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名入れカレンダーの赤木印刷株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:赤木 清人)は、当社のB2B通販サイト「名入れカレンダーストア」にて、2024年6月25日より「卓上カレンダー ecome」の販売を開始しました。詳細URL: 卓上カレンダー ecome卓上カレンダー ecomeは、ペーパーリングタイプのカレンダーで、本文および台紙用紙にフードロスペーパー「kome-kami」を採用しています。kome-kamiは、廃棄されるはずだったアルファ米(一度加熱調理されたお米)などをFSC認証パルプでアップサイクルした紙素材です。■SDGsに力を入れている企業様からのご要望当社は毎年、名入れカレンダーをご購入いただいているお客様にアンケートを行っておりますが、数年前より少しずつ「SDGsに関連するカレンダーはないか?」というお声が多くなっていると感じておりました。しかし漠然とSDGsといっても、それをコンセプトにしたカレンダーというのが存外難しく、開発するまでには至りませんでした。そんな中、飛び込みでお越しいただいた用紙メーカー様からご紹介いただいたのが「kome-kami」でした。フードロスペーパーについては以前より存在は把握していましたが、廃棄米を使用した紙というのはとても魅力的で、こと日本においてはこれ以上ない素材であると感じました。ecomeという名は、ecoとkomeを掛け合わせた造語です。フードロスという、現代日本に大きくのしかかる問題に対し、少しでもその改善に貢献できるような、エコロジーなお米のカレンダーに育って欲しいという思いで名付けました。実際、kome-kamiを使用することで、用紙メーカー様よりフードバンクに寄付がされる仕組みがあり、卓上カレンダー ecomeをご購入いただくことが、サステナブルな社会への貢献につながるのです。kome-kamiを使用することで、用紙メーカーより、フードバンクに寄付される■完全受注生産による高いカスタマイズ性卓上カレンダー ecomeは、完全受注生産の製品です。その為、他リングタイプの製品と比べてやや高額となっています。しかし完全受注生産には大きな利点があります。それはカスタマイズ性の高さです。「名入れをカラーで印刷出来ること」はもちろんのこと、表紙・本文ともに自由にカスタマイズすることが可能です。■カレンダー以外のご依頼も当社は印刷会社ですので、当然カレンダー以外の印刷もお受けしております。kome-kamiはすでに当社の名刺などでも採用しており、今後様々な印刷物に活用していきたいと考えておりますので、ご興味のある方はぜひ、当社営業部までご連絡ください。【本件に関するお問い合わせ先】赤木印刷株式会社 営業部TEL:06-6753-2515名刺などの印刷でもkome-kamiをご指定いただけます【名入れカレンダーストア】主に企業向けに「名入れカレンダー」の販売を行っている、同業界の老舗サイト。メーカー製品以外にも自社製品の開発に力を入れており、主力商品の「メモれ~るカレンダーシリーズ」は、年間販売総数が18万冊を突破するなど、今なお成長を続けています。●名入れカレンダーストア ●赤木印刷株式会社(コーポレートサイト) ■会社概要会社名 : 赤木印刷株式会社所在地 : 大阪府大阪市生野区巽南2-8-9代表者 : 代表取締役 赤木 清人設立 : 1985年資本金 : 1,000万円事業内容: 企業向け名入れカレンダーの製造・販売 総合印刷業URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年06月26日「夫婦2人家族なのに、自宅の6人掛けテーブルも、なぜか隣同士に座る私たちでした。トッちゃんは、いつも横にいたんです……」夫・赤木俊夫さん(享年54)との幸せな歳月を昨日のことのように振り返るのは、妻の雅子さん(50)。目尻を下げ、思い出したようにこんなエピソードも明かす。「夫は使い古した下着で靴を磨くんです。それをリビングに2週間も置きっぱなしにしたことがあって。私はそれが、どうしてもイヤで“プチどっきり”のつもりで鞄にこっそり忍ばせたんです」俊夫さんは、職場からメールで一言「もう!」。それがちっともケンカにならず、笑いに変わる、仲むつまじい夫婦だった。そんな、ささやかな幸せにあふれた23年間にわたる結婚生活は、突然終わりを迎える。財務省近畿財務局職員だった俊夫さん。’18年3月7日、学校法人森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強制させられたことを苦に、自ら命を絶った。雅子さんは、昨年3月に、国と佐川宣寿元財務省理財局長(63)を相手に損害賠償を求め提訴。誰のどんな指示があったために、俊夫さんが死に至ったのか、その真実を明らかにしたいとの思いからだ。そこで真相解明の糸口となっていたのが、赤木ファイルである。雅子さんは、これまで国にファイルの開示を求めていたが、国はその存否さえ明らかにしてこなかった。しかし今回、6月23日に大阪地裁で行われた第4回口頭弁論にあたり、ついにその赤木ファイルが裁判資料として提出され、ついに内容が公開されたのだ。全518ページの膨大な赤木ファイルは、まさに俊夫さんが命を懸けて残した「国の改ざんの記録」。そして、決してやりたくない改ざんをやってしまった俊夫さんの悲痛な心の叫びでもある。■的中した雅子さんの懸念この日の弁論の最後に、雅子さんは背筋を伸ばし思いを述べた。「赤木ファイルを見て、手書きの文字が夫の字だとすぐにわかりました。夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを作ってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」雅子さんの知らなかった事実もたくさん記載されていたという。「夫が、具体的な説明もなしに、改ざんに反対をしても、一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが、わかりました」当時の俊夫さんの様子を、雅子さんはこう語っていた。「’17年に問題が発覚してからは、次第に夫から笑顔が消え、心療内科に通うようになりました。テレビで森友問題のニュースが流れても、何も聞けませんでした」いつも隣にいて、どんな話題も笑いに変わる夫婦だったのに、会話が極端に減ってしまったという。ファイルの開示により、ようやく当時の夫の心の内を知ることができたが、まだ納得できないところがあると雅子さんは語る。この日に公開されたファイルは、所々が黒く塗りつぶされている。その部分はほとんどが、財務省理財局や近畿財務局の職員名と思われる箇所。約400カ所もの“黒塗り”は、改ざんが「誰からの指示」だったのかを隠し続けているのだ。雅子さんはこの裁判の前に、「黒塗りだけはやめてほしい」と本誌に不安を漏らしていたが、その懸念が的中する形となった。さらに、麻生太郎財務大臣(80)はファイルが証拠として提出された際「再調査は考えていない」と即座に発言。国は幕引きを図ろうとしているようにみえる。なぜ国は、この事件を一刻も早く「なかったこと」にしようとしているのか。裁判後の夕刻、疲れた表情ながらも、雅子さんは本誌に決意を語ってくれた。「トッちゃんの、つらかった思いは、私が受け取りました。すべての黒塗りがなくなり、真相が明らかになるまで、最後までやり抜きます」
2021年06月29日学校法人森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題。改ざんの経緯を明らかにするカギとなっていたのが、当時改ざんを強制されたことを苦に自死した赤木俊夫さん(享年54)が残した「赤木ファイル」だった。妻の雅子さん(50)は昨年3月に、国と佐川宣寿元財務省理財局長(63)を相手に損害賠償を求め提訴。事件の真相解明をもとめ、ファイルの公開を要求してきたが、国はその存否さえ明らかにしてこなかった。しかし今回、6月23日に大阪地裁で行われた第4回口頭弁論にあたり、ついにその赤木ファイルが裁判資料として提出され、内容が公開となった。雅子さんが裁判後の夕刻、疲れた表情ながらも、本誌に心境を語ってくれた。「やっぱり、赤木ファイルには、“その名前”の記載があったんだなと思いました。それを隠したかったから、1年3カ月も国は出さなかったのかもしれない……」雅子さんが開口一番に言った「その名前」とは、安倍晋三前首相の妻・昭恵氏のことだ。そもそも、俊夫さんが財務本省からの指示で改ざんを強いられるきっかけとなったのは、’17年2月17日の国会における、安倍前首相の次の発言だと考えられている。「私や妻が(森友学園の問題に)関係しているということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」■「安倍さんは国会議員をまだされていますね」しかし、実際は「安倍昭恵総理夫人」の文字が森友学園に関する公文書に存在。