現在東京・本多劇場で上演中の舞台『赤堀雅秋プロデュース「ボイラーマン」』より、2024年3月13日(水) 18時公演の模様が生配信されることが決定した。本作は、劇作家・演出家・俳優であり、近年では映画監督としても高い評価を得ている赤堀雅秋の新作公演。出演者には、田中哲司、安達祐実、でんでん、村岡希美、水澤紳吾、樋口日奈、薬丸翔、井上向日葵、赤堀といった面々が名を連ねている。なお赤堀の作品が生配信されるのは今回が初となる。『ボイラーマン』は3月20日(水・祝) まで同所で上演される。併せて新たな舞台写真が公開となった。<配信情報>赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』生配信2024年3月13日(水) 18:00~※アーカイブ配信はございません。<公演情報>赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』作・演出:赤堀雅秋出演:田中哲司安達祐実でんでん村岡希美水澤紳吾樋口日奈薬丸翔井上向日葵赤堀雅秋日程:2024年3月7日(木)~20日(水・祝)会場:東京・本多劇場チケット情報:()公式サイト:
2024年03月11日赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』が、3月7日(木) に東京・本多劇場で初日を迎えた。本作は、劇作家・演出家・俳優であり、近年では映画監督としても高い評価を得ている赤堀雅秋の新作書き下ろし公演。赤堀と幾度もタッグを組んできた田中哲司が主演を務めるほか、共演には安達祐実、でんでん、村岡希美、水澤紳吾、元乃木坂46の樋口日奈、薬丸翔、井上向日葵が名を連ねている。開幕に際し、赤堀は「他者から見たら“いつもと変わらないじゃないか”と笑われるかもしれませんが、今作は自分にとってかなりの挑戦でした。暗中模索で、どこに辿り着くか判然としないままの作劇でしたが、それでもワクワクしながら歩みました」とコメント。また田中は「心を揺さぶりながら、ミスを恐れずギリギリのラインで攻めの演技を心がけて挑みたいと思います。いっぱいいっぱいで生きている様々な人の人生の一コマが、一晩、狭い街角でほんのひと時交錯する。この素敵な物語りを繊細に丁寧に1カ月一緒に頑張った仲間たちと紡いでいきたいです」と意気込みを寄せた。『ボイラーマン』は、3月20日(水・祝) まで同所で上演される。■作・演出・出演:赤堀雅秋 コメント他者から見たら「いつもと変わらないじゃないか」と笑われるかもしれませんが、今作は自分にとってかなりの挑戦でした。暗中模索で、どこに辿り着くか判然としないままの作劇でしたが、それでもワクワクしながら歩みました。心強いスタッフ・キャストの皆さんの力を借りて、いよいよ開幕します。正直、開幕しても、どこに辿り着くかはいまだにわかりません。だからとても怖いし、同時に楽しみでもあります。是非劇場に目撃しに来て下さい。■田中哲司 コメント心を揺さぶりながら、ミスを恐れずギリギリのラインで攻めの演技を心がけて挑みたいと思います。いっぱいいっぱいで生きている様々な人の人生の一コマが、一晩、狭い街角でほんのひと時交錯する。この素敵な物語りを繊細に丁寧に1カ月一緒に頑張った仲間たちと紡いでいきたいです。因みに好きな台詞は「8位の人です」「我々のおでん」です。■安達祐実 コメントいよいよ初日です。稽古が始まってから今日まで、ずっと楽しくて、苦しさすらも楽しくて、初日を迎えられたことをとても嬉しく思っています!私にとってボイラーマンは、ひこうき雲みたいな存在。あ、ひこうき雲だって薄ぼんやり眺めるけど、触ることも留めることも出来ない。作品の中の登場人物たちは、みんな生きていて、はち切れそうになりながらもちゃんとそこに居る。愛おしいです。心をパンパンにして、劇場でお待ちしてします。■でんでん コメント赤堀作品に参加すると、鍛えられます。それがどこの方向に鍛えられてるのかはわからないけど。開幕の心境としては、食欲が失せ、気力もなえ、不安のカタマリです。線が細いのです。とても小学生が遠足を待っているような気持ちではなく、はっきりいって戦場にむかうような感覚です。本当に肚が座るのは、出番直前ですので、力をいれて、力まずに(エネルギッシュに)臨みたいと思っています。「なんか久しぶりに楽しいなあ」ってセリフがあるのですが、はやくそのような気持ちになりたいなぁです。■村岡希美 コメント稽古を終えた今、本多劇場の今回のこのセットのなかでボイラーマンの世界に浸ることがとにかく楽しみです。登場人物1人1人の心の奥底が静かに、そして時に激しく揺さぶられ、その振動がお互いに連鎖しながら紡がれてゆく作品です。初日の緊張感はもちろんあると思いますがその静かな振動の連鎖に敏感に、そして丁寧に向き合ってゆきたいです。稽古場では皆さんそれぞれの繊細な表情の変化に釘付けでした。劇場空間の中で日々お客様と共にじっくりとこの世界観を味わいつくしたいです。■水澤紳吾 コメント舞台ならではの緊張感にヒリヒリしております。目の前の相手、状況をしっかり感じて生々しく立てているようにしたいです。なかなかうまく生きていけない人達の、ダメで、不格好で、切実で、懸命な姿は、おかしく、もの悲しいです。赤堀さんの作品に出てくる人物に、私は共感することが多く、ですので、必死でやって、なんとか何か心に残るものを捻出できればと思います。よろしくお願いいたします。■樋口日奈 コメント自分が抱くイメージを「逸脱すること」、新鮮な気持ちで舞台の上に立ち「実存すること」を大切に毎公演臨みたいです。今回始めて赤堀さんの作品に参加させて頂きます。赤堀さんの描く世界に登場する人物は、なぜだかわからないけど、どこか愛おしく思える瞬間があると、お稽古場で皆さんのお芝居を拝見しながら感じておりました。私が演じる"若い女"にもそんな瞬間があるのでしょうか……。見に来てくださった皆さまの心に、どのような感覚が残るのか、すぐさま感想を教えていただきたいほどに楽しみです!■薬丸翔 コメント身が引き締まる思いで、開幕を待ち構えています。まだやらなきゃいけないことが多くあると思っています。自分を疑い、慢心せず、本番になったら色んなものを脱ぎ捨てられる柔軟さを持って本番に臨みたいと思っています。誰か特定の人が“ボイラーマン”なのだと思っていましたが、“誰か”がではなく、“誰しも”がボイラーマンなのではないかと今はそう思っています。生きる希望とかそういうものではなく、それでも生きていくという決意を感じる作品なのだと個人的には思っています。■井上向日葵 コメントこの作品をお客さんの前で演じる時、どのような反応があり、作品の空気がどう変化していくのか全く予想が出来ません。だからこそ日々の違いを新鮮に感じながら楽しんで演じていきたいです!登場人物たちがどこから来てどこに向かっていくのかは、観る人によって応えが変わってくるのではないでしょうか。舞台上の一瞬一瞬を、ただぼんやり眺めてみたり、時には細部に注目してみたり、ぜひいろいろな視点でお楽しみいただけたらと思います。撮影:引地信彦<公演情報>赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』作・演出:赤堀雅秋出演:田中哲司安達祐実でんでん村岡希美水澤紳吾樋口日奈薬丸翔井上向日葵赤堀雅秋日程:2024年3月7日(木)~20日(水・祝)会場:東京・本多劇場チケット情報:()公式サイト:
2024年03月08日赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』が、3月7日(木) から3月20日(水・祝) にわたって東京・本多劇場にて上演されることが決定した。時に無様な、時に滑稽な姿をみせる人間たちの機微を独自の観点から描き出し、独特のユーモアを交えながら、あたかも観客が登場人物たちの日常を覗き見しているような不思議な空間へと誘う、劇作家・演出家・俳優の赤堀雅秋が新作を書き下ろした。主演は赤堀と幾度もタッグを組み、その存在感と演技力で赤堀作品を支えてきた俳優・田中哲司。また、田中との本格的な共演は初となるヒロインには近作の舞台『劇団た組「綿子はもつれる」』、ドラマ『大奥』『うちの弁護士は手がかかる』など多岐に渡り活躍の安達祐実。意外にも演劇経験は少ないが赤堀ワールドで田中哲司とどう絡みどんな新ヒロインを演じるのか注目が集まる。そして、唯一無二の存在感を放つでんでんとは『神の子』に次ぎ赤堀と2度目のタッグを組む。ナイロン100°C、阿佐ヶ谷スパイダースでの活動やNODA・MAPなど数多くの舞台に出演の村岡希美。他に、赤堀作品『鳥の名前』『パラダイス』、など4度目の出演となる水澤紳吾。今回、赤堀作品初参加になる元乃木坂46の樋口日奈、そして薬丸翔。赤堀作品『蜘蛛巣城』に続き2度目の出演となる井上向日葵とフレッシュなメンバーが揃った。<出演者 コメント>■赤堀雅秋新作の最初の一歩はタイトルで、今回降ってきた言葉は『ボイラーマン』でした。実在する職業名ながら発音すると妙にバカバカしく、ヒーローの名に連なるものにも思え、今はひたすらその言葉をいじくり回しています。とはいえ自分が書く以上、登場人物が特殊能力を持っていたり宇宙から来たりする訳はない。市井に生きる凡庸なブルーカラーの人々。けれど感染症以降、凡庸な日常の表面は変わらず淡々と過ぎながらも、その根底がひどくもろく、足元がいつ崩れ去ってもおかしくないことに僕らは気づいてしまった。そんな現実に向き合うほど、作家でもある自分は大きな虚無・虚脱を感じ、益々何を書き創ればいいものか悩み苦しむことになる。ですが自分にそれしかできない以上、なるべく正直に創り続けるしかありません。そんなもがき続ける自分の芝居に、今回も安達祐実さんをはじめとする初めましての方から田中哲司さん、でんでんさんら僕の作品を熟知する仲間までが集まってくれました。皆さんの存在を力に変え、今ここでしか創り得ない芝居を突き詰めようと思っています。■田中哲司数年に一度の赤堀君との芝居づくり。大森君が欠席の今回は少々寂しいけれど、同時に僕だけが出演し続けられている光栄さと嬉しさは特別なものだと感じています。タイトルの『ボイラーマン』。どんな職業なのか、思わず検索してしまいました(笑)。結果、水蒸気を噴出するようなボイラーの激しい様子と、それを管理する人のうら寂しい佇まいという真逆のイメージが浮かびました。今回はどんな台詞を吐き、どんな「人間」を演じさせてくれるのか。最強の客演・安達祐実さんを筆頭に仲間と共に今回もたっぷりと赤堀ワールドに浸りたいと思っています。■安達祐実演劇経験がまだ少ない私にとって、舞台に立つことには修行のような意味合いがあります。その意味でも、人間の心の深いところを暗部も含めて描き、作品へと昇華させる赤堀雅秋さんの舞台に参加させていただくことは、特別な修行になりそうな予感がしています。強い存在感を放つ先輩方に加え、私と同様に初めて赤堀さんの作品に挑む若い方々もいらっしゃる座組は心強い限り。そのうえ赤堀さんは劇作・演出に加えて共演者でもあるんですよね。未知のことが多過ぎて、今は稽古の様子も本番も想像するのは難しいです。だからこそ全てを委ね、作品の一員になれるよう思い切りよく赤堀ワールドへ飛び込んでいきたいと思っています。■でんでん他人には見せない心の奥底にある醜悪な部分。自分の内面を抑えかねて歪む表情とひりつく心。そんな人間のどうしようもなさを描き続ける、赤堀雅秋君の作品を演じることは、役者である自分の業の部分を堪らなく刺激される体験です。タイトルしかない今から、舞台で生きる時間が楽しみでなりません。ま、好きにやらせてもらえればと(笑)。『ボイラーマン』と聞いて、敵と敵、悪と悪とを焚きつけて戦わせ、イイところで両方を潰す男のイメージが湧きました。地位の高い連中ほど偽善と欺瞞にどっぷりで、腹立たしいことばかりの昨今。