かつてないほどに教育熱が高まっているいま、多くの親が、よりよい子育てをしようとたくさんの教育情報に触れています。でも、そのことの危険性を指摘するのが、スクールカウンセラーの経験も豊富な心理学者である、明治大学文学部教授の諸富祥彦先生。「完璧な子育てをしようとすることなどではなく、親は自分の幸せを追求することがなにより大切」と諸富先生は語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)親が自己否定に陥りがちな現代の情報化社会現在の情報化社会のなかでわたしが懸念しているのが、親が自己否定に陥ってしまうという問題です。いまは、ママタレントと呼ばれる芸能人の子育てブログなど、あらゆるところから子育てや家庭教育の情報が入ってきます。そうして、「わたしの子育ては不十分じゃないのか……」というふうに不安になってしまう親が増加しています。その根底にあるのが、少しでも他人より優位に立ちたいという心理です。これは、学生時代の学業や部活となんら変わりません。勉強でまわりより少しでもいい成績を残したい、部活でまわりより少しでも活躍したい。そういう願望を多くの人が持っていたはずです。そして、子育てでも同様に、「わたしは他人よりいい子育てをしている」と感じ、安心したいと思うようになるのです。でも、そう感じるためには他人と比較することが必要となってきます。すると、安心するどころか、逆に「わたしの子育ては不十分じゃないのか……」と不安を感じ、自己否定に陥ることになってしまう。そうならないために意識してほしいのは、「完璧な親なんていない」ということ。どんなに完璧に見える親も完璧ではありませんし、そもそも完璧になる必要なんてないのです。これは、『Nobody’s Perfect』というカナダで生まれた親向けの教育支援プログラムの名称にも表れている考え方です。1980年代にはじまったこのプログラムは、親たちがグループのなかで互いの経験や不安を語り合うことで子育てのスキルを高めること、そしてなにより自信を取り戻すことを目的としています。子どもをしっかりと導いていくべき親が自信を失って不安になっていては、いい子育てができるはずもありません。子どもを目一杯愛して、親ばかになってもいいそして、「完璧な親なんていない」ということと同時に、子育てのゴールというものも意識してほしいと思います。子育てとは、とても長い時間を要するものです。子育ての目的は、子どもを、幼稚園児として幸せな幼稚園児にすることでもなければ、小学生として幸せな小学生にすることでもありません。子育てのゴールが、子どもが幸せな人生を歩むことだとするならば、子どもが大人になったときに子ども自身で幸せな人生を送っていけるような基礎能力をつけてあげることが子育ての最大の目的であるはずです。では、その基礎能力とはどんなものでしょうか?それは、子どもが自分でどんな人生を歩んでいきたいのかとプランニングして、やるべきことを自己決定して、自分で自分を幸せにできるような、タフな生きる力です。いくら親が望むとおりの道を子どもに歩ませたところで、親が押しつけた人生を子どもが幸せに感じるとは限りません。そう考えると、親がやるべき重要なことにはふたつのことが考えられます。ひとつは、子どもの自己肯定感を高めてあげること。「僕なんて幸せになっちゃいけない人間なんだ……」と自己否定していては、その子は幸せになれるはずもないからです。子どもの自己肯定感を高めるためには、「僕は僕のままでお父さんやお母さんに愛されている」と子どもに思わせてあげることが大切です。そして、子どもにそう思わせるには、親がしっかり愛情表現をすべきです。「ママはあなたを愛しているのよ」「あなたが大事なんだよ」と言葉で表現することでもいいでしょう。でも、わたしはなによりスキンシップをおすすめします。言葉よりも、肌の触れ合いを通じてのほうが、より多くの愛情が伝わるとわたしは考えています。スキンシップをすることに対して、「子どもを甘やかすことになりませんか?」と心配する人もいますが、そんなことはありません。目一杯、スキンシップをして愛してあげればいい。ですから、親ばかになっていいんです。ばか親になってしまうのは困りますけどね……(笑)。たとえ離婚してでも親が幸せになることが大切そして、子どもが自分を幸せにすることができるようになるために親がやるべき重要なもうひとつのことが、親自身が幸せになること。「人生は楽しいんだ!」「幸せになっていいんだ!」ということを、親の生き方を通じて子どもに伝えるのです。そういうと、「夫婦仲を良好に保つことも大事」というふうに考えるかもしれません。でも、夫婦仲を悪くしないために親が互いに我慢を重ねていいたいこともいわず、うつうつと暮らすようなことは、果たして幸せといえるでしょうか?そんな生活をしていては、子どもに「人生は楽しいんだ!」という大事なメッセージを伝えられません。極端にいえば、離婚したとしてもなんの問題もないということです。たとえ離婚をしてでも「俺は幸せになるぞ!」「わたしは幸せになるぞ!」と、幸せを追求する姿勢、強い生命力を親が示すことのほうがよほど大事なことだからです。完璧な子育てをする完璧な親になどなる必要はありませんし、なれるはずもありません。そんなことを考えるより、もっと自分の願望に素直に従って、親自身が幸せになり、子どもに「僕も幸せになっていいんだ」「わたしも幸せになっていいんだ」と思わせてあげる。それが子育てにおいてもっとも大切なことです。『孤独の達人 自己を深める心理学』諸富祥彦 著/PHP研究所(2018)■ 諸富祥彦ホームページ■ 明治大学文学部教授・諸富祥彦先生 インタビュー記事一覧第1回:“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法第2回:「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ第3回:「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係第4回:完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう【プロフィール】諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)1963年5月4日生まれ、福岡県出身。心理学者。明治大学文学部教授。「時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー」「現場教師の作戦参謀」を自称する。1986年、筑波大学人間学類卒業。1992年、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、同大学教育学部助教授を経て、2006年より明治大学文学部教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表等の肩書も持つ。専門は人間性心理学、トランスパーソナル心理学。孤独、むなしさ、生きる意味などをキーワードに、現代人の新たな生き方を提示している。スクールカウンセラーとしての活動歴も長く、学校カウンセリングや生徒指導の専門家でもある。『男の子の育て方』『女の子の育て方』『一人っ子の育て方』(いずれもWAVE出版)、『子育ての教科書』(幻冬舎)、『「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟』(集英社)、『他人の目を気にしない技術』(PHP研究所)、『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)、『「すべて投げ出してしまいたい」と思ったら読む本』(朝日新聞出版)、『知の教科書 フランクル』(講談社)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月27日教育熱心な読者のみなさんなら、「ネグレクト」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。ネグレクトとは、子どもを無視して放置するという、虐待の一種のこと。そのネグレクトに含まれるものとして、近年、問題視されているのが「スマホネグレクト」です。それはいったいどんなもので、どんな問題をはらんでいるものなのでしょうか。スクールカウンセラーの経験も豊富な心理学者である、明治大学文学部教授の諸富祥彦先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)親のスマホ依存症によって引き起こされるネグレクト近年問題となってきたネグレクトのひとつに、「スマホネグレクト」というものがあります。これは、親のスマホ依存症によって引き起こされるネグレクトのこと。ただ、スマホネグレクトの場合は、子どもを完全に放置しているわけではなく、たとえば食事中に親がスマホばかりを見て子どもとの対話が減るといった、程度としては通常のネグレクトより小さいものといえます。しかしながら、スマホネグレクトも大きな問題をはらんでいることは間違いありません。家族の大切な対話の場である食事中にも、親はスマホばかり見ているのですから、「お父さん、お母さんは自分のことを大事に思ってくれている」という実感を子どもは得にくくなる。そのため、いわゆる愛着、専門用語ではアタッチメントといいますが、親子間における心の絆の形成が弱くなるのです。そうなると、親子関係はうまくいきにくくなる。また、スマホネグレクトを受け続けた子どもは、親から愛されている人間として穏やかに育つということも難しくなるでしょう。数年前に出版された『ママのスマホになりたい』(WAVE出版)という絵本をご存じですか?これは、スマホ依存症のお母さんに対する子どもの心の叫びを描いた作品です。食事中でも、子どもではなくスマホが気になってしまうという人がいれば、ぜひ一度読んでみてください。あなたの子どもも、登場人物の子と同じような寂しい思いを抱いているかもしれませんよ。衝動をコントロールできない子どもが増加中いま、幼い子どものなかに衝動をコントロールできないという子が増えています。小学生になっても、嫌なことがあると寝っ転がって「やだやだやだ!」とバタバタと暴れ、いうことをまったく聞いてくれない3歳児のような子どもが増加中なのです。わたしが小学校の先生から聞いた例を紹介します。ある低学年の女の子が手を洗っていると、水がはねて体にかかってしまったそう。途端に、その子は手足をばたつかせながら、「いますぐ乾かせ!」といったのだそうです。先生が「じゃ、向こうにいって乾かそうね」というと、今度は「いまここで乾かせ!」といって暴れたのだとか……。いま、こういう子どもが増えているのです。わたしは、このことにもスマホネグレクトが関連していると考えています。子どもの情緒の安定には、子どもが親に対して「ママ」と呼べば「なに?」と返してくれるという心のレスポンスが欠かせません。親がすぐそばにいてくれるという安心感のなかで、子どもの心は安定していくからです。それなのに、親がスマホに夢中で、子どもの「ママ」という呼びかけに気づかない、あるいは上の空の返事をしていたらどうですか?子どもはつねに不安を抱えることになり、自分の気持ちを持て余して、先に述べたようなかんしゃくを起こすような子どもになってしまうのです。そういう子どもは、ちょうどスマホが普及しはじめた頃から増加しています。割合を見ても、スマホ依存症の親は10人にひとりくらいで、衝動をコントロールできない子どもも10人にひとりくらいと完全に一致している。この数字からも、スマホネグレクトと衝動をコントロールできない子どもの増加には強い関連があると考えられます。より自覚的になりスマホの利用法を見直すスマホネグレクトの問題を解決するには、親自身がスマホ依存症を断ち切るしかありません。ただ、アルコール依存症と比べると、スマホ依存症を自覚することは簡単ではありません。アルコールの場合は誰もが体に悪いものだとわかっていますし、昼間からお酒を飲むようなことがあれば、完全にアルコール依存症を疑いますよね?でも、スマホの場合、スマホ自体を悪いものだとは考えませんし、スマホ依存症かそうではないかの線引きも非常に曖昧なものです。わたしの調査では、大学生の1日あたりのスマホ利用時間が6時間半でした。それだけ、スマホが生活の深いところまで浸透しています。大学を卒業して結婚し、親になったからといって、スマホの利用時間を減らすということは簡単ではないでしょう。そう考えると、より自覚的に自分自身がスマホ依存症になっていないかと疑い、その利用時間を減らしていくよう考えるべきです。たとえば、スマホを使うのは、トイレに入っているときだけにする。「ちょっとトイレにいってくるね」といって、トイレの中でだけスマホでの用事を済ませるというふうに制限するのです。あるいは、子どもとの関係を思えば、「子どもの前ではスマホを触らない」というルールを自分に課すのもいいと思います。毎日、子どもと接することができるのは、子どもが18歳や22歳になるくらいまでの限られた時間です。そのかけがえのない時間を大切にするためにも、スマホの利用法を見直してみてください。『孤独の達人 自己を深める心理学』諸富祥彦 著/PHP研究所(2018)■ 諸富祥彦ホームページ■ 明治大学文学部教授・諸富祥彦先生 インタビュー記事一覧第1回:“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法第2回:「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ第3回:「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係第4回:完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう(※近日公開)【プロフィール】諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)1963年5月4日生まれ、福岡県出身。心理学者。明治大学文学部教授。「時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー」「現場教師の作戦参謀」を自称する。1986年、筑波大学人間学類卒業。1992年、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、同大学教育学部助教授を経て、2006年より明治大学文学部教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表等の肩書も持つ。専門は人間性心理学、トランスパーソナル心理学。孤独、むなしさ、生きる意味などをキーワードに、現代人の新たな生き方を提示している。スクールカウンセラーとしての活動歴も長く、学校カウンセリングや生徒指導の専門家でもある。『男の子の育て方』『女の子の育て方』『一人っ子の育て方』(いずれもWAVE出版)、『子育ての教科書』(幻冬舎)、『「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟』(集英社)、『他人の目を気にしない技術』(PHP研究所)、『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)、『「すべて投げ出してしまいたい」と思ったら読む本』(朝日新聞出版)、『知の教科書 フランクル』(講談社)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月26日ひとりっ子家庭の増加に伴い、教育界において注目度を増している問題が「過干渉」です。子どもを大事にして「いい子に育ってほしい」という気持ちが強いあまりに、親の希望を優先した子育てに走ってしまう――。子どもを大事に思う気持ちは悪いものではありませんが、過干渉気味に育てられた子どもはさまざまな問題を抱えてしまいます。スクールカウンセラーの経験も豊富な心理学者である、明治大学文学部教授の諸富祥彦先生に、過干渉の典型例や、そうしないための方法を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)親が子どもの友だちや遊びを決める、過干渉の典型例自分の子どもを、他人の顔色ばかり伺って自分がなにをしたいかもわからない「いい子症候群」にしないためにもっとも大切なことが、あらゆることを子ども自身に自己決定させることです(インタビュー第1回参照)。