そのため、その文言を消すために、この発言の直後から改ざんが始まったとみられていたのだ。今回の赤木ファイルの公開で、確かに総理の発言の直後から、改ざんが始まったことが明らかになった。《当該文書を確認していたところ……現時点で削除した方が良いと思われる箇所があります。当該箇所をマーキングしておきました》この改ざん指示の文章は、同年2月26日に財務省理財局係長から俊夫さんを含む近畿財務局職員7人に宛てられたメールの一部。そして《当該文書》には、次の部分がマーキングされていた。《打合せの際「……安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで映っている写真を提示)》その安倍前首相に、雅子さんはいま、こんな言葉を投げかける。「実際、安倍さんの名前と昭恵さんの名前が、赤木ファイルに出てきました。でもいま、安倍さんは国会議員をまだされていますね。あの国会での発言後、夫は改ざんを指示されたんです。『関係している』ことは明らかですよね。いま、何と答えるのか、安倍さんに直接、聞いてみたいです」そして、裁判は今後も続く。「理不尽なパワハラはどんな職業でも起こりうるし、いまもどこかで苦しんでいる人がいる。裁判を通して『やってはいけないことはやってはいけない』と伝えたい」最後に、雅子さんは言い切った。「トッちゃん(編集部注・俊夫さん)の、つらかった思いは、私が受け取りました。すべての黒塗りがなくなり、真相が明らかになるまで、最後までやり抜きます」
2021年06月29日「やっと、一歩、進んだ感じがします」どんよりとした雲のあいだから、ときおり陽光がのぞく日曜日の午後、本誌編集部を訪れた赤木雅子さんは、やや明るい声で言った。’18年3月7日、森友学園事件にまつわる公文書の改ざんを強制させられたことを苦に、財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(享年54)が、自ら命を絶った。23年間連れ添った妻・雅子さんは、財務省による改ざん事件の真相を解明するため、昨年3月に国などを相手に提訴。俊夫さんが改ざんの経緯を記したとされる“赤木ファイル”の公開を求めていた。国は、これまでファイルの有無について解答を拒んできた。しかし一転、5月6日にファイルがあることを認め、次回6月23日の弁論で、裁判資料として提出するというのだ。「それまでずっと、存在について尋ねても『探索作業中』と言われていました。あることは間違いないのに、あるともないとも明言せずに、逃げてきたんです。今回、公開が決まったことについて、弁護士の先生も『珍しいことですよ』とおっしゃっていました。おそらく世論の後押しのおかげだろうと」しかし、この公開を「まだ手放しでは喜ぶことはできない」と雅子さん。国や自治体、公的機関などが資料を開示する場合、都合の悪い部分や人物名を“事件と無関係”“公人ではない”などとして黒く塗りつぶすことが多いためだ。いわゆる“黒塗り”である。■国は黒塗りで何を隠したいのか?今回も国は「メールに記載されたパスワードや、裁判に関連しない第三者の個人情報などが含まれている」ことを理由に、資料の一部をマスキングするという。元NHK記者で森友事件に詳しいジャーナリストの相澤冬樹さんはこう指摘する。「赤木ファイルの資料の中には印刷されたメールが含まれています。おそらく俊夫さんが受け取っていたメールには『誰々がここを消せと言っている』という内容が含まれているはずです。もしそこに『安部昭恵』『首相夫人』などというワードがあったら、実際は当事者なのに、国は『第三者』という理屈で消してしまおうと考えるでしょう。生前、財務省の決裁文書から昭恵夫人にかかわる部分を消したとされる俊夫さんですが、誰の指示もないのに消すはずはありません。もし資料に記載がないというのなら、意図的に抜いている可能性が高いのです」一方で雅子さんは「この裁判資料のマスキングを指示されることによって、また公務員の誰かが苦しめられるのでは」と憂慮する。夫の俊夫さんが自責の念に苛まれた改ざん作業の中には、マスキングの作業も含まれていたのだ――。「夫の手帳には’17年2月26日から始まった改ざん作業についての記録が残されています。その中の3月7日ごろに『PDF、マスキング』というメモが残っているんです。マスキングをする人がいれば、その人も“真実を隠す”行為に手を染めることになってしまう。夫はそれを苦に命を絶ったのです。その再発だけは防いでほしい。それだけはやめてほしい」“赤木ファイル”の公開は今月23日。裁判への関心がより高まることで、マスキングされる部分が少しでも減るようにとの思いから、雅子さんはこの取材を受けたのだ。「夫が残した資料は、改ざんがどのように行われたかの経緯です。そこに登場する名前は、裁判に関係しないなんてことはないでしょう。私が知りたいのは真実です。だれが何を指示したがために、夫が資料を改ざんすることになったのか、それを明らかにしたいのです」
2021年06月14日「赤ちゃんのころから必死に読み聞かせをしているのに、ちっとも本に興味を持ってくれない……」「日ごろから『本を読みなさい!』と言い続けているのに、だんだん本が嫌いになってきているみたい……」そんな悩みを抱えている親御さんは多いといいます。そもそも、どうして私たちは自分の子どもが「読書好き」であることを、こんなにも求めてしまうのでしょうか。それはきっと、本を読むことで得られるメリットがたくさんあることを知っているから。今回は、これまでにご紹介してきた「読書」にまつわる記事のなかで、特に人気の高かった6本をまとめました。「子どもに本好きになってほしい」「読書習慣を身につけてほしい」と願う親御さん必読の記事ばかりですよ。「読書」おすすめ記事1■我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは麻布中学・高校の国語科教師である中島克治先生は、「子どもが本当に時間を気にせずに本と向き合えるのは小学生まで」と断言します。それは、中学生や高校生になると勉強や部活、友だち付き合いなどで忙しくなり、本を読む時間が取れなくなるから。さらに、本を読むことによって「学習面でのメリット以上に、“ある力”を養うことができる」とも。読書は子どもにたくさんのものを与えてくれます。(中略)読書をして語彙が増えれば、教科書の内容や先生の話をしっかり理解できるのですから、学力の向上にもつながります。また、読書によって増えた語彙は、感情コントロールという点でも力を発揮します。というのも、言葉によって自分の感情を相対化して見つめ直すことができるようになるからです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは)この記事では、「わが子に本好きになってもらいたい」と願う親御さんに向けて、子どもが自分から進んで本を読むようになる実践的なアドバイスが多数紹介されています。まず重要なのが、“親が読んでほしい本”を無理にすすめるのではなく、“子ども自身が興味を持っているジャンルの本”を与えてあげること。中島先生は、「野球やサッカーが好きな子なら、野球雑誌やサッカー雑誌でも構わない」と述べています。たとえどんな本でも、興味があるからこそ読み続けることができ、その結果「読み癖」が身につくそうです。また、子どもに本への興味を持たせる最も簡単な方法は、「親が子どもを連れて書店や図書館に行く時間を増やすこと」だといいます。親と一緒に本に囲まれた場所に行くことで、子どもは「お父さんやお母さんは本に興味を持っていて、本を大切なものだと思っている」ことを体で感じ取ることができるそう。それが本好きの道を進む第一歩になるんですね。「読書」おすすめ記事2■「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの子どもには「良い本」を読んでほしい。でも世の中には膨大な量の本があり、その中から子どもに適した本を選ぶのは至難の技です。この記事では、「子どもの脳を耕す本選びのコツ」や「本と向き合う姿勢」について、児童文学評論家の赤木かん子さんに深く語っていただいています。子ども時代は、とにかくたくさんの本に触れることが大事。だからこそ赤木さんは、子どもたちに「乱読」をすすめているのです。たくさん読んだなかには、子どもがワンシーンだけ、1ページだけ好きになる本もあれば、1冊丸ごと気に入ってしまうような完成度が高い本もあるでしょう。一方で、全然子どもの気に入らない本があるのも当然のことです。つまらない本を知らないと「この本はおもしろいんだな」ということがわかりません。子どもには膨大な時間がありますから、乱読することで感覚やものを見る目を養わせましょう。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの)赤木さんは、「子どもに読書をさせるなら物語を読ませないといけない、と思っている親御さんが多いですが、そんなことはないんですよ」といいます。