自分も、そんなヒーローが居ればいいなと思う一人です。でも赤堀君が書くんだから、ただの正義漢ではないですね、きっと(笑)。■村岡希美舞台に呼んでいただくのは『鳥の名前』以来ですが、その間も赤堀雅秋さんのシリーズは拝見しており、赤堀ワールドが深く広く広がっていくようで嬉しく思っていました。タイトルを聞いて思い浮かんだのはヒーロー物のイメージ。昔テレビ放送していた『アメリカンヒーロー・スーパーフライト』という海外ドラマがあり、宇宙人から特殊スーツをもらったのに取説をなくし(笑)、主人公がドジを踏みつつも必死で闘ってどうにかこうにか困っているヒトを救う物語が大好きで。あのダメさと愛おしさは赤堀作品にも通じるもの。正統派ヒーローは登場しないと思いますが、今回も赤堀ワールドを生きる、人間というどうしようもない生き物に目一杯愛情を注ぎつつ、その物語の世界を生きられるのが待ち遠しいです。■水澤紳吾2017年の『鳥の名前』以降も舞台へ声をかけてくださり、申し訳ありません。近年、本当に赤堀さんの作品しか出演していないので、演劇の師匠です。赤堀作品への出演は周りの俳優仲間からも「いいよなぁ」と重圧をかけられます。毎回緊張しっぱなしですが、“真剣に真摯に”と、当たり前なのですが食らいついていくしかありません。タイトルを聞いて浮かんだのは、建築現場で時折見かけるボイラー技士さんの姿。赤堀さんの脚本ではどうなるのでしょうか。新作のイメージメモの中に「ヒーロー」という言葉がありましたが、ヒーロー然としていなくても、誰かのために自分の仕事を命懸けでするような人が、今の混沌とした世の中には必要だと思います。■樋口日奈『ケダモノ』を通して出会った赤堀雅秋さんの作品世界。そこには私がこれまで経験したことのない、でもそれこそが真実なのではないかと思えてしまうほどの、リアルな言葉と人間の姿が溢れていて衝撃を受けました。仕事をする中で、苦労すればするほど自分の殻を破る機会になると私は思っているのですが、赤堀さんの創作に参加することで、今まで以上に特別な殻を破る体験をさせていただけそうな予感がしています。実際にお会いした赤堀さんから感じたのは、“全てを見透かされている”ような怖さと、「だからこそ自分でも気づかない自分を引き出していただけるのではないか」という大きな期待。そして素晴らしい先輩方の多い座組ですから、全てを吸収するスポンジのような状態で稽古と本番を過ごし、是非とも成長しなければ!と思っています。■薬丸翔僕にとって赤堀雅秋さんの作品への入口は、映画『その夜の侍』と舞台『葛城事件』。どちらも「これでもか!」というほど人間に深く切り込み、荒々しくも真実を語る言葉に満ちていて衝撃を受けました。以来、憧れ続けていた赤堀作品にお声がけいただいた今回。嬉しさと同時に、劇作・演出に加えて俳優としても超絶上手い赤堀さんや錚々たる先輩方と、舞台上で向き合うことを考えると正直怖さも感じています。芝居で同じことをしても、敵うことは絶対にないとわかっている。では自分にできることは何か、何が武器になるのかを妄想たくましくヒリヒリするくらい、日々考えているんです。今は戦場に向かう兵士の心境。あとは思い切りよく稽古場に飛び込むしかないですね。■井上向日葵2023年年頭の舞台『蜘蛛巣城』に続き、赤堀雅秋さんとご一緒させていただくのは二度目になります。でも前回は原作映画があったので、赤堀ワールドにどっぷり浸るのは初めて。どこか影のある人々が、じめっとした世界を蠢くような赤堀さんの作品世界は私にとって経験したことのないもの。少し怖くもありますが、俳優としては得難い挑戦の機会になる予感がしています。俳優の赤堀さんは、悪事を企みながら優しい表情を見せたり、野卑なことを言いながらふと寂しげな目になったりと、予測できない面が不意にこぼれてくる魅力的な存在。前回も、間近にすると吸い込まれるように感じる瞬間がありました。劇中でどんな関係性になるかはわかりませんが、再びの共演を心から楽しみにしています!<公演情報>赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』赤堀雅秋プロデュース『ボイラーマン』ビジュアル作・演出:赤堀雅秋出演:田中哲司安達祐実でんでん村岡希美水澤紳吾樋口日奈薬丸翔井上向日葵赤堀雅秋【公演日程】3月7日(木)〜20日(水・祝) 東京・本多劇場※3月13日(水) 収録用カメラ入ります。※開場は開演の30分前。※未就学児童のご入場はお断り致します。【チケット料金】(全席指定・税込)一般席:8500円U-25席:3800円(観劇時25歳以下対象・当日指定席券引換・枚数限定・要身分証明書)■先行発売1月16日(火) 12:00()公式HP:
2024年01月09日劇作家で演出家、映画監督、俳優として、その才能をマルチに表現してきた赤堀雅秋が、この秋、豪華ゲストとともに初の一人芝居劇に挑むことが発表された。タイトルは『日本対俺』。作・演出・出演の三役を赤堀が担うほか、山下敦弘監督による撮り下ろしの『フェイクドキュメンタリーロードムービー』も上映し、赤堀による生の短編一人芝居を数本と、山下による映像数本を織り交ぜて構成されるという。赤堀曰く「おそらく最初で最後の所業」というこの一人芝居『日本対俺』は、かつて長谷川和彦監督が『太陽を盗んだ男』という作品の準備段階で、その題名を決める際に候補に上がっていたタイトルを拝借したものだそう。公演では、多彩なゲストを招いての「即興劇」という大胆な仕掛けも含まれており、そこには荒川良々、大久保佳代子、大倉孝二、黒田大輔、田中哲司、永山瑛太、森山未來、八嶋智人(五十音順)という豪華俳優陣が名を連ねる。日替わりでゲストが変わる点でも、設定やシチュエーションのみが決められた即興劇をするという点でも、何度でも観たい作品となることは間違いないだろう。上段左から)赤堀雅秋、大根仁、山下敦弘 中段左から)荒川良々、大久保佳代子、大倉孝二、黒田大輔 下段左から)田中哲司、永山瑛太、森山未來、八嶋智人総合演出の大根仁は、赤堀の「おそらく最初で最後の所業」というコメントについて、「最初で最後にするつもりはない」「この舞台は絶対に面白いものになる!レギュラー公演化する!」と言葉を放っている。大根は、THE SHAMPOO HAT(1996年に赤堀が旗揚げした劇団)時代から、公演を見るたびに「赤堀くんが作る舞台は赤堀くんがいちばん面白いんだから、赤堀くんが主役をやりなよ」と言い続けてきたという。ついに念願叶ったのである。「時に無様で、時に滑稽な、世の中にうまく馴染めない市井の人々の機微を描いた」一人芝居と、「憎めない中年男3人の日常を独自の観点で描いた」ショートムービーは、いずれも赤堀が脚本を書き下ろしている。「『赤堀の一人芝居』「山下監督の映像」『ゲストとの即興劇』、これまでに類を見ない舞台公演をご期待ください!!」と自信を持って上演を迎える『日本対俺』。ぜひ会場に直接足を運び、その目で大いなるユーモアの世界を堪能してほしい。公演は2023年9月25日(月)から10月1日(日)まで。東京・下北沢のザ・スズナリにて。<コメント全文>■赤堀雅秋日本対俺。長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』の準備段階において、題名として幾つか挙がった候補の中の一つにこれがあった。記憶は定かではないが20年以上前に何かのドキュメンタリーを見ていて、長谷川監督のノートに殴り書きのようにあった『日本対俺』が、あれからずっと頭の片隅にこびりついて離れない。今作はマッチョな精神とは真逆な、そこらに落ちていた棒っきれで見えない巨大な敵と泣き喚きながら戦うイメージ。初の一人芝居。おそらく最初で最後の所業。勝手にそのタイトルを拝借し、醜態をさらすドキュメンタリー。■大根仁(赤堀のコメントを受けて)と、赤堀君は言っているが、総合演出としては最初で最後にするつもりはない。事の発端は、THE SHAMPOO HAT時代に遡る。「赤堀君が作る舞台は赤堀君がいちばん面白いんだから、赤堀君が主役をやりなよ」公演を見るたび、私は言い続けてきた。劇団が解散、演目ごとのカンパニースタイルに移行し、大きな劇場やメジャーキャストで公演をするようになってからも、同じことを言い続けた。おそらく、赤堀作品を長年観てきた客も、共演した役者ですら、同意見であろう。だが赤堀君がそれに応じてくれることはなかった。理由は赤堀君独特のイズムとシャイネス、他役者たちへの配慮だろう。「じゃあ一人芝居でいいから!とにかく赤堀君が主役の舞台を見せてくれよ!!」鄙びた居酒屋の隅で、半ば恐喝まがいで決まった本企画。テメエの才能は皆無だが、他人の才能を見抜くことに関しては絶対の自信を持つ私が断言しよう。この舞台は絶対に面白いものになる!そしてレギュラー公演化する!もはや私は金の匂いすら感じ始めている。<公演情報>赤堀雅秋一人芝居『日本対俺』作・演出・出演:赤堀雅秋総合演出:大根仁映像:山下敦弘日替わりゲスト(出演日):荒川良々(9/26) / 大久保佳代子(9/30) / 大倉孝二(9/29) / 黒田大輔(9/30) / 田中哲司(9/28) / 永山瑛太(10/1) / 森山未來(9/27) / 八嶋智人(9/25) (五十音順)2023年9月25日(月)〜10月1日(日)会場:東京・ザ・スズナリチケット情報公式サイト:
2023年08月04日現在、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)でヒロインの母親役を好演している永作博美(52)。永作演じるめぐみは、「株式会社IWAKURA」の社長である夫の浩太が急死したのち新社長に就任しており、永作はヒロインを務める福原遥(24)とともにドラマの主軸を担っている。第35回日本アカデミー賞で最優秀助演賞を受賞するなど、いまや名女優の永作だが、キャリアの出発点は’89年にデビューした3人組アイドルグループのribbon。そしてribbonが活動した時期はアイドルからビッグヒットが出なかったため「アイドル冬の時代」と呼ばれており、『ザ・ベストテン』(TBS系)といった人気の歌番組が次々に終了した’88年からモーニング娘。が「LOVEマシーン」でブレイクする’99年までを一般的に指している。また2月19日に放送されたオールナイトニッポン55周年記念『伊集院光のオールナイトニッポン(以下・ANN)』(ニッポン放送)では、「アイドル冬の時代」に生まれ、’90年にCDデビューも果たしている架空のアイドル・芳賀ゆいが注目を集めた。33年前に放送された同番組内で生まれた芳賀ゆい。リスナーが生い立ちや家族構成、スリーサイズなどの細かいプロフィールを決めるといった、実体のないアイドルの先駆けとして、今では「元祖VTuber」ともいわれている。名女優に元祖VTuberにと、様々な功績を残しているアイドル冬の時代。そこで、『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』(シンコーミュージック)の監修を務めているライターの斉藤貴志氏に、冬の時代の功績について話を聞いた。実はアイドル冬の時代は、先述の永作博美のほかにも多くの名女優たちがアイドルとして活動していた。東京パフォーマンスドールには篠原涼子(49)が、そして桜っ子クラブさくら組には菅野美穂(45)や中谷美紀(47)がいた。さらに高岡早紀(50)や高橋由美子(49)、宮沢りえ(49)といった個性派女優たちも冬の時代にソロでCDデビューを果たしている。歌手でいえば安室奈美恵(45)は’92年、MAXのNana(46)やMina(45)等とともにSUPER MONKEY’Sとしてデビューし、黒BUTAオールスターズにはEvery Little Thingの持田香織(44)や華原朋美(48)がいた。なぜ冬の時代は、芸能界に欠かせない逸材をこれほどまでに輩出できたのだろうか。