに」「必要なものを」「取り出しやすい形で」収納。これがいちばん合理的なのです。たとえば著者の場合、お茶を淹れようと思ったら、シンクの横にあるいちばん下の引き出しから茶葉を取り出し、同じ場所に立ったまま上のつり戸棚からカップや湯のみを取り出します。この縦のラインの収納で、無駄な動きがなくなるのです。茶葉は向こうの棚、カップはリビングなどとバラバラに収納されていると、無駄な動きが増えるうえ、片づけるのが面倒になって部屋が散らかることに。動線を考えた収納をするだけで、部屋は自然に片づくようになるといいます。■ルール2:最初に「いちばん多いもの」の収納を考える収納を考えるときは、自分の持ち物のなかでいちばん多いものの置き場所から決めていきます。著者の場合、いちばん多いのは器。そのため大きな納戸に、自分で棚板を取り付けて食器を収納しているそうです。いちばん多い数のものの収納から決めると、あとの収納がグンと楽に。コレクションしているものなら「見せる収納」にしてもいいですし、本のように大量にあるものなら専用の部屋をつくってもOK。無理に減らそうとせず大胆に場所を確保することで、すっきりと暮らすことができるでしょう。■ルール3:キッチンは「見せる収納」を活用するキッチンツールや器などは自分が把握できていないと、いつの間にか使わなくなってしまいます。戸棚に収納した器も、扉を開け他とき、なにがどこに入っているか一目瞭然の状態にしておきましょう。またキッチンハサミやおたま、トングなどは引き出しに入れておくとガチャガチャして取り出しにくいですよね。いろいろな形のものがあるので、なにかに立てて入れるのも厄介。そのため、これらのものはつり下げておくのが便利。著者はガス台の近くにワイヤーを取りつけ、それぞれの道具をS字フックでつり下げているそうです。ワンアイテムにつきワンフックと決めておけば、いつも片づいた状態を保てます。キッチンツールを同じメーカーで揃えると、見た目もすっきり。■ルール4:調味料は同じ形の容器に移し替える調理中に「扉を開けて調味料を出す」のは意外と面倒。動線を考えて収納するなら、調味料はキッチンに出しっぱなしにするのがいちばん使いやすいでしょう。しかし、色も形もさまざまな入れ物をそのまま並べておくと、ごちゃごちゃした印象に。そのため、著者は調味料類を同じ容器に入れ替えているそうです。たとえば、酒・オイル・酢など液体のものは透明のガラス瓶に、塩や砂糖などはプラスチックのケースに入れてガス台の近くに。同じ容器で高さをそろえるだけで、すっきりと見せることができるわけです。■ルール5:シンクの下は「縦収納」にするシンクの下の空間は高さがあり、なかなかうまく使えないもの。そこで著者は事務用の縦のファイルケースにラップやまな板、洗剤などを「縦入れ」し、それでも余った空間は木板を使って棚にしているといいます。そこにはボウルやはかり、ふきんを入れた箱など雑多なものが収まり便利です。また、調理台の下などに、大きな縦空間がある場合は、扉をつけずにゴミ箱を入れるとすっきり片づきます。*いままでなかなか片づかなかった人は、右脳を使っていたのかもしれません。「左脳収納」はシンプルなルールなので、誰でもすぐに取り組めそうです。ものを減らさなくてもいいのもうれしいところ。毎日使うキッチンが動きやすく、使いやすくなるはずです。(文/平野鞠) 【参考】※石原左知子(2016)『スタイルを持ち、身軽に暮らす』SBクリエイティブ※あなたはどっち? 「右脳タイプか左脳タイプか」地域別に調べました-Jタウン研究所
2016年07月30日筋道を立てて論理的に考える力は、どんな仕事にとっても強い武器になります。人になにかを説明するときや、プレゼンの際にもとても役立つスキルです。こうした思考は1日で身につくわけではなく、日々の経験やトレーニングによって鍛えられるもの。そこで今回は、ちょっとした時間でも行える、論理的思考を養う数字クイズをお届けします。目標は1分間。筋道を立てて考えてみてください。■論理的思考を鍛えるクイズ・問題編ここに80枚の金貨があります。ただし、なかに1枚の偽物が混ざっています。見た目はまったく同じですが、偽物の金貨は本物よりもわずかに軽いことがわかっています。なお、本物の79枚はすべて同じ重さでつくられています。正確に測れる天秤1つを使って、最短で偽物を見つけ出してください。そのとき、天秤は何回使う必要があるでしょうか?■論理的思考を鍛えるクイズ・解答編ズバリ正解は4回。まず、天秤にどれだけの金貨を乗せるのかが重要なポイント。ここを間違えると、なかなか正解にはたどりつけません。それでは手順を見ていきましょう。(1)まず80枚のコインを、27枚のかたまり2つと26枚のかたまりに分けます。そして天秤の左右に27枚ずつ乗せ、手元に26枚を残します。このとき天秤が釣り合えば、手元の26枚の中に偽物があることがわかります。また天秤がどちらかに傾いた場合は軽い方の27枚に偽物があります。(2)次に、偽物のあるかたまりを3等分して天秤にかけていきます。左右に9枚ずつ乗せ、手元に9枚((1)で26枚のグループに偽物があった場合は手元に8枚)を残します。天秤が釣り合えば手元の9枚(又は8枚)、天秤が傾いたなら軽い方の9枚に偽物があることがわかります。(3)(2)と同様に、偽物のあるかたまりのなかから左右に3枚ずつ乗せ、手元に3枚(8枚のグループに偽物があった場合は手元に2枚)残します。天秤が釣り合えば手元の3枚(又は2枚)、天秤が傾いたなら軽い方の3枚に偽物があることがわかります。(4)残った金貨を左右に1枚ずつ乗せ、手元に1枚残します((3)で2枚のグループが残った場合は手元には残さない)。これで天秤が釣り合えば手元の1枚、天秤が傾いたなら軽い方の1枚が偽物であるとわかります。*3つのかたまりに分けることに気づけば、あとは同じ方法でどんどん減らしていけばOK。「こうだった場合は、こうなる」という筋道を立てて考えることが大切です。そして、1分でこのクイズが解けた方は、かなりのIQの持ち主といえます。IQは100を平均値とし、約70%の人がIQ85~115の間。IQ135以上の人は2%程度とされています。この数字クイズを1分以内で正解した方は、IQ135以上かもしれません。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用して、このような論理的思考を身につけるクイズを行うことを習慣にしてみてください。きっと仕事にもいい影響が出るはずです。(文/平野鞠) 【参考】※快活脳!思考の罠と脳の基礎知識※老年若脳※IQ脳.net【クイズ】※北村良子・・・パズル・クイズ作家。書籍の他、企業、新聞、TV番組、雑誌等向けに作成。著書は『大人のIQパズル』(彩図社)『60歳からのボケないための思い出しパズル』(永岡書店)他。お問い合わせはフォームからお願いします。【画像】※BAR SEA-TURTLE』からどうぞ!
2016年07月27日幸せな恋をしたいみなさま、こんにちは。「恋愛・婚活研究所」主宰のにらさわあきこです。 前回の記事で、「彼がほしいなら、内面からの女子力をアップさせるのが近道だ」と書きました。 ⇒以前の記事はこちら内面的な女子力とは、「他人を思いやれること」と「感情を素直に表現できること」。 そのうえで、長らく恋愛からご無沙汰のみなさまは、同時に「自分から人を好きになる能力」も 強化するといいかもしれません。女子力があれば好きな人はできるが…基本的には、他人を思いやり、感情を素直に表現していると、好かれる女性になれるだけでなく、 自分自身も「誰を好きか」がわかってくるものなのですが、 「なかなか人を好きになれない」という方は、今のところは感性が鈍っているかもしれませんので、 夏の恋をスピーディーにこゲットするには、「好きになる力」も磨いておくといいかもしれません。人に会うときは「心を込める」具体的に行きましょう。まず一つ目です。誰かに会うとき、またはメールで交流するときに心を込めて行いましょう。彼を探しているとつい、「この人は私に何をしてくれるのだろう?」とか、「会って何が得られるか」 などの損得でジャッジしてしまうことがあります。だけど、人と人とのつながりは決して損得で測れるものではないですし、 仕事ならともかく、特に恋愛においては、愛情があるかないかだけが大切な物差しだと思うんです。 そして愛情と言うのは、こんこんと湧き上がってくるもので、「出したらなくなる」というものでない。 だから、自分から愛情をもって、人に接していくのがよいのです。感謝の気持ちを持つと気遣いが見えてくる具体的には、誰かに会うときは「相手が心地よく過ごせてくれるように」最大限のおもてなしの気持ちで、 会うようにするといいでしょう。少なくとも、自分に対して時間を取ってくれた相手です。有限の時間を自分に分けてくれて「ありがたい」という気持ちを持って、感謝を表現するようにしましょう。 なお、感謝の気持ちを持とうと意識すると、自然に「相手のよいところ」を探そうとし始めます。すると、「こう見えて、気づかいをしてくれているな」とか、「先に道を探してくれてるな」 という風に相手が「自分に対してしてくれていること」が見えてくるようになるのです。属性の違う人がいて当たり前また、そうはいっても、最後まで「合わない」人もいるでしょう。すると、「こんな変な人と会った」などと 悪口を言う人もいるようですが、それは方向違いです。だって、日本にはこれだけ大勢の人がいるのだから、 「違う属性」「文化」「価値観」の人がいて当たり前なのです。むしろ、「気の合う人」や「価値観が同じ人」 のほうが少数派。 なので、「合わない」と感じた人に対しては、時間を共有させてもらえたことに感謝したら、 「自分とは違う文化の人なのだな」と思っておけばそれでいいのです。「合わない人」の悪口を言わないこと悪口を言っていると、あなたの属性が「悪口を言う人」色に染まって、あなた自身の「本来の魅力」に 妙な色を付けてしまいます。なので、元々の魅力を発揮させるためにも、人の悪口は言わないほうがいい。というよりも!悪口を言っている時間がもったいないと思います。むしろ、寸暇を惜しんで 「未来の素敵なパートナー」に思いをはせましょう。その方が断然楽しいですし。いろんな人と触れ合うこのようなスタンスで大勢の人と会っていれば、自然に「この人いいな」と思う男性がふいに現れます。だから、一人一人を「いい悪い」でジャッジせず、心を込めてたくさんの人と交流していきましょう。今回のまとめ心を込めて人に会うと、好きな人がわかるようになってくる
2016年07月13日(c)zoetnet全長13メートルのタイガー・シャーク、巨大なサメが大きな水槽に入れられ、ホルマリン漬けにされている。これまた巨大なガラスケースの内部に牛の頭部が入っており、それに蛆虫から孵った大量のハエがたかっている──などなど、「死」を連想させるグロテスクな作風で知られ、存命中の美術家としては最高額で作品が取引されるともいわれている、デミアン・ハースト。美術館で作品を目にする機会はあっても、そんな人の作品を実際に購入して家に飾って置いておく、なんてことは普通あまり考えません。……考えないのですが、実は数ヶ月前、都内ギャラリーでこのデミアン・ハーストの版画展がやっていたんですよね。作品自体は版画なので、ハーストの代表作にあるようなグロテスクさはほとんどなかったのですが、それでも、あのデミアン・ハーストの作品です。版画たちに付けられていた値段は、1枚だいたい40~60万円ほど。40~60万円といったら、もちろん気軽にポンと出せる金額ではないですけど、まったくもって手が届かないわけでもないじゃないですか。デミアン・ハーストの作品って、買えるんだ!? と思ったのが、私にとっては静かな衝撃だったのです。後悔しない買いもの、3つのコツ女性も30代が近くなると、不動産であったり車であったり、あるいは時計であったりブランドバッグであったりと、大きな買いものを経験する人も増えてくると思います。一方、幸か不幸か私はこれまでの人生で、まだ大きな買いものをする機会には恵まれていません。しかし、そんな私がいつかしてみたいと夢見ている大きな買いものが、現代アート。一部の専門雑誌以外では特集されることもあまりなく、まだまだ一部の人の趣味に留まっているアートの購入ですが、私はこの趣味がもっと一般に普及したらいいのにと思っています。その理由はというと、現代アートは多くの場合、世界にたったひとつの一点モノか、写真などでも数点しかこの世に存在しないからです。