特に低学年では図鑑が好きな子どもが多い、という例を挙げ、「低学年のうちは、答えがないようなものや範囲の広いものは理解できない」とし、図鑑は「脳を耕す=畑にたくさん栄養を入れてふかふかにしている」時期である低学年にぴったりだと述べています。そして小学4年生くらいから徐々に前頭葉が発達し、「自分とは違うけれど、こういう暮らしや生き方をしている人がいる」ということを理解し始めます。そこで物語や伝記などを好んで読むようになってくるわけです。赤木さんは、「低学年で耕した頭に、高学年から種をまきはじめて、実の収穫ができるようになるのは高校卒業くらい」とも述べています。いずれ大きな実が収穫できるように、小さいうちからたくさんの本に触れさせて、子どもの可能性を広げてあげたいですね。「読書」おすすめ記事3■読書習慣は親の影響が大きい!子どもが “本好き” になる、家庭の本棚の作り方最新の国際学習到達度調査(PISA)によると、日本の子どもの読解力が著しく低下していることがわかったそうです。その中で、読書習慣のある生徒は、ない生徒に比べて読解力の平均点が高かったことから、読解力低下の背景には「読書量の減少」が関係していると読み取れます。この記事では、家庭内でできる「子どもを読書好きにする方法」をたっぷり紹介しているので、ぜひ参考にして取り入れてみてください。大人でも「この本を読みなさい!」と強引に押し付けられたら、内心では反発したり、億劫になったりするのではないでしょうか。子どもならなおさらです。(中略)そこで、おすすめしたいのが「アラカルト本棚」です。“アラカルト”という呼び名どおりに、文化系、理系、雑誌、漫画、小説、絵本、世界地図など、なんでも、あらゆるジャンルの「おすすめ本」を並べてしまうのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|読書習慣は親の影響が大きい!子どもが “本好き” になる、家庭の本棚の作り方)この「アラカルト本棚」をおすすめするのは、偏差値35から読書週間の改善で東大合格を果たした西岡壱誠さん。西岡さんが東大生100人にアンケートをとったところ、親が作った「アラカルト本棚」によって好奇心が刺激されたり、読書が好きになったりした学生が多かったのだとか。また、カリスマ家庭教師の西村則康さんによると、「親子で本棚を共有したほうがいい」とのこと。その理由は、親の難しそうな本を眺めているうちに、子どもは「いつか読めるようになりたい」と向上心をもつからです。アラカルト本棚を作ったり、本棚を家族で共有したりすることで、子どもは広い視野をもって本選びをすることができます。さらには、「この本、どういう内容なの?」「難しいところは教えてあげるから読んでみたら?」など、親子の会話が弾むきっかけにもなりそうですね。「読書」おすすめ記事4■読書量が算数の成績を左右する!?子どもの学力を上げるために「1日数分」からできること読書量と国語の成績が比例することは誰にでも想像がつきますが、じつは近年、「数学の基礎知識」や「ITスキルの高さ」にも影響を及ぼしていることが判明しました。この記事では、さまざまなデータから、家庭の読書環境と子どもの読書量が、いかに算数の成績に影響するかをくわしく説明しています。なかでも注目すべきは算数の結果です。どの教科よりも、「読書量が多い」グループと「まったく読書をしない」グループの偏差値に大きな差が開いたのです。この結果を受けて、ベネッセ教育総合研究所は「(読書によって)与えられた問いや条件を性格に読み取る力を高めているのではないか」という見解を示しています。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|読書量が算数の成績を左右する!?子どもの学力を上げるために「1日数分」からできること)小学5年生を対象にしたこの調査では、国語・算数・理科・社会の学力テストを実施し、読書量の違いが結果に影響するかを調べました。すると、まったく読書をしない生徒に比べて、読書量が多い生徒ほど良い成績をおさめ、平均1.9ポイントも偏差値に差が出たそうです。算数が苦手な子は、もしかしたら計算問題よりも文章を読み解く力が弱いのかもしれません。読書による成績アップの効果はすぐには現れませんが、いずれ必ず、読書で培った読解力や論理的思考力が役立つはずです。また、記事内では「親の読書量が子どもの読書量に比例する」というデータも紹介しています。つまり、親自身に本を読む習慣がなければ、子どもにいくら「本を読みなさい」と言ったところで意味がないということ。教育評論家の親野智可等氏によると、「1日10分からでも、親子で毎日決まった時間に読書をするだけで、大きな違いが生まれる」らしいですよ。「読書」おすすめ記事5■子どもを本嫌いにする【親のNGワード&行動】と【子どもが本好きになる方法】この記事では「わが子に本を好きになってもらいたい!」と願うすべての保護者に向けて、日常で取り入れられるちょっとしたコツを伝授しています。また、親の伝え方次第では、かえって子どもを本嫌いにしてしまうかもしれない“落とし穴”についても、くわしく解説しています。子どもを本嫌いにさせる親のNG行動&NGワードは、主に3つあります。1.「本を読みなさい」・・・読書を強制する2.「もう絵本は卒業しようね」・・・読む本を大人が決める3.「どんなことが書いてあったの?」・・・完璧な理解を求める(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもを本嫌いにする【親のNGワード&行動】と【子どもが本好きになる方法】)どれも何気なく言ってしまいそうですが、これらの言葉によって、子どもは本を嫌いになってしまうことも。本を読むことを強制したり、また読む本を勝手に決めて押し付けたりすると、「読書=つらい記憶=本が嫌い」と脳にインプットされてしまうというのです。すでに読書が苦手になりつつあるお子さんには、まずは読書の楽しさを知ってもらう工夫を。どんなに「本が嫌い・苦手」であっても、読みたい気持ちが強い子どもは多いそう。そういった子は、何を読めばいいのかわからない、最後まで読めずに挫折したら……と考えて、躊躇しているパターンもあるといいます。家の本棚だって、工夫次第で子どもを本好きにする魔法をかけることができます。一級建築士のすはらひろこ氏によると、「子どもの目線に自然と本が見える高さにする」「本を取り出しやすいように扉はつけない」「居間や階段の踊り場に親子共通の本棚を置く」などを取り入れると、本に触れる機会が増えて効果的だそう。子どもを本好きにするきっかけは、親子の会話や家の本棚にあふれています。「読書」おすすめ記事6■子どもを “本好き” に育てよう。読書習慣を身につけさせるために実践したい3つのこと子どもを本好きにするのは簡単なことではありません。だからこそ、子どもが自然に本に興味を持つように、小さいうちから本を身近に感じさせる工夫が必要です。この記事では、子どもに読書習慣を身につけさせるための“3つのポイント”をわかりやすく解説しています。子どもでも大人でも、本嫌いの人はいますが、その最大の原因は本の魅力をまだ知らない、いわゆる「本の読まず嫌い」なのだとか。本の中には何でも入っているのに、その広い世界と自分の世界が結びついておらず、本はつまらないと思い込んでいるだけなのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもを “本好き” に育てよう。読書習慣を身につけさせるために実践したい3つのこと)ポイントは、「興味のあるテーマの本をテンポよく与える」こと。大人でも興味のないジャンルの本を読むのは苦痛ですよね。子どもならなおさらです。そこで、子どもが好きなアニメのキャラクターや動物、乗り物の図鑑などを本棚に並べてみましょう。興味の延長線上で、活字に親しむきっかけづくりができれば成功です。成長とともに子どもの興味や関心は変化していきます。読書を習慣づけるには、親がその変化に柔軟に対応する必要があるでしょう。その時々の子どもの興味に合わせて、並べる本を変化させるのはもちろんですが、「読書が習慣になってきたな」と感じたら、少し背伸びした本を混ぜるとより効果的だそう。また、子どもに読書習慣をつける一番の近道は、普段から親が読書を楽しんでいる姿を見せること。子どもが読んでいる本を親が読んでみるのもいいですね。親子で同じ本を共有することで、内容について話し合ったり、どう感じたのか意見を交わしたりと、充実したコミュニケーションの一助にもなるでしょう。***ご紹介した記事に共通しているのは、「本選びには子どもの興味・関心を優先させること」「親も普段から読書に親しむこと」の2点です。興味があれば、子どもは自然と本を手に取ります。また、親御さんが楽しそうに本を読んでいれば、「そんなにおもしろいのなら自分も本を読んでみよう」と思うはず。子どもを本好きにするのは、それほど高いハードルではありません。普段の生活の中に、自然に本を取り入れることを心がけてみませんか?
