約8割が「必要な衣服を買えなかった」経験あり「過去1年間に必要な衣服を買えなかった経験」について、回答者[1]の8割近くがその経験があると答えました。自由記述回答では、「服や靴が買えず、全員靴に穴が空いているため、雨の日が辛い」といった悲痛な声が寄せられました。7割超が「子どもの服の新調をあきらめた」経験ありひとり親家庭になって以降の衣服の使用・調達状況に関して回答[2]を得たところ、ひとり親家庭の保護者において、自身の古くなった服(破れている・形が崩れている・落ちない汚れがある等)を着続けることが「かなりある」回答者は38.3%、「まあまあある」回答者は46.0%に及びました。さらに、子どもの服について、「経済的に余裕がないことが理由で、子どもの服が古くなった時やサイズが合わなくなった時に新しく購入することをあきらめた経験がある」(「かなりある」「まあまあある」)と答えた回答者は7割を超える結果となりました。回答者からは下記のとおり、衣服にまつわる困難の声が寄せられました。・「まず食べること、学費、光熱費、家賃です。残りがあれば衣服を買いますが、ひとり親になってからは私の収入だけなので余裕がなく贅沢出来ません」・「私の普段着は、子どもの過去の中学校の服やジャージです。息子もジャージ着用しています。食べるのが精一杯なので、洋服まで手が回りません」・「普段のおかずを買うにもままならない状況の中、子ども達は状況を察してくれていて服を買ってほしいなどと言わなくなり、その子ども達の優しさに胸が苦しくなります」上記のコメントにみられるように、経済的に余裕のない暮らしにおいてかろうじて食費を賄い、ましてや十分な食事をとることさえ難しい状況において、家計の中で衣服に充てる費用の優先順位が低くなる家庭は少なくありません。そのような生活において、子どもの成長や年齢に合わせて衣服を用意することが難しい実情に苦悩する声が上げられました。・「中学生になり、息子は私の身長を越しました。カッコよく流行りのものも着たいだろうに、親を気遣って小さい私のパーカーなどを着て外に行きます」・「少しキツくても着てもらって、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。子どもの下着もたくさん買えないので、ヘビーローテーションで使ってもらい、時々乾ききらないものも着てもらうことがある」・「息子はサイズが小さくても我慢して、私にはあまり話しません。先日も『靴きつくない?』と確認したら2足がパンパンできつくって、なかなか言い出せなかったのかと思ったら、『気がついてあげられずごめん!』と思いました」衣服の困難が対人関係や学校生活に影響する場合も同アンケートの自由記述回答[2]より、衣服を十分に持てないことで、ひとり親家庭が心理面や人とのコミュニケーションにおいて不自由さを抱えているケースが明らかとなりました。・「同じ服ばかり着てる・ダサい、と周りから思われてるんだろうな、と人と会う時に萎縮する気持ちがある」・「子どもの保護者会に着て行くようなお洒落着も持ち合わせていないので、できるだけ、他の人とは関わらない様にしています」・「お友達と洋服の買い物をしてみたいと娘に言われても、経済的時間的な余裕のなさから応えてあげられません」・「子どもが友達と遊びに行く約束をしてきたときに、着ていく服がなくて、約束を断ったと聞いた」・「子どもが体育の着替えの時に、襟の所が少しだけ擦り切れている服を着ていて、お友達に『お前の服ボロボロ〜』と言われベソをかいて帰ってきたことがあり、ごめんねって言いながら抱きしめた」さらに、子どもの学校生活・行事等において、衣服に関する困難が顕著に表れる場合があります。・「制服の無い高校へ入学した息子の入学式のスーツが夏物しか買えなく、ペラペラで、周りから浮いていて、情けなかった」・「学校の運動会で、決まった色でなるべく柄が無いTシャツを着るように言われ、買えなかったので、Tシャツを裏返して着させてしまった」・「子どもから授業参観はきれいな洋服で来てと言われ、洋服が用意できず授業参観に行けなかった」※[1]アンケート(1)の回答者※[2]アンケート(2)への回答調査概要「ひとり親家庭の衣服の困りごとに関するアンケート」アンケート(1)・実施日程:2023年11月1日〜12月31日・対象者:「グッドごはん」への新規利用登録を行ったひとり親家庭で、ひとり親家庭等医療費受給者証の保有者(ひとり親家庭等医療費受給者証とは、18歳未満の子どもを養育し、所得が限度額未満かつ生活保護を受けていないひとり親家庭等に交付される医療費助成制度の医療証)・回答方法:アンケート回答フォームへの入力(オンライン)・回答者数:732名アンケート(2)・実施日程:2023年11月16日〜11月26日・対象者:グッドネーバーズ・ジャパン開催の衣服無料提供イベントに申し込んだ「グッドごはん」利用者※利用者は、ひとり親家庭等医療費受給者証保有者に限る・回答方法:アンケート回答フォームへの入力(オンライン)・回答者数:768名特定非営利活動法人グッドネーバーズ・ジャパン(マイナビ子育て編集部)
2024年02月06日趣里と三浦貴大が出演するドラマ「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」の主題歌に「THE YELLOW MONKEY」の新曲「ホテルニュートリノ」が決定。第1話無料配信も実施される。本作は、東洋経済オンラインで1億5000万PV突破の話題作「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」(東洋経済新報社刊)のドラマ化。経済誌の契約編集者である主人公・雁矢摩子(趣里さん)が、貧困女性たちの現実を取材しながら、自らの目線や体感を通して、社会の矛盾や貧困問題の巧妙な仕組みを浮き彫りにしていく。「THE YELLOW MONKEY」にとっては約4年ぶりとなる渾身の新曲「ホテルニュートリノ」は、昨年、ドラマが撮影されていた時期から作品に寄り添い、吉井和哉が書き下ろした。不穏な空気、世の中への不安感を、イントロのギターの歪みで表現。まるで主人公の女性たちの思いを代弁するかのような歌詞の世界観にも注目だ。そしてドラマ本編の第1話無料配信をWOWOWオンデマンド&WOWOW公式YouTubeにて実施。第1話は、摩子と祐二(三浦さん)が、風俗やパパ活で稼ぎながら国立大学の医学部に通う優花(田辺桃子)にインタビューを実施し、女性の貧困問題の実態に迫っていく内容となっている。さらに、スペシャルドキュメント映像の第2弾となる特別配信ドキュメント映像も、第1話の放送終了後よりWOWOWオンデマンド限定で公開。キャストの現場インタビューを中心に、主題歌を聴くことができる特別コンテンツだ。「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」は11月17日より毎週金曜日23時~WOWOWプライムにて放送、各月の初回放送終了後同月放送分をWOWOWオンデマンドにて一挙配信。(シネマカフェ編集部)
2023年11月18日趣里が主演する、社会の矛盾や貧困問題の仕組みを浮き彫りしたノンフィクションを題材にした連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」から放送直前ドキュメント映像が解禁され、WOWOWオンデマンド、WOWOW公式YouTubeにて公開開始。また、趣里さんや三浦貴大らの新場面写真も到着した。本作は、東洋経済オンラインで1億5000万PV突破の話題作、「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」(東洋経済 新報社刊)を連続ドラマ化。この度公開された放送直前ドキュメント映像は、計2本の映像となるスペシャルドキュメント映像の第1弾。普段ニュース番組などでドキュメンタリーを制作しているチームが撮影現場に密着、ドラマ本編の映像なども交えながら制作した特別コンテンツ。本作「東京貧困女子。」で描かれる内容はもちろん、どのようにして令和に実在する“貧困の実態”を描いたドラマが生まれたのか、制作の舞台裏に迫っている。動画内で語られる出演キャスト、制作スタッフがそれぞれ抱くドラマに対する思いにも要注目。また、インタビューを中心としたスペシャルドキュメント映像の第2弾となる特別配信番組は11月17日(金)23時30分より公開予定。さらに、90秒の長尺PR映像も公開中となっている。連続ドラマW-30「東京貧困女子。」放送直前ドキュメント映像はWOWOW公式YouTubeチャンネル、WOWOWオンデマンドにて無料配信(ログイン・登録不要)。連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」は11月17日(金)より毎週金曜23時~WOWOWプライムにて放送(第1話無料放送)、各月の初回放送終了後、同月放送分をWOWOWオンデマンドにて一挙配信。(シネマカフェ編集部)
2023年11月01日趣里主演、1億5000万PV突破のノンフィクションを映像化する連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」の特報映像とともにポスター、オールキャストが解禁。また、放送日時が11月17日(金)23時に決定した。経済誌の契約編集者である主人公・雁矢摩子(趣里)が貧困女性たちの現実を取材しながら、自らの目線や体感を通して、社会の矛盾や貧困問題の仕組みを浮き彫りにしていく。この度解禁したポスタービジュアルは、新宿にて撮影したカットをそのまま使用し制作。実話をベースに描かれる本作ならではの世界観を象徴したデザインとなった。そして、経済誌の契約編集者である雁矢摩子の相棒となるライター・崎田祐二を三浦貴大が務めることが決定。共演経験も多い趣里さんと三浦さんの2人が今回は編集者とライターの間柄でバディを組み、役を通して様々な境遇を抱える“貧困”当事者への取材を共に重ねていく。三浦さんは「とにかく、大切に演じなくてはならないテーマだと思いました。ドラマに出てくる登場人物は確かに現代社会にいるはずです」とコメント。演じる崎田については「当事者に寄り添いすぎず、事実をただ社会に広めていこうとする男です。支援者とはまた違う、伝えるものとしての使命を全うする姿を、表現していきました」と語っている。また、本作に登場する貧困当事者役含むキャスト陣も一挙解禁。第1話で摩子が初めて取材する風俗で医学部の学費を捻出する大学生・広田優花を田辺桃子、姉を援助し貧困に陥った元富裕層・ 川上典子を霧島れいか、会社や親からの虐待被害者・三井恵子を宮澤エマ、自身の学歴を悔やむシングルマザー・村上葵を東風万智子が務める。彼女らがなぜ“貧困”当事者となってしまったのか、ノンフィクションを題材にしているからこそ、実際の現代社会に存在する“現実”が見えてくる。さらに、児童支援施設でボランティアをする元無国籍者の石岡・バウティスタ・リサを安斉星来、崎田の親友でデリヘル店長・望月遼太郎を淵上泰史、熟年離婚した摩子の母親・宮下菜穂子を高橋ひとみが務める。連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」は11月17日(金)23時~WOWOWにて放送・配信。<連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」>【放送】WOWOWプライムにて毎週金曜23時~[第1話無料放送]【配信】WOWOWオンデマンドにて各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信[無料トライアル実施中](シネマカフェ編集部)
2023年09月17日皆さんは”生理の貧困”をご存知でしょうか?実は金銭的な余裕がないことから、生理用品の出費に苦しむ人もいるようで……。そこで今回は、実話をもとにしたMOREDOORのオリジナル創作漫画「生理の貧困って知ってる?」をご紹介します。余裕がなくて……この漫画に読者からは……『経済的に苦しいため生理用品沢山使えないし、予備もそんな持ってけないから、高校でトイレの個室にナプキンが入った紙袋がかけてあったのは感謝しかなかった。』『多くの人にとって生きている以上避けられないことだから、なんとか負担を軽くしてほしいよね……。』『薬も安く買えたらありがたいな……激痛じゃなければ勿体無くて飲むの我慢しちゃう。』『月経カップおすすめです!1個買えば繰り返し使えるし何回も交換しなくていい。』など、さまざまな声が寄せられました。実はみんな悩んでいるのかも……読者のコメントにもあるように、生理用品について「負担を軽くして欲しい」と思う人は少なくないはず。経済的に生理用品を負担するのが難しい方は、自治体や役所を頼ってみるのもよいかもしれません。みなさんは、この漫画を見てどう思いましたか?※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。※この漫画はフィクションです。■作画:ぱらこ(MOREDOOR編集部)
2023年08月23日経済的な理由で生理用品が購入できない生理の貧困「国が率先して全自治体で無償化を実現するべき」が52.3%。軽減税率を適用が30.8%。回答者の8割以上が生理の貧困に何らかの政策で対応することに積極的。SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするICTスタートアップのPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は、イシュー(課題)「【生理の貧困】生理用品を無償化するべきか?」の投票結果をお知らせします。 投票詳細イシュー:【生理の貧困】生理用品を無償化するべきか?調査主体:社会課題に参加できるSNS Surfvote 調査方法:Surfvote上でアカウントを持つユーザーが投票調査対象:Surfvote上でアカウントを持つユーザー投票期間:2023年4月5日〜2023年6月30日有効票数:65票選択肢:国が率先して全自治体で無償化を実現するべきせめて生理用品に軽減税率8%を適用するべき無償化や減税を行う必要はないその他わからない投票結果・コメントの紹介国が率先して全自治体で無償化を実現するべき 52.3%生理現象は自分でコントロールできない。 例えば「排泄」という生理現象の対処に必要なトイレットペーパーは、自宅で用いる場合を除いて、ほとんどが無料で提供されている。 女性の生理も自分でコントロールできない生理現象。(賛同数50)せめて生理用品に軽減税率8%を適用するべき 30.8%それぞれに使用したい物が違うと思うので、現物支給は使われないものが増えてよくないと思います。 どのように無償化するのか、良い案が思い浮かばないので、こちらを選びました。(賛同数28)無償化や減税を行う必要はない 12.3%女性のみ優遇するような補助をすべきではない。住民税等で広く軽減すべき。(賛同数1)その他 1.5%国や自治体は民間のトイレに生理用品を置くのを強く推奨(新税設けて置かなきゃ課税、置いたら免税で民間に対して動機づけをする。) 公共トイレは…設置必須で原資は税金ですかね。可能なら優良企業にネーミングライツや広告と引き換えにコストを受けもってもらえないですかね。(女性の為に手を差し伸べる企業というイメージは高く売れる気がします)(賛同数27)わからない 3.1%コメントはありませんでした。Surfvoteとは?当社が提供するSNS「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題を問題提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家にも執筆のご協力をいただき発行しています。投票結果はイシューの内容に応じて、適宜関係省庁や政治家へ提出し報告を行なっています。 Polimill株式会社Polimill株式会社は目的特化型SNS【Surfvote】を運営・提供するICTスタートアップ企業です。Surfvoteは社会課題に特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年07月06日趣里を主演に迎え、“女性の貧困問題”に迫る1億5000万PV突破の話題作を連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」として映像化、今秋、WOWOWにて放送・配信される。雁矢摩子(趣里)は離婚を機に復職し、経済誌の契約編集者に。編集長からPVを稼ぐために“女性の貧困”がテーマの連載担当を命じられる。風俗ライターの崎田祐二を紹介されるが、彼の貧困当事者への姿勢に苛立ち、取材方針をめぐって衝突する。そんな中、国立大学医学部に通うため風俗で食いつないでいる広田優花へのインタビュー記事が炎上。一見すると矛盾をはらむ優花の記事。摩子は祐二の反対を押し切り、謝罪と記事の削除を優花に伝えるが、本人の思わぬ言葉に自身の浅はかさと偏見を痛感する。そしてライターとしての祐二の覚悟を感じた摩子は、肉親の介護、親からの性的虐待、苛烈なパワハラ・モラハラ被害、再雇用の実情、戸籍と就学の問題など、ただ生きることへの困難さを抱える様々な境遇の当事者への取材を共に重ねていく。それは同時に、不安定雇用のもと子育てに奮闘する摩子自身も、“貧困”が他人事ではないという自覚につながっていき…。原作は、東洋経済オンラインで1億5000万PV突破の人気連載を書籍化、「Yahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞」にノミネートされた「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」(東洋経済新報社刊)。貧困に陥った女性が持つ心の叫びを丹念に聞き続けたルポルタージュ本をドラマ化した本作は、経済誌の契約編集者である主人公・雁矢摩子(趣里)が貧困女性たちの現実を取材しながら、自らの目線や体感を通して、社会の矛盾や貧困問題の巧妙な仕組みを浮き彫りにしていく。今作の主人公、雁矢摩子を演じるのは、2018年の主演映画『生きているだけで、愛。』にて、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞し、2023年後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」にてオーディションで朝ドラヒロインの座を射止めるなど、いま最も勢いのある趣里。本作が、WOWOWドラマ初出演にして初主演となる彼女が本作品を通じて実際に存在する現実と向き合い、摩子という役を通して世の中に伝えるという難しい役どころに挑戦する。監督は「アンラッキーガール!」「JOKER×FACE」の青木達也、「教場ll」プロデューサーの遠藤光貴の2名、脚本は「ここは今から倫理です。」などを手掛けた高羽彩が務める。実際に貧困問題に取り組む活動家らにも取材し、作品にも反映。新宿・歌舞伎町でも撮影を行っている。“貧困”は他人事ではない…主演:趣里、原作:中村淳彦からコメント到着雁矢摩子役・趣里「東京貧困女子。」を初めて読んだ時、「知らない」じゃ済まされず、摩子という役を通して何かをしなければ、と本能的に感じました。とても難しいテーマでしたが、素敵なキャストの皆様と、丁寧に時間を過ごせた気がしています。私自身、心に留めておかなければいけない現実と、これからも向き合っていきたいと思います。同時に、ドラマとして楽しんでいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。原作・中村淳彦「東京貧困女子。」は高校時代から知り合いで、でも会話をしたことのない同級生の女性からの電話からはじまっています。「明日から転職するの。非正規だけどね。ねえ、貧困女性の取材をやらない?」と、知り合って30年近くが経って初めて話して連載がはじまりました。ある取材の帰り、彼女の手首に古いリストカット痕が見えた。傷跡を指して話しかけると、離婚して精神状態が穏やかでなかったこと、原因は自分だったこと、正規職に一度も就けなかったこと、ずっと未来が見えなくて不安だったことを語りだした。東京という大都市でもがく貧困女性たちに自己投影していたことを理解した。そんな彼女がモデルとなった摩子を、いまを輝く趣里さんが演じて「東京貧困女子。」がドラマ化です。生きづらい彼女たちの現実が一人でも多くに伝わることを願っています!連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」は2023年秋、WOWOWプライムにて放送、WOWOWオンデマンドにて配信。(シネマカフェ編集部)