どういうことか。もちろん私もまだまだ経験値不足ではありますが、最近なんとなくわかってきたこととしては、後悔しない買い物のコツは3つあります。1つは、「たくさんの人の声を参考にする」こと。昨今はどんな製品でも、ネットで簡単に口コミを調べることができます。もちろん、口コミやレビューに頼りすぎるのはどうなんだと考えもするんですが、たくさんの人が「いい」といっている商品は、やはり「いい」確率が高いのは否定できません。2つは、「自分と価値観の似ている人の声を参考にする」こと。作家やブロガー、友人知人、上司に親戚などだれでもいいのですが、自分と考え方が似ているだれかが買った商品を参考にすると、これもけっこう当たります。私は最近、「お金の使い方とモノの買い方で、人生観というやつがわかってしまう……」で紹介した山内マリコさんのエッセイ 『買いものとわたし~お伊勢丹より愛をこめて~』に載っていた、レインファブズというメーカーのゴム製のスニーカーを買いました。そしたらこれが、歩きやすいし、デザインもいいし、ゴム製だから梅雨も気にせず外出できるしで、大当たりだったのです。いい買い物をした!そして最後、3つめが、「自分の思考力と直感力を使うこと」です。そしてこれがいちばん難しい。一億総レビュー社会も現代アートの前では用をなさずレビューや他の人の情報に頼りにすると、確かに買いものにおける失敗は少なくなります。だけどそのぶん「自分で考えて買う」力は衰えていってしまう。しかしその点、現代アートの購入は、そもそも一点モノか数点モノですから、「他の人の声を聞く」という手が封じられています。「たくさんの人の声」も、「価値観が似ている人の声」も、モノが一つしかないのだから参考にならない。となると、これはもう自分でとことん考えて判断するしかないのです。前述した山内マリコさんのエッセイには、この「現代アートを買った話」も実は登場します。「買う(かも)」という目線でギャラリーや美術館、あるいは街中へ出ると視点が変わるし、もっといろいろなことを調べたいという気にもなってきます。現代アートの購入は、思考力と直感力を使うから、いつか来るそのときに備えて、それらを鍛えるようにと頭が動くんですね。アートの購入、実際やるかどうかは別にして、候補としてだけでも頭に入れておくと、モノに対する新たな価値観が獲得できるかもしれませんよ。Text/ チェコ好き
2016年07月07日梅雨が明けて、いよいよ夏本番。今年の夏こそ恋がしたいというみなさま、こんにちは。「恋愛・婚活研究所」主宰のにらさわあきこです。「彼がほしいなら、きれいにならなきゃ」「まずは自分を磨かなきゃ」という女性は多いようですが、外見はある程度整えたら、その後は内面磨きにフューチャーしたほうが恋には断然近づきます。そこで、今回はモテる女性になるための「女子力」についてです。相手を思いやることそもそも「女子力」ってなんだという話なのですが、「女子」というからには男性と違う女性ならではの魅力のことと言えましょう。それゆえ、いわゆる「女らしい外見」(ファッションやメイク)や、「とりわけ」などの気遣いが女子力として取り上げられがちなのですが、本当に意識してほしいのは「人を思いやること」と「感情を表現できること」の2つです。実際、当研究所の調べでは、この2つができる女性こそ真にモテているからです。男女は脳の作りが違う聞いたことがあるかもしれませんが、女性と男性では脳の作りが大きく違っています。どう違うのかと言いますと、左脳と右脳をつなぐ「脳梁」と言われる部分の大きさがおよそ2割ほど女性が大きい。そのため、「嬉しい」「楽しい」などの感情と、それを言語化する機能がスムーズに連携できるので、女性は感じたことを即座に自覚できるし、言葉にしやすい。それそれを行う機能は実は右脳と左脳に分かれているので、両者をつなぐ脳梁が小さいと、感情を言葉として捉えるまでに時間がかかるというのです。つまり男性は感情を意識するのに時間がかかるということです。男性は自分の気持ちを自覚しない実際、私が取材していて、驚かされることの一つに男性のこんな言葉があります。「自分が彼女を好きってことに、彼女が気づかせてくれたんだ」「自分の気持ちがこうだって、あとからわかってきたんだ」など……。初めて聞いたころは、「自分の気持ちを人が気づかせてくれるってどういうこと?」とか、「自分の気持ちくらいわかるでしょ?」と不思議に感じたものですが、何十人もの男性たちから同じ言葉を聞かされるうちに、ようやく腑に落ちたのです。つまり、男性は「気持ち」については、あまり自覚しない生き物らしいと。「どう思う?」と聞くのはNGよって女性から「私のことどう思っているの?」と聞くのはナンセンスなのですね。むしろ楽しい時間を共有し、「私のことが好きなんじゃない?」と誘導するくらいがベター。なので、好きな人とは心地よい時間を重ねるのがオススメなのですが、その時には「女子力」を発揮させられるとベストです。表現できてこそ、女性具体的には、楽しかったら「楽しい」と笑顔で伝え、美味しいものを食べたら「美味しい」と素直に言葉で表現する。喜びや楽しさを表現できることこそ、「女子力」なのですから。よく、「相手が楽しいと言わないのに、私だけ言うのは嫌だ」とか、「相手が何も言ってこないので、先に言うのは負けた気がする」などという方いらっしゃいますが、男性は感情を感知していない、もしくは「言語化していない」ので、そんなことなど意識してないのです。思いやれるのも女性ならでは同じ理由で、自分以外の誰かの気持ちに思いをはせて「思いやれる」のも女性の方が得意です。具体的には、相手を思いやって、「お疲れさま」「ありがとう」と声をかけたり、「いつも頑張っていて凄いですね」などと言えるのも、女性ならではです。なので、「思いやり」と、「感情表現」の2つの女子力こそ意識していきましょう。今回のまとめ外見以外の「女子力」を意識しよう!
2016年06月29日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。この記事を読まれている方のなかには、講師やライターなど、“なにかを伝えること”を仕事にしている方もいらっしゃることでしょう。そんな方々とお話していると、ある共通の悩みがあることがわかります。それは、「話す(書く)ネタがなくて困っている」というもの。なにを喋ったらよいかわからない。なにを書いていいかわからない。私もそのような仕事をしているので、気持ちはよくわかります。しかし、私はこれまでネタに困ったことはほとんどありません。実際、よく周囲の人にも「深沢さんはなぜそんなに本を書き続けられるのですか?」「よくそんなにコラムのネタがありますね?」という言葉も頂戴します。そこで、そんな私がどうやってネタをつくっているのかをご紹介したいと思います。ビジネス数学の専門家ですから、たとえばここでは「方程式」を例に説明してみたいと思います。■1つのテーマにネタを最低3つつくるなぜ「方程式」を勉強するのか?これがテーマだとします。多くの方が、1つテーマを決めたら、それについて話すことや書くことは1つだと思ってしまうようです。しかし、私はそう考えません。私は1つのテーマを設定したら、最低3つはネタをつくるようにしています。いったいどのようにつくっているのか?その答えはとても簡単。着地を変えるのです。どういうことか、ご説明しましょう。■1テーマにつき3つの着地点を考えるたとえば、このテーマをいろんな角度や切り口で眺めてみるのです。次の方程式を解きなさい「X+5=10」仮にこんな問題があったとします。中学校で学ぶ数学、懐かしいですね。もちろん正解はX=5となります。しかし、実はこの「方程式」にはいろんな側面があります。たとえば筋道を立てて結論を導く行為、ミスなく正確に作業する行為、いつか理系ビジネスパーソンとして活躍するための基礎固め……。(1)筋道を立てて論述し、結論を導く論理思考のトレーニング(2)正確に作業をするトレーニング(3)ビジネスの問題解決に使われている思考法のトレーニング要するにテーマは「方程式」であっても、その定義や意味づけはいかようにもできるということ。つまり、伝える内容の着地のさせ方も複数あるのです。私が普段ネタを増やすときに、1テーマにつき複数の着地点を考えています。具体的には、1テーマにつき3つの着地を考えます。「1×3=3」というわけです。どんなテーマでも、ひとつネタを考えたら、次はまた別の視点を考えてみたり、違う切り口で取り上げてみたりすれば、ネタがどんどん増えていくものなのです。*このようにしてネタを増やすことで、伝えられる側も「なるほど。前に聞いた方程式の話は、そういう解釈もできるのか。おもしろいな」と感じることができます。実際、物事には表があれば裏があります。いろんな角度から見ることで、新たな発見や気づきが得られるもの。そして、人はそのような話を「おもしろい」と感じるのです。テーマは同じでも、着地を変えれば違うネタになる。言い換えると、かけあわせるものが大きく変われば、同じテーマでも全く違う内容になる、ということ。「ネタ欠乏症」になりがちな方は、ぜひ試してみてください。かけ算とは、こうやって使うものなのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月27日「この人のことは好き。でも、私と彼じゃあまりに違い過ぎる……」「今付き合ってる彼は見た目タイプなんだけど、話てるとなんか隔たりを感じるというか、ズレを感じるコトが多い……」家柄、経歴、職業、肩書き、経済観念、年齢、または趣味や考え方の相違などなど……アラサーも過ぎれば相手を“好き”という感情だけではもはや突っ走れないこともある。たとえ女の本能では彼を強く求めていたとしても、「あまりにギャップを感じる彼」「自分と違い過ぎる相手」のことを泣く泣くあきらめた……なんてことはないだろうか? 今回のコラムでは「自分とはかけ離れた男との恋」は断念するべきなのか、それとも押し通すべきなのか……実際に“差異のある男性”と付き合った女性たちの経験から学んでみよう。断念する派……「愛だけじゃ、この差異は埋められない」「一般庶民というよりビンボーな家に生まれた私が、どこをどう気に入られたのか金持ちの男性と付き合ったことがあった。彼の実家は都内有数の金持ちたちが住むエリアで、彼自身はドラマに出てくるような都心のタワマンの高層階に部屋を持っている人だった。そんなセレブな彼は私をバカにすることなく、『キミはそのままでいいんだよ』とは言ってくれたけど……。何十万円もするようなものを躊躇せずポンと買う“金銭感覚の違い”や『子供は絶対有名私立一貫校だね~』みたいな“ビジョンの違い”がだんだん苦しくなってきて……私の方から別れを切り出しました。彼は“意識してるところ”では私を見下すことなく優しかったけれど、“無意識の部分”での彼の言動は私をおののかせるのにじゅうぶんだった。ただ愛してるだけじゃこのギャップは埋められないな……って。苦労知らずの恵まれた環境下で育った彼の価値観を知れば知るほど私とは住む世界が違うんだと認識させられた」(30代・OL)……このエピソードのなかの彼と彼女が大きく異なっていたのは、「生まれ育った環境から来る価値観の違い」である。特にお金がある側はお金のない人間にその価値観を押し付けガチ。相手を自分の型にはめようとするパターンが多く、裕福な人間は自分の生活水準にこだわるもの。そして彼のその価値観はその子にも受け継がれるのだ。彼は自分が生きてきたように子どもを育てるのが当然だと思っている。彼は自分がされてきたのと同じように自分の子に惜しみない教育や金銭等を与えるのだろう。このケースにおいては、互いの価値観をうまく“すり合わせ”できれば良かったのだが、二人とも自分の価値観を曲げる気はなかったのである。相手よりこれまで培ってきた自分の価値観を選んだのだ。それは言い換えれば、相手よりも自分の価値観を愛しているともいえる……。 自分の育った家庭環境から得た価値観はなかなか捨てれるものではないのだ。押し通す派……「好きなものや趣味はむしろ違ってもいい!!」「海や山が大好きで、休みの日は外に出掛けなきゃ気が済まないアウトドア派の私が思いもかけず付き合うことになったのは、自分とはまったく違うタイプの人だった……。研究室で働く理系の彼は休日には引きこもって本を読んでいたいインドア派。