2020年03月22日図書館や本屋にはたくさんの本があふれていますが、子どもにはどんな本をすすめたらよいのでしょうか?物語が好きな子や、図鑑ばかりの子など、子どもの本の好みもさまざまです。『読書力アップ! 学校図書館の本のえらび方』や『今こそ読みたい児童文学100』などの著書がある児童文学評論家の赤木かん子さんに、子どもに適した本の選び方をお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)乱読で感覚が養われる本には推奨年齢や学年が書いてあります。ですが、子どもによって好みや成長は違います。基本的にはしごくシンプルに、子どもに ”好きな本を” “好きなように”読ませてあげればいいのです。具体的には、公共図書館に連れていって、子どもが持ってきた本は何でも「ああいいよ、いいよ」といって読んであげる……本屋さんに行って、その子が欲しいというものを「ああいいよ、いいよ」といって買い与える……という姿勢です。特に図書館はただなので心置きなく借りられるでしょう。赤ちゃんだって気に入れば最後まで見ているし、嫌だと思えばそっぽを向いたり、手で邪魔をしたりしますよ。その “イヤだ!” という気持ちは大切にしなければなりません。命に別状のないことは、子どもの判断を受け入れたほうがいいのです。そのときに大事なことは、親である自分がその本を好きかどうかは考えないということ。お子さんとあなたは別の人間だし、性別の差も、なん十歳もの年の差もあります。同じ本を楽しいと思うことのほうがまれでしょう。赤ちゃんや幼児が嫌がったら「そうなの~、これは嫌なんだね~」といって本を閉じて、次の本に移ればいいだけ。読んでつまらない本はあるかもしれませんが、読んで害になる本というのは、普通の本屋さんや図書館にはまずないといっていいでしょう。ですから、子どもの「この本が嫌い」というのは好みであって、わがままではありません。普段から公共図書館で「読んで~」と子どもにせがまれるまま本を読んでやっていると、普通の子どもでも3千冊、本が好きな子どもなら1万冊以上の読書をすることになります。そのなかにつまらない本が混じってもいいのです。たくさん読んだなかには、子どもがワンシーンだけ、1ページだけ好きになる本もあれば、1冊丸ごと気に入ってしまうような完成度が高い本もあるでしょう。一方で、全然子どもの気に入らない本があるのも当然のことです。つまらない本を知らないと「この本はおもしろいんだな」ということがわかりません。子どもには膨大な時間がありますから、乱読することで感覚やものを見る目を養わせましょう。小さなお子さんを持つ親から「うちの子は同じ本ばかり破れるまで何度も読みます」という相談を受けることがありますが、それはとても良いことです。大人だって自分が好きで買った音楽のCDは何度も繰り返して聴くでしょう。好きな曲が終わると、わざわざ戻して好きな曲だけもう1回聴いたりするじゃないですか。曲が楽しいと思うのは、何回も聴いて覚え、歌えるようになってから、だと思いませんか?次にこのメロディが来る、この歌詞が来ると知っていて「来る来る来る、来た~!」というのが楽しいし、何度も聞くうちに最初は気がつかなかった細部まで理解が深まります。これは本でも同じこと。子どもたちは誰に教えられなくても、本能的に本の読み方を知っているのだと思います。繰り返し読むことで本を深く読み込むことができ、喜びも深くなることを知っているのです。ですから、そんなふうに何度も読みたい本が見つかったらラッキーですね。もちろんお気に入りができなくても心配はご無用。それは、子どもそれぞれの個性です。低学年で脳をじゅうぶんに耕すこれまでお話ししてきたように、子どもに読み聞かせをするときには、子どもの喜ぶ本を選んであげてほしいと思います。逆にいえば、読み手である親が「必要な本」「良い本」と感じる本は選ばないようにすることです。なぜなら、子どもに本を読んであげる一番大きな目的は「子どもを幸福にすること」、そしてもうひとつの目的は「子どもに本を好きになってもらうこと」だから。楽しくないけど必要な本を読むのは、もっと大きくなって本を好きになってからでもじゅうぶん間に合いますよね?そして、子どもには気がつかない大人の本のなかにも、子どもが喜ぶ本が案外あるものです。たとえばクジラが大好きなら、大人用のクジラの写真集を喜んでくれるでしょう。子どもに本を選ぶときには、「この本を読んでもらいたい」ではなく「これを見せたらあの子がどんなに喜ぶかしら」を基準にしてください。小さな頃は、偏った本の選び方をする子もいます。物語を読むのが嫌いな子どもを持った親御さんから、「うちの子は本を読むのが苦手で……」と相談されることがありますが、そのようなことで頭を抱える必要はありません。そういう子をよく見ると、たいてい図鑑などを好んで見ているもの。前回お話ししたとおり、本は内容で2種類に分かれます。1つは物語などの「空想系」の本、もう1つは現実に起きることが書いてある「リアル系」の本です。政治、芸術、スポーツ、自然科学、歴史、地理、産業など、本のうちの9割はリアル系ということになります。子どもに読書をさせるなら物語を読ませないといけない、と思っている親御さんが多いですが、そんなことはないんですよ。それに、必ずしも小説を好めば頭が良くなるというわけではありません。科学者は頭がいいグループだとは思いますが、彼らのなかには小説を読まない人たちも多くいます。(もちろん例外は常に存在するし、ジャンルによってもかなり違いますが。私の感覚では、物理学者は一番小説を読む人が少ないように感じています)特に、低学年のうちは図鑑が好きな子どもが多いですね。これはとても大切なことです。低学年は脳を耕している時期。いわば、種をまく前の畑の土に栄養をたくさん入れてふかふかにしている時期です。そのためには、何でも屋さんのように手当たり次第に雑学を入れなければならないと本能的に知っているのですね。また、低学年のうちは1つのものに1つの答えがあるものを好みます。答えがないようなもの、範囲の広いものは理解できないのです。図鑑のなかでは、1つの絵に対して1つの名称と解説が記されていて、解決できないことは基本的に載っていません。それから、子どもの知識に関する話題として、最近は知っている言葉の数が極端に少ない子どもが多いという報告があります。たとえば、小学1年生の体育で「足首を掴んで」と指導したら、「足首って、どこ~?」という騒ぎになった、という話がありました。言葉を増やすには、たくさんの言葉を「聞く」必要があります。誰だって、聞いたことのない言葉は覚えられません。ですから、小さいうちから大人がなるべく豊かな語彙力で話しかけてあげましょう。また、普段の生活で「見る」「試してみる」などの経験がなかなかできない自然科学などについては、テレビの科学番組が一番だと思います。ビジュアルを見ながら説明を聞くことができるので、新しい言葉も理解しやすいのです。育児や教育にテレビは害だという意見もありますが、見せたい番組を親が選ぶなど工夫して賢く利用するほうがいいでしょう。高学年になると図鑑は卒業?小学4年生くらいで図鑑に見向きもしなくなる子どもが増えはじめます。その頃になると前頭葉が発達してくるからです。前頭葉は感情をつかさどる部分なので、徐々に人の気持ちがわかるようになり、そちらに関心が向くのです。「自分とは違うけれど、こういう暮らしや生き方をしている人がいる」ということを理解できるようになると、物語や伝記などが読めるようになってきます。そうすると、読む本ややりたいことが変わってくるというわけです。子どもたちは成長の過程で本能的に、「この時期にはこれをして、これを会得しなければならない」と知っているかのように振る舞います。そして能力も変化していきます。赤ちゃんのころの驚異的な記憶力(これがあるから言語を習得できるわけです)や共感能力、耳から聞いたことで理解できるといった能力はだんだんと落ちていき、そのかわりに文字を読んで理解する能力、人の気持ちがわかる能力、客観的に見る能力などに取って代わります。低学年で耕した頭に、高学年から種をまきはじめて、実の収穫ができるようになるのは高校卒業くらいでしょうか。大きな実が収穫できるように、小さな頃に子どもの脳を知識と本でしっかりと耕してあげたいですね。***豊かな読書経験は子どもの将来への糧となることがわかりました。図書館をうまく利用して、日常的に本を手に取るようにしたいですね。子どもの読書量は親の読書量と比例するという調査結果が出ています。ぜひ親子一緒に図書館に出かけてはいかがでしょうか。『改訂版調べ学習の基礎の基礎』赤木かん子 著/ポプラ社(2011)■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月26日読み聞かせの絵本を探したり、子どもが調べ学習に利用したりするときに、図書館はとても便利な場所ですね。