2023年06月21日経済的な理由で生理用品を購入できない生理の貧困問題、無償提供する地方公共団体がこの1年で増加SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするICTスタートアップのPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は新イシュー「【生理の貧困】生理用品を無償化するべきか?」について、当社が運営するSurfvoteでユーザーの意見投票を4月5日に開始しました。◆背景経済的な理由で生理用品が購入できない「生理の貧困」問題。厚生労働省が2022年2月に行った調査では、「新型コロナウイルス感染症発生後(2020年2月頃以降)から現在までの間に生理用品の購入・ 入手に苦労したこと」に対して、「よくある」「ときどきある」と回答した人が8.1%でした。8.1%の内訳を見ると、年代別では18歳・19歳・20代が多く、年収別では300万円未満の割合が高くなっています。この1年で生理用品を無償提供する地方公共団体は134団体増え、生理の貧困への予算を取って対応する団体が増えています。しかしながら住民の認知度がまだまだ低いのが課題です。Surfvoteでは、この「生理の貧困」に対して「生理用品を無償化するべきか?」というイシューを発行し、4月3日より投票を開始しました。 厚生労働省(PDF): ◆Surfvoteとは?当社が提供するSNS「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題を問題提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家にも執筆のご協力をいただき発行しています。投票結果は適宜、関係省庁や政治家へ提出し報告を行なっています。 ◆Polimill 株式会社Polimill株式会社は目的特化型SNS【Surfvote】を運営・提供するITCスタートアップ企業です。Surfvoteは社会課題に特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年04月06日公益社団法人学校教育開発研究所(AISES、所在地:広島県広島市、代表理事:栗原 慎二)は、虐待や貧困、いじめや不登校などから子ども達を救うための「子どもの心と学び支援を展開したい!AISES子ども支援サポーター」のクラウドファンディングを「READYFOR」にて開始しました。「READYFOR」クラウドファンディングサイト 子どもの心と学び支援を展開したい!AISES子ども支援サポーター■実施背景虐待や貧困などの影響から、虐待を体験したりDVを間近で目撃してきた子ども達や親の愛情をしっかりと受けずに育ってきた子どもの中には、自分の価値を認めることができなかったり、持っている力を伸ばすことができない子どもが多くいます。AISESは、こうした子ども達の心と学びを支える事業を行っています。問題の連鎖を断ち切る。そのためには、教育の力が必要です。そのためには活動資金が必要です。毎週、子ども達が暮らす施設へ出向き、学習支援と交流体験を提供しています。支援活動を通して、子ども達は徐々に心を開き、意欲的な生活を送るようになってきています。現在、私たちは、国内の3か所の母子生活支援施設や児童福祉施設で、またフィリピンの貧困地域に立つ学校とストリートチルドレンの保護施設で支援活動を行っています。私たちと一緒に、子ども達の未来を支えていただけませんか。■本クラウドファンディングを通して目指すもの*子ども達の心と学びを育む支援を展開します学校や地域と連携しながら、母子生活支援施設や児童福祉施設で暮らす子ども達の学習と心の支援を行います。「勉強をただ教える」ではなく、教育・心理分野の最新の知見から得たエビデンスを基礎にした支援(愛着やレジリエンスなど)を提供することで、情緒的に安定し、学習に意欲的に取り組むなどの成果が見られています。*支援者やその支援者のためのプラットフォームを作ります教育や福祉の業界を志す大学生や今まさに支援をしていて悩んでいる社会人などを中心に、AISESが教員免許更新講習事業で培ってきた理論と確かな実践に基づいた年間計画にそったトレーニングを展開しています。このトレーニングは、生徒指導提要の改訂に携わった栗原代表をはじめ、研究メンバーが協議を重ねて開発した生徒指導・教育相談の改革的な実践を展開して効果をあげたものを集約し、アフターコロナを見通し、対面とeラーニングのハイブリッド形式で提供しております。今後は切れ目のない支援体制を確立するために、支援先と支援者同士をつなぐプラットフォームの構築を目指しています。■リターンについて<1,000円/月>・AISES子ども支援サポーター1,000円コース- 活動報告書(年2回 PDF形式でメールで送付いたします)- 寄付金領収書を発行いたします(毎年12月頃に送付いたします)<3,000円/月>・AISES子ども支援サポーター3,000円コース- 活動報告書(年2回 PDF形式でメールで送付いたします)- 寄付金領収書を発行いたします(毎年12月頃に送付いたします)<5,000円/月>・AISES子ども支援サポーター5,000円コース- 活動報告書(年2回 PDF形式でメールで送付いたします)- 寄付金領収書を発行いたします(毎年12月頃に送付いたします)<10,000円/月>・AISES子ども支援サポーター10,000円コース- 活動報告書(年2回 PDF形式でメールで送付いたします)- 当社HPにお名前を掲載させていただきます。ローマ字20文字までで、イニシャルも可能です- 寄付金領収書を発行いたします(毎年12月頃に送付いたします)■プロジェクト概要プロジェクト名: 子どもの心と学び支援を展開したい!AISES子ども支援サポーター期間 : 無期限での寄付募集(マンスリーサポーターの募集)URL : ■会社概要商号 : 公益社団法人学校教育開発研究所代表者 : 代表理事 栗原 慎二所在地 : 〒730-0016 広島市中区幟町3番1号設立 : 2014年10月31日事業内容: 教育にかかわる人材育成の事業教育に関する国内及び国外における研修事業教育に関する国内及び国外における調査・研究事業地域教育・家庭教育を推進する事業教員研修事業教育に関する出版、マネジメント事業教育に関する国際交流事業カウンセリング事業保護者支援事業学校コンサルテーション事業企業のメンタルヘルス事業その他、本法人の目的を達成するために必要な事業URL : 【本件に関する一般の方からのお問い合わせ先】公益社団法人学校教育開発研究所TEL : 082-211-1030MAIL: admin@aises.info 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月06日早急に解決すべき世界的な社会問題のひとつといえば、子どもの貧困。そんななかご紹介するのは、本国アメリカで“いまこそ観るべき1本”として取り上げられた話題作です。『きっと地上には満天の星』【映画、ときどき私】 vol. 508ニューヨークの地下鉄のさらに下に広がっていたのは、暗い迷宮のような空間。廃トンネルのなかでは、ギリギリの生活を送っているコミュニティがあり、5歳になる少女のリトルは、母親のニッキーと暮らしていた。ところがある日、不法居住者を排除しようと市の職員たちがやってくる。隠れてやり過ごすことができないと判断したニッキーは、リトルを連れてと逃げ出すことを決意するのだった。夢にまで見た地上で、外の世界を初めて体験するリトル。喧騒の街ニューヨークで追い詰められていく母娘に、希望の光は降り注ぐのか……。ヴェネツィア国際映画祭をはじめ、さまざまな映画祭でも絶賛された本作。この作品で長編デビューを果たし、一躍注目を集めたこちらの方々にお話をうかがってきました。セリーヌ・ヘルド & ローガン・ジョージ監督監督と脚本のみならず、女優として母親のニッキー役も務めているセリーヌさんと、共同で監督と脚本を手掛けたローガンさん。同じ大学で演劇を学んだ友人同士だった2人ですが、現在は公私ともにパートナーとなり、いくつもの作品を一緒に発表して高く評価されています。そこで、本作に込めた思いや撮影現場の裏側、そして日本での忘れられない出来事などについて語っていただきました。―もともとは、セリーヌさんが住居を持たない母子と出会ったことと、地下コミュニティへの潜入記『モグラびとニューヨーク地下生活者たち』を読んだことが始まりとのことですが、映画にすべきと思われたきっかけは何ですか?セリーヌさんその母子と本に出会うまで、子どものホームレスというのがここまで大きな問題であることを認知していませんでした。いまでも、私のようにホームレスには何となく大人のイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。ただ、調べていくとニューヨークでも、何万人もの子どものホームレスがいることがわかりましたし、世界中にもたくさんいることを知りました。さらに、日本の『万引き家族』やレバノンの『存在のない子供たち』といった海外の作品では描かれているにもかかわらず、アメリカの映画ではしっかりと掘り下げていないことにも気づかされたのです。そういったこともあって、この題材に取り組みたいなと。ただ、公共広告的な映画にするのではなく、映画的なストーリー展開でありながらホームレスの子どもたちが抱えている問題を知るきっかけになるようなものにしたいと考えました。まさにいま起きている問題として考えてほしい―制作に取り掛かるうえでは、ホームレスたちが住んでいた本物のトンネルにも行かれて、不法侵入で逮捕されたこともあったとか。実際の場所に足を踏み入れてみて、いかがでしたか?ローガンさんマンハッタンの地下トンネルに初めて行ったのは2012年ですが、そこに人が住んでいたのは1980から90年代頃だったので、すでに誰も住んでおらず、人々が残したものがあるくらいでした。ほかにも、セントラル・パークの下にあるトンネルなどに行きましたが、印象的だったのは壁画が描かれていたこと。それによって、そこにはコミュニティが存在していたことや温かみのようなものを感じたのです。トンネルのなかで起きていたことは昔の話かもしれませんが、この映画では現代の物語として描きました。その理由としては、過去の出来事として片づけるのではなく、まさにいま起きている問題として考えてほしかったからです。―そういった経験をした方々と話をするなかで、印象に残っていることもありましたか?セリーヌさん私は子ども時代にホームレスをしていた女性と話をする機会があったのですが、彼女は自分の母親に置いていかれてしまった方でした。18歳になったとき自分の母親を探し出し、どうして自分を他人に預けたのか聞いたところ、「母親になる心の準備ができていなかったし、そもそも子どもを産みたいと自分で選択したわけではなかったから」と言われたそうです。それを聞いたときに、女性だからといって誰もが母親になりたいという願望を持っているわけではないのだと感じ、とても強烈な言葉だと思いました。人によっては、ある程度年齢を重ねたり、タイミングが訪れたりしたことによってそういう思いが出てくるものなのだと改めて感じた瞬間です。彼女が話してくれた母親の話は、劇中のニッキーのキャラクターに多く反映させてもらいました。誠実な演技と素晴らしい存在感が撮れた―ニッキーを演じる際、セリーヌさんがイヤホンを付けながら演出と演技を同時に行っていたと聞いて非常に驚きました。精神的にもかなりきつい役どころだったと思いますが、どのようにして監督業と女優業を両立させていたのでしょうか。セリーヌさんうまくやるのは難しかったですね。ただ、リトル役のザイラと一緒のシーンだけイヤホンをしていたくらいで、ずっと付けていたわけではありません。特に必要だったシーンとしては、ローガンが彼女に指示を出さなければいけなかったときとか、映像の画角を考慮しなければいけなかったときです。というのも、ザイラにあまりスタッフの姿を見せたくなかったのと、撮影場所が狭かったこともあって、カメラマンと音声と役者だけになることが多かったので。そういったときは、私とローガンが耳でつながることによって、お互いがお互いの目の役割を果たして進めていきました。ローガンさんザイラにとっては初めての演技だったので、作品の世界観のなかに身を置いてもらい、自然と撮り続けるなかで演じてもらうほうがいいと思ってそのようにしました。特に、子どもというのはマジカルなものなので、ときには僕たちが脚本で書くセリフより10倍もいいことを口にしたりすることがありますからね。自由に演技してもらい、自分自身との境界線があいまいになるような感覚になってほしかったので、15分から20分ほどカメラを回し続けたことも。結果的には誠実な演技と素晴らしい存在感が撮れたと思っています。―ザイラちゃんは初めての演技とは思えませんでしたが、出演のきっかけは家族と教会の炊き出しに来ていたときにキャスティングディレクターと出会ったときだとか。彼女が置かれている状況も、リトルに近いものがあったのですか?セリーヌさんザイラが2歳のとき、つまり彼女と出会う3年前のことですが、家族で住んでいた家が火事で全焼してしまったそうです。しかも、当時は仕事をしていたのはお父さんだけでお母さんはまだ大学に通っていたそうなので、仮の住まいしかなく、生活もまだ不安定なときだったと思います。ザイラは5人兄弟の真ん中で、他の兄弟たちは赤い髪色で人目を引く家族だったので、お父さんもいつか家族が撮影されるような機会があればいいなと考えていたのだとか。なかでも、ザイラは演技が好きだったようなので、いい出会いができたと思っています。いまでは、きちんと家もあって安定していますし、私たちとは家族ぐるみの付き合いをしているところです。日本での結婚式は、完璧で美しい一日だった―日本についてもおうかがいしたいのですが、もし日本にまつわるエピソードがあれば教えてください。セリーヌさん実は、私たちは日本にあるインターナショナルスクールで2年間ほど演技や演劇を教えていたことがあるんですよ。なので、日本をとても愛していますし、住んでいた東京を気に入っています。ローガンさんただ、毎日仕事が忙しくて東京以外の場所に行く時間がなかったのは残念だったかなと。ぜひ地方の町も見てみたいので、ちょうどいい季節のときにまた戻りたいなと考えているところです。個人的には、日本の冬の景色に惚れ込んでいて、特別なものを感じています。セリーヌさんそれと、日本での思い出と言えばですが、なんと私たちは日本で結婚をしたんです。というのも、当時はコマーシャルのプロジェクトや短編の制作も日本でしていて、いろいろな手続きの関係上、夫婦になったほうが楽だなと思ったので、勢いで結婚したんですが(笑)。ローガンさんでも、僕たちはもともと小さな結婚式をしたいと思っていたので、僕たちのことを誰も知らない土地で結婚するという意味では完璧な場所でしたね。セリーヌさん式を挙げたホテルからは結婚の証明書もいただいたので、それを壁に飾っているんです。2人きりの結婚式を日本という美しい国ですることができて、とても光栄に思っています。ローガンさんしかも、日本人のみなさんはとても思いやりがあって優しい方々ばかり。おかげで、本当に美しい一日を過ごすことができました。社会で起きている問題を知るところから始める必要がある―素敵な思い出を教えていただき、ありがとうございました。セリーヌさんがこの問題に取り組み始めて、すでに10年が経過していますが、ホームレスの方々が置かれている現状は変わりましたか?もし私たちにでもできることがあれば、教えてください。セリーヌさんアメリカも経済的に不況になってきたので、あまり改善は見られていないように感じています。ローガンさんしかも、コロナ禍になってしまったので、ニューヨークをはじめ、西側のロサンゼルスやカリフォルニアなどではホームレス問題はより深刻になっている印象です。セリーヌさんただ、ワシントン州では住宅を基本的人権のひとつとみなすようになり、すべての人に住宅を与える対策を取ったところ、それがうまく行っているようなので、改善されている州もあります。ローガンさんでも、アメリカでは不平等がどんどん広がっているのではないかなとも思っています。セリーヌさん確かに、アメリカの政策は迷走しているところもあるので、これからどうなるのかはわからないところかなと。だからこそ、この作品を通して「ニッキーのような人が電車で自分の隣に座っているかもしれない」と観客に感じてほしいと思っています。ローガンさんニューヨークでは、ギリギリホームレスではないけれど、明日にでもホームレスになりそうな可能性のある方は増えていますからね。セリーヌさんそのほかに、個人的に人生を変えてくれた出来事といえば、ボランティアに参加したこと。そこで自分の行動が他人の人生を少しでも変えられるかもしれないと感じられた経験は大きかったです。なので、みなさんに言えるとすれば、ボランティアをしてみること、あとはこれらの問題を解決してくれる実行力のある人に投票するといったことでしょうか。ただ、いまは世界的に見ても本当にいろんなことが起きているので、社会で起きている問題について、まずは知るところから始めていく必要がありそうです。暗闇のなかでも、手を伸ばせばきっと希望はある当事者の目線から物事を見ることによって、これまで知ることのなかった世界を知るきっかけを与えてくれる本作。胸が張り裂けるような愛でつながった母と娘の姿に、心が揺さぶられる必見作です。取材、文・志村昌美目が離せない予告編はこちら!作品情報『きっと地上には満天の星』8月5日(金)より シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開配給:フルモテルモ、オープンセサミ️©2020Topside Productions, LLC.All Rights Reserved.