逆に、子どもの意志とは関係なく、どんなことも親が決めてしまうことを「過干渉」といいます。過干渉は、いい子症候群とセットのように大きな問題となっています。子どもが幼い場合、典型的に見られる過干渉の例が、親が子どもの友だちを選ぶということ。子どもの友だちに対して、親の勝手な価値観によって、「もうあの子とは遊ぶのはやめなさい」「この子はいい子だから、この子と遊びなさい」というようなことです。いまもむかしもよく見られるケースですから、ドキッとした人もいるでしょう。友だちを選ぶという行為は、絶対に子ども自身にさせるべきものです。そうでないと、子どもが自分自身で人間関係を築いていく力が育たないからです。あるいは、友だちどころか、遊びの内容そのものすら親が決めるというケースもある。子どもが遊びたいことではなく、親が子どもにしてほしい遊びを決めてしまうのです。そんなことをしてしまえば、子どもがどんどん自己決定できない人間になっていくことは明らかですよね。「自分づくり期」に入った子どもを「見守る」意識では、どんな親が子どもに対して過干渉になってしまいがちなのでしょうか?もっとも大きな特徴として、そういう親は子どもに依存しているという点が挙げられます。過干渉になってしまう親は、子どもに対してあれこれと口を出すことが子育てだと思っています。もちろん、小学3年くらいまでの子どもには、そういうことも必要です。それは、小学3年くらいまでは「しつけ期」にあたるからです。子どもが他人に迷惑をかけないため、自分のことを自分でできるようにさせるため、あるいは子ども自身の安全のため、幼い子どもにはあれこれと口を出してしつけることも必要です。でも、子どもが小学4年くらいになって思春期に差し掛かれば、必要以上に子どもに口を出してはいけません。なぜなら、その時期から子どもは「自分づくり期」に入るからです。自分づくり期という名のとおり、この頃から子どもは個性を磨いて自分らしさを身につけ、自分という人間をつくっていく。どんな大人になってどんな人生を歩んでいくのか――そういうことのベースが形成されるとても大事な時期といえます。そして、その時期の子どもに対して親がやるべきことは、それまでのようにあれこれと口を出すのではなく、見守るということ。つまり、子育てにはギアチェンジが必要なのです。ところが、子どもに依存している親は、このギアチェンジができない。あれこれと子どもに口を出して怒鳴っていないと、育児をしている気になれないのです。子どもを見守るだけではむなしいわけです。そういう親の勝手な空虚感を埋めるために、子どもに口を出してしまう。そういう意味で、過干渉の親は子どもに依存しているといえます。「一歩下がる」意識を持ち、自己満足の子育てをしないそうして、過干渉気味に育てられた子どもはどうなるのでしょうか?ひとつは、他人の顔色ばかり伺って自分がなにをしたいかもわからないいい子症候群になってしまうということ。もうひとつが、逆に親に対してものすごく反発して非行に走るようなケースです。非行に走って万引をする子どもたちの多くは、万引が楽しいからやるわけではありません。親が悲しむから万引をするのです。いわば、これは親に対する復讐です。ずっと自分を支配してきた親に対して、親を悲しませることで復讐をしているわけです。いい子症候群になったとしても、非行に走ったとしても、それは親子ともに望んでいなかった結果です。子どもをそんな道に進ませないためにも、子どもが自分づくり期に入ったら、親は子育てのギアチェンジをして子どもを見守ることを考えるべきです。なにより、「一歩下がる」ということを意識してください。自分よがりの子育てを優先してしまうと、ついあれこれと口を出したくなるものです。そんな子育ては、ただの自己満足に過ぎません。自己満足に走ることなく、親は一歩下がって、子どもが自分のことを自分で決めるというプロセスを辛抱強く見守るべきです。そういう姿勢でいられれば、子どもがいい子症候群になったり非行に走ったりするという、悲しい結果を招くことはないはずです。『孤独の達人 自己を深める心理学』諸富祥彦 著/PHP研究所(2018)■ 諸富祥彦ホームページ■ 明治大学文学部教授・諸富祥彦先生 インタビュー記事一覧第1回:“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法第2回:「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ第3回:「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係(※近日公開)第4回:完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう(※近日公開)【プロフィール】諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)1963年5月4日生まれ、福岡県出身。心理学者。明治大学文学部教授。「時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー」「現場教師の作戦参謀」を自称する。1986年、筑波大学人間学類卒業。1992年、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、同大学教育学部助教授を経て、2006年より明治大学文学部教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表等の肩書も持つ。専門は人間性心理学、トランスパーソナル心理学。孤独、むなしさ、生きる意味などをキーワードに、現代人の新たな生き方を提示している。スクールカウンセラーとしての活動歴も長く、学校カウンセリングや生徒指導の専門家でもある。『男の子の育て方』『女の子の育て方』『一人っ子の育て方』(いずれもWAVE出版)、『子育ての教科書』(幻冬舎)、『「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟』(集英社)、『他人の目を気にしない技術』(PHP研究所)、『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)、『「すべて投げ出してしまいたい」と思ったら読む本』(朝日新聞出版)、『知の教科書 フランクル』(講談社)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月25日親の立場からすると、自分の子どもには「いい子」になってほしいと思うものです。ところが、一見いい子に見えるのに、心に大きな問題を抱えている子どもたちもいます。それが、親など他人の顔色ばかり伺って自己決定できない「いい子症候群」の子どもたち。いい子症候群にはどんな問題があり、どうすれば我が子がいい子症候群になることを防ぐことができるのでしょうか。スクールカウンセラーの経験も豊富な心理学者である、明治大学文学部教授の諸富祥彦先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「いい子症候群」の原因は、親の子どもとのかかわり方にあるみなさんは、「いい子症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「いい子」というからには、悪くないどころか、いいことのように思うかもしれません。でも、いい子症候群の子どもたちの場合、必要以上にいい子であろうとする傾向があるのです。その大きな特徴としては、自分を抑えて周囲の人の期待に過剰に応えようとする、いま風にいえば、空気を読もうとするあまりに、自分というものがわからなくなっているということが挙げられます。いい子症候群の子どもたちの典型的な行動例を挙げてみましょう。家族と一緒に食事に出かけたとします。ふつうの子どもであれば、たまの外食で、なにを食べようかと大いに興奮している場面ですよね。でも、いい子症候群の子どもたちは、自分がなにを食べたいのかということすらわからない。なぜかというと、なにを食べたいといったら親がよろこぶのかというようなことばかり考えるように、小さいときから強いられてきたからです。つまり、子どもをいい子症候群にさせてしまう最大の要因は、親の子どもとのかかわり方にあります。子どもが子ども自身の気持ちに従って行動できるようなかかわり方をしていないのです。そういう親も、一見すると子どもに対して理解があるようなかかわり方をしていることも少なくありません。たとえば、子どもが高校や大学などの進路を選ぶというとき、そういう親はまずはこういうはずです。「あなたが好きな学校に行っていいのよ」と。でも、子どもがいざ自分の志望校を口にしたら、「でも、その学校だとこういうところが心配だな」「お母さんはこの学校がいいと思うな」というふうにいってしまう。それでは、子どもからすれば、自分の行きたい学校に行っていいとはとても思えませんよね?そして、「親の気持ちに応えないと……」と考えるようになるのです。もちろん、そういう場面で子どもが自分の気持ちに従って反発するケースもあります。頭ごなしに「そんな学校は駄目!こっちにしなさい!」なんていわれれば、子どもも反発しやすいでしょう。でも、先に述べたように、いい子症候群を引き起こす親は、「あなたのためを思っていっているのよ」という態度を取りますから、子どもからすれば反発しづらくもある。そうして、子どもたちはいい子症候群になっていくわけです。「母親と娘」に圧倒的に多い、いい子症候群ここまで、わたしが例に挙げた親の口調が気になった人も多いかもしれませんね。そう、いい子症候群を引き起こす親は、圧倒的に母親が多いのです。加えて、いい子症候群になる子どもには女の子が多いという特徴もあります。男の子に対しては、最初からいい意味で両親ともにあきらめています。「男なんてなるようになる」「好きに生きろ」というように。でも、女の子の場合はちがう。父親からすれば異性のことはわからないですし、性のちがいを尊重しないといけないという意識が働くのでまだ問題は起きません。ところが母親は、「娘は自分のコピーのようなもの」だという認識をするケースが多いのです。「自分がこう思うのだから、娘もこう思うにちがいない」「娘の幸せは、こういうものにちがいない」と、娘だけは自分の期待に応えさせてかまわない存在だと思い込んでしまう。そうして、親である自分の希望を娘に最優先させるような言動をしてしまうのです。いい子症候群の子どもは「アダルトチルドレン」になるいい子症候群が怖いのは、いい子症候群の子どもたちの多くが、いい子症候群であることに無自覚だという点。わたしが過去に会った女性を例にしましょう。彼女は、母親からこんな言葉をかけられ続けて育ちました。「お母さんは英語をきちんと習いたかったから、あなたにはそうしてほしい」「お母さんは、本当は学校の先生になりたかったから、あなたにはそうなってほしい」「そうするのが、あなたにとってもいいことだと思うよ」と。彼女は、母親の期待にしっかり応えて英語の教師になりました。そして、それが母親のためにやってきたことなんて思うこともなかったし、自分にとっての幸せだと信じて疑うこともありませんでした。ところが、35歳くらいになったときに、突然、「わたしの人生って誰のものなのか」「わたしの人生は空っぽじゃないのか」という思いに襲われて、心が不安定になったのです。彼女はもう30代でしたから、厳密にいえばいい子症候群とはいえません。いい子症候群の子どもは、大人になったときに、「アダルトチルドレン」と呼ばれるようになります。アダルトチルドレンとは、子どもの頃に自分らしくさせてもらえない体験を重ねることで、大人になってからも、生きづらさを抱えてしまう大人のことです。アダルトチルドレンの人たちはたくさんの問題を抱えています。先に例に挙げた女性のように、人生自体に空虚感を持ってしまうこともそう。また、職場や家庭などの人間関係においても多くの壁にぶつかります。自分がなにをどうしたいのかということがわからないため、「わたしはこうしたい」という交渉ができないからです。そうして、我慢に我慢を重ねて不満を限界までため込んだ揚げ句に、「わたしを大事にしてくれない!」と怒りを爆発させるということになる。でも、相手からすれば、自分のことをなにもいわない人の気持ちなんてわかりようがありませんよね。子どもに「空気を破る」練習をさせる先に、いい子症候群の特徴として、周囲の空気を過剰に読もうとすると述べました。そう考えると、子どもをいい子症候群にしないためには、子どもに空気を破る練習をさせればいいのです。わかりやすい例なら、先にも挙げた外食の場面など最適でしょう。親の希望など関係なく、子ども自身に自分が食べたいものを真っ先に選ばせてあげればいい。このとき、親の顔色を伺うような素振りを子どもが見せていたとしたら、危険信号と考えていいと思います。いい子症候群の子どもは、親からすれば親のことを考えてくれて、反発もしてこないし、まさにいい子に思えるでしょう。でも、手がかからないいい子というのは、のちのちに手がかかる人間になりやすいのです。「なにを食べればいいかな?」というふうな、指示待ちの言動を子どもがするようなら、いい子症候群の兆候が見られますから、要注意!そして、子どもが自分で決められるまで、親は辛抱強く待ちましょう。ここに、欧米と日本の大きなちがいがあります。パン屋さんでの親子の振る舞いを見ていると、欧米人と日本人のちがいがはっきり感じられます。欧米人の親の場合、「なにを食べたい?」と子どもに聞いたら、子どもが自分で決められるまでずっと待ちます。欧米には、たとえ相手が子どもであっても、自己決定を大切にする習慣があるからです。ところが、日本人の親は待てない。「じゃ、これにしとこうか」「これ好きだよね、これでいいよね?」と、親が決めて押しつけてしまうのです。子どもをいい子症候群にしないため、日本人の親にもっとも必要なものは、なによりも根気、「待つ力」ではないでしょうか。『孤独の達人 自己を深める心理学』諸富祥彦 著/PHP研究所(2018)■ 諸富祥彦ホームページ■ 明治大学文学部教授・諸富祥彦先生 インタビュー記事一覧第1回:“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法第2回:「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ(※近日公開)第3回:「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係(※近日公開)第4回:完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう(※近日公開)【プロフィール】諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)1963年5月4日生まれ、福岡県出身。心理学者。明治大学文学部教授。「時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー」「現場教師の作戦参謀」を自称する。1986年、筑波大学人間学類卒業。1992年、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、同大学教育学部助教授を経て、2006年より明治大学文学部教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表等の肩書も持つ。専門は人間性心理学、トランスパーソナル心理学。孤独、むなしさ、生きる意味などをキーワードに、現代人の新たな生き方を提示している。スクールカウンセラーとしての活動歴も長く、学校カウンセリングや生徒指導の専門家でもある。『男の子の育て方』『女の子の育て方』『一人っ子の育て方』(いずれもWAVE出版)、『子育ての教科書』(幻冬舎)、『「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟』(集英社)、『他人の目を気にしない技術』(PHP研究所)、『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)、『「すべて投げ出してしまいたい」と思ったら読む本』(朝日新聞出版)、『知の教科書 フランクル』(講談社)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月24日アクの強いキャラクターをはじめ、近年では爽やかな好青年まで幅広い役柄を演じている間宮祥太朗さん。