公共図書館は、地域の住民なら大人から子どもまで無料で利用できます。いつから、どんなふうに利用すれば良いのでしょうか?学校図書館の改革も進めている児童文学評論家の赤木かん子さんに、図書館の上手な使い方についてお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)図書館デビューは何歳から?子どもの図書館デビューは「0歳から!」です。生まれたらすぐに、子どもの名前で図書館カードを作ってあげてください。そのためには、妊娠する前でも後でもよいので、動ける間にお母さんがお近くの公共図書館に行って、どういうサービスが受けられるか聞いておくと良いですね。図書館には、0歳からでも楽しめる絵本がたくさんあります。『ぴょーん』(ポプラ社/作・絵まつおかたつひで)は、カエルやネコなどの動物がジャンプを繰り返す動きと擬音を楽しむ絵本です。見開きページを縦に使い、大胆でユニークな動物の動きを表現しています。読み聞かせをしてあげると、かなりの赤ちゃんが夢中になりますし、こういった本が図書館にはたくさんあります。小さいお子さんに本を読むときに大事なことは、大人の思い通りに聞かせようと頑張らないことです。子どもが「これがいい」といったら読んであげればいいし、「イヤだ」といったら本を閉じればいい。また、最初から最後まで必ず読まなければいけないということもありません。そのときの子どもの気持ちに沿ってあげることが大切です。図書館の分類を覚えると本探しが楽になる子どもが図書館で目的の本を探すときは、「分類」を知っておくと便利です。日本の図書館で使われている分類方法は、日本十進分類法(NDC)という方式。内訳は「0.総記、1.哲学、2.歴史、3.社会科学、4.自然科学、5.技術、6.産業、7.芸術、8.言語、9.文学」の10個です。一見、子どもが理解するには難しいような印象を受けますが、実は「分類」というのは3歳から7歳頃までにみられる遊びです。子どもは3歳くらいになると「分類ごっこ」と「定義ごっこ」をはじめます。よく小さな子どもが何度も「これなあに」と聞いてくることがありますが、それもこの遊びのひとつですね。ミニカーの中でも赤い車ばかりを並べてみたり、なにかを集めて自分なりの分類体系を作り、それを眺めて悦に入ったりするのが分類ごっこです。ですから、教えてあげれば理解することができますよ。低学年向けに調べ学習のやり方について書いた『本で調べてほうこくしよう』(ポプラ社)では、分類クイズのページをつくってあります。細かに分類されている書架の絵を見ながら、サメの本はどこに入るのか、かけ算の本はどこに入るのかなどを考えさせるものです。この分類をこと細かく覚える必要はありませんが、スーパーで買い物するときに「野菜はあそこだな、牛乳はあそこね」と考えるように、「こういう本はこの辺にあるな」ということをちょっと意識できるようになると、本を探すのが楽になります。もしも分類が分からない場合でも、今の図書館には検索機があります。それで見つからなければ図書館の人に聞いてください。忙しそうなのに悪いなぁ、と思わずに聞いていいのです。それは司書の仕事のひとつなのですから。“読書”で読む本は物語だけじゃない本は、小説や絵本などの「空想系」と、解説文や生活分野などの「リアル系」に分かれます。たとえば物語は「空想系」で、自然科学の図鑑は「リアル系」ですね。先ほどの日本十進分類法で分類する10項目のうち、「空想系」は“9.文学”の1項目だけで、残りの“0~8”は「リアル系」です。つまり、図書館はどちらかといえば「リアル系」の本がある場所といえるでしょう。図書館に来たら文学や小説を読むように子どもにすすめる親御さんもいますが、実は本来の図書館は、そのときに必要なリアルな情報を探しに行くところなのです。生まれたときからスマートフォンやコンピュータに囲まれて育った最近の子どもたちは、読書の傾向が昔と変わってきています。自然科学の本を好み、子どもっぽい本を嫌います。『世界で一番美しい元素図鑑』(創元社)は大人向けに作られた本ですが、小学校1年生の子たちからも借りられています。文化の違いが、読まれる本の違いに直結しているのです。大人の「読ませたい本」と子どもの「読みたい本」が違っているのは、こういった時代の違いという理由もあるからでしょう。子どもを本好きにするには、子どもの喜ぶ本を読ませることが一番です。もしも子ども用の図鑑に満足しない子がいたら、児童向けコーナーからではなく、大人の自然科学の棚から本を探してきてください。写真が大きくて美しい図鑑がたくさんあります。文字は、まだ読めなくてもいいのです。本物のビジュアルが伝えてくれる情報はとても多いのですから。まずはそこからです。『子どもを本嫌いにしない本』(大修館書店)は、「子どもには読書家ではなく、本を“使える”人になってほしい」という想いから書いた本です。子どもの成長に応じた本の選び方や、ゲームに夢中で本を読まない子どもへの対処法など、赤ちゃんから高校生までの子どもをもつ親御さんにはぜひ読んでいただきたい1冊です。***図書館には、季節ごとやイベントごとのおすすめ本を展示しているところもあります。また、「読み聞かせ会」や「おはなし会」が開催されている図書館もありますので、親子で参加してお気に入りの本を探すのも楽しいですね。静かな図書館で赤ちゃんが泣いたり子どもが騒いだりすると、周囲の迷惑にならないかと気になりますが、「赤ちゃんタイム」の時間や絵本の部屋を設けている図書館もあります。まずは最寄りの図書館に行ってみましょう。次回は、子どもに適した本の選び方についてお聞きします。『改訂版調べ学習の基礎の基礎』赤木かん子 著/ポプラ社(2011)■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月25日全国の学校をまわり、子どもたちにとって魅力的な学校図書館づくりをされている赤木かん子さん。ある学校図書館の改装を手掛けたときに、壁に貼られていた調べ学習のまとめの模造紙を目にしてショックを受けました。資料の出典が明記されていないなど、内容が曖昧なまま発表されていたのです。以来、正しい調べ学習の仕方や発表のまとめ方を小学校で指導していらっしゃいます。調べ学習のテーマが決まったら、次は実際に調べて結果をまとめます。調べ方や、参考文献の書き方、著作権といった子どもでも知っておかなければいけない調べ学習の基本を赤木さんに教えていただきました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)調べ学習は3つの方法で何かを「調べる」には、「人に聞く」「本やインターネットで調べる」「実際にやってみる」の3つの方法があります。小学校低学年は自分の暮らす地域について調べることが多いので、「本で調べる」のと同じく「人に聞く」のも経験することになります。家族や友だちだけでなく、地域の人を訪ねて話を聞くことも必要になるかもしれません。消防署や市役所など大きな公共施設では、まず受付に行って案内を請うことや、相手の都合を聞くことを教えておくのも大切。電話でアポイントを取らないと会えない人もいます。こういうことは子どもひとりでは判断がつきませんから、親御さんがアドバイスしてあげてください(埼玉福祉会から『ひとにきくってどうやるの?』という紙芝居三冊セットが出ています。図書館に頼んで買ってもらって、まずは大人が読んでみて、そのあとお子さんにも読んであげてください。ひとつひとつは簡単なことですが、子どもが自分で思いつくのは案外難しいものです)。小学校高学年になると、恥ずかしい気持ちが出てきて人前でしゃべれなくなってしまうこともあるので、無邪気な低学年のうちに「人に聞く」という体験を通じて、礼儀正しく大人に尋ねる練習をしておくと良いですよ。あらかじめ挨拶や質問、お礼の言葉などをカードに書かせて用意しておけば、人前で緊張しても間違えずに相手に伝えることができます。次に「本やインターネットで調べる」場合、インターネットでは最新情報が見つかりますが、事実かどうかまだわからないものも混ざっていることがありますね。逆に、本の中の情報の大部分は世界的に承認されていることですが、発行されるまでに時間がかかるので、情報は古いものになりがちです。つまり、インターネットはなにかおもしろいネタがないか探したいときに使い、詳しく調べるときは本を探すというように、使い分けることが大切です。学校では、全体のテーマを決めたらすぐにコンピュータで検索させるところがまだあるのですが、「インターネットの中の、誰が書いたかわからない、誰も責任を取ってくれない情報は、まとめや発表には使えない」ということは、一応お子さんに説明しておいたほうがいいでしょう。住所や名前が明記してある公共性のあるページの情報のみ使用できますので、必ずサイトの発信元を確認するように教え、その判断は小学生ではまだ難しいので、ときどき確認してあげてください。