2022年08月02日【生理の貧困を知っていますか?第3話】生理の貧困――。ニュースなどにも取り上げられ、昨今よく聞くようになった言葉です。生理の貧困とは、経済的な理由などのさまざまな理由から生理用品の入手が困難な状態にあることを指しますが、その理由が「家庭の環境」であることも……。そんなつらい体験をした、ある女性のお話をマンガにしたものです。まめねこです。生理に関するInstagramの投稿がきっかけで知り合ったある女性。彼女とのやり取りを通じて、私は「生理の貧困」という言葉を知りました。今回描くのは、その女性の体験談です。このマンガが「少しでも生理の貧困への理解に繋がったら」と思います。 前回、両親から日常的な暴力・暴言を受けていた女の子は、生理のことを伝えられぬまま、毎回の生理をトイレットペーパーでしのぐ日々。高校生になり、友人から借りて初めて使ったナプキンに感動しましたが、費用の面から使い続けることはできませんでした。社会人になり、ようやく彼女も生理用品を使えるようになったものの、女の子は自分に自信がない毎日を送っていて……。今回が最終話です。 生理の貧困を知っていますか?第3話 知識がないことで自信がなかった女の子は、必死で勉強をし、徐々に自信をつけていきました。そして出会ったイギリスの生理用品支援団体「レッドボックス」のこと。この活動に衝撃を受けた女性は、「これで自分と同じ思いをする子を一人でも減らせたら……」という強い思いを持ち、生理用品の無料配布を始めました。 こうして誕生したのが「フリーナプキン・moon laboいとしま」というボランティア団体(現在一般社団法人)。この団体では、さまざまな環境でナプキンを自由に使えない子どもたちへナプキン配布、使い方を示したリーフレットの配布などの支援活動をおこなっています。最初は地元を主とした活動だったものがここ数年、多くの賛同者が加わり、その輪は全国へと広がりを見せているそうです。 生理の心配や不安について、オープンに話すことができ、必要なときに必要なだけの生理用品が手に入るという環境。それは、子どもにも大人にも必要なものです。生理で悲しい思いをする女性がこの世から1人でもいなくなることを目標に、ムーンカレンダーも活動していきたいと思います。 監修/助産師REIKO まめねこさんのマンガは、このほかにもInstagramやブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター まめねこ4歳差男子2人のママ。クセの強い長男と、自我芽生えまくりの次男、ふわっとした夫、ブッサかわな愛犬とで5年前から山奥暮らしを満喫中。Instagramでは日々の知育あそびや、フォロワーさんのお悩みをマンガ化して投稿しています。
2022年03月18日【生理の貧困を知っていますか?第2話】生理の貧困――。ニュースなどにも取り上げられ、昨今よく聞くようになった言葉です。生理の貧困とは、経済的な理由などのさまざまな理由から生理用品の入手が困難な状態にあることを指しますが、その理由が「家庭の環境」であることも……。そんなつらい体験をした、ある女性のお話をマンガにしたものです。まめねこです。生理に関するInstagramの投稿がきっかけで知り合ったある女性。彼女とのやり取りを通じて、私は「生理の貧困」という言葉を知りました。今回描くのは、その女性の体験談です。このマンガが「少しでも生理の貧困への理解に繋がったら」と思います。 前回、両親から日常的な暴力・暴言を受けていた女の子。初潮がきたことに気づいても、「生理がきたなんて伝えたら怒られる! 怖い!」という思いが優先し、生理について母親に伝えることができず、ナプキンを使うことができませんでした。そんななか、勇気を出して「怒られると思うから、生理のことを親に伝えられない」と先生に相談してみたのですが、「そう思っているのはあなただけじゃない?」と言われ、真剣に考えてもらえず……。 生理の貧困を知っていますか?第2話 先生へのSOSも伝わらず、友人へも相談できず、生理のことをひた隠しにして、ナプキンを使わずになんとか乗りきっていた女の子。初めてナプキンを使ったのは、なんと高校生になってからでした。その使い心地に感動しつつも、「どこで買えるの? いくらくらいするの?」という情報すら彼女には届かず、友人に200円を払い続けることもできなくて、ナプキンを継続的に使うことができませんでした。 ナプキン1枚を借りるのに200円――。この金額は1枚のナプキンの価格としてはとても高額ですが、そんなことすら女の子にはわからなかったのです。 18歳で社会人になり、この女の子はようやくさまざまな生理用品に触れることができるように。しかし、「自分には知識がない」ということで自信がなかった女の子……。しかし、ある運命的な出会いをすることによって、変わっていくのです。 第3話に続きます。 なお、この女性は今、自分のような思いをする子どもたちが1人でもいなくなるようにと、「フリーナプキン・moon laboいとしま」というボランティア団体を立ち上げ、さまざまな環境でナプキンを自由に使えない子どもたちへナプキンを配布するなどの支援活動をされています。 監修/助産師REIKO まめねこさんのマンガは、このほかにもInstagramやブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね! ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! 著者:マンガ家・イラストレーター まめねこ4歳差男子2人のママ。クセの強い長男と、自我芽生えまくりの次男、ふわっとした夫、ブッサかわな愛犬とで5年前から山奥暮らしを満喫中。Instagramでは日々の知育あそびや、フォロワーさんのお悩みをマンガ化して投稿しています。
2022年03月15日工学院大学(学長:伊藤 慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)のセキュリティ科学研究室(コンピュータ科学科、指導教員:藤川 真樹教授)は、子どもの貧困に関する中高生向けデジタル教材を開発し、情報処理学会第84回全国大会の学生セッション(コンテンツ開発)において学生奨励賞を受賞しました。デジタル教材は、3月9日正午から無料ダウンロードの申請を受け付けています。日本では7人に1人の子どもが、家計を支えるために毎日アルバイトをしているなど相対的貧困下*にあり、社会全体の課題です。子どもたち自身が日本の子どもの貧困の状況や利用できる制度を知り、考えることを目的に、PCで操作するゲーム形式のデジタル教材を作成しました。経済的困難な状況にある主人公(高校生)に対し、友だちや親、学校の先生の立場で適切と思う行動を選びながらストーリーを進めるノベルゲーム形式です。進路選択編とアルバイト編があり、主人公の状況に応じて声をかける、主人公が活用できる制度の情報を選ぶなど、楽しみながら子どもの権利を学び、対応を身に付けるコンテンツです。*出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」コンテンツのワンシーン(進路選択編より)コンテンツのワンシーン(アルバイト編より)■制作学生コメント:鈴木 彩音さん(情報学部4年)制作メンバー4人は、制作に先立ち、まず子どもの権利条約について深く学びました。第16条には通信の保護という項目があり、他の項目でも情報関連が書かれています。同条約の理念は情報セキュリティにも関連していることがわかりました。制作期間は2年です。コンテンツの構成をチュートリアル(プロローグ)・シナリオ1・シナリオ2・エピローグとし、初年度は先輩がシナリオ1を、2年目の2021年度は3人で他の部分を組み上げ、全体を完成させました。注力した点は、プレイする際のわかりやすさ、見やすさです。TIPSプラグインという機能を取り入れたことで、ストーリーの邪魔にならず貧困や制度を学ぶことが可能になりました。シームレスな演出も工夫の一つです。■技術監修者コメント:藤川 真樹教授(工学院大学 コンピュータ科学科)我が国は1994年に子どもの権利条約に批准していますが、28年が経過した今日において子どもの権利を子どもと大人の双方が正しく認識しているかといえば、そうとは言い切れません。事実、子どもの貧困やヤングケアラー、ブラックバイトをはじめ、他にも子どもをめぐる課題が散見されます。同権利の普及啓発は国と自治体により実施されていますが、ポスターや冊子の配布に留まっており(配布した自治体も4.97%と低調*)、Z世代である中高生にとってはアトラクティブには映らない状況です。セキュリティ科学研究室は安全・安心な社会を構築することを目標としています。すべての子どもたちが安全・安心に暮らせることを願い、このデジタル教材を開発しました。本学学生のアイデアと努力によって生まれたこの教材が、社会に少しでも貢献できることを望みます。*出典:日本弁護士連合会、子どもの権利条約に基づく第1回日本政府報告に関する日本弁護士連合会の報告書、1997年デジタル教材開発の様子■デジタル教材「あなたのミカタ!権利がワカルと世界がカワル」概要教材形式 : ビジュアル・ノベル(Windows(R) OSのみ対応)必要な容量 : 250MBプレイ人数 : パソコン1台につき1人を推奨教材利用料 : 無料利用申請受付開始日: 2022年3月9日正午申請先 : 制作者 : 工学院大学 セキュリティ科学研究室(コンピュータ科学科)公的支援等監修 : 安部 芳絵(工学院大学 教育推進機構 教職課程科 准教授)制作企画 : 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン■受賞の詳細大会および賞名:情報処理学会第84回全国大会学生セッション(コンテンツ開発) 学生奨励賞論文タイトル :「労働条件・健康保険・就学支援」を学習するコンテンツの開発と評価-高校生を対象とした普及啓発の一手法-著者 :鈴木 彩音(工学院大学情報学部4年) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月09日認定NPO法人Living in Peace(以下、LIP)は気候変動問題とそれに起因する貧困問題の支援を目的とした活動を支援します。これまでインドネシアのNGOであるsu-re.co(シュアコ)「su-re.co(シュアコ)」(代表:高間 剛、所在地:インドネシア)の活動の日本での認知向上を支援する活動をサポートしてきましたが、新たにsu-re.coと現地の農家が作ったコーヒー豆の日本でのPR支援を開始します。「su-re.co(シュアコ)」は、気温上昇や海面上昇などの気候変動によって、従来通りの農業を続けることが難しくなってしまった農家を支援するための活動を行う組織です。su-re.coがインドネシア農家と製造している「su-re.coffee(コーヒー)」■気候変動課題とそれに起因する貧困問題の解決に向けて活動する組織「su-re.co(シュアコ)」su-re.coはインドネシア・バリ島を拠点とする組織で、環境・貧困問題をテーマとして活動しています。創設者の高間はオックスフォード大学で環境学の博士号を取得した後、気候変動とそれに起因する貧困問題の克服を目指し、su-re.coを設立しました。su-re.coの活動は以下となります。・コーヒー豆/カカオ豆農業への転換支援と製品化現地農家の収入の安定・向上を図るため、従来の稲作よりも気候変動環境に強い農作物であるコーヒー豆/カカオ豆農業への転換を支援し、それらを買取り製品化して販売しています。農家に適正な対価を支払うことで、農家の収入が安定・向上することを助けます。・環境にやさしいバイオガスキットの導入農家が「焚き火による炊事」から安全で清潔なエネルギーである「バイオガスによる炊事」に切り替えることが可能となるバイオガスキットの導入を支援しています。バイオガスキットに残飯や家畜のフンを投入し発酵させることで農家はクリーンなガスと農業用の堆肥を得ることができます。・気候変動に関する教育気候変動が農業に及ぼす影響とその対策を学べる気候変動スクールを開講し、農家が将来の気候変動の影響に備え、農業の生産性を向上させることで、農家自身が気候変動問題を克服できるよう支援しています。・製品の販売益の一部を還元バイオガスキットや気候変動に関する教育は農家に対して無償で提供されます。コーヒーやカカオなどの製品の販売益の一部がこれらの財源となっています。コーヒー豆を育てるインドネシア農家■「su-re.coffee(シュア・コーヒー)」日本でのPR支援を開始LIPは、su-re.coの事業を通じて気候変動で苦しむ農家を支援するため「su-re.coffee」の日本でのPRパートナーとして支援を継続していきます。地球全体で顕在化する気候変動問題は、気象の変化や農地の塩害などを通じて農家など一次産業を支える方々の脅威となりえます。日常の飲み物であるコーヒーをきっかけに、多くの皆様が気候変動とそれに起因する貧困の問題をより身近に感じていただければと考えています。su-re.coロゴ■コーヒー農家への収益還元を目指したグリーンビジネス国内でのコーヒー販売を通じて得られた収益の一部は、インドネシアの農家を支援する活動に充てられます。※国内でのPR、取扱いについてのお問い合わせはLIPマイクロファイナンスプロジェクトまでお問い合わせください。su-re.coffee■認定NPO法人Living in Peaceについて「機会の平等を通じた貧困削減」を目指す認定NPO法人です。LIPは、メンバーみなが本業を別に持つ「全員プロボノ(ボランティア)のNPO」であり、「すべての人にチャンスを。」の理念のもと、現在は国内・国外を問わず以下3つの支援活動をしています。日本国内で困難な家庭環境にある子どもたちを支援する「こどもプロジェクト」、途上国で貧困に生きる人々に金融アクセスを提供する「マイクロファイナンスプロジェクト」、日本国内に住む難民を支援する「難民プロジェクト」という3つのプロジェクトに取り組んでいます。★LIPマイクロファイナンスプロジェクトの公式HPはこちら 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月05日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今週はアメリカ白人貧困層の問題をあぶり出す作品をご紹介します。■Netflix映画『ヒルビリー・エレジー−郷愁の哀歌−』独占配信中昨年激しい大統領選挙戦が繰り広げられたアメリカ。1月20日12時(米東部時間)、第46代米大統領就任式を迎えますが、Netflix映画『ヒルビリー・エレジー−郷愁の哀歌−』はトランプ支持者が多かったオハイオ州が主な舞台。’17年に日本でも翻訳本が出版された実話の映画化です。J・D・ヴァンスは、イェール大学ロースクールに通う優秀な苦学生。しかし就職活動中に母が薬物を過剰摂取したという連絡が入り、慌てて故郷に帰ります。薬漬けで荒れた母を前にして、J・Dは昔を思い出します。それは、男や薬物に翻弄される激情的で暴力的な母と、いつも守ってくれた祖母との、波乱に満ちた少年時代でした。ヒルビリーとは“田舎者”という意味。かつて自動車や鉄鋼産業で栄えた中西部は今や「ラストベルト」(さびついた地帯)と呼ばれ、白人貧困層が多く住む地帯に。強く豊かなアメリカの復活を彼らは願って、トランプを支持していました。映画ではそんな格差社会を背景に、母がどんなに落ちぶれても見捨てず守ろうとする家族の苦闘を描きます。「努力をしろ。クズになるか何者かになるかは、自分で決めろ」という祖母の言葉でJ・Dは勉強に目覚め、人生を切り開いていきます。政治の影響力は当然大きいですが、人間一人ひとりの力はもっと大きいのだと、改めて感じた記者でした。(文:西元まり)「女性自身」2021年2月2日号 掲載
2021年01月25日いつの時代も、なかなか解決されることのない貧困や移民によって引き起こされる格差社会における問題。いまも世界各地で暴動やデモが繰り返されていますが、そんな悲劇の連鎖に一石投じた衝撃作が、いよいよ日本で公開を迎えます。そこで、いま観るべき映画として紹介するのは……。圧倒的な緊迫感で映し出す『レ・ミゼラブル』!【映画、ときどき私】 vol. 295パリ郊外にあるモンフェルメイユ。ヴィクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』の舞台でもあったこの街は、いまや移民や低所得者が多く住み、危険な犯罪地域と化していた。新たに犯罪防止班へと配属された警官のステファンは、仲間とパトロール中に複数のグループ間に緊張が走っていることを察知する。そんななか、イッサという少年が起こした小さな事件が、大きな騒動を引き起こしてしまう。事態を収束しようとしたステファンたちだったが、思いもよらない出来事が起き、取り返しのつかない状況へと陥るのだった……。カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞し、センセーションを巻き起こした本作は、賞レースでも注目を集めた問題作。そこで、世界の観客たちに衝撃を与えた映画の背景について、こちらの方々にお話いただきました。ラジ・リ監督&スティーヴ・ティアンチューさん!あのスパイク・リー監督が才能を認め、フランスの新鋭として脚光を浴びているラジ・リ監督(写真・右)。監督の出身地であり、現在も暮らしているモンフェルメイユを舞台に、自身の体験を織り交ぜて描いているのが本作です。それゆえに、リアルな臨場感が絶賛されていますが、その世界観を支えている1人が、劇中に市長役で登場しているスティーヴさん(写真・左)。監督に同行して来日していたところ、急遽取材に参加してくれましたので、当事者の目線から伝えたい思いや現実で起きていることの悲惨さについておふたりから語っていただきました。―本作は、世界中に知られているヴィクトル・ユゴーの小説と同じタイトルということで、その裏にはさまざまな監督の考えがあると思いますが、このタイトルに込めた思いから教えてください。監督意図はたくさんありますが、まず『レ・ミゼラブル』にはフランス語で「悲惨な人々」という意味があるので、このタイトルには僕が描きたかったモンフェルメイユ地区の貧困や悲惨な社会的状況が体現されていると感じたからです。もちろん、フランス文学の巨匠でもあるヴィクトル・ユゴーを意識していますし、彼の小説の舞台と同じであることも理由ではあります。ただ、そのときに描かれていた問題が150年経ったいまでも変わっていないということも同時に訴えたいと思ったのです。小説の登場人物と類似性を挙げるとすれば、少年イッサはガヴローシュで、3人の警官はジャベール警部のようなところがあるかもしれません。フランス人でさえも衝撃を受けていた―なるほど。私自身は、パリには何度も訪れたことがありますし、フランスに1か月ほど滞在したこともありますが、こういう現実は目にしたことがありませんでした。華やかなパリを思い描く日本人にとっては驚きだと思いますが、フランス国内での反応はいかがでしたか?監督フランスでも、8割近くの人が衝撃を受けていたと思います。というのも、パリの郊外について語られることはほとんどないですし、取り上げられるとしても、政治家やメディアが少し偏った言い方で語るくらいしかないですから。実際、フランス人でもその地域の住民以外は足を踏み入れる人はほとんどいないほどです。でも、考えてみてください。この場所は、パリの中心から10キロくらいしか離れていないところなんですよ。