デビューから11年。着実に役者としての存在感を増しつつあるいま、目指す俳優像とは?熱狂して大騒ぎしているのも嫌いじゃないです(笑)。――野球経験者の間宮さんですが、7月の甲子園の阪神-DeNA戦の始球式の芸能界最速記録、時速139kmが話題になりました。間宮:…(急に照れて)よくわかんないんで、あれはもうスルーしてくださって大丈夫です…(笑)。――でも、野球をやめてからも投げ込みしていたんだな、と。間宮:そんな…全然してないんです。練習する時間も場所も、相手もいないんで。ただあの時は、甲子園のマウンドだったんで、そこに立てていることに感慨深いものはありました。でも、立ったと思ったら、一球投げて帰ってくるだけの一瞬でしたから、喜びを噛み締めている余裕はなかったです。――でも、盛り上がりましたよね。間宮:そうですね。どよめきみたいなものは起こりました。――間宮さん、阪神ファンなんですよね。しかも金本知憲元選手のファン…。でも、ご出身は神奈川、しかも横浜出身です。間宮:実は僕の祖父が熱烈な巨人ファンだったんです。当時の巨人軍ってスター選手だらけで、まさに最強軍団って感じだったんで、それに対するカウンターの気持ちもあったんだと思います。――阪神ファンって熱狂するイメージがありますが…。間宮:嫌いじゃないです(笑)。ヤジが飛び交う雰囲気とかも嫌じゃないですし。――かつての映画好きな野球少年が、俳優になってたくさんの映画に出演して、その上、始球式で憧れの球団の試合でマウンドに立つことができています。夢を叶えたことに対する感慨はありますか。間宮:まあ…あります。でも、映画に出ることがすごいわけではないと思っているんですよ。バジェットの大小とか、役柄とかにこだわらなければ、本気で映画に出たいと思えば、それを叶えることは可能だと思うんです。それよりも大事なのは、“何をそこに残せるか”な気がしています。自分が映画を観る側だった時すごいと思ったのは、スクリーンのこちら側にいる観客に、後の人生に影響するような何か…置き土産のようなものを落としていってくれる作品だったり監督だったり俳優だったり、スタッフだったりしたんですよね。もちろん、自分が最初にスクリーンに映った時は、おお~っと思ったし、初めての主演映画は嬉しかったですけれど、出ているということで満足してはいないかな。――‘08年のデビューから、少しずつその演技に注目が集まるようになって、今の活躍ぶりがあると思います。何か変化を感じることはありますか?間宮:もともと「出られて嬉しい」っていうタイプではなかったんで、それこそさっきお話ししたように、クラスメイトのひとりという役でも出るからには何かを残したい、っていう気持ちが強かったんですよね。それはいまも変わらないんですけれど、当時に比べて作品における比重が大きくなっているので、その重さは感じています。出番が1シーンか2シーンだった時は、そこでいかに自分が作品に影響するかを考えていました。でも、ありがたいことに主演をやらせていただくようになって思うのは、自分が作品とか役に影響されていかなきゃいけないんだっていうこと。なんと言うか…以前は自分が先にありましたけれど、いまは役が自分よりも先にくるというか。そこの意識は変わりましたね。海外ドラマを見ている時によく思うんですけれど、あまり知らない俳優が演じているほうが、役に素直に感情移入できることが結構あるんです。それがたとえばジョージ・クルーニーがやっていたりすると、その存在感が強すぎて、ジョージ・クルーニーがやっている誰々として観てしまったりする。いま、観ていただく機会が増えていますけど、増えるほど提示するお芝居が既に観たようなものにならないようにしなくちゃいけないと思うし、物語に集中してもらうためにも、自分の名前が作品の中に邪念として入らないようにと考えています。間宮祥太朗がやっている誰々じゃなく、作品を観た人には役名だけが残ってほしい。そういうことを意識するようになったのは、変化といえば変化かもしれません。つねに自分についた作品や役のイメージを塗り替えていかないといけない。まだ自分は逃れられていないレベルなので。――たとえば、どなたか理想とする方はいらっしゃいますか?間宮:どなたかひとりというより、年上の俳優さんで活躍されている方はみなさん、すでにそこから解放されているように思います。どんな役をやっても信頼感があるし、その役に見える。ご一緒させていただいても、やっぱりとても魅力的だし、キャリアを積めば積むほどその魅力が増しているのがすごいなとは思います。いま話しながらなんとなく頭に思い浮かべたのは、30代後半あたりの先輩方なんですけれど、僕の年齢くらいの頃には同じように葛藤して、いろんなことを乗り越えてきていると思うんです。でもいま、流行り廃りに左右されるんじゃなく、新しいやり方で、自分の面白いと思うことを選択してやっている。その姿を見ていてとても感動するし、刺激を受けています。間宮さんが桜井日奈子さんとW主演した映画『殺さない彼と死なない彼女』は、11月15日に公開。退屈な高校生活を送る小坂れい(間宮)は「殺す」が口癖の青年。そんな彼がある日、リストカット常習者の“死にたがり”鹿野なな(桜井)に出会う。いつしかふたりは心を通わせ合うが…。漫画家・世紀末による同名漫画が原作。監督は小林啓一。まみや・しょうたろう1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年にドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で俳優デビュー。初主演映画『お前はまだグンマを知らない』のほか、映画『帝一の國』やドラマ『半分、青い。』などで存在感を発揮。近作にドラマ『べしゃり暮らし』、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。ジャケット¥58,000パンツ¥28,000(共にヨーク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)Tシャツ¥20,000(リヴォラ/スタジオ ファブワーク)シューズ¥58,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・三宅 茜インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月13日これまで演じた役柄からか、テンション高めの人物像をイメージしていたけれど…。実際の間宮祥太朗さんは、たぎるような熱を秘めた、冷静でスマートな人でした。仲のいい女の子を雑に扱っちゃうの、身に覚えがあります。アクの強いキャラクターをはじめ、近年では爽やかな好青年まで幅広い役柄を演じている間宮祥太朗さん。デビューから11年。着実に役者としての存在感を増しつつあるいま、目指す俳優像とは?――最新作の映画『殺さない彼と死なない彼女』で間宮さんが演じた小坂は、周りの人間に興味が持てず、厭世的に生きる高校生です。なかなか屈折した一筋縄ではいかないキャラクターでしたが…。間宮:そうですか?自分のなかでは小坂はわりと一筋縄でいく…というか、共感できるキャラクターだったんです。まあ、口癖が「殺す」っていうのはどうかと思いますが、自分もどちらかというと口が悪いほうだし、仲のいい女の子に対して雑に扱っちゃうというのも身に覚えのあることで…。ただ、面白いなと思うのは、色のない毎日にうんざりしていた小坂が、同級生の鹿野の姿を見て思い立って話しかける。彼にとっては、このタイミングでそれがあったことが必要だったのかなって思うんです。――映画で小坂は、ハチの死骸を拾う鹿野を目撃して彼女に声をかけますが、鹿野の何が小坂を動かしたんだと思われますか。間宮:映画のなかで他のクラスメイトたちがそんなに描かれているわけではないんで、僕の印象ではあるんですけれど、同調圧力ってあったりするじゃないですか。クラス内で何人かが「あれが面白い」ってなると、それほど面白いと思っていない人もそこにのっかっていって、いつしか全員が「面白い」って言わないといけなくなる、みたいな。小坂はそういう同調圧力に囚われている同級生たちを見ていて、それでいいのって、思ってたんだと思います。僕もそうだし。だから、鹿野に心を開いたというより鹿野以外の人に心を開く必要性を感じなかったのかな、と。――間宮さんも学生時代、小坂のようなところがあった、とか。間宮:ありましたね。一時期。――いつ頃?間宮:14歳くらいの時に野球をやめたんですけれど、それまでは、通っていた男子校のなかで一番ヤンチャなメンバーが集まるなかにいたんです。でも部活をやめてからは、学食行っては内容のない会話をしているのが徐々に意味なく感じるようになって、映画の小坂みたいな時期がありました。たぶん、最初はちょっとスカしてる部分もあったと思うんです。でも、だんだんクラス全体を客観的に見るようになってくると、いっつも教室で誰ともツルまずに何かを読んでる奴がいるな、って気になり始めて、そいつと話すようになったり。だから、小坂のことがちょっとわかるというか。――そういう時期が、どれくらい続いたんですか?間宮:1年くらいですね。――わりと精神的に大人びたところがあったんですね。間宮:僕、小学校の頃から先輩と仲が良くて、中学の時も2つ上の先輩と遊びに行っていたんです。2年の差って大きくて、同級生たちとのギャップがあるのを感じていました。――中学生の時に芸能界に入ったのも影響していたんでしょうか。間宮:そこはあまり関係ないかもしれません。最初の仕事で、セリフがほとんどないようなクラスメイトのひとりをやったんですが、周りの子たちを普通に子供っぽいなって思っていましたし。――先輩と仲が良かったのは、なんでなんですか?間宮:昔から見た目がこんなんなんで、僕が先輩の目に付きやすかったんだと思うんです。それで、生意気そうだと思われたのか、向こうから話しかけられて仲良くなるみたいな。しかも僕も、先輩たちを相手に、必要以上に後輩を演じるようなこともなかったんで、面白がられていたのかもしれません。――では、いわゆる男子高校生的なワイワイしたノリみたいなものは、あまりなかったんですか?間宮:それもありましたよ。同級生とは同級生同士のノリも楽しんで、授業中にふざけたりもしてました。――当時の間宮さんが面白いと思っていたことってどんなこと?間宮:映画は好きでしたね。いまもそれは変わらないですけれど。あとは…音楽。それも変わらず(笑)。間宮さんが桜井日奈子さんとW主演した映画『殺さない彼と死なない彼女』は、11月15日に公開。退屈な高校生活を送る小坂れい(間宮)は「殺す」が口癖の青年。そんな彼がある日、リストカット常習者の“死にたがり”鹿野なな(桜井)に出会う。いつしかふたりは心を通わせ合うが…。漫画家・世紀末による同名漫画が原作。監督は小林啓一。まみや・しょうたろう1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年にドラマ『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』で俳優デビュー。初主演映画『お前はまだグンマを知らない』のほか、映画『帝一の國』やドラマ『半分、青い。』などで存在感を発揮。近作にドラマ『べしゃり暮らし』、映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。ジャケット¥58,000パンツ¥28,000(共にヨーク/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575)Tシャツ¥20,000(リヴォラ/スタジオ ファブワーク)シューズ¥58,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティック TEL:03・5808・7515)ソックスはスタイリスト私物※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・津野真吾(impiger)ヘア&メイク・三宅 茜インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2019年11月13日“孤独”って、辛くて悲しくて、寂しいもの?いえ、本当はそうではありません。実は人生を有意義にしてくれる“孤独”、そこに至るための4つのステップをご紹介。“しがらみ”と“つながり”は別物です。「20代後半から30代前半は、楽しいだけの交流では物足りなくなってくる時期。もっとわかり合いたい、響き合うような関係を築きたい。人は成長すると人間関係に深さを求めるようになる生き物。そういった思いと孤独は実はつながりがあります」と言うのは、心理学者の諸富祥彦さん。「人は孤立してしまうと、寂しくなり、何でもいいから集団に属そうとしがち。でも望んで作った友達でも、孤立しないために無理をする場合もあり、今度はそれが苦しくなってくる。ひとりでいるほうが楽、と気づき、その集団から飛び出したその先にあるのが、“孤独”です。そこまでたどり着けると、格段に人生が楽に、楽しくなる。今の人間関係に違和感を抱く人は、その友情が“つながり”なのか“しがらみ”なのかをよく考え、思い切って断捨離してみては。孤独にたどり着くと、人生がより深く味わえますよ」人生に深みが出る孤独進化論をマスター。STAGE1:非選択的孤立気がついたら私、ひとりきり?寂しい…。他の人と仲良くなりたいのになれない。周りはみんな友達がいるのに、私だけひとりぼっち…。望んでいないのに自分だけ周囲から孤立してしまい、寂しくて孤独感に押しつぶされてしまいそうな状況のこと。【アドバイス】「寂しくないし周囲の目もまったく気にならない」という人はSTAGE2を飛ばしてSTAGE3へ。ひとりが辛く感じる人はSTAGE2へと進もう。STAGE2:孤立の回避友達はいるけど無理して一緒にいる私って…。寂しさに耐えられなくなり、とりあえず友達を作り、集団に参加する。寂しさはまぎれるが、しかし今度はその関係を維持するために、我慢をしたり、自分を曲げたりすることが苦しくなってくる…。【アドバイス】自ら選んでその輪に入ったのに、辛いと気づいてさらに苦しい状況に。そこにいることが無理なら、無理と認めて飛び出すべき。STAGE3:選択的孤独嫌いな人と無理しているより、ひとりが気楽!「嫌な人と一緒にいるなら、ひとりのほうがいいじゃん!」と思えた人が、“自分で選んで”到達できる孤独状態。食べたいものはひとりで食べる、でも友達といたいときは一緒。使い分けができる状態に。NEXT STAGE:進化(深化)した孤独自分を深く知れば、他者への理解も深まる。ひとりで過ごす時間に読書をしたりアートに触れてみたり…。それを通して自分と向き合い、己を深く知る。そうすることで、内面が充実し、結果的により良い人間関係が結べるようになることも。もろとみ・よしひこ心理学者。気づきと学びの心理学研究会アウェアネス主宰。著書に『孤独であるためのレッスン』(NHKブックス)、『孤独の達人』(PHP新書)など。※『anan』2019年11月13日号より。イラスト・いいあい取材、文・河野友紀(by anan編集部)