「一つは『アイドルをやっても売れないし、じゃあ他の方法でやっていこう』となったのが功を奏したパターンがあると思います。例えば女優でいえば篠原さんも永作さんも歌が好きで、演技はむしろやりたくなかったそうです。しかし、続けるうちに才能が開花していきました。いっぽう、もともと女優になりたかったけど『アイドルで名前を売ってからじゃないと女優になっても名前が売れない』と言われるパターンもあったと聞いています。その場合、冬の時代が進むにつれて『アイドルをやってもダメだから女優で行こう』と方向転換がしやすくなり、女優業に専念しやすくなったのだと思われます。どちらにしろ『冬の時代でどうやって目立とう』という考えのもと、戦略を練ったのでしょう。また大女優となった元アイドルも、歌姫となった元アイドルも、アイドルとして売れていなかったということが良かったのかもしれません。アイドルとして売れていなかっただけに、最初から女優や歌手として認知されやすかった。冬の時代に限らず、アイドルのイメージが強すぎて女優でも歌手でも成功することに苦労したという話は聞きますね」(以下、カッコ内は斉藤氏)■アイドル冬の時代は宝石が埋もれていたまた現在、冬の時代の音楽が海外で再評価されているようだ。例えば韓国のミュージシャンNight Tempo(37)は’21年11月、アメリカでDJをしている動画をTwitterにアップし、Winkの「淋しい熱帯魚」で盛り上がる現地の様子を伝えている。さらにYouTubeにアップされている冬の時代のアイドル動画には、メジャーやマイナー問わず、英語に韓国語に中国語にスペイン語にと様々な語圏からの賞賛コメントが寄せられている。冬の時代は音楽面でも、功績を残しているようだ。「冬の時代はバンドブームの影響もあり、アイドルが時流にはまらなかった時期でした。アイドルの楽曲はセールス面で芳しくなく、時代に埋もれてしまいましたが、しかし今聞いてもクオリティが非常に高い。甘酸っぱさもありますし、単純にいい曲が多いと思います。外国の方にとっては“冬の時代のアイドル曲”という先入観も少ないでしょうし、高く評価されているというのは理解できます。評価のされ方は、今はやりのシティ・ポップに通じるところがあるかもしれませんね。売れなかったからといって決して質が悪かったということではなく、アイドルも楽曲も宝石がいっぱい埋もれていました。それらのなかに、今の時代にアジャストしたものがあるのだと思います」冬の時代は、時を経て春を迎えたのだ。
2023年03月09日女優の永作博美が、ジュエリーが似合う著名人に贈られる「第34回 日本ジュエリーベストドレッサー賞」の50代部門に選出され12日、都内で行われた表彰式に出席した。永作は「50代部門で選出していただき本当に光栄に思います。ありがとうございます」と感謝。「40代部門で選出していただいたときも本当にうれしくて、ジュエリーの思い出というと、そのときにいただいた品物たちが、私のために贈ってくださった方がいるんだなと思うと幸せだなと、いまだに大切にさせていただいていて、たまに娘に見せると目をキラキラさせて『これいつか着けさせてね』って言うんです」と40代部門を受賞したときのジュエリーについて語った。続けて、「宝石の素敵なところは、いつまで経っても輝きが変わらないところ」だと言い、「輝きが変わらないというのは、ここにあるすべてのものがきっとそうだと信じて、この先もジュエリーを見ながらそれを考えながら生きていきたいと思います」とにっこり。「50代という節目に、磨き直したらまた新しい輝きを放つような宝石を想像して、もう1回磨き直して、皆さんに感動していただけるような世界を作っていけたらと思っています」と決意を新たにしていた。「各世代で最も輝いている人」「宝石の似合う人」を世代別に選考し、表彰する同アワード。34回目となる今年は、10代部門はラウール(Snow Man)、20代部門は永野芽郁、30代部門は田中みな実、40代部門松嶋菜々子、50代部門は永作博美、60代以上部門は大地真央が受賞した。
2023年01月12日赤堀雅秋の書き下ろし舞台『パラダイス』が、2年前の中止を乗り越えついに上演決定。そこで演出も務める赤堀に、現在の胸の内を語ってもらった。正体不明の感染症の脅威に、世の中が言い知れぬ不安に包まれていた2年前。赤堀は当時をこう振り返る。「劇作家の仕事って、今の世の中をどう感じ、どう表出するか、だと思うんです。ただ当時はとても混乱してしまって。語弊はありますが、東日本大震災の時と同じような感覚というか。こんな状況の中、自分はなにを描き、なにを世の中に提示すべきなのか。正直まだわからないですし、今、とても重い気持ち(苦笑)。ただなにを核として描くべきか、ちょっとでも自分の中で掴むことが出来たら、前へ進んでいけそうな気がします」とはいえ赤堀は、コロナ禍以降すでに2作の新作舞台を発表している。「確かに『白昼夢』も『ケダモノ』も、自分の中ではそれなりに納得出来るものが書けたという思いはあります。それがなんなのかよくはわかりませんが、根源的なところでは変わっていないのかなと。人間はどうあるべきかとか、豊かさってなんなのかとか、すごく単純な言い方をすれば幸福のあり方とか。そういうことを改めて考える機会にはなっていますし、なにを描くべきかってことに関しては、コロナ禍以前よりも進化はしているつもりです」主演を務めるのは関ジャニ∞の丸山隆平。赤堀とは初の顔合わせとなるが、2年前から交流は始まっているそうで…。「機会を設けて何度か食事に行ったり、すでにちゃんと仕事したんじゃないかってくらい、仲良くはなっていますね(笑)。それが作劇になにか関係するわけではないですが、自分自身はどうしても当て書きという書き方をするので、丸山くんの中のなにを抽出したら面白くなるのか。そんな自分勝手な妄想が膨らむ機会にはなっています。別にそれは丸山くんに限らず、どんな役者さんでも、今までにない一面を見せたいという思いは常にあって。例えば八嶋(智人)さんをひと言もしゃべらない役にしようか、とかね(笑)」主演が丸山という点では、こんな点にも期待していると言う。「とにかく若い人に観てもらいたいですね。それは別に良いとか悪いとかではなく、僕みたいな世界観の作品に触れてこなかった人も多いでしょうから。そういう若い人たちに、こんな演劇もあるんだと。そしてそこからなにか少しでも感じてもらえるものがあれば、すごく嬉しいなと思います」取材・文:野上瑠美子
2022年08月09日俳優の井浦新と女優の永作博美が出演する映画『朝が来る』(20)が、映像配信サービス・dTVで配信開始した。辻村深月氏の同名小説を河瀬直美監督が映画化した同作は、日本アカデミー賞で河瀬監督が優秀監督賞、永作が優秀主演女優賞、蒔田彩珠が新人俳優賞を受賞し、「第73回カンヌ国際映画祭」オフィシャルセレクション・カンヌレーベルに選出された。栗原清和(井浦)と佐都子(永作)夫婦は、特別養子縁組制度で養子・朝斗を迎え入れ、幸せな日々を過ごしていた。しかし、そこに当時中学生だった産みの母親・片岡ひかり(蒔田)を名乗る女性から「子どもを返してほしいんです。それが駄目ならお金をください」と連絡が入る。葛藤を抱えながらも息子の朝斗を愛し抜く夫婦をリアルに演じた井浦と永作の演技、『三度目の殺人』『万引き家族』などに出演して話題を集める若手女優・蒔田の表現力は必見だ。
2022年06月11日約6年前に誕生し、第1弾『同じ夢』、第2弾『神の子』を上演してきた、田中哲司、大森南朋、赤堀雅秋の演劇ユニット。『ケダモノ』と題する約2年半ぶりとなる第3弾には、門脇麦と荒川良々が参加する。独自のユーモアを交えながら人間の奥底を描き出す赤堀作品の魅力がさらに濃く刻まれそうな本作で、それぞれの俳優たちも、テレビでは観ることができない魅力を爆発させそうだ。一緒にゼロから真摯にものが作れる幸せな場──田中哲司さん、大森南朋さん、赤堀雅秋さんの演劇ユニットの上演が第3弾を迎えました。お三方の今の思いを聞かせてください。赤堀とても幸せです。今、脚本の執筆が遅れていて、各所にご迷惑をかけているので、そんな牧歌的なことを言っている場合ではないのですが(笑)。でも、一緒にゼロから真摯にものが作れる、そういう幸せな環境があることは、やはりとてもありがたいです。『ケダモノ』メインビジュアル田中僕にとっても赤堀作品に参加するのは楽しみでしかないんです。同じ舞台でも、原作があったり難解な作品もあるなかで赤堀くんの本はスッとその世界に馴染める。だからすごく楽しくて、それが3回も続けられるというのは嬉しい限りです。大森3回もやれるっていうのがまずありがたいです。ただ、自分の中ではなんとなく、すでに習慣化してきている感じはありまして。2回目の公演後、次もあるだろうなと体がもう待っていたので。まだどうなるかわからないことが多いですが、来たものに集中してやっていければなと思っています。──そして、第3弾にゲストとして出演される門脇麦さんと荒川良々さん。どんなお気持ちでいらっしゃいますか。門脇赤堀さんとはいつかご一緒したいと思っていたんです。でも、これはどなたとご一緒するときにも言えることだと思うのですが、どのタイミングで何をやるかというのは運命というか巡り合わせだと思っていて。そういう意味では、第1弾と第2弾を拝見したときから、皆さんのやりたいことができる空間なんだろうなと感じていたので、このユニットに参加できるのは、すごく素敵なタイミングでお声がけいただけたなと思っています。荒川僕は、「ようやくきたか」という思いですね(笑)。というのも、赤堀さんとは前から付き合いもありましたし、1回目も2回目も知っている人が出ていましたから、「あれ?なんで俺は呼ばれないんだ。いつ呼んでくれるんだ」と思っていたんです。佇まいに、内側から漏れてくる雰囲気がある役者陣──赤堀さんにお聞きしますが、今回、門脇さんと荒川さんにお声がけされた理由は?赤堀まずおふたりとも、単純に魅力的な役者さんだなと思っていて。門脇さんも、語弊があるかもしれませんが、演技がどうこうではなく、もう佇まいに、内側から漏れてくる雰囲気がある。あと、顔が好きなんです。なんか面白い顔をしているなと思って、以前からご一緒できたらと思っていたので、今回念願が叶いました。そして、荒川くんはもう長い付き合いで。言わずもがなで面白いですし、いてくれたら本当に助かるなという存在です。──田中さん、大森さん、門脇さん、荒川さんにも、お互いの印象や、共演するにあたって楽しみなところをお話いただければ。田中まず大森くんは、いてくれるだけで安心して芝居ができるんです。大森それは僕も同じです。哲司さんと、こうやって舞台を定期的にやらせていただいて、本当に楽しいですし、頼もしいなと改めて感じています。プライベートでも頼りにさせてもらっています。田中こちらこそです。あと、麦ちゃんは、映像で何度か一緒になってますがまだ底が見えないような気がしているので、どんな顔を見せてくれるのかなと、絡めるのがすごく楽しみです。大森僕は麦ちゃんとは初めて共演させてもらうんですけど、若いのに先輩たちをあまり許してくれなさそうな感じが出ていて(笑)、そこがいいなと思っています。荒川僕は門脇さんとはチラシ撮影で初めてお会いしたんですけど、映像や舞台の作品をいろいろ観ているので、楽しみしかないです。田中良々とは、『ワニを素手でつかまえる方法』(2004年)以来?荒川そうですね。20年ぶりくらい。田中コロナ禍以前は普段から一緒に飲んだりしていたので、そんなに久しぶりだったとは思えないんだけど、久々にできるのが楽しみです。大森僕は荒川くんとは、岩松了さんの『恋する妊婦』(2008年)以来。あのとき毎日ネギで頭を引っ叩いていた仲なので(笑)、久々に一緒にやれるのが楽しみです。門脇私はそれこそ哲司さんとは映像でちょこっと共演させていただいていますが、皆さん初めてで。普段はわりと同世代と作品をやることが多いので、今回どんなふうになるのか、怖くもあり楽しみでもありという感じなんです。