にもかかわらず、こんなにも悲惨な状況が存在しているということに、フランス人でさえもこの映画を通じて初めて知り、ショックを受けたというのが事実です。つまり、こういった地域というのは隠された場所。政府としては、華やかで、ショッピングが楽しめて、高級ブランドもあって、おいしいワインやチーズがある国というフランスのイメージを植え付けたいという思惑がありますからね。―どこの国にもそういうところがあるのかもしれません。ちなみに、これまでのドキュメンタリー作品でも、暴動の様子を間近で捉えていたりしていますが、ご自身が危険な思いをしたことは?監督住民同士で危険な目にあったことはありませんが、警官との間では危険なこともありましたよ。たとえば、パンを買いに行っただけなのに、その途中で職務質問をされて、そこから事態が悪化するとか……。なので、住民からではなく、警官から挑発されることのほうが多いように感じています。秩序を乱している元凶は、実は警察だったりするものなんですよ。―劇中でもそのような様子は見て取れました。とはいえ、この作品を鑑賞したマクロン大統領もこういった貧困地域の生活条件を改善するように働きかけているそうですね。実際に何か変化はありましたか?監督いえ、まだ何も動き出してはいないと思いますよ。カンヌ国際映画祭で賞を獲ったあとに、マクロン大統領にも作品を観てもらうことができ、閣僚に指示を出したというところまでは聞きましたが、ちょっと時期尚早だったかもしれません。現段階で具体的なプランが進行しているといった話は届いていないですが、こういったことは時間がかかるものですよね。だから、ひょっとしたら2034年くらいになったら動き始めるかなとも思っています(笑)。それに、2018年から起きている政府への抗議デモ「黄色いベスト運動」など、フランスにはいろいろな問題が山積みですから。問題は自分たちが解決するしかない―確かに、すぐに改善するというのは難しいかもしれません。ちなみに、スティーヴさんはモンフェルメイユの隣にある街の出身ということですが、住民から見て一番改善すべき点はどんなところでしょうか?スティーヴさん問題を解決するためには、住民たちが自分たちの手で何とかしようと動き、自分たちを信じるしか方法はないと思っています。僕の祖父はフランスのために血を流して戦った世代であり、両親は労働力の足りない戦後に労働力を提供してインフラを作り上げてきた世代ですが、どちらの世代も国から感謝されることもなく、それらの苦労が報われるような生活を与えられてもいません。つまり、まったくリスペクトされたことがないのです。そんなふうに、自分たちの先祖たちがされてきた仕打ちを目の当たりにしていることもあり、いまのフランス政府にも期待できないので、自分たちで解決しなければいけないと思っています。アフリカのことわざに「一度噛まれた猫のことは信用してはいけない」というのがありますが、まさにその言葉通りだと感じているんですよ。―胸が痛いお話ですね。来日の際には、試写イベントで日本の観客と接する機会もあったそうですが、そこで感じたこともありましたか?監督本作のプロモーションのために、20~30か国くらい回りましたが、反応はどの国も同じですね。なぜなら、このテーマはとてもユニバーサルな価値を持っているから。つまり、社会的な貧困というのはどこの国にも存在していて、それぞれの国の人たちが、「実はうちの国でもこういうことがあって……」と比較しながら考えているからなんですよ。日本だって、テクノロジーの面でいえばほかよりも20年先を行っているような国ですが、貧困は隠されているだけ。だからこそ、表からは見えない貧困のなかで生きようとしている人たちの姿を描いた是枝裕和監督の『万引き家族』のような作品も生まれたのではないでしょうか。社会的な悲惨さというのは、不安を抱かせる要素ですが、このテーマというのは、とてもユニバーサルなものだと私は感じています。次世代の子どもたちのいいモデルになりたい―そうですね、大っぴらに語られてはいませんが、日本にも同じような側面はあると思います。スティーヴさんは初めて日本に来られたということなので、どのような印象を受けたのかをお聞かせください。スティーヴさん僕の友達のなかに、日本を訪れたことがある人は何人もいて、彼らからは「未来の社会があってすごく圧倒されるよ!」と聞いていました。でも、僕らフランス人は『シティーハンター』とか『ドラゴンボール』といった日本のアニメに夢中になって育ってきましたから。そのなかでいろいろな車や景色を見ていたので、そういう意味では昔から知っている場所に来たような感じがしているくらいですよ(笑)。―アニメの影響力はすごいですね。映画の話に戻りますが、本作はカンヌ国際映画祭にはじまり、ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞など、世界中で高く評価されました。初の長編作品でここまでの反響は予想されていましたか?監督映画がよくできてるんだから、これだけの成功を得られたのは当然のことだよ(笑)!というのは冗談で、本当に誇りに思っています。長編の作品は初めてですが、僕がカメラを回しはじめたのは17歳のころで、いま40歳だから、キャリアとしてはすでに20年以上。なので、これまでの努力と経験がようやく結実したと感じています。多くの人に自分の作品を観てもらうための戦いは、自分の人生のなかでもそれなりにあったので、それが今回の作品で成功したのはうれしいことですよね。パリ郊外の黒人監督がカンヌ国際映画祭で審査員賞受賞を受賞したことも、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞といった賞にノミネートされることも初めてだったと思うので、非常に光栄なことです。―そういった経験は、今後のモチベーションにもつながっているのではないでしょうか?監督自分の目標のひとつにあるのは、「いい意味での前例やモデルになりたい」ということ。僕にでもこれだけのことができたのだから、次の世代の子どもたちにもついてきてほしいし、こういうことも可能なんだということ知ってほしいので、その目的は果たせたんじゃないかなと思っています。それもあって、いまは映画学校も作ったんですが、そのなかで良い方向への追随性が生まれ、みんなが続いてくれたらいいですね。それがいまの僕が持っている野心です。観客全員に自問自答してほしい―ラストは非常に衝撃的でしたが、最後にこのシーンに込めた思いを教えてください。監督実は、あのシーンは実際に僕の目の前で起きた出来事からインスパイアされています。なので、あのシーンというのは作りものではないんですよ。では、どうしてああいう終わり方にしたかというと、そのほうがこの映画に力強さを与えられると思ったから。つまり、映画を観終わったあとに、「よかったね」とか「悲しいね」というので終わるのではなく、そこからみんながこの問題について考えはじめ、話しはじめてほしかったからです。「もし自分がイッサだったら」「もし自分がステファンだったら」とそれぞれの立場で自問自答し、討論してほしいという願いを込めているので、みなさんにもそれを伝えられたら思っています。いまこそ悲惨な現実を断ち切るべき!一見、豊かで平和に見える国でも、その裏にはさまざまな問題や不安要素を抱えているもの。席から立ちあがれないほど打ちのめされる結末から、未来のための大きな課題を受け取ることができるはず。長年にわたって、多くの人が見ぬ振りしてきた世界が抱える問題であるだけに、日本人も目をそらさずに向き合うべき時が来ているのです。心をえぐる予告編はこちら!作品情報『レ・ミゼラブル』2月28日(金)より、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー配給:東北新社、STAR CHANNEL MOVIES©SRAB FILMS LYLY FILMS RECTANGLE PRODUCTIONS
2020年02月27日今回のテーマは「老後貧困」です。何だか物々しいタイトルですが、老後資金対策を行っていなかった為に、カードローンで凌ぎ、結果借金地獄の様な日々を送る方の話を聞いた事があります。結果返済不能に陥り、破産宣告して老後破産に繋がっていきます。この話は現実に起きている話で、決して他人事ではありません。いつどうなるのか分からないのが人生です。老後お金で困る事が無いように、今から出来る対策を解説していきますので、出来る事から始めていって下さい。「老後不安」の原因と問題点今回のテーマに沿って解説するに当たり、先に原因と問題点についてお話したいと思います。そもそもですが、老後が不安だなと感じる様になったのは、いつ位からでしょう?人によってバラバラではありますが、私はバブル崩壊後からお金に関する問題に気付き始めた様に思います。かつて日本は好景気でした。老後を迎えた高齢者や中高年の方々はバブルの恩恵を知っている方達だと思います。しかし好景気はいつまでも続かず、1990年代にはバブル崩壊となり、一転不景気となり今に至ります。バブル期の金利は今では考えられない程の利率となっており、ゆうちょの10年定期預金で約8%もの金利があったそうです。私はこの金利の高さが原因であると考えています。元本保証&高金利という問題がお金の事を考えなくなった一つの要因ゆうちょで8%という事は、単純計算でも約9年で預入金額が倍になる計算です。しかも日本円ですので、元本は確保されている事になります。今の時代こんな金融商品があったら、皆さん預けますよね。何も不安はありませんよね。不安が無いという事は、お金を増やす方法なんて考えなくて良い訳です。簡単にゆうちょに預けておけば9年間我慢するだけで倍になりますから。この事が一生続くと誰もが思っていたのかもしれませんが、結果今ではどの金融機関でも0.001%の預金金利です。真剣に考えなければならなくなりましたが、これまで元本保証に依存してきたツケが回ってきました。そして金融商品に関する知識が無いので無難な保険に移行する事になるわけです。私はこの金利の高さがこそが安心と思い込み、不安を解消し、別の手を考えなくなった原因だと思います。保険も万能では無い!過去に保険会社も倒産しているバブル期において、金融機関の一角を担う保険会社も利率の高い商品が沢山ありました。今でも保有していらっしゃる方はお宝保険として持っておくべきでしょう。保険は将来の解約金を契約時に約束しますので、ある一定期間保有しておけば、かなりの解約金になるものもありました。しかし、バブルが崩壊すると同時に保険会社に解約が殺到。しかも高利率を謳っていましたが、その利率での運用が厳しくなり、最終的に経営破綻へと繋がります。この高金利が悪い意味で作用してしまったという事ですね。今では各保険会社もそうですが、財務内容等含め健全に運営されているか等厳しいチェックを受けています。今では保険も低利率となり、預けるメリットが殆ど無い状態にまで陥っています。中には商品の販売停止をしている保険会社もある位です。それ位今の時代は円で、元本保証で資産を増やす事が厳しい時代になったという事です。原因と問題点のまとめまず、原因を整理すると、次の様に解説する事ができます。高金利の恩恵に与っていた為、円建て一本で資産分散をしてこなかった情報や知識が無い為、バブル崩壊後も何か新しいものに手出しする事が出来なくなった元本保証への過剰な依存ではこの原因がどんな問題を引き起こすのかというと、次の様に考えられます。私達はお金の勉強をこれまでしてきませんでした。と言うより、する必要が無い時代があったからです。しかも日本はお金の事を話すと嫌がられる文化でもあり、中々誰にも相談出来ない時代だったと思います。また、親や祖父母の世代では資産運用している人はかなり少数だった様に思います。つまり元本保証に依存している事をそのまま子供世代にも伝える為、金融教育の機会が無かったと考えています。この問題を解決しなければ、先々日本は子供の世代が苦しむ事にも繋がってくるのではないかと危惧しています。これが私が考える問題点であり、冒頭の老後破産等に繋がってくると思います。現実的な対策は?では具体的にどんな対策を講じればいいのでしょうかという事になりますが、いきなり「〇〇の株を買え」とか「△△を始めろ」と言われても、行動できませんよね。では今すぐできる事は何があるのかをこれからポイントとして解説していきますので、ぜひ参考にして下さい。尚、今回のポイントに関してはFPである私も実践している事なので、真似事でもいいので始めてみて下さいね。[adsense_middle]貧しい老後を送らない為のポイント①情報取集から始める基本の部分ですが、お金を上手に増やすための情報収集から始めてみましょう。実際に様々な金融商品をチョイスするのは後で構いません。例えばですが、皆さんはご自宅の物件(持ち家や賃貸)を決める時に、いくつか不動産屋や住宅展示場を回りませんか?数ある物件やメーカーから条件の良い場所や値段、広さや快適さを求めて探し回ると思います。お金を増やす事も住まいを探す事も同じ事なんですよね。結果自分に返ってくる事になりますので、真剣になって、場合によって妥協点を見出しながら決めると思います。「分からない、知らない事」を「分かった!知っている」に変えてあげる作業になります。お金の勉強をするツールは雑誌、ネット、セミナー等様々ありますが、勉強方法は人それぞれです。対面で話を聞きたい、会話で学びたいのであればセミナーを受講するのが近道でしょう。先に知識を得たいと思う方は、雑誌やネットで気になるワード検索で調べる事が近道だと思います。このマネタスに掲載されている記事は全てFPが書いています。分かりやすい構成になっていると思いますので、参考になれば幸いです。但し情報収集は一時的に終えるのではなく、絶えず行っておく事が大事だと思います。継続は力なりですね。貧しい老後を送らない為のポイント②お金を貯める癖を付ける次のポイントとしてお金を「貯める癖」を付けましょう。貯める事が得意な方は飛ばして下さい。私もクライアントを抱える仕事をやっていますが、新規クライアントさんで、お金がどうしても貯まらないという方にお会いする事があります。貯まらない理由はいくつかあります。どうしても使ってしまう、収入自体少ない、カードを使う事が多いので支払いが増える等です。ここで私の実例を元に貯まる癖を解説しますので、出来そうであれば実践してみて下さい。私の実例私も新社会人になってお給料を貰う様になってから、中々貯まりませんでした。2年位経過した時にお付き合いした方と話し合って、一緒に毎月積立をするという取り決めを行い、給与口座とは別に定期預金の口座を開設しました。これまでは給与口座一つで管理していましたが、別に貯蓄口座を設け、そこに給料日になったら必ず2万円を通帳に入れる様にしました。そして記帳された通帳を彼女にも見せていました。最初はストレスがありましたが、3カ月も経てば6万円も貯まっているので、貯まる事が嬉しかったのを思い出します。この方法の利点は次の様になります。給与口座と分ける事で「使っていいお金」と「貯めるお金」の住み分けが出来た事記帳する事とその事実を別の人にも見せる事で管理しあう事定期預金なので、引き出す際の手間がかかるので簡単には引き出さない事以上3点です。この様に誰かがいれば管理しあえますが、周りに誰もいない場合は独自でやる必要があります。その場合、親に仕送りのつもりで送金するとか手の届きにくい所にお金を預ける事がポイントになります。3ヶ月も続けば習慣になってきますので、まず出来そうな金額を決めて無理のない範囲で始める事も一つの習慣化でしょう。貧しい老後を送らない為のポイント③収入に見合った割合の金額を貯めるこれは先程の実例にも書いた様に、無理のない範囲という点が一つのポイントになります。もう一つのキーワードとして「貯める」と書きましたが、貯める癖が付いてきたら、いよいよ金融商品の出番です。この点は後程解説しますが、まずは無理のない、続けられる金額にしておく事が大事です。いきなり月5万円や10万円などは、かなり生活に制限をかけなければならない金額になりかねません。友人や会社の方々との付き合い、彼氏、彼女との交際などお金が必要になってくる場面も出てきます。何度も言いますが、無理は禁物です。続ける事が大事であるという事を憶えておいて下さい。そして、収入の何割を貯蓄に回すかという事ですが、最初は1割で構いません。最低1割は貯められる様にしてみて下さいと言った方が正しいかもしれません。いきなりハードルを上げてもきついですし、低いハードルで継続できる事を実証しましょう。これが続けば1.5割、余裕が出来れば2割まで持っていければいいですが、お給料との兼ね合いもありますので、スタートは1割から始めてみて下さい。貧しい老後を送らない為のポイント④自分年金を作ろう貯める癖がついたら、いよいよ自分年金を作っていきましょう。年金は国が面倒をみてくれますが、国をアテにしない自分だけのオリジナル年金です。ポイント①で情報収集した自分の性格に合った金融商品で、ポイント②③で貯めるお金の一部を自分年金に回します。この場合、貯める=元本保証の預金ですが、自分年金は増やす事を意識します。それが保険の個人年金なのか、外貨預金なのか、投資信託なのかは個人の価値観に合う商品が望ましいです。何故なら、先程も言いましたが、続ける事が大事だからです。預金以外の金融商品は短期であればあるほど元本割れを起こします。それでは意味がありませんので、長きに渡って継続できる商品にしておきましょう。参考までに、投資信託ではネット証券を利用すると100円から投資する事も可能です。「やってみたいけど少し怖いな」と言う方は少額でもいいので、触れてみて下さい。増えている実感が湧けばいつでも金額変更する事は可能ですよ。老後貧困に関するまとめ今回は老後貧困にならない為にという事で、貯める方法・増やす方法の初歩に関して解説してきました。やるべき事を早いうちからやっておかなければ、誰も助けてはくれません。国や会社もアテには出来ない時代です。自分の身は自分で守る意識がとても大切ですし、出来ない理由より、出来る理由を探し、少額でもいいので一歩を踏み出してみて下さいね。