旅行とかレジャーなんかは時間のムダだと考えてて、インテリな彼は話す内容も小難しいことも多いから頭の悪い私には何言ってんだかよくわからないことも……。向こうも私の好きなことや趣味に賭ける情熱はまったく理解できないみたい。でも、そんな私たちだけど“嫌いなモノ”に関してはすっごく意見が合う!!テレビに出てればチャンネルを変えるぐらい気に食わない芸能人や政治家とか、“こういうのヤダな~”って感じることなんかのネタではめちゃめちゃ盛り上がる(笑)。誰かにされて嫌なこと、キライなものが同じだと“好きなものや趣味が同じ”よりも付き合うには好都合なことに気づいた……」(20代・ジムインストラクター)……これは“ギャップを感じる彼氏”を持つ女性にとっては至極参考になる話ではないだろうか。仮にあなたと彼とが将来を共にする場合、「好きなモノ」や「趣味」の相違に関しては目を瞑ってあげるべきだし、相手の世界観は認めてあげればいいのだ。好きなことがバラバラであっても、趣味がかけ離れていたとしても構わない。むしろ「嫌なこと」の価値観のほうにこだわるべきである。仮に例えるなら、彼が大好きなアイドルグループの女性をあなたが大してカワイイと思えなくったって、「ふ~ん、あんなのが好きなんだ~」とやり過ごすことができるだろう。……けれど、大事なのはキライなものの方だ。あなたが“生理的にムリ!”“大嫌いっっ!”と思っている人物を彼が賛美したらどうだろう。「あんなイイ人はいないよ!!」と褒めたたえたとしたらどうだろう。あなたは彼の価値観どころか人間性まで疑い、「あたしの嫌な相手を応援する彼」に嫌悪感を抱き「こんな男にはもうついていけない」と感じてしまわないだろうか?ここで大切なのは“好きなこと”ではなく、“許せないこと”のほうが重要であるということ。“好き”の価値観が違っても「これだけは許せないという最低ライン」が合致すればいいのだ。その隔たりを乗り越えるには労力が伴うもの……そこまで彼のことが好きかどうか?たとえ思考や嗜好が異なっていても、たとえあなたとは共通点の少ない彼とでも、「ここは人として譲れない」という線が彼と共鳴していれば、あなたの恋がうまくゆく可能性はじゅうぶんにある。それでも“ギャップを感じる彼”との恋には多大な疲労を伴う。どうしたって相手と意見が違えば説明や言い訳が必要になるし、言葉足らずではさらに大きな溝や隔たりが生じてしまう。“育った家庭環境や背景が似ている相手”“学歴や能力が似通った男性”“自分と共通項がある彼” であれば意思疎通はスムーズで互いを理解し合うにはラクであろう。だが“自分と違いすぎる彼”との場合、互いの差異を埋める過程であなたは時間や労力を費やさねばならない。それでもなかなか報われず、衝突が生じるたび「もうヤダ、私にはもっと合う人がいるハズ……」と音を上げたくなることも多々あるだろう。しかし、恋愛において大切なのは「……それでも」「……だけど」という感情だ。たとえ相手が自分の理想や条件にそぐわなくとも、その恋にマイナスの要因やデメリットがあったとしても、たとえしょっちゅうケンカしたとしても……そんな“負”さえも打ち消す「……それでも」「……だけど」があればいいのだ。 ・「彼とは考え方も性格も全然違うけど……それでも彼のことが好き!」・「彼とは歳の差がすごくある……だけどいっしょにいたい」……そう思えた恋こそが、あなたにとって“本物の恋”であり“手に入れるべき男性”なのだ。 「私とは違うけど、それでも……」と感じた彼なら諦めるべきではないだろう。体験型恋愛コラムニスト・神崎桃子
2016年06月09日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。以前、ある企業の研修に講師として登壇したときの話です。休憩時間に、参加者のひとりからこのような質問をされました。「深沢先生のような“数字アタマ”になるには、いったいどうしたらいいですか?」おもしろい表現をするなと思いました。“漢字アタマ”とか“ローマ字アタマ”なんて表現、まずしませんからね。にもかかわらず、私にもすぐにニュアンスが理解できました。それだけ私たちは、数字で考えることを特別な能力だと思っているのかもしれません。しかし、私は決してそんなことはないと思っています。どんなに数字が苦手な人でも、“数字アタマ”になることは可能だからです。今回は、そのためのアプローチ方法と実際の思考トレーニングをひとつご紹介しましょう。安心してください。誰でも1分間でできる、とても簡単なものです。■クイズの作成が数字アタマになる近道さっそくですが、次の質問に1分間で答えてみてください。Q.あなたは昨日、階段をぜんぶで何段上り下りしましたか?概算でお答えください。……もちろん、1段ずつ数えているなんてことはないでしょう。仮に万歩計を持っていたとしても、上った(下った)階段の段数だけを測ることはでいないはずです。ということは、この質問に答えるためにはアタマを使う必要があるということです。要するに、数字とアタマを使わないと答えられないようなクイズを考え、スキマ時間に遊ぶことが“数字アタマ”になるための最短距離だということです。さて、上記の質問ですが、私ならこう答えます。A.最寄り駅の階段が仮に50段だとしたら、行きと帰りで2回。(50×2=100)さらに打ち合わせに出向いた企業の最寄り駅の階段も利用。(50×2=100)そのあと移動する際に歩道橋をいちど渡ったので、その歩道橋の階段も50段だと仮定。(50×2=100)ここまでで合計すれば、100+100+100=300(段)「思っていたより少ない」というのが私の所感です。いずれにしても、このような数字があると、健康と体力向上のためにエレベーターやエスカレーターのある場所でも、あえて階段を使ってみようかなと思えます。つまり、気づきと改善策を得ることができたわけです。・数字で測るから具体的な情報になる・具体的な情報になるから、気づくことがある・気づけるから、改善もできるビジネスにおいても、まったく同じことがいえますよね。■1日1分の習慣で数字アタマになれる普段からほんの少しのスキマ時間(1日1分間で十分)を使い、アタマのなかで数字を使って測る習慣をつけてみましょう。すると、ビジネスの商談やミーティングなど、サクッとアタマのなかで概算する必要があるときにも、簡単に数字をつくれるようになります。少なくとも、日本でただ1人の「ビジネス数学の専門家」は、いまもそのようにして“数字アタマ”を鍛えています。日々の1分間の使い方を変えれば、“数字アタマ”は簡単につくれるのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月07日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。先日、スポーツジムでトレーニングしたあと、体重計に乗ったときのことです。デジタルの体重計に表示された数字は以下のとおりでした。55.55kg「おぉ、ゾロ目だ!」と、思わず喜んでしまいました(笑)。「だからなんだ?」といわれてしまうと、それまでのお話です。55.55kgも48.32kgも単なる体重という数字であり、なんら変わらないのですから。しかし、この「ゾロ目」という数字は、なぜか人の心をちょっとだけ動かすチカラを持っているようです。■なぜゾロ目の数字は魅力的なのかたとえば、ふと見た瞬間のデジタル時計の表示が「11:11」だったら、なにか特別な瞬間を目の当たりにしたような感覚になりませんか?たとえば、ナンバープレートが「33-33」の車を見かけたら、ちょっと「おっ!」と思ってしまうのは、おそらく私だけではないはずです。不思議ですよね。数字が揃っているだけで、ちょっと特別なことが起こったような気がするのです。私は心理学者ではありませんから学術的なアプローチはできませんが、とにかく私たちはゾロ目の数字には特別感を感じてしまうようです。これを私なりにいいかえて表現すると、こうなります。「人は、『数字が揃っている』という現象に特別感を持ち、意味づけをしやすい」■数字が揃うと謎の説得力がある!この人間の習性を、普段のコミュニケーションでも役立てられないでしょうか?私の答えは「YES」です。具体的には、誰かに「なるほど~」「へぇ~」といってもらえるような説得力ある話をしたいときに、このエッセンスが活用できるのです。たとえば、ビジネス。過去3年間の売上高はバラバラだけど、営業利益率はずっと5%で推移してきたとします。これはいわば、「555」というゾロ目の状態であり、おそらくあなたもデータの中で「555」を特別な数字と認識し、いまのままでは来期も営業利益率5%程度の着地になるという意味づけをするでしょう。2013年:売上4,200万円/利益210万円/利益率5%2014年:売上3,500万円/利益175万円/利益率5%2015年:売上6,400万円/利益320万円/利益率5%2016年:売上???/利益???/利益率???そして、そこには説得力が生まれます。なぜなら、人は「数字が揃っている」という現象に、特別感を持ち、勝手に意味づけをするからです。■マジカルナンバーもゾロ目と同じあるいは、こんな身近なテーマでも同じことがいえます。あるダイエット商材を試したAさんが、「1ヶ月で3kg、Bさんも1ヶ月で3kg、Cさんも1ヶ月で3kg痩せました」といわれたとしたら、「私もきっと1ヶ月で3kg痩せられる!」と思ってしまうかもしれません。それは、「333」というゾロ目に対して勝手に特別感を持ち、意味づけをするからです。心理学には、「マジカルナンバー7」などという言葉もあります。一度聞いただけで直後に再生できる記憶容量は、数にしてだいたい7つだという説です。その真偽はさておき、1週間が7日であることや、郵便番号が7桁であること、七福神、七不思議といった言葉の存在は、この話に信憑性を持たせますよね。ストレートにいえば、人間はこういう話が好きなのです。*裏を返せば、なにかを伝えたいとき、特に強力な説得力が欲しいときには、「数字が揃っている現象」をネタにすると威力を発揮することになります。誰かに「なるほど~」「へぇ~」といってもらえるような説得力ある話は、ゾロ目と同じ構造になっているのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月06日「花まる学習会」といえば、「数理的思考力」「国語力」「野外体験」を三本柱とし、将来「メシを食える人」「魅力的な大人」を育てることを主眼とするユニークな学習塾として有名です。きょうご紹介する『60点でも伸びる子、90点なのに伸び悩む子』(相澤樹著、あさ出版)の著者は、同塾の講師として約10年間、2,000人の子の学習指導に携わってきたという人物。また、豊富な事例に基づく講演「後伸びする子の家庭の習慣」も、全国の小学校や企業から好評なのだそうです。つまり本書においては、そのような実績を軸として、子どもに身につけさせたい大切なことをつづっているわけです。■伸びるために大切なのは「家庭習慣」長いキャリアのなかで著者は、当然のことながらさまざまなタイプの子どもたちを見てきたといいます。印象的なのは、低学年のときにテストの点数が悪くても、高学年からぐんぐん伸びていく子がいるということ。さらに中学、高校、大学、そして社会に出てからも活躍していく子も多かったといいます。また反対に、低学年のころはテストの点数がとてもよかったにもかかわらず、高学年から伸び悩む子、中学、高校でうまくいかず挫折してしまう子、社会に出てから引きこもったり、転職を繰り返したりするような子たちも見てきたのだとか。では、高学年以降に伸びていく子たち(著者は「後伸び」する子と呼んでいるそうです)は、なにが違うのでしょうか?著者によれば彼ら「後伸び」する子には、テストの点数では計れない「力」が備わっているのだそうです。それは、問題を見つける「発見力」、筋道立てて考えられる「論理性」、物事を「検証する力」、折れない「精神力」、「体力」など、解答の正誤だけでは計れない「力」。親は、子どものテストの点数が悪いと心配になるもの。しかし重要なのは、「いま点数が悪くても、大切な力を持っている子がいる」ということ。そして、その力を育てるのは「家庭習慣」なのだといいます。■子どもがお手伝いするとなぜいいか?ところでそんな著者が、よい習慣だと強調しているのが「お手伝い」。なぜならお手伝いをさせることにより、「試行錯誤」を経験させることができるから。