皆さんがどんなふうにお芝居を作っていかれるのか、日々勉強したいと思っています。コロナ禍、閉鎖的な小さな田舎町で起こる人間模様──このメンバーで、赤堀さんは今回、どんなことを描いていこうとされているのでしょうか。赤堀まだ確定ではないですけど、大森南朋さんがリサイクルショップの店長、荒川良々さんがその店員、田中哲司さんが映画プロデューサーで、その男連中が通うキャバクラで働いているのが門脇さん、そして僕は害獣を駆除する猟師を演じる予定で、山に囲まれた閉鎖的な小さな田舎町で起こる人間模様を描きます。で、自分としてはできれば普遍的な話を書きたいと常々思っているので、これまでは、例えば震災であるとか、そのときに起こったことは描かないできたんですけど、今回は、コロナ禍ということを大前提に、しょうもない人間たちを描けたらなと思っています。──演じる皆さんは、赤堀作品にどんな魅力を感じておられますか。田中これだけダメな人たちが出てくるのは、赤堀くんの作品しかないと思うんです。下手したら、全員クズ(笑)。しかも、悪い人でも実はいいところがあったという役は多いですけど、そういう“いい人要素”が全くない。そういう人を思う存分、全身全霊でやれるっていうのは、ストレス発散になるというか。だから、明るい気持ちで稽古場にいけるんです。大森僕もたぶん哲司さんと同じようなことを感じていると思うんです。ドラマとかではいい人を演じたりもしますけど、僕の中にもやっぱりそのヤバい匂いはないものではないと思うので。それを毎回赤堀くんのところで吐き出している感じがあるんです。ただ、観客として赤堀くんの舞台を観に行っても、その狂気を孕んだ凶暴的な空気を引きずりながらも、それがイヤな感じではないんです。それはなぜなのか、自分で演じてみてもよくわからないんですけど。結局、嘘がないからなのかなと思ったりしていて。そこが魅力なのかもしれないです。門脇私は完全に観客のひとりとしての感想になりますが。誰でも、見たくない感情や忘れたいことっていっぱいあると思うんですけど、そういうものが詰まっていて、一つひとつ丁寧に描かれているので。凶暴性というものもありますけど、いつもやさしい舞台だなと思って観ていました。荒川僕個人としてはまず、自分と笑いのツボが似ているので面白いというのがあります。それと、例えば医者だから偉いとかではなくて、みんな一緒の人間だというふうに、いつもいろいろな人間が一緒に生きている。そこがいいなと思っています。赤堀そういう意味では、哲司さんの言うそのダメな人を(笑)、リアリティを持って体現してくれそうな方を、いつもキャスティングさせてもらっている気がします。哲司さん、南朋ちゃんはもちろんのこと、門脇さんも荒川くんも、佇まいがすごく生々しいというか。生々しい雰囲気を持っている人が、魅力を感じる俳優さんだったりしますね。今の世の中の「虚無」を描き、一筋でも希望が見出せたら──赤堀さんがチラシに書かれたイントロダクションには、「電車の中で無闇に刃物を振り回し……」など、昨今起こった事件が並んでいます。書かれた思いを赤堀さんに、そこから感じることを皆さんにお聞きできれば。赤堀本当は、「はじめ人間ギャートルズ」(1974〜75年放送のテレビアニメ)のエンディングテーマ曲の「やつらの足音のバラード」の歌詞をそのまま載せたかったんですが、費用の問題であきらめたんです(笑)。でも、あの歌にある「何もない」っていう、今の世の中の人間の虚無というか、諦念と言ったらいいのか、そういうものを描けたらなと思っていて。『ケダモノ』チラシ裏面とくにこのコロナや戦争で、言語化できないものが内側に溜まって塊みたいになっていると思うので、その象徴として事件を羅列してみたんですけど。そういうものを描きながら、一筋でも希望が見出せたらいいなと思っています。田中まさにこのイントロダクションが赤堀くんの世界を表しているというか。これを読んだだけで世界が広がりますよね。赤堀でも、これを読んで来ない人もいっぱいいると思うので(笑)。田中線引きになるという(笑)。でも僕、「はじめ人間ギャートルズ」が大好きなんです。マンガを全部持っていて、今も時々読んでいるんですよ。大森そんな一面があったとは(笑)。田中(門脇に)全然知らないでしょ?麦ちゃんが生まれる前のマンガだから。門脇はい、全く知らないです。田中今度貸すね。って、「ギャートルズ」の話で盛り上がってしまいそうですけど(笑)。『ケダモノ』という題名で、ついに一線を越えてきたなという感じがするので。これまで以上に期待しています。取材・文:大内弓子撮影:近藤誠司大森南朋ヘアメイク:TAKAHASHI (stereogn)/門脇麦 スタイリスト:宮本茉莉(STAN-S)・ヘアメイク:秋鹿裕子(W)衣裳:AOIWANAKA
2022年03月31日田中哲司、大森南朋、赤堀雅秋の演劇ユニットの新作公演『ケダモノ』が4月21日(木)より、東京・本多劇場を皮切りに札幌・大阪で上演されることが決定した。この演劇ユニットは田中が、「誰と何をやったら面白いか」という発想からスタートし、かねてから親交を深めてきた大森、赤堀とともにしがらみにとらわれず、俳優たちが真摯に物作りをできる場所を求めて一致団結。キャスティングも俳優同志で声を掛け合い、2016年2月に光石研主演、麻生久美子など豪華な顔合わせで、舞台『同じ夢』の上演が実現した。その後も熱量は衰えず、2019年には、長澤まさみ、でんでん、江口のりこ、石橋静河を迎えて、第二回『神の子』が上演された。3度目となる今回は、2011年のデビュー以来、2015年『愛の渦』で第88回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞を受賞、2018年には第42回エランドール賞新人賞や2019年『止められるか、俺たちを』で第61回ブルーリボン賞主演女優賞を獲得するなど確かな演技力を武器に、近年では、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』や、Netflix『浅草キッド』では演じる浅草フランス座の踊り子・千春が大きな話題を呼んだ、女優・門脇麦がユニットぬ初参加する。そして、赤堀作品にも多数出演している大人計画の荒川良々、赤堀自身が座付き作家をつとめる「劇団姦し」のあめくみちこ、さらに清水優、新井郁と、映画やドラマ、舞台で幅広く活躍するバイプレイヤーが勢揃いの豪華キャスト、満を持して本多劇場にて赤堀の最新作を上演する。なお、東京公演のチケット販売は、3月1日(火)にスタートする。赤堀雅秋 コメント大森南朋さんと田中哲司さん。お二人は友人であると同時に、自分の作品を非常に厳しい視線でジャッジしてくれるコワくも有難い存在だと思っています。そんなお二人に加え、内容も定まらない段階から、意気に感じて参加してくださる役者の皆さんと一緒に物作りができるこのユニットは、今の自分にとってはホームというべき場所。回を重ね、三度目を迎えられることには感謝しかありません。作品を一つ終えるたび、いつも「次の、違う段階へ行かねば」と感じます。年齢と経験を重ね、それなりの技量はあるというささやかな自負。そんなものに安住することなく、チャレンジし続けるための衝動、その象徴がタイトルの『ケダモノ』という言葉かも知れません。人間も所詮は動物、そんなありきたりだが根源的な視点で物語を紡ぎたいと思っています。すべての予定調和をぶち壊したいという乱暴な気分でもあります。大森南朋 コメント2021年末に、マネージャーからLINEで送られて来た「ケダモノ」の四文字が始まりで、今ある全てです(笑)。赤堀さんに会い、探りを入れたところ「南朋ちゃん、ワルモノかも……」などというつぶやきが。これまでの作品ではダメなりにイイ人役だったので、新作ではそれが覆るかも知れません。もしや自分がケダモノなのか? 赤堀さんは何かをブチ壊そうとしているのか?? 何が出て来ようと、赤堀作品への信頼は自分にとって絶対的なもの。たっぷりエネルギーが必要な芝居づくりになりそうですが、追い詰まるほどにソリッドに研ぎ澄まされていく赤堀作品の時間を、今回もしっかり味わい尽くそうと思っています。門脇麦 コメント下北沢の小劇場で『その夜の侍』など、赤堀さんの劇団作品をいくつも観ていました。人間の、目を覆いたくなるような残酷な部分を敢えて剥き出しで描くことは、絶望しているからではなく、むしろ人間を諦めないからこその創作なのではと感じ、いつかご一緒できたらな、とずっと思っていました。その夢が叶った今回。今はタイトルだけですが、赤堀さんが今の私の何を見て、どんな役と物語を書いて下さるのか期待しかありません。私が経験したことのない演劇、創作のディープ・ゾーン=謎の森で迷うことまでも楽しみたいと思っています。荒川良々 コメントコロナ禍の初期。公演がバタバタなくなって時間を持て余している頃、赤堀さんと週4で会っていました。稽古で頭に血が上ったり、怒り過ぎて心臓が痛くなった赤堀さんは、僕をクールダウンにつき合わせます。出会いが俳優同士としての共演だったから、今の、気楽に話せる関係がある。作・演出家として、あの濁った眼でダメ出しなんかされたら僕だって怖いです。今は、赤堀さんの頭には既に全部あるらしい(笑)『ケダモノ』の全貌が、早く知れたらいいなと思っています。あめくみちこ コメント赤堀さんに直接ご連絡をいただいた今回。詳細を伺う前に「死んでもやります!」と答え、笑われたのは私です……。人間の弱さや醜さなど、他人には見せたくない部分を突きつけながら、その泥沼の中に一粒の光、希望を見出させてくれるのが赤堀作品の魅力。だから2010年、那須佐代子さんと、かんのひとみさんの3人で立ち上げたユニット「姦し」の作・演出も、赤堀さんにお願いしたんです。8年半ぶりの赤堀作品。追い詰められながらも、その作品世界を全身全霊で演じたいと思います。清水優 コメント舞台経験もほぼない頃、フルオーディション企画『東京』(08年)と、姦しの『夕立』(10年)で赤堀さんの作・演出を体験し、こてんぱんにやられました。稽古が始まれば強烈な緊張感に追い詰められ、挑戦し続けなければならない日々にドップリつかりますので、実はタイトルだけで想像を膨らませている今が、一番楽しいのかも(笑)。どんな時も絶対に手を抜かない先輩ぞろいのこの座組。そこに自分が居られることを感謝しつつ、『ケダモノ』の始まりに備えなければと腹を括るこの頃です。新井郁 コメントまだ何者でもなかった学生時代。関西から遊びに来た下北沢で、初めて観た演劇が赤堀さんの作品でした。終演後「息苦しい想いをしているのは自分だけじゃない。こんな私にも居場所がある」と感じて。以来、いつか赤堀作品に出たいと想い、口にし続けた願いが今回叶いました! ケダモノ……誰が? もしかして全員? 内容は想像もできませんが、芝居に前のめりな大先輩方が揃う場に、私が居られるだけでもスゴイこと。ここでの体験全てから学び、盗み、新しい自分に出会えたらと願っています。田中哲司 コメント赤堀作品を演じることは、自分にとってガソリン補給のようなものです。数年に一回は彼の書いたヒリヒリする台詞を身体にたっぷりと吸収して、吐き出さないと俳優としての自分が枯渇してしまう気がするんです。「そんなこと書かなくてもいいじゃない……」というほど、人が隠しておきたいようなグロテスクな心情までをも描く。胸をえぐるような赤堀作品を演じることは僕にとって大きな喜びです。今はまだタイトルしかない清々しい状況で(笑)、誰がどんなケダモノになるかもわかりません。でも、いつにも増して振り切った感があるので、少しずつ見えてくるであろう世界を楽しみに待っています。赤堀雅秋プロデュース『ケダモノ』2022年4月21日(木)~5月8日(日)東京都 本多劇場2022年5月14日(土)・15日(日)北海道 かでるホール2022年5月20日(金)~22日(日)大阪府 サンケイホールブリーゼ作・演出:赤堀雅秋出演:大森南朋、門脇麦、荒川良々、あめくみちこ、清水優、新井郁、赤堀雅秋、田中哲司チケット一般発売日:3月1日(火)チケット取扱:ぴあ:
2022年02月07日赤堀雅秋が1年ぶりに手がける新作のテーマは、「8050問題」。母親の死後から引きこもりになった弟とその兄、老齢の父親、さらにNPO法人の相談員たちが紡ぎ出す、濃密な人間ドラマだ。そこで作、演出、出演の3役を兼ねる赤堀と、長男役の三宅弘城に話を聞いた。M&Oplaysプロデュース「白昼夢」の公演・チケット情報20年来のつき合いながら、赤堀作品に三宅が参加するのは今回が初。三宅は「念願の赤堀作品」と切り出し、「赤堀さんの書く世界と、演出する空気感がものすごく好きで。正直、赤堀さんの作品ならなんでもいいくらい(笑)。俳優としてはナイロン(100℃)で共演したことがあるんですが、すごく真面目ですし、赤堀さんが出て来ると途端に場が生々しくなる。そういうのを体験して、ますます一緒にやりたいと思うようになりました」と、全幅の信頼を寄せる。赤堀に三宅の俳優としての魅力を聞くと、「ご本人を前に恥ずかしいな」と照れつつも、「常に前向きで、少しでも面白くするために常に何かを打破しようとしている。すごく尊敬している俳優さんです」と、こちらも信頼の強さを伺わせた。キャストは5人のみ。長男を三宅、次男を荒川良々、父親を風間杜夫、NPO法人のスタッフを赤堀と吉岡里帆が演じる。この顔ぶれを見て赤堀は、「いいキャストだと思いますよ」としみじみ。「ちゃんと舞台の上で反応し合える人たちだと思うので、その化学変化みたいなものが楽しめるのではないかと思います」と、期待を膨らませる。三宅も「皆さん一緒になって作っていってくれる、チーム感のあるカンパニーになりそうですよね。こちらも気を抜いていられないなと思います」と、背筋を伸ばす。赤堀作品に関して、風間、荒川はすでに経験済みだが、異色なのは吉岡。ドラマ『あさが来た』で共演経験のある三宅は、「『私、小手先で出来ないんです』って言うくらい、すごく体当たりで熱い子」と当時を振り返ると、赤堀は「じゃなきゃ出ないですよね、このメンツで」とニヤリ。さらに「ほんわかしたイメージがありますけど、せっかくならグロテスクな部分も引き出せたら面白いかも」と、気になる言葉も飛び出した。現段階での物語の設定は前出の通りだが、実際どうなるかは赤堀のみぞ知るところ。当の本人は「僕が一番知りたいですけどね」と笑うも、最後にこう語る。「変な手触りの芝居になればいいなと思います。抽象的な言い方ではありますけど、この5人で、等分で、混沌とすればいいんじゃないかなと思いますね」。取材・文:野上瑠美子撮影:源賀津己
2021年02月16日赤堀雅秋が作・演出を務めた、M&Oplaysプロデュース『白昼夢』が2021年3月20日(土・祝)から4月11日(日)、本多劇場で上演される。劇作家・演出家としてだけでなく映画監督、俳優と多彩な顔を持つ赤堀雅秋。今作は彼の1年ぶりの新作であり、『流山ブルーバード』(2017)に続く、M&Oplaysとのコラボ第2弾作品だ。出演は、赤堀作品には初参加の三宅弘城、吉岡里帆、赤堀作品には欠かせない俳優・荒川良々、風間杜夫、そして赤堀本人。実力派キャストで何気ない日常に潜む人間の痛みや悲しみや可笑しみを独特の目線で描き、他人の日常を覗き見しているような劇空間を作り出す。ストーリーは現代社会に取り残された人々のもがきと再生の物語だ。高橋家の家主・高橋清(風間杜夫)は、妻を亡くし、次男の稔(荒川良々)とふたり暮らし、稔は長年引きこもっていて、家庭内での暴力も絶えない。清は、長年のその暴力に耐え続けてきたが、いよいよ臨界点を超えそうだった。長男の昭(三宅弘城)は、ずっと弟のことを心配し、たびたび実家に顔を出すが、いよいよNPO法人の相談室に駆け込み、現状を吐露。それからある日、訪ねて来たNPO法人の若林(赤堀雅秋)と石川美紀(吉岡里帆)、長男の昭も加わった話し合いがもたれるが、清は外部の人間に現状を話すことを拒む。途方に暮れる昭だが、そこは百戦錬磨の若林が薄ら笑みを浮かべながら優しくリード。その若林も微妙に胡散くさく、石川に至っては腕に無数のリストカットの跡が。そして5人の交流によって不毛で終わりのない物語が始まる。彼らは希望の灯を見出すことができるのか。<作 / 演出:赤堀雅秋・コメント>考えたら1年ぶりの舞台ですが、何だか随分舞台から遠ざかった心持ちです。だから物凄い期待感と不安が入り混じった複雑な状態です。大好きな本多劇場で、大好きな役者たちと濃密な物作りが出来る幸せを噛みしめたい所存でございます。こんな時世ですが、安易に希望を撒き散らすことなく、かといって諦念に酔いしれることなく、それでも生きて行く、そういう物語でありたいと思います。喜劇のつもりです。謙虚に、人間や人生を肯定したいのです。よろしくお願い致します。■公演情報M&Oplaysプロデュース『白昼夢』2021年3月20日(土・祝)~4月11日(日)上演会場:本多劇場作・演出:赤堀雅秋出演:三宅弘城、吉岡里帆、荒川良々、赤堀雅秋、風間杜夫公式サイト:
2020年12月01日2020年10月18日に放送されたバラエティ番組『おしゃれイズム』(日本テレビ系)で、俳優の永作博美さんがゲストとして出演。その変わらぬ美貌の『秘訣』について話し、反響を呼んでいます。永作博美美しさを保つ秘訣は?同月14日に50歳を迎えたという永作さん。同い年だというMCの上田晋也さんは「こんなに半世紀かわいらしさを保てているのなんて、キティちゃんくらいだもんね」と驚きの声を上げました。上田さんに、若さを保つために日々行っていることを聞かれた永作さんは、次のように語っています。あきらめることじゃないですかね。日にやること多すぎた場合に、どれをあきらめようかなって。あきらめた数の分だけ、多分ちょっと若々しく生きられるんじゃないですか。ストレスがなく生活することを考えると、いいんじゃないですかね。おしゃれイズムーより引用無理をして予定をいっぱい抱えてしまうのではなく、ストレスを感じないように暮らすことを大切にしているという永作さん。ネット上では永作さんのコメントに、賛同する声が相次ぎました。・若さの秘訣が「諦めること」って、なんかかっこいい。・いつまで経っても、かわいい。年齢を重ねることにあがいてないところが素敵です。・いい年の取り方しているなあ。無謀かもしれないけど、目指すのはいいことだよね!毎日をゆるやかに過ごすことを心掛けていけば、永作さんのように素敵な表情の女性になれるかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年10月19日『あん』『光』の河瀬直美監督が永作博美、井浦新ら実力派キャストを迎えて辻村深月のベストセラー小説を映画化した『朝が来る』の公開日が6月5日(金)に決定。この度、特報・ポスタービジュアル・追加キャストも解禁された。本作は、実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てることができなかった14歳の少女を繋ぐ「特別養子縁組」によって、新たに芽生える家族の絆と胸を揺さぶる葛藤を描くヒューマンミステリー。この度解禁となる特報は、実の子を持てなかったが特別養子縁組によって新たな希望と出会った夫婦と、実の子を育てることができず悲しみに暮れる少女の対比を、まず映し出す。胸を締めつけられるような、栗原佐都子(永作博美)や清和(井浦新)の苦悩する姿や、ひかり(蒔田彩珠)の哀切この上ない表情も切り取られている。特別養子縁組で男の子を家族に迎え、3人で幸せな生活を送っているかと思えば、一転して「子どもを返してほしいんです」と謎の女からの電話で不穏な空気が漂い始める。「あなたは一体、誰ですか」と深刻な表情で問いただす佐都子や、「お母さんはあなたではないと思います」と真剣に訴えかける清和と、家族に迫る危機も映し出されている。果たして突然現れた女は何者なのか、一体何が目的なのか?あわせて解禁となるポスタービジュアルには、「あなたは、誰ですか。」という意味深なコピーと、謎の女を怪訝そうに見つめる栗原夫婦のただならぬ様子が収められている。そのほか、子どもを大事そうに見つめる栗原夫妻、温かいまなざしを注ぐひかり、優しく微笑む浅見(浅田美代子)の表情も切り取られ、ひとすじの希望の光も垣間見えるが…。また、新たに追加キャストとして、山下リオ、森田想、堀内正美、山本浩司、三浦誠己、池津祥子、若葉竜也、青木崇高、利重剛の出演も明らかになっている。『朝が来る』は6月5日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:朝が来る 2020年初夏、公開予定©2020『朝が来る』Film Partners
2020年02月28日俳優・田中哲司と大森南朋、そして映画監督、俳優としての顔も持つ作・演出の赤堀雅秋。この3人による演劇ユニットの最新作『神の子』が、本日12月15日に東京・本多劇場にて開幕する。「しがらみにとらわれず、真摯に舞台を創る場」を求めた3人の思いが初めて実現したのが、2016年上演の『同じ夢』。郊外の精肉店を舞台にしたこの作品に手ごたえを感じ、「また次やりたいね」と交わしてから約4年。第2弾となる今回は、3人のほか、長澤まさみ、でんでん、江口のりこ、石橋静河ら存在感が際立つ面々が加わっての上演だ。警備員として働く池田(大森南朋)、五十嵐(田中哲司)、土井(でんでん)は、行きつけのスナック、趣味のパチンコと常に一緒にいる。3人そろって独身で貧乏。目的も展望もない生活にウンザリしつつも、抜け出すほどのヤル気はなく、漠然とした不安の中でただ日々をやり過ごしていた。ある日、池田に若くきれいな田畑(長澤まさみ)と斎藤(石橋静河)というふたりの女が声をかけてくる。彼女らの誘いを受け、池田は街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。呆れるほど単調な日常の中に小さな変化が兆す。田畑との出会いにほのかな夢を見る池田。それは、男たちにとって幸か不幸か……。生きることに不器用な人間たちの閉塞感を、独特のユーモアも絡ませた会話であぶり出す赤堀。今作でも「底辺にいる人たちがうごめいている現代の無常観を表現したい」と話す。赤堀が描く世界に真正面から向き合うキャスト陣が、どんな表情を見せてくれるのか。濃厚で沁みる物語をしっかりと受け止めたい。コムレイドプロデュース 『神の子』は、12月30日(月)まで本多劇場、1月7日(火)から9日(木)まで愛知県産業労働センター ウインクあいち、1月13日(月)に福岡国際会議場 メインホール、1月16日(木)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、1月18日(土)・19日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、1月23日(木)に長野・サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホール、1月26日(日)に静岡・浜松市浜北文化センター 大ホールにて上演。文:伊藤由紀子
2019年12月15日世界の一流オペラハウスを舞台に活躍中のソプラノ大村博美のリサイタルが開催される。その彼女の価値を世界に知らしめた演目がプッチーニの名作オペラ『蝶々夫人』だ。オペラ史上に残るヒロイン“蝶々夫人”を演じた回数はすでに100回を超え、昨年はついにプッチーニの生地イタリア・トスカーナ州トッレ・デル・ラーゴで毎年開催されている「プッチーニ・フェスティヴァル」において、この大役を歌ったというのだから本物だ。もちろん当たり役の“蝶々夫人”以外にも、ヴェルディ作品における数々の熱唱ぶりは注目の的。世界に通用する数少ない歌手の1人としてその存在感は高まるばかりだ。今回のリサイタルでは、イタリア有数のマエストロにしてプッチーニ・フェスティヴァルの理事を務めるアルベルト・ヴェロネ−ジがピアノを担当し、プッチーニを始め、リストやグノーにトスティなどなど、大村の魅力を引き出す素敵なプログラムがずらりと並ぶ。まさに今が旬のソプラノ大村博美を聴き逃がすことなかれ。●大村博美さんインタビュー(今回の公演に寄せて)