2020年01月22日「離婚をしたいけれど、経済的に苦しくなってしまうのが心配…」という女性は多いのではないでしょうか?シングルマザーの貧困は、社会問題にもなっています。本記事では、シングルマザーがなぜ貧困になってしまうのか、その原因について分析し、母子家庭が抱える問題を解決する方法について考えてみたいと思います。日本のシングルマザーの貧困は社会問題化している日本のシングルマザーの貧困は、思いのほか深刻です。母子家庭の貧困率がどれくらいなのかを知っておきましょう。相対的貧困率からわかるシングルマザーの貧困貧困世帯の割合を知る手がかりになるのが、「相対的貧困率」という指標です。貧困には絶対的貧困と相対的貧困があります。大まかに言うと、絶対的貧困は人間として最低限の生活を維持するのが困難な状態、相対的貧困はその国の経済的・文化的水準を考えたときに困窮している状態になります。日本の相対的貧困率を知れば、日本の標準的な生活水準に満たない世帯の割合を知ることができます。厚生労働省が行っている国民生活基礎調査(平成28年度)によると、日本全体の相対的貧困率は15.7%となっており、7人に1人が相対的貧困の状態です。日本のひとり親家庭の約半数が貧困国民生活基礎調査(平成28年度)では、子供がいる現役世帯のうち大人が1人の世帯、すなわち、ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)の相対的貧困率は50.8%という結果が出ています。ひとり親家庭の約85%は母子家庭ですが、母子家庭に限った場合には、さらに比率は高くなることが推測されます。母子家庭の半数以上が貧困に陥っているのが日本の現状です。先進国の中でも突出して高いひとり親家庭の貧困割合OECD(経済協力開発機構)では、2000年代半ばまでの加盟国の相対的貧困率を公表しています。これによると、日本の相対的貧困率は小さい順から並べたときに30か国中27位で、先進国の中でも相対的貧困率が高い国であることがわかります。特に、日本におけるひとり親家庭の相対的貧困率は、30か国中最も高いという結果が出ています。貧困に陥った母子家庭の実態母子だけで生活していくためには、住む場所を確保し、家賃や光熱費を払わなければなりません。しかし、貧困に陥っていれば、家賃等を払ってしまうと使えるお金がほとんどなくなり、ご飯もろくに食べられないことになってしまいます。値段の安いジャンクフードばかりを食べてしまい、健康を損ねることもあるでしょう。貧困に陥ると、子供を高校や大学へ進学させるのも困難です。母子家庭では、子供も中学や高校卒業後、早い時期から働かなければならくなってしまいます。子供も十分な教育を受ける機会を逃してしまい、貧困の連鎖を起こしてしまうのです。シングルマザーが貧困に陥る原因とは?シングルマザーが貧困に陥る原因としては、いろいろな要素が絡み合っています。シングルマザーの多くが貧困という事実から、女性の働き方や貧困の連鎖など、解決しなければならない問題が浮き彫りになってきます。次項から、シングルマザーの貧困の原因について分析してみます。シングルマザーの貧困の原因①子供がいる女性は正規雇用で働きにくい働く女性が増えたとはいっても、職場における女性の待遇はまだまだ男性並みとは言えません。特に子供を産んだ後、女性は働きにくくなってしまいます。シングルマザーが貧困になってしまうのは、思うように働けないという理由もあります。[adsense_middle]働こうにも子供の預け先がないことがあるシングルマザーが子供を預けて働くには、子供の預け先が必要です。実家を頼ることができるシングルマザーはごく一部ですから、子供を保育所に預けなければなりません。日本ではそもそも保育所が不足している状態なので、入れる保育所がすぐに見つからないことがあります。幼い子供がいると採用されにくい子供を保育所に預けられたとしても、夕方決まった時間までにはお迎えに行かなければなりません。子供の病気の際には、仕事を休んで看病しなければならないこともあるでしょう。シングルマザーは、代わりにお迎えに行ってもらったり子供の看病をしてもらったりする人がいないことがあります。職場に迷惑がかかるおそれがあるため、シングルマザーは正規雇用では採用されにくいのです。パートやアルバイトでは十分な収入にならない子供を預けられる時間が限られていれば、短時間のパートやアルバイトでしか働けません。パートやアルバイトでは、親子で暮らしていくのに十分な収入にならないことが多いはずです。結婚していて共働きの間はパートやアルバイトでも何とかなったかもしれませんが、シングルマザーになると、生活費は全部自分の収入でまかなわなければなりません。切り詰めても生活が苦しいということになってしまいます。シングルマザーの貧困の原因②子供の父親から養育費を受け取っていないシングルマザーになっても、子供の父親が元気で働いていれば養育費をもらうことができます。しかし、現実には養育費をもらっていないシングルマザーが大半です。養育費を払ってもらうには事前に取り決めしておかなければならない離婚しても父親と子供の関係は変わりません。父親は子供と別居していても、養育費を払って子供を扶養する義務があります。離婚後のシングルマザーは、元夫から養育費をもらうことができれば生活も随分楽になるでしょう。日本では養育費を父親側から強制的に徴収するような制度はなく、夫婦間の取り決めにゆだねられています。しかし、実際には取り決めができていなかったり、取り決めしていても養育費が払われなかったりするケースが多くなっています。養育費を受け取っているシングルマザーは4人に1人平成28年度に厚生労働省が行った「全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯のうち養育費を継続的に受け取っている世帯の割合は25.4%となっています。今の日本では、シングルマザーになっても、4人に1人しか養育費を受け取っていないのが現状です。自分が働いて得られる収入だけでは、子供を育てていくのに十分ではないでしょう。養育費を受け取っていないことも、シングルマザーの貧困の原因と言えます。シングルマザーの貧困の原因③周りの人に助けを求めにくいシングルマザーの中には何もかも一人で抱え込んでしまい、身動きできなくなっている人もいるはずです。周りの人にSOSを出すことができなければ、どんどん深刻な事態に陥ってしまいます。子育てを助けてくれる人が身のまわりにいない現代の子育ては、たとえ離婚しなくても孤独なものになっています。大家族で暮らしていた昔と違って、今は子育てを助けてもらう親や親戚が身近にいないことが多いでしょう。近所付き合いもなく、近くに友人・知人もいなければ頼れる人が誰もいません。離婚すれば夫を頼ることもできず、ますます孤独になってしまいます。離婚や貧困は自己責任と思われがちシングルマザーは困っていても人に相談しにくいことがあります。今の日本では、大部分の人が離婚に対してネガティブな印象を持っています。シングルマザーというだけで偏見を持つ人も少なくありません。「離婚は自分の責任だから、困っても自分で何とかすべき」という自己責任の風潮もあり、人に相談すること自体を躊躇してしまうシングルマザーも多いのです。誰にも助けを求められなければ、どんどん状況は悪化してしまいます。そしてひとたび貧困になってしまうと、なかなか抜けられないことになるのです。シングルマザーになっても貧困に陥らないためには?シングルマザーの貧困の現状を知ると、離婚を迷ってしまう人も多いと思います。シングルマザーが貧困に陥らないためには何に気を付けておけばよいのでしょうか?[adsense_middle]自立できる仕事を持っておく女性が離婚後に貧困に陥らないようにするためには、経済的に自立できる力を持っておくことが何よりも大切です。離婚の準備をするなら、安定した仕事を確保することを最優先にしましょう。あまり働いた経験がない人や、結婚してからのブランクが長い人は、好条件の仕事が見つからないかもしれません。しかし、最初は条件が悪くても未経験から少しずつスキルアップし、収入を増やしている可能性もあります。時給だけを見て短期や単発のアルバイトで当座のお金を稼ぐよりも、長く安定して働ける仕事を探した方がよいでしょう。円満離婚を目指す貧困にならないためには、できるかぎり円満離婚をすることも大切です。養育費についても、きちんと話し合って取り決めおきましょう。どうしても顔を合わせて話し合いができない場合には、離婚調停を申し立てる方法があります。養育費をきちんと払い続けてもらうためには、子供と父親との関係が良好であることが欠かせません。離れている父親にも子供の成長を喜んでもらえるよう、積極的に面会の機会を設けましょう。助けを求めるためにネットワークを持っておくシングルマザーになっても、何もかも一人で頑張る必要はありません。母子だけで生活するなら、困ったときに頼れる人がたくさんいることがとても大切になってきます。友人や知人を大事にし、実家などを頼れるなら頼りましょう。人に頼ることは悪いことではありません。迷惑をかけた分は後で返すことができます。人に助けてもらうことで感謝の気持ちを持ち、自分も人のためにできることをしてあげようという気持ちになるはずです。たとえ父親がいなくても、たくさんの人に見守られていれば子供はのびのびと成長します。自分のためにも、子供のためにも、ネットワークを広げておきましょう。貧困に陥ったシングルマザーがすべきことは?母子家庭になったけれど生活が苦しいという場合、決して一人で悩まないようにしましょう。母子家庭向けの支援制度もあります。役所に相談し、今、何をすべきかを整理することが大切です。受けられる支援がないかどうかを確認自治体等で、シングルマザーが受けられる支援制度が用意されています。受けられる支援制度がないか確認してみましょう。シングルマザー向けの支援制度は、自分で請求・申請しなければ受けられません。ホームページを確認したり、自治体の窓口に相談したりして、自分で情報収集をしましょう。養育費を請求することを考える離婚のときに養育費の取り決めをしていなくても諦める必要はありません。未成熟子を養育している場合、離れている父親に対してはいつでも養育費を請求できます。直接養育費を請求しにくい場合には、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てることも可能です。どうしてよいかわからなければ役所に相談してみるシングルマザーの貧困は社会問題にもなっているので、どこの自治体でもひとり親家庭向けの相談窓口を設けています。困ったとき、どこに相談に行ったらよいかわからないときには、まずは役所に聞いてみましょう。子供は貧困にしない!教育の重要性を意識しておこうシングルマザーの場合、食べていくだけで精一杯で、子供の教育までお金をかけられないという人が多いと思います。けれど、子供を貧困にしないために教育は重要です。貧困の連鎖とは?貧困は連鎖すると言われています。貧困の連鎖とは、親が貧困であると子供も貧困になってしまうということです。母子家庭では、お金がないからという理由で子供の進学を諦めることもあるかもしれません。けれど、貧困を理由に教育を受ける機会を逃した子供は、十分な収入を得られる仕事につけず、将来的にも貧困になってしまう傾向があります。奨学金を活用すれば進学もできる進学費用が用意できない場合には、奨学金を利用するという方法があります。奨学金は借金なので敬遠する人もいますが、子供自身に学ぶ意欲があるのなら、進学を前向きに検討するのがおすすめです。奨学金の中には返還不要の給付奨学金もありますから活用しましょう。2020年度からは日本学生支援機構の給付奨学金制度が拡充され、対象の大学や専門学校に進学する際に、より多くの学生が給付奨学金をもらえるようになります。たとえば、住民税非課税世帯から私立大学に自宅通学させる場合、要件を満たせば月額3万8,300円の給付奨学金がもらえます。教育の重要性を認識し、母子家庭であっても子供にはしっかりと学ぶ機会を与えましょう。シングルマザーの貧困問題に関するまとめ一人で子供を育てるシングルマザーは、パートやアルバイトでしか働けず、十分な収入が得られないケースが多くなっています。養育費をもらえなければ、生活費が足りずに貧困になってしまうのも無理はないでしょう。生活が苦しくてどうしようもないなら、一人で悩まず誰かに助けを求めることが大切です。これから離婚を考えている人も、自立できる仕事を探すと同時に、ネットワークを築いておくことを重視しましょう。
2019年09月11日こんにちは、婚活FP山本です。最近では、「貧困女子」などというイヤな言葉を見かける機会が増えましたね。この言葉を使った書籍も売れている様子ですが、実際のところはどうなのか……気になる女性も多いのではないでしょうか。興味本位という方も多いでしょうが、筆者としては「注意喚起」の意味合いで興味を持って頂きたいところです。そこで今回は、貧困女子の実態を様々な角度からお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。貧困女子とはいえ、実態は千差万別!まずは、貧困女子そのものの基本についてお伝えします。「貧困」「女子」という言葉からもイメージできる通り、ざっくり貧困女子とは「お金に困っている若い女性」を指すことが多いです。一般的に、若い女性ならキラキラしたイメージが付きまといますから、そのギャップが怖いところかもしれませんね。ただし一口に貧困女子とはいえ、その実態は千差万別です。食べるのに困るほどの女性もいれば、周囲と同じことができない程度の女性もいます。中には「自覚のない貧困女子」もいるのが実情です。一括りにはできませんが、少なくとも「お金がない」点は共通といえます。ちなみに貧困女子は、いまや「単身女性の3人に1人」が当てはまるという説もあるほどです。もしかしたら、あなたの周囲にも一人くらい貧困女子がいるのかもしれませんね。貧困女子の定義は、実はない実は貧困女子に、明確な定義はありません。貧困そのものは、年収約120万円以下の人を指し、およそ「全体の7人に1人」が該当します。月収なら10万円程度ですね……。また貧困女子に該当する「女子」とは、主に20代以下、あるいは35歳以下を指すことが多いです。実際に貧困女子に該当するかどうかはともかく、少なくとも「多くの貧困女性がいる」というのは一つの現実といえるでしょう。月10万円少々での生活……あなたなら耐えられますか?貧困女子の仕事は、多くが低収入!次は、貧困女子の仕事についてお伝えします。先ほどの定義からもお分かりの通り、貧困女子の仕事は、基本的に「低賃金」です。最低時給のアルバイトや非正規雇用、派遣社員などが多いといえます。中には貧困から脱出したいあまり風俗へ行く女性もいますが、それでも低賃金なことも……。しかも、「仕事が不安定」ということも多いです。そもそも雇用が不安定、雇われていても仕事が毎日あるわけではなく、結果的に収入も少ないケースが多いといえます。中には正社員なのに、フルタイムで働いても給料は最低時給と同レベルというケースもありがちです。そして、病気や育児などが理由で「そもそも満足に働けない」ということも多いといえます。自分で満足に稼げず、かといって養ってくれる男性もいないなら、貧困も理解できるのではないでしょうか。アパート代すら出せない難民も多い類似する「ネットカフェ難民」などという言葉もありますが、現実にアパート代すら出せない貧困女子もいるのが現実です。月収10万円程度では、都心部なら丸々アパート代ということもありますね。もちろん引っ越し代も、簡単には用意できません。「普通に働きたいのに働けない、稼げない」という、ワーキングプアな側面を持つのが貧困女子です。経済面を筆頭に、そこから肉体面・精神面もドンドン厳しくなっていくのがイメージできるのではないでしょうか。貧困女子の生活は、意外と普通?今度は、貧困女子の生活についてお伝えします。ちょっと意外に感じるかもしれませんが、実は貧困女子も周りから見ている分には普通の女性と大差ありません。ボロボロの服を着ている訳でもなければ、ノーメイクという訳でもありません。基本的にガリガリでもありませんね。しかし、身近な人は気づくかもしれません。貧困女子の多くは同じ服を着回し、質素なものを食べ、お誘いもほぼ受けません。電車を使わない人もいますし、病院も美容院も行きません。最低限の身なりは「仕事のため」で、その他は極力お金を使わない生活をしているわけです。貧困女子にしてみれば、たとえ100均での買い物すら死活問題といえます。未経験だとイメージしにくいかもしれませんが、想像以上に過酷なのが貧困女子の実際の生活ぶりです。ゴミや廃品を拾うような人は皆無日本で貧困というと、まだまだ「ホームレス」を想像する人も多いですね。寝床は公園のテントや段ボール、食事は炊き出し、日中はゴミや廃品を拾う……貧困女子は違います。違いますが、ホームレス一歩手前、または形の違うホームレスと考えてもいいかもしれません。もっとも、「明日の希望が見えない」という点では同じで、「失う恐怖」がある分さらに過酷なのかもしれません。そんな生活を、まだ社会に出たてで味わっているのが貧困女子です。[adsense_middle]貧困女子の恋愛は、意外とモテる特徴が……?さらに、貧困女子の恋愛事情をお伝えします。これは一概にいえないのですが、実は貧困女子はモテるのが特徴です。実際に彼氏のような男性がいることもあります。そもそも、貧困でも裕福でも「若い女性はモテる」のが基本ですからね。これは分かりやすいでしょう。ただし……モテ方や寄ってくる男性には問題があることも多いです。お金に困っている=落としやすいと考え、パパ活や援助交際を持ちかける男性もいます。保証人や不倫の代償など、男性に騙されるような形で貧困女子に陥った方もいます。寄ってきた男性も貧困というケースもありますね。そうだと分かっていても、お金に困っていたり寂しさが極まったりしていれば、応じてしまう貧困女子も多いわけです。何とも言えない、悲しい「負の連鎖」が待ち受けているといえるかもしれません。友人や頼れる人は極めて少ないのが現実お金がなくて付き合えない、自分の困窮を知られたくない、迷惑をかけたくない……様々な思いから、貧困女子は孤立していることが多いです。自分の力でどうにもできず、かといって友人や頼れる人はほとんどいない、いても自ら遠ざける、こうして貧困女子は悪循環に陥ります。この現実・現象は貧困女子に限らず、貧困と呼ばれる様々な人と同じです。普通の女性なら「男性に助けてもらおう」と考える人もいますが、そうは考えないのも貧困女性の恋愛特徴かもしれませんね。「貧困」は、ある日突然にやってくる?若い女性が貧困女子に陥った理由・原因についてお伝えします。一概にはいえませんが、およそ以下がその理由・原因です。親が貧困、両親や旦那と別れた就職に失敗、勤め先がブラック企業子供がいる、金銭感覚がルーズこれらを出発点として、さらに別の理由に変化することもあります。過去が原因で、上記の状態になった女性もいますね。そして何より……これは筆者の見解ですが、貧困女子は「こうなると思ってなかった」という傾向です。きっと何とかなる、がんばれば何とかなる……そんな現在や未来への「見通しの甘さ」が原因といえます。「今」ラクなほうを選び続けた、未来を考えなかった、とも言えるかもしれません。上記の理由は、あくまで貧困女子になった「きっかけ・予兆」です。そこから誰もが貧困女子になる訳でもありません。しかし、すでに予兆は出ている訳ですから、そのままいつしか貧困女子になった、ある日突然なってしまったのが実情です。部屋や貯金があるうちは援助も厳しい「こうなると思ってなかった」わけですから、多くの女性は、ほとんど備えず貧困女子になっています。部屋や貯金、仕事がギリギリあるうちは、自分が貧困女子だと気づかなかったともいえますね。そして自覚してしまえば先ほどの通り孤立しますから、援助も難しいのが実情です。貧困女子になってからも、なる前からも援助が難しい……。だからこそ、さらに前々からの自助努力や周囲の援助が必要といえます。できれば貧困の予兆自体を回避できるよう、自他共に努めていきましょう。明日、あなたも貧困女子になるかも!?最後に、肝心なことをお伝えします。あなたは貧困女子について、どう思いましたか?可哀そう?力になりたい?それとも自分には関係ない?結論からいえば、「明日、あなたも貧困女子になってもおかしくない」のが現実です。そもそも十分な貯金はありますか?無いうえで収入源を失えば、即座に仲間入りですね。明日、旦那が不倫して離婚されるかもしれません。明日、会社が倒産するかもしれません。明日でなくても、いつかそうなるかもしれません。十分な貯金も明日、トラブルや詐欺で失うかもしれませんね。貧困女子は、未来を考えずに「こうなると思ってなかった」のが基本です。明日は我が身という可能性を考えられないなら、それは貧困女子と同じといえます。貧困女子に陥ってしまえば、挽回は極めて困難です。なんとか「最低限の警戒心」だけは、忘れないようにしましょう。なお、若い女性のお金への考え方については以下も参考にどうぞ。「女子」のうちなら挽回の余地アリ!気付かない、考えられない人も多いのですが、実は「貧困女子」のうちは十分に挽回の余地があります。つまり「若いうち」という意味です。若さとは最高の武器であり、本人次第でどうとでも未来を変えられます。男性も寄ってきますし、就活でも十分に成功の可能性大ですからね。本当に怖いのは、貧困女子が女子でなくなった頃といえます。貧困に陥ったら、あなたは貧困女子になれますか?未来には「老後破産」の可能性もあります。しっかり未来を見据えて考えて、ずっと幸せな人生を歩んでいきましょう。[adsense_middle]人間関係は鏡!貧困女子にどう接する?結局、貧困女子が貧困を脱するには、自助努力か他者援助のどちらか、または両方が必要です。そして人間関係は鏡であり、人を助けない人は人から助けてもらえません。あなたにも貧困女子になる可能性があるのなら、その時に誰かに助けてもらえるような行動を心がけることをおすすめしたいところです。