2019年11月11日俳優の柄本佑と間宮祥太朗が、夏帆主演の映画『Red』に出演することが分かった。公開日も2020年2月21日(金)に決定した。今回新たに発表された柄本さんが演じるのは、夏帆さん演じる主人公・塔子に好意を抱く職場の同僚・小鷹淳。塔子に惹かれながらも、塔子と鞍田(妻夫木聡)の関係に唯一気づく重要な人物だ。昨年、第73回毎日映画コンクール男優主演賞や第92回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞に輝き、『居眠り磐音』『火口のふたり』などに出演とますます勢いが止まらない柄本さん。本作について「とても刺激的な恋愛映画であり、実際に起こったら大変」と言いつつ、「なぜこういう映画が生まれるか。どこかでみんなちょっとだけ憧れてしまうところがあるのか。だけど、それを現実ではやってはいけない。そんな映画を2時間、疑似体験して、その恋愛を楽しんで頂きたいなと」とコメントしている。そしてもうひとり、間宮さんが演じるのは、塔子の夫・村主真。家族想いで、悪気はないものの“価値観のずれ”ゆえに、無自覚に塔子を追い詰めてしまう難しい役どころに挑戦する。連続テレビ小説「半分、青い。」、『食べる女』、『翔んで埼玉』と話題作に出演し、デビュー10周年を迎えさらなる活躍に注目が集まる間宮さんは、撮影をふり返り「三島監督と夏帆さんとじっくり撮影した日々が懐かしいです」と語り、「どうなろうとも女性が女性であるという事を忘れるべからず。私はまだ結婚した事も子供を持った事もありませんが、いつかのその時の為にその事を覚えていなければと思いました。思ったと言うよりも痛感したと言った方が近いかもしれません。自分が演じた真と同じ轍を踏まない様に」と本作から得たものは大きかったようだ。また2人について、三島有紀子監督は「塔子をとりまく3人の男は、それぞれベクトルは違うものの自分の尺度がはっきりしていて、全員に絶対的な色気と圧倒的な芝居力で夏帆さんの魅力を多面的に引き出してもらう必要がありました」と語り、「3人のみなさまには、いままで観たことのない芝居をしていただけた」と絶賛している。『Red』は2020年2月21日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年09月25日間宮祥太朗さんと渡辺大知さんの初共演作となるドラマ『べしゃり暮らし』。おふたりに制作の裏側について伺いました。笑いをとるためなら、命懸けで何でもやる主人公の上妻圭右の前に現れたのは、元高校生芸人で転校生の辻本潤。辻本にライバル心を抱く圭右、そして圭右に興味を持つ辻本。やがて二人は漫才コンビを組むことに。人気漫画『べしゃり暮らし』が待望のドラマ化となり、圭右役には間宮祥太朗さん、辻本役には渡辺大知さんが抜擢!初の共演です。――ただでさえ難しそうな漫才コンビを演じるうえで、相方役の名前を聞いた時、どう思いましたか?間宮:共演は初めてですが、バンド・黒猫チェルシーの渡辺大知くんとして知っていたので、原作を見て辻本のビジュアルにぴったりだと思いました。撮影が始まると鋭いツッコミの半面、物腰がやわらかいところも似ているなぁ、と。渡辺:圭右はクラスの人気者でみんなの太陽みたいな存在だけど、落ち込む時はしっかり落ち込んで、悔しい時は本当に悔しがって人間くさい部分を持つ人。そんな強いエネルギーを持っているあたり、間宮くんと合うんじゃないかと思いました。――演出の劇団ひとりさんからは、どんなアドバイスがありましたか?間宮:ひとりさんは実際のプレイヤーでもあるからか、ちゃんと僕らの目線に立って指導してくださるんです。だから、僕らが「あれ?」って思っているところを「ここのセリフって言いづらくないですか?」ってピンポイントで突いてきてやりやすく変えてくれるんで、めちゃくちゃ助かってますね。渡辺:だから悩まずに済むんだよね。間宮:最初のころ、僕ら台本持って二人で座って練習してたんだけど、全然感じがつかめなくて。渡辺:そうしたらひとりさんから「覚えてなくてもいいよ。台本置いて、二人で適当にやってみてください」って言われてね。――すごい、潔い演出ですね。間宮:それで好き勝手にやったら「その感じがいいから練習しなくていい」って言われて(笑)。僕らもめちゃくちゃ楽しくて、これが僕と大知くんの形かな、と思いました。渡辺:間宮くんがまた、アドリブがすごいし上手いんだよね。間宮:まあ好き勝手にやる役だから。渡辺:一応漫才の大筋を覚えて二人で立つんだけど、それをどんどん壊してくるから横にいるだけで楽しいし、ワクワクするんです。それこそ音楽やってるみたいに、言葉を交わさずともお互いに調子を合わせるみたいな。それを熱量高くやっていると、エモーショナルを感じます。間宮:確かに音楽のセッションぽいかも!僕がアドリブやる時は、大知くんを笑わせようとしているんだよね。まあ“テンポ”とか“間”とかはもうほぼ崩壊しているんで、あとはアクセル踏むしかないから(笑)。渡辺:あははは(笑)。技術的なことを言えば全然やれてないのかもしれないけど、でも初めて間宮くんと合わせた時から楽しかった。知らない世界が開けた感じがして、いつも漫才シーンの時は興奮してます。間宮:ちなみに僕は高校時代ブレザーだったんだけど、学ランのYシャツのこの腕まくり、死ぬほどダサいって大知くんから言われました。渡辺:ヤンキーの隣でイキってる、やばいヤツのスタイルだから(笑)。間宮:でもこれが圭右だから、しょうがない(笑)。ドラマ『べしゃり暮らし』原作は森田まさのりの漫画『べしゃり暮らし』(集英社)、演出は劇団ひとり。高校一面白いと自負する上妻圭右の前に現れた転校生、辻本潤。二人は漫才コンビを結成することに…。毎週土曜23:15~テレビ朝日系にて放送中。まみや・しょうたろう1993年6月11日生まれ。2008年に俳優デビュー。初主演映画は、‘17年公開の『お前はまだグンマを知らない』。連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)ほか、映画やドラマに多数出演。わたなべ・だいち1990年8月8日生まれ。ミュージシャン、俳優。バンド・黒猫チェルシー(活動休止中)を結成しボーカルを担当。映画『色即ぜねれいしょん』で俳優の道へ。以降、映画『勝手にふるえてろ』等に出演。※『anan』2019年8月7日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年08月01日日本テレビ系「アナザースカイII」の6月21日(金)放送回は、最新作『ホットギミック ガールミーツボーイ』の公開を控える俳優の間宮祥太朗が登場。今回間宮さんは祖父との夢を叶えるため南アフリカを訪れる。「スクラップ・ティーチャー~教師再生」で俳優デビューすると、「3年B組金八先生ファイナル」や「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」などに出演。2012年からは舞台「銀河英雄伝説」シリーズにおよそ3年にわたり出演を続ける一方で、「水球ヤンキース」などの出演で着実に実績を重ねていった間宮さん。2016年に入ると『ライチ☆光クラブ』『高台家の人々』など立て続けに出演作が公開。同時に「ニーチェ先生」などのドラマでも注目を集め、翌2017年には主演作『お前はまだグンマを知らない』『全員死刑』の2作で主演を務めたほか『トリガール!』も大ヒット。「僕たちがやりました」は大きな話題となるなど一躍ブレイクを果たす。昨年は連続テレビ小説「半分、青い。」への出演で国民的知名度を獲得し、先日公開された『翔んで埼玉』も大ヒットを記録するなど順調な活躍を続けている。今回間宮さんは祖父との夢を叶えるため南アフリカを訪れ、世界三大渓谷で海外の醍醐味を味わい、ライオンやゾウなど“野生動物ビッグ5”を探す。俳優として成長を続ける間宮さんの最新作となるのが映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。同作は主演に「乃木坂46」堀未央奈を迎え、堀さん演じる自分に自信が持てない高校生・成田初が、平凡な日々を送るなかで突如始まった“3つの初恋”に戸惑いながら、誰が本当の初恋なのか、自分とは一体何者なのか…と悩み成長していく姿を描く。間宮さんは多くのアルバイトを掛け持ちし、忙しい日々を過ごしながらも初を気にかける優しい初の兄・凌を演じ、堀さん、間宮さんのほか『パラレルワールド・ラブストーリー』などの清水尋也、『響 -HIBIKI-』などの板垣瑞生に加え、反町隆史、吉岡里帆らも出演する。『ホットギミック ガールミーツボーイ』は6月28日(金)より全国にて公開。「アナザースカイII」は6月21日(金)23時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2019年06月21日平凡な女子高生に訪れた“3つの初恋”を描く『ホットギミック ガールミーツボーイ』から、主演・堀未央奈演じる成田初と間宮祥太朗演じる成田凌のキャラクター映像が到着した。初キャラ映像堀さん演じる成田初は、自分に自信が持てない高校生。平凡な日々を送る中、突如始まった恋に戸惑いながら、誰が本当の初恋なのか、自分とは一体何者なのか…と悩み成長していく。映像では初の空虚な生活、不器用ながらも純粋な想いを寄せる亮輝(清水尋也)、憧れの存在・梓(板垣瑞生)、優しく見守り寄り添う凌(間宮祥太朗)との恋の模様が映し出されている。また、「なんで私なの?」と戸惑いと苛立ちが入り混じった小さな心の叫びなど、初の成長過程が感じられる。凌キャラ映像3つの初恋のうちのひとつ。間宮さん演じる成田凌は、多くのアルバイトを掛け持ちし、忙しい日々を過ごしながらも初を気にかける優しい兄。幼い頃からいつも初を守ってくれる存在だ。頭ポンポンからはじまる映像では、亮輝や梓に心惹かれ、変わりゆく初に寂しさともどかしさを垣間見せる凌。その愛情とまなざしは、どこか家族以上のものを感じさせ、“秘められた恋”という文字も刻まれている。さらに、2つのキャラクター映像と併せて、WEB6秒スポットも到着した。『ホットギミック ガールミーツボーイ』は6月28日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ホットギミック ガールミーツボーイ 2019年6月28日より全国にて公開Ⓒ 相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会
2019年06月18日舞台『BACK BEAT』のフォトコールが東京芸術劇場 プレイハウスで25日に行われ、戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹、辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平、夏子、鈴木壮麻、尾藤イサオ、石丸さち子(翻訳・演出)が取材に応じた。同作は20世紀を代表する伝説のロックバンド・ビートルズが、もともと5人編成のバンドだったという、同バンド創成期のハンブルク時代を描いた、1994年公開の伝記映画『BACKBEAT』をイアン・ソフトリー監督自身が舞台化した作品。戸塚はビートルズ結成時のベーシストで、画家としても才能を発揮しながらメジャーデビュー目前の1962年に21歳で夭折したスチュアート・サトクリフを演じ、加藤はジョン・レノン、JUONはポール・マッカートニー、辰巳はジョージ・ハリスン、上口はピート・ベストを演じる。初日を前に戸塚は「準備万端です。バッチリです」と自信を見せ、「僕たち、スタッフさんから『ビートルズのみなさん』って呼ばれるんですよ。すごい気分が良くてなりきらせていただいています」と語る。辰巳も「令和のビートルズです」と新たなキャッチコピーを作っていた。「最初は絶望からスタートしていたといっても過言ではない」(戸塚)、「学生バンドかなみたいな」(加藤)というバンド演奏だが、今は戸塚も「不思議な感覚があったかもしれないですけど、今はこのスタイルに完全にフィットしている」という。上口が「初めての会話が音だった」と振り返ると、戸塚も「詩人だわ」と感心していた。「全国を回ってみなさんにみていただきたい」とライブツアーも希望した辰巳だが、「ほぼ弾けない状態から始まって。本当に最初に石丸さんの前で披露した時に『お前、まじか』という。目の奥が『本当に、ジョージ・ハリスンをやるのか』って」と苦笑。全員不安を抱えていたものの、できなさで言えば「トップ」と石丸に言われた辰巳は、「トップです!!」と訴える。しかし努力を重ねバンドとして成長したメンバーに、石丸は「すっごい努力でした。バンド同士でグルーヴを産んでからが、早かったですね。観客にビートルズを伝える架け橋なので、架け橋は立派に務めている」と太鼓判を押した。加藤は「毎回がライブで、20曲くらい生演奏なので、何が起こるかわからない。弦が切れたり演奏を間違ったり、ご愛嬌で許してもらって、このステージでしか味わえないので、体感してもらいたい」とメッセージ。戸塚も「とにかくロックに始まり、一時も速度を落とさずに最後の最後まで駆け抜けていきたいと思います」と意気込んだ。
2019年05月25日舞台『BACK BEAT』の製作発表が東京・新宿LOFTで15日に行われ、戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹、辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平、夏子、鈴木壮麻、尾藤イサオ、石丸さち子(翻訳・演出)が登場した。同作は20世紀を代表する伝説のロックバンド・ビートルズが、もともと5人編成のバンドだったという、同バンド創成期のハンブルク時代を描いた、1994年公開の伝記映画『BACKBEAT』をイアン・ソフトリー監督自身が舞台化した作品。戸塚はビートルズ結成時のベーシストで、画家としても才能を発揮しながらメジャーデビュー目前の1962年に21歳で夭折したスチュアート・サトクリフを演じ、加藤はジョン・レノン、JUONはポール・マッカートニー、辰巳はジョージ・ハリスン、上口はピート・ベストを演じる。暗転したステージに現れた5人は、まずジョン・レノン役の加藤がボーカルをとった「ロックン・ロール・ミュージック」、そして戸塚がボーカルを務め「ラブミー・テンダー」を披露。この演奏に、ビートルズの初来日武道館公演に出演した尾藤も「武道館でビートルズが一番最初にやった曲」と喜び、「これがかっこいいんですよ、グーです!」と絶賛した。戸塚も「バンドのマジックを初体験してしまった。自分の中に新しい命が生まれたみたいな。すっごい楽しかったです」と振り返り、加藤は「出る前もずっと一緒にバンドをやってきたかのような空気感で、みんなで気合い入れして歌って、俺たちバンドなんだなと思いました。稽古も重ねてきているにも関わらず、初めて一つになった瞬間だなと思いました。ここからさらにバンドのグルーヴを高めていきたいと思いました」と充実した気持ちを表した。劇中では20曲を披露するため、初心者の辰巳は現在1日8時間練習しているという。同じくドラムを始めたばかりの上口に加え、ふだんギターを弾いている戸塚がベースに、右利きのJUONが左手でピックを持ってギターに、など挑戦することばかり。今回の演奏では弦が切れるハプニングもあったJUONは「家でやったりして不安だなと思ってても、一緒に練習してると、さっきまで弾けてなかったのに弾けるようになっちゃう」と仲間と一緒に演奏することの喜びを表した。また上口は「ドラムの席って最高の特等席だなって改めて思いました。お客さんの反応も見れて、メンバーのテンションも見れて。いつもより走ってんぞ、とかわかりつつ」と笑顔に。グループでの仕事にベースを持ち込んでいいのか迷っているという戸塚は、A.B.C-Zでもバンドをやっては……という提案に、「塚ちゃん、楽器弾けるかなあ? 新しい一面をグループでも見せられたらいいですね」と新たな可能性を示した。このメンバーでのライブの可能性について聞かれると、辰巳は「やりたいですね」と意欲十分。加藤のライブに乱入したい、という希望には加藤が「そんなサプライズはウェルカムですけど、いいんですか? 逆に」と戸惑う。さらにCD化もどうか、というレポーターの提案に、辰巳は「僕、まだ個人的にCDも出してない。ふぉ〜ゆ〜っていうんですけど。ここが先か! メンバーごめんね!」と謝っていた。