お手伝いをすると、失敗や成功を繰り返し、工夫する力、よりよくしようとする力、つまり「検証力」が身についていくというのです。たとえば、料理をしているお母さんのお手伝いを習慣的に行う子は、ハンバーグをこねて形にするとか、サラダのレタスを洗ってちぎるとか、餃子の餡を皮で包むとか、ちょっとしたことでも「お母さんのようにできない」という壁にぶつかるはず。そこで試行錯誤を重ね、「どうすれば上手にできるようになるんだろう」と、さまざまな工夫と検証を繰り返した末に、思いどおりの結果に行き着くことになる。それが、検証力や成功体験、達成感を生み出すわけです。また料理においては、実感を通した学びが無数にあることも魅力。たとえば料理をつくるときは、「完成のイメージを持ち、そこに至るまでの過程を考え、必要なものを準備し、実行に移す」というサイクルを無意識のうちにこなしているもの。そして食後には、その料理がどうだったのかを自然と検証し、無意識で次回への工夫を蓄積していくことに。こうしたことから知識と経験が合致し、深い理解につながる。それもまた、料理を通したお手伝いの副産物だという考え方です。■お手伝いで子どもの責任感が養われるさらに料理には、「重さを計る」「時間を気にする」など、生活のなかで体験できる学びの要素も豊富。火や包丁を使うなどリスクがあるものには細心の注意が必要ですが、「やらせない」のではなく、危ないということをきちんと伝えたうえで「経験させる」ことが大切。料理に限らず、最初から上手にできることなどないものです。むしろ重要なのは、同じことを何度も繰り返し、試行錯誤することだということです。またお手伝いは、「責任感」を養うことにもつながるのだといいます。つまり、子どもに「家のなかでの役割(自分が家族に必要とされていること)を認識させることができる」というメリットも備わっているということ。「あなたがいないと困るのよ」という家のなかでの役割を認識させることにより、子どものなかで責任感が芽生えるということ。そのような責任感から生まれる継続力、行動力もまた、伸びるこの重要な要素。結果的にはそれが、社会でたくましく生き抜くことの源泉になるというわけです。*本書の魅力は、ただ「学習力をつける」ということだけに偏らず、広い視野で子どもの可能性を見つめていること。だからこそ、子育てに悩んでいる方に対して、大きなヒントを与えてくれることでしょう。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※相澤樹(2016)『60点でも伸びる子、90点なのに伸び悩む子』あさ出版
2016年04月08日集中のコツは、心の強さに頼るのではなく、「集中力を引き出すワザ」を知り、使いこなすこと。そう主張するのは、『机に向かってすぐに集中する技術』(森健次朗著、フォレスト出版)の著者。現在の肩書きは「集中力プロデューサー」ですが、それ以前はミズノ株式会社に勤務していたという人物。10年間のべ15万人の人々に対し、「どうすれば集中力を高められるのか?」を指導してきたのだそうです。その当時には、シドニーオリンピックで12個の世界新記録を生んで注目を浴びた、「サメ肌水着」を開発した実績をお持ちです。本書ではそのような実績をベースとして、集中力を自由自在に引き出すためのメソッドを紹介しているのです。ところで著者は、本書のなかで興味深い主張をしています。リラックスした状態で集中力を持続させるためには、深呼吸が欠かせないというのです。しかも、ひとことで深呼吸といっても、ただ深く気を吸って、履けばいいというものではないのだとか。深呼吸にも、きちんとしたやり方があるということです。リラックスするためにいちばん効果的な深呼吸として、著者は“5、3、8深呼吸”を勧めています。あまり聞きなれない名称ですが、いったいこれはどんな深呼吸なのでしょうか?■息を吐き出す作業を意識するまずは、イスに腰掛けます。そして座った状態で方をギュッとあげ、ストンと脱力。その後、膝の上に両手を置き、手のひらを上に向けます。次に軽く目を閉じ、鼻で5秒間、大きく息を吸い込みます。このとき、キレイな空気を全身の細胞の隅々まで届けるイメージで、息を吸い込むといいのだとか。鼻で5秒間、息を吸い込んだら、次は3秒間、息を止めます。これは、息を吸い込む作業、息を吐き出す作業を、それぞれ明確に意識させるためなのだそうです。「吸って、吐いて」「吸って、吐いて」という作業を単純に繰り返しているだけだと、その境界線が曖昧になってしまいがち。しかし一度息を止めれば、そこに境界線が生まれることになります。だから、息を吸う作業も白作業も、しっかりと意識的に行うことが可能になるというわけです。■気が散ることを解消できる!息を3秒間止めたあとは、イヤな気持ちや体のなかの汚れた空気を吐き出すイメージで、ゆっくり吐き出します。なお、口から息を吐く時間は、8秒間。5秒吸い、3秒止めて、8秒吐く。この作業を、3回ほど繰り返すというのです。これが、著者が奨励する深呼吸の正しいやり方。5+3=8だから、5、3、8深呼吸だというわけです。たったそれだけで、「ああ、リラックスできているな」と実感できると著者。そればかりか、「気が散る」ということを解消できるのだともいいます。■呼吸に集中すると効果を発揮「5秒、3秒、8秒」という深呼吸は、3回やるだけで大丈夫。しかし、目を閉じて、この作業を5~10分間行うと、それは「瞑想」になるのだそうです。シリコンバレーでブームになっていることからもわかるとおり、瞑想にはリラックス効果があるといわれています。目を閉じて深呼吸を繰り返すわけなので、リラックスできるのはむしろ当然だといえます。頭を空っぽにしようとすればするほど余計なことを考えてしまいがちですが、そんなときに効果を発揮するのが、呼吸に集中すること。「5秒、3秒、8秒」という呼吸のタイミングだけに、とにかく集中するということです。呼吸に集中することさえできれば、雑念がわきにくくなり、瞑想のリラックス効果を得やすくなるのだといいます。深呼吸と違って、瞑想には5~10分程度の時間を要するわけですから、忙しい人は実践がなかなか困難かもしれません。だからこそ瞑想は必須ではないものの、もし時間がとれるのでれば試してみてほしいと著者はいいます。*呼吸に集中すると、雑念がわきにくくなり、瞑想によってかなり高いリラックス効果が得られるそうです。ちょっとした空き時間を利用するだけで、気分が変わるかもしれません。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※森健次朗(2016)『机に向かってすぐに集中する技術』フォレスト出版
2016年04月01日「最近の若者には、指示がなければ何もしない『指示待ち族』が多い」と揶揄されることもあります。わが子を指示待ち族にしないために大切なのは「思考力=自分で考える力」です。思考力を育てるのに最高なのがオープンクエスチョン。そのオープンクエスチョンの上手な行い方を紹介します。オープンクエスチョンって何?オープンクエスチョンの反対語は、クローズドクエスチョンです。これらは、どのように違うのでしょう。簡単に言えば、クローズドクエスチョンは、「はい」と「いいえ」で答えられる質問。オープンクエスチョンは、聞かれた相手が答えを自由に選べる質問です。オープンクエスチョンでは、自分を省みて質問に対する答えを探し、それを言葉にすることが求められます。相手が子どもであれば、親がその答えを受け取り、意を組んでさらに膨らませることができれば会話は盛り上がり、子どもは「もっと話したい」「もっと聞いて欲しい」という気持ちを持ちます。すると、子どもはこれまでに培ってきた語彙を最大限に駆使し、頭の中にあることを精一杯伝えようとするのです。子どもの言葉を待ちましょう子どもは大人に比べて語彙数が少ないため、その分、考えをまとめづらいものです。ですからオープンクエスチョンに対して、パパッと簡単に答えることができません。ただし、答えたいという気持ちは大人と同様に持っています。ですから、大人は子どもの言葉が出てくるまで待ちましょう。「大丈夫だよ」という思いを込めてその子のことを見つめながら、じっと質問の答えを待つのです。間違ってもスマホなんていじってはいけませんよ。子どもが心を開き、自分の気持ちを言葉にしようと頑張っているのですから、大人もそれを受け止める準備をしましょう。オープンクエスチョンを何度も繰り返すことで語彙力が強化されるオープンクエスチョンは一度では足りません。何度も何度も重ねることによって、自然と考える力が身につき、豊富なバリエーションで答えを返してくれるようになります。そして、それはいつ始めればベストだというものでもありません。これまで子どもに対してオープンクエスチョンでの質問をしてこなかったという家庭でも、今から始めれば大丈夫。子どもというのはいつの時点からでも伸びるものです。しかも、さまざまな場所で言葉のシャワーだけは常に浴びているので、自分の中には語彙がたまっている子も多くいます。語彙力がつくかどうかは、それを吐き出せる力があるかどうかにかかっています。オープンクエスチョンを繰り返すことによって、語彙力を強化し、自分で考える思考力を身につけさせていきましょう。(ふじなみまき<フォークラス>)
2016年03月31日ドリルだけやっていても前頭前野は発達しない、キーポイントは「遊び」 前編 でもご紹介したように、たしかにドリル的な勉強は、子どもの脳の前頭前野を活性化させてくれます。でも、ただひたすらドリル学習をしていけば前頭前野がぐんぐんと発達していくかというと、それは違います。ポイントとして押さえておきたいことは「遊び」です。このことは、運動になぞらえて考えてみるとよくわかります。筋肉は、一定の負荷をかけた後、適宜休ませることで、負荷をかける前よりも筋肉が強くなるということが知られています。ですから、運動をするときにはずっと動き続けているのではなく、適当に休憩を取り入れているのです。考えてみれば脳だって体の一部分です。ですから、基本的には運動をするときと同じように訓練していけばよいのです。つまり、「遊び」を適宜取り入れながらやっていくということ。前頭前野を鍛えるためにドリル学習などの勉強をしますね。そうしたら、少し前頭前野が休まるような行動を取り入れればよいのです。ゲームは決して悪者じゃない、バランスよくやれば味方になる前回、「テレビゲームは頭を使うようでいて、前頭前野を働かせるような効果はあまりない」という研究報告があるとお伝えしました。何かと悪者になりがちなゲームですが、前頭前野を働かせる効果がない分、勉強の合間の遊びとしては適しているのです。ほかにも、漫画を読むこと、テレビを見ることなどもよいでしょう。これらも子どもに好かれることでありつつ、前頭前野を成長させる刺激にはあまりならないものだからです。でも、「今まで『テレビばっかり見てないで!』『またゲームしているの!?』と怒ってきたけど、やらせていいのね。楽になったわ~」なんて言わないでくださいね。子どもたちがこれらの前頭前野をあまり使わない遊びに夢中になり、他のことが手につかないということは、非常によくあることですよね? 子どもたちが自らを律して勉強と遊びを両立するのは難しいのです。つまりは、親のほうで勉強と遊びのバランスをとるように誘導してあげなければならないということです。たとえば、30分間勉強を頑張ったら、その後10分間はテレビや漫画・ゲームOKとする、とか。こうすることで、子どもが勉強の中に効果的に遊びを組み込んでいけるよう、引っ張っていってあげるのです。もちろん、子どもが中学生や高校生になってまでやってあげなければならないこととは言いませんが、少なくとも小学校低学年くらいまでは必要です。親が子どもの勉強にリズムを作ってあげることで、いつかは親に言われなくても、上手に勉強と遊びのバランスがとれた方法を実践していくことができるでしょう。