2019年08月09日『火垂るの墓』で知られる日向寺太郎監督が手がけた最新作『こどもしょくどう』は、子どもの貧困対策として近ごろ注目を集めている「子ども食堂」がテーマ。といっても映画には子ども食堂そのものの描写はほぼありません。それよりもっと根本的な問題、どうしていまの日本で子ども食堂が必要とされているのか、必要とする子どもたちはどんな思いなのかについて、子どもの視点から描かれています。藤本哉汰さんや鈴木梨央さんなど子役の演技がすばらしく、うっかりすると子どもに感情移入しすぎてしまうのですが、時折発せられる子どもたちの鋭い一言に、大人としてこの問題に対して同情や共感だけで終わってはいけないことに気づかされる映画です。■7人に1人の子どもが相対的な貧困状態にある日本映画のタイトルでもある「子ども食堂」とは、家族と一緒に満足な食事をとることができない子どもたちのために、地域のボランティアなどが無料~数百円で食事を提供する取り組みのこと。すでに全国に2000か所以上あります。運営形態はさまざまで、最近では大手コンビニも参入。地域の人ならだれでも参加できるところが多く、新たな地域コミュニティの場にもなっています。映画に登場するユウト(藤本哉汰)は、食堂を営む両親と妹と健やかに暮らす小学5年生。幼馴染のタカシ(浅川連)は母親が育児放棄で、家に帰っても一人ぼっち。ユウトの両親はタカシを心配して、頻繁に家に招いては夕食を食べさせていました。ある日、ユウトとタカシは、河原で父親と車中生活をしている姉妹、姉・ミチル(鈴木梨央)と妹・ヒカル(古川凛)に出会います。姉妹は幼稚園や小学校にも通っていません。…とこんな感じで大変な状況の子どもたちばかりが出てくるので、人によっては現実離れした設定に思えるかもしれませんが、実際はそうでもありません。まもなく終わる平成は「失われた30年」ともいわれ、経済が停滞し、貧困や格差が広がったといわれます。日本の貧困についてはニュースでもよく報じられていますね。具体的なデータを見ると、厚生労働省発表の「子どもの相対的貧困率」(2015年「国民生活基礎調査」)は13.9%にのぼり、なんと7人に1人の子どもが相対的な貧困状態にあります。貧困といっても、昔のように服装やニオイで明らかにわかることはほとんどなく、見た目は普通。周囲が気づくのが難しいため「見えない貧困」という表現もよく使われます。■近所に貧困の子どもがいたらどこまで関わるべき?ユウトは、ミチルやヒカルを家に連れてきて、両親に食事を出してほしいと頼みます。両親は怪訝に思いながらも姉妹に食事を食べさせます。ユウトの母・佳子(常盤貴子)は姉妹を心配し、何か行動したほうがよいと考えます。一方、ユウトの父・作郎(吉岡秀隆)は、ごはんを食べさせるくらいはよいとしても、事情がわからないのでとりあえず様子見でいいだろうという姿勢。夫婦の間で意見が割れ、口論になっていました。個人主義で地域社会とのつながりも薄い現代では、作郎のように「首を突っ込みすぎないほうがよい」と考えるのは、むしろ自然なことかもしれません。余計なことをして親に逆恨みをされたくないし、面倒なことに巻き込まれたくないと思えば、「家庭ごとの事情があるだろうから」と行動しない理由づけをするのも簡単です。ところがそんな両親に、あるときユウトは「見ているだけで何もしていない」と怒りをぶつけます。もちろん、両親は何もしていなかったわけではありません。両親はミチルやヒカルに何度かごはんを食べさせていたし、心配もしていました。大人の視点では十分関わっているように見えますが、場当たり的な対応だけで根本解決への行動を起こそうとしないのは、ユウトから見れば何もしていないのと同じことだったのです。「見えない貧困」は、言葉のとおり見えないから想像しづらいものです。でもだからこそ、身近な人や地域が動かなければ、そのままだれにも気づかれず、ときには最悪の事態を招くことも。最近は貧困に限らず、「もうすこし周囲の大人が気にかけていれば…」と感じる悲しいニュースも目にします。映画の中にもそうした悲しい結末を想像させるようなシーンがあります。■「子ども食堂」の存在意義とは?親として大人としてやるべきこと子ども食堂はすばらしい活動ですが、本当に温かい食事を必要としている貧困家庭の子どもや親に来てもらうことが難しいという課題もあります。開催は月に1~2回の開催というところがほとんどなので、そもそも貧困に苦しむ子どもへの食事支援と考えたとき、十分とはいいづらいかもしれません。とはいえボランティア等による運営なので、運営費や運営スタッフの確保も大変です。ただ、ここでひとつ忘れたくないのが「子ども食堂」の存在意義はおなかを満たすだけではないということ。親が忙しく夕食を1人で食べる子どもにとっては、子ども食堂は楽しい集いの場になりえます。俵万智さん作詞の映画の主題歌も、誰かと食事を共にする楽しさを歌っています。俵さんは歌詞に込めた思いを「食べるという命に直結する行為で、大人から子ども、社会が繋がっていく姿が素晴らしいと感じました。なのでそこに焦点を絞りつつ、自分自身の感想・感動、この映画からもらったものを自分なりに言葉でお返しする、そんな気持ちで歌詞を書きました」と語っています。タカシも、ミチルやヒカルも、家庭環境が複雑で、それが貧困につながっています。いまは親であっても自分の人生を生きやすい時代。仕事やパートナーとのかたちも多様で、いろいろな生き方が尊重されてしかるべきですが、そのしわ寄せがはたして子どもにいっていないか、ということは立ち止まって考えることも必要なのかもしれません。ニュースで子どもの貧困を知っていても、その状況に置かれている子どもたちの気持ちや有り様にまで想像を働かせるのはとても難しいこと。この映画を観ると、どこか人ごとだった「子ども食堂」や「見えない貧困」についてもうすこし自分事としてとらえられるようになったり、自分のすぐ身近に困難を抱えた子どもがいる可能性を想像しやすくなったりすると思います。子どもたちは社会の未来であり、希望。その子どもたちを守るのは私たち大人の大切な役割であることにあらためて気づくと同時に、何をするべきか考えるきっかけをくれる映画です。『こどもしょくどう』3月23日(土)より岩波ホール2週間先行ロードショーほか全国順次ロードショー小学5年生の高野ユウト(藤本哉汰)は、食堂を営む両親と妹と過ごしていた。育児放棄気味の母と2人で住む幼馴染のタカシを心配し、ユウトの両親は頻繁に夕食を振る舞っていた。ある日、ユウトとタカシは河原で父親と車中生活をしている姉妹に出会う。姉妹の姿を見かねたユウトは、両親に2人にも食事を出してほしいとお願いをする。しかし 数日後、姉妹の父親が失踪し、ミチルたちは行き場をなくしてしまう。公式サイト: <参考>厚生労働省: 平成28年 国民生活基礎調査の概況 [PDF:215KB]
2019年03月22日シングルマザーになって「いま幸福」と答えた人は、なんと95.8%! という調査結果が出ています。【調査概要】・調査期間:2018年6月6日~6月30日・調査対象:シングルマザー63名・雇用形態:正社員:47.6% アルバイト・パート:12.7% 会社役員:9.5% フリーランス7.9% 契約社員:6.3% その他 16%・収入分布:300万円未満:36.5% 300万〜400万:22.2% 400〜500万:20.6% 500〜700万:9.5% 700万以上:11.1%・調査方法:インターネット調査■自分で決断し自分らしく子育てをする「自由」 「離婚」して「シングルマザー」になると「不幸」だというのは、もう昔の話なのかもしれません。もちろん、ひとり親家庭の貧困率は事実として存在していますが、今回の調査結果をよく見ると、「シングルマザーになってよかったことはなんですか?」の回答では、精神的に楽な生活ができるようになった(71.4%)が1位。 幸せかどうかは「精神的」なところも大きいもの。そう思うと納得の結果です。続く回答としては、「旦那さんの要求からの解放」、「教育方針の自由」、「お金の使い方の自由」が並びます。「自由」であることが「幸福度」に大きく関係していることがわかります。 さらに「自分がたくましくなった」「子供との思い出がたくさんふえた」など、シングルになったことがプラスとも思える回答が続きます。 「選択的シングルマザー」という言葉もある現在、自分で自分らしく決断し、子育てをする人生が結果として幸せと感じている人も多いのです。■経済的な困難さは「子育ての手助け」がないことが起因!? 幸せという回答が多い一方で、もちろんシングルマザーならではの困難さも当然、存在します。「シングルマザーで大変だなと思うこと」の問いには、「子育ての手が足りない」が65.1%でトップ。さらに「仕事があるため、子供とすごす時間が少ない」「力仕事など、マンパワーが足りないと感じる時がある」が続きました。 ニュースなどでは、ひとり親家庭の貧困率ばかりがクローズアップされがちですが、実は「子育ての手助け」「絶対的な時間量」が足りないことも経済的な困難さを招く原因の一つではないでしょうか。■シングルマザーが再び結婚することへの願望は、半々 一度、離婚を経験すると、結婚への考え方が変わるかたも多いのでは。「再婚願望はありますか?」の質問は、ほぼ半数同士で分かれています。子育てにも、自分の人生にも、決まった答えはないというのがリアルなところなのでしょう。■よりよい人生のために! 応援してくれる人を味方にしよう 離婚率が上がり、シングルマザーやシングルファーザーが珍しくなくなった現代。経済的困難さや子育ての手助けを必要とする人々のために、公的支援もさまざまに登場しています。また、それだけではこぼれてしまう現実に対して、シングルマザーのためのシェアハウスなども登場しています。母子家庭ということを理由に、また保証人が立てにくいということが原因となって、物件が借りにくい現状があるからです。それを解決するために、全国に増えてきたシングルマザーのためのシェアハウスだけを集めたサイトなども誕生しています。◆シングルマザー向けシェアハウスが集まるサイト マザーポート とにかく人手が足りない…。そこで頼りたいのが、シッターサービス。利用者からの支持も高いキッズラインがシングルマザー・ファザーを応援するキャンペーンを開催しています。シングルマザー・ファザーそして本企画を応援してくださる全員にベビーシッター初回無料(最大5000円分)をプレゼントするという太っ腹企画。(2018年9月末まで)#シングルマザーが人類最強説 ということをメッセージとして発信しているこちらのキャンペーン、ぜひ詳細をチェックしてみてください。◆ ベビーシッター初回無料キャンペーン
2018年08月28日全国で2,200カ所を超え( 「こども食堂安心・安全向上委員会」 の調査による)、大きなムーブメントとなっている「子ども食堂」。もともとはごはんをちゃんと食べられず困っている子どものために、食事を提供したいという思いで始められたものですが、今では地域交流など、さまざまな役割をもつスペースになっています。しかし、ボランティア活動であるがゆえに課題もたくさん。政府が発表した最新のアンケート結果からその課題を読み解きます。■「子ども食堂」が抱える“6つの問題点”急増する「子ども食堂」ですが、実際に運営するのはやっぱりたいへん? 農林水産省が3月にまとめた「子ども食堂」運営者へのアンケート結果( 農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」 )には、主要課題として6つのポイントが挙げられています。1)来てほしい人や家庭の参加2)資金の確保3)スタッフの負担、スタッフの確保4)地域との連携5)リスク管理6)会場の確保「1)来てほしい人や家庭の参加」は、お金で解決できるわけではないだけに難しい問題です。「子ども食堂」は親子で訪れる人も多いように誰でも利用できるオープンな場ですが、そもそも運営者は「生活困窮家庭の子どもの居場所作り」を活動目的にしている人が多く、その割合は90%にもなります。それなのに実態としては「来てほしい家庭の子どもや親に来てもらうことが難しい」と感じている人が40%も! つまり、ちゃんとしたごはんを食べられない生活をしている子どもに食事をさせてあげたいという気持ちで食堂を始めたのに、実際にはそういった子どもは来てくれないというジレンマを抱えています。これを少しでも解消するためには、学校や行政、民生委員との連携が欠かせないようです。大阪府の子ども食堂(朝ごはんを提供)「個別児童の朝食欠食状況について、運営者が把握し対象の児童を絞って事業を実施することは難しいため、小学校を通じて全校児童に呼びかけをする」滋賀県の子ども食堂「民生委員や学校の先生が気がかりな家庭の子どもたちにそっと声をかけて誘ってくれたり、連れてきてくれたりすることもあります」また、非営利の「子ども食堂」とはいえ、運営するには普通のレストランと同じように場所と食材・調理器具などが必要です。先立つものはまずお金。「2)資金の確保」では、約70%の「子ども食堂」が社会福祉法人や市区町村などの助成制度を活用しているという結果が出ました。また、お金としては受け取らなくとも、食材を無償で提供してもらう場合も多いようです。農家やJAから農産物、肉、魚などを直接もらったり、食品メーカーからパッケージ商品を寄付してもらったり、スーパーの余剰在庫を提供してもらったり、「フードバンク」というNPO活動から集めた食品を提供してもらったりと、さまざまに工夫しているようです。「3)スタッフの負担、スタッフの確保」は、「子ども食堂」が基本的にボランティア活動であるがゆえに、賃金として支払えず、難しい課題になっているようです。経費面では人件費がかからないのはプラスですが、アンペイドワークゆえに人を集めにくい。「運営スタッフの負担が大きい」と考えている割合は30%にもなります。新潟県の「子ども食堂」「食事の準備、配膳、片付け等は、主催者3名とボランティア(地域住民および市内の大学に所属する学生等)により行われています。ボランティアは事前登録制ですが、ボランティア活動への参加日や時間は自由で、事前連絡も求めていません」「4)地域との連携」では、「学校・教育委員会の協力が得られない」と答えた人が最も多く約17%、続いて「行政の協力が得られない」と答えた人が13%。「住民の協力が得られない」と答えた人も3%いました。「町内会で子ども食堂を立ち上げようとしたら『貧困家庭はこの地域にいない』と言われてしまった」(「広がれ、こども食堂の輪!」全国ツアー参加者より)など、“見えない貧困”について理解が広がっていないこともうかがえます。「5)リスク管理」で最も心配されているのは、やはり食中毒を出してしまうこと。それぞれの「子ども食堂」では火を通したものしか提供しないなど、注意を払っているようですが、利用者からすると、知らない人が調理したものを子どもに食べさせることに不安を抱く場合もあるでしょう。福岡県の子ども食堂「初回の時、おにぎりの提供風景が新聞記事に載り、保健所から衛生管理について問い合わせを受けました」千葉県の子ども食堂「ボランティアを含めた調理スタッフ全員が毎年、検便検査を受けることにしています」81%以上の「子ども食堂」が事前に保健所に相談し、スタッフに衛生管理の知識がある人を加え、万が一の事態に備えて保険に加入しています。「6)会場の確保」についても周囲の協力が不可欠でしょう。最も多い例となっている「公共施設(公民館、児童館等)」を借りるのもお金がかかりますし、飲食店の定休日にそこを使わせてもらったり、お寺や教会などの宗教法人に場所を提供してもらったりという場合でも、光熱費などを支払う必要が出てきます。 ■自分で「子ども食堂」を開いてみたら!? 予算をリアルにシミュレーションちなみに、もしこの記事を書いている私が「子ども食堂」を開いてみるとしたら、どのぐらいの予算が必要なのか。アンケート結果を参考にしてリアルにシミュレーションしてみました。まず会場代。自分の住む地域の福祉センターで調理室と28人収容できる洋室を、夜間の時間帯に借りるとします。1室1,000円で合わせて2,000円。調理室は、準備のために昼間から借りると考えて、会場代はトータル約3,000円になります。メニューはカレーライスとサラダとゼリーと仮定し、1日の来場者見込み30人分で換算してざっと2万円。スタッフは自分のほかに3人ほどママ友に来てもらうとして、ボランティアなので良くも悪くも人件費ゼロ。開催の告知は、自分でポスターを50枚作成し配布するとして5,000円。ここまでで2万8,000円となります。さらに、来てくれた子どもたちが遊べるような折り紙などを用意することを考えると、トータルで3万円ほどかかりそうです。食堂の料金は子ども無料、大人は300円。子ども20人、大人が10人来たとして、売上は3,000円なので、収支はマイナス2万7,000円。これを月1回開催していくと、1年間での出費は32万4,000円です。この金額がすべて私個人の持ち出しになってしまう。そう考えると、正直、私には「子ども食堂」を運営するお金は出せそうにありません。このマイナスを埋めるために、多くの「子ども食堂」では寄付金や補助金を受けています。ちなみに私が住んでいる地域の「子ども食堂」のひとつは市の地域福祉活動支援事業に選ばれ、助成金を年間75万円受け取っています。こちらは月2回の開催なので、ちょうど試算の倍になり、プラスマイナスゼロ。やはり毎回の支出が3万円というのがリアルな数字なのではないでしょうか。「もし私が『子ども食堂』を開くとしたら」シミュレーション1回につき来場者30人として試算。【支出】会場代 3,000円食材代 20,000円広告宣伝費 5,000円予備費 2,000円合計 30,000円 ※保険料含まず【収入】大人300円×10人来場。合計 3,000円収支マイナス27,000円 ※この分を寄付か助成金でまかなえるか?ただ、助成金や寄付金でまかなえる可能性も低くはないですし、まずは寄付金を募っておいて3万円集まったら開催するという不定期のやり方も考えられます。また、ひとりではなかなかお金が出せなくても、PTAの有志が集まって資金を出し合い、その外部活動として年に数回、開催しているところもあるようです。1回3万円はイタイと考えるか、そのぐらいなら出せると思うか。または「みんなでお金を集めたり出し合ったりすれば3万円ぐらい集まるよね」と話し合えるような仲間がいるかで、ハードルの高さは変わってきそうです。現状として全国に2,200カ所まで増えたわけですから、「やってみよう」と踏み出す人が多くなってきているわけですよね。もし、「子ども食堂」が気になっているのなら、まずは利用者として訪れるところから始めてみませんか? ・「こども食堂安心・安全向上委員会」 ・農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」