2019年11月28日辻村深月原作、『あん』『光』の河瀬直美監督最新作の『朝が来る』に永作博美と井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子らが出演することが決定。併せて、主要キャストコメントも解禁となった。実の子を授かることが叶わず、特別養子縁組により、男の子を家族に迎えた夫婦。中学生で妊娠し、断腸の思いで子どもを手放すことになった幼い母。両者が再び交差したとき、物語は大きなうねりを見せる――。本作は、日本ではタブー視されがちなセンセーショナルなテーマを題材にした感動ミステリー。様々な母と子のかたち、絆、それぞれの葛藤を実力派キャスト競演で描く。永作博美&井浦新が夫婦役、共演に実力派俳優が集結心から望みながらも、実の子を授かることができなかった栗原夫妻。ヒロインである妻の佐都子を演じるのは、『人のセックスを笑うな』『ソロモンの偽証』などに出演し、『八日目の蝉』で日本アカデミー賞をはじめ様々な賞を受賞した永作博美。夫の清和役には、是枝裕和監督の『ワンダフルライフ』で映画初主演を果たし、『止められるか、俺たちを』『嵐電』「ニッポンノワール-刑事Yの反乱-」と話題作への出演が続く井浦新。まだ生理も来る前に同級生に本気の恋をし、望まぬ妊娠をしてしまった少女・片倉ひかり役を、『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『万引き家族』などに出演し、17歳にして“是枝裕和作品の常連”と称される女優・蒔田彩珠が演じる。そして、栗原夫婦と片倉ひかりを引き合わせた人物・浅見静恵役を演じるのは、『エリカ38』「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」などに出演し、河瀬監督作としては『あん』以来の出演となるベテラン女優浅田美代子。そのほかにひかりの家族として母親を中島ひろ子、父に平原テツ、姉に駒井蓮らが出演。さらにひかりの恋人役に田中偉登、佐藤令旺がひかりの実子にして永作さん演じる佐都子の養子・朝斗として参加している。■キャストコメント永作博美(栗原佐都子役)自らの人生の中でも岐路というのは本当に究極の選択の様なものばかりでいつも「試されてるな…」と感じる。それをフィクションの中でフルに実践している河瀬監督の撮影手法に驚き、いつ撮影は始まったのか…何が本当なのか…現場で1つになった心臓の音がいつもドックンドックン響いていた。皆がその静寂にどう在るのか考えただけでまた心臓が鳴ります。井浦新(栗原清和役)12年程前に、奈良から京都への電車の中で河瀬直美監督と初めて出逢いました。柔らかくも鋭く自分の内側に語りかけ、眼差しは心の中を見つめられてるようで、電車に揺られ話した時間は今も鮮烈に記憶に残っています。今回、河瀬組への初参加の機会をいただき、あの日から積みあげられた想いを全開で挑みました。河瀬監督の現場は、どう芝居をするかではなく、どう“生きるか”が求められます。それができる環境を監督を始めスタッフの方々皆が徹底して作り上げてくれました。その中で俳優部は魂を擦り減らしながら生をぶつけ合う。このように作品への、人間への、深い愛に溢れた現場で生きることで、生命を育む地球の記憶についてまで再発見する事ができ、とても感動しました。12年前に河瀬監督から聞かれた「あなたはどんな人間ですか?」この問いに少しでも答えられるよう全身全霊の日々でした。今もその言葉は自分を突き動かす原動力となっています。蒔田彩珠(片倉ひかり役)原作を読んだ時、ひかりに起こった事は、誰に起こってもおかしくない事だと、感情移入しすぎてしまい、辛かったです。私がひかりの気持ちを背負うことで、ひかりを傷つけてしまうんじゃないかと不安にもなりましたが、撮影が進む中で、自分がひかりになったと感じた瞬間があり、とても強い心を持つことができました。この映画を通して、私と同世代の方々をはじめ多くの人に、人間の強さや弱さ、優しさ、命について深く考えるきっかけになれば、嬉しいです。浅田美代子(浅見静恵役)久しぶりに河瀬組...正直怖かった。何故なら河瀬監督には嘘(お芝居)は通用しないから。『その役に生きる!!』撮影期間中はずっと「浅見」で過ごした…そしてクランクアップ、「浅見」が私の中から出て行った時、新しい私が生まれた瞬間だった。縁というものにより河瀬監督と出会えたこと幸せだと心から思う。『朝が来る』は2020年初夏、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2019年11月22日俳優の向井理が10日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで行われた主演舞台『美しく青く』の初日前会見に、作・演出の赤堀雅秋、共演の田中麗奈とともに出席した。劇作家・演出家・俳優の赤堀雅秋が作・演出を手掛ける本作は、震災から数年が経った集落が舞台。それぞれの日常を取り戻そうとするも、繰り返される獣害に悩まされる自警団の男たちやそのまわりの人々の姿を通して、人間の不毛な営みと日常の愛おしさを独自の視点から描く。向井は「稽古期間は長かったわけではないですけど、濃密な稽古期間を経験できました」と手応え。「明日本番ということで変に気合いが入りすぎないように、自分がコントロールできないくらいにならないように、心を整えて明日を迎えられたらと思います」と意気込みを語った。向井が演じるのは、猿害対策に奔走する自警団のリーダー・青木保で、その妻・直子を田中が演じる。向井は自身の役どころについて「一生懸命生きている人」「逃げたりするのも人間の側面。そういう誰にでもある衝動を抱えながらちゃんと生きている普通の人」と説明し、見どころを聞かれると「猿が出てきます」と一番のポイントに挙げて笑った。また、赤堀との初タッグについて「すごく細かいですけど、思っていたより優しいです。ガンガン演出はされるんですけど、丁寧で、そんなビビることもなく、キャッチボールしやすい人」と印象を語り、「その通りだなと思うことが多くて、もっともっと違う視点でお芝居を構築していかないといけないなと思いました」と刺激を受けているようだ。舞台『美しく青く』は、7月11~28日に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーン、8月1~3日に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。
2019年07月10日中村獅童念願の企画、オフシアター歌舞伎『女殺油地獄』が、ついに5月11日(土)、その幕を開ける。歌舞伎では初となる倉庫と新宿歌舞伎町での公演。演出の赤堀雅秋とともに、創作真っ只中の稽古場で話を聞いた。【チケット情報はこちら】『女殺油地獄』といえば、これまで数々の名優によって演じられてきた近松門左衛門の傑作。借金で首が回らなくなった放蕩息子の与兵衛が、金欲しさがゆえに親身にしていたお吉を殺めてしまう。獅童は「今起きてもおかしくない事件」と表し、「赤堀さんは日常を切り抜くのが非常に上手な演出家さん。これも殺しは殺しですが、どこかその人たちの日常というか、気づいたら殺人鬼になってしまったような……。そういった日常を淡々と見せていければと思っているんです」と続ける。赤堀も「表現する場所が演劇だろうが、映画だろうが、今回であれば歌舞伎だろうが、僕がやっているのはただ単に人間を見せていく、目の当たりにしていただくということだけ」と、歌舞伎の現場でも普段と変わらぬ姿勢を貫く。さらに「だからものすごく地味だと思いますよ」と笑い、確かに稽古風景を見ても、派手な仕掛けやアクションは皆無。ただ通行人役の俳優に対しても、「エキストラみたいな芝居をしないで」と声をかけるなど、すべての登場人物を生きた人間へと変化させていく。注目の共演者には、大人計画の荒川良々が歌舞伎に初参加。荒川と歌舞伎の相性について、「めちゃくちゃいいと思いますよ」と赤堀も太鼓判を押す。「ただ古典と言われるものも、もとは歌舞伎俳優さんがゼロからつくり出したものですよね。その点、荒川くんもまず“荒川くん”という素材がそこにあって、彼がお客さんに対して何をやったら1番面白いかをゼロから考えていく。そのつくり方は歌舞伎であろうが、普段とまったく変わらないと思います」獅童にとって荒川は長年の友であり、待望の歌舞伎初共演。荒川の稽古場での様子について、「全然違和感がないんですよ。白稲荷法印というインチキ祈祷師の役で、もちろんひとつの型はあるんですが、それをあの人が自分なりの捉え方で演じた時のインパクトがものすごくて!」と驚きを隠せない。さらに赤堀も「だからこれを機に、普段歌舞伎を観ない人にむしろ来て欲しいですね。こんなに面白いものだとか、こんなにゾクゾクするほどカッコいいものだとか。僕らが歌舞伎の入り口になれたら、それはすごく嬉しいことだと思います」と期待を寄せた。公演は5月11日(土)から17日(金)まで、東京・天王洲アイル 寺田倉庫、5月22日(水)から29日まで(水)東京・歌舞伎町 新宿FACEで上演。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2019年04月26日ペットたちの裏側の日常をユーモラスに描いた『ペット』の最新作『ペット2』。この度、本作の吹き替え版のキャストとして「バナナマン」、永作博美、佐藤栞里の続投が決定した。2016年、“飼い主が留守にしている間、ペットたちは何をしているのだろう――”と誰もが考えたことがありそうなペットたちの日常を描いた『ペット』は、全米公開時にはオリジナル・アニメーション映画史上最高の全米オープニング興収、イルミネーション作品史上No.1全米興収を記録。日本でも『ジュラシック・ワールド』を超え、ユニバーサル・ピクチャーズ作品史上No.1初日興収を叩き出した。そして今回、前作吹き替えを務めたキャストの続投が決定。主人公マックス役の設楽統(バナナマン)、相棒デューク役の日村勇紀(バナナマン)、2匹の飼い主ケイティ役の佐藤さん、ペット仲間の太った猫クロエ役の永作さんが続投!続投決定に設楽さんは「2回目はオファー来なかったらどうしようかなって思っていたんですが、本当に嬉しいです」と喜び、これからのアフレコについては「前作では、収録後半からすごくノっていって、ゾーンに入ったみたいな時があったので、今作は前半からゾーンに入れるよう、最初からマックスになりきりたい思います!」と気合十分。さらに「おなじみのキャラクターの他にも新キャラクターもでるみたいなので、夏までちょっと時間がありますが、ぜひ期待して待っていて欲しいです!」と呼びかけている。『ペット2』に邦題が正式決定した今回、あわせて本作の物語のはじまりとなる、マックスがケイティと病院を訪れるシーンが収録された最新映像も到着!映像では、お散歩と言われて外出したマックスだったが、実は行き先は“行動障害”の名医がいる病院…。病院の待合室には、人間のほうがおかしいと話す情緒不安定な猫や、同じ場所を走っているのに同じ場所にいることに疑問を抱くハムスター、思い込み激しい犬、不気味な笑顔の双子猫…とおかしなペットたちばかりが揃っているようだ。まだまだベールに包まれたままの本作。今後の続報にも期待していて。『ペット2』は夏、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:『ペット』最新作(仮) 2019年夏、全国にて公開予定(C)Universal Studios.