2016年03月27日「うちの子は遊んでばかりで全然勉強しないのよ…」そんな悩みはよく聞かれます。確かに遊んでばかりでは脳を鍛えることはできませんが、だからと言って勉強ばかりしていても効果的なやり方とは言えません。勉強と遊び、その取り入れ方をどう考えていけばよいのでしょうか。頭の良い子が育つのは遺伝ではなく環境よく、「あそこのうちは、両親がいい大学を出ているから、子どもも賢いのよね」なんていう話を聞きませんか? 勉強ができるかどうかは、遺伝性があるのでしょうか。答えはノーです。頭の良い子を育てるのは、生まれてからの環境や教育でしかありません。では、わが子を賢く育てたいと思ったら、親はどのような働きかけをしたらよいのでしょう。それは、子どもの脳の前頭前野と呼ばれる部分を訓練してあげることです。前頭前野が反応するという程度ではなく、活動的になるように行動させましょう。子どもたちの大好きなテレビゲーム。やっているときの子どもたちは頭脳を使い、非常に集中しているように見えますが、前頭前野の働きを調べてみると、ゲーム中の前頭前野はほぼ100%活動していなかったという研究報告があります。つまり、賢い脳を育てるための手段として、テレビゲームは適切とは考えにくいと言えます(無論すべてのゲームを調べたわけではないでしょうから、ゲームがすべてダメというわけではなく、ゲームによってケースバイケースではあるかと思います)。前頭前野を訓練するのは音読や計算問題では、前頭前野を訓練するには、どのような活動が適しているのでしょう。友だち同士での(テレビゲームではない)遊びを通しても、前頭前野を活動させることができるのですが、ほかにも前頭前野にとって良いと言えるものがあります。それは、音読や計算問題といったドリル勉強です。学校などの集団の中に、落ち着いて活動に取り組めない子どもがいます。授業中立ち歩いたり、静かに話を聞けなかったり…。このように集団行動になじめない子どもは、前頭前野の発達が未熟であると考えられています。そんな子どもたちに、授業前、音読や単純な計算プリントなどをさせると、その後の授業への取り組みがとても落ち着いたものとなったのです。ですから、「うちの子はどうも落ち着きがないようだ」とお悩みであれば、自宅での勉強タイムに読書の時間をたっぷりととったり、単純な計算問題や数を数えるような問題をやらせてみたりしましょう。そしてそれは、ぜひ親であるあなたも一緒に取り組んでください。見違えるほど、子どもの集中力がアップする可能性大です。ちょっと信じられないくらいの効果をもたらしてくれる報告もあがっています。< 後編 に続く>
2016年03月27日前編 では、赤ちゃんが持つ短期記憶と論理的思考力について説明しました。今回はその続きとして、遊びを通じて赤ちゃんの記憶力と思考力をトレーニングする方法を紹介します。「いないいないばあ」をするなら顔全体を隠そう玩具隠しと同じように、「いないいないばあ」にも赤ちゃんの脳をトレーニングし、記憶力を発達させる効果が見込めます。「いないいないばあ」をされて赤ちゃんが大喜びするのは、自分にとって大事なお母さんが急に消えてしまって不安になったものの、すぐまた見つかって安心することによるものです。繰り返しやっていると、記憶力が育ってくるため、お母さんが「いないいないばあ」をして顔が見えなくなっても、「どこかすぐ近くにいるはずだ」という考え方ができるようになってきます。こうした記憶力のトレーニングという意味では、「いないいないばあ」をするときに目だけを隠すのは意味がありません。赤ちゃんからお母さんの顔が見えなくなり、お母さんが一瞬いなくなったと思わなければ意味がないからです。目は隠れていても顔の全体像が見えていては、赤ちゃんでもお母さんがいなくなったと感じません。このため、記憶力のトレーニングも兼ねるのであれば、「いないいないばあ」をする時にはお母さんの顔全体が隠れるようなかたちで行いましょう。たとえば、赤ちゃんの前に布を垂らしたり、自分の顔の前に新聞紙をもってくる、といったようなやり方をすると簡単にできるでしょう。赤ちゃんの視界からお母さんの顔を一度完全に見えなくするところがポイントです。生後半年もすると、赤ちゃんはようやくお父さんのことを意識できるようになるので、「いないいないばあ」をお父さんがやってもいいでしょう。しかし、この頃になると人見知りが始まる子もいます。このため、あまり頻繁に顔を合わせない人(おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人など)がいきなり「いないいないばあ」をすると怖がってしまい、泣き出してしまうことがありますので注意が必要です。幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておこう「短期的記憶力」というのは、脳科学では「ワーキングメモリシステム」と言われています。例えば、人から用を言われメモするまで覚えておく、買い物で買ってくるものを覚えておく、というような、少しの間だけ覚えておけば後は記憶しておく必要のないことを記憶するシステムです。ワーキングメモリシステムは、日常生活を送るには必須であり、学習のスキルアップにも重要なファクターとなってきます。そのため、できるだけ幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておくことがベターだと言えるでしょう。(子育ての達人)
2016年02月12日生後半年ぐらいになると、赤ちゃんは「いないいないばあ」で大喜びをするようになります。そういう様子を見せ始めたら、玩具遊びを利用して赤ちゃんの記憶力や思考力をトレーニングしてあげましょう。玩具隠しで赤ちゃんの脳を発達させよう赤ちゃんが日頃見慣れている玩具を用意して、それを半分布で覆って隠します。そうして、赤ちゃんが布で覆ったものを玩具であると理解して取ろうとすることができるかチェックしてください。それができることがわかったら、赤ちゃんの目の前で、今度は玩具を布で完全に隠してみます。初めてこれをされたときには、赤ちゃんは玩具が唐突に目の前から消えたので不思議そうなそぶりを見せます。この時点では赤ちゃんは視界から消えたものはないものとしか認識できないので、目の前で隠されたにもかかわらず、布をはいで玩具を見つけるということができないのです。とはいえ、これを何度も繰り返しやってみせると、そのうちに赤ちゃんは布がかぶさっているところに玩具があったことを記憶できるようになり、その記憶に基づいて布を取りのけ、玩具を発見できるようになります。この行動は短期的な記憶力だけでなく、そこに玩具があったのだから布のかげにあるはずだ、という論理的な思考力が芽生えていなければ行うことができません。それだけ赤ちゃんの脳が発達してきているということです。こういった行動は、生後半年から1年ぐらいで行えるようになります。赤ちゃんが理解できること、そうでないこと赤ちゃんが布をはいで玩具を見つけられるようになったら、今度は赤と青といった区別しやすい色合いの布を2枚用意します。そして、片方の布で玩具を隠してしまいます。それから赤ちゃんが見ている前で、玩具を隠した布ともう一方の布の位置をすり替えてみましょう。赤ちゃんは目の前で布をすり替えられても、さらには玩具を隠したほうの布が盛り上がっていても、最初に玩具があったほうの位置にある布を持ち上げます。そして、何もないのにびっくりして、ちょっと残念そうな顔をすると思います。目の前で位置が交換されたのにこういう行動を取ってしまうのは、玩具がもともとあった場所についての短期的な記憶はあるものの、玩具が布ごと場所を移された、ということを理解することができないためです。また、盛り上がった布を見て玩具が隠されていることを理解することもできません。こういった事柄について、赤ちゃんは生後1年~1年3ヵ月ぐらいで理解できるようになります。この頃の赤ちゃんの脳はそこまでの思考力を備えるようになってきているのです。< 後編 に続く>(子育ての達人)
2016年02月12日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回は生活に役立つ数的思考のお話を。■いつものバナナと特売バナナつい先日、近所のスーパーマーケットに立ち寄ったときのこと。果物コーナーのいつもの場所にいつものバナナが5本で300円という価格で販売されていました。ところが、この日は別のスペースに特売エリアが設置されており、そこで別のバナナが20本セット1,000円で販売されていたのです。バナナ好きの私としては、とても魅力的なオファーです(笑)。もしあなたなら、どちらを購入しますか?ちょっと数字で考えてみると、このようなロジックがつくれますね。いつものバナナ:300円÷5本=60円(1本あたり)特売のバナナ:1,000円÷20本=50円(1本あたり)そうです。1本あたりの価格に換算すれば、特売のほうがお得となります。つまり、どちらが効率的にバナナを手に入れられるかという観点で考えれば、特売セットを選ぶべきです。しかし、私がこのとき選んだのは……?いつものバナナ(300円)でした。いったいなぜだと思いますか。その答えは、極めてシンプルな思考によるものです。「そんなに必要ないから」バナナはとても痛みやすい果物です。20本すべて食べるためには、1週間から2週間はかかってしまうでしょう。もしかしたら、食べきれずに捨ててしまうなんてことになるかも……?あくまで個人の主観ですが、私の中では「痛んで黒ずんだバナナ」ほど不味そうに見える果物はないのです(苦笑)。■賢い人は特売品を買わない!そろそろ本題に入りましょう。このエピソードを通じて申し上げたいのは、こういうことです。賢い人は、必要だからお金を払う。賢くない人は、目先の効率でお金を払う。モノを売る側は、少しでも「お得」に思わせようと必死です。でも、買い物の本質は「必要なものを手に入れる」のはずです。必要ないものまで購入してしまう行為は、あまり賢いとはいえません。これは、ビジネスセンスにも通じる話です。たとえば、マーケティングリサーチのサンプル数。たしかに、多ければ多いほどリサーチの精度は高くなる気もするけど……。でも、そもそもざっくり傾向が把握できればいいのなら、サンプル数はそんなに必要?たとえば、採用の人数。正社員1人よりもアルバイトを3人雇ったほうが費用は安く済むけど…でも、そもそも誰かを雇う必要ある?いまのメンバーで工夫して仕事をまわせないの?「そもそも、必要なの?」そんな視点を持つだけで、余計な支出を減らすことができます。気づけば、ビジネスシーンでも「賢い人」になれることでしょう。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月28日いくつになっても、いきいきと輝いている人でいたい。憧れる女性像を思い描いてみると、シンプルで無理のない姿ではありませんか? 日々のちょっとしたことの積み重ねが、いつまでも魅力的な女性へと導いてくれます。自分の内側に潜み、自分らしく生きることで輝きをみせる「自活力」を高めるための3つのポイントをチェックしてみましょう。1)「ルーティン」を決めて過ごす「朝起きたら1杯の白湯を飲む」、「午後のおやつタイムには、ミネラルたっぷりのドライフルーツを食べる」、「寝る前のひとときはPCやスマホから離れ、ヨガやストレッチでリラックス」…etc。ひとつでもいいからまずは、自分なりに キレイ のための “ルーティン” を決めましょう。そして、とにかく毎日続けてみること。ルーティンをしっかり続けていくうちに様々なことが見えてきて、それらにきちんと向き合っていけば、知らず知らずのうちに内面から輝く自分に出会えるはず。★キレイのためのルーティン をまずは書き出してチェック。すぐにやれることから、少しずつスタートしてみましょう。2)自分で選んだ “いいもの” だけを積極的に取り入れるアラフォーともなれば、さまざまな経験を積んで自分なりの審美眼も養われています。自分の眼で選んだ大切なものだけに囲まれて過ごせば、ストレスも少ないはず。自分が “いい” と感じたものを選び、不要だと感じたものは排除する。そうやって選んできたものを定期的に見直して、常に取捨選択していくことが必要です。「もの」だけでなく「行動」もしかり。「朝、少し早く起きて朝活を始める」、「ひとつ前の駅で降りてウォーキングして帰る」といった小さなことでもOK。新しさや流行をチェックしながらも流されることなく、今の自分に必要な「もの」と「こと」を見極めながら生活をしていきましょう。★「今の自分に必要なもの」を厳選する。自分が選んできた「もの」と「こと」は定期的に見直し、取捨選択していく習慣を。3)「肌本来の美しさ」を鍛えて、キープする今年は自分の肌状態をきちんと知り、向き合うことも大切にしましょう。肌には本来、健やかに保ち、自ら美しくなろうとする「自活力」が備わっています。