2018年05月20日全国各地に着々と増えつつある「子ども食堂」。その総数はなんと現在2,200以上という調査結果があります( 「こども食堂安心・安全向上委員会」 の調査による)。この数年で爆発的に増えているといっても過言ではない普及ぶり。しかし、まだ一度も行ったこともない、その場を見たこともないというママも多いはず。そもそも「子ども食堂」とはどんなところなのでしょうか?■今や6人に1人…貧困対策として始まった「子ども食堂」子どもの相対的貧困率が16%を超えている( 内閣府「子どもの貧困」 )、つまり子どもの6人に1人が“見えない貧困”に陥っているという今、満足に食事をとれない子のために、無料または1食100~300円ほどで夕食を提供しているボランティアワーク。料理を作る人や食材を提供する協力者がいて、社会貢献のために活動している。それが「子ども食堂」の基本的なスタイルです。具体的な運営形態について、農林水産省が3月にまとめた運営者へのアンケート( 農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」 )を参考にしました。まず、開催会場は公民館、児童館などの公共施設が最も多く39%、ほかにはお寺や教会、飲食店などが多いようです。そして、開催頻度は「月1回」が最も多く48.5%。続いて「2週間に1回」が24.5%を占めています。「週1~2回」は10.3%、「ほぼ毎日」はわずか3.3%に過ぎません。“食堂”というと、毎日オープンしているというイメージを抱きがちですが、実際は月1~2回ほどの開催がほとんどという現状です。食堂というよりはイベントのような感覚で参加する子も多いのかもしれません。「子ども食堂」を運営する人たちの根底には、生活困窮家庭の子どもを支えるセーフティーネットになりたいという思いがありますが、ほかにもいろいろな目的があるようです。農林水産省のアンケートによると、「子ども食堂」の活動目的として最も強く意識されているのは「多様な子どもたちの地域での居場所づくり」(78.8%)。たとえば低所得世帯ではなくても、親が仕事などで不在がちで夕食をひとりで食べなければいけない「孤食」の子や、親の虐待やネグレクトがあって家庭ではごはんを食べられない子など、さまざまな事情が考えられます。また、「子どもたちにマナーや食文化、食事や栄養の大切さを伝えること」という「食育」や、「高齢者や障害者を含む多様の地域な人との共食の場の提供」という「共食」についても、約3分の1の運営者が「とても意識している」と回答しています。 ■半数が母子で利用「ママもごはんをゆっくり食べられる」が魅力そして、1回の参加者数を見てみると、平均値は子ども23.7人、大人14.9人。つまり、「子ども食堂」を訪れる子どもの半数以上が、親といっしょに来ていることがうかがえます。「うちは生活困窮家庭じゃないから」と遠慮することはなく、ママも気軽に利用していいのです。ママがワンオペ育児の重労働や子どもの反抗期に疲れた時や、ごはんを作りたくない、誰か家族ではない人と話したいと思ったら、子どもを連れて行ってみるのもいいでしょう。そこで“ママ友”ができることもありうるのです。農林水産省のアンケート結果では、実際にそうした保護者の実例も紹介しています。仙台市の子ども食堂のコメント「初対面の参加者同士でもスムーズに、楽しそうに話されています。70代のボランティアメンバーにたびたび相談に訪れる母親もいます。小さい子どもを抱っこしながらの食事は“両手を使って食べる”ということがなかなかできません。子ども食堂では、ボランティアが子どもと遊んだり見守ったりするので、親も安心してゆっくりと食事ができ、リフレッシュされているようです」千葉県の子ども食堂のコメント「引っ越してきて、周囲に知り合いがいない母親は、ボランティアが子どもの世話をしている間にゆっくりごはんを食べられ、悩みごとを気軽に相談できる」新潟県の子ども食堂のコメント「子どもが家族以外の大人とコミュニケーションをとる機会になる。親がゆっくり食事をとれるなど、親にとって息抜きの場にもなっています。食べ終わった後には子どもたちはトランプで遊び、親同士はおしゃべりして情報交換する様子も見られます」こうした実際の声を聞くと、行ってみようかな? という気になりますよね。自宅の近くにあるか分からない場合は、地域名と「子ども食堂」というワードを組み合わせてネット検索してみるといいかもしれません。また、 「こども食堂ネットワーク」 のWEBサイトには、全国の子ども食堂の一部が掲載されています。大人が利用する場合の多くは有償ですが、子どもが無料で食べさせてもらうのは気が引けるという人は、食材を持参して寄付するのはいかがでしょうか? ほとんどの食堂が寄付を歓迎しています(事前に確認するほうがベター)。共助の精神を忘れず気軽に参加して、困った時はちょっと甘えてみる。そんな母子にとって居心地の良い場所が、ますます増えてくれるといいですね。 ・「こども食堂安心・安全向上委員会」 ・内閣府「子どもの貧困」 ・農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集~地域との連携で食育の環が広がっています~」 ・「こども食堂ネットワーク」
2018年05月11日いま子育て奮闘中の現役父母の現場の声と、乳幼児教育に関する専門家のアドバイスなどが収められているドキュメンタリー映画『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』。育児のヒントをくれるテキストとしての役割を持つとともに、重大な未来への提言も行われています。それはこれからの社会の根本に関わること。よりよい平和な社会を築こうと思ったら、きちんと子どもたちの権利を守る社会を作らないといけないということです。■「将来の夢がない」と答える世界の子どもたちの現実映画の後半で、切実に訴えるのは貧困が子どもに及ぼす影響。たとえば、ひとりで幼い妹弟のめんどうをみる小学生の少女に、「“将来の夢”は?」と聞く場面があります。少女の答えはひとこと「夢はない」。それを受け、作品はこう続けます。「危険な環境や厳しい状況で生きる子どもたちは、たまに悪い日があるのではなく、年中それが続くと思う。そのような状況下ではポジティブな対話は成立せず、大きなストレスがかかる」と。さらにこうした状況下では、「うつ病や薬物乱用、深刻な精神疾患などになるリスクが高まる」と警鐘を鳴らします。こうした調査結果を踏まえた上で、作品が示すメッセージは「これからの未来を築くであろう子どもたちの未来を守ることが、最終的に豊かな社会を築く礎になること」。ある人はインタビューで訴えます。「育児をするのは政府でも施設でもない、人間が子どもを育てるのです。大事なのは大人が子どもに必要なものを与えてあげること。ただ、いまの社会は、それを訳あってできない親を処罰することはあっても、助けようとしない」。さらにこう続けられます。「子どもを助けるには、まず親を助けなくてはならない。育児に仕事に頑張っている人は不平等に思うかもしれない。“それができない人の責任まで負えない”と。ただ、長い目でみたとき、自分の子どもが将来良い人生を送るには、社会に尽くす人間が同世代にどれだけいるかが重要なんです」と。こういわれると思わずだれもが納得するのではないでしょうか。■子どもへの投資は、アメリカの株式市場よりも高い子どもの未来を守ることについて、ユニークな研究報告も。いかにもアメリカらしい研究なのですが、乳幼児に1ドル投資した場合の利益を調べたそう。すると結果は、1ドル投資すると生涯7ドルが戻る計算になったとのこと。これはアメリカの株式市場よりもずっと高いリターン率だそうです。くわえて、犯罪は減り、社会の不平等も軽減するとの結果も出ているということから、乳幼児の投資はいいことずくめ! 作品では、「子どもへの支援は、よりよい社会への投資」と訴えます。こうしたリポートを耳にすると、私たちを取り巻く子どもたちの環境を当てはめて考えずにはいられません。とくに、子育て世代にとっては無視できないのではないでしょうか?ひとりの子を持つ親として自分もこれまでの経験を振り返ると、「保育園に入れる」ただこれだけで、どれだけの労力を必要としたことか…。待機児童問題は、相当以前からあるはずなのに、いっこうに解消されていない。最近のニュースを見ても、子どもをめぐる状況はいい方向へ向かっているとはいいがたいのではないだろうか。日本では、毎日の食べ物がない、戦争により生死があぶない。こういったことはないかもしれません。それでも、所得格差による教育格差問題は、社会問題となっています。選挙で子育て支援や教育の充実はよく公約にあがる。でも、本当に実行されているかといったら、正直かなり疑問が残るのが現実ではないでしょうか。保育園の増設を訴えて、実際に保育園の開設が予定されても、周辺住民の反対運動が巻き起こって白紙に戻ってしまう。公園で子どもがちょっと大きな声を出しただけで、区役所に苦情が寄せられる。身の危険や周囲の反感を恐れてマタニティマークをつけない妊婦が増えている現状など、日本のあちらこちらで子どもをめぐる“現在”が次々と浮かびあがります。もう少しだけ「子どもに理解を示す寛容な社会に日本はなれないのか?」と、考えずにはいられないのは自分だけではないはずです。この作品が子どもの未来について考えるきっかけになってくれることを切に願います。『いのちのはじまり:子育てが未来をつくる』2017年6月24日(土)アップリンク渋谷、ユジク阿佐ヶ谷、7月1日(土)よりCINEMA Chupki TABATA、横浜シネマリン他にて全国順次公開公式サイト: 公開記念トークショー(6月24日~7月1日)開催
2017年06月24日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。近年、日本の貧困事情に関するテレビ番組や雑誌の特集などを多く目にします。今回は、その中でも『相対的貧困 』という言葉に焦点を当ててみました。この相対的貧困という立ち位置は、“気をつけなければ明日はわが身”という状況が襲ってきやすい、危うい場所ではないかと考えます。現実問題として相対的貧困の実態を知っていただきたいです。陥りやすい人の特徴などを知っていただけたら、万が一のときに対策をすばやく取ることができると思います。また、身近な人が同じような状態だったら、助け船のように手を差し伸べることができるかもしれません。●相対的貧困の実態相対的貧困は、住んでいる地域などで「普通」とされる生活(衣食住がしっかりしている)を送ることができない状態を指します。ただ、自分が貧困であるかどうかは、その人が生活している圏内の状態や背景などによって判断することが必要です。同じ金額の給料をもらっていても、生活している地域や背景などを見ないと実態は見えてこないと思います。例えば、手取り18万円でも十分に生活していける世帯と、毎日の食事にも事欠いてしまうような世帯があると言えばわかりやすいかもしれません。地方に住んでいれば家賃が安いですし、食事にかかる金額も都会とは違ってくるなどが挙げられます。相対的貧困の実態として挙げられるのは、下記のようなものです。・相対的貧困の家庭ほど、即席めんやファーストフードをよく消費する (栄養バランスが悪い)・家庭が安らげる場所ではないことが多い(親がよく家を空ける・ケンカが絶えないなど)・子どもにお金をかけることをしない(衣服や病院など)・ネグレストが起こりやすい・何らかの依存症 になる(なっている)こともある(ギャンブル・飲酒・恋愛など)・子どもが親の目を自分に向けるために万引きなどの悪いことに手を出しやすい・ラクしてお金を手に入れたい など逃げの考えをしてしまうなど、こういう状況の中で一番の被害を受けるのが子どもです。親がネグレストであることに気がつかない場合も多く、子どもも親の手前、「お腹空いた」「学級費の封筒を持ってきている」などが言えなくなってしまうといった状態もあるようです。●陥りやすい人の特徴相対的貧困に陥ってしまう場合、離婚やリストラといった生活背景が関わってきます。しかし、そこからどう行動するか、どう考えるかによって、貧困に陥るか否かも変わってくるわけです。それでは、相対的貧困に陥りやすい人の特徴をみていきましょう。●(1)メンタル面で不安定な状況にある離婚やリストラなど生活背景が不安定になると、メンタル面が不安定になり、ネガティブな思考 に偏ってしまうなどの状況が起こりやすいです。●(2)無駄遣いが多いストレスや将来への不安が強く、現実から目をそらすために無駄遣いに走ってしまうなど、寂しさによる心の隙間を埋めようと浪費してしまう 人が多いようです。●(3)自分の欲求を最優先にしてしまうギャンブルや離婚後の恋愛など、自分の欲求を最優先にしてしまうため、生活に必要な金銭の面を考えなくなる傾向が強いようです。●(4)金銭的な感覚が鈍っているお金に困ったら借りればいい、支払いできないと言えばいいなど、収入と支出をしっかり見ることができない傾向にあります。●陥らないための対策相対的貧困になってしまったら、自分だけでなく一緒にいる家族が困ります。特に子どもがいる場合は、一番の被害者となってしまうことを忘れないでおきましょう。相対的貧困に陥らないためには、次のようなことに気をつける必要があります。・精神的に不安定さや不安を抱えたら、信頼できる人に相談をする(医師やカウンセラー、役所の保健師など)・金銭的な面での不安はかなり大きいので、住んでいる市区町村の金銭面の免除や受け取れるお金などの情報を集めて申請する・「子どもがいるのだから」と子どもを一番に考える ようにする(自分の欲求はその後で)・現段階の収入と支出を見直す・できるだけ自炊するようにして、ファーストフードなどの外食を控える・フードドライブ など食品を提供しているところを活用する(市区町村や生協などさまざまなところで行われているので、食の面で助けになる)こういった方法を取るだけでもかなり違ってきます。役所に書類を提出するだけで免除になるものや、制度によってはお金を受け取れるものがあります。生活をしやすくするための制度なのですから、しっかり活用しましょう。●おわりに親が相対的貧困の状態でいることで、一番被害を受けるのは子どもたちだということを理解してほしいという思いでいっぱいです。衣食住が毎日保障され、安心して家に帰ってくることができる、そういう状態を作り上げることが発達段階の子どもには本当に必要だからです。「貧困だから仕方がない」と諦めてしまう前に、市区町村でできる手続きをし、仕事を見つけて子どもとの生活を守ることを一番に考えて欲しいと思います。【参考文献】・『子どもの貧困ー日本の不公平を考える』阿部彩・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/神山みき(れんくん)
2016年12月14日NHKが『ニュース7』の中で報じた「貧困女子高生」報道が炎上し、話題になりました。母子家庭の女子高生が、貧困に苦しんでいて進学できない、生活が苦しいとう現状を扱った物でした。これに対し、ネット上でインタビューを受けた女子高生が特定され、報道内容と異なり高いランチを食べていたことやアニメのグッズを買っていたことが分かり炎上につながったのです。女子高生の行動の是非は難しい問題であり、ここでは言及を避けますが、今回の炎上は行き過ぎているのではないでしょうか?ネットでの炎上があった際、批判が苛烈になりすぎたり、バッシングの対象が個人だけでなく、同じような状態にある人全体が攻撃されたりすることは珍しくありません。今回の件でも、彼女に対する殺害予告だけでなく、貧困で苦しんでいる全ての人に対する攻撃も見受けられます。その中には「生活保護を受給している人間は甘えているだけ」などの過激な意見も少なくなく、目を疑ってしまいます。いったいいつから、貧困で苦しんでいる人への攻撃が過激化し、冷静ではない意見が目立つようになったのでしょうか?また、そうなった原因はどこにあるのでしょうか?■実に16%以上の人が貧困に苦しんでいるまず、日本の貧困について簡単に説明しましょう。貧困は衣食住もままならない「絶対的貧困」と、周囲に比べて貧しく、平均的な生活水準に達せない「相対的貧困」に分けられます。日本でニュースとなり、社会問題となっている貧困の多くが相対的貧困です、実に16.1%の人が相対的貧困に陥っています。日本はOECD加盟国の中でも貧困率が4番目に高く、平均を上回っており、社会保障制度も他の先進諸国に比べ整備されていないといわれています。日本は生活保護受給者の4割以上が高齢者世帯だとされていますが、若者のワーキングプア等の問題もあり、子どもの貧困も多くのメディアが取り上げています。また、母子世帯の5割以上は貧困世帯とされており、勤労世代の単身女性のうち、3分の1が年収114万円未満で生活をしています。性別や年齢に関わらず、多くの人が貧困に苦しんでいるのです。貧困に苦しんでいる人の多くは、病気になってしまったり、運悪く経済的に失敗してしまったりした人で、決して努力せずに怠けている人ばかりではありません。では、どうして彼ら・彼女らが過剰なバッシングを受けるようになったんでしょうか?■いつから貧困バッシングが過激化したのか貧困で苦しんでいる人への過剰なバッシングが目立つようになった明確な時期ははっきりと断定はできません。しかし、2012年に話題となった、次長課長の河本さんの生活保護不正自給問題から、過激な意見が増えるようにあなったのではないでしょうか?現代ビジネスによると、河本さんの騒動があった際、多くのメディアが生活保護のネガティブな情報を取り上げたため、あたかも生活保護を受給すること自体が「不正」であるという空気が作り出されたとのこと。この事件から、生活保護を取り扱う福祉事務所に「怠け者にはには金を出すな」とか「あの人は不正受給をしているかもしれないから調べてほしい」といったような電話が増えたそうです。また、ネットニュースサイトやSNSが発展したことが、所謂「貧困叩き」や「生活保護バッシング」が過激化した背景にあります。ネットニュースやまとめサイトの記事がSNSで拡散され、多くの人が共有すると、中には過激な意見を発信する人も出てきます。顔が見えないSNSだからこそ、普段は絶対に言わないような差別的な意見も出てきやすくなるものです。ニュースの注目度が高いほど、発言する人も増えるのでそれに比例して過激な意見も増えていきます。誰かの意見に刺激されて、自分も過激な発言をする方もいるでしょう。貧困JK騒動も、ネットの存在がなかったら個人特定もされずに、ここまで大事にならなかったのではないでしょうか?■富裕層が炎上起こし貧困層が貧困層を叩くでは、貧困に対するバッシングはどのような層が中心となって行われているのでしょうか?今回の騒動のようなネットの炎上は、社会的弱者が中心となっているといわれていました。しかし、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一助教が20歳以上の男女1万9,992人を対象におこなったアンケートで、炎上に加担しやすい人は個人年収や世帯年収が多い人や子どもがいる人などであることがわかっています。社会的な地位のある人が炎上を起こすのには驚かされますが、仕事等で溜まったストレスをそこにぶつけているのかもしれません。また、努力が実って社会的に成功した人にとっては、運悪く貧困に陥ってしまった人が努力していないように見えることもあるでしょう。一方、貧困に苦しんでいる人が、生活保護を受けている人を批判するという意見もあります。岩波書店から出版されている『生活保護から考える(稲葉剛著)』本来生活保護を受けるべき人が、生活保護受給者を非難している不可解な構図の原因は、「嫉妬」にあるようです。掲示板等で見かける「自分は働いているが生活保護以下の暮らしをしている。受給者は贅沢だ」という意見に象徴されるように、生活保護者受給者と自分を見比べて受給者の方が楽に見えてしまい、バッシングを行ってしまうのです。こうした方は、生活保護制度について学ぶことで、生活苦と理不尽なバッシングをしてしまう生活から抜け出せるかもしれません。ネット炎上は富裕層が、貧困層へのバッシングは貧困層が行っているということから、貧困に苦しむ女子高生が炎上した本件には、多くの層が関わっているといえるのではないでしょうか?■普通の人でも貧困状態に陥る可能性は高い貧困問題は自分には関係ないと思っている方もいるでしょう。しかし、この不安定な社会で生きていく以上、不運が重なって貧困に落ちるリスクはすべての人に存在します。厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査の概況」の「生活意識別にみた世帯数の構成割合の年次推移」によると、生活が「大変苦しい」「苦しい」と答えた人は2001年の51.4%から2013年には59.9%と大幅に増加しています。中間層の人でも、リストラや事故等で、貧困に陥ってしまうリスクを抱えているのです。また、社会全体で見ても貧困は大きな問題です。生活が苦しいために子どもが産めないという方が多ければ、少子化問題は解決しません。また、犯罪をしなければ生活できないほどの貧困に苦しむ人が増えれば、治安の悪化にもつながります。このように、「貧困」という社会問題に関係ない人は一人もいないのです。*日本人は「思いやり」「助け合い」の国といわれる一方で、助けるべき人を過剰に叩くような一面を見せることもあります。不安定がために、誰しも不安を抱えて生きていくしかない社会に私たちは生きています。その不安をうっ憤晴らしのエネルギーに変換するのではなく、助け合いの原動力にしたいものです。(文/堀江くらは)