2019年02月11日永作博美を主演に迎え、直木賞作家・佐々木譲の初の法廷小説をドラマ化するWOWOW「連続ドラマW 沈黙法廷」。このほど、永作さんを取り囲む追加キャストとして、市原隼人、大倉孝二、臼田あさ美、甲本雅裕、北村総一朗、杉本哲太、田中哲司といった個性豊かな豪華俳優陣が明らかとなった。都内でひとり暮らしをする資産家の老人(北村総一朗)が絞殺体で発見された。所轄の刑事・伊室真治(杉本哲太)と西村敦子(臼田あさ美)は、隣人の証言などから家事代行業の女・山本美紀(永作博美)に行き着く。伊室らは警視庁捜査一課と合流し、美紀宅に急行するが、ひと足違いで彼女の身柄は埼玉県警に拘束される。その現場に居合わせたのは、突然消えた恋人の美紀を忘れられず、行方を捜していた高見沢弘志(市原隼人)。やっと見つけた彼女は、警察に連れて行かれてしまった。美紀を連続殺人犯とするマスコミ報道が過熱する中、弘志は弁護士の矢田部完(田中哲司)と共に、彼女の真実を探るため奔走する。だが、それぞれが抱く美紀の人物像は十人十色。その上、美紀は裁判中に突然黙秘し、事件は迷走していく。彼女は悪女か、淑女かーー。このたび出演が決定したのは、永作さんが演じる連続殺人事件の容疑者・山本美紀を想い、彼女を信じ続ける青年・高見沢弘志に市原さん。うだつのあがらない弁護士だが、世間が注目する美紀の弁護に名乗りを上げる矢田部完に田中さん。また、老人孤独死事件の真相を追求する所轄の赤羽署刑事・伊室真治に杉本さん。伊室とバディーを組む警視庁のエリート・鳥飼達也に大倉さん。伊室の部下であり、刑事課に来たばかりの新米刑事・西村敦子に臼田さん。さらに、高視聴率を狙える大きなネタを探しているテレビ局ディレクター・高井陽介に甲本雅裕。そして、美紀に家事代行業を依頼し、赤羽の自宅で変死体となって発見される資産家の老人・馬場幸太郎に北村さんと、重厚なサスペンスを盛り上げる豪華キャスト陣が集結。このたびの出演に、市原さんは、「主人公の女性(美紀)に恋をし、愛が芽生え、会えなくなり生まれた心の隙間に突き刺さる事実と真実が虚無感と混ざる中、相手を想い続ける弘志を演じさせていただきます。生々しい感情が映像の中で生きることを胸に現場と向き合って行きます」と劇中の想い同様、熱いコメントを寄せる。弁護士・矢田部役の田中さんは、「社会の暗部と希望が上手く表現されており、これをドラマにするのはとても大変なこと」と感じた原作からキャラクターが変更されていることに触れ、「市原さん演じる弘志とのつながりなど、ドラマ版オリジナルで構成された部分も楽しんでいただければ」とコメント。「また、最後の裁判で山本美紀がどういった人物なのかを紐解いていくところも見どころの1つだと思っています」と明かしている。そして「所轄のたたき上げの刑事」を演じる杉本さんも、「過去に経験した苦い想いを背負い、自分の信念を貫き、突き進んでいく典型的な所轄の刑事で、臼田さん演じる後輩の西村にも厳しく、時に優しく接していきます。意外にもこういった実直な役はあまり経験がなく、人間臭い刑事をしっかりとつくっていきたい」とコメント。永作さん演じる山本美紀に対し、「いったい何者なのか。何がそこまで彼女を追い詰めていくのか。というところが見どころの1つであり、伊室自身もその疑問に大きく動かされていきます」と語る。彼らが演じる人々の視点から見えるのは、さまざまな顔を持つ山本美紀の姿。沈黙の法廷から、どのように真相が明かされ、彼女の人生が炙り出されていくのか…。今後の続報にも期待していて。「連続ドラマW 沈黙法廷」は9月24日(日)より毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送(第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2017年08月16日多くの警察小説を手掛けてきた直木賞作家・佐々木譲が初めて挑んだ法廷ミステリーの映像化、連続ドラマW「沈黙法廷」で、永作博美が主演を務めていることが分かった。東京都北区の赤羽で、1人暮らしの老人が絞殺体で発見された。赤羽署の刑事たちは警視庁と組み捜査を開始する。付近住民によると、被害者宅には時折、ある女性が出入りしていたという。個人営業の家事代行業者をしているという、山本美紀という女だ。彼女の自宅マンションの前には、埼玉県警の警察車両も訪れていた。なんと、彼女の仕事先では、ほかにも複数の不審死が発生していたのだ。連続殺人犯としてマスコミの報道は過熱。彼女はいったい何者なのか、果たして何が真実なのか?警察、マスコミ、彼女を信じる者。三者三様の視点から、美紀の人生が徹底的に炙り出されていく。彼女は悪女か、淑女か――。「廃墟に乞う」や「警官の血」「制服捜査」など、数々の警察小説で知られる佐々木氏による“刑事・法廷ドラマ”が融合した傑作ミステリーが、これまで数々の社会派ドラマやミステリー作品の映像化を実現させてきた連続ドラマWとして登場。本作で永作さんが演じるのは、老人の不審死が連続して起こるなか、捜査線上に浮上する家事代行の女性・山本美紀。永作さん演じるキーパーソン・山本美紀に対して、警察、弁護士、マスコミ、そして彼女を信じる者、それぞれの立場からの視点が過熱しながら展開されていく。悪女なのか、淑女なのか、永作さんはその人物を見る者をも翻弄する圧倒的な表現力で体現する。今回併せて解禁された本作のキービジュアルでも、手錠をかけられた永作さんは不敵で曖昧な笑みを浮かべ、妖艶な雰囲気に包まれている。祈っているようにも見える両手は、希望への祈りなのか、それとも贖罪か。悪女にも、淑女にも受けとれる二面性を秘め、じっと見つめていると、こちらの感情が揺れ動いてしまう鮮烈なビジュアルとなっている。永作さんをキャスティングしたプロデューサーは、「前回、『連続ドラマW 私という運命について』でご一緒させていただいた際、永作博美さんの穏やかな表情の奥にある、沸き起こる熱量を目の当たりにし、人間が本能で持っているあらゆるパワーに驚かされるばかりでした」と述懐。今回の主人公は「セリフで感情を語れる人物ではありません」と言い、「このドラマは、彼女のふとした表情やその奥にある感情に登場人物や視聴者が翻弄される作品だと思っています。この難役を演じられるのは、永作博美さんしかいない、そう確信し、オファーさせていただきました」と起用の理由を語った。永作さんはそんな山本美紀という女性に、「ひと言で言うと、とても“地味”な女性です。自分の運命を受け入れ、淡々とした日々を過ごす、そんな緩急のない女性を演じるというのは、実はとても難しいことで…。でも、私自身が歳を重ね、様々な人たちの人生に触れたり、経験を積んできたりしたからこそのいま、やっとこういう役に挑戦できるのかなと思います」と思いを込めながら、「どう演じていくのかはまだ模索中ですが、この難役にやりがいを感じている自分もおりますので、ぜひ皆さん放送を楽しみにお待ちいただければと思います」とアピール。さらに、「美紀は、老人の連続不審死の容疑者として裁判にかけられるのですが、声高々に『私は無実です』と叫ぶわけでもなく押し黙ってしまうことから、彼女が“悪女”なのか、“聖女”なのか、周囲の妄想が勝手に膨らんでいきます。恐らく、美紀がどういう人間なのかということを想像しながらご覧になるという点では、美紀を取り巻く登場人物たちと同じ視線でこの作品を楽しめるのかなと思います」と、最大の見どころに触れている。「連続ドラマW 沈黙法廷」は9月24日(日)より毎週日曜日22時~WOWOWプライムにて放送(第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2017年08月07日赤堀雅秋が作・演出を手掛ける最新作舞台、M&Oplaysプロデュース「流山ブルーバード」が、12月8日(金)より東京・本多劇場にて上演、来年より島根、大阪ほかにて上演されることが決定した。本舞台は、『葛城事件』の脚本・監督や、舞台「世界」の作・演出などを手掛け、人間の根底にある無様さや滑稽さをあぶり出し、残酷さや狂気までも丁寧に描いて独特の世界観で見るものに迫る赤堀氏の書き下ろし作品。あるさびれた地方都市を舞台に、いまにも社会からこぼれ落ちそうな4人の若者と、彼らを取り巻く冴えない大人たちによる青春群像劇が描かれる。社会からこぼれ落ちそうな若者たちには、『森山中教習所』「Nのために」など映画やドラマ舞台などで活躍する賀来賢人を中心に、「恋仲」「仰げば尊し」の太賀、「侠飯~おとこめし~」『深夜食堂』の柄本時生、来年公開予定の『曇天に笑う』に出演が決定している若葉竜也という多彩なジャンルで活躍する実力派若手俳優が集結。さらに、皆川猿時や小野ゆり子、平田敦子など個性的な大人たちが脇を固め、一筋縄ではいかないキャスト陣が、無骨で繊細な赤堀ワールドに挑む。なお、前売りチケットは10月上旬より発売を予定している。M&Oplaysプロデュース「流山ブルーバード」は12月8日(金)~27日(水)東京・本多劇場にて上演。※ほか2018年に島根、大阪、広島、静岡、大田区(東京)にて上演(cinemacafe.net)
2017年05月19日赤堀雅秋作・演出の舞台『世界』が1月11日(水)、東京・シアターコクーンで幕を開ける。同劇場では第3弾となる今作で、赤堀が目指すのは、市井の人々の暮らしから、この“世界”のあり様を見せることだ。自身の劇団や映画で追求してきた繊細で生々しい空気感が、シアターコクーンという空間にどう立ち上がるのか。稽古も仕上げに入っている赤堀に聞いた。舞台『世界』チケット情報物語は、とある地方都市で町工場を営む家族の父親がその妻から突然離婚届を突きつけられたところから始まる。大きな事件が起こるわけではないが、夫婦の離婚問題を軸に家族とその町の人々の事情がじわじわと見えてくる。「シアターコクーンにおいて、これほどどうでもいい台詞が羅列していることは、史上初めてじゃないかと思うんですけど(笑)。それぐらい今回の作品は、市井の人々の卑近な描写の連続になっていて。そこから何か、今の世界の空気とか、漂う雰囲気みたいなものが透けて見える作品になればいいなと目論んでいるんです。もちろん、劇作家や演出家は、現在の空気をどう掴み取ってどう表出するかということが仕事だと思うので、何も特別なことではないんですが。ただ、些細なドラマを丁寧に紡いでいくことが自分の作家性だと思うので、今回はそこに地に足を着けて取り組んでいきたいと思っているんです」。登場するのもまさに卑近な人物たちだ。風間杜夫が演じる父親は「終始最低な男」。大倉孝二が演じる息子は、「ずるくてだらしないしおれた中年」。早乙女太一が演じる従業員は「ゲスな若者」で、これが初舞台の広瀬アリスが演じるのは「無自覚な悪意を持つ風俗嬢」である。「舞台でも映像でも、僕が役者さんに求めるのは、本当にその人物として佇んでもらいたいということだけ」という赤堀の演出のもと、いずれの役者も、赤堀の世界でしか出せない感情を見せることになるだろう。タイトルの『世界』は、「大仰でバカバカしい感じが面白いと思ってつけた」のだと赤堀は言う。「自分の根っこが高尚ではないので高尚なものは描けない。コアな演劇ファンというよりは、地元の友人とか、演劇的素養のない人に向けて、どういう想像力が喚起できるかっていうことが、自分のやるべきことじゃないかと思っているんです。むしろ、そういう人に届かなかったら作ってる意味がないんじゃないかなと」。高みからは見えない世界を描く。赤堀のそんな強みが全開する舞台になるはずだ。公演は1月11日(水)から28日(土)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演後、2月4日(土)・5日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演する。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2017年01月06日日本初、機能性表示食品のセラミド配合ドリンクが発売エーザイ株式会社が、女優の永作博美さんを起用した、日本初機能性表示食品のセラミド配合ドリンク「チョコラBB(R)リッチセラミド」の新TVCMを、11月23日(水)より全国で放映開始する。肌の潤いを逃がしにくくする「セラミド」をドリンクで補おう肌の表皮の角質層に存在し、肌のバリア機能を保つ成分である「セラミド」は年齢とともに減少する。そして、「セラミド」が減少すると、肌の水分蒸散が起こり、肌の乾燥につながりやすくなる。「チョコラBB(R)リッチセラミド」は、潤い成分「米由来グルコシルセラミド」を配合。肌の水分蒸発を抑え、肌の潤いを逃がしにくくしてくれる。美味しいラ・フランス味で低カロリー、ノンカフェインなので、夜にも安心して飲用できるのがまた嬉しい。内側からケアをして、潤い肌を目指そう今回のCMでは、潤い成分を豊富に配合する「チョコラBB(R)リッチセラミド」の特徴を表現すべく、水面に波紋を描き、潤いで満たされているような世界観を作り出している。その世界観にマッチしている永作さんの美しさと透明感を見れば、美容へのモチベーションは更にあがること間違いなし。お肌の乾燥が気になるこの時期、内側からケアできる「チョコラBB(R)リッチセラミド」をこの機会にぜひとも試してみたい。(画像はプレスリリースより)【参考】※エーザイ株式会社プレスリリース(Value Press!)