この肌の自活力が高ければ、肌は自らの力でうるおい、ハリや弾力、透明感を保つことができ、低くなると肌のバリア機能や保水力が低下し、乾燥やシミなどの肌トラブルといった負のスパイラルに陥ることも。そうならないためにも、肌の自活力は意識的に高めておきたいものです。また、紫外線や乾燥などの外的環境、食事や睡眠など生活習慣の乱れだけでなく、化粧品に含まれる防腐剤などの添加物も、時には肌にとってストレスに。ストレスをできるだけ与えず、肌にとって本当に必要なものだけを与えることを基本とし、スキンケアも見直してみるべきです。★誰もが持っている “肌本来の美しさ” を引き出す「自活力」を意識。日々のスキンケアも見直してみましょう。自活力を引き出す、おすすめスキンケア編集部のおすすめは、肌ストレスの原因である防腐剤などを一切使用せず、肌本来の力を引き出すべく開発された、ファンケルの無添加アクティブコンディショニングシリーズです。紫外線などの外部ストレスから肌を守りながら、美肌の鍵となる美しい角層を育み、肌の「自活力」を高めるというコンセプト。うるおいのあるふっくら肌に導いてくれるそう。このシリーズには、年齢とともに不足するコラーゲンに多角的に働きかける「適応型コラーゲン」(ファンケル独自開発)、肌の角層を美しく育んでくれる注目の新成分、「アクティブセラミド」などが新配合されました。私も使い始めてみたところ日中でも乾燥が気にならず、肌がしっとりうるおっているのを感じています。毎日、朝晩使い続けることで、肌の自活力が高まってきているのかもしれません。無添加にこだわり “必要なものだけ” を与えるスキンケアを選んで使い続けていくことも、肌の自活力を高めて “内側から輝く自分” を手に入れる重要なステップのひとつと言えるでしょう。今なら通販限定のたっぷり1ヵ月試せる お得なキット(特別価格¥1,830 税込・送料無料) もあるので気軽に試してみてはいかがでしょう。肌の自活力を意識することで、心や暮らしにも変化が出てくるかもしれませんね。まずは日々の「スキンケア」で自活力を磨き、知的で健やかに、いきいきと輝いている「大人の女性」を目指してみませんか?★特別価格で販売中!★「無添加アクティブコンディショニング EX ハリ肌1ヵ月実感キット」通常価格¥3,672 → 特別価格 ¥1,830(税込・送料無料) 詳しくはこちら >> 【セット内容】・アクティブコンディショニング EX 化粧液 Ⅱ しっとり 30mL(約1ヵ月分)1本・アクティブコンディショニング EX 乳液 Ⅱ しっとり 30mL(約1ヵ月分)1本【プレゼント】・マイルドクレンジングオイル(20mL×1本)・洗顔パウダー Ⅱ しっとり(1回分×10包)・泡立てクッション(1個)・オリジナルポーチ(1個)お問い合わせ/ファンケル化粧品
2016年01月20日会社勤めをしていると、上司から理不尽なことをいわれて困ることもあるもの。『Woman type』のアンケートでも、「上司への不満がある人」は74%、「上司の言動になぜ? と思ったことがある人」は69%にのぼっています。ではそんなとき、どうすれば論理的に対処できるのでしょうか?『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』(深沢真太郎著、日本実業出版社)によると、論理的思考を使って反論することで、相手の言動に矛盾があることに気づかせることが非常に重要なのだとか。そこで、上司から理不尽な言動をされたときの対処法について、著者の深沢真太郎さんに詳しく教えていただきました。■1:上司に大声で怒鳴られた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「人になにかを伝えるときには、そんな大きな声を出さなくても聞こえますよ。こういうときの声の大きさとその人の器の大きさは、反比例するという考え方もあります。孫正義さんだって、池上彰さんだって、落ち着いた声でゆっくり話すじゃないですか。部長も器の大きい人なのですから……」なるほど、説得力のある意見ですね。■2:上司の指示や意見がコロコロ変わった場合は?こんなときには迷わず「私はいったい“何月何日の部長”の指示を優先すればよいでしょうか?」と聞いてみるのがいいと思います。極めて妥当な質問ですよね。■3:上司に「クビだぞ!」と脅された場合は?こんな反論はいかがでしょう?「なぜ“これをやらないとクビだ”なのでしょうか。納得できるように論理的に説明してください。いっそのこと、“クビにしなければならない人”の定義から教えていただけませんか?私がそれに当てはまるのか、確認させてください。当然、それは他の人にも当てはまらないとウソですよね」こうして反論されれば、上司もタジタジになってしまうかもしれませんね。■4:上司に責任をなすりつけられた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「責任の“任”は任せる、であり、任される、でもあります。少なくとも2者いなければ、“任”は成立しません。つまり、少なくとも任せる側と任される側、双方の問題なのではありませんか? どちらか一方というのは、論理矛盾を生んでいます」理不尽なことには、きちんと反論することが大切です。■5:期日を守ったのに文句を言われた場合は?たとえば、「3日以内に仕上げて」といわれたはずなのに、3日後に提出すると「もっと早く仕上げてくれないと困るよ」などといわれること、ありますよね。そんな場合は、「“3日以内”という言葉の意味を正確に教えていただいてよろしいでしょうか」と聞いてみては?つまり、あなたの言葉の定義を明確にしてくれというツッコミです。適当な発言をしている人は、たいていこれで論破できます。■6:自分がやっていないミスを上司に押しつけられた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「たとえばサッカーでPK失敗できるのは、蹴った人だけです。確認ですが、私はPKを蹴っていませんよね?蹴ったのは誰ですか?」論理矛盾は、比喩を使って指摘すると効果的です。■7:上司によくわからない指示を出された場合は?たとえば「今日の13時から空けといて。理由?そんなの自分で考えればわかるだろう!」など、目的や理由がさっぱりわからない指示を出す上司、いますよね。こういう上司には逆に「部長、明日の15時からお時間いただけますか。私のマネジャーですから、これ以上はいわなくてもわかってくれますよね」と伝えてみては?■8:プライドの高い上司に「俺の顔をつぶさないでくれるか?」といわれた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「申し訳ありません。でも、私は部長の顔よりも会社への影響のほうが心配です。部長も、そちらをお考えになったほうがよいのではありませんか?それとも、部長は会社よりも自分の顔のほうが大切なのでしょうか」■9:上司から「ここの会社ではなく、どこか他の会社を見つけたら?」と言われた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「逆に、この会社で働けるための条件を挙げてください。それを満たせば、このままで構わないということですよね。そして、私以外のみなさんは、いますべてそれを満たしているということになります。いったいどんな条件なのでしょう。ぜひ教えてください。まさか、私だけ例外なんておかしなことはあり得ませんよね」極めて論理的な切り返しです。■10:上司に「○○さんはみんなに嫌われているからね」と言われた場合は?こんな反論はいかがでしょう?「みんなって具体的に誰ですか?それって、“みんなも持っているからこの玩具をボクにも買って”と駄々をこねる子どもといっていること同じですよね。そもそも、誰にも嫌われていない人なんているんでしょうか、部長?」最後は少しばかり皮肉をこめて。*あくまで論理的思考をベースにした回答方法なので、実際の現場で使えるものと使えないものがあるかもしれません。しかし、こう考えるだけで、論理的に矛盾した上司の発言を否定できることも事実。あなたも論理的な考え方を身につけて、理不尽さをはねのけていきませんか?(文/渡邉ハム太郎)【取材協力】※深沢真太郎・・・BMコンサルティング株式会社・代表取締役/教育コンサルタント/多摩大学非常勤 講師/理学修士(数学)。ビジネスパーソンの思考力や数字力を鍛える「ビジネス数学」を提唱し人財育成に従事。様々な大手企業の人財育成をサポートしており、日本全国の大学からも講義依頼が殺到。担当した講義は100%リピート依頼がくる超人気講師でもある。著作多数。一部は海外でも翻訳され多くのビジネスパーソンに読まれている。公益財団法人日本数学検定協会「ビジネス数学検定」1級AAAは国内最上位。【参考】※ビジネス数学.com ビジネス数学の専門家・深沢真太郎の公式HP※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月08日古来、初夢はその年の行方を示唆すると言われてきましたが、実際に見た夢にどのような意味があるのか知っている人は少ないはず。そこで、心理占星術研究家の鏡リュウジさんに夢の“色”をキーワードに話を伺いました。■カラーだったかつては、フルカラーの夢を見るのは精神的に不安定なときなどといわれたこともありましたが、そんなことはありません。テレビ、映画など目にする映像がカラー中心になった今、カラーのほうが普通でしょう。ただし、蛍光色や不自然にビビッドな色の夢は、気持ちが高ぶっている証拠。‘16年は、衝動的な行動で失敗しないように気持ちをクールダウンする必要がありそう。■モノクロだったかつてテレビをモノクロで見ていた時代にはモノクロの夢が普通だったという話も。現代では逆に珍しいかもしれません。今ではモノクロの夢は左脳が活発に動いているしるしで、論理的な思考が優位になっているときと解釈されます。‘16年はクールかつ合理的にものごとを進めていけば万事うまくいく、といえそう。またそんな‘16年のあなたは、知的な人と縁ができそうです。■なにか一色が印象的だった色は夢では重要な意味を持ちます。白は物事を一度リセットするべきことを、黒は何かを切り捨てるべきことを暗示。赤はもちろん、情熱の色です。緑が印象的なときは、あなたの隠れた嫉妬心にご用心。青はフレッシュな気持ちを取り戻せることを示します。黄色は文字通りイエローサイン。‘16年は、進めようとしていることをもう一度見直す年になりそうです。※『anan』2015年12月30日‐2016年1月6日合併号より。(C)Byelikova_Oksana
2015年12月26日ネガティブ思考というと、世間では悪いイメージが先行してしまいがちです。物事を後ろ向きに考えてしまうことで、魅力に欠け、気になる彼にもアプローチできず、関係が進展しない・・・・・・というのは、よく言われることですよね。でも、ネガティブ思考だからこそ恋愛に役立っている部分も、あなたが気づいていないだけで意外とたくさんあるのかもしれません。今回は、そんなネガティブ思考が恋に役立っていることをまとめてみました。■1.悪い男に引っかかりにくい「ネガティブ思考な人って思慮深い人が多いと思う。それだけ相手に慎重になるから、悪い男に引っかからない予防策になっている気がする」(23歳/女性/販売)自分をつい卑下してしまうネガティブ思考な人は少なくないはず。「自分なんて」「どうして自分はこうなんだろう・・・・・・」と自分を必要以上に責めて落ち込むのは良くないですが、謙虚でいるのは大切なことです。出会いを求めていても「あの人と私じゃ釣り合わない」と一見後ろ向きな考えが、遊び相手を寄せ付けず、無駄な恋愛リスクを減らしているのかも?いうなれば冷静に相手との関係を考えられるということで、それだけ男性を見る目があるとも言えるかもしれませんね。■2.清楚な印象に繋がる「グイグイ来る子よりも、そういう子のほうが大人しくて清楚な印象があるので、俺は好きです。」(24歳/男性/製造)ネガティブ思考の人ほど謙虚な姿勢が強いのでは?自分を卑下し過ぎるのは良くありませんが、自分を低く見せることは大事。そんな姿勢に清楚な印象を感じる男性も少なくないようです。グイグイと自分をアピールする肉食系女子を好む男性もいれば、ちょっと一歩引いて男性の後をついて行く草食系女子を好む男性もいるもの。自分の個性に惹かれる男性もいると分かれば、女性として自信が出てくるのでは?■3.危険リスクを考えられる「俺もネガティブ思考だから心当たりあるけど、『●●だったらどうしよう』とかウジウジ考えることで、いざトラブルに見舞われても心の準備がしやすいことはあると思う」(24歳/男性/IT)ネガティブ思考だと「もし●●だったら・・・・・・」と、様々な危険リスクを考えることが多いのでは?頭でグルグルと悩んでしまい、行動できないのはマイナスですが、多くのことを想定するということは、それだけトラブル対策ができているということなのかも。もし付き合う彼がまるっきり計画性のない人だったら、「もっとこうした方がいいんじゃない?」というアドバイスもできそうです。■4.悩みに共感できる「そういう人って些細なこともネガティブに考えてしまうけど、自分が悩んでいることで他人の悩みを分かってあげられそう」(24歳/女性/サービス業)ちょっとした失敗も引きずってしまうネガティブ思考の人は多いのでは?でも、そのように感じた悩みに共感して、異性との距離が縮まることも十分ありそう。あるいは性格が違う彼でも仕事の悩みを抱えた時、自分の悩みを打ち明けてあげることで、彼も「悩みを抱えているのは自分だけじゃない」と気づいて、前向きな気持ちを取り戻すかもしれません。■おわりに世間的に悪いイメージが多いネガティブ思考ですが、ネガティブ思考だからこそ恋愛にいい影響を与える可能性もあるものです。まずはこうしたポイントに気付くことで、どうやったらいい恋愛ができるのかが見えてくるのではないでしょうか。(柚木深つばさ/ライター)(ハウコレ編集部)