本で調べるためには図書館を利用するのが良いでしょう。公共図書館を利用するために、あらかじめ子どもの名前の利用カードを作ってください。カードを作るときに保護者のサインが必要なところも多いので、1回目は一緒に行き、カードを作ります。次に、図書館の本は分類毎に整理されているので、「だいたいどこになにがある」というのをお子さんと一緒に確認してください。公共図書館の中には、調べることを手伝ってくれる「レファレンス・サービス」を行なっているところもあるので、困ったときは司書に聞いても大丈夫。図書館でコピーをするときは、研究として使うときのみ図書館でのコピーが許され、本の半分を超えない範囲でひとり1部だけという著作権の決まりがあります。ルールを守って情報を集めましょう。自由研究の実験などは「実際にやってみる」に当たります。やってみるといっても、準備が必要ですから、充分な下調べをすることが大切ですね。また、最近ではさまざまな材料が手に入りますが、本格的な実験道具もあるので、親御さんは必ず危険を伴わないかを確認してください。子どもにも著作権を守らせる調べたことをまとめる際、まず子どもに伝えていただきたいのは、著作権についてです。下調べや研究の材料として調べるときは、ほかの人が書いた文章を丸写しにしても構いませんが、発表のときに自分が考えたことのように丸写しで書いてしまうと「著作権の侵害」という犯罪になってしまいます。日本では「教師が授業で使うときのみ!」著作権を免除されているのですが、子どもは一般人ですので著作権を守ることが必要です。ちょっと難しそうに見えますが、小学生には初級編として一番基本的なことをシンプルに伝えてください。たとえば、人が書いた文章は自分で短くまとめて「要約」すれば発表にも使うことができます。「要約」という言葉は難しいので、「文章全部じゃなくて、自分に必要なところだけをかけばいいんだよ」「人の書いたことをそのまままるで自分が書いたみたいに発表しちゃいけないんだよ」というように伝えるとわかりやすいですね。まずは3行程度にまとめさせて、それを自分の言葉に直してみるという2つの手順を踏むと、子どもでも要約をすることができます。そうして下調べするときには必ず、使った本の “題名“ とその情報が出ていた “ページ数” を書いておきます。これを「出典(しゅってん)」といいます。これはあとで、「参考文献リスト」を書くときに使いますので、絶対に忘れないように伝えましょう。引用と参考文献を正しく理解するどうしてもそのままの文章を使いたいときは「引用」をします。引用するときには、「これは私の書いた文章ではありません」ということをはっきりしめすために、引用したい文章に「」をつけ、後ろに(著者名「題名」出版社,出版年,引用ページ数)を記入します。低学年は著者名と出版社はまだ難しいので、題名とページ数だけでもよいでしょう。また、レポートの最後には必ず、使った本の出典を全部書き並べた、「参考文献リスト」をつけます。参考文献は必ず2冊以上書くのが決まりです。なぜかというと、1冊しか書かないということは、その著者のいったことを検証しないで鵜呑みにした、ということになるからです。そのために、ほかの資料を探して、最初の資料と同じことが書いてあるかどうか確認するのです。このとき、同じ人が書いたものだと確認にはならないので(同じことが書かれているでしょうから)、気をつけてあげてください。子どもの発表だから大人の論文と同じような体裁は必要ないと思われる方もいらっしゃいますが、小さい頃から正しい書き方を学ぶのは非常に大切なことです。『本で調べてほうこくしよう』『調べ学習の基礎の基礎』(ポプラ社)などの調べ学習に関する本も参考にして、正しいレポートを書かせてあげてください。***子どもの発表でも、大人のレポートと同じようなルールを守らなければならないことがわかりましたね。調べた内容が濃くなることはもちろん大事ですが、まずはきちんとしたルールで書くことのほうが初心者には大切なのです。次回は親子で利用したい図書館の使い方についてお聞きしています。お楽しみに。■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由(※近日公開)第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月23日最近の学校では、学習教科や自由研究などさまざまな場面で、アクティブラーニングの一環としての「調べ学習」が取り入れられています。でも、親世代にはあまり馴染みがないので、どうサポートすれば良いのか戸惑う方も多いかもしれません。調べ学習についての基本的な知識とテーマの見つけ方について『調べ学習の基礎の基礎』(ポプラ社)などの本を数多く書いていらっしゃる赤木かん子さんにお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)「調べ学習」は、生き抜くためのツールを手に入れる訓練調べ学習の目的は、単に子どもが「何かを調べられるようになる」ことではありません。子どもたちには、将来成長して社会に出て、親にも先生にも頼れなくなったとき、問題だということを認識でき、何が問題なのかを突き止め、必要な情報を収集し、解決できる人になってほしい!調べ学習は、つまり生き抜くためのツールを手に入れる訓練なのです。これからの社会では、“イノベーション” を起こす能力が求められます。“イノベーション” とは、AとBというまったく違う2つのものをドッキングさせて、新たなCというものを作り出すこと。このイノベーションをするには、いますぐ直接には役に立たない知識を豊富に持っていることと、必要な情報を検索できる能力の両方が必要になります。知らないことはドッキングできませんから。情報収集をして、自分の目的を導き出し、さらに新しいものに組み立てていく能力を育成するために、調べ学習をするんです。小学校の3年生くらいまでは、しっかりした知識の土台作りの期間です。本物の論文を書くには世界の誰もが知らなかったこと、つまりオリジナリティが必要ですが、小学生はもうすでに誰かがクリアした謎(ですからこの答えは本に書いてあるわけです)の答えを探しだし、「わかった!」と満足できればいい。大人は本物の論文を知っていますから、最終的に完成したものに目を向けがちですが、それは泳いだことのない子に25メートル泳げ、といっているようなものです。まずは水に浮こう、次は蹴って5メートル進もうね、次はバタ足……、というように順番に練習すれば泳げるようになる。同じように、調べ方も順番に覚えていけばできるようになります。小学生の調べ学習では、途中経過を確かめながら知識の土台作りに目を向けてあげましょう。テーマが見つかる、決められる!「3つのキーワード」手法調べ学習を始めるとき、一番最初に悩むのは、「謎」「テーマ」を何にしようか、ということでしょう。でもこれには簡単なやり方があるのです。まずは3つのキーワードを決めます。先生が「食べものについて調べなさい」と指示したのなら、1つ目のキーワードはもちろん「食べもの」になりますね。次に「食べもの」に関係した言葉で、より範囲の狭い言葉を決めます。たとえば、食べもののなかの「野菜」にしよう。これが2つ目のキーワード。さらに子ども自身が大好きな「トウモロコシ」にしよう、と決めれば3つ目のキーワードができます。そうしてそのあとに、「いつ?」「どこで?」「なにが?」「どうした?」「なぜ?」「いくつ?」の疑問の1つをくっつけます。たとえば、同じ「いつ?」でも“食べ物のなかの野菜のトウモロコシはいつできますか?”“いつ日本に入ってきたのですか?”“いつから人類はトウモロコシをたべているのですか?”と、いくつも考えることができますね。このやり方を知っていれば、テーマを決めるのに苦しむことはなくなります。子どもにも説明してあげましょう。しかし、こうやっていつも自分の知っている知識だけでテーマを決められるとは限りません。もしも先生が「縄文時代について調べなさい」と言ったら、もともと縄文時代の知識がないとお手上げですね。となると、これはいうなれば調べ方の中級編……。中級編は「百科事典を引いて、基本の知識を知ろう」です。最初のキーワードの「縄文時代」を百科事典で引くと、そこには詳しい解説文が書いてあるので、その文中から2つ目のキーワードを選ぶことにすれば簡単ですね。同時に基礎知識も頭に入るので、その後の調べ学習にも役立ちます。3つ目のキーワードは、さっきの “?” がつく言葉を選びます。2番目のキーワードが「土器」だったら、3番目は「どうやって作るの?」「だれが発見したの?」「どんな模様がついてるの?」など、いくらでも考えられますね。百科事典は答えを調べるためだけてはなく、テーマを決めるためにも使うのです。