2016年11月26日いま注目の劇作家・演出家、赤堀雅秋によるシアターコクーン第3弾「世界」が来年1月より上演されることが決定。本公演にて女優・広瀬アリスが初舞台を踏むことも分かった。劇作家、脚本家、演出家そして俳優でもある赤堀さん。赤堀監督第2作となった三浦友和主演の映画『葛城事件』はヘビーな内容でありながら公開前から話題を集めていた。そして、赤堀雅秋×シアターコクーン第3弾となる今回。初登場となった2014年の「殺風景」では、実際の凄惨な殺人事件を描き、家族と土地の歴史と因縁をじりじりと炙り出してみせた。続く昨年の「大逆走」では一転、オフビートな笑いを提供。ダメな男たちと不思議な女たちの一夜の大暴走を抽象的な空間のなかに描き、新境地を開拓していた。今回上演される「世界」は、地方都市で町工場を営む家族を中心に描き出される街、工場、そして家族。逃れられないミニマムな人間関係。様々な波紋が広がるなか、日々の営みは続いていく。繊細で丁寧な人間の描写、陰影あるキャラクター造形、そして溢れだす生々しい感情…。これぞ赤堀ワールド! と満を持して真骨頂をみせる舞台となるにちがいない。またキャストには、先日発表された単独主演作『L -エル-』が話題となり、本作品が初舞台となる広瀬さん。赤堀作品に初参加となる演劇界の重鎮・風間杜夫。3作品連続の登場となる、赤堀ワールドになくてはならない存在である大倉孝二。そして、久しぶりのストレートプレイになる早乙女太一。劇団公演にも客演して赤堀ワールドを体感済みの鈴木砂羽。そのほか、青木さやか、高畑裕太、梅沢昌代、福田転球が出演。さらに役者としての赤堀さんも重要な役どころで登場予定とのこと。誰がどんな役で登場するのか? ベテラン組のなかで広瀬さんがどう熱演するのか? 多彩な顔ぶれでの書下ろし新作に期待が膨らむ。なお、本公演のチケットは10月29日(土)より一斉発売となる。舞台「世界」は2017年1月11日(水)~Bunkamuraシアターコクーン(東京)、2月4日(土)、5日(日)森ノ宮ピロティホール(大阪)にて上演。(cinemacafe.net)
2016年08月12日俳優・新井浩文が18日、都内で行われた映画『葛城事件』(6月18日公開)の初日舞台あいさつに、三浦友和、若葉竜也、田中麗奈、赤堀雅秋監督とともに登場した。同作は、劇団THE SHAMPOO HATの赤堀が監督・脚本を務め、2013年に上演された舞台を映画化した作品。抑圧的な父親(三浦)によって長男(新井)はリストラ&孤立、妻(南果歩)は精神を病み、次男(若葉)は無差別殺傷事件を起こして死刑囚になるという、壮絶な家族の物語を描く。舞台版にも出演した新井は、役者としても活躍する赤堀監督に「俳優としては正直、うちの方が上なんです」と断言。しかし、「監督としてはすごく好きですよ。脚本も好きだし、演出も好きだし、カット割りも好きだし」とラブコールを送った。また、キャスト陣で飲みに行った際に、酔っ払った赤堀監督が「やべえ、今三浦友和と飲んでる」と何回もつぶやいていたことを暴露。新井が「何言ってんだこのおっさん!」と愛情を込めて突っ込むと、赤堀監督も「もうやめよう……」とたじたじになっていたが、新井は「そういう可愛らしい部分がたくさんある、人間的な人です」とフォローのコメントで締めくくった。三浦は映画『64‐ロクヨン‐後編』(6月11日公開)にも出演しているが「『64』は全国323館、『葛城事件』は全国13館」での上映と発言すると、会場は驚きに包まれた。三浦は、館数の違いに触れつつ「それでも映画としてみなさんに見ていただけて、同じ土俵に上がっています。『64』も好きですし、この映画にも愛情を持っているんです。だから、ミニシアター系と呼ばれる映画を、みなさんのお力で発展させていただきたい」と、観客にメッセージをおくった。
2016年06月18日「バナナマン」の2人がアニメーション吹き替え初主演を務める映画『ペット』。この度、新たに女優・永作博美が本作で初のアニメーション声優に挑戦することが決定。これに併せて、吹き替え版本編抜き映像も到着した。物語の舞台はニューヨーク。テリアのミックス犬・マックスは、大好きな飼い主ケイティと不自由ない生活を送っていたが、ケイティが毛むくじゃらの大型犬・デュークを保護して連れて帰って来た瞬間からマックスの生活は一変!お互いに自分が優位に立とうと奮闘する中で、ある事件をきっかけに2匹は都会という荒野で迷子になってしまう。果たして、ケイティが帰宅するまでに2匹は家に帰ることができるのだろうか――。本作は、全世界で大ヒットを記録し、日本でも興行収入50億円を超えるほどの絶大な人気を誇る映画『ミニオンズ』のイルミネーション・スタジオとユニバーサル・スタジオが再びタッグを組んだ最新作。「飼い主がいない時、ペットたちは一体どんなことをしているのか」という誰もが一度は考えたことがあるペットたちの日常の裏側をユーモラスに描いたアドベンチャー。すでに本作の日本語吹き替え版キャストとして、設楽統がテリア混ざりの雑種犬・マックス役、日村勇紀がずんぐりむっくりしたのろまな犬・デューク役、マックスの飼い主で、思いやりに溢れたケイティ役に佐藤栞里が発表。そのほか、沢城みゆき、銀河万丈、中尾隆聖、山寺宏一、宮野真守、梶裕貴ら人気声優も参加していることでも話題を集めている。そして、今回決定した永作さんが担当するのは、仲間たちをひとつにまとめる姉御肌の猫・クロエ役。『かいじゅうたちのいるところ』以来6年ぶりの声優にして、初のアニメーション声優に挑戦する永作さん。今回演じるクロエは、美味しいものに目がなく、怠け者でお高くとまっている太った猫だが、マックスとデュークのピンチには2匹を救うため仲間たちに的確なアドバイスをし、まとめ役となる一面も見せる重要なキャラクターだ。このほど到着した映像には永作さん演じるクロエが登場!マックスが「ケイティが保健所から変なのを引き取ってきた!」とクロエに悩みを相談するシーン。そんなマックスに「ケイティは犬好き人間だからよ」とクロエ。表情豊かなマックスに対し、永作さんも語っていた様に、なんとも無愛想さかわいらしい、そんなクロエが垣間見える特別映像となっている。今回のオファーに永作さんは「ペットの世界という異空間を体験できるのかとワクワクしました。嬉しかったです」 と喜び、クロエというキャラクターに対しては 「無愛想さがかわいいです。おいしいものに目がなく、いくらでも食べたい気持ち分かります」 と自信との共通点を語っていた。また、事前に未完成版の本編を鑑賞していた永作さんは 「ハラハラ、ドキドキしながら観てました。ペットを愛する方はもちろんですが、子どもたちに楽しんでもらえそうですね。愛くるしいペット達の悩みや冒険を見守って、一緒にドキドキしてほしいです」と感想を話し、「すこしオーバーめなお芝居?が出きそうで、楽しみです!」 と意気込んでいた。『ペット』は、8月11日(木・祝)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年06月07日女優・永作博美が、『ミニオンズ』(15年)のスタッフによる最新作『ペット』(8月11日公開)で姉御肌の猫・クロエ役としてアニメーション声優に初挑戦することが決定し7日、新たな日本語吹き替え版本編映像が公開された。本作は、飼い主が留守にしている時にペットは一体どんなことをしているか、2匹の犬を主人公にペットの日常をユーモアに描いたアドベンチャー。吹き替え版では、お笑いコンビ・バナナマンの設楽統がテリア混じりの雑種犬マックス、日村勇紀がのろまな犬・デューク、佐藤栞里が飼い主・ケイティの声を担当することがすでに発表されているが、このたび永作の参加が明らかになった。永作が演じるのは、おいしいものに目がなく、怠け者でお高くとまっている太った猫・クロエ。マックスとデュークを救うため、仲間たちに的確なアドバイスをし、一つにまとめる姉御肌的な一面も見せる重要キャラクターだ。『かいじゅうたちのいるところ』(10年)で声優を務めた経験もある永作だが、本作はそれ以来6年ぶりで、アニメーション作品としては初。今回は、ペットたちの頼れるお姉さんというクロエのキャラが、愛される姉御肌の永作と雰囲気が重なったことから、起用に至った。永作は「ペットの世界という異空間を体験できるのかとワクワクしました」とオファーを受けた際の心境を告白。クロエについては「無愛想さがかわいいです。おいしいものに目がなく、いくらでも食べたい気持ち分かります」と、自身との共通点も挙げた。また、オファーを判断するにあたり、未完成版の本編を見た永作は「ペットを愛する方はもちろんですが、子供たちに楽しんでもらえそうですね。愛くるしいペットたちの悩みや冒険を見守って、一緒にドキドキしてほしい」と気に入った様子で、「少しオーバーめなお芝居?ができそうで、楽しみです!」と意気込みを見せた。公開された映像は、マックスがクロエに悩みを相談するシーンを収めたもの。「(飼い主の)ケイティが変なのを引き取ってきた…」「僕はベッドを乗っ取られて犬みたいに床で寝るはめに…」と愚痴をこぼすマックスに、「犬好きってそういう理解できないことをしちゃうもんなのー!」と諭しつつ、いたずらな言動を繰り広げてマックスを困惑させている。(C)Universal Studios.
2016年06月07日井上ひさしの傑作戯曲『頭痛肩こり樋口一葉』(東宝・こまつ座提携特別公演)が、新たに永作博美を主演に迎え今夏、上演される。5月25日、永作をはじめ出演者が舞台扮装姿で登壇した製作発表会見が行われた。舞台『頭痛肩こり樋口一葉』チケット情報『たけくらべ』『大つごもり』等の作品を残し、24歳の若さで亡くなった女流作家・樋口一葉。本作は男性中心だった明治という時代に、貧しさに苦しみ、恋を捨て、一家の主として筆一本で母と妹を守った一葉と、彼女をとりまく女性たちのたくましい姿を、井上ならではのユニークな視線で描いた評伝劇だ。井上の娘である井上麻矢こまつ座代表は「こまつ座にとっては、1984年の旗揚げ作品であり、その後何回も再演を重ねている大切な作品です。今回もこれ以上ないほど素敵な女優陣が集まった。女性のみならず、男性にも見ていただいて、生きる勇気を受け取ってほしい」と話す。永作のほか、三田和代、熊谷真実、愛華みれ、深谷美歩、若村麻由美は2013年公演に続いての出演となるが、「今日、楽屋で初めて皆さんとお会いしましたが、皆さん本当にずっと喋っている(笑)。賑やかでびっくりしました。私は新入りとして参加しますが、安心して楽しくできそう」と永作。一葉と言えば五千円札でもおなじみだが「(この作品が決まってから)五千円札は使いたくなくなりました(笑)。身近に感じてしまって…。最近、財布の中に五千円札がたまりがちです。でも一葉の人生をぞごんじない方も多いので、彼女が右往左往しながら必死に生きる姿を感じて欲しい」とも語った。なお会見では、一葉の母・多喜役の三田が今年芸能生活50周年を迎えたことを、共演者が祝うサプライズも。ケーキと花束を贈られた三田は、喜びつつ「気がついたら50年経っていました(笑)。とにかく井上ひさし先生に出会えたことが私の中で大きな宝。そして長く所属した劇団(四季)を離れて初めて出た舞台が、(樋口一葉の原作で)蜷川幸雄さん演出の『にごり江』でした。井上先生とも一葉とも、長い付き合いです」と、本作との縁を語り、「まだ舞台に立てていることを、本当に嬉しく思います」と感謝の言葉を話していた。公演は8月5日(金)から25日(木)まで、東京・シアタークリエにて。チケットは6月4日(土)に一般発売を開始する。東京公演ののち、9月に兵庫、新潟、宮城、山形、滋賀、長崎、愛知でも上演される。
2016年05月26日