2015年12月23日タイトルからも明らかなとおり、『あなたの「影響力」が武器となる101の心理テクニック』(神岡真司著、フォレスト出版)は「影響力」をテーマにした書籍です。著者によれば、「影響力」はビジネスシーンにおける交渉の場で力を発揮するもの。そして、自分自身に大きな見返りをもたらすもの。そのような考え方に基づいて書かれているわけです。しかし、そもそもこの場合の「影響力」とはなにを指しているのでしょうか?この疑問についての答えは、「自分自身の行動の変化によって、相手の行動に影響をおよぼす力のこと」だというもの。たとえば、ちょっとした言葉の使い方、表情や動作を見分ける力、人の習性の理解、そして、どんな振る舞いをすれば相手にどんな影響がおよぶのか。それらを把握することこそが、影響力を呼び起こす重要な段取りなのだという考え方です。■影響力が生み出すメリットそして著者は、影響力を上手に行使することによって、次のようにさまざまな効果が期待できると主張しています。・自分の正直な気持ちを他人に上手に伝えられるようになる・自分の心と体を、他人からの理不尽な攻撃から守れるようになる・人間関係の対立から縁遠くなる・合理的な判断によって、周囲からの協力が得やすくなり、仕事の効率が上がる・人格が向上し、周囲から頼られ、認められる存在になる・男女間の感情のすれ違いを防げる・邪悪な人物からコントロールされることなく、自律的な行動ができるようになる・「お金」「人望」「社会的評価」がついてくるようになるいいことずくめですが、これが「影響力」を武器として身につけると起こってくる変化なのだといいます。また、そんな本書では、相手を意のままに動かすための「心理誘導トリック」のひとつとして、“数字”の効能を説いています。「意のままに動かす」という表現は誤解を生みそうでもありますが、つまりはこちらの望みに近い状態へと誘導するということ。しかもその考え方は、意外なほどシンプルなものでもあります。■数字を使うと説得力が増す「数字は明快でウソをつかない」「数字は正確」「数字は客観的」一般的に、数字にはこのようなイメージがあります。そんなことからもわかるように、数字を使うと話に説得力が増すもの。広告コピーの表現がいい例です。たとえば栄養ドリンクの効き目を強調したいのだとしたら、「タウリン1グラム配合!」ではなく、グラムの単位をミリグラムに置き換え、「タウリン1,000ミリグラム配合!」と訴求した方が効果的。同じように「食物繊維3.2グラム配合!」ではピンときませんが、「レタス10個分の食物繊維!」といえば、野菜の健康的なイメージによって訴求力が増すことになります。また、「中国の人口は13億7,000人」というよりも、「世界人口の約2割」といった方がインパクトは大きくなるでしょう。■数字をうまく使いこなそうつまりはこのように数字をうまく使いこなすことによって、さまざまな効果を高めることができるのです。さらに見ていきましょう。「失敗の確率は10%しかありません」というよりも、「成功率90%以上は確実です」という方が説得力は高まります。3万円の浄水器を36ヶ月(3年)の分割払いで売り込む場合、「1日たった28円で一生分の健康が帰ると思えば安いものです」とアピールすれば、トークにはいっそうお得感が生まれます。「利益率が1%から2%に上がりました」というよりも、「利益が2倍に増えました」の方が注目を集めるためには効果的。「日本人の100人に1人の方にご愛用いただきました!」というよりも、「愛用者1,200万人突破!」の方が、爆発的に売れている印象に。ちょっとした発想の転換が、大きな効果を生むことがおわかりいただけるのではないでしょうか?つまり、なにかをアピールするときには、影響力をもたらす単位に置き換えたり、数字を効果的に見せたりする、ちょっとした「いいまわしの工夫」が欠かせないということです。*これは「影響力」のひとつのあり方ですが、本書では他にも、おぼえておいて損はないさまざまな心理テクニックが紹介されています。ぜひ一度、手にとってみてください。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神岡真司(2015)『あなたの「影響力」が武器となる101の心理テクニック』フォレスト出版
2015年12月12日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「逆から考えよう」ビジネスなどでよく見かけるこのフレーズ。あなたは本当の意味でこの言葉の意味を理解しているでしょうか。■意外とできない人が多い「逆から考える」たとえば簡単な算数で考えてみましょう。今から3つの計算問題を出題します。最終的には「問3」の計算結果を答えください。問1)◯+1=□問2)□+2=△問3)△×0=?こんな出題をされたとき、まさかあなたは「問1と問2で◯や□や△を使って連立方程式を……」などと考えたりしませんよね。問3の内容を見れば、すぐに正答は「0」であることに気づくはずです。つまり、スタートから順序立てて考えなくとも、ゴールを最初に確認し、必要な作業だけすれば事は済むということです。逆から考えた方が、しなくて済む思考や作業を省くことができる。何を当たり前のことをと思われたかもしれません。しかし、この当たり前のことが実は多くのビジネスパーソンが仕事の場でできません。たとえばプレゼンテーション資料を作成するという仕事。なんとなく考えながら資料を作っていく。あなたにもそんな経験、ありませんか?でも、それは仕事の仕方として間違っています。時間をかけた割に、結局は先月作った資料とほぼ同じものをイチから作成していたり、目的を見失った自己満足なプレゼンテーション資料ができあがったり。まずはゴールを確認しましょう。何をプレゼンするのか、最終的に聴き手にどう思ってもらうのが目的なのか、そのために必要な情報は何なのか……。つまり、ゴールからスタートに向かって考えるのです。■逆から考えることがビジネスで重要な理由ゴールが明確になれば、もしかしたら先月の資料の8割はそのまま流用できるかもしれません。もしかしたら、10枚もスライドを作る必要などなく、たった3枚で十分なプレゼンテーションかもしれません。たとえば、いつまでも終わらないダラダラ会議。なぜそんな不毛な時間が生まれるかというと、それはゴールから逆算して考えていないからです。ゴールを決め、そのために何を決めるかを逆算すれば、開始10分までに何を共有し、開始20分までで何を合意するか、必然的に決まってくるはずです。仕事がデキる人は、みんなこの「逆から考える」という思考回路を持っています。だから成果を出せる人ほど、無駄な仕事をしていない。だから成果を出せる人ほど、残業せずにさっさと帰る。「逆から考える」なぜこれが大切なビジネス思考なのか、ご理解いただけたでしょうか。そして、極めて簡単な計算問題で説明がつくほど、誰でも理解できる当たり前のこと。デキる人とそうでない人の差なんて、これくらいちょっとした差なのです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2015年12月09日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「論理的に考えて!」「論理的に説明して!」特に若いビジネスパーソンなら、先輩からこんなことを言われた経験もあることでしょう。そこで1つ問題提起。そもそもあなたは、「論理的に考える」「論理的に説明する」ことを誰に教えてもらいましたか?ご両親?小学校の先生?あるいは大人になってから会社の先輩に……?そして失礼ながら、その論理的は本当に正しい「論理的」なのでしょうか。実は深沢の場合、学生時代、数学から「論理的」を徹底的に教えてもらいました。■数学は計算をする学問ではない?言うまでもなく、数学は考える学問です。(好きか嫌いかは別にして……)論理的に考え、難しい問題を解決していく学問です。誤解されている方が多いのですが、数学は計算する学問ではありません。とにかく徹底的に「論理的思考」を鍛える学問なのです。とはいえ、このような説明をされても、ピンとこない方もいるでしょう。そこで、例をあげて、数学と論理的思考の関係を説明します。たとえばある数学の問題を使って、あなたの論理的思考力をテストしてみましょう。さっそく、問題です。「3の倍数は無限にある」この主張は正しいでしょうか?もし正しいなら、それをどう論理的に説明しますか?いくら論理的思考の書籍や研修でフレームワークを学んだところで、いざ実際に使えなければ何の意味もありません。こんな問題に対して「なんとなく正しい気がする」だけでは、ちょっと寂しいですね。■数学的な人は論理的思考のプロ!結論から言うと、「3の倍数は無限」という主張は正しいです。その根拠を、深沢ならこう説明します。「まず、この主張が誤りだと仮定します。つまり、“3の倍数は有限だ”ということですね。そこで、Aという数字を“これより大きい3の倍数はない”数字と定義します。すると、(A+3)という数字も、3で割り切れることになってしまいます。つまり、Aより大きい3の倍数が存在することになってしまい、定義に矛盾します。ゆえに、この主張は正しいと結論づけることができます。以上、証明終わり」この論述に、いっさいの矛盾はありません。そして、ポイントとなる箇所で使っている言葉はすべて論理表現です。つまり、数学を正しく学んだ方は、特に何かを新しく勉強などしなくても、論理的思考など自然に身についているのです。そのため、数学的な人は、論理的思考のプロでもあるのです。■中学校レベルの数学を正しく学ぶそろそろまとめましょう。論理的に考えたり、論理的に説明したりすることが苦手と感じている方に本当に必要なのは、何か?ネーミングだけは立派な“使えないフレームワーク”ではありません。中学校レベルの数学を、正しく学び直すことで論理的思考が身に付けられるものなのです。それは、数学が論理的思考を鍛える学問だから。数学を学ぶのは嫌ですか?そうですよね……(苦笑)恐らく、数学の問題を見るだけでゲンナリしてしまう方もいるでしょう。ならば、問題をいちいち解かずに読書感覚で教科書や参考書を読み進めるだけでもOKです。そのとき、論理表現の使われ方に注目しながら読み進めるのがコツ。たったこれだけで、あなたの論理的思考力が自然に鍛えられますよ。ぜひ、騙されたと思ってチャレンジしてみてください。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2015年12月05日「自分で考える力=自律的思考力」は、子どもが勉強するためにも必要ですが、将来、仕事をしたり、人生の問題を解決したりするためにも欠かせません。自律的思考力を育むにはどうすればいいのか、子どもの発達心理などの研究を行っている内田伸子先生にお話を伺いました。