さらに上級編としては、「百科事典で概略がわかったら、その次の段階で専門書やネットで調べて、さらに細かい知識を増やす」ということになります。夏休みの自由研究のように、先生の指示が何もなく自分でテーマを決める場合、子どもにどれだけ雑学が入っているかがポイントになります。それまで聞いたことも見たこともない言葉を、思いつくことはできないからです。さまざまな雑学を入れるには学習まんがを読むと良いでしょう。『名探偵コナンの学習まんがシリーズ』(小学館)は、地理や物理などの難しい知識もわかりやすく学べるので大変おすすめですよ。テーマは途中で変えてもいいでも、実は最初に決めたテーマは “仮の” テーマです。本当にそれを研究できるのかというのは、実際にやってみないとわかりません。調べてみようとしても資料を手に入れるのが難しいものや、実験をやってみようとすると多額の費用がかかるものもあります。もしかしたら、調べているうちにもっとおもしろそうなテーマを思いつくこともあります。難しそうだなと思ったら、テーマを変えるように促してあげると良いかもしれません。次のテーマは最初のテーマに関連したものを選べば、一からやり直す必要がなく、スムーズに移行できるはずですよ。***大きなテーマのままでは調べる範囲が広くて大変ですが、3つの言葉でピンポイントに絞ればその部分を深掘りすることができますね。テーマに迷ったときには、子どもが興味を持って取り組めるように、普段から好きな分野について調べることを提案してあげてはいかがでしょうか。次回は、子どもが実際に調べて、まとめる方法をお聞きします。■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編(※近日公開)第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由(※近日公開)第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月22日「入院はしていましたが、頭はしっかりしていて、亡くなる前日まで家族と会話をしていました」涙声で語るのは、赤木春恵さん(享年94)の孫で俳優の野杁俊希さん(29)。『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の姑役で親しまれた赤木さんが東京都府中市の病院で逝去したのは11月29日のこと。1カ月ほど前から徐々に体力が低下し、最期は眠るように旅立ったという。生前の赤木さんが“私の宝物”と呼んでいた俊希さんは言う。「祖母は最近、こんな言葉をかけてくれていました。『あせらないで、お芝居も人生も、あせってもいいことはないから。そして、何があってもくじけないでね』。亡くなる直前まで何回も言ってくれたのですが、祖母と同じように役者の道を歩んでいる僕へ、先輩として遺してくれた言葉なのだと思います」赤木さんの長女・野杁泉さんによれば、10月31日に赤木さんが「いま、みっちゃんが“あやちゃん”って来たの」と語ったという。赤木さんの本名は小田章子、そしてソウルメイトとも呼んでいた森光子さん(享年92)は村上美津。2人は本名で呼び合っていた。「母は『みっちゃんと潮を噴き上げる魚の話をしたの』と、言っていました。森光子さんとはハワイでホエールウォッチングをしたこともあるそうで、夢の中のことだと思いますが、その思い出話を2人でしたというのです」(泉さん)赤木さんが森さんと出会ったのは’40年、慰問団(※戦地の兵士たちを慰問するための演芸派遣団)のトラックの上だったという。赤木さんは本誌に2人の友情についても語っていた。《森さんとは、目を見ただけでお互いの心と心が通い合う。私にとって森さんは、この世に二人といない“心の友”です》(本誌’11年10月11日号)夢での語らいは、旅立ちが近づいてきた赤木さんのために、天国からソウルメイトの森さんが訪れたということなのかもしれない。赤木さんの葬儀・告別式は12月4日に営まれた。葬儀委員長を務めたプロデューサーの石井ふく子さん(92)は言う。「生前、赤木さんからは“私の葬儀は取り仕切ってね”と言われていたのです。赤木さんの“夢”ではハワイのお話も出たそうですが、赤木さんも森さんもハワイがお好きで。私も、よくお2人を現地でお見かけしました。共演舞台の休憩時間にはお2人でずっと話し込んでいましたし、舞台終了後にはいつも手をつないで、食事に出かけていましたね。12年に森さんが逝去された後は、赤木さんはベッドサイドに、2人で撮った写真を飾っていました」天国で赤木さんは、迎えに来てくれた森さんと、思い出話に花を咲かせていることだろう。
2018年12月06日赤木春恵さんが11月29日、心不全のために亡くなった。94歳だった。赤木さんといえば、90年から続くドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)シリーズの姑・キミ役が有名。泉ピン子(71)演じる嫁・五月を振り回す役柄で、その強烈なキャラクターをお茶の間に届けた。いっぽう本来の赤木さんは、キミとは真逆のおっとりとした優しい性格。そのため当初キミを演じることに抵抗があったと、01年9月本誌に明かしていた。「あまりに自分の性格とキミが違いすぎるんですよ。イヤだな、こんなセリフは言いたくないな、みたいな連続でした。最近はようやく割り切って“これはお仕事だから”と思うようにしていますが、でも絶えず自分のなかでは葛藤があります」あるとき、キミの孫娘が「大学へ行きたい」というシーンがあった。「女の子は嫁に行くんだから大学になんか行く必要はない」と赤木さんは返すはずだったが、そのセリフだけどうしても覚えることができなかったという。カンペを使うことで、なんとか演じきることができたようだが――。「こんなことは長い女優生活で初めてのことだったので、心配になってお医者さんに診てもらったんです。そしたら、ボケたんじゃなくて“拒絶反応”みたいなものが出たんだろうって。自分でもわからない心の底のところで、どうしても言いたくないと思っているセリフだったらしいんです(笑)」絶えずキミを演じることに葛藤していたという赤木さん。「渡る世間」シリーズを卒業したのち、11年10月本誌にこう語っていた。「これからは、寡黙で優しいお母さん、おばあちゃんの役ができたらいいなと思います。亡くなるときに『赤木春恵という人は、いい人だった』と思われて死にたいですからね(笑)」赤木さんの大らかな優しさに、「渡る世間」シリーズの脚本家・橋田壽賀子(93)も感謝しているようだ。各スポーツ紙によると橋田は、赤木さんの訃報を受け「赤木さんの優しい人柄に接したおかげで、彼女の役を深く掘り下げて書くことができました」とコメント。続けて「優しさと厳しさと同時に表現できるけうな女優さんです。もうこんな女優さんは出てこないと思います」(原文ママ)と、その死を惜しんだという。赤木さんの優しさは、これからもみんなの胸に刻まれ続けることだろう――。
2018年11月29日エディターであり古書店&ギャラリーを営みながら、1歳半の男の子を育てている赤木真弓さん。 <前編>赤木さんの「やさしさのヒミツ」 に続いて<後編>では、息子の温くんのために愛をこめて選んだという、こだわりの「子育てアイテム」をご紹介します。赤木真弓さん / 息子さん:温(おん)くん(1歳半)ライター、編集者。横浜のショップ「greenpoint books & things」店主。旅好きユニット「auk(オーク)」としても、雑誌の記事や本作りを行っている。著書に『ラトビア、リトアニア、エストニアに伝わる温かな手仕事』(誠文堂新光社)、共著に『ブルックリン・ネイバーフッド』、『オランダ・ショート・トリップ』(ともにスペースシャワーネットワーク)ほか。 やさしいママのモノ選び:手づくりや、素朴で安心素材のおもちゃを選ぶ赤木さん夫婦のお部屋にいると、なぜかついついリラックスしてしまいます。足場板を使ったフローリング、ヴィンテージの家具、蚤の市で見つけた置物など、ひとつひとつに二人の“好き”が感じられるからでしょうか。「新品より、味のあるものが好きなんです。アーティストの友人が作った手作りのモノや絵画など、ここにあるのは趣味で選んだものばかり。子どもができてからは、おもちゃも増えましたが、やっぱり手作りのものを与えて、その感覚を伝えたいと思うんです」赤木さんが子どものために作ったというお手玉は、あずきを布で包んだオリジナルのもの。手にした時の感触も、心地よいおもちゃです。「木の積み木は友人からの贈り物。minä perhonenのデザインで、色使いが気に入っています。積み木は子どもの脳の刺激にもよいと言われていますが、ナチュラルな素材ややさしい色彩の感触は、子どもの五感にもよい刺激になるのではと思います。