2016年08月25日“隠れ貧困”という言葉が話題になっています。これは、ある程度まとまった収入があり、平均的な生活を送ることができるはずなのにもかかわらず、一切貯金がない状態のこと。何かあったらすぐに生活が破綻してしまう、“貧困予備軍”です。実は30年前、貯蓄ゼロという家庭は4.5%しかありませんでした。しかし、金融広報中央委員会の調べでは、いまや貯蓄ゼロの家庭は30.6%にものぼります。(2015年調べ)。約3世帯に1つの割合で存在する隠れ貧困ママ。彼女らにはいったいどのような特徴があるのでしょうか。今回は自分が“隠れ貧困”かもしれないと思っているママたちに、その実態をインタビューしてみました。●(1)マウンティングされたくない! “SNS貧困”ママSNSは気軽に近況の報告ができ、ママ友たちとやり取りができる便利なもの。しかし、“すてきなキラキラママ”を演出するため、行き過ぎた散財をしてしまう女性は少なからずいるようです。『子どもつながりでできたママ友たち。彼女らのSNSを見てみたらみんな驚くほどキラキラしていた。家事と育児しかしておらず、みすぼらしい自分がバカにされそうで 、何とかついていこうと必死になってしまった。それからというもの、週末はネイルサロンに行き写真をアップ、ホテルランチをして写真をアップ、ホームパーティをして写真をアップ、スクールに入って写真をアップ。長期休暇は必ず海外旅行して写真をアップ……。そんなことをしているうちに貯金が底をついて生活費にまで手を出してしまい、主人に大目玉をくらって我に返りました 』(30代女性/主婦/世帯年収700万円)SNSで繰り広げられるリア充アピール合戦。マウンティングされまいと必死になっている現代ママの闇の深さがうかがえるエピソードですね。●(2)子どもにだけは一流の教育を与えたい! “教育費貧困”ママ一方、ポストバブル世代に多いのが“教育費貧困”のママたちです。『就職超氷河期になんとか正社員になったものの、出産で退社。その後は手に職もなく、パートを渡り歩くしかない人生の私。ふたりの娘にはそんな人生を送らせたくないので、絶対に一流大学に入れたいと思っています。塾、ピアノ、水泳教室、家庭教師などのお稽古ごとは週6日。長女は私立中学に入学させることができました。エスカレーター式で大学までついているのでひと安心。次女も同じ中学に入れるつもりでいます。世帯年収は900万円台ですが、貯蓄は全くありません 。教育費で全て消えますが、投資なので仕方がないと思っています。自分たちの老後?娘が面倒を見てくれるはずです(笑)』(40代女性/パート勤務/世帯年収900万円)40代前後のママたちは受験戦争や就職難、不況、デフレ、リストラといった厳しい現実を乗り越え、堅実に生きてきました。そのため自分の子どもには同じような思いをさせたくないと願い、教育につい力を入れすぎてしまう傾向があります。このため、教育費が生活費を圧迫するほど高額になり、貯蓄ができないとあえいでいる世帯が多くなりがちなのです。●(3)いつだって輝いていたい! “自分大好き貧困”ママ最後に紹介するのはこちら。世代を問わず多い、“自分大好き貧困”ママです。『自分に何もなくなるのがイヤで、どうしても許せないんですよね。社会から取り残されたくないし、いつまでも美しくいたい 。英会話とクッキングスクール、ヨガなどに週4日程度通っています。お付き合いがたくさんあり、とても充実した毎日を送ることができています。主人も多趣味なので、お互い干渉せず好きなことをしている感じですね。貯金は世帯で50万あるかないかですが、特に不安はありません。食べるものも住むところもあるし、何ひとつ困ってませんから』(20代女性/事務職/世帯年収650万円)結婚して子どもはいるけれど、家庭におさまりたくない。生活感が出るのもイヤだし、自分の好きなことを思う存分楽しみながら過ごしたい。そのためには出費もいとわない……浮き彫りになるのはそんなママたちの姿ですね。●隠れ貧困に陥らないためには“50歳”がターニングポイント!隠れ貧困は“下流老人”へつながる道でもあります。働くこともできず、年金額も十分ではない。日々の生活はカツカツで、何とか食べていくのもやっと……そんな苦しい老後は迎えたくありませんよね。“隠れ貧困”に陥らずに安心な老後を迎えるために、30代、40代は、何を目標にしたらいいのでしょうか?経済ジャーナリストで『隠れ貧困』(朝日新書)の著者でもある荻原博子さんはその著書の中で、**********「50歳でプラスマイナス・ゼロ」を目指せばいい**********と述べています。50歳で貯金はないけれど借金もないという状態が、老後の勝ち組 。それまでは借金をせず、持っている現金を増やしていくことにポイントをおくといいということです。ローンやクレジットカードの支払いは40代までのあいだに極力キレイにしておきたいですね。----------いかがでしたか?今回紹介してきたように、隠れ貧困女性の多くは“自分が貧困予備軍である”という自覚がありません。衣食住は確保できており、ぱっと見た感じその暮らしは問題なく送れているからです。しかし、ジワジワと将来をむしばむ隠れ貧困はとても恐ろしいもの。心当たりがある方は、もういちど家計を見なおしてみてはいかがでしょうか。●文/パピマミ編集部
2016年08月09日いま、貧富の差は世界中で問題となっています。もちろん、日本の貧困問題も深刻です。しかし、世界にはもっと苦しんでいる国があることをみなさんはご存知でしょうか。例えば、毎日の食事にありつけなかったり、人として生きていく最低限の安全すら保障されなかったり……。過酷な状況下で、幼い命がどんどん失われているのです。主に、どの国が貧しさに耐えているのか?ちょうどアメリカの情報サイト『Gazette Review』が2016年最も貧しい国を発表したので、状況を見てみましょう。参考までに、それぞれの国の一人あたりのGDPを国名の横に入れています。一般的に、国の富はその人口で割った国で生産されるすべての財・サービスの購買力で一人当たりの国内総生産(GDP) により測定されているのです。要するに、これは国内における一人あたりの購買力を意味します。■10位:ギニア(52,571円)523.10ドル1990年代には鉱業と農業が成長したギニアですが、それ以降経済成長が見られません。農民は時代遅れの農業から抜け出すことができないままでいます。■9位:エチオピア(50,752円)505.00ドル興味深いことに、歴史的にエチオピアは比較的裕福な国として知られています。大規模な政治改革によって、経済成長とその安定性を手に入れました。その結果、2007年以降、エチオピアは南サハラ周辺諸国の中でも上位の豊かさを誇っています。しかし、そういった事実にも関わらず、国民一人あたりのGDPはたったの50,752円のままです。その理由は、国民の多くが発達していない従来からの農業に依存しているという事実にあります。■8位:ガンビア(49,104円)488.60ドルガンビアは、国土が11,000平方キロメートル、人口180万人のアフリカ大陸最少、最貧国のひとつです。経済を成長させるべく奮闘していますが、国民のほとんどが農業と漁業に従事していることから、経済成長を難しくしています。農業も漁業も天候に左右されます。それにより、季節によっても経済効果が左右されてしまうのです。■7位:コンゴ民主共和国(48,662円)484.20ドルコンゴは人口7,700万人と、アフリカで2番目に大きな国です。しかし、コンゴの場合、人口が多いことは必ずしも良いことではありません。近隣のより良い国に行くことができないだけなのです。コンゴは天然資源が非常に豊かな国です。土壌も肥沃で、水源も多くあり、森林も豊かです。それなのに、貧しさから抜け出すことができないのは、その腐敗した政治制度に理由が多くあります。国民の大部分が失業者なのです。■6位:マダガスカル(46,531円)463.00ドルどんな貧しい国でも、経済の安定性を目指しています。しかし、マダガスカルはそうではありません。過去20年以上もの間、国民の生活水準は下がり続けています。人口が2,000万人もいるのに、GDPは一向に上がらないのです。その理由は、工業や農業における技術の未発達にあります。人口が増え続けているのに、技術に投資するだけの経済力がないという悪循環に陥ってしまっています。■5位:リベリア(45,657円)454.30ドル第二次リベリア内戦は、実に1999年から2003年まで続き、当然経済状況をも悪化させる結果となりました。その後も国の経済のほとんどは農業に依存しており、2010年になっても、国民の80%が1日の生活費が125円しかないという結果になっています。■4位:ニジェール(41,747円)415.40ドルニジェールは、いくつかの分野において世界で最も発達の遅れている国としても知られています。教育や幼児の死亡率の減少に力を入れているものの、経済発展がみられません。ニジェールでは金やウラン、石油などの天然資源事業と農業が経済の中心です。しかし、いずれも天候に左右されやすく、安定しないのが現実です。■3位:中央アフリカ共和国(33,486円)333.20ドル中央アフリカ共和国も、リベリア同様長い間続いた内戦によって国民が犠牲となっています。政治が安定しない深刻な状況が続いているのです。国の輸出収入の45%がダイアモンドでまかなえているものの、それ以外のほとんどはインフラが整備されていない脆弱な農業に依存している状況です。■2位:ブルンジ(26,843円)267.10ドルブルンジの歴史もまた、暴力と政治的紛争を繰り返してきました。そのため、自国を再生するための取り組みはされているものの、結果に結びついていません。国民の実に67%が貧困に苦しんでいます。紛争によって少ない土地は荒廃し、悪天候も重なって農業による経済効果が得られない状況です。■1位:マラウィ(22,763円)226.50ドルいま最も貧しい国はマラウィ。人口1,600万人と、アフリカでもっとも小さな国のひとつです。教育、医療、インフラなど、生活環境に必要なほとんどの分野の質が世界標準以下となっています。国の主要事業である農業も、未だに原始的な方法を用いています。そのため、病気や怪我などによる人口減少も深刻な問題です。*人生は楽しいことばかりではありません。時々、生きていることがつらいと感じることもあるでしょう。物事がうまくいかないと嘆くこともあるかもしれません。しかし、私たちの知らないところでは、日々自分の命を守ることすらままならない人々も存在するのです。だからといって、そういった人と比べて自分が幸せだと感じるのではなく、事実を知って、いまの自分の状況に感謝することもときには大事なのではないでしょうか。(文/hazuki) 【参考】※Top 10 Poorest Countries in the World – 2016 List-Gazette Review
2016年07月10日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。“子どもの貧困 ”と聞くと、みなさんはどこの国をイメージするでしょうか?きっと日本をイメージする人は少ないと思います。私が書いたこのコラムを読んでいるような人は、自宅にパソコンがあったり自分専用のスマートフォンを持っていたりとさまざまな環境が整っているのではないでしょうか。しかし、わが国の経済格差は大きくなっていると言われています。それは子育て世代にも例外なく影響し、親の経済格差がそのまま子どもの経済格差につながっているという現実があるのです。今、日本では“子どもの貧困”が問題となり明るみになってきています。“貧困”は遠い海外の国の話ではない のです。そこで今回は、日本における“子どもの貧困”についてお伝えしたいと思います。●世界から見た日本の“子どもの貧困”「世界から見たら日本は裕福な国だから、子どもの貧困も少ないわ」と思っている人が多いのではないでしょうか。2012年にユニセフが発表した報告によると、日本の子どもの貧困率は約15%でした。これは先進国の35か国中で比較すると9番目に高い貧困率なのです。なんと、この数字は日本の子どもの7人に1人が貧困状態 であることを意味しています。このため日本政府も対策に乗り出しており、『子どもの貧困対策会議』が設置されたり、『子どもの貧困対策の推進に関する法律』が整備されたりと徐々に大きな動きになりつつあります。●貧困による子どもへの影響は?衣・食・住の環境に影響が出ることが多いでしょう。今の日本では毎食とることすら難しい子どもたちが出てきています。ガスや電気のない(止められた)生活を強いられている子どももいるのです。都道府県別では、特に沖縄県が絶対的な貧困率が高いという結果もあります。何よりも、教育環境は貧困の影響をもろに受ける ことになります。教育は生死に関わるものではないため優先順位が落とされてしまうのです。文部科学省が実施した全国学力テストの結果を見ても、世帯年収の多い家庭の子どもはテストの正答率が高く、世帯年収の少ない家庭の子どもは正答率が低いということがわかっています。学校教育は子どもたち全員に平等に機会が与えられています。しかしながら、世帯年収でこのような学力差が出てしまうのは、学校の外でも教育を受けられるかという点にあります。複雑な要因がからみあっているとは思いますが、つまるところ親の経済的ゆとりがあれば学校外で教育を受けられ、より学力が向上するということになります。●「うちには関係ない」では済まされませんでは、“うちにはあまり関係ない”ので“子どもの貧困”を放置しても大丈夫でしょうか?「お友達が給食費を払えなくて……」「バス代がなくて登校できない子がいる……」という近場での状況も出てきます。もっと大きな視点で見ると、子どもたちは私たち親世代や日本の将来を支える担い手 です。この子どもたちの貧困を放置した場合、本来は社会を支えていくはずの子どもたちが“支えられる側”になってしまう恐れがあります。親の貧困が子どもにも連鎖してしまう負のスパイラルです。これは社会保障費の増大につながりますし、人材の減少や経済市場の縮小など、負の影響が大きくなります。「うちにはあまり関係ない」と思っていた、まさにうちの子たちがこの負担を背負っていくことになるのです。いかがでしたか?“子どもの貧困”は他国のこと、人ごとではありません!ぜひアンテナを高くして情勢を見守ってくださいね。【参考リンク】・子どもの貧困対策の推進に関する法律 | 内閣府(PDF)()・先進国の子どもたちの貧困─ユニセフ報告書「Report Card 10」より─ | 日本ユニセフ協会(PDF)()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年02月25日政府がこのほど発表した2016年度予算案で、「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」として10億円が計上された。背景には、沖縄県の子どもを取り巻く環境が全国でも極めて深刻な状況であるにも関わらず、行政の支援が行き届いていない現状があるという。事業内容と背景事情について県の担当者に聞いた。○子どもの居場所をつくり支援につなげる同事業は、(1)子どもの貧困対策支援員の配置、(2)子どもの居場所の運営支援を柱としており、3カ年のモデル事業として実施することを想定している。「貧困対策支援員」は、支援を必要とする子どもたちの現状を把握し、それを提供できる地域の施設やNPOなどに結びつけるコーディネーター的な役割を果たす。市町村が地域の実情に応じて中学校区に1人などの基準で人材を配置。人材確保のため、県が研修を実施するなどして後押しする。また「子どもの居場所運営支援」では、食事の提供や生活指導、学習支援、キャリア形成などを行いながら子どもの居場所づくりを行う取り組みを支援する。運営母体はNPOや児童館、公民館、子ども食堂などを幅広く想定。支援により活動の回数や幅が広がったり、放課後から深夜まで開所したりすることが可能となる見込み。学童保育の費用が払えない貧困家庭の子どもたちの居場所が確保できると期待されている。○深夜まで1人で過ごす子が街を徘徊緊急対策が必要とされた背景には、まず沖縄県の貧困率の高さがある。県や内閣府の資料によると、貧困世帯の割合を示す貧困率は29.3%(2007年)で全国平均の約2.0倍。統計的に子どもの貧困率が高くなる母子世帯の出現率も2.72%(2010年)で全国平均の約1.9倍といずれも全国ワースト1位になっている。給食の1食のみで過ごす子がいるなど、親の世代の貧困は子どもの生活に直接的に影響する。さらに、学習支援などさまざまな支援を活用できないまま育った子どもが、貧困を引き継いでしまうのではないかと懸念されているのだ。また同県では、放課後から親が帰宅するまでの間の子どもの居場所がないことで街を出歩いて登校に支障が生じたり、非行に至ったりするなど問題を抱える子どもが多くいるという課題も抱えている。県がひとり親世帯に行った実態調査(2008年)によれば、「母子・父子世帯の就労している親の帰宅時間」について、4.7%が「21時~23時」と回答。「23~24時」は1.4%、「24時以降」は7.1%となっていて、「不規則」と答えた人も11.1%いた。加えて、沖縄タイムスの調査(2010年)では「夜、子どもだけで過ごしている子がいる」と答えた教員の割合が過半数を占めることもわかっている。因果関係ははっきりしないものの、県によれば深夜まで1人で過ごす子どもが街を出歩いていると推測できるという。このように子どもの貧困対策が急務となっている沖縄県。今回の緊急対策事業が子どもを救う手だてとなるのか。県は「各市町村が活用しやすい事業設計をしたい」として、4月からの開始に向けた対応を急いでいる。※写真と本文は関係ありません
2016年02月02日