2019年04月15日どこへ連れていっても「いい子ですね」と褒められる、わがままを言うなど親を困らせるようなことは絶対にしないーーそんな “いい子” に育ってほしいと願う親御さんは多いはずです。しかし実際には、そのような “いい子” はいくつかの問題点を抱えており、そのまま成長するとさまざまな不調が出てくるといいます。もし今、お子さんが無理をして “いい子” を演じているのなら、親子の関係性や子どもへの対応の仕方、声かけなどを見直す必要があるかもしれません。いい子症候群の特徴教育カウンセラーの諸富祥彦先生によると、親に褒めてもらいたくて自らが頑張る力を発揮する「一般的な良い子」と、親の期待に過剰に応えようとするいわゆる「いい子症候群」には決定的な違いがあるといいます。子どもはみんな、お父さんやお母さんから褒めてもらいたいもの。それは当然の感情であり、褒めてもらうことを目的に良い行いをするのはごく一般的な子どもの特徴です。しかし「いい子症候群」に当てはまる子どもは、褒められることよりも、親が不機嫌になることを恐れ、どうしたら親が喜ぶのかを常に考えてしまうのです。その特徴とは一体どのようなものなのでしょうか?■言動が受け身■自己主張が苦手■感情表現が乏しい■親の指示がないと不安になる■小さな決断も自分ではできないおとなしい子、内気な子、優等生タイプの子とは少し違う「いい子症候群」は、親がどう思うか、親からどう思われるかが何よりも大事なのです。親の期待に応えられなければ自分の存在価値を認められないので、自分の意思を主張できなくなります。また、一見素直で従順ですが、実は自分を押さえ込んでいるため、突然感情を爆発させることもあるので注意が必要です。つまり「いい子症候群」とは、「大人の顔色をうかがい、先回りして親の期待に応えようとする自主性のない状態」であるといえます。問題は、期待されている「答え」(=正しい言動)を先取りするうちに、それが自分の意思であるかのように錯覚してしまうこと。いい子を演じている自覚がないまま成長すると、どのようになってしまうのでしょうか。成長後にも強い影響を及ぼす「いい子症候群」幼少期に親の前で「いい子」でい続けると、思春期には次のような言動が目立つようになります。・親の目の届かない場所で溜まったストレスを発散させるようになる・お友だちをいじめる側になったり、先生の言うことを聞かずに困らせたりと、問題行動が表面化することもある・トラブルの回避方法がわからないまま成長するので、コミュニケーション能力が低下してしまう・自分の感情に鈍感になり、喜怒哀楽をはっきりと表現できず相手の期待に沿った反応しかできないさらに「いい子症候群」のまま大人になると、たとえば友人と外食するときにメニューが決められない、という問題に直面します。自分が何を食べたいのかわからず、他者の好みや判断に任せてしまうのです。幼少時に親から聞かれたときも、実は「親に喜ばれるメニュー」を選んでいるため、その思考パターンが染みついていることが影響しています。ほかにも会社で上司に間違いを指摘されただけで、自分が否定されたと思い込み、「悪いのは自分じゃない、相手が悪いんだ」とキレてしまうことも。否定されると存在価値が揺らぐ傾向があるので、責任の所在が常に自分ではなく、他者にずれてしまうのです。『ほめると子どもはダメになる』(新潮社)の著者で心理学博士の榎本博明氏は、「親がコントロールしやすい子、つまり親の言いなりに動く子は自立できない心配がある」と述べています。自分で考えて動くことができない “指示待ち” の思考が身についてしまうと、判断力も実行力もないまま社会へと出ることになるので、子ども自身の将来のためにも「いい子症候群」からの脱却が望まれます。「いい子症候群」を引き起こす最大の要因子どもを「いい子症候群」にしてしまう一番の要因として、親が子育てで自分の欲求を満たそうとしていることが挙げられます。子どもへの期待が強すぎて、親が子どもに依存しているのです。親と子どもは違う人間であり、子どもはひとりの独立した個人である。そのことを忘れてしまうと、親は一方的に自分の理想を押しつけて、子どもはその期待に応えようと無理をしてしまいます。「いい子にしなさい!」「言うことを聞きなさい!」「なんでいい子にできないの?」「なんで言ったことができないの?」「ほかの子はできるのになんでできないの?」これらの言葉を言われるたびに、子どもは親の期待に応えられない自分を責めるようになるでしょう。できないことを残念がって失望した表情を見せたり、小さな成長を「できて当たり前」だと褒めなかったりしていませんか?また子どもが関心のあることに興味が持てず、子どもの気持ちを無視した行動をとっていませんか?小さな子どもにとって、親は絶対的な存在です。自分の本当の気持ちを伝えられる親子関係でなければ、子どもはいずれ親に対して心を閉ざしてしまうでしょう。子どもが「いい子症候群」になってしまうのは、性格の問題ではありません。親子の関係性こそが最大の要因です。だからこそ、お互いの人格を尊重して、本音を認め合える関係を築く必要があるのです。親の意識が変われば子どもも変わる!わが子が「いい子症候群」かもしれないと不安を感じているのなら、お子さんに対する言動を少し変えてみるといいかもしれません。■子どもの自主性を尊重するどんなに幼い子どもでも、必ず自分の意思を持っているものです。子ども自身に選ばせる機会をたくさん与えてあげてください。その積み重ねによって「自分は認めてもらった」という自信や責任感へとつながります。たとえば一緒に買い物に行ったとき、お子さんに「今日のサラダに使うトマトはどれがいいかな?○○くん、一番おいしそうなトマトを選んでくれる?」と選ばせてみましょう。そして食事のときも「○○くんが選んでくれたトマト、すごくおいしいね!」と伝えてあげてください。お子さんの自信につながり、自己肯定感が高まります。■まずは親の気持ちを子どもに伝える親自身の気持ちを伝えて、子どもが自分の感情を出しやすい親子関係に変える努力が必要です。「お母さんはこう思ってるけど、○○ちゃんはどう思う?」と聞いてあげてください。親と子の意見は別ものだとお互いに認識することが大切です。たとえば毎朝の洋服選びのとき、親が決めたものを無理に着させたり、子ども自身が選んだものにダメ出しをしたりしていませんか?「○○ちゃんが選んだお洋服、可愛いね。でも今日は寒くなるみたいだから、もう少し暖かい格好をしたほうがいいと思うんだけど、どう思う?」と、子どもの意見を一度認めてあげましょう。親と子が対等に意見を言い合える関係づくりを心がけてみてください。■ルールや決まりにとらわれすぎないルールを重視しすぎて大人の理想を押しつけてしまわないようにしましょう。家の中であれば、多少気ままに過ごしても誰にも迷惑はかけません。のびのびと過ごすことで、「自分の意思で行動してもいいんだ」という安心感を与えてあげてください。子どもがのんびり過ごしていると、ダラけているように見えて心配になりますが、「早く宿題をやっちゃいなさい!」と命令や指示をするのではなく、「何時になったら宿題を始める?」と聞いてみましょう。お子さんが自分の意思で行動できるように促してあげることが大切です。***「いい子でいてほしい」と願うのは親ならば当然です。しかし、過剰な期待を子どもに寄せるあまり、子ども自身が「親が望むいい子」であろうとすると、いずれどこかで無理が生じてしまうでしょう。そうならないためにも、親も子も理想を追い求めすぎずに、子ども本来の個性を認めてあげることが大切なのですね。(参考)ベネッセ教育情報サイト|「いい子症候群」とは?どんなお子さまに当てはまるの?exciteニュース|子を“いい子症候群”にする親の特徴exciteニュース|いい子症状群のまま大人になると、どうなる?PHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わる
2019年04月09日アイドルグループ・A.B.C-Zの戸塚祥太と、俳優の加藤和樹が出演する、舞台『BACKBEAT』のメインビジュアルが7日、公開された。同作は20世紀を代表する伝説のロックバンド・ビートルズが、もともと5人編成のバンドだったという、同バンド創成期のハンブルク時代を描いた、1994年公開の伝記映画『BACKBEAT』をイアン・ソフトリー監督自身が舞台化した作品。戸塚はビートルズ結成時のベーシストで、画家としても才能を発揮しながらメジャーデビュー目前の1962年に21歳で夭折したスチュアート・サトクリフを演じ、加藤はジョン・レノンを演じる。ビジュアルでは、戸塚、加藤、辰巳雄大、JUON、上口耕平による“5人のビートルズ”の姿が初公開。5人の姿を、ハンブルクでスチュアートと出会い恋人となる写真家・アストリッド(夏子)が撮影するビジュアルとなっている。東京公演は東京芸術劇場 プレイハウスにて5月25日~6月9日、兵庫公演は兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて6月12日~6月16日、愛知公演は刈谷市総合文化センター アイリス 大ホールにて6月19日、神奈川公演はやまと芸術文化ホール メインホールにて6月22日。
2019年03月07日アイドルグループ・A.B.C-Zの戸塚祥太と、俳優の加藤和樹が、舞台『BACKBEAT』に出演することが30日、明らかになった。同作は20世紀を代表する伝説のロックバンド・ビートルズが、もともと5人編成のバンドだったという、同バンド創成期のハンブルク時代を描いた、1994年公開の伝記映画『BACKBEAT』をイアン・ソフトリー監督自身が舞台化した作品。ビートルズ結成時のベーシストで、画家としても才能を発揮しながらメジャーデビュー目前の1962年に21歳で夭折したスチュアート・サトクリフ(戸塚)にスポットを当て、学生時代からの親友であり彼を敬愛していたジョン・レノン(加藤)、ポール・マッカートニー(JUON)、ジョージ・ハリスン(辰巳雄大)、ピート・ベスト(上口耕平)、そしてハンブルクでの運命的な出会いにより恋人となる写真家のアストリッド・キルヒヘル(夏子)ら、若者たちの揺れ動く心をストレートプレイで、初期ビートルズのサウンドに乗せて描き出す。翻訳・演出はオリジナルミュージカルの作・演出などにも高い評価を得ている石丸さち子が手掛ける。音楽は、自身のアーティスト活動と並行して様々なアーティストへの楽曲提供を行い、また石丸によるオリジナルミュージカル『ボクが死んだ日はハレ』の音楽を担い好評を博した森大輔が手掛ける。さらに鍛治直人、田村良太、西川大貴、工藤広夢、鈴木壮麻、そして1966年にビートルズが初来日公演を行った際に前座を務め、彼らの生の演奏を体感している尾藤イサオと、確かな実力と個性豊かなキャストが集結。東京公演は東京芸術劇場 プレイハウスにて5月25日~6月9日、兵庫公演は兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて6月12日~6月16日、愛知公演は刈谷市総合文化センター アイリス 大ホールにて6月19日、神奈川公演はやまと芸術文化ホール メインホールにて6月22日。○戸塚祥太 コメントジョン・レノンの親友であり、ジョンが認めた男、サトクリフを演じることができると知った時は嬉しすぎて、「やった! やったぞ!」と何度も心の中で叫びました。The Beatles関連の作品ということで、沢山の方の大切な記憶や体験、愛おしい楽曲群を汚すことなく、自分に与えられた役割を全うしたいと思います。改めてThe Beatlesの音楽に触れると、中学1年生の時に兄が持っていたベストアルバム「1」を、CDがボロボロになるまで聴いたことをふと思い出しました。訳もなく眠れない夜に寄り添ってくれた音楽を、今度は自分が演奏する番になり、不思議な縁を感じていますが、彼らの音楽をしっかり学んで演奏したいです。僕が演じるサトクリフは、みなさんが知っている世界最高のバンド、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴのゴールデンメンバーに、「もともと居た」人間です。訳あってThe Beatlesからは離脱しますが、芸術の才能がズバ抜けていて、バンドではベースを担当。演じるにあたり、かなりハードルは高いですが、ROCK and ROLLで今までの自分を壊して、新しい自分、仲間、作品に出会い、それを1人でも多くの方と共有したいです。最高のBACKBEATを奏でるので是非劇場に遊びに来てください。もしよろしければ、Twist and Shoutしちゃってください!○加藤和樹 コメント世界的なバンドで、存在を知らない人はいないThe Beatles。彼らの結成初期の物語である今作に出演するということは音楽に携わる身として、役者として大変光栄なことでもあり、プレッシャーでもあります。しかし、信頼する石丸さち子さん演出の元、個性的で素敵なメンバーたちと唯一無二の作品にできるよう、持てる全てをかけて臨みたいと思います。今のこの時代に、彼らの音楽が、生き様が我々に伝えてくれるものを皆さまに届けられるよう頑張ります。○石丸さち子(翻訳・演出) コメント自分に似た者など、理解できる者など、どこにもいない! と感じる青春の孤独。だからこそ、選ばれた者たちがひとたび出会うと、友情はほとばしるように生まれます。スチュアートは魂の叫びを絵筆に託し、複雑な生い立ちのジョンはロックに夢中になっていました。この二人が運命的に出会い、芸術とロックと愛と友情に揺れて荒ぶる時代を、ライブ演奏とともに描きます。本作は、未来を渇望する若者の繊細な心理を炙り出すストレートプレイですが、音楽は止まることがありません、だってBeatlesの物語ですから。
2019年01月30日あと1年後の2020年、いよいよ教育改革がスタートします。変化の激しい社会で活躍できる人材育成を目指して、戦後最大規模の教育改革が行われるのです。今後、子どもたちが学校生活や社会生活を送るうえで重要視されてくるのが「自主性」。そんな未来に向かって、子どもたちだけではなく、親の私たちも少し “意識改革” をしてみませんか。なぜ「自主性」が必要?2020年の教育改革。その大きな柱のひとつは、“アクティブラーニング” と呼ばれる「主体的・対話的で深い学び」です。これは、「生徒自身が主体的・能動的に参加する授業・学習」を意味しています。これまでは、先生による一方通行の授業がメインに行われ、「学んだことをきちんと理解しているか」の評価が大きなウエイトを占めていました。しかし、今後はそうではなくなります。知能や技能を習得するだけではなく、それを元に「自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」ことが求められてくるのです。今後、子どもたちにとって「自主性」「主体的行動」がとても重要な課題になってきます。「自主性」とは、そもそも「自分がやりたいことを見つけ、判断し、行動を起こすこと」。確かに、それを実践している子どもを想像すると、それだけでいきいきと輝いて見えますよね。余計な手出し、口出しをせず、じっと見守るでは、一体どうしたら「自主性」のある子に育つのでしょうか。明治大学文学部教授で、これまで100冊もの教育・心理関係の本を執筆した諸富祥彦さん、哲学者・心理学者で、大ベストセラー『嫌われる勇気』の共著者である岸見一郎さんが薦める方法をご紹介していきましょう。例えば、子どもがお店で何かを選んでいるとします。子どもがなかなか決められないでいるとき、つい「これにしたらいいんじゃない?」などと、親の都合で選ばせたりすることはありませんか?ほかにも、遊ぶおもちゃや着る洋服など、子どもの意見を聞く前に自分の考えで決めてしまうことはないでしょうか。子どものために、と余計な先回りをしてあれこれ手を差し伸べること(=過干渉育児)は、子どもの自主性ややる気を奪ってしまうのだそう。「じっと子どもがやっていることを見守って、子どもが失敗しようが何をしようが自由に遊ばせるのが大事」と諸富さんは言います。ただ、ひとつ注意点が。“見守る” ときに、「スマホをいじりながら」はNGだそう。「“見守る”とは裏を返せば、“いつでも出て行けるように用意をしておく”ことでもあります。スマホばかり見ていたら、子どもが危ない場面に遭遇したときに、ぱっと俊敏に動くことはできないはずです」(岸見さん)。「“過干渉”と“無関心”は違います。子どもは1人で遊んでいるように見えても、時々親が自分のことを見てくれているか確認しています。親が自分のことを見守ってくれていると感じると、安心してまた自分の世界に戻っていけるのです」(諸富さん)見放すのではなく、見守る育児。簡単なようで、意外と難しいことかもしれません。つい手出し口出ししたくなるときも、時間がかかってじれったい場面も、ぐっとこらえて “見守り” に徹してみましょう。そうすれば、きっとお子さんの自主性は自然と育まれていくはずです。子どもの自主性を重んじながら注意する方法「自主性を重んじて、じっと見守る」といっても、ゲームばかりして勉強しない子どもを見守るわけにもいきませんよね。ほかにも、「部屋を片付けない」「朝なかなか起きない」などの問題があるでしょう。「~~しなさい!」と頭ごなしに叱るのは簡単ですが、子どもはその通りには動いてはくれないもの。