子どもに質問されたとき、親の答え方次第で「考える力」が育つ「考える力を育むことについて、いいお話があります」と内田先生は、植物学者の渡辺万次郎さんのお話をされました。渡辺さんは幼稚園に通うお孫さん2人に、ある花の名前を聞かれました。それは「みやこぐさ」という花でした。しかしその時、渡辺さんはあえて教えずに、その花を持ち帰らせ、庭でよく似た花を探させたそうです。すると、子どもたちは自力でその花によく似たエンドウの花を見つけました。大人の力を借りずに、自分たちの力で見つけられたことに大喜びしたそうです。エンドウの花には、豆がなっていました。それを見た子どもたちは、みやこぐさを指差し「こっちの花にもお豆がなるの?」と質問しました。渡辺さんはその質問にも答えずに、「来週確かめてみよう」と提案したのです。そして、子どもたちは花が咲いたあとに小さなお豆を発見し、大喜びしました。先回りして教えすぎない。考える余地を残す「お孫さんたちは、『花の形が似ているから、同じように豆がなるかもしれない』と自分の頭で考え、おじいちゃんに尋ねたのです。すばらしい問いですね」大人は質問に答えることはできますが、質問の仕方を教えることはできません。「質問は、未来を導く道筋です。疑問を持つこと、探求すること、考える力を育てておけば、将来、たいていのことは解決できます。質問に答えることも大切ですが、親が先回りして何でも教えすぎると、自分で考える余地がなくなります」時には答えを持ち越し、一緒に考えることを提案してみるといいですね。これからの子どもたちに必要な思考力はさらに内田先生は「思考力は、2種類あります」と説明してくださいました。1つは、答えが1つに収束するような、収束的思考力。覚えた知識や経験をそのまま取り出し、「アメリカの独立記念日はいつ?」「5+8はいくつ?」というような問題に答える能力です。もう1つは、答えが複数あり、答えにたどりつくまでの道筋も複数ある、拡散的思考力。知識や経験を加工して、類推を働かせたり、因果推論を働かせたりして、暗記では解決できない文章問題などに答える能力です。「どちらの思考力もベースには知識や経験が必要です。ただし、今のお子さんたちが大きくなるころには、拡散的思考力を問う課題が増えてくると思います。大学入試も、二次試験は拡散的思考力がないと解けません」と内田先生は言います。遊びや経験が「考えるもと」になる拡散的思考力を使うと、答えからさらに問いが生まれ、思考がどんどん広がっていきます。前述した渡辺さんのお孫さんたちは、自然に触れ、観察するという体験を通して、この拡散的思考力を発揮していました。子どもは幼児期の遊びや経験を通して、自分で考えたり、工夫したりすることを学ぶのだそうです。たくさん遊ばせて、さまざまなことを経験させて、その中で生まれた疑問に答えたり一緒に考えたりしながら、「自分で考える力」を育てるサポートをしていきたいですね。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年11月29日前回 、「想像力が大切」というお話を内田伸子先生に伺いました。ほかにも幼児期から伸ばしておきたい大切な能力があります。それは、自分で考える力「自律的思考力」です。ところが早期教育や習い事によって、この自律的思考力が失われることがあるそう。内田先生のお話をもとに詳しくお伝えします。早期の詰めこみ教育は百害あって一利なし「子どもの頃の知能が大人になっても維持されるのか、心理学ではずいぶん昔から研究されてきました。その結果わかったのは、早くから先取りの学習をすることは、大人になってからの成功や幸せを保証するものではないということです」小さい時の知能は、「よい学校に入学し、よい会社に就職して、経済的にゆとりのある生活ができるかどうか」または「自己実現にむかって充実した人生を送れるかどうか」ということとはあまり関係がないのだそうです。「それどころか、先取り学習は子どもの成長にマイナスの影響を与えることがあります」と内田先生は警鐘を鳴らします。せっかく訓練をしても、何もしなかった子たちに追いつかれる「『子どもの発達研究の分野のパイオニア』といわれるアメリカの発達心理学者、アーノルド・ゲゼルが、幼児期の一卵性の双子たちを別々にした比較研究をしました。1つのグループには階段の昇り降りや積み木の遊び方を訓練し、もう1つのグループには何の訓練もしませんでした。直後に行ったテストでは訓練をした子どもたちのほうが成績がよかったのですが、3ヵ月ほど経つと訓練しなかった子どもたちが追いついたのです」これは、訓練をしても意味はない、というだけではありません。その後、これらの子どもたちを思春期まで追跡調査したところ、驚くべきことがわかりました。暗記学習や訓練は子どもを「指示待ち族」にしてしまう「自分で判断しなければならない局面に立たされた時、訓練を受けた子どもたちは、大人の顔色を見て指示を待つような行動がとても多かったのです。大人から指示を受けてきた子どもは、『~しなさい』と言われないと何もできない子になる可能性があるのです」大人が指示をしたり、子どもに暗記をさせたりすることが多い学習や習い事を早くから始めると、子どもが自分自身で考えたり、工夫したり、判断したりする「自律的思考力」が奪われてしまう危険があるのですね。自分で考える力がないと、将来、困るのは子ども自身小学校の低学年までは暗記で解ける問題が多くありますが、高学年になると思考力が問われる問題が増えてきます。その時期になって勉強についていけなくなり、成績が急に落ちたり、学校嫌いになったりということでは困りますよね。「人生で体験する問題のうち、暗記で解決できる問題はひとつとしてありません。ですから、子どもの幸せを願う親が本当にすべきことは、早くから文字や計算を教え込むことではないのです」と内田先生は言います。では、子どもが幸せに生きるために、自分で考える力を育むためにはどうすればいいのでしょうか。次回の記事でお伝えします。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年11月28日タロットカードは神秘的な絵柄の描かれた78枚のカードです。中でも強いエネルギーを持つと言われるのは「大アルカナ」という22枚のカード。今回は、その中から『力』のシンボルのカードで、恋愛に役立つメッセージを読み解きましょう。■1,『力』とその意味「ウ エイト版」と呼ばれるタロットカードの『力』は、22枚中8番目にあたります。そのカードの絵柄には、やさしそうな女性が百獣の王であるライオンを手なづ けている姿が描かれています。女性の穏やかな表情から、ただ押さえ込む力強さではなく、信頼に基づくしなやかな強さが感じられます。『力』のカードは女性 の真の強さを表しているようですね。このカードは「自信がある」「強い意志」「チャレンジ」などの意味合いがあります。自分の可能性を信じることで、どん な問題も解決していく力を持っていることを示しているんですね。他人や運に期待するのではなく、自分の意志で進める強さを表しているカードです。一 方、逆位置の場合では「弱さ」「自信のなさ」「強引さ」などの意味合いがあります。自信のなさから迷いが多くなっているという暗示。その自分の弱さを隠そ うとして、強引な力業で行ったことが裏目に出てしまう危険性を示唆しています。あなたの心の真の強さが試さているのかもしれません。■2,『力』を引いたら今のあなたには、大きな力が備わっているようです!自分を信じて、自分の道を貫くことができるでしょう。あなたはどんな困難にも、強い精神力で乗り越えられるはずです。そして、穏やかな気持ちを保つことが成功を引き寄せるカギとなりそうです。逆位置の場合では、あなたは自分の能力を信じきれず、いざというときに力が出せない状況になりそう。迷いが出て決断できないときは、物事を楽に考えることで新しい道が開けてくるでしょう。■3.恋愛でみてみると彼 との仲が深まり楽しい時間を過ごせそうです。もし、何か障害のある恋なら、2人で力を合わせて乗り越えることができるでしょう。思いやりを持って行動する ことが大切。フリーの人は、パートナーに出会うため努力してきたことが実るとき。合コンやイベントなどに参加するといいでしょう。小さなチャンスを見逃さ ないで!片思い中の人は、思い切って告白してみましょう。これまでの積み重ねが実り、両思いになれそうな暗示が。周りに頼らず自分の力で、恋を進展させる ことが大切です。■4.恋愛で気をつけること逆 位置の場合でみると、彼とうまくコミュニケーションがとれず、行動が空回りしそうな暗示。そのためあなたは、2人の交際に自信が持てずマイナスな思い込み にさいなまれるかもしれません。無理な行動は避けて、様子をみましょう。フリーの人は、出会いの場で悪い印象を与えてしまう暗示が・・・。感情のままに行動し ないよう気をつけましょう。男性にかよわい姿を見せると効果がありそう。片思い中の人は、相手に気持ちが伝わらずガッカリする結果になりそう。今は動くと きではないようです。慎重にすすめていくことで、いい方向に近づけるでしょう。■おわりにこのカードの『力』は、愛情と誠実な姿勢で、相手の心に寄り添う女性的な力を表しています。相手の心を開かせるには、忍耐や根気といった強い精神力が必要で しょう。一度信頼によって結ばれた絆は、強いものになるはずです。つまり、女性らしい優しさを持って、相手に接する大切さを知らせるカードなのです。すべ ての人に対して、愛と思いやりが持てたら素敵ですね。(脇田尚揮/ライター)
2015年10月02日『出口汪の論理的に考える力が身につく本』(出口汪著、SBクリエイティブ)の著者は、数々のベストセラーを生み出してきたカリスマ予備校講師。最新刊となる本書では、タイトルにあるとおり「論理的な考え方」をさまざまな角度から掘り下げています。きょうはそのなかから、特に印象的な部分を引き出してみたいと思います。■論理力をつくる「他者意識」とは?論理力をつくる「他者意識」が、「和」を重んじてきた日本人には欠けているのだと著者はいいます。この場合の「他者」とは「他人」という意味ではなく、「根本のところではどうやってもわかり合えない存在」だということ。「根本のところではわかり合えない」からこそ、他者とコミュニケーションし、自分の意見を理解させるために「論理力」が不可欠だということです。■「10円玉が丸い」なんて思い込み?そして重要なのは、人間が基本的には主観でしかものを捉えることができないという事実。たとえば「10円玉はどんなかたちをしている?」と質問されたら、ほとんどの人が「丸い」と答えるはず。でも、それはあくまで真上から見たときの10円玉のかたち。斜めから見たり、真横から見たりしたら、丸くは見えないはずです。ところが多くの人が、他人も自分と同じ視点でものを見ていると思い込んでいるといいます。しかし実際には、他の人は自分とはまったく違う視点でものを見ていたりするもの。だからこそ日常のなかでも、「他の人はどんな角度から見ているんだろう」と考えてみる必要があるということです。■企画書でも他者意識が求められるそしてそれは、たとえば企画書でも同じことだとか。つまり企画書を書く際に必要なのは、「自分がなにをしたいか」ではなく、「上司はどんなものを求めているのか」「クライアントはなにを欲しがっているのか」「など、上司やクライアントの立場に立って考えてみること。そのように論理的に考えた企画書であれば、なんの感想のことばもなく、無言で突き返されるようなことはないといいます。■相手の立場からものを見る大切さ要するになんであれ、「立場の違う人はどう感じるのか」ということを、一度立ち止まって考えてみることが大切。そして、仕事ができる人間は、相手の立場からものを見られる人間だと著者は断言しています。成績のいいビジネスパーソンは、知識が豊富で売り込みがうまい人ではなく、「相手はどんなものが必要なのか」相手のメリットを提案できる人だということ。「論理的に考える」というと難しそうに思えますが、たしかにこう考えると、論理的な考え方はあらゆることにとって大切であるようです。*これまでの著作同様、社会人2年目のOLと著者との対話形式で話が進められていく構成になっているため、読みやすさも文句なし。リラックスしながら、論理的に考えるために大切なことを学べるはずです。(文/印南敦史)【参考】※出口汪(2015)『出口汪の論理的に考える力が身につく本』SBクリエイティブ
2015年09月01日