いつか、子どもがもう少し大きくなったら、一緒に美術館にいって、いい刺激をたくさん吸収して欲しいんです」 やさしいママのモノ選び:「せいろとホーローバット」でつくるシンプルなおやつとごはん温くんのご飯は、野菜中心のヘルシーごはん。「せいろを使って、ごはんも野菜も全部蒸して作ります。おかゆもすべて一緒に作れるので、せいろは重宝しています。蒸した野菜は軽く塩をふってオリーブオイルをかけるだけ」 野菜好きの温くんは、お皿一杯の野菜も、ぱくぱく平らげてしまいます。お菓子も、できる限り手作りにしたいと心がけているそう。「最近、よく作るのはホーローバットを使った簡単デザート。バターを使わずに作るホーローバットのショートブレッドなどは、子どもも大好きです。味付けはきび糖と塩だけのシンプルなものですが、全粒粉を使っているので噛みごたえもあります。他にプリン、アイスなど、ホーローバットで簡単に作れるんです」赤木さんが食べ物にこだわるには理由があります。「子どもの健康を考えたら、やっぱりカラダにやさしい食べ物を手作りするのが一番。味覚は子どものうちに育つといいます。工夫次第で簡単に作れますから、仕事しながらでも手作りご飯にはこだわっています」 やさしいママのモノ選び:使うほど好きになる、自然派の「ヤシノミ洗剤」シリーズお子さんの五感を大切にしたり、肌にやさしい自然素材を選んだりと、「やさしさ」にこだわってモノ選びをしている赤木さんに、“人と地球にやさしい” 「ヤシノミ洗剤」シリーズ3点を体験してもらいました。「今まで、自然派洗剤ってあまりきれいに落ちないんじゃないかと心配していましたが、ヤシノミ洗剤は泡立ちがよく、食器もきれいに洗浄できますね。片手でワンプッシュで使えるのも、使いやすいです。キッチンに置いても絵になるボトルデザイン。コレだったら継続して使いたいなと思いますね」子どもたちの集う本屋さんを夢見て「子どもと一緒に過ごすことで、仕事の価値観も変わってきました」という赤木さん。これまでは自分の好みで、本も、雑貨も選んできたけれど、子どもができてからは、「子どもに喜んでもらえるもの」というものの見方をするようになったそう。「子どもがもう少し大きくなったら、私のお店、greenpoint books & thingsも変わっていくと思います。近所の人たちが集う商店街にある本屋ですから、いつか子どもたちが学校帰りに『ただいま』『遊びに来たよ』と立ち寄ってお店にくるようになったら、嬉しいですね。子どものうちにいろんな本を見て、刺激を受けて、視野を広げてくれるようになって欲しいと願っています」取材/文:東ミチヨ 撮影:林ひろし[PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】
2016年08月30日「やさしいママのヒミツ」第一回目は、エディターであり古書店&ギャラリーを営みながら、1歳半の男の子を育てている赤木真弓さんです。赤木真弓さん / 息子さん:温(おん)くん(1歳半)ライター、編集者。横浜のショップ「greenpoint books & things」店主。旅好きユニット「auk(オーク)」としても、雑誌の記事や本作りを行っている。著書に『ラトビア、リトアニア、エストニアに伝わる温かな手仕事』(誠文堂新光社)、共著に『ブルックリン・ネイバーフッド』、『オランダ・ショート・トリップ』(ともにスペースシャワーネットワーク)ほか。 悩みながらもたどり着いた自分らしい子育て、愛を込めて選んだわが子のための厳選アイテムとは? <前編>では、赤木さんの「やさしさのヒミツ」に迫ります。■「絵本」がつなぐ、ママと子どもの大切な時間ひだまりで、ほっこり。子どもと一緒に絵本を読みながら過ごす赤木さん。使い古されたテーブルや、木の温もりがやさしい家具、雑貨など、まるで外国のカフェみたいな和み空間は、書店オーナーの赤木さんならでは。「子どもの頃から本が好きでした。いつか自分の店を持ちたいと思っていましたが、ご縁があり、今は横浜の商店街でギャラリーを併設した書店を営んでいます」昔ながらのお店が今も立ち並ぶ商店街、山元町商店街で、国内外の古書と雑貨を扱うお店「greenpoint books & things」を経営する赤木さん。パリの古本屋さんみたいなお店の感性は、お家のインテリアやキッチンにも生かされています。■おやすみ前の「絵本遊び」で、仕事の疲れも癒される「子どもが生まれる前から、絵本が好きだったんです。絵本ならではの独特の色彩感覚や、シンプルな物語は、眺めているだけでも楽しいですよね。でも子どもが生まれてからは、『どんな本だったら喜んでくれるかな?』と選ぶ基準が変わりました。息子は、気に入った本があると、自分から『ママ、読んで』と言わんばかりにカゴから絵本を持ってきてリクエストするんです。まだ文字は読めない年齢ですが、そのときどきに好きな本があるみたいで」うちの猫、どれ? の問いに大はしゃぎしながら、絵本の猫を指さす1歳半の温(おん)くん。猫の絵本はお気に入りのひとつです。「お風呂上がりの、お休み前のちょっとした時間が絵本タイムなんですが、それは息子とコミュニケーションを楽しむ大切な時間。仕事の疲れも癒されます」そんな温くんとの大切な時間に寄り添うのが、やさしい肌触りのベビー服やタオル。「子どもの洋服やタオルに限らず、家族のお洗濯にはできるだけ肌にやさしい洗剤を使いたいと思っていたんです。だから、植物性で余計なものが入っていないヤシノミの洗濯用洗剤と柔軟剤は、発売された時から気になっていました。洗濯用洗剤は、一般的な洗剤となんら遜色ない洗浄力で不満はありませんし、特に気にいったのは柔軟剤です」「ヤシノミ柔軟剤でふっくら仕上げたベビー服やタオルは、無香料でナチュラルな感触が心地よく感じられます。うちには息子のほかに猫もいますので、香料のない柔軟剤をずっと探していたんです。今までの柔軟剤は、香りが強いものばかりで、子どもの洗濯には使えませんでしたから。これは余計な添加物が入っていないので、子どもの肌に触れても安心ですね。子どもにも動物にもやさしい点が、気に入っています」 ■自分の時間を作ると、子どもにやさしくなれる仕事をしながら子育てする赤木さんにとって、温くんと一緒に過ごす時間は、大切な時間。朝8時半に保育園に送り出したあと、9時から4時まで家事、仕事をこなし、夜の5時から8時半までは子どもの時間。一緒にご飯をたべたり、お風呂に入ったり、遊んだり。「以前は子育てに一生懸命になって、子どもとずっと一緒に過ごしていましたが、保育園に預けるようになってから、私自身、変わりました。いくらかわいい子どもとはいえ、ずっと一緒にいると、イライラしたり、疲れたりってありますよね。でも少し離れることで、愛おしい存在に思えて、少々のわがままも受け入れてあげようという心の余裕が生まれました。だっこしたり、愛情を注げるのも今のうちですしね」自分の時間をつくることで、子どもにもやさしくなれる。それが赤木さん流のやさしいママの秘密。「仕事をしたり、映画を見たり、友人とお茶したり。そういう何気ない自分の時間が、心の余裕となって、子育ても変わるということに気づきました」 ■「本」から学ぶ、 “都合のいい” 子育てそんな心の余裕を学んだのも、本から。「いくつもの育児本を読みましたが、本が言ってることはそれぞれ。だから自分にとって都合の良さそうなものだけを選んで、参考にしました」赤木さんが最近よく読んでいる本は、次の4冊。『子どもはみんな問題児』(新潮社)ぐりとぐらの作者、中川李枝子さんの書いた本。「そうか、子どもってみんなこうなんだ!」とおおらかな気持ちになれる本です。『毎日続くお母さん仕事』(後藤由紀子著/SBクリエイティブ)「静岡県・沼津市で雑貨店『hal』を営む、後藤さん流の家事や子育て術。まだ仕事と子育ての両立が上手くいかない私にとって、無理せず、頑張りすぎないという姿勢がとても参考になります。小学6年生まで抱っこして、愛情を注いでいたというエピソードは、私も真似したいと思います」ほかにも『チョッちゃんはもうじき100歳』(黒柳朝、黒柳徹子 著 / 主婦と生活社)、『子どもと一緒にスローに暮らすおかあさんの本』(藤田ゆみ 著 / アノニマスタジオ)などもおススメだそう。子育てに決まりはなく十人十色、自分らしいやり方を試行錯誤しながら楽しむ心の余裕があれば、働くママもいきいき暮らせそうですね。<後編>では、赤木さんが温くんのために愛をこめて選んだ「子育てアイテム」をご紹介します。 ※今回ご紹介した書籍・ 『ねこ ねこ こねこ』 ・ 『こねこのぴっち』 ・ 『ねこが いっぱい』 ・ 『子どもはみんな問題児』 ・ 『毎日続くお母さん仕事』 ・ 『チョッちゃんはもうじき100歳』 ・ 『子どもと一緒にスローに暮らすおかあさんの本』 取材/文:東ミチヨ 撮影:林ひろし[PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】
2016年08月29日