親の意見を一方的に押し付けることなく、自主性を重んじながら注意する方法、声かけをご紹介しましょう。■意見を伝える前に「前置き」をする「最近のあなたの様子を見ていると勉強をしていないようだけれども、勉強について一度話し合いをしてみない?」などと「前置き」を入れながら、まずひと声かけるのが有効。この声かけをすることで「子どもの課題」が「親と子どもの共同の課題」となるのです。もし親がこのあとになにかしらの意見を伝えたとしても、子どもの課題や問題に「土足」で踏み込むことにはならないでしょう。■子どもに相談をする「お母さん、仕事に遅刻するわけにはいかないから、あなたが毎朝寝坊しないようにしてくれたら嬉しいんだけど、一体どうすればいいかしらね。何かいい考えはある?」など、子どもに積極的に相談するのも◎。子どもは親から対等な存在と認められたと感じ、解決策を一生懸命考えて提案してくれるのだそう。自分で考えた解決策ならば、子ども自身が納得しているため、実行に移しやすいということですね。■「偉いね」ではなく、「ありがとう」を問題が解決した場合に必ず伝えたいのが「ありがとう」という言葉。つい、「偉いね」と言ってしまいそうになりますが、子どもを対等な存在として、協力してくれたことに感謝し、ありがとうと伝えるのが適切だそう。子どものほうも、『親の役に立てた』という自信につながります。■丁寧な言葉使い、「NO」と言える余地を残す子どもに対して、なるべく丁寧な言葉使いをすることも大切です。お願いする場合も、「~~してくれませんか」「~~してくれたら嬉しいんだけど」というように子どもが「NO」と言える余地を残しましょう。こうやって見ると、私たち親の心がけや根気が必要な内容ばかりですね。でも、ここは可愛い我が子の明るい将来のためにぐっと耐えて頑張りましょう!自分で“選ぶ”大切さ「自主性」を育むうえで切っても切り離せないのが「自己選択力」。昨今注目を浴びる、モンテッソーリ教育でも重要視されている能力で、諸富さんも「自己選択こそが人生なのです」と言っています。ズバリ、自己選択力を高めるポイントは、極力自分で選択させること。例えば、シャツ、ズボン、スカートなど洋服を決める際は、「今日はどっちにする?」と2択にしてあげると良いそう。ただ、5歳以下の子どもの場合、3つ以上の選択肢から選ぶのは難しいので気をつけます。また、大人が選択肢をまったく挙げず、「どうするの?」と問うのも小学生以下の子どもには難しいので避けましょう。タイガー・ウッズやイチローといった超一流アスリートたちも、ゴルフや野球を親からやるように指示されたことはなかったそう。「ゴルフが好き」「野球が好き」という根っこがあり、さらに「自分で選択した」という始まりがあるからこそ、さらなる高い境地を目指してこられたのかもしれませんね。文/鈴木里映(参考)日経DUAL|過干渉育児の恐ろしい弊害子育ては根気が一番ベネッセ 教育情報サイト|2020年大学入試改革で教育が変わる!学研キッズネット|子どもの自主性についてアドラー流で考える藤崎達宏(2017),『モンテッソーリ教育で子どもの本当の力を引き出す!』,三笠書房
2019年01月19日今は小学校入学前に平仮名や片仮名をマスターする子が大半で、なかには足し算や引き算、英語ができる子もいるようです。我が子も遅れを取らないように早期教育を行うべき?いったい何歳から始めればいい?そんな焦る気持ちになりますが、誤ったやり方をしないように、まずは早期教育について知っておきましょう!そもそも早期教育って?早期教育とは小学校に入る前から教育を取りいれること。胎児・乳児期に行うものは、超早期教育と呼んだりもします。早期教育を行う機関や家庭で読み書きなどを教えたり、英語やピアノ、スイミングなどの習い事を早い段階から始めることなどです。「2~3歳から始める〇〇トレーニング」や「頭のいい子に育つ〇×式子育て」なんてキャッチフレーズも目にしますよね。0~5歳は脳の神経系が急激に発達するので、この時期から経験させることでその子の能力や関心を高めることが狙いと言われています。ただ、その効果は、実はまだ明確に証明されていないのです。専門家や教育に携わるプロの間でもさまざまな意見に分かれているのは現状です。では、結局どうするのが正解なの?という疑問がわきますよね。判断材料となる、早期教育のメリットとデメリットをご紹介しましょう。早期教育のメリット〇子どもの得意分野を知り、伸ばせるスポーツ、音楽、芸術分野……我が子は何に興味があり、何が得意なのか。幼児期の習い事は、そんなことを知る良いきっかけになります。サッカーやピアノ、スイミングなどを体験させる中で、子どもの得意分野がわかってくるでしょう。おっとりしている性格だと思っていた我が子が、実は負けず嫌いだったなど、意外な発見もあるかもしれません。そして、子どもは楽しみながら自分の能力を高めていけます。〇子どもに自信がつく早期教育や習い事を通し、先生や親に褒められたり、時には失敗や困難を乗り越えたりすることで、子どもは自分に自信をつけていくことができます。また、小学校で習う前に平仮名や片仮名、漢字、足し算や引き算を学んでおけば、最初の段階で授業についていけずにつまずく、ということもありません。「私はできる!」という自信は、その後の学習意欲にもつながってくるのではないでしょうか。〇脳の働きに大きく影響子どもの脳の神経系は0~5歳の時期に最も発達すると言われています。そのため、早期教育を行う機関などでは、好奇心が旺盛で、脳が柔軟な子どものうちに教育を開始して脳を活性化することで将来も優秀な人間に育つ、という考えに基づいて行われています。行っていない子に比べて、高い基礎学力を身につけることができると言えるでしょう。早期教育のデメリット●インプット教育の弊害新しい情報を与えることはとても大切ですが、一方的に何かを教え込むインプット教育を続けていると、子どものやる気がダウンしてしまいます。「お母さんに教えてくれる?」など、アウトプットの機会をはさむことで、子どものやる気も学習効果もアップするようです。●自主性の抑圧早期教育はパターン化され、それに反応するという受け身の学習、訓練が多いと言われています。また、「早くできるように」と親が先回りして無理に教えたりすることも良くありません。子どもの自主性・創造性の領域の発達が抑圧され、受け身的になってしまう危険があります。子どもの自主性を育てるためには、親は過度な口出しをせず、失敗もつまずきも見守る姿勢をつらぬくことが大切です。●親同士の競争になってしまいがち「友達の××君が始めたから」「〇〇ちゃんはもうできるから」と他の子と比較し、子どもに過度の期待を押しつけないように気をつけないといけません。親の方が早期教育にハマり、「もっと早く、もっと正しく」と求めすぎると、子どもは精神的に追い詰められてしまいます。親自身がライバル心をコントロールできるようにしましょう。教育学博士・教育カウンセラーの諸富祥彦氏は、著書の中でこう書いています。早期教育をやるかどうか決めるときは、「お子さんの能力」よりも、子どもと親がいっしょに楽しんでできるかどうかを、真っ先に考えるべきなのです。お母さん自信が「誤りを許せない」完璧主義、「ほかの子と張り合ってしまう」ライバル心を抑えられないようなら、早期教育はおすすめできません。(引用元:諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版.)早期教育を始めるか検討の際には、これらのメリット、デメリットを踏まえた上で、お子さんに必要かどうかを判断するのが良さそうです。“教えない”という早期教育にも注目を「子どもが将来困らないように、できる限りの教育をするのが親の役目」「子どもの学力や将来は親から与えられた教育の質や量が影響する」そんな風潮から、我が子にも幼いうちから何かしてやらなければ、と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、諸富氏によれば、子どもの教育において重要なのは、親が何かを「させる」ことばかりではない、とのこと。余計な手出し、口出しをしないこと、子どもの内的な成長をじっくりと見守るということも親の大切な役割のひとつだと指摘しています。人間には一人でいるときにしか起こらないある種の内面的成長があり、そのため、一人になって自分と対話する時間を持たず、絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかりいると、想像力や創造性の発達が妨げられるのだそうです。また、共働きの保護者に向けた役立つ情報を提供している『日経DUAL』の記事内では、早期教育について取材した記者が次のように語っています。脳科学分野の権威である小泉英明さんは、「小さいうちにそういった“不自然な教育”に時間を取られて本来伸ばすべきことがおろそかになる」という状況を懸念していました。知育よりも、子どもの意欲を伸ばすことのほうがはるかに大切で、脳が内側から外側へと進化した人類の進化の順に照らし合わせ、「意欲」や「やる気」が関わる脳の内側をまず鍛えるのが一番なんだそうです。(引用元:日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由)様々な考え方がある早期教育。焦らずに、また周りと比べることなく、親子が納得して楽しめるものを探した先にあるのが“答え”なのかもしれません。文/鈴木里映(参考)マイナビウーマン子育て|「早期教育」はどのような教育法?その種類や実践する際の注意点などALL About|早期教育のメリット・デメリット日経DUAL|“教えない”早期教育を脳科学者らが勧める理由諸富祥彦(2010),『女の子の育て方』,WAVE出版ベネッセ教育情報サイト|インプットよりアウトプットで子どもは伸びる
2018年11月13日アイドルグループ・A.B.C-Zの戸塚祥太が9日、主演ミュージカル『恋する・ヴァンパイア』(・はハート)の公開ゲネプロに登場し、共演の京本大我(SixTONES/ジャニーズJr.)、樋口日奈(乃木坂46)とともに取材に応じた。同作は2015年に上映された同名映画の連動展開として、ストーリーを刷新。ヴァンパイアの哲(戸塚)、人間の女の子・キイラ(樋口)との恋心を描く。戸塚によるギターの弾き語りや、男性陣のヴァンパイア対決も行われる。制作発表では体重を落としたと発言していた戸塚だが、稽古を進めるにつれ「(体重を)戻しました。落としてたらやっぱり違うなと思って。7〜8kg落として、7〜8kg戻りました」と告白。「ロバート・デ・ニーロです!」と自称した。ヴァンパイアはものを食べないと思ったが、「ヴァンパイアも血を吸わなきゃダメだと思ったので、栄養を摂ろうと思って」と意図を明かした。一方、筋肉を増やしたいと言っていた京本は「筋肉は落ちました。稽古もハードだったり、ライブもあったり、思ったような体にはならなかったんですけど、役作りをしているうちにいつもの京本大我に比べたらカッコつけられるようになりました」と自信を見せる。「いつもへなちょこなんですけど」と明かすと、戸塚は「そうなの!?」と驚いていた。ミュージカル経験の豊富な京本について、「ミュージカル界のスターだなと思って。勉強させてもらった」という戸塚に、「いやいや! 今からできないです、もう!」と恐縮する京本。戸塚が「『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリングだと思い込ませてもらって。僕はライアン・ゴズリングです!」と宣言すると、先ほどはロバート・デ・ニーロを自称していたために、京本と樋口から「いろんな方が出てくる」とつっこまれた。少年隊の錦織一清もイメージし、「仕上がりは2000%です」という戸塚。しかし、京本がウィンクを披露すると少し笑いが起こっていたため、「マジかよ! 2000%じゃないじゃん!」と焦った様子を見せる。京本も「嘘でしょ!? 笑う!? キャーってなって欲しいんですけど!」と驚いていた。
2018年03月09日「変な役がたくさんやれた1年でした(笑)」――。間宮祥太朗は2017年をそんな言葉でふり返った。金髪のハーフという役柄で、ふんどしを締めて太鼓を打ち鳴らした『帝一の國』の公開に始まり、周囲の“グンマ愛”に困惑し、翻弄される童貞高校生を演じた『お前はまだグンマを知らない』に、鳥人間コンテストに青春を燃やすも、実はプレッシャーに弱いカナヅチの強面パイロットを演じた『トリガール!』。そして“家族愛”を合言葉に殺人を繰り返していく殺人犯役で主演を飾った『全員死刑』。見る者を困惑させるほど、作品ごとに全く異なる人間になり切り、スクリーンの中をところせましと暴れ回った。2008年、15歳でデビューして、ちょうど10年になる。飛躍の2017年を経て、20代の折り返し地点を迎える勝負の1年が幕を開けた。先日、放送が始まった連続ドラマ「BG~身辺警護人~」に続き、映画では人気漫画を原作とした異色のスリラー・エンターテインメント『不能犯』が公開。間宮さんが演じたのは、原作にはない映画オリジナルキャラクター。昨年、演じた個性的な役柄と比べて地味に見える?いやいや、奇抜な設定に頼ることのない俳優・間宮祥太朗の本当の魅力、実力を存分に味わえるはずだ。“不能犯”とは、犯罪を意図していたとしても、常識的に考えて実現不可能な行為のことで、たとえ相手が死んでも、罪に問われることはない。本作の主人公・宇相吹正(うそぶき・ただし/松坂桃李)は、マインドコントロールによりターゲットに幻覚を見せることで、死へと追いやってゆく。この宇相吹というダークヒーローに、殺人を依頼する者、そのターゲットとなる者たちが人生を翻弄されていく様を描いた本作。間宮さんは「すごく好きなテイストの作品でした」と明かす。「ひとつひとつの事件、登場人物たちの思惑が見事に微妙にずれて行ったり、すれ違ったりして、一筋縄ではいかないところが面白いと思いましたね。もともと、人間の感情の行き違いであったり、精神の暗い部分がすごく好きなんです(笑)。善と悪のライン、正義というものが曖昧さをまとっているところに面白さがあると感じました」。近隣に住む夫妻の妻に嫌がらせを繰り返す町内会の会長、両親の離婚が原因で全く異なる人生を歩むことになった姉妹など、様々な思惑や怒り、復讐の念を抱えた人々の皮肉な運命が描き出される本作。愛する人、大切な人のことを自分はどこまで信じることができるのか?その信頼の深さが試されると言える。「疑うよりも信じるって、やはり難しい。すごくきついことだと思う。宇相吹はそこにある種のあきらめを持っているのかもしれない」と語る間宮さん。彼自身の他人への“信頼”に対する考えもまた、独特で興味深い。「僕は、相手を信じる気持ちは強いと思います。例えば誰かに対して『こいつはいいヤツだ』と思ったら、その自分の感覚を信じます。ただ、それが裏切られたとき、『こんなに信じていたのに!』という気持ちにはならないですね。『信じる』という気持ちも『信じてたのに裏切られた!』という気持ちもどちらもこちらサイドのものですよね。僕は、裏切りやウソって、どこにでもありうるものだと思うんです」。決して他人や人間関係を醒めた目で見ているわけではない。むしろ、他人への愛情は深い方だと自覚しているという。それでも、相手が同じ愛情や信頼を自分に向けてくれていると盲目的に信じることもないし、何があっても不思議はないと想像している。「自分のことをすごくよく言ってくれている人間が、実は知らないところで僕の悪口を言っているとか、もちろん、信じたくないけど…あるかもしれないなぁって(笑)」。それは無意識に、自分の中で最悪の事態を想定し、そうした事態に遭遇した場合のショックを和らげようとする“防衛本能”と言えるのかもしれない。「そういう部分はあると思います。自分に飛んできた矢をよけようという発想なのかもしれません。かといって、他人にあまり深い愛情や信頼を持たないようにと考えているわけでもないんですけど。これは信頼や愛情だけでなく、事故や病気も同じなんですけど、どんなこともありうるんですよね。ニュースを見て、いろんなことが起きてて、それがどうして自分には起こらないって思えるんだろう?って考えますね」。そんな男のことだから、当然、ここ数年の話題作への出演が続く状況にも全く浮かれるところはない。「自分の体感は別として、客観的に見て、ドラマや映画で主演をやらせていただいたり、より重要な役を任せていただけるようになってきたのは事実ですが、実感としては何も変わってないというか、“いつも通り”なんですよね」。まごうことなき“イケメン俳優”ではあるが、正統派の主人公や端正な顔立ちを活かした“王子様”のような役よりも、先述のように個性的な役柄を任されることが多い。ひとつのポジションを確立したとも言えそうだが…。「最近も、ドラマの現場でスタッフさんに『間宮くんは普通の役はやらないの?』って聞かれました。全然、普通の役もやりたいですけど…(笑)。ただ、“変”と言われる役をいただけるのを僕自身も楽しんではいますね」。そもそも、仕事のオファーに対し、自分で選ぶこともなければ、この先を見据えて「こういう役をやりたい」といった思いを周囲に伝えることもないという。「あえてそうしているというより、15歳でこの世界に入って、そのままずっとそうやっているという感じです。あまり『これからこうなりたいから、こんな作品に』とか考えることもないですし…。『いま、これが楽しい』という思いでずっとやってきて、それが当たり前になってるんですよね」。『帝一の國』で共演した菅田将暉や竹内涼真など、いわゆる“ブレイク”を果たした俳優が同世代にも存在する。彼らに負けたくないという気持ちがないわけでは決してないだろう。だが、先ほどの、他人への信頼の話ではないが、決して醒めているわけでも、距離を置いているわけでもなく、人気や熱狂、世間というものを冷静に見つめている。「人気とかブレイクって、それを維持することがすごく難しいんだろうなと。それは、何となくわかります。僕自身、普段から流行りやブームで何かを好きになることが少ないし、一度、好きになったらずっと好きということの方が多いんです。ただやはり、世の中には流行りや“今年の顔”みたいなものがある。でも、例えば同じお菓子を毎日食べ続ければ飽きちゃうのと同じで、俳優であれ音楽であれ、芸人さんのネタであれ、同じものをずっと見せ続けられたら消費され尽くして、飽きちゃうのは事実ですよね。だからこそ、何かを長く続ける、その状態を維持するっていうのはすごいことで、大変なことなんだなって感じてます」。(text:Naoki Kurozu/photo:You Ishii)
2018年02月05日仲良し芸能人たちのプライベートに密着して「笑いの神」が降りてきた瞬間を紹介する「笑神様は突然に…」の2時間スペシャルが、女優の綾瀬はるか、俳優の間宮祥太朗ほか豪華ゲストを迎えて、9月25日(月)今夜放送される。いまでは一般化した「笑いの神が降りてきた」というフレーズ。仲のよい芸能人や意外な組み合わせの芸能人数組のプライベートにカメラが密着、ゆるい雰囲気のなかで不意にやってくる“笑いの神が降りる瞬間”をピックアップすべく、「段取り」なし、「時系列」無視、「面白くないところ」は全カットで送るロケバラエティーである本番組。今回は「細川たかしもあるある言うよ!素敵な秋の小旅行2時間スペシャル」と題してお届けする。MCは内村光良、“笑いたいゲスト”として綾瀬さんが出演するほか番組おなじみ「鉄道BIG4」ロケには特別ゲストとして叶美香、「乃木坂46」から生駒里奈が参加。MC内村さんの故郷・熊本でSLの旅を楽しむ。また演歌界の重鎮・水谷千重子御一行による大阪ツアーでは演歌界の大御所・細川たかしが登場、「USJ」のミニオン・パークなど観光名所を巡る。さらに将棋棋士の加藤一二三とモデルの滝沢カレンがまさかの軽井沢デート。展開が予測不能な個性の強い2人による軽井沢の旅は必見。「千鳥」の島シリーズは福岡県の能古島へ。「尼神インター」に加え「千鳥」とロケをしたいと言っていた間宮さんが加わり、島の産直市「のこの市」に立ち寄ったりマリンスポーツを楽しむなど島を満喫する。今回の“笑いたいゲスト”綾瀬さんが主演を務める日本テレビ系新・水曜ドラマ「奥様は、取り扱い注意」は10月4日(水)22時~放送スタート。初回10分拡大。本作で綾瀬さんが演じるのは料理も掃除も家事一般はド下手だけど、正義感が超強く、怒らせたら超キケン!天涯孤独に生まれ育ち、愛情も知らずタフに生きてきた伊佐山菜美。夫にも秘密にしている過去を持つ彼女が、主婦たちとの友情や、そばに寄り添う旦那の存在によって、本当の優しさと温かさを知っていく物語になっており、広末涼子と本田翼が“主婦友”役を、西島秀俊が夫役を演じるほか、石黒賢、中尾明慶、銀粉蝶らも共演。1話には倉科カナもゲスト出演する。「千鳥」のロケ企画に出演する間宮さんは、映画初主演作となる問題作『全員死刑』が11月18日(土)から公開。2004年に福岡・大牟田で発生し、家族4人全員に死刑判決が下ったという「大牟田4人殺害事件」を自らの武勇伝として語り、現在も死刑囚として投獄中の次男が記した手記をモチーフに映画化するもので、困窮した生活を送っていた4人のヤクザ一家が、近所の資産家一家の1人を殺害したことをきっかけに、監禁、暴行、絞殺、毒殺、銃殺と連続殺人へとエスカレートしていった様を、実行犯の次男の目線で描き出す。豪華ゲストたちに“笑いの神”は降りるのか!?「笑神様は突然に…」2時間SPは9月25日(月)21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2017年09月25日俳優の間宮祥太朗が主演を務める映画『全員死刑』(11月18日公開)の場面写真が7日、公開された。同作は2004年に福岡・大牟田で発生し、被告である家族4人全員に死刑判決が下った「大牟田4人殺害事件」の次男が記した手記をモチーフに、26歳の小林勇貴監督が映画化。家族想いのタカノリ(間宮)は、借金を抱えた組長の父・テツジ(六平直政)とヒステリックな母・ナオミ(入絵加奈子)、愛する彼女・カオリ(清水葉月)を守る為、姑息な兄サトシ(毎熊克哉)と共に、近所の資産家一家の現金強奪を計画したが、息子を殺してしまったことからエスカレートしていく。間宮は、背中から胸に掛けてパックリと割れたタトゥー姿に挑戦。色気と狂気をたたえた表情で、リアルなタトゥーを再現した。『孤高の遠吠』などで数多くのヤンキーに取材を重ねてきた小林監督のこだわりが詰まっているという。また、銃を手にする姿や、彼女を押し倒す姿など刺激的な場面も多く、爽やかなイメージとは違った姿を見せた。(C)2017「全員死刑」製作委員会
2017年08月07日映画『帝一の國』や『トリガール!』、窪田正孝主演ドラマ「僕たちがやりました」などで活躍する人気若手俳優・間宮祥太朗が映画初主演を務める『全員死刑』。その公開日が11月18日(土)に決定、間宮さんの衝撃タトゥー姿をとらえた場面写真が解禁された。家族想いの主人公タカノリ(間宮祥太朗)は、借金を抱えた組長の父・テツジ(六平直政)とヒステリックな母・ナオミ(入絵加奈子)、愛する彼女・カオリ(清水葉月)を守るため、姑息な兄サトシ(毎熊克哉)と共に近所の資産家一家の現金強奪を計画する。しかし、あまりにもお粗末な強盗の末、資産家の息子を殺害してしまい、事態はエスカレート。ひとり殺すなら全員殺すも同じ!?家族総出の資産家一家狩りがはじまった――。本作は、2004年に福岡・大牟田で発生し、家族4人全員に死刑判決が下ったという「大牟田4人殺害事件」を自らの武勇伝として語り、現在も死刑囚として投獄中の次男が記した手記をモチーフに映画化した問題作。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2016グランプリ『孤高の遠吠』(’15)で、本物のヤンキーを映画出演させ、映画界を揺るがせた26歳の新人監督・小林勇貴が、『冷たい熱帯魚』『凶悪』の製作陣とタッグ。借金を抱え、困窮した生活を送っていた4人のヤクザ一家が、近所の資産家一家の1人を殺害したことをきっかけに、監禁、暴行、絞殺、毒殺、銃殺と連続殺人へとエスカレートしていった様を、実行犯の次男の目線で描き出した。主演の次男・タカノリ役には、これが映画初主演作となる間宮さん。長男・サトシ役には、第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門作品賞『ケンとカズ』で2016年スポニチグランプリ新人賞を受賞した毎熊克哉、その父に六平直政、母に入絵加奈子、タカノリの彼女役に清水葉月と新旧の実力派俳優が小林監督の稀有な才能に惚れ込み結集。わずか3日間の、あまりにも無謀で狂気じみた衝撃の物語が繰り広げられていく。このたび、その本作の最新場面写真が解禁。これまで、イケメンを封印した猟奇殺人犯や凶暴すぎる男から、風変わりなコンビニ店員、漫画から抜け出たような金髪の御曹司など、幅広い役柄をこなしてきた間宮さん。本邦初公開となる場面写真は、彼の背中から胸に掛けて入った見事なタトゥー姿。憂いを帯びた表情には色気とヤバさが漂い、本作が表現する狂気性があらわになった1枚といえる。刺青の入れ方には、『孤高の遠吠』などでこれまで数多くのヤンキーに取材を重ねてきた小林監督のこだわりが詰まっており、リアルさを追求したメイキング写真も合わせて解禁となっている。ヤバ過ぎるヤクザ役でさらなる新境地を見せる間宮さんに、目が釘づけとなりそうだ。『全員死刑』は11月18日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年08月07日ゲストのお悩みに史上最強弁護士軍団が白黒つける人気法律バラエティ「行列のできる法律相談所」。その7月23日(日)今夜の放送回は俳優の間宮祥太朗をはじめ、ミュージシャンの高橋優、モデルのみちょぱら豪華ゲストを迎え、ゲストたちが“恨みつらみ”を暴露する。この春公開された出演作『帝一の國』も大ヒットした間宮さん。そんな間宮さんだが中学生のときから憧れていた女優との共演が決まったある日、プロデューサーにのせられその女優の靴の匂いを嗅ぐことに。その後プロデューサーは女優本人に間宮さんの行為を暴露、間宮さんは恥をかいてしまったという。また『映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』の主題歌「ロードムービー」を歌っている高橋さんは「関ジャニ∞」の安田さんとカラオケに行った際にムチャぶりされることや、親戚からの“上から目線”について、人気モデルのみちょぱはモデル仲間と罰ゲーム付き変顔ゲームをした際、ゲームを提案したモデル仲間が最下位になり「罰ゲームをやらない!」と泣き出し、気まずくなってその後半年間口をきかなくなってしまったことや、行列メンバーである渡部建に対し根に持っていることなどをトーク。ドラマに映画にと大活躍の間宮さんだが映画『トリガール!』が9月1日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開となる。流されて流されて、なんとなく生きてきた、鳥山ゆきな。一浪して入った理系大学では、入学早々理系のノリにカルチャーショック!そんなとき、一目惚れした高橋圭先輩に「いいカラダしてるね」と殺し文句で誘われるまま、フラフラとサークルに入部。そのサークルこそ、毎年2人乗り人力飛行機で“鳥人間コンテスト”を目指す人力飛行サークル「T.B.T」だった。憧れの圭先輩と2人っきりで大空にはばたくはずが…ヤンキーかぶれのくせにメンタル最弱の坂場先輩とコンビを組むことに…。土屋太鳳、間宮さん、高杉真宙など注目のキャストたちが集結、人力飛行サークルを舞台に描く青春エンターテインメント映画となる。間宮さんの“衝撃”告白にも注目の「行列のできる法律相談所」は7月23日(日)21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2017年07月23日ザ・リッツ・カールトン京都では、館内の「ザ・ロビーラウンジ」にて、ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)と京焼の窯元・嘉祥窯のコラボレーションによるアフタヌーンティーを提供する。期間は、2017年6月22日(木)から9月30日(土)まで。茶道とともに発展し、茶人たちの美意識に沿って多様な作風が創造されてきた京焼。嘉祥窯は、京焼の伝統を受け継ぎながらも、新しい作風を生み出し続けている窯元で、今回のアフタヌーンティーのために、「和」テーマにした専用の茶器を製作した。アフタヌーンティーのスタンドは、お寺の三重塔に見立てたデザインが特徴。京都産の檜を使用した、円錐形の立体の芯を中心に、大・中・小のサイズ別のフラットなプレートをはめることで、軽やかなデザインにリズムが生まれるよう演出。盛り付けたお菓子がすべて美しくみえるようデザインされている。そんな茶器を彩るのが、ピエール・エルメ・パリによる新たなメニューだ。さくらんぼのコンポートとシラーワインジュレ、バジルチキンと夏野菜のサンドイッチなど旬の食材を取り入れたセイボリーに加え、ピエール・エルメ・パリの代表フレーバーであるイスパハンのケーキをはじめ、オレンジとパッションフルーツのゴールデンコンビネーション「サティーヌ」のスコーンやケーキ、タルトなど、嘉祥窯の器に映える美しいデザートの数々が楽しめる。フランスと日本、二つの国の伝統が融合したユニークなアフタヌーンティーで、優雅な午後のひと時を過ごしてみてはいかがだろう。【開催概要】ピエール・エルメ・パリ×嘉祥窯 コラボレーションアフタヌーンティー提供期間:2017年6月22日(木)〜9月30日(土)時間:・平日 11:00〜17:00 (17:00 ラストオーダー)・土日祝日 12:00〜17:00(17:00 ラストオーダー)料金:平日 4,882(税込)、土日祝日 5,492(税込) ※サービス料込み。場所:ザ・リッツ・カールトン京都 1F 「ザ・ロビーラウンジ」※アフタヌーンティーのメニューは期間中変更となる場合あり。(時期未定)<予約>レストラン予約直通TEL:075-746-5522(受付時間 9:00〜18:00)
2017年05月25日俳優の間宮祥太朗、高杉真宙が、土屋太鳳主演の映画『トリガール!』(2017年秋公開)に出演することが10日、わかった。同作は中村航原作の小説を実写化し、鳥人間コンテストに挑む人力飛行サークルを舞台にした青春ラブコメ。土屋演じる鳥山ゆきなが、イケメンの先輩に一目惚れし、人力飛行サークルに入会することになる。間宮は"狂犬"と呼ばれ、ゴリラを倒したという伝説を持つ先輩・坂場大志、高杉はゆきなが憧れる天然王子様・高橋圭を演じ、ともにパイロットとしてゆきなと鳥人間コンテストに挑む。間宮は「毎日、プランを考えた芝居ではなく、シーン毎に土屋さんや高杉さんと、ぶつかり合って生まれるものを撮ろうという、組全体の雰囲気がある」と、現場の様子を表現した。「とにかく全力でこの作品と役の世界を信じて演じる事が出来ていて、凄く楽しいですし、凄く青春しているなって思います」と、撮影を振り返った。ふだんの間宮の印象を「豪快で繊細で知的で、現代に生きていらっしゃるのに幕末の志士のような雰囲気を持っていらっしゃるかた」と説明する土屋。さらに土屋は、間宮が役に入ると「刹那的にかっこよくてかっこ悪い最高の坂場先輩だったので、私はそこに全力でぶつかればいいだけでした」と述懐した。頼れる先輩と作品に関わり「懐の深い役者さんの胸をお借りして、ゆきなとしても土屋太鳳としても、思う存分暴れることが出来ました」と、役に対する自信を見せた。一方高杉は、自身の役について「天然の詐欺師の様なのに、悪気のない憎めない男です。今まで演じてきた役とは違うので、偽物にならない様に必死に取り組みました」と語る。さらに「実は元々『鳥人間コンテスト』を観ていた」と明かし、「今回の撮影で初めて琵琶湖に来ることが出来て、この場所で色んな方が飛んでいるんだと思うと感動しました」と、作中さながらにコンテストへの思いを表した。そんな高杉について、土屋は「共演が3回目なのに、そのたびに役と一緒に高杉くんの印象も違うため、『はじめましてだっけ?』とさえ思ってしまうんですけど、これは本当に凄いことだと思います」と印象を語った。土屋はさらに「常に役の人とお会いしてる感じ」と説明し、「現実に目の前にいるのに、ふとした瞬間に、その姿が幻に感じる時もあるような、不思議な存在感の魔性の役者さんだと思います」と感心した様子を見せた。また同作には、ゆきなの親友・島村和美役に池田エライザ、サークルの生き字引き的存在のOB・ペラ夫役にお笑い芸人・ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)、班を取りまとめる古沢役に矢本悠馬も出演する。
2016年08月10日女優・小松菜奈と俳優・間宮祥太朗が初共演した、dTVオリジナルドラマ『高台家の人々』(配信中)のメイキング映像が、このほど公開された。ドラマと連動している映画『高台家の人々』(公開中)は、妄想にふける内気なOL・平野木絵(綾瀬はるか)を主人公に、元華族・高台家の長男で人の心が読めてしまう光正(斎藤工)との"不釣り合いな恋"をなぞるストーリー。ドラマでの舞台は、映画の30年前で、若い頃の高台家の母・由布子(小松)と父・茂正Jr.(マサオ/間宮)が結ばれるまでの恋物語を描く。映像は、由布子が「そういうことじゃないの! あなたのそういう楽観的なところが嫌いなの!」との言葉と共に、マサオを突き放そうとする場面から始まる。語尾の「なの!」の語感や、その後の空気感までこだわりを見せる面々だが、テイクの合間にはキャストやスタッフらの笑みもこぼれ、落ち着いた現場の雰囲気がうかがえる。これは撮影の初日。手応えを問われた小松は「3回か4回くらいセリフが飛んだんですけど、でも皆さん優しくフォローしてくださって、楽しかったです」と口にする。また、初共演となる間宮との手つなぎシーンでは、"照れ"も見られたようだが、「それは芝居ですよー」といたずらな笑顔を見せている。一方の間宮は小松を「とにかくものすごく鎌倉が似合う」としながら、「目が印象的な良い女優さん」と評価。演技の後に、スタッフから自身が演じる「マサオに似てきたね」と称賛を受けると苦笑しながらも自信の表情をのぞかせる。ラストには、クランクアップ時の現場の様子も収められている。スタッフの拍手に囲まれながら、間宮からプレゼントも手渡された小松は「ドラマから参加させていただいて、すごく現場の空気も穏やかで、いつも現場に行くのが楽しかったです」とニッコリ。「由布子役をできて……この作品に関われて本当に良かったです」と感慨を示した。(C)2016森本梢子/集英社・映画「高台家の人々」製作委員会・BeeTV
2016年07月07日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。入園・入学の時期、新学期のスタートが間近になりました。そわそわしている親御さんも多いと思います。同じようにお子様もドキドキしたり、ワクワクしていることでしょう。そんな中、この時期を楽しく過ごせない子どもがたくさんいます。いじめられている、不登校である、引きこもりだ、クラスを荒らしているなど、よく見聞きするのではないでしょうか。実は、このような行動をとる子どもたちの背景には共通点があったのです。そこで今回は、子どもたちの悩みを長年聞いてきたスクールカウンセラーの意見を参考に、問題行動の共通点についてお伝えしたいと思います。●問題行動の共通点は『自己肯定感の低下』子どもの『問題行動のすべての根っこに共通してあるのは、一つ。自己肯定感の低下』だと、明治大学教授でスクールカウンセラーの諸富氏はいいます。自己肯定感とは、自分をありのままに受け入れることができることです。自分のひどいところも、他人に嫉妬したりする気持ちも、もちろんうれしい気持ちも含めて、それが自分なんだと自身を認められることです。問題行動をとるような子どもは、「どうせ私なんか……」「どうせ僕はダメなんだ……」といったように、言葉にならない心のつぶやきが発せられているのです。自尊心が傷ついている状態 なのです。●自己肯定感を育てるには何が必要?問題行動の背景には自己肯定感の低下があるということをお伝えしました。では、どうやったら自己肯定感を育てることができるのでしょうか?同氏によると、『「自分は役に立てている」「自分は必要とされている」と子どもに感じさせることで自己肯定感を育てられる』といいます。次に、子どもに必要性や役立ち感をもたせることができる方法をご紹介します。●自己肯定感を育てる2つのアプローチ自己肯定感を育てるには2つの効果的なアプローチがあります。1つ目は、粘り強い肯定的な言葉かけです。自宅であれば、「ママはこれからクッキーを作るんだけど、○○ちゃんのお手伝いが必要なの 」というような語りかけです。このようなメッセージを送り続けることが大事です。「やーだよー」などと言われても、裏切られても見捨てずに、粘り強くかかわり続けることで、子どもの心にじわーっと自己肯定感を育むことができます。「○○ちゃんのことが必要なんだよ」というメッセージを伝えていくのです。2つ目は、自分は役にたてていると感じられる役割 を与えることです。私も2人の子どもがいるのですが、上の子は配膳係、下の子はテーブル拭き係、お箸を並べる係などと、係を決めて家事をやってもらっています。子どもは、「私にもできることがある」という感覚を抱けるようになり、自信をもつことにつながります。----------いかがでしたか?「忙しいと自己肯定感どころじゃないわよ!」という声も聞こえてきそうですが、思い出したときだけでもいいのでぜひやってみてくださいね!【参考文献】・『教師が使えるカウンセリングテクニック80』諸富祥彦・著●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年03月03日明治大学には、「婚育プログラム」なるものがあるそうです。これは文学部教授で心理学者の諸富祥彦氏が作成した「結婚能力」を育成するためのプログラム。また、NPO法人 日本結婚教育カウンセラー協会は、思春期の男女や結婚を考えている人、その両親までをも対象とした「婚育講座」というワークショップを開講。新しい家庭を作るにあたっての心構えなど、家庭内でよりよい人間関係を構築するための啓蒙を行なっているとか。画期的と思うか、面倒見が良すぎる…と思うかは人それぞれですが、最近はそんなことまで教えてくれるんですね。ちょっとびっくり。そもそも、「結婚能力」とは何なんでしょうか?やっぱり収入?それとも妻への忠誠心?先人の言うように最後は忍耐力なのかも…。わかっているようで実はよくわからないこの辺りを、30代の既婚のお姉さま方にいろいろ聞いてみました!【結婚能力って実際何なの?】結婚相手に求めるものというと安定した生活を送るための経済力や、お互いを思いやる優しさなどが思い浮かびますが、本当にそれだけ?妻が夫に求めている能力…実は他にもっと大切なことがあるみたいですよ!■ 経済力≠生活力。大切なのは、家事力!?・「家事を全くやる気のない男性は、いくら収入が多くても結婚能力が高いとは言いにくい気が。」(Aさん36歳・共働き)女性も社会で活躍する昨今、レベルは高くなくてもいいから男性にも平等に家事をしてほしい、と考える既婚女性は多いようです。それに、妻が病気や妊娠・出産などで動けない時や不在時に何もできない男性では、安心して生活できないとのこと。確かに具合が悪い時でも「僕のご飯は?」なんて言われたら…ため息をつきたくなりますもんね。たとえ専業主婦でも、子どもが生まれるとそれまでのように家事を続けることが困難になるため、お互いに不満がたまりやすくなる、という話もよく聞きます。■ 変化に対応できる柔軟性・「子どもが生まれた途端、夫の態度が急変。飯がまずいだの、掃除が行き届いていないだの、何かにつけて不平タラタラ。よくよく話を聞いてみると、どうやら『今までと生活が変わってしまったことに戸惑っている』ってことらしいけど…正直、家事と育児でヘトヘト、そんな余裕ありません!」(Hさん34歳・専業主婦)・「結婚して、今までのようにお金を自分の好きなように使えなくなってしまったことにやっと気付いた元夫。『結婚なんかしなきゃよかった』とか、『誰が食わせてやってると思ってるんだ』などと平気で口にするようになり(共働きなのに)、生活費を入れるのも渋るように。結局、それが原因で離婚しました。」(Kさん30歳・離婚経験あり)結婚しても生活は変わらない、むしろ楽になる…なんて甘い見通しのまま結婚し、現実とのギャップに愕然とする人や、年月とともに変化する環境についていけずに困惑する人、結構いるみたいですよ。まぁ、そういうのを乗り越えて、徐々に夫婦の絆が深まっていくものではあるのでしょうが…やはりそれなりの素質=柔軟性は必要になってくるみたいですね。【結婚力の高い男を見抜くには】家事力や柔軟性の有無が大切なことはわかったけれど、第一印象はもちろん、お付き合いの中でその辺りを見抜くのは意外と難しそう。そこで、前出の女性たちから「結婚向きの男性の選び方」をまとめてみました。彼女たちの旦那さまがこうした人物かどうかは別として、経験から来る忠告の数々…どれも含蓄がありましたよ!■ 地味でも実直な男性を選ぶべし・「結婚相手を選ぶなら、結婚と恋愛は別と割り切って。多少退屈でも顔がタイプじゃなくても、気持ち的に安定していられる穏やかで実直な相手を選ぶと安心して暮らせます。」(Gさん39歳・共働き)華やかな恋愛遍歴の持ち主が、エッと思うような地味な相手と結婚するというのは、その辺りの嗅覚が発達しているからなのかも。■ 一人暮らしの経験があればベスト・「万一の時のためにも、自分の身の回りのことを最低限こなせるスキルは必要。家事を甘く見ている人と結婚すると、本当に大変ですよ。」(Bさん36歳・育休中)能家事力や精神的な自立とイコールとは限りませんが、一人暮らし経験はないよりはあったほうがいい!という意見が多数でした。素直でおおらかな性格が一番!・「変な思い込みやプライドにとらわれずに、ちゃんと話を聞いてくれる素直な人となら、自分たちらしい家庭を一緒に作っていけるんじゃないかな。早い話、操縦しやすいというか(笑)。」(Hさん37歳・共働き)はじめは家事ができなくても、少々夢見がちでも、素直な心の持ち主は環境への柔軟性も高く、夫としての素養をイチから仕込んでいくことが可能とのこと。これらの条件を理想と取るか、打算と取るか。いずれにしても、ウン十年後の自分の幸せのために、もう一度「理想の結婚相手像」を考え直してみるのもいいかもしれません。(文=石村佐和子)彼が結婚相手に何を求めているかをチェック!名前で占うあの人が結婚相手に求めるもの【無料占い】()
2014年04月20日浮気なんかしたことがないのに「なんか浮気しそう」、「本気じゃなさそう」と誤解されてしまう。そんな人は、ほんの少し自分を変えるだけで、結果が違ってくるかもしれません。心理カウンセラーであり、『あなたが結婚できない本当の理由3日でできる自己改造術』の著者でもある明治大学文学部教授諸富祥彦氏に、「浮気しない人だ」と思ってもらえる方法についてお話をうかがいました。■「浮気しない」とまず言葉にすることが大事――実際に浮気をしたことがないのに、交際相手や気になる人から「浮気しそうだ」と思われてしまうのはなぜでしょうか?諸富先生「そう思われる人の多くは、自分の気持ちを明確な言葉にして相手に伝えていないために誤解されています。例えば『いつか浮気するんじゃない?』、『浮気したことあるでしょ?』と尋ねられたとき、『え~、浮気なんかしないよぉ~』、『そんなことないよ~』と、軽い感じでフニャフニャ答えたり、『浮気?何でそんなこと聞くの?』と答えをあいまいにしたりすると、相手からはまず信用されません。こうした質問にまじめに答えるのが照れくさくて、はっきりと答えない人も中にはいるかもしれませんが、今の時代、たとえ付き合っていても『以心伝心』は通用しません。恥ずかしくてもきちんと言葉にして『僕は(私は)絶対に浮気しない』と伝えることが大切です」■「浮気しない理由」も伝えること――では、自分の気持ちを言葉にして伝えたら「浮気しない人だ」と思ってもらえるのでしょうか。諸富先生「そうです。当たり前で簡単なように思えますが、意外とできていません。日本人は『言わなくてもわかるでしょ』、『そんなの当たり前じゃない』と思って、自分の気持ちを言葉にして伝えていない人が多いのです。また、『浮気しない』と言うだけでは信用してもらえません。『浮気しないよ』、『大丈夫だよ』という言葉だけを繰り返しても、むしろ『本当に?』と疑われるだけです。本当に浮気するつもりがない人には、『浮気しない理由』があるはずです。『浮気しない』と言うときに、その理由もきちんと言葉にして伝えなければなりません。例えば『結婚を考えて付き合ってるのに、浮気が原因で別れることになったら絶対にいやだから、浮気はしない』とか、『結婚したら家庭が一番大切だから、浮気でそれを壊すようなことは絶対にしない』というように、『浮気しない理由』を語ることで、初めて相手から信用されるのです」■「必要な言葉」を言わないために誤解が生まれる――ご著書の中で、結婚について女性と話しているときに、必ずといっていいほど出るのが「浮気」の話と書かれています。男性より女性のほうが相手の浮気に過敏なのでしょうか。諸富先生「ある調査で、『浮気ができるなら、浮気したいか』という問いに対し、女性は約8割が『したくない』と回答したのに対し、男性は約8割が『できれば浮気したい』と回答しています。この調査結果から考えると、「浮気をしない男性」は5人に1人しかいないことになります。つまり、男性より女性のほうが、浮気をしない相手にめぐり合う確率が低いということです。だから、恋愛や結婚において、男性より女性のほうが、相手が浮気しないかどうかが気になるのかもしれません。しかし、相手に浮気されるのではないかと神経をすり減らしながら恋愛を続けても、答えは出ません。そういうときは、まず『自分が相手に一番に求めるものは何なのか』を自らに問いかけ、自覚して、恋愛を見直すとうまくいきます」――相手ではなく、自分を分析するわけですね。諸富先生「『絶対に浮気されたくない』、『浮気は許せない』と言っている割に、『浮気するタイプの人』ばかり好きになる女性も実は大勢います。こういう人は、自分の価値観を自覚していないために、結果的にうまくいかない恋愛を繰り返しているのです。すし屋に行って、ケーキやハンバーグを注文するのと同じですから、ほしいものが手に入るわけがありません。たとえ、恋愛して結婚までうまくいったとしても、その後の結婚生活は破たんしてしまいます。自分が何を一番に望むのかを自覚して恋愛すれば、ミスマッチは起きません。『浮気しないことが一番大事』と思うなら、そういう人を探して恋愛することです。そうすれば、少なくとも不幸な恋愛、不幸な結婚は避けられます」。――「浮気しない人」は探し出せるものでしょうか?諸富先生「それは簡単です。気になる相手がいたら、突然、さらりとストレートに『結婚したら(付き合ったら)浮気すると思う?』あるいは『人生で一番大切なものは何?』と尋ねてみてください。答えに詰まったり、沈黙したり、『先のことはわからないな~』とあいまいに答えるようならNGです。迷いを見せず、すぐに『浮気はしないと思うよ』、『人生で一番大事なのは家庭(家族)かな』と答えるなら、まず浮気はしないでしょう。突然の質問には人は無防備になり、本音が出るものです。浮気しそうな人は、とっさにうそを言えないためあやふやに答えたり、間が空いたりします」――やはり、相手と十分コミュニケーションをとってお互いを正しく理解することが大事なんですね。諸富先生「恋愛において誤解が生じたり、こんなはずじゃなかったと後悔したりするのは、すべて『必要なことを言葉にして伝えていないために起こる』と言えます。自分のことを相手に理解してもらうには、自分の価値観を言葉にして伝えることが大切です。結婚を考えている相手ならなおさら、将来のビジョンを自分から率先して語ること。それが相手の信頼を生み、『浮気しない人だ』、『自分のことを真剣に考えてくれている』と思ってもらうことにつながります」「以心伝心」はもはや通用しない。そう自覚して、相手に誤解されないよう、自分の気持ちを言葉にして伝えることが得策のようです。監修:諸富祥彦氏。明治大学文学部教授。教育学博士。時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー。日本トランスパーソナル学会会長。『「とりあえず5年」の生き方』(実務教育出版¥1,470)、『【歳の差婚】の正体』〔共著〕(扶桑社新書¥798)など、著書は100冊を超える。『あなたが結婚できない本当の理由3日でできる自己改造術』 (アスキー新書¥780)では、婚活中の男女が結婚に至るまでの「ちょっとした気づき」や「ちょっとした変化」を起こすための具体的なヒントを多数紹介していて話題。(近藤雪江/ユンブル)【関連リンク】【コラム】恋人の浮気調査。どこまでなら許せる?【コラム】徹底調査!「浮気」と「風俗」どっちが悪い!?【コラム】女のカンを徹底検証!彼の浮気、どうやって見破ったの!?
2011年10月29日